JP2020527730A - 生体分子の3d構造を分析する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、タンパク質、タンパク質断片およびペプチドなどの生体分子の三次元構造を決定する方法に関する。生体分子を非晶質シリカマトリックスにカプセル化し、そこから針標本を調製する。次に、原子プローブ断層撮影を用いて針標本を分析し、データを使用して生体分子の三次元構造を再構築する。本発明は、生体分子の三次元構造の決定を極めて容易にする。

Description

本実施形態は、一般に、生体分子の三次元(3D)構造の分析に関し、特に、原子プローブ断層撮影を使用した生体分子の3D構造の決定に関する。
タンパク質の特性と生物学的機能は、その3D構造と密接に関連している。タンパク質の3D構造に関する知識は、医薬品の設計における成功を大きく高め、医薬品開発の分野では、タンパク質の3D構造の評価は新しい治療薬の探求において間違いなく最も重要な情報である。したがって、望ましい薬理効果を有する薬剤を発見または合成するために、タンパク質分子の3D構造を決定する相当な努力がなされている。
タンパク質構造を決定するための2つの最も一般的な実験技術は、X線回折と核磁気共鳴(NMR)である。X線回折では、タンパク質を精製および結晶化し、多くの場合シンクロトロン源から発生するX線の強いビームに曝す。回折されたX線は、3D構造に変換される箇所の特徴的なパターンを与える。最良のシナリオでは、この技術は、タンパク質内の水素と結晶内に存在する可能性のあるリガンドを除くすべての原子の原子分解能で詳細な構造情報を提供する。ただし、すべてのタンパク質が容易に結晶を形成するわけではなく、望ましい信号に達するには比較的大きな試料体積(約2〜10mm)が必要であるため、大きな制限がある。特に膜貫通タンパク質は結晶化が難しいことが示されている。柔軟なタンパク質と側鎖を研究する際にも制限があり、これは不明なままであることが多い。さらに、タンパク質を結晶化することによってタンパク質のトポロジーがゆがみ、生物学的に活性な3D構造が誤って評価される場合がある。
X線回折の限界はNMRによってある程度補完され、NMRでは、高磁場の影響下で電波でプローブしたときに原子の局所環境が分析される。NMRの利点は、タンパク質を液体中で直接分析でき、タンパク質の柔軟性が問題にならないことである。しかし、NMRには時間がかかることと膨大なコンピュータ計算という弊害がある。さらに、NMRスペクトルのピークが重複しているため、小さいまたは中程度のサイズのタンパク質のみを検査することができる。
これらの技術に加えて、電子顕微鏡(EM)技術が、生体試料の分析に適するように過去10年間で急速に開発されてきた。特に、極低温電子顕微鏡/断層撮影法が採用されている。極低温透過型電子顕微鏡(cryo−TEM)画像化の場合、水和した試料を通常、液体エタンでの瞬間凍結によりガラス化して水の結晶化を防ぎ、タンパク質の完全性を維持する。次に、試料の極薄スライスのTEM画像を複数の角度から撮影し、後で画像解析を使用して平均化し組み合わせて、タンパク質の3Dレンダリングを構築する。この手法を使用することにより、タンパク質の3D構造がオングストロームの解像度で解明されたが、現在、高解像度の画像化は約300kDa超のタンパク質に制限されている。タンパク質の高解像度の画像化および分析のためのEMの1つの限界は、試料の化学情報を取得できないことである。明らかに対照的に、試料内の原子の空間分布のみが取得される。
したがって、生体分子の3D構造を決定するための効率的な技術が必要である。
生体分子の三次元構造を決定する方法を提供することが一般的な目的である。
この目的および他の目的は、本明細書に開示される実施形態によって満たされる。
実施形態の一態様は、生体分子の三次元(3D)構造を決定する方法に関する。この方法は、生体分子を非晶質シリカマトリックスにカプセル化することと、非晶質シリカマトリックスを含む針標本(needle specimen)を調製することとを含む。この方法は、生体分子の3D構造を決定するために針標本の原子プローブ断層撮影分析を行うことも含む。
本発明の方法および添付の特許請求の範囲は、タンパク質、その断片またはペプチドなどの生体分子の3D構造の決定に関連する上記問題の少なくともいくつかを解決する。これは、原子プローブ断層撮影(APT)でさらに分析するために、生体分子を非晶質シリカマトリックスに埋め込むことにより実現される。
本発明は、生体試料を非晶質シリカマトリックスに埋め込むことにより、原子分解能で生体分子のAPT分析を可能にするのに十分な機械的完全性を備えた針標本先端部の作製を可能にする。
本発明はまた、生体試料からのバックグラウンド信号の減算に関する問題を解決する。非晶質シリカマトリックスを使用することにより、分析した試料体積のバックグラウンドから炭素種が容易に区別される。これは、試料先端部が(有機)ポリマーで構成される従来の方法とは対照的である。
実施形態は、そのさらなる目的および利点とともに、添付の図面と合わせて以下の説明を参照することにより最もよく理解され得る。
生体分子の埋め込みから原子プローブ断層撮影による分析までのプロセスを示す、本発明の異なる実施形態を説明するフローチャートである。 非晶質シリカマトリックスから超先鋭標本針(ultra-sharp specimen needle)を調製するための集束イオンビーム−走査電子顕微鏡(FIB−SEM)リフトアウト手順(1〜3)、およびシリコン支柱へのその後の取り付け(4)を示す走査電子顕微鏡(SEM)の顕微鏡写真である。 APT分析に適した鋭利な先端部を製造する環状ミリング手順を示すSEM顕微鏡写真である。 例1に記載の有機シリカ前駆体を使用して製造されたAPT標本の合成および作製の概略図である。 有機シリカ前駆体から得られた非晶質シリカマトリックスに埋め込まれたIgG分子の集合体のAPT再構成からの原子密度ヒートマップである。 例2に記載の無機シリカ前駆体を使用して製造されるAPT標本の合成および作製の概略図である。 例2に記載の無機シリカ供給源に由来する非晶質シリカマトリックスに埋め込まれた個々のIgG分子のTEM顕微鏡写真である。 例2に記載の非晶質シリカマトリックスに埋め込まれた単一のIgG分子のAPT再構成からの3D原子密度ヒートマップである。 例3に記載の導電性モノフィラメントの電解研磨および浸漬被覆によって調製されるシリカ被覆APT試料先端部の調製の概略図である。 コアシェルナノ粒子の合成の概略図であり、例4に記載されているように、コアは生体分子で構成され、シェルは非晶質シリカマトリックスで構成されている。 生体分子を固体支持体に固定し、その後非晶質シリカマトリックスに埋め込み、そこからFIB−SEMリフトアウトを実行し、続いて環状イオンミリングを行ってAPT分析用の針状標本を製造する、例5に記載のプロセスを示す図である。 生体分子の3D構造を決定する方法を示すフローチャートである。
本実施形態は、一般に、生体分子の三次元(3D)構造の分析に関し、特に、原子プローブ断層撮影を使用した生体分子の3D構造の決定に関する。
原子プローブ断層撮影(APT)は、材料科学における強力な方法であり、サブナノメートルスケールで3Dの化学分析が可能である。この方法は、大きな正の電界を印加することによる、鋭い針状の標本の表面からの原子と分子の放出に基づく。電界は原子と分子のイオン化を引き起こし、それにより、それらは電界によって飛行時間検出器に向かって加速される。飛行時間が記録され、質量スペクトルで組み立てられるため、検出器に到達する各イオンの化学的同一性を評価できる。位置有感検出器の衝突点により、先端部上の各イオンの横方向の位置を決定でき、標本(specimen)における構成原子の3D再構成が可能になる。
従来技術のAPT分析の制限要因は、高電界から生じる針状の標本に誘起される機械的応力である。この問題により、この技術は金属、半導体および鉱物などの比較的硬い固体材料の分析に限定されている。現在まで、有機材料の構造に関する有意義な情報は、APTを使用して直接取得されていない。この主な理由は、表面からの原子の制御された蒸発を妨げる有機物の機械的強度と導電性の欠如である。
本発明は、原子分解能で生体分子のAPT分析を可能にするのに十分な機械的完全性を備えた針標本先端部を作製することによって、APTの上述の欠点を解決する。これは、生体分子を非晶質シリカマトリックス(非晶質、無機シリカまたはケイ酸塩のマトリックスまたは構造など)に封入することによって可能である。
したがって、実施形態の態様は、生体分子の3D構造を決定する方法に関する。この方法は、図10を参照すると、ステップS1で生体分子を非晶質シリカマトリックスにカプセル化することを含む。この方法は、ステップS2で非晶質シリカマトリックスを含む針標本を調製することも含む。原子プローブ断層撮影(APT)分析は、ステップS3の針標本で実行され、生体分子の3D構造を決定する。
したがって、本実施形態によれば、生体分子は非晶質シリカマトリックスに埋め込まれる。この非晶質シリカマトリックスは、十分な機械的強度と完全性を効果的にもたらし、APT分析に使用できる針標本の作製を可能にする。
非晶質シリカマトリックスは、針標本の作製を可能にするだけでなく、さらに、分析中にバックグラウンドからの炭素含有生体分子の識別を単純にする。その理由は、非晶質シリカマトリックスには通常、生体分子のAPT分析を妨げる可能性のある炭素が含まれていないためである。関連試料をバックグラウンドから区別するこの問題は、別の状況では、分析する試料を埋め込みカプセル化するために有機ポリマーを使用する場合に当技術分野に存在する。
ステップS2で調製または作製された針標本は、一般的な針の形状、すなわち細い先端部を有し、APT分析に適合する。針標本は、生体分子をカプセル化した非晶質シリカマトリックスの均一な針状標本であり得る。しかしながら、コア構造を有し、その上に非晶質シリカマトリックスが堆積されて針状の標本を形成することも可能であり、これは本明細書でさらに説明される。
本発明の実施形態の例を以下に提示する。しかし、本発明は、本明細書に記載された手順または実施形態に限定されず、またそれらに加えて、いくつかの方法で実施することができる。
タンパク質のシリカ埋め込み
本実施形態は、タンパク質、タンパク質断片およびペプチドなどの生体分子を、それらの天然の立体配座状態で非晶質シリカマトリックスに組み込むことを含む。
本発明におけるシリカの合成には、2つの異なるタイプのシリカ前駆体が交換可能に使用されている。第1の実施形態は有機経路を含み、テトラメチルオルトシリカート、テトラエチルオルトシリカート、テトラプロピルオルトシリカートまたはテトラブチルオルトシリカートなどのアルコキシド、または一般式Si(OR)を有する任意の他のアルコキシド(式中Rはアルキル鎖、好ましくはC1−C8アルキル鎖またはフェニルである)がシリカ前駆体として使用される。第2の実施形態は無機経路を含み、ケイ酸ナトリウム(水ガラス)がシリカ前駆体として使用される。無機シリカ前駆体と有機シリカ前駆体の混合物も使用され得る。以前の研究では、有機シリカ前駆体と無機シリカ前駆体の両方を使用して固体シリカに埋め込んだ後、構造および機能を保持したタンパク質の保存が確認された[1、2]
アルコキシドは水と凝縮液に導入されると自然に加水分解し、ケイ素と酸素の無機非晶質ネットワークを形成する。反応は、有機側鎖の性質、pH、HO/アルコキシドの比率、および温度に依存する。これらのパラメータを変えることにより、ゲル化時間と形成される固体の物理的外観を制御できる[3]。アルコキシドの疎水性は、例えば脂質二重層またはより大きな分子もしくは生物学的構造の疎水性コアへのアルコキシドの浸透が、二酸化ケイ素の堆積、したがって生体分子の埋め込みを促進できる特定の調製物にとって有益であり得る。
本発明のアルコキシド経路を介して誘導される非晶質シリカマトリックスに生体分子を埋め込む手順の概要を図3に示す。アルコキシドの加水分解中に、アルコールが副産物として形成される。生体分子のアンフォールディングまたは変性を回避するために、例えば回転蒸発によってアルコールが除去され、ケイ酸の水溶液のみが残ることが好ましい。生体分子の安定性をさらに確保するために、生体分子をシリカ溶液に導入する前に、ケイ酸溶液の本質的に低いpHを、問題の生体分子の個々の生理学的範囲に調整することが好ましい。
メタケイ酸ナトリウム(NaSiO)、オルトケイ酸ナトリウム(NaSiO)およびピロケイ酸ナトリウム(NaSi)など、一般式Na2xSiO2+xまたは(NaO)・SiOを有するケイ酸ナトリウムから調製されたケイ酸ナトリウム水溶液は、溶液から水分が蒸発すると、固体ガラス状のケイ酸ナトリウムゲルを自然に形成する。ゲルの物理的特性は、ゲル化時間、温度、SiO:NaOの比率、および溶液へのイオン種の添加を変えることによって制御できる[4]。本発明で使用する生体分子埋め込み手順の例を図5に示す。上記のアルコキシド経路とは対照的に、ケイ酸ナトリウム水溶液はアルカリ性であるため、3D構造を損なうリスクなしにタンパク質を溶解するには適していない。しかし、ケイ酸ナトリウム溶液をイオン交換カラムに通すことにより、ケイ酸ナトリウム溶液中のNaイオンが酸性イオン交換ゲルからのHイオンに交換され、それによりpHが低下する。次に、塩基/酸または緩衝液を加えることにより、最終pHを所望のレベルに調整する。
ケイ酸ナトリウム水溶液の使用は、ゲル化中に副産物としてアルコールを形成しないため、有機前駆体よりも有利であり得る。アルコールはいくつかのタンパク質の構造的完全性を損なうことが知られているため、これはセンシティブな生体分子を分析する場合には有益であり得る。また、アルコールは有機分子であるため、形成されたシリカに残った残留物は、原子プローブで分析したときに、標的生体分子から放出される炭素に干渉する可能性がある。
好ましい無機シリカ前駆体はケイ酸ナトリウムであるが、本発明はそれに限定されない。ケイ酸ナトリウムの代わりに、またはケイ酸ナトリウムと組み合わせて、他の無機ケイ酸塩を使用することもできる。そのような他の無機ケイ酸塩は、ケイ酸カリウム、ケイ酸アンモニウムおよびケイ酸マグネシウムを含むが、これらに限定されない。
上記の経路を使用すると、さまざまな実施形態を使用して、すなわち、非晶質シリカマトリックスに分散した個々の分子として、基質上に事前吸着させて、支持された脂質二重層に組み込むかまたはその場(in situ)で、または脂質単層もしくは脂質二重層ベシクルに組み込んで、生体分子をシリカのバルクマトリックスに埋め込むことができる。
したがって、一実施形態において、図10のステップS1は、有機シリカ前駆体および/または無機シリカ前駆体からゾルゲルを生成するゾルゲルプロセスで生体分子をカプセル化することを含む。ゾルゲルは生体分子を含む。
一実施形態では、有機シリカ前駆体は、一般式Si(OR)を有するアルコキシドである。好ましい実施形態では、Rはアルキルまたはフェニルである。より好ましい実施形態では、RはC1−C8アルキルまたはフェニルであり、より好ましくはC1−C4アルキルまたはフェニルである。
特定の実施形態では、アルコキシドは、テトラメチルオルトシリカート、テトラエチルオルトシリカート、テトラプロピルオルトシリカート、テトラブチルオルトシリカートおよびそれらの混合物からなる群より選択される。
一実施形態では、無機シリカ前駆体はケイ酸ナトリウムであり、好ましくはNa2xSiO2+x、(NaO)・SiOおよびそれらの混合物からなる群より選択される。この実施形態では、xは正の整数であり、好ましくは1、2および3からなる群より選択される。
上記に加えて、その場(in situ)で形成された二酸化ケイ素のラッピングによって生体分子を個別に被覆して、コアシェルナノ粒子を作成することができ、コアは理想的には単一の生体分子で構成され、シェルはシリカで構成される[5]。シリカ前駆体が生体分子溶液へのゆっくりとした注入によって導入されると、生体分子表面はシリカネットワークの重合のための縮合コアとして働き、生体分子の周りに固体シリカの「シェル」が形成される。シェル形成のために、無機前駆体、有機前駆体、または無機前駆体と有機前駆体との混合物に由来するケイ酸を使用してもよい。個々のコアシェル粒子は、個々の分子に比べて、原子プローブ試料の調製においてより簡単に検出および処理されるため、この手法を用いることにより、APT分析のために個々の生体分子をローカライズする問題が回避される。コアシェルナノ粒子を含む生体分子の合成の概略図を図8に示す。
したがって、一実施形態において、図10のステップS1は、生体分子を含むコアと、有機シリカ前駆体および/または無機シリカ前駆体からその場(in situ)で形成された二酸化ケイ素のシェルとを含むコアシェル粒子を調製することを含む。
本実施形態で使用する有機および/または無機シリカ前駆体は、上記のアルコキシドおよびケイ酸ナトリウムの例から選択することができる。
ステップS1におけるカプセル化または埋め込みは、分析される個々のタイプの生体分子の各々の物理化学的特性の情報に少なくとも部分的に基づいて行うことが好ましい。例えば、シリカ溶液のpHとイオン強度の少なくとも一方は、生体分子の電荷、生体分子の親水性、生体分子の等電点、生体分子のサイズ、および/または生体分子の濃度に従って調整することができる。生体分子の特性に基づいたシリカ溶液のそのような調整は、生体分子の凝集または変性のリスクを防止するか、少なくとも大幅に低減する。さらに、非晶質シリカマトリックス内での生体分子の効果的な分散が保証される。非晶質シリカマトリックス中の生体分子の最適濃度は、問題の分子の分子量および化学的性質に依存し、実験によって決定することができる。
APT分析のための標本の調製
APT分析には、標的材料、すなわち実施形態による非晶質シリカマトリックスから作製された超尖鋭針標本を使用する。例えば、針標本の先端部は、100ナノメートル未満の半径を有することが好ましい。図10のステップS2におけるそのような鋭い針標本の作製は、集束イオンビーム走査電子顕微鏡(FIB−SEM)手順を組み合わせて用いて行うことが好ましい。顕微鏡に挿入する前に、イオンおよび電子ビームによる損傷から関心領域を保護し表面伝導率を高めるために、非晶質シリカマトリックス表面上に保護シリカ層をスパッタすることが好ましい。さらに保護するために、約20x2μmの白金(Pt)のストリップまたは長方形を顕微鏡内部の表面に堆積させることが好ましい。次に、ステージを好ましくは22°の角度に傾け、Ptストリップの両側にイオンミリングを行い、下部にくさびを形成する。次に、くさびの一端を切り離し、マイクロマニピュレータの針を導入し、Ptの堆積によってくさびの解放端に取り付ける。取り付け後、くさびの他端を切り離し、針を引き込む。次に、平頂シリコン支柱を備えたクーポンを視野に入れる。くさびを導電性シリコン支柱の上部に接触させ、Pt堆積を使用して取り付ける。くさびの一部をシリコン支柱に固定した後、くさびの残りの部分を削り落とすことが好ましい。くさびの3〜10個のピースまたはセグメントが支柱に取り付けられるまでこの手順を繰り返す。次に、各ピースの裏側にPtを堆積させることが好ましい。最後に、半径が少しずつ小さくなる上からの環状ミリングを用いて先端部を製造する。関心領域、すなわち非晶質シリカマトリックス片に頂点が配置されるように、ミリングはますます小さいイオン電流で行う。図2Aおよび図2Bに、プラチナの堆積から最終的なAPT準備完了試料先端部までのプロセス全体の概要を示す。
一実施形態では、図10のステップS2は、非晶質シリカマトリックス上で集束イオンビーム(FIB)ミリングを行って非晶質シリカマトリックスを含む針先を形成することを含む。
特定の実施形態では、針先は100nm未満の半径を有することが好ましい。
一実施形態では、FIBミリングを行うことは、非晶質シリカマトリックスをFIBミリングして非晶質シリカマトリックスのくさびを形成することを含む。くさびは、マイクロマニピュレータの針に取り付けられる。この実施形態は、導電性シリコン支柱上にくさびのセグメントまたはピースを取り付け、セグメントまたはピースをFIBミリングして針先を形成することも含む。
別の実施形態では、針先を備えた針標本は、予め作製された針先を非晶質シリカマトリックスで被覆するか、予め作製された針先に非晶質シリカマトリックスを堆積させて針先を形成することにより得られる。この実施形態は、図7に概略的に例示されている。したがって、そのような実施形態では、図10のステップS2は、予め作製された針先を非晶質シリカマトリックスで被覆して、非晶質シリカマトリックスを含む針先を形成することを含む。
特定の実施形態では、針先は100nm未満の半径を有することが好ましい。
標的生体分子の物理化学的特性と一致させるために非晶質シリカマトリックスの合成におけるパラメータを調整することは、原子プローブで分析するための最終試料先端部の機械的強度および適合性にも影響する。例えば、無機由来シリカでは細孔形成が少ないため、中性pHの非晶質シリカマトリックスは、テトラエチルオルトシリカート(TEOS)などの有機シリカ供給源に由来するシリカマトリックスと比較して、無機シリカ供給源から調製した場合に機械的強度が優れていた。
したがって、一実施形態では、図10のステップS1は、無機シリカ前駆体からゾルゲルを生成するゾルゲルプロセスで生体分子をカプセル化することを含む。ゾルゲルは生体分子を含み、中性pH、すなわち約7のpH(6.6から7.3までのpHなど)を有する。
原子プローブ断層撮影分析および再構成
レーザアシストAPT分析は、緑色(λ=532nm)レーザを使用した場合の酸化物の標準分析条件を使用して行った。電界蒸発は、パルスごとに0.005イオンの公称蒸発速度で、0.5nJのパルスエネルギーを有する200kHzのレーザパルスにより開始した。UVレーザパルスの原子プローブを使用すると、レーザエネルギーを約0.1nJに低減できる。分析中、先端部の基部の温度は50Kに保持され、分析チャンバ内の圧力は約10−9Paであった。機器の検出効率は実験中約37%であり、スペクトル内のすべてのイオン種について無差別であると想定できる。
再構成は、APTの標準プロトコルを用いて行い、先端部の一定のシャンク角度(Shank angle)を想定した。この方法は、Geiserら[6]によって詳細に説明されている。分析前に先端部の高解像度の走査型電子顕微鏡画像を調べることにより、シャンク角度を高い精度で推定できる。あるいは、精度が多少損なわれるが、電圧ベースの再構成を用いて原子断層写真を作成することもできる[7]。生体分子の原子成分の空間分布は、分析した体積をボクセルに分割することにより評価した。その後、原子密度分布を推定し、ヒートマップの形式で視覚化することができる。
図1は、生体分子の埋め込みからAPT分析までの本発明の異なる実施形態を要約するフローチャートである。
本発明は、X線回折(XRD)用の広範なタンパク質試料調製、およびタンパク質の精製または結晶化に起因するタンパク質構造の完全性の損失のリスクに関する問題を解決する。
本発明は、NMRまたはTEMで分析するための生体分子サイズの制約に関する問題を解決する。
本実施形態は、非晶質シリカマトリックスにカプセル化することができる任意の生体分子の3D構造を決定するために使用できる。そのような生体分子の非限定的で例示的な例には、酵素および抗体を含むタンパク質、タンパク質断片およびペプチドが含まれる。実施形態は、統合膜タンパク質および膜貫通タンパク質などの膜タンパク質と、非膜タンパク質または可溶性タンパク質の両方に使用できる。生体分子はまた、複数のタンパク質、タンパク質断片および/またはペプチドの複合体、あるいはタンパク質、タンパク質断片およびペプチドと他の生体分子(核酸分子、炭水化物、脂質など)との複合体の形態であってもよい、
生体分子の他の例には、脂質および核酸分子(DNAおよび/またはRNA分子など)が含まれる。

例1
有機シリカ前駆体を使用した原子プローブ試料の調製
有機シリカ前駆体を使用したタンパク質の埋め込みでは、TEOS 2ml、水972μlおよびHCl 61μl(0.1M)の混合物を超音波浴で60分間超音波処理した後、超純粋水(milliQ water)4mlを追加して即時のゲル化を防止した。次に、加水分解反応中に形成されたエタノールを、ロータリエバポレータを使用して除去し、エタノールによるタンパク質構造の完全性に対する損傷を回避した。このフラスコに、60μlの免疫グロブリンG(IgG)(ゼーレンセンのリン酸緩衝液10mM中10mg/ml)を攪拌しながら加えた。次に、この溶液を標準の顕微鏡用ガラススライド上の液滴(30μl)として、またはバルク材料を生成するためにバイアル中の大容量として、周囲雰囲気中37℃でインキュベートした。次に、上記のようにFIB−SEMを使用して、形成されたタンパク質含有シリカ材料からAPT標本針を調製した。手順の概略図を図3に示し、上記の合成から取得したAPTデータの例を図4に示す。
例2
無機シリカ前駆体を使用した原子プローブ試料の調製
26.5%SiOを含む市販のケイ酸ナトリウム溶液(Sigma)を無機シリカの供給源として使用した。超純粋水(milliQ water)で約9%に希釈した後、溶液を酸性イオン交換ゲルカラムに通すことによってpHを生理学的値に調整した。10mMのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に3.8mg/mlの免疫グロブリンG(IgG)を含む50μlの緩衝液を、100μlの希釈シリカ溶液に攪拌しながら加えた。次に、この溶液を標準の顕微鏡用ガラススライド上の液滴(20μl)として、またはバルク材料を生成するためにバイアル中の大容量として、周囲雰囲気中37℃でインキュベートした。手順の概略を図5に示す。次に、上記のようにFIB−SEMを使用して、形成されたタンパク質含有シリカからAPT標本針を調製し、次に原子プローブ断層撮影法を用いて分析した。図6Aに、上記の調製技術を用いて固体シリカマトリックスに埋め込まれた単一のIgG分子のTEM顕微鏡写真を示す。図6Bは、同じプロトコルを用いて調製した固体シリカマトリックスに埋め込まれた単一のIgG分子のAPT分析から取得したデータを使用したIgG分子の再構成を示す。
例3
予め作製された原子プローブ先端部を被覆することによる原子プローブ試料の調製
原子プローブ分析に適した寸法(半径<100nm)のタングステン先端部を、タングステンワイヤ(直径0.1mm)から電解研磨で作製した。10mmのワイヤセグメントを、原子プローブ機器に嵌合するようにアルミニウムホルダに取り付けた。セグメントの端部を、交流5Vを印加した電解質被覆金ループに繰り返し出し入れした。十分に鋭い(半径<100nm)先端部が形成されると、この手順を停止した。タングステン針は、被覆手順の前にアルゴンプラズマチャンバで15分間洗浄した。ケイ酸の溶液は、例1および例2に記載した2つの方法のいずれかによって調製した。10mg/mlのフルオレセインイソチオシアナート(FITC)標識ウサギ抗ヒトIgG(Sigma)を含む緩衝溶液(PBS、10mM)をケイ酸溶液と混合し、予め作製された先端部の頂点をタンパク質含有シリカ溶液に浸漬し、すぐに引き上げ、分析の前に周囲空気で24時間乾燥させた。試料を蛍光顕微鏡で検査してタンパク質被覆の存在を確認し、原子プローブ断層撮影分析の前にSEMで先端部の適切な寸法を確認した。手順を図7に図示する。
例4
生体分子コアシェルシリカ粒子を使用した原子プローブ試料の調製
生体分子コアを持つコアシェル粒子は、上記のいずれかの方法で調製したケイ酸の溶液250μl(10mM)をIgGの緩衝溶液250μl(ゼーレンセンのリン酸緩衝液10mM)にゆっくり(1ml/時間)注入して調製した(IgGの最終濃度は50nmであった)。合成したコアシェル粒子を固体支持体に固定するために、シリコンウェーハを基本的なピラニア溶液(HO:NH:Hの比率5:1:1)で洗浄し、無水トルエン中の2%アミノプロピルトリエトキシシラン(APTMS)で官能化した。次に、ウェーハを前述の粒子の溶液に60分間浸漬することにより、シリコンウェーハ上に粒子を固定化した。次に、ウェーハをMilliQ水ですすぎ、気体窒素の穏やかな流れの下で乾燥させた。次に、前述のように集束イオンビームSEMを使用して、固定化粒子のAPT標本針のリフトアウトおよび調製を行った。手順を図8に図示する。
例5
シリカ埋め込み表面吸着生体分子からの原子プローブ試料の調製
APT分析は、針状の試料が導電性で、電位を先端部の頂点に伝播させることが可能である場合に成功の可能性が高い。針の中の誘電材料、すなわちシリカの量を最小限にするために、特殊な試料調製手順を考案した。電子ビームで撮像したときに高いコントラストを与える界面近くに生体分子が固定化されたため、この方法には、FIB−SEMの先端部調製ステップ中に標的を提供するという追加の利点があった。この例では、基本的なピラニアで洗浄し、蒸留水で完全に洗浄することにより、シリコンウェーハに薄い酸化シリコン層を設けた。その後、ウェーハをIgGの緩衝溶液(500μg/ml)に1時間浸漬し、表面にタンパク質を吸着させた。次に、結合していないタンパク質を蒸留水で洗い流し、ケイ酸(総濃度1.7%v/v)を溶液に混合し、タンパク質層を囲む非晶質シリカマトリックスを形成した。18時間後、ウェーハを蒸留水ですすぎ、気体窒素で乾燥させた。伝導率を高めるために、ウェーハの上面に10nmのPd被覆層をスパッタし、上記のようにリフトアウトを実行した。電子ビーム画像化を用いてSi−SiO界面が鮮明なコントラストを与えたため、FIB−SEMで先端部のタンパク質含有領域を標的化することができた。ミリングは針のSiセグメントの約50nm上で停止し、頂点はタンパク質層を取り囲んでいた。表面吸着タンパク質の埋め込みに加えて、上記の手順は、膜関連タンパク質の原子プローブ分析のために固体支持体に吸着された支持タンパク質含有脂質二重層、または脂質単層もしくは二重層小胞の埋め込みにも適用できる。手順の概略図を図9に示す。
上述の実施形態は、本発明のいくつかの例示的な例として理解されるべきである。本発明の範囲から逸脱することなく、実施形態に対してさまざまな改変、組み合わせおよび変更を行うことができることを当業者は理解するであろう。特に、異なる実施形態における異なる部分の解決策は、技術的に可能な他の構成で組み合わせることができる。しかし、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって定義される。
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Claims (14)

  1. 生体分子の三次元(3D)構造を決定する方法であって、前記方法が
    前記生体分子を非晶質シリカマトリックスにカプセル化すること(S1)と、
    前記非晶質シリカマトリックスを含む針標本を調製すること(S2)と、
    前記生体分子の前記3D構造を決定するために前記針標本の原子プローブ断層撮影分析を行うこと(S3)と
    を含む、方法。
  2. 前記生体分子をカプセル化すること(S1)が、有機シリカ前駆体および/または無機シリカ前駆体からゾルゲルを生成するゾルゲルプロセスで前記生体分子をカプセル化することを含み、前記ゾルゲルが前記生体分子を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記生体分子をカプセル化すること(S1)は、前記生体分子を含むコアと、有機シリカ前駆体および/または無機シリカ前駆体からその場で形成された二酸化ケイ素のシェルとを含むコアシェル粒子を調製することを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記有機シリカ前駆体が、Si(OR)の一般式を有するアルコキシドであり、式中、Rはアルキルまたはフェニルである、請求項2または3に記載の方法。
  5. RがC1−C8アルキルまたはフェニルである、請求項4に記載の方法。
  6. RがC1−C4アルキルまたはフェニルである、請求項5に記載の方法。
  7. 前記アルコキシドが、テトラメチルオルトシリカート、テトラエチルオルトシリカート、テトラプロピルオルトシリカート、テトラブチルオルトシリカートおよびそれらの混合物からなる群より選択される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記無機シリカ前駆体が、Na2xSiO2+x、(NaO)・SiOからなる群より選択されるケイ酸ナトリウムであり、式中、xは正の整数である、請求項2〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. xが1、2および3からなる群より選択される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記針標本を調製すること(S2)は、前記非晶質シリカマトリックスを含む針先を形成するために前記非晶質シリカマトリックス上で集束イオンビーム(FIB)ミリングを行うことを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. FIBミリングを行うことは、
    前記非晶質シリカマトリックスのくさびを形成するために前記非晶質シリカマトリックスのFIBミリングを行うことと、
    前記くさびをマイクロマニピュレータの針に取り付けることと、
    前記くさびのセグメントを導電性支柱に取り付けることと、
    前記針先を形成するために前記セグメントのFIBミリングを行うことと
    を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記針標本を調製すること(S2)は、前記非晶質シリカマトリックスを含む針先を形成するために、予め作製された針先を前記非晶質シリカマトリックスで被覆することを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記針先が、100nm未満の半径を有する、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記生体分子が、タンパク質、タンパク質断片およびペプチドからなる群より選択される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。

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