JP2021003818A - フラッシュ構造体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
<第1の実施例>
〔ドアの概要〕
図1を用いたドア10の概要の説明では、便宜上、紙面向かって上側を上方、紙面向かって下側を下方、紙面向かって上下方向を縦方向、紙面向かって左右方向を横方向とする。また、紙面向かって手前から奥行きに向かう方向を正面方向とする。なお、図1では、ドア等に設けられているドアハンドル、引き手、蝶番、戸車、およびドアの表面に施される装飾などは省略している。
本明細書中では、ドア10、面材1、縦枠2aおよび芯材3のそれぞれにおける、縦方向に伸びる側面の端部を「側端部」と称する。また、図2の説明では、便宜上、紙面向かって前側を上方、紙面向かって後側を下方、紙面向かって前後方向を縦方向、紙面向かって左右方向を横方向、紙面向かって上下方向を厚さ方向とする。このことは、図3〜図7についても同様である。
図2には、ドア10の側端部周辺において、芯材3に面材1が固定された状態を示す状態201と、面材1が固定された芯材3の側端部(端部)3aに、縦枠2aを挿入して固定するための挿入溝(第1溝)4が形成された状態202と、挿入溝4に縦枠2aが挿入され、ドア10の側端部の角が曲面加工された状態203とが示されている。
図2の状態202に示すように、挿入溝4は、芯材3の側端部3aを切削加工して形成されている。挿入溝4は、縦枠2aを挿入するための溝であり、ドア10の側端部が開口しているとともに横方向に延伸するように形成されている。ドア10の側端部において、挿入溝4が形成されている領域には芯材3は残存していない。これにより、縦枠2aが挿入溝4に挿入された状態では、ドア10の側端部から芯材3を視認できないため、ドア10の外観を良好にできる。縦枠2aが挿入溝4に挿入された状態については、後述する。
また、本実施例において、縦枠2aが挿入溝4に挿入された後に、面材1の先端面1−1と、縦枠2aの角部2a−2とに切削加工が施され、ドア10における側端部の角が曲面として形成されている。言い換えれば、面材1の先端面1−1と、縦枠2aにおける外側の角部2a−2の面とが一連となって、外側に凸となる曲面を形成するように加工されている。これによりドア10の側端部は、図1の状態101において点線で示す、面材1と縦枠2aとの境界部分が、前記の一連の曲面に含まれる形状となる。そのため、面材1と縦枠2aとの境界部分が、面材1および縦枠2aの備える木質材料様の模様に紛れやすくなり、視認困難となる。したがって、ドア10の側端部における外観が良好となる。なお、面材1および縦枠2aの備える模様は、木質材料様の模様に限定されない。
ドア10は、例えば、図3のS1〜S4の各工程を踏むことによって製造することができる。なお、図3に示す製造方法は、ドア10における左側の側端部の加工を例に挙げて記載しているが、右側の側端部並びに上側および下側の端部についても同様に加工する。また、図3に示す製造方法は、ドア10以外のフラッシュ構造体にも適用することができる。
まず、芯材3の表裏両面に面材1を固定する(S1、固定工程)。本実施例において、面材1は繊維板1aおよび突き板1bにより形成されている。具体的には、予め2枚の面材1および芯材3を温めておき、ロールスプレッダ(不図示)を用いて芯材3に糊を塗布する。なお、ロールスプレッダ以外の塗布装置を用いて糊を塗布してもよい。また、面材1に糊を塗布してもよいし、面材1および芯材3の両方に糊を塗布してもよい。
固定工程の後、ダブルテノーナ20を用いて芯材3の側端部3aおよび面材1における繊維板1aの厚さ方向の一部を切削加工し、挿入溝4を形成する(S2、溝形成工程)。本実施例では、1回の溝形成工程で芯材3の左右両側の側端部3aを同時に加工している。ただし、例えばテノーナ(不図示)を用いて、1回の溝形成工程で芯材3の片方の側端部3aを加工してもよい。
溝形成工程の後、溝形成工程により形成された挿入溝4に、圧入機(不図示)を用いて縦枠2aを挿入する(S3、挿入工程)。縦枠2aは、挿入溝4の底面4aに当接するまで挿入溝4の内側に押し込んで挿入される。このとき、挿入溝4の底面4aおよび側壁4bの内側面には糊を塗布している。なお、糊は底面4aと側壁4bの内側面との、いずれか一方のみに塗布していてもよい。そして、挿入溝4に縦枠2aが挿入された後、プレス機(不図示)および圧入機を用いて、縦枠2aを表裏面から厚さ方向に加圧し、また挿入溝4への挿入方向に加圧し、しばらく接着養生する。
挿入工程の後、面材1の先端面1−1および縦枠2aの角部2a−2の面が連続した曲面を形成するように、先端面1−1および角部2a−2に対して加工を施す(S4、曲面形成工程)。当該加工は、ドア10の表裏両側の角に対して行う。
本発明の一実施例に係るドア10には、複数のバリエーションが想定される。例えば、挿入溝4は、芯材3の側端部3aのみ切削加工され、面材1の厚さの一部は加工されずに形成されたドア10aが、ドア10のバリエーションとして想定される。
本発明の第2の実施例について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、前記の第1の実施例にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
図5の状態501に示すように、本実施例において、挿入溝4は、その深さが縦枠2aの横方向(挿入方向)の幅よりも大きくなるように形成されている。そのため、ドア11の側端部において、挿入溝4に縦枠2aを、挿入溝4の底面4aに当接するまで挿入した後には、2枚の面材1において、縦枠2aよりも外側に配置される2つの側端部(端部)1cが形成される。
図5の状態501に示すように、2つの側端部1cのそれぞれには、奥溝(第2溝)5aおよび先端溝5bが形成されている。2つの側端部1cのそれぞれについて、奥溝5aは先端溝5bよりも縦枠2a側に形成されている。また、2つの側端部1cのそれぞれについて、先端溝5bは側端部1cの先端1c−1付近に形成されている。
ドア11は、例えば、図6のS21〜S30の各工程を踏むことによって製造することができる。なお、図6に示す製造方法は、ドア11における左側の側端部の加工を例に挙げて記載しているが、右側の側端部並びに上側および下側の端部についても同様に加工する。また、図6に示す製造方法は、ドア11以外のフラッシュ構造体にも適用することができる。
まず、芯材3の表裏両面に面材1を固定する(S21、固定工程)。本工程については図3のS1と同様のため、ここでは説明を省略する。
固定工程の後、ダブルテノーナ20を用いて芯材3の側端部3aおよび面材1の厚さ方向の一部を切削加工し、挿入溝4を形成する(S22、溝形成工程)。本実施例では、1回の溝形成工程で芯材3の左右両側の側端部3aを同時に加工している。ただし、例えばテノーナ(不図示)を用いて、1回の溝形成工程で芯材3の片方の側端部3aを加工してもよい。
溝形成工程の後、溝形成工程により形成された挿入溝4に、圧入機(不図示)を用いて縦枠2aを挿入する(S23、挿入工程)。縦枠2aは、挿入溝4の底面4aに当接するまで挿入溝4の内側に押し込んで挿入される。このとき、挿入溝4の底面4aおよび側壁4bの内側面には糊を塗布している。なお、糊は底面4aと側壁4bの内側面との、いずれか一方のみに塗布していてもよい。そして、挿入溝4に縦枠2aが挿入された後、プレス機(不図示)および圧入機を用いて、縦枠2aを表裏面から厚さ方向に加圧し、また挿入溝4への挿入方向に加圧し、しばらく接着養生する。
挿入工程の後、2つの側端部1cについて、横方向の長さが所定の長さになるように、面材1の2つの先端面1−1を加工する(S24、先端面加工工程)。2つの先端面1−1の加工は縦軸加工機40を用いて行う。
先端面加工工程の後、2つの側端部1cのそれぞれについて、先端1c−1付近に先端溝5bを形成する(S25、先端溝形成工程)。このとき、まず一方の側端部1cを加工した後、他方の側端部1cを加工する。
第1折り曲げ工程の後、2つの側端部1cのそれぞれについて、側端部1cにおける外側面2a−1付近に奥溝5aを形成する(S27、奥溝形成工程)。このとき、本実施例においては、回転刃60を用いて2つの側端部1cを同時に加工する。なお、より小さな回転刃(不図示)等を用いて、まず一方の側端部1cを加工した後、他方の側端部1cを加工してもよい。
奥溝形成工程の後、糊ノズル70から2つの側端部1cの内側面1dから縦枠2aの外側面2a−1にかけて糊を噴射し、当該内側面1d等に糊を塗布する(S28、糊吹き付け工程)。糊ノズル70は、糊をスプレーするための噴き出しノズルである。
本発明の一実施例に係るドア11には、複数のバリエーションが想定される。例えば、ドア11の工場出荷後等に、ドア11が用いられる建物等の構造に合わせて、ドア11の側端部が縦方向に切断されてもよい。このようなドア11の使用方法が想定される場合には、例えばドア11の側端部において、ドア11の外観を良好にするために、面材1の側端部1cを折り曲げる加工を施していないドア11aが、本実施例のバリエーションとして想定される。
本発明の態様1に係る製造方法は、フラッシュ構造体(ドア10)であって、芯材(3)と、前記芯材に固定された面材(1)と、を備えたフラッシュ構造体であって、前記フラッシュ構造体の端部に形成された第1溝(挿入溝4)には、枠体(2)が挿入されており、前記第1溝は、少なくとも前記芯材の端部(側端部3a)を加工して形成されるとともに、当該加工後において、前記第1溝の底面(4a)に前記芯材の外側面(3b)が含まれ、かつ、前記第1溝の側壁(4b)は前記面材により形成されている。
1c 側端部(面材の端部)
1d 内側面
1−1 先端面(面材の端面)
2 枠体
2a−1 外側面(枠体の外側面)
2a−2 角部
3 芯材
3a 側端部(芯材の端部)
3b 外側面(芯材の外側面)
4 挿入溝(第1溝)
4a 底面
4b 側壁
5a 奥溝(第2溝)
10、10a、11、11a、11b ドア(フラッシュ構造体)
Claims (5)
- 芯材と、前記芯材に固定された面材と、を備えたフラッシュ構造体であって、
前記フラッシュ構造体の端部に形成された第1溝には、枠体が挿入されており、
前記第1溝は、少なくとも前記芯材の端部を加工して形成されるとともに、当該加工後において、前記第1溝の底面に前記芯材の外側面が含まれ、かつ、前記第1溝の側壁は前記面材により形成されていることを特徴とする、フラッシュ構造体。 - 前記面材は、前記側壁を形成している部分の厚さが、他の部分の厚さよりも薄いことを特徴とする請求項1に記載のフラッシュ構造体。
- 前記面材の端面と、前記枠体における外側の角部の面とが一連となって、外側に凸となる曲面を形成していることを特徴とする、請求項1または2に記載のフラッシュ構造体。
- 前記枠体は、前記第1溝への挿入方向の幅が前記第1溝の深さよりも小さく、
前記面材において前記枠体よりも外側に配置される部分である前記面材の端部には、前記枠体の外側面に向けて折り曲げるための第2溝が形成されており、
前記面材の端部は、前記枠体の外側面に向けて折り曲げられた状態になっており、かつ、前記面材の内側面が前記枠体の外側面に当接していることを特徴とする請求項1または2に記載のフラッシュ構造体。 - 芯材と、前記芯材に固定された面材と、を備えたフラッシュ構造体の製造方法であって、
前記フラッシュ構造体の端部に第1溝を形成する溝形成工程と、
前記第1溝に枠体を挿入する挿入工程と、を含み、
前記溝形成工程では、少なくとも前記芯材の端部を加工し、前記第1溝の底面に前記芯材の外側面が含まれ、かつ、前記第1溝の側壁が前記面材により形成されるように、前記第1溝を形成することを特徴とする、製造方法。
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