JP2020524679A - カンナビジオール酸エステル組成物およびその使用 - Google Patents

カンナビジオール酸エステル組成物およびその使用 Download PDF

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Abstract

カンナビジオール酸エステル、それを含む組成物ならびに様々な疾患、病態および症状の治療へのその使用。【選択図】なし

Description

カンナビジオール酸(CBDA)はアサ(Cannabis sativa)の主要成分の1つである。カンナビジオール酸は1955年に最初に単離され(KrejciおよびSantavy,1955)、1965年にそのメチルエステルの物理的特性の解析によって構造が明らかにされた(MechoulamおよびGaoni,1965)。そののち、カンナビジオールからのカンナビジオール酸合成が報告された(MechoulamおよびBen−Zvi,1969)。
Figure 2020524679
カンナビジオール酸(CBDA)は植物体内にある間に徐々に脱炭酸されてカンナビジオールになり(Mechoulam,1973)、この過程は熱によって促進される。カンナビジオールはこれまでに多数の刊行物の主題となり、現在ではその生物学的/治療的特性がある程度明らかにされている(Mechoulamら,2002;ZhornitskyおよびPotvin,2012;CascioおよびPertwee,2014)が、カンナビジオール酸の薬理学に関するわれわれの知見はそれよりはるかに少ない。
このフィトカンナビノイドに関してこれまでに公開されている数少ない情報から、同物質が多岐にわたる作用および効果を有し得ることが示唆される。その結果、フィトカンナビノイドが乳癌細胞移動を阻害し(Takedaら,2017)、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)のダウンレギュレーションを引き起こす(Takedaら,2014)ことが示されている。最近得られた証拠から、CBDAが(1μg・kg−1i.p.の低用量で)、5−HT1A受容体活性化の増強により(Bologniniら,2013;Rockら,2013;2015b)、明らかにスンクス(Suncus murinus)の嘔吐およびラットの条件付けゲーピングの急性嘔気誘発性挙動をともに抑制することが可能である(GrillおよびNorgren,1978)ことによって示されるように、強力な5−HT1A受容体介在型抗嘔気効果を引き起こし得ることが示唆される。CBDAは、急性嘔気を軽減するほか、化学療法患者が嘔気を催す治療を受けた診療所に戻ったときにみられる効果である予期(条件付け)嘔気を軽減する可能性も秘めている(Rockら,2014;2015a;2016)。このような患者に予期嘔気が発症したとき、それに効果を示す選択的治療法は現時点で存在しない。したがって、Rockら(2014;2015a;2016)が、CBDAが5−HT1A依存性の作用機序によって状況誘発性条件付けゲーピング(予期嘔気のモデル)も軽減することを明らかにしたことは注目に値する。最後に、CBDAがCBDと同様に、高ストレス条件下で0.1μg・kg−1、i.p.の低用量で抗不安様効果を生じさせることも示されている(Rockら,2017)。
しかし、CBDAは、特に熱に曝されたときに極めて不安定になる。このため、より安定性の高いCBDAの類似体を発見する必要性が高まっていた。驚くべきことに、本願の発明者らにより、CBDAのエステル誘導体が、求められている安定性だけでなく、CBDAと同等かそれ以上の効果的な生物学的プロファイルを示すことが発見された。
したがって、本発明は、一般式(I):
Figure 2020524679
を有する化合物を提供する。
式中、Rは−C(=O)OR、−OC(=O)Rから選択され;Rは、直鎖または分岐鎖C〜C15アルキル、直鎖または分岐鎖C〜C15アルケニルおよび直鎖または分岐鎖C〜C15アルキニルから選択され;それぞれ独立に任意選択で、ヒドロキシ(−OH)、ハロゲン、アミンおよびアミドまたはその任意の組合せから選択される少なくとも1つの置換基によって置換されており;RおよびRはそれぞれ独立に、直鎖または分岐鎖C〜C15アルキル、直鎖または分岐鎖C〜C15アルケニル、直鎖または分岐鎖C〜C15アルキニル(前記アルキル、アルケニルまたはアルキニルはそれぞれ任意選択で、ヒドロキシ(−OH)、ハロゲン、アミンおよびアミドまたはその任意の組合せから選択される少なくとも1つの置換基によって置換されている)、ハロゲン、アミンおよびアミドから選択される。
本発明はさらに、一般式(II):
Figure 2020524679
を有する化合物を提供する。
式中、Rは、直鎖または分岐鎖C〜C15アルキル、直鎖または分岐鎖C〜C15アルケニルおよび直鎖または分岐鎖C〜C15アルキニルから選択され;それぞれ独立に任意選択で、ヒドロキシ、ハロゲン、アミンおよびアミドまたはその任意の組合せから選択される少なくとも1つの置換基によって置換されており;Rは、直鎖または分岐鎖C〜C15アルキル、直鎖または分岐鎖C〜C15アルケニル、直鎖または分岐鎖C〜C15アルキニル(前記アルキル、アルケニルまたはアルキニルはそれぞれ任意選択で、ヒドロキシ(−OH)、ハロゲン、アミンおよびアミドまたはその任意の組合せから選択される少なくとも1つの置換基によって置換されている)、ハロゲン、アミンおよびアミドから選択される。
いくつかの実施形態では、Rは直鎖または分岐鎖C〜C15アルキルである。他の実施形態では、Rは直鎖または分岐鎖C〜C15アルケニルである。さらなる実施形態では、Rは直鎖または分岐鎖C〜C15アルキニルである。
いくつかの実施形態では、Rは直鎖または分岐鎖C〜C15アルキルである。他の実施形態では、Rは直鎖または分岐鎖C〜C15アルケニルである。さらなる実施形態では、Rは直鎖または分岐鎖C〜C15アルキニルである。さらなる実施形態では、Rは、ハロゲン、アミンおよびアミドから選択される。いくつかの実施形態では、アルキル、アルケニルまたはアルキニルであるRは任意選択で、ヒドロキシ(−OH)、ハロゲン、アミンおよびアミドまたはその任意の組合せから選択される少なくとも1つの置換基によって置換されている。
いくつかの実施形態では、本発明の化合物はHU−580:
Figure 2020524679
である。
本発明はさらに、一般式(III):
Figure 2020524679
を有する化合物を提供する。
式中、Rは、直鎖または分岐鎖C〜C15アルキル、直鎖または分岐鎖C〜C15アルケニルおよび直鎖または分岐鎖C〜C15アルキニルから選択され;それぞれ独立に任意選択で、ヒドロキシ、ハロゲン、アミンおよびアミドまたはその任意の組合せから選択される少なくとも1つの置換基によって置換されており;Rは、直鎖または分岐鎖C〜C15アルキル、直鎖または分岐鎖C〜C15アルケニル、直鎖または分岐鎖C〜C15アルキニル(前記アルキル、アルケニルまたはアルキニルはそれぞれ任意選択で、ヒドロキシ(−OH)、ハロゲン、アミンおよびアミドまたはその任意の組合せから選択される少なくとも1つの置換基によって置換されている)、ハロゲン、アミンおよびアミドから選択される。
「ハロゲン」という用語は、F、Cl、BrまたはIを意味する。
本明細書で使用される「アミン」という用語は−NRR’R’’ラジカルを指し、式中、R、R’およびR’’はそれぞれ、H、直鎖または分岐鎖C〜C15アルキル、直鎖または分岐鎖C〜C15アルケニルおよび直鎖または分岐鎖C〜C15アルキニルから選択される。
本明細書で使用される「アミド」という用語は−C(=O)NRR’R’’またはNRC(=O)R’ラジカルを指し、式中、R、R’およびR’’はそれぞれ、H、直鎖または分岐鎖C〜C15アルキル、直鎖または分岐鎖C〜C15アルケニルおよび直鎖または分岐鎖C〜C15アルキニルから選択される。
本明細書で使用される「C〜C15アルキル」という用語は、炭素原子を1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個または15個有し、いずれの炭素原子もシグマ結合を介して結合した飽和分岐鎖または直鎖炭化水素基を表す。
本明細書で使用される「C〜C15アルケニル」という用語は、炭素原子を2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個または15個有し、前記炭素原子を結合している結合のうち少なくとも1つのものが二重結合であり、それ以外の結合がいずれも任意の他のタイプのもの(単結合および/または二重結合)である、分岐鎖または直鎖炭化水素基を表す。
本明細書で使用される「C〜C15アルキニル」という用語は、炭素原子を2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個または15個有し、前記炭素原子を結合している結合のうち少なくとも1つのものが三重結合であり、それ以外の結合がいずれも任意の他のタイプのもの(単結合および/または二重結合および/または三重結合)である、分岐鎖または直鎖炭化水素基を表す。
本明細書で使用される「任意選択の置換基」という用語は、対応する置換基が存在しても存在しなくてもよいことを意味する。したがって、本発明の化合物は、この任意選択の置換を有するものと定義されるラジカルの任意の位置に任意選択の置換基を1個、2個、3個またはそれ以上有し得る。
本明細書に提供される化合物は1つまたは複数のキラル中心を含み得ることを理解するべきである。このようなキラル中心はそれぞれ、(R)立体配置または(S)立体配置のいずれかであり得る。本発明の化合物がキラル中心を2つ以上含む場合、そのキラル中心はそれぞれ独立に、(R)立体配置または(S)立体配置であり得る。したがって、本明細書に提供される化合物は、鏡像異性的に純粋なものであっても、立体異性体混合物またはジアステレオマー混合物であってもよい。
本発明はさらに、本明細書で上記または下記に定義される一般式(I)および(II)の化合物を少なくとも1つ含む、組成物を提供する。
さらなる態様では、本発明は、5−HT1A受容体に関連する病態、疾患または症状の治療に使用する、本明細書で上記または下記に定義される一般式(I)および(II)の化合物を提供する。
さらなる態様では、本発明は、嘔気,嘔吐,痙攣およびその任意の組合せから選択される病態、疾患または症状の治療に使用する、本明細書で上記または下記に定義される一般式(I)および(II)の化合物を提供する。
さらなる態様では、本発明は、うつ病に関連する病態、疾患または症状の治療に使用する、本明細書で上または下に定義される一般式(I)および(II)の化合物を提供する。
さらなる態様では、本発明は、不安、ストレス、うつ病、統合失調症、パニック、離脱症候群、自己免疫疾患、炎症、梗塞サイズの縮小、脳卒中の血流増大、肥満、メタボリック症候群、網膜症、嘔気、心筋、肝臓、腎臓の虚血性/再灌流傷害、神経損傷、ハンチントン病、アルツハイマー病、脳梗塞、肝性脳症、外傷性脳損傷、脳虚血、脊髄損傷、記憶救済効果、癌、血管新生、癲癇、痙攣、神経因性疼痛、気道閉塞、強迫行動、認知障害、性衝動および性機能の低下、睡眠障害、オピオイドによる呼吸抑制、依存症ならびにその任意の組合せから選択される病態、疾患または症状の治療に使用する、本明細書で上記または下記に定義される一般式(I)および(II)の化合物を提供する。
別の態様では、本発明は、カンナビジオール酸(CBDA)によって改善することを特徴とする疾患を治療する方法であって、このような治療を必要とする対象に本明細書で上記または下記に定義される一般式(I)および(II)の化合物を治療有効量投与することを含む、方法に関する。
疾患、病態および症状の非限定的な例として、不安およびストレス、うつ病、統合失調症、パニックおよび不安、大麻依存症およびタバコ依存症の離脱症状、モルヒネおよびコカインによる報酬促進効果、任意のタイプの自己免疫疾患(特定の非限定的な例として1型糖尿病、GVHD)、炎症(クローン病、大腸炎、膵炎、関節リウマチ)、梗塞サイズの縮小および脳卒中の血流増大、肥満(摂食量を減らすこと、または食欲を低下させることによって治療される)、メタボリック症候群、糖尿病による網膜症、嘔気、心筋、肝臓、腎臓の虚血性/再灌流傷害、神経損傷(神経の疾患または傷害によるもの)、パーキンソン病、ハンチントン病、アルツハイマー病、脳梗塞、肝性脳症、外傷性脳損傷、脳虚血、脊髄損傷、記憶救済効果、癌および癌化学療法に対する抵抗性、癌細胞移動(転移)、血管新生、癲癇および痙攣、慢性炎症性および神経因性疼痛、気道閉塞、強迫行動ならびにその任意の組合せがある。
いくつかの実施形態では、疾患、病態および症状は、嘔気(予期嘔気および急性嘔気の両方)、嘔吐、不安および任意のタイプの情動障害、例えばうつ病(大うつ病、軽症うつ病および双極性疾患を含む)などから選択される。
本発明は、5HT1A受容体の活性化によって臨床的に有益な効果が明らかになる疾患を治療する方法であって、このような治療を必要とする対象に少なくとも1つの一般式(I)または(II)の化合物を有効量投与することを含む、方法に関する。
このような疾患および病態の非限定的な例として、高血圧症、不安、嘔吐および嘔気、疼痛、統合失調症、パーキンソン病、認知障害、性衝動および性機能の低下、肥満(効果が摂食量の抑制である)、睡眠障害(特に、短いレム持続時間)、オピオイドによる呼吸抑制、依存症ならびにその任意の組合せがある。
特に、5HT1A活性化によって臨床的転帰の改善がみられる疾患として、嘔気(予期嘔気および急性嘔気の両方)および嘔吐(制吐および抗嘔気)、不安および任意のタイプの情動障害、主としてうつ病(大うつ病、軽症うつ病および双極性疾患を含む)ならびにその任意の組合せがある。
したがって、本明細書で「5HT1A受容体に関連する病態、症状または疾患」と言う場合、高血圧症、不安、嘔吐および嘔気、疼痛、統合失調症、パーキンソン病、認知障害、性衝動および性機能の低下、肥満(効果が摂食量の抑制である)、睡眠障害(特に、短いレム持続時間)、オピオイドによる呼吸抑制、依存症、嘔気(予期嘔気および急性嘔気の両方)および嘔吐(制吐および抗嘔気)、不安および任意のタイプの情動障害、主としてうつ病(大うつ病、軽症うつ病および双極性疾患を含む)ならびにその任意の組合せがこれに含まれることを理解するべきである。
別の態様では、本発明は、嘔気(予期嘔気および急性嘔気の両方)、不安および任意のタイプの情動障害、主としてうつ病(大うつ病、軽症うつ病および双極性疾患を含む)から選択される疾患を治療する方法であって、このような治療を必要とする対象に有効量のCBDA−MEを投与することを含む、方法に関する。
また別の態様では、本発明は、腎機能異常に関連する少なくとも1つの疾患、病態、症状または障害の治療に使用する、本明細書で上記および下記に開示される化合物を提供する。本発明はさらに、必要とする患者の腎機能異常に関連する少なくとも1つの疾患、病態、症状または障害を治療する方法であって、前記患者に少なくとも1つの本発明の化合物を投与することを含む、方法を提供する。
本願において「腎機能異常」と言う場合、それには腎機能の(定性的または定量的に)任意のタイプの低下または不全が含まれることを理解するべきであり、それは急性または慢性のものであり得る。このような腎機能異常は、傷害、疾患、遺伝的素因などを含めた任意の理由によって引き起こされるものであり得る。急性腎機能異常の原因としては、特に限定されないが、低血圧、尿路閉塞、投薬、筋肉分解、溶血性尿毒症症候群およびその任意の組合せが挙げられる。慢性腎機能異常のほかの原因としては、特に限定されないが、糖尿病、高血圧、ネフローゼ症候群、多発性嚢胞腎およびその任意の組合せが挙げられる。
いくつかの実施形態では、このような腎機能異常に関連する疾患、病態、症状および障害としては、特に限定されないが、糖尿病性腎症、慢性および急性腎傷害、慢性および急性腎疾患、慢性腎臓不全の急性増悪、肥満関連腎損傷およびその任意の組合せが挙げられる。
腎機能異常に関連する病態および症状としては、特に限定されないが、血中尿素高値、嘔吐、下痢、嘔気、体重減少、夜間排尿、排尿の頻度および量の変化、尿中血液、排尿時の圧迫または排尿困難、血中リン酸塩の蓄積、そう痒、骨損傷、骨折部の偽関節、筋痙攣、血中カリウムの蓄積、心リズム異常、筋肉麻痺、腎臓が余分な体液を除去する機能の低下、肢、足首、足、顔面または手の腫脹、息切れ、多発性嚢胞腎、液体の詰まった大型の腎嚢胞、背中または体側の疼痛、エリスロポエチン産生量の低下、赤血球産生量の低下、貧血、泡状の尿または泡の多い尿、手、足、腹部または顔面の腫脹、食欲低下、血中および尿中タンパク質の過剰、高用量ペニシリン投与時の発作ならびにその任意の組合せが挙げられる。
本発明は、薬学的に許容される補助剤および任意選択で他の治療剤と混合した本発明の化合物を含む、医薬組成物にも関する。補助剤は、組成物の他の成分と適合性があり、その被投与者に対して有害でないという意味で「許容される」ものでなければならない。
医薬組成物としては、経口投与、経直腸投与、経鼻投与、局所投与(経皮投与、頬側投与および舌下投与を含む)、経膣投与または非経口投与(皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与および真皮内投与を含む)投与あるいは埋植物による投与に適した医薬組成物が挙げられる。組成物は、薬学分野で周知の任意の方法によって調製され得る。
このような方法は、本発明に使用する化合物またはその組合せを任意の補助剤と組み合わせる段階を含む。補助成分(1つまたは複数)とも呼ばれる補助剤(1つまたは複数)としては、当該技術分野で慣例的なもの、例えば担体、充填剤、結合剤、希釈剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、香味剤、抗酸化剤および湿潤剤などが挙げられる。
経口投与に適した医薬組成物は、丸剤、錠剤、糖衣錠剤もしくはカプセル剤などの個別の投与単位として、または粉末もしくは顆粒などとして、または溶液もしくは懸濁液として提供し得る。有効成分をボーラスまたはペーストとして提供してもよい。組成物をさらに、経直腸投与に合わせて坐剤または浣腸剤に加工することができる。
本発明はさらに、本明細書で上に記載した医薬組成物と、本明細書で上に記載した用途のための組成物の使用に関する指示書を含めた包装材料とを組み合わせて含む。
非経口投与には、適切な組成物としては、水性および非水性の無菌注射が挙げられる。組成物は、単位用量または複数用量容器、例えば密閉したバイアルおよびアンプルに入れて提供してよく、使用前に無菌液体担体、例えば水の添加のみを必要とする凍結乾燥条件で保管してよい。経皮投与には、例えば、ゲル剤、貼付剤またはスプレー剤が考えられる。例えば経鼻吸入による経肺投与に適した組成物または製剤としては、定量加圧式のエアロゾル、噴霧器または吸入器によって発生させ得る微細な粒子またはミストが挙げられる。
組成物の投与に関する正確な用量およびレジメンは、得るべき治療効果または栄養効果に必然的に左右され、具体的な処方、投与経路ならびに組成物を投与するべき個々の対象の年齢および状態によって異なり得る。
本発明はさらに、5−HT1A受容体に関連する病態、疾患または症状を治療する方法を提供し、前記方法は、必要とする患者に本明細書または上に開示される少なくとも1つの化合物(式(I)、(II)の化合物など)を投与することを含む。
本発明はさらに、嘔気、嘔吐、痙攣およびその任意の組合せから選択される病態、疾患または症状を治療する方法を提供し、前記方法は、必要とする患者に本明細書または上に開示される少なくとも1つの化合物(式(I)、(II)の化合物など)を投与することを含む。
本発明はさらに、うつ病に関連する病態、疾患または症状を治療する方法を提供し、前記方法は、必要とする患者に本明細書または上に開示される少なくとも1つの化合物(式(I)、(II)の化合物など)を投与することを含む。
本発明はさらに、不安、ストレス、うつ病、統合失調症、パニック、離脱症候群、自己免疫疾患、炎症、梗塞サイズの縮小、脳卒中の血流増大、肥満、メタボリック症候群、網膜症、嘔気、心筋、肝臓、腎臓虚血性/再灌流傷害、神経損傷、ハンチントン病、アルツハイマー病、脳梗塞、肝性脳症、外傷性脳損傷、脳虚血、脊髄損傷、記憶救済効果、癌、血管新生、癲癇、痙攣、神経因性疼痛、気道閉塞、強迫行動、認知障害、性衝動および性機能の低下、睡眠障害、オピオイドによる呼吸抑制、依存症ならびにその任意の組合せから選択される病態、疾患または症状を治療する方法を提供し、前記方法は、必要とする患者に本明細書または上に開示される少なくとも1つの化合物(式(I)、(II)の化合物など)を投与することを含む。
本発明はさらに、腎機能異常に関連する少なくとも1つの疾患、病態、症状または障害を治療する方法を提供し、前記方法は、必要とする患者に本明細書または上に開示される少なくとも1つの化合物(式(I)、(II)の化合物など)を投与することを含む。
本明細書で使用される「疾患、障害、病態または症状を治療すること」という用語は、疾患、障害またはその症状の進行を遅らせる、または逆転させることを指す。疾患または障害を治療することには、疾患の症状を治療することおよび/または症状を軽減することが含まれる。
本発明と見なされる主題については、本明細書の最後の部分に具体的に挙げ、明確に特許請求する。ただし、本発明は、その機構および実施方法の両方ならびにその目的、特徴および利点に関して、以下の詳細な説明を参照し、添付図面とともに読むことによって最大限理解されよう。
図1A−図1E。8−OH−DPATによる[35S]−GTPγSとヒト5−HT1A受容体が安定にトランスフェクトされたCHO細胞から得た膜との結合の刺激に対するCBDA(0.01nM、0.1nM、1.0nM、10nMまたは100nM)の効果を示す図である。記号は平均値±SEM(n=6)を表す。CBDAの存在下またはその溶媒(VEH)であるDMSO単独の存在下で求めた8−OH−DPATの平均Emax値および平均EC50値をその値の95%信頼限界とともに表1に挙げる。 図2A−図2F。8−OH−DPATによる[35S]−GTPγSとヒト5−HT1A受容体が安定にトランスフェクトされたCHO細胞から得た膜との結合の刺激に対するHU−580(0.001nM、0.01nM、0.1nM、1.0nM、10nMまたは100nM)の効果を示す図である。記号は平均値±SEM(n=6)を表す。HU−580の存在下またはその溶媒(VEH)であるDMSO単独の存在下で求めた8−OH−DPATの平均Emax値および平均EC50値をその値の95%信頼限界とともに表2に挙げる。 様々な用量のCBDA(1グループ当たりn=8)もしくはHU−580(1グループ当たりn=8)または溶媒単独(VEH;n=8)で前処置したラットにLiClと組み合わせたサッカリン溶液によって誘発された条件付けゲーピングの平均回数を示す図である。追加のグループには、0.1mg・kg−1HU−580(n=6)またはVEH(n=8)の15分前にWAY100635(0.1mg・kg−1)による前処置を実施した。結果は平均±SEMで示されており、P<0.05は、CBDAまたはHU−580に対する反応の平均のうちVEHに対する反応の平均と有意な差がみられたものを示している。 予期嘔気試験の45分前にi.p.投与したCBDAもしくはHU−580(0.01μg・kg−1、0.1μg・kg−1)または溶媒(VEH)(1グループ当たりn=6)の効果を示す図である。追加のグループには、0.1mg・kg−1HU−580(n=8)またはVEH(n=8)の15分前にWAY100635(0.1mg・kg−1)による前処置を実施した。予期嘔気試験試行中に条件付けゲーピング反応の平均回数を測定した。各バーは平均±SEMを表す。P<0.05はVEHで処置した対照動物との有意差を示す。 予期嘔気試験の後に実施した活動試験で平均移動距離(cm)を測定したことを示す図である。各バーは平均±SEMを表す。 無足ショック(No−FS)またはFSに曝露してから24時間後にラットが明箱に滞在した時間の平均値を示す図である。5分間の明暗箱エマージェンス試験(light−dark box emergence test)の45分前、全ラットに溶媒(VEH;n=9または12)、0.01μg・kg−1CBDA(n=8)または0.01μg・kg−1HU−580(n=8)をi.p.注射した。追加のグループには、VEH(n=7または8)または0.01μg・kg−1HU−580(n=8)の15分前に0.1mg・kg−1WAY100635を注射した。各バーは平均±SEMを表す。P<0.05は、FSストレス群とNo FSストレス群との間の有意差を示す。
図示を簡潔かつ明確にするため、図面に示される要素が必ずしも縮尺通りに描かれているわけではないことが理解されよう。例えば、明確にするため、一部の要素の寸法が他の要素よりも誇張されていることがある。さらに、適切であると考える場合、対応する要素または類似した要素を示すため、参照番号が複数の図面で繰り返されることがある。
(本発明の詳細な説明)
以下の詳細な説明では、本発明が十全に理解されるよう具体的詳細を多数記載する。ただし、当業者には、本発明がこれらの具体的詳細を用いなくても実施され得ることが理解されよう。他の例では、本発明が不明瞭にならないように周知の方法、手順および構成要素が詳細に記載されている。
合成
カンナビジオール酸(CBDA)の合成:
カンナビジオール(CBD、314mg、1mmol)と、マグネシウムメチルカルボナートのジメチルホルムアミド(DMF)2モル溶液(MMC/2M、1.5ml、3mmol)との混合物を130℃で3時間加熱する。次いで、反応物を0℃に冷却し、10%塩酸で酸性化し、エーテルで抽出した。有機層を生理食塩水で洗浄し、乾燥剤の硫酸マグネシウム(MgSO)で乾燥させた後、蒸発させる。次いで、粗化合物をカラムクロマトグラフィー(20%エーテル−石油エーテル)により清浄化する。
カンナビジオール酸メチルエステル(HU−580)の合成:
カンナビジオール酸(CBDA)(175mg,0.488mmol)をジクロロメタン(CHCl)2.5mlに溶かした溶液に、メタノール(CHOH、0.488mmol)0.02mlおよび4−ピロリジノピリジン(0.048mmol)7.2mgを加える。反応物を室温で5分間攪拌した後、カップリング剤のN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)(121mg、0.585mmol)を加え、一晩攪拌する。次いで、溶媒を蒸発させ、粗混合物を5%塩酸で酸性化し、ジクロロメタン(CHCl)で抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム(NaHCO)水溶液で洗浄し、乾燥剤の硫酸マグネシウム(MgSO)で乾燥させた後、蒸発させる。次いで、粗化合物をカラムクロマトグラフィー(2%エーテル−石油エーテル)により清浄化する。
Bruker AMX 300MHz装置に重水素化DMSOを用いてH−NMRスペクトルを取得した。シリカゲル60F254プレート(Merck社)で薄層クロマトグラフィー(TLC)を実施した。シリカゲル60Å(Merck社)でカラムクロマトグラフィーを実施した。UVランプを254nmで用いて化合物の位置を確認した。EI検出器および30mメチルシリコーンカラムを備えたHP GCMS機器(Model GCD PLUS)でGCMS分析を実施した。
H NMR(300MHz,((CDSO))δ6.18(1H,s,Ar),5.07(1H,s),4.44(1H,s),4.41(1H,s),3.82(3H,s),3.35(1H,m),2.66(1H,m),2.49(2H,t),2.09(1H,b),1.95(3H,s),1.71−1.05(12,ms),0.86(3H,t)。GC MS=314m/z。
生物学的方法
in vitroの手順
CHO細胞。ヒト5−HT1A受容体をコードするcDNAが安定にトランスフェクトされたCHO細胞(Keith Parker博士から贈与されたもの)を、Fisher Scientific UK社が供給するGibco(商標)Ham’s F−12 Nutrient Mixに、同じくFisher Scientific UK社が供給する2mM L−グルタミン、10%FBSおよび0.6%ペニシリン−ストレプトマイシンならびにSigma−Aldrich UK社が供給するG418[(2R,3S,4R,5R,6S)−5−アミノ−6−{[(1R,2S,3S,4R,6S)−4,6−ジアミノ−3−{[(2R,3R,4R,5R)−3,5−ジヒドロキシ−5−メチル−4−(メチルアミノ)オキサン−2−イル]オキシ}2−ヒドロキシ−シクロヘキシル]オキシ}−2−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]オキサン−3,4−ジオール;600mg・mL−1]の二硫酸塩をともに添加したもので37℃、5%COにて維持した。
35S]−GTPγS結合アッセイ。ヒト5−HT1ACHO細胞膜(1ウェル当たりタンパク質50μg)、GTPγS結合緩衝剤(50mMトリス−HCl;50mMトリス−塩基;5mM MgCl;1mM EDTA;100mM NaCl;1mM DTTおよび0.1%BSA)、0.1nM[35S]−GTPγSおよび30μM GDPを用い、最終体積500μLで各アッセイを実施した(Cascioら,2010)。ウェルに[35S]−GTPγSを加えることにより結合を開始させた。30μM GTPγSの存在下で非特異的結合を測定した。アッセイを30℃で60分間実施した(Cascioら,2010)。Cascioら(2010)によって既に記載されているトリス結合緩衝液を用いた急速真空ろ過法により反応を停止させ、液体シンチレーションスペクトロメトリーにより放射活性を定量化した。いずれの[35S]−GTPγS結合アッセイにも0.1nM[35S]−GTPγSを使用し、30mM GDPおよび1ウェル当たり5μgのタンパク質濃度。CBDA、HU−580、8−OH−DPATおよびWAY100635をDMSOに溶かした10mMストック溶液として−20℃で保管した。
in vivoの手順
動物。動物の処置はカナダ動物管理協会に従うものであり、プロトコルはグェルフ大学内の動物管理委員会による承認を受けたものである。動物試験についてはARRIVEガイドラインに従って報告されている(Kilkennyら,2010;McGrathおよびLilley,2015)。Charles River Laboratories(サンコンスタン、ケベック州)から入手した未処置雄Sprague−Dawleyラット計200匹を全in vivo試験に用いた。Harlan Laboratories社(ミシサガ、オンタリオ州)のbed−o−cob床敷、茶色の紙タオルおよびAndersons社(モーミー、オハイオ州)のCrinkl’Nest(商標)を入れた乳白色のプラスチック製ホームケージ(48×26×20cm)でラットを個別に飼育する(急性嘔気試験)か、ペアで飼育した[予期嘔気試験および明暗エマージェンス試験(light−dark emergence study)]。さらに、ホームケージ内では、ラットに長さ14cm、直径12cmの白色の柔らかい紙容器を与えた。いずれのラットも周囲温度21℃、12時間/12時間の明暗スケジュール(07:00時に消灯)とし、飼料(Highland Rat Chow[8640])および水を自由摂取させて維持した。急性嘔気および予期嘔気に関する試験では、条件付け当日のラットの体重は263〜329gの範囲であった。明暗エマージェンス試験(light−dark emergence study)では、試験当日のラットの体重は320〜387gの範囲であった。
装置。急性嘔気(in vivo実験1)に関する試験では、ラットを味覚反応(GrillおよびNorgren,1978)チャンバに入れ、チャンバのカニューレを注入ポンプ(Model KDS100、KD Scientific社、ホリストン、マサチューセッツ州、米国)に取り付けて液体を送達した。味覚反応チャンバは、透明ガラス張りのテーブルの上に乗った透明なPlexiglas製のもの(22.5×26×20cm)とした。チャンバの下にある45°の角度の鏡によりラットの腹側面を見やすくして、口腔顔面反応を観察した。条件付けチャンバは、暗室の25Wの光源の隣に置いた。Fire Wireでコンピュータと接続したビデオカメラ(Sony DCR−HC48、Henry’s Cameras社、ウォータールー、オンタリオ州、カナダ)の焦点を鏡に合わせ、2分間の味覚反応試験中の各ラットの口腔顔面反応を記録するのに用いた。のちに、「The Observer」(Noldus Information Technology社、リーズバーグ、バージニア州、米国)ソフトウェアを用いてビデオテープをスコア化した。
in vivo実験2では、不透明な蓋があり、透明ガラス張りのテーブルの上に乗った不透明な黒色のPlexiglass製の特殊な条件付けチャンバ(22.5×26×20cm)を用いて、状況誘発性条件付けゲーピング(予期嘔気のモデル)を測定した。チャンバの下にある45°の角度の鏡によりラットの腹側面を見やすくして、口腔顔面反応を観察した。条件付けチャンバは、暗室の25Wの光源の隣に置いた。Fire Wireでコンピュータと接続したビデオカメラの焦点を鏡に合わせて、5分間の試験試行中の各ラットの口腔顔面反応を記録した。のちに「The Observer」ソフトウェアを用いてビデオテープをスコア化した。活動を評価するため、白色のPlexiglas製の活動チャンバ(60×25×25cm)を用い、状況チャンバを使用する異なる部屋にある赤色光によって照らして、ANチャンバとは異なる状況を生じさせた。各ラットの活動をビデオカメラにより撮影し、Ethovisionソフトウェアプログラム(Noldus社、オランダ)を用いてコンピュータに送信して移動距離(cm)を測定した。
in vivo実験3では、2つの区画、すなわち、不透明な黒色のプラスチックでできた小さい(幅25cm×長さ20.5cm×高さ20.5cm)閉じた暗箱と、その扉(幅8cm×高さ10cm)に続く大きく(長さ39.5cm×幅25cm)開けた光で照らす箱とに分けられた乳白色のプラスチック製の長方形の箱からなる明暗エマージェンス(light−dark emergence)装置を用いて、抗不安様反応を評価した。光によって照らされるオープンな箱を、その箱の中央部の115cm上方に位置する1つのランプ(60W電球を備え、光チャンバ内では180luxである)により照らした。明暗箱の上にビデオカメラを取り付け、5分間の試験で明箱の中に滞在する時間に関して、Ethovisionソフトウェア(Noldus Information Technology社、リーズバーグ、バージニア州、米国)によりビデオテープを解析した。足ショック(FS)セッションでは、ラットを防音MED Associates恐怖条件付けチャンバ(セント・オールバンズ、バーモント州、米国)に入れた。6分間のFSセッションは、1分間隔で与える0.8mAの足ショック6回からなるものとした。Bluettら(2014)によって記載されている通りに、0.5秒間の各ショックの前に30秒間の聴覚トーン(90Db、5000Hz)を流した。
in vivoの手順
in vivo実験1:CBDAおよびHU−580の急性嘔気に対する用量依存性効果ならびにHU−580の効果の5−HT1A受容体介在。
Limebeerら(2010)によって記載されている手順に従い、全ラットに口腔内カニューレを外科手術により留置した。外科手術当日、ラットにイソフルラン(導入にはO中4〜5%、維持にはO中1.5%)で麻酔する30分前に抗生物質(Derapin:00mg・kg−1s.c.;Pfizer Animal Health、Pfizer Canada社、キルクラン、ケベック州、カナダ)を注射した。いずれの外科手術の前にも、後肢の引っ込め反射の消失によって示され、カナダ動物管理評議会によって定められている外科的な平坦な麻酔を導入し、必要に応じて調整した。麻酔が十分に導入された後、頸部背側の肩甲骨の高さで2cmの皮膚区画を剃毛した。石鹸(Bactistat;Ecolab社、セントポール、ミネソタ州、米国)で洗浄し、70%イソプロピルアルコール、次いで7%Betadine溶液(Purdue Products社、スタンフォード、コネチカット州、米国)で拭くことにより皮膚を調製した。次いで、各ラットに抗炎症/鎮痛薬のカルプロフェン(Rimadyl;Pfizer Canada社、キルクラン、ケベック州、カナダ)の5mg・kg−1注射(i.p.)を実施した。頸部の剃毛領域に15ゲージ薄肉ステンレス鋼針を耳周辺の皮下に向けて挿入し、口腔内の第一大臼歯の裏側まで刺した。次いで、その針の中に長さ10cm、内径0.86mm、外径1.27mmのIntra Medic PE90チューブ(Clay Adams Brand;Becton Dickinson and Co.,Sparks社、メリーランド州、米国)を挿入した後、針を抜いた。穿孔部位にBetadine(10%)を塗布し、カニューレを安定させる目的でチューブの露出端に弾力性のあるディスク(2cm)を3枚被せて頸の後ろの皮膚まで引き寄せた。ヒートフランジを取り付けた口腔内開口部の裏側に固定したポリプロピレンメッシュ(297ミクロン;Small Parts社、ミラマー、フロリダ州、米国)製の6mmのディスクによってカニューレを口腔内にしっかり固定した。次いで、ラットをホームケージに戻し、3日間にわたって毎日監視した。外科手術後の3日間、ラットの体重を測定し、カニューレに消毒洗口液を流して洗浄した。このとき、ラットの活動、発声、脱水、強直および眼球周辺のポルフィリン染色の有無も監視した。外科手術後第1日に、ラットにRimadylの鎮痛/抗炎症注射(5mg・kg−1i.p.)も実施した。
外科手術後の監視の後、ラットに順応試行を実施し、この試行では、ラットを味覚反応チャンバに入れ、各ラットのカニューレを注入ポンプに取り付けた。順応の過程では、ラットの口腔内カニューレに水を1mL・分−1の速度で2分間注入した。順応試行の翌日、ラットに条件付け試行を実施し、この試行では、溶媒(VEH)(n=8)、CBDA(0.01μg・kg−1、0.1μg・kg−1、1μg・kg−1;1グループ当たりn=8)またはHU−580(0.01μg・kg−1、0.1μg・kg−1、1μg・kg−1;1グループ当たりn=8)の前処置注射を実施した。前処置注射の45分後、ラットを個別にチャンバに入れ、0.1%サッカリン溶液を1mL・分−1の速度で2分間、p.o.で注入した。サッカリン注入後直ちに20mL・kg−1の0.15M LiClを全ラットに注射し、ホームケージに戻した。72時間後、薬物を使用せずにラットを試験した。ラットに再び0.1%サッカリン溶液を1mL・分−1の速度で2分間、p.o.で注入し、その間、チャンバの下にある45°の角度の鏡から口腔顔面反応をビデオで記録した。次いで、ラットをホームケージに戻した。作用機序を明らかにするため、さらに2グループを追加した。このラットには、溶媒(n=8)または0.1μg・kg−1HU−580(n=6)を注射する15分前にWAY100635(0.1mg・kg−1)を注射した。のちに、実験条件を知らされていない観察者が「The Observer」を用いてビデオテープのゲーピング行動(口および顎を大きく開け、下顎切歯が露出される行動)をスコア化した。
in vivo実験2:CBDAおよびHU−580の予期嘔気に対する効果ならびにHU−580の効果の5−HT1A受容体介在。
予期嘔気を軽減する効力をHU−580とCBDAとで比較するため、状況誘発性条件付けゲーピングパラダイムを用いた(例えば、Limebeerら,2010;Rockら,2014)。ラットに4回の条件付け試行を実施し、この試行では、特殊な状況と127mg・kg−1LiClとを組み合わせた。各試行では、ラットにLiClを注射し、次いで、直ちに条件付けチャンバに30分間入れた。この手順を条件付け試行の間に48時間の間隔を設けて4回繰り返した。試験試行では、ラットを5つの治療群(1グループ当たりn=6)、すなわち、VEH、0.1μg・kg−1CBDA、0.1μg・kg−1HU−580、0.01μg・kg−1CBDA、0.01μg・kg−1HU−580のうちの1つに無作為に割り付けた。前処置注射を実施してから45分後、ラットに生理食塩水を注射し(20mL・kg−1i.p.)、個別に条件付け(状況)チャンバに5分間入れ、口腔顔面反応をビデオで記録した。HU−580の作用機序を検討するため、追加の2グループのラットに0.1mg・kg−1WAY−VEH(n=8)、0.1mg・kg−1WAY−0.1μg・kg−1HU−580(n=8)を投与した。HU−308またはVEHの15分前にVEHまたはWAY100635を投与した。実験条件を知らされていない観察者が「The Observer」を用いて試験試行のビデオテープのゲーピング行動(口および顎を大きく開け、下顎切歯が露出される行動)をスコア化した。試験試行後直ちに、ラットを活動チャンバ(白色のPlexiglas、60×25×25cm、赤色光を照射)に15分間入れ、自発運動をビデオカメラにより撮影し、EthoVisionソフトウェア(Noldus社、オランダ)を用いてコンピュータに送信して移動距離(cm)を測定した。
in vivo実験3:CBDAおよびHU−580の不安様反応に対する効果ならびにHU−580の効果の5−HT1A受容体介在。
足ショックストレスまたは無足ショック(No FS)ストレスの後に、明暗箱エマージェンス試験(light−dark box emergence test)を用いてCBDAおよびHU−580の不安様反応に対する効果を評価した。Bluettら(2014)は、この試験では足ショックストレスの24時間後に不安様反応が大幅に増強されることを明らかにしている。Rockら(2017)も、CBDAが(0.1μg・kg−1i.p.の低用量で)5−HT1A依存性の作用機序によって足ショックストレス後の不安様反応の増強を抑制することを明らかにしている。このため、さらに低い用量(0.01μg・kg−1、i.p)のCBDAとHU−508について相対効果を比較した。HU−580がこのような低用量で抗不安作用を示すことがわかったため、次に、5HT1A受容体アンタゴニストのWAY100635によってHU−580による不安様反応の抑制を逆転させることができるかどうかを評価した。
実験操作前の13日間、全ラットを施設に馴化させ、13日間のうちの8日間、体重測定およびハンドリングを実施した。この馴化の後、ラットに単回のFSストレスセッションまたはNo FSストレスセッションを実施し、24時間後に明暗エマージェンス試験(light−dark emergence test)(Bluettら,2014)を実施した。FS群では、ラットを防音MED Associates恐怖条件付けチャンバ(セント・オールバンズ、バーモント州、米国)に入れた。6分間のFSセッションは、1分間隔で与える0.8mAのFS6回からなるものとした。Bluettら(2014)によって記載されている通りに、0.5秒間の各ショックの前に30秒間の聴覚トーン(90Db、5000Hz)を流した。No FSストレス群は、このセッションの間、ホームケージに入れておいた。
24時間後、ラットに明暗エマージェンス試験(light−dark emergence test)を実施した。FS群およびNo FS群のラットをVEH、0.01μg・kg−1CBDAまたは0.01μg・kg−1HU−580で前処置した。45分後、ラットを明暗箱の暗チャンバに入れ、5分間の試験でその運動を追跡した。HU−580の効果が5−HT1A受容体介在性である可能性を検討するため、追加のグループに、VEHまたは0.01μg・kg−1HU−580の15分前にWAY100635を注射した。明箱に滞在した秒数を測定した。グループは以下の通りとした:No FS−VEH(n=9)、FS−VEH(n=12)、No FS−0.01μg・kg−1CBDA(n=8)、FS−0.01μg・kg−1CBDA(n=8)、No FS−0.01 HU−580(n=8)、FS−0.01 HU−580(n=8)、No FS−0.1μg・kg−1WAY−VEH(n=8)、FS−0.1μg・kg−1WAY−VEH(n=7)、No FS−0.1μg・kg−1WAY−0.01μg・kg−1HU580(n=8)、FS−0.1μg・kg−1WAY−0.01μg・kg−1HU−580(n=8)。
in vitroデータおよびin vivoデータの解析
アゴニスト刺激値(アゴニストの存在下で得た値)から基底結合値(アゴニストの不在下で得た値)を減じることによって正味のアゴニスト刺激[35S]−GTPγS結合値を算出した(Cascioら,2010)。値を平均値で表し、ばらつきをSEMまたは95%信頼限界として表す。S字状濃度反応曲線の方程式を用いた非線形回帰分析(GraphPad Prism)により平均EC50値および平均最大効果値(Emax)ならびにこれらの値のSEMまたは95%信頼限界を算出した。P値<0.05を有意であるとした。データおよび統計解析は、薬理学の実験計画および解析に関する推奨事項(Curtisら,2015)に従うものである。
急性嘔気実験(in vivo実験1)で得たデータの解析では、2分間の試験でのゲーピングの平均回数に関して一因子ANOVAを実施し、それに続く対比較を最小有意差(LSD)事後検定で評価した。予期嘔気(AN)実験(in vivo実験2)で得たデータの解析では、5分間のAN試験でのゲーピングの平均回数および活動試験での総移動距離に関して一因子ANOVAを実施し、それに続く対比較をLSD事後検定で評価した。不安様反応実験(in vivo実験3)で得たデータの解析では、明暗エマージェンス試験(light−dark emergence test)中に明箱に滞在した時間数をFSストレス/No FSストレスならびに各前処置およびμg・kg−1i.p.投与条件(VEH、0.01μg・kg−1CBDA、0.01μg・kg−1HU−580、WAY−VEHまたはWAY−HU−580)の因子を用いた2×5因子間ANOVAに加えた。それに続く独立t検定を実施して相互作用を検討した。有意レベルをP<0.05に設定した。
in vitroで使用した薬物および材料。8−OH−DPATおよびWAY100635はBio−Techne社(アビンドン、イギリス)によって供給されたものである。[35S]−GTPγS(1250 Ci mmol−1)はPerkinElmer Life Sciences社(ボストン、マサチューセッツ州、米国)から、GTPγS、GDPおよびDMSOはSigma−Aldrich UK社から購入したものである。CBDAおよびそのメチルエステル(HU−580)はRaphael Mechoulamにより提供されたものである。
in vivoで使用した薬物。塩化リチウム(LiCl;Sigma Aldrich社)を滅菌水を含む0.15M溶液として調製し、体積20mL・kg−1(用量127.2mg・kg−1)でi.p.投与した。CBDAおよびそのメチルエステル(HU−580)は、Raphael Mechoulamにより提供されたものであり、これをガラス製の目盛付きチューブ内でエタノール1mLに溶かし、その溶液にTween80(Sigma社)1mLを加え、窒素流でエタノールを蒸発させた後、生理食塩水9mLを加えた(最終的なTween80:生理食塩水比=1:9)。CBDAまたはHU−580のうちのいずれかを0.01μg・mL−1、0.1μg・mL−1または1.0μg・mL−1の濃度で含有するストック溶液をそれぞれ用いて、ラットにCBDAまたはHU−580を体積1mL・kg−1、用量0.01μg・kg−1、0.1μg・kg−1または1.0μg・kg−1でi.p.投与した。WAY100635(Sigma社、セントルイス、ミズーリ州、米国)を0.1mg・mL−1の濃度で生理食塩水に溶かし、用量0.1mg・kg−1(1mL・kg−1)でラットにi.p.投与した。
結果
CBDAおよびHU−580は5−HT1A受容体アゴニストがin vitroでの[35S]GTPγSとヒト5−HT1A受容体との結合を刺激する能力を増強する
ラット脳幹膜を用いた[35S]GTPγS結合実験で既に明らかにされている(Bologniniら,2013)通り、CBDAは、選択的5−HT1A受容体アゴニストの8−OH−DPATによって引き起こされる、[35S]−GTPγSと、ヒト5−HT1A受容体が安定にトランスフェクトされたCHO細胞から得た膜との結合の刺激を増強した(図1A〜1Eおよび表1)。マイクロモル未満の範囲のCBDA濃度では、0.1nM、1.0nMおよび10nMで8−OH−DPATの平均Emaxの有意な増大がみられたが、0.01nMおよび100nMではみられなかった。これらの平均Emaxの増大のうち、8−OH−DPATの平均EC50の有意な変化を伴うものはなかった(P>0.05;表1)。CBDAのメチルエステルであるHU−580は、8−OH−DPATが引き起こす[35S]−GTPγSとヒト5−HT1A受容体発現CHO細胞膜との結合の刺激を増強する効力がCBDAよりはるかに高かった(図2A〜2Fおよび表2)。このように、HU−580では、(CBDAと同じく)0.1nM、1.0nMおよび10nMばかりでなく(CBDAとは異なり)0.01nMでも8−OH−DPATの平均Emaxの有意な増大がみられた。HU−580は、(CBDAと同じく)100nMでも0.001nMでも8−OH−DPATの平均Emaxを増大させることはなく、検討したいずれの濃度でも8−OH−DPATの平均EC50に有意な影響を及ぼすことはなかった(表2)。HU−580そのものを0.01nM、0.1nM、1nM、10nMまたは100nMの濃度で投与した場合、これらのいずれの濃度でも[35S]−GTPγSとヒト5−HT1A受容体トランスフェクトCHO細胞から得た膜との結合に対して検出可能な効果がみられなかったことからわかるように、5−HT1A受容体のアゴニストとしても逆アゴニストとしても振る舞うことはなかった(n=6;データ不掲載)。
Figure 2020524679
アスタリスクはそれぞれ、特定濃度のCBDAの存在下で求めた8−OH−DPATの平均Emax値と、同じ実験でCBDAの代わりに溶媒(DMSO)の存在下で求めた上の行に示される8−OH−DPATの平均Emax値との間の有意差(P<0.05)を表す。有意差は、重なりのない95%信頼限界によって示されている。
Figure 2020524679
アスタリスクはそれぞれ、特定濃度のHU−580の存在下で求めた8−OH−DPATの平均Emax値と、同じ実験でHU−580の代わりに溶媒(DMSO)の存在下で求めた上の行に示される8−OH−DPATの平均Emax値との間の有意差(P<0.05)を表す。有意差は、重なりのない95%信頼限界によって示されている。
in vivo実験1:CBDAおよびHU−580の急性嘔気に対する用量依存性効果ならびにHU−580の効果の5−HT1A受容体介在
HU−580はラットゲーピングモデルによる評価で、0.1μg・kg−1の用量では急性嘔気の軽減にCBDAよりも高い効果を示したが、0.01μg・kg−1および1μg・kg−1ではそうではなかった。HU−580の急性嘔気に対する抑制効果(0.1μg・kg−1)はWAY100635によって遮断された。一因子ANOVAでは有意なグループ効果F(8,61)=3.9;P<0.05が明らかになった。図3に、様々な前処置群にみられたゲーピングの平均回数を示す。のちのLSD事後比較検定では、両化合物とも用量1μg・kg−1で溶媒よりもLiCl誘発性ゲーピング反応が減少する(P<0.05)ことが明らかになり、本発明者らのこれまでの知見(Limebeerら,2010;RockおよびParker,2013)が再現された。しかし、HU−580は、0.1−μg・kg−1の低用量、すなわち、CBDAによる嘔気様行動の減少の閾値下でも、LiCl誘発性条件付けゲーピング行動が溶媒よりも減少した(P<0.05)。HU−580(0.1μg・kg−1)で前処置したラットもWAY−0.1μg・kg−1HU−580群よりゲーピングが有意に少なく(P<0.05)、5−HT1A受容体介在性が示された。
in vivo実験2:CBDAおよびHU−580の予期嘔気に対する効果ならびにHU−580の効果の5−HT1A受容体介在
HU−580は、状況誘発性条件付けゲーピングモデルによる評価で、0.01μg・kg−1の極めて低い用量では予期嘔気の軽減にCBDAよりも高い効果を示したが、0.1μg・kg−1ではそうではなかった。HU−580(0.1μg・kg−1)の抑制効果は、WAY100635で前処置することにより遮断された。一因子ANOVAでは有意なグループ効果F(6,39)=8.7;P<0.05が明らかになった。図4Aに、みられたゲーピングの平均回数を示す。のちのLSD事後比較では、CBDAおよびHU−580ともに用量0.1μg・kg−1ではVEH対照よりも条件付けゲーピングが少ない(P値<0.05)が、用量0.01μg・kg−1ではグループ間に差がみられ、HU−580群のゲーピングがVEH対照(P<0.05)および0.01CBDA群(P=0.05)よりも有意に少ないことが明らかになった。HU−580(0.1μg・kg−1)で前処置したラットもWAY−0.1μg・kg−1HU−580群よりゲーピングが有意に少なく(P<0.05)、5−HT1A受容体介在性が示された。自発運動試験の一因子ANOVA(図4B)では、移動距離に対する有意な効果はみられず、F(6,39)=0.9、P>0.05であった。
in vivo実験3:CBDAおよびHU−580の抗不安効果
図5に、明暗試験の24時間前にFSまたはNo FSを実施した様々な前処置群それぞれについて、ラットが明箱に滞在した平均秒数を示す。図からわかるように、FSストレスにより、明箱に滞在する時間が減少するという不安様反応が大幅に増強された。0.01μg・kg−1の低用量では、HU−580により、明箱に滞在する時間が減少するという不安様反応に対するFSの効果が逆転したが、CBDAではそうではなかった。明箱に滞在した秒数に関する2×5 ANOVAでは、FSストレスによる有意な主作用、F(1,84)=25.6;P<0.05およびFSストレスと前処置の相互作用、F(4,84)=3.2;P<0.05が明らかになった。この相互作用を解析するため、続く独立t検定では、VEH(P<0.05)、0.01μg・kg−1CBDA(P<0.05)、WAY−VEH(P<0.05)またはWAY−0.01μg・kg−1HU−580(P=0.05)で前処置したラットはNo FSストレス後よりもFSストレス後の方が明箱に滞在する時間が少ないが、0.01μg・kg−1HU−580で前処置したラットにはこの不安様反応がみられないことがわかった。さらに、続く明箱に滞在した時間に関する一因子ANOVAにより、FS群間にはNo FS群とは異なり、前処置による有意な効果、F(4,38)=4.6;P<0.05が明らかになった。FS群間では、続くボンフェローニ検定により、0.01μg・kg−1HU−580群のみがVEH群よりも明箱に滞在する時間が有意に長い(P<0.05)ことがわかった。
考察
得られた結果から、CBDAが、in vitroで5−HT1A受容体の直接アゴニストである8−OH−DPATによって5−HT1A受容体活性化の明らかな増強をもたらすこと、およびラットにin vivoで急性嘔気および予期嘔気の両方の5−HT1A受容体介在性の軽減をもたらすことの両方に有意な効力を示すことが確認された。
新たなin vitroのデータから、第一に、CBDAがラット脳幹5−HT1A受容体の活性化(Bologniniら,2013)だけでなくヒト5−HT1A受容体の活性化も増強し得ること、第二に、CBDAがラット脳幹5−HT1A受容体およびヒト5−HT1A受容体の両方に対し、マイクロモル未満の範囲で、釣鐘型の濃度反応曲線を示すこのような増強を引き起こすことがわかる。本明細書に記載されるin vitroのデータから、CBDAとそのメチルエステルであるHU−580の薬理効果の間に重要な類似性があることもわかる。より具体的には、これらのデータから、HU−580が、[35S]−GTPγS結合アッセイで8−OH−DPATによるヒト5−HT1A受容体活性化の明らかな増強をもたらすCBDAの能力を共有していることを示す、説得力のある証拠が得られた。重要なのは、HU−580が、このような増強をCBDAよりも高い効力で、かつはるかに広範囲にわたる釣鐘型の濃度反応曲線でもたらすことである。このように、0.01〜10nMの濃度のHU−580によって、(表2)、また0.1〜10nMの濃度のCBDAによって(表1)、有意な増強が引き起こされた。一方、1nM、10nMおよび100nMの濃度では、HU−580がもたらす8−OH−DPATによる5−HT1A受容体活性化の増強はCBDAよりもわずかに小さく、0.01nMおよび0.1nMの濃度では、HU−580がもたらすこの活性化の増強はCBDAよりもわずかに大きいものであった(表1および2)。
35S]−GTPγSと5−HT1A受容体との結合の刺激に関する8−OH−DPATのEmax値を有意に増大させたCBDAおよびHU−580の濃度のうち、8−OH−DPATのEC50に有意な変化をもたらしたものはなかったことは注目に値する。(表1および2)。この観察結果は、CBDAおよびHU−580が8−OH−DPATによるこの受容体の活性化の正のアロステリックモジュレーターとして作用していたことを示すものであり、いくつかの正のアロステリックモジュレーターが実際、特定の受容体に対するアゴニストのEmax値は増大させるが効力は増大させないことを示す証拠がある(Christopoulosら,2014)。CBDAおよびHU−580が、正のアロステリックモジュレーターとして5−HT1A受容体上のアロステリック部位を標的とする可能性がある。本明細書で得られたCBDAおよびHU−580に関するポジティブなin vitroデータはいずれも、ヒト5−HT1A受容体をトランスフェクトしたCHO細胞を用いて実施した実験から得られたものであることも注目に値する。
in vivoのデータから、HU−580とCBDAの薬理効果の間の類似性がわかる。したがって、これらのデータは、CBDAがラットの急性嘔気および予期嘔気を軽減する能力がHU−580まで及ぶことを示すものである。重要なのは、同じく本発明者らのin vitro実験で明らかになったように、HU−580がCBDAよりもはるかに高い効力を示すことである。より具体的には、0.1μg・kg−1i.p.の低用量のHU−580でも急性嘔気誘発性条件付けゲーピングの効果的な抑制が引き起こされたが、このような抑制をもたらすCBDAの最小有効量は1μg・kg−1i.p.であった(図3)。実際、0.01μg・kg−1i.p.の低用量では、HU−580は状況誘発性条件付けゲーピングを抑制したが、CBDAは抑制しないことがわかった。HU−580によるLiCl誘発性ゲーピングおよび状況誘発性条件付けゲーピングの抑制が、5−HT1A受容体の選択的アンタゴニストであるWAY100635によって完全に妨げられ得ることも明らかになった。最後に、最近、CBDAが明暗箱エマージェンス試験(light−dark box emergence test)で、0.1μg・kg−1、1μg・kg−1および100μg・kg−1i.p.の用量でFSによる不安様行動の増強を抑えることが明らかにされている(Rockら,2017)が、本明細書では、CBDAが明暗エマージェンス試験(light−dark emergence test)で、さらに低い0.01μg・kg−1i.p.という用量では、FSによる不安様行動の増強を抑えるHU−580の能力を共有しないことが明らかになったことから、HU−580がストレスによる不安の軽減にCBDAよりもはるかに高い効力を示し得ることが示唆される。さらに、HU−580が不安様行動の増強を抑える能力を有することが、5−HT1A受容体介在性のものであることもわかった。以上の結果は、HU−580がCBDAよりも安定であり、かつCBDAよりも効力が高い(急性嘔気および予期嘔気)ことを示すものである。
理想的には、医薬として使用する薬物は、保管時に妥当な期間にわたって安定性を示すものであるべきである。したがって、保管中のCBDAが、4℃であっても相当量分解されることから、この計画の主要な目的は、本稿に記載されているアッセイでCBDAに劣らない効力が得られるが、この温度で保管しても妥当な長さの期間にわたってはるかに高い安定性を示す化合物を開発することであった。したがって、本発明者らが、HU−580が実際、4℃で21日間保管した場合にCBDAより安定であることを明らかにしたことは注目に値する。さらに、HU−580がin vitroでもin vivoでもCBDAより効力が高いことを示すこの発見は、本発明者らの実験でHU−580が示した薬理効果が、そのCBDAへの分解にも代謝にも依存しなかったとする仮説を裏付けるものである。
結論として、この証拠は、HU−580が、ラットの急性嘔気および予期嘔気ならびにストレスによる不安の両方の兆候の抑制にCBDAよりも高い効力を示し、5−HT1A受容体に依存する形でこれらの効果をもたらすことを示すものである。
ここまで、本発明の特定の特徴について本明細書に説明および記載してきたが、当業者には多数の修正、置換、変更および均等物が思いつくであろう。したがって、添付の「特許請求の範囲」は、本発明の真の趣旨の範囲内に含まれるこのような修正および変更をすべて包含することを意図するものであることが理解されるべきである。
(参考文献)
Figure 2020524679
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Figure 2020524679
Figure 2020524679
Figure 2020524679

Claims (15)

  1. 一般式(I):
    Figure 2020524679
    を有し、式中、
    が、−C(=O)OR、−OC(=O)Rから選択され;
    が、直鎖または分岐鎖C〜C15アルキル、直鎖または分岐鎖C〜C15アルケニルおよび直鎖または分岐鎖C〜C15アルキニルから選択され;それぞれ独立に任意選択で、ヒドロキシ、ハロゲン、アミンおよびアミドまたはその任意の組合せから選択される少なくとも1つの置換基によって置換されており;
    およびRがそれぞれ独立に、直鎖または分岐鎖C〜C15アルキル、直鎖または分岐鎖C〜C15アルケニル、直鎖または分岐鎖C〜C15アルキニル、ハロゲン、アミンおよびアミドから選択される、
    化合物。
  2. 一般式(II):
    Figure 2020524679
    を有し、式中、
    が、直鎖または分岐鎖C〜C15アルキル、直鎖または分岐鎖C〜C15アルケニルおよび直鎖または分岐鎖C〜C15アルキニルから選択され;それぞれ独立に任意選択で、ヒドロキシ、ハロゲン、アミンおよびアミドまたはその任意の組合せから選択される少なくとも1つの置換基によって置換されており;
    が、直鎖または分岐鎖C〜C15アルキル、直鎖または分岐鎖C〜C15アルケニル、直鎖または分岐鎖C〜C15アルキニル、ハロゲン、アミンおよびアミドから選択される、
    化合物。
  3. が直鎖または分岐鎖C〜C15アルキルである、請求項1または2に記載の化合物。
  4. が直鎖または分岐鎖C〜C15アルケニルである、請求項1または2に記載の化合物。
  5. が直鎖または分岐鎖C〜C15アルキニルである、請求項1または2に記載の化合物。
  6. が直鎖または分岐鎖C〜C15アルキルである、請求項1または2に記載の化合物。
  7. が直鎖または分岐鎖C〜C15アルケニルである、請求項1または2に記載の化合物。
  8. が直鎖または分岐鎖C〜C15アルキニルである、請求項1または2に記載の化合物。
  9. が、ハロゲン、アミンおよびアミドから選択される、請求項1または2に記載の化合物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を少なくとも1つ含む、組成物。
  11. 5−HT1A受容体に関連する病態、疾患または症状の治療に使用する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
  12. 嘔気、嘔吐、痙攣およびその任意の組合せから選択される病態、疾患または症状の治療に使用する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
  13. うつ病に関連する病態、疾患または症状の治療に使用する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
  14. 不安、ストレス、うつ病、統合失調症、パニック、離脱症候群、自己免疫疾患、炎症、梗塞サイズの縮小、脳卒中の血流増大、肥満、メタボリック症候群、網膜症、嘔気、心筋、肝臓、腎臓虚血性/再灌流傷害、神経損傷、ハンチントン病、アルツハイマー病、脳梗塞、肝性脳症、外傷性脳損傷、脳虚血、脊髄損傷、記憶救済効果、癌、血管新生、癲癇、痙攣、神経因性疼痛、気道閉塞、強迫行動、認知障害、性衝動および性機能の低下、睡眠障害、オピオイドによる呼吸抑制、依存症ならびにその任意の組合せから選択される病態、疾患または症状の治療に使用する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
  15. 腎機能異常に関連する少なくとも1つの疾患、病態、症状または障害の治療に使用する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
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