JP2020531709A - 工業的プロセスにおける微生物及び/又はバイオフィルムの増殖を制御するための方法 - Google Patents

工業的プロセスにおける微生物及び/又はバイオフィルムの増殖を制御するための方法 Download PDF

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Abstract

セルロース繊維材料を含む工業的製造プロセスの水性環境内でのバイオフィルムの制御、形成されたバイオフィルムの除去及び/又は微生物の増殖の制御の方法に関する。式Iの化合物(3−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−2−プロペンニトリル又は4−アミノ−N−2−チアゾリル−ベンゼンスルホンアミドは除く)を上記プロセスの水性環境に投与する:R1、R2及びR3は独立して水素原子;ハロゲン原子;ヒドロキシ基;アミノ基;炭素数1〜4のアルキルアミノ基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基;炭素数1〜10のアシルアミド基を表し、Aは2−チアゾラミン;2−プロペンニトリル;2−プロペン酸;炭素数1〜4の2−プロペン酸のアルキルエステル又はヒドロキシアルキルエステル;−CHCHCONR5R6基(R5及びR6は独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル又はヒドロキシアルキル)を表す。【選択図】なし

Description

本発明は、添付の独立請求項のプレアンブルに係る工業的プロセスにおいて微生物及び/又はバイオフィルムの増殖を制御するための方法に関する。
微生物は、工業的プロセスのほとんどにおいて存在する。これらの存在は、パルプ、紙、又は板紙などの製造など、水集約的なプロセスでとりわけ厄介なものである。プロセス水が生分解性の溶解物質を含み、プロセス水の温度及びpHが微生物の生存に好都合である場合、微生物は繁殖する。微生物は、空気、入って来る原水及び/又は非滅菌原料からの混入によって上記プロセスに入る可能性がある。対策を取らない場合、微生物は、製紙などのプロセスにおいて大規模な問題を引き起こす可能性がある。微生物に関連する問題としては、例えば、化学添加剤の分解、プロセスpHの有害な変化、悪臭性若しくは毒性の化合物の形成、及び/又は表面上のバイオフィルム形成が挙げられる。
紙及び板紙の製造において、上記問題は、形成されたウェブにおけるしみ及び穴などの欠陥につながる可能性があるか、又は例えばスライムスランプ(slime slump)が剥がれ落ちる場合にウェブの破損及び機械の停止にもつながる可能性がある。パルプ、紙又は板紙の製造所において、無制御の微生物増殖が、このようにして問題を引き起こす可能性があり、効果的な微生物制御処理が求められている。しかし、紙又は板紙の製造に普及しているプロセス条件(例えば、セルロース繊維材料の高含有率、高温、高流量及び高い酸化剤が要求される)において良好な殺生性能を示すのは、限られた数の抗菌剤だけである。さらに、これらのプロセスにおいて、微生物(主に細菌)は恒常的に存在し、連続プロセスの途中に持ち込まれる可能性がある。上記プロセス条件のため、パルプ、紙及び板紙の工業において用いられる従来の殺生物剤は、他の工業(例えば食物工業又は農業)において用いられる一般的な抗菌剤とは異なる。例えば、食物工業では、最初に環境を殺菌した後、殺菌条件及び殺菌原料において製造を継続する。これらの条件は、開放的な紙又は板紙の製造プロセスにおいて普及している非滅菌条件と非常に異なる。セルロース繊維材料(パルプ、紙及び板紙の製造など)を含むプロセスにおいてとりわけ重要なことは、プロセス表面上におけるバイオフィルムを効果的に制御することである。再循環水流において一般的な殺生物剤を恒常的に使用しているにもかかわらず、バイオフィルム形成は依然として紙及び板紙の製造において頻繁に起こる問題である。パルプ、紙及び板紙の製造プロセスの条件下におけるバイオフィルム制御の有効性を向上させる必要性がある。
バイオフィルム形成は紙及び板紙の製造における問題であり、バイオフィルム制御の有効性を向上させる必要性がある。
本発明の目的は、従来技術に存在する欠点を最小限にするか、又は、場合によっては従来技術に存在する欠点を解消することである。
本発明の別の目的は、セルロース繊維材料を含む工業的製造プロセス(例えば、パルプ、紙又は板紙の製造)において、低組成物用量でバイオフィルムを効果的に制御することを可能にする方法を提供することである。
本発明の目的は、セルロース繊維材料を含む工業的製造プロセス(例えば、パルプ、紙又は板紙の製造)において、低組成物用量でバイオフィルムの増殖を効果的に防止し、阻害し、且つ/又は低減させることを可能にする方法を提供することである。
本発明の目的は、セルロース繊維材料を含む工業的製造プロセス(例えば、パルプ、紙又は板紙の製造)において、微生物の増殖を効果的に制御することを可能にする方法を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、(特に、セルロース繊維含有率が高い、及び/又は少なくとも局所的に剪断力が高い、及び/又は流量(flow rate)が多い水性プロセス条件で、)高温での工業的バイオフィルム制御のための簡便で且つ有効な方法を提供することである。
これらの目的は、独立請求項の特徴的部分において以下に示される特性を有する本発明によって達成される。
本発明のいくつかの好ましい実施形態は、従属請求項において示される。
本明細書に記載される実施形態は、必ずしも別々に言及されない場合であっても、該当する場合は本発明の全ての態様に関する。
本発明に係る典型的な方法では、セルロース繊維材料を含む工業的製造プロセスの水性環境内において、バイオフィルムを制御するため、及び/又は形成されたバイオフィルムを除去するため、及び/又は、微生物(好ましくは細菌)の増殖を制御するために、式Iで示される化合物を含む組成物を上記プロセスの水性環境に投与する:

式中、R1、R2及びR3は互いに独立して、水素原子;ハロゲン原子;ヒドロキシ基;アミノ基;それぞれ炭素数1〜4のアルキルアミノ基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、ハロアルキル基若しくはアルコキシ基;又は炭素数1〜10のアシルアミド基を表し、
Aは、2−チアゾラミン;2−プロペンニトリル;2−プロペン酸;炭素数1〜4の2−プロペン酸のアルキルエステル又はヒドロキシアルキルエステル;又は−CHCHCONR5R6基(ここで、R5及びR6は独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル又は炭素数1〜4のヒドロキシアルキルを表す)を表し、
ただし、上記化合物は、3−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−2−プロペンニトリル又は4−アミノ−N−2−チアゾリル−ベンゼンスルホンアミドではない。
ここで、式(I)で示される少なくとも1つの化合物を含む組成物は、セルロース繊維材料を含む工業的製造プロセス(特に、紙、板紙及びパルプの製造)の水性環境内において、バイオフィルムの形成及び/又は微生物の増殖の制御に非常に有効であることが見出された。得られるこの効果は、化合物の用量が低く、高流量及び/又は高温である水性環境内においても良好である。式(I)で示される化合物が、パルプ及び紙の工業においてバイオフィルムに対して用いられる従来の抗菌剤と同等か又はさらに良好な抗菌性能を示したことは、予想外であった。式(I)で示される化合物は、抗バクテリア効果の提供、並びにバイオフィルム及び/又は細菌の増殖の制御に有用である。
「バイオフィルムの増殖の制御」という用語は、本文脈において、少なくともバイオフィルムの防止、阻害及び/又は低減から選択される制御作用を包含する。これらの制御作用は、バイオフィルム形成の前、間又は後で生じてもよく、上記制御作用は、別々に又は同時に生じてもよく、例えば、式(I)で示される化合物は、新しいバイオフィルムの形成の防止と、同時に存在するバイオフィルムの低減との両方を行ってもよい。式(I)で示される化合物は、バイオフィルムの防止に有用であり得る。このことは、上記化合物が、バイオフィルムを含まないプロセス表面上におけるバイオフィルムの形成を防止することを意味する。上記化合物は、バイオフィルムの阻害にも有用であり得る。このことは、上記化合物が、存在するバイオフィルムの更なる増殖を阻害し、且つ/又はバイオフィルムを含まないプロセス表面上におけるバイオフィルムの形成を阻害することを意味する。上記化合物は、バイオフィルムの低減にさらに有用であり得る。このことは、上記化合物が、上記プロセス表面上における存在するバイオフィルムの量を低減させることを意味する。概して、バイオフィルム増殖の制御は、上記プロセスにおける微生物の量を制御することによって、及び/又はバイオフィルム様式におけるそれらの増殖を制御することによって達成され得る。式(I)で示される化合物は、バイオフィルム内における、及び/又は、セルロース繊維材料を含む工業的製造プロセスの水性環境内に含まれない、好ましくはバイオフィルム内における、微生物の増殖の制御に有用であり得る。
本文脈において、「バイオフィルム」という用語は、プロセス表面に付着し、通常は細胞外高分子物質(extrapolymeric substances)の錯体マトリックスに囲まれて増殖する微生物(典型的に細菌)の群集として理解される。バイオフィルムは微生物を保護するため、バイオフィルム増殖の制御は、遊離した微生物の増殖の制御よりも難しくなっている。効果がないバイオフィルム制御は、例えば、洗浄の必要性の増加、製造停止、並びに/又は製造の質及び/若しくは量の低下などの形で、工業的プロセスにおいて著しい問題を引き起こす可能性がある。
本文脈において、「微生物の増殖の制御」という用語は、微生物の量及び/又は活性をなくすこと及び/又は減少させることを指し、上記用語は、微生物の増殖の死滅、防止、除去又は阻害などの任意の生物静止(biostatic)効果又は殺生効果と同義である。微生物は、水性環境内において遊離形態で、又はバイオフィルム型増殖としても知られているバイオフィルムの形態で存在し得る。
本文脈において、「水性環境」という用語は、水溶液を含む工業的水系を指す。本発明は、特に、天然由来のセルロース繊維材料を含む水性環境を有する工業的プロセスに関する。本発明の一実施形態によれば、記水性環境の温度は、40℃以上であり、50℃以上であることが好ましい。
特に、本発明の組成物は、セルロース繊維材料を含む工業的製造プロセス(紙、板紙、パルプ、ちり紙、パルプモールド、不織布、又はビスコースなどの製造など)において投与又は使用されるのに適切である。水性環境は、少なくとも水、セルロース繊維材料、天然由来の微粉及び/又は繊維断片を含むことが好ましい。水性環境は、デンプンを含んでいてもよい。セルロース繊維材料は、軟木、硬木若しくは非木材原料(竹やケナフなど)又はこれらの任意の混合物に由来することが好ましい。セルロース繊維材料は、リグノセルロース繊維材料に由来することが好ましい。セルロース繊維材料は、リグノセルロース繊維であることがより好ましい。セルロース繊維材料は、任意の適切な機械的パルプ化プロセス、化学機械的パルプ化プロセス若しくは化学的パルプ化プロセス、又はこれらの組み合わせのうちのいずれか、又はそのように知られた他の任意の適切なパルプ化プロセスに由来するものであってもよい。また、セルロース繊維材料は、再利用された板紙、紙又はパルプから生じる繊維材料を含んでいてもよい。例えば、セルロース繊維材料は、硬木に由来し、長さが0.5〜1.5mmのセルロース繊維、及び/又は軟木に由来し、長さが2.5〜7.5mmのセルロース繊維を含んでもよい。水性環境は、無機鉱物粒子(充填剤及び/又はコーティング鉱物など);ヘミセルロース;リグニン;及び/又は溶解及びコロイド状物質を含んでいてもよい。水性環境は、デンプン、サイズ剤、無機若しくは有機凝固剤、又は無機若しくは有機凝集剤、異なる長さ及び/又は電荷の天然ポリマー又は合成ポリマー、染料、光学的光沢剤、又はそれらの任意の組み合わせなどの製紙添加剤を含んでいてもよい。
本発明の一実施形態によれば、式(I)で示される化合物は、R1が、メチル基、エチルプロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、又は三級ブトキシ基を表し、R2及びR3が独立して、水素原子、メチル基、エチルプロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、三級ブトキシ基を表し、Aが2−プロペンニトリルを表し、R1、R2、R3が独立して、Aに対してオルト位、メタ位又はパラ位に位置してもよい。これらの化合物は、バイオフィルム形成及び/又は微生物の増殖の低減に特に有効であることが認められた。
本発明の別の実施態様によれば、式(I)で示される化合物は、R1が、メチル基、エチルプロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、三級ブトキシ基、又はアミノ基を表し、R2及びR3が独立して、水素原子、メチル基、エチルプロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、三級ブトキシ基を表し、Aが−CHCHCONR5R6基を表し、ここで、R5及びR6は独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル又は炭素数1〜4のヒドロキシアルキルを表し(R5及びR6は水素原子を表すことが好ましく)、R1、R2、R3が独立して、Aに対してオルト位、メタ位又はパラ位に位置してもよい。これらの化合物は、微生物のバイオフィルム形成及び/又は増殖の低減において驚くべき効果も示した。
通常、R1、R2又はR3がハロアルキルである場合、R1、R2又はR3はトリフルオロメチルであってもよい。
式(I)で示される化合物は、3−フェニルスルホニル−2−プロペンニトリル、3−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−2−プロペンニトリル、3−[(2,4−ジメチルフェニル)スルホニル]−2−プロペンニトリル、3−[(4−トリフルオロメチルフェニル)スルホニル]−2−プロペンニトリル、3−[(3,4−ジメチルフェニル)スルホニル]2−プロペンニトリル、3−(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル−2−プロペンニトリル、3−[(2,4,6−トリメチルフェニル)スルホニル]−2−プロペンニトリル、3−(4−メトキシフェニル)スルホニル−2−プロペンニトリル、(3−[(4−メチルフェニル)スルホニル]プロパ−2−エナミド、3−[(4−メチルフェニル)スルホニル]プロパ−2−エン酸、及びこれらの異性体のうち任意のものからなる群から選択され得る。本発明の好ましい一実施形態によれば、式(I)で示される化合物は、3−フェニルスルホニル−2−プロペンニトリル、3−[(4−トリフルオロメチルフェニル)スルホニル]−2−プロペンニトリル、3−[(2,4,6−トリメチルフェニル)スルホニル]−2−プロペンニトリル、3−(4−メトキシフェニル)−スルホニル−2−プロペンニトリル、3−[(4−メチルフェニル)スルホニル]プロパ−2−エナミド、及びこれらの異性体のうち任意のものからなる群から選択される。
本方法において用いられる組成物は、3−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−2−プロペンニトリル又は4−アミノ−N−2−チアゾリル−ベンゼン−スルホンアミドを含まない(すなわち、上記組成物は、これらの化合物を含有しない)。
上記組成物は、式(I)で示される化合物をZ異性体若しくはE異性体の形態で含んでもよいか、又は上記組成物は、上記化合物の両方の異性体の混合物として含んでもよい。例えば、上記組成物におけるZ異性体に対するE異性体の比は、70:30〜100:0又は80:20〜99:1であってもよい。ああるいは、上記組成物におけるZ異性体に対するE異性体の比は、30:70〜0:100又は20:80〜1:99であってもよい
本発明の一実施形態によれば、式(I)で示される化合物を1種又は複数種含む組成物を、セルロース繊維材料を含む工業的製造プロセスに投与することが可能である。式(I)で示される化合物を複数種、水性環境に投与する場合、これらの化合物は、1つの組成物(すなわち、混合物)として投与してもよいか、又はそれぞれ連続的に別々の組成物として投与してもよい。式(I)で示される化合物を複数種投与する場合、各化合物についての個別の用量は、同じであってもよく、又は互いに異なってもよい。このようにして、水性環境内においてバイオフィルム及び/又は微生物を効果的に制御することが可能である。
本発明は、上記水性環境内において、メイオテルムス(Meiothermus)属、デイノコッカス(Deinococcus)属及び/又はシュードキサントモナス(Pseudoxanthomonas)属に属する細菌などの微生物の増殖を制御するために適切である。本発明の一実施形態によれば、セルロース繊維材料を含む工業的製造プロセスの水性環境は、このように、メイオテルムス属、デイノコッカス属及び/又はシュードキサントモナス属に属する細菌を、いずれか1つ又はこれらの任意の組み合わせにおいて含むか、又は上記水性環境は、少なくとも部分的には上記細菌のいずれかによって形成されたバイオフィルムと接触している。上記工業的プロセスにおける微生物は、典型的には、光合成微生物ではなく、すなわち、上記水性環境は、光合成微生物(例えば藻類)をほとんど又は完全に含まないことが好ましい。式(I)で示される化合物の添加によって、遊離形態の若しくはバイオフィルムとしての上記微生物の量が減少するか、又は水性環境における上記微生物の存在が完全に除去される。除去は、全体的又は部分的であってもよい。ここで、「防止」とは、バイオフィルム型の微生物の増殖を低減させるか、又は阻害することにより、バイオフィルムの形成を全体的に又は部分的に防止するあらゆる予防的除去作用を指す。
通常、式(I)で示される化合物を含む組成物は、生物静止量又は殺生量で水性環境に添加され得る。生物静止量とは、微生物又はバイオフィルムの活性及び/又は増殖を少なくとも防止及び/又は阻害するために充分な量を指す。殺生量とは、より有効な活性を指し、例えば、微生物若しくはバイオフィルムの活性及び/若しくは増殖を低減させることが可能であり、且つ/又は水性環境内に存在する微生物のほとんど若しくは全てを死滅させることが可能な量を指す。本発明の一実施形態によれば、式(I)で示される化合物は、式(I)で示される化合物として理解される活性成分換算で、0.01〜100ppm、好ましくは0.01〜10ppm、より好ましくは0.01〜2ppm、又は0.01〜1ppm、さらに好ましくは0.01〜0.5ppm、又は0.01〜0.3ppmの用量で、水性環境に添加されてよい。化合物の有効性によって、微生物の増殖並びにバイオフィルムの形成及び/又は増殖の良好な制御が維持されると共に、低用量及び低濃度での使用が可能になる。
式(I)で示される化合物は、固体(乾燥粉末など)として、又は、より好ましくは液体形態で、水性環境に添加されてよい。化合物は、連続的に又は周期的に投与されてよい。本発明の一実施形態によれば、式(I)で示される化合物を含む組成物は、3〜45分間を1日あたり6〜24回、好ましくは10〜30分間を1日あたり12〜24回、水性環境内に周期的に投与されてよい。
本発明の一実施形態によれば、工業的製造プロセスは、天然由来のセルロース繊維材料を含む水性環境を含み、パルプ及び/又は紙及び/又は板紙の製造プロセスであって、ここで、上記水性環境は高温及び/又は高流量である。このため、式(I)で示される化合物を含む組成物は、パルプ及び/又は紙及び/又は板紙の製造システムに添加されるか、又は投与される。これらのプロセスにおける水性環境は、多くの場合、高流量及び高剪断速度を示し、それにより、微生物のストレスによるプロセス表面上におけるバイオフィルムの形成が誘導される可能性がある。例えば、紙及び板紙製造環境において、流量は、典型的には1m/sより高くてもよく、さらに10m/sを超えてもよく、典型的には1〜20m/s又は1〜10m/sであってもよい。式(I)で示される化合物を含む組成物は、特にこれらの厳しい条件で有効であり、微生物の増殖及びプロセス表面上におけるバイオフィルムの形成を低減させるために、且つ/又は防止するために、全プロセスにわたって概して使用してもよいことが認められた。原則として、式(I)で示される化合物を含む組成物は、プロセス全体にわたって微生物及び/又はバイオフィルム形成の制御を維持するために、特に再循環プロセス水を有するプロセス内に、プロセスにおけるほぼ全ての時点で添加されてよい。式(I)で示される化合物を含む組成物は、さらに、又は、代替的に、原料の流れに添加されてよい。例えば、式(I)で示される化合物を含む組成物は、プロセスにおいて原料として用いられるセルロース繊維材料(例えばリグノセルロース繊維材料)に添加されてよい。
天然由来のセルロース繊維材料を含む水性環境を有する工業的製造プロセスは、水性環境のpHが5〜9、好ましくは7〜8.5の範囲内であるパルプ及び/又は紙及び/又は板紙の製造プロセスであってよい。
本発明の好ましい一実施形態によれば、紙及び/又は板紙の製造プロセスである、セルロース繊維材料を含む水性環境を有する工業的製造プロセスにおいて、特に紙又は板紙の製造プロセスの短ループにおいて、式(I)で示される化合物を添加してもよい。典型的な紙及び板紙の製造プロセスでは、連続的紙ウェブが形成される形成部の移動ワイヤ上へパルプ原料を分配するヘッドボックス内にパルプ原料を通過させる。ここで、紙/板紙機械の短ループ又は短い循環部は、本技術分野における通例のように、形成部におけるワイヤピットにおいて回収されるパルプ原料からの余分な水の少なくとも一部を再利用するためのヘッドボックスに戻して再循環させ且つ再利用する製造システムの部分である理解される。
あるいは又はさらに、式(I)で示される化合物は、セルロース繊維材料を含む水性環境を有する工業的製造プロセス(例えば、パルプ及び/又は紙及び/又は板紙の製造プロセス)において、プロセス水貯蔵塔(循環水塔及び濾過液給水塔など);透明な又は不透明な濾過液貯蔵タンク;パルパー;パルパーの上流/下流の水流;損紙システム及びその中の容器の上流/下流の水プロセス流;ピットの上流/下流のワイヤピットプロセス流;チェストの上流/下流の抄紙機ブレンドチェストプロセス流;新鮮水タンク;暖水タンク及び/又はシャワー水タンクに添加してよい。
あるいは又はさらに、式(I)で示される化合物は、紙及び/又は板紙の製造プロセスである、セルロース繊維材料を含む水性環境を有する工業的製造プロセスにおいて、紙又は板紙の製造プロセスの長ループにおける任意の位置に添加されてよい。ここで、紙/板紙機械の長ループ又は長い循環部は、本技術分野において通例のように、余分の水及び損紙を扱う製造システムの部分であると理解される。回収水の大部分は、短ループを出て、再利用のために回収水から有用な繊維を捕捉するための捕汁器と、例えば機械シャワーにおいて用いられる濾過水のための貯蔵タンクと、例えばパルプ工場から紙/板紙機械にパルプを移入するための希釈水として用いられる再循環水のための貯蔵タンクとを含む長ループにポンプ輸送される。長ループの一部は、上記機械からの湿紙及び乾紙の不合格品の取り扱いのための損紙システムである。この材料は、パルプ原料の一部として再パルプ化され、再利用される。
一実施形態によれば、式(I)で示される化合物は、残留過酸化物を約0.01〜約100ppm、又は約0.01〜約50ppm含む水性環境に添加される。
本発明の一実施形態によれば、式(I)で示される化合物を、他の殺生物剤又は抗菌剤と併用して使用してもよい。好適な他の殺生物剤又は抗菌剤は、非酸化殺生物剤若しくは非酸化抗菌剤、又は酸化殺生物剤若しくは酸化抗菌剤であることができる。好適な非酸化殺生物剤又は非酸化抗菌剤としては、例えば、グルタルアルデヒド、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール(ブロノポール)、第四級アンモニウム化合物、カルバメート、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(CMIT)、及び2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(MIT)が挙げられる。好適な酸化殺生物剤又は酸化抗菌剤としては、例えば、塩素、次亜塩素酸塩、次亜塩素酸、塩素化イソシアヌレート、臭素、次亜臭素酸塩、次亜臭素酸、塩化臭素、二酸化塩素、オゾン、過酸化水素、及び過酢酸又は過ギ酸などのペルオキシ化合物が挙げられる。他の好適な酸化殺生物剤としては、例えば、活性ハロゲン(塩素又は臭素など)が、窒素化合物(ジメチルヒダントイン(dimethylhydantontoin)など)、アンモニウム塩、尿素、カルバメート、又は活性ハロゲンと反応可能なその他の窒素含有分子と反応する安定化ハロゲン化合物が挙げられる。例えば、一実施形態において、式(I)で示される化合物は、活性塩素として残留活性ハロゲンを約0.01〜約20ppmの範囲内で含む水性環境に添加される。
実験
以下の非限定な実施例において、本発明のいくつかの実施形態をより厳密に記載する。
実施例で使用する材料及び方法
バイオフィルム形成の防止に対する各種化学物質の有効性を試験するために、メイオテルムス・シルヴェナス(Meiothermus silvanus)(一般的に抄紙機バイオフィルムにおいて見出される微生物種(Ekman J,Journal of Industrial Microbiology & Biotechnology 34:203−211))及びシュードキサントモナス・タイワネンシス(Pseudoxanthomonas taiwanensis)(一般的に抄紙機環境内で見いだされる別の種(Desjardins,E & Beaulieu, C,Journal of Industrial Microbiology & Biotechnology 30:141−145))の純粋培養物を用いた。
peg蓋を有する96マイクロウェル平板ウェル(Thermo Fischer Scientific Inc.、米国)を用いて、合成市販R2−ブロス(Lab M Ltd、英国)又は繊維含有合成抄紙機水(SPW)(Peltolaら、J.Ind.Microbiol.Biotechnol.2011,38:1719−1727に従って調製)のいずれかにおいてバイオフィルム試験を行った。各ウェル内における高流動を提供する回転振盪(150rpm)を行うと共に平板を45℃でインキュベートした。
2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(以下、DBNPAと称する)をKemira Oyjから得た(Fennosan R20、20%活性成分)。
(2E)−3−フェニルスルホニル−2−プロペンニトリル(以下、化合物Cと称する)を以下のように合成した。
1.066g(0.00533mol)のCSONa×2HOを50mLのフラスコ内で秤量した。3mLのHO及び1mLのAcOHを添加した後、完全に溶解するまで撹拌した。この透明溶液に0.466g(0.00533mol、1当量)の2−クロロアクリロニトリルを添加した。混合物を0.5時間撹拌した後、7mLのHOを添加し、さらに15分間撹拌した。混合物を一晩冷蔵庫に放置した。この混合物を濾過した後、50mLの冷水で洗浄し、凍結乾燥器上で乾燥させた。中間生成物の質量は、0.900g(収率73.6%)であった。この中間生成物を100mLのフラスコ内に移し、60mLのMTBEに溶解した。0.396gのEtNを滴下したところ、直ちに溶液中で白色の沈殿物が形成された。反応混合物を1時間撹拌した。その後、混合物を濾過し、20mLのMTBEで残渣を洗浄した。2×50mLの1MのKHSO溶液で濾過液を抽出した。その後、減圧下で有機相を蒸発させ、凍結乾燥器上で残渣を乾燥させた。生成物の質量は、0.667g(収率88.1%)であった。純度(HPLC):99.1%。
H NMR:(CDCl,700MHz)δ7.96−7.87(m,2H),7.74(s,1H),7.63(s,2H),7.24(d,J=15.7Hz,1H),6.55(d,J=15.7Hz,1H).
(2E)−3−[(2,4,6−トリメチルフェニル)スルホニル]−2−プロペンニトリル(以下、化合物Dと称する)を以下のように合成した。
300mg(1.45mmol)の2,4,6−トリメチルフェニルスルフィン酸ナトリウムを0.18mLの酢酸及び0.5mLの水の混合物中で溶解した。115μL(126mg、1.44mmol)の2−クロロアクリロニトリルを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。この時間の後、0.5mLの水を添加し、混合物をさらに20分間撹拌した。生成物が油(とてもわずかに黄色)として沈殿したが、濾過によってそれを分離することができなかった。反応混合物を、NaHCOの飽和溶液を用いてpH6.8に中和し、MTBE(4×3mL)で抽出した。
組み合わせたMTBE画分を分析し、221μL(160mg、1.58mmol、1.1当量)のトリメチルアミンを添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、1MのKHSO(3mL)で2回抽出し、飽和NaCl溶液(5mL)で1回抽出し、NaSO上で乾燥させ、乾燥状態に蒸発させた。60mgのわずかに黄色の固体を得た(2回のステップにわたって収率17%)。生成物の同一性を1H及び13C NMRによって確認したところ、生成物の純度は、HPLCによって94.5%であった。
低収率の理由は、第1のステップにおける不完全な転化、つまり、MTBEによる中間体の抽出後の水相が、高濃度の出発材料の2,4,6−トリメチルフェニルスルホン酸ナトリウムを含有したことによることが分かった。
H NMR:(CDCl,700MHz)δ7.27(d,J=15.7Hz,1H),7.02(d,J=0.5Hz,2H),6.45(d,J=15.7Hz,1H),2.60(s,6H),2.33(s,3H).
13C NMR(176MHz,CDCl)δ149.54,145.29,140.86,132.77,130.45,113.61,108.96,22.89,21.16.
(2E)−3−[(4−トリフルオロメチルフェニル)スルホニル]−2−プロペンニトリル(以下、化合物Eと称する)を以下のように合成した。
300mg(1.29mmol)の4−トリフルオロメチルフェニルスルフィン酸ナトリウムを0.16mLの酢酸及び0.44mLの水の混合物に溶解した。103μL(112mg、1.28mmol)の2−クロロアクリロニトリルを添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。この時間の後、0.5mLの水を添加し、混合物をさらに20分間撹拌した。生成物が非晶質でオレンジ色の固体として沈殿したが、濾過によってそれを分離することができなかった。NaHCOの飽和溶液を用いて反応混合物をpH6.8に中和し、MTBE(4×3mL)で抽出した。
MTBE画分を組み合わせ、195μL(142mg、1.4mmol、1.1当量)のトリメチルアミンを添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、1MのKHSO(3mL)で2回抽出し、飽和NaCl溶液(5mL)で1回抽出し、NaSO上で乾燥させ、約1mLの体積に蒸発させた。生成物が淡い結晶として沈殿し、母液はオレンジ色だった。53mgのわずかに黄色の固体を得た(2回のステップにわたって収率16%)。生成物の同一性を1H及び13C NMRによって確認したところ、生成物の純度は、HPLCによって88.4%であった。ここで、低収率の理由は、第1のステップにおける低転化率である可能性もあり、(母液がはっきりと着色したので、必要とされた)MTBEからの生成物の不完全な沈殿である可能性もあった。
H NMR(700MHz,CDCl)δ8.06(d,J=8.2Hz,2H),7.90(d,J=8.3Hz,2H),7.23(d,J=15.6Hz,1H),6.63(d,J=15.6Hz,1H).
13C NMR(176MHz,CDCl)δ148.09(s),140.96(s),136.68(q,J=33.4Hz),129.19(s),127.11(q,J=3.6Hz),122.84(d,J=273.4Hz),112.97(s),112.18(s).
(2E)−3−[(4−メトキシフェニル)スルホニル]−2−プロペンニトリル(以下、化合物Fと称する)を以下のように合成した。
1.257g(0.00998mol、2当量)のNaSO及び0.846g(0.01007mol、2当量)のNaHCOを50mLのフラスコ内に秤量し、30mLのHO/THF(10:1)に溶解した。この溶液を氷浴内で冷却し、1.064(0.00515mol、1当量)のパラ−メトキシフェニルスルホニルクロリドを5分間滴下した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。その後、3×20mLのCHClで透明な反応混合物を抽出した。水相を減圧下で蒸発させ、残渣を2×25mLのMeOHと共に撹拌した後、濾過を行った。固体無機残渣を除去し、濾過液を減圧下で蒸発させた。約4gの白色固体材料を得た(無機成分の存在のため、収率は100%超)。この材料を、さらなる処理を行うことなく次のステップで用いた。
上記材料を50mLのフラスコ内に移し、7mLのHO及び2.8mLのAcOHの混合物中に溶解させた。その後、0.410mL(0.451g、0.00515mol)の2−クロロアクリロニトリルを滴下した。混合物を50分間撹拌し、その後、4mLのHOを添加した後、さらに15分間撹拌を行った。透明な油状物質が沈殿した。飽和NaHCO溶液によって反応混合物のpHを6.85に増大させ、油を溶解させた。3×25mLのMTBEで反応混合物を抽出し、有機相を250mLのフラスコ内に移した。この溶液を、さらなる処理を行うことなく、直接、次のステップで用いた。
得られた溶液に0.720mL(0.523g、0.00517mol)のEt3Nを添加した。反応混合物を1時間撹拌した。2×50mLの1MのKHSO溶液及び10mLの飽和NaCl溶液で反応混合物を洗浄した。有機相を減圧下で蒸発させ、凍結乾燥器上で乾燥させた。最終生成物の質量は、0.639g(3回のステップにわたって収率55%)であった。HPLC純度93.5%。化合物1Kの同一性をNMRで確認した。
H NMR(700MHz,CDCl)δ ppm3.92(s,3H)6.50(d,J=15.61Hz,1H)7.08(d,J=9.05Hz,2H)7.23(d,J=15.61Hz,1H)7.83(d,J=9.06Hz,2H)
13C NMR(176MHz,CDCl)δ ppm55.92(s)109.53(s)113.53(s)115.24(s)128.32(s)130.92(s)149.59(s)164.93(s)
(2E)−3−[(4−メチルフェニル)スルホニル]プロパ−2−エナミド(以下、化合物Gと称する)を以下のように合成した。
3.26g(0.0469mol)のNHOH×HClを100mLのフラスコ内で50mLのNaOH(1M)/THF(1:1)に溶解した。溶液を氷浴内で冷却し、2.54g(0.0630mol、1.3当量)のアセトアルデヒドを添加した。混合物を室温で6時間撹拌し、反応混合物のpHは、約1であった。反応後、溶液を2MのNaOHで中和した。次の合成ステップのために混合物中のTHFの量を低下させることが望まれたので、40℃でわずかに真空において混合物を蒸発させた。5分間の蒸発(約10mLの蒸発)の後、溶液の色はわずかにピンク色に変化し、蒸発を停止した。混合物を冷蔵庫内で一晩放置した。
調製された混合物に1.009g(0.00487mol)のニトリルを添加した。約100mgのNiCl2×6HOを触媒として混合物に添加し、反応混合物を加熱還流した。TLC(PE/EA(5:1))で生成物の形成をモニタした。2時間後、反応混合物は褐色になり、TLCは、ほとんど全てのニトリルがすでに反応したことを示した。生成物が溶媒PE/EA(5:1)を有するTLC上で移動しなかったので、代わりに新しい溶媒CHCl/MeOH(10:1)を用いた。このことは、4時間の還流の後でニトリルがもはや溶液中に存在しなかったことを示したが、いかなる重大な不純物もない純粋な生成物のスポットも示された。還流を終了し、混合物を室温に冷却した。氷浴内でさらに冷却した後、混合物を濾過し、100mLの水で洗浄した。淡い灰色の生成物を、一晩、凍結乾燥器上で放置して乾燥させた。
生成物の質量は、0.461gであった。さらなる精製のために、溶離剤CHCl/MeOH(10:1)によるカラムクロマトグラフィを行った。50gの中間の大きさのシリカゲルを使用し、18の画分(それぞれ50mL)を回収した。各画分をTLC(CHCl/MeOH(10:1))で分析した。最初の画分には不純物があったので、画分2〜9を回収した。画分10〜18は、著しい量の生成物を含まなかった。溶液(画分2〜9)を真空下で蒸発させ、凍結乾燥器内で乾燥させた。最終生成物の質量は、0.317gであった。HPLC純度:94.4%。
H NMR(700MHz,DMSO)δ8.02(s,1H),7.82−7.78(m,2H),7.67(s,1H),7.50−7.47(m,2H),7.41(d,J=15.0Hz,1H),6.95(d,J=15.0Hz,1H),2.41(s,3H).
13C NMR(176MHz,DMSO)δ163.13,145.07,139.28,135.95,134.80,130.25,127.75,21.11.
[バイオフィルム形成の防止のための試験方法]
バイオフィルム形成を防止する実験のために、peg蓋を有する96マイクロウェル平板のウェルにR2−ブロス又はSPWを充填し、純粋な細菌培養物を接種し、異なる量の被試験化学化合物で処理した。peg蓋を被せた。24時間後、ウェルを空にし、異なる量の試験化学物質を有するSPW又はR2ブロスを含む純粋培養物の新鮮な溶液をウェルに加え、元のpeg蓋を所定位置に戻した。さらに24時間後、すなわち、試験開始から48時間後、ウェルを空にして濯ぎ、peg蓋及びウェルを放置して乾燥させた。
[存在するバイオフィルムの除去のための試験方法]
すでに存在する(予め形成された)バイオフィルムを除去する実験のために、peg蓋を有する96マイクロウェル平板のウェルにSPWを充填し、純粋な細菌培養物を接種した。いずれの被試験化学化合物を添加することなく、バイオフィルムを24時間増殖させた。24時間後のいくつかの実験において、ウェルを空にし、再び、いずれの試験化学化合物なしで、純粋な細菌培養物を接種したSPWの新鮮な溶液を添加することによって、上記手法を繰り返した。元のpeg蓋を所定位置に戻し、さらに24時間、すなわち合計で48時間、バイオフィルムを増殖させた。
試験開始から24時間後又は48時間後、ウェルを空にし、純粋な細菌培養物を接種したSPWの新鮮な溶液を異なる量の被試験化学化合物と共に加えて、元のpeg蓋を所定位置に戻して配置した。さらに2時間後又は24時間後、ウェルを空にして、濯ぎ、peg蓋及びウェルを放置して乾燥させた。
[形成されたバイオフィルムの定量]
メタノール中、1% Crystal Violet(Merck Millipore KGaA、ドイツ)を200μL、各ウェルに加え、peg蓋を戻して被せることによって、マイクロウェル及びpeg表面の上に形成されたバイオフィルムの量を染色溶液で定量した。3分後、ウェルを空にして、ウェル及びpegを水道水で3回濯いだ。付着したCrystal Violetをエタノール中に溶解し、595nmにおける吸光度を測定した。以下の表に示される値は、8つの複製ウェル及びpegからの平均吸光度である。
実施例1〜実施例8における全ての吸光度値は、特定の実測値である。バイオフィルム低減率の算出において、いずれの細菌接種物もない2日間のSPW単独で0.14の背景値が示されたことが計算で示された。
実施例1(参照)
表1及び表2は、従来の抗菌剤DBNPAが、メイオテルムス・シルヴェナス及びシュードキサントモナス・タイワネンシスのバイオフィルム形成を防止する能力を有することを示す。試験条件は、紙又は板紙製造プロセス条件(合成抄紙機水、高温、繊維存在、高流動)をシミュレートした。従来の抗菌剤DBNPAでは、許容し得る又は顕著な(noticable)バイオフィルム低減有効性に達するためには1mg/Lの活性化合物の用量が必要であった。DBNPAについての結果を表1及び表2に示す。
表1は、45℃及び150rpm(高混合)におけるSPW中におけるメイオテルムス・シルヴェナスバイオフィルムに対するDPNPA投与の効果を示す。バイオフィルムを染色し、吸光度測定によって定量した。用量は、活性成分として示される。

表2は、45℃及び150rpm(高混合)におけるSPW中におけるシュードキサントモナス・タイワネンシスバイオフィルムに対するDPNPA投与の効果を示す。バイオフィルムを染色し、吸光度測定によって定量した。用量は、活性成分として示される。

実施例2(参照)
表3及び表4は、メイオテルムス・シルヴェナス及びシュードキサントモナス・タイワネンシスのバイオフィルム形成に対する、既知の抗生物質であるグラミシジンの効果を示す。合成増殖培地において、R2−ブロスグラミシジンは、紙又は板紙製造プロセスをシミュレートする条件(合成抄紙機水、高温、繊維存在、高流動)よりも明確に低い濃度でバイオフィルム形成を防止することが可能であった。
表3及び表4の結果からは、臨床的抗菌剤化合物を非臨床的条件に曝露させた場合には、性能が劣化することが予測されることが示される。
表3は、R2−ブロス及びSPWにおけるメイオテルムス・シルヴェナスバイオフィルムに対するグラミシジン投与の効果を示す。バイオフィルムを染色し、吸光度測定によって定量した。用量は、活性成分として示される。

表4は、R2−ブロス及びSPWにおけるシュードキサントモナス・タイワネンシスバイオフィルムに対するグラミシジン投与の効果を示す。バイオフィルムを染色し、吸光度測定によって定量した。用量は、活性成分として示される。

実施例3
表5及び表6は、化合物C及び化合物Eが、メイオテルムス・シルヴェナス及びシュードキサントモナス・タイワネンシスのバイオフィルム形成を防止する能力を有することを示す。試験条件は、実施例1の試験条件と同じである。化合物C及び化合物Eは、非常に低い濃度でバイオフィルムを制御することが可能であったことが認められた。すでに、0.2mg/Lの活性化合物C又は化合物Eの用量によって、90%超のバイオフィルム低減効果が得られた。
表5は、45℃及び150rpm(高混合)におけるSPW中におけるメイオテルムス・シルヴェナスバイオフィルムに対する化合物Cの用量の効果を示す。バイオフィルムを染色し、吸光度測定によって定量した。化合物Cの用量は、活性化合物として示される。

表6は、45℃及び150rpm(高混合)におけるSPW中におけるメイオテルムス・シルヴェナスバイオフィルムに対する化合物Eの用量の効果を示す。バイオフィルムを染色し、吸光度測定によって定量した。化合物Eの用量は、活性化合物として示される。

表5及び表6の結果から、化合物C及び化合物Eは、製紙業で用いられる従来の殺生物剤と比較して、非常に低い用量で抄紙機条件下において主な工業的バイオフィルム形成体のバイオフィルム形成を防止することができることが示される。
実施例4
表7及び表8は、化合物D及び化合物Fが、メイオテルムス・シルヴェナス又はシュードキサントモナス・タイワネンシスのすでに形成されたバイオフィルムを除去する能力を有することを示す。試験条件は、紙製造プロセス条件(合成抄紙機水、高温、繊維存在、高流動)をシミュレートした。化合物D及び化合物Fは、すでに形成されたバイオフィルムを除去することが認められた。
表7は、45℃及び150rpm(高混合)におけるSPW中におけるシュードキサントモナス・タイワネンシスバイオフィルムに対する化合物Dの用量の効果を示す。あらかじめ24時間バイオフィルムを増殖させた後、所定量の化合物Dを添加した。24時間後、バイオフィルムを染色し、吸光度測定によって定量した。化合物Dの用量は、活性化合物として示される。

表8は、45℃及び150rpm(高混合)におけるSPW中におけるメイオテルムス・シルヴェナスバイオフィルムに対する化合物Fの用量の効果を示す。あらかじめ24時間バイオフィルムを増殖させた後、所定量の化合物Fを添加した。24時間後、バイオフィルムを染色し、吸光度測定によって定量した。化合物Fの用量は、活性化合物として示される。

実施例5
表9は、化合物Cが、シュードキサントモナス・タイワネンシスのすでに形成されたバイオフィルムを除去する能力を有することを示す。試験条件は、紙製造プロセス条件(合成抄紙機水、高温、繊維存在、高流動)をシミュレートした。化合物Cは、すでに形成されたバイオフィルムを除去することが認められた。
表9は、45℃及び150rpm(高混合)におけるSPW中におけるシュードキサントモナス・タイワネンシスバイオフィルムに対する化合物Cの用量の効果を示す。あらかじめ24時間バイオフィルムを増殖させた後、所定量の化合物Cを添加した。24時間後、バイオフィルムを染色し、吸光度測定によって定量した。化合物Cの用量は、活性化合物として示される。

本発明が現在最も実用的で且つ好ましい実施形態であると思われるものを参照して記載された場合であっても、本発明は、上記で記載された実施形態に限定されないということが認識されるが、本発明は、同封の請求項の範囲内における異なる変更及び同等の技術的解決も包含することが意図される。

Claims (15)

  1. セルロース繊維材料を含む工業的製造プロセスの水性環境内において、バイオフィルムを制御するための、形成されたバイオフィルムを除去するための、及び/又は、微生物(好ましくは細菌)の増殖を制御するための方法であって、
    式Iに係る化合物を含む組成物を、前記プロセスの水性環境に投与することを含む、前記方法:


    式中、
    R1、R2及びR3は独立して、水素原子;ハロゲン原子;ヒドロキシ基;アミノ基;それぞれ炭素数1〜4のアルキルアミノ基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、ハロアルキル基若しくはアルコキシ基;又は炭素数1〜10のアシルアミド基を表し、
    Aは、2−チアゾラミン;2−プロペンニトリル;2−プロペン酸;炭素数1〜4の2−プロペン酸のアルキルエステル若しくはヒドロキシアルキルエステル;又は−CHCHCONR5R6基(ここで、R5及びR6は独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル又は炭素数1〜4のヒドロキシアルキルを表す)を表し、
    ただし、前記化合物は、3−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−2−プロペンニトリル又は4−アミノ−N−2−チアゾリル−ベンゼンスルホンアミドではない。
  2. 式(I)において、
    R1が、メチル基、エチルプロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、又は三級ブトキシ基を表し、
    R2及びR3が独立して、水素原子、メチル基、エチルプロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、三級ブトキシ基を表し、
    Aが、2−プロペンニトリルを表し、
    R1、R2、R3が独立して、Aに対してオルト位、メタ位又はパラ位に位置することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 式(I)において、
    R1が、メチル基、エチルプロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、三級ブトキシ基、又はアミノ基を表し、
    R2及びR3が独立して、水素原子、メチル基、エチルプロピル基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、三級ブトキシ基を表し、
    Aが、−CHCHCONR5R6基を表し、ここで、R5及びR6は独立して、水素原子、炭素数1〜4のアルキル又は炭素数1〜4のヒドロキシアルキルを表し、好ましくはR5及びR6は水素原子を表し、
    R1、R2、R3が独立して、Aに対してオルト位、メタ位又はパラ位に位置することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 式(I)で示される化合物が、3−フェニルスルホニル−2−プロペンニトリル、3−[(4−フルオロフェニル)スルホニル]−2−プロペンニトリル、3−[(4−トリフルオロメチルフェニル)スルホニル]−2−プロペンニトリル、3−[(2,4−ジメチルフェニル)スルホニル]−2−プロペンニトリル、3−[(3,4−ジメチルフェニル)スルホニル]2−プロペンニトリル、3−(3,5−ジメチルフェニル)スルホニル−2−プロペンニトリル、3−[(2,4,6−トリメチルフェニル)スルホニル]−2−プロペンニトリル、3−(4−メトキシフェニル)スルホニル−2−プロペンニトリル、(3−[(4−メチルフェニル)スルホニル]プロプ−2−エナミド、3−[(4−メチルフェニル)スルホニル]プロプ−2−エン酸、及びこれらの異性体のうち任意のものからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. 式(I)で示される化合物が、3−フェニルスルホニル−2−プロペンニトリル、3−[(4−トリフルオロメチルフェニル)スルホニル]−2−プロペンニトリル、3−[(2,4,6−トリメチルフェニル)スルホニル]−2−プロペンニトリル、3−(4−メトキシフェニル)−スルホニル−2−プロペンニトリル及び3−[(4−メチルフェニル)スルホニル]プロプ−2−エナミド並びにこれらの異性体のうち任意のものからなる群から選択されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 前記水性環境に投与される前記組成物の量が、活性化合物換算で0.01ppm〜100ppm(好ましくは0.01ppm〜10ppm、より好ましくは0.01ppm〜2ppm)であることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記水性環境に投与される前記組成物の量が、活性化合物換算で0.01ppm〜1ppm(好ましくは0.01ppm〜0.5ppm、より好ましくは0.01ppm〜0.3ppm)であることを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記水性環境が、メイオテルムス属、デイノコッカス属及び/又はシュードキサントモナス属に属する細菌のうちのいずれか1つ又はこれらの任意の組み合わせを含むか、又は
    前記水性環境が、少なくとも部分的には前記細菌のいずれかによって形成されたバイオフィルムと接触していることを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記水性環境が、水;セルロース繊維(好ましくはリグノセルロース繊維)を含み、さらに所望によりデンプン;無機鉱物粒子(充填剤及び/又はコーティング鉱物など);ヘミセルロース;リグニン;及び/又は溶解及びコロイド状物質を含むことを特徴とする、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記組成物が投与される工業的製造プロセスが、セルロース繊維材料を含み、紙、板紙、パルプ、ちり紙、パルプモールド、不織布又はビスコースの製造(好ましくはパルプ、紙又は板紙の製造)から選択されることを特徴とする、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記組成物が投与される前記水性環境が、残留過酸化物を約0.01〜約100ppm含むことを特徴とする、請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記水性環境の温度が40℃以上(好ましくは50℃以上)であることを特徴とする、請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 3〜45分間を1日あたり6〜24回(好ましくは10〜30分間を1日あたり12〜24回)、周期的に前記組成物を前記水性環境内に投与することを特徴とする、請求項1〜請求項12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 他の殺生物剤又は抗菌剤と共に前記組成物を使用することを特徴とする、請求項1〜請求項13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 活性塩素として約0.01ppm〜約20ppmの範囲内の残留活性ハロゲンを含む前記水性環境に前記組成物を投与することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
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