JP2021004036A - 車両用シート - Google Patents

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【課題】乗員が自然に適正なドライビングポジションを維持することができる車両用シートを提供する。【解決手段】本発明は、シートバック(4)とシートクッション(2)からなる車両用シート(1)であって、シートバックは、着座した乗員の寛骨を支持する寛骨支持部(4a)と、この寛骨支持部の上方に設けられ、着座した乗員の胸郭を支持する胸郭支持部(4b)と、を備え、シートクッション(2)は、着座した乗員の坐骨結節点(8a)を支持する、ほぼ水平に向けられた坐骨支持部(2a)と、この坐骨支持部の前方側に設けられ、坐骨支持部から上方に向けて傾斜した大腿骨支持部(2b)と、を備え、シートバックは、胸郭支持部におけるバネ定数(k3)が、寛骨支持部におけるバネ定数(k2)以下になるように構成されていることを特徴としている。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用シートに関し、特に、シートバックとシートクッションからなる車両用シートに関する。
特開2015−199447号公報(特許文献1)には、車両用シートが記載されている。この車両用シートは、シートクッション、シートバック、及びヘッドレストを有し、シートクッションの背側の着座面の高さを、大腿部保持部の高さよりも低く、かつ、骨盤保持部の高さよりも低くしている。特許文献1記載の発明では、このようにシートクッションを構成することにより、着座時のホールド性を保持しつつ、車両へのスムーズな乗り降りを可能にしている。
特開2015−199447号公報
しかしながら、特許文献1記載の発明のように、単にシートクッションの形状を工夫しただけでは、依然として満足できる乗り心地のシートが得られないことが、本件発明者の研究により明らかになってきた。即ち、特許文献1記載の発明のように、骨盤や大腿骨を適切に支持しただけでは、着座した乗員が正しいドライビングポジションを維持することは困難である。本件発明者は、歩行中の人間の頭部の挙動に着目して研究を重ねた結果、骨盤や大腿骨の他、乗員の上半身の特定箇所を適切に保持することにより、着座している乗員はあたかも歩行中であるかの如く、自然に適正なドライビングポジションを維持できることを見いだした。即ち、着座している乗員の各部をシートによって適切に支持することにより、歩行中の人間が随時行っている人間本来の運動能力(頭部の動的バランスを保持する能力)を引き出すことができ、乗員は自然に適正なドライビングポジションを維持することができる。これにより、極めて乗り心地の良い車両用シートを提供することが可能となった。
従って、本発明は、乗員が自然に適正なドライビングポジションを維持することができる車両用シートを提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、シートバックとシートクッションからなる車両用シートであって、シートバックは、着座した乗員の寛骨を支持する寛骨支持部と、この寛骨支持部の上方に設けられ、着座した乗員の胸郭を支持する胸郭支持部と、を備えると共に、フレーム部材、及びこのフレーム部材を包むクッション部材から構成され、胸郭支持部は、着座した乗員の胸郭重心の位置を含む、シートバック上の領域に設けられ、シートバックは、シートバック表面の胸郭支持部における車両用シートに着座した乗員の脊柱に対応する位置でのバネ定数が、シートバック表面の寛骨支持部における車両用シートに着座した乗員の脊柱に対応する位置でのバネ定数以下になるように構成されていることを特徴としている。
車両が加速した際、車両用シートに着座している乗員は、加速度により身体が車両用シートのシートバックに押しつけられる。この際、乗員の上半身が適切な保持力で支持されていないと、乗員の頭部にはこれを回転させる力が作用する。従って、乗員は頭部を適切な角度、位置に保持するように頸部に力を込める必要があり、楽に姿勢を維持することができない。例えば、車両の加速により、乗員の上半身がシートバックに押しつけられた際、シートバックの、乗員の胸郭を保持する部分が変位しないと、乗員の頭部には頸椎を支点として頭部を後転させる力が作用し、乗り心地が悪くなる。上記のように構成された本発明によれば、シートバックは、胸郭支持部におけるバネ定数が、寛骨支持部におけるバネ定数以下になるように構成されている。このため、加速によりシートバックに押しつけられた乗員の胸郭及び頭部は概ね平行移動され、頭部を後転させる力が小さくなり、乗員は容易に適正な姿勢を維持することができる。
本発明において、好ましくは、シートクッションは、大腿骨支持部におけるバネ定数が、坐骨支持部におけるバネ定数よりも小さくなるように構成されている。
本発明の車両用シートでは、坐骨結節点を支持するシートクッションの坐骨支持部がほぼ水平に向けられ、大腿骨支持部は、坐骨支持部から前方に向けて傾斜している。このため、車両用シートに着座した乗員の骨盤は、シートバックと大腿骨支持部の間の坐骨支持部に自然に挟み込まれ、乗員の坐骨結節点はほぼ水平な坐骨支持部によって適正に支持される。これにより、乗員の脊椎は自然なS字カーブを描いた状態でシートバックに支持される。しかしながら、大腿骨支持部を、坐骨支持部から前方に向けて傾斜するように構成すると、乗員の脚によるペダル操作を阻害する虞がある。上記のように構成された本発明によれば、大腿骨支持部におけるバネ定数が、坐骨支持部におけるバネ定数よりも小さくなるように構成されているので、ペダルの操作時には大腿骨支持部は容易に変位し、乗員によるペダル操作への悪影響を抑制することができる。
本発明において、好ましくは、寛骨支持部は、着座した乗員の坐骨結節点の位置から鉛直上方に70mm乃至230mmの範囲を含むように設けられている。
このように構成された本発明によれば、寛骨支持部が着座した乗員の坐骨結節点の位置から鉛直上方に70mm乃至230mmの範囲を含むように設けられているので、種々の体格を有する乗員の寛骨を適正に支持することができる。
本発明において、好ましくは、胸郭支持部は、着座した乗員の坐骨結節点の位置から鉛直上方に300mm乃至500mmの範囲を含むように設けられている。
このように構成された本発明によれば、胸郭支持部が着座した乗員の坐骨結節点の位置から鉛直上方に300mm乃至500mmの範囲を含むように設けられているので、種々の体格を有する乗員の胸郭を適正に支持することができる。
本発明において、好ましくは、大腿骨支持部は、着座した乗員の坐骨結節点の位置から水平方向前方に80mm乃至250mmの範囲を含むように設けられている。
このように構成された本発明によれば、大腿骨支持部が着座した乗員の坐骨結節点の位置から水平方向前方に80mm乃至250mmの範囲を含むように設けられているので、種々の体格を有する乗員の大腿骨を適正に支持することができる。
本発明において、好ましくは、坐骨支持部は、着座した乗員の寛骨の後端の位置から水平方向前方に60mm乃至150mmの範囲を含むように設けられている。
このように構成された本発明によれば、坐骨支持部が着座した乗員の寛骨の後端の位置から水平方向前方に60mm乃至150mmの範囲を含むように設けられているので、種々の体格を有する乗員の骨盤を適正に支持することができる。
本発明の車両用シートによれば、乗員は自然に適正なドライビングポジションを維持することができる。
本発明の実施形態による車両用シート全体を示す概略図である。 本発明の実施形態の車両用シートによる乗員の骨格の支持を説明する図である。 本発明の実施形態の車両用シートによる乗員の骨盤の支持を説明する図である。 本発明の実施形態の車両用シートの各部の寸法を詳細に示す図である。 本発明の実施形態による車両用シートに着座している乗員の、車両が加速した場合における脊柱の動きを模式的に示す図である。 本発明の実施形態による車両用シートに着座している乗員の、車両が減速した場合における脊柱の動きを模式的に示す図である。 比較例として、従来の車両用シートに着座している乗員の、車両が加速した場合における脊柱の動きを模式的に示す図である。
次に、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態による車両用シートを説明する。
図1は、本発明の実施形態による車両用シート全体を示す概略図である。図2は、本実施形態の車両用シートによる乗員の骨格の支持を説明する図である。図3は、本実施形態の車両用シートによる乗員の骨盤の支持を説明する図である。図4は、本実施形態の車両用シートの各部の寸法を詳細に示す図である。
図1に示すように、本発明の実施形態による車両用シート1は、シートクッション2と、シートバック4と、ヘッドレスト6と、を有する。これらのシートクッション2、シートバック4、及びヘッドレスト6は、夫々、金属製のフレームや弾性部材、及びこれらを包むウレタン等で形成されたクッション部材等(以上、図示せず)から構成されている。
シートクッション2は、着座した乗員Dの坐骨結節点8aを支持する、ほぼ水平に向けられた坐骨支持部2aと、この坐骨支持部2aの前方側に設けられ、坐骨支持部2aから上方に向けて傾斜した大腿骨支持部2bと、を備えている。なお、本明細書において、車両用シート1の「前方」とは、シートバック4が設けられている側の反対方向を意味する。また、本実施形態の車両用シート1は、車両の運転席用のシートであるが、車両の助手席等、運転席以外の車両用シートにも本発明を適用することができる。
シートバック4は、着座した乗員Dの寛骨を支持する寛骨支持部4aと、この寛骨支持部4aの上方に設けられ、着座した乗員Dの胸郭を支持する胸郭支持部4bと、を備えている。
ヘッドレスト6は、シートバック4の上端に取り付けられ、乗員Dの後頭部を支持するように配置されている。
次に、図2及び図3を参照して、シートクッション2及びシートバック4の各部による乗員の骨格の支持を説明する。図2及び図3においては、説明のため乗員Dを骨格で示している。
図2に示すように、車両用シート1に着座している乗員Dは、その骨盤8の寛骨の下端である坐骨結節点8a及びその周辺が、シートクッション2の坐骨支持部2aによって下方から支持されている。さらに、乗員Dは、その大腿骨10の中央付近が、シートクッション2の大腿骨支持部2bによって斜め下方から支持されている。即ち、シートクッション2の大腿骨支持部2bは、車両用シート1の前方が高くなるように傾斜しているので、車両用シート1に着座した乗員Dは、この傾斜により車両用シート1の後方に向けて落ち込み、適度に背中がシートバック4に押しつけられる。なお、大腿骨支持部2bの水平面に対する好ましい傾斜角は、着座乗員のヒールポイントからヒップポイントまでの高さ方向長さに依存する。当該長さが255mmの場合は、約18°乃至19°、300mmの場合は約15°乃至16°である。
また、乗員Dは、その骨盤8の寛骨の後端部8bが、シートバック4の寛骨支持部4aによって後方から支持されている。さらに、乗員Dは、その胸郭12が、胸郭重心点12aを中心として、シートバック4の胸郭支持部4bによって後方から支持されている。一般に、胸郭重心点12aは、人体の第7胸椎付近に位置する。好ましくは、胸郭支持部4bは、胸郭重心点12aを中心として、胸椎を約2.5個分カバーする広さで胸郭12を支持するように構成し、脊柱に大きな曲げ力が作用しないようにする。
図3は、車両用シート1によって支持されている乗員Dの骨盤8を拡大して示す図である。図3に示すように、乗員Dの骨盤8は、その坐骨結節点8aが、概ね水平方向に向けられた坐骨支持部2aによって下方から支持される。また、乗員Dは、大腿骨支持部2bの傾斜により、その背中が適度にシートバック4に押しつけられるので、骨盤8の寛骨の後端部8bが寛骨支持部4aによって後方から支持される。このように、乗員Dの骨盤8は、自然に着座しただけで車両用シート1の低くなった坐骨支持部2aに挟み込まれ、適正な角度に正立される。また、乗員Dの骨盤8は、坐骨結節点8a及び寛骨の後端部8bによって二方向から支持されるので、車両用シート1によって、適正な位置で、適正な角度に保持される。
次に、図4を参照して、本実施形態の車両用シート1における各部分の位置を詳細に説明する。
図4に示すように、シートクッション2の坐骨支持部2aは、着座した乗員Dの寛骨の後端8bの位置から水平方向前方に60mm以上、150mm以下の範囲を含むように設けられている。
また、シートクッション2の大腿骨支持部2bは、着座した乗員Dの坐骨結節点8aの位置から水平方向前方に80mm以上、250mm以下の範囲を含むように設けられている。
さらに、シートバック4の寛骨支持部4aは、着座した乗員Dの坐骨結節点8aの位置から鉛直上方に70mm以上、230mm以下の範囲を含むように設けられている。
また、シートバック4の胸郭支持部4bは、着座した乗員Dの坐骨結節点8aの位置から鉛直上方に300mm以上、500mm以下の範囲を含むように設けられている。
これら、坐骨支持部2a、大腿骨支持部2b、寛骨支持部4a及び胸郭支持部4bの位置は、人体ダミーモデルの寸法を基に設定され、身長150cmの小型のモデル(AF05)から、身長189cmの大型のモデル(DM95)に対応できるように設定されている。
このようにして設定された車両用シート1の各部におけるバネ定数を夫々適切に設定することにより、乗り心地の良好な車両用シート1を構成することができる。ここで、車両用シート1各部のバネ定数は、F−S測定器を使用して計測される。本実施形態においては、坐骨支持部2aのバネ定数k1[N/mm]は、直径200mmの円盤を坐骨支持部2aの表面に当て、坐骨支持部2aの表面に直交する方向に200[N]の力を加えた時の円盤の変位量X1[mm]から、200/X1[N/mm]により計算している。同様に、大腿骨支持部2bのバネ定数k4[N/mm]は、直径200mmの円盤を大腿骨支持部2bの表面に当て、その表面に直交する方向に200[N]の力を加えた時の円盤の変位量X4[mm]から、200/X4[N/mm]により計算している。
さらに、寛骨支持部4aのバネ定数k2[N/mm]は、直径100mmの円盤を寛骨支持部4aの表面に当て、その表面に直交する方向に100[N]の力を加えた時の円盤の変位量X2[mm]から、100/X2[N/mm]により計算している。胸郭支持部4bのバネ定数k3[N/mm]は、直径100mmの円盤を胸郭支持部4bの表面に当て、その表面に直交する方向に100[N]の力を加えた時の円盤の変位量X3[mm]から、100/X3[N/mm]により計算している。
本実施形態においては、このようにして測定される坐骨支持部2aのバネ定数k1が約5[N/mm]、大腿骨支持部2bのバネ定数k4が約2[N/mm]、寛骨支持部4aのバネ定数k2が約3[N/mm]、胸郭支持部4bのバネ定数k3が約3[N/mm]に設定されている。
次に、図5乃至図7を参照して、本発明の実施形態による車両用シート1の作用を説明する。
図5は、本発明の実施形態による車両用シート1に着座している乗員の、車両が加速した場合における脊柱の動きを模式的に示す図である。図6は、本発明の実施形態による車両用シート1に着座している乗員の、車両が減速した場合における脊柱の動きを模式的に示す図である。図7は、比較例として、従来の車両用シートに着座している乗員の、車両が加速した場合における脊柱の動きを模式的に示す図である。
図5に示すように、車両の停止時、又は定速走行時において、車両用シート1に着座している乗員Dの脊柱は、概ね図5の破線16に示す位置にある。この状態から車両が加速すると、乗員Dの上半身は慣性力によりシートバック4に押しつけられる。シートバック4に押しつけられることにより、乗員Dの上半身はシートバック4に沈み込む。この際の上半身各部の変位量(沈み込み量)は、主として寛骨支持部4aのバネ定数k2、及び胸郭支持部4bのバネ定数k3によって決定される。
本実施形態においては、胸郭支持部4bのバネ定数k3と、寛骨支持部4aのバネ定数k2が略同一に設定されているので、乗員Dの脊柱は図5の実線16aに示す位置に移動され、この結果、乗員Dの頭部14は胸郭12と共に平行移動される。好ましくは、胸郭支持部4bのバネ定数k3を、寛骨支持部4aのバネ定数k2の約1倍乃至約0.8倍に設定することにより、乗員Dの頭部14と胸郭12を概ね平行移動させることができる。このため、乗員Dの頭部14には、これを後転させる力が殆ど作用せず、乗員Dは、車両の加速時においても頭部14の姿勢を維持するために頸部に力を込める必要がなく、楽に自然な姿勢を保つことができる。即ち、乗員Dは、車両の加速時においても、あたかも歩行中であるが如く頭部14の姿勢を自然に維持することができ、視線の方向を安定に保つことができる。
一方、比較例として図7に示す従来の車両用シートでは、車両の加速時において、乗員Dの脊柱は破線16に示す位置から実線16aに示す位置に移動される。図7に示すように、従来の車両用シートでは、車両の加速時における胸郭支持部4bの変位量が小さいため、乗員Dの胸郭12は、頭部14に対して相対的に前方に押し出される結果となり、乗員Dの頭部14には頸椎14aを支点としてこれを後転させる力が作用する。このため、車両の加速時には、乗員Dの脊柱は図7に実線16aで示す位置に移動され、この結果、乗員Dの頭部14は後転され、視線の方向がぶれてしまう。このような頭部14の後転を避けるには、乗員Dは頸部に力をいれて頭部14の位置を維持する必要があり、乗員Dに疲労感を与える原因となる。
次に、図6に示すように、車両の減速時(アクセルペダルを戻して加速を終了した時)においては、車両の加速により図6の実線16aの位置まで沈み込んでいた乗員Dの脊柱は、シートバック4の反発力により破線16の位置まで押し戻される。本実施形態の車両用シート1においては、寛骨支持部4aのバネ定数k2、及び胸郭支持部4bのバネ定数k3が適切に設定されているので、車両の加速終了時には、シートバック4の反発力により、乗員Dの脊柱は加速前の位置まで自然に復帰する。好ましくは、胸郭支持部4bの共振倍率が約2以下となるように、胸郭支持部4bの振動減衰特性を設定しておくことにより、乗員Dの上半身が反発力によりシートバック4上で弾む現象を防止することができる。
さらに、本実施形態の車両用シート1は、大腿骨支持部2bのバネ定数k4が、坐骨支持部2aのバネ定数k1よりも小さく設定されている。このため、車両用シート1に着座している乗員Dが、アクセルペダル等を押し込む際には、大腿骨支持部2bが弱い力で容易に押し下げられ、ペダル等を操作する乗員Dの脚部の邪魔になることがない。好ましくは、大腿骨支持部2bのバネ定数k4を、寛坐骨支持部2aのバネ定数k1の約0.4倍乃至約0.6倍に設定する。
本発明の実施形態の車両用シート1によれば、シートバックは、胸郭支持部4bにおけるバネ定数k3が、寛骨支持部4aにおけるバネ定数k2以下になるように構成されている(図4)。このため、加速によりシートバック4に押しつけられた乗員Dの胸郭12及び頭部14は概ね平行移動され、頭部14を後転させる力が小さくなり、乗員Dは容易に適正な姿勢を維持することができる。
また、本実施形態の車両用シート1によれば、大腿骨支持部2bにおけるバネ定数k4が、坐骨支持部2aにおけるバネ定数k1よりも小さくなるように構成されているので、ペダルの操作時には大腿骨支持部2bは容易に変位し、乗員Dによるペダル操作への悪影響を抑制することができる。
さらに、本実施形態の車両用シート1によれば、寛骨支持部4aが着座した乗員Dの坐骨結節点8aの位置から鉛直上方に70mm乃至230mmの範囲を含むように設けられているので、種々の体格を有する乗員Dの寛骨を適正に支持することができる。
また、本実施形態の車両用シート1によれば、胸郭支持部4bが着座した乗員Dの坐骨結節点8aの位置から鉛直上方に300mm乃至500mmの範囲を含むように設けられているので、種々の体格を有する乗員Dの胸郭12を適正に支持することができる。
さらに、本実施形態の車両用シート1によれば、大腿骨支持部2bが着座した乗員Dの坐骨結節点8aの位置から水平方向前方に80mm乃至250mmの範囲を含むように設けられているので、種々の体格を有する乗員Dの大腿骨10を適正に支持することができる。
また、本実施形態の車両用シート1によれば、坐骨支持部2aが着座した乗員Dの寛骨の後端8bの位置から水平方向前方に60mm乃至150mmの範囲を含むように設けられているので、種々の体格を有する乗員Dの骨盤8を適正に支持することができる。
1 車両用シート
2 シートクッション
2a 坐骨支持部
2b 大腿骨支持部
4 シートバック
4a 寛骨支持部
4b 胸郭支持部
6 ヘッドレスト
8 骨盤
8a 坐骨結節点
8b 寛骨の後端部
10 大腿骨
12 胸郭
12a 胸郭重心点
14 頭部
14a 頸椎

Claims (5)

  1. シートバックとシートクッションからなる車両用シートであって、
    上記シートバックは、着座した乗員の寛骨を支持する寛骨支持部と、この寛骨支持部の上方に設けられ、着座した乗員の胸郭を支持する胸郭支持部と、を備えると共に、フレーム部材、及びこのフレーム部材を包むクッション部材から構成され、
    上記胸郭支持部は、着座した乗員の胸郭重心の位置を含む、上記シートバック上の領域に設けられ、
    上記シートバックは、上記シートバック表面の上記胸郭支持部における上記車両用シートに着座した乗員の脊柱に対応する位置でのバネ定数が、上記シートバック表面の上記寛骨支持部における上記車両用シートに着座した乗員の脊柱に対応する位置でのバネ定数以下になるように構成されていることを特徴とする車両用シート。
  2. 上記胸郭支持部におけるバネ定数は、上記シートバック表面の上記胸郭支持部における上記車両用シートに着座した乗員の脊柱に対応する位置に直径100mmの円盤を100Nの力で押しつけた場合における円盤の変位量X3mmから、100/X3により計算した値であり、上記寛骨支持部におけるバネ定数は、上記シートバック表面の上記寛骨支持部における上記車両用シートに着座した乗員の脊柱に対応する位置に直径100mmの円盤を100Nの力で押しつけた場合における円盤の変位量X2mmから、100/X2により計算した値である請求項1記載の車両用シート。
  3. 上記シートバックは、上記胸郭支持部の共振倍率が2以下に構成されている請求項1又は2に記載の車両用シート。
  4. 上記胸郭支持部におけるバネ定数は、上記寛骨支持部におけるバネ定数の1倍乃至0.8倍に設定されている請求項1乃至3の何れか1項に記載の車両用シート。
  5. 上記胸郭支持部は、着座した乗員の坐骨結節点の位置から鉛直上方に300mm乃至500mmの範囲を含むように設けられている請求項1乃至4の何れか1項に記載の車両用シート。
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