以下の詳細な説明は、本来、例示的であり、およびいかなる形であっても、本明細書に開示される発明の実施形態の範囲、適用性、または構成を限定することは意図されない。むしろ、以下の記載は、実用例を提供し、および当業者は、例のうちのいくつかは、適当な代替案を有する可能性があることを認識するであろう。構造、材料、寸法および作成プロセスの例は、選ばれた要素のために提供され、および他の全ての要素は、当業者によって知られているものを採用する。実施形態は、添付の図面と併せて以下に記載され、そこで、同様の数字/文字は同様の要素を示す。図面は、縮尺ではなく(そのように述べられない限りは)、およびこの詳細な記載の説明と併せた使用が意図される。
本明細書において使用される全ての科学的および技術的用語は、別段の定めがない限り、当技術分野において一般に使用される意味を有する。本明細書に提供される定義は、本明細書において頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするためのものであり、および本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
別段に示されない限り、本明細書および特許請求の範囲において使用される特徴の寸法、量、および物理的特性を表す全ての数は、いかなる場合においても、用語「約(about)」によって修飾されるように理解されるべきである。したがって、そうではないことが示されない限り、上述の明細書および添付される特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本明細書に開示される教示を利用する当業者によって得られることが求められる特性に応じて変動し得る近似値である。
端点による数値範囲の記述は、その範囲内に包含される全ての数(例えば、1から5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、および5を含む)ならびにその範囲内の任意の範囲を含む。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される際に、単数の形態「a」、「an」および「the」は、内容がそうではないと明らかに分かるのではない限り、複数の指示対象を有する実施形態を網羅する。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される際に、用語「または(or)」は、内容がそうではないと明らかに分かるのではない限り、概して、その意味に「および/または(and/or)」を含んで採用される。
本明細書において使用される際に、「有する(have)」、「有する(having)」、「含む(include)」、「含む(including)」、「含む(comprise)」、「含む(comprising)」または同種のものは、それらの制約のない意味において使用され、および概して、「含むがしかしそれに限定されない(including, but not limited to)」を意味する。「から本質的になる(consisting essentially of)」、「からなる(consisting of)」、および同種のものは、「含む(comprising)」および同種のものに包含されることは理解されよう。
本開示は、選択的神経刺激、例えば仙骨神経の刺激に適当な、埋め込み型医療用電気リードの構造および埋め込み型医療用電気リードを含むシステムに関する。埋め込み型医療用電気リードは、単一の導体コイルを形成する一時的医療用電気リードであってもよい。単一の導体コイルは、少なくとも300%または400%引っ張られてもよく、および0.4N(0.1重量ポンド)よりも大きい力を伝達しなくてもよい。単一の導体コイルは、0.4N(0.1重量ポンド)よりも大きい力を単一の導体コイルの遠位端に伝達することなく、その元々の巻かれた長さの3倍または4倍に引き伸ばされるように引っ張られてもよい。このようにして、埋め込まれると、コイルの長さは、遠位端リード電極の固定力を克服しないまま、最小300%または400%に引っ張られ得る。遠位端リード電極は、残りのコイル長さにかけられる高いひずみレベルにおいてさえ、その埋め込み部位から移動しないまたは場所を変えない。本開示はそのように限定されない一方で、開示の様々な態様の理解は、以下に提供される例の検討を通して得られることとなる。
導体コイルは、本明細書に記載されるばね定数および弾性域を示す導電性材料で形成されてもよい。密接に巻かれる導体コイルを形成する導電性ケーブルは、任意の有用な構成を有していてもよい。図5は、ケーブルの導電性フィラメントが当技術分野において知られている同心撚りに配置される導電性ケーブルの1×19の構成を示し、そこで、単一のフィラメントは6本のフィラメントによって取り巻かれて7本の内側フィラメントを形成し、および12本の外側フィラメントは7本の内側フィラメントを取り巻く。別の有用な構成は、ケーブルの導電性フィラメントが同心撚りに配置される1×7の構成であり、そこで、単一のフィラメントは6本のフィラメントによって取り巻かれる。さらなる構成は、1×3の構成である。
導電性ケーブルは、約100マイクロメートルから200マイクロメートル(0.004インチから0.008インチ)の範囲の、または約150マイクロメートル(0.006インチ)の直径を有していてもよい。導電性ケーブルは、コイル配置にきつく巻かれる。コイルの直径は、約560マイクロメートル(0.022インチ)から約1140マイクロメートル(0.045インチ)、または860マイクロメートル(0.034インチ)から約1040マイクロメートル(0.041インチ)であってもよい。
導体コイルは、商業呼称MP35Nの下、商業的に入手可能な材料などのコバルトニッケル合金から形成されてもよい。導体コイルは、焼鈍されたまたは部分的に焼鈍されたステンレス鋼材料から形成されてもよい。導体コイルは、ベータチタン合金材料から形成されてもよい。
導体コイルまたは導体ケーブルは、ベータチタン合金ワイヤから形成されてもよい。ベータチタンワイヤは、モリブデン、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、クロム、鉄、およびスズと共にチタンを含む。ベータチタンワイヤまたはケーブルは、ワイヤまたはケーブルが延性であるまま所望の構成を保持することを可能とするように、ベータチタン合金の応力緩和温度まで加熱されてもよい。ベータチタンケーブルまたはワイヤは、ワイヤの抵抗性を低減させるために、低抵抗の芯材で作られてもよい。芯材は、Ta、Nb、Mo、W、Ag、Auであり得る。2つまたはそれより多い芯材は、一緒に用いられてもよい。
1つの有用なベータチタン合金は、Ti−15Mo合金材料である。用語「Ti−15Mo」は、約15重量パーセントのモリブデンを含む準安定性のベータチタン合金を指す。このTi−15Mo合金材料は、商業的に入手可能である。
各々150マイクロメートル(0.006インチ)の直径を有する4つのETFE被覆された1×7ケーブル(MP35N、焼鈍されたステンレス鋼、部分的に焼鈍されたステンレス鋼、およびTi−15Mo)は、860マイクロメートル(0.034インチ)から1040マイクロメートル(0.041インチ)の直径を有するコイルに巻かれた。引張試験、ばね定数試験および弾性域試験は、各コイルに関して実施された。Ti−15Moコイルは、MP35Nコイルの約2.5分の1である最低のばね定数を示した。Ti−15Moコイルは、焼鈍されたステンレス鋼コイルの約4倍である最高の弾性域を有した。
Ti−15Moコイルは、約860から1140マイクロメートル(0.034から0.041インチ)の範囲のコイル直径において、約7N/m(0.04重量ポンド/インチ)未満のばね定数を示した。約860マイクロメートル(0.034インチ)のコイル直径において、Ti−15Moコイルは、約7N/m(0.04重量ポンド/インチ)のばね定数を示し、および残りの3つのコイル(860マイクロメートル(0.034インチ)の直径において)は、少なくとも14N/m(0.08重量ポンド/インチ)のばね定数を示した。約1040マイクロメートル(0.041インチ)のコイル直径において、Ti−15Moコイルは、約3.5N/m(0.02重量ポンド/インチ)のばね定数を示し、および残りの3つのコイル(0.1040マイクロメートル(041インチ)の直径における)は、少なくとも7N/m(0.04重量ポンド/インチ)のばね定数を示した。
Ti−15Moコイルは、約860から1140マイクロメートル(0.034から0.041インチ)の範囲のコイル直径において、少なくとも約200%の弾性域を示した。約860マイクロメートル(0.034インチ)のコイル直径において、Ti−15Moコイルは、少なくとも約210%の弾性域を示し、および残りの3つのコイル(860マイクロメートル(0.034インチの直径)において)は、約110%未満の弾性域を示した。約1040マイクロメートル(0.041インチ)のコイル直径において、Ti−15Moコイルは、少なくとも約375%の弾性域を示し、および残りの3つのコイル(1040マイクロメートル(0.041インチ)の直径において)は、約150%未満の弾性域を示した。
4つのコイルの引張曲線は、Ti−15Moコイルが最低のばね定数および最大の弾性域を有することを示した。低モジュラスのコイルは、リード移動を低減させることとなる抵抗をあまり伴わずにそれが延伸され得るので、一時的医療用電気リードのために望ましい。Ti−15Moコイルは、4つのコイルのうち最低のモジュラスを有していた。Ti−15Moコイルを使用することは、リード移動を低減させおよび4つの試験されたコイルと比べた際のリードの寿命を増大させることができる。
図2Aは、いくつかの実施形態による一時的医療用電気リード200の平面図である。図2Aは、コネクタピン260の近位端26からリード200の最遠位先端21dtまでのリード200の全長を一緒に画定する、単一の導体コイル210およびコネクタピン260を含むリード200を示す。
導体コイル210は、好ましくは、その全長に沿って密接に巻かれ、コイル210の全長は、その近位部分210Pおよびその遠位部分210Dによって画定される。コイル210の密接に巻かれる特徴は、以下により詳細に記載されるように、リード200を埋め込むときにコネクタピン260に近接して操作者によって印加される押す力に対してリード200をより反応性にする。例示される実施形態によると、コネクタピン260に結合されるコイル近位部分210Pは、外側スリーブ216(例えば、ポリエチレンテラフタレート(Polyethylene Teraphthalate)またはフッ素化エチレンプロピレン、またはそれらの組合せなどの、医療グレードのポリマーの収縮チュービング)内部に延び、およびコイル遠位部分210Dは、遠位部分210Dのどの巻きも一緒に機械的に結合されることなく、近位部分210Pから最遠位先端21dtまでそれを含んで遠位に延びる。図2Aは、以下により詳細に記載される実施形態による、コイル210のテーパセグメント21Tによって画定されるリード最遠位先端21dtをさらに示す。
図2Bは、いくつかの実施形態によるコイル近位部分210Pとコネクタピン260との間の結合または接合の長手方向断面図である。図2Bは、コネクタピン260の遠位セクションと重なり合い、例えば、それにはんだ付けされまたは溶接され、および例えば熱収縮嵌合を介してその周りに嵌合される上述のスリーブ216を有する、コイル近位部分210Pを示す。
図2Cの長手方向断面図と併せて図2Aをさらに参照して、コイル遠位部分210Dは、絶縁近位セグメント21INおよび非絶縁遠位セグメント21UNを含み、305ミリメートル(12インチ)のリード長さを有するいくつかの実施形態において約6.35ミリメートル(0.25インチ)のリード200の全長の約2%から5%の長さを有していてもよい非絶縁遠位セグメント21UNは、例えば、リード200が図1に描かれるように埋め込まれたときに前述の仙骨神経を刺激するための、電極として機能する。
本発明の実施形態によると、コイル遠位部分210Dは、非絶縁セグメント/電極21UNが、仙骨神経刺激部位から移動するまたは場所を変えるのを、前述の刺激評価または試用期間の間にわたって、リード200の構造を複雑にする可能性のある固定部品の必要なしに、防止するように構成される。例えば図3の概略図に描かれるように、図1をさらに参照して、発明者らは、例えば切開6に近接して身体の仙骨の領域内部に延びるリード200の部分は、試用期間の間にわたって患者の動きによって誘発される驚くほど大きい引っ張り(例えば300%よりも大きい)の対象となり得ることを発見した。
図3には、仙骨の領域、例えば切開6に隣接した領域において皮膚S、脂肪F、および筋肉Mの層を通って延びるリード200の絶縁近位セグメント21INが示される。図3Aの概略図は、埋め込みの時点におけるセグメント21Nの初期位置を表し、一方、図3Bから図3Cの概略図は、下層の筋肉Mに対する皮膚Sおよび脂肪Fの移動によってリード21INに与えられる潜在的引っ張りのモデル(ヒトの死体および生きている羊それぞれに埋め込まれた金属ビーズのコンピューター断層撮影(CT)視覚化から収集されたデータによって呼び起こされる)を表す。
死体の研究において、発明者らは、これらの引っ張りは、予期されるものより高いこと − 例えば、300%を超える、または350%を超える、または400%を超えることを見出した。このようにして、コイル遠位部分210Dは、好ましくは、非絶縁遠位セグメント/電極21UNを仙骨神経刺激部位から移動させ得るまたは場所を変えさせ得る力を伝達することなく、300%、または350%または400%の引っ張りを緩和する(換言すれば、400%伸張する)ように構成される。
動物の研究において、非絶縁セグメント21UNの動きを開始させた記録される最低の力は、好ましい実施形態によると、約0.6N(0.135重量ポンド)であることが見出され、コイル遠位部分210Dは、300%、または350%、または400%の引っ張りの対象とされたときに、0.4N(0.1重量ポンド)以下の、または好ましくは、0.4N(0.1重量ポンド)未満の力を移す。
図4は、25ミリメートル(1インチ)のゲージ長を有するリードコイル210の例示的な実施形態由来の試料に関する力または荷重(重量ポンド)対伸張(インチ)のプロットである。プロットは、76ミリメートル/分(3インチ/分)の引張速度で試料を引き伸ばす44.5N/m(10重量ポンド)のロードセルを用いてインストロン試験システムによって生成され、および102ミリメートル(4インチ)の伸張(400%の引っ張りまたは長さにおいて合計127ミリメートル(5インチ))におけるデータ点は、0.4N(0.1重量ポンド)未満の力/荷重において示される。(他のデータ点は、75%、120%および150%の引っ張りにおいて記録される。)試料の25ミリメートル(1インチ)のゲージ長は、クランプされた長々と延伸された端部間に延びる変形されていないまたは未延伸のコイルであり、インストロンクランプは、未延伸のコイルの1インチの長さから少なくとも1インチ間隔が空けられる。
例示的な実施形態によると、リード200の単一の導体コイル210は、例えば図5の断面図に描かれるように、単一のケーブル導体32から密接に巻かれる。図5は、絶縁性層302(例えば、25マイクロメートル(0.001インチ)の公称厚さを有するエチレンテトラフルオロエチレン共重合体)によって上重ねされた複数の導電性フィラメント320(例えば、30マイクロメートル(0.0012インチ)の直径の医療グレードの316Lのステンレス鋼ワイヤ)を含むケーブル導体32を示す。
図5は、1×19の構成の同心撚りに配置された当技術分野において知られているケーブル32の導電性フィラメント320をさらに例示し、図5中の矢印は、フィラメント320のうちのS撚りの7本の内側フィラメントとZ撚りの12本の外側フィラメントとを示す。
コイル遠位部分210Dの非絶縁遠位セグメント21UN、ならびにコネクタピン260と重なり合うコイル近位部分210Pの非絶縁セクションを提供するために、絶縁性層302は、当技術分野において知られている任意の適当なプロセスによって、導電性フィラメント320の周りから除去される。図2Bから図2Cをさらに参照して、コイル遠位部分210Dは、リード200の細長いルーメン201を取り巻くリード200の最内表面を画定し、コネクタピン260の細長いボアは、リードルーメン201の最近位部分およびピン近位端26におけるその近位開口を画定する(図2A)。
さらになお、例示される実施形態によると、ケーブル32の絶縁性層302は、リード200のための一次絶縁としての役目を果たし、およびコイル遠位部分210Dの絶縁セグメント21INに沿ってリード200の最内表面およびリード200の最外表面の両方を画定する。このようにして、上述のように、非絶縁遠位セグメント21UNの場所を変え得る力を移すことなく、コイル遠位部分210Dが自由に延伸しおよび引っ張りを吸収し得るように、上に示したように、コイル遠位部分210Dのどの巻きも、一緒に機械的に結合されない。ルーメン201は、図7Aから図7Cと併せて以下により詳細に記載されるスタイレット400を受け入れるように寸法付けられてもよい。
いくつかの好ましい実施形態によると、単一のケーブル導体32は、密接に巻かれて、仙骨神経刺激のための典型的な一時的医療用電気リードのものより大きい最大直径を持つ、例えばコイル遠位部分210Dの絶縁セグメント21INに沿って813マイクロメートル(0.032インチ)から1040マイクロメートル(0.041インチ)の間である、リード200を形成する。リード200のこのより大きい直径は、材料選択およびコイル導体210の密接に巻かれるピッチと併せて、上述されるように400%に至るまで引っ張られたときに、コイル遠位部分210Dに沿って移される比較的低い力(典型的な一時的リードのものより低い)に貢献する。
非絶縁セグメント/電極21UNが仙骨神経刺激部位から場所を変えるのを防止する、張力緩和を提供することに加え、リード200の構成は、リード200を外植する操作者がコイル210を比較的容易により小さい直径に延伸させることを可能にすることによって、試用期間が完了したときの患者の身体からのその取り外しを容易にする。さらになお、上に示されるように、リード200の構造に固定部品が無いこともまた、リード200のより簡単な取り外しを可能にする。
取り外しをさらに容易にするために、および図6Aを参照して、リード200の最遠位先端21dt(図2A)に位置するケーブル32の導電性フィラメント320の最遠位端320feには、コイル210が外植の間に延伸される際にケーブル32の上述の1×19の構成の異なるフィラメント長さに起因してリード200の最遠位先端21dtにケーブルフィラメント320の「束化(bunching up)」による拡大を引き起こし得る、いかなる機械的結合もない。
図6Bは、1×19ケーブルから形成されたコイルが延伸されたときの、当技術分野において知られている典型的な慣習によりレーザー溶接によって一緒に機械的に結合されたケーブルフィラメント最遠位端320ceを示す。そのような「束化(bunching up)」は、前記ケーブルが外植路に沿って引かれる際に組織に引っかかることによって外植の困難性を増大させることが見出されている。
図7Aは、上記されたリード200を含む一時的医療用電気刺激を提供するためのシステム100の平面図である。図7Aは、誘導針600と、前述のスタイレット400と、例えば操作者が例えば図8の概略図に例示されるように埋め込みのために誘導針600を通してリード200を挿入するときにスタイレット400をリード200に一時的に固定するための把持具500と、を含むシステム100を示す。
例示される実施形態によると、誘導針600は、針ルーメン610の近位開口611から針ルーメン610の遠位開口612までの、それを通して一時的医療用電気リード200(例えば、約30.5ミリメートル(12インチ))の全長の通過を受け入れるように寸法付けられたルーメン610を有し、および例示的な実施形態によると、誘導針は、約89ミリメートル(3.5インチ)の長さまたは約127ミリメートル(5インチ)の長さを有していてもよい18.5ゲージの針である。
図7Aは、操作者が埋め込みのために針ルーメン610を通してリード200を前進させる際に操作者に針ルーメン遠位開口612に対するリード最遠位先端21dtの場所の視覚的指標を提供するための、コイル遠位部分210Dに沿って位置付けられたマーカー230d、230pを含むリード200をさらに示す。例示的な実施形態によると、各マーカー230d、230pの長さは、約25ミリメートル(0.1インチ)であり、マーカー230dは、最遠位先端21dtから約109ミリメートル(4.3インチ)間隔が空けられており(例えば前述の89ミリメートル(3.5インチ)長の針との使用のために)、およびマーカー230pは、最遠位先端21dtから約147ミリメートル(5.8インチ)間隔が空けられている(例えば前述の127ミリメートル(5インチ)長の針との使用のために)。コイル遠位部分210Dが上記されるように自由に延伸することを可能とするために、マーカー230d、230pは、それらがコイル遠位部分の巻きを一緒に機械的に結合しないような方法で、例えばケーブル導体32の絶縁性層302をレーザーマーキングすることによって、構築される。絶縁性層302が、二酸化チタン顔料が込められたエチレンテトラフルオロエチレン共重合体から形成されているとき、レーザーマーキングは、込められた共重合体の白い外観を暗くする。
図7Aをさらに参照して、スタイレット400は、近位長さ40Pおよび遠位長さ40Dを含む。遠位長さ40Dは、リード200の細長いルーメン201内部に摺動係合に嵌合するように寸法付けられた外径を有し(図7B)、および近位長さ40Pは、例えば近位長さ40Pと遠位長さ40Dとの間の移行部であるスタイレット400の肩部460において、遠位長さ40Dがリードルーメン201内部に嵌合されたときにリードコネクタピン260の近位端26に当接するように寸法付けられた外径を有する。
図7Bは、その最遠位先端21dtにおけるリード200の部分の長手方向断面図であり、これは、図7Aの矢印Aによるその近位開口(コネクタピン近位端26)においてリードルーメン201内に挿入されているスタイレット遠位長さ40Dを示す。いくつかの方法および実施形態によると、システム100を組み立てる工程における最初の段階として、スタイレット400は、示されるように、スタイレット遠位長さ40Dがリード最遠位先端21dtに当接し、リードコイル210の前述のテーパセグメント21Tによって停止されるまで、リードルーメン201内に挿入される。テーパセグメント21Tは、例えば約102マイクロメートル(0.04インチ)を超えない長さにわたって、スタイレットの遠位長さ40Dがリード200の最遠位先端21dtから突き出るのを防止する内径まで、直径が減少する。
図7Aにおける矢印Bは、いくつかの方法による、システム100を組み立てる工程における次の段階を示し、これは、把持具500の遠位部分50Dを、リードコネクタピン260の周りに、および把持具500の近位部50Pを、挿入されたスタイレット400の近位長さ40Pの周りに、嵌合させる工程による、挿入されたスタイレット400にリード200を固定する工程を伴う。400%に至るまで引っ張られたときにリード200のコイル遠位部分210Dに沿って移される上記された比較的低い力は、その典型的な直径よりも大きい直径に一部起因して、リードコイル210のより大きい直径に対応して典型的な直径よりも大きい直径を有するスタイレットの遠位長さ40Dの剛性に対して、リード200を著しく柔軟にする。このようにして、挿入されたスタイレット400にリード200を固定するために把持具500が採用されなかった場合には、操作者は、埋め込みのためにリード200の最遠位先端21dtをスタイレットルーメン610内に挿入するときに、リード200がスタイレット400から滑り落ちるのを保持することの難しさに直面する可能性がある。
把持具500の部分は、好ましくは、コネクタピンの近位端26がスタイレットの近位長さ40Pに当接するように、リード200および挿入されたスタイレット400の周りに嵌合される。さらになお、把持具500が嵌合されたときに、把持具の中間部分50intがコネクタピンの近位端26とスタイレットの近位長さ40Pとの当接部に近接して配置され、それによって図7Cに示されるようにリードのコネクタピン260を窓560を通して露出させ得るように、その中間部分50int(遠位部分50Dと近位部分50Pとの間)に沿って形成された窓560を有する把持具500が示される。
図7Dは、いくつかの実施形態による把持具500の斜視図であり、上述されたような把持具500の嵌合のための手段が示される。図7Dは、把持具500の全長に沿ってその近位端501からその遠位端502まで延びる細長い溝505を含み、溝505は、リード200およびスタイレット400を把持係合に受け入れるように寸法付けられる、把持具500を示す。図7Dは、スタイレット400およびリード200の挿入および引き出しのためのそれへのアクセスを提供するために、溝505に沿って延びる細長いスロット515を含む把持具500をさらに示す。例示的な実施形態によると、把持具500は、例えば、当技術分野において知られている任意の適当な成形プロセスによって医療グレードのシリコーンゴムから形成されてもよい。
図8は、ルーメン遠位開口612が仙骨孔4のうちの1つに近接して位置する状態の、患者の身体内に位置付けられる誘導針600を示す概略図である。図8は、挿入されたスタイレット400が把持具500によってそれに固定された状態の、リード200の最遠位先端21dtが針ルーメン遠位開口612を出るまで針600を通して前進させられた、リード200をさらに示す。
いくつかの方法によると、操作者は、リード最遠位先端21dtが仙骨神経に近接して位置するまで針600を通しておよび孔4を通してリード200を前進させるために、把持具500を把持する。リードコイル210の上述の密接に巻かれる構造は、最遠位先端21dtを、リードコネクタピン260に近接して印加される操作者の押す力に対して反応性にし、および上記されたマーカー230d、230pが針ルーメン遠位開口612に対する先端21dtの場所の正確な表示を提供することを保証する。次いで、リード200の非絶縁遠位セグメント/電極21UNが仙骨神経を刺激するために適切に位置決めされたかどうかを決定するために、操作者は、外部パルス発生器をリードコネクタピン260に把持具500の窓560を通して接続してもよく、または、接続をする前に把持具500を取り外してもよい。
いずれの場合においても、リード200が適切に位置決めされたことを決定した後、および把持具500が取り外された状態で、リード200の周りから誘導針600を取り外すために、操作者は、挿入されたスタイレット400によりリード200に押す力を印加しつつ、誘導針600を退避させることができ、この押す力は、スタイレットの近位長さ40Pとリードコネクタピンの近位端26との前述の当接によってリード200に移される。このようにして、スタイレット近位長さ40Pの直径は、針600がスタイレット400を超えてならびに埋め込まれたリード200を超えて退避され得るように、針ルーメン610内部に摺動係合に嵌合するようなものであることは理解されよう。さらになお、リードコイル210上記された密接に巻かれる構造は、操作者が針600を退避させる際にスタイレット400に印加される押す力によってリード200は所定の位置を外れて前進させられていないという触知性のフィードバックを操作者に提供し得る。
上述の詳細な説明において、本発明は、特定の実施形態を参照して記載されてきた。しかしながら、添付される特許請求の範囲に記載されるような本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更がなされ得ることは理解されよう。