上記特許文献1に記載された回転用レバーを倍率調整リングに取り付けるには、ストラップを倍率調整リングの外周に沿う適切な長さに調整し、このストラップの自由端を回転用レバー本体のスロットに挿入して保持させる。続いて、ストラップを倍率調整リングに巻き付け、ストラップの反対側の端部に備えるネジ受けを、回転用レバー本体にネジにより固定する。このようにして、倍率調整リングに回転用レバーが取り付けられる。この際、倍率調整リングへの回転用レバーの取り付けが緩い場合は、再度ストラップの長さを調整し、しっかりと取り付けられるまで上述の作業を繰り返すことになる。
上記特許文献1では、回転体である倍率調整リングに回転用レバーを取り付けるには、ストラップの長さの調整、回転用レバー本体へのストラップの取り付け、及びネジの締め付け等の手間がかかる作業が必要となる。また、回転用レバーの取り付けに際して、部品数が回転用レバー本体、ストラップ、ネジと多くなり、回転用レバーの取り付け、及び取り外しが面倒となるだけでなく、保管時に部品の紛失等を招きやすい。本実施形態では、簡単な構成で回転体に容易に着脱可能な回転用レバーを提供するとともに、この回転用レバーを用いた回転体調整システム、光学システム、及びフィールドスコープを提供することを目的とする。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、図面においては各構成をわかりやすくするために、一部を強調あるいは簡略化して表している場合があり、実際の製品における構造又は形状、縮尺等が異なっている場合がある。なお、以下の実施形態において、「右」及び「左」は、説明を容易にするために用いている。また、一対の固定部とは、右固定部及び左固定部が一組として構成される固定部をあらわし、同様に、一対のつまみ部とは、右つまみ部及び左つまみ部が一組として構成されるつまみ部をあらわす。
[第1実施形態]
第1実施形態に係る回転用レバー及び回転体調整システムについて、図面を参照して説明する。図1(A)は、第1実施形態に係る回転用レバー20及び回転体調整システムSYS1の一例を示す正面図であり、図1(B)は、第1実施形態に係る回転用レバー20及び回転体調整システムSYS1の一例を示す右側面図である。図1(A)に示すように、回転体調整システムSYS1は、回転体10と回転用レバー20とを有する。回転用レバー20は、回転体10に対して取り付け可能及び取り外し可能、すなわち、着脱可能である。回転体10及び回転用レバー20のそれぞれについて説明する。
図2は、回転用レバー20が取り付けられる回転体10の一例を示す正面図、右側面図、左側面図、平面図、及び底面図である。回転体10は、図2に示すように、リング形状であり、不図示の軸部等に装着され、軸部等に対して回転軸Oを中心として回転可能である。回転体10は、外周11と、凹部12と、環状溝部13と、ネジ穴14とを有する。回転体10は、例えば、金属製であってもよいし、樹脂製であってもよい。外周11は、回転軸Oを中心とした回転体10の周面である。凹部12は、外周11に複数設けられている。この凹部12は、後述する回転用レバー20の固定部21の一部が差し込まれる部分である。
複数の凹部12のそれぞれは、回転体10の回転軸Oに沿って所定の長さで平行に設けられている(図1(B)参照)。複数の凹部12において、回転軸O方向の長さは同一であってもよいし、異なってもよい。凹部12のそれぞれは、回転体10の回転軸Oに向かって拡がるような、断面視において台形形状を有している。すなわち、凹部12のそれぞれは、外周11側に開口し、回転体10の回転軸O側に向かって開口よりも拡がった形状を有しており、底面121、内壁122、及び内壁123により形成されている。
なお、凹部12の形状は、図2に示すような台形形状であることに限定されない。また、凹部12の外周に沿った一方のみが回転体10の外周方向に拡がる形状であっても構わない。例えば、後述する回転用レバー20の固定部21である右固定部21R及び左固定部21Lに設けられた右凸部211R及び左凸部211L(図3参照)を係止する構成を有していれば、凹部12の形態は任意である。本実施形態において、凹部12は、回転体10の外周11において回転軸Oの方向に沿って溝状に形成されているが、溝状であることに限定されない。また、凹部12は、回転体10の回転軸O方向に形成された溝に限られず、回転体10の外周に沿った方向に形成された溝であってもよい。この場合、例えば、回転体10の外周の少なくとも一箇所に凸状の突起が形成され、その突起の両側に回転体10の外周に沿った方向に凹部12としての溝が形成されていてもよい。
複数の凹部12は、外周11において、回転軸Oを中心とする一周にわたって等間隔で設けられており、一部に間隔が広い部分が形成されている。この間隔が広い部分には、後述するネジ穴14が形成されている。なお、ネジ穴14が形成されない場合、複数の凹部12は、外周11において、回転軸Oを中心とする一周にわたって等間隔で設けられてもよい。なお、後述するが、回転用レバー20は、2カ所の凹部12を用いて取り付けられる。従って、凹部12は、所定の間隔で2カ所に設けられればよい。なお、3カ所以上に凹部12が設けられる場合、複数の凹部12のうち所定の間隔の2カ所の凹部12が選択されて用いられる。
環状溝部13は、回転軸Oを中心とする周回方向に設けられている。環状溝部13は、複数の凹部12の一端側に設けられ、複数の凹部12のそれぞれと接続されている。すなわち、環状溝部13の壁部13aは、凹部12の断面形状が切り欠かれた状態となっている。なお、回転体10において環状溝部13を備えるか否かは任意である。すなわち、回転体10は、環状溝部13を備えなくてもよい。
ネジ穴14は、例えば、不図示の軸部等に装着された回転体10を、軸部等に対して固定するために用いられる。ネジ穴14は、上記したように、凹部12同士の間隔が広い部分に形成される。ネジ穴14には不図示の固定ネジがネジ結合可能であり、この固定ネジを締めることにより固定ネジの先端で軸部等を押圧することができる。その結果、回転体10は、軸部等に対して固定されて回転が規制される(回り止めされる)。なお、回転体10においてネジ穴14を備えるか否かは任意である。すなわち、回転体10は、ネジ穴14を備えなくてもよい。また、ネジ穴14は、凹部12が形成されている箇所に設けられ、凹部12を貫通するように形成されていてもよい。
回転体10が適用される態様としては、例えば、カメラレンズのピント合わせ用又は倍率調整用のリング、フィールドスコープのピント合わせ用又は倍率調整用のリング等がある。また、回転体10の内周面には、ネジ山が形成されてもよい。この場合、回転体10は、他のネジ軸とネジ結合し、回転することによりネジ軸の長手方向に回転しながら移動可能となる。このような回転体10は、例えば、締め付けネジとして用いられる。
図3は、回転用レバー20の一例を示す正面図、右側面図、左側面図、平面図、及び底面図である。回転用レバー20は、図3に示すように、固定部21と、操作部22とを有する。固定部21は、回転体10の複数の凹部12のいずれかに回転軸O方向に差し込まれて、回転用レバー20を回転体10に固定する部分である。固定部21は、例えば、左右一対として形成される。本実施形態では、固定部21は、右固定部21Rと左固定部21Lとを含む。すなわち、右固定部21R及び左固定部21Lは、一対の固定部21である。右固定部21R及び左固定部21Lは、操作部22の弾性変形により間隔を変更可能である。右固定部21R及び左固定部21Lの詳細については後述する。
操作部22は、弾性体を有し、かつ左右一対の固定部21を接続する。すなわち、操作部22は、右固定部21Rと左固定部21Lとを接続する(連結する)。操作部22は、つまみ部221と、基部222とを有する。つまみ部221は、例えば、左右一対として形成される。つまみ部221は、右つまみ部221Rと左つまみ部221Lとを含む。すなわち、右つまみ部221R及び左つまみ部221Lは、一対のつまみ部221である。右つまみ部221Rは、右固定部21Rに接続されている。左つまみ部221Lは、左固定部21Lに接続されている。
右固定部21R及び左固定部21Lは、それぞれ右つまみ部221R及び左つまみ部221Lに保持されることにより、一定の間隔で弾性的に保持される。右固定部21R及び左固定部21Lが互いに離れるように弾性的に保持される場合、この一定の間隔は、上記した回転体10の複数の凹部12のうちから選択される2つの凹部12の間隔より大きく設定されている。一方、右固定部21R及び左固定部21Lが互いに近付くように弾性的に保持される場合は、この一定の間隔は、上記した回転体10の複数の凹部12のうちから選択される2つの凹部12の間隔より小さく設定されている。なお、本実施形態では、固定部21と操作部22とが一体に形成されている例を示しているが、この形態に限定されない。例えば、固定部21と操作部22とが別に形成され、操作部22に固定部21が取り付けられる(例えば、接着、ネジ止めなど)形態であってもよい。
基部222は、例えば、板状部材が弧状に曲げられて形成されている。なお、基部222は、板状部材が弧状に曲げられことに限定されず、例えば、板状部材が折り曲げられて形成されてもよい。基部222には、右つまみ部221Rと左つまみ部221Lとがそれぞれ接続される。すなわち、基部222は、右つまみ部221Rと左つまみ部221Lとを連結する。基部222は、弾性を備える弾性体である。なお、本実施形態では、操作部22として、つまみ部221と基部222とが一体に形成されているが、この形態に限定されない。例えば、つまみ部221と基部222とが別に形成され、基部222につまみ部221が取り付けられる(例えば、接着、ネジ止めなど)形態であってもよい。
また、操作部22において、基部222は弾性を備えているが、基部222とつまみ部221とを併せて弾性が付与される形態であってもよい。また、操作部22において、基部222は弾性を備えず、つまみ部221において弾性を付与する形態であってもよい。基部222(つまみ部221を含む)は、例えば、金属又は樹脂の板状部材が用いられることにより弾性が付与されている。例えば、基部222が金属の板状部材で形成され、つまみ部221が樹脂で形成されてもよいし、つまみ部221が金属の板状部材で形成され、基部222が樹脂で形成されてもよい。また、基部222(つまみ部221を含む)は、樹脂の中に金属を埋め込んで弾性を付与した形態であってもよい。なお、基部222及びつまみ部221のいずれか一方はゴム材で形成されていてもよく、また、基部222はワイヤ(棒)状の弾性を備える弾性体で構成されていてもよい。
また、基部222の板幅及び板厚の寸法の少なくとも一方は、つまみ部221の板幅及び板厚と同一又はほぼ同一であるが、基部222とつまみ部221とで板幅及び板厚の寸法が異なってもよい。基部222又は、つまみ部221に弾性が付与されている場合、基部222又は、つまみ部221の板幅及び板厚の少なくとも一方を変更することにより、回転用レバー20の固定部21を回転体10の凹部12に差し込んだ時に、固定部21が凹部12を押し付ける弾性力を自由に変えることができる。また、本実施態様では、右つまみ部221Rと左つまみ部221Lとが対称の形状であることを例に挙げて説明しているが、この形態に限定されない。例えば、右つまみ部221Rと左つまみ部221Lとが非対称の形状であってもよい。
右つまみ部221R及び左つまみ部221Lのそれぞれの内側には、相対する側に向かって突出するように間隔保持部24が設けられている。間隔保持部24は、例えば、左右一対として形成される。間隔保持部24は、右間隔保持部24Rと、左間隔保持部24Lとを含む。なお、右間隔保持部24R及び左間隔保持部24Lは、一対の間隔保持部24とあらわす場合がある。右間隔保持部24Rは、右つまみ部221Rに設けられる。左間隔保持部24Lは、左つまみ部221Lに設けられる。右間隔保持部24Rと左間隔保持部24Lとの間には、隙間が形成されている。間隔保持部24は、例えば、使用者がつまみ部221を把持して右つまみ部221R及び左つまみ部221Lの双方を内側に押して両者を近づけた際、右間隔保持部24Rと左間隔保持部24Lとが当接し、それ以上は押せない状態となる。
その結果、右固定部21Rと左固定部21Lとの間隔は、使用者による把持前の状態から狭くなった状態で保持される。右固定部21Rと左固定部21Lとの狭くなった間隔は、回転体10に設けられている複数の凹部12のうちの2つの凹部12の間隔と同一又はほぼ同一となるように設定されている。すなわち、間隔保持部24は、使用者によりつまみ部221を把持した際に、右固定部21Rと左固定部21Lとの間隔を、2つの凹部12の間隔と一致又はほぼ一致させるために設けられている。
なお、本実施態様では、間隔保持部24として右つまみ部221R及び左つまみ部221Lにそれぞれ右間隔保持部24R及び左間隔保持部24Lが設けられる形態を例に挙げて説明しているがこの形態に限定されない。例えば、右つまみ部221R及び左つまみ部221Lのいずれか一方に間隔保持部24が設けられる形態であってもよい。例えば、右つまみ部221Rの内側に、左つまみ部221Lの内側に向けて突出する間隔保持部24が設けられてもよいし、左つまみ部221Lの内側に、右つまみ部221Rの内側に向けて突出する間隔保持部24が設けられてもよい。このような形態であっても、間隔保持部24と右つまみ部221R又は左つまみ部221Lとの間に隙間を設けることにより、右固定部21Rと左固定部21Lとの狭くなった間隔を保持することができる。
また、本実施態様では、右間隔保持部24Rと左間隔保持部24Lとが対称の形状である形態を例に挙げて説明しているが、この形態に限定されない。例えば、右間隔保持部24Rと左間隔保持部24Lとが非対称の形状であってもよい。また、回転用レバー20において、間隔保持部24を備えるか否かは任意である。すなわち、回転用レバー20は、間隔保持部24を備えなくてもよい。また、右間隔保持部24R及び左間隔保持部24Lと、右つまみ部221R及び左つまみ部221Lとが別に構成され、右間隔保持部24R及び左間隔保持部24Lの少なくとも一方が右つまみ部221R及び左つまみ部221Lの少なくとも一方に取り付けられ(例えば、接着、ネジ止めなど)てもよく、右間隔保持部24R及び左間隔保持部24Lと、右つまみ部221R及び左つまみ部221Lとが一体に形成されていてもよい。例えば、右つまみ部221R及び左つまみ部221Lを形成している板状部材の一部を相対する側に折り曲げることで、右間隔保持部24R及び左間隔保持部24Lのいずれか一方を形成してもよい。
右固定部21R及び左固定部21Lのそれぞれは、凸部211と、支持部212と、を有する。凸部211は、固定部21のうち、回転体10の凹部12に対して回転軸O方向に差し込まれる部分である。凸部211は、右固定部21Rに設けられる右凸部211Rと、左固定部21Lに設けられる左凸部211Lとを含む。なお、右凸部211R及び左凸部211Lは、一対の凸部211とあらわす場合がある。右固定部21R及び左固定部21Lが互いに離れるように弾性的に保持される場合、右凸部211R及び左凸部211Lは、右固定部21R及び左固定部21Lが相対する側と反対側に設けられている。右凸部211R及び左凸部211Lは、回転軸O方向から視て同一又はほぼ同一の形状に設けられている。なお、本実施態様では、右凸部211Rと左凸部211Lとが同一又はほぼ同一の形状である形態を例に挙げて説明しているが、この形態に限定されない。例えば、右凸部211Rと左凸部211Lとが異なる形状であってもよい。右凸部211R及び左凸部211Lは、それぞれ回転体10の凹部12に差し込まれた際に、回転体10の回転軸Oに対して放射方向Pに抜けることなく凹部12に係止される。
本実施形態では、右凸部211R(左凸部211L)は、下端に向かって幅が拡がる台形状に形成され、その幅の両側にそれぞれ形成されている。すなわち、回転軸O方向から視た2つの右凸部211R(左凸部211L)の幅は、同じく回転軸O方向から視た凹部12の開口部の幅より大きく設けられている。その結果、右凸部211R(左凸部211L)が凹部12に差し込まれた際、回転軸Oを中心とした放射方向に右凸部211R(左凸部211L)が凹部12に係止され、回転体10に取り付けられた回転用レバー20が回転軸Oを中心とした放射方向に外れるのを規制している。
また、本実施形態では、右固定部21R及び左固定部21Lのそれぞれは、右つまみ部221R及び左つまみ部221Lの下端から回転軸Оに沿った一方向に延びて設けられている(図1(B)では紙面の左方向に延びて設けられている)。従って、右凸部211R及び左凸部211Lも、右固定部21R及び左固定部21Lにおいて回転軸Оに沿った一方向に延びて設けられている。また、右凸部211R及び左凸部211Lは、操作部22の弾性変形によって右固定部21R及び左固定部21Lが移動する平面H(図3参照)に垂直な方向に延在している。このように、右凸部211R及び左凸部211Lが回転軸Оに沿った一方向に延びて設けられることにより、凹部12に係止された状態を確実に維持することができる。なお、右固定部21R及び左固定部21Lの形態は、図示した形態に限定されず、例えば、右固定部21R及び左固定部21Lがつまみ部221の下端から回転軸Оに沿った両方向に延びて設けられてもよい。また、本実施形態では、右固定部21R(左固定部21L)と右凸部211R(左凸部211L)とが一体に形成されている例を示しているが、固定部が板状部材で形成されている場合、板状部材を折り曲げて右固定部21R(左固定部21L)と右凸部211R(左凸部211L)を形成してもよい。一方、この形態に限定されず、例えば、右固定部21R(左固定部21L)と右凸部211R(左凸部211L)とが別に形成され、右固定部21R(左固定部21L)に右凸部211R(左凸部211L)が取り付けられる(例えば、接着、ネジ止めなど)形態であってもよい。
支持部212は、凸部211が凹部12に差し込まれた際、回転体10の外周11に当接する(面接触する)部分である。支持部212は、右固定部21Rに設けられる右支持部212Rと、左固定部21Lに設けられる左支持部212Lとを含む。なお、右支持部212R及び左支持部212Lは、一対の支持部212とあらわす場合がある。右支持部212R及び左支持部212Lは、回転軸O方向から視て同一又はほぼ同一の形状に設けられている。なお、本実施態様では、右支持部212Rと左支持部212Lとが同一又はほぼ同一の形状である形態を例に挙げて説明しているが、この形態に限定されない。例えば、右支持部212Rと左支持部212Lとが異なる形状であってもよい。
右凸部211Rが凹部12に差し込まれた際、この右凸部211Rと右支持部212Rとで回転体10の一部を挟んだ状態となる。同様に、左凸部211Lが凹部12に差し込まれた際、この左凸部211Lと左支持部212Lとで回転体10の一部を挟んだ状態となる。その結果、回転体10に取り付けられた回転用レバー20のがたつきを防止することができる。なお、右支持部212R及び左支持部212Lが設けられるか否かは任意である。すなわち、右支持部212R及び左支持部212Lの一方又は双方は設けられなくてもよい。
また、右固定部21R及び左固定部21Lのそれぞれには、ロック部25が設けられている。ロック部25は、例えば、左右一対として形成される。ロック部25は、右ロック部25Rと、左ロック部25Lとを含む。なお、右ロック部25R及び左ロック部25Lは、一対のロック部25とあらわす場合がある。右ロック部25Rは、右固定部21Rの右凸部211Rにおいて、差し込み側の端部から外側に突出して設けられる。左ロック部25Lは、左固定部21Lの左凸部211Lにおいて、差し込み側の端部から外側に突出して設けられる。右ロック部25Rは、右凸部211Rと同じ方向に突出し、右凸部211Rよりもさらに突出している。左ロック部25Lは、左凸部211Lと同じ方向に突出し、左凸部211Lよりもさらに突出している。右ロック部25R及び左ロック部25Lのそれぞれは、回転軸O方向の長さが回転体10の環状溝部13の幅より短い。
上記したように、右固定部21R及び左固定部21Lが互いに離れるように弾性的に保持される実施形態では、回転用レバー20の右固定部21Rと左固定部21Lとの間隔は、回転体10の複数の凹部12のうちから選択される2つの凹部12の間隔より大きく設定されている。この回転用レバー20が回転体10に取り付けられる際には、弾性体である基部222の弾性力に抗して右固定部21Rと左固定部21Lとが2つの凹部12の間隔に狭められる。この状態では、右固定部21R及び左固定部21Lには、基部222により互いに離れるように弾性力が付与される。
従って、右凸部211R及び左凸部211Lが凹部12に差し込まれて、右ロック部25R及び左ロック部25Lが環状溝部13に達した際(すなわち、右ロック部25R及び左ロック部25Lが凹部12から外れた際)、基部222の弾性力により右固定部21R及び左固定部21Lの間隔が拡がって、環状溝部13の壁部13aに係止された状態となる。その結果、回転用レバー20を差し込んだ方向と逆向きに移動させようとしても、右ロック部25R及び左ロック部25Lが壁部13aに係止される。
また、回転用レバー20を差し込んだ方向には、右ロック部25R及び左ロック部25L(右凸部211R及び左凸部211L)が環状溝部13における壁部13aと反対側の壁部に当たるため、移動が規制される。すなわち、右ロック部25R及び左ロック部25Lが環状溝部13内に位置する場合には、回転軸O方向に回転用レバー20の移動が規制された状態となる。このように、右ロック部25R及び左ロック部25Lは、回転用レバー20が不用意に回転体10から外れるのを防止するロック機構として作用する。
なお、使用者により、操作部22(右つまみ部221R及び左つまみ部221L)を挟んで右固定部21Rと左固定部21Lとの間隔を狭めることにより、右ロック部25R及び左ロック部25Lが壁部13aから外れるので、この状態で回転用レバー20を差し込んだ方向と逆向きに移動させて抜き取ることが可能となる。なお、本実施態様では、右ロック部25R及び左ロック部25Lが設けられる形態を例に挙げて説明しているが、この形態に限定されない。例えば、右ロック部25R及び左ロック部25Lのいずれか一方が設けられる形態であってもよいし、右ロック部25R及び左ロック部25Lの双方が設けられない形態であってもよい。
次に、図4から図8を参照にして、回転体調整システムSYS1において、回転体10に回転用レバー20を取り付ける方法及び取り外す方法を説明する。図4は、回転用レバー20が回転体10に取り付けられる前の状態を示す斜視図である。図4に示すように、回転体10は、対象物Xにおける回転部分に装着され、ネジ穴14にネジ結合する固定ネジを締めることにより、対象物Xの回転部分と一体で回転軸Oを中心として回転するように設けられている。回転用レバー20は、回転体10の凹部12の差し込み側に配置される。このとき、回転用レバー20の右凸部211R及び左凸部211Lの長手方向は、凹部12の長手方向(回転軸O方向)と平行になっている。
使用者が右つまみ部221R及び左つまみ部221Lを挟んでいない状態では、回転軸O方向から視て右固定部21Rと左固定部21Lとの間隔が2つの凹部12の間隔より広くなっているので、このまま回転用レバー20の右凸部211R及び左凸部211Lの双方を2つの凹部12に差し込むことはできない。
図5は、回転用レバー20を回転体10の凹部12に差し込むときの状態を、一部を拡大した図と併せて示す正面図である。図5の矢印で示すように、使用者が右つまみ部221R及び左つまみ部221Lを挟んで、右間隔保持部24Rと左間隔保持部24Lとが接触するまで内側に押し込むと、右凸部211Rと左凸部211Lとの間隔が2つの凹部12の間隔と一致又はほぼ一致した状態となる。このとき、図5の拡大図で示すように、左ロック部25L(右ロック部25R)についても回転軸O方向から視て凹部12に入り込むことができるような位置に移動している。
使用者は、回転用レバー20を図5に示す状態とすることにより、右凸部211R及び左凸部211Lの双方を回転軸O方向から2つの凹部12に差し込むことが可能となる。なお、この状態では、基部222の弾性力に抗して右つまみ部221R及び左つまみ部221L同士が移動(変形)している。従って、右固定部21R及び左固定部21Lは互いに離れる方向に弾性力が付与された状態となっている。使用者は、図5に示す状態の回転用レバー20を把持しつつ、右凸部211R及び左凸部211Lの双方を2つの凹部12に差し込むことにより、右凸部211R及び左凸部211Lは、それぞれ凹部12において回転軸O方向から挿入される。
図6は、回転用レバー20が回転体10に取り付けられる途中の状態を示す斜視図である。図6に示す状態では、使用者は、右つまみ部221R及び左つまみ部221Lを挟んだ状態のままであってもよいし、右つまみ部221R及び左つまみ部221Lを挟む力を解放してもよい。使用者が挟む力を解放した場合、基部222の弾性力によって右固定部21Rと左固定部21Lとの間隔が拡がろうとするが、左ロック部25L又は左凸部211Lが凹部12の内壁122(図5参照)に係止され、右ロック部25R又は右凸部211Rが凹部12の内壁123(図5参照)に係止される。
図7は、回転用レバー20が回転体10に取り付けられた状態を示す斜視図である。図7に示すように、右凸部211R及び左凸部211Lを凹部12に差し込んで、右ロック部25R及び左ロック部25Lが回転体10の環状溝部13に達すると、右ロック部25R及び左ロック部25Lが凹部12から外れるので、基部222の弾性力により右固定部21Rと左固定部21Lとの間隔が拡がり、右ロック部25R及び左ロック部25Lが環状溝部13の壁部13a(図1及び図3参照)に係止された状態となる。図7では、回転体10への回転用レバー20の取り付けが完了した状態を示している。なお、本実施形態では、右凸部211R及び左凸部211Lを回転体10の回転軸Oと平行な方向に凹部12に差し込んで回転用レバー20を回転体10に取り付けているが、右凸部211R及び左凸部211Lを凹部12の上方から回転体10の回転軸Oに向けて放射方向P(図1参照)に差し込む方法でもよい。例えば、右凸部211R及び左凸部211Lをゴムのように弾性変形可能な部材で形成することで、凹部12に右凸部211R及び左凸部211Lを上方から押圧して弾性変形させながら差し込むことができる。
このように、回転体10に回転用レバー20が取り付けられることにより、回転体10における回転位置の調整が容易となる。すなわち、この回転体10と一体で回転する対象物Xの回転部分の回転位置を容易に調整することが可能となる。また、回転用レバー20を取り付けることにより、回転軸Oからの距離が外周11より長くなるので、直接回転体10を回転させる場合よりも回転体10に対する回転トルクを容易に大きくすることができるとともに、回転時の回転分解能を向上させることができる。
図8は、回転用レバー20が回転体10に取り付けられた状態を回転軸O方向から視た拡大図である。図8に示すように、左ロック部25Lは、凹部12から外れて環状溝部13の壁部13aに係止されている。また、基部222(操作部22)の弾性力により左凸部211Lが凹部12の内壁122を外側に押し付けた状態となっている。なお、図示しないが、右ロック部25Rについても凹部12から外れて環状溝部13の壁部13aに係止されている。また、基部222の弾性力により右凸部211Rが凹部12の内壁123を外側に押し付けた状態となっている。
また、左固定部21Lの左支持部212Lは、回転体10の外周11に乗り上げており、左固定部21Lを回転軸Oの放射方向に持ち上げている。その結果、傾斜する凹部12の内壁122に左凸部211Lが当たることになり、この左凸部211Lと左支持部212Lとで回転体10の一部を挟んだ状態となる。なお、図示しないが、右固定部21Rの右支持部212Rも外周11に乗り上げており、右固定部21Rを回転軸Oの放射方向に持ち上げ、傾斜する凹部12の内壁123に右凸部211Rが当たることにより、右凸部211Rと右支持部212Rとで回転体10の一部を挟んだ状態となる。
従って、回転用レバー20は、回転体10に対してがたつくことなく取り付けられる。なお、上記したように、右凸部211R及び左凸部211Lの下端の寸法は、凹部12の開口幅より大きく設けられている。従って、使用者が回転用レバー20を回転軸Oの放射方向に引っ張っても右凸部211R及び左凸部211Lが凹部12から抜けることはない。また、使用者が回転用レバー20を差し込み方向と反対方向に押しても、右ロック部25R及び左ロック部25Lが壁部13aに係止されているため、回転用レバー20は移動しない。すなわち、図7では右ロック部25R及び左ロック部25Lがロック状態となっていることを示している。
一方、回転体10から回転用レバー20を取り外す場合は、使用者が右つまみ部221R及び左つまみ部221Lを挟んで内側に移動させることにより、回転用レバー20を回転体10に取り付けたときと同様に、右間隔保持部24Rと左間隔保持部24Lとを接触させると、右ロック部25R及び左ロック部25Lが壁部13aから外れ、右凸部211Rと左凸部211Lとの間隔が2つの凹部12の間隔と一致又はほぼ一致した状態となる。この状態は、図5に示す状態と同様である。すなわち、図5ではロック解除状態であることを示している。
この状態で、回転用レバー20を差し込んだ方向と反対方向、すなわち図4の矢印と反対方向に移動させることにより、右凸部211R及び左凸部211Lを凹部12から抜くことができ、回転用レバー20を回転体10から取り外すことができる。なお、回転体10から取り外した回転用レバー20は、再度回転体10に取り付けることができる。この場合、異なる2つの凹部12に回転用レバー20を取り付けることができる。
このように、第1実施形態に係る回転体調整システムSYS1及び回転用レバー20によれば、操作部22の右つまみ部221R及び左つまみ部221Lを挟んで内側に移動させるといった簡単な操作により回転体10に回転用レバー20を容易に取り付け、又は取り外すことができる。また、従来の回転用レバーのように、ネジを含む分離する複数の部品で構成されないので、取り付け及び取り外しが容易であり、また、取り外した後の保管時に部品の紛失等を防止できる。
[第2実施形態]
続いて、第2実施形態に係る回転用レバー20Aについて説明する。図9は、第2実施形態に係る回転用レバー20Aの一例を示す正面図である。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して、その説明を省略又は簡略化する。回転用レバー20Aは、図9に示すように、固定部21と、操作部22Aとを有する。固定部21は、第1実施形態の回転用レバー20における固定部21と同様である。
操作部22Aは、右つまみ部221Rと、左つまみ部221Lと、基部222Aと、弾性体26とを有する。右つまみ部221R及び左つまみ部221Lは、第1実施形態の回転用レバー20における右つまみ部221R及び左つまみ部221Lと同様である。基部222Aは弾性体でなくてもよい。従って、基部222Aは、例えばヒンジ等であってもよい。弾性体26は、右つまみ部221Rと左つまみ部221Lとの間に設けられ、右つまみ部221Rと左つまみ部221Lが相対する側のそれぞれに接続されている。弾性体26は、例えば、コイルバネ等が用いられる。なお、図示を省略しているが、右つまみ部221R及び左つまみ部221Lには、右間隔保持部24R及び左間隔保持部24L(図3等参照)が設けられてもよい。
回転用レバー20Aは、上記した第1実施形態の回転用レバー20と同様に、右固定部21R及び左固定部21Lが互いに離れるように弾性的に保持されていることから、使用者が右つまみ部221R及び左つまみ部221Lを把持する前の状態では、右凸部211Rと左凸部211Lとの間隔は、2つの凹部12の間隔より広くなっている。使用者は、右つまみ部221R及び左つまみ部221Lを挟んで内側に移動させることにより(このとき、弾性体26は縮められる)、上記した第1実施形態の回転用レバー20と同様に、回転体10に取り付けることができる。
取り付け時において、右ロック部25R及び左ロック部25Lが凹部12から外れ、弾性体26の弾性力により右ロック部25R及び左ロック部25Lが環状溝部13の壁部13aに係止される点は、上記した第1実施形態の回転用レバー20と同様である。また、回転用レバー20Aを回転体10から取り外す場合は、上記した第1実施形態の回転用レバー20と同様に、右つまみ部221R及び左つまみ部221Lを挟んで内側に移動させることにより回転体10から回転用レバー20Aを取り外すことができる。
このように、第2実施形態に係る回転用レバー20Aによれば、右つまみ部221R及び左つまみ部221Lを挟んで内側に移動させるといった簡単な操作により回転体10に対して回転用レバー20Aを容易に取り付け、又は取り外すことができる。また、弾性体26を交換することにより右つまみ部221R及び左つまみ部221Lに作用させる弾性力を容易に変更することができる。
[第3実施形態]
続いて、第3実施形態に係る回転用レバー20Bについて説明する。上記した第1及び第2実施形態に係る回転用レバー20、20Aでは、右つまみ部221R及び左つまみ部221Lを挟んで内側に移動させることにより、右凸部211Rと左凸部211Lとの間隔を2つの凹部12の間隔に合わせているがこの形態に限定されない。図10は、第3実施形態に係る回転用レバー20Bの一例を示し、この回転用レバー20Bが回転体10に取り付けられたときの状態を示す正面図である。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して、その説明を省略又は簡略化する。
図10に示すように、回転用レバー20Bは、固定部21と、操作部22Bとを有する。固定部21は、操作部22の弾性変形により間隔を変更可能な右固定部21Rと左固定部21Lとを含む。右固定部21R及び左固定部21Lのそれぞれは、凸部211と、支持部212と、を有する。操作部22Bは、弾性体を有し、右固定部21Rと左固定部21Lとを接続する(連結する)。操作部22Bは、つまみ部221と、基部222Bとを有する。右固定部21R及び左固定部21Lは、それぞれ右つまみ部221R及び左つまみ部221Lに保持されることにより、一定の間隔で弾性的に保持される。この一定の間隔は、上記した回転体10の複数の凹部12のうちから選択される2つの凹部12の間隔より小さく設定されている。
基部222Bは、第1実施形態に係る回転用レバー20の基部222と同様である。基部222Bには、右つまみ部221Rと左つまみ部221Lとがそれぞれ接続される。右つまみ部221R及び左つまみ部221Lには、それぞれ延長部23が設けられる。延長部23は、左右一対設けられる。延長部23は、右延長部23Rと、左延長部23Lとを含む。なお、右延長部23R及び左延長部23Lは、一対の延長部23とあらわす場合がある。右延長部23Rは、右つまみ部221Rから基部222Bに対して右固定部21Rの反対側に延びて設けられる。左延長部23Lは、左つまみ部221Lから基部222Bに対して左固定部21Lの反対側に延びて設けられる。
使用者は、右延長部23R及び左延長部23Lを把持して内側に移動させることにより、基部222Bを支点として右つまみ部221R及び左つまみ部221Lを外側に移動させ、右固定部21Rと左固定部21Lとの間隔を拡げることができる。この拡げた間隔は、回転体10に設けられている複数の凹部12のうちの2つの凹部12の間隔と同一又はほぼ同一となるようにすることができる。なお、右延長部23R及び左延長部23Lのそれぞれの内側には、相対する側に向かって突出するように間隔保持部(上記した間隔保持部24に相当する)が設けられてもよい。
右固定部21R及び左固定部21Lのそれぞれには、ロック部27が設けられている。ロック部27は、例えば、左右一対として形成される。ロック部27は、右ロック部27Rと、左ロック部27Lとを含む。右ロック部27Rは、右固定部21Rの右凸部211Rにおいて、差し込み側の端部から内側に突出して設けられる。左ロック部27Lは、左固定部21Lの左凸部211Lにおいて、差し込み側の端部から内側に突出して設けられる。右ロック部27Rは、右凸部211Rと同じ方向に突出し、右凸部211Rよりもさらに突出している。左ロック部27Lは、左凸部211Lと同じ方向に突出し、左凸部211Lよりもさらに突出している。右ロック部27R及び左ロック部27Lのそれぞれは、回転軸O方向の長さが回転体10の環状溝部13の幅より短い。
図11は、回転用レバー20Bが回転体10に取り付けられるときの状態を示す正面図である。上記したように、回転用レバー20Bの右固定部21Rと左固定部21Lとの間隔は、回転体10の複数の凹部12のうちから選択される2つの凹部12の間隔より小さく設定されている。使用者は、右延長部23R及び左延長部23Lを把持して内側に移動させることにより、弾性体である基部222Bの弾性力に抗して右固定部21Rと左固定部21Lとを2つの凹部12の間隔に拡げる。この状態とすることにより、図11に示すように、右凸部211R及び左凸部211Lを凹部12に差し込むことができる。また、この状態では、右固定部21R及び左固定部21Lには、基部222Bによって互いに近付くように弾性力が付与される。
図12は、回転用レバー20Bが回転体10に取り付けられた状態を回転軸O方向から視た拡大図である。図12に示すように、左ロック部27Lは、凹部12から外れて環状溝部13の壁部13aに係止されている。また、基部222Bの弾性力により左凸部211Lが凹部12の内壁123を内側に押し付けた状態となっている。なお、図示しないが、右ロック部27Rについても凹部12から外れて環状溝部13の壁部13aに係止されている。また、基部222Bの弾性力により右凸部211Rが凹部12の内壁122を内側に押し付けた状態となっている。
また、左固定部21Lの左支持部212Lは、回転体10の外周11に接触している。その結果、左凸部211Lと左支持部212Lとで回転体10の一部を挟んだ状態となる。なお、図示しないが、右固定部21Rの右支持部212Rも回転体10の外周11に接触している。その結果、右凸部211Rと右支持部212Rとで回転体10の一部を挟んだ状態となる。従って、回転用レバー20Bは、回転体10に対してがたつくことなく取り付けられる。なお、使用者が回転用レバー20Bを差し込み方向と反対方向に押しても、右ロック部27R及び左ロック部27Lが壁部13aに係止されているため、回転用レバー20は移動しない。
回転体10から回転用レバー20Bを取り外す場合は、使用者が右延長部23R及び左延長部23Lを把持して内側に移動させることにより、回転用レバー20Bを回転体10に取り付けたときと同様に、右ロック部27R及び左ロック部27Lが壁部13aから外れ、右凸部211Rと左凸部211Lとの間隔が2つの凹部12の間隔と一致又はほぼ一致した状態となる。この状態のまま、使用者は、回転用レバー20Bを差し込み方向と反対方向に移動させることにより、回転用レバー20Bを回転体10から取り外すことができる。
このように、第3実施形態に係る回転用レバー20Bによれば、右延長部23R及び左延長部23Lを挟んで内側に移動させるといった簡単な操作により回転体10に対して回転用レバー20Bを容易に取り付け、又は取り外すことができる。また、操作部22Bが小さいときには、右延長部23R及び左延長部23Lによって使用者による把持を容易にすることができる。
[第4実施形態]
第4実施形態に係る回転用レバー20Cについて、図13及び図14を参照にして説明する。本実施形態は、第3実施形態の変形例である。なお、第3実施形態と同様の構成については同一の符号を付して、その説明を省略又は簡略化する。
図13は、第4実施形態に係る回転用レバー20Cが回転体10に取り付けられたときの状態を示す正面図である。本実施形態では、回転支持部28である右回転支持部28R、左回転支持部28Lが、右つまみ部221R及び左つまみ部221Lのそれぞれの内側に、相対する側に向かって突出するように設けられている。また、右つまみ部221Rと左つまみ部221Lとは、基部222Cを介して接続されている。使用者が右つまみ部221R及び左つまみ部221Lを把持していない状態では、回転用レバー20Cの右固定部21Rと左固定部21Lとの間隔は、回転体10の複数の凹部12のうちから選択される2つの凹部12の間隔より小さく設定されている。
図14は、回転用レバー20Cが回転体10に取り付けられるときの状態を回転軸O方向から視た拡大図である。使用者は、右回転支持部28R及び左回転支持部28Lより上部であって基部222C側の右つまみ部221R及び左つまみ部221Lを把持してそれぞれを内側へ移動させることにより、右回転支持部28Rと左回転支持部28Lとを接触させ、さらに右つまみ部221R及び左つまみ部221Lを内側へ押し込むことにより、接触部分を支点として右固定部21Rと左固定部21Lとの間隔を拡げることができる。この拡げた間隔は、回転体10に設けられている複数の凹部12のうちの2つの凹部12の間隔と同一又はほぼ同一となるようにすることができる。
使用者は、回転用レバー20Cを図14に示す状態にすることにより、右凸部211R及び左凸部211Lを回転軸O方向から凹部12に差し込むことができる。凹部12に差し込まれた際、右固定部21R及び左固定部21Lには、基部222Cによって互いに近づく方向に弾性力が付与される。従って、右ロック部27R及び左ロック部27Lが凹部12から外れて環状溝部13に達すると、右固定部21Rと左固定部21Lとの間隔が狭まり、右ロック部27R及び左ロック部27Lがそれぞれ環状溝部13の壁部13aに係止された状態(図13に示す状態)となる。
一方、回転体10から回転用レバー20Cを取り外す場合は、上記したように、図14に示す状態にすることにより、右ロック部27R及び左ロック部27Lがそれぞれ壁部13aから外れ、右凸部211Rと左凸部211Lとの間隔が2つの凹部12の間隔と一致又はほぼ一致した状態となる。この状態のまま、使用者は、回転用レバー20Cを差し込み方向と反対方向に移動させることにより、回転用レバー20Cを回転体10から取り外すことができる。
このように、第4実施形態に係る回転用レバー20Cによれば、右つまみ部221R及び左つまみ部221Lを把持してそれぞれを内側へ移動させて右回転支持部28Rと左回転支持部28Lとを接触させ、さらに右つまみ部221R及び左つまみ部221Lを内側へ押し込むといった簡単な操作により回転体10に対して回転用レバー20Cを容易に取り付け、又は取り外すことができる。なお、右回転支持部28R及び左回転支持部28Lのそれぞれは、右固定部21Rと左固定部21Lとの間隔を、2つの凹部12の間隔と一致又はほぼ一致させるための間隔保持部としての機能も有する。
[第5実施形態]
続いて、第5実施形態に係る光学システムSYS2について説明する。図15は、第5実施形態に係る光学システムSYS2の一例を示し、光学システムSYS2の一例として、フィールドスコープ30の一例を示す斜視図である。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して、その説明を省略又は簡略化する。光学システムSYS2は、上記した回転体調整システムSYS1と同様の構成をフィールドスコープ30に適用している。
図15に示すように、フィールドスコープ30は、鏡筒としての本体部31と、本体部31内に収容された筒状部32と、を有している。図15において、筒状部32の図示を省略している。本体部31は、回転軸O方向(光軸方向)に沿って、レンズ、プリズム等の複数の光学素子が取り付けられている。筒状部32は、回転体10が、回転軸Oを中心として回転することにより、回転軸O方向(光軸方向)に沿って移動するように設けられている。筒状部32には、レンズ、プリズム等の複数の光学素子が取り付けられている。従って、回転体10を回転させることにより、筒状部32の光学素子を回転軸O方向(光軸方向)に移動させ、観察物の像の倍率の変更、又は焦点合わせを行う。
この光学システムSYS2(フィールドスコープ30)は、使用者が手で持って使用される形態でもよいし、三脚等の他の物体に取り付けられて使用される形態でもよい。フィールドスコープ30に備える回転体10には、回転用レバー20を取り付けることができる。なお、回転体10に対する回転用レバー20の取り付け、又は取り外しは、上記した実施形態と同様である。この回転用レバー20が回転体10に取り付けられることにより、回転体10の回転位置を容易に調整することができる。なお、図15では回転用レバー20が使用される構成を例に挙げて説明しているが、回転用レバー20に代えて、上記した回転用レバー20A、20Bが使用されてもよい。
また、光学システムSYS2としてフィールドスコープ30に限定されない。例えば、顕微鏡装置、カメラレンズ、などの光学システムSYS2であってもよい。顕微鏡装置の場合、顕微鏡装置の対物レンズ又は接眼レンズにおいて、焦点合わせ用の回転体に回転用レバー20が取り付けられる。カメラの交換レンズの場合、焦点合わせ用の回転体に回転用レバー20が取り付けられる。
このように、第5実施形態に係る光学システムSYS2によれば、回転用レバー20の一部を挟むといった簡単な操作により回転体10に対して回転用レバー20を容易に取り付け、又は取り外すことができる。また、回転用レバー20が一つの部品として形成されているので、取り外した後の保管等が容易である。
[第6実施形態]
続いて、第6実施形態に係る回転体調整システムSYS3について説明する。図16は、第6実施形態に係る回転体調整システムSYS3の一例を示す斜視図である。図17は、第6実施形態に係る回転体調整システムSYS3の一部を拡大した図である。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して、その説明を省略又は簡略化する。回転体調整システムSYS3は、電気スタンド40に適用された例である。
図16及び図17に示すように、電気スタンド40は、関節部41と、アーム42、配線43と、照明部44とを有している。関節部41は、アーム42とアーム42との間、及びアーム42と照明部44との間に設けられている。配線43は、アーム42の外側に巻き付けられており、関節部41を介して照明部44に接続されている。関節部41は、例えばボルト締めによりアーム42とアーム42との相対位置、又はアーム42と照明部44との相対位置を固定する形態が適用されている。回転体10Aは、例えば、ボルトと一体に設けられ、回転体10Aを回転させることにより、ボルトを締める又は緩めることができる。
アーム42とアーム42との相対位置、又はアーム42と照明部44との相対位置を固定するには、回転体10Aにより強く回転させてボルトを締める必要がある。また、強く締められたボルトを緩めるには回転体10Aにより強く回転させる必要がある。例えば、回転体10Aの外形が小さいと、使用者が回転体10Aを手で持って回転させる場合に、大きなトルクをかけることが難しい場合がある。
このような場合、回転体10Aに回転用レバー20を取り付けることにより、回転軸Oから回転力を加える操作部22までの距離が長くなるため、小さな力で回転体10Aに対して大きなトルクを付与することが可能となる。また、調整が不要のときは回転用レバー20を取り外すことにより、電気スタンド40外観を損なうことを防止できる。なお、回転体10Aに対する回転用レバー20の取り付け、又は取り外しは、上記した実施形態と同様である。また、図16及び図17では回転用レバー20が使用される構成を例に挙げて説明しているが、回転用レバー20に代えて、上記した回転用レバー20A、20Bが使用されてもよい。
このように、第6実施形態に係る回転体調整システムSYS3によれば、回転用レバー20の一部を挟むといった簡単な操作により回転体10Aに対して回転用レバー20を容易に取り付け、又は取り外すことができる。また、回転用レバー20が回転体10Aに取り付けられることにより、小さな力で回転体10Aに大きなトルクをかけることができる。
[第7実施形態]
続いて、第7実施形態に係る回転体調整システムSYS4について説明する。図18は、第7実施形態に係る回転体調整システムSYS4の一例を示す斜視図である。図19は、第7実施形態において、回転体調整システムSYS4を分解して示す斜視図である。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して、その説明を省略又は簡略化する。回転体調整システムSYS4は、複数の部品60、61を取り付けるための取り付け部分に適用された例である。
図18及び図19に示すように、部品60、61は、特殊ネジ50により一体化されている。特殊ネジ50は、図19に示すように、頭部51と、ネジ部52とを有している。回転体10Bは、頭部51と一体に設けられている。部品60には、特殊ネジ50のネジ部52とネジ結合するネジ部60aが設けられている。部品61には、特殊ネジ50のネジ部52を貫通させる貫通孔61aが設けられている。部品61を部品60に重ねて、特殊ネジ50のネジ部52を、貫通孔61aを介してネジ部60aとネジ結合させることにより、部品60と部品61とは、一体化される。
特殊ネジ50を締めるとき、又は締めた特殊ネジ50を緩めるとき、使用者は、回転体10Bを手で持って回転させるが、例えば、回転体10Bの外形が小さいと回転させることが難しい場合がある。また、特殊ネジ50を強く締めるとき、又は強く締めた特殊ネジ50を緩めるときには、使用者が回転体10Bを手で持って回転させることが難しい場合がある。
このような場合、回転体10Bに回転用レバー20を取り付けることにより、使用者は、回転用レバー20を持って回転体10Bを容易に回転させることが可能となる。また、特殊ネジ50が強く締められた場合、又は強く締めた特殊ネジ50を緩める場合であっても、回転用レバー20により回転軸Oから回転力を加える操作部22までの距離が長くなるため、小さな力で回転体10Bに対して大きなトルクを付与することが可能となる。また、特殊ネジ50への操作が不要のときは回転用レバー20を取り外すことにより、部品60、61から不要な突起物をなくすことができる。なお、回転体10Bに対する回転用レバー20の取り付け、又は取り外しは、上記した実施形態と同様である。また、図18及び図19では回転用レバー20が使用される構成を例に挙げて説明しているが、回転用レバー20に代えて、上記した回転用レバー20A、20Bが使用されてもよい。
このように、第7実施形態に係る回転体調整システムSYS4によれば、回転用レバー20の一部を挟むといった簡単な操作により回転体10Bに対して回転用レバー20を容易に取り付け、又は取り外すことができる。また、回転用レバー20が回転体10Bに取り付けられることにより、特殊ネジ50を容易に回転させることができる。
以上、実施形態につい説明したが、本発明の技術範囲は、上記した実施形態などで説明した内容に限定されない。上記した実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上記した実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、上記した実施形態などで引用した全ての文献の開示を援用して本文の記載の一部とする。