JP2020527861A - アクチュエータ構造体及びその作動方法 - Google Patents

アクチュエータ構造体及びその作動方法 Download PDF

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Abstract

開示されるアクチュエータ構造体(40)は、温度の関数として作動変位に固有の変動を示す電気活性材料(48)を含む活性層構造体(44)と、温度の関数として活性層構造体に印加される電流又は電圧を修正するように適合された受動的な補償手段(46)とを含み、熱によって誘起された変位の変動を補償する。受動的な補償手段は、温度依存性の多層コンデンサ構造体を含み、且つ活性層構造体に結合された受動的なキャリア層構造体(45)の層によって形成される。

Description

本発明は、電気活性材料を含むアクチュエータ構造体、及びこの構造体を制御するための方法に関する。
電気活性材料(EAM)は、電気応答性材料の分野におけるあるクラスの材料である。作動装置に実装される場合に、EAMが電気駆動信号を受けると、このEAMのサイズや形状を変化させることができる。この効果は、作動及び感知の目的に使用できる。無機及び有機のEAMが存在する。特定の種類の有機EAMは、電気活性ポリマー(EAP)のEAMである。
電気活性ポリマー(EAP)は、電気応答性材料の分野における新しいクラスの材料である。EAPは、センサ又はアクチュエータとして機能でき、様々な形状に容易に製造できるため、多種多様なシステムに容易に統合できる。
作動応力や歪み等の特性を有する材料が開発されており、これら特性は過去10年間で大幅に向上している。技術的リスクが、製品開発に関して許容できるレベルまで低下しており、EAPは、商業的にも技術的にも関心が高まっている。EAPの利点には、低電力、小さいフォームファクタ(form factor)、可撓性、ノイズのない動作、精度、高解像度の可能性、高速応答時間、及び周期的な作動が挙げられる。
EAP材料の向上した性能及び特定の利点により、新しい用途への適用性がもたらされる。
EAP装置は、電気的作動に基づいて、構成要素又は特徴の少量の動きが望まれるあらゆる用途に使用することができる。同様に、この技術は、小さな動きを感知するために使用できる。
EAPを使用すると、一般的なアクチュエータと比較して、小さな体積又は薄いフォームファクタでの比較的大きな変形及び力の組合せによって、これまで不可能だった機能を可能にし、又は一般的なセンサ/アクチュエータの解決策に対して大きな利点を提供する。EAPは、ノイズのない動作、正確な電子制御、高速応答、及び0〜1MHz、最も典型的には20kHz未満等の広範囲の可能な作動周波数も与える。
既知の電気活性材料ベースのアクチュエータは、著しい熱ドリフトを経験する。熱ドリフトとは、環境温度の変化によって生じる、アクチュエータの作動変位における制御不能なドリフト又は変動を意味する。電気活性材料が温度の上昇に伴い膨張するため、その熱ドリフトが発生し、これは、アクチュエータの作動変位に無視できないシフトを生じさせる。
特に、条件設定されていない環境に適用された場合に、例えば医療用プローブ内に組み込まれ、人体に入れられ、著しい温度上昇を受ける場合に、熱ドリフトによりアクチュエータは不正確になる。
温度の変化がアクティブに検出され、印加された電流又は電圧の変動が補償に応じて制御されるアクティブな補償手段を使用して、熱ドリフトを克服することが可能である。ただし、このようなアクティブフィードバック機構により、アクチュエータは高価で複雑になる。
従って、既知の手段よりも安価で複雑でないEAMベースのアクチュエータにおける熱ドリフトの困難性を克服する手段が望まれている。
本発明は、特許請求の範囲によって規定される。
本発明の一態様によれば、作動変位における熱変動を補償するように適合されたアクチュエータ構造体が提供され、この構造体は、1つ又は複数の材料層を含む活性層構造体であって、各材料層が電気刺激に応答して変形可能な電気活性材料を含む、活性層構造体と;活性層構造体に結合された受動的なキャリア層構造体と;温度の関数として活性層構造体の電気活性材料に与えられる電気刺激の電流又は電圧を修正し、それによって作動変位における熱変動を補償するように適合された受動的な補償手段と;を有しており、受動的な補償手段は、温度依存性の多層コンデンサ構造体を含み、受動的なキャリア層構造体は、コンデンサ構造体を形成するように適合される。
本発明は、いくつかの受動的な物理的機構を介して、活性層構造体に供給される、温度に依存する大きさの駆動電流又は電圧を修正する手段を実装することにより、作動変位における熱変動(つまり、熱により誘起された変動)を打ち消すことに基づく。受動的な手段は、例えば閉ループ制御動作を実施するために外部センサに依存するのではなく、この手段が該手段に関係するいくつかの固有の物理的又は電気的特性に基づいているという意味で「統合(integral)」を含み得る。パッシブ(受動)は、アクティブ(能動/活性)とは対照的に使用される。アクティブとは、例えば外部センサからデータ又は測定値を能動的に集め、それに応じて電流又は電圧を調整することを意味する。パッシブとは、例えば外部測定が行われ、且つそれに応じてアクティブな論理「決定」が行われる場合等の複数のステップのメカニズムではなく、ワンステップ、つまり単一の統合された物理的又は電気的なメカニズムに依存していることを意味し得る。
受動的な補償手段を使用することにより、熱ドリフトを操作上簡素な方法で補償することができる。必要な部品点数が能動的な補償手段よりも少ないため、製造がより簡素且つ安価になる。部品点数の削減及び複雑さの軽減により、信頼性も向上し得る。
受動的な補償手段は、特に、温度依存性の多層コンデンサ構造体を含む。温度による静電容量の変化率は、作動変位における温度依存性の変動を補償するように構成された大きさの活性層構造体に、供給電圧又は電流の温度依存性ブーストを提供するようなものであり得る。
アクチュエータ構造体は、活性層構造体に結合された受動的なキャリア層構造体を含む。キャリア層構造体は、バッキング層構造体である。受動とは、活性層構造体とは対照的に、電気的に反応しないことを意味する。受動的なキャリア層構造体は、アクチュエータの曲げによって生じる機械的歪みに耐えるのに十分な可撓性を有している必要がある。
キャリア層構造体は、多層コンデンサ構造体を形成するように適合される。こうして、受動層構造体の(複数の)層は、温度依存性のコンデンサ構造体の(複数の)層を効果的に形成し、逆も同様である。これは、受動的な層構造体を受動的な補償手段と統合することにより、アクチュエータ構造体のフォームファクタ及び設置面積を最小化する。
さらに、この場合に、温度依存性のコンデンサは、(活性層構造体に結合されることにより)活性層構造体に近接して保持されるため、それぞれの温度変化が非常に類似していることも保証される。好ましくは、活性層構造体及びコンデンサ層構造体は、互いに熱的に結合されるか、さもなければ互いに熱的に連通している。
受動的な補償手段をバッキング構造体に統合すると、フォームファクタの低減や、補償手段及び活性層のより近接した温度結合等の利点がある。しかしながら、電気活性ポリマー等の多くの電気活性材料では、熱変形を打ち消すのに十分な量だけ、示された電気的変形を調整するために大きな静電容量が必要である。これは、部分的には、これらの材料の誘電率が高いためである。バッキング層構造体の小さなフォームファクタに十分な静電容量を与えることは問題を提起する。
本発明は、多層コンデンサ構造体を提供することによりこの問題を克服する。多層コンデンサ構造体を使用することにより、異なる層を組み合わせて使用して全体の静電容量を大きくし、より大きな静電容量を構築できる。層構造体は、例えば、複数の個々のコンデンサ層を提供することができ、これら複数のコンデンサ層を一緒に、例えば並列に接続して、比較的小さな領域から大きな全体的な静電容量を提供することができる。
受動的なキャリア層構造体は、例では、例えば金属化内部電極を含むポリマー材料の薄膜及び/又は例えば金属化内部電極を含むセラミック材料の薄層の層スタックを含んでもよい。多層コンデンサ構造体の形成を可能にし、且つキャリア層機能に必要な構造特性を与える適切なセラミック材料には、例えば、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ナトリウムが挙げられる。コンデンサ構造体形成層に加えて含められ得る他のセラミック材料には、例えば、酸化イットリウム又は酸化ニオブ、或いはこれらの組合せ、及び当業者には明らかな類似の材料が含まれる。
セラミックは、受動的なキャリア層スタックの構造体が、セラミック層がアクチュエータ構造体の中立曲げ軸上又はこの中立曲げ軸の近くにあり、曲げ応力が無視できるような構造体である場合に、使用するのに特に適している可能性がある。これにより、セラミック層の厚さが、約10マイクロメートルに制限され得、この厚さは、わずか数層(材料によっては2〜4層)に相当する。標準的なポリマーコンデンサ材料(ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド等)は、バッキングとして使用する場合に、重要な機械的歪みにより多く耐えることができる。
活性層構造体は、温度の関数として熱変形を示す場合があり、受動的な補償手段は、その熱変形を打ち消す電気的変形の結果としての変化を生じさせるようなレート(rate)で、温度の関数として電圧又は電流を修正する。変形は面内変形であってもよい。活性層構造体がクランプされているか、剛性のバッキングを含んでいる場合に、この変形は、面外変形に変換され得る。
多層コンデンサ構造体は、活性層構造体の電気活性材料と直列に接続され、且つ活性層構造体に供給される駆動電圧又は電流を受け取るように配置され得る。
コンデンサ構造体は、アクチュエータ構造体の駆動電圧入力回路を形成することができ、活性層構造体に印加された電流又は電圧が、コンポーネントを通過し、コンデンサ構造体は、駆動電圧又は電流に基づいて電気的に動作し、温度に依存して供給電圧を受動的に調整することができる。
一組の例によれば、受動的な補償手段は、温度依存性の抵抗器をさらに含み得る。これは、例えば温度依存性インピーダンスの追加ソースを提供するために、コンデンサ構造体と直列に電気的に接続され得る。温度による抵抗の変化率は、温度依存性のコンデンサ構造体と組み合わせて、作動変位における温度依存性の変動を補償するように設定されたレートで、活性層構造体への供給電圧又は電流を低減させるよう変化率であり得る。
1つ又は複数の例によれば、コンデンサ構造体の複数の層は、複数の別個のコンデンサを形成し得る。並列に接続されることが好ましい。例えば、多層構造体の各層は、別個のコンデンサを形成してもよい。あるいはまた、2つ以上の層が1つのコンデンサを形成する場合もある。
この場合に、コンデンサ構造体によって形成された複数のコンデンサのうちの少なくとも2つは、異なる静電容量を有してもよい。このようにして、構造体を、所望の特定の静電容量レベルに正確に調整でき、つまり、静電容量−温度曲線のレベルを調整できる。
実施形態の更なるセットによれば、受動的な補償手段は、活性層構造体の材料層のうちの1つ又は複数の材料特性によってさらに提供され得る。このようにして、活性層構造体自体の材料は、温度の関数として電気的特性又はパラメータの固有の変動を示し、この変動がその材料(構造体)全体に示される電流又は電圧の変動を誘起する。
一組の例では、材料特性は、温度の関数として変化する誘電率であり得る。材料の誘電率は、材料全体に電界を形成するときに発生する抵抗の尺度である。誘電率が低いほど、外部電界の印加に応じて材料全体に確立される変位場(displacement field)が低くなる。
例では、誘電率は、温度上昇とともに低下する場合がある。固定した印加駆動電圧の場合に、これは、温度上昇の関数として、材料全体に実際に内部で経験する変位場の減少につながる。これにより熱膨張を打ち消すことができる。
1つ又は複数の実施形態によれば、アクチュエータ構造体は、バッキング層構造体によって形成された多層コンデンサ構造体に制御可能なバイアス電圧を供給するように構成された静電容量調整手段を含むことができる。これにより、印加されたバイアス電圧に依存して、多層コンデンサ構造体が示す静電容量を調整できる。オプションで、コントローラが、静電容量調整手段を提供してもよい。あるいはまた、制御可能なバイアスを加えるために、別個の電圧供給手段を提供してもよい。
コンデンサの誘電率(及び、温度による誘電率の勾配)は、電圧に依存する(また、静電容量は、当然誘電率に依存する)。こうして、制御可能なバイアス電圧を供給することにより、静電容量の挙動を調整できる。
静電容量調整手段により、コンデンサ構造体の静電容量のレベルを較正して、所与のシナリオにおいて最適な温度補償を実現できる。例えば、活性層の温度変形の示されるレベルは、状況に依存する場合があり、又はアクチュエータ構造体の特性が変化するにつれて時間とともに変化する場合がある。また、作動ドリフトのレベル及び挙動を正確に事前に知ることは困難であり得る。静電容量調整手段により、動作中にレベルを設定したり、様々なシナリオに合わせてレベルを調整したりできる。これにより柔軟性が高まる。
印加されたバイアス電圧は、例えばユーザ入力コマンドに基づいて調整可能に設定され得るか、又は例えば作動変位における熱変動のレベルを感知又は監視すること、及び提供された補償によって作動変位におけるドリフトが打ち消されるようにバイアスレベルを調整することに基づいて、自動的に設定され得る。両方の組合せを提供してもよい。
場合によっては、温度に応じてバイアス電圧を調整できる。この場合に、バイアス電圧−温度の関係は、作動変位における熱変動を補償するように設定され得る。この機能を容易にするために、温度センサを設けてもよい。
静電容量調整手段は、任意の例において、温度の関数としてコンデンサ構造体によって示される静電容量が、作動変位における熱変動を打ち消す電気的変形の結果としての変動を生じさせるようなレートで電流又は電圧を修正するように、供給されるバイアス電圧のレベルを調整するように設定され得る。
1つ又は複数の実施形態によれば、アクチュエータ構造体は、層構造体の変形を制御するために、活性層構造体への電気刺激の供給を制御するように適合されたコントローラをさらに含み得る。電気刺激は、受動的な補償手段を介して与えられる。コントローラは、所望の作動量(degree of actuation)に従って駆動電圧又は電流を供給してもよい。駆動電圧は、受動的な補償手段を介して印加される。コンデンサ構造体は、例えば、コントローラの電気出力と直列に接続され、それにより受動的に補償された制御回路を規定してもよい。このコンデンサ構造体は、受動的な補償手段の他のコンポーネント又は要素と直列にさらに接続してもよい。
活性層構造体は、電界又は電流を活性層構造体の材料層の電気活性材料に印加するための電極構成を含むか、この電極構成と協働するように構成され得る。
実施形態の1つ又は複数のセットによれば、コントローラは、活性層構造体の部分的な変形を刺激するために、持続的な電気的バイアスを活性層構造体に与えるように使用中に適合され得る。この電気的バイアスは、活性層構造体を完全に作動した状態に駆動する大きさであり得る。制御された変形(作動)は、駆動電圧又は電流を所望の作動変位量に比例して低減させることにより行われる。
特にリラクサ強誘電性EAP材料(電気活性材料のクラス)の場合に、完全に作動した状態では、材料は、全てトランス状態である。この状態は、他の状態よりも熱膨張係数が低い状態である。作動変位における熱ドリフトをもたらすのは、温度によるEAP材料の固有の熱膨張である。こうして、電気活性材料を完全に作動した状態に保つことにより、最初に示される熱ドリフトが低減する。受動的な補償手段と組み合わせることで、これは、熱ドリフトのさらに効率的且つ効果的な緩和を達成し、及び/又は補償手段による印加駆動電流の変更をあまり必要とせず、効率を向上させる。
任意の実施形態によれば、活性層構造体は、活性層構造体の電気的変形がない場合に第1の方向に曲げバイアスを示すように構成され得、電気的変形の際に反対方向に曲げバイアスを示すように構成される。
この構成の利点は、受動的な補償手段の緩和効果にもかかわらず依然として発生する残留熱ドリフトを常に補償して、少量の駆動電圧を印加することでアクチュエータ構造体を基準又は「平坦な」形状に戻すことができることである。残留熱ドリフトが作用する方向に関係なく、電気的変形(事前の曲げ方向へのドリフトの場合)又は曲げバイアス自体(事前の曲げ方向へのドリフト打消しの場合)を使用して、アクチュエータ構造体を平坦な形状に戻すことが可能である。
オプションで、コントローラが、提供され、且つ第1の方向の曲げバイアスを部分的に打ち消すために、持続的な電気的バイアスを活性層構造体に与えるように使用中に適合される。この場合に、アクチュエータ構造体は、第1の基準温度で基準状態になる。温度変化は、受動的な補償手段によって実質的に補償される。ただし、駆動電圧を僅かに増減させてアクチュエータ構造体をその基準構成に戻すことにより、残っている残留ドリフトを補償できる。
こうして、これらの構成では、温度誘起性の作動変位ドリフトの調整に高度の柔軟性が提供される。
任意の実施形態によれば、キャリア層構造体は、1つ又は複数の予め応力が加えられた(pre-stressed)材料層を含むことができ、キャリア層構造体は、温度に応じて正(positively)に変化する弾性を示す。これは、温度が上昇すると、キャリア(バッキング)層がより柔軟になり、活性層構造体の(正又は負の)熱膨張に対応でき、それにより熱ドリフトを回避又は緩和できることを意味する。
例えば、特定の例では、少なくとも活性層構造体は、温度とともに負(negatively)に変化する熱膨張を示す場合がある。この場合に、温度が上昇すると、活性層構造体は収縮する傾向があるが、キャリア層構造体はより柔軟になり、そのため、その予応力の一部が面内で解放され、結果として僅かな収縮も起こる。こうして、2つの層は互いに並行して収縮し、互いに対するそれぞれの影響は効果的に無効化又はキャンセルされる。これにより、熱ドリフトが回避される。これが効果的となるには、この例では、キャリア層構造体は、弾性が増加すると解放された予応力によって収縮がもたらされるように、圧縮応力で予め応力が加えられた状態にする必要があることに留意されたい。
受動的な補償手段と組み合わせることで、この適合により、熱誘起性の作動変位ドリフトのさらに堅牢で効率的な緩和が保証される。
「予め応力が加えられた」とは、通常、持続的な面内応力を示すように適合(例えば、前処理)されることを意味することに留意されたい。
本発明の更なる態様による例は、アクチュエータ構造体の電気刺激を制御することを含む作動方法を提供する。この構造体は、1つ又は複数の材料層を含む活性層構造体であって、各材料層が電気刺激に応答して変形可能な電気活性材料を含む、活性層構造体と、活性層構造体に結合された受動的なキャリア層構造体と、を有する。この作動方法は、電気刺激を活性層構造体に与えるステップであって、電気刺激の電流又は電圧が、受動的な補償手段によって温度の関数として事前に修正され、それによってアクチュエータ構造体の作動変位における熱変動を補償する、与えるステップを含み、ここで、受動的な補償手段は、温度依存性の多層コンデンサ構造体を含み、受動的なキャリア層構造体は、コンデンサ構造体を形成するように適合される。
活性層構造体は、温度の関数として熱変形を示す場合があり、受動的な補償手段は、その熱変形を打ち消す電気的変形の結果としての変化を生じさせるようなレートで、温度の関数として電圧又は電流を修正するように適合される。
本発明の例について、添付図面を参照して詳細に説明する。
EAP装置の可能な動作モードを示す図である。 EAP装置の可能な動作モードを示す図である。 温度による熱ドリフトの変化を示すグラフである。 一方のエッジ部でクランプされた基本的なEAMアクチュエータを示す図である。 本発明の1つ又は複数の実施形態による例示的なアクチュエータ構造体を示す図である。 (逆)温度の関数としての3つの材料の誘電率を示すグラフである。 温度の関数として、ある範囲の電気活性材料及びフィラー複合体の誘電率を示すグラフである。 温度依存性の誘電率及び温度依存性の静電容量を提供するハイブリッド型キャリア層構造体を含む例示的なアクチュエータ構造体を概略的に示す図である。 例示的なEAP材料の3つの材料状態を示す図である。 印加駆動電圧の増加の関数としてのリラクサ強誘電性EAPの熱ドリフト率の変動を示す図である。 本発明の1つ又は複数の実施形態による例示的なアクチュエータ構造体の可能な実施態様を示す図である。 本発明の1つ又は複数の実施形態による例示的なアクチュエータ構造体のさらに可能な実施態様を示す図である。
本発明は、温度の関数として作動変位における固有の変動を示す電気活性材料ベースの活性層構造体を含むアクチュエータ構造体を提供する。受動的な補償手段が、作動変位における熱誘起性変動を補償するように、温度の関数として活性層構造体に印加される電気刺激の電流又は電圧を修正するために提供される。受動的な補償手段は、温度依存性の多層コンデンサ構造体を含み、且つ活性層構造体に結合して設けられる受動的なキャリア層構造体の(複数の)層によって形成される。
本発明は、上記のように、電気応答性材料の分野におけるあるクラスの材料である電気活性材料(EAM)を利用する。特にEAM内の新しい1つのクラスは、電気活性ポリマー(EAP)のクラスである。前述したように、EAPは、センサ又はアクチュエータとして機能し、様々な形状に容易に製造できるため、多種多様なシステムに容易に統合できる。
電気活性ポリマーを使用する装置は、電界駆動型(field-driven)材料とイオン駆動型材料とに細分化できる。
電界駆動型EAPの例には、圧電ポリマー、電歪ポリマー(PVDF系リラクサポリマー等)、及び誘電性エラストマーが挙げられる。他の例には、電歪グラフトポリマー、電歪式ペーパー(Electrostrictive paper)、エレクトレット(Electrets)、電気粘弾性エラストマー、及び液晶エラストマーが挙げられる。
イオン駆動型EAPの例は、共役/導電性ポリマー、イオン性ポリマー金属複合材料(IPMC)、及びカーボンナノチューブ(CNT)である。他の例には、イオン性ポリマーゲルが挙げられる。
電界駆動型EAPは、直接的な電気機械結合を介して電界によって作動される。それら電界駆動型EAPは、通常、高い電界(1メートルあたりのボルト)を必要とするが、低電流である。ポリマー層は、通常、駆動電圧を可能な限り低く保つために薄くされている。
イオンEAPは、電気的に誘起されたイオン及び/又は溶媒の移動によって活性化される。それらイオンEAPは、通常、低電圧であるが大電流が必要である。それらイオンEAPは、液体/ゲル電解質媒体が必要である(ただし、一部の材料系は固体電解質を使用して動作することもできる)。
EAPの両方のクラスには複数のファミリー・メンバーがあり、それぞれに利点と不利点とがある。
電界駆動型EAPの注目すべき最初のサブクラスは、圧電ポリマー及び電歪ポリマーである。従来の圧電ポリマーの電気機械的性能は限られているが、この性能を向上させる際の打開策(breakthrough)によって、自発的な電気分極(電界駆動配向)を示すPVDFリラクサポリマーがもたらされた。これらの材料は、歪んだ方向の性能を向上させるために、予め歪ませた状態にされ得る(予歪みによってより良好な分子配向がもたらされる)。歪みが通常中程度の範囲(1〜5%)にあるので、普通、金属電極が使用される。他の種類の電極(導電性ポリマー、カーボンブラックベースのオイル、ゲル、又はエラストマー等)も使用することができる。電極は、連続していても、セグメント化していてもよい。
電界駆動型EAPの興味深い別のサブクラスは、誘電性エラストマーのサブクラスである。この材料の薄膜をコンプライアント電極(compliant electrodes)同士の間に挟み込んで、平行平板コンデンサを形成する。誘電性エラストマーの場合に、印加された電界によって誘起されるマクスウェル応力はフィルムに応力を生じさせ、それによってフィルムの厚さを収縮させ、面積を拡大させる。歪み性能は、典型的には、エラストマーに予歪みを与えることによって拡大される(予歪みを保持するためのフレームが必要である)。歪みはかなりのものになり得る(10〜300%)。これはまた、使用できる電極の種類を制限する:低及び中程度の歪みについては、金属電極及び導電性ポリマー電極を検討することができ、高程度の歪みについては、カーボンブラックベースのオイル、ゲル、又はエラストマーが典型的に使用される。電極は、連続的していても、セグメント化していてもよい。
場合によっては、ポリマー自体に十分な導電性(寸法方向(dimension-wise))がない場合に、薄膜電極が追加される。電解質は、液体、ゲル、又は固体材料(つまり、高分子量ポリマーと金属塩との複合体)であってもよい。最も一般的な共役ポリマーは、ポリピロール(PPy)、ポリアニリン(PANi)、及びポリチオフェン(PTh)である。
アクチュエータは、電解質に懸濁されたカーボンナノチューブ(CNT)で形成してもよい。電解質はナノチューブと二重層を形成し、電荷の注入を可能にする。この二重層電荷注入は、CNTアクチュエータの主要なメカニズムと考えられている。CNTは、電荷がCNTに注入された状態の電極コンデンサとして機能し、その後、これは、電解質のCNT表面への移動によって形成された電気二重層によってバランスが保たれる。炭素原子の電荷を変えると、C−C結合長が変化する。その結果、単一のCNTの膨張及び収縮を観察できる。
図1及び図2は、EAP装置の2つの可能な動作モードを示している。
この装置は、電極10、12の間に挟み込まれた電気活性ポリマー層14を含み、電極10、12は電気活性ポリマー層14の両側にある。
図1はクランプされていない装置を示す。図示のように電気活性ポリマー層を全方向に拡張させるために電圧が使用される。
図2は、拡張が一方向にのみ生じるように設計された装置を示す。装置は、キャリア層16によって支持されている。電気活性ポリマー層を湾曲又は撓ませるために電圧が使用される。
電極、電気活性ポリマー層、及びキャリアは、一緒に、全体的な電気活性ポリマー構造体を構築すると見なしてもよい。
この動きの性質は、例えば、作動したときに拡張する活性層と受動的なキャリア層との間の相互作用から生じる。図示のように軸の周りの非対称な湾曲を得るために、例えば分子配向(フィルム延伸)を適用して、運動を一方向に強制してもよい。
一方向への拡張は、EAPポリマーの非対称性から生じ得るか、又はキャリア層の特性の非対称性から生じ得るか、又はこれら両方の組合せから生じ得る。
上述したように、電気活性ポリマー構造は、作動と感知との両方に使用することができる。最も顕著な感知機構は、力の測定及び歪みの検出に基づいている。例えば、誘電性エラストマーは、外力によって容易に引き伸ばすことができる。センサに低電圧をかけることにより、電圧の関数として歪みを測定できる(電圧は面積の関数である)。
電界駆動型システムで感知する別の方法は、静電容量の変化を直接測定するか、又は歪みの関数として電極抵抗の変化を測定することである。
圧電及び電歪ポリマーセンサは、加えられた機械的応力に応じて電荷を生成できる(結晶化度の量が検出可能な電荷を生成するのに十分高い場合)。共役ポリマーは、ピエゾイオン効果を利用できる(機械的応力はイオンの作用につながる)。CNTは、応力にさらされると、CNT表面で電荷の変化を経験し、この変化を測定できる。また、CNTの抵抗は、気体分子(例えば、O、NO)と接触すると変化するため、CNTをガス検出器として使用できることも示している。
以下の詳細な例では、EAP材料を含む応答性材料要素が提供される。しかしながら、これは単なる例示であり、全ての場合に、記載された実施形態において、本発明の一般的な概念、機能、又は達成される一般的な利点を変更せずに、EAP材料要素を、(適切な刺激によって刺激される)異なる様々な応答材料要素によって置き換えてもよいことを理解されたい。
本発明は、アクチュエータ変位における熱ドリフトを補償することに基づいている。熱ドリフトとは、電気刺激がない場合の、環境温度の変化によって生じるアクチュエータの作動変位における制御不能なドリフト又は変動を意味する。電気活性材料が温度の上昇に伴って拡張するため、その熱ドリフトが発生し、この温度上昇は、アクチュエータの作動変位に無視できないシフトを生じさせる。
例として、図3は、環境温度(y軸、右、℃)が変化する際の、自立型リラクサ強誘電性電気活性ポリマーアクチュエータに関して測定された経時的な(x軸、秒)変位(y軸、左、mm)を示している。ライン22は変位における変動を示す一方、ライン24は温度における変動を示す。
作動電圧は印加されていない。変位は、一方のエッジ部でクランプされたアクチュエータについて測定され、このクランプから3mmの距離でアクチュエータの層の平面に直交して延びる軸線に沿って測定された。これは、図4に概略的に示されており、図4は、EAPアクチュエータ28がクランプ要素28により一方のエッジ部でクランプされ、変位が測定された変位軸30がクランプ部材から3mmに位置することを示す。
図3に戻ると、時間の経過とともに環境温度が変動すると、アクチュエータが曲がる。温度が上昇すると、アクチュエータの変位が増加する(アクチュエータは上向きに曲がる)。約3℃の温度変動により、約0.15mmの撓み(ドリフト)が生じる。これは、一般的な0〜2mmの典型的な作動撓みに比べて大きい。精密な作動用途(はるかに微細な変位が必要な場合)では、このようなドリフトは、特に大きく、所望の総変位、又は変位における所望の変化を超えることさえある。
リラクサ強誘電性EAP材料の場合に、作動に関する理想的な動作温度範囲は、強誘電体−常誘電体(F−P)転移温度付近に制限される。典型的な状況では、環境温度は、この転移温度の周りで+/−10度以下である。
誘電性エラストマー・アクチュエータの場合に、動作温度は、ガラス転移温度より高くする必要がある。イオン・アクチュエータの場合に、温度は、膜層の拡散特性によって制限され、且つウェットシステム(液体/ゲル電解質媒体を使用するシステム)の場合に、液体の沸点によって最終的に制限される。イオンを運ぶ液体が沸騰すると、気泡が発生し、この気泡は、効果的な機能を阻害し、熱膨張による爆発を引き起こすことさえある。
精密な用途では、作動中に温度が変動すると、アクチュエータにドリフトが生じる可能性がある。これは、温度条件が変化する下で(例えば、EAPが、使用中に熱くなり得る機能コンポーネントに近接して動作するように配置される)、長期間の精密な作動(例えば、固定変位位置の保持又はセンサ位置修正等の非常に小さな変位間隔同士の間の動的なシフト等)を必要とするアクチュエータでは特に問題になる。
精密な用途では、アクチュエータはキャリブレーション手法を使用して較正できる。ただし、キャリブレーションは特定の固定温度で実行される。使用中の環境温度がキャリブレーション温度とは異なる場合に、アクチュエータの作動にオフセットを有する場合がある。
例えば、体内での用途では、環境温度は、健康な被検者の36.5〜37.5℃から、発熱患者の最大39℃まで変化する。これらの温度差により、上記の例のアクチュエータでは0.05〜0.15mmのオフセットが生じる可能性がある。
この理由のため、本発明は、作動変位における熱誘起ドリフトを打ち消すための補償手段を提案する。本発明は、この効果を達成するために、特に受動的な電気補償手段を使用することを提案する。実施形態によれば、温度の関数として供給駆動電流又は電圧を受動的に変更して熱ドリフトを補償する効果を有する補償手段が実装される。得られたアクチュエータ構造体は、作動中に変化を受ける温度環境で使用できる。
受動的な補償手段は、少なくとも温度依存性の多層コンデンサ構造体を含む。この温度依存性のコンデンサ構造体は、特に、アクチュエータ構造体自体のバッキング層構造体の(複数の)層によって形成される。これにより、特にコンパクトで効率的な配置が提供される。コンデンサ構造体は、活性層構造体の電気活性材料と直列に接続され、且つ温度に応じてそのコンデンサ構造体に供給される電流又は電圧を変更することができる。
本発明の1つ又は複数の実施形態によるそのような構成の例が、図5に概略的に示されている。
アクチュエータ構造体40は、活性部分44とバッキング(キャリア)部分45とを含む。活性部分は、複数の積層材料層48を含む活性層構造体から構成され、各材料層が電気活性ポリマー材料を含む。これらの層は、電気活性ポリマーの全体、つまりEAP材料の本体を形成してもよく、又は1つの構成要素としてEAPを含んでもよい。図示された例では、活性層は、4つのEAPベースの材料層48から構成される構造又はスタックを含むが、他の例では、異なる数の層を設けてもよく、これは単に1層でもよい。
活性層構造体は、複数の電極58を含む電極構成56と電気的に連通するように構成され、複数の電極58は、活性層構造体の材料層48のそれぞれを挟み込むように配置される。活性層構造体は、典型的には、構造自体に組み込まれた電極材料を含み、電極材料は、各材料層の両側に延びるように位置付けされる。この場合に、電極構成は、これらの材料層によって部分的に形成され、且つ各電極材料層からコントローラ62に延びる一組の電気接続によって部分的に形成される。コントローラ62は、電気刺激を直列に接続されたコンデンサ・バッキング構造体46を介して活性層構造体に与えることにより、材料層の刺激を制御するように適合される。
(非作動)バッキング又はキャリア部分45は、複数の材料層50を含む層構造体から構成される。材料層は、一緒になって1つ又は複数の温度依存性のコンデンサを形成するように構成される。
特に、多層コンデンサの分野で知られている多層コンデンサ構成が提供される。各材料層50は、2つの電極59の間に位置する誘電性材料を含む。静電容量を増大させるために、複数の層が並列に接続される。こうして、並列コンデンサ配置は、個々の層の静電容量の合計に等しい総静電容量を有する単一の複合コンデンサ全体を効果的に形成する。
他の例では、層の集まりが一緒になって単一のコンデンサを形成してもよい。この場合に、単一の電極対が提供され得る。
このバッキングコンデンサ構造体は、活性層構造体44と直列に電気的に接続される。図5に示される正及び負の接続点で示されるように、駆動電圧又は電流が、コンデンサ・バッキングを介して活性層構造体に印加される。
これにより、バッキング構造体46は、アクチュエータ構造体40に受動的な補償手段46を提供する。バッキング層構造体45によって形成されるコンデンサの温度依存性の静電容量は、温度の関数として活性層構造体44に供給される全体の電圧を変化させるようなものである。コンデンサ構造体は、電気的に接続されたコントローラ62から受け取った駆動電圧で動作し、且つ温度の関数としてそれら駆動電圧を修正するように作用する。温度により誘起される電圧又は電流変化率は、活性層構造体に、固有の作動変位ドリフト率(割合)を活性層構造体の電気活性材料の温度と一致させる作動変位における対応する変化を(逆方向に)誘起させるようなものである。このようにして、熱ドリフトを補償できる。
活性層構造体44とバッキング層構造体45との間に電気的分離層60を配置して、それら活性層構造体44及びバッキング層構造体45を互いに電気的に分離する。これにより、この2つの構造体の間の電気通信が、それぞれの電極構成56、59間に設けられた直列電気接続のみを介して行われることが保証される。
図5は、アクチュエータ部材42の中心を通る垂直方向ギャップ61を示しているが、これは、単に、アクチュエータ部材が図5に示されるものよりも広いことを示すために、概略的に示す目的のためである。アクチュエータ部材の層は、実際には、アクチュエータ部材の水平幅全体に亘って、一方の側から他方の側まで途切れずに続く。
図示されるように、図5の特定の例では、バッキング層構造体46は、活性層構造体よりも多くの材料層50(この場合に、4つではなく7つの層)を含む。もっとも、更なる例では、バッキング層構造体は、活性層構造体よりも少ない材料層を含み得る。
活性層構造体44は、オプションで、複数の層を互いに結合又は固定するために、隣接する層48同士の間に結合材料52をさらに含む。
活性層構造体の層は、非常に薄い層の多層スタックを形成してもよい。これにより、電極が各層の両側に設けられ、各層が直接刺激される限り、駆動電圧が低く保たれる。
上記のように、コンデンサ構成を形成するために、バッキング層構造体46は電極構成も含み得る。このようにして、各材料層は別個のコンデンサを形成し得、これらは並列に接続される。この場合に、各材料層を挟み込んで配置される複数の電極の配置が(図5の例のように)提供される。
材料層は、例では、任意の柔らかい又は柔軟なポリマー誘電性材料で形成してもよく、又は、更なる例では、可撓性の又は柔軟なポリマーマトリックスに埋め込まれた固体(例えば、誘電性)粒子を使用してもよい。
より具体的には、受動的なキャリア層構造体は、例として、例えば金属化内部電極を含むポリマー材料の薄膜、及び/又は例えば金属化内部電極を含むセラミック材料の薄層の層スタックを含み得る。多層コンデンサ構造体の形成を可能にし、且つキャリア層機能に必要な構造特性を与える適切なセラミック材料には、例えば、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ナトリウムが挙げられる。コンデンサ構造体を形成する層に加えて含まれ得る他のセラミック材料には、例えば、酸化イットリウム又は酸化ニオブ、或いはこれらの組合せ、及び当業者には明らかな類似の材料が含まれる。
セラミックは、キャリア層スタックの構造体が、セラミック層がアクチュエータ構造体の中立曲げ軸上又はこの中立曲げ軸の近くにあり、曲げ応力が無視できるような構造体である場合に、使用するのに特に適している可能性がある。これにより、セラミック層の厚さが、約10マイクロメートルに制限され得、この厚さは、わずか数層(材料によっては2〜4層)に相当する。標準的なポリマーコンデンサ材料(ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド等)は、バッキングとして使用する場合に、重要な機械的歪みにより多く耐えることができる。
バッキング構造体の層を温度依存性のコンデンサとして利用することにより、結果として得られるコンデンサは、活性層構造体の直ぐ近くに配置される。これにより、コンデンサが、活性層構造体と同じ温度変動に高い精度で追従できることが保証される。
一組の実施形態によれば、温度依存性の抵抗器(つまり、サーミスタ)も提供してもよく、これは受動的な補償手段の追加部分を形成する。この抵抗器は、例えば、コンデンサ構造体と直列に接続することができる。2つのインピーダンスが一緒に組み合わさって複合補償手段を提供する。
好ましくは、正の温度係数(PTC)サーミスタが提供される。そのような実施形態の温度依存性の抵抗器は、キャリア層構造体45によって形成されるコンデンサ構造体と電気的に直列に接続される。駆動電圧又は電流は、温度依存性の抵抗器を介して活性層構造体に供給される。温度による抵抗の変化率は、作動変位における熱ドリフトを相殺するか、実質的に打ち消す温度で駆動電流又は電圧の変更を強制するようなものである。
この場合に、温度依存性の抵抗器は、2つ(抵抗器及び電気活性材料)の温度変動が密接に調和するように、活性層構造体の電気活性材料と強い熱的連通状態で配置されることが好ましい。このようにして、抵抗の変化は、ドリフトを補償するようなものでなければならない(2つのコンポーネントの温度依存性の挙動がよく一致していると仮定)。
実施形態の1つ又は複数のセットによれば、受動的な補償手段は、アクチュエータ構造体の活性層構造体の材料特性によってさらに提供され、作動変位における熱ドリフトを補償することができる。特に、作動したEAP材料(リラクサ強誘電性ターポリマー(terpolymer)を除いた状態)の場合に、熱により誘起されるドリフトを補償するために、活性層構造体の電気的特性が調整され得る。この電気的特性は、例では、材料の誘電率を含み得る。
誘電性エラストマーEAPの場合に、EAPの熱膨張は(温度の関数として)正であり、これは、温度が上昇するとEAPが面内で拡張することを意味する。この面内拡張は、温度による作動変位におけるドリフトをもたらす。
エラストマー材料の誘電率が、温度の上昇とともに低下するようなものである場合に、効果は、駆動電圧が印加される各ユニットに対して、結果として生じる作動変位が減少することである。こうして、温度による誘電率の(負の)変化が適切に調整される場合に、その誘電率によって、作動変位における温度誘起ドリフトを(印加駆動電圧に対する活性層構造体の作動応答の低減により)相殺又は打ち消すことができる。
誘電率の温度に対する必要な負の依存性は、多くの種類の、例えば誘電性エラストマー等の材料によって示される。これらには、特に特定のアクリル及びシロキサンゴムが含まれる。これを図6に示す。図6は、3つの異なる例示的な材料の(逆)温度(x軸、単位1000/K)の関数としての比誘電率(y軸)の変化を示している。ライン74はVHB(アクリル)の依存性、ライン76はシルガード(Sylgard)186(シリコーンエラストマー)の依存性、及びライン78はM-Polypower材料の依存性を示している。これらは全て市販の材料である。
図示されるように、全て、温度が上昇すると負の誘電率依存性を示す(温度が逆の場合は図6に正の依存性として示される)。
誘電性エラストマーの誘電率の温度依存性の性質は、例によれば、フィラー粒子を追加することにより調整することができ、それによりフィラー−エラストマー複合材料を形成する。フィラー材料のエラストマー材料に対する比率を調整することにより、誘電率−温度の依存性を広範囲の様々なレベルに調整できる。このようにして、所望の特定のアクチュエータの熱ドリフト挙動を正確に補償するように、誘電率の挙動を調整することができる。
これは、図7のグラフに示されている。図7は、それぞれがPDMSのカーボンブラックに対する異なる比率を含む複数の異なるPDMS/カーボンブラック複合材料のセットの、異なるAC周波数に対する誘電率(y軸)と温度(℃)の関係を示している。各グラフにおいて、ラインは、(上から下に)1kHzの駆動周波数、10KHzの周波数、100kHz、及び1MHzでの関係を示している。
図7(a)は、カーボンブラックを含まない純粋なPDMSの関係を示している。図示されるように、温度上昇に対して誘電率の強い負の依存性がある。図7(b)は、PDMSが90%、カーボンブラックが10%の複合材料の関係を示している。ここで、依存性は僅かに低下し、より高い周波数ではより低下する。図7(c)は、PDMSが80%、カーボンブラックが20%の複合材料の関係を示している。ここで、実際には、最高の駆動周波数を除く全ての依存性が正である。図7(d)に示されるように、PDMSが70%、カーボンブラックが30%の複合材料にも同じことが言えるが、ここでは、最高の駆動周波数でも正の依存性が存在する。図7(e)は、PDMSが60%、カーボンブラックが40%の複合材料の依存性を示している。ここで、高い駆動周波数では非常に僅かな正の依存性があるが、最低の駆動周波数では殆どゼロの依存性である。
従って、これから明らかなように、正又は負にかかわらず、相殺することが所望される特定の熱ドリフト挙動及び率に応じて、及びアクチュエータ構造体の意図した駆動電圧に応じて、熱ドリフトを正確又は実質的に相殺するために、温度による必要な補償誘電率の変化を示す適切な複合材料が選択され得る。
誘電率の温度依存性が受動的なキャリア層構造体の材料層に提供される場合に、材料層及び層構造体は、この機能を提供し、且つキャリア層構造体に統合された多層コンデンサ構造体を提供するように構成する必要がある。
こうして、活性層構造体と比較してキャリア(又はバッキング)層構造体に反対の誘電率−温度変化を与える場合に、バッキング構造体の材料層は、誘電率の負の温度係数を示す材料及び作動による機械的歪みに耐えることができる材料である必要がある。
この場合の適切な材料には、エラストマー(シロキサン又はアクリルエラストマー(そのいくつかの例は、例えば図6に関連して上述した))等がある。ただし、場合によっては、これらの材料は、受動的なバッキングとして機能するのに十分な機械的特性を提供しない場合がある(特に、例えばリラクサ強誘電性EAP材料が活性層で使用される場合等)。
これらのEAP材料が活性層内で使用される場合に、キャリア層構造体は、必要な構造特性を与える少なくとも1組の構造層と、誘電率の負の温度依存性を与える更なる組の層とを含む多層スタックを含むことが好ましい。好ましくは、更なる組の層のみが、印加される電界の影響を受ける電気的特性を有する一方、構造ポリマー層は電界の影響を受けない。このような構成では、バッキング構造体は、適切な機械的特性と、EAPの熱ドリフトを電気的に補償するために必要な誘電性機能との両方を与える。必要な構造的特性は、活性層が面内で拡張するときに、バッキングが曲げを強制するという必要な効果を提供できるようにするための、機械的歪みに対する耐性である。従って、構造層は弾性層であることが好ましい。
図8は、そのようなハイブリッド型キャリア層構造体を組み込んだ例示的なアクチュエータ構造体の断面図を概略的に示している。活性層構造体44は、電極を包囲した状態の単一層のEAP材料を含むものとして示されているが、他の例では、活性層構造体は、複数の材料層を含んでもよい。キャリア層構造体45は、曲げ弾性を与える第1セットの材料層50aと、温度依存性の静電容量挙動に加えて負の誘電率−温度依存性挙動を与える第2セットの材料層50bとを含む。2つのセットの材料層は交互配置される。電極構造が示されている。電極は、材料層の各隣接するペアの間に配置される。この例では、電極は、それぞれの層の途中までしか延びていない。電極は、それぞれの層を横切って大部分を延びている。
他の例では、キャリア層構造体は、負の誘電率−温度依存性挙動を与える1つのセクションと、温度依存性の多層コンデンサ機能を与える別の隣接セクションとを含み得る。
本発明の任意の実施形態によれば、アクチュエータ構造体の層の構造的又は機械的特性は、依然として残っている残留熱ドリフトに機械ベースの補償を与えるように適合され得る。特に、活性層構造体が電界駆動型EAP材料を含む場合に、材料の熱膨張特性を活性層構造体のバッキングの熱によって誘起される弾性変化と実質的に一致させることができ、それにより2つ(熱膨張特性及び弾性変化)の効果がキャンセルされ得る。この場合に、受動的な補償手段によって相殺されない残留熱ドリフトは、アクチュエータ構造体の層の機械的特性によって打ち消される。
例えば、リラクサ強誘電性PVDFターポリマー材料では、殆どの場合に、アクチュエータ構造体が完全に作動された位置(材料の機械的特性は一時的に移行する位置)になる前に、温度膨張係数は負である(つまり、電気活性材料は、温度が上昇すると収縮する傾向がある)。(例えば、変形時に活性層構造体の曲げ挙動を誘起するために)活性層構造体の電気活性材料層にバッキング層が設けられる場合に、バッキングには、予め応力が加えられ、温度とともに減少する剛性(つまり、温度とともに増加する弾性)を有し得る。この場合に、温度が上昇すると、活性層構造体は収縮する傾向があるが、バッキング層構造体はより可撓性になり、それによってその予応力(pre-stress)の一部が面内で解放され、結果として僅かな収縮も起こる。こうして、2つの層は互いに並行して収縮し、互いに対するそれぞれの影響は効果的に無効化又はキャンセルされる。これにより、熱ドリフトが回避される。これが効果的となるには、この例では、弾性が増加すると解放された予応力によって収縮が起こるように、バッキング層構造体は、圧縮応力で予め応力が加えられた状態にする必要があることに留意されたい。
「予め応力が加えられた(pre-stressed)」とは、典型的に、持続的な面内応力を示すように適合(例えば、前処理)されることを意味することに留意されたい。
この場合に、好ましくは、バッキング材料のガラス転移温度は、EAPの強誘電体−常誘電体(F−P)転移に等しくてもよい。この場合に、バッキングの剛性低下の機械的効果により、EAPの望ましくない熱膨張が大幅にキャンセルされる。EAP材料のF−P転移により、負の熱膨張が生じる(結果として熱ドリフトが生じる)。バッキングのガラス転移温度付近で、バッキングの剛性が大幅に低下する。この場合に、これら2つの影響(活性層の膨張及びバッキングの剛性低下)が互いにキャンセルされ得る。
オプションで、バッキング層の材料特性の少なくとも一部の温度依存性は、異なる機械的及び熱的特性を有する異なる材料の適切な組合せを含めることにより、所望の挙動に調整することもできる。
実施形態の1つ又は複数のセットによれば、アクチュエータ構造体は、「逆駆動」モードで駆動することができ、アクチュエータは、完全に作動した状態でアイドル状態に保たれ(それにより、使用時にEAP上の電気的な予負荷を保ち)、駆動電圧を一時的に下げることにより、作動変位が達成される。
この駆動モードの利点は、特にリラクサ強誘電性EAP材料では、材料が、最初に、つまりアイドル状態(図9の中央に示される状態を参照)の場合に、全てトランス状態に保たれることである。この状態は、強誘電体−常誘電体(F−P)転移温度における他の2つの状態の組合せよりも熱膨張係数が低く、安定性が低い(これらのEAPの主要な電気的な変位挙動を駆動するのはこの効果であることに留意されたい)。
F−P転移温度は、一般に、(上記のように)アクチュエータ装置の推奨動作温度である。また、そのF−P転移温度は、以下の理由により、全てトランス状態の維持が望まれる現在検討されている実施形態にとって特に有利な温度を表す。
図9の全トランス状態は、強誘電状態と常誘電状態との両方で実現できる。強誘電相では、電界が除去された後に、ポリマーは全てトランス状態のままになる。常誘電相では、電界が除去されると、ポリマーはTGTG’状態に戻る。電気的に誘起される歪みが2つの異なる状態において材料の割合に比例すると(単純化)仮定すると、全体の歪みは、印加された単位電界あたりの常誘電相でより大きくなる。
しかしながら、常誘電状態では、全トランス状態を達成するのはより困難である(つまり、ポリマーを全トランス構成に切り替えるには、より大きな電界が必要である)。
従って、強誘電体−常誘電体相転移の周辺では、印加された単位電界あたりの歪みが最適である。
特に、比較的小さいが正確な作動を必要とする用途では、200−250Vの作動電圧での熱膨張係数(CTE)が0V付近のCTEよりも低いため、この「逆」駆動手法は、熱膨張効果を低下させる。これは、リラクサ強誘電性EAPの温度(y軸、単位:μm/℃)対印加駆動電圧(x軸、単位:V)に対する作動変位の変化率を示す図10に示されている。印加駆動電圧が増加すると、材料の膨張係数が低下することが分かる。
従って、このモードに従ってアクチュエータ構造体を駆動すると、本発明の熱ドリフト補償効果がさらに強化され、受動的な補償手段によって完全に打ち消されない残留熱ドリフトがこれらの機械的効果によってさらに打ち消され得ることが保証される。
本発明の任意の実施形態によれば、アクチュエータ構造体の元の形状は、アクチュエータを「基準」(例えば、実質的に平坦な)状態(少なくとも特定の想定動作温度範囲内)に戻すために、作動に使用される駆動信号の一部を常に使用することができるように構成され得る。
これは特に、熱ドリフトが活性層構造体の電気刺激に対して反対方向にアクチュエータ部材をバイアスするようにアクチュエータの元の形状を構成することにより、達成され得る。これにより、実施形態で生じる残留熱ドリフト(つまり、受動的な補償手段によって完全に補償されない熱ドリフト)は、アクチュエータ部材の部分的な作動を通じて常に手動で補正され、それによりアクチュエータ部材を「基準」(例えば、平坦な)状態に戻すことができることが保証される。
例えば、アクチュエータ装置が一般に特定の意図した用途で温度上昇を経験すると考えられる場合(例えば、加熱するコンポーネントの近くで使用される場合、又は体内で使用される又は体内に埋め込まれる場合)に、アクチュエータのパラメータは、加熱時の曲げが作動による曲げを対抗するようなものであり得る。
一例が図11に概略的に示されており、図11は、クランプ要素82によって一方の側でクランプされた例示的なアクチュエータ部材42を示している。図示されたアクチュエータ構造体のバッキング層は単層として示されているが、多層構造として構成してもよい。
図11(a)は、印加電圧がゼロで、温度T=Tの状態のアクチュエータを示している。
図11(b)は、依然として印加電圧がゼロの状態のアクチュエータを示しているが、環境温度はT=T+ΔΤに上昇している。その結果、距離Δdの下方向に変位ドリフトが誘起された。
図11(c)は、依然として温度T=T+ΔTにあるアクチュエータを示しているが、刺激電圧ΔVが活性層構造体に印加されている。アクチュエータ部材は、活性層構造体の電気刺激が上方向の作動バイアスをもたらすように構成される。こうして、小さな作動電圧を印加することにより、熱により誘起された変位ドリフトを「補正」して、アクチュエータ部材を略平坦な基準状態に戻すことができる。
別の例のセットによれば、電気的又は熱的に刺激された変形がない場合でも、アクチュエータ部材が特定の方向にバイアスされるように、アクチュエータを「予め曲げ」てもよい。ここでも、アクチュエータの熱により誘起された変位は、アクチュエータ部材を基準状態に戻すために、電気刺激を活性層構造体に加えることにより修正することができる。もっとも、この実施形態の利点は、熱ドリフトがアクチュエータを曲げる方向を必ずしも予測する必要がないことである。初期の「予め曲げる(pre-bending)」バイアスは、電気刺激によりアクチュエータを通常の位置(例えば、平坦な)位置に戻すことを常に可能にするのを保証しながら、ある程度の熱ドリフトをいずれかの方向に可能にする。
一例が図12に概略的に示されており、図12は、クランプ要素82によって一方の側でクランプされた例示的なアクチュエータ部材42を再び示している。再び、多層バッキングが提供され得る。図12(a)は、印加電圧がゼロで、温度T=Tの状態のアクチュエータを示している。図示されるように、アクチュエータ部材の事前バイアスは、印加電圧又は熱膨張がない場合に下向きの曲げをもたらす。
図12(b)は、依然としてT=Tであるアクチュエータを示しているが、刺激電圧ΔVが活性層構造体に印加され、それによりアクチュエータ部材を基準状態に戻される。
一方、図12(c)は、環境温度がT=T+ΔTに上昇した(従って、残留作動ドリフトが上向きに誘起される)状態を示している。それに応答して、作動電圧は対応して低下し、V=0に戻る。こうして、アクチュエータ部材42を基準(例えば、平坦)状態に戻すのに必要な程度まで作動電圧が常に印加され得るため、この実施形態は、変化する環境温度に適応する柔軟性を高めることが分かる。当然ながら、これには、使用可能な作動ストロークが僅かに小さくなるという犠牲が伴う。
1つ又は複数の実施形態によれば、アクチュエータ構造体は、バッキング層構造体によって形成された多層コンデンサ構造体45に制御可能なバイアス電圧を供給するように構成された静電容量調整手段を含むことができる。これにより、印加されたバイアス電圧に応じて、多層コンデンサ構造体が示す静電容量を調整できる。オプションで、コントローラが静電容量調整手段を提供してもよい。あるいはまた、制御可能なバイアスを加えるために、別個の電圧供給手段を設けてもよい。
コンデンサの誘電率(及び、温度による誘電率の勾配)は、電圧に依存する(また、静電容量は、当然誘電率に依存する)。こうして、制御可能なバイアス電圧を供給することにより、静電容量の挙動を調整できる。
静電容量調整手段により、コンデンサ構造体の静電容量のレベルを較正して、所与のシナリオにおいて最適な温度補償を実現できる。例えば、活性層の温度変形の示されるレベルは、状況に依存する場合があり、又はアクチュエータ構造体の特性が変化するにつれて時間とともに変化する場合がある。また、作動ドリフトのレベル及び挙動を正確に事前に知ることは困難であり得る。静電容量調整手段により、動作中にレベルを設定したり、様々なシナリオに合わせてレベルを調整したりできる。これにより柔軟性が高まる。
印加されたバイアス電圧は、例えばユーザ入力コマンドに基づいて調整可能に設定され得るか、又は例えば作動変位における熱変動のレベルを感知又は監視すること、及び提供された補償によって作動変位におけるドリフトが打ち消されるようにバイアスレベルを調整することに基づいて、自動的に設定され得る。両方の組合せを提供してもよい。場合によっては、バイアス電圧は温度に応じて調整され得、バイアス電圧−温度の関係は、作動変位における熱変動を補償するように設定される。
静電容量調整手段は、温度の関数としてコンデンサ構造体によって示される静電容量が、作動変位における熱変動を打ち消す電気的変形の結果として生じる変化を生じさせるようなレートで電流又は電圧を修正するように、供給されるバイアス電圧のレベルを調整するように設定され得る。
実際には、これは様々な方法で実施できる。
実施形態の少なくとも1つのセットによれば、コンデンサ構造体45に供給されるバイアス電圧は、温度に応じて変化するように(温度変化に動的に追従するように)設定され得る。この機能を実施するために、専用の制御回路を設けてもよい。例えば、バイアス電圧は、分圧器のコンポーネントの1つとしてサーミスタが設けられた分圧器に印加される。このようにして、印加されたバイアス電圧は温度に依存する。EAPの動作温度範囲で作動変位ドリフトを正確に補正するために必要な印加されるバイアス電圧は、例えば、温度によるアクチュエータの熱ドリフトを追跡又は較正し、ルックアップテーブルに値を保存することで決定され得る。分圧器は、対応するバイアス電圧−温度の変動を示すように調整され得る。
実施形態の少なくとも1つのセットによれば、バイアス電圧は、別個のコントローラによって調整してもよい。このコントローラは様々な方法で構成できる。一組の例において、コントローラは、温度の関数としてバイアス電圧を調整するように構成され得、温度は、例えば温度センサを使用して取得される。
他の例では、コントローラは、感知された温度によって誘起されるアクチュエータ変位の変動に直接依存してバイアス電圧を調整するように構成され得る。例えば、静電容量調整手段は、アクチュエータ変形感知機構を含み得る。コントローラは、この感知機構から入力を受け取り、印加された作動駆動電圧の同時変化がない場合に生じる作動変位の変化を検出するように構成され得る。そのような異常な変形の変化が検出された場合に、コントローラは、熱誘起ドリフトを補償する作動変位の変化を誘起させるために、コンデンサ構造体に印加されるバイアス電圧を調整することにより応答することができる。変位に所与の変化を引き起こすために必要なバイアス電圧は、例えばルックアップテーブルに保存され、コントローラが正しいバイアス電圧調整を決定して、感知された作動変位ドリフトを補償するように考慮される。
力がアクチュエータに作用している場合に、追加の力感知機構を設けて、加えられた力による作動変位の変化を特定し、温度誘起変化から分離することができる。
上述した実施形態では、本発明による受動的な熱ドリフト補償手段を含むアクチュエータ構造体の様々な実施形態について説明してきた。全ては、活性層構造体に結合されたキャリア層構造体を含み、キャリア層構造体の(複数の)層は、多層コンデンサ構造体を形成し、それにより補償手段の少なくとも一部を提供する。更なるオプションには次のものがある。
温度に依存し、且つドリフトを補償するために作動電圧又は電流を調整するために利用される電気パラメータを示す温度依存性の電気部品の追加の使用がある。これは、多層コンデンサ構造体と直列に接続できる。そのような要素は、特定の例では、温度依存性のコンデンサ又は温度依存性の抵抗器であり得る。しかしながら、温度の関数としてそのような電圧又は電流を修正する等、電流の駆動電圧で動作する効果を有する任意の電気部品も使用することができる。
受動的な補償手段は、例として、活性層構造体に、予め応力が加えられ、温度上昇とともに剛性が低下するバッキングを設けることにより、さらに支持され又は増強されてもよく、逆もまた同様である。これは、活性層構造体の電気活性層の負又は正の(それぞれ)熱膨張を打ち消すために使用できる。こうして、温度の上昇に伴うバッキング層の機械的特性の変化は、残っている残留熱ドリフトをさらに補償することができる。
EAP材料は、装置のアイドル状態又は静止状態として、完全に作動した状態で連続的に駆動され得る。アクチュエータの変位は、アクチュエータをより低い作動状態に移すことにより実現される。
本明細書で説明した及び特許請求の範囲に記載される例示的なアクチュエータ構造体は、広範囲の様々な用途のいずれにも適用できる。これらには、パーソナルケア装置(シェーバ、トリマー、スキンケア装置等)、口腔ヘルスケア装置(歯ブラシ、舌クリーナー、マウスピース、エアフロス装置)、パーソナルヘルス装置(ハンドヘルド装置、ウェアラブル装置等)、及び医療装置(カテーテル、ガイドワイヤー、CMUTプローブ、又は他の装置)が含まれるが、これらに限定されるものではない。
本明細書の上記の詳細な説明では、本発明による装置及びシステムの構築及び動作をEAPについて説明したが、本発明は、実際に、他の種類のEAM材料を含む他の種類の応答性材料に基づく装置に使用してもよい。こうして、特に明記しない限り、上記のEAP材料は、他のEAM材料等の他の応答性材料に置き換えることができる。そのような他の応答性材料は当技術分野で知られており、当業者はそれら材料をどこで見つけ、どのように適用するかを知っているであろう。
EAP要素に適した材料は知られている。電気活性ポリマーには、サブクラス:圧電性ポリマー、電気機械ポリマー、リラクサ強誘電性ポリマー、電歪ポリマー、誘電性エラストマー、液晶エラストマー、共役ポリマー、イオン性ポリマー金属複合材料、イオン性ゲル、及びポリマーゲルが挙げられるが、これに限定されるものではない。
サブクラスの電歪ポリマーには、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン(PVDF−TrFE)、ポリフッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン−クロロフルオロエチレン(PVDF−TrFE−CFE)、ポリフッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン−クロロトリフルオロエチレン(PVDF−TrFE−CTFE)、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン(PVDF−HFP)、ポリウレタン、又はこれらのブレンドが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
サブクラスの誘電性エラストマーには、アクリレート、ポリウレタン、シリコーンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
サブクラス共役ポリマーには、ポリピロール、ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン、ポリ(p−フェニレンスルフィド)、ポリアニリンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの例の全てにおいて、印加された電界に応じてEAP要素の電気的及び/又は機械的挙動に影響を与えるために、追加の受動層を設けてもよい。
各EAP要素は、電極同士の間に挟み込まれ得る。電極は、EAP材料の変形に追従するように伸縮可能にすることができる。電極に適した材料は、超音波透過性である必要があり、例えば、金、銅、アルミニウム等の金属薄膜、又はカーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、ポリアニリン(PANI)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、例えばポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホネート)(PEDOT:PSS)を含む。
電極が非対称構成に配置されている場合に、印加される電圧は、ひねり、回転、ねじれ、回転、非対称曲げ変形等、あらゆる種類の変形を引き起こし得る。
上述したように、本発明の実施形態はコントローラを利用する。コントローラは、必要な様々な機能を実行するために、ソフトウェア及び/又はハードウェアを使用して様々な方法で実装できる。プロセッサは、必要な機能を実行するためにソフトウェア(例えば、マイクロコード)を使用してプログラムされ得る1つ又は複数のマイクロプロセッサを使用するコントローラの一例である。ただし、コントローラは、プロセッサを使用して又は使用せずに実装でき、また、一部の機能を実行する専用ハードウェアと、他の機能を実行するプロセッサ(例えば、1つ又は複数のプログラムされたマイクロプロセッサ及び関連回路)との組合せとして実装することもできる。
本開示の様々な実施形態で使用され得るコントローラ構成要素の例には、従来のマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
様々な実施態様において、プロセッサ又はコントローラは、RAM、PROM、EPROM、及びEEPROM等の揮発性及び不揮発性コンピュータメモリ等の1つ又は複数の記憶媒体に関連付けられ得る。記憶媒体は、1つ又は複数のプロセッサ及び/又はコントローラ上で実行されると、必要な機能を実行する1つ又は複数のプログラムでエンコードされ得る。様々な記憶媒体は、プロセッサ又はコントローラ内に固定してもよく、又は搬送可能であってもよく、そこに記憶された1つ又は複数のプログラムをプロセッサ又はコントローラにロードできる。
開示された実施形態に対する他の変形は、図面、明細書の開示、及び添付の特許請求の範囲の検討から、特許請求の範囲に記載された発明を実施する際に当業者によって理解及び達成され得る。請求項において、「備える、有する、含む(comprising)」という用語は、他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「1つの(a an)」は、複数を除外するものではない。特定の手段が互いに異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組合せが有利に使用できないことを示すものではない。請求項中の参照符号は、範囲を限定するものとして解釈すべきではない。

Claims (15)

  1. 作動変位における熱変動を補償するように適合されるアクチュエータ構造体であって、当該アクチュエータ構造体は、
    1つ又は複数の材料層を含む活性層構造体であって、各材料層が電気刺激に応答して変形可能な電気活性材料を含む、活性層構造体と、
    該活性層構造体に結合された受動的なキャリア層構造体と、
    前記活性層構造体の前記電気活性材料に与えられる電気刺激の電流又は電圧を温度の関数として修正し、それによって前記作動変位における前記熱変動を補償するように適合される受動的な補償手段と、を有しており、
    該受動的な補償手段は、温度依存性の多層コンデンサ構造体を含み、前記受動的なキャリア層構造体は、前記コンデンサ構造体を形成するように適合される、
    アクチュエータ構造体。
  2. 前記活性層構造体は、温度の関数として熱変形を示し、前記受動的な補償手段は、前記熱変形を打ち消す電気的変形の結果としての変動を生じさせるようなレートで、温度の関数として前記電流又は電圧を修正する、請求項1に記載のアクチュエータ構造体。
  3. 前記多層コンデンサ構造体は、前記活性層構造体の前記電気活性材料と電気的に直列に配置される、請求項1又は2に記載のアクチュエータ構造体。
  4. 前記コンデンサ構造体の複数の層が、好ましくは並列に接続された複数のコンデンサを形成する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のアクチュエータ構造体。
  5. 前記コンデンサ構造体によって形成される前記複数のコンデンサのうちの少なくとも2つが、異なる静電容量を有する、請求項4に記載のアクチュエータ構造体。
  6. 前記受動的な補償手段は、温度依存性の抵抗器をさらに含む、請求項3に記載のアクチュエータ構造体。
  7. 前記受動的な補償手段は、前記材料層のうちの1つ又は複数の材料特性によってさらに提供される、請求項1又は2に記載のアクチュエータ構造体。
  8. 前記材料特性は、温度の関数として変化する誘電率であり、オプションで、該誘電率は、温度上昇の関数として低下する、請求項7に記載のアクチュエータ構造体。
  9. 前記アクチュエータ構造体は、制御可能なバイアス電圧を前記多層コンデンサ構造体に供給して、それにより印加された前記バイアス電圧に依存して前記多層コンデンサ構造体が示す静電容量を調整するように適合された静電容量調整手段を含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のアクチュエータ構造体。
  10. 前記静電容量調整手段は、温度の関数として前記コンデンサ構造体によって示される前記静電容量が、作動変位における前記熱変動を打ち消す電気的変形の結果としての変動を生じさせるようなレートで、前記電流又は電圧を修正するように、供給される前記バイアス電圧のレベルを調整するように構成される、請求項2を引用する場合の請求項9に記載のアクチュエータ構造体。
  11. コントローラが、前記活性層構造体の部分的な変形を刺激するために、持続的な電気的バイアスを前記活性層構造体に与えるように使用中に適合される、請求項10に記載のアクチュエータ構造体。
  12. 前記活性層構造体は、前記活性層構造体の電気的変形又は熱変形がない場合に第1の方向に曲げバイアスを示すように構成され、且つ電気的変形又は熱膨張の際に反対方向の曲げバイアスを示すように構成され、オプションで、コントローラが、前記第1の方向の前記曲げバイアスを部分的に打ち消すために、持続的な電気的バイアスを前記活性層構造体に与えるように使用中に適合される、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のアクチュエータ構造体。
  13. 前記キャリア層構造体は、1つ又は複数の予め応力が加えられた材料層を含み、前記キャリア層構造体は、温度に応じて正に変化する弾性を示し、オプションで、少なくとも前記活性層構造体は、温度に応じて負に変化する熱膨張を示す、請求項1乃至12のいずれか一項に記載のアクチュエータ構造体。
  14. アクチュエータ構造体の電気刺激を制御することを含む作動方法であって、前記アクチュエータ構造体は、
    1つ又は複数の材料層を含む活性層構造体であって、各材料層が電気刺激に応答して変形可能な電気活性材料を含む、活性層構造体と、
    該活性層構造体に結合された受動的なキャリア層構造体と、を有しており、
    当該作動方法は、
    電気刺激を前記活性層構造体に与えるステップであって、前記電気刺激の電流又は電圧が、受動的な補償手段によって温度の関数として事前に修正され、それによって前記アクチュエータ構造体の作動変位における熱変動を補償する、与えるステップを含み、
    前記受動的な補償手段は、温度依存性の多層コンデンサ構造体を含み、前記受動的なキャリア層構造体は、前記コンデンサ構造体を形成するように適合される、
    作動方法。
  15. 前記活性層構造体は、温度の関数として熱変形を示し、前記受動的な補償手段は、前記熱変形を打ち消す電気的変形の結果としての変動を生じさせるようなレートで、温度の関数として前記電圧又は電流を修正するように適合される、請求項14に記載の作動方法。
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