JP2021005035A - 画像表示装置、光硬化性樹脂組成物、及びフィルム材 - Google Patents

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【課題】耐衝撃性に優れる衝撃吸収層を備える画像表示装置、並びにこのような衝撃吸収層を形成することが可能な光硬化性樹脂組成物及びフィルム材を提供する。【解決手段】画像表示装置10は、画像表示部材13と、画像表示部材13の片側又は両側に配置された衝撃吸収層11と、を備える。衝撃吸収層11は、下記一般式(1)の化学構造を有する光硬化性化合物と、(メタ)アクリロイル化合物と、多官能チオールと、光重合開始剤と、を含有する光硬化性樹脂組成物の硬化物である。[一般式(1)中、Xは水素原子又はメチル基を示し、Rはε-カプロラクトンを開環した構造{−C(=O)(CH2)5−O−}を示す。但し、nは1〜3の整数を示す。]【選択図】図1

Description

本発明は、画像表示部材の少なくとも片面に配置される衝撃吸収層に関し、衝撃吸収層を備える画像表示装置、衝撃吸収層を形成する光硬化性樹脂組成物、及びフィルム材に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)、液晶等の画像表示装置は、画像表示部材、画像表示部材から放出される光の特性を向上させる機能向上部材、画像表示部材を酸素、湿気等から保護するためのバリア部材、これらの部材を固定する固定部材などの複数の部材を積層することによって構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017−120758号公報
近年、画像表示装置の軽量化、薄型化、又はフレキシブル化が検討されている。しかし、このような検討に伴い、各部材の強度は低下する傾向にある。例えば、画像表示装置に対して、外部応力、画像表示装置組立時の圧力等の衝撃が加わると、画像表示部材、バリア部材等が損傷してしまう場合がある。そのため、画像表示装置には、固定部材としても作用し得る衝撃吸収層を導入することが検討されつつある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、耐衝撃性に優れる衝撃吸収層を備える画像表示装置、並びにこのような衝撃吸収層を形成することが可能な光硬化性樹脂組成物及びフィルム材を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、画像表示部材と、画像表示部材の片側又は両側に配置された衝撃吸収層と、を備え、衝撃吸収層が、下記一般式(1)に由来する構造単位と、(メタ)アクリロイル化合物に由来する構造単位と、多官能チオールに由来する構造単位と、を含む樹脂硬化物である、画像表示装置を提供する。
Figure 2021005035
[一般式(1)中、Xは水素原子又はメチル基を示し、Rはε-カプロラクトンを開環した構造{−C(=O)(CH−O−}を示す。但し、nは1〜3の整数を示す。]
一般式(1)に由来する構造単位の含有量は、衝撃吸収層の全質量を基準として12〜20質量%であってよい。(メタ)アクリロイル化合物は、ε-カプロラクトンを開環した構造を有する(メタ)アクリロイル化合物を含んでいてよい。多官能チオールは、ペンタエリスリトールのβ−メルカプトプロピオン酸エステルを含んでいてよい。
別の側面において、本発明は、下記式(1)の化学構造を有する光硬化性化合物と、(メタ)アクリロイル化合物と、多官能チオールと、光重合開始剤と、を含有し、画像表示装置の衝撃吸収層を形成するために用いられる、光硬化性樹脂組成物を提供する。
Figure 2021005035
[一般式(1)中、Xは水素原子又はメチル基を示し、Rはε-カプロラクトンを開環した構造{−C(=O)(CH−O−}を示す。但し、nは1〜3の整数を示す。]
一般式(1)の化学構造を有する光硬化性化合物の含有量は、光硬化性樹脂組成物の全質量を基準として12〜20質量%であってよい。(メタ)アクリロイル化合物は、ε-カプロラクトンを開環した構造を有する(メタ)アクリロイル化合物を含んでいてよい。多官能チオールは、ペンタエリスリトールのβ−メルカプトプロピオン酸エステルを含んでいてよい。
別の側面において、本発明は、樹脂層と、樹脂層を挟むように積層された一対の基材層と、を備え、樹脂層が画像表示装置の衝撃吸収層を形成するために用いられる、フィルム材であって、樹脂層が、下記一般式(1)の化学構造を有する光硬化性化合物と、(メタ)アクリロイル化合物と、多官能チオールと、光重合開始剤と、を含有する光硬化性樹脂組成物の硬化物である、フィルム材を提供する。
Figure 2021005035
[一般式(1)中、Xは水素原子又はメチル基を示し、Rはε-カプロラクトンを開環した構造{−C(=O)(CH−O−}を示す。但し、nは1〜3の整数を示す。]
一般式(1)の化学構造を有する光硬化性化合物の含有量は、光硬化性樹脂組成物の全質量を基準として12〜20質量%であってよい。(メタ)アクリロイル化合物が、ε-カプロラクトンを開環した構造を有する(メタ)アクリロイル化合物を含んでいてよい。多官能チオールが、ペンタエリスリトールのβ−メルカプトプロピオン酸エステルを含んでいてよい。樹脂層のヘーズは5%以下であってよい。
本発明によれば、耐衝撃性に優れる衝撃吸収層を備える画像表示装置、並びにこのような衝撃吸収層を形成することが可能な光硬化性樹脂組成物及びフィルム材が提供される。
画像表示装置の一実施形態を模式的に示す断面図である。 フィルム材の一実施形態を模式的に示す断面図である。 衝撃吸収フィルムの引張応力の算出に用いられる評価装置の一例を模式的に示す断面図である。 (a)は、錘体が被評価体に衝突することによって変形痕が変形痕記録部材に記録される様子を模式的に示す上面図であり、(b)は、(a)のI−I線断面図である。 変形痕が記録された変形痕記録部材を模式的に示す断面図である。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明の実施形態について説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本明細書において、(メタ)アクリロイル化合物は、アクリロイル化合物又はそれに対応するメタクリロイル化合物を意味する。(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシ基等の他の類似表現についても同様である。
本明細書において、ヘーズ(Haze)とは、濁度を表わす値(%)であり、ランプにより照射され、試料中を透過した光の全透過率Tと、試料中で拡散され散乱した光の透過率Tより、(T/T)×100として求められる。これらはJIS K 7136(プラスチック−透明材料のヘーズの求め方)によって規定されており、市販の濁度計(例えば、日本電色工業株式会社製、商品名「ヘーズメーターNDH7000」)によって容易に測定可能である。
[画像表示装置]
一実施形態に係る画像表示装置は、画像表示部材と、画像表示部材の片側又は両側に配置された衝撃吸収層と、を備える。図1は、画像表示装置の一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示す画像表示装置10は、基板12、衝撃吸収層11、画像表示部材13、機能向上部材14、及びバリア部材15をこの順に備える。衝撃吸収層11は、画像表示部材13と機能向上部材14との間に配置されていてもよい。また、衝撃吸収層11は、基板12の画像表示部材13の反対側、機能向上部材14とバリア部材15との間、又はバリア部材15の機能向上部材14とは反対側のいずれかにさらに配置されていてもよい。
画像表示装置10は、特に制限されないが、液晶装置、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)装置等が挙げられる。画像表示装置10は、有機EL装置であってよい。
基板12は、ガラス基板、金属基板、樹脂基板等であってよい。基板12は、フレキシブル基板であってよく、薄型ガラス基板であってもよい。
画像表示部材13は、一実施形態において、画素電極、有機発光層を含む中間層、及び対向電極をこの順に備える、有機EL発光素子であってよい。画素電極は、反射電極であってよい。対向電極は、透明電極であってよい。中間層は、有機発光層を含み、有機発光層以外に、正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、電子輸送層(ETL)、電子注入層(EIL)等を含んでいてもよい。
機能向上部材14は、画像表示部材13から放出される光の特性を向上させる機能を有する層であり、有機EL分野で一般的に使用されているものを使用することができる。
バリア部材15は、酸素、湿気等から保護するための封止層であり、有機EL分野で一般的に使用されているものを使用することができる。
衝撃吸収層11は、後述の光重合性樹脂組成物の硬化物である。衝撃吸収層11が光重合性樹脂組成物の硬化物であることによって、柔軟性及び強靭性を付与することができ、高い耐衝撃性を得ることができる。衝撃吸収層11は、後述の光硬化性樹脂組成物又はフィルム材から形成することができる。
<光硬化性樹脂組成物>
一実施形態に係る光硬化性樹脂組成物は、特定の光硬化性化合物(以下、「(A)成分」という場合がある。)と、(メタ)アクリロイル化合物(以下、「(B)成分」という場合がある。)と、多官能チオール(化合物)(以下、「(C)成分」という場合がある。)と、光重合開始剤(以下、「(D)成分」という場合がある。)と、を含有し、画像表示装置の衝撃吸収層を形成するために用いられる。
(A)成分:特定の光硬化性化合物
(A)成分である特定の光硬化性化合物は、前記の一般式(1)で示されるカプロラクトン変性ポリ((メタ)アクリロイルオキシアルキル)イソシアヌレートである。
カプロラクトン変性ポリ((メタ)アクリロイルオキシアルキル)イソシアヌレートの具体例としては、カプロラクトン1モル変性トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、カプロラクトン3モル変性トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。
中でも、樹脂硬化物の柔軟性、耐熱性及び耐湿熱性の観点から、カプロラクトン1モル変性トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、及びカプロラクトン3モル変性トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートが好ましく、カプロラクトン3モル変性トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートがより好ましい。
カプロラクトン変性ポリ{(メタ)アクリロイルオキシアルキル}イソシアヌレートとしては、上市されている市販品を用いてもよく、例えば、A−9300−1CL(新中村化学工業株式会社製、カプロラクトン1モル変性トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート)、A−9300−3CL(新中村化学工業株式会社製、カプロラクトン3モル変性トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート)等が挙げられる。
(A)成分の含有量は、光硬化性樹脂組成物全量を基準として、好ましくは12〜20質量%、より好ましくは12〜17質量%、さらに好ましくは15〜17質量%である。
(A)成分の含有量が、光硬化性樹脂組成物全量を基準として、12質量%以上であると、得られる樹脂層の強靭性を向上させることができる傾向にある。(A)成分の含有量が、光硬化性樹脂組成物全量を基準として、20質量%以下であると、得られる樹脂層の衝撃吸収性がより良好となる傾向にある。
(B)成分:(メタ)アクリロイル化合物
(B)成分である(メタ)アクリロイル化合物は、1分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する単官能(メタ)アクリル化合物である。
単官能(メタ)アクリル化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香環を有する(メタ)アクリレート化合物;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メチレンオキシド付加シクロデカトリエン(メタ)アクリレート等の脂環を有する(メタ)アクリレート化合物;(メタ)アクリロイルモルホリン等の複素環を有する(メタ)アクリレート化合物;ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート等のフッ化アルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物;2−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート化合物;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物;等が挙げられる。
中でも、樹脂硬化物の耐衝撃性、耐熱性及び耐湿熱性の観点から、単官能(メタ)アクリル化合物は、(メタ)アクリロイルモルホリン及びε-カプロラクトンを開環した構造を有するカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
単官能(メタ)アクリル化合物としては、上市されている市販品を用いてもよく、例えば、プラクセルFA2D(株式会社ダイセル製、カプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート)、ACMO(KJケミカルズ株式会社製、アクリロイルモルホリン)等が挙げられる。
(B)成分の含有量は、光硬化性樹脂組成物全量を基準として、好ましくは55〜75質量%、より好ましくは60〜75質量%、さらに好ましくは60〜70質量%である。(B)成分の含有量が、光硬化性樹脂組成物全量を基準として、55質量%以上であると、得られる樹脂層の衝撃吸収性を向上させることができる傾向にある。(B)成分の含有量が、光硬化性樹脂組成物全量を基準として、75質量%以下であると、光硬化性樹脂組成物の粘度が樹脂層を作製する際の適正粘度範囲に入り、加工性がより良好となる傾向にある。
(C)成分:多官能チオール(化合物)
(C)成分である多官能チオール(化合物)は、分子内にチオール基を2〜6個有する化合物であることが好ましく、分子内にチオール基を3個又は4個有する化合物であることがより好ましい。
多官能チオール(化合物)の具体例としては、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,2−プロピレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、1,8−オクタンジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,8−オクタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、ヘキサンジオールビスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトイソブチレート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトイソブチレート)、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトイソブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトイソブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2−メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ジペンタエリスリトールヘキサキスチオグリコレート、ポリエーテルポリチオール等が挙げられる。
中でも、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)及びペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)が好ましく、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)がより好ましい。
多官能チオール化合物としては、上市されている市販品を用いてもよく、例えば、PEMP(SC有機化学株式会社製、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート))、カレンズMT PE1(昭和電工株式会社製、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート))、TPMB(昭和電工株式会社製、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート))等が挙げられる。
多官能チオール(化合物)としては、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
(C)成分の含有量は、光硬化性樹脂組成物全量を基準として、好ましくは15〜30質量%、より好ましくは15〜25質量%、さらに好ましくは17〜22質量%である。
(C)成分の含有量が、光硬化性樹脂組成物全量を基準として、15質量%以上であると、得られる樹脂層の強靭性を向上させることができる傾向にある。(C)成分の含有量が、光硬化性樹脂組成物全量を基準として、30質量%以下であると、光硬化性樹脂組成物の粘度が樹脂層を作製する際の適正粘度範囲に入り、加工性がより良好となる傾向にある。
(D)成分:光重合開始剤
(D)成分は、活性エネルギー線の照射によって硬化反応を促進させるものである。活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等をいう。
(D)成分としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N,N’,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2−エチルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロロ−2−メチルアントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジエトキシアセトフェノン等の芳香族ケトン化合物;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンジル、ベンジルジメチルケタール等のベンジル化合物;β−(アクリジン−9−イル)(メタ)アクリル酸等のエステル化合物;9−フェニルアクリジン、9−ピリジルアクリジン、1,7−ジアクリジノヘプタン等のアクリジン化合物;2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モリホリノフェニル)−1−ブタノン;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパン;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド;オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)が挙げられる。これらの(D)成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
光硬化性樹脂組成物溶液を着色させない(D)成分としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等のα−ヒドロキシアルキルフェノン化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド化合物;オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)が挙げられる。
特に厚い樹脂層(衝撃吸収層)を形成するためには、(D)成分は、例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド化合物を含んでもよい。
(D)成分の含有量は、光硬化性樹脂組成物全量を基準として、好ましくは0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜3質量%、さらに好ましくは0.1〜1.5質量%である。光重合開始剤の含有量が5質量%以下であることによって、透過率が高く、また色相も黄味を帯びることがなく、透明性に優れる樹脂層(衝撃吸収層)を得ることができる傾向にある。
その他の成分
光硬化性樹脂組成物は、(A)成分、(B)成分、(C)成分、及び(D)成分以外の成分をその他の成分として含有していてもよい。
その他の成分としては、例えば、光硬化性樹脂組成物の保存安定性を高める目的で添加するパラメトキシフェノール等の重合禁止剤、光硬化性樹脂組成物を光硬化させて得られる樹脂層(衝撃吸収層)の耐熱性を高める目的で添加するトリフェニルホスファイト等の酸化防止剤、紫外線等の光に対する光硬化性樹脂組成物の耐性を高める目的で添加するHALS(Hindered Amine Light Stabilizer)等の光安定化剤、ガラスに対する光硬化性樹脂組成物の密着性を高めるために添加するシランカップリング剤が挙げられる。
<フィルム材>
一実施形態に係るフィルム材は、樹脂層と、樹脂層を挟むように積層された一対の基材層と、を備え、樹脂層が画像表示装置の衝撃吸収層を形成するために用いられる。当該樹脂層は、上述した光硬化性樹脂組成物から形成することができる。
図2は、フィルム材の一実施形態を模式的に示す断面図である。図2に示されるように、フィルム材20は、樹脂層21と、樹脂層21を挟むように積層された一方の基材22及び他方の基材23と、を備えていてもよい。
基材22は、基材23よりも重剥離性の基材であることが好ましい。基材22としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、ポリエチレン等の重合体フィルムが挙げられる。これらの中でも、基材22は、PETフィルムであることが好ましい。基材22の厚みは、作業性の観点から、好ましくは50〜200μm、より好ましくは60〜150μm、さらに好ましくは70〜130μmである。
基材22の平面形状は、樹脂層21の平面形状よりも大きく、基材22の外縁が樹脂層21の外縁よりも外側に張り出していることが好ましい。基材22の外縁が樹脂層21の外縁よりも張り出す幅は、取り扱い易さ、剥がし易さ、埃等の付着をより低減できる観点から、好ましくは2〜20mm、より好ましくは4〜10mmである。樹脂層21及び基材22の平面形状が略長方形等の略矩形状である場合には、基材22の外縁が樹脂層21の外縁よりも張り出す幅は、好ましくは少なくとも1つの辺において2〜20mm、より好ましくは少なくとも1つの辺において4〜10mm、さらに好ましくは全ての辺において2〜20mm、特に好ましくは全ての辺において4〜10mmである。
基材23は、基材22よりも軽剥離性の基材を用いることが好ましい。基材23としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、ポリエチレン等の重合体フィルムが挙げられる。これらの中でも、基材23は、PETフィルムであることが好ましい。基材23の厚みは、作業性の観点から、25〜150μmであることが好ましく、30〜100μmであることがより好ましく、40〜80μmであることがさらに好ましい。
基材23の平面形状は、樹脂層21の平面形状よりも大きく、基材23の外縁が樹脂層21の外縁よりも外側に張り出していることが好ましい。基材23の外縁が樹脂層21の外縁よりも張り出す幅は、取り扱い易さ、剥がし易さ、埃等の付着をより低減できる観点から、好ましくは2〜20mm、より好ましくは4〜10mmである。樹脂層21及び基材23の平面形状が略長方形等の略矩形状である場合には、基材23の外縁が樹脂層21の外縁よりも張り出す幅は、好ましくは少なくとも1つの辺において2〜20mm、より好ましくは少なくとも1つの辺において4〜10mm、さらに好ましくは全ての辺において2〜20mm、特に好ましくは全ての辺において4〜10mmである。
基材23と樹脂層21との間の剥離強度は、基材22と樹脂層21との間の剥離強度よりも低いことが好ましい。これによって、基材22は基材23よりも樹脂層21から剥離し難くなる。剥離強度は、例えば、基材22及び基材23の表面処理を施すことによって調整することができる。表面処理方法としては、例えば、シリコーン系化合物又はフッ素系化合物で、基材を離型処理することが挙げられる。
樹脂層21を形成する方法は、公知の技術を使用することができる。例えば、まず、上述の光硬化性樹脂組成物の粘度を、(C)成分又は(D)成分の光重合開始剤(光架橋剤)の含有量によって調製する。
次いで、光硬化性樹脂組成物を基材22上に塗布し、当該光硬化性樹脂組成物に対して活性エネルギー線を照射し、硬化させることによって、任意の厚みを有する樹脂層21を形成することができる。塗布方法としては、例えば、フローコート法、ロールコート法、グラビアコート法、ワイヤーバーコート法、リップダイコート法等の公知の方法を用いることができる。
基材22上に樹脂層21を形成した後、樹脂層21上に基材23を積層することで、フィルム材が作製される。樹脂層21は基材23及び基材22で挟まれる構成となる。
基材22上に樹脂層21を形成した後、樹脂層21上に基材23を積層し、光硬化性樹脂組成物の樹脂層21に対して活性エネルギー線を照射し、硬化させることによって、樹脂層21を形成することもできる。
樹脂層21と、基材23及び基材22との剥離性を制御するために、共重合体溶液に、ポリジメチルシロキサン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の界面活性剤を含有させてもよい。
樹脂層21の厚みは、使用用途及び方法により適宜調整されるため特に限定されないが、10〜5000μm、25〜200μm、25〜180μm、又は25〜150μmであってもよい。樹脂層21の厚みがこのような範囲であると、外部から加えられた衝撃に対して、より耐性を有する衝撃吸収層となり得る。
樹脂層21の可視光領域(波長:380〜780nm)の光線に対する光透過率は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上である。
樹脂層21のヘーズは、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは1%以下である。なお、ヘーズ(Haze)とは、濁度を表わす値(%)であり、ランプにより照射され、試料中を透過した光の全透過率Tと、試料中で拡散され散乱した光の透過率Tより、(T/T)×100として求められる。これらはJIS K 7136により規定されており、市販の濁度計(例えば、日本電色工業株式会社製、商品名「ヘーズメーターNDH7000」)によって容易に測定可能である。
本実施形態に係るフィルム材によれば、樹脂層21を傷つけることなく、保管及び運搬を容易にすることができる。
樹脂層21は、例えば、画像表示部材の片側又は両側に配置することによって、画像表示装置の衝撃吸収層として用いることができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<光硬化性樹脂組成物の調製及びフィルム材の作製>
光硬化性樹脂組成物の調製に関して、以下の成分を用意した。
(A)成分:カプロラクトン変性イソシアヌレートアクリレート
(A−9300−3CL)
(新中村化学工業株式会社製、製品名「A−9300−3CL」)
(B)成分:カプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(FA2D)
(株式会社ダイセル製、製品名「プラクセルFA2D」)
:アクリロイルモルホリン(ACMO)
(KJケミカルズ株式会社製、製品名「ACMO」)
(C)成分:ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)
(PTMP)
(SC有機化学株式会社製、製品名「PEMP」)
(D)成分:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド
(TPO)
(IGM Resins社製、製品名「Omnirad TPO」)
(実施例1)
カプロラクトン変性イソシアヌレートアクリレート(A−9300−3CL)20.0質量部、カプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(FA2D)40.0質量部、アクリロイルモルホリン(ACMO)20.0質量部、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PTMP)20.0質量部、及び2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(TPO)0.5質量部を秤量し、これらを撹拌混合することで、常温(25℃)で液状の実施例1の光硬化性樹脂組成物を得た。
次いで、表面に離型処理した厚み75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(基材A)上に、上記光硬化性樹脂組成物の塗液を紫外線照射後の厚みが100μmとなるようにアプリケーターを用いて塗工して塗膜を形成し、形成した塗膜上に、離型処理した厚み50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(基材B)を被せ、紫外線照射装置(アイグラフィックス株式会社製)を用いて紫外線照射(2,000mJ/cm)を行うことによって、実施例1のフィルム材を作製した。
(実施例2〜4及び比較例1、2)
各成分の配合量を表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜4及び比較例1、2のフィルム材を作製した。なお、表1中、配合量の数値の単位は質量部である。
(比較例3)
実施例1の(A)成分を、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(Sartomer社製、製品名:SR833S)に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例3のフィルム材を得た。
(比較例4)
実施例1の(A)成分を、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業株式会社製、製品名:ABE−300)に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例4のフィルム材を得た。
<評価>
各実施例及び比較例で得られたフィルム材について、以下の方法により評価を行った。
結果を表1に示した。
<剥離外観>
実施例1〜4及び比較例1〜4のフィルム材を縦100mm、横100mmのサイズに切り出した。次いで、切り出したフィルム材の基材Bを剥離して樹脂層を露出させた。その後、樹脂層の表面形状を目視観察し、以下の基準に従って剥離外観を評価した。
−評価基準−
○:糸引き等の外観異状なし
×:糸引き等の外観異状あり
<変形痕の解析による引張応力の測定>
(評価装置の準備)
実施例1〜4及び比較例1〜4のフィルム材について変形痕の解析により引張応力を測定した。図3は、フィルム材の引張応力の算出に用いられる評価装置の一例を模式的に示す断面図である。図3に示す評価装置110は、支持フィルム61と樹脂層62と保護対象部材63とを含む被評価体104を支持するとともに、衝撃が印加されたときに変形痕として記録する変形痕記録部材105と、被評価体104の上方から錘体101を落下させ、被評価体104を介して変形痕記録部材105に衝撃を印加する衝撃印加機構103と、を備える。衝撃印加機構103は、錘体101を被評価体104の所定の位置に落下させるためのガイド102を有していてもよい。評価装置110は、変形痕記録部材105を支持するための支持部材106を備えていてもよい。落下高さHは、被評価体104から錘体101の下部までの高さを意味する。
図4(a)は、錘体が被評価体に衝突することによって変形痕が変形痕記録部材105に記録される様子を模式的に示す上面図であり、図4(b)は、図4(a)のI−I線断面図である。図示のとおり、被評価体104の上方から錘体101を落下させ、錘体101を被評価体104に衝突させることによって、被評価体104を介して変形痕記録部材105に衝撃が印加され、変形痕記録部材105上に変形痕105aが記録される。錘体101の形状が、球形、半球状の端部を備えるハンマーヘッド形、又は少なくとも一端が球状である紡錘形である場合、変形痕105aの形状は、通常、球状である。
図5は、変形痕が記録された変形痕記録部材を模式的に示す断面図である。rは、変形痕105aの形状に対応する仮想的な球の半径である。rは、錘体101の半径rよりも大きい。r(mm)は、変形痕5aの直径(最長径)及び深さ(最深部)をそれぞれd(mm)、h(mm)としたとき、下記式(B)によって求められる。
半径r(mm)=d/(8×h)+(h/2) (B)
引張応力は、例えば、図3に示す被評価体104において、衝撃が印加されたときに保護対象部材63に生じる応力である。得られる引張応力が小さいほど、保護対象部材63の受ける衝撃が小さく、樹脂層62の衝撃吸収性が高い傾向にあるといえる。
引張応力は、下記式(C)によって求められる。
引張応力(MPa)=α×(0.5×β)/r×1000 (C)
ここで、r(mm)は上記と同義であり、α(GPa)は保護対象部材63のヤング率を示し、β(mm)は保護対象部材63の厚みを示す。
図3に示す評価装置と同様の構成を有する評価装置を用意した。各部材の詳細は以下のとおりである。
錘体:スチール材(形状:球状、質量:75g、半径:13.1mm(直径:26.2mm)、曲率:0.076mm−1
ガイド:アクリルパイプ(内径:30.9mm、長さ:102cm)
変形痕記録部材:純アルミニウム板(縦110mm×横110mm×厚み5mm)
支持部材:鋼材机
保護対象部材:ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡株式会社製、製品名:A4100、縦50mm×横50mm、ヤング率α:2.0GPa、厚み:50μm(0.050mm))
実施例1〜4及び比較例1〜4のフィルム材を、縦30mm×横30mmに切り出した。次いで、切り出したフィルム材の基材Bを剥離して樹脂層の表面を露出させた。その後、露出させた樹脂層の表面を支持フィルム(東洋紡株式会社製、製品名:A4100、縦50mm×横50mm×厚み50μm)に貼り付け、ローラーで押し付けた。次いで、支持フィルムに貼り付けた樹脂層から基材Aを剥離し、準備した評価装置の保護対象部材上に、保護対象部材と樹脂層とが接するように配置した。次いで、落下高さHを60cmとし、被評価体の上方から錘体を落下させ、被評価体を介して変形痕記録部材に衝撃を印加した。変形痕記録部材に記録された変形痕を解析し、引張応力を算出した。
<ヘーズの測定>
実施例1〜4及び比較例1〜4のフィルム材を縦50mm、横50mmのサイズに切り出し、切り出したフィルム材の基材Bを剥離して樹脂層の表面を露出させた。その後、フィルム材の露出させた樹脂層の表面をフロートガラス(縦50mm×横50mm×厚み2.7mm)に貼り付け、ローラーで押し付けた。次いで、フロートガラスに貼り付けた樹脂層から基材Aを剥離し、真空積層機を用いて、真空状態で樹脂層の表面を、フロートガラス(縦50mm×横50mm×厚み2.7mm)に貼り付けて積層体を作製した。その後、作製した積層体を、温度45℃、圧力0.5MPa、30分間保持する条件で加熱加圧処理(オートクレーブ処理)し、測定サンプルを得た。得られたサンプルについて、JIS K 7136に準拠した測定によってヘーズを測定した。測定装置として日本電色工業株式会社製、商品名:ヘーズメーターNDH7000を用い、光源をD65、基準を空気をとした。
Figure 2021005035
表1に示すとおり、実施例1〜4の光硬化性樹脂組成物を用いて作製した実施例1〜4のフィルム材の樹脂層は、比較例1〜4の光硬化性樹脂組成物を用いて作製した比較例1〜4のフィルム材の樹脂層に比べて、耐衝撃性に優れていた。保護対象部材に発生する引張応力が小さいと、保護対象部材の受ける衝撃が小さく、樹脂の衝撃吸収性が高い傾向にあるといえる。このことから、実施例1〜4のフィルム材の樹脂層を画像表示装置に適用した場合において、衝撃吸収層として作用し得ることが示唆された。
10…画像表示装置、11…衝撃吸収層、12…基板、13…画像表示部材、14…機能向上部材、15…バリア部材、20…フィルム材、21…樹脂層、22,23…基材、60…支持フィルム付き樹脂層、61…支持フィルム、62…樹脂層、63…保護対象部材、101…錘体、102…ガイド、103…衝撃印加機構、104…被評価体、105…変形痕記録部材、105a…変形痕、106…支持部材、110…評価装置。

Claims (13)

  1. 画像表示部材と、前記画像表示部材の片側又は両側に配置された衝撃吸収層と、を備え、前記衝撃吸収層が、下記一般式(1)に由来する構造単位と、(メタ)アクリロイル化合物に由来する構造単位と、多官能チオールに由来する構造単位と、を含む樹脂硬化物である、画像表示装置。
    Figure 2021005035
    [一般式(1)中、Xは水素原子又はメチル基を示し、Rはε-カプロラクトンを開環した構造{−C(=O)(CH−O−}を示す。但し、nは1〜3の整数を示す。]
  2. 前記一般式(1)に由来する構造単位の含有量が、前記衝撃吸収層の全質量を基準として12〜20質量%である、請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記(メタ)アクリロイル化合物が、ε-カプロラクトンを開環した構造を有する(メタ)アクリロイル化合物を含む、請求項1又は請求項2に記載の画像表示装置。
  4. 前記多官能チオールが、ペンタエリスリトールのβ−メルカプトプロピオン酸エステルを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  5. 下記一般式(1)の化学構造を有する光硬化性化合物と、(メタ)アクリロイル化合物と、多官能チオールと、光重合開始剤と、を含有し、画像表示装置の衝撃吸収層を形成するために用いられる、光硬化性樹脂組成物。
    Figure 2021005035
    [一般式(1)中、Xは水素原子又はメチル基を示し、Rはε-カプロラクトンを開環した構造{−C(=O)(CH−O−}を示す。但し、nは1〜3の整数を示す。]
  6. 前記一般式(1)の化学構造を有する光硬化性化合物の含有量が、前記光硬化性樹脂組成物の全質量を基準として12〜20質量%である、請求項5に記載の光硬化性樹脂組成物。
  7. 前記(メタ)アクリロイル化合物が、ε-カプロラクトンを開環した構造を有する(メタ)アクリロイル化合物を含む、請求項5又は請求項6に記載の光硬化性樹脂組成物。
  8. 前記多官能チオールが、ペンタエリスリトールのβ−メルカプトプロピオン酸エステルを含む、請求項5〜7のいずれか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  9. 樹脂層と、前記樹脂層を挟むように積層された一対の基材層と、を備え、前記樹脂層が画像表示装置の衝撃吸収層を形成するために用いられる、フィルム材であって、
    前記樹脂層が、
    下記一般式(1)の化学構造を有する光硬化性化合物と、(メタ)アクリロイル化合物と、多官能チオールと、光重合開始剤と、を含有する光硬化性樹脂組成物の硬化物である、フィルム材。
    Figure 2021005035
    [一般式(1)中、Xは水素原子又はメチル基を示し、Rはε-カプロラクトンを開環した構造{−C(=O)(CH−O−}を示す。但し、nは1〜3の整数を示す。]
  10. 前記一般式(1)の化学構造を有する光硬化性化合物の含有量が、前記光硬化性樹脂組成物の全質量を基準として12〜20質量%である、請求項9に記載のフィルム材。
  11. 前記(メタ)アクリロイル化合物が、ε-カプロラクトンを開環した構造を有する(メタ)アクリロイル化合物を含む、請求項9又は請求項10に記載のフィルム材。
  12. 前記多官能チオールが、ペンタエリスリトールのβ−メルカプトプロピオン酸エステルを含む、請求項9〜11のいずれか1項に記載のフィルム材。
  13. 前記樹脂層のヘーズが5%以下である、請求項9〜12のいずれか1項に記載のフィルム材。
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