JP2020517798A - 粘着シート - Google Patents

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Abstract

[課題]粘着力とリワーク性とを高レベルで両立する粘着シートを提供する。[解決手段]提供される粘着シートは、水分散型粘着剤組成物から形成された粘着剤層と、上記粘着剤層を支持するキャリアフィルムと、上記キャリアフィルムと上記粘着剤層との間に配置されたアンカー層とを含む。上記キャリアフィルムは、該キャリアフィルムのうち少なくとも上記アンカー層側の部分をなすプラスチックフィルムを含む。上記粘着剤層は、C6−10アルキル(メタ)アクリレートを50重量%より多く含むモノマー成分の重合物であるアクリル系ポリマーをベースポリマーとして含む。上記粘着シートは、ステンレス鋼に対する引き剥がし粘着力が6N/20mm以上であり、かつ上記粘着剤層の投錨力が15N/20mm以上である。

Description

本発明は、粘着シートに関する。
本出願は、2017年4月26日に出願された日本国特許出願2017−087545に基づく優先権を主張しており、その出願の全内容は本明細書中に参照として組み入れられている。
一般に、粘着剤(感圧接着剤ともいう。以下同じ。)は、室温付近の温度域において柔らかい固体(粘弾性体)の状態を呈し、圧力により簡単に被着体に接着する性質を有する。このような性質を活かして、粘着剤は、例えば粘着剤層と該粘着剤層を支持するキャリアフィルムとを含む粘着シートの形態で、様々な分野において広く利用されている。上記粘着剤層の代表的な形成方法として、液状媒体中に粘着成分を含む粘着剤組成物を適当な表面に塗布して乾燥させる方法が例示される。上記液状媒体として水性溶媒を用いる水分散型粘着剤組成物は、粘着成分が有機溶剤に溶解した形態の溶剤型粘着剤組成物に比べて環境衛生の観点から望ましい。水分散型粘着剤組成物に関する技術文献として特許文献1〜3が挙げられる。
日本国特許出願公開2015−59132号公報 日本国特許出願公開2012−188511号公報 日本国特許第5411580号公報
ところで、粘着剤には用途に応じて様々な特性が求められる。それらの特性のなかには、一方の特性を改善しようとすると他方の特性が低下する傾向にある等、高レベルで両立させることが困難なものがある。このように両立が難しい関係にある特性の一例として、被着体に対する粘着力と、リワーク性とが挙げられる。上記リワークとは、粘着シートを被着体に貼り付ける際に貼り損ね(位置ズレ、シワや気泡の発生等)が生じた場合や、粘着シートの貼付け後に被着体に不具合が見つかった場合等に、被着体から粘着シートを剥がして貼り直すことをいう。リワーク性のよい粘着シートには粘着剤を残留させることなく被着体から引き剥がし得る性質(非糊残り性)が求められるところ、粘着力が高くなると粘着剤層の層内での破壊(凝集破壊)や粘着剤層と支持基材との間での破壊(投錨破壊)が生じやすくなり、良好なリワーク性を実現することは難しくなる傾向にある。特に、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤層がプラスチックフィルムに支持された構成の粘着シートでは、溶剤型粘着剤組成物から形成された粘着剤層に比べて水分散型の粘着剤組成物から形成された粘着剤層は投錨性が不足しやすいことから、粘着力とリワーク性とを高レベルで両立させることが困難であった。
粘着剤層のプラスチックフィルムに対する投錨性を高める手法として、該プラスチックフィルムの表面をコロナ放電処理等により改質する手法が知られている。また、特許文献1には、水分散型粘着剤組成物において所定の条件を満たすようにイソシアネート系架橋剤を用いることにより、樹脂フィルムに対する投錨性に優れた粘着剤層を形成することが記載されている。しかし、本発明者らの検討によれば、粘着力が高くなると、これら従来の手法によっては十分な投錨性が実現され難い場合があった。また、特許文献1の技術によると、イソシアネート基(NCO基)の水反応性により、粘着剤組成物の調製条件や調整後の保存条件、粘着シートの製造条件等の管理が的確に行われないと粘着シートの品質にバラツキが生じる懸念がある。
そこで本発明は、水分散型粘着剤組成物から形成されたアクリル系粘着剤層をプラスチックフィルム上に有する構成において、粘着力とリワーク性とを高レベルで両立する粘着シートを提供することを目的とする。
この明細書により提供される粘着シートは、水分散型粘着剤組成物から形成された粘着剤層と、上記粘着剤層を支持するキャリアフィルムと、上記キャリアフィルムと上記粘着剤層との間に配置されたアンカー層と、を含む。上記キャリアフィルムは、該キャリアフィルムのうち少なくとも上記アンカー層側の部分をなすプラスチックフィルムを含む。上記粘着剤層は、ベースポリマーとしてアクリル系ポリマーを含む粘着剤層である。上記アクリル系ポリマーは、炭素原子数6〜10のアルキル基をエステル末端に有するアルキル(メタ)アクリレートを50重量%より多く含むモノマー成分の重合物である。上記粘着シートは、上記粘着剤層の投錨力が15N/20mm以上であり、かつ上記粘着シートのステンレス鋼に対する引き剥がし粘着力が6N/20mm以上である。
このように構成された粘着シートは、所定以上の高い粘着力を有しつつ、投錨力が高いので非糊残り性に優れる。かかる粘着シートによると、粘着力とリワーク性とを高レベルで両立することができる。なお、以下において、ステンレス鋼に対する引き剥がし粘着力を「対SUS粘着力」と表記することがある。
ここに開示される粘着シートは、水平に保持したガラス板上に無加圧で載置してから5秒後に該ガラス板と上記粘着剤層とが密着している面積の割合として定義される濡れ面積率が60%以上であることが好ましい。このように被着体表面に対する初期濡れ性の高い粘着シートは、弱い圧着力によっても被着体表面に素早く密着し得るので好ましい。
ここに開示される粘着シートのいくつかの態様において、上記アンカー層はウレタン系アンカー層である。ここに開示される粘着シートは、キャリアフィルムと上記粘着剤層との間にウレタン系アンカー層を有する態様で好ましく実施され得る。
ここに開示される粘着シートのいくつかの態様において、上記アンカー層の厚さは10μm未満である。このような厚さのアンカー層は、該アンカー層が層内で破壊することによる投錨破壊が生じにくく、上述した投錨力を満たすものとなりやすいので好ましい。
上記粘着剤層には粘着付与樹脂を含ませることができる。粘着付与樹脂を適切に使用することにより、粘着力を高めることができ、上記粘着力と上記投錨力とを両立する粘着シートが得られやすくなる。
粘着剤層が粘着付与樹脂を含む態様において、該粘着剤層における粘着付与樹脂の含有量は、上記アクリル系ポリマー100重量部に対して、例えば5重量部以上30重量部以下とすることができる。粘着付与樹脂の含有量を上記範囲とすることにより、粘着力とリワーク性とを高レベルで両立する粘着シートが好適に実現され得る。
ここに開示される粘着シートのいくつかの態様において、上記アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は−50℃以下である。このような構成によると、上記濡れ面積率を満たす粘着シートが得られやすい。
いくつかの態様において、上記プラスチックフィルムはポリエステルフィルムであり得る。このような構成の粘着シートでは、ここに開示される技術を適用して粘着力とリワーク性とを高レベルで両立することが特に有意義である。
ここに開示される粘着シートは、上記投錨力が上記粘着力より4N/20mm以上高い態様で好ましく実施され得る。このように粘着力との関係で十分に高い投錨力を示す粘着シートは、強粘着性でありながらリワーク性に優れたものとなり得るので好ましい。
図1は、粘着シートの一構成例を模式的に示す断面図である。 図2は、粘着シートの他の一構成例を模式的に示す断面図である。 図3は、投錨力測定試験の方法を模式的に示す説明図である。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、本明細書に記載された発明の実施についての教示と出願時の技術常識とに基づいて当業者に理解され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明することがあり、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、図面に記載の実施形態は、本発明を明瞭に説明するために模式化されており、実際に提供される製品のサイズや縮尺を必ずしも正確に表したものではない。
この明細書において「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイルおよびメタクリロイルを包括的に指す意味である。同様に、「(メタ)アクリレート」とはアクリレートおよびメタクリレートを、「(メタ)アクリル」とはアクリルおよびメタクリルを、それぞれ包括的に指す意味である。
この明細書において「アクリル系ポリマー」とは、該ポリマーを構成するモノマー単位として、アクリル系モノマーに由来するモノマー単位を50重量%より多く含む重合物をいう。上記アクリル系モノマーとは、1分子中に少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基を有するモノマーに由来するモノマーのことをいう。
この明細書において「水分散型」とは、少なくとも一部の成分が水に分散している形態を意味する。例えば、「水分散型粘着剤組成物」とは、粘着剤組成物と水とを含有し、該粘着剤組成物の少なくとも一部が水に分散した状態の組成物であることを意味する。ここでいう水分散型には、懸濁した状態や乳化した状態も含まれる。
<粘着シートの構成例>
ここに開示される粘着シートの一構成例を図1に示す。この粘着シート1は、キャリアフィルム10の第一面10Aにアンカー層12および粘着剤層14がこの順に積層された構成を有する片面接着性の粘着シートとして構成されている。キャリアフィルム10は、少なくともアンカー層12側の部分、すなわち第一面10A側の部分がプラスチックフィルムにより構成されており、図1に示す例ではプラスチックフィルムからなるキャリアフィルム10が用いられている。使用前(被着体への貼付け前)の粘着シート1は、例えば図1に示すように、粘着剤層14の表面(粘着面)14Aが、少なくとも該粘着剤層側が剥離面となっている剥離ライナー22で保護された、剥離ライナー付き粘着シート60の形態であり得る。キャリアフィルム10の第二面10B(第一面10Aとは反対側の表面であり、背面ともいう。)は、剥離性であってもよく、非剥離性であってもよい。キャリアフィルム10の第二面10Bが剥離性である場合、使用前の粘着シート1は、キャリアフィルム10の第二面10Bに粘着面14Aが当接するように巻回または積層されることで粘着面14Aが保護された形態であってもよい。この形態には、剥離ライナー22が不要になるという利点がある。
ここに開示される粘着シートの他の一構成例を図2に示す。この粘着シート2は、キャリアフィルム10の第一面10Aおよび第二面10Bにそれぞれアンカー層12,13が設けられ、各アンカー層12,13の上に粘着剤層14,15が設けられた両面接着性の粘着シートとして構成されている。キャリアフィルム10の第一面10A側の部分および第二面10B側の部分は、同一のまたは異なるプラスチックフィルムにより構成されており、図2に示す例では一枚のプラスチックフィルムからなるキャリアフィルム10が用いられている。使用前の粘着シート2は、例えば図2に示すように、粘着剤層14,15の表面(粘着面)14A,15Aが、少なくとも粘着剤層側が剥離面となっている剥離ライナー22,24によってそれぞれ保護された、剥離ライナー付き粘着シート70の形態であり得る。あるいは、使用前の粘着シート2は、剥離ライナー24を省略し、両面が剥離面となっている剥離ライナー22を用い、該粘着シートを巻回して他方の粘着面24Aを剥離ライナー22の裏面に当接させることにより、粘着面15Aもまた剥離ライナー22によって保護された形態であってもよい。
図2に示される粘着シート2において、アンカー層12,13の組成、厚さ、形成方法等は、同一であってもよく、異なってもよい。あるいは、図2に示す構成からアンカー層13を省略し、キャリアフィルム10の第二面10Bには直接粘着剤層15が設けられた形態であってもよい。このような形態の粘着シートにおけるキャリアフィルムとしては、例えば、第一面側を構成するプラスチックフィルムと、第二面側を構成する非プラスチックフィルム層(例えば紙、布等)と、を含む積層構造のキャリアフィルムが好ましく用いられ得る。図2に示される粘着シート2において、粘着剤層14,15の組成、厚さ、形成方法等は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
剥離ライナーとしては、慣用の剥離紙等を使用することができ、特に限定されない。例えば、樹脂フィルムや紙等のライナー基材の表面に剥離処理層を有する剥離ライナーや、フッ素系ポリマー(ポリテトラフルオロエチレン等)やポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)の低接着性材料からなる剥離ライナー等を用いることができる。上記剥離処理層は、例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離処理剤により上記ライナー基材を表面処理して形成されたものであり得る。
<キャリアフィルム>
上記粘着剤層を支持(裏打ち)するキャリアフィルムは、該キャリアフィルムのうち少なくとも上記アンカー層側の部分を構成するプラスチックフィルムを含むものであればよく、特に限定されない。上記プラスチックフィルムの例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン・プロピレン共重合体等のポリオレフィンにより構成されたポリオレフィンフィルム;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBN)等のポリエステルにより構成されたポリエステルフィルム;塩化ビニル樹脂フィルム;ポリ酢酸ビニルやエチレン−酢酸ビニル共重合体等の酢酸ビニル樹脂により構成された酢酸ビニル樹脂フィルム;ポリイミド樹脂フィルム;ナイロンやアラミド等のポリアミド樹脂により構成されたポリアミド樹脂フィルム;フッ素樹脂フィルム;セロハン;天然ゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム等の各種ゴム類により構成されたゴムシート;等が挙げられる。なお、この明細書において「プラスチックフィルム」とは、典型的には非多孔質のフィルムであって、いわゆる不織布や織布、および発泡体シートとは区別される概念である。
ここに開示される粘着シートのいくつかの態様において、一枚のプラスチックフィルムからなるキャリアフィルムを好ましく採用し得る。該プラスチックフィルムは、上述のような材料の一種または二種以上を含む単層のフィルム(例えばポリエステルフィルム)であってもよく、異なる材料からなる複数の層を含む多層フィルムであってもよい。かかるプラスチックフィルムは、無延伸であってもよく、延伸(一軸延伸、二軸延伸等)されていてもよい。ここに開示される粘着シートのいくつかの態様において、少なくともアンカー層側の部分がポリエステルまたはポリオレフィンにより構成された単層または多層のプラスチックフィルムを好ましく採用し得る。
寸法安定性、経済性(コスト)、加工性、引張強度等の観点から好ましいプラスチックフィルムとして、ポリエステルフィルムが例示される。例えば、単層のポリエステルフィルムを好ましく採用し得る。ポリエステルフィルムとしては、ポリエステルを主成分(典型的には、50重量%を超えて含まれる成分)とするポリマー材料をフィルム状に成形してなる種々のフィルムを使用することができる。ここでポリエステルとは、多価カルボン酸と多価アルコール(典型的には、ジカルボン酸とジオール)との重縮合体をいう。ポリエステルフィルムとしては、PETフィルム、PENフィルム、PBNフィルム等が例示される。なかでもPETフィルムが好ましい。
ここに開示される粘着シートの他のいくつかの態様において、キャリアフィルムは、アンカー層側の部分をなすプラスチックフィルムと、その背面側(アンカー層側とは反対側)に積層された非プラスチックフィルム層と、を含む多層構造であり得る。上記非プラスチックフィルム層としては、紙、布、発泡体シート、金属箔、これらの複合体等を用いることができる。紙の例としては、和紙、クラフト紙、グラシン紙、上質紙、合成紙、トップコート紙等が挙げられる。布の例としては、各種繊維状物質の単独または混紡等による織布や不織布等が挙げられる。上記繊維状物質としては、綿、スフ、マニラ麻、パルプ、レーヨン、アセテート繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維、ガラス繊維等が例示される。発泡体シートの例としては、発泡ポリウレタンシート、発泡ポリクロロプレンゴムシート等が挙げられる。金属箔の例としては、アルミニウム箔、銅箔等が挙げられる。
なお、上記プラスチックフィルムには、必要に応じて、充填剤(無機充填剤、有機充填剤等)、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、着色剤(顔料、染料等)等の各種添加剤が配合されていてもよい。
プラスチックフィルムの厚さは特に制限されず、プラスチックフィルムの組成、キャリアフィルムの構成、粘着シートの用途等に応じて適宜選択することができる。プラスチックフィルムの厚さは、例えば、厚さ1μm〜500μmの範囲であり得る。被着体の表面形状に対する追従性や粘着シートの加工性の観点から、プラスチックフィルムの厚さは、例えば200μm以下であってよく、100μm以下でもよく、50μm以下でもよく、30μm以下でもよい。また、粘着シートの強度や取扱い性の観点から、いくつかの態様において、プラスチックフィルムの厚さは、例えば3μm以上であってよく、5μm以上でもよく、10μm以上でもよく、15μm以上でもよく、20μm以上でもよい。例えば曲面や段差のある表面形状の被着体に粘着シートを貼り付ける場合、プラスチックフィルムが厚くなると、該粘着シートを被着体の表面形状に沿わせた状態を保持しつつ十分な圧着力を加えることが難しくなる傾向にある。したがって、無加圧または軽い力での圧着によっても被着体に対して素早く密着し得る性質(良好な初期濡れ性)を示すことがより有意義となる。
キャリアフィルムの厚さは特に制限されず、キャリアフィルムの組成や構成、粘着シートの用途等に応じて適宜選択することができる。例えば、厚さ2μm〜5mmのキャリアフィルムを用いることができる。粘着シートの強度や取扱い性の観点から、いくつかの態様において、キャリアフィルムの厚さは、例えば5μm以上であってよく、10μm以上でもよく、15μm以上でもよく、20μm以上でもよい。また、被着体の表面形状に対する追従性や粘着シートの加工性の観点から、キャリアフィルムの厚さは、例えば500μm以下であってよく、200μm以下でもよく、100μm以下でもよく、50μm以下でもよく、30μm以下でもよい。なお、全体がプラスチックフィルムからなるキャリアフィルムでは、キャリアフィルムの厚さとプラスチックフィルムの厚さは一致する。
<アンカー層>
キャリアフィルムと粘着剤層との間に配置されるアンカー層の材質や構成は、特に限定されず、所定の投錨力を満たす粘着シートが得られるように選択することができる。上記アンカー層は、例えば、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、メラミン系樹脂、変性ポリオレフィン系樹脂(例えば、塩素化ポリオレフィン樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、セルロース系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、イソシアヌレート系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、各種ゴム類(例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタンジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム)等から選択される1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて含み得る。いくつかの態様において、ウレタン結合を含むアンカー層、すなわちウレタン系アンカー層を好ましく採用し得る。キャリアフィルムと粘着剤層との間にウレタン系アンカー層を備える構成によると、投錨力が高く非糊残り性に優れた粘着シートが得られやすい。
上記ウレタン系アンカー層においてウレタン結合を構成する多価アルコールは、一般にポリウレタンの合成に使用し得るものとして知られている各種の多価アルコールから選択される一種または二種以上であり得る。好適例として、脂肪族または脂環式のジオール類が挙げられる。具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチルオクタンジオール、1,10−デカンジオール等が挙げられる。好ましい一例として、1,6−ヘキサンジオールが挙げられる。
上記ウレタン系アンカー層においてウレタン結合を形成するイソシアネート基は、各種の多価イソシアネート化合物に由来するものであり得る。上記多価イソシアネート化合物は、一般にポリウレタンの合成に使用し得るものとして知られている各種の化合物から選択される一種または二種以上であり得る。例えば、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;イソホロンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート;等が挙げられる。より具体的には:ブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の低級脂肪族ポリイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂環族イソシアネート類;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類;トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート3量体付加物、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体等のイソシアネート付加物;等を例示することができる。一好適例として、2,4−トリレンジイソシアネートおよび2,6−トリレンジイソシアネートが挙げられる。これらを任意の割合で含む混合物(例えば、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートとを70:30〜90:10の質量比で含む混合物)であってもよい。
なお、アンカー層がウレタン結合を含有することは、例えば、ATR(attenuated total reflection)法によるFT−IR分析(フーリエ変換赤外分光分析)において、ウレタン結合に帰属されるピークが観測されることにより把握され得る。また、上記アンカー層をメタノールに浸漬して加熱処理した分解生成物について、13C−NMR、H−NMR、およびFT−IR分析の一種または二種以上(好ましい一態様では、これら三種の全部)を行うことによっても把握され得る。
アンカー層を形成する方法としては、特に限定されず、公知の方法を適宜採用することができる。アンカー層形成方法の一例として、あらかじめ製造されたキャリアフィルムにアンカー層形成材料を被覆する方法が挙げられる。例えば、適当な溶媒中にアンカー層形成材料が溶解または分散した液状組成物を塗布して乾燥させる方法、熱溶融状態のアンカー層形成材料を塗布して冷却固化させる方法、アンカー層形成材料の前駆体を樹脂フィルムに塗布した後に反応により硬化させる方法、等を用いることができる。これらの方法と、熱、光、酸素、湿気等による架橋反応とを組み合わせてアンカー層を形成してもよい。
アンカー層形成方法の他の一例として、キャリアフィルムまたはその構成要素として用いられるプラスチックフィルムの製造プロセスの途中で、該プラスチックフィルムにアンカー層形成材料を積層する方法が挙げられる。例えば、プラスチックフィルム形成材料をフィルム状に成形し、塗布等によりアンカー層形成材料を被覆した後に延伸する方法を採用することができる。アンカー層形成材料の被覆は、プラスチックフィルムの延伸が完了する前に行えばよく、例えば、プラスチックフィルムが未延伸の段階、二軸延伸フィルムの製造において一軸方向への延伸が完了した段階、一軸方向への延伸を開始した後であって延伸完了前の段階、等のタイミングで行うことができる。この方法は、例えば、上記プラスチックフィルムがポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム等である態様において好ましく採用することができる。なかでも上記プラスチックフィルムがポリエステルフィルム(例えばPETフィルム)であることが好ましい。
アンカー層形成材料が被覆される前のプラスチックフィルム表面には、必要に応じて、あらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、酸処理、アルカリ処理、火炎処理等の、公知または慣用の表面処理が施されていてもよい。このような表面処理は、例えば、アンカー層とプラスチックフィルムとの密着性、言い換えるとアンカー層のキャリアフィルムへの投錨性を向上させるための処理であり得る。
アンカー層の厚さは特に限定されず、例えば0.002μm〜20μmの範囲で選択することができる。アンカー層の形成容易性やアンカー効果の均一性の観点から、アンカー層の厚さは、例えば0.005μm以上であってよく、通常は0.01μm以上が適当であり、0.02μm以上でもよく、0.025μm以上でもよい。また、アンカー層の内部での破壊や、アンカー層とプラスチックフィルムとの界面での剥離による投錨力の低下(ひいては糊残りの発生)を防ぐ観点から、いくつかの態様において、アンカー層の厚さは、例えば10μm未満であってよく、5μm以下でもよく、1μm以下でもよく、0.5μm以下でもよく、0.1μm未満でもよく、0.05μm未満でもよい。
なお、アンカー層の厚さは、粘着シートの断面を透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察することにより把握することができる。例えば、アンカー層を明瞭にする目的で重金属染色(例えばルテニウム酸染色)処理を行った後、樹脂包埋を行い、超薄切片法により作製した試料断面のTEM観察を行うことにより、アンカー層の厚さを測定することができる。TEMとしては、日立社製の透過型電子顕微鏡、型式「H−7650」を用いることができる。後述の実施例においても同様の測定方法が採用される。
キャリアフィルムの一方の側にのみアンカー層が設けられる構成において、キャリアフィルムの他方の側、すなわちアンカー層が設けられない側の面(背面)には、必要に応じて、キャリアフィルムとその上に配置される層(例えば粘着剤層)との密着性を向上させるための表面処理(例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、酸処理、アルカリ処理、火炎処理等)が施されていてもよく、あるいはキャリアフィルムに剥離性を付与する表面処理、すなわち剥離処理が施されていてもよい。上記剥離処理は、例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離処理剤を用いて行うことができる。キャリアフィルムの背面に剥離処理を施すことにより、粘着シートをロール状に巻回したものの巻き戻しを容易にする等の効果が得られる。
キャリアフィルムには帯電防止性能が付与されていてもよい。キャリアフィルムの帯電防止は、該キャリアフィルムの一方の面または両方の面に帯電防止層を形成すること、帯電防止剤が配合された材料を用いてキャリアフィルムを作製すること、等により行われ得る。粘着剤層の投錨力向上の観点からは、アンカー層が設けられる面には帯電防止層を配置しないこと、すなわちプラスチックフィルム表面に直接アンカー層を配置することが有利である。いくつかの態様において、帯電防止剤が配合された材料を用いてキャリアフィルムを作製し、該キャリアフィルムの表面には帯電防止層を配置しない帯電防止手法を好ましく採用し得る。
<粘着剤層>
ここに開示される粘着シートの粘着剤層は、水分散型粘着剤組成物を用いて形成される。上記水分散型粘着剤組成物は、粘着剤層形成成分の少なくとも一部が水性媒体に分散した形態の粘着剤組成物である。ここで水性媒体とは、該媒体を構成する溶媒が水または水を主成分とする混合溶媒(水性溶媒)であるものをいう。ここに開示される技術における水分散型粘着剤組成物の典型例は、エマルション型粘着剤組成物である。
(アクリル系ポリマー)
ここに開示される粘着シートの粘着剤層は、ベースポリマーとしてアクリル系ポリマーを含むアクリル系粘着剤層である。ここで「ベースポリマー」とは、ポリマー成分のなかの主成分をいう。また、本明細書において「主成分」とは、特に断りのない限り、50重量%を超えて含まれる成分を指す。
ここに開示される技術において、アクリル系粘着剤層のベースポリマーであるアクリル系ポリマーは、炭素原子数6〜10のアルキル基をエステル末端に有するアルキル(メタ)アクリレートを主モノマーとして含み、該主モノマーと共重合性を有する副モノマーをさらに含み得るモノマー原料(モノマー成分)の重合物である。ここで主モノマーとは、上記モノマー成分に50重量%より多く含まれる成分をいう。なお、以下において、炭素原子数X〜Yの範囲のことを、CX−Yと表記することがある。これにより、例えば炭素原子数6〜10のアルキル基をエステル末端に有するアルキル(メタ)アクリレートは、C6−10アルキル(メタ)アクリレートと表記され得る。
6−10アルキル(メタ)アクリレートを多く含むモノマー成分によると、被着体表面に対する初期濡れ性の高い粘着剤層が形成されやすい。このことは、後述する濡れ面積率の高い粘着シートを得る観点から有利である。モノマー成分全体に占めるC6−10アルキル(メタ)アクリレートの割合は、例えば60重量%以上であってよく、70重量%以上でもよく、75重量%以上でもよく、80重量%以上でもよい。また、粘着剤層の凝集性を高めて凝集破壊を防止する観点から、モノマー成分全体に占めるC6−10アルキル(メタ)アクリレートの割合は、通常、99.5重量%以下とすることが適当であり、99重量%以下でもよく、98重量%以下でもよく、97重量%以下でもよい。
主モノマーとして利用し得るC6−10アルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、C6−10アルキルアクリレートが好ましく、C8−9アルキルアクリレートがより好ましい。C8−9アルキルアクリレートの具体例としては、2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、n−ノニルアクリレートおよびイソノニルアクリレート(INA)が挙げられる。なかでも2EHAおよびINAが好ましく、2EHAが特に好ましい。
いくつかの態様において、アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分に含まれるC6−10アルキル(メタ)アクリレートのうち、C6−10アルキルアクリレート(より好ましくはC8−9アルキルアクリレート)の占める割合は、例えば70重量%以上であってよく、80重量%以上でもよく、90重量%以上でもよく、95重量%以上でもよく、98重量%以上でもよく、実質的に100重量%でもよい。
主モノマーであるアルキル(メタ)アクリレートと共重合性を有する副モノマーは、アクリル系ポリマーに架橋点を導入したり、アクリル系ポリマーの凝集力を高めたりするために役立ち得る。
副モノマーとして利用し得る化合物の例には、C6−10アルキル(メタ)アクリレート以外のアルキル(メタ)アクリレートが含まれる。例えば、C1−5アルキル(メタ)アクリレートおよびC11−20アルキル(メタ)アクリレートからなる群から選択される一種または二種以上を用いることができる。具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、s−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ノナデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。好適例として、メチルアクリレート(MA)、n−ブチルアクリレート(BA)、t−ブチルアクリレート等が挙げられる。
ここに開示される技術において、上記モノマー成分全体に占めるC1−20アルキル(メタ)アクリレートの割合は、粘着性能のバランスをとりやすくする観点から、通常、50重量%を超えて99.5重量%以下の範囲にあることが適当である。特に限定するものではないが、上記モノマー成分全体に占めるC1−20アルキル(メタ)アクリレートの割合は、例えば75〜99.5重量%であってよく、85〜99重量%でもよく、90〜98.5重量%でもよく、95〜98.5重量%でもよい。
副モノマーとして使用し得る化合物の他の例として、以下に例示されるような官能基含有モノマーが挙げられる。
カルボキシ基含有モノマー:例えばアクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA)、クロトン酸等のエチレン性不飽和モノカルボン酸;マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和ジカルボン酸およびその無水物(無水マレイン酸、無水イタコン酸等)。
水酸基含有モノマー:例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類;ビニルアルコール、アリルアルコール等の不飽和アルコール類。
アミド基含有モノマー:例えば(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド。
アミノ基含有モノマー:例えばアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート。
エポキシ基を有するモノマー:例えばグリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル。
シアノ基含有モノマー:例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル。
ケト基含有モノマー:例えばジアセトン(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリレート、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、アリルアセトアセテート、ビニルアセトアセテート。
窒素原子含有環を有するモノマー:例えばN−ビニル−2−ピロリドン、N−メチルビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール、N−ビニルモルホリン、N−ビニルカプロラクタム、N−(メタ)アクリロイルモルホリン。
アルコキシシリル基含有モノマー:例えば3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン。
上記官能基含有モノマーは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。上記官能基含有モノマーのなかでは、アンカー層との相互作用により投錨力の向上に寄与し得ることから、カルボキシ基含有モノマー、水酸基含有モノマー、アミド基含有モノマー、シアノ基含有モノマー、窒素原子含有環を有するモノマーが好ましく、カルボキシ基含有モノマーがより好ましい。カルボキシ基含有モノマーの好適例として、AAおよびMAAが挙げられる。
好ましい一態様では、上記官能基含有モノマーとしてAAとMAAとを併用する。これにより、より高性能な(例えば、耐反撥性に優れた)粘着シートが実現され得る。AAとMAAとの重量比(AA/MAA)は特に限定されず、例えば凡そ0.1〜10の範囲とすることができる。いくつかの態様において、上記重量比(AA/MAA)は、例えば凡そ0.3以上であってよく、凡そ0.5以上でもよい。また、上記重量比(AA/MAA)は、例えば凡そ4以下であってよく、凡そ3以下でもよい。このような重量比でAAとMAAとを併用することにより、粘着性能の向上効果が十分に得られやすい傾向があり、また粘着シートの作製後、粘着性能の経時安定性に優れる傾向がある。
いくつかの態様において、アクリル系ポリマーにはアルコキシシリル基含有モノマーが共重合されていることが好ましい。アルコキシシリル基含有モノマーは、典型的には、一分子内に少なくとも1つ(好ましくは2つ以上、例えば2つまたは3つ)のアルコキシシリル基を有するエチレン性不飽和単量体であり、その具体例は上述のとおりである。上記アルコキシシリル基含有モノマーは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。アルコキシシリル基含有モノマーを共重合させることにより、アクリル系ポリマーを含む粘着剤組成物から形成される粘着剤に、シラノール基の縮合反応(シラノール縮合)による架橋構造を導入することができる。
アクリル系ポリマーに官能基含有モノマーが共重合されている場合、アクリル系ポリマーを構成するモノマー成分全体に占める官能基含有モノマーの割合は、特に限定されない。いくつかの態様において、官能基含有モノマーの割合は、モノマー成分全体の例えば0.1重量%以上であってよく、凝集力の向上効果をよりよく発揮する観点から、0.5重量%以上であってもよく、1重量%以上でもよく、1.5重量%以上でもよい。また、粘着性能のバランスを考慮して、官能基含有モノマーの割合は、通常、モノマー成分全体の40重量%以下とすることが適当であり、30重量%以下であってもよく、20重量%以下でもよい。被着体に対する初期濡れ性を高める観点から、いくつかの態様において、官能基含有モノマーの割合は、モノマー成分全体の15重量%以下であってよく、10重量%以下であってもよい。
モノマー成分がカルボキシ基含有モノマーを含む態様において、該モノマー成分全体に占めるカルボキシ基含有モノマーの割合は、凝集性等の観点から、例えば0.1重量%以上であってよく、より高い効果を得る観点から0.5重量%以上であってもよく、1重量%以上でもよく、1.5重量%以上でもよい。上記カルボキシ基含有モノマーの割合は、例えば15重量%以下であってよく、10重量%以下でもよく、5重量%以下でもよい。被着体に対する初期濡れ性を高める観点から、いくつかの態様において、上記カルボキシ基含有モノマーの割合は、例えば3.5重量%以下であってよく、3重量%以下でもよく、2.5重量%以下でもよい。また、モノマー成分がアルコキシシリル基含有モノマーを含む態様において、該モノマー成分全体に占めるアルコキシシリル基含有モノマーの割合は、例えば0.005重量%以上とすることができ、通常は0.01重量%以上とすることが適当である。また、上記アルコキシシリル基含有モノマーの割合は、良好な初期濡れ性を得る観点から、例えば0.1重量%以下とすることができ、通常は0.05重量%以下とすることが適当である。
また、アクリル系ポリマーの凝集力を高める等の目的で、上述した副モノマー以外の他の共重合成分を用いることができる。かかる共重合成分としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系モノマー;スチレン、置換スチレン(α−メチルスチレン等)、ビニルトルエン等の芳香族ビニル化合物;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート;アリール(メタ)アクリレート(例えばフェニル(メタ)アクリレート)、アリールオキシアルキル(メタ)アクリレート(例えばフェノキシエチル(メタ)アクリレート)、アリールアルキル(メタ)アクリレート(例えばベンジル(メタ)アクリレート)等の芳香族性環含有(メタ)アクリレート;エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、イソブチレン等のオレフィン系モノマー;塩化ビニル、塩化ビニリデン等の塩素含有モノマー;2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基含有モノマー;メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ基含有モノマー;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル系モノマー;等が挙げられる。
上記副モノマー以外の共重合性成分の他の例としては、一分子内に複数の官能基を有するモノマーが挙げられる。かかる多官能モノマーの例として、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルジ(メタ)アクリレート、ヘキシルジ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
上記副モノマー以外の共重合成分の使用量は、目的および用途に応じて適宜選択すればよく特に限定されないが、通常は、モノマー成分全体の10重量%以下とすることが適当である。いくつかの態様において、上記アクリル系ポリマーは、上記副モノマー以外の共重合成分を実質的に含有しないモノマー成分の重合体であってもよい。
上記アクリル系ポリマーのTgは、特に限定されず、例えば−30℃以下であり得る。いくつかの態様において、上記アクリル系ポリマーのTgは、−40℃以下であることが好ましく、−45℃以下であることがより好ましく、−50℃以下であることがさらに好ましい。アクリル系ポリマーのTgが低くなると、初期濡れ性は概して向上する傾向にある。かかる観点から、いくつかの態様において、アクリル系ポリマーのTgは、例えば−55℃以下であってよく、−57℃以下であってもよい。また、アクリル系ポリマーのTgは、粘着剤層の凝集力を高める観点から、−75℃以上であることが好ましく、例えば−70℃以上であってよく、−65℃以上でもよい。アクリル系ポリマーのTgは、該ポリマーの合成に使用するモノマーの種類や使用量比によって調整することができる。
ここで、アクリル系ポリマーのTgとは、該ポリマーの合成に用いられるモノマー成分の組成に基づいて、Foxの式により求められるTgをいう。Foxの式とは、以下に示すように、共重合体のTgと、該共重合体を構成するモノマーのそれぞれを単独重合したホモポリマーのガラス転移温度Tgiとの関係式である。
1/Tg=Σ(Wi/Tgi)
なお、上記Foxの式において、Tgは共重合体のガラス転移温度(単位:K)、Wiは該共重合体におけるモノマーiの重量分率(重量基準の共重合割合)、Tgiはモノマーiのホモポリマーのガラス転移温度(単位:K)を表す。アクリル系ポリマーのTgは、該ポリマーの合成に使用するモノマーの種類や使用量比によって調整することができる。
Tgの算出に使用するホモポリマーのガラス転移温度としては、公知資料に記載の値を用いるものとする。例えば、以下に挙げるモノマーについては、該モノマーのホモポリマーのガラス転移温度として、以下の値を使用する。
2−エチルヘキシルアクリレート −70℃
n−ブチルアクリレート −55℃
メチルメタクリレート 105℃
メチルアクリレート 8℃
アクリル酸 106℃
メタクリル酸 228℃
上記で例示した以外のモノマーのホモポリマーのガラス転移温度については、「Polymer Handbook」(第3版、John Wiley & Sons, Inc., 1989)に記載の数値を用いるものとする。本文献に複数種類の値が記載されている場合は、最も高い値を採用する。
上記Polymer Handbookにもホモポリマーのガラス転移温度が記載されていないモノマーについては、以下の測定方法により得られる値を用いるものとする(日本国特許出願公開2007−51271号公報参照)。具体的には、温度計、攪拌機、窒素導入管および還流冷却管を備えた反応器に、モノマー100重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.2重量部および重合溶媒として酢酸エチル200重量部を投入し、窒素ガスを流通させながら1時間攪拌する。このようにして重合系内の酸素を除去した後、63℃に昇温し10時間反応させる。次いで、室温まで冷却し、固形分濃度33重量%のホモポリマー溶液を得る。次いで、このホモポリマー溶液を剥離ライナー上に流延塗布し、乾燥して厚さ約2mmの試験サンプル(シート状のホモポリマー)を作製する。この試験サンプルを直径7.9mmの円盤状に打ち抜き、パラレルプレートで挟み込み、粘弾性試験機(ARES、レオメトリックス社製)を用いて周波数1Hzのせん断歪みを与えながら、温度領域−70〜150℃、5℃/分の昇温速度でせん断モードにより粘弾性を測定し、tanδのピークトップ温度をホモポリマーのTgとする。
アクリル系ポリマーを得る方法は特に限定されず、溶液重合法、エマルション重合法、バルク重合法、懸濁重合法、光重合法等の、アクリル系ポリマーの合成手法として知られている各種の重合方法を適宜採用することができる。好ましく採用し得る重合方法として、エマルション重合法が例示される。エマルション重合の態様は特に限定されず、従来公知の一般的なエマルション重合と同様の各種モノマー供給方法、重合条件、使用材料等を適宜採用して行うことができる。例えば、モノマー供給方法としては、全モノマー原料を一度に供給する一括仕込み方式、連続供給(滴下)方式、分割供給(滴下)方式等を適宜採用することができる。モノマー原料を水性エマルションの形態で滴下してもよい。重合温度は、例えば20℃以上(通常は40℃以上)程度とすることができ、また100℃以下(通常は80℃以下)程度とすることが適当である。
重合に用いる開始剤は、重合方法の種類に応じて、従来公知の重合開始剤から適宜選択することができる。例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩等のアゾ系開始剤;例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩系開始剤;例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素等の過酸化物系開始剤;例えば、フェニル置換エタン等の置換エタン系開始剤;例えば、芳香族カルボニル化合物等のカルボニル系開始剤;例えば、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組合せ、過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムとの組合せ等のレドックス系開始剤;等が挙げられるが、これらに限定されない。このような重合開始剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
重合開始剤の使用量は、通常の使用量であればよく、特に限定されない。例えば、全モノマー成分100重量部に対して0.005重量部以上(好ましくは0.01重量部以上)程度、また1重量部以下(好ましくは0.8重量部以下)程度の範囲から選択することができる。
モノマー原料のエマルション重合は、通常、乳化剤の存在下で行われる。エマルション重合用の乳化剤としては、特に制限されず、公知のアニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤等を用いることができる。乳化剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。乳化剤の使用量は、モノマー成分の合計量100重量部に対して、例えば0.2重量部以上(好ましくは0.5重量以上)程度、また例えば10重量部以下(好ましくは5重量部以下)程度とすることができる。
アニオン性乳化剤の非限定的な例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸ナトリウム等が挙げられる。ノニオン性乳化剤の非限定的な例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。反応性官能基を有する乳化剤(反応性乳化剤)を用いてもよい。反応性乳化剤の例としては、上述したアニオン系乳化剤またはノニオン系乳化剤に、プロペニル基やアリルエーテル基等のラジカル重合性官能基が導入された構造のラジカル重合性乳化剤が挙げられる。
上記重合には、必要に応じて、従来公知の各種の連鎖移動剤(分子量調節剤あるいは重合度調節剤としても把握され得る。)を使用することができる。かかる連鎖移動剤は、例えば、n−ドデカンチオール、t−ドデカンチオール、グリシジルメルカプタン、2−メルカプトエタノール等のメルカプタン類から選択される1種または2種以上であり得る。なかでも好ましい連鎖移動剤として、n−ドデカンチオールおよびt−ドデカンチオールが挙げられる。連鎖移動剤の使用量は特に制限されないが、例えばモノマー原料100重量部に対して0.001〜0.5重量部程度とすることができ、通常は0.01〜0.1重量部とすることが好ましい。
上記エマルション重合によると、アクリル系ポリマーが水に分散したエマルション形態の重合液(アクリル系ポリマーエマルション)を調製することができる。ここに開示される水性粘着剤組成物は、上記重合液または該重合液に適当な後処理を施したものを用いて好ましく製造され得る。あるいは、エマルション重合方法以外の重合方法(例えば、溶液重合、光重合、バルク重合等)を利用してアクリル系ポリマーを合成し、該ポリマーを水に分散させてアクリル系ポリマーエマルションを調製してもよい。
アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、特に限定されず、例えば10×10〜500×10の範囲であり得る。粘着特性を向上させる観点から、アクリル系ポリマーのMwは、好ましくは150×10以下、より好ましくは100×10以下である。また、凝集性等の観点から、アクリル系ポリマーのMwは、好ましくは20×10以上、より好ましくは30×10以上、例えば40×10以上であり得る。
なお、本明細書において、アクリル系ポリマーのMwとは、該アクリル系ポリマーの酢酸エチル可溶分(ゾル分)のMwを指す。上記アクリル系ポリマーのMwとは、ゲル透過クロマトグラフィ(GPC)に基づく標準ポリスチレン換算の値をいう。アクリル系ポリマーのMwは、具体的には次の方法により測定される。
[重量平均分子量(Mw)の測定方法]
対象とするアクリル系ポリマーを酢酸エチル中に浸し、室温にて7日間浸漬して可溶分を溶出させ、当該可溶分の抽出液を乾燥させて測定サンプルを得る。この測定サンプルをテトラヒドロフラン(THF)に再溶解し、0.1重量%のTHF溶液を調製する。このTHF溶液を平均孔径0.45μmのフィルターで濾過した濾液(分子量測定用の試料溶液)につき、GPC測定装置により標準ポリスチレン基準のMwを求める。GPC測定装置としては、東ソー株式会社製の機種名「HLC−8220GPC」を用いるとよい。測定条件は以下のとおりとするとよい。
[GPC測定条件]
カラム:TSKgel GMH HR−H20
検出器:示差屈折計
溶離液:THF
流速:0.6mL/分
測定温度:40℃
サンプル注入量:100μL
上記水分散型粘着剤組成物は、ベースポリマーとしてのアクリル系ポリマーに加えて、副成分としてアクリル系ポリマー以外のポリマーを含んでもよい。上記アクリル系ポリマー以外のポリマーとしては、粘着剤の分野において公知のゴム系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、ポリエーテル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、フッ素系ポリマー等の各種ポリマーの1種または2種以上を使用することができる。上記水分散型粘着剤組成物がアクリル系ポリマーに加えて上記アクリル系ポリマー以外のポリマーを含む場合、該アクリル系ポリマー以外のポリマーの含有量は、アクリル系ポリマー100重量部に対して50重量部以下とすることが適当であり、30重量部以下が好ましく、10重量部以下がより好ましい。アクリル系ポリマー以外のポリマーの含有量は、アクリル系ポリマー100重量部に対して5重量部以下であってもよく、1重量部以下であってもよい。ここに開示される技術は、例えば、ポリマー成分の99.5〜100重量%がアクリル系ポリマーである態様で好ましく実施され得る。
(粘着付与樹脂)
ここに開示される水分散型粘着剤組成物は、粘着付与樹脂をさらに含み得る。粘着付与樹脂としては、例えば、ロジン系粘着付与樹脂、ロジン誘導体粘着付与樹脂を包含する、石油系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、フェノール系粘着付与樹脂、ケトン系粘着付与樹脂等が挙げられる。これらは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記ロジン系粘着付与樹脂としては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等のロジンの他、安定化ロジン(例えば、上記ロジンを不均化もしくは水素添加処理した安定化ロジン)、重合ロジン(例えば、上記ロジンの多量体、典型的には二量体)、変性ロジン(例えば、マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸等の不飽和酸により変性された不飽和酸変性ロジン等)等が挙げられる。
上記ロジン誘導体粘着付与樹脂としては、例えば、上記ロジン系粘着付与樹脂のエステル化物(例えば、安定化ロジンエステルや重合ロジンエステル等のロジンエステル類)、上記ロジン系樹脂のフェノール変性物(フェノール変性ロジン)およびそのエステル化物(フェノール変性ロジンエステル)等が挙げられる。
上記石油系粘着付与樹脂としては、例えば、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、これらの水素化物等が挙げられる。
上記テルペン系粘着付与樹脂としては、例えば、α−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、芳香族変性テルペン系樹脂、テルペンフェノール樹脂等が挙げられる。
上記ケトン系粘着付与樹脂としては、例えば、ケトン類(例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン等の脂肪族ケトン;シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等の脂環式ケトン等)とホルムアルデヒドとの縮合によるケトン系樹脂;等が挙げられる。
ここに開示される粘着シートのいくつかの態様において、粘着付与樹脂としては、ロジン系粘着付与樹脂、ロジン誘導体粘着付与樹脂およびテルペンフェノール樹脂から選択される一種または二種以上を好ましく使用し得る。なかでもロジン誘導体粘着付与樹脂が好ましく、好適例として安定化ロジンエステルおよび重合ロジンエステル等のロジンエステル類が挙げられる。
このような粘着付与樹脂を含む水分散型粘着剤組成物は、該粘着付与樹脂を水性溶媒に分散させた形態の水分散型粘着付与樹脂を用いて好適に調製され得る。例えば、アクリル系ポリマーの水分散液と上記水分散型粘着付与樹脂とを混合することにより、これらの成分を所望の割合で含有する粘着剤組成物を容易に調製することができる。水分散型粘着付与樹脂としては、少なくとも芳香族炭化水素系溶剤を実質的に含有しないものを用いることが好ましい。これによって、揮発性有機化合物の総量(TVOC)のより少ない粘着シートが提供され得る。芳香族炭化水素系溶剤その他の有機溶剤を実質的に含有しない水分散型粘着付与樹脂の使用がより好ましい。
ロジンエステル類を含む水分散型粘着付与樹脂の市販品としては、例えば、荒川化学株式会社製の商品名「スーパーエステルE−720」、「スーパーエステルE−730−55」、ハリマ化成株式会社性の商品名「ハリエスターSK−90D」、「ハリエスターSK−70D」、「ハリエスターSK−70E」、「ネオトール115E」等が挙げられる。また、テルペンフェノール樹脂(水分散型テルペンフェノール樹脂の形態であり得る。)の市販品としては、荒川化学工業株式会社製の商品名「タマノルE−100」、「タマノルE−200」、「タマノルE−200NT」等が挙げられる。
粘着付与樹脂の軟化点は特に限定されない。粘着剤層の凝集力の低下を抑制する観点から、通常は、軟化点が80℃以上の粘着付与樹脂を好ましく使用し得る。粘着付与樹脂の軟化点は、90℃以上でもよく、100℃以上でもよく、110℃以上でもよく、120℃以上でもよい。軟化点130℃以上または140℃以上の粘着付与樹脂を使用してもよい。また、アクリル系ポリマーとの相溶性や被着体に対する初期濡れ性の観点から、軟化点が180℃以下の粘着付与樹脂を好ましく使用し得る。
なお、ここでいう粘着付与樹脂の軟化点は、JIS K5902またはJIS K2207に規定する軟化点試験方法(環球法)に基づいて測定された値として定義される。具体的には、試料をできるだけ低温ですみやかに融解し、これを平らな金属板の上に置いた環の中に、泡ができないように注意して満たす。冷えたのち、少し加熱した小刀で環の上端を含む平面から盛り上がった部分を切り去る。つぎに、径85mm以上、高さ127mm以上のガラス容器(加熱浴)の中に支持器(環台)を入れ、グリセリンを深さ90mm以上となるまで注ぐ。つぎに、鋼球(径9.5mm、重量3.5g)と、試料を満たした環とを互いに接触しないようにしてグリセリン中に浸し、グリセリンの温度を20℃プラスマイナス5℃に15分間保つ。つぎに、環中の試料の表面の中央に鋼球をのせ、これを支持器の上の定位置に置く。つぎに、環の上端からグリセリン面までの距離を50mmに保ち、温度計を置き、温度計の水銀球の中心の位置を環の中心と同じ高さとし、容器を加熱する。加熱に用いるブンゼンバーナーの炎は、容器の底の中心と縁との中間にあたるようにし、加熱を均等にする。なお、加熱が始まってから40℃に達したのちの浴温の上昇する割合は、毎分5.0プラスマイナス0.5℃でなければならない。試料がしだいに軟化して環から流れ落ち、ついに底板に接触したときの温度を読み、これを軟化点とする。軟化点の測定は、同時に2個以上行い、その平均値を採用する。
粘着付与樹脂の使用量(固形分基準)は、その使用効果を好適に発揮させる観点から、通常は、アクリル系ポリマー100重量部に対して1重量部以上とすることが適当であり、3重量部以上であってもよく、5重量部以上でもよく、7重量部以上でもよい。より高い粘着力を得る観点から、いくつかの態様において、アクリル系ポリマー100重量部に対する粘着付与樹脂の使用量は、例えば10重量部以上であってよく、15重量部以上でもよく、20重量部以上でもよく、25重量部以上でもよい。また、被着体に対する初期濡れ性と凝集性とをバランスよく両立する観点から、アクリル系ポリマー100重量部に対する粘着付与樹脂の使用量は、例えば70重量部以下とすることができ、50重量部以下が好ましく、40重量部以下がより好ましく、35重量部以下でもよい。いくつかの態様において、アクリル系ポリマー100重量部に対する粘着付与樹脂の使用量は、例えば33重量部以下であってよく、28重量部以下でもよく、23重量部以下でもよく、18重量部以下でもよく、13重量部以下でもよい。
ここに開示される粘着シートのいくつかの態様において、上記粘着付与樹脂は軟化点140℃以上(典型的には140℃以上180℃以下)の高軟化点樹脂Tを含み得る。このような態様において、アクリル系ポリマー100重量部に対する高軟化点樹脂Tの使用量は、初期濡れ性向上の観点から、例えば28重量部以下であってよく、23重量部以下でもよく、18重量部以下でもよく、13重量部以下でもよい。また、アクリル系ポリマー100重量部に対する高軟化点樹脂Tの使用量は、例えば1重量部以上であってよく、より高い使用効果を得る観点から3重量部以上であってもよく、5重量部以上でもよく、7重量部以上でもよい。
いくつかの態様において、粘着付与樹脂に占める上記高軟化点樹脂Tの割合は、例えば10重量%以上であってよく、25重量%以上でもよく、50重量%以上でもよく、70重量%以上でもよく、90重量%以上でもよい。粘着付与樹脂として一種または二種以上の上記高軟化点樹脂Tのみを使用してもよい。あるいは、粘着付与樹脂として、上記高軟化点樹脂Tに該当しない粘着付与樹脂(すなわち、軟化点が140℃より低い粘着付与樹脂、例えば軟化点が100℃以上140℃未満の粘着付与樹脂)の一種または二種以上のみを使用してもよい。
(架橋剤)
粘着剤層を形成するために用いられる水分散型粘着剤組成物は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で架橋剤を含んでいてもよい。架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、ヒドラジン系架橋剤、アミン系架橋剤等から適宜選択して用いることができる。このような架橋剤は、典型的には、あらかじめ合成されたアクリル系ポリマーの水分散液に添加(後添加)する態様で、水分散型粘着剤組成物の調製に用いられ得る。架橋剤は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。架橋剤の使用量は特に制限されず、例えば、アクリル系ポリマー100重量部に対して凡そ10重量部以下(例えば凡そ0.005〜10重量部)とすることができ、凡そ5重量部以下でもよく、凡そ1重量部以下でもよい。
イソシアネート系架橋剤としては、自己乳化型ポリイソシアネート、水分散性ポリイソシアネート、水分散ブロックイソシアネート等の水性イソシアネート系架橋剤を用いることが好ましい。水性イソシアネート系架橋剤の市販品としては、DIC社製の商品名「バーノックDNW−5000」、「バーノックDNW−5010」、「バーノックDNW−5100」、「バーノックDNW−5200」、「バーノックDNW−5500」;日本ポリウレタン工業社製の商品名「アクアネート100」、「アクアネート105」、「アクアネート110」、「アクアネート120」、「アクアネート130」、「アクアネート200」、「アクアネート210」;三井化学ポリウレタン社製の商品名「タケネートWD−220」、「タケネートWD−240」、「タケネートWD−720」、「タケネートWD−725」、「タケネートWD−726」、「タケネートWD−730」、「タケネートWB−700」、「タケネートWB−720」、「タケネートWB−920」;第一工業製薬社製の商品名「エラストロンBN−04」、「エラストロンBN−11」、「エラストロンBN−27」、「エラストロンBN−69」、「エラストロンBN−77」;等が挙げられる。これらは1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。いくつかの態様において、イソシアネート系架橋剤を実質的に含有しない水分散型粘着剤組成物が好ましく用いられ得る。ここに開示される技術によると、このような水分散型粘着剤組成物から形成された粘着剤層を備える粘着シートであっても粘着力とリワーク性とを高レベルで両立させ得る。水分散型粘着剤組成物がイソシアネート系架橋剤を実質的に含有しないことは、粘着シートの品質管理の容易性や粘着剤組成物の保存安定性等の観点から有利となり得る。
上記水分散型粘着剤組成物は、必要に応じて、pH調整等の目的で使用される酸または塩基(アンモニア水等)を含有するものであり得る。該組成物に含有され得る他の任意成分としては、粘度調整剤、レベリング剤、可塑剤、充填剤、顔料や染料等の着色剤、安定剤、防腐剤、老化防止剤等の、水分散型粘着剤組成物の分野において一般的な各種の添加剤が例示される。このような各種添加剤については、従来公知のものを常法により使用することができ、特に本発明を特徴づけるものではないので、詳細な説明は省略する。
<粘着シート>
ここに開示される粘着シートの製造方法は特に限定されない。例えば、アンカー層を有するキャリアフィルムの該アンカー層上に、上記水分散型粘着剤組成物から形成された粘着剤層を設ける方法を好ましく採用し得る。上記アンカー層を有するキャリアフィルムは、プラスチックフィルムの製造プロセスの途中でアンカー層が形成されたものであり得る。
水分散型粘着剤組成物から形成された粘着剤層をアンカー層上に設ける方法は特に限定されず、公知の各種方法を適宜選択して用いることができる。いくつかの態様において、アンカー層を有するキャリアフィルムの該アンカー層上に粘着剤組成物を直接付与(典型的には塗布)して乾燥させることにより粘着剤層を形成する方法(直接法)を採用することができる。他のいくつかの態様において、剥離性を有する表面(剥離面)に粘着剤組成物を付与して乾燥させることにより該表面上に粘着剤層を形成し、アンカー層を有するキャリアフィルムの該アンカー層上に上記粘着剤層を転写する方法(転写法)を採用してもよい。上記剥離面としては、剥離ライナーの表面や、剥離処理されたキャリアフィルム背面等を利用し得る。ここに開示される粘着剤層は、平滑性の高い粘着面が得られやすいことから、転写法により形成された粘着剤層であることが好ましい。粘着面の平滑性が高いことは、被着体に対する初期濡れ性向上の観点から有利となり得る。
粘着剤組成物の塗布は、例えば、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、ダイコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーター等の、公知ないし慣用のコーターを用いて行うことができる。あるいは、含浸やカーテンコート法等により粘着剤組成物を塗布してもよい。架橋反応の促進、製造効率向上等の観点から、粘着剤組成物の乾燥は加熱下で行うことが好ましい。乾燥温度は、例えば40〜150℃程度とすることができ、通常は60〜130℃程度とすることが好ましい。粘着剤組成物を乾燥させた後、さらに、粘着剤層内における成分移行の調整、架橋反応の進行、粘着シート内に存在し得る歪の緩和等を目的としてエージングを行ってもよい。
ここに開示される粘着シートにおいて、粘着剤層の厚さは特に限定されず、例えば10μm〜120μm程度の範囲であり得る。いくつかの態様において、粘着剤層の厚さは、例えば15μm以上であってよく、通常は20μm以上が適当であり、25μm以上でもよく、30μm以上でもよく、35μm以上でもよい。粘着剤層の厚さが大きくなると、粘着力は概して向上する傾向にある。また、粘着剤層の凝集破壊による糊残りの発生を防ぐ観点から、いくつかの態様において、粘着剤層の厚さは、例えば100μm以下であってよく、75μm以下でもよく、60μm以下でもよい。
ここに開示される粘着シート(粘着剤層、アンカー層およびキャリアフィルムを含み得るが、剥離ライナーは含まない。)の総厚は特に限定されず、凡そ15μm〜5mm程度であり得る。いくつかの態様において、粘着シートの総厚は、例えば30μm以上であってよく、40μm以上でもよく、50μm以上でもよく、60μm以上でもよい。また、粘着シートの総厚は、例えば凡そ500μm以下であってよく、凡そ200μm以下であってもよく、凡そ150μm以下でもよく、凡そ120μm以下でもよく、凡そ100μm以下でもよく、凡そ90μm以下でもよい。
ここに開示される粘着シートは、ステンレス鋼粘着力(対SUS粘着力)が6N/20mm以上である。いくつかの態様において、上記対SUS粘着力は、例えば8N/20mm以上であってよく、10N/20mm以上でもよい。粘着シートの粘着力が高くなると、該粘着シートを例えば部材の固定に用いる場合、より小面積の粘着シートによっても十分な固定性能が実現され得る。対SUS粘着力の上限は特に制限されない。粘着剤層の凝集破壊による糊残りを防止する観点から、いくつかの態様において、対SUS粘着力は、例えば40N/20mm以下であってよく、30N/20mm以下でもよく、20N/20mm以下でもよい。対SUS粘着力は、後述の実施例に記載の方法で測定される。対SUS粘着力は、例えば、アクリル系ポリマーを構成するモノマーの組成、アクリル系ポリマーのMw、重合用乳化剤の種類や使用量、粘着付与樹脂の使用の有無および使用する場合における種類や使用量、架橋剤の使用の有無および使用する場合における種類や使用量、粘着剤層の厚さ、等により調節され得る。
ここに開示される粘着シートは、粘着剤層の投錨力が15N/20mm以上である。このような投錨力を示す粘着シートは、粘着力が高くてもリワーク性に優れる。このことは、粘着シートの被着体への貼付け作業性の向上、該粘着シートが貼り付けられた部品または製品の歩留り向上や品質向上、生産性の向上等の観点から好ましい。粘着力とリワーク性とをより高いレベルで両立しやすくする観点から、いくつかの態様において、上記投錨力は、凡そ17N/20mm以上であることが好ましく、凡そ19N/20mm以上であることがより好ましい。投錨力の上限は特に制限されない。粘着シートの製造容易性や設計容易性等の観点から、いくつかの態様において、上記投錨力は、例えば45N/20mm以下であってよく、35N/20mm以下であってもよく、25N/20mm以下であってもよい。投錨力は、後述の実施例に記載の方法で測定される。投錨力は、例えば、アンカー層の組成、厚さ、形成方法、キャリアフィルムに含まれるプラスチックフィルムの材質および構成、粘着剤層の組成、厚さ、形成方法、等により調節され得る。
ここに開示される粘着シートにおいて、上記投錨力の値F(単位:N/20mm)は、上記対SUS粘着力の値F(単位:N/20mm)よりも高いことが好ましい。すなわち、F−Fが0N/20mmより大きいことが好ましい。このように構成された粘着シートは、粘着力が高くても被着体に対する非糊残り性がよく、リワーク性に優れたものとなり得る。いくつかの態様において、F−Fは、例えば3N/20mm以上であってよく、4N/20mm以上であってよく、5N/20mm以上であってもよく、7N/20mm以上であってもよい。F−Fが大きくなると、非糊残り性が向上する傾向にある。F−Fの上限は特に制限されない。粘着力とリワーク性とをバランスよく両立する観点から、いくつかの態様において、F−Fは、例えば25N/20mm以下であってよく、20N/20mm以下であってもよい。ここに開示される粘着シートは、F−Fが15N/20mm以下(例えば10N/20mm以下)である態様でも好適に実施され得る。
ここに開示される粘着シートは、水平に保持したガラス板上に無加圧で載置してから5秒後に該ガラス板と上記粘着剤層とが密着している面積の割合として定義される濡れ面積率が60%以上であることが好ましい。ここで無加圧とは、粘着シートの自重の他には該粘着シートをガラス板に押し付ける外力を加えないことをいう。粘着シートの濡れ面積率が高いことは、該粘着シートが被着体表面に対する初期濡れ性(接触直後の濡れ性)が高いことを意味する。初期濡れ性の高い粘着シートは、弱い圧着力によっても被着体表面に素早く密着し得る。このことは貼付け時の位置ズレ防止等の観点から好ましい。特に、小面積の粘着シートを貼り付ける場合や、貼付け予定位置の周囲の構造や被着体の強度(例えば、被着体が脆い場合や変形しやすい場合等)等の事情により圧着の強さや均一性が制限される場合には、粘着シートの濡れ面積率が高いことが有利である。濡れ面積率の高い粘着シートによると、例えば、貼付け作業性や貼り付け精度が向上し得る。濡れ面積率は、後述の実施例に記載の方法で測定される。濡れ面積率は、アクリル系ポリマーのTg、Mw、モノマー成分の組成、粘着付与樹脂の使用の有無および使用する場合における種類や使用量、架橋剤の使用の有無および使用する場合における種類や使用量、粘着剤層の厚さ、等により調節され得る。
ここに開示される粘着シートの用途は特に限定されない。例えば、高い粘着力を活かして、各種の部品または製品において、部材の固定や接合等の目的(例えば、該固定や接合を半永久的に行う目的)で好適に用いられ得る。粘着シートの粘着力が高くなると、該粘着シートを例えば部材の固定に用いる場合、より小面積の粘着シートによっても十分な固定性能が実現され得る。このことは、小型化、軽量化が望まれる携帯機器(例えば、携帯電子電子機器)において特に有意義である。ここに開示される粘着シートは、例えば液晶等の表示装置を内蔵する携帯電子機器(例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレットPC、デジタルカメラ等)において、表示パネルや筐体等の構成部材の接合に好ましく利用され得る。したがって、この明細書によると、少なくとも2つの部材と、該少なくとも2つの部材を固定する粘着シート(ここに開示されるいずれかの粘着シート)と、を備える携帯電子機器が提供される。なお、この明細書において「携帯」とは、単に携帯することが可能であるだけでは十分ではなく、個人(標準的な成人)が相対的に容易に持ち運び可能なレベルの携帯性を有することを意味するものとする。
また、ここに開示される粘着シートは、水分散型粘着剤組成物から形成された粘着剤層を備えることから、揮発性有機化合物の総量(TVOC)の少ないものとなり得る。このため、自動車の室内等のように気密性が高くかつ高温になり得る空間において各種部材を接合または固定する用途や、建材や家具等のように居住空間において使用される部材または製品の固定や組立ての用途に好ましく使用され得る。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。なお、以下の説明において「部」および「%」は、特に断りがない限り重量基準である。また、以下の説明において、各特性はそれぞれ次のようにして測定または評価した。
(投錨力)
粘着シートを幅20mm、長さ100mmに切断して、図3に示す測定サンプル100を得た。この測定サンプル100は、支持基材102と該支持基材102に支持された粘着剤層101とから構成されている。23℃、50%RHの環境下にて、この測定サンプル100の背面100Bを、市販の両面粘着シート105を介してステンレス鋼板(SUS板)110に貼り合わせて固定した。両面粘着シート105としては、日東電工株式会社製の商品名「No.512」を使用した。その後、測定サンプル100の粘着面100Aに市販の片面粘着シート(幅20mm、長さ100mm)111を重ね合わせ、2kgのローラを1往復させて圧着した。片面粘着シート111としては、日東電工株式会社製の商品名「No.315」を使用した。圧着は、測定サンプル100の粘着面100Aと片面粘着シート111の粘着面111Aとが向かい合って接着するように行った。このとき、測定サンプル100の長手方向の一端に、測定サンプル100の粘着面100Aと片面粘着シート111の粘着面111Aとの間に厚さ90μm程度のあて紙(幅20mm、長さ30mm)112を挟み込んで固定した。あて紙112は、その長手方向において、測定サンプル100の長手方向の一端から約10mmが測定サンプル100の粘着面100Aと片面粘着シート111の粘着面111Aとの間に挟まれており、残りの約20mmが測定サンプル100の長手方向の一端から外方に延びている。これを同環境下に30分間放置した後、あて紙112の露出部分をチャックで固定し、引張試験機を使用して、剥離角度180度(図中、矢印方向)、引張速度300mm/分の条件で、測定サンプル100の粘着剤層101と支持基材102とを強制的に引き剥がし、そのときの剥離強度(N/20mm)を測定した。得られた値を投錨力(N/20mm)として記録した。引張試験機としては、万能引張圧縮試験機(装置名「引張圧縮試験機、TCM−1kNB」ミネベア(株)製)を使用した。測定は3回行い(すなわちN=3)、それらの平均値を当該粘着シートの投錨力とした。
(対SUS粘着力)
粘着シートを幅20mm、長さ100mmにカットして測定サンプルを作製した。23℃、50%RHの環境下にて、上記測定サンプルを被着体としてのステンレス鋼板(SUS304BA板)に、2kgのローラを1往復させて圧着した。これを23℃、50%RHの環境下に30分間放置した後、JIS Z0237に準じて、引張試験機を使用して、引張速度300mm/分の条件で、SUSに対する180度引き剥がし粘着力[N/20mm]を測定した。測定は3回行い(すなわちN=3)、それらの平均値を当該粘着シートの対SUS粘着力とした。
(リワーク性)
対SUS粘着力の測定において、測定サンプルを引き剥がした後の被着体表面と、被着体から引き剥がした測定サンプルとを観察した。その結果から、以下の2水準で粘着シートのリワーク性を評価した。
G:被着体表面に糊残りは認められなかった(リワーク性良好)
P:被着体表面に糊残りが認められた(リワーク性に乏しい)
(初期濡れ性)
粘着シートを5cm角の正方形状にカットして評価用サンプルを作製した。上記評価用サンプルの端を手で持ち、23℃、50%RHの環境下において、水平に保持したガラス板(縦6.5cm、横16.5cmのガラス、松浪硝子社製)の上面から高さ約10mmの位置に、粘着面を下方として水平に(ガラス板の上面と略平行となるように)保持した。次いで、上記サンプルから静かに手を離し、該サンプルを上記ガラス板上に自由落下させた。上記サンプルがガラス板に接触してから5秒後の状態を真上から撮影し、その画像を観察することにより、サンプル全体の面積のうち該サンプルの粘着面がガラス板と密着している面積の占める割合を濡れ面積率として求めた。その結果から、以下の3水準で粘着シートの初期濡れ性を評価した。
G:濡れ面積率が60%以上(初期濡れ性良好)
A:濡れ面積率が40%を超えて60%未満(実用上許容可能な初期濡れ性を示す)
P:濡れ面積率が40%以下(初期濡れ性に乏しい)
<粘着シートの作製>
(例1)
(アクリル系ポリマー水分散液の調製)
2EHA85部、MA13部、AA1.2部、MAA0.8部および3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名「KBM−503」、信越化学工業社製)0.02部からなるモノマー成分と、固形分で0.048部のターシャリーラウリルメルカプタン(連鎖移動剤)と2.0部の乳化剤とを、イオン交換水100部中で混合して乳化することにより、モノマー混合物の水性エマルション(モノマーエマルション)を調製した。乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(商品名「ラテムルE−118B」、花王社製)を使用した。
冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌装置を備えた反応容器に上記モノマーエマルションを入れ、窒素ガスを導入しながら室温にて1時間以上攪拌した。次いで、系を60℃に昇温し、この反応容器に2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(重合開始剤)(商品名「VA−057」、和光純薬工業社製)0.1部を投入し、系を60℃に保ちつつ、上記モノマーエマルションを6時間反応させた。系を常温まで冷却した後、10%アンモニウム水の添加によりpHを7.5に調整して、アクリル系ポリマー(ベースポリマー)の水分散液1−Wを得た。このアクリル系ポリマーのTgは、上記Foxの式から約−60℃と計算される。
(水分散型粘着剤組成物の調製)
上記水分散液1−Wに対し、固形分で、該水分散液に含まれるアクリル系ポリマー100部当たり30部の粘着付与樹脂を添加した。さらに、pH調整剤としての10%アンモニア水および増粘剤としてのポリアクリル酸(不揮発分36%の水溶液)を使用して、pHを約7.5、粘度を約9Pa・sに調整した。上記粘着付与樹脂としては、表1に示すものを使用した。このようにして水分散型アクリル系粘着剤組成物1−Cを得た。
(粘着シートの作製)
上記で得た粘着剤組成物1−Cを、片面が剥離処理された剥離面となっているPETフィルム(剥離フィルム)の該剥離面上に塗布し、120℃で3分間乾燥させて、上記剥離面上に厚さ50μmの粘着剤層を形成した。片面に厚さ約10nm〜70nmのウレタン系アンカー層を有する厚さ25μmのPETフィルムを支持基材1−Fとして使用した。上記剥離フィルム上の粘着剤層を上記支持基材1−Fのアンカー層形成面に貼り合わせることにより(転写法)、本例に係る粘着シートを作製した。
(例2〜4)
粘着付与樹脂の種類および量、ならびに粘着剤層の厚さを表1に示すとおりとした他は例1と同様にして、本例に係る粘着シートを作製した。
(例5)
モノマー成分の組成を2EHA30部、BA70部、AA3部および3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名「KBM−503」、信越化学工業社製)0.03部に変更した他は水分散液W−1の調製と同様にして、アクリル系ポリマーの水分散液W−2を得た。このアクリル系ポリマーのTgは、上記Foxの式から約−57℃と計算される。上記水分散液2−Wを使用し、表1に示す粘着付与樹脂を用いた他は例1と同様にして、本例に係る粘着シートを作製した。
(例6)
支持基材として、アンカー層を有しない厚さ25μmのPETフィルム(東レ株式会社製の商品名「ルミラーS10」)6−Fを使用した。その他の点は例2と同様にして、本例に係る片面粘着シートを作製した。
(例7)
上記水分散液1−Wに対し、該水分散液に含まれるアクリル系ポリマー100部当たり0.5部のイソシアネート系架橋剤を配合し、表1に示す粘着付与樹脂を使用した点、および、支持基材1−Fに代えて支持基材6−Fを用いた点を除いては、例1と同様にして、本例に係る粘着シートを作製した。上記イソシアネート系架橋剤としては、水分散型ポリイソシアネート(DIC株式会社製の商品名「バーノックDNW−5010」)を使用した。
(例8)
片面に厚さ約2μm以上5μm未満のアクリル系アンカー層を有する厚さ25μmのPETフィルムを支持基材8−Fとして使用した他は例4と同様にして、本例に係る粘着シートを作製した。
Figure 2020517798
表1に示されるように、例1〜4に係る粘着シートでは、高い対SUS粘着力と良好なリワーク性とを両立することができた。一方、投錨力が低い例5〜7に係る粘着シートでは、6N/20mm以上の対SUS粘着力と良好なリワーク性とを両立することができなかった。また、アクリル系ポリマーの主モノマーがBAである例5は、初期濡れ性に乏しかった。例8に係る粘着シートでは、投錨力の測定時にアンカー層とPETフィルム(プラスチックフィルム)との間で剥離が生じ、粘着剤層の投錨力を適切に測定することができなかった。また、対SUS粘着力の測定時においても同様にアンカー層とPETフィルムとの間で剥離が生じ、該測定を適切に行うことができなかった。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1,2 粘着シート
10 キャリアフィルム
10A 第一面
10B 第二面
14,15 粘着剤層
14A,15A 粘着面
22,24 剥離ライナー
60,70 剥離ライナー付き粘着シート

Claims (9)

  1. 水分散型粘着剤組成物から形成された粘着剤層と、
    前記粘着剤層を支持するキャリアフィルムと、
    前記キャリアフィルムと前記粘着剤層との間に配置されたアンカー層と、
    を含む粘着シートであって、
    前記キャリアフィルムは、該キャリアフィルムのうち少なくとも前記アンカー層側の部分をなすプラスチックフィルムを含み、
    前記粘着剤層は、ベースポリマーとしてアクリル系ポリマーを含み、
    前記アクリル系ポリマーは、炭素原子数6〜10のアルキル基をエステル末端に有するアルキル(メタ)アクリレートを50重量%より多く含むモノマー成分の重合物であり、
    前記粘着剤層の投錨力が15N/20mm以上であり、かつ
    前記粘着シートのステンレス鋼に対する引き剥がし粘着力が6N/20mm以上である、粘着シート。
  2. 前記粘着シートは、水平に保持したガラス板上に無加圧で載置してから5秒後に該ガラス板と前記粘着剤層とが密着している面積の割合として定義される濡れ面積率が60%以上である、請求項1に記載の粘着シート。
  3. 前記アンカー層としてウレタン系アンカー層を有する、請求項1または2に記載の粘着シート。
  4. 前記アンカー層の厚さは10μm未満である、請求項1から3のいずれか一項に記載の粘着シート。
  5. 前記粘着剤層は粘着付与樹脂を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の粘着シート。
  6. 前記粘着付与樹脂の含有量は、前記アクリル系ポリマー100重量部に対して5重量部以上30重量部以下である、請求項5に記載の粘着シート。
  7. 前記アクリル系ポリマーのガラス転移温度が−50℃以下である、請求項1から6のいずれか一項に記載の粘着シート。
  8. 前記プラスチックフィルムはポリエステルフィルムである、請求項1から7のいずれか一項に記載の粘着シート。
  9. 前記投錨力が前記粘着力より4N/20mm以上高い、請求項1から8のいずれか一項に記載の粘着シート。

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