JP2020526483A - 心筋節活性化剤で心不全を治療する方法 - Google Patents

心筋節活性化剤で心不全を治療する方法 Download PDF

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Abstract

本明細書では、心不全を有する対象を治療する方法であって、最初の期間にわたって初回用量の心筋節活性化剤(CSA)を対象に投与すること、及び引き続いて、最初の期間の終わりの対象のCSAの血漿濃度に基づく用量のCSAを対象に投与することを含む方法が提供される。

Description

関連出願の相互参照
2017年6月30日に出願された米国仮特許出願第62/527,983号明細書の米国特許法第119条(e)の下の利益が本明細書によって主張され、その開示は、参照により本明細書に援用される。
心不全(HF)は、心機能と身体の代謝的要求との間の不均衡によって定義される臨床症候群である。それは、心臓を冒す多くの疾患に関する最終の経路である(Hilfiker−Kleiner et al,2006)。HFは、世界中で2600万人を超える人々を冒しており、毎年350万人を超える人々が新たに診断されている。罹患率は、年齢とともに上昇することが示されており(Lopez−Sendon,2011)、これは、人々が高齢化するにつれてHFの発生率が上昇し得ることを示唆している。米国(US)では、500万人を超える人々、すなわち人口のほぼ2.0%がHFを有する(Go et al,2013)。欧州では、少なくとも1500万人の人々がHFを有すると推定されている(Dickstein et al,2008)。HFは、通常、駆出率が「低下した」又は「保たれた」もののいずれかとしてさらに分類される。西側先進国における駆出率が低下した心不全(HFrEF)患者の1年の死亡率は、通常、1年当たり10%〜25%であるが、HFの重症度に依存して、この率は、安定したNew York Heart Association(NYHA)クラスI〜IIの患者では1年当たり5%という低さから、NYHAクラスIII〜IVの疾患を有する患者では1年当たり75%という高さであり得る(Mozaffarian et al,2007;Bhatia et al,2006;Levy et al,2006;Solomon et al,2004)。HFの負担は、再発入院からのデータでも見ることができる。メディケアのデータ及び民間保険加入患者のデータは、HFで入院している患者の12%〜27%が入院期間後30日以内に再入院し、総死亡率が同期間において12%に達することを示す(Jencks et al,2009;McIlvennan et al,2014)。
HFは、冠動脈疾患(CAD)によって引き起こされることが最も多く、他の原因としては、高血圧性心疾患、心臓弁膜症及び特発性の原因が挙げられる(Ambrosy et al,2014)。心拍出量及び臓器灌流を保とうとして、HFは、交感神経の緊張の増大、末梢血管収縮及び様々な神経ホルモン経路の活性化によって特徴付けられる代償機構を伴う段階を通して進行する。これらの適応特性は、短期間の緩和をもたらすが、長期間又は遷延性の活性化により害されている可能性がある。患者は、呼吸困難、疲労及び体液貯留を経て、最終的に肺うっ血及び末梢性浮腫を発症する。治療の目的は、症状を改善し、延命し、且つ再入院を減らすことである(Yancy et al,2013;Ponikowski et al,2016)。アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEis)、β遮断薬、アルドステロン拮抗薬、冠血行再建及び両室ペーシング(Jessup and Brozena,2003;Krum and Teerlink,2011)を含むいくつかの薬理学的及び非薬理学的介入がHFの入院率を低減し、死亡率を改善することが示されているが、死亡率及び罹患率は、上記のとおり依然として高いままである。加えて、代償機構(例えば、ナトリウム貯留、動脈及び静脈の収縮、神経内分泌活性化及び心拍数の上昇)において作用するこれらの利用可能な治療は、症状を制御できないか、又は生活の質を回復できない場合が多い。
左心室駆出率(LVEF)の低下は、HFにおける中心的な要因であるが、HF患者における心筋節のレベルで心機能を直接的に改善する安全な医学療法は存在しない。上記の代償機構は、心筋収縮力の障害のシナリオにおける心拍出量及び臓器灌流を保つために展開される。慢性HF患者におけるアドレナリン受容体経路の慢性的な刺激(例えば、ドブタミン又はイボパミン)又はホスホジエステラーゼ阻害剤(すなわちミルリノン)を介して心収縮力を改善する試みが成功してきた(Tacon et al,2012)。両方の薬剤は、それらの作用機序のために重大な安全性責任を有する。細胞内カルシウムの増加により、組織酸素消費量及び不整脈の増加の犠牲を払うが、収縮力を改善できる。重篤な慢性HFrEF患者における長期間の経口によるミルリノンのSoCへの追加は、死亡率及び罹患率の増大を示した(Packer et al,1991)。経口によるイボパミン(ドーパミン受容体アゴニスト(DA−1及びDA−2))も、HFrEF外来患者においてSoCに追加した場合、臨床的有用性を実証しなかった(Hampton et al,1997)。
Hilfiker−Kleiner et al,2006 Lopez−Sendon,2011 Go et al,2013 Dickstein et al,2008 Mozaffarian et al,2007 Bhatia et al,2006 Levy et al,2006 Solomon et al,2004 Jencks et al,2009 McIlvennan et al,2014 Ambrosy et al,2014 Yancy et al,2013 Ponikowski et al,2016 Jessup and Brozena,2003 Krum and Teerlink,2011 Tacon et al,2012 Packer et al,1991 Hampton et al,1997
したがって、HFrEFを含む、HFの病因を治療する安全で効果的な方法の必要性が依然として存在している。
本明細書では、最初の期間にわたって初回用量、例えば開始用量で心筋節活性化剤(CSA)を投与すること、及び引き続いて、最初の期間中又は最初の期間の終わりに対象の血漿濃度に基づいて決定される用量でCSAを投与することを含む治療方法が提供される。例示的な実施形態では、本開示の治療方法は、CSAで対象を治療する手法を提供する。例示的な実施形態では、本開示の治療方法は、CSAによる対象の治療を個別化する手法を提供する。例示的な実施形態では、本開示の治療方法は、CSAに対する過剰暴露を回避しながら、それぞれの個別の対象において効果的な暴露を最大化する、心不全、例えばHFrEFを有する対象を治療するための安全であり且つ改善された方法を提供する。
したがって、本開示は、心不全を有する対象を治療する方法を提供する。例示的な実施形態では、方法は、(a)最初の期間にわたって初回用量の心筋節活性化剤(CSA)を対象に投与すること、及び(b)引き続いて、最初の期間中又は最初の期間の終わりの対象のCSAの血漿濃度に基づく用量のCSAを対象に投与することを含む。例示的な態様では、初回用量は、CSAの最小有効用量(MED)である。例示的な態様では、CSAは、最初の期間の終わり又はCSAの血漿濃度が決定されるまでに対象中において定常状態に達している。例示的な態様では、方法は、引き続いて、対象の定常状態のCSAの血漿濃度に基づく用量のCSAを対象に投与することを含む。例示的な態様では、引き続いて対象に投与される用量は、2つの選択肢の1つである:引き続いて投与される用量は、初回用量と同じであるか又は初回用量を上回るかのいずれかである。代替又は追加の例示的な態様では、引き続いて対象に投与される用量は、3つの選択肢の1つである:引き続いて投与される用量は、(i)初回用量と同じであるか、(ii)初回用量を上回るが、最大用量を下回るか、又は(iii)最大用量である。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が閾値濃度を上回るとき、引き続いて投与される用量は、初回用量と同じである。例示的な場合において、閾値濃度は、標的濃度範囲の最小値の約1.0〜約1.5倍である。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が閾値未満であるとき、引き続いて投与される用量は、初回用量を上回る。例示的な場合において、閾値濃度は、標的濃度範囲の最小値の約1.0倍〜約1.5倍である。
例示的な実施形態では、HFを有する対象を治療する方法は、(a)最初の期間にわたって初回用量のCSAを対象に投与すること、及び(b)引き続いて、最初の期間中又は最初の期間の終わりの対象のCSAの血漿濃度に基づく用量のCSAを対象に投与することを含む。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が標的濃度範囲の最小値以上であるとき、引き続いて投与される用量は、初回用量と同じである。例示的な態様では、対象のCSAの、血漿濃度が標的濃度範囲の最小値未満であるとき、引き続いて投与される用量は、初回用量を上回る。例示的な態様では、対象の血漿濃度が標的濃度範囲の最小値を上回るか又はその約1.5倍であるとき、引き続いて投与される用量は、初回用量と同じである。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が標的濃度範囲の最小値の1.5倍未満であるが、標的濃度範囲の最小値を上回るか又はほぼ標的濃度範囲の最小値であるとき、引き続いて投与される用量は、初回用量を上回るが、最大用量未満である。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が標的濃度範囲の最小値未満であるとき、引き続いて投与される用量は、最大用量である。
対象のための治療レジメンを決定する方法がさらに提供される。例示的な実施形態では、方法は、(a)最初の期間にわたって最小有効用量(MED)用量のCSAを対象に投与することであって、CSAは、最初の期間中又は最初の期間の終わりまでに対象中において定常状態に達している、投与すること、及び(b)最初の期間の終わりに対象のCSAの血漿濃度を決定することを含む。例示的な態様では、最初の期間後の治療レジメンは、初回用量と同じであるか又は初回用量を上回るかのいずれかのCSAの用量を含む。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が閾値濃度を上回り、例示的な場合において標的濃度範囲の最小値の約1.0〜約1.5倍であるとき、最初の期間後の治療レジメンは、初回用量と同じであるCSAの用量を含む。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が閾値未満であり、例示的な場合において標的濃度範囲の最小値の約1.0〜約1.5倍であるとき、最初の期間後の治療レジメンは、初回用量を上回るCSAの用量を含む。代替又は追加の例示的な態様では、最初の期間後の治療レジメンは、3つの選択肢の1つである用量を含む:引き続いて投与される用量は、(i)初回用量と同じであるか、(ii)初回用量を上回るが、最大用量を下回るか、又は(iii)最大用量である。例示的な態様では、最初の期間後の治療レジメンは、(i)CSAの血漿濃度が標的濃度の最小値を上回るか若しくは約1.5倍であるとき、初回用量と本質的に同じであるか、(ii)対象のCSAの血漿濃度が標的濃度範囲の最小値を上回るか若しくはほぼ標的濃度範囲の最小値であるが、標的濃度範囲の最小値の約1.5倍未満であるとき、初回用量を上回るが、最大用量を下回るか、又は(iii)CSAの血漿濃度が標的濃度範囲の最小値未満であるとき、最大用量であるCSAの用量を含む。
実施例1において記載される試験の試験デザイン及び治療計画の説明である。 実施例3において記載される臨床試験プロファイルの説明である。 有効性評価項目におけるベースラインから20週までの最小二乗平均値(SE)変化を示すグラフのセットである。図3Aは、収縮期駆出時間の変化のグラフである。図3Bは、一回拍出量の変化のグラフである。図3Cは、LVESDの変化のグラフである。図3Dは、LVEDDの変化のグラフである。図3Eは、心拍数の変化のグラフである。図3Fは、NT−proBNPの変化のグラフである。P値は、プラセボ群との比較のためのものである。LVESD=左室収縮末期径;LVEDD=左室拡張末期径;NT−proBNP=N末端脳性ナトリウム利尿ペプチド;PK=薬物動態。 血漿中の最大オメカムチブメカルビル濃度に対する最大心筋トロポニンI濃度におけるベースラインからの変化を示すグラフである。各点は、1名の患者を表す(n=429)。(0.000066×最大オメカムチブメカルビル濃度)+0.023として算出された最大トロポニンI濃度における変化についての線形回帰線は、最大オメカムチブメカルビル血漿濃度と極めて低い相関を示す(r=0.017)。
治療方法
本明細書では、最初の期間にわたって初回用量、例えば投与前、開始用量でCSAを投与すること、及び引き続いて、最初の期間中又は最初の期間の終わりに対象のCSAの血漿濃度に基づいて決定される用量でCSAを投与することを含む治療方法を支持するデータが提示される。例示的な実施形態では、本開示の治療方法は、CSAで対象を治療する手法を提供する。例示的な実施形態では、本開示の治療方法は、心不全、例えばHFrEFを有する対象を治療し、且つCSAに対する過剰暴露を回避するための安全な方法を提供する。
したがって、本開示は、心不全を有する対象を治療する方法を提供する。例示的な実施形態では、方法は、(a)最初の期間にわたって初回用量のCSAを対象に投与すること、及び(b)引き続いて、最初の期間の終わりの対象のCSAの血漿濃度に基づく用量のCSAを対象に投与することを含む。例示的な態様では、初回用量は、CSAの最小有効用量(MED)である。例示的な態様では、CSAは、最初の期間の終わり又はCSAの血漿濃度が決定されるまでに対象中において定常状態に達している。例示的な態様では、引き続いて対象に投与される用量は、2つの選択肢の1つである:引き続いて投与される用量は、初回用量と同じであるか又は初回用量を上回るかのいずれかである。代替又は追加の例示的な態様では、引き続いて対象に投与される用量は、3つの選択肢の1つである:引き続いて投与される用量は、(i)初回用量と同じであるか、(ii)初回用量を上回るが、最大用量を下回るか、又は(iii)最大用量である。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が閾値濃度を上回り、例示的な場合において標的濃度範囲の最小値の約1.0〜約1.5倍であるとき、引き続いて投与される用量は、初回用量と同じである。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が閾値未満であり、例示的な場合において標的濃度範囲の最小値の約1.0〜約1.5倍であるとき、引き続いて投与される用量は、初回用量を上回る。
例示的な態様では、HFを有する対象を治療する方法は、(a)最初の期間にわたって初回用量のCSAを対象に投与すること、及び(b)引き続いて、最初の期間中又は最初の期間の終わりの対象のCSAの血漿濃度に基づくCSAの用量を対象に投与することを含み、初回用量は、MEDのCSAであり、CSAは、最初の期間の終わり又はCSAの濃度が決定されるまでに対象中において定常状態に達している。例示的な態様では、対象の血漿濃度が閾値濃度を上回るか又はほぼ閾値濃度であるとき、引き続いて投与される用量は、初回用量と同じである。例示的な態様では、対象の血漿濃度が閾値濃度未満であるとき、引き続いて投与される用量は、初回用量を上回る。例示的な態様では、閾値濃度は、標的濃度範囲の最小値の約1.0倍〜約1.5倍である。例示的な態様では、閾値濃度は、標的濃度範囲の最小値の約1.0倍である。例示的な態様では、引き続いて投与される用量は、(i)対象の血漿濃度が第1の閾値濃度を上回るか若しくはほぼ第1の閾値濃度であるとき、初回用量と同じであるか、(ii)対象の血漿濃度が第1の閾値濃度未満であるが、第2の閾値濃度を上回るか若しくはほぼ第2の閾値濃度であるとき、初回用量を上回るが、最大用量を下回るか、又は(iii)対象の血漿濃度が第2の閾値濃度未満であるとき、最大用量である。例示的な態様では、第1の閾値濃度は、標的濃度範囲の最小値の約1.5倍である。例示的な態様では、第2の閾値濃度は、標的濃度範囲の最小値である。
例示的な態様では、対象の血漿濃度が標的濃度範囲の最小値を上回るか又はその約1.5倍であるとき、引き続いて投与される用量は、初回用量と同じである。例示的な態様では、対象の血漿濃度が標的濃度範囲の最小値の1.5倍未満であるが、標的濃度範囲の最小値を上回るか又はほぼ標的濃度範囲の最小値であるとき、引き続いて投与される用量は、初回用量を上回るが、最大用量未満である。例示的な態様では、対象の血漿濃度が標的濃度範囲の最小値未満であるとき、引き続いて投与される用量は、最大用量である。
心不全
本開示の治療方法は、心不全(HF)を治療する方法である。HFは、心臓が身体の要求を満たす十分な血流量を供給することができないこととして定義される。心不全は、下記の表において要約される、心不全のNew York Heart Association(NYHA)クラス体系に従って分類され得る。
Figure 2020526483
心不全は、収縮機能障害によって引き起こされるか又は特徴付けられる心不全である収縮期心不全(収縮不全としても知られる)であり得る。簡単に言えば、収縮機能障害は、心臓のポンプ機能又は収縮(すなわち収縮期)が弱められる状態である。左心室は、正常に収縮する能力を失い、したがって、心臓は、十分な力で汲み出して、循環に十分な血液を押し出すことができない。収縮機能障害は、駆出率の減少又は低下、例えば約45%未満の駆出率並びに心室拡張末期圧及び容積の増大によって特徴付けられ得る。したがって、いくつかの場合において、収縮期心不全は、駆出率が低下した心不全(HFrEF)と呼ばれる。例示的な場合において、収縮機能障害は、左室駆出率が約40%以下であることによって特徴付けられる。いくつかの態様では、毎分汲み出される血液の量によって測定されるとおり、心室収縮の強度が弱められ、各心拍動中に十分な血液を駆出するのに不十分であり、それにより心拍出量が少なくなる。収縮期心不全は、虚血性心疾患から引き起こされ得るか、又は代わりに非虚血性の心臓の原因から引き起こされ得る。
HFrEFは、慢性の状態である場合があり、慢性心不全(CHF)と呼ばれることもある。例示的な態様では、対象は、HFの標準治療(SOC)を受けながら4週間以上にわたって心不全を有している。代わりに、心不全は、急性の状態である場合があり、すなわち急性心不全である場合がある。例示的な態様では、対象は、HFの標準治療(SOC)を受けながら4週間未満にわたって心不全を有している。
心不全の徴候及び症状としては、呼吸困難(例えば、起座呼吸、発作性夜間呼吸困難)、咳嗽、心臓喘息、喘鳴、眩暈、錯乱、安静時の四肢の冷え、肺うっ血、慢性静脈性うっ血、くるぶし腫脹、末梢性浮腫若しくは全身浮腫、夜間多尿、腹水、肝腫大、黄疸、凝固障害、疲労、低運動能、頚静脈拡張、肺ラ音、末梢性浮腫、肺血管の再分布、間質浮腫、胸水、体液貯留又はこれらの組合せが挙げられる。HFの他の徴候及び症状としては、交感神経の緊張の増大、末梢血管収縮、様々な神経ホルモン経路の活性化、ナトリウム貯留、動脈及び静脈の収縮、神経内分泌活性化及び心拍数の上昇によって特徴付けられる代償機構が挙げられる。
本明細書における目的のために、ここで開示される、心不全を有する対象を治療する方法は、本明細書に記載されるHFタイプのいずれか、例えばHFrEF、CHFを有する対象を治療する方法を包含する。用語「治療する」及びそれに関連する単語は、必ずしも100%又は完全な治療を意味しない。むしろ、当業者が潜在的な利益又は治療効果を有すると認識する治療の様々な程度がある。この点に関して、本開示のHFを有する対象を治療する方法は、任意の量又はレベルの治療を提供することができる。さらに、本開示の方法によって提供される治療は、治療されるHFの1つ以上の状態又は症状若しくは徴候の治療を含み得る。また、本開示の方法によって提供される治療は、HFの進行を遅らせることを包含し得る。例えば、方法は、駆出率の増大、心室収縮の強度の増大、循環への心拍出量又は血流量の増大などによってHFを治療できる。
対象
本開示のいくつかの実施形態では、対象は、マウス及びハムスターなどの齧歯目の哺乳動物及びウサギなどのウサギ目の哺乳動物、ネコ科(ネコ)及びイヌ科(イヌ)を含む食肉目の哺乳動物、ウシ亜科(雌牛)及びブタ科(ブタ)を含む偶蹄目又はウマ科(ウマ)を含む奇蹄目の哺乳動物を含むが、これらに限定されない哺乳動物である。いくつかの態様では、哺乳動物は、霊長目、セボイド目(Ceboid)若しくはシモイド目(Simoid)(サル)又は真猿亜目(ヒト及びエイプ)である。いくつかの態様では、哺乳動物は、ヒトである。
例示的な態様では、ヒトは、男性又は女性、例えば18歳以上の男性又は女性である。例示的な態様では、対象は、HF、例えば収縮期心不全、HFrEF、CHFの確定診断を有する。例示的な態様では、対象は、慢性心不全又は慢性HFの病歴を有する。例示的な態様では、対象は、CSAによる治療を受ける前の少なくとも30日間、HF治療を必要とするものである。例示的な態様では、対象は、CSA治療を受ける前の1年以内に入院のための主要な原因としてHFに関して入院していたものである。例示的な態様では、対象は、NYHAクラスII、又はクラスIII、又はクラスIV心不全を有する。例示的な場合において、対象は、約35%以下の左室駆出率を有する。例示的な態様では、対象は、125pg/mLを超えるか若しくは約125pg/mLのB型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)レベル又は400pg/mLを超えるか若しくは約400pg/mLのNT−proBNPレベルを有する。例示的な態様では、対象は、アンジオテンシン受容体−ネプリライシン阻害剤[ARNi]を受容しており、且つ400pg/mLを超えるか若しくは約400pg/mLのNT−proBNPレベルを有する。例示的な場合において、対象は、心房細動を有し、且つ375pg/mLを超えるか若しくは約375pg/mLであるBNPレベル又は1200pg/mLを超えるか若しくは約1200pg/mLであるNT−proBNPレベルを有する。例示的な態様では、対象は、実施例2において概要が述べられる組み入れ基準の1つ以上又は全てを満たす。例示的な態様では、対象は、実施例2において概要が述べられる除外基準の1つ以上又は全てを満たす。例示的な態様では、対象は、CSAを必要とする。例示的な態様では、対象は、最近急性の治療(例えば、最近の入院又は救急治療室(ER)滞在)を必要とした症候性である慢性の重篤な疾患を有し、且つ進行疾患のバイオマーカーエビデンス(例えば、BNP)を有する。
例示的な態様では、ヒトは、18歳未満の男性又は女性である。例示的な態様では、ヒトは、6歳以上であり、且つ18歳未満である。
心筋節活性化剤
ここで開示される方法は、心筋節活性化剤の投与を含む。本明細書で使用する場合、用語「心筋節活性化剤」又は「CSA」は、例えば、心筋フィラメントをCa2+に対して感作させることによって心筋節の活性化を誘導し、トロポニン若しくはトロポミオシンを活性化するか、又は心筋ミオシンを直接的に活性化する薬剤を指す。例示的な場合において、CSAは、カルシウム(Ca2+)に対する筋節応答性を促進する。例えば、カルシウムに対する筋節応答性を促進するCSAとしては、レボシメンダン又はピモベンダンが挙げられる。例示的な態様では、CSAは、筋フィラメントに対して付加的な作用を有する、例えばSR−33805、HNOドナー、CXL−1020などの薬剤である。
例示的な態様では、CSAは、ミオシンと直接的に反応し、且つ/又はアクチン結合状態への移行を促進するミオシンのプレパワーストローク構造を安定化する。例示的な態様では、CSAは、心筋ミオシンの活性化剤である。例示的な場合において、心筋ミオシンの活性化剤は、オメカムチブメカルビルである。例示的な態様では、CSAは、ミオシン、アクチン、トロポニン及びトロポミオシンの1つ以上を標的化する。例示的な態様では、CSAは、ミオシン、アクチン、トロポニン及びトロポミオシンの1つ以上を活性化する。
オメカムチブメカルビル(OM)
例示的な態様では、方法は、オメカムチブメカルビル(OM)若しくはその薬学的に許容される塩又は前述のいずれかの溶媒和物の投与を含む。OMの遊離塩基の分子式は、C2024FN5Oであり、化学構造は、以下に示される。
Figure 2020526483
「オメカムチブメカルビル」又は「OM」に対する参照は、遊離塩基、その任意の薬学的に許容される塩、前述のいずれかの任意の溶媒和物及び任意の比率におけるこれらの混合物を含むOMの任意の形態を指し、且つ記載することが理解され且つ記載される。一実施形態では、OMは、遊離塩基として対象に投与される。いくつかの実施形態では、OMは、二塩酸塩などの塩酸塩として対象に投与される。いくつかの実施形態では、OMは、水和物として対象に投与される。いくつかの実施形態では、OMは、含水塩として対象に投与される。いくつかの実施形態では、OMは、二塩酸塩水和物として対象に投与される。
OM(AMG 423、CK−1827452としても知られる)は、心筋細胞の細胞内カルシウムを増加させることなく、心筋ミオシン重鎖の酵素ドメインである心筋節の力を生成するモータータンパク質を選択的且つ直接的に活性化することにより、心収縮力を増大させる心筋ミオシン活性化剤として分類される新規の小分子である(Teerlink et al,2011;Malik et al,2011)。OMは、収縮の速度(dP/dt)を変化させるか又は心拍数を増加させることなく、左室収縮期駆出時間(SET)を増加させる。さらに、左室充満圧、左房圧及び全体の末梢血管抵抗が低下して、SETの延長及び収縮機能の向上が、HF症状に至らせる血行動態に有利に影響を及ぼすことができるというエビデンスを提供する。OMの有益な効果は、心筋の酸素取り込み、血圧又は冠血流量に顕著な影響を及ぼすことなく達成された(Shen et al,2010;Malik et al,2011)。
完了したオメカムチブメカルビル臨床プログラムは、10回のフェーズ1試験、慢性心不全を有する対象における4回のフェーズ2a試験、急性心不全(AHF)を有する対象における1回のフェーズ2b試験及び慢性安定心不全を有する対象における1回のフェーズ2試験を含む。これらの試験において、オメカムチブメカルビルの有効性、安全性、忍容性、PK及びPDは、最大72時間の静脈内(IV)注入及び最大20週間の経口投与で評価された。
現在まで、1097名の対象が16回の試験にわたって少なくとも1用量のオメカムチブメカルビル治療を受けた。これには、フェーズ1試験における278名の健常ボランティア、フェーズ2a試験におけるHFを有する147名の対象、フェーズ2b試験(IV製剤)におけるAHFを有する303名の対象及びフェーズ2b試験(改変された放出[MR]製剤)における慢性HFを有する369名の対象が含まれる。
2つの進行中の臨床試験がある:慢性の駆出率が低下した心不全(HFrEF)を有する日本人対象においてオメカムチブメカルビルの安全性、PK及び有効性を評価するためのフェーズ2b、二重盲検、無作為化、プラセボ対照試験及びHFrEFを有する対象における死亡率及び罹患率に対するオメカムチブメカルビルの有効性及び安全性を評価するためのフェーズ3、二重盲検、無作為化、プラセボ対照試験。
慢性HFを有する対象における最近完了したフェーズ2b試験(COSMIC−HF)は、フェーズ3のアウトカム試験を支持する最も包括的且つ適切な臨床データセットである。COSMIC−HFは、慢性HFrEFを有する対象におけるオメカムチブメカルビルのMR製剤を評価するために設計され、2フェーズにおいて実施された:1)用量漸増フェーズは、後の拡大フェーズにおけるさらなる評価のためのオメカムチブメカルビルの経口MR製剤及び用量を選択するために設計され;2)拡大フェーズでは、その間、慢性HF及び左室収縮機能障害を有する対象における選択されたMR製剤及び用量のPK、PD、安全性及び忍容性が20週の治療期間にわたって評価された。
OMに対する臨床試験は、例えば、それぞれ全体が参照により援用されるTeerlink et al,2011;及びCleland et al,2011において記載される。
投与量
本明細書で使用する場合、用語「用量」は、1回で服用される治療剤の測られた量を指す。本開示のために、対象に投与されるCSAの量又は用量は、適切な期間にわたって対象又は動物において例えば治療応答をもたらすのに十分であるべきである。例えば、CSAの用量は、投与時から約1〜4分、1〜4時間又は1〜4週以上、例えば5〜20週以上の期間において、本明細書に記載されるとおりにHFを治療するのに十分であるべきである。特定の実施形態では、その期間は、さらに長くなるであろう。用量は、特定のCSAの有効性及び動物(例えば、ヒト)の状態並びに治療される動物(例えば、ヒト)の体重によって決定され得る。
投与される用量を決定するための多くのアッセイが当該技術分野において知られている。本明細書のために、各セットが異なる用量のCSAを与えられる哺乳動物のセット間で哺乳動物への所与の用量のCSAの投与時にどの程度HFが治療されるかを比較することを含むアッセイを使用して、哺乳動物に投与される開始用量を決定することができた。一定の用量の投与時にどの程度HFが治療されるかは、例えば、HFrEFのマウスモデルにおけるCSAの作用を介してどの程度駆出率が増大するかによって説明され得る。駆出率を測定する方法は、当該技術分野において知られている。本明細書で述べられる実施例を参照されたい。
用量は、特定のCSAの投与に付随する場合がある任意の有害な副作用の存在、性質及び程度に基づいても決定され得る。通常、主治医は、年齢、体重、全身の健康状態、食事、性別、投与される治療剤、投与経路、既存の臨床データ、添付文書及び治療されている状態の重症度などの様々な要因を考慮して、個々の各患者を治療する投与量を決定する。
初回用量及び最初の期間
本開示の方法において、CSAの初回用量が対象に投与される。例示的な態様では、初回用量は、CSAの最小有効用量(MED)である。本明細書で使用する場合、「最小有効用量」又は「MED」は、例えば、対象の集団全体にわたって決定され、またプラセボによってもたらされる応答よりも統計的に有意に高い、心機能における測定可能な変化をもたらすCSAの最小用量である。例示的な態様では、MEDは、CSAの治療域の最小値である。薬物治療域としても知られる薬物の治療域は、毒性効果を伴わずに疾患を効果的に治療できる薬物投与量の範囲である。例示的な態様では、初回用量は、有効性のエビデンスが検出可能な最小の用量である。例示的な態様では、初回用量は、ヒト対象による臨床試験において決定されるMEDであり、MEDは、有効性のエビデンスが臨床試験に参加している対象の約50%超において検出可能である最小の用量である。例示的な態様では、初回用量は、ヒト対象による臨床試験において決定されるMEDであり、MEDは、有効性のエビデンスが臨床試験に参加している対象の約60%超、約70%超、約80%超、約90%超又は約95%超において検出可能である最小の用量である。
例示的な態様では、CSAの初回用量は、最初の期間にわたって対象に投与される。例示的な態様では、CSAの初回用量は、最初の期間中に対象に繰り返し投与される。例示的な態様では、CSAの初回用量は、最初の期間中に対象に繰り返し投与され、各初回用量は、同じ量のCSAである。例示的な態様では、CSAは、最初の期間の終わり又は最初の期間中のより早い時期までに対象中において定常状態に達している。「定常状態」は、薬物の全体的な摂取量がその消失と動的平衡にある場合を意味する。例示的な態様では、最初の期間は、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日又は少なくとも約1週間である。例示的な態様では、最初の期間は、約1週間超、例えば約1.5週間、約2週間、約3週間、約4週間又は約1ヶ月である。例示的な態様では、最初の期間は、1ヶ月超、例えば約1.5ヶ月、約2ヶ月又は約3ヶ月以上である。例示的な態様では、最初の期間は、少なくとも約1週間又は少なくとも約2週間である。例示的な態様では、最初の期間は、約1週間〜約3週間又は約2週間である。
例示的な態様では、CSAの初回用量は、約20mg〜約30mg又は約22.5mg〜約27.5mgである。例えば、初回用量は、約20mg、約21mg、約22mg、約23mg、約24mg、約25mg、約26mg、約27mg、約28mg、約29mg又は約30mgである。例示的な態様では、初回用量は、約25mgである。例示的な態様では、初回用量、例えば25mgが1日2回服用される。例示的な態様では、初回用量は、対象に経口的に投与される。例示的な態様では、CSAは、OMである。
例示的な態様では、CSAは、OMであり、初回用量は、25mgのOMである。例示的な態様では、方法は、経口投与を介して25mgのOMの初回用量を対象に投与することを含む。例示的な態様では、方法は、1日2回25mgのOMの初回用量を対象に投与することを含む。例示的な場合において、最初の期間は、少なくとも約2週間である。例示的な態様では、方法は、経口投与を介して少なくとも約2週間、1日2回約25mgのOMを対象に投与することを含む。
後の用量
本開示の方法の例示的な実施形態では、ある用量のCSAは、最初の期間後に対象に投与され、その用量は、最初の期間中又は最初の期間の終わりの対象のCSAの血漿濃度に基づく。例示的な態様では、最初の期間後に投与される用量は、CSAの血漿濃度に依存し、それは、CSAについての標的濃度範囲に対して減少する。本明細書で使用する場合、用語「標的濃度範囲」は、Korean J Intern Med 24(1):1−10(2009)において言及される「治療域」と同義であり、且つ治療応答が期待され得る薬物の血漿濃度の範囲内を指す。
例示的な態様では、引き続いて対象に投与される用量は、2つの選択肢の1つである:引き続いて投与される用量は、初回用量と同じであるか又は初回用量を上回るかのいずれかである。代替又は追加の例示的な態様では、引き続いて対象に投与される用量は、3つの選択肢の1つである:引き続いて投与される用量は、(i)初回用量とほぼ同じであるか、(ii)初回用量を上回るが、最大用量を下回るか、又は(iii)最大用量である。さらなる他の実施形態では、引き続いて対象に投与される用量は、4つ以上の選択肢の1つである:引き続いて投与される用量は、(i)初回用量とほぼ同じであるか、(ii)それぞれ初回用量を上回るが、最大用量を下回る2つ以上の等しくない用量の1つであるか、又は(iii)最大用量である。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が閾値濃度を上回るとき、引き続いて投与される用量は、初回用量と同じである。例示的な場合において、閾値濃度は、標的濃度範囲の最小値の約1.0〜約1.5(例えば、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5)倍である。例示的な態様では、対象の血漿濃度が閾値未満であるとき、引き続いて投与される用量は、初回用量を上回る。
例示的な態様では、最大用量は、CSAの治療域の最大値である。薬物治療域としても知られる薬物の治療域は、毒性効果を伴わずに疾患を効果的に治療できる薬物投与量の範囲である。例示的な態様では、最大用量は、最大耐用量(MTD)である。例示的な態様では、最大用量は、ヒトによる臨床試験において決定されるMTDであり、MTDは、臨床試験に参加している対象の約50%超によって耐容性が示される最大用量である。例示的な態様では、最大用量は、ヒトによる臨床試験において決定されるMTDであり、MTDは、臨床試験に参加している対象の約60%超、約70%超、約80%超、約90%超又は約95%超によって耐容性が示される最大用量である。
例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が閾値濃度を上回るか又はほぼ閾値濃度であるとき、引き続いて投与される用量は、初回用量と同じである。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が閾値濃度未満であるとき、引き続いて投与される用量は、初回用量を上回る。例示的な態様では、閾値濃度は、標的濃度範囲の最小値の約1.0倍〜約1.5(例えば、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5)倍である。例示的な態様では、閾値濃度は、標的濃度範囲の最小値である。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が標的濃度範囲の最小値を上回るか又はほぼ標的濃度範囲の最小値であるとき、引き続いて投与される用量は、初回用量とほぼ同じであり、且つ対象のCSAの血漿濃度が標的濃度範囲の最小値未満であるとき、引き続いて投与される用量は、初回用量を上回る。
例示的な態様では、引き続いて投与されるCSAの用量は、第1の閾値及び第2の閾値に対する対象のCSAの血漿濃度に基づく。例示的な態様では、第1の閾値濃度は、標的濃度範囲の最小値の約1.5倍であり、且つ第2の閾値濃度は、標的濃度範囲の最小値である。例示的な態様では、引き続いて投与される用量は、(i)対象のCSAの血漿濃度が第1の閾値濃度を上回るか若しくはほぼ第1の閾値濃度であるとき、初回用量と同じであるか、(ii)対象のCSAの血漿濃度が第1の閾値濃度未満であるが、第2の閾値濃度を上回るか若しくはほぼ第2の閾値濃度であるとき、初回用量を上回るが、最大用量を下回るか、又は(iii)対象のCSAの血漿濃度が第2の閾値濃度未満であるとき、最大用量である。
例示的な態様では、標的濃度範囲の最小値は、200ng/mLであり、そのため、対象のCSAの血漿濃度が300ng/mLを上回るか又は約300ng/mLであるとき、引き続いて投与される用量は、初回用量と同じである。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が300ng/mL未満であるが、200ng/mLを上回るか又は約200ng/mLであるとき、引き続いて投与される用量は、初回用量を上回るが、最大用量未満である。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が200ng/mL未満であるとき、引き続いて投与される用量は、最大用量である。例示的な態様では、最大用量は、初回用量の約2倍であり、初回用量を上回るが、最大用量未満である用量は、初回用量の1.5倍である。例示的な態様では、初回用量は、約20mg〜約30mg、任意選択により約25mgである。例示的な態様では、最大用量は、約45mg〜約55mg、任意選択により約50mgである。例示的な態様では、初回用量を上回るが、最大用量未満である用量は、約35mg〜約40mg、任意選択により約37.5mgである。
例示的な態様では、初回用量は、約20mg〜約30mgであり、且つ最初の期間後に投与される用量は、(a)その期間中若しくはその期間の終わりのCSAの血漿濃度が標的濃度範囲の最小値未満であるときに約45mg〜約75mg、(b)その期間中若しくはその期間の終わりのCSAの血漿濃度が標的濃度範囲の最小値を上回るか若しくはほぼ標的濃度範囲の最小値であるが、標的濃度範囲の最小値の約1.5倍未満であるときに約30mg及び約45mg未満、又は(c)その期間中若しくはその期間の終わりのCSAの血漿濃度が例えば標的濃度の最小値を上回るか若しくはほぼ標的濃度の最小値の約1.5倍であるときにほぼ初回用量と同じである。例示的な態様では、その期間中又はその期間の終わりのCSAの血漿濃度が標的濃度範囲の最小値未満であるとき、その後の用量は、約45mg〜約55mg、任意選択により約50mgである。例示的な態様では、その期間中又はその期間の終わりのCSAの血漿濃度が標的濃度範囲の最小値以上であるが、標的濃度範囲の最小値の1.5倍未満であるとき、その後の用量は、約35mg〜約40mg、任意選択により約37.5mgである。
例示的な態様では、CSAの標的濃度範囲は、約200ng/mL〜約1200ng/mL、任意選択により約200ng/mL〜約1000ng/mLである。例示的な態様では、標的濃度範囲は、約200ng/mL〜約1000ng/mLであり、初回用量は、約25mgであり、最大用量は、約50mgであり、且つ最大用量未満であるが、初回用量を上回る用量は、約37.5mgである。例示的な態様では、CSAの血漿濃度が300ng/mLを上回るか又は約300ng/mLであるとき、その後の用量は、約25mgであり、CSAの血漿濃度が約200ng/mL未満であるとき、その後の用量は、約50mgであり、且つCSAの血漿濃度が200ng/mLを上回るか又は約200ng/mLであるが、300ng/mL未満であるとき、その後の用量は、37.5mgである。例示的な態様では、CSAは、OMであり、任意選択により、OMは、経口投与を介して1日2回対象に投与される。
例示的な実施形態では、治療方法は、1種のみの初回用量及び/又は1種のみのその後の用量を投与することを含む。代替的な実施形態では、方法は、2種以上の初回用量及び/又は2種以上のその後の用量を投与することを含む。例示的な態様では、方法は、最初の期間中に初回用量を繰り返し投与することを含み、各初回用量は、同じ量、例えば約25mgである。例示的な態様では、方法は、最初の期間が続く間、任意選択により少なくとも又は約2週間、初回用量を毎日、1日2回、1日3回、1日4回又はそれを超えて対象に投与することを含む。例示的な態様では、方法は、最初の期間が続く間、任意選択により少なくとも又は約2ヶ月間、初回用量を、毎週、1週間に2回、1週間に3回、1週間に4回、1週間に5回又はそれを超えて対象に投与することを含む。例示的な態様では、方法は、最初の期間後にその後の用量を繰り返し投与することを含み、それぞれのその後の用量は、その後の用量が最初の期間中又は最初の期間の終わりの対象のCSAの血漿濃度に基づくという条件で同じ量、例えば約25mg、約37.5mg、約50mgである。例示的な態様では、その用量のCSAは、最初の期間後、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約3週間、少なくとも約4週間、少なくとも約5週間、少なくとも約6週間、少なくとも約7週間、少なくとも約8週間又はそれを超えて対象に繰り返し投与される。例示的な態様では、方法は、その後の用量を、毎日、1日2回、1日3回、1日4回又はそれを超えて対象に投与することを含む。例示的な態様では、方法は、その後の用量を、毎週、1週間に2回、1週間に3回、1週間に4回、1週間に5回又はそれを超えて対象に投与することを含む。例示的な態様では、初回用量が最初の期間中に投与される頻度は、その後の用量が最初の期間後に投与される頻度と同じである。例示的な態様では、その後の用量は、少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約3週間、少なくとも約4週間、少なくとも約5週間、少なくとも約6週間、少なくとも約7週間、少なくとも約8週間又はそれを超えて1日2回投与される。例示的な態様では、その後の用量は、経口投与を介して投与される。
例示的な態様では、CSAは、OMであり、その後の用量のOMは、経口投与を介して1日2回対象に投与され、OMの血漿濃度が約200ng/mL未満であるとき、それぞれのその後の用量は、約50mgであり、OMの血漿濃度が約200ng/mL以上であるが、300ng/mL未満であるとき、それぞれのその後の用量は、約37.5mgであり、且つOMの血漿濃度が300ng/mLを上回るか又は約300ng/mLであり、且つ1000ng/mL未満であるとき、それぞれのその後の用量は、約25mgである。
製剤、投与経路及びレジメン
例示的な態様では、CSAは、患者への投与に好適な純度レベルで医薬組成物中に存在する。いくつかの実施形態では、CSAは、少なくとも約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%又は約99%の純度レベル及び薬学的に許容される希釈剤、担体又は賦形剤を有する。いくつかの態様における医薬組成物は、少なくともAの濃度でCSAを含み、Aは、約10mg、約15mg、約20mg、約21mg、約22mg、約23mg、約24mg、約25mg又はそれを超える。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、最大でBの濃度でCSAを含み、Bは、約100mg、約75mg、約50mg又は25mgである。いくつかの実施形態では、組成物は、A〜Bmg/ml、例えば約0.001mg〜約100.0mgの濃度範囲でCSAを含有し得る。例示的な態様では、医薬組成物は、25mg、37.5mg又は50mgの濃度でCSAを含む。
投与経路、使用のための特定のCSA及び他の要因に依存して、医薬組成物は、追加の薬学的に許容される成分を含み得、それには、例えば、酸性化剤、添加剤、吸着剤、エアロゾル噴霧剤、気体排除剤、アルカリ化剤、抗ケーキング剤、抗凝固剤、抗菌保存剤、抗酸化剤、防腐剤、塩基、結合剤、緩衝化剤、キレート剤、コーティング剤、着色剤、乾燥剤、界面活性剤、希釈剤、消毒剤、崩壊剤、分散剤、溶解促進剤、色素、軟化薬、乳化剤、エマルション安定化剤、充填剤、薄膜形成剤、風味増強剤、香味料、流動促進剤、ゲル化剤、造粒剤、湿潤剤、潤滑剤、粘膜付着剤、軟膏基剤、軟膏剤、油性ビヒクル、有機塩基、錠剤基剤、顔料、可塑剤、研磨剤、保存剤、封鎖剤、皮膚浸透剤、可溶化剤、溶媒、安定剤、坐剤基剤、表面CSA、界面活性物質、懸濁剤、甘味剤、治療剤、増粘剤、等張化剤、毒性薬剤、粘度増強剤、吸水剤、水混和性共溶媒、硬水軟化剤又は湿潤剤が含まれる。
したがって、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、以下の成分のいずれか1つ又は組合せを含む:アラビアゴム、アセスルファームカリウム、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、寒天、アルブミン、アルコール、脱水アルコール、変性アルコール、希アルコール、アロイリット酸、アルギン酸、脂肪族ポリエステル、アルミナ、水酸化アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、アミロペクチン、α−アミロース、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、アスパルテーム、注射用静菌水、ベントナイト、ベントナイトマグマ、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、安息香酸、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、ブロノポール、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルパラベン、ブチルパラベンナトリウム、アルギン酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、炭酸カルシウム、サイクラミン酸カルシウム、無水リン酸水素カルシウム、脱水リン酸水素カルシウム、第三リン酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ソルビン酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸カルシウム半水和物、キャノーラ油、カルボマー、二酸化炭素、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、β−カロテン、カラゲナン、ヒマシ油、水素化ヒマシ油、カチオン性乳化ワックス、酢酸セルロース、フタル酸酢酸セルロース、エチルセルロース、結晶セルロース、粉末セルロース、ケイ化結晶セルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、セトステアリルアルコール、セトリミド、セチルアルコール、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、コレステロール、酢酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、クロロジフルオロエタン(HCFC)、クロロジフルオロメタン、クロロフルオロカーボン(CFC)クロロフェノキシエタノール、クロロキシレノール、コーンシロップ固体、無水クエン酸、クエン酸一水和物、カカオバター、着色剤、トウモロコシ油、綿実油、クレゾール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、シクラミン酸、シクロデキストリン、デキストレート、デキストリン、デキストロース、デキストロース無水物、ジアゾリジニルウレア、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、ジエタノールアミン、フタル酸ジエチル、ジフルオロエタン(HFC)、ジメチル−β−シクロデキストリン、Captisol(登録商標)などのシクロデキストリン型化合物、ジメチルエーテル、フタル酸ジメチル、エデト酸二カリウム、エデト酸二ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、ドクサートカルシウム、ドクサートカリウム、ドクサートナトリウム、没食子酸ドデシル、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸、エグルミン、エチルアルコール、エチルセルロース、没食子酸エチル、ラウリン酸エチル、エチルマルトール、オレイン酸エチル、エチルパラベン、エチルパラベンカリウム、エチルパラベンナトリウム、エチルバニリン、フルクトース、フルクトース液、粉砕フルクトース、フルクトースパイロジェンフリー、粉末フルクトース、フマル酸、ゼラチン、グルコース、液体グルコース、飽和植物脂肪酸のグリセリド混合物、グリセリン、ベヘン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、自己乳化型モノステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、グリシン、グリコール、グリコフロール、グアーガム、ヘプタフルオロプロパン(HFC)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、異性化液糖、ヒト血清アルブミン、炭化水素(HC)、希塩酸、水添植物油、II型、ヒドロキシエチルセルロース、2−ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、フタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロース、イミド尿素、インジゴカルミン、イオン交換体、酸化鉄、イソプロピルアルコール、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、等張生理食塩水、カオリン、乳酸、ラクチトール、ラクトース、ラノリン、ラノリンアルコール、無水ラノリン、レシチン、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、炭酸マグネシウム、規定濃度の炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム無水物、炭酸マグネシウム水酸化物、水酸化マグネシウム、ラウリル硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム無水物、リンゴ酸、麦芽、マルチトール、マルチトール溶液、マルトデキストリン、マルトール、マルトース、マンニトール、中鎖トリグリセリド、メグルミン、メントール、メチルセルロース、メタクリル酸メチル、オレイン酸メチル、メチルパラベン、メチルパラベンカリウム、メチルパラベンナトリウム、結晶セルロース及びカルボキシメチルセルロースナトリウム、鉱物油、軽質性鉱物油、鉱物油及びラノリンアルコール、油、オリーブ油、モノエタノールアミン、モンモリロナイト、没食子酸オクチル、オレイン酸、パルチミン酸、パラフィン、ピーナッツ油、ワセリン、ワセリン及びラノリンアルコール、医薬グレーズ、フェノール、液化フェノール、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェニルエチルアルコール、酢酸フェニル水銀、ホウ酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、ポラクリリン、ポラクリリンカリウム、ポロクサマー、ポリデキストロース、ポリエチレングリコール、エチレンオキシド、ポリアクリレート、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリメタクリル酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシエチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルギン酸カリウム、安息香酸カリウム、炭酸水素カリウム、亜硫酸水素カリウム、塩化カリウム、クエン酸カリウム、クエン酸カリウム無水物、リン酸水素カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、リン酸二水素カリウム、プロピオン酸カリウム、ソルビン酸カリウム、ポビドン、プロパノール、プロピオン酸、炭酸プロピレン、プロピレングリコール、アルギン酸プロピレングリコール、没食子酸プロピル、プロピルパラベン、プロピルパラベンカリウム、プロピルパラベンナトリウム、硫酸プロタミン、ナタネ油、リンゲル液、サッカリン、サッカリンアンモニウム、サッカリンカルシウム、サッカリンナトリウム、ベニバナ油、サポーナイト、血清タンパク質、ゴマ油、コロイドケイ酸、コロイド状二酸化ケイ素、アルギン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、無水クエン酸ナトリウム、無水クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、シクラミン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、二亜硫酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第一リン酸ナトリウム、第三リン酸ナトリウム、無水プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビタンエステル(ソルビタン脂肪酸エステル)、ソルビトール、70%ソルビトール溶液、ダイズ油、鯨蝋、デンプン、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルファ化デンプン、滅菌トウモロコシデンプン、ステアリン酸、精製ステアリン酸、ステアリルアルコール、スクロース、糖、圧縮糖、粉砂糖、粒状糖、転化糖、Sugartab、サンセットイエローFCF、合成パラフィン、タルク、酒石酸、タートラジン、テトラフルオロエタン(HFC)、カカオ脂、チメロサール、二酸化チタン、αトコフェロール、酢酸トコフェロール、αトコフェロール酸コハク酸塩、β−トコフェロール、δ−トコフェロール、γ−トコフェロール、トラガント、トリアセチン、クエン酸トリブチル、トリエタノールアミン、クエン酸トリエチル、トリメチル−β−シクロデキストリン、トリメチルテトラデシルアンモニウムブロミド、トリス緩衝剤、エデト酸三ナトリウム、バニリン、I型水添植物油、水、軟水、硬水、無炭酸水、パイロジェンフリー水、注射用水、吸入用滅菌水、注射用滅菌水、灌注用滅菌水、蝋、アニオン性乳化蝋、カルナウバ蝋、カチオン性乳化蝋、セチルエステル蝋、微晶蝋、非イオン性乳化蝋、座剤蝋、白蝋、黄蝋、白色ワセリン、羊毛脂、キサンタンガム、キシリトール、ゼイン、プロピオン酸亜鉛、亜鉛塩、ステアリン酸亜鉛又は全体が参照により援用されるHandbook of Pharmaceutical Excipients,Third Edition,A.H.Kibbe(Pharmaceutical Press,London,UK,2000)における任意の賦形剤。全体が参照により援用されるRemington’s Pharmaceutical Sciences,Sixteenth Edition,E.W.Martin(Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1980)は、薬学的に許容される組成物を製剤化する際に使用される様々な成分及びその調製のための既知の技術を開示する。任意の従来の薬剤が本医薬組成物と適合しない場合を除いて、医薬組成物におけるその使用が想定される。追加の活性成分も本組成物に組み込まれ得る。
いくつかの実施形態では、前述の成分は、例えば、少なくともAなどの任意の濃度で医薬組成物中に存在し得、Aは、0.0001%w/v、0.001%w/v、0.01%w/v、0.1%w/v、1%w/v、2%w/v、5%w/v、10%w/v、20%w/v、30%w/v、40%w/v、50%w/v、60%w/v、70%w/v、80%w/v又は90%w/vである。いくつかの実施形態では、前述の成分は、例えば、最大でBなどの任意の濃度で医薬組成物中に存在し得、Bは、90%w/v、80%w/v、70%w/v、60%w/v、50%w/v、40%w/v、30%w/v、20%w/v、10%w/v、5%w/v、2%w/v、1%w/v、0.1%w/v、0.001%w/v又は0.0001%w/vである。他の実施形態では、前述の成分は、例えば、約A〜約Bなどの任意の濃度範囲で医薬組成物中に存在し得る。いくつかの実施形態では、Aは、0.0001%であり、且つBは、90%である。
医薬組成物は、生理的に適合したpHを達成するように製剤化され得る。いくつかの実施形態では、医薬組成物のpHは、製剤化及び投与経路に応じて、少なくとも5、少なくとも5.5、少なくとも6、少なくとも6.5、少なくとも7、少なくとも7.5、少なくとも8、少なくとも8.5、少なくとも9、少なくとも9.5、少なくとも10又は少なくとも10.5からpH11までであり得る。特定の実施形態では、医薬組成物は、生理的に適合したpHを達成するための緩衝化剤を含み得る。緩衝化剤は、例えば、リン酸緩衝剤(例えば、PBS)、トリエタノールアミン、トリス、ビシン、TAPS、トリシン、HEPES、TES、MOPS、PIPES、カコジル酸、MESなどの所望のpHで緩衝化できる任意の化合物を含み得る。特定の実施形態では、緩衝剤の強度は、少なくとも0.5mM、少なくとも1mM、少なくとも5mM、少なくとも10mM、少なくとも20mM、少なくとも30mM、少なくとも40mM、少なくとも50mM、少なくとも60mM、少なくとも70mM、少なくとも80mM、少なくとも90mM、少なくとも100mM、少なくとも120mM、少なくとも150mM又は少なくとも200mMである。いくつかの実施形態では、緩衝剤の強度は、300mM以下(例えば、最大200mM、最大100mM、最大90mM、最大80mM、最大70mM、最大60mM、最大50mM、最大40mM、最大30mM、最大20mM、最大10mM、最大5mM、最大1mM)である。
CSA又はそれを含む医薬組成物は、任意の好適な投与経路を介して対象に投与され得る。投与経路に対する以下の記載は、単に例示的な実施形態を説明するために提供され、決して範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
経口投与に好適な製剤は、(a)水、生理食塩水又はオレンジジュースなどの希釈液中に溶解される有効量の本開示のCSAなどの液体溶液;(b)それぞれ固体又は顆粒として所定量の活性成分を含有するカプセル剤、サシェ剤、錠剤、バッカル剤及びトローチ剤;(c)散剤;(d)適切な液体中の懸濁液;及び(e)好適な乳剤からなり得る。液体製剤としては、薬学的に許容される界面活性剤の添加を伴うか又は伴わない水並びにアルコール、例えばエタノール、ベンジルアルコール及びポリエチレンアルコールなどの希釈剤が挙げられ得る。カプセル剤の形態は、例えば、界面活性剤、潤滑剤並びにラクトース、スクロース、リン酸カルシウム及びトウモロコシデンプンなどの不活性充填剤を含有する一般的な硬質シェル又は軟質シェルのゼラチン型のものである。錠剤の形態としては、ラクトース、スクロース、マンニトール、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、アルギン酸、結晶セルロース、アラビアゴム、ゼラチン、グアーガム、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸及び他の賦形剤、着色剤、希釈剤、緩衝化剤、崩壊剤、湿潤剤、保存剤、香味料並びに他の薬学的に適合する賦形剤の1つ以上を挙げることができる。バッカル剤の形態は、香料、通常、スクロース及びアラビアゴム又はトラガント中の本開示の活性成分並びに当該技術分野で知られる賦形剤をさらに含有する、ゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアラビアゴム、乳剤、ゲルなどの不活性基剤中の本開示のCSAを含むパステル剤を含み得る。
本開示のCSAは、単独で又は他の好適な成分と組み合わせて、経肺投与を介して送達することができ、且つ吸入を介して投与されるエアロゾル製剤中に加工され得る。これらのエアロゾル製剤は、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素などの一定圧力の許容される噴霧剤中に置くことができる。それらは、ネブライザー又はアトマイザー中などの加圧されていない製剤のための医薬品としても製剤化され得る。このような噴霧製剤は、粘膜に噴霧するためにも使用され得る。いくつかの実施形態では、CSAは、粉末混合物又は微小粒子若しくはナノ粒子中に製剤化される。好適な経肺製剤は、当該技術分野で知られている。例えば、Qian et al.,Int J Pharm 366:218−220(2009);Adjei and Garren,Pharmaceutical Research,7(6):565−569 (1990);Kawashima et al.,J Controlled Release 62(1−2):279−287(1999);Liu et al.,Pharm Res 10(2):228−232(1993);国際公開第2007/133747号パンフレット及び国際公開第2007/141411号パンフレットを参照されたい。
非経口投与に好適な製剤としては、抗酸化剤、緩衝剤、静菌剤及び対象のレシピエントの血液と製剤とを等張にする溶質を含有し得る水性及び非水性等張滅菌注射用溶液並びに懸濁剤、可溶化剤、増粘剤、安定剤及び保存剤を含み得る水性及び非水性滅菌懸濁液が挙げられる。用語「非経口」は、消化管を介しないが、皮下、筋肉内、脊髄内又は静脈内などのいくつかの他の経路を介することを意味する。本開示のCSAは、水、生理食塩水、水性デキストロース及び関連する糖溶液、エタノール又はヘキサデシルアルコールなどのアルコール、プロピレングリコール又はポリエチレングリコールなどのグリコール、ジメチルスルホキシド、グリセロール、2,2−ジメチル−153−ジオキソラン−4−メタノールなどのケタール、エーテル、ポリ(エチレングリコール)400、油、脂肪酸、脂肪酸エステル若しくはグリセリド又は石鹸若しくは洗剤などの薬学的に許容される界面活性剤の添加を伴うか若しくは伴わないアセチル化脂肪酸グリセリド、ペクチン、カルボマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース若しくはカルボキシメチルセルロース又は乳化剤などの懸濁剤及び他の医薬補助剤を含む滅菌液体又は液体の混合物などの医薬担体中において生理的に許容される希釈剤とともに投与され得る。
非経口製剤中において使用され得る油としては、石油、動物油、植物油又は合成油が挙げられる。好適な油の例としては、ピーナッツ油、ダイズ油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、ワセリン及び鉱物油が挙げられる。非経口製剤における使用のための好適な脂肪酸としては、オレイン酸、ステアリン酸及びイソステアリン酸が挙げられる。オレイン酸エチル及びミリスチン酸イソプロピルは、好適な脂肪酸エステルの例である。
非経口製剤における使用のための好適な石鹸としては、脂肪酸アルカリ金属、アンモニウム及びトリエタノールアミン塩が挙げられ、好適な洗剤としては、(a)例えば、ジメチルジアルキルアンモニウムハロゲン化物及びアルキルピリジニウムハロゲン化物などのカチオン性洗剤、(b)例えば、アルキル、アリール及びオレフィンスルホン酸塩、アルキル、オレフィン、エーテル及びモノグリセリド硫酸塩並びにスルホサクシネートなどのアニオン性洗剤、(c)例えば、脂肪酸アミンオキシド、脂肪酸アルカノールアミド及びポリオキシエチレンポリプロピレンコポリマーなどの非イオン性洗剤、(d)例えば、アルキル−β−アミノプロピオネート及び2−アルキル−イミダゾリン第四級アンモニウム塩などの両性洗剤、並びに(e)これらの混合物が挙げられる。
いくつかの実施形態における非経口製剤は、溶液中において約0.5重量%〜約25重量%の本開示のCSAを含有する。保存剤及び緩衝剤を使用し得る。注射部位での刺激を最小化するか又はなくすために、このような組成物は、約12〜約17の親水親油バランス(HLB)を有する1つ以上の非イオン性界面活性剤を含有し得る。このような製剤中における界面活性剤の量は、通常、約5重量%〜約15重量%の範囲になる。好適な界面活性剤としては、ソルビタンモノオレアートなどのポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル及びプロピレングリコールとプロピレンオキシドとの縮合によって形成される疎水性塩基を有するエチレンオキシドの高分子量付加物が挙げられる。いくつかの態様における非経口製剤は、アンプル及びバイアルなどの単位用量又は複数用量の密閉容器中において提供され、使用の直前に注射用の滅菌液体賦形剤、例えば水の添加のみを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)条件において保存され得る。いくつかの態様における即時の注射溶液及び懸濁液は、滅菌粉末、顆粒及び以前に記載された種類の錠剤から作製される。
注射用製剤は、本開示に基づく。注射用組成物のための有効な医薬担体についての要件は、当業者によく知られている(例えば、Pharmaceutics and Pharmacy Practice,J.B.Lippincott Company,Philadelphia,PA,Banker and Chalmers,eds.,238−250頁(1982),及びASHP Handbook on Injectable Drugs,Toissel,4th ed.,622−630頁(1986)を参照されてい)。
上記の医薬組成物に加えて、本開示のCSAは、シクロデキストリン封入複合体又はリポソームなどの封入複合体として製剤化され得ることが当業者によって認識される。
いくつかの実施形態では、本開示のCSAが投与される身体に放出される様式が体内での時間及び位置に関して制御されるように、本明細書に記載されるCSAは、デポー形態に改変され得る(例えば、米国特許第4,450,150号明細書を参照されたい)。本開示のCSAのデポー形態は、例えば、CSA及びポリマーなどの多孔性又は非多孔性材料を含む埋め込み式の組成物であり得、CSAは、その材料及び/又は非多孔性材料の分解によって被包又は拡散される。次に、デポーは対象の体内の所望の位置に埋め込まれ、CSAが所定の速度で留置剤から放出される。
特定の態様におけるCSAを含む医薬組成物は、任意のタイプのインビボ放出プロファイルを有するように改変される。いくつかの態様では、医薬組成物は、即時放出、制御放出、持続放出、長期放出、遅延放出又は二段階放出製剤である。制御放出のためのペプチドを製剤化する方法は、当該技術分野において知られている。例えば、Qian et al.,J Pharm 374:46−52(2009)並びに国際公開第2008/130158号パンフレット、国際公開第2004/033036号パンフレット;国際公開第2000/032218号パンフレット;及び国際公開第1999/040942号パンフレットを参照されたい。例示的な態様では、医薬組成物は、放出調節製剤であり、即時放出製剤ではない。例示的な態様では、放出調節製剤は、25mgの用量に関してCmax若しくは観測される最高血漿濃度、又は約175〜約210ng/mL、50mgの用量に関して約475ng/mL〜約510ng/mLのCmax、25mgの用量に関してTmax、又は約2時間〜約5時間のCmaxまでの時間及び50mgの用量に関して約2時間〜約3時間のTmaxを有する。
例示的な態様では、CSAは、治療レジメンに従って対象に投与される。例示的な態様では、CSAは、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、2日毎に1回、3日毎に1回、4日毎に1回、5日毎に1回、6日毎に1回、1週間に1回、2週毎に1回、3週毎に1回又は1ヶ月に1回対象に投与される。例示的な態様では、CSAは、経口投与を介して1日2回対象に投与される。
血漿濃度
本開示の方法の例示的な実施形態では、対象のCSAの血漿濃度に基づくCSAの用量が最初の期間中又は後に引き続いて対象に投与される。例示的な態様では、最初の期間後に引き続いて投与される用量は、最初の期間中に測定又は決定される対象の血漿濃度に基づく。例示的な態様では、最初の期間は、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、約6週間又はそれを超える。例えば、最初の期間が約4週間である場合、対象の血漿濃度は、その4週間の期間内のある時点で測定される。例示的な場合において、対象の血漿濃度は、初回用量の最初の投与後の約1週間、約2週間又は約3週間で測定される。本開示の方法の例示的な実施形態では、方法は、例えば、最初の期間の終わり、例えば最初の期間が4週間である場合には4週間でCSAの血漿濃度を決定することを含む。
本開示の方法の例示的な実施形態では、方法は、対象のCSAの血漿濃度を決定又は測定する工程を含む。例示的な態様では、決定又は測定する工程は、初回用量の最初の投与の約1週間、約2週間若しくは約3週間又は最初の期間の終わり、例えば約4週間で行われる。
例示的な実施形態では、対象のCSAの血漿濃度は、2回以上、例えば2回、3回、4回又はそれを超えて2週毎、3週毎、4週毎、5週毎、6週毎、7週毎、8週毎に測定される。例示的な場合において、方法は、最初の期間後にCSAの第1の血漿濃度を決定する工程及び最初の期間後、CSAの少なくとも1回のその後の用量を対象に投与した後に第2の血漿濃度を決定する工程を含む。
例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度は、最初の期間中、続いてその約4週間後に測定される。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度は、初回用量の最初の投与後約2週間で測定され、続いて初回用量の最初の投与後約6週間で再度測定される。
本明細書のために、CSAの血漿濃度は、当該技術分野において知られる任意の方法を用いて決定され得る。当該技術分野において知られる薬物の血漿濃度を決定する好適な方法としては、例えば、ガスクロマトグラフィー(GC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、高速液体クロマトグラフィー−質量分析(HPLC−MS)、液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)、イムノアッセイ(例えば、競合イムノアッセイ、イムノメトリックイムノアッセイ、蛍光偏光免疫測定法(FPIA)、酵素免疫測定(EMIT)及び酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)又はこれらの組合せが挙げられる。例えば、Wang et al.,Nan Fan Yi Ke Da Xue Xue Bao 28(11):1993−1995(2008);Dasgupta and Datta,Handbook of Drug Monitoring Methods,Chapter 3:Analytical Techniques for Measuring Concentrations of Therapeutic Drugs in Biological Fluids,Pages 67−86(2008);Kang and Lee,Korean J Intern Med 24(1):1−10(2009);Glazko,Antiepileptic Drugs,3rd,ed.,New York:Raven Press,1989,Pgs 159−176;及びSteijns et al.,Ther Drug Monit 24:432−435(2002)を参照されたい。例示的な態様では、方法は、LC−MS/MS又は定量的マイクロスフェアアッセイを実施することによって血漿濃度を決定することを含む。例示的な態様では、方法は、血漿試料中の遊離薬物が、均一な微粒子上にコーティングされた薬物分子と抗体結合部位について競合する競合阻害イムノアッセイによって血漿濃度を決定することを含む。例示的な態様では、CSAの血漿濃度は、QMS(商標)治療薬物モニタリング(TDM)アッセイ、CEDIA(商標)治療薬物モニタリング(TDM)アッセイ又はDRI(商標)TDMアッセイ(ThermoFisher Scientific、Waltham、MA)を用いて決定される。
例示的な態様では、CSAの血漿濃度は、対象の血漿中におけるCSAの測定によって決定される。代替的な態様では、CSAの血漿濃度は、対象の血漿中におけるCSAの代謝産物の測定によって決定される。例示的な態様では、CSAの血漿濃度は、血漿中のトラフ値のCSA濃度である。例示的な態様では、CSAの血漿濃度は、1日の始まり及び/又は初回用量が対象に投与される前に決定される。
例示的な実施形態
例示的な態様では、心筋ミオシンの活性化剤は、OMであり、方法は、少なくとも又は約2週間、初回用量のOMを1日2回対象に繰り返し投与することを含み、各初回用量は、経口投与を介して投与される約25mgである。例示的な態様では、治療濃度範囲は、約200ng/mL〜約1000ng/mLであり、方法は、経口投与を介して1日2回対象に後の用量を繰り返し投与することを含み、その後の用量は、(i)CSAの血漿濃度が300ng/mLを上回るか又は約300ng/mLであるが、約1000ng/mL未満であるときに約25mg、(ii)CSAの血漿濃度が200ng/mLを上回るか又は約200ng/mLであるが、約300ng/mL未満であるときに約37.5mg、又は(iii)CSAの血漿濃度が約200ng/mL未満であるときに約50mgである。代替的な態様では、その後の用量は、1日2回対象に投与され、且つ/又は対象に経口投与され、且つその後の用量は、(i)CSAの血漿濃度が200ng/mLを上回るか又は約200ng/mLであるが、約1000ng/mL未満であるときに約25mg、又は(ii)CSAの血漿濃度が約200ng/mL未満であるときに約50mgである。
例示的な態様では、方法は、約4週の最初の期間中に初回用量のOMを1日2回対象に投与することを含み、各初回用量は、経口投与を介して投与される約25mgである。例示的な態様では、方法は、最初の期間に続く第2の期間を含み、第2の期間中、第2の一連の用量は、最初の期間中、例えば1回目の初回用量が投与されるときから約2週間で測定される対象のCSAの血漿濃度に基づいて対象に投与される。例示的な場合において、方法は、第2の期間に続く第3の期間を含み、第2の期間中、第3の一連の用量は、第2の期間中、例えば1回目の初回用量が投与されるときから約6週間で測定される対象のCSAの血漿濃度に基づいて対象に投与される。例示的な態様では、第2及び第3の一連の各用量は、経口投与を介して1日2回投与される。例示的な態様では、治療濃度範囲は、約200ng/mL〜約1000ng/mLであり、第2及び第3の一連の用量は、次の概要のとおりである。
Figure 2020526483
例示的な態様では、第2の期間は、約4週間であり、第3の期間は、少なくとも約4週間である。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が1000ng/mLを上回るか又は約1000ng/mLであるとき、CSAの投与が終わる。例示的な態様では、CSAの血漿濃度は、4、6、12、24又は48週毎に測定又は決定される。
例示的な実施形態では、心不全(HF)を有する対象を治療する方法は、(a)一連の初回用量のオメカムチブメカルビル(OM)を、約4週の最初の期間にわたって経口投与を介して1日2回対象に投与することであって、各初回用量は、約25mgである、投与すること、及び(b)その後の一連の用量のOMを、最初の期間に続く第2の期間にわたって経口投与を介して1日2回対象に投与することを含み、それぞれのその後の用量は、(i)最初の期間の初めから約2週間で測定される対象の血漿濃度が300ng/mLを上回るか又は約300ng/mLであるときに約25mg、(ii)最初の期間の初めから約2週間で測定される対象の血漿濃度が200ng/mLを上回るか又は約200ng/mLであるが、300ng/mL未満であるときに約37.5mg、又は(iii)最初の期間の初めから約2週間で測定される対象の血漿濃度が200ng/mL未満であるときに約50mgである。例示的な態様では、方法は、最初の期間の初めから約2週間で対象の血漿濃度を測定することをさらに含む。例示的な場合において、第2の期間は、最初の期間後の約4週間である。いくつかの態様では、方法は、その後の一連の用量のOMを、第2の期間に続く第3の期間にわたって経口投与を介して1日2回対象に投与することをさらに含み、第3の期間中に投与されるそれぞれのその後の用量は、最初の期間の初めから約6週間で測定される対象の血漿濃度に基づく。例示的な態様では、(A)最初の期間の初めから約6週間で測定される対象の血漿濃度が750ng/mL未満であるとき、第3の期間の各用量は、第2の期間のその後の用量とほぼ同じであり;(B)最初の期間の初めから約6週間で測定される対象の血漿濃度が750ng/mLを上回るか又は約750ng/mLであり、且つ1000ng/mL未満であり、及び第2の期間に投与される後の用量が25mg又は37.5mgであるとき、第3の期間の各用量は、約25mgであり;(C)最初の期間の初めから約6週間で測定される対象の血漿濃度が750ng/mLを上回るか又は約750ng/mLであり、且つ1000ng/mL未満であり、及び第2の期間に投与される後の用量が約50mgであるとき、第3の期間の各用量は、約37.5mgであり;(D)最初の期間の初めから約6週間で測定される対象の血漿濃度が1000ng/mLを上回るか又は約1000ng/mLであり、及び第2の期間に投与される後の用量が約25mgであるとき、第3の期間の各用量は、約0mgであり;及び(E)最初の期間の初めから約6週間で測定される対象の血漿濃度が1000ng/mLを上回るか又は約1000ng/mLであり、及び第2の期間に投与される後の用量が約37.5mg又は約50mgであるとき、第3の期間の各用量は、約25mgである。例示的な場合において、第3の期間は、第2の期間後の少なくとも又は約4週間である。例示的な態様では、方法は、最初の期間の初めから約6週間で対象の血漿濃度を測定することをさらに含む。
関連する方法
本開示は、対象における心筋節活性化剤(CSA)による治療中の重篤な有害事象を防止する方法を提供する。例示的な実施形態では、方法は、(a)最初の期間にわたって初回用量のCSAを対象に投与すること、及び(b)引き続いて、最初の期間の終わりの対象のCSAの血漿濃度に基づく用量のCSAを対象に投与することを含む。例示的な態様では、初回用量は、CSAの最小有効用量(MED)である。例示的な態様では、CSAは、最初の期間の終わり又はCSAの血漿濃度が決定されるまでに対象中において定常状態に達している。例示的な態様では、引き続いて対象に投与される用量は、2つの選択肢の1つである:引き続いて投与される用量は、初回用量と同じであるか又は初回用量を上回るかのいずれかである。代替又は追加の例示的な態様では、引き続いて対象に投与される用量は、3つの選択肢の1つである:引き続いて投与される用量は、(i)初回用量と同じであるか、(ii)初回用量を上回るが、最大用量を下回るか、又は(iii)最大用量である。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が閾値濃度を上回るとき、引き続いて投与される用量は、初回用量と同じである。例示的な場合において、閾値濃度は、標的濃度範囲の最小値の約1.0〜約1.5倍である。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が閾値未満であるとき、引き続いて投与される用量は、初回用量を上回る。例示的な場合において、閾値濃度は、標的濃度範囲の最小値の約1.0倍〜約1.5倍である。
例示的な実施形態では、対象における心筋節活性化剤(CSA)による治療中の重篤な有害事象を防止する方法は、(a)最初の期間にわたって初回用量のCSAを対象に投与すること、及び(b)引き続いて、最初の期間中又は最初の期間の終わりの対象のCSAの血漿濃度に基づく用量のCSAを対象に投与することを含む。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が標的濃度範囲の最小値以上であるとき、引き続いて投与される用量は、初回用量と同じである。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が標的濃度範囲の最小値未満であるとき、引き続いて投与される用量は、初回用量を上回る。例示的な態様では、対象の血漿濃度が標的濃度範囲の最小値を上回るか又はその約1.5倍であるとき、引き続いて投与される用量は、初回用量と同じである。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が標的濃度範囲の最小値の1.5倍未満であるが、標的濃度範囲の最小値を上回るか又はほぼ標的濃度範囲の最小値であるとき、引き続いて投与される用量は、初回用量を上回るが、最大用量未満である。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が標的濃度範囲の最小値未満であるとき、引き続いて投与される用量は、最大用量である。
本明細書で使用する場合、用語「防止する」及びそれに由来する単語は、防止されている医学的状態(例えば、重篤な有害事象)の発生を低減すること又はその発症を遅らせることを包含する。例示的な態様では、方法は、重篤な有害事象の発症を、1日、2日、4日、6日、8日、10日、15日、30日、2ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、1年、2年、4年又はそれを超えて遅らせる。本明細書で使用する場合、用語「防止する」及びそれに由来する単語は、重篤な有害事象のリスクを低減することを包含する。例示的な態様では、方法は、重篤な有害事象のリスクを、2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍又はそれを超えて低減する。
本開示は、対象における心筋節活性化剤(CSA)による治療中の重篤な有害事象のリスクを低減する方法を提供する。例示的な実施形態では、方法は、(a)最初の期間にわたって初回用量のCSAを対象に投与すること、及び(b)引き続いて、最初の期間の終わりの対象のCSAの血漿濃度に基づく用量のCSAを対象に投与することを含む。例示的な態様では、初回用量は、CSAの最小有効用量(MED)である。例示的な態様では、CSAは、最初の期間の終わり又はCSAの血漿濃度が決定されるまでに対象中において定常状態に達している。例示的な態様では、引き続いて対象に投与される用量は、2つの選択肢の1つである:引き続いて投与される用量は、初回用量と同じであるか又は初回用量を上回るかのいずれかである。代替又は追加の例示的な態様では、引き続いて対象に投与される用量は、3つの選択肢の1つである:引き続いて投与される用量は、(i)初回用量と同じであるか、(ii)初回用量を上回るが、最大用量を下回るか、又は(iii)最大用量である。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が閾値濃度を上回るとき、引き続いて投与される用量は、初回用量と同じである。例示的な場合において、閾値濃度は、標的濃度範囲の最小値の約1.0〜約1.5倍である。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が閾値未満であるとき、引き続いて投与される用量は、初回用量を上回る。例示的な場合において、閾値濃度は、標的濃度範囲の最小値の約1.0倍〜約1.5倍である。
例示的な実施形態では、対象における心筋節活性化剤(CSA)による治療中の重篤な有害事象のリスクを低減する方法は、(a)最初の期間にわたって初回用量のCSAを対象に投与すること、及び(b)引き続いて、最初の期間中又は最初の期間の終わりの対象のCSAの血漿濃度に基づく用量のCSAを対象に投与することを含む。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が標的濃度範囲の最小値以上であるとき、引き続いて投与される用量は、初回用量と同じである。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が標的濃度範囲の最小値未満であるとき、引き続いて投与される用量は、初回用量を上回る。例示的な態様では、対象の血漿濃度が標的濃度範囲の最小値を上回るか又はその約1.5倍であるとき、引き続いて投与される用量は、初回用量と同じである。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が標的濃度範囲の最小値の1.5倍未満であるが、標的濃度範囲の最小値を上回るか又はほぼ標的濃度範囲の最小値であるとき、引き続いて投与される用量は、初回用量を上回るが、最大用量未満である。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が標的濃度範囲の最小値未満であるとき、引き続いて投与される用量は、最大用量である。
本明細書で使用する場合、用語「低減する」、それに由来する単語は、100%又は完全な低減でない場合がある。むしろ、当業者が潜在的な利益又は治療効果を有すると認識する低減の様々な程度がある。この点に関して、重篤な有害事象のリスクは、任意の量又はレベルに低減され得る。例示的な実施形態では、本開示の方法によって提供されるリスクの低減は、少なくとも又は約10%の低減(例えば、少なくとも又は約20%の低減、少なくとも又は約30%の低減、少なくとも又は約40%の低減、少なくとも又は約50%の低減、少なくとも又は約60%の低減、少なくとも又は約70%の低減、少なくとも又は約80%の低減、少なくとも又は約90%の低減、少なくとも又は約95%の低減、少なくとも又は約98%の低減)である。
本開示は、心筋節活性化剤(CSA)による治療中に重篤な有害事象に関するリスクのある対象を同定する方法をさらに提供する。例示的な実施形態では、方法は、(a)最初の期間にわたって初回用量のCSAを対象に投与すること、及び(b)最初の期間中又は最初の期間の終わりに対象のCSAの血漿濃度を決定することを含む。例示的な態様では、初回用量は、CSAの最小有効用量(MED)である。例示的な態様では、最初の期間は、少なくとも約2週間である。例示的な態様では、CSAは、最初の期間の終わり又はCSAの血漿濃度が決定されるまでに対象中において定常状態に達している。例示的な態様では、方法は、対象の定常状態のCSAの血漿濃度を決定することを含む。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が閾値濃度を上回るとき、対象は、CSAによる治療中に重篤な有害事象に関するリスクがある対象として同定される。例示的な態様では、そのような対象は、その後の用量のCSAを与えられるが、それぞれのその後の用量は、初回用量と同じである。例示的な場合において、閾値濃度は、標的濃度範囲の最小値の約1.0〜約1.5倍である。例示的な態様では、標的濃度範囲は、約200ng/mL〜約1200ng/mL又は約200ng/mL〜約1000ng/mLである。
本開示の方法に関して、重篤な有害事象は、心筋梗塞又は心筋虚血である。例示的な態様では、重篤な事象は、非ST上昇型心筋梗塞である。例示的な態様では、重篤な有害事象は、熱感、動悸、胸部又は咽頭の緊張、眩暈、頻拍、ECG STセグメントの低下及び陽性の心臓マーカーの1つ以上である。
対象のための治療レジメンを決定する方法がさらに提供される。例示的な実施形態では、方法は、(a)最初の期間にわたって最小有効用量(MED)用量のCSAを対象に投与することであって、CSAは、最初の期間中又は最初の期間の終わりまでに対象中において定常状態に達している、投与すること、及び(b)最初の期間の終わりに対象のCSAの血漿濃度を決定することを含む。例示的な態様では、最初の期間後の治療レジメンは、初回用量と同じであるか又は初回用量を上回るかのいずれかのCSAの用量を含む。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が閾値濃度を上回り、例示的な場合において標的濃度範囲の最小値の約1.0倍〜約1.5倍であるとき、最初の期間後の治療レジメンは、初回用量と同じであるCSAの用量を含む。例示的な態様では、対象のCSAの血漿濃度が閾値未満であり、例示的な場合において標的濃度範囲の最小値の約1.0〜約1.5倍であるとき、最初の期間後の治療レジメンは、初回用量を上回るCSAの用量を含む。代替又は追加の例示的な態様では、最初の期間後の治療レジメンは、3つの選択肢の1つである用量を含む:引き続いて投与される用量は、(i)初回用量と同じであるか、(ii)初回用量を上回るが、最大用量を下回るか、又は(iii)最大用量である。例示的な態様では、最初の期間後の治療レジメンは、(i)CSAの血漿濃度が標的濃度の最小値を上回るか又はその約1.5倍であるとき、初回用量と本質的に同じであるか、(ii)対象のCSAの血漿濃度が標的濃度範囲の最小値を上回るか若しくはほぼ標的濃度範囲の最小値であるが、標的濃度範囲の最小値の約1.5倍未満であるとき、初回用量を上回るが、最大用量を下回るか、又は(iii)CSAの血漿濃度が標的濃度範囲の最小値未満であるとき、最大用量であるCSAの用量を含む。
治療レジメンを決定するこのような方法により、CSAによる治療の有効性を最適化することが可能になる。
以下の実施例は、単に本開示を説明するために与えられ、決してその範囲を限定するものではない。
実施例1:
本実施例は、HFで入院中又は入院歴を有する対象を含むHFrEFを有する対象における経口OMについての無作為化、プラセボ対照、二重盲検、並行群、多施設、CVアウトカム試験について記載する。
およそ8000名の適格な対象は、OM又はプラセボのいずれかを受容する1:1の比に無作為化される。無作為化は、無作為化設定(HFに関して現在入院しているか又はHFに関して最近及び現在ではなく入院していた)及び地域(5層:米国及びカナダ;ラテンアメリカ、西ヨーロッパ、南アフリカ及びオーストラリア;ロシアを含む東ヨーロッパ;アジア)によって重層化される。予定の全登録者数のおよそ25%以上は、無作為化で入院する対象を含む。心房細動を有する対象の登録者数は、各登録設定の20%に制限される。
OMは、錠剤として提供される。錠剤は、14個のブリスター中に包装される。
OMは、対象によって朝及び夕方に1日2回経口的に投与され、絶食時又は食後に服用される。OMは、全体が嚥下され(非咀嚼、粉砕又は分割)、水とともに服用される。朝及び夕方のそれぞれの投与は、1日のほぼ同じ時間になされる。OMが最も直近の投与からおよそ12±3時間以内に服用されないか又は服用されていない場合、その投与は、抜かされているはずであり、次の投与が通常の時間に行われるべきである。
OMに無作為化された対象は、1日2回で25mgの投与を開始する。治験来院の2週目に投与前血液試料を全ての対象について回収した。結果は、治験責任医師に伏せられる。OMに無作為化された対象に関して、2週目に回収された投与前PKが用量の調整の指針となる。新たなOMの供給は、盲検法を維持するために無作為化された治療群及びPK評価のアウトカムとは無関係に用量調節の目的でPKが評価されるときに対象にもたらされる。
プラセボに無作為化された対象は、試験を通してプラセボを受容し、治療群の割り当て及びOM投与の盲検性を維持するために、治験実施計画書の全ての手順にかけられる。対象は、試験終了時(EOS)の来院の朝までOMの服用を続ける。
OMの血漿濃度と収縮期駆出時間の増大、一回拍出量及び左室機能間の直接的な関連性が観察されている(Cleland et al,2011;Teerlink et al,2011)。OMへの過剰な暴露は、心筋虚血又は梗塞の徴候及び症状(例えば、心拍数の増加、眩暈、呼吸困難、低血圧、胸部の違和感又は痛み、ECGにおけるSTセグメントの低下/上昇及び/又はトロポニンI又はTの上昇)を引き起こす場合がある。OMに対する解毒剤は、現在存在していない。過剰投与の場合、医療提供者は、心筋虚血の徴候及び症状に関して特に慎重になるべきである。標準的な医学療法が、OMの中断を迅速に決定しない有害な徴候又は症状を治療するために使用されるべきである。
全ての対象は、OMに無作為化された対象に関して用量調節の指針を示すために、2週目に投与前PKを評価される。6週目において、以前の調整のPK結果を反映するために別の投与前PKが評価される。薬物動態は、試験を通して24週目及び48週目及び48週毎に評価される。表1は、用量調節の規則の概要を提供する。
Figure 2020526483
新たな治験製品の供給は、盲検法を維持するために無作為化された治療群及びPK評価のアウトカムとは無関係に4週目及び8週目の治験来院時に全ての対象にもたらされる。2週目のPK値が用量調節のための時間において利用可能でない場合、OMに無作為化された対象は、6週目のPK評価の結果が出るまで1日2回で25mgの用量指定を続ける。6週目のPK値が用量調節のための時間において利用可能でない場合、OMに無作為化された対象は、より少ない投与量レジメンに指定される(1日2回で25mg)。
12週目、48週目及び48週毎にPKが評価され、それらは、PKに基づく用量調節手法の対象ではない。8週の来院後の評価で≧1000ng/mLの血漿濃度を有する対象は、徴候又は症状に関わらず、OM投与を中止することが要求される。追加の来院が予定され、対象の治療指定は、非盲検になる。
プラセボに無作為化された対象は、試験を通してプラセボを受容するが、同一のPK及び再供給の手順にかけられる。
OMが最も直近の投与からおよそ12±3時間以内に服用できないか又は服用されていない場合、その投与は、抜かされているはずであり、次の投与が通常の時間に行われるべきである。
対象が急性心筋虚血又は梗塞と一致した臨床徴候又は症状を示す場合、対象は、施設の通常のSoCに従って速やかな医療を受けるべきであり、OM投与は、保留されるべきである。連続的な心虚血性マーカー及びECGが局所的に分析されるべきである。トロポニン(I又はT)、CK−MB及びBNP又はNT−proBNPの局地的な検査機関評価からの結果は、CRFにおいて記録されるべきである。中央検査機関のPK試料、トロポニンI、CK−MB及びNT−proBNPは、その事象とできるだけ近い事象を経験している全ての対象において回収されるべきであり、最後のOM投与時間が記録される。存在する場合、PK評価の結果は、慣例的に後援組織及び治験責任医師に伏せられたままである。
心虚血性事象後のOMの再開は、その症例の適切なマネジメント及びその事象の原因と考えられるもの及びOMに対するその事象の潜在的な関連性の評価後に検討され得る。心虚血性事象後に対象を再開する決定が議論され、且つ同意されるべきである。OMに関連すると疑われる急性心虚血性事象を経験している対象は、再投与されるべきではない。再開する場合、対象は、最初の群の割り当てに従って、OM 25mg 1日2回又はプラセボ1日2回を開始する。新たな投与前PK評価がOM再開から2週後に検討され、且つ用量調節が次のOM調剤の来院時に行われる。調節は、4週目の治験来院と同じ手順に従い、最大用量を事象前に指定されたものに制限する。
本試験の主要評価項目は、いずれが最初に起こる場合でも、CV死又は最初のHF事象までの時間を合わせたものである。HF事象は、HFの一次診断を伴う緊急で予定外の診療所/医院/ED来院又は入院として定義され、患者は、受診時に新たな又は悪化したHFの症状を呈し、新たな又は悪化したHFの客観的なエビデンスを有し、且つHFに特異的な治療の開始又は強化を受ける(Hicks et al,2015)。経口利尿療法への変更は、治療の開始又は強化として認定されない。
試験の副次的評価項目としては、(i)CV死までの時間、(ii)24週までのベースラインからのカンザスシティ心筋症質問票総合症状スコア(KCCQ TSS)の変化、(iii)最初の心不全入院までの時間、及び(iv)あらゆる原因による死までの時間が挙げられる。
追加の評価項目としては、安全性評価項目及び探索的評価項目が挙げられる。
実施例2:
本実施例は、実施例1において記載される試験の組み入れ基準及び除外基準を示す。
組み入れ基準は、以下のとおりである:
1.対象は、インフォームドコンセントを提供した
2.男性又は女性、インフォームドコンセントへの署名時の年齢≧18歳〜≦85歳
3.慢性HFの病歴(無作為化前に最小限の30日間HFのための治療を必要とするものとして定義される)
4.LVEF≦35%、対象の最も直近の診療記録毎、急性代償不全の状況ではない
5.最も直近のスクリーニング評価でNYHAクラスII〜IV
6.治験責任医師による対象の臨床状態の判断に従って地域の治療ガイドラインと一致したHF SoC療法により処置され、禁忌ではない場合、慢性HFのための経口SoC療法(例えば、β遮断薬、レニン−アンジオテンシン−アルドステロン系阻害剤)が提示されるはずである。HF入院中又はHF入院からの退院後の早いうちに登録された対象は、試験において最適化された療法を達成する目的で無作為化と同時に経口SoCによる慢性HF療法を再開又は用量設定することができる。
7.主要な原因がHFである現在の入院若しくはHF入院前又は救急部門(ED)への緊急のHF入院がスクリーニング前の1年以内
8.最も直近のスクリーニング評価でB型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)レベル≧125pg/mL又はNT−proBNPレベル≧400pg/mL(アンジオテンシン受容体−ネプリライシン阻害剤[ARNi]を受容する対象は、NT−proBNP評価を使用しなければならない;心房細動を有する対象に関して、カットオフレベルは:BNP≧375pg/mL又はNT−proBNP≧1200pg/mLである)。
除外基準は、以下のとおりである:
9.別の治験用医療機器又は薬物試験において現在治療を受けているか、又は別の治験用医療機器又は薬物試験に対する治療を終えてから30日未満である。本試験に参加しながらの他の治験工程は、除外される。
10.次の例外を伴う無作為化前の5年以内の悪性腫瘍:インサイチューでの局所的な皮膚の基底細胞癌又は扁平上皮癌、子宮頸部上皮内腫瘍、ステージ1前立腺癌、生体内原位置の乳管癌。
11.対象が投薬中に投与される製品又は成分のいずれかに対する既知の感受性を有する。
12.治験実施計画書に定められた全ての来院又は手順を完了し、且つ/又は対象及び治験責任医師の知識の最良のものに対して定められた全ての試験手順に従うために利用できる可能性の低い対象
13.試験薬物錠剤を嚥下できない(例えば、嚥下障害、栄養管)
14.無作為化前の7日以内に機械的な血行力学的補助(例えば、大動脈内バルーンポンプ対抗脈動)又は機械的人工呼吸(非侵襲性の機械的人工呼吸、すなわち二相性気道陽圧[BiPAP]又は持続的気道陽圧[CPAP]デバイスを含む)を受けること。
15.無作為化前の3日以内にIV変力物質(例えば、ドブタミン、ミルリノン、レボシメンダン)又はIV昇圧剤(例えば、エピネフリン、ノルエピネフリン、ドーパミン又はバゾプレシン)を受けること。
16.無作為化前の12時間以内にIV利尿剤若しくはIV血管拡張剤又は補助的な酸素療法を受けること
17.無作為化前の3ヶ月以内の急性冠動脈症候群(ST上昇型心筋梗塞、非ST上昇型心筋梗塞、不安定狭心症)、脳卒中若しくは一過性脳虚血発作、開心術、経皮的冠動脈形成術又は弁形成術。
18.無作為化前の30日以内の植込み型除細動器又は心臓再同期療法(CRT)(植込み型除細動器を伴う/伴わない)の開始
19.重篤な未矯正の心臓弁膜症若しくは肥大性閉塞性心筋症、活動性心筋炎、収縮性心膜炎又は臨床的に問題となる先天性心疾患
20.未治療の重篤な心室性不整脈(例えば、心室頻拍又は心室細動)
21.アミオダロンを除く長期的な抗不整脈療法。注記:この除外基準のために、ジゴキシン、カルシウムチャネル遮断薬及びβ遮断薬療法は、長期的な抗不整脈療法であるとみなされない
22.ペースメーカーを伴わない症候性徐脈又は第二度若しくは第三度心ブロック
23.定期的に予定されたHFのための外来患者の静脈内注入(例えば、変力物質、血管拡張剤[例えば、ネシリチド]、利尿剤)又は定期的に予定された限外濾過
24.収縮期血圧が>140mmHg若しくは<85mmHg、又は拡張期血圧が>90mmHg、又は心拍数が毎分>110拍動若しくはスクリーニング時に毎分<50拍動
25.推定糸球体濾過率(eGFR)が<20mL/分/1.73m又はスクリーニング時に透析を受ける
26.正常範囲上限(ULN)の≧2倍の総ビリルビン(TBL)によって定義される肝障害又はスクリーニング時にULNの≧3倍のアラニンアミノ基転移酵素(ALT)若しくはアスパラギン酸アミノ基転移酵素(AST)
27.以前にOMを受容した
28.平均余命を2年未満に短縮すると予想される重篤な付随する非CV疾患
29.いずれかの主要臓器移植(例えば、肺、肝臓、心臓、骨髄、腎臓)のレシピエント
30.本臨床試験への参加をパートナーに知らせたくなく、且つ効果的な受胎調節の2つの許容される方法を使用したくないか、又はIP(OM又はプラセボ)による治療中及びIPの最後の投与後の追加の5日間、正確な禁欲(禁欲の信頼度は、治験責任医師によって評価されなければならず、且つ好ましい通常の対象の生活様式でなければならない)を実行する出産可能性のある女性対象。女性対象又はその1人のみの男性パートナーが外科的避妊法(外科的成功の医学的評価を有する卵管結紮/閉塞術又は精管切除術)を受けた場合、追加の避妊法は必要とされない。出産可能性のある女性パートナーを有し、且つ本臨床試験への参加をパートナーに知らせたくない男性対象。
a)女性は、子宮摘出、両側卵巣摘出若しくは両側卵管摘除を行わない限り又は閉経後でない限り、出産可能性があるものとみなされる。閉経は、55歳以上の女性において12ヶ月以上の自発的且つ連続的な無月経;又は55歳未満の女性において少なくとも2年間の自発的な月経がないこと;又は55歳未満であり、且つ過去1年以内自発的な月経があるが、現在は無月経であり(例えば、自発的又は子宮摘出に対して続発性)且つ濾胞刺激ホルモン(FSH)レベルが40IU/Lを超えるか、又は閉経後のエストラジオールレベル(5ng/dL未満)として、又は関与する検査機関の「閉経後範囲」の定義に従って定義される。
b)効果的な受胎調節の2つの許容される方法としては、次の2つの選択肢が挙げられる:
●ホルモン及びバリアを組み合わせた受胎調節法(子宮内避妊器具及び殺精子薬を伴うバリア法、子宮内避妊器具及びホルモン性受胎調節法、ホルモン性受胎調節法及び殺精子薬を伴うバリア法)の使用
●殺精子薬を含むバリア法(男性用及び女性用コンドームは、破れるリスクのため一緒に使用してはならない)の少なくとも1つを伴う2つのバリア法(各パートナーは、女性用コンドームを除く1つのバリア法を使用しなければならない)
c)受胎調節のホルモン法としては、経口、膣内、経皮、注射又は植え込み型のものが挙げられる。受胎調節のバリア法としては、殺精子薬を伴うダイアフラム、殺精子薬を伴う子宮頸部キャップ、殺精子薬を伴う男性用又は女性用コンドーム及び殺精子薬を伴う避妊スポンジが挙げられる。殺精子薬が地域/地方において市販されていない場合、殺精子薬を伴わないバリア法が許容される。
●注記:治療中に避妊要件を改変し得る追加の薬物が与えられる場合(これらの追加の薬物は、避妊方法の数及び/又は避妊が治験実施計画書に定められた療法の最後の投与後に利用される時間の長さの増加を必要とする場合がある)、治験責任医師は、試験対象とこれらの変更について議論すべきである。
31.女性対象が妊娠若しくは授乳中又はIP(OM又はプラセボ)による治療中又はIPによる治療の終了後5日以内に妊娠又は授乳を予定している。
32.病院から長期療養施設(例えば、高度看護施設)又はホスピスへの退院が予定されている。
33.受診した場合に治験責任医師又は医師が、対象の安全性に対するリスクを提起するか、又は試験の評価、手順又は完了に支障をきたすであろうと判断する任意の他の臨床的に問題となる障害(心不整脈を含む)、病態又は疾患(上記に概説されたものを除く)の病歴又はエビデンス。
実施例3:
本実施例は、心不全における収縮力を増大させるミオシン活性化の長期的経口投与試験(COSMIC−HF)と呼ばれるフェーズ2の薬物動態、無作為化、プラセボ対照試験を示し、これは、全体が参照により組み込まれるTeerlink et al.,The Lancet 388:2895−2903(2016)において公開された。
収縮力の障害は、駆出率が低下した心不全の特徴である。この臨床試験では、心筋ミオシン活性化剤であるオメカムチブメカルビルの薬物動態並びに心機能及び心構造への効果が評価された。
このフェーズ2の薬物動態、無作為化、プラセボ対照試験は、経口で20週間与えられるオメカムチブメカルビルの薬物動態に導かれる用量調節が、心室収縮機能の改善及び好ましい心室の再構築と関連する十分に耐容性を示す血漿薬物濃度をもたらすかを調査するために設計された。
方法:
13の国々の87カ所で行われたこの無作為化二重盲検試験では、安定な症候性慢性心不全及び40%以下の左室駆出率を有する患者が採用された。患者は、双方向ウェブ応答システムを介して、20週間、1日2回の25mgの経口オメカムチブメカルビル(固定用量群)、薬物動態によって導かれる1日2回の50mgまで用量設定された1日2回の25mg(薬物動態−用量設定群)又はプラセボを受容するように、無作為に均等に割り当てられた。血漿中のオメカムチブメカルビルの最大濃度(主要評価項目)並びに心機能及び心室径の変化を評価した。この試験は、ClinicalTrials.gov、番号NCT01786512により登録される。
試験デザイン
COSMIC−HFは、13の国々の87カ所で行われた国際的な多施設の無作為化、並行群間、プラセボ対照、二重盲検試験であった。全ての患者が書面によるインフォームドコンセントを提出した。
患者
適格の患者は、18〜85歳であり、少なくとも4週間の安定した最適な薬理学的療法で治療された慢性心不全(New York Heart AssociationのクラスII又はIII)、少なくとも200pg/mLの血漿中におけるN末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド(NT−proBNP)濃度(患者が心房細動を呈した場合1200pg/mL以上であるが、心房細動を有する患者の比率は、試験集団の20%付近に制限された)、40%以下の左室駆出率及び許容される画像品質を有する心エコー像(心エコー中央検査機関によって中心的に決定される、Brigham and Women’s Hospital、Boston、MA、USA)を有した。患者は、無作為化前の30日以内に急性心筋梗塞、不安定狭心症又は安静時の持続性狭心症の診断を受けたか、又は長期的な抗不整脈療法(アミオダロンを除く)を受けていたか若しくは重篤な慢性腎疾患(スクリーニング時の推定糸球体濾過率が1.73m当たり30mL/分未満)を有した場合、除外された。
無作為化及びマスキング
無作為化は、試験の開始前に作成されるコンピューターによって生成されるスケジュールに基づき、心房細動又は心房粗動の有無によって重層化された。患者は、双方向ウェブ応答システムを介して得られている次の割り当てにより、1日2回の25mgの経口オメカムチブメカルビル(固定用量群)、1日2回の50mgまで用量設定された1日2回の25mgの経口オメカムチブメカルビル(薬物動態−用量設定群)又は経口プラセボを受容するように1:1:1の比率で割り当てられた。全ての丸剤及び包装は、同一であった。包装は、確実に正確な用量が患者によって受容されるように、配布システムによって照合されたボックス番号を含んだ。
手順
無作為化前に、患者は、12リード心電計及び心エコー装置による評価並びに化学、血液学、NT−proBNP濃度及びシステインC濃度の検査機関試験のために最大30日のスクリーニング期間に入った。スクリーニングの終わりに適格であった患者が無作為化された。
全ての患者は、20週間の試験治療又はプラセボを受容し、無作為化後24週目に経過観察された。薬物動態−用量設定群の患者は、1日2回の25mgのオメカムチブメカルビルを2週間受容して、定常状態に達した。2週目の朝の投与前の血漿中におけるトラフ値オメカムチブメカルビル濃度(投与前濃度)が200ng/mL未満であった場合、用量は、8週目に1日2回の50mgまで用量設定された。投与前濃度が200ng/mL以上であった場合、患者は、試験の終わりまで1日2回の25mgの服用を続けた。この集団における薬物動態を、単なるトラフ値サンプリングによって許容されるよりも厳密に評価するために、集約的な薬物動態サンプリングを2週目及び12週目の終わりに、それぞれの日の8時間にわたって行った。
患者は、試験診療所に2週目及び8週目に通院し、その後、24週目まで4週毎に来院した。経胸壁心エコー像は、ベースライン、12週目及び20週目に行われ、集中的に分析された。血液試料は、中央検査機関における分析のために指定された来院から得られた。血漿中の心筋トロポニンI濃度は、ベースライン並びに2、8、12、16、20及び24週目に、Siemens ADVIA Centaur UltraトロポニンIアッセイ(Siemens、Tarrytown、NY、USA)を用いて測定された。9,10起こり得る心臓虚血又は梗塞は、治験責任医師が心筋虚血を示唆する事象を報告した場合、又は患者のトロポニンI濃度が、以前の濃度が検出不能であったときに0.04ng/mLの99パーセンタイル基準上限を超えた場合若しくはその値が以前に検出された値と比較して0.03ng/mLを超えて増加した場合、試験の臨床事象委員会によって審査された。
アウトカム
主要評価項目は、2週目及び12週目の来院時のオメカムチブメカルビルの最大濃度並びに2、8、12、16及び20週目の来院時の投与前濃度であった。副次的評価項目は、収縮期駆出時間におけるベースライン、一回拍出量、左室収縮末期及び拡張末期の径、心拍数並びに20週目の血漿中のNT−proBNPの濃度から変化した。追加の事前に指定された探索的心エコー評価項目としては、左室短縮率、収縮末期及び拡張末期容積並びに駆出率が挙げられる。臨床事象委員会は、病院への入院及び死並びに心筋虚血又は心筋梗塞の全ての発症が、治験責任医師によって報告されたか、又は試験評価項目に関する基準を満たした血漿中の心筋トロポニンI濃度の増大に基づいたかを審査した。
統計解析
血漿中のオメカムチブメカルビルの最大濃度及び最小濃度に関する標準偏差(SD)は、40〜140ng/mLの範囲であると想定された。6〜8,11〜13この基準に基づいて、薬物動態−用量設定群における142名の患者は、6.6〜23.0ng/mLの半値幅を有する両側95%CIをもたらすと算出され、これは、5%の患者がオメカムチブメカルビルの評価できる濃度を有しないことを想定し、これらの濃度の正確な母集団推定値に十分であるとみなされた。類似の患者集団における以前の研究は、100〜200ng/mLという低いオメカムチブメカルビルの血漿濃度が心機能に多少の効果を及ぼしたが、一回拍出量に対する効果が400ng/mLを超える濃度で定常に達したように見え、且つ1200ng/mLを超える血漿濃度が臨床的に許容されないことを示した。したがって、200ng/mLを超える最大濃度に達し、且つ1000ng/mLを超える濃度への暴露を回避することが試みられた。さらに、各群における150名の患者及びα=0.05(両側)に設定される有意性により、収縮期駆出時間、一回拍出量及び左室収縮末期径の心エコー評価項目に効果を及ぼす治療を検出するための検出力は、90%を超えるであろうと推定された。ベースラインからの心エコーの変数、心拍数及びNT−proBNP濃度の変化に関する群間の相違は、各変数に関して別々にフィットさせられ、且つ無作為化時の心房細動又は心房粗動の有無、ベースライン値、治療群、来院及び来院による治療群の相互作用の階層化因子を含んだ反復測定モデルにより推定された。不定形共分散マトリクスは、来院患者間の相関を説明するために使用された。別段の指示がない限り、プラセボに対して95%CIの平均値を有する最小二乗平均差が提示される。試験は、仮説生成型であったため、全てのp値は、多重性調整を伴わない名目上の値である。この試験は、ClinicalTrials.gov、番号NCT01786512により登録される。
結果
2014年3月17日から2015年3月5日まで、固定用量のオメカムチブメカルビル群における150名の患者及び薬物動態−用量設定及びプラセボ群における149名が登録された。12週目のオメカムチブメカルビルの平均最大濃度は、固定用量群において200(SD71)ng/mLであり、薬物動態−用量設定群において318(129)ng/mLであった。20週目のプラセボ群に対する薬物動態−用量設定群に関して、最小二乗平均差は次のとおりであった:収縮期駆出時間25ms(95% CI 18〜32、p<0.0001)、一回拍出量3.6mL(0.5〜6.7、p=0.0217)、左室収縮末期径−1.8mm(−2.9〜−0.6、p=0.0027)、左室拡張末期径−1.3mm、(−2.3〜0.3、p=0.0128)、心拍数 毎分−3.0回の拍動(−5.1〜−0.8、p=0.0070)及び血漿中のN末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド濃度−970pg/mL(−1672〜−268、p=0.0069)。有害な臨床的事象の頻度は、群間で異ならなかった。
2014年3月17日から2015年3月5日までにスクリーニングされた758名のうち、448名が登録され、そのうちの149名がプラセボ群に、150名が固定用量群に、及び149名が薬物動態−用量設定群に無作為に割り当てられた(図2)。これらの群は、大部分のベースライン特徴が均等になるようにし、大多数の患者は、慢性心不全のために推奨される薬理学的療法を受容していた(表2)。285名(64%)は、植込み型除細動器、心臓再同期ペースメーカー又はこの両方を有した。
Figure 2020526483
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8週目において、オメカムチブメカルビルの用量を、薬物動態−用量設定群における146名の患者のうちの78名(53%)において1日2回の50mgまで用量設定した。12週目において、平均オメカムチブメカルビル濃度は、固定用量群において165(SD68)ng/mL、薬物動態−用量設定群において263(116)ng/mLであり、平均最大濃度は、それぞれ200(71)ng/mL及び318(129)ng/mLであった(表3)。12週目において、固定用量群における利用可能な測定値を有する137名の患者のうちの63名(46%)及び薬物動態−用量設定群における127名のうちの110名(87%)が血漿中において200ng/mL以上の最大薬物濃度を有した。最大濃度は、全ての患者において1000ng/mL未満であり、薬物動態−用量設定群における1名のみが、750ng/mLを超える最大濃度を有した。本試験中の任意の時間で血漿中において観測されたオメカムチブメカルビルの最大濃度は、固定用量群において453ng/mLであり、薬物動態−用量設定群において831ng/mLであった。
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薬物動態−用量設定群において事前に指定された全ての副次的有効性評価項目は、20週目のプラセボ群におけるものと有意に異なった(図3)。20週目のプラセボ補正した上昇は、収縮期駆出(固定用量群において11ms、95% CI 5〜18、p=0.0007及び薬物動態−用量設定群において25ms、18〜32、p<0.0001)と一回拍出量(それぞれ5mL、2〜8、p=0.0036及び4mL、1〜7、p=0.0217)に関して両方のオメカムチブメカルビル群において見られた。左室収縮末期径及び拡張末期径並びに心拍数は、20週目のプラセボ群と比較して、薬物動態−用量設定オメカムチブメカルビル群において低減したが、固定用量群では低減しなかった。しかしながら、20週目の血漿中のNT−proBNPの濃度は、両方のオメカムチブメカルビル群において低減し(固定用量群において−822pg/mL、95% CI −1516〜−127、p=0.0205及び薬物動態−用量設定群において−970pg/mL、−1672〜268、p=0.0069)、これはオメカムチブメカルビルが止められた後、4週間持続した(それぞれ−1327pg/mL、−2056〜−597、p=0.0004及び−1306pg/mL、−2046〜−566、p=0.0006)。さらに、薬物動態−用量設定群において、左室拡張末期容積及び収縮末期容積の減少並びに短縮率の増加は、プラセボと比較して20週目に見られた。
3つの群において同様の割合の患者が試験薬物及びプラセボの過程を完了した(表3)。有害事象、重篤な有害事象及び死亡の頻度は、無作為化された群全体にわたって同様であった。登録された患者のおよそ4分の1が、ベースラインで99パーセンタイル基準上限(0.04ng/mL)を超える血漿中の心筋トロポニンI濃度を有し、割合は、群全体にわたって同様であった。20週目において、プラセボと比較して、心筋トロポニンIの濃度は、固定用量及び用量設定されたオメカムチブメカルビルを受容する対象において増大した。ベースラインからの中央値の変化は、固定用量のオメカムチブメカルビル群において0.001ng/mLであり、薬物動態−用量設定群において0.006ng/mLであったが、プラセボ群において変化は見られなかった(表4)。20週の治療中のいずれかの時点でのベースラインからの最大の変化は、プラセボ群と比較してオメカムチブメカルビル群において有意性を得た(固定用量群においてp=0.0029及び薬物動態−用量設定群においてp<0.0001)。これらの増大の中で、プラセボに割り当てられた患者におけるそれぞれ95%及び97%と比較して、オメカムチブメカルビルに割り当てられた患者において、92%が0.1ng/mL未満であり、97%が0.2ng/mL未満であった。心筋トロポニンIの血漿濃度は、オメカムチブメカルビルの中断から4週以内にベースラインレベルに戻った。オメカムチブメカルビルの最大濃度は、心筋トロポニンI濃度におけるベースラインからの最大の変化から十分に予測されなかった(図4)。心筋トロポニンI濃度の増大を引き起こした278件の潜在的な有害事象は、審査のための臨床事象委員会に提出された。これらの中で、心筋虚血又は心筋梗塞の発症とみなされたものはなかった。
Figure 2020526483
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COSMIC−HFにおいて、標的血漿薬物濃度は、慢性心不全及び駆出率の低下を有する患者におけるオメカムチブメカルビルの経口投与により達成できたが、固定用量群よりも薬物動態−用量設定群においてほぼ2倍の患者が標的濃度に達した。薬物動態−用量設定群の患者は、プラセボと比較して、心室収縮期駆出時間の持続及び一回拍出量が増大し、且つ左室径及び容積、NT−proBNP血漿濃度及び心拍数が減少した。心機能に対するこれらの効果は、短期間静脈内オメカムチブメカルビルの以前の前臨床試験4,5及び臨床試験6〜8において見られたものと同様であった。頻拍、低血圧、心房性若しくは心室性不整脈、心臓虚血又は心筋梗塞の臨床的発症の増加は、経口薬物で見られなかった。本試験における臨床的有害事象の発生は、プラセボ及びオメカムチブメカルビルで同様であったが、安全性評価は、小さい試料サイズによって制限され、オメカムチブメカルビルを受容する患者は、心筋トロポニンIの血漿濃度がわずかに上昇したが、これらは治療が中断された後にベースライン値に戻った。本発明者らの結果は、収縮機能の直接的且つ選択的増強が、心筋壁への負荷(血漿中のNT−proBNP濃度の低下によって示唆される)及び場合によっては交感神経性の活性化(心拍数の減少によって示唆される)を低減することができ、且つ慢性心不全及び駆出率の低下を有する患者において好ましい心室再構築を促進し得るという仮説を支持する。
オメカムチブメカルビルは、ミオシンのモータードメインに結合する選択的心筋ミオシン活性化剤であり、アクチンフィラメントが生産的に結合する可能性を高めて、収縮期中に力をもたらす。この作用機序は、筋節の機能を特異的に調節することにより、直接的に心収縮力を向上させる。前臨床試験において、オメカムチブメカルビルは、心筋細胞におけるカルシウムトランジェントを増大させず、且つ心血管機能に対する効果を説明し得る心筋ミオシンに対する作用以外の既知の活性を有しない。動物4,5及びヒトにおいて、6〜8オメカムチブメカルビルの薬力学的特性は、収縮期駆出時間の増加である。この結果は、薬物の作用機序の反映であり、すなわちアクチンフィラメントと相互作用するミオシンヘッドの数の増加が、筋細胞において細胞質カルシウム濃度が低下するときでさえ、収縮期の持続時間の延長を促進する。
収縮期心不全を有する患者における収縮期駆出時間は、健常対照におけるものと比較して10〜70ms短くなる。14収縮期駆出時間のこの減少の根底にある厳密な機構は、知られていないが、その作用は、一回拍出量の減少に比例する。ARIC試験からの2077名の患者の分析において、15収縮期駆出時間の減少は、短縮率の低下に直接的に関連し、心不全の将来のリスクを予測した。健常ボランティア並びに急性及び慢性心不全を有する患者における静脈内投与の試験と一致して、6〜8本試験におけるオメカムチブメカルビルの長期的な経口投与は、平均して11〜25msの増加を有し、正常に近い収縮期駆出時間をもたらす収縮期駆出時間の延長と関連した。
心不全の病理発生の現代のモデルにおいて、収縮機能の低下は、レニン−アンジオテンシン−アルドステロン系(RAAS)及び交感神経系並びに心機能及び症状の悪化をもたらす有害な心室再構築の活性化を含む多重の病態生理的適応を引き起こす。この仮説は、RAAS及び交感神経系の遮断(例えば、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、アンジオテンシンII受容体遮断薬、鉱質コルチコイド受容体遮断薬及びβ遮断薬による)又は血管拡張性ペプチドの増強(例えば、ネプリライシン阻害剤による)は、心不全の進行を遅らせるか又は防止した試験によって支持されてきた。しかしながら、これまで、薬理学的療法は、心機能の直接的且つ選択的増強も心不全の進行を遅らせることができるという仮説を試験するために利用可能であった。本発明者らの試験は、この仮説を特異的に試験するために設計されなかったが、20週のオメカムチブメカルビルの投与は、左室拡張末期径及び容積の減少と関連した。心室径は、オメカムチブメカルビルが止められた後に再評価されなかったが、NT−proBNPの血漿濃度の低下は、持続し、これは、心臓の寸法に対する作用が単に収縮機能に対する短期間の直接的な作用を反映しないことを示唆する。本試験並びに以前の前臨床試験4,5及び臨床試験6〜8におけるオメカムチブメカルビルと関連する心拍数の減少も交感神経の活性化の低減と一致する。したがって、まとめると、COSMIC−HFからのこれらの結果は、収縮機能を直接的に向上させることは、心不全の進行と関連する非適応性の構造変化を逆進させることができるという仮説を支持するように見える。
いくつかの以前の試験において、心室再構築を向上させた療法も臨床アウトカムに対して有益な効果を有した。心室容積における薬物に関連した又はデバイスに関連した変化と死亡率との間の関係のメタアナリシスにおいて、1611mLという平均値の拡張末期容積又は収縮末期容積の減少は、65〜75%の死亡率に対する有益な効果の可能性と関連した。MADIT−CRT試験において、17心室容積の5%の減少は、心不全に関する死亡又は病院への入院の組み合わされた評価項目における14〜20%の低減と関連した。ナトリウム利尿ペプチドの血漿濃度も、心血管死を含む有害な臨床アウトカムの強力な予測因子であり、18,19いくつかの試験において、左室駆出率又は容積よりも強力な臨床アウトカムの予測因子であった。20オメカムチブメカルビルによる治療後に同様の変化が認められ、これらの結果は、心血管アウトカムに対するこの薬物の効果のさらなる調査を正当化すると考えられる。
COSMIC−HFは、十分に許容される血漿濃度をもたらすための2つの投与戦略の能力を比較した。固定用量のオメカムチブメカルビルを受容した137名の患者のうちの63名(46%)と比較して、薬物動態による用量設定により、200ng/mLを超える標的血漿濃度が127名の患者のうちの110名(87%)で達成された。重要なことに、いずれの群においても、1000ng/mLを超える血漿濃度を有する患者はいなかった。しかしながら、わずかに潜在的に懸念される血漿中の心筋トロポニンI濃度の増加が、治療が止められた後に分解したオメカムチブメカルビルのレシピエントにおいて見られた。急性心不全を有する患者の以前の試験において示されたとおり、これらの増加は、最大オメカムチブメカルビル血漿濃度と相関しなかった。トロポニン放出の規模は、健康な持久力のある運動選手のものと同様であり、21且つ心不全を有しない患者に関する日内変動の許容限度内である。22心筋トロポニンI濃度の上昇が、心筋虚血を示すものとみなされたものはおらず、全ては、収縮機能の向上、心室容積の減少及び血漿中のNT−proBNP濃度の低下との関係で生じた。トロポニンI濃度の上昇が心筋損傷又は他の機構(例えば、エキソソーム輸送23)と関連するかは、未知であり、臨床的事象に対するオメカムチブメカルビルの作用は、大規模なアウトカム試験において取り組まれる必要があるであろう。
COSMIC−HFは、正式な仮説検証を伴わないフェーズ2、薬物動態試験であり、したがって、心エコーの結果は、仮説生成型としてみなされるべきである。本試験は、将来に関して検出力があり、収縮期駆出時間、一回拍出量及び左室収縮末期径の副次的有効性評価項目を評価した。全ての事前に指定された副次的有効性評価項目に関する薬物動態−用量設定オメカムチブメカルビル群における全ての結果は、プラセボ群におけるものと有意に差があるが、多重比較のための調整はなされなかった。これらの補足説明により、本発明者らの結果は、心筋ミオシン活性化剤により心臓収縮機能を直接的且つ特異的に向上させることにより、好ましい心室再構築がもたらされるという仮説を支持する。長期間の罹患率及び死亡率に対する効果は試験されておらず、オメカムチブメカルビルのリスクとベネフィットは、大規模なアウトカム試験においてのみ評価することが可能になるであろう。
本実施例は、薬物動態により導かれたオメカムチブメカルビル投与により、心機能の向上及び心室径の減少と関連する血漿濃度に達したことを実証した。
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以下の参考文献は、実施例3を通して引用される。
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8 Teerlink JR,Felker GM,McMurray JJV,et al.Acute treatment with omecamtiv mecarbil to increase contractility in acute heart failure:the ATOMIC AHF study.J Am Coll Cardiol 2016;67:1444−55.
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本明細書中に引用される刊行物、特許出願及び特許を含む全ての参考文献は、各参考文献が参照により援用されると個々に且つ具体的に示され、且つその全体が説明された場合と同じ程度まで参照により本明細書に援用される。
本開示の説明に関する(とりわけ以下の特許請求項に関する)「1つの(a)」及び「1つの(an)」並びに「その(the)」という用語の使用は、本明細書に別段の指示がない限り又は文脈と明確に矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含するものと解釈されるべきである。「含む」、「有する」、「包含する」及び「含有する」という用語は、特記しない限り、オープンエンドの用語である(すなわち「含むが、それに限定されるものではない」を意味する)ものと解釈されるべきである。
本明細書における値の範囲の記載は、本明細書に別段の指示がない限り、単に、その範囲及び各終点に入る別個の値の各々を個々に指す簡単な方法に過ぎないものとし、別個の値及び終点の各々は、それが個々に本明細書に記載されるかのように本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に別段の指示がない限り又は文脈と明確に矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施され得る。本明細書に提供されるあらゆる例又は例示的な語(例えば、「など」)の使用は、単に本開示をさらに明らかにすることが意図され、別段の主張がない限り、本開示の範囲に限定を課すものではない。本明細書におけるいかなる語も、任意の特許請求されていない要素を、本開示の実施にとって必須のものとして示しているものと解釈すべきではない。
本開示を実行するために本発明者らに知られる最良の態様を含む、本開示の好ましい実施形態が本明細書に記載される。それらの好ましい実施形態の変形形態は、上述の記載を読むことで当業者に明らかになるであろう。本発明者らは、必要に応じてこのような変形形態を当業者が採用することを期待し、また、本発明者らは、本開示が、本明細書で具体的に記載されるもの以外で実施されることを意図している。したがって、本開示は、適用される法により認められるとおり、本明細書に添付される特許請求の範囲に列挙される主題の全ての変更形態及び均等物を含む。さらに、全ての可能性のある変形形態における上記の要素の任意の組合せが、別段の指示がない限り又は文脈と明確に矛盾しない限り、本開示に包含される。

Claims (93)

  1. 心不全(HF)を有する対象を治療する方法であって、
    a.最初の期間にわたって初回用量の心筋節活性化剤(CSA)を前記対象に投与すること、
    b.引き続いて、前記対象の前記CSAの血漿濃度に基づく用量の前記CSAを前記対象に投与すること
    を含む方法。
  2. 引き続いて前記対象に投与される前記用量は、前記初回用量と同じであるか又は前記初回用量を上回る、請求項1に記載の方法。
  3. 前記対象の前記CSAの血漿濃度が閾値濃度を上回るとき、引き続いて前記対象に投与される前記用量は、前記初回用量と同じであり、任意選択により、前記閾値濃度は、標的濃度範囲の最小値の約1.0倍〜約1.5倍である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記対象の前記CSAの血漿濃度が標的濃度範囲の最小値以上であるとき、引き続いて投与される前記用量は、前記初回用量と同じである、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 前記対象の前記CSAの血漿濃度が標的濃度範囲の最小値を上回るか又はその約1.5倍であるとき、引き続いて投与される前記用量は、前記初回用量と同じである、請求項2又は3に記載の方法。
  6. 前記対象の前記CSAの血漿濃度が閾値濃度未満であるとき、引き続いて前記対象に投与される前記用量は、前記初回用量を上回り、任意選択により、前記閾値濃度は、標的濃度範囲の最小値の約1.0〜約1.5倍である、請求項2に記載の方法。
  7. 前記対象の前記CSAの血漿濃度が前記標的濃度範囲の最小値未満であるとき、引き続いて投与される前記用量は、前記初回用量を上回る、請求項6に記載の方法。
  8. 前記対象の前記CSAの血漿濃度が前記標的濃度範囲の最小値の1.5倍未満であるが、前記標的濃度範囲の最小値を上回るか又はほぼ前記標的濃度範囲の最小値であるとき、引き続いて投与される前記用量は、前記初回用量を上回るが、最大用量未満である、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 前記対象の前記CSAの血漿濃度が前記標的濃度範囲の最小値未満であるとき、引き続いて投与される前記用量は、前記最大用量である、請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記最大用量は、前記初回用量の約2.0倍である、請求項8又は9に記載の方法。
  11. 前記最大用量は、約45mg〜約75mgである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記最大用量は、約45mg〜約55mgである、請求項11に記載の方法。
  13. 前記最大用量は、約50mgである、請求項12に記載の方法。
  14. 前記対象の前記CSAの血漿濃度が前記標的濃度範囲の最小値の1.5倍未満であるが、前記標的濃度範囲の最小値を上回るか又はほぼ前記標的濃度範囲の最小値であるとき、引き続いて前記対象に投与される前記用量は、前記初回用量の約1.5倍である、請求項8〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記対象の前記CSAの血漿濃度が前記標的濃度範囲の最小値の1.5倍未満であるが、前記標的濃度範囲の最小値を上回るか又はほぼ前記標的濃度範囲の最小値であるとき、引き続いて前記対象に投与される前記用量は、約30mgを上回り、且つ約45mg未満である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記対象の前記CSAの血漿濃度が前記標的濃度範囲の最小値の1.5倍未満であるが、前記標的濃度範囲の最小値を上回るか又はほぼ前記標的濃度範囲の最小値であるとき、引き続いて前記対象に投与される前記用量は、約35mg〜約40mgである、請求項15に記載の方法。
  17. 前記対象の前記CSAの血漿濃度が前記標的濃度範囲の最小値の1.5倍未満であるが、前記標的濃度範囲の最小値を上回るか又はほぼ前記標的濃度範囲の最小値であるとき、引き続いて前記対象に投与される前記用量は、約37.5mgである、請求項16に記載の方法。
  18. 前記初回用量は、前記CSAの最小有効用量(MED)である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記MEDは、約20mg〜約30mgである、請求項18に記載の方法。
  20. 前記MEDは、約25mgである、請求項19に記載の方法。
  21. 前記CSAは、前記最初の期間の終わりまでに前記対象中において定常状態に達している、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記最初の期間は、約1〜3週間である、請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記最初の期間は、少なくとも又は約2週間である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記標的濃度範囲は、約200ng/mL〜約1200ng/mLである、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記標的濃度範囲は、約200ng/mL〜約1000ng/mLである、請求項1〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記標的濃度範囲は、約200ng/mL〜約1000ng/mLであり、前記MEDは、約25mgであり、且つ前記最大用量は、約50mgである、請求項25に記載の方法。
  27. 心不全(HF)を有する対象を治療する方法であって、(a)最初の期間にわたって初回用量の心筋節活性化剤(CSA)を前記対象に投与すること、及び(b)引き続いて、(i)前記対象の血漿濃度が300ng/mLを上回るか又は約300ng/mLであるときに約25mgの前記CSA、(ii)前記対象の血漿濃度が200ng/mLを上回るか又は約200ng/mLであるが、300ng/mL未満であるときに約37.5mgの前記CSA、又は(iii)前記対象の血漿濃度が200ng/mL未満であるときに約50mgを前記対象に投与することを含む方法。
  28. 前記対象は、慢性心不全を有する、請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記対象は、New York Heart AssociationのクラスII又はIIIの心不全を有する、請求項1〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記対象は、約40%以下の左室駆出率を有する、請求項1〜29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記対象は、少なくとも約200pg/mLのNT−proBNPの血漿濃度を有する、請求項1〜30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記CSAは、心筋ミオシンの活性化剤である、請求項1〜31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記心筋ミオシンの活性化剤は、オメカムチブメカルビル(OM)である、請求項33に記載の方法。
  34. 前記OMは、オメカムチブメカルビル二塩酸塩水和物である、請求項32に記載の方法。
  35. 少なくとも約2週間にわたり、前記対象に約25mgのOMの初回用量を投与することを含む、請求項33又は34に記載の方法。
  36. 前記初回用量のOMは、前記対象に経口投与される、請求項33〜35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記初回用量のOMは、1日2回前記対象に投与される、請求項33〜36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 引き続いて投与される前記用量は、1日2回前記対象に与えられる、請求項33〜37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 引き続いて前記対象に投与される前記用量は、前記対象に経口投与される、請求項33〜38のいずれか一項に記載の方法。
  40. (a)最初の期間にわたって初回用量のOMを前記対象に投与すること、及び(b)引き続いて、(i)前記対象のOMの血漿濃度が300ng/mLを上回るか又は約300ng/mLであるときに約25mgのOM、(ii)前記対象のOMの血漿濃度が200ng/mLを上回るか又は約200ng/mLであるが、300ng/mL未満であるときに約37.5mgのCOMSA、及び(iii)前記対象のOMの血漿濃度が200ng/mL未満であるときに約50mgのOMを前記対象に投与することを含む、請求項33〜39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記最初の期間後に前記CSAの前記血漿濃度を決定することを含む、請求項1〜40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記最初の期間後に前記CSAの第1の血漿濃度を決定すること、及び前記対象が少なくとも1回のその後の用量の前記CSAを服用した後に前記CSAの第2の血漿濃度を決定することを含む、請求項41に記載の方法。
  43. 前記血漿濃度は、LC−MS/MS又は定量的マイクロスフェアアッセイを実施することによって決定される、請求項1〜42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 対象のための治療レジメンを決定する方法であって、(a)最初の期間にわたって最小有効用量(MED)用量の心筋節活性化剤(CSA)を前記対象に投与することであって、前記CSAは、前記最初の期間の終わりまでに前記対象中において定常状態に達している、投与すること、(b)前記最初の期間の終わりに前記対象の前記CSAの血漿濃度を決定すること、及び(c)前記対象の前記CSAの血漿濃度に基づいて治療レジメンを決定することを含む方法。
  45. 前記対象の定常状態の前記CSAの血漿濃度に基づいて治療レジメンを決定することを含む、請求項44に記載の方法。
  46. 前記治療レジメンは、前記初回用量と同じであるか又は前記初回用量を上回る、前記最初の期間後に前記対象に投与される用量を含む、請求項44又は45に記載の方法。
  47. 前記対象の前記CSAの血漿濃度が閾値濃度を上回るとき、前記最初の期間後に前記対象に投与される前記用量は、前記初回用量と同じであり、任意選択により、前記閾値濃度は、標的濃度範囲の最小値の約1.0倍〜約1.5倍である、請求項46に記載の方法。
  48. 前記対象の前記CSAの血漿濃度が標的濃度範囲の最小値以上であるとき、前記最初の期間後に前記対象に投与される前記用量は、前記初回用量と同じである、請求項47に記載の方法。
  49. 前記対象の前記CSAの血漿濃度が標的濃度範囲の最小値を上回るか又はその約1.5倍であるとき、前記最初の期間後に前記対象に投与される前記用量は、前記初回用量と同じである、請求項47記載の方法。
  50. 前記対象の前記CSAの血漿濃度が閾値濃度未満であるとき、前記最初の期間後に前記対象に投与される前記用量は、前記初回用量を上回り、任意選択により、前記閾値濃度は、標的濃度範囲の最小値の約1.0倍〜約1.5倍である、請求項46に記載の方法。
  51. 前記対象の前記CSAの血漿濃度が前記標的濃度範囲の最小値未満であるとき、前記最初の期間後に前記対象に投与される前記用量は、前記初回用量を上回る、請求項50に記載の方法。
  52. 前記対象の前記CSAの血漿濃度が前記標的濃度範囲の最小値の1.5倍未満であるが、前記標的濃度範囲の最小値を上回るか又はほぼ前記標的濃度範囲の最小値であるとき、前記最初の期間後に前記対象に投与される前記用量は、前記初回用量を上回るが、最大用量未満である、請求項50に記載の方法。
  53. 前記対象の前記CSAの血漿濃度が前記標的濃度範囲の最小値未満であるとき、前記最初の期間後に前記対象に投与される前記用量は、前記最大用量である、請求項50〜52のいずれか一項に記載の方法。
  54. 前記最大用量は、前記初回用量の約2.0倍である、請求項52又は53に記載の方法。
  55. 前記最大用量は、約45mg〜約75mgである、請求項52〜54のいずれか一項に記載の方法。
  56. 前記最大用量は、約45mg〜約55mgである、請求項55に記載の方法。
  57. 前記最大用量は、約50mgである、請求項56に記載の方法。
  58. 前記対象の前記CSAの血漿濃度が前記標的濃度範囲の最小値の1.5倍未満であるが、前記標的濃度範囲の最小値を上回るか又はほぼ前記標的濃度範囲の最小値であるとき、前記最初の期間後に前記対象に投与される前記用量は、前記初回用量の約1.5倍である、請求項52〜57のいずれか一項に記載の方法。
  59. 前記対象の前記CSAの血漿濃度が前記標的濃度範囲の最小値の1.5倍未満であるが、前記標的濃度範囲の最小値を上回るか又はほぼ前記標的濃度範囲の最小値であるとき、前記最初の期間後に前記対象に投与される前記用量は、約30mgを上回り、且つ約45mg未満である、請求項52〜58のいずれか一項に記載の方法。
  60. 前記対象の前記CSAの血漿濃度が前記標的濃度範囲の最小値の1.5倍未満であるが、前記標的濃度範囲の最小値を上回るか又はほぼ前記標的濃度範囲の最小値であるとき、前記最初の期間後に前記対象に投与される前記用量は、約35mg〜約40mgである、請求項59に記載の方法。
  61. 前記対象の血漿濃度が前記標的濃度範囲の最小値の1.5倍未満であるが、前記標的濃度範囲の最小値を上回るか又はほぼ前記標的濃度範囲の最小値であるとき、前記最初の期間後に前記対象に投与される前記用量は、約37.5mgである、請求項60に記載の方法。
  62. 前記初回用量は、前記CSAの前記最小有効用量(MED)である、請求項44〜61のいずれか一項に記載の方法。
  63. 前記MEDは、約20mg〜約30mgである、請求項62に記載の方法。
  64. 前記MEDは、約25mgである、請求項63に記載の方法。
  65. 前記CSAは、前記最初の期間の終わりまでに前記対象中において定常状態に達している、請求項44〜64のいずれか一項に記載の方法。
  66. 前記最初の期間は、約1〜3週間である、請求項44〜65のいずれか一項に記載の方法。
  67. 前記期間は、少なくとも又は約2週間である、請求項65に記載の方法。
  68. 前記標的濃度範囲は、約200ng/mL〜約1200ng/mLである、請求項44〜67のいずれか一項に記載の方法。
  69. 前記標的濃度範囲は、約200ng/mL〜約1000ng/mLである、請求項44〜68のいずれか一項に記載の方法。
  70. 前記標的濃度範囲は、約200ng/mL〜約1000ng/mLであり、前記MEDは、約25mgであり、且つ前記最大用量は、約50mgである、請求項69に記載の方法。
  71. 前記治療レジメンは、(i)前記対象の前記CSAの血漿濃度が300ng/mLを上回るか又は約300ng/mLであるときに約25mgの前記CSA、(ii)前記対象の前記CSAの血漿濃度が200ng/mLを上回るか又は約200ng/mLであるが、300ng/mL未満であるときに約37.5mgの前記CSA、又は(iii)前記対象の前記CSAの血漿濃度が200ng/mL未満であるときに約50mgを含む、請求項70に記載の方法。
  72. 前記対象は、慢性心不全を有する、請求項44〜71のいずれか一項に記載の方法。
  73. 前記対象は、New York Heart AssociationのクラスII又はIIIの心不全を有する、請求項44〜72のいずれか一項に記載の方法。
  74. 前記対象は、約40%以下の左室駆出率を有する、請求項44〜73のいずれか一項に記載の方法。
  75. 前記対象は、少なくとも約200pg/mLのNT−proBNPの血漿濃度を有する、請求項44〜74のいずれか一項に記載の方法。
  76. 前記CSAは、心筋ミオシンの活性化剤である、請求項44〜75のいずれか一項に記載の方法。
  77. 前記心筋ミオシンの活性化剤は、オメカムチブメカルビル(OM)である、請求項76に記載の方法。
  78. 前記OMは、オメカムチブメカルビル二塩酸塩水和物である、請求項77に記載の方法。
  79. 前記初回用量は、約25mgであり、且つ前記最初の期間は、少なくとも約2週間である、請求項77又は78に記載の方法。
  80. 前記初回用量のOMは、前記対象に経口投与される、請求項77〜79のいずれか一項に記載の方法。
  81. 前記初回用量のOMは、1日2回前記対象に投与される、請求項77〜80のいずれか一項に記載の方法。
  82. 引き続いて投与される前記用量は、1日2回前記対象に与えられる、請求項77〜81のいずれか一項に記載の方法。
  83. 引き続いて前記対象に投与される前記用量は、前記対象に経口投与される、請求項77〜82のいずれか一項に記載の方法。
  84. 前記治療レジメンは、(i)前記対象のOMの血漿濃度が300ng/mLを上回るか又は約300ng/mLであるときに約25mgのOM、(ii)前記対象のOMの血漿濃度が200ng/mLを上回るか又は約200ng/mLであるが、300ng/mL未満であるときに約37.5mgのOM、又は(iii)前記対象のOMの血漿濃度が200ng/mL未満であるときに約50mgのOMを含む、請求項77〜83のいずれか一項に記載の方法。
  85. 前記最初の期間後に前記CSAの第1の血漿濃度を決定すること、及び前記対象が少なくとも1回のその後の用量の前記CSAを服用した後に前記CSAの第2の血漿濃度を決定することを含む、請求項44〜84のいずれか一項に記載の方法。
  86. 前記CSAの前記血漿濃度は、LC−MS/MS又は定量的マイクロスフェアアッセイを実施することによって決定される、請求項44〜85のいずれか一項に記載の方法。
  87. 心不全(HF)を有する対象を治療する方法であって、(a)一連の初回用量のオメカムチブメカルビル(OM)を、約4週の最初の期間にわたって経口投与を介して1日2回前記対象に投与することであって、各初回用量は、約25mgである、投与すること、及び(b)その後の一連の用量のOMを、前記最初の期間に続く第2の期間にわたって経口投与を介して1日2回前記対象に投与することを含み、それぞれのその後の用量は、(i)前記最初の期間の初めから約2週間で測定される前記対象の血漿濃度が300ng/mLを上回るか又は約300ng/mLであるときに約25mg、(ii)前記最初の期間の初めから約2週間で測定される前記対象の血漿濃度が200ng/mLを上回るか又は約200ng/mLであるが、300ng/mL未満であるときに約37.5mg、又は(iii)前記最初の期間の初めから約2週間で測定される前記対象の血漿濃度が200ng/mL未満であるときに約50mgである、方法。
  88. 前記最初の期間の初めから約2週間で前記対象の血漿濃度を測定することをさらに含む、請求項87に記載の方法。
  89. 前記第2の期間は、前記最初の期間後の約4週間である、請求項87又は88に記載の方法。
  90. その後の一連の用量のOMを、前記第2の期間に続く第3の期間にわたって経口投与を介して1日2回前記対象に投与することをさらに含み、前記第3の期間中に投与されるそれぞれのその後の用量は、前記最初の期間の初めから約6週間で測定される前記対象の血漿濃度に基づく、請求項87〜89のいずれか一項に記載の方法。
  91. a.前記最初の期間の初めから約6週間で測定される前記対象の血漿濃度が750ng/mL未満であるとき、前記第3の期間の各用量は、前記第2の期間の前記その後の用量とほぼ同じであり;
    b.前記最初の期間の初めから約6週間で測定される前記対象の血漿濃度が750ng/mLを上回るか又は約750ng/mLであり、且つ1000ng/mL未満であり、及び前記第2の期間中に投与される前記その後の用量が25mg又は37.5mgであるとき、前記第3の期間の各用量は、約25mgであり;
    c.前記最初の期間の初めから約6週間で測定される前記対象の血漿濃度が750ng/mLを上回るか又は約750ng/mLであり、且つ1000ng/mL未満であり、及び前記第2の期間中に投与される前記その後の用量が約50mgであるとき、前記第3の期間の各用量は、約37.5mgであり;
    d.前記最初の期間の初めから約6週間で測定される前記対象の血漿濃度が1000ng/mLを上回るか又は約1000ng/mLであり、及び前記第2の期間中に投与される前記その後の用量が約25mgであるとき、前記第3の期間の各用量は、約0mgであり;及び
    e.前記最初の期間の初めから約6週間で測定される前記対象の血漿濃度が1000ng/mLを上回るか又は約1000ng/mLであり、及び前記第2の期間中に投与される前記その後の用量が約37.5mg又は約50mgであるとき、前記第3の期間の各用量は、約25mgである、請求項90に記載の方法。
  92. 前記最初の期間の初めから約6週間で前記対象の血漿濃度を測定することをさらに含む、請求項87〜91のいずれか一項に記載の方法。
  93. 前記第3の期間は、前記第2の期間後の少なくとも又は約4週間である、請求項90〜92のいずれか一項に記載の方法。
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