JP2021006614A - 土壌改質材及び土壌改質方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の土壌改質材は、改質主材としての吸水性ポリマー及び高分子凝集剤と、品質保持材としてのゼオライトとを含有する。それぞれの成分について、以下に説明する。
品質保持材としては、ゼオライトが用いられる。ゼオライトは特に限定されず、天然ゼオライト、合成ゼオライト、及び人工ゼオライトのいずれも使用することができる。
品質保持材としてのゼオライトの効果は、吸水性ポリマーや高分子凝集剤の種類や組み合わせによらず発揮される。
まず、以下のゼオライト、炭酸カルシウム、及び緑色凝灰岩を用意し、これらについて吸水性を比較した。
ゼオライト:ゼオライトB4、ジークライト(株)製
炭酸カルシウム:宇部マテリアルズ(株)製炭酸カルシウム
緑色凝灰岩:ヒナイグリーン、中野産業(株)製
いずれも、篩目75μmの篩下のものを用いた。
ゼオライト及び炭酸カルシウムについては、室内の温度及び湿度は、それぞれ18.4℃及び40.0%とし、加湿箱内の温度及び湿度は、それぞれ20℃及び99%とした。緑色凝灰岩については、室内の温度及び湿度は、それぞれ18.8℃及び42.2%とし、加湿箱内の温度及び湿度は、それぞれ19.1℃及び99%とした。
得られた結果を、下記表1にまとめる。
ゼオライトは、炭酸カルシウム及び緑色凝灰岩に比較して吸水性が優れることが、上記結果に示されている。このように、ゼオライトは優れた吸水性を有していることから、土壌改質材に配合された際には、吸水性ポリマーに優先して雰囲気中の水分を吸収する品質保持材として良好に作用し、土壌改質材の劣化を抑制することが推測される。一方、緑色凝灰岩は、ゼオライトより吸水性が劣っているので、ゼオライトに匹敵するような品質保持材としての作用は期待できない。
まず、土壌改質材の製造に用いる成分を以下に示す。
吸水性ポリマー:ポリアクリル酸ナトリウム
高分子凝集剤:アニオン系高分子凝集剤、ハイモ(株)製
ゼオライト:天然ゼオライト、ジークライト(株)製
比較のために、炭酸カルシウム(宇部マテリアルズ(株)製)を用いて、土壌改質材を調製する。
下記表2に示す処方で各成分を用いて、実施例1、比較例1〜4の土壌改質材を調製した。調製直後の実施例1、比較例1〜4の土壌改質材は、いずれも粉末状であった。
東京都23区内、夏季(7〜9月)の環境下で保存して、20日間、状態の変化を観察した。15日目においても粉末状を保っていれば、改質主材の劣化を抑制して、土壌改質材としての品質が十分に保持されたものと判断する。
比較例1は、3日目に硬化した。このとき、粘性、潮解性は確認されなかった。
比較例2,3は、3日目に硬化した。このとき、潮解性はないものの若干の粘性が確認され、6日目には粘性が増加した。
比較例4は、3日目で若干しっとりし、6日目には、若干硬化して粘性が生じていた。12日目にはさらに硬化ぎみとなり、20日目には多くの「だま」が生じていた。
ゼオライトの代わりに同量の炭酸カルシウムを配合しても、改質主材の劣化を抑制するという効果は得られないことが、実施例1と比較例4との比較からわかる。
炭酸カルシウムより吸水性の劣る緑色凝灰岩を用いた場合には、改質主材の劣化抑制能はさらに低下することが、この結果から推測される。
下記表4に示す処方で各成分を用いて、実施例2,3、比較例5〜7の土壌改質材を調製した。調製直後の実施例2,3、比較例5〜7の土壌改質材は、いずれも粉末状であった。
東京都23区内、夏季(7〜9月)の環境下で保存して、20日間、状態の変化を観察した。15日目においても変化が確認されなければ、改質主材の劣化が抑制されて、土壌改質材としての品質を十分に保持できたものと判断する。
比較例5は、5日目で若干湿気をもち始め、7日目にはスポンジ状になった。その後、8日目には固まりかけて、10日目にはスポンジ状に固まった。
比較例6は、5日目に「だま」が多少見られ、10日目には微粉末が「だま」になった。その後は、劣化の進行は確認されなかった。
比較例7は、7日目に「だま」が多少見られ、11日目には「だま」が増加した。その後は、劣化の進行は確認されなかった。
ゼオライトの配合量が、吸水性ポリマー100質量部に対して75質量部以上であれば、改質主材の劣化を抑制して土壌改質材の品質を保持できることが確認された。
Claims (8)
- 吸水性ポリマーと高分子凝集剤とゼオライトとを含有する土壌改質材であって、
前記ゼオライトの配合量は、前記吸水性ポリマー100質量部に対して75質量部以上であることを特徴とする土壌改質材。 - 前記ゼオライトの配合量は、吸水性ポリマー100質量部に対して500質量部以下であることを特徴とする請求項1記載の土壌改質材。
- 前記ゼオライトは、粒径が1μm以上4mm未満の粒子であることを特徴とする請求項1又は2記載の土壌改質材。
- 前記吸水性ポリマーは、アクリル系であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の土壌改質材。
- 前記高分子凝集剤は、アニオン系であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の土壌改質材。
- 前記高分子凝集剤の配合量は、前記吸収性ポリマー100質量部に対して0.1〜40質量部であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の土壌改質材。
- 前記吸収性ポリマー100質量部に対して200〜1800質量部の分散材をさらに含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の土壌改質材。
- 含水率が10〜90質量%の土壌100質量部に対し、請求項1〜7のいずれか1項に記載の土壌改質材1〜10質量部を混合する土壌改質方法。
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