JP2020521815A - ポリグルタミン病の治療 - Google Patents

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Abstract

【課題】SCAの疾患または病気を治療するための、幹細胞療法で用いられる方法、および、製品を提供する。【解決手段】本発明は、被検体のポリグルタミン病を治療する方法を提供し、方法は、被検体に、単位用量としての有効量の幹細胞を非経口または局所投与することを含む。投与は、1以上の治療サイクルで行われ、1つの治療サイクルは、2〜6週間の投与間隔で、それぞれ3単位用量を投与することを含む。

Description

本発明は、神経変性疾患の治療の分野に関する。本発明は、特に、幹細胞を用いてポリグルタミン病を治療する方法に関する。
運動失調症は、小脳、脳幹、および、脊髄小脳路に可変的に影響を及ぼす神経変性疾患のなかでも、臨床的および遺伝学的に異質である。脊髄小脳失調症(SCA)は、進行性かつ変性であり、致命的である。SCAは、神経組織の変性を含み、病変の首座は、小脳の核もしくは神経経路、脳幹、または、脊髄にある。SCAでは、広範囲にわたるニューロンの減少だけでなく、疾患の終末期における寝たきりや呼吸不全からも致命的な状態に陥る。最も一般的なSCAの属性のサブタイプは、ポリグルタミン媒介性SCA、すなわち、SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、および、SCA17である。
特許文献1は、脊髄小脳変性症を治療する方法を提供する。この方法は、脊髄小脳変性症を患う患者に、D−サイクロセリン、D−セリンエステル、D−セリン、および、その塩の中から選ばれた1つ以上を有効用量投与することを含む。特許文献2は、トレハロースを含む水性薬剤を静脈内に投与することによって、SCAの徴候または症状を緩和する方法に関する。
しかしながら、SCAに対する有効な薬物療法または潜在的療法は開示されていない。
したがって、SCAの徴候または症状を緩和する治療法が必要とされている。
米国特許第7,067,545号 米国特許第9,125,924号
本発明は、被検体のポリグルタミン病を治療する方法を提供する。方法は、被検体に、単位用量としての有効量の幹細胞を非経口または局所投与することを含む。投与は、1以上の治療サイクルで行われる。1つの治療サイクルは、2〜6週間の投与間隔で、それぞれ3単位用量を投与することを含む。
ある実施形態では、ポリグルタミン病は、これらに限定されないが、脊髄小脳失調症(SCA)、マチャド・ジョセフ病(MJD/SCA3)、ハンチントン病(HD)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、および、X連鎖球脊髄性筋萎縮症(SMAX1/SBMA)を含む。一実施形態では、SCAは、SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、または、SCA17である。
いくつかの実施形態では、間葉系幹細胞は、間葉系幹細胞(MSC)集団、脂肪組織由来幹細胞(ADSC)集団、眼窩脂肪由来幹細胞(OFSC)集団、または、四重陽性間質細胞(QPSC)集団である。
いくつかの実施形態では、細胞は、非経口投与、または、局所投与(脳内、または、頭蓋内投与など)されてよい。
いくつかの実施形態では、単位用量は、0.5×10〜5×1010細胞/体重(kg)である。
一実施形態では、投与は、1以上の治療サイクルで行われる。1つの治療サイクルは、2〜6週間(すなわち、2週間、3週間、4週間、5週間、または、6週間)の投与間隔で、それぞれ3単位用量を投与することを含む。さらなる実施形態では、間隔は、2週間である。
SCA3マウスの外見および行動を示す図である。 異種移植モデルにおけるQPSCの免疫寛容を示す図である。図は、3用量のQPSCを投与された後のマウスにおける安全性試験の組織病理学的所見を示している。QPSCで治療されたマウスの脳(A)、心臓(B)、腎臓(C)、肝臓(D)、肺(E)、膵臓(F)、または、脾臓(G)には、ほとんど病変が見られなかった(HE染色(400倍)による)。 QPSCがSCA3マウスの体重減少を阻止することを示す図である。QPSCによる治療前に週1回、治療後には2週間に1回、体重を記録した。3回目のQPSC注射の1か月後にマウスを死亡させた。(A)では、QPSCで治療する前は、SCA3マウスの体重は、野生型マウスよりも少ない。(B)および(C)では、QPSCがSCA3マウスの体重減少を防いでいる。 QPSCがSCA3マウスの表現型を変えることを示す図である。野生型(WT)マウス、および、SCA3トランスジェニック(TG)マウスは、いずれもQPSCの静脈内投与を3回受けた。QPSCによる治療の前後にModified SHIRPAを実行している。(A)は、骨盤挙上したSCA3マウスの表現型タイピングをQPSCが変えたことを示す。(B)および(C)では、QPSCは、握力テストにおいてSCA3マウスの表現型タイピングを変えている。 運動機能がほとんど低下していないSCA3マウスの運動機能を、3用量のQPSCが向上させたことを示す図である。野生型(WT)マウス、および、SCA3トランスジェニック(TG)マウスは、いずれもQPSCの静脈内投与を3回受けた。QPSCによる治療の前後にModified SHIRPA、および、ロータロッド試験を実行している。(A)および(B)は、QPSCによる治療後にマウスの運動および負の走地性能力が向上したことを示している。(C)は、3用量のQPSCを注射した後、SCA3マウス(Tg)のロータロッド能力が著しく向上したことを示している。 著しく運動機能が低下したSCA3マウスの運動機能を、3用量のQPSCが向上させることを示す図である。3回目のQPSC注射から1か月後に、マウスにフットプリント分析を行った。SCA3マウスの左前足(A)、右前足(B)、左後足(C)、および、右後足(D)の縮小した歩幅が、3用量のQPSCによって改善したことを示している。 SCA3マウスの歩行バランスを、3用量のQPSCが改善したことを示す図である。3回目のQPSC注射から1か月後に、マウスにフットプリント分析を行った。(A)および(B)は、マウスの前足および後足の足跡の位置をそれぞれ示し、(C)および(D)は、マウスの右足および左足の足跡の重なりをそれぞれ示す。3用量のQPSCは、SCA3によって縮小した歩幅を改善したばかりでなく、足跡がほぼ100%重なり続けるようにした。 静脈注射によるQPSCの頭蓋内局在化能力を示す図である。QPSCを尾静脈注射によって野生型マウスに移植し、移植後7日後に、定量リアルタイム逆転写PCR(RT−PCR)解析のために脳組織を切除した。マウスDNA(マウス18s rRNAによって検出)に対するヒトDNA(ヒトβ2ミクログロブリンによって検出)の比率は、約0.8%(No1のマウス)〜2.8%(No4のマウス)である。 QPSCがSCAマウスの小脳のプルキンエニューロン様細胞に分化する能力を有することを示す図である。(A)は、QPSCの3回の静脈注射(IV)による全身投与の1か月後、移植細胞のいくつかが、SCAマウスの小脳において軸索構造(矢印)を有するプルキンエニューロン様細胞に分化したことを示す。(B)は、3回の頭蓋内注射(皮内注射:IC)を経てもSCAマウスの小脳内にQPSCからのニューロン分化が見られないことを示す。 QPSCが強い免疫調節および抗ROS(活性酸素種)能力を有することを示す図である。(A)は、ヒトT細胞の増殖がCD3/28によって刺激され、刺激された増殖は、ステムカイマル(登録商標)との共培養によってどの混合比でも阻止されたことを示す図である(***は、有意差を示す。[P<0.05]、n=3)。(B)は、QPSCの抗H能力が、酸化ストレスに比較的耐性のある細胞であるヒトの角膜上皮細胞(HCE−T)の抗H能力を3倍上回ることを示す。 QPSCがSCAマウスの酸化ストレスに関連した運動機能の低下を阻止することを示す図である。(A)は、酸化ストレスの低い(低ROS)SCAマウスは、酸化ストレスの高い(高ROS)SCAマウスよりロータロッド能力が高いことを示す。(B)は、SCAマウス(Tg対照)の運動機能の低下が進行する一方で、QPSCを全身移植された高酸化ストレスのSCAマウス(Tg(QPSC高ROS))および低酸化ストレスのSCAマウス(Tg(QPSC低ROS))のうち、Tg(QPSC低ROS)群のロータロッド能力がTg対照群よりも高いことを示している(P<0.05)。野生型マウスを正常対照として比較した(WT(対照))。 QPSCがパラクリン神経栄養因子、および、組織成長因子を発現することを示す図である。(A)は、QPSC内のNT−3、NT−4、NGF、CNTF、BDNF、および、GDNFを含む神経栄養因子の遺伝子発現が内部標準遺伝子である18srRNAに対する定量PCRにより検出されたことを示す。QPSCにおけるEGF、FGF−β、および、VEGF(B)、および、PDGF、および、TGF−β1(C)のような組織因子をELISAで検査し、それらの因子の細胞内画分と分泌画分との間の濃度差を示す。 QPSCパラクリンが星状ニューロンの1−メチル1−4−フェニルピリジン(MPP)による減少を防ぐことを示す図である。ヒトアストロサイト細胞株であるSVG p12を1.25mMのMPPで処理し、異なる割合のQPSCで同時に共培養した。処理の24時間後、SVG p12の細胞数を数えた。MPPでの処理後にSVG p12の細胞数が著しく減少し、この現象は、QPSCの量を10倍にして共培養すると逆転することを示している。 QPSCがSCA3マウスのプルキンエニューロンの減少を防ぐことを示す図である。 QPSCがSCA3マウスのプルキンエニューロンの減少を防ぐことを示す図である。マウスの死後に小脳を採取した。採取した組織を固定し、さらなる組織病理学的分析のためにパラフィン包埋した。組織切片をヘマトキシリン・エオジン(HE)染色し、標的のプルキンエ細胞を免疫組織染色(IHC)した(抗カルビンジン抗体、ab11426、アブカム)。(A)では、運動機能が著しく低下したSCA3マウスは、野生型マウスに比べてプルキンエ細胞が小さくなり、変形したことが観察される。(B)および(C)では、SCA3マウスの小脳のプルキンエ細胞数が著しく減少したが、3用量のQPSCによってSCA3マウスのプルキンエニューロンの減少を阻止した。
ポリグルタミン病を治療するための、幹細胞療法で用いられる方法、および、製品が提供される。ポリグルタミン病は、それぞれのタンパク質内で長いポリグルタミン路をコードするシトシン−アデニン−グアニン(CAG)リピートの伸長によって起きる神経変性疾患群である。ポリグルタミン病は、非関連遺伝子の翻訳領域におけるCAGトリヌクレオチドリピートの病的な伸長によって特徴づけられる。翻訳されたポリグルタミンは、特定のニューロンの亜集団の機能不全および変性を引き起こす変性したニューロンに凝集する。本発明は、幹細胞を用いた治療計画によって、ポリグルタミン病で変性および/または損傷したニューロンの機能を回復させる有効な治療を実現する、という驚くべき発見をもたらした。
特に記載がない限り、技術用語は、従来どおりに用いられる。
本願明細書で使用される単数を表す冠詞は、特に明記しない限り単数および複数のどちらも意味する。
本願明細書で使用される用語「および」「または」は、接続語および離接語のいずれを意味してもよい。すなわち、いずれの用語も特に明記しない限り「および/または」と同等であると理解されたい。
本願明細書で使用される用語「治療」または「治療する」は、病気、症状、もしくは、疾患、または、徴候、副作用、もしくは、結果、または、それに関連する表現型を完全にもしくは一部改善する、または、緩和することを意味する。治療の望ましい効果は、これらに限定されないが、病気の発生または再発を防ぎ、症状を緩和し、病気の直接的または間接的な病理学的帰結を防ぎ、病気の進行速度を低下させ、病状を緩和することを含む。
本願明細書で使用される表現「病気の進行を遅らせる」とは、病気の進行を妨げる、遅くする、阻止する、止める、および/または、抑えることを意味する。この遅延の時間の長さは、病歴、および/または、治療される人によって異なってよい。
本願明細書で使用される用語である薬剤の「有効量」、例えば、医薬組成物、細胞、または、組成物の投与における「有効量」は、所望の結果を得るための投与量および必要な期間において有効な量を意味する。
本願明細書で用いられる用語、薬剤の「治療効果のある量」、例えば、医薬製剤、または、細胞などの「治療効果のある量」は、疾病、病気、または、疾患の治療に対して所望の治療結果、および/または、治療の薬物動態もしくは薬力学的効果を達成するために必要な投与量および期間での有効量を意味する。
本願明細書で用いられる「初回投与」とは、連続または逐次投与の前に行う所定の投与のタイミングを示す用語である。この用語は、被検体がそれまでに細胞療法の投与を受けたことがないこと、または、同じ細胞の投与を受けたことがないことを必ずしも意味しない。
本願明細書で用いられる用語「次の投与」とは、前の、例えば、初回投与の後に、他の投与を介在させずに同じ被検体に行う投与のことである。
本願明細書で用いられる用語「被検体」とは、ヒト、または、他の動物などの哺乳類であり、主としてヒトである。いくつかの実施形態では、被検体は、投与前に、疾病または病気を対象とする治療薬で治療されている。
本明細書で用いられる用語「医薬製剤」とは、内部に含まれる活性成分の生物活性を有効にする形態の調製物であり、投与される被検体に受け入れられない有毒な追加成分を含まない製剤を意味する。
本願明細書で用いられる用語「薬学的に許容できる担体」とは、活性成分以外の、被検体に対して毒性を示さない医薬製剤における成分のことを指す。薬学的に許容できる担体とは、これに限定されないが、緩衝液、賦形剤、安定剤、または、防腐剤を含む。
本発明の一側面は、被検体のポリグルタミン病を治療する方法を提供する。方法は、被検体に、単位用量としての有効量の幹細胞を非経口または局所投与することを含む。投与は、1以上の治療サイクルで行われ、1つの 治療サイクルは、2〜6週間の投与間隔で、それぞれ3単位用量を投与することを含む。
ある実施形態では、ポリグルタミン病は、これらに限定されないが、脊髄小脳失調症(SCA)、マチャド・ジョセフ病(MJD/SCA3)、ハンチントン病(HD)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、および、X連鎖球脊髄性筋萎縮症(SMAX1/SBMA)を含む。
いくつかの実施形態では、SCAは、ポリグルタミン媒介性SCAであり、好ましくは、SCAは、SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、または、SCA17である。より好ましくは、SCAは、SCA3である。
いくつかの実施形態では、間葉系幹細胞は、間葉系幹細胞(MSC)集団、脂肪組織由来幹細胞(ADSC)集団、眼窩脂肪由来幹細胞(OFSC)集団、または、四重陽性間質細胞(QPSC)集団である。
一実施形態では、QPSCは、米国特許出願第14/615,737に記載されているQPSCであり、少なくとも70%の細胞均一性を有し、CD273、CD46、CD55、および、CXCR4の細胞マーカを発現するが、CD45の細胞マーカは発現しない。CD273は、70%を上回る強度で積極的に発現する。
一実施形態では、ADSCは、米国特許公開公報第20120288480に記載されているOFSCであり、少なくともCD90、CD105、CD29、CD44、CD49b、CD49e、CD58、および、HLA−ABCは発現するが、CD133、CD31、CD106、CD146、CD45、CD14、CD117は発現しない。好ましくは、幹細胞は、QPSC集団である。
いくつかの実施形態では、細胞は、非経口投与、または、局所投与(脳内もしくは頭蓋内投与)されてよい。非経口投与は、筋肉内、静脈内、動脈内、または、皮下投与を含む。好ましくは、非経口投与は、静脈注射である。
いくつかの実施形態では、単位用量は、0.5×10〜5×1010細胞/体重(kg)である。いくつかの実施形態では、単位用量は、0.5×10〜5×10、0.5×10〜5×10、0.5×10〜5×10、0.5×10〜5×10、1.0×10〜5×1010、1.0×10〜5×10、1.0×10〜5×10、1.0×10〜5×10、または、1.0×10〜5×10細胞/体重(kg)である。
一実施形態では、投与は、1以上の治療サイクルで行われる。1つの治療サイクルは、2〜6週間(すなわち、2週間、3週間、4週間、5週間、または、6週間)の投与間隔で、それぞれ3単位用量を投与することを含む。さらなる実施形態では、間隔は、2週間である。本発明の治療サイクル数は、運動失調の評価尺度(SARA)によって決定される(Subramony SH、SARA−運動失調の新しい臨床評価尺度。Nat Clin Pract Neurol. 2007; 3(3):136−7;
Kim BR, Lim JH, Lee S, Park S, Koh SE, Lee IS, Jung H, Lee J.急性期脳卒中患者における運動失調の評価尺度(SARA)の有用性。Ann Rehabil Med.2011;35:772−780;Tan S,Niu HX,Zhao L等。運動失調の評価尺度の中国版の信頼性および有効性。Chin Med J.2013;126(11):2045−8)。SARAは、小脳性運動失調症(脊髄小脳、フリードライヒ、および、散発性運動失調症)の傷害レベルでの半定量評価に基づく臨床尺度である。SARAは、総スコア0(失調なし)〜40(最重度)で表す8つの能力に基づく尺度である。スコアは、歩行、立位、座位、言語障害、指追い試験、鼻−指試験、手の回内・回外運動、および、踵−すね試験の患者の成績に基づく。初回の治療サイクルの後、被検体の1か月間の総SARAスコアが5を上回れば、2回目以降の治療サイクルが実行される。
単位用量の幹細胞は、2〜6週間の間隔で投与される。間隔が2〜6週間ということは、単位用量の幹細胞が、2、3、4、5、または、6週間に1回投与されることを意味する。一実施形態では、投与間隔は、隔週である。一実施形態では、隔週の投与とは、単位用量の幹細胞が2週間に1回、すなわち、14日に1回、好ましくは、2週間ごとに同じ曜日に投与されることを意味する。隔週の投薬計画において、単位用量は、一般的に、約14日ごとに投与される。
幹細胞治療において、単位用量の投与は、単一の組成物としての所定量または数の細胞の投与、および/または、例えば、単回注射または持続注入などのような途切れない単回投与を含む。
いくつかの実施形態では、細胞は、例えば、他の治療的介入と同時に、または、いかなる順序で連続して行われる併用療法の一部として投与されてよい。いくつかの実施形態では、幹細胞は、1つ以上の追加の治療薬と共に、または、他の治療的介入と組み合わせて、同時に、または、いかなる順序で連続して投与される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬または他の治療法は、細胞集団の効果を高めるように、細胞の投与と十分近い時間に導入される、または、細胞集団は、追加の治療薬または他の治療法の効果を高めるように、追加の治療薬または他の治療法の導入と十分近い時間に投与される。いくつかの実施形態では、幹細胞は、1つ以上の追加の治療薬の前に投与される。いくつかの実施形態では、幹細胞は、1つ以上の追加の治療薬の後に投与される。
本発明の方法に用いられる幹細胞は、所定の用量またはその一部の量で投与されるための多数の細胞を含む単位用量形態の組成物などの医薬組成物、または、製剤として処方される。医薬組成物および製剤は、一般的に、1つ以上の任意の薬学的に許容できる担体または賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1つの追加の治療薬を含む。
担体の選択は、特定の幹細胞、および/または、投与方法によって一部決定される。
したがって、さまざまな適切な製剤がある。例えば、医薬組成物は、防腐剤を含んでよい。
薬学的に許容できる担体は、一般的に、用いられる量及び濃度では被検体に対して毒性がなく、これらに限定されないが、リン酸塩、クエン酸塩、および、他の有機酸などの緩衝液;アスコルビン酸、および、メチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(例えば、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ヘキサメトニウムクロリド、ベンザルコニウムクロリド、ベンズエトニウムクロリド、フェノール、ブチルまたはベンジルアルコール、メチルまたはプロピルパラベン等のアルキルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3−ペンタノール;およびm−クレゾール);
低分子量のポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、または、免疫グロブリン等のタンパク質;ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、または、リジン等のアミノ酸;グルコース、マンノース、または、デキストリンを含む単糖類、二糖類、および、他の炭水化物;EDTA等のキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロース、または、ソルビトールなどの糖類;ナトリウム等の塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体);および/または、ポリエチレングリコール(PEG)等の非イオン性界面活性剤を含む。ある側面では、組成物には、緩衝剤が含まれる。適切な緩衝剤は、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸、リン酸カリウム、および、他のさまざまな酸および塩を含む。いくつかの側面では、2つ以上の緩衝剤の混合物が用いられる。投与可能な医薬組成物の調製方法は、周知である。
製剤は、水溶液を含んでよい。製剤または組成物は、幹細胞で治療される特定の徴候、症状、または、状態に有益な複数の活性成分を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、疾病または病気を治療するのに有効な量、例えば、治療効果のある量の幹細胞を含む。いくつかの実施形態では、治療効果は、治療対象の定期評価によってモニタされる。所望の用量は、細胞の単回ボーラス投与、複数回ボーラス投与、または、連続注入によって提供されてよい。
幹細胞、および、組成物は、標準的な投与技術、剤形、および/または、装置を用いて投与されてよい。幹細胞の投与は、自己または異種投与であり得る。
滅菌注射液は、細胞を、滅菌水、生理食塩水、グルコース、デキストロースなどの適切な担体、希釈液、または、賦形剤と混合した溶媒に含ませることによって調製され得る。組成物は、投与経路、または、求められる調製によって、湿潤剤、分散剤、または、乳化剤(例えば、メチルセルロース)、pH緩衝剤、ゲル化または粘性促進添加物、防腐剤、香料、および/または、着色剤などの補助物質を含み得る。いくつかの側面では、適切な調製のために標準的な教科書を参照してよい。
抗菌性保存剤、抗酸化剤、キレート剤、および、緩衝剤を含む、組成物の安定性および無菌性を強化するさまざまな添加剤が添加され得る。さまざまな抗菌物質、および、抗真菌物質、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、および、ソルビン酸によって微生物の活動を確実に予防することができる。注射可能な医薬製剤の持続的吸収は、例えば、モノステアリン酸アルミニウム、および、ゼラチンなどの吸収遅延剤を用いることによってなされ得る。
[実施例]
I.動物モデル試験
材料および方法
動物および実験計画
・運動機能がほとんど低下していないマウス
MJD84.2(B6;CBA−Tg(ATXN3)84.2Cce/IbezJ)マウスを、ヒトの脊髄小脳失調3型としても知られるマチャド・ジョセフ病(MJD/SCA3)の疾患モデルとした。20〜34週齢のMJD84.2マウスを実験対象とした。これらのマウスに対して、modified−SHIRPA、フットプリント分析、および、ロータロッド試験を含む行動解析を行った。21、23、および、25週齢のマウスには、3回の被験物質の注射を2週間ごとに行った。実験計画の概要は以下のとおりである。
・運動機能が著しく低下したマウス
13匹のSCA3 Tg/0マウス(B6;CBA−Tg(ATXN3)84.2Cce/IbezJ)、および、8匹のC57BL/6 0/0野生型マウスは、すべてジャクソン研究所から得た。マウスを無作為に4つの実験群、(1)SCA3+細胞、(2)SCA3+リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、(3)野生型(Wt)+細胞、(4)Wt+PBSに分けた。SCA3 Tg/0マウスに著しい疾病表現型を認めた後、3回の被験物質の注射を2週間ごとに行った。実験計画の概要は以下のとおりである。
間葉系幹細胞
本実験のQPSCは、ステミネント社(Steminent Biotherapeutics Inc.)により製造された細胞製品であるヒトADSC(ステムカイマル(登録商標))である。PIC/SのGMPガイドラインに従い構築された細胞工場において、ADSCを体外培養拡張し、ステミネント社の標準作業手順によって品質管理を行った。手短に説明すると、健康なドナーから脂肪組織を採取し、低温(0〜5℃)に保たれたステミネント社の処理施設に直ちに移動させた。ADSCを単離し、精製した後、培養拡張の間は、ステミネント社の培地で維持した。継代12代のADSCは、CD273、CD46、CD55、および、CXCR4を高度に発現したQPSCとなり、凍結保存用バックに詰められた。製品(ステムカイマル(登録商標))は、品質証明および凍結保存のために送られた。ステムカイマル(登録商標)の品質管理は、工程内管理、および、製品リリーステストからなる。品質管理は、これらに限定されないが、生死判別試験、無菌性試験、マイコプラズマ試験、内毒検査、MSC表現型タイピング(CD73、CD90、および、CD105に対して陽性、CD34、CD45、CD11b、CD19、および、HLA−DRに対して陰性)、および、3系統分化能(骨、軟骨、脂質生成分化)を含む。
細胞投与
・運動機能がほとんど低下していないマウスを用いた検査
2.5×10細胞/体重(kg)のステムカイマル(登録商標)を解凍し、準備して1mlのインスリンシリンジ(29 1/2G)に充填した。解凍から1時間以内に細胞をゆっくり(15〜20秒間)注射した。
・運動機能が著しく低下したマウスを用いた検査
マウスを無作為に4つの実験群、(1)SCA3+細胞、(2)SCA3+PBS、(3)野生型(Wt)+細胞、(4)Wt+PBSに分けた。第1群および第3群のマウスそれぞれに2.5×10細胞/体重(kg)のステムカイマル(登録商標)を静脈注射した。総量125ulの細胞懸濁液(クライオソリューション(Biolife)、または、PBS(Gibco)中で1:1)を各マウスに投与した。
どちらの実験でも、注射後のマウスを毎日4時間モニタした。合計3回の細胞投与を2週間ごとに行った。
データ収集および解析
最後の被験物質の注射の1か月後にマウスを死亡させた。マウスの体重および落下するまでの滞在時間を全実験分記録した。被験物質の注射後、マウスの歩行能力について足跡の分析も行った。さらなる病理組織学的分析、および、生物学的分布検査のために、マウスの組織(皮質、小脳、心臓、腎臓、肝臓、脾臓、肺、および、尾)を採取した。
統計
データは、平均値±標準誤差として示されている。ロータロッド試験、および、フットプリント分析の結果をスチューデントのt検定(有意しきい値p<0.05)を用いて解析した。
運動協調性およびバランス評価
運動協調性、および、バランスをロータロッド装置(MK−670、室町機械株式会社、日本)で評価した。5分間で40rpmまで加速する一定速度(4rpm)のロータロッド装置にマウスを配置した。落下するまで、または、回り切るまでの(完全に回り切るまでロッドにしがみついている)時間を記録した。各試験でマウスに3回トライアルさせ、トライアル間の休憩時間は15分とした。各試験での各マウスの平均滞在時間を計算した。スチューデントのt検定を用いて試験の結果を統計的に解析した。
SHIRPAテスト
20、24、および、28週齢のマウスに対してModified SHIRPAテストを行った。SHIRPAプロトコルは、理研バイオリソース研究センターのModified SHIRPAプロトコルを修正したものである。テスト項目、および、採点基準を以下の表3に示す。
マウスの行動に基づいて採点した。検査群の全マウス数を100%として計算した。結果を、特定のスコアレベルのマウス数のパーセンテージとして示した。
フットプリント分析
最後の細胞投与後、マウスの足跡を約1か月間解析した。2015年1月に出版された刊行物によると、マウスの足をインクに浸した(前足を赤インク、後足を緑のインク)。その結果、マウスは、通路に沿って、ゴールの箱まで歩くまたは走りながら足跡を残した。トンネルの前で、マウスを1枚の紙(長さ50cm、幅10cm)の上に置いた。歩幅、揺れ、ステップ長、および、前足と後足の重なりによって歩き方がわかる(以下の図を参照)。すべてのマウスを3回走らせた後に死亡させた。
MTTアッセイ
・CD3T細胞単離
ヒストパック1077(シグマアルドリッチ)を用いて密度勾配遠心分離することによって、健康なドナーのヘパリン化全血からヒト末梢血単核細胞(PBMC)を単離した。その後、抗ヒトCD3抗体結合磁気粒子(BDバイオサイエンス)を製造業者の説明書どおりに用いて、PBMCからの正の選択によってCD3Tリンパ球を精製した。
・T細胞増殖アッセイ
精製されたヒトCD3T細胞(1×10細胞)を、96ウェルプレートにおいて、プレートに結合した抗CD3(2μg/ml)、および、抗CD28(2μg/ml)モノクローナル抗体(BDバイオサイエンス)で刺激し、10%ウシ胎児血清(FBS)、2mMl−グルタミン、100U/mlペニシリン、100U/mlストレプトマイシン、および、25mM HEPESを含有するRPMI−1640培地(Gibco)において、異なる数のADSCと共培養した。48時間後、各ウェルに5−ブロモ−2−デオキシウリジン(BrdU)を添加し、T細胞増殖を測定するために、さらに18時間、プレートをインキュベートした。BrdU細胞増殖ELISAキット(Roche)を製造業者の説明書どおりに用いて、T細胞に含まれるBrdUの量を測定した。
免疫組織染色(IHC)
QPSCの神経保護効果を評価すべく、C57BL/6J SCA2トランスジェニックマウスの尾静脈から(IV hMSC−Tg群)または、大後頭孔を介して小脳位置に(IC hMSC−Tg群)QPSCを注射した。ヒトβ2ミクログロブリン(Abcam、コード:ab15976)と反応した特定の抗体を選び、マウス脳の組織におけるヒト細胞を細胞組織染色によって示した。マウス切片(4μm)を顕微鏡スライドに載置した。切片を、キシレン、100%エタノール、95%エタノール、および、80%エタノールにおいて5分間隔で2回すすぐことによって再水和した。脱パラフィン後、切片を、ペルオキシダーゼの不活性化のために3%Hで処理し、抗原回復のために10mMクエン酸塩緩衝液(0.05%のTween20と共に)で加熱し、1%ブロッキング溶液(1%BSAおよび0.1%トリトンX−100)でブロッキングした(Chang等、Journal of Biomedical Science2011、18:54、http://www.jbiomedsci.com/content/18/1/54、9PBSの3ページ)。切片を、ブロッキング溶液で希釈した(1:400)特定の抗−ヒトβ2ミクログロブリンポリクローナル抗体(Abcam)と共に室温で40分間インキュベートした。PBSで3回よく洗浄した後、切片をブロッキング溶液で希釈した(1:1000)二次抗体と共に室温で40分間インキュベートした。EnVision検出システム(DAKO)を用いて一次抗体を検出し、ジアミノベンジジン(DAB;DAKO)で視覚化した。対比染色剤である水溶性ヘマトキシリン(シグマアルドリッチ)で着色した。直接比較のため、すべてのスライドを単一のバッチで処理してばらつきを最小限に抑えた。
安全性試験
・動物
C57BL/6マウスに、1/2ccのインスリンシリンジ、および、30G×3/8’’の注射針(Terumo、または、BDバイオサイエンス)を用いて3用量のQPSCを静脈注射した。注射の前に、尾静脈を拡張させるため、ケージの下に置いた加温パッドにて15分〜20分間マウスを温めた。死体解剖の前に、すべての動物をウレタン(2g/体重(kg)、シグマアルドリッチ)で麻酔し、下顎下静脈から、または、心穿刺によって血液を採取した。
血液サンプルの採集
血液分析のため、血液サンプル全体を、EDTA入り採血管(BDバイオサイエンス、カタログ番号365974)に集めた。血液化学分析のため、血液サンプル全体を、血清分離剤入り採血管(BDバイオサイエンス、カタログ番号365967)に集めた。
続いて、採血管を室温で20分立てておき、4℃で5分間、6000rpmの遠心分離にかけて血清を分離した。
肉眼的検死および組織採取
採血後、マウスの臓器を採取し、それぞれを2つの部分に分割した。
(1)臓器の半分を−80℃のフリーザーで保存し、その後、生物学的分布検査のために液体窒素容器に移して保存した。
(2)他の半分を固定し(4%パラホルムアルデヒド、シグマアルドリッチ)、組織病理学的分析のためにパラフィン包埋した。
定量PCR
トータルRNAミニプレップ精製キット(GMバイオラボ カタログ番号TR01)を製造業者の説明書どおりに用いて、QPSCまたはマウス組織から全RNAを抽出した。その後、cDNA合成のために2ステップMMLV RT−PCRキット(GMバイオラボ カタログ番号RP012−M)を用いた。選択された遺伝子の相対的発現分析のための定量PCRを、Fast SYBR(登録商標)Green Master Mix(Thermo カタログ番号4385612)を用いて行った。
ELISA
QPSCのEGF、FGF−b、VEGF、PDGF、および、TGF−b1の細胞内および分泌濃度を測定すべく、細胞溶解物、および、馴化培地を以下のように準備した。
凍結溶解法によってQPSCを溶解し、超遠心分離の後、細胞ライセートの上澄みを採取した。そして、馴化培地採取のため、QPSC培養の3日後に培地を採取した。最後に、上記成長因子の濃度を、製造業者の説明書に従い(R&D systems)、ELISAによって決定した。
神経細胞の共培養試験
ヒトアストロサイト細胞株であるSVG p12を1250uMの1−メチル−4−フェニルピリジン(MPP+)で処理し、異なる比率でQPSCと共培養した(SVG p12:QPSC=1:0.1〜1:10)。24時間後、SVG p12の細胞数を数えた。
[実施例1] QPSCは、SCA3の表現型を変化させる
QPSCは、SCA3マウスの表現型を変化させた。図1に示すように、SCA3マウスの首の付け根は、野生型マウスよりわずかに太く、QPSCでの治療後は、SCA3マウスの外見は、野生型マウスと同じように見える。modified SHIRPA(図4および図5)、フットプリント分析(図6および図7)、および、ロータロッド試験(図5の(C))などのさまざまな機能テストにおいても同様の改善結果が観察された。
[実施例2] 本発明の治療は、臓器組織への副作用なしに体重減少を阻止する
QPSCは、疾患が進行中のSCA3マウスの体重減少を阻止したが(図3)、3用量のQPSC(3回のQPSC投与)は、個々のSCA3マウスの完全な血球数(全血球数)(表4)、または、血液生化学(表5)のプロファイルには影響を及ぼさなかった。表4および表5は、QPSCを1週間ごとに3用量投与した25〜30週齢の野生型マウスの完全な血球数/血液生化学プロファイルは、食塩水を1週間ごとに3用量投与したものと何ら違いはないことを示している。組織病理学的分析は、3用量のQPSCを注射後の、さまざまな重要臓器組織における正常所見を示した(図2)。
データは平均値±標準偏差で示している。
データは、平均値±標準偏差で示している。
[実施例3] 本発明の治療を用いたマウスにおける免疫調節および抗ROS能力、および、神経栄養因子および成長因子の発現
インビトロ検査では、QPSCは、免疫調節および抗ROS能力を有する(図10)ばかりでなく、神経栄養因子および成長因子を発現する能力も有する(図12)。インビトロ検査は、QPSCで治療した後に酸化ストレスを受けたSCAマウスのロータロッド能力の向上を示した(図11)。さらに、QPSCは、インビトロ(図13)でもインビボ(図14−1および図14−2)でもニューロンの減少を防ぐことができるだろう。細胞が脳血液関門(BBB)を移動する可能性には疑問が呈されてきたが、QPSCの静脈注射による頭蓋内局在化能力が示されている(図8および図9)。
したがって、QPSCは、静脈注射を介してBBBを通り抜けて小脳に達し、SCA患者の神経細胞をROSおよび免疫過剰反応による損傷から保護する、と結論づけてよいだろう。さらに、QPSCは、神経栄養因子および成長因子を発現して多数の神経細胞を維持するので、ポリグルタミン脊髄小脳失調症、マチャド・ジョセフ病、ハンチントン病、DRPLA、および、SMAX1/SBMAなどのポリグルタミン病の進行を遅らせる。
II.ヒトの臨床試験
ポリグルタミン媒介性疾患(脊髄小脳失調症、マチャド・ジョセフ病、ハンチントン病、DRPLA、および、SMAX1/SBMAなど)を治療するために、無作為二重盲式プラセボ対照試験設計を用いて、ステムカイマル(登録商標)注射の治療効果および安全性を検査した。適格な被検体にステムカイマル(登録商標)を静脈注射する。
ポリグルタミン脊髄小脳失調症の一例として、被検体は、遺伝子型で確認済みの脊髄小脳失調2型または脊髄小脳失調3型にかかっている。被検体の基準SARAスコアは、5〜15である。
2.5×10細胞/体重(kg)のステムカイマル(登録商標)を解凍し、準備して、シリンジに充填した。解凍から1時間以内に細胞をゆっくり注入した。2週間ごとに3回、各被検体にステムカイマル(登録商標)を静脈注射して細胞を投与した。1以上の治療サイクル後、被検体のSARAスコアが低下し、SCA2またはSCA3の状態が改善した。

Claims (16)

  1. 被検体のポリグルタミン病を治療する方法であって、
    前記被検体に、単位用量としての有効量の幹細胞を非経口または局所投与することを含み、
    前記投与は、1以上の治療サイクルで行われ、
    1つの治療サイクルは、2〜6週間の投与間隔で、それぞれ3単位用量を投与することを含む、方法。
  2. 前記ポリグルタミン病は、脊髄小脳失調症(SCA)、マチャド・ジョセフ病(MJD/SCA3)、ハンチントン病(HD)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、または、X連鎖球脊髄性筋萎縮症(SMAX1/SBMA)を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記SCAは、SCA1、SCA2、SCA3、SCA6、SCA7、または、SCA17である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記SCAは、SCA2、SCA3、または、SCA6である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記SCAは、SCA3である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記幹細胞は、間葉系幹細胞(MSC)集団、脂肪組織由来幹細胞(ADSC)集団、眼窩脂肪由来幹細胞(OFSC)集団、または、四重陽性間質細胞(QPSC)集団である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記QPSC集団は、少なくとも70%の細胞均一性を有し、CD273、CD46、CD55、および、CXCR4の細胞マーカを発現するが、CD45の細胞マーカは発現せず、
    CD273は、70%を上回る強度で積極的に発現する、請求項1に記載の方法。
  8. 前記ADSCは、少なくともCD90、CD105、CD29、CD44、CD49b、CD49e、CD58、および、HLA−ABCは発現するが、CD133、CD31、CD106、CD146、CD45、CD14、CD117は発現しないOFSC集団である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記非経口投与は、筋肉内、静脈内、動脈内、または、皮下投与を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記非経口投与は、静脈内投与を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記局所投与は、脳内または頭蓋内投与を含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記局所投与は、頭蓋内投与を含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記単位用量は、0.5×10〜5×1010細胞/体重(kg)である、請求項1に記載の方法。
  14. 初回の治療サイクルの後、前記被検体の総SARAスコアが1か月間で5を上回れば、次の治療サイクルが実行される、請求項1に記載の方法。
  15. 前記投与間隔は、隔週である、請求項1に記載の方法。
  16. 前記幹細胞は、1つ以上の追加の治療薬と共に、または、他の治療的介入と組み合わせて、同時に、または、いかなる順序で連続して投与されることができる、請求項1に記載の方法。
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