以下、図面を参照しながら本願の実施形態が提供する車載電池の温度調整方法、温度調整システム及び非一時的な読み取り可能な記憶媒体を説明する。
図1〜2は、本願の実施形態1に係る車載電池の温度調整システムの構造概略図である。図1〜2に示すように、該システムは、電池熱管理モジュール1、車載エアコン2、熱変換器3、半導体熱変換モジュール5及びコントローラ6を含む。
車載エアコン2は、エアコン通気口を有し、エアコン通気口と熱変換器3との間に第1のエアダクト100が形成され、第1のエアダクト100に第1のファンが設置され、第1のファンが熱変換器に対応して設置される。半導体熱変換モジュール5の冷却部と第1のファン501の間に第2のエアダクト200が形成され、半導体熱変換モジュール5の冷却部と車室の間に第3のエアダクト300が形成される。電池熱管理モジュール1は熱変換器3と接続されて熱交換流路を形成する。コントローラ6は半導体熱変換モジュール5、電池熱管理モジュール1及び車載エアコン2と接続され、コントローラ6は電池に温度調整を行う要求パワーP1と実際パワーP2を取得し、要求パワーP1と実際パワーP2に基づいて車載エアコン2と半導体熱変換モジュール5の少なくとも一方が動作するように制御して、電池の温度を調整する。
好ましくは、図1〜2に示すように、車載エアコン2は、第1のエアダクト100に設置された第1の調整弁601と、熱変換器3に対応する第1のファン501とを含む。第1の調整弁601と第1のファン501は、いずれも第1のエアダクト100に設置され、かつ第1の調整弁601と第1のファン501は相互に接続される。半導体熱変換モジュール5は、第2のエアダクト200において、半導体熱変換モジュール5の冷却部に対応して設置された第3のファン503及び第3の調整弁603をさらに含み、つまり、第3のファン503と第3の調整弁603はいずれも第2のエアダクト200に設置され、かつ第3のファン503と第3の調整弁603は接続される。
そして、車載エアコン2は第1のエアダクト100により熱変換器3と熱変換を行う。半導体熱変換モジュール5は第2のエアダクト200により熱変換器と熱変換を行う。半導体熱変換モジュール5は第3のエアダクト300により車室と熱変換を行う。
図1に示すように、車載エアコン2が第2のエアダクト200により半導体熱変換モジュール5と熱変換を行った後、半導体熱変換モジュール5は第4のファン504と第3のエアダクト300により車室と熱変換を行い、第4のファン504が第3のエアダクト300に設置される。
図2に示すように、車載エアコン2が第4のエアダクト400、車室及び第3のエアダクト300により半導体熱変換モジュール5と熱変換を行った後、半導体熱変換モジュール5は第2のエアダクト200により熱変換器3と熱変換を行う。
図2に示すように、車載エアコン2は第1のエアダクト100により熱変換器と熱変換を行い、かつ半導体熱変換モジュールは第2のエアダクト200により熱変換器3と熱変換を行う。
電池4とは、車両に取り付けられ、車両に動力出力を供給すると共に、車両の他の電気機器に電力を供給するエネルギー貯蔵装置を指し、繰り返し充電可能であると理解すべきである。電池4は、電池モジュール又は電池パックであってよい。
具体的には、要求パワーP1は、電池の温度を目標温度に調整すると、電池に必要な温度調整パワーである。実際パワーP2は、現在電池に温度調整を行うときに、電池が実際に得る温度調整パワーである。目標温度は設定値であり、車載電池の実際の状況に応じて予め設定されてよく、例えば、冬の場合、室外の環境温度が低く、電池を加熱する必要があるため、目標温度を約10℃に設定してよく、夏の場合、電池を冷却する必要があるため、目標温度を約35℃に設定してよい。
電池4の温度が高く、例えば40℃より高いと、車載電池の温度調整システムは冷却モードに入り、図1〜2に示すように、車載エアコン2と電池熱管理モジュール1は動作し、コントローラ6は第1の調整弁601をオンにするように制御し、第1のファン501は車載エアコン2の冷却風を熱変換器3に吹き出すことにより、熱変換器3の冷却配管内の媒体を冷却し、媒体は電池熱管理モジュール1を通って電池を冷却する。車載電池の温度調整システムが冷却モードで動作するときに、冷却風の流れは、エアコン通気口−第1の調整弁601−第1のファン501−熱変換器3であり、媒体の流れは、熱変換器3−電池熱管理モジュール1−電池4−電池熱管理モジュール1−熱変換器3である。また、電池4を冷却するときに、図2に示すように、コントローラ6は半導体熱変換モジュール5が動作するように制御し、第3のファン503は半導体の冷却部の冷却パワーを第1のファン501に吹き出し、第1のファン501により熱変換器3に吹き出すことにより、熱変換器3中の冷却配管内の媒体を冷却し、媒体は電池熱管理モジュール1を通って電池を冷却する。
電池4を冷却するときに、コントローラ6は電池の要求パワーP1と実際パワーP2をリアルタイムに取得し、要求パワーP1は、電池の温度を設定された目標温度に調整するように電池4に供給すべきパワーであり、実際パワーP2は、現在電池に温度調整を行うときに、電池4が得る実際調整パワーであり、目標温度は設定値であり、車載電池の実際の状況に応じて予め設定されてよく、例えば、電池を冷却するときに、目標温度を約35℃に設定してよい。
同時に、コントローラ6は、要求パワーP1と実際パワーP2に基づいて、車載エアコンの冷却パワー、第1のファン501の回転速度及び第1の調整弁601の開度、及び/又は半導体熱変換モジュールのパワー、第3のファン503の回転速度、第3の調整弁603の開度を調整することにより、実際パワーP2を調整する。例えば、P1がP2より大きければ、車載エアコンの冷却パワーを向上させたり、第1のファン501の回転速度を向上させたり、第3の調整弁603の開度を大きくしたりして、電池4の実際パワーP2を向上させることにより、電池4が降温をできるだけ速く完了する。
これにより、該温度調整システムは、車載電池の温度が高過ぎるときに温度を調整して、車載電池の温度を所定の範囲に維持することにより、温度が車載電池の性能に影響を及ぼす状況を回避することができる。
本願の一実施形態によれば、図1〜2に示すように、電池熱管理モジュール1は、熱交換流路に設置されたポンプ12、第1の温度センサ14、第2の温度センサ15及び流速センサ16を含み、ポンプ12は、熱変換流路中の媒体を流動させ、第1の温度センサ14は車載電池に流入する媒体の入口における温度を検出し、第2の温度センサ15は車載電池から流出する媒体の出口における温度を検出し、流速センサ16は熱変換流路中の媒体の流速を検出する。
好ましくは、図1〜2に示すように、電池熱管理モジュール1は、熱交換流路に設置され、媒体を貯蔵し熱交換流路に媒体を供給する媒体容器13をさらに含んでよい。
好ましくは、図1〜2に示すように、電池熱管理モジュール1は、熱変換流路に設置され、熱変換流路中の媒体を加熱するヒーター11をさらに含んでよい。
具体的には、図3に示すように、コントローラ6は、電池管理コントローラ61、電池熱管理コントローラ62、車載エアコンコントローラ63を含んでよい。電池管理コントローラ61は、電池を流れる電流、電池自体の温度を取得し、かつ電池の目標温度、目標時間t及び電池の比熱C、電池の質量M、電池の内部抵抗Rに基づいて、要求パワーP1を取得し、かつ車載エアコンコントローラ63を起動させるか又は動作を停止させるように制御する。電池熱管理コントローラ62は、第1の温度センサ14、第2の温度センサ15及び流速センサ16と電気的に接続され、ポンプ12及びヒーター11とCAN(Controller Area Network、コントローラエリアネットワーク)通信を行い、かつ媒体の比熱、媒体の密度、流路の断面積に基づいて、実際パワーP2を取得し、ポンプ12の回転速度とヒーター11のパワーを制御し、車載エアコン2とCAN通信を行うことができる。車載エアコンコントローラ63は、電池管理コントローラ61及び電池熱管理コントローラ62とCAN通信を行うことができ、車載エアコンコントローラ63は第1の調整弁601のオン又はオフを制御し、かつ第1の調整弁601の開度を調整することができ、第1のファン501は車載エアコンコントローラ63によって制御され、かつ風速が調整可能であり、車載エアコンコントローラ63は電池管理コントローラ61及び電池熱管理コントローラ62とCAN通信を行うことにより、電池管理コントローラ61によって取得された要求パワーP1と電池熱管理コントローラ62によって取得された実際パワーP2に基づいて、車載エアコンの冷却パワー、調整弁、ファンを制御することにより、熱変換の目的を達成する。
なお、電池管理コントローラ61は、例えば電池管理機能を持つDSPチップを含んでよい。電池熱管理コントローラ62は、例えば電池熱管理機能を持つDSPチップを含んでよい。車載エアコンコントローラ63は、例えば車載エアコンDSPチップを含んでよい。
車載電池の温度調整システムは、車載エアコン2及び熱変換器3により電池4を冷却し、また、ヒーター11により媒体を加熱することにより、電池の温度が低いときに電池4に温度調整を行うことができると理解すべきである。ヒーター11は、PTC(Positive Temperature Coefficient、正温度係数、一般的に正温度係数が大きい半導体材料又は部品を指す)ヒーターであってよく、電池熱管理コントローラ62とCAN通信を行い、車載電池の温度調整システムに加熱パワーを供給し、電池熱管理コントローラ62によって制御され、ヒーター11は電池4と直接接触せず、高い安全性、信頼性及び実用性を持つ。ポンプ12は主に動力を供給し、媒体容器13は主に媒体を貯蔵し、かつ温度調整システムに添加される媒体を収容し、温度調整システムにおける媒体が減少すると、媒体容器13中の媒体から自動的に補充することができる。第1の温度センサ14は電池流路入口における媒体温度を検出し、第2の温度センサ15は電池流路出口における媒体温度を検出する。流速センサ16は温度調整システムにおける配管内の媒体の流速情報を検出する。
本願の一実施形態によれば、コントローラ6は、さらに電池の温度を取得し、かつ電池4の温度が第1の温度閾値より大きいか否か、又は第2の温度閾値より小さいか否かを判断し、電池4の温度が第1の温度閾値より大きいと、冷却モードに入り、電池4の温度が第2の温度閾値より小さいと、加熱モードに入り、第1の温度閾値が第2の温度閾値より大きい。第1の温度閾値と第2の温度閾値は実際の状況に応じて予め設定されてよく、例えば、第1の温度閾値が40℃であってよく、第2の温度閾値が0℃であってよい。
具体的には、車両がパワーアップされると、コントローラ6は電池4の温度をリアルタムに取得し、かつ電池4の温度を判断する。電池4の温度が40℃より高いと判断すれば、このときに該電池4の温度が高過ぎることを示し、高温が該電池4の性能に影響を及ぼすことを回避するために、電池4に降温処理を行う必要があり、温度調整システムは冷却モードに入り、コントローラ6は第1の調整弁601をオンにするように制御し、第1のファン501は車載エアコン2の冷却風を熱変換器3に吹き出すことにより、熱変換器3の冷却配管内の媒体を冷却し、媒体は電池熱管理モジュール1を通って電池4を冷却する。電池4を冷却するときに、第1の調整弁601はオンにされ、冷却風の流れは、エアコン通気口−第1の調整弁601−第1のファン501−熱変換器3であり、媒体の流れは、熱変換器3−ヒーター11(オフ)−ポンプ12−第1の温度センサ14−電池4−第2の温度センサ15−流速センサ16−媒体容器13−熱変換器3である。
電池4の温度が0℃より低ければ、このときに該電池4の温度が低過ぎることを示し、低温が電池4の性能に影響を及ぼすことを回避するために、電池4に昇温処理を行う必要があり、温度調整システムは加熱モードに入り、電池熱管理コントローラ62はヒーター11を起動させるように制御し、同時に車載エアコン2は第1の調整弁601がオフ状態にあるように保持し、媒体の流れは、熱変換器3−ヒーター11(オン)−ポンプ12−第1の温度センサ14−電池4−第2の温度センサ15−流速センサ16−媒体容器13−熱変換器3である。ヒーター11により冷却配管内の媒体を加熱することにより、媒体と電池4が熱変換を行って、電池の温度調整を完了する。
以下、具体的な実施例を組み合わせてコントローラが電池4の要求パワーP1と実際パワーP2をどのように取得するかを説明する。
本願の一実施形態によれば、コントローラ6は電池4の温度調整開始時の第1のパラメータを取得し、第1のパラメータに基づいて電池に温度調整を行う第1の要求パワーを生成し、かつ電池4の温度調整中の第2のパラメータを取得し、第2のパラメータに基づいて電池に温度調整を行う第2の要求パワーを生成すると共に、電池の第1の要求パワーと電池の第2の要求パワーに基づいて電池の要求パワーP1を生成する。
好ましくは、本願の一実施形態によれば、第1のパラメータは電池4の温度調整開始時の初期温度、目標温度、及び初期温度から目標温度になるまでの目標時間tであり、初期温度と目標温度の間の第1の温度差ΔT1を取得し、かつ第1の温度差ΔT1と目標時間tに基づいて第1の要求パワーを生成する。
好ましくは、コントローラ6は下式(1)に基づいて第1の要求パワーを生成し、
ΔT1*C*M/t (1)
ΔT1が初期温度と目標温度の間の第1の温度差であり、tが目標時間であり、Cが電池4の比熱であり、Mが電池4の質量である。
第2のパラメータは所定の時間内の電池4の平均電流Iであり、コントローラ6は下式(2)に基づいて第2の要求パワーを生成し、
I2*R (2)
Iが平均電流であり、Rが電池4の内部抵抗である。
具体的には、電流ホールセンサにより電池4の充放電電流パラメータを検出し、電池管理コントローラ61はある時間内の電池4の電流パラメータに基づいて、電池4の平均電流を推定することができる。
電池4を冷却するときに、P1=ΔT1*C*M/t+I2*R、電池4を加熱するときに、P1=ΔT1*C*M/t−I2*R。
本願の一実施形態によれば、コントローラ6は、さらに第1の温度センサ14によって検出された入口温度と第2の温度センサ15によって検出された出口温度に基づいて第2の温度差ΔT2を生成し、かつ各電池の第2の温度差ΔT2と、流速センサ16によって検出された流速vとに基づいて電池の実際パワーP2を生成する。
好ましくは、本願の一実施形態によれば、下式(3)に基づいて実際パワーP2を生成し、
ΔT2*c*m (3)
ΔT2が第2の温度差であり、cが流路中の媒体の比熱であり、mが単位時間当たりに流路の断面積を流れる媒体質量であり、m=v*ρ*sであり、vが媒体の流速であり、ρが媒体の密度であり、sが流路の断面積である。
具体的には、車両がパワーアップされると、電池管理コントローラ61は電池の温度に基づいて電池4に温度調整を行う必要があるか否かを判断し、電池4に温度調整を行う必要があると判断すれば、CAN通信により、温度調整機能をオンにするという情報を車載エアコンコントローラ63に送信し、車載エアコンコントローラ63は該情報を電池熱管理コントローラ62に伝送し、電池熱管理コントローラ62はポンプ12が初期設定回転速度(例えば、低い回転速度)から動作するように制御する。
その後に、電池熱管理コントローラ62は電池4の初期温度(即ち、現在の温度)、目標温度、及び初期温度から目標温度になるまでの目標時間tを取得し、目標温度と目標時間tが実際の状況に応じて予め設定されてよく、そして式(1)に基づいて電池4の第1の要求パワーを計算する。同時に、電池熱管理コントローラ62は、所定の時間内の電池4の平均電流Iを取得し、式(2)に基づいて電池4の第2の要求パワーを計算する。その後に、電池熱管理コントローラ62は、電池4の第1の要求パワーと第2の要求パワーに基づいて要求パワーP1(即ち、目標時間内に電池4の温度を目標温度に調整する要求パワー)を計算し、電池4を冷却するときに、P1=ΔT1*C*M/t+I2*R、電池4を加熱するときに、P1=ΔT1*C*M/t−I2*R。そして、電池熱管理コントローラ62は、第1の温度センサ14と第2の温度センサ15によって検出された温度情報をそれぞれ取得し、かつ流速センサ16によって検出された流速情報を取得し、式(3)に基づいて電池4の実際パワーP2を計算する。最後に、電池熱管理コントローラ62は、電池4のP1、P2に基づいて、ヒーター11のパワーを制御することにより電池4の加熱パワーを精確に制御し、車載エアコンは車載エアコンの冷却パワー、第1のファン501の回転速度、及び第1の調整弁の開度を制御することにより電池4の冷却パワーを精確に制御する。
電池4の要求パワーP1と実際パワーP2は上記方法で取得できると理解すべきである。
具体的には、上記実施形態から分かるように、異なる場合に、異なる方法で要求パワーP1を取得することができ、電池4を冷却する必要があるときに、電池4の初期温度が45℃で、目標温度が35℃であると仮定すると、電池4が45℃から35℃に低下するために放出する熱は一定であり、式(1)、即ちΔT1*C*M/tに基づいて直接計算して得る。同時に、電池4の冷却過程に放電と充電プロセスが存在し、この過程において熱が発生し、この部分の熱は電池4の平均電流Iを検出して直接取得されてよく、式(3)、即ちI2*Rに基づいて現在の電池4の発熱パワー、即ち第2の要求パワーを直接計算する。本願の冷却完了時間は、目標時間tに基づいて設定される(tがユーザ要求又は車両の実際の設計状況に応じて変更できる)。冷却完了に必要な目標時間tを決定すると、現在の電池4の冷却に必要な要求パワーP1を予測することができ、P1=ΔT1*C*M/t+I2*R。加熱機能がオンにされば、要求パワーP1=ΔT1*C*M/t−I2*R、つまり、電池4の加熱過程において、電池4の放電又は充電電流が大きければ大きいほど、必要な加熱パワー、即ち要求P1が小さい。
電池4の冷却時間は冷却効率の影響を受け、冷却効率が外部環境温度と電池4の現在の温度の影響を受け、電池4の冷却過程において、温度調整システムの効率も絶えず変化するため、冷却効率は100%であるわけがなく、P1しかに基づいて電池4の冷却時間を正確に調整することができず、電池4の実際パワーP2を検出する必要がある。本願では、電池4の実際パワーP2は式(3)、即ちΔT2*c*mに基づいて計算することができる。P2、即ち電池の実際冷却パワーP2は、式(4)、即ちΔT3*C*m1に基づいて計算して取得することができ、ΔT3がある時間内の電池4の温度変化であり、Cが電池4の比熱であり、m1が電池4の質量である。しかしながら、一般に電池の質量が大きいため、単位時間当たりに温度変化が明らかではなく、長時間を要してこそ温度差を検出することができ、リアルタイム性の要求に合致しないため、一般に式(3)に基づいてP2パワーを計算する。
冷却効率の影響を受けるため、P2が完全にP1に等しくなりにくく、電池4の冷却の目標時間tをより正確にするために、P1とP2に基づいてリアルタイムに調整することにより、電池4の要求パワーP1が電池の実際パワーP2に等しくなることを確保する必要がある。
本願の一実施形態によれば、図1に示すように、冷却モードにあるときに、コントローラ6は、さらに、要求パワーP1が実際パワーP2より大きいと、要求パワーP1と実際パワーP2の間のパワー差を取得し、かつパワー差に基づいて冷却パワーを向上させたり、第1のファン501の回転速度を向上させたり、第1の調整弁601の開度を大きくしたりし、そして、要求パワーP1が実際パワーP2以下であると、冷却パワーを低下させたり、第1の調整弁601の開度を小さくしたり、第1のファン501の回転速度を低下させたり、車載エアコンの冷却パワー、第1の調整弁601の開度及び第1のファン501の回転速度をそのまま保持したりする。
具体的には、冷却モードで動作するときに、コントローラ6は電池4の要求パワーP1と実際パワーP2を取得し、かつ判断する。電池4のP1がP2より大きければ、現在の冷却パワーで目標時間内に電池4の降温を完了できないことを示すため、コントローラは電池4の要求パワーP1と実際パワーP2の間のパワー差を取得し、かつパワー差に基づいてコンプレッサーの冷却パワーを向上させたり、第1のファン501の回転速度を向上させたり、第1の調整弁601の開度を大きくしたりして、エアコン通気口の温度を下げ、熱変換器3に吹き出される冷却風の風量を増加させ、熱変換器3の熱変換を加速する。P1とP2のパワー差が大きければ大きいほど、コンプレッサーの冷却パワー、第1のファン501の回転速度及び第1の調整弁601の開度を多く増加させることにより、所定の時間t内に電池4の温度を目標温度に下げる。その一方、P1がP2以下であれば、コントローラはコンプレッサーの冷却パワーを低下させ、第1のファン501の回転速度を低下させて電気エネルギーを節約するか、コンプレッサーの冷却パワー、第1のファン501の回転速度をそのまま保持する。電池の温度が第1の設定温度、例えば35℃より低いと、電池4の冷却が完了し、コントローラは第1の調整弁601と第1のファン501のオフオンを制御する。温度調整システムが冷却モードに入って長い時間、例えば1時間が経過した後、電池4の温度が依然として35℃より高ければ、コントローラはコンプレッサーの冷却パワーを適切に向上させ、第1のファン501の回転速度を向上させたり、第1の調整弁の開度を大きくしたりして、電池4が降温をできるだけ速く完了する。
図1〜2に示すように、本願の一実施形態によれば、加熱モードにあるときに、コントローラ6は、要求パワーP1が実際パワーP2より大きいと、要求パワーP1と実際パワーP2の間の温度差を取得し、かつ温度差に基づいてヒーター11の加熱パワーを向上させ、そして、要求パワーP1が実際パワーP2以下であると、ヒーターの加熱パワーを低下させるか、ヒーター11の加熱パワーをそのまま保持する。
具体的には、加熱モードで動作するときに、コントローラは電池4の要求パワーP1と実際パワーP2を取得し、かつ判断する。電池4のP1がP2より大きければ、現在の加熱パワーで目標時間内に電池4の昇温を完了できないことを示し、コントローラは電池4の要求パワーP1と実際パワーP2の間のパワー差(P1とP2のパワー差が大きければ大きいほど、ヒーター11のパワー向上が多い)を取得し、かつパワー差に基づいてヒーター11のパワーを向上させて、所定の時間t内に電池4の温度を目標温度に上げる。その一方、P1がP2以下であれば、ヒーター11の加熱パワーを低下させて電気エネルギーを節約するか、ヒーター11のパワーをそのまま保持する。電池の温度が第2の設定温度、例えば10℃に達すると、電池4の加熱が完了し、電池管理コントローラ61はCAN通信により電池熱管理コントローラ62に温度調整機能をオフにするという情報を送信して、ヒーター11が加熱を停止するように制御する。温度調整システムが加熱モードに入って長い時間、例えば2時間が経過した後、電池4の温度が依然として10℃より低ければ、コントローラはヒーター11のパワーを適切に向上させて、電池4が昇温をできるだけ速く完了する。
さらに、本願の一実施形態によれば、図1〜2に示すように、コントローラ6は、さらに、要求パワーP1が実際パワーP2以下であると、ポンプ12の回転速度を低下させるか又はポンプ12の回転速度をそのまま保持し、そして、要求パワーP1が実際パワーP2より大きいと、ポンプ12の回転速度を向上させる。
具体的には、温度調整システムが加熱モード又は冷却モードに入るときに、電池4のP1がP2以下であれば、コントローラはポンプ12の回転速度を低下させるように制御して、電気エネルギーを節約するか、ポンプ12の回転速度をそのまま保持する。電池4のP1がP2より大きければ、コンプレッサーの冷却パワー、第1のファン501の回転速度を向上させ、第1の調整弁601の開度を大きくするか又はヒーター11のパワーを向上させるように制御することに加え、また、ポンプ12の回転速度を向上させるように制御して、単位時間当たりに冷却流路の断面積を流れる媒体質量を増加させることにより、電池4の実際パワーP2を向上させて、目標時間t内に温度調整を実現する。
車載エアコン2の冷却風は電池の冷却を行うことに加え、車室内部の冷却を行うことができる。
図1〜2に示すように、エアコン通気口と車室の間に第4のエアダクト400が形成され、車載エアコン2は第4のエアダクト400に設置された第2の調整弁602及び第2のファン502をさらに含んでよい。車載エアコン2は第2のエアダクト200により車室に熱変換を行う。そして、図1において、車載エアコン2が第2のエアダクト200により半導体熱変換モジュール5に熱変換を行った後、半導体熱変換モジュール5は第3のエアダクト300により車室に熱変換を行い、図2において、車載エアコン2が第4のエアダクト400、車室及び第3のエアダクト300により半導体熱変換モジュール5に熱変換を行った後、半導体熱変換モジュール5は第2のエアダクト200により熱変換器3に熱変換を行う。
具体的には、図1〜2に示すように、電池冷却分岐路は熱変換器3により電池4に冷却パワーを供給し、第1の調整弁601は電池冷却分岐路の冷却通風量を制御することができる。第2の調整弁602は車内冷却回路の冷却通風量を制御することができる。電池の冷却機能がオンにされているときに、電池冷却分岐路は、エアコン通気口−第1の調整弁601−第1のファン401−熱変換器3である。車内冷却分岐路は、エアコン通気口−第2の調整弁602−第2のファン402−車室である。
好ましくは、コントローラは、さらに、車室の車室温度を取得し、かつ車室温度、要求パワーP1及び実際パワーP2に基づいて第1の調整弁601と第2の調整弁602の開度を調整する。
つまり、コントローラは車室内の空気温度を検出し、車室の空気温度、電池の要求パワーP1及び実際パワーP2に基づいて、各冷却回路のパワー分配を調整することにより、車内冷却と電池冷却の冷却要求をバランスさせる。
好ましくは、図1〜2に示すように、車載電池の温度調整システムは、半導体熱変換モジュール5の冷却部と接続された第4のファン504、及び半導体熱変換モジュール5の発熱側と接続された第5のファン505をさらに含んでよい。
具体的には、半導体熱変換モジュール5は発熱側と冷却部を有し、給電電源が逆接続された後、発熱側と冷却部は位置が変換される。半導体熱変換モジュール5の発熱側と冷却部には、いずれも加熱部と冷却部の熱変換を加速する熱変換ファン(第4のファン504と第5のファン505)が取り付けられる。
図3に示すように、コントローラは、半導体コントローラ64をさらに含んでよく、半導体コントローラ64は、半導体熱変換モジュール5とCAN通信を行い、半導体熱変換モジュール5のパワーを制御し、かつ第4のファン504と第5のファン505の回転速度を制御することができる。
車載エアコン2がパワーアップされた後、車載エアコンコントローラ63が電池管理コントローラ61によって送信された電池冷却機能オン情報を受信すれば、電池冷却機能がオンにされ、車載エアコンコントローラ63は電池冷却機能オン情報を電池熱管理コントローラ62及び半導体コントローラに送信する。車載エアコンコントローラ63は、電池管理コントローラ61によって送信された電池の要求パワーP1を受信し、該情報を電池熱管理コントローラ62及び半導体コントローラ64に送信する。電池の冷却過程において、車載エアコンコントローラ63は第1の調整弁601と第2の調整弁602をオンにするように制御すると共に、第1のファン501と第2のファン502が動作を開始するように制御する。車載エアコンコントローラ63は、電池熱管理コントローラ62によって送信された水温情報と電池の実際パワーP2を受信し、該情報を電池管理コントローラ61及び半導体コントローラ64に送信する。電池の冷却過程において、車載エアコンコントローラ63は、電池の要求パワーP1と電池の温度の実際パワーP2情報を比較し、要求パワーP1が温度の実際パワーP2より小さければ、電池の温度が45℃(高い温度)に達するか否かを判断し、電池の温度が45℃に達すれば、車載エアコンコントローラ63は第2の調整弁602の開度を小さくし、第1の調整弁601の開度を大きくし、車内冷却風の流量を低減し、電池冷却分岐路の冷却風の流量を増加させて、電池冷却と車内冷却の冷却力の分配を調整する。電池の温度が45℃以下であれば、車室内の温度がエアコンの設定温度に達するか否かを判断し、達すれば、車載エアコンコントローラ63は第2の調整弁602の開度を小さくし、第1の調整弁601の開度を大きくし、車室内の温度がエアコンの設定温度に達しなければ、車内の冷却力の要求を優先的に満たし、このときに、温度調整の要求パワーと温度調整の実際パワーの間の差の冷却パワーは、半導体熱変換モジュール5によって供給される。電池の冷却過程において、車載エアコンコントローラ63が電池管理コントローラ61によって送信された電池冷却完了情報を受信し、つまり、電池の温度が35℃に達すれば、車載エアコンコントローラ63は電池冷却完了情報を電池熱管理コントローラ62に伝送し、電池の冷却が完了する。
ここで、電池の平均温度に階層化処理を行い、温度制御の閾値がそれぞれ40℃、45℃及び35℃である。電池の温度が40℃より高いときに、電池の冷却機能がオンにされ、電池の温度が35℃に達すると、電池の冷却が完了し、電池の温度が45℃のような、高い温度に達するときに、車載エアコンは電池の冷却による冷却力の要求を優先的に満たす。また、P1がP2より小さいときに、電池の温度が45℃を超えなければ、依然として車室内の冷却力の要求を優先し、車室内の冷却パワーが十分であり、かつバランスを取れば、車載エアコンは電池の冷却パワーを向上させる。
図1に示すように、車載エアコンは3本の冷却分岐路を有してよく、それぞれ1本の電池冷却分岐路と2本の車内冷却分岐路を含む。第1の調整弁601は、電池冷却分岐路の冷却通風量を制御することができる。第2の調整弁602は、第1の車内冷却回路の冷却通風量を制御することができる。第3の調整弁603は、第2の車内冷却回路の冷却通風量を制御することができる。電池の冷却機能がオンにされているときに、電池冷却分岐路は、エアコン通気口−第1の調整弁601−第1のファン501−熱変換器3である。1番目の車内冷却分岐路は、エアコン通気口−第2の調整弁602−第2のファン502−車室である。2番目の車内冷却分岐路は、主に第3のファン503により車室内の空間に冷却風を供給し、冷却風が半導体熱変換モジュール5を通って冷却された後、車室内部に流入する。2番目の車内冷却分岐路は、エアコン通気口−第1の調整弁601−第1のファン501−第3の調整弁603−第3のファン503−半導体熱変換モジュール5−車室である。電池冷却機能がオンにされていないときに、第1の調整弁601はオフにされる。電池冷却機能がオンにされると、第1の調整弁601はオンにされる。電池の冷却配管内の媒体循環方向は、熱変換器3−ヒーター11(オフ)−ポンプ12−第1の温度センサ14−電池4−第2の温度センサ15−流速センサ16−媒体容器13−熱変換器3である。電池加熱機能がオンにされているときに、電池の冷却配管内の媒体循環方向は、熱変換器3−ヒーター11(オン)−ポンプ12−第1の温度センサ14−電池4−第2の温度センサ15−流速センサ16−媒体容器13−熱変換器3である。第4のファン504は冷却部の冷却風を車室に吹き出し、第5のファンは加熱部の風を車外に吹き出すことができる。
図1に示される技術手段のように、車載エアコン2の冷却風は第3の調整弁603と第3のファン503を通って、半導体熱変換モジュール5(順方向給電)の冷却部を通った後、温度が低下し、また車室に吹き出されて、車室を冷却するという役割を果たし、電池冷却による車載エアコンの車内冷却への影響を軽減する。
冷却過程において、半導体熱変換モジュール5は、電池の要求パワーP1と実際パワーP2を比較し、P1がP2より小さければ、半導体熱変換モジュール5の冷却パワーを向上させると共に、第4のファン504と第5のファン505が高い回転速度で動作するように制御して、半導体熱変換モジュール5の冷却パワーを向上させる。電池の冷却過程において、半導体熱変換モジュール5が車載エアコンの電池冷却完了情報を受信すれば、電池の冷却が完了する。
要するに、図1に示されるシステムのように、温度調整システムが冷却モードで動作するときに、電池冷却と車内冷却の初期パワーの分配は、以下のとおりである。
電池の温度調整の要求パワーがP1であり、電池の温度調整の実際パワーがP2であり、P3が半導体熱変換モジュールの最大冷却パワーであり、P6が車内冷却の要求パワーであり、P7が車載エアコンのコンプレッサーの最大冷却パワーであると仮定する。
要求パワーP1と車内冷却の要求パワーP6のパワーの和≦コンプレッサーの総パワーP7、即ち、P1+P6≦P7であると、コンプレッサーはP1+P6の冷却パワーで運転する。そして、P1<P7、P6<P7。同時に、第2の調整弁の開度を制御することにより、車内冷却パワーをP6にする。第1の調整弁と第3の調整弁の開度を制御することにより、電池の冷却パワーをP1にする。
P7<P1+P6≦P7+P3、Pe=P1+P6−P7、Pf=P1+P6−P3であると、コンプレッサーは最大冷却パワーP7で運転し、半導体熱変換モジュールは冷却パワーPeで運転する。電池冷却分岐路の冷却パワーがP1であり、車内冷却分岐路のパワー=P6である。或いは、半導体換気モジュールは最大冷却パワーP3で運転し、コンプレッサーは冷却パワーPfで運転する。同時に、第1の調整弁の開度を制御することにより、車内冷却パワーをP6にし、第1の調整弁の開度を制御することにより、電池の冷却パワーをP1にする。
P1+P6>P7+P3であれば、電池の温度が45℃より大きいか否かを判断し、45℃より大きければ、電池冷却に冷却パワーを優先的に供給し、コンプレッサーは最大冷却パワーP7で運転し、半導体熱変換モジュールは最大冷却パワーP3で運転し、同時にファンの回転速度を向上させる。第1の調整弁の開度を大きくすることにより、電池冷却分岐路の冷却パワーをP1にし、第2の調整弁の開度を小さくすることにより、車内冷却分岐路のパワーを=P7+P3−P1にする。電池の温度が45℃以下であると判断し、かつ車内温度が設定温度に達しなければ、車内に冷却パワーを優先的に供給し、コンプレッサーは最大冷却パワーP7で運転し、半導体熱変換モジュールは最大冷却パワーP3で運転し、同時にファンの回転速度を向上させる。第2の調整弁の開度を大きくすることにより、車内冷却分岐路の冷却パワーをP6にし、第2の調整弁の開度を小さくすることにより、電池冷却分岐路の冷却パワーを=P7+P3−P6にする。車内温度が設定温度に達すれば、電池の冷却パワーを優先的に満たす。
電池の冷却過程においてパワーの分配は、以下のとおりである。
P1>P2、かつPc=P1−P2、P1+P6+Pc<P7であれば、コンプレッサーは冷却パワーをPc向上させ、同時に第1の調整弁の開度を大きくし、ポンプの回転速度を向上させて、電池の冷却パワーを向上させる。
P1>P2、かつPc=P1−P2、P7<P1+P6+Pc≦P7+P3、Pg=P1+P6+Pc−P7、Ph=P1+P6+Pc−P3であれば、コンプレッサーは最大冷却パワーP7で運転し、半導体換気モジュールは冷却パワーPgで運転する。或いは、コンプレッサーは冷却パワーPhで運転し、半導体換気モジュールは最大冷却パワーP3で運転する。或いは、コンプレッサーは最大冷却パワーP7で運転し、半導体熱変換モジュールは冷却パワーをPc向上させる。或いは、コンプレッサーは冷却パワーをPc向上させ、半導体熱変換モジュールは最大冷却パワーP3で運転する。或いは、コンプレッサーは冷却パワーを変化させず、半導体熱変換モジュールは冷却パワーをPc向上させる。或いは、コンプレッサーは冷却パワーをPc向上させ、半導体熱変換モジュールは冷却パワーを変化させない。或いは、コンプレッサーは冷却パワーを0.5*Pc向上させ、半導体熱変換モジュールは冷却パワーを0.5Pc向上させる。或いは、コンプレッサーと半導体熱変換モジュールの最大冷却パワーの比に基づいて、それぞれ割合に応じて冷却パワーを向上させる。同時に第1の調整弁の開度を大きくし、ポンプの回転速度を向上させ、ファンの回転速度を向上させるように制御することにより、電池冷却分岐路の冷却パワーをPc向上させる。
P1>P2、Pc=P1−P2、かつP1+P6+Pc>P7+P3であれば、コンプレッサーは最大冷却パワーP7で運転し、半導体熱変換モジュールは最大冷却パワーP3で運転し、同時にファンの回転速度を向上させ、電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を向上させて、熱変換パワーを向上させる。このときに、電池の温度が45℃より大きいか否かを判断し、45℃より大きければ、電池冷却に冷却パワーを優先的に供給し、コンプレッサーは最大冷却パワーP7で運転し、半導体熱変換モジュールは最大冷却パワーP3で運転し、同時にファンの回転速度を向上させる。第1の調整弁の開度を大きくすることにより、電池冷却分岐路の冷却パワーをP1+Pcにし、第2の調整弁の開度を小さくすることにより、車内冷却分岐路のパワーを=P7+P3−P1−Pcにし、同時にポンプの回転速度を向上させ、ファンの回転速度を向上させるように制御することにより、電池冷却分岐路の冷却パワーをPc向上させる。電池の温度が45℃以下であると判断し、かつ車内温度が設定温度に達しなければ、車内に冷却パワーを優先的に供給し、コンプレッサーは最大冷却パワーP7で運転し、半導体熱変換モジュールは最大冷却パワーP3で運転し、同時にファンの回転速度を向上させる。第2の調整弁の開度を大きくすることにより、車内冷却分岐路の冷却パワーをP6にし、第1の調整弁の開度を小さくすることにより、電池冷却分岐路の冷却パワーを=P7+P3−P6にする。車内温度が設定温度に達すれば、電池の冷却パワーを優先的に満たす。
P1≦P2、かつPc=P2−P1であれば、コンプレッサーの冷却パワーをそのまま維持し、半導体冷却パワーをそのまま維持したり、コンプレッサーの冷却パワーを低下させ、半導体熱変換モジュールの冷却パワーを低下させたり、第1の調整弁の開度を小さくしたり、ポンプの回転速度を低下させたりすることにより、電池冷却分岐路の冷却パワーをPc低下させる。
温度調整システムが加熱モードで動作するときに、電池の温度調整の要求パワーがP1であり、電池の温度調整の実際パワーがP2であり、P4が半導体熱変換モジュールの最大加熱パワーであり、P5がヒーターの最大加熱パワーであると仮定する。
P1≦P5であれば、PTCヒーターは加熱パワーP1で電池に加熱パワーを供給する。
P1>P5、かつP1≦P5+P4、P1−P5=Pdであれば、ヒーターは最大加熱パワーP5で電池に加熱パワーを供給し、同時に半導体熱変換モジュールは加熱パワーPdで電池に加熱パワーを供給すると共に、第4のファンと第5のファンの回転速度を向上させ、電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を向上させて、熱変換パワーを向上させる。P1>P5、かつP1>P5+P4であれば、PCTヒーターは最大加熱パワーP5で電池に加熱パワーを供給し、同時に半導体熱変換モジュールは最大加熱パワーP3で電池に加熱パワーを供給すると共に、第4のファンと第5のファンの回転速度を向上させ、電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を向上させて、熱変換パワーを向上させる。
加熱過程において、P1≦P2、かつPc=P2−P1であれば、半導体熱変換モジュールは加熱パワーをPc低下させ、第4のファンと第5のファンの回転速度を低下させ、或いは、PTCヒーターは加熱パワーをPc低下させ、同時に電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を低下させて、電気エネルギーを節約する。或いは、現在の加熱パワーをそのまま保持する。
加熱過程において、P1>P2、Pc=P1−P2、かつP1+Pc≦P5であれば、PTCヒーターは加熱パワーをPc向上させ、同時に電池熱管理モジュールはポンプの回転速度を向上させるように制御して、電池の加熱パワーを向上させる。
P1>P2、Pc=P1−P2、かつP5<P1+Pc≦P5+P4、Pi=P1+Pc−P5、Pj=P1+Pc−P4であれば、PTCヒーターは最大加熱パワーP5で運転し、半導体熱変換モジュールは加熱パワーPiで運転する。或いは、PTCヒーターは加熱パワーPjで運転し、半導体熱変換モジュールは最大加熱パワーP4で運転する。或いは、PTCヒーターは最大加熱パワーP5で電池に加熱パワーを供給し、半導体熱変換モジュールは加熱パワーをPc向上させる。或いは、ヒーターは加熱パワーを変化させず、半導体熱変換モジュールは加熱パワーをPc向上させる。或いは、ヒーターは加熱パワーをPc向上させ、半導体熱変換モジュールは加熱パワーを変化させない。或いは、PTCヒーターは加熱パワーを0.5*Pc向上させ、半導体熱変換モジュールは加熱パワーを0.5Pc向上させ、或いは、PTCヒーターと半導体熱変換モジュールの最大加熱パワーの比に基づいて、それぞれ割合に応じて加熱パワーを向上させる。同時に第4のファンと第5のファンの回転速度を向上させ、電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を向上させて、熱変換パワーを向上させることにより、電池加熱パワーをPc向上させる。
P1>P2、Pc=P1−P2、かつP1+Pc>P5+P4であれば、PCTヒーターは最大加熱パワーP5で電池に加熱パワーを供給し、同時に半導体熱変換モジュールは最大加熱パワーP4で電池に加熱パワーを供給すると共に、第4のファンと第5のファンの回転速度を向上させ、電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を向上させて、熱変換パワーを向上させる。
図2は図1に比べて、主に、図2に示される技術手段において電池冷却分岐路が2本で、車内冷却分岐路が1本であるという点で相違する。1番目の電池冷却分岐路は、エアコン通気口−第1の調整弁601−第1のファン501−熱変換器3である。2番目の電池冷却分岐路は、車室−半導体熱変換モジュール5−第3のファン503−第3の調整弁603−第1のファン501−熱変換器3である。車内冷却分岐路は、エアコン通気口−第2の調整弁602−第2のファン502−車室である。2番目の電池冷却分岐路の冷却風は車室内の冷却風に由来し、車室内の冷却風が半導体熱変換モジュール5の冷却部を通って冷却された後、第3のファン503、第3の調整弁603及び第1のファン501を通って熱変換器3に冷却風を供給する。
図4〜5に示すように、本願は、温度調整システムをさらに提供し、図1に比べて、図4〜5に示される技術手段は、4において車内冷却がオンにされないときの冷却分岐路の概略図である。車内に冷却をオンにする要求がないため、車内温度に応じて電池冷却の冷却風を半導体熱変換モジュール5により車室に回収するか、又は車外に排出する必要があるか否かを決定することができる。電池の冷却風を回収する必要があると、4に示される技術手段のように、電池の冷却風は第3の調整弁603と第3のファン503を通って、半導体熱変換モジュール5の冷却部を通って車室内に吹き出されて、車室を冷却する。電池の冷却風を回収する必要がないと、5に示される技術手段のように、電池の冷却風は第3の調整弁603と第3のファン503を通って車外に直接排出される。
図6は別の温度調整システムであり、図2に比べて、図6に示される技術手段は、図2において車内冷却がオンにされないときの冷却分岐路の概略図である。このときに電池冷却分岐路は2本ある。1番目の電池冷却分岐路は、エアコン通気口−第1の調整弁601−第1のファン501−熱変換器3である。2番目の電池冷却分岐路は、車室−半導体熱変換モジュール5−第3のファン503−第3の調整弁603−第1のファン501−熱変換器3である。
さらに示すように、半導体コントローラ64が車載エアコンコントローラ63によって送信された電池冷却機能オン情報を受信すれば、電池冷却機能がオンにされ、半導体コントローラ64は電池冷却機能オン情報を電池熱管理コントローラ62に送信する。半導体コントローラ64は車載エアコンによって送信された電池の要求パワーP1を受信する。半導体コントローラ64は電池熱管理コントローラ62によって送信された水温情報と電池の実際パワーP2を受信する。電池冷却機能がオンにされている過程において、半導体熱変換モジュール5が順方向給電により、半導体熱変換モジュール5を冷却動作状態にし、車内の空気が第4のファン504を通って冷却部に吹き出されて、空気の温度を下げる。半導体熱変換モジュール5の冷却パワーは、要求パワーP1と実際パワーP2の差に基づいて決定される。半導体熱変換モジュールの冷却機能がオンにされると、第4のファン504と第5のファン505は動作を開始する。
図7は、別の車載電池の温度調整システムであり、図1に比べて、車載エアコン2と半導体熱変換モジュール5がいずれも動作しない点で大きく相違する。この技術手段は、車内/車外の環境温度が低いときに適用され、外部冷却空気は第2のファン502−第2の調整弁602−第1の調整弁601−第1のファン501を通って熱変換器3に吹き出されて、電池4に冷却パワーを供給する。
また、本願は、車載電池の温度調整システムをさらに提供し、図8に示すように、該車載電池の温度調整システムは、半導体熱変換モジュール5の冷却部と接続され、車室の第4の空気口と接続された第4のファン504、及び半導体熱変換モジュール5の発熱側と接続され、車外の第5の空気口と接続された第5のファン505をさらに含んでよい。
具体的には、図8に示される技術手段は図1に比べて、環境温度が低く、かつ電池の発熱量が高い動作状態に適用され、このときに電池冷却分岐路は2本分岐路あり、1番目の電池冷却分岐路は、エアコン通気口−第1の調整弁601−第1のファン501−熱変換器3である。2番目の電池冷却分岐路は、車外−冷却部−第3のファン503−第3の調整弁603−第1のファン501−熱変換器である。同時に車内加熱分岐路があり、車室内の風は半導体熱変換モジュール5の加熱部を通って加熱された後、車室内に吹き出されて、車室内の温度を上げる。
また、車載電池の温度調整システムが加熱モードで動作するときに、ヒーター11による加熱パワーの供給に加え、半導体熱変換モジュール5により加熱パワーを供給することができる。具体的には、図9に示すように、第3のファン503と半導体熱変換モジュール5の加熱部は接続される。
図6に示すように、半導体コントローラ64が車載エアコンコントローラ63によって送信された電池加熱機能オン情報を受信すれば、電池加熱機能がオンにされ、半導体コントローラは電池加熱機能オン情報を車載エアコンコントローラ63と電池熱管理コントローラ62に送信する。半導体コントローラ64は車載エアコンコントローラ63によって送信された電池の要求パワーP1を受信する。半導体コントローラ64は電池熱管理コントローラ62によって送信された水温情報と電池の温度調整の実際パワーを受信する。電池加熱機能がオンにされている過程において、半導体熱変換モジュール5が逆方向給電により、半導体熱変換モジュール5を加熱動作状態にし、車内の空気が第4のファン504を通って加熱部に吹き出されて、空気の温度を上げる。半導体熱変換モジュール5の加熱パワーは、電池の要求パワーP1と実際パワーP2の差に基づいて決定され、即ち、半導体熱変換モジュール5の加熱パワーはP1−P2に等しい。半導体熱変換モジュール5の加熱機能がオンにされると、第4のファン504と第5のファン505は動作を開始する。
図9に示すように、半導体熱変換モジュール5の加熱過程において、コントローラは電池の要求パワーP1と実際パワーP2の情報を比較し、P1がP2より小さければ、半導体熱変換モジュール5は加熱パワーを向上させると共に、第4のファン504と第5のファン505が高い回転速度で動作するように制御して、半導体熱変換モジュールの加熱パワーを向上させる。電池の加熱過程において、半導体コントローラ64が車載エアコンコントローラ63の電池加熱完了情報を受信すれば、電池の加熱が完了する。
本願の実施形態に係る車載電池の温度調整システムは、車載電池の実際の状態に応じて車載電池の加熱パワーと冷却パワーを精確に制御し、車載電池の温度が高過ぎるか又は低過ぎるときに温度を調整して、車載電池の温度を所定の範囲に維持することにより、温度が車載電池の性能に影響を及ぼす状況を回避することができる。
図10は、本願の実施形態1に係る車載電池の温度調整方法のフローチャートである。図1〜2に示すように、車載電池の温度調整システムは、熱変換器と、エアコン通気口を有し、エアコン通気口と熱変換器の間に第1のエアダクトが形成された車載エアコンと、冷却部と第1のファンの間に第2のエアダクトが形成され、冷却部と車室の間に第3のエアダクトが形成された半導体熱変換モジュールと、熱変換器と接続されて熱交換流路を形成する電池熱管理モジュールと、半導体熱変換モジュール、電池熱管理モジュール及び車載エアコンと接続されたコントローラとを含む。図10に示すように、車載電池の温度調整方法は、以下のステップS1〜S3を含む。
S1では、電池が熱変換を行う必要があるときに、電池の要求パワーP1を取得する。
好ましくは、本願の実施形態では、電池管理コントローラ61により電池の温度調整の要求パワーを取得することは、具体的には、以下を含む。電池管理コントローラ61により電池の温度調整開始時の第1のパラメータを取得し、かつ第1のパラメータに基づいて第1の要求パワーを生成する。電池管理コントローラ61により電池の温度調整中の第2のパラメータを取得し、かつ第2のパラメータに基づいて第2の要求パワーを生成する。電池管理コントローラ61により第1の要求パワーと第2の要求パワーに基づいて要求パワーP1を生成する。
好ましくは、本願の一実施形態によれば、第1のパラメータは電池の温度調整開始時の初期温度、目標温度、及び初期温度から上記目標温度になるまでの目標時間tであり、電池管理コントローラ61が第1のパラメータに基づいて第1の要求パワーを生成することは、具体的には、以下を含む。電池管理コントローラ61により初期温度と目標温度の間の第1の温度差ΔT1を取得する。第1の温度差ΔT1と目標時間tに基づいて第1の要求パワーP1を生成する。
好ましくは、本願の一実施形態によれば、電池管理コントローラ61は下式(1)に基づいて第1の要求パワーを生成し、
ΔT1*C*M/t (1)
ΔT1が初期温度と目標温度の間の第1の温度差であり、tが目標時間であり、Cが電池の比熱であり、Mが電池の質量である。
本願の一実施形態によれば、第2のパラメータは所定の時間内の電池の平均電流Iであり、下式(2)に基づいて第2の要求パワーを生成し、
I2*R (2)
Iが平均電流であり、Rが電池の内部抵抗である。
S2では、電池の実際パワーP2を取得する。
本願の一実施形態によれば、電池熱管理コントローラ62により電池の温度調整の実際パワーを取得することは、具体的には、電池熱管理コントローラ62により、電池の温度を調整する流路の入口温度と出口温度を取得すると共に、冷却液が流路に流入する流速vを取得することと、入口温度と出口温度に基づいて第2の温度差ΔT2を生成し、第2の温度差ΔT2と流速vに基づいて実際パワーP2を生成することとを含む。
好ましくは、本願の一実施形態によれば、下式(3)に基づいて実際パワーP2を生成し、
ΔT2*C*m、 (3)
ΔT2が第2の温度差であり、Cが電池の比熱であり、mが単位時間当たりに流路の断面積を流れる冷却液の質量であり、m=v*ρ*sであり、vが冷却液の流速であり、ρが冷却液の密度であり、sが流路の断面積である。
また、流速センサは、流量センサによって替わられてもよく、m=Q*ρ、Qが流量センサによって測定された単位時間当たりに流路の断面積を流れる冷却液の流量である。
S3では、要求パワーP1と実際パワーP2に基づいて車載エアコンと半導体熱変換モジュールの少なくとも一方が動作するように制御して電池の温度を調整する。
本願の実施形態では、要求パワーP1と実際パワーP2に基づいて、目標時間内に電池の温度が目標温度に達するように調整する。
具体的には、車両がパワーアップされると、電池管理コントローラ61により、電池に温度調整を行う必要があるか否かを判断し、電池の温度が高く、例えば40℃より高いと、車載電池の温度調整システムは冷却モードに入り、図1〜2に示すように、車載エアコンと電池熱管理モジュールは動作し、コントローラは第1の調整弁をオンにするように制御し、第1のファンは車載エアコンの冷却風を熱変換器に吹き出すことにより、熱変換器の冷却配管内の媒体を冷却し、媒体は電池熱管理モジュールを通って電池を冷却する。車載電池の温度調整システムが冷却モードで動作するときに、冷却風の流れは、エアコン通気口−第1の調整弁−第1のファン−熱変換器であり、媒体の流れは、熱変換器−電池熱管理モジュール−電池−電池熱管理モジュール−熱変換器である。また、電池を冷却するときに、図2に示すように、コントローラは半導体熱変換モジュールが動作するように制御し、第3のファンは半導体の冷却部の冷却パワーを第1のファンに吹き出し、第1のファンにより熱変換器に吹き出すことにより、熱変換器中の冷却配管内の媒体を冷却し、媒体は電池熱管理モジュールを通って電池を冷却する。
電池の冷却過程において、さらに電池管理コントローラ61により電池の初期温度(即ち、現在の温度)、目標温度、及び初期温度から目標温度になるまでの目標時間tを取得し、目標温度と目標時間tが車載電池の実際の状況に応じて予め設定されてよく、その後に、式(1)に基づいて第1の要求パワーを計算する。同時に、電池管理コントローラ61により、所定の時間内の電池の平均電流Iを取得し、式(2)に基づいて電池の第2の要求パワーを計算する。次に、第1の要求パワーと第2の要求パワーに基づいて要求パワーP1(即ち、電池の温度を目標温度に調整する要求パワー)を計算する。そして、電池熱管理コントローラ62により電池の入口温度と出口温度を取得すると共に、流速情報を取得し、式(3)に基づいて実際パワーP2を計算する。最後に、コントローラは要求パワーP1と実際パワーP2に基づいて車載エアコンと半導体熱変換モジュールのパワーを調整して、電池の温度を調整する。これにより、該制御方法は、電池の温度調整に必要な時間を精確に制御すると共に、電池に温度調整を行う実際パワーはリアルタイムに調整可能であるため、目標時間内に車載電池の温度調整を完了することを確保して、車載電池の温度を所定の範囲に維持することにより、温度が車載電池の性能に影響を及ぼす状況を回避することができる。
電池4とは、車両に取り付けられ、車両に動力出力を供給すると共に、車両の他の電気機器に電力を供給するエネルギー貯蔵装置を指し、繰り返し充電可能であると理解すべきである。
具体的には、図1に示すように、車載エアコンは電池に冷却パワーを供給し、電池熱管理モジュールとCAN通信を行うことができる。車載エアコンは、第1の調整弁のオン又はオフを制御し、かつ第1の調整弁の開度を調整することができる。第1のファンは、車載エアコンによって制御され、風速が調整可能である。
要求パワーP1は、電池の温度を目標温度に調整すると、電池に必要な温度調整パワーである。実際パワーP2は、現在電池に温度調整を行うときに、電池が実際に得る温度調整パワーである。目標温度は設定値であり、車載電池の実際の状況に応じて予め設定されてよく、例えば、冬の場合、室外の環境温度が低く、電池を加熱する必要があるため、目標温度を約10℃に設定してよく、夏の場合、電池を冷却する必要があるため、目標温度を約35℃に設定してよい。
電池の温度が高く、例えば40℃より高いと、車載電池の温度調整システムは冷却モードに入り、車載エアコンと電池熱管理モジュールは動作し、車載エアコンは第1の調整弁をオンにするように制御し、第1のファンは車載エアコンの冷却風を熱変換器に吹き出すことにより、熱変換器の冷却配管内の媒体を冷却し、媒体は電池熱管理モジュールを通って電池を冷却する。
電池を冷却するときに、電池管理コントローラ61により電池の初期温度(即ち、現在の温度)、目標温度、及び初期温度から目標温度になるまでの目標時間tを取得し、目標温度と目標時間tが実際の状況に応じて予め設定されてよく、そして、式(1)に基づいて第1の要求パワーを計算する。同時に、電池管理コントローラ61により、所定の時間内の電池の平均電流Iを取得し、式(2)に基づいて電池の第2の要求パワーを計算する。次に、電池管理コントローラ61により、電池の第1の要求パワーと第2の要求パワーに基づいて、電池の要求パワーP1(即ち、電池の温度を目標温度に調整する要求パワー)を計算する。そして、電池熱管理コントローラ62により電池の入口温度と出口温度を取得すると共に、流速情報を取得し、式(3)に基づいて電池の実際パワーP2を計算する。要求パワーP1は、電池の温度を設定された目標温度に調整するように電池に供給すべきパワーであり、実際パワーP2は、現在電池に温度調整を行うときに、電池が得る実際パワーであり、目標温度は設定値であり、車載電池の実際の状況に応じて予め設定されてよく、例えば、電池を冷却するときに、目標温度を約35℃に設定してよい。その後に、コントローラにより、要求パワーP1及び実際パワーP2に基づいて第1のファンのパワーと第1の調整弁の開度を調整する。例えば、P1がP2より大きければ、コントローラはコンプレッサーの冷却パワーを向上させ、第1のファンの回転速度を向上させ、第1の調整弁の開度を大きくして、電池の温度調整の実際パワーを向上させることにより、電池4が降温をできるだけ速く完了する。これにより、車載電池の温度が高過ぎるときに温度を調整して、車載電池の温度を所定の範囲に維持することにより、温度が車載電池の性能に影響を及ぼす状況を回避することができる。
本願の一実施形態によれば、図1〜2に示すように、電池熱管理モジュールは、熱交換流路に設置されたポンプ、第1の温度センサ、第2の温度センサ及び流速センサを含み、 ポンプは、熱変換流路中の媒体を流動させ、第1の温度センサは車載電池に流入する媒体の入口における温度を検出し、第2の温度センサは車載電池から流出する媒体の出口における温度を検出し、流速センサは熱変換流路中の媒体の流速を検出する。
好ましくは、図1〜2に示すように、電池熱管理モジュールは、熱交換流路に設置され、媒体を貯蔵し熱交換流路に媒体を供給する媒体容器をさらに含んでよい。
好ましくは、図1〜2に示すように、電池熱管理モジュールは、熱変換流路に設置され、熱変換流路中の媒体を加熱するヒーターをさらに含んでよい。
具体的には、車載電池の温度調整システムは、車載エアコン及び熱変換器により電池を冷却し、また、ヒーターにより媒体を加熱することにより、電池の温度が低いときに電池に温度調整を行うことができる。ヒーターはPTCヒーターであってよく、ヒーターは電池と直接接触せず、高い安全性、信頼性及び実用性を持つ。ポンプは主に動力を供給し、媒体容器は主に媒体を貯蔵し、かつ温度調整システムに添加される媒体を収容し、温度調整システムにおける媒体が減少すると、媒体容器中の媒体から自動的に補充することができる。第1の温度センサは電池流路入口における媒体温度を検出し、第2の温度センサは電池流路出口における媒体温度を検出する。流速センサは温度調整システムにおける配管内の媒体の流速情報を検出する。
本願の一実施形態によれば、図11に示すように、上記温度調整方法は、さらに電池管理コントローラ61により電池の温度を取得し、かつ電池の温度が第1の温度閾値より大きいか否かを判断することと(S10−S20)、電池の温度が第1の温度閾値より大きいと、電池管理コントローラ61により温度調整システムが冷却モードに入るように制御することと(S30)、電池の温度が第1の温度閾値以下であるときに、電池管理コントローラ61により電池の温度が第2の温度閾値より小さいか否かを継続して判断することと(S40)、電池の温度が第2の温度閾値より小さいと、電池管理コントローラ61により温度調整システムが加熱モードに入るように制御することと(S50)を含み、上記第1の温度閾値が上記第2の温度閾値より大きい。第1の温度閾値と第2の温度閾値は実際の状況に応じて予め設定されてよく、例えば、第1の温度閾値が40℃であってよく、第2の温度閾値が0℃であってよい。
具体的には、車両がパワーアップされると、電池管理コントローラ61により電池の温度をリアルタムに取得し、かつ判断する。電池の温度が40℃より高ければ、このときに該電池の温度が高過ぎることを示し、高温が該電池の性能に影響を及ぼすことを回避するために、電池に降温処理を行う必要があり、電池管理コントローラ61により温度調整システムが冷却モードに入るように制御し、かつ車載エアコンコントローラ63により第1の調整弁をオンにするように制御し、第1のファンは車載エアコンの冷却風を熱変換器に吹き出すことにより、熱変換器の冷却配管内の媒体を冷却し、媒体は電池熱管理モジュールを通って電池を冷却する。
電池の温度が0℃より低ければ、このときに電池の温度が低過ぎることを示し、低温が電池の性能に影響を及ぼすことを回避するために、電池に昇温処理を行う必要があり、電池管理コントローラ61により温度調整システムが加熱モードに入るように制御し、かつ電池熱管理コントローラ62によりヒーターを起動させるように制御し、同時に車載エアコンは第1の調整弁がオフ状態にあるように保持し、ヒーターにより冷却配管内の媒体を加熱することにより、媒体と電池が熱変換を行って、電池の温度調整を完了する。
さらに、本願の一実施形態によれば、図1〜2に示すように、車載エアコンは、第1のエアダクトに設置された第1の調整弁、及び熱変換器に対応する第1のファンを含み、冷却モードにあるときに、上記方法は、要求パワーP1が実際パワーP2より大きいか否かを判断することと、要求パワーP1が実際パワーP2より大きければ、要求パワーP1と実際パワーP2の間のパワー差を取得し、かつパワー差に基づいてコンプレッサーの冷却パワーを向上させると共に、第1のファンの回転速度を向上させるか又は第1の調整弁の開度を大きくすることと、要求パワーP1が実際パワーP2以下であれば、コンプレッサーの冷却パワーを低下させ、第1のファンの回転速度を低下させ、第1の調整弁の開度を小さくするか、又はコンプレッサーの冷却パワー、第1のファンの回転速度及び第1の調整弁の開度をそのまま保持することとをさらに含む。
具体的には、図1〜2に示されるシステムのように、温度調整システムが冷却モードで動作するときに、コントローラは電池の要求パワーP1と実際パワーP2を取得し、かつ判断する。電池のP1がP2より大きければ、現在の冷却パワーで目標時間内に電池の降温を完了できないことを示すため、コントローラは電池4の要求パワーP1と実際パワーP2の間のパワー差を取得し、かつ車載エアコンコントローラ63によりパワー差に基づいてコンプレッサーの冷却パワーを向上させ、第1のファンの回転速度を向上させ、第1の調整弁の開度を大きくすることにより、熱変換器に吹き出される冷却風の風量を増加させ、熱変換器の熱変換を加速する。P1とP2のパワー差が大きければ大きいほど、コンプレッサーの冷却パワー、第1のファンの回転速度及び第1の調整弁の開度の増加を多く増加させることにより、所定の時間t内に電池の温度を目標温度に下げる。その一方、P1がP2以下であれば、車載エアコンコントローラ63によりコンプレッサーの冷却パワーを低下させ、第1のファンの回転速度を低下させて電気エネルギーを節約するか、コンプレッサーの冷却パワー、第1のファンの回転速度をそのまま保持することができる。電池の温度が35℃より低いと、電池の冷却が完了し、電池管理コントローラ61はCAN通信により車載エアコンに温度調整機能をオフにするという情報を送信し、車載エアコンコントローラ63により第1の調整弁と第1のファンのオンオフを制御する。温度調整システムが冷却モードに入って長い時間、例えば1時間が経過した後、電池の温度が依然として35℃より高ければ、車載エアコンコントローラ63によりコンプレッサーの冷却パワー、第1のファンの回転速度を適切に向上させ、第1の調整弁の開度を適切に大きくすることにより、電池が降温をできるだけ速く完了する。
本願の一実施形態によれば、加熱モードにあるときに、上記方法は、さらに以下を含んでよい。要求パワーP1が実際パワーP2より大きいか否かを判断する。要求パワーP1が実際パワーP2より大きければ、要求パワーP1と実際パワーP2の間のパワー差を取得し、かつパワー差に基づいて電池を加熱するヒーターのパワーを向上させ、要求パワーP1が実際パワーP2以下であれば、ヒーターのパワーを低下させるか又はヒーターの加熱パワーをそのまま保持する。
具体的には、温度調整システムが加熱モードで動作するときに、コントローラにより電池の要求パワーP1と実際パワーP2を取得し、かつ判断する。電池のP1がP2より大きければ、現在の加熱パワーで目標時間内に電池の昇温を完了できないことを示し、コントローラにより電池の要求パワーP1と実際パワーP2の間のパワー差(P1とP2のパワー差が大きければ大きいほど、ヒーター11のパワー向上が多い)を取得し、かつ電池熱管理コントローラ62によりパワー差に基づいてヒーターのパワーを向上させて、所定の時間t内に電池の温度を目標温度に上げる。その一方、P1がP2以下であれば、電池熱管理コントローラ62によりヒーターの加熱パワーを低下させて電気エネルギーを節約するか、ヒーターのパワーをそのまま保持する。電池の温度が10℃に達すると、電池の加熱が完了し、電池熱管理コントローラ62によりヒーターが加熱を停止するように制御する。温度調整システムが加熱モードに入って長い時間、例えば2時間が経過した後、電池の温度が依然として10℃より低ければ、電池熱管理コントローラ62によりヒーターのパワーを適切に向上させて、電池が昇温をできるだけ速く完了する。
さらに、本願の一実施形態によれば、図1〜2に示すように、上記方法は、要求パワーP1が実際パワーP2以下であると、ポンプの回転速度を低下させるか又はポンプの回転速度をそのまま保持し、そして、要求パワーP1が実際パワーP2より大きいと、ポンプの回転速度を向上させることをさらに含む。
具体的には、温度調整システムが加熱モード又は冷却モードに入るときに、電池のP1がP2以下であれば、電池熱管理コントローラ62によりポンプの回転速度を低下させるように制御して、電気エネルギーを節約するか、ポンプの回転速度をそのまま保持する。電池のP1がP2より大きければ、車載エアコンコントローラ63によりコンプレッサーの冷却パワー、第1のファンの回転速度を向上させ、第1の調整弁の開度を大きくするか又は電池熱管理コントローラ62によりヒーターのパワーを向上させるように制御することに加え、また、電池熱管理コントローラ62によりポンプの回転速度を向上させるように制御して、単位時間当たりに冷却流路の断面積を流れる媒体質量を増加させることにより、電池の実際パワーP2を向上させて、目標時間t内に温度調整を実現する。
本願の一実施形態によれば、図1〜2に示すように、エアコン通気口と上記車室の間に第4のエアダクトが形成され、車載エアコンは第4のエアダクトに設置された第2の調整弁及び第2のファンを含み、上記方法は、車室の車室温度を取得し、かつ車室温度、要求パワーP1及び実際パワーP2に基づいて第1の調整弁と第2の調整弁の開度を調整することをさらに含む。
好ましくは、車室温度、要求パワーP1及び実際パワーP2に基づいて上記第1の調整弁と第2の調整弁の開度を調整することは、要求パワーP1が実際パワーP2より小さいか否かを判断することと、要求パワーP1が実際パワーP2より小さければ、電池の温度が第1の所定温度閾値より大きいか否かを判断することと、電池の温度が第1の所定温度閾値より大きければ、第2の調整弁の開度を小さくし、第1の調整弁の開度を大きくすることとを含む。第1の所定温度閾値が実際の状況に応じて予め設定されてよく、例えば、45℃であってよい。
好ましくは、電池の温度が第1の所定温度閾値より大きければ、さらに車室内の温度がエアコンの所定温度に達するか否かを判断し、エアコンの所定温度に達しなければ、第2の調整弁の開度を大きくし、第1の調整弁の開度を小さくし、エアコンの所定温度に達すれば、第2の調整弁の開度を小さくし、第1の調整弁の開度を大きくする。
具体的には、図1〜2に示すように、電池冷却分岐路は熱変換器により電池に冷却パワーを供給し、第1の調整弁は電池冷却分岐路の冷却通風量を制御することができる。第2の調整弁は車内冷却回路の冷却通風量を制御することができる。電池の冷却機能がオンにされているときに、電池冷却分岐路は、エアコン通気口−第1の調整弁−第1のファン−熱変換器である。車内冷却分岐路は、エアコン通気口−第2の調整弁−第2のファン−車室である。
つまり、車室内の空気温度を検出し、車室の空気温度、電池の要求パワーP1及び実際パワーP2に基づいて、各冷却回路のパワー分配を調整することにより、車内冷却と電池冷却の冷却要求をバランスさせる。
本願の一実施形態によれば、図1〜2に示すように、半導体熱変換モジュールは、上記第2のエアダクトにおいて、上記半導体熱変換モジュールの冷却部に対応して設置された第3のファン及び第3の調整弁をさらに含む。半導体熱変換モジュールは加熱部と冷却部を有する。第3のファンは半導体熱変換モジュールの冷却部に対応する。
好ましくは、本願の一実施形態によれば、図1〜2に示すように、車載電池の温度調整システムは、半導体熱変換モジュールの冷却部と接続され、車室の第4の空気口と接続された第4のファン、及び半導体熱変換モジュールの発熱側と接続された第5のファンをさらに含む。
具体的には、半導体熱変換モジュールは発熱側と冷却部を有し、給電電源が逆接続された後、発熱側と冷却部は位置が変換される。半導体熱変換モジュールの発熱側と冷却部には、いずれも加熱部と冷却部の熱変換を加速する熱変換ファン(第4のファンと第5のファン)が取り付けられる。熱変換ファンの回転速度の向上により、半導体熱変換モジュールの冷却パワーを向上させることができる。
電池冷却機能がオンにされた後、電池管理コントローラ61により電池の要求パワーP1を取得する。電池の冷却過程において、車載エアコンコントローラ63により第1の調整弁と第2の調整弁をオンにするように制御すると共に、第1のファンと第2のファンが動作を開始するように制御する。同時に、電池熱管理コントローラ62により電池の実際パワーP2を取得する。電池の冷却過程において、電池の要求パワーP1と電池の温度の実際パワーP2の情報を比較し、要求パワーP1が温度の実際パワーP2より小さければ、電池の温度が45℃(高い温度)に達するか否かを判断し、電池の温度が45℃に達すれば、車載エアコンコントローラ63により第2の調整弁の開度を小さくし、第1の調整弁の開度を大きくし、車内冷却風の流量を低減し、電池冷却分岐路の冷却風の流量を増加させて、電池冷却と車内冷却の冷却力の分配を調整する。電池の温度が45℃以下であれば、車室内の温度がエアコンの設定温度に達するか否かを判断し、達すれば、車載エアコンコントローラ63により第2の調整弁の開度を小さくし、第1の調整弁の開度を大きくし、車室内の温度がエアコンの設定温度に達しなければ、車内の冷却力の要求を優先的に満たし、このときに、温度調整の要求パワーと温度調整の実際パワーの間の差の冷却パワーは、半導体熱変換モジュールによって供給される。電池の冷却過程において、車載電池の温度が35℃に達すれば、車載エアコンは電池冷却完了情報を電池熱管理コントローラ62に伝送し、電池の冷却が完了する。
ここで、電池の平均温度に階層化処理を行い、温度制御の閾値がそれぞれ40℃、45℃及び35℃である。電池の温度が40℃より高いときに、電池の冷却機能がオンにされ、電池の温度が35℃に達すると、電池の冷却が完了し、電池の温度が45℃のような、高い温度に達するときに、車載エアコンは電池の冷却による冷却力の要求を優先的に満たす。また、P1がP2より小さいときに、電池の温度が45℃を超えなければ、依然として車室内の冷却力の要求を優先し、車室内の冷却パワーが十分であり、かつバランスを取れば、車載エアコンは電池の冷却パワーを向上させる。
図1に示すように、車載エアコンは3本の冷却分岐路を有してよく、それぞれ1本の電池冷却分岐路と2本の車内冷却分岐路を含む。第1の調整弁は、電池冷却分岐路の冷却通風量を制御することができる。第2の調整弁は、1番目の車内冷却回路の冷却通風量を制御することができる。第3の調整弁は、2番目の車内冷却回路の冷却通風量を制御することができる。電池の冷却機能がオンにされているときに、電池冷却分岐路は、エアコン通気口−第1の調整弁−第1のファン−熱変換器である。1番目の車内冷却分岐路は、エアコン通気口−第2の調整弁−第2のファン−車室である。2番目の車内冷却分岐路は、主に第3のファンにより車室内の空間に冷却風を供給し、冷却風が半導体熱変換モジュールを通って冷却された後、車室内部に流入する。2番目の車内冷却分岐路は、エアコン通気口−第1の調整弁−第1のファン−第3の調整弁−第3のファン−半導体熱変換モジュール−車室である。電池冷却機能がオンにされていないときに、第1の調整弁はオフにされる。電池冷却機能がオンにされると、第1の調整弁はオンにされる。電池の冷却配管内の媒体循環方向は、熱変換器−ヒーター(オフ)−ポンプ−第1の温度センサ−電池−第2の温度センサ−流速センサ−媒体容器−熱変換器である。電池の加熱機能がオンにされているときに、電池の冷却配管内の媒体循環方向は、熱変換器−ヒーター(オン)−ポンプ−第1の温度センサ−電池−第2の温度センサ−流速センサ−媒体容器−熱変換器である。第4のファンは冷却部の冷却風を車室に吹き出し、第5のファンは加熱部の風を車外に吹き出すことができる。
図1に示される技術手段のように、車載エアコンの冷却風は第3の調整弁と第3のファンを通って、半導体熱変換モジュール(順方向給電)の冷却部を通った後、温度が低下し、また車室に吹き出されて、車室を冷却するという役割を果たし、電池冷却による車載エアコンの車内冷却への影響を軽減する。
冷却過程において、電池の要求パワーP1と実際パワーP2を比較し、P1がP2より小さければ、半導体熱変換モジュール5の冷却パワーを向上させると共に、第4のファンと第5のファンが高い回転速度で動作するように制御して、半導体熱変換モジュールの冷却パワーを向上させる。電池の冷却過程において、半導体熱変換モジュールが車載エアコンの電池冷却完了情報を受信すれば、電池の冷却が完了する。
図2は図1に比べて、主に図2に示される技術手段において電池冷却分岐路が2本で、車内冷却分岐路が1本であるという点で相違する。1番目の電池冷却分岐路は、エアコン通気口−第1の調整弁−第1のファン−熱変換器である。2番目の電池冷却分岐路は、車室−半導体熱変換モジュール−第3のファン−第3の調整弁−第1のファン−熱変換器である。車内冷却分岐路は、エアコン通気口−第2の調整弁−第2のファン−車室である。2番目の電池冷却分岐路の冷却風は車室内の冷却風に由来し、車室内の冷却風が半導体熱変換モジュールの冷却部を通って冷却された後、第3のファン、第3の調整弁及び第1のファンを通って熱変換器に冷却風を供給する。
本願の一実施形態によれば、図8に示すように、車載電池の温度調整システムは、半導体熱変換モジュールの発熱側と接続され、車室の第4の空気口と接続された第4のファン、及び半導体熱変換モジュールの冷却部と接続され、車外の第5の空気口と接続された第5のファンをさらに含む。
具体的には、図8に示される技術手段は図1に比べて、環境温度が低く、かつ電池の発熱量が高い動作状態に適用され、このときに電池冷却分岐路は2本分岐路あり、1番目の電池冷却分岐路は、エアコン通気口−第1の調整弁−第1のファン−熱変換器である。2番目の電池冷却分岐路は、車外−冷却部−第3のファン−第3の調整弁−第1のファン−熱変換器3である。同時に車内加熱回路があり、車室内の風は半導体熱変換モジュールの加熱部を通って加熱された後、車室内に吹き出されて、車室内の温度を上げる。
また、車載電池の温度調整システムが加熱モードで動作するときに、ヒーターによる加熱パワーの供給に加え、半導体熱変換モジュールにより加熱パワーを供給することができる。具体的には、図9に示すように、第3のファンと半導体熱変換モジュールの発熱側は接続される。
電池加熱機能がオンにされている過程において、半導体熱変換モジュールが逆方向給電により、半導体熱変換モジュールを加熱動作状態にし、車内の空気が第4のファンを通って加熱部に吹き出されて、空気の温度を上げる。半導体熱変換モジュールの加熱パワーは、電池の要求パワーP1と実際パワーP2の差に基づいて決定され、即ち、半導体熱変換モジュールの加熱パワーはP1−P2に等しい。半導体熱変換モジュールの加熱機能がオンにされると、第4のファンと第5のファンは動作を開始する。
図9に示すように、半導体熱変換モジュールの加熱過程において、半導体熱変換モジュールは電池の要求パワーP1と実際パワーP2の情報を比較し、P1がP2より小さければ、半導体熱変換モジュールは加熱パワーを向上させると共に、第4のファンと第5のファンが高い回転速度で動作するように制御して、半導体熱変換モジュールの加熱パワーを向上させる。電池の加熱過程において、半導体熱変換モジュールが車載エアコンの電池加熱完了情報を受信すると、電池の加熱が完了する。
本願の実施形態に係る車載電池の温度調整方法は、各電池の実際の状態に応じて各電池の加熱パワーと冷却パワーを精確に制御し、電池の温度が高過ぎるか又は低過ぎるときに温度を調整して、電池の温度を所定の範囲に維持することにより、温度が車載電池の性能に影響を及ぼす状況を回避することができる。
本願の実施形態は、プロセッサによって実行されるときに上記温度調整方法を実現するコンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
本願の実施形態の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、電池が熱変換を行う必要があるときに、電池の温度調整の要求パワーと温度調整の実際パワーを取得し、温度調整の要求パワーと温度調整の実際パワーに基づいて電池の温度を調整して、車載電池の温度が高過ぎるときに温度を調整して、車載電池の温度を所定の範囲に維持することにより、温度が高過ぎて車載電池の性能に影響を及ぼす状況を回避する。
図12〜13は本願の実施形態7に係る車載電池の温度調整システムの構造概略図である。図12〜13に示すように、該車載電池の温度調整システムは、電池熱管理モジュール1、半導体熱変換モジュール5、電池冷却分岐路30、車載エアコン2、車内冷却分岐路20、及びコントローラ6を含む。
電池冷却分岐路30は熱変換器3を含む。半導体熱変換モジュール5は熱変換器3を冷却する。電池熱管理モジュール1は電池4及び熱変換器3と接続される。電池熱管理モジュール1は電池4及び熱変換器3と接続される。車載エアコン2は、コンプレッサー201、コンデンサ202を含む。車内冷却分岐路20はコンプレッサー201及び熱変換器3と接続される。コントローラは電池の要求パワーP1と実際パワーP2を取得し、要求パワーP1と実際パワーP2に基づいて半導体熱変換モジュール5及び/又は車載エアコン2が電池に温度調整を行うように制御する。
具体的には、半導体熱変換モジュール5は加熱部と冷却部を有し、給電電源が逆接続された後、加熱部と冷却部は位置が変換される。半導体熱変換モジュール5の加熱部と冷却部には、いずれも加熱部と冷却部の熱変換を加速する熱変換ファン(第4のファン504と第5のファン505)が取り付けられる。熱変換ファンの回転速度の向上により、半導体熱変換モジュール5の冷却/加熱パワーを向上させることができる。図12は、半導体熱変換モジュールの電源が正接続されることを示し、図13は、導体熱変換モジュールの電源が逆接続されることを示す。
電池4の温度が高く、例えば40℃より高いと、車載電池の温度調整システムは冷却モードに入り、電池熱管理モジュール1と半導体熱変換モジュール5は動作し、半導体熱変換モジュール5は順方向に給電し、冷却部が冷却を開始し、かつ第4のファン504により冷却風を熱変換器に吹き出して、熱変換器3の冷却配管内の媒体を冷却し、媒体は電池熱管理モジュール1を通って電池を冷却し、同時に第5のファン505は加熱部の熱を車外に吹き出す。
電池の温度が低すぎ、例えば0℃より低いと、車載電池の温度調整システムは加熱モードに入り、電池熱管理モジュール1と半導体熱変換モジュール5は動作し、半導体熱変換モジュール5は逆方向に給電し、半導体加熱部が加熱を開始し、かつ第4のファン504により加熱風を熱変換器3に吹き出して、熱変換器3の冷却配管内の媒体を冷却し、媒体は電池熱管理モジュール1を通って電池を冷却し、同時に第5のファン505は冷却部の冷風を車外に吹き出す。
図12〜13に示すように、車載エアコン2は冷却分岐路を構成する。例えば、冷却分岐路は、直列接続されたコンプレッサー201とコンデンサ202を含み、エバポレーター21、第1の膨張弁22及び第1の電子弁23は車内冷却分岐路20を構成し、熱変換器3、第2の膨張弁31、及び第2の電子弁32は電池冷却分岐路30を構成する。
熱変換器3はプレート式熱交換器であってよく、その物理的位置が車載エアコンのコンプレッサー201の所在する回路にあってよく、車載エアコンの出荷デバッグに役立ち、車載エアコンを個別に供給し組み立てると共に、取付過程において車載エアコンに媒体を1回追加すればよい。熱変換器の物理的位置は電池熱管理モジュール1内にあってよい。
車載エアコンの内部には、コンデンサ202から2本の独立した冷却分岐路が分けられ、それぞれが車内冷却分岐路20と電池冷却分岐路30である。車内冷却分岐路20は、主にエバポレーター21により車室内の空間に冷却パワーを供給し、電池冷却分岐路は、主に熱変換器3により電池に冷却パワーを供給する。電池冷却分岐路の冷却パワーは、主に2つの供給源があり、一方は、コンプレッサー201の冷媒が熱変換器3に流入し、熱変換器3に冷却パワーを供給し、他方は、半導体熱変換モジュール5の冷却部が第4のファン504により熱変換器3に冷却風を吹き出して、熱変換器に冷却パワーを供給する。
第1の電子弁23と第2の電子弁32は、それぞれ車内冷却分岐路20と電池冷却分岐路30のオン及びオフを制御する。第1の膨張弁22と第2の膨張弁31は、それぞれ車内冷却分岐路20と電池冷却分岐路30の冷媒流量を制御して、それぞれ車内冷却分岐路20と電池冷却分岐路30の冷却パワーを制御することができる。
電池4の冷却機能がオンにされているときに、冷媒は2つの流れ方向があり、車内冷却分岐路20は、コンプレッサー201−コンデンサ202−第1の電子弁23−第1の膨張弁22−エバポレーター21−コンプレッサー201であり、電池冷却分岐路30は、コンプレッサー201−コンデンサ202−第2の電子弁32−第2の膨張弁31−熱変換器3−コンプレッサー201である。また、半導体熱変換モジュール5は、車室内の冷却風を半導体熱変換器の冷却部により冷却した後、第4のファン504により熱変換器3に吹き出す。電池冷却機能がオンにされていないときに、第2の電子弁32はオフにされる。電池冷却機能がオンにされると、第2の電子弁32はオンにされる。このときに、車内に冷却が必要がなければ、第1の電子弁32はオフにされる。電池冷却機能がオンにされていないと、半導体熱変換モジュールは通電しない。図12に示すように、車両がパワーアップされると、コントローラ6は電池の温度をリアルタムに取得し、かつ判断する。電池の温度が40℃より高ければ、このときに該電池4の温度が高過ぎることを示し、高温が該電池4の性能に影響を及ぼすことを回避するために、電池4に降温処理を行う必要があり、温度調整システムは冷却モードに入り、コントローラは第2の電子弁32をオンにするように制御し、半導体熱変換モジュール5が順方向に給電するように制御する。電池を冷却するときに、第1の電子弁はオンにされ、冷媒の流れは、コンプレッサー201−コンデンサ202−第2の電子弁32−第2の膨張弁31−熱変換器3であり、媒体の流れは、熱変換器3−ヒーター11(オフ)−ポンプ12−第1の温度センサ14−電池4−第2の温度センサ15−流速センサ16−媒体容器13−熱変換器3である。
図13に示すように、電池4の温度が0℃より低ければ、このときに電池4の温度が低過ぎることを示し、低温が電池4の性能に影響を及ぼすことを回避するために、電池4に昇温処理を行う必要があり、温度調整システムは加熱モードに入り、第2の電子弁32がオフ状態にあるように保持し、半導体熱変換モジュール5は逆方向に給電する。
電池4を冷却するか又は加熱するときに、コントローラ6は、電池の要求パワーP1と実際パワーP2をリアルタイムに取得し、要求パワーP1は、電池の温度を設定された目標温度に調整するように電池4に供給すべきパワーであり、実際パワーP2は、現在電池に温度調整を行うときに、電池4が得る実際調整パワーであり、目標温度は設定値であり、車載電池の実際の状況に応じて予め設定されてよく、例えば、電池を冷却するときに、目標温度を約35℃に設定してよく、電池を加熱するときに、目標温度を約10℃にしてよい。同時に、コントローラは要求パワーP1と実際パワーP2に基づいて半導体熱変換モジュール5又はコンプレッサーのパワーを調整し、例えば、電池を冷却するときに、P1がP2より大きければ、半導体熱変換モジュール5のパワーを向上させ、かつ第4のファン504と第5のファン505の回転速度を向上させるように制御するか、コンプレッサー201のパワーを向上させるように制御することにより、電池4が降温をできるだけ速く完了する。これにより、該温度調整システムは、車載電池の温度が高過ぎるか又は低過ぎるときに温度を調整して、車載電池の温度を所定の範囲に維持することにより、温度が車載電池の性能に影響を及ぼす状況を回避することができる。
図14に示すように、各電子弁と膨張弁は車載エアコンコントローラ63によって制御されると理解すべきである。図12〜13に示すように、電池熱管理モジュール1は、熱交換流路に設置されたポンプ12、第1の温度センサ14、第2の温度センサ15及び流速センサ16を含み、ポンプ12は、熱変換流路中の媒体を流動させ、第1の温度センサ14は車載電池に流入する媒体の入口における温度を検出し、第2の温度センサ15は車載電池から流出する媒体の出口における温度を検出し、流速センサ16は熱変換流路中の媒体の流速を検出する。
好ましくは、図12〜13に示すように、電池熱管理モジュール1は、熱交換流路に設置され、媒体を貯蔵し熱交換流路に媒体を供給する媒体容器13をさらに含んでよい。
以下、具体的な例を組み合わせて電池4の要求パワーP1と実際パワーP2をどのように取得するかを説明する。
本願の一実施形態によれば、コントローラは電池の温度調整開始時の第1のパラメータを取得し、第1のパラメータに基づいて電池に温度調整を行う第1の要求パワーを生成し、そして、電池の温度調整中の第2のパラメータを取得し、第2のパラメータに基づいて電池に温度調整を行う第2の要求パワーを生成すると共に、電池の第1の要求パワーと電池の第2の要求パワーに基づいて電池の要求パワーP1を生成する。
好ましくは、本願の一実施形態によれば、第1のパラメータは電池の温度調整開始時の初期温度、目標温度、及び初期温度から目標温度になるまでの目標時間tであり、初期温度と目標温度の間の第1の温度差ΔT1を取得し、かつ第1の温度差ΔT1と目標時間tに基づいて第1の要求パワーを生成する。
好ましくは、下式(1)に基づいて第1の要求パワーを生成し、
ΔT1*C*M/t (1)
ΔT1が初期温度と目標温度の間の第1の温度差であり、tが目標時間であり、Cが電池4の比熱であり、Mが電池4の質量である。
第2のパラメータは所定の時間内の電池の平均電流Iであり、下式(2)に基づいて第2の要求パワーを生成し、
I2*R (2)
Iが平均電流であり、Rが電池4の内部抵抗である。
具体的には、電流ホールセンサにより電池4の充放電電流パラメータを検出し、電池管理コントローラ61はある時間内の電池4の電流パラメータに基づいて、電池4の平均電流を推定することができる。
電池4を冷却するときに、P1=ΔT1*C*M/t+I2*R、電池4を加熱するときに、P1=ΔT1*C*M/t−I2*R。
本願の一実施形態によれば、コントローラは、さらに第1の温度センサ14によって検出された入口温度と、第2の温度センサによって検出された出口温度とに基づいて第2の温度差ΔT2を生成し、かつ各電池の第2の温度差ΔT2と、流速センサによって検出された流速vとに基づいて電池の実際パワーP2を生成する。
好ましくは、本願の一実施形態によれば、下式(3)に基づいて実際パワーP2を生成し、
ΔT2*c*m (3)
ΔT2が第2の温度差であり、cが流路中の媒体の比熱であり、mが単位時間当たりに流路の断面積を流れる媒体質量であり、m=v*ρ*sであり、vが媒体の流速であり、ρが媒体の密度であり、sが流路の断面積である。
本願の一実施形態によれば、コントローラは、さらに電池の温度を取得し、電池の温度が第1の温度閾値より大きか否かを判断し、電池の温度が第1の温度閾値より大きいと、冷却モードに入り、電池の温度が第1の温度閾値以下であるときに、電池の温度が第2の温度閾値より小さいか否かを継続して判断し、電池の温度が第2の温度閾値より小さいと、加熱モードに入り、第1の温度閾値が第2の温度閾値より大きく、第1の温度閾値と第2の温度閾値は実際の状況に応じて予め設定されてよく、例えば、第1の温度閾値が40℃であってよく、第2の温度閾値が0℃であってよい。
具体的には、車両がパワーアップされると、コントローラ6は電池の温度をリアルタムに取得し、かつ判断する。電池の温度が40℃より高ければ、このときに該電池の温度が高過ぎることを示し、高温が該電池の性能に影響を及ぼすことを回避するために、電池に降温処理を行う必要があり、温度調整システムは冷却モードに入る。その一方、電池の温度が0℃より低ければ、このときに電池4の温度が低過ぎることを示し、低温が電池の性能に影響を及ぼすことを回避するために、電池に昇温処理を行う必要があり、温度調整システムは加熱モードに入り、コントローラ6はヒーターを起動させるように制御し、同時に第2の電子弁32がオフ状態にあるように保持する。
本願の一実施形態によれば、図12〜13に示すように、冷却モードにあるときに、コントローラ6は、さらに、要求パワーP1が実際パワーP2より大きいと、要求パワーP1と実際パワーP2の間のパワー差を取得することにより、半導体熱変換モジュール5がパワー差に基づいてパワーを向上させ、そして、要求パワーP1が実際パワーP2以下であると、半導体熱変換モジュール5のパワー及び/又はコンプレッサーの冷却パワーを低下させて、電気エネルギーを節約するか、又は半導体熱変換モジュール5及び/又はコンプレッサーのパワーをそのまま保持する。
具体的には、温度調整システムが冷却モードで動作するときに、コントローラ6は電池4の要求パワーP1と実際パワーP2を取得し、かつ判断する。電池4のP1がP2より大きければ、現在の冷却パワーで目標時間内に電池4の降温を完了できないことを示すため、コントローラは電池4の要求パワーP1と実際パワーP2の間のパワー差を取得し、かつパワー差に基づいて半導体熱変換モジュール5のパワーと第4のファン504、第5のファン505の回転速度を向上させて、所定の時間t内に電池4の温度を目標温度に下げる。その一方、P1がP2以下であれば、コントローラ6は半導体熱変換モジュール5の冷却パワー、第4のファン504及び第5のファン505の回転速度、コンプレッサーの冷却パワーを低下させて電気エネルギーを節約するか、半導体熱変換モジュール5及びコンプレッサーのパワーをそのまま保持する。電池の温度が35℃より低いと、電池4の冷却が完了し、コントローラ6は半導体熱変換モジュール5が冷却を停止するように制御すると共に、第2の電子弁32をオフにするように制御する。温度調整システムが冷却モードに入って長い時間、例えば1時間が経過した後、電池4の温度が依然として35℃より高ければ、コントローラ6は冷却パワーを適切に向上させ、第4のファン504及び第5のファン505の回転速度を適切に向上させて、電池4が降温をできるだけ速く完了する。
温度調整システムが冷却モードで動作するときに、要求パワーP1が実際パワーP2より大きければ、コントローラ6は、さらに電池の温度が第1の所定温度閾値より大きいか否かを判断し、電池の温度が第1の所定温度閾値以上であれば、コントローラ6は、電池冷却分岐路の冷却液流量を増加させ、かつ車内冷却分岐路の冷却液流量を減少させ、電池の温度が第1の所定温度閾値より小さければ、コントローラは、車室内の温度がエアコンの設定温度に達するか否かをさらに判断し、エアコンの設定温度に達しなければ、車内冷却分岐路の冷却液流量を増加させ、かつ電池冷却分岐路の冷却液流量を減少させる。第1の所定温度閾値は45℃であってよい。具体的には、第1の膨張弁の開度を調整することにより車内冷却分岐路の冷却液流量を調整し、第2の膨張弁の開度を調整することにより電池冷却分岐路の冷却液流量を調整することができる。
本願の一実施形態によれば、図15〜16に示すように、電池熱管理モジュール1は、熱変換流路に設置され、熱変換流路中の媒体を加熱するヒーター11をさらに含んでよい。
具体的には、車載電池の温度調整システムは、半導体熱変換モジュール5による加熱に加え、また、ヒーターにより媒体を加熱することにより、電池の温度が低いときに電池に温度調整を行うことができる。ヒーター11はPTCヒーターであってよく、ヒーターは電池と直接接触せず、高い安全性、信頼性及び実用性を持つ。ポンプ12は主に動力を供給し、媒体容器13は主に媒体を貯蔵し、かつ温度調整システムに添加される媒体を収容し、温度調整システムにおける媒体が減少すると、媒体容器13中の媒体から自動的に補充することができる。第1の温度センサ14は電池流路入口における媒体温度を検出し、第2の温度センサ15は電池流路出口における媒体温度を検出する。流速センサ16は温度調整システムにおける配管内の媒体の流速情報を検出する。
図15〜16に示すように、加熱モードにあるときに、コントローラ6は、要求パワーP1が実際パワーP2より大きいと、要求パワーP1と実際パワーP2の間の温度差を取得し、かつ温度差に基づいてヒーター11の加熱パワーを向上させ、そして、要求パワーP1が実際パワーP2以下であると、ヒーター11の加熱パワーをそのまま保持する。
具体的には、温度調整システムが加熱モードで動作するときに、コントローラ6は電池4の要求パワーP1と実際パワーP2を取得し、かつ判断する。電池4のP1がP2より大きければ、現在の加熱パワーで目標時間内に電池4の昇温を完了できないことを示し、電池熱管理モジュール1は電池4の要求パワーP1と実際パワーP2の間のパワー差(P1とP2のパワー差が大きければ大きいほど、ヒーター11のパワー向上が多い)を取得し、かつパワー差に基づいてヒーター11のパワーを向上させて、所定の時間t内に電池4の温度を目標温度に上げる。その一方、P1がP2以下であれば、ヒーター11の加熱パワーを低下させて電気エネルギーを節約するか、ヒーター11のパワーをそのまま保持する。電池の温度が第2の設定温度、例えば10℃に達すると、電池4の加熱が完了し、電池管理コントローラ61はCAN通信により電池熱管理コントローラ62に温度調整機能をオフにするという情報を送信して、ヒーター11が加熱を停止するように制御する。温度調整システムが加熱モードに入って長い時間、例えば2時間が経過した後、電池4の温度が依然として10℃より低ければ、電池熱管理コントローラ62はヒーター11のパワーを適切に向上させて、電池4が昇温をできるだけ速く完了する。
さらに、本願の一実施形態によれば、図12〜13及び図15〜16に示すように、コントローラ6は、さらに、要求パワーP1が実際パワーP2以下であると、ポンプ12の回転速度を低下させるか又はポンプ12の回転速度をそのまま保持し、そして、要求パワーP1が実際パワーP2より大きいと、ポンプ12の回転速度を向上させる。
具体的には、温度調整システムが加熱モード又は冷却モードに入るときに、電池4のP1がP2以下であれば、電池熱管理モジュール1はポンプ12の回転速度を低下させるように制御して、電気エネルギーを節約するか、ポンプ12の回転速度をそのまま保持する。電池4のP1がP2より大きければ、半導体熱変換モジュール5がヒーター11のパワーを向上させるように制御することに加え、また、ポンプ12の回転速度を向上させるように制御して、単位時間当たりに冷却流路の断面積を流れる媒体質量を増加させることにより、電池4の実際パワーP2を向上させて、目標時間t内に温度調整を実現する。
要するに、図15〜16に示すように、車載エアコンが動作せず、半導体熱変換モジュールのみにより電池を冷却するときに、電池の温度調整の要求パワーがP1であり、電池の温度調整の実際パワーがP2であると仮定する。
P1≦P3であれば、半導体熱変換モジュールは冷却パワーP1で電池に冷却パワーを供給する。
P1>P3であれば、半導体熱変換モジュールは最大冷却パワーP3で電池に冷却パワーを供給し、第4のファンと第5のファンの回転速度を向上させ、同時に電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を向上させて、熱変換パワーを向上させる。
冷却過程において、P1≦P2、かつPc=P2−P1であれば、半導体熱変換モジュールは冷却パワーをPc低下させ、第4のファンと第5のファンの回転速度を低下させ、同時に電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を低下させて、電気エネルギーを節約する。或いは、現在のパワーを保持して冷却を行う。
冷却過程において、P1>P2、Pc=P1−P2、かつP1+Pc≦P3であれば、半導体熱変換モジュールは冷却パワーをPc向上させ、第4のファンと第5のファンの回転速度を向上させ、同時に電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を向上させると共に、電池の冷却パワーを向上させる。P1+Pc>P3であれば、半導体熱変換モジュールは最大冷却パワーP3で電池に冷却パワーを供給し、第4のファンと第5のファンの回転速度を向上させ、同時に電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を向上させて、熱変換パワーを向上させる。
電池を加熱するときに、電池の温度調整の要求パワーがP1であり、電池の温度調整の実際パワーがP2であり、P4が半導体熱変換モジュールの最大加熱パワーであり、P5がPTCヒーターの最大加熱パワーであると仮定する。
P1≦P5であれば、PTCヒーターは加熱パワーP1で電池に加熱パワーを供給する。
P1>P5、かつP1≦P5+P4、P1−P5=Pdであれば、PTCヒーターは最大加熱パワーP5で電池に加熱パワーを供給し、同時に半導体熱変換モジュールは加熱パワーPdで電池に加熱パワーを供給すると共に、第4のファンと第5のファンの回転速度を向上させ、電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を向上させて、熱変換パワーを向上させる。P1>P5、かつP1>P5+P4であれば、PCTヒーターは最大加熱パワーP5で電池に加熱パワーを供給し、同時に半導体熱変換モジュールは最大加熱パワーP3で電池に加熱パワーを供給すると共に、第4のファンと第5のファンの回転速度を向上させ、電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を向上させて、熱変換パワーを向上させる。
加熱過程において、P1≦P2、かつPc=P2−P1であれば、半導体熱変換モジュールは加熱パワーをPc低下させ、第4のファンと第5のファンの回転速度を低下させ、或いは、PTCヒーターは加熱パワーをPc低下させ、同時に電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を低下させて、電気エネルギーを節約する。或いは、現在の加熱パワーをそのまま保持する。
加熱過程において、P1>P2、Pc=P1−P2、かつP1+Pc≦P5であれば、PTCヒーターは加熱パワーをPc向上させ、同時に電池熱管理モジュールはポンプの回転速度を向上させるように制御して、電池の加熱パワーを向上させる。
P1>P2、Pc=P1−P2、かつP5<P1+Pc≦P5+P4、Pi=P1+Pc−P5、Pj=P1+Pc−P4であれば、PTCヒーターは最大加熱パワーP5で運転し、半導体熱変換モジュールは加熱パワーPiで運転する。或いは、PTCヒーターは加熱パワーPjで運転し、半導体熱変換モジュールは最大加熱パワーP4で運転する。或いは、PTCヒーターは最大加熱パワーP5で電池に加熱パワーを供給し、半導体熱変換モジュールは加熱パワーをPc向上させる。或いは、ヒーターは加熱パワーを変化させず、半導体熱変換モジュールは加熱パワーをPc向上させる。或いは、ヒーターは加熱パワーをPc向上させ、半導体熱変換モジュールは加熱パワーを変化させない。或いは、PTCヒーターは加熱パワーを0.5*Pc向上させ、半導体熱変換モジュールは加熱パワーを0.5Pc向上させ、或いは、PTCヒーターと半導体熱変換モジュールの最大加熱パワーの比に基づいて、それぞれ割合に応じて加熱パワーを向上させる。同時に第4のファンと第5のファンの回転速度を向上させ、電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を向上させて、熱変換パワーを向上させることにより、電池加熱パワーをPc向上させる。
P1>P2、Pc=P1−P2、かつP1+Pc>P5+P4であれば、PCTヒーターは最大加熱パワーP5で電池に加熱パワーを供給し、同時に半導体熱変換モジュールは最大加熱パワーP4で電池に加熱パワーを供給すると共に、第4のファンと第5のファンの回転速度を向上させ、電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を向上させて、熱変換パワーを向上させる。
そして、電池を冷却するときに、P1≦P3であれば、半導体熱変換モジュールは冷却パワーP1で電池に冷却パワーを供給する。P1>P3であれば、半導体熱変換モジュールは最大冷却パワーP3で電池に冷却パワーを供給し、第4のファンと第5のファンの回転速度を向上させ、同時に電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を向上させて、熱変換パワーを向上させる。
冷却過程において、P1≦P2、かつPc=P2−P1であれば、半導体熱変換モジュールは冷却パワーをPc低下させ、第4のファンと第5のファンの回転速度を低下させ、同時に電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を低下させて、電気エネルギーを節約する。或いは、現在のパワーを保持して冷却を行う。
冷却過程において、P1>P2、Pc=P1−P2、かつP1+Pc≦P3であれば、半導体熱変換モジュールは冷却パワーをPc向上させ、第4のファンと第5のファンの回転速度を向上させ、同時に電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を向上させると共に、電池の冷却パワーを向上させる。P1+Pc>P3であれば、半導体熱変換モジュールは最大冷却パワーP3で電池に冷却パワーを供給し、第4のファンと第5のファンの回転速度を向上させ、同時に電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を向上させて、熱変換パワーを向上させる。
電池を加熱するときに、P1≦P5であれば、PTCヒーターは加熱パワーP1で電池に加熱パワーを供給する。P1>P5、かつP1≦P5+P4、P1−P5=Pdであれば、PTCヒーターは最大加熱パワーP5で電池に加熱パワーを供給し、同時に半導体熱変換モジュールは加熱パワーPdで電池に加熱パワーを供給すると共に、第4のファンと第5のファンの回転速度を向上させ、電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を向上させて、熱変換パワーを向上させる。P1>P5、かつP1>P5+P4であれば、PCTヒーターは最大加熱パワーP5で電池に加熱パワーを供給し、同時に半導体熱変換モジュールは最大加熱パワーP3で電池に加熱パワーを供給すると共に、第4のファンと第5のファンの回転速度を向上させ、電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を向上させて、熱変換パワーを向上させる。
加熱過程において、P1≦P2、かつPc=P2−P1であれば、半導体熱変換モジュールは加熱パワーをPc低下させ、第4のファンと第5のファンの回転速度を低下させ、或いは、PTCヒーターは加熱パワーをPc低下させ、同時に電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を低下させて、電気エネルギーを節約する。或いは、現在の加熱パワーをそのまま保持する。
加熱過程において、P1>P2、Pc=P1−P2、かつP1+Pc≦P5であれば、PTCヒーターは加熱パワーをPc向上させ、同時に電池熱管理モジュールはポンプの回転速度を向上させるように制御して、電池の加熱パワーを向上させる。
P1>P2、Pc=P1−P2、かつP5<P1+Pc≦P5+P4、Pi=P1+Pc−P5、Pj=P1+Pc−P4であれば、PTCヒーターは最大加熱パワーP5で運転し、半導体熱変換モジュールは加熱パワーPiで運転する。或いは、PTCヒーターは加熱パワーPjで運転し、半導体熱変換モジュールは最大加熱パワーP4で運転する。或いは、PTCヒーターは最大加熱パワーP5で電池に加熱パワーを供給し、半導体熱変換モジュールは加熱パワーをPc向上させる。或いは、ヒーターは加熱パワーを変化させず、半導体熱変換モジュールは加熱パワーをPc向上させる。或いは、ヒーターは加熱パワーをPc向上させ、半導体熱変換モジュールは加熱パワーを変化させない。或いは、PTCヒーターは加熱パワーを0.5*Pc向上させ、半導体熱変換モジュールは加熱パワーを0.5Pc向上させ、或いは、PTCヒーターと半導体熱変換モジュールの最大加熱パワーの比に基づいて、それぞれ割合に応じて加熱パワーを向上させる。同時に第4のファンと第5のファンの回転速度を向上させ、電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を向上させて、熱変換パワーを向上させることにより、電池加熱パワーをPc向上させる。
P1>P2、Pc=P1−P2、かつP1+Pc>P5+P4であれば、PCTヒーターは最大加熱パワーP5で電池に加熱パワーを供給し、同時に半導体熱変換モジュールは最大加熱パワーP4で電池に加熱パワーを供給すると共に、第4のファンと第5のファンの回転速度を向上させ、電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を向上させて、熱変換パワーを向上させる。
車載エアコンコントローラ63は、車室の空気温度、電池の要求パワーP1及び実際パワーP2に基づいて、各冷却分岐路のパワー分配を調整することにより、車内冷却と電池冷却の冷却要求をバランスさせると理解すべきである。
図15〜16に示すように、車載エアコンと半導体熱変換モジュールが同時に電池を冷却するときに、電池冷却と車内冷却の初期パワー分配は、以下のとおりである。
電池冷却の要求パワーがP1であり、電池の実際冷却パワーがP2であり、P3が半導体熱変換モジュールの最大冷却パワーであり、P6が車内冷却パワーであり、P7がコンプレッサーの最大冷却パワーであると仮定する。
電池冷却の要求パワーP1と車内冷却の要求パワーP6のパワーの和≦総パワーP7、即ち、P1+P6≦P7であるときに、コンプレッサーはP1+P6の冷却パワーで運転する。そして、P1<P7、P6<P7。同時に、第1の膨張弁の開度を制御することにより、車内冷却パワーをP6にする。第の膨張弁の開度を制御することにより、電池の冷却パワーをP1にする。
P7<P1+P6≦P7+P3、Pe=P1+P6−P7、Pf=P1+P6−P3であると、コンプレッサーは最大冷却パワーP7で運転し、半導体熱変換モジュールは冷却パワーPeで運転する。電池冷却分岐路の冷却パワーがP1であり、車内冷却分岐路のパワー=P6である。或いは、半導体換気モジュールは最大冷却パワーP3で運転し、コンプレッサーは冷却パワーPfで運転する。同時に、第1の膨張弁の開度を制御することにより、車内冷却パワーをP6にする。第の膨張弁の開度を制御することにより、電池の冷却パワーをP1にする。
P1+P6>P7+P3であれば、電池の温度が45℃より大きいか否かを判断し、45℃より大きければ、電池冷却に冷却パワーを優先的に供給し、コンプレッサーは最大冷却パワーP7で運転し、半導体熱変換モジュールは最大冷却パワーP3で運転し、同時にファンの回転速度を向上させる。第2の膨張弁の開度を大きくすることにより、電池冷却分岐路の冷却パワーをP1にし、第1の膨張弁の開度を小さくすることにより、車内冷却分岐路のパワーを=P7+P3−P1にする。電池の温度が45℃以下であると判断し、かつ車内温度が設定温度に達しなければ、車内に冷却パワーを優先的に供給し、コンプレッサーは最大冷却パワーP7で運転し、半導体熱変換モジュールは最大冷却パワーP3で運転し、同時にファンの回転速度を向上させる。第1の膨張弁の開度を大きくすることにより、車内冷却分岐路の冷却パワーをP6にし、第2の膨張弁の開度を小さくすることにより、電池冷却分岐路の冷却パワーを=P7+P3−P6にする。車内温度が設定温度に達すれば、電池の冷却パワーを優先的に満たす。
電池の冷却過程におけるパワーの分配は、以下のとおりである。
P1>P2、かつPc=P1−P2、P1+P6+Pc<P7であれば、コンプレッサーは冷却パワーをPc向上させ、同時に第2の膨張弁の開度を大きくし、ポンプの回転速度を向上させて、電池の冷却パワーを向上させる。
P1>P2、かつPc=P1−P2、P7<P1+P6+Pc≦P7+P3、Pg=P1+P6+Pc−P7、Ph=P1+P6+Pc−P3であれば、コンプレッサーは最大冷却パワーP7で運転し、半導体換気モジュールは冷却パワーPgで運転する。或いは、コンプレッサーは冷却パワーPhで運転し、半導体換気モジュールは最大冷却パワーP3で運転する。或いは、コンプレッサーは最大冷却パワーP7で運転し、半導体熱変換モジュールは冷却パワーをPc向上させる。或いは、コンプレッサーは冷却パワーをPc向上させ、半導体熱変換モジュールは最大冷却パワーP3で運転する。或いは、コンプレッサーは冷却パワーを変化させず、半導体熱変換モジュールは冷却パワーをPc向上させる。或いは、コンプレッサーは冷却パワーをPc向上させ、半導体熱変換モジュールは冷却パワーを変化させない。或いは、コンプレッサーは冷却パワーを0.5*Pc向上させ、半導体熱変換モジュールは冷却パワーを0.5Pc向上させる。或いは、コンプレッサーと半導体熱変換モジュールの最大冷却パワーの比に基づいて、それぞれ割合に応じて冷却パワーを向上させる。同時に第2の膨張弁の開度を大きくし、ポンプの回転速度を向上させ、ファンの回転速度を向上させるように制御することにより、電池冷却分岐路の冷却パワーをPc向上させる。
P1>P2、Pc=P1−P2、かつP1+P6+Pc>P7+P3であれば、コンプレッサーは最大冷却パワーP5で運転し、半導体熱変換モジュールは最大冷却パワーP3で運転し、同時にファンの回転速度を向上させ、電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を向上させて、熱変換パワーを向上させる。このときに、電池の温度が45℃より大きいか否かを判断し、45℃より大きければ、電池冷却に冷却パワーを優先的に供給し、コンプレッサーは最大冷却パワーP7で運転し、半導体熱変換モジュールは最大冷却パワーP3で運転し、同時にファンの回転速度を向上させる。第2の膨張弁の開度を大きくすることにより、電池冷却分岐路の冷却パワーをP1+Pcにし、第1の膨張弁の開度を小さくすることにより、車内冷却分岐路のパワーを=P7+P3−P1−Pcにし、同時にポンプの回転速度を向上させ、ファンの回転速度を向上させるように制御することにより、電池冷却分岐路の冷却パワーをPc向上させる。電池の温度が45℃以下であると判断し、かつ車内温度が設定温度に達しなければ、車内に冷却パワーを優先的に供給し、コンプレッサーは最大冷却パワーP7で運転し、半導体熱変換モジュールは最大冷却パワーP3で運転し、同時にファンの回転速度を向上させる。第1の膨張弁の開度を大きくすることにより、車内冷却分岐路の冷却パワーをP6にし、第2の膨張弁の開度を小さくすることにより、電池冷却分岐路の冷却パワーを=P7+P3−P6にする。車内温度が設定温度に達すれば、電池の冷却パワーを優先的に満たす。
P1≦P2、かつPc=P2−P1であれば、コンプレッサーの冷却パワーをそのまま維持し、半導体冷却パワーをそのまま維持したり、コンプレッサーの冷却パワーを低下させ、半導体熱変換モジュールの冷却パワーを低下させたり、第2の膨張弁の開度を小さくしたり、ポンプの回転速度を低下させたりすることにより、電池冷却分岐路の冷却パワーをPc低下させる。
電池を加熱するときに、電池加熱の要求パワーがP1であり、電池の実際加熱パワーがP2であり、P4が半導体熱変換モジュールの最大加熱パワーであり、P5がPTCヒーターの最大加熱パワーであると仮定する。
P1≦P5であれば、PTCヒーターは加熱パワーP1で電池に加熱パワーを供給する。
P1>P5、かつP1≦P5+P4、P1−P5=Pdであれば、PTCヒーターは最大加熱パワーP5で電池に加熱パワーを供給し、同時に半導体熱変換モジュールは加熱パワーPdで電池に加熱パワーを供給すると共に、第4のファンと第5のファンの回転速度を向上させ、電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を向上させて、熱変換パワーを向上させる。P1>P5、かつP1>P5+P4であれば、PCTヒーターは最大加熱パワーP5で電池に加熱パワーを供給し、同時に半導体熱変換モジュールは最大加熱パワーP3で電池に加熱パワーを供給すると共に、第4のファンと第5のファンの回転速度を向上させ、電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を向上させて、熱変換パワーを向上させる。
加熱過程において、P1≦P2、かつPc=P2−P1であれば、半導体熱変換モジュールは加熱パワーをPc低下させ、第4のファンと第5のファンの回転速度を低下させ、或いは、PTCヒーターは加熱パワーをPc低下させ、同時に電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を低下させて、電気エネルギーを節約する。或いは、現在の加熱パワーをそのまま保持する。
加熱過程において、P1>P2、Pc=P1−P2、かつP1+Pc≦P5であれば、PTCヒーターは加熱パワーをPc向上させ、同時に電池熱管理モジュールはポンプの回転速度を向上させるように制御して、電池の加熱パワーを向上させる。
P1>P2、Pc=P1−P2、かつP5<P1+Pc≦P5+P4、Pi=P1+Pc−P5、Pj=P1+Pc−P4であれば、PTCヒーターは最大加熱パワーP5で運転し、半導体熱変換モジュールは加熱パワーPiで運転する。或いは、PTCヒーターは加熱パワーPjで運転し、半導体熱変換モジュールは最大加熱パワーP4で運転する。或いは、PTCヒーターは最大加熱パワーP5で電池に加熱パワーを供給し、半導体熱変換モジュールは加熱パワーをPc向上させる。或いは、ヒーターは加熱パワーを変化させず、半導体熱変換モジュールは加熱パワーをPc向上させる。或いは、ヒーターは加熱パワーをPc向上させ、半導体熱変換モジュールは加熱パワーを変化させない。或いは、PTCヒーターは加熱パワーを0.5*Pc向上させ、半導体熱変換モジュールは加熱パワーを0.5Pc向上させ、或いは、PTCヒーターと半導体熱変換モジュールの最大加熱パワーの比に基づいて、それぞれ割合に応じて加熱パワーを向上させる。同時に第4のファンと第5のファンの回転速度を向上させ、電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を向上させて、熱変換パワーを向上させることにより、電池加熱パワーをPc向上させる。
P1>P2、Pc=P1−P2、かつP1+Pc>P5+P4であれば、PCTヒーターは最大加熱パワーP5で電池に加熱パワーを供給し、同時に半導体熱変換モジュールは最大加熱パワーP4で電池に加熱パワーを供給すると共に、第4のファンと第5のファンの回転速度を向上させ、電池熱管理熱変換モジュールはポンプの回転速度を向上させて、熱変換パワーを向上させる。
本願の実施形態に係る車載電池の温度調整システムは、車載電池の実際の状態に応じて車載電池の加熱パワーと冷却パワーを精確に制御し、車載電池の温度が高過ぎるか又は低過ぎるときに温度を調整して、車載電池の温度を所定の範囲に維持することにより、温度が車載電池の性能に影響を及ぼす状況を回避することができる。
図17は本願の実施形態3に係る車載電池の温度調整方法のフローチャートである。図12〜13に示すように、車載電池の温度調整システムは、電池冷却分岐路を含み、電池冷却分岐路は、熱変換器と、熱変換器を冷却する半導体熱変換モジュールと、電池及び熱変換器と接続された電池熱管理モジュールと、コンプレッサー及びコンデンサを含む車載エアコンと、を含み、そして、コンプレッサー及び熱変換器と接続された車内冷却分岐路を含み、図17に示すように、上記方法は、以下のステップS1’〜S3’を含む。
S1’では、電池の要求パワーP1を取得する。
好ましくは、本願の一実施形態によれば、電池管理コントローラ61により電池の要求パワーP1を取得することは、具体的に以下を含む。電池管理コントローラ61により電池の温度調整開始時の第1のパラメータを取得し、かつ第1のパラメータに基づいて、電池に温度調整を行う第1の要求パワーを生成する。電池管理コントローラ61により電池の温度調整中の第2のパラメータを取得し、かつ第2のパラメータに基づいて、電池に温度調整を行う第2の要求パワーを生成する。電池管理コントローラ61により電池の第1の要求パワーと電池の第2の要求パワーに基づいて電池の要求パワーP1を生成する。
好ましくは、本願の一実施形態によれば、第1のパラメータは電池の温度調整開始時の初期温度、目標温度、及び初期温度から上記目標温度になるまでの目標時間tであり、電池管理コントローラ61が第1のパラメータに基づいて、電池に温度調整を行う第1の要求パワーを生成することは、具体的には、電池管理コントローラ61により初期温度と目標温度の間の第1の温度差ΔT1を取得することと、第1の温度差ΔT1と目標時間tに基づいて第1の要求パワーP1を生成することとを含む。
好ましくは、本願の一実施形態によれば、電池管理コントローラ61は下式(1)に基づいて第1の要求パワーを生成し、
ΔT1*C*M/t (1)
ΔT1が初期温度と目標温度の間の第1の温度差であり、tが目標時間であり、Cが電池の比熱であり、Mが電池の質量である。
本願の一実施形態によれば、第2のパラメータは所定の時間内の電池の平均電流Iであり、下式(2)に基づいて電池の第2の要求パワーを生成し、
I2*R (2)
Iが平均電流であり、Rが電池の内部抵抗である。
電池を冷却するときに、P1=ΔT1*C*M/t+I2*R、電池を加熱するときに、P1=ΔT1*C*M/t−I2*R。
S2’では、電池の実際パワーP2を取得する。
本願の一実施形態によれば、電池熱管理コントローラ62により電池の実際パワーP2を取得することは、具体的には、電池の温度を調整する流路の入口温度と出口温度を取得すると共に、媒体が流路に流入する流速vを取得することと、電池の流路の入口温度と出口温度に基づいて第2の温度差ΔT2を生成し、電池の第2の温度差ΔT2と流速vに基づいて実際パワーP2を生成することとを含む。
好ましくは、本願の一実施形態によれば、下式(3)に基づいて実際パワーP2を生成し、
ΔT2*c*m (3)
ΔT2が第2の温度差であり、cが流路中の媒体の比熱であり、mが単位時間当たりに流路の断面積を流れる媒体質量であり、m=v*ρ*sであり、vが媒体の流速であり、ρが媒体の密度であり、sが流路の断面積である。半導体に限らないでしょう?半導体しかなく、エアコンがない場合には、このようなものであるが、他の場合には、このようなものではない。
S3’では、要求パワーP1と実際パワーP2に基づいて半導体熱変換モジュール及び/又は車載エアコンが電池に温度調整を行うように制御する。
好ましくは、図12〜13に示すように、半導体熱変換モジュールは加熱部と冷却部を有し、給電電源が逆接続された後、加熱部と冷却部は位置が変換される。半導体熱変換モジュールの加熱部と冷却部には、いずれも加熱部と冷却部の熱変換を加速する熱変換ファン(第4のファンと第5のファン)が取り付けられる。熱変換ファンの回転速度の向上により、半導体熱変換モジュールの冷却/加熱パワーを向上させることができる。図12は、半導体熱変換モジュールの電源が正接続されることを示し、図13は、半導体熱変換モジュールの電源が逆接続されることを示す。
電池の温度が高く、例えば40℃より高いと、車載電池の温度調整システムは冷却モードに入り、電池熱管理モジュールと半導体熱変換モジュールは動作し、半導体熱変換モジュールは順方向に給電し、冷却部が冷却を開始し、かつ第4のファンにより冷却風を熱変換器に吹き出して、熱変換器の冷却配管内の媒体を冷却し、媒体は電池熱管理モジュールを通って電池を冷却し、同時に第5のファンは加熱部の熱を車外に吹き出す。
電池の温度が低すぎ、例えば0℃より低いと、車載電池の温度調整システムは加熱モードに入り、電池熱管理モジュールと半導体熱変換モジュール5は動作し、半導体熱変換モジュールは逆方向に給電し、半導体加熱部が加熱を開始し、かつ第4のファンにより加熱風を熱変換器に吹き出して、熱変換器の冷却配管内の媒体を冷却し、媒体は電池熱管理モジュールを通って電池を冷却し、同時に第5のファンは冷却部の冷風を車外に吹き出す。
図12〜13に示すように、車載エアコンは冷却分岐路を構成する。冷却分岐路は、直列接続されたコンプレッサーとコンデンサを含み、エバポレーター、第1の膨張弁及び第1の電子弁は車内冷却分岐路を構成し、熱変換器、第2の膨張弁、及び第2の電子弁は電池冷却分岐路30を構成する。
車載エアコン内部には、コンデンサから独立した冷却分岐路が分けられ、それぞれが車内冷却分岐路と電池冷却分岐路である。車内冷却分岐路は、主にエバポレーターにより車室内の空間に冷却パワーを供給し、電池冷却分岐路は、主に熱変換器により電池に冷却パワーを供給する。電池冷却分岐路の冷却パワーは、主に2つの供給源があり、一方は、コンプレッサーの冷媒が熱変換器3に流入し、熱変換器3に冷却パワーを供給し、他方は、半導体熱変換モジュールの冷却部が第4のファンにより熱変換器に冷却風を吹き出して、熱変換器に冷却パワーを供給する。電池冷却機能がオンにされていないと、半導体熱変換モジュールは通電しない。電池の温度が0℃より低ければ、このときに電池の温度が低過ぎることを示し、低温が電池の性能に影響を及ぼすことを回避するために、電池に昇温処理を行う必要があり、温度調整システムは加熱モードに入り、加熱をオンにするように制御し、同時に第2の電子弁がオフ状態にあるように保持し、半導体熱変換モジュールが逆方向に給電する。
電池4を冷却又は加熱するときに、さらに電池管理コントローラ61により電池の初期温度(即ち、現在の温度)、目標温度、及び初期温度から目標温度になるまでの目標時間tを取得し、目標温度と目標時間tが実際の状況に応じて予め設定されてよく、そして、式(1)に基づいて第1の要求パワーを計算する。同時に、電池管理コントローラ61により、所定の時間内の電池の平均電流Iを取得し、式(2)に基づいて電池の第2の要求パワーを計算する。次に、電池管理コントローラ61により、電池の第1の要求パワーと第2の要求パワーに基づいて、電池の要求パワーP1(即ち、電池の温度を目標温度に調整する要求パワー)を計算する。そして、電池熱管理コントローラ62により電池の入口における温度と出口における温度を取得すると共に、流速情報を取得し、式(3)に基づいて電池の実際パワーP2を計算する。要求パワーP1は、電池の温度を設定された目標温度に調整するように電池に供給すべきパワーであり、実際パワーP2は、現在電池に温度調整を行う際に、電池が得る実際パワーであり、目標温度は設定値であり、車載電池の実際の状況に応じて予め設定されてよく、例えば、電池を冷却するときに、目標温度を約35℃に設定してよい。その後に、コントローラは要求パワーP1と実際パワーP2に基づいて半導体熱変換モジュールと車載エアコンを制御する。例えば、P1がP2より大きければ、半導体熱変換モジュールは冷却パワーを向上させ、かつ第4のファンと第5のファンの回転速度を向上させるように制御することにより、電池4が降温をできるだけ速く完了する。これにより、車載電池の温度が高過ぎるときに温度を調整して、車載電池の温度を所定の範囲に維持することにより、温度が車載電池の性能に影響を及ぼす状況を回避することができる。
本願の一実施形態によれば、車載電池の温度調整方法は、電池の温度を取得することと、電池の温度が第1の温度閾値より大きいか否かを判断することと、電池の温度が第1の温度閾値より大きいと、冷却モードに入ることと、電池の温度が第1の温度閾値以下であるときに、電池の温度が第2の温度閾値より小さいか否かを継続して判断することと、電池の温度が第2の温度閾値より小さいと、加熱モードに入ることとをさらに含み、第1の温度閾値が第2の温度閾値より大きい。
具体的には、車両がパワーアップされると、電池管理コントローラ61により電池の温度をリアルタムに取得し、かつ判断する。電池の温度が40℃より高ければ、このときに該電池の温度が高過ぎることを示し、高温が該電池の性能に影響を及ぼすことを回避するために、電池に降温処理を行う必要があり、温度調整システムは冷却モードに入る。
その一方、電池の温度が0℃より低ければ、このときに電池4の温度が低過ぎることを示し、低温が電池の性能に影響を及ぼすことを回避するために、電池に昇温処理を行う必要があり、温度調整システムは加熱モードに入り、電池熱管理コントローラ62によりヒーターを起動させるように制御し、同時に電池冷却分岐路がオフ状態にあるように保持する。
好ましくは、図12〜13に示すように、冷却モードにあるときに、要求パワーP1と実際パワーP2に基づいて半導体熱変換モジュール及び/又は車載エアコンが電池に温度調整を行うように制御することは、具体的には、要求パワーP1が実際パワーP2より大きいか否かを判断することと、要求パワーP1が実際パワーP2より大きければ、要求パワーP1と実際パワーP2の間のパワー差を取得し、かつパワー差に基づいて半導体熱変換モジュール及び/又はコンプレッサーのパワーを向上させることと、要求パワーP1が実際パワーP2以下であれば、半導体熱変換モジュールのパワー及び/又はコンプレッサーの冷却パワーを低下させるか、半導体熱変換モジュール及び/又はコンプレッサーのパワーをそのまま保持することとを含む。
具体的には、温度調整システムが冷却モードで動作するときに、コントローラにより電池の要求パワーP1と実際パワーP2を取得し、かつ判断する。電池のP1がP2より大きければ、現在の冷却パワーで目標時間内に電池の降温を完了できないことを示すため、コントローラにより電池の要求パワーP1と実際パワーP2の間のパワー差を取得し、かつ半導体コントローラ64によりパワー差に基づいて半導体熱変換モジュールの冷却パワー、及び第4のファン、第5のファンの回転速度を向上させて、所定の時間t内に電池の温度を目標温度に下げる。その一方、P1がP2以下であれば、半導体コントローラ64により半導体熱変換モジュールのパワー、第4のファン及び第5のファンの回転速度を低下させ、及び/又は車載エアコンコントローラ63によりコンプレッサーの冷却パワーを低下させて、電気エネルギーを節約するか、半導体熱変換モジュール及び/又はコンプレッサーのパワーをそのまま保持する。電池の温度が35℃より低いと、電池の冷却が完了し、半導体コントローラ64により半導体熱変換モジュールが冷却を停止するように制御する。温度調整システムが冷却モードに入って長い時間、例えば1時間が経過した後、電池の温度が依然として35℃より高ければ、半導体コントローラ64により半導体熱変換モジュールの冷却パワー、第4のファン及び第5のファンの回転速度を適切に向上させて、電池が降温をできるだけ速く完了する。
図12〜13に示すように、温度調整システムが冷却モードにあるときに、要求パワーP1が実際パワーP2より大きければ、電池の温度が第1の所定温度閾値より大きいか否かを判断し、電池の温度が第1の所定温度閾値以上であれば、車載エアコンコントローラ63により、電池冷却分岐路の冷却液流量を増加させ、かつ車内冷却分岐路の冷却液流量を減少させ、電池の温度が第1の所定温度閾値より大きければ、さらに車室内の温度がエアコンの所定温度に達するか否かを判断し、エアコンの設定温度に達しなければ、車載エアコンコントローラ63により車内冷却分岐路の冷却液流量を増加させ、かつ電池冷却分岐路の冷却液流量を減少させる。具体的には、第1の膨張弁の開度を調整することにより車内冷却分岐路の冷却液流量を調整し、第2の膨張弁の開度を調整することにより電池冷却分岐路の冷却液流量を調整することができる。
本願の一実施形態によれば、図15〜16に示すように、電池熱管理モジュールは、ヒーターをさらに含み、ヒーターはコントローラと接続されて、熱変換流路中の媒体を加熱し、加熱モードにあるときに、上記方法は、要求パワーP1が実際パワーP2より大きいか否かを判断することと、要求パワーP1が実際パワーP2より大きければ、要求パワーP1と実際パワーP2の間のパワー差を取得し、かつパワー差に基づいてヒーターに用いられる加熱パワーを向上させることと、要求パワーP1が実際パワーP2以下であれば、ヒーターの加熱パワーをそのまま保持することとをさらに含む。
具体的には、温度調整システムが加熱モードにあるときに、コントローラは電池の要求パワーP1と実際パワーP2を取得し、かつ判断する。電池のP1がP2より大きければ、現在の加熱パワーで目標時間内に電池の昇温を完了できないことを示し、コントローラは電池4の要求パワーP1と実際パワーP2の間のパワー差(P1とP2のパワー差が大きければ大きいほど、ヒーターのパワー向上が多い)を取得し、かつ電池熱管理コントローラ62によりパワー差に基づいてヒーターのパワーを向上させて、所定の時間t内に電池の温度を目標温度に上げる。その一方、P1がP2以下であれば、電池熱管理コントローラ62によりヒーターの加熱パワーを低下させて電気エネルギーを節約するか、ヒーターのパワーをそのまま保持する。電池の温度が第2の設定温度、例えば10℃に達すると、電池の加熱が完了し、電池熱管理コントローラ62によりヒーターが加熱を停止するように制御する。温度調整システムが加熱モードに入って長い時間、例えば2時間が経過した後、電池の温度が依然として10℃より低ければ、電池熱管理コントローラ62によりヒーターのパワーを適切に向上させて、電池が昇温をできるだけ速く完了する。
さらに、本願の一実施形態によれば、図12〜13及び15〜16に示すように、電池熱管理モジュールは、熱交換流路に設置されたポンプ、第1の温度センサ、第2の温度センサ及び流速センサを含み、ポンプ、第1の温度センサ、第2の温度センサ及び流速センサはコントローラと接続され、ポンプは、熱変換流路中の媒体を流動させ、第1の温度センサは車載電池に流入する媒体の入口における温度を検出し、第2の温度センサは車載電池から流出する媒体の出口における温度を検出し、流速センサは熱変換流路中の媒体の流速を検出し、上記方法は、要求パワーP1が実際パワーP2以下であれば、ポンプの回転速度を低下させるか又はポンプの回転速度をそのまま保持することと、要求パワーP1が実際パワーP2より大きければ、ポンプの回転速度を向上させることとをさらに含む。
具体的には、温度調整システムが加熱モード又は冷却モードに入るときに、電池のP1がP2以下であれば、電池熱管理コントローラ62によりポンプの回転速度を低下させるように制御して、電気エネルギーを節約するか、ポンプの回転速度をそのまま保持する。電池のP1がP2より大きければ、さらに、電池熱管理コントローラ62によりポンプの回転速度を向上させるように制御して、単位時間当たりに冷却流路の断面積を流れる媒体質量を増加させることにより、電池の実際パワーP2を向上させて、目標時間t内に温度調整を実現する。
本願の実施形態の車載電池の温度調整方法によれば、電池の温度調整の要求パワーを取得すると共に、電池の温度調整の実際パワーを取得し、温度調整の要求パワーと温度調整の実際パワーに基づいて半導体熱変換モジュール及び/又は車載エアコンが調整するように制御し、車載電池の温度が高過ぎるか又は低過ぎるときに温度を調整して、車載電池の温度を所定の範囲に維持することにより、温度が高過ぎるか又は低過ぎて車載電池の性能に影響を及ぼす状況を回避することができる。
また、本願は、プロセッサによって実行されるときに上記温度調整方法を実現するコンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
本願の実施形態の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体では、電池の温度調整の要求パワーを取得すると共に、電池の温度調整の実際パワーを取得し、温度調整の要求パワーと温度調整の実際パワーに基づいて半導体熱変換モジュール及び/又は車載エアコンが調整するように制御し、車載電池の温度が高過ぎるか又は低過ぎるときに温度を調整して、車載電池の温度を所定の範囲に維持することにより、温度が高過ぎるか又は低過ぎて車載電池の性能に影響を及ぼす状況を回避することができる。
図18は本願の実施形態9に係る車載電池の温度調整システムの構造概略図である。図18に示すように、該車載電池の温度調整システムは、車載エアコン2、車内冷却分岐路20、電池冷却分岐路30、半導体熱変換モジュール5、電池熱管理モジュール1及びコントローラ6を含む。
車載エアコン2は、車内冷却分岐路20及び電池冷却分岐路30に冷却パワーを供給し、電池冷却分岐路30が車載エアコン2と接続され、半導体熱変換モジュール5は、車内冷却分岐路30及び電池冷却分岐路10に冷却パワーを供給し、電池熱管理モジュール1が電池冷却分岐路30と電池4の間に接続され、コントローラは、電池の要求パワーP1と実際パワーP2を取得し、かつ電池の要求パワーP1と実際パワーP2に基づいて半導体熱変換モジュール5と車載エアコン2のパワーを調整する。
好ましくは、図18に示すように、車載電池の温度調整システムは、エアコン通気口、及びエアコン通気口に設置された第1のファン501をさらに含む。車載エアコン2はコンプレッサー201を含み、電池冷却分岐路30は熱変換器3を含み、車内冷却分岐路20はエバポレーター21を含み、半導体熱変換モジュール5は、冷却部と、加熱部と、加熱部及び半導体の冷却部と接続されたファンと(第4のファン504及び第5のファン505)を含む。半導体熱変換モジュール5の冷却部は車内冷却分岐路20に対応する。
具体的には、図18に示すように、車載エアコンは、コンプレッサー201及びコンデンサ202を含む。電池冷却分岐路30は、熱変換器3、第2の膨張弁31及び第2の電子弁32を含む。車内冷却分岐路20は、エバポレーター21、第1の膨張弁22及び第1の電子弁23を含む。コンプレッサー201はコンデンサ202から2つの独立した冷却分岐路に分けられ、それぞれが車内冷却分岐路20と電池冷却分岐路30である。第1の電子弁23と第2の電子弁32は、それぞれ車内冷却分岐路20と電池冷却分岐路30のオン及びオフを制御する。第1の膨張弁22と第2の膨張弁31は、それぞれ車内冷却分岐路20と電池冷却分岐路30の冷媒流量を制御して、それぞれ車内冷却分岐路20と電池冷却分岐路30の冷却パワーを制御することができる。
電池冷却分岐路は2本の分岐路を含んでよく、一方は車載エアコンであり、車載エアコンの冷媒は熱変換器3に流入し、電池冷却配管内の媒体は熱変換器3を流れた後、温度を下げることにより、電池の温度を下げる。他方は半導体熱変換モジュールとコンプレッサー201であり、車内空気は半導体熱変換器の冷却部を通って、温度を下げ、その後に、第4のファン504がエバポレーター21に冷却風を吹き出すことにより、エバポレーター21の温度を下げ、同時に、コンプレッサー201の冷媒はエバポレーター21に流入し、半導体熱変換モジュール5によって冷却された車内空気はエバポレーター21を流れることにより、また空気の温度を下げ、その後に、第1のファン501を通って、冷却風を熱変換器3とエアコン通気口に吹き出すことにより、熱変換器3の温度を下げ、電池の温度を下げる。エアコン通気口は、第1のファン501が冷却風を車室に吹き出して車内空気の温度を下げるように車室に対応して設置されてよく、半導体は、エアコンによる車内の冷却効果をさらに高めると理解すべきである。
車内冷却分岐路20の冷却パワーは、主に2つの供給源があり、一方は、半導体熱変換モジュール5であり、他方は、コンプレッサー201である。コンプレッサー201の冷媒がエバポレーター21に流入し、電池の冷却配管内の媒体は熱変換器3を流れた後、温度を下げることにより、電池の温度を下げる。車内空気は半導体熱変換モジュール5の冷却部を通って、温度を下げ、その後に、第4のファン504がエバポレーター21に冷却風を吹き出すことにより、エバポレーター21の温度を下げ、同時に、冷媒はエバポレーター21に流入し、半導体熱変換モジュール5によって冷却された車内空気はエバポレーター21を流れることにより、また空気の温度を下げ、その後に、第1のファン501を通って、冷却風を熱変換器3に吹き出すことにより、熱変換器3の温度を下げ、電池の温度を下げる。
電池の冷却パワーは車載エアコンと半導体熱変換モジュールによって供給され、車内冷却システムと冷却力を共用することにより、温度調整システムの体積、冷却力の分配がより柔軟になり、車室内の冷却パワーの要求を満たすだけでなく、電池の冷却要求を満たす。
もちろん、半導体熱変換モジュール5により電池に加熱パワーを供給してよく、電池を加熱するときに、半導体熱変換モジュール5が逆方向に給電するように制御し、冷却部と加熱部は位置が変換され、第1のファン501は加熱部のパワーを熱変換器に吹き出して、加熱パワーを供給することができる。
電池4に温度調整を行う際に、コントローラはさらに、電池の要求パワーP1と実際パワーP2をリアルタイムに取得し、要求パワーP1は、電池の温度を設定された目標温度に調整するように電池4に供給すべきパワーであり、実際パワーP2は、現在電池に温度調整を行うときに、電池4が得る実際調整パワーであり、目標温度は設定値であり、車載電池の実際の状況に応じて予め設定されてよく、例えば、電池を冷却するときに、目標温度を約35℃に設定してよい。同時に、コントローラは要求パワーP1と実際パワーP2に基づいて車載エアコン及び/又は半導体熱変換モジュールのパワーを調整し、例えば、電池を冷却するときに、P1がP2より大きければ、半導体熱変換モジュール5は冷却パワーを向上させ、かつ第4のファン504と第5のファン505の回転速度を向上させるように制御することにより、電池4が降温をできるだけ速く完了する。これにより、車載電池の温度が高過ぎるときに温度を調整して、車載電池の温度を所定の範囲に維持することにより、温度が高過ぎて車載電池の性能に影響を及ぼす状況を回避することができ、そして、電池の冷却パワーは車載エアコンと半導体熱変換モジュールによって供給され、車内冷却システムと冷却力を共用することにより、温度調整システムの体積、冷却力の分配がより柔軟になり、車室内の冷却パワーの要求を満たすだけでなく、電池の冷却要求を満たす。
図18に示すように、電池熱管理モジュール1は、熱交換流路に設置されたポンプ12、第1の温度センサ14、第2の温度センサ15及び流速センサ16を含み、ポンプ12は、熱変換流路中の媒体を流動させ、第1の温度センサ14は車載電池に流入する媒体の入口における温度を検出し、第2の温度センサ15は車載電池から流出する媒体の出口における温度を検出し、流速センサ16は熱変換流路中の媒体の流速を検出する。
好ましくは、図18に示すように、電池熱管理モジュール1は、熱交換流路に設置され、媒体を貯蔵し熱交換流路に媒体を供給する媒体容器13をさらに含んでよい。
以下、具体的な例を組み合わせて電池4の要求パワーP1と実際パワーP2をどのように取得するかを説明する。
本願の一実施形態によれば、コントローラは電池の温度調整開始時の第1のパラメータを取得し、第1のパラメータに基づいて電池に温度調整を行う第1の要求パワーを生成し、そして、電池の温度調整中の第2のパラメータを取得し、第2のパラメータに基づいて電池に温度調整を行う第2の要求パワーを生成すると共に、電池の第1の要求パワーと電池の第2の要求パワーに基づいて電池の要求パワーP1を生成する。
好ましくは、本願の一実施形態によれば、第1のパラメータは電池4の温度調整開始時の初期温度、目標温度、及び初期温度から目標温度になるまでの目標時間tであり、初期温度と目標温度の間の第1の温度差ΔT1を取得し、かつ第1の温度差ΔT1と目標時間tに基づいて第1の要求パワーを生成する。
好ましくは、下式(1)に基づいて第1の要求パワーを生成し、
ΔT1*C*M/t (1)
ΔT1が初期温度と目標温度の間の第1の温度差であり、tが目標時間であり、Cが電池4の比熱であり、Mが電池4の質量である。
第2のパラメータは所定の時間内の電池4の平均電流Iであり、電池熱管理モジュール1は下式(2)に基づいて第2の要求パワーを生成し、
I2*R (2)
Iが平均電流であり、Rが電池4の内部抵抗である。
具体的には、電流ホールセンサにより電池4の充放電電流パラメータを検出し、電池管理コントローラ61はある時間内の電池4の電流パラメータに基づいて、電池4の平均電流を推定することができる。
電池4を冷却するときに、P1=ΔT1*C*M/t+I2*R、電池4を加熱するときに、P1=ΔT1*C*M/t−I2*R。
本願の一実施形態によれば、コントローラは、さらに電池の流路の入口温度と出口温度に基づいて第2の温度差ΔT2を生成し、かつ電池の第2の温度差ΔT2と流路中の媒体の流速vとに基づいて電池の実際パワーP2を生成する。
好ましくは、本願の一実施形態によれば、下式(3)に基づいて実際パワーP2を生成し、
ΔT2*c*m (3)
ΔT2が第2の温度差であり、cが流路中の媒体の比熱であり、mが単位時間当たりに流路の断面積を流れる媒体質量であり、m=v*ρ*sであり、vが媒体の流速であり、ρが媒体の密度であり、sが流路の断面積である。
具体的には、車両がパワーアップされると、電池管理コントローラ61は電池の温度に基づいて電池に温度調整を行う必要があるか否かを判断し、電池に温度調整を行う必要があると判断すれば、CAN通信により、温度調整機能をオンにするという情報を車載エアコンに送信し、車載エアコンは該情報を電池熱管理コントローラ62に伝送し、電池熱管理コントローラ62はポンプ12が初期設定回転速度(例えば、低い回転速度)から動作するように制御する。
その後に、電池熱管理コントローラ62は、電池4の初期温度(即ち、現在の温度)、目標温度、及び初期温度から目標温度になるまでの目標時間tを取得し、目標温度と目標時間tが実際の状況に応じて予め設定されてよく、そして、式(1)に基づいて電池4の第1の要求パワーを計算する。同時に、電池熱管理コントローラ62は、所定の時間内の電池4の平均電流Iを取得し、式(2)に基づいて電池4の第2の要求パワーを計算する。次に、電池熱管理コントローラ62は、電池4の第1の要求パワーと第2の要求パワーに基づいて要求パワーP1(即ち、目標時間内に電池4の温度を目標温度に調整する要求パワー)を計算し、電池4を冷却するときに、P1=ΔT1*C*M/t+I2*R、電池4を加熱するときに、P1=ΔT1*C*M/t−I2*R。そして、電池熱管理コントローラ62は、第1の温度センサ14と第2の温度センサ15によって検出された温度情報をそれぞれ取得し、かつ流速センサ16によって検出された流速情報を取得し、式(3)に基づいて電池4の実際パワーP2を計算する。最後に、電池熱管理コントローラ62は、電池4のP1、P2に基づいて、半導体熱変換モジュール5又は車載エアコン又はヒーター11のパワーを制御することにより電池4の加熱パワー/冷却パワーを精確に制御する。
本願の一実施形態によれば、コントローラは、さらに電池の温度を取得し、かつ電池の温度が第1の温度閾値より大きいか否か、又は第2の温度閾値より小さいか否かを判断し、電池の温度が第1の温度閾値より大きいと、冷却モードに入り、電池の温度が第2の温度閾値より小さいと、加熱モードに入り、第1の温度閾値が第2の温度閾値より大きい。第1の温度閾値と第2の温度閾値は実際の状況に応じて予め設定されてよく、例えば、第1の温度閾値が40℃であってよく、第2の温度閾値が0℃であってよい。
具体的には、車両がパワーアップされると、電池管理コントローラ61は電池の温度をリアルタムに取得し、かつ判断する。電池の温度が40℃より高ければ、このときに該電池4の温度が高過ぎることを示し、高温が該電池4の性能に影響を及ぼすことを回避するために、電池4に降温処理を行う必要があり、温度調整システムは冷却モードに入り、第2の電子弁32をオンにするように制御し、半導体熱変換モジュール3は動作する。
電池4の温度が0℃より低ければ、このときに該電池4の温度が低過ぎることを示し、低温が電池4の性能に影響を及ぼすことを回避するために、電池4に昇温処理を行う必要があり、温度調整システムは加熱モードに入り、電池熱管理コントローラ62はヒーター11を起動させるように制御し、同時に車載エアコン2は第2の電子弁32がオフ状態にあるように保持し、媒体の流れは、熱変換器3−ヒーター11(オン)−ポンプ12−第1の温度センサ14−電池4−第2の温度センサ15−流速センサ16−媒体容器13−熱変換器3である。ヒーター11により冷却配管内の媒体を加熱することにより、媒体と電池4が熱変換を行って、電池の温度調整を完了する。
本願の一実施形態によれば、冷却モードにあるときに、コントローラ6は、さらに、要求パワーP1が実際パワーP2より大きいと、要求パワーP1と実際パワーP2の間のパワー差を取得することにより、半導体熱変換モジュール5がパワー差に基づいてパワーを向上させ、そして、要求パワーP1が実際パワーP2以下であると、半導体熱変換モジュール5のパワー及び/又はコンプレッサーの冷却パワーを低下させて、電気エネルギーを節約するか、又は半導体熱変換モジュール5及び/又はコンプレッサーのパワーをそのまま保持する。
具体的には、温度調整システムが冷却モードで動作するときに、コントローラは電池4の要求パワーP1と実際パワーP2を取得し、かつ判断する。電池4のP1がP2より大きければ、現在の冷却パワーで目標時間内に電池4の降温を完了できないことを示すため、コントローラはパワー差に基づいて半導体熱変換モジュール5のパワーと第4のファン504、第5のファン505の回転速度を向上させて、所定の時間t内に電池4の温度を目標温度に下げる。その一方、P1がP2以下であれば、半導体熱変換モジュール5の冷却パワー、第4のファン504及び第5のファン505の回転速度、コンプレッサーの冷却パワーを低下させて電気エネルギーを節約するか、半導体熱変換モジュール5及びコンプレッサーのパワーをそのまま保持する。電池の温度が35℃より低いと、電池4の冷却が完了し、半導体熱変換モジュール5が冷却を停止するように制御すると共に、第2の電子弁32をオフにするように制御する。温度調整システムが冷却モードに入って長い時間、例えば1時間が経過した後、電池4の温度が依然として35℃より高ければ、冷却パワーを適切に向上させ、第4のファン504及び第5のファン505の回転速度を適切に向上させて、電池4が降温をできるだけ速く完了する。
本願の一実施形態によれば、図18に示すように、電池熱管理モジュール1は、熱変換流路に設置され、熱変換流路中の媒体を加熱するヒーター11をさらに含んでよい。
具体的には、ヒーター11により媒体を加熱することにより、電池の温度が低いときに電池に温度調整を行うことができる。ヒーターはPTCヒーターであってよく、ヒーターは電池と直接接触せず、高い安全性、信頼性及び実用性を持つ。ポンプ12は主に動力を供給し、媒体容器13は主に媒体を貯蔵し、かつ温度調整システムに添加される媒体を収容し、温度調整システムにおける媒体が減少すると、媒体容器13中の媒体から自動的に補充することができる。第1の温度センサ14は電池流路入口における媒体温度を検出し、第2の温度センサ15は電池流路出口における媒体温度を検出する。流速センサ16は温度調整システムにおける配管内の媒体の流速情報を検出する。
図18に示すように、加熱モードにあるときに、コントローラ6は、要求パワーP1が実際パワーP2より大きいと、要求パワーP1と実際パワーP2の間の温度差を取得し、かつ温度差に基づいてヒーター11の加熱パワーを向上させ、そして、要求パワーP1が実際パワーP2以下であると、ヒーター11の加熱パワーをそのまま保持する。
具体的には、温度調整システムが加熱モードにあるときに、コントローラは電池4の要求パワーP1と実際パワーP2を取得し、かつ判断する。電池4のP1がP2より大きければ、現在の加熱パワーで目標時間内に電池4の昇温を完了できないことを示し、コントローラは電池4の要求パワーP1と実際パワーP2の間のパワー差を取得し、かつパワー差に基づいてヒーター11及び/又は半導体熱変換モジュール5のパワーを向上させて、所定の時間t内に電池4の温度を目標温度に上げる。その一方、P1がP2以下であれば、ヒーター11及び/又は半導体熱変換モジュール5のパワーを低下させて電気エネルギーを節約するか、ヒーター11及び/又は半導体熱変換モジュール5のパワーをそのまま保持する。電池の温度が第2の設定温度、例えば10℃に達すると、電池4の加熱が完了し、電池管理コントローラ61はCAN通信により電池熱管理コントローラ62に温度調整機能をオフにするという情報を送信して、ヒーター11が加熱を停止するように制御する。温度調整システムが加熱モードに入って長い時間、例えば2時間が経過した後、電池4の温度が依然として10℃より低ければ、電池熱管理コントローラ62はヒーター11のパワーを適切に向上させて、電池4が昇温をできるだけ速く完了する。
さらに、本願の一実施形態によれば、図18に示すように、コントローラは、さらに、要求パワーP1が実際パワーP2以下であると、ポンプ12の回転速度を低下させるか又はポンプ12の回転速度をそのまま保持し、そして、要求パワーP1が実際パワーP2より大きいと、ポンプ12の回転速度を向上させる。
具体的には、温度調整システムが加熱モード又は冷却モードに入るときに、電池4のP1がP2以下であれば、コントローラはポンプ12の回転速度を低下させるように制御して、電気エネルギーを節約するか、ポンプ12の回転速度をそのまま保持する。電池4のP1がP2より大きければ、ヒーター11のパワーを向上させることに加え、また、ポンプ12の回転速度を向上させるように制御して、単位時間当たりに冷却流路の断面積を流れる媒体質量を増加させることにより、電池4の実際パワーP2を向上させて、目標時間t内に温度調整を実現する。
車載エアコンは、車室の空気温度、電池の要求パワーP1及び実際パワーP2に基づいて、各冷却分岐路のパワー分配を調整することにより、車内冷却と電池冷却の冷却要求をバランスさせると理解すべきである。
冷却モードにあるときに、要求パワーP1が実際パワーP2より大きければ、コントローラは、さらに電池の温度が第1の所定温度閾値より大きいか否かを判断し、電池の温度が第1の所定温度閾値以上であれば、コントローラは、電池冷却分岐路の冷却液流量を増加させ、かつ車内冷却分岐路の冷却液流量を減少させ、電池の温度が第1の所定温度閾値より小さければ、コントローラは、車室内の温度がエアコンの設定温度に達するか否かをさらに判断し、エアコンの設定温度に達しなければ、車内冷却分岐路の冷却液流量を増加させ、かつ電池冷却分岐路の冷却液流量を減少させる。第1の所定温度閾値は45℃であってよい。具体的には、第1の膨張弁の開度を調整することにより車内冷却分岐路の冷却液流量を調整し、第2の膨張弁の開度を調整することにより電池冷却分岐路の冷却液流量を調整することができる。
要するに、図18に示されるシステムのように、電池冷却パワーは電池冷却分岐路30の冷却パワーであり(コンプレッサーによって供給され、第2の膨張弁の開度により制御される)、車内冷却パワーは車内冷却分岐路20の冷却パワーである(コンプレッサーによって供給され、第1の膨張弁の開度により制御される)。
1、電池を冷却するときに、電池冷却と車内冷却の初期パワー分配は、以下のとおりである。
電池冷却の要求パワーがP1であり、電池の実際冷却パワーがP2であり、P3が半導体熱変換モジュールの最大冷却パワーであり、P6が車内冷却パワーであり、P7がコンプレッサーの最大冷却パワーであると仮定する。
電池冷却の要求パワーP1と車内冷却の要求パワーP6のパワーの和≦総パワーP7、即ち、P1+P6≦P7であるときに、コンプレッサーはP1+P6の冷却パワーで運転する。そして、P1<P7、P6<P7。同時に、第1の膨張弁の開度を制御することにより、車内冷却パワーをP6にする。第の膨張弁の開度を制御することにより、電池の冷却パワーをP1にする。
P7<P1+P6≦P7+P3、Pe=P1+P6−P7、Pf=P1+P6−P3であると、コンプレッサーは最大冷却パワーP7で運転し、半導体熱変換モジュールは冷却パワーPeで運転する。電池冷却分岐路の冷却パワーがP1であり、車内冷却分岐路のパワー=P6である。或いは、半導体換気モジュールは最大冷却パワーP3で運転し、コンプレッサーは冷却パワーPfで運転する。同時に、第1の膨張弁の開度を制御することにより、車内冷却パワーをP6にする。第の膨張弁の開度を制御することにより、電池の冷却パワーをP1にする。
P1+P6>P7+P3であれば、電池の温度が45℃より大きいか否かを判断し、45℃より大きければ、電池冷却に冷却パワーを優先的に供給し、コンプレッサーは最大冷却パワーP7で運転し、半導体熱変換モジュールは最大冷却パワーP3で運転し、同時にファンの回転速度を向上させる。第2の膨張弁の開度を大きくすることにより、電池冷却分岐路の冷却パワーをP1にし、第1の膨張弁の開度を小さくすることにより、車内冷却分岐路のパワーを=P7+P3−P1にする。電池の温度が45℃以下であると判断し、かつ車内温度が設定温度に達しなければ、車内に冷却パワーを優先的に供給し、コンプレッサーは最大冷却パワーP7で運転し、半導体熱変換モジュールは最大冷却パワーP3で運転し、同時にファンの回転速度を向上させる。第1の膨張弁の開度を大きくすることにより、車内冷却分岐路の冷却パワーをP6にし、第2の膨張弁の開度を小さくすることにより、電池冷却分岐路の冷却パワーを=P7+P3−P6にする。車内温度が設定温度に達すれば、電池の冷却パワーを優先的に満たす。
電池の冷却過程におけるパワーの分配は、
P1>P2、かつPc=P1−P2、P1+P6+Pc<P7であれば、コンプレッサーは冷却パワーをPc向上させ、同時に第2の膨張弁の開度を大きくし、ポンプの回転速度を向上させて、電池の冷却パワーを向上させる。
P1>P2、かつPc=P1−P2、P7<P1+P6+Pc≦P7+P3、Pg=P1+P6+Pc−P7、Ph=P1+P6+Pc−P3であれば、コンプレッサーは最大冷却パワーP7で運転し、半導体換気モジュールは冷却パワーPgで運転する。或いは、コンプレッサーは冷却パワーPhで運転し、半導体換気モジュールは最大冷却パワーP3で運転する。或いは、コンプレッサーは最大冷却パワーP7で運転し、半導体熱変換モジュールは冷却パワーをPc向上させる。或いは、コンプレッサーは冷却パワーをPc向上させ、半導体熱変換モジュールは最大冷却パワーP3で運転する。或いは、コンプレッサーは冷却パワーを変化させず、半導体熱変換モジュールは冷却パワーをPc向上させる。或いは、コンプレッサーは冷却パワーをPc向上させ、半導体熱変換モジュールは冷却パワーを変化させない。或いは、コンプレッサーは冷却パワーを0.5*Pc向上させ、半導体熱変換モジュールは冷却パワーを0.5Pc向上させる。或いは、コンプレッサーと半導体熱変換モジュールの最大冷却パワーの比に基づいて、それぞれ割合に応じて冷却パワーを向上させる。同時に第2の膨張弁の開度を大きくし、ポンプの回転速度を向上させ、ファンの回転速度を向上させるように制御することにより、電池冷却分岐路の冷却パワーをPc向上させる。
P1>P2、Pc=P1−P2、かつP1+P6+Pc>P7+P3であれば、コンプレッサーは最大冷却パワーP5で運転し、半導体熱変換モジュールは最大冷却パワーP3で運転し、同時にファンの回転速度を向上させ、ポンプの回転速度を向上させて、熱変換パワーを向上させる。このときに、電池の温度が45℃より大きいか否かを判断し、45℃より大きければ、電池冷却に冷却パワーを優先的に供給し、コンプレッサーは最大冷却パワーP7で運転し、半導体熱変換モジュールは最大冷却パワーP3で運転し、同時にファンの回転速度を向上させる。第2の膨張弁の開度を大きくすることにより、電池冷却分岐路の冷却パワーをP1+Pcにし、第1の膨張弁の開度を小さくすることにより、車内冷却分岐路のパワーを=P7+P3−P1−Pcにし、同時にポンプの回転速度を向上させ、ファンの回転速度を向上させるように制御することにより、電池冷却分岐路の冷却パワーをPc向上させる。電池の温度が45℃以下であると判断し、かつ車内温度が設定温度に達しなければ、車内に冷却パワーを優先的に供給し、コンプレッサーは最大冷却パワーP7で運転し、半導体熱変換モジュールは最大冷却パワーP3で運転し、同時にファンの回転速度を向上させる。第1の膨張弁の開度を大きくすることにより、車内冷却分岐路の冷却パワーをP6にし、第2の膨張弁の開度を小さくすることにより、電池冷却分岐路の冷却パワーを=P7+P3−P6にする。車内温度が設定温度に達すれば、電池の冷却パワーを優先的に満たす。
P1≦P2、かつPc=P2−P1であれば、コンプレッサーの冷却パワーをそのまま維持し、半導体熱変換モジュールの冷却パワーをそのまま維持したり、コンプレッサーの冷却パワーを低下させ、半導体熱変換モジュールの冷却パワーを低下させたり、第2の膨張弁の開度を小さくしたり、ポンプの回転速度を低下させたりすることにより、電池冷却分岐路の冷却パワーをPc低下させる。
2、電池を加熱するときに、電池加熱の要求パワーがP1であり、電池の実際加熱パワーがP2であり、P4が半導体熱変換モジュールの最大加熱パワーであり、P5がPTCヒーターの最大加熱パワーであると仮定する。
P1≦P5であれば、PTCヒーターは加熱パワーP1で電池に加熱パワーを供給する。
P1>P5、かつP1≦P5+P4、P1−P5=Pdであれば、PTCヒーターは最大加熱パワーP5で電池に加熱パワーを供給し、同時に半導体熱変換モジュールは加熱パワーPdで電池に加熱パワーを供給すると共に、第4のファンと第5のファンの回転速度を向上させ、ポンプの回転速度を向上させて、熱変換パワーを向上させる。P1>P5、かつP1>P5+P4であれば、PCTヒーターは最大加熱パワーP5で電池に加熱パワーを供給し、同時に半導体熱変換モジュールは最大加熱パワーP3で電池に加熱パワーを供給すると共に、第4のファンと第5のファンの回転速度を向上させ、ポンプの回転速度を向上させて、熱変換パワーを向上させる。
加熱過程において、P1≦P2、かつPc=P2−P1であれば、半導体熱変換モジュールは加熱パワーをPc低下させ、第4のファンと第5のファンの回転速度を低下させ、或いは、PTCヒーターは加熱パワーをPc低下させ、同時にポンプの回転速度を低下させて、電気エネルギーを節約する。或いは、現在の加熱パワーをそのまま保持する。
加熱過程において、P1>P2、Pc=P1−P2、かつP1+Pc≦P5であれば、PTCヒーターは加熱パワーをPc向上させ、同時にポンプの回転速度を向上させるように制御して、電池の加熱パワーを向上させる。
P1>P2、Pc=P1−P2、かつP5<P1+Pc≦P5+P4、Pi=P1+Pc−P5、Pj=P1+Pc−P4であれば、PTCヒーターは最大加熱パワーP5で運転し、半導体熱変換モジュールは加熱パワーPiで運転する。或いは、PTCヒーターは加熱パワーPjで運転し、半導体熱変換モジュールは最大加熱パワーP4で運転する。或いは、PTCヒーターは最大加熱パワーP5で電池に加熱パワーを供給し、半導体熱変換モジュールは加熱パワーをPc向上させる。或いは、ヒーターは加熱パワーを変化させず、半導体熱変換モジュールは加熱パワーをPc向上させる。或いは、ヒーターは加熱パワーをPc向上させ、半導体熱変換モジュールは加熱パワーを変化させない。或いは、PTCヒーターは加熱パワーを0.5*Pc向上させ、半導体熱変換モジュールは加熱パワーを0.5Pc向上させ、或いは、PTCヒーターと半導体熱変換モジュールの最大加熱パワーの比に基づいて、それぞれ割合に応じて加熱パワーを向上させる。同時に第4のファンと第5のファンの回転速度を向上させると共に、ポンプの回転速度を向上させて、熱変換パワーを向上させることにより、電池加熱パワーをPc向上させる。
P1>P2、Pc=P1−P2、かつP1+Pc>P5+P4であれば、PCTヒーターは最大加熱パワーP5で電池に加熱パワーを供給し、同時に半導体熱変換モジュールは最大加熱パワーP4で電池に加熱パワーを供給すると共に、第4のファンと第5のファンの回転速度を向上させ、ポンプの回転速度を向上させて、熱変換パワーを向上させる。
また、図19に示すように、本願は、車載電池の温度調整システムをさらに提供し、それは図18に示される技術手段に比べて、以下の点で相違する。図19における電池冷却分岐路30は主に熱変換器3により電池4の冷却に冷却パワーを供給する。半導体熱変換モジュールは、電池の温度調整に参加しない。
図20は、別の車載エアコンの温度調整システムであり、コンプレッサー201はコンデンサから2本の独立した冷却分岐路が分けられ、それぞれが車内冷却分岐路20と電池冷却分岐路30である。車内冷却分岐路20は、主にエバポレーター21により車室内の空間に冷却パワーを供給し、電池冷却分岐路30は、主に熱変換器3により電池に冷却パワーを供給する。車内冷却分岐路の冷却パワーは、主に2つの供給源があり、一方は、コンプレッサー201であり、コンプレッサー201の冷媒がエバポレーター21に流入し、車内空気がエバポレーター21を流れて空気の温度を下げ、その後に、第4のファン504を通って、冷却風を半導体熱変換モジュール5の冷却部に吹き出すことにより、半導体熱変換モジュール5の冷却部の温度を下げ、他方は、半導体熱変換モジュール5であり、車内空気はエバポレーター21を通って冷却された後、温度が低下し、また半導体熱変換モジュール5の冷却部を通って、温度が再低下し、その後に、冷却風を車内に吹き出すことにより、車内空気の温度を下げる。加熱部は、第5のファン505により放熱し、かつ熱風を車外に吹き出す。
本願の実施形態に係る車載電池の温度調整システムは、車載電池の温度が高過ぎるか又は低過ぎるときに温度を調整して、車載電池の温度を所定の範囲に維持することにより、温度が高過ぎて車載電池の性能に影響を及ぼす状況を回避することができる。
図21は本願の実施形態4に係る車載電池の温度調整方法のフローチャートである。図18に示すように、車載エアコン、車内冷却分岐路、電池冷却分岐路、半導体熱変換モジュール及び電池熱管理モジュールであり、車載エアコンは、車内冷却分岐路及び電池冷却分岐路に冷却パワーを供給し、電池冷却分岐路は車載エアコンと接続され、電池熱管理モジュールは電池冷却分岐路と電池の間に接続され、半導体熱変換モジュールは、車内冷却分岐路及び電池冷却分岐路に冷却パワーを供給する。図21に示すように、上記方法は、以下のステップS1”〜S3”を含む。
S1”では、電池の要求パワーP1を取得する。
好ましくは、本願の一実施形態によれば、電池管理コントローラ61により電池の要求パワーP1を取得することは、具体的に以下を含む。電池管理コントローラ61により電池の温度調整開始時の第1のパラメータを取得し、かつ第1のパラメータに基づいて、電池に温度調整を行う第1の要求パワーを生成する。電池管理コントローラ61により電池の温度調整中の第2のパラメータを取得し、かつ第2のパラメータに基づいて電池の第2の要求パワーを生成する。電池管理コントローラ61により電池の第1の要求パワーと電池の第2の要求パワーに基づいて電池の要求パワーP1を生成する。
好ましくは、本願の一実施形態によれば、第1のパラメータは電池の温度調整開始時の初期温度、目標温度、及び初期温度から上記目標温度になるまでの目標時間tであり、電池管理コントローラ61により第1のパラメータに基づいて、電池に温度調整を行う第1の要求パワーを生成することは、具体的には、以下を含む。電池管理コントローラ61により初期温度と目標温度の間の第1の温度差ΔT1を取得する。第1の温度差ΔT1と目標時間tに基づいて第1の要求パワーP1を生成する。
好ましくは、本願の一実施形態によれば、下式(1)に基づいて第1の要求パワーを生成し、
ΔT1*C*M/t (1)
ΔT1が初期温度と目標温度の間の第1の温度差であり、tが目標時間であり、Cが電池の比熱であり、Mが電池の質量である。
本願の一実施形態によれば、第2のパラメータは所定の時間内の電池の平均電流Iであり、下式(2)に基づいて電池の第2の要求パワーを生成し、
I2*R (2)
Iが平均電流であり、Rが電池の内部抵抗である。
電池を冷却するときに、P1=ΔT1*C*M/t+I2*R、電池を加熱するときに、P1=ΔT1*C*M/t−I2*R。
S2”では、電池の実際パワーP2を取得する。
本願の一実施形態によれば、電池熱管理コントローラ62により電池の実際パワーP2を取得することは、電池熱管理コントローラ62により電池の温度を調整する流路の入口温度と出口温度を取得すると共に、媒体が流路に流入する流速vを取得することと、電池の流路の入口温度と出口温度に基づいて第2の温度差ΔT2を生成し、電池の第2の温度差ΔT2と流速vに基づいて実際パワーP2を生成することとを含む。
好ましくは、本願の一実施形態によれば、下式(3)に基づいて実際パワーP2を生成し、
ΔT2*c*m (3)
ΔT2が第2の温度差であり、cが流路中の媒体の比熱であり、mが単位時間当たりに流路の断面積を流れる媒体質量であり、m=v*ρ*sであり、vが媒体の流速であり、ρが媒体の密度であり、sが流路の断面積である。
S3”では、要求パワーP1と実際パワーP2に基づいて半導体熱変換モジュール及び/又は車載エアコンのパワーを調整する。
好ましくは、図18に示すように、車載電池の温度調整システムは、エアコン通気口、及びエアコン通気口に設置された第1のファンをさらに含む。
具体的には、電池の温度が高く、例えば40℃より高いと、車載電池の温度調整システムは冷却モードに入り、電池熱管理モジュールと半導体熱変換モジュールは順方向に給電し(図18)、車載エアコンは冷却動作を行う。電池の温度が0℃より低ければ、このときに電池の温度が低過ぎることを示し、低温が電池の性能に影響を及ぼすことを回避するために、電池に昇温処理を行う必要があり、温度調整システムは加熱モードに入り、半導体コントローラ64は半導体熱変換モジュールが逆方向に給電するように制御し、冷却部と加熱部は位置が変換され、第1のファンは加熱部のパワーを熱変換器に吹き出して、加熱パワーを供給することができる。
電池に温度調整を行うときに、電池管理コントローラ61により電池の初期温度(即ち、現在の温度)、目標温度、及び初期温度から目標温度になるまでの目標時間tを取得し、目標温度と目標時間tが実際の状況に応じて予め設定されてよく、そして、式(1)に基づいて第1の要求パワーを計算する。同時に、電池管理コントローラ61により、所定の時間内の電池の平均電流Iを取得し、式(2)に基づいて電池の第2の要求パワーを計算する。次に、電池管理コントローラ61により、電池の第1の要求パワーと第2の要求パワーに基づいて、電池の要求パワーP1(即ち、電池の温度を目標温度に調整する要求パワー)を計算する。そして、電池熱管理コントローラ62により電池の入口温度と出口温度を取得すると共に、流速情報を取得し、式(3)に基づいて電池の実際パワーP2を計算する。要求パワーP1は、電池の温度を設定された目標温度に調整するように電池に供給すべきパワーであり、実際パワーP2は、現在電池に温度調整を行うときに、電池が得る実際パワーであり、目標温度は設定値であり、車載電池の実際の状況に応じて予め設定されてよく、例えば、電池を冷却するときに、目標温度を約35℃に設定してよい。その後に、要求パワーP1と実際パワーP2に基づいて半導体熱変換モジュール及び/又は車載エアコンのパワーを調整する。例えば、電池を冷却するときに、P1がP2より大きければ、コントローラは半導体熱変換モジュール及び/又は車載エアコンの冷却パワーを向上させ、かつ第4のファンと第5のファンの回転速度を向上させるように制御することにより、電池が降温をできるだけ速く完了する。これにより、車載電池の温度が高過ぎるときに温度を調整して、車載電池の温度を所定の範囲に維持することにより、温度が車載電池の性能に影響を及ぼす状況を回避することができる。そして、電池の温度調整システムの冷却パワーは車載エアコンと半導体熱変換モジュールによって供給され、車内冷却システムと冷却力を共用することにより、温度調整システムの体積、冷却力の分配がより柔軟になり、車室内の冷却パワーの要求を満たすだけでなく、電池の冷却要求を満たす。
本願の一実施形態によれば、図18に示すように、熱交換流路に設置されたポンプ、第1の温度センサ、第2の温度センサ及び流速センサであり、ポンプは、熱変換流路中の媒体を流動させ、第1の温度センサは車載電池に流入する媒体の入口における温度を検出し、第2の温度センサは車載電池から流出する媒体の出口における温度を検出し、流速センサは熱変換流路中の媒体の流速を検出する。
好ましくは、図18に示すように、電池熱管理モジュールは、熱交換流路に設置され、媒体を貯蔵し熱交換流路に媒体を供給する媒体容器をさらに含んでよい。
本願の一実施形態によれば、上記温度調整方法は、さらに電池の温度を取得し、かつ電池の温度が第1の温度閾値より大きいか否かを判断することと、電池の温度が第1の温度閾値より大きいと、冷却モードに入ることと、電池の温度が第1の温度閾値以下であるときに、電池の温度が第2の温度閾値より小さいか否かを継続して判断することと、電池の温度が第2の温度閾値より小さいと、加熱モードに入ることとをさらに含み、上記第1の温度閾値が上記第2の温度閾値より大きい。第1の温度閾値と第2の温度閾値は実際の状況に応じて予め設定されてよく、例えば、第1の温度閾値が40℃であってよく、第2の温度閾値が0℃であってよい。
具体的には、車両がパワーアップされると、電池管理コントローラ61により電池の温度をリアルタムに取得し、かつ判断する。電池の温度が40℃より高ければ、このときに該電池の温度が高過ぎることを示し、高温が該電池の性能に影響を及ぼすことを回避するために、電池に降温処理を行う必要があり、温度調整システムは冷却モードに入り、車載エアコンが冷却し、半導体熱変換モジュールが順方向に給電するように制御する。
電池の温度が0℃より低ければ、このときに電池4の温度が低過ぎることを示し、低温が電池の性能に影響を及ぼすことを回避するために、電池に昇温処理を行う必要があり、温度調整システムは加熱モードに入り、半導体コントローラ64は半導体熱変換モジュールが逆方向に給電するように制御する。
好ましくは、冷却モードにあるときに、要求パワーP1と実際パワーP2に基づいて半導体熱変換モジュール及び/又は車載エアコンのパワーを調整することは、具体的には、要求パワーP1が実際パワーP2より大きいか否かを判断することと、要求パワーP1が実際パワーP2より大きければ、要求パワーP1と実際パワーP2の間のパワー差を取得し、かつパワー差に基づいて半導体熱変換モジュール及び/又はコンプレッサーのパワーを向上させることと、要求パワーP1が実際パワーP2以下であれば、半導体熱変換モジュールのパワー及び/又はコンプレッサーの冷却パワーを低下させるか、半導体熱変換モジュール及び/又はコンプレッサーのパワーをそのまま保持することとを含む。
具体的には、温度調整システムが冷却モードで動作するときに、コントローラにより電池の要求パワーP1と実際パワーP2を取得し、かつ判断する。電池のP1がP2より大きければ、現在の冷却パワーで目標時間内に電池の降温を完了できないことを示すため、コントローラは電池の要求パワーP1と実際パワーP2の間のパワー差を取得し、かつ半導体コントローラ64によりパワー差に基づいて半導体熱変換モジュールの冷却パワー、及び第4のファン、第5のファンの回転速度を向上させて、所定の時間t内に電池の温度を目標温度に下げる。その一方、P1がP2以下であれば、半導体熱変換モジュールのパワー、第4のファン及び第5のファンの回転速度を低下させ、及び/又は車載エアコンコントローラ63によりコンプレッサーの冷却パワーを低下させて、電気エネルギーを節約するか、半導体熱変換モジュール及び/又はコンプレッサーのパワーをそのまま保持する。電池の温度が35℃より低いと、電池の冷却が完了し、半導体コントローラ64により半導体熱変換モジュールが冷却を停止するように制御する。温度調整システムが冷却モードに入って長い時間、例えば1時間が経過した後、電池の温度が依然として35℃より高ければ、半導体コントローラ64により半導体熱変換モジュールの冷却パワー、第4のファン及び第5のファンの回転速度を適切に向上させて、電池が降温をできるだけ速く完了する。
図18に示すように、温度調整システムが冷却モードにあるときに、要求パワーP1が実際パワーP2より大きければ、電池の温度が第1の所定温度閾値より大きいか否かを判断し、電池の温度が第1の所定温度閾値以上であれば、電池冷却分岐路の冷却液流量を増加させ、かつ車内冷却分岐路の冷却液流量を減少させ、電池の温度が第1の所定温度閾値より大きければ、さらに車室内の温度がエアコンの所定温度に達するか否かを判断し、エアコンの設定温度に達しなければ、車内冷却分岐路の冷却液流量を増加させ、かつ電池冷却分岐路の冷却液流量を減少させる。具体的には、第1の膨張弁の開度を調整することにより車内冷却分岐路の冷却液流量を調整し、第2の膨張弁の開度を調整することにより電池冷却分岐路の冷却液流量を調整することができる。
本願の一実施形態によれば、図18に示すように、電池熱管理モジュールは、ヒーターをさらに含み、ヒーターはコントローラと接続されて、熱変換流路中の媒体を加熱し、加熱モードにあるときに、上記方法は、要求パワーP1が実際パワーP2より大きいか否かを判断することと、要求パワーP1が実際パワーP2より大きければ、要求パワーP1と実際パワーP2の間のパワー差を取得し、かつパワー差に基づいてヒーターに用いられる加熱パワー及び/又は半導体熱変換モジュールのパワーを向上させることと、要求パワーP1が実際パワーP2以下であれば、ヒーターの加熱パワーをそのまま保持するか、又はヒーター及び/又は半導体熱変換モジュールの加熱パワーを低下させることとをさらに含む。
具体的には、温度調整システムが加熱モードで動作するときに、コントローラにより電池の要求パワーP1と実際パワーP2を取得し、かつ判断する。電池のP1がP2より大きければ、現在の加熱パワーで目標時間内に電池の昇温を完了できないことを示し、コントローラにより電池4の要求パワーP1と実際パワーP2の間のパワー差を取得し、かつパワー差に基づいてヒーター及び/又は半導体熱変換モジュールのパワーを向上させて、所定の時間t内に電池の温度を目標温度に上げる。その一方、P1がP2以下であれば、コントローラによりヒーター及び/又は半導体熱変換モジュールの加熱パワーを低下させて電気エネルギーを節約したり、ヒーターのパワーをそのまま保持したり、導体熱変換モジュールのパワーをそのまま保持したりする。電池の温度が第2の設定温度、例えば10℃に達すると、電池の加熱が完了し、コントローラによりヒーターが加熱を停止するように制御する。温度調整システムが加熱モードに入って長い時間、例えば2時間が経過した後、電池の温度が依然として10℃より低ければ、ヒーターのパワーを適切に向上させて、電池が昇温をできるだけ速く完了する。
さらに、本願の一実施形態によれば、図18に示すように、電池熱管理モジュールは、熱交換流路に設置されたポンプ、第1の温度センサ、第2の温度センサ及び流速センサを含み、ポンプ、第1の温度センサ、第2の温度センサ及び流速センサはコントローラと接続され、ポンプは、熱変換流路中の媒体を流動させ、第1の温度センサは車載電池に流入する媒体の入口における温度を検出し、第2の温度センサは車載電池から流出する媒体の出口における温度を検出し、流速センサは熱変換流路中の媒体の流速を検出し、上記方法は、要求パワーP1が実際パワーP2以下であれば、ポンプの回転速度を低下させるか又はポンプの回転速度をそのまま保持することと、要求パワーP1が実際パワーP2より大きければ、ポンプの回転速度を向上させることとをさらに含む。
具体的には、温度調整システムが加熱モード又は冷却モードに入るときに、電池のP1がP2以下であれば、電池熱管理コントローラ62によりポンプの回転速度を低下させるように制御して、電気エネルギーを節約するか、ポンプの回転速度をそのまま保持する。電池のP1がP2より大きければ、半導体コントローラ64により半導体熱変換モジュールのパワーを向上させるように制御するか、又は電池熱管理コントローラ62によりヒーターのパワーを向上させるように制御することに加え、また、電池熱管理コントローラ62によりポンプの回転速度を向上させるように制御して、単位時間当たりに冷却流路の断面積を流れる媒体質量を増加させることにより、電池の実際パワーP2を向上させて、目標時間t内に温度調整を実現する。
本願の実施形態に係る車載電池の温度調整方法は、各電池の実際の状態に応じて各電池の加熱パワーと冷却パワーを精確に制御し、電池の温度が高過ぎるか又は低過ぎるときに温度を調整して、電池の温度を所定の範囲に維持することにより、温度が車載電池の性能に影響を及ぼす状況を回避することができる。
また、本願は、プロセッサによって実行されるときに上記温度調整方法を実現するコンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
本願の実施形態では、車載エアコンは、上記エアコン通気口及び第1のエアダクトにより上記熱変換器に熱変換を行い、上記車載エアコンは、上記エアコン通気口及び第4のエアダクトにより上記車室に熱変換を行う。上記半導体熱変換モジュールは第2のエアダクトと第1のファンにより上記熱変換器に熱変換を行う。上記半導体熱変換モジュールは第3のエアダクトにより上記車室に熱変換を行う。車載エアコンは、上記エアコン通気口と第2のエアダクトにより上記半導体熱変換モジュールに熱変換を行った後、上記半導体熱変換モジュールは第3のエアダクトにより上記車室に熱変換を行う。上記車載エアコンは、上記エアコン通気口、第4のエアダクト、車室及び第3のエアダクトにより上記半導体熱変換モジュールに熱変換を行った後、上記半導体熱変換モジュールは第2のエアダクト及び第1のファンにより上記熱変換器に熱変換を行う。車載エアコンは、上記エアコン通気口及び第1のエアダクトにより上記熱変換器に熱変換を行い、かつ上記半導体熱変換モジュールは第2のエアダクト及び第1のファンにより上記熱変換器に熱変換を行う。
本願の実施形態の非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体では、電池の温度調整の要求パワーと温度調整の実際パワーを取得し、温度調整の要求パワーと温度調整の実際パワーに基づいて半導体熱変換モジュール及び/又は車載エアコンのパワーを制御して、車載電池の温度が高過ぎるか又は低過ぎるときに温度を調整して、車載電池の温度を所定の範囲に維持することにより、温度が高過ぎて車載電池の性能に影響を及ぼす状況を回避することができる。
なお、本願の説明において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「半径方向」、「周方向」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有するとともに、特定の方位で構成されて動作しなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本願を限定するものであると理解すべきではない。
さらに、用語「第1の」、「第2の」は、説明目的のためのみに用いられ、相対的な重要性を指示するか又は暗示し、或いは指示された技術的特徴の数量を暗示すると理解すべきではない。これにより、「第1の」、「第2の」で限定された特徴は、少なくとも1つの該特徴を明示的又は暗示的に含むことができる。本願の説明において、「複数」とは、別に明らかかつ具体的な限定がない限り、少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどを意味する。
本願において、明確な規定及び限定がない限り、用語「装着」、「連接」、「接続」、「固定」などは、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続、着脱可能な接続、一体的な接続であってもよく、機械的な接続、電気的な接続であってもよく、直接的な接続、中間媒体を介した接続であってもよく、明確な限定がない限り、2つの素子の間の連通、または2つの素子の相互作用の関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
本願において、明確な規定及び限定がない限り、第1の特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1の特徴と第2の特徴とが直接的に接触することを含んでもよいし、第1の特徴と第2の特徴とが中間媒体を介して間接的に接触することを含んでもよい。また、第1の特徴が第2の特徴の「上」、「上方」又は「上面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真上及び斜め上にあることを含んでもよいし、単に第1の特徴の水平高さが第2の特徴より高いことだけを表すことを含んでもよい。第1の特徴が第2の特徴の「下」、「下方」又は「下面」にあることは、第1の特徴が第2の特徴の真下及び斜め下にあることを含んでもよいし、又は単に第1の特徴の水平高さが第2の特徴より低いことだけを表すことを含んでもよい。
本明細書の説明において、参照用語「実施形態」、「いくつかの実施形態」、「実施例」、「具体的な実施例」、又は「いくつかの実施例」などの説明の意味は、該実施形態又は実施例と組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施形態又は実施例に含まれることである。本明細書において、上記用語の概略性説明は、必ずしも同じ実施形態又は実施例に対するものではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、いずれか1つ又は複数の実施形態又は実施例において適切な形態で組み合わせることができる。また、互いに矛盾しない場合、当業者であれば、本明細書で説明された異なる実施形態又は実施例、及び異なる実施形態又は実施例の特徴を結合し、かつ組み合わせることができる。
以上、本願の実施形態が示され、説明されるが、上記実施形態は、例示的なものであり、本願を限定するものと見なすと理解すべきではなく、当業者であれば、本願の範囲で上記実施形態に対して変更、修正、交換及び変形を行うことができる。
電池4の冷却機能がオンにされているときに、冷媒は2つの流れ方向があり、車内冷却分岐路20は、コンプレッサー201−コンデンサ202−第1の電子弁23−第1の膨張弁22−エバポレーター21−コンプレッサー201であり、電池冷却分岐路30は、コンプレッサー201−コンデンサ202−第2の電子弁32−第2の膨張弁31−熱変換器3−コンプレッサー201である。また、半導体熱変換モジュール5は、車室内の冷却風を半導体熱変換器の冷却部により冷却した後、第4のファン504により熱変換器3に吹き出す。電池冷却機能がオンにされていないときに、第2の電子弁32はオフにされる。電池冷却機能がオンにされると、第2の電子弁32はオンにされる。このときに、車内に冷却が必要がなければ、第1の電子弁23はオフにされる。電池冷却機能がオンにされていないと、半導体熱変換モジュールは通電しない。図12に示すように、車両がパワーアップされると、コントローラ6は電池の温度をリアルタムに取得し、かつ判断する。電池の温度が40℃より高ければ、このときに該電池4の温度が高過ぎることを示し、高温が該電池4の性能に影響を及ぼすことを回避するために、電池4に降温処理を行う必要があり、温度調整システムは冷却モードに入り、コントローラは第2の電子弁32をオンにするように制御し、半導体熱変換モジュール5が順方向に給電するように制御する。電池を冷却するときに、第1の電子弁はオンにされ、冷媒の流れは、コンプレッサー201−コンデンサ202−第2の電子弁32−第2の膨張弁31−熱変換器3であり、媒体の流れは、熱変換器3−ヒーター11(オフ)−ポンプ12−第1の温度センサ14−電池4−第2の温度センサ15−流速センサ16−媒体容器13−熱変換器3である。
車載エアコン2は、車内冷却分岐路20及び電池冷却分岐路30に冷却パワーを供給し、電池冷却分岐路30が車載エアコン2と接続され、半導体熱変換モジュール5は、車内冷却分岐路20及び電池冷却分岐路30に冷却パワーを供給し、電池熱管理モジュール1が電池冷却分岐路30と電池4の間に接続され、コントローラは、電池の要求パワーP1と実際パワーP2を取得し、かつ電池の要求パワーP1と実際パワーP2に基づいて半導体熱変換モジュール5と車載エアコン2のパワーを調整する。
具体的には、車両がパワーアップされると、電池管理コントローラ61は電池の温度をリアルタムに取得し、かつ判断する。電池の温度が40℃より高ければ、このときに該電池4の温度が高過ぎることを示し、高温が該電池4の性能に影響を及ぼすことを回避するために、電池4に降温処理を行う必要があり、温度調整システムは冷却モードに入り、第2の電子弁32をオンにするように制御し、半導体熱変換モジュール5は動作する。