JP2020533621A - オーバーレイを推定するための方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、オーバーレイを決定するための方法を提供する。この方法は、第1のターゲットセットに関連した初期オーバーレイ推定値を取得することと、第2のターゲットセットに関するデータを取得することと、を含む。ターゲットのデータは、異なる波長から成るグループの各々についてのターゲットの強度測定値を含む。方法は更に、初期オーバーレイ推定値を用いて第2のターゲットセットに関連したデータをフィルタリングすることと、フィルタリングしたデータを用いて基板上のオーバーレイを推定することと、を含む。【選択図】図9

Description

(関連出願の相互参照)
[0001] 本出願は、2017年9月8日に出願された欧州特許出願第17190064.0号の優先権を主張する。これは援用により全体が本願に含まれる。
[0002] 本発明は、オーバーレイを推定するための方法、システム、及びプログラムに関する。
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが付与される隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
[0004] リソグラフィプロセスでは、多くの場合、例えばプロセス制御及び検証のために、生成された構造の測定を行うことが望まれる。そのような測定を行うための様々なツールが既知であり、それらには、クリティカルディメンション(CD)を測定するため使用されることが多い走査電子顕微鏡や、オーバーレイすなわちデバイス内の2つの層のアライメントの精度を測定するための専用ツールが含まれる。近年、リソグラフィ分野で使用するために様々な形態のスキャトロメータが開発されている。これらのデバイスは、放射ビームをターゲットへ誘導し、散乱した放射の1以上の特性、例えば波長の関数としての単一の反射角度における強度、反射角度の関数としての1以上の波長における強度、又は反射角度の関数としての偏光を測定して、ターゲットの対象特性を決定することができる「スペクトル」を取得する。
[0005] 対象特性の決定は例えば、厳密結合波分析や有限要素法のような反復手法によるターゲット構造の再構築、ライブラリ検索、及び主成分分析のような様々な技法によって実行され得る。
[0006] 一部のスキャトロメータによって用いられるターゲットは、例えば40μm×40μmのような比較的大きい格子であり、測定ビームはこの格子よりも小さいスポットを生成する(すなわち格子はアンダーフィルされる(underfill))。ターゲットを無限と見なすことができるので、これによりターゲットの数学的再構築が簡略化する。しかしながら、ターゲットを例えば10μm×10μm以下のようなサイズに小型化して、スクライブラインではなく製品フィーチャと製品フィーチャとの間に位置決めできるようにするため、格子を測定スポットよりも小さくする(すなわち格子がオーバーフィルされる(overfill))メトロロジが提案されている。典型的に、そのようなターゲットは、ゼロ次回折(鏡面反射に対応する)が阻止されてより高い次数のみが処理される暗視野スキャトロメトリを用いて測定される。回折次数の暗視野検出を用いた回折ベースのオーバーレイによって、より小さいターゲットにおけるオーバーレイ測定が可能となる。これらのターゲットは照明スポットよりも小さい可能性があり、基板上で製品構造によって取り囲まれる場合がある。1つの像において複数のターゲットを測定することができる。
[0007] 既知のメトロロジ技法において、オーバーレイ測定結果を得るには、特定の条件下で、ターゲットを回転させながら又は照明モードもしくは結像モードを変更しながら2度ターゲットを測定して、−1次と+1次の回折強度を別個に取得する。所与の格子についてこれらの強度を比較することで、その格子における強度非対称性の測定値が得られる。オーバーレイ格子における強度非対称性は、オーバーレイエラーの指標として使用することができる。
[0008] 既知の暗視野像ベースのオーバーレイ測定は高速であり、(一度較正されたら)計算的に極めて単純であるが、オーバーレイがターゲット構造における強度非対称性の唯一の原因であるという仮定に頼っている。スタックにおける他の非対称性、例えば積層された格子の一方又は双方内のフィーチャの非対称性も、1次の強度非対称性の原因となる。オーバーレイに関連しないこの強度非対称性は、明らかにオーバーレイ測定を混乱させて、不正確なオーバーレイ測定を与える。オーバーレイ格子の下部格子におけるフィーチャ非対称性は、フィーチャ非対称性の一般的な形態である。これは例えば、格子の幾何学的形状から生じるか、又は最初に下部格子が形成された後に実行される化学機械研磨(CMP)のような基板処理ステップで生じる可能性がある。従ってフィーチャ非対称性は、格子、又はより一般的には基板を処理するステップで欠陥(imperfection)が発生するプロセス非対称性を含むことがある。
[0009] 強度非対称性からオーバーレイを決定する場合にフィーチャ非対称性を考慮するための方法が見出されている。しかしながら、この方法は、フィーチャ非対称性のような強度非対称性の他の原因が存在する場合は依然として不正確さを伴う。従って、この方法に基づくオーバーレイ推定の不正確さを低減する方法を提供する余地がある。
[0010] 強度非対称性に対するフィーチャ非対称性の寄与分を考慮に入れるように、オーバーレイ測定をいっそうロバストにすることが望ましい。
[0011] 本発明の一態様において、基板上のオーバーレイを推定するための方法が提供される。この方法は、第1のターゲットセットに関連した初期オーバーレイ推定値を取得することと、第2のターゲットセットに関するデータを取得することであって、ターゲットのデータは、異なる波長から成るグループの各々についてのターゲットの強度測定値を含む、ことと、初期オーバーレイ推定値を用いて、第2のターゲットセット内のターゲットの少なくとも1つのために波長サブグループを選択することと、第2のターゲットセット内のターゲットの少なくとも1つのための波長サブグループに関連したデータを用いて、基板上のオーバーレイを推定することと、を含む。
[0012] 本発明の別の態様は、基板上のオーバーレイを推定するように構成されたプロセッサを備えるシステムを提供する。このプロセッサは、第1のターゲットセットに関連した初期オーバーレイ推定値を取得し、第2のターゲットセットに関するデータを取得し、ターゲットのデータは、異なる波長から成るグループの各々についてのターゲットの強度測定値を含み、初期オーバーレイ推定値を用いて、第2のターゲットセット内のターゲットの少なくとも1つのために波長サブグループを選択し、第2のターゲットセット内のターゲットの少なくとも1つのための波長サブグループに関連したデータを用いて、基板上のオーバーレイを推定する、ように構成されている。
[0013] 本発明の更に別の態様は、基板上のオーバーレイを推定するためのプログラムを提供する。このプログラムは、第1のターゲットセットに関連した初期オーバーレイ推定値を取得するステップと、第2のターゲットセットに関するデータを取得するステップであって、ターゲットのデータは、異なる波長から成るグループの各々についてのターゲットの強度測定値を含む、ステップと、初期オーバーレイ推定値を用いて、第2のターゲットセット内のターゲットの少なくとも1つのために波長サブグループを選択するステップと、第2のターゲットセット内のターゲットの少なくとも1つのための波長サブグループに関連したデータを用いて、基板上のオーバーレイを推定するステップと、を実行するための命令を含む。
[0014] 本発明の別の特徴及び利点並びに本発明の様々な実施形態の構造及び作用は、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。本発明は、本明細書に記載する特定の実施形態に限定されないことに留意されたい。このような実施形態は、例示のみを目的として本明細書に記載されている。本明細書に含まれる教示に基づいて当業者はさらなる実施形態を容易に思いつくであろう。
[0015] 本発明の実施形態を、添付の図面を参照して、単なる例示として以下に説明する。
[0016] 本発明の一実施形態に従ったリソグラフィ装置を示す。 [0017] 本発明の一実施形態に従ったリソグラフィセル又はクラスタを示す。 [0018] フィーチャ非対称性が存在しないオーバーレイ格子について、A−に対するA+のプロットを示す。 [0019] フィーチャ非対称性が存在するオーバーレイ格子について、A−に対するA+のプロットを示す。 [0020] 基板上のターゲットについて、A−に対するA+のフィットさせたラインの原点までの平均距離を示す。 [0021] フィーチャ非対称性が存在する基板のエッジにあるターゲットについて、異なる波長で測定されたデータポイントを有する、A−に対するA+のプロットを示す。 [0022] 図5に示されているような異なる波長で測定されたターゲットのデータポイントについて、原点までの距離を示す。 [0023] 特定の波長が忠実である(obedient)か否かを決定するため、A−に対するA+のプロットにおけるラインの勾配をどのように使用できるかを示す。 [0023] 特定の波長が忠実であるか否かを決定するため、A−に対するA+プロットにおけるラインの勾配をどのように使用できるかを示す。 [0024] ターゲットにおいて特定の波長の原点までの距離が決定される、図5に示されているA−に対するA+のプロットを示す。 [0025] どの波長が忠実であるかを決定するため、様々な波長について原点までの距離を示す。 [0026] 様々な波長における基準情報を示す。 [0026] 様々な波長における基準情報を示す。 [0026] 様々な波長における基準情報を示す。 [0026] 様々な波長における基準情報を示す。 [0027] 図8のA−に対するA+のプロットに示されているスロープの勾配に対してプロットされた最良フィット(best fit)決定からの残差を示す。 [0028] スロープ勾配の様々な値に対応するオーバーレイに対してプロットされた最良フィット決定からの残差を示す。
[0029] 本発明の特徴及び利点は、図面と関連付けて以下に記載されている詳細な説明を読むことからいっそう明らかとなろう。
[0030] 本明細書は、本発明の特徴を組み込んだ1つ以上の実施形態を開示する。開示される1つ又は複数の実施形態は本発明を例示するにすぎない。本発明の範囲は開示される1つ又は複数の実施形態に限定されない。本発明は、本明細書に添付される特許請求の範囲によって定義される。
[0031] 記載された実施形態、及び本明細書で「一実施形態」、「ある実施形態」、「例示的実施形態」などに言及した場合、それは記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含むことができるが、それぞれの実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、又は特性を含まないことがあることを示す。更に、このようなフレーズは、必ずしも同じ実施形態に言及するものではない。更に、ある実施形態に関連して特定の特徴、構造、又は特性について記載している場合、明示的に記載されているか、記載されていないかにかかわらず、このような特徴、構造、又は特性を他の実施形態との関連で実行することが当業者の知識の範囲内にあることが理解される。
[0032] 本発明の実施形態はハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はその任意の組み合わせで実施することができる。本発明の実施形態は、1つ以上のプロセッサで読み取り、実行することができる機械読み取り式媒体に記憶した命令として実施することもできる。機械読み取り式媒体は、機械(例えば計算デバイス)で読み取り可能な形態で情報を記憶するか、又は伝送する任意の機構を含むことができる。例えば、機械読み取り式媒体は読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音響又は他の形態の伝搬信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)、及びその他を含むことができる。更に、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令を、本明細書では特定の行為を実行するものとして記述することができる。しかし、このような記述は便宜的なものにすぎず、このような行為は実際には計算デバイス、プロセッサ、コントローラ、又はファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令などを実行する他のデバイスの結果であることを認識されたい。
[0033] このような実施形態を詳述する前に、本発明の実施形態を実施することができる例示の環境を提示することが有用であろう。
[0034] 図1は、リソグラフィ装置LAを概略的に示す。この装置は、放射ビームB(例えば、UV放射又はDUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構築され、かつ特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに連結されたパターニングデバイスサポート又は支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、かつ特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに連結された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSと、を含む。
[0035] 照明システムは、放射を誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
[0036] パターニングデバイスサポートは、パターニングデバイスの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。パターニングデバイスサポートは、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電等のクランプ技術を使用することができる。パターニングデバイスサポートは、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。パターニングデバイスサポートは、パターニングデバイスが例えば投影システムに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
[0037] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに付与されるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
[0038] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、更には様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小型ミラーのマトリクス配列を使用し、ミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するように個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを付与する。
[0039] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電光学システム、又はその任意の組み合わせを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これは更に一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
[0040] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
[0041] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のマスクテーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ以上の他のテーブルを露光に使用している間に1つ以上のテーブルで予備工程を実行することができる。
[0042] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部が相対的に高い屈折率を有する液体、例えば水によって覆えるタイプでもよい。液浸液は、例えばマスクと投影システムとの間など、リソグラフィ装置の他の空間に適用することもできる。液浸技術は、投影システムの開口数を増やすために当技術分野では周知である。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板などの構造を液体に沈めなければならないという意味ではなく、露光中に投影システムと基板との間に液体が存在するというほどの意味である。
[0043] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源が水銀ランプの場合は、放射源がリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。[0051]イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するためのアジャスタADを備えていてもよい。
[0044] 一般に、イルミネータの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
[0045] 放射ビームBは、パターニングデバイスサポート(例えばマスクテーブルMT)上に保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターン形成される。パターニングデバイス(例えばマスク)MAを横断した放射ビームBは、投影システムPSを通過し、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2のポジショナPW及び位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、2Dエンコーダ又は容量センサ)の助けにより、基板テーブルWTを、例えば様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めするように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPMと別の位置センサ(図1には明示されていない)を用いて、マスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中などに放射ビームBの経路に対してパターニングデバイス(例えばマスク)MAを正確に位置決めできる。一般に、パターニングデバイスサポート(例えばマスクテーブル)MTの移動は、第1のポジショナPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現できる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、パターニングデバイスサポート(例えばマスクテーブル)MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。
[0046] パターニングデバイス(例えばマスク)MA及び基板Wは、マスクアライメントマークMl、M2及び基板アライメントマークPI、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に位置してもよい(スクライブラインアライメントマークとして周知である)。同様に、パターニングデバイス(例えばマスク)MA上に複数のダイを設ける状況では、マスクアライメントマークをダイ間に配置してもよい。小さなアライメントマーカをデバイスフィーチャの中でもダイ内に含めることができ、その場合、マーカは可能な限り小さく、隣接したフィーチャと異なる結像又はプロセス条件を必要としないことが望ましい。
[0047] 図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
1.ステップモードでは、パターニングデバイスサポート(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは、実質的に静止状態に維持される一方、放射ビームに付与されたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
2.スキャンモードでは、パターニングデバイスサポート(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに付与されるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。パターニングデバイスサポート(例えばマスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分の(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分の(スキャン方向における)高さが決まる。
3.別のモードでは、パターニングデバイスサポート(例えばマスクテーブル)MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して実質的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させるごとに、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
[0048] 上述した使用モードの組み合わせ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0049] リソグラフィ装置LAは、2つの基板テーブルWTa及びWTbと、2つのステーションすなわち露光ステーション及び測定ステーションとを有する、いわゆるデュアルステージタイプである。これら2つのステーション間で基板テーブルを交換することができる。露光ステーションで一方の基板テーブル上の1つの基板を露光している間に、測定ステーションで他方の基板テーブルに別の基板をロードして、様々な準備ステップを実行できる。準備ステップは、レベルセンサLSを用いて基板の表面制御をマッピングすること、及びアライメントセンサASを用いて基板上のアライメントマーカの位置を測定することを含み得る。これによって、装置のスループットの大幅な増大が可能となる。基板テーブルが測定ステーション及び露光ステーションにある間にその位置を位置センサIFが測定できない場合、第2の位置センサを設けて、双方のステーションにおいて基板テーブルの位置を追跡することも可能である。
[0050] 図2に示されているように、リソグラフィ装置LAは、リソセル又はクラスタと呼ばれることもあるリソグラフィセルLC又の一部を形成する。リソグラフィセルLCは、基板に露光前プロセス及び露光後プロセスを実行する装置も含み得る。これらには、レジスト層を堆積するスピンコータSC、露光されたレジストを現像するデベロッパDE、冷却プレートCH、及びベークプレートBKが含まれる。基板ハンドラすなわちロボットROは、入出力ポートI/O1、I/O2から基板を取り出し、それらを様々なプロセス装置間で移動させ、リソグラフィ装置のローディングベイLBに引き渡す。これらのデバイスは、まとめてトラックと称されることも多く、トラック制御ユニットTCUの制御下にある。TCU自体は監督制御システムSCSによって制御される。SCSは、リソグラフィ制御ユニットLACUを介してリソグラフィ装置も制御する。従って、これら様々な装置は、スループット及び処理効率を最大化するように動作させることができる。
[0051] オーバーレイエラーが存在するスタック格子のようなターゲットから1次回折光を検出することは既知であり、例えば、援用により全体が本願に含まれる米国特許第8,339,595号に記載されている。援用により全体が本願に含まれる国際公開第2015/018625号に記載されているように、ターゲットを照射して、このターゲットのオーバーレイに関する測定を行うことができる。国際公開第2015/018625号に更に記載されているように、回折された放射を検出し、1次回折等の様々な回折次数を決定することができる。特定の回折次数における放射強度の非対称性を用いて、ターゲットにおけるオーバーレイを決定できる。任意の適切な種類の測定装置を用いてターゲットの強度対称性を測定することができる。例えば国際公開第2015/018625号に記載されているように、スタンドアロンのデバイスであるか、又は例えば測定ステーションにおけるリソグラフィ装置LAもしくはリソグラフィセルLCのいずれかに組み込むことができるマイクロ回折ベースのオーバーレイ(μDBO:micro diffraction based overlay)メトロロジ装置を使用できる。強度非対称性は、様々な偏光及び波長において様々な方法で測定することができる。
[0052] 国際公開第2015/018635号に特定されているように、ターゲット自体に欠陥が存在しない可能性は極めて低い。また、格子における欠陥は強度非対称性の一因となる。言い換えると、例えば製造中のチップ処理によって引き起こされるターゲットのわずかな欠陥があると、測定される強度非対称性は影響を受ける。従って、オーバーレイを推定するため測定された強度非対称性に関する値には、ターゲット自体の欠陥に起因する測定強度非対称性の変動も含まれる。このためオーバーレイ推定は、ターゲットにおいて実際に測定されたオーバーレイエラーだけでなく、ターゲットの欠陥(defect)による影響を受ける。こういった欠陥はターゲット自体の物理的側面であり、一般にフィーチャ非対称性と呼ぶことができる。例えばフィーチャ非対称性は、側壁角の非対称性及び/又はフロア傾斜(floortilt)の非対称性を含み得る。
[0053] ターゲットの強度非対称性の測定に基づく上述の方法は、極めて高精度のオーバーレイ測定を可能とする。しかしながら、オーバーレイを決定するために使用できる強度非対称性の測定値には、ターゲットの意図的なオーバーレイバイアス、フィーチャ非対称性、及び実際のオーバーレイエラーが含まれる。このため、実際のオーバーレイエラーをいっそう正確に決定できるように、フィーチャ非対称性を正確に算出することが有益である。
[0054] ターゲットは複数の格子を含み得るが、格子は通常は2つである。これらの格子は、基板Wの異なる層内にパターニングされた積層格子によって形成された少なくとも1つの複合格子で構成され得る。積層格子は、複合格子の異なる部分がそれぞれ形成されている層間のオーバーレイの測定を容易にするため、異なるバイアスのオーバーレイオフセットを有することができる。また、積層格子は、X方向及びY方向で入射した放射を回折するように異なる配向とすることも可能である。一例において、ターゲットは2つのX方向格子を含み、その一方は+dのバイアスを有し、他方は−dのバイアスを有する。dのバイアスを有する格子とは、格子の積層構成要素が双方とも正確に公称位置に印刷された場合、構成要素の一方が他方に対して距離dだけずれるように配置されることを意味する。+d及び−dのバイアスの格子が有する構成要素は、完璧に印刷された場合、オフセットが相互に反対方向となるように配置されている。ターゲットは、それぞれ+d及び−dのオフセットを有する2つのY方向格子を含むことも可能である。従ってターゲットは、少なくとも、例えば+dのような第1の意図的なオーバーレイバイアスを有する積層周期構造を含む格子等の第1のターゲット構造と、例えば−dのような第2の意図的なオーバーレイバイアスを有する積層周期構造を含む格子等の第2のターゲット構造と、を含むものとして記述できる。ターゲットは、国際公開第2015/018625号に記載されているように形成し測定することができる。例えば、ターゲットのオフセットを表す格子のバイアス(d)は20nmとすることができ、これは格子幅よりも小さい場合がある。
[0055] 上述のように、ターゲットの少なくとも1つの格子は、プラスバイアスオフセット(例えば+d)及びマイナスバイアスオフセット(例えば−d)を含み得る。このように、ターゲットのプラスバイアス部分及びマイナスバイアス部分について強度測定値を取得できる。次いで、1次回折(又は別の選択された回折次数)における測定強度を用いて、測定強度の非対称性を決定する。この非対称性から、上部レジスト格子におけるプラスバイアスオフセットを用いて測定された1次の強度非対称性であるA+値と、マイナスバイアスオフセットを用いて測定された1次の強度非対称性であるA−値と、を決定する。プラスバイアス測定の強度非対称性はプラスバイアスオーバーレイに比例し、感度定数と呼ばれる定数kが用いられる。マイナスバイアス測定の強度非対称性はマイナスバイアスオーバーレイに比例し、定数kが用いられる。以下で説明するような、各点が単一の波長を表すプロットにおいて、A−値に対してA+値をプロットして結果を分析することにより、ターゲットにおけるフィーチャ非対称性の効果を考慮することができる。
[0056] ターゲットは、様々な異なる波長と、場合によっては異なる偏光で、照射され得る。A+及びA−グラフは、各波長で測定された特定ターゲットの非対称性に基づいてプロットすることができる。国際公開第2015/018625号に記載されている標準の(regular)A+A−方法は、図3A及び図3Bに示されているものと同様のグラフを生成する。標準のA+A−方法を複数の波長に適用する場合、2つの異なる偏光の結果を平均することができる。しかしながら、プロセス非対称性情報のみを含むデータから得られた別個の量に偏光の差を相関させることによって、大幅な精度向上を達成できる。このため、(この例では2つの)異なる偏光の値を別々に使用し分析することができる。
[0057] 図3Aは、フィーチャ非対称性が存在しないターゲットについて、A−に対するA+のプロットの理想的な事例を示す。図3Aからわかるように、ターゲットは様々な異なる波長で測定される。使用される異なる波長は情報提供のみを目的とし、限定は意図していない。図示のように、各波長(及び偏光)の全てのデータポイントは同一ライン上にある。フィーチャ非対称性が存在しない場合、直線がプロット原点を通る。ラインの勾配とターゲットのオーバーレイとの間には関係がある。オーバーレイは強度非対称性に比例するので、ラインの勾配からオーバーレイを決定することができる。オーバーレイは、以下の近似方程式を用いて決定できる。
ここで、dは、測定されているターゲットの既知のバイアスである。
[0058] 図3Aには3つの異なる測定値セットが示されている。これらのセットは、オーバーレイが存在しない場合と、オーバーレイが正である場合(0<OV<20nmであり得る)と、オーバーレイが負である場合(−20<OV<0nmであり得る)と、に関連する。(1)と標示されているラインは、スロープの勾配が−1である場合である。勾配が−1である場合、オーバーレイは0nmである。ライン(2)で示されるように勾配が−1より大きい場合、オーバーレイはゼロより大きい。ライン(3)で示されるようにラインの勾配が−1より小さい場合、オーバーレイはゼロ未満である。
[0059] フィーチャ非対称性が存在する場合、図3Bに示されているように、様々な波長における単一のターゲットのデータをグラフにプロットすることができる。図3Bのライン(1)は、参照のため、オーバーレイがゼロでありフィーチャ非対称性が存在しない場合を示す。しかしながら、様々な波長における残りのデータポイントは直線に並ばず、直線の周りの様々な位置を有する。このため、最良フィットラインが決定される。しかしながら、図3Aの理想的なグラフとは異なり、最良フィットラインは単一の偏光の全データポイントを通るわけではなく、また、最良フィットラインはプロット原点を通らない。この場合もラインの勾配を用いてオーバーレイを決定できる。
[0060] 更に、ラインからプロット原点までの距離を、DTO(distance-to-origin:原点までの距離)と呼ばれる追加メトリック(extra metric)として決定することができる。各データセットの原点までの距離(DTO)は、プロット原点からラインまでの最短距離、すなわちプロット原点からグラフ上のポイントを通る最良フィットラインに対して90度である。DTOは、ターゲットのフィーチャ非対称性の有用な指標であり、実際のオーバーレイとは無関係である。フィーチャ非対称性は、プロセス誘起の非対称性を含む。DTOは、各波長の線形モデルのオフセット値と呼ぶことも可能である。
[0061] 前述のように、ターゲットを異なる偏光で照射することができる。図3Bにおけるライン(2)及び(3)は、同一ターゲットにおける異なる偏光の波長を示す。図3Bは、2つの偏光が、異なる勾配及び異なるDTO値を有する2つの異なるラインにだけフィットできることを示す。図3Bが示すライン(2)は、第1の偏光における波長、例えば光の電界ベクトルがターゲット格子の方向に対して90度である場合であり、ライン(3)は、第2の偏光における波長、例えば光の電界ベクトルがターゲット格子の方向に対して平行である場合である。図3Bにおいて、ライン(2)及び(3)のDTOは円内の矢印によって示されている。DTOは2つの偏光では異なり、フィーチャ非対称性にのみ依存するので、後にこのメトリックを用いて異なる偏光からの異なる値に対する相関付けが可能であることに留意するべきである。
[0062] 実際には、多くの波長及び2つの偏光に基づき、国際公開第2015/018625号に開示されているA+A−方法を用いて、完全な基板の一意のオーバーレイマップを取得し、フィーチャ非対称性の効果を実質的に打ち消すことができる。
[0063] 基板のエッジ周辺ではDTO値が大きくなる傾向があり(大きいフィーチャ非対称性を表す)、これは図4に示されている。図4では、基板エリア上に示された矢印の長さによって、前述したターゲットのDTO値が表されている。一部の例では、上述のA−に対するA+のプロットから決定される値が、DTO値が大きい基板エッジのターゲットに適用された場合、オーバーレイの決定において誤りを生じる恐れがある。基板エッジにおける大きいフィーチャ非対称性は、基板エッジにおける不均衡効果(imbalance effect)に起因している可能性がある。これは、例えば処理の結果、基板エッジにおいて層厚さの差が大きくなることが原因であり得る。従って、エッジターゲットにおけるこれらの追加エラーを打ち消し、補正することが有益である。
[0064] エッジ周辺等、基板の一部における大きいフィーチャ非対称性を考慮に入れることによって、上記の既知の方法を改良することができる。本発明は、基板上のオーバーレイを推定するための方法を提供する。この方法を用いて、オーバーレイ推定値を決定する場合にターゲットの様々な位置の差を考慮することができる。
[0065] この方法は、第1のターゲットセットに関連した初期オーバーレイ推定値を取得することと、第2のターゲットセットに関するデータを取得することと、を含む。ターゲットのデータは、異なる波長から成るグループの各々についてのターゲットの強度測定値を含む。この方法は、初期オーバーレイ推定値を用いて、第2のターゲットセット内のターゲットの少なくとも1つのために波長サブグループを選択する。後述するように、初期オーバーレイ推定値は、第1のターゲットセットのオーバーレイを示し、これに比例し得る。他のパラメータを追加して用いることも可能であり、そのいくつかについては以下で説明する。次いで、第2のターゲットセット内のターゲットの少なくとも1つのための波長サブグループに関連するデータを用いて、基板上のオーバーレイを推定する。
[0066] この方法は、第1のターゲットセットを用いてオーバーレイ推定値を決定することができる。方法は次いで、第1のオーバーレイ推定値を用いて、第2のターゲットセットに関連するデータをフィルタリングすることができる。次いで、第2のターゲットセットに関連するフィルタリングされたデータを用いて、更新オーバーレイ推定値を決定する。このことの利点は、第1のターゲットセットからの初期オーバーレイ推定値に基づいて第2のターゲットセットをフィルタリングできることである。いくつかの例ではこれは、例えば第2のターゲットセットが、オーバーレイ推定値の歪みを発生させ得る大きいフィーチャ非対称性を有する場合、特に有用であり得る。これは、大きいフィーチャ非対称性を有し、大きい格子不均衡も有する可能性がある基板エッジのターゲットからのオーバーレイデータを、本発明によってA+A−フィールド内で補正できることを意味する。
[0067] 一実施形態において、ターゲットの強度測定値は、ターゲットにおいて測定された放射の強度である。強度測定値は、ターゲットにおける非対称性測定値とすることができる。例えば、強度測定値は上述の強度非対称性測定値である。これは、プラスバイアスオフセット及びマイナスバイアスオフセットに基づく強度非対称測定値を含み得る。上述したように、強度非対称性測定値は1次回折を用いて決定される。しかしながら、他の回折次数を用いてもよい。従って、例えば、他の次数を用いたターゲットのデータは、図3Bに示されているデータポイントと同等であり得る。
[0068] 第1のターゲットセットに関連した初期オーバーレイ推定値の取得は、上述したように第1のターゲットセットの強度非対称性測定値を用いてオーバーレイを計算することによって実行できる。従って、初期オーバーレイ推定値は、第1のターゲットセットに関連する測定値又はデータを用いて計算することができる。このため、方法は更に、第1のターゲットセットについてのデータを取得することを含み得る。
[0069] (第1のターゲットセット及び/又は第2のターゲットセットからの)あるターゲットのデータは、異なる波長から成るグループの各々におけるそのターゲットの強度測定値を含み得る。データは、異なる波長から成るグループの各々でのターゲットにおける放射の強度を含み得る。データは、強度非対称性の決定を可能とする、そのターゲットで回折された放射の指示であり得る。データは、プラスバイアスオフセット及びマイナスバイアスオフセットにおける回折次数のうち1つに関連した特定の強度情報であり得る。
[0070] 実施形態において、データが取得された場合、方法は、第1のターゲットセットについてのデータに線形モデルをフィットさせることと、線形モデルによって記述される勾配から初期オーバーレイ推定値を決定することと、を含み得る。例えばこれは、図3A及び図3Bについて上述したのと同様に実行できる。線形モデルは、単にデータに関連した直線とすることができる。線形モデルは様々な方法で決定することができ、最良フィットラインとすればよい。すなわち線形モデルは、A+及びA−プロット上のポイントにラインをフィットさせる1つの方法とすることができる。最良フィットラインを決定する様々な方法が周知である。例えば、最小二乗法と呼ばれる数学的計算を用いて最良フィットラインを決定することができる。
[0071] データは、ターゲットを照射するために用いられる放射の様々な波長のそれぞれの強度非対称性測定値に関連し得る。従ってデータは、A+強度及びA−強度を示す各波長のデータポイントに変換されるか又はすでにそのデータポイントであり、このため、図5に示されているようにA−に対してA+をグラフにプロットすることができる。データポイントの(全てではないが)いくつかが、説明のみを目的として波長を示すよう標示されている。これらから、プロット内のポイントについて最良フィットラインを決定できる。すなわち、第1のターゲットセットについてのデータに線形モデルをフィットさせることができる。図5に、データポイントを通る最良フィットラインによって、勾配を有するライン(1)が示されている。理想的には、データポイントは全て単一のラインに沿っていなければならない。この例では、ライン(1)は−3.2の勾配を有し、このラインからのDTO値は以下で詳述するように決定され得る。この特定の例では、これらのデータポイントの最良フィットライン(1)は、実質的に原点を通るものとして示されている(すなわちDTOはほぼゼロである)。しかしながら、これは必ず当てはまるわけではない。次いで、線形モデルによって記述される勾配から、すなわち最良フィットラインから、初期オーバーレイ推定値を決定することができる。
[0072] 第1のターゲットセットに関連した初期オーバーレイ推定値の取得は、他の様々な方法でも実行され得る。初期オーバーレイ推定値を所定の値としてもよい。この所定の値は、ユーザによって選択するか、又は方法の実行のために設定することができる。所定の値は、基板全体のオーバーレイを決定するための有用な開始点として選択又は設定できる。初期オーバーレイ推定値を以前のオーバーレイ推定値としてもよい。従って初期オーバーレイ推定値は、以前の基板について、又は以前の基板上のターゲットセット(これは第1のターゲットセット又は第2のターゲットセットに対応し得る)について決定されたオーバーレイ推定値に基づくことができる。初期オーバーレイ推定値は、いくつかの以前の基板に基づくことも可能である。いくつかの以前の基板について、又はいくつかのターゲットセット(各セットは第1のターゲットセット又は第2のターゲットセットのうち少なくとも1つに対応し得る)について決定されたオーバーレイ推定値を用いて、平均オーバーレイ推定値を決定し、これを第1のターゲットセットの初期オーバーレイ推定値として使用することができる。
[0073] 実施形態において、フィーチャ非対称性に関する別の情報をこのプロットから得ることができる。より詳しく述べると、特定の波長に関する各データポイントを通ってそのデータポイントのDTOを決定する、最良フィットラインと平行な他のラインを決定することができる。例えば、ライン(2)は最良フィットラインと平行であり、波長が470nmである場合のデータポイントを通る。DTOは、データポイントを通るラインからプロット原点までの最短距離である。この値は、原点を通るラインと450nmのデータポイントを通るラインとの間の矢印によって示されている。同様に、ライン(3)は別のデータポイントのためのものであり、ライン(4)は636nmのデータポイントのためのものである。各波長の新たなDTO値が図6に示されており、ここでDTO値は任意の単位で与えられている。各波長(又は図6に示されているように波長のスペクトル)の新たなDTO値は、以下で詳述するように使用できる。
[0074] 上述のように、方法は、第1のターゲットセットに関連するデータを取得することを含み得る。第1のターゲットセットに関連するデータは、上述のように、及び国際公開第2015/018625号に記載されているように取得できる。これに加えて又はこの代わりに、方法は、第2のターゲットセットに関連するデータを取得することを含み得る。第2のターゲットセットに関連するデータは、上述のように、及び国際公開第2015/018625号に記載されているように取得できる。
[0075] このように、実施形態では、第1のターゲットセット及び/又は第2のターゲットセット内のターゲットが照射され、取得されたデータは異なる波長における異なる強度測定値であり得る。更に詳しく述べると、方法は、第1のターゲットセットについてのデータ及び/又は第2のターゲットセットについてのデータを取得することを含み得る。データの取得は、基板上の各ターゲットセットからのターゲットを照射することを含み得る。上述したようにターゲットは、少なくとも、第1の意図的なオーバーレイバイアスを有する積層周期構造を含む第1のターゲット構造と、第2の意図的なオーバーレイバイアスを有する積層周期構造を含む第2のターゲット構造と、を含み得る。方法は更に、各ターゲット構造によって散乱された放射を検出して、各ターゲット構造ごとに、そのターゲットのデータを提供する全体的な強度非対称性を表す強度非対称性測定値を取得することを含み得る。
[0076] 方法は、一方のターゲットセットについてのデータを取得するが他方については取得しないこと、又は双方について取得することを含み得る。データは、一方のターゲットセットについては提供するが他方には提供しないこと、又は双方について提供することができる。データは、一方のターゲットセットについては測定するが他方については測定しないこと、又は双方について測定することができる。
[0077] 実施形態において、第1のターゲットセット及び第2のターゲットセットは相互に異なるターゲットを含み得る。言い換えると、第1のターゲットセット及び第2のターゲットセットは双方のグループに共通のターゲットを持たないことがある。第1のターゲットセット及び第2のターゲットセットは基板の異なる領域に配置され得る。従って、第1のターゲットセットを基板の第1の領域に配置し、第2のターゲットセットを基板の第2の領域に配置することができる。ターゲットを異なる領域又はエリアに提供することは有益である。その理由は、一方のターゲットセットを効果的に用いて他方のターゲットセットをフィルタリングして、より正確なオーバーレイ推定値を全体的に生成できるからである。
[0078] 第1の領域を実質的に基板の中心部に配置し、第2の領域を実質的に基板のエッジ周辺に配置することができる。これは特に有益であり得るが、これは、エッジターゲットの方が大きいフィーチャ非対称性を有する可能性があるからである。これには様々な理由が考えられる。例えば、処理によって基板エッジの厚さが増し、エッジターゲットのフィーチャ非対称性が増大することがある。このため、フィーチャ非対称性が大きいターゲットのデータポイントのいくつかは、上述のプロセスに従わず、第1のデータポイントセットに関して上述したように単に全てのデータポイントを用いてオーバーレイ推定値を決定する場合にオーバーレイ推定値を歪ませる恐れがある。
[0079] 第1の領域及び第2の領域は、相互に異なる別個の領域とすることができる。好ましくは、第1の領域(ここでターゲットを用いて初期オーバーレイ推定値を決定する)は基板の中心部にある。実質的に基板の中心部にあるターゲットのみを第1のターゲットセットに用いることが好ましい。その理由は、これらのターゲットにおいて、(図6に示されているような)x方向のDTOスペクトルはx方向の基板位置と極めてよく相関し、(図6に示されているような)y方向のDTOスペクトルはy方向の基板位置と極めてよく相関し得るからである。これは、プロセス非対称性が通常は半径方向依存性を示すからであり、このような相関はDTOスペクトルの精度を大幅に高める。
[0080] 好ましくは、第2の領域(ここでターゲットは後述するようにフィルタリングされたデータを有する)は基板のエッジにある。第1の領域及び第2の領域が基板上で占める面積は可変とすることができる。第1の領域及び第2の領域の各々には好ましい面積があり得る。好ましくは、第2の領域は第1の領域を取り囲む基板のエリアである。
[0081] 第1の領域は、基板の中心から130mm以下の距離内の領域とすることができる。第2の領域は、基板の中心から130mmよりも大きい距離の領域とすることができる。第2の領域は基板のエッジまで到達しない場合がある。第2の領域は、基板の中心部から約130mmから約145mmの半径にあり得る。これらは、直径が約300mmの基板における第1の領域及び第2の領域の例示的な距離である。この距離は基板のサイズに応じて変化/スケーリングすることができる。例えば450mmの直径の基板では、第1の領域は基板の中心から約195mmの距離内とすることができる。第1及び第2の領域は、好ましくは基板の全エリアに基づいて決定され得る。例えば、基板エリアの中心の約75%を第1の領域とし、第2の領域は実質的にそれを取り囲むエリアとすることができる。
[0082] 第2のターゲットセットを基板上に配置することができ、第1のターゲットセットを少なくとも1つの他の基板上に配置する。これは、第1のターゲットセットに関連するデータが1つの別の基板から又は複数の別の基板からのものであり得ることを意味する。
[0083] 方法は、初期オーバーレイ推定値を用いて、第2のターゲットセット内のターゲットの少なくとも1つのために波長サブグループを選択することを含む。これによって、第2のターゲットグループに関連するデータを初期オーバーレイ推定値に基づいてフィルタリングすることができる。これは、モデルにフィットしないデータポイントを除外することで特定のターゲットの影響を軽減することを意味するので、有益である。
[0084] 第2のターゲットセット内のターゲットの少なくとも1つのために波長サブグループを選択することは、第2のターゲットセット内の各ターゲットについて波長グループに対する分析を実行することと、各波長の線形モデルが初期オーバーレイ推定値に実質的に対応する勾配を有するか否かを判定することと、を含む。これは、上述した線形モデルとは異なる別の線形モデルである。以下では、これを別の線形モデルと呼ぶ。
[0085] 別の線形モデルを第2のターゲットセットのデータポイントに適用して、第2のターゲットセットからのターゲットの波長のデータポイントが忠実であるか否かを判定することができる。これは、データポイントのオフセット値(すなわちDTO値)を決定することによって実行される。A−に対するA+プロットに、プロット原点を中心としてオフセット値と同じ半径の円を描く。次いで、データポイントを通り、円の接線方向であるラインを決定する。これは図7A及び図7Bで、2つの異なるポイントについて示されている。このラインの勾配をこれらを用いて、上述のようにデータポイントが忠実であるか否か、すなわち、ラインが実質的に初期オーバーレイ推定値に対応するか否かを判定する。
[0086] このプロセスは、別個の偏光について実行することができ、x及びy座標で分離してもよい。これは、異なる偏光が、忠実であると見なされる異なるデータポイントを有し得ることを意味する。従って、1つのターゲットについて、どの偏光が使用されているか及びどの方向であるか(例えばx又はy)に応じて、異なるデータポイントが使用される。
[0087] 一例として図に与えられた値を用いて、更に詳しく説明する。450nm波長のデータポイントでは、A−に対するA+プロットに、半径が11の円が描かれる。オフセット値は、図6から決定することができるそのデータポイントに対するDTOである。円の接線であるデータポイントを通るラインを描くと、ラインの勾配は−3.2である。766nm波長のデータポイントでは、A−に対するA+プロットに、半径が10の円が描かれる。図7Bに示されているように、データポイントを通る円の接線を描くことはできない。この例では、ラインの勾配は不確定である。
[0088] 図8は、各波長からのデータポイントを、プロットの原点を通る最良フィットラインとともに示す。別の線形方法を使用して、4つのランダムに選んだDTO値を半径とする円を用いてA−に対するA+プロットにおける各データポイントごとにラインを決定し、このラインの勾配を決定することができる。図9は、上述の方法を用いて各波長データポイントごとに決定された勾配の例示的なプロットを示す。別の線形方法からの450nmのデータポイントのラインを評価して、初期オーバーレイ推定値を表す勾配に実質的に対応するか否かを判定する。別の線形方法を用いて第2のターゲットセットのターゲットの波長について決定されたラインの勾配は、原理上、−3.2(これは上述した第1のオーバーレイ推定値を表す勾配と同一である)に等しいか又は実質的に対応しなければならない。しかしながら、多くの波長は数学的に不安定であり、これ以上使用することができないので、この試験に通らない。
[0089] この文脈において、実質的に対応するとは、別の線形モデルにおけるラインの勾配が初期オーバーレイ推定値を表す勾配と同様であることを意味し得る。言い換えると、別の線形モデルにおけるラインの勾配は初期オーバーレイ推定値に対応する。第2のターゲットセットからのターゲットの波長に対する別の線形モデルからのラインの勾配を、初期オーバーレイ推定値を表す勾配と比較することができる。初期オーバーレイ推定値を表す勾配に基づいて、許容可能な勾配の範囲を決定できる。この範囲は、例えば0.01、0.1内のような所定の値によって設定するか、又は、このフィルタリング手順の終了時まで少なくとも2又は3の波長が利用可能であるような任意の値とすればよい。あるいは、勾配の値は、初期オーバーレイ推定値を表す勾配の値の少なくとも約10%内、又は約1%から10%内とすればよい。この割合は、オーバーレイを表す勾配に基づくか、又は推定オーバーレイ値自体に基づくことができる。この範囲が小さすぎる場合は、利用できる波長数が少なすぎるので、第2のターゲットセットから使用されるターゲット数が少なすぎる結果となる。しかしながら、この範囲が大きすぎる場合は、フィルタリングの効果が低減する。従ってこの範囲は、波長サブグループが少なくとも2又は3の波長を含むように設定すればよい。言い換えるとこの範囲は、フィルタリングの後に、使用できる少なくとも2又は3の波長に関連したデータが存在するように設定すればよい。
[0090] 例示のみを目的とする図9に示されているように、初期オーバーレイ推定値に対応する勾配の0.01内の勾配を有する波長を、忠実であると選択することができる。これらのデータポイントは、Xと標示された円内に含まれる。図示のように、16のデータポイントのうち忠実であると判定されるのはわずか8又は9である。このように、Xと標示された円内のデータポイントを用いて、この特定のターゲットのオーバーレイを推定するため用いられる波長サブグループを決定する。異なるターゲットの場合は異なる波長サブグループが決定される。
[0091] これによって、ターゲットに関連する個々のデータポイントをフィルタリングすることができる。このように、この方法において共働する値を有するデータポイント、従って選ばれた波長が、オーバーレイを決定するため使用される。言い換えると、忠実である、すなわち良好な挙動の(well behaved)データポイントが使用される。一致しない(not conform)すなわち忠実でないデータポイントは、オーバーレイを決定するために使用されず、破棄される。
[0092] この方法は更に、第2のターゲットセット内のターゲットのうち少なくとも1つのための波長サブグループに関連したデータを用いて、基板上のオーバーレイを推定することを含む。これは、フィルタリングされたデータセット(すなわち第2のターゲットグループの波長サブグループ)を、更新オーバーレイ推定値を決定するため用いることを意味する。これを実行するには、フィルタリングされたデータセットを、第1のデータセットに関連したデータと、又は以下に記載されるような記憶データと比較すればよい。
[0093] 上述のように、(いずれかのデータセット内の)異なる波長に関連した各データポイントについて、線形方法を用いてオーバーレイを表す勾配のラインを決定した後、方法は更に、原点までの距離(DTO)を決定することを含み得る。これは、対象のデータポイントを通る最良フィットラインと平行なラインを見出すことによって実行できる。このためDTOは、A−に対するA+グラフのプロット原点から、対象のデータポイントを通るこのラインまでの最短距離である。従ってこれは、その波長に対するDTOを提供する。波長の関数としてのDTO(例えば図6に示されている)は、オフセット値と呼ぶことも可能である。従ってオフセット値は、ターゲットの物理的欠陥に起因したオーバーレイに対する寄与分、すなわちターゲットのフィーチャ非対称性を表す。この方法は、第1のターゲットセット内のターゲットにおいて、波長グループからの各波長について線形モデルのオフセット値を決定することを含み得る。
[0094] 第1のターゲットセット内の複数のターゲットのオフセット値を評価することができる。このため、第1のターゲットセット内のターゲットについて各波長の平均オフセット値を決定することができる。平均は単に、1つの特定波長の合計値の和を、その波長に関連した情報を与えるターゲットの数で除算したものとすればよい。第1のターゲットセット内のターゲットの各波長の平均オフセット値は、ライブラリと呼ぶことも可能である基準情報として記憶できる。第2のターゲットセットの波長サブグループに関連したデータを基準情報と比較することによって、基板上のオーバーレイを推定できる。好ましくは基準情報は、上述したような実質的に基板の中心部に、例えば基板の中心部の第1の領域に配置されたターゲットの領域からのデータポイントに関連する。第1のターゲットセットに関連したオフセット値データが第2のターゲットセットとは異なる基板(又は複数の異なる基板)からのものである場合であっても、データは上述したように実質的に1又は複数の他の基板の中心部にあるターゲットに関連し得る。
[0095] この代わりに、第2のターゲットグループに関連するオフセット値を、第1のターゲットセット内の1つだけのターゲットの各オフセット値と比較することも可能である。言い換えると、基準情報は単一のターゲットからの値とすることができる。しかしながらこの場合、オフセット値はあまり正確でない。このため、中程度のプロセス非対称性を有する領域、例えば実質的に中心部の領域からの上述のようなオフセット値を用いることが好ましい。図10Aから図10Dは、第1のターゲットセットについて、ある波長範囲にわたる平均オフセット値を示す。DTOの値は、基板上のターゲットの位置(x方向及びy方向に関連付けられる)を用いて規格化されている。主にスペクトルの形状のみが重要であり得るので、1に対して値を規格化している。図10Aから図10dに示されているグラフは、異なる偏光における異なるx値及びy値を示す。従って、図示のように、異なる軸(すなわちx方向及びy方向)並びに異なる偏光に対する基準値を分離し、別個に使用することができる。例えば、図10A及び図10Bは0度偏光で測定されたターゲットに関連し、図10Aはx方向のDTOであり、図10Bはy方向のDTOである。例えば、図10C及び図10Dは90度偏光で測定されたターゲットに関連し、図10Aはx方向のDTOであり、図10Bはy方向のDTOである。
[0096] 基準情報は、第2のターゲットセットを含む基板と同一であるか又は異なる基板とすることができる基板上の複数のターゲットからのオフセット値に関連し得る。基準情報は、多くの異なる基板のオフセット値を含んで、これら異なる基板からの平均を使用することも可能である。あるいは基準値は、比較のため用いられる所定の値とするか、又は、使用されるウェーハ製造プロセスにリンクした特定タイプの非対称性について記憶された(すなわちライブラリ内に置かれた)所定の値とすることも可能である。
[0097] 第2のターゲットセットの波長サブグループに関連するデータと基準情報との比較は、第2のターゲットセットの波長サブグループのオフセット値と基準情報とを比較することを含み得る。この比較は、波長サブグループのみを用いて最良フィット分析の一形態を行うことによって実行できる。分析は以下の方程式に基づくことができる。
DTOactual(波長)=a+b*DTOref(波長)
ここで、a及びbは最良フィットを決定するため使用される定数である。この方程式において、DTOactualは、第2のターゲットセットからの波長サブグループのDTOである。DTOref値は、その特定波長の、及び、関連する場合はその特定の偏光、及びx方向又はy方向の、記憶された基準値に基づく。
[0098] 様々な異なるタイプの最良フィット分析を同様の種類のデータに対して実行できることは周知である。関連分析を実行できるプログラムは既知である。最良フィットを決定する場合、分析によってフィットの残差が発生する可能性がある。これらは既知のプログラムを用いて決定することができる。勾配又はオーバーレイの様々な値に対して残差をプロットすることができる。これらは図11及び図12に示されている。推定された勾配/オーバーレイは、計算された最小残差に対応し得る。次いで、第2のターゲットグループからのこのターゲットの新たなスロープ勾配、新たなオーバーレイ、及び新たな平均DTOを記憶することができる。
[0099] 図8に示されているように、オーバーレイを変動させることによって、様々なオーバーレイ量についてDTOactual値を決定できる。図8のライン2Aから2Dは、勾配(オーバーレイを表す)が変化するとどのようにDTOが変化し、結果としてどのようにDTOスペクトル全体が変化するかを示す。オーバーレイは、例えば−19nmから+19nmまで変動し得る。この特定の範囲を調べる必要はないが、理想的には、この範囲は更新オーバーレイ推定値の予想値を含むべきである。例えば残差の最小値を含ませるように、より広い範囲を選択してもよい。スロープの勾配は任意の値に変動する可能性があり、DTO残差の最小値は図11及び図12に示されているように決定できる。残差はフィットの信頼性を示す。これは既知の数値解析によって実行できる。勾配値は、上述したように単にオーバーレイ値に変換することができる。
[00100] これらの図のいずれかから、第2のターゲットグループ内の複数のターゲット又は全てのターゲットを調べることによって平均更新オーバーレイ値を決定できる。各ターゲットにおいて、波長サブグループに関連するデータポイントが用いられる。次いで、このオーバーレイ値をウェーハ全体に適用することができる。更新オーバーレイ値は一般に、第2のターゲットデータポイントをフィルタリングしない場合よりも正確なオーバーレイ推定値を与える。
[00101] 異なる偏光並びにx及びy座標を別個に扱う方が高精度であるが、好適な場合には、双方の偏光及び/又は双方の座標を含むようにデータを組み合わせることも可能である。偏光を別個に扱うことは、最終結果が偏光ごとにわずかに異なるオーバーレイ値を含むことを意味し得る。この段階で、更新オーバーレイ推定値の一方又は他方を用いるか、又はこれらの値を平均するか、又は好ましくは、別個の(この例では2つの)偏光のオーバーレイ値を、最近記憶された新しい、場合によっては平均された、偏光ごとのDTO値に相関させることができる。
[00102] 任意の値であって、これより大きいことが判定されるような値を、後に使用するためメモリに記憶することができる。記憶された情報に求められるアクセス可能性に応じて、異なるタイプのメモリを使用できる。
[00103] 本発明は更に、上述の方法ステップのいずれか又は全てを実行することによって基板上のオーバーレイを推定するよう構成されたプロセッサを備えるシステムを含む。本発明は、基板上のオーバーレイを推定するように構成されたプロセッサを備えるシステムを提供する。このプロセッサは、第1のターゲットセットに関連した初期オーバーレイ推定値を取得し、第2のターゲットセットに関するデータを取得し、ターゲットのデータは、異なる波長から成るグループの各々についてのターゲットの強度測定値を含み、初期オーバーレイ推定値を用いて、第2のターゲットセット内のターゲットの少なくとも1つのために波長サブグループを選択し、第2のターゲットセット内のターゲットの少なくとも1つのための波長サブグループに関連したデータを用いて、基板上のオーバーレイを推定する、ように構成されている。システムは、関連するデータポイント、測定値、基準DTOスペクトル、初期オーバーレイ推定値、更新オーバーレイ推定値、及び/又は他の基準情報等を記憶するためのメモリを含み得る。
[00104] 本発明は更に、基板上のオーバーレイを推定するためのプログラムを含む。このプログラムは、上述の方法ステップのいずれか又は全てを実行するための命令を含む。本発明は、基板上のオーバーレイを推定するためのプログラムを提供する。このプログラムは、第1のターゲットセットに関連した初期オーバーレイ推定値を取得するステップと、第2のターゲットセットに関するデータを取得するステップであって、ターゲットのデータは、異なる波長から成るグループの各々についてのターゲットの強度測定値を含む、ステップと、初期オーバーレイ推定値を用いて、第2のターゲットセット内のターゲットの少なくとも1つのために波長サブグループを選択するステップと、第2のターゲットセット内のターゲットの少なくとも1つのための波長サブグループに関連したデータを用いて、基板上のオーバーレイを推定するステップと、を実行するための命令を含む。
[00105] 上述の方法、システム、又はプログラムのいずれも、リソグラフィ技法を用いてデバイスを製造する方法の少なくとも一部として使用することができる。
[00106] 更に、本明細書に開示される技法は、標準ターゲットとも呼ばれる大きいスキャトロメータターゲットに適用することができ、これらの大きいターゲットにおけるオーバーレイは、暗視野結像分岐及びセンサによって行われる測定の代わりに又はそれに加えて、瞳像センサを用いた角度分解スキャトロメトリによって測定できる。
[00107] 上述のターゲット構造は測定の目的のため特別に設計及び形成されたメトロロジターゲットであるが、他の実施形態では、基板上に形成されたデバイスの機能部分であるターゲットに対して特性を測定することも可能である。多くのデバイスは、規則的な格子状の構造を有する。本明細書で使用される「ターゲット格子」及び「ターゲット構造」という用語は、この構造が実行される測定専用に提供されていることを要求しない。
[00108] 基板及びパターニングデバイス上に実現されたターゲットの物理的格子構造に関連して、一実施形態は、基板上のターゲットを測定する及び/又は測定値を分析してリソグラフィプロセスについての情報を取得する方法を記述する機械可読命令の1つ以上のシーケンスを含むコンピュータプログラムを含み得る。このコンピュータプログラムは、例えば図2の制御ユニットLACU内で実行することができる。また、そのようなコンピュータプログラムが記憶されたデータ記録媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光学ディスク)も提供され得る。既存のメトロロジ装置がすでに生産及び/又は使用されている場合は、プロセッサに上述のステップを実行させ、フィーチャ非対称性に対する感度を抑えてオーバーレイエラーを計算させるための更新コンピュータプログラム製品を提供することによって、本発明を実施できる。プログラムは任意選択的に、適切な複数のターゲット構造について強度非対称性を測定するステップを実行するように光学システムや基板サポート等を制御するよう構成できる。
[00109] 光リソグラフィの分野での本発明の実施形態の使用に特に言及してきたが、本発明は文脈によってはその他の分野、例えばインプリントリソグラフィでも使用することができ、光リソグラフィに限定されないことを理解されたい。インプリントリソグラフィでは、パターニングデバイス内のトポグラフィが基板上に作成されたパターンを画定する。パターニングデバイスのトポグラフィは基板に供給されたレジスト層内に刻印され、電磁放射、熱、圧力又はそれらの組み合わせを適用することでレジストは硬化する。パターニングデバイスはレジストから取り除かれ、レジストが硬化すると、内部にパターンが残される。
[00110] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、イオンビーム又は電子ビームなどの粒子ビームのみならず、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、355nm、248nm、193nm、157nmもしくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)及び極端紫外線(EUV)放射(例えば、5nmから20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。
[00111] 「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折、反射、磁気、電磁気及び静電光学コンポーネントを含む様々なタイプの光学コンポーネントのいずれか一つ、又はその組み合わせを指すことができる。
[00112] 特定の実施形態の前述の説明は、本発明の全体的性質を十分に明らかにしているので、当技術分野の知識を適用することにより、過度の実験をせず、本発明の全体的な概念から逸脱することなく、このような特定の実施形態を容易に変更及び/又はこれを様々な用途に適応させることができる。従って、このような適応及び変更は、本明細書に提示された教示及び案内に基づき、開示された実施形態の同等物の意味及び範囲に入るものとする。本明細書における表現又は用語は限定でなく例示による記載のためのものであるので、本明細書の表現又は用語は、当業者によって教示及び案内の観点から解釈されるべきであることは理解されよう。
[00113] 本発明の広さ(breadth)及び範囲は、上述した例示的な実施形態のいずれによっても限定されるものでなく、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物(equivalents)に従ってのみ規定されるべきである。
[00114] 特許請求の範囲を解釈するには、「発明の概要」及び「要約書」の項ではなく、「発明を実施するための形態」の項を使用するよう意図されていることを理解されたい。「発明の概要」及び「要約書」の項は、本発明者が想定するような本発明の1つ以上の例示的実施形態について述べることができるが、全部の例示的実施形態を述べることはできず、したがって本発明及び添付の特許請求の範囲をいかなる意味でも限定しないものとする。
[00115] 以上では、特定の機能の実施態様を例示する機能的構成要素及びその関係を用いて本発明について説明してきた。これらの機能的構成要素の境界は、本明細書では説明の便宜を図って任意に画定されている。特定の機能及びその関係が適切に実行される限り、代替的境界を画定することができる。
[00116] 特定の実施形態の前述の説明は、本発明の全体的性質を十分に明らかにしているので、当技術分野の知識を適用することにより、過度の実験をせず、本発明の全体的な概念から逸脱することなく、このような特定の実施形態を容易に変更及び/又はこれを様々な用途に適応させることができる。従って、このような適応及び変更は、本明細書に提示された教示及び案内に基づき、開示された実施形態の同等物の意味及び範囲に入るものとする。本明細書における表現又は用語は限定でなく、記載のためのものであるので、本明細書の表現又は用語は、当業者によって教示及び案内の観点から解釈されるべきであることは理解されよう。
[00117]
本発明に従った別の態様は、以下の条項において更に記載されている。
16.プログラムが、条項1から12のうちいずれか1項の方法を実行するための命令を含む、条項15のプログラム。
[00118] 本発明の広さ(breadth)及び範囲は、上述した例示的な実施形態のいずれによっても限定されるものでなく、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物(equivalents)に従ってのみ規定されるべきである。

Claims (15)

  1. 基板上のオーバーレイを推定するための方法であって、
    第1のターゲットセットに関連した初期オーバーレイ推定値を取得することと、
    第2のターゲットセットに関するデータを取得することであって、ターゲットの前記データは、異なる波長から成るグループの各々についての前記ターゲットの強度測定値を含む、ことと、
    前記初期オーバーレイ推定値を用いて、前記第2のターゲットセット内の前記ターゲットの少なくとも1つのために波長サブグループを選択することと、
    前記第2のターゲットセット内の前記ターゲットの前記少なくとも1つのための前記波長サブグループに関連したデータを用いて、前記基板上のオーバーレイを推定することと、
    を含む方法。
  2. 前記方法は、前記第1のターゲットセットについてのデータを取得することと、前記第1のターゲットセットについてのデータに線形モデルをフィットさせることと、を更に含み、ターゲットの前記データは異なる波長から成るグループの各々における前記ターゲットの強度測定値を含み、前記方法は更に、前記線形モデルによって記述される勾配から前記初期オーバーレイ推定値を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1のターゲットセット内のターゲットについて、前記波長グループからの各波長ごとに前記線形モデルのオフセット値を決定することを更に含み、前記オフセット値は前記ターゲットの物理的欠陥に起因した前記オーバーレイに対する前記寄与分を表す、請求項2に記載の方法。
  4. 前記第1のターゲットセット内の前記ターゲットについて各波長の前記平均オフセット値が決定されて基準情報として記憶され、更に、前記第2のターゲットセットの前記波長サブグループに関連したデータを前記基準情報と比較することによって前記基板上のオーバーレイが推定される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記比較は、前記基準情報と比較される前記第2のターゲットセットの前記波長サブグループについて前記オフセット値に対する最良フィット分析を実行することにより行われて、前記フィットの残差が決定され、前記推定オーバーレイは算出された最小残差に対応する、請求項4に記載の方法。
  6. 前記第1のターゲットセットは前記基板の第1の領域に配置され、前記第2のターゲットセットは前記基板の第2の領域に配置されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記第1の領域は実質的に前記基板の中心部に配置され、前記2の領域は実質的に前記基板のエッジ周辺に配置されている、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記第1の領域は、前記基板の中心から約130mm以下の距離内の領域であり、前記第2の領域は、前記基板の中心から約130mmよりも大きい距離の領域である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記第2のターゲットセットは前記基板上に配置され、前記第1のターゲットセットは少なくとも1つの他の基板上に配置されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記第1のターゲットセットについてのデータ及び/又は前記第2のターゲットセットについてのデータを取得することは、
    基板上の前記ターゲットセットの各々からのターゲットを照射することであって、前記ターゲットは少なくとも、第1の意図的なオーバーレイバイアスを有する積層周期構造を含む第1のターゲット構造と、第2の意図的なオーバーレイバイアスを有する積層周期構造を含む第2のターゲット構造とを含む、ことと、
    各ターゲット構造によって散乱された放射を検出して、各ターゲット構造ごとに、そのターゲットの前記データを提供する全体的な強度非対称性を表す非対称性測定値を取得することと、
    を含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記第2のターゲットセット内の前記ターゲットの少なくとも1つのために波長サブグループを選択することは、前記第2のターゲットセット内の各ターゲットについて前記波長グループに対する分析を実行することと、各波長についての別の線形モデルが前記初期オーバーレイ推定値に実質的に対応する勾配を有するか否かを判定することと、を含む、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記波長サブグループが少なくとも2又は3の波長を含むように、前記勾配の前記値は前記初期オーバーレイ推定値の少なくとも約1%から10%内である、請求項11に記載の方法。
  13. 基板上のオーバーレイを推定するように構成されたプロセッサを備えるシステムであって、前記プロセッサは、
    第1のターゲットセットに関連した初期オーバーレイ推定値を取得し、
    第2のターゲットセットに関するデータを取得し、ターゲットの前記データは、異なる波長から成るグループの各々についての前記ターゲットの強度測定値を含み、
    前記初期オーバーレイ推定値を用いて、前記第2のターゲットセット内の前記ターゲットの少なくとも1つのために波長サブグループを選択し、
    前記第2のターゲットセット内の前記ターゲットの前記少なくとも1つのための前記波長サブグループに関連したデータを用いて、前記基板上のオーバーレイを推定する、
    ように構成されている、システム。
  14. 前記プロセッサは請求項1から12のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成されている、請求項13に記載のシステム。
  15. 基板上のオーバーレイを推定するためのプログラムであって、
    第1のターゲットセットに関連した初期オーバーレイ推定値を取得するステップと、
    第2のターゲットセットに関するデータを取得するステップであって、ターゲットの前記データは、異なる波長から成るグループの各々についての前記ターゲットの強度測定値を含む、ステップと、
    前記初期オーバーレイ推定値を用いて、前記第2のターゲットセット内の前記ターゲットの少なくとも1つのために波長サブグループを選択するステップと、
    前記第2のターゲットセット内の前記ターゲットの前記少なくとも1つのための前記波長サブグループに関連したデータを用いて、前記基板上のオーバーレイを推定するステップと、
    を実行するための命令を含む、プログラム。
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