JP2020523605A - 被検体を自動的に定量化する方法、及び該方法を実行するnmr測定器 - Google Patents

被検体を自動的に定量化する方法、及び該方法を実行するnmr測定器 Download PDF

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Abstract

【課題】【解決手段】測定試料中の被検体を自動的に定量化する方法として、少なくとも1D−NMRスペクトルと2D−NMRスペクトルを準備する工程、少なくとも1つの定量化すべき被検体に関する少なくとも1つの情報を準備する工程、少なくとも1つの準備された情報を使って、測定された2D−NMRスペクトルから定量化すべき被検体のNMR信号の化学シフトを求める工程、定量化すべき被検体のNMR信号の所期のピーク位置を求める工程、測定された1D−NMRスペクトルから測定されたピーク位置を求める工程、所期のピーク位置と実際のピーク位置を使って妨害信号ピーク位置を求める工程、求められた妨害信号ピーク位置を使って、求められた化学シフトを使って、また、少なくとも1つの準備された情報を使って、1D−NMRスペクトルをモデル化する工程、モデル化された1D−NMRスペクトルを積分する工程、内部リファレンシング又は外部リファレンシングにより被検体を定量化する工程を包含する方法を提案する。更に、この方法を実行するNMR測定器を提案する。【選択図】図4

Description

本発明は、被検体を自動的に定量化する方法、及び該方法を実行する核スピン共鳴センサを付けたNMR測定器、特に携帯型、好ましくは手持ち式のNMR測定器に関する。
被検体、特に液体中の被検体を定量化する方法は、例えばガスクロマトグラフィ(GC)又は高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)などの分離法、滴定法などの形で多数存在する。いずれにせよ、この種の方法は、相当の準備の手間と大量の溶剤の消費を伴う。赤外線分光法であれば、僅かな手間で試料中の多数の物質を検知することが可能である。いずれにせよ、信号を際立った形で重ね合わせるので、定量化が間接的にしか、また、比較的不精確にしか実現できない。更に、赤外線分光法では、マトリクス効果が決定的な役割を果たすので、検知すべき濃度範囲が、様々な液体の中の被検体を正確に定量化できるようにするのに十分でないことはしばしばある。
核スピン共鳴法(以下、略してNMR)を使って液体中の被検体を定量化することは、すでに先行技術に属する。例えば、特許文献1は、核スピン共鳴分光法を使って試料中の物質の濃度を特定する方法を開示している。
特許文献2及び特許文献3から、それぞれ1つのセンサ装置を付けたNMR測定器が知られており、ここで、センサ装置は、検査すべきワークピースの吸湿値の特定、ないしは、材料特性値の検出及び/又は解析及び/又は区別のために設けられた少なくとも1つの核スピン共鳴センサ(NMRセンサ)を具備する。
独国特許出願公開第102014203721号明細書 独国特許出願公開第102014218375号明細書 独国特許出願公開第102014218371号明細書
測定試料中、特に液体測定試料中の被検体を、特にNMR測定器を使って自動的に定量化する方法を提案する。発明通りの方法は、少なくとも下記の工程を特徴とする。
・ 特にNMR測定器のNMRセンサを使って測定された1D−NMRスペクトルを準備する;
・ 特にNMR測定器のNMRセンサを使って測定された2D−NMRスペクトル、特にJRESスペクトル、HMBCスペクトル、HSQCスペクトル、COSYスペクトル及び/又はDOSYスペクトルを準備する;
・ 少なくとも1つの定量化すべき被検体に関する少なくとも1つの情報を準備する;
・ 少なくとも1つの準備された情報を使って2D−NMRスペクトルから、定量化すべき被検体のNMR信号の化学シフト(すなわち、フーリエ変換スペクトルにおける正確な周波数)を求める;
・ 定量化すべき被検体のNMR信号、特に定量化すべき被検体の一重項及び/又は多重項の所期のピーク位置(すなわち、フーリエ変換スペクトルにおける周波数値)を求める;
・ 1D−NMRスペクトルから実際のピーク位置を求める;
・ 所期のピーク位置と実際のピーク位置を使って妨害信号ピーク位置を求める;
・ 求められた妨害信号ピーク位置を使って、求められた化学シフトを使って、また、少なくとも1つの準備された情報を使って、1D−NMRスペクトルをモデル化する;
・ モデル化された、特に妨害信号ピークを除去された1D−NMRスペクトルを積分する;
・ 内部リファレンシング又は外部リファレンシングにより被検体を定量化する。
本方法の一実施形態では、示した順序で工程を実行することができる。あるいは代わりに、発明通りの方法において実行される工程の順序は、先に示した順序からはずれてもよい。
本方法の一実施形態において、本方法は、NMR測定器により、ないしはNMR測定器を使って実行されるべく設けられている。相応のNMR測定器、特に携帯型、好ましくは手持ち式のNMR測定器は、その目的のために、少なくとも1つのNMRセンサ(用語“核スピン共鳴センサ”と“NMRセンサ”を本書では同義で使用する)、NMR測定器を制御し、核スピン共鳴センサから出された測定信号を評価する制御装置、求められた情報を出力する出力装置、及びエネルギー供給装置、特にバッテリを具備する。更に、NMR測定器、特にその制御装置は、発明通りの方法を実行すべく設けられ、装置されている。
“手持ち式NMR測定器”とは、ここでは特に、NMR測定器が運搬機の助けなしに単に手で、特に片手で運搬でき、特に測定動作の間も検査すべき測定試料に接近でき、及び/又は、それに沿って移動できることと解するものとする。そのために、手持ち式測定器の質量は特に20kg未満、有利には10kg未満、特に有利には2kg未満である。
手持ち式NMR測定器の一実施形態において、NMR測定器のコンポーネント、特にNMRセンサ、制御装置、及びNMR測定器のエネルギー供給装置は、少なくとも部分的にNMR測定器のハウジングの中に収納されている。特に、これらのコンポーネントは、その総体積において50%より多くが、好ましくは75%より多くが、特に好ましくは100%がNMR測定器のハウジングの中に収納されている。
一実施形態において、NMR測定器は、エネルギー自律型のNMR測定器として実現している。“エネルギー自律型”とは、NMR測定器が少なくとも一時的に、好ましくは少なくとも測定及び評価の実行の間、電力網に依存せずに、特にケーブルなしで運転できることと解する。そのために、NMR測定器は、電力網非依存型のエネルギー蓄積器の形、特にバッテリの形、好ましくは再充電可能なバッテリの形のエネルギー供給装置を具備する。このエネルギー供給装置は、NMR測定器にその運転開始のために、また、運転の間、電気エネルギーを供給すべく設けられている。電力網非依存型のエネルギー蓄積器は、一実施形態において燃料電池、コンデンサ、ハイブリッド型スーパーコンデンサ又はその他の、当業者に有意義と思われるエネルギー蓄積器又はこれらを組み合わせたもの/増大させたものとして実現していてよい。特に、NMR測定器へのエネルギー供給に適しているのは、高い出力密度及び/又は高いエネルギー密度を準備する電池化学を駆使した蓄電池である。高い出力密度及び/又は高いエネルギー密度であれば、NMRセンサの高出力需要に適合したNMR測定器へのエネルギー供給をより効率良く、すなわちより長く続けることができる。これに属するのは、現在、例えばリチウム蓄電池、リチウムイオン蓄電池、特にリン酸鉄リチウム蓄電池、リチウムマンガン酸化物蓄電池、リチウムニッケルコバルトマンガン酸化物蓄電池、過リチウム化リチウムニッケルコバルトマンガン酸化物蓄電池、リチウムイオウ蓄電池、リチウムポリマー蓄電池及びリチウム酸素蓄電池である。
“設けられている”とは、特に特別に“プログラムされている”、“設計されている”及び/又は“造形されている”ことと解するものとする。対象が1つの特定の機能のために“設けられている”とは、特に、対象がこの特定の機能を少なくとも1つの適用状態及び/又は動作状態において満たすか果たすかし、又は、該機能を満たすべく設計されていることと解するものとする。
発明通りのNMR測定器は、これを制御する制御装置を具備する。この制御装置は、NMR測定器の他のコンポーネント、特にNMRセンサ、出力装置、エネルギー供給装置、更に、例えば入力装置及び/又はデータ通信インタフェースと信号技術で結合している。制御装置は、NMR測定器の運転中にこれらのコンポーネントと通信すべく設けられている。“制御装置”とは、特に、NMR測定器の他のコンポーネントと通信する手段、例えばNMRセンサを制御及び/若しくは規制する手段、データ処理手段、データ記憶手段ならびに/又は更なる、当業者に有意義と思われる手段を具備する少なくとも1つの電子制御デバイスを備えた装置のことと解するものとする。一実施形態において、この制御装置の電子制御デバイスとは、記憶ユニットと結合し、また、記憶ユニットの中に記憶されていて、制御動作の間に実行される運転プログラムと結合するプロセッサユニットのことと解する。特に、制御装置の電子構造部品は、ボード(プリント基板)の上に、例えばマイクロコントローラの形で配置してあってよい。制御装置は、更に、NMRセンサから出された少なくとも1つの測定信号の評価、特にNMRセンサにより準備された1D−NMRスペクトルとNMRセンサにより準備された2D−NMRスペクトル、特にJRESスペクトル、HMBCスペクトル、HSQCスペクトル、COSYスペクトル及び/又はDOSYスペクトルの評価に役立つ。あるいは代わりに、又は、加えて、測定信号、特に1D−NMRスペクトルと2D−NMRスペクトル、特にJRESスペクトル、HMBCスペクトル、HSQCスペクトル、COSYスペクトル及び/又はDOSYスペクトルを制御装置の他のところでも、例えばNMR測定器のデータ通信インタフェースを使って準備することができる。“評価のために設けられた”は、特に、制御装置が測定信号、特にスペクトルを受け取る情報入力部、測定信号、特にスペクトルを処理、特に評価する情報処理ユニット、ならびに、処理及び/又は評価された測定信号、特にスペクトル、及び、得られた評価結果を転送する情報出力部を具備することを意味する。一実施形態において、制御装置はそれに加えて、少なくとも1つのプロセッサ、メモリ、及び、評価ルーチンと計算ルーチンを持つ運転プログラムを包含するコンポーネントを具備する。特に、これらのコンポーネントは、評価装置と呼ぶこともでき、及び/又は、制御装置に対して別個の評価装置として設計してあってよい。
NMR測定器の“出力装置”とは、少なくとも1つの入れ替わる情報を音響的、光学的及び/又は触覚的にオペレータに宛てて出力すべく設けられた少なくとも1つの手段のことと解するものとする。この出力装置は、少なくともNMR測定器を使って得られる種類の情報をNMR測定器のオペレータに宛てて出力するのに役立つ。特に、この出力装置を使って被検体の定量化の結果を出力することができる。出力は、ここで、例えばスクリーン、接触感度の高いスクリーン、音信号、バイブレータ及び/又はLEDインジケータを使って実現できる。出力装置の一実施形態において、情報は、診断の測定結果としてグラフ又は英数字で出力することができる。出力装置は、一実施形態において手持ち式NMR測定器のハウジングの中に収納されている。更に、出力すべき情報又は結果を制御装置に宛てて、及び/又は、特にユーザ快適性を高める目的でデータ処理システムに宛てて出力することができる。後者は、少なくとも、スマートフォン、タブレットPC、PCなどの外部デバイスに宛てて、また、データ通信インタフェースを介してNMR測定器と結合した、当業者に有意義と思われる外部データデバイスに宛てて情報を出力することも包含する。特に、この出力装置は、NMR測定器のハウジングの中に直接収納してあってよく、加えて、外部出力装置を介して補完することもできる。この出力装置からNMR測定器のユーザに宛てて出力された情報を使えば、NMR測定器のユーザには、測定試料中の被検体の定量化の実行後に直感で理解できる結果に到達することが可能である。
測定の実行のために、特に1D−NMRスペクトルと2D−NMRスペクトル、特にJRESスペクトル、HMBCスペクトル、HSQCスペクトル、COSYスペクトル及び/又はDOSYスペクトルの測定のために、NMR測定器は少なくとも1つのNMRセンサを具備する。NMRセンサの機能の仕方は、原子物理学的効果、すなわち、検査すべき測定試料の中の原子核が、Bと呼ばれる第1の磁界において電磁交番磁界を吸収し、発出する原子物理学的効果をベースにしている。そこで、核スピン共鳴は、検査すべき測定試料の中の原子核が、第1の磁界、特に一定の、及び/又は、静的な磁界の磁力線を中心として回る核スピンの歳差運動(ラーモア歳差運動)に依拠する。特に、原子核の核スピンは、検査すべきヴォリュームにおいて第1の磁界により揃えられる。第2の電磁界、特に交番磁界、例えば脈動磁界の形のエネルギーが、その核スピンのラーモア歳差運動と共鳴する原子核に送り込まれると(エネルギー量子)、原子核は、そのエネルギーの吸収を通して、第1の磁界に相対する核スピンの方向を変えることができる。エネルギーを送り込まれた第2の磁界は、そこで核スピンの励起に役立ち、核スピンはエネルギー吸収のもとで自らの核スピン状態を変える。同等に、エネルギー量子の発出は、励起された核スピンが他の低い方のエネルギーレベルに後戻りすることに続いて、電磁交番磁界の発出につながる。これは、磁界変化を検出する装置を使って、特にアンテナ及び/又はコイルを使って観察できる。原子核とは、特に陽子(H)と他の核スピン共鳴活性核、例えば13C、15N、19F、31Pのことと解する。
発明通りのNMR測定器をもってすれば、少なくとも1つのNMRセンサにより得られたNMRスペクトルから、測定試料の特性と特に測定試料の状態、また、特にその中に含まれた被検体の濃度に関する情報を特定し、これをもって論述を導き出すことができる。例えば、NMRスペクトルを適切に評価すれば、質(例えば飲料の、又は燃料の、又は体液の)に関する情報、内容物質(例えば健康に有害な内容物質、禁止内容物質、殺虫剤、殺菌剤、ホルモン、抗生物質)などの有無に関する情報を求めることができる。これらの情報の評価結果から、NMR測定器のオペレータはこれで、検査された測定試料の質、由来、真正度、組成、危険性などの特性を簡単な仕方で調べ、精査することができる。更に、得られた情報を製造者データと比較照合し、これで製造者データの信憑性をチェックすることができる。
測定の実行のために、携帯型NMR測定器、特に少なくとも1つのNMRセンサは、検査すべき測定試料に近づけられるか遠ざけられるかする。測定器の使用は、そこで、測定試料の検査を損傷なしに、特に破壊、汚染などなしに可能にする。
携帯型、エネルギー自律型のNMR測定器は、学術的な核スピン共鳴測定器と比べて、測定試料の検査に合わせて最適化された著しく局限的な機能性を有する特殊な測定器である。特に、自らの評価ルーチンを持つ制御装置は、発明通りの方法の実行に合わせて作られている。更に、NMR測定器は、得られた情報とその図解表現を評価し、出力装置を使って出力するのに合わせた作りであってよい。測定試料の検査のためにこの測定器を使用すると、測定結果は、測定に続いて直ぐにNMR測定器のオペレータのために測定器内部で選別されるので、測定試料中の被検体の迅速かつ一義的な定量化、とりわけ、コンピュータなどの更なる機器からも実験室からも全く独立した定量化が現場で可能である。有利なことに、オペレータの特別な予備経験を前提としない単純かつ直感的な測定器操作が達成可能である。
手持ち式、エネルギー自律型の、そして、特に測定試料検査の用途例に合わせて作られた測定器の使用により、迅速かつ非破壊的な仕方で、従ってまた、経済的に特に低コストで、測定試料中の被検体の精密かつ包括的な定量化を現場、例えば倉庫、店舗売り場、卸売り場、病院外来室などで機動的に実現させることが可能である。
測定試料中の被検体の“定量化”とは、特に、測定試料、特に液体測定試料の中の物質である被検体の濃度を特定することと解する。NMR分光法において、どんな被検体も1つ以上の特徴的な周波数依存信号(NMR信号)を出す。特定の被検体により呼び出された1D−NMRスペクトルのピークの積分強度は、基本的に試料中の付属被検体の濃度に比例する。各々の陽子が限定的な割合で1D−NMRスペクトルに関与するので、直接の正確な定量化が可能である。いずれにせよ、1つの1D−NMRスペクトルの中で多数のピークが重なり合うことから、1つの特定の物質に属する信号割合を定量的に求めることは、往々にして簡単でない。それでも、“ライン・フィッティング”の技術をもってすれば、NMR信号が重なり合う複数の様々な被検体が測定試料の中に存在する場合、信号集団を個々の信号により表現することは可能であり得る。こうして、これで多様な信号が重なり合うケースでも定量化が可能であり得る。
“NMR信号”とは、本書において、NMR測定中の測定試料の、選別(例えばフーリエ変換)に依存しない物理的信号で、単に測定試料中の化学構造の結果として生じる信号のことと解する。
本方法の一実施形態において、少なくとも1つの定量化すべき被検体は、更なる工程で指定される。こうして、この定量化すべき被検体を、発明通りの方法の利用者は、自らの関心に応じて選択することができる。特に、少なくとも1つの定量化すべき被検体を、ユーザは、例えば入力装置又は選択メニューを使って入力又は選択することに続いて、バーコードスキャナなどを使って(例えば製品固有のバーコードをスキャンすることにより)指定することができる。あるいは代わりに、この情報は、演算ユニットないしは制御装置の他のところ、例えばメモリの読み出しにより準備することもできる。一実施形態において、少なくとも1つの定量化すべき被検体に関する情報は1つの静的情報である。すなわち、発明通りの方法では常に同じ被検体が定量化される。
少なくとも1つの定量化すべき被検体の指定により、情報処理、特にスペクトルなどの評価を、検査すべき被検体に有利に適合させることができる。例えば、指定に応じてリファレンスデータバンクを選択することができる。更に、特に仕様書との関連において、制御装置の運転プログラム、規制ルーチン、制御ルーチン、評価ルーチン及び/又は計算ルーチンを適合させることができる。
発明通りの方法の1つの工程では、1D−NMRスペクトルを準備する。“準備する”とは、以下において特に、発明通りの方法を実行する演算ユニット、特にNMR測定器の制御装置に、相応の情報又はデータセットを準備することと解する。この種の1D−NMRスペクトルが典型的な仕方で得られるのは、被検体の中に含まれた核スピンが強い静磁界の中で揃えられ、高周波パルスをもってエネルギー的に励起される(すなわち、核磁化が回転させられる)時である。続いて、試料の高周波応答が時間の関数として記録され、そのようにしてFID信号(free induction decay signal 自由誘導遅延信号)が得られる。フーリエ変換により、FID信号から試料の周波数スペクトル、それも、試料の個々の成分にとって特徴的なピークが含まれていて、その個々の成分のピークが多かれ少なかれ強く重なり合っている周波数スペクトルを得ることができる。
本方法の一実施形態において、被検体を1H−NMR分光法を使って定量化する。ここで1H−NMR分光法を使うことにより、交換不可能な陽子を有する全ての物質、例えば砂糖、アルコール、有機酸、エステル、アニリン又はバニリンのような芳香物質などが検知される。本方法の一実施形態では、水及び/又はアルコールのような主成分を定量化できるようにするために、周波数の抑圧なしで1H−NMRスペクトルを準備する。あるいは代わりに、被検体を極僅かな濃度で定量化できるようにするために、選択的な信号抑圧のもとで、特に溶剤抑圧のもとで1H−NMRスペクトルを準備する。
更に、発明通りの方法の1つの工程では、2D−NMRスペクトル、特にJRESスペクトル、HMBCスペクトル、HSQCスペクトル、COSYスペクトル及び/又はDOSYスペクトルを準備する。この種の2D−NMRスペクトルが典型的な仕方で得られるのは、被検体の中に含まれた核スピンが強い静磁界の中で揃えられ、高周波パルスをもってエネルギー的に励起される時である。その時々の2D−NMRスペクトルにとって典型的なパルス順序、すなわち、個々の高周波パルスの間の待ち時間が限定されたパルス順序により、2つ以上の核スピン活性核の間の磁化交換が生じさせられる。試料の高周波応答が時間の関数として記録され、そのようにしてFID信号が得られる。フーリエ変換、特に二重フーリエ変換により、FID信号から試料の2D周波数スペクトル、それも、試料の個々の成分にとって特徴的なピークが含まれている2D周波数スペクトルを得ることができる。
2D−NMRスペクトル、例えばJRESスペクトルは、発明通りの方法において、被検体のピークの化学シフトと結合定数を、準備されたNMR信号において、特に準備された1D−NMRスペクトルにおいて精確に特定できるようにするのに役立つ。特に、ピーク同士を明確に関係づけるために、例えばHMBC、HSQCなどの異核2D−NMRスペクトルを使用することも可能である。ここでは、13Cのような異核との結び付きに関する情報も活用する。
特に、これらのスペクトル、すなわち1D−NMRスペクトル及び2D−NMRスペクトルは、発明通りの方法を実行する演算ユニットに準備することができる。一実施形態では、これらのスペクトルを発明通りのNMR測定器の制御装置に準備することができる。一実施形態では、これらのスペクトルを発明通りのNMR測定器の少なくとも1つのNMRセンサで測定し、NMR測定器の制御装置に準備することができる。
本方法の一実施形態では、1D−NMRスペクトルと2D−NMRスペクトルを同じ測定条件のもとで得て、特にNMR測定器のNMRセンサで測定する。このように一致した測定条件のもとでは、測定条件の違いから生じるスペクトルの異変や狂いが回避でき、従って排除できるので、特に精密な信頼するに足る定量化を実行することができる。一致した測定条件が関係するのは、特に、そのつどの測定時の測定試料の温度、及び/又は、測定試料中の溶剤、及び/又は、静磁界の磁界強度である。
本方法の一実施形態では、スペクトルを二次処理に先立ち、既知のデータ評価方法により有利に選別することができる。例えば、1D−NMRスペクトル――又は相応のフーリエ変換FIDスペクトル――に、予め適当に選んだ指数関数を掛け、それで改善された信号/ノイズ比を得ることができる。更に、均質性誤差と位相誤差から生じ得るスペクトルの対称性誤差を、自動的に実行されるいわゆる“リファレンス・デコンボリューション”法により減じるか取り除くかすることが可能である。また、スムージング、フィルタリング、平均化などの数学的手法の枠内でスペクトルを処理するのと同様、本方法の枠内で位相修正と背景修正(基線修正)が自動的に行われるようにすることもできる。
発明通りの方法の更なる1つの工程では、先ず、少なくとも1つの定量化すべき被検体に関する情報を準備する。特に、この情報は、発明通りの方法を実行する演算ユニットに準備することができる。特に、この情報は、発明通りのNMR測定器の制御装置に準備することができる。本方法の一実施形態では、少なくとも1つの準備された情報が、少なくとも1つの定量化すべき被検体について化学シフト範囲、評価可能な信号の数、評価可能な信号の多重度、及び/又は、評価可能な信号の結合定数を指定する。こうして、被検体の特に単純、包括的かつ精密な定量化が実行できる。特に、この準備された情報は、準備された1D−NMRスペクトル及び/又は準備された2D−NMRスペクトルの単純、包括的かつ精密な評価のために使用できる。発明通りの方法の一実施形態において、準備された情報は更に、陽子と結合する炭素核の化学シフト範囲に関するものであってよい。この情報は、2D−NMRスペクトルにより同一性を確認し、正確な化学シフトを求めるために使用される。
“化学シフト範囲”は、ここで、検査すべき被検体の信号が準備されたスペクトルの中に現れると期待できるおおよその周波数範囲を表す。
“評価可能な信号の数”とは、被検体によりスペクトルの中に呼び起こされる信号の数のことと解する。従って、この数は被検体の化学構造に左右される。特に、この評価可能な信号の数は、定量化すべき被検体の予選択により設定することができる。
評価可能な信号の“多重度”は、1つの評価可能な信号を全体信号として明らかにする個別信号の数を特徴づける。全体信号の個別信号への分裂は、スピン・スピン結合により呼び起こされる。評価可能な信号の多重度は、被検体の化学構造に左右される。特に、この“多重度”が特徴づけるのは、被検体がスピン配向に関して占めることのできる線形独立状態の数、いわゆるスピン多重度である。多重度はNMRスペクトルに直接移転でき、そこで、この多重度に相当する被検体の信号におけるピークの数が明らかになる。
“評価可能な信号の結合定数”とは、2つの結合する核の相互作用の強さを決める定数のことと解する。結合定数は、その時々の被検体にとって特徴的なものである。この結合定数は、ライン・フィッティング・アルゴリズムによる評価可能な信号のシミュレーション/モデル化のために、また、同一性確認のために使用される。
発明通りの方法の一実施形態では、少なくとも1つの定量化すべき被検体に関する少なくとも1つの情報をデータバンク照会により準備する。この少なくとも1つの情報は、そこで、デバイス内部でデータバンクの中にあって記憶ユニット、特に演算ユニットの記憶ユニット、又は、NMR測定器の制御装置に記憶してあってよい。代替的又は追加的な一実施形態において、この少なくとも1つの情報は、外部の、特にデバイス外部の、有利には常に現実のデータバンクの中に記憶してあってもよい。例えば、この少なくとも1つの情報は、データバンクの中にあってコンピュータ、サーバ又は他の、当業者に有意義と思われるデータメモリ及び/又はデータ処理デバイスに記憶してあってよく、発明通りの方法の実行に際してそこから準備してよい。特に、この少なくとも1つの情報の準備は、NMR測定器のインターネットアクセスを介して行うこともできる。あるいは代わりに、又は、加えて、この少なくとも1つの情報は、内部で、特にデバイス内部でNMR測定器の中に記憶してあってよく、同じくNMR測定器のインターネットアクセスを介して現実化する、例えば外部のリファレンスデータバンクと均し合わせることにより現実化することができる。
1つの工程において、少なくとも1つの準備された情報を使って、準備された2D−NMRスペクトルから定量化すべき被検体のNMR信号の化学シフトを求める。そのため、定量化すべき被検体に属するピークの正確な位置を2Dスペクトル、特にJRESスペクトルから求める。そこで、本方法の一実施形態では、評価のスタート値として、被検体にとって典型的な、すなわち周知のシフト範囲を援用する。好ましくは、そこで、該シフト範囲を指定する少なくとも1つの準備された情報にアクセスする。こうして、化学シフトにおける軽微な誤差が許容される。このスタートパラメータから出発して、2D−NMRスペクトルを、結合する13C核の結合定数、多重度、化学シフトなどの所与のパラメータに相当する信号、すなわちピークに向けて解析する。1つのピークがデータバンクからの所与のパラメータと一致すれば、該ピークの正確な化学シフトは特定される。
更に、同工程において、被検体の結合定数と多重度も2D−NMRスペクトル、特にJRESスペクトルから求めることができる。求められた結合定数と求められた多重度は、続いて、同じく被検体の結合定数と多重度に関連し得る少なくとも1つの準備された情報と均し合わせることができる。
1つの工程において、定量化すべき被検体のNMR信号、特に定量化すべき被検体の一重項及び/又は多重項の所期のピーク位置を求める。本方法の一実施形態では、定量化すべき被検体のNMR信号、特に定量化すべき被検体の一重項及び/又は多重項の所期のピーク位置は、求められた化学シフトと、少なくとも1つの準備された情報、特に、評価可能な信号の準備された多重度と、評価可能な信号の準備された結合定数を使って算出される。加えて、多重度に応じて個別信号の化学シフトが算出される。これは、所与の結合定数と求められた化学シフトに応じて限定的な周波数値を加算又は減算することで実行される。
本方法の代替的又は追加的な一実施形態では、定量化すべき被検体のNMR信号、特に定量化すべき被検体の一重項及び/又は多重項の所期のピーク位置を、2D−NMRスペクトル、特にJRESスペクトルから、求められた化学シフトと、少なくとも1つの準備された情報、特に、評価可能な信号の準備された多重度を使って求める。2D−NMRスペクトル、特にJRESスペクトルから、ピーク位置の間隔(いわゆる信号位置又は中心周波数)を定めることにより、解析すべきNMR信号の結合定数を求める。多重度に応じて個別信号の化学シフトが算出される。これは、2D−NMRスペクトル、特にJRESスペクトルから求められた結合定数と求められた化学シフトに応じて限定的な周波数値を加算又は減算することで実行される。
1つの工程において、準備された1D−NMRスペクトル、特に測定された1D−NMRスペクトルから実際のピーク位置を求める。ここでは、スペクトルの中で強さが所与の閾値を超える全てのピークのピーク位置を求め、中間メモリに保存する。
1つの工程において、所期のピーク位置と求められた実際のピーク位置を使って妨害信号ピーク位置を求める。本方法の一実施形態では、妨害信号ピーク位置を所期のピーク位置と実際のピーク位置との差から求める。“妨害信号ピーク位置”とは、特に、探したスペクトルに重ね合わされていて、検査すべき被検体によって呼び起こされないような妨害信号のピーク位置のことと解する。すなわち、妨害信号ピーク位置は、検査すべき被検体によって呼び起こされたものではない。
1つの工程において、1D−NMRスペクトルを、求められた妨害信号ピーク位置を使って、求められた化学シフトを使って、また、少なくとも1つの準備された情報を使ってモデル化する。本方法の一実施形態では、ライン・フィッティング・アルゴリズムを使って、求められた妨害信号ピーク位置と求められた化学シフトから出発し、ローレンツ・ガウス分布に関して、ライン幅に関して、強度に関して、結合定数に関して、また、ルーフ効果の影響に関して、それぞれフィットパラメータを最適化した上で、1D−NMRスペクトルをモデル化する。ここでは、妨害信号ピークを一重項としてモデル化する。
“ライン・フィッティング・アルゴリズム”とは、算出された信号を測定された信号に反復により適合させるアルゴリズムのことと解する。このフィッティング・アルゴリズムは、一実施形態において、個々のピーク信号に対し(例えばメタノールの共鳴線に対し)実行されるが、被検体により呼び起こされる複数の信号に同時に留意した上でスペクトル全体に拡げることもできる。
更なる1つの工程において、モデル化された、特に妨害信号ピークを除去された1D−NMRスペクトルを積分する。
1つの工程において、被検体を内部リファレンシング又は外部リファレンシングにより定量化する。内部リファレンシングの実行のために、測定試料に適当なリファレンシング試薬を加えなければならない。代表的なリファレンシング試薬は、例えば水溶液のためのトリメチルシリルプロピオン酸ナトリウム(TSP)又は有機溶液のためのテトラメチルシラン(TMS)である
外部リファレンシングは、特に確立されたPULCON法を使って実行することができる。PULCON法は、例えば米国化学会誌(J. Am. Chem. Soc.)2006年、第128号、2571〜2576ページでG. Wider、L. Dreierにより説明されている。
本方法の一実施形態では、定量化の結果をNMR測定器の制御装置を使って更に処理する。本方法の一実施形態では、NMR測定器の出力装置を使って該結果をNMR測定器のオペレータに宛てて出力することができる。本方法の一実施形態では、被検体の定量化の結果を、特にNMR測定器の制御装置を使って、又は、本方法を実行する演算ユニットを使って、限界値と比較し、比較の結果を出力する。出力操作は、ここで、特にNMR測定器の出力装置を使って行うことができる。
発明通りの方法を適用すると、液体中の多数の被検体をNMR分光により迅速、自動的かつ精密に定量化することができる。そこで、本方法は、スペクトルNMRデータを有利な仕方で処理し、評価することを可能にするので、評価を完全に自動化した上で様々な被検体の定量化が達成可能となる。相異なるNMRデータセット――特に1D−NMRスペクトルと2D−NMRスペクトル――からのデータ処理を情報統合と組み合わせることは、信頼するに足るライン・フィッティング最適化アルゴリズムを使った定量化を可能にし、それで、常に変わらぬ精度が保証される。更に、発明通りの方法を適用することで、多数の被検体を同時に1つの測定試料において定量化することが可能である。有利には、結果として、その時々で定量化すべき被検体について濃度とその時々の測定不確実度を出力することができる。測定データの評価において不可欠な熟練の専門技術者が不足しているから、本方法は、未熟なユーザによる利用を目的として考案されたNMR測定器において特に有利に実現させることができる。
本発明は、図面に描かれた実施例に則し以下の記述において詳細に説明されている。図面、記述説明及び請求項は、多数の特徴を組み合わせて含んでいる。当業者は、これらの特徴を目的に合致する仕方で個別的にも考察し、有意義な更なる組み合わせにまとめるであろう。図中に付けられた参照符号は、同じ又は同様の符号が同じ又は同様のエレメントを指す。
発明通りの携帯型NMR測定器の造形の斜視図である。 発明通りのNMR測定器の造形の、第1のハウジング側の平面図である。 発明通りの方法の一実施形態のプロセス図である。 1D−NMRスペクトルの一例である。 2D−NMRスペクトルの一例と、それから切り取った一部分の拡大図である。 実際のピーク位置を求める工程の実行後の1D−NMRスペクトルの一例である。 ライン・フィッティングの工程の実行後の1D−NMRスペクトルの一例である。
図1と図2は、発明通りの手持ち式、エネルギー自律型のNMR測定器10の例示的な一実施形態の2つの眺めをそれぞれ斜視図、単純化した概略平面図で示す。
例として描かれたNMR測定器10は、ハウジング12を具備する。ハウジング12の中に、NMR測定器10の電源入り切り、測定プロセスの開始と進行、及び、運転パラメータの入力に適した作動エレメント14’の形の入力装置14が収納されている。更に、ハウジング12の中に、求められた情報を出力し、運転パラメータを出力するスクリーン16’の形の出力装置16が設けられている。NMR測定器10は、その運搬と案内のためにハンドル18を駆使する。ハンドル18、作動エレメント14’及びスクリーン16’は、NMR測定器10において、該NMR測定器の操作時に代表的にオペレータに面した第1のハウジング側20(“正面側”とも言う)にある。
NMR測定器10へのエネルギー供給のために、NMR測定器10は、該器背側で第1のハウジング側20と向き合った第2のハウジング側(ここでは詳細に図示されていない)に、再充電可能な蓄電池の形の、電力網に依存しないエネルギー蓄積器(ここでは詳細に図示されていない)を受容する凹部を有する。電力網に依存しないエネルギー蓄積器に基づき、NMR測定器10は、少なくとも一時的にエネルギー自律で、すなわち、電力網に依存せずに、従ってまた、特にケーブルなしで運転できる。例示されたNMR測定器10は、有利なことにその高いエネルギー密度と高い出力密度がNMR測定器10へのエネルギー供給に適したリチウムイオン蓄電池を有する。代替の一実施形態では、エネルギー蓄積器がNMR測定器10のハンドル18の中に収納してあってもよい。好ましくは、エネルギー供給装置は、噛み合い型及び/又は摩擦結合型の着脱可能なインタフェースを具備し、これで、エネルギー蓄積器(一般に複数も)が取り出し可能かつ交換可能に配置できることになる。それ以上に、エネルギー蓄積器は、NMR測定器10の内部及び/又は外部にあって電力網から受電し、荷電することができる。
ハウジング12内のサポートエレメント22、特にシステムボード又はプリント基板の上に、NMR測定器10の更なるコンポーネント、特にNMRセンサ24、NMR測定器10を制御し、NMRセンサ24から送られてきた測定信号を評価する制御装置26、及び制御装置26と結合したデータ通信インタフェース28が収納されている(特に図2を参照)。制御装置26は、NMRセンサから送られてきた少なくとも1つの測定信号、特に、測定された1D−NMRスペクトル30(図4を参照)と測定された2D−NMRスペクトル32(図5を参照)、特にJRESスペクトル、HMBCスペクトル、HSQCスペクトル、COSYスペクトル及び/又はDOSYスペクトルを評価するのに役立つ。あるいは代わりに、又は、加えて、測定信号、特に1D−NMRスペクトル30と2D−NMRスペクトル32、特にJRESスペクトル、HMBCスペクトル、HSQCスペクトル、COSYスペクトル及び/又はDOSYスペクトルは、制御装置26の他のところでも、例えばNMR測定器10のデータ通信インタフェース28を使って準備することができる。制御装置26は、NMR測定器10の他のコンポーネントと通信する手段、例えばNMRセンサ24を制御及び規制する手段、制御装置26から独立した評価装置などを包含する電子制御デバイスを具備する。制御装置26は、特に、プロセッサユニット、記憶ユニット、及び記憶ユニットの中に記憶された運転プログラムを備えたユニットを包含する。制御装置26は、NMR測定器10の少なくとも1つの運転機能パラメータを、オペレータによる少なくとも1つの入力に応じて、必要時に設けられた評価装置及び/又はデータ通信インタフェース28により設定すべく設けられている。更に、制御装置26は、発明通りの方法を実行すべく設けられており、そのために、実行可能な運転プログラムを記憶するメモリを具備する。
NMRセンサ24は、測定試料34の材料の原子核における核スピン共鳴の励起のために設けられている。NMRセンサ24は、特に測定試料34の1D−NMRスペクトル30と2D−NMRスペクトル32、特にJRESスペクトル、HMBCスペクトル、HSQCスペクトル、COSYスペクトル及び/又はDOSYスペクトルの測定のために設けられている。
図3に示してあるのは、測定試料34、特に液体測定試料の中の被検体を特にNMR測定器10を使って定量化する発明通りの方法の一実施例を図解するプロセス図である。
工程100において、NMR測定器10のNMRセンサ24を使って測定された1D−NMRスペクトル30を準備する。この1D−NMRスペクトル30、特に基礎をなすデータは、すでに工程100において評価に向けて用意された、例えばスムージング、フィルタリングなどにより用意されたものである。1D−NMRスペクトル30の一例が図4に描かれている。この1D−NMRスペクトル30は、測定試料34にとって、特にその中に含まれた被検体にとって特徴的なピーク48を呈する。
工程102において、NMR測定器のNMRセンサ24を使って測定された2D−NMRスペクトル32、特にJRESスペクトル、HMBCスペクトル、HSQCスペクトル、COSYスペクトル及び/又はDOSYスペクトルを準備する。この2D−NMRスペクトル32、特に基礎をなすデータも、すでに工程102において評価に向けて用意された、例えばスムージング、フィルタリングなどにより用意されたものである。2D−NMRスペクトル32の一例、特にJRESスペクトルが図5aに描かれている。
工程104において、少なくとも1つの定量化すべき被検体を、例えばユーザによる入力又は選択に続いて、例えばNMR測定器10の入力装置14を使って指定する。この実施例において、ユーザは、例えば被検体の名前“アルコール”を(例えば所与のリストから)選び出すことで、定量化すべき被検体を明確に表示する。
工程106において、――指定された被検体の名前から出発して――定量化すべき被検体に関する情報を準備する。情報は、ここで、定量化すべき被検体について少なくとも1つの化学シフト範囲36(所期の化学シフト42の粗い範囲;図5において範囲36によって描かれた)、評価可能な信号38の数(図4においてそれぞれ1つのボックスによって描かれた)、評価可能な信号の多重度、及び、評価可能な信号の結合定数を指定する。評価可能な信号の多重度と評価可能な信号の結合定数は、図5aに描かれた2D−NMRスペクトル32の拡大された範囲を描く図5bにおいて参照符号40としてまとめられている。図5bに描かれた例において多重度は2(二重項)、結合定数は約6.4Hz(参照符号40で表された両ピーク間の距離に相当)である。少なくとも1つの定量化すべき被検体に関する情報は、この実施例において、特にインターネット接続を使ってデータバンク照会により準備される。データバンク200(図1を参照)からNMR測定器10のデータ通信インタフェース28を介して呼び出されたデータは、制御装置26に転送される。
工程108において、少なくとも1つの準備された情報を使って、定量化すべき被検体のNMR信号の化学シフト42を2D−NMRスペクトル32から求める。被検体の化学シフト範囲36を使って、2D−NMRスペクトル32のデータセットにおいて先ずパラメータの合う現実の信号を探し、そこから“実際の”化学シフト42を求める。見合う信号、すなわち、化学シフト範囲36を使った上で評価可能な信号がデータセットにおいて求められない時は、更なる情報をデータセット200から改めて呼び出すことができる。あるいは代わりに、評価プロセスが首尾よく実行できなかったことをエラーメッセージ又はヒントとしてNMR測定器10のユーザに知らせることができる。
工程110において、定量化すべき被検体のNMR信号、特に定量化すべき被検体の一重項及び/又は多重項の所期のピーク位置(ここでは詳細に図示されていない)を求める。NMR信号の所期のピーク位置は、この実施例において、求められた(すなわち、実際の)化学シフト42と少なくとも1つの準備された情報、特に準備された評価可能な信号の多重度と準備された評価可能な信号の結合定数(参照符号40)を使って算出される。加えて、NMR信号の所期のピーク位置は、2D−NMRスペクトル32、特にJRESスペクトルからも、求められた(実際の)化学シフト42と少なくとも1つの準備された情報、特に準備された評価可能な信号の多重度(40)を使って求めることができる(ここでは詳細に図示されていない)。
工程112において、実際のピーク位置44を1D−NMRスペクトル30から求める。そのために、1D−NMRスペクトル30を例えば極大に向けて解析する。図6に、実際のピーク位置44をマーキングし、値を付けた上で図示された1D−NMRスペクトルの一例が描かれている。
工程114において、所期のピーク位置と実際のピーク位置44を使って、妨害信号ピーク位置を所期のピーク位置と実際のピーク位置44との差から求める(詳細に図示されていない)。
続いて工程116において、求められた妨害信号ピーク位置を使って、求められた化学シフト42を使って、また、少なくとも1つの準備された情報を使って、1D−NMRスペクトル30をモデル化する。モデル化は、ここで、ライン・フィッティング・アルゴリズムを使って、求められた妨害信号ピーク位置と求められた化学シフト42から出発し、ローレンツ・ガウス分布に関して、ライン幅に関して、強度に関して、結合定数に関して、また、ルーフ効果の影響に関して、それぞれフィットパラメータを最適化した上で行われ、ここでは、妨害信号ピークを一重項52としてモデル化する。こうして、純粋な、特に妨害信号ピークを除去されてモデル化された1D−NMRスペクトル50が作り出される。図7は、これに関して例示的に、工程116の実行の後/間の1D−NMRスペクトル30の切り取った一部分を示す。例示のデータセットの中にイソブタノールの二重項(参照符号50)――所望の被検体の定量化すべきNMR信号――があり、メタノールの妨害信号52(一重項)と重ね合わされている。準備された1D−NMRスペクトル30は、ライン・フィッティング・アルゴリズムの実行後、モデル化された1D−NMRスペクトル54を表す曲線54により再現される。探した被検体の定量化すべきNMR信号は、妨害信号ピークを除去されてモデル化された1D−NMRスペクトル50により再現される。
工程118において、モデル化された、特に妨害信号ピークを除去された1D−NMRスペクトル50を積分する。
工程120において、被検体を内部リファレンシング又は外部リファレンシングにより定量化する。被検体当たり2つ以上の信号が存在する時は、最後に定量化数値の平均値を算出することができる(詳細に図示されていない)。
工程122において、定量化の結果をNMR測定器10の制御装置26を使って更に処理し、特にNMR測定器10の出力装置16を使ってNMR測定器10のオペレータに宛てて出力する。この実施形態では、測定試料34の中の被検体の濃度を表すパーセント値を出力する。更に、被検体の定量化の結果を限界値と比較し、比較の結果を有色のLED(赤、黄、緑)を使って出力する(詳細に図示されていない)。
10 NMR測定器
12 ハウジング
14 入力装置
16 出力装置
18 ハンドル
20 第1のハウジング側
22 サポートエレメント
24 NMRセンサ
26 制御装置
28 データ通信インタフェース
30 1D−NMRスペクトル
32 2D−NMRスペクトル
34 測定試料
36 化学シフト範囲
38 評価可能な信号
42 化学シフト
44 実際のピーク位置
48 ピーク
50 モデル化された1D−NMRスペクトル
100 工程
102 工程
104 工程
106 工程
108 工程
110 工程
112 工程
114 工程
116 工程
118 工程
120 工程
122 工程
200 データバンク

Claims (10)

  1. 測定試料(34)、特に液体測定試料の中の被検体を自動的に定量化する方法であって、少なくとも、工程
    ・ 1D−NMRスペクトル(30)を準備する(工程100);
    ・ 2D−NMRスペクトル(32)、特にJRESスペクトル、HMBCスペクトル、HSQCスペクトル、COSYスペクトル及び/又はDOSYスペクトルを準備する(工程102);
    ・ 少なくとも1つの定量化すべき被検体に関する少なくとも1つの情報を準備する(工程106);
    ・ 少なくとも1つの準備された情報を使って前記2D−NMRスペクトル(32)から定量化すべき被検体のNMR信号の化学シフト(42)を求める(工程108);
    ・ 定量化すべき被検体のNMR信号、特に定量化すべき被検体の一重項及び/又は多重項の所期のピーク位置を求める(工程110);
    ・ 前記1D−NMRスペクトル(30)から実際のピーク位置(44)を求める(工程112);
    ・ 前記所期のピーク位置と前記実際のピーク位置(44)を使って妨害信号ピーク位置を求める(工程114);
    ・ 前記求められた妨害信号ピーク位置を使って、前記求められた化学シフト(42)を使って、また、前記少なくとも1つの準備された情報を使って、前記1D−NMRスペクトル(30)をモデル化する(工程116);
    ・ モデル化された、特に妨害信号ピークを除去された1D−NMRスペクトル(50)を積分する(工程118);
    ・ 内部リファレンシング又は外部リファレンシングにより被検体を定量化する(工程120)
    を特徴とする方法。
  2. 前記少なくとも1つの定量化すべき被検体を更なる工程(工程104)において指定することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記少なくとも1つの定量化すべき被検体に関する少なくとも1つの情報をデータバンク照会により準備することを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記少なくとも1つの準備された情報が、前記少なくとも1つの定量化すべき被検体について化学シフト範囲、評価可能な信号の数、評価可能な信号の多重度、及び/又は、評価可能な信号の結合定数を指定することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 前記定量化すべき被検体のNMR信号、特に定量化すべき被検体の一重項及び/又は多重項の所期のピーク位置を、前記求められた化学シフト(42)と、前記少なくとも1つの準備された情報、特に、評価可能な信号の準備された多重度と、評価可能な信号の準備された結合定数を使って算出することを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 前記定量化すべき被検体のNMR信号、特に定量化すべき被検体の一重項及び/又は多重項の所期のピーク位置を、前記求められた化学シフト(42)と、前記少なくとも1つの準備された情報、特に、評価可能な信号の準備された多重度を使って、前記2D−NMRスペクトル(32)から求めることを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 前記妨害信号ピーク位置を前記所期のピーク位置と前記実際のピーク位置(44)との差から求めることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 前記1D−NMRスペクトル(30)を、ライン・フィッティング・アルゴリズムを使って、前記求められた妨害信号ピーク位置と前記求められた化学シフト(42)から出発し、ローレンツ・ガウス分布に関して、ライン幅に関して、強度に関して、結合定数に関して、また、ルーフ効果の影響に関して、それぞれフィットパラメータを最適化した上でモデル化し、ここで、前記妨害信号ピークを一重項(52)としてモデル化することを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 前記被検体の定量化の結果を限界値と比較し、比較の結果を出力することを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 少なくとも1つのNMRセンサ(24)、NMR測定器(10)を制御し、前記NMRセンサ(24)から出された測定信号を評価する制御装置(26)、求められた情報を出力する出力装置(16、16’)、及びエネルギー供給装置、特にバッテリを具備するNMR測定器(10)、特に手持ち式のNMR測定器であって、前記NMR測定器(10)が、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法を実行すべく装置されていることを特徴とするNMR測定器。
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