JP2020523633A - 異方性層を含む曲げ可能な積層物品 - Google Patents

異方性層を含む曲げ可能な積層物品 Download PDF

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Abstract

ベース層、上記ベース層の上面を覆うように配置された異方性層、及び上記異方性層を覆うように配置されたガラス層を含む、積層ガラス物品。上記異方性層は、250マイクロメートルの間隔で測定された均一な機械的異方性特性を含んでよい。いくつかの実施形態では、異方性層は、250マイクロメートルの間隔で測定された均一な機械的直交異方性特性を含む、直交異方性層であってよい。上記異方性層の、均一な機械的異方性又は直交異方性特性は、可撓性積層ガラス物品に、高い耐衝突性及び耐穿孔力性を提供できる。いくつかの実施形態では、上記積層ガラス物品は、消費者向け製品用のカバー基板の全体又は一部分を画定できる。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条の下で、2017年6月9日出願の米国仮特許出願第62/517,517号の優先権の利益を主張するものであり、上記仮特許出願の内容は依拠され、その全体が参照により本出願に援用される。
本開示は、異方性層を含む積層カバー基板に関する。特に本開示は、異方性層を含むカバー基板であって、上記異方性層は、カバー基板の耐穿孔性又は耐衝突性を増大させる均一な機械的特性を有する、カバー基板に関する。
電子デバイスのディスプレイ用のカバー基板は、ディスプレイスクリーンを保護し、また光学的に透明な表面を提供し、ユーザはそれを通して上記ディスプレイスクリーンを視認できる。電子デバイス(例えばハンドヘルド及びウェアラブルデバイス)の近年の進歩は、信頼性が改善された、より軽量のデバイスへと向かっている。カバー基板等の保護用構成部品を含むこれらのデバイスの様々な構成部品の重量を削減することによって、より軽量なデバイスが製造されてきた。
更に、可撓性の折り畳み式ディスプレイスクリーンを完全なものとするために、可撓性カバー基板が開発されている。しかしながら、カバー基板の可撓性が上昇すると、カバー基板の他の特性が犠牲になる場合がある。例えば可撓性の上昇は、状況によっては、特に重量を増大させ、光学的透明度を低下させ、耐引っかき性を低下させ、耐穿孔性を低下させ、及び/又は耐熱性を低下させる場合がある。
プラスチックフィルムは良好な可撓性を有し得るものの、機械的耐久性が劣る場合がある。硬質コーティングを有するポリマーフィルムは、機械的耐久性の向上を示すものの、製造コストが高く可撓性が低いことが多い。薄型のモノリシックガラスという解決策は、優れた耐引っかき性を有するものの、可撓性の指標と耐穿孔性の指標とを同時に満たすのは困難である。超薄型ガラス(<50μm)は強い湾曲を形成できるが、耐穿孔性が低下し、また比較的厚いガラス(>80μm)はより良好な耐穿孔性を有し得るものの、曲げ半径が制限される。
現在、これらの問題に対処するためにいくつかのアプローチが進められており、様々な程度の成功を得ている。1つのアプローチとしては、耐穿孔性を改善するための、積層ポリマー/超薄型ガラスの積層体が挙げられる。第2のアプローチとしては、減摩中間層を備えた積層超薄型ガラス層が挙げられる。第3のアプローチとしては、曲げ性を改善するために、
イオン交換によって誘発された応力によってガラスの内部に予備応力を印加することが挙げられる。第4のアプローチとしては、ガラスファイバコア及び硬質ポリマーコーティングを備えた、織り構成のガラスファイバ/ポリマー複合体が挙げられる。
従って、ディスプレイスクリーンの保護のためのカバー基板といった消費者向け製品用のカバー基板における革新に対して、継続的な需要が存在する。また特に、可撓性ディスプレイスクリーンといった可撓性構成部品を含む消費者向けデバイス用のカバー基板における革新に対して、継続的な需要が存在する。
本開示は、ディスプレイ構成部品のような可撓性構成部品又は強く湾曲した構成部品のための、カバー基板、例えば可撓性カバー基板を対象とし、これは、損傷を引き起こす機械的な力から上記構成部品を保護しながら、上記構成部品の可撓性又は湾曲に悪影響を及ぼさない、中間層を含む。上記可撓性カバー基板は、耐引っかき性を提供するための可撓性ガラス層と、耐衝突性及び/又は耐穿孔性を提供するための異方性又は直交異方性中間層とを含んでよい。
いくつかの実施形態は:上面及び底面を有するベース層、例えば可撓性ベース層;上記ベース層の上記上面を覆うように配置された異方性層であって、上記異方性層は、250マイクロメートル(μm)の間隔で測定された均一な機械的異方性特性を含む、異方性層;並びに上記異方性層を覆うように配置されたガラス層、例えば薄型ガラス層を含む、積層ガラス物品を対象とし、上記異方性層の上記均一な機械的異方性特性は:上記ベース層の上記上面に対して平行な第1の方向で測定される、第1の弾性率;上記ベース層の上記上面に対して平行かつ上記第1の方向に対して垂直な第2の方向で測定される、第2の弾性率;及び上記ベース層の上記上面に対して垂直な第3の方向で測定される、第3の弾性率を含み、上記第3の弾性率は、上記第1の弾性率及び上記第2の弾性率それぞれより100倍以上大きい。
いくつかの実施形態は、積層ガラス物品の作製方法を対象とし、上記方法は:異方性層を、ベース層、例えば可撓性ベース層の上面を覆うように配置するステップであって、上記異方性層は、250マイクロメートルの間隔で測定された均一な機械的異方性特性を含む、ステップ;及びガラス層、例えば薄型ガラス層を、上記異方性層を覆うように配置するステップを含み、上記異方性層の上記均一な機械的異方性特性は:上記ベース層の上記上面に対して平行な第1の方向で測定される、第1の弾性率;上記ベース層の上記上面に対して平行かつ上記第1の方向に対して垂直な第2の方向で測定される、第2の弾性率;及び上記ベース層の上記上面に対して垂直な第3の方向で測定される、第3の弾性率を含み、上記第3の弾性率は、上記第1の弾性率及び上記第2の弾性率それぞれより100倍以上大きい。
いくつかの実施形態は、カバー基板を含む物品を対象とし、上記カバー基板は:上面及び底面を含むベース層、例えば可撓性ベース層;上記ベース層の上記上面を覆うように配置された異方性層であって、上記異方性層は、250マイクロメートルの間隔で測定された均一な機械的異方性特性を含む、異方性層;並びに上記異方性層を覆うように配置されたガラス層、例えば薄型ガラス層を含み、上記異方性層の上記均一な機械的異方性特性は:上記ベース層の上記上面に対して平行な第1の方向で測定される、第1の弾性率;上記ベース層の上記上面に対して平行かつ上記第1の方向に対して垂直な第2の方向で測定される、第2の弾性率;及び上記ベース層の上記上面に対して垂直な第3の方向で測定される、第3の弾性率を含み、上記第3の弾性率は、上記第1の弾性率及び上記第2の弾性率より100倍以上大きい。
いくつかの実施形態では、上の段落の実施形態による上記物品は、消費者向け電子製品であってよく、上記消費者向け電子製品は:前面、背面及び側面を有するハウジング;少なくとも一部が上記ハウジング内にある電子構成部品であって、上記電子構成部品は少なくともコントローラ、メモリ、及びディスプレイを含み、上記ディスプレイは上記ハウジングの上記前面に位置するか又は上記前面に隣接する、電子構成部品;並びに上記カバー基板であって、上記カバー基板は、上記ディスプレイを覆うように配置されるか又は上記ハウジングの一部分である、上記カバー基板を含む。
いくつかの実施形態では、以上の段落のうちのいずれの実施形態による上記積層ガラス物品は、均一な直交異方性の機械的特性を含む異方性層を含んでよく、上記第1の弾性率は、上記第2の弾性率+/−1%に等しい。
いくつかの実施形態では、以上の段落のうちのいずれの実施形態は更に、厚さが125マイクロメートル〜1マイクロメートルであるガラス層を含んでよい。
いくつかの実施形態では、以上の段落のうちのいずれの実施形態は、厚さが75マイクロメートル〜25マイクロメートルの異方性層を含んでよい。
いくつかの実施形態では、以上の段落のうちのいずれの実施形態において、上記ベース層の屈折率と上記異方性層の屈折率との間の差は、0.05以下であってよい。
いくつかの実施形態では、以上の段落のうちのいずれの実施形態において、上記積層ガラス物品の曲げ半径は10ミリメートル以下であってよい。
いくつかの実施形態では、以上の段落のうちのいずれの実施形態において、上記異方性層は、複数の積層された副層を含んでよい。
いくつかの実施形態では、以上の段落のうちのいずれの実施形態において、上記異方性層は、接着剤でカプセル化された微小構造形成済みフィルムを含んでよい。いくつかの実施形態では、上記微小構造形成済みフィルムは、上記微小構造形成済みフィルムの表面上に配置された複数の表面特徴部分を含む。いくつかの実施形態では、上記表面特徴部分は、100マイクロメートル以下の少なくとも1つの寸法を有する微小特徴部分であってよく、上記寸法は、上記ベース層の上記上面に対して平行な方向で測定される。いくつかの実施形態では、上記接着剤は、圧力感受性接着剤を含んでよい。
いくつかの実施形態では、以上の段落のうちのいずれの実施形態において、上記ベース層は、曲げ半径が10ミリメートル以下の可撓性ベース層を含んでよい。
いくつかの実施形態では、以上の段落のうちのいずれの実施形態において、上記異方性層は、ポリマー材料を含む。
いくつかの実施形態では、以上の段落のうちのいずれの実施形態において、上記異方性層は、複合ポリマー材料を含んでよい。
いくつかの実施形態では、以上の段落のうちのいずれの実施形態において、上記異方性層は、テンター処理済み材料を含んでよい。
いくつかの実施形態では、以上の段落のうちのいずれの実施形態において、上記異方性層は、パターン化された特徴部分を含む、分子の自己集合体を含んでよく、上記パターン化された特徴部分は、上記ベース層の上記上面に対して平行な方向で測定された、100マイクロメートル以下の少なくとも1つの寸法を有する。
本明細書に組み込まれる添付の図面は、本明細書の一部を形成し、本開示の実施形態を図示する。本記載と合わせて、これらの図面は更に、本開示の実施形態の原理を説明して、1つ以上の関連技術分野の当業者が本開示の実施形態を作製及び使用できるようにする役割を果たす。これらの図面は例示を意図したものであり、限定を意図したものではない。本開示はこれらの実施形態の文脈において概説されるが、本開示の範囲をこれらの特定の実施形態に限定することは意図されていないことを理解されたい。図面中では、類似の参照番号は同一の又は機能的に同様の要素を指す。
いくつかの実施形態による積層ガラス物品 静的押込み試験下での、力に対する4つのガラス積層体のたわみのグラフ 静的押込み試験下での、最大主応力に対する、4つのガラス積層体内のガラス層の内面上の荷重のグラフ 折り畳み可能なガラス積層体の2点曲げ試験をシミュレートするために形成されたモデルの概略図 2点曲げ試験下での、ガラス積層体の厚さの関数としてのガラス積層体内の垂直応力のグラフ 2点曲げ試験下での、曲げ力に対するガラス積層体の板分離のグラフ いくつかの実施形態による微小構造形成済みフィルムを備える積層ガラス物品 いくつかの実施形態によるハニカム微小構造形成済みフィルムの走査電子顕微鏡(SEM)画像 いくつかの実施形態による、測定間隔に分割された異方性層 いくつかの実施形態による消費者向け製品
以下の例は、本開示の制限ではなく例示である。当該技術分野で通常目にする、また当業者に明らかな、様々な条件及びパラメータの他の好適な修正及び適合は、本開示の精神及び範囲内である。
消費者向け製品用のカバー基板、例えばカバーガラスは特に、望ましくない反射の低減、ガラス内の機械的欠陥(例えば擦傷若しくは割れ)の形成の防止、及び/又は清掃が容易な透明表面の提供といった役割を果たすことができる。本明細書で開示されるカバー基板は、ディスプレイ(若しくはディスプレイ物品)を備えた物品(例えば携帯電話、タブレット、コンピュータ、ナビゲーションシステム、ウェアラブルデバイス(例えば腕時計)等といった消費者向け電子製品)、建築用物品、輸送用物品(例えば自動車、鉄道、航空機、船舶等)、家電製品、又はある程度の透明度、耐引っかき性、耐摩耗性、若しくはこれらの組み合わせが利益を生じ得る別の物品といった、別の物品に組み込むことができる。本明細書で開示される積層ガラス物品のうちのいずれが組み込まれる例示的な物品は、消費者向け電子デバイスであり、これは:前面、背面、及び側面を有するハウジング;少なくとも一部又は全体が上記ハウジング内にあり、また少なくとも1つのコントローラ、メモリ、及び上記ハウジングの上記前面に位置するか又は上記前面に隣接するディスプレイを含む、電子構成部品;並びに上記ディスプレイを覆うように上記ハウジングの上記前面にある又は上記ハウジングの上記前面を覆う、カバー基板を含む。いくつかの実施形態では、上記カバー基板は、本明細書で開示される積層ガラス物品のうちのいずれを含んでよい。いくつかの実施形態では、上記ハウジングの一部分及び上記カバー基板のうちの少なくとも一方は、本明細書で開示される積層ガラス物品で構成される。
カバーガラス等のカバー基板は、消費者向け製品の繊細な構成部品を機械的損傷(例えば穿孔及び衝突力)から保護する役割を果たす。可撓性の、折り畳み可能な、及び/又は強く湾曲した部分を含む消費者向け製品(例えば可撓性の、折り畳み可能な、及び/又は強く湾曲したディスプレイスクリーン)に関して、上記ディスプレイスクリーンを保護するためのカバー基板は、上記スクリーンを保護しながら、上記スクリーンの可撓性、折り畳み可能性、及び/又は湾曲を保持しなければならない。更に上記カバー基板は、ユーザが上記ディスプレイスクリーンを何の妨げもなく視認できるよう、擦傷及び破断といった機械的損傷に対する耐性を有していなければならない。
厚くモノリシックなガラス基板は、十分な機械的特性を提供できるものの、これらの基板はかさ高くなる場合があり、また可撓性の、折り畳み可能な、及び/又は強く湾曲した消費者向け製品に利用するために比較的小さな半径へと折り畳むことができない場合がある。また、プラスチック基板等の高可撓性カバー基板は、消費者向け製品に望ましい十分な耐穿孔性、耐引っかき性、及び/又は破断耐性を提供できない場合がある。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のカバー基板は、中間層を備えた積層ガラス物品を含んでよく、上記中間層は、上記積層ガラス物品の平面外方向の(即ち上記積層ガラス物品の外面に対して垂直な)弾性率によって、衝突印加中の衝突安定性が改善されるよう設計される。また同時に、中間層により、上記積層ガラス物品の平面内方向(即ち上記積層ガラス物品の外面に対して平行な方向)の弾性率が低いことから、折り畳みプロセス中の曲げを可能とすることができる。
本明細書で開示される積層ガラス物品は、衝突又は穿孔力にさらされた場合に異方性又は直交異方性挙動を有する、操作された中間層材料を提供することによって、曲げ可能なディスプレイデバイスを改良する。いくつかの実施形態では、異方性又は直交異方性挙動は、材料中の例えば包有物及び/又は補剛部材を操作することによって達成できる。中間層の異方性又は直交異方性材料特性を操作することによって、以下の利点を実現できる。第1に、曲げ可能なカバー基板の安定性(例えば耐衝突性、耐穿孔性、及び/又は破断耐性)を上昇させることができる。第2に、曲げ力が小さな、曲げ可能なカバー基板を達成できる。第3に、安定性を犠牲にすることなく、より薄いカバー基板を達成できる。第4に、これら3つの利点を、コストを上昇させることなく、又はより低いコストで、達成できる。薄型ガラス層、又は超薄型ガラス層を含む実施形態では、薄型ガラス層と、不連続な島状構造を備えた、異方性又は直交異方性挙動を有する操作された中間層材料との組み合わせにより、良好な耐穿孔性能を提供する構造を形成でき、これは薄型ガラス層単独では達成できないものであるものの、薄型ガラス層の可撓性を保持するものである。
いくつかの実施形態では、この操作された中間層は、積層ガラス物品を構造的に補強することによって、所望の可撓性を保持しながら機械的安定性を改善する、均一な機械的特性を有する異方性層であってよい。いくつかの実施形態では、操作された中間層は、積層ガラス物品を構造的に補強することによって、所望の可撓性を保持しながら機械的安定性を改善する、均一な機械的特性を有する直交異方性層であってよい。
本明細書中で使用される場合、「均一な(homogeneous)」は全体として、位置と無関係であることを意味する。従って、均一な構造を有する材料は、あらゆる位置において同一の構造を有することになる。均一である特定の特性を有する材料は、あらゆる位置において該特性を有することになる。均一性はスケールに依存し、低分解能で測定又は視認した場合に均一である材料又は特性は、より高い分解能で視認した場合には不均一となる場合がある。例えば、特性が異なる2つの別個のタイプの粒子を有する材料は、粒径より大幅に大きなスケールで測定した場合には均一に見える場合があるが、粒径より小さなスケールで測定すると不均一となり得る。
本明細書中で使用される場合、「等方性(isotropic)」は全体として、方向と無関係であることを意味する。「異方性(anisotropic)」は方向に依存することを意味する。ある特定の点において等方性である特定の特性を有する材料は、測定方向にかかわらずこの特性を有することになる。例えば、ある点においてヤング率が等方性である場合、ヤング率の値は、ヤング率の測定に使用される引張方向にかかわらず、同一である。均一性と等方性とのいずれの組み合わせ:均一かつ等方性;均一かつ異方性;不均一かつ等方性;又は不均一かつ異方性が可能である。例えば材料は、均一かつ異方性のある特性を有してよい。該特性は均一であるため、該材料中のあらゆる点において同一となる。しかしながら、該特性は異方性であるため、方向に基づいてある程度のばらつきがある。この方向におけるばらつきは、該材料のあらゆる点において同一となる。
本明細書中で使用される場合、「機械的特性(mechanical property)」は、材料の剛度マトリクス、及び上記剛度マトリクスから導出できる特性を指す。ヤング率又は弾性率(E)、ポアソン比(ν)、及び剛性率(G)(これらはある特定の点において方向に依存する場合もしない場合もある)が、このような特性の例である。等方性材料は、上記材料のヤング率及びポアソン比として表現されることが多い(ただし他の表現方法も使用できる)2個の独立した弾性定数を有し、これらは該材料内の位置に依存しない。完全に異方性の材料は、21個の独立した弾性定数を有する。直交異方性材料は、9個の独立した弾性定数を有する。
本明細書中で使用される場合、「均一な機械的特性(homogeneous mechanical property)」は、材料が、Xマイクロメートル、例えば250マイクロメートル又は300マイクロメートルの間隔で測定した場合に一定である機械的特性のセットを有することを意味する。換言すれば、「均一な機械的特性」を有する材料を、X平方マイクロメートルの表面積を有する複数の要素に分割した場合、各要素は、特定の材料特性のセット(例えば弾性率特性)に関して略同一の値を有することになる。例えば、微小構造によって均一な機械的特性を有する材料は、関連する寸法が100マイクロメートル以下の微小特徴部分を有してよく、これにより、250平方マイクロメートルの各測定間隔内に存在する微小特徴部分の個数は、異なる測定間隔間でのいずれの差異を小さなものとするために十分なものとなる。例えば、ある測定間隔は微小特徴部分間にほとんど収まらないのに対し、別の測定間隔は微小特徴部分間のスペースではなく、微小特徴部分の大半を含む。
いくつかの実施形態では、「均一な機械的特性」を有する材料は、均一な機械的異方性特性を有してよい。いくつかの実施形態では、「均一な機械的特性」を有する材料は、均一な機械的直交異方性特性を有してよい。等方性材料とは対照的に、異方性及び直交異方性材料の機械的特性は、異なる方向において異なるものとなる。直交異方性材料は、異方性材料のサブセットである。定義によると、直交異方性材料は、少なくとも2つの直交する対称面を有し、材料特性は各平面内において方向と無関係である。直交異方性材料は、その剛度マトリクスにおいて9個の独立した変数(即ち弾性定数)を有する。異方性材料は、材料に対称面が完全に欠けている場合、その剛度マトリクスを定義するために最大21個の弾性定数を有することができる。対称面とは、材料特性が方向と無関係となる、材料内の平面である。
250マイクロメートルの間隔で測定された均一な機械的特性を有する材料は、250マイクロメートル未満の間隔、例えば100マイクロメートルの間隔において評価した場合に、均一な材料構造又は不均一な材料構造を有し得る。均一な機械的特性とは異なり、均一な又は不均一な材料構造は、該構造を評価する方向に依存しない。均一な構造は、あらゆる方向において均一であってよい。また不均一な構造は、あらゆる方向において不均一であってよい。
図1は、いくつかの実施形態による積層ガラス物品100を示す。積層ガラス物品100は、ガラス層110、異方性層120、及びベース層130を含んでよい。いくつかの実施形態では、ベース層130は、曲げ半径が10ミリメートル(mm)以下の可撓性ベース層であってよい。いくつかの実施形態では、ベース層130の曲げ半径は、10mm〜1.0mm、5.0mm〜1.0mm、又は3.0mm〜1.0mmであってよい。いくつかの実施形態では、ベース層130は剛性ベース層であってよい。いくつかの実施形態では、ベース層130はガラスを含んでよい。いくつかの実施形態では、ベース層130はポリマー材料を含んでよい。ベース層130のための好適なポリマー材料としては、限定するものではないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド、及びポリカーボネート(PC)が挙げられる。
いくつかの実施形態では、ベース層130は、ディスプレイユニットの構成部品であってよい。例えば、いくつかの実施形態では、ベース層130は、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイスクリーン、又は発光ダイオード(LED)ディスプレイスクリーンであってよい。いくつかの実施形態では、ベース層130は、AMOLED(アクティブマトリクス有機発光ダイオード)ディスプレイスクリーンであってよい。このような実施形態では、AMOLEDディスプレイスクリーンは、間に有機層を備えた2つのポリイミドパネルを含んでよい。AMOLEDディスプレイは、有機発光ダイオード(OLED)ピクセルのアクティブマトリクスを含み、上記有機発光ダイオード(OLED)ピクセルは、電気的活性化時に光(発光)を生成し、また個々のピクセルに流れる電流を制御するための一連のスイッチとして機能する薄膜トランジスタ(TFT)アレイ上に堆積又は集積させられている。
いくつかの実施形態では、ベース層130の上面132からベース層130の底面134までで測定したベース層130の厚さは、約100マイクロメートルであってよい。いくつかの実施形態では、ベース層130の厚さは、150マイクロメートル〜25マイクロメートル、例えば125マイクロメートル〜25マイクロメートル、例えば100マイクロメートル〜25マイクロメートル、例えば75マイクロメートル〜25マイクロメートルであってよい。いくつかの実施形態では、ベース層130の厚さは、150マイクロメートル〜50マイクロメートル、例えば125マイクロメートル〜50マイクロメートル、例えば100マイクロメートル〜50マイクロメートル、例えば75マイクロメートル〜50マイクロメートルであってよい。いくつかの実施形態では、ベース層130の厚さは125マイクロメートル〜75マイクロメートルであってよい。
異方性層120は、積層ガラス物品100のベース層130の上面132を覆うように配置してよい。いくつかの実施形態では、異方性層120の上面122から異方性層120の底面124までで測定した異方性層120の厚さは、75マイクロメートル以下であってよい。いくつかの実施形態では、異方性層120の厚さは75マイクロメートル〜25マイクロメートル(部分範囲を含む)であってよい。いくつかの実施形態では、異方性層の厚さは、75マイクロメートル、70マイクロメートル、65マイクロメートル、60マイクロメートル、55マイクロメートル、50マイクロメートル、45マイクロメートル、40マイクロメートル、35マイクロメートル、30マイクロメートル、若しくは25マイクロメートル、又はこれらの値のうちのいずれの2つを端点として有するいずれの範囲内であってよい。いくつかの実施形態では、異方性層120は直交異方性層であってよい。いくつかの実施形態では、異方性層120は、複数の積層された副層を含んでよい。
いくつかの実施形態では、異方性層120は、ベース層130の上面132上に直接配置されていてよい(例えば、異方性層120の底面124がベース層130の上面132に直接接触していてよい)。このような実施形態では、異方性層120は、ベース層130の上面132上に堆積又は形成できる。いくつかの実施形態では、異方性層120は、ベース層130の上面132に接着によって取り付けてよい。このような実施形態では、異方性層120をベース層130に結合させる接着剤は、積層ガラス物品100の機械的特性に大きく影響しないよう、十分に薄い(例えば20マイクロメートル未満である)。
ガラス層110は、異方性層120の上面122を覆うように配置してよい。ガラス層110は薄型ガラス層であってよい。本明細書中で使用される場合、用語「薄型ガラス層(thin glass layer)」は、ガラス層110の外面112からガラス層110の内面114までで測定したガラス層110の厚さが200マイクロメートル〜1.0マイクロメートルであってよいことを意味する。いくつかの実施形態では、ガラス層110は超薄型ガラス層であってよい。本明細書中で使用される場合、用語「超薄型ガラス層(ultra‐thin glass layer)」は、厚さが50マイクロメートル〜1.0マイクロメートルであるガラス層を意味する。いくつかの実施形態では、ガラス層110は可撓性ガラス層であってよい。本明細書中で使用される場合、可撓性層又は物品は、それ自体が10ミリメートル以下の曲げ半径を有する層又は物品である。
いくつかの実施形態では、ガラス層110の外面112からガラス層110の内面114までで測定したガラス層110の厚さは、125マイクロメートル〜1.0マイクロメートルであってよい。いくつかの実施形態では、ガラス層110の厚さは、110マイクロメートル〜1.0マイクロメートルであってよい。いくつかの実施形態では、ガラス層110の厚さは、100マイクロメートル〜1.0マイクロメートルであってよい。いくつかの実施形態では、ガラス層110の厚さは、90マイクロメートル〜1.0マイクロメートルであってよい。いくつかの実施形態では、ガラス層110の厚さは、80マイクロメートル〜1.0マイクロメートルであってよい。いくつかの実施形態では、ガラス層110の厚さは、70マイクロメートル〜1.0マイクロメートルであってよい。いくつかの実施形態では、ガラス層110の厚さは、60マイクロメートル〜1.0マイクロメートルであってよい。いくつかの実施形態では、ガラス層110の厚さは、50マイクロメートル〜1.0マイクロメートルであってよい。
いくつかの実施形態では、ガラス層110の外面112からガラス層110の内面114までで測定したガラス層110の厚さは、125マイクロメートル〜10マイクロメートル、例えば125マイクロメートル〜20マイクロメートル、又は125マイクロメートル〜30マイクロメートル、又は125マイクロメートル〜40マイクロメートル、又は125マイクロメートル〜50マイクロメートル、又は125マイクロメートル〜60マイクロメートル、又は125マイクロメートル〜70マイクロメートル、又は125マイクロメートル〜75マイクロメートル、又は125マイクロメートル〜80マイクロメートル、又は125マイクロメートル〜90マイクロメートル、又は125マイクロメートル〜100マイクロメートルであってよい。いくつかの実施形態では、ガラス層110の外面112からガラス層110の内面114までで測定したガラス層110の厚さは、125マイクロメートル〜15マイクロメートル、例えば120マイクロメートル〜15マイクロメートル、又は110マイクロメートル〜15マイクロメートル、又は100マイクロメートル〜15マイクロメートル、又は90マイクロメートル〜15マイクロメートル、又は80マイクロメートル〜15マイクロメートル、又は70マイクロメートル〜15マイクロメートル、又は60マイクロメートル〜15マイクロメートル、又は50マイクロメートル〜15マイクロメートル、又は40マイクロメートル〜15マイクロメートル、又は30マイクロメートル〜15マイクロメートルであってよい。
いくつかの実施形態では、ガラス層110の外面112は、積層ガラス物品100の最も外側の、ユーザに対面する表面であってよい。いくつかの実施形態では、ガラス層110は、積層ガラス物品100によって定義される又は積層ガラス物品100を含むカバー基板の、最も外側の、ユーザに対面する表面であってよい。ガラス層110は、積層ガラス物品100に所望の耐引っかき性を提供できる。いくつかの実施形態では、外面112は、所望の特性を提供するために、1つ以上のコーティング層でコーティングされていてよい。このようなコーティング層としては、限定するものではないが、反射防止コーティング層、清掃が容易なコーティング層、及び耐引っかきコーティング層が挙げられる。
図1は、積層ガラス物品100を、3つの層を有するものとして図示しているが、積層ガラス物品100は更なる層を含んでもよい。例えば、積層ガラス物品100は、4つの層、5つの層、6つの層、又は7つの層を含んでよい。いくつかの実施形態では、積層ガラス物品100は、ユーザが積層ガラス物品100又は積層ガラス物品100を含むディスプレイデバイスと対話できるようにする、タッチセンサ層等のセンサ層を含んでよい。好適なタッチセンサ層としては、限定するものではないが、Canatu製CNB(商標)Flex Filmを含む可撓性タッチセンサ層が挙げられる。このような実施形態では、異方性層120は、センサ層内の応力を低減することによって、上記層内のセンサを破損から保護する役割を果たすことができる。いくつかの実施形態では、異方性層120は、ガラス層110を積層ガラス物品100の他の層、例えばベース層130及び/又はセンサ層に結合させる役割を果たすことができる。いくつかの実施形態では、センサ層は、異方性層120とベース層130との間に配置してよい。いくつかの実施形態では、センサ層は、異方性層120とガラス層110との間に配置してよい。
積層ガラス物品100の異方性層120は、本明細書に記載されているように、均一な機械的特性を示してよい。いくつかの実施形態では、異方性層120は、ある特定の間隔で測定される、均一な機械的異方性特性を備えてよい。例えばいくつかの実施形態では、異方性層120は、250マイクロメートルの間隔で測定される、均一な機械的異方性特性を備えてよく、上記異方性層の上記均一な機械的異方性特性は:(a)ベース層130の上面132に対して平行な第1の横方向(例えば図1に示す横方向150)で測定される、第1の弾性率;(b)ベース層130の上面132に対して平行かつ上記第1の横方向に対して垂直な第2の横方向(例えば図1に示す横方向152)で測定される、第2の弾性率;並びに(c)ベース層130の上面132に対して垂直な(かつ上記第1及び第2の横方向に対して垂直な)第3の(垂直)方向(例えば図1に示す垂直方向154)で測定される、第3の弾性率を含み、上記第3の弾性率は、上記第1の弾性率及び上記第2の弾性率それぞれより100倍以上大きい。いくつかの実施形態では、上記間隔は250マイクロメートル超であってよく、例えば上記間隔は300マイクロメートルであってよい。
第1及び第2の横方向(例えば方向150及び152)は、ガラス物品100の「平面内(in‐plane)」方向と呼ぶことができ、第3の(垂直)方向(例えば方向154)は、ガラス物品100の「平面外(out‐of‐plane)方向」と呼ぶことができる。図9は、いくつかの実施形態による、Xマイクロメートルの測定間隔に分割された例示的な異方性層900を示す。異方性層900は、異方性層900の上面に対して平行に測定される長さ及び幅がXマイクロメートルの材料のブロック910を分離することによって、測定間隔に分割される。図9に示すように、ブロックの高さは異方性層900の厚さと同一となり得る。
上述のように、異方性層900は均一な機械的特性を示すため、各ブロック910は平面内方向(例えばXを測定する方向)及び平面外方向(即ちXを測定する方向に対して垂直な方向)に測定される同一の機械的特性を有することになる。特段の記載がない限り、平面内方向及び平面外方向は、層が変形していないとき(即ち折り畳まれる、曲げられる、又は湾曲した形状に成形される前)に決定される。また、湾曲した上面を有するブロックに関しては、平面内方向及び平面外方向は、湾曲した表面の中心点(即ちブロック910の湾曲した上面上の、両方の平面内方向のXの中点に位置する点)に関して決定される。本明細書に記載の測定間隔のサイズにより、ブロックの上面の湾曲は無視できると考えてよい。
いくつかの実施形態では、各ブロック910の機械的特性は:(a)異方性層900の上面に対して平行な第1の方向で測定される、第1の弾性率;(b)異方性層900の上面に対して平行かつ上記第1の方向に対して垂直な第2の方向で測定される、第2の弾性率;並びに(c)異方性層900の上面に対して垂直な第3の方向で測定される、第3の弾性率を含み、上記第3の弾性率は、上記第1の弾性率及び上記第2の弾性率それぞれより100倍以上大きい。組み立てられている場合、異方性層900の第1の弾性率、第2の弾性率、及び第3の弾性率は、ベース層の上面(例えば上面132)又はガラス層の内面(例えば内面114)に対して平行及び垂直な方向で測定してよい。
いくつかの実施形態では、第3の弾性率は、第1の弾性率及び第2の弾性率それぞれより125倍以上大きくてよい。いくつかの実施形態では、第3の弾性率は、第1の弾性率及び第2の弾性率それぞれより150倍以上大きくてよい。いくつかの実施形態では、第3の弾性率は、第1の弾性率及び第2の弾性率それぞれより175倍以上大きくてよい。いくつかの実施形態では、第3の弾性率は、第1の弾性率及び第2の弾性率それぞれより200倍以上大きくてよい。いくつかの実施形態では、第3の弾性率は、第1の弾性率及び第2の弾性率それぞれより100倍〜1000倍大きな値を有してよい。いくつかの実施形態では、第3の弾性率は、第1の弾性率及び第2の弾性率それぞれより100倍大きい、200倍大きい、300倍大きい、400倍大きな、500倍大きい、600倍大きい、700倍大きい、800倍大きい、900倍大きい、若しくは1000倍大きいか、又はこれらの値のうちのいずれの2つを端点として有するいずれの範囲内であってよい。いくつかの実施形態では、第3の弾性率は、第1の弾性率及び第2の弾性率それぞれより1000倍超大きくてよい。
いくつかの実施形態では、第1及び第2の弾性率は、100MPa〜0.1MPa、例えば100MPa〜1MPa、又は100MPa〜10MPa、又は100MPa〜20MPa、又は100MPa〜30MPa、又は100MPa〜40MPa、又は100MPa〜50MPa、又は100MPa〜60MPa、又は100MPa〜70MPa、又は100MPa〜80MPa、又は100MPa〜90MPaであってよい。いくつかの実施形態では、第1の弾性率及び第2の弾性率は、0.1MPa以上であってよい。いくつかの実施形態では、第1の弾性率及び第2の弾性率は、1MPa以上であってよい。いくつかの実施形態では、第1の弾性率及び第2の弾性率は、10MPa以上であってよい。いくつかの実施形態では、第1の弾性率及び第2の弾性率は、50MPa以上であってよい。いくつかの実施形態では、ベース層130の上面132に対して平行な第1の方向、及びベース層130の上面132に対して平行かつ上記第1の方向に対して垂直な第2の方向で測定される、異方性層120のポアソン比は、0.20〜0.35(部分範囲を含む)であってよい。いくつかの実施形態では、第1及び第2の方向で測定されるポアソン比は、0.20、0.25、0.30、若しくは0.35、又はこれらの値のうちのいずれの2つを端点として有するいずれの範囲内であってよい。
いくつかの実施形態では、第3の弾性率は、5GPa〜1GPa、例えば5GPa〜2GPa、又は5GPa〜3GPa、又は5GPa〜4GPaであってよい。いくつかの実施形態では、第3の弾性率は1GPa以上であってよい。いくつかの実施形態では、ベース層130の上面132に対して垂直(かつ上記第1及び第2の方向に対して垂直)に測定される、異方性層120のポアソン比は、0.0001〜0.2(部分範囲を含む)であってよい。いくつかの実施形態では、上記ポアソン比は、0.0001、0.001、0.01、0.1、若しくは0.2、又はこれらの値のうちのいずれの2つを端点として有するいずれの範囲内であってよい。
いくつかの実施形態では、異方性層120は直交異方性層であってよい。このような実施形態では、異方性層120は、均一な機械的直交異方性を含んでよい。このような実施形態では、第1の弾性率は第2の弾性率+/−1%であってよい。いくつかの実施形態では、第1の弾性率は第2の弾性率+/−0.5%であってよい。いくつかの実施形態では、第1の弾性率は第2の弾性率+/−1.5%であってよい。いくつかの実施形態では、第1の弾性率は第2の弾性率+/−2%であってよい。
いくつかの実施形態では、ベース層130の屈折率及び異方性層120の屈折率を一致させることによって、積層ガラス物品100の所望の透明度を提供できる。いくつかの実施形態では、ベース層130の屈折率と異方性層120の屈折率との間の差は、0.05以下であってよい。複数の層又は材料を含む異方性層120を含む実施形態では、ベース層130の屈折率と、異方性層120の各層又は材料の屈折率との間の差は、0.05以下であってよい。
いくつかの実施形態では、積層ガラス物品100の曲げ半径は10ミリメートル以下であってよい。いくつかの実施形態では、積層ガラス物品100の曲げ半径は、10mm〜1.0mm(部分範囲を含む)であってよい。いくつかの実施形態では、積層ガラス物品100の曲げ半径は、1.0mm、2.0mm、3.0mm、4.0mm、5.0mm、6.0mm、7.0mm、8.0mm、9.0mm、若しくは10.0mm、又はこれらの値のうちのいずれの2つを端点として有するいずれの範囲内であってよい。いくつかの実施形態では、積層ガラス物品100の曲げ半径は、5.0mm〜1.0mm、又は3.0mm〜1.0mmであってよい。
積層ガラス物品100の作製時、異方性層120を、ベース層130の上面132とガラス層110の内面114との間に配置してよい。いくつかの実施形態では、異方性層120を、ベース層の上面132を覆うように配置してよく、ガラス層110を、異方性層120を覆うように配置してよい。いくつかの実施形態では、異方性層120を、ガラス層110の内面114を覆うように配置してよく、ベース層130を、異方性層120を覆うように配置してよい。
図2〜6は、異方性又は直交異方性材料層が、可撓性を犠牲にすることなく衝突性能を改善できる程度を示すために、4つのモデル化された材料の中間層の機械的特性を比較する。曲げ試験及び穿孔試験中の曲げ可能なディスプレイパネルをシミュレートするために、2つのモデル試験を作成した。ガラス積層体の衝突性能は、異なる材料特性を有する複数の層の間の相互作用により、複雑である。高い非線形性により、ガラス積層体の衝突分析は更に複雑になる。従って、準静的モードでの単純な穿孔試験を実装して、同一のペンチップ半径下で誘発される応力を比較した。以下の表1は、評価した4つのモデル化材料層の機械的特性を示す。図1に示す3層構造をこのモデル試験で使用して、積層ガラス物品の曲げ耐性及び耐衝突(穿孔)性を評価した。換言すれば、4つのモデル化材料層はそれぞれ、これらのモデル化試験の目的のために、積層ガラス物品100内の異方性層120の代わりとなっている。
Figure 2020523633
モデル1及び2は、単純な弾性材料特性に基づく。モデル3及び4は、直交異方性材料特性に基づく。直交異方性特性は、積層体(即ち図1に示すガラス積層体)に対する平面外方向において、より高い弾性率を有するように選択された。同時に、直交異方性特性は、曲げ軸(例えば図4に示す軸410)の平面内において低い剛性率を有する。
図2は、静的押込み試験下での、力に対するガラス積層体のたわみを示す。曲線の勾配は、積層体の剛度を表す。従って剛度(図2の勾配)が高いほど、静的押込み性能が高くなり、ペン落下性能が良好になる。静的押込み試験及びペン落下試験のための荷重印加条件は、静的荷重印加か動的荷重印加かという点で異なるものの、全体として、方向に関して積層組立体内の材料の特性及び厚さを考慮すると、これらの試験はいずれも、積層組立体の、破損することなくエネルギを吸収する能力の指標となると期待される。即ち、ある積層組立体が、別の積層組立体よりも高い静的荷重に耐えることができることは、一般に、該積層組立体がより高い動的荷重に同様に耐えることを示す。モデル2は最大積層体剛度を有し、モデル1は最小剛度を有する。モデル1の性能は、静的押込み又はペン落下に対して垂直な弾性定数(即ちモデル3及び4の弾性定数「E2」)を強化することによって改善できる。剛性率の影響も、図2及び表1に示されている。図2に示すように、直交異方性材料は、モデル2の剛度に近く、かつモデル1の剛度より大きい、高い程度の剛度を示す。
静的押込みに関する荷重:たわみの勾配は、ペン落下又は静的押込み中に積層体が変形する容易さを示す。より大きな勾配は、ペン落下又は静的押込み中のガラスの変形が小さいことを意味する。以下の表2は、モデル1、モデル2、モデル3、及びモデル4の層をそれぞれ含む積層体の剛度(図2の勾配)の比較を示す。モデル2は最高の剛度(勾配1200)を示す。従ってこれは、最高の耐衝突性を提供する。しかしながら、直交異方性モデル3及び4は、モデル1(勾配179)よりも大幅に高い剛度(それぞれ勾配784及び628)、従って耐衝突性を示す。
Figure 2020523633
図3は、静的押込み中の荷重に対する、積層体内のガラス層の内面(即ちガラス層110の内面114)上の最大主応力を示し、この静的押込みは、図1に示すような表面112を下向きに押圧する荷重によって実施される。図3は、積層体内の中間層を直交異方性材料とすることにより、ガラス層内の応力を、所与の荷重に関して低減できることを示しており(モデル1(等方性)とモデル3及び4(いずれも直交異方性)とを比較)、ここで所与の荷重(例えば1N)に関して、モデル3はモデル1より低い最大主応力を有する。従ってガラス層は、等方性材料ではなく直交異方性材料で支持した場合に、より高い静的押込み荷重印加、及び同様により高い落下高さに対処できる。換言すれば、積層体の剛度は、ガラス層を等方性材料の弾性率よりも高い平面外弾性率を有する直交異方性層で支持した場合に増大する。
図4は、曲げモデル試験の詳細を示す。図4に示すモデルは、図1に関して記載したような3層構造を有する、折り畳み可能なディスプレイ積層体400の2点曲げ試験をシミュレートするために作成された。図5は、積層体のガラス層内の引張垂直応力を、厚さの関数として示す。垂直応力は、ガラス層内の方向依存性応力、即ちx方向又はy方向の応力(例えば図1の方向150及び152の応力)を指す。図5では、「S11_ortho_E2」はモデル3及び4を表し、「Iso_E2」はモデル1(低剛度)を表し、「Iso_E2000」はモデル2(高剛度)を表す。図5に示すように、直交異方性層を有する積層体のガラス層内の応力は、等方性層を有するものの応力と同等である。また、E=2000MPa(高剛度)を有する等方性材料は、より低い剛度を有する材料に比べて、低い応力をもたらした。
図6は、ディスプレイ積層体に関する曲げ力を、(曲げ半径に関連する)板分離の関数として示す。図6では、「F‐d_Ortho」はモデル3及び4を表し、「F‐d_iso_E2」はモデル1(低剛度)を表し、「F‐d_iso_E2000」はモデル2(高剛度)を表す。図6に示すように、直交異方性層を有する積層体に関する曲げ力は、同様の平面内剛度を有する等方性層の場合の曲げ力よりわずかに小さい。全方向にE=2000MPa(高剛度)を有する等方性層に関しては、比較的小さな板分離距離(例えば11mm未満)における曲げ力は、直交異方性特性を有するものの曲げ力よりも約3倍大きくなる。
従って、図2〜6は、直交異方性層が、積層体に高程度の可撓性を提供しながら、ガラス積層体の耐穿孔性又は耐衝突性をどの程度改善できるかを示している。モデル3及び4は、モデル3及び4の平面内弾性率に等しい弾性率を有する等方性モデル1に比べて、改善された耐衝突性を提供する。またモデル3及び4は、等方性モデル2に比べて上昇した可撓性、及びモデル1と同等の可撓性を示した。直交異方性モデル3及び4と同様の弾性率値を有する異方性材料は、直交異方性モデル3及び4と同様に、可撓性を犠牲にすることなくガラス積層体の耐衝突性を改善できる。
図1に戻ると、異方性層120は、1つ以上の異方性又は直交異方性材料層を含んでよく、これは、異方性又は直交異方性ポリマー材料、磁性流体又はせん断増粘流体、相互貫入ポリマーネットワーク(interpenetrating polymer network:IPN)、複合材料、微小複製フィルム等の構造形成済みフィルム、分子の自己集合体、及びテンター処理済み材料を含むがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、異方性層120は、異なる機械的特性(例えば弾性率及び/又は応力/歪み特性)を有する複数の層を含む、多層フィルムであってよい。
1つ以上のポリマー材料‐結晶化する能力を内包するポリマーは、異方性又は直交異方性特性を示すことができる。製造中の熱処理及び/又は制御された応力印加による、結晶構造の制御により、その最終形態における材料の機械的特性を変化させることができる。結晶質ポリマーの結晶構造を制御することにより、ポリマーを通る割れの伝播を制御できる。割れの伝播は一般に、異方性又は直交異方性材料中の結晶構造に従う。更に、荷重と結晶質ポリマーの押出方向との配向角度に対する、材料に荷重印加又は応力印加する方向は、割れが形成され得るかどうか、及び割れが発生し始めたときの割れの伝播速度に、大きく影響し得る。
磁性流体又はせん断増粘流体‐せん断増粘流体は、該流体に印加されるせん断の量に基づいて、動的な機械的特性を有する。この一般的な例は、水と混合されたコーンスターチである。これらの流体は、車両の衝撃吸収材中に見られることがある。磁性流体(磁気レオロジー流体)は、所望の異方性又は直交異方性の機械的特性を生成するために変化させることができる機械的特性を有する、別の材料のセットである。LORD Corporation製の磁気レオロジー流体は、異方性又は直交異方性の機械的特性を示すことができる好適な流体の一例である。
相互貫入ポリマーネットワーク(IPN)又は複合材料‐これらの材料は、正しく設計した場合に、異方性又は直交異方性特性を実現できる。例えば繊維補強ポリマーは、ポリマー内の繊維の配向を調整することにより、異方性又は直交異方性の機械的特性を示すことができる。複合材料の例としては、限定するものではないが、ポリマー複合材料、例えばIPN、繊維で補強されたビニルエステル/ポリウレタン、及びグラファイト繊維で補強されたエポキシが挙げられる。
構造形成済みフィルム‐微小複製フィルム(微小構造形成済みフィルム)は、異方性又は直交異方性特性を示すように設計できる。図7は、いくつかの実施形態による、微小構造形成済みフィルム730を含む異方性層を含む積層ガラス物品700を示す。積層ガラス物品100と同様に、積層ガラス物品700は、ガラス層710及びベース層740を含んでよい。ガラス層710はガラス層110と同一又は同様であってよく、ベース層740はベース層130と同一又は同様であってよい。
微小構造形成済みフィルム730は、フィルム730の上面734及び/又は底面736上に配置された、複数の微小構造形成済み表面特徴部分732を含む。微小構造形成済み特徴部分732は、最大値が100マイクロメートル以下の、上面734又は底面736に対して平行に測定される、少なくとも1つの横方向寸法を有する特徴部分を含んでよい。いくつかの実施形態では、上記少なくとも1つの横方向寸法は、ベース層740の上面742又はガラス層710の内面714に対して測定してよい。いくつかの実施形態では、隣り合った微小構造形成済み特徴部分732は、200マイクロメートル以下の最大距離752だけ、互いから隔てられていてよい。本明細書中で使用される場合、「隣り合った微小構造形成済み特徴部分(neighboring micro‐structured features)」は、間に介在する微小構造形成済み特徴部分が存在せずに、互いに隣接して配置された、2つの微小構造形成済み特徴部分を意味する。
いくつかの実施形態では、微小構造形成済み特徴部分732は、微小構造形成済みフィルム730の1つ以上の表面から延在する突出部であってよい。微小構造形成済みフィルム730の表面から突出した微小構造形成済み特徴部分732としては、限定するものではないが、正方形状特徴部分、台形状特徴部分、及びハニカム形状特徴部分が挙げられる。いくつかの実施形態では、これらの微小特徴部分を含む媒体は、相互接続された複数のチャネルを有する多孔質であってよい。いくつかの実施形態では、微小構造形成済み特徴部分732は、微小構造形成済みフィルム730の1つ以上の表面に形成された溝、チャネル、又は凹部であってよい。例えば、微小構造形成済み特徴部分732は、図8に示すようなハニカム形状凹部であってよい。
いくつかの実施形態では、微小構造形成済みフィルム730を、接着剤720でベース層740及び/又はガラス層710に結合させてよい。接着剤720は、圧力感受性接着剤、エポキシ、光学的に透明な接着剤(optically clear adhesive:OCA)、ウレタン接着剤、又はシリコーン接着剤であってよいが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、微小構造形成済みフィルム730を、ベース層740とガラス層710との間にカプセル化してよい。このような実施形態では、微小構造形成済みフィルム730のいずれの部分も、ベース層740又はガラス層710に接触し得ない。またこのような実施形態では、微小構造形成済みフィルム730の各側部の表面特徴部分732は、最大距離750以下だけ、それぞれベース層740及びガラス層710から隔てられていてよい。最大距離750は、接着剤720が積層ガラス物品700の機械的特性に大きく影響しないよう、十分に小さくてよい。
最大距離750が十分に小さいため、ガラス層710及び/又はベース層740を微小構造形成済みフィルム730と共に圧縮する前の接着剤720の圧縮が最小となり、これにより、圧縮応力又は衝突応力が微小構造形成済みフィルム730に対して平面外方向に配置される場合に、剛性の系が形成される。しかしながら屈曲においては、この構成により、微小構造形成済みフィルム730は、微小構造形成済みフィルム730が最も薄い領域(即ち微小構造形成済み特徴部分732の間の位置)において屈曲できるようになる。いくつかの実施形態では、最大距離750は20マイクロメートルであってよい。いくつかの実施形態では、最大距離750は15マイクロメートルであってよい。
微小構造形成済み特徴部分732は、平面外方向及び平面内方向において微小構造形成済みフィルム730の特性を制御する。微小構造形成済み特徴部分732のサイズ及び間隔によって、異方性又は直交異方性の機械的特性を有するフィルムが製造され、また上記サイズ及び間隔を調整することによって、望ましい異方性又は直交異方性機械的特性を提供できる。
いくつかの実施形態では、微小構造形成済みフィルム730は、ポリマー微小構造形成済みフィルム、例えばPET微小構造形成済みフィルム又はポリスチレン微小構造形成済みフィルムであってよい。いくつかの実施形態では、微小構造形成済みフィルム730は、比較的高い弾性率、例えば1.0MPa以上の弾性率を有する材料を含んでよい。いくつかの実施形態では、微小構造形成済みフィルム730は、1.0MPa〜2.5GPa(部分範囲を含む)の弾性率を有する材料を含んでよい。いくつかの実施形態では、上記弾性率は、1.0MPa、50MPa、100MPa、200MPa、300MPa、400MPa、500MPa、600MPa、700MPa、800MPa、900MPa、1.0GPa、1.5GPa、2.0GPa、若しくは2.5GPa、又はこれらの値のうちのいずれの2つを端点として有するいずれの範囲内であってよい。
いくつかの実施形態では、微小構造形成済みフィルム730は、パターン化微小構造形成済み特徴部分732を含む、分子の自己集合体を含んでよい。図8は、いくつかの実施形態による、ハニカムパターンで形成される自己集合コア架橋星型(core cross‐linked star:CCS)ポリスチレン(PS)微小構造を示す。図8は、(A)CCS‐(PS)‐cyl及び(B)CCS‐(PS)‐neuから調製されたハニカムフィルムのSEM画像を示し、ここで、1、4、7、及び10mg mL−1という異なる濃度において、Mn(PS)=2960g mol−1である。(C及びD)1mg mL−1のCCS‐(PS)‐cylから調製されたSEM画像。図8のスケールは5マイクロメートルである。
多層フィルム‐多層フィルムは本来的に、異なる複数の層に見られる弾性率、応力/歪み等の特性等の違いにより、異方性又は直交異方性機械的特性を示し得る。ポリプロピレンホモポリマー/エチレン1‐オクテンコポリマーシートの多層構造は、異方性又は直交異方性の機械的特性を示す好適な多層材料の一例である。いくつかの実施形態では、多層フィルム内の異なる複数のフィルム間の結晶構造の変更により、望ましい異方性又は直交異方性の機械的特性を生成できる。
テンター処理済み材料‐例示的なテンター処理済み材料としては、限定するものではないが、テンター処理済みポリプロピレン(PP)フィルム、及び二軸配向ポリプロピレン(biaxially oriented polypropylene:BOPP)フィルムが挙げられる。テンター処理プロセス全体を通してのフィルムの配向を制御することにより、製造者はフィルム内の複数の特性を変更できる。例えば、硬度、弾性率、所与の厚さに関する引張強度、剛度、光学特性、破断力学、引裂特性、及び/又は水/ガス透過性を調整することにより、所望の特性を有するテンター処理済みフィルムを形成できる。いくつかの実施形態では、フィルムのテンター処理により、フィルム内に見られる結晶構造を制御できる。フィルムを同時に又は順次延伸すると、得られるフィルム特性に対して大きな影響を与えることが実証されている。得られる特性は通常、機械方向(machine direction:MD)又はトランス方向(trans direction:TD)において測定される。テンター処理済み材料の加工時、機械方向は、加工中に材料が移動する方向である。この方向は通常、材料の長さ又は幅が測定される方向(例えば図1に示す第1の横方向150、又は第2の横方向152)である。ロール・ツー・ロール加工を含む実施形態では、機械方向は、材料が巻き取られるロールの周方向であってよい。トランス方向(「クロス方向(cross direction)」とも呼ばれる)は、加工中に材料が移動する方向に対して垂直であり、かつ上記方向と同一の平面上にある方向である。この方向も通常、材料の長さ又は幅が測定される方向(例えば図1に示す第1の横方向150、又は第2の横方向152)である。テンター処理済み材料に関する引張強度、破断伸び、及び弾性率は、TD方向及びMD方向において異なってよく、これにより異方性又は直交異方性材料フィルムが製造される。
上述の各例において、異方性又は直交異方性層は、Xマイクロメートル、例えば250マイクロメートル又は300マイクロメートルの間隔で測定した場合に、均一な機械的特性を示すことができる。図9は、いくつかの実施形態による、Xマイクロメートルの測定間隔に分割された例示的な異方性層900を示す。
図10は、いくつかの実施形態による、消費者向け電子製品1000を示す。消費者向け電子製品1000は、前面(ユーザに対面する面)1004、背面1006、及び側面1008を有するハウジング1002を含んでよい。電子構成部品は、少なくとも一部がハウジング1002内にあってよい。電子構成部品は特に、コントローラ1010と、メモリ1012と、ディスプレイ1014を含むディスプレイ構成部品とを含んでよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイ1014は、ハウジング1002の前面1004に存在するか、又は前面1004に隣接してよい。
例えば図10に示すように、消費者向け電子製品1000はカバー基板1020を含んでよい。カバー基板1020は、ディスプレイ1014、並びに電子製品1000の他の構成部品(例えばコントローラ1010及びメモリ1012)を、損傷から保護する役割を果たすことができる。いくつかの実施形態では、カバー基板1020は、ディスプレイ1014を覆うように配置してよい。いくつかの実施形態では、カバー基板1020は、本明細書に記載の積層ガラス物品によって全体又は一部が画定されたカバーガラスであってよい。カバー基板1020は、2D、2.5D、又は3Dカバー基板であってよい。いくつかの実施形態では、カバー基板1020は、ハウジング1002の前面1004を画定してよい。いくつかの実施形態では、カバー基板1020は、ハウジング1002の前面1004と、ハウジング1002の側面1008の全体又は一部を画定してよい。いくつかの実施形態では、消費者向け電子製品1000は、ハウジング1002の背面1006の全体又は一部を画定するカバー基板を含んでよい。
本明細書中で使用される場合、用語「ガラス(glass)」は、ガラス及びガラスセラミックを含む、少なくとも一部がガラス製であるいずれの材料を含むことが意図されている。「ガラスセラミック(glass‐ceramics)」は、ガラスの制御下での結晶化によって製造された材料を含む。実施形態では、ガラスセラミックは、約30%〜約90%の結晶化率を有する。使用できるガラスセラミック系の非限定的な例としては、LiO×Al×nSiO系(即ちLAS系)、MgO×Al×nSiO系(即ちMAS系)、ZnO×Al×nSiO(即ちZAS系)が挙げられる。
1つ以上の実施形態では、非晶質基板はガラスを含んでよく、これは強化されていてもいなくてもよい。好適なガラスの例としては、ソーダライムガラス、アルカリアルミノケイ酸ガラス、アルカリ含有ホウケイ酸ガラス、及びアルカリアルミノホウケイ酸ガラスが挙げられる。いくつかの変形例では、ガラスは酸化リチウムを含まなくてよい。1つ以上の代替実施形態では、基板は、(強化されていてもいなくてもよい)ガラスセラミック基板といった結晶質基板を含んでよく、又はサファイアといった単結晶構造を含んでよい。1つ以上の具体的な実施形態では、基板は、非晶質基材(例えばガラス)並びに結晶質クラッド(例えばサファイア層、多結晶アルミナ層及び/又はスピネル(MgAl)層)を含む。
基板を強化して、強化基板を形成してよい。本明細書中で使用される場合、用語「強化基板(strengthened substrate)」は、例えば基板の表面の比較的小さなイオンを比較的大きなイオンでイオン交換することによって、化学強化された基板を指してよい。しかしながら、熱強化、又は基板の複数の部分間の熱膨張係数の不一致を利用して圧縮応力領域及び中央張力領域を生成するステップといった、当該技術分野において公知の他の強化方法を利用して、強化基板を形成してもよい。
イオン交換プロセスで基板を化学強化する場合、基板の表面層のイオンは、同一価又は酸化状態の、より大きなイオンで置換(即ち交換)される。イオン交換プロセスは典型的には、基板中の比較的小さなイオンと交換されることになる比較的大きなイオンを含有する溶融塩浴に基板を浸漬することによって実行される。浴の組成及び温度;浸漬時間;塩浴(又は複数の塩浴)中の基板の浸漬数;複数の塩浴の使用;アニーリングや洗浄といった追加のステップを含むがこれらに限定されない、イオン交換プロセスに関するパラメータは、一般に、基板の組成及び所望の圧縮応力(CS)、強化作業によって得られる基板の圧縮の深さ(即ち、応力が引張応力から圧縮応力へと変化する場所であるDOC)によって決定されることは、当業者には理解されるだろう。例えばアルカリ金属含有ガラス基板のイオン交換は、限定するものではないが、比較的大きなアルカリ金属イオンの硝酸塩、硫酸塩及び塩化物といった塩を含有する、少なくとも1つの溶融浴中での浸漬によって達成できる。溶融塩浴の温度は典型的には約380℃〜最大約450℃であり、その一方で浸漬時間は約15分〜最大約40時間である。しかしながら、上述のものとは異なる温度及び浸漬時間も使用してよい。
更に、ガラス基板を、浸漬と浸漬の間に洗浄及び/又はアニーリングステップを伴って、複数のイオン交換浴に浸漬させるイオン交換プロセスの非限定的な例は:2008年7月11日出願の米国仮特許出願第61/079,995号明細書からの優先権を主張する、Douglas C. Allan et al.による2009年7月10日出願の米国公開特許第12/500,650号明細書「Glass with Compressive Surface for Consumer Applications」(ここではガラス基板は、濃度が異なる複数の塩浴中での複数回の連続したイオン交換処理における浸漬によって強化される);及び2008年7月29日出願の米国仮特許出願第61/084,398号明細書からの優先権を主張する、Christopher M. Lee et al.による2012年11月20日出願の米国特許第8,312,739号明細書「Dual Stage Ion Exchange for Chemical Strengthening of Glass」(ここではガラス基板は、流出イオンで希釈された第1の浴中でのイオン交換と、それに続く、第1の浴より低濃度の流出イオンを含む第2の浴中での浸漬とによって強化される)に記載されている。米国公開特許第12/500,650号明細書、及び米国特許第8,312,739号明細書の内容は、参照によりその全体が本出願に援用される。
本明細書に記載されているように、ガラス層を1つ以上のコーティング層でコーティングすることによって、所望の特性を提供できる。いくつかの実施形態では、同一のタイプの又は異なるタイプの複数のコーティング層で、ガラス層をコーティングしてよい。
耐引っかきコーティング層に使用される例示的な材料としては、無機炭化物、窒化物、酸化物、ダイヤモンド様材料、又はこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、耐引っかきコーティング層は、酸窒化アルミニウム(AlON)及び二酸化ケイ素(SiO)の多層構造を含んでよい。いくつかの実施形態では、耐引っかきコーティング層は、金属酸化物層、金属窒化物層、金属炭化物層、金属ホウ化物層、又はダイヤモンド様炭素層を含んでよい。このような酸化物層、窒化物層、炭化物層又はホウ化物層のための金属の例としては、ホウ素、アルミニウム、ケイ素、チタン、バナジウム、クロム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、スズ、ハフニウム、タンタル、及びタングステンが挙げられる。いくつかの実施形態では、コーティング層は、無機材料を含んでよい。無機層の非限定的な例としては、酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウム層が挙げられる。
いくつかの実施形態では、耐引っかきコーティング層は、2016年5月3日発行の米国特許第9,328,016号明細書(参照によりその全体が本出願に援用される)に記載された耐引っかきコーティング層を含んでよい。いくつかの実施形態では、耐引っかきコーティング層は、ケイ素含有酸化物、ケイ素含有窒化物、アルミニウム含有窒化物(例えばAlN及びAlSiN)、アルミニウム含有酸窒化物(例えばAlO及びSiAl)、アルミニウム含有酸化物、又はこれらの組み合わせを含んでよい。いくつかの実施形態では、耐引っかきコーティング層は、SiO、GeO、Al、Nb、TiO、Y、及び他の同様の材料といった透明誘電材料、並びにこれらの組み合わせを含んでよい。いくつかの実施形態では、耐引っかきコーティング層は、2015年8月18日発行の米国特許第9,110,230号明細書(参照によりその全体が本出願に援用される)に記載された耐引っかきコーティング層を含んでよい。いくつかの実施形態では、耐引っかきコーティング層は、AlN、Si、AlO、SiO、Al、Si、Si、ZrO、TiO、ダイヤモンド、ダイヤモンド様炭素、及びSiAlのうちの1つ以上を含んでよい。いくつかの実施形態では、耐引っかきコーティング層は、2016年6月7日発行の米国特許第9,359,261号明細書、又は2016年5月10日発行の米国特許第9,335,444号明細書(これらはいずれも、参照によりその全体が本出願に援用される)に記載された耐引っかきコーティング層を含んでよい。
いくつかの実施形態では、コーティング層は、反射防止コーティング層であってよい。反射防止コーティング層での使用に好適な例示的な材料としては:SiO2、Al、GeO、SiO、AlO、AlN、SiN、SiO、SiAl、Ta、Nb、TiO、ZrO、TiN、MgO、MgF、BaF、CaF、SnO、HfO、Y、MoO、DyF、YbF、YF、CeF、ポリマー、フルオロポリマー、プラズマ重合ポリマー、シロキサンポリマー、シルセスキオキサン、ポリイミド、フッ素化ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アクリルポリマー、ウレタンポリマー、ポリメチルメタクリレート、及び耐引っかき層での使用に好適なものとして上に挙げた他の材料が挙げられる。反射防止コーティング層は、異なる材料の副層を含んでよい。
いくつかの実施形態では、反射防止コーティング層は、六方最密構造ナノ粒子層、例えば限定するものではないが、2016年3月1日発行の米国特許第9,272,947号明細書(参照によりその全体が本出願に援用される)に記載された六方最密構造ナノ粒子層を含んでよい。いくつかの実施形態では、反射防止コーティング層は、ナノ多孔質Si含有コーティング層、例えば限定するものではないが、2013年7月18日公開の国際公開第2013/106629号(参照によりその全体が本出願に援用される)に記載されたナノ多孔質Si含有コーティング層を含んでよい。いくつかの実施形態では、反射防止コーティング層は、多層コーティング、例えば限定するものではないが、2013年7月18日公開の国際公開第2013/106638号;2013年6月6日公開の国際公開第2013/082488号;及び2016年5月10日発行の米国特許第9,335,444号明細書(これらは全て、参照によりその全体が本出願に援用される)に記載された多層コーティングを含んでよい。
いくつかの実施形態では、コーティング層は、清掃が容易なコーティング層であってよい。いくつかの実施形態では、清掃が容易なコーティング層は、フルオロアルキルシラン、ペルフルオロポリエーテルアルコキシシラン、ペルフルオロアルキルアルコキシシラン、フルオロアルキルシラン‐(非フルオロアルキルシラン)コポリマー、及び複数のフルオロアルキルシランの混合物からなる群から選択された材料を含んでよい。いくつかの実施形態では、清掃が容易なコーティング層は、ペルフルオロ化基を含有する選択されたタイプのシランである1つ以上の材料、例えば式(RSiX4−y(ここでRFは直鎖C6‐C30ペルフルオロアルキル基であり、X=CI、アセトキシ、‐OCH、及び‐OCHCHであり、=2又は3である)のペルフルオロアルキルシランを含んでよい。ペルフルオロアルキルシランは、Dow‐Corning(例えばフルオロカーボン2604及び2634)、3M Company(例えばECC‐1000及びECC‐4000)、並びにダイキン工業株式会社、Ceko(大韓民国)、Cotec‐GmbH(DURALON UltraTec材料)、及びEvonikといった他のフルオロカーボン供給元を含む、多くの販売元から市販されている。いくつかの実施形態では、清掃が容易なコーティング層は、2013年6月6日公開の国際公開第2013/082477号(参照によりその全体が本出願に援用される)に記載された清掃が容易なコーティング層を含んでよい。
様々な実施形態について本明細書中で説明してきたが、これらは限定としてではなく、例として提示されている。改変及び修正は、本明細書で提示されている教示及び指導に基づいて、本開示の実施形態の意味、及び本開示の実施形態の等価物の範囲内にあることが意図されていることは、明らかであろう。従って、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書で開示されている実施形態に対して、形式及び細部の様々な変更を実施できることは、当業者には明らかであろう。本明細書で提示されている実施形態の要素は、必ずしも相互排他的ではなく、当業者には理解されるように、様々な状況を満たすために相互に交換できる。
本開示の実施形態について、ここでは、添付の図面に図示されている本開示の実施形態を参照して詳細に説明しており、添付の図面では、同様の参照番号を用いて、同一の又は機能的に類似した要素を指す。「一実施形態(one embodiment)」、「ある実施形態(an embodiment)」、「いくつかの実施形態(some embodiment)」、「特定の実施形態(certain embodiment)」等への言及は、記載されている実施形態がある特定の特徴部分、構造又は特徴を含み得るものの、全ての実施形態が上記特定の特徴部分、構造又は特徴を必ずしも含むわけではない場合があることを示している。更に、このような句は、必ずしも同じ実施形態について言及しているわけではない。更に、ある特定の特徴部分、構造又は特徴が、ある実施形態に関連して記載されている場合、明示的に記載されているかどうかにかかわらず、上記特定の特徴部分、構造又は特徴を他の実施形態に関連して実現することは、当業者の知識の範囲内であるものとする。
以上の例は、本開示の制限ではなく例示である。当該技術分野で通常目にする、また当業者に明らかな、様々な条件及びパラメータの他の好適な修正及び適合は、本開示の精神及び範囲内である。
本明細書において使用される場合、用語「又は(or)」は、包含的なものであり;より具体的には、句「A又はB」は、「A、B又はA及びBの両方」を意味する。排他的な「又は」は、本明細書では例えば用語「A又はBのいずれか(either A or B)」及び「A又はBのうちの一方(one of A or B)」によって示される。
ある要素又は構成部品を記述するために使用される不定冠詞「a」及び「an」は、これらの要素又は構成部品が1個又は少なくとも1個存在することを意味している。これらの冠詞は、慣習的には、修飾されている名詞が単数名詞であることを示すために採用されるが、本明細書中で使用される場合、冠詞「a」及び「an」は、具体例においてそうでないことが言明されていない限り、複数も含む。同様に、定冠詞「the」もまた、本明細書中で使用される場合には、これもまた具体例においてそうでないことが言明されていない限り、修飾されている名詞が単数であっても複数であってもよいことを示す。
請求項で使用される場合、「…を備える/…を含む(comprising)」は非限定的な移行句である。移行句「…を備える/…を含む」に続く要素のリストは非包括的なリストであり、従ってリスト中に明記されたものに追加される要素が存在する場合もある。請求項で使用される場合、「…から本質的になる(consisting essentially of)」又は「…で本質的に構成される(composed essentially of)」は、ある材料の組成を、明記された材料と、該材料の1つ以上の基本的な及び新規の特性に実質的に影響を及ぼさない材料とに限定する。請求項で使用される場合、「…からなる(consisting of」又は「全体が…で構成される(composed entirely of)」は、ある材料の組成を、明記された材料に限定し、明記されていないいずれの材料も排除する。
用語「ここで(wherein)」は、構造の一連の特徴に関する記述を導入するために、非限定的な移行句として使用される。
本明細書において上限値及び下限値を含むある数値の範囲が挙げられている場合、特定の状況下でそうでないことが明記されていない限り、上記範囲はその端点、並びに上記範囲内の全ての整数及び分数を含むことを意図したものである。ある範囲が定義されている場合、請求対象の範囲を、挙げられている具体的な値に限定することは意図されていない。更に、量、濃度又は他の値若しくはパラメータが、範囲、1つ若しくは複数の好ましい範囲、又は好ましい上限値及び好ましい下限値のリストとして与えられている場合、これは、いずれの範囲上限又は好ましい値といずれの範囲下限又は好ましい値とのいずれのペアから形成される全ての範囲を、このようなペアが個々に開示されているかどうかにかかわらず、具体的に開示するものとして理解されたい。最後に、用語「約」がある値又はある範囲のある端点を記述する際に使用される場合、本開示は、言及された具体的な値又は端点を含むことを理解されたい。数値又は範囲の端点が「約」として記載されているかどうかにかかわらず、上記数値又は範囲の端点は、2つの実施形態、即ち:「約」で修飾された実施形態、及び「約」で修飾されていない実施形態を含むことを目的としている。
本明細書中で使用される場合、用語「約(about)」は、量、サイズ、処方、パラメータ、並びに他の量及び特徴が正確ではなく、かつ正確である必要がないものの、必要に応じて許容誤差、換算係数、丸め、測定誤差等、及び当業者に公知のその他の因子を反映した、おおよそのもの、及び/又は大きい若しくは小さいものであってよいことを意味している。
本明細書中で使用される場合、用語「略、実質的な(substantial)」、「略、実質的に(substantially)」及びその変化型は、記述されている特徴が、ある値又は記述に等しいか又はおおよそ等しいことを示すことを意図している。例えば「略平面状の(substantially planar)」表面は、平面状のであるか又はおおよそ平面状である表面を指すことを意図している。更に、「略、実質的に」は、2つの値が等しいか又はおおよそ等しいことを指すことを意図している。いくつかの実施形態では、「略、実質的に」は、互いの約10%以内、例えば互いの約5%以内、又は互いの約2%以内の値を指すことができる。
本明細書中で使用される場合、方向に関する用語、例えば上方(up)、下方(down)、右(right)、左(left)、前方(front)、後方(back)、頂部(top)、底部(bottom)は、ここで図示されている状態の図面を参照して使用されているだけのものであり、絶対的な配向を暗示することを意図したものではない。
上では、指定された機能の実装及び上記機能の関連性を図示する機能構築ブロックを利用して、本発明を説明した。これらの機能構築ブロックの境界線は、本明細書では、説明に便利となるように任意に定義されている。指定された機能及びその関連性が適切に表現される限り、別の境界線を定義することもできる。
本明細書中で使用される句法又は用語法は、説明を目的としたものであり、限定を目的としたものではないことを理解されたい。本開示の範囲は、上述の例示的実施形態のいずれによっても限定されないものとし、以下の請求項及びその均等物に従って定義されるものとする。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
積層ガラス物品であって、
上記積層ガラス物品は:
上面及び底面を備えるベース層;
上記ベース層の上記上面を覆うように配置された異方性層であって、上記異方性層は、250マイクロメートルの間隔で測定された均一な機械的異方性特性を備え、上記異方性層の上記均一な機械的異方性特性は:
上記ベース層の上記上面に対して平行な第1の方向で測定される、第1の弾性率;
上記ベース層の上記上面に対して平行かつ上記第1の方向に対して垂直な第2の方向で測定される、第2の弾性率;及び
上記ベース層の上記上面に対して垂直な第3の方向で測定される、第3の弾性率であって、上記第3の弾性率は、上記第1の弾性率及び上記第2の弾性率それぞれより100倍以上大きい、第3の弾性率
を含む、異方性層;並びに
上記異方性層を覆うように配置されたガラス層
を備える、積層ガラス物品。
実施形態2
上記異方性層は、均一な直交異方性の機械的特性を備え、
上記第1の弾性率は、上記第2の弾性率+/−1%に等しい、実施形態1に記載の積層ガラス物品。
実施形態3
上記ガラス層の厚さは125マイクロメートル〜1マイクロメートルである、実施形態1又は2に記載の積層ガラス物品。
実施形態4
上記異方性層の厚さは75マイクロメートル〜25マイクロメートルである、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の積層ガラス物品。
実施形態5
上記ベース層の屈折率と上記異方性層の屈折率との間の差は、0.05以下である、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の積層ガラス物品。
実施形態6
上記積層ガラス物品の曲げ半径は10ミリメートル以下である、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の積層ガラス物品。
実施形態7
上記異方性層は、複数の積層された副層を備える、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の積層ガラス物品。
実施形態8
上記異方性層は、接着剤でカプセル化された微小構造形成済みフィルムを備える、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の積層ガラス物品。
実施形態9
上記微小構造形成済みフィルムは、上記微小構造形成済みフィルムの表面上に配置された複数の表面特徴部分を備える、実施形態8に記載の積層ガラス物品。
実施形態10
上記表面特徴部分は、100マイクロメートル以下の少なくとも1つの寸法を有する微小特徴部分であり、
上記少なくとも1つの寸法は、上記ベース層の上記上面に対して平行な方向で測定される、実施形態9に記載の積層ガラス物品。
実施形態11
上記ベース層は、曲げ半径が10ミリメートル以下の可撓性ベース層を備える、実施形態1〜10のいずれか1つに記載の積層ガラス物品。
実施形態12
上記異方性層は、ポリマー材料、複合ポリマー材料、又はテンター処理材料を含む、実施形態1〜11のいずれか1つに記載の積層ガラス物品。
実施形態13
上記異方性層は、パターン化された特徴部分を備える分子の自己集合体を含み、
上記パターン化された特徴部分は、上記ベース層の上記上面に対して平行な方向で測定された、100マイクロメートル以下の少なくとも1つの寸法を備える、実施形態1〜12のいずれか1つに記載の積層ガラス物品。
実施形態14
積層ガラス物品の作製方法であって、
上記方法は:
異方性層を、ベース層の上面を覆うように配置するステップであって、上記異方性層は、250マイクロメートルの間隔で測定された均一な機械的異方性特性を備え、上記異方性層の上記均一な機械的異方性特性は:
上記ベース層の上記上面に対して平行な第1の方向で測定される、第1の弾性率;
上記ベース層の上記上面に対して平行かつ上記第1の方向に対して垂直な第2の方向で測定される、第2の弾性率;及び
上記ベース層の上記上面に対して垂直な第3の方向で測定される、第3の弾性率であって、上記第3の弾性率は、上記第1の弾性率及び上記第2の弾性率それぞれより100倍以上大きい、第3の弾性率
を含む、ステップ;並びに
ガラス層を、上記異方性層を覆うように配置するステップ
を含む、方法。
実施形態15
上記第1の弾性率は、上記第2の弾性率+/−1%に等しい、実施形態14に記載の方法。
実施形態16
上記ベース層の屈折率と上記異方性層の屈折率との間の差は、0.05以下である、実施形態14又は15に記載の方法。
実施形態17
物品であって、
上記物品は、カバー基板を備え、
上記カバー基板は:
上面及び底面を含むベース層;
上記ベース層の上記上面を覆うように配置された異方性層であって、上記異方性層は、250マイクロメートルの間隔で測定された均一な機械的異方性特性を備え、上記異方性層の上記均一な機械的異方性特性は:
上記ベース層の上記上面に対して平行な第1の方向で測定される、第1の弾性率;
上記ベース層の上記上面に対して平行かつ上記第1の方向に対して垂直な第2の方向で測定される、第2の弾性率;及び
上記ベース層の上記上面に対して垂直な第3の方向で測定される、第3の弾性率であって、上記第3の弾性率は、上記第1の弾性率及び上記第2の弾性率より100倍以上大きい、第3の弾性率
を含む、異方性層;並びに
上記異方性層を覆うように配置されたガラス層
を備える、物品。
実施形態18
上記物品は、消費者向け電子製品であり、
上記消費者向け電子製品は:
前面、背面及び側面を備えるハウジング;
少なくとも一部が上記ハウジング内にある電子構成部品であって、上記電子構成部品は少なくともコントローラ、メモリ、及びディスプレイを備え、上記ディスプレイは上記ハウジングの上記前面付近に位置するか又は上記前面に隣接する、電子構成部品;並びに
上記カバー基板であって、上記カバー基板は、上記ディスプレイを覆うように配置されるか又は上記ハウジングの一部分を構成する、上記カバー基板
を備える、実施形態17に記載の物品。
100 積層ガラス物品
110 ガラス層
112 ガラス層110の外面
114 ガラス層110の内面
120 異方性層
122 異方性層120の上面
124 異方性層120の底面
130 ベース層
132 ベース層130の上面
134 ベース層130の底面
150 横方向
152 横方向
154 垂直方向
400 折り畳み可能なディスプレイ積層体
410 軸
700 積層ガラス物品
710 ガラス層
714 ガラス層710の内面
720 接着剤
730 微小構造形成済みフィルム
732 表面特徴部分
734 フィルム730の上面
736 フィルム730の底面
740 ベース層
742 ベース層740の上面
750 最大距離
752 最大距離
900 異方性層
910 ブロック
1000 消費者向け電子製品
1002 ハウジング
1004 ハウジング1002の前面
1006 ハウジング1002の背面
1008 ハウジング1002の側面
1010 コントローラ
1012 メモリ
1014 ディスプレイ
1020 カバー基板

Claims (10)

  1. 積層ガラス物品であって、
    前記積層ガラス物品は:
    上面及び底面を備えるベース層;
    前記ベース層の前記上面を覆うように配置された異方性層であって、前記異方性層は、250マイクロメートルの間隔で測定された均一な機械的異方性特性を備え、前記異方性層の前記均一な機械的異方性特性は:
    前記ベース層の前記上面に対して平行な第1の方向で測定される、第1の弾性率;
    前記ベース層の前記上面に対して平行かつ前記第1の方向に対して垂直な第2の方向で測定される、第2の弾性率;及び
    前記ベース層の前記上面に対して垂直な第3の方向で測定される、第3の弾性率であって、前記第3の弾性率は、前記第1の弾性率及び前記第2の弾性率それぞれより100倍以上大きい、第3の弾性率
    を含む、異方性層;並びに
    前記異方性層を覆うように配置されたガラス層
    を備える、積層ガラス物品。
  2. (i)前記異方性層は、均一な直交異方性の機械的特性を備え、前記第1の弾性率は、前記第2の弾性率+/−1%に等しいこと;及び
    (ii)前記ベース層の屈折率と前記異方性層の屈折率との間の差は、0.05以下であること
    のうちの少なくとも1つを満たす、請求項1に記載の積層ガラス物品。
  3. 前記積層ガラス物品の曲げ半径は10ミリメートル以下である、請求項1又は2に記載の積層ガラス物品。
  4. 前記異方性層は、接着剤でカプセル化された微小構造形成済みフィルムを備え、
    前記微小構造形成済みフィルムは、前記微小構造形成済みフィルムの表面上に配置された複数の表面特徴部分を備え、
    前記表面特徴部分は、100マイクロメートル以下の少なくとも1つの寸法を有する微小特徴部分であり、
    前記少なくとも1つの寸法は、前記ベース層の前記上面に対して平行な方向で測定される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層ガラス物品。
  5. 前記ベース層は、曲げ半径が10ミリメートル以下の可撓性ベース層を備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層ガラス物品。
  6. 前記異方性層は、ポリマー材料、複合ポリマー材料、又はテンター処理材料を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層ガラス物品。
  7. 前記異方性層は、パターン化された特徴部分を備える分子の自己集合体を含み、
    前記パターン化された特徴部分は、前記ベース層の前記上面に対して平行な方向で測定された、100マイクロメートル以下の少なくとも1つの寸法を備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層ガラス物品。
  8. 前記物品は、消費者向け電子製品であり、
    前記消費者向け電子製品は:
    前面、背面及び側面を備えるハウジング;
    少なくとも一部が前記ハウジング内にある電子構成部品であって、前記電子構成部品は少なくともコントローラ、メモリ、及びディスプレイを備え、前記ディスプレイは前記ハウジングの前記前面付近に位置するか又は前記前面に隣接する、電子構成部品;並びに
    前記カバー基板であって、前記カバー基板は、前記ディスプレイを覆うように配置されるか又は前記ハウジングの一部分を構成する、前記カバー基板
    を備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載の物品。
  9. 積層ガラス物品の作製方法であって、
    前記方法は:
    異方性層を、ベース層の上面を覆うように配置するステップであって、前記異方性層は、250マイクロメートルの間隔で測定された均一な機械的異方性特性を備え、前記異方性層の前記均一な機械的異方性特性は:
    前記ベース層の前記上面に対して平行な第1の方向で測定される、第1の弾性率;
    前記ベース層の前記上面に対して平行かつ前記第1の方向に対して垂直な第2の方向で測定される、第2の弾性率;及び
    前記ベース層の前記上面に対して垂直な第3の方向で測定される、第3の弾性率であって、前記第3の弾性率は、前記第1の弾性率及び前記第2の弾性率それぞれより100倍以上大きい、第3の弾性率
    を含む、ステップ;並びに
    ガラス層を、前記異方性層を覆うように配置するステップ
    を含む、方法。
  10. (i)前記第1の弾性率は、前記第2の弾性率+/−1%に等しいこと;及び
    (ii)前記ベース層の屈折率と前記異方性層の屈折率との間の差は、0.05以下であること
    のうちの少なくとも1つを満たす、請求項9に記載の方法。
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