JP2020525766A - パルスフィールド多重化キャピラリ電気泳動システム - Google Patents

パルスフィールド多重化キャピラリ電気泳動システム Download PDF

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Abstract

本発明は、150000の塩基対より大きいサイズを有するDNAフラグメントを分析する能力を有する多重化パルスフィールドキャピラリ電気泳動機器である。並列キャピラリ電気泳動システムは、分離のためにパルス又は変動する電界を印加しながら、少なくとも12個のサンプルの同時分析を可能にする。パルスフィールド電界のシーケンスは、DNAスメアの正確な分離を達成するために反復される。【選択図】図18A、図18B

Description

本発明は、マルチチャネルパルスフィールドキャピラリ電気泳動のシステム及びソフトウェアに関する。
[関連出願の相互参照]
本出願は、その全体の内容が引用することにより本明細書の一部をなす、2015年12月30日に出願された米国特許出願第14/984,039号の一部継続出願である。
現在の次世代シーケンシング(NGS:next-generation sequencing)プラットフォームは、パイロシーケンシング、イオンシーケンシング、合成によるシーケンシング、又はライゲーションによるシーケンシングを含む、シーケンシングのための種々の技術を使用する。これらの技術は、幾つかの軽微な変更を有するが、これらの技術は全て、全体的に共通のDNAライブラリ調製プロシージャを有し、DNAライブラリ調製プロシージャは、ゲノムDNA品質&品質評価、DNA断片化及びサイジング(機械的せん断、音波処理、噴霧化、又は酵素消化を含む)、DNA修復及び末端ポリッシング、並びに、最終的なプラットフォーム特有のアダプタライゲーションのステップを含む。DNA配列情報についての急速に増大する需要によって、DNAライブラリの調製について必要とされる時間を低減する緊急の必要性が存在する。多くの商用NGSシステムは、長さが30塩基対(bp)〜2000bpに及ぶポリ(核酸)の比較的短いフラグメントのシーケンシングに基づく。ポア又はナノポアプラットフォームに基づくNGSシステムは、5000bp以上に及ぶより大きいフラグメントサイズを使用する。場合によっては、所望のフラグメントサイズは、20000〜50000bpより大きい。ロングレンジシーケンサのより新しい用途は、50000bpから150000bpより多い値又はそれより大きいフラグメントサイズを狙う。
DNAライブラリ調製における労働集約的なステップは、非せん断ゲノムDNAと下流断片化DNAの両方の定性化(サイズ決定)及び定量化である。DNAフラグメント分析のための既存の方法は、アガロースゲル電気泳動、キャピラリ電気泳動、及びチップベース電気泳動を含む。アガロースゲル電気泳動は、労働集約的であり、ゲル調製、ピペッティングによるサンプル移送、及び画像解析を必要とする。アガロース電気泳動によって取得される画像は、しばしば歪まされ、疑わしい又は信頼性のないデータをもたらす。アガロースゲル電気泳動を使用して、DNAの正確な定量化を行うことは不可能であり、そのことは、別個の第2の方法(UV又は蛍光分光法)が定量化のために必要とされることを意味する。最後に、アガロースゲル電気泳動は自動化するのが難しい。チップ又はマイクロチップベース電気泳動は、アガロースゲル電気泳動に優るデータ品質の改善を提供するが、依然として労働集約的である。例えば、チップベース方法は、ゲル、マーカ、及びサンプルを装填する手作業のステップを必要とする。これらのマイクロチップ又はチップベース電気泳動ユニットが数秒又は数分で単一サンプルを処理できても、サンプル及びゲル装填は、特に、数百又は数千のサンプルを処理するときの、使用の容易さに対する障壁である。同様に、既存のチップベースシステムは、ゲノムDNAを定量化することができない。キャピラリ電気泳動(CE:capillary electrophoresis)は、ゲル充填及びサンプル装填が自動化される点で、アガロース電気泳動とマイクロチップ電気泳動の両方に優る利点を提供する。
標準的な一定電界マイクロチップ及びキャピラリ電気泳動システムは、DNAフラグメントがずっと大きい場合であっても、通常、50000bp以下のDNAサイズ値をレポートする。そのため、標準的なマイクロチップ及びキャピラリ電気泳動システムは、約50000bpを超えるDNAフラグメントサイズを正確に測定するその能力が制限される。より新しいシーケンシング技術は、約50000bpより大きいサイズを有する入力DNAの分析を必要とする。
DNAの大きいフラグメント又はスメアを分析する標準的な方法は、スラブ−ゲルパルスフィールドゲル電気泳動(PFGE:Pulsed-Field Gel Electrophoresis)であり、この方法では、1000塩基対(bp)未満から数百万bpのサイズ範囲を有するDNAが、分離され、正確にサイジングされ得る。PFGEの主要な制限は、サンプル処理量であり、なぜならば、分析のために必要とされる時間が、対象のサイズ範囲及びサンプル調製の複雑度に応じて数時間から数日に及び得るからである。
パルスフィールドを交替させる技術は、大きいDNAフラグメントの分析時間をPFGEの数時間/数日から2時間未満まで減少させるという目標で、PFGEから単一キャピラリ電気泳動に拡張された。例えば、Kargerは、特許文献1において、単一キャピラリパルスフィールドキャピラリ電気泳動システム(PFCE:pulsed field capillary electrophoresis system)を述べている。Magnusdottir等は、非特許文献1において、PFCEシステムを述べている。これらのパルスフィールド単一キャピラリ電気泳動は、200000塩基対のサイズまでのDNAフラグメントを測定することが示されたが、処理量は、1処理当たり1サンプルに制限される。パルスフィールドキャピラリ電気泳動の処理時間が20分から1時間である可能性があっても、数百のサンプルのサンプル負荷は、単一キャピラリシステムの処理量制約のために処理するのに数時間から数日かかる場合がある。
パルスフィールドキャピラリ電気泳動のために使用されてきた方法は、単純で単一の交流波形、例えば、固定の又は変動する周波数で若しくは異なるデューティサイクルで、フォワード電圧時間がリバース電圧時間と異なる状態で印加される矩形波又は正弦波の印加に一般に頼ってきた。固定の又は変動する周波数を有するこれらの単一波形方法は、鋭いエレクトロフェログラムピークを与える個々のDNAフラグメントを分析するとき、しばしば、許容可能な結果を与えるが、これらの方法は、複雑なDNA集塊又はDNAスメアが処理されるときに正確な結果を一般に与えない。DNA集塊又はスメアは、利用されるパルス化法に非常に敏感である幅広い不明瞭なピークである。パルスフィールドキャピラリ電気泳動システムに関する単純で単一の波形によって取得されるサイジング結果は、標準的なパルスフィールドスラブゲル電気泳動(PFGE)を使用して取得される結果と大幅に異なる結果を与える場合がある。例えば、単一周波数矩形波キャピラリ電気泳動システムによって測定されるDNAスメアについての平均スメアサイズは、通常、標準的なパルスフィールドスラブ電気泳動システムに関して測定されるものより少なくとも10〜20%小さい。また、単純で単一の波形方法は、複雑なDNA混合物に適用されると、分析下のサンプルを正確に示さない異常なシステムピークをしばしばもたらす。
したがって、複数のサンプルを同時に処理することができ、また、幅広のDNAスメアを分析し、標準的なパルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)によって取得されるものと同等であるゲル画像又はエレクトロフェログラムを生成することができるパルスフィールドキャピラリ電気泳動システムについての必要性が存在する。
多重化キャピラリ電気泳動が知られている。例えば、Kennedy及びKurtは、特許文献2において、多重化吸収ベースキャピラリ電気泳動システム及び方法を述べている。Yeung等は、特許文献3において、多重化蛍光ベースキャピラリ電気泳動システムを述べている。これらのシステムは、複数のサンプルを同時に分析する利点を提供し、幾つかのプレートを順次処理し得るが、これらのシステムは、システムが処理を行っている間に、複数のサンプルプレートを装填又は変更する能力に欠け、また、効率的なサンプル分析のための単純なワークフローに欠ける。さらに、これらの多重化システムは、約50000bpを超える核酸フラグメントサイズを測定する能力に欠ける。
従来技術のパルスフィールドキャピラリ電気泳動システムの制限は、環境温度制御のためのオプションの欠如である。温度は、処理間の性能及びキャピラリパルスフィールドシステムの長期信頼性に影響を及ぼし得る。そのため、注意深く制御された環境温度制御のためのオプションを有する多重化パルスフィールドキャピラリ電気泳動システムについての必要性が存在する。
既存の商用CEシステムは、ロボティックシステムによって自動化され得るが、独立型システムは、完全に自動化されていないか、又は、適切なDNAライブラリ分析について必要とされる感度及びデータ品質に欠けている。ロボット対応インターフェースを有するCE機器の一例は、特許文献4においてKurt等によって与えられる。DNAライブラリ、及び変異検出等の他のアプリケーションの構築のために、1日当たり数千のサンプルを処理することがしばしば必要であるが、サンプルハンドリングのためのロボティックシステムの実装は、法外に高価であり、多くの実験所は、精緻なロボティックシステムの維持及び運用のために必要な専門知識に欠ける。特許文献5に記載されるような、マイクロ−スラブ−ゲル電気泳動の自動化形態が開発されている。これらは、複数のサンプルの自動分析を可能にするが、その技法は、かなりの人間の介入を依然として必要とするか、又は、大容積用途のために必要とされる処理量を持たない。Amirkhanian等は、特許文献6において、多重化キャピラリ電気泳動を使用して、一度に12個のサンプルまでを測定することが可能な12チャネル多重化キャピラリ電気泳動システムを述べている。しかしながら、このシステムは、複数の96ウェルプレートを測定することが可能でなく、1日当たり数千サンプルの分析を可能にするワークフローを持たない。
見てわかるように、自動化キャピラリ電気泳動システムについての必要性が存在し、自動化キャピラリ電気泳動システムは、a)ロボティックシステムの複雑度、コスト、及び必要とされる専門知識を無くし、b)ユーザが1日当たり1サンプルから数千サンプルを処理することを可能にし、c)システムが他のサンプルを処理している間に、ユーザが、キャピラリ電気泳動システム上で幾つかのプレート又はサンプルを好都合に装填することを可能にし、d)小さいサイズかつ小さいフットプリントの独立型キャピラリ電気泳動ユニットを有し、e)ユーザが、50000bpより大きい、好ましくは、100000bpより大きいDNAフラグメントサイズを正確に決定することを可能にする。
米国特許第5,122,248号 米国特許第6,833,062号 米国特許第5,324,401号 米国特許第7,118,659号 米国特許出願第20100126857号 米国特許第6,828,567号
「Electrohydrodynamically Induced Aggregation During Constant and Pulsed Field Capillary Electrophoresis of DNA」Biopolymers, Vol 49,385-401,1999
本発明は、上記で述べた必要性の達成を主要な目的として有する。
本発明は、少なくとも2本、好ましくは、少なくとも12本のキャピラリに、変動する又はパルス状の電界を同時に印加する能力を有するパルスフィールドキャピラリ電気泳動システムである。
本発明は、分析処理の継続時間の間に反復される複数の単純波形の複数のシーケンスの印加として規定される複合波形の印加も含む。
多重化パルスフィールド並列キャピラリ電気泳動を使用して複雑なDNAスメアの高品質分離を取得する好ましい方法は、異なる可変電圧波形パターンを、シーケンスで、所定の期間にわたって、反復して印加することである。例えば、好ましい分離方法は、或る期間の間に矩形波を、それに続いて、或る期間の間に三角波を、その後、数回の反復について矩形波及び三角波を繰り返して印加することである。これは図18Aに示され、或る期間T1の間に印加される矩形波、それに続く、或る期間T2の間に印加される三角波を有する。図18Aに示す事例において、印加される矩形波の周波数は、低速から高速まで変動し、一方、三角波の周波数は一定である。図18Bは、或る期間T1の間に印加される正弦波(固定周波数)、それに続く、或る期間T2の間の、変動する周波数の矩形波を示す。T1+T2シーケンスは、「I」回、反復されて、I(T1+T2)分の総処理時間が取得される。別の例は、或る期間の間に矩形波を、それに続いて、或る期間の間に一定電圧を、その後、数回の反復について矩形波及び一定電圧シーケンスを繰り返して印加することである。本発明の別の好ましい態様は、電気泳動分離期間にわたって少なくとも3つの異なる波形を印加することである。例えば、三角波、それに続く矩形波、それに続く正弦波の印加であって、3つの波形のシーケンスが複数回反復される、印加である。本発明の別の好ましい態様は、2つの異なる波形と、それに続く第3の波形とを反復することである。例えば、三角波、それに続く矩形波の印加であって、そのシーケンスが数回反復され、それに続いて、固定期間の間の矩形波が印加される、印加である。別の例は、順次セグメントで、第1の期間の間に矩形波を、第2の期間の間に一定電圧を、第3の期間の間に三角波を印加し、電気泳動が終了するまで、複数回、シーケンスを反復することである。
本発明の別の態様は、少なくとも2本のキャピラリにわたって電界を印加する方法であって、第1の期間の間にキャピラリにわたって第1の周波数で第1のパルスフィールド波を印加することと、第2の期間の間にキャピラリにわたって第2の周波数で少なくとも異なる形状の第2のパルスフィールド波を印加することと、その後、上記第1のパルスフィールド波及び少なくとも上記第2のパルスフィールド波を少なくとも2回繰り返すこととを含み、上記第1の周波数は上記第1の期間内で時間とともに変動し、上記第2の周波数は上記第2の期間内で時間とともに変動する、方法である。
サンプルプレート及びバッファプレートを保持するための6つの引き出しを有する機器の左前図である。 1つの引き出しがバッファプレートの設置のために引っ張り出され、上部ドア区画及び側面ドア区画が開放している状態の、機器の右前図である。 x−zステージ組み立て体を示す図である。 引き出し、ステージ組み立て体、トレイホルダ、及びサンプルプレートを示す図である。 トレイホルダの底部を示す図である。 カバーなしの機器の右側面図である。 カバーなしの機器の左側面図である。 キャピラリアレイカートリッジを示す図である。 ジョブのキューを作成するソフトウェア制御プログラムのフローチャートである。 コンピュータソフトウェアのコンピュータスクリーン画像を示す図である。 ステージによるアレイの下でのサンプルプレートの位置決めを示す図である。 キャピラリ電気泳動リザーバシステムの図である。 キャピラリ電気泳動リザーバシステムの図である。 引き出しに対するx−zステージの図である。 サンプルトレイが持ち上げられた状態のx−zステージの図である。 パルスフィールド電源を有する機器の背面図である。 温度制御チャンバを有する機器の上面図である。 温度制御チャンバの切り欠き図である。 マーカ7GTの従来技術のスラブ−ゲル分離を示す図である。 一定印加電界を用いる従来のキャピラリ電気泳動を使用したマーカ7GTの分離を示す図である。 パルス状印加電界を用いる本発明のキャピラリ電気泳動システムを使用したマーカ7GTの分離を示す図である。 純粋な矩形波(底部トレース)と混合式矩形/三角波(上部トレース)との両方を使用したマーカ7GTの分離を示す図である。 純粋な矩形波によって分析された同じDNAスメアのエレクトロフェログラムと比較した、反復式で混合式の波シーケンスによって分析されたDNAスメアのエレクトロフェログラムである。 或る期間T1の間に印加された矩形波と、それに続く、時間T2の間に印加された三角波との一例を示す図である。 或る期間T1の間に印加された正弦波と、それに続く、時間T2の間に印加された矩形波との一例を示す図である。
本発明は、向上したワークフローを有する多重化パルスフィールドキャピラリ電気泳動システムである。本発明のキャピラリ電気泳動システム及び装置は、光源を有する吸光又は蛍光ベースキャピラリ電気泳動サブシステム、光源から、少なくとも12本のキャピラリ(好ましくは、96本のキャピラリ)を含む多重化キャピラリのサンプル窓まで光を運ぶ方法、及び、多重化アレイのサンプル窓から放出光(蛍光)又は吸収光(吸光)を検出する方法を含む。サブシステムは、キャピラリを通してバッファ及びゲルを圧送する方法並びに電気泳動分離のために電界を印加する方法も含む。本発明の蛍光ベースサブシステムの光学部品は、その全体の内容が引用することにより本明細書の一部をなす、米国特許出願公開第20070131870号及び同第20100140505号においてPangによって述べられている。該当する吸光ベースシステムの光学部品、並びに、流体ハンドリング、リザーバベンティング、電界の印加、並びに、シリンジポンプ及び6方分配弁による流体の選択は、その全体の内容が引用することにより本明細書の一部をなす、米国第7,534,335号及び第6,833,062号においてKennedy等によって論じられている。
図1を参照すると、向上したワークフローを有する多重化キャピラリシステム及び/又はコンソール16は、ゲルの装填に対する容易なアクセスのためのドア10、バッファトレイ及び廃棄物トレイの容易な装填のための2つの引き出し11を有する。引き出し12は、96ウェルPCRプレート、チューブストリップ、バイアル、又は他のサンプルコンテナの容易な装填のために開放され得る。上部ドア13は、置換可能なキャピラリアレイ、アレイ窓、及びリザーバにアクセスするために開放され得る。インジケータ光14は、電気泳動のための高電圧の印加がアクティブであることをユーザに通知するのに使用される。取り外し可能なバックパネル15は、高電圧電源、電気通信パネル、ポンプ基板、圧力変換器基板及びステージドライバ電子部品等の電子部品に対するアクセスを可能にする。バックパネル15は、引き出し11及び12からキャピラリアレイにサンプルトレイを移動させるのに使用されるx−zステージに対するメンテナンスアクセスも可能にする。
図2は、上部ドア及び側部ドアが開放した状態の、向上したワークフローコンソール16とともに使用される多重化キャピラリシステムを示す。置換可能なキャピラリアレイ17は、多重化キャピラリ電気泳動のために12本又は96本のキャピラリを保持する。LED光ガイド67は、背面区画内に位置するLEDエンジンから、アレイ窓ホルダ19とLED光ガイド及び窓ホルダ18との間に挿入されるアレイ窓ブロック22まで光を誘導する。この図において、アレイ窓ブロック22は、表示のためにキャピラリアレイ17に取り付けられる。キャピラリアレイがシステムから取り外されると、アレイ窓ブロック22は、(図示するように)キャピラリアレイ17に取り付けられ得る。キャピラリアレイが完全に設置されると、アレイ窓ブロック22は目に見えなくなる。なぜならば、アレイ窓ブロック22が、アレイ窓ホルダ19とLED光ガイド及び窓ホルダ18との間に挟まれるからである。ベント弁21は、キャピラリリザーバ20の上部に接続される。6方分配弁29に結合されたシリンジポンプ23は、流体及び電気泳動ゲルを、流体コンテナ24及び25から、キャピラリリザーバ20、廃棄物コンテナ26、又はキャピラリアレイ17内のキャピラリに送出する。ファン27は、冷却空気を、強制的に、背面区画からキャピラリアレイ17を通し、リザーバ20の外側を通過させ、下方に流体コンテナ24及び25を通過させ、最後に機器の底部から外に出すのに使用される。LEDインジケータ光120は、引き出し内のトレイの存在又は非存在を示すのに使用される。バッファトレイ28は引き出し(11、図1)内に示される。キャピラリアレイリザーバ先端91は、リザーバ20内に挿入されて示される。
運動制御システムの概念及び実用的な実装態様が知られている。例えば、その全体の内容が引用することにより本明細書の一部をなす、Sabonovic及びOhnishi「Motion control」John Wiley and Sons,2011は、運動制御の設計及び実装のための実用的な方法を論じている。しかしながら、それは、本明細書で述べる、向上したCEワークフローコンソール16を示していない。
図3は、x−zステージ組み立て体48を示し、x−zステージ組み立て体48は、サンプルトレイ(50、図4)及び関連するトレイホルダ(51、図4)を、引き出し(12、図1)から、キャピラリアレイ(17、図8)の注入キャピラリ(72、図8)及び注入電極(71、図8)まで輸送するのに使用される。x−zステージ組み立て体48は、バッファトレイ又は廃棄物トレイ(28、図2)を、引き出し(11、図1)から、キャピラリアレイの注入キャピラリ及び注入電極(72、図8)に位置決めするのにも使用される。x−zステージ組み立て体は、アライメントピン32を有するトレイキャリア31を有し、アライメントピン32は、トレイホルダ(51、図4)の底部上の穴(57、図5)に整列して、輸送中のトレイホルダの後続の摺動又は移動を防止する。金属又はプラスチックで作られた保護カバー34は、ゲル又は他の液体が、ステージ組み立て体のx方向ガイドレール38及びx方向ドライブベルト37上にこぼれることを防止するのに使用される。xドライブステッパモータ35は、x方向への運動のための電気機械ドライバとして使用される。ドライブプーリ36は、ステッパモータ35及びx方向ドライブベルト37に取り付けられ、ステージキャリア39をガイドバー38に沿って前後に駆動する。第2のドライブプーリ(図示せず)は、ステージの後端に向かうベルト37上で使用され、ベルトが、ステージキャリア39に固着されると、完全なループを作ることを可能にする。ベルトのいずれのモータ誘発移動も、ガイドレール38上でステージキャリア39のx方向移動を誘発する。z位置のためのステッパモータは、41に位置し、x方向で示した構成と同様のドライブプーリ/ベルト構成に取り付けられる。x方向ドライブベルトは43として示される。z位置モータ/プーリ/ベルトは、トレイキャリア31をガイドバー40の上下に移動させるのに使用される。上部プレート33は、ガイドバー40の構造支持体として役立つ。電気通信ストリップ44は、電気モータ制御基板46とステッパモータ41及び35との間で通信するのに使用される。x方向膜ポテンショメータストリップ49は、適切な制御電子部品とともに、x方向におけるステージキャリア39の絶対位置を決定し制御するのに使用される。z方向膜ポテンショメータストリップ42は、適切な制御電子部品とともに、z方向におけるトレイキャリア31の絶対位置を決定するのに使用される。リニアエンコーダ又はロータリエンコーダ(ステッパモータ上)は、位置測定及び制御の代替の形態である。軸受け45は、各ガイドバー40及びガイドレール38上に位置して、トレイキャリア31とステージキャリア39との両方の摩擦なしの移動を可能にする。1つの軸について2つのガイドバー又はガイドレールが存在することに留意されたい。電気コードガイドストラップ47は、背面支持体に取り付けられ、背面支持体は、x−zステージ組み立て体用の電気制御基板46も保持する。
図4は、ステージ組み立て体48、トレイホルダ51、及び96ウェルサンプルトレイ50の画像上に重ね合された引き出し12を示す。トレイホルダ51は、50としてここで示す96ウェルプレートを特に保持するように成形される。トレイホルダの代替の成形は、384ウェルプレートを含む異なるサンプルプレートを可能にする。トレイホルダ51の底部上の穴(57、図5)は、トレイキャリア(31、図4)のアライメントピン32に整列する。トレイホルダ51内のノッチ53は、引き出し12上のアライメントピン52に整列して、トレイホルダが、サンプル引き出し内に、緊密で再現性のある方法で嵌合することを可能にする。
図6は、電気泳動システムの右側面図であり、電気泳動システムは、シャシ66、ポンプモータ及び制御システム61、ポンプ制御基板62、LED光エンジン69、LED光ライン67、アレイの電極にわたって0.0kV〜15kVを印加することが可能な高電圧電源基板65、CCDカメラ64、キャピラリアレイカートリッジ17、アレイ窓ホルダ19、リザーバ20、引き出し11、引き出し12、流体ライン68、廃棄物コンテナ26、ゲルコンテナ25、及びシリンジ23を有する。USB電子分配基板は63として示される。
図7は、電気泳動ユニットの左側面図を示し、トレイホルダ51及びサンプルトレイ50を引き出し12又は11からアレイ17の底部まで移動させるx−zステージ組み立て体48を示す。ステージユニット48は、サンプルトレイホルダ51及びサンプルトレイ50をz方向に上方に移動させて、トレイホルダ/サンプルトレイを引き出しから外して持上げ、サンプル引き出しから外方にx方向に後ろに下がり、その後、サンプルプレートをキャピラリアレイ17の底部までz方向に上に移動させ得る。動電学的又は流体力学的注入後、ステージユニット48は、サンプルトレイホルダ/サンプルトレイをターゲット引き出し位置まで下に(z方向に下に)下げ、サンプルプレートの真上にx方向に前進させ、その後、z方向に下に落として、サンプルトレイホルダ/サンプルトレイを引き出し上にセットし得る。サンプルトレイホルダ51が引き出し内に載置されると、サンプルトレイホルダ51及びサンプルトレイ50の背面エッジは、背面エッジが、アレイ17のすぐ下に存在しないように整列する。これは、サンプルステージトレイキャリア(31、図3)が、引き出し内の他のトレイホルダ/サンプルトレイに衝突することなく、トレイホルダ/サンプルトレイとともに、z軸全体に沿って上下に移動することを可能にする。アレイ17の底部上のアライメントピン(70、図8)は、トレイホルダをトレイに整列させるのに使用され、キャピラリ及び電極先端は、サンプルプレートの各サンプルウェルに浸かり、サンプルプレートの他のエリアと衝突しないようになっている。これは、図11により詳細に示され、図11は、サンプルトレイ50がキャピラリアレイの下に整列した状態のサンプルトレイホルダ51を示す。トレイホルダ51上のアライメント穴56は、トレイホルダとキャピラリアレイアライメントピン70とのアライメントを強制する。
図7は、高電圧電源基板65及び(アレイへの)高電圧電源ケーブル75も示す。
図8は、アレイカートリッジ17を示し、アレイカートリッジ17は、硬質プラスチック支持構造体77、窓格納及び輸送ねじ80、キャピラリ支持カード76、高電圧電源ケーブル75、及び、電気回路基板74が上に設置される絶縁支持構造体73を有する。電極71は、電気回路基板74を貫通し、絶縁支持構造体73を貫通して突出し、アレイの底部を貫通して突出する。電極材料は、ステンレス鋼又はタングステンである。電極寸法(本発明の重要な態様でない)は、50mm直径×29mm長である。カートリッジベースの底部からの突出は20.0mmである。電極は回路基板74にはんだ付けされる。高電圧電源ケーブル75も、電気回路基板の同じ回路にはんだ付けされ、電極71と高電圧電源(65、図6)との接触を可能にする。キャピラリ先端72は、電気回路基板74及び絶縁支持構造体73を通してねじ込まれ、電極先端のすぐ隣でかつそれに平行に整列する。キャピラリ先端と電極との間の距離は、0.1mm〜4mmである。キャピラリの端及び電極の端は、単一平面内に存在し(すなわち、キャピラリ先端及び電極先端は、実質的に同じ長さであり、約+/−1mm以下の長さ変動を有する)。好ましくは、キャピラリ先端及び電極先端の長さ変動は0.5mm未満である。キャピラリは、キャピラリアレイの底部を通り、絶縁支持構造体すなわちロードヘッダ73を通り、電気回路基板74を通り、キャピラリ支持カード76(硬質プラスチック支持構造体77によって支持される)を通り、窓ホルダの開口に中心があるキャピラリ窓79を有するキャピラリ窓ホルダ70を通り、そして最終的に、キャピラリリザーバ91を通ってねじ込まれ、(この場合、12本の)全てのキャピラリは、単一穴を通してねじ込まれる。96キャピラリアレイの場合、キャピラリリザーバ先端91内に12本からなる群で、又は好ましくは、4本からなる群でねじ込まれる。キャピラリは、リザーバ先端91内の所定の場所で、熱硬化又はuv硬化エポキシ等の接着剤によって保持される。
図12Aは、リザーバを示し、リザーバは、リザーバ本体20、キャピラリリザーバ先端91、(キャピラリリザーバ先端91及びスライダバー130上のノッチのアライメントを通して、キャピラリリザーバ先端をリザーバ内に係止する)スライダバー130、ベントブロック弁21、廃棄物チューブ出力138、廃棄物ブロック弁132、及び圧力変換器キャビティ133を有する。
図12Bはリザーバの代替の切り欠き図であり、リザーバは、リザーバ本体20、キャピラリリザーバ先端91、スライダバー130、ベントブロック弁21、廃棄物チューブ出力138、廃棄物ブロック弁132、グラウンドに取り付けるための電極135、圧力変換器キャビティ133、圧力変換器136、アナログ/デジタル基板に取り付けるための圧力変換器ケーブル137、及び流体チューブ入力134(図2のシリンジポンプ23からの)を有する。
リザーバ本体は、アクリル、テフロン、PETE、アルミニウム、ポリエチレン、ABS、又は他の一般的な金属若しくはプラスチック等の任意の中実材料で作られ得る。重要な基準は、材料が、耐久性があり、使用される材料に対して化学的に耐性があることである。好ましい材料はアクリル又はテフロンである。
図13Aは、引き出し11及び12に対するx−zステージユニット48を示す。x−zステージは、引き出しのすぐ後ろに位置し、z位置用のステッパモータ41を使用してx方向に前後にステージキャリア(39、図13B)を移動させ得る。サンプルトレイは、最初に、ステージを、x方向に引き出しに向かって前進させることによって引き出しから取り外される。トレイキャリア(31、図3)は、z方向ステッパモータ(41、図3)を使用して、トレイホルダをz方向に上にかつ引き出しから離れるように持ち上げる。ステージキャリアは、その後、図13Bに示すように、引き出しから外方にx方向に後ろに下がる。ステージキャリア39は、その後、z方向に上に移動して、トレイホルダ51及びサンプルトレイ50をキャピラリアレイ(図11)の注入位置まで移動させる。
キャピラリ電気泳動のために流体を圧送するための典型的な方策は、次の通りである。シリンジ上の6方分配弁(29、図2)の以下の6つの位置を考える。位置1は、リザーバ(134、図12B)の底部に接続され、位置2は、チューブを通して、調節流体(キャピラリの壁を調節するための流体)のボトルに接続され、位置3は、ゲノムDNAの分析のために使用される「ゲル1」に接続され、位置4は、断片化DNAの分析のために使用される「ゲル2」に接続され、位置5は、使用されないか、又は任意選択で、ベント弁を通した廃棄物ボトルへの空気の圧送によってベント弁を清浄化するのに使用され、位置6は、廃棄物ボトルに接続される。
ステップA:リザーバは、位置1(リザーバ)を開放し、リザーバ内にある流体でシリンジを充填し、位置1を閉鎖し、位置6を開放し、流体を廃棄物ボトルに出すことによって、最初に空にされる。これは、リザーバが空になるまで繰り返される。ブロック弁21及び132は、このプロセス中、開放したまま維持されて、リザーバの効率的な排出を可能にする。
ステップB:リザーバは、その後、位置2を開放し、調節溶液でシリンジを充填し、位置2を閉鎖し、位置1を開放し、リザーバを調節溶液で充填することによって、調節溶液で充填される。ブロック弁21は閉鎖されるが、廃棄物ボトルへのブロック弁132は開放され、調節溶液によるリザーバの過剰充填を可能にする。
ステップC:キャピラリは、ベントブロック弁21及び廃棄物ベント弁132をともに閉鎖することによって充填される。シリンジは、キャピラリ調節溶液で充填される。位置1は、開放され、流体は、1分〜20分に及ぶ場合がある所定の時間の間、最小限100psiでキャピラリを通して圧力充填される。
ステップD:リザーバは、ステップAによって空にされ、その後、ステップBの場合と同じプロセスを使用して、ゲルで再充填される。ただし、ゲル用の位置3は6方分配弁上で使用される。
ステップE:キャピラリは、ステップCに類似するプロセスを使用して、ゲルで充填される。
ステップA〜Eの後に、キャピラリは、電気泳動の準備ができている。
電気泳動を使用してサンプルを分析する一般的な方策及びプロセスは、次の通りである。
サンプルは、分析のために96ウェルプレート内に設置される。ユーザは、サンプルプレートをサンプル引き出し(12、図1)内に設置し、その後、引き出し内の特定の列又はサンプルプレート全体の分析に対応するジョブをコンピュータベースのキューに追加する。機器の制御システムであるコンピュータは、関心の行又はトレイ全体の分析を実行する。
本発明の重要な実施形態は、キャピラリ電気泳動システムのワークフローである。引き出し(11、図1)は、バッファ及び廃棄物トレイのシステム内への容易な設置を可能にする。引き出し(12、図1)は、サンプルトレイのシステム内への容易な設置を可能にする。システムがキャピラリ電気泳動を実施している間に、引き出し(12、図1)からサンプルトレイを設置する又は取り外す能力が特に重要である。インジケータ光(120、図1)は、トレイが引き出し内に存在するか存在しないかを示し、引き出しが所定の場所にあるか否かをユーザに知らせる。12本のキャピラリ多重化システムについての典型的なワークフローは、次の通りである。ユーザAは、サンプルトレイ1を持って機械まで歩み寄り、一番上から3番目の引き出し(引き出し11のうちの1つ、図1)内にサンプルトレイ1を設置する。ユーザ「A」は、その後、3つのジョブでキューを埋める。3つのジョブは、サンプルの3つの列、すなわち、サンプルトレイ1列A、サンプルトレイ1列B、及びサンプルトレイ1列Cに対してキャピラリ電気泳動を実施することに対応する。ユーザ「A」は、その後、キューを実施するようにコンピュータに指令し、結果として、システムは、サンプルトレイ1列Aのキャピラリ電気泳動を始め、それ以上ジョブが存在しなくなるまで、キュー内のジョブを実行し続けることになる。ユーザ「B」は、その後、やって来て、サンプルトレイ2を一番上から4番目の引き出し(引き出し11のうちの1つ、図1)内にサンプルトレイ2を設置する。ユーザ「B」は、その後、サンプルの8つの列、すなわち、サンプルトレイ2列A〜Hに対してキャピラリ電気泳動を実施することに対応する8つのジョブをキューに追加する。コンピュータは、ユーザ「A」サンプルが終了するまで、ユーザ「A」サンプルを分析し続け、その後、引き続きユーザ「B」サンプルの分析を行うことになる。その間、ユーザ「C」は、歩み寄り、サンプルトレイ3を一番上から5番目の引き出し(引き出し11のうちの1つ、図1)内に装填する。ユーザ「C」は、その後、サンプルの1つの列、すなわち、サンプルトレイ3列Aの分析に対応する1つのジョブをキューに追加する。このプロセスは、ゲルコンテナ(図2の25)内の十分なゲルが存在する限り、又は、一番上の引き出し(11、図1)内に位置するバッファトレイ(28、図2)内に十分な処理バッファが存在する場合、無限に継続し得る。CEワークフローについて本発明を従来技術のシステムと区別するのは、とりわけ、引き出し、サンプルステージ、及びジョブをロードするためのキューを有するコンピュータプログラムによってこのワークフローを使用可能にすることである。
本発明の重要な実施形態は、ユーザが、サンプルプレートを所望の垂直引き出し(12、図1)内に装填し、システムが他のサンプルを処理している間に、所望の列又はサンプルプレート全体をシステムが処理するようにシステムに指令することを可能にするコンピュータプログラムである。これは、他のサンプルの電気泳動が終了するのを最初に待つ必要なしで、複数人のユーザが複数のサンプル及び/又は複数のサンプルプレートを装填すること、又は、単一ユーザが複数のサンプル及び/又は複数のサンプルプレートを装填することを可能にする。
図9は、作業プロセス及びコンピュータプログラムの全体的なフロー図を示す。ユーザは、サンプルトレイをシステムの引き出し(12、図1)内に装填する。コンピュータ上で、ユーザは、その後、トレイを選択し、サンプル名及び/又はトレイ名を編集する。ユーザは、方法(分離の時間、分離のために使用される電界、ゲル選択等)を更に選択又は規定する。この選択されたトレイは、関連する方法とともに、「ジョブ(job)」として規定され、そのジョブは、その後、キュー内に配置される。機器制御デバイスとしてのコンピュータは、キューからジョブをフェッチし、シリンジポンプの動作、高電圧電源の動作、及び運動制御ステージ(48、図3)を含む、全てのタスクについて機器を制御する。各処理(又はジョブ)について、種々のタスクが存在する場合があり、各タスクは、システムのサブユニットのダイレクトコマンド及び制御を必要とする。シリンジポンプの制御に関連するタスクは、リザーバを空にすること/調節流体で充填すること、調節流体を、キャピラリを通して強制的に流すこと、リザーバを空にすること/ゲルで充填すること、ゲルを、キャピラリを通して強制的に流すことを含む。x−zステージの制御に関連するタスクは、廃棄物トレイを、キャピラリアレイの入口キャピラリ及び電極まで移動させること若しくはキャピラリアレイの入口キャピラリ及び電極から取り外すこと、バッファトレイを、キャピラリアレイの入口キャピラリ及び電極まで移動させること若しくはキャピラリアレイの入口キャピラリ及び電極から取り外すこと、又は、サンプルトレイを、キャピラリアレイの入口キャピラリ若しくは電極まで移動させること/キャピラリアレイの入口キャピラリ及び電極から取り外すことを含むことができる。高電圧電源の制御に関連するタスクは、キャピラリ電気泳動分離のために高電圧をターンオフ/オンすることを含む。他のタスクは、カメラ(データの収集)及びブロック弁に関連する。サンプルの各セットについて、プログラムは、エレクトロフェログラムのセットを取得するために必要とされる全てのタスクを終了することになる。これらのタスクが終了すると、プログラムは別のジョブをキューからフェッチする。キューが空である場合、全てのサンプル処理が(ユーザが別のキューを始動するまで)終了する。
このコンピュータプログラムのグラフィカル結果は、図10に示され、図10は、キュー101内の分析されるサンプルのリスト、行又はトレイをキューに追加するオプション102、及び分析のためにトレイ番号を選択するオプション103を示す。本発明のソフトウェア部分にとって重要であるのは、3つの態様、すなわち、a)(引き出し11に対応する、図1)トレイの選択103、b)キューにサンプルセットを追加すること(102、図10)、及びc)全てのジョブが終了するまでシーケンスで実行される分析のためのアクティブなサンプルのキュー(101、図10)である。別の重要な態様は、機器が他のサンプルを処理している間にサンプルを機器引き出し(11、図1)及びキュー(101、図10)に追加する能力である。
図14は、機器の背面図を示し、機器は、パルスフィールド高電圧(HV:high voltage)電源141、制御電子部品143、及び、電源が発生する熱を除去する冷却用ファン142を有する。冷却用ファン142を有するパルスフィールド電圧電源141は、図6に示す一定フィールド電源65から置き換えられたものである。好ましいパルスフィールド電源は、Ultravolt(商標)20HVA24−BP2、15HVA24−BP2、又は10HVA24−BP2である。電源の出力は、可変制御電圧を有する制御基板143によって制御される。非制限的な例は、+10V〜−10Vの可変制御電圧範囲である。+10V及び−10Vは、電源の出力にスケーリングされる。10kV電源の場合、+10V制御電圧の印加は、電源から+10kVを送出し、一方、−10V制御電圧の印加は、電源から−10kVを送出する。この同じ10kV電源に対する+5Vの印加は、+5kVの出力電圧をもたらす。20kV電源の場合、+10V制御電圧の印加は、電源から+20kVを送出し、一方、+5Vの印加は、電源から+10kVをもたらす。パルスフィールド電源の出力にリンクした制御電圧及び関連するスケーリングファクタは、上記で述べた例と異なる場合があり、本発明の重要なコンポーネントではない。同様に制御基板143の一部である波形発生器は、パルスフィールド電源の可変電圧出力をもたらす複合波形を作成する。例えば、制御電圧に関する+7V/−4V 10Hz矩形波は、HVパルス電源の+7kV/−4kV 10Hz(パルス電力)出力をもたらす。パルスHV電源の1つの出力端は、図8に示すように、HV電源ケーブル75を通して多重化キャピラリアレイ回路基板74に取り付けられる。パルスHV電源のリターン経路の出力は、グラウンドにも接続される出口電極(135、図12B)(キャピラリのリザーバ側の電極)に取り付けられる。
本発明の一実施形態は、多重化キャピラリアレイの全てのキャピラリがほぼ同じパルス状電界を受信するような、少なくとも2本の、好ましくは、12本のキャピラリを含む多重化キャピラリ電気泳動システムに対するパルスフィールド電源の適用である。別の実施形態は、少なくとも24本のキャピラリを含むキャピラリ電気泳動システムに対するパルスフィールド電源の適用を含む。オンボードプロセッサは、任意の所望の形状(矩形、正弦、三角、鋸歯状等)の制御電圧のための波形を発生させるために使用される。波形の周波数は、1Hz未満〜100Hzのどこにでも変動し得る。好ましい周波数範囲は1Hz〜50Hzである。別の好ましい範囲は1Hz〜20Hzである。特に好ましい範囲は2Hz〜10Hzである。また、制御基板143は、電圧及び電流モニタリング回路要素を有するため、キャピラリ電位泳動システムに印加される電圧はアクティブにモニターされるようになっている。
図15Aは、ペルチエクーラ151と、このペルチエクーラが発生した外部熱を除去するファン152とを有する温度制御チャンバ150を有する機器の上面図を示す。本発明の例のペルチエクーラは、Lair Technologies社によって作られたCP14、127−045(部品番号66101−500)である。
図15Bは、温度制御チャンバ150を有する機器の上面図を示し、切り欠き図は、キャピラリアレイ154、内部加熱要素、及び空気ファン153であって、ペルチエクーラ151と組み合わされると、10℃〜25℃の温度の精密な制御を可能にする、空気ファン153を示す。
反復(iterated)波形
本明細書において、用語「印加波形(applied waveforms)」は、「印加電界(applied electric fields)」と等価である。少なくとも2つのキャピラリにわたって変動するパルスフィールド波形を印加することは、少なくとも2つのキャピラリにわたってパルス電界を印加することと同一である。
変動するフィールド波形をよりよく述べるために、以下の用語が本明細書で使用される。
一般的な波形は、矩形、三角、正弦、及び鋸歯状、又は波形の任意の組み合わせ又はブレンドである。
アノード:カソードに対して正に帯電した電極。アノードは、グラウンド電圧であるが、カソードに対して正とすることができる。
カソード:アノードに対して負に帯電した電極。カソードは、任意選択で、グラウンド電圧であるが、アノードに対して負とすることができる。
高側パルス電圧:印加電圧の単一サイクルにわたる交流又は変動電圧の最大印加電圧。
低側パルス電圧:印加電圧の単一サイクルにわたる交流又は変動電圧の最小印加電圧。
単純な単一波形は、固定周波数及び電圧、又は任意選択で変動周波数及び電圧で印加される単一波形形状である。例えば、単純波形は、60分期間にわたって50Hzから10Hzまで変動する周波数を有する純粋な正弦波で構成することができる。また、単純波形は、非対称印加電圧を有することができる。一例は、+3kV〜−7kVの印加電圧を有する矩形波である。また、単純波形は、所定の期間にわたる変動する電圧を有することができる。例えば、正弦波は、期間Tにわたって+10kVから−3kVまで線形的に変化(ramp)することができる高側パルス電圧を有することができ、一方、低側パルス電圧は、同じ期間にわたって−5kVから−1KVまで線形的に変化することができる。そのため、印加される正弦波の振幅は時間とともに変動する。また、単純波形は、逆方向パルスと時間的に同一である前方向パルスを有することができる。例えば、1秒の+5kV前パルス及び1秒の−6kV逆パルスを有する矩形波である。また、単純波形は、逆方向パルスと時間的に異なる前方向パルスを有することができる。例えば、2秒の+5kV前パルス及び1秒の−6kV逆パルスを有する矩形波である。
単純な単一波形は、特有の形状の波形をもたらすために、互いの上に重ね合わされた2つの波形の組み合わせとすることもできる。
単純波形は、低側パルス電圧の継続時間より長い又はより短い高側パルス電圧の継続時間を有することができる。パーセントで表される、パルスサイクルの総時間に対するパルスの一方の側の長さの比は、しばしば、パルスの「デューティサイクル(duty cycle)」と呼ばれるか、又は表現される。例えば、50%デューティサイクルは、低側パルス電圧時間(T2)に等しい高側パルス電圧時間(T1)を規定することになる。正パルスの相対的デューティは、(T1100/(T1+T2))である。T1=T2の場合、デューティサイクルは50%である。T1がT2の1/3倍である場合、デューティサイクルは(1100/(1+3))=25%である。低側パルス電圧より長い高側パルス電圧(又はその逆)を印加することによって、電気泳動において指向性を有する流れ(directional flow)が達成される。例えば、電気泳動カラムに印加される+/−5kV 1Hz矩形波は、66%デューティサイクルの場合、+5kVで0.66秒及び−5kVで0.33秒を有することができる。
本発明の1つの態様は、分析処理の継続時間の間、反復される複数の単純波形の複数のシーケンスの印加として規定される複合波形の印加である。
多重化パルスフィールド並列キャピラリ電気泳動を使用して複雑なDNAスメアの高品質分離を取得する好ましい方法は、異なる可変電圧波形パターン又は単純波形を、シーケンスで、所定の期間にわたって、反復して印加することである。例えば、好ましい分離方法は、或る期間の間に矩形波を、それに続いて、或る期間の間に三角波を、その後、数回の反復について矩形波及び三角波シーケンスを繰り返して印加することである。これは図18Aに示され、或る期間T1の間に印加される矩形波、それに続く、或る期間T2の間に印加される三角波を有する。図18Aに示す事例において、印加される矩形波の周波数は、低速から高速まで変動し、一方、三角波の周波数は一定である。図18Bは、或る期間T1の間に印加される正弦波(固定周波数)、それに続く、或る期間T2の間の、変動する周波数の矩形波を示す。T1+T2シーケンスは、「I」回、反復されて、I(T1+T2)分の総処理時間が取得される。別の例は、或る期間の間に矩形波を、それに続いて、或る期間の間に一定電圧を、その後、数回の反復について矩形波及び一定電圧シーケンスを繰り返して印加することである。本発明の別の好ましい態様は、電気泳動分離期間にわたって少なくとも3つの異なる波形を印加することである。例えば、三角波、それに続く矩形波、それに続く正弦波の印加であって、3つの波形のシーケンスが複数回反復される、印加である。本発明の別の好ましい態様は、2つの異なる波形と、それに続く第3の波形とを反復することである。例えば、三角波、それに続く矩形波の印加であって、そのシーケンスが数回反復され、それに続いて、固定期間の間の矩形波が印加される、印加である。別の例は、順次セグメントで、第1の期間の間、矩形波を、第2の期間の間、一定電圧を、第3の期間の間、三角波を印加し、電気泳動処理が終了するまで、複数回、シーケンスを反復することである。
高品質分離を取得する別の好ましい方法は、所定の期間にわたって異なる波形パターンを印加し、電気泳動分離に対して、変動する周波数又は変動する電圧ランプ又は両方の組み合わせを印加することである。
別の好ましい方法は、周波数ランプについてより短い期間を使用する。例えば、30秒の期間にわたって15Hzから0.5Hzまで下がる周波数ランプを有する、+250V/cmから−100V/cmまで変動する矩形波、及びそれに続く、30秒の期間にわたって10Hzから5Hzへの周波数ランプを有する、+250V/cmから−100V/cmまで変動する三角波であり、この矩形波/三角波シーケンスは、90分の総処理時間の間で90回反復される。
印加される各波形についての時間範囲は、0.5秒から20分まで変動する。好ましい範囲は15秒〜10分である。更に一層好ましい時間枠は、10秒〜120秒である。
印加される各波形についての周波数範囲は、100Hzから0.5Hzまで変動する。好ましい周波数範囲は30Hz〜0.5Hzである。別の好ましい範囲は20Hz〜2Hzである。印加される各波形の期間にわたって周波数を変化させることが好ましい。例えば、矩形波が1分の間印加される場合、周波数は、同じ1分時間枠にわたって2Hzから15Hzまで又は15Hzから2Hzまで変化する。パルスフィールドHV電源の出力は、図8に示すように、回路基板74を通して入口電極(キャピラリアレイのサンプル又はバッファトレイ側の電極のセット)に接続され、一方、出口電極(135、図12B)(キャピラリのリザーバ側の電極)は、パルスフィールドHV電源のリターン経路でもあるグラウンドに接続される。
本発明の多重化キャピラリ電気泳動を実施する好ましいプロセスは、ふるい分けマトリクスを含む伝導性媒体で少なくとも2つのキャピラリを充填し、動電学的注入又は流体力学的注入を通して(すなわち、サンプルをキャピラリ内に真空注入又は圧力注入することによって)キャピラリにサンプルを導入し、パルスフィールド電源を介してキャピラリにわたって本発明の変動する電圧を印加して、サンプルの分離を誘発し、その後、キャピラリの窓を通過するサンプルを蛍光又は吸光検出によって検出することである。
少なくとも2つのキャピラリにわたって変動する電界を印加する1つの好ましい方法は、第1の期間の間、上記キャピラリにわたって第1の周波数で第1のパルスフィールド波を印加することと、第2の期間の間、上記キャピラリにわたって第2の周波数で少なくとも異なる形状の第2のパルスフィールド波を印加し、その後、上記第1のパルスフィールド波及び少なくとも上記第2のパルスフィールド波を少なくとも2回繰り返すこととを含み、上記第1の周波数は上記第1の期間内で時間とともに変動し、上記第2の周波数は上記第2の期間内で時間とともに変動する。
実施例1:
この実施例のために、パルスフィールドキャピラリ電気泳動ゲル「930ゲル」(Advanced Analytical Technology社から入手可能)を使用した。「930ゲル」ふるい分けマトリクスを、本明細書で述べるキャピラリ電気泳動システムを使用して、22cmの有効長及び40cmの全体長(50μmI.D.)を有する、複数の12本のキャピラリ内に圧送した。10.06kB、17.7kB、21.2kB、23.45kB、41.77kB、50.31kB、及び165.65kBのサイズを有するDNAフラグメントから構成される7GT DNAサイジングラダー(Wako Chemical Company社から入手可能)(図16A)を、キャピラリ電気泳動システムに関する分離効率を評価するために使用した。1X TEバッファ内の7GTラダーの150pg/μLのサンプルを、分析のためのサンプルとして調製した。サンプルの注入前に、1秒間、2.0kVを印加することによって、ゲル充填キャピラリを電気泳動前処理によって処理した。7GTラダーサンプルを、5秒間の5kVの動電学的注入を使用してキャピラリ電気泳動システム(本発明)に注入した。この直後に、3600秒間の7.2kVの一定印加電圧を使用した電気泳動処理を行った。結果として得られるエレクトロフェログラムが図16Bに示される。これは、従来技術の一定フィールドキャピラリ電気泳動システムについての最良事例の分離を示す。次に、本発明のキャピラリ電気泳動システムを使用するが、5Hz矩形波を有する+1.8kV/−7.2kVのパルスフィールド印加電圧によって、同じサンプル(同じ注入、同じ濃度)を再分析した。12本のキャピラリシステムについての結果として得られるエレクトロフェログラムのセットは図16Cに示される。全ての分析(一定フィールド及びパルスフィールドの両方)についての周囲温度は約23℃であった。パルスフィールドによる分離(図16C)は、遥かに良好なベースライン分解されたエレクトロフェログラムを示し、ラダー要素の7つ全てが、単一の融合したピークを示す、従来技術の一定フィールドを使用する分離(図15)に比べて明瞭に見ることができる。
この実施例の場合、12本のキャピラリを、同じ印加される一定フィールド又はパルスフィールドによって同時に処理した。
実施例2:
この実施例のために、パルスフィールドキャピラリ電気泳動ゲル「FP5001 Large DNA Separationゲル」(Advanced Analytical Technology社から入手可能)を使用した。「FP5001 Large DNA Separationゲル」ふるい分けマトリクスを、本明細書で述べるキャピラリ電気泳動システムを使用して、22cmの有効長及び40cmの全体長(50μmI.D.)を有する、複数の12のキャピラリ内に圧送した。10.06kB、17.7kB、21.2kB、23.45kB、41.77kB、50.31kB、及び165.65kBのサイズを有するDNAフラグメントから構成される7GT DNAサイジングラダー(Wako Chemical Company社から入手可能)(図16A)を、キャピラリ電気泳動システムに関する分離効率を評価するために使用した。1X TEバッファ内の7GTラダーの150pg/μLのサンプルを、0.25X Tris−EDTAバッファによる分析のためのサンプルとして調製した。サンプルの注入前に、1秒間、2.0kVを印加することによって、ゲル充填キャピラリを電気泳動前処理によって処理した。7GTラダーサンプルを、5秒間の−5kVの動電学的注入を使用してキャピラリ電気泳動システム(本発明)に注入した。この直後に、2つの異なる条件を使用した電気泳動処理を行った。図17A(上部トレース1704)は、30秒の期間にわたって線形的に変動した、2Hz〜7Hzの周波数を有する三角波(+2.0kV〜−7.2kV)と、それに続く、30秒の期間にわたって線形的に変動した、2Hz〜7Hzの周波数を有する矩形波(+2.0kV〜−7.2kV)とで構成される印加電圧を使用して取得された。三角波(30秒)と、それに続く矩形波(30秒)とを、100分の総処理時間の間、100回反復した。図17A(下部トレース1705)は、30秒の期間にわたって線形的に変動した、2Hz〜7Hzの周波数を有する矩形波(+2.0kV〜−7.2kV)で構成される印加電圧を使用して取得された。矩形波(30秒)を、100分の総処理時間の間、200回反復した。7GTラダートレースの場合、フラグメント分離は、上部トレース及び下部トレースの両方について同様であった。これは、反復した三角/矩形波の印加(図17A上部トレース)が、反復なしの純粋な矩形波方法(図17A下部トレース)と比較して7GTフラグメントの分離に実質的に影響を及ぼさなかったことを示している。
これらの同じセットの波形を、DNAスメアの分離に適用した。gDNAサンプル(サンプルA)を、0.25Tris−EDTAバッファ内で150pg/μLまで希釈した。サンプルの注入前に、1秒間、2.0kVを印加することによって、ゲル充填キャピラリを電気泳動前処理によって処理した。サンプルAを、5秒間の−5kVの動電学的注入を使用してキャピラリ電気泳動システム(本発明)に注入した。この直後に、2つの異なる条件を使用した電気泳動処理を行った。図17B(トレース1701)は、30秒の期間にわたって線形的に変動した、2Hz〜7Hzの周波数を有する三角波(+2.0kV〜−7.2kV)と、それに続く、30秒の期間にわたって線形的に変動した、2Hz〜7Hzの周波数を有する矩形波(+2.0kV〜−7.2kV)とで構成される印加電圧を使用して取得された。三角波(30秒)と、それに続く矩形波(30秒)とを、100分の総処理時間の間、100回反復した。図17B(トレース1702)は、30秒の期間にわたって線形的に変動した、2Hz〜7Hzの周波数を有する矩形波(+2.0kV〜−7.2kV)で構成される印加電圧を使用して取得された。矩形波(30秒)を、100分の総処理時間の間、200回反復した。トレース1701が、53478bpの平均スメアサイズを有するトレース1702に対して、73692bpの遥かに高い平均スメアサイズを有したことに留意されたい。また、三角/矩形反復式ブレンドによって取得されたトレース1701(図17B)は、異常なシステムピーク1703(図17B)を示さない。サンプルAの実際のサイズは、通常のパルスフィールドスラブゲル電気泳動によって決定されるように約70kpbであり、これは、本発明のパルスフィールドキャピラリシステムによって取得される結果に一致する。
上記説明から見られるように、本発明のパルスフィールド多重化キャピラリ電気泳動システムは、従来技術の一定フィールド多重化キャピラリ電気泳動システムと比較して、最大で150kBを超えるサイズを有するフラグメントの多重化された向上した分離を可能にする。

Claims (15)

  1. 少なくとも2本のキャピラリにわたって電界を印加する方法であって、
    第1の期間の間、前記キャピラリにわたって第1の周波数で第1のパルスフィールド波を印加することと、
    第2の期間の間、前記キャピラリにわたって第2の周波数で少なくとも異なる形状の第2のパルスフィールド波を印加することと、その後、前記第1のパルスフィールド波及び少なくとも前記第2のパルスフィールド波を少なくとも2回繰り返すことと、
    を含む、方法。
  2. 前記第1の周波数は前記第1の期間内で時間とともに変動し、前記第2の周波数は前記第2の期間内で時間とともに変動する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1のパルスフィールド波及び前記第2のパルスフィールド波は、矩形波、三角波、正弦波、及び鋸歯状波の群から選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1の期間及び前記第2の期間は各々10分未満である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記第1の期間及び前記第2の期間は各々5分未満である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記第1の期間及び前記第2の期間は各々1分未満である、請求項1に記載の方法。
  7. 蛍光又は吸光検出によって前記キャピラリの窓内のサンプルを検出することを含む、請求項1に記載の方法。
  8. 2本のキャピラリにわたって電界を印加する方法であって、
    第1の期間の間、前記キャピラリにわたって第1の周波数で第1のパルスフィールド波を印加することと、
    第2の期間の間、前記キャピラリにわたって第2の周波数で異なる形状の第2のパルスフィールド波を印加することと、
    第3の期間の間、第3の周波数で少なくとも異なる形状の第3のパルスフィールド波を印加することと、その後、前記第1のパルスフィールド波、前記第2のパルスフィールド波、及び少なくとも前記第3のパルスフィールド波の印加を繰り返すことと、
    を含む、方法。
  9. 前記第1の周波数は前記第1の期間内で時間とともに変動し、前記第2の周波数は前記第2の期間内で時間とともに変動し、前記第3の周波数は前記第3の期間内で時間とともに変動する、請求項8に記載の方法。
  10. 前記第1のパルスフィールド波及び前記第2のパルスフィールド波は、矩形波、三角波、正弦波、及び鋸歯状波の群から選択される、請求項8に記載の方法。
  11. 前記第1の期間及び前記第2の期間は各々10分未満である、請求項8に記載の方法。
  12. 前記第1の期間及び前記第2の期間は各々5分未満である、請求項8に記載の方法。
  13. 前記第1の期間及び前記第2の期間は各々1分未満である、請求項8に記載の方法。
  14. 前記第1の周波数、前記第2の周波数、及び前記第3の周波数は、2Hz〜15Hzの範囲内で変動する、請求項8に記載の方法。
  15. 蛍光又は吸光検出によって前記キャピラリの窓内のサンプルを検出することを含む、請求項8に記載の方法。
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