JP2021004220A - ポリイオンコンプレックス及び有機uvフィルターを含むw/o型組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】より高いUV吸光度を有する組成物を提供すること。【解決手段】(a)(i)少なくとも1種のカチオン性ポリマー及び2つ以上のpKa値を有する少なくとも1種の非ポリマー酸若しくはその塩、(ii)少なくとも1種のアニオン性ポリマー及び2つ以上のpKb値を有する少なくとも1種の非ポリマー塩基若しくはその塩、又は(iii)少なくとも1種の両性ポリマー並びに2つ以上のpKa値を有する少なくとも1種の非ポリマー酸若しくはその塩及び/若しくは2つ以上のpKb値を有する少なくとも1種の非ポリマー塩基若しくはその塩を含む少なくとも1種のポリイオンコンプレックスと、(b)少なくとも1種の有機UVフィルターと、(c)少なくとも1種のSPF向上剤と、(d)水とを含む、皮膚化粧用組成物。該組成物は、より高いUV吸光度を有することから、より高いSPF値を有することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリイオンコンプレックス及び有機UVフィルターを含むW/O型組成物に関する。
一般に、UVフィルターは、UV(紫外)線からの保護を行うのに利用される。UV-A及び/又はUV-Bから皮膚を保護するための多数の抗日光組成物が、これまでに提案されている。
これらの抗日光組成物は、有害なUV照射を選択的に吸収できる、1種又は複数の不溶性及び/又は脂溶性及び/又は水溶性の、有機及び/又は無機のUVフィルターを様々な濃度で含有する、水中油型若しくは油中水型エマルション、ゲル又は非水性製品の形態をとる場合が多い。これらのUVフィルター及びその量は、所望の日焼け防止指数(SPF)に応じて選択される。
日焼け防止指数(SPF)は、UV遮蔽剤ありで紅斑誘発閾値に達するのに必要なUV照射線量の、UV遮蔽剤なしで紅斑誘発閾値に達するのに必要なUV照射線量に対する比を数学的に表している。
これまでに、UV保護効果を高めるために中空粒子等のSPF向上剤を含む抗日光組成物に関するいくつかの先行技術文献が公開されている。例えば、WO 2014/203913は、生理学的に許容される媒体中に、(a)少なくとも1種のUVフィルターと、(b)1.5以上の屈折率を有する少なくとも1種の粒子と、(c)少なくとも1種のSPF向上剤とを含む、組成物を開示している。
しかしながら、組成物のより高いUV吸光度により表すことができる、より高い日焼け防止指数を有する組成物が必要とされている。
WO 2014/203913 欧州特許出願第0080976号 仏国特許第2077143号 仏国特許第2393573号 仏国特許第1492597号 WO 2005/000903 米国特許第4,131,576号 米国特許第3,589,578号 米国特許第4,031,307号 仏国特許第2162025号 仏国特許第2280361号 仏国特許第2252840号 仏国特許第2368508号 仏国特許第1583363号 米国特許第3,227,615号 米国特許第2,961,347号 仏国特許第2080759号 仏国追加特許第2190406号 仏国特許第2320330号 仏国特許第2270846号 仏国特許第2316271号 仏国特許第2336434号 仏国特許第2413907号 米国特許第2,273,780号 米国特許第2,375,853号 米国特許第2,388,614号 米国特許第2,454,547号 米国特許第3,206,462号 米国特許第2,261,002号 米国特許第2,271,378号 米国特許第3,874,870号 米国特許第4,001,432号 米国特許第3,929,990号 米国特許第3,966,904号 米国特許第4,005,193号 米国特許第4,025,617号 米国特許第4,025,627号 米国特許第4,025,653号 米国特許第4,026,945号 米国特許第4,027,020号 欧州特許出願第0122324号 EP-A-0750899 EP-A-1069172 EP-A-0173109 米国特許第3,836,537号 仏国特許第1,400,366号 USP 5240975 EP-669,323 米国特許第2,463,264号 米国特許第5,237,071号 米国特許第5,166,355号 GB-2,303,549 DE-19,726,184 EP-893,119 WO 93/04665 DE-19855649 US 4,427,836 US 4,469,825 US 4,594,363 US 4,677,003 US 4,920,160 US 4,970,241 EP267726 EP331421 US 490,229 US 5,157,084 US 5,663,213 EP1092421 JP 3605118
CTFA辞典(第4版、1991年) Micelle formation of random copolymers of sodium 2-(acrylamido)-2-methylpropanesulfonate and nonionic surfactant macromonomer in water as studied by fluorescence and dynamic light scattering - Macromolecules、2000年、第33巻、第10号-3694〜3704頁 Walter Noll著、Chemistry and Technology of Silicones(1968年)、Academic Press社 Cosmetics and Toiletries、第91巻、76年1月、27〜32頁、Todd & Byers、Volatile Silicone Fluids for Cosmetics ASTM規格445、付録C
したがって、本発明の目的は、より高いUV吸光度を有する組成物を提供することである。
本発明の上記の目的は、
(a)
(i)少なくとも1種のカチオン性ポリマー及び2つ以上のpKa値を有する少なくとも1種の非ポリマー酸若しくはその塩、
(ii)少なくとも1種のアニオン性ポリマー及び2つ以上のpKb値を有する少なくとも1種の非ポリマー塩基若しくはその塩、又は
(iii)少なくとも1種の両性ポリマー並びに2つ以上のpKa値を有する少なくとも1種の非ポリマー酸若しくはその塩及び/若しくは2つ以上のpKb値を有する少なくとも1種の非ポリマー塩基若しくはその塩
を含む少なくとも1種のポリイオンコンプレックスと、
(b)少なくとも1種の有機UVフィルターと、
(c)少なくとも1種のSPF向上剤と、
(d)水と
を含む、W/O型組成物、好ましくは化粧用組成物、より好ましくは皮膚化粧用組成物により達成することができる。
カチオン性ポリマーは、第一級、第二級又は第三級アミノ基、第四級アンモニウム基、グアニジン基、ビグアニド基、イミダゾール基、イミノ基、及びピリジル基からなる群から選択される、少なくとも1つの正電荷を有することができる及び/又は正電荷を有する部分を有してもよい。
アニオン性ポリマーは、硫酸基、スルフェート基、スルホン酸基、スルホネート基、リン酸基、ホスフェート基、ホスホン酸基、ホスホネート基、カルボン酸基、及びカルボキシレート基からなる群から選択される、少なくとも1つの負電荷を有することができる及び/又は負電荷を有する部分を有してもよい。
両性ポリマーは、
第一級、第二級又は第三級アミノ基、第四級アンモニウム基、グアニジン基、ビグアニド基、イミダゾール基、イミノ基、及びピリジル基からなる群から選択される、少なくとも1つの正電荷を有することができる及び/又は正電荷を有する部分、
並びに
硫酸基、スルフェート基、スルホン酸基、スルホネート基、リン酸基、ホスフェート基、ホスホン酸基、ホスホネート基、カルボン酸基、及びカルボキシレート基からなる群から選択される、少なくとも1つの負電荷を有することができる及び/又は負電荷を有する部分
を有してもよい。
本発明による組成物中のポリマーの量は、組成物の総質量に対して、0.001質量%から25質量%、好ましくは0.01質量%から20質量%、より好ましくは0.1質量%から15質量%であることができる。
2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸は、テレフタリリデンジカンファースルホン酸及びその塩(Mexoryl SX)、黄色5号(Yellow 6)(サンセットイエローFCF)、アスコルビン酸、フィチン酸及びその塩、並びにそれらの混合物からなる群から選択することができる。
2つ以上のpKb値を有する非ポリマー塩基は、非ポリマージアミン、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ペンタンジアミン、ヘキサンジアミン、尿素及びその誘導体並びにグアニジン及びその誘導体、非ポリマーポリアミン、例えばスペルミン及びスペルミジン、塩基性アミノ酸、並びにそれらの混合物からなる群から選択することができる。
本発明による組成物中の2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸若しくはその塩又は2つ以上のpKb値を有する非ポリマー塩基若しくはその塩の量は、組成物の総質量に対して、0.001質量%から10質量%、好ましくは0.01質量%から5質量%、より好ましくは0.1質量%から1質量%であることができる。
本発明による組成物中の(b)有機UVフィルターの量は、組成物の総質量に対して、10質量%から60質量%、好ましくは20質量%から50質量%、より好ましくは30質量%から40質量%であることができる。
(c)SPF向上剤は、中空粒子、金属酸化物を含むシリカ粒子、多層球状複合粒子、及びそれらの混合物からなる群から選択することができる。
本発明による組成物中の(c)SPF向上剤の量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%から15質量%、好ましくは0.5質量%から10質量%、より好ましくは1質量%から5質量%であることができる。
本発明による組成物中の(d)水の量は、組成物の総質量に対して、1質量%から50質量%、好ましくは10質量%から40質量%、より好ましくは20質量%から30質量%であることができる。
本発明による組成物は、(e)少なくとも1種の追加の油を更に含んでもよい。
本発明はまた、皮膚等のケラチン基材のための美容方法であって、
本発明による組成物をケラチン基材に塗布する工程
を含む、方法に関する。
本発明はまた、
(b)少なくとも1種の有機UVフィルターと、
(c)少なくとも1種のSPF向上剤と、
(d)水と
を含む、W/O型組成物、好ましくは化粧用組成物、より好ましくは皮膚化粧用組成物における、組成物のUV吸光度を高めるための、
(a)
(i)少なくとも1種のカチオン性ポリマー及び2つ以上のpKa値を有する少なくとも1種の非ポリマー酸若しくはその塩、
(ii)少なくとも1種のアニオン性ポリマー及び2つ以上のpKb値を有する少なくとも1種の非ポリマー塩基若しくはその塩、又は
(iii)少なくとも1種の両性ポリマー並びに2つ以上のpKa値を有する少なくとも1種の非ポリマー酸若しくはその塩及び/若しくは2つ以上のpKb値を有する少なくとも1種の非ポリマー塩基若しくはその塩
を含む少なくとも1種のポリイオンコンプレックスの使用に関する。
実施例1及び比較例1による組成物の各々のUV吸光度のグラフである。 実施例2及び比較例2による組成物の各々のUV吸光度のグラフである。 比較例3及び4による組成物の各々のUV吸光度のグラフである。
鋭意検討の結果、本発明者等は、ポリイオンコンプレックスを使用することにより、高いUV吸光度を有する組成物を提供することが可能であることを発見した。したがって、本発明による組成物は、
(a)
(i)少なくとも1種のカチオン性ポリマー及び2つ以上のpKa値を有する少なくとも1種の非ポリマー酸若しくはその塩、
(ii)少なくとも1種のアニオン性ポリマー及び2つ以上のpKb値を有する少なくとも1種の非ポリマー塩基若しくはその塩、又は
(iii)少なくとも1種の両性ポリマー並びに2つ以上のpKa値を有する少なくとも1種の非ポリマー酸若しくはその塩及び/若しくは2つ以上のpKb値を有する少なくとも1種の非ポリマー塩基若しくはその塩
を含む少なくとも1種のポリイオンコンプレックスと、
(b)少なくとも1種の有機UVフィルターと、
(c)少なくとも1種のSPF向上剤と、
(d)水と
を含む。
本発明による組成物は、より高いUV吸光度を有することができる。したがって、本発明による組成物は、より高いSPF値を有することができる。
上記の組合せ(i)、(ii)及び(iii)の各々は、ポリイオンコンプレックスを形成することができる。ポリイオンコンプレックスは、粒子の形態であることができる。複数のポリイオンコンプレックス粒子は、(b)有機UVフィルターと(d)水との間の界面に存在することが好ましい場合がある。
本発明による組成物は、長期間にわたり安定でありうる。
本発明による組成物は、ポリイオンコンプレックスにより、(b)有機UVフィルターを含む皮膜を、例えば、組成物を基材、好ましくは皮膚及び毛髪等のケラチン基材、より好ましくは皮膚に塗布し、組成物を乾燥させることにより、調製するのに使用することができる。
本発明による組成物により調製される皮膜は、多様な美容機能を有することができる。
例えば、本発明による組成物により調製される皮膜は、紫外線を遮断する等の美容効果を有することができる。
更に、本発明による組成物により調製される皮膜は、皮膜が比較的厚い場合であっても、透明又は半透明とすることができ、したがって、知覚することが容易でない場合がある。
更に、本発明による組成物により調製される皮膜は、耐水性とすることができ、したがって、ケラチン基材の表面が例えば汗又は雨により濡れている場合であっても、皮膚等のケラチン基材上に残存することができる。したがって、皮膜は、耐水性(ウォータープルーフ)であり、長時間持続しうるUV遮断効果を示すことができる。
以下、本発明による組成物等をより詳細に説明する。
[ポリイオンコンプレックス]
本発明による組成物は、(a)少なくとも1種のポリイオンコンプレックスを含む。2つ以上の異なるタイプの(a)ポリイオンコンプレックスを組み合わせて使用してもよい。したがって、単一のタイプの(a)ポリイオンコンプレックス、又は異なるタイプの(a)ポリイオンコンプレックスの組合せを使用することができる。
本発明による組成物中の(a)ポリイオンコンプレックスの量は、組成物の総質量に対して、0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であることができる。
本発明による組成物中の(a)ポリイオンコンプレックスの量は、組成物の総質量に対して、30質量%以下、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下であることができる。
本発明による組成物中の(a)ポリイオンコンプレックスの量は、組成物の総質量に対して、0.001質量%から30質量%、好ましくは0.01質量%から25質量%、より好ましくは0.1質量%から20質量%であることができる。
(a)ポリイオンコンプレックスは、粒子の形態であることができる。ポリイオンコンプレックス粒子の粒径は、5nmから100μm、好ましくは100nmから50μm、より好ましくは200nmから30μm、更に好ましくは500nmから20μmであることができる。1μm未満の粒径は、動的光散乱法により測定することができ、1μm超の粒径は、光学顕微鏡により測定することができる。この粒径は、数平均直径に基づきうる。
複数のポリイオンコンプレックス粒子は、(b)有機UVフィルターと(d)水との間の界面に存在することができる。したがって、ポリイオンコンプレックス粒子は、エマルションを形成することができる。本発明による組成物において、W/O型を形成するために、(d)水は、分散相を構成することができ、(b)有機UVフィルターは、連続相を構成することができる。
上記は、(a)ポリイオンコンプレックス自体は、両親媒性であり、油又は水に不溶性であることを意味する。
(a)ポリイオンコンプレックスは、少なくとも1種のポリマー又はポリマーの組合せを、多価酸又は多価塩基とともに含む。
具体的には、(a)ポリイオンコンプレックスは、
(i)少なくとも1種のカチオン性ポリマー及び2つ以上のpKa値を有する少なくとも1種の非ポリマー酸若しくはその塩、
(ii)少なくとも1種のアニオン性ポリマー及び2つ以上のpKb値を有する少なくとも1種の非ポリマー塩基若しくはその塩、又は
(iii)少なくとも1種の両性ポリマー並びに2つ以上のpKa値を有する少なくとも1種の非ポリマー酸若しくはその塩及び/若しくは2つ以上のpKb値を有する少なくとも1種の非ポリマー塩基若しくはその塩
を含む。
カチオン性、アニオン性及び両性ポリマーのタイプは限定されない。2つ以上の異なるタイプのカチオン性ポリマーを組み合わせて使用してもよい。したがって、単一のタイプのカチオン性ポリマー、又は異なるタイプのカチオン性ポリマーの組合せを使用することができる。2つ以上の異なるタイプのアニオン性ポリマーを組み合わせて使用してもよい。したがって、単一のタイプのアニオン性ポリマー、又は異なるタイプのアニオン性ポリマーの組合せを使用することができる。2つ以上の異なるタイプの両性ポリマーを組み合わせて使用してもよい。したがって、単一のタイプの両性ポリマー、又は異なるタイプの両性ポリマーの組合せを使用することができる。
本発明による組成物中の上記(i)から(iii)のいずれか1つによるポリマーの総量は、組成物の総質量に対して、0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であることができる。
本発明による組成物中の上記(i)から(iii)のいずれか1つによるポリマーの総量は、組成物の総質量に対して、25質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下であることができる。
本発明による組成物中の上記(i)から(iii)のいずれか1つによるポリマーの総量は、組成物の総質量に対して、0.001質量%から25質量%、好ましくは0.01質量%から20質量%、より好ましくは0.1質量%から15質量%であることができる。
(カチオン性ポリマー)
カチオン性ポリマーは、正電荷密度を有する。カチオン性ポリマーの電荷密度は、0.01meq/gから20meq/g、好ましくは0.05から15meq/g、より好ましくは0.1から10meq/gであることができる。
カチオン性ポリマーの分子量は、500以上、好ましくは1000以上、より好ましくは2000以上、更に好ましくは5000以上であることが好ましい場合がある。
説明において別段の定義がない限り、「分子量」は、数平均分子量を意味する。
カチオン性ポリマーは、第一級、第二級又は第三級アミノ基、第四級アンモニウム基、グアニジン基、ビグアニド基、イミダゾール基、イミノ基、及びピリジル基からなる群から選択される、少なくとも1つの正電荷を有することができる及び/又は正電荷を有する部分を有してもよい。本明細書における(第一級)「アミノ基」という用語は、-NH2基を意味する。
カチオン性ポリマーは、ホモポリマー又はコポリマーであってよい。「コポリマー」という用語は、2種類のモノマーから得られるコポリマーと、3種類以上のモノマーから得られるコポリマー、例えば3種類のモノマーから得られるターポリマーの両方を意味すると理解される。
カチオン性ポリマーは、天然及び合成のカチオン性ポリマーから選択することができる。カチオン性ポリマーの非限定的な例は、以下の通りである。
(1)アクリル酸又はメタクリル酸のエステル及びアミドに由来し、以下の式:
Figure 2021004220
(式中、
R1及びR2は、同一であっても異なっていてもよく、水素及び1から6個の炭素原子を含むアルキル基、例えばメチル及びエチル基から選択され、
R3は、同一であっても異なっていてもよく、水素及びCH3から選択され、
記号Aは、同一であっても異なっていてもよく、1から6個の炭素原子、例えば2から3個の炭素原子を含む直鎖状又は分枝状のアルキル基、及び1から4個の炭素原子を含むヒドロキシアルキル基から選択され、
R4、R5、及びR6は、同一であっても異なっていてもよく、1から18個の炭素原子を含むアルキル基、及びベンジル基から選択され、少なくとも1つの実施形態では1から6個の炭素原子を含むアルキル基であり、
Xは、無機又は有機酸に由来するアニオン、例えばメト硫酸アニオン及びハロゲン化物イオン、例えば塩化物イオン及び臭化物イオンである)
の単位から選択される少なくとも1つの単位を含むホモポリマー及びコポリマー。
ファミリー(1)のコポリマーはまた、コモノマーに由来する少なくとも1つの単位を含んでもよく、これは、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、窒素原子が(C1〜C4)低級アルキル基で置換されているアクリルアミド及びメタクリルアミド、アクリル酸又はメタクリル酸及びそのエステルに由来する基、ビニルラクタム、例えばビニルピロリドン及びビニルカプロラクタム、並びにビニルエステルから選択することができる。
ファミリー(1)のコポリマーの例には、以下が含まれるがこれらに限定されない:
アクリルアミドと硫酸ジメチル又はハロゲン化ジメチルで四級化されたメタクリル酸ジメチルアミノエチルとのコポリマー、
例えば欧州特許出願第0080976号に記載されている、アクリルアミドとメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドとのコポリマー、
アクリルアミドとメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムメトスルフェートとのコポリマー、
例えば仏国特許第2077143号及び第2393573号に記載されている、四級化又は非四級化ビニルピロリドン/アクリル酸又はメタクリル酸ジアルキルアミノアルキルコポリマー、
メタクリル酸ジメチルアミノエチル/ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドンターポリマー、
ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピルジメチルアミンコポリマー、四級化ビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドコポリマー、並びに
架橋メタクリロイルオキシ(C1〜C4)アルキルトリ(C1〜C4)アルキルアンモニウム塩ポリマー、例えば塩化メチルで四級化されたメタクリル酸ジメチルアミノエチルの単独重合、又はアクリルアミドと塩化メチルで四級化されたメタクリル酸ジメチルアミノエチルとの共重合を行い、その単独重合又は共重合に続いて、オレフィン性不飽和を含有する化合物、例えばメチレンビスアクリルアミドで架橋することにより得られるポリマー。
好ましくは、ファミリー(1)のコポリマーは、ビニルピロリドンに由来する単位を有する。より好ましくは、ファミリー(1)のコポリマーは、ビニルピロリドンに由来する少なくとも1つのペンダント環構造を有する。一方、ファミリー(1)のコポリマーは、ポリマーの骨格中に環構造を含まないことが好ましい。
ビニルピロリドン単位を有するファミリー(1)のコポリマーは、以下から選択することができる:
(i)ビニルピロリドン単位とメタクリル酸ジメチルアミノエチル単位とを含むコポリマー、例えば、
- ビニルピロリドン/メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマー、例えば、I.S.P.社により商品名Copolymer 845で販売されているビニルピロリドン/メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマー(質量により20/80)、
- 硫酸ジエチルで四級化されたビニルピロリドン/メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマー、例えば、I.S.P.社により商品名Gafquat 734、755、755S及び755Lで販売されている、硫酸ジエチルで四級化されたビニルピロリドン/メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマー、
- ビニルピロリドン/メタクリル酸ジメチルアミノエチル/親水性ポリウレタンコポリマー、例えば、U.C.I.B.社により商品名Pecogel GC-310で、又はBlagden Chemicals社により商品名Aquamere C1031及びC1511で販売されている、ビニルピロリドン/メタクリル酸ジメチルアミノエチル/親水性ポリウレタンコポリマー、
- 四級化又は非四級化ビニルピロリドン/メタクリル酸ジメチルアミノエチル/C8〜C16オレフィンコポリマー、例えば、I.S.P.社により商品名Ganex ACP1050から1057、1062〜1069及び1079〜1086で販売されている、ビニルピロリドン/メタクリル酸ジメチルアミノエチル/C8〜C16オレフィンコポリマー、
及び
- ビニルピロリドン/メタクリル酸ジメチルアミノエチル/ビニルカプロラクタムコポリマー、例えば、I.S.P社により商品名Gaffix VC713で販売されているビニルピロリドン/メタクリル酸ジメチルアミノエチル/ビニルカプロラクタムコポリマー、
(ii)ビニルピロリドン単位とメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム(MAPTAC)単位とを含むコポリマー、例えば、
- ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムコポリマー、例えば、I.S.P.社により商品名Gafquat ACP1011及びGafquat HS100で販売されているビニルピロリドン/MAPTACコポリマー、
及び
- ビニルピロリドン/メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム/ビニルカプロラクタムターポリマー、例えば、I.S.P.社により商品名Polymer ACP 1059、1060及び1156で販売されているビニルピロリドン/MAPTAC/ビニルカプロラクタムターポリマー;並びに
(iii)ビニルピロリドン単位とメチルビニルイミダゾリウム単位とを含むコポリマー、例えば、
- ビニルピロリドン/メチルビニルイミダゾリウムクロリドコポリマー、例えば、BASF社により商品名Luviquat FC370、FC550、FC905及びHM552で販売されているビニルピロリドン/メチルビニルイミダゾリウムクロリドコポリマー、
- ビニルピロリドン/メチルビニルイミダゾリウムクロリド/ビニルイミダゾールコポリマー、例えば、BASF社により商品名Luviquat 8155で販売されているビニルピロリドン/メチルビニルイミダゾリウムクロリド/ビニルイミダゾールコポリマー、
及び
- ビニルピロリドン/メチルビニルイミダゾリウムメトスルフェートコポリマー、例えば、BASF社により商品名Luviquat MS370で販売されているビニルピロリドン/メチルビニルイミダゾリウムメトスルフェートコポリマー。
ファミリー(1)のコポリマーは、ビニルピロリドン単位とメタクリル酸ジメチルアミノエチル単位とを含むコポリマーから選択されることが、より好ましくは、硫酸ジエチルで四級化されたビニルピロリドン/メタクリル酸ジメチルアミノエチルコポリマー、更に好ましくはポリクオタニウム-11から選択されることが好ましい場合がある。
(2)カチオン性セルロース誘導体、例えば仏国特許第1492597号等に記載されている、第四級アンモニウム基を含むセルロースエーテル誘導体、例えばUnion Carbide Corporation社により名称「JR」(JR 400、JR 125、JR 30M)又は「LR」(LR 400、LR 30M)で販売されているポリマー。これらのポリマーはまた、CTFA辞典において、トリメチルアンモニウム基で置換されているエポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの第四級アンモニウムとして定義されている。
カチオン性セルロース誘導体は、少なくとも8個の炭素原子を含むアルキル、アリールアルキル若しくはアルキルアリール基、又はそれらの混合物等の少なくとも1つの脂肪鎖を含む少なくとも1つの第四級アンモニウム基で修飾された四級化ヒドロキシエチルセルロースであることが好ましい場合がある。第四級アンモニウム基により保持されているアルキル基は、好ましくは、8から30個の炭素原子、とりわけ10から30個の炭素原子を含有してもよい。アリール基は、好ましくは、フェニル、ベンジル、ナフチル又はアントリル基を示す。
より好ましくは、カチオン性セルロース誘導体は、少なくとも1つのC8〜C30炭化水素基を含む少なくとも1つの第四級アンモニウム基を含んでもよい。
挙げることができるC8〜C30脂肪鎖を含有する四級化アルキルヒドロキシエチルセルロースの例には、Amerchol社により販売されている製品Quatrisoft LM 200、Quatrisoft LM-X 529-18-A、Quatrisoft LM-X 529-18B(C12アルキル)及びQuatrisoft LM-X 529-8(C18アルキル)又はSoftcat Polymer SL100、Softcat SX-1300X、Softcat SX-1300H、Softcat SL-5、Softcat SL-30、Softcat SL-60、Softcat SK-MH、Softcat SX-400X、Softcat SX-400H、SoftCat SK-L、Softcat SK-M、及びSoftcat SK-H、並びにCroda社により販売されている製品Crodacel QM、Crodacel, QL(C12アルキル)及びCrodacel QS(C18アルキル)が含まれる。
カチオン性ポリマーは、ポリクオタニウム-24、ポリクオタニウム-67及びそれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい場合がある。ポリクオタニウム-67が最も好ましい。
別の観点から、カチオン性セルロース誘導体はまた、4000から10000のアンヒドログルコース単位を含むカチオン性セルロースエーテルの中から選択することができ、前記アンヒドログルコース単位は、少なくとも以下で置換されている:
(i)以下の式の1つの置換基
[R4R5R6R9N+](X2 -)
(式中、
R4及びR5は、互いに独立して、メチル又はエチル基を表し、
R6は、直鎖状若しくは分枝状のC8〜C24アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状のアルキル部分がC8〜C24であるアラルキル基を表し、
R9は、アンヒドログルコース基への結合を可能にする、-(B)q-CH2-CHOH-CH2-及び-CH2CH2-から選択される二価基を表し、
qは、0又は1を示し、
Bは、二価基-(CH2CH2O)n'-を示し、
n'は、1から100の範囲の整数であり、
X2 -は、アニオンを表す);及び
(ii)以下の式の1つの置換基
[R1R2R3R8N+](X1 -)
(式中、
R1、R2及びR3は、互いに独立して、メチル又はエチル基を表し、
R8は、アンヒドログルコース基への結合を可能にする、-(A)p-CH2-CHOH-CH2-及び-CH2CH2-から選択される二価基を表し、
pは、0又は1を示し、
Aは、二価基-(CH2CH2O)n-を示し、
nは、1から100の範囲の整数であり、
X1 -は、アニオンを表す)。
好ましくは、式[R4R5R6R9N+](X2 -)の置換基(i)は、アンヒドログルコース単位1モル当たり、平均0.0003から0.08molで存在する。
本発明による組成物中で使用することができるカチオン性セルロースエーテルは、好ましくは、ヒドロキシエチルセルロース又はヒドロキシプロピルセルロースである。本発明による組成物中で使用することができるカチオン性セルロースエーテルは、4500超の、有利には5000超の、より好ましくは6000超のアンヒドログルコース単位を好ましくは含む。
好ましくは、本発明による組成物中で使用することができるカチオン性セルロースエーテルは、最大9000の、好ましくは最大8000のアンヒドログルコース単位を好ましくは含む。
これらのカチオン性セルロースエーテル及びその調製のための方法は、出願WO 2005/000903に記載されている。
好ましい変形形態によれば、本発明による組成物中で使用することができるカチオン性セルロースエーテルは、少なくとも1つの単位(IV)並びに以下の単位(I)、(II)及び(III)の少なくとも1つ:
Figure 2021004220
から形成され、ただし、
単位(I)+(II)+(III)+(IV)の総数は、4000から10000の間であり、
比[(III)+(IV)]/[(I)+(II)+(III)+(IV)]は、0.0003から0.8の範囲であり、
比[(II)+(IV)]/[(I)+(II)+(III)+(IV)]は、0.02から0.9の範囲であり、
整数n及びn'は、互いに独立して、0から5の範囲であり、
R1、R2、R3、R4及びR5は、互いに独立して、メチル又はエチル基を表し、
R6は、直鎖状若しくは分枝状のC8〜C24、好ましくはC10〜C24、より好ましくはC12〜C24、なお良好にはC12〜C15アルキル基、又は直鎖状若しくは分枝状のアルキル部分がC8〜C24であるアラルキル基を表し、
X1 -及びX2 -は、好ましくは、互いに独立して、リン酸イオン、硝酸イオン、硫酸イオン及びハロゲン化物イオン(Cl-、Br-、F-、I-)から選択されるアニオンを表す。
特定の変形形態によれば、本発明による組成物中で使用することができるカチオン性セルロースエーテルは、上記の少なくとも1つの単位(IV)及び単位(I)、(II)又は(III)の少なくとも1つから形成され、式中、R6は、直鎖状ドデシル基である。
本発明の組成物中で使用することができるカチオン性セルロースエーテルの中で、Amerchol社により販売されているSoftcat SL-5、SL-30、SL-60及びSL-100のタイプのポリマー(INCI:ポリクオタニウム-67)を挙げることができる。特に好ましいカチオン性セルロースエーテルは、SL-60及びSL-100のタイプのポリマーである。
(3)カチオン性セルロース誘導体、例えば第四級アンモニウムの水溶性モノマーをグラフトした、例えば米国特許第4,131,576号に記載されているセルロースコポリマー及びセルロース誘導体、例えばメタクリロイルエチルトリメチルアンモニウム、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム、及びジメチルジアリルアンモニウム塩から選択される塩等をグラフトしたヒドロキシアルキルセルロース、例えばヒドロキシメチル-、ヒドロキシエチル-、及びヒドロキシプロピルセルロース。
これらのポリマーに相当する市販製品には、例えば、National Starch社により名称「Celquat(登録商標)L 200」及び「Celquat(登録商標)H 100」で販売されている製品が含まれる。
(4)米国特許第3,589,578号及び第4,031,307号に記載されている非セルロース系カチオン性多糖、例えばカチオン性トリアルキルアンモニウム基を含むグアーガム、カチオン性ヒアルロン酸、及びデキストランヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド。2,3-エポキシプロピルトリメチルアンモニウムの塩、例えば塩化物で修飾されたグアーガム(グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド)もまた使用することができる。
そのような製品は、例えば、MEYHALL社により商品名JAGUAR(登録商標)C13 S、JAGUAR(登録商標)C15、JAGUAR(登録商標)C17、及びJAGUAR(登録商標)C162で販売されている。
(5)ピペラジニル単位と、酸素、硫黄、窒素、芳香族環、及び複素環式環から選択される少なくとも1つの構成体により任意選択で中断された直鎖又は分枝鎖を含む二価のアルキレン又はヒドロキシアルキレン基とを含むポリマー、更にはこれらのポリマーの酸化並びに/又は四級化生成物。そのようなポリマーは、例えば仏国特許第2162025号及び第2280361号に記載されている。
(6)例えば酸性化合物をポリアミンと重縮合させることにより調製される、水溶性ポリアミノアミド;これらのポリアミノアミドは、エピハロヒドリン;ジエポキシド;二無水物;不飽和二無水物;ビス不飽和誘導体;ビスハロヒドリン;ビスアゼチジニウム;ビスハロアシルジアミン;ビスアルキルハライド;ビスハロヒドリン、ビスアゼチジニウム、ビスハロアシルジアミン、ビスアルキルハライド、エピハロヒドリン、ジエポキシド、及びビス不飽和誘導体から選択される構成体と反応性である二官能性化合物の反応により得られるオリゴマーから選択される構成体で架橋されている場合があり、架橋剤は、ポリアミノアミドのアミン基1つ当たり0.025から0.35molの範囲の量で使用され、これらのポリアミノアミドは、任意選択でアルキル化されているか、又はそれらが少なくとも1つの第三級アミン官能基を含む場合、四級化されていてもよい。そのようなポリマーは、例えば仏国特許第2252840号及び第2368508号に記載されている。
(7)ポリアルキレンポリアミンをポリカルボン酸と縮合させ、続いて二官能性作用物質でアルキル化することにより得られるポリアミノアミド誘導体、例えば、メチル、エチル、及びプロピル基のようにアルキル基が1から4個の炭素原子を含み、エチレン基のようにアルキレン基が1から4個の炭素原子を含む、アジピン酸/ジアルキルアミノヒドロキシアルキルジアルキレントリアミンポリマー。そのようなポリマーは、例えば仏国特許第1583363号に記載されている。少なくとも1つの実施形態では、これらの誘導体は、アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンポリマーから選択することができる。
(8)2つの第一級アミン基及び少なくとも1つの第二級アミン基を含むポリアルキレンポリアミンを、ジグリコール酸及び3から8個の炭素原子を含む飽和脂肪族ジカルボン酸から選択されるジカルボン酸と反応させることにより得られるポリマー。ポリアルキレンポリアミンとジカルボン酸とのモル比は、0.8:1から1.4:1の範囲であってもよく、それにより得られるポリアミノアミドをエピクロロヒドリンと、エピクロロヒドリン対ポリアミノアミドの第二級アミン基のモル比0.5:1から1.8:1の範囲で反応させる。そのようなポリマーは、例えば米国特許第3,227,615号及び第2,961,347号に記載されている。
(9)アルキルジアリルアミンのシクロポリマー及びジアルキルジアリル-アンモニウムのシクロポリマー、例えば鎖の主要構成要素として、式(Ia)及び(Ib):
Figure 2021004220
(式中、
k及びtは、同一であっても異なっていてもよく、0又は1に等しく、和k+tは、1に等しく、
R12は、水素及びメチル基から選択され、
R10及びR11は、同一であっても異なっていてもよく、1から6個の炭素原子を含むアルキル基、アルキル基が例えば1から5個の炭素原子を含むヒドロキシアルキル基、及び低級(C1〜C4)アミドアルキル基から選択され、又はR10及びR11は、それらが結合している窒素原子と一緒になって複素環式基、例えばピペリジニル及びモルホリニルを形成してもよく、
Y'は、アニオン、例えば臭化物イオン、塩化物イオン、酢酸イオン、ホウ酸イオン、クエン酸イオン、酒石酸イオン、硫酸水素イオン、亜硫酸水素イオン、硫酸イオン、及びリン酸イオンである)
の単位から選択される少なくとも1つの単位を含むホモポリマー及びコポリマー。これらのポリマーは、例えば仏国特許第2080759号及びその追加特許第2190406号に記載されている。
一実施形態では、R10及びR11は、同一であっても異なっていてもよく、1から4個の炭素原子を含むアルキル基から選択される。
そのようなポリマーの例には、(コ)ポリジアリルジアルキルアンモニウムクロリド、例えばCALGON社により名称「MERQUAT(登録商標)100」で販売されているジメチルジアリルアンモニウムクロリドホモポリマー(及び低質量平均分子質量のその同族体)、並びに名称「MERQUAT(登録商標)550」で販売されているジアリルジメチルアンモニウムクロリドとアクリルアミドとのコポリマーが含まれるがこれらに限定されない。
(10)式(II):
Figure 2021004220
[式中、
R13、R14、R15、及びR16は、同一であっても異なっていてもよく、1から20個の炭素原子を含む脂肪族、脂環式、及びアリール脂肪族基、並びに低級ヒドロキシアルキル脂肪族基から選択され、或いは、R13、R14、R15、及びR16は、それらが結合している窒素原子と一緒になって又は別々に、窒素以外の第2のヘテロ原子を任意選択で含む複素環を形成してもよく、或いは、R13、R14、R15、及びR16は、同一であっても異なっていてもよく、ニトリル基、エステル基、アシル基、アミド基、-CO-O-R17-E基、及び-CO-NH-R17-E基(式中、R17は、アルキレン基であり、Eは、第四級アンモニウム基である)から選択される少なくとも1つの基で置換されている直鎖状又は分枝状のC1〜C6アルキル基から選択され、
A1及びB1は、同一であっても異なっていてもよく、2から20個の炭素原子を含むポリメチレン基から選択され、これは、直鎖状又は分枝状、飽和又は不飽和であってよく、芳香族環、酸素、硫黄、スルホキシド基、スルホン基、ジスルフィド基、アミノ基、アルキルアミノ基、ヒドロキシル基、第四級アンモニウム基、ウレイド基、アミド基、及びエステル基から選択される少なくとも1つの構成体を主鎖中に連結又は挿入されて含んでもよく、
X-は、無機又は有機酸に由来するアニオンであり、
A1、R13、及びR15は、それらが結合している2個の窒素原子と一緒になってピペラジン環を形成してもよく、
A1が、直鎖状又は分枝状、飽和又は不飽和のアルキレン又はヒドロキシアルキレン基から選択される場合、B1は、
-(CH2)n--CO-E'-OC-(CH2)n-
から選択することができ、式中、E'は、
a)式-O-Z-O-{式中、Zは、直鎖状又は分枝状の炭化水素系基及び以下の式:
-(CH2-CH2-O)x-CH2-CH2-
-[CH2-CH(CH3)-O]y-CH2-CH(CH3)-
(式中、x及びyは、同一であっても異なっていてもよく、定義された独自の重合度を表す1から4の範囲の整数、及び平均重合度を表す1から4の範囲の数から選択される)
の基から選択される}のグリコール残基、
b)ビス-第二級ジアミン残基、例えばピペラジン誘導体、
c)式-NH-Y-NH-(式中、Yは、直鎖状又は分枝状の炭化水素系基及び二価基-CH2-CH2-S-S-CH2-CH2-から選択される)のビス-第一級ジアミン残基、並びに
d)式-NH-CO-NH-のウレイレン基
から選択される]
の少なくとも1つの繰り返し単位を含む第四級ジアンモニウムポリマー。
少なくとも1つの実施形態では、X-は、アニオン、例えば塩化物イオン又は臭化物イオンである。
このタイプのポリマーは、例えば、仏国特許第2320330号、第2270846号、第2316271号、第2336434号、及び第2413907号並びに米国特許第2,273,780号、第2,375,853号、第2,388,614号、第2,454,547号、第3,206,462号、第2,261,002号、第2,271,378号、第3,874,870号、第4,001,432号、第3,929,990号、第3,966,904号、第4,005,193号、第4,025,617号、第4,025,627号、第4,025,653号、第4,026,945号、及び第4,027,020号に記載されている。
そのようなポリマーの非限定的な例には、式(III):
Figure 2021004220
(式中、R13、R14、R15、及びR16は、同一であっても異なっていてもよく、1から4個の炭素原子を含むアルキル及びヒドロキシアルキル基から選択され、n及びpは、同一であっても異なっていてもよく、2から20の範囲の整数であり、X-は、無機又は有機酸に由来するアニオンである)
の少なくとも1つの繰り返し単位を含むものが含まれる。
(11)式(IV):
Figure 2021004220
[式中、
R18、R19、R20、及びR21は、同一であっても異なっていてもよく、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、β-ヒドロキシエチル基、β-ヒドロキシプロピル基、-CH2CH2(OCH2CH2)pOH基(式中、pは、0から6の範囲の整数から選択される)から選択され、ただし、R18、R19、R20、及びR21は、同時に水素ではなく、
r及びsは、同一であっても異なっていてもよく、1から6の範囲の整数から選択され、
qは、0から34の範囲の整数から選択され、
X-は、アニオン、例えばハロゲン化物イオンであり、
Aは、ジハライド及び-CH2-CH2-O-CH2-CH2-基から選択される]
の単位を含むポリ第四級アンモニウムポリマー。
そのような化合物は、例えば欧州特許出願第0122324号に記載されている。
(12)ビニルピロリドンとビニルイミダゾールとの第四級ポリマー。
好適なカチオン性ポリマーの他の例には、カチオン性タンパク質及びカチオン性タンパク質加水分解物、ポリアルキレンイミン、例えばポリエチレンイミン、ビニルピリジン及びビニルピリジニウム単位から選択される単位を含むポリマー、ポリアミンとエピクロロヒドリンとの縮合物、第四級ポリウレイレン、並びにキチン誘導体が含まれるがこれらに限定されない。
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1種のカチオン性ポリマーは、第四級アンモニウム基を含むセルロースエーテル誘導体、例えばUNION CARBIDE CORPORATION社により名称「JR 400」で販売されている製品、カチオン性シクロポリマー、例えばCALGON社により名称MERQUAT(登録商標)100、MERQUAT(登録商標)550、及びMERQUAT(登録商標)Sで販売されているジメチルジアリルアンモニウムクロリドのホモポリマー及びコポリマー、2,3-エポキシプロピルトリメチルアンモニウム塩で修飾されたグアーガム、並びにビニルピロリドンとビニルイミダゾールとの第四級ポリマーから選択される。
(13)ポリアミン
カチオン性ポリマーとして、複数のアミノ基を有する、ホモポリマー又はコポリマーであってよい(コ)ポリアミンを使用することも可能である。アミノ基は、第一級、第二級、第三級又は第四級アミノ基であってよい。アミノ基は、(コ)ポリアミンのポリマー骨格中に、又は存在する場合ペンダント基中に存在してもよい。
(コ)ポリアミンの例として、キトサン、(コ)ポリアリルアミン、(コ)ポリビニルアミン、(コ)ポリアニリン、(コ)ポリビニルイミダゾール、(コ)ポリジメチルアミノエチレンメタクリレート、(コ)ポリビニルピリジン、例えば(コ)ポリ-1-メチル-2-ビニルピリジン、(コ)ポリイミン、例えば(コ)ポリエチレンイミン、(コ)ポリピリジン、例えば(コ)ポリ(第四級ピリジン)、(コ)ポリビグアニド、例えば(コ)ポリアミノプロピルビグアニド、(コ)ポリリジン、(コ)ポリオルニチン、(コ)ポリアルギニン、(コ)ポリヒスチジン、アミノデキストラン、アミノセルロース、アミノ(コ)ポリビニルアセタール、及びそれらの塩を挙げることができる。
(コ)ポリアミンとして、(コ)ポリリジンを使用することが好ましい。ポリリジンは周知である。ポリリジンは、細菌発酵により生成されうるL-リジンの天然ホモポリマーであってもよい。例えば、ポリリジンは、食品中の天然保存料として典型的に使用されるε-ポリ-L-リジンであってもよい。ポリリジンは、水等の極性溶媒に可溶性である高分子電解質である。ポリリジンは、ポリD-リジン及びポリL-リジン等の様々な形態で市販されている。ポリリジンは、塩及び/又は溶液の形態であってもよい。
(14)カチオン性ポリアミノ酸
カチオン性ポリマーとして、複数のアミノ基及びカルボキシル基を有する、カチオン性ホモポリマー又はコポリマーであってよいカチオン性ポリアミノ酸を使用することが可能でありうる。アミノ基は、第一級、第二級、第三級又は第四級アミノ基であってよい。アミノ基は、カチオン性ポリアミノ酸のポリマー骨格中に、又は存在する場合ペンダント基中に存在してもよい。カルボキシル基は、カチオン性ポリアミノ酸の存在する場合ペンダント基中に存在してもよい。
カチオン性ポリアミノ酸の例として、カチオン化コラーゲン、カチオン化ゼラチン、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コムギタンパク、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コムギタンパク、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解コンキオリンタンパク、ステアルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解ダイズタンパク、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解ダイズタンパク、ココジモニウムヒドロキシプロピル加水分解ダイズタンパク等を挙げることができる。
カチオン性ポリマーは、アルキルジアリルアミンのシクロポリマー及びジアルキルジアリルアンモニウムのシクロポリマー、例えば(コ)ポリジアリルジアルキルアンモニウムクロリド、(コ)ポリアミン、例えば(コ)ポリリジン、カチオン性(コ)ポリアミノ酸、例えばカチオン化コラーゲン、並びにそれらの塩からなる群から選択されることが好ましい場合がある。
カチオン性ポリマーは、ポリクオタニウムポリマー又はポリマー性第四級アンモニウム塩であることが好ましい。
ポリマー性第四級アンモニウム塩は、少なくとも1個の四級化された窒素原子を含むカチオン性ポリマーである。ポリマー性第四級アンモニウム塩として、特に、主として泡の質及び使用後の皮膚の感触、特に使用後の皮膚の感触に寄与するポリクオタニウム製品(CTFA名)を挙げることができる。これらのポリマーは、好ましくは以下のポリマーから選択することができる:
ポリクオタニウム-5、例えばNalco社により販売されている製品Merquat 5、
ポリクオタニウム-6、例えばBASF社により販売されている製品Salcare SC 30、及びNalco社により販売されている製品Merquat 100、
ポリクオタニウム-7、例えばNalco社により販売されている製品Merquat S、Merquat 2200、Merquat 7SPR及びMerquat 550、並びにBASF社により販売されている製品Salcare SC 10、
ポリクオタニウム-10、例えばAmerchol社により販売されている製品Polymer JR400、
ポリクオタニウム-11、例えばISP社により販売されている製品Gafquat 755、Gafquat 755N及びGafquat 734、
ポリクオタニウム-15、例えばRohm社により販売されている製品Rohagit KF 720 F、
ポリクオタニウム-16、例えばBASF社により販売されている製品Luviquat FC905、Luviquat FC370、Luviquat HM552及びLuviquat FC550、
ポリクオタニウム-28、例えばISP社により販売されている製品Styleze CC10、
ポリクオタニウム-44、例えばBASF社により販売されている製品Luviquat Care、
ポリクオタニウム-46、例えばBASF社により販売されている製品Luviquat Hold、
ポリクオタニウム-47、例えばNalco社により販売されている製品Merquat 2001、並びに
ポリクオタニウム-67、例えばAmerchol社により販売されている製品Softcat。
本発明による組成物中のカチオン性ポリマーの量は、組成物の総質量に対して、0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であることができる。
本発明による組成物中のカチオン性ポリマーの量は、組成物の総質量に対して、25質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下であることができる。
本発明による組成物中のカチオン性ポリマーの量は、組成物の総質量に対して、0.001質量%から25質量%、好ましくは0.01質量%から20質量%、より好ましくは0.1質量%から15質量%であることができる。
(アニオン性ポリマー)
アニオン性ポリマーは、正電荷密度を有する。アニオン性ポリマーが合成アニオン性ポリマーである場合、アニオン性ポリマーの電荷密度は、0.1meq/gから20meq/g、好ましくは1から15meq/g、より好ましくは4から10meq/gであることができ、アニオン性ポリマーが天然アニオン性ポリマーである場合、アニオン性ポリマーの平均置換度は、0.1から3.0、好ましくは0.2から2.7、より好ましくは0.3から2.5であることができる。
アニオン性ポリマーの分子量は、1,000以上、好ましくは10,000以上、より好ましくは50,000以上、更に好ましくは100,000以上であることが好ましい場合がある。
アニオン性ポリマーは、硫酸基、スルフェート基、スルホン酸基、スルホネート基、リン酸基、ホスフェート基、ホスホン酸基、ホスホネート基、カルボン酸基、及びカルボキシレート基からなる群から選択される、少なくとも1つの負電荷を有することができる及び/又は負電荷を有する部分を有してもよい。
アニオン性ポリマーは、ホモポリマー又はコポリマーであってよい。「コポリマー」という用語は、2種類のモノマーから得られるコポリマーと、3種類以上のモノマーから得られるコポリマー、例えば3種類のモノマーから得られるターポリマーの両方を意味すると理解される。
アニオン性ポリマーは、天然及び合成のアニオン性ポリマーから選択することができる。
アニオン性ポリマーは、少なくとも1つの疎水性鎖を含んでもよい。
少なくとも1つの疎水性鎖を含んでもよいアニオン性ポリマーは、α,β-エチレン性不飽和を含むカルボン酸(モノマーa')及び2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(モノマーa")から選択されるモノマー(a)と、(a)以外のエチレン性不飽和を含む非表面活性モノマー(b)、並びに/或いはα,β-モノエチレン性不飽和を含むアクリルモノマー又はモノエチレン性不飽和を含むイソシアネートモノマーを、一価の非イオン性両親媒性成分又は第一級若しくは第二級脂肪アミンと反応させることにより得られるエチレン性不飽和を含むモノマー(c)との共重合により得ることができる。
したがって、少なくとも1つの疎水性鎖を有するアニオン性ポリマーは、2つの合成経路により、すなわち、
- モノマー(a')及び(c)、若しくは(a')、(b)及び(c)、若しくは(a")及び(c)、若しくは(a")、(b)及び(c)の共重合、
- 又はモノマー(a')、若しくはモノマー(a')及び(b)、若しくは(a")及び(b)から形成されたコポリマーを、一価の非イオン性両親媒性化合物又は第一級若しくは第二級脂肪アミンで修飾(特に、エステル化若しくはアミド化)すること
のいずれかにより得ることができる。
2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸コポリマーとして、特に、論文「Micelle formation of random copolymers of sodium 2-(acrylamido)-2-methylpropanesulfonate and nonionic surfactant macromonomer in water as studied by fluorescence and dynamic light scattering - Macromolecules、2000年、第33巻、第10号-3694〜3704頁」並びに出願EP-A-0750899及びEP-A-1069172に開示されているものを挙げることができる。
モノマー(a')を構成するα,β-モノエチレン性不飽和を含むカルボン酸は、多数の酸から、特にアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸及びマレイン酸から選択することができる。これは、好ましくは、アクリル酸又はメタクリル酸である。
コポリマーは、界面活性剤特性を有さないモノエチレン性不飽和を含むモノマー(b)を含むことができる。好ましいモノマーは、単独重合したときに水不溶性ポリマーを与えるものである。それらは、例えば、アクリル酸アルキル(C1〜C4)及びメタクリル酸アルキル(C1〜C4)、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル又は対応するメタクリレートから選択することができる。より特に好ましいモノマーは、アクリル酸メチル及びアクリル酸エチルである。使用することができる他のモノマーは、例えば、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル及び塩化ビニリデンである。非反応性モノマーが好ましく、これらのモノマーは、単一のエチレン性基が、重合条件下で反応性を持つ唯一の基であるものである。しかしながら、熱の作用下で反応する基を含むモノマー、例えばアクリル酸ヒドロキシエチルを任意選択で使用することができる。
モノマー(c)は、α,β-モノエチレン性不飽和を含むアクリルモノマー、例えば(a)、又はモノエチレン性不飽和を含むイソシアネートモノマーを、一価の非イオン性両親媒性化合物又は第一級若しくは第二級脂肪アミンと反応させることにより得られる。
非イオン性モノマー(c)を生成するのに使用される一価の非イオン性両親媒性化合物又は第一級若しくは第二級脂肪アミンは周知である。一価の非イオン性両親媒性化合物は、一般に、分子の親水性部分を形成するアルキレンオキシドを含むアルコキシル化疎水性化合物である。疎水性化合物は、一般に、脂肪族アルコール又はアルキルフェノールから構成され、その化合物中、少なくとも6個の炭素原子を含む炭素性鎖が、両親媒性化合物の疎水性部分を構成する。
好ましい一価の非イオン性両親媒性化合物は、以下の式(V):
R-(OCH2CHR')m-(OCH2CH2)n-OH (V)
(式中、Rは、6から30個の炭素原子を含むアルキル又はアルキレン基及び8から30個の炭素原子を含むアルキル基を有するアルキルアリール基から選択され、R'は、1から4個の炭素原子を含むアルキル基から選択され、nは、およそ1から150の範囲の平均数であり、mは、およそ0から50の範囲の平均数であり、ただし、nは、少なくともmと同等である)
を有する化合物である。
好ましくは、式(V)の化合物中、R基は、12から26個の炭素原子を含むアルキル基及びアルキル基がC8〜C13であるアルキルフェニル基から選択され、R'基は、メチル基であり、m=0であり、n=1から25である。
好ましい第一級及び第二級脂肪アミンは、6から30個の炭素原子を含む1つ又は2つのアルキル鎖から構成される。
非イオン性ウレタンモノマー(c)を形成するのに使用されるモノマーは、非常に多様な化合物から選択することができる。共重合性不飽和、例えばアクリル性、メタクリル性又はアリル性不飽和を含む任意の化合物を使用することができる。モノマー(c)は、特に、モノエチレン性不飽和を含むイソシアネート、例えば特にα,α-ジメチル-m-イソプロペニルベンジルイソシアネートから得ることができる。
モノマー(c)は、特に、オキシエチレン化(1から50EO)C6〜C30脂肪アルコールのアクリレート、メタクリレート又はイタコネート、例えばメタクリル酸ステアレス-20、オキシエチレン化(25EO)ベヘニルメタクリレート、オキシエチレン化(20EO)モノセチルイタコネート、オキシエチレン化(20EO)モノステアリルイタコネート又はポリオキシエチレン化(25EO)C12〜C24アルコールで修飾されたアクリレートから、及びオキシエチレン化(1から50EO)C6〜C30脂肪アルコールのジメチル-m-イソプロペニルベンジルイソシアネート、例えば特にオキシエチレン化ベヘニルアルコールのジメチル-m-イソプロペニルベンジルイソシアネートから選択することができる。
本発明の特定の実施形態によれば、アニオン性ポリマーは、(a)α,β-エチレン性不飽和を含むカルボン酸、(b)(a)以外のエチレン性不飽和を含む非表面活性モノマー、及び(c)一価の非イオン性両親媒性化合物とモノエチレン性不飽和を含むイソシアネートとの反応生成物である非イオン性ウレタンモノマーから得られるアクリルターポリマーから選択される。
少なくとも1つの疎水性鎖を含むアニオン性ポリマーとして、特に、アクリル酸/アクリル酸エチル/アクリル酸アルキルターポリマー、例えばRohm & Haas社により名称Acusol 823で販売されている30%水性分散体としての製品;アクリレート/メタクリル酸ステアレス-20コポリマー、例えばRohm & Haas社により名称Aculyn 22で販売されている製品;(メタ)アクリル酸/アクリル酸エチル/オキシエチレン化(25EO)ベヘニルメタクリレートターポリマー、例えばRohm & Haas社により名称Aculyn 28で販売されている水性エマルションとしての製品;アクリル酸/オキシエチレン化(20EO)モノセチルイタコネートコポリマー、例えばNational Starch社により名称Structure 3001で販売されている30%水性分散体としての製品;アクリル酸/オキシエチレン化(20EO)モノステアリルイタコネートコポリマー、例えばNational Starch社により名称Structure 2001で販売されている30%水性分散体としての製品;アクリレート/ポリオキシエチレン化(25EO)C12〜C24アルコールで修飾されたアクリレートのコポリマー、例えば3V SA社により名称Synthalen W2000で販売されている30〜32%コポリマーラテックス;又はメタクリル酸/アクリル酸メチル/エトキシル化ベヘニルアルコールのジメチル-メタ-イソプロペニルベンジルイソシアネートのターポリマー、例えば文献EP-A-0173109に開示された40個のエチレンオキシド基を含む24%水性分散体としての製品を挙げることができる。
アニオン性ポリマーはまた、ポリエステル-5、例えばEASTMAN CHEMICAL社によりEastman AQ(商標)55S Polymerの名称で販売されている製品であってもよく、下記の化学式を有する。
Figure 2021004220
A:ジカルボン酸部分
G:グリコール部分
SO3 -Na+:ナトリウムスルホ基
OH:ヒドロキシル基
アニオン性ポリマーは、多糖、例えばアルギン酸、ヒアルロン酸、及びセルロースポリマー(例えば、カルボキシメチルセルロース)、アニオン性(コ)ポリアミノ酸、例えば(コ)ポリグルタミン酸、(コ)ポリ(メタ)アクリル酸、(コ)ポリアミド酸、(コ)ポリスチレンスルホネート、(コ)ポリ(ビニルスルフェート)、デキストラン硫酸、コンドロイチン硫酸、(コ)ポリマレイン酸、(コ)ポリフマル酸、マレイン酸(コ)ポリマー、並びにそれらの塩からなる群から選択されることが好ましい場合がある。
マレイン酸コポリマーは、1つ又は複数のマレイン酸コモノマーと、酢酸ビニル、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、2から20個の炭素原子を含むオレフィン、及びスチレンから選択される1つ又は複数のコモノマーとを含んでもよい。
したがって、「マレイン酸コポリマー」は、1つ又は複数のマレイン酸コモノマーと、酢酸ビニル、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、2から20個の炭素原子を含むオレフィン、例えばオクタデセン、エチレン、イソブチレン、ジイソブチレン又はイソオクチレン、及びスチレンから選択される1つ又は複数のコモノマーとの共重合により得られる任意のポリマーを意味すると理解され、マレイン酸コモノマーは、任意選択で部分的に又は完全に加水分解されている。好ましくは、親水性ポリマー、すなわち水溶解度が2g/l以上であるポリマーが使用される。
本発明の有利な態様では、マレイン酸コポリマーは、マレイン酸単位のモル分率が、0.1から1の間、より好ましくは0.4から0.9の間であることができる。
マレイン酸コポリマーの質量平均モル質量は、1,000から500,000の間、好ましくは1,000から50,000の間であることができる。
マレイン酸コポリマーは、スチレン/マレイン酸コポリマー、より好ましくはスチレン/マレイン酸コポリマーナトリウムであることが好ましい。
好ましくは、50/50比のスチレンとマレイン酸とのコポリマーが使用される。
例えば、Cray Valley社により参照名SMA1000H(登録商標)で販売されている、水中30%のアンモニウム塩の形態のスチレン/マレイン酸(50/50)コポリマー又はCray Valley社により参照名SMA1000HNa(登録商標)で販売されている、水中40%のナトリウム塩の形態のスチレン/マレイン酸(50/50)コポリマーを使用することができる。
スチレン/マレイン酸コポリマー、例えばスチレン/マレイン酸コポリマーナトリウムの使用は、本発明による組成物により調製される皮膜の湿潤性を改善することができる。
本発明による組成物中のアニオン性ポリマーの量は、組成物の総質量に対して、0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であることができる。
本発明による組成物中のアニオン性ポリマーの量は、組成物の総質量に対して、25質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下であることができる。
本発明による組成物中のアニオン性ポリマーの量は、組成物の総質量に対して、0.001質量%から25質量%、好ましくは0.01質量%から20質量%、より好ましくは0.1質量%から15質量%であることができる。
(両性ポリマー)
両性ポリマーは、正電荷密度及び負電荷密度の両方を有する。
両性ポリマーの正電荷密度は、0.01meq/gから20meq/g、好ましくは0.05から15meq/g、より好ましくは0.1から10meq/gであることができる。
両性ポリマーの負電荷密度は、0.01meq/gから20meq/g、好ましくは0.05から15meq/g、より好ましくは0.1から10meq/gであることができる。
両性ポリマーの分子量は、500以上、好ましくは1000以上、より好ましくは2000以上、更に好ましくは5000以上であることが好ましい場合がある。
説明において別段の定義がない限り、「分子量」は、数平均分子量を意味する。
両性ポリマーは、
第一級、第二級又は第三級アミノ基、第四級アンモニウム基、グアニジン基、ビグアニド基、イミダゾール基、イミノ基、及びピリジル基からなる群から選択される、少なくとも1つの正電荷を有することができる及び/又は正電荷を有する部分、
並びに
硫酸基、スルフェート基、スルホン酸基、スルホネート基、リン酸基、ホスフェート基、ホスホン酸基、ホスホネート基、カルボン酸基、及びカルボキシレート基からなる群から選択される、少なくとも1つの負電荷を有することができる及び/又は負電荷を有する部分
を有してもよい。
両性ポリマーは、ホモポリマー又はコポリマーであってよい。「コポリマー」という用語は、2種類のモノマーから得られるコポリマーと、3種類以上のモノマーから得られるコポリマー、例えば3種類のモノマーから得られるターポリマーの両方を意味すると理解される。
本発明に従って使用することができる両性ポリマーは、ポリマー鎖中にランダムに分布したK及びM単位を含有するポリマーから選択することができ、ここで、Kは、少なくとも1個の塩基性窒素原子を含有するモノマーに由来する単位を示し、Mは、1つ又は複数のカルボン酸又はスルホン酸基を含有する酸性モノマーに由来する単位を示し、或いは、K及びMは、カルボキシベタイン又はスルホベタインの双性イオン性モノマーに由来する基を示してもよい。K及びMはまた、第一級、第二級、第三級又は第四級アミン基を含有するカチオン性ポリマー鎖を示してもよく、そのアミン基の少なくとも1つは、炭化水素基を介して連結されたカルボン酸又はスルホン酸基を保有し、或いは、K及びMは、α,β-ジカルボン酸エチレン単位を有するポリマーの鎖の一部を形成し、そのカルボン酸基の1つは、1つ又は複数の第一級又は第二級アミン基を含有するポリアミンと反応させられている。
より特に好ましい上記に示した定義に相当する両性ポリマーは、以下のポリマーから選択される。
(1)カルボン酸基を保有するビニル化合物に由来するモノマー、例えばより特定するとアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、アルファ-クロロアクリル酸と、少なくとも1個の塩基性原子を含有する置換ビニル化合物に由来する塩基性モノマー、例えばより特定するとメタクリル酸及びアクリル酸ジアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド及びアクリルアミドとの共重合により得られるポリマー。そのような化合物は、米国特許第3,836,537号に記載されている。HENKEL社により名称POLYQUART KE 3033で販売されているアクリル酸ナトリウム/アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドコポリマーもまた挙げることができる。ビニル化合物はまた、ジアルキルジアリルアンモニウム塩、例えばジメチルジアリルアンモニウムクロリドであってもよい。アクリル酸と後者のモノマーとのコポリマーは、Lubrizol社により名称MERQUAT 280、MERQUAT 295、MERQUAT 2003 PR、MERQUAT 3330 PR、及びMERQUAT PLUS 3330で提供されている。
(2)以下に由来する単位を含有するポリマー:
a)窒素がアルキル基で置換されているアクリルアミド又はメタクリルアミドから選択される少なくとも1種のモノマー、
b)1つ又は複数の反応性カルボン酸基を含有する少なくとも1種の酸性コモノマー、並びに
c)少なくとも1種の塩基性コモノマー、例えばアクリル酸及びメタクリル酸の第一級、第二級、第三級及び第四級アミン置換基を有するエステル、並びにメタクリル酸ジメチルアミノエチルの硫酸ジメチル又は硫酸ジエチルによる四級化生成物。
本発明による最も特に好ましいN-置換アクリルアミド又はメタクリルアミドは、そのアルキル基が2から12個の炭素原子を含有する基、より特定するとN-エチルアクリルアミド、N-tert-ブチルアクリルアミド、N-tert-オクチルアクリルアミド、N-オクチルアクリルアミド、N-デシルアクリルアミド、及びN-ドデシルアクリルアミド、並びに対応するメタクリルアミドである。
酸性コモノマーは、より特定すると、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸及びフマル酸、並びにマレイン酸若しくはフマル酸又はその無水物の1から4個の炭素原子を有するアルキルモノエステルから選択される。
好ましい塩基性コモノマーは、アミノエチル、ブチルアミノエチル、N,N'-ジメチルアミノエチル、及びN-tert-ブチルアミノエチルのメタクリレートである。
そのCTFA名(第4版、1991年)がオクチルアクリルアミド/アクリレート/メタクリル酸ブチルアミノエチルコポリマーであるコポリマー、例えばNATIONAL STARCH社により名称AMPHOMER又はLOVOCRYL 47で販売されている製品が特に使用される。
(3)以下の一般式のポリアミノアミドに由来する部分的に又は完全にアルキル化され、架橋されたポリアミノアミド:
-[-CO-R4-CO-Z-]-
[式中、R4は、飽和ジカルボン酸、エチレン性二重結合を有する脂肪族モノ若しくはジカルボン酸、これらの酸の1から6個の炭素原子を有する低級アルカノールのエステル、又は前記酸のいずれか1種とビス-第一級若しくはビス-第二級アミンとの付加により得られる基に由来する二価基を表し、Zは、ビス-第一級、モノ-又はビス-第二級ポリアルキレン-ポリアミン基を示し、好ましくは、以下を表す:
a)60から100mol%の割合で、以下の基
-NH-[(CH2)x-NH-]p-
(式中、x=2であり、p=2又は3であり、或いは、x=3であり、p=2であり、この基は、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン又はジプロピレントリアミンに由来する)、
b)0から40mol%の割合で、上記の基(IV)(式中、x=2であり、p=1であり、これは、エチレンジアミンに由来する)、又はピペラジンに由来する以下の基:
Figure 2021004220
c)0から20mol%の割合で、ヘキサメチレンジアミンに由来する-NH-(CH2)6-NH-基、これらのポリアミノアミンは、エピハロヒドリン、ジエポキシド、二無水物、ビス-不飽和誘導体から選択される二官能性架橋剤を添加することにより、ポリアミノアミドのアミン基1つ当たり0.025から0.35molの架橋剤を用いて架橋され、アクリル酸、クロロ酢酸若しくはアルカンスルトン又はそれらの塩の作用によりアルキル化されている]。
飽和カルボン酸は、好ましくは、6から10個の炭素原子を有する酸、例えばアジピン酸、2,2,4-トリメチルアジピン酸及び2,4,4-トリメチルアジピン酸、テレフタル酸、及びエチレン二重結合を有する酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸及びイタコン酸等から選択される。
アルキル化において使用されるアルカンスルトンは、好ましくは、プロパン又はブタンスルトンであり、アルキル化剤の塩は、好ましくは、ナトリウム又はカリウム塩である。
(4)以下の式の双性イオン性単位を含有するポリマー:
Figure 2021004220
(式中、R5は、重合性不飽和基、例えばアクリレート、メタクリレート、アクリルアミド又はメタクリルアミド基を示し、y及びzは、1から3の整数を表し、R6及びR7は、水素原子、メチル、エチル又はプロピルを表し、R8及びR9は、R8及びR9中の炭素原子の和が10を超えないように、水素原子又はアルキル基を表す)。
そのような単位を含むポリマーはまた、非双性イオン性モノマー、例えばアクリル酸若しくはメタクリル酸ジメチル若しくはジエチルアミノエチル又はアクリル酸若しくはメタクリル酸アルキル、アクリルアミド若しくはメタクリルアミド又は酢酸ビニルに由来する単位を含んでもよい。
例として、メタクリル酸ブチル/ジメチルカルボキシメチルアンモニオエチルメタクリレートのコポリマー、例えばSANDOZ社により名称DIAFORMER Z301で販売されている製品を挙げることができる。
(5)以下の式(VI)、(VII)、及び(VIII)に相当するモノマー単位を含有するキトサンに由来するポリマー:
Figure 2021004220
[(VI)単位は、0から30%の割合で存在し、(VII)単位は、5から50%の割合で存在し、(VIII)単位は、30から90%の割合で存在し、この(VIII)単位中、R10は、以下の式:
Figure 2021004220
(式中、
q=0の場合、R11、R12及びR13は、同一であるか又は異なり、各々、水素原子、メチル、ヒドロキシル、アセトキシ若しくはアミノ残基、モノアルキルアミン残基若しくはジアルキルアミン残基(1個若しくは複数の窒素原子により任意選択で中断され、及び/又は1つ若しくは複数のアミン、ヒドロキシル、カルボキシル、アルキルチオ若しくはスルホン酸基で任意選択で置換されている)、又はそのアルキル基がアミノ残基を保有するアルキルチオ残基を表し、この場合、R11、R12及びR13基の少なくとも1つは、水素原子であり、
或いは、q=1の場合、R11、R12及びR13は、各々、水素原子を表す)
の基、並びにこれらの化合物と塩基又は酸により形成される塩を表すと理解される]。
(6)キトサンのN-カルボキシアルキル化により得られるポリマー、例えばJAN DEKKER社により名称「EVALSAN」で販売されているN-カルボキシメチルキトサン又はN-カルボキシブチルキトサン。
(7)例えば仏国特許第1,400,366号に記載されているもの等の一般式(IX)に相当するポリマー:
Figure 2021004220
[式中、R14は、水素原子、CH3O、CH3CH2O又はフェニル基を表し、R15は、水素又は低級アルキル基、例えばメチル若しくはエチルを示し、R16は、水素又は低級アルキル基、例えばメチル若しくはエチルを示し、R17は、低級アルキル基、例えばメチル若しくはエチル、又は式:-R18-N(R16)2(R18は、-CH2-CH2-、-CH2-CH2-CH2-又は-CH2-CH(CH3)-基を表し、R16は、上述の意味を有する)に相当する基、
及びこれらの基の最大6個の炭素原子を含有する高級同族体を示す]。
(8)以下から選択される-D-X-D-X-タイプの両性ポリマー:
a)以下の式の少なくとも1つの単位を含有する化合物に対する、クロロ酢酸又はクロロ酢酸ナトリウムの作用により得られるポリマー:
-D-X-D-X-D- (X)
(式中、Dは、以下の基
Figure 2021004220
を示し、Xは、記号E又はE'を示し、E又はE'は、同一であるか又は異なり、二価基を示し、これは、最大7個の炭素原子を主鎖中に含有する直鎖又は分枝鎖を有するアルキレン基であり、非置換であるか又はヒドロキシル基で置換されており、加えて、酸素、窒素又は硫黄原子、1から3個の芳香族及び/又は複素環式環を含有してもよく、その酸素、窒素及び硫黄原子は、エーテル、チオエーテル、スルホキシド、スルホン、スルホニウム、アルキルアミン若しくはアルケニルアミン基、又はヒドロキシル、ベンジルアミン、アミンオキシド、第四級アンモニウム、アミド、イミド、アルコール、エステル及び/若しくはウレタン基の形態で存在する)。
b)以下の式のポリマー:
-D-X-D-X- (XI)
(式中、Dは、以下の基
Figure 2021004220
を示し、Xは、記号E又はE'、少なくとも1回はE'を示し、Eは、上記に示した意味を有し、E'は、二価基であり、これは、最大7個の炭素原子を主鎖中に有する直鎖又は分枝鎖を有するアルキレン基であり、非置換であるか又は1つ若しくは複数のヒドロキシル基で置換されており、1個又は複数の窒素原子を含有し、その窒素原子は、酸素原子により任意選択で中断されたアルキル鎖で置換されており、1つ若しくは複数のカルボキシル官能基又は1つ若しくは複数のヒドロキシル官能基を必ず含有し、クロロ酢酸又はクロロ酢酸ナトリウムとの反応によりベタイン化されている)。
(9)N,N-ジメチルアミノプロピルアミン等のN,N-ジアルキルアミノアルキルアミンで半アミド化(semiamidation)することにより又はN,N-ジアルカノールアミンで半エステル化(semiesterification)することにより部分的に修飾された、(C1〜C5)アルキルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー。これらのコポリマーはまた、他のビニルコモノマー、例えばビニルカプロラクタムを含有してもよい。
本発明による特に好ましい両性ポリマーは、ファミリー(1)のもの、特にカチオン性モノマーとしてジアルキルジアリルアンモニウムの塩を含有するものである。
両性ポリマーは、ポリクオタニウム-22、ポリクオタニウム-39、ポリクオタニウム-53、ポリクオタニウム-64、ポリクオタニウム-51、ポリクオタニウム-61及びそれらの混合物から選択することができる。ポリクオタニウム-39及びポリクオタニウム-53、例えば、Lubrizol社により販売されている製品Merquat 3330 PR及びMerquat 2003 PRがより好ましい。
本発明による組成物中の両性ポリマーの量は、組成物の総質量に対して、0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であることができる。
本発明による組成物中の両性ポリマーの量は、組成物の総質量に対して、25質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下であることができる。
本発明による組成物中の両性ポリマーの量は、組成物の総質量に対して、0.001質量%から25質量%、好ましくは0.01質量%から20質量%、より好ましくは0.1質量%から15質量%であることができる。
(2つ以上の酸解離定数を有する非ポリマー酸)
本発明による組成物は、2つ以上のpKa値を有する少なくとも1種の非ポリマー酸又はその塩、すなわち、2つ以上の酸解離定数を有する少なくとも1種の非ポリマー酸又はその塩を含んでもよい。pKa値(酸解離定数)は、当業者に周知であり、一定の温度、例えば25℃で決定すべきである。
2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸又はその塩は、(a)ポリイオンコンプレックスに組み入れることができる。2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸は、カチオン性又は両性ポリマーの架橋剤として機能しうる。
本明細書における「非ポリマー」という用語は、酸が、2つ以上のモノマーを重合することにより得られないことを意味する。したがって、非ポリマー酸は、ポリカルボン酸等の2つ以上のモノマーを重合することにより得られる酸に相当しない。
2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸又はその塩の分子量は、1000以下、好ましくは800以下、より好ましくは700以下であることが好ましい。
2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸又はその塩のタイプは限定されない。2つ以上の異なるタイプの2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸又はその塩を組み合わせて使用してもよい。したがって、単一のタイプの2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸若しくはその塩、又は異なるタイプの2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸若しくはその塩の組合せを使用することができる。
本明細書における「塩」という用語は、2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸に好適な塩基を添加することにより形成される塩を意味し、これは、当業者に公知の方法に従って2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸と塩基とを反応させることにより得ることができる。塩として、金属塩、例えば、Na及びK等のアルカリ金属との塩、並びにMg及びCa等のアルカリ土類金属との塩、並びにアンモニウム塩を挙げることができる。
2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸又はその塩は、有機酸又はその塩、好ましくは親水性若しくは水溶性の有機酸又はその塩であることができる。
2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸は、カルボン酸基、硫酸基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、フェノール性ヒドロキシル基、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも2つの酸基を有してもよい。
2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸は、非ポリマー多価酸であることができる。
2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸は、ジカルボン酸、ジスルホン酸、及びジホスホン酸、並びにそれらの混合物からなる群から選択することができる。
2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸又はその塩は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、クエン酸、アコニット酸、オキサロ酢酸、酒石酸、及びその塩;アスパラギン酸、グルタミン酸、及びその塩;テレフタリリデンジカンファースルホン酸又はその塩(Mexoryl SX)、ベンゾフェノン-9;フィチン酸、及びその塩;赤色2号(アマランス)、赤色102号(ニューコクシン)、黄色4号(Yellow 5)(タートラジン)、黄色5号(サンセットイエローFCF)、緑色3号(ファストグリーンFCF)、青色1号(ブリリアントブルーFCF)、青色2号(インジゴカルミン)、赤色201号(リソールルビンB)、赤色202号(リソールルビンBCA)、赤色204号(レーキレッドCBA)、赤色206号(リソールレッドCA)、赤色207号(リソールレッドBA)、赤色208号(リソールレッドSR)、赤色219号(ブリリアントレーキレッドR)、赤色220号(ディープマルーン)、赤色227号(ファストアシッドマゼンタ)、黄色203号(キノリンイエローWS)、緑色201号(アリザリンシアニングリーンF)、緑色204号(ピラニンコンク)、緑色205号(ライトグリーンSF黄)、青色203号(パテントブルーCA)、青色205号(アルファズリンFG)、赤色401号(ビオラミンR)、赤色405号(パーマネントレッドF5R)、赤色502号(ポンソー3R)、赤色503号(ポンソーR)、赤色504号(ポンソーSX)、緑色401号(ナフトールグリーンB)、緑色402号(ギネアグリーンB)、及び黒色401号(ナフトールブルーブラック);葉酸、アスコルビン酸、エリソルビン酸、及びその塩;シスチン及びその塩;EDTA及びその塩;グリチルリチン及びその塩;並びにそれらの混合物からなる群から選択することができる。
2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸又はその塩は、テレフタリリデンジカンファースルホン酸及びその塩(Mexoryl SX)、黄色5号(サンセットイエローFCF)、アスコルビン酸、フィチン酸及びその塩、並びにそれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい場合がある。
本発明による組成物中の2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸又はその塩の量は、組成物の総質量に対して、0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であることができる。
本発明による組成物中の2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸又はその塩の量は、組成物の総質量に対して、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下であることができる。
本発明による組成物中の2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸又はその塩の量は、組成物の総質量に対して、0.001質量%から10質量%、好ましくは0.01質量%から5質量%、より好ましくは0.1質量%から1質量%であることができる。
(2つ以上の塩基解離定数を有する非ポリマー塩基)
本発明による組成物は、2つ以上のpKb値を有する少なくとも1種の非ポリマー塩基又はその塩、すなわち、2つ以上の塩基解離定数を有する少なくとも1種の非ポリマー塩基又はその塩を含んでもよい。pKb値(塩基解離定数)は、当業者に周知であり、一定の温度、例えば25℃で決定すべきである。
2つ以上のpKb値を有する非ポリマー塩基又はその塩は、(a)粒子に組み入れることができる。2つ以上のpKb値を有する非ポリマー塩基は、アニオン性又は両性ポリマーの架橋剤として機能しうる。
本明細書における「非ポリマー」という用語は、塩基が、2つ以上のモノマーを重合することにより得られないことを意味する。したがって、非ポリマー塩基は、ポリアリルアミン等の2つ以上のモノマーを重合することにより得られる塩基に相当しない。
2つ以上のpKb値を有する非ポリマー塩基又はその塩の分子量は、1000以下、好ましくは800以下、より好ましくは700以下であることが好ましい。
2つ以上のpKb値を有する非ポリマー塩基又はその塩のタイプは限定されない。2つ以上の異なるタイプの2つ以上のpKb値を有する非ポリマー塩基又はその塩を組み合わせて使用してもよい。したがって、単一のタイプの2つ以上のpKb値を有する非ポリマー塩基若しくはその塩、又は異なるタイプの2つ以上のpKb値を有する非ポリマー塩基若しくはその塩の組合せを使用することができる。
本明細書における「塩」という用語は、2つ以上のpKb値を有する非ポリマー塩基に好適な酸を添加することにより形成される塩を意味し、これは、当業者に公知の方法に従って2つ以上のpKb値を有する非ポリマー塩基と酸とを反応させることにより得ることができる。塩として、アンモニウム塩、例えば、HCl及びHNO3等の無機酸との塩、並びにカルボン酸及びスルホン酸等の有機酸との塩を挙げることができる。
2つ以上のpKb値を有する非ポリマー塩基又はその塩は、有機塩基又はその塩、好ましくは親水性若しくは水溶性の有機塩基又はその塩であることができる。
2つ以上のpKb値を有する非ポリマー塩基は、アミノ基、グアニジン基、ビグアニド基、イミダゾール基、イミノ基、ピリジル基及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも2つの塩基性基を有してもよい。
2つ以上のpKb値を有する非ポリマー塩基は、非ポリマージアミン、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ペンタンジアミン、ヘキサンジアミン、尿素及びその誘導体並びにグアニジン及びその誘導体、非ポリマーポリアミン、例えばスペルミン及びスペルミジン、塩基性アミノ酸、並びにそれらの混合物からなる群から選択することができる。
2つ以上のpKb値を有する非ポリマー塩基又はその塩は、アルギニン、リジン、ヒスチジン、システイン、シスチン、チロシン、トリプトファン、オルニチン、及びそれらの混合物からなる群から選択することができる。
2つ以上のpKb値を有する非ポリマー塩基又はその塩は、アルギニン、リジン、ヒスチジン、及びそれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい場合がある。
本発明による組成物中の2つ以上のpKb値を有する非ポリマー塩基又はその塩の量は、組成物の総質量に対して、0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であることができる。
本発明による組成物中の2つ以上のpKb値を有する非ポリマー塩基又はその塩の量は、組成物の総質量に対して、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下であることができる。
本発明による組成物中の2つ以上のpKb値を有する非ポリマー塩基又はその塩の量は、組成物の総質量に対して、0.001質量%から10質量%、好ましくは0.01質量%から5質量%、より好ましくは0.1質量%から1質量%であることができる。
[有機UVフィルター]
本発明による組成物は、(b)少なくとも1種の有機UVフィルターを含む。2種以上の(b)有機UVフィルターを使用する場合、それらは同じであっても異なっていてもよい。
(b)有機UVフィルターは、疎水性又は水不溶性であってよい。(b)有機UVフィルターは、油性成分として機能しうる。したがって、(b)有機UVフィルターは、本発明によるW/O型組成物の連続又は外相を形成することができる。
(b)有機UVフィルターは、UV-A及び/又はUV-B領域において活性であってよい。(b)有機UVフィルターは、親油性又は油溶性であってよい。
(b)有機UVフィルターは、固体又は液体であってよい。「固体」及び「液体」という用語は、それぞれ、1atm下25℃での固体及び液体を意味する。
(b)有機UVフィルターは、アントラニル酸化合物;ジベンゾイルメタン化合物;ケイ皮酸化合物;サリチル酸化合物;カンファー化合物;ベンゾフェノン化合物;β,β-ジフェニルアクリレート化合物;トリアジン化合物;ベンゾトリアゾール化合物;ベンザルマロネート化合物;ベンゾイミダゾール化合物;イミダゾリン化合物;ビス-ベンゾアゾリル化合物;p-アミノ安息香酸(PABA)化合物;メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)化合物;ベンゾオキサゾール化合物;遮蔽ポリマー及び遮蔽シリコーン;α-アルキルスチレンに由来するダイマー;4,4-ジアリールブタジエン化合物;グアイアズレン及びその誘導体;ルチン及びその誘導体;並びにそれらの混合物からなる群から選択することができる。
(b)有機UVフィルターの例として、下記にそのINCI名で示すもの、及びそれらの混合物を挙げることができる。
- アントラニル酸化合物:Haarmann and Reimer社により商標「Neo Heliopan MA」で市販されているアントラニル酸メンチル。
- ジベンゾイルメタン化合物:特にHoffmann-La Roche社により商標「Parsol 1789」で市販されているブチルメトキシジベンゾイルメタン;及びイソプロピルジベンゾイルメタン。
- ケイ皮酸化合物:特にHoffmann-La Roche社により商標「Parsol MCX」で市販されているメトキシケイ皮酸エチルヘキシル;メトキシケイ皮酸イソプロピル;メトキシケイ皮酸イソプロポキシ;Haarmann and Reimer社により商標「Neo Heliopan E 1000」で市販されているメトキシケイ皮酸イソアミル;シノキセート(2-エトキシエチル-4-メトキシシンナメート);メトキシケイ皮酸DEA;メチルケイ皮酸ジイソプロピル;及びジメトキシケイ皮酸エチルヘキサン酸グリセリル。
- サリチル酸化合物:Rona/EM Industries社により商標「Eusolex HMS」で市販されているホモサレート(サリチル酸ホモメンチル);Haarmann and Reimer社により商標「Neo Heliopan OS」で市販されているサリチル酸エチルヘキシル;サリチル酸グリコール;サリチル酸ブチルオクチル;サリチル酸フェニル;Scher社により商標「Dipsal」で市販されているサリチル酸ジプロピレングリコール;及びHaarmann and Reimer社により商標「Neo Heliopan TS」で市販されているサリチル酸TEA。
- カンファー化合物、特にベンジリデンカンファー誘導体:Chimex社により商標「Mexoryl SD」で製造されている3-ベンジリデンカンファー;Merck社により商標「Eusolex 6300」で市販されている4-メチルベンジリデンカンファー;Chimex社により商標「Mexoryl SL」で製造されているベンジリデンカンファースルホン酸;Chimex社により商標「Mexoryl SO」で製造されているカンファーベンザルコニウムメトスルフェート;及びChimex社により商標「Mexoryl SW」で製造されているポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー。
- ベンゾフェノン化合物:BASF社により商標「Uvinul 400」で市販されているベンゾフェノン-1(2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン);BASF社により商標「Uvinul D50」で市販されているベンゾフェノン-2(テトラヒドロキシベンゾフェノン);BASF社により商標「Uvinul M40」で市販されているベンゾフェノン-3(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)又はオキシベンゾン;BASF社により商標「Uvinul MS40」で市販されているベンゾフェノン-4(ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸);ベンゾフェノン-5(ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸ナトリウム);Norquay社により商標「Helisorb 11」で市販されているベンゾフェノン-6(ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン);American Cyanamid社により商標「Spectra-Sorb UV-24」で市販されているベンゾフェノン-8;BASF社により商標「Uvinul DS-49」で市販されているベンゾフェノン-9(ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸二ナトリウム);ベンゾフェノン-12、及びn-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート(BASF社によるUVINUL A+)。
- β,β-ジフェニルアクリレート化合物:特にBASF社により商標「Uvinul N539」で市販されているオクトクリレン;及び特にBASF社により商標「Uvinul N35」で市販されているエトクリレン。
- トリアジン化合物:Sigma 3V社により商標「Uvasorb HEB」で市販されているジエチルヘキシルブタミドトリアゾン;2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、CIBA GEIGY社により商標「TINOSORB S」で市販されているビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、及びBASF社により商標「UVINUL T150」で市販されているエチルヘキシルトリアゾン。
- ベンゾトリアゾール化合物、特にフェニルベンゾトリアゾール誘導体:分枝状及び直鎖状の2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-ドデシル-4-メチルフェノ;並びにUSP 5240975に記載されているもの。
- ベンザルマロネート化合物:4'-メトキシベンザルマロン酸ジネオペンチル、及びベンザルマロネート官能基を含むポリオルガノシロキサン、例えばHoffmann-LaRoche社により商標「Parsol SLX」で市販されているポリシリコーン-15。
- ベンゾイミダゾール化合物、特にフェニルベンゾイミダゾール誘導体。
- イミダゾリン化合物:ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオン酸エチルヘキシル。
- ビス-ベンゾアゾリル化合物:EP-669,323及び米国特許第2,463,264号に記載されている誘導体。
- パラ-アミノ安息香酸化合物:PABA(p-アミノ安息香酸)、エチルPABA、エチルジヒドロキシプロピルPABA、ジメチルPABAペンチル、特にISP社により商標「Escalol 507」で市販されているジメチルPABAエチルヘキシル、グリセリルPABA、及びBASF社により商標「Uvinul P25」で市販されているPEG-25 PABA。
- メチレンビス-(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)化合物、例えばFairmount Chemical社により商標「Mixxim BB/200」で固体形態で市販されている2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-フェノール]、BASF社により商標「Tinosorb M」で、又はFairmount Chemical社により商標「Mixxim BB/100」で水性分散体中の微粉化形態で市販されている2,2'-メチレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール]、並びに米国特許第5,237,071号及び第5,166,355号、GB-2,303,549、DE-19,726,184及びEP-893,119に記載されている誘導体、並びに
下記に示すような、Rhodia Chimie社により商標「Silatrizole」で、又はL'Oreal社により商標「Mexoryl XL」で市販されているドロメトリゾールトリシロキサン。
Figure 2021004220
- ベンゾオキサゾール化合物:Sigma 3V社により商標Uvasorb K2Aで市販されている2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル-(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン。
- 遮蔽ポリマー及び遮蔽シリコーン:WO 93/04665に記載されているシリコーン。
- α-アルキルスチレンに由来するダイマー:DE-19855649に記載されているダイマー。
- 4,4-ジアリールブタジエン化合物:1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン。
(b)有機UVフィルターは、以下からなる群から選択されることが好ましい:
ブチルメトキシジベンゾイルメタン、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、ホモサレート、サリチル酸エチルヘキシル、オクトクリレン、ベンゾフェノン-3、ベンゾフェノン-4、ベンゾフェノン-5、n-ヘキシル2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート、1,1'-(1,4-ピペラジンジイル)ビス[1-[2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]フェニル]-メタノン、4-メチルベンジリデンカンファー、エチルヘキシルトリアゾン、ビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、2,4,6-トリス(ジイソブチル4'-アミノベンザルマロネート)-s-トリアジン、2,4-ビス-(n-ブチル4'-アミノベンザルマロネート)-6-[(3-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリルオキシ]ジシロキサニル}プロピル)アミノ]-s-トリアジン、2,4,6-トリス-(ジフェニル)-トリアジン、2,4,6-トリス-(ターフェニル)-トリアジン、メチレンビス-ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ドロメトリゾールトリシロキサン、ポリシリコーン-15、ジネオペンチル4'-メトキシベンザルマロネート、1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル-(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン、カンファーベンザルコニウムメトスルフェート及びそれらの混合物。
本発明による組成物中の(b)有機UVフィルターの量は、組成物の総質量に対して、10質量%以上、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上であることができる。
本発明による組成物中の(b)有機UVフィルターの量は、組成物の総質量に対して、60質量%以下、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下であることができる。
本発明による組成物中の(b)有機UVフィルターの量は、組成物の総質量に対して、10質量%から60質量%、好ましくは20質量%から50質量%、より好ましくは30質量%から40質量%であることができる。
[SPF向上剤]
本発明による組成物は、(c)少なくとも1種のSPF向上剤を含む。2種以上の(c)SPF向上剤を使用する場合、それらは同じであっても異なっていてもよい。
「SPF向上剤」という用語は、UV遮蔽剤とともに配合物中で使用したときに、配合物中のUV遮蔽剤の量を増加させることなく配合物のSPF値を増加させる化合物又は組成物を意味する。
(c)SPF向上剤は、粒子、より好ましくは球状粒子の形態であることが好ましい。
(c)SPF向上剤の好ましい例は、中空粒子、特に中空ラテックス粒子である。
本発明による中空ラテックス粒子は、一般に100から380nm、好ましくは150から375nm、より好ましくは190から350nm、より特定すると251から325nmの範囲の粒径を有してもよく、粒径は、Brookhaven BI-90光子相関分光計により測定された体積平均粒径である。
所与の粒径について、本発明による中空ラテックス粒子は、最大の中空率を一般に有する。中空ラテックス粒子は、好ましくは、0.1%から50%、より好ましくは5%から50%の中空率を含有する。中空率は、同じ組成物中の無ボイド粒子の容積に対して、希釈された分散体から遠心分離機で圧縮した後のラテックス粒子が占める容積を比較することにより決定される。
本発明による中空ラテックス粒子は、コアのための少なくとも1種のポリマー及びシェルのための少なくとも1種のポリマーを含む粒子から得ることができる。コアポリマー及びシェルポリマーは、単一の重合工程又は一連の重合工程から得ることができる。
典型的には、中空ラテックス粒子は、一般に少なくとも1種の乳化剤で安定させた水性分散体の一部として提供される。
本発明による中空ラテックス粒子は、従来のエマルション重合技法により調製することができる。そのような方法は、とりわけ、特許US 4,427,836、US 4,469,825、US 4,594,363、US 4,677,003、US 4,920,160、及びUS 4,970,241に記載されており、又は以下の特許及び特許出願:EP267726、EP331421、US 490,229、及びUS 5,157,084に記載されている従来の重合技法による。
ラテックス粒子のシェルに使用されるモノマーは、好ましくは、1種又は複数の不飽和非イオン性エチレン単位から構成される。任意選択で、少なくとも1つのカルボン酸基を含有する1種又は複数のモノエチレン性不飽和モノマーが、シェルにおいて重合されていてもよい。
シェルを構成するモノマーは、中空ラテックス粒子のボイドに耐えるのに十分高いガラス転移温度(Tg)を示すように選択される。好ましくは、ガラス転移温度は、50℃超、より好ましくは60℃超、なお好ましくは70℃超である。この温度Tgは、DSC(示差走査熱量測定)により決定することができる。
本発明のラテックス粒子のコアポリマーのエマルション重合において使用されるモノマーは、好ましくは、少なくとも1つのカルボン酸基を含有する1種又は複数のモノエチレン性不飽和モノマーから構成される。好ましくは、コアは、コアモノマーの総質量に対して、少なくとも5質量%の少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーを含む。
コアポリマーは、例えば、少なくとも1つの酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーのエマルション単独重合により、又は少なくとも1つの酸基を含有する2種若しくは3種のモノエチレン性不飽和モノマーの共重合により得ることができる。好ましくは、少なくとも1つの酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーは、1種又は複数のエチレン性不飽和非イオン性モノマーと共重合される。
コアポリマー又はシェルポリマーは、コアモノマーの総質量に対して、0.1質量%から20質量%、好ましくは0.1質量%から3質量%の、ポリエチレン性不飽和モノマー、例えばジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、(メタ)アクリル酸アリル、ジ(メタ)アクリル酸1,3-ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、又はジビニルベンゼンを含有してもよい。或いは、コアポリマー又はシェルポリマーは、コアモノマーの総質量に対して、0.1質量%から60質量%のブタジエンを任意選択で含有してもよい。
少なくとも1つのカルボン酸基を含有するモノエチレン性不飽和モノマーには、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロイルオキシプロピオン酸、(メタ)アクリロイルオキシプロピオン酸、イタコン酸、アコニット酸、マレイン酸又は無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノメチル、及びイタコン酸モノメチルが含まれる。
一実施形態では、モノマーは、アクリル酸及びメタクリル酸から選択される。
モノエチレン性不飽和非イオン性モノマーには、例えば、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸のC1〜C20アルキルエステル、及び(メタ)アクリル酸の(C3〜C20)アルケニルエステル、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸パルミチル、及び(メタ)アクリル酸ステアリルが含まれる。本発明によれば、(メタ)アクリルという用語は、メタクリル又はアクリルの両方を包含する一般表現を示す。(メタ)アクリレートという用語は、メタクリレート又はアクリレートの両方を包含する一般表現を示す。
ラテックス粒子のコアのボイド部分は、好ましくは、1種又は複数の揮発性化合物を含む膨張剤でコアを膨張させることにより生成される。膨張剤は、コアを膨張させるためにシェルに浸透する。その後、膨張剤の揮発性成分を、ラテックス粒子を乾燥させることにより除去することができ、このようにして粒子内にボイドが生成される。膨張剤は、好ましくは水性系である。例えば、アンモニア、水酸化アンモニウム、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、及び揮発性アミン、例えばトリメチルアミン又はトリエチルアミンを挙げることができる。
中空ラテックス粒子は、膨張剤とともに本発明の組成物中に導入されてもよい。その場合、揮発性化合物は、組成物を乾燥させるときに除去される。中空ラテックス粒子はまた、膨張剤の揮発性化合物が除去された後に組成物に添加されてもよい。
本発明に従って使用することができる中空ラテックス粒子は、特許US 5,663,213及び特許出願EP1092421に記載されているものである。
本発明の特定の一実施形態によれば、使用される中空ラテックス粒子は、INCI名スチレン/アクリレートコポリマーで、スチレンと(メタ)アクリル酸又はそのC1〜C20アルキルエステルの1種とのコポリマーから構成されるもの、例えばRohm & Haas社により商品名Sunspheres(商標)Powderで販売されている製品であり、これは、11%のラウリン酸PEG-8、2.5%の水、及び0.5%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの混合物中に86%のスチレン/アクリレートコポリマーを含有する水性分散体である。
UV光を典型的に反射できるSPF向上剤の別の例は、ガラス微小球である。典型的には、本発明の組成物中で使用されるガラス微小球は、本質的に均質であり、本質的に真球度が均一であり、約5μmから70μmの間、例えば約10μmから20μmの平均粒径を有する。本発明において有用なガラス微小球には、ホウケイ酸カルシウムアルミニウムの中空微小球(Presperse Inc.社から商品名LUXSIL(登録商標)で市販されている)、ホウケイ酸ナトリウム微粒子(PQ Corporation社から商品名Q-CEL 570で市販されている)、並びにホウケイ酸カルシウム/ナトリウム中空微小球(3M社から商品名ES 22及び1Kで市販されている)、ホウケイ酸カルシウム/ナトリウム微小球(3M社から商品名Scotchlite(商標)K20製品で市販されている)が含まれる。
(c)SPF向上剤の別の好ましい例は、微粒子、特に球状微粒子の形態の多孔質シリカである。本発明による多孔質シリカの球状微粒子は、好ましくは、0.5から20μm、より特定すると3から15μmの範囲の平均粒径を有する。
それらは、好ましくは、50から1000m2/g、より特定すると150から800m2/gの範囲の比表面積を有する。
それらは、好ましくは、0.5から5ml/g、より特定すると1から2ml/gの範囲の比細孔容積を有する。
多孔質シリカのマイクロビーズの例として、以下の市販製品を使用することが可能である:
三好化成株式会社製のSilica Beads SB 150、
旭硝子株式会社製のSunsphere H-51、
Sunjin社製のSunsil 130、
池田物産株式会社製のSpherica P-1500、及び
富士シリシア化学株式会社製のSylosphere。
(c)SPF向上剤の別の好ましい例は、金属酸化物、例えば二酸化チタン及び酸化亜鉛を含むシリカ粒子(金属酸化物を含むシリカ粒子)である。シリカ粒子は、多孔質であっても非多孔質であってもよい。シリカ粒子は、疎水性となるように表面処理されていてもよい。例えば、シリカ粒子は、アルキルシランで表面処理されていてもよい。金属酸化物は、ナノ粒子の形態であってもよく、10から70nm、好ましくは10から50nm、より好ましくは10から30nmの範囲の平均粒径を有してもよい。金属酸化物を含むシリカ粒子は、0.1から30μm、好ましくは0.5から20μm、より好ましくは1から10μmの範囲の平均粒径を有してもよい。金属酸化物を含むシリカ粒子の例として、Sunsil Tin40、Sunsil Tin40-AS、Sunsil Tin50、Sunsil-Tin50-As、及びSunsil-TZin50-As(Sunjin社製)を挙げることができる。
(c)SPF向上剤の別の好ましい例は、多層球状複合粒子である。
多層球状複合粒子は、
i)1.3から1.8の範囲の屈折率を有する少なくとも1種の材料Aを含むコアと、
ii)1.9から3.1の範囲の屈折率を有する少なくとも1種の材料Bを含む、前記コアを覆う少なくとも1つの層と、
iii)任意選択で、1.3から1.8の範囲の屈折率を有する少なくとも1種の材料Cを含む、材料Bを覆う少なくとも1つの第2の層と
を含んでもよい。
多層球状複合粒子は、
i)1.3から1.8の範囲の屈折率を有する少なくとも1種の材料Aを含むコアと、
ii)1.9から3.1の範囲の屈折率を有する少なくとも1種の材料Bを含む、前記コアを覆う少なくとも1つの層と、
iii)1.3から1.8の範囲の屈折率を有する少なくとも1種の材料Cを含む、材料Bを覆う少なくとも1つの第2の層と
を含むことが好ましい場合がある。
多層球状複合粒子の様々な層は、ほぼ同心円状であってもよい。
多層球状複合粒子は、好ましくは、0.05から45μmの範囲、より優先的には0.05から10μmの範囲、更に好ましくは0.05から1μmの範囲の平均直径を特徴としてもよい。
材料A、B及びCは、有機及び/又は無機物質からなってよい。
1.3〜1.8の屈折率を有する有機材料A及びCは、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアミド、シリコーン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカプロラクタム、多糖、ポリペプチド、ポリビニル誘導体、ワックス、ポリエステル及びポリエーテル、並びにそれらの混合物により形成される群から選択することができる。
1.3〜1.8の屈折率を有する無機材料A及びCは、ガラス、シリカ、炭酸カルシウム及び酸化アルミニウム、並びにそれらの混合物により形成される群から選択することができる。
より特定すると、シリカが材料A及びCに使用される。
1.9〜3.1の屈折率を有する無機材料Bは、金属酸化物から選択することができる。
金属酸化物は、好ましくは、チタン、亜鉛、鉄及びジルコニウムの酸化物、又はそれらの混合物から、より特定すると二酸化チタン及び酸化亜鉛、並びにそれらの混合物から選択される。
特に好ましくは、二酸化チタン(TiO2)が使用される。特に、二酸化チタン(TiO2)は、ルチル及び/若しくはアナターゼ形態、並びに/又は非晶質形態であってよい。
これらの金属酸化物は、一般に0.01から0.20μmの間の平均基本粒径を有する粒子の形態であってもよい。有利には、使用される金属酸化物粒子は、0.10μm未満、更になお良好には0.01から0.1μmの間、より特定すると0.015から0.05μmの間の平均粒径を有する。
本発明の特定の一形態によれば、多層球状複合粒子は、
i)シリカからなるコアと、
ii)前記コアを覆う二酸化チタンからなる少なくとも1つの層と、
iii)前記二酸化チタン層を覆うシリカからなる少なくとも1つの第2の層と
を含んでもよい。
優先的には、材料Aをベースとするコアは、球状複合粒子の総質量に対して、1質量%から99質量%、より優先的には10質量%から95質量%に相当する。
優先的には、材料Bをベースとする層は、球状複合粒子の総質量に対して、0.5質量%から50質量%、より優先的には1質量%から40質量%に相当する。
優先的には、材料Cをベースとする層は、球状複合粒子の総質量に対して、0.5質量%から50質量%、より優先的には1質量%から40質量%に相当する。
本発明に従って使用することができる多層球状複合粒子の中で、より特定すると、82質量%のシリカコアと、5質量%の二酸化チタンの第1の層と、13質量%のシリカの第2の層からなる0.6μmの平均直径を有する多層球状複合粒子、例えば日揮触媒化成株式会社により供給される商品名STM ACS-0050510で販売されている製品が使用される。
本発明に従って使用することができる多層球状複合粒子は、それ自体公知である。その定義及びそれを調製するための方法は、特許JP 3605118に記載されている。
それらは、以下の工程を含む調製方法に従って得ることができる。第1の工程では、エタノール溶液中のアルコキシシラン(すなわち、モノメチルトリエトキシシラン)の加水分解を、アンモニア水の存在下で、撹拌しながら行い、続いて、球状シリカ粒子を得るために焼成する。金属加水分解物(すなわち、チタン加水分解物)を、金属酸化物アルコキシドのアルコール溶液(すなわち、イソプロパノール中のチタンイソプロポキシドの溶液)を用いて、窒素媒体中で撹拌しながら調製し、次いで、濾過及びすすぎの後に、得られた粉末を300℃で4時間加熱し、室温に冷却させる。得られた加水分解物を、複合粒子の金属酸化物内部コーティングの第1の層を得るために、アルコールの存在下で球状シリカ粒子の表面に接着させる。濾過及びすすぎを行い、得られた粉末を300℃で4時間加熱し、室温に冷却させる。次いで、このようにして被覆した粉末を、アルコキシシラン(すなわち、テトラエトキシシラン)のエタノール溶液と、塩酸の存在下で、撹拌しながら24時間接触させる。シリカの第2の外部層をこのようにして形成し、次いでその後、任意選択で焼成する。
(c)SPF向上剤は、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリレート、及び/又はスチレンの(コ)ポリマー;ガラス;シリカ;金属酸化物、例えば二酸化チタン及び酸化亜鉛;並びにそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の材料から作製されることが好ましい。(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリレート、及び/又はスチレンの(コ)ポリマーとして、ポリ(メタ)アクリレート、例えばPMMA、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリレートのコポリマー、並びに(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリレート、及びスチレンのコポリマーを挙げることができる。しかしながら、(c)SPF向上剤は、無機材料、例えばシリカ及び金属酸化物(例えば、二酸化チタン及び酸化亜鉛)から作製されることが好ましい。
(c)SPF向上剤は、中空粒子、金属酸化物を含むシリカ粒子、多層球状複合粒子、及びそれらの混合物からなる群から選択されることがより好ましい。
(c)SPF向上剤は、多層球状複合粒子、特にシリカコア粒子と、前記コア粒子を覆う二酸化チタンを含む少なくとも1つの第1の層と、第1の層を覆うシリカを含む少なくとも1つの第2の層とを含むものから選択されることが更に好ましい。
本発明による組成物中の(c)SPF向上剤の量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上であることができる。
本発明による組成物中の(c)SPF向上剤の量は、組成物の総質量に対して、15質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であることができる。
本発明による組成物中の(c)SPF向上剤の量は、組成物の総質量に対して、0.1質量%から15質量%、好ましくは0.5質量%から10質量%、より好ましくは1質量%から5質量%であることができる。
本発明の組成物において、(c)SPF向上剤は、組成物中に存在する(b)有機UVフィルターの量と等量、又はそれを下回る量で用いることができる。
典型的には、(c)SPF向上剤と(b)有機UVフィルターとの比は、約1:約1から約1:約20、例えば約1:約1から約1:約10の範囲内である。
[水]
本発明による組成物は、(d)水を含む。
(d)水は、本発明によるW/O型組成物の不連続又は分散(内)相を形成することができる。
(d)水の量は、組成物の総質量に対して、1質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上であることができる。
(d)水の量は、組成物の総質量に対して、50質量%以下、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下であることができる。
(d)水の量は、組成物の総質量に対して、1質量%から50質量%、好ましくは10質量%から40質量%、より好ましくは20質量%から30質量%であることができる。
[追加の油]
本発明による組成物は、(e)少なくとも1種の追加の油を含んでもよい。2種以上の(e)追加の油を使用する場合、それらは同じであっても異なっていてもよい。(e)追加の油は、(b)有機UVフィルターとは異なる。
本明細書において、「油」は、大気圧(760mmHg)下、室温(25℃)で液体又はペースト(非固体)の形態である脂肪化合物又は脂肪物質を意味する。油として、化粧品において一般に使用されるものを、単独で、又はそれらを組み合わせて使用することができる。これらの油は、揮発性であっても不揮発性であってもよい。
油は、非極性油、例えば炭化水素油、シリコーン油等;極性油、例えば植物若しくは動物油及びエステル油若しくはエーテル油;又はそれらの混合物であることができる。
油は、植物又は動物起源の油、合成油、シリコーン油、炭化水素油及び脂肪アルコールからなる群から選択することができる。
植物油の例として、例えば、アマニ油、カメリア油、マカデミアナッツ油、コーン油、ミンク油、オリーブ油、アボカド油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油、ヒマワリ油、アーモンド油、アブラナ種子油、ゴマ油、ダイズ油、ピーナッツ油、及びそれらの混合物を挙げることができる。
動物油の例として、例えば、スクアレン及びスクアランを挙げることができる。
合成油の例として、アルカン油、例えばイソドデカン及びイソヘキサデカン、エステル油、エーテル油、及び人工トリグリセリドを挙げることができる。
エステル油は、好ましくは、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1〜C26脂肪族一酸又は多酸と、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC1〜C26脂肪族モノアルコール又はポリアルコールとの液体エステルであり、エステルの炭素原子の総数は、10以上である。
好ましくは、モノアルコールのエステルについて、本発明のエステルが由来するアルコール及び酸の中で、少なくとも1つは分枝状である。
一酸とモノアルコールとのモノエステルの中で、パルミチン酸エチル、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、炭酸ジカプリリル、ミリスチン酸アルキル、例えばミリスチン酸イソプロピル又はミリスチン酸エチル、ステアリン酸イソセチル、イソノナン酸2-エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソデシル及びネオペンタン酸イソステアリルを挙げることができる。
C4〜C22ジカルボン酸又はトリカルボン酸とC1〜C22アルコールとのエステル、及びモノカルボン酸、ジカルボン酸又はトリカルボン酸と非糖C4〜C26ジヒドロキシ、トリヒドロキシ、テトラヒドロキシ又はペンタヒドロキシアルコールとのエステルもまた使用することができる。
とりわけ、以下を挙げることができる:セバシン酸ジエチル、ラウロイルサルコシンイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ビス(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジ-n-プロピル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソステアリル、マレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソステアリル、三乳酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、クエン酸トリオクチルドデシル、クエン酸トリオレイル、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、ジイソノナン酸ジエチレングリコール。
エステル油として、C6〜C30、好ましくはC12〜C22脂肪酸の糖エステル及びジエステルを使用することができる。「糖」という用語は、アルデヒド又はケトン官能基を有し又は有さず、いくつかのアルコール官能基を含有し、少なくとも4個の炭素原子を含む、酸素保持炭化水素系化合物を意味することが想起される。これらの糖は、単糖、オリゴ糖又は多糖であってよい。
挙げることができる好適な糖の例には、スクロース(又はサッカロース)、グルコース、ガラクトース、リボース、フコース、マルトース、フルクトース、マンノース、アラビノース、キシロース及びラクトース、並びにそれらの誘導体、とりわけアルキル誘導体、例えばメチル誘導体、例えばメチルグルコースが含まれる。
脂肪酸の糖エステルは、とりわけ、先に記載した糖と、直鎖状又は分枝状の、飽和又は不飽和のC6〜C30、好ましくはC12〜C22脂肪酸とのエステル又はエステルの混合物を含む群から選択することができる。それらが不飽和である場合、これらの化合物は、1から3個の共役又は非共役の炭素-炭素二重結合を有することができる。
この変形形態によるエステルはまた、モノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステル及びポリエステル、並びにそれらの混合物から選択することができる。
これらのエステルは、例えば、オレイン酸エステル、ラウリン酸エステル、パルミチン酸エステル、ミリスチン酸エステル、ベヘン酸エステル、ヤシ脂肪酸エステル、ステアリン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル、カプリン酸エステル及びアラキドン酸エステル、又はそれらの混合物、例えばとりわけオレオパルミチン酸、オレオステアリン酸及びパルミトステアリン酸の混合エステル、並びにテトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチルであってもよい。
より特定すると、モノエステル及びジエステル、とりわけスクロース、グルコース又はメチルグルコースのモノオレイン酸エステル又はジオレイン酸エステル、ステアリン酸エステル、ベヘン酸エステル、オレオパルミチン酸エステル、リノール酸エステル、リノレン酸エステル及びオレオステアリン酸エステルが使用される。
挙げることができる例は、Amerchol社により名称Glucate(登録商標)DOで販売されている製品であり、これはジオレイン酸メチルグルコースである。
好ましいエステル油の例として、例えば、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジオクチル、ヘキサン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸エチル、オクタン酸セチル、オクタン酸オクチルドデシル、ネオペンタン酸イソデシル、プロピオン酸ミリスチル、2-エチルヘキサン酸2-エチルヘキシル、オクタン酸2-エチルヘキシル、カプリル酸/カプリン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、炭酸ジカプリリル、ラウロイルサルコシンイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸エチルヘキシル、ラウリン酸イソヘキシル、ラウリン酸ヘキシル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸イソデシル、トリ(2-エチルヘキサン酸)グリセリル、テトラ(2-エチルヘキサン酸)ペンタエリスリチル、コハク酸2-エチルヘキシル、セバシン酸ジエチル、及びそれらの混合物を挙げることができる。
人工トリグリセリドの例として、例えば、カプリルカプリリルグリセリド、トリミリスチン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリリノレン酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリ(カプリン酸/カプリル酸)グリセリル及びトリ(カプリン酸/カプリル酸/リノレン酸)グリセリルを挙げることができる。
シリコーン油の例として、例えば、直鎖状オルガノポリシロキサン、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等;環状オルガノポリシロキサン、例えばシクロヘキサシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等;及びそれらの混合物を挙げることができる。
好ましくは、シリコーン油は、液体ポリジアルキルシロキサン、とりわけ液体ポリジメチルシロキサン(PDMS)及び少なくとも1つのアリール基を含む液体ポリオルガノシロキサンから選択される。
これらのシリコーン油はまた、有機変性されていてもよい。本発明に従って使用することができる有機変性シリコーンは、上記に定義されたシリコーン油であり、その構造中に、炭化水素系基を介して結合した1つ又は複数の有機官能基を含む。
オルガノポリシロキサンは、Walter Noll著、Chemistry and Technology of Silicones(1968年)、Academic Press社においてより詳細に定義されている。それらは、揮発性であっても不揮発性であってもよい。
それらが揮発性である場合、シリコーンは、より特定すると、沸点が60℃から260℃の間であるものから、更に特定すると、以下から選択される:
(i)3から7個、好ましくは4から5個のケイ素原子を含む環状ポリジアルキルシロキサン。これらは、例えば、特にUnion Carbide社により名称Volatile Silicone(登録商標)7207で又はRhodia社により名称Silbione(登録商標)70045 V2で販売されているオクタメチルシクロテトラシロキサン、Union Carbide社により名称Volatile Silicone(登録商標)7158で、Rhodia社により名称Silbione(登録商標)70045 V5で販売されているデカメチルシクロペンタシロキサン、及びMomentive Performance Materials社により名称Silsoft 1217で販売されているドデカメチルシクロペンタシロキサン、並びにそれらの混合物である。以下の式:
Figure 2021004220
のジメチルシロキサン/メチルアルキルシロキサンのようなタイプのシクロコポリマー、例えばUnion Carbide社により販売されているSilicone Volatile(登録商標)FZ 3109もまた挙げることができる。環状ポリジアルキルシロキサンと有機ケイ素化合物との混合物、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサンとテトラトリメチルシリルペンタエリスリトールとの混合物(50/50)、及びオクタメチルシクロテトラシロキサンとオキシ-1,1'-ビス(2,2,2',2',3,3'-ヘキサトリメチルシリルオキシ)ネオペンタンとの混合物もまた挙げることができる;及び
(ii)2から9個のケイ素原子を含有し、25℃で5×10-6m2/s以下の粘度を有する直鎖状揮発性ポリジアルキルシロキサン。例は、特にToray Silicone社により名称SH 200で販売されているデカメチルテトラシロキサンである。この分類に属するシリコーンは、Cosmetics and Toiletries、第91巻、76年1月、27〜32頁、Todd & Byers、Volatile Silicone Fluids for Cosmeticsに公表された論文にも記載されている。シリコーンの粘度は、ASTM規格445、付録Cに従って25℃で測定される。
不揮発性ポリジアルキルシロキサンもまた使用することができる。これらの不揮発性シリコーンは、より特定するとポリジアルキルシロキサンから選択され、その中で、主としてトリメチルシリル末端基を含有するポリジメチルシロキサンを挙げることができる。
これらのポリジアルキルシロキサンの中で、非限定的に、以下の市販製品を挙げることができる:
- Rhodia社により販売されている47及び70047シリーズのSilbione(登録商標)油又はMirasil(登録商標)油、例えば油70047 V 500000、
- Rhodia社により販売されているMirasil(登録商標)シリーズの油、
- Dow Corning社製の200シリーズの油、例えば60000mm2/sの粘度を有するDC200、並びに
- General Electric社製のViscasil(登録商標)油及びGeneral Electric社製のSFシリーズのある種の油(SF 96、SF 18)。
名称ジメチコノール(CTFA)で知られている、ジメチルシラノール末端基を含有するポリジメチルシロキサン、例えばRhodia社製の48シリーズの油もまた挙げることができる。
アリール基を含有するシリコーンの中で、ポリジアリールシロキサン、とりわけポリジフェニルシロキサン及びポリアルキルアリールシロキサン、例えばフェニルシリコーン油を挙げることができる。
フェニルシリコーン油は、以下の式:
Figure 2021004220
(式中、
R1からR10は、互いに独立して、飽和又は不飽和の、直鎖状、環状又は分枝状のC1〜C30炭化水素系基、好ましくはC1〜C12炭化水素系基、より好ましくはC1〜C6炭化水素系基、特にメチル、エチル、プロピル又はブチル基であり、
m、n、p及びqは、互いに独立して、0以上900以下、好ましくは0以上500以下、より好ましくは0以上100以下の整数であり、
ただし、和n+m+qは、0以外である)
のフェニルシリコーンから選択することができる。
挙げることができる例には、以下の名称で販売されている製品が含まれる:
- Rhodia社製の70641シリーズのSilbione(登録商標)油、
- Rhodia社製のRhodorsil(登録商標)70633及び763シリーズの油、
- Dow Corning社製の油Dow Corning 556 Cosmetic Grade Fluid、
- Bayer社製のPKシリーズのシリコーン、例えば製品PK20、
- General Electric社製のSFシリーズのある種の油、例えばSF 1023、SF 1154、SF 1250及びSF 1265。
フェニルシリコーン油として、フェニルトリメチコン(上記の式中、R1からR10は、メチルであり、p、q、及びn=0であり、m=1である)が好ましい。
有機変性液体シリコーンは、とりわけ、ポリエチレンオキシ及び/又はポリプロピレンオキシ基を含有してもよい。したがって、信越化学工業株式会社により提案されているシリコーンKF-6017、及びUnion Carbide社製の油Silwet(登録商標)L722及びL77を挙げることができる。
炭化水素油は、以下から選択することができる:
- 直鎖状又は分枝状の、任意選択で環状のC6〜C16低級アルカン。挙げることができる例には、ヘキサン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、及びイソパラフィン、例えばイソヘキサデカン、イソドデカン及びイソデカンが含まれる;並びに
- 16個超の炭素原子を含有する直鎖状又は分枝状の炭化水素、例えば流動パラフィン、流動ワセリン、ポリデセン及び水添ポリイソブテン、例えばParleam(登録商標)、及びスクアラン。
炭化水素油の好ましい例として、例えば、直鎖状又は分枝状の炭化水素、例えばイソヘキサデカン、イソドデカン、スクアラン、鉱油(例えば、流動パラフィン)、パラフィン、ワセリン又はペトロラタム、ナフタレン等;水添ポリイソブテン、イソエイコサン、及びデセン/ブテンコポリマー;並びにそれらの混合物を挙げることができる。
脂肪アルコールにおける「脂肪」という用語は、比較的多数の炭素原子が含まれることを意味する。したがって、4個以上、好ましくは6個以上、より好ましくは12個以上の炭素原子を有するアルコールは、脂肪アルコールの範囲内に包含される。脂肪アルコールは、飽和であっても不飽和であってもよい。脂肪アルコールは、直鎖状であっても分枝状であってもよい。
脂肪アルコールは、構造R-OH(式中、Rは、4から40個の炭素原子、好ましくは6から30個の炭素原子、より好ましくは12から20個の炭素原子を含有する飽和及び不飽和の、直鎖状及び分枝状の基から選択される)を有してもよい。少なくとも1つの実施形態では、Rは、C12〜C20アルキル及びC12〜C20アルケニル基から選択することができる。Rは、少なくとも1つのヒドロキシル基で置換されていてもいなくてもよい。
脂肪アルコールの例として、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ウンデシレニルアルコール、ミリスチルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、パルミトレイルアルコール、アラキドニルアルコール、エルシルアルコール、及びそれらの混合物を挙げることができる。
脂肪アルコールは、飽和脂肪アルコールであることが好ましい。
したがって、脂肪アルコールは、直鎖又は分枝状の、飽和又は不飽和のC6〜C30アルコール、好ましくは直鎖又は分枝状の、飽和C6〜C30アルコール、より好ましくは直鎖又は分枝状の、飽和C12〜C20アルコールから選択することができる。
本明細書における「飽和脂肪アルコール」という用語は、長い脂肪族飽和炭素鎖を有するアルコールを意味する。飽和脂肪アルコールは、任意の直鎖状又は分枝状の、飽和C6〜C30脂肪アルコールから選択されることが好ましい。直鎖状又は分枝状の、飽和C6〜C30脂肪アルコールの中で、好ましくは、直鎖状又は分枝状の、飽和C12〜C20脂肪アルコールを使用することができる。より好ましくは、任意の直鎖状又は分枝状の、飽和C16〜C20脂肪アルコールを使用することができる。更に好ましくは、分枝状C16〜C20脂肪アルコールを使用することができる。
飽和脂肪アルコールの例として、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ウンデシレニルアルコール、ミリスチルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、及びそれらの混合物を挙げることができる。一実施形態では、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール、又はそれらの混合物(例えば、セテアリルアルコール)並びにベヘニルアルコールを、飽和脂肪アルコールとして使用することができる。
少なくとも1つの実施形態によれば、本発明による組成物中で使用される脂肪アルコールは、好ましくは、オクチルドデカノール、ヘキシルデカノール及びそれらの混合物から選択される。
(e)追加の油は、極性油から、より好ましくはエステル油、人工トリグリセリド及びそれらの混合物から、更に好ましくはエステル油、人工トリグリセリド及びそれらの混合物から選択されることが好ましい。
本発明による組成物中の(e)追加の油の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上であることができる。
本発明による組成物中の(e)追加の油の量は、組成物の総質量に対して、40質量%以下、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下であることができる。
本発明による組成物中の(e)追加の油の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%から40質量%、好ましくは0.1質量%から35質量%、より好ましくは1質量%から30質量%であることができる。
[美容有効成分]
本発明による組成物は、(b)有機UVフィルターに加えて少なくとも1種の(追加の)美容有効成分を含んでもよい。追加の美容有効成分は、(b)有機UVフィルターでない限り限定されない。2種以上の追加の美容有効成分を組み合わせて使用してもよい。したがって、単一のタイプの追加の美容有効成分、又は異なるタイプの追加の美容有効成分の組合せを使用することができる。
使用される追加の美容有効成分の中で、抗酸化剤、クレンジング剤、フリーラジカル捕捉剤、保湿剤、美白剤、脂質調節剤(liporegulator)、抗ニキビ剤、抗フケ剤、抗老化剤、軟化剤、抗しわ剤、角質溶解剤、フレッシュナー、抗細菌剤、抗真菌剤、発汗抑制剤、デオドラント、皮膚コンディショナー、麻酔剤、栄養剤、及び皮脂吸収剤又は水分吸収剤を挙げることができる。
本発明による組成物は、追加の美容有効成分を、組成物の総質量に対して、0.01質量%から20質量%、好ましくは0.1質量%から15質量%、より好ましくは0.5質量%から10質量%、更に好ましくは1質量%から5質量%の量で含んでもよい。
[任意選択の添加剤]
本発明による組成物は、前述の成分に加えて、化粧品において典型的に用いられる成分、具体的には、界面活性剤又は乳化剤、親水性又は親油性増粘剤、有機揮発性又は不揮発性溶媒、(e)追加の油以外のシリコーン及びシリコーン誘導体、動物又は植物に由来する天然抽出物、ワックス等を、本発明の効果を損なわない範囲内で含んでもよい。
本発明による組成物は、上記の任意選択の添加剤を、組成物の総質量に対して、0.001質量%から30質量%、好ましくは0.01質量%から20質量%、より好ましくは0.1質量%から10質量%の量で含んでもよい。
[組成物]
本発明による組成物は、脂肪又は油性でありうる少なくとも1種の(b)有機UVフィルターを含むことから、本発明による組成物は、少なくとも1つの脂肪又は油性相を含むことができる。
一方、本発明による組成物は、(d)水を含むことから、本発明による組成物は、少なくとも1つの水性相を含むことができる。
水性相は、少なくとも1種のC2〜C6一価アルコールを含んでもよい。2種以上のC2〜C6一価アルコールを組み合わせて使用してもよい。
本発明に好適なC2〜C6一価アルコールは、2から5個の炭素原子、好ましくは2から4個の炭素原子を含んでもよく、例えばエタノール、イソプロパノール、プロパノール又はブタノールである。
エタノール及びイソプロパノール、好ましくはエタノールが、本発明に非常に特に好適である。
本発明による組成物中のC2〜C6一価アルコールの量は、組成物の総質量に対して、20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下であることができる。一方、本発明による組成物中のC2〜C6一価アルコールの量は、組成物の総質量に対して、1質量%以上、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上である。例えば、C2〜C6一価アルコールの量は、組成物の総質量に対して、5質量%から20質量%、好ましくは6質量%から15質量%、より好ましくは7質量%から10質量%であることができる。
本発明による組成物は、W/O(油中水)型である。本発明によるW/O型組成物は、連続した、油性又は脂肪(外)相と、分散又は水性(内)相とを含む。
本発明による組成物は、W/Oエマルションの形態であることができる。W/Oエマルションの形態の本発明による組成物は、典型的には、少なくとも1種の界面活性剤又は乳化剤を含むことができる。
本発明による組成物は、化粧用組成物であることができる。したがって、本発明による化粧用組成物は、ケラチン物質に塗布するためのものであることができる。本明細書におけるケラチン物質は、ケラチンを主要構成要素として含有する材料を意味し、その例には、皮膚、頭皮、爪、唇、毛髪等が含まれる。したがって、本発明による化粧用組成物は、ケラチン物質、特に皮膚のための美容方法に使用することが好ましい。
したがって、本発明による化粧用組成物は、皮膚化粧用組成物、好ましくはスキンケア組成物又は皮膚メイクアップ組成物、特に紫外線から皮膚を保護するための組成物であることができる。
本発明による組成物は、当業者に周知の方法のいずれかに従って、上記の必須及び任意選択の成分を混合することにより調製することができる。
[皮膜]
本発明による組成物は、皮膜を調製するのに使用することができる。(a)ポリイオンコンプレックスは、凝集し、合体して連続した皮膜となることができる。
したがって、本発明はまた、好ましくは0.1μm超、より好ましくは1.5μm以上、更に好ましくは2μm以上の厚さの皮膜、好ましくは化粧皮膜を調製するための方法であって、
本発明による組成物を基材、好ましくはケラチン基材、より好ましくは皮膚に塗布する工程と、
組成物を乾燥させる工程と
を含む方法に関しうる。
本発明による組成物により調製される皮膜の厚さの上限は限定されない。したがって、例えば、本発明による組成物により調製される皮膜の厚さは、1mm以下、好ましくは500μm以下、より好ましくは300μm以下、更に好ましくは100μm以下であることができる。
皮膜を調製するための方法は、本発明による組成物を基材、好ましくはケラチン基材、より好ましくは皮膚に塗布する工程と、組成物を乾燥させる工程とを含むことから、本発明による方法は、スピンコーティング又はスプレーすることを必要とせず、したがって、比較的厚い皮膜さえ容易に調製することが可能である。したがって、皮膜を調製するための方法は、スピンコーター及びスプレー機等の特殊な装置を一切用いずに比較的厚い皮膜を調製することができる。
本発明による組成物により調製される皮膜は、比較的厚い場合であっても、なお薄く、透明とすることができ、したがって、知覚することが容易でない場合がある。したがって、本発明による組成物により調製される皮膜は、好ましくは化粧皮膜として使用することができる。
基材が皮膚等のケラチン基材でない場合、本発明による組成物は、ケラチン以外の任意の材料から作製された基材に塗布することができる。非ケラチン基材の材料は限定されない。2種以上の材料を組み合わせて使用してもよい。したがって、単一のタイプの材料、又は異なるタイプの材料の組合せを使用することができる。いずれにせよ、基材は、可撓性又は弾性であることが好ましい。
基材がケラチン基材でない場合、基材は、水溶性であることが好ましく、その理由は、基材を水で洗浄することにより本発明による組成物により調製される皮膜を残すことが可能であるからである。水溶性材料の例として、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール(PVA)、デンプン、酢酸セルロース等を挙げることができる。PVAが好ましい。
非ケラチン基材がシートの形態である場合、これは、基材シートに付着した皮膜の取り扱いを容易にするために、本発明による組成物により調製される皮膜の厚さを超える厚さを有してもよい。非ケラチン基材シートの厚さは限定されないが、1μmから5mm、好ましくは10μmから1mm、より好ましくは50から500μmであることができる。
本発明による組成物により調製される皮膜は、非ケラチン基材から取り外し可能であることがより好ましい。取り外し方式は限定されない。したがって、本発明による組成物により調製される皮膜は、非ケラチン基材から剥がしてもよく、又は基材シートを水等の溶媒中に溶解することにより取り外してもよい。
本発明はまた、
(1)本発明による組成物を基材、好ましくはケラチン基材、より好ましくは皮膚に塗布する工程と、
組成物を乾燥させる工程と
を含む方法により調製される、好ましくは0.1μm超、より好ましくは1.5μm以上、更に好ましくは2μm以上の厚さの皮膜、好ましくは化粧皮膜、
並びに
(2)(i)少なくとも1種のカチオン性ポリマー及び2つ以上のpKa値を有する少なくとも1種の非ポリマー酸若しくはその塩、
(ii)少なくとも1種のアニオン性ポリマー及び2つ以上のpKb値を有する少なくとも1種の非ポリマー塩基若しくはその塩、又は
(iii)少なくとも1種の両性ポリマー並びに2つ以上のpKa値を有する少なくとも1種の非ポリマー酸若しくはその塩及び/若しくは2つ以上のpKb値を有する少なくとも1種の非ポリマー塩基若しくはその塩
及び
少なくとも1種の有機UVフィルター
を含む、好ましくは0.1μm超、より好ましくは1.5μm以上、更に好ましくは2μm以上の厚さの皮膜、好ましくは化粧皮膜に関しうる。
カチオン性、アニオン性及び両性ポリマー、並びに上記の有機UVフィルター、2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸、及び2つ以上のpKb値を有する非ポリマー塩基に関する上記の説明は、上記の皮膜(1)及び(2)におけるものに適用されうる。
上記の方法によりこのようにして得られた皮膜は、自立性とすることができる。本明細書における「自立性」という用語は、皮膜をシートの形態とすることができ、基材又は支持体の補助なしに独立したシートとして取り扱うことができることを意味する。したがって、「自立性」という用語は、「自己支持性」と同じ意味を有することができる。
本発明による組成物により調製される皮膜は、疎水性であることが好ましい。
本明細書における「疎水性」という用語は、20から40℃、好ましくは25から40℃、より好ましくは30から40℃でのポリマーの水(好ましくは1リットルの体積)に対する溶解度が、ポリマーの総質量に対して、10質量%未満、好ましくは5質量%未満、より好ましくは1質量%未満、更に好ましくは0.1質量%未満であることを意味する。ポリマーは、水に可溶性でないことが最も好ましい。
本発明による組成物により調製される皮膜が疎水性である場合、皮膜は、耐水特性を有することができ、したがって、ケラチン基材の表面が例えば汗又は雨により濡れている場合であっても、皮膚等のケラチン基材上に残存することができる。したがって、本発明による組成物により調製される皮膜が何らかの美容効果を提供する場合、その美容効果は長時間持続することができる。
一方、本発明による組成物により調製される皮膜は、pH8から12、好ましくは9から11等のアルカリ性条件下で、皮膚等のケラチン基材から容易に除去することができる。したがって、本発明による組成物により調製される皮膜は、水で除去することは困難であるが、そのようなアルカリ性条件をもたらすことができる石けんで容易に除去することができる。
本発明による組成物により調製される皮膜は、少なくとも1種の生体適合性及び/又は生分解性ポリマーの層を含んでもよい。2種以上の生体適合性及び/又は生分解性ポリマーを組み合わせて使用してもよい。したがって、単一のタイプの生体適合性及び/若しくは生分解性ポリマー、又は異なるタイプの生体適合性及び/若しくは生分解性ポリマーの組合せを使用することができる。
本明細書における「生体適合性」ポリマーという用語は、ポリマーが、ポリマーと皮膚を含む生体内の細胞との間の過度の相互作用を有さず、ポリマーが、生体により異物として認識されないことを意味する。
本明細書における「生分解性」ポリマーという用語は、ポリマーが、例えば生体自体の代謝又は生体内に存在しうる微生物の代謝により、生体内で分解又は分割されうることを意味する。また、生分解性ポリマーは、加水分解により分解されうる。
本発明による組成物により調製される皮膜が生体適合性及び/又は生分解性ポリマーを含む場合、これは、皮膚への刺激が少ないか又は刺激がなく、発疹を起こさない。加えて、生体適合性及び/又は生分解性ポリマーの使用により、皮膜は、化粧皮膜として皮膚に良好に接着することができる。
本発明による組成物により調製される皮膜は、ケラチン物質、好ましくは皮膚、特に顔の美容処置に使用することができる。本発明による組成物により調製される皮膜は、任意の形状又は形態であってよい。例えば、これは、フルフェイスマスクシート、又は頬、鼻、及び目の周り等の顔の一部用のパッチとして使用することができる。
本発明による組成物により調製される皮膜は、少なくとも1種の有機UVフィルターを含むことから、これは、有機UVフィルターに由来するUV遮断効果を提供することができる。通常、有機UVフィルターは、皮脂等により皮膚等のケラチン基材の表面から除去されうる。しかしながら、有機UVフィルターは、皮膜に含まれることから、有機UVフィルターが皮脂等により除去されることは困難であり、それにより、長時間持続するUV遮断効果を生じさせる。
[美容方法]
本発明はまた、
皮膚等のケラチン基材のための美容方法であって、本発明による組成物をケラチン基材に塗布する工程を含む、方法
に関する。
本発明による美容方法は、組成物を乾燥させて、ケラチン基材上に化粧皮膜を形成する工程を更に含むことが好ましい。
本明細書における美容方法は、皮膚等のケラチン基材の表面をケア及び/又はメイクアップするための非治療的美容法を意味する。
上記の方法において、上記の化粧皮膜は、pH7以下の水に耐性があり、pH7超、好ましくは8以上、より好ましくは9以上の水で除去可能である。
言い換えると、上記の化粧皮膜は、pH7以下、好ましくは6以上且つ7以下の範囲、より好ましくは5以上且つ7以下の範囲等の中性又は酸性条件下で耐水性でありうるが、上記の化粧皮膜は、pH7超、好ましくは8以上、より好ましくは9以上等のアルカリ性条件下で除去することができる。pHの上限は、好ましくは13、より好ましくは12、更に好ましくは11である。
よって、上記の化粧皮膜は、耐水性とすることができ、したがって、ケラチン基材の表面が例えば汗又は雨により濡れている場合であっても、皮膚等のケラチン基材上に残存することができる。一方、上記の化粧皮膜は、アルカリ性条件下で、皮膚等のケラチン基材から容易に除去することができる。したがって、本発明による組成物により調製される皮膜は、水で除去することは困難であるが、アルカリ性条件をもたらすことができる石けんで容易に除去することができる。
上記の化粧皮膜は、有機UVフィルターを含むことから、上記の化粧皮膜は、紫外線から皮膚等のケラチン基材を保護し、それにより、皮膚の黒ずみを抑え、肌の色及び均一性を改善し、並びに/又は皮膚の老化を処置することができる。
更に、上記の化粧皮膜は、化粧皮膜が他の美容有効成分を一切含まない場合であっても、化粧皮膜中のポリイオンコンプレックスの特性により、悪臭を吸収若しくは吸着する、皮膚等のケラチン基材の外観を変化させる、ケラチン基材の触感を変化させる、及び/又は例えば汚れ若しくは汚染物質からケラチン基材を保護する等の美容効果を有しうる。
加えて、上記の化粧皮膜は、化粧皮膜が美容有効成分を一切含まない場合であっても、皮膚上の光反射等を変化させることにより皮膚の外観を即座に変化させる又は修正することができる。したがって、上記の化粧皮膜は、毛穴又はしわ等の皮膚の欠陥を隠すことが可能でありうる。更に、上記の化粧皮膜は、皮膚上の表面粗さ等を変化させることにより皮膚の触感を即座に変化させる又は修正することができる。更に、上記の化粧皮膜は、環境ストレス、例えば汚染物質、夾雑物等から、バリアーとして、皮膚の表面を覆い、皮膚を防御することにより皮膚を即座に保護することができる。
上記の美容効果は、上記の化粧皮膜の化学組成、厚さ及び/又は表面粗さを変化させることにより調整又は制御することができる。
上記の化粧皮膜が、(b)有機UVフィルター以外の少なくとも1種の追加の美容有効成分を含む場合、化粧皮膜は、その追加の美容有効成分により提供される美容効果を有することができる。例えば、化粧皮膜が、抗老化剤、皮脂抑制剤、デオドラント剤、発汗抑制剤、美白剤及びそれらの混合物から選択される少なくとも1種の美容有効成分を含む場合、化粧皮膜は、皮膚の老化を処置し、皮膚上の皮脂を吸収し、皮膚上の匂いを制御し、皮膚上の発汗を制御し、及び/又は皮膚を美白することができる。
本発明による組成物により調製される皮膜に、皮膚に適用された後に、メイクアップ又はスキンケア化粧用組成物を塗布することも可能である。
[使用]
本発明はまた、
(b)少なくとも1種の有機UVフィルターと、
(c)少なくとも1種のSPF向上剤と、
(d)水と
を含む、W/O型組成物、好ましくは化粧用組成物、より好ましくは皮膚化粧用組成物における、組成物のUV吸光度を高めるための、
(a)
(i)少なくとも1種のカチオン性ポリマー及び2つ以上のpKa値を有する少なくとも1種の非ポリマー酸若しくはその塩、
(ii)少なくとも1種のアニオン性ポリマー及び2つ以上のpKb値を有する少なくとも1種の非ポリマー塩基若しくはその塩、又は
(iii)少なくとも1種の両性ポリマー並びに少なくとも1種の2つ以上のpKa値を有する少なくとも1種の非ポリマー酸若しくはその塩及び/若しくは2つ以上のpKb値を有する少なくとも1種の非ポリマー塩基若しくはその塩
を含む少なくとも1種のポリイオンコンプレックスの使用に関する。
カチオン性、アニオン性及び両性ポリマー、並びに上記の有機UVフィルター、2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸、及び2つ以上のpKb値を有する非ポリマー塩基に関する上記の説明は、本発明による上記の使用におけるものに適用されうる。
本発明を、実施例によって、より詳細に説明する。しかしながら、それらは、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
(実施例1及び2並びに比較例1及び2)
[調製]
実施例1及び実施例2による組成物(実施例1及び実施例2)並びに比較例1及び比較例2による組成物(比較例1及び比較例2)の各々を、表1に示す成分を混合することにより調製した。成分の量の数値は全て、活性原料としての「質量%」に基づく。
Figure 2021004220
[評価]
(W/O型)
実施例1及び2並びに比較例1及び2による組成物の各々の外見を顕微鏡法で観察し、組成物がW/O型であるか否かを決定した。結果を表1に示す。表1中の「該当」及び「非該当」の意味は、以下の通りである。
該当:W/O型
非該当:O/W型
(UV吸光度)
実施例1及び2並びに比較例1及び2による組成物の各々を、キャップ付き容器中で、10回振とうして均質にした。均質な組成物の各々を、調整可能なピペットにより、プレート(Helio plate HD 6、PMMA、粗さ:6μm)上に、プレート1cm2当たり20mgの量で移し、次いで、指で均一に広げた。被覆したプレートを、室温で15分間、空気乾燥させた。得られた試料プレートを、Labsphere Ultraviolet Transmittance Analyzer(Solar Light Company社、Philadelphia、Pennsylvania製のモデルUV-2000)中に置いた。紫外線の照射を、試料プレート上の12地点で行った。250から450nmの波長での試料プレートによるUV吸光度を記録した。
結果を図1及び図2に示す。
図1から、実施例1による組成物は、特に290nmから380nmで、比較例1による組成物よりも高いUV吸光度を有することが明らかである。より高いUV吸光度は、ポリイオンコンプレックスに起因すると認識されうる。
図2から、実施例2による組成物は、特に290nmから380nmで、比較例2による組成物よりも高いUV吸光度を有することが明らかである。より高いUV吸光度は、ポリイオンコンプレックスに起因すると認識されうる。
図1及び図2は、ポリイオンコンプレックスがW/O型組成物のUV吸光度を高めることができることを実証する。有機UVフィルター及びSPF向上剤を含む組成物のUV吸光度は、有機UVフィルターを含み、SPF向上剤を含まない組成物のUV吸光度よりも既に高い。ポリイオンコンプレックス、有機UVフィルター及びSPF向上剤を含む本発明による組成物のUV吸光度は、有機UVフィルター及びSPF向上剤を含む組成物のUV吸光度を更に高めることができる。
(比較例3及び4)
[調製]
比較例3及び比較例4による組成物(比較例3及び比較例4)の各々を、表2に示す成分を混合することにより調製した。成分の量の数値は全て、活性原料としての「質量%」に基づく。
Figure 2021004220
[評価]
(W/O型)
比較例3及び4による組成物の各々の外見を顕微鏡法で観察し、組成物がW/O型であるか否かを決定した。結果を表2に示す。表2中の「該当」及び「非該当」の意味は、以下の通りである。
該当:W/O型
非該当:O/W型
(UV吸光度)
比較例3及び4による組成物の各々を、キャップ付き容器中で、10回振とうして均質にした。均質な組成物の各々を、調整可能なピペットにより、プレート(Helio plate HD 6、PMMA、粗さ:6μm)上に、プレート1cm2当たり20mgの量で移し、次いで、指で均一に広げた。被覆したプレートを、室温で15分間、空気乾燥させた。得られた試料プレートを、Labsphere Ultraviolet Transmittance Analyzer(Solar Light Company社、Philadelphia、Pennsylvania製のモデルUV-2000)中に置いた。紫外線の照射を、試料プレート上の12地点で行った。250から450nmの波長範囲での試料プレートによるUV吸光度を記録した。
結果を図3に示す。
図3から、比較例3による組成物は、特に290nmから380nmで、比較例4による組成物よりも低いUV吸光度を有することが明らかである。より低いUV吸光度は、ポリイオンコンプレックスに起因すると認識されうる。
図3は、ポリイオンコンプレックスがO/W型組成物のUV吸光度を高めることができないことを実証する。

Claims (15)

  1. (a)
    (i)少なくとも1種のカチオン性ポリマー及び2つ以上のpKa値を有する少なくとも1種の非ポリマー酸若しくはその塩、
    (ii)少なくとも1種のアニオン性ポリマー及び2つ以上のpKb値を有する少なくとも1種の非ポリマー塩基若しくはその塩、又は
    (iii)少なくとも1種の両性ポリマー並びに2つ以上のpKa値を有する少なくとも1種の非ポリマー酸若しくはその塩及び/若しくは2つ以上のpKb値を有する少なくとも1種の非ポリマー塩基若しくはその塩
    を含む少なくとも1種のポリイオンコンプレックスと、
    (b)少なくとも1種の有機UVフィルターと、
    (c)少なくとも1種のSPF向上剤と、
    (d)水と
    を含む、W/O型組成物、好ましくは化粧用組成物、より好ましくは皮膚化粧用組成物。
  2. カチオン性ポリマーが、第一級、第二級又は第三級アミノ基、第四級アンモニウム基、グアニジン基、ビグアニド基、イミダゾール基、イミノ基、及びピリジル基からなる群から選択される、少なくとも1つの正電荷を有することができる及び/又は正電荷を有する部分を有する、請求項1に記載の組成物。
  3. アニオン性ポリマーが、硫酸基、スルフェート基、スルホン酸基、スルホネート基、リン酸基、ホスフェート基、ホスホン酸基、ホスホネート基、カルボン酸基、及びカルボキシレート基からなる群から選択される、少なくとも1つの負電荷を有することができる及び/又は負電荷を有する部分を有する、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 両性ポリマーが、
    第一級、第二級又は第三級アミノ基、第四級アンモニウム基、グアニジン基、ビグアニド基、イミダゾール基、イミノ基、及びピリジル基からなる群から選択される、少なくとも1つの正電荷を有することができる及び/又は正電荷を有する部分、
    並びに
    硫酸基、スルフェート基、スルホン酸基、スルホネート基、リン酸基、ホスフェート基、ホスホン酸基、ホスホネート基、カルボン酸基、及びカルボキシレート基からなる群から選択される、少なくとも1つの負電荷を有することができる及び/又は負電荷を有する部分
    を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 組成物中のポリマーの量が、組成物の総質量に対して、0.001質量%から25質量%、好ましくは0.01質量%から20質量%、より好ましくは0.1質量%から15質量%である、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸が、テレフタリリデンジカンファースルホン酸及びその塩(Mexoryl SX)、黄色5号(サンセットイエローFCF)、アスコルビン酸、フィチン酸及びその塩、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 2つ以上のpKb値を有する非ポリマー塩基が、非ポリマージアミン、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ペンタンジアミン、ヘキサンジアミン、尿素及びその誘導体並びにグアニジン及びその誘導体、非ポリマーポリアミン、例えばスペルミン及びスペルミジン、塩基性アミノ酸、並びにそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 組成物中の2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸若しくはその塩又は2つ以上のpKb値を有する非ポリマー塩基若しくはその塩の量が、組成物の総質量に対して、0.001質量%から10質量%、好ましくは0.01質量%から5質量%、より好ましくは0.1質量%から1質量%である、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 組成物中の(b)有機UVフィルターの量が、組成物の総質量に対して、10質量%から60質量%、好ましくは20質量%から50質量%、より好ましくは30質量%から40質量%である、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. (c)SPF向上剤が、中空粒子、金属酸化物を含むシリカ粒子、多層球状複合粒子、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 組成物中の(c)SPF向上剤の量が、組成物の総質量に対して、0.1質量%から15質量%、好ましくは0.5質量%から10質量%、より好ましくは1質量%から5質量%である、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. 組成物中の(d)水の量が、組成物の総質量に対して、1質量%から50質量%、好ましくは10質量%から40質量%、より好ましくは20質量%から30質量%である、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. (e)少なくとも1種の追加の油を更に含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 皮膚等のケラチン基材のための美容方法であって、
    請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物をケラチン基材に塗布する工程
    を含む、方法。
  15. (b)少なくとも1種の有機UVフィルターと、
    (c)少なくとも1種のSPF向上剤と、
    (d)水と
    を含む、W/O型組成物、好ましくは化粧用組成物、より好ましくは皮膚化粧用組成物における、組成物のUV吸光度を高めるための、
    (a)
    (i)少なくとも1種のカチオン性ポリマー及び2つ以上のpKa値を有する少なくとも1種の非ポリマー酸若しくはその塩、
    (ii)少なくとも1種のアニオン性ポリマー及び2つ以上のpKb値を有する少なくとも1種の非ポリマー塩基若しくはその塩、又は
    (iii)少なくとも1種の両性ポリマー並びに2つ以上のpKa値を有する少なくとも1種の非ポリマー酸若しくはその塩及び/若しくは2つ以上のpKb値を有する少なくとも1種の非ポリマー塩基若しくはその塩
    を含む少なくとも1種のポリイオンコンプレックスの使用。
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