JP2020531894A - 材料経路を進む材料を捕捉するためのレセプタクル - Google Patents

材料経路を進む材料を捕捉するためのレセプタクル Download PDF

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Abstract

ターゲット材料レセプタクルは、第1の方向に延出している通路を含む構造であって、通路はターゲット材料経路に沿って進むターゲット材料を受容するように構成されている、構造と、通路からターゲット材料を受容するように構成された偏向器システムと、を含む。偏向器システムは複数の偏向器要素を含む。各偏向器要素は、ターゲット材料経路に沿って進むターゲット材料例の進行方向に対して第1の鋭角に配向されている。偏向器システムにおける各偏向器要素は、最も近くにある偏向器要素から、第1の方向とは異なる第2の方向に沿ってある距離だけ分離されている。【選択図】 図1A

Description

(関連出願の相互参照)
[0001] 本出願は、2017年8月25日に出願された米国非仮特許出願(non-provisional patent application)番号第15/687,367号の優先権を主張する。これは援用により全体が本願に含まれる。
[0002] 本開示は、材料経路を進む材料を捕捉するためのレセプタクルに関する。レセプタクルは、小滴又は液体ジェットを捕捉することが望まれる任意のシステムで使用することができる。例えばレセプタクルは、極端紫外線(EUV:extreme ultraviolet)光源において使用され得る。
[0003] システム内を移動する液体又は部分的に液体の材料は、システム内の表面(衝突面(impact surface))に衝突する可能性がある。衝突面との衝突によって材料の飛散及び/又は散乱が生じることがあり、この飛散及び/又は散乱は衝突面付近の物体を汚染することがある。汚染は例えば、衝突の結果として材料から飛び散った少量の材料である。物体の汚染によって、物体及び/又はシステム全体の性能が劣化する恐れがある。例えばシステムはミラーを含むことがあり、ミラーが汚染されるとミラーの反射特性が変化する可能性がある。ミラーはEUV光源内のミラーである場合があり、汚染によって、この光源から出力されるEUV光量が低減する恐れがある。
[0004] 例えば、20ナノメートル(nm)以下、5〜20nmの間、又は13〜14nmの間の波長の光を含む、100nm以下の波長を有する(時として軟x線とも称される)電磁放射のような極端紫外線(「EUV」)光は、フォトリソグラフィプロセスで使用されて、レジスト層において重合を開始することにより、例えばシリコンウェーハのような基板に極めて小さいフィーチャを生成することができる。
[0005] EUV光を発生する方法は、必ずしも限定ではないが、例えばキセノン、リチウム、又はスズのような、EUV範囲に輝線を有する元素を含む材料をプラズマ状態に変換することを含む。しばしばレーザ生成プラズマ(「LPP」:laser produced plasma)と呼ばれる1つのそのような方法では、例えば材料の小滴、プレート、テープ、流れ、又はクラスタの形態であるターゲット材料を、駆動レーザと称されることのある増幅光ビームで照射することにより、必要なプラズマを生成できる。このプロセスのため、プラズマは通常、例えば真空チャンバのような密閉容器内で生成され、様々なタイプのメトロロジ機器を用いて監視される。
[0006] 1つの全体的な態様において、ターゲット材料レセプタクルは、第1の方向に延出している通路を含む構造であって、通路はターゲット材料経路に沿って進むターゲット材料を受容するように構成されている、構造と、通路からターゲット材料を受容するように構成された偏向器システムと、を含む。偏向器システムは複数の偏向器要素を含む。各偏向器要素は、ターゲット材料経路に沿って進むターゲット材料例の進行方向に対して第1の鋭角に配向され、偏向器システムにおける各偏向器要素は、最も近くにある偏向器要素から、第1の方向とは異なる第2の方向に沿ってある距離だけ分離されている。
[0007] 実施は、以下の特徴のうち1つ以上を含むことができる。構造は、通路に結合された内部を含むベース部も含み得る。いくつかの実施において、偏向器システムの少なくとも一部はベース部の内部に位置決めされ、ベース部の側面は第1の方向に対してベース角度に傾斜しており、ベース部の側面は第2の方向に延出している。
[0008] 各偏向器要素は、ターゲット材料経路に対して第1の鋭角に配向された第1の部分と、第1の部分から延出している端部と、を含み得る。端部は、ターゲット材料経路に対して実質的に平行に延出している先端を含む。各偏向器要素の端部は表面を含む本体も含み、本体の表面はターゲット材料経路に対して第2の鋭角を形成し得る。第2の鋭角は第1の鋭角以下とすることができる。各偏向器要素の第1の部分は、第1の面内に延出しているプレートを含み得る。プレートは第1の面内における第1の寸法(extent)及び第2の面内における第2の寸法を有し、第2の面は第1の面に直交し、第2の寸法は第1の寸法よりも小さい。ターゲット材料例は実質的に球形とすることができると共にある直径を有し、各先端はターゲット材料例と相互作用するように構成された表面を有し得る。先端の表面は、少なくとも1つの方向においてターゲット材料例の直径よりも小さい寸法を有し得る。
[0009] いくつかの実施において、各偏向器要素は、偏向器要素の表面に対するターゲット材料の付着を低減するように構成された少なくとも1つの表面特徴部を含む。表面特徴部は、波形(ripple)、特定のラフネスを有する領域、溝のパターン、酸化領域、及び/又は偏向器要素の表面の他の部分で用いられる材料とは異なる材料のコーティングを含み得る。
[0010] 任意の2つの隣接した偏向器要素間の第2の方向に沿った距離は同一とすることができる。第1の鋭角は偏向器要素の全てについて同一とすることができる。各偏向器要素はプレートとすることができ、プレートのいずれか1つがプレートの他の全てと平行であるように偏向器要素は第2の方向に沿って分離され得る。
[0011] ターゲット材料レセプタクルは、極端紫外線(EUV)光源における使用向けに構成され得る。ターゲット材料は、プラズマ状態である場合にEUV光を放出する材料を含み得る。
[0012] 別の全体的な態様において、極端紫外線(EUV)光源は、光ビームを生成するように構成された光源と、プラズマ形成位置で光ビームを受光するよう構成された容器と、ターゲット経路に沿ってプラズマ形成位置の方へ進むターゲットを生成するように構成された供給システムと、ターゲット材料レセプタクルであって、第1の方向に延出している通路を含む構造であって、通路は、ターゲット経路を進みプラズマ形成位置を通過するターゲットを受容するように位置決めされている、構造と、通路からターゲット材料を受容するように構成され、複数の偏向器要素を含む偏向器システムと、を備えるターゲット材料レセプタクルと、を含む。各偏向器要素は、ターゲット材料経路に沿って進む材料例の進行方向に対して第1の鋭角に配向され、偏向器システムにおける各偏向器要素は、最も近くにある偏向器要素から、第1の方向とは異なる第2の方向に沿ってある距離だけ分離されている。
[0013] 実施は、以下の特徴のうち1つ以上を含むことができる。構造は、通路に結合された内部を含むベース部も含み得る。いくつかの実施において、偏向器システムの少なくとも一部はベース部の内部に位置決めされ、ベース部の側面は第1の方向に対してベース角度に傾斜しており、ベース部の側面は第2の方向に延出している。
[0014] 各偏向器要素は、第1の鋭角に配向された第1の部分と、第1の部分から延出している端部と、を含み得る。端部は、ターゲット経路に対して実質的に平行に延出している先端を含む。各偏向器要素の端部は、表面を含む本体も含み得る。本体の表面はターゲット方向に対して第2の鋭角を形成する。第2の鋭角は第1の鋭角以下とすることができる。
[0015] 別の全体的な態様において、極端紫外線(EUV)光源のための偏向器システムは複数の偏向器要素を含み、各偏向器要素は、第1の方向に沿って延出している第1の部分と第1の部分から延出している第2の部分とを含み、第2の部分は、第1の部分から先端の方へ延出している1つ以上の表面を含む本体を含む。偏向器システムは、第1の方向及びターゲット材料経路が第1の鋭角を形成し、第2の部分の本体の表面のうち少なくとも1つ及びターゲット材料経路が第2の鋭角を形成するように、EUV光源の容器内に位置決めされるよう構成され、ターゲット材料経路は容器内でターゲットが進む経路であり、ターゲットはプラズマ状態でEUV光を放出するターゲット材料を含み、第2の鋭角はゼロ度よりも大きい。
[0016] 実施は、以下の特徴のうち1つ以上を含むことができる。第1の鋭角はゼロ度とすることができる。第1の部分の側面は局所重力ベクトルと実質的に位置合わせされて、EUV光源の容器内に位置決めされた場合に各偏向器要素の第1の部分の側面が鉛直の配向を有するようにすることができる。第2の鋭角は第1の鋭角以下とすることができる。
[0017] 複数の偏向器要素は、任意の2つの偏向器要素間に開いたチャネルが形成されるように相互に分離され得る。偏向器要素は相互に平行とすることができる。
[0018] 上述の技法のいずれかの実施は、EUV光源、レセプタクル、システム、方法、プロセス、デバイス、又は装置を含み得る。1つ以上の実施の詳細は、添付図面及び以下の記載に述べられている。他の特徴は、記載及び図面から、また特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
[0019] レセプタクルの一例のブロック図である。 [0020] 図1Aのレセプタクルの偏向器要素を材料経路に対して配向することができる例示的な角度である。 [0021] 偏向器要素の一例の側面図である。 [0022] 稼働使用時の偏向器要素の例示的な配向を示す。 [0023] 偏向器システムの一例の斜視図である。 [0024] 図2Aの偏向器システムにおいて使用することができる偏向器要素の一例の上面図である。 [0025] レセプタクルの一例のブロック図である。 [0026] 偏向器要素の別の例の上面図である。 [0027] EUV光源の一例のブロック図である。 [0028] リソグラフィ装置の一例のブロック図である。 [0029] 図5のリソグラフィ装置の更に詳細な図である。 [0030] EUV光源の別の例のブロック図である。
[0031] 図1Aを参照すると、レセプタクル130の実施の一例のブロック図が示されている。レセプタクル130は、材料経路120に沿って進む材料121を捕捉する。材料121は、少なくともいくらかの液相材料を含む任意のタイプの小滴又はジェットとすることができる。例えば材料121は、溶融スズの小滴とするか、又は溶融金属と、固体、液体、又は気体であり得る不純物のような他の物質とを含むターゲット材料の小滴とすることができる。材料121は、偏向器システム132内の1つ以上の偏向器要素133と相互作用する。偏向器システム132の構成によって、レセプタクル130は、偏向器システム132が存在しない場合に可能であるよりも多くの材料121を捕捉できる。以下で更に詳しく検討するように、偏向器システム132は、レセプタクル130から物体102の方へ散乱又は飛散する材料の量を低減させる。このため、偏向器システム132を用いて、例えば材料121の断片、部分、又は小滴による物体102の汚染を低減又は解消することができる。
[0032] レセプタクル130は、第1のレセプタクル端部131から第2のレセプタクル端部139までX軸に沿って延出する通路134を含む。図1Aの例では、材料経路120もX軸に沿っており、材料121は概ねX方向に沿って進む。通路134は、端部131に開口135を有し、第2のレセプタクル端部139の方へ延出している。開口135はレセプタクル130の外部に開いている。材料経路120を進む材料121が開口135を通って通路134に入るように、開口135は材料経路120と一致している。図1Aの例では、第2のレセプタクル端部139においてレセプタクル130の外部への開口が存在しないように、第2のレセプタクル端部139は閉じている。
[0033] また、レセプタクル130は偏向器システム132も含む。偏向器システム132は偏向器要素133a〜133k(まとめて偏向器要素133と称する)を含む。偏向器要素133の各々は、第1の偏向器端部140から第2の偏向器端部141まで延出している。偏向器要素133の各々は、材料121が進む方向に対して角度136に配向されている。
[0034] 図1Bは、偏向器要素133の任意のものについて角度136を示している。角度136は、偏向器要素133が第1の偏向器端部140から第2の偏向器端部141まで延出している方向である方向142と、材料が偏向器要素133において材料経路120を進む方向である方向143と、によって形成される角度である。角度136は鋭角であり、90度未満の任意の角度とすればよい。角度136は、例えば7度以下、12度以下、15度以下とすればよい。角度136の値は偏向器要素133の各々で同一とすることができる。
[0035] 更に、偏向器要素133はY軸に沿って相互に距離138だけ分離されている。図1Aにおいて、偏向器要素133aと133bとの間に距離138が示されている。距離138は、偏向器要素133間の空間に材料121が蓄積することを防止するか又は最小限に抑えるのに充分な大きさであるが、偏向器要素133間の開いた空間又はチャネル内に入った材料121の例がチャネル内で偏向器要素133から複数回跳ね返るのに充分な小ささである。距離138は、例えば5ミリメートル(mm)、又は2mm〜1センチメートル(cm)の間とすればよい。いくつかの実施において、偏向器要素133のいずれか1つは、最も近い1又は複数の偏向器要素から同じ分離距離だけ分離している。
[0036] Y軸に沿った偏向器要素133の分離は、2つの隣接した偏向器要素133の間に開いた空間又はチャネルを形成する。偏向器要素133aと133bとの間に、開いた空間137が標示されている。他の偏向器要素133の全ての間に、開いた空間137と同様の開いた空間又はチャネルが存在する。また、各偏向器要素133は、紙面を貫通する方向に延出している側面150を有する。例えば図1Cも参照すると、偏向器要素133は、X−Z面に対して角度136に傾斜した面内に延出しているプレートから形成することができ、これらのプレートは相互に平行とすることができる。
[0037] 偏向器システム132内の偏向器要素133の配置は、材料121の飛散又は散乱を低減又は解消し、これにより、材料121が開口135を通ってレセプタクル130から予想外に出ていくのを低減又は解消する。例えば、偏向器要素133を角度136に配向し、偏向器要素をY軸に沿って距離138だけ分離させてチャネル137を形成することで、レセプタクル130が材料121を捕捉できるように支援する。
[0038] 衝突面(材料121と相互作用する表面)を、材料経路120に対して浅い角度(例えば12度以下)に配向すると、材料121の飛散又は散乱が抑制される。飛散又は散乱は、材料121が偏向器要素133に衝突する場合に発生し得る。材料121が速く減速しすぎると、材料121に圧力波が形成され、この圧力波が材料121の表面張力を克服して、材料121を断片に分裂させる場合がある。材料121の減速は衝突面の角度の関数であり、角度136を小さくすることによって、材料121の飛散又は散乱がほとんど又は全く発生しない値まで減速を低減させることができる。球形の小適材料121では、式(1)で与えられるゾンマーフェルトパラメータ(K)によって飛散又は散乱の有無を予測できる。
式1において、Kはゾンマーフェルトパラメータであり、ρは材料121の密度であり、Dは材料121の直径であり、Vは衝突面に垂直な方向における材料121の速度であり(V=Vsinα、ここでαは角度136である)、σは材料121の表面張力であり、μは材料121の粘度である。飛散又は散乱は、Kn>60の場合に発生すると予想され、Kn<60の場合に抑制されると予想される。Kn>60では、角度αが小さくなるにつれて飛散の量の量は低減し、より小さいKの値は、大きいKの値よりも少量の飛散を示す。Kの値はVに依存し、Vの値は角度136に依存するので、角度136を用いて飛散の量を制御することができる。
[0039] 偏向器システム132において、角度136は、飛散を最小限に抑えるか又は解消する値を有する。従って、材料経路120に対して角度136に偏向器要素133を配置することにより、材料121の飛散又は散乱が低減又は解消する。K<60では、円滑な表面からの飛散が抑制される。円滑な表面は、材料121の直径よりもはるかに小さい表面ラフネスを有するものである。例えば、円滑な表面の表面ラフネスは材料121の直径の10分の1又は1000分の1であり得る。表面ラフネスは、実際の表面の法線ベクトルの方向の、その理想的な(例えば完璧に円滑な)形態からの偏差によって定量化することができる。表面ラフネスは、長さ単位を有する算術平均ラフネスRaによって表現できる。材料121が直径27μmの実質的に球形の小滴である実施では、偏向器要素133の表面のRaは例えば2.7μm又は0.027μmであり得る。材料121が溶融スズである場合、V=70m/s(メートル/秒)であり、D=27μmであり、ρ=6959キログラム/立方メートル(kg/m)であり、σ=0.535ニュートン/メートル(N/m)であり、μ=1.58e−3パスカル秒(Pa.s)であり、Kは、α=19度では約97であり、α=5度では18である。従って、角度136を19度から5度まで小さくすると、材料121の飛散の量は低減する。
[0040] 更に、角度136に比較的小さい角度を用いると、偏向器要素133上におけるクレーター状構造又は浸食の発生及び/又は程度を低減することができる。偏向器要素133上にクレーター状構造又は他の浸食が存在すると、クレーター状構造が存在しない偏向器要素に比べ、偏向器要素133の表面から散乱する材料121の量が増大し得る。例えば、皿型クレーターは主に後ろ方向に材料を散乱させる傾向があり、これは図1Aに示されている例では開口135に向かう方向である。従って、偏向器要素133上にクレーター状構造が存在すると散乱が増大する可能性があり、偏向器要素133上のクレーター状構造の形成を低減又は排除することによって性能を向上させることができる。
[0041] 比較的小さい値の角度136の使用は、偏向器要素133上におけるクレーター状構造の発生の低減を促進することができる。小滴を受容する固体表面の浸食率は、小滴と固体表面との間の運動量移行に依存する。浸食率(E)は式2から得ることができる。
式2において、k及びxは材料121に依存する定数であり、V=Vsinαであり(ここでαは角度136である)、Vは浸食が発生する臨界速度である。運動量移行は衝突角度(例えば角度136)の関数であるので、角度136を小さくすることによって運動量移行を低減できる。
[0042] 更に、2つ以上の偏向器要素133を使用し、これらの偏向器要素133を相互に対して距離138に配置することで、材料121が開口135を通ってレセプタクル130から出ていく確率が低下する。受容される材料の進行方向に対して浅い角度に配向された単一の偏向器要素を含む偏向器システムを用いることの潜在的な問題の1つは、偏向器要素の表面が、材料が受容される開口の方に向かって延出していることである。このため、受容された材料は表面と相互作用し、飛散し、次いで開口を通って出ていく可能性がある。偏向器システム132は、2つ以上の偏向器要素133を使用し、偏向器要素133を距離138で離間してチャネル137を形成することにより、この問題に対処する。材料121が偏向器要素133の衝突面から散乱した場合、散乱した材料はチャネル137内に入る可能性が高い。一度チャネル137内に入ると、材料121は隣接する偏向器要素133から複数回散乱し、このプロセス中で運動エネルギを失う可能性がある。運動エネルギを失った後、材料121が開口135を通って出ていく可能性は著しく低くなる。従って、偏向器要素133の配置により、開口135を通ってレセプタクル130から出ていく材料121の量が低減する。
[0043] 更に、いくつかの実施において偏向器要素133は、偏向器要素133の表面に対する材料121の付着を低減させるよう配置及び/又は設計されている。偏向器システム132の使用中、材料121は偏向器要素133上に蓄積する可能性がある。例えば、材料121の小滴の全て又は一部が、散乱又は飛散せずに偏向器要素133の表面上に留まることがある。経時的に偏向器要素133上に蓄積する材料121の少量又は断片は、偏向器要素133の表面上にボール状構造又は他の隆起異常物を形成し得る。材料121から形成されたこれらの意図されない構造は、まとめて蓄積構造と呼ばれ、このような構造の一例が図1Cに163で標示されている。材料121が進む方向に対する蓄積構造の配向は、一般的に制御不可能である。従って、蓄積構造は材料121をいずれかの方向及び/又はあらゆる方向に散乱又は飛散させ得る。このため、偏向器要素133上における蓄積構造の発生を低減又は排除することが望ましい場合がある。
[0044] いくつかの実施(図1Aから図1Cに示されている実施等)では、偏向器要素133の少なくとも一部分を、局所重力ベクトル(gとして示されている)と(例えば平行に)位置合わせすることで、偏向器要素133上に蓄積する材料121の量を低減させる。図1Cの例では、側面150は材料121と相互作用し、衝突面が鉛直であるように局所重力ベクトルと(例えば平行に)位置合わせされている。側面150の鉛直の配向は、側面150上における蓄積構造の形成を防止することを支援できる。例示のため、側面150上に蓄積構造163が示されている。図1Dも参照すると、蓄積構造163には、Y方向の付着力164、Z方向の重力165(局所重力ベクトルgと平行)、及び−Z方向の摩擦力166(局所重力ベクトルgと反対)が作用する。側面150が鉛直である実施(図1A及び図1Cに示されているもの等)では、摩擦力166だけが重力165と反対の向きである。通常、摩擦力166は重力165よりもはるかに小さいので、Z方向の正味の力は−Z方向の正味の力よりもはるかに小さい。結果として、側面150の鉛直の配向は、蓄積構造の形成を抑制する及び/又は比較的大きい蓄積構造が形成されるのを防止することができる。
[0045] 側面150が更に水平に近付くと(すなわち、局所重力ベクトルgに垂直な軸と平行な方向に近付くと)、−Z方向の正味の力が増大して、蓄積構造が形成される及び/又は大きくなる可能性が高くなる。例えば、Z方向に対して19度に配向された表面及び溶融スズ材料では、観察された最大の蓄積構造は直径が約4.5mmであった。これに対して、図1Cに示されるように配向された表面で観察された最大の蓄積構造は約1.5mmであった。これらの観察は、図1A及び図1Cに示されている実施の場合、蓄積構造における正味の上向きの力(−Z方向の正味の力)が約27分の1であることを示すと考えられる。従って、図1A及び図1Cに示されている実施は蓄積構造の発生及び/又はサイズを低減させるのに役立ち得る。
[0046] 代替的に又は追加的に、偏向器要素133は、材料121の表面付着を低減させる表面特徴部を含むことができる。例えば、側面150は1つ以上の表面特徴部を含み得る。表面特徴部は、特定の又は所定の表面ラフネスの溝、波形、領域、酸化表面、及び/又は表面上の他の場所で用いられる材料とは異なる材料のコーティングを含み得る。表面特徴部は例えば、表面に衝突する材料の直径の10〜50分の1の距離だけ分離した要素(例えば溝、ライン、及び/又はチャネル)によって、表面上にパターン、テキスチャ、又は設計構造(design)を形成することができる。
[0047] 偏向器要素133の衝突面にこのように配置された表面パターンは、衝突面の反発効果を向上させて、材料121が偏向器要素133の表面上に蓄積する可能性を低下させるのに役立ち得る。パターンの各要素間の間隔は、反発させる物体のサイズによって決まる。上記で検討したように、偏向器要素133の衝突面から、より大きい構造(蓄積構造等)を反発させることが望ましい。従って、表面特徴部の要素間の分離を、材料121の例のサイズ以外の要素によって決定してもよい。例えば、材料121の例が実質的に球形であると共に直径が27μmである実施では、表面特徴部の要素間の分離は2μm〜20μmの間とすればよい。
[0048] 図2Aから図2Cは、レセプタクル230及び/又は偏向器システム232の様々な図を示す。図2Aは偏向器システム232の斜視図である。図2Bは偏向器システム232の単一の偏向器要素233の上面図である。図2Cはレセプタクル230の側面図である。レセプタクル230はレセプタクル130の実施の一例であり、偏向器システム232は偏向器システム132の実施の一例である。
[0049] 図2Aを参照すると、偏向器システム232は、まとめて偏向器要素233と称される12の偏向器要素233a〜233lを含む。簡略化のため、図2Aでは偏向器要素233a及び偏向器要素233lのみが標示されている。偏向器要素233b〜233kは、偏向器要素233aと偏向器要素233lとの間にある。各偏向器要素233は、最も近い別の偏向器要素からY軸に沿って距離238だけ分離されている。偏向器要素133の各々は、第1の偏向器端部240から第2の偏向器端部241まで延出している。偏向器要素233は、材料121に耐性のある任意の物質から作製すればよい。例えば材料121が溶融スズである実施では、偏向器要素233はタングステン又は任意の硬質高融点金属又はセラミックから作製すればよい。
[0050] 図2Bも参照すると、偏向器要素233の各々は第1の部分244及び第2の部分245を含む。第2の部分245は、第1の部分244から先端246まで延出している。第2の部分245及び第1の部分244は図2Aに示されていないが、先端246は第1の偏向器端部240に対応し、第1の部分244は第2の部分245から第2の偏向器端部241まで延出している。第2の部分245は、先端246を除いた第2の部分245の外部を形成する本体247を有する。本体247は、第1の部分244から延出して先端246まで角度252のテーパ状である側面248及び249を有する。従って先端246は、第1の部分244よりもY軸に沿った寸法(又は幅)が小さい。
[0051] 第1の部分244は、側面250及び251を有するプレート状構造から形成されている。偏向器要素233は、1つの偏向器要素233の表面250が別の偏向器要素233の表面251と向かい合うように配置されている。2つの隣接する偏向器要素233はY軸に沿って距離238だけ分離されて、1つの偏向器要素233の表面250と隣接する偏向器要素233の表面251との間にチャネル237が形成されるようになっている。表面250及び/又は251は材料経路120に対して角度253に傾斜している。いくつかの実施では、角度253及び角度236は異なる値を有し、角度236は角度253未満とする(角度253よりも小さくする)ことができる。
[0052] 複数の偏向器要素233を用いることに伴う潜在的な問題は、各偏向器要素233の第1の偏向器端部240が表面又は前縁を含み(introduce)、この前縁において材料121が受容された時に飛散又は散乱が発生する恐れがあることである。図2Bの例では、先端246を前縁と考えることができる。この潜在的な問題に対処する1つの技法は、材料121の進行方向に対して先端246を傾斜させることである。更に、材料121との相互作用に利用され得る先端246の寸法を縮小することも、飛散を軽減させる可能性がある。例えば、先端246の寸法が材料121の小滴の直径よりも小さい場合、小滴の一部だけが先端246に衝突し、飛散する材料121の量は低減する。第2の部分245は、これらの技法の一方又は双方を利用して前縁からの飛散を軽減するように実施される。材料121の小滴の直径が例えば20〜35μmである実施では、先端246は少なくとも1つの方向において7μm以下の寸法を有し得る。
[0053] 従って、先端246の寸法を少なくとも1つの方向において最小化することで材料121の飛散を抑制できる。薄い先端を有する偏向器要素を用いることの潜在的な問題の1つは、先端が壊れやすいこと及び/又は変形しやすいことである。偏向器要素233は、機械的ロバスト性のために充分な厚さであるシートから形成することによってこの問題に対処する。シートの厚さは、偏向器要素233を溶融金属と共に使用する場合にゆがみにくく、かつ耐破損性があるようなものである。例えば偏向器要素233は、表面250と251との間の厚さを200μm〜300μm又は100μm〜1ミリメートル(mm)とすればよい。
[0054] 更に、偏向器要素233は、表面249及び250の傾斜の2倍の大きさである有効角(角度252)を有する片側面取り部(one-sided chamfer)を有する。表面248及び249の傾斜は角度236である。図2Bに示されている実施では、角度252は角度236の2倍の大きさである。しかしながら、いくつかの実施では、角度252は角度236の2倍よりも小さくすることができる。言い換えると、角度252は、角度236の2倍の大きさである角度よりも小さい(より鋭角である)角度としてもよい。角度252を角度236の2倍の大きさにすると機械的ロバスト性の高い偏向器要素233が得られるが、より小さい角度252では、性能が向上すると共に材料の反発が大きくなる可能性がある。
[0055] 面取り部は、物体の2つの面の間の遷移縁部である。有効面取り角度(effective chamfer angle)は、入来する材料121の小滴と、その小滴の偏向が鏡面反射であると仮定した場合の偏向と、が延出する面内で測定される角度である。図2Bにおける光線266は、仮定された鏡面反射偏向を示す。この構成において、入来する材料121の小滴から見た衝突角(角度236)は先端246の両側で同一であり、飛散及び散乱は防止されるか又は最小限に抑えられる。第2の部分245の実際の面取り角度は、表面248(又は表面249)及び先端246に垂直な面内で測定される角度である。実際の面取り角度は、先端246の傾斜のため有効面取り角度よりもはるかに大きく、機械的ロバスト性と製造可能性を保証するよう充分に大きい。角度236が5度であり角度252が10度である実施において、実際の面取り角度は約30度である。このように、偏向器要素233は比較的薄い前縁又は先端246を有するが、偏向器要素233は、製造されて長期間にわたって使用されるには充分に構造的にロバストである。
[0056] 図2Cは、レセプタクル230において使用される偏向器システム232の一例を示す。レセプタクル230は、通路234を画定すると共にベース部255を含む構造である。通路234は、X軸に沿って、ベース部255によって画定されるベース内部265まで延出している。レセプタクル230は端部231に開口235を有する。ベース部255は端部239に位置している。開口235は通路234に結合されている。材料経路120に沿って進む材料121が開口235を通って通路234内に入るように、開口235は材料経路120と重複している。通路234に入った材料がベース内部256内に流入できるように、ベース内部256は通路234に結合されている。
[0057] 偏向器システム232は、偏向器要素233の全て又は少なくともいくつかがベース内部256にあるようにベース内部256に受容されている。ベース部255は、ベース角度258に傾斜したベース壁257を含む。ベース角度258は、通路234の縦方向(longitudinal axis)(これは図2Cの例ではX軸に沿っている)とベース壁257とによって形成される角度である。ベース部255は側壁259も含む。ベース壁257と側壁259は共にベース内部256を形成する。また、側壁259はベース内部256にリザーバ領域260を画定する。
[0058] ベース壁257は、側壁259の1つから通路234の壁261までベース角度258で延出している。ベース壁257は内部ベース壁262を有し、これもベース角度258で延出している。内部ベース壁262は、材料121による腐食に耐性のある材料から作製される。例えば材料121が溶融スズである実施では、内部ベース壁262をタングステン(W)から又はタングステンでコーティングされた別の材料から作製することができる。
[0059] 稼働使用時、偏向器システム232はベース内部256において、図2Aで示されているように角度258に配向した状態で位置決めされる。図2Cの例では、局所重力ベクトル(g)はZ方向に平行な方向に沿っている。材料121の小滴又はジェットは材料経路120を進み、開口235を通ってレセプタクル230に入る。図2Aから図2Cの例では、材料経路120は概ねX方向に沿っているが、重力によって小滴又はジェット121はX方向からわずかに引っ張られる可能性がある。
[0060] 材料121は、通路234内を進んでベース内部256内に入り、ここで偏向器システム232と相互作用する。上記で検討したように、偏向器システム232の特性は材料121の飛散及び散乱を抑制し、材料121が開口235を通って出ていく可能性を低下させる。更に、開口235から比較的遠いベース内部256に偏向器システム232を配置することで、材料121の一部が開口235を通ってレセプタクル230から出ていく可能性を低下させる。更に、偏向器システム232をベース角度258に配向することにより、偏向器要素233によって散乱される材料121の断片、破片(pieces)、又は部分を、開口235の方へ誘導せずにリザーバ領域260内へ誘導することができる。
[0061] レセプタクル230は、偏向器システム232を使用することができる特定の構成のレセプタクルの一例である。しかしながら、偏向器システム232を用いて他の設計のレセプタクルを追加導入することも可能である。例えば、偏向器システム232を用いて、ベース壁257が通路234の縦方向に垂直であるレセプタクルを追加導入することができる。別の例では、通路234を含まないので開口235が偏向器システム232に位置するレセプタクルにおいて、偏向器システム232を使用することができる。
[0062] 図3を参照すると、偏向器要素333の上面ブロック図が示されている。偏向器要素333は偏向器システム132又は偏向器システム232において使用することができる。偏向器要素333は、X軸に沿って延出する第1の部分334を有する。偏向器要素333は、図2A及び図2Bに関して上記で検討された第2の部分245も含む。図3に示されている例では、第2の部分245は第1の部分344から−X方向に延出している。図2Bの角度253と同様の角度は、偏向器要素333ではゼロ度である。稼働使用時、偏向器要素333は図3に示されているように位置決めすることができ、第1の部分334の側面350及び351、並びに第2の部分の側面248及び249はZ軸に沿って延出している面であり、側面248、249、350、及び351の表面は局所重力ベクトルgと実質的に平行である。
[0063] レセプタクル130及び230は、液相成分を含む材料の散乱又は飛散を抑制することが望まれる任意のシステムにおいて使用できる。例えば、レセプタクル130及び230はインクジェット印刷システムにおいて使用され得る。別の例では、偏向器システム132及び232は、水がチューブ内へ誘導され、このチューブが内部に大きい粒子が入るのを防ぐフィルタで保護されているシステムにおいて使用できる。水は、チューブに入る前にフィルタで飛散する可能性がある。しかしながら、水のジェットの伝搬方向に対して傾斜させた偏向器要素を有する偏向器システム132及び232のような偏向器システムをフィルタと共に含ませるか又はフィルタと共に使用して、飛散する水の量を低減させることにより、フィルタに通す水の量を増大させることができる。本明細書に開示される技法は、固体表面に衝突する液体の小滴又はジェットからの飛散を排除又は低減させることが望ましい任意の用途において使用され得る。そのような用途の例には、インクジェット印刷、燃焼、スプレー冷却、凍結防止、付加製造(additive manufacturing)、及び/又は表面コーティングに関連するプロセス又はこれらを用いるプロセス等の、工業用プロセス及び/又は用途が含まれる。
[0064] 別の例では、レセプタクル130又はレセプタクル230を極端紫外線(EUV)光源において使用することができる。図4は、EUV光源400におけるレセプタクル430のブロック図である。レセプタクル430は偏向器システム432を含む。偏向器システム432は、偏向器システム132(図1A)又は偏向器システム232(図2Aから図2C)とすることができる。
[0065] EUV光源400は、ターゲットの流れ422を真空チャンバ409内のプラズマ形成位置423の方へ放出する供給システム410を含む。流れ422内のターゲットはターゲット経路420を進む。ターゲット経路420は、流れ422内の個々のターゲットが供給システム410からプラズマ形成位置423まで進む(ターゲットがEUV光を放出するプラズマに変換された場合)か、又はレセプタクル430まで進む(ターゲットがEUV光を放出するプラズマに変換されることなくプラズマ形成位置423を通過する場合)空間経路である。任意の特定位置におけるターゲット材料経路420は、その位置で各ターゲットが進んでいる方向である。図4の例において、ターゲット経路420はX軸に沿って延出している直線の破線として図示されている。しかしながら、ターゲット経路420は必ずしも直線でなく、流れ422内の各ターゲットでわずかに異なることがある。更に、ターゲット経路420はX軸に沿った方向以外の方向に延出することも可能である。例えば、供給システム410及びレセプタクル430を相互に対して図4に示されているものとは異なる構成に配置することができ、この場合、供給システム410とレセプタクル430との間の経路は図4に示されているものとは異なる。
[0066] 稼働使用時、供給システム410は、圧力Pのもとにターゲット材料を収容しているリザーバ414に流体結合されている。ターゲット材料は、プラズマ状態である場合にEUV光を放出する任意の材料である。例えばターゲット材料は、水、スズ、リチウム、及び/又はキセノンを含み得る。ターゲット材料は、溶融状態もしくは液体状態であるか、又はその状態の成分を含み得る。流れ422内のターゲットは、ターゲット材料又はターゲットの小滴と考えることができる。
[0067] 流れ422は個々のターゲットを含み、その中にはプラズマ形成位置423にあるターゲット421pが含まれる。プラズマ形成位置423は光ビーム406を受容する。光ビーム406は光源405によって発生され、光路407を介して真空チャンバ409へ送出される。光ビーム406とターゲット421p内のターゲット材料との間の相互作用が、EUV光を放出するプラズマを生成する。EUV光はミラー402によって収集され、図5に示されているリソグラフィ装置500のようなリソグラフィ装置の方へ誘導される。
[0068] 流れ422内のターゲットの一部は、EUV光を放出するプラズマに変換されない。例えば、プラズマ形成位置423に光ビーム406が存在しない時にターゲットがプラズマ形成位置423に到達する可能性がある。EUV光を放出するプラズマに変換されないターゲットは、プラズマ形成位置423を通過し(ターゲット421d等)、レセプタクル430によって捕捉される。
[0069] レセプタクル430は、通路434及びベース部455を含む。図4の例において、偏向器システム432はベース部455内にある。通路434は端部431に開口435を含む。ターゲットが開口435を通って通路434に流入するように、開口435はターゲット経路420と一致している。通路434はベース部455の内部に結合されているので、通路内を流れるターゲットは偏向器システム432と相互作用し、偏向器システム432の構成のため、飛散等により開口435を通って出ていく可能性が低くなっている。このように、レセプタクル430は未使用のターゲットを捕捉し、これによって、飛散又は散乱した未使用のターゲットからの材料で真空チャンバ409内の物体(ミラー402等)が汚染されることから保護するのを支援する。
[0070] 図5は、1つの実施に従ったソースコレクタモジュールSOを含むリソグラフィ装置500を概略的に示す。レセプタクル130、230、及び430は、ソースコレクタモジュールSO内のトラップ630(図6)として使用され得るレセプタクルの例である。リソグラフィ装置500は以下のものを含む。
・放射ビームB(例えばEUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)IL
・パターニングデバイス(例えばマスク又はレチクル)MAを支持するように構成され、パターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MT
・基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続されたサポートテーブル(例えばウェーハテーブル)WT
・パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ以上のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば反射投影レンズシステム)PS
[0071] 照明システムは、放射を誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
[0072] 支持構造MTは、パターニングデバイスの配向、リソグラフィ装置の設計及び、例えばパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否か等の条件に応じた方法でパターニングデバイスMAを保持する。支持構造は、機械式、真空式、静電式又はその他のクランプ技術を用いて、パターニングデバイスを保持することができる。支持構造は、例えば、必要に応じて固定又は可動式にできるフレーム又はテーブルであってもよい。支持構造は、パターニングデバイスが例えば投影システムに対して確実に所望の位置に来るようにしてもよい。
[0073] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを付与するために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特定の機能層に相当する。
[0074] パターニングデバイスは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、更には様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小型ミラーのマトリクス配列を使用し、ミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するように個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを付与する。
[0075] 投影システムPSは、照明システムILと同様に、使用する露光放射、又は真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折、反射、磁気、電磁気、静電型等の光学コンポーネント、又はその任意の組み合わせなどの種々のタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。その他のガスは放射を吸収しすぎるため、EUV放射用には真空を使用することが望ましいことがある。従って、真空環境は、真空壁及び真空ポンプを用いてビーム経路全体に提供してもよい。
[0076] 本明細書で示すように、本装置は反射タイプである(例えば反射マスクを使用する)。
[0077] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のパターニングデバイステーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ以上の他のテーブルを露光に使用している間に1つ以上のテーブルで予備工程を実行することができる。
[0078] 図5を参照すると、イルミネータILは、ソースコレクタモジュールSOから極端紫外線放射ビームを受光する。EUV光を発生する方法は、必ずしも限定ではないが、例えばキセノン、リチウム、又はスズのような、EUV範囲に1つ以上の輝線を有する少なくとも1つの元素を有する材料をプラズマ状態に変換することを含む。しばしばレーザ生成プラズマ(「LPP」)と呼ばれる1つのそのような方法では、必要な線発光元素を有する材料の小滴、流れ、又はクラスタのような燃料を、レーザビームで照射することにより、必要なプラズマを生成できる。ソースコレクタモジュールSOは、図5には示されていない、燃料を励起するレーザビームを提供するためのレーザを含むEUV放射システムの一部とすることができる。結果として生じるプラズマは、例えばEUV放射のような出力放射を放出し、この出力放射はソースコレクタモジュール内に配置された放射コレクタを用いて収集される。例えば二酸化炭素(CO2)レーザを使用して燃料励起のためのレーザビームを提供する場合、レーザとソースコレクタモジュールは別個の構成要素である可能性がある。
[0079] そのような場合、レーザはリソグラフィ装置の一部を形成するとは見なされず、放射ビームは、レーザからソースコレクタモジュールへ、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムを用いて渡される。その他の場合、例えば放射源がしばしばDPP源と呼ばれる放電生成プラズマEUVジェネレータである場合は、放射源はソースコレクタモジュールの一体部分である可能性がある。
[0080] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調整するためのアジャスタを備えていてもよい。一般に、イルミネータILの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。更に、イルミネータILは、ファセットフィールド及び瞳ミラーデバイスなどの様々な他のコンポーネントを備えてもよい。イルミネータILを用いて放射ビームを調節し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。
[0081] 放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT上に保持されているパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターニングされる。パターニングデバイス(例えばマスク)MAから反射された後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSはビームを基板Wのターゲット部分Cに合焦させる。第2のポジショナPW及び位置センサPS2(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、又は容量センサ)の助けにより、基板テーブルWTを、例えば様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めするように正確に移動できる。同様に、第1ポジショナPM及び別の位置センサPS1を使用して、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイス(例えばマスク)MAを正確に位置決めすることができる。パターニングデバイス(例えばマスク)MA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。
[0082] 図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
1.ステップモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに付与されたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。
2.スキャンモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームに付与されるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。
3.別のモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
[0083] 上述した使用モードの組み合わせ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
[0084] 図6は、ソースコレクタモジュールSO、照明システムIL、及び投影システムPSを含むリソグラフィ装置500の実施を更に詳細に示す。ソースコレクタモジュールSOは、このソースコレクタモジュールSOの閉鎖構造620内に真空環境を維持できるように構築及び配置されている。システムIL及びPSも同様にそれら自身の真空環境内に収容されている。レーザ生成LPPプラズマ源によって、EUV放射放出プラズマ2を形成することができる。ソースコレクタモジュールSOの機能は、プラズマ2からのEUV放射ビーム20を仮想光源点に合焦させるように送出することである。仮想光源点は一般に中間焦点(IF)と称される。ソースコレクタモジュールは、中間焦点IFが閉鎖構造620のアパーチャ621に又はその近傍に位置するように構成されている。仮想光源点IFは、放射放出プラズマ2の像である。
[0085] 中間焦点IFにおけるアパーチャ621から、放射は、この例ではファセットフィールドミラーデバイス22及びファセット瞳ミラーデバイス24を含む照明システムILを横断する。これらのデバイスはいわゆる「フライアイ(fly’s eye)」イルミネータを形成する。これは、パターニングデバイスMAにおいて放射ビーム21の所望の角度分布を与えると共に、パターニングデバイスMAにおいて所望の放射強度均一性を与える(参照番号660で示されている)ように配置されている。サポート構造(マスクテーブル)MTによって保持されたパターニングデバイスMAでビーム21が反射されると、パターン付きビーム26が形成される。このパターン付きビーム26は、投影システムPSによって、反射要素28、30を介して、基板テーブルWTにより保持された基板W上に結像される。基板W上のターゲット部分Cを露光するため、基板テーブルWT及びパターニングデバイステーブルMTが同期した移動を行って照明スリットを通してパターニングデバイスMA上のパターンをスキャンすると同時に、放射パルスを発生させる。
[0086] 各システムIL及びPSは、閉鎖構造620と同様の閉鎖構造によって画定されたそれら自身の真空環境又は近真空(near-vacuum)環境内に配置されている。一般に、照明システムIL及び投影システムPS内には、図示するよりも多くの要素が存在し得る。更に、図示するよりも多くのミラーが存在する場合がある。例えば、照明システムIL及び/又は投影システムPS内には、図6に示すもの以外に1つから6つの追加の反射要素が存在することがある。
[0087] ソースコレクタモジュールSOについて更に詳しく検討すると、レーザ623を含むレーザエネルギソースが、ターゲット材料を含む燃料内にレーザエネルギ624を堆積するように配置されている。ターゲット材料は、キセノン(Xe)、スズ(Sn)、又はリチウム(Li)等、プラズマ状態でEUV放射を放出する任意の材料とすればよい。プラズマ2は、数10電子ボルト(eV)の電子温度を有する高度に電離したプラズマである。例えばテルビウム(Tb)及びガドリニウム(Gd)のような他の燃料材料によって、より高いエネルギのEUV放射を発生させることも可能である。これらのイオンの脱励起及び再結合中に発生した高エネルギ放射がプラズマから放出され、近法線入射コレクタ3によって収集され、アパーチャ621に合焦される。プラズマ2及びアパーチャ621は、それぞれコレクタCOの第1及び第2の焦点に位置付けられている。
[0088] 図6に示されているコレクタ3は単一の曲面ミラーであるが、コレクタは他の形態をとってもよい。例えばコレクタは、2つの放射収集面を有するシュヴァルツシルトコレクタとしてもよい。一実施形態においてコレクタは、相互に入れ子状になった複数の実質的に円筒形のリフレクタを含む斜入射型コレクタとしてもよい。
[0089] 例えば液体スズである燃料を送出するため、高周波数の小滴の流れ628をプラズマ2の所望の位置に向けて発射するよう配置された小滴ジェネレータ626が、閉鎖部(enclosure)620内に配置されている。動作の際、レーザエネルギ624は小滴ジェネレータ626の動作と同期して送出され、各燃料小滴をプラズマ2に変えるための放射インパルスを送出する。小滴送出の周波数は数キロヘルツとすることができ、例えば50kHzである。実際には、レーザエネルギ624は少なくとも2つのパルスで送出される。すなわち、燃料材料を小さいクラウドに気化させるため、限られたエネルギのプレパルスがプラズマ位置に到達する前の小滴へ送出され、次いで、プラズマ2を発生させるため、レーザエネルギのメインパルス624が所望の位置のクラウドへ送出される。閉鎖構造620の反対側にトラップ630(例えばレセプタクル130、レセプタクル230、又はレセプタクル430とすることができる)が設けられ、何らかの理由でプラズマに変わらない燃料を捕捉する。
[0090] 小滴ジェネレータ626は、燃料液体(例えば溶融スズ)を収容するリザーバ601、フィルタ669、及びノズル602を備えている。ノズル602は、燃料液体の小滴をプラズマ2の形成位置の方へ放出するように構成されている。リザーバ601内の圧力とピエゾアクチュエータ(図示せず)によってノズルに加えられる振動との組み合わせによって、燃料液体の小滴をノズル602から放出させることができる。
[0091] 当業者に既知のように、装置とその様々なコンポーネント、及び放射ビーム20、21、26のジオメトリ及び挙動を測定及び記述するため、基準軸X、Y、及びZを規定することができる。装置の各部分において、X軸、Y軸、及びZ軸の局所基準系(local reference frame)を規定できる。図6の例において、Z軸は、システム内の所与のポイントにおいて光軸O方向とほぼ一致し、概ねパターニングデバイス(レチクル)MAの面に垂直であると共に基板Wの面に垂直である。ソースコレクタモジュールにおいて、X軸は燃料の流れ628の方向とほぼ一致し、Y軸は図6に示されているように、X軸に直交し、紙面から出ていく方向である。一方、レチクルMAを保持するサポート構造MTの近傍において、X軸は、Y軸と位置合わせされたスキャン方向を概ね横断する。便宜上、図6の概略図のこのエリアでは、X軸は図示されているように紙面から出ていく方向である。これらの指定は当技術分野において従来からのものであり、本明細書でも便宜的に採用される。原理上、装置及びその挙動を記述するため任意の基準系を選択することができる。
[0092] 典型的な装置においては、全体としてソースコレクタモジュール及びリソグラフィ装置500の動作に使用される多数の追加コンポーネントが存在するが、ここには図示されていない。これらには、例えばコレクタ3及び他の光学系に損傷を与えるかそれらの性能を低下させる燃料材料の堆積を防止するように、閉鎖された真空内で汚染の効果を低減又は軽減するための構成が含まれる。存在するが詳述しない他の特徴部には、リソグラフィ装置500の様々なコンポーネント及びサブシステムの制御に関与する全てのセンサ、コントローラ、及びアクチュエータがある。
[0093] 図7を参照すると、LPP EUV光源700の実施が示されている。光源700は、リソグラフィ装置500におけるソースコレクタモジュールSOとして使用できる。更に、光源700と共に、レセプタクル130、230、及び430のうち任意のものを使用できる。更に、図4の光源405を駆動レーザ715の一部とすることも可能である。駆動レーザ715はレーザ623(図6)として使用できる。
[0094] LPP EUV光源700は、プラズマ形成位置705にあるターゲット混合物714を、ビーム経路に沿ってターゲット混合物714の方へ進行する増幅光ビーム710で照射することによって形成される。図1、図2Aから図2C、及び図3に関して検討された材料121、並びに図4に関して検討された流れ422内のターゲットは、ターゲット混合物714であるか又はターゲット混合物714を含むことができる。プラズマ形成位置705は真空チャンバ730の内部707にある。増幅光ビーム710がターゲット混合物714に当たると、ターゲット混合物714内のターゲット材料は、EUV範囲内に輝線がある元素を有するプラズマ状態に変換される。生成されたプラズマは、ターゲット混合物714内のターゲット材料の組成に応じた特定の特徴を有する。これらの特徴は、プラズマによって生成されるEUV光の波長、並びにプラズマから放出されるデブリの種類及び量を含み得る。
[0095] 光源700は供給システム725も含む。供給システム725は、液体小滴、液体流、固体粒子もしくはクラスタ、液体小滴に含まれる固体粒子、又は液体流に含まれる固体粒子の形態であるターゲット混合物714を、送出、制御、及び誘導する。ターゲット混合物714はターゲット材料を含み、これは例えば、水、スズ、リチウム、キセノン、又は、プラズマ状態に変換された場合にEUV範囲内に輝線を有する任意の材料である。例えば元素スズは、純粋なスズ(Sn)として、例えばSnBr4、SnBr2、SnH4のようなスズ化合物として、例えばスズ−ガリウム合金、スズ−インジウム合金、スズ−インジウム−ガリウム合金、又はこれらの合金の組み合わせのようなスズ合金として、使用され得る。ターゲット混合物714は、非ターゲット粒子のような不純物も含み得る。従って、不純物が存在しない状況では、ターゲット混合物714はターゲット材料でのみ構成される。ターゲット混合物714は、供給システム725によってチャンバ730の内部707へ、更にプラズマ形成位置705へ送出される。
[0096] 光源700は駆動レーザシステム715を含み、これは、レーザシステム715の1又は複数の利得媒質内の反転分布によって増幅光ビーム710を生成する。光源700は、レーザシステム715とプラズマ形成位置705との間にビームデリバリシステムを含む。ビームデリバリシステムは、ビーム伝送システム720及びフォーカスアセンブリ722を含む。ビーム伝送システム720は、レーザシステム715から増幅光ビーム710を受光し、必要に応じて増幅光ビーム710を方向操作及び変更し、増幅光ビーム710をフォーカスアセンブリ722に出力する。フォーカスアセンブリ722は、増幅光ビーム710を受光し、ビーム710をプラズマ形成位置705に合焦する。
[0097] いくつかの実施においてレーザシステム715は、1以上のメインパルスを提供し、場合によっては1以上のプレパルスも提供するための、1以上の光増幅器、レーザ、及び/又はランプを含み得る。各光増幅器は、所望の波長を高い利得で光学的に増幅することができる利得媒質、励起源、及び内部光学系を含む。光増幅器は、レーザミラー、又はレーザキャビティを形成する他のフィードバックデバイスを有する場合も有しない場合もある。従ってレーザシステム715は、レーザキャビティが存在しない場合であっても、レーザ増幅器の利得媒質における反転分布によって増幅光ビーム710を生成する。更にレーザシステム715は、レーザシステム715に充分なフィードバックを与えるレーザキャビティが存在する場合、コヒーレントなレーザビームである増幅光ビーム710を生成できる。「増幅光ビーム」という言葉は、増幅されているだけで必ずしもコヒーレントなレーザ発振でないレーザシステム715からの光、及び増幅されていると共にコヒーレントなレーザ発振であるレーザシステム715からの光のうち1つ以上を包含する。
[0098] レーザシステム715における光増幅器は、利得媒質としてCO2を含む充填ガスを含み、波長が約9100nm〜約11000nm、特に約10600nmの光を、800以上の利得で増幅できる。レーザシステム715で使用するのに適した増幅器及びレーザは、パルスレーザデバイスを含み得る。これは例えば、DC又はRF励起によって約9300nm又は約10600nmの放射を生成し、例えば10kW以上の比較的高いパワーで、例えば40kHz以上の高いパルス繰り返し率で動作するパルスガス放電CO2レーザデバイスである。パルス繰り返し率は、例えば50kHzとすることができる。また、レーザシステム715における光増幅器は、レーザシステム715をもっと高いパワーで動作させる場合に使用され得る水のような冷却システムも含むことができる。
[0099] 光源700は、増幅光ビーム710を通過させてプラズマ形成位置705に到達させることができるアパーチャ740を有するコレクタミラー735を含む。コレクタミラー735は例えば、プラズマ形成位置705に主焦点を有すると共に中間位置745に二次焦点(中間焦点とも呼ばれる)を有する楕円ミラーであり得る。中間位置745でEUV光は光源700から出力し、例えば集積回路リソグラフィツール(図示せず)に入力することができる。光源700は、端部が開口した中空円錐形シュラウド750(例えばガス円錐(gas cone))も含むことができる。これは、コレクタミラー735からプラズマ形成位置705に向かってテーパ状であり、増幅光ビーム710がプラズマ形成位置705に到達することを可能としながら、フォーカスアセンブリ722及び/又はビーム伝送システム720内に入るプラズマ生成デブリの量を低減させる。この目的のため、シュラウドにおいて、プラズマ形成位置705の方へ誘導されるガス流を提供することができる。
[0100] 光源700は、小滴位置検出フィードバックシステム756と、レーザ制御システム757と、ビーム制御システム758と、に接続されているマスタコントローラ755も含むことができる。光源700は1以上のターゲット又は小滴撮像器760を含むことができ、これは、例えばプラズマ形成位置705に対する小滴の位置を示す出力を与え、この出力を小滴位置検出フィードバックシステム756に提供する。小滴位置検出フィードバックシステム756は、例えば小滴の位置及び軌道を計算することができ、それらから小滴ごとに又は平均値として小滴位置誤差が計算され得る。従って、小滴位置検出フィードバックシステム756は、小滴位置誤差をマスタコントローラ755に対する入力として提供する。従ってマスタコントローラ755は、例えばレーザ位置、方向、及びタイミング補正信号を、例えばレーザタイミング回路の制御に使用するためレーザ制御システム757に提供し、及び/又はビーム制御システム758に提供して、ビーム伝送システム720の増幅光ビームの位置及び整形を制御し、チャンバ730内のビーム焦点スポットの位置及び/又は集光力を変化させることができる。
[0101] 供給システム725はターゲット材料送出制御システム726を含む。ターゲット材料送出制御システム726は、マスタコントローラ755からの信号に応答して動作可能であり、例えば、ターゲット材料供給装置727によって放出される小滴の放出点を変更して、所望のプラズマ形成位置705に到達する小滴の誤差を補正する。
[0102] 更に、光源700は光源検出器765及び770を含むことができ、これらは、限定ではないが、パルスエネルギ、波長の関数としてのエネルギ分布、特定の波長帯内のエネルギ、特定の波長帯外のエネルギ、EUV強度の角度分布、及び/又は平均パワーを含む1つ以上のEUV光パラメータを測定する。光源検出器765は、マスタコントローラ755によって使用されるフィードバック信号を発生する。フィードバック信号は、効果的かつ効率的なEUV光生成のため適切な時に適切な場所で小滴を正確に捕らえるために、例えばレーザパルスのタイミング及び焦点のようなパラメータの誤差を示すことができる。
[0103] 光源700は、光源700の様々な領域を位置合わせするため又は増幅光ビーム710をプラズマ形成位置705へ方向操作するのを支援するために使用され得るガイドレーザ775も含むことができる。ガイドレーザ775に関連して、光源700は、フォーカスアセンブリ722内に配置されてガイドレーザ775からの光の一部と増幅光ビーム710をサンプリングするメトロロジシステム724を含む。他の実施では、メトロロジシステム724はビーム伝送システム720内に配置される。メトロロジシステム724は、光のサブセットをサンプリング又は方向転換(re-direct)する光学素子を含むことができ、そのような光学素子は、ガイドレーザビーム及び増幅光ビーム710のパワーに耐えられる任意の材料から作製される。マスタコントローラ755がガイドレーザ775からのサンプリングされた光を解析し、この情報を用いてビーム制御システム758を介してフォーカスアセンブリ722内のコンポーネントを調整するので、メトロロジシステム724及びマスタコントローラ755からビーム解析システムが形成されている。
[0104] 従って、要約すると、光源700は増幅光ビーム710を生成し、これはビーム経路に沿って誘導されてプラズマ形成位置705のターゲット混合物714を照射して、混合物714内のターゲット材料を、EUV範囲内の光を放出するプラズマに変換する。増幅光ビーム710は、レーザシステム715の設計及び特性に基づいて決定される特定の波長(駆動レーザ波長とも称される)で動作する。更に、ターゲット材料がコヒーレントなレーザ光を生成するために充分なフィードバックをレーザシステム715に与える場合、又は駆動レーザシステム715がレーザキャビティを形成する適切な光学フィードバックを含む場合、増幅光ビーム710はレーザビームであり得る。
[0105] 他の実施も特許請求の範囲の範囲内である。例えば、偏向器システム132及び偏向器システム232は、当技術分野において既知の任意のサポートによって各レセプタクル130及び230内に保持することができる。
[0106] 別の例において、図1A及び図1Bは、ゼロよりも大きい鋭角として角度136を示している。しかしながら、図3に示されているもの等のいくつかの実施では、偏向器要素133が材料経路120と実質的に平行であるように角度136をゼロとしてもよい。そのような実施は、例えば材料経路と実質的に平行に位置合わせされたハチの巣型の構造に比べ、性能の向上を得ることができる。例えば偏向器要素133は、双方の端部でY−Z面に開口しているが、偏向器要素133が相互に距離138だけ分離しているため開いたチャネルを形成する平面状構造としてもよい。そのような構成によって、チューブ状又はハチの巣構造に比べて材料が蓄積する表面数が比較的少なくなり、材料121の飛散が低減する可能性がある。
[0107] 以下の条項を用いて実施形態を更に記述することができる。
1.ターゲット材料レセプタクルであって、
第1の方向に延出している通路を含む構造であって、通路はターゲット材料経路に沿って進むターゲット材料を受容するように構成されている、構造と、
通路からターゲット材料を受容するように構成され、複数の偏向器要素を含む偏向器システムであって、各偏向器要素はターゲット材料経路に沿って進むターゲット材料例の進行方向に対して第1の鋭角に配向され、偏向器システムにおける各偏向器要素は最も近くにある偏向器要素から第1の方向とは異なる第2の方向に沿ってある距離だけ分離されている、偏向器システムと、
を備えるターゲット材料レセプタクル。
2.構造は、通路に結合された内部を含むベース部を更に備える、条項1に記載のターゲット材料レセプタクル。
3.偏向器システムの少なくとも一部はベース部の内部に位置決めされ、ベース部の側面は第1の方向に対してベース角度に傾斜しており、ベース部の側面は第2の方向に延出している、条項2に記載のターゲット材料レセプタクル。
4.各偏向器要素は、ターゲット材料経路に対して第1の鋭角に配向された第1の部分と、第1の部分から延出している端部と、を含み、端部はターゲット材料経路に対して実質的に平行に延出している先端を含む、条項1に記載のターゲット材料レセプタクル。
5.各偏向器要素の端部は表面を含む本体を更に含み、本体の表面はターゲット材料経路に対して第2の鋭角を形成する、条項4に記載のターゲット材料レセプタクル。
6.第2の鋭角は第1の鋭角以下である、条項5に記載のターゲット材料レセプタクル。
7.各偏向器要素の第1の部分は第1の面内に延出しているプレートを含み、プレートは第1の面内における第1の寸法及び第2の面内における第2の寸法を有し、第2の面は第1の面に直交し、第2の寸法は第1の寸法よりも小さい、条項4に記載のターゲット材料レセプタクル。
8.ターゲット材料例は実質的に球形であると共にある直径を有し、各先端はターゲット材料例と相互作用するように構成された表面を有し、先端の表面は少なくとも1つの方向においてターゲット材料例の直径よりも小さい寸法を有する、条項4に記載のターゲット材料レセプタクル。
9.各偏向器要素は、偏向器要素の表面に対するターゲット材料の付着を低減するように構成された少なくとも1つの表面特徴部を含み、表面特徴部は、波形、特定のラフネスを有する領域、酸化領域、溝のパターン、及び/又は偏向器要素の表面の他の部分で用いられる材料とは異なる材料のコーティングを含む、条項1に記載のターゲット材料レセプタクル。
10.任意の2つの隣接した偏向器要素間の第2の方向に沿った距離は同一である、条項1に記載のターゲット材料レセプタクル。
11.第1の鋭角は偏向器要素の全てについて同一である、条項1に記載のターゲット材料レセプタクル。
12.各偏向器要素はプレートであり、プレートのいずれか1つがプレートの他の全てと平行であるように偏向器要素は第2の方向に沿って分離されている、条項1に記載のターゲット材料レセプタクル。
13.ターゲット材料レセプタクルは極端紫外線(EUV)光源における使用向けに構成され、ターゲット材料はプラズマ状態である場合にEUV光を放出する材料を含む、条項1に記載のターゲット材料レセプタクル。
14.極端紫外線(EUV)光源であって、
光ビームを生成するように構成された光源と、
プラズマ形成位置で光ビームを受光するよう構成された容器と、
ターゲット経路に沿ってプラズマ形成位置の方へ進むターゲットを生成するように構成された供給システムと、
ターゲット材料レセプタクルであって、
第1の方向に延出している通路を含む構造であって、通路は、ターゲット経路を進みプラズマ形成位置を通過するターゲットを受容するように位置決めされている、構造と、
通路からターゲット材料を受容するように構成され、複数の偏向器要素を含む偏向器システムであって、各偏向器要素はターゲット材料経路に沿って進む材料例の進行方向に対して第1の鋭角に配向され、偏向器システムにおける各偏向器要素は最も近くにある偏向器要素から第1の方向とは異なる第2の方向に沿ってある距離だけ分離されている、偏向器システムと、
を備えるターゲット材料レセプタクルと、
を備えるEUV光源。
15.構造は、通路に結合された内部を含むベース部を更に備える、条項14に記載のEUV光源。
16.偏向器システムの少なくとも一部はベース部の内部に位置決めされ、ベース部の側面は第1の方向に対してベース角度に傾斜しており、ベース部の側面は第2の方向に延出している、条項14に記載のEUV光源。
17.各偏向器要素は、第1の鋭角に配向された第1の部分と、第1の部分から延出している端部と、を含み、端部はターゲット経路に対して実質的に平行に延出している先端を含む、条項14に記載のEUV光源。
18.各偏向器要素の端部は表面を含む本体を更に含み、本体の表面はターゲット方向に対して第2の鋭角を形成する、条項17に記載のEUV光源。
19.第2の鋭角は第1の鋭角以下である、条項18に記載のEUV光源。
20.極端紫外線(EUV)光源のための偏向器システムであって、
複数の偏向器要素であって、各偏向器要素は第1の方向に沿って延出している第1の部分と第1の部分から延出している第2の部分とを含み、第2の部分は第1の部分から先端の方へ延出している1つ以上の表面を含む本体を含む、複数の偏向器要素を備え、
偏向器システムは、第1の方向及びターゲット材料経路が第1の鋭角を形成し、第2の部分の本体の表面のうち少なくとも1つ及びターゲット材料経路が第2の鋭角を形成するように、EUV光源の容器内に位置決めされるよう構成され、ターゲット材料経路は容器内でターゲットが進む経路であり、ターゲットはプラズマ状態でEUV光を放出するターゲット材料を含み、
第2の鋭角はゼロ度よりも大きい、偏向器システム。
21.第1の鋭角はゼロ度である、条項20に記載の偏向器システム。
22.第1の部分の側面は局所重力ベクトルと実質的に位置合わせされて、EUV光源の容器内に位置決めされた場合に各偏向器要素の第1の部分の側面が鉛直の配向を有するようになっている、条項21に記載の偏向器システム。
23.第2の鋭角は第1の鋭角以下である、条項20に記載の偏向器システム。
24.複数の偏向器要素は、任意の2つの偏向器要素間に開いたチャネルが形成されるように相互に分離されている、条項20に記載の偏向器システム。
25.偏向器要素は相互に平行である、条項24に記載の偏向器システム。

Claims (25)

  1. ターゲット材料レセプタクルであって、
    第1の方向に延出している通路を含む構造であって、前記通路はターゲット材料経路に沿って進むターゲット材料を受容するように構成されている、構造と、
    前記通路からターゲット材料を受容するように構成され、複数の偏向器要素を含む偏向器システムであって、各偏向器要素は前記ターゲット材料経路に沿って進む前記ターゲット材料例の進行方向に対して第1の鋭角に配向され、前記偏向器システムにおける各偏向器要素は最も近くにある偏向器要素から前記第1の方向とは異なる第2の方向に沿ってある距離だけ分離されている、偏向器システムと、
    を備えるターゲット材料レセプタクル。
  2. 前記構造は、前記通路に結合された内部を含むベース部を更に備える、請求項1に記載のターゲット材料レセプタクル。
  3. 前記偏向器システムの少なくとも一部は前記ベース部の前記内部に位置決めされ、前記ベース部の側面は前記第1の方向に対してベース角度に傾斜しており、前記ベース部の前記側面は前記第2の方向に延出している、請求項2に記載のターゲット材料レセプタクル。
  4. 各偏向器要素は、前記ターゲット材料経路に対して前記第1の鋭角に配向された第1の部分と、前記第1の部分から延出している端部と、を含み、前記端部は前記ターゲット材料経路に対して実質的に平行に延出している先端を含む、請求項1に記載のターゲット材料レセプタクル。
  5. 各偏向器要素の前記端部は表面を含む本体を更に含み、前記本体の表面は前記ターゲット材料経路に対して第2の鋭角を形成する、請求項4に記載のターゲット材料レセプタクル。
  6. 前記第2の鋭角は前記第1の鋭角以下である、請求項5に記載のターゲット材料レセプタクル。
  7. 各偏向器要素の前記第1の部分は第1の面内に延出しているプレートを含み、前記プレートは前記第1の面内における第1の寸法及び第2の面内における第2の寸法を有し、前記第2の面は前記第1の面に直交し、前記第2の寸法は前記第1の寸法よりも小さい、請求項4に記載のターゲット材料レセプタクル。
  8. 前記ターゲット材料例は実質的に球形であると共にある直径を有し、各先端は前記ターゲット材料例と相互作用するように構成された表面を有し、前記先端の前記表面は少なくとも1つの方向において前記ターゲット材料例の前記直径よりも小さい寸法を有する、請求項4に記載のターゲット材料レセプタクル。
  9. 各偏向器要素は、前記偏向器要素の表面に対するターゲット材料の付着を低減するように構成された少なくとも1つの表面特徴部を含み、前記表面特徴部は、波形、特定のラフネスを有する領域、酸化領域、溝のパターン、及び/又は前記偏向器要素の前記表面の他の部分で用いられる材料とは異なる材料のコーティングを含む、請求項1に記載のターゲット材料レセプタクル。
  10. 任意の2つの隣接した偏向器要素間の前記第2の方向に沿った距離は同一である、請求項1に記載のターゲット材料レセプタクル。
  11. 前記第1の鋭角は前記偏向器要素の全てについて同一である、請求項1に記載のターゲット材料レセプタクル。
  12. 各偏向器要素はプレートであり、前記プレートのいずれか1つが前記プレートの他の全てと平行であるように前記偏向器要素は前記第2の方向に沿って分離されている、請求項1に記載のターゲット材料レセプタクル。
  13. 前記ターゲット材料レセプタクルは極端紫外線(EUV)光源における使用向けに構成され、前記ターゲット材料はプラズマ状態である場合にEUV光を放出する材料を含む、請求項1に記載のターゲット材料レセプタクル。
  14. 極端紫外線(EUV)光源であって、
    光ビームを生成するように構成された光源と、
    プラズマ形成位置で前記光ビームを受光するよう構成された容器と、
    ターゲット経路に沿って前記プラズマ形成位置の方へ進むターゲットを生成するように構成された供給システムと、
    ターゲット材料レセプタクルであって、
    第1の方向に延出している通路を含む構造であって、前記通路は、前記ターゲット経路を進み前記プラズマ形成位置を通過するターゲットを受容するように位置決めされている、構造と、
    前記通路からターゲット材料を受容するように構成され、複数の偏向器要素を含む偏向器システムであって、各偏向器要素は前記ターゲット材料経路に沿って進む前記材料例の進行方向に対して第1の鋭角に配向され、前記偏向器システムにおける各偏向器要素は最も近くにある偏向器要素から前記第1の方向とは異なる第2の方向に沿ってある距離だけ分離されている、偏向器システムと、
    を備えるターゲット材料レセプタクルと、
    を備えるEUV光源。
  15. 前記構造は、前記通路に結合された内部を含むベース部を更に備える、請求項14に記載のEUV光源。
  16. 前記偏向器システムの少なくとも一部は前記ベース部の前記内部に位置決めされ、前記ベース部の側面は前記第1の方向に対してベース角度に傾斜しており、前記ベース部の前記側面は前記第2の方向に延出している、請求項14に記載のEUV光源。
  17. 各偏向器要素は、前記第1の鋭角に配向された第1の部分と、前記第1の部分から延出している端部と、を含み、前記端部は前記ターゲット経路に対して実質的に平行に延出している先端を含む、請求項14に記載のEUV光源。
  18. 各偏向器要素の前記端部は表面を含む本体を更に含み、前記本体の表面は前記ターゲット方向に対して第2の鋭角を形成する、請求項17に記載のEUV光源。
  19. 前記第2の鋭角は前記第1の鋭角以下である、請求項18に記載のEUV光源。
  20. 極端紫外線(EUV)光源のための偏向器システムであって、
    複数の偏向器要素であって、各偏向器要素は第1の方向に沿って延出している第1の部分と前記第1の部分から延出している第2の部分とを含み、前記第2の部分は前記第1の部分から先端の方へ延出している1つ以上の表面を含む本体を含む、複数の偏向器要素を備え、
    前記偏向器システムは、前記第1の方向及びターゲット材料経路が第1の鋭角を形成し、前記第2の部分の前記本体の前記表面のうち少なくとも1つ及び前記ターゲット材料経路が第2の鋭角を形成するように、前記EUV光源の容器内に位置決めされるよう構成され、前記ターゲット材料経路は前記容器内でターゲットが進む経路であり、前記ターゲットはプラズマ状態でEUV光を放出するターゲット材料を含み、
    前記第2の鋭角はゼロ度よりも大きい、偏向器システム。
  21. 前記第1の鋭角はゼロ度である、請求項20に記載の偏向器システム。
  22. 前記第1の部分の側面は局所重力ベクトルと実質的に位置合わせされて、前記EUV光源の前記容器内に位置決めされた場合に各偏向器要素の前記第1の部分の前記側面が鉛直の配向を有するようになっている、請求項21に記載の偏向器システム。
  23. 前記第2の鋭角は前記第1の鋭角以下である、請求項20に記載の偏向器システム。
  24. 前記複数の偏向器要素は、任意の2つの偏向器要素間に開いたチャネルが形成されるように相互に分離されている、請求項20に記載の偏向器システム。
  25. 前記偏向器要素は相互に平行である、請求項24に記載の偏向器システム。
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