JP2020527662A - 冷却構造部を備える内部冷却バルブの製造方法、並びにその製造方法で製造されたバルブ - Google Patents

冷却構造部を備える内部冷却バルブの製造方法、並びにその製造方法で製造されたバルブ Download PDF

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Abstract

本発明は、内部冷却バルブの製造方法に関し、少なくとも部分的に円筒状の外面を有する半製品(2)を提供するステップと、熱間加工で雄型を使用することにより、少なくとも部分的に円筒状のキャビティを半製品(2)に形成するか又は深化させ、これによりバルブブランクを作成するステップとを含む。熱間加工時に、雄型の端面における凹部により、キャビティのベース上に構造部を形成する。【選択図】図1C

Description

本発明は、内部冷却バルブを製造するための製造方法に関し、バルブのキャビティのバルブベースに冷却構造部が設けられている。更に、本発明は、本発明に係る方法を使用して製造されたバルブに関する。
かなり以前より知られている内部冷却バルブにおいては、キャビティがバルブステム内に延在しており、いわゆる「シェイキング冷却」により、ナトリウムが熱をバルブヘッドから、エンジンヘッドで冷却されたバルブステム方向に搬送する。
同様に、嵌め込み可能なバルブベースにより、キャビティ内に冷却構造部を配置し、これによりバルブベースからキャビティ内の冷却剤への熱伝達を改善することも知られている。しかしながら、別箇のバルブベースをバルブヘッドに接合する接合シームによってバルブの材料が弱体化するという問題があるため、接合シームが損傷して冷却剤が燃焼室に流出した場合又はバルブベース全体が燃焼室に落下した場合、バルブの損傷やエンジンにおける重大な損傷が発生する可能性がある。更に、溶接においては、技術的に複雑でコストのかかる工程ステップが必要である。
特許文献1(特開2016084725号公報)には、ロータリースウェージングで製造されるバルブブランクの方法が既知である。この場合、構造部は、ディスク内表面に予め取り付けることができる。
特許文献2(欧州特許出願公開第2811126号明細書)には、ドロップ鍛造により、半製品からバルブブランクが形成される方法が既知である。この場合、半製品のステムは、後続するステップにおいてテーパ付けされる。
特許文献3(米国特許出願公開第2,328,512号明細書)には、内部冷却バルブのバルブベースに、スタンピング工程によって構造部を設ける方法が開示されている。
特許文献4(米国特許出願公開第2,280,758号明細書)は、冷却剤をバルブの外側方向にそらすための構造部をバルブディスク内側に備える内部冷却バルブに関する。
特許文献5(中国実用新案出願第202645663号明細書)及び特許文献6(独国特許第102015116009号明細書)は、バルブディスク表面上のカバーによって閉鎖されるキャビティを備える内部冷却バルブに関する。
特許文献7(独国特許出願公開第102015118495号明細書)は、バルブを形成するために、深絞り及びプレスによってディスク状のブランクを形成する方法を開示している。
特開2016084725号公報 欧州特許出願公開第2811126号明細書 米国特許出願公開第2,328,512号明細書 米国特許出願公開第2,280,758号明細書 中国実用新案出願第202645663号明細書 独国特許第102015116009号明細書 独国特許出願公開第102015118495号明細書
従って、バルブベース領域又はバルブヘッド領域に別箇の溶接シームを必要とすることなく、バルブベース領域における冷却剤キャビティの内側に冷却構造部が設けられる方法を提供するのが望ましい。
本発明によれば、請求項1の特徴を有する、内部冷却バルブ用の内部冷却バルブブランクの製造方法が提供される。本発明の方法及び完成バルブの好適な実施形態は、従属請求項に記載したとおりである。本発明は、内部冷却バルブの製造方法であって、少なくとも部分的に円筒状の外面を有する半製品を提供するステップと、熱間加工でスタンプを使用することにより、少なくとも部分的に円筒状のキャビティを半製品に形成するか又は深化させ、これによりバルブブランクを作成するステップとを含む。本発明によれば、本発明に係る方法は、スタンプの端面に少なくとも1つの凹部が設けられ、その凹部により、加工時にキャビティのベース上に構造部が形成されることを特徴とする。即ち、冷却構造部は、後の時点でバルブステムへと形成される領域を通して、バルブベースの内側に上方から刻み込まれる。後の時点においては、バルブステム部分の直径が減少されるため、バルブステムよりもバルブヘッドにおいてより大きな直径を有するキャビティを備えるバルブが得られる。本発明の方法を使用することにより、バルブヘッド領域又はバルブベース領域において任意の形式の溶接シームを回避することが可能である。簡潔に述べれば、本発明の方法は、キャビティのバルブベース領域に構造部が刻み込まれ、その後、バルブベースの構造部を実質的に変化させることなく、バルブブランクの一部がバルブステムへと形成されるステップが後続するものであると見なすことができる。
この最初のステップは、ディスク状又は円筒状の半製品がボウル状のバルブブランクへと加工されるときに直接的に適用することができる。ただし、既にボウル状を有する半製品において、更なる加工ステップにて冷却構造部をバルブベースに刻み込み、その際に凹所を同様に部分的に深化させることも可能である。
内部冷却バルブの製造方法の例示的な実施形態において、加工は、後方押出を含む。この場合、実質的に円筒状又はディスク状の半製品から単一のステップでバルブブランクを得ることができる。その後、更なる加工ステップによってバルブブランクからバルブ又はディスクバルブが形成されると共に、ナトリウムなどの冷却剤がバルブ又はディスクバルブのキャビティに導入される。
本発明の製造方法の他の例示的な実施形態において、加工は、鍛造を含む。この場合、鍛造のみならず後方押出により、バルブディスクも一体形成することができる。
本発明の製造方法の更なる実施形態において、構造部は、円形状又は星形状に延在する冷却リブを含む。この場合、冷却リブは、バルブブランクの軸線から円形状又は星形状に延在する。
本発明の製造方法の他の実施形態においては、スタンプが使用され、そのスタンプにより、冷却要素として機能するピン状、円錐状又は円錐台状の構造部がキャビティのバルブベースに押し付けられる。特に、ロッド状、円錐状又は円錐台状の冷却要素は、その大きな表面積に起因して高い熱伝達を可能にする。更に、ピストンベースのエッジに円錐台状の冷却要素を優先的に使用し、中央部に円錐状の冷却要素を使用することも想定可能である。バルブ又はバルブブランクの対称軸線上に配置された円錐状の冷却要素は、冷却剤の流れを軸線方向からディスクエッジに向けて半径方向へと変換することにより、バルブヘッドの冷却を向上させることもできる。
本発明の製造方法の他の実施形態において、構造部は、バルブ内におけるキャビティの冷却剤をバルブの対称軸線周りで回転させることができるガイドブレードを含む。ガイドブレードは、ラジアルコンプレッサタービンの場合と同様に配置することができる。
他の実施形態において、本発明の方法は、加工時又は加工後に、バルブブランク上にバルブヘッドを一体形成することも含むことができる。この場合、半製品の下部又はバルブブランクが広げられ、バルブディスク又はバルブディスクエッジへと形成される。
内部冷却バルブの製造方法の他の実施形態においては、バルブヘッドが形成された後、そのバルブヘッドに隣接するバルブブランクの直径が軸線方向に減少され、これによりバルブステムが形成される。即ち、ボウル状のバルブブランクは、ディスクバルブとして使用されるのに更なる加工を必要とする。本発明は、後のバルブステムの直径に比べてより大きな直径を有する凹所が半製品に押し込まれることに基づいている。この場合、後のバルブベースの冷却を改善する構造部が凹所のベースに刻み込まれる。後のバルブにおけるキャビティがとりわけ大きな直径を有し、とりわけ大量の熱がバルブベースから吸収されれば特に有利である。本発明の方法においては、凹所の直径が大きいことにより、バルブベースの内側に冷却構造部を設けるか又は刻み込むことが可能である。なぜなら、その位置におけるスタンプの長さ対直径の比が小さく、大きな力伝達が可能だからである。このことは、従来の中空バルブでは不可能である。これは、冷却構造部を形成するのに必要なスタンプにおける長さ対直径の比が好ましくなく、冷却構造部の形成時に側方方向に曲がる恐れがあるからである。
内部冷却バルブの製造方法の他の実施形態において、バルブステムは、セクション圧延又はロータリースウェージング、好適には、マンドレル上での熱間鍛造又は冷間鍛造により形成される。鍛造工具は、ワークピースに対して半径方向の打撃を与えることにより、加工ワークピースの断面が縮小される。この場合、材料が伸びることにより、機械加工に比べてより高品質のワークピースが得られる。マンドレルを使用すれば、ワークピース内部のキャビティが所望の内径を有することが保証される。
他の実施形態において、本発明の製造方法は、マンドレル上での圧延又はクロスウェッジ圧延を含む。この場合、圧延によってバルブステムが形成される。
本発明の他の態様によれば、上述した方法の1つを使用して製造された内部冷却バルブが提供される。
以下、本発明を非限定的な概略図を参照しつつ説明する。
図1A〜図1Fは、本発明に係る内部冷却バルブの様々な製造ステップを示す断面図である。
説明及び図面において、同一又は類似の構成要素又は要素は、同一又は類似の参照符号で表すものとする。
図1Aは、内部冷却ディスクバルブを製造するための出発材料として使用される円筒状の半製品2の断面図を示す。
図1Bは、ボウル状に形成された半製品4の断面図を示す。図示の半製品4は、スタンプ(図示せず)によって上方からボウル状に形成されている。この形成は、熱間成形又は冷間成形で行うことができる。図示の例においては、後方押出が行われたため、形成された半製品4の高さは、図1に示す未形成半製品2に比べて大幅に増加している。この場合、スタンプに凹部が設けられており、リブ又は隆起部としてキャビティのベース上に刻み込まれている。これらリブ又は隆起部は、冷却構造部6を形成し、その冷却構造部6により窪みの表面が大幅に増加するため、後のステップで形成されるバルブベースから冷却剤への熱伝達が向上する。
直径対長さの比が好ましければ、スタンプが側方方向に変形する恐れなく、後方押出を行うことが可能である。
図1Cは、第1バルブブランク8へと更に形成されたボウル状半製品4を示す。この場合、類似のスタンプを使用し、側方押出及び後方押出によってバルブヘッド16を形成することが可能であり、また窪みには依然として冷却構造部6が位置している。側方押出により、第1バルブブランク8のバルブヘッド16領域の直径が増加可能であり、またこのステップにおいては、バルブベース18の厚さも大幅に減少する。同時に、後方押出の一部によってステム部分20の長さが増加可能であり、この場合にステム部分の直径は増加しない。
図1Aに示す半製品は、第1バルブブランク8へと直接的に形成することもできる。即ち、第1バルブブランク8は、実質的に円筒状の半製品から単一のステップによって形成することも可能であり、そのような方法では図1Bのステップが省略される。
図1Dは、ステムの直径を減少させると共に、ステムの長さを増加させるために、ステム領域22において、圧延、クロスウェッジ圧延、又は鍛造で更に機械加工され、これにより第1バルブブランク8から第2バルブブランク10が製造された状態を示す。この加工ステップにおいても、冷却構造部6の変形は生じないか又は僅かである。
図1Eは、ステム領域24において、圧延、クロスウェッジ圧延、又は鍛造で更に機械加工され、これによりステム24の直径が更に減少すると共に、ステム24の長さが更に増加した図1Dの第2バルブブランク10を示す。これら加工ステップにより、第2バルブブランク10が第3バルブブランク12へと形成されている。この加工ステップにおいても、キャビティ30のバルブベース18における冷却構造部6の変形は生じないか又は僅かである。
図1Eは、ステム領域24及びバルブディスクへの移行部において、圧延、クロスウェッジ圧延、又は鍛造で更に機械加工された後の第3バルブブランク12を示す。この最終ステップにおいて、バルブステム26の外径は、最終寸法又は実質的に最終寸法に調整することができる。ここで、ステム又はキャビティ30又は窪みに冷却剤(図示せず)を充填し、キャビティを閉鎖することができる。ステム26の直径を減少させると、ステム26の長さが最終寸法まで又は最終寸法を超えて増加する。更に、ステム及びバルブヘッドには、最終的な機械加工又は研削を行うことができる。最終的な加工ステップにおいては、キャビティ32のバルブベース18における冷却構造部6も多少変形されている。ただし全体としては、冷却構造部6が付加的に設けられたより大きなキャビティがバルブヘッド16領域に依然として残留し、その冷却構造部により、バルブベースからキャビティ32における冷却剤へのより大きな熱伝達が可能である。
本発明の保護範囲は、クレームによって規定される。
2 半製品
4 ボウル状に形成された半製品
6 冷却構造部
8 第1バルブブランク
10 第2バルブブランク
12 第3バルブブランク
14 バルブブランク
16 バルブディスク
18 バルブブランク
20 第1バルブブランクのバルブステム
22 第2バルブブランクのバルブステム
24 第3バルブブランクのバルブステム
26 第1バルブブランクのバルブステム
30 キャビティ/冷却剤用の窪み

Claims (11)

  1. 内部冷却バルブの製造方法であって、
    ・少なくとも部分的に円筒状の外面を有する半製品(2)を提供するステップと、
    ・熱間加工でスタンプを使用することにより、少なくとも部分的に円筒状のキャビティを前記半製品(2)に形成するか又は深化させ、これによりバルブブランクを作成するステップと、
    を含む方法において、
    前記加工時に、前記スタンプの端面における凹部により、前記キャビティのベース上に構造部を形成することを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の内部冷却バルブの製造方法であって、前記加工が、後方押出を含む方法。
  3. 請求項1に記載の内部冷却バルブの製造方法であって、前記加工が、鍛造を含む方法。
  4. 請求項1、2又は3に記載の内部冷却バルブの製造方法であって、前記構造部が、円形状又は星形状に延在する冷却リブを含む方法。
  5. 請求項1、2又は3に記載の内部冷却バルブの製造方法であって、前記構造部が、冷却要素として機能するピン状部、円錐状部又は円錐台状部を含む方法。
  6. 請求項1、2又は3に記載の内部冷却バルブの製造方法であって、前記構造部が、バルブ内の冷却剤を回転させることができるブレードを含む方法。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の内部冷却バルブの製造方法であって、前記加工時又は前記加工後に、前記バルブブランク上にバルブヘッドを一体形成する方法。
  8. 内部冷却バルブの製造方法であって、バルブヘッドを形成した後、該バルブヘッドに隣接するバルブブランクの直径を軸線方向に減少させ、これによりバルブステムを形成する方法。
  9. 内部冷却バルブの製造方法であって、バルブステムを、圧延又はロータリースウェージング、好適には、マンドレル上での熱間鍛造又は冷間鍛造により形成する方法。
  10. 内部冷却バルブの製造方法であって、バルブステムを、圧延、好適には、マンドレル上での圧延、又はクロスウェッジ圧延により形成する方法。
  11. 請求項1〜10の何れか一項に記載の方法を使用して製造された内部冷却バルブ。
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