JP2020520650A - 胸腺細胞上清を産生するための方法 - Google Patents

胸腺細胞上清を産生するための方法 Download PDF

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Abstract

本明細書においては、ホルボール-12-ミリステート-13-アセテートおよびフィトヘマグルチニンMの存在下において、胸腺細胞と単核細胞とを少なくとも0.5:1.2の細胞比で最長60時間にわたり共培養する段階、ならびに該細胞から共培養培地を分離することにより、胸腺細胞上清を産生する段階を含む、胸腺細胞上清を産生するための方法が記載される。

Description

本明細書においては、胸腺細胞上清を産生するための改良された方法が記載される。この上清は例えば、単一細胞として捕集されたB細胞またはB細胞プールのフィーダー細胞との共培養において使用することができる。
発明の背景
モノクローナル抗体を分泌する細胞を得るためには、Koehler and Milsteinによって開発されたハイブリドーマ技術が広く使用される。しかし、ハイブリドーマ技術においては、免疫化された実験動物個体から得られたB細胞の一部のみを融合および増殖できるにすぎない。B細胞の供給源は一般に、免疫化された実験動物個体の脾臓のような臓器である。
Zubler et al.は1984年に、モノクローナル抗体を分泌する細胞を得るための異なるアプローチを開発し始めた(例えばEur.J.Immunol. 14(1984) 357-63(非特許文献1)、J.Exp.Med. 160(1984) 1170-1183(非特許文献2)を参照のこと)。その中では、B細胞は免疫化された実験動物個体の血液から得られ、フィーダー混合物を構成するサイトカインの存在下においてマウスEL-4 B5フィーダー細胞と共培養される。
Kwekkeboom, J. et al.(J.Immunol.Meth. 160(1993) 117-127)(非特許文献3)によって、マウス胸腺腫細胞系によるヒトBリンパ球の活性化に基づく、ヒトモノクローナル抗体を生成する効率よい手順が記載された。彼らは、ヒトB細胞の培養条件にはPMA(5ng/ml)および5% T細胞上清の存在下で照射EL4B5を含むべきであると記載した。
Weitkamp, J-H., et al.(J.Immunol.Meth. 275(2003) 223-237)(非特許文献4)は、蛍光ウイルス様粒子を用いて選択された単一の抗原特異的B細胞からの、ロタウイルスに対する組み換えヒトモノクローナル抗体の生成について記載している。
Weber, M.,et al.(J.Immunol.Meth. 278(2003) 249-259)(非特許文献5)は、ヒト抗Scl-70自己抗体断片をうまく単離するために、EL4-B5に基づくB細胞の刺激とファージディスプレイ技術を組み合わせることについて記載した。
複数のコグネイト抗原に対する複数の単離抗体を産生する方法は、米国特許第2006/0051348号(特許文献1)において記載されている。
国際公開公報第2008/144763号(特許文献2)および国際公開公報第2008/045140号(特許文献3)においては、IL-6に対する抗体およびその使用ならびに抗原特異的B細胞のクローナル集団を得るための培養法がそれぞれ記載されている。
抗原特異的B細胞のクローナル集団を得るための培養法は、米国特許第2007/0269868号(特許文献4)において記載されている。
Masri et al.(Mol.Immunol.44(2007) 2101-2106)(非特許文献6)は、炭疽毒素に対する、単一ヒトリンパ球から得られた機能性Fab断片の大腸菌(E.coli)におけるクローニングおよび発現について記載している。
免疫グロブリンライブラリを調製する方法は、国際公開公報第2007/031550号(特許文献5)において記載されている。
国際公開公報第2011/147903号(特許文献6)においては、IL-1β、TNFα、IL-10、ならびにIL-21、SAC、BAFF、IL-2、IL-4、およびIL-6から選択される1つまたは複数を含む合成フィーダー混合物の存在下において共培養が行われる、単一B細胞培養法について記載されている。
国際公開公報第2013/076139号(特許文献7)においては、CD40Lを発現する哺乳動物細胞およびその使用について記載されている。
米国特許第7,807,415号(特許文献8)においては、安定性の不死化Bリンパ球を産生する方法が記載されている。
EP 0 488 470(特許文献9)においては、抗体を産生する方法が記載されている。
国際公開公報第2015/000624号(特許文献10)においては、ヒツジB細胞とホルボールミリステートアセテート(PMA)との共培養について記載されている。
国際公開公報第2012/178150号(特許文献11)においては、抗原特異的抗体産生細胞系およびモノクローナル抗体を開発する方法について記載されている。
D.S.Verma et al.(Scand.J.Haem. 28(1982) 254-263)(非特許文献7)は、ヒトにおけるTリンパ球からのコロニー刺激活性の産生に対する単球-マクロファージ調節について記載した。
米国特許第2006/0051348号 国際公開公報第2008/144763号 国際公開公報第2008/045140号 米国特許第2007/0269868号 国際公開公報第2007/031550号 国際公開公報第2011/147903号 国際公開公報第2013/076139号 米国特許第7,807,415号 EP 0 488 470 国際公開公報第2015/000624号 国際公開公報第2012/178150号
Zubler et al.(Eur.J.Immunol. 14(1984) 357-63) Zubler et al.(J.Exp.Med. 160(1984) 1170-1183) Kwekkeboom, J. et al.(J.Immunol.Meth. 160(1993) 117-127) Weitkamp, J-H., et al.(J.Immunol.Meth. 275(2003) 223-237) Weber, M.,et al.(J.Immunol.Meth. 278(2003) 249-259) Masri et al.(Mol.Immunol.44(2007) 2101-2106) D.S.Verma et al.(Scand.J.Haem. 28(1982) 254-263)
本明細書においては、胸腺細胞上清(TSN)を産生するための改良された方法について記載する。本発明の方法によって得られる上清は、好適な共培養培地における、任意の供給源由来のものであってよい単一細胞として捕集されたB細胞のフィーダー細胞との共培養における添加剤として使用することができる。
当技術分野において公知の方法で産生されたTSNは高度のロット間変動を示す。その結果、使用前にロットの特徴付けを行って、パフォーマンスの低いロットは廃棄し(またはより高い濃度で使用し)なければならず、それがコストの増加につながってしまう。
本発明は、少なくとも部分的には、TSNの調製中にマクロファージ濃度を増加させることにより、より信頼性の高い産生プロセスがもたらされるという知見に基づく。さらに、本発明に従った方法で産生されたTSNは、B細胞のフィーダー細胞との共培養における添加剤として使用された場合に、該共培養で得られるIgG分泌B細胞数の増加、およびより高いIgG濃度をもたらす。より高いIgG濃度が得られるので、各々のB細胞によって分泌された抗体を特徴付ける、より多くのアッセイを培養ごとに行うことができる。
本明細書において記載されるある局面は、以下の段階を含む、胸腺細胞上清を産生するための方法である:
・ホルボール-12-ミリステート-13-アセテート(PMA)およびフィトヘマグルチニンM(PHA-M)の存在下において、胸腺細胞と単核細胞(マクロファージ)とを0.5:1.2またはそれ以上の細胞比で最長60時間にわたり共培養する段階、ならびに
・該細胞から共培養培地を分離することにより、胸腺細胞上清を産生する段階。
ある態様において、胸腺細胞対単核細胞の比は0.5:1.2〜0.5:6または0.5:1.2〜0.5:4である。ある好ましい態様において、比は約0.5:2である。
ある態様において、比は培養培地1mlごとのものである。
ある態様において、胸腺細胞の細胞密度は約5×105細胞/ml(0.5×106細胞/ml)である。
ある態様において、胸腺細胞は(若齢の)実験動物個体の胸腺から得られる。ある態様において、胸腺細胞はT細胞である。
ある態様において、共培養段階の前に、胸腺細胞は、培養培地において37℃で最長60時間にわたりインキュベートされる。ある態様において、このインキュベート段階は約30〜46時間である。
ある態様において、胸腺細胞と単核細胞との共培養段階は約30〜46時間である。
ある態様において、単核細胞は(成体の)実験動物個体の血液から単離される。ある態様において、単核細胞は(成体の)実験動物個体のPBMCから単離される。ある態様において、単核細胞は(成体の)実験動物個体のPBMCから固体表面への接着によって単離される。ある態様において、単離は、1×106細胞/mlの細胞密度で行われる。ある好ましい態様において、単核細胞はマクロファージである。ある態様において、単核細胞は、胸腺細胞との共培養段階の前に培養培地において最長60時間にわたり、ある態様においては、30〜48時間、培養される。
ある態様において、胸腺細胞と単核細胞との共培養段階の前に、胸腺細胞の培養培地は、10ng/ml ホルボール-12-ミリステート-13-アセテート(PMA)および5μg/ml フィトヘマグルチニンM(PHA-M)を含有する新鮮な培地で置き換えられる。
ある態様において、単核細胞から培養培地を除去して胸腺細胞懸濁液を添加することによって、共培養段階が開始される。
ある態様において、単核細胞の培養培地はEL4-B5培地である。ある態様において、培地は、FCS、グルタミン/ペニシリン/ストレプトマイシン、ピルビン酸ナトリウム、4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)緩衝液およびβ-メルカプトエタノールを添加した、ロズウェルパーク記念研究所培地(RPMI)である。
全ての局面のある態様において、培養および/または共培養段階は、10%(v/v)FCS、ペニシリンおよびストレプトマイシンを含む1%(w/v)の200 mM グルタミン溶液、2%(v/v)の100 mM ピルビン酸ナトリウム溶液、ならびに1%(v/v)の1 M 2-(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジン)-エタンスルホン酸(HEPES)緩衝液を添加した、0.05μM β-メルカプトエタノールをさらに含むRPMI 1640培地を含む培地において行われる。
本明細書において記載されるある局面は、以下の段階を含む1つまたは複数のB細胞を共培養するための方法である:
・本明細書において記載される方法で産生されたTSNの存在下において1つまたは複数のB細胞をEL4-B5細胞と共培養する段階。
ある態様において、共培養段階は黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)Cowan株細胞(SAC)および本明細書において記載される方法で産生された胸腺細胞培養上清を用いて行われる。
ある態様において、本方法はB細胞を共培養するためのものである。ある好ましい態様において、B細胞は単一細胞として捕集されたB細胞である。
ある態様において、共培養段階は5〜10日間行われる。
本明細書において記載されるある局面は、本明細書において記載される方法で産生されたTSNの存在下において1つまたは複数のB細胞とEL4-B5フィーダー細胞とを共培養する段階を含む、抗体を産生するための方法である。
ある態様において、1つもしくは複数のB細胞を共培養するための方法、または抗体を産生するための方法は、共培養段階の前に以下の段階を含む:
・1〜4個の蛍光色素/フルオロフォアで標識化されたB細胞集団のB細胞を単一細胞として捕集する段階。
共培養の結果得られるものはB細胞クローンであり、即ち、単一B細胞の子孫細胞であるB細胞集団である。
ある態様において、B細胞集団は非ヒト動物B細胞集団である。ある態様において、B細胞集団はマウスB細胞集団、またはハムスターB細胞集団、またはウサギB細胞集団である。ある好ましい態様において、B細胞集団はウサギB細胞集団である。
ある態様において、B細胞集団はヒトB細胞集団である。
全ての局面のある態様において、B細胞集団は密度勾配遠心分離法によって血液から得られる。
全ての局面のある態様において、B細胞は成熟B細胞である。
全ての局面のある態様において、単一細胞はマルチウェルプレートのウェルに(個々に)置かれる。
ある態様において、動物は実験動物である。ある態様において、実験動物はマウス、ハムスター、およびウサギから選択される。ある態様において、実験動物はウサギである。
定義
本明細書における「抗体」という用語は、天然に存在するその構造変異体を含む、天然に存在する抗体を意味するように使用される。
例えば、天然の(ヒト、マウス、ラット、ウサギの)IgG抗体は、分子量約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。天然のIgG抗体は2つの同一の軽鎖と2つの同一の重鎖からなり、鎖間および鎖内にジスルフィド結合が含まれ、4つ全ての鎖が互いに共有結合している。N末端からC末端まで、各々の重鎖は可変重鎖ドメインまたは重鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VH)を有し、3つの定常ドメイン(CH1、CH2、およびCH3)が続き、第1および第2の定常ドメインの間にはフレキシブルなヒンジ領域が位置する。抗体の重鎖はその配列およびドメイン構造によって、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMと呼ばれる5つのタイプのうち1つに区別され得る(抗体の「クラス」)。これらのうち幾つかは、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2のようなサブクラス(アイソタイプ)にさらに分けられ得る。免疫グロブリンの異なるクラスに相当する重鎖定常ドメインは各々α、δ、ε、γ、およびμと呼ばれる。同様に、N末端からC末端まで、各々の軽鎖は可変軽鎖ドメインまたは軽鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VL)を有し、定常軽鎖ドメイン(CL)が続く。抗体の軽鎖は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づきカッパ(κ)およびラムダ(λ)と呼ばれる2つのタイプのうち1つに区別され得る。
例えば、天然の(ラクダ科の動物、即ち、ラクダ、ヒトコブラクダおよびラマを含むラクダ科(Camelidae)、核脚亜目(Tylopoda)由来の)重鎖のみの抗体(VHH抗体)は、通常のIgG重鎖において認められるような標準的なCH1ドメインを含んでおらず、したがって、抗体のヒンジCH2-CH3ドメインにVHHドメインが直接融合して発現される。例えばラマのVHH抗体の可変領域配列は、ヒトVH3ファミリーの可変ドメインにおける配列に類似している(Schroeder et al., Int.Immunol. 2(1989)41-50)。IgG型の抗体と比べて、ラマのVHHドメインにおけるCDR3ドメインアミノ酸配列は概して、重鎖および軽鎖を含む標準的なIgG型抗体のほとんどのCDR3ドメインよりも長い。標準的なIgG抗体と同様に、VHH抗体におけるCDRの位置は当技術分野において周知の方法によって決定することができる(例えば米国特許第5,637,677号を参照のこと)。鎖の境界面の形成には残基11、37、44、45および47が重要である(例えば国際公開公報第99/42077号を参照のこと)。
「抗体断片」は、インタクトな抗体の部分のみを含み、該インタクト抗体が結合するものと同じ抗原に結合する、インタクトな抗体(IgG/VHH=4鎖/2鎖)以外の分子を指す。抗体断片の例は、非限定的に、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2;ダイアボディ;線型抗体;一本鎖抗体分子(例えばscFv);シングルドメイン抗体;および抗体断片から形成された多特異性抗体を含む。
「細胞」という用語は、プラスミドの増殖に使用される原核細胞、および核酸の発現に使用される真核細胞の双方を含む。ある態様において、真核細胞は哺乳動物細胞である。ある態様において、哺乳動物細胞はCHO細胞、任意でCHO K1細胞(例えばATCC CCL-61もしくはDSM ACC 110)、またはCHO DG44細胞(CHO-DHFR[-]としても知られる、例えばDSM ACC 126)、またはCHO XL99細胞、CHO-T細胞(例えばMorgan, D., et al., Biochemistry 26(1987)2959-2963を参照のこと)、またはCHO-S細胞、またはSuper-CHO細胞(Pak,S.C.O., et al., Cytotechnol. 22(1996) 139-146)、またはBHK細胞、またはNS0細胞、またはSp2/0細胞、またはHEK 293細胞、またはHEK 293 EBNA細胞、またはPER.C6(登録商標)細胞、またはCOS細胞である。これらの細胞が血清を含まない培地または懸濁液における成長に適応しない場合、本方法における使用以前に適応化を行うことができる。本明細書において使用されるように、「細胞」という語句は対象細胞およびその子孫細胞を含む。したがって、「形質転換体」および「形質転換細胞」という語は、移行または継代培養の数に関わらず初代の対象細胞およびそこから由来する培養細胞をも含む。意図的な、または偶発性の突然変異によって、全ての子孫細胞がDNA量において正確に同一ではない可能性があることも理解される。元の形質転換細胞においてスクリーニングされたものと同じ機能または同じ生物学的活性を有する変異型子孫細胞は含まれる。
「クローン」という用語は、単一のB細胞から生じる/を起源とする、分裂および抗体分泌を行うB細胞集団を意味する。したがって、B細胞クローンは均一なB細胞集団であり、モノクローナル抗体を産生する。
「実験動物」という用語は、ヒトではない動物を意味する。ある態様において、実験動物はラット、マウス、ハムスター、ウサギ、ラクダ、ラマ、ヒトではない霊長類、ヒツジ、イヌ、ウシ、ニワトリ、両生類、サメおよび爬虫類から選択される。ある態様において、実験動物はウサギである。
本明細書において使用される「発現」という用語は、細胞内で生じる転写および/または翻訳および分泌のプロセスを指す。細胞における関心対象の核酸配列の転写レベルは、細胞中に存在する、相当するmRNA量に基づいて決定することができる。例えば、関心対象の配列から転写されたmRNAをqPCRまたはRT-PCRまたはノーザンハイブリダイゼーションで定量することができる(Sambrook, et al., Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.(1989)を参照のこと)。核酸によってコードされるポリペプチドは、該ポリペプチドを認識および結合する免疫グロブリンを用いて、例えばELISAのような様々な方法で該ポリペプチドの生物学的活性をアッセイすることによって、または、ウエスタンブロッティングもしくは放射免疫測定法のような活性に依存しないアッセイを使用することによって定量できる(Sambrook, et al.,(1989), 上記を参照のこと)。
例えば、ポリペプチドのアミノ酸配列を、該アミノ酸配列をコードする相当の核酸配列に転換する、およびその逆を行う手法および方法は当業者には周知である。したがって、核酸は個々のヌクレオチドからなるその核酸配列によって特徴付けられ、同様に、それによってコードされるポリペプチドのアミノ酸配列によって特徴付けられる。
「発現カセット」は、プロモーターおよびポリアデニル化部位のような、少なくとも含有される核酸を細胞内で発現させるために必要な調節エレメントを含む構築物を意味する。
発現は、一時的な発現または安定的な発現のいずれかで行うことができる。抗体は一般に、それを産生する細胞によって培養培地に分泌される。したがって、未成熟な抗体鎖は、該抗体の細胞壁を通した細胞外培地への輸送/分泌に必要な、N末端伸長領域(シグナル配列としても知られる)を含有する。一般に、抗体を組換え生成するためのシグナル配列は、分泌されるポリペプチドをコードする任意の遺伝子に由来することが可能である。異種シグナル配列が使用される場合、それは宿主細胞によって認識およびプロセシングされる(即ちシグナルペプチダーゼによって切断される)ものである。例えば酵母における分泌のためには、発現される異種遺伝子の天然のシグナル配列を、酵母インベルターゼシグナル配列のような、分泌されるポリペプチドの遺伝子に由来する同種酵母シグナル配列、αファクターリーダー配列(サッカロミセス(Saccharomyces)、クリベロミセス(Kluyveromyces)、ピキア(Pichia)、およびハンゼヌラ(Hansenula)αファクターリーダー配列を含む、第2のものについては米国特許第5,010,182号において説明される)、酸性ホスファターゼシグナル配列、またはC.アルビカンス(C.albicans)グルコアミラーゼシグナル配列(EP 0 362 179)で置き換えることができる。哺乳動物細胞では、同種または関連種の他の分泌ポリペプチドからのシグナル配列のような他の哺乳動物シグナル配列、または例えば単純ヘルペスウイルスグリコプロテインDシグナル配列のようなウイルス分泌性シグナル配列も好適となり得るが、天然のシグナル配列で十分である。そのようなプレセグメントをコードするDNA断片は、抗体鎖をコードするDNA断片にインフレームでライゲートされ、即ち、機能的に連結される。
「発現機構」という用語は、核酸または遺伝子の転写段階から始まり、該核酸にコードされるポリペプチドの翻訳後修飾までの遺伝子発現段階に関与する、細胞の酵素、補助因子等の総称を意味する(即ち「遺伝子発現機構」とも呼ばれる)。発現機構は例えば、DNAのプレmRNAへの転写、プレmRNAの成熟mRNAへのスプライシング、mRNAのポリペプチドへの翻訳、およびポリペプチドの翻訳後修飾の段階を含む。
「発現プラスミド」または「発現ベクター」は、宿主細胞において含まれる構造遺伝子の発現について必要とされる全ての要素を提供する核酸である。発現プラスミド/ベクターは典型的に、例えば大腸菌については複製起点、および選択可能なマーカー、真核細胞選択マーカー、ならびに各々がプロモーター、構造遺伝子、任意で転写ターミネーターおよびポリアデニル化シグナルを含む関心対象の構造遺伝子の発現のための1つまたは複数の発現カセットを含むような原核細胞プラスミド増殖ユニットを含む。遺伝子発現は通常プロモーターの制御下に置かれ、そのような構造遺伝子は該プロモーターに「機能的に連結される」と言われる。同様に、調節エレメントがコアプロモーターの活性を調節する場合、該調節エレメントと該コアプロモーターは機能的に連結されている。
「フィーダー混合物」という用語は、B細胞の活性化および/もしくは生存ならびに/または抗体の分泌を促進する成長因子、サイトカインおよび/またはさらなるタンパク質のような異なる添加剤の組み合わせを意味する。本明細書においてフィーダー混合物は、定義付けられないサイトカインの組み合わせである天然フィーダー混合物ではなく、即ち、胸腺細胞の培養上清(TSN)から得られるものではない。本明細書において記載される方法においてフィーダー混合物は、存在する場合には、B細胞の活性化および/もしくは生存ならびに/または抗体の分泌を促進する、組換え生成された、または化学的に合成された異なる添加剤の組み合わせ、即ち成長因子、サイトカイン、インターロイキンおよびPMAの定義付けられた組み合わせであるような合成フィーダー混合物である。
「宿主細胞」、「宿主細胞系」、および「宿主細胞培養」という用語は言い換え可能なように使用され、外来性の核酸が導入された細胞とそのような細胞の子孫細胞を含めて指す。宿主細胞は、形質転換された初代細胞と、継代数に関わらずそこから由来する子孫細胞を含む、「形質転換体」または「トランスフェクタント」および「形質転換細胞」および「トランスフェクトされた細胞」を含む。子孫細胞は核酸量において親細胞と完全に同一でなくてもよく、突然変異を含有し得る。本明細書においては、元の形質転換細胞においてスクリーニングまたは選択されたものと同じ機能または生物学的活性を有する突然変異子孫細胞が含まれる。
「ヒト抗体」は、ヒトもしくはヒト細胞によって産生される抗体のアミノ酸配列、またはヒト抗体レパートリーもしくは他のヒト抗体コード配列を利用した、非ヒト供給源に由来する抗体のアミノ酸配列に相当するアミノ酸配列を有する抗体である。ヒト抗体のこの定義は特定的に、非ヒト抗原結合基を含むヒト化抗体を除外する。
「標識化する」という用語は、特異的に結合する標識抗表面マーカー抗体の細胞への結合/非結合によって決定され得る、表面マーカーの存在または不在を決定するプロセスを意味する。したがって、表面マーカーの存在は例えば蛍光標識の場合、標識化された個々の特異的結合抗表面マーカー抗体と細胞または細胞集団とをインキュベートした後の蛍光の発生によって決定される一方、表面マーカーの不在は蛍光の不在によって決定される。
本明細書において使用される「モノクローナル抗体」という用語は、可能な変異型抗体を除き、例えば一般に少量存在する変異体であって天然に存在する突然変異を含有する抗体またはモノクローナル抗体調製物の産生中に生じる突然変異を含有する抗体を除き、単一の細胞クローンによって産生される実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体、即ち該集団を構成する抗体であって、同一である、および/または同じエピトープに結合する個々の抗体を指す。異なる決定基(エピトープ)に対して指向する異なる抗体を典型的に含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、モノクローナル抗体調製物中の各モノクローナル抗体はある抗原上の1つの決定基に対して指向する。したがって、修飾語句の「モノクローナル」は、実質的に均一な抗体集団から得られるような抗体の特徴を示し、特定の方法による抗体の産生が必要であるとは解釈されない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、非限定的に、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の全てまたは部分を含有するトランスジェニック動物を利用する方法、モノクローナル抗体を作製するための本明細書において説明される方法および他の典型的な方法を含む、様々な技術によって作製することができる。
「PMA」という用語は、小化合物のホルボール-12-ミリステート-13-アセテートを意味する。そのIPUAC名は(1aR,1bS,4aR,7aS,7bS,8R,9R,9aS)-9a-(アセチルオキシ)-4a,7b-ジヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)-1,1,6,8-テトラメチル-5-オキソ-1a,1b,4,4a,5,7a,7b,8,9,9a-デカヒドロ-H-シクロプロパ[3,4]ベンゾ[1,2-e]アズレン-9-イルミリステートである。この化合物はTPA、12-O-テトラデカノイルホルボール-13-アセテート、テトラデカノイルホルボールアセテート、テトラデカノイルホルボールアセテート、ホルボールミリステートアセテート、12-O-テトラデカノイルホルボール 13-アセテート、12-テトラデカノイルホルボール 13-アセテート、12-テトラデカノイルホルボール 13-モノアセテート、13-O-アセチルホルボール12-ミリステート、4β-ホルボール 12-ミリステート13-アセテート、ミリスチン酸、1,1aα,1bβ,4,4a,7aα,7b,8,9,9a-デカヒドロ-4aβ 9-エステル、7bα,9β,9aα-テトラヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)-1,1,6,8α-テトラメチル-5H-シクロプロパ[3,4]ベンズ[1,2-e] アズレン-5-オン 9a-アセテート,(+)-,ホルボール 12-ミリステート 13-アセテート、ホルボール 12-テトラデカノエート13-アセテート、ホルボールミリステートアセテート、PMA、PMA(腫瘍プロモーター)、テトラデカン酸、(1aR,1bS,4aR,7aS,7bS,8R,9R,9aS)-9a-(アセチルオキシ)-1a,1b,4,4a,5,7a,7b,8,9,9a-デカヒドロ-4a,7bジヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)-1,1,6,8-テトラメチルl-5-オキソ-1H-シクロプロパ[3,4]ベンズ[1,2-e]アズレン-9-イルエステル、テトラデカン酸、9a-(アセチルオキシ)-1a,1b,4,4a,5,7a,7b,8,9,9a-デカヒドロ-4a,7b-ジヒドロキシ-3-(ヒドロキシメチル)-1,1,6,8-テトラメチル-5-オキソ-1H-シクロプロパ[3,4]ベンズ[1,2-e]アズレン-9-イルエステル、[1aR(1aα,1bβ,4aβ,7aα,7bα,8α,9β,9aα)]-、TPAおよびTPA(ホルボール誘導体)をも意味する。
「トランスフェクションプラスミド/ベクター」は、トランスフェクションプラスミド/ベクターに含まれるコード核酸/構造遺伝子の宿主細胞における発現のための全ての必要な要素を提供する核酸(核酸分子を意味することもある)である。トランスフェクションプラスミド/ベクターは、原核細胞プラスミド増殖ユニット、例えば、大腸菌については順に原核細胞複製起点、および原核細胞選択薬への耐性を与える核酸を含み、真核細胞選択薬への耐性を与える1つまたは複数の核酸、および関心対象のポリペプチドをコードする1つまたは複数の核酸をさらに含む。選択薬への耐性を与える核酸および関心対象のポリペプチドをコードする核酸は各々発現カセット内に置かれ、各発現カセットはプロモーター、コード核酸、およびポリアデニル化シグナルを含む転写ターミネーターを含む。遺伝子発現は通常、プロモーターの制御下に置かれ、そのような構造遺伝子はプロモーターに「機能的に連結される」と言われる。同様に、調節エレメントがコアプロモーターの活性を調節する場合、該調節エレメントと該コアプロモーターは機能的に連結されている。
「可変領域」または「可変ドメイン」という用語は、抗体のその抗原への結合に関与する抗体の重鎖または軽鎖の領域を指す。天然の抗体の重鎖および軽鎖の可変ドメイン(各々VHおよびVL)は一般に、各ドメインが4つの保存フレームワーク領域(FR)および3つの超可変領域(HVR)を含むという類似の構造を有する(例えば、Kindt,T.J., et al., Kuby Immunology, 6th ed., W.H.Freeman and Co., N.Y.(2007), page 91を参照のこと)。1つのVHドメインまたはVLドメインは抗原結合特異性を与えるのに十分であり得る。さらに、特定の抗原に結合する抗体は、該抗原に結合する抗体からのVHドメインまたはVLドメインを用いて相補的なVLドメインまたはVHドメインのライブラリを各々スクリーニングして単離することができる(例えばPortolano, S., et al., J.Immunol. 150(1993)880-887;Clackson, T.et al.,Nature 352(1991)624-628を参照のこと)。
「若齢動物」という用語は、性成熟が起こる前の動物を意味する。例えば若齢ハムスターは6週齢未満、特に4週齢未満のものである。例えば若齢マウスは8週齢未満、特に5週齢未満のものである。若齢ウサギは8週齢未満、特に約5週齢のものである。
「ロズウェルパーク記念研究所(Roswell Park Memorial Institute)培地(RPMI)」という用語は、以下の組成を有する培地を意味する:
最終培地中の成分[mg/L]:
Figure 2020520650
Figure 2020520650
ある態様において、単核細胞の培養培地は、各々450mlのRPMI培地に50ml ウシ胎仔血清(FCS)、5ml グルタミン/ペニシリン/ストレプトマイシン混合物(100×;10.000単位のペニシリン、10.000μg ストレプトマイシンおよび29.2mg/ml L-グルタミン、10 mM クエン酸緩衝液中)、10ml ピルビン酸ナトリウム溶液、5ml 1M HEPES緩衝液、500μl(50 mM)β-メルカプトエタノールを添加した、改変されたロズウェルパーク記念研究所培地(RPMI)である。
詳細な説明
以下において本発明はウサギB細胞を用いて例証される。これは一例であり、限定と解釈されるべきではない。本発明は任意の供給源のB細胞を用いて実施することができる。
A.本発明以前のTSNの産生
ウサギ胸腺細胞上清(TSN)を調製することによってウサギ特異的サイトカインを生成した。そのために、ウサギT細胞およびウサギマクロファージが使用された(例えばWeber, M.,et al.,J. Immunol. Meth.(2003);Steenbakkers, P.G., et al., Mol.Biol.Rep.(1994)を参照のこと)。ウサギT細胞前駆細胞は4〜5週齢のウサギの胸腺から単離することができる(例えば国際公開公報第2011/147903号;Seeber, S., et al., PLoS ONE(2014)e86184を参照のこと)。
簡潔に言うと、細胞培養フラスコにおいて、培養培地に胸腺細胞を5×105細胞/mlの細胞密度で播種し、37℃で約48時間インキュベートする。成体ウサギの血液から単離されたPBMCを使用し、培養培地において細胞密度1〜3×106細胞/mlで37℃で接着させることによって、単球/マクロファージを濃縮させる。接着された単球/マクロファージを培養培地において約48時間培養する。異なるウサギ個体から得られるT細胞およびマクロファージは別々のフラスコに維持する。T細胞とマクロファージを混合する前にT細胞を遠心分離し、10ng/ml ホルボール-12-ミリステート-13-アセテート(PMA)および5μg/mlフィトヘマグルチニンM(PHA-M)を含有する培養培地中に5×105細胞/mlの細胞密度で再懸濁する。マクロファージ培養から培地を除去し、T細胞懸濁液で置き換え、マクロファージの最終濃度を1×106細胞/mlとする。48時間の共培養の後、T細胞/マクロファージ調整済み培地を取り出し、(TSN)と名付ける。
以下の表において、上記に概要を述べた方法によって産生されたTSNロットの特徴が示される(図1、左図も参照のこと;実施例10記載の方法で産生されたTSNを使用して実施例12記載の方法を用いて得られた)。
(表)
Figure 2020520650
したがって、当技術分野の公知の方法によって産生されたTSNロットでは、高いロット間変動が示される。その結果、パフォーマンスの低いTSNロットを同定し、廃棄しなければならないか、またはB細胞の共培養においてより多くの量を加えなければならないが、そのいずれも特にコストの増加をもたらす。
B.本明細書において記載される、本発明の新規の方法を用いたTSNの産生
本明細書においては、胸腺細胞上清(TSN)を産生するための改良された方法が記載される。本明細書において記載される方法によって産生されるTSNは、好適な共培養培地における任意の供給源由来の単一細胞として捕集されたB細胞のフィーダー細胞との共培養において添加剤として使用することができる。
本発明は、少なくとも部分的には、TSNの調製中にT細胞に対するマクロファージの比率を増加させると、B細胞とフィーダー細胞の共培養における添加剤として使用された場合により高い全IgG濃度をもたらすようなTSN調製物が導かれるという知見に基づく。これにより今度は、培養上清当たりにより多くのアッセイを行えるという有益な効果がもたらされる。さらに、この改善により、TSNロットの廃棄率が減少する。
本明細書において記載されるある局面は、以下の段階を含む、胸腺細胞上清を産生するための方法である:
・ホルボール-12-ミリステート-13-アセテート(PMA)およびフィトヘマグルチニンM(PHA-M)の存在下において、胸腺細胞と単核細胞とを0.5:1.2またはそれ以上の細胞比で最長60時間にわたり共培養する段階、ならびに
・該細胞から共培養培地を分離することにより、胸腺細胞上清を産生する段階。
ある態様において、胸腺細胞対単核細胞の細胞比は0.5:1.2〜0.5:4である。ある態様において、比は0.5:1.5〜0.5:3である。ある好ましい態様において、比は約0.5:2である。
ある態様において、胸腺細胞の細胞密度は約5×105細胞/ml(0.5×106細胞/ml)である。
ある態様において、胸腺細胞は(若齢の)実験動物個体の胸腺から得られる。ある態様において、胸腺細胞はT細胞である。
ある態様において、共培養の前に、胸腺細胞は、培養培地において37℃で最長60時間にわたりインキュベートされる。ある態様において、このインキュベート段階は、約30〜46時間であり、ある好ましい態様においては、約40時間である。
ある態様において、単核細胞は(成体の)実験動物個体の血液から単離される。ある態様において、単核細胞は(成体の)実験動物個体のPBMCから単離される。ある態様において、単核細胞は固体表面への接着によって(成体の)実験動物個体のPBMCから単離される。ある態様において、単離は1〜3×106細胞/mlの細胞密度で、ある好ましい態様においては約2×106細胞/mlの細胞密度で行われる。ある好ましい態様において、接着された単核細胞はマクロファージである。ある態様において、胸腺細胞との共培養の前に、接着された単核細胞を、培養培地において最長60時間にわたり、ある好ましい態様においては、約40〜48時間、培養する。
ある態様において、胸腺細胞と単核細胞との共培養の前に、胸腺細胞の培養培地は、10ng/ml ホルボール-12-ミリステート-13-アセテート(PMA)および5μg/ml フィトヘマグルチニンM(PHA-M)を含有する新鮮な培地に置き換えられる。
ある態様において、単核細胞から培養培地を除去して胸腺細胞懸濁液を加えることによって、共培養が開始される。
ある態様において、単核細胞の培養培地はEL4-B5培地である。ある態様において、培地は、FCS、グルタミン/ペニシリン/ストレプトマイシン、ピルビン酸ナトリウム、HEPES緩衝液およびβ-メルカプトエタノールを添加したRPMI 1640培地である。
胸腺細胞(T細胞)と単核細胞(マクロファージ)との共培養において存在するマクロファージの量に依存して、即ち、該細胞の比率に依存して、産生されるTSNが異なる特性を示すことが認められた。以下の表において各々の結果が示される(総ウェル=4*84)。
(表)
Figure 2020520650
以下の表において、本明細書において記載される本発明に従った方法で産生されたTSNロットの特徴が示される(図1、右図も参照のこと;実施例9記載の方法によって産生されたTSNを使用し、実施例12記載の単一細胞として捕集されたB細胞を用いて得られた)。
(表)
Figure 2020520650
したがって、本明細書において記載される本発明の方法によって産生されたTSNロットでは、ロット間変動が低減することが示される。さらに、培養上清における分泌IgG濃度が増加する。
C.本明細書において記載される本発明の方法を用いて産生されたTSNを使用したB細胞クローニングプロセス
免疫化
治療用抗体を生成するために、治療標的を用いて(単独で、または免疫原性刺激物質と組み合わせて)非ヒト動物を免疫化して免疫応答を誘発する、または、ファージディスプレイライブラリのような合成的アプローチを使用する。トランスジェニック動物(即ちヒト免疫系を有する)またはヒトファージディスプレイライブラリを使用すれば、ヒト抗体が得られる。さもなければその後ヒト化される非ヒト動物抗体が得られる。まれな可能性として、疾患から回復したヒトの血液から潜在的な治療用抗体が得られることがある。
しばしば、マウス、ウサギ、ハムスターおよびラットのような非ヒト動物は、抗体に基づく治療法を評価するための動物モデルとして使用される。したがって通常、非ヒト動物抗原だけではなくヒト抗原にも結合する交差反応性の抗体を提供することが必要である。
本明細書において記載される方法においては、任意の供給源から得られるB細胞、例えばある態様においては1つまたは複数のヒト、マウス、ハムスターまたはウサギのB細胞を使用することができる。
ウサギB細胞の場合、フィーダー細胞はウサギCD40Lを発現するマウスEL4-B5細胞またはCHO細胞もしくはBHK細胞もしくはHEK細胞のような哺乳動物細胞のいずれかであり得る。ある態様において、ウサギはニュージーランドホワイト(NZW)ウサギ、ツィマーマンウサギ(ZIKA)、Alicia突然変異系ウサギ、basilea突然変異系ウサギ、ヒト免疫グロブリン遺伝子座を有するトランスジェニックウサギ、rbIgMノックアウトウサギ、およびそれらの交雑種からなる群より選択される。
ヒトB細胞の場合、フィーダー細胞はヒトCD40Lを発現するマウスEL4-B5細胞またはCHO細胞もしくはBHK細胞もしくはHEK細胞のような哺乳動物細胞のいずれかであり得る。
マウスB細胞の場合、フィーダー細胞はマウスCD40Lを発現するマウスEL4-B5細胞またはCHO細胞もしくはBHK細胞もしくはHEK細胞のような哺乳動物細胞のいずれかであり得る。ある態様において、マウスはNMRIマウスまたはbalb/cマウスである。
ハムスターB細胞の場合、フィーダー細胞はハムスターCD40Lを発現するマウスEL4-B5細胞またはCHO細胞もしくはBHK細胞もしくはHEK細胞のような哺乳動物細胞のいずれかであり得る。ある態様において、ハムスターはアルメニアンハムスター(Cricetulus migratorius)、チャイニーズハムスター(Cricetulus griseus)、およびシリアンハムスター(Mesocricetulus auratus)からなる群より選択される。ある態様において、ハムスターはアルメニアンハムスターである。
ある態様において、免疫化のために選択される非ヒト動物、例えばマウス、ハムスターおよびウサギは12週齢以下である。
B細胞の供給源および単離
血液からは、多様性の高い抗体産生B細胞が提供される。そこから得られるB細胞クローンはCDR内にほとんど同一ではない、またはほとんど重複しないアミノ酸配列を有する抗体を分泌するため、高度な多様性を示す。
ある態様において、例えば血液由来のB細胞は、非ヒト動物の免疫化4日後から免疫化または直近の追加免疫の遅くとも9日後に採取される。この期間により、本明細書にて記載される方法における高い適応力が可能になる。この期間には、最も親和性の高い抗体を提供するB細胞が脾臓から血液に移動する可能性が高い(例えば、Paus, D.,et al., JEM 203(2006) 1081-1091;Smith, K.G.S., et al., The EMBO J. 16(1997) 2996-3006;Wrammert, J.,et al., Nature 453(2008) 667-672を参照のこと)。
例えば非ヒト動物の血液またはヒトの血液に由来するB細胞は、当技術分野において公知の任意の方法を用いて得ることができる。例えば、密度勾配遠心分離法(DGC)または赤血球溶解(溶解)を使用することができる。低張溶解と比較して密度勾配遠心分離法ではより高い全収率、即ちより多いB細胞クローン数が提供される。加えて、密度勾配遠心分離法で得られた細胞からは、共培養段階においてより多くの細胞が分裂および成長する。また、分泌される抗体の濃度も、別の方法によって得られる細胞より高い。したがって、ある態様においては密度勾配遠心分離法によってB細胞集団が提供される。
共培養の前の選択段階
ある抗原に特異的に結合する抗体を産生するB細胞を、例えば末梢血単核細胞(PBMC)から濃縮させることができる。したがって、本明細書において記載される全ての方法のある態様において、B細胞集団は末梢血単核細胞(PBMC)から濃縮される。
本明細書において記載される全ての方法のある態様において、PBMCからマクロファージを枯渇(deplete)させる。これはウサギ起源のB細胞の共培養段階にとって有利である。マクロファージは細胞培養プレート表面への接着によってPBMCから枯渇させることができる。
本明細書において記載される方法のある態様において、B細胞はタンパク質免疫化動物個体由来のものであり、標識化の前にマクロファージが枯渇される。
抗原に結合する抗体を産生しない細胞、または同様に、抗原に結合する抗体を産生する細胞は、パニングアプローチを使用することによって各々減少させるか、または濃縮させることができる。パニングにおいては、各々の抗原がある表面に接着されて提示され、そこに結合する細胞を、細胞集団において/から選択的に濃縮させることができる(この場合、表面付着抗原に結合した細胞はさらに加工される)。
本明細書において記載される方法はある態様において、単一細胞として捕集する前に、特異的および/または非交差反応性の抗体を産生するB細胞が細胞表面マーカーおよび蛍光標識細胞分取/ゲーティングに基づいて選択される選択段階を含む。ある態様において、成熟B細胞が選別/濃縮/選択される。異なる非ヒト動物種由来のB細胞を選択するためには、異なる細胞表面マーカーを使用することができる。
非標的細胞集団および非特異的結合リンパ球を標識化することにより、それらの細胞を選択的に枯渇させることができる。そのような枯渇段階においては、部分的な枯渇が達成され得るにすぎない。枯渇が定量的ではないにもかかわらず、干渉する細胞の数が減るため、その後に行われる残存細胞の蛍光標識化にとって好都合となる。蛍光標識細胞分取を用いて成熟B細胞(メモリーB細胞、親和性成熟形質芽球および形質細胞)を単一細胞として捕集することによって、共培養段階においてより多くのIgG+ウェル数/捕集された単一細胞数を得ることができる。
異なる細胞集団は例えばCD3+細胞(T細胞)、CD19+細胞(B細胞)、IgM+細胞(成熟ナイーブB細胞)、IgG+細胞(成熟B細胞)、CD38+細胞(例えば形質芽球)、およびIgG+CD38+細胞(プレ形質細胞)のような異なる表面マーカーを使用することによって特異的に標識化することができる。
メモリーB細胞、形質芽球、および形質細胞のような成熟IgG+B細胞を選択するために免疫蛍光標識法を利用することができる。B細胞の選択または濃縮のために、細胞は一重標識または二重標識または三重標識される。総細胞集団のうち約0.1%〜2.5%の標識細胞画分をもたらすような標識化も有益である。
ある態様において、集団のうちの0.1%〜2.5%のB細胞上に、別の態様においては集団のうちの0.3%〜1.5%のB細胞上に、さらなる態様においては集団のうちの0.5%〜1%のB細胞上に存在する表面分子の標識化によって選択された単一細胞としてB細胞が捕集される。
ある態様において本方法は、細胞がウサギ起源である場合、標識化はIgG+ B細胞および/またはCD138+ B細胞を標識するものではないという条件のものである。
本明細書において記載される全ての方法のある態様において、非免疫化非ヒト動物から、またはヒトから得られたB細胞からIgG+CD19+ B細胞が単一細胞として捕集される。
(表)成熟マウス(A〜J)、ハムスター(K)およびウサギ(L〜N)のB細胞を決定するための免疫蛍光標識化
Figure 2020520650
ある態様において、本方法はB細胞集団のマクロファージを枯渇させて、標的抗原に特異的に結合する抗体を分泌するB細胞集団のB細胞を濃縮させる段階を含む。
全ての局面のある態様において、B細胞集団は非ヒト動物B細胞集団である。ある態様において、B細胞集団はマウスB細胞集団、またはハムスターB細胞集団、またはウサギB細胞集団である。ある好ましい態様において、B細胞集団はウサギB細胞集団である。
ある態様において、B細胞集団はヒトB細胞集団である。
全ての局面のある態様において、B細胞は成熟B細胞である。
全ての局面のある態様において、単一細胞がマルチウェルプレートのウェルに(個々に)置かれる。
全ての局面のある態様において、捕集された細胞は、1個または3個の蛍光色素で標識化され、インキュベーションは、2〜4個の蛍光標識抗体を用いて行われる。
全ての局面のある態様において、B細胞集団のB細胞の標識化の結果、(総)B細胞集団の0.1%〜2.5%の細胞の標識がもたらされる。
全ての局面のある態様において、標識化はB細胞表面IgGを標識化するものである。
全ての局面のある態様において、インキュベーションは蛍光標識抗IgG抗体および蛍光標識抗IgM抗体を用いて行われ(標識化は細胞表面IgGおよび細胞表面IgMを標識化するものである)、選択は細胞表面IgG陽性および細胞表面IgM陰性の細胞を選択するものである(その結果、IgG+IgM- B細胞の単一細胞として捕集される)。
全ての局面のある態様において、インキュベーションは蛍光標識抗IgG抗体および蛍光標識抗軽鎖抗体を用いて行われ(標識化は細胞表面IgGおよび細胞表面抗体軽鎖を標識化するものである)、選択は細胞表面IgG陽性および細胞表面抗体軽鎖陽性の細胞を選択するものである(その結果、IgG+LC+B細胞の単一細胞として捕集される)。
全ての局面のある態様において、インキュベーションは蛍光標識抗IgG抗体および蛍光標識抗IgM抗体を用いて行われ(標識化は細胞表面IgGおよび細胞表面IgMを標識化するものである)、選択は細胞表面IgG陽性および細胞表面IgM陰性の細胞を選択するものである(その結果、IgG+IgM- B細胞の単一細胞として捕集される)。そこでは、固体表面上に固定化された(標的)抗原とB細胞集団をインキュベートし、固定化された抗原に結合したB細胞(のみ)を回収し、蛍光標識抗体とのインキュベーションに供した。
全ての局面のある態様において、インキュベーションは蛍光標識抗IgG抗体および蛍光標識抗CD19抗体を用いて行われ(標識化は細胞表面IgGおよび細胞表面CD19を標識化するものである)、選択は細胞表面IgG陽性であり、細胞表面CD19陽性でもある細胞を選択するものである(その結果、IgG+CD19+ B細胞の単一細胞として捕集される)。
全ての局面のある態様において、インキュベーションは蛍光標識抗IgG抗体および蛍光標識抗CD38抗体を用いて行われ(標識化は細胞表面IgGおよび細胞表面CD38を標識化するものである)、選択は細胞表面IgG陽性であり、細胞表面CD38陽性でもある細胞を選択するものである(その結果、IgG+CD38+ B細胞の単一細胞として捕集される)。
前の全ての態様のある態様において、インキュベーションは、付加的に蛍光標識抗軽鎖抗体(標識化は他の2つの標識に加え、細胞表面抗体軽鎖を標識化するものである)を用いて行われ、選択は、細胞表面抗体軽鎖陽性の細胞を選択するものである(その結果、LC+ B細胞の単一細胞として捕集される)。
全ての局面のある態様において、B細胞集団はウサギB細胞集団であり、インキュベーションは蛍光標識抗IgG抗体を用いて行われ(標識化は細胞表面IgGを標識化するものである)、選択は細胞表面IgG陽性の細胞を選択するものである(その結果、IgG+ B細胞の単一細胞として捕集される)。
全ての局面のある好ましい態様において、B細胞集団はウサギB細胞集団であり、インキュベーションは蛍光標識抗IgG抗体および蛍光標識抗IgM抗体を用いて行われ(標識化は細胞表面IgGおよび細胞表面IgMを標識化するものである)、選択は細胞表面IgG陽性および細胞表面IgM陰性の細胞を選択するものである(その結果、IgG+IgM- B細胞の単一細胞として捕集される)。
前の全ての態様のある態様において、ウサギB細胞のインキュベーションは、付加的に蛍光標識抗軽鎖抗体を用いて行われ(標識化は他の2つの標識に加え、細胞表面抗体軽鎖を標識化するものである)、選択は、細胞表面抗体軽鎖陽性の細胞を選択するものである(その結果、LC+ B細胞の単一細胞として捕集される)。
全ての局面のある態様において、B細胞集団はハムスターB細胞集団であり、インキュベーションは蛍光標識抗IgG抗体および蛍光標識抗IgM抗体を用いて行われ(標識化は細胞表面IgGおよび細胞表面IgMを標識化するものである)、選択は細胞表面IgG陽性および細胞表面IgM陰性の細胞を選択するものである(その結果、IgG+IgM- B細胞の単一細胞として捕集される)。
全ての局面のある態様において、B細胞集団はマウスB細胞集団であり、インキュベーションは蛍光標識抗IgG抗体を用いて行われ(標識化は細胞表面IgGを標識化するものである)、選択は細胞表面IgG陽性の細胞を選択するものである(その結果、IgG+ B細胞の単一細胞として捕集される)。
全ての局面のある態様において、B細胞集団はマウスB細胞集団であり、インキュベーションは蛍光標識抗IgG抗体および蛍光標識抗CD19抗体を用いて行われ(標識化は細胞表面IgGおよび細胞表面CD19を標識vするものである)、選択は細胞表面IgG陽性であり、細胞表面CD19陽性でもある細胞を選択するものである(その結果、IgG+CD19+ B細胞の単一細胞として捕集される)。
ある態様において、動物は実験動物である。ある態様において、実験動物はマウス、ハムスター、およびウサギから選択される。ある態様において、実験動物はウサギである。
単一細胞として捕集する段階
本明細書において記載される方法はB細胞集団のB細胞を単一細胞として捕集する段階を含む。本明細書において記載される全ての方法のある態様において、単一細胞として捕集する段階は、蛍光標識細胞分取(FACS)によって行われる。FACSで単一細胞を捕集するために必要な標識化に使用される表面マーカーは、本明細書において概要を述べられる特定のマーカーの組み合わせであり得る。
単一細胞として捕集する段階は、標識化されたB細胞調製物をフローサイトメーターに導入し、1〜3個の蛍光標識で標識化された細胞を単一細胞として捕集することによって行われる。セルソーターにおいて細胞を選択するために使用されるもののようなより多くの蛍光色素と共に細胞をインキュベートすることができるため、特定の表面マーカーの存在について、および同時に(任意で)他の表面マーカーの不在について、細胞を選択することができる。
標識化および単一細胞として捕集する段階は、意図する特徴を有する抗体を産生する可能性が低いB細胞を枯渇させてB細胞集団の複雑性を低減させるために行われる。標識化された抗体がB細胞の表面上に提示される特異的なポリペプチドと結合することによって、陽性の選択標識が提供される。同様に、例えば2つのうち1つの蛍光標識を有する(即ち、2つの蛍光標識抗体とのインキュベーションを行ったが、そのうち1つのみがB細胞に結合する)細胞のように、B細胞が共にインキュベートされた標識抗体の数よりも少ない数の蛍光色素だけで標識化された細胞を選択することもできる。B細胞集団の個々のB細胞への蛍光標識抗体の結合/非結合に基づいて、マイクロ流体選別装置を用いて標的B細胞を同定および分離することができる。選択と同時に、標識の量を決定することもできる。
単一細胞として捕集する段階の後、かつ共培養段階より前に、付加的な遠心分離段階によって、抗体を分泌する細胞の数および分泌されるIgG量を増加させることができる。
本明細書において記載される全ての方法のある態様において、本方法は、フィーダー細胞との共培養の前に、単一細胞として捕集された細胞を遠心分離する段階を含む。ある好ましい態様において、遠心分離段階は300×gにおいて5分間行われる。
共培養
単一細胞として捕集されたB細胞は、本明細書において記載される方法で産生されたTSNの添加剤としての存在下でフィーダー細胞と共培養することができる。ある態様において、B細胞はフィーダー細胞としてのマウスEL-4 B5細胞と共培養される。
フィーダー細胞との共培養段階は、多くの付加的な段階を先行させることができ、また多くの付加的な段階を後に続けることもできる。
本明細書において記載される方法で産生されたTSNを使用することによって、共培養約7日後に、即ち5日、6日、7日または8日後に、特に7日または8日後に、培養上清中に高濃度の抗体を得ることができる。そこで得られた量の抗体を用いて、例えば結合特異性に関してより詳細に抗体を特徴付けるために、数多くの異なる解析を行うことができる。スクリーニング/選択プロセスのこの早期の段階で抗体のより改善された特徴付けを行うことによって、実施すべき、必要な核酸単離および配列決定反応の数を減らすことができる。加えて、B細胞クローンによってモノクローナル軽鎖および重鎖可変領域をコードする一定量のmRNAが提供され、それにより縮重PCRプライマーの使用が可能になり、高度に特異的なプライマーが不要になる。また、必要とされるPCRサイクル数も減少する。したがって、ある態様において逆転写PCRは、軽鎖および重鎖可変ドメイン用の縮重PCRプライマーを用いて行われる。
本明細書において記載される全てのB細胞共培養法のある態様においては、本明細書にて記載される方法で胸腺細胞培養上清が得られる。
共培養された細胞の特徴付け
共培養後に分泌されたIgGを(定性的および定量的に)測定するために、ELISA法のような当業者に公知の全ての方法を一般に使用することができる。本明細書において記載される全ての方法のある態様においては、ELISA法が用いられる。
特徴付けの結果に依存して、B細胞クローンを得ること、即ち選択することができる。「クローン」という用語は、単一B細胞から生じる/を起源とする、分裂しかつ抗体を分泌するB細胞集団を意味する。したがってB細胞クローンはモノクローナル抗体を産生する。
本明細書において記載される方法を用いるさらなる方法:
本明細書において記載されるある局面は、以下の段階を含む、(免疫グロブリンを産生するために)1つまたは複数のB細胞を共培養するための方法である:
・本明細書において記載される方法で作製されたTSNの存在下において1つまたは複数のB細胞をフィーダー細胞と共培養する(およびそれによって免疫グロブリンを産生する)段階。
ある態様において、本方法は以下の段階をさらに含む:
・細胞または培養培地から免疫グロブリンを回収し、それによって免疫グロブリンを産生する段階。
ある態様において、免疫グロブリンは抗体である。
ある態様において、共培養段階はさらに、1.5〜7.25ng/mlのホルボールミリステートアセテートの存在下において行われる。
ある態様において、共培養段階はさらに、黄色ブドウ球菌Cowan株細胞(SAC)の存在下において行われる。
ある態様において、フィーダー細胞は(マウス)EL4-B5細胞である。
ある態様において、方法はB細胞を共培養するためのものである。ある好ましい態様において、B細胞は単一細胞として捕集されたB細胞である。
ある態様において、共培養段階は5〜14日間行われる。
共培養の結果得られるのは、B細胞クローン、即ち、単一B細胞の子孫細胞であるB細胞の集団である。
ある態様において、1つまたは複数のB細胞を共培養するための方法は、共培養段階の前に以下の段階を含む:
・1〜3個の蛍光色素/フルオロフォアで標識化されたB細胞集団のB細胞を単一細胞として捕集する段階。
ある態様において、1つまたは複数のB細胞を共培養するための方法は、共培養段階の前に以下の段階を含む:
・異なる蛍光色素に各々が連結されている抗体であり、異なるB細胞表面抗原に各々が特異的に結合する2〜4個の抗体と接触させて、1〜3個の蛍光色素だけで標識化されるB細胞集団のB細胞を単一細胞として捕集する段階。
ある態様における標識化は、B細胞集団を(順次にまたは同時に)2〜4個の蛍光標識抗体に接触させることによって行われる。
ある態様において、1つまたは複数のB細胞を共培養するための方法は、単一細胞として捕集する段階の前に、共培養培地においてB細胞集団をインキュベートする段階を含む。ある態様において、インキュベート段階は約37℃にて行われる。ある態様において、インキュベート段階は0.5〜2時間である。ある態様において、インキュベート段階は約1時間である。ある好ましい態様において、インキュベート段階は約37℃で約1時間行われる。
ある態様において、1つまたは複数のB細胞を共培養するための方法は、単一細胞として捕集する段階の後かつ共培養段階の前に、単一細胞として捕集されたB細胞を遠心分離する段階を含む。ある態様において、遠心分離段階は約1分〜約30分間である。ある態様において、遠心分離段階は約5分間である。ある態様において、遠心分離段階は約100×g〜約1,000×gで行われる。ある態様において、遠心分離段階は約300×gで行われる。ある好ましい態様において、遠心分離段階は約300×gにおいて約5分間行われる。
ある態様において、1つまたは複数のB細胞を共培養するための方法は、第1の段階として以下の段階を含む:
a)(任意で、予め決められた2〜4個の異なるB細胞表面マーカーに特異的に結合する2〜4個の蛍光標識抗体とB細胞集団をインキュベートすることによって)1〜3個の蛍光色素でB細胞集団のB細胞を標識化する段階、
b)任意で、共培養培地において該細胞をインキュベートする段階、
c)1〜3個の蛍光色素で標識化された(および任意で他の蛍光色素では標識化されていない)B細胞集団のB細胞を単一細胞として捕集する段階、
d)任意で、単一細胞として捕集された該B細胞を遠心分離する段階、
e)フィーダー混合物を添加した共培養培地において、単一細胞として捕集された各々の該B細胞を(個々に)フィーダー細胞と共培養する段階、
f)段階e)において増殖しかつ抗体を分泌するB細胞クローンを選択する段階。
本明細書において記載されるある局面は、以下の段階を含む、抗体を産生するための方法である:
a)(任意で、予め決められた2〜4個の異なるB細胞表面マーカーに特異的に結合する2〜4個の蛍光標識抗体とB細胞集団をインキュベートすることによって)1〜3個の蛍光色素でB細胞集団のB細胞を標識化する段階、
b)任意で、共培養培地において該細胞をインキュベートする段階、
c)1〜3個の蛍光色素で標識化された(および任意で他の蛍光色素では標識化されていない)B細胞集団のB細胞を単一細胞として捕集する段階、
d)任意で、単一細胞として捕集された該B細胞を遠心分離する段階、
e)フィーダー混合物を添加した共培養培地において、単一細胞として捕集された各々の該B細胞を(個々に)フィーダー細胞と共培養する段階、
f)段階e)の、抗体を分泌するB細胞クローンを選択する段階、
g)i)段階f)において選択されたB細胞クローンから分泌される抗体の可変ドメインをコードする1つまたは複数の核酸を得る段階、
ii)B細胞クローンがヒトB細胞クローンでない場合、可変ドメインをヒト化し、個々のコード核酸を提供する段階、および
iii)1つまたは複数の発現ベクターに1つまたは複数の核酸を導入する段階、
h)段階g)の1つまたは複数の発現ベクターによってトランスフェクトされた細胞を培養する段階、および、細胞または培養上清から抗体を回収し、それにより抗体を産生する段階。
ある態様において、抗体を産生するための方法は、以下の段階を含む:
a)(任意で、予め決められた2〜4個の異なるB細胞表面マーカーに特異的に結合する2〜4個の蛍光標識抗体とB細胞集団をインキュベートすることによって)1〜3個の蛍光色素でB細胞集団のB細胞を標識化する段階、
b)任意で、共培養培地において該細胞をインキュベートする段階、
c)1〜3個の蛍光色素で標識化された(および任意で他の蛍光色素では標識化されていない)B細胞集団のB細胞を単一細胞として捕集する段階、
d)任意で、単一細胞として捕集された該B細胞を遠心分離する段階、
e)フィーダー混合物を添加した共培養培地において、単一細胞として捕集された各々の該B細胞を(個々に)フィーダー細胞と共培養する段階、
f)個々のB細胞の培養培地において分泌された抗体の結合特異性を決定する段階、
g)逆転写PCRおよびヌクレオチド配列決定によって、B細胞クローンから分泌される抗体の可変ドメインをコードする1つまたは複数の核酸を得る(およびそれにより、モノクローナル抗体の可変軽鎖および重鎖ドメインをコードする核酸を得る)段階、
h)B細胞が非ヒトB細胞である場合、可変軽鎖および重鎖ドメインをヒト化し、ヒト化可変ドメインをコードする核酸を提供する段階、
i)(ヒトまたはヒト化)抗体の発現のために、モノクローナル抗体の可変軽鎖および重鎖ドメインをコードする核酸を、1つまたは複数の発現ベクターに導入する段階、
j)発現ベクターを細胞に導入する段階、
k)該細胞を培養し、細胞または細胞培養上清から抗体を回収し、それにより抗体を産生する段階。
ある態様において、B細胞クローンから分泌される抗体の可変ドメインをコードする1つまたは複数の核酸を得る段階は、以下の段階を含む:
・抗体産生B細胞クローンから総RNAを抽出する段階、
・抽出されたポリA+ mRNAの単鎖cDNA合成/逆転写を行う段階、
・一連の種特異的プライマーを用いてPCRを行う段階、
・任意で、PCRプライマーを除去/PCR産物を精製する段階、
・任意で、PCR産物を配列決定する段階。
ある態様において、(ヒトまたはヒト化)抗体を発現させるために、モノクローナル抗体の可変軽鎖および/または重鎖ドメインをコードする核酸を発現ベクターに導入する段階は、以下の段階を含む:
・可変軽鎖および重鎖ドメインをT4ポリメラーゼとインキュベートする段階
・発現ベクターを直線化および増幅させる段階、
・増幅された発現ベクターをT4ポリメラーゼとインキュベートする段階
・可変ドメインをコードする核酸の、増幅された発現ベクターへの配列やライゲーションに非依存的なクローニングを行う段階、ならびに
・ベクターで形質転換された大腸菌細胞のプールからベクターを調製する段階。
ある態様において、上記の方法は、標識化の直前に以下の段階を含む:
・固体表面上に固定化された(標的)抗原とB細胞集団をインキュベートし、固定化された抗原に結合したB細胞(のみ)を回収する段階。
ある態様において、B細胞集団は非ヒト動物B細胞集団である。ある態様において、B細胞集団はマウスB細胞集団、またはハムスターB細胞集団、またはウサギB細胞集団である。ある好ましい態様において、B細胞集団はウサギB細胞集団である。
ある態様において、免疫化4日後の非ヒト動物個体の血液からB細胞集団が得られる。ある態様において、免疫化4日後〜遅くとも9日後までの非ヒト動物個体の血液からB細胞集団が得られる。
ある態様において、B細胞集団はヒトB細胞集団である。
ある態様において、B細胞集団は密度勾配遠心分離法によって血液から得られる。
ある態様において、B細胞は成熟B細胞である。
ある態様において、単一細胞は(個々に)マルチウェルプレートのウェルに置かれる。
ある態様において、抗体はモノクローナル抗体である。
ある態様において、インキュベーションには2〜4個の蛍光標識抗体が用いられ、単一細胞として捕集される細胞は、1個または3個の蛍光色素で標識化される。
ある態様において、B細胞集団のB細胞の標識化によって、(総)B細胞集団の0.1%〜2.5%の細胞の標識化がもたらされる。
ある態様において、標識化はB細胞表面IgGを標識化するものである。
ある態様において、インキュベーションは蛍光標識抗IgG抗体および蛍光標識抗IgM抗体を用いて行われ(標識化は細胞表面IgGおよび細胞表面IgMを標識化するものである)、選択は細胞表面IgG陽性および細胞表面IgM陰性の細胞を選択するものである(その結果、IgG+IgM- B細胞の単一細胞として捕集される)。
全ての局面のある態様において、インキュベーションは蛍光標識抗IgG抗体および蛍光標識抗軽鎖抗体を用いて行われ(標識化は細胞表面IgGおよび細胞表面抗体軽鎖を標識化するものである)、選択は細胞表面IgG陽性および細胞表面抗体軽鎖陽性の細胞を選択するものである(その結果、IgG+LC+ B細胞の単一細胞として捕集される)。
ある態様において、インキュベーションは蛍光標識抗IgG抗体および蛍光標識抗IgM抗体を用いて行われ(標識化は細胞表面IgGおよび細胞表面IgMを標識化するものである)、選択は細胞表面IgG陽性および細胞表面IgM陰性の細胞を選択するものである(その結果、IgG+IgM- B細胞の単一細胞として捕集される)。そこでは、固体表面上に固定化された(標的)抗原とB細胞集団をインキュベートし、固定化された抗原に結合したB細胞(のみ)を回収し、蛍光標識化された抗体とのインキュベーションに供した。
ある態様において、インキュベーションは蛍光標識抗IgG抗体および蛍光標識抗CD19抗体を用いて行われ(標識化は細胞表面IgGおよび細胞表面CD19を標識化するものである)、選択は細胞表面IgG陽性であり、細胞表面CD19陽性でもある細胞を選択するものである(その結果、IgG+CD19+ B細胞の単一細胞として捕集される)。
ある態様において、インキュベーションは、付加的に蛍光標識抗軽鎖抗体を用いて行われ(標識化は他の2つの標識に加え、細胞表面抗体軽鎖を標識化するものである)、選択は、細胞表面抗体軽鎖陽性の細胞を選択するものである(その結果、LC+ B細胞の単一細胞として捕集される)。
ある態様において、B細胞集団はウサギB細胞集団であり、インキュベーションは蛍光標識抗IgG抗体を用いて行われ(標識化は細胞表面IgGを標識化するものである)、選択は細胞表面IgG陽性の細胞を選択するものである(その結果、IgG+ B細胞の単一細胞として捕集される)。
ある好ましい態様において、B細胞集団はウサギB細胞集団であり、インキュベーションは蛍光標識抗IgG抗体および蛍光標識抗IgM抗体を用いて行われ(標識化は細胞表面IgGおよび細胞表面IgMを標識化するものである)、選択は細胞表面IgG陽性および細胞表面IgM陰性の細胞を選択するものである(その結果、IgG+IgM- B細胞の単一細胞として捕集される)。
ある態様において、ウサギB細胞のインキュベーションは、付加的に蛍光標識抗軽鎖抗体(標識化は他の2つの標識に加え、細胞表面抗体軽鎖を標識化するものである)を用いて行われ、選択は、細胞表面抗体軽鎖陽性の細胞を選択するものである(その結果、LC+ B細胞の単一細胞として捕集される)。
ある態様において、共培養は10%(v/v)FCS、ペニシリンおよびストレプトマイシンを含む1%(w/v)の200 mM グルタミン溶液、2%(v/v)の100 mM ピルビン酸ナトリウム溶液、ならびに1%(v/v)の1M 2-(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジン)-エタンスルホン酸(HEPES)緩衝液を添加したRPMI(1640)培地を含む共培養培地において行われる。ある態様において、共培養培地は、0.05 mM β-メルカプトエタノールをさらに含む。
ある態様において、動物は実験動物である。ある態様において、実験動物はマウス、ハムスター、およびウサギから選択される。ある態様において、実験動物はウサギである。
以下の図面および実施例は本発明の理解を助けるために提供され、その真の範囲は添付の特許請求の範囲において記載される。本発明の精神から逸脱することなく、記載の手順において改変がなされ得ることが理解される。
当技術分野における公知の方法(左図)および本明細書において記載される本発明の方法(右図)により産生されたTSNロットのロット間変動を示す図である。黒四角:各TSNロットのIgG陽性ウェル数の、参照TSNロットで得られたIgG陽性ウェル数に対する比率;一点鎖線:IgG陽性ウェル数の比率の平均;黒三角:各TSNロットで得られたウェルにおける平均IgG濃度の、参照TSNロットで得られたウェルにおける平均IgG濃度に対する比率;破線:IgG濃度比率の平均。
材料および方法
組換えDNA技術
DNAを操作するために、Sambrook, J., et al.,Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, New York(1989)において説明されるように標準法を使用した。製造業者の説明書に従って分子生物学的試薬を使用した。
培地および緩衝液
ELISA用のブロッキング緩衝液は1×PBSおよび1% BSAを含む。
ELISA用のコーティング緩衝液は4.29 g Na2CO3*10H2Oおよび2.93 g NaHCO3を含み、最終容量1Lとなるまで水を加え、2 N HClでpH9.6に調整する。
RNA単離用のエタノール溶液は、70%エタノールまたは80%エタノールを含む。
免疫蛍光染色用のFACS緩衝液は、1×PBSおよび0.1% BSAを含む。
ELISA用のIMDM緩衝液は、1×PBS、5% IMDMおよび0.5% BSAを含む。
ELISA用のインキュベーション緩衝液1は、1×PBS、0.5% CroteinCを含む。
ELISA用のインキュベーション緩衝液2は、1×PBS、0.5% CroteinC、および0.02% Tween20を含む。
ELISA用のインキュベーション緩衝液3は、1×PBS、0.1% BSAを含む。
ELISA用のインキュベーション緩衝液4は、1×PBS、0.5% BSA、0.05% Tween、PBS(10×)、0.01M KH2PO4、0.1M Na2HPO4、1.37M NaCl、0.027M KClを含み、pH7.0である。
PCR緩衝液は、500 mM KCl、15 mM MgCl2、100 mM Tris/HClを含み、pH9.0である。
ELISA用の洗浄緩衝液1は、1×PBS、0.05% Tween20を含む。
ELISA用の洗浄緩衝液2は、1×PBS、0.1% Tween20を含む。
ELISA用の洗浄緩衝液3は、水、0.9% NaCl、0.05% Tween20を含む。
EL-4 B5培地は、10% FCS(Hyclone, Logan, UT, USA)、2 mM グルタミン、1% ペニシリン/ストレプトマイシン溶液(PAA, Pasching, Austria)、2 mM ピルビン酸ナトリウム、10 mM HEPES(PAN Biotech, Aidenbach, Germany)および0.05 mM β-メルカプトエタノール(Gibco, Paisley, Scotland)を添加したRPMI 1640(Pan Biotech, Aidenbach, Germany)を含む。
動物の管理
実験動物はドイツ動物保護法(TierSCHG)に従って、および各欧州指針に従って維持した。
マウスおよびハムスターは6〜8週齢の時点で入手し、12週齢より前に免疫化した。抗原は初めに、完全フロイントアジュバント(CFA)と共に投与した。さらなる投与には不完全フロイントアジュバント(IFA)を用いた。抗原を含有するエマルジョンが皮下投与され、エマルジョンは投与される実験動物個体の体重に応じて50〜100μgの量の抗原を含んだ。
増殖アッセイ
a)Cell Titer Glo(CTG)バイアビリティアッセイ
製造業者の説明書に従って、CTGバイアビリティアッセイ(Promega;#G7571)を使用した。
b)3Hチミジンアッセイ
6日間のインキュベーション後、3Hチミジン(0.5μCi/ウェル)を加え、さらに16時間インキュベートした。マイクロプレートシンチレーションカウンター(Wallac)によって細胞増殖中の3Hチミジンの取り込みを測定した。
c)顕微鏡分析
顕微鏡画像を得るために、高解像度カメラ(Leica DFC290 HD)と組み合わせたLeicaの位相差顕微鏡(Leica DM IL)を使用した。
d)CFSE標識化によるB細胞活性化の解析
単離したB細胞を滅菌リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄した。タンパク質を含まない1mlのPBS中に1×107細胞まで再懸濁し、CFSE(#C34554, Invitrogen/Molecular Probes)と共に最終濃度2.5μM、37℃で3〜10分間インキュベートした。過剰なFCS添加培地を加えることによってCFSEの充填を止めた。FCS含有培地による広範な洗浄の後、共培養試験にB細胞を使用した。CFSE希釈法の結果得られた、CD19+ゲーティング済みの(B)細胞の増殖は、指示時点より後にフローサイトメトリー分析(FL-1チャンネル)を行うことによって確証された。
IgGの定量化
7日間の共培養後に、共培養を行った96ウェルのマルチウェルプレートを300×gで5分間遠心分離した。150μlの上清を取り除き、第2の96ウェルマルチウェルプレートにおいてPBSで2:1の比で希釈した。
抗体は50ng/mlの濃度で使用した。5分間のインキュベーション後にODが1以上であった場合、0.8〜108ng/mlの一連の希釈系列でIgGを試験した。
抗原上でのパニング
a)プレートのコーティング
ビオチン/ストレプトアビジン:滅菌ストレプトアビジンコーティング6ウェルプレート(細胞培養グレード)をPBS中0.5〜1(2)μg/mlの濃度のビオチン化抗原と共に室温で1時間インキュベートした。プレートは、使用前に滅菌PBSにおいて3回洗浄した。
共有結合されたタンパク質:炭酸緩衝液(0.1M 炭酸水素ナトリウム、34 mM 炭酸水素二ナトリウム、pH9.55)中の2μg/mlタンパク質で、4℃にて一晩、滅菌細胞培養6ウェルプレートをコーティングした。プレートは、使用前に滅菌PBSにおいて3回洗浄した。
b)ペプチド上でのB細胞のパニング
各抗原でコーティングされた6ウェル組織培養プレートに、培地4ml当たりに6×106細胞まで播種し、インキュベーター内において37℃で1時間結合させた。1×PBSで1〜2回、ウェルを慎重に洗浄することにより、非接着細胞を除去した。インキュベーター内で37℃にて10分間のトリプシン処理を行って残存する接着細胞を剥離し、その後培地で2回洗浄した。細胞は免疫蛍光染色段階まで氷上で維持した。
遺伝子合成
Geneart GmbH(Regensburg, Germany)によって、cDNAをコードする望ましい遺伝子セグメントが調製された。以下に説明されるように、発現構築物のクローニングを容易にするために遺伝子セグメントは単一の制限エンドヌクレアーゼ切断部位に隣接される。サブクローニングされた遺伝子断片のDNA配列は、DNA配列決定によって確証された。
Figure 2020520650
実施例1
ウサギの免疫化
免疫化にはNZWウサギ(Charles River Laboratories International, Inc.)を使用した。pH7.0のK3PO4緩衝液に1mg/mlの濃度で抗原を溶解し、安定したエマルジョンが生じるまで完全フロイントアジュバント(CFA)と(1:1で)混合した。ウサギにエマルジョン2mlを皮内(i.d.)注射し、続いて各々1mlの第2の筋肉内(i.m.)注射および第3の皮下(s.c.)注射を1週間隔で行った。第4の1mlの筋肉内注射は2週後に行い、引き続き2回のさらなる1mlの皮下注射を4週間隔で行った。
免疫化の期間中、抗原特異性アッセイを用いて血清抗体価を決定した。抗体価が1:10000のIC50を有する時点で免疫化された動物個体の血液または脾臓を取り出した。抗原特異的B細胞を再活性化するために、血液または脾臓を取り出す3日前に30μg〜50μgの抗原を実験動物個体に静脈内投与した。
実施例2
臓器、血液およびマクロファージの取り出し
耳静脈、またはより多くの容量については耳動脈の穿刺によってウサギから血液を得た。第3、第4、第5、第6の免疫化の4〜6日後にウサギから全血(10ml)を採取し、FACSによる単一細胞選別に使用した。
細胞培養プラスチックへの接着によって、得られた血液からマクロファージを単離した。
より多くの量が必要である場合には、腹腔マクロファージを単離した。このためには、動物個体は少なくとも3ヶ月齢でなくてはならない。腹腔マクロファージを取り出すために動物個体を屠殺し、温度37℃の5mlのEL-4 B5培地を腹腔内に直ちに注入した。動物個体の腹部を5分間もんだ後、該細胞を含有する溶液を取り出した。
ウサギPBMCを単離するために行われた、Lympholyte哺乳動物(Cedarlane Laboratories)またはFicoll Paque Plus(GE Healthcare, cat. #17-1440-03)を用いた密度勾配遠心分離の前に、EDTAを含む全血を1×PBSで2倍に希釈した。抗体で染色する前にPBMCを2回洗浄した。
実施例3
密度勾配遠心分離法
製造業者の説明書A(Lympholyte(登録商標)-哺乳動物、Cedarlane)に従い、Lympholyte(登録商標)を用いた密度勾配遠心分離によって末梢血単核細胞(PBMC)の単離を行った。
採血した血液(任意でEDTAを添加)をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)によって、例えば血液60mlに緩衝液60mlを加えるように1:1に希釈した。遠心分離バイアルに同容量の密度分離培地を入れ、密度分離培地上に希釈血液をバイアルの壁を介して慎重に加えた。密度分離培地のPBS希釈血液に対する比は約1:1.5である。希釈血液の総容量に応じた数のバイアルが必要となる。バイアルはブレーキをかけずに800×gで20分間遠心分離した。個々の白色の中間層を各々25ml PBSに加え、総容量50mlとなるまでPBSを添加し、800×gで10分間遠心分離した。上清を廃棄し、PBSの最終容量の1/120でペレットを再懸濁し、ペレットどうしを1:1で混合し、最終容量50mlとなるまでPBSを加えた。その後、バイアルを再度遠心分離した。血液サンプルの数に応じて、ただ1つのサンプルが残るまで各遠心分離段階後に1:1の比でサンプルを混合する。最終ペレットはPBS中に再懸濁した。
実施例4
赤血球の低張溶解
低張溶解による赤血球の破壊のために、塩化アンモニウム溶液(BD Lyse(商標))を水で1:10に希釈し、全血に対して1:16の比で加えた。赤血球を溶解するため、この混合物を暗所で15分間インキュベートした。インタクトな細胞から細胞デブリスを分離するために、溶液を800×gで10分間遠心分離した。上清を廃棄し、ペレットをPBS中に再懸濁し、再度洗浄し、遠心分離し、ペレットをPBS中に再懸濁した。実施例8。
実施例5
マクロファージの枯渇
滅菌6ウェルプレート(細胞培養グレード)を使用して、非特異的な接着によってマクロファージおよび単球を枯渇させた。ウェルをKLH(キーホールリンペットヘモシアニン)またはストレプトアビジンのいずれかおよび対照ペプチドでコーティングした。各ウェルを3ml〜(最大)4mlの培地、および免疫化ウサギ個体由来の6×106までの末梢血単核細胞で満たし、インキュベーター内において37℃で60〜90分間結合さた。その後、リンパ球を含有する上清を遠心分離バイアルに移し、800×gで10分間遠心分離した。ペレットをPBS中に再懸濁した。
実施例6
抗原特異的B細胞の濃縮
各々の抗原をコーティング緩衝液で最終濃度2μg/mlまでに希釈した。この溶液3mlを6ウェルマルチウェルプレートのウェルに加え、室温にて一晩インキュベートした。使用前に上清を除去し、ウェルをPBSで2回洗浄した。B細胞溶液を細胞密度2×106細胞/mlに調整し、6ウェルマルチウェルプレートの各ウェルに3mlを(培地3〜4ml当たり6×106細胞まで)加えた。プレートを37℃で60〜90分間インキュベートした。上清を取り除き、ウェルを1×PBSで1〜4回慎重に洗浄することにより非接着細胞を除去した。粘着性の抗原特異的B細胞を回収するために、1mlのトリプシン/EDTA溶液をマルチウェルプレートのウェルに加え、37℃で10〜15分間インキュベートした。培地を加えることによってインキュベーションを停止し、上清を遠心分離バイアルに移した。ウェルをPBSで2回洗浄し、この上清を他の上清と混合した。800×gで10分間遠心分離して細胞をペレット化した。免疫蛍光染色まで氷上で細胞を維持した。任意でペレットをPBS中に再懸濁した。
実施例7
T細胞の培養
各々3〜4週齢のマウスおよびハムスターまたは4〜5週齢のウサギの胸腺からT細胞を単離した。細胞を遠心分離し、直ちに培養するか、または4〜5×107細胞のアリコートにおいて凍結した。175 cm2培養フラスコ中でEL-4 B5培地において最低細胞密度5×105細胞/mlで胸腺細胞を播種し、37℃で48時間までインキュベートした(マクロファージが使用されるTSN産生法に依存して40〜48時間;実施例9および10を参照のこと)。
実施例8
マクロファージの培養
各々少なくとも3ヶ月齢のマウスおよびハムスターの腹腔からマクロファージを単離した。マウスもしくはハムスター由来の腹腔マクロファージ、またはウサギ由来の血液単核細胞を、175cm2培養フラスコ中でEL-4 B5培地において少なくとも1×105細胞/mlの細胞密度で、37℃にて1.5時間培養した。その後培地を除去し、温かいEL-4 B5培地で洗浄することにより付着マクロファージから非付着細胞を除去し、続けて35mlの培地において約48時間培養を行った。
実施例9
本発明に従ったT細胞とマクロファージの共培養
T細胞(実施例7、40時間の培養を参照のこと)およびマクロファージ(実施例8を参照のこと)を別々のフラスコにおいて培養した。双方の細胞集団を混ぜ合わせる前に、T細胞を800×gで10分間遠心分離した。上清を廃棄し、細胞ペレットを10mlのEL-4 B5培地中に再懸濁した。最終培養培地は細胞密度5×105細胞/mlに調整されたT細胞、培地1ml当たり10ngのホルボール-12-ミリステート-13-アセテート(PMA)、および培地1ml当たり5μgのフィトヘマグルチニンM(PHA-M)を含有していた(= T細胞懸濁液)。その後、マクロファージから培養培地を除去した(= 培地枯渇マクロファージ)。ある量/容量のT細胞懸濁液を、培地枯渇マクロファージを含有するフラスコに加え、1.25〜2×106マクロファージ/mlの最終規定マクロファージ細胞密度を得た。30〜46時間の共培養後、培養培地を取り出し、TSN溶液と名付けた。残存する細胞を除去するために、0.22μmフィルターでTSN溶液を濾過した。TSN溶液を(4.2mlの)アリコートで-80℃にて凍結させた。
実施例10−比較例
最先端技術に従ったT細胞とマクロファージの共培養
T細胞(実施例7、48時間の培養を参照のこと)およびマクロファージ(実施例8を参照のこと)を別々のフラスコで培養した。双方の細胞集団を混合する前に、T細胞を800×gで10分間遠心分離した。上清を廃棄し、10mlのEL-4 B5培地中に細胞ペレットを再懸濁した。最終培養培地は細胞密度5×105細胞/mlに調整されたT細胞、培地1ml当たり10 ngのホルボール-12-ミリステート-13-アセテート(PMA)、および培地1ml当たり5μgのフィトヘマグルチニンM(PHA-M)を含有していた(= T細胞懸濁液)。その後、培養培地をマクロファージから除去した(= 培地枯渇マクロファージ)。ある量/容量のT細胞懸濁液を培地枯渇マクロファージ含有フラスコに加え、1×106マクロファージ/mlの最終マクロファージ細胞密度を得た。36時間の共培養後、培養培地を取り出し、TSN溶液と名付けた。残存する細胞を除去するために、0.22μmフィルターでTSN溶液を濾過した。TSN溶液を(4mlの)アリコートで-80℃にて凍結させた。
実施例11
EL-4 B5細胞の培養
凍結E-L4 B5細胞を37℃の水浴中で急速解凍し、10mlのEL-4 B5培地で希釈した。300×gで10分間遠心分離した後、上清を廃棄し、ペレットを1ml培地中に再懸濁した。
EL-4 B5細胞をT175培養フラスコにおいて細胞密度8×10細胞/mlで接種した。細胞密度を1日おきに測定し、8×104細胞/mlに調整した。細胞の倍加時間はおよそ10時間であった。
細胞を採取し、γ照射の前に細胞密度1×106細胞/mlに調整し、50Gyで照射した。
実施例12
B細胞とEL4-B5細胞との共培養
インキュベーター内で5%CO2の大気において、96ウェルプレートで210μl/ウェルのEL-4 B5培地を用いて、Pansorbin細胞(1:20000)(Calbiochem(Merck), Darmstadt, Deutschland)、実施例9または10に従って産生した5%胸腺細胞上清、およびγ照射EL4-B5マウス胸腺腫細胞(2×104細胞/ウェル)と共に単一選別B細胞を37℃で7日間培養した。スクリーニングのためにB細胞培養上清を除去し、可変領域遺伝子のクローニングのために直ちに細胞を採取した、または、100μl RLT緩衝液(Qiagen, Hilden, Germany)中において-80℃で凍結した。
胸腺細胞(T細胞)と単核細胞(マクロファージ)の共培養中に存在するマクロファージの量に依存して、即ち、該細胞の比に依存して、産生されたTSNが異なる特性を示すことが認められた。各々の結果は以下の表において示される(総ウェル=4*84)。参照値は実施例10記載の、比較のための最先端の方法を用いて得られた。
(表)
Figure 2020520650
実施例13
実施例9および実施例10に従って産生された異なるロットのB細胞とEL-4 B5細胞との共培養
当技術分野において公知の方法と比較した、本明細書において記載されるTSN産生法の信頼性を示すために、実施例9および実施例10記載の方法を用いて複数のロットを調製した。結果は以下の表において示される。
実施例10記載の方法:
Figure 2020520650
実施例9記載の方法:
Figure 2020520650

Claims (12)

  1. 以下の段階を含む、胸腺細胞上清を産生するための方法:
    ・ホルボール-12-ミリステート-13-アセテートおよびフィトヘマグルチニンMの存在下において、胸腺細胞と単核細胞とを0.5:1.2またはそれ以上の細胞比で最長60時間にわたり共培養する段階、ならびに
    ・該細胞から共培養培地を分離することにより、胸腺細胞上清を産生する段階。
  2. 胸腺細胞対単核細胞の比が0.5:1.25〜0.5:4である、請求項1記載の方法。
  3. 比が約0.5:2である、請求項1または2記載の方法。
  4. 共培養中の胸腺細胞の細胞密度が約5×105細胞/mlである、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
  5. 共培養段階の前に、胸腺細胞が、培養培地において37℃で最長60時間にわたりインキュベートされる、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
  6. 単核細胞が、細胞密度2×106細胞/mlで固体表面に接着されることによってPBMCから単離され、接着された単核細胞が、胸腺細胞との共培養段階の前に培養培地において約40時間インキュベートされる、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
  7. 胸腺細胞と単核細胞との共培養段階の前に、胸腺細胞の培養培地が、10ng/ml ホルボール-12-ミリステート-13-アセテート(PMA)および5μg/mlフィトヘマグルチニンM(PHA-M)を含有する新鮮な培地で置き換えられる、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
  8. 共培養段階が、単核細胞から培養培地を除去して胸腺細胞懸濁液を加えることによって、開始される、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
  9. 培地が、10%(v/v) FCS、ペニシリンおよびストレプトマイシンを含む1%(w/v)の200 mM グルタミン溶液、2%(v/v)の100 mM ピルビン酸ナトリウム溶液、ならびに1%(v/v)の1 M 2-(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジン)-エタンスルホン酸(HEPES)緩衝液を添加した、0.05μM β-メルカプトエタノールをさらに含むRPMI培地である、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
  10. 以下の段階を含む、1つまたは複数のB細胞を共培養するための方法:
    ・請求項1〜9のいずれか一項記載の方法によって作製されたTSNの存在下において、1つまたは複数のB細胞をEL4-B5細胞と共培養する段階。
  11. 請求項1〜9のいずれか一項記載の方法によって産生された胸腺細胞上清。
  12. B細胞とフィーダー細胞との共培養における、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法によって産生された胸腺細胞上清の使用。
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