JP2020524878A - X線管絶縁体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、真空側及び雰囲気側と、真空側の対称軸及び雰囲気側の対称軸と実質的に一致するフィードスルーとを有するX線管内の絶縁体を提案する。 真空側の対称軸と雰囲気側の対称軸は、互いに対して少なくとも5度、好ましくは90度の角度を有する。 このような絶縁体を含むX線源も提示され、本発明は、患者のX線画像を生成し、それによりこのような前記絶縁体を有するX線源を使用する医用撮像装置にも及ぶ。 一実施形態では、雰囲気表面で電気コネクタに絶縁体が差し込まれているX線源が提供される。

Description

一般的に、本発明は、X線放射を生成するためのX線源及び/又はX線発生器の分野に関する。特に、本発明は、非対称X線管絶縁体、X線を生成するためのX線源、及び患者の画像を生成するための医用撮像装置に関する。
X線管用の高電圧セラミック絶縁体は、接地電位から高電位を分離し、制御電圧、電流、センサー信号、熱のためのフィードスルーによる電力供給を可能にする。。
製造を簡素化し、熱又は電気の歪みを最小限にするために、軸対称設計が推奨される。これらの絶縁体は、当業者によって「パンケーキ」絶縁体とも呼ばれる円筒形、円錐形、又は実質的に平坦であってもよい。それらは通常、オイル又は柔軟なバルク絶縁体(ゴム、シリコンシート、プラスチックなど)の下のアンビエント側においても、電荷キャリア、UV、X線などのイオン化剤の影響などの真空側の悪条件でも三重点をシールドして機能するように構造化される。
高電圧セラミック絶縁体は、通常、真空と雰囲気(アンビエンス)のオイル、ゴム、シリコン、又はプラスチック絶縁体との間のインタフェースである。
米国特許第4811375A号は、内部に回転可能に取り付けられた陽極を有するほぼ円筒形の真空金属管エンベロープを含むX線管について説明している。アノードに隣接する管エンベロープの内部には、フラッシュオーバーを防ぐためにセラミック絶縁が備えられている。陽極は、管エンベロープ壁を介して回転陽極アセンブリに磁気的に結合される外部可変速度DC駆動モータによって回転する。管エンベロープ壁には鉄セグメントが含まれており、これにより磁気カップリングのギャップを最小限に抑えながら、厚くて強い管エンベロープ壁を使用できる。アノードを駆動するために、可変速度DCモータ又は可変速度空気モータを使用してもよい。好ましい実施形態では、陽極駆動手段は、電気機械的に陽極につながれ、それにより、駆動手段は、所望の陽極速度まで上げられ、その後陽極につながれ、駆動手段は、陽極を迅速に上げるためのフライホイールとして機能する。クラッチとして動作する電磁石も使用される。加えて、陽極駆動手段は、X線撮影に適した高速で動作することができ、電磁クラッチ手段は、蛍光透視中に陽極の回転を維持するために断続的に動作することができる。蛍光透視法の最中にX線撮影が必要な場合、電磁クラッチを作動させて陽極を最高速度に上げる。代替駆動手段には、陽極とともに回転するように取り付けられた内部ロータに作用する管エンベロープの外部にあるDCステータが含まれる。 X線管は、管エンベロープ内に回転可能に取り付けられ、複数の陰極フィラメントを組み込んだ陰極をさらに備える。所望のフィラメントを選択するためにカソードを回転させるためのカソード回転駆動手段が提供される。陰極駆動手段は、陰極を回転させるために、管壁を通して磁気的に結合されていることが好ましい。 DC駆動モータは、カプセル化される希土類磁石を有するロータ上で動作する管エンベロープの外部のDCステータと、積層されるセグメント化される管壁を通してリスケージロータ上で動作するACステータを含む。管エンベロープの空冷用にファンが用意されている。
本発明の発明者は、許容される最大電界強度に関して真空インタフェースが通常最も弱いため、両方のインタフェースの間に必要なサイズの不一致が存在する可能性があることを発見した。これまでの従来技術で使用されている同軸設計は、かさばる可能性がある。
したがって、X線管で使用される絶縁体のフィードスルーの電位から接地電位を分離する改善される方法が必要になる場合がある。
これは独立請求項の主題によって達成され、さらなる実施形態は従属請求項及び以下の説明に組み込まれる。
本発明の第1の態様によれば、接地電位とフィードスルーの電位との間を絶縁するための非対称X線管絶縁体が提示される。非対称X線管絶縁体は、X線管の真空ゾーンと接触するための真空インタフェースと、X線管の雰囲気と接触するための雰囲気インタフェースとを備える。さらに、絶縁体は、雰囲気インタフェースから真空インタフェースへのフィードスルーの電位を導くために、フィードスルーを受け入れるための絶縁体内側のフィードスルーチャネルを含む。さらに、フィードスルーチャネルは、真空インタフェースから雰囲気インタフェースまで絶縁体の内部に延在する。絶縁体の真空インタフェースと雰囲気インタフェースは、互いに対して角度が付いている。
換言すれば、非対称X線管絶縁体(以下「絶縁体」と呼ぶ)は、概して互いに平行ではない真空インタフェースと雰囲気インタフェースを有する。代わりに、前記インタフェースはそれぞれの対称軸に垂直に延在するが、両方の対称軸は同一ではなく、互いに対して角度が付いている。これは、いくつかの異なる実施形態から明らかになり、以下で説明される。これは、真空インタフェースと雰囲気インタフェースの両方がそれそれ、平行又は同一である対称軸に垂直に延在する軸対称の従来技術の絶縁体とは対照的である。したがって、本発明の非対称絶縁体は、X線管で使用されるべき絶縁体の非同軸設計を提供するものと見なすことができる。真空インタフェース及び雰囲気インタフェースの角度の付いた構成は、真空インタフェースの主表面及び雰囲気インタフェースの主表面に関係していることを当業者は理解している。例えば、フィードスルーが真空インタフェースを通って延在する方向に垂直に延在する真空インタフェースの表面部分は、真空インタフェースと雰囲気インタフェースとの間の角度付けられる構成を決定するときに、当業者によって考慮される。同様に、この例示的な例では、フィードスルーが雰囲気の表面又は雰囲気インタフェースを通じて延在する方向に垂直に延在する雰囲気インタフェースの表面部分は、非対称絶縁体の角度付き構成の決定に使用される。角度付きインタフェースのこの概念は、いくつかの異なる実施形態の文脈で説明され、例えば図2の実施形態から明確に集めることができる。
言い換えれば、絶縁体の非対称形状により、フィードスルーチャネルが雰囲気インタフェースから絶縁体へ第1の方向に沿って延在し、フィードスルーチャネルが真空インタフェースから絶縁体へ別の方向に延在することができ、第1及び第2の方向は互いに非平行である。絶縁体のこの幾何学的態様は、以下のいくつかの異なる実施形態の文脈で説明され、解明される。
本発明の発明者は、X線管の研究中に、X線管の将来の応用のために、絶縁体の水平幅、すなわち軸方向厚さを減少させるべきであることを見いだした。絶縁体のこのような水平方向の幅は、例えば図2から見ることができ、水平方向の幅は、真空インタフェース201と(図2の上部から下部への方向に沿って走る)図2の右側の長い導電性外面との間の距離によって与えられ、参照符号208と214の両方が終了する。絶縁体のこの水平幅は、角度のある非同軸構成により、すなわち絶縁体200の非対称形状により最小化される。概して、本発明の非対称絶縁体は、真空インタフェース及び雰囲気インタフェースを含み、互いに対して角度付けられており、そのような減少した水平な幅を提供する。この非対称形状により、絶縁体のこの水平方向の幅が大幅に縮小され、それにより、このスペースが制限される将来のX線管における絶縁体の適用が可能になる。同時に、絶縁体の非対称形状により、真空インタフェースと雰囲気インタフェースが満たさなければならない異なる電気条件を考慮することができる。真空インタフェースでは、電荷キャリアが原因で問題が発生する可能性があり、放電の問題を考慮する必要がある。本発明の絶縁体の非対称形状により、大きな真空インタフェースを提供することが可能になると同時に、雰囲気インタフェースの直径を大幅に縮小することができる。これは、まだ両方の表面の電気的ニーズに一致している。
以下の説明から明らかになるように、本発明の絶縁体は、異なる物質が使用され得る固体物質絶縁体に関する。材料選択のさまざまな実施形態を以下に示す。
絶縁体は、その中で延在するフィードスルーを備えた1つのフィードスルーチャネルを含んでもよいが、当然のことながら、対応するフィードスルーが内部を走る2、3、4又はそれ以上のフィードスルーチャネルを含んでもよい。好ましい実施形態では、絶縁体によって、それぞれのフィードスルーを備えた2つ、4つ、又は6つのフィードスルーチャネルを提供することができる。
さらに、本発明の絶縁体は、絶縁体を通る1つ以上のフィードスルーの電位から接地電位を分離するように構成される。医用イメージングアプリケーションの場合、たとえば非対称X線管絶縁体が医用イメージング装置のX線管で使用される場合、一般的な電圧は20 kV乃至150 kVの範囲である。
しかしながら、本発明の絶縁体の応用分野は、医用イメージング分野を超えて広がっている。例えば、非破壊材料試験の分野では、本発明の絶縁体を使用することができる。この分野では、最大600kVの電圧を印加することができ、この実施形態の絶縁体は、対応する絶縁部を提供するように構成される。本発明の絶縁体のさらなる応用分野は、回折計の分野及び化学化合物が分析される蛍光分析の分野である。そのような技術分野では、わずか10kVの電圧を印加することができ、本発明の絶縁体はもちろんそのような用途にも対応する絶縁部を提供することができる。
したがって、本発明の例示的な実施形態によれば、非対称X線管絶縁体を含むX線管を備えた医用撮像装置が提示される。別の実施形態では、本発明の非対称X線管絶縁体を備えたX線管を有する非破壊材料試験用の装置が提示される。さらなる例示的な実施形態では、回折測定用又は蛍光分析用の装置は、X線管及び非対称X線管絶縁体とともに提示される。
熟練した読者には明らかなように、絶縁体がX線管自体に適用又は取り付けられると、絶縁体の真空インタフェースはX線管の真空ゾーンと接触する。さらに、この取り付け構成では、絶縁体の雰囲気インタフェースがX線管の雰囲気と接触している。
フィードスルーは、さまざまなオプションを使用することによって、フィードスルーチャネルに配置又は接触させることができる。例示的な実施形態によれば、絶縁体の製造プロセス中の絶縁体は、絶縁体内に1つ又は複数のフィードスルーチャネルを、フィードスルーの導電材料がろう付けされる中空チャネルとして提供する。導電性フィードスルーをフィードスルーチャネルにろう付けすることによって、導電性フィードスルーと絶縁体の雰囲気の固体物質との間に空隙がないことを実現できる。別の製造方法では、粉末焼結法を使用して、フィードスルーをフィードスルーチャネルに沿って絶縁体と接触させる。通常、この焼結手順では、1900°Cを超える温度が使用される。焼結後、セラミック体は通常、機械的インタフェースの領域で金属化され、金属シールドと支持構造でろう付けされる。
別の例示的な実施形態によれば、絶縁体は、接地電位を運ぶための導電性外面を備え、導電性外面は、真空インタフェースから雰囲気インタフェースまで延在する。
導電性外面は、例えば、絶縁体の外面上の金属層として具体化されてもよい。しかしながら、別の例示的な実施形態によれば、絶縁体の外側表面全体が導電性ではなく、外側表面の部分的な部分のみが導電性である。別の例示的な実施形態によれば、半導体の外面が使用される。
本発明の別の例示的な実施形態によれば、絶縁体の真空インタフェース及び雰囲気インタフェースは、フィードスルーチャネルが第1の方向に沿って真空インタフェースから絶縁体まで延在し、フィードスルーチャネルが第2の方向に沿って雰囲気インタフェースから絶縁体まで延在するように互いに対して角度付けられている。この実施形態では、第1及び第2の方向は、互いに対して少なくとも5度、好ましくは90度の角度を有する。
例えば、図2の例示的な実施形態から収集できるように、2つの方向は、互いに対して垂直に向けることができる。図2の実施形態では、第1及び第2の方向は2つの対称軸205、206に等しい。図2の実施形態は、軸207に関して回転対称性を示す雰囲気インタフェース202を含むが、真空インタフェース201は、対称軸205に関して回転対称性を示すからである。しかしながら、垂直構成とは別に、他の角度付き構成も本発明の範囲内にある実施形態である。
本発明の別の例示的な実施形態によれば、真空インタフェースの直径は、雰囲気インタフェースの直径よりも少なくとも2倍大きい。
例えば図2に示される実施形態から収集できるように、雰囲気インタフェース202の直径は、真空インタフェース201の直径と比較して大幅に小さい。両方のインタフェースの直径は、図2で示される断面図で比較される。
本発明の別の例示的な実施形態によれば、絶縁体は等方性材料の均質体で形成される。好ましい実施形態では、アルミナが使用される。
等方性材料の使用により、この実施形態により境界層が回避されるため、絶縁体内の異なる材料間で電気的効果が生じないことが保証される。
別の好ましい実施形態によれば、絶縁体は単一部品として具体化される。
この実施形態では、絶縁体内の負の電気的効果を引き起こす絶縁体の異なる構成要素間の空隙が構成されないことも保証される。特に、このような絶縁体は、不要な放電プロセスの欠点を回避する。上記の等方性の特徴は絶縁体自体にのみ関係するが、非絶縁性であるがフィードスルー電圧を運ぶと想定されるため、フィードスルー材料が異なることは当業者には明らかである。
本発明の別の例示的な実施形態によれば、非対称絶縁体は、円形対称軸を有する真空インタフェースを備え、真空インタフェースは、実質的に平坦で構造化表面を有するパンケーキ形の絶縁体インタフェースとして具現化される。さらに、この実施形態では、雰囲気インタフェースは仮想円形対称軸を有し、又は仮想離散回転対称軸を有し、両方の対称軸は互いに対して角度付けられている。
そのような構造化表面は、例えば、フィードスルー207の上下の2つの没入部が真空インタフェース201の表面に含まれる図2から集められ得る。それにもかかわらず、そのようなインタフェースは直径と厚さの比率によりパンケーキ形の絶縁体として当業者に理解される。
「パンケーキ形の絶縁体インタフェース」という用語は一般的に使用されており、当業者には明確に理解されていることに注意する必要がある。特に、当業者は、パンケーキ形の絶縁体インタフェースを、インタフェースの直径をインタフェースの深さで割った比が高いインタフェースとして理解している。そのようなパンケーキ形の絶縁体インタフェースは、図2に真空インタフェース201で示されている。
当業者によって概して使用され、円錐状絶縁体以外に、パンケーキ絶縁体/パンケーキ絶縁体インタフェースの軸方向厚さは、通常、その直径よりも短い。パンケーキ絶縁体は、少なくとも雰囲気側では基本的に平らなディスクのように見える。このような短い設計の欠点は、高電圧端子からグランドまでの絶縁体の間の経路の長さと理解される沿面距離の減少にある。真空中の自由電荷キャリア、高い残留ガス圧、真空UV照射、ゆるい粒子のインパクトなどの悪条件でも、必要な高電圧安定性を達成するには、表面とバルク材料の適切な構造化が不可欠である。
本発明の別の例示的な実施形態によれば、非対称X線管絶縁体は、仮想円形対称軸を有する真空インタフェースを有し、真空インタフェースは、実質的に平坦で構造化表面を有するパンケーキ形の絶縁体インタフェースとして具現化される。
前の実施形態とは対照的に、絶縁体は雰囲気インタフェースで円錐形状を有し、これは通常、十分に大きい沿面距離の達成を単純化する。
本発明の別の例示的な実施形態によれば、絶縁体は真空インタフェースで円錐形状を有し、雰囲気インタフェースは仮想円形対称軸を有し、実質的に平坦で構造化表面を有するパンケーキ形の絶縁体として具現化される。
本発明の別の例示的な実施形態によれば、真空インタフェースの対称軸は、フィードスルーチャネルが真空インタフェースから絶縁体に延在する方向に沿って平行に延在する。さらに、雰囲気インタフェースの対称軸は、フィードスルーチャネルが雰囲気インタフェースから絶縁体に延在する方向に平行に延在する。両方のインタフェースの両方の仮想対称軸が2つのインタフェースの軸方向に平行である実施形態が、図2の非限定的な例に示されている。
本発明の別の例示的な実施形態によれば、絶縁体内部のフィードスルーチャネルは、絶縁体内で湾曲及び/又は角度が付けられている。
フィードスルーチャネルのこの湾曲及び/又は角度の付いた経路の特徴は、当然ながら、いくつかのフィードスルーを含む実施形態の絶縁体に含まれるいくつかのチャネルに適用することができる。
本発明の別の例示的な実施形態によれば、導電性外面は、真空インタフェースから絶縁体の角度付けられるセクションに向かって垂直に延在する。さらに、絶縁体の導電性外面は、雰囲気インタフェースから絶縁体の角度付けられるセクションに向かって垂直に延在する。
例えば図2から分かるように、絶縁体の雰囲気に沿って誘導される接地電位の場合、絶縁体200の両端は、それぞれのインタフェースから垂直に離れて延在し、それから、絶縁体の外面が角度付けられるセクションで合う。例えば、図2の非限定的な実施形態では、2つのインタフェース間の内側の短い機械的接続に垂直断面が含まれる。この内側の短い機械的接続は、図2の左側に示されている。それとは対照的に、右側の図2に示す2つのインタフェース間の長い機械的接続は、それぞれ45°の角度を持つ2つの角度付けられるセクションを備えている。本開示から当業者には明らかなように、本発明の異なる実施形態に従って提供される異なる幾何学に基づいて、いくつかの異なる角度も使用することができる。
本発明の別の例示的な実施形態によれば、導電性外面は、真空インタフェース及び雰囲気インタフェースを円周方向に囲む。
本発明の別の態様によれば、X線を生成するためのX線源が提示される。 X線源は、本明細書で言及した実施形態又は態様の何れかによる絶縁体を含む。絶縁体は、真空インタフェースを介してX線源の真空ゾーンと接触しており、絶縁体は、雰囲気インタフェースを介してX線源の雰囲気と接触している。
そのようなX線源は、いくつかの異なる技術分野内で適用され得る。例えば、そのようなX線源は、医療目的に使用されるX線撮像装置内に適用されるか、非破壊材料試験装置内で使用されるか、回折測定装置又は蛍光分析装置内で使用される場合がある。
一実施形態では、雰囲気表面で電気コネクタに絶縁体が差し込まれているX線源が提供される。
本発明の別の例示的な実施形態によれば、患者のX線画像を生成するための医用撮像装置が提示され、装置は、本明細書に記載の実施形態及び態様の何れかによる絶縁体を有するX線源を備える。
本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下に記載される実施形態を参照して明らかになり、解明されるであろう。
本発明の主題は、添付の図に示される例示的な実施形態を参照して、以下により詳細に説明される。
X線源で典型的に使用される従来技術の絶縁体の断面図を示す。 本発明の例示的な実施形態による非対称絶縁体の断面を概略的に示す図である。 本発明の別の例示的な実施形態による、X線源とX線源絶縁体とを備える医用撮像システムを概略的に示す。
図1は、従来技術のX線源絶縁体を含むX線源の断面を概略的に示している。 X線源100は、アルミナ部分102を有する真空ゾーン101とともに示されている。真空インタフェースは、図1に参照符号106で示されている。さらに、シリコンスラブ103が含まれ、これは電気的に安定なインタフェースであり、小径で十分である。さらに、プラスチック絶縁体104は、図1に示される構成に含まれる。X線源100は、雰囲気へのインタフェースであるオイル又はケーブルインタフェース105も含む。図1から分かるように、従来技術は、製造を単純化し、熱的又は電気的歪みを最小化するため、軸対称設計を利用している。オイル又は柔軟なバルク絶縁体の下の雰囲気側だけでなく、電荷キャリア、UV又はX線などのイオン化剤の影響のような真空側での悪条件の下でもうまくシールドするため、これまでのところ、当業者は、そのような軸対称及び/又は同心のX線絶縁体が有益かつ十分であると考えてきた。
しかしながら、本発明の発明者は、研究中に、絶縁体の異なる形状が将来のX線源のいくつかの異なる用途にとって有益であることを見いだした。一実施形態において、本発明の発明者らは、真空と雰囲気との間のインタフェースを表す角度付けられる等方性絶縁体、例えば角度付けられるアルミナセラミック絶縁体の使用を提案する。これは、X線管及びその他の真空電子機器に適用できる。
非限定的な例として、図2は、接地電位208とフィードスルー207の電位との間の絶縁部を提供するための非対称X線管絶縁体200の断面を示す。絶縁体は、X線管の真空ゾーン211と接触するための真空インタフェース201を備える。さらに、雰囲気インタフェース202は、X線管の雰囲気212と接触するように構成される。フィードスルーチャネル213は、絶縁体の内部に延在し、フィードスルーの電位を雰囲気インタフェースから真空インタフェースに導くためにフィードスルーを受け入れるように構成されている。次に、例えば制御装置、センサー、加熱装置などのいくつかの異なる装置に電力を供給するために、電気コネクタとケーブルを真空側の絶縁体のフィードスルーに適用する。図2から分かるように、貫通チャネル213は、真空インタフェース201から雰囲気インタフェース202まで絶縁体200の内側に延在する。真空インタフェース201及び雰囲気インタフェース202は、互いに対して角度付けられている。したがって、非同軸及び非軸対称の設計と形状が提供される。両方のインタフェース間の必要なサイズの不一致を考慮しながら、この実施形態の絶縁体200は、真空インタフェース201の対称軸205に沿って非常に平坦である。言い換えると、示されている断面図において、絶縁体200の水平幅、すなわち軸方向厚さは、非対称の形状によって縮小されている。
絶縁体200は、接地電位208を運ぶための導電性外面214も備える。導電性外面214は、真空インタフェース201から雰囲気インタフェース202まで延在する。両方のインタフェース201、202の角度付き構成は、フィードスルーチャネル213が、雰囲気インタフェース202から絶縁体200に延在する第2の方向に角度付けられる第1の方向に沿って201から絶縁体200に延在する。図2の例示的な実施形態の角度は90度である。ただし、真空インタフェースの対称軸に沿って絶縁体の厚さを減らすという技術的利点は、少なくとも5度の角度ですでに実現できる。したがって、他の例示的な実施形態によれば、この技術的効果を実現するために、10度、15度、20度、30度、45度、50度、60度、70度、80度又は85度の角度を使用することができる。
また、図2から、真空インタフェース201が仮想対称軸205を有し、雰囲気インタフェース202が仮想対称軸206を有することが分かる。図2の実施形態では、2つの対称軸間の角度は90度である。図2はまた、2つの上面図203及び204を示す。上面図203は、雰囲気インタフェース202の上面図を示し、一方、上面図204は、真空インタフェース201を示す。フィードスルーチャネル213に沿って走る導電性フィードスルー207は図2の右側の断面図内で見ることができ、上面図204でも見ることができる。したがって、真空ゾーン211は真空インタフェース201と接触させられ、一方、絶縁体がX線管に適用されるとき雰囲気インタフェース202は雰囲気212に接触させられる。図2のセットアップの90度の角度は、図2に参照符号210で示されている。絶縁体200の本体209は、例えばアルミナなどの等方性材料から外れていてもよい。
一実施形態では、絶縁体200が雰囲気表面の電気コネクタに差し込まれているX線源が提供される。
本発明の別の例示的な実施形態によれば、図3は、患者のX線画像を生成するための医用撮像装置300を示す。これが概略的な簡略図であることは、当業者には明らかである。医用撮像装置300は、非対称X線源/ X線管絶縁体307を備えたX線源302を備えており、これは概略的にかつ例示のみを目的として描かれている。このCアーム301はまた、X線検出器303及び患者テーブル304を備える。図3に示される医用撮像システム300は、医療従事者によって使用されるディスプレイ305及び制御ユニット306も備える。本発明の実施形態の前述の任意の非対称絶縁体は、図3に示される医用撮像システム300内で適用及び使用することができる。
医用撮像装置300では、絶縁体307の以下の例示的な実施形態を使用することができる。例えば、絶縁体307全体(真空及び雰囲気絶縁体インタフェースを含む)は、等方性材料、例えばアルミナの単一の均一なブロックから構成される。ブロックは、焼結又は接着又は他の技術によって後で結合される複数の要素から製造されてもよい。絶縁体又はその一部は、3D印刷で製造できる。一実施形態では、真空側のパンケーキ形の絶縁体インタフェース(実質的に平らな構造化される円形対称)は、異なる対称軸(円形対称又は離散回転対称)を有する雰囲気との別の絶縁体インタフェースによって付随され、両方の軸は互いに対して角度付けられる。
代わりに、医用撮像装置300は、雰囲気側に角度付き円錐絶縁体構造によって伴われるか、又はその逆の、真空側におけるパンケーキ絶縁体インタフェースを備える。
医用イメージング装置300の別の実施形態では、真空側のパンケーキ絶縁体は、雰囲気側の実質的に異なるパンケーキ絶縁体構造によって伴われるか、又はその逆である。
本発明の要旨として、絶縁体は、真空側と雰囲気側と、真空側の対称軸と雰囲気側の対称軸と実質的に一致するフィードスルーとを有し、対称軸は真空側と雰囲気側では、互いに対して少なくとも5度、好ましくは90度の角度を持っている。

Claims (15)

  1. 接地電位とフィードスルーの電位との間の絶縁部を提供するための非対称X線管絶縁体であって、前記絶縁体は、
    前記X線管の真空ゾーンと接触するための真空インタフェースと、
    前記X線管の雰囲気と接触するための雰囲気インタフェースと、
    前記雰囲気インタフェースから前記真空インタフェースへ前記フィードスルーの前記電位を導くために前記フィードスルーを受け入れるための前記絶縁体の内部のフィードスルーチャネルと
    を有し、
    前記フィードスルーチャネルは、前記真空インタフェースから前記雰囲気インタフェースまで前記絶縁体の内部に延在し、
    前記真空インタフェース及び前記雰囲気インタフェースは、互いに対して角度付けられ、
    前記真空インタフェースに垂直な第1の軸は、前記雰囲気インタフェースに垂直な第2の軸に対して、少なくとも5度、好ましくは90度の角度で角度付けられ、
    前記真空インタフェースは直径を持ち、前記雰囲気インタフェースは直径を持ち、
    前記真空インタフェースの前記直径は、前記雰囲気インタフェースの前記直径よりも少なくとも2倍超過する、
    非対称X線管絶縁体。
  2. 前記接地電位を運ぶための導電性外面
    を更に有し、
    前記導電性外面は、前記真空インタフェースから前記雰囲気インタフェースまで延在する、
    請求項1に記載の非対称X線管絶縁体。
  3. 前記真空インタフェースと前記雰囲気インタフェースとが互いに対して角度付けられることは、
    前記フィードスルーチャネルが、前記真空インタフェースから前記絶縁体に第1の方向に沿って延在し、
    前記フィードスルーチャネルが、前記雰囲気インタフェースから前記絶縁体に第2の方向に沿って延在し、
    前記第1及び第2の方向が、互いに対して少なくとも5度、好ましくは90度の角度を有する、
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の非対称X線管絶縁体。
  4. 前記第1の方向は前記第1の軸に平行であり、前記第2の方向は前記第2の軸に平行である、請求項3に記載の非対称X線管絶縁体。
  5. 前記真空インタフェースに垂直な前記第1の軸は仮想対称軸であり、前記雰囲気インタフェースに垂直な前記第2の軸は仮想対称軸である、
    請求項1乃至4の何れか一項に記載の非対称X線管絶縁体。
  6. 前記絶縁体は、等方性材料、好ましくはアルミナの均質体で形成される、
    請求項1乃至5の何れか一項に記載の非対称X線管絶縁体。
  7. 前記真空インタフェースは仮想円形対称軸を有し、
    前記真空インタフェースは、実質的に平坦で、構造化される表面を持つパンケーキ形の絶縁体インタフェースとして具現化され、
    前記雰囲気インタフェースは、仮想円形対称軸を有するか、又は仮想離散回転対称軸を有し、
    両方の対称軸は互いに対して角度付けられる、
    請求項1乃至6の何れか一項に記載の非対称X線管絶縁体。
  8. 前記真空インタフェースは仮想円形対称軸を有し、
    前記真空インタフェースは、実質的に平坦で構造化される表面を有するパンケーキ形の絶縁体インタフェースとして具現化され、前記仮想円形対称軸の厚さは前記真空インタフェースの直径よりも短く、
    前記絶縁体は、前記雰囲気インタフェースで円錐形状を有する、
    請求項1乃至6の何れか一項に記載の非対称X線管絶縁体。
  9. 前記絶縁体は、前記真空インタフェースで円錐形状を有し、
    前記雰囲気インタフェースは仮想円形対称軸を有し、
    前記雰囲気インタフェースは、実質的に平坦で構造化される表面を有するパンケーキ形の絶縁体インタフェースとして具体化される、
    請求項1乃至6の何れか一項に記載の非対称X線管絶縁体。
  10. 前記真空インタフェースの前記対称軸は、前記フィードスルーチャネルが前記真空インタフェースから前記絶縁体に延在する方向に沿って平行に延在し、
    前記雰囲気インタフェースの前記対称軸は、前記フィードスルーチャネルが前記雰囲気インタフェースから前記絶縁体に延在する方向に平行に延在する、
    請求項7、8又は9の何れか一項に記載の非対称X線管絶縁体。
  11. 前記絶縁体の内部の前記フィードスルーチャネルは、前記絶縁体内で湾曲され、及び/又は角度付けられる、
    請求項1乃至10の何れか一項に記載の非対称X線管絶縁体。
  12. 前記導電性外面は、前記真空インタフェースから前記絶縁体の角度付けられるセクションに向かって垂直に延在し、
    前記導電性外面は、前記雰囲気インタフェースから前記絶縁体の前記角度付けられるセクションに向かって垂直に延在する、
    請求項2乃至11の何れか一項に記載の非対称X線管絶縁体。
  13. 前記導電性外面は前記真空インタフェースを円周方向に囲み、
    前記導電性外面は前記雰囲気インタフェースを円周方向に囲む、
    請求項2乃至12の何れか一項に記載の非対称X線管絶縁体。
  14. X線を生成するためのX線源であって、前記X線源は請求項1乃至13の何れか一項に記載の絶縁体を有し、
    前記絶縁体は、前記真空インタフェースを介して前記X線源の真空ゾーンと接触し、
    前記絶縁体は、前記雰囲気インタフェースを介して前記X線源の雰囲気と接触する、
    X線源。
  15. 患者のX線画像を生成するための医用イメージング装置であって、前記医用イメージング装置は、
    請求項1乃至13の何れか一項に記載の絶縁体を備えるX線源
    を有する、医用イメージング装置。
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