本開示の実施形態は、暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システムの生産及び性能コストを削減し得るシステムを含む。ある種のHVAC&Rシステムでは、チラーシェル又はハウジングは、HVAC&Rシステムの複数のサブシステム又は構成要素のための複数の電気エンクロージャを含み得る。特に、HVAC&Rシステムは、チラー制御パネル用の電気エンクロージャ、主駆動ライン可変速駆動装置(VSD)パネル用の電気エンクロージャ、オイルポンプVSD用の電気エンクロージャ、磁気軸受コントローラ(MBC)及び/又はMBC電源パネル用の電気エンクロージャ、及び他のエンクロージャを含み得る。場合によっては、サブシステム用の電気エンクロージャの各々が別個の冷却システムを必要とする場合がある。更に、異なるサブシステム用の過剰な電気エンクロージャがチラーのシェルに取り付けられる場合があり、それにより、取り付けのためにチラーシェルの設置面積を大きくする必要が生じる。サブシステムの別個の冷却システムと電源はまた、動作のために、過剰な量の電力を引き込む場合がある。それに応じて、本明細書にて開示する実施形態は、電気パネルなどのいくつかのサブシステムを収容する単一の電気エンクロージャを、一元化された冷却システムと共に利用し得る。実際、本明細書にて開示する実施形態は、サブシステムの電気エンクロージャの設置面積を削減し、電気エンクロージャを冷却するために引き込まれる電力を削減し、HVAC&Rシステムの生産及び運転コストを削減し得る。
ここで図面を参照すると、図1は、典型的な商業的設定における、建物12内の暖房、換気、空調、及び冷凍(HVAC&R)システム10のための環境の一実施形態の斜視図である。HVAC&Rシステム10は、建物12を冷却するために使用され得る冷却された液体を供給する蒸気圧縮システム14を含み得る。HVAC&Rシステム10はまた、建物12を加熱するために暖かい液体を供給するボイラー16と、建物12を通して空気を循環させる空気分配システムとを含み得る。空気分配システムはまた、空気戻りダクト18、空気供給ダクト20、及び/又は空気調和機22を含み得る。いくつかの実施形態では、空気調和機22は、導管24によってボイラー16及び蒸気圧縮システム14に接続された熱交換器を含み得る。空気調和機22の熱交換器は、HVAC&Rシステム10の動作モードに応じて、ボイラー16からの加熱された液体又は蒸気圧縮システム14からの冷却された液体のいずれかを受け取ることができる。HVAC&Rシステム10は、建物12の各フロアに別個の空気調和機を有して示されているが、他の実施形態では、HVAC&Rシステム10は、フロア間で共有され得る空気調和機22及び/又は他の構成要素を含み得る。
図2及び図3は、HVAC&Rシステム10で使用され得る蒸気圧縮システム14の実施形態である。蒸気圧縮システム14は、圧縮機32から始まる回路に冷媒を循環させることができる。回路はまた、凝縮器34、膨張弁又は膨張装置36、及び液体チラー又は蒸発器38を含み得る。蒸気圧縮システム14は、アナログ−デジタル(A/D)変換器42、マイクロプロセッサ44、不揮発性メモリ46、及び/又はインタフェースボード48を有する制御パネル40(例えば、コントローラ)を更に含み得る。
蒸気圧縮システム14において冷媒として使用され得る流体のいくつかの例には、例えばR−410A、R−407、R−134a、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)といったハイドロフルオロカーボン(HFC)ベースの冷媒、アンモニア(NH3)、R−717、二酸化炭素(CO2)、R−744、若しくは炭化水素ベースの冷媒のような「天然」冷媒、水蒸気、又は任意の他の好適な冷媒がある。いくつかの実施形態では、蒸気圧縮システム14は、R−134aなどの中圧冷媒に対して低圧冷媒とも呼ばれる1気圧の圧力で摂氏約19度(華氏66度以下)の標準沸点を有する冷媒を効率的に利用するように構成され得る。本明細書で使用される場合、「標準沸点」は、1気圧の圧力で測定された沸点温度を指し得る。
いくつかの実施形態では、蒸気圧縮システム14は、可変速駆動装置(VSD)52、電動機50、圧縮機32、凝縮器34、膨張弁若しくは膨張装置36、及び/又は蒸発器38のうちの1つ以上を使用し得る。電動機50は、圧縮機32を駆動してもよく、主駆動ライン可変速駆動装置(VSD)52により給電されてもよい。主駆動ラインSD52は、AC電源から特定の固定ライン電圧及び固定ライン周波数を有する交流(AC)電力を受け取り、可変電圧及び周波数を有する電力を電動機50に供給する。いくつかの実施形態では、主駆動ラインVSD52は、VSDエンクロージャ53(例えば、電気エンクロージャ)内に収容されてもよい。以下で論じるように、VSDエンクロージャ53は、様々な構成要素を収容してもよい。いくつかの実施形態では、電動機50は、AC又は直流(DC)電源から直接給電され得る。電動機50は、スイッチドリラクタンス電動機、誘導電動機、電子整流永久磁石電動機、又は別の好適な電動機など、VSDによって、又は直接、AC若しくはDC電源から給電され得る任意のタイプの電気電動機を含み得る。
圧縮機32は、冷媒蒸気を圧縮し、その蒸気を排出通路を通して凝縮器34に送達する。いくつかの実施形態では、圧縮機32は遠心圧縮機であり得る。更に、いくつかの実施形態では、排出通路は、可変形態ディフューザ33などのディフューザを含み得る。可変形態ディフューザ33は、その形状を変更して、圧縮機32を通る流体流量を調整し得る。圧縮機32によって凝縮器34に送達される冷媒蒸気は、凝縮器34内の冷却流体(例えば、水又は空気)に熱を伝達し得る。冷媒蒸気は、冷却流体との熱伝達の結果、凝縮器34で凝縮して冷媒液になり得る。凝縮器34からの冷媒液は、膨張装置36を通って蒸発器38に流れ得る。図3に示す実施形態では、凝縮器34は水冷され、冷却塔56に接続されたチューブ束54を含み、チューブ束54が冷却流体を凝縮器に供給する。
蒸発器38に送達された冷媒液は別の冷却流体からの熱を吸収してもよく、この冷却流体は凝縮器34で使用される冷却流体と同じであっても、同じでなくてもよい。蒸発器38内の冷媒液は、冷媒液から冷媒蒸気への相変化を受ける場合がある。図3に図示する実施形態に示すように、蒸発器38は、供給ライン60Sと、冷却負荷62に接続された戻りライン60Rとを有するチューブ束58を含み得る。蒸発器38の冷却流体(例えば、水、エチレングリコール、塩化カルシウムブライン、塩化ナトリウムブライン、又は任意の他の好適な流体)は、戻りライン60Rを介して蒸発器38に入り、供給ライン60Sを介して蒸発器38を出る。蒸発器38は、冷媒との熱伝達を介してチューブ束58内の冷却流体の温度を低下させ得る。蒸発器38のチューブ束58は、複数のチューブ及び/又は複数のチューブ束を含み得る。いずれにせよ、冷媒蒸気は蒸発器38を出て、吸引ラインにより圧縮機32に戻って、サイクルが完了する。
以下で詳細に論じるように、VSDエンクロージャ53は、蒸気圧縮システム14の様々な機能を実行するように構成された様々な電気構成要素又はパネルを含み得る。例えば、VSDエンクロージャ53は、VSDエンクロージャ53内の温度を調節し得る冷却システムを含み得る。実際、VSDエンクロージャ53内の電源、コントローラなどは、効率的に動作し、それらの意図された機能を実行するために、好適な温度を必要とする場合がある。
これを念頭に置いて、図4は、蒸気圧縮システム14の様々な構成要素を含むVSDエンクロージャ53の概略図である。例えば、図示した実施形態では、VSDエンクロージャ53は、主駆動ラインVSD52、無停電電源装置(UPS)70、電源71、バッテリ72、オイルポンプVSD74、並びに可変形態ディフューザ(VGD)コントローラ及び/又はVGD電源を含み得るVGDシステム76を含む。実際、VGD電源は、VGD33(図3)及び/又はVGDコントローラに電力を供給するように構成されてもよく、いくつかの実施形態では、VGD電源もまた、VSDエンクロージャ53内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、主駆動ラインVSD52、UPS70、バッテリ72、電源71、オイルポンプVSD74、及びVGDシステム76の各々が、異なる電気パネル又は回路基板に関連付けられるか又は結合されてもよい。現在の実施形態では、VSDエンクロージャ53内で、オイルポンプVSD74は第1の電気パネルに関連付けられてもよく、UPS70及びVGDシステム76は第2の電気パネルに関連付けられてもよく、主駆動ラインVSD52は第3の電気パネルに関連付けられてもよい。そのような実施形態では、バッテリ72は、第1の電気パネル、第2の電気パネル、第3の電気パネル、又はそれらの任意の組み合わせに結合されてもよく、電源71は、第1の電気パネル、第2の電気パネル、第3の電気パネル、又はそれらの任意の組み合わせに結合されてもよい。
オイルポンプVSD74は、交流(AC)電源から特定の固定ライン電圧及び固定ライン周波数を有するAC電力を受け取ってもよく、可変電圧及び周波数を有する電力をオイルポンプ78に供給してもよい。それにより、オイルポンプ78は、オイルなどの潤滑剤を圧縮機32の軸受及び/又は他の可動部品に供給し得る。更に、オイルポンプ78は、ツインギアポンプ、ローターポンプ、又はフロントカバーオイルポンプなどの任意の好適なポンプであり得る。
VGDシステム76、より具体的には、VGDシステム76のVGDコントローラは、1つ以上のセンサを介して圧縮機32の可変形態ディフューザの位置を監視してもよく、圧縮機32の動作条件に応じて、完全に開いた位置と完全に閉じた位置との間でディフューザを作動させてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、圧縮機32は、圧縮機32のタイプに応じて、ピストン、ローター、スクロール、ローブ、インペラなどの1つ以上の圧縮機構に流体を通すことによって動作し得る。圧縮機構は、流体に作用して流体の圧力を増加させる。しかし、圧縮機構の動作は、流体流れに不利な圧力勾配を生成させる場合がある。実際、圧縮機32の圧縮システムのタイプに関係なく、VGDシステム76は、VGD33を作動させて、圧縮機32の流体流れを安定させ得る。
バッテリ72は、オイルポンプVSD74、主駆動ラインVSD52、VGDシステム76、制御パネル40、又はそれらの任意の組み合わせに電力を供給することが可能な任意の好適なバッテリであり得る。実際、バッテリ72は、一次電池タイプ、二次電池タイプ、又は他の任意の好適なバッテリタイプであり得る。
いくつかの実施形態では、バッテリ71は、電力グリッド、バッテリ、ソーラーパネル、発電機、ガスエンジン、蒸気圧縮システム14、又はそれらの任意の組み合わせなどの任意の好適な電源を利用し得る。特に、電源71は、主駆動ラインVSD52、オイルポンプVSD74、VGDシステム76、又はそれらの任意の組み合わせに電力を供給し得る。加えて、又は代替として、電源71は、バッテリ72及び/又はUPS70に電力を供給するか又は充電し得る。
UPS70は、負荷への主電源が電力の供給を停止した場合に、負荷にバックアップ電力を供給し得る電気装置である。特に、UPS70は、主電源が電力の供給を停止した場合に、実質的に瞬時に負荷に電力を供給し得る。いくつかの実施形態では、UPS70は、バッテリ、スーパーキャパシタ、フライホイール、又はそれらの任意の組み合わせに保存されている電力を利用又は供給し得る。いくつかの実施形態では、電源73及び/又はバッテリ72がオイルポンプVSD74及び/又はVGDシステム76への電力の供給を停止した場合、UPS70は、オイルポンプVSD74及び/又はVGDシステム76に電力を供給し得る。
更に、いくつかの実施形態では、VSDエンクロージャ53、より具体的には、VSDエンクロージャ53内の構成要素は、制御パネル40に通信可能に結合されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、制御パネル40は、インタフェースボード48及び/又はマイクロプロセッサ44を介して、主駆動ラインVSD52、VGDシステム76、及び/又はオイルポンプVSD74に命令を提供して、意図された形態で動作させることができる。実際、いくつかの実施形態では、制御パネル40から提供される命令は、(例えば、インタフェースボード48を介した)オペレータ入力に基づいてもよく、及び/又は蒸気圧縮システム14の1つ以上のセンサから収集されたデータに基づいてもよい。
上述のように、VSDエンクロージャ53の構成要素(例えば、主駆動ラインVSD52、UPS70、バッテリ72、電源70、オイルポンプVSD74、及び/又はVGDシステム76)は、VSDエンクロージャ53内で熱又は熱エネルギーを放出し得る。それに応じて、VSDエンクロージャ53は、VSDエンクロージャ53の内部温度を調節するための冷却システム80を含み得る。冷却システム80は、空気−水熱交換器(air to water heat exchanger)であって液体冷却システムを利用し得る熱交換器82を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、熱交換器82は、凝縮器34から水を受け取り得る。特に、熱交換器82は、凝縮器34の出口から、及び/又は凝縮器34内の中間ステージから水を受け取り得る。加えて、又は代替として、熱交換器82は、蒸発器38から水を受け取り得る。特に、熱交換器82は、蒸発器38の出口から、及び/又は蒸発器38内の中間状態から水を受け取り得る。
凝縮器34及び/又は蒸発器38から受け取った水は、熱交換器82の管(例えば、配管、コイルなど)を通して送られ得る。更に、冷却システム80はまた、1つ以上のファン84を含んでもよく、ファンは、管を介して空気(例えば、内部空気、環境空気、周囲空気など)を押し込む又は引き出し得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のファン84は、ベントを通すなどして、VSDエンクロージャ53の外部にある供給源から空気を引き出し得る。加えて、又は代替として、1つ以上のファン84は、VSDエンクロージャ53内の空気を循環させ再利用するか、又は再調整し得る。更に、いくつかの実施形態では、バッテリ72及び/又は電源71を利用して、1つ以上のファン84に電力を供給し得る。
更に、熱交換器82が凝縮器34及び/又は蒸発器38から受け取る水は冷水(例えば、適切に低温の水)であり得る。このようにして、1つ以上のファン84が管を通して押し込む又は引き出す空気は、管を通って流れる水と熱交換して、水の温度を上昇させ、空気の温度を低下させ得る。特に、熱交換器82は、管を介して押し込まれる又は引き出される空気から熱及び/又は水分を除去して、調和空気を生成し得る。すなわち、以下で更に詳細に説明するように、冷却システム80は、VSDエンクロージャ53内で、冷却システム80から構成要素(例えば、主駆動ラインVSD52、UPS70、バッテリ72、電源70、オイルポンプVSD74、及びVGDシステム76)に供給される空気が適切に低温であり得るように空気を調整し得る。
いったん水が熱交換器82の管を通って移動し、管を通して引き出される又は押し込まれる空気と熱を交換すると、水は蒸気圧縮システム14の回路内の好適な場所に送られ得る。例えば、空気と熱交換した後、水は、液体から蒸気へなどの相変化、温度上昇、及び/又は圧力の上昇及び/又は低下などを受け得る。それに応じて、熱交換器80を出るとき、水は、熱交換器82を出る水の圧力及び温度と実質的に一致する水を含む、蒸気圧縮システム14の回路の部分に送られ得る。
いくつかの実施形態では、冷却システム80はまた、制御デバイス86を含んでもよく、その1つのタイプがサーモスタットであってもよく、これを使用して、冷却システム80からの調和空気出力の温度を指定してもよい。具体的には、制御デバイス86を使用して、1つ以上のファン84の速度を制御することにより、熱交換器82を通る空気の流れを制御し得る。いくつかの実施形態では、供給空気、返り空気などの温度及び圧力を感知する圧力及び/又は温度変換器又はスイッチなどの他の装置が冷却システム80に含まれてもよい。更に、制御デバイス16は、他の制御又は監視システムに一体化された又はそれらから分けられたコンピュータシステム、更には建物12から離れたシステムを含み得る。いくつかの実施形態では、制御デバイス86は、オペレータからなど、目標温度に関する入力を受け取り得る。制御デバイス86はまた、例えば温度センサからなど、VSDエンクロージャ53内の温度を示すデータを受け取り得る。制御デバイス86は、VSDエンクロージャ53内の温度を示すデータを分析し、VSDエンクロージャ内の温度を目標温度と比較し得る。次いで、比較に基づいて、制御デバイス86は、1つ以上のファン84の速度を増加又は減少させて、VSDエンクロージャ53の内部温度を変更させて、目標温度に実質的に一致させ得る。加えて、いくつかの実施形態では、冷却システム80は、ヒートシンクを利用して、VSDエンクロージャ53の温度を調節することを手助けし得る。
いくつかの実施形態では、冷却システム80は、VSDエンクロージャ53の内部温度が摂氏50度未満に留まるように、VSDエンクロージャ53の温度を調節し得る。いくつかの実施形態では、冷却システム80は、温度が摂氏40度未満に留まることを確実にするために、VSDエンクロージャ53の温度を調節し得る。
更に、現在の実施形態では、VSDエンクロージャ53は、信号及び/又はデータを伝達するために、1つ以上のワイヤ90又は他の好適な媒体を介して、制御パネル40に通信可能に結合され得る。実際、VSDエンクロージャ53の1つ以上の構成要素(例えば、主駆動ラインVSD52、UPS70、バッテリ72、電源71、オイルポンプVSD74、及び/又はVGDシステム76)は、様々な入力を制御パネル40から受け取り得る。より具体的には、オペレータは、VSDエンクロージャ53内の構成要素のうちの1つ以上を制御するために、インタフェースボード48を介して様々なコマンドを提供してもよい。
図5は、本開示の一実施形態による、蒸気圧縮システム14の様々な構成要素を含むVSDエンクロージャ53の概略図である。図示した実施形態では、VSDエンクロージャ53は、主駆動ラインVSD52、無停電電源装置70、電源71、バッテリ72、及び可変形態ディフューザ(VGD)システム76を含む。更に、VSDエンクロージャ53は、磁気軸受コントローラ及び/又は磁気軸受コントローラ電源を含み得る磁気軸受制御(MBC)システム92を含み得る。実際、磁気軸受コントローラ電源は、磁気軸受コントローラに電力を供給するように構成されてもよく、いくつかの実施形態ではVSDエンクロージャ53内にも配置されてもよい。
例えば、いくつかの実施形態では、圧縮機32は、磁気軸受を利用して、1つ以上の可動部品を支持し得る。特に、いくつかの実施形態では、圧縮機32は、永久磁石を利用して1つ以上の可動部品の静的荷重を支持してもよく、1つ以上の可動部品が最適位置から外れた場合にアクティブ磁石を利用してもよい。それに応じて、MBCシステム92、より具体的にはMBCコントローラは、圧縮機32の磁気軸受に対して圧縮機32の1つ以上の可動部品(例えば、シャフト)の位置を監視し、負荷が実質的に最適な位置に留まるように、1つ以上の信号を送信してアクティブ磁石を制御してもよい。
いくつかの実施形態では、MBCシステム92は、バッテリ72、UPS70、電源71、又はそれらの任意の組み合わせから電力を受け取り得る。例えば、ある種の実施形態では、バッテリ72及び/又は電源71は、MBCシステム92に安定して電力を供給してもよく、UPS70は、電力のバックアップ電源としてMBCシステム92に電力を供給してもよい。更に、冷却システム80は、上述のように機能して、VSDエンクロージャ53の内部温度を調節してもよく、その延長として、MBCシステム92を含む、VSDエンクロージャ53内の構成要素の温度を調節してもよい。
更に、図示した実施形態では、VSDエンクロージャ53は、信号及び/又はデータを伝達するために、1つ以上のワイヤ90又は他の好適な媒体を介して、制御パネル40に通信可能に結合される。実際、VSDエンクロージャ53の1つ以上の構成要素(例えば、主駆動ラインVSD52、UPS70、バッテリ72、電源70、MBCシステム92、及び/又はVGDシステム76)は、様々な入力を制御パネル40から受け取り得る。より具体的には、オペレータが、インタフェースボード48を介して様々なコマンドを提供して、VSDエンクロージャ53内の構成要素のうちの1つ以上を制御し得る。
更に、いくつかの実施形態では、VSDエンクロージャ53内で、MBCシステム92、UPS70、及びVGDシステム76を第1の電気パネルに関連付けてもよく、主駆動ラインVSD52を第2の電気パネルに関連付けてもよい。そのような実施形態では、バッテリ72は、第1の電気パネル、第2の電気パネル、又は両方に結合されてもよく、電源71は、第1の電気パネル、第2の電気パネル、又は両方に結合されてもよい。
図6は、本開示の一実施形態による、蒸気圧縮システム14の様々な構成要素を含むVSDエンクロージャ53のブロック図である。図示した実施形態では、VSDエンクロージャ53は、主駆動ラインVSD52、UPS70、電源71、バッテリ72、及びVGDシステム76を含む。更に、VSDエンクロージャ53は、オイルポンプVSD74、及びMBCシステム92を含み得る。このように、VSDエンクロージャ53は、磁気軸受及び/又は機械的ローラ軸受を利用する蒸気圧縮システム14に適用可能であり得る。
オイルポンプVSD74は、図4に関して上述したように機能することができ、MBCシステム92は、図5に関して上述したように機能することができる。例えば、いくつかの実施形態では、オイルポンプVSD74は、オイルポンプ78に適切な電圧及び周波数で電力を供給してもよく、オイルポンプ78は次いで、圧縮機32内の可動部品にオイル又は潤滑剤を供給してもよい。更に、MBCシステム92は、1つ以上の信号を送信して、圧縮機32のアクティブ磁石軸受を制御してもよい。
いくつかの実施形態では、MBCシステム92及び/又はオイルポンプVSD74は、バッテリ72、UPS70、電源71、又はそれらの任意の組み合わせから電力を受け取り得る。例えば、ある種の実施形態では、バッテリ72及び/又は電源71は、MBCシステム92及び/又はオイルポンプVSD74に安定して電力を供給してもよく、UPS70は、電力のバックアップ電源として、MBCシステム92及び/又はオイルポンプVSD74に電力を供給してもよい。更に、冷却システム80は、上述のように機能して、VSDエンクロージャ53の内部温度を調節してもよく、その延長として、MBCシステム92及びオイルポンプVSD74を含む、VSDエンクロージャ53内の構成要素の温度を調節してもよい。
更に、現在の実施形態では、VSDエンクロージャ53は、信号及び/又はデータを伝達するために、1つ以上のワイヤ90又は他の好適な媒体を介して制御パネル40に通信可能に結合され得る。実際、VSDエンクロージャ53の1つ以上の構成要素(例えば、主駆動ラインVSD52、UPS70、バッテリ72、電源70、MBCシステム92、オイルポンプVSD74、及び/又はVGDシステム76)は、様々な入力を制御パネル40から受け取り得る。より具体的には、オペレータが、インタフェースボード48を介して様々なコマンドを提供して、VSDエンクロージャ53内の構成要素のうちの1つ以上を制御し得る。
現在の実施形態では、VSDエンクロージャ53内で、主駆動ラインVSD52は第1の電気パネルに関連付けられてもよく、オイルポンプVSD74は第2の電気パネルに関連付けられてもよく、MBCシステム92、UPS70、及びVGDシステム76は、第3の電気パネルに関連付けられてもよい。そのような実施形態では、バッテリ72は、第1の電気パネル、第2の電気パネル、第3の電気パネル、又はそれらの任意の組み合わせに結合されてもよく、電源73は、第1の電気パネル、第2の電気パネル、第3の電気パネル、又はそれらの任意の組み合わせに結合されてもよい。
それに応じて、本開示は、様々な構成要素及び/又はパネルを有する可変速駆動装置(VSD)エンクロージャ(例えば、電気エンクロージャ)を含むチラーシステムのシステムを提供することに関する。例えば、VSDエンクロージャは、オイルポンプVSD、磁気軸受コントローラ及び/又は磁気軸受コントローラ電源、可変形態ディフューザコントローラ及び/又は可変形態ディフューザ電源、バッテリ、電源、無停電電源装置、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。実際、これらの構成要素は、VSDエンクロージャ内の様々な電気パネルに含まれ得る。更に、VSDエンクロージャは、空気−水熱交換器などの単一の冷却システムを利用して、VSDエンクロージャ内の温度を調節してもよい。実際、VSDエンクロージャ内の各構成要素は一体型冷却システムによって冷却されてもよく、それにより、複数の構成要素に対して複数の冷却システムを利用するシステムと比較して冷却コストを節約できる。更に、構成要素がVSDエンクロージャ内に統合されているので、構成要素によって利用される設置面積も削減され得る。また更に、VSDエンクロージャ内の構成要素は、共通の電源を利用してもよく、それにより、生産及び/又は電力コストが節約される。
特定の特徴及び実施形態のみを図示及び説明してきたが、当業者であれば、特許請求の範囲に記載された発明の主題の新規な教示及び利点から実質的に逸脱することなく、多くの修正及び変更(例えば、様々な要素のサイズ、寸法、構造、形状及び比率、パラメータの値(例えば、温度、圧力など)、取り付け構成、材料の使用、色、向きなどにおける変形形態)を想到し得る。任意のプロセス又は方法ステップの順番又は順序は、代替的な実施形態に従って変更又は再順序付けされ得る。従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨の範囲内にあるものとして、そのような全ての修正及び変更を包含することが意図されていることを理解されたい。更に、例示的な実施形態の簡潔な説明を提供するために、実際の実現形態の全ての特徴が説明されているわけではない場合がある(すなわち、現在企図される本発明の最良の実施形態に関係しないもの、又は特許請求の範囲に記載された発明を実現するのに関係しないものが説明されていない場合がある)。いかなるそのような実際の実現形態の開発においても、あらゆるエンジニアリング又は設計プロジェクトにおけるように、実現形態に固有の多数の決定が行われ得ることを理解されたい。そのような開発努力は、複雑で時間がかかる場合があるが、それにもかかわらず、本開示の便宜を受ける当業者にとっては、過度の実験を伴わない設計、製作、及び製造における日常業務であろう。