JP2021000042A - 野菜栽培工場における送風装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 野菜の成長を促進するとともに野菜の均質化をはかることができ、しかも、水耕栽培であっても、野菜の根腐れを防止すること。【解決手段】 栽培棚4で栽培されている野菜に空気と二酸化炭素の混合ガスを供給するために各列の栽培棚4の少なくとも一方の端部に対応するように配設されたインバータ制御される少なくとも1個の送風ファン10と、前記送風ファン10からの混合ガスを前記各列の栽培棚方向に導くためのダクト14と、前記ダクト14からの混合ガスを各列の栽培棚4の長手方向に沿って野菜に対し供給するためにそれぞれ複数の吹出孔18が形成されている各列ごとに1本の樹脂フィルムからなる供給チューブ16とを有するもの。【選択図】 図1
Description
本発明は、野菜栽培工場において野菜栽培に好適な風を送る送風装置に関するものである。
従来の野菜栽培工場の送風装置としては、複数の野菜栽培棚を上下方向に間隔を隔てて構築し、各野菜栽培棚にそれぞれ上部吹出孔を有する野菜が栽培されている箱状の植栽床を載置し、空調装置の送風ダクトの先端部を、各植栽床の上方において植栽床に沿って延びる植栽床対向部とし、各植栽床対向部において、各植栽床の上方に配置された各照明装置の上方側から各植栽床内の植物に向けて冷却空気を噴き出す構成にすることによって栽培環境を均一化しようとしたとしたものがある(特許文献1参照)。
しかしながら、前述した特許文献1のものは、空調装置からの空気を照明装置を介して下方に吹き出して植物に供給するようにしているので、栽培上重要である光の反射を行うための反射板などの機構を照明装置上部に設置できず、また、送風装置が栽培棚と一体化していることによって、根本的な構造や送風量を変更することができなかった。このことにより、植物に規定量かつ一定の風速で均一に空気流を設定するのが困難であったため、チップバーン(緑腐れ病)等の生育異常の発生を防ぐことや植物の均質化をはかることができなかった。また、水耕栽培の場合、植物の根腐れを十分に防ぐことができなかった。
本発明は、前述した従来のものにおける問題点を克服し、野菜に発生するチップバーン等の生育異常の発生を防ぎつつ野菜の成長を促進するとともに野菜の均質化をはかることができ、しかも、水耕栽培であっても、野菜の根腐れを防止することができるし、送風装置を設置していない野菜栽培工場に後付けで設置することができる野菜栽培工場における送風装置を提供することを目的としている。
前述した課題を解決するために、本発明に係る野菜栽培工場における送風装置の特徴は、縦横の少なくとも一方に整列された複数の栽培棚で栽培されている野菜に空気と二酸化炭素の混合ガスを供給するために各列の栽培棚の少なくとも一方の端部に対応するように配設された回転数を自在に制御されるモータにより駆動される少なくとも1個の送風ファンと、前記送風ファンからの混合ガスを前記各列の栽培棚方向に導くためのダクトと、前記ダクトからの混合ガスを各列の栽培棚の長手方向に沿って野菜に対し供給するためにそれぞれ複数の吹出孔が形成されている各列ごとに1本の樹脂フィルムからなる供給チューブとを有する点にある。
そして、このような構成を有することにより、各野菜に二酸化炭素を含む等しい風量の混合ガスの風を当てて、野菜に発生するチップバーン等の生育異常を防ぎつつ、野菜の成長を促進するとともに均質化をはかり、水耕栽培の場合には、根の水上部分に風を当てて根腐れを防止することができる。
本発明に係る他の野菜栽培工場における送風装置の特徴は、前記送風ファンが1個とされ、前記各ダクトに前記列ごとに1本の各供給チューブの一端が接続され、各供給チューブの他端は密閉されている点にある。
そして、このような構成を有することにより、短い長さの供給チューブですむ場合に、1個の送風ファンのみを設けて、各野菜に二酸化炭素を含む等しい風量の混合ガスの風を当てて、野菜に発生するチップバーン等の生育異常を防ぎつつ、野菜の成長を促進するとともに均質化をはかり、水耕栽培の場合には、根の水上部分に風を当てて根腐れを防止することができる。
本発明に係る他の野菜栽培工場における送風装置の特徴は、前記送風ファンが2個とされ、前記各列の両端に位置する各ダクトに前記各供給チューブの各端が接続されている点にある。
そして、このような構成を有することにより、各野菜に二酸化炭素を含む等しい風量の混合ガスの風を当てて、野菜に発生するチップバーン等の生育異常を防ぎつつ、野菜の成長を促進するとともに均質化をはかり、水耕栽培の場合には、根の水上部分に風を当てて根腐れを防止することができる。また、一方の送風ファンが故障しても、正常駆動されている他方の送風ファンにより通常の半分の量の風を送ることができるので、野菜を弱らせることがない。
本発明に係る他の野菜栽培工場における送風装置の特徴は、送風ファンを駆動するモータがインバータ制御される点にある。
そして、このような構成を有することにより、インバータ制御により容易に風量を制御することができる。
本発明に係る他の野菜栽培工場における送風装置の特徴は、前記供給チューブが樹脂フィルムにより形成されている点にある。
そして、このような構成を有することにより、供給チューブを容易に形成することができる。
本発明に係る他の野菜栽培工場における送風装置の特徴は、前記樹脂フィルムがポリエチレンフィルムとされている点にある。
そして、このような構成を有することにより、安価なポリエチレンフィルムにより合計長さがかなり長尺になることもある供給チューブを安価に交換することができる。
本発明に係る他の野菜栽培工場における送風装置の特徴は、前記供給チューブが、野菜の成長に合わせて各吹出口の向きを無段階に変更可能となるように前記各ダクトに接続されている点にある。
そして、このような構成を有することにより、野菜の成長に合わせて供給チューブの各吹出口の向きを横方向、斜め下方向、斜め上方向など任意の方向に無段階に変更することができる。
本発明の野菜栽培工場における送風装置によれば、各野菜に二酸化炭素を含む等しい風量の混合ガスの風を当てて、野菜に発生するチップバーン等の生育異常を防ぎつつ、野菜の成長を促進するとともに均質化をはかり、水耕栽培の場合には、野菜の根の水面より上部に風を当てて根腐れを防止することができる。また、本発明の送風装置は、送風装置が設置されていない野菜栽培工場に後から設置することができる。
図1ないし図3は、本発明に係る野菜栽培工場における送風装置の第1実施形態を示すものであり、本実施形態の野菜栽培工場内は、図示しない空調装置により所望の温度ならびに湿度に制御されている。
このような野菜栽培工場2内には、一例として上下4段に栽培棚4,4…を載置することができるスチールラック6が設置されており、このスチールラック6には、1段ごとに直列に3個の前記栽培棚4が載置されるようになっている。
前記野菜栽培工場2の一端部の天井面8には、駆動するモータ(図示せず)がインバータ制御され、回転数を自在に制御される送風ファンの一例としてのミニシロッコファン10が垂設されている。このミニシロッコファン10の近傍には、空気と二酸化炭素の混合ガスを形成することのできる混合ガス作成装置(図示せず)が配設されており、この混合ガス作成装置は、空気と二酸化炭素を所望の割合で混合して作成した混合ガスを前記ミニシロッコファン10に供給するようになっている。
前記ミニシロッコファン10には、このミニシロッコファン10からの混合ガスを4つの流路にほぼ均等に分岐する送風分岐ヘッダ12が接続されている。この送風分岐ヘッダ12の4つの流路(図示せず)には、それぞれ各段の栽培棚4に混合ガスを供給するためにそれぞれ下方に延在する4本のダクト14が接続されている。各ダクト14の先端部は、各栽培棚4の野菜に側方から混合ガスを供給するようになっている。このため、前記各ダクト14には、それぞれ各栽培棚4の側方において栽培棚4の側壁より多少高い位置を水平方向に各栽培棚4に沿って延在する供給チューブ16の基端部が気体の漏出を生じないように接続されている。
前記各供給チューブ16は、一例としてポリエチレンのような比較的安価な樹脂フィルムにより円筒状に形成されている。各供給チューブ16の内径は、40−120mmとされており、各供給チューブ16には、それぞれ各栽培棚4において栽培中の野菜に前記混合ガスを任意の方向から供給するための4−20mmの口径の吹出口18,18…が50−300mmの間隔で形成されている。なお、供給チューブ16の内径、吹出口18の口径および間隔は、野菜に供給する混合ガスの量や圧力などにより任意に設定される。また、供給チューブ16の吹出口18からの混合ガスの供給方向が野菜の成長に合わせて任意の方向となるように、ダクト14に対する供給チューブ16の接続は、各吹出口18の向きが任意の方向となるようになされる。すなわち、供給チューブ16の吹出口18からの混合ガスの供給方向は、任意の方向に無段階に調整可能である。
また、前記供給チューブ16の先端は閉塞されており、供給チューブ16の先端から混合ガスが漏出しないようになっている。また、供給チューブ16は、図示しない支持具により水平状態を維持するようになっている。
つぎに、前述した構成からなる本実施形態の作用について説明する。
本実施形態の野菜栽培工場における送風装置によれば、1つのスチールラック6について1個ずつ割り当てられているインバータ制御されている送風ファンとしてのミニシロッコファン10が、野菜の生育に好適な適量の風を各野菜に当てるようにするために所望の回転数で回転して、あらかじめ所定の割合で混合されている空気と二酸化炭素の混合ガスを送風分岐ヘッダ12に送出する。この送風分岐ヘッダ12は、ミニシロッコファン10からの混合ガスからなる風を4本のダクト14にほぼ均等な風量として分流する。
各ダクト14を通過した風は、各ダクト14の先端部に接続されている各供給チューブ16に導入され、供給チューブ16の各吹出口18から野菜が小さい状態においては水平方向に風を噴射し、各栽培棚4の各野菜に均等に風を当てる。また、野菜が成長したら斜め下方から供給することもできるし、必要に応じて斜め上方から供給することも可能である。
このように、インバータ制御されているミニシロッコファン10により各供給チューブ16の側方に間隔を隔てて形成された各吹出口18から各栽培棚4の各野菜の一側に均等に風を当てるので、野菜に発生するチップバーン等の生育異常を防ぎつつ、野菜の成長を促進するとともに均質化をはかることができる。しかも、空気と二酸化炭素の混合ガスの風を当てるので、外光あるいは照明器具からの光、供給する水と相まって光合成を促進し、野菜を良好に成長させることができる。
さらに、各供給チューブ16から水平方向へ風を供給するようになっているので、水耕栽培の場合には、野菜の根の水上部分に風を当てて根腐れを防止することができる。
図4は本発明に係る野菜栽培工場における送風装置の第2実施形態を示すものであり、本実施形態の野菜栽培工場内は、図示しない空調装置により所望の温度ならびに湿度に制御されている。
このような野菜栽培工場2内には、一例として上下4段に栽培棚4,4…を載置することができるスチールラック6が設置されている。
前記野菜栽培工場2の両端部の天井面8には、駆動するモータ(図示せず)がインバータ制御され、回転数を自在に制御される送風ファンの一例としてのミニシロッコファン10がそれぞれ垂設されている。各ミニシロッコファン10の近傍には、空気と二酸化炭素の混合ガスを作成することのできる混合ガス作成装置(図示せず)が配設されており、この混合ガス作成装置は、空気と二酸化炭素を所望の割合で混合して作成した混合ガスを前記各ミニシロッコファン10に供給するようになっている。ミニシロッコファン10には、混合ガスの供給タンク(図示せず)が接続されており、この供給タンクは、空気と二酸化炭素を所望の割合で混合した混合ガスを貯留して前記両ミニシロッコファン10、0に供給するようになっている。
前記各ミニシロッコファン10には、このミニシロッコファン10からの混合ガスを4つの流路にほぼ均等に分岐する送風分岐ヘッダ12が接続されている。この送風分岐ヘッダ12の4つの流路(図示せず)には、それぞれ各段の栽培棚4に混合ガスを供給するためにそれぞれ下方に延在する4本のダクト14が接続されている。各ダクト14の先端部は、各栽培棚4の野菜に一側から混合ガスを供給するために、スチールラック6の長手方向の一端において、他端に位置している前記ダクト14とそれぞれ対向する位置にある。そして、相互に対向位置にある1対のダクト14には、前述した第1実施形態において説明したと同様の材質からなる供給チューブ17の両端部がそれぞれ気体の漏出を生じないように接続されている。この供給チューブ17は、内部に隔壁のない円筒状とされており、各供給チューブ17の内径は、40−120mmとされ、各供給チューブ17には、それぞれ各栽培棚4において栽培中の野菜に前記混合ガスを側方から供給するための4−20mmの口径の吹出口18,18…が50−300mmの間隔で形成されている。なお、供給チューブ17の内径、吹出口18の口径および間隔は、野菜に供給する混合ガスの量や圧力などにより任意に設定される。また、各供給チューブ17は、その吹出口18が野菜に対し任意の方向から混合ガスを供給することができるように対向位置にある1対のダクト14,14に吹出口18の向きを任意の方向にして接続することができ、接続後に再度向きを変えることも可能である。
つぎに、前述した構成からなる本実施形態の作用について説明する。
本実施形態の野菜栽培工場における送風装置によれば、1つのスチールラック6について2個ずつ割り当てられているインバータ制御されている送風ファンとしてのミニシロッコファン10,10が、野菜の生育に好適な適量の風を各野菜に当てるようにするために所望の回転数で回転して、あらかじめ所定の割合で混合されている空気と二酸化炭素の混合ガスをそれぞれの送風分岐ヘッダ12に送出する。この送風分岐ヘッダ12は、ミニシロッコファン10からの混合ガスからなる風を4本のダクト14にほぼ均等な風量として分流する。
各ダクト14を通過した風は、各ダクト14の先端部に接続されている各供給チューブ17にその両端から導入され、供給チューブ17の各吹出口18から所望の方向に風を噴射し、各栽培棚4の各野菜の一側に均等に風を当てる。
このように、インバータ制御されている1対のミニシロッコファン10により各供給チューブ17の側方に間隔を隔てて形成された各吹出口18から各栽培棚4の各野菜の片側に均等に風を当てるので、野菜の成長を促進するとともに均質化をはかることができる。しかも、空気と二酸化炭素の混合ガスの風を当てるので、外光あるいは照明器具からの光、供給する水と相まって光合成を促進し、野菜を良好に成長させることができる。
さらに、各供給チューブ17から水平方向へ風を供給するようになっているので、水耕栽培の場合には、野菜の根の水上部分に風を当てて根腐れを防止することができる。
さらに、一方のミニシロッコファン10が故障しても、他方の正常駆動しているミニシロッコファン10により通常の半分の量の混合ガスを野菜に供給することができるので、野菜に極端な生育異常を発生させることがない。
2 野菜栽培工場
4 栽培棚
6 スチールラック
8 天井面
10 ミニシロッコファン(送風ファン)
12 送風分岐ヘッダ
14 ダクト
16,17 供給チューブ
18 吹出口
4 栽培棚
6 スチールラック
8 天井面
10 ミニシロッコファン(送風ファン)
12 送風分岐ヘッダ
14 ダクト
16,17 供給チューブ
18 吹出口
Claims (7)
- 縦横の少なくとも一方に整列された複数の栽培棚で栽培されている野菜に空気と二酸化炭素の混合ガスを供給するために各列の栽培棚の少なくとも一方の端部に対応するように配設された回転数を自在に制御されるモータにより駆動される少なくとも1個の送風ファンと、
前記送風ファンからの混合ガスを前記各列の栽培棚方向に導くためのダクトと、
前記ダクトからの混合ガスを各列の栽培棚の長手方向に沿って野菜に対し供給するためにそれぞれ複数の吹出孔が形成されている各列ごとに1本のフィルムからなる供給チューブと
を有することを特徴とする野菜栽培工場における送風装置。 - 前記送風ファンは1個とされ、前記各ダクトに前記列ごとに1本の各供給チューブの一端が接続され、各供給チューブの他端は密閉されていることを特徴とする請求項1に記載の野菜栽培工場における送風装置。
- 前記送風ファンは2個とされ、前記各列の両端に位置する各ダクトに前記各供給チューブの各端が接続されていることを特徴とする請求項1に記載の野菜栽培工場における送風装置。
- 前記送風ファンを駆動する前記モータはインバータ制御されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の野菜栽培工場における送風装置。
- 前記供給チューブは、樹脂フィルムにより形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の野菜栽培工場における送風装置。
- 前記樹脂フィルムは、ポリエチレンフィルムとされていることを特徴とする請求項5に記載の野菜栽培工場における送風装置。
- 前記供給チューブは、野菜の成長に合わせて各吹出口の向きを無段階に変更可能となるように前記各ダクトに接続されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の野菜栽培工場における送風装置。
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- 2019-06-24 JP JP2019116361A patent/JP2021000042A/ja active Pending
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