JP2021008822A - ピストン冷却構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】ピストンを一様に冷却するピストン冷却構造を提供する。【解決手段】ピストン2の内部に形成された冷却通路11、導入通路12、および、分岐部15を備えたピストン冷却構造10において、冷却通路11はY方向に延在し、そのY方向に隣接する第一冷却部16と第二冷却部17とを有し、導入通路12はX方向に延在し、一端が冷却通路11の第一冷却部16および第二冷却部17の境界部分に連通するとともに他端がピストン2の下面に開口し、境界部分に配置された分岐部15により、導入通路12から第一冷却部16へ分岐させる冷却媒体1の分岐量Q1を導入通路12から第二冷却部17へ分岐させる冷却媒体1の分岐量Q2よりも多くする構成である。【選択図】図1
Description
本発明は、ピストン冷却構造に関する。
ピストン冷却構造として、ピストンの内部に形成された冷却通路の天井部にオイルの流れの向きを冷却通路の形成方向(ピストンの周方向の両側)に向ける案内壁を設けたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、内燃機関の運転中のピストンにおける温度分布は一様ではなく、温度が高い領域や低い領域が存在する。また、冷却通路の入口と出口との配置位置によっては入口から導入されて分岐した一方の冷却媒体による冷却性能と他方の冷却媒体による冷却性能とに差が生じる。それ故、特許文献1に記載の発明のように冷却媒体を両側に等しく分岐させるピストン冷却構造では、ピストンを冷却する際に温度差が生じる。この温度差は耐久性の低下の要因となっている。
本開示の目的は、ピストンを一様に冷却するピストン冷却構造を提供することである。
上記の目的を達成する本発明の一態様のピストン冷却構造は、ピストンの内部に形成された冷却通路、導入通路、および、分岐部を備えたピストン冷却構造において、前記冷却通路は前記ピストンの周方向に延在し、その周方向に隣接する第一冷却部と第二冷却部とを有し、前記導入通路は前記ピストンの軸方向に延在し、一端が前記冷却通路の前記第一冷却部および前記第二冷却部の境界部分に連通するとともに他端が前記ピストンの下面に開口し、前記境界部分に配置された前記分岐部により、前記導入通路から前記第一冷却部へ分岐させる冷却媒体の分岐量を前記導入通路から前記第二冷却部へ分岐させる冷却媒体の分岐量よりも多くする構成であることを特徴とする。
本発明の一態様によれば、ピストンの温度分布や冷却通路の構造に応じて、冷却通路の第一冷却部へ分岐する冷却媒体の分岐量を多くし、第二冷却部へ分岐する冷却媒体の分岐量を少なくすることができる。これにより、ピストンを一様に冷却するには有利になり、ピストンの耐久性を向上することができる。
以下に、本開示におけるピストン冷却構造の実施形態について説明する。図中において、白抜き矢印が冷却媒体1の流れを示しており、一点鎖線は各通路の中心線を示している。また、X方向をピストン2の軸方向でありそのピストン2が往復する方向とし、YR方向をピストン2の周方向のうちの右回りの方向とし、YL方向を左回りの方向とする。なお、ピストン2の周方向において右回りの方向および左回りの方向の両方の意味を有する場合はY方向を用いることとする。
図1に例示するように、第一実施形態のピストン冷却構造10は、図示しない車両に搭載された内燃機関のピストン2のX方向下方に配置された冷却媒体噴射装置3から噴射された冷却媒体1をピストン2の内部に循環させてピストン2を冷却するものである。ピストン冷却構造10は、冷却通路11、導入通路12、導出通路13、筒部14、および、分岐部15を備える。
冷却通路11はピストン2の冠面4の裏の内部に鋳造により形成される。冷却通路11は、横断面形状として円形状、馬蹄形状、および、オーバル形状が例示され、Y方向に環状あるいは円弧状に延在する通路である。本実施形態の冷却通路11の内面は円環面の表面を成す。冷却通路11はY方向に隣接する第一冷却部16および第二冷却部17を有する。
本実施形態において、第一冷却部16は内燃機関の運転中のピストン2において高温となる高温領域2aに存在する部位である。第二冷却部17は内燃機関の運転中のピストン2において低温となる低温領域2bに存在する部位である。本開示の高温領域2aと低温領域2bとはそれらの境界面に対して対称を成すことから、第一冷却部16と第二冷却部17ともその境界面に対して対称を成す。
本実施形態の高温領域2aと低温領域2bとは内燃機関の運転中にピストン冷却構造10により冷却しない場合に温度が異なる領域であり、高温領域2aが低温領域2bよりも温度が高い領域として定義される。高温領域2aと低温領域2bは予め内燃機関を実験や試験により運転したときに測定した温度分布に基づいて設定される領域であり、内燃機関の気筒配置や燃焼状態、内燃機関の運転中のピストン2の往復運動による傾きなどの様々な要因により定められる。図中で、高温領域2aは半円柱状を成し、低温領域2bは半円柱状を成しているが、高温領域2aが底面が扇形の四分の一円柱状を成し、低温領域2bが四分の三円柱状を成す場合もある。
導入通路12はピストン2の内部に鋳造により形成される。導入通路12は、横断面形状として円形状、馬蹄形状、および、オーバル形状が例示され、X方向に直線状に延在する通路である。導入通路12の一端は導入連通口12aであり冷却通路11の第一冷却部16および第二冷却部17の境界部分に配置されて冷却通路11に連通し、他端は導入口12bでありピストン2の下面で冷却媒体噴射装置3から噴射された冷却媒体1が導入可能に開口する。
導出通路13も導入通路12と同様にピストン2の内部に鋳造により形成される。導出通路13は、横断面形状として円形状、馬蹄形状、および、オーバル形状が例示され、X方向に直線状に延在する通路である。導出通路13の一端は導出連通口13aであり冷却通路11の第一冷却部16および第二冷却部17の境界部分に配置されて冷却通路11に連通し、他端は導出口13bでありピストン2の下面で冷却媒体1が図示しないオイルパンに導出可能に開口する。
導入通路12および導出通路13のそれぞれはY方向に離間して配置される。また、導入通路12および導出通路13のそれぞれは冷却通路11における第一冷却部16および第二冷却部17の境界部分で冷却通路11と連通することが望ましく、それぞれの通路の中心線が第一冷却部16および第二冷却部17の境界線に一致することがより望ましい。第一冷却部16および第二冷却部17の境界線は、ピストン2の高温領域2aおよび低温領域2bの境界線でもある。
図2に例示するように、筒部14は導入通路12と一体で冷却通路11の内部に鋳造により形成される。筒部14は、導入通路12の導入連通口12aの縁部からX方向に立設し、X方向の両端が開口した円筒を成す。筒部14は導入通路12の導入連通口12aに連通する入口14aと、冷却通路11に連通する出口14bとを有し、導入通路12を冷却通路11の内部まで延長する筒体である。
出口14bは冷却通路11を流れる冷却媒体1の液面の高さH1よりも高い位置に配置される。本開示で、冷却通路11を流れる冷却媒体1の液面の高さH1は、冷却通路11の底から冷却媒体1の液面までの高さであり、内燃機関が運転中に導入通路12から導入された噴霧状の冷却媒体1が到達する高さでは無く、噴霧状の冷却媒体1が冷却通路11の底に溜まり、その溜まった冷却媒体1の液面が到達可能な高さを示す。この高さH1としては、内燃機関の運転状態が高負荷、高回転の状態のとき、換言するとピストン2に対する冷却性能を高める必要のある状態のときの冷却媒体1の液面が到達する最大の高さが例示される。
冷却通路11の出口14bの高さH2は冷却通路11の底からの高さである。冷却通路11の出口14bの高さH2が冷却媒体1の液面の高さH1よりも低くなると、冷却通路11から冷却媒体1が導入通路12に逆流し、導入通路12から冷却通路11への噴霧状の冷却媒体1の導入が阻害されるおそれがある。一方、高さH2が高さH1から離間し過ぎると筒部14の出口14bと冷却通路11の天井とが近くなり、導入通路12から冷却通路11への噴霧状の冷却媒体1の導入が阻害されるおそれがある。そこで、この高さH2は高さH1よりも高く、且つ、その高さH1に近づけることが望ましい。また、高さH2は冷却通路11の通路径H3の半分の値よりも低いことが望ましい。
導入通路12を延長する筒部14を設けることで、冷却通路11の底に溜まった冷却媒体1の導入通路12への逆流を防ぐことができる。また、筒部14の出口14bの高さH2を冷却通路11における冷却媒体1の液面の高さH1よりも高くすることで、内燃機関の運転状態がいかなる場合であっても冷却媒体1の導入通路12への逆流を防ぐことができる。
分岐部15は冷却通路11と一体で、導入連通口12aに対向する冷却通路11の天井の部位に鋳造により形成される。分岐部15は導入通路12から冷却通路11へ導入される噴霧状の冷却媒体1をY方向の両側に分岐させる突起であり、導入通路12をX方向上方に向かう噴霧状の冷却媒体1の進行方向をY方向に転換させる機能を有する。分岐部15は噴霧状の冷却媒体1をY方向の両側に分岐させる突起であればよく、ピストン2の径方向に延在する板状あるいは柱状の突起が例示される。
導入連通口12aに対向する部位に分岐部15を設けることで、導入連通口12aからX方向上方に進行する噴霧状の冷却媒体1の進行方向をY方向に転換することができる。これにより、冷却通路11の天井で跳ね返った冷却媒体1が導入連通口12aを介して導入通路12に逆戻りすることを防ぐことができる。
分岐部15の形状は特に限定されないが、分岐部15は、導入連通口12aを横断する頂部15aが冷却通路11の天井から導入連通口12aに向かって突出し、その頂部15aのY方向両側に第一斜面15b、第二斜面15cが隣接し、X方向下方から上方に向かって断面積が徐々に拡大する形状が望ましい。本実施形態の分岐部15は、ピストン2の径方向に直交する面における断面形状が三角形状の三角柱状を成す。
分岐部15は、頂部15aが導入連通口12aの中心線に対して第二冷却部17の側にずれた位置に配置され、第一斜面15bが導入連通口12aの中心線に対して交差することが望ましい。本実施形態において、ズレ量D1は断面図における頂部15aの中心から導入連通口12aの中心線までの距離、あるいは導入連通口12aから第一斜面15bの頂部15aの側の縁までの距離とする。このズレ量D1は、第一冷却部16へ分岐させる冷却媒体1の分岐量Q1と第二冷却部へ分岐させる冷却媒体1の分岐量Q2との比に基づいて設定される。分岐量Q1と分岐量Q2との比は第一冷却部16の温度と第二冷却部17との温度の比に基づき、第一冷却部16と第二冷却部17との温度差を無くす(ゼロにする)ように設定される。したがって、第一冷却部16と第二冷却部17との温度差が大きくなれば、ズレ量D1は大きくなり、温度差が小さくなればズレ量D1は小さくなる。ズレ量D1は、予め実験や試験により分岐部15を設けない試験用のピストン冷却構造を有するピストンを備えた内燃機関を運転し、運転中にそのピストンの温度分布を計測することで設定される。なお、導入通路12の中心線と筒部14の中心線とがズレている場合には、ズレ量D1は筒部14の中心線に対する距離とするとよい。
第一斜面15bおよび第二斜面15cのそれぞれは、Y方向に対して所定の角度をもって設定された斜面で構成されることが望ましい。第一斜面15bおよび第二斜面15cのそれぞれを斜面で構成することで、噴霧状の冷却媒体1の進行方向を滑らかに転換するには有利になる。本実施形態の第一斜面15bおよび第二斜面15cのそれぞれは、冷却通路11の天井に向かって窪む円弧面で構成されるが、これに限定されない。
図1および図2に例示するように、内燃機関の運転中に、冷却媒体噴射装置3からX方向上方に向かって噴射された噴霧状の冷却媒体1は、導入口12bから導入通路12に入って、導入通路12の内部を進む。ついで、冷却媒体1は、導入連通口12aおよび入口14aから筒部14に入って、筒部14の内部を進む。ついで、冷却媒体1は、出口14bから冷却通路11に入り、分岐部15に衝突し、X方向上方からY方向の両側へ進行方向が転換される。このとき、分岐部15の頂部15aが導入通路12の中心からズレ量D1分ずれた位置に配置されていることから、第一冷却部16に分岐する分岐量Q1が第二冷却部17に分岐する分岐量Q2よりも多くなる。ついで、第一冷却部16に分岐した冷却媒体1は第一冷却部16の内部を進み、ピストン2の高温領域を冷却する。一方、第二冷却部17に分岐した冷却媒体1は第二冷却部17の内部を進み、ピストン2の低温領域を冷却する。ついで、第一冷却部16に分岐した冷却媒体1および第二冷却部17に分岐した冷却媒体1は導出連通口13aから導出通路13に入って、導出通路13の内部を進み、導出口13bから図示しないオイルパンに滴下される。
以上のように、本実施形態のピストン冷却構造10によれば、ピストン2の温度分布に応じて、第一冷却部16と第二冷却部17との冷却性能を異ならせることができる。具体的に、ピストン2の高温領域2aに配置された冷却通路11の第一冷却部16へ分岐する冷却媒体1の分岐量Q1を多くし、ピストン2の低温領域2bに配置された第二冷却部17へ分岐する冷却媒体1の分岐量Q2を少なくすることで、第一冷却部16の冷却性能を第二冷却部17の冷却性能よりも高めることができる。これにより、ピストン2を一様に冷却するには有利になり、温度差が無い状態で冠面4を効果的に冷却して、ピストン2の耐久性を向上することができる。
図3に例示するように、第二実施形態のピストン冷却構造10は、第一実施形態に対して第一冷却部16と第二冷却部17とが異なる。本実施形態の高温領域2aと低温領域2bとは内燃機関の運転中にピストン冷却構造10により冷却した場合に分岐部15を設けないときに温度が異なる領域であり、高温領域2aが低温領域2bよりも温度が高い領域として定義される。高温領域2aと低温領域2bは第一冷却部16のY方向の長さL1と第二冷却部17のY方向の長さL2とにより定められる。図中で、高温領域2aが底面が扇形の四分の一円柱状を成し、低温領域2bが四分の三円柱状を成す。本実施形態において、第一冷却部16および第二冷却部17はそれぞれのY方向の長さが異なり、第一冷却部16における導入通路12から導出通路13までのY方向の長さL1は、第二冷却部17における導入通路12から導出通路13までのY方向の長さL2よりも長い。
ズレ量D1は、第一冷却部16へ分岐させる冷却媒体1の分岐量Q1と第二冷却部へ分岐させる冷却媒体1の分岐量Q2との比に基づいて設定される。分岐量Q1と分岐量Q2との比は第一冷却部16の長さL1と第二冷却部17の長さL2との長さの差による冷却性能の差を無くす(ゼロにする)ように設定される。したがって、第一冷却部16と第二冷却部17との長さの差が大きくなれば、ズレ量D1は大きくなり、長さの差が小さくなればズレ量D1は小さくなる。ズレ量D1は、予め実験や試験により分岐部15を設けない試験用のピストン冷却構造を有するピストンを備えた内燃機関を運転し、運転中にそのピストンの温度分布を計測することで得られる冷却性能の差により設定される。
このように、冷却通路11の第一冷却部16および第二冷却部17のY方向の長さが異なる場合に、本実施形態のピストン冷却構造10は、分岐部15により、長い方の第一冷却部16へ分岐する冷却媒体1の分岐量Q1を多くし、短い方の第二冷却部17へ分岐する冷却媒体1の分岐量Q2を少なくする。これにより、第一冷却部16を流れる冷却媒体1による冷却性能と、第二冷却部17を流れる冷却媒体1による冷却性能とを同等にすることができ、冷却性能の差で生じる冠面4の温度差を抑制することができる。
図4に例示するように、第三実施形態のピストン冷却構造10は、第一実施形態に対して筒部14を筒体18で構成する点が異なる。筒体18はピストン2とは別体の部材であり、導入通路12に挿通されてX方向に延在する円筒管である。筒体18はX方向の両端が開口して成り、X方向の上端のみが冷却通路11により閉止され、上端部にY方向に貫通した貫通孔が形成される。なお、貫通孔は一つに限定されずに、パンチングメタルのように複数の貫通孔でもよい。
筒体18は、導入通路12に挿通された状態で、導入連通口12aよりもX方向下方の側の部位が導入通路12と同様に冷却媒体噴射装置3から噴射された噴霧状の冷却媒体1の通路として機能する。また、筒体18は、導入通路12に挿通された状態で、導入連通口12aよりもX方向上方の側の部位が筒部14として機能する。筒体18における筒部14は、出口14bがY方向に向かって開口する。この出口14bは、第一実施形態と同様に冷却通路11を流れる冷却媒体1の液面の高さH1よりも高い位置に配置される。また出口14bは高さH2から筒体18の上端まで開口させるとよい。
図5に例示するように、第四実施形態のピストン冷却構造10は、第三実施形態に対して分岐部15が冷却通路11と別体であり、分岐部15を筒体18で構成する点が異なる。この実施形態の筒体18は、筒部14として機能するとともに分岐部15として効能する。筒体18は、X方向の下端が開口し、X方向の上端が閉止した有底筒状を成し、上端部にY方向に貫通した貫通孔が形成される。
筒体18は、導入通路12に挿通された状態で、筒部14の出口14bよりもX方向上方の側の部位が分岐部15として機能する。分岐部15は筒体18のX方向上端の底に形成される。
第三実施形態や第四実施形態のピストン冷却構造10のように、筒部14や分岐部15を冷却通路11や導入通路12とは別体の筒体18で構成することで、筒部14や分岐部15のように複雑な形状を通路とともに鋳造により形成する方法と比して歩留まりも高く、且つ、製造し易いことに加えて、調整もし易くなる。
既述した実施形態の冷却通路11はピストン2の内部をY方向に一周する円環状を成すが、冷却通路11はこれに限定されない。例えば、円弧状の複数の冷却通路11がピストン2の内部をY方向に略一周するように円環状に配置されたものもでもよい。また、冷却通路11は一つに限定されずに複数設けられてもよい。
既述した実施形態の筒部14の出口14bは、第一冷却部16の側と第二冷却部17の側とが同一の高さH2であるものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、第一実施形態において、筒部14の出口14bの端部を第一冷却部16の側が第二冷却部17の側よりも高くなるように斜めに切断した状態でもよい。つまり、図2において、出口14bの第一冷却部16の側の高さを、第二冷却部17の側の高さよりも高くしてもよい。また、第二実施形態において、筒部14の出口14bの端部を第二冷却部17の側が第一冷却部18の側よりも高くなるように斜めに切断した状態でもよい。つまり、図3において、出口14bの第二冷却部17の側の高さを、第一冷却部18の側の高さよりも高くしてもよい。
第一冷却部16の底に溜まった冷却媒体1の液面の高さと第二冷却部17の底に溜まった冷却媒体1の液面の高さが異なる場合がある。この場合に出口14bの高さを同一にすると、逆流を防ぐために液面の高さが高い方を基準にすることになり、液面の高さが低い方が不要に高くなる。そこで、出口14bの第一冷却部16の側の高さを第一冷却部16における液面の高さに合わせて設定し、第二冷却部17の側の高さを第二冷却部17における液面の高さに合わせて、それぞれ異なる高さに設定するとよい。
1 冷却媒体
2 ピストン
10 ピストン冷却構造
11 冷却通路
12 導入通路
13 導出通路
14 筒部
15 分岐部
2 ピストン
10 ピストン冷却構造
11 冷却通路
12 導入通路
13 導出通路
14 筒部
15 分岐部
Claims (5)
- ピストンの内部に形成された冷却通路、導入通路、および、分岐部を備えたピストン冷却構造において、
前記冷却通路は前記ピストンの周方向に延在し、その周方向に隣接する第一冷却部と第二冷却部とを有し、
前記導入通路は前記ピストンの軸方向に延在し、一端が前記冷却通路の前記第一冷却部および前記第二冷却部の境界部分に連通するとともに他端が前記ピストンの下面に開口し、
前記境界部分に配置された前記分岐部により、前記導入通路から前記第一冷却部へ分岐させる冷却媒体の分岐量を前記導入通路から前記第二冷却部へ分岐させる冷却媒体の分岐量よりも多くする構成であることを特徴とするピストン冷却構造。 - 前記ピストンが高温領域とその高温領域よりも温度の低い低温領域とを有し、前記第一冷却部が前記高温領域に存在し、前記第二冷却部が前記低温領域に存在する請求項1に記載のピストン冷却構造。
- 前記軸方向に延在し、一端が前記冷却通路に連通するとともに他端が前記ピストンの下面に開口し、前記導入通路に対して前記周方向に離間して成る導出通路を備え、
前記第一冷却部における前記導入通路から前記導出通路までの長さが、前記第二冷却部における前記導入通路から前記導出通路までの長さよりも長い請求項1に記載のピストン冷却構造。 - 前記分岐部は、頂部、第一斜面、および、第二斜面を有し、前記頂部が前記導入通路の前記冷却通路への導入連通口に向かって突出するとともに前記導入連通口を横断し、前記第一斜面が前記頂部よりも前記第一冷却部の側に配置されて冷却媒体を前記第一冷却部へ導く斜面で構成され、前記第二斜面が前記頂部よりも前記第二冷却部の側に配置されて冷却媒体を前記第二冷却部へ導く斜面で構成され、
前記頂部が前記導入通路の中心線に対して前記第二冷却部の側にずれた位置に配置されるとともに前記第一斜面が前記導入通路の中心線に対して交差する請求項1〜3のいずれか1項に記載のピストン冷却構造。 - 前記導入通路に連通して、前記冷却通路を流れる冷却媒体の液面の高さよりも高い位置に配置された前記冷却通路への出口を有する筒部を備え、前記筒部を介して前記冷却通路に冷却媒体が導入される構成にし、
前記分岐部は前記頂部が前記筒部の中心線に対して前記第二冷却部の側にずれた位置に配置されるとともに前記第一斜面が前記筒部の中心線に対して交差する請求項4に記載のピストン冷却構造。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019039340A (ja) * | 2017-08-24 | 2019-03-14 | いすゞ自動車株式会社 | 内燃機関用ピストン |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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