JP2020527507A - 車両の機能を制御するための要素のカスタマイゼーション - Google Patents

Abstract

本発明は、車両の機能の受動制御要素をカスタマイズするための方法であって、制御ユニットと電子的に接続された前記車両の能動固定領域に、受動制御要素を非永久的に固定するステップと、前記制御要素に関連付けられた機能を規定するステップとを含むことを特徴とする、車両の機能の受動制御要素をカスタマイズするための方法に関する。

Description

本発明は、車両の分野に関し、より詳しくは車両の機能を制御するための要素のカスタマイゼーションに関する。

自動車の機能は、特定の動作又は作用として規定される。自動車は、走るという主機能に加えて、例えば「車室内のカメラを使用してインスタント写真を撮る」というような多くの二次的機能を有し、他の二次的機能は、「オーディオＣＤを再生する」、そうでなければ「ＧＰＳ画面に車両の位置を表示する」というものであり得る。

自動車の機能は、車体のデザイン及び車室のエルゴノミクスとまさに同様に、自動車をユーザが共感するものにすることに関与する。よって、自動車によって提供される機能は、他の自動車ではなく、ある自動車に、顧客を引きつけることに関与する。

現在、以後ではボタンと呼ばれる突出部品、タッチスクリーン、ボイスコントロール又はジェスチャーコントロールのような、機能を制御するための多くの要素が存在する。

ボタン手段によって行われる制御で生じる不利な点は、車室の設計中にボタンの位置を規定する必要があるということである。その結果、制御ボタンは、一般的には運転者によって使用されるように提供されるのであるが、同乗者へのアクセスは難しい。よって、車両のエルゴノミクスは、数人の乗員による使用には適合し得ない。例として、大家族は制御が同乗者の座席からアクセス可能であることを望み、運転者のみの場合とは異なる。

タッチスクリーン上で行われる制御は、そのタッチスクリーンの表面上でカスタマイズ可能である。しかし、タッチスクリーンの位置は、車室の設計中に決定されている。更に、タッチスクリーンの位置は、機械的及び安全上の制約によって制限される。タッチスクリーンは、車室内における配置可能な位置を制限するある程度の剛性を有し、事故の場合にはその自動車の乗員を傷つけ得る。最後に、タッチスクリーンにはコストが掛かるので、車室内に多数のタッチスクリーンを配置することができない。

ボイス及びジェスチャーコントロールは、車室空間において特定の位置決めをされないが、複雑な設定及び電子機器を必要とする。更に、ボイス又はジェスチャーコントロールの起動を可能にする制御は、一般に、その位置が設計において決定されるボタンによって行われる。

車両であって、その中において制御要素が受動的固定領域に配置された車両の機能を制御するための要素をカスタマイズすることを可能にする方法を記載する文献DE102014218506が、知られており、運転者の頭に配置されたヘッドホンシステムは、制御要素の位置を決定すること及び関連する機能を起動することを可能にする。

車両の機能に割り当てられた回転式の制御要素を自由に配置することを可能にする方法を開示する文献DE102010010574も知られており、その車両においてはアクティブな制御要素がアクティブな固定領域に配置される。ユーザが制御要素に関連付けられた機能を変更することを望むとき、ユーザは所望の機能に関連付けられた新たな制御要素を配置しなければならない。

本発明は、車室内における位置をカスタマイズ可能な、車両の機能の受動制御要素を提供することによって、前述の不利な点の全て又は一部を克服する目的を有する。

車両の機能の受動制御要素をカスタマイズするための方法であって、
− 制御ユニットと電子的に接続された前記車両の能動固定領域に、受動制御要素を非永久的に固定するステップと、
− 位置変更可能な前記制御要素に関連付けられた機能を規定するステップと
を実行することを特徴とする、車両の機能の受動制御要素をカスタマイズするための方法に、本発明は関する。

よって、制御要素の位置は、もはや車両の設計において決定されず、乗員によって決定される。車両の乗員は、車両の機能の新たな制御要素を、車両納入後に、いつでも、固定領域全体に固定し得る。制御要素は永久的には固定されず、すなわち、制御要素は取り外され又は移動させられ得る。制御要素は、固定領域の、乗員によって所望される位置に、その人の習慣又は体のタイプのようなさまざまなパラメータに応じて配置される。制御要素のカスタマイゼーションは、制御要素の位置及び機能の選択にその本質がある。

本発明の１つの特徴によると、車両の機能の受動制御要素をカスタマイズするための方法は、前記受動制御要素に関連付けられた機能を修正するステップを含む。

よって、乗員は、自身の習慣又は車両の用い方の変化に応じて、受動制御要素の機能を修正することができる。同じ位置に配置された同じ制御要素は、以前に規定された機能とは異なる機能を制御し得る。

本発明の１つの特徴によると、車両の機能の受動制御要素をカスタマイズするための方法は、前記受動制御要素の位置を変更するステップを含む。

よって、乗員は、自身の習慣又は車両の用い方の変化に応じて、受動制御要素の位置を修正することができる。したがって、制御要素は位置変更が可能である。同じ機能に関連付けられた同じ制御要素が、固定領域の異なる位置に固定される。乗員が望むなら、制御要素は取り外し又は移動もされ得る。

先行する請求項のいずれか１項に記載の車両の機能の受動制御要素をカスタマイズするための方法の実行を可能にする装置であって、少なくとも１つの制御ユニットと、少なくとも１つの受動制御要素とを備え、前記少なくとも１つの制御ユニットと電子的に接続された少なくとも１つの能動固定領域を更に備えることを特徴とする装置にも、本発明の本質がある。

よって、固定領域は、制御ユニットとの電子的な接続のおかげで、少なくとも１つの物理的制御要素をその全面にわたって固定すること、及びその後、この制御要素に関連付けられた機能を規定することを可能にする。

本発明の１つの特徴によると、前記装置は、複数の固定領域を備える。

本発明の１つの特徴によると、前記少なくとも１つの能動固定領域は、プリントされた容量性フィルムを備える。

よって、電子的接続が、制御ユニットとの間で容量性フィルムによって行われる。固定領域は、特定の位置が制御要素として規定されるタッチ領域である。この場合、制御要素は、特定の技術を有さない物体であり、すなわち、制御要素は、固定領域の特定の位置を示すことを可能にする、受動的な、自身で動く力のない、又は中立の物体である。制御要素の目的は、固定領域の特定の位置を示すことのみである。制御要素は、特有の技術を全く備えない。

本発明の１つの特徴によると、固定領域は、制御ユニットと直接接続されている。

本発明の１つの特徴によると、前記容量性フィルムは、トリムパネルの面上に配置される。

よって、トリムパネルは固定領域になる。

本発明の１つの特徴によると、前記容量性フィルムは、トリムパネルの面上に配置され、前記面は乗員には見えないことが意図される。

よって、トリムパネルの美観が保たれる。

本発明の１つの特徴によると、前記容量性フィルムは、トリムパネル上にオーバーモールディングによって配置される。

よって、トリムパネルの製造には、追加的な動作を要しない。

本発明の１つの特徴によると、前記容量性フィルムは、モールディング後にトリムパネル上に追加される。

本発明の１つの特徴によると、制御要素は、位置変更が可能なやり方で固定される。

よって、制御要素は、自動車の乗員が望むなら、位置変更され得る。すなわち、制御要素の位置は、固定領域上で変更され得る。制御要素は、自動車の乗員が望むなら、制御領域から取り外しもされ得る。

本発明の１つの特徴によると、制御要素は、接着剤手段によって固定される。

本発明の１つの特徴によると、制御要素は、固定領域上で磁化される（引きつけられる）。

よって、制御要素は容易に位置変更が可能である。

本発明の１つの特徴によると、制御要素は、車両の機能を表すロゴを含む。

本発明は、以下の記載のおかげでよりよく理解され、記載は、本発明によるいくつかの実施形態に関しており、非限定的な例を介して提供され、添付の図面を参照して説明される。
図１は、本発明の第１実施形態による自動車の車室を図示したものである。 図２は、第１実施形態による方法のフローチャートである。

図１は、制御ユニット３と電子的に接続されている固定領域２を備える自動車の車室１を示す。

固定領域２は、助手席１１に面して配置されたトリムパネル（panneau de garniture）である。よって、固定領域２は、運転者の隣に座っている乗員に容易にアクセス可能である。固定領域２は、メッシュを形成する容量性フィルム２１を備える。理解しやすいように、図１においては、容量性フィルム２１はトリムパネルの面上に配置され、その面は車両の乗員に見える。容量性フィルム２１は、車両の乗員には見えないように、トリムパネルの内面に配置され得る。２つの制御要素４が固定領域に配置されている。

制御要素４は、車両の機能を表すロゴを有する、位置を変更することが可能な粘着性のパッドであり得る。

制御要素４と制御ユニットとの間の電子的接続が、矢印６によって図式化されている。

第１実施形態によると、制御要素４をカスタマイズするための方法は、図２に図示されているように、以下のようにして行われる。すなわち、
固定ステップＡであって、その間に、
− 乗員が、位置を変更することが可能なパッドの形態の制御要素４を選択し、その１つの面には配置されることが所望されている車両の機能を表すロゴが印刷され得て、
− 車両の制御ユニット３において、新たな制御要素４を作成することを可能にするメニューを乗員が選択し、
− メニューがパッドを固定領域２上に配置することを求め、
− 乗員が、パッドを固定領域２上の所望の位置に取り付け、
− 乗員が、パッドが置かれたことを制御ユニット３上で示す、
固定ステップＡ、
規定ステップＢであって、その間に、
− メニューが、乗員にパッドの位置を固定領域２上で指定するように求め、
− 次に乗員が自身の指をパッドに置き、
− メニューが、パッドが識別されたことを示し、
− メニューが、車両の機能を選択してこのパッドと関連付けることを求め、
− 乗員が所望の車両の機能を選択する、
規定ステップＢ。

次にパッドが識別され、すなわち、パッドが車両の機能と対にされる。ユーザは、その指をパッドに接触させることによって、パッドと対になった車両の機能を起動させることができる。乗員は、同様にしてこの機能を停止させることもできる。

乗員は、制御要素４と関連付けられた機能を修正することを決定することができる。

位置変更ステップＣであって、その間に、
− 乗員が、制御要素４の位置を変更することを可能にする制御ユニット３上のメニューを選択し、
− メニューが、位置が変更されるべきパッドを示すよう指示し、
− 乗員が自身の指を位置が変更されるべきパッドに置き、
− メニューが、パッドを移動させること又はパッドを取り外すことを選択することを求め、
− 乗員がパッドを移動させることを選択するなら、乗員は次の動作、すなわち、
・ メニューが、パッドを固定領域２上で位置変更することを求め、
・ 乗員が、パッドを固定領域２上の所望の位置に再取り付けし、
・ 乗員が、パッドが位置変更されたことを制御ユニット３上で示し、
・ メニューが、乗員にパッドの新たな位置を固定領域２上で指定するように求め、
・ 次に乗員が自身の指をパッドに置き、
・ メニューが、パッドが位置変更されたことを示す
ことを実行し、
乗員がパッドを取り除くことを選択するなら、乗員は次の動作、すなわち、
・ メニューが、パッドが取り外し可能であることを示し、
・ 乗員がパッドを取り外す
ことを実行する、位置変更ステップＣを実行することによって、乗員は制御要素の位置を変更することも決定し得る。

乗員は、いくつかのパッドを固定領域２に配置することができる。

もちろん、本発明は、説明され添付の図面に示された実施形態には限定されない。特にさまざまな要素の構成の観点から、又は技術的に等価なもので置換することにより、本発明の保護の範囲から逸脱することなく、修正が依然として可能である。

Claims (8)

1. 車両の機能の受動制御要素（４）をカスタマイズするための方法であって、
   制御ユニット（３）と電子的に接続された前記車両の能動固定領域（２）に、受動制御要素（４）を非永久的に固定するステップと、
   前記制御要素（４）に関連付けられた機能を規定するステップと
   を実行することを特徴とする、車両の機能の受動制御要素（４）をカスタマイズするための方法。
2. 前記受動制御要素（４）に関連付けられた機能を修正するステップを含む
   請求項１に記載の車両の機能の受動制御要素（４）をカスタマイズするための方法。
3. 前記受動制御要素（４）の位置を変更するステップを含む
   請求項１又は２に記載の車両の機能の受動制御要素（４）をカスタマイズするための方法。
4. 請求項１〜３のいずれか１項に記載の車両の機能の受動制御要素（４）をカスタマイズするための方法の実行を可能にする装置であって、少なくとも１つの制御ユニット（３）と、少なくとも１つの受動制御要素（４）とを備え、
   前記少なくとも１つの制御ユニット（３）と電子的に接続（６）された少なくとも１つの能動固定領域（２）を更に備える
   ことを特徴とする装置。
5. 前記少なくとも１つの能動固定領域（２）は、プリントされた容量性フィルム（２１）を備える
   請求項４に記載の装置。
6. 前記容量性フィルム（２１）は、トリムパネルの面上に配置される
   請求項５に記載の装置。
7. 前記容量性フィルム（２１）は、前記トリムパネル上にオーバーモールディングによって配置される
   請求項６に記載の装置。
8. 前記少なくとも１つの制御要素（４）は、位置を変更することが可能である
   請求項４〜７のいずれか１項に記載の装置。