JP2021007279A - 電圧調整継電器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 サイリスタ式の自動電圧調整装置に好適な電圧調整継電器(90リレー)を提供する。【解決手段】 サイリスタ等の半導体スイッチを用いて任意のタップ位置へ一回で切換えることを可能とした半導体タップ切換器に対して、電圧調整継電器A1を平均的な電圧偏差に応じて目的のタップ位置に一回で切換える指令を出力するように構成した。【選択図】 図1

Description

本発明は、サイリスタ式の自動電圧調整装置に好適な電圧調整継電器(90リレー)に関する。
従来から、変電所からの送出電圧の調整を行うだけでは、高圧配電線網の電圧降下や電圧変動を総合的に補正・調整することが難しいため、配電線電圧を調整する機器として、SVR(Step Voltage Regulator)などの高圧自動電圧調整器(以下、単に電圧調整器という)が必要な区間毎に設置されている。
前記電圧調整器は、一般に電圧調整変圧器とタップ切換器、その制御装置によって構成され、高圧配電線路における線路電圧の降下を補償するとともに、二次電圧(負荷側電圧)の変動に対応して、制御装置からの切換指令により、一次電圧側のタップをタップ切換器によって適宜切換えて、二次電圧を予め設定した基準電圧に調整する。
前記制御装置の切換指令は、電圧調整継電器(以下、単に90リレーという)から与えられるものであり、電圧調整継電器の限時特性には、周知のとおり、定限時型と積分型(反限時型)の2種類がある(例えば、下記非特許文献1参照)。
愛知電機技報No.23、平成12年3月21日発行、p.10
前述したSVRに用いられている電圧調整継電器(90リレー)は定限時型が多い。これは、SVRのタップ切換には機械式接点が用いられており、1タップずつの昇圧/降圧切換しかできないため、目的のタップに切換えるまでに時間がかかり、積分型(反限時型)を採用するメリットが少ないからである。
つまり、SVRの電圧調整継電器(90リレー)に積分型(反限時型)を採用した場合、急激な電圧変動に対しては定限時型より早く動作するものの、1タップずつしか切換ができないので、結局、電圧調整に時間がかかってしまうことは変わらない。
図8(a)にSVRに用いられている90リレーB1の制御ブロック図(不感帯なし)を示す。同図(b)は90リレーB1の昇圧指令または降圧指令出力後の制御動作を示している。
以下、90リレーB1の構成について説明する。90リレーB1は、電圧検出用トランス102を介して高圧配電線の電圧値(実効値)を検出する電圧検出手段101、該電圧検出手段101が出力する電圧値Vf(実効値)と基準電圧Vrefの差分ΔV(電圧偏差)を演算する加え合せ点103a、後述する開始指令が入力されたときから停止指令が入力されるまでの間、電圧偏差ΔVの積分値を演算する積分器104a,104b、積分器104a,104bによる積分値を制限するリミタ105a,105b、リミタ105a,105bを介して出力される積分値を入力して、当該積分値をリレー整定値S90setと比較する比較器106a,106bによって構成されている。
比較器106a,106bは、積分値がリレー整定値S90setを超えたときに1タップ分の昇圧指令または降圧指令を出力する。リミタ105a,105bによる積分値の制限は、昇圧側(積分器104a)の積分値は負になったら0にリミットし、降圧側(積分器104b)の積分値は正になったら0にリミットする。また、そのタイミングで0にリミットした側の積分器をリセットする。
これは、電圧偏差ΔV<0のとき積分値は減少していき、ΔV>0のときは増加していくが、ΔV<0が継続して昇圧側の積分値が負になっていると、ΔV>0に変化した場合、積分値が負から正になるまでに時間がかかり、タップ切換までに時間がかかってしまう。そこで、ΔV<0が継続して昇圧側の積分値が減少しても0にリミットすることにより、ΔV>0に変化したときに、それに応じた時間で切換動作できるようにしたものである。降圧側も同様の理由により、積分値が正になったら0にリミットするものである。
以上のように構成された90リレーB1は、比較器106a,106bが出力する昇圧指令または降圧指令が、図8(b)に示すように入力されると(ステップS1)、タップ切換を開始してその完了を待つ(ステップS2)。また、タップ切換中は、図8(a)の積分器104a,104bによる演算を停止すべく、停止指令を積分器104a,104bに出力し(ステップS3)、積分器104a,104bの積分動作を停止させる。
タップ切換が完了(ステップS2)したら、積分器104a,104bをリセットする(ステップS4)ことにより、次回の積分演算に備える。
これとともに、タップ切換後は高圧配電線電圧が安定するのを待ち(ステップS5)、安定したら、積分器104a,104bに、積分開始指令を出力する(ステップS6)。その後は、再び、図8(a)に示す電圧検出手段101による高圧配電線電圧の検出動作に戻り、以降、同様の動作を繰り返す。
図9(a)は、SVRに用いられている90リレーB2の制御ブロック図(不感帯あり)を示す。同図(b)は90リレーB2の昇圧指令または降圧指令出力後の制御動作を示している。
図9(a)に示す90リレーB2の構成は、図8(a)に示す90リレーB1と概ね同じであり、同一の構成要素については同一符号を付して説明は割愛する。なお、図9(b)に示す昇圧指令または降圧指令出力後の制御動作についても図8(b)と同様であるので説明は割愛する。
図9に示す90リレーB2は、前述したとおり、不感帯(−ΔVd〜ΔVd)を設けており、加え合せ点103aに入力する基準電圧をVref−ΔVdとし、これとは別に、積分器104bに入力する電圧偏差ΔVdownを演算するためにもう1つ加え合せ点103bを設け、これに入力する基準電圧をVref+ΔVdとしている。
いずれの90リレーB1,B2も、1タップずつ昇圧または降圧するSVRには好適な構成である。
近年、低炭素社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの大量導入が進められている。また、平成23年3月に発生した東北地方太平洋沖地震による電力供給不安から、国内の再生可能エネルギーへの転換の機運は更に高まってきた。
再生可能エネルギーが配電系統に大量に連系されると、急激な電圧変動が発生する恐れがある。前述したとおり、SVRでは1タップずつしか切換ができないので、急激な電圧変動への対応は難しい。
そこで、近年、電圧調整を高速かつ多頻度に行え、急激な電圧変動への対応が可能なサイリスタ式自動電圧調整器(TVR:Thyristor type Step Voltage Regulator)が注目されている。
前記TVRにも電圧調整継電器(90リレー)が用いられており、TVRが有する高速タップ切換や飛越タップ切換を活かすには積分型(反限時型)を採用することが適切である。しかし、従来のSVRに用いられていた積分型(反限時型)の90リレーは、図8(a),図9(a)に示すとおり、1タップずつの切換しかできないので、TVRの特長を活かすことができない。
そこで、本発明では、TVRに好適な積分型(反限時型)の90リレーを簡単な構成で実現することを目的とする。
請求項1記載の発明は、配電線に設置されて、線路電圧をタップ切換により調整する自動電圧調整装置に用いられ、タップ切換手段をサイリスタ等の半導体スイッチを用いて任意のタップ位置へ一回で切換えることを可能とした半導体タップ切換器に対して、平均的な電圧偏差に応じて目的のタップ位置に一回で切換える指令を出力する電圧調整継電器を備えて構成したことに特徴を有する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電圧調整継電器において、基準電圧と配電線電圧の差(電圧偏差)を積分し、積分を開始してから前記積分値が当該電圧調整継電器の整定値を超過するまでの時間(積分時間)を計測して、前記積分値を前記積分時間で除すことにより平均的な電圧偏差を求め、この平均的な電圧偏差と1タップ電圧から目的のタップ位置を決定することに特徴を有する。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2の何れかに記載の電圧調整継電器において、不感帯を考慮せず、あるいは、不感帯を考慮して基準電圧を決定することができることに特徴を有する。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の電圧調整継電器において、基準電圧と配電線電圧の差(電圧偏差)を積分し、積分を開始してから前記積分値が当該電圧調整継電器の整定値を超過するまでの時間(積分時間)を計測して、前記積分値を前記積分時間で除すことにより平均的な電圧偏差を求め、この平均的な電圧偏差と1タップ電圧および不感帯の値から目的のタップ位置を決定することに特徴を有する。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の電圧調整継電器と、定限時特性の電圧調整継電器を組み合わせて構成したことに特徴を有する。
請求項1記載の発明によれば、平均的な電圧偏差に応じてTVRを最適なタップに一回で切換えることができるので、配電線の電圧調整を素早くできる。
請求項2記載の発明によれば、電圧偏差の積分開始からその積分値が90リレーの整定値を超過するまでの時間(積分時間)を計測し、前記積分値を前記積分時間で除した値を平均的な電圧偏差とする。そして、前記平均電圧偏差と1タップ電圧からタップ位置を決定することにより、一回で最適なタップに切換えることができるので、最適な電圧調整ができる。
請求項3記載の発明によれば、不感帯を考慮して基準電圧を決定すれば、電圧偏差が小さい場合にタップ切換を抑制することができる。
請求項4記載の発明によれば、基準電圧に不感帯を考慮しなくても、電圧偏差が小さい場合にタップ切換を抑制することができる。
請求項5記載の発明によれば、定限時特性の電圧調整継電器と組み合わせることにより、電圧偏差ΔVが大きい場合は、定限時特性によって、より高速に基準電圧に調整することが可能となる。
本発明の第1実施例に係るTVRに用いられる積分型リレー(不感帯なし)の制御ブロック図および昇圧指令または降圧指令出力後の制御動作である。 本発明の第1実施例に係るTVRに用いられる積分型リレー(不感帯なし)の時限特性を表すグラフである。 本発明の第2実施例に係るTVRに用いられる積分型リレー(不感帯あり)の制御ブロック図である。 本発明の第2実施例に係るTVRに用いられる積分型リレー(不感帯あり)の時限特性を表すグラフである。 本発明の第3実施例に係るTVRに用いられる積分型リレー(不感帯あり)の時限特性を表すグラフである。 本発明の第4実施例に係るTVRに用いられる積分型リレーと定限時型リレーを組み合わせた場合の説明図である。 本発明の第4実施例に係るTVRに用いられる積分型リレーと定限時型リレーを組み合わせた場合の時限特性を表すグラフである。 従来のSVRに用いられる積分型リレー(不感帯なし)の制御ブロック図および昇圧指令または降圧指令出力後の制御動作である。 従来のSVRに用いられる積分型リレー(不感帯あり)の制御ブロック図および昇圧指令または降圧指令出力後の制御動作である。
本発明の第1実施例を図1により説明する。図1(a)は本発明に係るTVRに用いられる電圧調整継電器(90リレー)A1の制御ブロック構成を示しており、同図(b)は90リレーA1の昇圧指令または降圧指令出力後の制御動作を示している。図1(a)において、1は電圧検出用トランス2を介して高圧配電線の電圧値(実効値)を検出する電圧検出手段であり、3aは電圧検出手段1から出力される電圧値Vf(実効値)と基準電圧Vrefの差分ΔV(電圧偏差)を演算する加え合せ点である。
4a,4bは、後述する開始指令が入力されてから停止指令が入力されるまで電圧偏差ΔVの積分値を演算する積分器であり、5a,5bは、積分器4a,4bによる積分値を制限するリミタである。リミタ5a,5bによる積分値の制限は、昇圧側(積分器4a)の積分値が負になったタイミングで0にリミットし、降圧側(積分器4b)の積分値が正になったタイミングで0にリミットする。また、そのタイミングで0にリミットした側の積分器をリセットする。
これは、電圧偏差ΔV<0のとき積分値は減少していき、ΔV>0のときは増加していくが、ΔV<0が継続して昇圧側の積分値が負になっていると、ΔV>0に変化した場合、積分値が負から正になるまでに時間がかかり、タップ切換までに時間がかかってしまう。そこで、ΔV<0が継続して昇圧側の積分値が減少していって負になった場合に0でリミットすることにより、ΔV>0に変化したときに、それに応じた時間で切換動作できるようにしたものである。降圧側も同様の理由により、積分値が正になったら0でリミットするものである。
6a,6bは、リミタ5a,5bを介して出力される積分値を入力して、当該積分値をリレー整定値S90setと比較する比較器であり、比較器6a,6bは、積分値がリレー整定値S90setを超えたときに昇圧指令または降圧指令を出力する。
また、積分器4a,4bによる演算値(積分値)は、リミタ5a,5bを介して昇圧側積分値S90u及び降圧側積分値S90dとしてそれぞれ出力される。
つづいて、90リレーA1の動作を、同図(b)以下に示す昇圧指令または降圧指令出力後の制御動作に基づき説明する。比較器6a,6bから昇圧指令または降圧指令が出力(図1(b)のステップS1)されると、タップ切換が開始され切換完了を待つ(ステップS2)。また、タップ切換中は配電線電圧が過渡的な状態になるので、図1(a)の積分器4a,4bによる演算を停止すべく、停止指令を積分器4a,4bに出力し(ステップS3)、積分器4a,4bの積分動作を停止する。
ここで、積分器4a,4bによる積分開始から停止までの時間(積分時間T90という)は、同図(c)に示すように、後述する積分開始指令が入力されてから前記積分停止指令が入力されるまでの時間をカウントすることにより求める(ステップS11)。
図1(b)のステップS2において、タップを何タップ切換えるかは、同図(e)で演算する。まず同図(d)において、図1(a)に示すリミタ5a,5bを介して出力される昇圧側積分値S90uまたは降圧側積分値S90dを前述した積分時間T90で除算することにより、平均電圧偏差ΔV90aveを求める(ステップS21)。
そして、同図(e)に示すように、平均電圧偏差ΔV90aveの正負に応じてステップS31に示す演算を実行し、必要となる切換タップ数Nを算出する。
その後、切換タップ数Nがタップの上限または下限に達しているか判断し(ステップS32)、達していなければ、切換タップ数Nを切換タップ数指令N´とし、達している場合は、その上限または下限までのタップ数を切換タップ数指令N´とする制限演算を行う。切換タップ数指令N´はTVR本体へ出力し、N´タップ切換を実行する。
このようにして、図1(b)のステップS2に示すタップ切換が完了したら、図1(a)に示す積分器4a,4bをリセットする(ステップS4)ことにより、次の積分演算に備える。
また、ステップS5において、タップ切換後に高圧配電線電圧が安定するのを待ち、安定した後、ステップS6において積分器4a,4bへ積分開始指令を出力する。その後は、再び、図1(a)に示す電圧検出手段1による高圧配電線電圧の検出動作に戻り、以降、同様の動作を繰り返す。
参考として、図2に90リレーA1の限時特性を示す。90リレーA1は不感帯を設けておらず、切換タップ数指令N´が昇圧側1〜6、降圧側−1〜−6で、1タップ電圧を70[V]としている。図2中に記載した数式で表されるような積分限時特性(反限時特性)でタップ切換えすることが可能であるので、TVRが有する高速タップ切換や飛越タップ切換を活かして、電圧調整することが可能となる。
また、図1に示す90リレーA1は、積分器の演算が真の積分特性となる。この点、各タップに対応する複数個の不感帯と積分器を設け、電圧偏差が不感帯に入った場合、積分値をリセットする方式の90リレーも存在するが(例えば、当社による先の出願:特願2019−62178)、当該先の出願と比較して、本案では不感帯に入っても積分値をリセットせずに積分を継続する。例えば昇圧側の積分では、電圧偏差が不感帯に入ると(例えば図9(a)でΔVup<0)積分値が減少するが、再び不感帯を超えると(ΔVup>0)積分値はその時点の値から増加に転じる。したがって、積分値がリレー整定値を超える時間は、リセットする場合より短くなる。このように、本来の積分動作により電圧調整を短時間で行うことができる。
また、先の出願がタップごとに不感帯や積分器、比較器を必要とするのに対し、本案では昇圧側の積分器4aと降圧側の積分器4bなどをそれぞれ1つずつ用意すればよく、構成が簡易となる。
以上説明したように、本発明の90リレーA1においては、高速タップ切換や飛越タップ切換といったTVRの特長を活かすことができるとともに、従来と比較して簡単に構成することができる。
また、平均電圧偏差から切換タップ数指令N´を決定するので、電圧偏差の時間的推移を考慮した最適な切換タップ数を求めることができる。つまり、配電系統電圧の一定時間内の平均値を短時間に基準電圧に近づけることができる。これは、一定時間平均で管理している配電系統の電圧管理方法とも整合性が取れる。
図3は本発明の第2実施例を示している。同図は、第2実施例に係る90リレーA2の制御ブロック構成を示している。なお、90リレーA2の昇圧指令または降圧指令出力後の制御動作は図1(b)〜(e)と同様であるので図示及び説明を省略する。また、図3において、図1(a)と同一の構成要素は同一符号を付し、その説明を割愛する。
図1(a)に示す90リレーA1と異なるところは、図3の90リレーA2は不感帯(−ΔVd〜ΔVd)を設けており、加え合せ点3aに入力する基準電圧をVref−ΔVdとし、これとは別に、積分器4bに入力する電圧偏差ΔVdownを演算する目的で、もう1つ加え合せ点3bを設け、これに入力する基準電圧をVref+ΔVdとした点である。
つまり、電圧偏差ΔVが小さい(−ΔVd≦ΔV≦ΔVd)ときに電圧調整を抑制する場合は、不感帯(−ΔVd〜ΔVd)を設けた図3に示す制御ブロック構成とすることにより、不必要な電圧調整動作を抑制することができる。
図4に、図3に示す90リレーA2の限時特性を示す。不感帯(−ΔVd〜ΔVd)があり、切換タップ数指令N´が昇圧側1〜6、降圧側−1〜−6で、1タップ電圧を70[V]としている。図4中に記載した数式で表されるような積分限時特性(反限時特性)により、短時間で電圧調整を実現できる。
つづいて、本発明の第3実施例について説明する。第3実施例は電圧偏差ΔVが小さい場合にタップ切換を抑制する別の方法である。電圧偏差ΔVが小さい場合のタップ切換を抑制するには、図3の第2実施例のように不感帯を設ける方法があるが、これとは別の方法として、何タップ動かすかの計算を次のようにする方法がある。なお、[]はガウス記号である。
ΔV90ave≧ΔVdの場合、N=[(ΔV90ave−ΔVd]/Vtap]+1
ΔVd>ΔV90ave>−ΔVdの場合、N=0
ΔV90ave=−ΔVdの場合、N=−1
ΔV90ave<−ΔVdの場合、N=[(ΔV90ave+ΔVd]/Vtap]
これにより、不感帯を設けなくても電圧偏差ΔVが小さい場合にタップ切換を抑制することが可能となる。なお、この場合の限時特性は図5のようになる。
また、本発明は、図1,図3に示す90リレーA1,A2や図5に示す限時特性の90リレーと定限時特性のリレーを組み合わせても良い。(本発明の第4実施例)。
図6は5タップ以上の切換を定限時特性とする場合の制御ブロック図である。つまり、図1や図3に示す90リレーA1,A2の制御ブロック構成に加え、図6に示すように、5タップ未満を不感帯(−ΔV5d〜ΔV5d)とし、電圧検出手段1で検出した高圧配電線電圧Vf(実効値)と基準電圧Vref−ΔV5dを比較し、高圧配電線電圧Vfが基準電圧Vref−ΔV5dより低い場合に動作指令を出力する比較器106cと、電圧検出手段1で検出した高圧配電線電圧Vf(実効値)と基準電圧Vref+ΔV5dを比較し、高圧配電線電圧Vfが基準電圧Vref+ΔV5dより高い場合に動作指令を出力する比較器106dおよび比較器106c,106dの出力を受け、遅延時間Tdを経過した後に5タップ昇圧指令や5タップ降圧指令を出力する動作遅延手段107を備える。
さらに、6タップ未満を不感帯(−ΔV6d〜ΔV6d)とし、電圧検出手段1で検出した高圧配電線電圧Vf(実効値)と基準電圧Vref−ΔV6dを比較し、高圧配電線電圧Vfが基準電圧Vref−ΔV6dより低い場合に動作指令を出力する比較器106eと、電圧検出手段1で検出した高圧配電線電圧Vf(実効値)と基準電圧Vref+ΔV6dを比較し、高圧配電線電圧Vfが基準電圧Vref+ΔV6dより高い場合に動作指令を出力する比較器106fおよび比較器106e,106fの出力を受け、遅延時間Tdを経過した後に6タップ昇圧指令や6タップ降圧指令を出力する動作遅延手段107を備える。
そして、5タップ切換の昇圧指令および降圧指令と6タップ切換の昇圧指令および降圧指令が競合した場合は、タップ数の大きい指令を採用するように構成する。なお、この場合の時限特性は図7のようになる。これにより、電圧偏差ΔVが5タップ以上と大きい場合には、定限時特性によって、より高速に基準電圧に調整することが可能となる。
以上説明したように、本発明の電圧調整継電器によれば、TVRの特長である高速タップ切換や飛越タップ切換に対応することができ、かつ、その構成を簡単にすることができる。
サイリスタ式の自動電圧調整器に利用可能である。
1,101 電圧検出手段
2,102 電圧検出用トランス
3a,3b,103a,103b 加え合わせ点
4a,4b,104a,104b 積分器
5a,5b,105a,105b リミタ
6a,6b,106a〜106f 比較器
107 動作遅延手段
A1,A2 本発明の電圧調整継電器
B1,B2 従来の電圧調整継電器
請求項1記載の発明は、配電線に設置されて、線路電圧をタップ切換により調整する自動電圧調整装置に用いられ、タップ切換手段を、半導体スイッチを用いて任意のタップ位置へ一回で切換えることを可能とした半導体タップ切換器に対して、平均的な電圧偏差に応じて目的のタップ位置に一回で切換える指令を出力する電圧調整継電器を備えて構成したことに特徴を有する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電圧調整継電器において、基準電圧と配電線電圧の差(電圧偏差)を積分し、積分を開始してからその積分値が当該電圧調整継電器の整定値を超過するまでの時間(積分時間)を計測して、前記積分値を前記積分時間で除すことにより平均的な電圧偏差を求め、この平均的な電圧偏差と1タップ電圧から目的のタップ位置を決定することに特徴を有する。
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の電圧調整継電器において、不感帯を考慮せず、あるいは、不感帯を考慮して基準電圧を決定することができることに特徴を有する。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の電圧調整継電器において、基準電圧と配電線電圧の差(電圧偏差)を積分し、積分を開始してからその積分値が当該電圧調整継電器の整定値を超過するまでの時間(積分時間)を計測して、前記積分値を前記積分時間で除すことにより平均的な電圧偏差を求め、この平均的な電圧偏差と1タップ電圧および不感帯の値から目的のタップ位置を決定することに特徴を有する。

Claims (5)

  1. 配電線に設置されて、線路電圧をタップ切換により調整する自動電圧調整装置に用いられ、タップ切換手段をサイリスタ等の半導体スイッチを用いて任意のタップ位置へ一回で切換えることを可能とした半導体タップ切換器に対して、平均的な電圧偏差に応じて目的のタップ位置に一回で切換える指令を出力するように構成したことを特徴とする電圧調整継電器。
  2. 前記平均的な電圧偏差は、基準電圧と配電線電圧の差(電圧偏差)を積分し、積分を開始してから前記積分値が当該電圧調整継電器の整定値を超過するまでの時間(積分時間)を計測して、前記積分値を前記積分時間で除すことにより求め、この平均的な電圧偏差と1タップ電圧から目的のタップ位置を決定することを特徴とする請求項1記載の電圧調整継電器。
  3. 前記基準電圧は不感帯を考慮せず、あるいは、不感帯を考慮して決定することができることを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載の電圧調整継電器。
  4. 前記平均的な電圧偏差は、基準電圧と配電線電圧の差(電圧偏差)を積分し、積分を開始してから前記積分値が当該電圧調整継電器の整定値を超過するまでの時間(積分時間)を計測して、前記積分値を前記積分時間で除すことにより求め、この平均的な電圧偏差と1タップ電圧および不感帯の値から目的のタップ位置を決定することを特徴とする請求項1記載の電圧調整継電器。
  5. 定限時特性の電圧調整継電器を組み合わせて構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の電圧調整継電器。
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