JP2020516809A - 風車翼および風力発電装置 - Google Patents

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Abstract

風車翼は、該風車翼の翼先端を含む金属レセプタと、金属レセプタに対して翼根側に位置するように金属レセプタに接続され、金属レセプタとの接合領域において金属レセプタとともに風車翼の翼先端領域における翼型を形成する中空構造の翼本体部と、を備える。風車翼の翼厚方向から視たとき、金属レセプタと翼本体部との接合線の風車翼の前縁との交点上における接線が風車翼のコード方向に対して傾斜している。【選択図】図4

Description

本発明は、風車翼および風力発電装置に関する。
従来、風車翼には、雷撃による翼本体への被害を低減するための避雷設備が設けられている。例えば、特許文献1には、翼先端部に金属製のレセプタ(受雷部)を備えた風車翼が開示されている。
欧州特許出願公開第2226497号明細書
ところで、風車翼は、ロータの回転に伴い空気中の異物(例えば、雨滴や塵埃など)と衝突して前縁側に所謂エロージョンが発生する。特に、翼本体部とレセプタとの接合部に異物が衝突すると、上記接合部の前縁側が、翼本体部に生ずる亀裂の起点になる、という問題があった。
本発明の少なくとも幾つかの実施形態は、エロージョンによる風車翼の損傷を抑制することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る風車翼は、
風車翼であって、
前記風車翼の翼先端を含む金属レセプタと、
前記金属レセプタに対して翼根側に位置するように前記金属レセプタに接続され、前記金属レセプタとの接合領域において前記金属レセプタとともに前記風車翼の翼先端領域における翼型を形成する中空構造の翼本体部と、
を備え、
前記風車翼の翼厚方向から視たとき、前記金属レセプタと前記翼本体部との接合線の前記風車翼の前縁との交点上における接線が前記風車翼のコード方向に対して傾斜している。
上記(1)の構成によれば、金属レセプタと中空構造の翼本体部との接合面をコード方向に対して傾斜させることにより、風車翼の前縁への異物(例えば、雨滴や塵埃)の衝突角度と接合面の接線方向とが不一致となる。したがって、風車翼に異物が衝突する際の衝撃が接合部に集中することを緩和できるため、上記接合面におけるエロージョンを抑制することができ、エロージョンによる風車翼の損傷を抑制することができる。
また、金属レセプタと翼本体部との接合面においてエロージョンを抑制することは、翼本体部が「中空構造」である場合には特に有効である。すなわち、翼本体部が中空構造である場合、金属レセプタと翼本体部との接合面のエロージョンの進行に伴い、風車翼の外部と内部との連通経路が形成されてしまうと、翼本体部の内部(中空部)への異物侵入が懸念されるところ、上述のように接合面におけるエロージョンを抑制可能であることは技術的に有用である。
なお、本明細書において、「翼厚方向」は、風車翼の翼長方向とコード方向とのいずれにも垂直な方向をいうものとする。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)に記載の構成において、
前記接合線は、前記風車翼の翼厚方向から視たとき、前記接合線と前記風車翼の後縁との交点が、前記接線と前記風車翼の後縁との交点よりも前記翼先端側に位置するように、湾曲又は屈曲していてもよい。
上記(2)の構成によれば、金属レセプタと中空構造の翼本体部との接合線が、該接合線と風車翼の後縁との交点が、接線と風車翼の後縁との交点よりも翼先端側に位置する範囲において、前縁から後縁にかけて直線でない形態をとり得る。これにより、金属レセプタと翼本体部との接合部の形状の設計自由度を向上させることができるため、種々の形状の金属レセプタを用いてエロージョンによる風車翼の損傷をより好適に低減することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)に記載の構成において、
前記接線は、前記前縁から前記風車翼の後縁に向かって前記翼先端に近づくように前記コード方向に対して傾斜していてもよい。
上記(3)の構成によれば、接合線に対して前縁側に位置する部材が金属レセプタであるため、風車翼の回転に伴う接合面への遺物の衝突を金属レセプタによって保護することができるから、接合線におけるエロージョンを効果的に抑制することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れか一つに記載の構成において、
翼長方向に沿った前記金属レセプタの長さが、前記風車翼の翼長の0.1%以上0.9%以下、又は、50mm以上700mm以下であってもよい。
上記(4)の構成によれば、金属レセプタの長さを翼長の0.1%以上又は50mm以上にすることで、金属レセプタによる高い耐雷性能を実現できる。一方、金属レセプタの長さを翼長の0.9%以下又は700mm以下にすることで、金属レセプタの大型化に伴う風車翼の重量増加を抑制することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れか一つに記載の構成において、
コード方向に沿った前記金属レセプタの幅が、前記風車翼の翼長の0.25%以上0.9%以下、又は、200mm以上700mm以下であってもよい。
上記(5)の構成によれば、金属レセプタの幅を翼長の0.25%以上又は200mm以上にすることで、金属レセプタによる高い耐雷性能を実現できる。一方、金属レセプタの幅を翼長の0.9%以下又は700mm以下にすることで、金属レセプタの大型化に伴う風車翼の重量増加を抑制することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れか1つに記載の構成において、
前記接合線は、前記風車翼の翼長をLとしたとき、0.009L以下の曲率半径を有する湾曲形状であってもよい。
上記(6)の構成によれば、接合線が湾曲形状を有するため、金属レセプタの前縁側又は後縁側への重量の偏りを抑制しつつ、前縁と接合線との交点上の接合線の接線の、コード方向に対する傾斜角度を十分に確保しやすくなり、接合線におけるエロージョンを効果的に抑制することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れか1つに記載の構成において、
前記風車翼は、
前記翼本体部の外表面を少なくとも部分的に覆う第1耐エロージョン層をさらに備えていてもよい。
上記(7)の構成によれば、翼本体部の外表面を少なくとも部分的に覆う第1耐エロージョン層をさらに備えることにより、エロージョンによる風車翼の損傷をより効果的に抑制することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)の何れか1つに記載の構成において、
前記風車翼は、
前記金属レセプタと前記翼本体部との間の前記接合線のうち少なくとも前記前縁側の部位を覆う第2耐エロージョン層をさらに備えていてもよい。
上記(8)の構成によれば、第2耐エロージョン層をさらに備えることにより、金属レセプタと翼本体部との間の接合線のうち少なくとも前縁側の部位を覆うことができる。したがって、接合面におけるエロージョンをより効果的に抑制することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(8)の何れか1つに記載の構成において、
前記風車翼は、
前記金属レセプタに接続され、前記金属レセプタとの接続部から前記風車翼の翼根に向かって延在する金属箔又はダウンコンダクタの少なくとも一方を含む雷電流伝達部をさらに備えていてもよい。
上記(9)の構成によれば、風車翼が、金属箔又はダウンコンダクタの少なくとも一方を含む雷電流伝達部をさらに備えることにより、上記(1)で述べたエロージョンによる風車翼の損傷を抑制する効果を享受しつつ耐雷性能をより確実に発揮することができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(9)の何れか1つに記載の構成において、
前記翼本体部は、前記金属レセプタと重ねられた状態で前記金属レセプタに接続されるFRPシェルを含んでもよい。
上記(10)の構成によれば、FRPで形成された中空構造のFRPシェルと金属レセプタとの接続部において、上記(1)で述べたエロージョンによる風車翼の損傷を抑制する効果を享受することができる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(9)の何れか1つに記載の構成において、
前記金属レセプタは、内部にキャビティを有していてもよい。
上記(11)の構成によれば、金属レセプタが内部にキャビティを有するため、該金属レセプタの重量増加を抑制しながら、接合線におけるエロージョンを抑制することができる。
(12)幾つかの実施形態では、上記(11)に記載の構成において、
前記金属レセプタは、前記キャビティに連通するドレン穴を含んでもよい。
上記(12)の構成によれば、金属レセプタが、その内部に形成されたキャビティに連通するドレン穴を含むことにより、例えば、キャビティ内に雨滴等の異物が蓄積した場合は、ドレン穴を介して外部に排出することができるため、エロージョンによる風車翼の損傷を抑制することができる。
(13)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(11)の何れか一つに記載の構成において、
前記金属レセプタは、
前記風車翼の前記翼先端側の圧力面を形成する第1部分と、
前記第1部分に締結され、前記風車翼の前記翼先端側の負圧面を形成する第2部分と、
を含んでもよい。
上記(13)の構成によれば、金属レセプタが、翼先端側の圧力面を形成する第1部分と、翼先端側の負圧面を形成する第2部分とを含んで構成されることにより、上記(1)で述べたエロージョンによる風車翼の損傷を抑制する効果を享受しつつ翼本体部への組付け及びメンテナンスが容易な構成とすることができる。
(14)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(13)の何れか一つに記載の構成において風車翼は、
前記金属レセプタが銅または銅合金で形成されていてもよい。
上記(14)の構成によれば、導電性の高い銅または銅合金で形成された金属レセプタにより、上記(1)で述べたエロージョンによる風車翼の損傷を抑制する効果を享受しつつ耐雷性能をより確実に発揮することができる。
(15)本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る風力発電装置は、
上記(1)乃至(14)の何れか一つに記載の風車翼を備えていてもよい。
上記(15)の構成によれば、接合線におけるエロージョンを効果的に抑制することができる風車翼を備えた風力発電装置を得ることができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、エロージョンによる風車翼の損傷を低減することができる。
風力発電装置の構成例を示す図である。 一実施形態に係る風車翼を示す斜視図である。 (A)は図2のA−A線断面図で、(B)は図2のB−B線断面図である。 一実施形態に係る風車翼の先端側を示す平面図である。 一実施形態に係る風車翼の翼先端部を示す図である。 他の実施形態に係る風車翼の翼先端部を示す図である。 他の実施形態に係る風車翼の翼先端部を示す図である。 他の実施形態に係る風車翼の翼先端部を示す図である。 他の実施形態に係る風車翼の翼先端部を示す図である。 他の実施形態に係る風車翼の翼先端部を示す図である。 幾つかの実施形態における耐エロージョン層を示す平面図である。 風力発電装置の他の構成例を示す図である。 一実施形態に係る風車翼の先端側を示す断面図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、一実施形態に係る風力発電装置の構成例を示す概略図である。図2は、一実施形態に係る風車翼を示す斜視図である。図3(A)は図2のA−A線断面図で、(B)は図2のB−B線断面図である。図4は一実施形態に係る風車翼の先端側を示す平面図である。
図1に示すように、本発明の少なくとも一実施形態に係る風力発電装置(以下、風車とする)1は、少なくとも一枚の風車翼2と、風車翼2が取り付けられるハブ3と、風車翼2およびハブ3を含むロータを支持するナセル4と、ナセル4を旋回自在に支持するタワー5とを備える。なお、ロータの回転は不図示の発電機に入力されて、該発電機において電力が生成されるようになっている。
タワー5は、洋上風力発電装置の場合は洋上に、陸上風力発電装置の場合は陸上に設けられた基礎上に立設される。
図2に示すように、一実施形態に係る風車翼2は、翼根部2Aから翼先端部2Bにかけて延在する翼本体部20と、該風車翼2の翼先端部2Bを含む金属レセプタ50と、を備えている。
図2に示すように、翼本体部20は、風車1のハブ3に取り付けられる翼根部2Aと、ハブ3から最も遠くに位置する翼先端部2Bと、翼根部2A及び翼先端部2Bの間で翼長方向に延在する翼型部2C(翼中央部)と、を含む。また、翼本体部20は、翼根部2Aから翼先端部2Bに亘って前縁21と後縁23とを有する。翼本体部20の外形は、前縁21及び後縁23を境に規定される背面及び腹面の一方をなす負圧面25(背面)と、他方をなす正圧面27(腹面又は圧力面)とによって規定される(図2及び図3参照)。
なお、本明細書において、「翼長方向」とは、翼根部2Aと翼先端部2Bとを結ぶ方向であり、「コード方向(翼コード方向)」とは、翼本体部20の前縁21と後縁23とを結ぶ線(コード)に沿った方向であり、前縁21と後縁23とを結ぶ上記コード方向にほぼ直交する方向(翼本体部20の背側と腹側とを結ぶ方向)が「翼厚方向(又はフラップ方向)」である(図2及び図3参照)。また、「翼根部」とは、風車翼2において断面が概ね円形となる円筒状の部分であり、風車翼2の翼本体部20における翼根部2A側の端面を基準として例えば5mの翼長方向範囲(典型的には、前記端面から1〜3mの範囲)である。
幾つかの実施形態において、翼本体部20は、少なくとも一部が繊維強化プラスチック(FRP)で構成される。幾つかの実施形態において、風車翼2は、例えば、図3及び図4に示すように、金属レセプタ50と翼本体部20の端部との接合部10から翼根部2Aに向かって翼長方向に沿って延在する金属箔32を有していてもよい。金属箔32は、金属レセプタ50からの雷電流を翼根部2A側に導くように構成されており、ダウンコンダクタとしての機能を有してもよい。一実施形態では、金属箔32は、翼根部2A、ハブ3、ナセル4、タワー5を通る他のダウンコンダクタと電気的に接続される。そして、金属レセプタ50が着雷した場合に、金属レセプタ50からの雷電流を金属箔32から他のダウンコンダクタを介してタワー5に取り付けられたアース端子まで導くようになっていてもよい。
図2に示すように、幾つかの実施形態において、翼本体部20は、金属レセプタ50に対して翼根部2A側に位置するようにして金属レセプタ50に接続される。幾つかの実施形態において、翼本体部20は、金属レセプタ50との接合領域において金属レセプタ50とともに風車翼2の翼先端領域における翼型を形成する中空構造を有している。
具体的には、図3(A)に示すように、一実施形態における翼根部2Aにおいて、風車翼2は、厚さ方向内側から順に、内側翼根補強材22、翼型形成材24およびスパーキャップ26、絶縁層28、外側翼根補強材30、金属箔32、保護層34を含んで構成される。また、一実施形態では、図3(B)に示すように、翼型部2Cにおいて、風車翼2は、厚さ方向内側から順に、翼型形成材24およびスパーキャップ26、絶縁層28、金属箔32、保護層34を含んで構成される。
なお、図3(A)および(B)では、説明の便宜上、各部材の厚さやサイズを実際の風車翼とは異ならせている。
幾つかの実施形態において、翼本体部20は、例えば、図2、図3(A)及び図3(B)に示すように、前縁21及び後縁23の各端部に沿って負圧面25側と正圧面27側とが互いに一体に接合されて構成されてもよい。幾つかの実施形態において、風車翼2は、内面側において翼長方向に亘って少なくとも1本のシアウェブ36(桁材)により負圧面25側と正圧面27側とが連結されてもよい。シアウェブ36は、翼根部2Aから翼本体部20の端部近傍まで連続していてもよい。このように、翼本体部20の先端側にもシアウェブ36を設けることにより、金属レセプタ50による荷重増加をシアウェブ36によって支持することができる。なお、翼本体部20の端部は、翼本体部20における翼先端部2B側の端部であり、金属レセプタ50が接続される部分である。
幾つかの実施形態では、スパーキャップ26と金属箔32との間に絶縁層28が介装され、該絶縁層28が金属箔32とスパーキャップ26とを絶縁する。これにより、金属レセプタ50に着雷した場合に、金属箔32からの大きな雷電流がスパーキャップ26に流れてスパーキャップ26が破損することを防止できる。
金属箔32は、上述したように、金属レセプタ50と翼本体部20の端部との接合部10から翼根部2Aに向かって翼長方向に沿って延在する。例えば金属箔32は、シート状またはメッシュ状であってもよく、さらに銅または銅合金で形成されてもよい。
図4〜図11に示すように、幾つかの実施形態において、風車翼2は、該風車翼2の翼厚方向から視たとき、金属レセプタ50と翼本体部20との接合線70と風車翼2の前縁21との交点P上における上記接合線70の接線72が風車翼2のコード方向に対して傾斜(傾斜角θ)している。
上記の構成によれば、金属レセプタ50と中空構造の翼本体部20との接合面をコード方向に対して傾斜させることにより、風車翼2の前縁21への異物F(例えば、雨滴や塵埃)の衝突角度と接合面の接線方向とが不一致となる。したがって、風車翼2に異物が衝突する際の衝撃が接合部に集中することを緩和できるため、上記接合面におけるエロージョンを抑制することができ、エロージョンによる風車翼2の損傷を抑制することができる。空気中の異物Fが風車翼2の接合線70の前縁21側に対して垂直に衝突することを回避することができるため、風車翼2に異物Fが衝突する際の衝撃が接合部10に集中することを緩和することができ、エロージョンによる風車翼2の損傷を低減することができるのである。
なお、このように金属レセプタ50と翼本体部20との接合面においてエロージョンを抑制することは、幾つかの実施形態のように翼本体部20が「中空構造」である場合に特に有効である。すなわち、翼本体部20が中空構造である場合、金属レセプタ50と翼本体部20との接合面のエロージョンの進行に伴い、風車翼2の外部と内部との連通経路が形成されてしまうと、翼本体部20の内部(中空部)への異物侵入が懸念されるところ、上述のように接合面におけるエロージョンを抑制可能であることは技術的に有用である。
幾つかの実施形態では、例えば、図5に示すように、接合線70は、風車翼2の翼厚方向から視たとき、接合線70と風車翼2の後縁23との交点Qが、接線72と風車翼2の後縁23との交点Rと一致するように、直線状になっていてもよい。幾つかの実施形態では、例えば、図6に示すように、接合線70は、風車翼2の翼厚方向から視たとき、接合線70と風車翼2の後縁23との交点Qが、接線72と風車翼2の後縁23との交点Rよりも翼先端部2B側に位置するように、湾曲していてもよい。また、幾つかの実施形態では、例えば、図7に示すように、接合線70は、風車翼2の翼厚方向から視たとき、接合線70と風車翼2の後縁23との交点Qが、接線72と風車翼2の後縁23との交点Rよりも翼先端部2B側に位置するように屈曲していてもよい。
上記の構成によれば、金属レセプタ50と中空構造の翼本体部20との接合線70が、該接合線70と風車翼2の後縁23との交点Qが、接線72と風車翼2の後縁23との交点Rよりも翼先端部2B側に位置する範囲において、前縁21から後縁23にかけて直線でない形態をとり得る。これにより、金属レセプタ50と翼本体部20との接合部10の形状の設計自由度を向上させることができるため、種々の形状の金属レセプタ50を用いてエロージョンによる風車翼2の損傷をより好適に低減することができる。
なお、上記の図5〜図7に例示的に示した実施形態において、接合線70と前縁21との交点Pと、接合線70と後縁23との交点Qとは、どちらを翼先端部2Bにより近い配置としてもよい。つまり、交点Pが交点Qよりも翼先端部2Bにより近くに配置された構成としてもよいし、交点Qが交点Pよりも翼先端部2Bにより近く配置された構成としてもよい。また、接線72と後縁23との交点Rは、交点Pを通るコード線に対して、該コード線より翼根部2A側であってもよいし、該コード線よりも翼先端部2B側であってもよい。
幾つかの実施形態において、接線72は、例えば、図4、図9又は図10に示すように、前縁21から風車翼2の後縁23に向かって翼先端部2Bに近づくようにコード方向に対して傾斜していてもよい。この構成によれば、接合線70に対して前縁21側に位置する部材が金属レセプタ50であるため、接合線70におけるエロージョンを効果的に抑制することができる。
幾つかの実施形態では、翼長方向に沿った金属レセプタ50の長さL1が、風車翼2の翼長Lの0.1%以上0.9%以下(0.001L≦L1≦0.009L)、又は、50mm以上700mm以下(50mm≦L1≦700mm)であってもよい(図2及び図4参照)。このようにすれば、金属レセプタ50の長さを翼長の0.1%以上又は50mm以上にすることで、金属レセプタ50による高い耐雷性能を実現できる。一方、金属レセプタ50の長さを翼長の0.9%以下又は700mm以下にすることで、金属レセプタ50の大型化に伴う風車翼2の重量増加を抑制することができる。
幾つかの実施形態では、コード方向に沿った金属レセプタ50の幅W1が、風車翼2の翼長Lの0.25%以上0.9%以下(0.0025L≦W1≦0.009L)、又は、200mm以上700mm以下(200mm≦L1≦700mm)であってもよい(図2及び図4参照)。このようにすれば、金属レセプタ50の幅を翼長の0.25%以上又は200mm以上にすることで、金属レセプタ50による高い耐雷性能を実現できる。一方、金属レセプタ50の幅を翼長の0.9%以下又は700mm以下にすることで、金属レセプタ50の大型化に伴う風車翼2の重量増加を抑制することができる。
幾つかの実施形態において、接合線70は、風車翼2の翼長をLとしたとき、0.009L以下の曲率半径R1(R1≦0.009L)を有する湾曲形状であってもよい(図2、図8及び図9参照)。この構成によれば、接合線70が湾曲形状を有するため、金属レセプタ50の前縁21側又は後縁23側への重量の偏りを抑制しつつ、前縁21と接合線70との交点P上の接合線70の接線72の、コード方向に対する傾斜角度を十分に確保しやすくなり、接合線70におけるエロージョンを効果的に抑制することができる。
図11に示すように、幾つかの実施形態において、風車翼2は、翼本体部20の外表面を少なくとも部分的に覆う第1耐エロージョン層80をさらに備えていてもよい。
幾つかの実施形態において、第1耐エロージョン層80は、耐摩耗性(耐腐食性)を有する保護材であり、例えば、テープ、ペイント、コーティング等の形態を含み得る。この第1耐エロージョン層80は、翼本体部20の表面に塗布又は貼付されて翼本体部20を空気中の異物Fとの衝突から保護するためのものである。幾つかの実施形態では、第1耐エロージョン層80として、例えば、ポリウレタン塗料(例えば、3M(商標登録)社の「3M Wind Blade Protection Coating W4600や、BASF社のポリウレタン塗料)やこれを塗布したテープを用いてもよい。
この構成によれば、翼本体部20の外表面を少なくとも部分的に覆う第1耐エロージョン層80をさらに備えることにより、エロージョンによる風車翼2の損傷をより効果的に低減することができる。
図11に示すように、幾つかの実施形態において、風車翼2は、金属レセプタ50と翼本体部20との間の接合線70のうち少なくとも前縁21側の部位を覆う第2耐エロージョン層82をさらに備えていてもよい。このように第2耐エロージョン層82をさらに備えることにより、金属レセプタ50と翼本体部20との間の接合線70のうち少なくとも前縁21側の部位を覆うことができる。したがって、接合線70におけるエロージョンをより効果的に抑制することができる。
図12に示すように、幾つかの実施形態において、風車翼2は、金属レセプタ50に接続され、該金属レセプタ50との接続部から風車翼2の翼根部2Aに向かって延在する金属箔32又はダウンコンダクタ8の少なくとも一方を含む雷電流伝達部90をさらに備えていてもよい。この構成によれば、金属箔32又はダウンコンダクタ8の少なくとも一方を含む雷電流伝達部90をさらに備えることで、上述した幾つかの実施形態で述べたエロージョンによる風車翼2の損傷を抑制する効果を享受しつつ耐雷性能をより確実に発揮することができる。
ここで、金属レセプタ50の構成例について図13を参照して説明する。図13は、一実施形態に係る風車翼の先端側を示す断面図である。
金属レセプタ50の端部外面には、第1凹部54A、54Bと、第2凹部56A、56Bとが設けられている。第1凹部54A、54Bと第2凹部56A、56Bとは段差55A、55Bを介して翼長方向に隣接して設けられ、第1凹部54A、54Bが翼根部2A側に位置し、第2凹部56A、56Bが翼先端部2B側に位置している。第1凹部54A、54Bは、第2凹部56A、56Bよりも浅く形成される。そして、第1凹部にはボルト穴57A1、57B1が設けられ、第2凹部にはボルト穴57A2、57B2が設けられている。なお、ここでは第1凹部54A、54Bおよび第2凹部56A、56Bが翼長方向に隣接して設けられた構成を例示したが、凹部の構成はこれに限定されず、例えば第1凹部54A、54Bおよび第2凹部56A、56Bが翼幅方向に隣接して設けられてもよい。
幾つかの実施形態において、金属レセプタ50は、銅または銅合金で形成されていてもよい。このようにすれば、導電性の高い銅または銅合金で形成された金属レセプタ50により、上述した幾つかの実施形態で述べたエロージョンによる風車翼2の損傷を抑制する効果を享受しつつ耐雷性能をより確実に発揮することができる。
幾つかの実施形態において、翼本体部20は、金属レセプタ50と重ねられた状態で金属レセプタ50に接続されるFRPシェル29を含んでもよい。例えば、図13に示すように、翼本体部20と金属レセプタ50との接合部10では、繊維強化プラスチック24A(FRP)と金属レセプタ50とが少なくとも重ねられた状態で、繊維強化プラスチック24Aが金属レセプタ50に対して締結され、且つ、金属箔32の端部が金属レセプタ50に電気的に接続されている。また、図13に示すように、接合部10において金属箔32は第1金属プレート40および第2金属プレート42に挟まれた構成となっている。第1金属プレート40および第2金属プレート42は、接合部10から翼本体部20の途中の位置まで延在してもよい。
そして、第1凹部54A、54Bには、翼本体部20の端部を形成する繊維強化プラスチック24A、第2金属プレート42、金属箔32および第1金属プレート40が係合して、ボルト穴57A1、57B1に螺着されるボルト46によってこれらの部材が共締めされている。これにより翼本体部20と金属レセプタ50とが接続される。このとき、互いに締結される繊維強化プラスチック24Aと金属レセプタ50とが少なくとも重ねられた状態であることから、接合部10における両部材の接触面積を大きく確保でき、風車翼2で受ける風荷重等により生じる風車翼2の曲げモーメントにも耐え得る高い接続強度を保持できる。さらに、第1凹部54A、54Bと繊維強化プラスチック24Aとを面接触させることができ、翼本体部20と金属レセプタ50との高い接続強度を確保できる。
また、第2凹部56A、56Bには、第2金属プレート42、金属箔32および第1金属プレート40が係合して、ボルト穴57A2、57B2に螺着されるボルト48によってこれらの部材が共締めされている。これにより金属箔32が第2金属プレート42を介して金属レセプタ50に接続される。そのため、ダウンコンダクタとして機能する金属箔32と金属レセプタ50とが電気的に接続される。このとき、金属箔32が第2金属プレート42を介して金属レセプタ50と重ねられた状態で締結されていることから、金属箔32と金属レセプタ50との電気的な接続面積を大きく取ることができ、金属レセプタ50で受けた雷電流を円滑に金属箔32に流すことができる。さらに、第2凹部56A、56Bと第2金属プレート42とを面接触させることができ、第2金属プレート42を介した金属箔32と金属レセプタ50との電気的な接続を確保できる。この構成によれば、繊維強化プラスチック24Aで形成された中空構造のFRPシェル29と金属レセプタ50との接続部において、上述した幾つかの実施形態で述べたエロージョンによる風車翼2の損傷を抑制する効果を享受することができる。
図13に示すように、幾つかの実施形態において、金属レセプタ50は、風車翼2の翼先端部2B側の圧力面(正圧面)27を形成する第1部分52Aと、第1部分52Aに締結され、風車翼2の翼先端部2B側の負圧面25を形成する第2部分52Bと、を含んでもよい。一実施形態では、金属レセプタ50の第1部分52Aは第2部分52Bと略対称の形状を有していてもよい。第1部分52Aは、その合わせ面53Aが第2部分52Bの合わせ面53Bに突き合わされ、第2部分52Bと締結されるようになっている。第1部分52Aの合わせ面53Aには複数のボルト穴(不図示)が形成され、第2部分52Bの合わせ面53Bにはボルト穴に対応する位置に複数のボルト穴(不図示)が形成されている。こうして、第1部分52Aおよび第2部分52Bは、合わせ面53A、53Bが突き合わされた状態でボルト締結される。このように金属レセプタ50を半割形状に形成することにより、金属プレート40、42や金属箔32等を金属レセプタ50に容易に取り付けることができる。この構成によれば、金属レセプタ50が、翼先端部2B側の正圧面27を形成する第1部分52Aと、翼先端部2B側の負圧面25を形成する第2部分52Bとを含んで構成されることにより、上述した幾つかの実施形態で述べたエロージョンによる風車翼2の損傷を抑制する効果を享受しつつ翼本体部20への組付け及びメンテナンスが容易な構成とすることができる。
図13に示すように、幾つかの実施形態において、金属レセプタ50は、内部にキャビティ51を有していてもよい。このように構成すれば、金属レセプタ50が内部にキャビティ51を有するため、該金属レセプタ50の重量増加を抑制しながら、接合線70におけるエロージョンを抑制することができる。
幾つかの実施形態において、金属レセプタ50は、例えば、図13に示すように、その内部に形成されたキャビティ51と該キャビティ51に連通するドレン穴59とを含んでもよい。この構成によれば、金属レセプタ50が、その内部に形成されたキャビティ51に連通するドレン穴59を含むことにより、例えば、キャビティ51内に雨滴等の異物Fが蓄積した場合は、ドレン穴59を介して異物Fを金属レセプタ50の外部に排出することができるため、エロージョンによる風車翼2の損傷を効果的に抑制することができる。
図13に示すように、例えば、第2部分52Bには、第1部分52Aと突き合わせた状態で第1部分52Aの凹部とともに金属レセプタ50内部に空洞を形成するキャビティ(凹部)51が設けられる。また、このキャビティ51に連通する少なくとも一つのドレン穴59を設けてもよい。ドレン穴59は金属レセプタ50の先端に配置される。キャビティ51が合わせ面53Bによって複数に分割されている場合には、合わせ面53Bに溝を設けて、複数のキャビティ51間を連通してもよい。
このような構成とすることにより、金属レセプタ50の内部に溜まった雨滴等の異物Fをキャビティ51によって形成される空洞部からドレン穴59を通じて外部に円滑に排出することができる。
なお、第1部分52Aも第2部分52Bと同様の構成を有してもよい。
以上説明したように、上述した幾つかの実施形態によれば、接合線70におけるエロージョンを効果的に抑制することができる風車翼2を備えた風車1を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
1 風車(風力発電装置)
2 風車翼
2A 翼根部
2B 翼先端部
2C 翼型部
3 ハブ
4 ナセル
5 タワー
8 ダウンコンダクタ
10 接続部
20 翼本体部
21 前縁
22 内側翼根補強材
23 後縁
24 翼型形成材
24A 繊維強化プラスチック(FRP)
25 負圧面
26 スパーキャップ
27 正圧面(圧力面)
28 絶縁層
29 FRPシェル
30 外側翼根補強材
32 金属箔
34 保護層
36 シアウェブ
40 第1金属プレート
42 第2金属プレート
46,48 ボルト
50 金属レセプタ
51 キャビティ
52A 第1部分
52B 第2部分
53A,53B 合わせ面
54A,54B 第1凹部
55A,55B 段差
56A,56B 第2凹部
57A1,57A2,57B1,57B2 ボルト穴
59 ドレン穴
70 接合線
72 接線
80 第1耐エロージョン層
82 第2耐エロージョン層
90 雷電流伝達部
F 異物
P,Q,R 交点

Claims (15)

  1. 風車翼であって、
    前記風車翼の翼先端を含む金属レセプタと、
    前記金属レセプタに対して翼根側に位置するように前記金属レセプタに接続され、前記金属レセプタとの接合領域において前記金属レセプタとともに前記風車翼の翼先端領域における翼型を形成する中空構造の翼本体部と、
    を備え、
    前記風車翼の翼長方向とコード方向とのいずれにも垂直な方向である前記風車翼の翼厚方向から視たとき、前記金属レセプタと前記翼本体部との接合線の前記風車翼の前縁との交点上における接線が前記風車翼のコード方向に対して傾斜している
    ことを特徴とする風車翼。
  2. 前記接合線は、前記風車翼の翼厚方向から視たとき、前記接合線と前記風車翼の後縁との交点が、前記接線と前記風車翼の後縁との交点よりも前記翼先端側に位置するように、湾曲又は屈曲している
    ことを特徴とする請求項1に記載の風車翼。
  3. 前記接線は、前記前縁から前記風車翼の後縁に向かって前記翼先端に近づくように前記コード方向に対して傾斜している
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の風車翼。
  4. 翼長方向に沿った前記金属レセプタの長さが、前記風車翼の翼長の0.1%以上0.9%以下、又は、50mm以上700mm以下であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の風車翼。
  5. コード方向に沿った前記金属レセプタの幅が、前記風車翼の翼長の0.25%以上0.9%以下、又は、200mm以上700mm以下であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の風車翼。
  6. 前記接合線は、前記風車翼の翼長をLとしたとき、0.009L以下の曲率半径を有する湾曲形状である
    ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の風車翼。
  7. 前記翼本体部の外表面を少なくとも部分的に覆う第1耐エロージョン層をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の風車翼。
  8. 前記金属レセプタと前記翼本体部との間の前記接合線のうち少なくとも前記前縁側の部位を覆う第2耐エロージョン層をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の風車翼。
  9. 前記金属レセプタに接続され、前記金属レセプタとの接続部から前記風車翼の翼根に向かって延在する金属箔又はダウンコンダクタの少なくとも一方を含む雷電流伝達部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の風車翼。
  10. 前記翼本体部は、前記金属レセプタと重ねられた状態で前記金属レセプタに接続される繊維強化プラスチックシェルを含む
    ことを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の風車翼。
  11. 前記金属レセプタは、内部にキャビティを有することを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の風車翼。
  12. 前記金属レセプタは、前記キャビティに連通するドレン穴を含むことを特徴とする請求項11に記載の風車翼。
  13. 前記金属レセプタは、
    前記風車翼の前記翼先端側の圧力面を形成する第1部分と、
    前記第1部分に締結され、前記風車翼の前記翼先端側の負圧面を形成する第2部分と、
    を含むことを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の風車翼。
  14. 前記金属レセプタが銅または銅合金で形成されていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の風車翼。
  15. 前記風車翼を備えたことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の風力発電装置。
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