JP2020518626A - 加齢黄斑変性による地図状萎縮に対し使用するためのブリモニジンおよび臨床試験デザイン - Google Patents
加齢黄斑変性による地図状萎縮に対し使用するためのブリモニジンおよび臨床試験デザイン Download PDFInfo
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Abstract
地図状萎縮を伴う病変を治療するまたはその成長を遅くする方法、および地図状萎縮を伴う病変を治療する、その進行を低下させるまたはその成長を遅くすることにおける使用のための薬物(ブリモニジン)または薬剤を評価する方法。
Description
関連出願の相互参照
本出願は、2017年5月5日出願の米国特許仮出願第62/502,375号の利益を主張し、本出願の内容全体を、参照により本明細書に組み込む。
本明細書に記載される主題は、地図状萎縮を伴う病変を治療するまたはその成長を遅くする方法および特に、時間尺度の縮小に関して、地図状萎縮を伴う病変を治療する、その進行を低下させるまたはその成長を遅くすることにおける使用のための薬物または薬剤を評価する方法に関する。
本出願は、2017年5月5日出願の米国特許仮出願第62/502,375号の利益を主張し、本出願の内容全体を、参照により本明細書に組み込む。
本明細書に記載される主題は、地図状萎縮を伴う病変を治療するまたはその成長を遅くする方法および特に、時間尺度の縮小に関して、地図状萎縮を伴う病変を治療する、その進行を低下させるまたはその成長を遅くすることにおける使用のための薬物または薬剤を評価する方法に関する。
加齢黄斑変性(AMD)は、先進国世界において、60歳を超える成人についての失明および視覚能力障害の主要な原因である網膜疾患である(Mata and Vogel, Curr Opin Ophthalmol, 21:190-196, 2010)。AMDは、一般に、2つの原理タイプ、非滲出性または滲出性AMDとして分類される。非滲出性AMD(非新生血管または乾燥AMDとも称される)は、(光受容体および網膜色素上皮を含めた)斑の層の萎縮を特徴とする。小型のドルーゼン(脂質およびタンパク質から形成される黄色の沈着物)が、網膜下に出現し得る。非滲出性AMDの病態は、網膜の光受容体層の菲薄化、可変の萎縮およびRPEの他の変化、ブルッフ膜の肥厚、ドルーゼン形成、および脈絡毛細管層の密度の低下を特徴とする(Danis et al., Clin Ophthalmol, 9:2159-2174, 2015)。地図状萎縮(GA)は、後期または進行性非滲出性AMDの35%を占める。GAは、黄斑性網膜組織、網膜色素上皮(RPE)、および/または脈絡毛細管の不可逆的な喪失を特徴とする、例えば、無機能性であるまたは萎縮する、非滲出性(乾燥)AMDの進行性の形態である。GAは、AMDを伴う全患者のうちのおよそ20%における重症の視力喪失の原因であり、世界で800万人を超える人が罹患している(Khan et al., ISRN Ophthalmology, 2014, 2014:608390)。RPEは、栄養素およびイオンを運搬し、成長因子を分泌し、光酸化に対して保護するため、視覚に不可欠である(Enslow et al., Ophthalmol Eve Dis, 8:31-32, 2016)。GAは、通常、175μmまたはそれ以上の萎縮の領域として定義することができ、はっきりと線引きされた境界がある。GA患者において、視力(VA)は、この斑が残される場合、さらに良好となり得るが、GAが、生活の質の大きな機能障害を引き起こす窩によって拡張する場合、低下する。まだ今のところ、非滲出性AMDまたは地図状萎縮のための治療が承認されていない。全AMD症例の約10%は、滲出性AMD(新生血管または滲出型AMDとも称される)に進行し、滲出性AMDは、網膜の後ろの脈絡膜層中の不安定な血管の新生脈管形成(脈絡膜新生血管またはCNV)を特徴とする。これらの新たな血管は、網膜の層(例えば、斑)に漏出するおそれがあり、視力喪失をもたらす。滲出性AMDは、レーザー凝固または抗−VEGF薬により治療して、新たな血管の漏出を停止させることができる。
かなりの量の研究では、非滲出性AMDのための治療に焦点を合わせているが、研究は、非滲出性AMDの多因子性の性質、その複雑な生理病理学、非滲出性AMDについての動物モデルの不足、および新薬を試験するためのin vitro系の不足により阻まれている(Damico et al., Arg Bras Oftalmol, 75(1):71-76, 2012)。
進行性非滲出性AMDまたはGAについての治療を提供することが有益であるはずである。特に、時間尺度の縮小において、地図状萎縮を含めた、AMDを伴う患者を治療するための潜在的治療の臨床評価を提供するための系または方法を提供することもまた有益であるはずである。
関連技術の前述の例およびそれに関連する制限は、例示的なものであり、排他的ではないことを意図している。関連技術の他の制限は、本明細書および図の研究を読んだ後、当業者に明らかであろう。
関連技術の前述の例およびそれに関連する制限は、例示的なものであり、排他的ではないことを意図している。関連技術の他の制限は、本明細書および図の研究を読んだ後、当業者に明らかであろう。
次の態様および以下に記載され例示されるそれらの実施形態は、模範的および例示的なものであることを意味し、範囲を制限するものではない。
第1の態様では、地図状萎縮を伴う病変の成長の速度を遅くするための治療方法が提供される。実施形態では、本方法は、治療有効量の薬物または治療薬を含む組成物を、対象または患者に投与して、地図状萎縮を伴う病変の成長の速度を遅くするステップを含む。治療有効量は、ベースライン地図状萎縮病変領域が8mm2以上またはベースライン有効直径が3.19mm以上である対象の母集団におけるプラセボ治療した対象と比較して、ベースライン地図状萎縮病変領域が8mm2以上またはベースライン有効直径が3.19mm以上である対象の母集団において、12カ月などの期間の縮小で、病変の成長または進行の速度を遅くする。
第1の態様では、地図状萎縮を伴う病変の成長の速度を遅くするための治療方法が提供される。実施形態では、本方法は、治療有効量の薬物または治療薬を含む組成物を、対象または患者に投与して、地図状萎縮を伴う病変の成長の速度を遅くするステップを含む。治療有効量は、ベースライン地図状萎縮病変領域が8mm2以上またはベースライン有効直径が3.19mm以上である対象の母集団におけるプラセボ治療した対象と比較して、ベースライン地図状萎縮病変領域が8mm2以上またはベースライン有効直径が3.19mm以上である対象の母集団において、12カ月などの期間の縮小で、病変の成長または進行の速度を遅くする。
一実施形態では、薬物は、ブリモニジンまたはその塩である。いくつかの実施形態では、ブリモニジンは、ブリモニジン遊離塩基またはブリモニジン塩、例えば、ブリモニジン酒石酸塩であり得る。いくつかの実施形態では、本組成物は、薬物または治療薬を約25〜60質量%の間で含む。
いくつかの実施形態では、本組成物は、眼用インプラントである。いくつかの実施形態では、眼用インプラントは、固形眼用インプラントである。いくつかの実施形態では、固形眼用インプラントは、1種または複数の生分解性ポリマーからなる。いくつかの実施形態では、生分解性ポリマーのうち少なくとも1種は、ポリ(D,L−ラクチド)および/またはポリ(D,L−ラクチド−co−グリコリド)ポリマーである。いくつかの実施形態では、固形眼内インプラントは、1種または複数の生分解性ポリマー約50〜65質量%の間からなる。
いくつかの実施形態では、本組成物は、眼用インプラントである。いくつかの実施形態では、眼用インプラントは、固形眼用インプラントである。いくつかの実施形態では、固形眼用インプラントは、1種または複数の生分解性ポリマーからなる。いくつかの実施形態では、生分解性ポリマーのうち少なくとも1種は、ポリ(D,L−ラクチド)および/またはポリ(D,L−ラクチド−co−グリコリド)ポリマーである。いくつかの実施形態では、固形眼内インプラントは、1種または複数の生分解性ポリマー約50〜65質量%の間からなる。
第2の態様では、地図状萎縮を伴う病変サイズの進行を遅くする方法を提供する。実施形態では、本方法は、地図状萎縮を伴う病変サイズの進行を遅くする薬物または治療薬を、対象または患者に投与するステップを含む。実施形態では、薬物の治療有効用量は、ベースライン地図状萎縮病変領域が約8mm2以上またはベースライン有効直径が3.19mm以上である対象の母集団に投与することにより確立される。実施形態では、本方法は、約12カ月以内に、地図状萎縮を伴う病変サイズの進行を遅くするために有効である。実施形態では、薬物および組成物は、前述した通りである。
第3の態様では、対象において地図状萎縮の進行を減少させることにおける使用のための薬物を評価するための方法を提供する。実施形態では、本方法は、薬物による治療のためにベースライン地図状萎縮病変領域が8mm2以上またはベースライン有効直径が3.19mm以上である対象を選択するステップと、薬物を対象に投与するステップと、地図状萎縮病変領域または有効直径を決定するステップと、前記投与するステップおよび前記決定するステップをn回繰り返すステップであって、nが、少なくとも1であるステップとを含む。実施形態では、ベースライン地図状萎縮病変領域からの繰り返しステップの後に決定した病変領域の変化が、プラセボまたは偽治療によりn回治療した、ベースライン地図状萎縮病変領域が、8mm2以上である参照対象よりも少ないのであれば、薬物は、地図状萎縮の進行を減少させるのに有効である。他の実施形態では、ベースライン病変有効直径からの繰り返しステップの後に決定した病変領域の変化が、プラセボまたは偽治療によりn回治療した、ベースライン病変有効直径が、3.19mm以上である参照対象よりも少ないのであれば、薬物は、地図状萎縮の進行を減少させるのに有効である。実施形態では、効果は、約12カ月時点でまたは約12カ月以内に観察することができる。実施形態では、薬物および組成物は、前述した通りである。
実施形態では、決定するステップは、次式
実施形態では、決定するステップは、次式
第4の態様では、地図状萎縮病変を伴う患者を治療するための方法を提供する。実施形態では、本方法は、患者における地図状萎縮を伴う病変、病変サイズを有する病変を同定するステップと;ベースライン地図状萎縮病変領域が8mm2以上である対象の母集団におけるプラセボ治療したもしくは偽治療した対象と比較して、ベースライン地図状萎縮病変領域が8mm2以上である対象の母集団において、病変の成長の速度を遅くするために、治療有効用量で、地図状萎縮病変の成長の進行を遅くする薬物または治療薬を投与するまたは投与することを指示するステップとを含む。実施形態では、薬物または治療薬は、ベースライン病変有効直径が3.19mm以上である対象の母集団におけるプラセボ治療したもしくは偽治療した対象と比較して、ベースライン病変有効直径が3.19mm以上である対象の母集団において、病変の成長の速度を遅くするために、治療有効用量で投与される。実施形態では、薬物および組成物は、前述した通りである。
前述の模範的な態様および実施形態に加えて、更なる態様および実施形態は、図の参照によりおよび次の記述の試験により明らかになる。
前述の模範的な態様および実施形態に加えて、更なる態様および実施形態は、図の参照によりおよび次の記述の試験により明らかになる。
本方法、治療および組成物などの追加の実施形態は、次の説明、図、例、および特許請求の範囲から明らかである。前述のおよび次の説明から理解することができる通り、本明細書に記載した個別のおよびすべての特徴、ならびにかかる特徴のうちの2つ以上の個別のおよびすべての組合せは、本開示の範囲内に含まれ、但し、そのような組合せに含まれる特徴は、相互に不整合でない。さらに、任意の特徴または特徴の組合せは、本発明の任意の実施形態から特に除外することができる。本発明の追加の態様および利点は、特に、添付の例および図と併せて考慮される場合、次の説明および特許請求の範囲に記載されている。
I.定義
様々な態様は、現在、以下にさらに十分に記載される。しかしながら、かかる態様は、多くの異なる形態に具体的に示すことができ、本明細書に記載される実施形態に限定されるものと解釈すべきではなく;むしろ、これらの実施形態は、本開示が、詳細かつ完全であり、当業者にその範囲を十分に伝えられるように提供される。
値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間のそれぞれ介在する値およびその述べた範囲内の任意の他の述べたまたは介在する値が、本開示内で包含されることが意図される。例えば、1μm〜8μmまでの範囲が、述べられる場合、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、および7μmが、やはり明示的に開示される、ならびに値の範囲は、1μm以上であり、値の範囲は、8μm以下であることが意図される。
別段文脈で明確に指示しない限り、単数形「a」、「an」、および「the」は、複数の対象を含む。したがって、例えば、「ポリマー」への参照は、単一のポリマーならびに同一のまたは異なるポリマーのうちの2つ以上を含み、「賦形剤」への参照には、単一の賦形剤ならびに同一のまたは異なる賦形剤のうちの2種以上などが含まれる。
様々な態様は、現在、以下にさらに十分に記載される。しかしながら、かかる態様は、多くの異なる形態に具体的に示すことができ、本明細書に記載される実施形態に限定されるものと解釈すべきではなく;むしろ、これらの実施形態は、本開示が、詳細かつ完全であり、当業者にその範囲を十分に伝えられるように提供される。
値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間のそれぞれ介在する値およびその述べた範囲内の任意の他の述べたまたは介在する値が、本開示内で包含されることが意図される。例えば、1μm〜8μmまでの範囲が、述べられる場合、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、および7μmが、やはり明示的に開示される、ならびに値の範囲は、1μm以上であり、値の範囲は、8μm以下であることが意図される。
別段文脈で明確に指示しない限り、単数形「a」、「an」、および「the」は、複数の対象を含む。したがって、例えば、「ポリマー」への参照は、単一のポリマーならびに同一のまたは異なるポリマーのうちの2つ以上を含み、「賦形剤」への参照には、単一の賦形剤ならびに同一のまたは異なる賦形剤のうちの2種以上などが含まれる。
単語「約」は、数値の直前にある場合、その値のプラスまたはマイナス10%の範囲を意味し、例えば、別段本開示の文脈で示されない限りまたはそのような解釈と不整合でない限り、「約50」は、45〜55を意味し、「約25,000」は、22,500〜27,500などを意味する。例えば、数値のリスト中で、例えば、「約49、約50、約55、「約50」とは、先行するおよびその後の値の間の半分より短い間隔まで拡大されている範囲、例えば、49.5より大きく、52.5より小さい範囲を意味する。さらに、値が「約〜より小さい」または値が「約〜より大きい」という語句は、本明細書で提供される、用語「約」の定義を考慮して理解されるべきである。
本開示の組成物は、開示される構成成分を含むことも、本質的に開示される構成成分からなることも、開示される構成成分からなることもできる。
すべての百分率、部分および比は、局所組成物の総質量に基づき、別段の指定がない限り、すべての測定は、約25℃でなされる。
本開示の組成物は、開示される構成成分を含むことも、本質的に開示される構成成分からなることも、開示される構成成分からなることもできる。
すべての百分率、部分および比は、局所組成物の総質量に基づき、別段の指定がない限り、すべての測定は、約25℃でなされる。
用語「生分解性ポリマー」または「生体分解可能ポリマー」とは、in vivoで分解するまたは侵食する1種もしくは複数のポリマーを意味し、経時的な1種もしくは複数のポリマーの分解または侵食は、治療薬の放出と同時におよび/または治療薬の放出に続いて生じる。生分解性ポリマーは、ホモポリマーでも、コポリマーでも、2つ以上のポリマー単位を含むポリマーでもよい。いくつかの実施形態では、「生分解性ポリマー」は、2つ以上のホモポリマーまたはコポリマーの混合物を含むことができる。
語句「薬学的に許容される」は、これらの化合物、塩、組成物、剤形などを意味するために、本明細書中で使用され、これは、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激性、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なしで、妥当な利益/危険比でヒトおよび/または他の哺乳動物の組織と接触して用いるために適している。態様の一部においてであるが、すべてにおいてでなく、「薬学的に許容される」とは、連邦政府または州政府の規制当局によって承認される、または米国薬局方もしくは哺乳動物(例えば、動物)、より詳細には、ヒトにおける使用のための一般に認められた他の薬局方に収載されていることを意味する。
語句「薬学的に許容される」は、これらの化合物、塩、組成物、剤形などを意味するために、本明細書中で使用され、これは、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激性、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なしで、妥当な利益/危険比でヒトおよび/または他の哺乳動物の組織と接触して用いるために適している。態様の一部においてであるが、すべてにおいてでなく、「薬学的に許容される」とは、連邦政府または州政府の規制当局によって承認される、または米国薬局方もしくは哺乳動物(例えば、動物)、より詳細には、ヒトにおける使用のための一般に認められた他の薬局方に収載されていることを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「治療する」、「治療している」、または「治療」は、眼の状態、眼の外傷もしくは損傷の軽減または解決または予防を意味する、または傷害されたまたは損傷した眼組織の治癒の促進を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「治療有効量」とは、眼の状態を治療する、眼の状態の症状を軽減するもしくは予防する、または眼の外傷もしくは損傷を軽減するまたは予防するために必要な治療薬のレベルまたは量を意味する。
用語「抑制する」または「縮小する」は、プラセボ治療したもしくは偽治療した母集団と比較して、母集団において病変サイズ(領域または有効直径)を抑制するまたは縮小するための方法に関して用いられる。
本明細書で使用される場合、用語「治療有効量」とは、眼の状態を治療する、眼の状態の症状を軽減するもしくは予防する、または眼の外傷もしくは損傷を軽減するまたは予防するために必要な治療薬のレベルまたは量を意味する。
用語「抑制する」または「縮小する」は、プラセボ治療したもしくは偽治療した母集団と比較して、母集団において病変サイズ(領域または有効直径)を抑制するまたは縮小するための方法に関して用いられる。
本明細書で使用される場合、「眼内インプラント」とは、眼に入れるために構築される、眼に入れる大きさに作られる、または別の方法で眼に入れるために構成されるデバイスまたは要素を意味する。眼内インプラントは、一般に、眼の生理的状態に生体適合性である。眼内インプラントは、眼の視覚を乱さずに眼に入れることができる。
本明細書で使用される場合、「眼の状態」は、疾患の不快または眼または眼の部分もしくは領域の1つが罹患しているまたはそれが関与している状態である。眼は、眼球および組織および眼球を構成する流体、眼周囲の筋肉(例えば、斜筋および直筋)ならびに眼球内にあるまたは眼球に隣接する視神経の部分を含むことができる。
本明細書で使用される場合、「眼の状態」は、疾患の不快または眼または眼の部分もしくは領域の1つが罹患しているまたはそれが関与している状態である。眼は、眼球および組織および眼球を構成する流体、眼周囲の筋肉(例えば、斜筋および直筋)ならびに眼球内にあるまたは眼球に隣接する視神経の部分を含むことができる。
「前眼の状態(anterior ocular condition)」は、前(すなわち、眼の前面)眼領域または部位、例えば、眼周囲の筋肉、眼瞼または水晶体嚢もしくは毛様体筋の前壁から後壁に位置する眼球組織または流体に影響を与えるまたはそれらを含む疾患、不快、または状態である。したがって、前眼の状態は、結膜、角膜、前眼房レンズ、虹彩、後眼房(網膜の後ろに位置するが、水晶体嚢の後壁の前に位置する)、レンズまたは水晶体嚢ならびに前眼領域または部位を血管新生化するまたは神経支配する血管および神経に影響を与えるまたはこれらに関与することができる。
「後眼の状態」は、後眼領域または部位、例えば、脈絡膜または強膜(水晶体嚢の後壁を通した面の後ろ側の位置にある)、硝子体、硝子体腔、網膜、視神経または視神経乳頭、ならびに後眼領域もしくは部位を血管新生化するまたは神経支配する血管および神経などに、主に影響を与えるまたはこれらに関与する疾患、不快または状態である。
「後眼の状態」は、後眼領域または部位、例えば、脈絡膜または強膜(水晶体嚢の後壁を通した面の後ろ側の位置にある)、硝子体、硝子体腔、網膜、視神経または視神経乳頭、ならびに後眼領域もしくは部位を血管新生化するまたは神経支配する血管および神経などに、主に影響を与えるまたはこれらに関与する疾患、不快または状態である。
ある範囲に記載のまたは任意の類似の方式で特許請求することができる、その群の範囲内の任意の部分範囲または部分範囲の組合せを含めた、任意のかかる群の任意の個別のメンバーを、但し書きで排除するまたは除外する権利を留保することにより、本開示の完全でない手段は、任意の理由のために特許請求することができる。さらに、任意の個別の置換基、類似体、化合物、リガンド、構造、またはそれらの群、または特許請求された群の任意のメンバーを但し書きで排除するまたは除外する権利を留保することにより、本開示の完全でない手段は、任意の理由のために特許請求することができる。
本開示にわたって、様々な特許、特許出願および刊行物が参照される。本開示の日付以後はその中に当業者に公知の現況技術をさらに完全に記載するために、これらの特許、特許出願および刊行物の開示を、その全体を参照により本開示に組み込む。本開示は、引用した特許、特許出願および刊行物ならびに本開示の間に任意の不一致がある場合において規制する。
便宜上、明細書、例および特許請求の範囲に使用されたいくつかの用語は、ここに収集される。別段定義されない限り、本開示に用いたすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。
本開示にわたって、様々な特許、特許出願および刊行物が参照される。本開示の日付以後はその中に当業者に公知の現況技術をさらに完全に記載するために、これらの特許、特許出願および刊行物の開示を、その全体を参照により本開示に組み込む。本開示は、引用した特許、特許出願および刊行物ならびに本開示の間に任意の不一致がある場合において規制する。
便宜上、明細書、例および特許請求の範囲に使用されたいくつかの用語は、ここに収集される。別段定義されない限り、本開示に用いたすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する当業者により一般に理解されるものと同じ意味を有する。
II.治療の方法
米国における地図状萎縮(GA)の有病率は、80歳を超える人でおよそ650,000名と推定され、6.9%を示す。今のところ、GAのための治療は承認されていない。一態様では、AMDを治療する方法は、本明細書に記載される。実施形態では、これらの方法は、乾燥AMDを治療するのに有用である。実施形態では、これらの方法は、乾燥AMDの進行期、例えば、GAなどを治療するために特に有用である。
米国における地図状萎縮(GA)の有病率は、80歳を超える人でおよそ650,000名と推定され、6.9%を示す。今のところ、GAのための治療は承認されていない。一態様では、AMDを治療する方法は、本明細書に記載される。実施形態では、これらの方法は、乾燥AMDを治療するのに有用である。実施形態では、これらの方法は、乾燥AMDの進行期、例えば、GAなどを治療するために特に有用である。
GAは、網膜下でRPE細胞の別々の領域のほぼ完全な喪失または萎縮の臨床状態を意味する。GAは、しばしば、窩の近傍の領域で、最初に発症する。萎縮の領域は、経時的に拡大し、おそらく融合する傾向があるいくつかの小さな領域(病変)として、発症し得る。GA病変は、経時的にゆっくりと成長し(年当たり約1.3〜2.6mm2)、中心視野を喪失させるおそれがある。
GAを治療する方法に伴う問題は、効果を決定するおよび/または適切な投薬を確立する能力を阻む病変サイズのゆっくりとした進行(成長の速度)である。進行の速度に対する効果が、数カ月、さらに1年でなく数年にわたって見られるため、治療の効果は、必要に応じて、決定し、調整することが難しい。これらの問題に対処するために、本明細書に記載した治療は、治療薬の投与で達成される差が、臨床的に意味あるタイムラインで決定し、かつ/または調整することができるように、病変サイズまたは領域についての進行の速度を示す患者のために用いられる。実施形態では、効果が、約12カ月以内で見られるように、患者母集団は、選択される。以前の試験が、病変のゆっくりとした成長速度または進行による任意の効果を示すのに18〜24カ月要し得るため、この効果は、非常に有益である。
一実施形態では、地図状萎縮を伴う病変の成長の速度を遅くするまたは停止させるための治療方法が提供される。いくつかの実施形態では、1種または複数の治療薬の治療有効量は、ベースライン地図状萎縮病変領域が約8mm2以上である対象に投与される。実施形態では、治療薬を投与することは、ベースライン地図状萎縮病変領域が8mm2以上である対象の母集団におけるプラセボによって治療された対象に対して、ベースライン地図状萎縮病変領域が8mm2以上である対象の母集団において病変の成長の速度を遅らせるまたは停止させるのに有効である。いくつかの実施形態では、本治療薬は、ベースライン地図状萎縮病変領域が少なくとも約8〜50mm2または約8〜50mm2を超える対象に投与される。いくつかの実施形態では、治療薬は、ベースライン地図状萎縮病変領域が、少なくとも約8〜9mm2、8〜10mm2、8〜11mm2、8〜12mm2、8〜13mm2、8〜14mm2、8〜15mm2、8〜16mm2、8〜17mm2、8〜18mm2、8〜19mm2、8〜20mm2、8〜25mm2、8〜30mm2、8〜40mm2、9〜10mm2、9〜11mm2、9〜12mm2、9〜13mm2、9〜14mm2、9〜15mm2、9〜16mm2、9〜17mm2、9〜18mm2、9〜19mm2、9〜20mm2、9〜25mm2、9〜30mm2、9〜40mm2、9〜50mm2、10〜11mm2、10〜12mm2、10〜13mm2、10〜14mm2、10〜15mm2、10〜16mm2、10〜17mm2、10〜18mm2、10〜19mm2、10〜20mm2、10〜25mm2、10〜30mm2、10〜40mm2、10〜50mm2、11〜12mm2、11〜13mm2、11〜14mm2、11〜15mm2、11〜16mm2、11〜17mm2、11〜18mm2、11〜19mm2、11〜20mm2、11〜25mm2、11〜30mm2、11〜40mm2、11〜50mm2、12〜13mm2、12〜14mm2、12〜15mm2、12〜16mm2、12〜17mm2、12〜18mm2、12〜19mm2、12〜20mm2、12〜25mm2、12〜30mm2、12〜40mm2、12〜50mm2、13〜14mm2、13〜15mm2、13〜16mm2、13〜17mm2、13〜18mm2、13〜19mm2、13〜20mm2、13〜25mm2、13〜30mm2、13〜40mm2、13〜50mm2、14〜15mm2、14〜16mm2、14〜17mm2、14〜18mm2、14〜19mm2、14〜20mm2、14〜25mm2、14〜30mm2、14〜40mm2、14〜50mm2、15〜16mm2、15〜17mm2、15〜18mm2、15〜19mm2、15〜20mm2、15〜25mm2、15〜30mm2、15〜40mm2、15〜50mm2、16〜17mm2、16〜18mm2、16〜19mm2、16〜20mm2、16〜25mm2、16〜30mm2、16〜40mm2、16〜50mm2、17〜18mm2、17〜19mm2、17〜20mm2、17〜25mm2、17〜30mm2、17〜40mm2、17〜50mm2、18〜19mm2、18〜20mm2、18〜25mm2、18〜30mm2、18〜40mm2、18〜50mm2、19〜20mm2、19〜25mm2、19〜30mm2、19〜40mm2、19〜50mm2、20〜25mm2、20〜30mm2、20〜40mm2、20〜50mm2、25〜30mm2、25〜40mm2、25〜50mm2、30〜40mm2、30〜50mm2、または40〜50mm2またはそれらを超える対象に投与される。いくつかの実施形態では、治療薬は、ベースライン地図状萎縮病変領域が、少なくとも約9mm2、約10mm2、約11mm2、約12mm2、約13mm2、約14mm2、約15mm2、約20mm2、約25mm2、約30mm2、約40mm2、約50mm2もしくはそれ以上または約9mm2、約10mm2、約11mm2、約12mm2、約13mm2、約14mm2、約15mm2、約20mm2、約25mm2、約30mm2、約40mm2、約50mm2もしくはそれ以上を超える対象に投与される。
地図状萎縮病変領域は、当技術分野で公知の任意の適当な方法により測定することができるということが理解されよう。いくつかの限定しない実施形態では、病変領域は、カラーの眼底写真および/または眼底自発蛍光のうちの1つまたは複数により測定される。
他の実施形態では、地図状萎縮を伴う病変サイズの進行を遅くする方法が提供される。いくつかの実施形態では、地図状萎縮を伴う病変サイズの進行を遅らせる薬物または治療薬は、対象に投与される。実施形態では、薬物の治療有効用量は、ベースライン地図状萎縮病変領域が約8mm2以上である対象の母集団に投与することにより確立される。いくつかの実施形態では、治療薬は、ベースライン地図状萎縮病変領域が、約9mm2、約10mm2、約11mm2、約12mm2、約13mm2、約14mm2、約15mm2、またはそれ以上を超える対象に投与される。
他の実施形態では、地図状萎縮病変を伴う患者を治療するための方法が提供される。実施形態では、本方法は、患者における地図状萎縮を伴う病変、病変サイズを有する病変を同定するステップと、ベースライン地図状萎縮病変領域が8mm2以上である対象の母集団におけるプラセボによって治療された対象に対して、ベースライン地図状萎縮病変領域が8mm2以上である対象の母集団における病変の成長の速度を遅くするために、治療有効用量で地図状萎縮病変の成長の進行を遅くする薬物を投与するステップまたは対象/提供者に投与することを指示するステップとを含む。いくつかの実施形態では、治療薬は、ベースライン地図状萎縮病変領域が少なくとも約8〜50mm2または約8〜50mm2を超える対象に投与される。いくつかの実施形態では、治療薬は、ベースライン地図状萎縮病変領域が、少なくとも約8〜9mm2、8〜10mm2、8〜11mm2、8〜12mm2、8〜13mm2、8〜14mm2、8〜15mm2、8〜16mm2、8〜17mm2、8〜18mm2、8〜19mm2、8〜20mm2、8〜25mm2、8〜30mm2、8〜40mm2、9〜10mm2、9〜11mm2、9〜12mm2、9〜13mm2、9〜14mm2、9〜15mm2、9〜16mm2、9〜17mm2、9〜18mm2、9〜19mm2、9〜20mm2、9〜25mm2、9〜30mm2、9〜40mm2、9〜50mm2、10〜11mm2、10〜12mm2、10〜13mm2、10〜14mm2、10〜15mm2、10〜16mm2、10〜17mm2、10〜18mm2、10〜19mm2、10〜20mm2、10〜25mm2、10〜30mm2、10〜40mm2、10〜50mm2、11〜12mm2、11〜13mm2、11〜14mm2、11〜15mm2、11〜16mm2、11〜17mm2、11〜18mm2、11〜19mm2、11〜20mm2、11〜25mm2、11〜30mm2、11〜40mm2、11〜50mm2、12〜13mm2、12〜14mm2、12〜15mm2、12〜16mm2、12〜17mm2、12〜18mm2、12〜19mm2、12〜20mm2、12〜25mm2、12〜30mm2、12〜40mm2、12〜50mm2、13〜14mm2、13〜15mm2、13〜16mm2、13〜17mm2、13〜18mm2、13〜19mm2、13〜20mm2、13〜25mm2、13〜30mm2、13〜40mm2、13〜50mm2、14〜15mm2、14〜16mm2、14〜17mm2、14〜18mm2、14〜19mm2、14〜20mm2、14〜25mm2、14〜30mm2、14〜40mm2、14〜50mm2、15〜16mm2、15〜17mm2、15〜18mm2、15〜19mm2、15〜20mm2、15〜25mm2、15〜30mm2、15〜40mm2、15〜50mm2、16〜17mm2、16〜18mm2、16〜19mm2、16〜20mm2、16〜25mm2、16〜30mm2、16〜40mm2、16〜50mm2、17〜18mm2、17〜19mm2、17〜20mm2、17〜25mm2、17〜30mm2、17〜40mm2、17〜50mm2、18〜19mm2、18〜20mm2、18〜25mm2、18〜30mm2、18〜40mm2、18〜50mm2、19〜20mm2、19〜25mm2、19〜30mm2、19〜40mm2、19〜50mm2、20〜25mm2、20〜30mm2、20〜40mm2、20〜50mm2、25〜30mm2、25〜40mm2、25〜50mm2、30〜40mm2、30〜50mm2、または40〜50mm2またはそれらを超える対象に投与される。いくつかの実施形態では、治療薬は、ベースライン地図状萎縮病変領域が、少なくとも約9mm2、約10mm2、約11mm2、約12mm2、約13mm2、約14mm2、約15mm2、約20mm2、約25mm2、約30mm2、約40mm2、約50mm2もしくはそれ以上または約9mm2、約10mm2、約11mm2、約12mm2、約13mm2、約14mm2、約15mm2、約20mm2、約25mm2、約30mm2、約40mm2、約50mm2もしくはそれ以上を超える対象に投与される。
実施形態では、治療薬は、ランパリズマブ、フルシノロンアセトニド(flucinolone acetonide)、ORACEA(登録商標)、エミクススタト塩酸塩、シロリムス、MC−1101、Zimura(登録商標)、およびブリモニジンまたはその塩から選択される。一実施形態では、治療薬は、ブリモニジンまたはその塩を含む。ブリモニジン(5−ブロモ−6−(2−イミダゾリジニリデンアミノ)キノキサリン)は、水性体液性産生を減少するおよびぶどう膜強膜路を増加させることにより、開放隅角緑内障を治療するために有効であることが見出されているα−2−選択的アドレナリン受容体アゴニストである。(ALPHAGAN(登録商標)として販売されている)ブリモニジン酒石酸塩点眼液0.2%は、1996年9月に米国食品医薬品局(FDA)および1997年3月に欧州(英国)において承認された。
ブリモニジン酒石酸塩の神経保護効果は、視神経の挫滅、中等度高眼圧症、圧力によって誘導される虚血、および血管虚血の動物モデルにおいて示されている。ブリモニジン酒石酸塩の局所適用の神経保護効果は、緑内障、加齢黄斑変性、網膜色素変性、糖尿病網膜症、および急性非動脈炎性前部虚血性視神経症を伴う患者において、やはり臨床的に探索されている。
ブリモニジンはまた、ブリモニジン遊離塩基として公的に利用可能である。ブリモニジン遊離塩基は、一般に疎水性である。いくつかの実施形態では、治療薬は、ブリモニジン遊離塩基である。いくつかの実施形態では、治療薬は、ブリモニジンの薬学的に許容される酸付加塩である。1つの模範的な塩は、ブリモニジン酒石酸塩(AGN 190342−F、5−ブロモ−6−(2−イミダゾリジニリデンアミノ)キノキサリン酒石酸塩)である。ブリモニジン遊離塩基およびブリモニジン酒石酸塩は、化学的に安定しており、融点が200℃より高い。
ブリモニジンはまた、ブリモニジン遊離塩基として公的に利用可能である。ブリモニジン遊離塩基は、一般に疎水性である。いくつかの実施形態では、治療薬は、ブリモニジン遊離塩基である。いくつかの実施形態では、治療薬は、ブリモニジンの薬学的に許容される酸付加塩である。1つの模範的な塩は、ブリモニジン酒石酸塩(AGN 190342−F、5−ブロモ−6−(2−イミダゾリジニリデンアミノ)キノキサリン酒石酸塩)である。ブリモニジン遊離塩基およびブリモニジン酒石酸塩は、化学的に安定しており、融点が200℃より高い。
治療薬は、任意の適当な方法により投与することができる。いくつかの実施形態では、治療薬は、後眼部に投与される。実施形態では、本方法は、例えば、硝子体内注射、結膜下注射(subconjuctival injection)、テノン嚢下注射、球後注射、および脈絡膜上注射(suprachoroidal injection)のうちの少なくとも1つなどの注射により治療薬を投与するステップを含む。
いくつかの実施形態では、治療薬は、例えば、米国特許第8,969,415号および第9,610,246号に記載され、この両方が、参照により本明細書に組み込まれる、徐放インプラントの形態で投与される。実施形態では、インプラントは、有効な薬剤、例えば、ブリモニジンまたはその塩および生分解性ポリマーマトリックスなどを含む固形眼内インプラントである。
いくつかの実施形態によれば、インプラントは、生体分解可能ポリマーマトリックス内に分散した、ブリモニジンまたはその塩の粒子により配合することができる。いくつかの実施形態によれば、インプラントは、一体化することができ、生分解性ポリマーマトリックスによって均質に分布したまたは被包された治療薬を有し、有効な薬剤のリザーバーは、ポリマーマトリックスにより被包される。いくつかの実施形態では、治療薬は、生分解性ポリマーマトリックス中で不均質なパターンで分布することができる。例えば、一実施形態では、インプラントは、インプラントの第2の部分に対して、治療薬(例えば、ブリモニジンまたはその塩など)の濃度がより高い第1の部分を含むことができる。
いくつかの実施形態によれば、インプラントは、生体分解可能ポリマーマトリックス内に分散した、ブリモニジンまたはその塩の粒子により配合することができる。いくつかの実施形態によれば、インプラントは、一体化することができ、生分解性ポリマーマトリックスによって均質に分布したまたは被包された治療薬を有し、有効な薬剤のリザーバーは、ポリマーマトリックスにより被包される。いくつかの実施形態では、治療薬は、生分解性ポリマーマトリックス中で不均質なパターンで分布することができる。例えば、一実施形態では、インプラントは、インプラントの第2の部分に対して、治療薬(例えば、ブリモニジンまたはその塩など)の濃度がより高い第1の部分を含むことができる。
ポリマーマトリックス用の適当なポリマー材料の例には、それだけには限らないが、ポリエステルが含まれる。例えば、D−乳酸、L−乳酸、ポリ(D,L−ラクチド)、ラセミ乳酸、グリコール酸、ポリカプロラクトン、およびそれらの組合せのポリマーは、ポリマーマトリックス用に用いることができる。一実施形態では、ポリマーは、ポリ(D,L−ラクチド−co−グリコリド)ポリマーである。いくつかの実施形態では、ポリエステルは、用いられる場合、ホモポリマーでも、コポリマーでも、その混合物でもよい。いくつかの実施形態では、インプラントは、グリコール酸と乳酸の1種もしくは複数のコポリマーを含み、生分解の速度は、一部で、グリコール酸対乳酸の比により、制御することができる。ポリ乳酸ポリグリコール酸(PLGA)コポリマー中のポリ乳酸のモル百分率(モル%)は、15mol%〜約85mol%の間であり得る。いくつかの実施形態では、(PLGA)コポリマー中のポリ乳酸のモル百分率は、約35mol%〜約65mol%の間である。いくつかの実施形態では、50mol%ポリ乳酸および50mol%ポリグリコール酸を有するPLGAコポリマーは、ポリマーマトリックスにおいて用いることができる。実施形態では、眼内インプラントの生分解性ポリマーマトリックスは、2種以上の生分解性ポリマーの混合物を含む。
いくつかの実施形態では、インプラントは、生分解性ポリマーが、約30〜80質量%の間からなる。他の実施形態では、インプラントは、約30〜40質量%、30〜50質量%、30〜60質量%、30〜70質量%、30〜75質量%、40〜50質量%、40〜60質量%、40〜70質量%、40〜75質量%、40〜80質量%、50〜60質量%、50〜70質量%、50〜75質量%、50〜80質量%、60〜70質量%、60〜75質量%、60〜80質量%、70〜75質量%、または75〜80質量%の間からなる。一実施形態では、インプラントは、生分解性ポリマーが、約50〜65質量%からなる。実施形態では、インプラントは、1種または複数の生分解性ポリマーが少なくとも約40質量%、50質量%、60質量%、65質量%、70質量%、75質量%、または80質量%からなる。他の実施形態では、インプラントは、1種または複数の生分解性ポリマーが、約40質量%、50質量%、60質量%、65質量%、70質量%、75質量%、または80質量%までからなる。
いくつかの実施形態では、インプラントは、1種または複数の治療薬が、約20〜70質量%の間からなる。他の実施形態では、インプラントは、約20〜25質量%、20〜30質量%、20〜40質量%、20〜50質量%、20〜60質量%、25〜30質量%、25〜40質量%、25〜50質量%、25〜60質量%、25〜70質量%、30〜40質量%、30〜50質量%、30〜60質量%、30〜70質量%、40〜50質量%、40〜60質量%、40〜70質量%、50〜60質量%、50〜70質量%、または60〜70質量%の間からなる。実施形態では、インプラントは、1種または複数の治療薬が、少なくとも約20質量%、25質量%、30質量%、40質量%、50質量%、60質量%、または70質量%からなる。他の実施形態では、インプラントは、1種または複数の治療薬が、約20質量%、25質量%、30質量%、40質量%、50質量%、60質量%、または70質量%までからなる。
本明細書中のいくつかの実施形態では、インプラントは、1種もしくは複数の治療薬または薬剤の延長放出時間用に提供することができる。したがって、例えば、眼にそのようなインプラントを投与されている患者は、薬剤の追加の投与を要さずに、長期間または延長期間、薬剤の治療量を受け取ることができる。いくつかの実施形態によれば、インプラントはまた、完全にまたはほぼ完全に分解する前の標的時間または制限時間に患者の眼内に残存することができるにすぎない。時間を制限することにより、異物、例えば、インプラントは、患者の眼または硝子体の中にあり、患者の快適性は、最適化され、感染症または他の合併症についてのこれらのリスクは、最小限にされる。また、角膜または硝子体の動的流体中の眼の他の部分と衝突しているインプラントから生じ得る合併症は、回避することができる。
III.地図状萎縮のための治療を評価する方法
GAの進行は、視覚機能試験により、前もって臨床的に測定されている。しかしながら、これらの試験は、主観的な測定を利用しており、臨床エンドポイントについて標準化することが困難である。さらに、視力および/または機能アウトカムは、GAのゆっくりとした進行に非感受性であり得る。代替エンドポイントは、GA病変の拡大の進行の速度を低下させることを含めて、臨床試験についてのエンドポイントとして考慮されている。米国食品医薬品局は、臨床試験中の主なアウトカムパラメーターとしてGA拡大速度の解剖的エンドポイントを採用した。これらの方法において、プラセボまたは偽治療に対する改善は、病変の成長を遅くするまたは停止することにより示すことができる。適当なアウトカムおよびエンドポイント(例えば、主要および/または副次アウトカム)の選択は、臨床試験のデザインにおいて、決定的に重要な因子である。しかしながら、GA病変サイズのゆっくりとした成長または進行により、現在の方法は、介入によって進行の速度を遅らせるかどうか決定するために、評価の多数の年(例えば、18〜24カ月)を要する。本方法は、約12カ月時点でまたは約12カ月以内に薬物の効果の有効な決定または推定を可能にするために、患者の選択基準(例えば、病変領域)を用いる。
GAの進行は、視覚機能試験により、前もって臨床的に測定されている。しかしながら、これらの試験は、主観的な測定を利用しており、臨床エンドポイントについて標準化することが困難である。さらに、視力および/または機能アウトカムは、GAのゆっくりとした進行に非感受性であり得る。代替エンドポイントは、GA病変の拡大の進行の速度を低下させることを含めて、臨床試験についてのエンドポイントとして考慮されている。米国食品医薬品局は、臨床試験中の主なアウトカムパラメーターとしてGA拡大速度の解剖的エンドポイントを採用した。これらの方法において、プラセボまたは偽治療に対する改善は、病変の成長を遅くするまたは停止することにより示すことができる。適当なアウトカムおよびエンドポイント(例えば、主要および/または副次アウトカム)の選択は、臨床試験のデザインにおいて、決定的に重要な因子である。しかしながら、GA病変サイズのゆっくりとした成長または進行により、現在の方法は、介入によって進行の速度を遅らせるかどうか決定するために、評価の多数の年(例えば、18〜24カ月)を要する。本方法は、約12カ月時点でまたは約12カ月以内に薬物の効果の有効な決定または推定を可能にするために、患者の選択基準(例えば、病変領域)を用いる。
試験は、個体間のGA病変の成長速度において広範な可変性を示している(Sunness et al., Retina, 27(2):204-210, 2007)。GAを伴う患者の大型のプールにおいて、プラセボ/偽対照薬のための十分な病変の増大は、治療を評価するために治療効果および偽の効果間の十分な差を示すために、数年かかり得る。ベースラインGA病変領域は、より大型の病変がより速やかに進行する患者によるGA進行速度と相関することが示されている(Schmitz-Valckenberg, et al., Ophthalmology, 123:361-368, 2016)。適当な成長速度(例えば、速やかにもしくはより速やかに進行する疾患)を有する患者を選択することによって、研究下で治療の評価をより速めることが可能である。プラセボによる治療または偽治療は、限定された期間にわたってGA病変領域のほとんど線形の成長を有することが予想される。有効な治療薬による治療は、治療のためのGA病変領域の発散を示すことが予想される。治療の有効性を示すために、偽治療対薬物治療の場合のGA病変領域または有効直径間の有意差は、臨床的に意義がある必要があり得る。実施形態では、約5〜25%の差は、薬物治療と比較した偽治療の場合のGA病変領域または有効直径間で見出される。いくつかの実施形態では、薬物治療と比較した偽治療の場合のGA病変領域または有効直径間の差は約5〜10%、5〜15%、5〜20%、10〜15%、10〜20%、10〜25%、15〜20%、15〜25%、および20〜25%である。実施形態では、少なくとも約5%、10%、15%、20%または25%の差が見出され、薬物治療と比較した偽治療の場合のGA病変領域または有効直径間で見出される。実施形態では、約5%、10%、15%、20%または25%までの差が見出され、薬物治療と比較した偽治療の場合のGA病変領域または有効直径間で見出される。
ベースラインGA病変領域が少なくとも約8mm2である研究のための対象の選択は、時間尺度の縮小における治療薬の評価を可能にするために、プラセボ治療したもしくは偽治療した対象の適当に速やかな進行を提供する。プラセボ治療したもしくは偽治療した対象の速やかな進行によって、プラセボ/偽と治療群との間のウィンドウのより早期の検出が可能になる。ベースラインGA病変領域が、少なくとも約8もしくは9mm2である患者を選択することによって、期間の縮小における、例えば、約12カ月以内の治療効果の評価が可能になる。開示されたGA病変領域を有する試験のために患者を選択するまたは含む値は、これらの患者が、約12カ月以内の治験薬の治療効果の有効な推定を可能にする病変領域について進行速度が十分に高いことを示すことが見出されているということである。実施形態では、調査的な方法によって、約6カ月から2年以内の検出ウィンドウが可能になり、GAの従来の試験よりも有意な減少であり、これは、一般に、18カ月から2年の主要エンドポイントで設計される。いくつかの実施形態では、調査的な方法は、約6〜12カ月、6〜11カ月、6〜10カ月、6〜9カ月、6〜8カ月、6〜7カ月、7〜12カ月、7〜11カ月、7〜10カ月、7〜9カ月、7〜8カ月、8〜12カ月、8〜11カ月、8〜10カ月、8〜9カ月、9〜12カ月、9〜11カ月、9〜10カ月、10〜12カ月、10〜11カ月、もしくは11〜12カ月の検出ウィンドウまたは評価エンドポイントが可能になる。いくつかの実施形態では、調査的な方法は、約6、7、8、9、10、11、もしくは12カ月以内までの検出ウィンドウまたは調査的エンドポイントが可能になる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載した調査的な方法によって、約18もしくは24カ月未満の検出ウィンドウまたは調査的エンドポイントが可能になる。
治療プロトコールを評価するための方法またはGAのための方法には、ベースラインGA病変領域が、約8mm2または約9mm2以上である患者の選択を要する。図3は、例2に記載されている偽治療を投与した対象の場合の24カ月にわたるGA病変有効直径(mm)を示すグラフである。12カ月にわたる治療のGA病変有効直径のベースラインからの変化およびベースラインGA病変領域が9mm2未満(△)または9mm2以上(○)である患者の場合の変化を示す。これらの対象についてのGA病変領域を、さらに12カ月間治療せずに観察した。ベースラインGA病変領域が少なくとも9mm2である患者は、さらに1年で、ベースラインが9mm2未満である患者と比較して、病変有効直径の進行が有意に高いことを示した。最初にGA病変領域がまた、より大きい偽治療した対象は、より早期の検出およびGA病変領域に対する治療の効果の比較を可能にする速やかな進行がある。ベースラインGA病変領域が少なくとも9mm2である患者によって、少なくとも治療のその年の内の偽治療と治療との間のウィンドウが示された。このウィンドウは、治療および/または偽投与の場合の進行がゆっくりとした速度により、2年の主要時点を用いる従来の試験デザインより少なくとも50%速い。
ベースラインGA病変領域が>9mm2である対象は、12カ月の治療の間4.6mm2進行した。比較では、低ベースラインGA領域が>9mm2である対象は、ベースラインから同じ量まで進行するのにおよそ36カ月かかるはずである。本例では、適当なGA病変サイズを有する対象の母集団を選択することによって、2年早い調査的治療評価が可能になる(例えば、36カ月でなく12カ月)。したがって、中/低ベースラインGA病変領域を有する対象は、低ベースラインGA病変領域を有する対象より、治療が有意に速い(例えば、少なくとも約30〜50%)ことによる任意の差を示すはずである。図2中に示されるように、ベースラインGA病変領域が9mm2以上である対象を選択することによって、ブリモニジン遊離塩基当量が132μg(□)であるまたはブリモニジン遊離塩基当量が264μg(△)である例1に記載されている配合物を有するブリモニジン酒石酸塩インプラントのそれぞれによる治療の効果が、さらに12カ月の治療期間内に、偽治療した対象(○)と比較して検出可能になる。ベースライン病変領域が十分なサイズである対象を選択することにより、病変は、プラセボまたは偽対照薬と比較するために適した速度で成長する。
実施形態では、調査的試験から得られたデータを、平方根変換を用いて変換し、臨床的に意義がある用語として、Feuer et al.(JAMA Ophthalmol, 131(1):110-111, 2013)(Kim et al., ARVO 2017 abstractもまた参照のこと)に記載されている方法を用いた有効直径を表す。実施形態では、ベースラインGA領域の平方根変換は、GA進行に対するベースライン領域の効果を回復させると思われ、これは、臨床試験の登録および分析を簡略化でき得る。病変領域の平方根を用いることにより、GA病変領域データの統計的特性が改善される。実施形態では、病変領域データの平方根変換によって、(より正常な)データの分布を改善し、かつ/またはベースラインGA領域と進行の速度との間の関連性は、明白でない。(Feuerを参照のこと)実施形態では、GA病変領域は、次式
したがって、実施形態では、GA病変のベースライン有効直径が、少なくとも約3.19〜7.98mmもしくは約3.19〜7.98mm以上、または少なくとも約3.38〜7.98mmもしくは約3.38〜7.98mm以上であるように、対象は選択される。
いくつかの実施形態では、ベースライン病変周辺部は、別の方法として進行速度の予測的手段を用いる。周辺部は、GA進行についてのリスクにおける細胞の量の指標を表し、したがって、進行速度についての予測値を提供する。病変周辺部は、それだけには限らないが、カラーの眼底写真および/または眼底自発蛍光のうちの1つまたは複数を含めた、当技術分野で公知の任意の適当な方法により測定することができる。図4A〜4Bは、GA病変周辺部が0〜60mmである対象の場合の12または24カ月時点のGA進行速度(mm2/年)のグラフを示す。これらの図中で示されるように、成長速度が十分に高い対象を選択することによって、1カ月後に治療薬の効果の有効な推定が可能になる。
病変形状の不規則の指標であるGA円状インデックス(GACI)は、病変領域および病変周辺部により定義される円の領域の比として算出される。いくつかの実施形態では、GACIは、病変の進行速度を模擬する、モニターするまたは予測することに関して利用可能である。より高いGACI値では、よりゆっくりとした進行の速度が予測される。GACIは、測定されたGA領域対推定された領域(EA)の比として定義され、0.0から1.0までの範囲である。EAは、4πで除した二乗された周辺部(P)として定義され、これは、周辺部(2π)および円の領域(πr2)についての幾何学式に由来する。
GACI=測定されたGA領域/EA(式中、EA=P2/4πである)。
調査的試験のための治療薬は、限定されず、地図状萎縮の進行を治療する、遅延させるまたは防止する上で、臨床上の有効性を調査するための、任意の薬物、化合物または他の薬剤であり得るということが理解されよう。
GACI=測定されたGA領域/EA(式中、EA=P2/4πである)。
調査的試験のための治療薬は、限定されず、地図状萎縮の進行を治療する、遅延させるまたは防止する上で、臨床上の有効性を調査するための、任意の薬物、化合物または他の薬剤であり得るということが理解されよう。
IV.
次の例は、性質上例示的なものであり、制限することを全く意図するものでない。
次の例は、性質上例示的なものであり、制限することを全く意図するものでない。
(例1)
ブリモニジン酒石酸塩を含む眼内インプラントの投与
ブリモニジン酒石酸塩を、1種または複数の生分解性ポリマーとブレンドすることにより、ブリモニジン酒石酸塩400μgまたは200μgを含む眼内インプラントを調製した。得られた粉末を、切断してブリモニジン酒石酸塩の標的質量が400μgまたは200μgであるインプラントを形成したフィラメントに押し出して、それぞれ、相当するブリモニジン遊離塩基用量132μgまたは264μgを提供した。表1は、インプラント配合物を示す。
ブリモニジン酒石酸塩を含む眼内インプラントの投与
ブリモニジン酒石酸塩を、1種または複数の生分解性ポリマーとブレンドすることにより、ブリモニジン酒石酸塩400μgまたは200μgを含む眼内インプラントを調製した。得られた粉末を、切断してブリモニジン酒石酸塩の標的質量が400μgまたは200μgであるインプラントを形成したフィラメントに押し出して、それぞれ、相当するブリモニジン遊離塩基用量132μgまたは264μgを提供した。表1は、インプラント配合物を示す。
インプラントを、25Gアプリケーターに充てんすることにより滅菌し、25から40kGy用量でγ線で滅菌した。インプラント当たりの効力は、HPLCアッセイにより確認することができる。
ブリモニジン酒石酸塩または偽治療(薬物なし)を含むインプラントを、22−ゲージインサートを用いて後眼部に硝子体内挿入した(intravitreally inserted)。
地図状萎縮病変領域および/または病変周辺部を、インプラントを投与した約12カ月後、カラーの眼底写真などの適当な方法により測定する。
(例2)
ブリモニジンを含む眼内インプラントの投与
22−ゲージインプラント中でブリモニジン遊離塩基当量(equivalent dose)132μgまたは264μgを提供するために、ブリモニジン酒石酸塩200μgまたは400μgを含む生分解性インプラントを、例1に記載されている方法に従って調製した。ポリマーマトリックス配合物は、50%w/wブリモニジン遊離塩基、25%w/wポリ(D,L−ラクチド)、酸末端(固有粘度0.16〜0.24dL/g;低分子量)、25%w/w75:25ポリ(D,L−ラクチド−co−グリコリド(固有粘度0.16〜0.24dL/g;低分子量)を含む。インプラントは、直径356μm、長さおよそ6μm、質量800μgである。
ブリモニジンを含む眼内インプラントの投与
22−ゲージインプラント中でブリモニジン遊離塩基当量(equivalent dose)132μgまたは264μgを提供するために、ブリモニジン酒石酸塩200μgまたは400μgを含む生分解性インプラントを、例1に記載されている方法に従って調製した。ポリマーマトリックス配合物は、50%w/wブリモニジン遊離塩基、25%w/wポリ(D,L−ラクチド)、酸末端(固有粘度0.16〜0.24dL/g;低分子量)、25%w/w75:25ポリ(D,L−ラクチド−co−グリコリド(固有粘度0.16〜0.24dL/g;低分子量)を含む。インプラントは、直径356μm、長さおよそ6μm、質量800μgである。
少なくとも1つの罹患した眼におけるベースライン地図状萎縮領域を、加齢黄斑変性に続発する地図状萎縮と診断された各対象の場合に決定した。ブリモニジン遊離塩基当量132μg(対象49名)を含むブリモニジン酒石酸塩−含有インプラント、ブリモニジン遊離塩基当量264μg(対象41名)を含むブリモニジン酒石酸塩−含有インプラント、または偽(薬物なし)(対象23名)を、眼治療において地図状萎縮を有する対象の後眼部に硝子体内挿入した。治療を、3カ月毎に12カ月間繰り返した。地図状萎縮病変領域を、カラーの眼底写真により測定した。図1は、ブリモニジン遊離塩基当量132μg(□)を含むブリモニジン酒石酸塩−含有インプラントまたはブリモニジン遊離塩基当量264μg(△)を含むブリモニジン酒石酸塩−含有インプラントを投与された対象の場合のベースラインGA病変(mm2)と比較した、偽および薬物治療の場合の進行速度(mm2/年)を示す。
GA領域ベースラインがより低い(三分位値T1−0.5〜9mm2)治療対象は、両方の治療用量の場合その年の間GA進行速度がより低かった。GA領域ベースラインが中間である(三分位値T2−>9〜19mm2)治療対象は、その年の間GA進行速度がわずかに高く、低用量治療は、高用量治療よりも進行速度が高かった。GA領域ベースラインが高い(三分位値T3−>19〜50mm2)治療対象は、その年の間GA進行速度がさらに高く、低用量治療は、高用量治療より進行速度が速い。これらの対象の一部は、1年の時点で安定した病変を表すベースライン値からネガティブな変化があった。
Rソフトウェア(R Studio)を用いて、行列相関を行って、ベースラインGA領域、GACI、および周辺部の機能として12カ月および24カ月時点のGA進行速度を評価し、これらの結果を、図4A〜4Bに示した。
ベースラインGA病変領域(mm2)、GA病変周辺部(mm)、およびGACI平均(範囲)は、偽治療群の場合、それぞれ14.38(1.65〜48.34)mm2、21.88(4.15〜60.72)mm、および0.33(0.07〜0.85)であった。これらの患者において、GA進行速度(ベースラインからの平均の変化±平均値の標準誤差)は、12カ月で年当たり3.31±0.67mm2および24カ月で年当たり5.90±1.13mm2であった。ベースラインGA病変領域およびGA病変周辺部によって、12カ月時点のGA進行速度との統計的に有意な関連性が実証された(それぞれr=0.685;P<.001およびr=0.560;P<.013)。その後、24カ月時点の関連性は、同じ傾向であった(図4B)。
ベースラインGA病変領域(mm2)、GA病変周辺部(mm)、およびGACI平均(範囲)は、偽治療群の場合、それぞれ14.38(1.65〜48.34)mm2、21.88(4.15〜60.72)mm、および0.33(0.07〜0.85)であった。これらの患者において、GA進行速度(ベースラインからの平均の変化±平均値の標準誤差)は、12カ月で年当たり3.31±0.67mm2および24カ月で年当たり5.90±1.13mm2であった。ベースラインGA病変領域およびGA病変周辺部によって、12カ月時点のGA進行速度との統計的に有意な関連性が実証された(それぞれr=0.685;P<.001およびr=0.560;P<.013)。その後、24カ月時点の関連性は、同じ傾向であった(図4B)。
多くの模範的な態様および実施形態が、上記で論じられており、当業者は、いくつかの修正、並べ換え、追加およびそれらのサブコンビネーションを認識している。したがって、次の添付した特許請求の範囲および以下に導入された特許請求の範囲が、これらの真の精神および範囲内である通り、かかるすべての修正、並べ換え、追加およびサブコンビネーションを含むものと解釈されることが意図されている。
Claims (15)
- 地図状萎縮を伴う病変の成長の速度を遅くするための治療方法であって、地図状萎縮を伴う病変の成長の速度を遅くするために、治療有効量の薬物を含む組成物を患者に投与するステップを含み、前記治療有効量が、ベースライン地図状萎縮病変領域が8mm2以上である対象の母集団におけるプラセボによって治療された対象に対して、ベースライン地図状萎縮病変領域が、8mm2以上である対象の母集団における病変の成長の速度を遅くする、方法。
- 薬物が、ブリモニジンまたはその塩である、請求項1に記載の方法。
- ブリモニジンが、ブリモニジン遊離塩基またはブリモニジン酒石酸塩から選択される、請求項2に記載の方法。
- 組成物が、眼用インプラントである、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
- 眼用インプラントが、固形眼用インプラントである、請求項4に記載の方法。
- 固形眼用インプラントが、生分解性ポリマーからなる、請求項5に記載の方法。
- 生分解性ポリマーが、ポリ(D,L−ラクチド)である、請求項6に記載の方法。
- 固形眼内インプラントが、生分解性ポリマー約50〜65質量%の間からなる、請求項7に記載の方法。
- 眼用インプラントが、ポリ(D,L−ラクチド−co−グリコリド)ポリマーを含む、請求項4から8までのいずれか1項に記載の方法。
- 組成物が、薬物を約25〜60質量%の間で含む、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
- 地図状萎縮を伴う病変サイズの進行を遅くする方法であって、
地図状萎縮を伴う病変サイズの進行を遅くする薬物を患者に投与するステップを含み、薬物の治療有効用量が、ベースライン地図状萎縮病変領域が約8mm2以上である対象の母集団を投薬することにより確立された、方法。 - 対象において地図状萎縮の進行を減少させることにおける使用のための薬物を評価するための方法であって、
ベースライン地図状萎縮病変領域が8mm2以上である対象を薬物による治療のために選択するステップと
薬物を対象に投与するステップと、
地図状萎縮病変領域を決定するステップと、
前記投与するステップと前記決定するステップをn回繰り返すステップであって、nが、少なくとも1である、ステップとを含み、
前記薬物が、ベースライン地図状萎縮病変領域から前記繰り返すステップの後に決定した病変領域の変化が、プラセボまたは偽治療によりn回治療した、ベースライン地図状萎縮病変領域が、8mm2以上である参照対象よりも少ないのであれば、地図状萎縮の進行を減少させるのに有効である、方法。 - 前記決定するステップが、前記投与するステップ後約12カ月以内に行われる、請求項12または13に記載の方法。
- 地図状萎縮病変を伴う患者を治療するための方法であって、
患者における地図状萎縮を伴う病変を同定するステップであって、前記病変が、病変サイズを有する、ステップと;
ベースライン地図状萎縮病変領域が8mm2以上である対象の母集団におけるプラセボ治療したもしくは偽治療した対象に対して、ベースライン地図状萎縮病変領域が8mm2以上である対象の母集団の病変の成長の速度を遅くするために、治療有効用量で地図状萎縮病変の成長の進行を遅くする薬物を投与するまたは投与することを指示するステップとを含む、方法。
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