JP2020534328A - オレアノール酸を含有するトリペプチドを調製する方法およびその治療用途 - Google Patents

オレアノール酸を含有するトリペプチドを調製する方法およびその治療用途 Download PDF

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Abstract

本開示は、皮膚老化を防止するためのオレアノイルトリペプチドを提供する。より具体的には、本発明は、皮膚老化の防止に役立つ、オレアノイル−KVKトリペプチドの抗コラゲナーゼ、抗エラスターゼ、線維芽細胞におけるTGF−β分泌の強化、UV防御、酸化ストレス防御、および他の性質を開示する。

Description

関連出願への相互参照
これは、2017年9月21日に出願されたインド仮出願第201741033476号の優先権を主張するPCT出願であり、その詳細は、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、抗老化スキンケア用トリペプチドに関する。特に、本発明は、オレアノール酸を含有するトリペプチドを調製する方法およびその治療用途に関する。
皮膚は、人体の最も大きく、最も広範囲に及ぶ器官である。ヒトの皮膚は、最も外側の表皮層、および表皮の下の血管結合組織からなる真皮からなる。表皮は主に、機械的安定性をもたらす中間径フィラメントであるケラチンを産生するケラチノサイトから構成される。真皮は、主として稠密なコラーゲンに富んだ細胞外マトリックス(ECM)から構成される。ECMは、皮膚の引張強さおよび機械的性質に関与する皮膚線維芽細胞によって合成され、組織化され、維持される。
加齢に伴って、ヒトの皮膚は、コラーゲンおよびエラスチンの分解、たるみ、しわ、表皮の菲薄化、メラノサイトの減少、およびメラニン産生の減少を含めた多くの変化を受け、皮脂腺の油分の産生の低減によって、水分の減少および乾燥、皮下脂肪層の減少、遮断性(insulation)およびふくらみ(padding)の減少、創傷治癒能力の減弱がもたらされる。早期の皮膚老化を引き起こし、老化防止の導入に影響を及ぼし得る、幾つかの要因がある。
ペプチドは、多くの生理的プロセスに関与する。化粧品にペプチドが存在すると、老化を遅らせる又は逆行させることが知られている。様々な種類のペプチドが存在し、それには、シグナル伝達ペプチド、酵素阻害ペプチド、神経伝達物質に影響を与えるペプチド、担体ペプチドなどが含まれる。
皮膚老化の防止は現在、化粧品分野の業界関係者によって広く標的にされており、皮膚老化を防止する製品に対する要求がある。合成ペプチドが、それらがもたらす有益性のために、スキンケア業界で現在使用されつつある。老化、美容、光損傷、および皮膚の健康における合成ペプチドの役割は、以下の先行技術の文献によく記載されている。
米国特許第6620419号(B1)号は、自然老化又は誘導された老化(日光皮膚炎、汚染)の際の治癒、保湿、および皮膚外観の改善のためのペプチドの美容的または皮膚薬学的使用に関する。
米国特許出願公開第20130336904号は、生存を調節する新規抗老化ペプチドおよびそれを含む組成物に関する。
米国特許出願公開第20110160137号は、スキンケアを改善するための、コラーゲンペプチドを含有する組成物に関する。
スキンケアに使用するための合成ペプチドの使用は知られているが、オレアノール酸にコンジュゲートしたトリペプチド:リジン−バリン−リジン(KVK)は当技術分野で知られていない。さらに、スキンケアに昨今使用されている合成ペプチドは高価である。よって、より安価であり、老化のすべての徴候を低減するのに有効に使用することができる合成ペプチドを設計する必要性が存在する。本発明は、オレアノール酸にコンジュゲートしたトリペプチド:リジン−バリン−リジン(KVK)が皮膚老化の低減に及ぼす有益効果を開示することによって、上述の問題を解決する。
抗皮膚老化性を有する、オレアノール酸を含有するトリペプチドを調製する方法を開示することが、本発明の主目的である。
本発明の別の目的は、オレアノール酸にコンジュゲートしたトリペプチド、リジン−バリン−リジン(KVK)の、抗炎症剤であることによる、およびコラゲナーゼおよびエラスターゼの活性を阻害することによる、抗老化活性を開示することである。
本発明は、上述の目的およびさらなる関連する利点を達成する。
本発明は、皮膚老化を防止するためのオレアノイル−KVKトリペプチドを開示する。より具体的には、本発明は、皮膚老化の防止に役立ち、よって重要なスキンケア製品である、オレアノイル−KVKトリペプチドの抗コラゲナーゼ、抗エラスターゼ、UV防御、酸化ストレス防御、および他の性質を開示する。
本発明の一態様では、構造1の、オレアノール酸に結合した配列番号1のトリペプチドを調製する方法であって、(a)L−リジンの両方のアミノ酸基が保護されているBoc−Lys(Cbz)−OHを、アセトン中の臭化ベンジルおよび炭酸カリウムで処理して、Boc−Lys(Cbz)−OBzlを得るステップ;(b)ステップ(a)からのBoc−Lys(Cbz)−OBzlを加水分解して、H−Lys(Cbz)−OBzl・HClを得るステップ;(c)ステップ(b)のH−Lys(Cbz)−OBzl・HClを、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、ヒドロキシベンゾトリアゾール、およびトリエチルアミンの存在下でBoc−Val−OHとカップリングして、Boc−Val−Lys(Cbz)−OBzlを得るステップ;(d)ステップ(c)から得られたBoc−Val−Lys(Cbz)−OBzlをトリフルオロ酢酸で処理して、H−Val−Lys(Cbz)−OBzlを得るステップ;(e)ステップ(d)のH−Val−Lys(Cbz)−OBzlを、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、ヒドロキシベンゾトリアゾール、およびトリエチルアミンの存在下でBoc−Lys(Cbz)−OHとカップリングして、Boc−Lys(Bzl)−Val−Lys(Cbz)−OBzlを得るステップ;(f)ステップ(e)のBoc−Lys(Bzl)−Val−Lys(Cbz)−OBzlをトリフルオロ酢酸で処理して、H−Lys(Bzl)−Val−Lys(Cbz)−OBzlを得るステップ;(g)ステップ(f)のH−Lys(Bzl)−Val−Lys(Cbz)−OBzlを、トリエチルアミンの存在下で3−O−アセチルオレアノイルクロリド(3−O−acetyl Oleanoyl chloride)(3−O−アセチルオレアノール酸および塩化チオニルから合成される)とカップリングして、(3−O−アセチルオレアノイル)−Lys(Bzl)−Val−Lys(Cbz)−OBzlを得るステップ;(h)ステップ(g)の(3−O−アセチルオレアノイル)−Lys(Bzl)−Val−Lys(Cbz)−OBzlを、アルコール媒体中、パラジウムおよび炭素触媒の存在下で水素化して、3−O−アセチルオレアノイル−Lys−Val−Lysを得るステップ;(i)塩基を使用してアセチル基を加水分解して、オレアノール酸に連結した配列番号1のトリペプチドを得るステップ
を含み、配列番号1がK−V−Kであり、構造1が、以下の通りに表される方法が提供される。
Figure 2020534328
本発明の一態様では、上述の方法によって得られたオレアノール酸に連結した配列番号1のトリペプチドが提供される。
本発明の別の態様では、皮膚老化を防止するのに有効な濃度の、オレアノール酸に連結した配列番号1のトリペプチドに、哺乳動物の皮膚を接触させるステップを含む、哺乳動物における皮膚老化を防止する方法が提供される。
本発明のもう一つの態様では、オレアノール酸に結合した配列番号1のトリペプチドを含む組成物であって、薬学的に/美容的に許容可能な賦形剤、助剤、基剤、希釈剤、担体、コンディショニング剤、生物学的利用能増強剤、抗酸化剤、および防腐剤と共に製剤化され、および/または抗老化成分を含有する製剤中に取り込まれ、クリーム、ゲル、ローション、パウダー、美容液(serum)、油、懸濁液、軟膏、石けん、スクラブ、エマルション、およびコンパクトの形で局所的に投与される、組成物が提供される。
本発明の主題のこれらのおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲を参照すればより良く理解されるであろう。この概要は、選択された概念を簡略化された形で紹介するために提供される。この概要は、特許請求する主題の主要な特徴または本質的特徴を特定することが意図されているのではなく、特許請求する主題の範囲を限定するために使用されることが意図されているのでもない。
以下の図面は、本明細書の一部を形成し、本開示の態様をさらに例示するために含まれる。本開示は、本明細書に提示される特定の実施形態の詳細な説明と併せて図面を参照することによって、より良く理解することができる。
本開示のある実施形態による、オレアノール酸にコンジュゲートしたリジン(Lysin)−バリン−リジン(KVK)によって示されるコラゲナーゼ活性の阻害パーセントのグラフ表示を示す図である。 本開示のある実施形態による、オレアノール酸にコンジュゲートしたリジン−バリン−リジン(KVK)によって示されるエラスターゼ活性の阻害パーセントのグラフ表示を示す図である。 本開示のある実施形態による、オレアノール酸にコンジュゲートしたリジン−バリン−リジン(KVK)によって示される線維芽細胞の増殖の増加パーセントのグラフ表示を示す図である。 図4aは、本開示のある実施形態による、オレアノール酸にコンジュゲートしたリジン−バリン−リジン(KVK)によって示される線維芽細胞におけるコラーゲン産生の増加パーセントのグラフ表示を示す図であり、図4b(対照)および4c(オレアノイルKVKで処理したもの)は、本開示のある実施形態による、線維芽細胞において染色したコラーゲンの増加パーセントの図的表示である。 本開示のある実施形態による、オレアノール酸にコンジュゲートしたリジン−バリン−リジン(KVK)によって示される培養上清中のTGF−β濃度のグラフ表示を示す図である。 本開示のある実施形態による、オレアノール酸にコンジュゲートしたリジン−バリン−リジン(KVK)によって示されるUV誘導性DNA損傷からの防御のグラフ表示を示しており、(6a)は、初期アポトーシスの低減、(6b)は後期アポトーシスの低減、(6c)は生細胞の増加、(6d)はUV誘導性DNA損傷および死に対する防御のグラフ表示を示す図である。 本開示のある実施形態による、処理済みおよび非処理試料のUV誘導性DNA損傷および死からの防御を示すフローサイトメトリーのグラフを示す図である。 本開示のある実施形態による、オレアノイルKVKによって示される通りの酸化ストレスからの防御のグラフ表示を示しており、(8a)は、UVBによって誘導されるROS消去パーセント、(8b)は、重金属によって誘導されるROS消去パーセントのグラフ表示を示す図である。 本開示のある実施形態による、ヒト皮膚線維芽細胞におけるコラーゲン、TGF−β、およびヒアルロナン合成酵素の発現レベルの増加のグラフ表示を示す図である。 本開示のある実施形態による、ケラチノサイトによるコラーゲン、エラスチン、TGF−β、ヒアルロナン合成酵素、および上皮増殖因子の発現の増加のグラフ表示を示す図である。 本開示のある実施形態による、ケラチノサイトでのマトリックスメタロプロテアーゼおよび腫瘍壊死因子の酸化ストレス誘導性の発現の増加、ならびにオレアノイルKVKでの処理によるそれらの阻害のグラフ表示を示す図である。
本開示は、スキンケア用途のためのオレアノイルトリペプチドに関する。
当業者であれば、本開示が、具体的に説明したもの以外の改変および修正を受けることがわかるであろう。本開示は、すべてのそのような改変および修正を含むことを理解するべきである。本開示はまた、本明細書において個々にまたは集合的に言及されるまたは示されるすべてのそのようなステップ、特徴、組成物、および化合物を含み、そのようなステップまたは特徴のいずれかまたはそれ以上の任意のおよびすべての組み合わせを含む。
(定義)
便宜上、本開示をさらに説明する前に、本明細書および実施例に用いられる特定の用語をここに正確に説明する。これらの定義は、本開示の残りの部分に照らし合わせて読むべきであり、当業者が理解するように理解するべきである。本明細書に使用される用語は、当業者に認識され、知られている意味を有するが、利便性および完全性のために、特定の用語およびそれらの意味を以下に述べる。
「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」という冠詞は、該冠詞の文法上の目的語の1つまたは2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を指すために使用される。
「含む(comprise)」および「含むこと(comprising)」という用語は、包括的な、開かれた意味で使用され、さらなる要素が含まれてもよいことを意味する。それは、「のみからなる」と解釈されることを意図するものではない。
本明細書全体にわたって、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「含む(comprise)」という単語、ならびに「含む(comprises)」および「含むこと(comprising)」などの変化形は、述べられた要素もしくはステップまたは要素もしくはステップの群を含むことが含意されるが、任意の他の要素もしくはステップまたは要素もしくはステップの群を除外することを含意するものではないことが理解されよう。
「含まれる(including)」という用語は、「含まれるが、これらに限定されない」という意味で使用される。「含まれる」および「含まれるが、これらに限定されない」は、互換的に使用される。
特に定義しない限り、本明細書に使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者に通常理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと同様または同等のいかなる方法および材料も本開示の実施または試験に使用することができるが、好ましい方法および材料をここに記載する。本明細書で言及されるすべての文献は、参照により本明細書に組み込まれている。
皮膚線維芽細胞は、老化する間にその機能活性、形態、および増殖能の実質的な変化を受ける。線維芽細胞は、細胞外マトリックス(ECM)の維持および他の皮膚層の生理的状態に関与している。皮膚線維芽細胞の数および可溶性因子を合成してECMを維持するその能力は老化と共に減少する。これによって、皮膚の菲薄化、皮膚の柔軟性および弾力性の減少、ならびにしわの形成が生じる。線維芽細胞の増殖能を評価することは、医師−美容の専門家が最適なスキンケアプログラムを作成するのを助ける上で大きな意義がある。
TGF−β経路は、ヒトの皮膚結合組織における細胞外マトリックス産生の主要な制御因子である。TGF−βは、コラーゲンの合成、ケラチノサイトの増殖を増加させ、エラスチンおよびヒアルロンを増加させ、強度および弾力性を与え、マトリックスメタロプロテアーゼを減少させることによってコラーゲンの分解を低減させ、皮膚の厚さ、ハリ、および弾力性を改善する。
本発明のある実施形態では、構造1、オレアノール酸に結合した配列番号1のトリペプチドを調製する方法であって、(a)L−リジンの両方のアミノ酸基が防御されているBoc−Lys(Cbz)−OHを、アセトン中の臭化ベンジルおよび炭酸カリウムで処理して、Boc−Lys(Cbz)−OBzlを得るステップ;(b)ステップ(a)からのBoc−Lys(Cbz)−OBzlを加水分解して、H−Lys(Cbz)−OBzl・HClを得るステップ;(c)ステップ(b)のH−Lys(Cbz)−OBzl・HClを、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、ヒドロキシベンゾトリアゾール、およびトリエチルアミンの存在下でBoc−Val−OHとカップリングして、Boc−Val−Lys(Cbz)−OBzlを得るステップ;(d)ステップ(c)から得られたBoc−Val−Lys(Cbz)−OBzlをトリフルオロ酢酸で処理して、H−Val−Lys(Cbz)−OBzlを得るステップ;(e)ステップ(d)のH−Val−Lys(Cbz)−OBzlを、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、ヒドロキシベンゾトリアゾール、およびトリエチルアミンの存在下でBoc−Lys(Cbz)−OHとカップリングして、Boc−Lys(Bzl)−Val−Lys(Cbz)−OBzlを得るステップ;(f)ステップ(e)のBoc−Lys(Bzl)−Val−Lys(Cbz)−OBzlをトリフルオロ酢酸で処理して、H−Lys(Bzl)−Val−Lys(Cbz)−OBzlを得るステップ;(g)ステップ(f)のH−Lys(Bzl)−Val−Lys(Cbz)−OBzlを、トリエチルアミンの存在下で3−O−アセチルオレアノイルクロリド(3−O−アセチルオレアノール酸および塩化チオニルから合成される)とカップリングして、(3−O−アセチルオレアノイル)−Lys(Bzl)−Val−Lys(Cbz)−OBzlを得るステップ;(h)ステップ(g)の(3−O−アセチルオレアノイル)−Lys(Bzl)−Val−Lys(Cbz)−OBzlを、アルコール媒体中、パラジウムおよび炭素触媒の存在下で水素化して、3−O−アセチルオレアノイル−Lys−Val−Lysを得るステップ;(i)塩基を使用してアセチル基を加水分解して、オレアノール酸に連結した配列番号1のトリペプチドを得るステップ
を含み、配列番号1がK−V−Kであり、構造1が、以下の通りに表される方法が提供される。
Figure 2020534328
本発明のある実施形態では、ステップ(i)における塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、および水酸化カリウムからなる群から選択される、オレアノイル−KVKを調製する方法が提供される。
本発明のある実施形態では、請求項1の方法から得られたオレアノール酸に連結した配列番号1のトリペプチドが提供される。
本発明のある実施形態では、皮膚老化を防止するのに有効な濃度の、オレアノールトリペプチドに連結した配列番号1のトリペプチドに、哺乳動物の皮膚を接触させるステップを含む、哺乳動物における皮膚老化を防止する方法が提供される。
本発明のある実施形態では、皮膚老化の症状が、表皮の菲薄化、メラノサイトの減少、メラニン産生の減少、コラーゲンおよびエラスチンの減少、皮脂腺からの油分の産生の低減によってもたらされる水分の減少および乾燥、皮下脂肪層の減少、遮断性およびふくらみの減少、創傷治癒能力の減弱、皮膚のたるみ、乾燥、しみ、ならびにしわからなる群から選択される、皮膚老化を防止する方法が提供される。
本発明のある実施形態では、皮膚老化がコラゲナーゼ活性を阻害することによって防止される、皮膚老化を防止する方法が提供される。オレアノイル−KVKは、コラゲナーゼ酵素の濃度依存性阻害を示した。
本発明の別の実施形態では、皮膚老化がコラゲナーゼ活性を阻害することによって防止される、皮膚老化を防止する方法が提供される。
本発明のある実施形態では、皮膚老化が皮膚線維芽細胞の増殖を増加させることによって防止される、皮膚老化を防止する方法が提供される。
本発明のある実施形態では、皮膚老化が皮膚線維芽細胞におけるコラーゲンを増加させることによって防止される、皮膚老化を防止する方法が提供される。
本発明のある実施形態では、皮膚老化が皮膚線維芽細胞によるTGF−βの分泌の強化によって防止される、皮膚老化を防止する方法が提供される。
本発明のある実施形態では、オレアノール酸に結合した配列番号1のトリペプチドを含む組成物であって、薬学的に/美容的に許容可能な賦形剤、助剤、基剤、希釈剤、担体、コンディショニング剤、生物学的利用能増強剤、抗酸化剤、および防腐剤と共に製剤化され、および/または抗老化成分を含有する製剤中に取り込まれ、クリーム、ゲル、ローション、パウダー、美容液、油、懸濁液、軟膏、石けん、スクラブ、エマルション、およびコンパクトの形で局所的に投与される、組成物が提供される。
本発明のある実施形態では、前記トリペプチドが他の生体活性構成成分と組み合わされて存在する、組成物が提供される。
本発明のある実施形態では、前記組成物がDNA損傷および死からDNAを防御する、皮膚老化を防止するための組成物が提供される。アポトーシスは、DNAの断片化に続く細胞死を含む、プログラム細胞死の生理的プロセスである。UV光は、早期老化およびDNA損傷を加速させることがある。皮膚細胞をUVB光(290〜320nm)に曝露すると、細胞死およびDNAの断片化の引き金になる。
本発明のある実施形態では、皮膚老化を防止する方法が提供され、前記方法は、酸化ストレスからの防御を提供する。酸化ストレスは、主に、喫煙、汚染、UV線のような外的要因によって引き起こされる。これらの要因はすべて、酸化ストレスおよび細胞損傷につながるROSの生成を誘導する。
本発明のある実施形態では、抗老化ペプチドとしてのオレアノイルKVKが提供され、前記トリペプチドは、他の生体活性構成成分と組み合わされて存在する。
主題を特定の実施形態に関して説明してきたが、この説明は限定的な意味で解釈されることを意味するものではない。主題の説明を参照すれば、開示した実施形態の様々な修正だけでなく、主題の代替をした実施形態も当業者には明らかになろう。したがって、そのような修正が、規定された通りの本発明の主題の趣旨または範囲から逸脱することなく行うことができることが企図される。
本開示をこれから実施例で例示する。実施例は、開示の実践を例示することが意図されており、本開示の範囲の何らかの限定を含意すると制限的に受け取られることを意図するものではない。特に定義しない限り、本明細書に使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者に通常理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと同様または同等の方法および材料を、開示する方法および組成物の実施に使用することができるが、代表的な方法、デバイス、および材料がここに記載される。記載される特定の方法および実験条件は変動し得るので、本開示はそのような方法および条件に限定されないことを理解するべきである。
(実施例1:抗コラゲナーゼ活性)
材料および方法
コラゲナーゼは、コラーゲンおよび細胞外マトリックス(ECM)の他の構成成分を消化するマトリックスメタロプロテアーゼの一つである。ECMは、皮膚構造を安定化する足場として作用し、皮膚細胞の増殖および代謝機能も助ける。コラーゲンの減少は、皮膚のしわおよびたるみにつながる。コラゲナーゼ阻害アッセイの原理は、基質であるDQ(商標)ゼラチンが蛍光化合物フルオレセイン(fluorecein)にコンジュゲートされていることに基づく。DQ(商標)ゼラチンでは、蛍光は消光されている。DQ(商標)ゼラチンは、コラゲナーゼによって効率的に消化されて、測定可能な蛍光化合物を生じる。蛍光の増加は、酵素活性に比例する。抗コラゲナーゼ化合物が存在すると、一定濃度の酵素および基質に対して蛍光の量が減少することになる。
材料
装置−BMG FLUOstar Optima(蛍光マイクロプレートリーダー)
試薬:リン酸塩緩衝剤(pH7.4)
Collagenase Enzymeアッセイキット(Enzchek(登録商標)コラゲナーゼ、ゼラチナーゼアッセイキット、Invitrogen、米国)
マイクロタイタープレート−96ウェルマイクロタイタープレート(黒色)−Corning、米国
このアッセイは、96ウェル黒色マイクロタイタープレートで行った。Clostridium histolyticum由来のタイプIVを、基質としてのDQゼラチンと共にアッセイに使用した。様々な濃度(15.6〜250μg/ml)のオレアノイル−KVKを20μlのゼラチン基質(12.5μg/ml)と共にプレインキュベートした。100μlのコラゲナーゼ酵素溶液(最終濃度−0.4U/ml)を加えて、30分後に蛍光強度をEm:485nmおよびEx:520nmで測定した。対照(緩衝剤)の酵素活性を記録した。
阻害パーセンテージは、以下のように算出する:
(B−BC)−(T−C)
阻害%=―――――――――――――×100
(B−BC)
B−酵素の存在下での蛍光
BC−酵素活性の非存在下での蛍光
T−阻害剤の存在下での酵素活性の蛍光
C−阻害剤単独の蛍光
結果:
オレアノイル−KVKは、用量依存的抗コラゲナーゼ活性を呈し、48.8μg/mlの濃度でIC50を呈した(酵素活性の50%阻害)(図1)。酵素活性の100%阻害は、250μg/mlの濃度で見られた。この結果から、オレアノイル−KVKは、皮膚の細胞外マトリックスを保護し、しわの形成および皮膚のたるみを防止し、それによって皮膚老化を防止することができることが明らかとなった。
(実施例2:抗エラスターゼ活性)
材料および方法
エラスターゼは、エラスチンおよび細胞外マトリックスの他の構成成分を消化するマトリックスメタロプロテアーゼの一つであり、両者とも正常な皮膚の発達に重要である。この酵素が阻害タンパク質によって調節されない場合、皮膚のしわ、早期老化、および発癌が生じる。Enz Chekエラスターゼアッセイキットによる抗エラスターゼアッセイは、製品のエラスターゼ阻害活性を判定する。このアッセイは、EnzChekエラスターゼアッセイキットを使用して行った。基質は、可溶性DQエラスチン、ウシ頸部靭帯由来である。DQエラスチンは、BODIPY FL染料で標識されている。非蛍光基質は、エラスターゼ可消化性で高蛍光性の断片を生じ、阻害剤が存在すると、蛍光強度が消光される。蛍光強度は、マイクロプレートリーダーで測定した(485nmで発光、および520nmで励起)。
材料
装置−BMG FLUOstar Optima(蛍光マイクロプレートリーダー)
試薬:リン酸塩緩衝剤(pH7.4)
Collagenase Enzymeアッセイキット(Enzchek(登録商標)コラゲナーゼ、ゼラチナーゼアッセイキット、Invitrogen、米国)
マイクロタイタープレート−96ウェルマイクロタイタープレート(黒色)−Corning、米国
このアッセイは、96ウェル黒色マイクロタイタープレートで行った。ブタ膵臓由来のエラスターゼ酵素、および基質としてのDQエラスチンをアッセイに使用した。様々な濃度のオレアノイル−KVKを50μlのエラスチン基質(25μg/ml)と共にプレインキュベートした。100μlのエラスターゼ酵素溶液(最終濃度−0.1U/ml)を加え、30分後に蛍光強度をEm:485nmおよびEx:520nmで測定した。対照(緩衝剤)の酵素活性を記録した。
阻害パーセンテージは、以下のように算出する:
(B−BC)−(T−C)
阻害%=―――――――――――――×100
(B−BC)
B−酵素の存在下での蛍光
BC−酵素活性の非存在下での蛍光
T−阻害剤の存在下での酵素活性の蛍光
C−阻害剤単独の蛍光

結果
オレアノイル−KVKは、用量依存的な抗エラスターゼ活性を呈し、IC50は62.5μg/mlであった(酵素活性の50%阻害)(図2)。酵素活性の98%阻害が250μg/mlの濃度で見られた。この結果から、オレアノイルトリペプチドは、酵素エラスターゼを阻害することによって、皮膚の細胞外マトリックスを保護し、しわの形成および皮膚のたるみを防止し、それによって皮膚老化を防止することができることが示された。
(実施例3:オレアノイルKVKの存在下での線維芽細胞の増殖の増加)
皮膚線維芽細胞は、老化する間にその機能活性、形態、および増殖能の実質的な変化を受ける。線維芽細胞は、細胞外マトリックス(ECM)の維持および他の皮膚層の生理的状態に関与している。皮膚線維芽細胞の数および可溶性因子を合成してECMを維持するその能力は老化と共に減少する。これによって、皮膚の菲薄化、皮膚の柔軟性および弾力性の減少、ならびにしわの形成が生じる。線維芽細胞の増殖能を評価することは、医師−美容の専門家が最適なスキンケアプログラムを作成するのを助ける上で大きな意義がある。
材料および方法
ヒト皮膚線維芽細胞の入ったDMEM10%FBSおよび抗生物質を、5×103細胞/ウェルの密度で96ウェルプレート内に播種し、37℃および5%CO2雰囲気の加湿したインキュベーターで、24時間単層を形成させた。細胞を様々な濃度の抽出物で72時間処理して、細胞毒性を評価した。線維芽細胞の生存率を、SRBアッセイ(Nature protocols, 2006,1,3,2112-16)によって判定した。0.1%DMSOを有するDMEM中の細胞を陽性対照として使用し、それに対して細胞を有さない培地を陰性対照として使用した。
吸光度(試料)−吸光度(陰性対照)
増加パーセンテージ(%)=―――――――――――――――――×100
吸光度(陰性対照)

結果
オレアノイル−KVKは、線維芽細胞の増殖の用量依存的な増加を示した(図3)。12.5%の濃度で、線維芽細胞の増殖が42.2%増加した。図4aおよび4bは、線維芽細胞におけるコラーゲン産生の増加パーセントを示す。オレアノイル−KVKは、線維芽細胞ににおいて染色したコラーゲンで22.8%の増加を示す。図5は、線維芽細胞の培養上清中のTGF−β線維芽細胞の濃度を示す。オレアノイル−KVKは、線維芽細胞によるTGF−βの分泌の用量依存的な増加を示した。
(実施例4:UV放射に対する防御)
材料および方法
UVBは、ヒトの皮膚の日焼け作用に関与しており、長年にわたってほとんど無害であると考えられていた。UV放射は、40〜400nm(30〜3eV)の範囲の広いスペクトルを有し、これは、真空UV(40〜190nm)、遠UV(190〜220nm)、UVC(220〜290nm)、UVB(290〜320)、およびUVA(320〜400nm)に分類され、そのうちの最後の2つは医学的に重要である。UVA放射には2つの異なるサブタイプがある。短波UVA(320〜340nm)および長波UVA(340〜400nm)がほとんどのUVA放射を構成する。UVAへの曝露量は通常一定に保たれるのに対して、UVB曝露は夏のUV放射においてより多く生じ、光老化と呼ばれる早期皮膚老化だけでなく、皮膚癌およびメラノーマの高発生率の原因である。UVB照射は、細胞内および皮膚内にROSを産生することが実証されており、それによってマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の合成が誘導され、皮膚内に光老化作用が引き起こされる。UVAの作用は通常、線量が低くても、長期の曝露後に顕在化する。UVAは、マトリックスタンパク質のエラスチンおよびコラーゲンを分解する酵素であるマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)の形成を上方制御し、それによって、もし防御しなかったら、皮膚の弾力性の著しい低減およびしわの増加が生じ得ると推測されている。UVAは、UVBと比較して皮膚内により深く浸透することが可能であり、光老化、光発癌、および光線性皮膚症に寄与し、線維芽細胞および皮膚のさらに奥の細胞内で活性酸素種(ROS)を増加させる。
材料
細胞:ヒトケラチノサイト(HaCAT)細胞を、加湿した5%CO2のインキュベーター内で、10%(v/v)熱不活性化ウシ胎仔血清(FBS;GIBCO/Invitrogen、カールズバッド、CA)、100単位/mLのペニシリン、および100μg/mLのストレプトマイシン(Life technologies)を添加したダルベッコ改変最小必須培地(DMEM)Life technologies、CA、米国)中37℃で、単層培養物として維持した。
試薬:ダルベッコ改変最小必須培地(DMEM)、ウシ胎仔血清(FBS)、アネキシン−FITC、ヨウ化プロピジウム−アポトーシス検出キット、Biovision、米国。
機器:フローサイトメトリー(BD−FACS−Celesta)。
手順
細胞(3×105)を様々な濃度の試験試料で1時間前処理し、UVBに曝露した。細胞をUVB線に10分間曝露し、2%血清を有するDMEM中で16時間インキュベートした。細胞を、アネキシン−FITCおよびヨウ化プロピジウム(PE)を用い10分間暗所で標識し、フローサイトメーター(BD FACS−Celesta)を使用して分析した。
結果
この結果から、オレアノイル−トリペプチドは、UVB誘導性毒性からケラチノサイト細胞を防御し(図6a、6b、6c、および6d)および(図7a、7b、7c、および7d)、美容的用途においてUV防御剤として効力のある使用および有益性を有することが示された。図6aから明白であるように、初期アポトーシスでは濃度依存的な低減があり、12.5μg/mlの濃度で初期アポトーシスの最大の低減が示された。図6bは、後期アポトーシスの濃度依存的な低減を示しており、この場合でも同様の結果が得られた。図6cは、様々な濃度のオレアノイルトリペプチドで処理したときの生細胞の増加パーセントを示している。12.5μg/mlの濃度で、生細胞の最大の増加が示された。図6dは、UV誘導性DNA損傷および死に対する防御パーセントを示している。濃度が12.5μg/mlであると、47.9%の防御パーセントとなった。
図7は、処理をした場合およびしなかった場合のアポトーシス細胞および死細胞を示すフローサイトメトリーのグラフを表している。オレアノイルKVKは、UVB放射によって誘導されるアポトーシスおよびDNA損傷からケラチノサイトを防御した。12.5μg/mlの濃度で、UV誘導性細胞損傷からの防御は47.9%であることが見出された。
(実施例5:酸化ストレスからの防御)
材料および方法
皮膚細胞は、外来源および内在源からの活性酸素種(ROS)および酸化ストレスに絶えず曝露されている。UV放射は、皮膚癌の発症および皮膚老化における最も重要な環境要因である。UV誘導性のROSの生成が内在する防御機構の能力を超えると、皮膚に酸化ストレスが生じる。酸化ストレスの低減は、UVRへの曝露を減らすことによって、および/または抗酸化防御機構のレベルを上げることによって達成することができる。皮膚に存在するメラニンおよび抗酸化酵素反応は、酸化ストレスから我々の皮膚を防御する。多くの研究から、UV曝露の前に抗酸化剤で処理すると、細胞性生体分子への酸化的損傷を防御することができることが示されている。
細胞:ヒトケラチノサイト(HaCAT)細胞を、加湿した5%CO2インキュベーター内で、線維芽細胞培地(Gibco)中37℃で維持した。
試薬:ケラチノサイト培地(Gibco) DCFH−DA 機器:FluoStar Optimaマイクロプレートリーダー。
手順
活性酸素種には、DNAおよびRNAを損傷し、タンパク質および脂質を酸化する(脂質過酸化)幾つもの分子が含まれる。これらの反応性分子は、酸素原子/分子を含有し、これらには、H22(過酸化水素)、NO(一酸化窒素)、O2 -(オキシド陰イオン)、ペルオキシナイトライト(ONOO-)、次亜塩素酸(HOCl)、およびヒドロキシルラジカル(OH-)が含まれる。5−(および6)−クロロメチル−20,70−ジクロロヒドロフルオレセインジアセテート(CM−H2DCFDA)は、原形質膜を自由に透過し、細胞質ゾルで加水分解されて、DCFHカルボン酸塩陰イオンを形成する。酸化されると蛍光DCFが形成され、それは、495nmで最大に励起され、520nmで発光する。
ケラチノサイトを96ウェル黒色プレートにウェル当たり50,000細胞で播種し、単層として24時間増殖させた。細胞を様々な濃度のオレアノイル−KVKで1時間前処理した。プレートをUVA放射で1時間曝露した。新たに調製したDCFH−DA試薬をすべてのウェルに添加した(2ug/ウェル)。プレートを37℃で30分間インキュベートした。蛍光を、FluoStar Optimaマイクロプレートリーダーで、485:520、Ex:Em波長で記録した。
結果
オレアノイルKVKは、UV放射および重金属のような汚染物質を含めた外因性作用物質によって誘導される酸化ストレスに対する防御をもたらした。図8aから明白なように、オレアノイル−KVKは、6.25μg/mlの濃度でUV誘導性ストレスに対して17.1%のROS消去活性を示した。同様に、12.5%の濃度のオレアノイルトリペプチドは、重金属によって誘導されるものに対して20.4%のROS消去をもたらす(図8b)。よって、これは、化粧品製剤における抗汚染剤(anti pollutant)として使用することができる。
(実施例6:遺伝子発現分析)
皮膚線維芽細胞は、皮膚の構造的完全性のために極めて重要な細胞構成要素である。細胞外マトリックスは、皮膚の完全性を決定する、コラーゲン、エラスチン、およびヒアルロンを含有する。ヒアルロナン(HA)は、UDP−グルコサミンおよびUDP−グルクロン酸残基を成長しているHAポリマー鎖に付加するヒアルロナン合成酵素によって合成される。トランスフォーミング増殖因子(TGF−β)は、ECMの生合成において中心的役割を果たし、コラーゲンの合成と分解をいずれも調節することによって、コラーゲンのホメオスタシスを制御する。上皮増殖因子は細胞増殖を刺激し、コラーゲンの合成を誘導する。皮膚線維芽細胞およびケラチノサイトにおけるこれらの遺伝子の発現パターンを、オレアノイルKVKの存在下で、非処理の対照と比較して試験した。
材料および方法
材料:ヒト皮膚ケラチノサイト細胞、6ウェルマイクロタイタープレート、線維芽細胞増殖培地、トリゾール、合成可能キット(can synthesis kit)、RT−PCR用SYBRグリーンマスターミックス
方法
ヒト皮膚線維芽細胞およびケラチノサイトを、6ウェルマイクロタイタープレートで、6.25μg/mlのオレアノイルKVKの存在下で24時間培養した。非処理の細胞を対照として使用した。インキュベーション時間の終了時に、細胞を溶解し、RNAを抽出した。
RNAの抽出:2回目の進行後7日目に細胞を採集し、Trizol法を使用して全RNAを抽出した。抽出したRNAをDNアーゼIで処理してあらゆる混入DNAを除去し、フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール抽出(24:25:1)を使用して再び抽出した。Nanodrop(Thermo)を使用して260/280nmでの吸光度を調べることによって、RNAの質を判定した。
定量的リアルタイムPCR:全RNAのうち2μgを取って、Super Script III First−Strand Synthesis System(Life Technologies)を使用してcDNA合成を行った。Roche Light cycler 96でSYBR Greenマスターミックス(Thermo Scientific)を使用して定量的RT−PCR分析を行って、褐色脂肪に特異的な遺伝子の発現を判定した。βアクチンをハウスキーピング遺伝子として使用した。遺伝子の相対的なRNA存在量をハウスキーピングβアクチン遺伝子に対して標準化し、デルタデルタCT(Log2によって変換された倍率変化と等しい)として表した。
図9は、皮膚線維芽細胞における遺伝子発現の倍率変化を示している。オレアノイルKVKは、ヒト皮膚線維芽細胞におけるコラーゲン、TGF−β、およびヒアルロナン合成酵素の発現レベルを増加させた。図10は、ケラチノサイトにおける遺伝子発現の倍率変化を示している。オレアノイルKVKは、ケラチノサイトの発現を増加させた。図11は、酸化ストレスに曝露したケラチノサイトにおける遺伝子発現を示している。酸化ストレスは、炎症マーカーおよび細胞外マトリックスを分解するメタロプロテアーゼの発現を誘導する。オレアノイルKVKで処理すると、ヒト皮膚線維芽細胞におけるマトリックスメタロプロテアーゼ9および腫瘍壊死因子αの発現レベルが下方制御された。
皮膚炎は、UVもしくは電離放射線、アレルゲンへの曝露、または化学性刺激物もしくはアレルゲンとの接触から生じ得る。皮膚が炎症性物質に曝露されると、皮膚の細胞は、サイトカインとして知られる炎症性メッセンジャーを産生する。これらのサイトカインは、血球を活性化する他のサイトカインを産生し、皮膚を損傷するフリーラジカルを産生する、炎症性カスケードの引き金を引く。
アッセイの原理
抗炎症活性を、ヒト単球/マクロファージ細胞株THP−1を使用して調べた。単球は、炎症誘発性サイトカインを分泌することによってリポ多糖(LPS)に応答する。腫瘍壊死因子(TNF−α)は、炎症反応のカスケードの引き金を引く主要な(principle)サイトカインの一つである。TNF−αの濃度を、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)を使用して測定した。TNF−α濃度の低減から、化合物の抗炎症活性が示される。
材料
細胞:THP1−ヒト単球、アメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC、マナッサス、VA)から購入し、加湿した5%CO2のインキュベーター内で、10%(v/v)熱不活性化ウシ胎仔血清(FBS;GIBCO/Invitrogen、カールズバッド、CA)、100単位/mLのペニシリン、および100μg/mLのストレプトマイシン(Life technologies)を添加したロズウェルパーク記念研究所培地(RPMI Life technologies、CA、米国)中で37℃で、単層培養物として維持したもの。
試薬および緩衝剤:リポ多糖(LPS、Sigma chemicals、米国)、リン酸緩衝食塩水、RPMI、FBS、
ELISAキット:ヒトTNF ELISAキット、Krishgen Biosciences、米国
方法
1×105個のTHP−1細胞を100ngのリポ多糖(lipopolysacharide)(LPS、0.1μg/mL)で刺激して、TNF−αの分泌を誘導した。LPS処理の前に、細胞を様々な濃度のオレアノイルKVKで前処理した。細胞上清を処理から24時間後に収集し、分泌されたTNF−αを、サイトカインELISAによって製造業者による記載の通りに評価した。刺激していない細胞を陰性対照として使用した。検出の限界は<1pg/mLであった。
結果
Figure 2020534328

結論:オレアノイルKVKは、抗炎症活性を示し、IC50は9.09μg/mlであった。
(実施例7:オレアノイル−KVKを含有するスキンケア用製剤)
オレアノイル−KVKを含有する組成物は、薬学的に/美容的に許容可能な賦形剤、助剤、基剤、希釈剤、担体、コンディショニング剤、生物学的利用能増強剤、抗酸化剤、および防腐剤と共に製剤化され、および/または抗老化成分を含有する製剤中に取り込まれ、クリーム、ゲル、ローション、パウダー、美容液、油、懸濁液、軟膏、石けん、スクラブ、エマルション、およびコンパクトの形で局所的に投与されてもよい。
関連する態様では、1種または複数のスキンケア成分が、アルファリポ酸、オキシレスベラトロール、ビート根エキス、ボスウェリアセラタ(Boswellia serrata)エキス、βボスウェル酸、ボスウェリアセラタ油、ツボクサ(Centella asiatica)エキス、トリテルペン、Garcinia indicaエキス、アントシアニン、ココヤシ(Cocos nucifera)エキスおよび果汁、Coleus forskohliiエキス、フォルスコリン、Coleus forskohlii油、テトラヒドロピペリン、エラグ酸、ゴールナットエキス、ポリフェノール、ガランガ(Galanga)エキス、グリチルリジン酸、緑茶エキス、没食子酸エピガロカテキン、カンゾウエキス、グリチルリチン酸モノアンモニウム、リモノイド、オレアノール酸、オレウロペイン、ピペルロングミン(Piper longumine)エキス、ピペリン、エラグ酸、ザクロエキス(水溶性)、プテロスチルベン、レスベラトロール、Pterocarpus santalinusエキス、ローズマリーエキス、ロスマリン酸、アムラエキス、ベータグルコガリン、テトラヒドロクルクミン、セージ(Salvia Officinalis)葉エキス、ウルソール酸、サポニン、ゴマ(Sesamum indicum)種子エキス、セサミンおよびセサモリン、ワサビノキ油、ワサビノキ種子エキス、セイヨウトチノキエキス、バイテックス油、キシメニン酸、エチルアスコルビン酸、アルガン油、レモン果皮エキス、ウコン油、大麦ベータグルカン、補酵素Q10、オリーブ油、アボカド油、ならびにクランベリー油からなる群から選択されるが、これらに限定されない。
別の関連する態様では、1種または複数の抗酸化剤および抗炎症剤が、ビタミンA、D、E、K、C、B複合体、ロスマリン酸、アルファリポ酸、オキシレスベラトロール、エラグ酸、グリチルリジン酸、没食子酸エピガロカテキン、植物性ポリフェノール、グラブリジン、ワサビノキ油、オレアノール酸、オレウロペイン、カルノシン酸、ウロカニン酸、フィトエン、リポイド酸(lipoid acid)、リポアミド、フェリチン、デスフェラール、ビリルビン(billirubin)、ビリベルジン(billiverdin)、メラニン、ユビキノン、ユビキノール、パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルMg、酢酸アスコルビル、トコフェロールおよび酢酸ビタミンEなどの誘導体、尿酸、α−グルコシルルチン、カタラーゼ(calalase)およびスーパーオキシドジスムターゼ、グルタチオン、セレン化合物、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ピロ亜硫酸ナトリウム(SMB)、没食子酸プロピル(PG)、ならびにアミノ酸システインからなる群から選択されるが、これらに限定されない。
別の関連する態様では、1種または複数の生物学的利用能増強剤は、ピペリン、テトラヒドロピペリン、ケルセチン、ニンニクエキス、ショウガエキス、およびナリンギンの群から選択されるが、これらに限定されない。
表1〜10は、オレアノイル−KVKを含有するスキンケア製剤の実施例を示す。
Figure 2020534328
Figure 2020534328
Figure 2020534328
Figure 2020534328
Figure 2020534328
Figure 2020534328
Figure 2020534328
Figure 2020534328
Figure 2020534328
Figure 2020534328

上の製剤は単なる実施例であり、前記目的のために意図される上の活性成分を含有するいかなる製剤も同等であるとみなされる。
当業者であれば前述の開示および教示から本発明への他の修正および改変が明らかであろう。よって、本発明のある特定の実施形態のみを本明細書で具体的に説明してきたが、それに多数の修正を本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく施すことができることが明らかであろう。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲と併せてのみ解釈されるべきである。
当業者であれば前述の開示および教示から本発明への他の修正および改変が明らかであろう。よって、本発明のある特定の実施形態のみを本明細書で具体的に説明してきたが、それに多数の修正を本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく施すことができることが明らかであろう。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲と併せてのみ解釈されるべきである。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕オレアノール酸に結合した配列番号1を有する構造1の化合物を調製する方法であって、
a.L−リジンの両方のアミノ基が保護されているBoc−Lys(Cbz)−OHを、アセトン中の臭化ベンジルおよび炭酸カリウムで処理して、Boc−Lys(Cbz)−OBzlを得るステップ;
b.ステップ(a)からのBoc−Lys(Cbz)−OBzlを加水分解して、H−Lys(Cbz)−OBzl・HClを得るステップ;
c.ステップ(b)のH−Lys(Cbz)−OBzl・HClを、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、ヒドロキシベンゾトリアゾール、およびトリエチルアミンの存在下でBoc−Val−OHとカップリングして、Boc−Val−Lys(Cbz)−OBzlを得るステップ;
d.ステップc)から得られたBoc−Val−Lys(Cbz)−OBzlをトリフルオロ酢酸で処理して、H−Val−Lys(Cbz)−OBzlを得るステップ;
e.ステップd)のH−Val−Lys(Cbz)−OBzlを、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、ヒドロキシベンゾトリアゾール、およびトリエチルアミンの存在下でBoc−Lys(Cbz)−OHとカップリングして、Boc−Lys(Bzl)−Val−Lys(Cbz)−OBzlを得るステップ;
f.ステップe)のBoc−Lys(Bzl)−Val−Lys(Cbz)−OBzlをトリフルオロ酢酸で処理して、H−Lys(Bzl)−Val−Lys(Cbz)−OBzlを得るステップ;
g.上のステップのH−Lys(Bzl)−Val−Lys(Cbz)−OBzlを、トリエチルアミンの存在下で3−O−アセチルオレアノイルクロリド(3−O−アセチルオレアノール酸および塩化チオニルから合成される)とカップリングして、(3−O−アセチルオレアノイル)−Lys(Bzl)−Val−Lys(Cbz)−OBzlを得るステップ;
h.ステップg)の(3−O−アセチルオレアノイル)−Lys(Bzl)−Val−Lys(Cbz)−OBzlを、アルコール媒体中、パラジウムおよび炭素触媒の存在下で水素化して、3−O−アセチルオレアノイル−Lys−Val−Lysを得るステップ;
i.アルコール媒体中で塩基を使用してアセチル基を加水分解して、オレアノール酸に連結した配列番号1のトリペプチドを得るステップ
を含み、配列番号1がK−V−Kであり、構造1が以下の通りに表される、方法。
Figure 2020534328
〔2〕ステップ(i)における塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、および水酸化カリウムからなる群から選択される、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕前記〔1〕の方法から得られたオレアノール酸に連結した配列番号1のトリペプチドを含む、組成物。
〔4〕皮膚老化を防止するのに有効な濃度の、オレアノール酸に連結した配列番号1のトリペプチドに、哺乳動物の皮膚を接触させるステップを含む、哺乳動物における皮膚老化を防止する方法。
〔5〕皮膚老化の症状が、表皮の菲薄化、メラノサイトの減少、メラニン産生の減少、コラーゲンおよびエラスチンの減少、皮脂腺からの油の産生の低減によってもたらされる水分の減少および乾燥、皮下脂肪層の減少、遮断性およびふくらみの減少、創傷治癒能力の減弱、皮膚のたるみ、乾燥、しみ、ならびにしわからなる群から選択される、前記〔4〕に記載の方法。
〔6〕皮膚老化が、コラゲナーゼ活性を阻害することによって防止される、前記〔4〕に記載の方法。
〔7〕皮膚老化が、エラスターゼ活性を阻害することによって防止される、前記〔4〕に記載の方法。
〔8〕皮膚老化が、皮膚線維芽細胞の増殖を増加させることによって防止される、前記〔4〕に記載の方法。
〔9〕皮膚老化が、皮膚線維芽細胞におけるコラーゲンを増加させることによって防止される、前記〔4〕に記載の方法。
〔10〕皮膚老化が、皮膚線維芽細胞によるTGF−βの分泌の強化によって防止される、前記〔4〕に記載の方法。
〔11〕哺乳動物が好ましくはヒトである、前記〔4〕に記載の方法。
〔12〕薬学的に/美容的に許容可能な賦形剤、助剤、基剤、希釈剤、担体、コンディショニング剤、生物学的利用能増強剤、抗酸化剤、および防腐剤と共に製剤化され、および/または抗老化成分を含有する製剤中に取り込まれ、クリーム、ゲル、ローション、パウダー、美容液、油、懸濁液、軟膏、石けん、スクラブ、エマルション、およびコンパクトの形で局所的に投与される、前記〔3〕に記載の組成物。
〔13〕前記トリペプチドが、他の生体活性構成成分と組み合わされて存在する、前記〔3〕に記載の組成物。
〔14〕スキンケア剤として作用し、皮膚老化を防止する、前記〔3〕に記載の組成物。

Claims (14)

  1. オレアノール酸に結合した配列番号1を有する構造1の化合物を調製する方法であって、
    a.L−リジンの両方のアミノ基が保護されているBoc−Lys(Cbz)−OHを、アセトン中の臭化ベンジルおよび炭酸カリウムで処理して、Boc−Lys(Cbz)−OBzlを得るステップ;
    b.ステップ(a)からのBoc−Lys(Cbz)−OBzlを加水分解して、H−Lys(Cbz)−OBzl・HClを得るステップ;
    c.ステップ(b)のH−Lys(Cbz)−OBzl・HClを、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、ヒドロキシベンゾトリアゾール、およびトリエチルアミンの存在下でBoc−Val−OHとカップリングして、Boc−Val−Lys(Cbz)−OBzlを得るステップ;
    d.ステップc)から得られたBoc−Val−Lys(Cbz)−OBzlをトリフルオロ酢酸で処理して、H−Val−Lys(Cbz)−OBzlを得るステップ;
    e.ステップd)のH−Val−Lys(Cbz)−OBzlを、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、ヒドロキシベンゾトリアゾール、およびトリエチルアミンの存在下でBoc−Lys(Cbz)−OHとカップリングして、Boc−Lys(Bzl)−Val−Lys(Cbz)−OBzlを得るステップ;
    f.ステップe)のBoc−Lys(Bzl)−Val−Lys(Cbz)−OBzlをトリフルオロ酢酸で処理して、H−Lys(Bzl)−Val−Lys(Cbz)−OBzlを得るステップ;
    g.上のステップのH−Lys(Bzl)−Val−Lys(Cbz)−OBzlを、トリエチルアミンの存在下で3−O−アセチルオレアノイルクロリド(3−O−アセチルオレアノール酸および塩化チオニルから合成される)とカップリングして、(3−O−アセチルオレアノイル)−Lys(Bzl)−Val−Lys(Cbz)−OBzlを得るステップ;
    h.ステップg)の(3−O−アセチルオレアノイル)−Lys(Bzl)−Val−Lys(Cbz)−OBzlを、アルコール媒体中、パラジウムおよび炭素触媒の存在下で水素化して、3−O−アセチルオレアノイル−Lys−Val−Lysを得るステップ;
    i.アルコール媒体中で塩基を使用してアセチル基を加水分解して、オレアノール酸に連結した配列番号1のトリペプチドを得るステップ
    を含み、配列番号1がK−V−Kであり、構造1が以下の通りに表される、方法。
    Figure 2020534328
  2. ステップ(i)における塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、および水酸化カリウムからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 請求項1の方法から得られたオレアノール酸に連結した配列番号1のトリペプチドを含む、組成物。
  4. 皮膚老化を防止するのに有効な濃度の、オレアノール酸に連結した配列番号1のトリペプチドに、哺乳動物の皮膚を接触させるステップを含む、哺乳動物における皮膚老化を防止する方法。
  5. 皮膚老化の症状が、表皮の菲薄化、メラノサイトの減少、メラニン産生の減少、コラーゲンおよびエラスチンの減少、皮脂腺からの油の産生の低減によってもたらされる水分の減少および乾燥、皮下脂肪層の減少、遮断性およびふくらみの減少、創傷治癒能力の減弱、皮膚のたるみ、乾燥、しみ、ならびにしわからなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 皮膚老化が、コラゲナーゼ活性を阻害することによって防止される、請求項4に記載の方法。
  7. 皮膚老化が、エラスターゼ活性を阻害することによって防止される、請求項4に記載の方法。
  8. 皮膚老化が、皮膚線維芽細胞の増殖を増加させることによって防止される、請求項4に記載の方法。
  9. 皮膚老化が、皮膚線維芽細胞におけるコラーゲンを増加させることによって防止される、請求項4に記載の方法。
  10. 皮膚老化が、皮膚線維芽細胞によるTGF−βの分泌の強化によって防止される、請求項4に記載の方法。
  11. 哺乳動物が好ましくはヒトである、請求項4に記載の方法。
  12. 薬学的に/美容的に許容可能な賦形剤、助剤、基剤、希釈剤、担体、コンディショニング剤、生物学的利用能増強剤、抗酸化剤、および防腐剤と共に製剤化され、および/または抗老化成分を含有する製剤中に取り込まれ、クリーム、ゲル、ローション、パウダー、美容液、油、懸濁液、軟膏、石けん、スクラブ、エマルション、およびコンパクトの形で局所的に投与される、請求項3に記載の組成物。
  13. 前記トリペプチドが、他の生体活性構成成分と組み合わされて存在する、請求項3に記載の組成物。
  14. スキンケア剤として作用し、皮膚老化を防止する、請求項3に記載の組成物。
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