本出願は、2018年9月6日に出願された米国特許出願第16/123052号、および2017年9月19日に出願された米国仮出願第62/560377号の利益を主張する。上記出願の全開示が、参照により本明細書に組み込まれる。
例示的な実施形態が、添付の図面を参照してより詳細に説明される。
本開示は、オープンな通信チャネルと安全な通信接続の両方を使用する消費者グレードの無線プロトコルを使用して位置特定システムを実現するシステム、方法、およびアーキテクチャに関する。たとえば、オープンな通信チャネルは、携帯機器と、車両センサなどの1つ以上のセンサのような、2つの通信機器の間で、アドバタイジングパケットをブロードキャストして受信するために使用することができる。アドバタイジングパケットは、一般的に、ブロードキャストする通信機器の通信範囲内の任意の通信機器が、通信パケットのタイミング、暗号、復号などに関する特定の通信情報を必要とすることなく、アドバタイジングパケットを受信することができるように、オープンな通信チャネルでブロードキャストされる。安全な接続通信チャネルは、携帯機器と車両センサなどの1つ以上のセンサのような、2つの通信機器の間での安全な通信に使用することができる。通信機器は、通信機器に既知である通信パケットのタイミング、暗号、復号などに関する情報などの特定の通信情報を使用することにより、安全な通信接続を使用して通信することができる。この方法では、第三者が通信機器の間の安全な通信接続を介して送信されたパケットを盗聴または傍受するのがより困難になる。たとえば、安全な通信接続を利用する通信プロトコルは、安全な通信接続を介した通信中に、周波数ホッピングスペクトル拡散(FHSS)通信、直接スペクトル拡散(DSSS)通信、または直交周波数分割多重(OFDM)通信を使用することができる。たとえば、ブルートゥースローエナジー(BLE,ブルートゥースは登録商標)通信プロトコルは、安全な通信接続を介した通信中にFHSS通信を使用する。さらなる例として、Wi−FiおよびWi−Fiダイレクト通信プロトコルは、安全な通信接続を介した通信中にDSSSおよび/またはOFDM通信を使用する。追加的にまたは代替的に、通信機器は、安全な通信接続を介して送信される通信パケットの暗号化を使用することができる。
本教示によれば、オープンな接続通信チャネルと安全な接続通信チャネルの両方を使用する通信プロトコルが、PEPSシステムなどの位置特定システムのために使用されることができる。そのような場合、オープンな接続通信チャネルと安全な接続通信チャネルの両方を使用する通信プロトコルは、車両のセンサを含む車両と携帯機器との間の通信に使用されることができる。携帯機器は、たとえば、オープンな接続通信チャネルと安全な接続通信チャネルの両方を備えた通信プロトコルを使用してPEPSシステムと通信するように構成された、キーフォブ、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルコンピューティングデバイス(スマートウォッチ、ブレスレット、ネックレス、リングなど)、またはその他の適切なコンピューティングデバイスであり得る。また、無線プロトコルは、安全な通信チャネルを使用せずに、オープンなアドバタイジングチャネルを介して制限された暗号化されていない通信を可能とするだけでなく、FHSS、DSSS、および/またはOFDMなどのスペクトル拡散通信技術を使用した安全な通信チャネルを介した通信も可能とする。FHSS、DSSS、および/またはOFDMなどのスペクトル拡散技術を使用した2つの通信機器の間の通信は、セキュリティを高め、プライバシーを強め、電力使用量を減らし、2つの機器の間の通信の信頼性を高める。たとえば、安全な通信チャネルを介した通信では、2つの機器の間の次の通信パケットを受信するために、権限のない機器が、チャネル、タイミング、および/または復号情報を知ることを困難にする。この機能は、権限のない機器が、安全な通信チャネルを使用する、携帯機器と車両のPEPSシステムとの間の通信を見つけ出すことを困難にさせる。
図1および図2を参照すると、PEPSシステム1は、車両5内に設けられ、PEPS制御モジュール8と、まとめて10と言及される複数のセンサ10A〜10Fを含んでいる。PEPS制御モジュール8は、PEPS電子制御ユニット(ECU)として実現することができる。PEPS制御モジュール8は、車両インターフェース12を使用して複数のセンサ10と通信することができる。車両インターフェース12は、たとえば、コントローラエリアネットワーク(CAN:登録商標、以下同様)バスおよび/またはローカル相互接続ネットワーク(LIN)バスなどの低データレート通信バスを含むことができる。車両インターフェース12は、クロック拡張周辺機器インターフェース(CXPI)バスも含むことができる。追加的にまたは代替的に、車両インターフェース12は、CANバス、LIN、およびCXPIバス通信インターフェースの組み合わせを含むことができる。
PEPS制御モジュール8は、携帯機器20と車両5のセンサ10との間の無線通信信号30のある特徴を測定することにより、携帯機器20の位置を特定することができる。たとえば、PEPS制御モジュール8は、携帯機器20と様々なセンサ10との間の通信信号30の受信信号強度を測定することができる。そのような場合、PEPS制御モジュール8は、たとえば、携帯機器20と車両5のセンサ10との間で送受信される様々な通信信号30の受信信号強度インジケータ(RSSI)のパターンに基づいて、携帯機器20の位置を決定することができる。たとえば、相対的に強いRSSIは一般的に通信機器が近いことを示し、相対的に弱いRSSIは一般的に通信機器が遠く離れていることを示す。携帯機器20と各々のセンサ10との間で送信される通信信号30のRSSIを分析することにより、PEPS制御モジュール8および/または携帯機器20自体が、車両5に対する携帯機器20の位置を決定することができる。追加的にまたは代替的に、センサ10と携帯機器20との間で送受信される通信信号30の到来角または到来時間差の測定値も、携帯機器20の位置を決定するためにPEPS制御モジュール8によって使用されることができる。
たとえば、ブルートゥースおよび/またはブルートゥースローエナジー(BLE)などのFHSS通信を使用する消費者グレードの無線プロトコルは、通常、少なくとも15チャネルを使用するために2400から2483.5MHZの帯域内で動作し、連邦通信委員会規則47C.F.R. 15.247(a)(1)(iii)によって要求されるように、0.4秒を超えて特定の領域を占有してはならない。上記のように、ブルートゥースおよびBLEは、FHSSを使用する。Wi−FiおよびWi−Fiダイレクトは、DSSSおよび/またはOFDMを使用することができる。
携帯機器20は、アンテナ23に接続された、BLEチップセット、Wi−Fiチップセット、またはWi−Fiダイレクトチップセットなどの通信チップセット22を含むことができる。携帯機器20は、コンピュータ可読ストレージモジュールまたはデバイス24に保存されたアプリケーションソフトウェアも含むこともできる。携帯機器20はまた、オプションで、GPSモジュール26または他のデバイス位置特定サービスを含むことができる。携帯機器20は、センサ10へ通信信号30を送信し、センサ10からの通信信号30を受信する。
図3を参照すると、センサ10の各々は、アンテナ15に接続されたBLEチップセット、Wi−Fiチップセット、またはWi−Fiダイレクトチップセットなどの通信チップセット14を含んでいる。図3に示すように、アンテナ15は、センサ10の内部に配置されてもよい。あるいは、アンテナ15は、センサ10の外部に配置されてもよい。センサ10は、アンテナ15を使用して携帯機器20からの通信信号30を受信する。図3の例では、センサ10は、BLE通信用のBLEチップセットで構成される。図3の例では、センサ10は、BLE物理層(PHY)コントローラ16を使用してBLE物理層メッセージを受信する。センサ10は、BLE物理層メッセージを観測し、チャネルマップ再構成モジュール17によって生成されるチャネルマップを使用して、例えば受信信号強度(RSSI)を含む、関連信号の物理的特性の測定を行うことができる。追加的にまたは代替的に、センサ10は、たとえば到来角に関連するデータを含む、関連信号の物理的特性の他の測定値を決定することができる。追加的にまたは代替的に、様々なセンサ10は、様々なセンサ10によって受信された通信信号30の、到来時間差、到来時間、または到来角データを決定するために、相互に通信可能であり、および/または、車両インターフェース12を介してPEPS制御モジュール8と通信可能である。タイミング同期モジュール18は、車両インターフェース12でのメッセージの受信時間を正確に測定し、そのタイミング情報を通信チップセット14に渡すように構成される。通信チップセット14は、チャネルマップ情報およびタイミング信号を取得し、特定の時間にPHYコントローラ16を特定のチャネルに同調させ、使用される通信プロトコルの物理層仕様に準拠するすべての物理層メッセージおよびデータを観測するように構成される。データ、タイムスタンプ、および測定された信号強度は、通信チップセット14によって、車両インターフェース12を介して車両5のPEPS制御モジュール8に報告される。
センサ10に加えて、以下でさらに詳細に説明するように、PEPS制御モジュール8は、図3に示すセンサ10と同様に、携帯機器20との直接通信のためのアンテナ15に接続される、BLEチップセット、Wi−Fiチップセット、またはWi−Fiダイレクトチップセットなどの通信チップセット14を含む別個の通信モジュールを有してもよい。PEPS制御モジュール8の通信モジュールは、たとえば、BLE通信用に構成することができ、BLE物理層(PHY)コントローラ16を使用してBLE物理層メッセージを受信することができる。追加的にまたは代替的に、通信モジュールはWi−FiまたはWi−Fiダイレクト通信用に構成することができる。PEPS制御モジュール8の通信モジュールは、携帯機器20と直接的に通信することができ、たとえば、以下で詳細に説明するように、同期およびタイミング情報などの通信情報を携帯機器20に提供することができる。図3に示すセンサ10と同様に、PEPS制御モジュール8の通信モジュールは、車両インターフェース12でのメッセージの受信時間を正確に測定し、そのタイミング情報をBLEチップセットに渡すように構成されたタイミング同期モジュール18を含むことができる。通信チップセット14は、チャネルマップ情報およびタイミング信号を取得し、特定の時間にPHYコントローラ16を特定のチャネルに同調させ、使用される通信プロトコルの物理層仕様に準拠するすべての物理層メッセージおよびデータを観測するように構成される。
図4を参照すると、BLE、Wi−Fi、またはWi−Fiダイレクトなどのオープンな接続チャネルと安全な接続チャネルの両方を使用する通信プロトコルを使うPEPSシステム1の実施例のタイミング図が示されている。図4の実施例では、携帯機器20(PDとして示される)は、通信プロトコルの利用可能なオープンのアドバタイジングチャネルを介してセンサ10と通信する。このように、図4の実施例では、PEPSシステム1は、安全な接続チャネルでの通信を可能にする通信プロトコルを使用しながら、実際には、安全な接続チャネルでの通信を回避し、タイミング、同期、暗号化などの情報のような特定の通信情報を必要としないオープンなアドバタイジングチャネルでのみ通信する。
図4では、時間の経過は左から右に示され、アドバタイジングブロードキャスト信号は矢印(図の下部に40で示される)によって示され、走査/聴取ウィンドウは、立ち上がり間隔(図の下部に42で示される)によって示される。タイムラインは、説明の目的のため、1から12の示された期間で増加される。
図4の例では、携帯機器20は、時間間隔1から12のそれぞれを中心とする走査/聴取ウィンドウ42でブロードキャスト信号40を走査/聴取する一方で、センサ10の1つが、各時間間隔の間にアドバタイジングブロードキャスト信号を送信する。たとえば、それぞれの時間間隔で、携帯機器20は、時間間隔の直前に走査/聴取を開始し、時間間隔の直後まで走査/聴取を続ける。このようにして、走査/聴取ウィンドウ42は、それぞれの時間間隔を中心とする期間にわたって延びる。たとえば、センサ10Aは、時間間隔1および7でブロードキャスト信号40を送信する。センサ10Bは、時間間隔2および8でブロードキャスト信号40を送信する。センサ10Cは、時間間隔3および9でブロードキャスト信号40を送信する。センサ10Dは、時間間隔4および10でブロードキャスト信号40を送信する。センサ10Eは、時間間隔5および11でブロードキャスト信号40を送信する。センサ10Fは、時間間隔6および12でブロードキャスト信号40を送信する。
携帯機器20は、センサ10A〜10Eのそれぞれによって送信されたブロードキャスト信号40の1つ以上の特徴を測定することができる。例えば、携帯機器20は、RSSI、到来角、および/または到来時間差を測定することができる。次いで、携帯機器20は、測定データを、アドバタイジングブロードキャスト信号に含まれるデータおよび受信信号のタイムスタンプとともに、PEPSシステム1に通信することができる。たとえば、携帯機器20は、センサ10A〜10Fの1つを介して、またはPEPS制御モジュール8の専用中央通信モジュールを介して、データ、タイムスタンプ、および測定データをPEPS制御モジュール8に通信することができる。その後、PEPS制御モジュール8は、携帯機器20から通信された情報に基づいて携帯機器20の位置を決定することができる。あるいは、携帯機器20自体が、車両5に対するその位置を決定するために、データ、タイムスタンプ、およびRSSI、到来角、および/または到来時間差などの測定データを処理することができ、その位置を、センサ10の1つを介して、またはPEPS制御モジュール8の通信モジュールを介して、PEPSシステム1のPEPS制御モジュール8に通信することができる。
携帯機器20の決定された位置に基づいて、PEPSシステム1は、携帯機器20の位置に基づき、車両5のドアのロック解除、車両5のトランクのロック解除、車両5の始動、および/または車両5の始動許可などの車両機能を許可または実行することができる。
図4の実施例では、センサ10のブロードキャスト送信が、携帯機器20の走査/聴取ウィンドウ42と並び、そして一致するように、携帯機器20とセンサ10を最適に同期させることができる。同期を実行するために、センサ10からのブロードキャスト送信(またはブロードキャスト信号40)の1つは、タイミング間隔、次の送信時間などのブロードキャスト送信のタイミングに関する同期情報を含むことができる。そのような場合、携帯機器20は、最初の期間に初期走査/聴取ウィンドウ42を開始することができ、ブロードキャスト送信を受信しない場合、次の走査/聴取ウィンドウ42のタイミングを所定のもしくは計算されたオフセットだけ調整することができる。携帯機器20は、走査/聴取を継続し、ブロードキャスト送信を受信するまで、次の走査/聴取ウィンドウ42を所定のまたは計算されたオフセットだけ調整することができる。携帯機器20が、センサ10A〜10Fの1つから最初のブロードキャスト送信を受信すると、その後、携帯機器20は、センサ10からのブロードキャスト送信のタイミングに一致させるために、走査/聴取ウィンドウ42のタイミングを調整することができる。あるいは、PEPS制御モジュール8の中央通信モジュールを使用して携帯機器20と通信することができ、中央通信モジュールは、タイミング間隔および次の送信時間などのタイミングおよびパケット送信情報を携帯機器20に提供することができる。たとえば、PEPS制御モジュール8の通信モジュールは、タイミング間隔、および次の送信時間情報を携帯機器20に提供することができる。一旦受信されると、携帯機器20は、センサ10A〜10Fの1つから次のブロードキャスト送信を受信するために適切な時間に次の走査/聴取ウィンドウ42を開始することができる。
このように、図4の例では、携帯機器20が、図4の時間間隔1から12のそれぞれに示される、適切な走査/聴取ウィンドウ42の間に、センサ10から送信されるブロードキャスト信号40を走査/聴取することだけが必要である。したがって、携帯機器20は、ブロードキャスト信号40を常時走査/聴取することは必要とされない。このようにして、携帯機器20は、走査/聴取ウィンドウ42の間の期間中に電力を節約することができる。このように、図4の実施例における携帯機器20は、車両のセンサから送信されるアドバタイジングブロードキャスト信号を常時、走査/聴取することが必要とされる比較可能な携帯機器よりも電力効率が高い。斯くして、図4の実施例は、適切な時間間隔中にのみアドバタイジングブロードキャスト信号を走査/聴取することによって、携帯機器20の電力を節約する技術的利点を提供する。
図5を参照すると、オープンな接続チャネルと安全な接続チャネルの両方を備えた通信プロトコルを使用する、PEPSシステム1の別の実施例のタイミング図が示されている。図5の実施例は、携帯機器20(PDとして示される)が利用可能なオープンなアドバタイジングチャネルを介してのみセンサ10と通信するという点で図4の実施例に類似している。このように、図5の実施例では、安全な接続通信を可能にする通信プロトコルを使用しながら、PEPSシステム1は実際には安全な通信接続での通信を避け、周波数ホッピングを必要としないオープンなアドバタイジングチャネルでのみ通信する。しかしながら、図5の例では、センサ10がアドバタイジングブロードキャスト信号を送信する代わりに、携帯機器20が定期的にアドバタイジングブロードキャスト信号を送信し、その一方で、センサ10は携帯機器20から送信されたブロードキャスト信号40を走査/聴取する。
図4と同様に、図5では時間の経過が左から右に示され、アドバタイジングブロードキャスト信号が矢印(図の下部に40で示さる)によって示され、走査/聴取グウィンドウが立ち上がり間隔(図の下部に42で示される)によって示される。
図5の例では、携帯機器20は各時間間隔でブロードキャスト信号40を送信し、一方、センサ10の各々は、各間隔でブロードキャスト信号40を走査/聴取する。図5の例では、センサ10は、時間間隔1〜6のそれぞれを中心とする走査/聴取ウィンドウ42でブロードキャスト信号40を走査/聴取する一方、携帯機器20は、各時間間隔中にブロードキャスト信号40を送信する。たとえば、各々の時間間隔で、センサ10は、時間間隔の直前に走査/聴取を開始し、時間間隔の直後まで走査/聴取を継続する。このようにして、走査/聴取ウィンドウ42は、各々の時間間隔を中心とする期間にわたって延びる。
図5の例では、センサ10はそれぞれ、携帯機器20によって送信されたブロードキャスト信号40の1つ以上の特徴を測定することができる。たとえば、センサ10は、RSSI、到来角、および/または到来時間差を測定することができる。次いで、センサ10は、ブロードキャスト信号40に含まれるデータおよび受信信号のタイムスタンプとともに、測定されたデータをPEPSシステム1に通信することができる。たとえば、センサ10は、データ、タイムスタンプ、および測定データを、車両インターフェース12を介してPEPS制御モジュール8に通信することができる。その後、PEPS制御モジュール8は、センサ10から通信された情報に基づいて携帯機器20の位置を決定することができる。
携帯機器20の決定された位置に基づいて、PEPSシステム1は、携帯機器20の位置に基づき、車両5のドアのロック解除、車両5のトランクのロック解除、車両5の始動、および/または車両5の始動許可などの車両機能を許可または実行することができる。
図5の実施例では、図4の実施例と同様に、携帯機器20のブロードキャスト送信が、センサ10の走査/聴取ウィンドウ42と並ぶか、または一致するように、携帯機器20とセンサ10を最適に同期させることができる。たとえば、携帯機器20からのブロードキャスト送信(またはブロードキャスト信号40)の1つは、タイミング間隔、次の送信時間などのブロードキャスト送信のタイミングに関する同期情報を含むことができる。そのような場合、1つ以上のセンサ10は、最初の期間に初期走査/聴取ウィンドウ42を開始することができ、ブロードキャスト送信を受信しない場合、次の走査/聴取ウィンドウ42のタイミングを所定のもしくは計算されたオフセットだけ調整することができる。1つ以上のセンサ10は、走査/聴取を継続し、ブロードキャスト送信を受信するまで、次の走査/聴取ウィンドウ42を所定のまたは計算されたオフセットだけ調整することができる。携帯機器20から最初のブロードキャスト送信を受信すると、センサ10は、携帯機器20からのブロードキャスト送信のタイミングに合わせるため、相互に通信して、走査/聴取ウィンドウ42のタイミングを調整することができる。あるいは、センサ10の走査/聴取ウィンドウ42が携帯機器20のブロードキャスト送信(または、ブロードキャスト信号40)と並ぶか、または一致するように、タイミングとパケット送信情報を通信して同期するために、車両5のPEPS制御モジュール8の通信モジュールを使用することができる。たとえば、PEPS制御モジュール8の通信モジュールは、タイミング間隔、および次の送信時間情報を携帯機器20から受信することができる。一旦受信されると、PEPS制御モジュール8はセンサ10にタイミング間隔および次の送信時間情報を通信することができ、すると、センサ10は、携帯機器20からの次のブロードキャスト送信を受信するための適切な時間に、次の走査聴取ウィンドウ42を開始することができる。
このように、図5の例では、センサ10が、図4の時間間隔1から6のそれぞれに示される、適切な走査/聴取ウィンドウ42の間に、携帯機器20から送信されるブロードキャスト信号40を走査/聴取することだけが必要である。したがって、センサ10は、ブロードキャスト信号40を常時走査/聴取することは必要とされない。このようにして、車両5は、走査/聴取ウィンドウ42の間の期間中に電力を節約することができる。このように、図4の実施例におけるセンサ10および車両5は、携帯機器から送信されるブロードキャスト信号を常時、走査/聴取することが必要とされる比較可能なシステムよりも電力効率が高い。斯くして、図5の実施例は、適切な時間間隔中にのみブロードキャスト信号40を走査/聴取することによって、センサ10および/または車両5の電力を節約する技術的利点を提供する。
図6および7を参照すると、別の実施例が示されている。図6および図7の実施例では、オープンなアドバタイジングチャネルを介して通信することに代えて、携帯機器20は、BLE、Wi−Fi、またはWi−Fiダイレクトなどの通信プロトコルの安全な接続チャネルを使用して、センサ10の各々と個別の安全な通信接続を確立する。この実施例では、図6に示すように、携帯機器20は中央機器またはマスタとしての役割を果たし、周辺機器またはスレーブとしての役割を有する個々の各センサ10と個別の安全な通信接続を確立する。このようにして、中央機器またはマスタとしての役割を果たす携帯機器20と、周辺機器またはスレーブとしての役割を果たす各々のセンサ10とで、プライベートエリアネットワーク(PAN)のスター型トポロジが確立される。この実施例では、携帯機器20と各々のセンサ10との間の通信リンクは、ブルートゥース、Wi−Fi、および/またはWi−FiダイレクトなどのFHSS、DSSS、および/またはOFDMを使用する通信プロトコルを利用することができ、および/または、暗号化された通信パケットを利用することができる。その結果、携帯機器20と各々のセンサ10との間の通信は、非公開で、安全で、そして、第三者または無許可の機器による傍受または追跡が困難である。
図7を参照すると、BLE、Wi−Fi、Wi−Fiダイレクトなどのオープンな接続チャネルと安全な接続チャネルの両方を備えた通信プロトコルを使用する、図6の実施例のタイミング図が示されている。上述のように、図4および5の実施例とは異なり、図6および7の実施例では、携帯機器20が、各々のセンサ10との個別の安全な通信リンクを確立する。そのようなものとして、携帯機器20は、各々のセンサのための個別の通信ウィンドウ、つまり、時間の経過が図の左から右に進む図7において、ラベルが付された「10A通信」、「10B通信」、「10C通信」、「10D通信」、「10E通信」、および「10F通信」を確立する。通信ウィンドウ「10A通信」〜「10F通信」の各々において、携帯機器20は、安全な通信接続を使用して、それぞれの各センサ10と通信する。たとえば、携帯機器20は、安全な通信接続43Aを使用してセンサ10Aと通信し、安全な通信接続43Bを使用してセンサ10Bと通信し、安全な通信接続43Cを使用してセンサ10Cと通信し、安全な通信接続43Dを使用してセンサ10Dと通信し、安全な通信接続43Eを使用してセンサ10Eと通信し、および安全な通信接続43Fを使用してセンサ10Fと通信する。安全な通信接続43A〜43Fは、安全な通信接続43と総称される。各々の安全な通信接続43の間、携帯機器20およびそれぞれのセンサ10は、マスタ機器、この場合、初期通信パケットを送信する携帯機器20と、スレーブ機器、この場合、レスポンス通信パケットを送信するセンサ10とで通信することができる。図7の各々の安全な通信接続43には、携帯機器20からの1つの初期通信とセンサ10からの1つのレスポンス通信が示されているが、各々の安全な接続イベント(つまり、各々の安全な通信接続43)の間に、携帯機器20とセンサ10との間で、通信パケットが複数回、送信され、返信され得る。つまり、使用される特定の通信プロトコルの仕様に従って、単一の接続イベントおよび通信ウィンドウの間に、携帯機器20とセンサ10との間で複数の通信メッセージが送受信されることで、安全な接続イベントには、マスタ機器からスレーブ機器へ送信される初期通信パケットと、ステーブ機器からマスタ機器へのレスポンス通信パケットの複数回の反復がありえる。同じことは、図8から図11に示される安全な通信接続(例えば、43A−1、43A−2、43A−3、および43A−4)にも当てはまり、これについては以下でさらに詳細に説明する。
さらに、使用される特定の通信プロトコルの仕様に従って、携帯機器20は、各センサが次の通信に使用するタイミングおよび特定のチャネルが分かるように、個々の各センサ10との通信を調整し、同期させる。たとえば、FHSS通信プロトコルが使用されている場合、携帯機器20は、両方の機器が、次の通信に使用されるチャネルまたは周波数と、その通信が発生するタイミングが分かるように、各センサ10との通信を調整する。携帯機器20は、各々のセンサ10との個別の安全な通信リンクを確立するので、個別の安全な通信リンクのタイミングと周波数ホッピングを調整し、適切なタイミングと同期情報を個々の各センサ10に通信しなければならない。
携帯機器20は、各通信ウィンドウ中に各々のセンサ10A〜10Eによって送信された信号の1つ以上の特徴を測定することができる。たとえば、携帯機器20は、RSSI、到来角、および/または到来時間差を測定することができる。次いで、携帯機器20は、測定されたデータを、ブロードキャスト信号40に含まれるデータおよび受信信号のタイムスタンプとともにPEPSシステム1に通信することができる。たとえば、携帯機器20は、センサ10A〜10Fの1つを介して、またはPEPS制御モジュール8の専用中央通信モジュールを介して、データ、タイムスタンプ、および測定データをPEPS制御モジュール8に通信することができる。その後、PEPS制御モジュール8は、携帯機器20から通信された情報に基づいて、携帯機器20の位置を決定することができる。あるいは、携帯機器20自体が、車両5に対するその位置を決定するために、データ、タイムスタンプ、およびRSSI、到来角、および/または到来時間差などの測定データを処理することができ、その位置を、センサ10の1つを介して、またはPEPS制御モジュール8の通信モジュールを介して、PEPSシステム1のPEPS制御モジュール8に通信することができる。追加的にまたは代替的に、センサ10が、携帯機器20とセンサ10との間で送受信される通信信号30のRSSI、到来角、および/または到来時間差を測定し、その測定データを、車両インターフェース12を介してPEPS制御モジュール8に通信することができる。その後、PEPS制御モジュール8は、センサ10から通信された情報に基づいて携帯機器20の位置を決定することができる。
携帯機器20の決定された位置に基づいて、PEPSシステム1は、携帯機器20の位置に基づき、車両5のドアのロック解除、車両5のトランクのロック解除、車両5の始動、および/または車両5の始動許可などの車両機能を許可または実行することができる。
図8から11を参照すると、BLE、Wi−Fi、Wi−Fiダイレクトなどのオープンな接続チャネルと安全な接続チャネルの両方を備えた通信プロトコルを使用するPEPSシステム1の追加の実施例のタイミング図が示されている。図4および5の実施例は、利用可能なオープンなアドバタイジングチャネルを介した通信のみを利用し、図6および7の実施例は、安全な通信接続を介しての通信のみを利用したが、図8から11の実施例は、利用可能なオープンなアドバタイジングチャネルと安全な通信の両方を使用した通信を実行する混合モードの実施例を提供する。たとえば、図8から図11の実施例の各々において、携帯機器20とセンサ10の1つとの間で安全な通信接続が確立される。上述したように、オープンなアドバタイジングチャネルを介した通信とは異なり、安全な通信接続を介した通信は、ブルートゥース、Wi−Fi、および/または、Wi−Fiダイレクトを使用する安全な通信接続におけるように、FHSS、DSSS、および/またはOFDMを使用して実行される。追加的にまたは代替的に、安全な通信接続を介した通信は、暗号化された通信パケットを利用することができる。したがって、図8〜11の実施例は、携帯機器20と残りのセンサ10との間でのオープンなアドバタイジングチャネルを介した通信を依然として可能にしつつ、安全な通信接続を介して送信される通信パケットを使用して携帯機器20と安全に通信することができるPEPSシステム1を提供する。
図8を参照すると、BLE、Wi−Fi、Wi−Fiダイレクトなどのオープンな接続チャネルと安全な接続チャネルの両方を備えた通信プロトコルを使用し、オープンなアドバタイジングチャネルと安全な通信接続43A−1および43A−2の両方を介して送信される通信パケットを含む、PEPSシステム1の実施例のタイミング図が示されている。安全な通信接続43A−1および43A−2は、安全な通信接続43と総称される。図8の実施例では、携帯機器20(PDとして示される)は、センサ10の1つと安全な通信接続43を確立する。具体的には、図8の例では、携帯機器20は、センサ10Aと安全な通信接続43を確立する。センサ10Aが一例として使用されるが、携帯機器20は、代わりに、センサ10B〜10Fのいずれかと安全な通信接続を確立することができる。追加的にまたは代替的に、車両5は、携帯機器20と安全な通信接続を介した通信を実行する専用の追加の通信ノードを含むことができる。たとえば、携帯機器20は、PEPS制御モジュール8の中央通信モジュールと安全な通信接続を確立することができる。
図8の実施例では、安全な通信接続43A−1、43A−2にて、センサ10Aはマスタとしての役割を果たし、携帯機器20はスレーブとしての役割を果たす。さらに、上記のタイミング図と同様に、時間の経過は左から右に進むように示される。図8に示すように、実施例は、携帯機器20とマスタノードセンサ10Aとの安全な通信接続43A−1を介した通信のための第1の期間80を含む。第1の期間80の間、図8のブロックで示される安全な通信接続43A−1によって表示されるように、携帯機器20とマスタノードセンサ10Aとの間で通信が実行される。上述したように、安全な通信接続43A−1には単一の送信とレスポンスのペアが示されているが、安全な通信接続イベント中に携帯機器20とマスタノードセンサ10Aの間で複数の送信とレスポンスのペアが発生する可能性がある。
第1の期間80の後には、第2の期間82が続き、その間、通信は、オープンなアドバタイジングチャネルを介して、携帯機器20と1つ以上の他のセンサ10B〜10Fとの間で実行される。上記のように、オープンなアドバタイジングチャネルを介した通信は暗号化されておらず、周波数ホッピングを使用しない。図8に示すように、第2の期間82の間に、携帯機器20は、第2の期間82の間にブロードキャスト信号40を送信する。説明のために図8の例では、単一のブロードキャスト信号40が示されているが、携帯機器20は、第2の期間82の長さ、オープンなアドバタイジングチャネルを介して通信するセンサ10の数、などに応じて、任意の数のブロードキャスト信号40を送信することができる。図8にさらに示すように、センサ10B〜10Fはそれぞれ、指定された走査/聴取ウィンドウ42の間に、送信されたブロードキャスト信号40の走査/聴取を実行する。繰り返しになるが、図8では、各センサ10に対して単一の走査/聴取ウィンドウ42が示されているが、第2の期間82の長さ、オープンなアドバタイジングチャネルを介して通信するセンサ10の数、などに応じて、任意の数の走査/聴取ウィンドウ42を使用することができる。
携帯機器20とセンサ10B〜10Fとの間の通信のタイミングは、たとえば、期間80の間の安全な通信接続43A−1を介した携帯機器20との通信に基づいて、PEPS制御モジュール8によって同期および調整され得る。たとえば、センサ10Aは、安全な通信接続43A−1を介して携帯機器20と通信し、車両インターフェース12を介してPEPS制御モジュール8と通信することができる。携帯機器20およびPEPS制御モジュール8が、一旦、オープンなアドバタイジングチャネルを介した通信のタイミングを確立すると、PEPS制御モジュール8は、そのタイミングを、センサ10B〜10Fがそれぞれの走査/聴取ウィンドウ42を適宜に同期することができるように、センサ10B〜10Fに通知することができる。たとえば、携帯機器20は、例えば10msなどの所定の間隔でブロードキャスト信号40を送信することができる。携帯機器20は、安全な通信接続43A−1を介したセンサ10Aとの通信を通じて、最初の(または次の)ブロードキャスト信号40のタイミングをPEPS制御モジュール8に通知することができる。次いで、PEPS制御モジュール8は、センサ10B〜10Fに最初の(または次の)ブロードキャスト信号40の時間を通知することができ、たとえば10msなどのブロードキャスト信号40間のタイミング間隔をセンサに通知することができる。次いで、センサ10B〜10Fは、次のブロードキャスト信号40の予想時間を挟むように、それらの走査/聴取ウィンドウ42を同期させることができる。たとえば、次のブロードキャスト信号40が10ミリ秒の時間にスケジュールされている場合、ブロードキャスト信号40が送信されたときに走査/聴取ウィンドウ42が有効となるようにするため、走査/聴取ウィンドウ42は8ミリ秒で開始し、12ミリ秒まで継続することができる。
第2の期間82の後には、第3の期間84が続き、その間、携帯機器20およびセンサ10Aは、安全な通信接続43A−2を介した通信に戻る。
図8の例では、センサ10はそれぞれ、携帯機器20によって送信される信号の1つ以上の特徴を測定することができる。たとえば、センサ10Aは、図8のブロックに示す安全な通信接続43での安全な接続通信中に送信される信号の特徴を測定することができ、センサ10B〜10Fは、オープンな通信チャネルを介して携帯機器20によって送信されるブロードキャスト信号40の特徴を測定することができる。たとえば、センサ10は、RSSI、到来角、および/または到来時間差を測定することができる。次いで、センサ10は、測定データを、受信信号に含まれるデータおよび受信信号のタイムスタンプとともに、PEPSシステム1に通信することができる。たとえば、センサ10は、車両インターフェース12を介して、データ、タイムスタンプ、および測定データをPEPS制御モジュール8に通信することができる。その後、PEPS制御モジュール8は、センサ10から通信された情報に基づいて携帯機器20の位置を決定することができる。
そして、携帯機器20の決定された位置に基づいて、PEPSシステム1は、携帯機器20の位置に基づき、車両5のドアのロック解除、車両5のトランクのロック解除、車両5の始動、および/または車両5の始動許可などの車両機能を許可または実行することができる。
図9を参照すると、BLE、Wi−Fi、Wi−Fiダイレクトなどのオープンな接続チャネルと安全な接続チャネルの両方を備えた通信プロトコルを使用し、オープンなアドバタイジングチャネルと安全な通信接続43A−1の両方を介して送信される通信パケットを含む、PEPSシステム1の別の実施例のタイミング図が示されている。安全な通信接続43A−1は、安全な通信接続43と総称される。図9の実施例では、センサ10B〜10Fが、それぞれ、第2の期間82の間にオープンなアドバタイジングチャネルを介してブロードキャスト信号40B〜40Fを送信し、携帯機器20は第2の期間82の走査/聴取ウィンドウ42の間、ブロードキャスト信号40B〜40Fを走査/聴取することを除いて、図9の実施例は、図8の実施例に類似している。図8の実施例と同様に、図9の実施例では、携帯機器20(PDとして示される)は、センサ10の1つと安全な通信接続43を確立する。具体的には、図9の例では、携帯機器20は、センサ10Aと安全な通信接続43を確立する。センサ10Aが一例として使用されているが、携帯機器20は、代わりに、センサ10B〜10Fのいずれかと安全な通信接続を確立することができる。追加的にまたは代替的に、車両5は、携帯機器20と安全な通信接続を介した通信を実行する専用の追加の通信ノードを含むことができる。たとえば、携帯機器20は、PEPS制御モジュール8の中央通信モジュールと安全な通信接続を確立することができる。
図9の実施例では、安全な通信接続43A−1にて、センサ10Aはマスタとしての役割を果たし、携帯機器20はスレーブとしての役割を果たす。さらに、上記のタイミング図と同様に、時間の経過は左から右に進むように示される。図9に示すように、実施例は、携帯機器20とマスタノードセンサ10Aとの安全な通信接続43A−1を介した通信のための第1の期間80を含む。第1の期間80の間、図9のブロックで示される安全な通信接続43A−1を通信によって表示されるように、携帯機器20とマスタノードセンサ10Aとの間で安全な接続通信が実行される。上述したように、安全な通信接続43A−1には単一の送信とレスポンスのペアが示されているが、安全な通信接続イベント中に携帯機器20とマスタノードセンサ10Aの間で複数の送信とレスポンスのペアが発生する可能性がある。
第1の期間80の後には、第2の期間82が続き、その間、通信は、オープンなアドバタイジングチャネルを介して、携帯機器20と1つ以上の他のセンサ10B〜10Fとの間で実行される。上述したように、オープンなアドバタイジングチャネルを介した通信は暗号化されておらず、FHSS、DSSS、および/またはOFDMを使用しない。図9に示すように、第2の期間82の間に、センサ40B〜40Fは、それぞれ、第2の期間82の間にブロードキャスト信号40B〜40Fを送信する。ブロードキャスト信号40B〜40Fは、ブロードキャスト信号40と総称される。説明のために図9の例では、5つのブロードキャスト信号40B〜40Fが示されているが、センサ10B〜10Fは、第2の期間82の長さ、オープンなアドバタイジングチャネルを介して通信するセンサ10の総数、などに応じて、任意の数のブロードキャスト信号40を送信することができる。図9にさらに示すように、携帯機器20は、指定された走査/聴取ウィンドウ42の間に、送信されたブロードキャスト信号40B〜40Fの走査/聴取を実行する。繰り返しになるが、図9には5つの走査/聴取ウィンドウ42が示されているが、第2の期間82の長さ、オープンなアドバタイジングチャネルを介して通信するセンサ10の数、などに応じて、任意の数の走査/聴取ウィンドウ42を使用することができる。
第2の期間82における携帯機器20とセンサ10B〜10Fとの間の通信のタイミングは、たとえば、第1の期間80の間の安全な通信接続43A−1を介した携帯機器20との通信に基づいて、PEPS制御モジュールによって同期および調整されることができる。たとえば、センサ10Aは、安全な通信接続43A−1を介して携帯機器20と通信し、車両インターフェース12を介してPEPS制御モジュール8と通信することができる。一旦、携帯機器20とPEPS制御モジュール8がオープンなアドバタイジングチャネルを介する通信のタイミングを確立すると、PEPS制御モジュール8は、そのタイミングを、センサ10B〜10Fがブロードキャスト信号40B〜40Fを携帯機器20のそれぞれの走査/聴取ウィンドウ42と同期させることができるように、センサ10B〜10Fに通知する。たとえば、センサ10B〜10Fは、たとえば10msなどの所定の間隔でブロードキャスト信号40B〜40Fを送信することができる。センサ10B〜10Fは、車両インターフェース12との通信を介して、最初の(または次の)ブロードキャスト信号40のタイミングをPEPS制御モジュール8に通知することができる。次いで、PEPS制御モジュール8は、第1の期間80の間に安全な通信接続43A−1を介して携帯機器20に通信するために、タイミング情報をセンサ10Aに通信することができる。このようにして、PEPS制御モジュール8は、最初の(または次の)ブロードキャスト信号40の時間を携帯機器20に通知することができ、例えば10msなどのブロードキャスト信号40間のタイミング間隔を携帯機器20に通知することができる。次いで、携帯機器20は、次のブロードキャスト信号40の予想時間を挟むように、その走査/聴取ウィンドウ42を同期させることができる。たとえば、次のブロードキャスト信号40Bが10ミリ秒の時間にスケジュールされている場合、ブロードキャスト信号40Bが送信されるときに走査/聴取ウィンドウ42が有効となるようにするため、対応する走査/聴取ウィンドウ42は8ミリ秒で開始し、12ミリ秒まで継続することができる。
第2の期間82の後に第3の期間84が続き、その間、図9のブロックで示されるように、携帯機器20とセンサ10Aは安全な通信接続43A−1を介した通信に戻る。
図9の例において、携帯機器20は、センサ10によって送信されたブロードキャスト信号40の1つ以上の特徴を測定することができる。例えば、携帯機器20は、図9のブロックに示された安全な通信接続43A−1を介した安全な接続通信の間に、センサ10Aによって送信されたブロードキャスト信号40の特徴を測定することができる。加えて、携帯機器20は、オープンな通信チャネルを介してセンサ10B〜10Fによって送信されたブロードキャスト信号40B〜40Fの特徴を測定することができる。たとえば、携帯機器20は、RSSI、到来角、および/または到来時間差を測定することができる。次いで、携帯機器20は、測定されたデータを、受信されたブロードキャスト信号40に含まれるデータおよび受信信号のタイムスタンプとともにPEPSシステム1に通信することができる。たとえば、携帯機器20は、1つ以上のセンサ10A〜10Fとの通信を通じて、データ、タイムスタンプ、および測定データをPEPS制御モジュール8に通信することができる。センサ10は、たとえば、車両インターフェース12での通信を介してPEPS制御モジュール8に情報を通信することができる。次いで、PEPS制御モジュール8は、センサ10から通信された情報に基づいて携帯機器20の位置を決定することができる。
そして、携帯機器20の決定された位置に基づいて、PEPSシステム1は、携帯機器20の位置に基づき、車両5のドアのロック解除、車両5のトランクのロック解除、車両5の始動、および/または車両5の始動許可などの車両機能を許可または実行することができる。
図10を参照すると、BLE、Wi−Fi、Wi−Fiダイレクトなどのオープンな接続チャネルと安全な接続チャネルの両方を備えた通信プロトコルを使用し、オープンなアドバタイジングチャネルと安全な通信接続43A−3および43A−4の両方を介して送信される通信パケットを含む、PEPSシステム1の別の実施例のタイミング図が示されている。安全な通信接続43A−3および43A−4は、安全な通信接続43と総称される。図10の実施例では、図10のブロックによって示される安全な通信接続43A−3および43A−4での安全な接続通信の間、携帯機器20がマスタとしての役割を果たし、センサ10Aがスレーブとしての役割を果たすことを除いて、図10の実施例は、図8の実施例に類似している。他のすべての点において、図10の実施例は、図8の実施例と同様に動作し、その説明は、ここでは繰り返さない。
図11を参照すると、BLE、Wi−Fi、Wi−Fiダイレクトなどのオープンな接続チャネルと安全な接続チャネルの両方を備えた通信プロトコルを使用し、オープンなアドバタイジングチャネルと安全な通信接続43A−3および43A−4の両方を介して送信される通信パケットを含む、PEPSシステム1の別の実施例のタイミング図が示されている。安全な通信接続43A−3および43A−4は、安全な通信接続43と総称される。図11の実施例では、図11のブロックによって示される安全な通信接続43での安全な接続通信の間、携帯機器20がマスタとしての役割を果たし、センサ10Aがスレーブとしての役割を果たすことを除いて、図11の実施例は、図9の実施例に類似している。他のすべての点において、図11の実施例は、図9の実施例と同様に動作し、その説明は、ここでは繰り返さない。
上述した実施形態の説明は、例示および説明の目的のために提供されている。それは、網羅的であることも、開示を限定することも意図するものではない。特定の実施形態の個々の要素や特徴は、一般に、その特定の実施形態に限定されることなく、具体的に図示または説明されなくとも、適用可能である場合、交換可能であり、選択された実施形態で使用することが可能である。同上のものはまた、多くのやり方で変更されてもよい。そのような変更は、本開示からの逸脱として見なすべきではなく、全てのこのような修正は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
例示の実施形態は、本開示が完全なものとされ、また、その範囲を当業者に十分に伝えるように提供されている。具体的構成部品、装置、および方法の例などの、多数の具体的な詳細は、本開示の実施形態の完全な理解を提供するために説明される。具体的な詳細が使用される必要はなく、例示の実施形態は多くの異なる形で具現化されてもよく、いずれも本開示の範囲を限定すると解釈されるべきではないことが、当業者には明らかであろう。いくつかの例示の実施形態において、公知のプロセス、公知の装置構造、および公知の技術は、詳細には説明されない。
以下の定義を含む本出願において、「モジュール」および「システム」との用語は、コードを実行するプロセッサハードウェア(共有、専用、またはグループ)と、プロセッサハードウェアによって実行されるコードを格納するメモリハードウェア(共有、専用、またはグループ)を含み得る回路または回路構成の一部として、もしくは含むものとして言及されうる。コードは、本明細書に記載のモジュールおよびシステムの機能を提供するように構成される。さらに、本出願において、「モジュール」および「システム」との用語は、「回路」との用語に置き換えられてもよい。「メモリハードウェア」との用語は、コンピュータ可読媒体という用語のサブセットであってもよい。コンピュータ可読媒体との用語は、媒体を通って伝播する一時的な電気的および電磁的信号を包含せず、従って、実体的かつ非一時的と考えられ得る。非一時的、実体的なコンピュータ可読媒体の非限定的な例は、不揮発性メモリ、揮発性メモリ、磁気記憶装置、および光記憶装置を含む。
この出願に記載された装置および方法は、コンピュータプログラムに組み込まれた1以上の特定の機能を実行するように汎用コンピュータを構成することによって作成された専用コンピュータによって部分的または完全に実現されてもよい。上述の機能ブロック、フローチャートコンポーネント、および他の要素は、ソフトウェア仕様として役立ち、熟練技術者またはプログラマーのルーチン作業によってコンピュータプログラムに翻訳することができる。
コンピュータプログラムは、少なくとも1つの非一時的、実体的なコンピュータ可読媒体に格納されたプロセッサ実行可能命令を含む。コンピュータプログラムはまた、格納されたデータを含むかまたはそれに依存する。コンピュータプログラムは、専用コンピュータのハードウェアと相互作用する基本入出力システム(BIOS)、専用コンピュータの特定のデバイスと相互作用するデバイスドライバ、1つ以上のオペレーティングシステム、ユーザアプリケーション、バックグラウンドサービス、バックグラウンドアプリケーションなどを包含する。
コンピュータプログラムは、(i)JavaScript Object Notation(JSON)、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)または拡張マークアップ言語(XML)、などの解析される記述テキスト、(ii)アセンブリコード、(iii)コンパイラによってソースコードから生成されるオブジェクトコード、(iv)インタープリタによる実行のためのソースコード、(v)ジャストインタイムコンパイラによるコンパイルおよび実行のためのソースコードなどを含む。単なる例として、ソースコードは、C、C ++、C#、Objective C、Haskell、Go、SQL、R、Lisp、Java(登録商標)、Fortran、Perl、Pascal、Curl、OCaml、Javascript(登録商標)、HTML5、Ada、ASP(active server pages)、PHP、Scala、Eiffel、Smalltalk、Erlang、Ruby、Flash(登録商標)、Visual Basic(登録商標)、Lua、およびPython(登録商標)を含む言語の構文を使用して記述することができる。
特許請求の範囲に列挙された要素のいずれも、要素が、明示的に“〜するための手段”とのフレーズを使用して、または方法クレームの場合に、“〜する操作”、または“〜するステップ”とのフレーズを使用して記述されていない限り、米国特許法第112条(f)の意味の範囲内のミーンズプラスファンクション要素であることを意図していない。
本明細書で使用される用語は、単に特定の例示の実施形態を説明する目的のためのものであって、限定することを意図するものではない。本明細書で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈上明らかに単数形であることが示されない限り、複数形も同様に含むことを意図する場合がある。用語「備える(comprises)」、「備えて(comprising)」、「含んで(including)」および「有して(having)」は、包括的であり、それ故、記載される特徴、整数、工程、動作、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在あるいは追加を排除しない。本明細書に記載される方法の工程、プロセス、および動作は、実行の順序として具体的に特定されない限り、記載または説明される特定の順序でのそれらの実行を必然的に要求するものとして解釈されるべきではない。追加的または代替的な工程が採用されてもよいことも理解されたい。
ある要素または層が、別の要素または層「の上に(on)」あるか、別の要素または層「に係合(engaged to)」するか、別の要素または層「に接続(connected to)」するか、もしくは別の要素または層「に結合(coupled to)」するとして言及される場合、それは、他の要素または層の直接上にあるか、係合するか、接続するか、もしくは結合する場合があり、あるいは介在する要素または層が存在する場合がある。対照的に、要素が、別の要素または層「の直接上に(directly on)」あるか、「に直接係合(directly engaged to)」するか、「に直接接続(directly connected to)」するか、もしくは「に直接結合(directly coupled to)」するとして言及される場合、介在する要素または層は存在しない場合がある。要素間の関係を説明するために使用される他の言葉は、同様の方式で解釈されるべきである(例えば、「〜間で(between)」に対する「直接〜間で(directly between)」、「隣接して(adjacent)」に対する「直接隣接して(directly adjacent)」など)。本明細書で使用されたように、用語「および/または」は、関連して列挙される項目の1つ以上の、任意および全ての組み合わせを含む。
第1、第2、第3などの用語が、様々な要素、構成部品、領域、層、および/または区域を説明するために本明細書で使用される場合があるが、これらの要素、構成部品、領域、層、および/または区域は、それらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、単に、1つの要素、構成部品、領域、層、または区域を、別の領域、層、または区域から区別するためにのみ使用される場合がある。「第1」、「第2」などの用語、および他の数値的用語は、本明細書で使用する場合、文脈上明らかな指定がない限り、配列または順序を示唆するものではない。従って、説明される第1の要素、構成部品、領域、層、または区域は、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成部品、領域、層、または区域と呼ばれる可能性がある。
「内側(inner)」、「外側(outer)」、「下(beneath)」、「下方(below)」、「底部(lower)」、「上方(above)」、「上部(upper)」などのような、空間的に相対的な用語が、図示されるような、1つの要素または特徴部の、別の要素または特徴部に対する関係性を説明する、説明の容易性のために本明細書で使用される場合がある。空間的に相対的な用語は、図示される向きに加えて、使用時または動作時の装置の異なる向きを包含することを意図する場合がある。例えば、図中のデバイスが反転された場合には、他の要素または特徴部の「下方」もしくは「下」として説明される要素は、他の要素または特徴部の「上方」に向けられることになる。それゆえ、例示的用語「下方」は、上方および下方の双方の向きを包含する可能性がある。装置は、他の方式で配向(90度または他の配向で回転)されてもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述語は、適宜に解釈される。