JP2020525012A5 - - Google Patents

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障害の処置のための細菌
本出願は、2017年6月21日に出願された米国仮出願第62/523,225号、2017年8月31日に出願された米国仮出願第62/552,785号、2017年8月31日に出願された米国仮出願第62/552,829号、2018年1月5日に出願された米国仮出願第62/614,213号、2018年1月31日に出願された米国仮出願第62/624,299号、および2017年6月21日に出願された米国仮出願第62/523,202号を参照により本明細書に組み込み、これらのそれぞれの内容全体は、それぞれの全体において参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
プロバイオティクス細菌が、例えばクローン疾患および炎症性腸症候群のような胃腸障害を含む、消化管に関連する様々な疾患または障害の処置または予防に有用であることを示唆する科学的エビデンスが増えている。より近年、遺伝子操作された細菌は胃腸疾患のための潜在的な新しい治療方法処置様式として出現し、そしてまた、細菌治療の分野を、代謝疾患、炎症性疾患、および癌を含む多数の他の適応症に開いた。遺伝子操作された細菌の1つの利点は、1つ以上の疾患メカニズムを特異的に標的とすることができることである。例えば、胃腸障害の場合、細菌は、例えば、国際公開第2016141108号に記載されるように、抗炎症剤または破壊された消化管バリアの治癒を助ける薬剤、例えば、短鎖脂肪酸ブチラートの発現のための遺伝子を含むように操作され得る。遺伝子操作された細菌は、代謝またはIEMにおける先天性エラーから生じる稀な代謝障害を含むが、これらに限定されない、様々な代謝障害の処置様式と見なすこともできる。例えば、国際公開第2016090343号に記載されるように、細菌は、フェニルアラニンを代謝する1つ以上の酵素を発現し、それによって胃腸管内の過剰なフェニルアラニンを消費することによって、フェニルケトン尿症(PKU)を処置するように遺伝子改変されている。
バクテリオファージは世界で最も一般的な生物学的実体であり、グラム陽性およびグラム陰性の両方の大多数の細菌種が細菌染色体中にいわゆるプロファージとして組み込まれる1つ以上のDNAバクテリオファージを含むことが十分に実証されている(Clokieら、Phages in Nature、Bacteriophage.2011年1月−2月;1(1):31−45頁)。
DNAファージは、溶菌性であっても、テンペレート(temperate)であってもよい。溶菌性ファージは細菌細胞に感染し、その後、溶解した細胞から放出される子孫ファージの合成をプログラムする。逆に、テンペレートfDNAファージはそれらの宿主細菌と安定な関係を確立し、組み込まれたファージDNA(即ち、プロファージ)は宿主のゲノムと協調して複製され、宿主に損傷を与えるファージ遺伝子は発現されない。しかし、バクテリオファージ粒子はインタクトプロファージを含む細胞から、誘導と呼ばれるプロセスによって放出され得、その誘導の間に、溶菌性成長に必要なプロファージ遺伝子が作動し、子孫ファージ粒子が産生され、細胞の溶解によって細胞から放出される(Casjens、Prophages and bacterial genomics: what have we learned so far?;Mol Microbiol.2003年7月;49(2):277−300頁において概説されている)。いくつかの場合において、誘導は、プロファージを保有する細菌の小画分または大画分において、自然にかつランダムに起こり得る。他の場合には、特定の、しばしば未定義の環境シグナルが、多くの細胞において特定のプロファージの同時誘導を引き起こし、細菌細胞の死を引き起こし得る。
全てのプロファージが溶菌サイクルを経る能力を有するわけではない。非機能的、すなわち、欠陥(defective)またはクリプティック(cryptic)プロファージは、突然変異による崩壊および/または何千もの細菌複製サイクルにわたる溶菌サイクルに必須の1つ以上の遺伝子の損失の結果として、多くの細菌において高レベルの存在量に達し得る(Bobayら、Pervasive domestication of defective prophages by bacteria、Proc Natl Acad Sci USA.2014年8月19日; 111(33):12127−12132頁、およびその中の参考文献)。
いくつかの実施形態では、本開示は、1つ以上のファージゲノムを含む細菌であって、前記ファージゲノムの1つ以上は欠陥がある、細菌を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、1つ以上のファージゲノムを含む細菌であって、前記ファージゲノムの1つ以上は溶菌性ファージが産生されないように欠陥がある、細菌を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、1つ以上のファージゲノムを含む細菌であって、前記ファージゲノムの1つ以上は、1つ以上のファージ遺伝子が発現されない点で欠陥がある、細菌を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、1つ以上のファージゲノムを含む細菌であって、前記1つ以上のファージゲノム中の1つ以上のファージ遺伝子は、1つ以上の突然変異を含む、細菌を提供する。いくつかの実施形態では、前記1つ以上のファージゲノムは、前記プロバイオティクス細菌の自然状態において存在する。いくつかの実施形態では、前記細菌は1つ以上の溶原性ファージをコードする。いくつかの実施形態では、前記細菌は、1つ以上の欠陥ファージまたはクリプティックファージまたはサテライトファージをコードする。いくつかの実施形態では、前記細菌は、1つ以上のテリオオシン(tailiocin)または遺伝子導入剤をコードする。
本開示のいくつかの実施形態では、前記ファージゲノムの1つ以上は突然変異している。そのような突然変異は、1つ以上のファージ遺伝子の一部の配列または完全な配列の1つ以上の欠失を含み得る。あるいは、前記突然変異は、1つ以上のファージ遺伝子への1つ以上のヌクレオチドの1つ以上の挿入を含み得る。別の実施形態では、前記突然変異は、1つ以上のファージ遺伝子の一部の配列または完全な配列の1つ以上の置換を含み得る。別の実施形態では、前記突然変異は、前記ファージゲノム中の1つ以上のファージ遺伝子の一部の配列または完全な配列の1つ以上の逆位を含む。さらに、前記突然変異は、1つ以上の欠失、挿入、置換または逆位の任意の組合せを含み得る。特定の実施形態では、前記1つ以上の突然変異は、前記細菌からのファージ粒子の産生および放出を、前記1つ以上のファージゲノム中に前記1つ以上の標的化突然変異を有さない同じ細菌と比較して低減または防止する。いくつかの実施形態では、前記細菌はプロバイオティクス細菌である。そのようなプロバイオティクス細菌の非限定的な例としては、バクテロイデス属(Bacteroides)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、クロストリジウム属(Clostridium)、エシェリヒア属(Escherichia)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、およびラクトコッカス属(Lactococcus)が挙げられる。いくつかの実施形態では、前記細菌は、大腸菌(Escherichia coli)株Nissleである。いくつかの実施形態では、突然変異した前記ファージゲノムは、大腸菌Nissleファージ1ゲノム、大腸菌Nissleファージ2ゲノムおよび/または大腸菌Nissleファージ3ゲノムである。一実施形態では、前記突然変異したファージゲノムは、前記大腸菌Nissleファージ3ゲノムである。一実施形態では、前記突然変異は、以下から選択される1つ以上の遺伝子内に位置するか、または以下から選択される1つ以上の遺伝子を含む:ECOLIN_09965、ECOLIN_09970、ECOLIN_09975、ECOLIN_09980、ECOLIN_09985、ECOLIN_09990、ECOLIN_09995、ECOLIN_10000、ECOLIN_10005、ECOLIN_10010、ECOLIN_10015、ECOLIN_10020、ECOLIN_10025、ECOLIN_10030、ECOLIN_10035、ECOLIN_10040、ECOLIN_10045、ECOLIN_10050、ECOLIN_10055、ECOLIN_10065、ECOLIN_10070、ECOLIN_10075、ECOLIN_10080、ECOLIN_10085、ECOLIN_10090、ECOLIN_10095、ECOLIN_10100、ECOLIN_10105、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、ECOLIN_10175、ECOLIN_10180、ECOLIN_10185、ECOLIN_10190、ECOLIN_10195、ECOLIN_10200、ECOLIN_10205、ECOLIN_10210、ECOLIN_10220、ECOLIN_10225、ECOLIN_10230、ECOLIN_10235、ECOLIN_10240、ECOLIN_10245、ECOLIN_10250、ECOLIN_10255、ECOLIN_10260、ECOLIN_10265、ECOLIN_10270、ECOLIN_10275、ECOLIN_10280、ECOLIN_10290、ECOLIN_10295、ECOLIN_10300、ECOLIN_10305、ECOLIN_10310、ECOLIN_10315、ECOLIN_10320、ECOLIN_10325、ECOLIN_10330、ECOLIN_10335、ECOLIN_10340、およびECOLIN_10345。一実施形態では、前記突然変異、例えば1つ以上の欠失は、以下から選択される1つ以上の遺伝子内に位置するか、または以下から選択される1つ以上の遺伝子を含む:ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175。本明細書に開示される細菌と、薬学的に許容される担体とを含む、薬学的に許容される組成物。
いくつかの実施形態では、前記細菌は、1つ以上のエフェクター分子の発現のための1つ以上の回路をさらに含む。
いくつかの実施形態では、本開示は、高フェニルアラニン血症を軽減するための組成物および治療方法に関する。いくつかの実施形態では、前記組成物は、フェニルアラニン代謝酵素(PME)を発現することができる遺伝子操作された細菌を含む。例えば、参照によりその内容全体が本明細書に援用されるWO2017087580A1を参照されたい。フェニルアラニンは、食品タンパク質において主に見出される必須アミノ酸である。典型的に、少量がタンパク質合成のために利用され、残りは、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)および補因子テトラヒドロビオプテリンを必要とする酵素経路においてチロシンにヒドロキシル化される。高フェニルアラニン血症は、有毒であり、脳障害を引き起こす可能性がある、過剰なレベルのフェニルアラニンに関連する疾患の群である。原発性高フェニルアラニン血症は、PAH遺伝子の突然変異および/または補因子代謝の遮断によって生じるPAH活性の欠損によって引き起こされる。
フェニルケトン尿症(PKU)は、PAH遺伝子の突然変異によって引き起こされる高フェニルアラニン血症の重症型である。PKUは、世界中で最も一般的な先天性代謝異常(3,000人の出生のうちで1人)として位置付けられている常染色体性劣性遺伝病であり、米国において約13,000人の患者に影響を及ぼしている。400超の異なるPAH遺伝子突然変異が同定されている(Hoeksら、2009年)。血液中のフェニルアラニン(phe)の蓄積は、小児および成人の中枢神経系に深刻な損傷を引き起こす可能性がある。新生児で未処置の場合、PKUは不可逆的な脳損傷を引き起こす可能性がある。PKUの処置は現在、食事からフェニルアラニンを完全に排除することを含む。タンパク質のほとんどの天然源は、必須アミノ酸であり成長に必要なフェニルアラニンを含有する。これは、PKUの患者が、成長のためにちょうど十分なフェニルアラニンを供給するアミノ酸サプリメントとともに、医療食品とpheフリータンパク質サプリメントに依存していることを意味する。この食事療法は患者にとっては困難であり、生活の質に影響を与える。
現在のPKU療法は、タンパク質制限からなる大幅に変更された食事を必要とする。一般的に、出生時からの処置により、脳障害および精神遅滞は低減する(Hoeksら、2009年;Sarkissianら、1999年)。しかしながら、タンパク質制限食は注意深くモニターされなければならず、必須アミノ酸およびビタミンが食事中に補われなければならない。さらに、低タンパク質食品へのアクセスは、高タンパク質の変更されていない食品よりもコストがかかるので課題である(Vockleyら、2014年)。PKUを有する小児において、低フェニルアラニン食を続けることで成長遅延が一般的である(Dobbelaereら、2003年)。成人において、骨粗鬆症、母性PKU、およびビタミン欠乏症などの新たな問題が発生する場合がある(Hoeksら、2009年)。血液脳関門を自由に通過することができる血液中の過剰なレベルのフェニルアラニンは、神経学的障害、行動障害(例えば、過敏症、疲労)、および/または身体症状(例えば、痙攣、皮膚発疹、カビ臭い体臭)の原因となる可能性もある。国際的ガイドラインは生涯にわたる食事によるフェニルアラニン制限を推奨しているが、これは困難であり、非現実的であると広範に見なされており(Sarkissianら、1999年)、「PKUを伴う生活にとっての最大の課題である低phe食の生涯にわたる遵守を克服するために、継続的な努力が必要とされる」(Macleodら、2010年)。
残留PAH活性を有する患者のサブセットにおいて、補因子テトラヒドロビオプテリン(THB、BH4、Kuvan、またはサプロプテリンとも称される)の経口投与が、血中フェニルアラニンレベルを低下させるために食事制限と一緒に使用され得る。しかしながら、補因子療法はコストがかかり、フェニルケトン尿症の軽症型に適しているだけである。Kuvanの年間コストは、例えば、患者1人当たり57,000ドルもの高さになる場合がある。さらに、Kuvanの副作用には、胃炎および重度のアレルギー反応(例えば、喘鳴、立ちくらみ、吐き気、皮膚の潮紅)が含まれ得る。
酵素フェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)は、フェニルアラニンを無毒なレベルのアンモニアおよびトランス−ケイ皮酸に代謝することができる。PAHと異なり、PALは、フェニルアラニンを代謝するためにTHB補因子活性を必要としない。PALを使用した経口酵素療法の研究が行われているが、「PALは手頃なコストにて十分な量で利用できないので、ヒトおよび動物でさえも研究は継続されなかった」(Sarkissianら、1999年)。組換えPAL(PEG−PAL)のペグ化形態もまた、注射可能な処置形態として開発中である。しかしながら、PEG−PALを投与されたほとんどの対象は、注射部位反応に悩まされ、かつ/またはこの治療用酵素に対する抗体が発生した(Longoら、2014年)。したがって、PKUを含む高フェニルアラニン血症に関連する疾患のための、効果的で、信頼性の高い、かつ/または長期的な処置に対する大きな満たされていない必要性が存在している。より多くの天然タンパク質の消費を可能にしながら、患者の血中Pheレベルを制御する処置に対する満たされていない必要性が存在している。
いくつかの実施形態では、本開示は、フェニルアラニンアンモニアリアーゼおよび/またはフェニルアラニンヒドロキシラーゼおよび/またはL−アミノ酸デアミナーゼをコードおよび発現し、高フェニルアラニン血症を軽減することができる遺伝子操作された細菌を提供する。フェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)酵素は、フェニルアラニンを無毒なレベルのアンモニアおよびトランス−ケイ皮酸(transcinnamic acid)に代謝することができる。PAHとは異なり、PALはフェニルアラニンを代謝するためにTHB補因子活性を必要としない。L−アミノ酸デアミナーゼ(LAAD)は、フェニルアラニンの酸化的脱アミノ化を触媒して、フェニルピルビン酸、ならびに微量のアンモニアおよび過酸化水素を生成する。フェニルピルビン酸(PPA)は、医薬品、食品、および化学工業において広範に使用されており、PPAは、多くのキラル薬および食品添加物の製造における原料中間体であるD−フェニルアラニンを合成するための出発物質である。したがって、LAADは工業的PPA生産の観点から研究されている(Houら、2015年、Appl Microbiol Biotechnol.2015年10月;99(20):8391〜402頁;「Production of phenylpyruvic acid from L−phenylalanine using an L−amino acid deaminase from Proteus mirabilis:comparison of enzymatic and whole−cell biotransformation approaches」)。フェニルピルビン酸は、血液脳関門を横切ることができず(Steele、Fed Proc.1986年6月;45(7):2060〜4頁;「Blood−brain barrier transport of the alpha−keto acid analogs of amino acids.」、この変換はPKUの神経学的表現型を制御する際に有用であることを示している。
特定の態様では、本開示は、哺乳動物の高フェニルアラニン血症を軽減することができる遺伝子操作された細菌に関する。特定の態様では、本明細書に開示される組成物および方法は、高フェニルアラニン血症(例えば、フェニルケトン尿症)に関連する疾患を処置するために使用され得る。特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は非病原性であり、フェニルアラニンの毒性レベルを低下させるために消化管に導入され得る。特定の実施形態では、フェニルアラニンアンモニアリアーゼおよび/またはフェニルアラニンヒドロキシラーゼおよび/またはL−アミノ酸デアミナーゼは遺伝子操作された細菌によって安定に産生され、かつ/または遺伝子操作された細菌はin vivoおよび/またはin vitroで安定に維持される。特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、フェニルアラニンの取り込みを増加させるためのフェニルアラニントランスポーター遺伝子をさらに含む。本発明は、遺伝子操作された細菌を含む医薬組成物、ならびに高フェニルアラニン血症に関連する障害をモジュレートおよび処置する方法も提供する。
遺伝子操作された細菌は、バイオセイフティーおよび/または生物学的封じ込め、例えば、死滅スイッチ、遺伝子ガードシステムおよび/または栄養要求性に関連する1つ以上の遺伝子配列も含み得る。いくつかの実施形態では、操作された細菌は、抗生物質耐性遺伝子を含み得る。これらの遺伝子配列の発現は、本明細書に開示されるプロモーター系のいずれかなどのさまざまなプロモーター系を使用して調節され得、当該プロモーター系は、1つ以上の異なる遺伝子を調節するための同じプロモーターの使用を含んでもよく、異なる遺伝子を調節するための同じプロモーターの異なるコピーの使用を含んでもよく、かつ/または異なる遺伝子の発現を調節するために組み合わせて使用される異なるプロモーターの使用を含んでもよい。遺伝子発現を制御するために異なる調節系またはプロモーター系を使用することによって、柔軟性(例えば、異なる環境条件下で遺伝子発現を差異的に制御する能力および/または遺伝子発現を時間的に制御する能力)がもたらされ、また遺伝子発現を「微調整」する能力ももたらされ、これら調節のいずれかまたはすべてが遺伝子発現および/または細菌の増殖を最適化するのに役立ち得る。
いくつかの実施形態では、細菌は、低酸素条件で、疾患もしくは組織特異的分子または代謝産物の存在下で、炎症または炎症反応または免疫抑制、肝臓障害、代謝疾患に関連する分子または代謝産物の存在下で、あるいは消化管または腫瘍微小環境に存在しても存在しなくてもよい何らかの他の代謝産物の存在下で、任意の1つ以上のエフェクター分子を発現することができる。いくつかの実施形態では、任意の1つ以上の回路が1つ以上のプラスミド(例えば、高コピーまたは低コピー)上に存在するか、または細菌染色体中の1つ以上の部位に組み込まれる。また、いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、のうちの1つ以上をさらに含む:(1)当技術分野で公知であり、本明細書で提供される任意の栄養要求性(例えば、thyAまたはdapB栄養要求性)などの1つ以上の栄養要求性、(2)本明細書に記載されているか、または当技術分野で公知の死滅スイッチのいずれかなどの1つ以上の死滅スイッチ回路、(3)1つ以上の抗生物質耐性回路、(4)本明細書に記載されているか、または当技術分野で公知のトランスポーターのいずれかなどの生物学的分子または基質を取り込むための1つ以上のトランスポーター、(5)本明細書に記載されていて、そうでなければ当技術分野で公知の分泌回路のいずれかなどの1つ以上の分泌回路、および(6)そのような追加回路の1つ以上の組み合わせ。細菌の組成物、ならびに1つ以上の疾患もしくは障害の処置、予防または管理のための方法も提供される。
図1Aは、PHAST分析からのEcNゲノム(CP007799.1)上の予測されるファージの位置の概略図を示す。3つの高スコアのインタクトファージは、ファージ1〜3とラベル付けされている。ファージ1(PHASTスコア110)は長さ18.8kbであり、EcNゲノム内の座標241,563〜260,441にわたる。ファージ2(PHASTスコア150)は長さ52.4kbであり、1,325,883〜1,378,287にわたる。ファージ3(PHASTスコア150)は59kbの長さであり、3,405,101〜3,418,180にわたる。また、PHASTアルゴリズムによって「不完全」または「疑わしい」と指定された、いくつかの低スコアファージも同定され、それらはファージの主要成分のすべてを含まず、したがって、部分的なファージまたは偽陽性予測を表す可能性がある。略語:EcN=大腸菌Nissle1917;PHAST=ファージ・サーチ・ツール・ソフトウェア(Phage Search Tool software);kb=キロ塩基。図1Bは、PHASTERスコアリングによる、Nissleゲノム中の5つの推定プロファージ(3つのインタクトプロファージ、1つの不完全なプロファージ、および1つの疑わしいプロファージ)を説明する表を示す。 Phastツールを使用した、Nissleにおける3つの高スコアファージのうちの1つであって、本明細書で「ファージ1」と呼ばれ、ファージのすべての主要成分を含むものを示す概略図である。推定遺伝子は、Hyp=仮想、PLP=他のファージ様タンパク質、Oth=その他、RNA=tRNA、TRA=トランスポザーゼとラベル付けされている。 Phastツールを使用した、Nissleにおける3つの高スコアファージのうちの1つであって、本明細書で「ファージ2」と呼ばれ、ファージのすべての主要成分を含むものを示す概略図である。推定遺伝子は、Hyp=仮想、PLP=他のファージ様タンパク質、Oth=その他、RNA=tRNA、TRA=トランスポザーゼ、Lys=溶解、Ter=ターミナーゼ、Coa=コート、Sha=尾部シャフト、Fib=尾部繊維とラベル付けされている。 Phastツールを使用した、Nissleにおける3つの高スコアファージのうちの1つであって、本明細書で「ファージ3」と呼ばれ、ファージのすべての主要成分を含むものを示す概略図である。推定遺伝子は、Hyp=仮想、PLP=他のファージ様タンパク質、Oth=その他、RNA=tRNA、TRA=トランスポザーゼ、Lys=溶解、Ter=ターミナーゼ、Coa=コート、Sha=尾部シャフト、Fib=尾部繊維とラベル付けされている。 図5Aは、Phastツールを用いて同定された2つのより低いスコアの「不完全」ファージまたは「疑わしい」ファージのうちの最初のものを示す。推定遺伝子は、Hyp=仮想、PLP=他のファージ様タンパク質、Oth=その他、RNA=tRNA、TRA=トランスポザーゼ、int=インテグラーゼ、Att=接着部位とラベル付けされている。図5Bは、Phastツールを用いて同定された2つのより低いスコアの「不完全」ファージまたは「疑わしい」ファージのうちの2番目のものを示す。推定遺伝子は、Hyp=仮想、PLP=他のファージ様タンパク質、Oth=その他とラベル付けされている。 予測されたNissleファージ3配列(59,056bp)の概略図である。 SYN−PKU−2002で用いられているファージ3ゲノム内のファージ3欠失の概念図である。 例えばSYN−PKU−2002に含まれるような、ノックアウト欠失を含む49,496bpのファージ3配列を示す概念図である。 例えばSYN−PKU−2002で欠失されたように、ファージを不活性化するために欠失され得るファージのセクションの概念図である。 他の大腸菌株の配列にアラインメントする43kbファージ3配列内の部分領域を示す概略図である。ファージ3として同定された配列を、NCBIからダウンロードした5691の大腸菌および赤痢菌のゲノムアセンブリと比較した。左側の列には、分析において陽性であった大腸菌ゲノムの受託番号が列挙されている。図の上部には、配列の開始からのkb数に応じたDNA配列の座標がある。線は、ファージ3のDNA配列とアラインメントする各特定の大腸菌ゲノム由来の配列を示す。略語:E.coli=大腸菌(Escherichia coli);kb=キロ塩基;NCBI=米国国立生物工学情報センター;DNA=デオキシリボ核酸。 他の大腸菌株の配列にアラインメントする43kbファージ3配列内の部分領域を示す概略図である。影付きのボックス内の領域は、ファージ3ノックアウト戦略における欠失のための部位として選択された。 Refseq由来の287の大腸菌ゲノムのセットにわたる予測された「インタクト」ファージの数の分布を示す棒グラフである。Refseqデータベースを、公開された完全な大腸菌ゲノム中に存在するインタクトファージの数について分析した。ヒストグラムは非正規分布を示しているが、ほとんどすべての大腸菌ゲノムがインタクトプロファージを含み、公開された完全な大腸菌ゲノムの大部分がEcNよりも多くのインタクトプロファージを含むことは明らかである。略語:E.coli=大腸菌;EcN=大腸菌Nissle1917;Refseq=基準配列。 ファージ特異的PCRプライマーを検証するDNAゲル電気泳動実験を示す図である。EcNゲノムDNAに対するファージ1、2および3ならびにrpoBについてのPCRプライマーペアの性能を示す。略語:bp=塩基対;EcN=大腸菌Nissle;rpoB=細菌RNAポリメラーゼのβサブユニット。 ATCC13706プラークプラグから増幅されたEcNプロファージ領域を示すDNAゲル電気泳動実験を示す図である。略語:bp=塩基対;EcN=大腸菌Nissle1917;rpoB=細菌RNAポリメラーゼのβサブユニット。 SCフェニルアラニン注射の4時間後のベースラインに対する血中フェニーラニン濃度を、SYN−PKU710株とSYN−PKU708株とで比較した図である。体重1gあたり0.1mgの皮下注射により、マウスにフェニルアラニンを単回投与した。Pheチャレンジの1、2および3時間後に、細菌(または水)を強制経口投与(300μl/用量、合計3×e10 cfu/マウス)によってマウスに投与した。SYN−PKU710およびSYN−PKU708におけるΔPheの減少率は、それぞれ29%および40%と計算された。 SYN−PKU−2002におけるTCA産生(図16A)およびフェニルピルビン酸産生(図16B)を示す折れ線グラフである。いずれも、SYN−PKU−2002によるin vitroでのフェニルアラニン分解の尺度である。SYN−PKU−2002は、好気的に(非誘導状態)またはIPTGおよびアラビノースを添加して嫌気的に(誘導状態)、溶原性ブロス(LB)中で増殖させることによって調製された。In vitroでは、フェニルアラニンの存在下での活性化SYN−PKU−2002のインキュベーションは、時間の経過とともにTCAおよびPPの産生をもたらし、SYN−PKU−2002がフェニルアラニンを代謝することができることを実証している。 図17Aおよび図17Bは、ストレプトマイシン耐性Nissleまたはファージフリー株SYN−PKU−2002(ファージフリーのSYN−PKU−710)のいずれかで強制経口投与されたマウスにおけるフェニルアラニンレベルの変化および馬尿酸の回収量を示す。マウスにフェニルアラニン(体重1gあたり0.1mg)を皮下注射により単回投与した。Pheチャレンジの1、2および3時間後に、細菌(または水、示さず)を強制経口投与(3×250ul)によってマウスに投与した。各時点で顎下出血を介して全血を収集し、フェニルアラニンレベルについて分析した。代謝ケージでの尿収集は、最初の細菌投与の直後に開始され、研究期間中収集され続け、馬尿酸レベルについて分析された。 Pheチャレンジ後のフェニルアラニンレベルの変化(図18A)と、示された用量のSYN−PKU−2002で処理した動物から採取した尿からの馬尿酸の回収量(図18B)を示すグラフである。簡単に述べると、動物を代謝ケージに移し(ケージあたり3匹のマウス、群あたり2ケージ)、皮下注射によりフェニルアラニンの単回用量を投与した(体重1グラムあたり0.1mg)。Pheチャレンジの1、2および3時間後に、1×1011、5×1010、2.5×1010、1.25×1010、6.25×10、または3.13×10細胞の用量で、細菌を経口強制経口によってマウスに投与した。1×1011細胞の最高用量で、SYN−PKU901をコントロール群(n=9)に強制経口投与した。Pheチャレンジの4時間後まで、全ての動物から尿を収集した。血清Pheの変化を決定するために、SYN−PKU−2002で処置したマウスとSYN−PKU901で処置したマウスの両方について、最高用量群(1×1011細胞)でT=0時間およびT=4時間での顎下出血によって、血液を採取した。 ファージ含有株SYN−PKU−713とファージフリー株SYN−PKU−2001との間のin vivo競合実験の結果を示すグラフである。マウスに等量(約3×10の細胞)を3日間毎日投与した。実施例に記載されているように、毎日糞便ペレットを収集し、2つの株の異なる抗生物質耐性に基づいてプレーティングアッセイでCFUを決定した。結果は、NissleのファージフリーPKU株SYN‐PKU‐713とSYN‐PKU‐2001株との間で、輸送またはコロニー形成に大きな差異がないことを示している。 SYN−PKU−2001の投与前後のさまざまな時点での2匹のブタにおける胃のフェニルピルビン酸の測定値を示すグラフである。 非ヒト霊長類における経口トランス−ケイ皮酸から尿中馬尿酸への変換効率を示すグラフである。NHP(n=6)に13C−トランス−ケイ皮酸(13C−TCA)を経口投与し、6時間かけて尿を採取した。13C−馬尿酸(13C−HA)を質量分析によって測定した。投与された13C−TCAの関数としての回収された尿中13C−HAのパーセンテージが計算され、その後の実験でHA回収の正規化因子として用いられた。この因子は、HAに変換されないか、または不完全な尿収集によって失われるTCAを説明するため、株活性のより正確な説明を可能にする。 図22A、B、C、DおよびEは、非ヒト霊長類(NHP)におけるプロファイリングおよび有効性を示すグラフである。図22Aでは、絶食させたNHP(n=6)に、5gのペプチド(左)もしくはモックチャレンジ(右)のみ(黒色バー)、または5gのペプチド(左)もしくはモックチャレンジ(右)を5×1011細胞のSYN−PKU−2002とともに(ストライプバー)投与し、尿を6時間収集した。正規化されたHA回収量は、平均±標準偏差として示されている。図22Aで実施された研究中にSYN−PKUを投与された動物はまた、ペプチドまたはモックチャレンジの1時間後に13C−フェニルアラニンを静脈内(IV)投与された(図22B)。正規化された尿中13C−HA(これは、静脈内投与された13C−Pheにのみ由来し得る)は、ペプチドチャレンジを投与された動物において見出され、黒色の棒として表示される。絶食させたままの動物では、尿中13C−HAは回収されなかった。図22Cでは、絶食させたNHPは、SYN−PKU−2002の投与のありまたはなしで、d−フェニルアラニン(d−Phe)を経口投与された。破線は投与されたd−Pheの量を表す。d−馬尿酸(d−HA)は、SYN−PKU−2002(ストリップバー)を投与された動物にのみ見出された。データは、正規化されたd−HA回収量の平均±標準偏差(n=6)を表している。血清d−Pheは、SYN−PKU−2002(薄い灰色の線)またはモック投与(濃い灰色の線)を受けたNHPにおいて測定された(図22D)。データは、d−Phe濃度の平均±標準偏差(n=6)を表している。図22Eでは、NHPは、d−Pheのみを投与されたか、またはd−PheをSYN−PKU−2002の5×1011個の細胞と共に投与された。血液を6時間にわたって収集し、血清d−Pheの曲線下面積を計算した。データは、AUC±90%信頼水準の上限および下限をそれぞれ示す。 非ヒト霊長類の血清におけるSYN−PKU−2002特異的代謝産物の検出を示すグラフである(図23Aおよび図23B)。LC‐MS/MSを用いて、d5‐HA(図23A)およびd5‐TCA(図23B)の血清濃度を、d5‐PheとSYN‐PKU‐2002を経口投与した非ヒト霊長類において測定した。SYN−PKU−2002の非存在下でd5−Pheを投与した場合、検出可能なd5−HAまたはd5−TCAは検出されなかった(データ示さず)。これらの代謝産物の存在は、これらの動物におけるSYN−PKU−2002特異的活性を実証している。 NHPにおけるトランス−ケイ皮酸の尿中馬尿酸への変換を示す図である(図24Aおよび図24B)。 SYN−PKU−2002が、健康な非ヒト霊長類(NHP)において経口投与されたときに、Pheを代謝することを示すグラフである。SYN−PKU−2002の強制経口投与は、放射性標識Pheと一緒にタンパク質チャレンジを投与したときに観察される血中Pheレベルのスパイクを低減する。 図26A、図26B、図26C、および図26Dは、SYN−PKU−2002およびタンパク質ミール(meal)の単回投与時の、非ヒト霊長類におけるSYN−PKU−2002用量依存的なPheの変換と血漿バイオマーカーの産生を示すグラフであり、NHPモデルにおけるSYN−PKU−2002の著しい活性および有効性を示している。絶食させたNHP(1用量群あたりn=5)に、SYN−PKU−2002の指示用量(CFU)とともに5gのペプチドボーラスを投与した。尿を6時間にわたって収集し、血清を0、0.5、1、2、4および6時間で収集した。図26Aは、平均±標準偏差として示された、用量群からの正規化された尿中HA回収量を示すグラフである。図26Bおよび図26Cは、血清HAおよび血清TCAの濃度について計算されたAUCを示すグラフである。白色のバーは、平均AUC±標準偏差を表す。図26Dは、示された時点で決定された血清Phe濃度を示すグラフである。用量反応で投与された3つの最高用量は、これらの3つの用量が血清PheのAUCの有意な減少を示したので、細胞なしのコントロールと比較して示されている(p<0.05)。 NHPにおける、カゼインからのPheのSYN−PKU−2002用量依存的変換(図27A)、TCAレベル(図27B)、および馬尿酸(図27C)示すグラフである。血液代謝産物を6時間収集した。 タンパク質摂取量の増加をもたらす、NHPにおけるPheのSYN−PKU−2002変換を示すグラフであり、当該タンパク質摂取量の増加は、PKU患者のタンパク質摂取量の2.5倍の増加に相当する。 SYN−PKU−2002のin vitro活性を示すグラフである。1×10個の活性細胞を、50mMのPheアッセイ緩衝液中で、PAL活性(濃い青棒、左のy軸)およびLAAD活性(水色棒、右のy軸)について分析した。細胞を、L−アラビノースで(+ara)、IPTGで(+IPTG)または嫌気性チャンバー中で(−O)プレ誘導し、TCAおよびPPの速度を、経時的なTCAおよびPP産生の線形回帰によって計算した。グラフには、3つの生物学的複製の平均および標準偏差が表示されている。 In vitroでのSYN−PKU−2002増殖に対するdapA欠失の効果を示すグラフである。大腸菌Nissle(EcN)およびdapA遺伝子中に突然変異を含むSYN‐PKU‐2002の増殖を特徴づけるために、両方の株を、ジアミノピメリン酸(DAP;100μg/mL)を含む(+)または含まない(−)LB中にて、37℃で960分間、一定の振盪下でインキュベートした。OD600を10分毎に測定して、経時的な細胞増殖を評価した。3つの生物学的複製と2つの技術的複製の平均を、各時点についてプロットする。データは、SYN−PKU−2002が増殖培地に外因性DAPを添加しないと増殖できないことを示している。 ペプチドに対するSYN−PKU−2002のPAL活性を示したグラフである(図31Aおよび図31B)。SYN−PKU−2002をバイオリアクター中で増殖させ、PALおよびLAAD活性について誘導した。活性化された細胞を、遊離Phe、Phe−Pro、Phe−Gly−Gly、Phe−Val、Gly−Pheの形態の50mM Pheを含むPheアッセイ培地中にて、または5g/Lのペプトンもしくはトリプトン中にて、37℃で60分間インキュベートした。産生されたトランス‐ケイ皮酸(図31A)またはフェニルピルビン酸(図31B)の総濃度をLC‐MS/MSにより経時的に決定し、TCAおよびPPの産生速度を線形回帰によって計算した。有意なPAL活性が全ての基質で観察された。LAAD活性は、遊離Pheを基質として使用した場合にのみ観察され、複雑な基質であるペプトンまたはトリプトンを使用した場合には活性が少なくなった。グラフには、3つの生物学的複製の平均および標準偏差が示されている。 さまざまな濃度のジアミノピメリン酸におけるジアミノピメリン酸栄養要求株であるSYN766の増殖特性を示すグラフである。SYN766(大腸菌Nissle1917、ΔdapA)を、一定の振盪下で、37℃で960分間、減少する濃度のDAPを含む増殖培地中でインキュベートした。経時的な細胞増殖を評価するために、OD600を10分毎に測定した。3つの生物学的複製の平均を、各時点についてプロットする。 ジアミノピメリン酸を含まないLB増殖培地における大腸菌Nissleのさまざまな株の増殖特性を示すグラフである。DAPの非存在下でのEcNのさまざまな改変株の増殖特性を特徴付けるために、培養物を、DAPを含まないLB中、37℃で960分間、一定の振盪下でインキュベートした。経時的な細胞増殖を評価するために、OD600を10分毎に測定した。3つの生物学的複製および2つの技術的複製の平均を、各時点についてプロットする。 100μg/mLのジアミノピメリン酸を含むLB増殖培地におけるEcNのさまざまな株の増殖特性を示すグラフである。DAPの存在下でのEcNのさまざまな改変株の増殖特性を特徴付けるために、それらを、100μg/mLのDAPを含む増殖培地中、37℃で960分間、絶えず振盪しながらインキュベートした。経時的な細胞増殖を評価するために、OD600を10分毎に測定した。3つの生物学的複製の平均を、各時点についてプロットする。 C57BL/6マウスにおけるEcNの生存および輸送に対するDAP栄養要求性およびPhe分解活性の効果を示す図である(図35A、B、およびC)。図35Aは、群1のマウス(SYN−PKU901/SYN766)における糞便クリアランスに対するDAP栄養要求性の効果を示す。図35Bは、群2のマウス(SYN−PKU901/SYN3282)における糞便クリアランスに対するPhe分解についての遺伝子操作の効果を示す。図35Cは、群3のマウス(SYN−PKU−2001/SYN3282)における糞便クリアランスに対するPhe分解およびDAP栄養要求性についての遺伝子操作の効果を示す。混合用量の細菌をC57BL/6マウス(n=5)に経口投与した。投与された細菌の数を決定するために、CFUカウントのために用量を4連で(in quadruplicate)プレーティングした。各時点で、糞便を収集し、ホモジナイズし、抗生物質選択培地での細菌CFU決定のためにプレーティングした。各時点について、データは5つの糞便サンプルの平均CFU/mgカウント±標準偏差を表し、付録に別段の記載がない限り、投与した最初のCFUの割合として各株について正規化されている。この正規化により、T=0で投与された各株の実際のCFUが変動しても、群内の2つの株の間の生存/クリアランスの直接的な比較が可能になる。 C57BL/6マウスにおけるEcN輸送およびクリアランスに対するDAP栄養要求性およびPhe分解活性の効果を示す図である(図36A〜F)。SYN−PKU901またはSYN−PKU−2001をC57BL/6マウスに経口投与した(9×10CFU/用量、n=3/時点)。示された時間に、胃(A)、上部小腸(B)、中小腸(C)、下部小腸(D)、盲腸(E)および結腸(F)からの流出液を収集し、CFUカウントのためにプレーティングした。CFUの決定は、抗生物質選択培地での微量希釈によって行われた。各時点について、データは、3つの流出液サンプルから決定されたCFU±標準偏差を表す。投与後48時間では、いずれのサンプルにおいてもCFUは測定されず、完全な細菌クリアランスを示した。 SYN−PKU−2002ゲノムの概略図である。SYN−PKU−2002におけるゲノム改変部位の位置が示され、kbpの指定は、0/5.4Mb参照マーカーに対する染色体の位置を示している。染色体の複製起点を赤色の線で示す。緑色のテキストボックスはPheP遺伝子の挿入を示し、紫色のテキストボックスはPAL遺伝子の挿入を示し、オレンジ色のテキストボックスはLAAD遺伝子の挿入を示し、Δ記号の付いた灰色のテキストボックスはdapAおよびΦ欠失の位置を示す。括弧内のイタリック体の遺伝子名は、挿入された遺伝子を囲む上流および下流の遺伝子を指す。 SYN−PKU−2002およびタンパク質ミール(meal)の単回投与時の、非ヒト霊長類におけるSYN−PKU−2002用量依存的なPheの変換と血漿バイオマーカーの産生を示す図であり、NHPモデルにおけるSYN−PKU−2002の著しい活性および有効性を示している。絶食させたNHP(1用量群あたりn=5)に、SYN−PKU−2002の指示用量(CFU)とともに5gのペプチドボーラスを投与した。時間0での投与後、0、0.5、1、2、4および6時間で血漿を収集した。各点は、投与後の時点で血漿中において測定されたHA濃度を表す。標準偏差は、各点における縦棒として示されている。 非ヒト霊長類の胃腸管内でのSYN−PKU−2001の特性評価を示す図である。カニクイザルに5.5グラムのペプトン、5mLの0.36M重炭酸ナトリウム、25mg/kgのD5−フェニルアラニン、およびSYN−PKU−2001を投与し、投与後0.5時間または2時間で安楽死させた。安楽死させた後、胃腸管のさまざまなセクションから組織サンプルを収集し、分析して、各セクションにおけるPheおよびSYN−PKU−2001の濃度を決定した。
一態様では、本開示は、内因性ファージを含み、ファージ配列に対する1つ以上の改変を含む細菌を提供する。いくつかの実施形態では、改変はプロファージ配列の特性を変化させる。このような突然変異は、1つ以上のファージ遺伝子の1つ以上の部分的または完全な欠失、1つ以上のファージ遺伝子への1つ以上のヌクレオチドの1つ以上の挿入、ファージゲノム中の1つ以上のファージ遺伝子の1つ以上の部分的または完全な置換、1つ以上のファージ遺伝子の1つ以上の逆位、またはそれらの組み合わせを含む。
本開示は、障害の処置のための新規な細菌を含む組成物を提供し、当該細菌はそれらの自然状態において1つ以上のバクテリオファージまたはプロファージを含む。いくつかの実施形態では、細菌は、1つ以上のファージのゲノムに対する1つ以上の改変を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の改変は、ファージまたはプロファージを不活性にする。いくつかの実施形態では、これらの細菌は、1つ以上のエフェクター分子の発現または産生のための1つ以上の遺伝子を含むように、さらに遺伝子改変される。障害の処置のための新規な治療におけるこれらの遺伝子操作された細菌の生産および使用のための方法が提供される。
一実施形態では、大腸菌Nissleは、遺伝子操作された細菌の出発点、親株、または「シャシー(chassis)」として使用される。一実施形態では、改変されたバクテリオファージは、そのファージにおいて大腸菌Nissleに内因性であるファージであり、その自然状態で細菌中に存在する。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つ以上のエフェクター(例えば、PME)をコードする1つ以上の遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PALをコードする1つ以上の遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、LAADをコードする1つ以上の遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PALをコードする1つ以上の遺伝子およびLAADをコードする1つ以上の遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、トランスポーター(例えば、PheP)をコードする1つ以上の遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、トランスポーター(例えば、PheP)をコードする1つ以上の遺伝子およびPALをコードする1つ以上の遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、トランスポーター(例えば、PheP)をコードする1つ以上の遺伝子およびLAADをコードする1つ以上の遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、トランスポーター(例えば、PheP)をコードする1つ以上の遺伝子、LAADをコードする1つ以上の遺伝子、およびPALをコードする1つ以上の遺伝子を含む。前述の実施形態のいずれかにおいて、フェニルアラニンの消費のための遺伝子操作された細菌は、その元の状態に対して1つ以上をさらに含む。いくつかの実施形態では、内因性バクテリオファージゲノム。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、バクテリオファージゲノム内の1つ以上の遺伝子において突然変異されている。そのような突然変異は、欠失、挿入、置換および逆位を含み、1つ以上のバクテリオファージ遺伝子内に位置するか、または1つ以上のバクテリオファージ遺伝子を含む。
バクテリオファージは世界で最も一般的な生物学的実体であり、グラム陽性およびグラム陰性の両方の細菌種の大部分が、細菌染色体中にいわゆるプロファージとして組み込まれている1つ以上のDNAバクテリオファージを含むことが十分に実証されている(Clokieら、Phages in Nature、Bacteriophage.2011年1月−2月; 1(1):31−45頁)。例えば、大腸菌株に関する2つの別々の研究では、分析された27の大腸菌株から51の異なる機能性ファージが放出され、試験された107の大腸菌株のうち83が少なくとも1つの機能性ファージタイプを放出することが示された(Casjens, Prophages and bacterial genomics: what have we learned so far?; Mol Microbiol. 2003年7月;49(2):277−300頁;Osawaら, Genotypic variations of Shiga toxin−converting phages from enterohaemorrhagic Escherichia coli O157:H7 isolates; J Med Microbiol (2001年) 49: 565−574頁、およびSchicklmaierら, A comparative study on the frequency of prophages among natural isolates of Salmonella and Escherichia coli with emphasis on generalized transducers. Antonie Van Leeuwenhoek (1998年) 73: 49−54頁)。
図12に示すように、ほとんどすべての大腸菌ゲノムはインタクトプロファージを含み、公開されている完全な大腸菌ゲノムの大部分はEcNよりも多くのインタクトプロファージを含む。略語:E.coli=大腸菌;EcN=大腸菌Nissle1917;Refseq=基準配列。
グラム陽性菌の中で、枯草菌(B.subtilis)、クロストリジウム・アセトブチリカム(Clostridium acetobutylicum)、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、および他の多くのゲノムは、ほとんどインタクトなプロファージを含むことが示されている(Kunstら、1997年;Bolotinら、The complete genome sequence of the gram−positive bacterium Bacillus subtilis. Nature (2001年) 390: 249−256頁;Nollingら、Genome sequence and comparative analysis of the solvent−producing bacterium Clostridium acetobutylicum. J Bacteriol (2001年) 183: 4823−4838頁;Bolotinら、The complete genome sequence of the lactic acid bacterium Lactococcus lactis ssp. lactis IL1403. Genome Res (2001年) 11: 731−753頁)。
DNAファージは、溶菌性であっても、テンペレート(temperate)であってもよい。溶菌性ファージは細菌細胞に感染し、次いで、子孫ファージの合成をプログラムし、その後、当該子孫ファージが溶解した細胞から放出される。逆に、テンペレートDNAファージは、宿主細菌との安定な関係を確立する。この関係では、組み込まれたファージDNA(すなわち、プロファージ)が宿主のゲノムと協調して複製され、宿主に損傷を与えるファージ遺伝子は発現しない。しかしながら、バクテリオファージ粒子は、誘導と呼ばれるプロセスによってインタクトプロファージを含む細胞から放出され得、その誘導の間に、溶菌増殖に必要なプロファージ遺伝子がオンになり、子孫ファージ粒子が産生され、細胞の溶解によって細胞から放出される(Casjens, Prophages and bacterial genomics: what have we learned so far?; Mol Microbiol. 2003年7月;49(2):277−300頁において概説されている)。誘導は、場合によっては、プロファージを含む細菌のごく一部または大部分において自発的かつランダムに起こり得るか、または、特異的な、多くの場合未定義の環境シグナルが、多くの細胞において特定のプロファージの同時誘導を引き起こし得、細菌細胞の死をもたらす。いくつかの場合には、プロファージ配列の存在はまた、いくつかの細菌がファージなしでは有さない特性(例えば、抗生物質耐性、さまざまな環境条件で存在する能力、接着の改善、病原性、または遺伝子の水平伝播の促進)を有することを可能にし得る(Casjensら、2001年)。
全てのプロファージが溶菌サイクルを経る能力を有するわけではない。非機能性プロファージ、すなわち、欠陥プロファージまたはクリプティックプロファージは、突然変異崩壊および/または何千回もの細菌複製サイクルにわたる溶菌サイクルに必須の1つ以上の遺伝子の喪失の結果として、多くの細菌において高レベルの存在量に達し得る(Bobayら、Pervasive domestication of defective prophages by bacteria, Proc Natl Acad Sci U S A. 2014年8月19日; 111(33): 12127−12132頁、およびその中の参考文献)。注目すべきことに、欠陥プロファージはまた、多くの場合、相同組換え機能を有するタンパク質をコードする遺伝子、さらなる感染の予防またはバクテリオシンを含む、宿主に有利な機能を提供することができる多くの遺伝子を含み、これらは、例えば他の隣接する細菌種の増殖抑制を通じて、栄養素の競争に役立つ可能性がある。
ファージは、多くの方法で、大腸菌における遺伝子発現および適応度にプラスの影響を及ぼすことができる。クリプティックファージ、溶原性ファージ、および溶菌性ファージは、悪環境条件下での生存を促進する複数の利益を宿主にもたらすことが示されている。例えば、ファージによって細菌に導入された遺伝子配列は、異なる栄養素もしくは異なるニッチへの適応、または競合株を排除する能力の増加に関連付けられている。休眠性プロファージはまた、別のファージ(例えば、溶菌性ファージ)による重複感染を防ぐことが示されている。
いくつかの研究は、内因性ファージが特定の炭素源で増殖する細菌の能力に影響を与えることを示している。ラムダに加えて、活性なMu、P1およびP2プロファージならびにクリプティックプロファージCP4−57は、グルコース制限条件および他の増殖条件下で増殖を増加させる(Edlin, G., Lin, L. & Bitner, R. Reproductive fitness of P1, P2, and Mu lysogens of Escherichia coli. J. Virol. 21, 560−564頁(1977年);Edlin, G., Lin, L. & Kudmar, R. λ Lysogens of E. coli reproduce more rapidly than non−lysogens. Nature 255, 735−737頁(1975年);Wang, X., Kim, Y. & Wood, T. K. Control and benefits of CP4−57 prophage excision in Escherichia coli biofilms. ISME J. 3, 1164−1179頁(2009年))。別の研究では、λが大腸菌ゲノムに組み込まれると、貧弱な炭素源で増殖する細胞の能力が停止することが示された。この場合、代謝の制限は、細菌に生存利益を付与し得る。グルコースが乏しい環境で細菌の増殖を遅らせることは、細菌が免疫系による検出を逃れるのを助け、生存の可能性を高める可能性がある。
他の生存特性も同様に影響され得る。Wangらは、9つのクリプティックプロファージのすべてを欠く単一の大腸菌株を作製した。この研究では、これらのプロファージが、浸透圧、酸化および酸のストレスに耐えるために、さまざまな条件下での増殖を増加させ、リンおよび窒素の利用を増強するために、ならびにバイオフィルム形成に影響を与えるために有益であることが示された(Wangら、Cryptic prophages help bacteria cope with adverse environments; DOI: 10.1038/ncomms1146)。病原性細菌プロファージでは、いくつかの研究により、獲得が病原菌の毒性の変化と関連することが示唆されている。
したがって、当業者は、改変、例えば、内因性プロファージの一部または全体の突然変異または欠失が、細菌の適応度を変化させ得る(例えば、ネガティブな影響を与え得る)ことを期待し得る。さらに、内因性プロファージが、このエフェクターを産生することができる遺伝子操作された細菌において、エフェクター活性を変化させ得る(例えば、ネガティブな影響を与え得る)と考える人がいるかもしれない。これは、内因性プロファージが特定の菌株亜型の全ての検体に存在する場合に特に当てはまる−これは、プロファージ配列を含む細菌が、そのプロファージを欠く細菌の形態を進化的に打ち負かすことができたことを示している。
本開示においてさらに記載されるように、特定の条件下で溶解を経ることができ、大腸菌Nissleのすべての検体に存在する、大腸菌Nissle中のプロファージが同定された。驚くべきことに、細菌の適応度、滞留時間および活性の試験は、内因性ファージにおける突然変異または欠失を含む細菌が本質的に同じである(例えば、少なくとも同程度の大きさである)ことを示した。
同様のアッセイ条件下では、株間でPhe分解活性(in vitroまたはin vivoでの)に識別可能な差異はなかった。例えば、同様のアッセイ条件下では、Phe消費は2つの株の間で同じ大きさである(例えば、図15および図17Aを参照のこと)。ファージ含有株とファージフリー株との間のin vivo競合研究は、NissleのファージフリーPKU株の間で輸送またはコロニー形成に識別可能な差異がないことを示している(例えば、図19を参照のこと)。
したがって、いくつかの実施形態では、ファージのゲノムにおける1つ以上の改変、例えば、突然変異または欠失または本明細書に記載の他の改変は、改変または遺伝子操作された細菌の細菌適応度を変化させない。いくつかの実施形態では、1つ以上のファージ改変、例えば、突然変異または欠失または本明細書に記載の他の改変を含む操作された細菌は、ファージ突然変異の非存在下の対応する同質遺伝子株と本質的に同じまたは少なくとも類似の細菌適応度を有する。さらなる実施形態では、ファージのゲノムにおける1つ以上の改変、例えば、突然変異または欠失または本明細書に記載の他の改変は、ファージ突然変異を有さない対応する同質遺伝子株と比較して、エフェクターを産生することができる操作された細菌の株活性(例えば、エフェクター活性または代謝活性)を変化させない。いくつかの実施形態では、1つ以上のファージ改変、例えば、突然変異または欠失または本明細書に記載の他の改変を含む非改変細菌または遺伝子操作された細菌は、ファージ突然変異を有さない対応する同質遺伝子株と比較した場合、本質的に同じまたは少なくとも類似の細菌株活性(例えば、エフェクター活性または代謝活性)を有する。
さらに、いくつかの実施形態では、ファージゲノムにおける1つ以上の改変、例えば、突然変異または欠失または本明細書に記載の他の改変は、操作された細菌の細菌適応度を変化させる(例えば、増加または減少させる)。いくつかの実施形態では、1つ以上のファージ改変、例えば、突然変異または欠失または本明細書に記載の他の改変を含む操作された細菌は、ファージ突然変異を有さない対応する同質遺伝子株と比較して、変化した(例えば、減少または増加した)細菌適応度を有する。いくつかの実施形態では、ファージのゲノムにおける1つ以上の改変、例えば、突然変異または欠失または本明細書に記載の他の改変は、ファージ突然変異を有さない対応する同質遺伝子株と比較して、エフェクターを産生することができる細菌の株活性(例えば、エフェクター活性または代謝活性)を変化させる(例えば、減少または増加させる)。いくつかの実施形態では、1つ以上のファージ改変、例えば、突然変異または欠失または本明細書に記載の他の改変を含む非改変細菌または遺伝子操作された細菌は、ファージ突然変異を有さない対応する同質遺伝子株として、変化(例えば、減少または増加)した細菌株活性(例えば、エフェクター活性または代謝活性)を有する。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つ以上の大腸菌Nissleバクテリオファージ(例えば、ファージ1、ファージ2、およびファージ3)を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ファージ3における1つ以上の突然変異を含む。そのような突然変異は、欠失、挿入、置換および逆位を含み、1つ以上のファージ3遺伝子内に位置するか、または1つ以上のファージ3遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入物は抗生物質カセットを含む。いくつかの実施形態では、突然変異は欠失である。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、以下から選択される1つ以上の遺伝子内に位置するか、または以下から選択される1つ以上の遺伝子を含む:ECOLIN_09965、ECOLIN_09970、ECOLIN_09975、ECOLIN_09980、ECOLIN_09985、ECOLIN_09990、ECOLIN_09995、ECOLIN_10000、ECOLIN_10005、ECOLIN_10010、ECOLIN_10015、ECOLIN_10020、ECOLIN_10025、ECOLIN_10030、ECOLIN_10035、ECOLIN_10040、ECOLIN_10045、ECOLIN_10050、ECOLIN_10055、ECOLIN_10065、ECOLIN_10070、ECOLIN_10075、ECOLIN_10080、ECOLIN_10085、ECOLIN_10090、ECOLIN_10095、ECOLIN_10100、ECOLIN_10105、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、ECOLIN_10175、ECOLIN_10180、ECOLIN_10185、ECOLIN_10190、ECOLIN_10195、ECOLIN_10200、ECOLIN_10205、ECOLIN_10210、ECOLIN_10220、ECOLIN_10225、ECOLIN_10230、ECOLIN_10235、ECOLIN_10240、ECOLIN_10245、ECOLIN_10250、ECOLIN_10255、ECOLIN_10260、ECOLIN_10265、ECOLIN_10270、ECOLIN_10275、ECOLIN_10280、ECOLIN_10290、ECOLIN_10295、ECOLIN_10300、ECOLIN_10305、ECOLIN_10310、ECOLIN_10315、ECOLIN_10320、ECOLIN_10325、ECOLIN_10330、ECOLIN_10335、ECOLIN_10340、およびECOLIN_10345。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175のうちの1つ以上の完全な欠失または部分的な欠失を含む。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170の完全な欠失、ならびにECOLIN_10175の部分的な欠失である。一実施形態では、配列番号130の配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、配列番号130を含む配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281を含む改変ファージゲノム配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281からなる改変ファージゲノム配列を含む。
本開示がより容易に理解され得るために、特定の用語が最初に定義される。これらの定義は、本開示の残りの部分を考慮して、および当業者によって理解されるように読まれるべきである。他に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術および科学用語は、当業者によって一般的に理解されているものと同じ意味を有する。さらなる定義が詳細な説明の全体を通して記載されている。
「高フェニルアラニン血症(Hyperphenylalaninemia)」、「高フェニルアラニン血症(hyperphenylalaninemic)」、および「過剰なフェニルアラニン」は、体内の増加したまたは異常に高い濃度のフェニルアラニンを指すために本明細書において交換可能に使用される。いくつかの実施形態では、高フェニルアラニン血症の診断シグナルは、少なくとも2mg/dL、少なくとも4mg/dL、少なくとも6mg/dL、少なくとも8mg/dL、少なくとも10mg/dL、少なくとも12mg/dL、少なくとも14mg/dL、少なくとも16mg/dL、少なくとも18mg/dL、少なくとも20mg/dL、または少なくとも25mg/dLの血中フェニルアラニンレベルである。本明細書において使用される場合、高フェニルアラニン血症に関連する疾患には、限定されないが、フェニルケトン尿症、古典的または典型的フェニルケトン尿症、異型フェニルケトン尿症、永続的軽度高フェニルアラニン血症、非フェニルケトン尿症高フェニルアラニン血症、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ欠損症、補因子欠損症、ジヒドロプテリジンレダクターゼ欠損症、テトラヒドロプテリンシンターゼ欠損症、および瀬川病が含まれる。罹患者は、進行性および不可逆性の神経学的欠損、精神遅滞、脳症、てんかん、湿疹、低成長(reduced growth)、小頭症、振戦、四肢痙攣、および/または低色素沈着を患う可能性がある(Leonard 2006年)。高フェニルアラニン血症はまた、他の状態、例えば肝疾患に続発する可能性がある。
「フェニルアラニンアンモニアリアーゼ」および「PAL」は、フェニルアラニンをトランス−ケイ皮酸およびアンモニアに変換または処理するフェニルアラニン代謝酵素(PME)を指すために使用される。トランス−ケイ皮酸は、毒性が低く、哺乳動物における肝臓酵素によって、尿中に分泌される馬尿酸に変換される。PALは、過剰のフェニルアラニンを代謝するための酵素PAHの代わりになり得る。PAL酵素活性はTHB補因子活性を必要としない。いくつかの実施形態では、PALは原核生物種に由来するPAL遺伝子によってコードされる。代替の実施形態では、PALは真核生物種に由来するPAL遺伝子によってコードされる。いくつかの実施形態では、PALは、限定されないが、アクロモバクター・キシロソキシダンス(Achromobacter xylosoxidans)、シュードモナス・アエルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)、フォトラブダス・ルミネセンス(Photorhabdus luminescens)、アナベナ・バリアビリス(Anabaena variabilis)、およびアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)を含む、細菌種に由来するPAL遺伝子によってコードされる。いくつかの実施形態では、PALは、アナベナ・バリアビリスに由来するPAL遺伝子によってコードされ、本明細書において「PAL1」と称される(Moffittら、2007年)。いくつかの実施形態では、PALは、フォトラブダス・ルミネセンスに由来するPAL遺伝子によってコードされ、本明細書において「PAL3」と称される(Williamsら、2005年)。いくつかの実施形態では、PALは、酵母種、例えば、ロドスポリジウム・トルロイデス(Rhodosporidium toruloides)に由来するPAL遺伝子によってコードされる(Gilbertら、1985年)。いくつかの実施形態では、PALは、植物種、例えばシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)に由来するPAL遺伝子によってコードされる(Wannerら、1995年)。PALの任意の適切なヌクレオチドおよびアミノ酸配列、またはその機能性断片が使用され得る。
「フェニルアラニンヒドロキシラーゼ」および「PAH」は、補因子テトラヒドロビオプテリンと併せてヒト体内でチロシンを作製するために、フェニルアラニンの芳香族側鎖のヒドロキシル化を触媒する酵素を指すために使用される。PAHをコードするヒト遺伝子は、22位と24.2位との間の第12染色体の長(q)腕に位置する。PAHのアミノ酸配列は哺乳動物の間で高度に保存されている。ヒトおよび哺乳動物PAHについての核酸配列は周知であり、広く利用可能である。PAHについての完全長ヒトcDNA配列は1985年に報告された(Kwokら、1985年)。PAHの活性断片もまた周知である(例えば、Kobeら、1997年)。
「L−アミノ酸デアミナーゼ」および「LAAD」は、それらのそれぞれのケト酸、アンモニア、および過酸化水素を生成するために、L−アミノ酸の立体特異的酸化的脱アミノ化を触媒する酵素を指すために使用される。例えば、LAADはフェニルアラニンのフェニルピルビン酸への変換を触媒する。多数のLAAD酵素が当該分野において公知であり、それらの多くは、プロテウス属(Proteus)、プロビデンシア属(Providencia)、およびモルガネラ属(Morganella)などの細菌、または毒液に由来する。LAADはフェニルアラニン分解の速い反応速度を特徴とする(Houら、Appl Microbiol Technol.2015年10月;99(20):8391〜402頁;「Production of phenylpyruvic acid from L−phenylalanine using an L−amino acid deaminase from Proteus mirabilis:comparison of enzymatic and whole−cell biotransformation approaches」)。大部分の真核生物および原核生物のL−アミノ酸デアミナーゼは細胞外であるが、プロテウス種LAADは、細胞膜(内膜)に局在し、酵素活性が存在するペリプラズム間隙の外側を向いている。この局在化の結果として、内膜を通る細胞質へのフェニルアラニン輸送は、プロテウス属LAADにより媒介されるフェニルアラニン分解に必要とされない。フェニルアラニンは、トランスポーターを必要とせずに外膜を通してペリプラズムに容易に取り込まれ、基質の利用可能性を改善するトランスポーターの必要性を取り除く。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、限定されないが、プロテウス属、プロビデンシア属、およびモルガネラ属の細菌を含む、細菌種に由来するLAAD遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、細菌種はプロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)である。いくつかの実施形態では、細菌種は、プロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)である。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌によってコードされるLAADは細胞膜に局在し、ペリプラズム間隙に面しており、ペリプラズム間隙において触媒活性が発生する。
「フェニルアラニン代謝酵素」または「PME」は、フェニルアラニンを分解することができる酵素を指すために使用される。当該技術分野において公知の任意のフェニルアラニン代謝酵素は、遺伝子操作された細菌によってコードされ得る。PMEには、限定されないが、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)、フェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)、アミノトランスフェラーゼ、L−アミノ酸デアミナーゼ(LAAD)、およびフェニルアラニンデヒドロゲナーゼが含まれる。
フェニルアラニンヒドロキシラーゼ、フェニルアラニンデヒドロゲナーゼまたはアミノトランスフェラーゼとの反応は補因子を必要とするが、LAADおよびPALはさらなる補因子を全く必要としない。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌によってコードされるPMEは補因子を必要とする。いくつかの実施形態では、この補因子は、遺伝子操作された細菌の投与と同時にまたは連続して提供される。他の実施形態では、遺伝子操作された細菌は補因子を産生することができる。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌はフェニルアラニンヒドロキシラーゼをコードする。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌はフェニルアラニンデヒドロゲナーゼをコードする。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌はアミノトランスフェラーゼをコードする。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌によってコードされるPMEは補因子を必要としない。理論に束縛されるものではないが、補因子の必要性がないことは、酵素によるフェニルアラニン分解の速度が基質の利用可能性に依存し、補因子の利用可能性によって制限されないことを意味する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌によって産生されるPMEはPALである。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌によって産生されるPMEはLAADである。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌はPMEの組合せをコードする。
いくつかの実施形態では、PMEの触媒活性は酸素レベルに依存する。いくつかの実施形態では、PMEは微好気性条件下で触媒的に活性である。非限定的な例として、LAAD触媒活性は酸素に依存する。いくつかの実施形態では、LAADは微好気性条件などの低酸素条件下で活性である。本発明のいくつかの実施形態では、PMEは、例えば結腸に見出されるような非常に低いレベルの酸素で、または酸素の非存在下で機能する。非限定的な例として、PAL活性は酸素の存在に依存しない。
本明細書中で使用される場合、「エフェクター」または「エフェクター分子」は、所望の機能を発揮する代謝産物またはポリペプチドのような分子を指し得る。エフェクターは、単一の遺伝子によってコードされ得る。例えば、単一の遺伝子は、分泌またはディスプレイされるポリペプチドをコードし得る。あるいは、エフェクターは複数の遺伝子を必要とする生合成経路によって合成され得る(例えば、ブチラート)。例えば、所望の特性を有する代謝産物を合成する、生合成経路内の複数の遺伝子によってコードされるポリペプチドもエフェクターと呼ばれ得る。同様に、例えば、毒性代謝産物の分解のために、異化経路内の複数の遺伝子によってコードされるポリペプチドもエフェクターと呼ばれ得る。これらのエフェクター分子はまた、「治療用代謝産物」、「治療用分子」または「治療用ポリペプチド」と呼ばれ得る。本明細書においてエフェクターと互換的に使用される他の用語は、「目的のポリペプチド」または「目的のポリペプチド(複数)」、「目的のタンパク質」、「目的のタンパク質(複数)」である。
本明細書中で使用される場合、「ペイロード」は、細菌などの遺伝子操作された微生物によって産生される1つ以上の目的のポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドを指す。いくつかの実施形態では、ペイロードは、1つもしくは複数の遺伝子またはオペロンによってコードされる。いくつかの実施形態では、ペイロードを含む1つ以上の遺伝子および/またはオペロンは、微生物に対して内因性である。いくつかの実施形態では、ペイロードの1つ以上の要素は、異なる微生物および/または生物に由来する。いくつかの実施形態では、ペイロードは治療用ペイロードである。いくつかの実施形態では、ペイロードは、分子の生合成のための遺伝子によってコードされる。いくつかの実施形態では、ペイロードは、分子の代謝、異化、または分解のための遺伝子によってコードされる。いくつかの実施形態では、ペイロードは、分子のインポートのための遺伝子によってコードされる。いくつかの実施形態では、ペイロードは、分子のエクスポートのための遺伝子によってコードされる。いくつかの実施形態では、ペイロードは、調節分子、例えばFNRなどの転写調節因子である。いくつかの実施形態では、ペイロードは、プロモーターまたはリプレッサーなどの調節要素を含む。いくつかの実施形態では、ペイロード発現は、FNRSなどの誘導性プロモーターから駆動される。いくつかの実施形態では、ペイロード発現は、構成的プロモーターから駆動される。いくつかの実施形態では、ペイロードは、死滅スイッチなどのリプレッサー要素を含む。代わりの実施形態では、ペイロードは、生合成経路または生化学的経路によって産生され、当該生合成経路または生化学的経路は任意に微生物に対して内因性であり得る。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された微生物は、2つ以上のペイロードを含む。
本発明は、とりわけ、遺伝子操作された細菌、その医薬組成物、ならびに高フェニルアラニン血症に関連する障害をモジュレートおよび処置する方法を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、非天然フェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)をコードする遺伝子を含み、哺乳動物においてフェニルアラニンを処理および減少させることができる。いくつかの実施形態では、操作された細菌は、フェニルアラニントランスポーターをコードする遺伝子をさらに含む。いくつかの実施形態では、操作された細菌はまた、LAADをコードする遺伝子を含み得る。操作された細菌はまた、バイオセイフティーおよび/または生物学的封じ込め、例えば、死滅スイッチ、遺伝子ガードシステム、および/または栄養要求性に関連する1つ以上の遺伝子配列を含み得る。これらの遺伝子配列の発現は、種々のプロモーター系、例えば、本明細書中に開示されるプロモーター系のいずれかを使用して調節され得、該プロモーターは、1つ以上の異なる遺伝子を調節する同じプロモーターであり得るか、異なる遺伝子を調節する同じプロモーターの異なるコピーであり得るか、または異なる遺伝子の発現を調節するために組み合わせて使用される異なるプロモーターの使用を含み得る。遺伝子発現を制御するための異なる調節系またはプロモーター系の使用は柔軟性(例えば、異なる環境条件下で遺伝子発現を差次的に制御する能力、および/または遺伝子発現を時間的に差次的に制御する能力)を与え、かつ遺伝子発現を「微調整」する能力も与え、当該調節のいずれかまたは全ては、遺伝子発現および/または細菌の増殖を最適化するのに役立ち得る。遺伝子操作された細菌およびそれらの細菌を含む医薬組成物は、PKUを含む高フェニルアラニン血症に関連する状態を処置および/または予防するために、体内のフェニルアラニンを非毒性分子に代謝するために使用され得る。特定の態様では、遺伝子操作された細菌を含む組成物は、高フェニルアラニン血症に関連する障害を処置および/または予防するために、本開示の方法において使用され得る。
エフェクター分子はまた、抗癌分子を含む。「抗癌分子」は、遺伝子操作された微生物(例えば、操作された細菌または操作された腫瘍溶解性ウイルス)によって産生される1つ以上の目的の治療用物質または薬物を指し、これらは、細胞の増殖または複製を減少および/または阻害することができる。いくつかの実施形態では、抗癌分子は、癌をモジュレートまたは処置するのに有用な治療用分子である。いくつかの実施形態では、抗癌分子は、遺伝子によってコードされる治療用分子である。代わりの実施形態では、抗癌分子は、生化学的または生合成経路によって産生される治療用分子であり、当該生合成経路または生化学的経路は任意に微生物に対して内因性であり得る。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された微生物は、2つ以上の抗癌分子を産生することができる。抗癌分子の非限定的な例には、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、CTLA−4抗体、PD−1抗体、PDL−1抗体)、細胞毒性剤(例えば、Cly A、FASL、TRAIL、TNF−α)、免疫刺激性サイトカインおよび共刺激性分子(例えば、OX40、CD28、ICOS、CCL21、IL−2、IL−18、IL−15、IL−12、IFN−γ、IL−21、TNF、GM−CSF)、抗原および抗体(例えば、腫瘍抗原、ネオ抗原、CtxB−PSA融合タンパク質、CPV−OmpA融合タンパク質、NY−ESO−1腫瘍抗原、RAF1、免疫抑制分子に対する抗体、抗VEGF、抗CXR4/CXCL12、抗GLP1、抗GLP2、抗ガレクチン1、抗ガレクチン3、抗Tie2、抗CD47、免疫チェックポイントに対する抗体、免疫抑制性サイトカインおよびケモカインに対する抗体)、DNAトランスファーベクター(例えば、エンドスタチン、トロンボスポンジン−1、TRAIL、SMAC、Stat3、Bcl2、FLT3L、GM−CSF、IL−12、AFP、VEGFR2)、および酵素(例えば、大腸菌CD、HSV−TK)が含まれる。いくつかの実施形態では、抗癌分子には、RNA干渉、microRNA応答または阻害、TLR応答、アンチセンス遺伝子調節、標的タンパク質結合(アプタマーまたはデコイオリゴ)、CRISPR干渉などの遺伝子編集を媒介する核酸分子が含まれる。いくつかの実施形態では、細菌またはウイルスは、例えばバクトフェクション(bactofection)によって、DNAを哺乳動物細胞に導入するためのベクターとして使用され得る(Bernardesら、2013年)。
エフェクター分子の非限定的な例には、「抗炎症性分子」および/または「消化管バリア機能エンハンサー分子」が含まれる。抗炎症性分子および/または消化管バリア機能エンハンサー分子としては、短鎖脂肪酸、ブチラート、プロピオネート、アセテート、IL−2、IL−22、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、GLP−2および類似体、GLP−1、IL−10、IL−27、TGF−β1、TGF−β2、N−アシルホスファチジルエタノールアミン(NAPE)、エラフィン(ペプチダーゼインヒビター3およびSKALPとも呼ばれる)、トレフォイル因子、メラトニン、トリプトファン、PGD、およびキヌレン酸、インドール代謝産物、および他のトリプトファン代謝産物、ならびに本明細書中に開示される他の分子が挙げられるが、これらに限定されない。このような分子には、炎症促進性分子を阻害する化合物、例えば、一本鎖可変抗体(scFv)、アンチセンスRNA、siRNA、またはTNF−α、IFN−γ、IL−1β、IL−6、IL−8、IL−17、および/もしくはケモカイン(例えば、CXCL−8およびCCL2)を中和するshRNAが含まれる。このような分子には、本明細書中に記載されるような、(例えば、IL−22産生をもたらす)AHRアゴニスト(例えば、インドール酢酸、インドール−3−アルデヒド、およびインドール)およびPXRアゴニスト(例えば、IPA)も含まれる。このような分子には、HDAC阻害剤(例えば、ブチラート)、GPR41および/またはGPR43の活性化因子(例えば、ブチラートおよび/またはプロピオネートおよび/またはアセテート)、GPR109Aの活性化因子(例えば、ブチラート)、NF−kappaBシグナル伝達の阻害剤(例えば、ブチラート)、PPARγのモジュレーター(例えば、ブチラート)、AMPKシグナル伝達の活性化因子(例えば、アセテート)、およびGLP−1分泌のモジュレーターも含まれる。このような分子には、ヒドロキシルラジカル捕捉剤および酸化防止剤(例えば、IPA)も含まれる。分子は、主に抗炎症性(例えば、IL−10)、または主に消化管バリア機能増強性(例えばGLP−2)であり得る。分子は、抗炎症性および消化管バリア機能増強性の両方であり得る。抗炎症性および/または消化管バリア機能エンハンサー分子は、単一の遺伝子によってコードされてもよく、例えば、エラフィンはPI3遺伝子によってコードされる。あるいは、抗炎症性および/または消化管バリア機能エンハンサー分子は、複数の遺伝子、を必要とする生合成経路によって合成されてもよい(例えば、ブチラート)。
エフェクター分子には、代謝エフェクター分子も含まれる。「代謝エフェクター分子」および/または「満腹エフェクター分子(satiety effector molecules)」には、n−アシル−ホスファチジルエタノールアミン(NAPE)、n−アシル−エタノールアミン(NAE)、グレリン受容体アンタゴニスト、ペプチドYY3−36、コレシストキニン(CCK)ファミリー分子、CCK58、CCK33、CCK22、CCK8、ボンベシンファミリー分子、ボンベシン、ガストリン放出ペプチド(GRP)、ニューロメジンB(P)、グルカゴン、GLP−1、GLP−2、アポリポタンパク質A−IV、アミリン、ソマトスタチン、エンテロスタチン、オキシントモジュリン、膵臓ペプチド、短鎖脂肪酸、ブチラート、プロピオネート、アセテート、セロトニン受容体アゴニスト、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、ヌクレオチドリボシド(NR)、ニコチンアミド、およびニコチン酸(NA)が含まれるが、これらに限定されない。このような分子はまた、代謝疾患を促進する分子を阻害する化合物(例えば、ジペプチジルペプチダーゼ−4(DPP4)またはグレリン受容体を阻害する一本鎖可変抗体(scFv)、アンチセンスRNA、siRNA、またはshRNA)を含み得る。代謝および/または満腹エフェクター分子は単一の遺伝子によってコードされ得、例えば、グルカゴン様ペプチド1は、GLP−1遺伝子によってコードされる。いくつかの実施形態では、トリプトファンおよび/またはその代謝産物の1つの産生または異化のための1つ以上の回路を含有する遺伝子配列を含む遺伝子操作された細菌は、1つ以上の代謝エフェクター分子および/または満腹エフェクター分子の発現のための遺伝子配列をさらに含む。
エフェクター分子の他の非限定的な例は、係属中の共同所有の国際特許出願PCT/US2016/34200(出願日2016年5月25日)、PCT/US2017/013072(出願日2017年1月11日)、PCT/US2017/016603(出願日2017年2月3日)、PCT/US2017/016609(出願日2016年2月4日)、PCT/US2017/017563(出願日2017年2月10日)、PCT/US2017/017552(出願日2017年2月10日)、PCT/US2016/044922(出願日2016年7月29日)、PCT/US2016/049781(出願日2016年8月31日)、PCT/US2016/37098(出願日2016年6月10日)、PCT/US2016/069052(出願日2016年12月28日)、PCT/US2016/32562(出願日2016年5月13日)、PCT/US2016/062369(出願日2016年11月16日)およびPCT/US2017/013072に記載されており、これらの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
特定の実施形態では、新たなまたは改善されたエフェクター(例えば、PME)は、当該分野において公知または本明細書に記載される方法に従って同定され得、遺伝子操作された細菌によってコードされる。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌によってコードされる酵素は、ウイルス、原核生物または真核生物から単離された野生型酵素である。いくつかの実施形態では、酵素配列は、安定性または触媒活性などの酵素の1つ以上の特異的性質を増加させるようにさらに改変または突然変異されている。
「フェニルアラニン代謝産物」とは、フェニルアラニンの分解の結果として生成される代謝産物を指す。代謝産物は、基質としてフェニルアラニンを使用する酵素によってフェニルアラニンから直接的に、またはフェニルアラニン代謝産物基質に対して作用する、代謝経路の下流の異なる酵素によって間接的に生成され得る。いくつかの実施形態では、フェニルアラニン代謝産物は、PMEをコードする遺伝子操作された細菌によって産生される。
いくつかの実施形態では、フェニルアラニン代謝産物は、PAH活性から、例えば、遺伝子操作された細菌によって産生されたPAHから直接的または間接的に生じる。いくつかの実施形態では、代謝産物はチロシンである。いくつかの実施形態では、フェニルアラニン代謝産物は、欠陥のあるPAH活性に起因してPKU患者の血液または尿中に蓄積する。このようなPKU代謝産物の非限定的な例は、フェニルピルビン酸およびフェニル−乳酸である。他の例には、フェニルアセテート、フェニルエチルアミン、およびフェニルアセチルグルタミンが含まれる。
いくつかの実施形態では、フェニルアラニン代謝産物は、PAL作用から、例えば、遺伝子操作された細菌によって産生されたPALから直接的または間接的に生じる。このようなPAL代謝産物の非限定的な例は、トランス−ケイ皮酸および馬尿酸である。いくつかの実施形態では、フェニルアラニン代謝産物は、LAAD作用から、例えば、遺伝子操作された細菌によって産生されたLAADから直接的または間接的に生じる。このようなLAAD代謝産物の例は、フェニルピルビン酸およびフェニル乳酸である。
「フェニルアラニントランスポーター」は、フェニルアラニンを細菌細胞に輸送することができる膜輸送タンパク質を指すために使用される(例えば、Piら、1991年を参照のこと)。大腸菌(Escherichia coli)において、pheP遺伝子は、フェニルアラニン輸送を担う高親和性フェニルアラニン特異的パーミアーゼをコードする(Piら、1998年)。いくつかの実施形態では、フェニルアラニントランスポーターは、限定されないが、アシネトバクター・カルコアセティカス(Acinetobacter calcoaceticus)、サルモネラ・エンテリカ(Salmonella enterica)、および大腸菌を含む、細菌種に由来するpheP遺伝子によってコードされる。他のフェニルアラニントランスポーターには、aroP遺伝子によってコードされ、高親和性でフェニルアラニンを含む3つの芳香族アミノ酸を輸送し、PhePと一緒に、フェニルアラニン取り込みの最大の部分を担うアーゲネラル(Aageneral)アミノ酸パーミアーゼが含まれる。さらに、低レベルのフェニルアラニン輸送活性は、LIV−I/LS系の活性まで追跡され、そのLIV−I/LS系は、2つのペリプラズム結合タンパク質である、LIV結合タンパク質(LIV−I系)およびLS結合タンパク質(LS系)、ならびに膜成分であるLivHMGFからなる分枝鎖アミノ酸トランスポーターである。いくつかの実施形態では、フェニルアラニントランスポーターは、細菌種に由来するaroP遺伝子によってコードされる。いくつかの実施形態では、フェニルアラニントランスポーターは、LIV結合タンパク質およびLS結合タンパク質ならびに細菌種に由来するLivHMGF遺伝子によってコードされる。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、pheP、aroP、およびLIV−I/LS系から選択される1種より多いフェニルアラニントランスポーターを含む。
「フェニルアラニン」および「Phe」は、式CCHCH(NH)COOHを有するアミノ酸を指すために使用される。フェニルアラニンは、チロシン、ドーパミン、ノルエピネフリン、およびエピネフリンの前駆体である。L−フェニルアラニンは必須アミノ酸であり、食品タンパク質中に主に見出されるフェニルアラニンの形態である。立体異性体D−フェニルアラニンは食品タンパク質中により少ない量で見出され、DL−フェニルアラニンは両方の形態の組合せである。フェニルアラニンは、L−フェニルアラニン、D−フェニルアラニン、およびDL−フェニルアラニンのうちの1つまたは複数を指すことができる。
本明細書で使用される「トランスポーター」という用語は、アミノ酸、ペプチド(ジペプチド、トリペプチド、ポリペプチドなど)、毒素、代謝産物、基質、および他の生体分子などの分子を細胞外環境から微生物内へ取り込む(import)ためのメカニズム(例えば、タンパク質、タンパク質、またはタンパク質複合体)を指すことを意味する。
「作動可能に連結されている」とは、核酸配列、例えばcisで作用する核酸配列の発現を可能にするように調節領域配列に結合している、例えばPALをコードする遺伝子を指す。調節領域は、目的の遺伝子の転写を指示することができ、プロモーター配列、エンハンサー配列、応答エレメント、タンパク質認識部位、誘導性エレメント、プロモーター制御エレメント、タンパク質結合配列、5’および3’非翻訳領域、転写開始部位、終止配列、ポリアデニル化配列、およびイントロンを含み得る核酸である。
「誘導可能なプロモーター(誘導性プロモーター)」とは、1つまたは複数の遺伝子に作動可能に連結されている調節領域を指し、当該遺伝子の発現は前記調節領域の誘導物質の存在下で増加する。
「直接的に誘導可能なプロモーター」とは、エフェクター分子(例えば、PALなどのフェニルアラニン代謝酵素)をコードする遺伝子に作動可能に連結されている調節領域を指し、前記調節領域の誘導物質の存在下で、前記エフェクター分子が発現される。「間接的に誘導可能なプロモーター」とは、2つ以上の調節領域、例えば、第1の分子(例えば、エフェクター分子をコードする遺伝子に作動可能に連結されている第2の調節領域を調節可能な転写調節因子)をコードする遺伝子に作動可能に連結されている第1の調節領域、を含む調節系を指す。第1の調節領域の誘導物質の存在下で、第2の調節領域は活性化または抑制され得、それによってエフェクター分子の発現を活性化または抑制する。直接的に誘導可能なプロモーターおよび間接的に誘導可能なプロモーターの両方は、「誘導可能なプロモーター(誘導性プロモーター)」に包含される。
「外因性環境条件」または「環境条件」とは、本明細書に記載のプロモーターが直接的または間接的に誘導される設定または状況を指す。前記語句は、操作された微生物に対して外部であるが、宿主対象環境に対して内因性または天然である環境条件を指すことを意味する。したがって、「外因性」および「内因性」は、環境条件が哺乳動物の身体に対して内因性であるが、インタクト微生物細胞に対して外部または外因性である環境条件を指すために交換可能に使用され得る。いくつかの実施形態では、外因性環境条件は哺乳動物の消化管に特異的である。いくつかの実施形態では、外因性環境条件は哺乳動物の上部胃腸管に特異的である。いくつかの実施形態では、外因性環境条件は哺乳動物の下部胃腸管に特異的である。いくつかの実施形態では、外因性環境条件は哺乳動物の小腸に特異的である。いくつかの実施形態では、外因性環境条件は、哺乳動物の消化管の環境などの低酸素、微好気性、または嫌気性条件である。いくつかの実施形態では、外因性環境条件とは、健康または疾患状態における哺乳動物の消化管に特異的である分子または代謝産物、例えばプロピオネートの存在を指す。いくつかの実施形態では、外因性環境条件は、腫瘍微小環境に特異的である。いくつかの実施形態では、外因性環境条件は、腫瘍微小環境に特異的である分子または代謝産物である。いくつかの実施形態では、外因性環境条件は、組織特異的または疾患特異的な代謝産物または分子である。いくつかの実施形態では、外因性環境条件は低pH環境である。いくつかの実施形態では、本開示の遺伝子操作された微生物はpH依存性プロモーターを含む。いくつかの実施形態では、本開示の遺伝子操作された微生物は、酸素レベル依存性プロモーターを含む。いくつかの態様では、細菌は酸素レベルを検知できる進化した転写因子を有する。異なるシグナル伝達経路が異なる酸素レベルによって誘発され得、異なる動態を伴って発生する。
本明細書中で使用される場合、「外因性環境条件」または「環境条件」はまた、操作された微生物の外部の設定または状況または環境条件のことを指し、微生物のin vitro培養条件に関連する。「外因性環境条件」はまた、生物の成長、生産、および製造中の条件を指す場合がある。そのような条件には、好気性培養条件、嫌気性培養条件、低酸素培養条件および設定酸素濃度下における他の条件も含まれる。そのような条件にはまた、培養培地中のテトラサイクリン、アラビノース、IPTG、ラムノースなどの化学的および/または栄養性誘導物質の存在も含まれる。そのような条件にはまた、in vivo投与の前に微生物が増殖される温度も含まれる。例えば、特定のプロモーター系を使用すると、ある温度はペイロードの発現を許容するが、他の温度は許容しない。酸素レベル、温度および培地組成は、そのような外因性環境条件に影響を与える。そのような条件は、増殖速度、ペイロード(例えば、PALまたはLAADなどのPME)の誘導速度、トランスポーター(例えば、PheP)の誘導速度、ならびに菌株生産中の当該株の全体的な生存能力および代謝活性に影響を与える。
「酸素レベル依存性プロモーター」または「酸素レベル依存性調節領域」とは、1つまたは複数の酸素レベル感受性転写因子が結合できる核酸配列を指し、対応する転写因子の結合および/または活性化は下流の遺伝子発現を活性化する。
酸素レベル依存性転写因子の例には、限定されないが、FNR、ANR、およびDNRが含まれる。対応するFNR応答性プロモーター、ANR応答性プロモーター、およびDNR応答性プロモーターは当該分野において公知である(例えば、Castiglioneら、2009年;Eiglmeierら、1989年;Galimandら、1991年;Hasegawaら、1998年;Hoerenら、1993年;Salmonら、2003年を参照のこと)。非限定的な例は表1に示される。
非限定的な例において、プロモーター(PfnrS)は、環境酸素が低いかまたは全くない条件下で高度に発現することが知られている、大腸菌Nissleフマレートおよび硝酸レダクターゼ遺伝子S(fnrS)に由来した(DurandおよびStorz、2010年;Boysenら、2010年)。PfnrSプロモーターは、Nissleにおいて天然に見出される包括的転写調節因子FNRによって嫌気性および/または低酸素条件下で活性化される。嫌気性および/または低酸素条件下で、FNRは二量体を形成し、その制御下で特異的遺伝子のプロモーターにおける特異的配列に結合し、それによってそれらの発現を活性化する。しかしながら、好気性条件下で、酸素はFNR二量体における鉄−硫黄クラスターと反応し、それらを不活性型に変換する。このように、PfnrS誘導性プロモーターはタンパク質またはRNAの発現をモジュレートするために採用される。PfnrSは、本出願において、FNRS、fnrS、FNR、P−FNRSプロモーターおよびプロモーターPfnrSを示す他のそのような関連した名称として交換可能に使用される。
[表1]転写因子ならびに応答遺伝子および調節領域の例
Figure 2020525012
本明細書中で使用される場合、「調節可能な調節領域」は転写因子の直接的または間接的な制御下にあり、誘導物質のレベルに対して遺伝子発現を活性化、抑制、抑制解除、または制御することができる核酸配列を指す。いくつかの実施形態では、調節可能な調節領域はプロモーター配列を含む。誘導物質は、RNSまたは本明細書に記載される他の誘導物質であり得、調節可能な調節領域は、RNS−応答性調節領域または本明細書に記載される他の応答性調節領域であり得る。調節可能な調節領域は、1つ以上のペイロードの産生のための遺伝子配列または遺伝子カセット、例えば、ブチロジーニック(butyrogenic)または他の遺伝子カセットまたは遺伝子配列に作動可能に連結され得る。例えば、特定の一実施形態では、調節可能な調節領域は、RNS−抑制解除調節領域であり、RNSが存在する場合、RNS感知転写因子は、もはや調節領域に結合および/または抑制せず、それによって、作動可能に連結された遺伝子または遺伝子カセットの発現を可能にする。この場合、調節可能な調節領域は、RNSレベルに対して遺伝子または遺伝子カセットの発現を抑制解除する。各遺伝子または遺伝子カセットは、少なくとも1つのRNSを感知可能な転写因子によって直接的または間接的に制御される調節可能な調節領域に作動可能に連結され得る。
いくつかの実施形態では、外因性環境条件は、反応性酸素種の存在または非存在である。他の実施形態では、外因性環境条件は、反応性窒素種(RNS)の存在または非存在である。いくつかの実施形態では、外因性環境条件は、炎症反応に関与する生物学的分子、例えば、消化管の炎症障害に存在する分子である。いくつかの実施形態では、外因性環境条件またはシグナルは、組み換え細菌細胞が存在する環境に自然に存在するかまたは自然に存在しない。いくつかの実施形態では、外因性環境条件またはシグナルは、例えば、生物学的状態の生成もしくは除去および/または生物学的分子の投与もしくは除去によって、人工的に生成される。
いくつかの実施形態では、外因性環境条件および/またはシグナルは、誘導性プロモーターの活性を刺激する。いくつかの実施形態では、誘導性プロモーターを活性化するのに役立つ外因性環境条件および/またはシグナルは、哺乳動物の消化管内に自然に存在しない。いくつかの実施形態では、誘導性プロモーターは、本発明の医薬組成物と組合せて投与される分子または代謝産物、例えば、テトラサイクリン、アラビノース、または誘導性プロモーターを活性化するのに役立つ任意の生物学的分子によって刺激される。いくつかの実施形態では、外因性環境条件および/またはシグナルは、本発明の組み換え細菌細胞を含む培養培地に添加される。いくつかの実施形態では、誘導性プロモーターを活性化するのに役立つ外因性環境条件は、哺乳動物の消化管内に自然に存在する(例えば、低酸素もしくは嫌気性条件、または炎症反応に関与する生物学的分子)。いくつかの実施形態では、外因性環境条件(例えば、in vivo)への曝露の喪失は、当該外因性環境条件がプロモーターを誘導するために存在しない(例えば、消化管の外部の好気性環境)ので、誘導性プロモーターの活性を阻害する。本明細書において使用される場合、「非天然」核酸配列とは、通常、細菌に存在しない核酸配列、例えば内因性配列の追加のコピー、または細菌の異なる種、株、もしくは亜株由来の配列などの異種配列、または同じ亜型の細菌由来の非改変配列と比較して改変および/もしくは突然変異されている配列を指す。いくつかの実施形態では、非天然核酸配列は合成の、天然に存在しない配列である(例えば、Purcellら、2013年を参照のこと)。非天然核酸配列は、調節領域、プロモーター、遺伝子、および/または遺伝子カセットにおける1つもしくは複数の遺伝子であってもよい。いくつかの実施形態では、「非天然」とは、天然において互いに同じ関係で見出されない2つ以上の核酸配列を指す。非天然核酸配列はプラスミドまたは染色体上に存在し得る。さらに、任意の調節領域、プロモーター、遺伝子、および/または遺伝子カセットの複数のコピーが細菌に存在してもよく、当該調節領域、プロモーター、遺伝子、および/または遺伝子カセットの1つまたは複数のコピーは、突然変異されていてもよく、または本明細書に記載されるように別様で変更されていてもよい。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、コピー数を高めるために、または複数の異なる機能を実行する遺伝子カセットの複数の異なる成分を含むために、同じ調節領域、プロモーター、遺伝子、および/または遺伝子カセットの複数のコピーを含むように操作される。いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌はエフェクター分子(例えば、PME)をコードする遺伝子を含み、当該遺伝子は、天然では当該遺伝子に関連していない直接的または間接的に誘導可能なプロモーター、例えばエフェクター分子をコードする遺伝子に作動可能に連結されているFNRプロモーター、または第2のエフェクター分子に作動可能に連結されているParaBADプロモーター、に作動可能に連結されている。
「構成的プロモーター」とは、その制御下にあるおよび/またはそれが作動可能に連結されているコード配列または遺伝子の連続的な転写を促進することができるプロモーターを指す。構成的プロモーターおよびバリアントは当該分野において周知であり、限定されないが、BBa_J23100、構成的大腸菌σプロモーター(例えば、osmYプロモーター(International Genetically Engineered Machine(iGEM)の標準生物学的パーツ・レジストリ名BBa_J45992;BBa_J45993))、構成的大腸菌σ32プロモーター(例えば、htpGヒートショックプロモーター(BBa_J45504))、構成的大腸菌σ70プロモーター(例えば、lacqプロモーター(BBa_J54200;BBa_J56015)、大腸菌CreABCDリン酸検知オペロンプロモーター(BBa_J64951)、GlnRSプロモーター(BBa_K088007)、lacZプロモーター(BBa_K119000;BBa_K119001);M13K07遺伝子Iプロモーター(BBa_M13101);M13K07遺伝子IIプロモーター(BBa_M13102)、M13K07遺伝子IIIプロモーター(BBa_M13103)、M13K07遺伝子IVプロモーター(BBa_M13104)、M13K07遺伝子Vプロモーター(BBa_M13105)、M13K07遺伝子VIプロモーター(BBa_M13106)、M13K07遺伝子VIIIプロモーター(BBa_M13108)、M13110(BBa_M13110))、構成的バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)σプロモーター(例えば、プロモーターveg(BBa_K143013)、プロモーター43(BBa_K143013)、PliaG(BBa_K823000)、PlepA(BBa_K823002)、Pveg(BBa_K823003))、構成的バチルス・サブティリスσプロモーター(例えば、プロモーターctc(BBa_K143010)、プロモーターgsiB(BBa_K143011))、サルモネラ(Salmonella)プロモーター(例えば、サルモネラ由来のPspv2(BBa_K112706)、サルモネラ由来のPspv(BBa_K112707))、バクテリオファージT7プロモーター(例えば、T7プロモーター(BBa_I712074;BBa_I719005;BBa_J34814;BBa_J64997;BBa_K113010;BBa_K113011;BBa_K113012;BBa_R0085;BBa_R0180;BBa_R0181;BBa_R0182;BBa_R0183;BBa_Z0251;BBa_Z0252;BBa_Z0253))、バクテリオファージSP6プロモーター(例えば、SP6プロモーター(BBa_J64998))、およびそれらの機能性断片が含まれる。
「消化管」とは、食物の移動および消化、栄養素の吸収、ならびに老廃物の排出を担う器官、腺、管、および系を指す。ヒトにおいて、消化管は、口から始まり肛門で終わり、食道、胃、小腸、および大腸をさらに含む、胃腸(GI)管を含む。消化管はまた、脾臓、肝臓、胆嚢、および膵臓などの副器官および腺を含む。上部胃腸管は、食道、胃、および小腸の十二指腸を含む。下部胃腸管は、小腸の残りの部分、すなわち空腸および回腸、ならびに大腸の全て(すなわち盲腸、結腸、直腸、および肛門管)を含む。細菌は、消化管全体にわたって、例えば胃腸管において、特に腸において見出され得る。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、消化管において活性である(例えば、1つ以上のペイロード(例:PME)を発現する)。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、大腸において活性である(例えば、1つ以上のペイロードを発現する)。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、小腸において活性である(例えば、1つ以上のペイロードを発現する)。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、小腸および大腸において活性である。理論に縛られることは望まないが、フェニルアラニンの分解は、小腸においてアミノ酸吸収、例えばフェニルアラニン吸収が起こるので、小腸において非常に有効であり得る。フェニルアラニンの血液への取り込みの防止または低減により、Pheレベルの上昇およびその結果生じるPheの毒性を回避することができる。さらに、腸と身体の間のアミノ酸の広範な腸内再循環は、PKUにおける全身性フェニルアラニンの除去を可能にし得る(例えば、Changらによって、PKUのラットモデルにおいて記載されている(Changら、「A new theory of enterorecirculation of amino acids and its use for depleting unwanted amino acids using oral enzyme−artificial cells, as in removing phenylalanine in phenylketonuria; Artif Cells Blood Substit Immobil Biotechnol.1995年; 23巻(1):1−21頁))。血液由来のフェニルアラニンは小腸内に循環し(例えば、図15参照)、当該部位で活性な細菌によって除去され得る。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は小腸を通過する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、消化管内の滞留時間が長くなっている。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は小腸または大腸にコロニーを形成する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は結腸にコロニーを形成する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、消化管内の滞留時間が長くなっている。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は消化管にコロニーを形成しない。
本明細書で使用される場合、用語「低酸素」は、大気中に存在する酸素(O)のレベル、量、または濃度より低い酸素のレベル、量、または濃度を指すことを意味する(例えば、<21%O; <160torrO))。したがって、用語「低酸素条件(複数可)」または「低酸素環境」は、大気中に存在する酸素よりも低い酸素レベルを含む条件または環境を指す。いくつかの実施形態では、「低酸素」という用語は、哺乳動物の消化管、例えば、内腔、胃、小腸、十二指腸、空腸、回腸、大腸、盲腸、結腸、遠位S状結腸、直腸および肛門管に見出される酸素(O)のレベル、量、または濃度を指すこと意味する。いくつかの実施形態において、「低酸素」という用語は、0〜60mmHgのO(0〜60torrのO)(例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、および60mmHgのO)のレベル、量、または濃度を指すことを意味し、それらの任意およびすべての小数の増加を含む(例えば、0.2mmHg、0.5mmHgのO、0.75mmHgのO、1.25mmHgのO、2.175mmHgのO、3.45mmHgのO、3.75mmHgのO、4.5mmHgのO、6.8mmHgのO、11.35mmHgのO、46.3mmHgのO、58.75mmHgなどが含まれるが、これらの例示的な小数は、説明の目的でここに挙げたものであって、決して限定されることを意味するものではない。)。いくつかの実施形態において、「低酸素」とは、約60mmHg以下のO(例えば、0〜約60mmHgのO)を指す。「低酸素」という用語はまた、0〜60mmHgの間(0mmHgと60mmHgを含めて)のOのレベル、量、または濃度の範囲、例えば、0〜5mmHg O、<1.5mmHg O、6〜10mmHg、<8mmHg、47〜60mmHgなどを指すことができるが、これらの例示的範囲は、説明の目的でここに挙げたものであって、決して限定されることを意味するものではない。例えば、Albenbergら、Gastroenterology、147巻(5):1055−1063頁(2014年);Bergofskyら、J Clin. Invest.、41巻(11):1971−1980頁(1962年);Cromptonら、J Exp. Biol.、43巻:473−478頁(1965年);Heら、PNAS(USA)、96巻:4586−4591頁(1999年);McKeown、Br. J. Radiol.、87巻:20130676(2014年)(doi:10.1259/brj.20130676)を参照されたい。前記の各文献では、様々な種の哺乳動物の消化管内に見出される酸素レベルが議論されており、これらの文献はそれぞれ全体とし本明細書に援用される。いくつかの実施形態では、「低酸素」という用語は、哺乳動物の消化管以外の器官または組織、例えば尿生殖路、腫瘍組織などに見出される酸素(O)のレベル、量または濃度を意味し、当該器官または組織では、酸素は低下したレベル、例えば、低酸素(hypoxic)または無酸素(anoxic)レベルで存在する。いくつかの実施形態では、「低酸素」とは、部分的に好気性、半好気性(semi aerobic)、微好気性(microaerobic)、超好気性(nanoaerobic)、微酸素性(microoxic)、低酸素性(hypoxic)、無酸素性(anoxic)および/または嫌気性条件に存在する酸素(O)のレベル、量または濃度を意味する。例えば、表Aは、様々な器官および組織に存在する酸素量をまとめたものである。いくつかの実施形態では、酸素(O)のレベル、量、または濃度は、液体中に存在する遊離の非化合物の酸素(O)のレベルを指す溶存酸素(「DO」)の量として表され、典型的には、ミリグラムパーリッター(mg/L)、百万分率(ppm; 1mg/L=1ppm)またはマイクロモル(umole)(1μmol O=0.022391mg/L O)で報告されている。Fondriest Environmental、Inc.、 “Dissolved Oxygen”、環境測定の基礎、2013年11月19日、www.fondriest.com/environmental−measurements/parameters/water−quality/dissolved−oxygen/>。いくつかの実施形態では、「低酸素」という用語は、約6.0mg/L DO以下の酸素(O)のレベル、量、または濃度を指すことを意味し、例えば6.0mg/L、5.0mg/L、4.0mg/L、3.0mg/L、2.0mg/L、1.0mg/L、または0mg/L、ならびにそれらの小数、例えば、3.25mg/L、2.5mg/L、1.75mg/L、1.5mg/L、1.25mg/L、0.9mg/L、0.8mg/L、0.7mg/L、0.6mg/L、0.5mg/L、0.4mg/L、0.3mg/L、0.2mg/Lおよび0.1mg/L DOである。これらの例示的な小数は、説明の目的でここに挙げたものであって、決して限定されることを意味するものではない。液体または溶液中の酸素レベルは、空気飽和のパーセンテージまたは酸素飽和のパーセンテージとして報告され得る(溶液中の溶存酸素(O)濃度と、安定な平衡下で一定の温度、圧力、および塩濃度の溶液についての最大溶存酸素量との比)。酸素の産生物または消費物を含まず、十分に酸素を供給された溶液(例えば、混合および/または撹拌された溶液)は、100%空気飽和である。いくつかの実施形態において、「低酸素」という用語は、40%以下の空気飽和、例えば、40%、39%、38%、37%、36%、35%、34%、33%、32%、31%、30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、および0%空気飽和を指すことを意味し、それらの任意およびすべての小数の増加(例えば、30.25%、22.70%、15.5%、7.7%、5.0%、2.8%、2.0%、1.65%、1.0%、0.9%、0.8%、0.75%、0.68% 0.5%、0.44%、0.3%、0.25%、0.2%、0.1%、0.08%、0.075%、0.058%、0.04%、0.032%、0.025%、0.01%など)ならびに0〜40%の間(0%と40%を含めて)の酸素飽和レベルの任意の範囲(例えば、0〜5%、0.05〜0.1%、0.1〜0.2%、0.1〜0.5%、0.5〜2.0%、0〜10%、5〜10%、10〜15%、15〜20%、20〜25%、25〜30%など)が含まれる。ここに列挙した例示的な小数および範囲は、説明のためのものであり、決して限定されることを意味するものではない。いくつかの実施形態では、「低酸素」という用語は、9%以下の酸素飽和、例えば、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0%のO飽和を指すことを意味し、それらの任意およびすべての小数の増加(例えば、6.5%、5.0%、2.2%、1.7%、1.4%、0.9%、0.8%、0.75%、0.68%、0.5%、0.44%、0.3%、0.25%、0.2%、0.1%、0.08%、0.075%、0.058%、0.04%、0.032%、0.025%、0.01%など)ならびに0〜9%の間(0%と9%を含めて)の酸素飽和レベルの任意の範囲(例えば、0〜5%、0.05〜0.1%、0.1〜0.2%、0.1〜0.5%、0.5〜2.0%、0〜8%、5〜7%、0.3〜4.2%のOなど)が含まれる。ここに列挙した例示的な少数および範囲は、説明のためのものであり、決して限定的であることを意味するものではない。
[表A]腸の酸素圧
Figure 2020525012
いくつかの実施形態では本明細書中に記載されるプロモーターが培養容器(例えば、フラスコまたは発酵槽または他の適切な培養容器)中の状態によって直接的または間接的に誘導され、該培養容器中で、株はin vivo投与の前に増殖または維持される。in vivo投与前の株の培養中に提供されるこのような条件の非限定的な例としては、低酸素、嫌気性、微好気性、または好気性条件、他の定義された酸素レベル(例えば、以下に例示されるもの)、アラビノースの存在、IPTG、ラムノース、または本明細書中に記載されているかもしくは当該分野で公知の他の化学的および/または栄養性誘導物質の存在が挙げられる。いくつかの実施形態では、培養容器内の条件は、一定の酸素レベル、例えば、1%〜10%の酸素、10%〜20%の酸素、20%〜30%の酸素、30%〜40%の酸素、40%〜50%の酸素、60%〜70%の酸素、70%〜80%の酸素、80%〜90%の酸素、90%〜100%の酸素、および本明細書に記載される他の酸素レベルに設定され、その設定点においてプロモーターが直接的または間接的に誘導される。
本明細書において使用される場合、「遺伝子」または「遺伝子配列」という用語は、遺伝子配列、例えば核酸配列を指すことを意味する。遺伝子、遺伝子配列または遺伝学的配列(genetic sequence)は、完全な遺伝子配列または部分的な遺伝子配列を含むことを意味する。遺伝子、遺伝子配列または遺伝学的配列は、タンパク質またはポリペプチドをコードする配列を含むことを意味し、かつ、タンパク質またはポリペプチドをコードしない遺伝学的配列、例えば、調節配列、リーダー配列、シグナル配列、または他の非タンパク質コード配列を含むことも意味する。
「微生物」とは、典型的に単細胞からなる微視的(microscopic)、超微視的(submicroscopic)、または超顕微鏡的(ultramicroscopic)なサイズの生物または微生物を指す。微生物の例には、細菌、酵母、ウイルス、寄生虫、真菌、特定の藻類、および原生動物が含まれる。いくつかの態様では、微生物は、1つ以上の目的の治療用分子またはタンパク質を産生するように操作される(「操作された微生物」)。特定の態様では、微生物は、その環境、例えば消化管から特定の代謝産物または他の化合物を取り込み、異化するように操作される。特定の態様では、微生物は、特定の有益な代謝産物または他の化合物(合成または天然に存在する)を合成し、それらをその環境中へ放出するように操作される。特定の実施形態では、操作された微生物は、操作された細菌である。特定の実施形態では、操作された微生物は、操作されたウイルスである。
「非病原性細菌」とは、宿主において疾患または有害な反応を引き起こすことができない細菌を指す。いくつかの実施形態では、非病原性細菌はグラム陰性細菌である。いくつかの実施形態では、非病原性細菌はグラム陽性細菌である。いくつかの実施形態では、非病原性細菌は、消化管の常在微生物叢に存在する共生細菌である。非病原性細菌の例には、限定されないが、バチルス属(Bacillus)、バクテイロデス属(Bacteroides)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、ブレビ細菌属(Brevibacteria)、クロストリジウム属(Clostridium)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、エシェリヒア属(Escherichia)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、サッカロミセス属(Saccharomyces)、およびスタフィロコッカス属(Staphylococcus)、例えば、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、バチルス・サブティリス、バクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデス・サブティリス(Bacteroides subtilis)、バクテロイデス・テタイオタオミクロン(Bacteroides thetaiotaomicron)、ビフィドバクテリウム・ビフィドゥム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium infantis)、ビフィドバクテリウム・ラクティス(Bifidobacterium lactis)、ビフィドバクテリウム・ロングム(Bifidobacterium longum)、クロストリジウム・ブチリカム(Clostridium butyricum)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、大腸菌(Escherichia coli)、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ブルガリカス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・ジョンソニ(Lactobacillus johnsonii)、ラクトバチルス・パラカセイ(Lactobacillus paracasei)、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバチルス・ラクティス(Lactococcus lactis)、およびサッカロミセス・ブラウディ(Saccharomyces boulardii)が含まれる(Sonnenbornら、2009年;Dinleyiciら、2014年;米国特許第6,835,376号;米国特許第6,203,797号;米国特許第5,589,168号;米国特許第7,731,976号)。天然の病原性細菌は、病原性を低減または取り除くように遺伝子操作されてもよい。
「プロバイオティクス」は、適量の微生物を含有する宿主生物に対して健康の利点を与えることができる、生きている非病原性の微生物、例えば細菌を指すために使用される。いくつかの実施形態では、宿主生物は哺乳動物である。いくつかの実施形態では、宿主生物はヒトである。非病原性細菌のいくつかの種、株、および/または亜型は、現在、プロバイオティクスとして認識されている。プロバイオティクス細菌の例には、限定されないが、ビフィド細菌属(Bifidobacteria)、エシェリヒア属、ラクトバチルス属、およびサッカロミセス属、例えば、ビフィドバクテリウム・ビフィドゥム、エンテロコッカス・フェシウム、大腸菌、大腸菌株Nissle、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ブルガリカス、ラクトバチルス・パラカセイ、ラクトバチルス・プランタルム、およびサッカロミセス・ブラウディが含まれる(Dinleyiciら、2014年;米国特許第5,589,168号;米国特許第6,203,797号;米国特許第6,835,376号)。プロバイオティクスは細菌のバリアントまたは突然変異株であってもよい(Arthurら、2012年;Cuevas−Ramosら、2010年;Olierら、2012年;Nougayredeら、2006年)。非病原性細菌は、所望の生物学的特性、例えば生存率を向上または改善させるように遺伝子操作されてもよい。非病原性細菌は、プロバイオティクス特性を提供するように遺伝子操作されてもよい。プロバイオティクス細菌は、プロバイオティクス特性を向上または改善させるように遺伝子操作されてもよい。
本明細書において使用される場合、「安定に維持された」または「安定な」細菌は、非天然遺伝子物質、例えばエフェクター分子をコードする遺伝子を保有する細菌宿主細胞を指すために使用され、その非天然遺伝子物質が保持され、発現され、および/または増殖されるように、それは宿主ゲノム内に組み込まれるか、または自己複製染色体外プラスミド上で増殖する。安定な細菌は、in vitro、例えば培地中、および/またはin vivo、例えば消化管内で生存および/または増殖できる。例えば、安定な細菌は、PAL遺伝子を保有するプラスミドまたは染色体が宿主細胞中で安定に維持される、エフェクター分子(例えば、PAL)をコードする遺伝子を含む遺伝子組換え細菌であってもよく、それによりエフェクターは宿主細胞中で発現され得、宿主細胞はin vitroおよび/またはin vivoで生存および/または増殖できる。いくつかの実施形態では、コピー数は、非天然遺伝物質、例えば、PAL遺伝子の発現の安定性に影響を及ぼす。いくつかの実施形態では、コピー数は、非天然遺伝物質、例えば、PAL遺伝子またはPAH遺伝子の発現レベルに影響を及ぼす。
本明細書において使用される場合、「モジュレートする」および「処置する」という用語ならびにそれらの同語源語は、疾患、障害、および/もしくは状態、またはそれらのうちの少なくとも1つの識別できる症状の改善を指す。別の実施形態では、「モジュレートする」および「処置する」とは、必ずしも患者によって識別できるとは限らない、少なくとも1つの測定可能な物理的パラメータの改善を指す。別の実施形態では、「モジュレートする」および「処置する」とは、物理的(例えば、識別できる症状の安定化)、生理的(例えば、物理的パラメータの安定化)またはそれら両方のいずれかで、疾患、障害、および/または状態の進行を阻害することを指す。別の実施形態では、「モジュレートする」および「処置する」とは、疾患、障害、および/もしくは状態の進行を遅らせること、またはそれらの進行を反転させることを指す。疾患、障害、または状態を処置することは、基礎疾患の除去を必ずしも包含することなく、関連する症状を軽減または除去することを包含し得る。例えば、原発性高フェニルアラニン血症は、既知の治療法がない先天性の遺伝子変異によって引き起こされる。高フェニルアラニン血症は、他の状態、例えば肝疾患に続発することもある。高フェニルアラニン血症を処置することは、過剰なフェニルアラニンおよび/または関連する症状を軽減または除去することを含み得、必ずしも基礎疾患の除去を包含しない。本明細書において使用される場合、「予防する」およびその同語源語は、発症を遅延させること、あるいは所与の疾患、障害および/もしくは状態またはそのような疾患、障害、および/もしくは状態に関連した症状に罹るリスクを低減させることを指す。
処置を必要とするものは、特定の医学的疾患を既に有する個体、および疾患を有するリスクがあるか、または最終的に疾患に罹り得る個体を含んでもよい。処置の必要性は、例えば、疾患の発生、疾患の存在もしくは進行、または疾患を有する対象の処置に対する受容の可能性に関連する1つまたは複数のリスク因子の存在によって評価される。
本明細書において使用される場合、「医薬組成物」とは、生理学的に適切な担体および/または賦形剤などの他の成分との本発明の遺伝子操作された細菌の調製物を指す。
交換可能に使用されてもよい「生理学的に許容される担体」および「薬学的に許容される担体」という語句は、生物に著しい刺激を引き起こさず、投与される細菌性化合物の生物学的活性および特性を無効にしない担体または希釈剤を指す。アジュバントはこれらの語句に含まれる。
「賦形剤」という用語は、活性成分の投与をさらに容易にするために医薬組成物に加えられる不活性な物質を指す。例には、限定されないが、重炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、種々の糖および種類のデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、ポリエチレングリコール、ならびに例えばポリソルベート20を含む界面活性剤が含まれる。
「治療有効用量」および「治療有効量」という用語は、症状の発症の予防、遅延、または状態の症状の改善をもたらす化合物の量を指すために使用される。治療有効量は、例えば、重症度を処置し、予防し、低減させ、発症を遅延させ、および/または疾患もしくは状態の1つ以上の症状の発生リスクを低減させるのに十分であり得る。治療有効量、および投与の治療有効頻度は、当該分野において公知であり、以下に説明される方法によって決定され得る。
本明細書中で使用される場合、用語「抗体」または「抗体(複数)」は1つ以上の特定の結合特異性を有する抗体およびその断片の全てのバリエーションを包含することを意味する。したがって、用語「抗体」または「抗体(複数)」は、全長抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、一本鎖抗体(ScFv、ラクダ科動物)、Fab、Fab’、これらの断片の多量体バージョン(例えば、F(ab’)2)、単一ドメイン抗体(sdAB、VH断片)、重鎖抗体(HCAb)、ナノボディ、ダイアボディ、およびミニボディを含むことを意味する。抗体は、2つ以上の結合特異性、例えば、二重特異性を有することができる。用語「抗体」はいわゆる抗体模倣物を含むことも意味する。抗体模倣物は、抗原に特異的に結合することができるが、抗体関連構造を有さない、単一アミノ酸鎖分子であり得る低分子(例えば、3〜30kDa)を指す。抗体模倣物には、アフィボディ(Affibody)分子(プロテインAのZドメイン)、アフィリン(Affilin)(γ−Bクリスタリン)、ユビキチン、アフィマー(Affimer)(シスタチン)、アフィチン(Affitin)(Sac7d)(Sulfolobus acidocaldarius由来)、アルファボディ(三重らせんコイルドコイル)、アンチカリン(Anticalin)(リポカリン)、アビマー(Avimer)(様々な膜受容体のドメイン)、DARPin(アンキリンリピートモチーフ)、Fynomer(FynのSH3ドメイン)、Kunitzドメインペプチド(様々なプロテアーゼ阻害剤のKunitzドメイン)、エカランチド(Kalbitor)、およびモノボディが含まれるが、これらに限定されない。特定の態様では、用語「抗体」または「抗体(複数)」は、一本鎖抗体(複数可)、単一ドメイン抗体(複数可)、およびラクダ抗体(複数可)を指すことを意味する。癌の処置における抗体の有用性および追加の抗癌抗体は、例えば、その全体が参考として援用される、Scottら、「Antibody Therapy for Cancer、Nature Reviews Cancer、2012年4月、第12巻」に見出され得る。
「一本鎖抗体」または「一本鎖抗体(複数可)」は、典型的には免疫グロブリンの重鎖、免疫グロブリンの軽鎖、および任意にジスルフィド結合などのリンカーまたは結合を含むペプチドを指す。一本鎖抗体は、従来の抗体に見られる定常Fc領域を欠く。いくつかの実施形態では、一本鎖抗体は、天然に存在する一本鎖抗体、例えばラクダ抗体である。いくつかの実施形態では、一本鎖抗体が合成、操作、または改変された一本鎖抗体である。いくつかの実施形態では、一本鎖抗体は、リンカーの付加および定常領域の除去にもかかわらず、元の免疫グロブリンと比較して実質的に同じ抗原特異性を保持することができる。いくつかの態様では、一本鎖抗体は「scFv抗体」であり得、これは例えば、米国特許第4,946,778号(その内容はその全体が参考として本明細書に援用される)に記載されるように、任意に、10〜約25アミノ酸の短いリンカーペプチドで連結された、免疫グロブリンの重鎖(VH)および軽鎖(VL)(定常領域なし)の可変領域の融合タンパク質を指す。Fv断片は抗体の結合部位を保持する最小の断片であり、その結合部位は、いくつかの態様では、元の抗体の特異性を維持し得る。一本鎖抗体の製造のための技術は、米国特許第4,946,778号に記載されている。scFvのVhおよびVL配列は、VLのC末端に接続するVHのN末端を介して、またはVLのN末端に接続するVHのC末端を介して接続することができる。ScFv断片は、いずれかの末端で他のエピトープタグまたはタンパク質ドメインに区別なく融合され得る独立したフォールディングエンティティである。様々な長さのリンカーを使用して、VhおよびVL配列を連結することができ、該リンカーは、グリシンリッチ(柔軟性を提供する)およびセリンまたはスレオニンリッチ(溶解性を増加させる)であり得る。短いリンカーは、2つのドメインの会合を妨げ、多量体(ダイアボディ、トリボディなど)をもたらし得る。長いリンカーは、タンパク質分解または弱いドメイン会合を生じ得る(Voelkelら、2011年に記載される)。15〜20アミノ酸または18〜20アミノ酸の長さのリンカーが最も頻繁に使用される。他の柔軟なリンカーを含むリンカーのさらなる非限定的な例は、チェンら、2013年(Adv Drug Deliv Rev.2013年10月15日;65(10):1357−1369頁、Fusion Protein Linkers:Property, Design and Functionality)に記載されており、その内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。柔軟なリンカーはまた、グリジンおよびセリンなどの小さなまたは極性のアミノ酸に富むが、柔軟性を維持するためにスレオニンおよびアラニンなどの追加のアミノ酸、ならびに溶解性を改善するためにリジンおよびグルタミン酸などの極性のアミノ酸を含み得る。例示的なリンカーとしては、(Gly−Gly−Gly−Gly−Gly−Ser)n、KESGSSEQLAQFRSLDおよびEGKSSGSESKST、(Gly)8、ならびにGlyおよびSerリッチなフレキシブルリンカー、GSAGSAAGSGEFが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で使用される「一本鎖抗体」には、ラクダ抗体および他の重鎖抗体を含む単一ドメイン抗体、ナノボディを含む軽鎖抗体、ならびにヒト、マウスまたは他の種に由来する単一ドメインVHまたはVLドメインも含まれる。単一ドメイン抗体は、マウス、ヒト、ラクダ、ラマ、魚、サメ、ヤギ、ウサギ、およびウシを含むがこれらに限定されない任意の種に由来し得る。単一ドメイン抗体には、ラクダ、ラマ、またはアルパカに由来するラクダ科動物スキャフォールドを有するドメイン抗原結合ユニットが含まれる。ラクダ科動物は、軽鎖を欠く機能的抗体を産生する。重鎖可変(VH)ドメインは、自律的に折り畳まれ、抗原結合ユニットとして独立して機能する。その結合表面は、古典的な抗原結合分子(Fab)または一本鎖可変断片(scFv)における6つのCDRと比較して、3つのCDRのみを含む。ラクダ科動物の抗体は、従来の抗体のものに匹敵する結合親和性を達成することができる。ラクダ科動物スキャフォールドをベースとする抗体は、当該分野で周知の方法を使用して産生され得る。軟骨魚にも重鎖抗体(IgNAR、「免疫グロブリン新規抗原受容体」)があり、それからVNAR断片と呼ばれる単一ドメイン抗体を得ることができる。あるいは、ヒトまたはマウス由来のIgG由来の二量体可変ドメインがモノマーに分割され得る。ナノボディは、軽鎖に由来する一本鎖抗体である。用語「一本鎖抗体」はまた、抗体模倣物を指す。
いくつかの実施形態では、操作された微生物によって発現される抗体は二重特異性である。特定の実施形態では、二重特異性抗体分子はscFvまたはその断片を含み、第1のエピトープに対する結合特異性を有し、scFvまたはその断片は第2のエピトープに対する結合特異性を有する。抗原結合断片または抗体部分には、二価scFv(ダイアボディ)、抗体分子が2つの異なるエピトープを認識する二重特異性scFv抗体、単一結合ドメイン(dAb)、およびミニボディが含まれる。単量体の一本鎖ダイアボディ(scDb)は細菌および哺乳動物細胞において容易に組み立てられ、生理学的条件下で改善された安定性を示す(Voelkelら、2001年およびその中の参考文献;Protein Eng.(2001年)14(10):815−823頁(単量体および二量体の二重特異性一本鎖ダイアボディの発現のための最適化されたリンカー配列を記載する)。
「単離された」ポリペプチドまたはその断片、バリアント、もしくは誘導体は、その自然環境にないポリペプチドを指す。特定のレベルの精製は必要でない。細菌細胞または哺乳動物細胞を含むがこれらに限定されない宿主細胞において発現される組換え産生ポリペプチドおよびタンパク質は、任意の適切な技術によって分離、分画、または部分的もしくは実質的に精製された天然または組換えポリペプチドと同様に、本発明の目的のために単離されたと見なされる。組換えペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質は、組換えDNA技術によって産生された、すなわち、ポリペプチドをコードする外因性組換えDNA発現構築物によって形質転換された細胞、微生物または哺乳動物から産生されたペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質を指す。ほとんどの細菌培養物において発現されるタンパク質またはペプチドは、通常、グリカンを含まない。前述のポリペプチドの断片,誘導体,類似体またはバリアント、およびそれらの任意の組合せも、ポリペプチドとして含まれる。用語「断片」、「バリアント」、「誘導体」および「類似体」は、元のペプチドのアミノ酸配列に十分に類似したアミノ酸配列を有するポリペプチドを含み、対応する元のポリペプチドの少なくとも1つ以上の特性を保持する任意のポリペプチドを含む。本発明のポリペプチドの断片には、タンパク質分解断片、ならびに欠失断片が含まれる。断片には、本明細書中に記載される任意のポリペプチドに由来する特異的抗体または生物活性断片または免疫学的に活性な断片も含まれる。バリアントは、天然に存在してもよく、または非天然に存在してもよい。天然に存在しないバリアントは、当該分野で公知の突然変異誘発法を使用して産生され得る。バリアントポリペプチドは、保存的または非保存的アミノ酸置換、欠失または付加を含み得る。
本明細書において使用される場合、「ポリペプチド」という用語は、「ポリペプチド(単数)」および「ポリペプチド(複数)」を含み、アミド結合(すなわちペプチド結合)によって直線状に連結しているアミノ酸モノマーからなる分子を指す。「ポリペプチド」という用語は、2つ以上のアミノ酸の任意の鎖(複数可)を指し、特定の長さの産生物を指すわけではない。したがって、「ペプチド」、「ジペプチド」、「トリペプチド」、「オリゴペプチド」、「タンパク質」、「アミノ酸鎖」、または2つ以上のアミノ酸の鎖(複数可)を指すために使用される任意の他の用語は、「ポリペプチド」の定義の範囲内に含まれ、「ポリペプチド」という用語は、これらの用語のいずれかの代わりに、またはこれらの用語のいずれかと交換可能に使用されてもよい。「ジペプチド」という用語は、2つの連結しているアミノ酸のペプチドを指す。「トリペプチド」という用語は、3つの連結しているアミノ酸のペプチドを指す。「ポリペプチド」という用語はまた、限定されないが、グリコシル化、アセチル化、リン酸化、アミド化、誘導体化、タンパク質分解的切断、または天然に存在しないアミノ酸による改変を含む、ポリペプチドの発現後改変の産生物を指すことを意図する。ポリペプチドは、天然の生物学的起源に由来してもよく、または組換え技術によって産生されてもよい。他の実施形態では、ポリペプチドは、本発明の遺伝子操作された細菌またはウイルスによって産生される。本発明のポリペプチドは、約3個以上、5個以上、10個以上、20個以上、25個以上、50個以上、75個以上、100個以上、200個以上、500個以上、1000個以上、または2,000個以上のアミノ酸のサイズであってもよい。ポリペプチドは、定義された三次元構造を有してもよいが、必ずしもこのような構造を有する必要はない。定義された三次元構造を有するポリペプチドは折り畳まれたと称され、定義された三次元構造を保有しないが、多数の異なるコンホメーションを採用できるポリペプチドは折り畳まれていないと称される。「ペプチド」または「ポリペプチド」という用語は、タンパク質もしくはタンパク質の一部に対応するアミノ酸配列を指してもよく、または非タンパク質配列、例えば、調節ペプチド配列、リーダーペプチド配列、シグナルペプチド配列、リンカーペプチド配列、および他のペプチド配列から選択される配列に対応するアミノ酸配列を指してもよい。
ポリペプチドはまた、融合タンパク質も含む。本明細書において使用される場合、「バリアント」という用語は、元のペプチドの配列または元のペプチドと十分に類似する配列を含む融合タンパク質を含む。本明細書において使用される場合、「融合タンパク質」という用語は、2つ以上の異なるタンパク質のアミノ酸配列を含むキメラタンパク質を指す。典型的に、融合タンパク質は周知のin vitro組換え技術から生じる。融合タンパク質は、その融合タンパク質の成分である個々の元のタンパク質と類似した構造機能(しかし必ずしも同じ程度である必要はない)、および/または類似した調節機能(しかし必ずしも同じ程度である必要はない)、および/または類似した生化学機能(しかし必ずしも同じ程度である必要はない)および/または免疫学的活性(しかし必ずしも同じ程度である必要はない)を有してもよい。「誘導体」は、限定されないが、20個の標準的なアミノ酸の1つまたは複数の天然に存在するアミノ酸誘導体を含有するペプチドを含む。2つのペプチド間の「類似性」は、1つのペプチドのアミノ酸配列を第2のペプチドの配列と比較することによって決定される。1つのペプチドのアミノ酸は、それが同一または保存的アミノ酸置換である場合、第2のペプチドの対応するアミノ酸と類似している。保存的置換には、Dayhoff,M.O.、ed.、The Atlas of Protein Sequence and Structure 5、National Biomedical Research Foundation、Washington,D.C.(1978年)、およびArgos、EMBO J.8(1989年)、779〜785頁に記載されているものが含まれる。例えば、以下の群の1つに属するアミノ酸は保存的変化または保存的置換を表す:−Ala、Pro、Gly、Gln、Asn、Ser、Thr;−Cys、Ser、Tyr、Thr;−Val、Ile、Leu、Met、Ala、Phe;−Lys、Arg、His;−Phe、Tyr、Trp、His;および−Asp、Glu。
本明細書において使用される場合、「十分に類似する」という用語は、第1および第2のアミノ酸配列が共通の構造ドメインおよび/または共通の機能的活性を有するように、第2のアミノ酸配列と比較して十分なまたは最低限の数の同一または等価のアミノ酸残基を含有する第1のアミノ酸配列を意味する。例えば、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または少なくとも約100%同一である共通の構造ドメインを含むアミノ酸配列は、十分に類似していると本明細書において定義される。好ましくは、バリアントは本発明のペプチドのアミノ酸配列と十分に類似している。このようなバリアントは、一般に、本発明のペプチドの機能的活性を保持する。バリアントは、1つまたは複数のアミノ酸の欠失、付加、および/または置換によって、天然および野生型ペプチドとアミノ酸配列がそれぞれ異なるペプチドを含む。それらは天然に存在するバリアントおよび人工的に設計されたバリアントであってもよい。
本明細書において使用される場合、「リンカー」、「リンカーペプチド」または「ペプチドリンカー」または「リンカー」という用語は、2つのポリペプチド配列を接続または連結する、例えば2つのポリペプチドドメインを連結する合成または非天然もしくは天然に存在しないアミノ酸配列を指す。本明細書において使用される場合、「合成」という用語は、天然に存在しないアミノ酸配列を指す。例示的なリンカーが本明細書に記載される。さらなる例示的なリンカーは米国特許出願公開第20140079701号に提供されており、その内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
本明細書において使用される場合、「コドン最適化配列」という用語は、既存のコード配列から改変された、あるいは例えば、コード配列から転写された転写RNA分子の発現宿主細胞もしくは生物における翻訳を改善するように、またはコード配列の転写を改善するように設計された配列を指す。コドンの最適化には、限定されないが、発現宿主生物のコドンの選好性に適合するように、コード配列についてのコドンを選択することを含むプロセスが含まれる。「コドン最適化された」という用語は、核酸分子によってコードされるポリペプチドを変更することなく、宿主生物の典型的なコドン使用頻度を反映するために、当該核酸分子の遺伝子またはコード領域においてコドンを改変することを指す。このような最適化には、少なくとも1つ、または2つ以上、または相当な数のコドンを、宿主生物の遺伝子においてより頻繁に使用されている1つ以上のコドンで置換することが含まれる。「コドン最適化配列」とは、既存のコード配列から改変された、あるいは例えば、コード配列から転写された転写RNA分子の発現宿主細胞もしくは生物における翻訳を改善するように、またはコード配列の転写を改善するように設計された配列を指す。いくつかの実施形態において、転写および/または翻訳の改善は、転写および/または翻訳のレベルを増加させることを含む。いくつかの実施形態では、転写および/または翻訳の改善は、転写および/または翻訳のレベルを低下させることを含む。いくつかの実施形態では、目的の構築物からの発現レベルを微調整するために、コドン最適化が用いられる。コドンの最適化には、発現宿主生物のコドン選好性に適合するように、コード配列のコドンを選択することを含むプロセスが含まれるが、これに限定されない。多くの生物は、伸長中のポリペプチド鎖への特定のアミノ酸の挿入をコードするために、特定のコドンを使用するためのバイアスまたは選好性を示す。コドンの選好性またはコドンバイアス、生物間でのコドン使用頻度の差異は、遺伝暗号の縮重によって許容され、多くの生物の間で文書により十分に立証されている。コドンバイアスは、多くの場合、メッセンジャーRNA(mRNA)の翻訳効率と相関し、そのメッセンジャーRNA(mRNA)の翻訳効率は、とりわけ、翻訳されるコドンの特性および特定のトランスファーRNA(tRNA)分子の利用可能性に依存すると考えられる。細胞における選択されたtRNAの優性は、一般に、ペプチド合成において最も頻繁に使用されるコドンの反映である。したがって、遺伝子は、コドン最適化に基づいて、所与の生物における最適な遺伝子発現のために調整され得る。
本明細書において使用される場合、「分泌系」または「分泌タンパク質」という用語は、目的のタンパク質または治療用タンパク質を微生物、例えば細菌細胞質から分泌またはエクスポートすることができる天然または非天然の分泌機構を指す。分泌系は、単一のタンパク質を含んでもよく、またはHlyBDなど複合体に組み立てられた2つ以上のタンパク質を含んでもよい。グラム陰性細菌の分泌系の非限定的な例には、改変されたIII型鞭毛、I型(例えば、溶血素分泌系)、II型、IV型、V型、VI型、およびVII型分泌系、耐性−結節形成−分裂(resistance−nodulation−division)(RND)多剤排出ポンプ、様々な単一膜分泌系が含まれる。グラム陽性細菌の分泌系の非限定的な例には、SecおよびTAT分泌系が含まれる。いくつかの実施形態では、目的のタンパク質は、目的のタンパク質または治療用タンパク質を特定の分泌系へ導くためのRNAまたはペプチド起源の「分泌タグ」を含む。いくつかの実施形態では、分泌系は、操作された細菌から目的のタンパク質を分泌する前に、このタグを除去することができる。例えば、V型自己分泌媒介性分泌(auto−secretion−mediated secretion)において、N末端ペプチド分泌タグは、天然Sec系による細胞質からペリプラズム区画への「パッセンジャー」ペプチドの移行時に除去される。さらに、自己分泌因子(auto−secretor)が外膜を横切って移行すると、C末端分泌タグは、自己触媒的またはプロテアーゼ触媒的切断によって除去され得、それによって目的のタンパク質が細胞外環境に放出される。
本明細書において使用される場合、「トランスポーター」という用語は、分子、例えば、アミノ酸、毒素、代謝産物、基質などを細胞外環境から微生物へ取り込むための機構、例えばタンパク質(複数可)を指すことを意味する。例えば、PhePなどフェニルアラニントランスポーターは、フェニルアラニンを微生物に取り込む。
エフェクターはまた、免疫チェックポイント阻害剤を含む。「免疫チェックポイント阻害剤」または「免疫チェックポイント」は、1つ以上の免疫チェックポイントタンパク質を完全にまたは部分的に減少、阻害、妨害、またはモジュレートする分子をいう。免疫チェックポイントタンパク質はT細胞の活性化または機能を調節し、当技術分野で知られている。非限定的な例としては、CTLA−4およびそのリガンドであるCD80およびCD86、ならびにPD−1およびそのリガンドであるPD−L1およびPD−L2が挙げられる。免疫チェックポイントタンパク質は、T細胞応答の共刺激または阻害相互作用に関与し、自己寛容および生理学的免疫反応を調節および維持する。例えば、CTLA−4阻害剤を使用する全身性免疫療法は、免疫調節を変化させ、免疫機能不全を誘発し、日和見自己免疫障害をもたらし得る(例えば、Kongら、2014年を参照のこと)。
本明細書中で使用される場合、遺伝子操作された微生物、例えば、生物学的分子を「阻害する」操作された細菌もしくはファージ、または分子は、コントロール(例えば、同じ条件下にある未処理コントロールまたは同じ亜型の未改変微生物)と比較して、その生物学的分子の生物学的活性、生物学的機能、および/または数を低減、減少、または排除することができる細菌またはウイルスまたは分子を指す。
本明細書中で使用される場合、遺伝子操作された微生物、例えば、生物学的分子を「活性化」または「刺激」する操作された細菌またはファージ分子は、コントロール(例えば、同じ条件下にある未処理コントロールまたは同じ亜型の未改変微生物)と比較して、その生物学的分子の生物学的活性、生物学的機能、および/または数を活性化、増加、増強、または促進することができる細菌またはファージ分子を指す。
用語「ファージ」および「バクテリオファージ」は本明細書では互換的に使用される。両方の用語が、細菌に感染し、細菌内で複製するウイルスを指す。本明細書で使用される「ファージ」またはバクテリオファージは、プロファージ、溶原性ファージ、休眠性ファージ、テンペレートファージ、インタクトファージ、欠陥ファージ、クリプティックファージおよびサテライトファージ、ファージ尾部バクテリオシン、テリオオシン、ならびに遺伝子導入剤を総称して指す。
本明細書中で使用される場合、「プロファージ」という用語は、バクテリオファージのゲノム物質を意味し、宿主細胞のレプリコンに組み込まれ、宿主と共に複製する。プロファージは特異的に活性化されると、ファージを産生することができる。場合によっては、プロファージは、ファージを産生することができないか、またはファージを産生したことがない(すなわち、欠陥プロファージまたはクリプティックプロファージ)。場合によっては、プロファージはサテライトファージも意味する。用語「プロファージ」および「内因性ファージ」は、本明細書では互換的に用いられる。
本明細書中で使用される場合、用語「テンペレートファージ」または「テンペレートバクテリオファージ」または「プロファージ」は、細菌宿主のDNA内に存在し、かつ細菌複製サイクルおよび細胞分裂の間、宿主と共に複製するファージを指すために、互換的に使用される。
本明細書中で使用される場合、細菌もしくは生物の「自然状態」または細菌の「自然状態」という用語は、遺伝子工学によって改変されていない生物を指す。いくつかの場合では、細菌もしくは生物の「自然状態」または細菌の「自然状態」という用語は、定義された要素に関して改変された同質遺伝子型株と比較して、遺伝子工学によって改変されていない生物を指す。したがって、細菌は1つの定義された要素に関してはその自然状態にあるが、別の定義された要素に関してはその自然状態にない場合がある。いくつかの実施形態では、細菌は、その自然または天然状態において、同じまたは異なるファージまたはプロファージの1つ以上を含み得る。いくつかの実施形態では、その天然または自然状態において1つ以上の同じまたは異なった型のファージまたはプロファージを含む細菌は、操作された株のための前駆株として機能する。その結果、同じ1つ以上の内因性ファージまたはプロファージは、例えば前駆株または親株がその天然状態においてそのような内因性ファージまたはプロファージを含む場合、遺伝子操作された細菌中にも存在し得る。したがって、遺伝子操作された細菌は、その自然状態においてプロファージも含む(ここで、ファージは、その自然状態にある定義された要素である)。
「内因性ファージ」または「内因性プロファージ」はまた、細菌(およびその親株)の自然状態において存在するファージを指す。
本明細書中で使用される場合、「ファージノックアウト」または「不活化ファージ」という用語は、もはやファージ粒子を産生および/またはパッケージングすることができないように、あるいは野生型ファージ配列より少ないファージ粒子を産生するように改変されたファージを指す。いくつかの実施形態では、不活化ファージまたはファージノックアウトとは、溶原性状態にあるテンペレートファージの不活化、すなわちプロファージの不活化を指す。このような改変は、ファージにおける突然変異を指す;このような突然変異には、ファージゲノム内の1つ以上の位置、例えば、ファージゲノム内の1つ以上の遺伝子内における、挿入、欠失(ファージゲノムの部分的または完全な欠失)、置換、逆位が含まれる。
本明細書中で使用される場合、「同質遺伝子型」細菌株という用語は、遺伝的に同一であるか、または定義された変化を含むが、他の点では同一である細菌株を指す。例えば、同質遺伝子型突然変異体は、典型的には、一方が1つ以上の既知の遺伝子またはタンパク質における定義された突然変異を含むことを除いて、同一である2つの株を指す。したがって、ファージフリーまたはファージレス株は、プロファージを含む対応する同質遺伝子型株を有し、該プロファージは誘導されて、細菌細胞からファージ粒子を放出することができる。
本明細書中で使用される場合、形容詞「ファージフリー(phage−free)」、「ファージフリー(phage free)」および「ファージレス(phageless)」は、1つ以上のプロファージ(そのうちの1つ以上が改変されている)を含む細菌または株を特徴付けるために、互換的に使用される。改変は、プロファージが誘導される能力またはファージ粒子を放出する能力の喪失をもたらし得る。あるいは、改変は、改変を伴わない同質遺伝子型株と比較して、より低効率もしくはより低頻度の誘導、またはより低効率もしくはより低頻度のファージ放出をもたらし得る。ファージを誘導および放出する能力は、本明細書中に記載されるようなプラークアッセイを使用して測定され得る。
本明細書中で使用される場合、「溶原菌(lysogen)」という用語は、溶菌に必要なファージ遺伝子が発現されない、溶原サイクルにあるプロファージを含む細菌を指す。
本明細書中で使用される場合、ファージ誘導とは、溶菌性ファージ遺伝子が活性化され、ファージ粒子が産生されて溶菌が起こる、溶原性プロファージのライフサイクルの一部を指す。
本明細書中で使用される場合、誘導という用語は、溶原性感染の増殖性感染への変換を指し、すなわち、誘導されたプロファージは、ファージ粒子の産生および放出を開始する。誘導はしばしば、細菌DNAへの損傷によって刺激され、細菌染色体からのプロファージの切除を含んでも含まなくてもよい。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、障害、疾患または状態の処置、予防、管理、重症度の軽減、改善、治癒に有用である。いくつかの実施形態では、障害は自己免疫障害である。本明細書中で使用される場合、「自己免疫障害」には、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、急性壊死性出血性白質脳炎、アディソン病、無ガンマグロブリン血症、円形脱毛症、アミロイドーシス、強直性脊椎炎、抗GBM/抗TBM腎炎、抗リン脂質症候群(APS)、自己免疫性血管浮腫、自己免疫性再生不良性貧血、自己免疫性自律神経障害、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性高脂血症、自己免疫性免疫不全、自己免疫性内耳疾患(AIED)、自己免疫性心筋炎、自己免疫性卵巣炎、自己免疫性膵炎、自己免疫性網膜症、自己免疫性血小板減少性紫斑病(ATP)、自己免疫性甲状腺疾患、自己免疫性じん麻疹、軸索および神経ニューロパシー、バロー病、ベーチェット病、水疱性類天疱瘡、心筋症、キャッスルマン病、セリアック病、シャーガス病、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)、慢性再発性多発性骨髄炎(CRMO)、チャーグ・ストラウス症候群、瘢痕性類天疱瘡/良性粘膜類天疱瘡、クローン病、コガン症候群、寒冷凝集素病、先天性心ブロック、コクサッキー心筋炎、CREST病、本態性混合型クリオグロブリン血症、脱髄性神経障害、疱疹状皮膚炎、皮膚筋炎、デビック病(視神経脊髄炎)、円板状ループス、ドレスラー症候群、子宮内膜症、好酸球性食道炎、好酸球性筋膜炎、結節性紅斑、実験的アレルギー性脳脊髄炎、エバンス症候群、線維性肺胞炎、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)、巨細胞性心筋炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、多発血管炎を伴う肉芽腫症(GPA)、グレーブス病、ギランバレー症候群、橋本脳炎、橋本甲状腺炎、溶血性貧血、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、妊娠ヘルペス、低ガンマグロブリン血症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、IgA腎症、IgG4関連硬化性疾患、免疫調節性リポタンパク質、封入体筋炎、間質性膀胱炎、若年性関節炎、若年性特発性関節炎、若年性筋炎、川崎症候群、ランバート・イートン症候群、白血球破砕性血管炎、扁平苔癬、硬化性苔癬、木質性結膜炎、線形IgA疾患(LAD)、ループス(全身性エリテマトーデス)、慢性ライム病、メニエール病、顕微鏡的多発血管炎、混合性結合組織病(MCTD)、モーレン潰瘍、ミュシャ・ハーバーマン病、多発性硬化症、重症筋無力症、筋炎、ナルコレプシー、視神経脊髄炎(デビック)、好中球減少症、眼部瘢痕性類天疱瘡、視神経炎、回帰性リウマチ、PANDAS(連鎖球菌感染性小児自己免疫神経精神障害、ediatric utoimmune europsychiatric isorders ssociated with treptococcus)、傍腫瘍性小脳変性症、発作性夜間血色素尿症(PNH)、パリー・ロンバーグ症候群、神経痛性筋萎縮症(Parsonnage−Turner syndrome)、扁平部炎(末梢ブドウ膜炎)、天疱瘡、末梢神経障害、静脈周囲性脳脊髄炎、悪性貧血、POEMS症候群、結節性多発動脈炎、I型、II型、およびIII型多腺性自己免疫症候群、リウマチ性多発筋痛症、多発性筋炎、心筋梗塞後症候群、心膜切開後症候群、プロゲステロン皮膚炎、原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎、乾癬、乾癬性関節炎、特発性肺線維症、壊疽性膿皮症、赤芽球癆、レイノー現象、反応性関節炎、反射性交感神経性ジストロフィー、ライター症候群、再発性多発性軟骨炎、むずむず脚症候群、後腹膜線維症、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、シュミット症候群、強膜炎、強皮症、シェーグレン症候群、精子と精巣の自己免疫、スティッフパーソン症候群、亜急性細菌性心内膜炎(SBE)、スザック症候群、交感性眼炎、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎、血小板減少性紫斑病(TTP)、トロサ・ハント症候群、横断性脊髄炎、1型糖尿病、喘息、潰瘍性大腸炎、未分化結合組織病(UCTD)、ブドウ膜炎、血管炎、水疱性皮膚病、白斑、およびウェゲナー肉芽腫症が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、障害は移植片対宿主病である。
いくつかの実施形態では、疾患は代謝疾患である。本明細書中で使用される場合、「代謝疾患」には、1型糖尿病;2型糖尿病;メタボリックシンドローム;バルデ・ビードル症候群;プラダー・ウィリー症候群;非アルコール性脂肪性肝疾患;結節性硬化症;オルブライト症候群;脳由来神経栄養因子(BDNF)欠損;single−minded 1(SIM1)欠損;レプチン欠損;レプチン受容体欠損;プロオピオメラノコルチン(POMC)欠陥;プロタンパク質転換酵素スブチリシン/ケキシン1型(PCSK1)欠損;Srcホモロジー2B1(SH2B1)欠損;プロホルモン転換酵素1/3欠損;メラノコルチン−4−受容体(MC4R)欠損;ウィルムス腫瘍、無虹彩症、泌尿生殖器奇形、および精神遅滞(WAGR)症候群;偽性副甲状腺機能低下症1A型;脆弱X症候群;Borjeson−Forsmann−Lehmann症候群;アルストレーム症候群;コーエン症候群;および尺骨・乳房症候群を含むが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、障害は癌である。「癌」または「癌性」は、無秩序な細胞増殖を特徴とする生理学的状態を指すために使用される。いくつかの実施形態では、癌は腫瘍を指す。「腫瘍」は、任意の腫瘍性細胞の成長または増殖、あるいは任意の前癌性または癌性の細胞または組織を指すために使用される。腫瘍は悪性であっても良性であってもよい。癌の種類には、副腎癌、副腎皮質癌、肛門癌、虫垂癌、胆管癌、膀胱癌、骨癌(例えば、ユーイング肉腫、骨肉腫、悪性線維性組織球腫)、脳癌(例えば、星状細胞腫、脳幹神経膠腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫)、気管支腫瘍、中枢神経系腫瘍、乳癌、キャッスルマン病、子宮頸癌、結腸癌、直腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、眼癌、胆嚢癌、消化器癌、消化管カルチノイド、消化管間質性腫瘍、妊娠性絨毛性疾患、心臓癌、カポジ肉腫、腎臓癌、喉頭癌、下咽頭癌、白血病(例えば、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病)、肝癌、肺癌、リンパ腫(例えば、エイズ関連リンパ腫、バーキットリンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫)、悪性中皮腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、鼻腔癌、副鼻腔癌、鼻咽頭癌、神経芽細胞腫、口腔癌、中咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、膵臓癌、陰茎癌、下垂体腫瘍、前立腺癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、ラブドイド腫瘍、唾液腺癌、肉腫、皮膚癌(例えば、基底細胞癌、黒色腫)、小腸癌、胃癌、奇形腫、精巣癌、咽頭癌、胸腺癌、甲状腺癌、珍しい小児癌、尿道癌、子宮癌、子宮肉腫、膣癌、外陰癌、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、およびウィルムス腫瘍が含まれるが、これらに限定されない。癌処置の副作用には、日和見自己免疫障害、全身毒性、貧血、食欲不振、膀胱内壁の刺激、出血および紫斑(血小板減少症)、味覚または嗅覚の変化、便秘、下痢、口渇、嚥下障害、浮腫、疲労、脱毛(脱毛症)、感染症、不妊症、リンパ浮腫、口内炎、吐き気、痛み、末梢神経障害、虫歯、尿路感染症、および/または記憶および集中に関する問題が含まれ得るが、これらに限定されない(米国国立癌研究所)。いくつかの実施形態では、障害は高アンモニア血症障害である。
いくつかの実施形態では、障害は、高アンモニア血症、尿素サイクル異常症、プロピオン酸血症、メチルマロン酸血症、メープルシロップ尿症、イソ吉草酸血症、高シュウ酸尿症、フェニルケトン尿症を含むが、これらに限定されない稀な疾患である。
上述の障害の1つ以上の処置、予防、重症度の軽減、管理、改善、治癒のための例示的な回路は、係属中の共同所有の国際特許出願PCT/US2016/34200(出願日2016年5月25日)、PCT/US2017/013072(出願日2017年1月11日)、PCT/US2017/016603(出願日2017年2月3日)、PCT/US2017/016609(出願日2016年2月4日)、PCT/US2017/017563(出願日2017年2月10日)、PCT/US2017/017552(出願日2017年2月10日)、PCT/US2016/044922(出願日2016年7月29日)、PCT/US2016/049781(出願日2016年8月31日)、PCT/US2016/37098(出願日2016年6月10日)、PCT/US2016/069052(出願日2016年12月28日)、PCT/US2016/32562(出願日2016年5月13日)、PCT/US2016/062369(出願日2016年11月16日)、およびPCT/US2017/013072に記載されており、これらの内容はその全体が参照により本明細書に援用される。
本明細書において使用される場合、冠詞「1つの(a)」および「1つの(an)」は、明確に反対であることが示されていない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
「および/または」という語句は、列挙における要素の間で使用される場合、(1)単一の列挙された要素のみが存在すること、または(2)列挙の1つより多い要素が存在することのいずれかを意味することを意図する。例えば、「A、Bおよび/またはC」は、その選択が、A単独;B単独;C単独;AおよびB;AおよびC;BおよびC;またはA、B、およびCであり得ることを示す。「および/または」という語句は、列挙における要素の「少なくとも1つ」または「1つもしくは複数(1つ以上)」と交換可能に使用され得る。
(細菌)
いくつかの実施形態では、本明細書中に開示される細菌は、内因性ファージゲノムに対する1つ以上の突然変異または改変を含む。いくつかの実施形態では、細菌は、その自然状態または天然状態においてバクテリオファージを含む。いくつかの実施形態では、ファージは、特定の細菌の全ての分離株に存在する。いくつかの実施形態では、ファージは、同じ種、株、または亜株の細菌に存在する。いくつかの実施形態では、ファージはインタクトプロファージである。いくつかの実施形態では、ファージは欠陥プロファージである。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ファージを溶菌サイクルに入ることができないようにする。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、溶菌サイクルを経るファージの能力に影響を及ぼし、例えば、溶菌段階を経ることができる所与の集団内の細菌の頻度または数を減少させる。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ファージが他の細菌に感染するのを防止する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は細菌の適応度を変化させる(例えば、増加または減少させる)。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異はエフェクター機能を変化させる(例えば、増加または減少させる)。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は細菌の適応度を変化させない。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異はエフェクター機能を変化させない。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、大規模製造を含む、細菌が製造または産生されるプロセスを改善する。これらの実施形態のいずれかにおいて、細菌は、さもなければその自然状態であり得る。あるいは、これらの実施形態のいずれかにおいて、細菌は1つ以上のエフェクター分子をコードする遺伝子配列を含むように、さらに遺伝子操作され得る。
いくつかの実施形態では、1つ以上の変異ファージを含む細菌が細菌シャシー(chassis)として使用され得、それに遺伝子回路が追加または改変される。
いくつかの実施形態では、細菌は非病原性細菌である。いくつかの実施形態では、細菌は共生細菌である。いくつかの実施形態では、細菌はプロバイオティクス細菌である。いくつかの実施形態では、細菌は、病原性を低減させるか、または取り除くように改変または突然変異された天然の病原性細菌である。いくつかの実施形態では、非病原性細菌はグラム陰性細菌である。いくつかの実施形態では、非病原性細菌はグラム陽性細菌である。例示的な細菌には、限定されないが、バチルス属、バクテイロデス属、ビフィドバクテリウム属、ブレビ細菌属、クロストリジウム属、エンテロコッカス属、大腸菌、ラクトバチルス属、ラクトコッカス属、サッカロミセス属、およびスタフィロコッカス属、例えば、バチルス・コアグランス、バチルス・サブティリス、バクテロイデス・フラジリス、バクテロイデス・サブティリス、バクテロイデス・テタイオタオミクロン、ビフィドバクテリウム・ビフィドゥム、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ラクティス、ビフィドバクテリウム・ロングム、クロストリジウム・ブチリカム、エンテロコッカス・フェシウム、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・ブルガリカス、ラクトバチルス・カゼイ、ラクトバチルス・ジョンソニ、ラクトバチルス・パラカセイ、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・ロイテリ、ラクトバチルス・ラムノサス、ラクトバチルス・ラクティス、およびサッカロミセス・ブラウディが含まれる。特定の実施形態では、細菌は、バクテロイデス・フラジリス、バクテロイデス・テタイオタオミクロン、バクテロイデス・サブティリス、ビフィドバクテリウム・ビフィドゥム、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ラクティス、クロストリジウム・ブチリカム、大腸菌Nissle、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・プランタルム、ラクトバチルス・ロイテリ、およびラクトコッカス・ラクティスからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、細菌は、最も特徴付けられているプロバイオティクスの1つに進化した腸内細菌科(Enterobacteriaceae family)のグラム陰性細菌である、大腸菌株Nissle 1917(E.coli Nissle)である(Ukenaら、2007年)。その株はその完全な無害性により特徴付けられ(Schultz、2008年)、GRAS(一般に安全と認識されている(enerally ecognized afe))ステータスを有する(Reisterら、2014年、下線は筆者による)。ゲノムシークエンシングにより、大腸菌Nissleが重要な毒性因子(例えば、大腸菌α−溶血素、P−線毛付着因子)を欠失していることが確認された(Schultz、2008年)。さらに、大腸菌Nissleは病原性接着因子を保有せず、腸毒素または細胞毒素を全く産生せず、侵襲性ではなく、尿路病原性ではないことが示されている(Sonnenbornら、2009年)。早くも1917年に、大腸菌Nissleは、治療的使用のために、Mutaflorと呼ばれる医薬用カプセルにパッケージ化された。大腸菌Nissleの治療効果および安全性が説得力のある形で証明されていることは、一般に認められている(Ukenaら、2007年)。
いくつかの実施形態では、本開示の細菌は腫瘍標的細菌である。腫瘍標的細菌は、WO2017/123675として公開された、2017年1月11日出願の国際特許出願PCT/US2017/013072に記載されており、その内容はその全体が参照により本明細書に援用される。
当業者は、本明細書に開示される遺伝子改変が、細菌の他の種、株、および亜型に適合され得ることを理解するであろう。さらに、1つ以上の異なる種由来の遺伝子を相互に導入することができ、例えば、ロドスポリジウム・トルロイデス(Rhodosporidium toruloides)由来のPAL遺伝子を大腸菌において発現させることができる(Sarkissianら、1999年)。
これらの実施形態のいずれかにおいて、本明細書中に開示されるかまたは当技術分野で公知であり、本開示に従って使用され得る細菌種のいずれかは、1つ以上の内因性ファージゲノムへの1つ以上の突然変異または改変を含む。いくつかの実施形態では、内因性ファージゲノムへの改変は、ファージゲノム内の1つ以上の欠失、挿入、置換、もしくは逆位、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、改変は、ファージゲノム内の1つ以上の欠失である。いくつかの実施形態では、1つ以上のファージ遺伝子が欠失している。いくつかの実施形態では、1つ以上のファージ遺伝子が部分的に欠失している。いくつかの実施形態では、改変は、ファージゲノムにおける1つ以上の挿入である。いくつかの実施形態では、挿入は、本明細書に記載の抗生物質カセットをコードする遺伝子配列を含む。いくつかの実施形態では、ファージゲノム内の1つ以上の遺伝子が代替の遺伝子配列で置換される。いくつかの実施形態では、置換は、抗生物質カセットをコードする遺伝子配列を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のファージ遺伝子の配列全体が逆位している。いくつかの実施形態では、1つ以上のファージ遺伝子の部分配列が逆位している。
非改変大腸菌Nissleおよび本発明の遺伝子操作された細菌は、例えば、消化管もしくは血清中の防御因子によって(Sonnenbornら、2009年)、または投与後数時間もしくは数日の死滅スイッチ(kill switch)の活性化によって破壊され得る。したがって、遺伝子操作された細菌は、継続的な投与を必要とする場合がある。いくつかの実施形態では、滞留時間はヒト対象について計算される。in vivoでの滞留時間は、本発明の遺伝子操作された細菌について計算され得る(例えば、参照によりその全内容が本明細書に援用されるWO2017087580の図68を参照のこと)。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌はPALをコードする遺伝子を含み、PAL遺伝子は直接的または間接的に誘導可能なプロモーターに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、細菌は非天然のPAL遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、細菌は天然のPAL遺伝子の追加コピーを含む。いくつかの実施形態では、プロモーターは天然ではPAL遺伝子に関連していない。いくつかの実施形態では、プロモーターは、本明細書に開示されるプロモーターのいずれか1つ以上である。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌はPAHをコードする遺伝子を含み、PAH遺伝子は直接的または間接的に誘導可能なプロモーターに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、細菌は非天然のPAH遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、細菌は天然のPAH遺伝子の追加コピーを含む。いくつかの実施形態では、プロモーターは天然ではPAH遺伝子に関連していない。いくつかの実施形態では、プロモーターは、本明細書に開示されるプロモーターのいずれか1つ以上である。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌はLAADをコードする遺伝子を含み、LAAD遺伝子は直接的または間接的に誘導可能なプロモーターに作動可能に連結されている。いくつかの実施形態では、細菌は非天然のLAAD遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、細菌は天然のLAAD遺伝子の追加コピーを含む。いくつかの実施形態では、プロモーターは天然ではLAAD遺伝子に関連していない。いくつかの実施形態では、プロモーターは、本明細書に開示されるプロモーターのいずれか1つ以上である。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、フェニルアラニントランスポーター(PheP)をコードする遺伝子をさらに含む。特定の実施形態では、細菌は、フェニルアラニントランスポーターをコードする天然遺伝子の追加コピーを含み、フェニルアラニントランスポーター遺伝子は、直接的または間接的に誘導可能なプロモーターに作動可能に連結されている。代替の実施形態では、細菌は、非天然フェニルアラニントランスポーターをコードする遺伝子を含み、フェニルアラニントランスポーター遺伝子は、直接的または間接的に誘導可能なプロモーターに作動可能に連結されている。両方の実施形態は、「非天然」フェニルアラニントランスポーターという用語に包含される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、天然ではpheP遺伝子に関連していない。いくつかの実施形態では、同じプロモーターが、PhePおよびPALおよび/またはPAHおよび/またはLAADの発現を制御する。いくつかの実施形態では、PhePの発現を制御するプロモーターは、PALおよび/またはPAHおよび/またはLAADの発現を制御するプロモーターとは異なる。いくつかの実施形態では、PhePの発現を制御するプロモーターは、本明細書に開示されるプロモーターのいずれか1つ以上である。
いくつかの実施形態では、PAL、PAH、LAAD、および/またはphePに作動可能に連結されているプロモーターは、外因性環境条件によって直接的または間接的に誘導される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、哺乳動物の消化管に特異的な外因性環境条件によって直接的または間接的に誘導される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、哺乳動物の小腸に特異的な外因性環境条件によって直接的または間接的に誘導される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、哺乳動物の大腸に特異的な外因性環境条件によって直接的または間接的に誘導される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、哺乳動物の消化管の環境などの低酸素または嫌気性条件および/または低酸素条件によって直接的または間接的に誘導される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、哺乳動物の消化管に特異的である分子または代謝産物、例えばプロピオネートの存在によって直接的または間接的に誘導される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、テトラサイクリンへの曝露によって直接的または間接的に誘導される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、アラビノースへの曝露によって直接的または間接的に誘導される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、IPTGへの曝露によって直接的または間接的に誘導される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、ラムノースまたは当業者に既知の他の化学的および/もしくは栄養性誘導物質への曝露によって直接的または間接的に誘導される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、外因性の環境温度によって直接的または間接的に制御される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、IPTGまたは他のlacI結合性化合物への曝露によって直接的または間接的に誘導される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、ラムノースへの曝露によって直接的または間接的に誘導される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、温度の上昇によって直接的または間接的に誘導される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、温度の低下によって直接的または間接的に誘導される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、本発明の遺伝子操作された細菌と同時投与される分子によって直接的または間接的に誘導される。そのような分子は、テトラサイクリンまたはIPTGまたはアラビノースまたは当業者に既知の他の化学的および/もしくは栄養性誘導物質であり得る。
いくつかの実施形態では、プロモーターは、in vivo投与前に直接的または間接的に誘導される。in vivo投与前の菌株の培養中に提供されるこのような条件の非限定的な例には、低酸素、嫌気性、微好気性もしくは好気性条件、他の定義された酸素レベル(以下に例示されるものなど)、アラビノースの存在、IPTG、ラムノースまたは本明細書に記載されているか当技術分野で公知の他の化学的および/もしくは栄養性誘導物質の存在が含まれる。いくつかの実施形態では、培養容器中の条件は特定の酸素レベル、例えば、酸素1%〜10%、酸素10%〜20%、酸素20%〜30%、酸素30%〜40%、酸素40%〜50%、酸素60%〜70%、酸素70%〜80%、酸素80〜90%、酸素90%〜100%、および本明細書に記載される他の酸素レベルに設定され、その設定点においてプロモーターは直接的または間接的に誘導される。
(バクテリオファージ)
いくつかの実施形態では、本発明の細菌は、1つ以上の溶原性ファージ、休眠性ファージ、テンペレートファージ、インタクトファージ、欠陥ファージ、クリプティックファージもしくはサテライトファージ、またはバクテリオシン/ファージ尾部または遺伝子導入剤を、それらの自然状態で含む。いくつかの実施形態では、プロファージまたはバクテリオファージは、目的の特定の細菌の全ての分離株に存在する。いくつかの実施形態では、細菌はプロバイオティクス細菌である。いくつかの実施形態では、細菌は、このようなバクテリオファージの1つ以上を含む親株の遺伝子操作された誘導体である。従って、本発明のこのような細菌は、それらの自然状態であってもよく、または1つ以上のエフェクター分子の発現または産生のための回路を含むようにさらに遺伝的に改変されていてもよい。本明細書中に記載される実施形態のいずれかにおいて、細菌は、バクテリオファージの特性または挙動を変化させる、プロファージまたはバクテリオファージゲノム内の1つ以上の改変または突然変異を含む。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、プロファージが溶菌プロセスに入ること、またはそれを完了することを妨げる。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、ファージが同じまたは異なる型の他の細菌に感染することを妨げる。
いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、細菌宿主の適応度を変化させる(例えば、減少または増大させる)。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、例えば遺伝子操作された細菌の所望のエフェクター機能を変化させる(例えば、減少または増大させる)。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、細菌宿主の適応度を変化させない(例えば、減少または増大させない)。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、例えば遺伝子操作された細菌の所望のエフェクター機能を変化させない(例えば、減少または増大させない)。
ファージゲノムサイズは、最小のLeuconostocファージL5(2,435bp)、〜11.5kbp(例えば、マイコプラズマファージP1)、〜21kbp(例えば、ラクトコッカスファージc2)、および〜30kbp(例えば、PasteurellaファージF108)から、Bacillus megateriumファージGのほぼ500kbpのゲノムまで大きく変動する(Hatfull and Hendrix; Bacteriophages and their Genomes, Curr Opin Virol. 2011年10月1日;1(4):298−303頁、およびその中の参考文献)。ファージゲノムは、10個未満の遺伝子から数百個までの遺伝子をコードし得る。細菌プラスミドに組み込まれるファージのいくつかの例も存在するが、テンペレートファージまたはプロファージは、通常、細菌宿主の染色体に組み込まれている(Waldor MK, Friedman DI, Adhya S編 Phages Their Role in Bacterial Pathogenesis and Biotechnology.ワシントンDC:ASM Press;2005年、37−54頁中のLittle, Loysogeny, Prophage Induction, and Lysogenic Conversion)。場合によっては、ファージは常に細菌宿主染色体内の同じ位置にあり、この位置は各ファージに特異的、すなわち、異なるファージは異なる位置にある。他のファージは、それらが多数の異なる場所で組み込まれ得るという点で、より許容性である。
従って、本開示の細菌は、長さが変化し得る1つ以上のファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、長さが少なくとも約1bp〜10kbの範囲のバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、細菌は、長さが少なくとも約1bp〜10kbの範囲のバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、長さが少なくとも約10kb〜20kbの範囲のバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、長さが少なくとも約20kb〜30kbの範囲のバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、長さが少なくとも約30kb〜40kbの範囲のバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、長さが少なくとも約30kb〜40kbの範囲のバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、長さが少なくとも約40kb〜50kbの範囲のバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、長さが少なくとも約50kb〜60kbの範囲のバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌が、長さが少なくとも約60kb〜70kbの範囲のバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、長さが少なくとも約70kb〜80kbの範囲のバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、長さが少なくとも約80kb〜90kbの範囲のバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、長さが少なくとも約90kb〜100kbの範囲のバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、長さが少なくとも約100kb〜120kbの範囲のバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、長さが少なくとも約120kb〜140kbの範囲のバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、長さが少なくとも約140kb〜160kbの範囲のバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、長さが少なくとも約160kb〜180kbの範囲のバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、長さが少なくとも約180kb〜200kbの範囲のバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、長さが少なくとも約200kb〜180kbの範囲のバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、長さが少なくとも約160kb〜250kbの範囲のバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、長さが少なくとも約250kb〜300kbの範囲のバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、長さが少なくとも約300kb〜350kbの範囲のバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、長さが少なくとも約350kb〜400kbの範囲のバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、長さが少なくとも約400kb〜500kbの範囲のバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、長さが少なくとも約500kb〜1000kbの範囲のバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、長さが1000kbを超えるバクテリオファージゲノムを含む。
いくつかの実施形態では、本発明の細菌は、1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子を含有する1つ以上のファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約1〜5個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約5〜10個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約10〜15個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約15〜20個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約20〜25個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約25〜30個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約30〜35個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約35〜40個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約40〜45個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約45〜50個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約50〜55個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約55〜60個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約60〜65個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約65〜70個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約70〜75個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約75〜80個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約80〜85個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約85〜90個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約90〜95個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約95〜100個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約100〜115個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約115〜120個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約120〜125個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約125〜130個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約130〜135個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約135〜140個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約140〜145個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約145〜150個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約150〜160個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約160〜170個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約170〜180個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約180〜190個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約190〜200個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、少なくとも約200〜300個の遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、約300個を超える遺伝子を含有するバクテリオファージゲノムを含む。
いくつかの実施形態では、ファージは、常にまたはほとんど常に、特定の種の細菌宿主染色体内の同じ場所または位置にある。いくつかの実施形態では、ファージは、特定の種の宿主染色体内の異なる位置に組み込まれて見出される。いくつかの実施形態では、ファージはプラスミド上にある。
プロファージ配列の存在はまた、ファージなしの同質遺伝子型株には存在しない細菌に特定の特性を付与し得る。例えば、プロファージは、いくつかの場合において、細菌が抗生物質耐性を獲得すること、新しい環境ニッチに存在すること、接着を改善すること、または病原性になることを可能にし得る。加えて、溶菌プロセスを通じて、ある細菌由来のDNAがピックアップされ、別の細菌において放出され得るため、ファージは、遺伝子導入のためのビヒクル(vehicle)として機能する。
従って、いくつかの実施形態では、細菌は、該細菌に抗生物質耐性を付与するファージを含む。いくつかの実施形態では、細菌は、該細菌にさらなる適応度を付与するファージを含む。いくつかの実施形態では、細菌は、該細菌に新しい環境で増殖する能力を付与するファージを含む。いくつかの実施形態では、細菌は、宿主遺伝物質を同じまたは異なる種の別の細菌に移動する能力を付与するファージを含む。
いくつかの実施形態では、プロファージは、欠陥プロファージまたはクリプティックプロファージであり得る。欠陥プロファージは、もはや溶菌サイクルを経ることができない。クリプティックプロファージは、溶菌サイクルを経ることができないか、または溶菌サイクルを経たことがない場合がある。細菌ゲノムのプロファージの全レパートリーの機能的研究は、プロファージの大部分があるレベルで欠陥があることを示唆する:切除、ビリオン形成、溶解、または感染能力(Bobayら、2014年)。欠陥プロファージまたはクリプティックプロファージは、突然変異による崩壊および/または何千もの細菌複製サイクルにわたる溶菌サイクルに必須の1つ以上の遺伝子の損失の結果として、多くの細菌において高レベルの存在量に達し得る(Bobayら、Pervasive domestication of defective prophages by bacteria、Proc Natl Acad Sci USA)。注目すべきことに、欠陥プロファージはまた、相同組換え機能を有するタンパク質をコードする遺伝子、さらなる感染の防止のための機構、または(例えば他の隣接する細菌種の増殖阻害を通じて、栄養素のための競合において有用であり得る)バクテリオシンを含む、適応性のまたは有利な機能を宿主にもたらし得る多くの遺伝子をしばしば含む。例えば、いくつかの欠陥プロファージは、大腸菌K−12(例えば、Rac、e14、DLP12、およびQIN)およびバチルス・サブティリス(例えば、186およびSKIN)において特徴付けられている(Casjens、2001年、およびその中の参考文献)。これらのファージの各々は、いくつかの機能的遺伝子を保有する。例えば、Racは、RecE相同組換えシステムをコードする。
従って、いくつかの実施形態では、細菌は、1つ以上の欠陥またはクリプティックプロファージを含む。いくつかの実施形態では、プロファージ遺伝子は相同組換え機能を付与する。いくつかの実施形態では、プロファージ遺伝子は、さらなる感染を予防する機能を付与する。いくつかの実施形態では、プロファージ遺伝子は、バクテリオシンを付与する。いくつかの実施形態では、ファージ遺伝子は、炭素利用を増加させること、様々な条件下での増殖を増加させるために浸透圧、酸化および酸ストレスに対する耐性を向上させること、リンおよび窒素利用を強化すること、またはバイオフィルム形成に影響を及ぼすことによって、悪条件下での増殖を促進する。
いくつかの実施形態では、細菌は、1つ以上のサテライトファージゲノムを含む。サテライトファージは、それ自身の構造タンパク質遺伝子を持たないその他の点では機能的なファージであり、他の特定のファージの構造タンパク質によるカプセル化のために構成されたゲノムを持っている(SixおよびKlug、Bacteriophage P4: a satellite virus depending on a helper such as prophage P2、Virology、第51巻、第2号、1973年2月、327〜344頁)。従って、いくつかの実施形態では、細菌は、それ自身の構造遺伝子を持たないファージゲノムを含む。
いくつかの実施形態では、細菌は1つ以上のテリオオシンを含む。グラム陽性菌およびグラム陰性菌の両方の多くの細菌は、ファージ頭部を伴わずに機能的であるファージ尾部に似た様々な粒子を産生し(テリオオシンと呼ばれる)、その多くはバクテリオシン特性を有することが示されている(GhequireおよびMot、The Tailocin Tale: Peeling off Phage; Trends in Microbiology、2015年10月、第23巻、第10号に概説されている)。ファージ尾部様バクテリオシンは、収縮性ファージ尾部様(R型)と、非収縮性だが柔軟なもの(F型)の2つの異なるファミリーに分類される。従って、いくつかの実施形態では、細菌は、バクテリオシンまたは他の有益な特性を付与する1つ以上のテリオオシンを含む。
いくつかの実施形態では、細菌は、1つ以上の遺伝子導入剤を含む。遺伝子導入剤(GTA)は、いくつかの細菌ゲノムによってコードされるファージ様要素である。GTAはファージに似ているが、典型的なファージを規定する特徴的な能力を欠き、宿主細胞DNAのランダム断片をパッケージングして、それらを同じ種の他の細菌に水平に移す(Langら、Gene transfer agents: phage−like elements of genetic exchange, Nat Rev Microbiol. 2012年6月11日;10(7):472−482頁に概説されている)。そこで、DNAは、相同組換えによって、常在の同族染色体領域(cognate chromosomal region)を置換することができる。しかしながら、粒子の大部分はGTAをコードする遺伝子を有していないので、これらの粒子はウイルスとして増殖することができない。
いくつかの実施形態では、細菌は、1つ以上の糸状ビリオンを含む。糸状ビリオンは、dsDNAプロファージとして組み込まれる(Marvin DAら、Structure and assembly of filamentous bacteriophages、Prog Biophys Mol Biol.2014年4月;114(2):80−122頁に概説されている)。
本明細書中に記載される実施形態のいずれかにおいて、(例えば、フェニルアラニンの消費のための)1つ以上の酵素およびトランスポーターを発現する本明細書中に記載の遺伝子操作された細菌は、内因性プロファージまたはバクテリオファージゲノム内に1つ以上の改変または突然変異を含む。これらの改変は、プロファージの特性または挙動を変化させ得る。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、実質的に細菌の適応度に影響を及ぼさず、細菌適応度は、改変または突然変異のない同質遺伝子型株の適応度と実質的に同じである。プロファージは、実験的または計算的のいずれかで同定され得る。実験的アプローチは、宿主細菌をUV光または他のDNA損傷条件に曝露することによって、ファージ粒子を放出するように宿主細菌を誘導することを含む。しかしながら、場合によっては、プロファージが誘導される条件が不明であり、従って、プラークアッセイにおけるプラークの非存在は、プロファージの非存在を必ずしも証明しない。さらに、このアプローチは生存可能なファージの存在のみを示すことができるが、欠陥プロファージは明らかにしない。したがって、ゲノム配列データからのプロファージの計算による同定が、最も好ましい経路となっている。
いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、エフェクター機能に実質的に影響を及ぼさず、エフェクター機能は、改変または突然変異なしの同質遺伝子型株のエフェクター機能と実質的に同じである。表Hは、プロバイオティクス細菌の非限定的な例、およびPhasterスコアリングによって決定された細菌ゲノムに含まれる潜在的なバクテリオファージの数の一覧を提供する。表Iは、クロストリジウム株および潜在的なファージゲノムの一覧を提供する。Phasterは、生物中のファージ配列をバイオインフォマティックで同定するためのウェブサーバーである(http://phaster.ca/)。Phasterスコアリングは、phaster.caおよびZhouら(“PHAST:A Fast Phage Search tool”、Nucl.Acids Res.(2011年)39(suppl 2):W347−W352)およびArndtら(Arndtら(2016年)PHASTER:a better, faster version of the PHAST phage search tool. Nucleic Acids Res.,2016年5月3日)に詳細に記載されている。簡単に説明すると、3つの方法が異なる基準で適用され、与えられた細菌ゲノム配列中のプロファージ領域(インタクト、疑わしい、または不完全)をスコアリングする。第1の方法では、Phasterによって同定された特定のファージオルガニズムの数がその領域のCDSの総数の100%以上である場合、その領域に合計スコア150がマークされる。100%未満の場合、方法2および3が使用される。方法2では、与えられた細菌ゲノム配列中のPhasterによって同定された特定のファージオルガニズムの数が、その領域のCDSの総数の50%を超える場合、そのファージオルガニズムは、その領域についての主要な潜在的なファージとみなされる;その領域のタンパク質の総数におけるこの表中のそのファージオルガニズムの総数のパーセンテージが計算され、次いで100倍される;その領域の長さにおけるそのファージオルガニズムの長さのパーセンテージが計算され、次いで50倍される(ファージ頭部のカプセル化能力が考慮される)。方法3では、特定のファージ関連キーワード(「カプシド」、「頭部」、「インテグラーゼ」、「基盤」、「尾部」、「繊維」、「コート」、「トランスポザーゼ」、「ポータル」、「ターミナーゼ」、「プロテアーゼ」または「リシン」など)のいずれかが存在する場合、見つかったキーワードごとにスコアを10だけ増加させる。領域のサイズが30Kbより大きい場合、スコアは10だけ増加される。その領域に少なくとも40のタンパク質が存在する場合、スコアは10だけ増加される。ファージ関連タンパク質および仮想タンパク質の全てが、領域内のタンパク質の総数の70%を超える場合、スコアは10だけ増加される。方法2の合計スコアを方法3の合計スコアと比較し、大きい方を領域の合計スコアとして選択する。領域の合計スコアが70未満である場合、不完全とマークされ、70〜90の間である場合、疑わしいとマークされ、90を超える場合、インタクトとマークされる。
[表H]一般的なプロバイオティクスの適合株
Figure 2020525012
[表I]クロストリジウム株
Figure 2020525012
これらの実施形態のいずれかにおいて、本明細書に記載の細菌は、既存のプロファージまたはバクテリオファージゲノム内に1つ以上の改変または突然変異を含む。これらの改変は、プロファージの特性または挙動を変化させる。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、プロファージが溶菌プロセスに入ること、またはそれを完了することを妨げる。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、ファージが同じまたは異なる型の他の細菌に感染することを妨げる。
いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、細菌宿主の適応度を変化させる(例えば、減少または増大させる)。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、例えば遺伝子操作された細菌の所望のエフェクター機能を変化させる(例えば、減少または増大させる)。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、細菌宿主の適応度を変化させない(例えば、減少または増大させない)。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、例えば遺伝子操作された細菌の所望のエフェクター機能を変化させない(例えば、減少または増大させない)。
いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、フェニルアラニン消費を改善する。いくつかの実施形態では、フェニルアラニン消費は、未改変ファージを含む同質遺伝子型株において観察されるレベルと同様のままである。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、実質的に細菌適応度に影響を及ぼさず、細菌適応度は、改変または突然変異なしの同質遺伝子型株の適応度と実質的に同じである。
いくつかの実施形態では、細菌は、既存のプロファージおよび細菌ファージゲノムに対して、少なくとも約1〜2個、少なくとも約2〜3個、少なくとも約3〜4個、少なくとも約4〜5個、少なくとも約5〜6個、少なくとも約6〜7個、少なくとも約7〜8個、少なくとも約8〜9個、少なくとも約9〜10個、少なくとも約10〜11個、少なくとも約11〜12個、少なくとも約12〜13個、少なくとも約13〜14個、少なくとも約14〜15個、少なくとも約15〜16個、少なくとも約16〜17個、少なくとも約17〜18個、少なくとも約18〜19個、少なくとも約19〜20個、少なくとも約20〜21個、少なくとも約21〜22個、少なくとも約22〜23個、少なくとも約23〜24個、少なくとも約24〜25個、少なくとも約25〜26個、少なくとも約26〜27個、少なくとも約27〜28個、少なくとも約28〜29個、少なくとも約29〜30個、少なくとも約30〜31個、少なくとも約31〜32個、少なくとも約32〜33個、少なくとも約33〜34個、少なくとも約34〜35個、少なくとも約35〜36個、少なくとも約36〜37個、少なくとも約37〜38個、少なくとも約38〜39個、少なくとも約39〜40個、少なくとも約40〜41個、少なくとも約41〜42個、少なくとも約42〜43個、少なくとも約43〜44個、少なくとも約44〜45個、少なくとも約45〜46個、少なくとも約46〜47個、少なくとも約47〜48個、少なくとも約48〜49個、少なくとも約49〜50個、少なくとも約50〜51個、少なくとも約51〜52個、少なくとも約52〜53個、少なくとも約53〜54個、少なくとも約54〜55個、少なくとも約55〜56個、少なくとも約56〜57個、少なくとも約57〜58個、少なくとも約58〜59個、少なくとも約59〜60個、少なくとも約60〜61個、少なくとも約61〜62個、少なくとも約62〜63個、少なくとも約63〜64個、少なくとも約64〜65個、少なくとも約65〜66個、少なくとも約66〜67個、少なくとも約67〜68個、少なくとも約68〜69個、少なくとも約69〜70個、少なくとも約70〜71個、少なくとも約71〜72個、少なくとも約72〜73個、少なくとも約73〜74個、少なくとも約74〜75個、少なくとも約75〜76個、少なくとも約76〜77個、少なくとも約77〜78個、少なくとも約78〜79個、少なくとも約79〜80個、少なくとも約80〜81個、少なくとも約81〜82個、少なくとも約82〜83個、少なくとも約83〜84個、少なくとも約84〜85個、少なくとも約85〜86個、少なくとも約86〜87個、少なくとも約87〜88個、少なくとも約88〜89個、少なくとも約89〜90個、少なくとも約90〜91個、少なくとも約91〜92個、少なくとも約92〜93個、少なくとも約93〜94個、少なくとも約94〜95個、少なくとも約95〜96個、少なくとも約96〜97個、少なくとも約97〜98個、少なくとも約98〜99個、少なくとも約99〜100個、または少なくとも約100個以上の改変または突然変異を含む。
いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、エフェクター機能、例えばフェニルアラニン消費を改善する。いくつかの実施形態では、エフェクター機能、例えば、フェニルアラニン消費は、未改変ファージを含む同質遺伝子型株において観察されるものと同様のままである。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、実質的に細菌適応度に影響を及ぼさず、細菌適応度は、改変または突然変異なしの同質遺伝子型株の適応度と実質的に同じである。
いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、ファージ改変なしの同質遺伝子型株と比較して、プロファージ溶菌プロセスのエントリ(entry)または完了を、少なくとも約1〜2倍、少なくとも約2〜3倍、少なくとも約3〜4倍、少なくとも約4〜5倍、少なくとも約5〜10倍、少なくとも約10〜100倍、少なくとも約100〜1000倍減少させる。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、プロファージ溶菌処理のエントリまたは完了を完全に妨げる。
いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、ファージ改変なしの同質遺伝子型株と比較して、プロファージ溶菌プロセスのエントリまたは完了を、少なくとも約1%〜10%、少なくとも約10%〜20%、少なくとも約20%〜30%、少なくとも約30%〜40%、少なくとも約40%〜50%、少なくとも約50%〜60%、少なくとも約60%〜70%、少なくとも約70%〜80%、少なくとも約80%〜90%、または少なくとも約90%〜100%減少させる。
いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、ファージ改変なしの同質遺伝子型株と比較して、少なくとも約1〜2倍、少なくとも約2〜3倍、少なくとも約3〜4倍、少なくとも約4〜5倍、少なくとも約5〜10倍、少なくとも約10〜100倍、少なくとも約10〜20倍、少なくとも約20〜30倍、少なくとも約30〜40倍、少なくとも約40〜50倍、少なくとも約50〜60倍、少なくとも約60〜70倍、少なくとも約70〜80倍、少なくとも約80〜90倍、少なくとも約90〜100倍、または少なくとも約100〜1000倍、ファージが同じまたは異なる型の他の細菌に感染することを妨げる。いくつかの実施形態では、改変または変異は、ファージが同じまたは異なる型の他の細菌に感染することを完全に妨げる。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、少なくとも約1%〜10%、少なくとも約10%〜20%、少なくとも約20%〜30%、少なくとも約30%〜40%、少なくとも約40%〜50%、少なくとも約50%〜60%、少なくとも約60%〜70%、少なくとも約70%〜80%、少なくとも約80%〜90%、または少なくとも約90%〜100%、ファージが同じまたは異なる型の他の細菌に感染することを妨げる。
いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、ファージ改変なしの同質遺伝子型株と比較して、少なくとも約1〜2倍、少なくとも約2〜3倍、少なくとも約3〜4倍、少なくとも約4〜5倍、少なくとも約5〜10倍、少なくとも約10〜100倍、または少なくとも約100〜1000倍、細菌宿主の適応度を変化させる(例えば、減少または増大させる)。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、ファージ改変なしの同質遺伝子株と比較して、例えば、少なくとも約1%〜10%、少なくとも約10%〜20%、少なくとも約20%〜30%、少なくとも約30%〜40%、少なくとも約40%〜50%、少なくとも約50%〜60%、少なくとも約60%〜70%、少なくとも約70%〜80%、少なくとも約80%〜90%、または少なくとも約90%〜100%、細菌宿主の適応度を変化させる(例えば、減少または増大させる)。
いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、例えば遺伝子操作された細菌の所望のエフェクター機能を、少なくとも約1〜2倍、少なくとも約2〜3倍、少なくとも約3〜4倍、少なくとも約4〜5倍、少なくとも約5〜10倍、少なくとも約10〜100倍、または少なくとも約100〜1000倍変化させる(例えば、減少または増大させる)。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、例えば遺伝子操作された細菌の所望のエフェクター機能を、ファージ改変なしの同質遺伝子型株と比較して、少なくとも約1%〜10%、少なくとも約10%〜20%、少なくとも約20%〜30%、少なくとも約30%〜40%、少なくとも約40%〜50%、少なくとも約50%〜60%、少なくとも約60%〜70%、少なくとも約70%〜80%、少なくとも約80%〜90%、または少なくとも約90%〜100%変化させる(例えば、減少または増大させる)。
いくつかの実施形態では、突然変異は、ファージゲノム配列内の1つ以上の欠失を含む。本明細書中で使用される場合、「欠失」は、ポリヌクレオチド配列からの1つ以上のヌクレオチドの除去を指す。いくつかの実施形態では、突然変異は、ファージゲノム配列への1つ以上の挿入を含む。本明細書中で使用される場合、「挿入」は、ポリヌクレオチド配列への1つ以上のヌクレオチドの付加を指す。いくつかの実施形態では、抗生物質カセットが、ファージゲノム配列内の1つ以上の位置に挿入され得る。いくつかの実施形態では、突然変異は、ファージゲノム配列内の1つ以上の置換を含む。本明細書中で使用される場合、「置換」は、ポリヌクレオチド配列内の1つ以上のヌクレオチドを同数のヌクレオチドで置換することを指す。いくつかの実施形態では、突然変異は、ファージゲノム配列内の1つ以上の逆位を含む。本明細書中で使用される場合、「逆位」は、2つ以上のヌクレオチドを含むセグメントがポリヌクレオチド配列内で末端と末端を逆にされた場合を指す。いくつかの実施形態では、逆位は、特定のフリッパーゼによって支配され得る。複数レベルの制御を含む例示的な回路が、本明細書に例示されており、その内容全体が参照により本明細書に援用される共同所有の係属中のPCT出願PCT/US2016/039434にも記載されている。
いくつかの実施形態では、ファージゲノム内の改変は、1つ以上のファージゲノム遺伝子内の挿入、欠失、置換、または逆位の2つ以上の組み合わせである。
本明細書中に記載される実施形態のいずれかにおいて、改変は、ファージゲノム内の1つ以上の遺伝子における1つ以上のフレームシフト突然変異を生じ得る。本明細書中で使用される場合、フレームシフト突然変異(フレーミングエラーまたはリーディングフレームシフトとも呼ばれる)は、3で割り切れないDNA配列中の多数のヌクレオチドの挿入欠失(挿入または欠失)によって引き起こされる遺伝的変異を指す。配列中のより早い場所で欠失または挿入が発生するほど、タンパク質はより変化する。本明細書中に記載される実施形態のいずれかにおいて、改変は、ファージゲノム内の1つ以上の遺伝子における1つ以上のミスセンス突然変異を生じ得る。本明細書中で使用される場合、ミスセンス突然変異とは、単一の塩基対の変化が、得られるタンパク質における異なるアミノ酸の置換を引き起こす場合を指す。このアミノ酸置換は影響を有さないか、またはタンパク質を非機能性にし得る。本明細書中に記載される実施形態のいずれかにおいて、改変は、ファージゲノム内の1つ以上の遺伝子における1つ以上のナンセンス突然変異を生じ得る。本明細書中で使用される場合、ナンセンス突然変異は、遺伝暗号によって特定される20個のアミノ酸のうちの1つに対応するセンスコドンが鎖終結コドンに変化し、それによって目的のポリぺプチドがトランケーションされる(truncated)突然変異を指す。
いくつかの実施形態では、ファージゲノム内の改変は、1つ以上のファージゲノム遺伝子内の2つ以上のフレームシフト、ナンセンスまたはミスセンス突然変異の組み合わせである。いくつかの実施形態では、改変されたバクテリオファージは細菌染色体上に位置する。いくつかの実施形態では、改変されたバクテリオファージは細菌プラスミド上に位置する。いくつかの実施形態では、プラスミドが改変される。いくつかの実施形態では、プラスミドが完全に除去される。いくつかの実施形態では、ファージまたはプロファージは、特定の種のすべての分離株に存在する。いくつかの実施形態では、プロファージは、特定の門、目、亜目、ファミリー、クラス、サブクラス属、種、亜種、またはクレードのすべての分離株に存在する。
(突然変異)
いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、少なくとも約1〜500塩基対のファージゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、少なくとも約500〜1000塩基対のファージゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、少なくとも約1000〜2000塩基対のファージゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、少なくとも約1000〜2000塩基対のファージゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、少なくとも約2000〜3000塩基対のファージゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、少なくとも約3000〜4000塩基対のファージゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、少なくとも約4000〜5000塩基対のファージゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、少なくとも約5000〜6000塩基対のファージゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、少なくとも約6000〜7000塩基対のファージゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、少なくとも約7000〜8000塩基対のファージゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、少なくとも約8000〜9000塩基対のファージゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、少なくとも約9000〜10000塩基対のファージゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、少なくとも約10000〜15000塩基対のファージゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1以上の突然変異は、少なくとも約10000〜15000塩基対のファージゲノム、少なくとも約15000〜20000塩基対のファージゲノム、少なくとも約20000〜25000塩基対のファージゲノム、少なくとも約25000〜30000塩基対のファージゲノム、少なくとも約30000〜35000塩基対のファージゲノム、少なくとも約35000〜40000塩基対のファージゲノム、少なくとも約45000〜50000塩基対のファージゲノム、少なくとも約50000〜55000塩基対のファージゲノム、少なくとも約55000〜60000塩基対のファージゲノム、少なくとも約60000〜65000塩基対のファージゲノム、少なくとも約65000〜70000塩基対のファージゲノム、少なくとも約70000〜75000塩基対のファージゲノム、少なくとも約75000〜80000塩基対のファージゲノム、少なくとも約85000〜90000塩基対のファージゲノム、少なくとも約90000〜95000塩基対のファージゲノム、少なくとも約95000〜100000塩基対のファージゲノム、少なくとも約100000〜110000塩基対のファージゲノム、少なくとも約110000〜120000塩基対のファージゲノム、少なくとも約120000〜130000塩基対のファージゲノム、少なくとも約130000〜140000塩基対のファージゲノム、少なくとも約140000〜150000塩基対のファージゲノム、少なくとも約150000〜200000塩基対のファージゲノム、または少なくとも約200000塩基対超のファージゲノムを含む。特定の一実施形態では、9687塩基対のファージゲノムが突然変異している。いくつかの実施形態では、突然変異ヌクレオチドは散在している。いくつかの実施形態では、突然変異ヌクレオチドは連続している。いくつかの実施形態では、ファージゲノムの少なくとも約0.1〜1%、少なくとも約1〜2%、少なくとも約2〜3%、少なくとも約3〜4%、少なくとも約4〜5%、少なくとも約5〜6%、少なくとも約6〜7%、少なくとも約7〜8%、少なくとも約8〜9%、少なくとも約9〜10%、少なくとも約10〜11%、少なくとも約11〜12%、少なくとも約12〜13%、少なくとも約13〜14%、少なくとも約14〜15%、少なくとも約15〜16%、少なくとも約16〜17%、少なくとも約17〜18%、少なくとも約18〜19%、少なくとも約19〜20%、少なくとも約20〜21%、少なくとも約21〜22%、少なくとも約22〜23%、少なくとも約23〜24%、少なくとも約24〜25%、少なくとも約25〜26%、少なくとも約26〜27%、少なくとも約27〜28%、少なくとも約28〜29%、少なくとも約29〜30%が突然変異している。いくつかの実施形態では、ファージゲノムの少なくとも約30〜40%が突然変異している。いくつかの実施形態では、ファージゲノムの少なくとも約40〜50%が突然変異している。いくつかの実施形態では、ファージゲノムの少なくとも約50〜60%が突然変異している。いくつかの実施形態では、ファージゲノムの少なくとも約60〜70%が突然変異している。いくつかの実施形態では、ファージゲノムの少なくとも約70〜80%が突然変異している。いくつかの実施形態では、ファージゲノムの少なくとも約80〜90%が突然変異している。いくつかの実施形態では、ファージゲノムの少なくとも約90〜100%が突然変異している。
いくつかの実施形態では、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の遺伝子が突然変異している。いくつかの実施形態では、少なくとも約21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、または120個の遺伝子が突然変異している。いくつかの実施形態では、13個の遺伝子が完全にまたは部分的に突然変異している。一実施形態では、74個の遺伝子が完全にまたは部分的に突然変異している。
いくつかの実施形態では、ファージゲノム内の遺伝子の少なくとも約1%〜2%、少なくとも約2%〜3%、少なくとも約3%〜4%、少なくとも約4%〜5%、少なくとも約5%〜6%、少なくとも約6%〜7%、少なくとも約7%〜8%、少なくとも約8%〜9%、少なくとも約9%〜10%、少なくとも約10%〜11%、少なくとも約11%〜12%、少なくとも約12%〜13%、少なくとも約13%〜14%、少なくとも約14%〜15%、少なくとも約15%〜16%、少なくとも約16%〜17%、少なくとも約17%〜18%、少なくとも約18%〜19%、少なくとも約19%〜20%、少なくとも約20%〜21%、少なくとも約21%〜22%、少なくとも約22%〜23%、少なくとも約23%〜24%、少なくとも約24%〜25%、少なくとも約25%〜26%、少なくとも約26%〜約27%、少なくとも約27%〜28%、少なくとも約28%〜29%、少なくとも約29%〜30%、少なくとも約30%〜31%、少なくとも約31%〜32%、少なくとも約32%〜33%、少なくとも約33%〜34%、少なくとも約34%〜35%、少なくとも約35%〜36%、少なくとも約36%〜37%、少なくとも約37%〜38%、少なくとも約38%〜39%、少なくとも約39%〜40%、少なくとも約40%〜41%、少なくとも約41%〜42%、少なくとも約42%〜43%、少なくとも約43%〜44%、少なくとも約44%〜45%、少なくとも約45%〜46%、少なくとも約46%〜47%、少なくとも約47%〜48%、少なくとも約48%〜49%、少なくとも約49%〜50%、少なくとも約50%〜51%、少なくとも約51%〜52%、少なくとも約52%〜53%、少なくとも約53%〜54%、少なくとも約54%〜55%、少なくとも約55%〜56%、少なくとも約56%〜57%、少なくとも約57%〜58%、少なくとも約58%〜59%、少なくとも約59%〜60%、少なくとも約60%〜61%、少なくとも約61%〜62%、少なくとも約62%〜63%、少なくとも約63%〜64%、少なくとも約64%〜65%、少なくとも約65%〜66%、少なくとも約66%〜67%、少なくとも約67%〜68%、少なくとも約68%〜69%、少なくとも約69%〜70%、少なくとも約70%〜71%、少なくとも約71%〜72%、少なくとも約72%〜73%、少なくとも約73%〜74%、少なくとも約74%〜75%、少なくとも約75%〜76%、少なくとも約76%〜77%、少なくとも約77%〜78%、少なくとも約78%〜79%、少なくとも約79%〜80%、少なくとも約80%〜81%、少なくとも約81%〜82%、少なくとも約82%〜83%、少なくとも約83%〜84%、少なくとも約84%〜85%、少なくとも約85%〜86%、少なくとも約86%〜87%、少なくとも約87%〜88%、少なくとも約88%〜89%、少なくとも約89%〜90%、少なくとも約90%〜91%、少なくとも約91%〜92%、少なくとも約92%〜93%、少なくとも約93%〜94%、少なくとも約94%〜95%、少なくとも約95%〜96%、少なくとも約96%〜97%、少なくとも約97%〜98%、少なくとも約98%〜99%、少なくとも約99%〜100%、または少なくとも約100%が完全にまたは部分的に突然変異している。
いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ファージゲノムの最初(beginning)または5’末端に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ファージゲノムの最後(end)または3’末端に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ファージゲノムの中間に位置する。いくつかの実施形態では、ファージ遺伝子は細菌ゲノム内に散在し、突然変異は散在した位置の1つ以上に位置する。
いくつかの実施形態では、最適な突然変異のための領域、すなわち所望の効果を達成するための領域は、他の細菌中の他のファージとの相同性の分析によって決定され得る。ファージ中の相同な保存領域は保存されており、1つ以上の必須遺伝子を含み得るので、突然変異に適している場合がある。いくつかの実施形態では、プロモーターなどの調節エレメントが突然変異している。いくつかの実施形態では、コード配列が突然変異している。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異領域は、溶菌サイクルに必須の1つ以上の遺伝子を含む。
いくつかの実施形態では、突然変異は、溶菌遺伝子をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、1つ以上のプロテアーゼまたはリシン(lysin)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、1つ以上の毒素をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、1つ以上の抗生物質耐性関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、1つ以上のファージ翻訳関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、構造タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。このような構造遺伝子には、頭部、尾部、カラー、またはコートのポリペプチドをコードする遺伝子が含まれる。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、頭部構造のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、尾部構造のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、カラー構造のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、尾部タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、コート構造のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、1つ以上の基盤タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、バクテリオファージの構築に必要な1つ以上のタンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、1つ以上のポータル(portal)タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、組換えに関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、1つ以上のインテグラーゼをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、1つ以上のインベルターゼ(invertase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、1つ以上のトランスポザーゼ(transposase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、複製または翻訳に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、1つ以上のプライマーゼ(primase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、1つ以上のtRNA関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、ファージ挿入に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、接着部位をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、パッケージングに関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、1つ以上のターミナーゼをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、1つ以上の宿主遺伝子をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。
いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、または宿主タンパク質、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。
いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。
いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする1個の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする2個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする3個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする4個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする2個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする5個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする6個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする7個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする8個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする9個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする10個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする11個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする12個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする13個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする14個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする15個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする少なくとも約16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100個以上の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、ファージゲノム内の1つ以上の宿主タンパク質内に位置するか、またはそれを包含する。
(欠失)
いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、少なくとも約1〜500塩基対のファージゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、少なくとも約500〜1000塩基対のファージゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、少なくとも約1000〜2000塩基対のファージゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、少なくとも約1000〜2000塩基対のファージゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、少なくとも約2000〜3000塩基対のファージゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、少なくとも約3000〜4000塩基対のファージゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、少なくとも約4000〜5000塩基対のファージゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、少なくとも約5000〜6000塩基対のファージゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、少なくとも約6000〜7000塩基対のファージゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、少なくとも約7000〜8000塩基対のファージゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、少なくとも約8000〜9000塩基対のファージゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、少なくとも約9000〜10000塩基対のファージゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、少なくとも約10000〜15000塩基対のファージゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、少なくとも約10000〜15000塩基対のファージゲノム、少なくとも約15000〜20000塩基対のファージゲノム、少なくとも約20000〜25000塩基対のファージゲノム、少なくとも約25000〜30000塩基対のファージゲノム、少なくとも約30000〜35000塩基対のファージゲノム、少なくとも約35000〜40000塩基対のファージゲノム、少なくとも約40000〜45000塩基対のファージゲノム、少なくとも約45000〜50000塩基対のファージゲノム、少なくとも約50000〜55000塩基対のファージゲノム、少なくとも約55000〜60000塩基対のファージゲノム、少なくとも約60000〜65000塩基対のファージゲノム、少なくとも約65000〜70000塩基対のファージゲノム、少なくとも約70000〜75000塩基対のファージゲノム、少なくとも約75000〜80000塩基対のファージゲノム、少なくとも約80000〜85000塩基対のファージゲノム、少なくとも約85000〜90000塩基対のファージゲノム、少なくとも約90000〜95000塩基対のファージゲノム、少なくとも約95000〜100000塩基対のファージゲノム、少なくとも約100000〜110000塩基対のファージゲノム、少なくとも約110000〜120000塩基対のファージゲノム、少なくとも約120000〜130000塩基対のファージゲノム、少なくとも約130000〜140000塩基対のファージゲノム、少なくとも約140000〜150000塩基対のファージゲノム、少なくとも約150000〜200000塩基対のファージゲノム、または200000塩基対超のファージゲノムを含む。特定の一実施形態では、9687塩基対のファージゲノムが欠失している。いくつかの実施形態では、欠失したヌクレオチドは散在している。いくつかの実施形態では、欠失したヌクレオチドは連続している。
いくつかの実施形態では、ファージゲノムの少なくとも約0.1〜1%、少なくとも約1〜2%、少なくとも約2〜3%、少なくとも約3〜4%、少なくとも約4〜5%、少なくとも約5〜6%、少なくとも約6〜7%、少なくとも約7〜8%、少なくとも約8〜9%、少なくとも約9〜10%、少なくとも約10〜11%、少なくとも約11〜12%、少なくとも約12〜13%、少なくとも約13〜14%、少なくとも約14〜15%、少なくとも約15〜16%、少なくとも約16〜17%、少なくとも約17〜18%、少なくとも約18〜19%、少なくとも約19〜20%、少なくとも約20〜21%、少なくとも約21〜22%、少なくとも約22〜23%、少なくとも約23〜24%、少なくとも約24〜25%、少なくとも約25〜26%、少なくとも約26〜27%、少なくとも約27〜28%、少なくとも約28〜29%、または少なくとも約29〜30%が欠失している。いくつかの実施形態では、ファージゲノムの少なくとも約30〜40%が欠失している。いくつかの実施形態では、ファージゲノムの少なくとも約40〜50%が欠失している。いくつかの実施形態では、ファージゲノムの少なくとも約50〜60%が欠失している。いくつかの実施形態では、ファージゲノムの少なくとも約60〜70%が欠失している。いくつかの実施形態では、ファージゲノムの少なくとも約70〜80%が欠失している。いくつかの実施形態では、ファージゲノムの少なくとも約80〜90%が欠失している。いくつかの実施形態では、ファージゲノムの少なくとも約90〜100%が欠失している。
いくつかの実施形態では、1つ以上の遺伝子が、ファージゲノム内で部分的にまたは完全に欠失している。いくつかの実施形態では、1つ以上の遺伝子が完全に欠失し、1つ以上の遺伝子が部分的に欠失している。一実施形態では、ファージゲノム内に1つの欠失があり、当該欠失の末端の1つまたは2つの遺伝子が部分的に欠失し、残りの遺伝子が完全に欠失している。いくつかの実施形態では、欠失した遺伝子は互いに隣接している。いくつかの実施形態では、欠失した遺伝子は互いに隣接していない。
いくつかの実施形態では、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の遺伝子が欠失している。いくつかの実施形態では、少なくとも約21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、または120個の遺伝子が欠失している。いくつかの実施形態では、13個の遺伝子が完全にまたは部分的に欠失している。一実施形態では、74個の遺伝子が完全にまたは部分的に欠失している。いくつかの実施形態では、ファージゲノム内の遺伝子の少なくとも約1%〜2%、少なくとも約2%〜3%、少なくとも約3%〜4%、少なくとも約4%〜5%、少なくとも約5%〜6%、少なくとも約6%〜7%、少なくとも約7%〜8%、少なくとも約8%〜9%、少なくとも約9%〜10%、少なくとも約10%〜11%、少なくとも約11%〜12%、少なくとも約12%〜13%、少なくとも約13%〜14%、少なくとも約14%〜15%、少なくとも約15%〜16%、少なくとも約16%〜17%、少なくとも約17%〜18%、少なくとも約18%〜19%、少なくとも約19%〜20%、少なくとも約20%〜21%、少なくとも約21%〜22%、少なくとも約22%〜23%、少なくとも約23%〜24%、少なくとも約24%〜25%、少なくとも約25%〜26%、少なくとも約26%〜27%、少なくとも約27%〜28%、少なくとも約28%〜29%、少なくとも約29%〜30%、少なくとも約30%〜31%、少なくとも約31%〜32%、少なくとも約32%〜33%、少なくとも約33%〜34%、少なくとも約34%〜35%、少なくとも約35%〜36%、少なくとも約36%〜37%、少なくとも約37%〜38%、少なくとも約38%〜39%、少なくとも約39%〜40%、少なくとも約40%〜41%、少なくとも約41%〜42%、少なくとも約42%〜43%、少なくとも約43%〜44%、少なくとも約44%〜45%、少なくとも約45%〜46%、少なくとも約46%〜47%、少なくとも約47%〜48%、少なくとも約48%〜49%、少なくとも約49%〜50%、少なくとも約50%〜51%、少なくとも約51%〜52%、少なくとも約52%〜53%、少なくとも約53%〜54%、少なくとも約54%〜55%、少なくとも約55%〜56%、少なくとも約56%〜57%、少なくとも約57%〜58%、少なくとも約58%〜59%、少なくとも約59%〜60%、少なくとも約60%〜61%、少なくとも約61%〜62%、少なくとも約62%〜63%、少なくとも約63%〜64%、少なくとも約64%〜65%、少なくとも約65%〜66%、少なくとも約66%〜67%、少なくとも約67%〜68%、少なくとも約68%〜69%、少なくとも約69%〜70%、少なくとも約70%〜71%、少なくとも約71%〜72%、少なくとも約72%〜73%、少なくとも約73%〜74%、少なくとも約74%〜75%、少なくとも約75%〜76%、少なくとも約76%〜77%、少なくとも約77%〜78%、少なくとも約78%〜79%、少なくとも約79%〜80%、少なくとも約80%〜81%、少なくとも約81%〜82%、少なくとも約82%〜83%、少なくとも約83%〜84%、少なくとも約84%〜85%、少なくとも約85%〜86%、少なくとも約86%〜87%、少なくとも約87%〜88%、少なくとも約88%〜89%、少なくとも約89%〜90%、少なくとも約90%〜91%、少なくとも約91%〜92%、少なくとも約92%〜93%、少なくとも約93%〜94%、少なくとも約94%〜95%、少なくとも約95%〜96%、少なくとも約96%〜97%、少なくとも約97%〜98%、少なくとも約98%〜99%、少なくとも約99%〜100%、または少なくとも約100%が完全にまたは部分的に欠失している。
いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、ファージゲノムの最初(beginning)または5’末端に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、ファージゲノムの最後(end)または3’末端に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、ファージゲノムの中間に位置する。いくつかの実施形態では、ファージ遺伝子は細菌ゲノム内に散在し、欠失は散在した位置の1つ以上に位置する。
いくつかの実施形態では、最適な欠失のための領域、すなわち所望の効果を達成するための領域は、他の細菌中の他のファージとの相同性の分析によって決定され得る。ファージ中の相同な保存領域は保存されており、1つ以上の必須遺伝子を含み得るので、欠失に適している場合がある。いくつかの実施形態では、プロモーターなどの調節エレメントが欠失している。いくつかの実施形態では、コード配列が欠失している。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失領域は、溶菌サイクルに必須の1つ以上の遺伝子を含む。
いくつかの実施形態では、欠失は、溶菌遺伝子をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上のプロテアーゼまたはリシン(lysin)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上の毒素をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上の抗生物質耐性関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上のファージ翻訳関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、構造タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。このような構造遺伝子には、頭部、尾部、カラー、またはコートのポリペプチドをコードする遺伝子が含まれる。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、頭部構造のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、尾部構造のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、カラー構造のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、コート構造のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上の基盤タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、バクテリオファージの構築に必要な1つ以上のタンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上のポータル(portal)タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、組換えに関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上のインテグラーゼをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上のインベルターゼ(invertase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上のトランスポザーゼ(transposase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、複製または翻訳に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上のプライマーゼ(primase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上のtRNA関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、ファージ挿入に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、接着部位をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、パッケージングに関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上のターミナーゼをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上の宿主遺伝子をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。
いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、または宿主タンパク質、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。
いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。
いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする1個の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする2個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする3個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする4個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする2個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする5個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする6個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする7個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする8個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする9個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする10個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする11個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする12個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする13個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする14個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする15個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする少なくとも約16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100個以上の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、ファージゲノム内の1つ以上の宿主タンパク質内に位置するか、またはそれを包含する。
(挿入)
いくつかの実施形態では、挿入は、ファージゲノムのコード領域にある。いくつかの実施形態では、挿入はファージゲノムの調節領域に挿入される。いくつかの実施形態では、挿入は1つ以上の抗生物質カセットを含む。適切な抗生物質カセットは当該分野で公知であり、このような抗生物質カセットの非限定的な例は本明細書中に記載されている。いくつかの実施形態では、抗生物質はクロラムフェニコールである。いくつかの実施形態では、抗生物質はカナマイシンである。いくつかの実施形態では、抗生物質はアンピシリンである。いくつかの実施形態では、抗生物質はクロラムフェニコールおよびカナマイシンである。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、少なくとも約1〜500塩基対の長さを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、少なくとも約500〜1000塩基対の長さを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、少なくとも約1000〜2000塩基対の長さを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、少なくとも約1000〜2000塩基対の長さを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、少なくとも約2000〜3000塩基対の長さを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、少なくとも約3000〜4000塩基対の長さを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、少なくとも約4000〜5000塩基対の長さを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、少なくとも約5000〜6000塩基対の長さを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、少なくとも約6000〜7000塩基対の長さを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、少なくとも約7000〜8000塩基対の長さを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、少なくとも約8000〜9000塩基対の長さを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、少なくとも約9000〜10000塩基対の長さを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、少なくとも約10000〜15000塩基対の長さを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、少なくとも約10000〜15000塩基対の長さ、少なくとも約15000〜20000塩基対の長さ、少なくとも約20000〜25000塩基対の長さ、少なくとも約25000〜30000塩基対の長さ、少なくとも約30000〜35000塩基対の長さ、少なくとも約35000〜40000塩基対の長さ、少なくとも約40000〜45000塩基対の長さ、少なくとも約45000〜50000塩基対の長さ、少なくとも約50000〜55000塩基対の長さ、少なくとも約55000〜60000塩基対の長さ、少なくとも約60000〜65000塩基対の長さ、少なくとも約65000〜70000塩基対の長さ、少なくとも約70000〜75000塩基対の長さ、少なくとも約75000〜80000塩基対の長さ、少なくとも約80000〜85000塩基対の長さ、少なくとも約85000〜90000塩基対の長さ、少なくとも約90000〜95000塩基対の長さ、少なくとも約95000〜100000塩基対の長さ、少なくとも約100000〜110000塩基対の長さ、少なくとも約110000〜120000塩基対の長さ、少なくとも約120000〜130000塩基対の長さ、少なくとも約130000〜140000塩基対の長さ、少なくとも約140000〜150000塩基対の長さ、少なくとも約150000〜200000塩基対の長さ、または少なくとも約200000塩基対超の長さを含む。特定の一実施形態では、9687塩基対の長さが挿入される。いくつかの実施形態では、挿入されたヌクレオチドは散在している。いくつかの実施形態では、挿入されたヌクレオチドは連続している。
いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ファージゲノムの1〜500塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ファージゲノムの少なくとも約500〜1000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ファージゲノムの少なくとも約1000〜2000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ファージゲノムの少なくとも約1000〜2000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ファージゲノムの少なくとも約2000〜3000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ファージゲノムの少なくとも約3000〜4000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ファージゲノムの少なくとも約4000〜5000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ファージゲノムの少なくとも約5000〜6000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ファージゲノムの少なくとも約6000〜7000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ファージゲノムの少なくとも約7000〜8000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ファージゲノムの少なくとも約8000〜9000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ファージゲノムの少なくとも約9000〜10000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ファージゲノムの少なくとも約10000〜15000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ファージゲノムの少なくとも約10000〜15000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約15000〜20000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約20000〜25000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約25000〜30000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約30000〜35000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約35000〜40000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約40000〜45000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約45000〜50000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約50000〜55000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約55000〜60000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約60000〜65000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約65000〜70000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約70000〜75000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約75000〜80000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約80000〜85000塩基対内、少なくとも約85000〜90000塩基対内、ファージゲノム、ファージゲノムの少なくとも約90000〜95000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約95000〜100000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約100000〜110000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約110000〜120000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約120000〜130000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約130000〜140000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約140000〜150000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約150000〜200000塩基対内、またはファージゲノムの少なくとも約200000塩基対超内に位置する。特定の一実施形態では、ファージゲノムの9687塩基対が挿入される。いくつかの実施形態では、挿入されたヌクレオチドは散在している。いくつかの実施形態では、挿入されたヌクレオチドは連続している。
いくつかの実施形態では、挿入は、ファージゲノムの少なくとも約0.1〜1%、少なくとも約1〜2%、少なくとも約2〜3%、少なくとも約3〜4%、少なくとも約4〜5%、少なくとも約5〜6%、少なくとも約6〜7%、少なくとも約7〜8%、少なくとも約8〜9%、少なくとも約9〜10%、少なくとも約10〜11%、少なくとも約11〜12%、少なくとも約12〜13%、少なくとも約13〜14%、少なくとも約14〜15%、少なくとも約15〜16%、少なくとも約16〜17%、少なくとも約17〜18%、少なくとも約18〜19%、少なくとも約19〜20%、少なくとも約20〜21%、少なくとも約21〜22%、少なくとも約22〜23%、少なくとも約23〜24%、少なくとも約24〜25%、少なくとも約25〜26%、少なくとも約26〜27%、少なくとも約27〜28%、少なくとも約28〜29%、少なくとも約29〜30%内に位置する。いくつかの実施形態では、ファージゲノムの少なくとも約30〜40%が挿入される。いくつかの実施形態では、挿入は、ファージゲノムの少なくとも約40〜50%内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、ファージゲノムの少なくとも約50〜60%内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、ファージゲノムの少なくとも約60〜70%内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、ファージゲノムの少なくとも約70〜80%内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、ファージゲノムの少なくとも約80〜90%内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、ファージゲノムの少なくとも約90〜100%内に位置する。
いくつかの実施形態では、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の遺伝子が挿入を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも約21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、または120個の遺伝子が挿入を含む。いくつかの実施形態では、13個の遺伝子が挿入を含む。一実施形態では、74個の遺伝子が挿入を含む。
いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ファージゲノムの最初(beginning)または5’末端に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ファージゲノムの最後(end)または3’末端に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ファージゲノムの中間に位置する。いくつかの実施形態では、ファージ遺伝子は細菌ゲノム内に散在し、挿入は散在した位置の1つ以上に位置する。
いくつかの実施形態では、最適な挿入のための領域、すなわち所望の効果を達成するための領域は、他の細菌中の他のファージとの相同性の分析によって決定され得る。ファージ中の相同な保存領域は保存されており、1つ以上の必須遺伝子を含み得るので、挿入に適している場合がある。いくつかの実施形態では、プロモーターなどの調節エレメントが挿入される。いくつかの実施形態では、コード配列が挿入される。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入領域は、溶菌サイクルに必須の1つ以上の遺伝子を含む。
いくつかの実施形態では、挿入は、溶菌遺伝子をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、1つ以上のプロテアーゼまたはリシン(lysin)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、1つ以上の毒素をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、1つ以上の抗生物質耐性関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、1つ以上のファージ翻訳関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、構造タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。このような構造遺伝子には、頭部、尾部、カラー、またはコートのポリペプチドをコードする遺伝子が含まれる。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、頭部構造のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、尾部構造のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、カラー構造のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、コート構造のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、1つ以上の基盤タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、バクテリオファージの構築に必要な1つ以上のタンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、1つ以上のポータル(portal)タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、組換えに関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、1つ以上のインテグラーゼをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、1つ以上のインベルターゼ(invertase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、1つ以上のトランスポザーゼ(transposase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、複製または翻訳に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、1つ以上のプライマーゼ(primase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、1つ以上のtRNA関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、ファージ挿入に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、接着部位をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、パッケージングに関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、1つ以上のターミナーゼをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、1つ以上の宿主遺伝子をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。
いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、または宿主タンパク質、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする遺伝子内に位置する。
いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする遺伝子内に位置する。
いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする1個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする2個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする3個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする4個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする2個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする5個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする6個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする7個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする8個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする9個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする10個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする11個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする12個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする13個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする14個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする15個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする少なくとも約16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100個以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、ファージゲノム内の1つ以上の宿主タンパク質内に位置する。
(逆位)
いくつかの実施形態では、逆位は、ファージゲノムのコード領域にある。いくつかの実施形態では、逆位は、ファージゲノムの調節領域に逆位(inverted)される。いくつかの実施形態では、逆位は、1つ以上の抗生物質カセットを含む。適切な抗生物質カセットは当該分野で公知であり、このような抗生物質カセットの非限定的な例は本明細書中に記載されている。いくつかの実施形態では、抗生物質はクロラムフェニコールである。いくつかの実施形態では、抗生物質はカナマイシンである。いくつかの実施形態では、抗生物質はアンピシリンである。いくつかの実施形態では、抗生物質はクロラムフェニコールおよびカナマイシンである。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、少なくとも約1〜500塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、少なくとも約500〜1000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、少なくとも約1000〜2000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、少なくとも約1000〜2000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、少なくとも約2000〜3000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、少なくとも約3000〜4000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、少なくとも約4000〜5000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、少なくとも約5000〜6000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、少なくとも約6000〜7000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、少なくとも約7000〜8000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、少なくとも約8000〜9000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、少なくとも約9000〜10000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、少なくとも約10000〜15000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、少なくとも約10000〜15000塩基対、少なくとも約15000〜20000塩基対、少なくとも約20000〜25000塩基対、少なくとも約25000〜30000塩基対、少なくとも約30000〜35000塩基対、少なくとも約35000〜40000塩基対、少なくとも約40000〜45000塩基対、少なくとも約45000〜50000塩基対、少なくとも約50000〜55000塩基対、少なくとも約55000〜60000塩基対、少なくとも約60000〜65000塩基対、少なくとも約65000〜70000塩基対、少なくとも約70000〜75000塩基対、少なくとも約75000〜80000塩基対、少なくとも約80000〜85000塩基対、少なくとも約85000〜90000塩基対、少なくとも約90000〜95000塩基対、少なくとも約95000〜100000塩基対、少なくとも約100000〜110000塩基対、少なくとも約110000〜120000塩基対、少なくとも約120000〜130000塩基対、少なくとも約130000〜140000塩基対、少なくとも約140000〜150000塩基対、少なくとも約150000〜200000塩基対、または少なくとも約200000塩基対超を含む。特定の一実施形態では、9687塩基対が逆位している。いくつかの実施形態では、逆位したヌクレオチドは散在している。いくつかの実施形態では、逆位したヌクレオチドは連続している。
いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、ファージゲノムの少なくとも約1〜500塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、ファージゲノムの少なくとも約500〜1000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、ファージゲノムの少なくとも約1000〜2000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、ファージゲノムの少なくとも約1000〜2000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、ファージゲノムの少なくとも約2000〜3000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、ファージゲノムの少なくとも約3000〜4000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、ファージゲノムの少なくとも約4000〜5000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、ファージゲノムの少なくとも約5000〜6000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、ファージゲノムの少なくとも約6000〜7000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、ファージゲノムの少なくとも約7000〜8000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、ファージゲノムの少なくとも約8000〜9000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、ファージゲノムの少なくとも約9000〜10000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、ファージゲノムの少なくとも約10000〜15000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、ファージゲノムの少なくとも約10000〜15000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約15000〜20000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約20000〜25000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約25000〜30000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約30000〜35000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約35000〜40000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約40000〜45000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約45000〜50000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約50000〜55000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約55000〜60000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約60000〜65000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約65000〜70000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約70000〜75000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約75000〜80000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約80000〜85000塩基対内、少なくとも約85000〜90000塩基対内、ファージゲノム、ファージゲノムの少なくとも約90000〜95000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約95000〜100000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約100000〜110000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約110000〜120000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約120000〜130000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約130000〜140000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約140000〜150000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約150000〜200000塩基対内、またはファージゲノムの少なくとも約200000塩基対超内に位置する。特定の一実施形態では、ファージゲノムの9687塩基対が逆位している。いくつかの実施形態では、逆位したヌクレオチドは散在している。いくつかの実施形態では、逆位したヌクレオチドは連続している。
いくつかの実施形態では、逆位は、ファージゲノムの少なくとも約0.1〜1%、少なくとも約1〜2%、少なくとも約2〜3%、少なくとも約3〜4%、少なくとも約4〜5%、少なくとも約5〜6%、少なくとも約6〜7%、少なくとも約7〜8%、少なくとも約8〜9%、少なくとも約9〜10%、少なくとも約10〜11%、少なくとも約11〜12%、少なくとも約12〜13%、少なくとも約13〜14%、少なくとも約14〜15%、少なくとも約15〜16%、少なくとも約16〜17%、少なくとも約17〜18%、少なくとも約18〜19%、少なくとも約19〜20%、少なくとも約20〜21%、少なくとも約21〜22%、少なくとも約22〜23%、少なくとも約23〜24%、少なくとも約24〜25%、少なくとも約25〜26%、少なくとも約26〜27%、少なくとも約27〜28%、少なくとも約28〜29%、少なくとも約29〜30%内に位置する。いくつかの実施形態では、ファージゲノムの少なくとも約30〜40%が逆位している。いくつかの実施形態では、逆位は、ファージゲノムの少なくとも約40〜50%内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、ファージゲノムの少なくとも約50〜60%内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、ファージゲノムの少なくとも約60〜70%内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、ファージゲノムの少なくとも約70〜80%内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、ファージゲノムの少なくとも約80〜90%内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、ファージゲノムの少なくとも約90〜100%内に位置する。
いくつかの実施形態では、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の遺伝子が逆位を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも約21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、または120個の遺伝子が逆位を含む。いくつかの実施形態では、13個の遺伝子が逆位を含む。一実施形態では、74個の遺伝子が逆位を含む。
いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、ファージゲノムの最初(beginning)または5’末端に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、ファージゲノムの最後(end)または3’末端に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、ファージゲノムの中間に位置する。いくつかの実施形態では、ファージ遺伝子は細菌ゲノム内に散在し、逆位は散在した位置の1つ以上に位置する。
いくつかの実施形態では、最適な逆位のための領域、すなわち所望の効果を達成するための領域は、他の細菌中の他のファージとの相同性の分析によって決定され得る。ファージ中の相同な保存領域は保存されており、1つ以上の必須遺伝子を含み得るので、逆位に適している場合がある。いくつかの実施形態では、プロモーターなどの調節要素が逆位している。いくつかの実施形態では、コード配列が逆位している。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位領域は、溶菌サイクルに必須の1つ以上の遺伝子を含む。
いくつかの実施形態では、逆位は、溶菌遺伝子をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、1つ以上のプロテアーゼまたはリシン(lysin)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、1つ以上の毒素をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、1つ以上の抗生物質耐性関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、1つ以上のファージ翻訳関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、構造タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。このような構造遺伝子には、頭部、尾部、カラー、またはコートのポリペプチドをコードする遺伝子が含まれる。いくつかの実施形態では、逆位は、1つ以上の基盤タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、バクテリオファージの構築に必要な1つ以上のタンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、1つ以上のポータル(portal)タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、組換えに関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、1つ以上のインテグラーゼをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、1つ以上のインベルターゼ(invertase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、1つ以上のトランスポザーゼ(transposase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、複製または翻訳に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、1つ以上のプライマーゼ(primase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、1つ以上のtRNA関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、ファージ逆位(phage inversion)に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、接着部位をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、パッケージングに関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、1つ以上のターミナーゼをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、1つ以上の宿主遺伝子をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。
いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位(phage inversion)、または宿主タンパク質、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする遺伝子内に位置する。
いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位(phage inversion)、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする遺伝子内に位置する。
いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする1個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする2個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする3個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする4個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする2個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする5個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする6個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする7個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする8個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする9個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする10個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする11個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする12個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする13個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする14個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする15個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする少なくとも約16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100個以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、ファージゲノム内の1つ以上の宿主タンパク質内に位置する。
(置換)
いくつかの実施形態では、置換は、ファージゲノムのコード領域にある。いくつかの実施形態では、置換は、ファージゲノムの調節領域に置換される(substituted)。いくつかの実施形態では、置換は、1つ以上の抗生物質カセットを含む。適切な抗生物質カセットは当該分野で公知であり、このような抗生物質カセットの非限定的な例は本明細書中に記載されている。いくつかの実施形態では、抗生物質はクロラムフェニコールである。いくつかの実施形態では、抗生物質はカナマイシンである。いくつかの実施形態では、抗生物質はアンピシリンである。いくつかの実施形態では、抗生物質はクロラムフェニコールおよびカナマイシンである。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、少なくとも約1〜500塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、少なくとも約500〜1000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、少なくとも約1000〜2000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、少なくとも約1000〜2000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、少なくとも約2000〜3000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、少なくとも約3000〜4000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、少なくとも約4000〜5000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、少なくとも約5000〜6000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、少なくとも約6000〜7000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、少なくとも約7000〜8000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、少なくとも約8000〜9000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、少なくとも約9000〜10000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、少なくとも約10000〜15000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、少なくとも約10000〜15000塩基対、少なくとも約15000〜20000塩基対、少なくとも約20000〜25000塩基対、少なくとも約25000〜30000塩基対、少なくとも約30000〜35000塩基対、少なくとも約35000〜40000塩基対、少なくとも約40000〜45000塩基対、少なくとも約45000〜50000塩基対、少なくとも約50000〜55000塩基対、少なくとも約55000〜60000塩基対、少なくとも約60000〜65000塩基対、少なくとも約65000〜70000塩基対、少なくとも約70000〜75000塩基対、少なくとも約75000〜80000塩基対、少なくとも約80000〜85000塩基対、少なくとも約85000〜90000塩基対、少なくとも約90000〜95000塩基対、少なくとも約95000〜100000塩基対、少なくとも約100000〜110000塩基対、少なくとも約110000〜120000塩基対、少なくとも約120000〜130000塩基対、少なくとも約130000〜140000塩基対、少なくとも約140000〜150000塩基対、少なくとも約150000〜200000塩基対、または少なくとも約200000塩基対超を含む。特定の一実施形態では、9687塩基対が置換される。いくつかの実施形態では、置換されたヌクレオチドは散在している。いくつかの実施形態では、置換されたヌクレオチドは連続している。
いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ファージゲノムの少なくとも約1〜500塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ファージゲノムの少なくとも約500〜1000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ファージゲノムの少なくとも約1000〜2000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ファージゲノムの少なくとも約1000〜2000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ファージゲノムの少なくとも約2000〜3000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ファージゲノムの少なくとも約3000〜4000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ファージゲノムの少なくとも約4000〜5000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ファージゲノムの少なくとも約5000〜6000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ファージゲノムの少なくとも約6000〜7000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ファージゲノムの少なくとも約7000〜8000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ファージゲノムの少なくとも約8000〜9000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ファージゲノムの少なくとも約9000〜10000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ファージゲノムの少なくとも約10000〜15000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ファージゲノムの少なくとも約10000〜15000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約15000〜20000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約20000〜25000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約25000〜30000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約30000〜35000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約35000〜40000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約40000〜45000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約45000〜50000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約50000〜55000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約55000〜60000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約60000〜65000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約65000〜70000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約70000〜75000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約75000〜80000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約80000〜85000塩基対内、少なくとも約85000〜90000塩基対内、ファージゲノム、ファージゲノムの少なくとも約90000〜95000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約95000〜100000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約100000〜110000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約110000〜120000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約120000〜130000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約130000〜140000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約140000〜150000塩基対内、ファージゲノムの少なくとも約150000〜200000塩基対内、またはファージゲノムの少なくとも約200000塩基対超内に位置する。特定の一実施形態では、ファージゲノムの9687塩基対が置換される。いくつかの実施形態では、置換されたヌクレオチドは散在している。いくつかの実施形態では、置換されたヌクレオチドは連続している。
いくつかの実施形態では、置換は、ファージゲノムの少なくとも約0.1〜1%、少なくとも約1〜2%、少なくとも約2〜3%、少なくとも約3〜4%、少なくとも約4〜5%、少なくとも約5〜6%、少なくとも約6〜7%、少なくとも約7〜8%、少なくとも約8〜9%、少なくとも約9〜10%、少なくとも約10〜11%、少なくとも約11〜12%、少なくとも約12〜13%、少なくとも約13〜14%、少なくとも約14〜15%、少なくとも約15〜16%、少なくとも約16〜17%、少なくとも約17〜18%、少なくとも約18〜19%、少なくとも約19〜20%、少なくとも約20〜21%、少なくとも約21〜22%、少なくとも約22〜23%、少なくとも約23〜24%、少なくとも約24〜25%、少なくとも約25〜26%、少なくとも約26〜27%、少なくとも約27〜28%、少なくとも約28〜29%、少なくとも約29〜30%内に位置する。いくつかの実施形態では、ファージゲノムの少なくとも約30〜40%が置換されている。いくつかの実施形態では、置換は、ファージゲノムの少なくとも約40〜50%内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、ファージゲノムの少なくとも約50〜60%内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、ファージゲノムの少なくとも約60〜70%内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、ファージゲノムの少なくとも約70〜80%内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、ファージゲノムの少なくとも約80〜90%内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、ファージゲノムの少なくとも約90〜100%内に位置する。
いくつかの実施形態では、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の遺伝子が置換を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも約21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、または120個の遺伝子が置換を含む。いくつかの実施形態では、13個の遺伝子が置換を含む。一実施形態では、74個の遺伝子が置換を含む。
いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ファージゲノムの最初(beginning)または5’末端に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ファージゲノムの最後(end)または3’末端に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ファージゲノムの中間に位置する。いくつかの実施形態では、ファージ遺伝子は細菌ゲノム内に散在し、置換は散在した位置の1つ以上に位置する。
いくつかの実施形態では、最適な置換のための領域、すなわち所望の効果を達成するための領域は、他の細菌中の他のファージとの相同性の分析によって決定され得る。ファージ中の相同な保存領域は保存されており、1つ以上の必須遺伝子を含み得るので、置換に適している場合がある。いくつかの実施形態では、プロモーターなどの調節エレメントが置換される。いくつかの実施形態では、コード配列が置換される。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換領域は、溶菌サイクルに必須の1つ以上の遺伝子を含む。
いくつかの実施形態では、置換は、溶菌遺伝子をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、1つ以上のプロテアーゼまたはリシン(lysin)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、1つ以上の毒素をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、1つ以上の抗生物質耐性関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、1つ以上のファージ翻訳関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、構造タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。このような構造遺伝子には、頭部、尾部、カラー、またはコートのポリペプチドをコードする遺伝子が含まれる。いくつかの実施形態では、置換は、1つ以上の基盤タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、バクテリオファージの構築に必要な1つ以上のタンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、1つ以上のポータル(portal)タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、組換えに関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、1つ以上のインテグラーゼをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、1つ以上のインベルターゼ(invertase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、1つ以上のトランスポザーゼ(transposase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、複製または翻訳に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、1つ以上のプライマーゼ(primase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、1つ以上のtRNA関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、ファージ置換(phage substitution)に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、接着部位をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、パッケージングに関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、1つ以上のターミナーゼをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、1つ以上の宿主遺伝子をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。
いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換(phage substitution)、または宿主タンパク質、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする遺伝子内に位置する。
いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換(phage substitution)、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする遺伝子内に位置する。
いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする1個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする2個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする3個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする4個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする2個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする5個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする6個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする7個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする8個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする9個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする10個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする11個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする12個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする13個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする14個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする15個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする少なくとも約16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100個以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、ファージゲノム内の1つ以上の宿主タンパク質内に位置する。
(大腸菌Nissle中のファージ)
本明細書中に記載のいくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、操作された大腸菌(Escherichia coli)株Nissle 1917(大腸菌Nissle)である。本明細書の実施例においてより詳細に記載されるように、日常的な試験手順により、大腸菌Nissle 1917(大腸菌Nissle;E. coli Nissle)および関連する操作された誘導体からのバクテリオファージ産生が同定された。バクテリオファージのソースを特定するために、大腸菌Nissleおよび操作された誘導体のゲノムの共同バイオインフォマティクス評価が行われ、プロファージの証拠について菌株のゲノム配列を分析し、機能的ファージ産生の可能性について任意の同定されたプロファージ要素を評価し、任意の機能的ファージ要素を細菌ゲノム配列から同定された他の既知ファージと比較し、他の配列決定された大腸菌(E. coli)ゲノムにおいてプロファージ要素が見つかる頻度を評価した。評価ツールには、ファージ予測ソフトウェア(PHASTおよびPHASTER)、SPAdesゲノムアセンブラソフトウェア、より大きな参照ゲノムに対して低分岐配列をマッピングするためのソフトウェア(BWA MEM)、ゲノム配列アラインメントソフトウェア(MUMmer)、およびアメリカ国立生物工学情報センター(NCBI)非冗長データベースが含まれていた。評価結果は、分析された大腸菌Nissleおよび操作された誘導体が3つの候補プロファージ要素(図1)を含み、3つのうちの2つ(ファージ2およびファージ3)がインタクトファージゲノムに特徴的なほとんどの遺伝的特徴を含むことを示している(図2、図3および図4)。他の2つの可能なファージ要素(図5Aおよび図5B)も同定された。注目すべきことに、操作された株は、親の大腸菌Nissleにおいて同定されなかった追加のファージ要素を全く含まず、このことはこれらの株によって産生されるプラーク形成単位がこれらの内因性ファージの1つに由来することを示している。本明細書に記載されるさらなる分析は、ファージ3をプラーク形成ファージ(ファージ3)として同定した。興味深いことに、他の推定プロファージ要素との相同性の短い領域に限定された関連配列が少数のゲノム中で見つかるものの、ファージ3は、ほぼ6000の配列決定された大腸菌ゲノムのコレクションの中で大腸菌Nissleに固有である。実施例においてより詳細に記載されるように、他のファージのいずれも誘導性ではないが、ファージ3は誘導性であり、誘導時に細菌溶解を引き起こすことが見出された。
プロファージは大腸菌株の間で非常に一般的であり、大腸菌Nissleは、十分に特徴付けられた配列決定された大腸菌ゲノムのセットにおいて見出される平均数と比較して、比較的少数のプロファージ配列を含む。したがって、操作された株におけるプロファージの存在は、この種の自然状態の一部であり、分析された操作された株のプロファージの特徴は、前駆株、大腸菌Nissleと一致していた。
表Dは、ファージ3のゲノム内に含まれる遺伝子を列挙する。表Eは、ファージ3の配列を示している。表Fは、大腸菌Nissleのファージ3に含まれる遺伝子の配列を示している。表Gは、大腸菌Nissleファージ3のゲノムによってコードされるポリペプチドの配列を示している。
[表D]ファージ3ゲノム
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[表E]ファージ3ゲノム配列
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[表F]大腸菌Nissleのファージ3に含まれる遺伝子の配列
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[表G]大腸菌Nissleファージ3のゲノムによってコードされるポリペプチドの配列
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これらの実施形態のいずれかにおいて、本明細書に記載される細菌は、大腸菌Nissleファージ3ゲノム内に1つ以上の改変または突然変異を含む。いくつかの実施形態では、改変は、ファージ3の特性または挙動を変化させる。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、ファージ3が溶菌プロセスに入るか、または溶菌プロセスを完了することを妨げる。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、ファージ3が溶菌プロセスに入る能力を低下させる。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、大腸菌Nissleファージ3が同じまたは異なる型の他の細菌に感染することを妨げる。
いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、細菌宿主の適応度を変化させる(例えば、増大または減少させる)。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、実質的に細菌適応度に影響を及ぼさず、細菌適応度は改変または突然変異なしの同質遺伝子型株の適応度と実質的に同じである。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、例えば遺伝子操作された細菌の所望のエフェクター機能を変化させる(例えば、増大または減少させる)。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、例えば遺伝子操作された細菌の所望のエフェクター機能を改善する。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、エフェクター機能に実質的に影響を及ぼさず、エフェクター機能は改変または突然変異なしの同質遺伝子型株のエフェクター機能と実質的に同じである。いくつかの実施形態では、エフェクター回路が最初にゲノム中に組み込まれ(engineered into the genome)、次いでファージが改変される。いくつかの実施形態では、改変されたファージ3を有する新しいシャシー(chassis)が、エフェクター機能(複数可)の操作の前に生成される。
いくつかの実施形態では、細菌は、少なくとも約1〜2、少なくとも約2〜3、少なくとも約3〜4、少なくとも約4〜5、少なくとも約5〜6、少なくとも約6〜7、少なくとも約7〜8、少なくとも約8〜9、少なくとも約9〜10、少なくとも約10〜11、少なくとも約11〜12、少なくとも約12〜13、少なくとも約13〜14、少なくとも約14〜15、少なくとも約15〜16、少なくとも約16〜17、少なくとも約17〜18、少なくとも約18〜19、少なくとも約19〜20、少なくとも約20〜21、少なくとも約21〜22、少なくとも約22〜23、少なくとも約23〜24、少なくとも約24〜25、少なくとも約25〜26、少なくとも約26〜27、少なくとも約27〜28、少なくとも約28〜29、少なくとも約29〜30、少なくとも約30〜31、少なくとも約31〜32、少なくとも約32〜33、少なくとも約33〜34、少なくとも約34〜35、少なくとも約35〜36、少なくとも約36〜37、少なくとも約37〜38、少なくとも約38〜39、少なくとも約39〜40、少なくとも約40〜41、少なくとも約41〜42、少なくとも約42〜43、少なくとも約43〜44、少なくとも約44〜45、少なくとも約45〜46、少なくとも約46〜47、少なくとも約47〜48、少なくとも約48〜49、少なくとも約49〜50、少なくとも約50〜51、少なくとも約51〜52、少なくとも約52〜53、少なくとも約53〜54、少なくとも約54〜55、少なくとも約55〜56、少なくとも約56〜57、少なくとも約57〜58、少なくとも約58〜59、少なくとも約59〜60、少なくとも約60〜61、少なくとも約61〜62、少なくとも約62〜63、少なくとも約63〜64、少なくとも約64〜65、少なくとも約65〜66、少なくとも約66〜67、少なくとも約67〜68、少なくとも約68〜69、少なくとも約69〜70、少なくとも約70〜71、少なくとも約71〜72、少なくとも約72〜73、少なくとも約73〜74、少なくとも約74〜75、少なくとも約75〜76、少なくとも約76〜77、少なくとも約77〜78、少なくとも約78〜79、少なくとも約79〜80、少なくとも約80〜81、少なくとも約81〜82、少なくとも約82〜83、少なくとも約83〜84、少なくとも約84〜85、少なくとも約85〜86、少なくとも約86〜87、少なくとも約87〜88、少なくとも約88〜89、少なくとも約89〜90、少なくとも約90〜91、少なくとも約91〜92、少なくとも約92〜93、少なくとも約93〜94、少なくとも約94〜95、少なくとも約95〜96、少なくとも約96〜97、少なくとも約97〜98、少なくとも約98〜99、少なくとも約99〜100、または少なくとも約100以上の改変または変異を含む。
いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、ファージ3溶菌プロセスのエントリ(entry)または完了を、少なくとも約1〜2倍、少なくとも約2〜3倍、少なくとも約3〜4倍、少なくとも約4〜5倍、少なくとも約5〜10倍、少なくとも約10〜100倍、少なくとも約100〜1000倍減少させる。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、ファージ3溶解プロセスのエントリ(entry)または完了を完全に減少させる。
いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、ファージ3溶菌プロセスのエントリ(entry)または完了を、少なくとも約1%〜10%、少なくとも約10%〜20%、少なくとも約20%〜30%、少なくとも約30%〜40%、少なくとも約40%〜50%、少なくとも約50%〜60%、少なくとも約60%〜70%、少なくとも約70%〜80%、少なくとも約80%〜90%、または少なくとも約90%〜100%減少させる。
いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、少なくとも約1〜2倍、少なくとも約2〜3倍、少なくとも約3〜4倍、少なくとも約4〜5倍、少なくとも約5〜10倍、少なくとも約10〜100倍、少なくとも約100〜1000倍、大腸菌Nissleファージ3ゲノムが同じまたは異なる他の細菌に感染することを妨げる。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、大腸菌Nissleファージ3が同じまたは異なる型の他の細菌に感染することを完全に妨げる。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、少なくとも約1%〜10%、少なくとも約10%〜20%、少なくとも約20%〜30%、少なくとも約30%〜40%、少なくとも約40%〜50%、少なくとも約50%〜60%、少なくとも約60%〜70%、少なくとも約70%〜80%、少なくとも約80%〜90%、または少なくとも約90%〜100%、大腸菌Nissleファージ3が同じまたは異なる型の他の細菌に感染することを妨げる。
いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、ファージ改変なしの同じ同質遺伝子型株と比較して、少なくとも約1〜2倍、少なくとも約2〜3倍、少なくとも約3〜4倍、少なくとも約4〜5倍、少なくとも約5〜10倍、少なくとも約10〜100倍、少なくとも約100〜1000倍、細菌宿主の適応度を変化、増大、または減少させる。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、ファージ改変なしの同じ同質遺伝子型株と比較して、少なくとも約1%〜10%、少なくとも約10%〜20%、少なくとも約20%〜30%、少なくとも約30%〜40%、少なくとも約40%〜50%、少なくとも約50%〜60%、少なくとも約60%〜70%、少なくとも約70%〜80%、少なくとも約80%〜90%、または少なくとも約90%〜100%、細菌宿主の適応度を変化、増大、または減少させる。
いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、例えば、遺伝子操作された細菌の所望のエフェクター機能を、ファージ改変なしの同じ同質遺伝子型株と比較して、少なくとも約1〜2倍、少なくとも約2〜3倍、少なくとも約3〜4倍、少なくとも約4〜5倍、少なくとも約5〜10倍、少なくとも約10〜100倍、少なくとも約100〜1000倍変化させる(例えば、増大または減少させる)。いくつかの実施形態では、改変または突然変異は、例えば遺伝子操作された細菌の所望のエフェクター機能を、ファージ改変なしの同質遺伝子型株と比較して、少なくとも約1%〜10%、少なくとも約10%〜20%、少なくとも約20%〜30%、少なくとも約30%〜40%、少なくとも約40%〜50%、少なくとも約50%〜60%、少なくとも約60%〜70%、少なくとも約70%〜80%、少なくとも約80%〜90%、または少なくとも約90%〜100%変化させる(例えば、増大または減少させる)。
いくつかの実施形態では、突然変異は、大腸菌Nissleファージ3ゲノム配列内の1つ以上の欠失を含む。いくつかの実施形態では、突然変異は、大腸菌Nissleファージ3ゲノム配列への1つ以上の挿入を含む。いくつかの実施形態では、抗生物質カセットが、大腸菌Nissleファージ3ゲノム配列内の1つ以上の位置に挿入され得る。いくつかの実施形態では、突然変異は、大腸菌Nissleファージ3ゲノム配列内の1つ以上の置換を含む。いくつかの実施形態では、突然変異は、大腸菌Nissleファージ3ゲノム配列内の1つ以上の逆位を含む。いくつかの実施形態では、逆位は、特定のフリッパーゼによって支配され得る。複数レベルの制御を含む例示的な回路が、本明細書に例示されており、その内容全体が参照により本明細書に援用される共同所有の係属中の国際特許出願PCT/US2016/039434にも記載されている。
いくつかの実施形態では、大腸菌Nissleファージ3ゲノム内の改変は、1つ以上の大腸菌Nissleファージ3ゲノム遺伝子内の挿入、欠失、置換、または逆位の2つ以上の組み合わせである。
本明細書中に記載される実施形態のいずれかにおいて、改変は、大腸菌Nissleファージ3ゲノム内の1つ以上の遺伝子における1つ以上のフレームシフト突然変異を生じ得る。本明細書中に記載される実施形態のいずれかにおいて、改変は、大腸菌Nissleファージ3ゲノム内の1つ以上の遺伝子における1つ以上のミスセンス突然変異を生じ得る。本明細書中に記載される実施形態のいずれかにおいて、改変は、大腸菌Nissleファージ3ゲノム内の1つ以上の遺伝子における1つ以上のナンセンス突然変異を生じ得る。
いくつかの実施形態では、大腸菌Nissleファージ3ゲノム内の改変は、1つ以上の大腸菌Nissleファージ3ゲノム遺伝子内の2つ以上のフレームシフト、ナンセンスまたはミスセンス突然変異の組み合わせである。
(突然変異)
いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、少なくとも約1〜500塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、少なくとも約500〜1000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、少なくとも約1000〜2000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、少なくとも約1000〜2000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、少なくとも約2000〜3000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、少なくとも約3000〜4000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、少なくとも約4000〜5000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、少なくとも約5000〜6000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、少なくとも約6000〜7000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、少なくとも約7000〜8000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、少なくとも約8000〜9000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、少なくとも約9000〜10000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、少なくとも約10000〜15000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の変異は、少なくとも約10000〜15000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノム、少なくとも約15000〜20000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノム、少なくとも約20000〜25000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノム、少なくとも約25000〜30000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノム、少なくとも約30000〜35000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノム、少なくとも約35000〜40000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノム、少なくとも約40000〜45000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノム、少なくとも約45000〜50000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノム、少なくとも約50000〜55000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノム、または少なくとも約55000〜60000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムを含む。特定の一実施形態では、9687塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムが突然変異している。いくつかの実施形態では、突然変異ヌクレオチドは散在している。いくつかの実施形態では、突然変異ヌクレオチドは連続している。
いくつかの実施形態では、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約0.1〜1%、少なくとも約1〜2%、少なくとも約2〜3%、少なくとも約3〜4%、少なくとも約4〜5%、少なくとも約5〜6%、少なくとも約6〜7%、少なくとも約7〜8%、少なくとも約8〜9%、少なくとも約9〜10%、少なくとも約10〜11%、少なくとも約11〜12%、少なくとも約12〜13%、少なくとも約13〜14%、少なくとも約14〜15%、少なくとも約15〜16%、少なくとも約16〜17%、少なくとも約17〜18%、少なくとも約18〜19%、少なくとも約19〜20%、少なくとも約20〜21%、少なくとも約21〜22%、少なくとも約22〜23%、少なくとも約23〜24%、少なくとも約24〜25%、少なくとも約25〜26%、少なくとも約26〜27%、少なくとも約27〜28%、少なくとも約28〜29%、少なくとも約29〜30%が突然変異している。いくつかの実施形態では、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約30〜40%が突然変異している。いくつかの実施形態では、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約40〜50%が突然変異している。いくつかの実施形態では、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約50〜60%が突然変異している。いくつかの実施形態では、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約60〜70%が突然変異している。いくつかの実施形態では、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約70〜80%が突然変異している。いくつかの実施形態では、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約80〜90%が突然変異している。いくつかの実施形態では、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの90〜100%が突然変異している。
いくつかの実施形態では、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の遺伝子が突然変異している。いくつかの実施形態では、少なくとも約21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、または120個の遺伝子が突然変異している。いくつかの実施形態では、13個の遺伝子が完全にまたは部分的に突然変異している。一実施形態では、74個の遺伝子が完全にまたは部分的に突然変異している。
いくつかの実施形態では、大腸菌Nissleファージ3ゲノム内の遺伝子の少なくとも約1%〜2%、少なくとも約2%〜3%、少なくとも約3%〜4%、少なくとも約4%〜5%、少なくとも約5%〜6%、少なくとも約6%〜7%、少なくとも約7%〜8%、少なくとも約8%〜9%、少なくとも約9%〜10%、少なくとも約10%〜11%、少なくとも約11%〜12%、少なくとも約12%〜13%、少なくとも約13%〜14%、少なくとも約14%〜15%、少なくとも約15%〜16%、少なくとも約16%〜17%、少なくとも約17%〜18%、少なくとも約18%〜19%、少なくとも約19%〜20%、少なくとも約20%〜21%、少なくとも約21%〜22%、少なくとも約22%〜23%、少なくとも約23%〜24%、少なくとも約24%〜25%、少なくとも約25%〜26%、少なくとも約26%〜約27%、少なくとも約27%〜28%、少なくとも約28%〜29%、少なくとも約29%〜30%、少なくとも約30%〜31%、少なくとも約31%〜32%、少なくとも約32%〜33%、少なくとも約33%〜34%、少なくとも約34%〜35%、少なくとも約35%〜36%、少なくとも約36%〜37%、少なくとも約37%〜38%、少なくとも約38%〜39%、少なくとも約39%〜40%、少なくとも約40%〜41%、少なくとも約41%〜42%、少なくとも約42%〜43%、少なくとも約43%〜44%、少なくとも約44%〜45%、少なくとも約45%〜46%、少なくとも約46%〜47%、少なくとも約47%〜48%、少なくとも約48%〜49%、少なくとも約49%〜50%、少なくとも約50%〜51%、少なくとも約51%〜52%、少なくとも約52%〜53%、少なくとも約53%〜54%、少なくとも約54%〜55%、少なくとも約55%〜56%、少なくとも約56%〜57%、少なくとも約57%〜58%、少なくとも約58%〜59%、少なくとも約59%〜60%、少なくとも約60%〜61%、少なくとも約61%〜62%、少なくとも約62%〜63%、少なくとも約63%〜64%、少なくとも約64%〜65%、少なくとも約65%〜66%、少なくとも約66%〜67%、少なくとも約67%〜68%、少なくとも約68%〜69%、少なくとも約69%〜70%、少なくとも約70%〜71%、少なくとも約71%〜72%、少なくとも約72%〜73%、少なくとも約73%〜74%、少なくとも約74%〜75%、少なくとも約75%〜76%、少なくとも約76%〜77%、少なくとも約77%〜78%、少なくとも約78%〜79%、少なくとも約79%〜80%、少なくとも約80%〜81%、少なくとも約81%〜82%、少なくとも約82%〜83%、少なくとも約83%〜84%、少なくとも約84%〜85%、少なくとも約85%〜86%、少なくとも約86%〜87%、少なくとも約87%〜88%、少なくとも約88%〜89%、少なくとも約89%〜90%、少なくとも約90%〜91%、少なくとも約91%〜92%、少なくとも約92%〜93%、少なくとも約93%〜94%、少なくとも約94%〜95%、少なくとも約95%〜96%、少なくとも約96%〜97%、少なくとも約97%〜98%、少なくとも約98%〜99%、少なくとも約99%〜100%、または少なくとも約100%が完全にまたは部分的に突然変異している。
いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの最初(beginning)または5’末端に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの最後(end)または3’末端に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの中間に位置する。いくつかの実施形態では、大腸菌Nissleファージ3遺伝子は細菌ゲノム内に散在し、突然変異は散在した位置の1つ以上に位置する。
いくつかの実施形態では、突然変異は、溶菌遺伝子をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、1つ以上のプロテアーゼまたはリシン(lysin)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、1つ以上の毒素をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、1つ以上の抗生物質耐性関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、1つ以上のファージ翻訳関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、構造タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。このような構造遺伝子には、頭部、尾部、カラー、またはコートのポリペプチドをコードする遺伝子が含まれる。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、頭部タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、尾部タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、カラータンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、コートタンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、1つ以上の基盤タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、バクテリオファージの構築に必要な1つ以上のタンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、1つ以上のポータル(portal)タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、組換えに関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、1つ以上のインテグラーゼをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、1つ以上のインベルターゼ(invertase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、1つ以上のトランスポザーゼ(transposase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、複製または翻訳に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、1つ以上のプライマーゼ(primase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、1つ以上のtRNA関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、ファージ挿入に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、接着部位をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、パッケージングに関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、1つ以上のターミナーゼをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、1つ以上の宿主遺伝子をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。
いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、または宿主タンパク質、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含しない。
いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、または宿主タンパク質、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。
いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする1個の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする2個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする3個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする4個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする2個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする5個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする6個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする7個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする8個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする9個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする10個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする11個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする12個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする13個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする14個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする15個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする少なくとも約16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100個以上の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、突然変異は、ファージゲノム内の1つ以上の宿主タンパク質内に位置するか、またはそれを包含する。
本明細書に記載される実施形態のいずれかにおいて、改変は、以下から選択される1つ以上の遺伝子を包含するか、または以下から選択される1つ以上の遺伝子内に位置する:ECOLIN_09965、ECOLIN_09970、ECOLIN_09975、ECOLIN_09980、ECOLIN_09985、ECOLIN_09990、ECOLIN_09995、ECOLIN_10000、ECOLIN_10005、ECOLIN_10010、ECOLIN_10015、ECOLIN_10020、ECOLIN_10025、ECOLIN_10030、ECOLIN_10035、ECOLIN_10040、ECOLIN_10045、ECOLIN_10050、ECOLIN_10055、ECOLIN_10065、ECOLIN_10070、ECOLIN_10075、ECOLIN_10080、ECOLIN_10085、ECOLIN_10090、ECOLIN_10095、ECOLIN_10100、ECOLIN_10105、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、ECOLIN_10175、ECOLIN_10180、ECOLIN_10185、ECOLIN_10190、ECOLIN_10195、ECOLIN_10200、ECOLIN_10205、ECOLIN_10210、ECOLIN_10220、ECOLIN_10225、ECOLIN_10230、ECOLIN_10235、ECOLIN_10240、ECOLIN_10245、ECOLIN_10250、ECOLIN_10255、ECOLIN_10260、ECOLIN_10265、ECOLIN_10270、ECOLIN_10275、ECOLIN_10280、ECOLIN_10290、ECOLIN_10295、ECOLIN_10300、ECOLIN_10305、ECOLIN_10310、ECOLIN_10315、ECOLIN_10320、ECOLIN_10325、ECOLIN_10330、ECOLIN_10335、ECOLIN_10340、およびECOLIN_10345。
いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_09965を包含するか、またはECOLIN_09965内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_09970を包含するか、またはECOLIN_09970内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_09975を包含するか、またはECOLIN_09975内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_09980を包含するか、またはECOLIN_09980内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_09985を包含するか、またはECOLIN_09985内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_09990を包含するか、またはECOLIN_09990内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_09995を包含するか、またはECOLIN_09995内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10000を包含するか、またはECOLIN_10000内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10005を包含するか、またはECOLIN_10005内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10010を包含するか、またはECOLIN_10010内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10015を包含するか、またはECOLIN_10015内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10020を包含するか、またはECOLIN_10020内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10025を包含するか、またはECOLIN_10025内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10030を包含するか、またはECOLIN_10030内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10035を包含するか、またはECOLIN_10035内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10040を包含するか、またはECOLIN_10040内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10045を包含するか、またはECOLIN_10045内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10050を包含するか、またはECOLIN_10050内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10055を包含するか、またはECOLIN_10055内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10065を包含するか、またはECOLIN_10065内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10070を包含するか、またはECOLIN_10070内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10075を包含するか、またはECOLIN_10075内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10080を包含するか、またはECOLIN_10080内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10085を包含するか、またはECOLIN_10085内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10090を包含するか、またはECOLIN_10090内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10095を包含するか、またはECOLIN_10095内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10100を包含するか、またはECOLIN_10100内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10105を包含するか、またはECOLIN_10105内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10110を包含するか、またはECOLIN_10110内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10115を包含するか、またはECOLIN_10115内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10120を包含するか、またはECOLIN_10120内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10125を包含するか、またはECOLIN_10125内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10130を包含するか、またはECOLIN_10130内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10135を包含するか、またはECOLIN_10135内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10140を包含するか、またはECOLIN_10140内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10145を包含するか、またはECOLIN_10145内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10150を包含するか、またはECOLIN_10150内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10160を包含するか、またはECOLIN_10160内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10165を包含するか、またはECOLIN_10165内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10170を包含するか、またはECOLIN_10170内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10175を包含するか、またはECOLIN_10175内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10180を包含するか、またはECOLIN_10180内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10185を包含するか、またはECOLIN_10185内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10190を包含するか、またはECOLIN_10190内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10195を包含するか、またはECOLIN_10195内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10200を包含するか、またはECOLIN_10200内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10205を包含するか、またはECOLIN_10205内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10210を包含するか、またはECOLIN_10210内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10220を包含するか、またはECOLIN_10220内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10225を包含するか、またはECOLIN_10225内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10230を包含するか、またはECOLIN_10230内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10235を包含するか、またはECOLIN_10235内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10240を包含するか、またはECOLIN_10240内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10245を包含するか、またはECOLIN_10245内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10250を包含するか、またはECOLIN_10250内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10255を包含するか、またはECOLIN_10255内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10260を包含するか、またはECOLIN_10260内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10265を包含するか、またはECOLIN_10265内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10270を包含するか、またはECOLIN_10270内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10275を包含するか、またはECOLIN_10275内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10280を包含するか、またはECOLIN_10280内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10290を包含するか、またはECOLIN_10290内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10295を包含するか、またはECOLIN_10295内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10300を包含するか、またはECOLIN_10300内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10305を包含するか、またはECOLIN_10305内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10310を包含するか、またはECOLIN_10310内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10315を包含するか、またはECOLIN_10315内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10320を包含するか、またはECOLIN_10320内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10325を包含するか、またはECOLIN_10325内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10330を包含するか、またはECOLIN_10330内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10335を包含するか、またはECOLIN_10335内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10340を包含するか、またはECOLIN_10340内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、ECOLIN_10345を包含するか、またはECOLIN_10345内に位置する。
いくつかの実施形態では、突然変異は、脂質A生合成(KDO)2−(ラウロイル)−脂質IVAアシルトランスフェラーゼ、ペプチダーゼ、亜鉛ABCトランスポーター基質結合タンパク質、亜鉛ABCトランスポーターATPase、高親和性亜鉛トランスポーター膜コンポーネント、ATP依存性DNAヘリカーゼRuvB、ATP依存性DNAヘリカーゼRuvA、Hollidayジャンクションレゾルバーゼ、ジヒドロネオプテリン三リン酸ピロホスファターゼ(dihydroneopterin triphosphate pyrophosphatase)、アスパルチル−tRNAシンテターゼ、ヒドロラーゼ、DNAポリメラーゼV、MsgA、ファージ尾部タンパク質、尾部タンパク質、宿主特異的タンパク質、ペプチダーゼP60、尾部タンパク質、尾部タンパク質、尾部繊維タンパク質、マイナーテールタンパク質U(Minor tail protein U)、DNA切断−再結合タンパク質、ペプチダーゼS14、カプシドタンパク質、DNAパッケージングタンパク質、ターミナーゼ、リゾチーム、ホリン、DNAアデニンメチラーゼ、セリンプロテアーゼ、抗終結蛋白質(antitermination protein)、アンチリプレッサー、クロスオーバージャンクションエンドデオキシリボヌクレアーゼ、アデニンメチルトランスフェラーゼ、DNAメチルトランスフェラーゼECOLIN_10240、GntRファミリー転写調節因子ECOLIN_10245、cIリプレッサー、未知の機能のドメイン(DUF4222);DNAリコンビナーゼ、多数の抗生物質耐性調節因子(MarR)、P22における未知のead様タンパク質、機能不明のタンパク質(DUF550);3’−5’エキソヌクレアーゼ、エキシシオナーゼ、インテグラーゼ、およびtRNAメチルトランスフェラーゼから選択される1つ以上のポリペプチド内に位置するか、またはそれらを包含する。一実施形態では、マイナーテールタンパク質U、尾部タンパク質、DNA切断−再結合タンパク質、ペプチダーゼS14、カプシドタンパク質、DNAパッケージングタンパク質、およびターミナーゼの1つ以上が突然変異している。
一実施形態では、突然変異は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175のうちの1つ以上の完全なまたは部分的な突然変異である。特定の一実施形態では、突然変異は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175の完全なまたは部分的な突然変異である。特定の一実施形態では、突然変異は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170の完全な突然変異、ならびにECOLIN_10175の部分的な突然変異である。一実施形態では、配列番号130の配列は、ファージ3ゲノムから突然変異している。一実施形態では、配列番号130を含む配列は、ファージ3ゲノムから突然変異している。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281を含む改変されたファージゲノム配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281からなる改変されたファージゲノム配列を含む。
(欠失)
いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、少なくとも約1〜500塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、少なくとも約500〜1000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、少なくとも約1000〜2000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、少なくとも約1000〜2000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、少なくとも約2000〜3000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、少なくとも約3000〜4000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、少なくとも約4000〜5000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、少なくとも約5000〜6000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、少なくとも約6000〜7000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、少なくとも約7000〜8000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、少なくとも約8000〜9000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、少なくとも約9000〜10000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、少なくとも約10000〜15000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、少なくとも約10000〜15000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノム、少なくとも約15000〜20000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノム、少なくとも約20000〜25000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノム、少なくとも約25000〜30000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノム、少なくとも約30000〜35000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノム、少なくとも約35000〜40000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノム、少なくとも約40000〜45000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノム、少なくとも約45000〜50000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノム、少なくとも約50000〜55000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノム、または少なくとも約55000〜60000塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムを含む。特定の一実施形態では、9687塩基対の大腸菌Nissleファージ3ゲノムが欠失している。いくつかの実施形態では、欠失したヌクレオチドは散在している。いくつかの実施形態では、欠失したヌクレオチドは連続している。
いくつかの実施形態では、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約0.1〜1%、少なくとも約1〜2%、少なくとも約2〜3%、少なくとも約3〜4%、少なくとも約4〜5%、少なくとも約5〜6%、少なくとも約6〜7%、少なくとも約7〜8%、少なくとも約8〜9%、少なくとも約9〜10%、少なくとも約10〜11%、少なくとも約11〜12%、少なくとも約12〜13%、少なくとも約13〜14%、少なくとも約14〜15%、少なくとも約15〜16%、少なくとも約16〜17%、少なくとも約17〜18%、少なくとも約18〜19%、少なくとも約19〜20%、少なくとも約20〜21%、少なくとも約21〜22%、少なくとも約22〜23%、少なくとも約23〜24%、少なくとも約24〜25%、少なくとも約25〜26%、少なくとも約26〜27%、少なくとも約27〜28%、少なくとも約28〜29%、少なくとも約29〜30%が欠失している。いくつかの実施形態では、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約30〜40%が欠失している。いくつかの実施形態では、大腸菌Nissleファージゲノムの少なくとも約40〜50%が欠失している。いくつかの実施形態では、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約50〜60%が欠失している。いくつかの実施形態では、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約60〜70%が欠失している。いくつかの実施形態では、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約70〜80%が欠失している。いくつかの実施形態では、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約80〜90%が欠失している。いくつかの実施形態では、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約90〜100%が欠失している。
いくつかの実施形態では、1つ以上の遺伝子が、大腸菌Nissleファージ3ゲノム内で部分的にまたは完全に欠失している。いくつかの実施形態では、1つ以上の遺伝子が完全に欠失し、1つ以上の遺伝子が部分的に欠失している。一実施形態では、大腸菌Nissleファージ3ゲノム内に1つの欠失があり、当該欠失の末端の1つまたは2つの遺伝子が部分的に欠失し、残りの遺伝子が完全に欠失している。いくつかの実施形態では、欠失した遺伝子は互いに隣接している。いくつかの実施形態では、欠失した遺伝子は互いに隣接していない。
いくつかの実施形態では、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の遺伝子が欠失している。いくつかの実施形態では、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、または120個の遺伝子が欠失している。いくつかの実施形態では、13個の遺伝子が完全にまたは部分的に欠失している。一実施形態では、74個の遺伝子が完全にまたは部分的に欠失している。
いくつかの実施形態では、大腸菌Nissleファージ3ゲノム内の遺伝子の少なくとも約1%〜2%、少なくとも約2%〜3%、少なくとも約3%〜4%、少なくとも約4%〜5%、少なくとも約5%〜6%、少なくとも約6%〜7%、少なくとも約7%〜8%、少なくとも約8%〜9%、少なくとも約9%〜10%、少なくとも約10%〜11%、少なくとも約11%〜12%、少なくとも約12%〜13%、少なくとも約13%〜14%、少なくとも約14%〜15%、少なくとも約15%〜16%、少なくとも約16%〜17%、少なくとも約17%〜18%、少なくとも約18%〜19%、少なくとも約19%〜20%、少なくとも約20%〜21%、少なくとも約21%〜22%、少なくとも約22%〜23%、少なくとも約23%〜24%、少なくとも約24%〜25%、少なくとも約25%〜26%、少なくとも約26%〜約27%、少なくとも約27%〜28%、少なくとも約28%〜29%、少なくとも約29%〜30%、少なくとも約30%〜31%、少なくとも約31%〜32%、少なくとも約32%〜33%、少なくとも約33%〜34%、少なくとも約34%〜35%、少なくとも約35%〜36%、少なくとも約36%〜37%、少なくとも約37%〜38%、少なくとも約38%〜39%、少なくとも約39%〜40%、少なくとも約40%〜41%、少なくとも約41%〜42%、少なくとも約42%〜43%、少なくとも約43%〜44%、少なくとも約44%〜45%、少なくとも約45%〜46%、少なくとも約46%〜47%、少なくとも約47%〜48%、少なくとも約48%〜49%、少なくとも約49%〜50%、少なくとも約50%〜51%、少なくとも約51%〜52%、少なくとも約52%〜53%、少なくとも約53%〜54%、少なくとも約54%〜55%、少なくとも約55%〜56%、少なくとも約56%〜57%、少なくとも約57%〜58%、少なくとも約58%〜59%、少なくとも約59%〜60%、少なくとも約60%〜61%、少なくとも約61%〜62%、少なくとも約62%〜63%、少なくとも約63%〜64%、少なくとも約64%〜65%、少なくとも約65%〜66%、少なくとも約66%〜67%、少なくとも約67%〜68%、少なくとも約68%〜69%、少なくとも約69%〜70%、少なくとも約70%〜71%、少なくとも約71%〜72%、少なくとも約72%〜73%、少なくとも約73%〜74%、少なくとも約74%〜75%、少なくとも約75%〜76%、少なくとも約76%〜77%、少なくとも約77%〜78%、少なくとも約78%〜79%、少なくとも約79%〜80%、少なくとも約80%〜81%、少なくとも約81%〜82%、少なくとも約82%〜83%、少なくとも約83%〜84%、少なくとも約84%〜85%、少なくとも約85%〜86%、少なくとも約86%〜87%、少なくとも約87%〜88%、少なくとも約88%〜89%、少なくとも約89%〜90%、少なくとも約90%〜91%、少なくとも約91%〜92%、少なくとも約92%〜93%、少なくとも約93%〜94%、少なくとも約94%〜95%、少なくとも約95%〜96%、少なくとも約96%〜97%、少なくとも約97%〜98%、少なくとも約98%〜99%、少なくとも約99%〜100%、または少なくとも約100%が完全にまたは部分的に欠失している。
いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの最初(beginning)または5’末端に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの最後(end)または3’末端に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの中間に位置する。いくつかの実施形態では、大腸菌Nissleファージ3遺伝子は細菌ゲノム内に散在し、欠失は散在した位置の1つ以上に位置する。
いくつかの実施形態では、最適な欠失のための領域、すなわち所望の効果を達成するための領域は、他の細菌(例えば、他の大腸菌株)中の他のファージとの相同性の分析によって決定され得る。大腸菌Nissleファージ3中の相同な保存領域は保存されており、1つ以上の必須遺伝子を含み得るので、欠失に適している場合がある。いくつかの実施形態では、プロモーターなどの調節エレメントが欠失している。いくつかの実施形態では、コード配列が欠失している。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失領域は、溶菌サイクルに必須の1つ以上の遺伝子を含む。
いくつかの実施形態では、欠失は、溶菌遺伝子をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上のプロテアーゼまたはリシン(lysin)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上の毒素をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上の抗生物質耐性関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上のファージ翻訳関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、構造タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。このような構造遺伝子には、頭部、尾部、カラー、またはコートのポリペプチドをコードする遺伝子が含まれる。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上の頭部タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上の尾部タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上のカラータンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上のコートタンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上の基盤タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、バクテリオファージの構築に必要な1つ以上のタンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上のポータル(portal)タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、組換えに関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上のインテグラーゼをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上のインベルターゼ(invertase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上のトランスポザーゼ(transposase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、複製または翻訳に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上のプライマーゼ(primase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上のtRNA関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、ファージ挿入に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、接着部位をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、パッケージングに関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、または包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上のターミナーゼをコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、1つ以上の宿主遺伝子をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。
いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、または宿主タンパク質、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。
いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。
いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする1個の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする2個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする3個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする4個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする2個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする5個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする6個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする7個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする8個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする9個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする10個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする11個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする12個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする13個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする14個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする15個の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする少なくとも約16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100個以上の遺伝子内に位置するか、またはそれらを包含する。いくつかの実施形態では、欠失は、ファージゲノム内の1つ以上の宿主タンパク質内に位置するか、またはそれを包含する。
本明細書に記載される実施形態のいずれかにおいて、挿入は、以下から選択される1つ以上の遺伝子を(完全にまたは部分的に)包含するか、または以下から選択される1つ以上の遺伝子内に位置する:ECOLIN_09965、ECOLIN_09970、ECOLIN_09975、ECOLIN_09980、ECOLIN_09985、ECOLIN_09990、ECOLIN_09995、ECOLIN_10000、ECOLIN_10005、ECOLIN_10010、ECOLIN_10015、ECOLIN_10020、ECOLIN_10025、ECOLIN_10030、ECOLIN_10035、ECOLIN_10040、ECOLIN_10045、ECOLIN_10050、ECOLIN_10055、ECOLIN_10065、ECOLIN_10070、ECOLIN_10075、ECOLIN_10080、ECOLIN_10085、ECOLIN_10090、ECOLIN_10095、ECOLIN_10100、ECOLIN_10105、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、ECOLIN_10175、ECOLIN_10180、ECOLIN_10185、ECOLIN_10190、ECOLIN_10195、ECOLIN_10200、ECOLIN_10205、ECOLIN_10210、ECOLIN_10220、ECOLIN_10225、ECOLIN_10230、ECOLIN_10235、ECOLIN_10240、ECOLIN_10245、ECOLIN_10250、ECOLIN_10255、ECOLIN_10260、ECOLIN_10265、ECOLIN_10270、ECOLIN_10275、ECOLIN_10280、ECOLIN_10290、ECOLIN_10295、ECOLIN_10300、ECOLIN_10305、ECOLIN_10310、ECOLIN_10315、ECOLIN_10320、ECOLIN_10325、ECOLIN_10330、ECOLIN_10335、ECOLIN_10340、およびECOLIN_10345。
いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_09965を包含するか、またはECOLIN_09965内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_09970を包含するか、またはECOLIN_09970内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_09975を包含するか、またはECOLIN_09975内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_09980を包含するか、またはECOLIN_09980内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_09985を包含するか、またはECOLIN_09985内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_09990を包含するか、またはECOLIN_09990内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_09995を包含するか、またはECOLIN_09995内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10000を包含するか、またはECOLIN_10000内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10005を包含するか、またはECOLIN_10005内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10010を包含するか、またはECOLIN_10010内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10015を包含するか、またはECOLIN_10015内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10020を包含するか、またはECOLIN_10020内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10025を包含するか、またはECOLIN_10025内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10030を包含するか、またはECOLIN_10030内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10035を包含するか、またはECOLIN_10035内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10040を包含するか、またはECOLIN_10040内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10045を包含するか、またはECOLIN_10045内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10050を包含するか、またはECOLIN_10050内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10055を包含するか、またはECOLIN_10055内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10065を包含するか、またはECOLIN_10065内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10070を包含するか、またはECOLIN_10070内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10075を包含するか、またはECOLIN_10075内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10080を包含するか、またはECOLIN_10080内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10085を包含するか、またはECOLIN_10085内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10090を包含するか、またはECOLIN_10090内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10095を包含するか、またはECOLIN_10095内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10100を包含するか、またはECOLIN_10100内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10105を包含するか、またはECOLIN_10105内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10110を包含するか、またはECOLIN_10110内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10115を包含するか、またはECOLIN_10115内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10120を包含するか、またはECOLIN_10120内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10125を包含するか、またはECOLIN_10125内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10130を包含するか、またはECOLIN_10130内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10135を包含するか、またはECOLIN_10135内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10140を包含するか、またはECOLIN_10140内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10145を包含するか、またはECOLIN_10145内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10150を包含するか、またはECOLIN_10150内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10160を包含するか、またはECOLIN_10160内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10165を包含するか、またはECOLIN_10165内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10170を包含するか、またはECOLIN_10170内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10175を包含するか、またはECOLIN_10175内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10180を包含するか、またはECOLIN_10180内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10185を包含するか、またはECOLIN_10185内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10190を包含するか、またはECOLIN_10190内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10195を包含するか、またはECOLIN_10195内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10200を包含するか、またはECOLIN_10200内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10205を包含するか、またはECOLIN_10205内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10210を包含するか、またはECOLIN_10210内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10220を包含するか、またはECOLIN_10220内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10225を包含するか、またはECOLIN_10225内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10230を包含するか、またはECOLIN_10230内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10235を包含するか、またはECOLIN_10235内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10240を包含するか、またはECOLIN_10240内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10245を包含するか、またはECOLIN_10245内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10250を包含するか、またはECOLIN_10250内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10255を包含するか、またはECOLIN_10255内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10260を包含するか、またはECOLIN_10260内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10265を包含するか、またはECOLIN_10265内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10270を包含するか、またはECOLIN_10270内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10275を包含するか、またはECOLIN_10275内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10280を包含するか、またはECOLIN_10280内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10290を包含するか、またはECOLIN_10290内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10295を包含するか、またはECOLIN_10295内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10300を包含するか、またはECOLIN_10300内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10305を包含するか、またはECOLIN_10305内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10310を包含するか、またはECOLIN_10310内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10315を包含するか、またはECOLIN_10315内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10320を包含するか、またはECOLIN_10320内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10325を包含するか、またはECOLIN_10325内に位置する。
いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10330を包含するか、またはECOLIN_10330内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10335を包含するか、またはECOLIN_10335内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10340を包含するか、またはECOLIN_10340内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の欠失は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10345を包含するか、またはECOLIN_10345内に位置する。
いくつかの実施形態では、突然変異は、脂質A生合成(KDO)2−(ラウロイル)−脂質IVAアシルトランスフェラーゼ、ペプチダーゼ、亜鉛ABCトランスポーター基質結合タンパク質、亜鉛ABCトランスポーターATPase、高親和性亜鉛トランスポーター膜コンポーネント、ATP依存性DNAヘリカーゼRuvB、ATP依存性DNAヘリカーゼRuvA、Hollidayジャンクションレゾルバーゼ、ジヒドロネオプテリン三リン酸ピロホスファターゼ(dihydroneopterin triphosphate pyrophosphatase)、アスパルチル−tRNAシンテターゼ、ヒドロラーゼ、DNAポリメラーゼV、MsgA、ファージ尾部タンパク質、尾部タンパク質、宿主特異的タンパク質、ペプチダーゼP60、尾部タンパク質、尾部タンパク質、尾部繊維タンパク質、マイナーテールタンパク質U(Minor tail protein U)、DNA切断−再結合タンパク質、ペプチダーゼS14、カプシドタンパク質、DNAパッケージングタンパク質、ターミナーゼ、リゾチーム、ホリン、DNAアデニンメチラーゼ、セリンプロテアーゼ、抗終結蛋白質(antitermination protein)、アンチリプレッサー、クロスオーバージャンクションエンドデオキシリボヌクレアーゼ、アデニンメチルトランスフェラーゼ、DNAメチルトランスフェラーゼECOLIN_10240、GntRファミリー転写調節因子ECOLIN_10245、cIリプレッサー、未知の機能のドメイン(DUF4222);DNAリコンビナーゼ、多数の抗生物質耐性調節因子(MarR)、P22における未知のead様タンパク質、機能不明のタンパク質(DUF550);3’−5’エキソヌクレアーゼ、エキシシオナーゼ、インテグラーゼ、およびtRNAメチルトランスフェラーゼから選択される1つ以上のポリペプチド内に位置するか、またはそれらを包含する。一実施形態では、マイナーテールタンパク質U、尾部タンパク質、DNA切断−再結合タンパク質、ペプチダーゼS14、カプシドタンパク質、DNAパッケージングタンパク質、およびターミナーゼの1つ以上が欠失している。
特定の一実施形態では、マイナーテールタンパク質U、尾部タンパク質、DNA切断−再結合タンパク質、ペプチダーゼS14、カプシドタンパク質、DNAパッケージングタンパク質、およびターミナーゼが欠失している。一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175のうちの1つ以上の完全なまたは部分的な欠失である。特定の一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175の完全なまたは部分的な欠失である。特定の一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170の完全な欠失、ならびにECOLIN_10175の部分的な欠失である。一実施形態では、配列番号130の配列は、ファージ3ゲノムから欠失している。一実施形態では、配列番号130を含む配列は、ファージ3ゲノムから欠失している。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281を含む改変されたファージゲノム配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281からなる改変されたファージゲノム配列を含む。
(挿入)
いくつかの実施形態では、挿入は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムのコード領域にある。いくつかの実施形態では、挿入は大腸菌Nissleファージ3ゲノムの調節領域に挿入される。いくつかの実施形態では、挿入されたポリヌクレオチドは、1つ以上の抗生物質カセットを含む。適切な抗生物質カセットは当該分野で公知であり、このような抗生物質カセットの非限定的な例は本明細書中に記載されている。いくつかの実施形態では、抗生物質はクロラムフェニコールである。いくつかの実施形態では、抗生物質はカナマイシンである。いくつかの実施形態では、抗生物質はアンピシリンである。いくつかの実施形態では、抗生物質はクロラムフェニコールおよびカナマイシンである。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入されたポリヌクレオチドは、少なくとも約1〜500塩基対の長さを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入されたポリヌクレオチドは、少なくとも約500〜1000塩基対の長さを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入されたポリヌクレオチドは、少なくとも約1000〜2000塩基対の長さを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入されたポリヌクレオチドは、少なくとも約1000〜2000塩基対の長さを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入されたポリヌクレオチドは、少なくとも約2000〜3000塩基対の長さを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入されたポリヌクレオチドは、少なくとも約3000〜4000塩基対の長さを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入されたポリヌクレオチドは、少なくとも約4000〜5000塩基対の長さを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入されたポリヌクレオチドは、少なくとも約5000〜6000塩基対の長さを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入されたポリヌクレオチドは、少なくとも約6000〜7000塩基対の長さを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入されたポリヌクレオチドは、少なくとも約7000〜8000塩基対の長さを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入されたポリヌクレオチドは、少なくとも約8000〜9000塩基対の長さを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入されたポリヌクレオチドは、少なくとも約9000〜10000塩基対の長さを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入されたポリヌクレオチドは、少なくとも約10000〜15000塩基対の長さを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入されたポリヌクレオチドは、少なくとも約10000〜15000塩基対の長さ、少なくとも約15000〜20000塩基対の長さ、少なくとも約20000〜25000塩基対の長さ、少なくとも約25000〜30000塩基対の長さ、少なくとも約30000〜35000塩基対の長さ、少なくとも約35000〜40000塩基対の長さ、少なくとも約40000〜45000塩基対の長さ、少なくとも約45000〜50000塩基対の長さ、少なくとも約50000〜55000塩基対の長さ、少なくとも約55000〜60000塩基対の長さ、少なくとも約60000〜65000塩基対の長さ、少なくとも約65000〜70000塩基対の長さ、少なくとも約70000〜75000塩基対の長さ、少なくとも約75000〜80000塩基対の長さ、少なくとも約80000〜85000塩基対の長さ、少なくとも約85000〜90000塩基対の長さ、少なくとも約90000〜95000塩基対の長さ、少なくとも約95000〜100000塩基対の長さ、少なくとも約100000〜110000塩基対の長さ、少なくとも約110000〜120000塩基対の長さ、少なくとも約120000〜130000塩基対の長さ、少なくとも約130000〜140000塩基対の長さ、少なくとも約140000〜150000塩基対の長さ、少なくとも約150000〜200000塩基対の長さ、または少なくとも約200000塩基対超の長さを含む。特定の一実施形態では、少なくとも約9687塩基対の長さが挿入される。
いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約1〜500塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約500〜1000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約1000〜2000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約1000〜2000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約2000〜3000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約3000〜4000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約4000〜5000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約5000〜6000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約6000〜7000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約7000〜8000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約8000〜9000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約9000〜10000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約10000〜15000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約10000〜15000塩基対内、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約15000〜20000塩基対内、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約20000〜25000塩基対内、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約25000〜30000塩基対内、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約30000〜35000塩基対内、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約35000〜40000塩基対内、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約40000〜45000塩基対内、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約45000〜50000塩基対内、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約50000〜55000塩基対内、または大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約55000〜6000塩基対内に位置する。特定の一実施形態では、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの9687塩基対が挿入される。いくつかの実施形態では、挿入されたヌクレオチドは散在している。いくつかの実施形態では、挿入されたヌクレオチドは連続している。
いくつかの実施形態では、挿入は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約0.1〜1%、少なくとも約1〜2%、少なくとも約2〜3%、少なくとも約3〜4%、少なくとも約4〜5%、少なくとも約5〜6%、少なくとも約6〜7%、少なくとも約7〜8%、少なくとも約8〜9%、少なくとも約9〜10%、少なくとも約10〜11%、少なくとも約11〜12%、少なくとも約12〜13%、少なくとも約13〜14%、少なくとも約14〜15%、少なくとも約15〜16%、少なくとも約16〜17%、少なくとも約17〜18%、少なくとも約18〜19%、少なくとも約19〜20%、少なくとも約20〜21%、少なくとも約21〜22%、少なくとも約22〜23%、少なくとも約23〜24%、少なくとも約24〜25%、少なくとも約25〜26%、少なくとも約26〜27%、少なくとも約27〜28%、少なくとも約28〜29%、少なくとも約29〜30%内に位置する。いくつかの実施形態では、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約30〜40%が挿入される。いくつかの実施形態では、挿入は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約40〜50%内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約50〜60%内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約60〜70%内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約70〜80%内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約80〜90%内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約90〜100%内に位置する。
いくつかの実施形態では、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の遺伝子が挿入を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも約21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、または120個の遺伝子が挿入を含む。いくつかの実施形態では、13個の遺伝子が挿入を含む。一実施形態では、74個の遺伝子が挿入を含む。
いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの最初(beginning)または5’末端に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの最後(end)または3’末端に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの中間に位置する。いくつかの実施形態では、大腸菌Nissleファージ3遺伝子は細菌ゲノム内に散在し、挿入は散在した位置の1つ以上に位置する。
いくつかの実施形態では、最適な挿入のための領域、すなわち所望の効果を達成するための領域は、他の細菌中の他のファージとの相同性の分析によって決定され得る。ファージ中の相同な保存領域は保存されており、1つ以上の必須遺伝子を含み得るので、挿入に適している場合がある。いくつかの実施形態では、プロモーターなどの調節エレメントが挿入される。いくつかの実施形態では、コード配列が挿入される。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入領域は、溶菌サイクルに必須の1つ以上の遺伝子を含む。
いくつかの実施形態では、挿入は、溶菌遺伝子をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、1つ以上のプロテアーゼまたはリシン(lysin)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、1つ以上の毒素をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、1つ以上の抗生物質耐性関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、1つ以上のファージ翻訳関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、構造タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。このような構造遺伝子には、頭部、尾部、カラー、またはコートのポリペプチドをコードする遺伝子が含まれる。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、頭部タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、尾部タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、カラータンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、コートタンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、挿入は、1つ以上の基盤タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、バクテリオファージの構築に必要な1つ以上のタンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、1つ以上のポータル(portal)タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、組換えに関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、1つ以上のインテグラーゼをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、1つ以上のインベルターゼ(invertase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、1つ以上のトランスポザーゼ(transposase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、複製または翻訳に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、1つ以上のプライマーゼ(primase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、1つ以上のtRNA関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、ファージ挿入に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、接着部位をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、パッケージングに関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、1つ以上のターミナーゼをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、1つ以上の宿主遺伝子をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。
いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、または宿主タンパク質、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする遺伝子内に位置する。
いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする遺伝子内に位置する。
いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする1個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする2個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする3個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする4個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする2個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする5個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする6個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする7個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする8個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする9個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする10個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする11個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする12個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする13個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする14個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする15個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする少なくとも約16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100個以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、挿入は、ファージゲノム内の1つ以上の宿主タンパク質内に位置する。
本明細書に記載される実施形態のいずれかにおいて、挿入は、以下から選択される1つ以上の遺伝子内に位置する:ECOLIN_09965、ECOLIN_09970、ECOLIN_09975、ECOLIN_09980、ECOLIN_09985、ECOLIN_09990、ECOLIN_09995、ECOLIN_10000、ECOLIN_10005、ECOLIN_10010、ECOLIN_10015、ECOLIN_10020、ECOLIN_10025、ECOLIN_10030、ECOLIN_10035、ECOLIN_10040、ECOLIN_10045、ECOLIN_10050、ECOLIN_10055、ECOLIN_10065、ECOLIN_10070、ECOLIN_10075、ECOLIN_10080、ECOLIN_10085、ECOLIN_10090、ECOLIN_10095、ECOLIN_10100、ECOLIN_10105、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、ECOLIN_10175、ECOLIN_10180、ECOLIN_10185、ECOLIN_10190、ECOLIN_10195、ECOLIN_10200、ECOLIN_10205、ECOLIN_10210、ECOLIN_10220、ECOLIN_10225、ECOLIN_10230、ECOLIN_10235、ECOLIN_10240、ECOLIN_10245、ECOLIN_10250、ECOLIN_10255、ECOLIN_10260、ECOLIN_10265、ECOLIN_10270、ECOLIN_10275、ECOLIN_10280、ECOLIN_10290、ECOLIN_10295、ECOLIN_10300、ECOLIN_10305、ECOLIN_10310、ECOLIN_10315、ECOLIN_10320、ECOLIN_10325、ECOLIN_10330、ECOLIN_10335、ECOLIN_10340、およびECOLIN_10345。
いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_09965内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_09970内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_09975内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_09980内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_09985内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_09990内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_09995内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10000内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10005内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10010内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10015内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10020内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10025内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10030内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10035内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10040内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10045内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10050内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10055内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10065内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10070内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10075内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10080内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10085内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10090内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10095内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10100内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10105内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10110内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10115内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10120内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10125内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10130内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10135内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10140内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10145内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10150内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10160内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10165内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10170内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10175内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10180内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10185内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10190内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10195内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10200内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10205内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10210内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10220内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10225内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10230内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10235内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10240内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10245内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10250内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10255内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10260内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10265内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10270内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10275内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10280内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10290内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10295内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10300内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10305内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10310内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10315内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10320内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10325内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10330内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10335内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10340内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の挿入は、ECOLIN_10345内に位置する。
いくつかの実施形態では、突然変異は、脂質A生合成(KDO)2−(ラウロイル)−脂質IVAアシルトランスフェラーゼ、ペプチダーゼ、亜鉛ABCトランスポーター基質結合タンパク質、亜鉛ABCトランスポーターATPase、高親和性亜鉛トランスポーター膜コンポーネント、ATP依存性DNAヘリカーゼRuvB、ATP依存性DNAヘリカーゼRuvA、Hollidayジャンクションレゾルバーゼ、ジヒドロネオプテリン三リン酸ピロホスファターゼ(dihydroneopterin triphosphate pyrophosphatase)、アスパルチル−tRNAシンテターゼ、ヒドロラーゼ、DNAポリメラーゼV、MsgA、ファージ尾部タンパク質、尾部タンパク質、宿主特異的タンパク質、ペプチダーゼP60、尾部タンパク質、尾部タンパク質、尾部繊維タンパク質、マイナーテールタンパク質U(Minor tail protein U)、DNA切断−再結合タンパク質、ペプチダーゼS14、カプシドタンパク質、DNAパッケージングタンパク質、ターミナーゼ、リゾチーム、ホリン、DNAアデニンメチラーゼ、セリンプロテアーゼ、抗終結蛋白質(antitermination protein)、アンチリプレッサー、クロスオーバージャンクションエンドデオキシリボヌクレアーゼ、アデニンメチルトランスフェラーゼ、DNAメチルトランスフェラーゼECOLIN_10240、GntRファミリー転写調節因子ECOLIN_10245、cIリプレッサー、未知の機能のドメイン(DUF4222);DNAリコンビナーゼ、多数の抗生物質耐性調節因子(MarR)、P22における未知のead様タンパク質、機能不明のタンパク質(DUF550);3’−5’エキソヌクレアーゼ、エキシシオナーゼ、インテグラーゼ、およびtRNAメチルトランスフェラーゼから選択される1つ以上のポリペプチドに位置するか、またはそれらを包含する。一実施形態では、マイナーテールタンパク質U、尾部タンパク質、DNA切断−再結合タンパク質、ペプチダーゼS14、カプシドタンパク質、DNAパッケージングタンパク質、およびターミナーゼの1つ以上は、1つ以上の挿入を含む。特定の一実施形態では、マイナーテールタンパク質U、尾部タンパク質、DNA切断−再結合タンパク質、ペプチダーゼS14、カプシドタンパク質、DNAパッケージングタンパク質、およびターミナーゼは、1つ以上の挿入を含む。
一実施形態では、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175のうちの1つ以上が挿入を含む。
(逆位)
いくつかの実施形態では、逆位は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムのコード領域にある。いくつかの実施形態では、逆位は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの調節領域に逆位(inverted)される。いくつかの実施形態では、逆位は、1つ以上の抗生物質カセットを含む。適切な抗生物質カセットは当該分野で公知であり、このような抗生物質カセットの非限定的な例は本明細書中に記載されている。いくつかの実施形態では、抗生物質はクロラムフェニコールである。いくつかの実施形態では、抗生物質はカナマイシンである。いくつかの実施形態では、抗生物質はアンピシリンである。いくつかの実施形態では、抗生物質はクロラムフェニコールおよびカナマイシンである。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、1〜500塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、少なくとも約500〜1000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、少なくとも約1000〜2000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、少なくとも約1000〜2000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、少なくとも約2000〜3000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、少なくとも約3000〜4000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、少なくとも約4000〜5000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、少なくとも約5000〜6000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、少なくとも約6000〜7000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、少なくとも約7000〜8000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、少なくとも約8000〜9000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、少なくとも約9000〜10000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、少なくとも約10000〜15000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、少なくとも約10000〜15000塩基対、少なくとも約15000〜20000塩基対、少なくとも約20000〜25000塩基対、少なくとも約25000〜30000塩基対、少なくとも約30000〜35000塩基対、少なくとも約35000〜40000塩基対、少なくとも約40000〜45000塩基対、少なくとも約45000〜50000塩基対、少なくとも約50000〜55000塩基対、または少なくとも約55000〜60000塩基対を含む。特定の一実施形態では、9687塩基対が逆位している。いくつかの実施形態では、逆位したヌクレオチドは散在している。いくつかの実施形態では、逆位したヌクレオチドは連続している。
いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約1〜500塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約500〜1000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約1000〜2000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約1000〜2000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約2000〜3000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約3000〜4000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約4000〜5000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約5000〜6000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約6000〜7000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約7000〜8000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約8000〜9000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約9000〜10000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約10000〜15000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約10000〜15000塩基対内、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約15000〜20000塩基対内、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約20000〜25000塩基対内、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約25000〜30000塩基対内、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約30000〜35000塩基対内、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約35000〜40000塩基対内、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約40000〜45000塩基対内、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約45000〜50000塩基対内、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約50000〜55000塩基対内、または大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約55000〜60000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位したヌクレオチドは散在している。いくつかの実施形態では、逆位したヌクレオチドは連続している。
いくつかの実施形態では、逆位は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約0.1〜1%、少なくとも約1〜2%、少なくとも約2〜3%、少なくとも約3〜4%、少なくとも約4〜5%、少なくとも約5〜6%、少なくとも約6〜7%、少なくとも約7〜8%、少なくとも約8〜9%、少なくとも約9〜10%、少なくとも約10〜11%、少なくとも約11〜12%、少なくとも約12〜13%、少なくとも約13〜14%、少なくとも約14〜15%、少なくとも約15〜16%、少なくとも約16〜17%、少なくとも約17〜18%、少なくとも約18〜19%、少なくとも約19〜20%、少なくとも約20〜21%、少なくとも約21〜22%、少なくとも約22〜23%、少なくとも約23〜24%、少なくとも約24〜25%、少なくとも約25〜26%、少なくとも約26〜27%、少なくとも約27〜28%、少なくとも約28〜29%、少なくとも約29〜30%内に位置する。いくつかの実施形態では、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約30〜40%が逆位している。いくつかの実施形態では、逆位は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約40〜50%内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約50〜60%内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約60〜70%内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約70〜80%内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約80〜90%内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約90〜100%内に位置する。
いくつかの実施形態では、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の遺伝子が逆位を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも約21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、または120個の遺伝子が逆位を含む。いくつかの実施形態では、13個の遺伝子が逆位を含む。一実施形態では、74個の遺伝子が逆位を含む。
いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの最初(beginning)または5’末端に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの最後(end)または3’末端に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの中間に位置する。いくつかの実施形態では、大腸菌Nissleファージ3遺伝子は細菌ゲノム内に散在し、逆位は散在した位置の1つ以上に位置する。
いくつかの実施形態では、最適な逆位のための領域、すなわち所望の効果を達成するための領域は、他の細菌中の他のファージとの相同性の分析によって決定され得る。ファージ中の相同な保存領域は保存されており、1つ以上の必須遺伝子を含み得るので、逆位に適している場合がある。いくつかの実施形態では、プロモーターなどの調節要素が逆位している。いくつかの実施形態では、コード配列が逆位している。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位領域は、溶菌サイクルに必須の1つ以上の遺伝子を含む。
いくつかの実施形態では、逆位は、溶菌遺伝子をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、1つ以上のプロテアーゼまたはリシン(lysin)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、1つ以上の毒素をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、1つ以上の抗生物質耐性関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、1つ以上のファージ翻訳関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、構造タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。このような構造遺伝子には、頭部、尾部、カラー、またはコートのポリペプチドをコードする遺伝子が含まれる。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、頭部タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、尾部タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、カラータンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、1つ以上の突然変異は、コートタンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置するか、またはそれを包含する。いくつかの実施形態では、逆位は、1つ以上の基盤タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、バクテリオファージの構築に必要な1つ以上のタンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、1つ以上のポータル(portal)タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、組換えに関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、1つ以上のインテグラーゼをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、1つ以上のインベルターゼ(invertase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、1つ以上のトランスポザーゼ(transposase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、複製または翻訳に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、1つ以上のプライマーゼ(primase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、1つ以上のtRNA関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、ファージ逆位(phage inversion)に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、接着部位をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、パッケージングに関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、1つ以上のターミナーゼをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、1つ以上の宿主遺伝子をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。
いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位(phage inversion)、または宿主タンパク質、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする遺伝子内に位置する。
いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位(phage inversion)、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする遺伝子内に位置する。
いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする1個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする2個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする3個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする4個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする2個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする5個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする6個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする7個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする8個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする9個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする10個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする11個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする12個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする13個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする14個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構成、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする15個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ逆位、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする少なくとも約16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100個以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、逆位は、ファージゲノム内の1つ以上の宿主タンパク質内に位置する。
本明細書に記載される実施形態のいずれかにおいて、逆位は、以下から選択される1つ以上の遺伝子を(完全にまたは部分的に)包含するか、または以下から選択される1つ以上の遺伝子内に位置する:ECOLIN_09965、ECOLIN_09970、ECOLIN_09975、ECOLIN_09980、ECOLIN_09985、ECOLIN_09990、ECOLIN_09995、ECOLIN_10000、ECOLIN_10005、ECOLIN_10010、ECOLIN_10015、ECOLIN_10020、ECOLIN_10025、ECOLIN_10030、ECOLIN_10035、ECOLIN_10040、ECOLIN_10045、ECOLIN_10050、ECOLIN_10055、ECOLIN_10065、ECOLIN_10070、ECOLIN_10075、ECOLIN_10080、ECOLIN_10085、ECOLIN_10090、ECOLIN_10095、ECOLIN_10100、ECOLIN_10105、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、ECOLIN_10175、ECOLIN_10180、ECOLIN_10185、ECOLIN_10190、ECOLIN_10195、ECOLIN_10200、ECOLIN_10205、ECOLIN_10210、ECOLIN_10220、ECOLIN_10225、ECOLIN_10230、ECOLIN_10235、ECOLIN_10240、ECOLIN_10245、ECOLIN_10250、ECOLIN_10255、ECOLIN_10260、ECOLIN_10265、ECOLIN_10270、ECOLIN_10275、ECOLIN_10280、ECOLIN_10290、ECOLIN_10295、ECOLIN_10300、ECOLIN_10305、ECOLIN_10310、ECOLIN_10315、ECOLIN_10320、ECOLIN_10325、ECOLIN_10330、ECOLIN_10335、ECOLIN_10340、およびECOLIN_10345。
いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_09965を包含するか、またはECOLIN_09965内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_09970を包含するか、またはECOLIN_09970内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_09975を包含するか、またはECOLIN_09975内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_09980を包含するか、またはECOLIN_09980内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_09985を包含するか、またはECOLIN_09985内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_09990を包含するか、またはECOLIN_09990内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_09995を包含するか、またはECOLIN_09995内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10000を包含するか、またはECOLIN_10000内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10005を包含するか、またはECOLIN_10005内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10010を包含するか、またはECOLIN_10010内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10015を包含するか、またはECOLIN_10015内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10020を包含するか、またはECOLIN_10020内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10025を包含するか、またはECOLIN_10025内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10030を包含するか、またはECOLIN_10030内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10035を包含するか、またはECOLIN_10035内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10040を包含するか、またはECOLIN_10040内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10045を包含するか、またはECOLIN_10045内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10050を包含するか、またはECOLIN_10050内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10055を包含するか、またはECOLIN_10055内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10065を包含するか、またはECOLIN_10065内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10070を包含するか、またはECOLIN_10070内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10075を包含するか、またはECOLIN_10075内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10080を包含するか、またはECOLIN_10080内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10085を包含するか、またはECOLIN_10085内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10090を包含するか、またはECOLIN_10090内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10095を包含するか、またはECOLIN_10095内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10100を包含するか、またはECOLIN_10100内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10105を包含するか、またはECOLIN_10105内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10110を包含するか、またはECOLIN_10110内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10115を包含するか、またはECOLIN_10115内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10120を包含するか、またはECOLIN_10120内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10125を包含するか、またはECOLIN_10125内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10130を包含するか、またはECOLIN_10130内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10135を包含するか、またはECOLIN_10135内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10140を包含するか、またはECOLIN_10140内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10145を包含するか、またはECOLIN_10145内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10150を包含するか、またはECOLIN_10150内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10160を包含するか、またはECOLIN_10160内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10165を包含するか、またはECOLIN_10165内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10170を包含するか、またはECOLIN_10170内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10175を包含するか、またはECOLIN_10175内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10180を包含するか、またはECOLIN_10180内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10185を包含するか、またはECOLIN_10185内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10190を包含するか、またはECOLIN_10190内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10195を包含するか、またはECOLIN_10195内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10200を包含するか、またはECOLIN_10200内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10205を包含するか、またはECOLIN_10205内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10210を包含するか、またはECOLIN_10210内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10220を包含するか、またはECOLIN_10220内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10225を包含するか、またはECOLIN_10225内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10230を包含するか、またはECOLIN_10230内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10235を包含するか、またはECOLIN_10235内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10240を包含するか、またはECOLIN_10240内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10245を包含するか、またはECOLIN_10245内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10250を包含するか、またはECOLIN_10250内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10255を包含するか、またはECOLIN_10255内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10260を包含するか、またはECOLIN_10260内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10265を包含するか、またはECOLIN_10265内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10270を包含するか、またはECOLIN_10270内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10275を包含するか、またはECOLIN_10275内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10280を包含するか、またはECOLIN_10280内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10290を包含するか、またはECOLIN_10290内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10295を包含するか、またはECOLIN_10295内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10300を包含するか、またはECOLIN_10300内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10305を包含するか、またはECOLIN_10305内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10310を包含するか、またはECOLIN_10310内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10315を包含するか、またはECOLIN_10315内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10320を包含するか、またはECOLIN_10320内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10325を包含するか、またはECOLIN_10325内に位置する。
いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10330を包含するか、またはECOLIN_10330内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10335を包含するか、またはECOLIN_10335内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10340を包含するか、またはECOLIN_10340内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の逆位は、(完全にまたは部分的に)ECOLIN_10345を包含するか、またはECOLIN_10345内に位置する。
いくつかの実施形態では、突然変異は、脂質A生合成(KDO)2−(ラウロイル)−脂質IVAアシルトランスフェラーゼ、ペプチダーゼ、亜鉛ABCトランスポーター基質結合タンパク質、亜鉛ABCトランスポーターATPase、高親和性亜鉛トランスポーター膜コンポーネント、ATP依存性DNAヘリカーゼRuvB、ATP依存性DNAヘリカーゼRuvA、Hollidayジャンクションレゾルバーゼ、ジヒドロネオプテリン三リン酸ピロホスファターゼ(dihydroneopterin triphosphate pyrophosphatase)、アスパルチル−tRNAシンテターゼ、ヒドロラーゼ、DNAポリメラーゼV、MsgA、ファージ尾部タンパク質、尾部タンパク質、宿主特異的タンパク質、ペプチダーゼP60、尾部タンパク質、尾部タンパク質、尾部繊維タンパク質、マイナーテールタンパク質U(Minor tail protein U)、DNA切断−再結合タンパク質、ペプチダーゼS14、カプシドタンパク質、DNAパッケージングタンパク質、ターミナーゼ、リゾチーム、ホリン、DNAアデニンメチラーゼ、セリンプロテアーゼ、抗終結蛋白質(antitermination protein)、アンチリプレッサー、クロスオーバージャンクションエンドデオキシリボヌクレアーゼ、アデニンメチルトランスフェラーゼ、DNAメチルトランスフェラーゼECOLIN_10240、GntRファミリー転写調節因子ECOLIN_10245、cIリプレッサー、未知の機能のドメイン(DUF4222);DNAリコンビナーゼ、多数の抗生物質耐性調節因子(MarR)、P22における未知のead様タンパク質、機能不明のタンパク質(DUF550);3’−5’エキソヌクレアーゼ、エキシシオナーゼ、インテグラーゼ、およびtRNAメチルトランスフェラーゼから選択される1つ以上のポリペプチド内に位置するか、またはそれらを包含する。一実施形態では、マイナーテールタンパク質U、尾部タンパク質、DNA切断−再結合タンパク質、ペプチダーゼS14、カプシドタンパク質、DNAパッケージングタンパク質、およびターミナーゼの1つ以上が逆位している。特定の一実施形態では、マイナーテールタンパク質U、尾部タンパク質、DNA切断−再結合タンパク質、ペプチダーゼS14、カプシドタンパク質、DNAパッケージングタンパク質、およびターミナーゼが逆位している。
一実施形態では、逆位は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175のうちの1つ以上の完全なまたは部分的な逆位である。特定の一実施形態では、逆位は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175の完全なまたは部分的な逆位である。特定の一実施形態では、逆位は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170の完全な逆位、ならびにECOLIN_10175の部分的な逆位である。一実施形態では、配列番号130の配列は、ファージ3ゲノムから逆位している。一実施形態では、配列番号130を含む配列は、ファージ3ゲノムから逆位している。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281を含む改変されたファージゲノム配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281からなる改変されたファージゲノム配列を含む。
(置換)
いくつかの実施形態では、置換は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムのコード領域にある。いくつかの実施形態では、置換は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの調節領域に置換される(substituted)。いくつかの実施形態では、置換は、1つ以上の抗生物質カセットを含む。適切な抗生物質カセットは当該分野で公知であり、このような抗生物質カセットの非限定的な例は本明細書中に記載されている。いくつかの実施形態では、抗生物質はクロラムフェニコールである。いくつかの実施形態では、抗生物質はカナマイシンである。いくつかの実施形態では、抗生物質はアンピシリンである。いくつかの実施形態では、抗生物質はクロラムフェニコールおよびカナマイシンである。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、少なくとも約1〜500塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、少なくとも約500〜1000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、少なくとも約1000〜2000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、少なくとも約1000〜2000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、少なくとも約2000〜3000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、少なくとも約3000〜4000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、少なくとも約4000〜5000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、少なくとも約5000〜6000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、少なくとも約6000〜7000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、少なくとも約7000〜8000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、少なくとも約8000〜9000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、少なくとも約9000〜10000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、少なくとも約10000〜15000塩基対を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、少なくとも約10000〜15000塩基対、少なくとも約15000〜20000塩基対、少なくとも約20000〜25000塩基対、少なくとも約25000〜30000塩基対、少なくとも約30000〜35000塩基対、少なくとも約35000〜40000塩基対、少なくとも約40000〜45000塩基対、少なくとも約45000〜50000塩基対、少なくとも約50000〜55000塩基対、少なくとも約55000〜60000塩基対、少なくとも約60000〜65000塩基対、少なくとも約65000〜70000塩基対、少なくとも約70000〜75000塩基対、少なくとも約75000〜80000塩基対、少なくとも約80000〜85000塩基対、少なくとも約85000〜90000塩基対、少なくとも約90000〜95000塩基対、少なくとも約95000〜100000塩基対、少なくとも約100000〜110000塩基対、少なくとも約110000〜120000塩基対、少なくとも約120000〜130000塩基対、少なくとも約130000〜140000塩基対、少なくとも約140000〜150000塩基対、少なくとも約150000〜200000塩基対、または少なくとも約200000塩基対超を含む。特定の一実施形態では、9687塩基対が置換される。いくつかの実施形態では、置換されたヌクレオチドは散在している。いくつかの実施形態では、置換ヌクレオチドは連続している。
いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの1〜500塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの500〜1000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約1000〜2000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約1000〜2000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約2000〜3000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約3000〜4000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約4000〜5000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約5000〜6000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約6000〜7000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約7000〜8000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約8000〜9000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約9000〜10000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約10000〜15000塩基対内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約10000〜15000塩基対内、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約15000〜20000塩基対内、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約20000〜25000塩基対内、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約25000〜30000塩基対内、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約30000〜35000塩基対内、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約35000〜40000塩基対内、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約40000〜45000塩基対内、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約45000〜50000塩基対内、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約50000〜55000塩基対内、または大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約55000〜60000塩基対内に位置する。特定の一実施形態では、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの9687塩基対が置換される。いくつかの実施形態では、置換されたヌクレオチドは散在している。いくつかの実施形態では、置換されたヌクレオチドは連続している。
いくつかの実施形態では、置換は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約0.1〜1%、少なくとも約1〜2%、少なくとも約2〜3%、少なくとも約3〜4%、少なくとも約4〜5%、少なくとも約5〜6%、少なくとも約6〜7%、少なくとも約7〜8%、少なくとも約8〜9%、少なくとも約9〜10%、少なくとも約10〜11%、少なくとも約11〜12%、少なくとも約12〜13%、少なくとも約13〜14%、少なくとも約14〜15%、少なくとも約15〜16%、少なくとも約16〜17%、少なくとも約17〜18%、少なくとも約18〜19%、少なくとも約19〜20%、少なくとも約20〜21%、少なくとも約21〜22%、少なくとも約22〜23%、少なくとも約23〜24%、少なくとも約24〜25%、少なくとも約25〜26%、少なくとも約26〜27%、少なくとも約27〜28%、少なくとも約28〜29%、または少なくとも約29〜30%内に位置する。いくつかの実施形態では、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約30〜40%が置換されている。いくつかの実施形態では、置換は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約40〜50%内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約50〜60%内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約60〜70%内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約70〜80%内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約80〜90%内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの少なくとも約90〜100%内に位置する。
いくつかの実施形態では、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の遺伝子が置換を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも約21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、または120個の遺伝子が置換を含む。いくつかの実施形態では、13個の遺伝子が置換を含む。一実施形態では、74個の遺伝子が置換を含む。
いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの最初(beginning)または5’末端に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの最後(end)または3’末端に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、大腸菌Nissleファージ3ゲノムの中間に位置する。いくつかの実施形態では、大腸菌Nissleファージ3遺伝子は細菌ゲノム内に散在し、置換は散在した位置の1つ以上に位置する。
いくつかの実施形態では、最適な置換のための領域、すなわち所望の効果を達成するための領域は、他の細菌中の他のファージとの相同性の分析によって決定され得る。ファージ中の相同な保存領域は保存されており、1つ以上の必須遺伝子を含み得るので、置換に適している場合がある。いくつかの実施形態では、プロモーターなどの調節エレメントが置換される。いくつかの実施形態では、コード配列が置換される。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換領域は、溶菌サイクルに必須の1つ以上の遺伝子を含む。
いくつかの実施形態では、置換は、溶菌遺伝子をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、1つ以上のプロテアーゼまたはリシン(lysin)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、1つ以上の毒素をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、1つ以上の抗生物質耐性関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、1つ以上のファージ翻訳関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、構造タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。このような構造遺伝子には、頭部、尾部、カラー、またはコートのポリペプチドをコードする遺伝子が含まれる。いくつかの実施形態では、置換は、1つ以上の基盤タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、バクテリオファージの構築に必要な1つ以上のタンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、1つ以上のポータル(portal)タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、組換えに関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、1つ以上のインテグラーゼをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、1つ以上のインベルターゼ(invertase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、1つ以上のトランスポザーゼ(transposase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、複製または翻訳に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、1つ以上のプライマーゼ(primase)をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、1つ以上のtRNA関連タンパク質をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、ファージ置換(phage substitution)に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、接着部位をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、パッケージングに関与する1つ以上のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、1つ以上のターミナーゼをコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、1つ以上の宿主遺伝子をコードする1つ以上の遺伝子内に位置する。
いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換(phage substitution)、または宿主タンパク質、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする遺伝子内に位置する。
いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換(phage substitution)、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上に関与する1つ以上のポリペプチドをコードする遺伝子内に位置する。
いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする1個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする2個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする3個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする4個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする2個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする5個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする6個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする7個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする8個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする9個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする10個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする11個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする12個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする13個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする14個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする15個の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング組換え、複製または翻訳、ファージ置換、およびそれらの組み合わせに関与するポリペプチドをコードする少なくとも約16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100個以上の遺伝子内に位置する。いくつかの実施形態では、置換は、ファージゲノム内の1つ以上の宿主タンパク質内に位置する。
本明細書中に記載される実施形態のいずれかにおいて、置換は、以下から選択される1つ以上の遺伝子内に位置する:ECOLIN_09965、ECOLIN_09970、ECOLIN_09975、ECOLIN_09980、ECOLIN_09985、ECOLIN_09990、ECOLIN_09995、ECOLIN_10000、ECOLIN_10005、ECOLIN_10010、ECOLIN_10015、ECOLIN_10020、ECOLIN_10025、ECOLIN_10030、ECOLIN_10035、ECOLIN_10040、ECOLIN_10045、ECOLIN_10050、ECOLIN_10055、ECOLIN_10065、ECOLIN_10070、ECOLIN_10075、ECOLIN_10080、ECOLIN_10085、ECOLIN_10090、ECOLIN_10095、ECOLIN_10100、ECOLIN_10105、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、ECOLIN_10175、ECOLIN_10180、ECOLIN_10185、ECOLIN_10190、ECOLIN_10195、ECOLIN_10200、ECOLIN_10205、ECOLIN_10210、ECOLIN_10220、ECOLIN_10225、ECOLIN_10230、ECOLIN_10235、ECOLIN_10240、ECOLIN_10245、ECOLIN_10250、ECOLIN_10255、ECOLIN_10260、ECOLIN_10265、ECOLIN_10270、ECOLIN_10275、ECOLIN_10280、ECOLIN_10290、ECOLIN_10295、ECOLIN_10300、ECOLIN_10305、ECOLIN_10310、ECOLIN_10315、ECOLIN_10320、ECOLIN_10325、ECOLIN_10330、ECOLIN_10335、ECOLIN_10340、およびECOLIN_10345。
いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_09965内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_09970内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_09975内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_09980内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_09985内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_09990内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_09995内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10000内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10005内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10010内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10015内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10020内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10025内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10030内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10035内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10040内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10045内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10050内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10055内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10065内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10070内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10075内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10080内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10085内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10090内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10095内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10100内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10105内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10110内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10115内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10120内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10125内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10130内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10135内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10140内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10145内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10150内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10160内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10165内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10170内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10175内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10180内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10185内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10190内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10195内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10200内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10205内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10210内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10220内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10225内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10230内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10235内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10240内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10245内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10250内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10255内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10260内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10265内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10270内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10275内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10280内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10290内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10295内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10300内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10305内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10310内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10315内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10320内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10325内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10330内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10335内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10340内に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上の置換は、ECOLIN_10345内に位置する。
いくつかの実施形態では、突然変異は、脂質A生合成(KDO)2−(ラウロイル)−脂質IVAアシルトランスフェラーゼ、ペプチダーゼ、亜鉛ABCトランスポーター基質結合タンパク質、亜鉛ABCトランスポーターATPase、高親和性亜鉛トランスポーター膜コンポーネント、ATP依存性DNAヘリカーゼRuvB、ATP依存性DNAヘリカーゼRuvA、Hollidayジャンクションレゾルバーゼ、ジヒドロネオプテリン三リン酸ピロホスファターゼ(dihydroneopterin triphosphate pyrophosphatase)、アスパルチル−tRNAシンテターゼ、ヒドロラーゼ、DNAポリメラーゼV、MsgA、ファージ尾部タンパク質、尾部タンパク質、宿主特異的タンパク質、ペプチダーゼP60、尾部タンパク質、尾部タンパク質、尾部繊維タンパク質、マイナーテールタンパク質U(Minor tail protein U)、DNA切断−再結合タンパク質、ペプチダーゼS14、カプシドタンパク質、DNAパッケージングタンパク質、ターミナーゼ、リゾチーム、ホリン、DNAアデニンメチラーゼ、セリンプロテアーゼ、抗終結蛋白質(antitermination protein)、アンチリプレッサー、クロスオーバージャンクションエンドデオキシリボヌクレアーゼ、アデニンメチルトランスフェラーゼ、DNAメチルトランスフェラーゼECOLIN_10240、GntRファミリー転写調節因子ECOLIN_10245、cIリプレッサー、未知の機能のドメイン(DUF4222);DNAリコンビナーゼ、多数の抗生物質耐性調節因子(MarR)、P22における未知のead様タンパク質、機能不明のタンパク質(DUF550);3’−5’エキソヌクレアーゼ、エキシシオナーゼ、インテグラーゼ、およびtRNAメチルトランスフェラーゼから選択される1つ以上のポリペプチドに位置するか、またはそれらを包含する。一実施形態では、マイナーテールタンパク質U、尾部タンパク質、DNA切断−再結合タンパク質、ペプチダーゼS14、カプシドタンパク質、DNAパッケージングタンパク質、およびターミナーゼの1つ以上は、1つ以上の置換を含む。特定の一実施形態では、マイナーテールタンパク質U、尾部タンパク質、DNA切断−再結合タンパク質、ペプチダーゼS14、カプシドタンパク質、DNAパッケージングタンパク質、およびターミナーゼは、1つ以上の置換を含む。
一実施形態では、置換は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175のうちの1つ以上の完全なまたは部分的な置換である。特定の一実施形態では、置換は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175の完全なまたは部分的な置換である。特定の一実施形態では、置換は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170の完全な置換、ならびにECOLIN_10175の部分的な置換である。一実施形態では、配列番号130の配列は、ファージ3ゲノムから置換される。一実施形態では、配列番号130を含む配列は、ファージ3ゲノムから置換される。
(エフェクター分子およびペイロード発現の調節)
いくつかの実施形態では、突然変異した内因性ファージを含む細菌細胞は、ペイロードが宿主細胞において発現され得、かつ宿主細胞がin vitroで(例えば、培地中で)および/またはin vivoで(例えば、腫瘍微小環境で)生存および/または増殖することができるように、ペイロードをコードする遺伝子を保有する安定に維持されたプラスミドまたは染色体をさらに含む。いくつかの実施形態では、細菌細胞は、2個以上の異なるペイロードまたはオペロン、例えば、2個以上のペイロード遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、細菌細胞は、3個以上の異なるトランスポーターまたはオペロン、例えば、3個以上のペイロード遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、細菌細胞は、少なくとも約4、5、6、7、8、9、10個、またはそれ以上の異なるペイロードまたはオペロン、例えば、少なくとも約4、5、6、7、8、9、10個、またはそれ以上のペイロード遺伝子を含む。
一実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、フェニルアラニン代謝酵素(PME)をコードする遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、フェニルアラニン代謝酵素(PME)をコードする遺伝子を含み、高フェニルアラニン血症を軽減することができる。
フェニルアラニン代謝酵素の例には、限定されないが、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)、フェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)、アミノトランスフェラーゼ、L−アミノ酸デアミナーゼ(LAAD)、およびフェニルアラニンデヒドロゲナーゼが含まれる。フェニルアラニンヒドロキシラーゼ、フェニルアラニンデヒドロゲナーゼまたはアミノトランスフェラーゼとの反応は補因子を必要とするが、LAADおよびPALは追加の補因子を全く必要としない。理論に束縛されるものではないが、補因子を必要としないことは、遺伝子操作された細菌によってコードされる酵素によるフェニルアラニン分解が基質の利用可能性に依存し、補因子の利用可能性によって制限されないことを意味する。
いくつかの実施形態では、操作された細菌は、1つ以上のフェニルアラニンヒドロキシラーゼ(PAH)ポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。いくつかの実施形態では、操作された細菌は1つ以上のフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)ポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。フェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL;EC4.3.1.24)は、L−フェニルアラニンをアンモニアおよびトランス−ケイ皮酸に変換する反応を触媒する酵素である。フェニルアラニンアンモニアリアーゼは、L−Pheに特異的であり、L−チロシンにはより低い程度で特異的である。PALによって触媒される反応は、トランス−ケイ皮酸およびアンモニアを生じるためのL−フェニルアラニンの自発的、非酸化的脱アミノ化である。哺乳動物酵素(PAH)と異なり、PALは単量体であり、補因子を必要としない(MacDonaldら、Biochem Cell Biol 2007年;85:273〜82頁. A modern view of phenylalanine ammonia lyase)。微生物において、それは、微生物が唯一の炭素および窒素源としてL−フェニルアラニン(L−Phe)を利用することを可能にする異化作用の役割を有する。一実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌はPAL遺伝子を含む。PALは、フェニルアラニンを非毒性レベルのトランスケイ皮酸およびアンモニアに変換することができる。トランス−ケイ皮酸(TCA)は、TCA代謝産物である安息香酸および馬尿酸にさらに変換され得る(Sarkissianら、J Mass Spectrom.2007年6月;42(6):811〜7頁;Quantitation of phenylalanine and its trans−cinnamic,benzoic and hippuric acid metabolites in biological fluids in a single GC−MS analysis)。PAL酵素活性はTHB補因子活性を必要としない。
いくつかの実施形態では、PALは、限定されないが、アクロモバクター・キシロソキシダンス(Achromobacter xylosoxidans)、シュードモナス・アエルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)、フォトラブダス・ルミネセンス(Photorhabdus luminescens)、アナベナ・バリアビリス(Anabaena variabilis)、およびアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)を含む、細菌種に由来するPAL遺伝子によってコードされる。いくつかの実施形態では、細菌種はフォトラブダス・ルミネセンスである。いくつかの実施形態では、細菌種は、アナベナ・バリアビリスである。いくつかの実施形態では、PALは、真核生物種、例えば、酵母種、植物種に由来するPAL遺伝子によってコードされる。複数の異なるPALタンパク質が当該分野において公知である。遺伝子操作された細菌は、PAL遺伝子が発現されると、同じ条件下で同じ細菌亜型の非改変細菌より多くのフェニルアラニンを変換する。したがって、PALを含む遺伝子操作された細菌は、PKUを含む高フェニルアラニン血症に関連する状態を処置するために、体内のフェニルアラニンを非毒性分子に代謝するために使用され得る。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アナベナ・バリアビリスPAL(「PAL1」)を発現する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、フォトラブダス・ルミネセンスPAL(「PAL3」)を発現する。目的のPAL配列の非限定的な例は表2に示される。
いくつかの実施形態では、操作された細菌は、1つ以上のLAADポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。いくつかの実施形態では、操作された細菌は、1つ以上のPALポリペプチドおよび1つ以上のLAADポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。LAADは、イミノ酸中間体を介したアンモニアおよび過酸化水素の産生と共に、立体特異的酸化、すなわち酸素を消費する、L−アミノ酸のα−ケト酸への脱アミノ化を触媒する。LAADは、ヘビ毒、および多くの細菌(Bifulcoら、2013年)、具体的にはプロテウス属(Proteus)、プロビデンシア属(Providencia)、およびモルガネラ属(Morganella)の細菌の細胞膜に見出される。LAAD(EC 1.4.3.2)は二量体構造を有するフラビン酵素である。各サブユニットは、非共有結合フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)補因子)を含有し、外部補因子を全く必要としない。プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)は2種類のLAADを含有する(DuerreおよびChakrabarty 1975年)。1つは広範な基質特異性を有し、脂肪族および芳香族L−アミノ酸(典型的には、L−フェニルアラニンへ)のケト酸への酸化を触媒する(GenBank:U35383.1)(Baekら、Journal of Basic Microbiology 2011年、51、129〜135頁;「Expression and characterization of a second L−amino acid deaminase isolated from Proteus mirabilis in Escherichia coli」)。他の種類は塩基性L−アミノ酸に対して主に作用する(GenBank:EU669819.1)。細菌、真菌、および植物源由来のLAADは、窒素源としてのL−アミノ酸(すなわち、酵素活性によって産生されたアンモニア)の利用に関与するように見える。ほとんどの真核生物および原核生物のL−アミノ酸デアミナーゼは、膜結合型であるプロテウス種由来LAADを除いて、細胞外に分泌される。プロテウス・ミラビリスにおいて、LAADは細胞膜に位置し、酵素活性が存在するペリプラズム間隙の外側を向いていることが報告されている(Pelmont Jら、(1972年)「L−amino acid oxidases of Proteus mirabilis:general properties」 Biochimie 54:1359〜1374頁)。
一実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌はLAAD遺伝子を含む。LAADはフェニルアラニンを非毒性レベルのフェニルピルビン酸(phenylpyruvate)に変換することができ、そのフェニルピルビン酸はまた、例えば肝臓酵素によってフェニル乳酸(phenyllactate)にさらに分解され得る。フェニルピルビン酸は血液脳関門を横切ることができず、LAADにより、別の潜在的に有毒な代謝産物の蓄積を可能にせずに脳内のフェニルアラニンのレベルを低減させることができる。いくつかの実施形態では、LAADは、限定されないが、プロテウス属、プロビデンシア属、およびモルガネラ属の細菌を含む、細菌種に由来するLAAD遺伝子によってコードされる。いくつかの実施形態では、細菌種はプロテウス・ミラビリスである。いくつかの実施形態では、細菌種はプロテウス・ブルガリス(Proteus vulgaris)である。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌はプロテウス・ミラビリスLAAD酵素GenBank:U35383.1を発現する。目的のLAAD配列の非限定的な例は表2に示される。いくつかの実施形態では、LAAD酵素はヘビ毒に由来する。本発明によれば、遺伝子操作された細菌は、LAAD遺伝子が発現されると、同じ条件下で同じ細菌亜型の非改変細菌より多くのフェニルアラニンを変換する。したがって、LAADを含む遺伝子操作された細菌は、PKUを含む高フェニルアラニン血症に関連する状態を処置するために、体内のフェニルアラニンを非毒性分子に代謝するために使用され得る。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、天然に存在するような野生型酵素をコードする。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、野生型配列に対する突然変異を含む酵素をコードする。いくつかの実施形態では、突然変異は酵素の安定性を増加させる。いくつかの実施形態では、突然変異は酵素の触媒活性を増加させる。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、表2に列挙されたタンパク質の1つ以上をコードする遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1〜8のいずれかの配列を含むポリペプチドの1つ以上をコードする遺伝子配列を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号1〜8の配列のいずれかと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、突然変異を含む、表2の1つ以上の酵素をコードする。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、野生型PAHをコードする遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、増加した安定性および/または活性を有する突然変異PAHをコードする。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、野生型PALをコードする遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、増加した安定性および/または活性を有する突然変異PALをコードする。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、野生型LAADをコードする遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、増加した安定性および/または活性を有する突然変異LAADをコードする。所望の特性を有する酵素をスクリーニングする方法は、当該分野において公知であり、本明細書に記載される。
[表2]フェニルアラニン代謝酵素の配列
Figure 2020525012
Figure 2020525012
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PME、例えば、PAL、LAAD、またはPAH遺伝子(群)は、遺伝子操作された細菌におけるプラスミドまたは染色体上に存在し得る。いくつかの実施形態では、PME遺伝子配列(群)は1つ以上の構成的プロモーター(複数可)の制御下で発現される。いくつかの実施形態では、PME遺伝子は、本明細書に記載されているような外因性環境条件によって直接的または間接的に誘導されるプロモーターの制御下で発現される。いくつかの実施形態では、PME遺伝子は、哺乳動物の消化管に特異的な分子または代謝産物の存在下などの外因性環境条件によって直接的または間接的に誘導されるプロモーターの制御下で発現される。一実施形態では、PME遺伝子は、低酸素、微好気性、または嫌気性条件によって直接的または間接的に誘導されるプロモーターの制御下で発現され、PME遺伝子、例えばPAL遺伝子の発現は、哺乳動物の消化管の環境などの低酸素または嫌気性環境下で活性される。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つ以上のPALポリペプチド配列をコードする遺伝子配列を含む。いくつかの実施形態では、操作された細菌は、1つ以上のPALポリペプチド配列をコードする遺伝子配列を含み、当該遺伝子配列は哺乳動物の消化管のような低酸素または嫌気性条件によって直接的または間接的に誘導される。いくつかの実施形態では、操作された細菌は、1つ以上のLAADポリペプチドをコードする遺伝子配列を含む。いくつかの実施形態では、操作された細菌は、1つ以上のLAADポリペプチドをコードする遺伝子配列を含み、当該遺伝子配列は、胃、十二指腸および回腸を含むがそれらに限定されない近位の腸内において見出される条件などの、酸素化、低酸素、または微好気性条件によって直接的または間接的に誘導される。他の実施形態では、操作された細菌は、1つ以上のPMEポリペプチド配列をコードする遺伝子配列を含み、当該遺伝子配列は、哺乳動物の消化管内に天然に存在する環境因子によって直接的または間接的に誘導される。他の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、哺乳動物の消化管内に天然には存在しない環境因子、例えばアラビノースまたはIPTGによって直接的または間接的に誘導される1つ以上のPME遺伝子配列をコードする。他の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、炎症状態下で哺乳類の消化管内に天然に存在する環境因子によって直接的または間接的に誘導される1つ以上のPME遺伝子配列をコードする。いくつかの実施形態では、操作された細菌は、1つ以上のPALポリペプチドをコードする遺伝子配列および1つ以上のLAADポリペプチドをコードする遺伝子配列を含み、当該遺伝子配列は同一プロモーターまたは同一プロモーターの異なるコピーの制御下にあって、当該プロモーターは本明細書に記載のいずれかの環境条件および本明細書に記載のいずれかのプロモーターなどの外因性環境条件によって直接的または間接的に誘導される。いくつかの実施形態では、操作された細菌は、1つ以上のPALポリペプチドをコードする遺伝子配列および1つ以上のLAADポリペプチドをコードする遺伝子配列を含み、当該遺伝子配列は異なるプロモーターの制御下にあって、当該プロモーターは本明細書に記載のいずれかの環境条件および本明細書に記載のいずれかのプロモーターなどの外因性環境条件によって直接的または間接的に誘導される。いくつかの実施形態では、操作された細菌は、1つ以上のPALポリペプチドをコードする遺伝子配列および1つ以上のLAADポリペプチドをコードする遺伝子配列を含み、当該遺伝子配列は構成的プロモーターの制御下にある。いくつかの実施形態では、操作された細菌は、1つ以上のPALポリペプチドをコードする遺伝子配列および1つ以上のLAADポリペプチドをコードする遺伝子配列を含み、当該PAL遺伝子配列は構成的プロモーターの制御下にあり、当該LAAD遺伝子配列は誘導性プロモーターの制御下にある。いくつかの実施形態では、操作された細菌は、1つ以上のPALポリペプチドをコードする遺伝子配列および1つ以上のLAADポリペプチドをコードする遺伝子配列を含み、当該LAAD遺伝子配列は構成的プロモーターの制御下にあり、当該PAL遺伝子配列は誘導性プロモーターの制御下にある。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、1つ以上のPheトランスポーターポリペプチドをコードする遺伝子配列をさらに含み得、当該遺伝子配列は、構成的プロモーターまたは誘導性プロモーターの制御下にあり得、Palおよび/またはLAAD遺伝子配列を制御するプロモーターと同じまたは異なるプロモーターであり得る。
他の実施形態では、操作された細菌は、細菌細胞培養中のin vivo投与前に直接的または間接的に誘導される1つ以上のPME遺伝子配列をコードする;すなわち、1つ以上のPME遺伝子配列が誘導性プロモーターの制御化で発現し、当該誘導性プロモーターは、フラスコ、発酵槽、または他の培養容器内における細菌増殖中に、細菌の培養物中に与えられる特定の分子もしくは代謝産物、温度、酸素レベル、または他のパラメータに応答する。いくつかの実施形態では、操作された細菌は、細菌細胞培養中のin vivo投与前に直接的または間接的に誘導される1つ以上のPME遺伝子配列をコードする;当該1つ以上のPME遺伝子配列は、低酸素または嫌気性条件下で発現される。いくつかの実施形態では、操作された細菌は、細菌細胞培養中のin vivo投与前に直接的または間接的に誘導される1つ以上のPME遺伝子配列をコードする;当該1つ以上のPME遺伝子配列は、好気性条件下で発現される。いくつかの実施形態では、操作された細菌は、細菌細胞培養中のin vivo投与前に直接的または間接的に誘導される1つ以上のPME遺伝子配列をコードする;当該1つ以上のPME遺伝子配列は、微好気性条件下で発現される。いくつかの実施形態では、操作された細菌は、細菌細胞培養中のin vivo投与前に直接的または間接的に誘導される1つ以上のPME遺伝子配列をコードする;当該1つ以上のPME遺伝子配列は、アラビノースの存在下で発現される。いくつかの実施形態では、操作された細菌は、細菌細胞培養中のin vivo投与前に直接的または間接的に誘導される1つまたは以上のPME遺伝子配列をコードする;当該1つ以上のPME遺伝子配列は、IPTGの存在下で発現される。
ペイロード(および/または目的のポリペプチドおよび/または目的のタンパク質および/または治療用ポリペプチドおよび/または治療用タンパク質および/または治療用ペプチドおよび/またはエフェクターおよび/またはエフェクター分子)は、本明細書に記載の代謝産物のいずれか、および/またはそのようなエフェクター分子の産生または異化のための酵素として機能する酵素またはポリペプチドのいずれかを含む。エフェクター分子およびペイロードには、抗癌分子、免疫モジュレーター,消化管バリアエンハンサー分子、抗炎症性分子、満腹分子(satiety molecule)または神経調節エフェクターが含まれるが、これらに限定されない。ペイロードの非限定的な例は係属中の共同所有の国際特許出願PCT/US2016/34200(出願日2016年5月25日)、PCT/US2017/013072(出願日2017年1月11日)、PCT/US2017/016603(出願日2017年2月3日)、PCT/US2017/016609(出願日2016年2月4日)、PCT/US2017/017563(出願日2017年2月10日)、PCT/US2017/017552(出願日2017年2月10日)、PCT/US2016/044922(出願日2016年7月29日)、PCT/US2016/049781(出願日2016年8月31日)、PCT/US2016/37098(出願日2016年6月10日)、PCT/US2016/069052(出願日2016年12月28日)、PCT/US2016/32562(出願日2016年5月13日)、PCT/US2016/062369(出願日2016年11月16日)、およびPCT/US2017/013072に記載されており、これらの内容は参照によりその全体が本明細書に援用される。
本明細書中で使用される場合、「目的の遺伝子」または「目的の遺伝子配列」という用語は、限定はされないが、本明細書に記載の抗癌分子、免疫モジュレーター、消化管バリアエンハンサー分子、抗炎症性分子、満腹分子またはエフェクター、神経調節分子(例えば、キヌレニナーゼ、トリプトファン産生酵素、トリプトファン分解酵素、1つ以上のキヌレニン産生酵素、セロトニンまたはメラトニン産生または分解酵素、(本明細書に記載の)インドール代謝産物産生または分解酵素、KP代謝産物産生または分解酵素を含む、1つ以上のエフェクター分子またはペイロードをコードする任意のまたは複数の遺伝子および/または遺伝子配列および/または遺伝子カセットを含む。目的の追加の遺伝子の非限定的な例は、係属中の共同所有の国際特許出願PCT/US2016/34200(出願日2016年5月25日)、PCT/US2017/013072(出願日2017年1月11日)、PCT/US2017/016603(出願日2017年2月3日)、PCT/US2017/016609(出願日2016年2月4日)、PCT/US2017/017563(出願日2017年2月10日)、PCT/US2017/017552(出願日2017年2月10日)、PCT/US2016/044922(出願日2016年7月29日)、PCT/US2016/049781(出願日2016年8月31日)、PCT/US2016/37098(出願日2016年6月10日)、PCT/US2016/069052(出願日2016年12月28日)、PCT/US2016/32562(出願日2016年5月13日)、PCT/US2016/062369(出願日2016年11月16日)、およびPCT/US2017/013072に記載されており、これらの内容は参照によりその全体が本明細書に援用される。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じペイロード遺伝子の複数コピーを含む。いくつかの実施形態では、ペイロードをコードする遺伝子はプラスミド上に存在し、直接的または間接的に誘導可能なプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、ペイロードをコードする遺伝子はプラスミド上に存在し、構成的プロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、ペイロードをコードする遺伝子はプラスミド上に存在し、低酸素または嫌気性条件下で誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、ペイロードをコードする遺伝子はプラスミド上に存在し、テトラサイクリンもしくはアラビノース、または本明細書中に記載される別の化学的もしくは栄養性誘導物質への曝露によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。
いくつかの実施形態では、ペイロードをコードする遺伝子は染色体上に存在し、直接的または間接的に誘導可能なプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、ペイロードをコードする遺伝子は染色体上に存在し、構成的プロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、ペイロードをコードする遺伝子は染色体中に存在し、低酸素または嫌気性条件下で誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、ペイロードをコードする遺伝子は染色体上に存在し、テトラサイクリンもしくはアラビノース、または本明細書中に記載される別の化学的もしくは栄養性誘導物質への曝露によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は2つ以上のペイロードを含み、その全てが染色体上に存在する。いくつかの実施形態では遺伝子操作された細菌は2つ以上のペイロードを含み、その全てが1つ以上の同じまたは異なるプラスミド上に存在する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は2つ以上のペイロードを含み、そのうちのいくつかは染色体上に存在し、そのうちのいくつかは1つ以上の同じまたは異なるプラスミド上に存在する。
上記の核酸の実施形態のいずれかにおいて、目的のポリペプチドの組み合わせを産生するための1つ以上のペイロードは、1つ以上の直接的または間接的に誘導可能なプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、1つ以上のペイロードは、外因性環境条件(例えば、消化管、腫瘍微小環境、または他の組織特異的状態において見出される条件)下で誘導される直接的または間接的に誘導可能なプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、1つ以上のペイロードは、消化管、腫瘍微小環境、または他の特異的状態において見出される代謝産物によって誘導される、直接的または間接的に誘導可能なプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、1つ以上のペイロードは、低酸素または嫌気性条件下で誘導される直接的または間接的に誘導可能なプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、1つ以上のペイロードは、本明細書中に記載されるような炎症性状態(例えば、RNS、ROS)下で誘導される直接的または間接的に誘導可能なプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、1つ以上のペイロードは、例えば本明細書中に記載される腫瘍または他の特定の組織において見出されるような免疫抑制条件下で誘導される直接的または間接的に誘導可能なプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、2つ以上の遺伝子配列が、化学的または栄養性誘導物質への曝露によって誘導される直接的または間接的に誘導可能なプロモーターに連結され、当該化学的または栄養性誘導物質(テトラサイクリンまたはアラビノース、または本明細書に記載の他のものなどの)はin vivo条件下で存在しても存在しなくてもよく、in vitro条件(株の培養、増殖、製造)中に存在してよい。いくつかの実施形態では、2つ以上のペイロードはすべて構成的プロモーターに連結される。
非限定的な例では、遺伝子操作された細菌は2つのペイロードを含むことができ、そのうちの1つは構成的プロモーターに連結され、そのうちの1つは直接または間接的に誘導可能なプロモーターに連結される。非限定的な例では、遺伝子操作された細菌は3つのペイロードを含むことができ、そのうちの1つは構成的プロモーターに連結され、そのうちの1つは直接的または間接的に誘導可能なプロモーターに連結され、そのうちの1つは第2の別の直接的または間接的に誘導可能なプロモーターに連結される。
いくつかの実施形態では、プロモーターは、in vivo条件下、例えば、本明細書に記載されるような消化管で誘導される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、in vitro条件下、例えば、本明細書に記載されるような様々な細胞培養および/または細胞製造条件下で誘導される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、in vivo条件(例えば、本明細書に記載されるような消化管)下、およびin vitro条件(例えば、本明細書に記載されるような様々な細胞培養ならびに/または細胞産生および/もしくは製造条件)下で誘導される。
いくつかの実施形態では、ペイロードをコードする遺伝子に作動可能に連結されるプロモーターは、外因性環境条件(例えば、in vivoおよび/またはin vitroおよび/または産生/製造条件)によって直接的に誘導される。いくつかの実施形態では、ペイロードをコードする遺伝子に作動可能に連結されるプロモーターは、外因性環境条件(例えば、in vivoおよび/またはin vitroおよび/または産生/製造条件)によって間接的に誘導される。
いくつかの実施形態では、プロモーターは、哺乳動物の消化管に特異的な外因性環境条件によって直接的または間接的に誘導される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、腫瘍および/または哺乳動物の小腸の低酸素環境に特異的な外因性環境条件によって直接的または間接的に誘導される。いくつかの実施形態では、プロモーターは低酸素または嫌気性条件(例えば、腫瘍の低酸素環境および/または哺乳動物の消化管の環境)によって、直接的または間接的に誘導される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、腫瘍、特定の組織、または哺乳動物の消化管に特異的な分子または代謝産物によって直接的または間接的に誘導される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、細菌細胞と同時投与される分子によって直接的または間接的に誘導される。
(FNR依存性調節)
本発明の遺伝子操作された細菌は、目的のポリぺプチドを産生するための遺伝子または遺伝子カセットを含み、当該遺伝子または遺伝子カセットは、外因性環境条件によって制御される直接的または間接的に誘導可能なプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、誘導性プロモーターは酸素レベル依存性プロモーターであり、目的のポリぺプチドは低酸素、微好気性、または嫌気性条件において発現される。例えば、低酸素条件において、酸素レベル依存性プロモーターは、対応する酸素レベル感知転写因子によって活性化され、それによって、目的のポリぺプチドの産生を駆動する。
細菌は、酸素レベルを感知することができる転写因子を進化させてきた。異なるシグナル伝達経路は異なる酸素レベルによって誘発され得、異なる動態を伴って発生する。酸素レベル依存性プロモーターは、1つ以上の酸素レベル感知転写因子が結合できる核酸配列であり、対応する転写因子の結合および/または活性化は下流の遺伝子発現を活性化する。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、酸素レベル依存性プロモーターの制御下でペイロードを産生するための遺伝子または遺伝子カセットを含む。より具体的な態様では、遺伝子操作された細菌は、低酸素または嫌気性環境、例えば、腫瘍の低酸素環境および/または哺乳動物の消化管の環境、および/または他の特定の組織の環境で活性化される酸素レベル依存性プロモーターの制御下でペイロードを産生するための遺伝子または遺伝子カセットを含む。
特定の実施形態では、細菌細胞は、フマレートおよび硝酸レダクターゼ調節因子(FNR)応答性プロモーターの制御下で発現されるペイロードをコードする遺伝子を含む。大腸菌では、FNRは、好気性代謝から嫌気性代謝への切り替えを制御する主要な転写活性化因子である(Undenら、1997年)。嫌気性状態では、FNRは二量体化して活性なDNA結合タンパク質となり、嫌気性増殖への適応に関与する何百もの遺伝子を活性化する。好気性状態では、FNRは酸素によって二量体化することが妨げられ、不活性である。FNR応答性プロモーターには、以下の表3に列挙されるFNR応答性プロモーターが含まれるが、これらに限定されない。下線を引いた配列は予測されるリボソーム結合部位であり、太字の配列はクローニングに使用される制限部位である。
[表3]FNRプロモーター配列
Figure 2020525012
Figure 2020525012
Figure 2020525012
FNRプロモーター配列は当該分野で公知であり、任意の適切なFNRプロモーター配列が、本発明の遺伝子操作された細菌において使用され得る。任意の適切なFNRプロモーターを、任意の適切なペイロードと組み合わせてよい。
非限定的なFNRプロモーター配列は、FNR応答性プロモーター配列を含む例示的な調節領域配列の核酸配列を示す表3に提供される。下線を引いた配列は予測されるリボソーム結合部位であり、太字の配列はクローニングに使用される制限部位である。いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、以下のうちの1つ以上を含む:配列番号:1A、配列番号:2A、配列番号:3A、配列番号:4A、配列番号:5A、配列番号:6A、配列番号:7A、nirB1プロモーター(配列番号:8A)、nirB2プロモーター(配列番号:9A)、nirB3プロモーター(配列番号:10A)、ydfZプロモーター(配列番号:11A)、強力なリボソーム結合部位に融合されたnirBプロモーター(配列番号:12A)、強力なリボソーム結合部位に融合されたydfZプロモーター(配列番号:13A)、fnrS、嫌気的に誘導されたsmall RNA遺伝子(fnrS1プロモーター配列番号:14AまたはfnrS2プロモーター配列番号:15A)、crp結合部位に融合されたnirBプロモーター(配列番号:16A)、およびcrp結合部位に融合されたfnrS(配列番号:17A)。いくつかの実施形態では、FNR応答性プロモーターは、配列番号1A〜17Aのいずれか1つの配列に少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%相同である。
いくつかの実施形態では、複数の異なる核酸配列が遺伝子操作された細菌に挿入される。代替の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、代替の酸素レベル依存性プロモーター(例えば、DNR(Trunkら、2010年)またはANR(Rayら、1997年))の制御下で発現されるペイロード(例えば、PALなどのPME)をコードする遺伝子を含む。これらの実施形態では、ペイロード遺伝子の発現は、消化管内などの低酸素または嫌気性環境において特に活性化される。いくつかの実施形態では、遺伝子発現は当該分野で公知の方法によって、例えば、リボソーム結合部位の最適化および/またはmRNA安定性の増加によって、さらに最適化される。一実施形態では、哺乳動物の消化管は、ヒト哺乳動物の消化管である。
任意の適切なFNRプロモーターを、任意の適切なPALと組み合わせることができる。非限定的なFNRプロモーター配列は表3に提供され、非限定的なPAL配列も本明細書中に提供される。いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、WO2017087580に開示される以下の配列番号のうちの1つ以上を含み、その内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される:配列番号9、配列番号10、nirB1プロモーター(配列番号11)、nirB2プロモーター(配列番号12)、nirB3プロモーター(配列番号13)、ydfZプロモーター(配列番号14)、強力なリボソーム結合部位に融合されたnirBプロモーター(配列番号15)、強力なリボソーム結合部位に融合されたydfZプロモーター(配列番号16)、fnrS、嫌気的に誘導されたsmall RNA遺伝子(fnrS1プロモーター配列番号9またはfnrS2プロモーター配列番号17)、crp結合部位に融合されたnirBプロモーター(配列番号18)、およびcrp結合部位に融合されたfnrS(配列番号19)。
別の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アルギニンデイミナーゼおよび硝酸還元転写調節因子(ANR)の嫌気性調節の制御下で発現されるペイロードを産生するための遺伝子または遺伝子カセットを含む。シュードモナス・アエルギノーザ(P.aeruginosa)では、ANRは、「酸素制限または嫌気性条件下で誘導可能な生理学的機能の発現に必要とされる」(Wintelerら、1996年;Sawers 1991年)。シュードモナス・アエルギノーザ(P.aeruginosa)ANRは大腸菌FNRと相同であり、「コンセンサスFNR部位(TTGAT−−−−ATCAA)は、ANRおよびFNRによって効率的に認識された」(Wintelerら、1996年)。FNRと同様に、嫌気的状態において、ANRは嫌気性増殖への適応に関与する多数の遺伝子を活性化する。好気性状態にでは、ANRは不活性である。シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、シュードモナス・シリンガエ(Pseudomonas syringae)、およびシュードモナス・メンドシナ(Pseudomonas mendocina)の全てが、ANRの機能性類似体を有する(Zimmermannら、1991年)。ANRによって調節されるプロモーター(例えば、arcDABCオペロンのプロモーター)は、当該分野において公知である(例えば、Hasegawaら、1998年を参照のこと)。
FNRファミリーはまた、「シュードモナス・アエルギノーザの嫌気性硝酸塩呼吸」(Hasegawaら、1998年)のためにANRと併せて必要とされる転写調節因子である、異化型硝酸塩呼吸調節因子(DNR)(Araiら、1995年)も含む。特定の遺伝子について、FNR結合モチーフは、「おそらくDNRによってのみ認識される」(Hasegawaら、1998年)。外因性環境条件および対応する調節領域によって制御される任意の適切な転写調節因子が使用され得る。非限定的な例には、ArcA/B、ResD/E、NreA/B/C、およびAirSRが含まれ、その他は当該分野において公知である。
他の実施形態では、ペイロード(例えば、PALなどのPME)を産生するための1つ以上の遺伝子配列は、転写活性化因子(例えば、CRP)に対する結合部位に融合された酸素レベル依存性プロモーターの制御下で発現される。CRP(サイクリックAMP受容体タンパク質またはカタボライト活性化タンパク質またはCAP)は、グルコースなどの急速に代謝可能な炭水化物が存在する場合、より不利な炭素源の取り込み、代謝、および同化を担う遺伝子を抑制することによって、細菌において主要な調節的役割を果たす(Wuら、2015年)。グルコースに対するこの選好性は、グルコース抑制、および炭素カタボライト抑制と呼ばれている(Deutscher、2008年;GorkeおよびStulke、2008年)。いくつかの実施形態では、ペイロード分子を産生するための遺伝子または遺伝子カセットは、CRP結合部位に融合された酸素レベル依存性プロモーターによって制御される。いくつかの実施形態では、ペイロードのための1つ以上の遺伝子配列は、CRP結合部位に融合されたFNRプロモーターによって制御される。これらの実施形態では、サイクリックAMPは、グルコースが環境中に存在しない場合にCRPに結合する。この結合により、CRPのコンホメーション変化が引き起こされ、CRPがその結合部位に強く結合することが可能になる。次いで、CRP結合は、直接的タンパク質間相互作用を介してFNRプロモーターにRNAポリメラーゼをリクルートすることにより、遺伝子または遺伝子カセットの転写を活性化する。グルコースの存在下では、サイクリックAMPはCRPに結合せず、ペイロードを産生するための遺伝子または遺伝子カセットの転写は抑制される。いくつかの実施形態では、転写活性化因子対する結合部位に融合された酸素レベル依存性プロモーター(例えば、FNRプロモーター)は、(例えば、グルコースをin vitroで増殖培地に添加することによって)十分な量のグルコースが存在する場合に、ペイロードを産生するための遺伝子または遺伝子カセットが嫌気性条件下で発現されないこと確実にするために使用される。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、細菌の異なる種、株、または亜株由来の酸素レベル依存性プロモーターを含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、細菌の異なる種、株、または亜株由来の酸素レベル感知転写因子、例えば、FNR、ANRまたはDNRを含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、細菌の異なる種、株、または亜株由来の酸素レベル感知転写因子および対応するプロモーターを含む。異種酸素レベル依存性転写調節因子および/またはプロモーターは、同じ条件下の細菌における天然遺伝子およびプロモーターと比較して、前記プロモーターに作動可能に連結された遺伝子(例えば、低酸素または嫌気性環境でペイロードを産生するための1つ以上の遺伝子配列)の転写を増加させる。特定の実施形態では、非天然の酸素レベル依存性転写調節因子は、N.gonorrhoeae由来のFNRタンパク質である(例えば、Isabellaら、2011年を参照のこと)。いくつかの実施形態では、対応する野生型転写調節因子はインタクトのままであり、野生型活性を保持する。代替の実施形態では、野生型活性を減少または排除するために、対応する野生型転写調節因子を欠失または突然変異させる。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、野生型酸素レベル依存性転写調節因子(例えば、FNR、ANR、またはDNR)、および同じ亜型の細菌由来の野生型プロモーターと比較して突然変異している対応するプロモーターを含む。突然変異したプロモーターは、同じ条件下の野生型プロモーターと比較して、低酸素または嫌気性環境において、野生型転写調節因子への結合を増強し、前記プロモーターに作動可能に連結された遺伝子(例えば、ペイロードをコードする遺伝子)の転写を増加させる。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、野生型酸素レベル依存性プロモーター(例えば、FNR、ANR、またはDNRプロモーター)、および同じ亜型の細菌由来の野生型転写調節因子と比較して突然変異している対応する転写調節因子を含む。突然変異した転写調節因子は、同じ条件下の野生型転写調節因子と比較して、低酸素または嫌気性環境において、野生型プロモーターへの結合を増強し、前記プロモーターに作動可能に連結された遺伝子(例えば、ペイロードをコードする遺伝子)の転写を増加させる。特定の実施形態では、突然変異酸素レベル依存性転写調節因子は、二量体化およびFNR活性を高めるアミノ酸置換を含むFNRタンパク質である(例えば、Mooreら、(2006年)を参照のこと)。いくつかの実施形態では、低酸素条件でのペイロード発現を増加させるために、酸素レベル感知転写調節因子および対応するプロモーターの両方が、同じ亜型の細菌由来の野生型配列に対して突然変異している。
いくつかの実施形態では、細菌細胞は、酸素レベル感知転写調節因子をコードする内因性遺伝子(例えば、FNR遺伝子)の複数のコピーを含む。いくつかの実施形態では、酸素レベル感知転写調節因子をコードする遺伝子はプラスミド上に存在する。いくつかの実施形態では、酸素レベル感知転写調節因子をコードする遺伝子と、ペイロードをコードする遺伝子とは、異なるプラスミド上に存在する。いくつかの実施形態では、酸素レベル感知転写調節因子をコードする遺伝子と、ペイロードをコードする遺伝子とは、同じプラスミド上に存在する。
いくつかの実施形態では、酸素レベル感知転写調節因子をコードする遺伝子は染色体上に存在する。いくつかの実施形態では、酸素レベル感知転写調節因子をコードする遺伝子と、ペイロードをコードする遺伝子とは、異なる染色体上に存在する。いくつかの実施形態では、酸素レベル感知転写調節因子をコードする遺伝子と、ペイロードをコードする遺伝子とは、同じ染色体上に存在する。場合によっては、発現安定性を高めるために、誘導性プロモーターの制御下で酸素レベル感知転写調節因子を発現させることが有利であり得る。いくつかの実施形態では、転写調節因子の発現は、ペイロードをコードする遺伝子の発現を制御するプロモーターとは別のプロモーターによって制御される。いくつかの実施形態では、転写調節因子の発現は、ペイロードの発現を制御するプロモーターと同じプロモーターによって制御される。いくつかの実施形態では、転写調節因子およびペイロードは、プロモーター領域から分岐して転写される。
(酸素レベル非依存性誘導性プロモーター)
FNRS24Yを含むシステムなどの酸素レベル非依存性誘導性プロモーターシステムは、PCT/US2016/062369(出願日2016年11月16日、WO2017087580として公開)に記載されており、その内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
酸素レベルに応答して誘導されるプロモーターに加えて、PME遺伝子および/またはPheトランスポーター遺伝子は、反応性窒素種の存在下または反応性酸素種の存在下などの炎症状態に応答して誘導されるプロモーターによって調節され得る。そのような誘導性プロモーターの例は、同時係属、共同所有の国際出願PCT/US2016/050836(出願日2016年9月8日)にあり、その内容は、その全体が参照により本明細書に援用される。
本明細書中に記載される実施形態のいずれかにおいて、酸素非依存性プロモーターの制御下にある1つ以上のPMEおよび/または1つ以上のpheトランスポーターを含む遺伝子操作された細菌は、1つ以上のバクテリオファージをさらに含む。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、バクテリオファージゲノム内の1つ以上の遺伝子において突然変異している。このような突然変異には、欠失、挿入、置換および逆位が含まれ、1つ以上のバクテリオファージ遺伝子内に位置するか、または1つ以上のバクテリオファージ遺伝子を包含する。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つ以上の大腸菌を含む。いくつかの実施形態では、突然変異は欠失である。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、以下から選択される1つ以上の遺伝子に位置する1つ以上の欠失を含む:ECOLIN_09965、ECOLIN_09970、ECOLIN_09975、ECOLIN_09980、ECOLIN_09985、ECOLIN_09990、ECOLIN_09995、ECOLIN_10000、ECOLIN_10005、ECOLIN_10010、ECOLIN_10015、ECOLIN_10020、ECOLIN_10025、ECOLIN_10030、ECOLIN_10035、ECOLIN_10040、ECOLIN_10045、ECOLIN_10050、ECOLIN_10055、ECOLIN_10065、ECOLIN_10070、ECOLIN_10075、ECOLIN_10080、ECOLIN_10085、ECOLIN_10090、ECOLIN_10095、ECOLIN_10100、ECOLIN_10105、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、ECOLIN_10175、ECOLIN_10180、ECOLIN_10185、ECOLIN_10190、ECOLIN_10195、ECOLIN_10200、ECOLIN_10205、ECOLIN_10210、ECOLIN_10220、ECOLIN_10225、ECOLIN_10230、ECOLIN_10235、ECOLIN_10240、ECOLIN_10245、ECOLIN_10250、ECOLIN_10255、ECOLIN_10260、ECOLIN_10265、ECOLIN_10270、ECOLIN_10275、ECOLIN_10280、ECOLIN_10290、ECOLIN_10295、ECOLIN_10300、ECOLIN_10305、ECOLIN_10310、ECOLIN_10315、ECOLIN_10320、ECOLIN_10325、ECOLIN_10330、ECOLIN_10335、ECOLIN_10340、およびECOLIN_10345。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175のうちの1つ以上の完全なまたは部分的な欠失を含む。ファージ3ゲノム。一実施形態では、配列番号130を含む配列が、ファージ3ゲノムから欠失している。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281を含む改変されたファージゲノム配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281からなる改変されたファージゲノム配列を含む。
(RNS依存性調節)
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌または遺伝的に操作されたウイルスは、誘導性プロモーターの制御下で発現されるペイロードをコードする遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、炎症状態によって活性化されるプロモーターの制御下でペイロードを発現する遺伝子操作された細菌または遺伝的操作されたウイルス。一実施形態では、ペイロードを産生するための遺伝子は、炎症性環境において活性化される炎症依存性プロモーター、例えば、反応性窒素種またはRNSプロモーターの制御下で発現される。いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、少なくとも1つの反応性窒素種を感知することができる転写因子によって直接的または間接的に制御される調節可能な調節領域を含む。(例えば、反応性窒素種によって誘導可能な)好適なRNS誘導性プロモーターは、国際特許出願PCT/US2016/062369(出願日2016年11月16日、WO2017087580として公開)に記載され、WO2017/123675として公開され、その内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
(ROS依存性調節)
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌または遺伝的操作されたウイルスは、誘導性プロモーターの制御下で発現されるペイロードを産生するための遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、細胞障害の条件によって活性化されるプロモーターの制御下でペイロードを発現する遺伝子操作された細菌または遺伝的操作されたウイルス。一実施形態では、ペイロードを産生するための遺伝子は、細胞または組織損傷が存在する環境、例えば、反応性酸素種またはROSプロモーターにおいて活性化される細胞損傷依存性プロモーターの制御下で発現される。いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、少なくとも1つの反応性酸素種を感知することができる転写因子によって直接的または間接的に制御される調節可能な調節領域を含む。例えば反応性酸素種によって誘導可能な、好適なROS誘導性プロモーターは、国際特許出願PCT/US2017/013072(出願日2017年1月11日、WO2017/123675として公開)、国際特許出願PCT/US2016/032562(出願日2016年5月13日、WO2016183531として公開)、およびPCT/US2016/062369(出願日2016年11月16日、WO2017087580として公開)に記載されており、これらの各々の内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
[表17]例示的なOxyR調節された調節領域のヌクレオチド配列
Figure 2020525012
いくつかの実施形態では、調節領域配列は、配列番号18C、配列番号19C、配列番号20C、および/または配列番号21Cの配列に少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%相同である。
(プロピオネートおよび他のプロモーター)
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、環境(例えば、腫瘍微小環境、特定の組織、または哺乳動物の消化管)における特定の分子または代謝産物に応答する誘導性プロモーターの制御下で発現される1つ以上のペイロード遺伝子を産生するための遺伝子または遺伝子カセットを含む。例えば、短鎖脂肪酸プロピオネートは、消化管に局在する主要な微生物発酵代謝産物である(Hosseiniら、2011年)。一実施形態では、ペイロードを産生するための遺伝子または遺伝子カセットは、プロピオネート誘導性プロモーターの制御下にある。より具体的な実施形態では、ペイロードを産生するための遺伝子または遺伝子カセットは、哺乳動物の消化管内のプロピオネートの存在によって活性化されるプロピオネート誘導性プロモーターの制御下にある。健康状態および/または疾患状態の哺乳動物の消化管に見出される任意の分子または代謝産物が、ペイロード発現を誘導するために使用され得る。誘導物質の非限定的な例としては、プロピオネート(propionate)、ビリルビン(bilirubin)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ、血液凝固因子II、VII、IX、およびX、アルカリホスファターゼ、ガンマグルタミルトランスフェラーゼ、肝炎抗原および抗体、アルファフェトプロテイン(alpha fetoprotein)、抗ミトコンドリア、平滑筋、および抗核抗体、鉄、トランスフェリン、フェリチン、銅、セルロプラスミン(ceruloplasmin)、アンモニア、およびマンガンが挙げられる。代替の実施形態では、治療用ポリペプチドを産生するための遺伝子または遺伝子カセットは、糖アラビノースの存在下で活性化されるpAraBADプロモーターの制御下にある。
いくつかの実施形態では、目的のポリぺプチドを産生するための遺伝子または遺伝子カセットはプラスミド上に存在し、低酸素または嫌気性条件下で誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、目的のポリぺプチドを産生するための遺伝子または遺伝子カセットは染色体中に存在し、低酸素または嫌気性条件下で誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、目的のポリぺプチドを産生するための遺伝子または遺伝子カセットはプラスミド上に存在し、腫瘍および/または哺乳動物の消化管に特異的な分子または代謝産物によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、目的のポリぺプチドを産生するための遺伝子または遺伝子カセットは染色体上に存在し、腫瘍および/または哺乳動物の消化管に特異的な分子または代謝産物によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、目的のポリぺプチドを産生するための遺伝子または遺伝子カセットは染色体上に存在し、テトラサイクリンへの曝露によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、目的のポリぺプチドを産生するための遺伝子または遺伝子カセットはプラスミド上に存在し、テトラサイクリンへの曝露によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。
いくつかの実施形態では、遺伝子発現は、当該分野で公知の方法によって、例えば、リボソーム結合部位(RBS)の最適化、転写調節因子の操作、および/またはmRNA安定性の増加によって、さらに最適化される。RBSの微調整および最適化のためのバイオインフォマティクスツールは、当技術分野で知られている。
本明細書で上述した(および本明細書中の他の場所に記載される)実施形態のいずれかにおいて、操作された細菌は、本明細書中に記載されるプロモーターのいずれかの制御下にある1つ以上の遺伝子配列をコードする遺伝子配列をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、遺伝子または遺伝子カセットが宿主細胞において発現され得、かつ宿主細胞がin vitroで(例えば、培地中で)および/またはin vivoで(例えば、消化管または腫瘍微小環境において)生存および/または増殖することができるように、目的のポリペプチドを産生するための遺伝子または遺伝子カセットを保有する安定に維持されたプラスミドまたは染色体を含む。いくつかの実施形態では、細菌は、目的のポリぺプチドを産生するための遺伝子または遺伝子カセットの複数のコピーを含み得る。いくつかの実施形態では、ペイロードを産生するための遺伝子または遺伝子カセットは、低コピープラスミド上で発現される。いくつかの実施形態では、低コピープラスミドは、発現の安定性を増加させるのに有用であり得る。いくつかの実施形態では、低コピープラスミドは、非誘導条件下で漏出発現(leaky expression)を減少させるのに有用であり得る。いくつかの実施形態では、目的のポリぺプチドを産生するための遺伝子または遺伝子カセットは、高コピープラスミド上で発現される。いくつかの実施形態では、高コピープラスミドは、遺伝子または遺伝子カセットの発現を増加させるのに有用であり得る。いくつかの実施形態では、目的のポリぺプチドを産生するための遺伝子または遺伝子カセットは、染色体上で発現される。
(他の誘導性プロモーター)
いくつかの実施形態では、目的のポリぺプチドをコードする遺伝子はプラスミド上に存在し、1つ以上の栄養性および/または化学的誘導物質および/または代謝産物によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、目的のポリぺプチドをコードする遺伝子は染色体中に存在し、1つ以上の栄養性および/または化学的誘導物質および/または代謝産物によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。
いくつかの実施形態では、細菌細胞は、目的のポリペプチドが宿主細胞において発現され得、かつ宿主細胞がin vitroで(例えば、培地中で)および/またはin vivoで(例えば、腫瘍中または消化管中で)生存および/または増殖することができるように、目的のポリペプチドをコードする、1つ以上の栄養性および/または化学的誘導物質および/または代謝産物によって誘導可能な1つ以上の遺伝子配列を保有する安定に維持されたプラスミドまたは染色体を含む。いくつかの実施形態では、細菌細胞は、目的のポリぺプチドをコードする1つ以上の遺伝子配列の2つ以上の異なるコピーを含み、これは1つ以上の栄養性および/または化学的誘導物質および/または代謝産物によって誘導可能なプロモーターによって制御される。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、目的のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子配列の複数のコピーを含み、これは1つ以上の栄養性および/または化学的誘導物質および/または代謝産物によって誘導可能なプロモーターによって制御される。いくつかの実施形態では、目的のポリぺプチドをコードする1つ以上の遺伝子配列はプラスミド上に存在し、1つ以上の栄養性および/または化学的誘導物質および/または代謝産物によって誘導可能な直接的または間接的に誘導可能なプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、目的のポリぺプチドをコードする1つ以上の遺伝子配列は染色体上に存在し、直接的または間接的に誘導可能なプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、目的のポリぺプチドをコードする1つ以上の遺伝子配列が、1つ以上の栄養性および/または化学的誘導物質および/または代謝産物によって誘導される。
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載される目的のポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子配列はプラスミド上に存在し、1つ以上の栄養性および/または化学的誘導物質および/または代謝産物によって直接的または間接的に誘導可能なプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、細菌細胞は、目的のポリペプチドが宿主細胞において発現され得、かつ宿主細胞がin vitroで(例えば、培養条件下で)および/またはin vivoで(例えば、消化管または腫瘍微小環境において)生存および/または増殖することができるように、1つ以上の栄養性および/または化学的誘導物質および/または代謝産物によって誘導される、目的のポリペプチドをコードする遺伝子を保有する安定に維持されたプラスミドまたは染色体を含む。いくつかの実施形態では、細菌細胞は、目的のポリぺプチドの産生のための2つ以上の遺伝子配列を含み、そのうちの1つ以上は、1つ以上の栄養性および/または化学的誘導物質および/または代謝産物によって誘導される。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つ以上の栄養性および/または化学的誘導物質および/または代謝産物によって誘導される、目的のポリペプチドの産生のための同じ遺伝子配列の複数のコピーを含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、目的のポリペプチドの産生のための異なる遺伝子配列の複数のコピーを含み、そのうちの1つ以上は、1つ以上の栄養性および/または化学的誘導物質および/または代謝産物によって誘導される。
いくつかの実施形態では、目的のポリペプチドの産生のための遺伝子配列はプラスミド上に存在し、1つ以上の栄養性および/または化学的誘導物質および/または代謝産物によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、目的のポリペプチドの産生のための遺伝子配列は染色体中に存在し、1つ以上の栄養性および/または化学的誘導物質および/または代謝産物によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、2つ以上の異なるPAL遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じPAL遺伝子の複数のコピーを含む。いくつかの実施形態では、PAL遺伝子はプラスミド上に存在し、直接的または間接的に誘導可能なプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、PAL遺伝子はプラスミド上に存在し、低酸素または嫌気性条件下で誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、PAL遺伝子は染色体上に存在し、直接的または間接的に誘導可能なプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、PAL遺伝子は染色体に存在し、低酸素または嫌気性条件下で誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、PAL遺伝子はプラスミド上に存在し、テトラサイクリンへの曝露によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、PAL遺伝子はプラスミド上に存在し、アラビノースへの曝露によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、PAL遺伝子はプラスミド上に存在し、IPTGまたは別のLacI誘導物質への曝露によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、PAL遺伝子はプラスミド上に存在し、ラムノースへの曝露によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、PAL遺伝子はプラスミド上に存在し、テトラサイクリンへの曝露によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、PAL遺伝子はプラスミド上に存在し、非許容温度から許容温度への温度変化によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、PAL遺伝子は染色体上に存在し、アラビノースへの曝露によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、PAL遺伝子は染色体上に存在し、IPTGまたは別のLacI誘導物質への曝露によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、PAL遺伝子は染色体上に存在し、ラムノースへの曝露によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、PAL遺伝子は染色体上に存在し、テトラサイクリンへの曝露によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、PAL遺伝子は染色体上に存在し、非許容温度から許容温度への温度変化によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、LAADが宿主細胞において発現され得、かつ宿主細胞がin vitroで(例えば、培地中で)および/またはin vivoで(例えば、消化管中で)生存および/または増殖することができるように、LAAD遺伝子を保有する安定に維持されたプラスミドまたは染色体を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、2つ以上の異なるLAAD遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じLAAD遺伝子の複数のコピーを含む。いくつかの実施形態では、LAAD遺伝子はプラスミド上に存在し、直接的または間接的に誘導可能なプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、LAAD遺伝子はプラスミド上に存在し、例えばアラビノースまたはテトラサイクリンによって誘導可能なプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、LAAD遺伝子は染色体上に存在し、直接的または間接的に誘導可能なプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、LAAD遺伝子は染色体に存在し、例えばアラビノースまたはテトラサイクリンによって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、LAAD遺伝子はプラスミド上に存在し、テトラサイクリンへの曝露によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、LAAD遺伝子はプラスミド上に存在し、アラビノースへの曝露によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、LAAD遺伝子はプラスミド上に存在し、IPTGまたは他のLacI誘導物質への曝露によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、LAAD遺伝子はプラスミド上に存在し、ラムノースへの曝露によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、LAAD遺伝子はプラスミド上に存在し、非許容温度から許容温度への温度変化によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、LAAD遺伝子はプラスミド上に存在し、構成的プロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、LAAD遺伝子はプラスミド上に存在し、テトラサイクリンへの曝露によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、LAAD遺伝子は染色体上に存在し、アラビノースへの曝露によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、LAAD遺伝子は染色体上に存在し、IPTGまたは他のLacI誘導物質への曝露によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、LAAD遺伝子は染色体上に存在し、ラムノースへの曝露によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、LAAD遺伝子は染色体上に存在し、非許容温度から許容温度への温度変化によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、LAAD遺伝子は染色体上に存在し、構成的プロモーターに作動可能に連結される。
PME遺伝子(例えば、PAL、PAH、および/またはLAAD)を含む細菌のこれらの実施形態のいずれかにおいて、細菌は、1つ以上のPheトランスポーターをコードする遺伝子配列をさらに含み得、当該Pheトランスポーター遺伝子配列はプラスミドまたは染色体上に存在し得、当該プラスミドまたは染色体は、PME遺伝子の位置と同じまたは異なるプラスミドまたは染色体であり得る。Pheトランスポーター遺伝子配列は、PMR遺伝子配列と同じまたは異なるプロモーターの制御下にあり得る。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、酸素レベル依存性転写調節因子、例えば、FNR、ANR、またはDNRと、異なる細菌種由来の対応するプロモーターとを含む。非天然の酸素レベル依存性転写調節因子およびプロモーターは、前記プロモーターに作動可能に連結されている遺伝子、例えばPALまたはPAHの転写を、低酸素または嫌気性環境において、同じ条件下の細菌における天然の転写調節因子およびプロモーターと比較して増加させる。非天然の酸素レベル依存性転写調節因子およびプロモーターは、前記プロモーターに作動可能に連結されている遺伝子、例えばPALまたはPAHの転写を、低酸素または嫌気性環境において、同じ条件下の野生型プロモーターと比較して増加させる。非天然の酸素レベル依存性転写調節因子およびプロモーターは、前記プロモーターに作動可能に連結されている遺伝子、例えばPALまたはPAHの転写を、低酸素または嫌気性環境において、同じ条件下の野生型転写調節因子と比較して増加させる。
いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、酸素レベル感知転写調節因子をコードする内因性遺伝子、例えばFNR遺伝子の複数のコピーを含む。いくつかの実施形態では、酸素レベル感知転写調節因子をコードする遺伝子はプラスミド上に存在する。いくつかの実施形態では、酸素レベル感知転写調節因子をコードする遺伝子と、PALをコードする遺伝子とは、異なるプラスミド上に存在する。いくつかの実施形態では、酸素レベル感知転写調節因子をコードする遺伝子と、PALをコードする遺伝子とは、同じプラスミド上に存在する。いくつかの実施形態では、酸素レベル感知転写調節因子をコードする遺伝子は染色体上に存在する。いくつかの実施形態では、酸素レベル感知転写調節因子をコードする遺伝子と、PALをコードする遺伝子とは、異なる染色体上に存在する。いくつかの実施形態では、酸素レベル感知転写調節因子をコードする遺伝子と、PALをコードする遺伝子とは、同じ染色体上に存在する。
一実施形態では、LAAD発現は、ParaBADプロモーターの制御下にある。一実施形態では、LAAD発現は、好気性または微好気性条件下で起こる。一実施形態では、PAL発現は、ParaBADプロモーターの制御下にある。一実施形態では、PAL発現は、好気性または微好気性条件下で起こる。一実施形態では、PAL発現は嫌気性または低酸素条件下で起こり、LADD発現は好気性または微好気性条件下で起こる。一実施形態では、PAL発現は嫌気性または低酸素条件下で起こり、LADD発現はParaBADプロモーターの制御下にある。
いくつかの実施形態では、目的のポリぺプチドを産生するための1つ以上の遺伝子または遺伝子カセット(例えば、PALおよびLAAD遺伝子)が存在し、各遺伝子は異なるプロモーター、例えば、本段落および本明細書中の他の箇所において議論されるプロモーターのいずれかの制御下で発現される。
いくつかの実施形態では、1つ以上のPME遺伝子、例えば、PALおよび/またはLAAD遺伝子は、アラビノースへの曝露によって誘導されるプロモーターの制御下で発現される。いくつかの実施形態では、1つ以上のPME遺伝子、例えば、PALおよび/またはLAAD遺伝子は、IPTGまたは他のLacI誘導物質への曝露によって誘導されるプロモーターの制御下で発現される。いくつかの実施形態では、1つ以上のPME遺伝子、例えば、PALおよび/またはLAAD遺伝子は、ラムノースへの曝露によって誘導されるプロモーターの制御下で発現される。いくつかの実施形態では、1つ以上のPME遺伝子、例えば、PALおよび/またはLAAD遺伝子は、非許容温度から許容温度への温度変化によって誘導されるプロモーターの制御下で発現される。
いくつかの実施形態では、目的のポリぺプチドをコードする遺伝子に作動可能に連結されるプロモーターは、1つ以上の栄養性および/または化学的誘導物質および/または代謝産物によって直接的または間接的に誘導される。
いくつかの実施形態では、1つ以上の誘導性プロモーターは、目的の1つ以上のタンパク質のin vivo発現のために有用であるか、または目的の1つ以上のタンパク質のin vivo発現の間に誘導される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、1つ以上の抗癌分子、満腹分子、消化管バリアエンハンサー分子、免疫調節分子および/または神経調節分子および/または目的の他のポリペプチドのin vivo発現の間に誘導される。いくつかの実施形態では、目的の1つ以上のポリペプチドおよび/または目的の他のポリペプチドの発現は、in vivoで1つ以上のアラビノース誘導性プロモーターによって直接的または間接的に駆動される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、本発明の遺伝子操作された細菌と同時投与される化学的および/または栄養性誘導物質および/または代謝産物によって、直接的または間接的に誘導される。
いくつかの実施形態では、目的の1つ以上のポリペプチドおよび/または目的の他のポリペプチドの発現は、in vivo投与前の株のin vitroでの増殖、調製、または製造の間に化学的および/または栄養性誘導物質および/または代謝産物により誘導される1つ以上のプロモーターによって直接的または間接的に駆動される。いくつかの実施形態では、化学的および/または栄養性誘導物質および/または代謝産物によって誘導されるプロモーターは、培養物中で誘導される(例えば、細胞増殖、細胞増幅、発酵、回収、精製、剤型、および/または製造などの間に使用されるフラスコ、発酵槽または他の適切な培養容器中で増殖される)。いくつかの実施形態では、発現を誘導し、投与前に目的のポリペプチドおよび/または他の目的のポリペプチドを細菌にプレロードするために、プロモーターは細菌培養物に添加される分子によって直接的または間接的に誘導される。いくつかの実施形態では、化学的および/または栄養性誘導物質および/または代謝産物によって誘導される培養物は、好気的に増殖される。いくつかの実施形態では、化学的および/または栄養性誘導物質および/または代謝産物によって誘導される培養物は、嫌気的に増殖される。
アラビノース代謝の遺伝子は、PAraBADプロモーターによって制御される1つのオペロン、AraBADに編成されている。PAraBAD(またはPara)プロモーターは、誘導性発現システムの基準を適切に満たす。PAraBADは、他の多くのシステムよりも、ペイロード遺伝子発現のより厳密な制御を示すが、これは、誘導物質およびリプレッサーの両方として機能するAraCの二重の調節機能によるものと考えられる。さらに、ParaBADベースの発現レベルを広範囲のL−アラビノース濃度にわたってモジュレートして、ペイロードの発現レベルを微調整することができる。しかしながら、亜飽和(sub−saturating)L−アラビノース濃度に曝露された細胞集団は、誘導細胞および非誘導細胞の2つの亜集団に分けられ、これは、L−アラビノーストランスポーターの利用能における個々の細胞間の差異によって決定される(Zhangら、Development and Application of an Arabinose−Inducible Expression System by Facilitating Inducer Uptake in Corynebacterium glutamicum;Appl.Environ.Microbiol.2012年8月、第78巻、第16号、5831−5838頁)。あるいは、ParaBadからの誘導性発現は、本明細書に記載されているように、リボソーム結合部位(RBS)の最適化を通じて制御または微調整され得る。
一実施形態では、目的の1つ以上のポリペプチド、例えば、1つ以上の治療用ポリペプチドの発現は、1つ以上のアラビノース誘導性プロモーターによって直接的または間接的に駆動される。
いくつかの実施形態では、アラビノース誘導性プロモーターは、目的の1つ以上のタンパク質のin vivo発現のために有用であるか、または目的の1つ以上のタンパク質のin vivo発現の間に誘導される。いくつかの実施形態では、目的の1つ以上のタンパク質の発現は、in vivoで1つ以上のアラビノース誘導性プロモーターによって直接的または間接的に駆動される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、本発明の遺伝子操作された細菌と同時投与される分子(例えば、アラビノース)によって直接的または間接的に誘導される。
いくつかの実施形態では、目的の1つ以上のタンパク質の発現は、in vivo投与前の株のin vitroでの増殖、調製、または製造の間に、1つ以上のアラビノース誘導性プロモーターによって直接的または間接的に駆動される。いくつかの実施形態では、アラビノース誘導性プロモーターは、培養物中で誘導される(例えば、細胞増殖、細胞増幅、発酵、回収、精製、剤型、および/または製造などの間に使用されるフラスコ、発酵槽または他の適切な培養容器中で増殖される)。いくつかの実施形態では、発現を誘導し、投与前にペイロード(例えば、アラビノース)を細菌にプレロードするために、プロモーターは細菌培養物に添加される分子によって直接的または間接的に誘導される。いくつかの実施形態では、アラビノースによって誘導される培養物は好気的に増殖される。いくつかの実施形態では、アラビノースによって誘導される培養物は嫌気的に増殖される。
一実施形態では、アラビノース誘導性プロモーターは、第2のプロモーター(例えば、第2の構成的または誘導性プロモーター)と一緒に、目的の1つ以上のタンパク質を含む構築物の発現を駆動する。いくつかの実施形態では、2つのプロモーターが構築物の近位に配置されて、その発現を駆動し、ここで、アラビノース誘導性プロモーターが第1セットの外因性条件下で発現を駆動し、第2のプロモーターが第2セットの外因性条件下で発現を駆動する。非限定的な例では、第1および第2の条件は、2つの連続した培養条件(すなわち、フラスコ、発酵槽、または他の適切な培養容器における培養物の調製中の条件、例えば、アラビノースおよびIPTG)であり得る。別の非限定的な例では、第1の誘導条件は、例えば、アラビノースの存在を含む培養条件であり得、第2の誘導条件はin vivo条件であり得る。そのようなin vivo条件には、低酸素、微好気性、もしくは嫌気性条件、消化管代謝産物の存在、および/または細菌株と組合せて投与される代謝産物が含まれる。いくつかの実施形態では、1つ以上のアラビノースプロモーターは、同じ遺伝子配列の発現を駆動するFNRプロモーターと組み合わされて、目的の1つ以上のタンパク質の発現を駆動する。
いくつかの実施形態では、アラビノース誘導性プロモーターは、本明細書に記載される低コピープラスミドまたは高コピープラスミドまたはバイオセイフティーシステムプラスミドからの目的の1つ以上のタンパク質の発現を駆動する。いくつかの実施形態では、アラビノース誘導性プロモーターは、細菌染色体に組み込まれた構築物からの目的の1つ以上のタンパク質の発現を駆動する。例示的な挿入部位は、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、目的の1つ以上のタンパク質がアラビノースオペロンにノックインされ、天然のアラビノース誘導性プロモーターによって駆動される。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、表18の配列番号23の配列のいずれかと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の遺伝子配列を含む。いくつかの実施形態では、アラビノース誘導性構築物は、目的の1つ以上のタンパク質と同じプロモーターから分岐して転写される、AraCをコードする遺伝子をさらに含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、表18の配列番号24の配列のいずれかと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の遺伝子配列を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、表18の配列番号25の配列のいずれかによってコードされるポリペプチドと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子配列を含む。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌がラムノース誘導システムを介して誘導可能な1つ以上の遺伝子配列を含む。遺伝子rhaBADは、rhaP BADプロモーターによって制御される1つのオペロンで編成されている。rhaP BADプロモーターは2つの活性化因子、RhaSおよびRhaRによって調節され、対応する遺伝子はrhaBADの逆方向に分岐して転写される1つの転写ユニットに属する。L−ラムノースの存在下で、RhaRはrhaP RSプロモーターに結合し、RhaRおよびRhaSの産生を活性化する。次いで、RhaSはL−ラムノースと共にrhaP BADおよびrhaP Tプロモーターに結合し、構造遺伝子の転写を活性化する。AraCが提供され、遺伝子配列において分岐して転写されるアラビノースシステムとは対照的に、染色体から発現される量がマルチコピープラスミド上でも転写を活性化するのに十分であるため、ラムノース発現システムでは調節タンパク質を大量に発現させる必要はない。従って、rhaP BADプロモーターのみが、発現される遺伝子の上流にクローニングされる。rhaBAD転写の完全な誘導はまた、カタボライト抑制(catabolite repression)の重要な調節因子であるCRP−cAMP複合体の結合を必要とする。あるいは、rhaBADからの誘導性発現は、本明細書に記載されるように、リボソーム結合部位(RBS)の最適化を通じて制御または微調整され得る。一実施形態では、目的の1つ以上のタンパク質の発現は、1つ以上のラムノース誘導性プロモーターによって直接的または間接的に駆動される。一実施形態では、ペイロードの発現は、ラムノース誘導性プロモーターによって直接的または間接的に駆動される。
いくつかの実施形態では、ラムノース誘導性プロモーターは、目的の1つ以上のタンパク質のin vivo発現のために有用であるか、または目的の1つ以上のタンパク質のin vivo発現の間に誘導される。いくつかの実施形態では、目的の1つ以上のタンパク質の発現は、in vivoで1つ以上のラムノース誘導性プロモーターによって直接的または間接的に駆動される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、本発明の遺伝子操作された細菌と同時投与される分子、例えば、ラムノースによって直接的または間接的に誘導される。
いくつかの実施形態では、目的の1つ以上のタンパク質の発現は、in vivo投与前の株のin vitroでの増殖、調製、または製造の間に、1つ以上のラムノース誘導性プロモーターによって直接的または間接的に駆動される。いくつかの実施形態では、ラムノース誘導性プロモーターは、培養物中で誘導される(例えば、細胞増殖、細胞増幅、発酵、回収、精製、剤型、および/または製造などの間に使用されるフラスコ、発酵槽または他の適切な培養容器中で増殖される)。いくつかの実施形態では、発現を誘導し、投与前にペイロード(例えば、ラムノース)を細菌にプレロードするために、プロモーターは細菌培養物に添加される分子によって直接的または間接的に誘導される。いくつかの実施形態では、ラムノースによって誘導される培養物は好気的に増殖される。いくつかの実施形態では、ラムノースによって誘導される培養物は嫌気的に増殖される。
一実施形態では、ラムノース誘導性プロモーターは、第2のプロモーター(例えば、第2の構成的または誘導性プロモーター)と一緒に、目的の1つ以上のタンパク質を含む構築物の発現を駆動する。いくつかの実施形態では、2つのプロモーターが構築物の近位に配置されて、その発現を駆動し、ここで、ラムノース誘導性プロモーターが第1セットの外因性条件下で発現を駆動し、第2のプロモーターが第2セットの外因性条件下で発現を駆動する。非限定的な例では、第1および第2の条件は、2つの連続した培養条件(すなわち、フラスコ、発酵槽、または他の適切な培養容器における培養物の調製中の条件、例えば、ラムノースおよびアラビノース)であり得る。別の非限定的な例では、第1の誘導条件は、例えば、ラムノースの存在を含む培養条件であり得、第2の誘導条件はin vivo条件であり得る。そのようなin vivo条件には、低酸素、微好気性、もしくは嫌気性条件、腫瘍微小環境の条件、消化管代謝産物の存在、および/または細菌株と組合せて投与される代謝産物が含まれる。いくつかの実施形態では、1つ以上のラムノースプロモーターは、同じ遺伝子配列の発現を駆動するFNRプロモーターと組み合わされて、目的の1つ以上のタンパク質および/または転写調節因子(例えば、FNRS24Y)の発現を駆動する。
いくつかの実施形態では、ラムノース誘導性プロモーターは、本明細書に記載される低コピープラスミドまたは高コピープラスミドまたはバイオセイフティーシステムプラスミドからの目的の1つ以上のタンパク質の発現を駆動する。いくつかの実施形態では、ラムノース誘導性プロモーターは、細菌染色体に組み込まれた構築物からの目的の1つ以上のタンパク質の発現を駆動する。例示的な挿入部位は、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、表18の配列番号26の配列のいずれかと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の遺伝子配列を含む。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、イソプロピルβ−D−1−チオガラクトピラノシド(IPTG)誘導システムまたはLacプロモーターからの転写を誘導した他の化合物を介して誘導可能な1つ以上の遺伝子配列を含む。IPTGは、lacオペロンの転写を活性化するラクトース代謝産物であるアロラクトースの分子模倣物である。アロラクトースとは対照的に、IPTG中の硫黄原子は非加水分解性化学結合を生成し、当該結合はIPTGの分解を防ぎ、その濃度を一定に保つことを可能にする。IPTGはlacリプレッサーに結合し、アロステリック様式でlacオペレーターから四量体リプレッサー(lacI)を放出し、それによってlacオペロンにおける遺伝子の転写を可能にする。IPTGは大腸菌によって代謝されないので、その濃度は一定のままであり、Lacプロモーター制御の発現速度は、in vivoおよびin vitroの両方で厳密に制御される。他の輸送経路も関与しているので、IPTGの摂取はラクトースパーミアーゼの作用に依存しない。PLacからの誘導性発現は、本明細書に記載されるように、リボソーム結合部位(RBS)の最適化を通じて制御または微調整され得る。LacIを不活性化する他の化合物を、同様の方法でIPTGの代わりに使用することができる。
一実施形態では、目的の1つ以上のタンパク質の発現は、1つ以上のIPTG誘導性プロモーターによって直接的または間接的に駆動される。
いくつかの実施形態では、IPTG誘導性プロモーターは、目的の1つ以上のタンパク質のin vivo発現のために有用であるか、または目的の1つ以上のタンパク質のin vivo発現の間に誘導される。いくつかの実施形態では、目的の1つ以上のタンパク質の発現は、in vivoで1つ以上のIPTG誘導性プロモーターによって直接的または間接的に駆動される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、本発明の遺伝子操作された細菌と同時投与される分子、例えば、IPTGによって直接的または間接的に誘導される。
いくつかの実施形態では、目的の1つ以上のタンパク質の発現は、in vivo投与前の株のin vitroでの増殖、調製、または製造の間に、1つ以上のIPTG誘導性プロモーターによって直接的または間接的に駆動される。いくつかの実施形態では、IPTG誘導性プロモーターは、培養物中で誘導される(例えば、細胞増殖、細胞増幅、発酵、回収、精製、剤型、および/または製造などの間に使用されるフラスコ、発酵槽または他の適切な培養容器中で増殖される)。いくつかの実施形態では、発現を誘導し、投与前にペイロード(例えば、IPTG)を細菌にプレロードするために、プロモーターは細菌培養物に添加される分子によって直接的または間接的に誘導される。いくつかの実施形態では、IPTGによって誘導される培養物は好気的に増殖される。いくつかの実施形態では、IPTGによって誘導される培養物は嫌気的に増殖される。
一実施形態では、IPTG誘導性プロモーターは、第2のプロモーター(例えば、第2の構成的または誘導性プロモーター)と一緒に、目的の1つ以上のタンパク質を含む構築物の発現を駆動する。いくつかの実施形態では、2つのプロモーターが構築物の近位に配置されて、その発現を駆動し、ここで、IPTG誘導性プロモーターが第1セットの外因性条件下で発現を駆動し、第2のプロモーターが第2セットの外因性条件下で発現を駆動する。非限定的な例では、第1および第2の条件は、2つの連続した培養条件(すなわち、フラスコ、発酵槽、または他の適切な培養容器における培養物の調製中の条件、例えば、アラビノースおよびIPTG)であり得る。別の非限定的な例では、第1の誘導条件は、例えば、IPTGの存在を含む培養条件であり得、第2の誘導条件はin vivo条件であり得る。そのようなin vivo条件には、低酸素、微好気性、もしくは嫌気性条件、腫瘍微小環境の条件、消化管代謝産物の存在、および/または細菌株と組合せて投与される代謝産物が含まれる。いくつかの実施形態では、1つ以上のIPTG誘導性プロモーターは、同じ遺伝子配列の発現を駆動するFNRプロモーターと組み合わされて、目的の1つ以上のタンパク質の発現を駆動する。
いくつかの実施形態では、IPTG誘導性プロモーターは、本明細書に記載される低コピープラスミドまたは高コピープラスミドまたはバイオセイフティーシステムプラスミドからの目的の1つ以上のタンパク質の発現を駆動する。いくつかの実施形態では、IPTG誘導性プロモーターは、細菌染色体に組み込まれた構築物からの目的の1つ以上のタンパク質の発現を駆動する。例示的な挿入部位は、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、表18の配列番号27の配列のいずれかと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の遺伝子配列を含む。いくつかの実施形態では、IPTG誘導性構築物は、目的の1つ以上のタンパク質と同じプロモーターから分岐して転写される、lacIをコードする遺伝子をさらに含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、表18の配列番号28の配列のいずれかと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の遺伝子配列を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、表18の配列番号29の配列のいずれかによってコードされるポリペプチドと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子配列を含む。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、テトラサイクリン誘導システムを介して誘導可能な1つ以上の遺伝子配列を含む。GossenおよびBujard(Tight control of gene expression in mammalian cells by tetracycline−responsive promoters.Gossen M & Bujard H.PNAS、1992年6月15日;89(12):5547−51頁)が開発した最初のシステムは、テトラサイクリンオフとして知られている:テトラサイクリンの存在下で、tet−誘導性プロモーターからの発現が減少する。テトラサイクリン制御トランス活性化因子(tTA)は、単純ヘルペスウイルス由来のVP16(ビリオンタンパク質16)のC末端ドメインにtetRを融合することによって作製された。テトラサイクリンの非存在下では、tTAのtetR部分はtetプロモーター中のtetO配列に結合し、活性化ドメインは発現を促進する。テトラサイクリンの存在下では、テトラサイクリンはtetRに結合し、tTAがtetO配列に結合するのを妨げる。次に、リバースTetリプレッサー(rTetR)が開発され、抑制ではなく誘導のためにテトラサイクリンの存在に依存するようになった。新しいトランス活性化因子rtTA(リバーステトラサイクリン制御トランス活性化因子)は、VP16にrTetRを融合することによって作製された。テトラサイクリンオンシステムは、rtTA依存システムとしても知られている。
一実施形態では、目的の1つ以上のタンパク質の発現は、1つ以上のテトラサイクリン誘導性プロモーターによって直接的または間接的に駆動される。いくつかの実施形態では、テトラサイクリン誘導性プロモーターは、目的の1つ以上のタンパク質のin vivo発現のために有用であるか、または目的の1つ以上のタンパク質のin vivo発現の間に誘導される。いくつかの実施形態では、目的の1つ以上のタンパク質および/または転写調節因子(例えば、FNRS24Y)の発現は、in vivoで1つ以上のテトラサイクリン誘導性プロモーターによって直接的または間接的に駆動される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、本発明の遺伝子操作された細菌と同時投与される分子、例えば、テトラサイクリンによって直接的または間接的に誘導される。
いくつかの実施形態では、目的の1つ以上のタンパク質の発現は、in vivo投与前の株のin vitroでの増殖、調製、または製造の間に、1つ以上のテトラサイクリン誘導性プロモーターによって直接的または間接的に駆動される。いくつかの実施形態では、テトラサイクリン誘導性プロモーターは、培養物中で誘導される(例えば、細胞増殖、細胞増幅、発酵、回収、精製、剤型、および/または製造などの間に使用されるフラスコ、発酵槽または他の適切な培養容器中で増殖される)。いくつかの実施形態では、発現を誘導し、投与前にペイロード(例えば、テトラサイクリン)を細菌にプレロードするために、プロモーターは細菌培養物に添加される分子によって直接的または間接的に誘導される。いくつかの実施形態では、テトラサイクリンによって誘導される培養物は、好気的に増殖される。いくつかの実施形態では、テトラサイクリンによって誘導される培養物は嫌気的に増殖される。
一実施形態では、テトラサイクリン誘導性プロモーターは、第2のプロモーター(例えば、第2の構成的または誘導性プロモーター)と一緒に、目的の1つ以上のタンパク質を含む構築物の発現を駆動する。いくつかの実施形態では2つのプロモーターが構築物の近位に配置されて、その発現を駆動し、ここで、テトラサイクリン誘導性プロモーターが第1セットの外因性条件下で発現を駆動し、第2のプロモーターが第2セットの外因性条件下で発現を駆動する。非限定的な例では、第1および第2の条件は、2つの連続した培養条件(すなわち、フラスコ、発酵槽、または他の適切な培養容器における培養物の調製中の条件、例えば、テトラサイクリンおよびIPTG)であり得る。別の非限定的な例では、第1の誘導条件は、例えば、テトラサイクリンの存在を含む培養条件であり得、第2の誘導条件はin vivo条件であり得る。そのようなin vivo条件には、低酸素、微好気性、もしくは嫌気性条件、腫瘍微小環境の条件、消化管代謝産物の存在、および/または細菌株と組合せて投与される代謝産物が含まれる。いくつかの実施形態では、1つ以上のテトラサイクリンプロモーターは、同じ遺伝子配列の発現を駆動するFNRプロモーターと組み合わされて、目的の1つ以上のタンパク質の発現を駆動する。
いくつかの実施形態では、テトラサイクリン誘導性プロモーターは、本明細書に記載される低コピープラスミドまたは高コピープラスミドまたはバイオセイフティーシステムプラスミドからの目的の1つ以上のタンパク質の発現を駆動する。いくつかの実施形態では、テトラサイクリン誘導性プロモーターは、細菌染色体に組み込まれた構築物からの目的の1つ以上のタンパク質の発現を駆動する。例示的な挿入部位は、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、表18の配列番号34の太字の配列(tetプロモーターは太字である)のいずれかと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の遺伝子配列を含む。いくつかの実施形態では、テトラサイクリン誘導性構築物は、目的の1つ以上のタンパク質と同じプロモーターから分岐して転写される、AraCをコードする遺伝子をさらに含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、表18の配列番号34のイタリック体の配列(Tetリプレッサーはイタリック体である)のいずれかと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の遺伝子配列を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、表18の配列番号34のイタリック体の配列(Tetリプレッサーはイタリック体である)のいずれかによってコードされるポリペプチドと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子配列を含む。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、その発現が温度感受性機構によって制御される1つ以上の遺伝子配列を含む。外部の化学物質または特殊な培地を使用せずに強力な転写制御を行うため、温度調節因子は有利である(例えば、Nemaniら、Magnetic nanoparticle hyperthermia induced cytosine deaminase expression in microencapsulated E. coli for enzyme−prodrug therapy;J Biotechnol.2015年6月10日;203:32−40頁、およびその中の参考文献を参照)。突然変異cI857リプレッサーとpLおよび/またはpRファージλプロモーターを使用した温度調節タンパク質発現は、組換え細菌株を操作するために使用されている。λプロモーターの下流にクローニングされた目的の遺伝子は、次いで、バクテリオファージλの突然変異体熱不安定性cI857リプレッサーによって効率的に調節され得る。37℃未満の温度では、cI857はpRプロモーターのoLまたはoR領域に結合し、RNAポリメラーゼによる転写を遮断する。より高い温度では、機能的なcI857二量体は不安定化され、oLまたはoR DNA配列への結合が阻止され、mRNA転写が開始される。例示的な構築物はWO2017087580の図88Aに示され、その内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。ParaBadからの誘導性発現は、本明細書中に記載されるように、リボソーム結合部位(RBS)の最適化を通じて制御またはさらに微調整され得る。
一実施形態では、目的の1つ以上のタンパク質の発現は、1つ以上の温度調節プロモーターによって直接的または間接的に駆動される。いくつかの実施形態では、温度調節プロモーターは、目的の1つ以上のタンパク質のin vivo発現のために有用であるか、または目的の1つ以上のタンパク質のin vivo発現の間に誘導される。いくつかの実施形態では、目的の1つ以上のタンパク質の発現は、in vivoで1つ以上の温度調節プロモーターによって直接的または間接的に駆動される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、本発明の遺伝子操作された細菌と同時投与される分子、例えば、温度によって直接的または間接的に誘導される。
いくつかの実施形態では、目的の1つ以上のタンパク質の発現は、in vivo投与の前の株のin vitroでの増殖、調製、または製造の間に、1つ以上の温度調節プロモーターによって直接的または間接的に駆動される。いくつかの実施形態では、目的の1つ以上のタンパク質の産生を遮断することが有利であり得る。これは、より低い温度、例えば30℃で株を増殖させることにより、温度調節システムにおいて行うことができる。次いで、温度を37℃および/または42℃に上昇させることによって、発現を誘導することができる。いくつかの実施形態では、温度調節プロモーターは、培養物中で誘導される(例えば、細胞増殖、細胞増幅、発酵、回収、精製、剤型、および/または製造などの間に使用されるフラスコ、発酵槽または他の適切な培養容器中で増殖される)。いくつかの実施形態では、37℃〜42℃の間の温度によって誘導される培養物は好気的に増殖される。いくつかの実施形態では、37℃〜42℃の間の温度によって誘導される培養物は嫌気的に増殖される。
一実施形態では、温度調節プロモーターは、第2のプロモーター(例えば、第2の構成的または誘導性プロモーター)と一緒に、目的の1つ以上のタンパク質を含む構築物の発現を駆動する。いくつかの実施形態では、2つのプロモーターが構築物の近位に配置されて、その発現を駆動し、ここで、温度調節プロモーターが第1セットの外因性条件下で発現を駆動し、第2のプロモーターが第2セットの外因性条件下で発現を駆動する。非限定的な例では、第1および第2の条件は、2つの連続した培養条件(すなわち、フラスコ、発酵槽、または他の適切な培養容器における培養物の調製中の条件、例えば、温度調節およびアラビノース)であり得る。別の非限定的な例では、第1の誘導条件は培養条件、例えば許容温度であり得、第2の誘導条件はin vivo条件であり得る。そのようなin vivo条件には、低酸素、微好気性、もしくは嫌気性条件、腫瘍微小環境の条件、消化管代謝産物の存在、および/または細菌株と組合せて投与される代謝産物が含まれる。いくつかの実施形態では、1つ以上の温度調節プロモーターは、同じ遺伝子配列の発現を駆動するFNRプロモーターと組み合わされて、目的の1つ以上のタンパク質の発現を駆動する。
いくつかの実施形態では、温度調節プロモーターは、本明細書中に記載される低コピープラスミドまたは高コピープラスミドまたはバイオセイフティーシステムプラスミドからの目的の1つ以上のタンパク質の発現を駆動する。いくつかの実施形態では、温度調節プロモーターは、細菌染色体に組み込まれた構築物からの目的の1つ以上のタンパク質の発現を駆動する。例示的な挿入部位は、本明細書に記載される。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、表18の配列番号30の配列のいずれかと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の遺伝子配列を含む。いくつかの実施形態では、温度調節された構築物は、目的の1つ以上のタンパク質と同じプロモーターから分岐して転写される、突然変異cI857リプレッサーをコードする遺伝子をさらに含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、表18の配列番号31の配列のいずれかと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の遺伝子配列を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、表18の配列番号33の配列のいずれかによってコードされるポリペプチドと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有するポリペプチドをコードする1つ以上の遺伝子配列を含む。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PssBプロモーターによって駆動されるシステムを介して間接的に誘導可能な1つ以上の遺伝子配列を含む。Pssbプロモーターは好気性条件下で活性であり、嫌気性条件下で遮断される。
このプロモーターは、好気性条件下で目的の遺伝子を発現させるために使用され得る。このプロモーターはまた、嫌気性条件下でのみ発現されるように、遺伝子産物の発現を厳密に制御するために使用され得る。この場合、酸素により誘導されるPssBプロモーターは、目的の遺伝子の発現を抑制するリプレッサーの発現を誘導する。結果として、目的の遺伝子は、リプレッサーの非存在下(すなわち、嫌気性条件下)でのみ発現される。この戦略は、改善された微調整およびより厳密な制御のための追加の制御レベルという利点を有する。参照によりその内容全体が本明細書中に援用されるWO2017087580の図89Aは、PssBプロモーターの遺伝子構成の概略図を示している。
一実施形態では、目的の1つ以上のタンパク質の発現は、1つ以上のPssBプロモーターの制御下で発現されるリプレッサーによって間接的に調節される。
いくつかの実施形態では、PssBプロモーターの誘導は、目的の1つ以上のタンパク質のin vivo発現を間接的に駆動する。いくつかの実施形態では、PssBプロモーターの誘導は、in vivo投与前の株のin vitroでの増殖、調製、または製造の間に、目的の1つ以上のタンパク質の発現を間接的に駆動する。いくつかの実施形態では、PssBプロモーターの誘導のための条件は培養物中、例えば、細胞増殖、細胞増幅、発酵、回収、精製、剤型、および/または製造などの間に使用されるフラスコ、発酵槽または他の適切な培養容器中で提供される。
いくつかの実施形態では、PssBプロモーターは、本明細書に記載される低コピープラスミドまたは高コピープラスミドまたはバイオセイフティーシステムプラスミドからの目的の1つ以上のタンパク質の発現を間接的に駆動する。いくつかの実施形態では、PssBプロモーターは、細菌染色体に組み込まれた構築物からの目的の1つ以上のタンパク質の発現を間接的に駆動する。例示的な挿入部位は、本明細書に記載される。
別の非限定的な例では、この戦略は、thyAおよび/またはdapAの発現を制御するために、例えば、条件的栄養要求株を作製するために使用され得る。dapAまたはThyAの染色体コピーはノックアウトされる。嫌気性条件では、dapAまたはthyAが(場合によっては)発現され、株はdapまたはチミジンの非存在下で増殖することができる。好気的条件下では、dapAまたはthyAの発現は遮断され、株はdapまたはチミジンの非存在下で増殖できない。そのような戦略は、例えば、嫌気性条件(例えば、消化管および/または腫瘍微小環境の条件)下での細菌の生存を可能にするが、好気性条件下での生存を防止するために使用され得る(バイオセイフティースイッチ)。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、表18の配列番号35の配列のいずれかと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の遺伝子配列を含む。
誘導性プロモーターからの発現に有用な配列を表18に列挙する。
[表18]誘導性プロモーター構築物の配列
Figure 2020525012
Figure 2020525012
Figure 2020525012
(構成的プロモーター)
いくつかの実施形態では、ペイロードをコードする遺伝子はプラスミド上に存在し、構成的プロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、ペイロードをコードする遺伝子は染色体上に存在し、非許容温度から許容温度への温度変化によって誘導されるプロモーターに作動可能に連結される。いくつかの実施形態では、ペイロードをコードする遺伝子は染色体上に存在し、構成的プロモーターに作動可能に連結される。
いくつかの実施形態では、構成的プロモーターは、in vivo条件(例えば、本明細書に記載されるような消化管および/または腫瘍微小環境の条件)下で活性である。いくつかの実施形態では、プロモーターは、in vitro条件(例えば、本明細書に記載されるような様々な細胞培養および/または細胞製造条件)下で活性である。いくつかの実施形態では、構成的プロモーターは、in vivo条件(例えば、本明細書に記載されるような消化管および/または腫瘍微小環境の条件)下、ならびにin vitro条件(例えば、本明細書に記載されるような様々な細胞培養および/または細胞産生および/または細胞製造条件)下で活性である。
いくつかの実施形態では、ペイロードをコードする遺伝子に作動可能に連結された構成的プロモーターは、様々な外因性環境条件(例えば、in vivoおよび/またはin vitroおよび/または産生/製造条件)において活性である。いくつかの実施形態では、構成的プロモーターは、哺乳動物の消化管に特異的な、および/または腫瘍微小環境の条件に特異的な外因性環境条件において活性である。いくつかの実施形態では、構成的プロモーターは、哺乳動物の小腸に特異的な外因性環境条件において活性である。いくつかの実施形態では、構成的プロモーターは、哺乳動物の消化管の環境および/または腫瘍微小環境の条件などの低酸素または嫌気性条件において活性である。いくつかの実施形態では、構成的プロモーターは、哺乳動物の消化管および/または腫瘍微小環境の条件に特異的な分子または代謝産物の存在下で活性である。いくつかの実施形態では、構成的プロモーターは、細菌細胞と同時投与される分子によって直接的または間接的に誘導される。いくつかの実施形態では、構成的プロモーターは、in vitro培養、細胞産生および/または製造条件の間に存在する分子または代謝産物または他の条件の存在下で活性である。
細菌の構成的プロモーターは当技術分野で公知であり、WO2017/123675として公開された国際特許出願PCT/US2017/013072(出願日2017年1月11日)に記載されており、その全内容は参照により本明細書に援用される。
(リボソーム結合部位)
いくつかの実施形態では、リボソーム結合部位が追加、スイッチアウト(switched out)、または置換される。いくつかのリボソーム結合部位を試験することによって、発現レベルを所望のレベルに微調整することができる。RBSの非限定的な例は、標準生物学的パーツ・レジストリに列挙され、WO2017/123675として公開されたPCT/US2017/013072(出願日2017年1月11日)に記載されており、その全内容は参照により本明細書に援用される。
(株培養中のペイロードの誘導)
培養中のペイロードの誘導は、WO2017/123675として公開された国際特許出願PCT/US2017/013072(出願日2017年1月11日)、WO2016183531として公開された国際特許出願PCT/US2016/032562(出願日2016年5月13日)、およびWO2017087580として公開されたPCT/US2016/062369(出願日2016年11月16日)に記載されており、それらの各々の内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
いくつかの実施形態では、投与前に、目的のペイロードもしくはタンパク質の発現および/またはペイロード活性をプレ誘導する(pre−induce)ことが望ましい。そのような目的のペイロードまたはタンパク質は、分泌を目的とするエフェクターであってもよく、または代謝反応を触媒してエフェクターを産生する酵素であってもよい。他の実施形態では、目的のタンパク質は、有害な代謝産物を異化する酵素である。そのような状況では、株は、活性なペイロードまたは目的のタンパク質でプレロードされる。そのような場合、本発明の遺伝子操作された細菌は、in vivoでの投与前の細胞増殖、増幅、精製、発酵、および/または製造中の細菌培養物において提供される条件下で、目的の1つ以上のタンパク質を発現する。そのような培養条件は、例えば細胞増殖、細胞増幅、発酵、回収、精製、剤型、および/または製造の間に使用されるフラスコ、発酵槽、または他の適切な培養容器中において提供され得る。本明細書中で使用される場合、「細菌培養物」または「細菌細胞培養物」または「培養物」という用語は、細胞増殖、細胞増幅、回収、精製、発酵、および/または製造を含むいくつかの生産プロセス中にin vitroで維持または増殖される細菌細胞または微生物を指す。本明細書中で使用される場合、「発酵」という用語は、定義された条件下での細菌の増殖、増幅、および維持を指す。発酵は、嫌気性または低酸素または酸素化条件、誘導物質、栄養素の存在下、定義された温度などを含む多くの細胞培養条件下で起こり得る。
培養条件は、高細胞密度(高バイオマス)の収量を維持しながら、細胞の最適な活性および生存率を達成するように選択される。最適な活性、高収量、および高い生存率を達成するために、酸素レベル(例えば、低酸素、微好気性、好気性)、培地の温度、および栄養素および/または異なる増殖培地、培地中に提供される化学的および/または栄養性誘導物質ならびに他の成分を含む、多くの細胞培養条件および操作パラメータが監視および調整される。
いくつかの実施形態では、株をin vivo投与のために増殖させる間に、目的の1つ以上のタンパク質が直接的または間接的に誘導される。理論に束縛されることを望まないが、プレ誘導は、例えば、消化管または腫瘍における、in vivo活性を高め得る。特定の消化管区画における細菌の滞留時間が比較的短い場合、細菌は完全なin vivo誘導能力に達することなく小腸を通過し得る。対照的に、株がプレ誘導およびプレロードされている場合、株は既に完全に活性であり、細菌が腸に到達すると、より迅速により大きな活性が可能になる。それゆえに、株が最適に活性ではない輸送時間は、「浪費」されない。細菌が腸を移動し続けるにつれて、in vivo誘導が消化管の環境条件(例えば、低酸素、または消化管代謝産物の存在)下で起こる。同様に、腫瘍標的化または他の細菌がプレ誘導およびプレロードされる場合、このことは、本明細書中に記載されるように、全身投与または腫瘍内注射のいずれかによって細菌が消化管または腫瘍に到達すると、より大きな活性をより迅速に可能にし得る。消化管または腫瘍に入ると、例えば、腫瘍微小環境の条件下で、in vivo誘導が起こる。
一実施形態では、1つ以上のペイロードの発現は、細胞増殖、細胞増幅、発酵、回収、精製、剤型、および/または製造の間に誘導される。一実施形態では、目的のいくつかの異なるタンパク質の発現は、細胞増殖、細胞増幅、発酵、回収、精製、剤型、および/または製造の間に誘導される。
いくつかの実施形態では、株は、in vivo投与前の株増殖中に、プレ誘導(pre−induction)プロトコールなしで投与される。
(嫌気性誘導)
いくつかの実施形態では、細胞は、培養中の嫌気性または低酸素条件下で誘導される。そのような場合、一定の密度(例えば、1×10〜1×1011の範囲)を示す一定のOD(例えば、0.1〜10の範囲内のOD)および指数関数的増殖に達するまで、(例えば、1.5〜3時間)細胞を増殖させ、その後、嫌気性または低酸素条件に約3〜5時間切り替える。いくつかの実施形態では、株は、例えばFNRプロモーター活性を誘導し、1つ以上のFNRプロモーターの制御下で1つ以上のペイロードおよび/またはトランスポーターの発現を駆動するために、嫌気性または低酸素条件下で誘導される。
一実施形態では、1つ以上のペイロードの発現は、1つ以上のFNRプロモーターの制御下にあり、嫌気性または低酸素条件下での細胞増殖、細胞増幅、発酵、回収、精製、剤型、および/または製造の間に誘導される。一実施形態では、目的のいくつかのタンパク質の発現は、1つ以上のFNRプロモーターの制御下にあり、嫌気性または低酸素条件下での細胞増殖、細胞増幅、発酵、回収、精製、剤型、および/または産生の間に誘導される。
理論に束縛されることを望むものではないが、FNRプロモーターの制御下にある1つ以上のペイロードを含む株は、嫌気性または低酸素培養条件下のin vitroで、ならびに消化管および/または腫瘍微小環境の条件において見出される低酸素条件下のin vivoで、これらのプロモーターからのペイロードの発現を可能にし得る。
いくつかの実施形態では、目的のペイロードに連結されたプロモーターは、アラビノース、クミン酸塩(cumate)、およびサリチル酸塩(salicylate)、IPTG、ラムノース、テトラサイクリン、ならびに/または他の化学的および/もしくは栄養性誘導物質によって誘導可能であり得、化学的および/または栄養性誘導物質の存在下で、嫌気性または低酸素条件下で誘導され得る。特に、株は遺伝子配列の組合せを含み得、それらの一部はFNRプロモーターの制御下にあり、他のものは化学的および/または栄養性誘導物質によって誘導されるプロモーターの制御下にある。いくつかの実施形態では、株は、1つ以上のペイロード遺伝子配列および/または1つ以上のFNRプロモーターの制御下にある1つ以上のペイロード遺伝子配列、および本明細書に記載の1つ以上の構成的プロモーターの制御下にある1つ以上のペイロード遺伝子配列を含み得る。
(好気性誘導)
いくつかの実施形態では、好気性条件下で株を調製、プレロード、プレ誘導することが望ましい。これにより、より効率的な増殖および生存が可能になり、場合によっては、毒性代謝産物の蓄積が減少する。そのような場合、一定の密度(例えば、1×10〜1×1011の範囲)を示す一定のOD(例えば、0.1〜10の範囲内のOD)および指数関数的増殖に達するまで、(例えば、1.5〜3時間)細胞を増殖させ、その後、誘導物質の添加または他の手段(例えば、許容温度へのシフト)により、約3〜5時間誘導する。
いくつかの実施形態では、アラビノース、クミン酸塩(cumate)、およびサリチル酸塩(salicylate)、IPTG、ラムノース、テトラサイクリン、ならびに/または本明細書に記載されるかまたは当技術分野で公知の他の化学的および/もしくは栄養性誘導物質によって誘導可能なプロモーターは、細胞増殖、細胞増幅、発酵、回収、精製、剤型、および/または製造の間に、化学的および/または栄養性誘導物質の存在下で、好気性条件下で誘導され得る。一実施形態では、1つ以上のペイロードの発現は、化学的および/または栄養性誘導物質によって調節される1つ以上のプロモーターの制御下にあり、好気性条件下での細胞増殖、細胞増幅、発酵、回収、精製、剤型および/または製造の間に誘導される。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された株は、好気性培養条件下で誘導される遺伝子配列を含む。いくつかの実施形態では、これらの株は、消化管および/または腫瘍微小環境の条件におけるin vivo活性化のためのFNR誘導性遺伝子配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、これらの株は、消化管および/または腫瘍微小環境の条件におけるin vivo活性化のためのFNR誘導性遺伝子配列をさらに含まない。
(微好気性誘導)
いくつかの実施形態では、生存能力、増殖、および活性は、微好気性条件下で細菌株をプレ誘導することによって最適化される。いくつかの実施形態では、微好気性条件は、最適な増殖、活性および生存能力の条件と、誘導のための最適条件との間の「バランスをとる」のに最適である;特に、1つ以上のペイロードの発現が、嫌気性および/または低酸素プロモーター(例えば、FNRプロモーター)によって駆動される場合。そのような場合、例えば、一定の密度(例えば、1×10〜1×1011の範囲)を示す一定のOD(例えば、0.1〜10の範囲内のOD)および指数関数的増殖に達するまで、(例えば、1.5〜3時間)細胞を増殖させ、その後、誘導物質の添加または他の手段(例えば、許容温度へのシフト)により、約3〜5時間誘導する。
一実施形態では、1つ以上のペイロードの発現は1つ以上のFNRプロモーターの制御下にあり、微好気性条件下での細胞増殖、細胞増幅、発酵、回収、精製、剤型、および/または製造の間に誘導される。
理論に束縛されることを望むものではないが、FNRプロモーターの制御下にある1つ以上のペイロードを含む株は、微好気性培養条件下のin vitroで、ならびに消化管および/または腫瘍微小環境の条件において見出される低酸素条件下のin vivoで、これらのプロモーターからのペイロードの発現を可能にし得る。
いくつかの実施形態では、アラビノース、クミン酸塩(cumate)、およびサリチル酸塩(salicylate)、IPTG、ラムノース、テトラサイクリン、ならびに/または他の化学的および/もしくは栄養性誘導物質によって誘導可能なプロモーターは、化学的および/または栄養性誘導物質の存在下で、微好気性条件下で誘導され得る。特に、株は遺伝子配列の組合せを含み得、それらの一部はFNRプロモーターの制御下にあり、他のものは化学的および/または栄養性誘導物質によって誘導されるプロモーターの制御下にある。いくつかの実施形態では、株は、1つ以上のFNRプロモーターの制御下にある1つ以上のペイロード遺伝子配列、および本明細書に記載の1つ以上の構成的プロモーターの制御下にある1つ以上のペイロード遺伝子配列を含み得る。
一実施形態では、1つ以上のペイロードの発現は、化学的および/または栄養性誘導物質によって調節される1つ以上のプロモーターの制御下にあり、微好気性条件下での細胞増殖、細胞増幅、発酵、回収、精製、剤型、および/または製造の間に誘導される。
いくつかの実施形態では、投与前に、目的のペイロードもしくはタンパク質の発現および/またはペイロード活性をプレ誘導する(pre−induce)ことが望ましい。そのような目的のペイロードまたはタンパク質は、分泌を目的とするエフェクターであってもよく、または代謝反応を触媒してエフェクターを産生する酵素であってもよい。他の実施形態では、目的のタンパク質は、有害な代謝産物を異化する酵素である。そのような状況では、株は、活性なペイロードでプレロードされる。
(生体分子を輸送する能力が強化された細菌株の生成)
微生物は、それらの培養の容易さ、短い世代時間、非常に高い集団密度および小さいゲノムのため、短縮されたタイムスケールで固有の表現型に進化され得る。適応実験室進化(ALE)は、好ましい表現型を有する株を進化させるために、選択圧下で微生物を継代するプロセスである。最も一般的には、これは、炭素/エネルギー源の利用を増大させるために、または環境ストレス(例えば、温度、pH)に株を適応させるために適用され、それにより、炭素基質上またはストレス下で増殖する能力がより高い突然変異株は、集団内の適応性がより低い菌株を打ち負かすことになり、最終的には集団を支配するようになる。
この同じ方法を、栄養要求株を作製することにより、任意の必須代謝産物に拡張することができる。栄養要求株は、必須代謝産物を合成することができない株であり、したがって、増殖するために培地に代謝産物が供給されていなければならない。このシナリオでは、栄養要求株を作製して、代謝産物の量を減少させながらそれを継代することによって、得られる優性株はこの必須代謝産物を獲得する能力および組み込む能力がより高いはずである。
例えば、アミノ酸を産生するための生合成経路が破壊される場合、該アミノ酸の高親和性捕捉が可能な株は、ALEを介して進化され得る。まず、増殖を支持するための最小濃度が確立されるまで、様々な濃度の栄養要求性アミノ酸中で株を増殖させる。次いで、該株をその濃度で継代し、規則的な間隔で希釈して漸減アミノ酸濃度にする。時間が経つにつれて、アミノ酸について−増殖制限濃度で−最も競争力の高い細胞が集団を支配するようになる。これらの株は、必須の制限アミノ酸を取り込む能力の増大をもたらす、それらのアミノ酸−トランスポーターにおける突然変異を有する可能性が高いであろう。
同様に、アミノ酸を形成するために上流代謝産物を使用することができない栄養要求株を使用することによって、上流代謝産物をより効率的に取り込むことができるだけでなく、代謝産物を必須の下流代謝産物に変換することもできる株を進化させることができる。これらの株はまた、上流代謝産物の取り込みを増加させるために突然変異を進化させ得るが、下流酵素の発現または反応速度を増加させるか、または競合的基質利用経路を減少させる突然変異も含み得る。
先の例では、突然変異栄養要求性によって微生物に固有の代謝産物を必須とし、内因性代謝産物の増殖制限性補給と共にセレクションを適用した。しかし、非天然化合物を消費することができる表現型を、それらの消費を必須化合物の産生に結びつけることにより、進化させることができる。例えば、必須化合物または必須化合物の前駆体を産生することができる異なる生物からの遺伝子を単離した場合、この遺伝子を異種宿主に組換え導入し、その異種宿主において発現させることができる。この新たな宿主株には、以前は代謝できなかった基質から必須栄養素を合成する能力が今ではあることになる。これにより、直ぐ下流の代謝産物を変換することができない栄養要求株を作製し、組換え酵素の同時発現とともに増殖制限量の非天然化合物中でセレクションすることにより、同様のALEプロセスを適用することができる。この結果、非天然基質の輸送、異種酵素の発現および活性、ならびに下流の天然酵素の発現および活性における突然変異が生じることになる。強調すべきは、このプロセスにおける重要な要件が、非天然代謝産物の消費を増殖に必須の代謝産物の産生に結びつける能力であることである。
選択機構の基礎を確立し、最小補給レベルを確定したら、実際のALE実験に取りかかることができる。このプロセスを通して、いくつかのパラメータを注意深くモニターしなければならない。重要なのは、培養物を指数増殖期で維持し、飽和/静止期に到達させないことである。これは、各継代の間に増殖速度をチェックし、その後の希釈をそれに応じて調節しなければならないことを意味する。希釈が大きくなる程度にまで増殖速度が向上する場合、増殖速度が遅くなるように、選択圧が高くなるように、そして継代中に亜集団を大きく偏らせるほど希釈が厳しくないように、栄養要求性補給の濃度を減少させるべきである。さらに、規則的な間隔で細胞を希釈し、固体培地上で増殖させ、個々のクローンを試験して、ALE培養物において観察される増殖速度表現型を確認すべきである。
ALE実験をいつ停止するかを予測するにも、注意が必要である。進化を方向づけることの成功は、実験を通して「スクリーニングされた」突然変異の数に直接関係しており、突然変異は、一般に、DNA複製中のエラーの関数であるので、累積細胞分裂(CCD)は、スクリーニングされた全突然変異体のプロキシ(proxy)として作用する。以前の研究により、異なる炭素源上での増殖に有益な表現型を、約1011.2 CCDで単離することができることが示されている。この速度は、DNA複製エラーの増加を引き起こすN−メチル−N−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)などの化学的突然変異原の培地への添加により、加速させることができる。しかし、連続継代の結果、増殖速度の向上がほとんどまたは全くなくなると、集団は、ある適応度最大値に収束し、ALE実験を停止することができる。
ALE実験の終わりに、細胞を希釈し、固体培地上で単離し、培養フラスコのものにマッチする増殖表現型についてアッセイするべきである。次いで、選択されたものから最も性能のよいものがゲノムDNA用に調製され、全ゲノム配列決定に送られる。配列決定は、向上した表現型をもたらすことができるゲノムの周囲に存在する突然変異を明らかにすることになるが、サイレント突然変異(恩恵をもたらさないが、所望の表現型を損なわないもの)も含有することになる。NTGまたは他の化学的突然変異原の存在下で進化させた培養物には、それよりサイレント性が有意に高いバックグラウンド突然変異が存在することになる。その現状で最も性能の良い株に納得がいけば、使用者は、その株での応用に進むことができる。そうでなければ、ゲノム操作技術により親株に突然変異を再導入することにより、進化株から寄与突然変異をデコンボリュートすることができる。例えば、Lee,D.−H.、Feist,A.M.、Barrett,C.L.およびPalsson,B.OE.、Cumulative Number of Cell Divisions as a Meaningful Timescale for Adaptive Laboratory Evolution of Escherichia coli.、PLoS ONE 6、e26172(2011年)を参照されたい。
(代謝産物の輸送)
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、トランスポーターをコードする遺伝子をさらに含む。トランスポーターは、細胞内へのフェニルアラニン輸送を増強するために、本発明の遺伝子操作された細菌において発現または改変され得る。そのようなトランスポーターの非限定的な例は、係属中の国際特許出願PCT/US2016/032565に記載されており、その全内容は参照により本明細書に援用される。
そのようなトランスポーターは、代謝産物を細菌細胞に輸送することができる膜輸送タンパク質である。いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子改変された細菌におけるトランスポーターをコードする遺伝子は、改変されていない。いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、トランスポーター遺伝子の複数のコピーを含む。いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、非天然トランスポーター遺伝子の複数のコピーを含む。いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、その天然プロモーター、誘導性プロモーター、天然プロモーターよりも強力なプロモーター(例えば、GlnRSプロモーターまたはP(Bla)プロモーター)、または構成的プロモーターによって制御されるトランスポーター遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、プロモーターは、製造中の条件下または他のin vitro条件下で誘導される。いくつかの実施形態では、トランスポーター遺伝子の発現は、1つ以上のエフェクター分子をコードする遺伝子の発現を制御するプロモーターとは別のプロモーターによって制御される。いくつかの実施形態では、トランスポーター遺伝子の発現は、1つ以上のエフェクター分子の発現を制御するのと同じプロモーターによって制御される。いくつかの実施形態では、トランスポーター遺伝子および1つ以上のエフェクター分子は、プロモーター領域から分岐して転写される。
いくつかの実施形態では、天然のトランスポーター遺伝子を突然変異誘発し、輸送の増加を示す突然変異体を選択し、突然変異誘発されたトランスポーター遺伝子を単離し、遺伝子操作された細菌に挿入する(例えば、Piら、1996年;Piら、1998年を参照)。
いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、同じ条件下の同じ亜型の非改変細菌と比較して、血中フェニルアラニンを少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約30倍、少なくとも約40倍、または少なくとも約50倍低減させるために、哺乳動物の消化管の低酸素環境などの外因性環境条件下でPALを産生する。いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、哺乳動物の消化管の低酸素環境などの外因性環境条件下でPALを産生し、同じ条件下の同じ亜型の非改変細菌と比較して、尿中の馬尿酸を少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約30倍、少なくとも約40倍、または少なくとも約50倍増加させる。特定の非改変細菌は、感知できるレベルのフェニルアラニンの馬尿酸へのプロセシングを有さないであろう。これらの細菌の遺伝子改変型を使用した実施形態では、フェニルアラニンのPAL媒介性プロセシングは外因性環境条件下で感知できる。
いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、in vitroの細菌培養条件下などの外因性環境条件下でPALを産生し、同じ条件下の同じ亜型の非改変細菌と比較して、培地中のトランス−ケイ皮酸を少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約30倍、少なくとも約40倍、または少なくとも約50倍増加させる。フェニルアラニンは当該分野において公知の方法、例えば、血液サンプリングおよび質量分析によって測定され得る。いくつかの実施形態では、ケイ皮酸はPAL活性を評価するために、当該分野において公知の方法によって測定される。ケイ皮酸産生はフェニルアラニン分解と直接的に相関し、いくつかの実施形態では、ケイ皮酸は、株活性についての代替のバイオマーカーとして使用され得る(図16B)。ケイ皮酸は肝酵素によって馬尿酸にさらに分解され得、両方は実施例24〜26に記載されるように測定され得る。本明細書に示されるように、in vivoにおいてTCAは速やかに馬尿酸に変化され、その後馬尿酸が尿中に蓄積される。したがって、血液中および特に尿中の馬尿酸は、in vivoにおけるフェニルアラニン分解の遥かに優れたバイオマーカーであり得る。いくつかの実施形態では、PAL発現は当該分野において公知の方法、例えば血中のフェニルアラニンレベルの測定によって測定される。馬尿酸は、本明細書の実施例に記載の方法、および当該分野おいて公知の方法で測定され得る。
いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、同じ条件下の同じ亜型の非改変細菌と比較して、血中フェニルアラニンを少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約30倍、少なくとも約40倍、または少なくとも約50倍低減させるためにLAADを産生する。特定の非組換え細菌は、感知できるレベルのフェニルアラニンプロセシングを有さない。これらの細菌の遺伝子改変型を使用した実施形態では、フェニルアラニンのLAAD媒介性プロセシングは外因性環境条件下で感知できる。フェニルアラニンは当該分野において公知の方法、例えば、血液サンプリングおよび質量分析によって測定され得る。LAADにより生成した分解産物であるピルビン酸およびフェニルピルビン酸は、実施例24〜26に記載されるように質量分析を使用して測定され得、LAAD活性のさらなる読み出し情報として使用され得る。
いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、in vivoまたはin vitroの細菌培養条件下などの外因性環境条件下で、2以上のPME、例えばPAL、PAH、および/またはLAADを産生し、同じ条件下の同じ亜型の非改変細菌と比較して、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約30倍、少なくとも約40倍、または少なくとも約50倍、血中のフェニルアラニンを減少および/または培地中のトランス−ケイ皮酸を増加させる。これらの実施形態のいずれにおいても、細菌は、1つ以上のPheトランスポーターポリペプチドをコードする遺伝子配列をさらに含み得る。
いくつかの実施形態では、1つ以上のPME、例えば、PAL、LAAD、および/またはPAHは、低コピープラスミド上で発現される。
いくつかの実施形態では、1つ以上のトランスポーターをコードする遺伝子はプラスミド上または染色体に位置し、発現は本明細書に開示されるプロモーターのいずれかによって調節され得る。
他の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、in vivo投与で直接的または間接的に誘導される1つ以上のトランスポーターをコードし、例えば、外因性in vivo環境(例えば、消化管)における条件または特定の分子もしくは代謝産物に応答する誘導性プロモーターの制御下で発現される。いくつかの実施形態では、プロモーターは、消化管特異的な分子または低酸素条件によって誘導される。いくつかの実施形態では、細菌株は、化学的および/または栄養性誘導物質と組み合わせて投与される。
いくつかの実施形態では、1つ以上のPME、例えば、PAL、LAAD、および/またはPAHは、高コピープラスミド上で発現される。いくつかの実施形態では、高コピープラスミドは、PME、例えば、PAL、LAAD、および/またはPAHの発現を増加させ、それによりフェニルアラニンの代謝を増加させ、高フェニルアラニン血症を軽減するのに有用であり得る。いくつかの実施形態では、高コピープラスミド上で発現されるPME(例えば、PAL、LAAD、および/またはPAH)を含む遺伝子操作された細菌は、異種phePおよび天然phePの追加コピーの非存在下で、低コピープラスミド上で発現される同じPME(例えば、PAL、LAAD、および/またはPAH)を含む遺伝子操作された細菌と比較して、フェニルアラニン代謝を増加させないか、またはフェニルアラニンレベルを減少させない。高コピープラスミドおよび低コピープラスミド上に同じPME遺伝子(例えば、PAL、LAAD、および/またはPAH遺伝子)を含む遺伝子操作された細菌が生成された。例えば、高コピープラスミドおよび低コピープラスミド上のPAL1またはPAL3のいずれかが生成され、それぞれがフェニルアラニンを代謝し、同様のレベルに減少させた(図15)。したがって、いくつかの実施形態では、フェニルアラニン代謝の律速段階は、フェニルアラニンの利用可能性である(例えば、図16を参照)。これらの実施形態では、細胞内へのフェニルアラニン輸送を増加させ、それによりフェニルアラニン代謝を増強することが有利であり得る。phePと組み合わせることで、低コピーのPALプラスミドでも、試験サンプルからPheをほぼ完全に排除することができる(例えば、図16Aを参照)。さらに、phePを組み込んでいるいくつかの実施形態では、高フェニルアラニン代謝を維持しながらPAL発現の安定性を向上させ、形質転換した細菌上の負の選択圧を低減させるために、併用して低コピーPAL発現プラスミドを使用することがさらに有益であり得る。代替の実施形態では、フェニルアラニントランスポーターは、高コピープラスミドと組み合わせて使用される。
いくつかの実施形態では、トランスポーターは、フェニルアラニン分解を増加させない場合がある。例えば、プロテウス・ミラビリスLAADは細胞膜に局在し、酵素触媒作用はペリプラズムで発生する。フェニルアラニンは、トランスポーターを必要とせずに外膜を容易に横切ることができる。したがって、遺伝子操作された細菌がLAADを発現する実施形態では、トランスポーターは、フェニルアラニン代謝を必要としなくてもよいか、または改善しなくてもよい。
いくつかの実施形態では、PME(複数可)、例えば、PAL、LAAD、および/またはPAH遺伝子は染色体上で発現される。いくつかの実施形態では、染色体からの発現は、PMEの発現の安定性を増加させるのに有用であり得る。いくつかの実施形態では、PME遺伝子、例えば、PAL、LAAD、および/またはPAH遺伝子は、遺伝子操作された細菌における1つ以上の組み込み部位において細菌染色体に組み込まれる。いくつかの実施形態では、PME遺伝子、例えば、PAL、LAAD、および/またはPAH遺伝子は、大腸菌Nissleにおける以下の挿入部位:malE/K、insB/I、araC/BAD、lacZ、agal/rsml、thyA、およびmalP/Tのうちの1つ以上において細菌ゲノムに挿入される。任意の適切な挿入部位を使用してよい(例えば、参照によりその内容の全体が本明細書に援用されるWO2017087580の図66を参照のこと)。挿入部位は、ゲノム内のどこにあってもよく、例えば、(栄養要求株を作製するために)thyAなどの生存および/もしくは増殖に必要とされる遺伝子内、ゲノム複製部位付近などのゲノムの活性領域内、ならびに/またはアラビノースオペロンのAraBとAraCとの間などの意図しない転写のリスクを低減させるための分岐プロモーターの間にあってよい。いくつかの実施形態では、PME遺伝子、例えば、PAL、PAH、および/またはLAADの1個より多いコピー、例えば、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個またはそれより多いコピーが、遺伝子操作された細菌における1つ以上の組み込み部位において細菌染色体に組み込まれる。PME遺伝子の1個より多いコピーは、同じPME遺伝子の1個より多いコピー、または異なるPME遺伝子の1個より多いコピーであり得る。
例示的な構築物は以下の表4〜13に示される。表4は、染色体への挿入のためのPhePおよびFNRプロモーター配列をコードする遺伝子を含む例示的な構築物の配列(配列番号21B)を示し、pheP配列には下線が引いてあり、FNRプロモーター配列は太字である。表5は、高コピープラスミド上のPAL1およびFNRプロモーター配列をコードする遺伝子を含む例示的な構築物の配列(配列番号22B)を示し、PAL1配列には下線が引いてあり、FNRプロモーター配列は太字である。表6は、高コピープラスミド上のPAL3およびFNRプロモーター配列をコードする遺伝子を含む例示的な構築物の配列(配列番号23B)を示し、PAL3配列には下線が引いてあり、FNRプロモーター配列は太字である。表7は、高コピープラスミド上のPAL1およびTetプロモーター配列をコードする遺伝子を含む例示的な構築物の配列(配列番号24B)を示し、PAL1配列には下線が引いてあり、Tetプロモーター配列は太字である。表8は、高コピープラスミド上のPAL3およびTetプロモーター配列をコードする遺伝子を含む例示的な構築物の配列(配列番号25B)を示し、PAL3配列には下線が引いてあり、Tetプロモーター配列は太字である。表9は、低コピープラスミド上のPAL1およびFNRプロモーター配列をコードする遺伝子を含む例示的な構築物の配列(配列番号26B)を示し、PAL1配列には下線が引いてあり、FNRプロモーター配列は太字である。表10は、低コピープラスミド上のPAL3およびFNRプロモーター配列をコードする遺伝子を含む例示的な構築物の配列(配列番号27B)を示し、PAL3配列には下線が引いてあり、FNRプロモーター配列は太字である。表11は、低コピープラスミド上のPAL1およびTetプロモーター配列をコードする遺伝子を含む例示的な構築物の配列(配列番号28B)を示し、PAL1配列には下線が引いてあり、Tetプロモーター配列は太字である。表12は、低コピープラスミド上のPAL3およびTetプロモーター配列をコードする遺伝子を含む例示的な構築物の配列(配列番号29B)を示し、PAL3配列には下線が引いてあり、Tetプロモーター配列は太字である。表13は、phePをコードする遺伝子、TetRをコードする遺伝子、および染色体への挿入のためのTetプロモーター配列を含む例示的な構築物の配列(配列番号30B)を示し、pheP配列には下線が引いてあり、TetR配列は四角で囲い、FNRプロモーター配列は太字である。
[表4]
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[表5]
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[表6]
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[表7]
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[表8]
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[表9]
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[表10]
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[表11]
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[表12]
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[表13]
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いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号21B〜30Bのいずれかの1つ以上の配列を含む遺伝子配列を含有する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号21B〜30Bの配列のうちのいずれかと少なくとも75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を有する1つ以上の配列を含む遺伝子配列を含有する。
本明細書中に記載される実施形態のいずれかにおいて、1つ以上のPMEをコードする1つ以上の遺伝子を含む遺伝子操作された細菌は、1つ以上の内因性バクテリオファージゲノムをさらに含む。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、バクテリオファージゲノム内の1つ以上の遺伝子において突然変異されている。このような突然変異は、欠失、挿入、置換および逆位を含み、1つ以上のバクテリオファージ遺伝子内に位置し得るか、または1つ以上のバクテリオファージ遺伝子を包含し得る。
一実施形態では、大腸菌Nissleが、1つ以上のPMEを含む遺伝子操作された細菌の出発点、親株、または「シャシー(chassis)」として使用される。一実施形態では、改変されたバクテリオファージは、その自然状態で大腸菌Nissleに対して内因性であるファージである。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つ以上の大腸菌Nissleバクテリオファージ、例えば、ファージ1、ファージ2、およびファージ3を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ファージ3における1つ以上の突然変異を含む。そのような突然変異には、欠失、挿入、置換および逆位が含まれ、1つ以上のファージ3遺伝子内に位置するか、または1つ以上のファージ3遺伝子を包含する。いくつかの実施形態では、挿入は抗生物質カセットを含む。前述の実施形態のいくつかでは、突然変異は欠失である。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ECOLIN_09965、ECOLIN_09970、ECOLIN_09975、ECOLIN_09980、ECOLIN_09985、ECOLIN_09990、ECOLIN_09995、ECOLIN_10000、ECOLIN_10005、ECOLIN_10010、ECOLIN_10015、ECOLIN_10020、ECOLIN_10025、ECOLIN_10030、ECOLIN_10035、ECOLIN_10040、ECOLIN_10045、ECOLIN_10050、ECOLIN_10055、ECOLIN_10065、ECOLIN_10070、ECOLIN_10075、ECOLIN_10080、ECOLIN_10085、ECOLIN_10090、ECOLIN_10095、ECOLIN_10100、ECOLIN_10105、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、ECOLIN_10175、ECOLIN_10180、ECOLIN_10185、ECOLIN_10190、ECOLIN_10195、ECOLIN_10200、ECOLIN_10205、ECOLIN_10210、ECOLIN_10220、ECOLIN_10225、ECOLIN_10230、ECOLIN_10235、ECOLIN_10240、ECOLIN_10245、ECOLIN_10250、ECOLIN_10255、ECOLIN_10260、ECOLIN_10265、ECOLIN_10270、ECOLIN_10275、ECOLIN_10280、ECOLIN_10290、ECOLIN_10295、ECOLIN_10300、ECOLIN_10305、ECOLIN_10310、ECOLIN_10315、ECOLIN_10320、ECOLIN_10325、ECOLIN_10330、ECOLIN_10335、ECOLIN_10340、およびECOLIN_10345から選択される1つ以上の遺伝子内に位置する1つ以上の欠失を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175のうちの1つ以上の完全なまたは部分的な欠失を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つ以上のECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170、ならびにECOLIN_10175の完全なまたは部分的な欠失を含む。特定の一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170の完全な欠失、ならびにECOLIN_10175の部分的な欠失である。一実施形態では、配列番号130の配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、配列番号130を含む配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281を含む改変されたファージゲノム配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281からなる改変されたファージゲノム配列を含む。
(酸素消費酵素)
LAADの触媒活性は酸素に依存し、従って、腸(例えば、結腸)内の嫌気性および/または低酸素環境において活性でないかもしれない。酸素は、胃腸管のより近位の区画に存在する。
健康なマウスで測定した酸素圧を表17Aに示す。」参照によりその全内容が本明細書に援用される、Heら、Proc Natl Acad Sci USA.1999年4月13日;96(8):4586−91頁;“Noninvasive measurement of anatomic structure and intraluminal oxygenation in the gastrointestinal tract of living mice with spatial and spectral EPR imaging”。近位から遠位の胃腸管への顕著な酸素勾配。Heによって指摘されたように、胃腸管に沿って観察される酸素勾配は、プロセスの組合せによって説明することができる。理論に束縛されることを望むものではないが、食物は嚥下されると、最初に周囲の室内空気の酸素圧と平衡化される。胃およびその後の小腸への通過時に、酸素が粘膜メンブランを横切って拡散するにつれて、酸素レベルは低下し得る。毛細管レベルの酸素(すなわち、5〜10torr;参考文献9)と徐々に平衡化するプロセスが起こり得る。細菌コロニー形成が激しい結腸への通過時に、酸素化のさらなる減少が生じる。最後に、遠位結腸の内腔は、この部位の嫌気性細菌の量に基づいて予想される通り、顕著な低酸素状態を示す。
[表17A]胃腸管区画における酸素圧
Figure 2020525012
図25Bに示すように、LAAD活性は好気性条件下よりも低いレベルではあるが、微好気性条件下で保持される(図25Aおよび図25B)。したがって、LAADは、胃、十二指腸、空腸、および回腸などの腸のより近位の領域において活性であり得る。本開示の一部として、遺伝子操作された細菌によって発現されるLAADは、有利にはPALとは異なる区画において活性であり得、FNRプロモーターの制御下にある場合、結腸において発現され得ることが意図される。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は2つの酵素を発現し、これらは異なる酸素要求性を有し、かつ/または異なる酸素条件下で誘導され、その結果、PMEは胃腸系全体にわたって発現されて活性である。例えば、酸素の存在に依存する第1の酵素(例えば、LAAD)は、構成的または誘導性プロモーター(例えば、ParaBAD)の制御下で、胃、十二指腸および回腸の1つ以上において発現され、第2の酵素(例えば、PAL)は、FNRプロモーターの制御下で、結腸において発現される。いくつかの実施形態では、PALは、例えばFNRプロモーター、構成的プロモーターまたは本明細書中に記載される別の誘導性プロモーターの制御下で、小腸において見出される条件下で発現される。いくつかの実施形態では、PALおよび/またはLAADは、in vivo投与前にプレ誘導され、腸の近位部分において発現されて活性である。いくつかの実施形態では、PALおよび/またはLAADは、in vivo投与前に(本明細書に記載されるように、好気的もしくは嫌気的に、または化学的および/もしくは栄養性誘導物質有りまたは無しで)プレ誘導され、腸の遠位部分において発現されて活性である。
酸素制限条件下でLAAD活性をさらに増加させるために、いくつかの戦略を用いることができる。例えば、大量の酸素を消費する他の酵素の活性を低下または消滅させることができる。そのような酵素の1つは、NADHデヒドロゲナーゼである。大腸菌は2つのNADHデヒドロゲナーゼ、nuoおよびndh2を有し、これらの酵素の両方のノックアウトが酸素消費を80%減少させることが示されている。いくつかの実施形態では、制限酸素を保存するために、すなわち、LAADを発現する遺伝子操作された細菌において、より低い外因性酸素条件下でLAADが機能することを可能にするために、さらなる手段が講じられる。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、酸素消費に関与する1つ以上の遺伝子における突然変異をさらに含む。いくつかの実施形態では、大腸菌NADHデヒドロゲナーゼの一方または両方がノックアウトされる。いくつかの実施形態では、ノックアウトされたNADHデヒドロゲナーゼはnuoである。いくつかの実施形態では、ノックアウトされたNADHデヒドロゲナーゼはndh2である。いくつかの実施形態では、nuoおよびndh2がノックアウトされる。cydB(高親和性ターミナルオキシダーゼのサブユニット)、cydD(チトクロームDを作るのに必要な酵素)、およびcyoABC(低親和性チトクロームオキシダーゼのサブユニット)などの呼吸鎖中の酵素を含む、大腸菌の酸素代謝に関与する他の酵素もノックアウトされ得る。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、cydB、cydD、およびcyoABCから選択される1つ以上の遺伝子におけるノックアウト突然変異/欠失を保有する。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌によってコードされる1つ以上のPMEは、胃内で発現されて活性を示す。一実施形態では、遺伝子操作された細菌によってコードされる1つ以上のPMEは、十二指腸において発現されて活性を示す。一実施形態では、遺伝子操作された細菌によってコードされる1つ以上のPMEは、空腸において発現されて活性を示す。一実施形態では、遺伝子操作された細菌によってコードされる1つ以上のPMEは、回腸において発現されて活性を示す。一実施形態では、遺伝子操作された細菌によってコードされる1つ以上のPMEは、結腸において発現されて活性を示す。
(フェニルアラニン輸送)
細菌がPMEをコードする遺伝子を含むいくつかの実施形態では、細菌は、フェニルアラニントランスポーターをコードする遺伝子をさらに含み得る。フェニルアラニントランスポーターは、細胞内へのフェニルアラニン輸送を増強するために、本発明の遺伝子操作された細菌において発現または改変され得る。
PhePは、細菌細胞にフェニルアラニンを輸送できる膜輸送タンパク質である(例えば、Piら、1991年を参照のこと)。いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子組換え細菌における天然のpheP遺伝子は改変されていない。いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、天然のpheP遺伝子の複数のコピーを含む。いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、非天然のpheP遺伝子の複数のコピーを含む。いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、その天然プロモーター、誘導性プロモーター、天然プロモーターより強力なプロモーター(例えばGlnRSプロモーターまたはP(Bla)プロモーター)、または構成的プロモーターによって制御されるpheP遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、pheP遺伝子の発現は、フェニルアラニン代謝酵素および/または転写調節因子をコードする遺伝子の発現を制御するプロモーターとは異なるプロモーターによって制御される。いくつかの実施形態では、pheP遺伝子の発現は、フェニルアラニン代謝酵素および/または転写調節因子の発現を制御するのと同じプロモーターによって制御される。いくつかの実施形態では、pheP遺伝子およびフェニルアラニン代謝酵素および/または転写調節因子は、プロモーター領域から分岐して転写される。いくつかの実施形態では、PheP、フェニルアラニン代謝酵素、および転写調節因子をコードする遺伝子のそれぞれの発現は、異なるプロモーターによって制御される。いくつかの実施形態では、PheP、フェニルアラニン代謝酵素、および転写調節因子をコードする遺伝子の発現は、同じプロモーターによって制御される。
いくつかの実施形態では、遺伝子改変された細菌における天然pheP遺伝子は改変されておらず、天然pheP遺伝子の1つ以上の追加コピーが、PALの発現を制御するのと同じ誘導性プロモーター(例えば、FNRプロモーター)、またはPALの発現を制御するものとは異なる誘導性プロモーター、または構成的プロモーターの制御下でゲノム中に挿入される。代替の実施形態では、天然pheP遺伝子は改変されておらず、異なる細菌種由来の非天然pheP遺伝子のコピーが、PALの発現を制御するのと同じ誘導性プロモーター(例えば、FNRプロモーター)、またはPALの発現を制御するものとは異なる誘導性プロモーター、または構成的プロモーターの制御下でゲノムに挿入される。
いくつかの実施形態では、遺伝子改変された細菌における天然pheP遺伝子は改変されておらず、天然pheP遺伝子の1つ以上の追加コピーが、PALの発現を制御するのと同じ誘導性プロモーター(例えば、FNRプロモーター)、またはPMEの発現を制御するものとは異なる誘導性プロモーター、または構成的プロモーターの制御下で細菌中のプラスミド上に存在する。代替の実施形態では、天然pheP遺伝子は改変されておらず、異なる細菌種由来の非天然pheP遺伝子のコピーが、PALの発現を制御するのと同じ誘導性プロモーター(例えば、FNRプロモーター)、またはPALの発現を制御するものとは異なる誘導性プロモーター、または構成的プロモーターの制御下で細菌中のプラスミド上に存在する。
いくつかの実施形態では、天然pheP遺伝子を突然変異誘発し、フェニルアラニン輸送の増加を示す突然変異体を選択し、突然変異誘発されたpheP。本明細書に記載のフェニルアラニントランスポーターの改変は、プラスミドまたは染色体上に存在し得る。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は大腸菌Nissleであり、大腸菌Nissleにおける天然pheP遺伝子は改変されていない;天然の大腸菌NissleのpheP遺伝子の1つ以上の追加コピーが、PALの発現を制御するのと同じ誘導性プロモーター(例えば、FNRプロモーター)、またはPALの発現を制御するプロモーターと異なる誘導性プロモーター、または構成的プロモーターの制御下で大腸菌Nissleゲノム内に挿入される。代替の実施形態では、大腸菌Nissleにおける天然pheP遺伝子は改変されておらず、異なる細菌由来の非天然pheP遺伝子のコピーが、PALの発現を制御するのと同じ誘導性プロモーター(例えば、FNRプロモーター)、またはPALの発現を制御するプロモーターと異なる誘導性プロモーター、または構成的プロモーターの制御下で大腸菌Nissleゲノム内に挿入される。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は大腸菌Nissleであり、大腸菌Nissleにおける天然pheP遺伝子は改変されておらず、天然の大腸菌NissleのpheP遺伝子の1つ以上の追加コピーは、PALの発現を制御する同じ誘導性プロモーター(例えば、FNRプロモーター)、またはPALの発現を制御するプロモーターと異なる誘導性プロモーター、または構成的プロモーターの制御下で細菌中のプラスミド上に存在する。代替の実施形態では、大腸菌Nissleにおける天然pheP遺伝子は改変されておらず、異なる細菌由来の非天然pheP遺伝子のコピーが、PALの発現を制御するのと同じ誘導性プロモーター(例えば、FNRプロモーター)、またはPALの発現を制御するプロモーターと異なる誘導性プロモーター、または構成的プロモーターの制御下で細菌中のプラスミド上に存在する。
他の実施形態では、1つ以上のPheトランスポーターをコードする遺伝子がプラスミド上または染色体に位置し得、遺伝子発現は、PME遺伝子を調節するプロモーターと同じであっても異なってもよい、本明細書に開示されるプロモーターのいずれかによって調節され得る。
大腸菌(Escherichia coli)は、芳香族アミノ酸の蓄積のために5つの異なる輸送系(AroP、Mtr、PheP、TnaB、およびTyrP)を有することが報告されている。aroP遺伝子によってコードされる一般的なアミノ酸パーミアーゼは、フェニルアラニンを含む3つの芳香族アミノ酸を高親和性で輸送し、PhePと一緒に、フェニルアラニン取り込みの最大の部分を担うと考えられている。さらに、低レベルのフェニルアラニンの蓄積が芳香族アミノ酸トランスポーター欠損大腸菌株(ΔaroPΔpheΔmtrΔtnaΔtyrP)において観察され、LIV‐I/LS系の活性まで追跡され、そのLIV‐I/LS系は、2つのペリプラズム結合タンパク質である、LIV結合タンパク質(LIV‐I系)およびLS結合タンパク質(LS系)、ならびに膜成分であるLivHMGFからなる分枝鎖アミノ酸トランスポーターである(Koyanagiら、およびその中の参考文献;Identification of the LIV−I/LS System as the Third Phenylalanine Transporter in Escherichia coli K−12)。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌はaroP遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は大腸菌Nissleであり、大腸菌Nissleにおける天然aroP遺伝子は改変されておらず、天然の大腸菌NissleのaroP遺伝子の1つ以上の追加コピーが、PMEの発現を制御するのと同じ誘導性プロモーター(例えばFNRプロモーター、またはaraBADプロモーター)、PMEの発現を制御するものとは異なる誘導性プロモーター、または構成的プロモーターの制御下で細菌中のプラスミド上または染色体内に存在する。代替の実施形態では、大腸菌Nissleの天然aroP遺伝子は改変されておらず、異なる細菌由来の非天然aroP遺伝子のコピーが、PMEの発現を制御するのと同じ誘導性プロモーター(例えば、FNRプロモーターまたはAraBADプロモーター)、またはPMEの発現を制御するものとは異なる誘導性プロモーター、または構成的プロモーターの制御下で細菌中のプラスミド上または染色体内に存在する。
他の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じもしくは異なる誘導性または構成的プロモーターの制御下にあるAroPおよびPhePを含む。
いくつかの実施形態では、pheP遺伝子は染色体上で発現される。いくつかの実施形態では、染色体からの発現は、phePの発現の安定性を増加させるために有用であり得る。いくつかの実施形態では、pheP遺伝子は、遺伝子操作された細菌における1つ以上の組み込み部位において細菌染色体に組み込まれる。いくつかの実施形態では、pheP遺伝子は、大腸菌Nissleにおける以下の挿入部位:malE/K、insB/I、araC/BAD、lacZ、agal/rsml、thyA、およびmalP/Tのうちの1つ以上において細菌ゲノムに挿入される。任意の適切な挿入部位を使用してよい(例えば、参照によりその内容の全体が本明細書に援用されるWO2017087580の図66を参照のこと)。挿入部位は、ゲノムのどこにあってもよく、例えば、(栄養要求株を作り出すため)thyAなどの生存および/もしくは増殖に必要とされる遺伝子内、ゲノム複製部位付近などのゲノムの活性領域内、ならびに/またはアラビノースオペロンのAraBとAraCとの間のなどの意図しない転写のリスクを低減させるための分岐プロモーターの間にあってよい。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、in vivo投与前に直接的または間接的にプレ誘導される(例えば、in vivo投与前の株の産生中に、フラスコ、発酵槽、または他の培養容器内の細菌の培養物において提供される特定の分子または代謝産物に応答する誘導性プロモーターの制御下で発現される)1つ以上のPheトランスポーターをコードする。
他の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、in vivo投与で直接的または間接的に誘導される(例えば、外因性のin vivo環境、例えば、消化管における条件または特定の分子もしくは代謝産物に応答する誘導性プロモーターの制御下で発現される)1つ以上のPheトランスポーターをコードする。いくつかの実施形態では、プロモーターは、消化管特異的分子または低酸素条件によって誘導される。いくつかの実施形態では、細菌株は、化学物質および/または栄養性誘導物質と組合せて投与される。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、多数の作用機構および/または1つ以上の栄養要求性を含む。特定の実施形態では、細菌は、染色体上の異なる組み込み部位(例えば、malE/K、yicS/nepI、malP/T、agaI/rsmI、およびcea)に挿入された酸素レベル依存性プロモーターの制御下にあるPALの5コピー(例えば、PfnrS−PAL3)と、染色体上の異なる組み込み部位(例えば、lacZ)に挿入された酸素レベル依存性プロモーターの制御下にあるフェニルアラニントランスポーター遺伝子の1コピー(例えば、PfnrS−pheP)とを含むように遺伝子操作される。より具体的な態様では、細菌は、カナマイシン耐性遺伝子と、thyA遺伝子が欠失および/または無関係の遺伝子で置換されているthyA栄養要求性とをさらに含むように遺伝子操作される。
本明細書中に記載される実施形態のいずれかにおいて、1つ以上のフェニルアラニントランスポーターをコードする1つ以上の遺伝子を含む遺伝子操作された細菌は、1つ以上の内因性バクテリオファージをさらに含む。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、バクテリオファージゲノム内の1つ以上の遺伝子において突然変異している。そのような突然変異には、欠失、挿入、置換および逆位が含まれ、1つ以上のバクテリオファージ遺伝子内に位置するか、または1つ以上のバクテリオファージ遺伝子を包含する。
いくつかの実施形態では、pheP遺伝子の発現は、フェニルアラニン代謝酵素および/または転写調節因子をコードする遺伝子の発現を制御するプロモーターと異なるプロモーターによって制御される。いくつかの実施形態では、pheP遺伝子の発現は、フェニルアラニン代謝酵素および/または転写調節因子の発現を制御するのと同じプロモーターによって制御される。いくつかの実施形態では、pheP遺伝子ならびにフェニルアラニン代謝酵素および/または転写調節因子は、プロモーター領域から多岐に転写される。いくつかの実施形態では、PheP、フェニルアラニン代謝酵素、および転写調節因子をコードする遺伝子の各々の発現は、異なるプロモーターによって制御される。いくつかの実施形態では、PheP、フェニルアラニン代謝酵素、および転写調節因子をコードする遺伝子の発現は、同じプロモーターによって制御される。
いくつかの実施形態では、遺伝子改変された細菌における天然pheP遺伝子は改変されておらず、天然pheP遺伝子の1つ以上の追加コピーが、PALの発現を制御するのと同じ誘導性プロモーター(例えばFNRプロモーター)、またはPALの発現を制御するプロモーターと異なる誘導性プロモーター、または構成的プロモーターの制御下でゲノム内に挿入される。代替の実施形態では、天然pheP遺伝子は改変されておらず、異なる細菌種由来の非天然pheP遺伝子のコピーが、PALの発現を制御するのと同じ誘導性プロモーター(例えば、FNRプロモーター)、またはPALの発現を制御するプロモーターと異なる誘導性プロモーター、または構成的プロモーターの制御下でゲノム内に挿入される。
いくつかの実施形態では、遺伝子改変された細菌における天然pheP遺伝子は改変されておらず、天然pheP遺伝子の1つ以上の追加コピーが、PALの発現を制御するのと同じ誘導性プロモーター(例えば、FNRプロモーター)、またはPMEの発現を制御するプロモーターと異なる誘導性プロモーター、または構成的プロモーターの制御下で細菌中のプラスミド上に存在する。代替の実施形態では、天然pheP遺伝子は改変されておらず、異なる細菌種由来の非天然pheP遺伝子のコピーが、PALの発現を制御するのと同じ誘導性プロモーター(例えば、FNRプロモーター)、またはPALの発現を制御するプロモーターと異なる誘導性プロモーター、または構成的プロモーターの制御下で細菌中のプラスミド上に存在する。
いくつかの実施形態では、天然pheP遺伝子を突然変異誘発し、フェニルアラニン輸送の増加を示す突然変異体を選択し、突然変異誘発されたpheP。本明細書に記載のフェニルアラニントランスポーターの改変は、プラスミドまたは染色体上に存在し得る。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は大腸菌Nissleであり、大腸菌Nissleにおける天然pheP遺伝子は改変されていない;天然の大腸菌NissleのpheP遺伝子の1つ以上の追加コピーが、PALの発現を制御するのと同じ誘導性プロモーター(例えば、FNRプロモーター)、またはPALの発現を制御するプロモーターと異なる誘導性プロモーター、または構成的プロモーターの制御下で大腸菌Nissleゲノム内に挿入される。代替の実施形態では、大腸菌Nissleにおける天然pheP遺伝子は改変されておらず、異なる細菌由来の非天然pheP遺伝子のコピーが、PALの発現を制御するのと同じ誘導性プロモーター(例えば、FNRプロモーター)、またはPALの発現を制御するプロモーターと異なる誘導性プロモーター、または構成的プロモーターの制御下で大腸菌Nissleゲノム内に挿入される。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は大腸菌Nissleであり、大腸菌Nissleにおける天然pheP遺伝子は改変されておらず、天然の大腸菌NissleのpheP遺伝子の1つ以上の追加コピーは、PALの発現を制御する同じ誘導性プロモーター(例えば、FNRプロモーター)、またはPALの発現を制御するプロモーターと異なる誘導性プロモーター、または構成的プロモーターの制御下で細菌中のプラスミド上に存在する。代替の実施形態では、大腸菌Nissleにおける天然pheP遺伝子は改変されておらず、異なる細菌由来の非天然pheP遺伝子のコピーが、PALの発現を制御するのと同じ誘導性プロモーター(例えば、FNRプロモーター)、またはPALの発現を制御するプロモーターと異なる誘導性プロモーター、または構成的プロモーターの制御下で細菌中のプラスミド上に存在する。
他の実施形態では、1つ以上のPheトランスポーターをコードする遺伝子がプラスミド上または染色体に位置し得、遺伝子発現は、PME遺伝子を調節するプロモーターと同じであっても異なってもよい、本明細書に開示されるプロモーターのいずれかによって調節され得る。
大腸菌(Escherichia coli)は、芳香族アミノ酸の蓄積のために5つの異なる輸送系(AroP、Mtr、PheP、TnaB、およびTyrP)を有することが報告されている。aroP遺伝子によってコードされる一般的なアミノ酸パーミアーゼは、フェニルアラニンを含む3つの芳香族アミノ酸を高親和性で輸送し、PhePと一緒に、フェニルアラニン取り込みの最大の部分を担うと考えられている。さらに、低レベルのフェニルアラニンの蓄積が芳香族アミノ酸トランスポーター欠損大腸菌株(ΔaroPΔphePΔmtrΔtnaΔtyrP)において観察され、LIV−I/LS系の活性まで追跡され、そのLIV−I/LS系は、2つのペリプラズム結合タンパク質である、LIV結合タンパク質(LIV−I系)およびLS結合タンパク質(LS系)、ならびに膜成分であるLivHMGFからなる分枝鎖アミノ酸トランスポーターである(Koyanagiら、およびその中の参考文献;Identification of the LIV−I/LS System as the Third Phenylalanine Transporter in Escherichia coli K−12)。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌はaroP遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は大腸菌Nissleであり、大腸菌Nissleにおける天然aroP遺伝子は改変されておらず、天然の大腸菌NissleのaroP遺伝子の1つ以上の追加コピーが、プラスミド上または染色体中で、PMEの発現を制御するのと同じ誘導性プロモーター(例えば、FNRプロモーター、またはaraBADプロモーター)、PMEの発現を制御するプロモーターと異なる誘導性プロモーター、または構成的プロモーターの制御下で細菌中のプラスミド上または染色体内に存在する。代替の実施形態では、大腸菌Nissleにおける天然aroP遺伝子は改変されておらず、異なる細菌由来の非天然aroP遺伝子のコピーが、PMEの発現を制御するのと同じ誘導性プロモーター(例えば、FNRプロモーターまたはAraBADプロモーター)、またはPMEの発現を制御するプロモーターと異なる誘導性プロモーター、または構成的プロモーターの制御下で細菌中のプラスミド上または染色体内に存在する。
他の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、同じもしくは異なる誘導性または構成的プロモーターの制御下にあるAroPおよびPhePを含む。
いくつかの実施形態では、pheP遺伝子は染色体上で発現される。いくつかの実施形態では、染色体からの発現は、phePの発現の安定性を増加させるために有用であり得る。いくつかの実施形態では、pheP遺伝子は、遺伝子操作された細菌における1つ以上の組み込み部位において細菌染色体に組み込まれる。いくつかの実施形態では、pheP遺伝子は、大腸菌Nissleにおける以下の挿入部位:malE/K、insB/I、araC/BAD、lacZ、agal/rsml、thyA、およびmalP/Tのうちの1つ以上において細菌ゲノムに挿入される。任意の適切な挿入部位を使用してよい(例えば、参照によりその内容の全体が本明細書に援用されるWO2017087580の図66を参照のこと)。挿入部位は、ゲノムのどこにあってもよく、例えば、(栄養要求株を作り出すため)thyAなどの生存および/もしくは増殖に必要とされる遺伝子内、ゲノム複製部位付近などのゲノムの活性領域内、ならびに/またはアラビノースオペロンのAraBとAraCとの間のなどの意図しない転写のリスクを低減させるための分岐プロモーターの間にあってよい。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、in vivo投与前に直接的または間接的にプレ誘導される(例えば、in vivo投与前の株の産生中に、フラスコ、発酵槽、または他の培養容器内の細菌の培養物において提供される特定の分子または代謝産物に応答する誘導性プロモーターの制御下で発現される)1つ以上のPheトランスポーターをコードする。
他の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、in vivo投与で直接的または間接的に誘導される(例えば、外因性のin vivo環境、例えば、消化管における条件または特定の分子もしくは代謝産物に応答する誘導性プロモーターの制御下で発現される)1つ以上のPheトランスポーターをコードする。いくつかの実施形態では、プロモーターは、消化管特異的分子または低酸素条件によって誘導される。いくつかの実施形態では、細菌株は、化学的および/または栄養性誘導物質と組み合わせて投与される。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、多数の作用機構および/または1つ以上の栄養要求性を含む。特定の実施形態では、細菌は、染色体上の異なる組み込み部位(例えば、malE/K、yicS/nepI、malP/T、agaI/rsmI、およびcea)に挿入された酸素レベル依存性プロモーターの制御下にあるPALの5コピー(例えば、PfnrS−PAL3)と、染色体上の異なる組み込み部位(例えば、lacZ)に挿入された酸素レベル依存性プロモーターの制御下にあるフェニルアラニントランスポーター遺伝子の1コピー(例えば、PfnrS−pheP)とを含むように遺伝子操作される。より具体的な態様では、細菌は、カナマイシン耐性遺伝子と、thyA遺伝子が欠失および/または無関係の遺伝子で置換されているthyA栄養要求性とをさらに含むように遺伝子操作される。
本明細書中に記載される実施形態のいずれかにおいて、1つ以上のフェニルアラニントランスポーターをコードする1つ以上の遺伝子を含む遺伝子操作された細菌は、1つ以上の内因性バクテリオファージをさらに含む。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、バクテリオファージゲノム内の1つ以上の遺伝子において突然変異している。そのような突然変異には、欠失、挿入、置換および逆位が含まれ、1つ以上のバクテリオファージ遺伝子内に位置するか、または1つ以上のバクテリオファージ遺伝子を包含する。
一実施形態では、大腸菌Nissleが、遺伝子操作された細菌の出発点、親株、または「シャシー(chassis)」として使用される。一実施形態では、改変されたバクテリオファージは、その天然の状態で大腸菌Nissleに対して内因性であるファージである。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つ以上の大腸菌Nissleバクテリオファージ(例えば、ファージ1、ファージ2、およびファージ3)を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ファージ3における1つ以上の突然変異を含む。そのような突然変異には、欠失、挿入、置換および逆位が含まれ、1つ以上のファージ3遺伝子内に位置するか、または1つ以上のファージ3遺伝子を包含する。いくつかの実施形態では、挿入は抗生物質カセットを含む。いくつかの実施形態では、突然変異は欠失である。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は1つ以上の欠失を含む。
(多数の作用機構)
本開示のいくつかの実施形態では、EcNのゲノムに対する改変は、ジアミノピメリン酸栄養要求性を介して生物学的封じ込めを増強しながら、消化管内に見出される低酸素条件下でのフェニルアラニン分解を増強するために行われた。これらの遺伝子操作された細菌は、内因性EcNファージ3に対する1つ以上の改変をさらに含む。
いくつかの実施形態では、細菌が多数の作用機構(MoA)、例えば、同じ産物の複数のコピーを産生する回路(例えば、コピー数を増強するため)、または複数の異なった機能を実行する回路を含むように遺伝子操作される。挿入部位の例としてはmalE/K、yicS/nepI、insB/I、araC/BAD、lacZ、agal/rsml、thyA、malP/T、dapA、およびcea、ならびにWO2017087580の図66に示されるその他のものが挙げられるが、これらに限定されず、その全内容は参照により本明細書に援用される。例えば、遺伝子操作された細菌は4つの異なった挿入部位、例えば、malE/K、insB/I、araC/BAD、およびlacZに挿入されたペイロードの4つのコピーを含むことができる。遺伝子操作された細菌はまた、4つの異なる挿入部位(例えば、malE/K、yicS/nepI、agaI/rsmI、およびcea)に挿入された同一または異なるペイロードの4つのコピー、ならびに異なる挿入部位(例えば、lacZ)に挿入された第3の同一または異なる遺伝子の1つのコピーを含み得る(WO2017087580の図13Bを参照。その全内容は参照により本明細書に援用される)。あるいは、遺伝子操作された細菌が3つの異なった挿入部位(例えば、malE/K、insB/I、およびlacZ)に挿入されたペイロードの3つのコピーを含み得る。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件下、疾患または組織特異的な分子または代謝産物の存在下、炎症または炎症反応または免疫抑制に関連する分子または代謝産物の存在下、肝臓障害の存在下、代謝疾患の存在下、またはアラビノースなどの消化管または腫瘍微小環境中に存在しても存在しなくてもよい何らかの他の代謝産物の存在下で、記載された回路のいずれか1つ以上を発現することができる。いくつかの実施形態では、記載される回路のいずれか1つ以上が1つ以上のプラスミド(例えば、高コピーまたは低コピー)上に存在するか、または細菌染色体中の1つ以上の部位に組み込まれる。また、いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌がさらに、記載された回路のうちの任意の1つ以上を発現することができ、以下のうちの1つ以上をさらに含む:(1)当技術分野で公知であり、本明細書で提供される任意の栄養要求性、例えば、thyA栄養要求性などの1つ以上の栄養要求性、(2)本明細書に記載されるかまたは当技術分野で公知の任意の死滅スイッチなどの1つ以上の死滅スイッチ回路、(3)1つ以上の抗生物質耐性回路、(4)本明細書に記載されるかまたは当技術分野で公知の任意のトランスポーターなど、生物学的分子または基質を取り込むための1つ以上のトランスポーター、(5)本明細書に記載され、当技術分野で公知の任意の分泌回路などの1つ以上の分泌回路、および(6)そのような追加の回路のうちの1つ以上の組合せ。
いくつかの実施形態では、ペイロードを産生するための遺伝子配列が発現される条件下で、細菌は同じ条件下における同じ亜型の非改変細菌と比較して、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約30倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約200倍、少なくとも約300倍、少なくとも約400倍、少なくとも約500倍、少なくとも約600倍、少なくとも約700倍、少なくとも約800倍、少なくとも約900倍、少なくとも約1,000倍、または少なくとも約1,500倍高いレベルでエフェクターを産生するかまたは基質を代謝する。
これらの実施形態のいずれかにおいて、遺伝子操作された細菌は、内因性ファージゲノムに対する1つ以上の突然変異または改変をさらに含む。いくつかの実施形態では、突然変異がファージゲノム内の欠失、挿入、置換または逆位である。いくつかの実施形態では、突然変異は欠失である。いくつかの実施形態では、欠失が1つ以上のファージ遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、ファージ遺伝子は部分的に欠失している。いくつかの実施形態では、突然変異は挿入である。いくつかの実施形態では、挿入が本明細書に記載されるような抗生物質カセットを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の遺伝子が置換される。いくつかの実施形態では、置換が抗生物質カセットを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のファージ遺伝子が逆位している。いくつかの実施形態では、部分または1つ以上のファージ遺伝子が逆位している。
一実施形態では、本明細書中に記載される大腸菌Nissle細菌は、大腸菌Nissleファージ3ゲノム内に、1つ以上の改変または突然変異(例えば、欠失、挿入、置換または逆位)を含む。いくつかの実施形態では、突然変異は挿入である。いくつかの実施形態では、挿入が本明細書に記載されるような抗生物質カセットを含む。いくつかの実施形態では、突然変異は欠失である。本明細書に記載される実施形態のいずれかにおいて、欠失は、以下から選択される1つ以上の遺伝子を(完全にまたは部分的に)包含するか、または以下から選択される1つ以上の遺伝子内に位置する:ECOLIN_09965、ECOLIN_09970、ECOLIN_09975、ECOLIN_09980、ECOLIN_09985、ECOLIN_09990、ECOLIN_09995、ECOLIN_10000、ECOLIN_10005、ECOLIN_10010、ECOLIN_10015、ECOLIN_10020、ECOLIN_10025、ECOLIN_10030、ECOLIN_10035、ECOLIN_10040、ECOLIN_10045、ECOLIN_10050、ECOLIN_10055、ECOLIN_10065、ECOLIN_10070、ECOLIN_10075、ECOLIN_10080、ECOLIN_10085、ECOLIN_10090、ECOLIN_10095、ECOLIN_10100、ECOLIN_10105、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、ECOLIN_10175、ECOLIN_10180、ECOLIN_10185、ECOLIN_10190、ECOLIN_10195、ECOLIN_10200、ECOLIN_10205、ECOLIN_10210、ECOLIN_10220、ECOLIN_10225、ECOLIN_10230、ECOLIN_10235、ECOLIN_10240、ECOLIN_10245、ECOLIN_10250、ECOLIN_10255、ECOLIN_10260、ECOLIN_10265、ECOLIN_10270、ECOLIN_10275、ECOLIN_10280、ECOLIN_10290、ECOLIN_10295、ECOLIN_10300、ECOLIN_10305、ECOLIN_10310、ECOLIN_10315、ECOLIN_10320、ECOLIN_10325、ECOLIN_10330、ECOLIN_10335、ECOLIN_10340、およびECOLIN_10345。一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175のうちの1つ以上の完全なまたは部分的な欠失である。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175の完全なまたは部分的な欠失である。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170の完全な欠失、ならびにECOLIN_10175の部分的な欠失である。一実施形態では、配列番号130の配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、配列番号130を含む配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、遺伝子操作された細菌が配列番号281を含有する改変ファージゲノム配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌が配列番号281からなる改変ファージゲノム配列を含む。
(株培養中のPMEおよび/またはPheトランスポーターの誘導)
本明細書中に記載されるPMEおよび/またはPheトランスポーターの誘導および前誘導のために、PCT/WO2017/087580A1に記載されるように、プロトコールおよび戦略が使用され、その全内容は参照により本明細書に明確に援用される。
本明細書中に記載される実施形態のいずれかにおいて、遺伝子操作された細菌は製造条件下(例えば、好気性、嫌気性、低酸素、または微好気性)で誘導される1つ以上のPMEおよび/または1つ以上のトランスポーターを含み、1つ以上の内因性バクテリオファージゲノムを含む。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、バクテリオファージゲノム内の1つ以上の遺伝子において変異されている。このような突然変異は、欠失、挿入、置換および逆位を含み、1つ以上のバクテリオファージ遺伝子内に位置するか、または1つ以上のバクテリオファージ遺伝子を包含する。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つ以上の大腸菌Nissleバクテリオファージ(例えば、ファージ1、ファージ2、およびファージ3)を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ファージ3における1つ以上の突然変異を含む。このような突然変異は、欠失、挿入、置換および逆位を含み、1つ以上のファージ3遺伝子内に位置するか、または1つ以上のファージ3遺伝子を包含する。いくつかの実施形態では、挿入は抗生物質カセットを含む。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165およびECOLIN_10170の完全な欠失、ならびにECOLIN_10175の部分的な欠失である。一実施形態では、配列番号130の配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、配列番号130を含む配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281を含有する改変ファージゲノム配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281からなる改変ファージゲノム配列を含む。
プレ誘導の測定
いくつかの実施形態では、PMEおよび/またはPhePの発現が誘導されるそのような培養条件は、同じ条件下における同じ亜型の非改変細菌と比較して、またはベースラインレベルと比較して、培養物中のフェニルアラニンの少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約30倍、少なくとも約40倍、または少なくとも約50倍の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、PMEおよび/またはPhePの発現が誘導されるそのような培養条件は、同じ条件下における同じ亜型の非改変細菌と比較して、またはベースラインレベルと比較して、培養物中のトランス−ケイ皮酸(TCA)の少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約3倍、少なくとも約4倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約30倍、少なくとも約40倍、または少なくとも約50倍の生産をもたらす。
いくつかの実施形態では、細菌培養物中のケイ皮酸の蓄積は、当該分野で公知であり本明細書に記載の方法によって測定される。ケイ皮酸産生は、フェニルアラニン分解と直接相関し、いくつかの実施形態では、ケイ皮酸は、株の増殖、生産および製造中の株活性の指標として使用され得る。したがって、フェニルアラニンの減少および/またはTCAの産生の測定は、in vivo投与前の治療株の誘導を測定および監視し、微調整するために使用され得る。
ファージ3
PALは、4つの異なる挿入部位、例えば、malE/K、insB/I、araC/BAD、およびlacZに挿入される。遺伝子操作された細菌はまた、4つの異なる挿入部位、例えば、malE/K、yicS/nepI、agaI/rsmI、およびceaにおいて挿入されたPALの4つのコピー、ならびに異なる挿入部位、例えば、lacZにおいて挿入されたフェニルアラニントランスポーター遺伝子の1つのコピーを含み得る(図13B)。あるいは、遺伝子操作された細菌は、3つの異なる挿入部位、例えば、malE/K、insB/I、およびlacZにおいて挿入されたPALの3つのコピー、ならびに3つの異なる挿入部位、例えば、dapA、cea、およびaraC/BADにおいて挿入されたフェニルアラニントランスポーター遺伝子の3つのコピーを含み得る。これらの実施形態のいずれかにおいて、遺伝子操作された細菌は、EcN内因性ファージ3に対する1つ以上の突然変異または改変をさらに含む。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、以下のうちの1つ以上をコードする1つ以上の遺伝子配列を含む:(1)野生型または(安定性または代謝活性を増加させるための)突然変異型における、フェニルアラニン分解のためのPAL、PAH、および/またはLAAD、(2)野生型または(安定性または代謝活性を増加させるための)突然変異型におけるフェニルアラニン取り込みのためのトランスポーターPhePおよび/またはAroP、(3)分泌および細胞外フェニルアラニン分解のためのPAL、PAH、LAAD、および/またはPheP、(4)本明細書に記載されているような分泌マシーナリーの成分、(5)栄養要求性、例えば、ΔThyAおよび/またはΔdapA、(6)限定されないが、カナマイシンまたはクロラムフェニコール耐性を含む抗生物質耐性、(7)本明細書に記載されているような酸素代謝に関与する遺伝子における突然変異/欠失、(8)内因性Nissleフェニルアラニン合成経路の遺伝子における突然変異/欠失(例えば、Phe栄養要求性のためのΔPheA)、(9)1つ以上のバイオセイフティーシステム構築物および/または死滅スイッチ、(10)1つ以上の他の調節因子、例えばFNRS24Y、(11)大腸菌Nissleファージ3ゲノム内の1つ以上の改変または突然変異、例えば、欠失、挿入、置換または逆位。
本明細書に記載される実施形態のいずれかにおいて、フェニルアラニンの消費のための遺伝子操作された細菌は、1つ以上の内因性バクテリオファージゲノムをさらに含む。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、バクテリオファージゲノム内の1つ以上の遺伝子において突然変異されている。そのような突然変異は、欠失、挿入、置換および逆位を含み、1つ以上のバクテリオファージ遺伝子内に位置するか、または1つ以上のバクテリオファージ遺伝子を包含する。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つ以上の大腸菌Nissleバクテリオファージ、例えば、ファージ1、ファージ2、およびファージ3を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ファージ3おける1つ以上の突然変異を含む。そのような突然変異は、欠失、挿入、置換および逆位を含み、1つ以上のファージ3遺伝子内に位置するか、または1つ以上のファージ3遺伝子を包含する。いくつかの実施形態では、挿入は抗生物質カセットを含む。いくつかの実施形態では、突然変異は欠失である。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、以下から選択される1つ以上の遺伝子内に位置する1つ以上の欠失を含む:ECOLIN_09965、ECOLIN_09970、ECOLIN_09975、ECOLIN_09980、ECOLIN_09985、ECOLIN_09990、ECOLIN_09995、ECOLIN_10000、ECOLIN_10005、ECOLIN_10010、ECOLIN_10015、ECOLIN_10020、ECOLIN_10025、ECOLIN_10030、ECOLIN_10035、ECOLIN_10040、ECOLIN_10045、ECOLIN_10050、ECOLIN_10055、ECOLIN_10065、ECOLIN_10070、ECOLIN_10075、ECOLIN_10080、ECOLIN_10085、ECOLIN_10090、ECOLIN_10095、ECOLIN_10100、ECOLIN_10105、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、ECOLIN_10175、ECOLIN_10180、ECOLIN_10185、ECOLIN_10190、ECOLIN_10195、ECOLIN_10200、ECOLIN_10205、ECOLIN_10210、ECOLIN_10220、ECOLIN_10225、ECOLIN_10230、ECOLIN_10235、ECOLIN_10240、ECOLIN_10245、ECOLIN_10250、ECOLIN_10255、ECOLIN_10260、ECOLIN_10265、ECOLIN_10270、ECOLIN_10275、ECOLIN_10280、ECOLIN_10290、ECOLIN_10295、ECOLIN_10300、ECOLIN_10305、ECOLIN_10310、ECOLIN_10315、ECOLIN_10320、ECOLIN_10325、ECOLIN_10330、ECOLIN_10335、ECOLIN_10340、およびECOLIN_10345。具体的な一実施形態において、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165およびECOLIN_10170の完全な欠失、ならびにECOLIN_10175の部分的な欠失である。一実施形態では、配列番号130の配列はファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、配列番号130を含む配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281を含有する改変ファージゲノム配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281からなる改変ファージゲノム配列を含む。
いくつかの実施形態では、ペイロード、例えばPME、Pheトランスポーターおよび/または転写調節因子を産生するための遺伝子配列が発現される条件下で、本開示の遺伝子操作された細菌は、フェニルアラニン分解およびTCA生成の両方を、同一条件下における同じ亜型の非改変細菌と比較して、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約30倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約200倍、少なくとも約300倍、少なくとも約400倍、少なくとも約500倍、少なくとも約600倍、少なくとも約700倍、少なくとも約800倍、少なくとも約900倍、少なくとも約1,000倍、または少なくとも約1,500倍高いレベルで行う。
いくつかの実施形態では、ペイロード、例えばPME、Pheトランスポーターおよび/または転写調節因子を産生するための遺伝子配列が発現される条件下で、本開示の遺伝子操作された細菌は、フェニルアラニン分解および馬尿酸生成の両方を、同一条件下における同じ亜型の非改変細菌と比較して、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約10倍、少なくとも約15倍、少なくとも約20倍、少なくとも約30倍、少なくとも約50倍、少なくとも約100倍、少なくとも約200倍、少なくとも約300倍、少なくとも約400倍、少なくとも約500倍、少なくとも約600倍、少なくとも約700倍、少なくとも約800倍、少なくとも約900倍、少なくとも約1,000倍、または少なくとも約1,500倍高いレベルで行う。
いくつかの実施形態では、PMEおよび/またはPheトランスポーター(例えばPheP)、および/または他の調節タンパク質(例えば、FNRS24Y)をコードする遺伝子配列は、構成的プロモーターの制御下で発現される。別の実施形態では、1つ以上のPMEおよび/またはPheトランスポーター(例えば、PheP)、および/または他の調節タンパク質(例えば、FNRS24Y)をコードする遺伝子配列は、誘導性プロモーターの制御下で発現される。いくつかの実施形態では、1つ以上のPMEおよび/またはPheトランスポーター(例えば、PheP)、および/または他の調節タンパク質(例えば、FNRS24Y)をコードする遺伝子配列は、直接的または間接的に外因性環境条件によって誘導されるプロモーターの制御下で発現される。一実施形態では、1つ以上のPMEおよび/またはPheトランスポーター(例えば、PheP)、および/または他の調節タンパク質(例えば、FNRS24Y)をコードする遺伝子配列は、直接的または間接的に低酸素または嫌気性条件によって誘導されるプロモーターの制御下で発現され、当該PMEおよび/またはPheトランスポーター(例えば、PheP)、および/または他の調節タンパク質(例えば、FNRS24Y)をコードする遺伝子配列の発現は、哺乳動物の消化管の環境などの低酸素または嫌気性環境下で活性化される。本明細書に記載される例示的な誘導性プロモーターには、酸素レベル依存性プロモーター(例えば、FNR誘導性プロモーター)、アラビノース、テトラサイクリン、IPTG、ラムノース、ならびに他の化学的および/または栄養性誘導物質が含まれる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のこのような誘導性プロモーターは、本明細書に記載されるように、in vivo投与の前に菌株が調製される際に、in vitro培養条件下で誘導される。誘導性プロモーターの例には、限定されないが、FNR応答性プロモーター、ParaBADプロモーター、およびPTetRプロモーター、Placプロモーター、rhaP BAD(ラムノース)プロモーターが含まれ、その各々について本明細書で詳細に記述する。誘導性プロモーターは、以下により詳細に記載される。
1つ以上のPMEおよび/またはPheトランスポーター(例えば、PheP)、および/または他の調節タンパク質(例えば、FNRS24Y)をコードする少なくとも1つの遺伝子は、細菌細胞内のプラスミドまたは染色体上に存在し得る。一実施形態では、1つ以上のPMEおよび/またはPheトランスポーター(例えば、PheP)、および/または他の調節タンパク質(例えば、FNRS24Y)をコードする遺伝子配列は、細菌細胞内のプラスミド上に位置する。別の実施形態では、1つ以上のPMEおよび/またはPheトランスポーター(例えば、PheP)、および/または他の調節タンパク質(例えば、FNRS24Y)をコードする遺伝子配列は、細菌細胞内の染色体に位置する。さらに別の実施形態では、1つ以上のPMEおよび/またはPheトランスポーター(例えば、PheP)、および/または他の調節タンパク質(例えば、FNRS24Y)をコードする遺伝子配列の天然コピーが細菌細胞内の染色体に位置し、1つ以上のPMEおよび/またはPheトランスポーター(例えば、PheP)、および/または他の調節タンパク質(例えば、FNRS24Y)をコードする1つ以上の遺伝子が細菌細胞内のプラスミド上に位置する。さらに別の実施形態では、1つ以上のPMEおよび/またはPheトランスポーター(例えば、PheP)、および/または他の調節タンパク質(例えば、FNRS24Y)をコードする遺伝子配列の天然コピーが細菌細胞内のプラスミド上に位置し、別種の細菌由来の少なくとも1つ以上のPMEおよび/またはPheトランスポーター(例えば、PheP)、および/または他の調節タンパク質(例えば、FNRS24Y)をコードする少なくとも1つの遺伝子が細菌細胞内のプラスミド上に位置する。さらに別の実施形態では、1つ以上のPMEおよび/またはPheトランスポーター(例えば、PheP)、および/または他の調節タンパク質(例えば、FNRS24Y)をコードする遺伝子配列の天然コピーが細菌細胞の染色体に位置し、別種の細菌由来の1つ以上のPMEおよび/またはPheトランスポーター(例えば、PheP)、および/または他の調節タンパク質(例えば、FNRS24Y)をコードする1つ以上の遺伝子が細菌細胞の染色体に位置する。いくつかの実施形態では、1つ以上のPMEおよび/またはPheトランスポーター(例えば、PheP)、および/または他の調節タンパク質(例えば、FNRS24Y)をコードする遺伝子配列は低コピープラスミド上で発現する。いくつかの実施形態では、1つ以上のPMEおよび/またはPheトランスポーター(例えば、PheP)、および/または他の調節タンパク質(例えば、FNRS24Y)をコードする遺伝子配列は高コピープラスミド上で発現する。いくつかの実施形態では、高コピープラスミドは、少なくとも1つのPMEおよび/またはPheトランスポーター(例えば、PheP)、および/または他の調節タンパク質(例えば、FNRS24Y)の発現を増加させるために有用であり得る。いくつかの実施形態では、上記の遺伝子操作された細菌は、本明細書に記載の内在性遺伝子における改変、突然変異、および/または欠失のうち1つ以上をさらに含む。本明細書に記載される実施形態のいずれかにおいて、遺伝子操作された細菌は、1つ以上の内因性バクテリオファージゲノムを含む。いくつかの実施形態では、バクテリオファージは、バクテリオファージゲノム内の1つ以上の遺伝子において変異されている。そのような突然変異は、欠失、挿入、置換および逆位を含み、1つ以上のバクテリオファージ遺伝子内に位置するか、または1つ以上のバクテリオファージ遺伝子を包含し得る。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つ以上の大腸菌Nissleバクテリオファージ(例えば、ファージ1、ファージ2、およびファージ3)を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ファージ3における1つ以上の突然変異を含む。このような突然変異は、欠失、挿入、置換および逆位を含み、1つ以上のファージ3遺伝子内に位置するか、または1つ以上のファージ3遺伝子を包含する。いくつかの実施形態では、挿入が抗生物質カセットを含む。いくつかの実施形態では、突然変異は欠失である。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌が、以下から選択される1つ以上の遺伝子内に位置する1つ以上の欠失を含む:ECOLIN_09965、ECOLIN_09970、ECOLIN_09975、ECOLIN_09980、ECOLIN_09985、ECOLIN_09990、ECOLIN_09995、ECOLIN_10000、ECOLIN_10005、ECOLIN_10010、ECOLIN_10015、ECOLIN_10020、ECOLIN_10025、ECOLIN_10030、ECOLIN_10035、ECOLIN_10040、ECOLIN_10045、ECOLIN_10050、ECOLIN_10055、ECOLIN_10065、ECOLIN_10070、ECOLIN_10075、ECOLIN_10080、ECOLIN_10085、ECOLIN_10090、ECOLIN_10095、ECOLIN_10100、ECOLIN_10105、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、ECOLIN_10175、ECOLIN_10180、ECOLIN_10185、ECOLIN_10190、ECOLIN_10195、ECOLIN_10200、ECOLIN_10205、ECOLIN_10210、ECOLIN_10220、ECOLIN_10225、ECOLIN_10230、ECOLIN_10235、ECOLIN_10240、ECOLIN_10245、ECOLIN_10250、ECOLIN_10255、ECOLIN_10260、ECOLIN_10265、ECOLIN_10270、ECOLIN_10275、ECOLIN_10280、ECOLIN_10290、ECOLIN_10295、ECOLIN_10300、ECOLIN_10305、ECOLIN_10310、ECOLIN_10315、ECOLIN_10320、ECOLIN_10325、ECOLIN_10330、ECOLIN_10335、ECOLIN_10340、およびECOLIN_10345。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170およびECOLIN_10175のうちの1つ以上の完全なまたは部分的な欠失を含む。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165およびECOLIN_10170の完全な欠失、ならびにECOLIN_10175の部分的な欠失である。一実施形態では、配列番号130の配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、配列番号130を含む配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281を含有する改変ファージゲノム配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281からなる改変ファージゲノム配列を含む。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌株は、FNR駆動PAL3の3つの染色体挿入(3×fnrS−PAL(malP/T、yicS/nepI、malE/K)、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号38)と、FNR駆動phePの2つのコピー(2×fnrS−pheP(lacZ、agaI/rsmI)、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号62)を含む。この株は、変異型FNR転写因子FNRS24Yの1コピーをさらに含む。この株は、天然のパラプロモーターによって駆動される発現を有するアラビノースオペロンにノックインされたLAADの1コピーをさらに含む(Para::FNRS24Y、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号64)。一実施形態では、遺伝子操作された細菌株は、SYN−PKU707である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌株は、FNR駆動PAL3の3つの染色体挿入(3×fnrS−PAL(malP/T、yicS/nepI、malE/K)、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号38)と、FNR駆動phePの2つのコピー(2×fnrS−pheP(lacZ、agaI/rsmI)、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号62)を含む。この株は、天然のパラプロモーターによって駆動される発現を有するアラビノースオペロンにノックインされた変異型FNR転写因子FNRS24Yの1コピーをさらに含む(Para::FNRS24Y、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号64)。ゲノムは、dapA遺伝子が欠失しているdapA栄養要求性を含むようにさらに操作される。一実施形態では、遺伝子操作された細菌株は、SYN−PKU712である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌株は、FNR駆動PAL3の3つの染色体挿入(3×fnrS−PAL(malP/T、yicS/nepI、malE/K)、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号38)と、FNR駆動phePの2つのコピー(2×fnrS−pheP(lacZ、agaI/rsmI)、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号62)とを有する細菌染色体を含む。この株は、天然のパラプロモーターによって駆動される発現を有するアラビノースオペロンにノックインされた変異型FNR転写因子FNRS24Yの1コピーと、同じ挿入部位に挿入されたLAADの1コピーをさらに含み(Para::FNRS24Y−LAAD、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号73)、これは、内因性アラビノースプロモーターからバイシストロニックメッセージとして転写される。ゲノムは、dapA遺伝子が欠失しているdapA栄養要求性を含むようにさらに操作される。一実施形態では、遺伝子操作された細菌株は、SYN−PKU708である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌株は、FNR駆動PAL3の3つの染色体挿入(3×fnrS−PAL(malP/T、yicS/nepI、malE/K)、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号38)と、FNR駆動phePの2つのコピー(2×fnrS−pheP(lacZ、agaI/rsmI)、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号62)とを有する細菌染色体を含む。この株は、天然のパラプロモーターによって駆動される発現を有するアラビノースオペロンにノックインされた変異型FNR転写因子FNRS24Yの1コピーと、同じ挿入部位に挿入されたLAADの1コピーをさらに含み(Para::FNRS24Y−LAAD、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号73)、これは、内因性アラビノースプロモーターからバイシストロニックメッセージとして転写される。一実施形態では、遺伝子操作された細菌株は、SYN−PKU711である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌株は、FNR駆動PAL3の3つの染色体挿入(3×fnrS−PAL(malP/T、yicS/nepI、malE/K)、例えばその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号38)と、FNR駆動phePの2つのコピー(2×fnrS−pheP(lacZ、agaI/rsmI)、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号62)とを含有する細菌染色体を含む。この株は、天然のパラプロモーターによって駆動される発現を有するアラビノースオペロンにノックインされたLAADの1コピー(Para::LAAD、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号40)をさらに含む。ゲノムは、dapA遺伝子が欠失しているdapA栄養要求性を含むようにさらに操作される。一実施形態では、遺伝子操作された細菌株は、SYN−PKU709である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌株は、FNR駆動PAL3の3つの染色体挿入(3×fnrS−PAL(malP/T、yicS/nepI、malE/K)、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号38)と、FNR駆動phePの2つのコピー(2×fnrS−pheP(lacZ、agaI/rsmI)、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号62)とを含有する細菌染色体を含む。この株は、天然のパラプロモーターによって駆動される発現を有するアラビノースオペロンにノックインされたLAADの1コピーをさらに含む(Para::LAAD、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号40)。SYN−PKU710は、IPTG誘導性PAL3の2つのコピー(2×LacIPAL、exo/ceaおよびrhtC/rhtB、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号74)、dapA栄養要求性をさらに含み、そして全ての抗生物質耐性が治癒される。一実施形態では、遺伝子操作された細菌株は、SYN−PKU710である。
これらの実施形態のいずれかにおいて、本明細書に記載され、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図47に示される遺伝子操作されたものいずれかは、本明細書に記載されるバクテリオファージゲノムをさらに含み、当該バクテリオファージゲノムは本明細書に記載される1つ以上の突然変異をさらに含む。これらの実施形態のいずれかにおいて、遺伝子操作された細菌は大腸菌Nissleに由来し、本明細書に記載されるバクテリオファージゲノムをさらに含み、当該バクテリオファージゲノムは本明細書に記載される1つ以上の突然変異をさらに含む。非限定的な例では、ファージゲノムはファージ3であり、1つ以上の遺伝子が部分的に欠失している。非限定的な例では、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170は、部分的または完全に欠失される。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、(野生型遺伝子に加えて)PhePの2つの追加コピーを含む。これにより、PheP遺伝子の1つが突然変異を獲得した場合に、冗長性が提供される。一実施形態では、PheP遺伝子はlacZおよびagal/rsmlで挿入される。一実施形態では、PhePの2つのコピーはPfnrSプロモーターの制御下にある。一実施形態では、遺伝子操作された細菌はPAL3の3つのコピーを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、malEK、malPT、yicS/neplで挿入されたPAL3の3つのコピーを含む。一実施形態では、PAL3の3つのコピーの発現は、PfnrSプロモーターの制御下にある。一実施形態では、遺伝子操作された細菌はLAADの1つ以上のコピーを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、アラビノースオペロンに挿入されたLAADの1つのコピーを含む。一実施形態では、LAADは内因性ParaBADプロモーターの制御下にある。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は栄養要求性(例えば、ΔThyA)を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は抗生物質耐性を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、抗生物質耐性および栄養要求性(例えば、ΔThyA)を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は栄養要求性(例えば、ΔThyA)を含まない。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は抗生物質耐性を含まない。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、抗生物質耐性も栄養要求性(例えば、ΔThyA)も含まない。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PALの3コピー(例えば、PAL3)、PhePの2コピー(内因性PhePに加えて)、およびLAADの1コピーを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PALの3コピー(例えば、PAL3)、PhePの2コピー(内因性PhePに加えて)、およびLAADの1コピー、ならびに栄養要求性(例えば、ΔThyA)を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PALの3コピー、PhePの2コピー(内因性PhePに加えて)、およびLAADの1コピー、ならびに抗生物質耐性遺伝子を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PALの3コピー、PhePの2コピー(内因性PhePに加えて)、およびLAADの1コピー、ならびに抗生物質耐性遺伝子および栄養要求性(例えば、ΔThyA)を含む。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、(それぞれPfnrSプロモーターの制御下にある)PALの3コピー、(それぞれPfnrSプロモーターの制御下にある)PhePの2コピー、および(内因性ParaBADプロモーターの制御下にある)LAADの1コピーを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、(それぞれPfnrSプロモーターの制御下にある)PALの3コピー、(それぞれPfnrSプロモーターの制御下にある)PhePの2コピー、および(内因性ParaBADプロモーターの制御下にある)LAADの1コピー、ならびに抗生物質耐性を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、(それぞれPfnrSプロモーターの制御下にある)PALの3コピー、(それぞれPfnrSプロモーターの制御下にある)PhePの2コピー、および(内因性ParaBADプロモーターの制御下にある)LAADの1コピー、ならびに栄養要求性(例えば、ΔdapA)を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、(それぞれPfnrSプロモーターの制御下にある)PALの3コピー、(それぞれPfnrSプロモーターの制御下にある)PhePの2コピー、および(内因性ParaBADプロモーターの制御下にある)LAADの1コピー、ならびに抗生物質耐性および栄養要求性(例えば、ΔdapA)を含む。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、(それぞれPfnrSプロモーターの制御下にあり、malEK、malPT、およびyicS/nepl部位に挿入される)PALの3コピー、(それぞれPfnrSプロモーターの制御下にあり、LacZおよびagal/rsml部位に挿入される)2コピーのPheP、および(内因性ParaBADプロモーターの制御下にあり、内因性アラビノースオペロンに挿入される)1コピーのLAADを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、(それぞれPfnrSプロモーターの制御下にあり、malEK、malPT、およびyicS/nepl部位に挿入される)PALの3コピー、(それぞれPfnrSプロモーターの制御下にあり、LacZおよびagal/rsml部位に挿入される)PhePの2コピー、および(内因性ParaBADプロモーターの制御下にあり、内因性アラビノースオペロンに挿入される)LAADの1コピーを含み、抗生物質耐性をさらに含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、(それぞれPfnrSプロモーターの制御下にあり、malEK、malPT、およびyicS/nepl部位に挿入される)PALの3コピー、(それぞれPfnrSプロモーターの制御下にあり、LacZおよびagal/rsml部位に挿入される)PhePの2コピー、および(内因性ParaBADプロモーターの制御下にあり、内因性アラビノースオペロンに挿入される)LAADの1コピーを含み、栄養要求性(例えば、ΔdapA)をさらに含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、(それぞれPfnrSプロモーターの制御下にあり、malEK、malPT、およびyicS/nepl部位に挿入される)PALの3コピー、(それぞれPfnrSプロモーターの制御下にあり、LacZおよびagal/rsml部位に挿入される)PhePの2コピー、および(内因性ParaBADプロモーターの制御下にあり、内因性アラビノースオペロンに挿入される)LAADの1コピーを含み、抗生物質耐性および栄養要求性(例えば、ΔdapA)をさらに含む。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、SYN−PKU705である。一実施形態では、SYN−PKU705は抗生物質耐性をさらに含む。一実施形態では、SYN−PKU705は栄養要求性(例えば、ΔThyA)をさらに含む。一実施形態では、SYN−PKU705は、抗生物質耐性および栄養要求性(例えば、ΔThyA)をさらに含む。これらの実施形態のいずれかにおいて、前段落に記載される遺伝子操作された任意のものは、本明細書に記載されるバクテリオファージゲノムをさらに含み、当該バクテリオファージゲノムは本明細書に記載される1つ以上の突然変異をさらに含む。これらの実施形態のいずれかにおいて、遺伝子操作された細菌は大腸菌Nissleに由来し、本明細書に記載されるバクテリオファージゲノムをさらに含み、当該バクテリオファージゲノムは本明細書に記載される1つ以上の突然変異をさらに含む。非限定的な例では、ファージゲノムはファージ3であり、1つ以上の遺伝子が部分的に欠失している。非限定的な例では、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170は、部分的にまたは完全に欠失される。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、phePの2つの染色体コピー(lacZ::PfnrS−pheP、agaI/rsmI::PfnrS−pheP)と、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Cに示される構築物を含み、細菌染色体上のdapA遺伝子座にノックインされている(低コピーRBS;dapA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Bの構築物で置換されることを除いて、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Aに示されるプラスミドをさらに含む(LacI Fnrs−Ptac−PAL−PAL、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号97)。一実施形態では、株はSYN−PKU1001である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、phePの2つの染色体コピー(lacZ::PfnrS−pheP、agaI/rsmI::PfnrS−pheP)と、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Cに示される構築物を含み、細菌染色体上のdapA遺伝子座にノックインされている(低コピーRBS;dapA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Dの構築物で置換されることを除いて、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Aに示されるプラスミドをさらに含む(lacI−Ptac−PAL−PAL、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号98)。一実施形態では、株はSYN−PKU1002である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、phePの2つの染色体コピー(lacZ::PfnrS−pheP、agaI/rsmI::PfnrS−pheP)と、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Dに示される構築物を含み、細菌染色体上のdapA遺伝子座にノックインされている(中コピーRBS;dapA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその全内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Bの構築物で置換されることを除いて、その全内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Aに示されるプラスミドをさらに含む(LacI Fnrs−Ptac−PAL−PAL、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号97)。一実施形態では、株はSYN−PKU1003である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、phePの2つの染色体コピー(lacZ::PfnrS−pheP、agaI/rsmI::PfnrS−pheP)と、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Dに示される構築物を含み、細菌染色体上のdapA遺伝子座にノックインされている(中コピーRBS;dapA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Dの構築物で置換されることを除いて、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Aに示されるプラスミドをさらに含む(lacI−Ptac−PAL−PAL、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号98)。一実施形態では、株はSYN−PKU1004である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、phePの2つの染色体コピー(lacZ::PfnrS−pheP、agaI/rsmI::PfnrS−pheP)と、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Cに示される構築物を含み、細菌染色体上のthyA遺伝子座にノックインされている(低コピーRBS;thyA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Bの構築物で置換されることを除いて、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Bに示されるプラスミドをさらに含む(LacI Fnrs−Ptac−PAL−PAL、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号97)。一実施形態では、株はSYN−PKU1005である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、phePの2つの染色体コピー(lacZ::PfnrS−pheP、agaI/rsmI::PfnrS−pheP)と、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Cに示される構築物を含み、細菌染色体上のthyA遺伝子座にノックインされている(低コピーRBS;thyA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Dの構築物で置換されることを除いて、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Bに示されるプラスミドをさらに含む(lacI−Ptac−PAL−PAL、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号98)。一実施形態では、株はSYN−PKU1006である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、phePの2つの染色体コピー(lacZ::PfnrS−pheP、agaI/rsmI::PfnrS−pheP)と、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Dに示される構築物を含み、細菌染色体上のdapA遺伝子座にノックインされている(中コピーRBS;thyA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Bの構築物で置換されることを除いて、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Bに示されるプラスミドをさらに含む(LacI Fnrs−Ptac−PAL−PAL、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号97)。一実施形態では、株はSYN−PKU1007である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、phePの2つの染色体コピー(lacZ::PfnrS−pheP、agaI/rsmI::PfnrS−pheP)と、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Dに示される構築物を含み、細菌染色体上のthyA遺伝子座にノックインされている(中コピーRBS;thyA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Dの構築物で置換されることを除いて、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Bに示されるプラスミドをさらに含む(lacI−Ptac−PAL−PAL、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号98)。一実施形態では、株はSYN−PKU1008である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Cに示される構築物を含み、細菌染色体上のdapA遺伝子座にノックインされている(低コピーRBS;dapA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Bの構築物で置換されることを除いて、図61Aに示されるプラスミドをさらに含む(LacI Fnrs−Ptac−PAL−PAL、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号97)。一実施形態では、株はSYN−PKU1009である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Cに示される構築物を含み、細菌染色体上のdapA遺伝子座にノックインされている(低コピーRBS;dapA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Dの構築物で置換されることを除いて、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Aに示されるプラスミドをさらに含む(lacI−Ptac−PAL−PAL、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号98)。一実施形態では、株はSYN−PKU1010である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Dに示される構築物を含み、細菌染色体上のdapA遺伝子座にノックインされている(中コピーRBS;dapA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Bの構築物で置換されることを除いて、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Aに示されるプラスミドをさらに含む(LacI Fnrs−Ptac−PAL−PAL、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号97)。一実施形態では、株はSYN−PKU1011である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Dに示される構築物を含み、細菌染色体上のdapA遺伝子座にノックインされている(中コピーRBS;dapA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Dの構築物で置換されることを除いて、図61Aに示されるプラスミドをさらに含む(lacI−Ptac−PAL−PAL、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号98)。一実施形態では、株はSYN−PKU1012である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Cに示される構築物を含み、細菌染色体上のthyA遺伝子座にノックインされている(低コピーRBS;thyA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Bの構築物で置換されることを除いて、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Bに示されるプラスミドをさらに含む(LacI Fnrs−Ptac−PAL−PAL、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号97)。一実施形態では、株はSYN−PKU1013である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Cに示される構築物を含み、細菌染色体上のthyA遺伝子座にノックインされている(低コピーRBS;thyA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Dの構築物で置換されることを除いて、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Bに示されるプラスミドをさらに含む(lacI−Ptac−PAL−PAL、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号98)。一実施形態では、株はSYN−PKU1014である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Dに示される構築物を含み、細菌染色体上のdapA遺伝子座にノックインされている(中コピーRBS;thyA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Bの構築物で置換されることを除いて、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Bに示されるプラスミドをさらに含む(LacI Fnrs−Ptac−PAL−PAL、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号97)。一実施形態では、株はSYN−PKU1015である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Dに示される構築物を含み、細菌染色体上のthyA遺伝子座にノックインされている(中コピーRBS;thyA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Dの構築物で置換されることを除いて、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Bに示されるプラスミドをさらに含む(lacI−Ptac−PAL−PAL、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号98)。一実施形態では、株はSYN−PKU1016である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、phePの2つの染色体コピー(lacZ::PfnrS−pheP、agaI/rsmI::PfnrS−pheP)と、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Cに示される構築物を含み、細菌染色体上のdapA遺伝子座にノックインされている(低コピーRBS;dapA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Aの構築物で置換されることを除いて、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Aに示されるプラスミドをさらに含む(LacI Fnrs−Ptac−PAL−PAL−PheP、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号95)。一実施形態では、株はSYN−PKU1017である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、phePの2つの染色体コピー(lacZ::PfnrS−pheP、agaI/rsmI::PfnrS−pheP)と、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Cに示される構築物を含み、細菌染色体上のdapA遺伝子座にノックインされている(低コピーRBS;dapA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Cの構築物で置換されることを除いて、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Aに示されるプラスミドをさらに含む(LacI Fnrs−Ptac−PAL−PAL−PheP、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号96)。一実施形態では、株はSYN−PKU1018である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、phePの2つの染色体コピー(lacZ::PfnrS−pheP、agaI/rsmI::PfnrS−pheP)と、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Dに示される構築物を含み、細菌染色体上のdapA遺伝子座にノックインされている(中コピーRBS;dapA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Aの構築物で置換されることを除いて、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Aに示されるプラスミドをさらに含む(LacI Fnrs−Ptac−PAL−PAL−PheP、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号95)。一実施形態では、株はSYN−PKU1019である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、phePの2つの染色体コピー(lacZ::PfnrS−pheP、agaI/rsmI::PfnrS−pheP)と、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Dに示される構築物を含み、細菌染色体上のdapA遺伝子座にノックインされている(中コピーRBS;dapA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Cの構築物で置換されることを除いて、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Aに示されるプラスミドをさらに含む(LacI Fnrs−Ptac−PAL−PAL−PheP、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号96)。一実施形態では、株はSYN−PKU1020である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、phePの2つの染色体コピー(lacZ::PfnrS−pheP、agaI/rsmI::PfnrS−pheP)と、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Cに示される構築物を含み、細菌染色体上のthyA遺伝子座にノックインされている(低コピーRBS;thyA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Aの構築物で置換されることを除いて、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Bに示されるプラスミドをさらに含む(LacI Fnrs−Ptac−PAL−PAL−PheP、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号95)。一実施形態では、株はSYN−PKU1021である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、phePの2つの染色体コピー(lacZ::PfnrS−pheP、agaI/rsmI::PfnrS−pheP)と、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Cに示される構築物を含み、細菌染色体上のthyA遺伝子座にノックインされている(低コピーRBS;thyA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Cの構築物で置換されることを除いて、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Bに示されるプラスミドをさらに含む(LacI Fnrs−Ptac−PAL−PAL−PheP、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号96)。一実施形態では、株はSYN−PKU1022である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、phePの2つの染色体コピー(lacZ::PfnrS−pheP、agaI/rsmI::PfnrS−pheP)と、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Dに示される構築物を含み、細菌染色体上のdapA遺伝子座にノックインされている(中コピーRBS;thyA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Aの構築物で置換されることを除いて、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Bに示されるプラスミドをさらに含む(LacI Fnrs−Ptac−PAL−PAL−PheP、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号95)。一実施形態では、株はSYN−PKU1023である。
一実施形態では遺伝子操作された細菌は、phePの2つの染色体コピー(lacZ::PfnrS−pheP、agaI/rsmI::PfnrS−pheP)と、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Dに示される構築物を含み、細菌染色体上のthyA遺伝子座にノックインされている(中コピーRBS;thyA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Cの構築物で置換されることを除いて、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Bに示されるプラスミドをさらに含む(LacI Fnrs−Ptac−PAL−PAL−PheP、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号96)。一実施形態では、株はSYN−PKU1024である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Cに示される構築物を含み、細菌染色体上のdapA遺伝子座にノックインされている(低コピーRBS;dapA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Aの構築物で置換されることを除いて、図61Aに示されるプラスミドをさらに含む(LacI Fnrs−Ptac−PAL−PAL−PheP、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号95)。一実施形態では、株はSYN−PKU1025である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Cに示される構築物を含み、細菌染色体上のdapA遺伝子座にノックインされている(低コピーRBS;dapA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Cの構築物で置換されることを除いて、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Aに示されるプラスミドをさらに含む(LacI Fnrs−Ptac−PAL−PAL−PheP、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号96)。一実施形態では、株は、SYN−PKU1026である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Dに示される構築物を含み、細菌染色体上のdapA遺伝子座にノックインされている(中コピーRBS;dapA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Aの構築物で置換されることを除いて、図61Aに示されるプラスミドをさらに含む(LacI Fnrs−Ptac−PAL−PAL−PheP、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号95)。一実施形態では、株は、SYN−PKU1027である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Dに示される構築物を含み、細菌染色体上のdapA遺伝子座にノックインされている(中コピーRBS;dapA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Cの構築物で置換されることを除いて、図61Aに示されるプラスミドをさらに含む(LacI Fnrs−Ptac−PAL−PAL−PheP、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号96)。一実施形態では、株はSYN−PKU1028である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Cに示される構築物を含み、細菌染色体上のthyA遺伝子座にノックインされている(低コピーRBS;thyA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Aの構築物で置換されることを除いて、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Bに示されるプラスミドをさらに含む(LacI Fnrs−Ptac−PAL−PAL−PheP、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号95)。一実施形態では、株はSYN−PKU1029である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Cに示される構築物を含み、細菌染色体上のthyA遺伝子座にノックインされている(低コピーRBS;thyA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Cの構築物で置換されることを除いて、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Bに示されるプラスミドをさらに含む(LacI Fnrs−Ptac−PAL−PAL−PheP、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号96)。一実施形態では、株はSYN−PKU1030である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Dに示される構築物を含み、細菌染色体上のdapA遺伝子座にノックインされている(中コピーRBS;thyA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Aの構築物で置換されることを除いて、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Bに示されるプラスミドをさらに含む(LacI Fnrs−Ptac−PAL−PAL−PheP、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号95)。一実施形態では、株はSYN−PKU1032である。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Dに示される構築物を含み、細菌染色体上のthyA遺伝子座にノックインされている(中コピーRBS;thyA::構成的prom1(BBA_J26100)−Pi(R6K)−構成的プロモーター2(P1)−Kis抗毒素)。この株は、bla遺伝子がその内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図65Cの構築物で置換されることを除いて、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図61Bに示されるプラスミドをさらに含む(LacI Fnrs−Ptac−PAL−PAL−PheP、例えば、その内容全体が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号96)。一実施形態では、株はSYN−PKU1032である。これらの実施形態のいずれかにおいて、AIPS系を含む本明細書に記載の遺伝子操作された任意のものは、本明細書に記載のバクテリオファージゲノムをさらに含み、当該バクテリオファージゲノム本明細書に記載の1つ以上の突然変異をさらに含む。
これらの実施形態のいずれかにおいて、遺伝子操作された細菌は大腸菌Nissleに由来し、本明細書に記載されるバクテリオファージゲノムをさらに含み、当該バクテリオファージゲノムは本明細書に記載される1つ以上の突然変異をさらに含む。非限定的な例では、ファージゲノムはファージ3であり、1つ以上の遺伝子が部分的に欠失している。非限定的な例では、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170は、部分的にまたは完全に欠失される。
前述の実施形態のいずれかにおいて、本明細書に記載される細菌は、大腸菌Nissleファージ3ゲノム内に1つ以上の改変または突然変異、例えば、欠失、挿入、置換または逆位を含む。いくつかの実施形態では、突然変異は挿入である。いくつかの実施形態では、挿入は、本明細書に記載されるような抗生物質カセットを含む。いくつかの実施形態では、突然変異は欠失である。本明細書に記載される実施形態のいずれかにおいて、欠失は、以下から選択される1つ以上の遺伝子を(完全にまたは部分的に)包含するか、または以下から選択される1つ以上の遺伝子に位置する:ECOLIN_09965、ECOLIN_09970、ECOLIN_09975、ECOLIN_09980、ECOLIN_09985、ECOLIN_09990、ECOLIN_09995、ECOLIN_10000、ECOLIN_10005、ECOLIN_10010、ECOLIN_10015、ECOLIN_10020、ECOLIN_10025、ECOLIN_10030、ECOLIN_10035、ECOLIN_10040、ECOLIN_10045、ECOLIN_10050、ECOLIN_10055、ECOLIN_10065、ECOLIN_10070、ECOLIN_10075、ECOLIN_10080、ECOLIN_10085、ECOLIN_10090、ECOLIN_10095、ECOLIN_10100、ECOLIN_10105、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、ECOLIN_10175、ECOLIN_10180、ECOLIN_10185、ECOLIN_10190、ECOLIN_10195、ECOLIN_10200、ECOLIN_10205、ECOLIN_10210、ECOLIN_10220、ECOLIN_10225、ECOLIN_10230、ECOLIN_10235、ECOLIN_10240、ECOLIN_10245、ECOLIN_10250、ECOLIN_10255、ECOLIN_10260、ECOLIN_10265、ECOLIN_10270、ECOLIN_10275、ECOLIN_10280、ECOLIN_10290、ECOLIN_10295、ECOLIN_10300、ECOLIN_10305、ECOLIN_10310、ECOLIN_10315、ECOLIN_10320、ECOLIN_10325、ECOLIN_10330、ECOLIN_10335、ECOLIN_10340、およびECOLIN_10345。一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175のうちの1つ以上の完全なまたは部分的な欠失である。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175の完全または部分的な欠失である。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170の完全な欠失、ならびにECOLIN_10175の部分的な欠失である。一実施形態では、配列番号130の配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、配列番号130を含む配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281を含有する改変ファージゲノム配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281からなる改変ファージゲノム配列を含む。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PAL3の1つ以上のコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)と、PAL1の1つ以上のコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PAL3の1つ以上のコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)と、PAL1の1つ以上のコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)を含み、フェニルアラニントランスポーターの1つ以上のコピー(例えば、PhePおよび/またはAroP、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)をさらに含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PAL3の1つ以上のコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)と、LAADの1つ以上のコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PAL3の1つ以上のコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)と、LAADの1つ以上のコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)を含み、大腸菌Nissle由来であり、フェニルアラニントランスポーターの1つ以上のコピー(例えば、PhePおよび/またはAroP、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)をさらに含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PAL3の1つ以上のコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)と、PAHの1つ以上のコピーを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PAL3の1つ以上のコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)と、PAHの1つ以上のコピーを含み、フェニルアラニントランスポーターの1つ以上のコピー(例えば、PhePおよび/またはAroP、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)をさらに含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PAL1の1つ以上のコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)と、LAADの1つ以上のコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PAL1の1つ以上のコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)と、LAADの1つ以上のコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)を含み、フェニルアラニントランスポーターの1つ以上のコピー(例えば、PhePおよび/またはAroP、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)をさらに含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PAL1の1つ以上のコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)と、PAHの1つ以上のコピーを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PAL1の1つ以上のコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下に)と、PAHの1つ以上のコピーを含み、フェニルアラニントランスポーターの1つ以上のコピー(例えば、PhePおよび/またはAroP、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)をさらに含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PAHの1つ以上のコピーと、LAADの1つ以上のコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PAHの1つ以上のコピーと、LAADの1つ以上のコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)を含み、フェニルアラニントランスポーターの1つ以上のコピー(例えば、PhePおよび/またはAroP、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)をさらに含む。PMEおよびトランスポーターは、本明細書に記載される挿入部位のいずれかに組み込まれ得る。これらの実施形態のいずれかにおいて、前段落に記載された遺伝子操作された細菌のいずれかは、本明細書に記載のバクテリオファージゲノムをさらに含み、当該バクテリオファージゲノムは本明細書に記載の1つ以上の突然変異をさらに含む。これらの実施形態のいずれかにおいて、遺伝子操作された細菌は大腸菌Nissleに由来し、本明細書に記載のバクテリオファージゲノムをさらに含み、当該バクテリオファージゲノムは本明細書に記載の1つ以上の突然変異をさらに含む。非限定的な例では、ファージゲノムはファージ3であり、1つ以上の遺伝子が部分的に欠失されている。非限定的な例では、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170は部分的にまたは完全に欠失されている。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PAL3の1つ以上のコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、LAADの1つ以上のコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)、およびPAHの1つ以上のコピーを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PAL3の1つ以上のコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、LAADの1つ以上のコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)、およびPAHの1つ以上のコピーを含み、フェニルアラニントランスポーターの1つ以上のコピー(例えば、PhePおよび/またはAroP、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)をさらに含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PAL3の1つ以上のコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、LAADの1つ以上のコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)、およびPAL1の1つ以上のコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PAL3の1つ以上のコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、LAADの1つ以上のコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)、およびPAL1の1つ以上のコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)を含み、フェニルアラニントランスポーターの1つ以上のコピー(例えば、PhePおよび/またはAroP、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)をさらに含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PAL3の1つ以上のコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、PAL1の1つ以上のコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、およびPAHの1つ以上のコピーを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PAL3の1つ以上のコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、PAL1の1つ以上のコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、およびPAHの1つ以上のコピーを含み、フェニルアラニントランスポーターの1つ以上のコピー(例えば、PhePおよび/またはAroP、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)をさらに含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、LAADの1つ以上のコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)、PAHの1つ以上のコピー、およびPAL1の1つ以上のコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、LAADの1つ以上のコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)、PAHの1つ以上のコピー、およびPAL1の1つ以上のコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)を含み、フェニルアラニントランスポーターの1つ以上のコピー(例えば、PhePおよび/またはAroP、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)をさらに含む。PMEおよび/またはトランスポーターは、本明細書に記載される挿入部位のいずれかに組み込まれ得る。あるいは、PMEおよび/またはトランスポーターは低または高コピープラスミドに含まれてもよい。PMEおよび/またはトランスポーターは、低または高コピープラスミドに含まれるPMEおよび/またはトランスポーターと組み合わせて、本明細書に記載される挿入部位のいずれかに組み込まれ得る。これらの実施形態のいずれかにおいて、前段落に記載された遺伝子操作のいずれかは、本明細書に記載のバクテリオファージゲノムをさらに含み、当該バクテリオファージゲノムは本明細書に記載の1つ以上の突然変異をさらに含む。これらの実施形態のいずれかにおいて、遺伝子操作された細菌は大腸菌Nissleに由来し、本明細書に記載のバクテリオファージゲノムをさらに含み、当該バクテリオファージゲノムは本明細書に記載の1つ以上の突然変異をさらに含む。非限定的な例では、ファージゲノムはファージ3であり、1つ以上の遺伝子が部分的に欠失されている。非限定的な例では、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170は部分的にまたは完全に欠失されている。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PAL3の1つ以上のコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、PAL1の1つ以上のコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、LAADの1つ以上のコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)、およびPAHの1つ以上のコピーを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PAL3の1つ以上のコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、PAL1の1つ以上のコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、LAADの1つ以上のコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)、およびPAHの1つ以上のコピーを含み、フェニルアラニントランスポーターの1つ以上のコピー(例えば、PhePおよび/またはAroP、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)をさらに含む。PMEおよびトランスポーターは、本明細書に記載される挿入部位のいずれかに組み込まれ得る。あるいは、PMEおよび/またはトランスポーターは、低または高コピープラスミドに含まれてもよい。これらの実施形態のいずれかにおいて、前段落に記載された遺伝子操作された細菌のいずれかは、本明細書に記載のバクテリオファージゲノムをさらに含み、当該バクテリオファージゲノムは本明細書に記載の1つ以上の突然変異をさらに含む。これらの実施形態のいずれかにおいて、遺伝子操作された細菌は大腸菌Nissle由来であり、本明細書に記載のバクテリオファージゲノムをさらに含み、当該バクテリオファージゲノムは本明細書に記載の1つ以上の突然変異をさらに含む。非限定的な例では、ファージゲノムはファージ3であり、1つ以上の遺伝子が部分的に欠失されている。非限定的な例では、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170は、部分的にまたは完全に欠失されている。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PALの1つのコピー(例えば、PAL1またはPAL3、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、PhePの1つのコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、およびLAADの1つのコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)を含む。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PALの1つのコピー(例えば、PAL1またはPAL3、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、PhePの2つのコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、およびLAADの1つのコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PALの1つのコピー(例えば、PAL1またはPAL3、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、PhePの1つのコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、およびLAADの2つのコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PALの1つのコピー(例えば、PAL1またはPAL3、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、PhePの2つのコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、およびLAADの2つのコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)を含む。PMEおよびトランスポーターは、本明細書に記載される挿入部位のいずれかに組み込まれ得る。あるいは、配置されたPMEおよび/またはトランスポーターは低または高コピープラスミドに含まれてもよい。これらの実施形態のいずれかにおいて、前段落に記載された遺伝子操作された細菌のいずれかは、本明細書に記載のバクテリオファージゲノムをさらに含み、当該バクテリオファージゲノムは本明細書に記載の1つ以上の突然変異をさらに含む。これらの実施形態のいずれかにおいて、遺伝子操作された細菌は大腸菌Nissleに由来し、本明細書に記載のバクテリオファージゲノムをさらに含み、当該バクテリオファージゲノムは本明細書に記載の1つ以上の突然変異をさらに含む。非限定的な例では、ファージゲノムはファージ3であり、1つ以上の遺伝子が部分的に欠失されている。非限定的な例では、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170は、部分的にまたは完全に欠失されている。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PALの2つのコピー(例えば、PAL1またはPAL3、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、PhePの1つのコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、およびLAADの1つのコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PALの2つのコピー(例えば、PAL1またはPAL3、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、PhePの2つのコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、およびLAADの1つのコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PALの2つのコピー(例えば、PAL1またはPAL3、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、PhePの1つのコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、およびLAADの2つのコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PALの2つのコピー(例えば、PAL1またはPAL3、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、PhePの2つのコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、およびLAADの2つのコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)を含む。これらの実施形態のいずれかにおいて、前段落に記載された遺伝子操作された細菌のいずれかは、本明細書に記載のバクテリオファージゲノムをさらに含み、当該バクテリオファージゲノムは本明細書に記載の1つ以上の突然変異をさらに含む。これらの実施形態のいずれかにおいて、遺伝子操作された細菌は大腸菌Nissleに由来し、本明細書に記載のバクテリオファージゲノムをさらに含み、当該バクテリオファージゲノムは本明細書に記載の1つ以上の突然変異をさらに含む。非限定的な例では、ファージゲノムはファージ3であり、1つ以上の遺伝子が部分的に欠失されている。非限定的な例では、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170は、部分的にまたは完全に欠失されている。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PALの3つのコピー(例えば、PAL1またはPAL3、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、PhePの1つのコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、およびLAADの1つのコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PALの3つのコピー(例えば、PAL1またはPAL3、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、PhePの2つのコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、およびLAADの1つのコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PALの3つのコピー(例えば、PAL1またはPAL3、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、PhePの1つのコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、およびLAADの2つのコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PALの3つのコピー(例えば、PAL1またはPAL3、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、PhePの2つのコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、およびLAADの2つのコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PALの3つのコピー(例えば、PAL1またはPAL3、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、PhePの3つのコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、およびLAADの2つのコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PALの3つのコピー(例えば、PAL1またはPAL3、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、PhePの3つのコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、およびLAADの1つのコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)を含む。これらの実施形態のいずれかにおいて、前段落に記載された遺伝子操作された細菌のいずれかは、本明細書に記載のバクテリオファージゲノムをさらに含み、当該バクテリオファージゲノムは本明細書に記載の1つ以上の突然変異をさらに含む。これらの実施形態のいずれかにおいて、遺伝子操作された細菌は大腸菌Nissle由来であり、本明細書に記載のバクテリオファージゲノムをさらに含み、当該バクテリオファージゲノムは本明細書に記載の1つ以上の突然変異をさらに含む。非限定的な例では、ファージゲノムはファージ3であり、1つ以上の遺伝子が部分的に欠失されている。非限定的な例では、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170は、部分的にまたは完全に欠失されている。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PALの4つのコピー(例えば、PAL1またはPAL3、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、PhePの1つのコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、およびLAADの1つのコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PALの4つのコピー(例えば、PAL1またはPAL3、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、PhePの2つのコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、およびLAADの1つのコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PALの4つのコピー(例えば、PAL1またはPAL3、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、PhePの1つのコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、およびLAADの2つのコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PALの4つのコピー(例えば、PAL1またはPAL3、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、PhePの2つのコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、およびLAADの2つのコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)を含む。これらの実施形態のいずれかにおいて、前段落に記載された遺伝子操作された細菌のいずれかは、本明細書に記載のバクテリオファージゲノムをさらに含み、当該バクテリオファージゲノムは本明細書に記載の1つ以上の突然変異をさらに含む。これらの実施形態のいずれかにおいて、遺伝子操作された細菌は大腸菌Nissleに由来し、本明細書に記載のバクテリオファージゲノムをさらに含み、当該バクテリオファージゲノムは本明細書に記載の1つ以上の突然変異をさらに含む。非限定的な例では、ファージゲノムはファージ3であり、1つ以上の遺伝子が部分的に欠失されている。非限定的な例では、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170は、部分的にまたは完全に欠失されている。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PALの5つのコピー(例えば、PAL1またはPAL3、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、PhePの1つのコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、およびLAADの1つのコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PALの5つのコピー(例えば、PAL1またはPAL3、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、PhePの2つのコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、およびLAADの1つのコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PALの5つのコピー(例えば、PAL1またはPAL3、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、PhePの1つのコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、およびLAADの2つのコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、PALの5つのコピー(例えば、PAL1またはPAL3、例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、PhePの2つのコピー(例えば、Pfnrプロモーターの制御下)、およびLAADの2つのコピー(例えば、ParaBADプロモーターの制御下)を含む。これらの実施形態のいずれかにおいて、遺伝子操作された細菌は、本明細書に記載のバクテリオファージゲノムをさらに含み、当該バクテリオファージゲノムは本明細書に記載の1つ以上の突然変異をさらに含む。非限定的な例では、ファージゲノムはファージ3であり、1つ以上の遺伝子が部分的に欠失されている。
非限定的な例では、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170は、部分的にまたは完全に欠失されている。
これらの実施形態のいずれかにおいて、本明細書に記載される細菌は、大腸菌Nissleファージ3ゲノム内に1つ以上の改変または突然変異、例えば、欠失、挿入、置換または逆位を含む。いくつかの実施形態では、突然変異は挿入である。いくつかの実施形態では、挿入は、本明細書に記載されるような抗生物質カセットを含む。いくつかの実施形態では、突然変異は欠失である。本明細書に記載される実施形態のいずれかにおいて、欠失は、以下から選択される1つ以上の遺伝子を包含するか、または以下から選択される1つ以上の遺伝子に位置する:ECOLIN_09965、ECOLIN_09970、ECOLIN_09975、ECOLIN_09980、ECOLIN_09985、ECOLIN_09990、ECOLIN_09995、ECOLIN_10000、ECOLIN_10005、ECOLIN_10010、ECOLIN_10015、ECOLIN_10020、ECOLIN_10025、ECOLIN_10030、ECOLIN_10035、ECOLIN_10040、ECOLIN_10045、ECOLIN_10050、ECOLIN_10055、ECOLIN_10065、ECOLIN_10070、ECOLIN_10075、ECOLIN_10080、ECOLIN_10085、ECOLIN_10090、ECOLIN_10095、ECOLIN_10100、ECOLIN_10105、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、ECOLIN_10175、ECOLIN_10180、ECOLIN_10185、ECOLIN_10190、ECOLIN_10195、ECOLIN_10200、ECOLIN_10205、ECOLIN_10210、ECOLIN_10220、ECOLIN_10225、ECOLIN_10230、ECOLIN_10235、ECOLIN_10240、ECOLIN_10245、ECOLIN_10250、ECOLIN_10255、ECOLIN_10260、ECOLIN_10265、ECOLIN_10270、ECOLIN_10275、ECOLIN_10280、ECOLIN_10290、ECOLIN_10295、ECOLIN_10300、ECOLIN_10305、ECOLIN_10310、ECOLIN_10315、ECOLIN_10320、ECOLIN_10325、ECOLIN_10330、ECOLIN_10335、ECOLIN_10340、およびECOLIN_10345。一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175のうちの1つ以上の完全なまたは部分的な欠失である。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175の完全なまたは部分的な欠失である。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170の完全な欠失、ならびにECOLIN_10175の部分的な欠失である。一実施形態では、配列番号130の配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、配列番号130を含む配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281を含有する改変ファージゲノム配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281からなる改変ファージゲノム配列を含む。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、以下の要素のうちの1つ以上を含む:
a)高親和性フェニルアラニントランスポーター(PheP)をコードする内因性Nissle遺伝子の1つ以上の追加コピー;
b)フォトラブダス(Photorhabdus)由来のフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)をコードする遺伝子のもう1つのコピー;
c)プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)由来のL‐アミノ酸デアミナーゼ(LAAD)をコードする1つ以上の遺伝子;
d)栄養要求性を生成するための内因性遺伝子(例えば、dapAまたはThyA)の1つ以上の欠失;
e)抗生物質耐性;および
f)大腸菌Nissleファージ3ゲノム内の1つ以上の改変または突然変異(例えば、欠失、挿入、置換または逆位)。
前述の実施形態のいずれかにおいて、ファージ3における突然変異は挿入である。いくつかの実施形態では、挿入は抗生物質カセットを含む。前述の実施形態のいくつかでは、突然変異は欠失である。前述の実施形態のいずれか1つにおいて、欠失は、以下から選択される1つ以上の遺伝子に位置する:ECOLIN_09965、ECOLIN_09970、ECOLIN_09975、ECOLIN_09980、ECOLIN_09985、ECOLIN_09990、ECOLIN_09995、ECOLIN_10000、ECOLIN_10005、ECOLIN_10010、ECOLIN_10015、ECOLIN_10020、ECOLIN_10025、ECOLIN_10030、ECOLIN_10035、ECOLIN_10040、ECOLIN_10045、ECOLIN_10050、ECOLIN_10055、ECOLIN_10065、ECOLIN_10070、ECOLIN_10075、ECOLIN_10080、ECOLIN_10085、ECOLIN_10090、ECOLIN_10095、ECOLIN_10100、ECOLIN_10105、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、ECOLIN_10175、ECOLIN_10180、ECOLIN_10185、ECOLIN_10190、ECOLIN_10195、ECOLIN_10200、ECOLIN_10205、ECOLIN_10210、ECOLIN_10220、ECOLIN_10225、ECOLIN_10230、ECOLIN_10235、ECOLIN_10240、ECOLIN_10245、ECOLIN_10250、ECOLIN_10255、ECOLIN_10260、ECOLIN_10265、ECOLIN_10270、ECOLIN_10275、ECOLIN_10280、ECOLIN_10290、ECOLIN_10295、ECOLIN_10300、ECOLIN_10305、ECOLIN_10310、ECOLIN_10315、ECOLIN_10320、ECOLIN_10325、ECOLIN_10330、ECOLIN_10335、ECOLIN_10340、およびECOLIN_10345。一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175のうちの1つ以上の完全なまたは部分的な欠失である。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175の完全なまたは部分的な欠失である。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170の完全な欠失、ならびにECOLIN_10175の部分的な欠失である。一実施形態では、配列番号130の配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、配列番号130を含む配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281を含有する改変ファージゲノム配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281からなる改変ファージゲノム配列を含む。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、以下の要素のうちの1つ以上を含む:
a)高親和性フェニルアラニントランスポーター(PheP)をコードする内因性Nissle遺伝子の1つ以上の追加コピー;
b)フォトラブダス(Photorhabdus)由来のフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)をコードする遺伝子のもう1つのコピー;
c)プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)由来のL‐アミノ酸デアミナーゼ(LAAD)をコードする1つ以上の遺伝子;
d)栄養要求性を生成するための内因性遺伝子(例えば、dapAまたはThyA)の1つ以上の欠失;および
e)大腸菌Nissleファージ3ゲノム内の1つ以上の改変または突然変異(例えば、欠失、挿入、置換または逆位)。
前述の実施形態のいずれかにおいて、ファージ3における突然変異は挿入である。いくつかの実施形態では、挿入は抗生物質カセットを含む。前述の実施形態のいくつかでは、突然変異は欠失である。前述の実施形態のいずれか1つにおいて、欠失は、以下から選択される1つ以上の遺伝子に位置する:ECOLIN_09965、ECOLIN_09970、ECOLIN_09975、ECOLIN_09980、ECOLIN_09985、ECOLIN_09990、ECOLIN_09995、ECOLIN_10000、ECOLIN_10005、ECOLIN_10010、ECOLIN_10015、ECOLIN_10020、ECOLIN_10025、ECOLIN_10030、ECOLIN_10035、ECOLIN_10040、ECOLIN_10045、ECOLIN_10050、ECOLIN_10055、ECOLIN_10065、ECOLIN_10070、ECOLIN_10075、ECOLIN_10080、ECOLIN_10085、ECOLIN_10090、ECOLIN_10095、ECOLIN_10100、ECOLIN_10105、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、ECOLIN_10175、ECOLIN_10180、ECOLIN_10185、ECOLIN_10190、ECOLIN_10195、ECOLIN_10200、ECOLIN_10205、ECOLIN_10210、ECOLIN_10220、ECOLIN_10225、ECOLIN_10230、ECOLIN_10235、ECOLIN_10240、ECOLIN_10245、ECOLIN_10250、ECOLIN_10255、ECOLIN_10260、ECOLIN_10265、ECOLIN_10270、ECOLIN_10275、ECOLIN_10280、ECOLIN_10290、ECOLIN_10295、ECOLIN_10300、ECOLIN_10305、ECOLIN_10310、ECOLIN_10315、ECOLIN_10320、ECOLIN_10325、ECOLIN_10330、ECOLIN_10335、ECOLIN_10340、およびECOLIN_10345。一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175のうちの1つ以上の完全なまたは部分的な欠失である。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175の完全なまたは部分的な欠失である。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170の完全な欠失、ならびにECOLIN_10175の部分的な欠失である。一実施形態では、配列番号130の配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、配列番号130を含む配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281を含有する改変ファージゲノム配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281からなる改変ファージゲノム配列を含む。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は以下の要素を含む:
a)高親和性フェニルアラニントランスポーター(PheP)をコードする内因性Nissle遺伝子の1つ以上の追加コピー;
b)フォトラブダス(Photorhabdus)由来のフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)をコードする遺伝子のもう1つのコピー;
c)プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)由来のL‐アミノ酸デアミナーゼ(LAAD)をコードする1つ以上の遺伝子;
d)栄養要求性を生成するための内因性遺伝子(例えば、dapAまたはThyA)の1つ以上の欠失;および
e)大腸菌Nissleファージ3ゲノム内の1つ以上の改変または突然変異(例えば、欠失、挿入、置換または逆位)。
前述の実施形態のいくつかでは、突然変異は挿入である。いくつかの実施形態では、挿入は抗生物質カセットを含む。前述の実施形態のいくつかでは、突然変異は欠失である。前述の実施形態のいずれか1つにおいて、欠失は、以下から選択される1つ以上の遺伝子に位置する:ECOLIN_09965、ECOLIN_09970、ECOLIN_09975、ECOLIN_09980、ECOLIN_09985、ECOLIN_09990、ECOLIN_09995、ECOLIN_10000、ECOLIN_10005、ECOLIN_10010、ECOLIN_10015、ECOLIN_10020、ECOLIN_10025、ECOLIN_10030、ECOLIN_10035、ECOLIN_10040、ECOLIN_10045、ECOLIN_10050、ECOLIN_10055、ECOLIN_10065、ECOLIN_10070、ECOLIN_10075、ECOLIN_10080、ECOLIN_10085、ECOLIN_10090、ECOLIN_10095、ECOLIN_10100、ECOLIN_10105、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、ECOLIN_10175、ECOLIN_10180、ECOLIN_10185、ECOLIN_10190、ECOLIN_10195、ECOLIN_10200、ECOLIN_10205、ECOLIN_10210、ECOLIN_10220、ECOLIN_10225、ECOLIN_10230、ECOLIN_10235、ECOLIN_10240、ECOLIN_10245、ECOLIN_10250、ECOLIN_10255、ECOLIN_10260、ECOLIN_10265、ECOLIN_10270、ECOLIN_10275、ECOLIN_10280、ECOLIN_10290、ECOLIN_10295、ECOLIN_10300、ECOLIN_10305、ECOLIN_10310、ECOLIN_10315、ECOLIN_10320、ECOLIN_10325、ECOLIN_10330、ECOLIN_10335、ECOLIN_10340、およびECOLIN_10345。一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175のうちの1つ以上の完全なまたは部分的な欠失である。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175の完全なまたは部分的な欠失である。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170の完全な欠失、ならびにECOLIN_10175の部分的な欠失である。一実施形態では、配列番号130の配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、配列番号130を含む配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281を含有する改変ファージゲノム配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281からなる改変ファージゲノム配列を含む。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は以下の要素のうちの1つ以上を含む:
a)外因性環境条件下で誘導可能なプロモーターの調節制御下にある高親和性フェニルアラニントランスポーター(PheP)をコードする内因性Nissle遺伝子の1つ以上の追加コピー;
b)外因性環境条件で誘導可能なフォトラブダス・ルミネセンス(Photorhabdus luminescens)由来のフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)をコードする遺伝子のもう1つのコピー;
c)化学的誘導物質または栄養性誘導物質によって誘導可能なプロモーターの調節制御下にあるPALをコードする遺伝子の1つ以上のコピー;
d)PALの発現を誘導する化学的誘導物質と同一または異なった化学的誘導物質によって誘導可能なプロモーターの調節制御下にある、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)由来のL−アミノ酸デミナーゼ(LAAD)をコードする1つ以上の遺伝子;
e)栄養要求性を生成するための内因性遺伝子(例えば、dapAまたはThyA)の1つ以上の欠失;および
f)大腸菌Nissleファージ3ゲノム内の1つ以上の改変または突然変異(例えば、欠失、挿入、置換または逆位)。
前述の実施形態のいずれかにおいて、ファージ3における突然変異は挿入である。いくつかの実施形態では、挿入は抗生物質カセットを含む。前述の実施形態のいくつかでは、突然変異は欠失である。前述の実施形態のいずれか1つにおいて、欠失は、以下から選択される1つ以上の遺伝子に位置する:ECOLIN_09965、ECOLIN_09970、ECOLIN_09975、ECOLIN_09980、ECOLIN_09985、ECOLIN_09990、ECOLIN_09995、ECOLIN_10000、ECOLIN_10005、ECOLIN_10010、ECOLIN_10015、ECOLIN_10020、ECOLIN_10025、ECOLIN_10030、ECOLIN_10035、ECOLIN_10040、ECOLIN_10045、ECOLIN_10050、ECOLIN_10055、ECOLIN_10065、ECOLIN_10070、ECOLIN_10075、ECOLIN_10080、ECOLIN_10085、ECOLIN_10090、ECOLIN_10095、ECOLIN_10100、ECOLIN_10105、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、ECOLIN_10175、ECOLIN_10180、ECOLIN_10185、ECOLIN_10190、ECOLIN_10195、ECOLIN_10200、ECOLIN_10205、ECOLIN_10210、ECOLIN_10220、ECOLIN_10225、ECOLIN_10230、ECOLIN_10235、ECOLIN_10240、ECOLIN_10245、ECOLIN_10250、ECOLIN_10255、ECOLIN_10260、ECOLIN_10265、ECOLIN_10270、ECOLIN_10275、ECOLIN_10280、ECOLIN_10290、ECOLIN_10295、ECOLIN_10300、ECOLIN_10305、ECOLIN_10310、ECOLIN_10315、ECOLIN_10320、ECOLIN_10325、ECOLIN_10330、ECOLIN_10335、ECOLIN_10340、およびECOLIN_10345。一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175のうちの1つ以上の完全なまたは部分的な欠失である。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175の完全なまたは部分的な欠失である。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170の完全な欠失、ならびにECOLIN_10175の部分的な欠失である。一実施形態では、配列番号130の配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、配列番号130を含む配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281を含有する改変ファージゲノム配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281からなる改変ファージゲノム配列を含む。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は以下の要素を含む:
a)外因性環境条件下で誘導可能なプロモーターの調節制御下にある高親和性フェニルアラニントランスポーター(PheP)をコードする内因性Nissle遺伝子の1つ以上の追加コピー;
b)外因性環境条件で誘導可能なフォトラブダス・ルミネセンス(Photorhabdus luminescens)由来のフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)をコードする遺伝子のもう1つのコピー;
c)化学的誘導物質または栄養性誘導物質によって誘導可能なプロモーターの調節制御下にあるPALをコードする遺伝子の1つ以上のコピー;
d)PALの発現を誘導する化学的誘導物質と同一または異なった化学的誘導物質によって誘導可能なプロモーターの調節制御下にある、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)由来のL−アミノ酸デミナーゼ(LAAD)をコード化する1つ以上の遺伝子;
e)栄養要求性を生成するための内因性遺伝子(例えば、dapAまたはThyA)の1つ以上の欠失;および
f)大腸菌Nissleファージ3ゲノム内の1つ以上の改変または突然変異(例えば、欠失、挿入、置換または逆位)。
前述の実施形態のいくつかでは、突然変異は挿入である。いくつかの実施形態では、挿入は抗生物質カセットを含む。前述の実施形態のいくつかでは、突然変異は欠失である。前述の実施形態のいずれか1つにおいて、欠失は、以下から選択される1つ以上の遺伝子に位置する:ECOLIN_09965、ECOLIN_09970、ECOLIN_09975、ECOLIN_09980、ECOLIN_09985、ECOLIN_09990、ECOLIN_09995、ECOLIN_10000、ECOLIN_10005、ECOLIN_10010、ECOLIN_10015、ECOLIN_10020、ECOLIN_10025、ECOLIN_10030、ECOLIN_10035、ECOLIN_10040、ECOLIN_10045、ECOLIN_10050、ECOLIN_10055、ECOLIN_10065、ECOLIN_10070、ECOLIN_10075、ECOLIN_10080、ECOLIN_10085、ECOLIN_10090、ECOLIN_10095、ECOLIN_10100、ECOLIN_10105、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、ECOLIN_10175、ECOLIN_10180、ECOLIN_10185、ECOLIN_10190、ECOLIN_10195、ECOLIN_10200、ECOLIN_10205、ECOLIN_10210、ECOLIN_10220、ECOLIN_10225、ECOLIN_10230、ECOLIN_10235、ECOLIN_10240、ECOLIN_10245、ECOLIN_10250、ECOLIN_10255、ECOLIN_10260、ECOLIN_10265、ECOLIN_10270、ECOLIN_10275、ECOLIN_10280、ECOLIN_10290、ECOLIN_10295、ECOLIN_10300、ECOLIN_10305、ECOLIN_10310、ECOLIN_10315、ECOLIN_10320、ECOLIN_10325、ECOLIN_10330、ECOLIN_10335、ECOLIN_10340、およびECOLIN_10345。一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175のうちの1つ以上の完全なまたは部分的な欠失である。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175の完全なまたは部分的な欠失である。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170の完全な欠失、ならびにECOLIN_10175の部分的な欠失である。一実施形態では、配列番号130の配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、配列番号130を含む配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、遺伝子操作された細菌が配列番号281を含有する改変ファージゲノム配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281からなる改変ファージゲノム配列を含む。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は以下の要素を含む:
a)外因性環境条件で誘導可能なプロモーターの調節制御下にある高親和性フェニルアラニントランスポーター(PheP)をコードする内因性Nissle遺伝子の2つの追加コピー;
b)外因性環境条件で誘導可能なフォトラブダス・ルミネセンス(Photorhabdus luminescens)由来のフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)をコードする遺伝子の3つのコピー;
c)化学的誘導物質または栄養性誘導物質によって誘導可能なプロモーターの調節制御下にあるPALをコードする遺伝子の2つのコピー;
d)PALの発現を誘導する化学的誘導物質と同一または異なった化学的誘導物質によって誘導可能なプロモーターの調節制御下にある、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)由来のL−アミノ酸デミナーゼ(LAAD)をコードする遺伝子の1つのコピー;
e)栄養要求性を生成するための内因性dapAの1つ以上の欠失;および
f)大腸菌Nissleファージ3ゲノム内の1つ以上の改変または突然変異(例えば、欠失、挿入、置換または逆位)。
前述の実施形態のいくつかにおいて、突然変異は挿入である。いくつかの実施形態では、挿入は抗生物質カセットを含む。前述の実施形態のいくつかでは、突然変異は欠失である。前述の実施形態のいずれか1つにおいて、欠失は、以下から選択される1つ以上の遺伝子に位置する:ECOLIN_09965、ECOLIN_09970、ECOLIN_09975、ECOLIN_09980、ECOLIN_09985、ECOLIN_09990、ECOLIN_09995、ECOLIN_10000、ECOLIN_10005、ECOLIN_10010、ECOLIN_10015、ECOLIN_10020、ECOLIN_10025、ECOLIN_10030、ECOLIN_10035、ECOLIN_10040、ECOLIN_10045、ECOLIN_10050、ECOLIN_10055、ECOLIN_10065、ECOLIN_10070、ECOLIN_10075、ECOLIN_10080、ECOLIN_10085、ECOLIN_10090、ECOLIN_10095、ECOLIN_10100、ECOLIN_10105、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、ECOLIN_10175、ECOLIN_10180、ECOLIN_10185、ECOLIN_10190、ECOLIN_10195、ECOLIN_10200、ECOLIN_10205、ECOLIN_10210、ECOLIN_10220、ECOLIN_10225、ECOLIN_10230、ECOLIN_10235、ECOLIN_10240、ECOLIN_10245、ECOLIN_10250、ECOLIN_10255、ECOLIN_10260、ECOLIN_10265、ECOLIN_10270、ECOLIN_10275、ECOLIN_10280、ECOLIN_10290、ECOLIN_10295、ECOLIN_10300、ECOLIN_10305、ECOLIN_10310、ECOLIN_10315、ECOLIN_10320、ECOLIN_10325、ECOLIN_10330、ECOLIN_10335、ECOLIN_10340、およびECOLIN_10345。一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175のうちの1つ以上の完全なまたは部分的な欠失である。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175の完全なまたは部分的な欠失である。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170の完全な欠失、ならびにECOLIN_10175の部分的な欠失である。一実施形態では、配列番号130の配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、配列番号130を含む配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281を含む改変ファージゲノム配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281からなる改変ファージゲノム配列を含む。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は以下の要素のうちの1つ以上を含む:
a)嫌気性誘導性プロモーター(PfnrS)および嫌気性応答性転写活性化因子FNRの調節制御下にある高親和性フェニルアラニントランスポーター(PheP)をコードする内因性Nissle遺伝子の1つ以上の追加コピー;
b)PfnrSおよびFNRの調節制御下にあるフォトラブダス・ルミネセンス(Photorhabdus luminescens)由来のフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)をコードする遺伝子のもう1つのコピー;
c)合成プロモーター(Ptac)およびラクトース応答性転写リプレッサーLacIの調節制御下にあるPALをコードする遺伝子の1つ以上のコピー;
d)アラビノース誘導性プロモーター(PBAD)およびアラビノース応答性転写活性化因子AraCの調節制御下にあるプロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)由来のL−アミノ酸デアミナーゼ(LAAD)をコードする1つ以上の遺伝子;
e)栄養要求性を生成するための内因性遺伝子(例えば、dapAまたはThyA)の1つ以上の欠失;および
f)大腸菌Nissleファージ3ゲノム内の1つ以上の改変または突然変異(例えば、欠失、挿入、置換または逆位)。
前述の実施形態のいくつかでは、突然変異は挿入である。いくつかの実施形態では、挿入は抗生物質カセットを含む。前述の実施形態のいくつかでは、突然変異は欠失である。前述の実施形態のいずれか1つにおいて、欠失は、以下から選択される1つ以上の遺伝子に位置する:ECOLIN_09965、ECOLIN_09970、ECOLIN_09975、ECOLIN_09980、ECOLIN_09985、ECOLIN_09990、ECOLIN_09995、ECOLIN_10000、ECOLIN_10005、ECOLIN_10010、ECOLIN_10015、ECOLIN_10020、ECOLIN_10025、ECOLIN_10030、ECOLIN_10035、ECOLIN_10040、ECOLIN_10045、ECOLIN_10050、ECOLIN_10055、ECOLIN_10065、ECOLIN_10070、ECOLIN_10075、ECOLIN_10080、ECOLIN_10085、ECOLIN_10090、ECOLIN_10095、ECOLIN_10100、ECOLIN_10105、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、ECOLIN_10175、ECOLIN_10180、ECOLIN_10185、ECOLIN_10190、ECOLIN_10195、ECOLIN_10200、ECOLIN_10205、ECOLIN_10210、ECOLIN_10220、ECOLIN_10225、ECOLIN_10230、ECOLIN_10235、ECOLIN_10240、ECOLIN_10245、ECOLIN_10250、ECOLIN_10255、ECOLIN_10260、ECOLIN_10265、ECOLIN_10270、ECOLIN_10275、ECOLIN_10280、ECOLIN_10290、ECOLIN_10295、ECOLIN_10300、ECOLIN_10305、ECOLIN_10310、ECOLIN_10315、ECOLIN_10320、ECOLIN_10325、ECOLIN_10330、ECOLIN_10335、ECOLIN_10340、およびECOLIN_10345。一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175のうちの1つ以上の完全なまたは部分的な欠失である。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175の完全なまたは部分的な欠失である。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170の完全な欠失、ならびにECOLIN_10175の部分的な欠失である。一実施形態では、配列番号130の配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、配列番号130を含む配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281を含有する改変ファージゲノム配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281からなる改変ファージゲノム配列を含む。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は以下の要素を含む:
a)嫌気性誘導性プロモーター(PfnrS)および嫌気性応答性転写活性化因子FNRの調節制御下にある高親和性フェニルアラニントランスポーター(PheP)をコードする内因性Nissle遺伝子の1つ以上の追加コピー;
b)PfnrSおよびFNRの調節制御下にあるフォトラブダス・ルミネセンス(Photorhabdus luminescens)由来のフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)をコードする遺伝子のもう1つのコピー;
c)合成プロモーター(Ptac)およびラクトース応答性転写リプレッサーLacIの調節制御下にあるPALをコードする遺伝子の1つ以上のコピー;
d)アラビノース誘導性プロモーター(PBAD)およびアラビノース応答性転写活性化因子AraCの調節制御下にあるプロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)由来のL−アミノ酸デアミナーゼ(LAAD)をコードする1つ以上の遺伝子;
e)栄養要求性を生成するための内因性遺伝子(例えば、dapAまたはThyA)の1つ以上の欠失;および
f)大腸菌Nissleファージ3ゲノム内の1つ以上の改変または突然変異(例えば、欠失、挿入、置換または逆位)。
上記の実施形態のいくつかにおいて、突然変異は挿入である。いくつかの実施形態では、挿入は抗生物質カセットを含む。前述の実施形態のいくつかでは、突然変異は欠失である。前述の実施形態のいずれか1つにおいて、欠失は、以下から選択される1つ以上の遺伝子に位置する:ECOLIN_09965、ECOLIN_09970、ECOLIN_09975、ECOLIN_09980、ECOLIN_09985、ECOLIN_09990、ECOLIN_09995、ECOLIN_10000、ECOLIN_10005、ECOLIN_10010、ECOLIN_10015、ECOLIN_10020、ECOLIN_10025、ECOLIN_10030、ECOLIN_10035、ECOLIN_10040、ECOLIN_10045、ECOLIN_10050、ECOLIN_10055、ECOLIN_10065、ECOLIN_10070、ECOLIN_10075、ECOLIN_10080、ECOLIN_10085、ECOLIN_10090、ECOLIN_10095、ECOLIN_10100、ECOLIN_10105、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、ECOLIN_10175、ECOLIN_10180、ECOLIN_10185、ECOLIN_10190、ECOLIN_10195、ECOLIN_10200、ECOLIN_10205、ECOLIN_10210、ECOLIN_10220、ECOLIN_10225、ECOLIN_10230、ECOLIN_10235、ECOLIN_10240、ECOLIN_10245、ECOLIN_10250、ECOLIN_10255、ECOLIN_10260、ECOLIN_10265、ECOLIN_10270、ECOLIN_10275、ECOLIN_10280、ECOLIN_10290、ECOLIN_10295、ECOLIN_10300、ECOLIN_10305、ECOLIN_10310、ECOLIN_10315、ECOLIN_10320、ECOLIN_10325、ECOLIN_10330、ECOLIN_10335、ECOLIN_10340、およびECOLIN_10345。一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175のうちの1つ以上の完全なまたは部分的な欠失である。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175の完全なまたは部分的な欠失である。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170の完全な欠失、ならびにECOLIN_10175の部分的な欠失である。一実施形態では、配列番号130の配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、配列番号130を含む配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281を含有する改変ファージゲノム配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281からなる改変ファージゲノム配列を含む。
具体的な一実施形態では、遺伝子操作された細菌は以下の要素の各々を含む:
a)lacZおよびagal/rsml遺伝子座で染色体に挿入された、嫌気性誘導性プロモーター(PfnrS)および嫌気性応答性転写活性化因子FNRの調節制御下にある高親和性フェニルアラニントランスポーター(PheP)をコードする内因性Nissle遺伝子の2つの追加コピー;
b)malEK、malPT、およびyicS/nepI遺伝子座で染色体に挿入された、PfnrSおよびFNRの調節制御下にあるフォトラブダス・ルミネセンス(Photorhabdus luminescens)由来のフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)をコードする遺伝子の3つのコピー;
c)exo/ceaおよびrhtC/rhtB遺伝子座に挿入された、合成プロモーター(Plac)およびラクトース応答性転写リプレッサーLacIの調節制御下にあるPALをコードする遺伝子の2つの追加コピー;
d)
e)アラビノース誘導性プロモーター(PBAD)およびアラビノース応答性転写活性化因子(AraC)の調節制御下にあるプロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)由来のL−アミノ酸デアミナーゼ(LAAD)をコードする遺伝子の1つのコピー(LAADは天然アラビノースプロモーター下にある);
f)ジアミノピメリン酸栄養要求株を作製するための4−ヒドロキシ−テトラヒドロピコリン酸シンターゼをコードするdapA遺伝子の欠失;および大腸菌Nissleファージ3ゲノム内の1つ以上の改変または突然変異(例えば、欠失、挿入、置換または逆位)。
前述の実施形態のいくつかでは、突然変異は挿入である。いくつかの実施形態では、挿入は抗生物質カセットを含む。前述の実施形態のいくつかでは、突然変異は欠失である。前述の実施形態のいずれか1つにおいて、欠失は、以下から選択される1つ以上の遺伝子に位置する:ECOLIN_09965、ECOLIN_09970、ECOLIN_09975、ECOLIN_09980、ECOLIN_09985、ECOLIN_09990、ECOLIN_09995、ECOLIN_10000、ECOLIN_10005、ECOLIN_10010、ECOLIN_10015、ECOLIN_10020、ECOLIN_10025、ECOLIN_10030、ECOLIN_10035、ECOLIN_10040、ECOLIN_10045、ECOLIN_10050、ECOLIN_10055、ECOLIN_10065、ECOLIN_10070、ECOLIN_10075、ECOLIN_10080、ECOLIN_10085、ECOLIN_10090、ECOLIN_10095、ECOLIN_10100、ECOLIN_10105、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、ECOLIN_10175、ECOLIN_10180、ECOLIN_10185、ECOLIN_10190、ECOLIN_10195、ECOLIN_10200、ECOLIN_10205、ECOLIN_10210、ECOLIN_10220、ECOLIN_10225、ECOLIN_10230、ECOLIN_10235、ECOLIN_10240、ECOLIN_10245、ECOLIN_10250、ECOLIN_10255、ECOLIN_10260、ECOLIN_10265、ECOLIN_10270、ECOLIN_10275、ECOLIN_10280、ECOLIN_10290、ECOLIN_10295、ECOLIN_10300、ECOLIN_10305、ECOLIN_10310、ECOLIN_10315、ECOLIN_10320、ECOLIN_10325、ECOLIN_10330、ECOLIN_10335、ECOLIN_10340、およびECOLIN_10345。一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175のうちの1つ以上の完全なまたは部分的な欠失である。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175の完全なまたは部分的な欠失である。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170の完全な欠失、ならびにECOLIN_10175の部分的な欠失である。一実施形態では、配列番号130の配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、配列番号130を含む配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281を含有する改変ファージゲノム配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281からなる改変ファージゲノム配列を含む。
具体的な一実施形態では、遺伝子操作された細菌は以下の要素の各々を含む:
a)lacZおよびagal/rsml遺伝子座で染色体に挿入された、嫌気性誘導性プロモーター(PfnrS)および嫌気性応答性転写活性化因子FNRの調節制御下にある高親和性フェニルアラニントランスポーター(PheP)をコードする内因性Nissle遺伝子の2つの追加コピー;
b)malEK、malPT、およびyicS/nepI遺伝子座で染色体に挿入された、PfnrSおよびFNRの調節制御下にあるフォトラブダス・ルミネセンス(Photorhabdus luminescens)由来のフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)をコードする遺伝子の3つのコピー;
c)exo/ceaおよびrhtC/rhtB遺伝子座に挿入された、合成プロモーター(Plac)およびラクトース応答性転写リプレッサーLacIの調節制御下にあるPALをコードする遺伝子の2つの追加コピー;
d)アラビノース誘導性プロモーター(PBAD)およびアラビノース応答性転写活性化因子(AraC)の調節制御下にあるプロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)由来のL−アミノ酸デアミナーゼ(LAAD)をコードする遺伝子の1つのコピー(LAADは天然アラビノースプロモーター下にある);
e)ジアミノピメリン酸栄養要求株を作製するための4−ヒドロキシ−テトラヒドロピコリン酸シンターゼをコードするdapA遺伝子の欠失;および
f)欠失領域が、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、および部分的にECOLIN_10165を含む、大腸菌Nissleファージ3ゲノム内の領域の欠失。
具体的な一実施形態では、遺伝子操作された細菌は以下の要素の各々を含む:
a)lacZおよびagal/rsml遺伝子座で染色体に挿入された、嫌気性誘導性プロモーター(PfnrS)および嫌気性応答性転写活性化因子FNRの調節制御下にある高親和性フェニルアラニントランスポーター(PheP)をコードする内因性Nissle遺伝子の2つの追加コピー;
b)malEK、malPT、およびyicS/nepI遺伝子座で染色体に挿入された、PfnrSおよびFNRの調節制御下にあるフォトラブダス・ルミネセンス(Photorhabdus luminescens)由来のフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)をコードする遺伝子の3つのコピー;
c)exo/ceaおよびrhtC/rhtB遺伝子座に挿入された、合成プロモーター(Plac)およびラクトース応答性転写リプレッサーLacIの調節制御下にあるPALをコードする遺伝子の2つの追加コピー;
d)アラビノース誘導性プロモーター(PBAD)およびアラビノース応答性転写活性化因子(AraC)の調節制御下にあるプロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)由来のL−アミノ酸デアミナーゼ(LAAD)をコードする遺伝子の1つのコピー(LAADは天然アラビノースプロモーター下にある);
e)ジアミノピメリン酸栄養要求株を作製するための4−ヒドロキシ−テトラヒドロピコリン酸シンターゼをコードするdapA遺伝子の欠失;および
g)欠失領域が配列番号130からなる、大腸菌Nissleファージ3ゲノム内の領域の欠失。
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は大腸菌Nissleである。いくつかの実施形態では、当該株はSYN−PKU−2002と同じ改変を含む。いくつかの実施形態では、当該株はSYN−PKU−2002である。
表14は、本開示の遺伝子操作された細菌の非限定的な例を含む。特定の実施形態では、表14の遺伝子操作された細菌は、分泌のためのPMEをさらに含む。
[表14]本開示の実施形態の非限定的な例
Figure 2020525012
Figure 2020525012
Figure 2020525012
遺伝子操作された生物、例えば操作された細菌または操作されたOVが、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、または他の抗癌分子、消化管バリアエンハンサー分子、抗炎症性分子、神経調節性分子、満腹エフェクター(satiety effector)、DNA、RNA、小分子、または微生物から分泌されることを目的としたその他の分子を産生する本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、操作された微生物は、分泌機構、および分泌系をコードする対応する遺伝子配列を含み得る。
Figure 2020525012
一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、分泌のための1つ以上のPMEと組合せて、フェニルアラニンを代謝するための1つ以上のPMEを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、分泌のための1つ以上のPMEと組合せて、フェニルアラニンを代謝するための1つ以上のPMEとフェニルアラニントランスポーターとを含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、分泌のための1つ以上のPMEと組合せて、フェニルアラニンを代謝するための1つ以上のPMEとフェニルアラニントランスポーターとを含み、栄養要求性および/または抗生物質耐性も含む。本明細書に記載される分泌系は、多数の作用機構を有する遺伝子操作された細菌においてPMEを分泌するために利用される。
これらの実施形態のいずれかにおいて、本明細書に記載される細菌は、大腸菌Nissleファージ3ゲノム内に1つ以上の改変または突然変異(例えば、欠失、挿入、置換または逆位)を含む。いくつかの実施形態では、突然変異は挿入である。いくつかの実施形態では、突然変異は欠失である。本明細書に記載される実施形態のいずれかにおいて、欠失は、以下から選択される1つ以上の遺伝子を(完全にまたは部分的に)包含するか、または以下から選択される1つ以上の遺伝子に位置する:ECOLIN_09965、ECOLIN_09970、ECOLIN_09975、ECOLIN_09980、ECOLIN_09985、ECOLIN_09990、ECOLIN_09995、ECOLIN_10000、ECOLIN_10005、ECOLIN_10010、ECOLIN_10015、ECOLIN_10020、ECOLIN_10025、ECOLIN_10030、ECOLIN_10035、ECOLIN_10040、ECOLIN_10045、ECOLIN_10050、ECOLIN_10055、ECOLIN_10065、ECOLIN_10070、ECOLIN_10075、ECOLIN_10080、ECOLIN_10085、ECOLIN_10090、ECOLIN_10095、ECOLIN_10100、ECOLIN_10105、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、ECOLIN_10175、ECOLIN_10180、ECOLIN_10185、ECOLIN_10190、ECOLIN_10195、ECOLIN_10200、ECOLIN_10205、ECOLIN_10210、ECOLIN_10220、ECOLIN_10225、ECOLIN_10230、ECOLIN_10235、ECOLIN_10240、ECOLIN_10245、ECOLIN_10250、ECOLIN_10255、ECOLIN_10260、ECOLIN_10265、ECOLIN_10270、ECOLIN_10275、ECOLIN_10280、ECOLIN_10290、ECOLIN_10295、ECOLIN_10300、ECOLIN_10305、ECOLIN_10310、ECOLIN_10315、ECOLIN_10320、ECOLIN_10325、ECOLIN_10330、ECOLIN_10335、ECOLIN_10340、およびECOLIN_10345。一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175のうちの1つ以上の完全なまたは部分的な欠失である。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175の完全なまたは部分的な欠失である。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170の完全な欠失、ならびにECOLIN_10175の部分的な欠失である。一実施形態では、配列番号130の配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、配列番号130を含む配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281を含有する改変ファージゲノム配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281からなる改変ファージゲノム配列を含む。
(分泌)
遺伝子操作された微生物がタンパク質、ポリペプチド、ペプチド、または他の抗癌分子、免疫調節分子、DNA、RNA、小分子、または微生物から分泌されることを目的としたその他の分子を産生する本明細書に記載の実施形態のいずれかにおいて、操作された微生物は、分泌機構、および分泌系をコードする対応する遺伝子配列を含み得る。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、細胞外環境において細菌細胞質から抗癌分子を分泌することができる天然の分泌機構または非天然の分泌機構をさらに含む。多くの細菌は、細菌の細胞外被を横切って基質を輸送するために高度な分泌系を進化させてきた。小分子、タンパク質、およびDNAなどの基質は、細胞外空間またはペリプラズム(消化管内腔または他の空間など)に放出されるか、標的細胞に注入されるか、または細菌膜に結合され得る。
グラム陰性細菌において、分泌マシーナリーは内膜および外膜の一方または両方にまたがることができる。
タンパク質、例えば、治療用ポリペプチドを細胞外空間に移行するために、ポリペプチドは最初に細胞内で翻訳され、内膜を横切って動員され、最終的に外膜を横切って動員されなければならない。多くのエフェクタータンパク質(例えば、治療用ポリペプチド)、特に真核生物起源のものは、三次および四次構造を安定化させるためにジスルフィド結合を含む。これらの結合はペリプラズムシャペロンの助けを借りて酸化的なペリプラズム区画で正しく形成され得るが、外膜を横切ってポリペプチドを移行させるためには、ジスルフィド結合が還元されて、タンパク質がアンフォールド(unfolded)されなければならない。
グラム陰性およびグラム陽性細菌からの異種ポリペプチド、例えば、エフェクター分子の分泌のための適切な分泌系は、係属中の共有の国際特許出願PCT/US2016/34200(出願日2016年5月25日)、PCT/US2017/013072(出願日2017年1月11日)、PCT/US2017/016603(出願日2017年2月3日)、PCT/US2017/016609(出願日2016年2月4日)、PCT/US2017/017563(出願日2017年2月10日)、PCT/US2017/017552(出願日2017年2月10日)、PCT/US2016/044922(出願日2016年7月29日)、PCT/US2016/049781(出願日2016年8月31日)、PCT/US2016/37098(出願日2016年6月10日)、PCT/US2016/069052(出願日2016年12月28日)、PCT/US2016/32562(出願日2016年5月13日)、PCT/US2016/062369(出願日2016年11月16日)、およびPCT/US2017/013072に記載されており、これらの内容はその全体が参照により本明細書に援用される。
(表面ディスプレイ)
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌および/または微生物は、本明細書に記載される目的のポリぺプチドをコードする1つ以上の遺伝子および/または遺伝子カセットをコードし、当該目的のポリぺプチドは、細菌および/または微生物の表面上に固定またはディスプレイされる。細菌および/または微生物にディスプレイまたは固定されるペイロード分子の例は、本明細書に記載のペイロード分子または他のエフェクターのいずれかであり、限定されないが、酵素(例えば、PMEまたはキヌレニナーゼ)、抗体(例えば、scFv断片)、および腫瘍特異的抗原またはネオ抗原(neoantigen)を含む。
グラム陰性細菌およびグラム陽性細菌の表面上での異種ポリペプチド(例えば、エフェクター分子)の表面ディスプレイに適したシステムは、国際公開第2017/123675号として公開された国際特許出願PCT/US2017/013072(出願日2017年1月11日)に記載されており、その内容全体が参照により本明細書に援用される。
(必須遺伝子および栄養要求株)
本明細書において使用される場合、「必須遺伝子」という用語は、細胞増殖および/または生存に必要とされる遺伝子を指す。細菌の必須遺伝子は当業者に周知であり、遺伝子の指向性欠失(directed deletion of genes)および/またはランダム突然変異誘発ならびにスクリーニングによって同定され得る(例えば、ZhangおよびLin、「DEG 5.0,a database of essential genes in both prokaryotes and eukaryotes」、Nucl Acids Res、2009年;37:D455−D458、およびGerdesら、「Essential genes on metabolic maps」、Curr Opin Biotechnol、2006年;17(5):448〜456頁を参照。これらの各々の内容全体は参照により明示的に本明細書に援用される)。
「必須遺伝子」は、生物が生存している状況および環境に依存し得る。例えば、必須遺伝子の突然変異、改変、または除去により、本開示の遺伝子操作された細菌は栄養要求株になるかもしれない。栄養要求性の改変は、細菌がその必須栄養素を産生するのに必要な遺伝子を欠いているため、生存または増殖に必須の外部から加えられた栄養素の非存在下で細菌を死滅させることを意図する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される遺伝子操作された細菌のいずれかは、細胞の生存および/または増殖に必要な遺伝子における欠失または突然変異も含む。一実施形態では、必須遺伝子はDNA合成遺伝子(例えば、thyA)である。別の実施形態では、必須遺伝子は細胞壁合成遺伝子(例えば、dapA)である。さらに別の実施形態では、必須遺伝子はアミノ酸遺伝子(例えば、serAまたはMetA)である。対応する野生型遺伝子産物が細菌において産生されない限り、限定されないが、cysE、glnA、ilvD、leuB、lysA、serA、metA、glyA、hisB、ilvA、pheA、proA、thrC、trpC、tyrA、thyA、uraA、dapA、dapB、dapD、dapE、dapF、flhD、metB、metC、proAB、およびthi1を含む、細胞の生存および/または増殖に必要な任意の遺伝子を標的にすることができる。表18Aは、栄養要求性株を産生するために破壊または欠失され得る例示的な細菌遺伝子を列挙する。これらには、限定されないが、オリゴヌクレオチド合成、アミノ酸合成、および細胞壁合成に必要な遺伝子が含まれる。
[表18A]栄養要求株の産生に有用な細菌遺伝子の非限定的な例
Figure 2020525012
表19Aは、強制経口投与の24時間後および48時間後に検出された、マウスの消化管における種々のアミノ酸栄養要求株の生存を示す。これらの栄養要求株は、大腸菌の非Nissle株であるBW25113を使用して産生された。
[表19A]マウス消化管におけるアミノ酸栄養要求株の生存
Figure 2020525012
例えば、チミンは細菌細胞の増殖に必要とされる核酸であり、その非存在下では、細菌は細胞死を起こす。thyA遺伝子は、dUMPをdTMPに変換することによってチミン合成における第1段階を触媒する酵素であるチミジル酸シンテターゼをコードする(Satら、2003年)。いくつかの実施形態では、本開示の細菌細胞はthyA栄養要求株であり、thyA遺伝子の欠失および/またはthyA遺伝子の非関連遺伝子による置換を有する。thyA栄養要求株は、例えば、in vitroで増殖培地にチミンを添加することによって、またはin vivoでヒトの消化管に天然に見出される高いチミンレベルの存在下で十分な量のチミンが存在する場合にのみ増殖することができる。いくつかの実施形態では、本開示の細菌細胞は、細菌が哺乳動物の消化管に存在する場合に補完される遺伝子において栄養要求性である。十分な量のチミンがないと、thyA栄養要求株は死滅する。いくつかの実施形態では、栄養要求性の改変は、細菌細胞が栄養要求性の遺伝子産物の非存在下(例えば、消化管の外部)で生存しないことを確実にするために使用される。
ジアミノピメリン酸(DAP)は、リジン生合成経路内で合成されるアミノ酸であり、細菌の細胞壁成長に必要とされる(Meadowら、1959年;Clarksonら、1971年)。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される遺伝子操作された細菌のいずれかはdapD栄養要求株であり、dapDの欠失および/またはdapDの非関連遺伝子による置換を有する。dapD栄養要求株は、例えば、in vitroで増殖培地にDAPを添加することによって、またはin vivoでヒトの消化管に天然に見出される高いDAPレベルの存在下で十分な量のDAPが存在する場合にのみ増殖することができる。十分な量のDAPがないと、dapD栄養要求株は死滅する。いくつかの実施形態では、栄養要求性の改変は、細菌細胞が栄養要求性の遺伝子産物の非存在下(例えば、消化管の外部)で生存しないことを確実にするために使用される。
他の実施形態では、本開示の遺伝子操作された細菌はuraA栄養要求株であり、uraAの欠失および/またはuraAの非関連遺伝子による置換を有する。uraA遺伝子は、ピリミジンウラシルの取り込みおよびその後の代謝を促進する膜結合性トランスポーターであるUraAをコードする(Andersenら、1995年)。uraA栄養要求株は、例えば、in vitroで増殖培地にウラシルを添加することによって、またはin vivoでヒトの消化管に天然に見出される高いウラシルレベルの存在下で十分な量のウラシルが存在する場合にのみ増殖することができる。十分な量のウラシルがないと、uraA栄養要求株は死滅する。いくつかの実施形態では、栄養要求性の改変は、細菌が栄養要求性の遺伝子産物の非存在下(例えば、消化管の外部)で生存しないことを確実にするために使用される。
複合的な集団では、細菌がDNAを共有することが可能である。非常にまれな状況において、栄養要求性細菌株は非栄養要求性株からDNAを受け取ることができ、当該非栄養要求性株はゲノム欠失を修復し、栄養要求株を恒久的にレスキューする。したがって、複数の栄養要求性を有する細菌株を操作することにより、DNA転移が栄養要求性をレスキューするのに十分な時間発生する可能性を大きく減少させることができる。いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、細胞の生存および/または増殖に必要な2つ以上の遺伝子における欠失または突然変異を含む。
必須遺伝子の他の例には、限定されないが、yhbV、yagG、hemB、secD、secF、ribD、ribE、thiL、dxs、ispA、dnaX、adk、hemH、lpxH、cysS、fold、rplT、infC、thrS、nadE、gapA、yeaZ、aspS、argS、pgsA、yefM、metG、folE、yejM、gyrA、nrdA、nrdB、folC、accD、fabB、gltX、ligA、zipA、dapE、dapA、der、hisS、ispG、suhB、tadA、acpS、era、rnc、ftsB、eno、pyrG、chpR、lgt、fbaA、pgk、yqgD、metK、yqgF、plsC、ygiT、pare、ribB、cca、ygjD、tdcF、yraL、yihA、ftsN、murI、murB、birA、secE、nusG、rplJ、rplL、rpoB、rpoC、ubiA、plsB、lexA、dnaB、ssb、alsK、groS、psd、orn、yjeE、rpsR、chpS、ppa、valS、yjgP、yjgQ、dnaC、ribF、lspA、ispH、dapB、folA、imp、yabQ、ftsL、ftsI、murE、murF、mraY、murD、ftsW、murG、murC、ftsQ、ftsA、ftsZ、lpxC、secM、secA、can、folK、hemL、yadR、dapD、map、rpsB、infB、nusA、ftsH、obgE、rpmA、rplU、ispB、murA、yrbB、yrbK、yhbN、rpsI、rplM、degS、mreD、mreC、mreB、accB、accC、yrdC、def、fmt、rplQ、rpoA、rpsD、rpsK、rpsM、entD、mrdB、mrdA、nadD、hlepB、rpoE、pssA、yfiO、rplS、trmD、rpsP、ffh、grpE、yfjB、csrA、ispF、ispD、rplW、rplD、rplC、rpsJ、fusA、rpsG、rpsL、trpS、yrfF、asd、rpoH、ftsX、ftsE、ftsY、frr、dxr、ispU、rfaK、kdtA、coaD、rpmB、dfp、dut、gmk、spot、gyrB、dnaN、dnaA、rpmH、rnpA、yidC、tnaB、glmS、glmU、wzyE、hemD、hemC、yigP、ubiB、ubiD、hemG、secY、rplO、rpmD、rpsE、rplR、rplF、rpsH、rpsN、rplE、rplX、rplN、rpsQ、rpmC、rplP、rpsC、rplV、rpsS、rplB、cdsA、yaeL、yaeT、lpxD、fabZ、lpxA、lpxB、dnaE、accA、tilS、proS、yafF、tsf、pyrH、olA、rlpB、leuS、lnt、glnS、fldA、cydA、infA、cydC、ftsK、lolA、serS、rpsA、msbA、lpxK、kdsB、mukF、mukE、mukB、asnS、fabA、mviN、rne、yceQ、fabD、fabG、acpP、tmk、holB、lolC、lolD、lolE、purB、ymfK、minE、mind、pth、rsA、ispE、lolB、hemA、prfA、prmC、kdsA、topA、ribA、fabI、racR、dicA、ydfB、tyrS、ribC、ydiL、pheT、pheS、yhhQ、bcsB、glyQ、yibJ、およびgpsAが含まれる。他の必須遺伝子は当業者に知られている。
いくつかの実施形態では、本開示の遺伝子操作された細菌は、合成リガンド依存性必須遺伝子(SLiDE)細菌細胞である。SLiDE細菌細胞は、特定のリガンドの存在下でのみ増殖する、1つ以上の必須遺伝子における突然変異を有する合成栄養要求株である(LopezおよびAnderson、「Synthetic Auxotrophs with Ligand−Dependent Essential Genes for a BL21(DE3)Biosafety Strain」、ACS Synth Biol 2015年;4(12):1279〜1286頁を参照。その全内容は参照により明示的に本明細書に援用される)。
いくつかの実施形態では、SLiDE細菌細胞は、必須遺伝子における突然変異を含む。いくつかの実施形態では、必須遺伝子は、pheS、dnaN、tyrS、metG、およびadkからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、必須遺伝子は、以下の突然変異のうちの1つ以上を含むdnaNである:H191N、R240C、I317S、F319V、L340T、V347I、およびS345C。いくつかの実施形態では、必須遺伝子は、突然変異H191N、R240C、I317S、F319V、L340T、V347I、およびS345Cを含むdnaNである。いくつかの実施形態では、必須遺伝子は、以下の突然変異のうちの1つ以上を含むpheSである:F125G、P183T、P184A、R186A、およびI188L。いくつかの実施形態では、必須遺伝子は、突然変異F125G、P183T、P184A、R186A、およびI188Lを含むpheSである。いくつかの実施形態では、必須遺伝子は、以下の突然変異のうちの1つ以上を含むtyrSである:L36V、C38A、およびF40G。いくつかの実施形態では、必須遺伝子は、突然変異L36V、C38A、およびF40Gを含むtyrSである。いくつかの実施形態では、必須遺伝子は、以下の突然変異のうちの1つ以上を含むmetGである:E45Q、N47R、I49G、およびA51C。いくつかの実施形態では、必須遺伝子は、突然変異E45Q、N47R、I49G、およびA51Cを含むmetGである。いくつかの実施形態では、必須遺伝子は、以下の突然変異のうちの1つ以上を含むadkである:I4L、L5I、およびL6G。いくつかの実施形態では、必須遺伝子は、突然変異I4L、L5I、およびL6Gを含むadkである。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌はリガンドによって補完される。いくつかの実施形態では、リガンドは、ベンゾチアゾール、インドール、2−アミノベンゾチアゾール、インドール−3−酪酸、インドール−3−酢酸、およびL−ヒスチジンメチルエステルからなる群から選択される。例えば、metGにおける突然変異(E45Q、N47R、I49G、およびA51C)を含む細菌細胞は、ベンゾチアゾール、インドール、2−アミノベンゾチアゾール、インドール−3−酪酸、インドール−3−酢酸、またはL−ヒスチジンメチルエステルによって補完される。dnaNにおける突然変異(H191N、R240C、I317S、F319V、L340T、V347I、およびS345C)を含む細菌細胞は、ベンゾチアゾール、インドール、または2−アミノベンゾチアゾールによって補完される。pheSにおける突然変異(F125G、P183T、P184A、R186A、およびI188L)を含む細菌細胞は、ベンゾチアゾールまたは2−アミノベンゾチアゾールによって補完される。tyrSにおける突然変異(L36V、C38A、およびF40G)を含む細菌細胞は、ベンゾチアゾールまたは2−アミノベンゾチアゾールによって補完される。adkにおける突然変異(I4L、L5IおよびL6G)を含む細菌細胞は、ベンゾチアゾールまたはインドールによって補完される。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、当該遺伝子操作された細菌をリガンドに対して栄養要求性にする複数の変異必須遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、細菌細胞は、2つの必須遺伝子における突然変異を含む。例えば、いくつかの実施形態では、細菌細胞は、tyrS(L36V、C38A、およびF40G)およびmetG(E45Q、N47R、I49G、およびA51C)における突然変異を含む。他の実施形態では、細菌細胞は、3つの必須遺伝子における突然変異を含む。例えば、いくつかの実施形態では、細菌細胞は、tyrS(L36V、C38A、およびF40G)、metG(E45Q、N47R、I49G、およびA51C)、およびpheS(F125G、P183T、P184A、R186A、およびI188L)における突然変異を含む。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は条件付き栄養要求株であり、その必須遺伝子はWO2017087580の図85〜86に示されるアラビノース系を使用して置換されている。
いくつかの実施形態では、本開示の遺伝子操作された細菌は栄養要求株であり、また、本明細書に記載される死滅スイッチ成分および系のいずれかなどの死滅スイッチ回路も含む。例えば、遺伝子操作された細菌は、細胞の生存および/または増殖に必要とされる必須遺伝子における、例えば、DNA合成遺伝子(例:thyA)、細胞壁合成遺伝子(例:dapA)および/またはアミノ酸遺伝子(例:serAまたはMetA)における欠失または突然変異を含んでもよく、また、環境条件および/またはシグナル(記載されるアラビノース系など)に応答して発現される1つ以上の転写活性化因子によって調節されるか、または外因性環境条件および/もしくはシグナル(本明細書に記載されるリコンビナーゼ系など)を検知すると発現される1つ以上のリコンビナーゼによって調節される毒素遺伝子も含んでもよい。他の実施形態は、Wrightら、「GeneGuard:A Modular Plasmid System Designed for Biosafety」、ACS Synth Biol、2015年;4(3):307〜316頁に記載されており、その内容全体は参照により明示的に本明細書に援用される。いくつかの実施形態では、本開示の遺伝子操作された細菌は栄養要求株であり、また、本明細書に記載される死滅スイッチ成分および系のいずれかなどの死滅スイッチ回路、ならびに条件付き複製起点などの別のバイオセキュリティー系も含む(Wrightら、2015年)。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つ以上のバイオセイフティープラスミドと組み合わせて、細菌染色体に組み込まれた1つ以上のAIPS構築物を含む。いくつかの実施形態では、プラスミドは、プラスミド複製開始タンパク質がトランスで提供される(すなわち、染色体に組み込まれたバイオセイフティー構築物によってコードされる)条件付き複製起点(COR)を含む。いくつかの実施形態では、染色体に組み込まれた構築物は、栄養要求性(例えば、dapAまたはthyA栄養要求性)が生じるように宿主にさらに導入され、当該栄養要求性は、バイオセイフティープラスミド構築物から発現される遺伝子産物によって補完される。いくつかの実施形態では、バイオセイフティープラスミドは広域スペクトル毒素(例えば、Kis)をさらにコードするが、組み込まれたバイオセイフティー構築物は抗毒素(例えば、抗Kis)をコードし、両方の構築物を含む細菌細胞ではプラスミド増殖が可能になる。理論に縛られることを望むものではないが、この機構は、プラスミドDNA自体を野生型細菌による維持に不利にすることによって、プラスミド拡散を防ぐように機能する。そのようなバイオセイフティーシステムの非限定的な例が、参照によりその内容全体が本明細書に援用されるWO2017087580の図61A、図61B、図61C、および図61Dに示されている。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、参照によりその内容全体が本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号81、82、83、84、85またはそれらの機能性断片のDNA配列に少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%相同な、染色体に挿入されたバイオセイフティー構築物核酸配列(プラスミドベースのバイオセイフティー構築物と組み合わせられる)を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、参照によりその内容全体が本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号86、87、88またはそれらの機能性断片のポリペプチド配列に少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%相同なポリぺチド配列をコードする、染色体に挿入されたバイオセイフティー構築物核酸配列(プラスミドベースのバイオセイフティー構築物と組み合わせられる)を含む。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、参照によりその内容全体が本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号89、90、91、92、93、94またはそれらの機能性断片のDNA配列に少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%相同な染色体ベースのバイオセイフティー構築物核酸配列(プラスミドベースのバイオセイフティー構築物と組み合わせられる)を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、参照によりその内容全体が本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号89、90、91、92、93、94またはそれらの機能性断片のDNA配列によってコードされるポリペプチド配列に少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%相同なポリペプチド配列をコードする染色体ベースのバイオセイフティー構築物核酸配列(プラスミドベースのバイオセイフティー構築物と組み合わせられる)を含む。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、参照によりその内容全体が本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号36、37、74、95、96、98、99、100、113またはそれらの機能性断片のDNA配列に少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%相同なプラスミドベースのバイオセイフティー構築物ペイロード核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、参照によりその内容全体が本明細書に援用されるWO2017087580の配列番号36、37、74、95、96、98、99、100、113またはそれらの機能性断片のDNA配列によってコードされるポリペプチドに少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%相同なポリペプチドをコードするプラスミドベースのバイオセイフティー構築物ペイロード核酸配列を含む。いくつかの実施形態では、プラスミドベースの構築物は、PALの1つ以上のコピーを含む。いくつかの実施形態では、プラスミドベースの構築物は、PhePの1つ以上のコピーを含む。いくつかの実施形態では、プラスミドベースの構築物は、LAADの1つ以上のコピーを含む。いくつかの実施形態では、プラスミドベースの構築物は、PALの1つ以上のコピーとPhePの1つ以上のコピーを含む。いくつかの実施形態では、プラスミドベースの構築物は、PALの1つ以上のコピーとLAADの1つ以上のコピーを含む。いくつかの実施形態では、プラスミドベースの構築物は、LAADの1つ以上のコピーとPhePの1つ以上のコピーを含む。いくつかの実施形態では、プラスミドベースの構築物は、PALの1つ以上のコピーとPhePの1つ以上のコピーとLAADの1つ以上のコピーを含む。いくつかの実施形態では、フェニルアラニン異化プラスミドペイロード(すなわち、PAL、PheP、および/またはLAAD)は本明細書中に記載の1つ以上の構成的または誘導性プロモーター(例えば、低酸素、アラビノース、IPTG誘導性、またはそれらの組合せ)の制御下にある。いくつかの実施形態では、プロモーターはプレ誘導に有用である。いくつかの実施形態では、プロモーターはin vivo活性化に有用である。いくつかの実施形態では、プロモーターはプレ誘導およびin vivo活性に有用である。いくつかの実施形態では、構築物は2つ以上のプロモーターを含み、当該プロモーターの一部はプレ誘導に有用であり、一部はin vivo活性に有用である。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、フェニルアラニンの異化のためのペイロード構築物を含むプラスミドベースのバイオセイフティー構築物核酸配列(染色体ベースのバイオセイフティー構築物と組み合わせられる)を含む。いくつかの実施形態では、プラスミドベースの構築物は、PALの1つ以上のコピーを含む。いくつかの実施形態では、プラスミドベースの構築物は、PhePの1つ以上のコピーを含む。いくつかの実施形態では、プラスミドベースの構築物は、LAADの1つ以上のコピーを含む。いくつかの実施形態では、プラスミドベースの構築物は、PALの1つ以上のコピーとPhePの1つ以上のコピーを含む。いくつかの実施形態では、プラスミドベースの構築物は、PALの1つ以上のコピーとLAADの1つ以上のコピーを含む。いくつかの実施形態では、プラスミドベースの構築物は、LAADの1つ以上のコピーとPhePの1つ以上のコピーを含む。いくつかの実施形態では、プラスミドベースの構築物は、PALの1つ以上のコピーとPhePの1つ以上のコピーとLAADの1つ以上のコピーを含む。いくつかの実施形態では、フェニルアラニン異化プラスミドペイロード(すなわち、PAL、PheP、および/またはLAAD)は、本明細書に記載の1つ以上の構成的または誘導性プロモーター(例えば、低酸素、アラビノース、IPTG誘導性、またはそれらの組み合わせ)の制御下にある。いくつかの実施形態では、プロモーターはプレ誘導に有用である。いくつかの実施形態では、プロモーターはin vivo活性化に有用である。いくつかの実施形態では、プロモーターは、プレ誘導およびin vivo活性に有用である。いくつかの実施形態では、構築物は2つ以上のプロモーターを含み、当該プロモーターの一部はプレ誘導に有用であり、一部はin vivo活性に有用である。
これらの実施形態のいずれかにおいて、栄養要求性を含む遺伝子操作された細菌は、内因性ファージゲノムに対する1つ以上の突然変異または改変を含む。いくつかの実施形態では、内因性ファージゲノムに対する改変は、ファージゲノム内の1つ以上の欠失、挿入、置換、または逆位、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、突然変異は欠失である。いくつかの実施形態では、欠失は1つ以上のファージ遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、ファージ遺伝子は部分的に欠失している。いくつかの実施形態では、突然変異は挿入である。いくつかの実施形態では、挿入は本明細書に記載される抗生物質カセットを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の遺伝子が置換される。いくつかの実施形態では、置換は抗生物質カセットを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のファージ遺伝子が逆位している。いくつかの実施形態では、1つ以上のファージ遺伝子の一部が逆位している。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は大腸菌Nissleに由来し、1つ以上の大腸菌Nissleバクテリオファージ(例えば、ファージ1、ファージ2、およびファージ3)を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ファージ3における1つ以上の突然変異を含む。このような突然変異には、欠失、挿入、置換および逆位が含まれ、1つ以上のファージ3遺伝子に位置するか、または1つ以上のファージ3遺伝子を包含する。いくつかの実施形態では、挿入が抗生物質カセットを含む。前述の実施形態のいくつかでは、突然変異は欠失である。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、以下から選択される1つ以上の遺伝子に位置する1つ以上の欠失を含む:ECOLIN_09965、ECOLIN_09970、ECOLIN_09975、ECOLIN_09980、ECOLIN_09985、ECOLIN_09990、ECOLIN_09995、ECOLIN_10000、ECOLIN_10005、ECOLIN_10010、ECOLIN_10015、ECOLIN_10020、ECOLIN_10025、ECOLIN_10030、ECOLIN_10035、ECOLIN_10040、ECOLIN_10045、ECOLIN_10050、ECOLIN_10055、ECOLIN_10065、ECOLIN_10070、ECOLIN_10075、ECOLIN_10080、ECOLIN_10085、ECOLIN_10090、ECOLIN_10095、ECOLIN_10100、ECOLIN_10105、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、ECOLIN_10175、ECOLIN_10180、ECOLIN_10185、ECOLIN_10190、ECOLIN_10195、ECOLIN_10200、ECOLIN_10205、ECOLIN_10210、ECOLIN_10220、ECOLIN_10225、ECOLIN_10230、ECOLIN_10235、ECOLIN_10240、ECOLIN_10245、ECOLIN_10250、ECOLIN_10255、ECOLIN_10260、ECOLIN_10265、ECOLIN_10270、ECOLIN_10275、ECOLIN_10280、ECOLIN_10290、ECOLIN_10295、ECOLIN_10300、ECOLIN_10305、ECOLIN_10310、ECOLIN_10315、ECOLIN_10320、ECOLIN_10325、ECOLIN_10330、ECOLIN_10335、ECOLIN_10340、およびECOLIN_10345。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175のうちの1つ以上の完全なまたは部分的な欠失を含む。具体的な一実施形態では、欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170の完全な欠失、ならびにECOLIN_10175の部分的な欠失である。一実施形態では、配列番号130の配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、配列番号130を含む配列は、ファージ3ゲノムから欠失される。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281を含有する改変ファージゲノム配列を含む。一実施形態では、遺伝子操作された細菌は、配列番号281からなる改変ファージゲノム配列を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つ以上のエフェクター分子をコードする1つ以上の遺伝子を含む1つ以上の回路をさらに含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件下、疾患もしくは組織特異的分子または代謝産物の存在下、炎症または炎症反応または免疫抑制に関連する分子または代謝産物の存在下、肝臓障害、代謝疾患、またはアラビノースなどの消化管または腫瘍微小環境中に存在しても存在しなくてもよい何らかの他の代謝産物の存在下で、任意の1つ以上の回路を発現することができる。いくつかの実施形態では、記載される回路のいずれか1つ以上が1つ以上のプラスミド(例えば、高コピーまたは低コピー)上に存在するか、または細菌染色体中の1つ以上の部位に組み込まれる。また、いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌はさらに、記載された回路のうちの任意の1つ以上を発現することができ、以下のうちの1つ以上をさらに含む:(1)当技術分野で公知であり本明細書で提供される任意の栄養要求性(例えば、thyA栄養要求性)など、1つ以上の栄養要求性、(2)本明細書に記載されるかまたは当技術分野で公知の任意の死滅スイッチなど、1つ以上の死滅スイッチ回路、(3)1つ以上の抗生物質耐性回路、(4)本明細書に記載されるかまたは当技術分野で公知の任意のトランスポーターなど、生物学的分子または基質を取り込むための1つ以上のトランスポーター、(5)本明細書に記載されるか当技術分野で公知の任意の分泌回路など、1つ以上の分泌回路、および(6)そのような追加の回路のうちの1つ以上の組合せ。
Phe栄養要求性の付加はまた、フェニルアラニン分解速度を増加させるための有用性も有し得る。例えば、pheA遺伝子の欠失により、フェニルアラニン栄養要求性がもたらされる。内因性の細菌フェニルアラニン産生をオフすることによって、これは環境からの取り込みの増加を促し、また環境から取り込まれたフェニルアラニンの分解の増加ももたらし得る。
(遺伝子調節回路)
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、本明細書に記載の構築物を発現するための多層遺伝子調節回路を含む。適切な多層遺伝子調節回路は、国際公開第2016/210378号として公開された国際特許出願PCT/US2016/39434(出願日2016年6月24日)に記載されており、その内容は参照によりその全体が本明細書に援用される。遺伝子調節回路は、抗癌分子を産生するか栄養要求性をレスキューする変異細菌をスクリーニングするのに有用である。特定の実施形態において、本発明は、1つ以上の目的の遺伝子を産生する遺伝子操作された細菌を選択する方法を提供する。
(宿主−プラスミド相互依存性)
いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、宿主−プラスミド相互依存性を生じるように改変されたプラスミドも含む。特定の実施形態では、相互依存性宿主−プラスミドプラットフォームは、抗生物質非依存性プラスミドシステム(AIPS)である(Wrightら、2015年)。これらおよびその他のシステムならびにプラットフォームは、WO2017/123675として公開された国際特許出願PCT/US2017/013072(出願日2017年1月11日)に記載されており、その内容はその全体が参照により本明細書に援用される。
(死滅スイッチ)
いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、死滅スイッチも含む。死滅スイッチは、外部刺激に応答して遺伝子操作された細菌を積極的に死滅させることを目的とする。細菌が生存のための必須栄養素を欠いているために細菌が死滅する栄養要求性突然変異とは対照的に、死滅スイッチは、細胞死を引き起こす微生物内の毒性分子の産生を誘導する環境内の特定の要因によって誘発される。適切な死滅スイッチは、WO2016210373として公開された国際特許出願PCT/US2016/039427(出願日2016年6月24日)に記載されており、その内容はその全体が参照により本明細書に援用される。
(医薬組成物および製剤)
本発明の遺伝子操作された細菌を含む医薬組成物は、高フェニルアラニン血症に関連する疾患、例えばPKUを処置、管理、改善、および/または予防するために使用され得る。単独で、または予防剤、治療剤、および/もしくは薬学的に許容される担体と組み合わせて1つ以上の遺伝子操作された細菌を含む本発明の医薬組成物が提供される。特定の実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される遺伝子改変を含むように操作された細菌の1つの種、株、または亜型を含む。代替の実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載される遺伝子改変を含むように各々操作された細菌の2つ以上の種、株、および/または亜型を含む。
本明細書に記載される医薬組成物は、医薬品用途のための組成物への活性成分の加工を容易にする賦形剤および助剤を含む1つ以上の生理学的に許容される担体を使用して、従来の方式で製剤化され得る。医薬組成物を製剤化する方法は当該分野において公知である(例えば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、Mack Publishing Co.、Easton、PAを参照のこと)。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤化、凍結乾燥、直接圧縮、従来の混合、溶解、造粒、粉状化、乳化、カプセル化、封入、または噴霧乾燥に供されて、腸溶コーティングまたは非コーティングされ得る錠剤、粒剤、ナノ粒子、ナノカプセル、マイクロカプセル、微小錠剤、ペレット、または粉剤を形成する。適切な製剤は投与経路に依存する。
本明細書に記載される遺伝子操作された細菌は、任意の適切な剤形(例えば、液体、カプセル、サシェ、硬質カプセル、軟質カプセル、錠剤、腸溶コーティング錠剤、懸濁粉末、顆粒、または経口投与用のマトリクス持続放出製剤)で、および任意の適切な種類の投与(例えば、経口、局所、注射、即時放出、パルス放出、遅延放出、または持続放出)のための医薬組成物に製剤化され得る。遺伝子操作された細菌についての適切な投与量は、約10〜1012細菌、例えば約10細菌、約10細菌、約10細菌、約10細菌、約10細菌、約1010細菌、約1011細菌、または約1011細菌の範囲であり得る。組成物は、1日に1回以上、1週に1回以上、1カ月に1回以上投与され得る。組成物は、食事の前に、その間に、またはその後に投与され得る。一実施形態では、医薬組成物は、対象が食事を食べる前に投与される。一実施形態では、医薬組成物は食事とともに投与される。一実施形態では、医薬組成物は、対象が食事を食べた後に投与される。
遺伝子操作された細菌は、1つ以上の薬学的に許容される担体、増粘剤、希釈剤、バッファー、緩衝剤、界面活性剤、中性またはカチオン性脂質、脂質複合体、リポソーム、浸透促進剤、担体化合物、および他の薬学的に許容される担体または薬剤を含む医薬組成物に製剤化され得る。例えば、医薬組成物は、限定されないが、重炭酸カルシウム、重炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、種々の糖および種類のデンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、植物油、ポリエチレングリコール、ならびに例えばポリソルベート20を含む界面活性剤の付加を含み得る。いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、重炭酸ナトリウム溶液、例えば重炭酸ナトリウムの1モル溶液(例えば胃などの酸性細胞環境を緩衝するため)中で製剤化され得る。遺伝子操作された細菌は、中性または塩形態として投与および製剤化され得る。薬学的に許容される塩には、塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸などに由来するものなどのアニオンで形成される塩、およびナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、水酸化第二鉄、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどに由来するものなどのカチオンで形成される塩が含まれる。
本明細書に開示される遺伝子操作された細菌は局所的に投与され、軟膏、クリーム、経皮パッチ、ローション、ゲル、シャンプー、噴霧、エアロゾル、溶液、エマルションの形態、または当業者に周知の他の形態で製剤化され得る。例えば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、Mack Publishing Co.、Easton、PAを参照。一実施形態では、噴霧可能ではない局所剤形に関して、局所適用に適合し、水より大きい動粘性係数を有する担体または1つ以上の賦形剤を含む粘性から半固体または固体形態が利用される。適切な製剤には、限定されないが、溶液、懸濁剤、エマルション、クリーム、軟膏、粉剤、塗布薬、膏薬などが含まれ、これらは種々の特性(例えば、浸透圧)に影響を与えるために、滅菌されるかまたは助剤(例えば、防腐剤、安定化剤、湿潤剤、緩衝液、または塩)と混合され得る。他の適切な局所剤形には、噴霧可能なエアロゾル調製物が含まれ、固体または液体の不活性担体と組み合わせた活性成分が、加圧された揮発性物質(例えば、フレオンなどのガス状推進剤)との混合物またはスクイーズボトルにパッケージされる。保湿剤または保水剤もまた、医薬組成物および剤形に添加され得る。このような追加成分の例は当業者に周知である。一実施形態では、本発明の組換え細菌を含む医薬組成物は衛生製品として製剤化されてもよい。例えば、衛生製品は、抗菌製剤、または発酵ブロスなどの発酵製品であってもよい。衛生用品は、例えば、シャンプー、コンディショナー、クリーム、ペースト、ローション、およびリップクリームであってもよい。
本明細書に開示される遺伝子操作された細菌は経口投与され、錠剤、丸薬、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁剤などとして製剤化され得る。経口使用のための医薬組成物は、錠剤または糖衣錠コアを得るために、固体賦形剤を使用し、必要に応じて得られた混合物を粉砕し、所望の場合には適切な助剤を添加した後に顆粒の混合物を処理して作製され得る。適切な賦形剤には、限定されないが、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖などの充填剤;トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、カルボメチルセルロースナトリウム(sodium carbomethylcellulose)などのセルロース組成物;および/またはポリビニルピロリドン(PVP)もしくはポリエチレングリコール(PEG)などの生理学的に許容されるポリマーが含まれる。架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸またはその塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)などの崩壊剤も添加され得る。
錠剤またはカプセルは、結合剤(例えば、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、スクロース、グルコース、ソルビトール、デンプン、ガム、カオリン、およびトラガカント);充填剤(例えば、ラクトース、微結晶性セルロース、またはリン酸水素カルシウム);潤滑剤(例えば、カルシウム、アルミニウム、亜鉛、ステアリン酸、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、デンプン、安息香酸ナトリウム、L−ロイシン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、またはシリカ);錠剤崩壊剤(例えば、デンプン、ジャガイモデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、糖、セルロース誘導体、シリカ粉末);または湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)などの薬学的に許容される賦形剤と共に従来の手段によって調製され得る。錠剤は当該分野において周知の方法によってコーティングされ得る。コーティングシェルが存在してもよく、一般的な膜には、限定されないが、ポリラクチド、ポリグリコール酸、ポリ無水物、他の生分解性ポリマー、アルギン酸−ポリリシン−アルギン酸(APA)、アルギン酸−ポリメチレン−co−グアニジン−アルギン酸(A−PMCG−A)、ヒドロキシメチルアクリレート−メチルメタクリレート(hydroymethylacrylate−methyl methacrylate)(HEMA−MMA)、多層HEMA−MMA−MAA、ポリアクリロニトリル塩化ビニル(PAN−PVC)、アクリロニトリル/メタリルスルホン酸ナトリウム(AN−69)、ポリエチレングリコール/ポリペンタメチルシクロペンタシロキサン/ポリジメチルシロキサン(PEG/PD5/PDMS)、ポリN,N−ジメチルアクリルアミド(PDMAAm)、封入シリカ、硫酸セルロース/アルギ酸ナトリウム/ポリメチレン−co−グアニジン(CS/A/PMCG)、酢酸フタル酸セルロース、アルギン酸カルシウム、k−カラギーナン−ローカストビーンガムゲルビーズ、ジェラン−キサンタンビーズ、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、カラギーナン、デンプンポリ−無水物、デンプンポリメタクリレート、ポリアミノ酸、および腸溶コーティングポリマーが含まれる。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、消化管または消化管の特定の領域(例えば、大腸)への放出のために腸溶コーティングされる。胃から結腸までの典型的なpHプロファイルは、約1〜4(胃)、5.5〜6(十二指腸)、7.3〜8.0(回腸)、および5.5〜6.5(結腸)である。いくつかの疾患では、pHプロファイルは変更され得る。いくつかの実施形態では、コーティングは放出部位を特定するために特定のpH環境で分解される。いくつかの実施形態では、少なくとも2つのコーティングが使用される。いくつかの実施形態では、外側コーティングおよび内側コーティングは異なるpHレベルで分解される。
経口投与用の液体調製物は、使用前に水または他の適切なビヒクルを用いて構成するための溶液、シロップ、懸濁剤、または乾燥製品の形態を取ることができる。このような液体調製物は、懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ、セルロース誘導体、または硬化食用油脂);乳化剤(例えば、レシチンまたはアカシア);非水性ビヒクル(例えば、アーモンドオイル、油性エステル、エチルアルコール、または分画植物油);および防腐剤(例えば、メチルもしくはプロピル−p−ヒドロキシベンゾエートまたはソルビン酸)などの薬学的に許容される薬剤を用いて従来の手段によって調製され得る。調製物は、必要に応じて緩衝塩、香味料、着色剤、および甘味剤をも含み得る。経口投与用の調製物は、本明細書に記載される遺伝子操作された細菌の徐放、制御放出、または持続放出のために適切に製剤化され得る。
一実施形態では、本開示の遺伝子操作された細菌は、小児対象への投与に適した組成物に製剤化され得る。当該分野において周知のように、子供は、異なる胃内容排出速度、pH、胃腸透過性などを含む多くの点で成人と異なる(Ivanovskaら、2014年)。さらに、小児の製剤許容性ならびに投与経路および味覚特質などの好みが、許容される小児の服薬順守を達成するのに重要である。したがって、一実施形態では、小児対象への投与に適した組成物は、飲み込みやすいもしくは溶解可能な剤形、または香味料、甘味料、もしくは味覚遮断剤を加えた組成物などのより口当たりの良い組成物を含み得る。一実施形態では、小児対象への投与に適した組成物は、成人への投与にも適していてよい。
一実施形態では、小児対象への投与に適した組成物は、溶液、シロップ、懸濁剤、エリキシル剤、懸濁剤または溶液として再構成するための粉末、分散性/発泡性錠剤、チュアブル錠、グミキャンディー、ロリポップ、フリーザーポップ、トローチ、チューインガム、経口薄片、口腔内崩壊錠、サシェ、軟質ゼラチンカプセル、散剤経口粉末、または顆粒を含み得る。一実施形態では、組成物は、キャンディーに弾力性、所望のかみごたえのある稠度(chewy consistency)およびより長い保存期間を与えるゼラチンベースから作製されたグミキャンディーである。いくつかの実施形態では、グミキャンディーは、甘味料または香味料も含み得る。
一実施形態では、小児対象への投与に適した組成物は香味料を含み得る。本明細書において使用される場合、「香味料」は、製剤に明確な味および香りを与える物質(液体または固体)である。香味料はまた、製剤の嗜好性を改善するのにも役立つ。香味料には、限定されないが、イチゴ、バニラ、レモン、ブドウ、バブルガム、およびチェリーが含まれる。
特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、例えば、不活性希釈剤または吸収可能な食用担体と共に経口投与され得る。化合物はまた、硬質または軟質シェルゼラチンカプセルに封入されてもよく、錠剤に圧縮されてもよく、または対象の食事に直接組み込まれてもよい。経口治療投与のために、化合物は賦形剤と共に組み込まれてもよく、摂取可能な錠剤、バッカル錠、トローチ、カプセル、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ、ウエハーなどの形態で使用されてもよい。非経口投与以外によって化合物を投与する場合、化合物をその不活性化を阻止するための物質でコーティングするか、または化合物を当該物質と共に同時投与することが必要な場合がある。
別の実施形態では、本発明の組換え細菌を含む医薬組成物は、食べられる製品、例えば食品であってもよい。一実施形態では、食品は、ミルク、濃縮乳、発酵乳(ヨーグルト、酢乳、フローズンヨーグルト、乳酸菌発酵飲料)、粉ミルク、アイスクリーム、クリームチーズ、ドライチーズ、豆乳、発酵豆乳、野菜−果物ジュース、果物ジュース、スポーツドリンク、菓子、キャンディー、乳児用食品(乳児用ケーキなど)、栄養食品、動物飼料、または栄養補助食品である。一実施形態では、食品は発酵乳製品などの発酵食品である。一実施形態では、発酵乳製品はヨーグルトである。別の実施形態では、発酵乳製品は、チーズ、ミルク、クリーム、アイスクリーム、ミルクセーキ、またはケフィアである。別の実施形態では、本発明の組換え細菌は、プロバイオティクスとして機能することが意図される他の生細菌細胞を含有する調製物中に組み合わされる。別の実施形態では、食品は飲料である。一実施形態では、飲料は、果物ジュースベースの飲料または植物もしくはハーブ抽出物を含有する飲料である。別の実施形態では、食品はゼリーまたはプディングである。本発明の組換え細菌の投与に適した他の食品は当該分野において周知である。例えば、それらの各々の全内容が参照により本明細書に明示的に援用される米国特許出願公開第2015/0359894号および米国特許出願公開第2015/0238545号を参照のこと。さらに別の実施形態では、本発明の医薬組成物は、パン、ヨーグルト、またはチーズなどの食品中に注入されるか、その上に噴霧されるか、またはその上に振りかけられる。
いくつかの実施形態では、組成物は、腸溶コーティングまたは非コーティングされたナノ粒子、ナノカプセル、マイクロカプセル、または微小錠剤によって、腸内投与、空腸内投与、十二指腸内投与、回腸内投与、胃バイパス投与、または結腸内投与用に製剤化される。医薬組成物はまた、例えば、ココアバターまたは他のグリセリドなどの従来の坐剤の基剤を使用して、坐剤または停留浣腸などの直腸組成物に製剤化されてもよい。組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁剤、溶液、またはエマルションであってもよく、懸濁剤、安定化剤および/または分散剤を含有してもよい。
本明細書に記載される遺伝子操作された細菌は、鼻腔内投与されてもよく、エアロゾル形態、噴霧、ミストで、または液滴の形態で製剤化されてもよく、便宜上、適切な推進剤(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適切なガス)を使用して加圧パックまたは噴霧器からエアロゾル噴霧提示の形態で送達されてもよい。加圧エアロゾル投薬単位は、計量された量を送達するためのバルブを提供することによって決定され得る。吸入具または注入器における使用のための(例えば、ゼラチンの)カプセルおよびカートリッジは、化合物およびラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基剤の粉末混合物を含有して製剤化されてもよい。
遺伝子操作された細菌は、デポー製剤として投与され、製剤化されてもよい。このような長時間作用する製剤は、移植または静脈内注射、皮下注射、局所注射、直接注射、もしくは点滴を含む、注射によって投与されてもよい。例えば、組成物は、適切なポリマーもしくは疎水性材料(例えば、許容される油中のエマルションとして)またはイオン交換樹脂を用いて、あるいは難溶性誘導体として(例えば、難溶性塩として)製剤化されてもよい。
いくつかの実施形態では、単回剤形の薬学的に許容される組成物が本明細書に開示される。単回剤形は液体または固体形態であってもよい。単回剤形は、改変せずに患者に直接投与されてもよいか、または投与前に希釈もしくは復元されてもよい。特定の実施形態では、単回剤形は、複数の錠剤、カプセル、丸薬などを含む経口用量を含む、ボーラス形態、例えば、単回注射、単回経口用量で投与されてもよい。代替の実施形態では、単回剤形は、例えば点滴によって一定の期間にわたって投与されてもよい。
医薬組成物の単回剤形は、医薬組成物をより少ない一定量、単回投与容器、単回投与液体形態、または腸溶コーティングされてもよいか、もしくはコーティングされていなくてもよい、錠剤、顆粒、ナノ粒子、ナノカプセル、マイクロカプセル、微小錠剤、ペレット、もしくは粉末などの単回投与固体形態に分けることによって調製されてもよい。固体形態の単回用量は、患者に投与する前に液体、典型的には滅菌水または生理食塩水を加えることによって復元されてもよい。
他の実施形態では、組成物は制御放出または持続放出系において送達され得る。一実施形態では、ポンプが制御または持続放出を達成するために使用され得る。別の実施形態では、ポリマー材料が、本開示の治療法の制御放出または持続放出を達成するために使用され得る(例えば、米国特許第5,989,463号を参照)。持続放出製剤に使用されるポリマーの例には、限定されないが、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(エチレン−co−酢酸ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、ポリグリコライド(PLG)、ポリ無水物、ポリ(N−ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)、ポリラクチド(PLA)、ポリ(ラクチド−co−グリコライド)(PLGA)、およびポリオルトエステルが含まれる。持続放出製剤に使用されるポリマーは、不活性で、浸出可能な不純物を含まず、保管時に安定であり、滅菌され、生分解性であり得る。いくつかの実施形態では、制御または持続放出系は予防または治療標的に近接して配置され得、それによって全身用量の一部しか必要とされない。当業者に公知の任意の適切な技術が使用され得る。
投薬レジメンは治療応答を提供するように調節されてもよい。投薬は、疾患の重症度および応答性、投与経路、治療の時間的経過(数日から数カ月から数年)、および疾患の改善時期を含む、いくつかの要因に依存し得る。例えば、単一ボーラスが一度に投与されてもよく、いくつかの分割用量が所定の期間にわたって投与されてもよく、または用量は、治療状況によって示されるように減少もしくは増加されてもよい。投薬量についての仕様は活性化合物の特有の特徴および達成される特定の治療効果によって決定される。投薬量の値は、軽減されるべき状態の種類および重症度によって変わり得る。任意の特定の対象について、特定の投薬レジメンは、個々の必要性および治療を行う医師の専門的判断に従って経時的に調節されてもよい。本明細書において提供される化合物の毒性および治療効果は、細胞培養または動物モデルにおける標準的な薬剤的手順によって決定され得る。例えば、LD50、ED50、EC50、およびIC50が決定され得、毒性および治療効果の間の用量比(LD50/ED50)が治療指数として計算され得る。有毒な副作用を示す組成物が、副作用を低減させるために潜在的な損傷を最小化するための注意深い変更と共に使用され得る。投与量は、最初に細胞培養アッセイおよび動物モデルから推定され得る。in vitroおよびin vivoアッセイならびに動物実験から得られたデータは、ヒトにおける使用のための投与量の範囲を策定する際に使用され得る。
成分は、例えば活性剤の量を示すアンプルまたはサシェなどの密閉容器中の乾燥した凍結乾燥粉末または水を含まない濃縮物として、別々に供給されるかまたは単位剤形で一緒に混合される。投与様式が注射による場合、注射のための滅菌水または生理食塩水のアンプルが、成分が投与前に混合され得るように提供され得る。
医薬組成物は、薬剤の量を示すアンプルまたはサシェなどの密封容器にパッケージングされ得る。一実施形態では、医薬組成物の1つ以上は、密閉容器中の乾燥滅菌凍結乾燥粉末または水を含まない濃縮物として供給され、対象への投与のために適切な濃度に(例えば、水または生理食塩水を用いて)再構成され得る。一実施形態では、予防もしくは治療剤または医薬組成物の1つ以上は、2℃〜8℃の間で保存された密閉容器中の乾燥滅菌凍結乾燥粉末として供給され、再構成された後、1時間以内、3時間以内、5時間以内、6時間以内、12時間以内、24時間以内、48時間以内、72時間以内、または1週間以内に投与される。凍結乾燥剤形のために原則として0〜10%のスクロース(最適には0.5〜1.0%)の抗凍結剤が含まれ得る。他の適切な抗凍結剤には、トレハロースおよびラクトースが含まれる。他の適切な増量剤には、グリシンおよびアルギニン(それらのいずれも0〜0.05%の濃度で含まれ得る)、ならびにポリソルベート−80(最適には0.005〜0.01%の濃度で含まれる)が含まれる。さらなる界面活性剤には、限定されないが、ポリソルベート20およびBRIJ界面活性剤が含まれる。医薬組成物は注射可能な溶液として調製され得、吸収または分散を増加させるために使用されるもの(例えばヒアルロニダーゼ)などのアジュバントとして有用な薬剤をさらに含み得る。
(処置方法)
本開示の別の態様は、それを必要とする対象に、本明細書に開示される操作された細菌を含む組成物を投与することを含む疾患の処置方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、それを必要とする対象に、内因性または天然ファージゲノムにおける改変を含む操作された細菌を含有する組成物を投与することを含む疾患の処置方法を提供する。
本開示の別の態様は、高フェニルアラニン血症に関連する疾患または高フェニルアラニン血症に関連する症状の処置方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、高フェニルアラニン血症に関連する疾患または高フェニルアラニン血症に関連する疾患の処置方法であって、それを必要とする対象に、本明細書に開示される操作された細菌を含む組成物を投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、高フェニルアラニン血症に関連する疾患または高フェニルアラニン血症に関連する症状の処置方法であって、それを必要とする対象に、1つ以上のPME、例えばPAHおよび/またはPAH、および/またはLAADをコードする遺伝子配列を含む操作された細菌を含有する組成物を投与することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、操作された細菌は、内因性または天然のファージゲノムにおける改変を含み得る。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1つ以上のエフェクター分子(例えば、1つ以上のPME、例えば、PAHおよび/またはPAH、および/またはLAADおよび/または1つ以上のPheトランスポーターをコードする遺伝子配列)をコードする1つ以上の遺伝子を含有する1つ以上の回路をさらに含む。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、低酸素条件下、疾患もしくは組織特異的分子または代謝産物の存在下、炎症または炎症反応または免疫抑制に関連する分子または代謝産物の存在下、肝臓障害、代謝疾患、またはアラビノースなどの消化管または腫瘍微小環境中に存在しても存在しなくてもよい何らかの他の代謝産物の存在下で、任意の1つ以上の回路を発現することができる。いくつかの実施形態では、記載される回路のいずれか1つ以上が1つ以上のプラスミド(例えば、高コピーまたは低コピー)上に存在するか、または細菌染色体中の1つ以上の部位に組み込まれる。また、いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌はさらに、記載された回路のうちの任意の1つ以上を発現することができ、以下のうちの1つ以上をさらに含む:(1)当技術分野で公知であり本明細書で提供される任意の栄養要求性(例えば、thyA栄養要求性)など、1つ以上の栄養要求性、(2)本明細書に記載されるかまたは当技術分野で公知の任意の死滅スイッチなど、1つ以上の死滅スイッチ回路、(3)1つ以上の抗生物質耐性回路、(4)本明細書に記載されるかまたは当技術分野で公知の任意のトランスポーターなど、生物学的分子または基質を取り込むための1つ以上のトランスポーター、(5)本明細書に記載されるか当技術分野で公知の任意の分泌回路など、1つ以上の分泌回路、および(6)そのような追加の回路のうちの1つ以上の組合せ。これらの実施形態のいずれかにおいて、内因性ファージゲノムに対する改変は、ファージゲノム内の1つ以上の欠失、挿入、置換、または逆位、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、突然変異は欠失である。いくつかの実施形態では、欠失は1つ以上のファージ遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、ファージ遺伝子は部分的に欠失している。いくつかの実施形態では、突然変異は挿入である。いくつかの実施形態では、挿入は本明細書に記載されるような抗生物質カセットを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の遺伝子が置換される。いくつかの実施形態では、置換は抗生物質カセットを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のファージ遺伝子が逆位している。いくつかの実施形態では、1つ以上のファージ遺伝子の一部が逆位している。
いくつかの実施形態では、本開示は、高フェニルアラニン血症に関連する疾患または高フェニルアラニン血症に関連する症状の処置方法を提供し、それを必要とする対象に、1つ以上のPME(例えば、PAHおよび/またはPAH、および/またはLAAD)をコードする遺伝子配列、ならびに任意に1つ以上のPheトランスポーターをコードする遺伝子配列を含む操作された細菌を含有する組成物を投与することを含み、当該1つ以上のPMEをコードする遺伝子配列は誘導性プロモーターの制御下にあり、当該1つ以上のPheトランスポーターをコードする遺伝子配列は誘導性プロモーターの制御下にあり、誘導性プロモーターは、例えば、本明細書に開示されるいずれかの誘導性プロモーターである。遺伝子配列は、同一または異なる誘導性プロモーターの制御下にあり得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のPME(例えば、PAHおよび/またはPAH、および/またはLAAD)をコードする1つ以上の遺伝子配列は、構成的プロモーターの制御下にある。いくつかの実施形態では、1つ以上のPheトランスポーターをコードする1つ以上の遺伝子配列は、構成的プロモーターの制御下にある。他の実施形態では、細菌は、以下のうちの1つ以上を含み得る:1つ以上の栄養要求性、1つ以上の死滅スイッチ、遺伝子ガードコンポーネント、および/または抗生物質耐性。いくつかの実施形態では、挿入は、本明細書に記載の抗生物質カセットを含む。
いくつかの実施形態では、疾患は、古典的または典型的フェニルケトン尿症、異型フェニルケトン尿症、永続的軽度高フェニルアラニン血症、非フェニルケトン尿症高フェニルアラニン血症、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ欠損症、補因子欠損症、ジヒドロプテリジンレダクターゼ欠損症、テトラヒドロプテリンシンターゼ欠損症、自己免疫疾患、癌、腫瘍、代謝疾患(例えば、2型糖尿病、肥満、肝性脳症、非アルコール性脂肪性肝疾患、および付随疾患または関連疾患)、瀬川病、およびまれな代謝障害からなる群から選択される。そのようなまれな代謝障害の非限定的な例は、メープルシロップ尿症、イソ吉草酸血症、メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症、高シュウ酸尿症、フェニルケトン尿症、および高アンモニア血症を含む。いくつかの実施形態では、高フェニルアラニン血症は、他の状態、例えば肝疾患に続発する。いくつかの実施形態では、本発明は、限定はしないが、神経学的欠損、精神遅滞、脳症、てんかん、湿疹、低成長(reduced growth)、小頭症、振戦、四肢痙攣、および/または低色素沈着を含む、これらの疾患に関連する1つ以上の症状を軽減、改善、または排除するための方法を提供する。いくつかの実施形態では、処置される対象は、ヒト患者である。
特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、代謝産物の蓄積に関連する疾患または障害(例えば、PKUなどの高フェニルアラニン血症)を処置するために、食餌中の代謝産物を代謝することができる。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、食物タンパク質と同時に送達される。他の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、食物タンパク質と同時に送達されない。研究によって、小腸への膵分泌およびその他の腺分泌物は、高レベルのタンパク質、酵素およびポリペプチドを含有し、これらの異化反応の結果として産生されるアミノ酸は「腸内再循環」として知られるプロセスで血中に再吸収されることが示された(Chang、2007年;Sarkissian等、1999年)。したがって、フェニルアラニンの高い腸内レベルは、食物摂取と部分的に独立している可能性があり、PALによる分解に利用できる。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌および食物タンパク質は、絶食またはフェニルアラニン制限食の期間後に送達される。これらの実施形態では、高フェニルアラニン血症を患っている患者は、実質的に通常の食事、またはフェニルアラニンを含まない食事よりも制限の少ない食事を再開することができるかもしれない。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、高フェニルアラニン血症に関連する疾患、例えば、PKUを処置するために、血液などの追加の供給源からフェニルアラニンを代謝することができるかもしれない。これらの実施形態では、遺伝子操作された細菌は食物タンパク質と同時に送達される必要はなく、例えば血液から消化管までフェニルアラニン勾配が生成され、遺伝子操作された細菌はフェニルアラニンを代謝し、高フェニルアラニン血症を軽減する。
この方法は、本明細書に記載の細菌の少なくとも1つの遺伝子操作された種、株、または亜型を有する医薬組成物を調製することと、当該医薬組成物を治療有効量で対象に投与することを含み得る。いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、例えば液体懸濁液で経口投与される。いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、ジェルカップ(gel cap)内で凍結乾燥され、経口投与される。いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、栄養チューブまたは胃シャントを介して投与される。いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、(例えば、浣腸剤によって)直腸内に投与される。いくつかの実施形態では、本発明の遺伝子操作された細菌は、局所的、小腸内、空腸内、十二指腸内、回腸内および/または結腸内に投与される。
特定の実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、特定の代謝産物または他のタイプのバイオマーカー分子または対象における障害に関連するもしくはその原因となる分子のレベルを低減させるために投与される。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、対象におけるフェニルアラニンのレベルを未処置またはコントロールの対象のレベルと比較して少なくとも約10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、またはそれ以上低減させる。いくつかの実施形態では、低減は、医薬組成物の投与前後の対象におけるフェニルアラニンのレベルを比較することによって測定される。いくつかの実施形態では、高フェニルアラニン血症を処置または改善する方法は、状態または障害の1つ以上の症状を少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、またはそれ以上改善する。
医薬組成物の投与前、投与中、および投与後に、特定の代謝産物または他のタイプのバイオマーカー分子または対象における障害に関連するもしくはその原因となる分子(例えば、フェニルアラニン)の対象におけるレベルは、生物学的サンプル(例えば、血、血清、血漿、尿、腹膜液、脳脊髄液、糞便物質、腸粘膜擦過物、組織から収集されたサンプル、および/または以下のうちの1つ以上の内容物から収集されたサンプル:胃、十二指腸、空腸、回腸、盲腸、結腸、直腸、および肛門管)中で測定され得る。いくつかの実施形態では、この方法は、特定の代謝産物(例えば、フェニルアラニン)または他のタイプのバイオマーカー分子または障害に関連するもしくはその原因となる分子のレベルを減少させるために、本発明の組成物を投与することを含み得る。いくつかの実施形態では、この方法は、代謝産物または他のタイプの分子を対象において検出不能なレベルまで減少させるために、本組成物の投与をすることを含み得る。いくつかの実施形態では、この方法は、代謝産物または他のタイプの分子の濃度を、検出不能なレベルまで、または処置前の対象のレベルの約1%、2%、5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、または80%未満まで減少させるために、本発明の組成物を投与することを含み得る。
対象における内の回路の導入時に遺伝子操作された細菌の投与に応答して蓄積する代謝産物または他のタイプの分子のレベルは、生物学的サンプル(例えば、血、血清、血漿、尿、腹膜液、脳脊髄液、糞便物質、腸粘膜擦過物、組織から収集されたサンプル、および/または以下のうちの1つ以上の内容物から収集されたサンプル:胃、十二指腸、空腸、回腸、盲腸、結腸、直腸、および肛門管)において測定され得る。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載される方法は、特定の代謝産物または他のタイプのバイオマーカー分子または障害に関連するもしくはその原因となる分子のレベルを低減させるために、本発明の組成物を投与することを含み得、遺伝子操作された細菌の投与の結果として蓄積する代謝産物または他のタイプの分子のレベルの増加をもたらす。いくつかの実施形態では、この方法は、1つの代謝産物または他のタイプの分子を対象において検出不能なレベルまで低減させ、同時にかつ比例して別の代謝産物または他のタイプの分子のレベルを増大させるために、本発明の組成物を投与することを含み得る。いくつかの実施形態では、この方法は、本発明の組成物を投与することを含み得、代謝産物または他のタイプの分子の濃度を、処置前の代謝産物の対象レベルの約1%超、2%超、5%超、10%超、20%超、25%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、75%超、80%超、90%超、95%超、または99%まで、または100%まで増加させる。このような増加は、例えば、尿、血中、糞便中、または腫瘍中で測定され得る。
いくつかの実施形態では、馬尿酸の産生量およびその蓄積速度を測定することによって、哺乳動物対象(例えば、動物モデルまたはヒト)の尿中において、PALを発現する遺伝子操作された細菌の活性(例えば、フェニルアラニン分解活性)を検出することができる。馬尿酸はPAL特異的な分解産物であり、ヒト尿中に通常は低濃度で存在する。馬尿酸は、PAL経路を介したフェニルアラニンの代謝の最終産物である。フェニルアラニンアンモニアリアーゼは、フェニルアラニンのケイ皮酸への変換を媒介する。ケイ皮酸は消化管内で産生されると、吸収されて肝臓で速やかに馬尿酸に変換され、肝臓で排出される(Hoskins JAおよびGray、Phenylalanine ammonia lyase in the management of phenylketonuria: the relationship between ingested cinnamate and urinary hippurate in humans.J Res Commun Chem Pathol Pharmacol.1982年2月;35巻(2):275−82頁)。フェニルアラニンは1:1の比で馬尿酸に変換される。すなわち1モルのPheが1モルの馬尿酸に変換される。したがって、尿中の馬尿酸レベルの変化は、このメカニズムを利用する療法の効果の非侵襲的尺度として使用され得る。
このように、馬尿酸は、PALベースのレジメンを受けている患者において、食事の順守および処置効果のモニタリングを可能にするバイオマーカーとして機能する可能性を有する。馬尿酸は患者の管理における血液Pheレベル測定の補助として使用することができ、馬尿酸は尿バイオマーカーであるため、タンパク質摂取量を調整する(成長に基づいて必要量が変化するため困難でありうる)のに特に子供において利点を有し得る。
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、対象の尿中の馬尿酸レベルを未処置またはコントロールの対象におけるレベルと比べて、少なくとも約10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上増加させる。いくつかの実施形態では、増加は、本開示の医薬組成物の投与の前後で対象における馬尿酸レベルを比較することによって測定される。
このセクションでは、「PALベースの薬物」という用語は、PAL活性を有する任意の薬物、ポリペプチド、バイオロジック(biologic)または処置レジメン、例えばPEG−PAL、Kuvan、本開示の細菌(例えば、PALおよび任意にPhePトランスポーターをコードする細菌)を含む組成物を指す。いくつかの実施形態では、本開示は、対象(例えば、哺乳動物対象)にPALベースの薬物を投与し、PAL活性の尺度として対象において産生される馬尿酸量を測定することによって、in vivoでPAL活性を測定する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、対象(例えば、哺乳動物対象)にPALベースの薬物を投与し、PAL治療活性の尺度として対象において産生される馬尿酸量を測定することによって、PALベースの薬物の治療活性をモニターする方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、対象(例えば、哺乳動物対象)にPALベースの薬物を投与し、PAL活性を決定するために対象において産生される馬尿酸量を測定し、対象におけるPAL活性を増加または減少させるために薬物の投与量を調節(例えば、増加または減少)することによって、PALベースの薬物の投与量を調節する方法を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、高フェニルアラニン血症を有する対象のタンパク質摂取および/または食事を調節する方法を提供し、当該方法は、PALベースの薬物を対象に投与すること、対象において産生される馬尿酸量を測定すること、対象におけるPAL活性を増加または減少させるために対象のタンパク質摂取を調節するか、対象の食事を調節することを含む。いくつかの実施形態では、本開示は、高フェニルアラニン血症を有する対象のタンパク質摂取および/または食事レジメンに対する遵守を確認するための方法を提供し、当該方法は、PALベースの薬物を対象に投与すること、対象において産生される馬尿酸量を測定すること、および対象におけるPAL活性を測定することを含む。
本明細書に開示される方法のいくつかの実施形態において、血液フェニルアラニンレベルおよび尿の馬尿酸レベルの両方が対象においてモニターされる。いくつかの実施形態では、フェニルアラニンの分解速度を決定するために、血液フェニルアラニンおよび尿中の馬尿酸は複数の時点で測定される。いくつかの実施形態では、尿中の馬尿酸レベルを用いて、動物モデルにおけるPAL活性または株活性を評価する。
いくつかの実施形態において、尿中の馬尿酸測定は、単独でまたは血液フェニルアラニン測定と組み合わせて、作用の機構を証明するために株に使用される。いくつかの実施形態では、尿中の馬尿酸測定は、単独でまたは血液フェニルアラニン測定と組み合わせて、株におけるPALおよびLAAD活性を区別するためのツールとして使用され、全株活性への各酵素の寄与を決定することができる。
いくつかの実施形態では、尿中の馬尿酸測定は、単独でまたは血液フェニルアラニン測定と組み合わせて、動物モデルおよびヒト対象における安全性を評価するために使用される。いくつかの実施形態では、尿中の馬尿酸測定は、単独でまたは血液フェニルアラニン測定と組み合わせて、用量応答の評価と所望の薬理学的効果および安全性のための最適レジメンの評価に使用される。いくつかの実施形態において、尿中の馬尿酸測定は、単独でまたは血液フェニルアラニン測定と組み合わせて、有効性および/または毒性のための代替エンドポイントとして使用される。いくつかの実施形態では、尿中の馬尿酸測定は、単独でまたは血液フェニルアラニン測定と組み合わせて、治療菌株を含むレジメンに対する患者の応答を予測するために使用される。いくつかの実施形態において、尿中の馬尿酸測定は、単独でまたは血液フェニルアラニン測定と組み合わせて、薬物療法に応答する可能性が高い特定の患者集団の同定のために使用される。いくつかの実施形態において、尿中の馬尿酸測定は、単独でまたは血中フェニルアラニン測定と組み合わせて、特定の有害事象を回避するために使用される。いくつかの実施形態において、尿中の馬尿酸測定は、単独でまたは血液フェニルアラニン測定と組み合わせて、患者の選択に有用である。
いくつかの実施形態では、尿中の馬尿酸測定は、単独でまたは血液フェニルアラニン測定と組み合わせて、PALを発現する治療用PKU株の投与を含むレジメンで、PKU患者のタンパク質摂取/食事を調節するための1つの方法として使用される。
いくつかの実施形態では、馬尿酸の尿レベルの測定は、単独でまたは血液フェニルアラニン測定と組み合わせて、組換えPALの活性を測定および/またはモニターするために使用される。いくつかの実施形態において、馬尿酸の尿レベルの測定は、組換えペグ化PAL(Peg−PAL)の活性を測定および/またはモニターするために使用される。いくつかの実施形態では、馬尿酸の尿レベルの測定は、単独でまたは血液フェニルアラニン測定と組み合わせて、本明細書に記載の治療菌株と組み合わせて投与される組換えPALの活性を測定および/またはモニターするために使用される。
いくつかの実施形態において、単独でまたは血液フェニルアラニン測定と組み合わせた尿中の馬尿酸測定は、他のバイオマーカー(例えば、臨床安全性バイオマーカー)と組み合わせて使用される。いくつかの実施形態では、特定の代謝産物または他のタイプの分子の増加および/または減少の測定は、他のバイオマーカー(例えば、臨床安全バイオマーカー)の測定と組み合わせて使用される。そのような安全性マーカーの非限定的な例には、身体検査、バイタルサイン、および心電図(ECG)が含まれる。他の非限定的な例には、当該分野で公知の肝臓安全性試験、例えば、血清アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)、アラニントランスアミナーゼ(ALT)、アルカリホスファターゼ(ALP)、ガンマ−グルタミルトランスフェラーゼ(GGT)およびビリルビンが含まれる。このようなバイオセイフティーマーカーには、腎臓安全性試験、例えば当該分野で公知のもの、例えば血中尿素窒素(BUN)、血清クレアチニン、糸球体濾過率(GFR)、クレアチニンクリアランス、血清電解質(ナトリウム、カリウム、塩化物および重炭酸塩)、および徹底的な尿分析(色、pH、比重、グルコース、タンパク質、ケトン体、および血液、白血球、外観の顕微鏡検査)、ならびにシスタチン−c、β2−ミクログロブリン、尿酸、クラスタリン、N−アセチル−β−D−グルコサミニダーゼ、好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)、N−アセチル−β−D−グルコサミニダーゼ(NAG)、および腎臓損傷分子−1(KIM−1)も含まれる。他の非限定的な例には、当該分野で公知の血液学的安全性バイオマーカー、例えば、全血球数、全ヘモグロビン、ヘマトクリット、赤血球数、平均赤血球体積、平均細胞ヘモグロビン、赤血球分布幅%、平均細胞ヘモグロビン濃度、総白血球数、特定の白血球数(好中球、リンパ球、好塩基球、好酸球および単球)および血小板が含まれる。他の非限定的な例には、当該分野で公知の骨安全性マーカー、例えば、血清カルシウムおよび無機リン酸が含まれる。他の非限定的な例には、当該分野で公知の基本代謝安全性バイオマーカー、例えば、血糖、トリグリセリド(TG)、総コレステロール、低密度リポタンパク質コレステロール(LDLc)、および高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−c)が含まれる。当該分野で公知の他の特異的安全性バイオマーカーには、例えば、血清免疫グロブリンレベル、C反応性タンパク質(CRP)、フィブリノーゲン、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、チロキシン、テストステロン、インスリン、乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)、クレアチンキナーゼ(CK)およびそのアイソザイム、心臓トロポニン(cTn)、およびメトヘモグロビンが含まれる。
いくつかの実施形態において、LAADを発現する遺伝子操作された細菌の活性は、糞便中で特異的に検出され、他の大腸菌株と区別され得る。この目的のために、フェニルアラニンデアミナーゼ試験「フェニルアラニンアガースラント(Phenylalanine Agar Slant)」を使用することができる。微生物がフェニルアラニンを使用して、フェニルアラニンをフェニルピルビン酸に変換できるかどうかを決定するために、フェニルアラニンアガーが用いられる。フェニルアラニンアガー上にサンプルを含むチューブに試験化学物質を添加すると、フェニルピルビン酸が緑色化合物に変換され、検査が陽性であることを示す。野生型大腸菌は、フェニルアラニンからフェニルピルビン酸を産生することができる酵素をコードしないので、フェニルピルビン酸を産生せず、他の大腸菌株との区別が可能である。遺伝子操作された細菌は、当該分野で公知のPCRベースの試験によって、フェニルピルビン酸を産生することができる他の細菌種と区別することができる。例えば、種に特異的な配列を増幅することができる。例えば、様々な細菌における保存領域を増幅するユニバーサルPCRは、検体のスクリーニングにおいて病原体を検出するのに理想的である。この目的のために、16S rRNA遺伝子の保存領域を、ユニバーサルPCRのための標的遺伝子として使用することができる;16S rRNA遺伝子は種に特異的な領域を含み、当該領域によって多数の細菌種を区別することができる。
いくつかの実施形態では、フェニルアラニンデアミナーゼ試験を使用して、糞便サンプル中の遺伝子操作された細菌を検出することができる。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌を他の細菌種と区別するためにPCRベースの試験を行うことができる。
いくつかの実施形態では、ペイロード(例えば、PMEおよび/またはPheP)を産生するための遺伝子、遺伝子(複数可)または遺伝子カセットのmRNA発現レベルを増幅、検出および/または定量化するために、定量的PCR(qPCR)を使用する。プライマーは、当該分野で公知の方法に従って、サンプル中のmRNAを検出するために設計および使用され得る。いくつかの実施形態では、ペイロードRNAを含み得るサンプル反応混合物にフルオロフォアを添加し、サーマルサイクラーを使用してサンプル反応混合物を特定波長の光で照射し、フルオロフォアによるその後の発光を検出する。反応混合物を所定の時間、所定の温度に加熱および冷却する。特定の実施形態では、加熱および冷却を所定のサイクル数繰り返す。いくつかの実施形態では、反応混合物を所定のサイクル数、90〜100℃、60〜70℃、および30〜50℃に加熱および冷却する。特定の実施形態では、反応混合物を所定のサイクル数、93〜97℃、55〜65℃、および35〜45℃に加熱および冷却する。いくつかの実施形態において、蓄積アンプリコンは、qPCRの各サイクルの後に定量化される。蛍光が閾値を超えるサイクル数が閾値サイクル(CT)である。各サンプルについて少なくとも1つのCT結果が生成され、当該CT結果はペイロードのmRNA発現レベルを決定するために使用され得る。
いくつかの実施形態では、ペイロードのmRNA発現レベルを増幅、検出、および/または定量化するために、定量的PCR(qPCR)を使用する。プライマーは、当該分野で公知の方法に従って、サンプル中のmRNAを検出するために設計および使用され得る。いくつかの実施形態では、ペイロード(複数可)、例えばPMEおよび/またはPhePおよび/またはFNRS24Y、mRNAを含有し得るサンプル反応混合物にフルオロフォアを添加し、サーマルサイクラーを用いてサンプル反応混合物を特定波長の光で照射し、フルオロフォアによるその後の発光を検出する。反応混合物を所定の時間、所定の温度に加熱および冷却する。特定の実施形態では、加熱および冷却を所定のサイクル数繰り返す。いくつかの実施形態では、反応混合物を所定のサイクル数、90〜100℃、60〜70℃、および30〜50℃に加熱および冷却する。特定の実施形態では、反応混合物を所定のサイクル数、93〜97℃、55〜65℃、および35〜45℃に加熱および冷却する。いくつかの実施形態において、蓄積アンプリコンは、qPCRの各サイクルの後に定量化される。蛍光が閾値を超えるサイクル数が閾値サイクル(CT)である。各サンプルについて少なくとも1つのCT結果が生成され、当該CT結果は、ペイロード(例えば、PMEおよび/またはPhePおよび/またはFNRS24Y)のmRNA発現レベルを決定するために使用され得る。
特定の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、内因性または天然の大腸菌Nissleファージ3が本明細書に記載されるように改変された大腸菌Nissleである。いくつかの実施形態では、ファージ3は、改変のためにもはや溶菌サイクルを経ることができない。いくつかの実施形態では、溶菌サイクルは、改変のために減少するかまたは頻度が低くなる。遺伝子操作された細菌は、例えば、消化管内または血清中の防御因子によって(Sonnenborn等、2009年)、または死滅スイッチの活性化によって、投与の数時間または数日後に破壊され得る。したがって、遺伝子操作された細菌を含む医薬組成物は、治療有効用量および頻度で再投与され得る。マウスにおけるin vivoでのNissleの滞留期間の長さを、その全内容が参照により本明細書に援用されるWO2017087580の図68に示す。代替の実施形態では、遺伝子操作された細菌は、投与後の数時間以内または数日以内に破壊されず、消化管で増殖およびコロニー形成し得る。
本発明の方法は、単独でまたは1つ以上の追加の治療薬と組み合わせて、医薬組成物を投与することを含み得る。高フェニルアラニン血症の処置のためのいくつかの実施形態では、医薬組成物は、補因子テトラヒドロビオプテリン(例えば、Kuvan/サプロプテリン)、大型中性アミノ酸(例えば、チロシン、トリプトファン)、グリコマクロペプチド、プロバイオティクス(例えば、VSL3)、酵素(例えば、ペグ化PAL)、および/またはフェニルケトン尿症の処置で使用されるその他の薬剤と併せて投与され得る(Al HafidおよびChristodoulou、2015年)。参照によりその全内容が援用されるWO2017087580 A1を参照。
1つ以上の追加の治療薬の選択における重要な考慮事項は、当該治療薬が本発明の遺伝子操作された細菌と適合すべきである(例えば、当該治療薬が細菌を妨害または死滅させてはならない)ことである。いくつかの実施形態では、医薬組成物は食物と一緒に投与される。代替の実施形態では、医薬組成物は食物を食べる前または後に投与される。医薬組成物は、1つ以上の食事の変更、(例えば、低フェニルアラニン食)と組み合わせて投与され得る。医薬組成物の投与量および投与頻度は、症状の重症度および疾患の進行に基づいて選択され得る。適切な治療有効用量および/または投与頻度は、処置している臨床医によって選択され得る。本発明の方法にはまた、本明細書で記載した医薬組成物を含むキットが含まれる。キットには、限定されないが、使用説明書、他の試薬(例えば、標識、追加の治療薬)、対象における障害に関連する代謝産物または他のタイプの分子のレベルを測定するための装置または材料、投与用の本発明の医薬組成物を調製するための装置または他の材料、および対象に投与するための装置または他の材料を含む、1つ以上の他の要素が含まれ得る。使用説明書は、例えば障害のある患者における、推奨投与量および/または投与様式などの治療用途のためのガイダンスを含むことができる。キットは、少なくとも1つの追加の治療薬、および/または1つ以上の別個の医薬品調製物中に、適切に製剤化された本発明の1つ以上の追加の遺伝子操作された細菌株をさらに含むことができる。
いくつかの実施形態では、キットが、医薬組成物を対象に投与するために使用される。いくつかの実施形態では、キットは、単独でまたは1つ以上の追加の治療薬と組み合わせて、医薬組成物を対象に投与するために使用される。いくつかの実施形態では、キットは、医薬組成物の対象への投与前に、その間に、またはその後に、対象における代謝産物または他のタイプの分子のレベルを測定するために使用される。特定の実施形態では、代謝産物または他のタイプの分子のレベルが増加するかまたは異常に高いときに、キットは、単独でまたは1つ以上の追加の治療薬と組み合わせて、医薬組成物を投与および/または再投与するために使用される。高フェニルアラニン血症に関連するいくつかの実施形態では、高フェニルアラニン血症の診断シグナルは、少なくとも2mg/dL、少なくとも4mg/dL、少なくとも6mg/dL、少なくとも8mg/dL、少なくとも10mg/dL、少なくとも12mg/dL、少なくとも14mg/dL、少なくとも16mg/dL、少なくとも18mg/dL、少なくとも20mg/dL、または少なくとも25mg/dLの血液フェニルアラニンレベルである。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、約0.15〜約8.01μmol/10CFU/時間の標的分解速度を達成する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、約0.15〜約2μmol/10CFU/時間の標的分解速度を達成する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、約0.6〜約8.01μmol/10CFU/時間の標的分解速度を達成する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、約0.2〜約2.67μmol/10CFU/時間の標的分解速度を達成する。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、約0.15〜約0.6μmol/10CFU/時間の標的分解速度を達成する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、約0.22〜約0.9μmol/10CFU/時間の標的分解速度を達成する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、約0.3〜約1.21μmol/10CFU/時間の標的分解速度を達成する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、約0.54〜約2.16μmol/10CFU/時間の標的分解速度を達成する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、約1.13〜約4.53μmol/10CFU/時間の標的分解速度を達成する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、約1.84〜約7.38μmol/10CFU/時間の標的分解速度を達成する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、約1.61〜約6.43μmol/10CFU/時間の標的分解速度を達成する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、約2〜約8.01μmol/10CFU/時間の標的分解速度を達成する。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、約0.1〜約1μmol/10CFU/時間の標的分解速度を達成する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、約1〜約2μmol/10CFU/時間の標的分解速度を達成する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、約2〜約3μmol/10CFU/時間の標的分解速度を達成する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、約3〜約4μmol/10CFU/時間の標的分解速度を達成する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、約4〜約5μmol/10CFU/時間の標的分解速度を達成する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、約5〜約6μmol/10CFU/時間の標的分解速度を達成する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、約6〜約7μmol/10CFU/時間の標的分解速度を達成する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、約7〜約8μmol/10CFU/時間の標的分解速度を達成する。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、0.15μmol/10CFU/時間未満の標的低減速度を達成する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、約8.01μmol/10CFU/時間超の標的分解速度を達成する。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、約178mg〜2382mgの標的減少量を達成する。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌は、1.08mmol〜14.42mmolの標的減少量を達成する。いくつかの実施形態では、減少量は1.08mmol未満である。いくつかの実施形態では、減少量は14.42mmol超である。
いくつかの実施形態では、標的減少量および標的分解速度は、古典的PKUフェニルアラニンレベルに基づく。いくつかの実施形態では、標的減少量および標的分解速度は、軽度PKUで認められたフェニルアラニンレベルに基づく。いくつかの実施形態では、標的減少量および標的分解速度は、軽度高フェニルアラニン血症で認められたフェニルアラニンレベルに基づく。
いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌の投与により、(部分的または完全な)食事の自由化が可能になる(図28を参照)。
(in vivoにおける処置)
本発明の遺伝子操作された細菌は、in vivoにおいて(例えば、動物モデルにおいて)評価され得る。疾患または状態の任意の適切な動物モデルが使用され得る。いくつかの実施形態では、動物モデルはマウスモデルである。例えば、参照によりその全内容が援用されるWO2017/087580 A1を参照。
いくつかの実施形態において、遺伝子操作された細菌の投与から生じる任意の潜在的な毒性を決定するために、薬物動態学および薬力学試験を、非ヒト霊長類において実施することができる。そのような試験の非限定的な例を、実施例30および31に記載する。
(スクリーニング方法)
本開示のいくつかの実施形態では、遺伝子操作された株は、スクリーニングおよび選択方法を使用することによって、例えば、エフェクターの活性を増加させる(例えば、PME酵素活性を増加させる)か、または株が代謝産物を取り込む能力を増加させる(例えば、フェニルアラニン取り込み能力を増加させる)ために改善され得る。いくつかの実施形態では、スクリーニングは、エフェクター活性が改善した細菌株を生成するために役立つ。いくつかの実施形態では、スクリーニングは、代謝産物の取り込み能力が改善した細菌株を生成するために役立つ。いくつかの実施形態では、スクリーニングは、改善されたエフェクター活性および増強された基質取り込みの両方を有する細菌株を同定し得る。使用され得るスクリーニング方法の非限定的例は、本明細書に記載されている。
(生体分子を輸送する能力が増強した細菌株の作製)
いくつかの実施形態では、フェニルアラニン取り込みが改善した遺伝子操作された細菌を同定するために、ALE法が使用され得る。
(PME活性を改善するための特異的なスクリーニング)
遺伝子選択を使用するスクリーニングは、遺伝子操作された細菌におけるフェニルアラニン消費を改善するために実施される。毒性のあるフェニルアラニン類似体は、細胞タンパク質に取り込まれることによって、その作用機構(MOA)を発揮し、細胞死をもたらす。パラログp−フルオロ−DL−フェニルアラニンおよびオルソログo−フルオロ−DL−フェニルアラニンなどのこれらの化合物は、活性が増加したPAL酵素を選択するための非標的アプローチに有用である。これらの毒性化合物は細胞タンパク質に取り込まれるよりも、PALによって非毒性代謝産物に代謝され得ると仮定すると、フェニルアラニン分解活性が改善した遺伝子操作された細菌は、これらの化合物のより高いレベルに耐えることができ、これに基づいてスクリーニングおよび選択され得る。
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実施例3.代謝産物の測定
以下の実施例は、本開示の実施形態の例である。当業者ならば、本開示の趣旨または範囲を変化させることなく実施することができる数々の改変および変更を認識するだろう。このような改変および変更は、本開示の範囲内に包含される。実施例は、決して本開示を限定しない。
フェニルアラニンの定量(塩化ダンシル誘導体化)
遺伝子操作された細菌がフェニルアラニンを分解する能力を評価し、サンプル中のフェニルアラニンレベルの定量を必要とする本明細書に記載のin vitroおよびin vivoアッセイのために、共同所有の係属中の国際特許出願PCT/US2016/032562(出願日2016年5月13日)、およびPCT/US2016/062369(それぞれの内容は参照によりその全体が本明細書に援用される)に記載されているように、塩化ダンシル誘導体化プロトコールが用いられた。
トランス−ケイ皮酸の定量(トリフルオロエチルアミン誘導体化)
遺伝子操作された細菌がフェニルアラニンを分解する能力を評価し、サンプル中のトランス−ケイ皮酸レベルの定量を必要とする本明細書に記載のin vitroおよびin vivoアッセイのために、共同所有の係属中のPCT/US2016/032562(出願日2016年5月13日)、およびPCT/US2016/062369(それぞれの内容は参照によりその全体が本明細書に援用される)に記載されているように、トリフルオロエチルアミン誘導体化プロトコールが用いられた。
フェニルアラニン、トランス−ケイ皮酸、フェニル酢酸、フェニルピルビン酸、フェニル乳酸、馬尿酸および安息香酸の定量(2−ヒドラジノキノリン誘導体化)
遺伝子操作された細菌がフェニルアラニンを分解する能力を評価し、サンプル中のフェニルアラニン、トランス−ケイ皮酸、フェニル酢酸、フェニルピルビン酸、フェニル乳酸、馬尿酸および安息香酸レベルの定量を必要とする本明細書に記載のin vitroおよびin vivoアッセイのために、共同所有の係属中の国際特許出願PCT/US2016/032562(出願日2016年5月13日)、およびPCT/US2016/062369(それぞれの内容は参照によりその全体が本明細書に援用される)に記載されているように、2−ヒドラジノキノリン誘導体化プロトコールが用いられた。
LC−MS/MSによる血漿および尿中の馬尿酸、トランス−ケイ皮酸、フェニルアラニン、およびフェニルピルビン酸の定量
LC−MS/MSによる血漿および尿中の馬尿酸、トランス−ケイ皮酸、フェニルアラニン、およびフェニルピルビン酸の定量は、共同所有の係属中の国際特許出願PCT/US2016/032562(出願日2016年5月13日)およびPCT/US2016/062369(これらの各々の全内容は参照により本明細書に援用される)に記載されているように測定された。
PCT/US2016/062369(2016年11月16日出願)の実施例1〜55は種々のPhe消費株の構築および活性について記載しており、これらの各々の全内容は参照により本明細書に援用される。
実施例27.SYN−PKU−710のin vitro活性
SYN−PKU−710は、フェニルアラニンを消費して非毒性代謝産物トランス−ケイ皮酸(TCA)およびフェニルピルビン酸(PP)に変換することによって高フェニルアラニン血症を処置するように設計された大腸菌Nissle1917(EcN)(参考文献)に由来する操作された細菌である。これは腸内に見出されるフェニルアラニンを遮断および分解することによって作用し、血液中へのフェニルアラニンの流入を減少させる。SYN−PKU−710は、ヒト消化管の微好気性(低酸素)環境におけるフェニルアラニンの分解を可能にする一連の遺伝子操作によって作製された。ジアミノピメリン酸栄養要求性を介して生物学的封じ込めを増強しながら、消化管中に見出される低酸素条件下でのフェニルアラニン分解を増強するために、EcNのゲノムに以下の改変を行った:
a)嫌気性誘導性プロモーター(PfnrS)および嫌気性応答性転写活性化因子FNRの調節制御下にある高親和性フェニルアラニントランスポーター(PheP)をコードする内因性Nissle遺伝子の2つの追加コピーの挿入
b)PfnrSおよびFNRの調節制御下にあるフォトラブダス・ルミネセンス(Photorhabdus luminescens)由来のフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)をコードする遺伝子の3つのコピーの挿入
c)合成プロモーター(Plac)およびラクトース応答性転写リプレッサーLacIの調節制御下にあるPALをコードする遺伝子の2つの追加コピーの挿入
d)アラビノース誘導性プロモーター(PBAD)およびアラビノース応答性転写活性化因子AraCの調節制御下にあるプロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)由来のL−アミノ酸デアミナーゼ(LAAD)をコードする遺伝子の挿入
e)ジアミノピメリン酸栄養要求株を作製するための4−ヒドロキシ−テトラヒドロピコリン酸シンターゼをコードするdapA遺伝子の欠失
SYN−PKU−710は、ヒト消化管の微好気性(低酸素)環境におけるフェニルアラニンの分解を可能にするように設計された一連の遺伝子操作においてEcNから誘導された。高親和性フェニルアラニントランスポーターであるPhePをコードする内因性遺伝子の2つの追加コピーのゲノム挿入を、EcN染色体内で行った。このトランスポーターは、環境フェニルアラニンの細菌細胞への取り込みを可能にする。さらに、生物フォトラブダス・ルミネセンスに由来するフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)をコードする遺伝子の3つのコピーを染色体に組み込んだ。PALは、フェニルアラニンの非毒性産物トランス−ケイ皮酸への変換を触媒する。PhePおよびPALをコードする遺伝子を、嫌気性誘導性プロモーター(PfnrS)および嫌気性応答性転写活性化因子FNRの調節制御下に置いた。これらの調節成分は、フェニルアラニン分解マシーナリーがヒト消化管の無酸素環境において産生されることを確実にする。合成プロモーター(Plac)およびLacI転写リプレッサーの制御下で、PALをコードする遺伝子の追加コピーをNissle染色体に挿入した。これらのコピーは、ラクトースまたはラクトース類似体が転写抑制を緩和するために使用される場合、発現のために誘導され得、そして薬物物質の製造の間のフェニルアラニン分解活性の誘導のために利用されることが想定される。このように、LacIを介した誘導による初期の株の効力は、SYN−PKU−710投与時の即時活性を可能にし、PfnrSを介した誘導は、投与後のde novo効力の誘導を可能にする。SYN‐PKU‐710におけるフェニルアラニン分解の第二経路を、酸素の存在下でフェニルアラニンをフェニルピルビン酸に変換する生物プロテウス・ミラビリス由来のL‐アミノ酸デアミナーゼ(LAAD)をコードする遺伝子の染色体挿入を介して導入した。この遺伝子は、薬物物質の製造中にアラビノースに応答してAraCによってLAADの発現が誘導されることを可能にする方法で、内因性NissleのaraC遺伝子の下流に挿入された。PALおよびLAADの活性は相加的であることが示されている。LAADを含めることは、近位胃腸管においてより豊富に見出されると予想される利用可能な酸素を利用する機構である。
SYN‐PKU‐710はまた、細菌増殖に必須の4‐ヒドロキシ‐テトラヒドロピコリン酸シンターゼをコードするジアミノピメリン酸(dapA)遺伝子の欠失で改変された。この欠失により、SYN−PKU−710はジアミノピメリン酸を合成することができなくなり、それにより、株が外因的にジアミノピメリン酸を補充されない限り、細菌の細胞壁の適切な産生が妨げられる。外部製造の目的のために、SYN−PKU−710はまた、ファージ粒子を発現する能力を除去するその内因性プロファージ(Φ)の一部の欠失で改変された。その内因生プロファージの一部の欠失を含む株は、本明細書でSYN−PKU−2002と呼ばれる。
SYN−PKU−710に関連する配列および追加の詳細は、国際特許出願PCT/US2016/032562(2016年5月13日出願)およびPCT/US2016/062369(2016年11月16日出願)に記載されており、これら各々の全内容は参照により本明細書に援用される。
In vitro活性を測定するために、一晩培養物をLBで1:100に希釈し、振盪しながら(250rpm)37℃で増殖させた。増殖1.5時間後に、90%N、5%CO、5%Hを供給したCoy嫌気性チャンバーに培養物を入れた。誘導して4時間後に、細菌をペレットにして、PBSで洗浄し、アッセイ緩衝液(0.5%グルコース、8.4%炭酸水素ナトリウムおよびPhe4mMを含むM9最少培地)に再懸濁した。30分から90分のフェニルアラニン分解速度(すなわち、アッセイ溶液からの消失)またはケイ皮酸の蓄積は1e9細胞に対して正規化された。表59は、全株についての正規化した速度を示し、操作されたプラスミド保有株および染色体挿入を含む操作された株の非限定的例の遺伝子型および活性について記載している。
[表59]操作されたプラスミド保有株および染色体挿入を含む操作された株の遺伝子型および活性
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[表77]バイオセイフティーシステム構築物および配列成分
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I.(実施例55.大腸菌Nissle1917およびその操作された派生物のプロファージバイオインフォマティクス分析)
A.概要
目的:日常的な試験手順により、大腸菌Nissle1917(大腸菌Nissle;E.coli Nissle)および関連する操作された派生物からのバクテリオファージ産生が確認された。バクテリオファージの供給源を決定するために、大腸菌Nissleおよび操作された派生物のゲノムの共同バイオインフォマティクス評価を実施して、プロファージのエビデンスについて株のゲノム配列を分析し、機能的ファージを産生する可能性について同定されたプロファージ要素を評価し、細菌ゲノム配列の中で同定された他の既知のファージと任意の機能的ファージ要素を比較し、およびプロファージ要素が他の配列決定された大腸菌(E.coli)ゲノム中で見出される頻度を評価した。
実験手順
1.バイオ分析方法
a.ファージ予測
ファージ予測ソフトウェア(PHAST)(Zhouら、「PHAST: A Fast Phage Search Tool」Nucl.Acids Res.(2011)39(suppl 2):W347−W352)を使用して、公開され公に入手可能な大腸菌Nissleゲノム内(GenbankアクセッションNZ_CP007799.1)(Reisterら、Complete genome sequence of the gram−negative probiotic Escherichia coli strain Nissle 1917;J Biotechnol.2014年10月10日;187:106−7頁)、ならびにSYN001(DSM 6601、ロット番号Jul91(DSMZ、Braunschweig、ドイツ)に由来する大腸菌Nissleの単一増殖から作製された研究セルバンクである大腸菌Nissle1917)内でプロファージを検索した。
b.DNAシークエンシングおよびアセンブリ
遺伝子操作された株のゲノム配列は、Illumina MiSeq DNAシーケンサーを用いて外部リソース(GENEWIZ、ボストン、マサチューセッツ州)によって生成された。ファージ配列を調べるために、まず、デフォルトパラメーターを用いたゲノムアセンブラソフトウェア(SPAdes)バージョン3.9.1を使用してゲノムシークエンシング読み取りをアセンブルする必要があった(Nurkら、Assembling single−cell genomes and mini−metagenomes from chimeric MDA products; J Comput Biol.2013年10月;20(10):714−37頁)。500ヌクレオチド未満の長さを有するスキャフォールドは廃棄された。
c.遺伝子操作された株に特異的な潜在的な配列領域の同定
操作された株には存在する可能性があるが、元の大腸菌Nissle株には存在しない可能性がある配列を同定するために、生の読み取りデータは、大きなリファレンスゲノムに対して低発散配列をマッピングするためのソフトウェア(BWA MEM)を使用して、3つのリファレンスゲノムのそれぞれにアラインメントされた(LiおよびDurbin, Fast and accurate short read alignment with Burrows−Wheeler transform; Bioinformatics. 2009年7月15日;25(14):1754−60頁)。3つのリファレンスゲノムは、公開されている配列と公的に入手可能な大腸菌Nissleゲノム(GenbankアクセッションNZ_CP007799.1)(Reisterら、Complete genome sequence of gram−ne gram−negativeプロバイオティクス大腸菌株Nissle 1917; J Biotechnol.2014年10月10日;187:106−7頁)、Genewizによって配列決定された大腸菌NissleゲノムのSYN001(野生型大腸菌Nissle)バージョン、および遺伝子操作された株を作製するために使用された特定の操作ステップから生じる変化とともにSYN001の配列に基づいた操作された株のゲノムの予想される配列であった。操作された株の予想される配列に対応しなかった配列に焦点を当てるために、読み取りを各リファレンスにアラインし、ソフトウェアSamtools(Liら、The Sequence Alignment/Map format and SAMtools; Bioinformatics.2009年8月15日;25(16):2078−9頁)に従って各リファレンスに別々にアラインされたものを破棄し、各リファレンスゲノムにアラインされなかった残りの読み取りをさらに分析した。同じプロセスを使用して、操作された株におけるユニーク配列を同定した。
3つの参考文献の各々にマッピングされなかった読み取りは、ゲノムアセンブラソフトウェアSPAdesバージョン3.9.1を用いて、デフォルトパラメーターでアセンブルした(Nurkら、Assembling single−cell genomes and mini−metagenomes from chimeric MDA products; J Comput Biol.2013年10月;20(10):714−37頁)。これらのアセンブルされたスキャフォールドは、Blastツール(Altschulら、Basic local alignment search tool; J Mol Biol.1990年10月5日;215(3):403−10頁)を用いて、それらをアメリカ国立生物工学情報センター(NCBI)中の非冗長データベースに対して比較することによって、ファージ関連配列の存在についてチェックされた。
これらの結果を検証するために、ゲノム配列アラインメントソフトウェア(MUMmer)(Delcherら、Fast algorithms for large−scale genome alignment and年6月1日;30(11):2478−83頁)を用いて、遺伝子操作された株のアセンブリ全体と公的に入手可能なCP007799.1リファレンスゲノムとの間で全ゲノムアラインメントを行った。これらのアラインメントにより、リファレンスアセンブリにマッピングされなかった新しいアセンブリからのユニーク配列が同定された。Blastツール(Altschulら、Basic local alignment search tool; J Mol Biol.1990年10月5日;215(3):403−10頁)を用いて、ユニーク配列をNCBI中の非冗長データベースに対して再び比較し、ファージ関連配列の存在についてチェックした。このアプローチの結果、3つの潜在的ファージが同定された。
d.他のゲノムにおけるファージ3との一致の検索
PHASTバイオインフォマティックツールによって同定されたファージ3配列のサイズをさらに精緻化するために、大腸菌Nissleにおけるファージ3の59キロ塩基(kb)領域を、ファージ3を含まない大腸菌BW25113の密接に関連するゲノムにアラインメントすることによって、ファージ3配列のコア領域を決定した。大腸菌Nissle由来の59kbファージ3配列の左側および右側末端の領域は、宿主の染色体(非ファージ)配列に対応する可能性が高い大腸菌BW25113における遺伝子のゲノム構成と一致した;しかしながら、大腸菌Nissle由来のファージ3配列の中央にある43kb領域は、大腸菌BW25113には存在せず、大腸菌BW25113に存在する2つの宿主染色体遺伝子間の挿入として現れた。したがって、このアラインメントにより、大腸菌Nissleに固有であり、ファージ3の真のリミットを含む可能性が高い43kbのコアファージ3領域が観察された。次いで、この43kbのコアファージ3配列を、MUMmerアラインメントソフトウェア(Delcher et al., Fast algorithms for large−scale genome alignment and comparison; Nucleic Acids Res.2002年6月1日;30(11):2478−83頁)を使用してNCBIからダウンロードした5691個の大腸菌および赤痢菌アセンブリの包括的なセットに対してアラインメントのために比較した。大腸菌外のファージ3のインスタンスを同定するために、Blastツール(Altschul et al., Basic local alignment search tool; J Mol Biol.1990年10月5日;215(3):403−10頁)を使用して、43kbのコアファージ3領域全体を非冗長NCBIデータベースと比較した。
他のゲノムにおけるファージ3への部分的ヒットがより大きなファージ要素の一部であるかどうかを決定するために、ファージ3への部分的マッチングを有するスキャフォールドを他のゲノムから抽出し、PHAST(Zhouら、「PHAST: A Fast phage Search Tool」、Nucl.Acids Res.(2011年)、39(suppl 2):W347−W352)を使用して、これらの領域内のプロファージの存在を予測した。
e.大腸菌全体の大規模ファージ予測
任意の型のプロファージが配列決定された大腸菌株の中で見出される頻度を評価するために、新たに公開されたより効率的なバージョンのPHAST(PHASTER)(Arndt Dら、PHASTER: a better, faster version of the PHAST phage search tool.Nucleic Acids Res.44,W16−W21(2016年))を使用して、大腸菌ゲノムの大きなセット内の任意のプロファージ要素の存在を検索した。ファージ予測アルゴリズムの精度は、高品質ゲノムの使用に依存するので、この検索には287個の高品質リファレンス配列(Refseq)大腸菌ゲノムのセットを使用した。
B.結果
1.大腸菌Nissleのファージ含有量
3つの高信頼性の予測されるプロファージ配列が、本明細書中でファージ1、ファージ2、およびファージ3と呼ばれる大腸菌Nissleゲノムの各バージョン内に見出された(図1)。これらの高スコアファージの3つすべては、PHASTによって「インタクト」ファージと指定されており、これらがファージの主要成分のすべてを含むことを示している(図1)。大腸菌Nissle(ファージ3)における最も長い予測ファージは全部で68個のタンパク質を含み、ファージ尾部、頭部、ポータル,ターミナーゼ、リシン、カプシド、およびインテグラーゼを含み、これらはすべてインタクトのようである。ファージ2は全部で69個のタンパク質を含み、ファージトランスポザーゼ、溶解、ターミナーゼ、頭部、ポータル、カプシド、および尾部タンパク質を含む。ファージ2の詳細な調査は、int/xis遺伝子対が可動性遺伝要素によって破壊されていること、およびcIリプレッサーが別々のDNA結合および感知ペプチドに断片化されていることを明らかにし、これはこのファージの誘導を妨げると予想される。大腸菌Nissleで予測された最も短いインタクトファージであるファージ1は全部で32個のタンパク質を含み、溶解およびトランスポザーゼ機能を含む。しかしながら、ファージ1と呼ばれる推定プロファージ要素内に多くの構造遺伝子が存在しないことから、生存可能なファージ粒子を放出するその可能性が疑問視される。ファージ1〜3の特徴を表84に要約する。
i. [表84]推定ファージの特徴の概要
Figure 2020525012
2.操作された株は大腸菌Nissleと同じファージ含有量を有する
操作された株のアセンブルされたゲノム内で、PHASTは、元の大腸菌Nissleゲノムにおいて予測されたのと同じファージ含有量を予測した。大腸菌Nissle内で「インタクト」ファージとして同定された3つのファージの全ては、操作された株のゲノム内でも同定された(ファージ1〜3)。
3.操作された株は追加のプロファージ要素を含有しない
操作された株の生の配列決定読み取りの大部分は、リファレンスゲノムにマッピングされ、操作された株ゲノムに固有の配列はほとんどなかった。少量のユニークな配列内にファージ配列の証拠はなかった。アセンブルされた場合、これらのユニーク配列は、それぞれ長さ2kb未満の3つのスキャフォールドのみをもたらし、既知のファージ配列との類似性はなかった。この結果は、完全な操作株アセンブリの大腸菌Nissleリファレンスゲノムへの全ゲノムアラインメントを実施し、リファレンスにマッピングされなかった操作された株内の領域を同定することによって確認された。この手順を用いて、同じ短い配列の2つが同定された。これらの短い配列のいずれも、任意の公知のファージ配列といかなる類似性も有さなかった。操作された株に特有のこれらの非常に短い配列は、ファージではなく、サンプル中の偽のDNA(spurious DNA)を表している可能性がある。
4.ファージ3は大腸菌Nissleに特異的である
実験室研究により、大腸菌Nissleによって放出されたプラーク形成ファージ粒子、および操作された株は、ファージ3(SYN−17.002)のみに由来することが決定された。従って、他の大腸菌ゲノムにおけるファージ3(プロファージとして)の存在の評価を行った。NCBIからダウンロードした5691の大腸菌(E.coli)およびShigellaゲノムアセンブリの広範なデータセット内で、全長ファージ3は、大腸菌Nissleにおいてのみ見出された。ファージ3の全長を100%の同一性でカバーする2つの全長、43kbの一致のみが存在し、これらの両方は大腸菌Nissleゲノムの異なるバージョン(GCA_000333215.1およびGCA_000714595.1)に対応する。データセット内の他の大腸菌ゲノムにおいて、5つの追加の長い部分一致(14−20kb、97−99.6%の同一性を有する)、および4つの他のより短い部分一致(5−10kb、95−98%の同一性)が存在した(図10)。同じアセンブリの複数スキャフォールドの間で分割された、いくつかの他のより短い断片も同定された。部分的なマッチングはファージ3の異なる領域にマッピングされ、図10に示されている。
他のゲノムにおいてこれらの部分的な一致を含むスキャフォールドを抽出し、ファージ3に対する各々の部分的な一致が、ファージ3に対して他の類似性を有さない他のゲノム内のより長いプロファージの断片を含むことを決定するために使用した。これらの領域は常に、他のゲノムにおけるより長く高スコアの「インタクト」ファージ予測の一部であった。大腸菌Nissleの外側のこれらのファージは「ハイブリッド」ファージに対応し、配列の一部はファージ3に一致し、残りはファージ3とは異なるファージ配列に対応する。これらの結果は、大腸菌中に存在する最も近い関連ファージがファージ3のDNA配列とそれらのゲノムの約半分までを共有することを示す。大腸菌以外では、いくつかの部分的な一致がより遠縁のエンテロバクター(Enterobacter)内で同定され、長さ10〜18kb、96〜97%の同一性を有していた。
5.大腸菌全体の予測ファージの分布
ファージは、大腸菌において非常に一般的である。Refseqデータベース中の大腸菌ゲノムのほとんど全ては、PHASTERファージ予測ソフトウェアツールを用いて評価されるように、少なくとも1つの「インタクト」高スコアファージを含み、いくつかは20までを有する(図12)。大腸菌ゲノム中の予測ファージの平均数は6.4であり、これは、PHASTERによって大腸菌Nissleについて予測された数よりも実質的に高い。このより新しいファージ予測ツールを使用して、2つのより長いファージのみが、大腸菌Nissleにおいて同定される(これらは本明細書中でファージ2およびファージ3と呼ばれる)。従って、大腸菌Nissleは、ほとんどの他の大腸菌よりも実質的に少ない予測ファージを有する。
C.結論
バイオインフォマティクス分析の結論は以下の通りである:第1に、大腸菌Nissleおよび操作された派生物は3つの候補プロファージ要素を含み、3つのうちの2つ(ファージ2およびファージ3)は、インタクトファージゲノムに特徴的なほとんどの遺伝的特徴を含む。さらに、ファージ3は、ほぼ6000の配列決定された大腸菌ゲノムのコレクションの中で大腸菌Nissleに特有であるが、他の推定プロファージ要素との相同性の短い領域に限定された関連配列が少数のゲノムにおいて見出される。第4に、プロファージは大腸菌株の間で非常に一般的であり、大腸菌Nissleは、配列決定された大腸菌ゲノムの十分に特徴付けられたセットにおいて見出される平均と比較して、比較的少数を含有する。これらのデータは、大腸菌Nissleの操作株におけるプロファージの存在がこの種の自然状態の結果であり、分析されたこのような操作株のプロファージの特徴が前駆株である大腸菌Nissleと一致したという結論を支持する。
実施例56.大腸菌Nissleおよび遺伝子操作された派生物からのバクテリオファージの検出および特性評価のための一般的なプロトコール
大腸菌Nissle1917(E.coli Nissle)および操作された派生物の試験は、検証されたバクテリオファージプラークアッセイにおいて、ファージ3の低レベルの存在について陽性であった。バクテリオファージプラークアッセイを行って、バクテリオファージの存在およびレベルを決定した。簡単に述べると、一晩増殖させた試験細菌の培養物からの上清をファージ感受性指標株と混合し、バクテリオファージの存在を示すプラークの形成を検出するために軟寒天にプレーティングした。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プライマーは、バイオインフォマティクス分析において同定された3つの異なる内因性プロファージを検出するために設計され、ファージ特異的DNAの存在についてプラークを評価するために使用された。
D.実験手順
1.ファージ試験プロトコール:マイトマイシンC誘導データ解析を使用した大腸菌からの細菌ウイルスのプラークアッセイ
マイトマイシンCファージ誘導手順(STM−V−708法、大腸菌(E.coli)からの細菌ウイルスのプラークアッセイ)を用いて、ファージの産生について細胞株を分析した。Sinsheimer RL. Purification and Properties of Bacteriophage X174. J. Mol. Biol. 1959年;1:37−42頁、およびClowes, RCおよびHayes, W. Experiments in microbial genetics. John Wiley & Sons, NY. 1968年(これらの各々の内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される)に記載されているように、マイトマイシンC誘導を使用する。簡単に述べると、サンプル(細胞増幅を支持するためにチミジンを補充した培地を適宜用いて)およびコントロール細胞を一晩増殖させた。サンプル、ポジティブコントロール(大腸菌、EMG 2:K(ラムダ)、ATCC23716、または均等物)およびネガティブコントロール(大腸菌、ATCC13706、または均等物)の一部を除去し、遠心分離し、それぞれの上清をプラークアッセイでバクテリオファージの存在について調べた。マイトマイシンCを、最終濃度2μg/mLで、残りのサンプル、ポジティブおよびネガティブ細菌培養物に添加した。次いで、培養物を37±2℃に置き、ポジティブコントロール中で溶解が起こるまで(〜4.5時間)、300〜400rpmで振盪した。それぞれの培養物をクロロホルムで処理し、遠心分離し、上清の0.1mlアリコートをバクテリオファージの存在について調べた。これを達成するために、上清をファージ感受性大腸菌株ATCC13706と混合し、0.7%アガロース溶液と混合し、溶原性ブロス(LB)寒天培地上にローンとして(as a lawn)プレーティングした。プラークがポジティブコントロール中に存在し、プラークがネガティブコントロール中に存在しない場合、試験は有効であるとみなされた。
2.特定のバクテリオファージのPCR検出
a.ファージ特異的PCRプライマーの選択
オリゴヌクレオチドポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プライマーは、大腸菌Nissleの3つの推定プロファージ領域のそれぞれに対して特異性を有するように設計され、Integrated DNA Technologies(IDT、Skokie、イリノイ州)に注文された。プライマーはNissleゲノムを注意深く調べた後に選択され、ファージ特異的タンパク質は、コードすると予想されるユニーク領域内に完全に結合するように設計された(表85)。
[表85]大腸菌Nissle用のファージ特異的プライマーおよびコントロールプライマー
Figure 2020525012
大腸菌Nissleゲノムおよび関連株内で見出されるが、3つのファージ要素の外側に位置する必須細菌特異的遺伝子であるrpoBに特異的に結合するオリゴヌクレオチドPCRプライマーのさらなる一対を設計した。rpoBに結合したプライマーセットは、ゲノムDNA調製のクオリティーおよびPCRプロトコールの有効性の両方のポジティブコントロールとして役立った。さらに、ファージDNAはrpoB遺伝子を含むべきではなく、したがって、これらのプライマーはまた、ファージ−プラークピッキング技術の純度のためのコントロールとして役立った。25回のPCR反応サイクルは、その対応するファージによって生成されたプラークに対して特異的なファージPCRプライマー対で強いバンドを生成するのに十分であったが、25回のサイクルで同じプラークDNAを使用したrpoBプライマーでは、弱いバンドのみが観察されたか、またはしばしばバンドが観察されなかったことが決定された(データは示さず)。このため、プラークサンプルのPCR解析を25サイクル行った。
a.PCR反応条件およびプライマー特異性の確認
上記のオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、大腸菌NissleゲノムDNA(gDNA)に対してPCRを行い、ファージ1、2、および3ならびにrpoB宿主ゲノムコントロールについて予想されるPCR産物が産生されたかどうかを決定した。ファージ陰性株ATCC13706はPCR反応のネガティブコントロールとして機能した。PCR反応のためのgDNA鋳型を調製するために、大腸菌NissleをLB培地中で37±2℃で増殖させ、250回転/分(rpm)で一晩振盪した。100μLの静止期培養物を1.5mLのエッペンドルフチューブに添加し、微量遠心分離機中で>20,000×g(15,000rpm)にて30秒間遠心した。上清を除去し、細胞ペレットを100μLの滅菌水に再懸濁した。この100μLの懸濁液を0.2mlの薄壁チューブに移し、エッペンドルフマスターサイクラープロ(Eppendorf Mastercycler Pro)サーモサイクラーにおいて98℃で10分間加熱した。得られた溶液は、PCR反応に適したgDNAを含んでいた。DNA増幅を支持するためのDNAヌクレオチドおよびポリメラーゼの供給源としてMyTaq(商標)Red Mix(Bioline)を用い、DNA鋳型として大腸菌NissleのgDNAを用い、表86の条件に従って混合して、ポリメラーゼ連鎖反応を行った。ポリメラーゼ連鎖反応を、表87に記載されるように、Eppendorf Mastercycler Proサーモサイクラーにおいて行った。PCRの完了後、5μLの反応物またはDNAスタンダード(1kBラダー、Invitrogen)を、電気泳動による分離およびSyngene紫外線(UV)トランスイルミネーターを使用する可視化のために、0.8%アガロースゲル上にロードした。
[表86]大腸菌Nissleから推定プロファージ領域を増幅するためのPCR調製
Figure 2020525012
[表87]大腸菌Nissleからプロファージ領域を増幅するためのPCR反応サイクル
Figure 2020525012
3.特異的ファージに対する個々のプラークの試験
バクテリオファージ力価アッセイは、検証済みの方法を用いて行われた。PCR分析は、大腸菌Nissleまたは操作された株に由来する計数可能な(enumerable)バクテリオファージプラーク(適用可能な場合)を含む、得られたファージ力価プレートの上清で行われた。プラークを生成したファージの同一性をPCRによって決定した。個々のプラークの寒天プラグを、2μLのピペットチップを用いて培養プレートから除去した。各プラグを0.5mLの滅菌蒸留水に再懸濁した。プラグ再懸濁液を15秒間ボルテックスし、次いで1μLをDNA鋳型としてPCR反応に添加した。DNA増幅を支持するためのDNAヌクレオチドおよびポリメラーゼの供給源としてMyTaq(商標)Red Mix(Bioline)を用い、DNA鋳型としてプラグ再懸濁液を用い、表5の条件に従って混合して、ファージ特異的PCR反応を行った。上記の表85からのプライマーの各組を、大腸菌NissleおよびATCC13706のgDNAをポジティブおよびネガティブコントロールとして用いて、3つの推定ファージの各々を同定するために別々のPCR反応に使用した。PCR反応は表89の条件に従って行い、プラーク中に存在する任意の残留宿主染色体DNAの増幅を防止するために、限られたサイクル数(25サイクル)で行った。PCRの完了後、5μLの反応物またはDNAスタンダード(1kB+ラダー、Invitrogen)を、電気泳動による分離およびSyngene UVトランスイルミネーターを用いた可視化のために、0.8%アガロースゲル上にロードした。
[表88]プラークプラグから大腸菌Nissle特異的ファージを増幅するためのPCR反応条件
Figure 2020525012
[表89]プラークプラグからプロファージ領域を増幅するためのPCR反応サイクル
Figure 2020525012
実施例57.ファージ存在のための大腸菌NissleおよびMutaflorの試験
4.ファージ試験データの要約
いくつかのサンプル中のファージの存在を検出するための独立した分析が行われた。分析により、微生物および細胞培養物のドイツコレクションからの大腸菌Nissleの細胞バンクサンプル(本明細書ではSYN001と呼ぶ)、および大腸菌Nissleを含有するMutaflorのカプセルが、非誘導および誘導(マイトマイシンC処置)条件下で低レベルのファージを可変的に発現することが示された(表90)。
興味深いことに、大腸菌Nissle株は、いずれの条件においてもファージがないことを示すCTMロットで見られるように、常に誘導性であるとは限らない。さらに、誘導性大腸菌Nissle細胞(MutaflorおよびSYN001)が検出可能なファージを発現する場合でも、そのレベルは、他の大腸菌Nissle株の非誘導または誘導条件下で見られる最大レベルと同様である。対照的に、バクテリオファージラムダプロファージを含む大腸菌K−12株であるポジティブコントロール株ATCC23716,は、誘導後に大腸菌Nissleまたはその派生物よりも5〜6桁多いファージを産生した。このことは、まだ理解されていない理由により、大腸菌Nissle株の誘導性が明らかに欠如していることを実証する。
[表90]ファージプラークアッセイ試験結果の概要
Figure 2020525012
5.大腸菌NissleゲノムDNAに対するファージ特異的プライマーの検証
PCR分析法がプラーク産生ファージを同定し得ることを検証するために、プロファージ1、2、3または宿主rpoB遺伝子のいずれかに特異的なプライマーを使用して、大腸菌Nissle gDNAに対してPCR分析を行った(表85)。ここでは示されていないが、指標株ATCC13706に対する同じプライマーを用いた同様の分析では、ファージプライマーについてのバンドはなく、rpoBについてのバンドはわずかであり、この株が3つの大腸菌Nissleプロファージを欠くが、大腸菌Nissle遺伝子といくらかの配列類似性を有するrpoB遺伝子を含むことと一致する。各プライマーセットは、図13に示されるアガロースゲル電気泳動によって判断されるように、正しいサイズの単一のDNA産物を産生した。この結果に基づいて、これらのプライマーペアを使用して、異なるファージの存在について、表90に要約される分析からの個々のプラーク由来のファージDNAを評価した。
6.ファージ1、2、および3の存在に関する個々のプラークの分析
プラークアッセイからの計数可能なプラークを有するプレートを、PCR分析によって分析した。ポリメラーゼ連鎖反応分析を、プロファージ1、2、3または宿主rpoB遺伝子のいずれかに特異的なプライマーを使用して、計数可能なプラークを有するプレートからの10個のプラークに対して行い、プラークを作ったファージの同一性を決定した。いくつかの場合において、明らかに計数可能なプラークを有するプレートは10個未満のプラークを含み、この場合、全てのプラークが使用された。しかしながら、少なくとも6個のプラークが全ての分析のために試験された。実行されたすべてのPCR反応において、プロファージ3に特異的なプライマーのみがPCR産物を産生し、これは、表90に列挙される各試験株およびバッチについてのすべての場合において真実であった。このデータの代表的なゲル分析を図14に示す;図14の左側のパネルは、大腸菌Nissle−Mutaflorのアッセイから得られた個々のプラークプラグについて可視化されたPCR反応の代表的なセットを示す。右側のパネルは、大腸菌NissleまたはATCC13706(CRLファージアッセイで使用されるファージ陰性指標株)のいずれか由来のgDNAを使用し、常在プロファージ3を含まないコントロール試験を示す。この後者の発見は、ファージプラークPCR分析において観察された陽性結果が、ATCC13706プレーティング株中の配列との交差反応の結果ではないことを確認している。
E.結論
結論として、これらのデータは、発現可能なプロファージ要素が評価された大腸菌NissleおよびMutaflor株に存在することを実証している。このことは、発現可能なプロファージが大腸菌Nissleに存在することを示す。非誘導状態では、大腸菌NissleおよびMutaflorは、検出可能なプラークを全く産生しないか、低レベルの検出可能なプラークを産生する。すべての場合において産生されたファージのレベルは、ポジティブコントロール株ATCC23716よりも5〜6桁低かった。これらの細菌ゲノムのバイオインフォマティクス分析に基づいて、PCRアッセイを開発し、これらの株において同定された3つの内因性プロファージ要素のいずれかが活性ファージ粒子の供給源であるかどうかを決定した。結果は、大腸菌Nissleに由来するプラークが、本明細書でファージ3と呼ばれるバイオインフォマティクス的に同定された3つのプロファージ要素のうちの1つのみに起因することを示している(このプロファージゲノムは、(ファージ3配列を天然には含まない)ファージ感受性大腸菌株ATCC13706上に形成されたプラークからユニークに(uniquely)増幅されたため)。まとめると、これらのデータはファージ3が陽性ファージ試験結果の原因物質であり、これらの株の間でファージ産生に観察可能な違いはないらしいという結論を強く支持する。この情報はまた、これらの株によって産生されるファージが、市販のMutaflorカプセルを含む、大腸菌Nissleに天然のプロファージ要素の結果であることを確立する。
1.結果および結論の要約:
結論として、これらのデータは、発現可能なプロファージ要素が大腸菌Nissleに内因性であることを実証する。検証されたプラークアッセイによって決定された、試験された株によってファージ粒子が産生された頻度は、定量的に同様の低レベルであり、一般に発現可能なプロファージが大腸菌Nissleに存在することを示している。これらの細菌ゲノムのバイオインフォマティクス分析(実施例55)に基づいて、PCRアッセイを開発し、大腸菌Nissleで同定された3つの内因性プロファージ要素のいずれかがプラーク形成ファージ粒子の供給源であるかどうかを決定した。結果は、大腸菌Nissleから発現される場合、プラークがバイオインフォマティクス的に同定された3つのプロファージ要素のうちの1つのみ、すなわちプロファージ3に起因することを示す。このプロファージゲノムは、(プロファージ3配列を天然には含まない)ファージ感受性大腸菌(E.coli)株ATCC13706上に形成されたプラークからPCRによってユニークに(uniquely)増幅された。まとめると、これらのデータはプロファージ3が陽性ファージ試験結果の原因物質であり、これらの株の間でファージ産生に観察可能な違いはないらしいという結論を強く支持する。この情報はまた、これらの株によって産生されるファージが、市販のMutaflorカプセルを含む、大腸菌Nissleに天然のプロファージ要素の結果であることを確立する。
実施例58.SYN001、SYN−PKU−710、SYN−PKU1033、およびSYN−PKU1034のファージ試験
本研究では、大腸菌Nissle、ならびにフェニルアラニン消費回路を含む操作された株、SYN−PKU−710、SYN−PKU1033およびSYN−PKU1034についてのプラークアッセイを実施して、各株によって産生されるファージのレベルを決定した。表91は、本研究で使用した株の説明を提供する。
[表91]株についての説明
Figure 2020525012
各株は、対数期におけるマイトマイシンCの有無、および静止した一晩からのマイトマイシンCなしで試験された。細胞あたりに生成されたプラークの量を決定するために、プラークアッセイのために上清を処理する前に、CFUカウントを決定した。
以下の試験株を、14mL培養チューブ内の3mlのLB中で(100ug/mLのDAPを必要に応じて含む)、37℃にて250rpmで振盪しながら一晩増殖させた:SYN01(Nissle);ATC13706(ネガティブコントロール);SYN−PKU−710;SYN−PKU1033、およびSYN−PKU1034。ATCC13706の追加の20mL培養物を、感受性プラーク指標株として使用するために、125mLバッフル付きフラスコ(37℃、250rpm)内のLB中で増殖させた。これらの一晩培養物を使用して、125mLバッフル付きフラスコに1:100希釈(必要に応じてDAP100ug/mL)でLB中の10mL培養物を2回接種した。各株について、一方のフラスコは2μg/mLのマイトマイシンCを含み、他方の培養物を対数期非誘導コントロールとして使用した。全てのフラスコを振盪(250rpm)しながら37℃で4.5時間増殖させた。次に、培養物および静止した非誘導一晩培養物を、96ウェルプレート中のPBSで10倍希釈し、細胞数を決定するためにプレーティングした。10−3〜10−8希釈に及ぶ10ulのスポット希釈物を、各株について2回ずつプレートごとにプレーティングした(LBプレート−必要に応じてDAP100μg/mL)。
細胞をカウントした後、各培養物(1株あたり3培養物)から1mLを1.5mLのエッペンドルフチューブに移し、50μLのクロロホルムを添加した。チューブを15〜30秒間ボルテックスし、細胞をマイクロ遠心分離機にて最大速度で2分間スピンダウンした。
上清を、ウェル当たり180uLのLBを含む96ウェルプレート中で希釈した。各株について200μLの純上清(neat supernatant)を最初のウェルに添加し、マルチチャネルピペットを用いて10倍希釈を行った。感受性コントロール株を調製するために、10mLのATCC13706を15mLファルコン管中で4000×gでスピンダウンし、上清をデカントし、細胞を等量の10mM硫酸マグネシウム中に再懸濁した。
100ulのATCC13706細胞懸濁液を含む14ml培養チューブを、適切な株および上清の希釈のために調製した。純上清(neat supernatant)および上清希釈液をチューブに加え、細胞/上清混合物を最低5分間インキュベートした。
インキュベーション後、酵母エキスを含まないLB培地中の7g/L寒天からなる3mLの液体トップ寒天をチューブに添加し、混合物を適切に標識されたLBプレート上に直ちに均一に注いだ。プレートを乾燥させた後、それらを37℃の静的インキュベーターに移し、反転させて、一晩インキュベートした。プラーク数を表92に示す。
[表92]プラーク数
Figure 2020525012
コロニーカウントは、2ug/mLのマイトマイシンCがすべてのNissle株に対して完全に致死的であるが、2μg/mLが細胞の約90%を死滅させたATCC13706に対してはそうではないことを示した。
ファージ3に特異的なプライマーを用いて、ファージ3DNAが存在することを確認するために、PCR分析を行った(示さず)。
実施例59.抗生物質カセットの染色体挿入を使用した大腸菌Nissleからのファージ産生の非活性化
バイオインフォマティックアプローチは、活性ファージを含むと推定されるゲノムの3つの領域を同定するのに役立った(実施例55を参照のこと)。自社開発のPCR法を用いて、活性ファージは、大腸菌Nissleゲノムの塩基2,035,867塩基と2,079,177塩基の間のゲノム遺伝子座に由来することが示された。
F.ノックアウトプライマーの設計
ファージを不活性化するために、λレッド組換えを用いて、9,687塩基対の欠失を作製した。λレッド組み換えは、バクテリオファージλ由来の組換え酵素を用いて、隣接する相同性によって指示された大腸菌の染色体にカスタムDNA片を挿入する手順である。まず、プラスミドpKD3からフリッパーゼ認識部位(FRT)に隣接するクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子を増幅するために、プライマーを設計および合成した(表93)。Nissleに導入されると、このカセットは抗生物質クロラムフェニコールに対する耐性を提供する。さらに、これらのプライマーは、抗生物質カセットをファージ遺伝子座に導く、ゲノムに対して60塩基対の相同性を含む。Phage3 KO FWDおよびPhage3 KO REVプライマーを使用して、1178塩基対の線状DNA断片をPCR増幅し、これをPCR精製した。得られたDNA鋳型を組換えに使用した。
[表93]ファージ3の不活性化に使用されるプライマー
Figure 2020525012
太字=Nissleゲノムに対する相同性;イタリック体=pKD3に対する相同性
G.λレッドシステムの導入
ファージ欠失のためのNissle株を調製するために、最初に、pKD46プラスミドを大腸菌Nissle宿主株に形質転換することによって、ラムダレッドシステムを導入した。大腸菌Nissle細胞をLB培地中で一晩増殖させた。一晩培養物を5mlのLB培地で1:100に希釈し、OD600=0.4〜0.6に達するまで増殖させた。全てのチューブ、溶液、およびキュベットを4℃に予備冷却した。大腸菌細胞を2,000rpmで5分間、4℃で遠心分離し、上清を除去し、細胞を1mlの4℃水中に再懸濁した。大腸菌細胞を2,000rpmで5分間、4℃で遠心分離し、上清を除去し、細胞を0.5mlの4℃水中に再懸濁した。大腸菌細胞を2,000rpmで5分間、4℃で遠心分離し、上清を除去し、細胞を0.1mlの4℃水中に再懸濁した。エレクトロポレーターを2.5kVに設定した。1ngのpKD46プラスミドDNAを大腸菌細胞に添加し、ピペッティングによって混合し、滅菌済みの冷却キュベットにピペットで移した。乾燥させたキュベットをサンプルチャンバーに入れ、電気パルスを印加した。室温のSOC培地1mlを直ちに加え、混合物を培養チューブに移し、30℃で1時間インキュベートした。細胞を選択培地プレート上に広げ、30℃で一晩インキュベートした。
H.Nissleにおけるファージのλレッド不活性化
組み換え構築物を、pKD46を含む大腸菌Nissleに形質転換して、ファージ配列を欠失させた。全てのチューブ、溶液、およびキュベットを4℃に予備冷却した。一晩培養物をカルベニシリンを含有する5mLのLB培地で1:100に希釈し、OD600=0.1に達するまで増殖させた。次に、0.05mLの100×L−アラビノースストック溶液を添加して、pKD46λレッド発現を誘導した。培養物を、OD600=0.4〜0.6に達するまで増殖させた。次いで、大腸菌細胞を2,000rpmで5分間、4℃で遠心分離し、上清を除去し、細胞を1mlの4℃水中に再懸濁した。大腸菌細胞を2,000rpmで5分間、4℃で遠心分離し、上清を除去し、細胞を0.5mlの4℃水中に再懸濁した。大腸菌を2,000rpmで5分間、4℃で遠心分離し、上清を除去し、細胞を0.1mlの4℃水中に再懸濁した。エレクトロポレーターを2.5kVに設定し、0.5μgの組み換え構築物を細胞に添加し、ピペッティングによって混合し、滅菌済みの冷却キュベットにピペットで移した。乾燥させたキュベットをサンプルチャンバーに入れ、電気パルスを印加した。1mlの室温SOC培地を直ちに加え、混合物を培養チューブに移し、37℃で1時間インキュベートした。細胞を、35μg/mLのクロラムフェニコールを含有するLBプレート上に広げ、一晩インキュベートした。
I.突然変異の確認
突然変異の存在をコロニーPCRによって確認した。コロニーをピペットチップで拾い上げ、上下にピペッティングすることによって20μlの冷ddH2Oに再懸濁した。3μlの懸濁液を、後の使用のために適切な抗生物質を含むインデックスプレート上にピペットで移した。インデックスプレートを37℃で一晩増殖させた。PCRマスターミックスを、5μlの10×PCR緩衝液、0.6μlの10mM dNTP、0.4μlの50mM MgSO、6.0μlの10×エンハンサー、および3.0μlのddH2O(PCR反応当たり15μlのマスターミックス)を使用して作製した。CAT遺伝子に対してユニークなプライマー(100μMストック)または挿入されたCAT遺伝子に隣接するゲノム配列に対してユニークなプライマー(100μMストック)2μLを16μLのddH2Oに混合することによって、10μMプライマーミックスを作製した。使用したプライマーの配列を表94に示す。各20μlの反応について、15μLのPCRマスターミックス、2.0μLのコロニー懸濁液(鋳型)、2.0μLのプライマーミックス、および1.0μLのPfx Platinum DNA PolをPCRチューブ中で混合した。PCRサーモサイクラーを以下のようにプログラムし、ステップ2〜4を34回繰り返した:1)94℃で5:00分、2)94℃で0:15分、3)55℃で0:30分、4)68℃で2:00分、5)68℃で7:00分、その後4℃に冷却。PCR産物を、10μLの各アンプリコンおよび2.5μLの5×色素を使用するゲル電気泳動によって分析した。PCR産物は、CAT遺伝子がゲノムに挿入された(それによって、ファージを欠失および不活性化する)場合にのみ形成される。
[表94]ファージ3の欠失を確認するためのプライマー
Figure 2020525012
J.変異体からの抗生物質耐性の除去
抗生物質耐性遺伝子をプラスミドpCP20で除去した。プラスミドpCP20は、FRT部位を組み換えてCAT遺伝子を除去するフリッパーゼリコンビナーゼを発現する温度感受性プラスミドである。欠失ファージ配列を有する株を、OD600=0.4〜0.6に達するまで、37℃で抗生物質を含有するLB培地中で増殖させた。全てのチューブ、溶液、およびキュベットを4℃に予備冷却した。細胞を2,000rpmにて4℃で5分間遠心分離し、上清を除去し、細胞を1mlの4℃水中に再懸濁した。細胞を2,000rpmにて4℃で5分間遠心分離し、上清を除去し、細胞を0.5mlの4℃水中に再懸濁した。細胞を2,000rpmにて4℃で5分間遠心分離し、上清を除去し、細胞を0.1mlの4℃水中に再懸濁した。エレクトロポレーターを2.5kVに設定し、1ngのpCP20プラスミドDNAを細胞に添加し、ピペッティングによって混合し、滅菌済みの冷却キュベットにピペットで移した。乾燥させたキュベットをサンプルチャンバーに入れ、電気パルスを印加した。室温のSOC培地1mlを直ちに加え、混合物を培養チューブに移し、30℃で1〜3時間インキュベートした。次に、200μLの細胞をカルベニシリンプレート上に広げ、200μLの細胞をクロラムフェニコールプレート上に広げ、両方を37℃で一晩増殖させた。カルベニシリンプレートは、pCP20を有する細胞を含む。細胞を一晩インキュベートし、十分なOD600まで一晩増殖しなかったコロニーをさらに24時間インキュベートした。クロラムフェニコールプレートは、いくつの細胞がエレクトロポレーションで生き残ったかの指標を提供する。カルベニシリンプレートからの形質転換体を43℃で非選択的に精製し、一晩増殖させた。
精製した形質転換体を、カルベニシリンおよびクロラムフェニコールに対する感受性について試験した。43℃で増殖させたプレートからのコロニーを採取し、10μLのLB培地に再懸濁した。3μLの細胞懸濁液を以下の3つのプレートの各々の上にピペットで移した:1)37℃でインキュベートしたクロラムフェニコールを含むLBプレート(これは、宿主株のゲノム中のCAT遺伝子の有無について試験する);2)30℃でインキュベートしたカルベニシリンを含むLBプレート(これはpCP20プラスミド由来のβ−ラクタマーゼ(CarbR)遺伝子の有無について試験する);および3)37℃でインキュベートした抗生物質を含まないLBプレート。コロニーについてクロラムフェニコールまたはカルベニシリンプレート上で増殖が観察されなかった場合、CAT遺伝子およびpCP20プラスミドの両方が失われており、コロニーをさらなる分析のために保存した。保存されたコロニーをLBプレート上に再ストリークしてシングルコロニーを得、37℃で一晩増殖させた。ファージ配列の欠失は、ゲノムのファージ遺伝子座領域を配列決定することによって、そしてより重要なことに、プラーク形成の非存在を表現型的に検証することによって確認された(本質的に、実施例57または58に記載され、かつ例えば実施例60に記載されるようなプロトコールに従って)。
表95は、ファージ不活性化のために除かれた大腸菌Nissleファージ3の部分を列挙する。
[表95]ファージ3から除かれた配列
Figure 2020525012

Figure 2020525012

Figure 2020525012
表Eは、欠失によって不活性化されたファージ3遺伝子を列挙する。
[表E]欠失によって不活性化されたファージ3遺伝子
Figure 2020525012
表Fは、欠失を含むファージ3の配列を示す。
[表F]欠失を有するファージ3配列
Figure 2020525012

Figure 2020525012

Figure 2020525012

Figure 2020525012

Figure 2020525012

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Figure 2020525012

Figure 2020525012
実施例60.(クロラムフェニコールカセット除去前の)野生型大腸菌Nissleのファージ3ノックアウトの試験
実施例59に記載されるように、40bpのオーバーハングおよびpKD3に対する相同性を有するプライマーを使用して、ファージゲノムの10kB領域を標的とするノックアウトを作製した(λレッド組換え、続いてクロラムフェニコール耐性についての選択)。得られた4つのクローンを選択した。ファージ3ゲノムにおけるクロラムフェニコールカセットの挿入の存在についてスクリーニングするためのプライマーを使用して、予想される200bpのバンドが、4つのクローンすべてについて見られ、ファージ3ゲノムに特異的なポジティブな挿入を示した。
同じ4つのクロラムフェニコール耐性コロニーを、14mLの培養チューブ中の1mLのLBに再懸濁した。培養チューブを250rpmで振盪しながら37℃で増殖させた。細胞が対数期初期に達したとき、培養物を2つの500ulアリコートに分割し;一方のアリコートをマイトマイシンC(2ug/mL)で処理し;他方を未処理のままにした。3.5時間後、400ulのそれぞれの培養物を除去し、20ulのクロロホルムを添加した。サンプルを15秒間ボルテックスし、遠心分離機にて最大速度で1分間遠心分離した。表96は、カウントされたプラークの数を示す。SYN−902は、pKD46プラスミドを含む野生型Nissleである。
i. [表96]プラーク数
Figure 2020525012
結論として、ノックアウト株のいずれにおいてもプラークは観察されなかったが、ポジティブコントロールは多数のプラークを産生した。これらの結果は、野生型大腸菌Nissleにおけるファージ3の10kb内部領域の欠失が、マイトマイシンC処理後のプラーク形成を防ぐことを示している。
実施例61:ファージ3ノックアウト株におけるファージ検出アッセイ(野生型NissleおよびSYN−PKU−1034)
この研究は、野生型NissleおよびSYN−PKU−1034におけるファージ3ノックアウトが、プラークアッセイにおいてネガティブ試験(negative test)をもたらすかどうかを試験するために実施された。表97に、この研究で使用した株について記載する。
[表97]株についての説明
Figure 2020525012
この研究では、大腸菌Nissle(SYN01)、SYN‐903(Nissleバックグラウンドにおけるファージ3ノックアウト)、SYN‐PKU‐1034d「phi」3(ネガティブ株におけるファージ3ノックアウト)、SYN‐PKU‐710(ポジティブコントロール)、およびATCC13706(ネガティブコントロール)からの上清をファージの存在について試験した。
一方の末端にクロラムフェニコール(cm)カセット、もう一方の末端にファージ3に特異的なプライマーセットを使用したPCR分析により、クローンSYN−PKU−1034ファージ3KOがクロラムフェニコールカセットの正しい挿入について陽性であることが以前に示された(データ示さず)。CMカセットの挿入は、実施例59で上述したように行った。
ファージ試験のために、株(SYN01(Nissle)、ATC13706(ネガティブコントロール)、SYN−PKU−710、SYN−PKU−1033、SYN−PKU−1034、ATCC13706(感受性プラーク指標株))を、14mLの培養チューブ内の3mlのLB中で(必要に応じて100ug/mLのDAPを含む)、250rpmで振盪しながら37℃で一晩増殖させた。酵母エキスを含まないLB培地中の7g/L寒天からなるトップ寒天を調製し、融解し、液体を維持するために45℃で保存した。
一晩培養物を使用して、100ug/mLのDAPを含む10 LBを、必要に応じて1:100希釈で125mLバッフル付きフラスコ中において接種した。各試験株を、2つの10mL培養物に接種した:ファージを誘導するための2μg/mLのマイトマイシンCを有する1つのフラスコ、および対数期非誘導コントロールとしての第2のフラスコ。全てのフラスコを振盪(250rpm)しながら37℃で増殖させた。全ての培養物を4.5時間増殖させ、96ウェルプレート中のPBS中で10倍に希釈し、細胞数の判定のためにプレーティングした。10−3〜10−8の希釈にまたがるスポット希釈物(10μl)を、各株について、1プレートあたり(LBプレート−必要に応じてDAP100ug/mL)2回ずつプレーティングした。
細胞カウントの終了後、各培養物から1mL(1株あたり3培養物)を取り出し、1.5mLのエッペンドルフに入れ、50uLのクロロホルムを添加し、チューブを15〜30秒間ボルテックスした。細胞を、マイクロ遠心分離機にて最大速度で2分間遠心分離した。一方、96ウェルプレートを、カラム2〜5および8〜11においてウェル当たり180uLのLBを含むように調製した。このプレートにおいて上清の希釈を行った。各株について200uLのニート上清を、サンプル1〜8についてはカラム1に、サンプル9〜15についてはカラム7に添加した。10倍希釈は、マルチチャネルピペットを使用して、カラム2〜5および8〜11から行われた。
感受性コントロール株を調製するために、10mLのATCC13706を15mLのファルコンチューブにおいて4000×gでスピンダウンし、上清をデカントし、細胞を等容量の10mM硫酸マグネシウム中に再懸濁した。14mlの培養チューブを設定し、適切な株の標識を付け、上清の希釈液を添加した。各チューブに、100ulのATCC13706細胞懸濁液を添加した。ニート上清およびその希釈液を適切なチューブに加え、細胞/上清混合物を最低5分間インキュベートした。
インキュベーション後、3mLのトップ寒天をチューブに添加し、混合物を直ちに(注ぐことによって)標識LBプレート上に広げた。プレートを乾燥させ、次いで37℃の静的インキュベーターに移動させ、反転させ、そして一晩インキュベートした。結果を表987に示す。
[表98]プラーク数
Figure 2020525012
上記表に見られるように、ファージ3はプラーク形成に関与し、ファージ染色体内のセントラル遺伝子(central genes)における欠失はプラークの形成を阻害することができる。肉眼的観察は、ファージ配列の欠失によって引き起こされるいかなる種類の増殖欠陥も示唆しなかった。
実施例62:SYN−PKU−2001、SYN−PKU−1035、およびSYN−PKU−1036のファージ試験
この研究は、抗生物質カセットがプラスミドバックグラウンドから除去された種々のフェニルアラニン株におけるファージ産生を評価し、このカセットの除去がファージ粒子の再形成を可能にしないことを確認するために行われた。
さらに、SYN−PKU−710のファージ3ノックアウトバージョンであるが、cmカセットを依然として含むものが試験された。表99は、この研究で使用した株および関連するバックグラウンド株を記載する。
[表99]株についての説明
Figure 2020525012
ATCC13706コントロール、SYN−PKU−2001、SYN−PKU−1035、およびSYN−PKU−1036の培養物を、14mLチューブ内の3mL培養物中で、37℃で振盪しながら一晩増殖させた。次に、マイトマイシンC(2μg/mL)を含む新しい培地に細胞を希釈した。プラークアッセイは、本質的に実施例58に記載されるように行われた。プラーク数を表100に示す。
[表100]プラーク数
Figure 2020525012
これらの結果から、SYN−PKU−710におけるフェーズ3のノックアウトは、上清からpfu(プラーク形成単位)をもたらさなかったことが示された。プラスミド株におけるファージ3ノックアウトからのカセットの治癒はまた、上清におけるpfu形成をもたらさなかった。
実施例63:SYN−PKU−2002の生成および分析
ファージ3がノックアウトされ、クロラムフェニコールカセットが治癒されたフェニルアラニン消費株SYN−PKU−710のバージョンが分析された。まず、プラーク形成をプラークアッセイで評価した。次に、この株がトランス−ケイ皮酸を産生する能力をSYN−PKU−710と比較して、ファージの除去がin vitroでのフェニルアラニン消費活性に変化を引き起こすかどうかを決定した。関連するPhe分解領域のサンガー配列決定を行って、フェニルアラニン消費回路を確認した。
まず、クロラムフェニコールカセットを治癒するために、SYN−PKU−2001(Δファージ3::cm挿入を有するSYN−PKU−7103)をpCP20で形質転換し、4つのカルベニシリン耐性形質転換体を分析のために選択した。クロラムフェニコールカセットの除去を最初にPCRによって確認した。これらの形質転換体を42℃で一晩増殖させてpCP20プラスミドを治癒し、次いでLBプレート(増殖がないことを確認するためのコントロールとしてのプレーンLBプレート、プラスミドの喪失を確認するためのLB+カルベニシリンおよび染色体Cmカセットの除去を確認するためのLBクロラムフェニコール、ならびに株がその上で増殖するLB Dap(dap栄養要求性))上にストリークした。LAAD活性がまだ存在することを確認するために、細胞をPhe寒天およびスポットされた塩化第二鉄上にストリークした。4つのクローンすべてが直ちに濃い緑色に変わり、LAAD陽性の結果を示した。さらなる分析のために1つのクローンを維持し、SYN−PKU−2002と命名した。
次に、ネガティブコントロールとしてATCC13706を使用し、ポジティブコントロールとしてSYN−PKU−710を使用して、SYN−PKU−2002をファージ試験のために調製した。プラークアッセイは、本質的に実施例58に記載されているように実施した。ファージ試験の結果は、SYN−PKU−2002からの非誘導およびマイトマイシンC誘導上清においてプラークを示さなかった(データは示されていない)。
次に、フラスコをSYN−PKU−2002の活性を試験するために調製した。活性は、IPTG誘導(好気的に)ありまたはなし、および嫌気性誘導ありで試験した。このアッセイを実施するために、SYN−PKU−2002の一晩培養物を、125mLバッフル付きフラスコ内の10mL培養物で1:100に逆希釈した(3つのフラスコに接種した(各条件について1つのフラスコ))。細胞を1時間40分間増殖させ、その時点で細胞は対数期初期に入った。1つのフラスコはそのままにし、もう1つのフラスコは最終濃度1mMのIPTGを受け取り、3番目フラスコは90%N、5%CO、および5%Hを供給する嫌気性チャンバーに移した。細胞を4.5時間誘導させた。次いで、本明細書の他の箇所に記載されている標準プロトコールに従って、TCA産生アッセイを行った。基本的に、50mMフェニルアラニンを含むアッセイ緩衝液に細菌を再懸濁した。290nmでの吸光度によるトランス−ケイ皮酸定量のために、アリコートを細胞アッセイから20分毎に1.5時間除去した。
表101に見られるように、SYN−PKU−2002のIPTGおよび嫌気性誘導の両方が観察された。
[表101]In vitro活性測定
Figure 2020525012
すべてのサンプルはサンガーシークエンシングのために送られ、SYN−PKU−2002におけるすべてのPhe分解関連領域の配列は正確であることが確認された。
結論として、非誘導またはマイトマイシンCで誘導された培養物からの上清を用いた場合、SYN−PKU−2002は、ATCC13706に対してプラーク形成単位(pfu)を産生しない。SYN−PKU−2002は抗生物質マーカーを含まず、プラスミドも含まない。SYN−PKU−2002はまた、IPTGおよび嫌気性誘導の両方でフェニルアラニン分解活性を有する。フェニルアラニン分解に関与する全ての関連領域が配列決定された。従って、SYN−PKU−2002は、ファージを産生しないことを除いて、SYN2619に対して機能的に同等であるように見える。
実施例64:SYN−PKU−2002のin vitro活性測定
SYN−PKU−2002の一晩培養物の1:100逆希釈物を、対数期初期まで1.5時間増殖させた後、本明細書に記載の誘導のために1mM IPTGおよび0.1%アラビノースの存在下で4時間嫌気性チャンバーに移した。活性アッセイを行うために、1e8の細胞を再懸濁し、アッセイ緩衝液(0.5%グルコース、50mM Phe、および50mM フェニルアラニンを含有する50mM MOPSを含むM9培地)中でインキュベートした。上清サンプルを経時的に採取し、TCA(PALの産物)を290nmでの吸光度によって測定して、TCA産生/PAL活性の速度を決定した。フェニルピルビン酸は、本明細書に記載のLCMS法を用いて測定した。結果を図16Aおよび図16Bに示す。
実施例65:In vivoにおけるSYN−PKU−2002の活性分析−フェニルケトン尿症(PKU)の腸内再循環モデルにおけるin vivo活性に対するSYN‐PKU‐710からのファージ3欠失の影響
In vivoで馬尿酸を産生するSYN−PKU−2002の活性を評価する。本研究では、SYN−PKU−710およびSYN−PKU−2002をフラスコ中で増殖させ、嫌気的に誘導し、馬尿酸を産生し、血清Pheを減少させるSYN−PKU−2002の能力に対するファージ欠失の影響を、in vivoでSYN−PKU−710株を含む同質遺伝子ファージとの比較を通して評価する。
SYN−PKU−710およびSYN−PKU−2002の一晩培養物をそれぞれ用いて、DAP100μg/mLを含有する500mLのLBを含む4つの2Lフラスコに接種する。これらの培養物を1時間45分間増殖させ、次いで、90%N、5%CO、および5%Hを供給する嫌気性チャンバーに4時間移す。次いで、細胞を4600×Gで12分間遠心分離し、10mLの製剤緩衝液(グリセロール:15%(v/v)、スクロース:10%(w/v)(100g/L)、MOPS:10mM(2.1g/L)、NaCl:25mM(1.46g/L))に再懸濁する。いくつかの40μlアリコートを取り出し、細胞カウントおよび活性測定のために使用する。活性は、本質的に実施例63に記載されているように決定され、SYN−PKU−710およびSYN−PKU−2002についてそれぞれ測定される。生存率は、SYN−PKU−710およびSYN−PKU−2002のセロメーター(cellometer)カウントにより決定される。SYN−PKU901(ストレプトマイシン耐性Nissle、8e10 cfu/ml)をコントールとして使用する。細胞をPBSで10mLにし、次いで4e10細胞の毎日の強制経口投与(3×300μl用量)に備えて、1M重炭酸塩と9:1で混合し、最終濃度100mM重炭酸塩を達成する。
ファージ陽性SYN−PKU−710と同質遺伝子ファージレス株SYN−PKU−2002の有効性をin vivoで比較するために、株をenu2マウスに投与する。SYN−PKU901はコントロールとして投与される。6〜18週齢のCRL(GEMS)由来の雌のBTBR−Pah enu2マウス(20〜35g)を、少なくとも2日間施設に順応させることができる。動物はフェニルアラニン欠乏食(Teklad TD.97152)に置かれ、研究開始の少なくとも2日前に、0.5g/LのL−フェニルアラニン(Sigma)および5%スクロース/L(Sigma)のフェニルアラニン富化水が与えられる。フェニルアラニン富化水は研究期間中除去され、通常の水で置き換えられる。
研究当日、マウスを以下のように体重に従って処置群にランダム化する:群1:HO(n=9);群2:SYN−PKU901(n=9);群3:SYN−PKU−710(n=9);群4:SYN−PKU−2002(n=9)。ベースラインフェニルアラニンレベルを決定するために、顎下皮膚穿刺によって血液サンプルを収集する。次いで、平均群体重に応じて、体重1グラム当たり0.1mgのフェニルアラニンの単回用量を皮下注射によってマウスに投与する。Pheチャレンジの1、2および3時間後に、細菌(または水)を強制経口投与によってマウスに投与する(3×300μl)。動物から採血し、Pheチャレンジ後4時間まですべての動物から尿を収集する。採血から20分以内に遠心分離機(2000g、4℃で10分間)で血漿を処理するまで、血液サンプルを氷上に保持する。次いで、血漿を、MS分析のために96ウェルプレートに移す。尿を5mLチューブに集め、体積を記録した後、馬尿酸分析のためにサンプルをMSに移す。
実施例66:SYN−PKU−2002投与時のin vivo血清Pheおよび馬尿酸測定
SYN−PKU−2002の活性をin vivoで評価した。研究のための細胞を調製するために、SYN−PKU901およびSYN−PKU−2002の一晩培養物をそれぞれ使用して、DAP100μg/mLを含有する500mLのLBを含む4つの2Lフラスコに接種した。これらの培養物を1時間45分間増殖させ、次いで、90%N、5%CO、および5%Hを供給する嫌気性チャンバーに4時間移した。次いで、細胞を4600×Gで12分間遠心分離し、10mLの製剤緩衝液(グリセロール:15%(v/v)、スクロース:10%(w/v)(100g/L)、MOPS:10mM(2.1g/L)、NaCl:25mM(1.46g/L))に再懸濁した。いくつかの40μlアリコートを取り出し、細胞カウントおよび活性測定のために使用した。セロメーター(cellometer)カウント(4回行った)によって決定された生存率は、6.94e10 cfu/ml(+/−5.78e9)であった。
活性は、プレートベースのアッセイを用いて決定した。簡単に述べると、1×10 cfu(セロメーター(cellometer)により決定)を、微量遠心管中の1mLの予め温めたアッセイ緩衝液(0.5%グルコース、50mM MOPS、および50mMフェニルアラニンを含む1×M9最小培地)に添加し、短時間ボルテックスし、直ちに37℃のヒートブロックまたは恒温水槽中に置いて静置インキュベーションした(t=0)。アッセイ緩衝液中に再懸濁した細胞からの上清サンプルを、290nmの吸光度で分光光度計を用いて、いくつかの時点にわたりTCAの存在量について分析した。TCA検出のための正確なOD290ウィンドウは、比較的狭い濃度範囲で発生する。この理由から、吸光度測定値が検出のための線形範囲に収まるように、上清サンプルを希釈した。測定値をTCA検量線と比較した。活性は、2.72μmol/時間/1e9 cfu(+/−0.15μmol/時間/1e9 cfu)であると決定された。
研究の4日前(すなわち、−4−1日目)から、Pah ENU2/2マウス(〜11〜15週齢)を、フェニルアラニンを含まない固形飼料と0.5g/Lのフェニルアラニンを添加した水とで飼育した。研究当日、マウスを以下のように体重に従って処置群にランダム化した:群1:SYN−PKU901(n=9);群2:SYN−PKU−2002(n=9)。ベースラインフェニルアラニンレベルを決定するために、顎下皮膚穿刺によって血液サンプルを収集した。次いで、平均群体重に応じて、体重1グラム当たり0.1mgのフェニルアラニンの単回用量を皮下注射によってマウスに投与した。Pheチャレンジの1、2および3時間後に、細菌(または水)を強制経口投与によってマウスに投与した(3×250ul)。全血を、各時点で顎下出血を介して収集した。代謝ケージングでの尿収集は、一回目の細菌投与の直後に開始され、研究期間中(4時間)収集され続けた。
採血から20分以内に遠心分離機(2000g、4℃で10分間)で血漿を処理するまで、血液サンプルを氷上に保持した。次いで、血漿を、MS分析のために96ウェルプレートに移した。尿を5mLチューブに集め、体積を記録した後、分析のためにサンプルをMSに移した。結果を図17Aおよび図17Bに示し、SYN−PKU−2002が、SYN−PKU−710と同様に、Phe注射後のフェニルアラニンの変化を減少させ、馬尿酸を産生することを示している。
実施例67:フェニルケトン尿症のENU2マウスモデルにおけるSYN−PKU−2002の有効性
この研究の目的は、経口SYN‐PKU‐2002投与後の尿中馬尿酸(HA)、トランス‐ケイ皮酸(TCA)およびフェニルアラニン(Phe)の産生により測定した、フェニルケトン尿症(PKU)のENU2マウスモデルにおけるフェニルアラニン(Phe)分解プロバイオティクスSYN‐PKU‐2002の用量依存的なin vivo活性を調べることであった。PKUに関連するSYN−PKU−2002の有効性は、経口投与されたSYN−PKU−2002が、血漿TCAおよびHAの出現とともに、食事によるPhe摂取とは無関係にPahenu2/enu2マウスにおいて血漿Pheレベルを低下させる能力によって測定され、また皮下(SQ)注射によるPhe投与後の血漿中のこれらの代謝産物を測定することによっても評価された。
最初の試験では、Phe欠乏食で飼育した雌のPahenu2/enu2マウスの体重を測定し、次に体重によって無作為に2つの処置群にランダム化した(それぞれn=9)。血液(抗凝固剤として使用されるリチウムヘパリン)を、顎下出血を介して各マウスから得た(T=0時間)。次いで、マウスにPhe(0.1mg/g)のSQ注射を行い、尿収集のために直ちに代謝ケージ(3匹/ケージ)に入れた。Phe注射の1、2、および3時間後に、マウスに、振盪フラスコ中で増殖およびプレ誘導させたコントロールSYN−PKU901(群1)またはSYN−PKU−2002(群2)細胞のいずれかを強制経口投与した(総投与量5×1010細胞、3時間毎の強制経口投与に均等に分割)。注射の4時間後に、血漿(抗凝固剤として使用されるリチウムヘパリン)を顎下出血によって得て、尿を収集した。液体クロマトグラフィー−タンデム質量分析(LC‐MS/MS)を用いて、血漿および尿中のPhe、TCAおよびHAの濃度を測定した。
この研究は、マウスを強制経口投与するために使用されるSYN−PKU−2002試験品を、薬物物質のスケールアップを意図したものと同様のプロセスを使用して、バイオリアクター中で増殖および活性化したことを除いて、実施例65に記載の研究と同様に実施した。Phe欠乏食で飼育した雌のENU2マウス(n=63)の体重を測定し、次いで体重によって7つの処置群にランダム化した(それぞれn=9)。次いで、マウスにPhe(0.1mg/g)をSQ注射し、尿収集のために直ちに代謝ケージに入れた。Phe注射の1、2、および3時間後に、SYN−PKU−2002を6つの用量群に強制経口投与した(n=9/用量群は、3匹のマウス/ケージの3つの代謝ケージに分割された)。用量群は、合計1×1011、5×1010、2.5×1010、1.25×1010、6.25×10、または3.13×10の細胞を受け取り、それらは3時間毎の強制経口投与に均等に分割して与えた。SYN−PKU901は、1×1011細胞の最高用量でコントロール群(n=9)に強制経口投与された。尿を4時間にわたって採取した。血漿(抗凝固剤として使用されるリチウムヘパリン)は、血漿Phe変化の測定のために、SYN−PKU−2002およびSYN−PKU901で処置されたマウスの両方について、最高用量群(1×1011細胞)においてT=0時間およびT=4時間で顎下出血によって得られた。LC−MS/MSを用いて、血漿および尿中のPhe、HA,TCAを測定した。定量的LC−MS/MS法は、血漿または尿中のフェニルピルビン酸を測定するのに利用できなかった。
結果を図17Aおよび図18Bに示す。最初の研究では、Phe(0.1mg/g)のSQ注射後、5×1010のSYN−PKU−2002細胞の経口投与を受けたENU2マウスでは、同用量のコントロール株SYN−PKU901と比較して、血漿Pheの増加が大幅に鈍化した(37.7%減少、p=0.0002)。研究の0〜4時間のサンプリング期間中に排泄された尿中HAの量は、尿中HA濃度に収集された尿の量を乗じることによって決定された。尿中HA濃度はコントロール株SYN−PKU901で処置したマウスにおいて定量下限(BLLOQ;<0.04mM)未満であったが、SYN−PKU−2002を投与したマウスにおける濃度は高く(6.59〜7.97mMの範囲)、4時間にわたって測定可能なHA排泄(10.24±0.59μmol)をもたらした。TCAおよびHAはいずれのマウスの血漿でもT=0では観察されなかったが、SYN−PKU−2002を投与した群では投与の4時間後に検出された。TCAおよびHAは、いずれの時点でもコントロール株SYN−PKU901で処置したマウスの血漿において測定不能であり、TCAの増加がSYN−PKU−2002活性によるものであることを示し、in vivoでのSYN−PKU−2002の機能を実証している。PheおよびTCAの尿中濃度はすべてのサンプルでBLLOQであった。
第2の研究では、SYN−PKU−2002をバイオリアクター中で、薬物物質のスケールアップに使用した方法と同様の条件下で増殖させた場合にも、有効性が観察された。ENU2マウスにおけるPhe(0.1mg/g)のSQ注射後、1×1011のSYN−PKU−2002細胞の経口投与を受けた群では、同用量のSYN−PKU901細胞と比較して、血漿Pheの増加が大幅に鈍化した(29.3%減少、p=0.02)。さらに、尿中HA排泄の増加が、SYN−PKU−2002で処置されたマウスにおいて、用量依存的に観察された(15.61±0.81、9.81±2.11、4.52±1.70、2.97±0.55、1.24±0.23、および0.86±0.25μmolのHAが、それぞれ1×1011、5×1010、2.5×1010、1.25×1010、6.25×10、または3.13×10のSYN−PKU−2002を投与したマウスにおいて排泄された)。SYN−PKU−2002に対して使用された最高用量である1×1011のSYN−PKU901細胞で処置したマウスは、大量のHAを排泄しなかった(0.08±0.02μmol)。最初の研究と同様に、TCAおよびHAはいずれのマウスの血漿でもT=0では観察されなかったが、SYN−PKU−2002を受けた群では投与後4時間で検出され、SYN−PKU901を受けた動物では検出されなかった。尿中のHA排泄は投与されたSYN−PKU−2002細胞の量とよく相関しており、代謝産物HAがin vivoでのSYN−PKU−2002活性の有望なバイオマーカーであることを示している。
結論として、これらのデータは、ENU2マウスモデルにおいて、血漿TCAおよびHAの循環を増加させ、SYN−PKU−2002活性を大幅に増加させることにより、in vivoでのSYN−PKU−2002のPhe代謝活性を実証している。研究の第2の部分では、薬物物質のスケールアップを意図したプロセスを用いてバイオリアクター中で増殖させたSYN−PKU−2002がin vivoで活性であることが示された。この実験では、コントロール株SYN−PKU901の経口投与と共にPheのSQ注射を行うと、血漿Pheレベルがマウスにおいて増加した;しかしながら、SYN−PKU−2002を経口投与されたマウスでは、PheのSQ注射後の血漿Phe濃度のスパイクが大幅に鈍化した。重要なことに、この結果は、全身循環しているPheが腸内再循環を介して腸に到達し、その後、胃腸管(GI)管において経口投与されたSYN−PKU−2002によって分解されることを示している。この実験は、SYN−PKU−2002がタンパク質の食事摂取量とは無関係に、血中の循環Pheレベルを低下させることができることを実証した。
実施例68:in vivoでのファージ含有フェニルアラニン消費株とファージフリーフェニルアラニン消費株との間の生存率の比較
ファージ含有フェニルアラニン株SYN−PKU−710とそのファージフリー対応物SYN−PKU−2002との間の生存率、輸送(transit)またはコロニー形成の潜在的な違いを特定するために、in vivo競合研究を実施し、SYN−PKU−710と同質遺伝子のファージレスSYN−PKU−2002株の競合指数が生成された。SYN−PKU−710もSYN−PKU−2002も抗生物質カセットを有していないため、この研究では抗生物質耐性が治癒されていない標識株が用いられた。SYN−PKU−710については、クロラムフェニコール/カナマイシン(cm/kan)標識株SYN−PKU−713を使用した。SYN−PKU−2002については、クロラムフェニコール(cm)標識株SYN−PKU−2001を使用した。表102は、この研究に関連する株を列挙している。
[表102]株についての説明
Figure 2020525012
簡単に述べると、SYN−PKU−713およびSYN−PKU−2001の一晩培養物を用いて、500mLのバッフル付きフラスコ内の100mLのLB(DAP100ug/mlおよび適切な抗生物質も含む)を接種した。培養物を6時間増殖させ、その時点で、収集のために遠心分離機中にて4000×gで15分間遠心分離した。上清を廃棄した。細胞を約7mlの製剤緩衝液(グリセロール:15%(v/v)、スクロース:10%(w/v)(100g/L)、MOPS:10mM(2.1g/L)、NaCl:25mM(1.46g/L))に再懸濁した。細胞を650μLのアリコートに分注し、−80℃で凍結した。細胞プレーティングおよび生存率決定のために、より小さなアリコートを取り出した。セロメーター(cellometer)を用いて、生存率は非常に高く、細胞数は株間でかなり同等であることが示された。
この研究の全ての細胞数(投入量を含む)は、投入量(強制経口投与)と排出量(糞便)が一貫して比較され得るように、プレーティングによって取得された。2つの650uLアリコートを氷上で解凍し、1:1で混合し、重炭酸ナトリウムで希釈し(9部の細胞:1部の1M重炭酸塩(144μL))、次いで、kan/cmおよびcm上で定量するために4連でプレーティングした(10倍の10μLスポットプレーティングによる−8−>−10希釈)。
第1日目に、野生型B6(n=6)マウスに200μlの細胞(各株約3×10)を強制経口投与した。糞便ペレットを、強制経口投与の6時間前および6時間後に収集した。2日目および3日目に、マウスに200μlの細胞を強制経口投与し、糞便ペレットを強制経口投与の6時間前および6時間後に収集した。4日目および5日目に、糞便ペレットを回収した。
毎日、収集した糞便ペレットを1mlのPBSを含むチューブ中で秤量し、ホモジナイズした。糞便ペレット中のNissleのCFUを決定するために、ホモジナイズした糞便ペレットを段階的に希釈し、クロラムフェニコールを含有するLBプレートとカナマイシンを含有するプレートの上に各サンプルをプレーティングした。プレートを37℃で一晩インキュベートし、コロニーをカウントした。糞便中の2つの株の量を決定するために、総組換えNissleをcmプレート上でカウントし、kanプレート上で得られたSYN−PKU−713の数を総量から差し引いて、SYN−PKU−2001のCFU数を決定した。
結果を図19に示し、競合指数(SYN−PKU−713投入量/SYN−PKU−2001排出量)を表103に示す。
[表103]排出量の競合指数
Figure 2020525012
結果は、NissleのファージフリーPKU株SYN−PKU−713とSYN−PKU−2001との間で輸送(transit)またはコロニー形成に大きな違いがないことを示している。
実施例69:大腸菌Nissle由来の株についての一般的なバクテリオファージ試験プロトコール
以下の手順は、EcNプロファージ/ファージ中に見出されるDNA配列を検出する。上記手順は、プライマーが欠失されたプロファージの領域の外側で増幅してSYN−PKU−2002の細菌株を生成するので、SYN−PKU−2002におけるEcNゲノム内のファージおよびプロファージDNAを増幅する。
検証済みのバクテリオファージ(ファージ)法、GP−V708、マイトマイシンC誘導を用いた大腸菌由来の細菌ウイルスのプラークアッセイ(Plaque Assay of Bacterial Virus from E. coli Using Mitomycin C Induction)は、プラークアッセイを用いてファージの存在を測定する。試験により、検出されたファージは内因性EcNプロファージ由来であり、汚染ファージまたは外来物質由来ではないことが確認される。
プラークアッセイは、凍結サンプルのループフル(loopful)またはスクレープ、10mMチミジンを添加した濃縮培地中で200〜300rpmにて振盪しながら37±2℃で一晩増殖させた陰性および陽性細菌培養物で開始する。サンプル、ポジティブコントロール(大腸菌、EMG 2:K[λ]、ATCC23716、または同等物)およびネガティブコントロール(大腸菌、ATCC13706、または同等物)の一部を除去し、遠心分離し、それぞれの上清をプラークアッセイでバクテリオファージの存在について調べる。マイトマイシンCを、最終濃度2μg/mLで、残りのサンプル、陽性および陰性細菌培養物に添加する。次いで、培養物を37±2℃に置き、溶解がポジティブコントロールで起こるまで(〜4.5時間)300〜400rpmで振盪する。各培養物をクロロホルムで処理し、遠心分離し、上清の0.1mlアリコートをバクテリオファージの存在について調べる。これを達成するために、上清をファージ感受性大腸菌株ATCC13706と混合し、0.7%アガロース溶液と混合し、LB寒天上にローンとして(as a lawn)プレーティングする。プラークがポジティブコントロール中に存在し、かつプラークがネガティブコントロール中に存在しない場合、試験は有効であると見なされる。
計数可能なプラークを含有する目的の株を含むプレートは、プラークが内因性EcNプロファージから生成されたファージに由来することを確認するために、エンドポイントPCRによって同一性試験される。これは、最初に2μLのピペットチップで個々のプラークの寒天プラグを作製し、各プラグを0.5mlの脱イオン水に再懸濁することによって達成される。プラグ再懸濁液を15秒間ボルテックスし、1μLをPCRのための鋳型として使用する。ネガティブコントロールとして、同じプレートからの寒天プラグを、プラークを含まない領域から作製する。利用可能な場合には、1サンプルあたり合計10個のプラークを試験する。1サンプルあたり10個未満のプラークが形成される場合には、全てのプラークを分析する。1サンプルにつき1個のネガティブコントロールプラグを試験する。追加のコントロールとして、EcNおよびATCC13706の純粋なブロス培養物を、200〜300RPMで振盪しながら、37±2℃の濃縮培地で一晩増殖させる。100μLの定常培養物(stationary cultures)を0.2mlの薄壁チューブに添加し、エッペンドルフマスターサイクラープロ(Eppendorf Mastercycler Pro)サーモサイクラーにて98℃で10分間加熱して、PCRのための鋳型として使用するゲノムライセートを調製する。
各PCRアッセイの鋳型として使用された全体的なサンプルおよびコントロールは、以下の通りであった:
a.サンプル:計数可能なプレートから採取した最大10個の再懸濁プラーク1μL
b.ネガティブコントロール:計数可能なサンプルプレートの非プラーク領域から採取した1個のプラグ1μL
c.ネガティブコントロール:大腸菌、ATCC13706、または同等の株(プラーク指標株)の溶解した定常培養物(stationary cultures)1μL
d.ポジティブコントロール:目的の細胞株の溶解した定常培養物(stationary cultures)1μL
PCRを用いてEcN特異的ファージの領域を増幅した後、ゲル電気泳動により反応の終点でのPCR増幅断片を検出する。EcN特異的ファージの増幅に使用したプライマー(Integrated DNA Technologies、Skokie、イリノイ州)を表104に示す。プライマーはEcNファージを注意深く調べた後に選択され、EcN特異的ファージ内の領域を増幅するが、プラーク検出に使用されるファージ感受性大腸菌株ATCC13706内のゲノムDNA中のいずれの領域にも結合しない。
[表104]EcN−ファージ特異的PCRプライマー
Figure 2020525012
反応は、エッペンドルフマスターサイクラープロPCRマシン(Eppendorf Mastercycler Pro PCR machine)を使用して、0.2mL薄壁チューブで実行される。ファージ特異的プライマー用にマスターミックスを調製する。プライマーは、ヌクレアーゼフリーの滅菌水中で最終濃度100μMに再構成される。マスターミックスは、表105のレシピに従って調製される。
[表105]PCRマスターミックスの調製
Figure 2020525012
PCRマスターミックス19μLを各0.2mLのPCRチューブに加えた後、1μLのPCR鋳型を個々のチューブに加える。チューブに蓋をし、PCRマシンに設置し、表106のパラメータに従って反応サイクルを実行する。
[表106]PCR反応サイクル
Figure 2020525012
各スタンダード、サンプル、またはコントロール反応の5μLを、電気泳動による分離とSyngene UVトランスイミネータを使用した可視化のために、0.8%アガロースゲル上にロードする。増幅されたバンドのおおよそのサイズは、EcN特異的ファージの存在について350bpであるが、ネガティブコントロールはバンドを全く生成しない。
実施例70:SYN−PKU−2002毒性試験
GLP毒性試験の投与期間は、BID投与の雄および雌のCD−1マウスで28日間である(1日2回)。投与量は、1×10、1×1010、および1×1011 CFUのおよその範囲をカバーする。最高濃度は、実現可能な最大用量である。マウスは、試験品に関連する死亡率、臨床観察、体重、血液学、臨床化学、ならびに肉眼的および顕微鏡的病理について評価される。投与を中止した後、マウスから糞便サンプルを数日間採取し、qPCR分析を用いてSYN−PKU−2002のDNAの存在をアッセイし、SYN−PKU−2002の経時的な減少を決定する。血液はまた、qPCRを使用して、SYN−PKU−2002のDNAの存在について評価される。28日間のマウスGLP毒性試験の設計の概要を表107に示す。
[表107]28日間のマウスGLP毒性試験の設計
Figure 2020525012
Figure 2020525012
Figure 2020525012
実施例71:ブタモデルにおける胃フェニルピルビン酸の評価
SYN−PKU−2002の投与前および投与後の様々な時点での2匹のブタ(十二指腸カニューレを有していた)における胃フェニルピルビン酸のレベル。
SYN−PKU−2002の投与の2日前に、2匹のブタに、タンパク質シェイク/リンゴジュースを含む液体食を2日間与えた。0日目に、ブタに麻酔をかけ、挿管し、約250ml(約50g)のペプトン、3×10e12の細菌(30ml中のSYN−PKU−2001)+24mlの1M重炭酸塩フラッシュ(2g)をT=0で注入した。
次に、1mlの胃サンプルを、T=0、15分、30分、45分、60分、75分、90分、105分、120分で採取した。サンプルを直ちに遠心分離し、上清を凍結し、沈殿の入ったチューブを4℃に置いた。さらに、1mlの血中サンプルを、T=0、30分、60分、90分、および120分で採取し、ヘパリン処理したチューブに収集し、遠心分離し、血漿を収集および凍結した。可能であれば、尿を採取して凍結した。結果を図20に示し、LAADが胃で活性であることを示している。
実施例72:非ヒト霊長類における経口トランス−ケイ皮酸の尿中馬尿酸への変換効率
次に、SYN−PKU−2002の活性および有効性の研究を、ヒトに対してより関連性の高い代謝およびGI生理学を有するトランスレーショナルモデルである、絶食した健康な非ヒト霊長類(NHP)に拡張した。6匹のカニクイザル(2.5〜4kg)のコホートを使用した。PKU表現型ではないが、健康なNHPの生理学は、健康なヒトにおいて最初に行われる可能性が高い将来の臨床研究に情報を与えるのに有用である。
本明細書に記載される全てのNHP研究は、動物福祉法規則の最終規則(連邦規則集、第9条)、実験動物福祉局からの実験動物の人道的ケアおよび使用に関する公衆衛生サービスポリシー、および国立研究評議会からの実験動物のケアおよび使用のためのガイドの該当するすべてのセクションに準拠して、Charles River Labs(Shrewsbury、マサチューセッツ州)で実施された。2〜5歳の6匹の雄のNHP対象(2.5〜4kg)を使用し、国際認定霊長類固形飼料(PMI栄養、5048)で飼育した。全ての研究を開始する前に、対象を一晩(16時間)絶食させた。すべての研究において、投与の直前に、動物を個々のケージに分け、尿の収集を補助するために角度のついたパンを各ケージの底に挿入した。全ての経口投与のために、経口胃管を使用した。
第1に、サルにおける経口投与されたTCAの尿中HAへの変換効率を、その後の実験で使用するための正規化因子の計算のために測定した。各NHPに、肉由来のペプトン(500g/L;Sigma、70174)10mLと、120mM重炭酸ナトリウムに溶解したおよび13C−TCA(12.5mg/mL;Cambridge Isotopes Lab、CLM−7498−PK)15mLを経口投与した後、2mLの水フラッシュを投与した。このようにして、SYN−PKUのin vivoでのPAL/Phe分解活性を、尿中HAの回収から推測することができる。同位体標識13C−TCAを経口投与し、尿中13C−HAを測定した。経口投与した13C−TCAの平均41.9±10.3%が、尿中13C−HAとして回収された(図21)。
実施例73:非ヒト霊長類(NHP)におけるプロファイリングおよび有効性
非ヒト霊長類モデルにおけるSYN−PKU−2002の有効性を評価した。
本明細書に記載される全ての研究において、投与の直前に、動物を個々のケージに分け、尿の収集を補助するために角度のついたパンを各ケージの底に挿入した。全ての経口投与のために、経口胃管を使用した。
NHPに、肉由来のペプトン10mL(500g/mL)または水をモック(mock)として経口投与した。次に、製剤緩衝液に再懸濁された10mlのSYN−PKU−2002(予めバイオリアクター中で増殖および活性化され、氷上で解凍された)、または製剤緩衝液のみをモックとしてNHPに投与した。最後に、NHPに5mLの0.36M重炭酸ナトリウムを投与した後、2mLの水でフラッシュした。該当する場合、投薬レジメンの1時間後に、動物に12.5mLの13C−Phe(20mg/mL)を静脈内注射した。動物は、静脈穿刺によって、0、0.5、1、2、4および6時間で採血された。該当する場合、モックタンパク質(mock protein)投与後、動物に3.5mLのd−Phe(20mg/mL;CDN Isotopes、D−1589)を与えた。投与後6時間で、尿収集パンを取り出し、内容物を体積測定のためにメスシリンダーに注いだ。全てのサンプルをLC−MS/MS分析まで−80℃で保存した。
Pheの曲線下面積(AUC)は、RおよびPKNCAパッケージ(Denny W, D. S.およびBuckeridge C. Simple, automatic, noncompartmental analysis: The PKNCA R package. J Pharmk PharmD 42.1, 11−107頁、doi:10.1007/s10928−015−9432−2(2015年))を用いて線形台形法で計算され、AUCを説明するモデルはrstanarmパッケージで推定された。d−PheについてのAUC0−lastは、リニアアップ/ログダウン法(linear−up/log−down method)で計算された。標識PheのAUCの平均および信頼区間と処置差は、処置(ビヒクルまたは細胞)に対する固定効果および動物ごとのランダム効果を有する階層ベイズモデルを用いて計算された。
バイオリアクターにおける株の増殖および誘導のために、滅菌ループを用いて、500mlのUltra−yield(商標)フラスコ(Thomson)内の50mlのFM2培地(補足表2)に細胞を接種した。OD600が約5に達するまで細胞を350rpmで振盪しながら37℃で増殖させ、その時点で、培養物の30mLを使用して、Eppendorf BioFlow 115バイオリアクター内の4LのFM2に接種した(開始時のOD600は約0.02)。発酵槽は撹拌、空気、および酸素補給により60%の溶存酸素に制御され、水酸化アンモニウムを用いてpH7に制御された。OD600〜1.5で、低酸素環境(10%溶存酸素)の作製とIPTG(1mM)の添加により、細胞を活性化した。OD600〜20で、L−アラビノース(最終濃度0.15%)を添加し、細胞をさらに1時間増殖させた。4,500×G、4℃で30分間遠心分離することによって細胞を回収し、製剤緩衝液に再懸濁し、試験当日まで−80℃で保存した。
最初に、絶食させたサルに、SYN−PKU−2002投与の有無にかかわらず5gのペプチドチャレンジを投与し、尿中HAを測定した。全ての動物は、SYN−PKU−2002で処置した場合、細胞投与なしのベースラインレベルと比較して有意なHA応答を示した(図22A、左)。興味深いことに、ペプチドチャレンジを与えなかった絶食サルにおいて有意なHAが回収され(図22A、右)、霊長類の胃腸管がPheのリザーバであり得ることを示唆している。先の両方の実験(図22A)において、サルにおける腸内再循環の過程を調べるために、SYN−PKU−2002を受けた対象はまた、ペプチドチャレンジの1時間後に13C−Pheを静脈内注射され、13C−HAが尿中で測定された(図22B)。ペプチドを投与されなかった群では13C−HAは検出されなかったが、ペプチドチャレンジを投与された群では13C−HAが検出され、腸内再循環が霊長類で起こり、タンパク質摂取と関連しており、SYN−PKU−2002によって消費され得るPheを提供することができることを実証した。
最終的な研究では、SYN−PKU−2002がサルの血清Pheを低下させる能力が決定された。しかしながら、血清Pheレベルをわずかに上昇させるだけでも高濃度のタンパク質が必要であるため、これは健康な対象(非PKU)では困難である(体重で、サルで使用される5gペプチドチャレンジは、平均的な成人男性で約100gチャレンジに相当する)。ベースラインPheレベルと、機能的PAH酵素によるペプチドチャレンジ後の血清におけるその低い動的応答は、SYN−PKU−2002による血清Phe低下の検出を不明瞭にする。これらの理由から、経口重水素化Phe(d−Phe)チャレンジを行った。投与されたd−Pheの量(70mg)は、平均的な成人男性のための約30gのタンパク質に含まれるPheと体重で等しく、通常の食事中に存在し得る量と一致した(Layman, D. K. Dietary Guidelines should reflect new understandings about adult protein needs. Nutr Metab (Lond) 6, 12, doi:10.1186/1743−7075−6−12(2009年))。予想通り、ベースラインd−Pheは尿および血清では検出できなかったが、その投与後に血中で検出することができた(図22CおよびD)。SYN−PKU−2002投与後、尿における正規化されたd−HA回収は、投与されたd−Pheの大部分がd−HAに代謝されたことを実証している(図22C)。SYN−PKU−2002の特異的代謝産物d−HAおよびd−TCAも血清中で検出された(図23AおよびB)。最も重要なことは、血清d−Pheの増加がSYN−PKU投与時に著しく鈍化し(図22B)、血清d−PheのAUCの著しく有意な減少を伴ったことである(図22C);58%減少、90%信頼レベル29.4〜57.8%)。
サルの胃腸管における高い安静時Pheレベルはまた、SYN−PKU−2002を受けたがペプチドチャレンジを受けなかった絶食動物において観察された有意なHA回収から推測することができる。腸内再循環はサルにも存在することが示されたが、非PKUバックグラウンドでの作業が困難であり、これらの動物において腸溶出液を容易にサンプリングできないことは、このプロセスのメカニズムの基礎を理解するために、より多くの作業を行わなければならないことを示している。それにもかかわらず、基質のリザーバの維持は、SYN−PKU−2002の治療方法的有用性を高め、PKU患者における食事による治療的投与のタイミングに対する制約を少なくし得る。
実施例74:非ヒト霊長類でのPhe発現におけるLAADの評価
LAAD発現の有効性およびPheのPAL代謝に対する負の効果の決定が評価された。
T=0で、尿パンを空にし、非ヒト霊長類(NHP)は11mL中の肉由来のペプトン5.5g、および強制経口投与細菌10mLを経口投与された。SYN−PKU−2001(5×1011CFU)強制経口投与株をNHP1−3に投与した。LAADを含まないSYN‐PKU‐2001(5×1011CFU)をNHP4‐6に投与した。両方の株は製剤緩衝液に懸濁された(予めバイオリアクター中で増殖および活性化され、氷上で解凍された)か、または製剤緩衝液のみをモックとして用いた。同時に、NHP1〜10は全て、5mLの0.36M重炭酸ナトリウムを投与された後、5mLの水でフラッシュされた。動物は、静脈穿刺によって0、0.5、1、2、4および6時間で採血された。投与後6時間で、尿収集パンを取り出し、内容物をメスシリンダーに注ぎ、5mlの体積を計測した。結果を図24Aおよび図24Bに示すが、LAADの発現がPheのPAL代謝に対して負の効果を有さなかったことが確認される。
実施例75:非ヒト霊長類(NHP)による経口トレーサ試験
活性をさらに特徴づけるために、経口トレーサ試験が実施された。T=0で、尿パンを空にし、NHPは11mL中の肉由来のペプトン5.5g、4mLのD5−フェニルアラニン(20mg/mL)、および10mLの細菌(5.2×1011CFUのSYN−PKU−2001)を強制経口投与された。同時に、NHP1〜10は全て、5mLの0.36M重炭酸ナトリウムを投与された後、2mLの水でフラッシュされた。動物は、静脈穿刺によって0、0.5、1、2、4および6時間で採血された。投与後6時間で、尿収集パンを取り出し、内容物をメスシリンダーに注ぎ、5mlの体積を計測した。図25は、投与時の血中Pheレベルの大きなスパイクを示している。
経口トレーサ試験コントロールについては、T=0で、尿パンを空にし、NHPは11mL中の肉由来のペプトン5.5g、4mLのD5−フェニルアラニン(20mg/mL)、および10mLの製剤緩衝液を強制経口投与された。同時に、全てのNHPは、5mLの0.36M重炭酸ナトリウムを投与された後、2mLの水でフラッシュされた。動物は、静脈穿刺によって0、0.5、1、2、4および6時間で採血された。投与後6時間で、尿収集パンを取り出し、内容物をメスシリンダーに注ぎ、5mlの体積を計測した。
図25の結果は、SYN−PKU−2002による強制経口投与がPheを効果的に代謝し、コントロール投与量において観察された血中Pheレベルのスパイクを低減することを示している。
実施例76:SYN−PKU−2002の用量依存的応答
4つの研究により、タンパク質が豊富な食事後のSYN−PKU−2002の単回投与後、非ヒト霊長類(NHP)におけるPheの用量依存的な変換の成功と、血漿バイオマーカーt−ケイ皮酸(TCA)および馬尿酸(HA)の産生が確認された。
試験1:T=0で、尿パンを空にし、10匹のNHPに、11mlの水中の肉由来のペプトン5.5gを経口投与した。NHP1−5に、4mLのSYN−PKU−2002(3.6×1011CFU)を強制経口投与した。NHP6−10に、4mLの製剤緩衝液、2mLのSYN−PKU−2002(1.8×1011CFU)を強制経口投与した後、6mLの製剤緩衝液を強制経口投与した。同時に、NHP1〜10は全て、5mLの0.36M重炭酸ナトリウムを投与された後、5mLの水でフラッシュされた。動物は、静脈穿刺によって0、0.5、1、2、4および6時間で採血された。投与後6時間で、尿収集パンを取り出し、内容物をメスシリンダーに注ぎ、5mlの体積を計測した。
試験2:10匹のNHPに、11mL中の肉由来のペプトン5.5gを経口投与した。NHP1〜5に、8mLのSYN−PKU−2002(7.2×1011CFU)細菌株を強制経口投与した。NHP6〜10に、1mLのSYN−PKU−2002(9.0×1010CFU)を強制経口投与した後、7mLの製剤緩衝液を強制経口投与した。同時に、NHP1〜10の全ては、5mLの0.36M重炭酸ナトリウムを投与された後、水でフラッシュされた。動物は、静脈穿刺によって0、0.5、1、2、4および6時間で採血された。投与後6時間で、尿収集パンを取り出し、内容物をメスシリンダーに注ぎ、5mlの体積を計測した。
試験3:10匹のNHPに、11mL中の肉由来のペプトン5.5gを経口投与した。NHP1〜5に、製剤緩衝液で希釈した8mLのSYN−PKU−2002(2.3×1010CFU)を強制経口投与した。NHP6〜10に、製剤緩衝液で希釈した8mlの希釈SYN−PKU−2002(4.5×1010CFU)を強制経口投与した。同時に、NHP1〜10は全て、5mLの0.36M重炭酸ナトリウムを投与された後、5mLの水でフラッシュされた。動物は、静脈穿刺によって0、0.5、1、2、4および6時間で採血された。投与後6時間で、尿収集パンを取り出し、内容物をメスシリンダーに注ぎ、5mlの体積を計測した。NHP1〜10のすべてを前夜絶食させた。
試験4:10匹のNHPに、11mL中の肉由来のペプトン5.5gを経口投与した。NHP1〜5に、8mlの希釈SYN−PKU−2002(3.3×10CFU)を強制経口投与した。NHP6〜10に、8mLの希釈SYN−PKU−2002(1.1×1010CFU)を強制経口投与した。同時に、NHP1〜10は全て、5mLの0.36M重炭酸ナトリウムを投与された後、5mLの水でフラッシュされた。動物は、静脈穿刺によって0、0.5、1、2、4および6時間で採血された。投与後6時間で、尿収集パンを取り出し、内容物をメスシリンダーに注ぎ、5mlの体積を計測した。NHP1〜10のすべてを前夜絶食させた。
図117A、117B、117C、および117Dに示す結果は、Phe代謝が9×1010CFU以上の用量で明らかであったことを示している。さらに、Pheの用量依存的変換と、バイオマーカーTCAおよび馬尿酸の産生が観察された。
実施例77:SYN−PKU−2002による非ヒト霊長類におけるカゼイン試験
Phe、TCA、およびHA消費を発現させるために、ペプトン(小ペプチドで構成される)をカゼイン(全タンパク質)で置換することの有効性が評価された。
T=0で、尿パンを空にし、NHPに28mlのカゼイン(4.5g)/重炭酸塩/D5−フェニルアラニン(25mg;8mg/kg)を強制経口投与した。NHP1〜5にはさらに、3.5mLのSYN−PKU−2002(5×1011CFU)を強制経口投与し、NHP6〜10には、強制経口投与によって3.5mLの製剤緩衝液を投与した。同時に、NHPに2mLの水によるフラッシュを投与した。動物は、静脈穿刺によって0、0.5、1、2、4および6時間で採血された。投与後6時間で、尿収集パンを取り出し、内容物をメスシリンダーに注ぎ、5mlの体積を計測した。結果を図118A−118Cに示す。
この研究の結果は、本開示の遺伝子操作された細菌株が、自然に消化されたPheを消費することができ、D5−Pheの消費時にコントロールで観察される血中Pheのスパイクを防ぐことができることを実証している。
実施例78:Phe代謝は臨床的に関連している
非ヒト霊長類において開示された研究は、Phe代謝の関連性と、それがPKU患者の食事に及ぼし得る重大な影響を実証している。米国医学研究所(The Institute of Medicine)は、フェニルアラニンが80〜90mg/g全タンパク質であると想定される食事基準摂取量を確立した。ヒトに推奨されるタンパク質の摂取量は50gである(2000カロリーの食事の場合)。無制限のアメリカの食事は、平均して、約100gの全タンパク質(男性)と約70gの全タンパク質(女性)を提供する。従って、無制限の食事は、約6〜9gのフェニルアラニンを提供する。
4歳を超えるPKU患者に推奨されるフェニルアラニン消費量は、200〜1100mg(Vockley、et al.2014、その全内容は参照により本明細書に援用される)、または約<10gタンパク質/日である。上記の研究に基づいて、SYN−PKU−2002の最高投与量は、患者の1日当たり3回の5×1011投与量に推定することができる(NHPにおける尿中HAの35%回収を仮定)。前記投与量は、ヒトにおける約25gの食事性タンパク質摂取量(70kgのヒトでは25mg/kg=1.7g)をサポートする、Pheの毎日の代謝を予測する。したがって、Pheの投与量は、無制限の食事後のPKU患者が24時間で受けるPhe摂取量の約25%である(図28)。これは、1日の推奨タンパク質摂取量の約50%である(US RDA参照;無制限のアメリカの食事が、平均して約100g(男性)および約70g(女性)の全タンパク質を提供すると仮定)。PKU患者の場合、これにより、タンパク質摂取量が2.5倍に増え、PKU患者の食事およびライフスタイルが解放される。
いくつかの実施形態では、本開示の細菌で処置すると、PKU患者は1日当たりの食事性タンパク質摂取量を10g超(約10g〜約30g、約10g〜約25g、約10g〜約20g、約10g〜約15g)に増やすことができる。いくつかの実施形態では、本開示の細菌で処置すると、PKU患者は1日当たりの食事性タンパク質摂取量を約15g、約20g、または約25gに増やすことができる。
いくつかの実施形態では、本開示の遺伝子操作された細菌で処置すると、PKU患者は毎日のタンパク質摂取量を約2.5倍に増やすことができる。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌で処置すると、PKU患者は毎日のタンパク質摂取量を約2.0倍に増やすことができる。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌で処置すると、PKU患者は毎日のタンパク質摂取量を約1.5倍に増やすことができる。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌で処置すると、PKU患者は毎日のタンパク質摂取量を約1.0倍に増やすことができる。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌で処置すると、PKU患者は毎日のタンパク質摂取量を約3倍、3.5倍、または4倍に増やすことができる。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌で処置すると、PKU患者は毎日のタンパク質摂取量を約50%増やすことができる。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌で処置すると、PKU患者は毎日のタンパク質摂取量を約5%〜10%、10%〜20%、20%〜30%、30%〜40%、40%〜50%、50%〜60%、60%〜70%、70%〜80%、80%〜90%、90%〜100%増やすことができる。いくつかの実施形態では、遺伝子操作された細菌で処置すると、PKU患者は毎日のタンパク質摂取量を約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、および90%〜100%増やすことができる。
実施例79:様々な濃度のジアミノピメリン酸における大腸菌Nissle1917のDAP栄養要求株SYN766の増殖の特性評価
細菌の増殖および分裂に必要なDAPの最小量を決定するために、EcNのDAP栄養要求株であるSYN766の増殖を、ある範囲のDAP濃度でのインキュベーションによって特性評価した。
全ての細菌培養は、−65℃以下で保存されたグリセロールストックから開始された。細菌は、100μg/mLのDAPを添加したLBブロス中で、37℃、250rpmで振盪しながら、14mL培養チューブ中で一晩増殖させた。次いで、一晩培養物を、様々なDAP濃度のLB100μLを含む96ウェルプレートのウェルで1:100に希釈した。
全ての実験において、96ウェルプレートをパラフィルムで密封し、Synergy(商標)Neo Microplate Reader(BioTek Instruments、Inc.、Winooski、バーモント州)で分析した。プレートを振盪しながら37℃で960分間インキュベートし、OD600を10分毎に測定した。
データをGen5(商標)ソフトウェアバージョン2.06(BioTek Instruments、Inc.、Winooski、バーモント州)で収集し、Microsoft(登録商標)Excelにエクスポートして平均および標準誤差を計算し、GraphPad Prismバージョン7.03(GraphPad Software、Inc.、San Diego、カリフォルニア州)で処理した。
EcNのDAP栄養要求株であるSYN766を分析して、増殖に必要なDAP濃度を決定した;データを図32に示す。50μg/mLおよび100μg/mLの濃度のDAPを含む液体培地において、SYN766は350分間指数関数的に増殖した後、OD600が約1で静止期に入った。25μg/mLのDAP濃度では、細胞は200分間増殖し、OD600が0.15に達した後、減少した。増殖は600分後に再開し、約0.8の最終OD600に達した。これは、DAP濃度が少なくとも50μg/mLである場合よりも有意に少ない総細胞量であった。6μg/mLおよび12μg/mLのDAPでは、SYN766は約180分間指数関数的に増殖した後、実験の残りの期間、減少するOD600を示した。DAP濃度が6μg/mL未満であった場合、SYN766は約100分間増殖を示した後、実験の残りの期間、減少するOD600を示した。
実施例80:ジアミノピメリン酸を含まないLB増殖培地における大腸菌Nissle1917の様々な株の増殖の特性評価
EcNの様々な改変株を、DAPを含まない培地で増殖させ、DAP栄養要求株および原栄養株の増殖特性を確認した。実施例79に記載したものと同様の増殖条件を使用した。フェニルアラニンを消費するように改変されたEcNの様々な株を、DAPの非存在下および存在下で増殖するそれらの能力について分析した。結果を図33に示す。非栄養要求株SYN001、SYN‐PKU901およびSYN3282は、約400分間指数関数的に増殖した後、OD600が約1.2で静止期に入った。同様の条件下で、DAP栄養要求株SYN766、SYN−PKU−2001およびSYN−PKU−2002は、最初の90分間は接種OD600の約0.010以内にとどまり、その後減少を示し始め、OD600が約0.005で実験を終了した。これは、dapAを欠失させると、DAPの外部供給源の非存在下で増殖が停止することを示している。SYN3282におけるPhe分解に関与する遺伝子の存在は、野生型株と比較して増殖に影響を与えなかった。SYN‐PKU‐2001およびSYN‐PKU‐2002におけるDAP栄養要求性とPhe分解に関与する遺伝子との組合せは、DAP栄養要求性のみ(SYN766)で観察された増殖障害に影響を与えなかった。これらの結果は、DAP栄養要求性がこれらの操作された株の増殖および生存を調節する主な要因であることを示している。
実施例81:100μg/mLジアミノピメリン酸を含むLB増殖培地での大腸菌Nissle1917の様々な株の増殖の特性評価
EcNの様々な改変株を、実施例79に記載されているものと同一の増殖条件を使用して、100μg/mLのDAPを含む培地中で増殖させた。実施例80の結果とは対照的に、100μg/mLのDAPを添加したLB中で増殖させた場合、試験したEcN株の全てが同等の増殖を示した(図34参照)。非栄養要求株SYN001、SYN‐PKU901およびSYN3282と、栄養要求株SYN766、SYN‐PKU‐2001およびSYN‐PKU‐2002は、約400分間指数関数的に増殖した後、OD600が約1.4で静止期に入った。
実施例82:経口投与後のC57BL/6マウスにおける操作された大腸菌Nissle1917の糞便排泄およびクリアランス
この試験の主な目的は、野生型EcNと比較して、DAP栄養要求性および/またはPhe分解活性を含む株の糞便排泄の動態を決定することであった。この研究に利用されたEcN株には、野生型(SYN−PKU901)、DAP栄養要求株(SYN766)、Phe分解活性をコードするように遺伝子操作された株(SYN3282)、およびDAP栄養要求性およびPhe分解活性の両方を有する株(SYN−PKU−2001)が含まれた。SYN−PKU−2001は臨床候補株SYN−PKU−2002の代理であるが、選択培地上にプレーティングすることによって、腸内容物および生体組織中の他の微生物叢からそれを単離することを可能にするクロラムフェニコール耐性カセットを含む。SYN3282はSYN−PKU−2001と同一であるが、DAP栄養要求性を有していない。この目的のために、雌のC57BL/6マウスの体重を測定し、体重によって3つの処置群(それぞれn=5)にランダム化した。各群は、約3×10CFU/株(200μL/用量)で2つの混合菌株を含む単回経口投与を受ける。群1はDAP栄養要求性の効果を調べるために、SYN−PKU901およびSYN766を投与され、群2はPhe分解活性の効果を調べるために、SYN−PKU901およびSYN3282を投与され、群3はDAP栄養要求性およびPhe分解活性の両方の併用効果を調べるために、SYN−PKU−2001およびSYN3282を投与された。
投与前に、糞便サンプルをT=0で個々のマウスから収集し、連続微量希釈プレーティングによって処理して、もしあるならば、群内で投与される細菌株に選択的なLB寒天プレート上で生存可能なCFUのベースラインレベルを決定した。次いで、T=0時間での糞便収集の直後に細菌用量を投与した。指定された時点で糞便を収集するために、回収可能な糞便サンプルが産生されるまで、各マウスを小さな空のピペットチップボックスに隔離した。サンプルを2mlのエッペンドルフチューブに移した。隔離から30分以内にサンプルが産生されなかった場合、その動物についての時点は分析から除外された。投与後4、6、8、24、30、および48時間に、各マウスから糞便ペレットを収集し、秤量した。
秤量した糞便ペレットの処理のために、1mlのPBSを各サンプルに添加し、使い捨てペレット乳棒(Kimble、749521−150)を使用して、手動でホモジェナイズした。次に、サンプルを最大速度で10〜20秒間ボルテックスした。10μLの微量希釈液を使用して、サンプルを6桁にわたって1:10に希釈した。これらの希釈液10μLと未希釈糞便ホモジネートを、適切な選択的LB寒天プレート上にプレーティングした。必要に応じて抗生物質またはDAPを添加したLB寒天上に希釈物をプレートティングした(SYN−PKU901=ストレプトマイシン300μg/mL;SYN3282=クロラムフェニコール30μg/mL;SYN766/SYN−PKU−2001=クロラムフェニコール30μg/mLおよびDAP100μg/mL)。プレートを37℃で一晩インキュベートし、次の日にコロニーを手動でカウントした。プレートを37℃±2℃で一晩インキュベートした。コロニーは、10個以上200個以下の個々のコロニーを含む希釈液において手動でカウントされた。最終的なCFU数は、糞便ホモジネートのCFU/mLの計算のためにカウントされたコロニー数を乗じた希釈係数を用いた逆算によって決定された。この値を糞便ペレットの重量で割って、CFU/mg糞便を算出した。
次に、もしあれば、それらの同質遺伝子の親と比較した改変EcN株における突然変異/操作の効果を調べた。各時点で排泄された各株の量を、初期用量におけるその株のCFUの数で割った。この正規化を用いて、試験群内の2つの株を、排泄およびクリアランス動態について直接的に比較することができた。
結果を図35A〜35Cに示す。マウスのいずれについても、投与前(T=0時間)の糞便サンプルにおいて選択培地上でCFUは検出されず、投与後に検出されたCFUが、マイクロバイオーム(microbiome)からのバックグラウンド増殖ではなく、EcN由来株に起因することを実証している。3つの群すべてにおいて、すべての細菌株は投与後4時間で糞便中のピーク量に達し、時間の経過とともに着実に減少した。24時間までに、糞便中の細菌数は、全ての株で3〜4桁減少した。30時間までに、群1および3からの少なくとも2匹のマウス、ならびに群2のすべてのマウスは、糞便中に検出可能なEcN由来細菌を含んでいなかった。48時間までに、全てのEcN由来細菌が糞便から除去された。すべての細菌について同様の排泄率が観察されたので、改変EcN株における排泄の動態に明らかな違いはなく、DAP栄養要求性(SYN766、群1)、Phe分解活性(SYN3282、群2)、およびそれらの組合せ(SYN−PKU−2001、群3)のいずれも、野生型SYN−PKU901株と比較して、マウスモデルにおける腸輸送時間または株生存に有意な影響を及ぼさないことが示された。
結論として、EcNにおけるDAP栄養要求性および/またはPhe分解活性は、C57BL/6マウスの糞便からの細菌の生存または消失を経時的に変化させなかった。経口投与されたすべてのEcN由来細菌株は、遺伝子型にかかわらず、48時間以内にマウスの糞便から除去され、EcNおよびその派生物は長期間生存できないことを示唆している。
実施例83:健康なマウスにおける大腸菌Nissle1917の派生物SYN−PKU901およびSYN−PKU−2001のin vivo生存
この薬理学的研究の目的は、雌C57BL/6マウスにおいて、同一のジアミノピメリン酸(DAP)栄養要求性およびフェニルアラニン(Phe)分解要素を含有するSYN−PKU−2002の代理株である遺伝子操作EcN誘導体SYN−PKU−2001と比較して、大腸菌Nissle(EcN)野生型株SYN−PKU901の生存率、胃腸管(GI)分布または完全クリアランスまでの時間の違いを評価することであった。GI分布、輸送(transit)およびクリアランス動態は、SYN−PKU901またはSYN−PKU−2001の9×10CFUの単回経口投与後に、雌のC57BL/6マウスの複数のGIセグメントにおいて、48時間にわたってコロニー形成単位(CFU)を数えることによって測定された。
この研究に利用されたEcN株は、野生型コントロールであるSYN−PKU901と、Phe分解活性およびDAP栄養要求性をコードするように遺伝子操作された株であるSYN−PKU−2001とを含んでいた。SYN−PKU−2001は臨床候補株SYN−PKU−2002の代理であるが、生物体組織からの選択プレーティングを可能にするクロラムフェニコール耐性カセットを含む。
雌のC57BL/6マウスの体重を測定し、体重によって12の処置群(それぞれn=3)およびコントロール群(n=3)にランダム化した。コントロール群のマウス(T=0)を、二酸化炭素窒息とそれに続く頸部脱臼によって犠牲にした。胃、小腸(SI)、盲腸、および結腸を注意深く切除した。SIをさらに3つの等しい長さのセクション(上部、中間、および下部)に分割した。各臓器セクションを氷冷リン酸緩衝生理食塩水(PBS)0.5mLでフラッシュし、流出液を別々の1.5mLのエッペンドルフチューブに集めた。PBS/流出液サンプルを秤量し、選択培地上での連続希釈プレーティングによって処理するまで氷上で維持して、各腸セグメントの流出液における生存可能なCFUを決定した。100mM重炭酸ナトリウムを含む製剤では、処置群の動物に9×10CFUのSYN−PKU901(6群)またはSYN−PKU−2001(6群)を経口投与した。投与後0.25、0.5、1、4、24、および48時間で、SYN−PKU901−およびSYN−PKU−2001−処置群を犠牲にし、組織をコントロール群と同じ方法で処理した。
CFU/mLを計算するために、秤量した各流出液サンプル10μLを、滅菌96ウェルプレート中のPBS中で実施された10倍微量希釈系列で使用した。10μLの未希釈流出液および希釈液を、必要に応じて抗生物質またはDAPを添加したLB寒天培地上にプレーティングした(SYN−PKU901=ストレプトマイシン300μg/mL;SYN−PKU−2001=クロラムフェニコール30μg/mLおよびDAP100μg/mL)。プレートを37℃で一晩インキュベートし、次の日にコロニーを手動でカウントした。
CFUを決定するために、カウントは、少なくとも10個以上200個以下の個々のコロニーを含む希釈液中のコロニーを手動でカウントすることによって収集された。コロニーが最低希釈(未希釈流出液のプレーティング)でのみ観察された場合、10個未満であっても、すべてのコロニーがカウントおよびスコアリングされた。最終的なCFU数は、カウントされたコロニーの数と収集された流出液の体積の両方を乗じた希釈係数を用いた逆計算によって決定された。
図36A〜Fの結果を参照。細菌を投与されなかったマウスの流出液サンプルでは、選択培地上にCFUは検出されず、投与後の流出液において検出されたCFUが微生物叢からのバックグラウンド増殖ではなく、EcN由来株に起因することを実証していた。SYN−PKU−2001またはSYN−PKU901(コントロール)のいずれかを投与されたマウスの胃、上部小腸、中小腸、下部小腸、盲腸および結腸から得られた流出液において、時間の経過に伴う生存率およびGI分布は、最初の24時間にわたって非常に類似していた。投与48時間後では、どちらの細菌についてもCFUは検出されず、この時点までに完全にクリアランスされたことを示している。
結論として、SYN‐PKU‐2001のDAP栄養要求性および/またはフェニルアラニン分解活性は、SYN‐PKU901コントロール株と比較して、C57BL/6マウスの胃腸管からの完全なクリアランスまでの生存、GI分布または時間を変化させなかった。48時間以内に経口投与されたすべてのEcN由来株の完全なクリアランスは、EcNおよびその派生物が長期間生存可能でなかったことを示唆している。
実施例84:バイオリアクターで増殖させた大腸菌株SYN−PKU−2002におけるフェニルアラニンのトランス−ケイ皮酸およびフェニルピルビン酸への分解
バイオリアクター中で増殖および活性化された改変大腸菌Nissle1917(EcN)SYN‐PKU‐2002株におけるフェニルアラニン(Phe)の代謝産物トランス−ケイ皮酸(TCA)およびフェニルピルビン酸(PP)への変換を、フェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)およびL‐アミノ酸デアミナーゼ(LAAD)活性の尺度として決定した。追加の目的には、バイオリアクターで活性化されたSYN−PKU−2002が、Phe分解の基質としてPhe含有ペプチドまたは全タンパク質の複合混合物(complex mixtures)を使用できるかどうかを決定することが含まれていた。
フェニルケトン尿症(PKU)の治療的処置を目的したPhe分解株であるEcN由来株SYN‐PKU‐2002は、臨床試験のためのSYN‐PKU‐2002のスケールアップに使用することを目的したプロセスに従って、バイオリアクター中で増殖および活性化された。5Lスケールで実施されたこのプロセスには、培養物の撹拌速度の制御によって達成された低溶存酸素(DO)環境の作製が含まれていた。低DOは、PALおよび高親和性フェニルアラニントランスポーターPhePをコードする遺伝子の染色体に組み込まれたコピーの発現を活性化した。低DOへの降下後、イソプロピルβ−D−1−チオガラクトピラノシド(IPTG;1mM)を添加してPALの追加コピーの発現を活性化し、L−アラビノース(最終濃度0.15%)を添加してLAADの発現を活性化した。高密度増殖後、細胞を濃縮し、グリセロールベースの製剤緩衝液中にて65℃以下で凍結した。
1×10の活性化細胞を、50mMのPhe、Phe−Pro、Phe−Gly−Gly、Phe−Val、Phe−Ala、もしくはGly−Pheペプチドを含むアッセイ培地中で、または肉、トリプトン、もしくは全カゼインパウダー(whole casein powder)由来の20g/Lのペプトン中で、37℃で好気的にインキュベートした。上清サンプルを30分および60分で除去し、Phe、TCA、およびPPの濃度をLC MS/MSによって決定した。
図31AおよびBの結果を参照。遊離Pheを基質として使用した場合、SYN−PKU−2002のPALおよびLAAD活性の両方がin vitroで検出され得るが、提供された基質がPhe含有ペプチドの形態である場合、PAL活性のみが観察され、LAADはPheの他の供給源よりも遊離アミノ酸へのアクセスに優れることが実証された。未消化カゼインタンパク質を基質として使用した場合、PALまたはLAAD活性は観察されなかった。
これらのデータは、バイオリアクター中で増殖させたSYN−PKU−2002が、PALおよびLAAD Phe分解経路の両方の増殖および活性化が可能であることを実証しており、SYN−PKU−2002が活性化されたバルク薬物の大量生産により適していることを示唆している。さらに、哺乳動物の胃腸管における正常な消化過程の間に遊離Pheに加えて産生される可能性が高いPhe含有ペプチドの複合混合物(complex mixtures)は、SYN−PKU−2002のPAL成分によって代謝されるが、LAAD成分によっては代謝されないことが実証された。
実施例85:健康な非ヒト霊長類におけるSYN−PKU−2002の用量応答試験
健康な雄のカニクイザルにおけるSYN−PKU−2002のフェニルアラニン代謝活性は、3.3×10〜7.2×1011コロニー形成単位(CFU)の範囲の用量レベルでSYN−PKU−2002を投与した後、血漿および尿中のフェニルアラニン(Phe)およびその代謝産物のレベルを測定することによって特性評価された。
この試験では、健康な雄のカニクイザル(2.8〜4.5kg)を一晩絶食させた。投与前に、血漿サンプル(ヘパリン)を採取して、非標識Pheおよび下流代謝産物のベースラインを確立した。動物に、強制経口投与によって、11mLのペプトン(5.5g)、SYN−PKU−2002(3.3×10〜7.2×1011CFU/用量の範囲の用量)、および5mLの0.36M重炭酸ナトリウムの連続溶液を投与した。投与後0.5、1、2、4および6時間で血漿を収集し、分析まで凍結した。研究アーム中に収集された血漿サンプルは、液体クロマトグラフィー−タンデム質量分析(LC−MS/MS)を用いて、Phe、フェニルピルビン酸(PP)、トランス−ケイ皮酸(TCA)、および馬尿酸(HA)の存在について分析された。投与後6時間にわたって尿を収集し、体積を測定し、5mLのアリコートを凍結し、LC−MS/MS分析まで保存した。
健康なサルへのペプトンの投与は、投与後約1時間でピークに達する血漿フェニル濃度のスパイクをもたらした(図26D参照)。5.5gのペプトンを投与された健康なサルにSYN−PKU−2002を経口投与すると、このPheスパイクが鈍化した。全範囲にわたって完全に用量に比例するわけではないが、Pheの血漿濃度は、SYN−PKU−2002投与群で、特に9×1010CFU投与レベルの以上で一般的に低かった。SYN−PKU−2002投与後のPheの減少と同時に、TCA(Pheのフェニルアラニンアンモニアリアーゼ代謝の直接産物、図26C参照)およびHA(TCAの代謝産物、図26Bおよび図38参照)の血漿濃度は用量依存的に増加した;しかしながら、最高用量(低用量は測定されなかった)で処置されたサルにおいて、PP(PheのL−アミノ酸デアミナーゼ代謝の直接産物)の検出可能な血漿濃度はなかった。馬尿酸は尿中に急速に排泄されることが知られており、血漿TCAおよびHA濃度の増加と一致して、尿中HA排泄は一般的に用量依存的に増加した(図26Aを参照のこと、最高用量のサルの尿においてPPは検出されなかった)。
これらの試験は、SYN−PKU−2002が雄のカニクイザルにおいてPheを代謝することができることを実証している。PPは、最高用量で処置されたサルの血漿および尿では検出されなかった。フェニルアラニン代謝産物TCAおよびHAの血漿濃度が用量依存的に増加し、6時間にわたって尿中HA排泄が用量依存的に増加した。このことは、SYN−PKU−2002の2つのPhe分解酵素の間で、PALがサルにおけるPhe代謝の大部分を担っており、このモデルではLAADからの寄与はほとんどまたは全くないことを示している。さらに、この試験は、HAおよびTCAが将来の臨床研究においてSYN−PKU−2002活性のバイオマーカーとして潜在的に役立つ可能性があることを示している。
実施例86:非ヒト霊長類におけるSYN−PKU−2001の胃腸管特性評価
健康なカニクイザルの胃腸管の様々なセグメント内でのSYN−PKU−2001のフェニルアラニン代謝活性およびコロニー形成を特性評価するために、2つの試験を行った。第1の試験では、動物を、それぞれ3匹の雌からなる2つの群に分け、5.5グラムのペプトン、5mLの0.36M重炭酸ナトリウム、25mg/kgのD5−フェニルアラニン、およびSYN−PKU−2001またはブランクコントロールのいずれかを投与した。投与の2時間後、動物を安楽死させ、サンプルを収集した。第2の試験では、3匹の雄のサルからなる1つの群に、5.5グラムのペプトン、5mLの0.36M重炭酸ナトリウム、25mg/kgのD5−フェニルアラニン、およびSYN−PKU−2001を投与し、投与の0.5時間後に動物を安楽死させ、サンプルを収集した。
両方の試験において、動物は1日目に1回の強制経口投与によって試験品(下表を参照のこと)を投与された。キャップをした細菌チューブを、各用量投与の前に3回反転させた。用量製剤は、プラスチックシリンジに取り付けられた使い捨てカテーテルを用いた強制経口投与によって投与された。投与後、強制経口投与チューブを5mlの動物用飲料水で動物の胃内にリンスした。各動物は、清潔な強制経口チューブで投与された。投与の最初の日を1日目とした。動物は用量投与のために一時的に拘束され、鎮静されなかった。
試験品およびコントロール品の同定
Figure 2020525012
製剤緩衝液およびD5−フェニルアラニン(20mg/mL)は使用するまで4℃で維持され、使用する時点でアリコートが取り出され、投薬前に少なくとも30分間室温まで温められた。重炭酸ナトリウム(0.36M)は、周囲温度で保存および投与された。
以下の表に示されているのは、動物の各群に使用される用量およびレジメンである。
実験デザイン
Figure 2020525012
5.5gのペプトンの投与量は、1日あたり100gのタンパク質を消費する典型的な60kgの個体に基づいており、これをシミュレートして、給餌後の血中のPheと尿中のPheの代謝産物を測定することができるようにしたかったのである。25mg/kgのD5−フェニルアラニンの経口投与量が選択されたのは、このレベルで投与された場合、マウスの尿中に測定可能なレベルのD5−馬尿酸が得られるためである。
両方の試験において、動物を一晩絶食させ、投与前の1日目に体重を測定した。抗凝固剤としてヘパリンを用いて大腿静脈から血液サンプル(5ml)を採取し、粉砕した湿った氷の上に置いた後、遠心分離した。遠心分離後、得られた血漿を分離し、2つのアリコートに移し、ドライアイス上で直ちに凍結し、−80℃に設定したフリーザーに移した。サンプルが、分析のために別の施設にドライアイス上で送られた。
動物は、市販の獣医学的安楽死溶液の経皮カテーテルセットアップを使用して、尾静脈を介した静脈注射により、投与後2時間(試験1)または0.5時間(試験2)で安楽死させた(鎮静なし)。
試験のための最終手順
Figure 2020525012
組織の採取および保存の表で特定される組織は、示されているようにすべての動物から採取された。
組織の採取および保存
Figure 2020525012
失血後、胃と結腸をクランプした。追加のクランプを使用して、約30cmのセグメントで小腸を切除した。10mLの冷滅菌生理食塩水を胃に注入し、マッサージして内容物をほぐした。胃を開き、内容物をラベルの付いた50mLコニカルチューブに排出し、体積を記録した。約1mLの内容物は、収集時にプレーティングするために分析施設に移された。残りの胃内容物を3つの異なるアリコートに分離した:1mL、1.6mL(凍結前にそのスポンサーにグリセロールを添加した)、および残り。残りの胃組織(全体およびラベル付きのジップロックバッグに収集したもの)は、内容物とともに同日宅配便(ドライアイスで凍結)によって分析施設に発送されるまでドライアイス上で凍結された。
小腸の約30cmの各セグメントに、15mLの冷滅菌生理食塩水を注入し、内容物をラベル付きの50mLコニカルチューブに収集し、体積を記録した。各セグメントからの約1mLの内容物は、収集時にプレーティングするために分析施設に移された。残りの内容物を3つの異なるアリコートに分離した:1mL、1.6mL(凍結前にそのスポンサーにグリセロールを添加した)、および残り。小腸組織切片(ラベル付きのジップロックバッグに収集したもの)は、内容物とともに同日宅配便(ドライアイスで凍結)によって分析施設に発送されるまでドライアイス上で凍結された。
第1の試験では、20mL以下の近位結腸内容物を、湿った氷上に維持した清潔で予め秤量されたガラス瓶に収集した(希釈せずに)。約1mLの内容物は、収集時にプレーティングするために分析施設に移された。以下の2つの異なるアリコートを予め特定したチューブに移した:ドライアイス上で凍結した1mLと1.6mL(凍結前にそのスポンサーにグリセロールを添加した)。次いで、結腸を開き、残りの内容物を取り出してガラス瓶に移した(以前に収集されたのが50mL未満の場合)。組織をピンセットでつかみ、滅菌生理食塩水を含む洗面器内で穏やかにリンスした。次いで、清潔なスパチュラを用いて結腸組織をこすり取り、ラベル付きの予め秤量したガラス瓶に粘液を集めた。粘液サンプルは、分析施設に移されるまで湿った氷上に保管された。組織はジップロックバッグに(全体で)収集され、同日宅配便(ドライアイスで凍結)によって分析施設に発送されるまでドライアイス上で凍結された。
第2の試験では、15mLの冷滅菌生理食塩水を近位結腸に注入し、内容物をラベル付きの50mLコニカルチューブに収集し、体積を記録した。約1mLの内容物は、収集時にプレーティングするために分析施設に移された。残りの内容物を3つの異なるアリコートに分離した:1mL、1.6mL(凍結前にそのスポンサーにグリセロールを添加した)、および残り。大腸組織(ラベル付きのジップロックバッグに収集したもの)は、内容物とともに同日宅配便(ドライアイスで凍結)によって以下の住所の分析施設に発送されるまでドライアイス上で凍結された。
胃腸管の各部分で測定されたPheレベルおよびCFUカウントを図38に示す。投与の2時間後および0.5時間後の両方で、フェニルアラニン濃度は胃で最も高く、消化管のさらに下部で徐々に低下することが明らかになった。投与2時間後には、10%未満のフェニルアラニンが胃および十二指腸で認められた。投与の2時間後、SYN−PKU−2001は回腸および近位結腸で主に見出され、そこでは利用可能な基質はごくわずかである。このことは、SYN−PKU−2001活性が基質の利用可能性によって制限され、したがって食物と共に摂取する必要があることを示唆している。

Claims (28)

  1. 非天然フェニルアラニン代謝酵素(PME)をコードする1つ以上の遺伝子を含み、かつ1つ以上のファージゲノムを更に含む細菌であって、前記1つ以上のファージゲノム中の1つ以上のファージ遺伝子は、1つ以上の突然変異を含む、細菌。
  2. 前記1つ以上の突然変異が以下から選択される、請求項に記載の細菌:
    a.前記ファージゲノム中の1つ以上のファージ遺伝子の一部の配列または完全な配列の1つ以上の欠失;
    b.前記ファージゲノム中の1つ以上のファージ遺伝子への1つ以上のヌクレオチドの1つ以上の挿入;
    c.前記ファージゲノム中の1つ以上のファージ遺伝子の一部の配列または完全な配列の1つ以上の置換;
    d.前記ファージゲノム中の1つ以上のファージ遺伝子の一部の配列または完全な配列の1つ以上の逆位;および
    e.a、b、c、およびdのうちの2つ以上の組み合わせ。
  3. 請求項1または2に記載の細菌であって、前記1つ以上の突然変異は、前記細菌からのファージ粒子の放出を、前記1つ以上のファージゲノム中に前記1つ以上の標的化突然変異を有さない同じ細菌と比較して低減または防止する、細菌。
  4. 1つ以上のファージゲノムを含む細菌であって、前記ファージは、溶菌増殖、遺伝子の水平伝播、細胞溶解、ファージ構造、ファージアセンブリ、ファージパッケージング、組換え、複製、翻訳、ファージ挿入、およびそれらの組み合わせに関連する1つ以上のファージ遺伝子中に1つ以上の突然変異を含む、細菌。
  5. 前記1つ以上のファージ遺伝子は、プロテアーゼをコードする遺伝子、リシンをコードする遺伝子、毒素をコードする遺伝子、抗生物質耐性遺伝子、ファージ翻訳関連タンパク質をコードする遺伝子、構造タンパク質遺伝子、基盤タンパク質遺伝子、バクテリオファージアセンブリ遺伝子、ポータル(portal)タンパク質遺伝子、組換え遺伝子、インテグラーゼをコードする遺伝子、インベルターゼをコードする遺伝子、トランスポザーゼをコードする遺伝子、複製関連タンパク質をコードする遺伝子、プライマーゼをコードする遺伝子、tRNA関連タンパク質をコードする遺伝子、ファージ挿入遺伝子、接着部位遺伝子、パッケージング遺伝子、ターミナーゼをコードする遺伝子、テリオオシンをコードする遺伝子、およびそれらの組み合わせから選択される、請求項4に記載の細菌。
  6. 前記突然変異は、脂質A生合成(KDO)2−(ラウロイル)−脂質IVAアシルトランスフェラーゼ、ペプチダーゼ、亜鉛ABCトランスポーター基質結合タンパク質、亜鉛ABCトランスポーターATPase、高親和性亜鉛トランスポーター膜コンポーネント、ATP依存性DNAヘリカーゼRuvB、ATP依存性DNAヘリカーゼRuvA、Hollidayジャンクションレゾルバーゼ、ジヒドロネオプテリン三リン酸ピロホスファターゼ(dihydroneopterin triphosphate pyrophosphatase)、アスパルチル−tRNAシンテターゼ、ヒドロラーゼ、DNAポリメラーゼV、MsgA、ファージ尾部タンパク質、尾部タンパク質、宿主特異的タンパク質、ペプチダーゼP60、尾部タンパク質、尾部繊維タンパク質、マイナーテールタンパク質U(Minor tail protein U)、DNA切断−再結合タンパク質、ペプチダーゼS14、カプシドタンパク質、DNAパッケージングタンパク質、ターミナーゼ、リゾチーム、ホリン、DNAアデニンメチラーゼ、セリンプロテアーゼ、抗終結タンパク質(antitermination protein)、アンチリプレッサー、クロスオーバージャンクションエンドデオキシリボヌクレアーゼ、アデニンメチルトランスフェラーゼ、DNAメチルトランスフェラーゼECOLIN_10240、GntRファミリー転写調節因子ECOLIN_10245、cIリプレッサー、未知の機能のドメイン(DUF4222)、DNAリコンビナーゼ、多数の抗生物質耐性調節因子(MarR)、P22における未知のead様タンパク質、機能不明のタンパク質(DUF550)、3’−5’エキソヌクレアーゼ、エキシシオナーゼ、インテグラーゼ、tRNAメチルトランスフェラーゼ、およびそれらの組み合わせをコードする遺伝子中にある、請求項4または5に記載の細菌。
  7. 前記1つ以上の突然変異が以下から選択される、請求項の何れか1項に記載の細菌:
    a.前記ファージゲノム中の1つ以上のファージ遺伝子の一部の配列または完全な配列の1つ以上の欠失;
    b.前記ファージゲノム中の1つ以上のファージ遺伝子への1つ以上のヌクレオチドの1つ以上の挿入;
    c.前記ファージゲノム中の1つ以上のファージ遺伝子の一部の配列または完全な配列の1つ以上の置換;
    d.前記ファージゲノム中の1つ以上のファージ遺伝子の一部の配列または完全な配列の1つ以上の逆位;および
    e.a、b、c、およびdのうちの2つ以上の組み合わせ。
  8. 前記1つ以上のファージゲノムは、前記細菌の自然状態において存在する、請求項の何れか1項に記載の細菌。
  9. 前記1つ以上のファージゲノムは、1つ以上の溶原性ファージ、欠陥ファージもしくはクリプティックファージ、またはサテライトファージをコードする、請求項4〜8の何れか1項に記載の細菌。
  10. 請求項の何れか1項に記載の細菌であって、前記1つ以上の突然変異は、前記細菌からのファージ粒子の放出を、前記1つ以上のファージゲノム中に前記1つ以上の標的化突然変異を有さない同じ細菌と比較して低減または防止する、細菌。
  11. バクテロイデス属(Bacteroides)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、クロストリジウム属(Clostridium)、エシェリヒア属(Escherichia)、大腸菌(Escherichia coli)株Nissle、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、およびラクトコッカス属(Lactococcus)からなる群から選択されるプロバイオティクス細菌である、請求項4〜10の何れか1項に記載の細菌。
  12. 前記1つ以上のファージゲノムは、大腸菌Nissleファージ1ゲノム、大腸菌Nissleファージ2ゲノムおよび大腸菌Nissleファージ3ゲノムのうちの1つ以上から選択される、請求項11の何れか1項に記載の細菌。
  13. 前記ファージゲノムは、大腸菌Nissleファージ3ゲノムであり、前記突然変異は、以下から選択される1つ以上の遺伝子内に位置するか、または以下から選択される1つ以上の遺伝子を含む、請求項12に記載の細菌:
    ECOLIN_09965、ECOLIN_09970、ECOLIN_09975、ECOLIN_09980、ECOLIN_09985、ECOLIN_09990、ECOLIN_09995、ECOLIN_10000、ECOLIN_10005、ECOLIN_10010、ECOLIN_10015、ECOLIN_10020、ECOLIN_10025、ECOLIN_10030、ECOLIN_10035、ECOLIN_10040、ECOLIN_10045、ECOLIN_10050、ECOLIN_10055、ECOLIN_10065、ECOLIN_10070、ECOLIN_10075、ECOLIN_10080、ECOLIN_10085、ECOLIN_10090、ECOLIN_10095、ECOLIN_10100、ECOLIN_10105、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、ECOLIN_10175、ECOLIN_10180、ECOLIN_10185、ECOLIN_10190、ECOLIN_10195、ECOLIN_10200、ECOLIN_10205、ECOLIN_10210、ECOLIN_10220、ECOLIN_10225、ECOLIN_10230、ECOLIN_10235、ECOLIN_10240、ECOLIN_10245、ECOLIN_10250、ECOLIN_10255、ECOLIN_10260、ECOLIN_10265、ECOLIN_10270、ECOLIN_10275、ECOLIN_10280、ECOLIN_10290、ECOLIN_10295、ECOLIN_10300、ECOLIN_10305、ECOLIN_10310、ECOLIN_10315、ECOLIN_10320、ECOLIN_10325、ECOLIN_10330、ECOLIN_10335、ECOLIN_10340、およびECOLIN_10345。
  14. 前記突然変異は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、ECOLIN_10170、およびECOLIN_10175の完全な欠失または部分的な欠失を含む、請求項13に記載の細菌。
  15. 前記欠失は、ECOLIN_10110、ECOLIN_10115、ECOLIN_10120、ECOLIN_10125、ECOLIN_10130、ECOLIN_10135、ECOLIN_10140、ECOLIN_10145、ECOLIN_10150、ECOLIN_10160、ECOLIN_10165、およびECOLIN_10170の完全な欠失、ならびにECOLIN_10175の部分的な欠失である、請求項14に記載の細菌。
  16. 前記欠失は配列番号130を含む、請求項15に記載の細菌。
  17. 前記欠失は配列番号130からなる、請求項16に記載の細菌。
  18. 1つ以上の追加の遺伝子改変を含む、請求項14に記載の細菌。
  19. 前記1つ以上の追加の遺伝子改変は、1つ以上の内因性遺伝子における1つ以上の突然変異を含む、請求項18に記載の細菌。
  20. 前記1つ以上の追加の遺伝子改変は、1つ以上の非天然遺伝子の追加を含む、請求項18に記載の細菌。
  21. 抗生物質耐性を更に含む、請求項1〜20の何れか1項に記載の細菌。
  22. 請求項1〜21の何れか1項に記載の細菌と、薬学的に許容される担体とを含む、薬学的に許容される組成物。
  23. 経口投与用に製剤化された、請求項22に記載の組成物。
  24. a)非天然フェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)をコードする1つ以上の遺伝子;
    b)非天然フェニルアラニントランスポーターをコードする1つ以上の遺伝子;および任意に、
    c)非天然L−アミノ酸デアミナーゼ(LAAD)をコードする1つ以上の遺伝子
    を含む、請求項1〜3の何れか1項に記載の細菌。
  25. 高フェニルアラニン血症または高フェニルアラニン血症に関連する疾患の処置のための薬剤の調製における、請求項1〜21および24の何れか1項に記載の細菌または請求項22および23の何れか1項に記載の組成物の使用であって、それを必要とする患者に投与するステップを含む、使用。
  26. 前記疾患は、フェニルケトン尿症、古典的または典型的フェニルケトン尿症、異型フェニルケトン尿症、永続的軽度高フェニルアラニン血症、非フェニルケトン尿症高フェニルアラニン血症、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ欠損症、補因子欠損症、ジヒドロプテリジンレダクターゼ欠損症、テトラヒドロプテリンシンターゼ欠損症、瀬川病、進行性および不可逆性の神経学的欠損、精神遅滞、脳症、てんかん、湿疹、低成長、小頭症、振戦、四肢痙攣、低色素沈着および肝疾患からなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
  27. 高フェニルアラニン血症または高フェニルアラニン血症に関連する疾患を処置するための薬剤の製造における、請求項1〜21および24の何れか1項に記載の細菌または請求項22および23の何れか1項に記載の組成物の使用。
  28. 前記疾患は、フェニルケトン尿症、古典的または典型的フェニルケトン尿症、異型フェニルケトン尿症、永続的軽度高フェニルアラニン血症、非フェニルケトン尿症高フェニルアラニン血症、フェニルアラニンヒドロキシラーゼ欠損症、補因子欠損症、ジヒドロプテリジンレダクターゼ欠損症、テトラヒドロプテリンシンターゼ欠損症、瀬川病、進行性および不可逆性の神経学的欠損、精神遅滞、脳症、てんかん、湿疹、低成長、小頭症、振戦、四肢痙攣、低色素沈着および肝疾患からなる群から選択される、請求項27に記載の使用。
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