JP2020516650A - 小分子 - Google Patents

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Abstract

一般構造A-L-B[式中、A及びBは、独立して、式1A又は1BのE3ユビキチンリガーゼタンパク質結合リガンド化合物である]を有する化合物を提供する。これらの化合物を含む医薬組成物及び使用方法もまた提供する。

Description

本発明は、小分子E3ユビキチンリガーゼタンパク質結合リガンド化合物、及び標的タンパク質分解誘導キメラタンパク質(PROTAC)におけるその有用性、並びにその調製方法、及び薬における使用に関する。本発明は、詳細には、E3ユビキチンリガーゼの自己ユビキチン化を誘発し、それに続くプロテアソーム分解を引き起こすことができるPROTACに関する。
E3ユビキチンリガーゼは、小分子修飾及び創薬にとって魅力的な目標として出現している。E3は、基質タンパク質及びユビキチンを互いに非常に接近させて、ユビキチン分子の基質への移行を触媒する。基質ユビキチン化は、様々な細胞性の結果を引き起こすことができ、その最も特徴的な1つが、ポリ-ユビキチン化及びそれに続くプロテアソーム分解である。ヒトゲノムは、正常な細胞生理機能及び疾患状態において重要な役割を果たす、600を超える予測されたE3リガーゼを含み、それらは阻害剤発見にとって魅力的な目標となっている。しかしながら、E3リガーゼは、小分子に結合する、深く且つ「新薬の開発につながるような」活性部位を含まない。したがって、E3リガーゼ活性の遮断には、タンパク質-タンパク質相互作用(PPI)の標的化が必要であり、しばしば拡大された、平坦で、溶媒に曝露されるPPI表面のため、それは薬物設計の課題となっている。ほんの少数の強力な阻害剤が、例えばMDM2、アポトーシスタンパク質の阻害剤(IAP)、フォンヒッペル-リンダウ(VHL)リガーゼ1〜3、及びKEAP1のような、E3基質認識部位に結合する大部分の化合物が、今日までに開発されてきた。E3:基質相互作用の阻害剤は、阻害の結果としてそれらの細胞濃度を著しく増加させる、高親和性の内在性基質との競合に起因する、生物物理学的結合と細胞有効性との間の有効濃度に矛盾を示すことがある3。これにより高阻害剤濃度を使用する必要性等の限界が生じ、このため、オフ-ターゲット効果及び細胞傷害性、並びに酵素活性の不完全な遮断がもたらされうる。その上、E3リガーゼはマルチ-ドメイン及びマルチ-サブユニットの酵素であり、個々の結合部位を標的とすることにより、領域をスキャホールドする他のスキャホールドを手つかずのままで、且つ他の相互作用を機能的なままで残す。結果として、E3リガーゼ阻害は、効果がないか又は遺伝子のノックアウト若しくはノックダウンを再現できない恐れがある。したがって、E3リガーゼを標的とする新しい化学的方法が求められている。
E3リガーゼは、単なる阻害の標的ではない。E3リガーゼに結合し、新しいタンパク質のリクルートを促進する、天然又は合成起源の化合物が発見されてきた。これらの接続領域の化合物は、標的タンパク質分解のために、ネオ基質に対するE3ユビキチン化活性を効果的にハイジャックする、リガーゼ-標的PPIの新規の形成を誘発する。E3リガーゼ活性の1つの種類の小分子ハイジャッカー(hijacker)は、1価の化合物を含む。これらのいわゆる「分子接着剤」には、クリン(Cullin)RINGリガーゼ(CRL)CRL1-TIR1に結合し、Aux/IAAファミリーの転写抑制因子タンパク質を標的とする、植物ホルモンであるオーキシン、並びに免疫調節薬(IMiD)のサリドマイド、レナリドミド、ポマリドミド及び類似体CC-885が含まれ、これら全てはCRL4-CRBNリガーゼのサブユニットであるセレブロン(CRBN)に結合し、CRBN活性を異なる基質に向け直す4〜10。更に最近では、スルホンアミド抗がん薬インジスラムが、CRL4-DCAF15活性をリクルートすることを介して、スプライシング因子RBM39の分解を誘発することが見出された。同様の作用機序を示す違う種類の化合物は、標的タンパク質分解誘導キメラタンパク質(PROTAC)と呼ばれる2価の分子である。PROTACは、リンカーにより結びつけられた、リガーゼ用の第1の弾頭(warhead)部分、及び標的タンパク質用の第2の弾頭を含む11。PROTAC、リガーゼ及び標的間の3成分複合体の形成により、近接誘発性の標的ユビキチン化及び分解が引き起こされる。弾頭リガンドは、CRL2-VHL12〜15、CRL4-CRBN16〜20、及びIAP21〜22を含む異なるリガーゼをリクルートする、強力で且つ細胞活性のPROTACを開発するために使用されてきた。PROTACにより首尾よく分解された標的の中には、BETタンパク質Brd2、Brd3及びBrd412、14〜17、FKBP16、20、プロテインキナーゼ13、18、他のもの13、21がある。PROTACの魅力的な特色は、その準化学量論的触媒活性であり13、それは、従来の阻害剤の様に、標的-結合部位の完全占有を必要とはせず、結果として、その構成要素部分単独の阻害濃度より低い桁数でありうる分解濃度をもたらす。更に、誘発された標的枯渇は、標的阻害と比較してより持続性の細胞効果を有しえて、標的レベルの増加等の代償的な細胞フィードバック機序を克服することができる。決定的に、PROTAC分子が、弾頭リガンドの固有の結合選択性を超える、タンパク質分解に関する選択性という付け加えられた階層を示しうることが示された12、15、18。CRL2-VHLを標的とするBrd4-選択的PROTACについての最近の我々の研究により、安定で且つ高度に集合した3成分複合体の協同的形成に寄与する、リガーゼと標的間の特定のリガンド-誘発性PPIの重要性が明らかとなった15
WO2018/051107A1
「Chemical Probes Portal」(http://www.chemicalprobes.org/) Kimuraら、J.Polym.Sci.Part A:Polym.Chem.54、(2016年)
本発明者らは、好適に設計されたPROTACを使用して、E3リガーゼ自体を、ユビキチン化及びプロテアソーム分解の標的とするのが可能であることをここで見出した。少なくともいくつかの態様に関して、本発明者らは、2例のE3結合部分を含むPROTACが、そこで同じE3がユビキチン化酵素及びネオ基質の両方として機能する、3成分複合体を形成することが可能でありえることを見出した。
本発明の第1の態様によれば、構造:
A-L-B
[式中、
A及びBは、独立して、式1A又は1B:
のE3ユビキチンリガーゼタンパク質結合リガンド化合物であり、
Lは、R1若しくはR2において式1Aの化合物と直接結合し、且つ/又はR3若しくはR4において式1Bの化合物と直接結合する連結基であり、Lは、-R5-[O(CH2)m]n-R6-(式中、m及びnは、独立して0〜10であり、R5及びR6は、共有結合、C1〜C10アルキレン、-OR7-、C1〜C10ポリエーテル、又は-O-の群から独立して選択される)であり;
R1は、(1)LがR1において式1Aの化合物と結合している場合は、共有結合若しくはC1〜C5アルキレンの群、又は(2)LがR2において式1Aの化合物と結合している場合は、H、NH2、C1〜C5アルキル、若しくはC(CN)C2H4の群のいずれかから選択され、
R2、R3、及びR4は、共有結合、H、NH2、C1〜C5アルキル、C(CN)C2H4の群から独立して選択され;
X及びYは、H、OH又はハロゲンの群から独立して選択され;
R7は、C1〜C5アルキレンである]、
を有する化合物、又は薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、若しくは多形体が提供される。
したがって、式A-L-Bの化合物は、式1A又は1Bのいずれかの化合物にリンカーLを介して連結した式1A又は1Bのいずれかの化合物を含みうる。A及び/又はBが式1Aの化合物である実施形態では、式1Aの化合物は、R1又はR2を介してリンカーLに連結しうる。A及び/又はBが式1Bの化合物である実施形態では、式1Bの化合物は、R3又はR4を介してリンカーLに連結しうる。
本明細書に記載される一般式A-L-Bを有する化合物は、以下の記載で、「PROTAC-化合物」、「ホモ-PROTAC化合物」(A部分がB部分と同じである)、「ヘテロ-PROTAC化合物」(A部分がB部分とは異なる)、又は単に「本発明の化合物」と表されうる。
本発明者らは、上に定義される構造A-L-Bを有する化合物が、細胞内でE3ユビキチン化機構をそれ自体に使用することにより、E3ユビキチンリガーゼタンパク質の分解を誘発することができることを、驚いたことに見出した。したがって、構造A-L-Bの化合物は、2つのE3ユビキチンリガーゼタンパク質を含む三次構造を形成し、1つのE3ユビキチンリガーゼタンパク質が、構造A-L-Bの化合物により結びつけられたもう1つのE3ユビキチンリガーゼタンパク質をユビキチン化することが示唆される。このユビキチン化は、E3ユビキチンリガーゼタンパク質と式1A又は1Bの化合物との結合により形成された三次構造における、2つのE3ユビキチンリガーゼタンパク質の強制的な非常に接近した状態に起因して誘発されることが更に示唆される。
更に、本発明の化合物は、準化学量論的な濃度で分解を開始することができることが見出され、それにより、該化合物が少なくとも部分的に分解を触媒していることが示される。
いくつかの実施形態では、Xは、H又はハロゲンであってよい。
Xがハロゲンである実施形態では、Xは、F、Cl、Br、又はIから選択されてよい。例えば、Xは、F又はClから選択されてよい。Xは、Fであってよい。
いくつかの実施形態では、Yは、OHであってよい。典型的には、Yは、以下の式1Cに示されるように「下方」位置にある。
A又はBのいずれかが式1Aによる化合物である実施形態では、A又はBは、式1C:
を有してよい。
いくつかの実施形態では、Aは、式1Aの化合物であってよく、且つBは、式1Aの化合物であってよい。
Lは、式1AのR1を介してAに連結してよい。Lは、式1AのR1を介してBに連結してよい。
或いは、Lは、式1AのR2を介してAに連結してよく、且つLは、連結してよい。
いくつかの実施形態では、R5は化学結合であってよく、R6は化学結合であってよく、mは2であってよく、nは3、4又は5であってよい。
いくつかの好ましい実施形態では、nは5である。
いくつかの実施形態の化合物は、式2、3又は4:
[式中、R2a、R2b及びR2cは、H、NH2、C1〜C5アルキル、及びC(CN)C2H4から独立して選択され;
R1a、R1b及びR1cは、H、NH2、C1〜C5アルキル、及びC(CN)C2H4から独立して選択され;
X1及びX2は、H、OH、ハロゲンから独立して選択され;
Y1及びY2は、H、OH、ハロゲンから独立して選択され;且つ
m及びnは、独立して0〜10である]
を有しうる。
式2、3又は4の化合物に関して、nは3〜5であること好ましい。典型的には、mは1〜4である。好ましくは、mは2であり、リンカーはポリエチレングリコールサブユニットから形成される。
実施形態では、R1a、R1b及びR1cは、C1〜C5アルキル又はC(CN)C2H4から独立して選択されてよい。更なる実施形態では、R1a、R1b及びR1cは、C1アルキル(すなわち、メチル又はMe)及びC(CN)C2H4から独立して選択されてよい。
いくつかの実施形態では、R2a、R2b及びR2cは、Hであってよい。
いくつかの実施形態では、Y1及びY2はOHであってよく、X1及びX2はHであってよく、R1a、R1b及びR1cは、独立してMe又はC(CN)C2H4であってよく、R2a、R2b及びR2cはHであってよい。
好ましい実施形態では、リンカーLは、12〜20原子の長さの直鎖である。本発明の化合物は、A基及びB基が離れて配置される場合、標的タンパク質の分解を誘発するのに最も有用であることが見出された。したがって、理論に束縛されることは望まないが、12〜20原子の長さの直鎖であるリンカーLが、A基及びB基を十分な間隔を離して配置させ、互いに妨害することなく、それらが標的結合部位に結合することを可能とし、一方、同時に、A及びBのいずれか又は両方に結合したE3ユビキチンリガーゼタンパク質が、標的タンパク質をユビキチン化し、それにより、細胞機構によるそれに続く分解のためにそのタンパク質をマーキングすることができるような、十分に近接した位置に標的タンパク質が確実に保たれることが見出された。
Lは、15〜18原子の長さの直鎖であってよい。例えば、Lは、15、16、17又は18原子の長さの直鎖であってよい。
典型的には、リンカー鎖は、炭素及び/又は酸素原子を含んでよい。例えば、リンカー鎖は、アルキレン基及び/又はエーテル基及び/又はポリエーテル基を含んでよい。
或いは、リンカー鎖は、ペプチド鎖、又は例えばヌクレオチド鎖であってよい。
本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される塩」は、適切な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激作用、アレルギー応答等を伴うことなく、ヒト及び下等動物の組織と接触して使用するのに好適であり、合理的な利益/危険比に相応である、本発明の方法により形成された化合物の塩を指す。薬学的に許容される塩は、当技術分野で周知である。上記塩は、本発明の化合物の最終的な単離及び精製中にin situで、又は遊離塩基官能基を好適な有機酸と反応させることにより別に調製されうる。本明細書での使用に好適な、薬学的に許容される塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸及び過塩素酸等の無機酸又は酢酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸若しくはマロン酸等の有機酸を用いて形成されるアミノ基の塩、或いはイオン交換等の当技術分野で使用される他の方法を使用することにより形成される塩である、無毒性の酸付加塩が挙げられるが、これらに限定されない。
他の薬学的に許容される塩として、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、半硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等が含まれるが、これらに限定されない。代表的なアルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩には、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等が含まれる。更なる薬学的に許容される塩には、適切な場合は、ハロゲン化物、水酸化物、カルボキシレート、スルフェート、ホスフェート、ニトレート、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、スルホネート及びアリールスルホネート等の対イオンを使用して形成される無毒性のアンモニウム塩、第4級アンモニウム塩、及びアミンカチオンが含まれる。
本明細書の好ましい態様では、本明細書に定義された構造A-L-BのPROTAC-化合物に使用される式Iの化合物は、定義された立体異性体として表される。そのような化合物の絶対配置は、例えば、X線回折若しくはNMR等の当技術分野において周知の方法及び/又は公知の立体化学の出発物質からの関連を使用して決定することができる。
本発明による医薬組成物は、示された立体異性体の、実質的に立体異性的に純粋な調製物を含むことが好ましい。
本明細書で述べた化合物及び中間体の純粋な立体異性形態は、前記化合物又は中間体の同じ基本的分子構造の、他のエナンチオマー又はジアステレオマーの形態を実質的に含まない異性体と定義される。詳細には、用語「立体異性的に純粋」は、少なくとも80%(すなわち、最小90%の1つの異性体及び最大10%の他の可能な異性体)から、100%までの立体異性的過剰(すなわち、100%の1つの異性体及び他の異性体はない)という立体異性的過剰を有する化合物又は中間体、より詳細には、90%から100%までの立体異性的過剰を有する、更により詳細には94%から100%までの立体異性的過剰を有する、最も詳細には97%から100%までの立体異性的過剰を有する化合物又は中間体に関係する。用語「エナンチオマー的に純粋」及び「ジアステレオマー的に純粋」も、同様にではあるが、それぞれ対象となる混合物の、エナンチオマー的過剰、及びジアステレオマー的過剰に関して有すると理解すべきである。
本明細書に詳述される化合物及び中間体の純粋な立体異性形態は、当技術分野において周知の手順の適用により得ることができる。例えば、エナンチオマーは、光学活性の酸又は塩基を用いたそれらのジアステレオマー塩の選択的結晶化により、互いに分離することができる。それらの例は、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸及びショウノウスルホン酸である。或いは、エナンチオマーは、クロマトグラフ技術によりキラル固定相を使用して分離することができる。前記純粋な立体化学的異性形態はまた、反応が立体特異的に起きるという条件で、適切な出発物質の対応する純粋な立体化学的異性形態から誘導することもできる。好ましくは、特定の立体異性体が所望される場合は、前記化合物は、立体特異的な調製方法により合成される。これらの方法は、エナンチオマー的に純粋な出発物質を利用することが有利である。
本明細書に定義された構造A-L-BのPROTAC-化合物に使用される式1A又は1Bの化合物のジアステレオマーラセミ体は、従来の方法により別々に得ることができる。有利に利用されうる適切な物理的分離方法は、例えば、選択的結晶化及び例えばカラムクロマトグラフィーのようなクロマトグラフィーである。
本発明の第2の態様によれば、以下の群:
から選択される化合物が提供される。
好ましい実施形態では、化合物は、化合物(7)〜(13)の群から選択される。例えば、化合物は、化合物(7)でありうる。
本発明は、第3の態様では、第1又は第2の態様による1種又は複数の化合物並びに薬学的に許容されるそれらのためのビヒクル又は希釈剤を含む医薬組成物まで拡張される。
本発明のPROTAC化合物は、医薬組成物として、任意の従来の経路により、詳細には経腸的に、例えば経口的に、例えば錠剤若しくはカプセル剤の形態で、又は非経口的に、例えば注射用液剤若しくは懸濁剤の形態で、局所的に、例えばローション剤、ゲル剤、軟膏剤若しくはクリーム剤の形態で、又は経鼻的若しくは坐剤の形態で投与することができる。本発明のPROTAC化合物を遊離形態で又は薬学的に許容される塩の形態で、少なくとも1種の薬学的に許容される担体又は希釈剤と共に含む医薬組成物は、従来の方式で、混合、造粒化又はコーティング法により製造することができる。例えば、経口組成物は、有効成分と共に、a)希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース及び/又はグリシン;b)滑沢剤、例えば、シリカ、タルカム、ステアリン酸、そのマグネシウム若しくはカルシウム塩及び/又はポリエチレングリコール;錠剤に関してはまたc)結合剤、例えば、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム及び又はポリビニルピロリドン;所望ならばd)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸若しくはそのナトリウム塩、又は起泡性混合物;並びに/又はe);吸収剤、着色剤、香料及び甘味料を含む錠剤又はゼラチンカプセル剤でありうる。注射用組成物は水性の等張性液剤又は懸濁剤であることができ、坐剤は脂肪エマルジョン又は懸濁液から調製されうる。上記組成物は無菌化され、且つ/又は保存剤、安定化剤、湿潤剤若しくは乳化剤、溶解促進剤、浸透圧を調節する塩及び/若しくは緩衝剤等の補助剤を含有してよい。加えて、上記組成物はまた、他の治療上価値がある物質も含有してよい。経皮適用に好適な製剤は、有効量の本発明のPROTAC化合物を担体と共に含む。担体は、ホストの皮膚の通過を補助する吸収性の薬学的に許容される溶媒を含むことができる。例えば、経皮用デバイスは、裏材、化合物を任意選択で担体と共に含有するリザーバー、任意選択で、ホストの皮膚に制御され且つ所定の速度で長期間にわたり化合物を送達する速度制御バリヤー、及びデバイスを皮膚に固着する手段を含む絆創膏の形態である。マトリックス経皮製剤もまた使用されてよい。例えば、皮膚及び目への局所適用に好適な製剤は、当技術分野で周知の水溶液剤、軟膏剤、クリーム剤又はゲル剤であることが好ましい。そのような製剤は、可溶化剤、安定剤、浸透圧増強剤(tonicity enhancing agent)、緩衝剤及び保存剤を含有してよい。
本発明の医薬組成物は、治療有効量の本発明のPROTAC化合物を、1種又は複数の薬学的に許容される担体と共に製剤化されて含む。本明細書で使用される場合、用語「薬学的に許容される担体」とは、無毒性、不活性の固体、半固体又は液体の充填剤、希釈剤、カプセル化材料又は任意の種類の製剤化助剤を意味する。
本発明の医薬組成物は、ヒト及び他の動物に、経口的、経直腸的、非経口的、大槽内、膣内、腹腔内、局所的(散剤、軟膏剤、若しくは点滴剤により)、口腔内に、又は経口若しくは経鼻用のスプレー剤として投与することができる。
経口投与用の液体剤形には、薬学的に許容される乳剤、マイクロ乳剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤及びエリキシル剤が含まれる。活性化合物に加えて、液体剤形は、当技術分野で一般的に使用される、例えば、水又は他の溶媒等の不活性希釈剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油脂(詳細には、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、キャスター油、及びゴマ油)、グリセリン、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル等の可溶化剤及び乳化剤、並びにこれらの混合物を含有しうる。不活性希釈剤以外に、経口用組成物はまた、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味剤、香味剤、及び芳香剤等の補助剤も含みうる。
例えば、無菌の注射用の水性又は油性の懸濁剤のような注射用調製物は、好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を使用して、公知の技術に従って製剤化されうる。無菌の注射用調製物はまた、例えば1,3-ブタンジオール中の溶液として、無毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の、無菌の注射用の溶液剤、懸濁剤又は乳剤であってよい。利用されてよい許容されるビヒクル及び溶媒の中には、水、リンゲル液、U.S.P.及び等張性の塩化ナトリウム溶液がある。加えて、溶媒又は懸濁化媒質として、無菌の、不揮発性油が従来から利用されている。この目的のために、合成のモノ-グリセリド又はジ-グリセリドを含む任意の刺激の少ない不揮発性油が利用されうる。加えて、オレイン酸等の脂肪酸が、注射剤の調製に使用される。薬物の効果を引き延ばすために、皮下又は筋肉内の注射からの薬物の吸収を遅くすることが望ましいことが多い。これは、水溶解度の低い結晶又は非晶質の材料の液体懸濁液を使用することにより達成することができる。次に、薬物の吸収速度はその溶解速度に依存し、次いで結晶サイズ及び結晶形態に依存しうる。或いは、非経口投与された薬物形態の遅延吸収は、該薬物を油性ビヒクルに溶解するか又は懸濁させることにより達成される。
直腸内又は膣内の投与用の組成物は、好ましくは、本発明のPROTAC化合物と、周囲温度で固体であるが体温で液体でありしたがって直腸若しくは膣腔内で溶融して活性化合物を放出する、カカオバター、ポリエチレングリコール若しくは坐剤ワックス等の好適な非刺激性の賦形剤又は担体とを混合することにより調製することができる坐剤である。同様の種類の固体組成物はまた、ラクトース又は乳糖、同様に高分子量ポリエチレングリコール及び同様のもの等の賦形剤を使用して、軟及び硬-充填のゼラチンカプセル剤における充填剤として利用されてよい。
PROTAC化合物はまた、上述の1種又は複数の賦形剤を伴い、マイクロカプセル化形態で提供されてよい。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、及び顆粒剤という固体剤形は、腸溶コーティング、放出制御コーティング及び医薬製剤業界で周知の他のコーティング等のコーティング及びシェルを用いて調製されうる。そのような固体剤形では、活性化合物は、スクロース、ラクトース又はデンプン等の少なくとも1種の不活性希釈剤と混合されてよい。そのような剤形はまた、通常の慣行のように、不活性希釈剤以外の付加的な物質、例えば、ステアリン酸マグネシウム及び微結晶性セルロースのような錠剤化滑沢剤及び他の錠剤化助剤も含んでよい。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合は、該剤形はまた緩衝剤も含んでよい。
本発明の化合物の局所投与又は経皮投与用の剤形には、軟膏剤、ペースト、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、散剤、液剤、スプレー剤、吸入剤又はパッチが含まれる。活性成分は、必要に応じて、薬学的に許容される担体及び任意の必要な保存剤又は緩衝剤と、無菌条件下で混合される。眼用製剤、点耳剤、眼軟膏剤、散剤及び液剤もまた、本発明の範囲内であると考えられる。軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤及びゲル剤は、本発明の活性化合物に加えて、動物油及び植物油、油脂、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク及び酸化亜鉛、又はこれらの混合物等の賦形剤を含有してよい。
散剤及びスプレー剤は、本発明のPROTAC化合物に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム及びポリアミド粉末、又はこれらの物質の混合物等の賦形剤を含有することができる。スプレー剤は、その上、クロロフルオロヒドロ炭素等の通例の推進剤を含有することができる。経皮パッチは、身体への化合物の制御送達を提供するという付加された利点を有する。そのような剤形は、化合物を適切な媒質に溶解するか又は分配することにより作製されうる。吸収増強剤もまた、皮膚を通る化合物の流動を増大するために使用されうる。その速度は、速度制御膜を設けるか又は化合物をポリマーマトリックス若しくはゲル中に分散させるかのいずれかにより制御することができる。
第4の態様では、本発明は、医薬としての使用に本明細書に定義された、構造A-L-BのPROTAC化合物を提供する。
本発明の第5の態様では、慢性腎疾患に起因する貧血23、がん化学療法に起因する貧血24、虚血25、虚血性再灌流傷害26、心筋梗塞27、脳卒中27、急性肺傷害28、小腸炎症29、創傷治癒30及び移植後合併症31、ミトコンドリア呼吸鎖障害32並びにT-細胞応答を増強させることにより治療可能な腫瘍学的状態33の少なくとも1つの治療のための、第1若しくは第2の態様のいずれかによる化合物又は第3の態様による医薬組成物の使用方法が提供される。
本発明の第6の態様によれば、対象における標的タンパク質の活性を調節する方法であって、第1若しくは第2の態様による化合物又は第3の態様による医薬組成物の治療有効量を前記対象に投与する工程を含む、方法が提供される。
用語「対象」は、本明細書で使用される場合、哺乳類を指す。したがって、対象は、例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ、モルモット、及び同様のものを指す。対象はヒトであることが好ましい。対象がヒトである場合、該対象はまた本明細書で患者と表されてよい。
用語「治療有効量」とは、疾患、疾病又は病的な状態を治療、治癒又は軽快するのに効果的な量を意味する。
標的タンパク質は、E3ユビキチンリガーゼタンパク質であることが好ましい。典型的には、E3ユビキチンリガーゼタンパク質は、CRL2-VHL、CRL4-CRBNから選択される。E3ユビキチンリガーゼタンパク質は、230超のクリンRINGリガーゼ、例えばCRL1-Skp2、CRL1-bTrCP、CRL1-Fbw、CRL1-Fbxo、CRL1-Fbxl、CRL2-LRR1、CRL2-FEM1、CRL3-Keap1、CRL3-KLHL、CRL3-SPOP、CRL4-DDB2、CRL4-DCAF、CRL4-CSA、CRL4-CDT2、CRL5-SOCS、CRL5-ASBのいずれかから選択されうる。他のE3ユビキチンリガーゼタンパク質は、中でも、MDM2、c-Cbl、APC-C、FANCL、UBE3A、UBE3B、UBE3C、UBE3D、パーキン、SIAH、XIAP、UHRF1、TRAF6、PELI2、RNF2、RNF4から選択されうる。
第1から第6の態様の好ましく且つ任意選択の特色は、必要に応じて、第1から第6の態様の他の好ましく且つ任意選択の特色でありうる。
本発明の実施形態を、非限定的な例として、添付の図に関連してここに記載する。
(a)VH298との複合体におけるVHLの結晶構造(PDBコード5LLI)(VHLを表面表示し、結合したリガンドを棒表示として示す)、並びに(b)VHL阻害剤VH032及びVH298の化学構造を示す図である。 ホモ-PROTAC化合物の一般的化学構造及び設計を示す図である。アセチル及びフェニル基における連結部位を示す。 アセチル基からのホモ-PROTAC対称性化合物、CM09、CM10、CM11及び負の対照化合物CMP98の合成を示す図である。 シス-トランス立体配置を有する負の対照のホモ-PROTAC化合物CMP99の合成を示す図である。 VHL結合部分17及び18の合成を示す図である。 フェニル基から対称的に誘導体化されたホモ-PROTACであるCMP106及びCMP108の合成を示す図である。 非対称性ホモ-PROTACであるCMP112及びCMP113の合成を示す図である。 ホモ-PROTACの生物学的評価を示す図である。(a)HeLa細胞を、0.1%のDMSO、VH032(150μM)及び1μMの図示された化合物で10時間処置した。個々のタンパク質の存在量を、ウエスタンブロット法により、したがってSDS-PAGE後に対応する特定の抗体を使用して分析した。(b)異なる細胞株を、VHLタンパク質を標的とするsi-RNA、又は負の対照si-RNA(48時間)を用いて、同様にCM11(1μM)又は0.1%v/vのDMSOを用いて10時間処置した。 HeLa細胞を、ホモ-PROTACであるCM11の濃度を増加させて、4時間又は24時間処置した結果を示す図である。 0.1%のDMSO、CoCl2(100mM)、IOX2(150mM)、VH032(250mM若しくは1mM)又は1mMのCM11を施されたHeLa細胞からの溶解産物の経時変化免疫ブロットを示す図である。 化合物活性が、CRL2VHL及びプロテアソーム依存性であることを示す図である。HeLa細胞を、プロテアソーム阻害剤MG132、MLN4924、VHL阻害剤VH032又はPHD2阻害剤IOX4の非存在下又は存在下で、CM11を用いて処置した。 VHLに結合しているホモ-PROTACの生物物理学的研究を示すグラフである。(a)VCBに対するCM11、CMP99又はCMP98の滴定の積分ITC熱曲線の重ね合わせ。(b)CM11、CMP98、CMP99、VH032又はDMSOの、VCBとのインキュベーション後の、複合体形成のSECアッセイ。(c)AlphaLISA:VCBに対するCM09、CM10、CM11及びCMP98の滴定の強度値。各点は、4回の技術的反復(technical replicate)の平均(±SEM)強度である。 ホモ-PROTACであるCM11の作用機序に関して提案されたモデルを示す図である。 HRE-ルシフェラーゼレポータープラスミドを安定して発現しているHeLa細胞又はU2OS細胞を、図示された化合物を用いて、図示された濃度で図示された時間で処置した結果を示すグラフである。 HRE-ルシフェラーゼレポータープラスミドを安定して発現しているHeLa細胞又はU2OS細胞を、図示された化合物を用いて、図示された濃度で図示された時間で処置した結果を示すグラフである。 HeLaにおけるCA9 mRNA発現の用量-応答曲線(16時間)を示すグラフである。 HeLa細胞を、図示された化合物の濃度を増加させて用いて、4時間又は24時間処置した結果を示す図である。 HeLa細胞を、図示された化合物の濃度を増加させて用いて、4時間又は24時間処置した結果を示す図である。 U2OSにおける濃度依存性実験(10時間処置)(左)及びU2OSからの溶解産物の経時的実験(右)を示す図である。 0.1%のDMSO、CoCl2(100μM)、IOX2(150μM)、VH032(250μM若しくは1μM)又は1μMの図示された化合物を施されたHeLa細胞からの溶解産物の経時変化免疫ブロットを示す図である。 VCBに対するCM09(a)、CM10(b)、及びCM11(c)の積分ITC熱曲線を示すグラフである。 VCBに対するCM11、CM09又はCM10の滴定の積分ITC熱曲線の重ね合わせを示すグラフである。 CM11、CM09、CM10又はDMSO(黒)の、VCBとのインキュベーション後の、複合体形成のSECアッセイを示すグラフである。 セレブロンを標的とする免疫調節薬を示す図である。(a)化学構造。(b)CRBN(PDBコード4CI3)に結合したポマリドミドの結晶構造5を示す図である。 一端でCRL4CRBNを、且つ他端でCRL2VHLをリクルートするように設計されたヘテロ-PROTACの構造を示す図である。 中間体29及び45の合成を示す図である。 52(CMP85)及び51(CMP86)の合成を示す図である。 環化反応の副生成物53を示す図である。 CM09、CM10、CM11の化学構造を示す図である。 HeLa、Hek293及びU2OS細胞を、1μMのCM09、CM10、CM11、DAT265、CMP85又はCMP86、0.1%のDMSO、CoCl2(100μM)、IOX2(50μM)、IOX4(50μM)で処置した結果を示す図である。 VCBに対するCMP106の積分ITC熱曲線を示す図である。 VCBに対するCMP108の積分ITC熱曲線を示す図である。 VCBに対するCMP112の積分ITC熱曲線を示す図である。 VCBに対するCMP113の積分ITC熱曲線を示す図である。 VCBに対するCM09、CM10、CM11、CMP112、CMP113、CMP106、CMP98及びCMP99の積分ITC熱曲線の重ね合わせを示すグラフである。
本発明の様々な実施形態の作製及び使用を以下に詳述するが、本発明は、多様な特定の文脈において具体化されうる多くの適用可能な発明の概念を提供することを理解されたい。本明細書で論じられる特定の実施形態は、本発明を作製し且つ使用する特定の方法の単なる例示であり、本発明の範囲の限界を定めるものではない。
本発明の理解を容易にするために、いくつかの用語を以下に定義する。本明細書で定義される用語は、本発明に関連する分野の通常の技能を有する者により一般的に理解されるような意味を有する。「a」、「an」及び「the」等の用語は、単数の存在のみを表すことを意図するのではなく、特定の例が例示のために使用されうる一般的なクラスを含む。本明細書の用語は、本発明の特定の実施形態を説明するために使用されるが、その使用は、特許請求の範囲において概説されるものを除き、本発明の限界を定めるものではない。
生物学
ATCC社から購入したヒト細胞株HeLa、U2OS及びHEK293を、10%のウシ胎仔血清(FBS)、L-グルタミン、100μg ml-1のペニシリン/ストレプトマイシンを補充したDMEM中で、37℃及び5%のCO2において増殖させた。細胞を30継代以下維持した。全ての細胞株を、Lonza社からのMycoAlertキットを使用して、マイコプラズマ汚染に関してルーチン的に試験を行った。
低分子干渉RNA。
siRNA阻害研究用に、トランスフェクションの日に70%のコンフルエンスを達成するために、3×105細胞を6-ウェルプレートの各ウェルに播種した。siRNA(SMARTpool:ON-TARGETplus VHL siRNA L-003936-00-0005)を、RNase無含有の1×siRNA緩衝液中の20μM溶液として調製した。負の対照siRNA(Life Technologies社からのsiRNA、cat.#4390843)を負の対照として使用した。トランスフェクションの日に、古い培地を新しい培地と入れ替えた。VHL標的siRNA及び負の対照の両方のsiRNA溶液(5μL)を、1.5mL管中の250μLのOpti-memに添加した。この溶液を二重反復で調製した。各管中の内容物をピペットで移すことにより混合した。リポフェクタミンRNAiMax(5μL)を、別の1.5mL管中の250μLのOpti-memに添加した。上記溶液を二重反復で調製した。各管中の内容物をピペットで移すことにより混合した。工程2からの溶液を、工程3において管に添加した。この溶液を、短時間のボルテックスにより混合し、室温で20分間インキュベートした。この管を短時間の遠心分離にかけた。トランスフェクション混合物の全量を、6-ウェルプレートに添加した。プレートを前後に静かに揺り動かして内容物を混合した。採取前に、プレートを37℃及び5%のCO2において48時間インキュベートした。
単一点処置。
単一時点処置実験用に、翌日に80%のコンフルエンスを達成するために、細胞を、2mlの培地中でウェル当たり5×105細胞で6-ウェルプレートに移した。化合物のストック濃度を、最終の所望のストック濃度まで100%v/vのDMSOに粉末を可溶化させることにより調製した。
処置の日に、全ての化合物試料を、処置の直前にDMEMを使用して、100倍濃縮された化合物溶液として調製した。実験試料(20μL)を、2mlの培地を含む6ウェルプレートに添加した。最終DMSO濃度は0.1%v/vであった。採取前に、細胞を37℃及び5%のCO2において所望の時間インキュベートした。
経時的実験
時間依存処置用に、細胞を、2mlの培地中でウェル当たり3×105細胞で6-ウェルプレートに移した。試料を、上に詳述したように又は単一時点実験のように調製した。採取前に、処置を所与の時間点において実行した。
ML4924及びMG132処置。
細胞を、翌日に80%のコンフルエンスを達成するために、2mlの培地中でウェル当たり5×105細胞で6-ウェルプレートに移した。t=0において、所望のウェルに、MLN4924を3μMの最終濃度で、及び0.1%v/vのDMSOを添加した。DMSO(0.1%v/v最終濃度)を、全ウェルにおいてビヒクルの同一濃度を一致させるために、残りのウェルに添加した。t=3時間において、所望のウェルに、MG132を50μMの最終濃度で、及び0.1%v/vのDMSOを添加した。DMSO(0.1%v/v最終濃度)を、全ウェルにおいてビヒクルの同一濃度を達成するために、残りのウェルに添加した。t=3.5時間において、所望のウェルを、0.1%v/vのDMSO最終濃度中の1μMのCM11を用いて処置した。DMSO(0.1%v/v最終濃度)を、全ウェルにおいてビヒクルの同一濃度を得るために、残りのウェルに添加した。したがって、DMSOの合計最終濃度は0.3%v/vであった。採取前に、プレートを37℃及び5%のCO2において4時間インキュベートした。
VH032を用いた競合実験。
細胞を、翌日に80%のコンフルエンスを達成するために、2mlの培地中でウェル当たり5×105細胞で6-ウェルプレートに移した。実験の日に、細胞を、CM11を用いた1μMの最終濃度における4時間の処置の前に、VH032を用いて150μMの最終濃度において30分間処置した。採取前に、プレートを37℃及び5%のCO2において所望の時間インキュベートした。
上流効果実験を調査するIOX4及びCM11を用いた共処置。
本実験用に、細胞を、翌日に80%のコンフルエンスを達成するために、2mlの培地中でウェル当たり5×105細胞で6-ウェルプレートに移した。実験の日に、細胞を、CM11を用いた1μMの最終濃度における4時間の処置の前に、IOX4を用いて50μMの最終濃度において30分間処置した。採取前に、プレートを37℃及び5%のCO2において所望の時間インキュベートした。
免疫ブロット。
細胞を、10mlの緩衝液当たり、溶解緩衝液(20mMのTris、pH8、150mMのNaCl、1%のTriton×100)及びプロテアーゼ阻害剤カクテル(Roche社)に溶解させた。タンパク質抽出物用に、皿を氷上に置いた。培地を吸引し、組織層を氷冷リン酸緩衝食塩水(PBS)で2回洗浄した。溶解緩衝液(120μl)を添加し、細胞を細胞スクレーパで表面から引き離した。遠心分離による不溶性画分の除去後、上清のタンパク質濃度を、Pierce(商標)Coomassie(Bradford)Protein Assay Kitにより決定した。タンパク質抽出物を、SDS-PAGEにより、4〜12%のTris-Acetate NuPage(登録商標)Novex(登録商標)(Life Technologies社)ポリアクリルアミドゲル上で分画し、湿式移送(wet transfer)を使用してニトロセルロース膜に転写した。次に、該膜を、0.1%w/vのTween-20を含むTris-緩衝食塩水(TBS)中、5%w/vのウシ血清アルブミン(BSA)を用いてブロッキングした。タンパク質の検出用に、所与の濃度における以下の一次抗体を使用した:抗-β-アクチン(Cell Signaling Technology社、4970S、13E5)1:2000、抗-VHL(Cell Signaling Technology社、#68547)1:1000、抗-Hif-1α(BD Biosciences社、610959、clone 54)1:1000、抗-ヒドロキシ-HIF-1α(Hyp564)(Cell Signaling Techonology社;#3434)1:1000、抗-PHD2(Bethyl Laboratories社;A300-322A)1:1000、抗-PHD3(Bethyl Laboratories社;A300-327A)1:1000、抗-CRBN(Proteintech社;11435-1-AP)1:1000。
西洋ワサビペルオキシダーゼ-複合二次抗体(Cell Signaling Technology社)を用いたインキュベーションに続いて、Amersham Hyperfilm ECLフィルム(Amersham社)上で増強化学発光(ECL)Western Blotting Detection Kit(Amersham社)を使用してシグナルを発生させた。ImageJソフトウェアを使用してバンド定量化を実施し、各タンパク質バンドの、レーンのロードした対照に対する比として相対量として報告した。次に、得られた値を0.1%のDMSOビヒクル対照に対して正規化した。
ルシフェラーゼアッセイ。
ルシフェラーゼアッセイを、本質的に、Frostらに記載されるように34実施した。簡潔には、HRE-ルシフェラーゼレポーターを安定して発現している細胞(HeLa及びU2OS)を、示された回数、化合物を用いて処置した。細胞を受動溶解緩衝液(Promega社)中で採取し、3回の凍結-解凍サイクルを施した。可溶性溶解画分をアッセイに使用し、製造業者の使用説明(Promega社)に従って、Berthold Lumat LB 9507 Luminometerを使用して実施した。結果をタンパク質濃度に対して正規化し、3回の生物学的反復からの平均±標準誤差として報告した。
定量的リアルタイムPCR。
定量的リアルタイムPCRを、本質的に、Frostらに記載されるように34実施した。簡潔には、RNAを、HeLa細胞溶解産物からRNeasy Mini Kit(Qiagen社)を使用して抽出し、iScript cDNA Synthesisキット(Bio-Rad社)を使用して逆転写した。リアルタイムPCRを、C1000 Touch Thermal Cycler(Bio-Rad社)においてPerfeCTa SYBR Green FastMix(Quanta Biosciences社)を使用して実施した。mRNAレベルを、2回の技術的反復から平均Ct値に基づいて算出し、β-アクチンのmRNAレベルに対して正規化し、3回の生物学的反復からの平均±標準誤差として報告した。
生物物理学的アッセイ
等温滴定熱量測定(ITC)。
滴定をITC200マイクロ熱量計(GE Healthcare社)で実施した。PROTAC(CM11、CMP98又はCMP99)を、20mMのビス-トリスプロパン、150mMのNaCl、1mMのトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)を含有する、pH7.4の緩衝液中で、100mMのDMSOストック液から150μMに希釈した。最終DMSO濃度は0.15%v/vであった。VBCタンパク質実験を、20mMのビス-トリスプロパン、150mMのNaCl、1mMのTCEP、0.15%v/vのDMSOを含有する、pH7.4の緩衝液中で実行した。滴定は、VCBタンパク質溶液(20μM、細胞中)に、2μLの化合物溶液(150μM、シリンジ中)を、2秒/μLの速度で、120秒の時間間隔で、19回注入することから構成される。化合物溶液(0.4μL)の最初の注入を行い、データ解析中に廃棄した。全ての実験を、シリンジを600rpmで撹拌しながら、25℃で実施した。データを単一部位結合モデルに当てはめて、製造業者により提供されたMicrocal LLC ITC200 Originソフトウェアを使用して、化学量論のn、解離定数のKd及び結合エンタルピーのΔHを得た。
サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)。
SEC実験をAKTA pure system(GE Healthcare社)において、室温で実行した。溶液中のオリゴマー状態のVCB複合体を、20mMのBis-Tris(pH7)、150mMのNaCl及び1mMの1,4-ジチオトレイトール(DTT)を含有する緩衝液中で、公知の分子量の球状タンパク質(GE Healthcare社、28-4038-41/42)で較正したSuperdex 200 Increase 10/300 GLカラム(GE Healthcare社)を使用して、ゲル濾過により分析した。VBCタンパク質(50μM)を、注入前に、CM11(30μM)、CMP98(30μM)、CMP99(30μM)、VH032(30μM)又はDMSO(0.5%)と共に20分間、室温でインキュベートした。各注入用の試料容量は200μLで、流動速度は0.5mL/分であった。溶出ピークを、280nmにおける紫外線吸収を使用して監視した。
VCBのビオチン化。
VCB複合体を、EZ-link NHS-PEG4-ビオチン(Thermo Scientific社)と1:1のモル比で混合し、室温で1時間インキュベートした。反応を、1Mのトリス-HCl、pH7.5を使用してクエンチし、未反応のNHS-ビオチンを、20mMのHEPES、pH7.5、150mMのNaCl及び1mMのDTTで平衡状態にしたPD-10 MiniTrap脱塩カラム(GE Healthcare社)を用いて除去した。
AlphaLISAアッセイ。
全てのアッセイを、室温で、384-ウェルプレート中で、最終アッセイ容量はウェル当たり25μLで実施し;プレートを、試薬の添加の間には透明フィルムで密封した。全ての試薬を、50mMのHEPES、pH7.5、100mMのNaCl、0.1%(w/v)のウシ血清アルブミン及び0.02%(w/v)の3-[(コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホネート(CHAPS)中で希釈した、5×ストックとして調製した。ビオチン化したVCB(最終20nM)及びHis6-VCB(最終20nM)を、ホモ-PROTAC濃度(0.5〜200nM;5分の3に連続希釈)の範囲で1時間インキュベートした。抗-Hisアクセプタービーズ(PerkinElmer社、最終10μg/mL)を添加し、プレートを更に1時間インキュベートした。ストレプトアビジン-コーティングしたドナービーズ(PerkinElmer社、最終10μg/mL)を添加し、プレートを最終の1時間インキュベートした。プレートを、PHERAstar FS(BMG Labtech社)で、680nmの励起波長及び615nmの発光波長で光学モジュールを使用して読み取った。強度値を、PROTAC濃度に対してlog10スケール上でプロットした。
合理的な設計
VHLホモ-PROTACの設計を、我々のグループにより最近特徴付けされた2つの強力なVHLリガンド、VH032及びVH298(図1b)2,3上の、誘導体化の位置を慎重に考慮することから始めた。上記リガンドを特徴付ける強い結合親和性を保持するために、共結晶構造を解析して、そこから該リガンドがその結合モード(図1a)を乱されることなく誘導体化されうる溶媒曝露領域を特定した。本解析及び前述のVHL標的とするPROTACの考慮により、VH032の左側(LHS)末端アセチル基のメチル基を、リンカーに対する好適な連結点と指摘した12,13。誘導体化に利用できる第2の溶媒-曝露位置は、Halotagを標的とするPROTAC35でこれまでに利用された、右側(RHS)のフェニル基であった。誘導体化の影響を調査するために、3種類のホモ-PROTAC:a)各リガンドのLHSアセチル基を介して対称性(図2a);b)RHSフェニル基を介して対称性(図2b);及びc)1つの弾頭中のアセチル基及び他の弾頭中のフェニルを介して非対称性(図2c)を設計した。b及びcの場合では、非誘導体化末端LHSにおいて、アセチル(VH032における)又はシアノ-シクロプロピル部分(VH298における)のいずれかに、VHL阻害剤単独の文脈において結合親和性、細胞浸透性及び細胞活性の増加をもたらす修飾3を保持することを決定した。リンカーの長さの影響の可能性を評価するために、3、4又は5個のいずれかのエチレングリコール単位を有するポリエチレングリコール鎖で構成されているリンカーを選択して、2つのVHLリガンドを連結した。
HypのトランスエピマーはVHL結合にとって絶対的必要条件であり、且つ対応するシスエピマーはVHLへの結合を妨げることは、両方とも、固有のHIF基質ペプチド36、及びVHLリガンド3,13の文脈内で公知である。したがって、我々は、それらを対照として使用する目的で、第1シリーズの構造(図2a)に基づいて、2つの異なるPROTACを設計した:完全に不活性であることが予期されるシス-シスエピマー、及び1:1の様式で単一のVHL分子との結合を保持し、したがって潜在的に阻害剤として作用するが分解剤としては作用しないことが予期されるシス-トランスエピマー化合物。
合成。
第1の種類のホモ-PROTAC(図2a)の合成のために、ジオキサン中のNaHの存在下で、ブロモ酢酸tert-ブチルと、トリ-、テトラ-及びペンタ-エチレングリコールとを反応させることにより、続いて、精製後にDCM中50%のTFAで処理することにより、両端に遊離カルボキシレート基を持つ対称性PEGリンカー4、5及び6を得た(図3)。VHLリガンド7(前述のように調製)38と、リンカー4、5及び6とを、それぞれ2:1比で、カップリング剤としてのHATU及び塩基としてのDIPEAの存在下でアミドカップリングすることにより、最終化合物CM9、CM10及びCM11を得た(図3)。対称性シス-シス化合物CMP98の合成のために、化合物8(参考文献38)をリンカー6とカップリングして、所望の生成物を得た(図3)。
非対称性シス-トランス化合物CMP99の調製のために、モノ保護されたジ-カルボキシレートリンカーの合成に向けた合成経路を確立した。ペンタエチレングリコールは、より長いPEGと比較して精製が容易であり、同時に平均的なリンカー長さの対照化合物(この場合はPEG-4)が得られるために好まれるリンカーであった。ペンタエチレングリコールを、モノベンジルエーテル9に71%の収率で変換し、これを2相条件下(DCM/37%のNaOH水溶液及び化学量論的な臭化アンモニウムテトラブチル)でブロモ酢酸tert-ブチルと反応させた。触媒水素化によるベンジル基の脱保護後、カルボン酸部分の形成をTEMPO及びビス-アセトキシヨードベンゼン(BAIB)を用いた酸化により達成し、化合物11を65%の収率で得た(図4)。次に、化合物7を、上述の条件を使用してリンカー11とカップリングして、化合物12を得た。TFAを使用したtert-ブチル基の脱保護、及びそれに続く8とのカップリングにより、CMP99を66%の収率で得た(図4)。
第2の種類の対称性ホモ-PROTACの合成のために(図2b)、VHL弾頭として化合物17及び18を利用することを決定した。共通の前駆物質16を、既報告の手順35に従って、収率及び純度の改善をもたらす少々の修正を伴い合成した(図5)。実際、Boc-L-Hyp及びBoc-tert-ロイシンの両方のカップリング工程における、HOATと組み合わせたHATUの使用により、所望の生成物のみの形成がもたらされ、ビス-アシレート二次生成物の形成が回避され54、代わりにHATUを単独で使用した場合には顕著となることが観察された。化合物16を、HATU、HOAT及びDIPEA又はアセチルイミダゾール及びTEAの存在下で、1-シアノシクロプロパンカルボン酸で処理することにより、化合物17又は18を得た(図5)。17の合成をまた、無水酢酸を使用して実施したが、この反応中に、ジアセチル化された二次生成物の形成が所望の位置だけでなくフェニル環のヒドロキシル基にも観察され、しかしながらこれは分離することができた。
この種類の化合物用のPEGリンカーを、両端にメタンスルホン酸基を含有するように設計し、これは単一工程でVHLリガンドのフェノールとカップリングすることができた。リンカー19を、ペンタエチレングリコールのメシル化により調製し、化合物17又は18のいずれかと、1:2比で、K2CO3の存在下で反応させて、それぞれCMP106及びCMP108を好収率で得た(図6)。
非対称性ホモ-PROTACの合成のために、PEG10をメシル化誘導体20に変換し、17又は18と反応させて、それぞれ21及び22を好収率で得た(図7)。最終化合物CMP112及びCMP113を、tert-ブチル基の脱保護及び化合物7とのアミドカップリング時に好収率で得た(図7)。
生物学的評価。
次に、我々の全てのホモ-PROTACをHeLa細胞中で試験し、タンパク質レベルを、1μM濃度での10時間の化合物処理後、ウエスタンブロット法により監視した(図8a)。CM09、CM10及びCM11の、細胞中のVHL枯渇を誘発する際立った有効性(図8a)、及びVHLの短アイソフォームより優先的に長アイソフォームに相当するバンドに関する著しい選択的分解が観察された。VHL遺伝子は3個のエクソンを含み、それはVHLの2つの主要なアイソフォームをコードする:213アミノ酸の長さ、30kDa形態(pVHL30)及び160アミノ酸の長さ、19kDa形態(pVHL19)。pVHL19は、53アミノ酸の長さのアミン-末端ドメイン又はN-末端テール(pVHL-N)が欠如しており、これは代わりにpVHL30に存在する。両方のアイソフォームがヒト細胞中に発現するけれども、pVHL19は、ヒト組織中でより顕著な形態である56。最も活性的な化合物は、VH032の末端LHSアセチル基から対称的に連結している。異なる位置での連結は効果がないことが立証されており、VHLリガンド上の連結パターンが果たす重大な役割を示唆している。対照化合物CMP98及びCMP99は、VHLの分解を誘発することができず(図8a)、ホモ-PROTAC活性が、トランスエピマーによる、VHLの生産的な(productive)2価のリクルートに依存することを実証している。リンカーの長さもまた、細胞性効力に影響を及ぼすと思われた。実際、より短いリンカー長で有効性の低下が観察され、CM10及びCM11が、pVHL30の完全なノックダウンを達成する最も活性的な化合物であり、続いてCM09が標的タンパク質の82%を枯渇させた。興味深いことに、短アイソフォームpVHL19のいくらかの分解も、低いけれども(およそ10%の枯渇)観察された。CRL2-VHL複合体57の中心サブユニット、クリン2のレベルもまた、CM10及びCM11を用いた処置時に最大22%低下した(図8a)。
CM10及びCM11を用いた処置はまた、ヒドロキシル化形態のHIF-1αのタンパク質レベルにおける、低いけれども検出可能な増加を示した(Hdy-HIF-1α、図8a)。親阻害剤VH032が、1μMの同じ濃度で完全に効果がないため(参考文献3及び下記参照、図8)、この効果はVHL阻害に起因するものではありえず、したがって、化合物誘発性のタンパク質分解の結果であると考えられる。HIF-1αのレベルは、しかしながら、親阻害剤VH032を用いて、100μM超の濃度で使用された場合に観察されレベルより有意に低かった(図8a、参考文献3も参照されたい)。3つの異なる細胞株におけるsiRNA実験によるVHLノックダウンは、CM11誘発性ノックダウンと一致し、また有意なHIF安定化を誘発するには不十分であった(図8b)。siRNA結果からもまた、化合物処置を用いて強度低下が観察されたバンドは、実際にVHLに対応することが確認された。
ホモ-PROTACによる選択的pVHL19ノックダウンが、HIF転写活性を誘発しうるかどうかを検討評価するために、最初にルシフェラーゼレポーターアッセイを使用した37。低酸素応答要素(HRE)-ルシフェラーゼレポーターであるHeLa-HRE及びU2OS-HRE細胞を、異なる濃度のCM11を用いて異なる時間に処置し、HIF-依存性ルシフェラーゼ活性の増加はDMSO対照処置と比較して検出されなかった(図14)。これらの結果は、qRT-PCRアッセイで確認され、公知のHIF-標的遺伝子CA9のmRNAレベルの発現上昇は検出されなかった(図15)。まとめると、このデータにより、非分解pVHL19は、低レベルのHIF-1αを効率的に維持するには十分であり、且つ全てのVHLアイソフォームの完全なノックダウンが、VHL-欠乏性腎癌細胞等のvhl-/-細胞に観察されるように、細胞中の効果的なHIF安定化を達成するのに必要とされることが示唆される。
次に、我々は、活性ホモ-PROTACであるCM09〜11により誘発されるタンパク質分解の作用様式を更に特徴付けすることに目を向けた。それらの相対的な細胞性効力を調べるために、投与量-依存性処置を、採取の4時間前及び24時間前の2つの異なる時間点で実施した。全ての化合物が、濃度-依存性方式で、対応するDMSO対照と比較して、pVHL30の優先的分解が確認された(CM11に関しては図9を、並びにCM09及びCM10に関しては図16を参照されたい)。
CM11は、10nMにおいて4時間後に既にpVHL30の完全な枯渇を誘発する最も強力なホモ-PROTACであることが立証された(DC99=10nM、図9)。選択的pVHL30ノックダウンは、10〜100nMの間の半分解濃度(DC50)で、24時間後に保持された。CM11の効果的な分解濃度は、構成要素リガンドVH032単独の阻害濃度より3桁超低く、これは約100μMにおける細胞でのみ活性であり、2つの作用様式間の細胞有効性における大きな差異を強調している。クリン2の細胞レベルは、CM11を用いた処置時に最大73%低下した(図9)。既に観察されたように、ホモ-PROTACによる選択的pVHL30ノックダウンは、低酸素-誘発性の対照CoCl2、PHD阻害剤IOX2、及びVH032と比較して、HIF-1αのレベルにほんのわずかな増加をもたらした(図9)。しかしながら、高マイクロモル濃度で試験した場合、ホモ-PROTACは、VHL分解剤よりもVHL阻害剤として優先的に作用し、いわゆる「フック効果」と一致して、それにより2成分1:1複合体の形成が、生産的な触媒的2:1複合体の形成と競合し、且つ最終的にはこれに取って代わる59。Hdy-HIF-1αの安定化は、全ての3つの化合物を100μMで用いた処置時に、実際、VH032単独で得られた効果に匹敵した(CM11に関しては図9、並びにCM09及びCM10に関しては図16)。異なる細胞株におけるホモ-PROTACの細胞活性を確認するために、同様の実験を実施し、U2OS細胞を10時間、CM09、CM10及びCM11を用いて、同範囲の濃度(1nM〜100μM)を使用して処置した。細胞活性の一貫したプロファイルが観察され、観察された効果が細胞の種類に依存しないことが確認された(図17)。
次に、ホモ-PROTACの時間依存活性を調べた。VHLタンパク質の経時的な進行的除去を観察し、短アイソフォームよりもpVHL30の選択的枯渇が確認された(CM11に関しては図10、並びにCM09及びCM10に関しては図18)。詳細には、CM11が、処置の2時間後に既にpVHL30レベルを70%超低下させ、且つ8時間後には本質的に完了する、最も効果的な化合物であることが確認された。枯渇効果は12時間まで保持されたが、しかしながら、興味深いことに処置の24〜36時間後に11%までのpVHL30レベルが検出され、次に48時間後に再び低下した。pVHLの不完全な分解が、CM09を用いた処置時に、より長い時間点でさえも観察された(図18)。前述のように、全ての3つの化合物に関して、CM11を用いた処置時に最も顕著に、Hdy-HIF-1αの経時的なわずかな安定化が観察された。U2OS細胞を処置して得られた結果は、これまでの実験で観察された結果と一致した。しかしながら、本細胞株においては、全ての3つの化合物は、pVHL30の経時的な完全分解を誘発することができた(図17)。これは、U2OS中のVHLのより低い発現レベルに起因し、VHLレベルがより高い細胞株と比較して、より速い細胞枯渇に至りうると我々は仮定している。CM09及びCM10は、処置の2時間後に標的タンパク質の完全分解を達成した。CM11が、本細胞株においても、1時間後に既にpVHL30の完全分解を達成する最も強力な化合物であることが確認された。興味深いことに、CM09は、その細胞有効性を36時間後に消失した。対照的に、CM10及びCM11の両方は、これらのより長い時間点においてさえもその有効性を保持した(図17)。
ホモ-PROTACの細胞活性における推定機構を得るために、CRL2-VHL及びプロテアソーム活性に対する依存性を検討した。CRL2-VHLに関するホモ-PROTAC誘発性タンパク質分解の確実性を、CRL2-VHLを含むCRLの活性を妨害するNAE1阻害剤MLN4924を使用してクリン2のNEDD化を阻害することにより検討評価した。細胞をプロテアソーム阻害剤MG132で処置することにより、プロテアソーム-依存性を調べた。MLN4924及びMG132の公知の細胞傷害性を制限するために、HeLa細胞を、CM11を培地に添加する前に、MLN4924で3時間、続いてMG132で30分間前処理し、採取前に細胞を更に4時間インキュベートした。DMSO、MLN4924、MG132及びCM11を用いた単一処置並びにそれらの組み合わせ処置を実施して、化合物処置の個々の及び組み合わせの効果を解明した。細胞をMg132で前処置した場合、CM11により誘発されるpVHL30の分解は完全に抑止され、化学的介入の予期されたプロテアソーム-依存性が証明された(図11)。MLN4924を用いた前処置によっても、CM11誘発性分解が妨げられ、CRL2VHLの活性に対する依存性が確認された(図11)。細胞をCM11の前にMLN4924及びMG132を用いて共処置した場合、同じ効果が観察された(図11)。クリン2レベルの免疫ブロットにより、MLN4924によるCul2NEDD化の効果的な遮断が確認された(図11)。CM11分解活性がVHL結合に依存するかどうかを検討評価するために、VHL阻害剤VH032を使用して競合実験を実施した。20HeLa細胞を、CM11を培地に添加する前に、VH032を用いて150μMで30分間前処置した。採取前に、プレートを更に4時間インキュベートした。予期されたように、VH032はpVHL分解を遮断し(図11)、VHLがそれ自体の分解を誘発するという仮説と一致した。対照的に、PHD2阻害剤であるIOX4を用いた前処置は、CM11の細胞活性に影響を与えなかった(図11)。
生物物理学的評価
PROTACの触媒的作用様式に対する鍵は、3成分複合体の形成である13、15。我々のホモ-PROTAC化合物の場合は、VHLは、E3リガーゼ及び基質の両方として作用する。したがって、我々は、次に、細胞活性の根底にあると考えられる3成分複合体VHL:ホモ-PROTAC:VHLを監視し、且つ生物物理学的に特徴付けしようとした。溶液中でのこの3成分複合体種の形成を検討評価するために、等温滴定熱量測定(ITC)、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)及びAlphaLISA近接アッセイを実施した(図12)。VCB複合体(VHLと共にエロンギンB及びエロンギンC)に対するCM11のITC滴定では、結合の化学量論(n値)は、VH032に対する1ではなく、0.6であると見出された(図12a、Table 1(表1))。この結果は、VHLと1:1比で結合するVH032とは対照的に19、CM11のVHLとの1:2のモル比における結合と一致する。注目すべきことに、CM11に関して測定されたKd値は11nMであった(Table 1(表1))。滴定曲線の更に精密な検討により、曲線の変曲中の1点のみが特徴となっていることが明らかになった。実際、実験で使用されたタンパク質濃度が20μMであったため、この実験に関して算出されたc値([P]tot/Kdと定義される)は2500であり、これは結合親和性の正確な測定のために必須であるcの上限(およそ500〜1000)をかなり超えている。したがって、この解析により、我々がCM11の結合親和性を過小評価した可能性があることが示唆され、すなわち、Kd≦118nMであると結論付けることができる。これは、VH032と比較した場合、18倍を超える親和力(協同性αとしても公知)に相当する。ホモ2価分子のそのような大きい親和力が、例えばBET阻害剤MT1のような他の系について以前に観察された。CM11とVHLとの間の結合相互作用は、大きな見掛けの結合エンタルピー(ΔH=-12.3kcal mol-1)によって引き起こされ、一方、エントロピー項(entropic term)はわずかに望ましくなかった(-TΔS=1.4kcal mol-1)。この観察により、CM11の熱力学的特性はまた、VH032の熱力学的特性と比較した場合、いかに大きく異なるかということが強調され、VH032の場合、結合ΔHは、CM11について観察された結合ΔHのおよそ半分であり、且つエンタルピー項及びエントロピー項の両方が結合のΔGに望ましく寄与している(Table 1(表1))。対照的に、CMP99結合に関して得られた熱力学的値は、VH032の値と完全に一致した(Table 1(表1))。詳細には、CMP99は、2つの部分の1つの中のシス-Hypの存在に起因して予期されるように、VHLと1:1比で結合し、VH032と同等のΔH及びKd値を示した。予期されたように、不活性のシス-シスエピマーであるCMP98について、結合は検出されなかった。CM11、CMP98及びCMP99の積分熱曲線の重ね合わせを図12bに示し、3つの化合物の異なる挙動を視覚的に強調する。CM10は、CM11と比較して同様の熱力学的結合パラメーターを示し、n値は0.7に等しく、且つ32nMの低Kdを有した。代わりにCM09に関しては、1に近い化学量論が見出され、滴定の最後には、この系には1:1複合体が主に集合していることが示唆され(図19及び図20)、その低親和力と一致している(Table 1(表1))。ITC実験もまた、化合物CMP106、CMP108、CMP112及びCMP113を用いて実行し、その結果は以下で論じる。
SEC実験により、VCBは、ビヒクル対照と比較して、活性化合物CM11(2:1の化合物:リガンド比)の存在下でより迅速に移動することが示された(図12b)。公知の分子量の球状タンパク質を用いた較正実行に基づいて、シフトしたピークが約90kDaの分子量の種に相当する容量で溶出し(以下の方法を参照されたい)、該ピークが3成分複合体(VCB)2:CM11に対応することを示唆している。対照的に、不活性のCMP98、CMP99又はリガンドVH032と共にインキュベーションした後、VCBにはシフトはない。CMP99を含有する試料においてのみ、小ピークが13.5mlで溶出した(図12b)。そのようなピークが、低く集合した3成分複合体の形成に起因しうることは可能である。Schofield及び同僚が、シス-ヒドロキシプロリル含有のHIF-1αペプチドのVHLとの弱い結合を観察した36ことは興味深い。この弱い結合は、3成分複合体における高親和力により潜在的に増強され、細胞での生物学的試験中に観察された、VHLレベルのわずかな低下の原因となりうる(図8a)。CM10及びCM09は、CM11と比較した場合、同様の保持容量で溶出する3成分複合体の形成を示した(図21)。全ての観察されたピークはボイド容量後に良好に溶出したため、評価された化合物のいずれにも凝集の証拠は見られなかった。
最後に、AlphaLISA近接アッセイを利用して、CM09、CM10及びCM11による3成分複合体形成を比較した。該アッセイにより、CM11に関する最高強度のシグナルが示され、一方、CM09及びCM10に関して無視しうるレベルの複合体形成が検出された(図12c)。SECにより、全ての3つの化合物について3成分種が検出されたため、AlphaLISAで検出された最小強度は、CM09及びCM10が、アッセイに必要とされる低濃度において有意な3成分集合を産出することができないことを反映していると考えられる。これらの結果により、CM11が、3成分複合体形成を引き起こす最も効果的なホモ-PROTACであることが示され、CM11がITCにおける最高親和力及び完全な2:1化学量論を示すことと一致している。これと共に、上記生物物理学的データは、CM11を、in vitroにおける最も協同的なホモ-PROTACとして支持し、且つ細胞内部における強力なVHL-分解活性を説明する分子の論理的根拠を提供している。
考察
いくつかの実施形態では、E3ユビキチンリガーゼを効果的に二量体化し、それ自体の自己破壊を誘発する、小分子手法であるホモ-PROTACが記載されている。E3リガーゼVHLに対する強力なリガンドを使用することにより、ナノモル濃度におけるpVHLの長アイソフォームの著しく速く、強く且つ選択的な分解を誘発する一連の対称性ホモ-2価分子を開発した。化合物誘発性の分解は、VHLリガンドに関する連結パターンに非常に強く依存した。最も活性のホモ-PROTACであるCM11は、4時間後に既に10nMにおいてpVHL30の完全枯渇を誘発する。pVHL30の強力で且つ選択性の分解は、およそ100nMの半分解濃度(DC50)で、細胞活性において親阻害剤VH032と比較して1000倍を超える注目すべき増加を伴い長期持続した。機構的に、CM11活性が、プロテアソーム活性、Cul2NEDD化、及びVHL結合に、詳細にはVHLとの親和性(avid)の2:1複合体の形成に厳密に依存することが示された。したがって、このデータは、高度に協同的な3成分複合体VHL-CM11-VHLがVHL自体の誘発された分解の原因となりうる重要な種として機能するというモデルを支持しており(図13)、これは将来の構造研究の正当な根拠となる。興味深いことに、CM11はまたクリン2の細胞レベルの低下ももたらし、これはCRL2VHL複合体の一部としてのクリン2の直接的ユビキチン化の結果であると我々は仮定している。我々の知る限りでは、これは、PROTACが、直接的に標的とされたタンパク質と同じ複合体の一部を形成しているタンパクの分解を誘発することができるということの最初の実証である。
短VHLアイソフォームよりも優先的に誘発されたpVHL30の分解は予期しなかったことであり、この研究の興味深い結果である。この観察は、2個以上のタンパク質パラログ又はアイソフォームをリクルートする阻害剤から設計された化学的分解剤が、標的会合に依存しないで標的分解選択性という階層を付け加えることができることを、我々及び他からの最近の証拠に付け加える12,15,18。VHL弾頭の2成分会合が、2つのVHLアイソフォーム間で同様であることが見出されたため(Table 1(表1))、観察された選択性は協同性における大きな差異に起因しえて、それは3成分複合体の相対的集合に影響を与えうる15。しかしながら、CM11は、実際、in vitroで、VHLの長アイソフォームと比較して短アイソフォームに対してより大きい親和力を示した(Table 1(表1))。したがって、VHL分解の注目すべき選択性が、3成分複合体の協同性における大きな差異に起因することはないであろうと我々は考察する。また、長アイソフォーム(1〜53)に存在する増加分領域が単一のリジン残基を含有しないため、優先的且つより効率的なリジンのユビキチン化が役割を果たしうることはないであろうとも我々は考える。一方、この領域は本質的に無秩序であると予測され、実際、無秩序なN-末端領域を含有するタンパク質がプロテアソーム分解をより受けやすいことが示された。VHLは、エロンギンB及びエロンギンCと共に複合体である場合、プロテアソーム分解に対して抵抗性であることもまた公知であり、それで、優先的に枯渇されたと観察された形態は、遊離VHL、すなわち、エロンギンに結合していないか又は他のプロテアソーム感受性形態でありうる。これらの疑問に対処することは、将来の研究にとって明らかに重要である。
CM11によるpVHL30の選択的分解は、細胞中のHIF-αの最小限の安定化をもたらし、結果として細胞中にHIF-依存性活性を引き起こさなかった。これは、低酸素応答という下流効果を遮蔽することなく、CM11を使用して、特定のVHLアイソフォームの生物学的機能を調べることの潜在的な恩恵を強調している。VHLアイソフォームの個々の役割についてはあまり知られていない。研究は、どのようにしてpVHL30の53-残基の増加分領域が腫瘍抑制に必要とされず、且つどのようにして両方のアイソフォームがin vivoでHIF-依存性の腫瘍抑制因子機能を有しうるかを強調してきた。コラーゲン集合体におけるpVHLに関する役割を含む、pVHLの他のHIF-非依存的役割が提案された。しかしながら、これらの生物学的機能における異なるアイソフォームの個々の役割は、理解されないままである。その上、多くのHIF-非依存的役割は、Hyp認識に依存しないと考えられ、したがって現在のHyp-ベースのVHL阻害剤を使用して化学的に探索することはできない。したがって、CM11によるpVHL30の選択的且つ急性的なノックダウンは、これらの疑問に対処する新規な化学的手段を提供する。
要約すれば、我々は、迅速且つ選択的なpVHL30ノックダウンのための化学的プローブであるCM11を提供する。CM11は、従来のノックダウンRNAi手法及びCRISPR-Cas9等の遺伝子編集ノックアウト技術に対して代替の有利な化学的手段を提供する。CM11の使用に対する関連情報は、新たに設立された「Chemical Probes Portal」(http://www.chemicalprobes.org/)で入手可能である38。我々は、CM11が、化学及び細胞生物学者の間で、pVHLの多面的な生物学的機能を調査し且つ精査することに興味を持たれると同様に、広い用途を見出すことを予測する。より一般には、2価分子がE3リガーゼを誘発してそれ自体を破壊するように設計されうるという最初の概念実証を提供する。この戦略により、阻害剤単独では可能となり得ない方法でE3リガーゼのドラッギング(drugging)に対する強力な新しい手法を提供することができる。
CRL4CRBN及びCRL2VHLを共にリクルートするPROTACの合成。
化合物CMP85及びCMP86(図23に示す構造)の合成用に、リンカー26、及び26で使用したものと同じ経路を取り入れて2個のPEG単位を有するその類似体43を合成した(図24)。次にこれらのリンカーを化合物27とカップリングして、それぞれ化合物28及び44を得た。それに続くtert-ブチル基の脱保護により、4個のPEG単位の長さを有する化合物29、及び代わりに2個のPEG単位を有する化合物45を得た(図24)。
化合物48(所望のサリドマイド誘導体、図25を参照されたい)を、Luらにより以前に公表されたように17合成した。第1工程では、3-フルオロフタル酸を無水酢酸で脱水して、化合物46を高収率で得た。化合物46とL-グルタミンとの反応、及びそれに続くHClの4M溶液を用いた処理により、化合物47の形成に至った。47の環化を、1,1'-カルボニルジイミダゾール(CDI)及びDMAPの存在下で還流において実施した。本工程に対する推奨時間は5時間であった。2.5時間後、LC-MSにより副生成物の形成を観察することができた。この理由のため、反応が完了していない場合でも、反応物を室温まで冷却し、得られた固体を濾取した。シリカ使用のカラムクロマトグラフィーにより実施した精製工程中に、化合物48を高収率で単離した。副生成物を同様に単離し、NMRにより分析して、化合物53であると同定した(図26)。化合物53は、イミダゾールの窒素非共有電子対による無水フタル酸の4位における芳香族求核置換の生成物であり、これ自体は47とCDIの間の反応の副生成物である。
化合物48を、N-Boc-エチレンジアミンとのカップリング及びそれに続く酸性条件でのBoc脱保護により、2工程で化合物50に変換した(図25)。化合物50と、29又は45とのカップリングにより、それぞれ化合物52(CMP85)及び51(CMP86)を高収率で得た。
VHL-標的化合物の生物学的評価
以下において、細胞中のVHLを標的とするPROTAC化合物の生物学的評価の結果を概説する。
細胞内部の化合物の活性を検討評価するために、HeLa細胞を、1μMの、その合成は以下にあるホモ-PROTACであるCM09、CM10及びCM11(図27)、並びにVHLを標的とするCRL4CRBNをリクルートする上述のPROTAC、すなわち、CMP85及びCMP86で処置した。ジメチルスルホキシド(DMSO、ビヒクル、0.1%v/v)、CoCl2(HIF-1αの化学的誘発剤)、IOX2及びIOX4(PHD2の選択的阻害剤)、VH032(選択的VHL阻害剤)を、対照として使用した。10時間の処置及び細胞溶解後に得られた試料を、SDS-PAGEにより分離し、続いて対応する特定の抗体をプローブに使用して以下のタンパク質に関してウエスタンブロット法を行った(図28):
・VHL:CM09、CM10及びCM11により、長アイソフォームpVHL30の優先的な又は選択的な分解としての特色である、VHLレベルの完全枯渇が実証された。しかしながら、短アイソフォームpVHL19のいくらかの分解も、およそ20%のみであったけれども観察された。他の化合物はいずれも、VHLの分解を誘発することはできなかった。
・クリン2:一連の化合物を用いた処置が、CLR2VHLの他のサブユニットに影響を及ぼすかどうかを検討評価するために、クリン2のタンパク質レベルを評価した。CM10及びCM11は、およそ20%の低下を誘発することにより、クリン2レベルに影響を及ぼすことを示した。
・CRBN:CRBNレベルに関して、CMP85及びCMP86を用いた処置時に検出可能な効果は観察されなかった。
・HIF-1α及びHdy-HIF-1α。VHL分解剤が、HIF-1α、詳細にはそのヒドロキシル化形態(Hdy-HIF-1α)の蓄積を誘発しうるかどうかを評価するために、これらのタンパク質のレベルを評価した。siRNA実験中に、VHLノックダウンはHIF-1α枯渇をもたらさないことが観察された。実際、非常に低レベルのVHLでさえも、HIF-1αに対して高効率の触媒作用となり、それに続く効果的なHIF-1α分解をもたらすことが可能である。予期されたように、VHL枯渇はHIF-1αレベルに対して有意に影響を与えることはなかった(検出されたHIF-1αバンドをビヒクル対照DMSOと比較されたい)。それにもかかわらず、活性VHL分解剤CM09、CM10及びCM11により、HIF-1αレベルのわずかな増加が誘発された(より長い曝露を伴うHIF-1αバンドを参照)。この効果は、Hdy-HIF-1αに関してよりいっそう顕著であり、VHLノックダウンから予期されるように、安定化されたHIFがヒドロキシル化形態であることと一致した。
・PHD2及びPHD3:化合物を用いた処置に起因する細胞の潜在的な低酸素応答を研究するために、PHD2及びPHD3のレベルを考慮した。これらのタンパク質のレベルに対する効果はこの濃度では観察されなかった。
異なる細胞株は異なるタンパク質の異なる発現レベルを有しうるため、我々の化合物の細胞効果の一貫性を更に検討評価するために、他の細胞株において同じ実験を実施した。例えば、HEK293は、より高い発現レベルの総VHLを有することが公知であり、これは我々がウエスタンブロット法により確認した(図28)。CM09〜11によりpVHL30レベルを優先的に低下させる同じ活性プロファイルが、HEK293において観察された(図28)。他のタンパク質のレベルに対して重要な効果は観察されなかった。U2OS細胞において実行された実験が同じ結果を示し、CM09、CM10及びCM11を用いた処置時に観察された効果は、細胞の種類に依存せず、全ての試験細胞株に一貫していることが確認された(図28)。
ITC実験もまた、化合物CMP106、CMP108、CMP112及びCMP113を用いて実行した(図29〜32に示されるデータ)。化合物CMP108は、そのデータが結合曲線に適合し得なかったため除外して、他の全ての化合物は、個々の弾頭リガンドと極めて同様の結合親和性を示し(およそ1の協同性)、それらがCM11より協同性が非常に小さいことを示唆しており、それは細胞中でのそれらの活性欠如と一致する。この結論は図33に例示され、化合物CM09〜11、CMP112〜113、CMP106と同様に対照化合物CMP98及びCMP99に関するITC滴定を全て1つの図に重ねて、CM11の注目すべき効力及び協同性を強調している。
材料及び方法
全ての化学物質を販売業者から購入し、特に明記されない限り、更に精製することなく使用した。反応物を磁気撹拌し、市販の無水溶媒を使用した。無水条件を必要とする全ての反応を、アルゴン又は窒素雰囲気下で、炉乾燥したガラス器具を使用して実行した。HPLC-グレードの溶媒を全ての反応に使用した。フラッシュカラムクロマトグラフィーを、シリカゲル(Merck社のシリカゲル60 F254nm)を使用して実行した。順相TLCを、予めコーティングしたシリカプレート上で(Kieselgel60 F254、BDH)、UV光(UV254/365nm)及び/又は塩基性の過マンガン酸カリウム溶液又は他の好適な染色を介して可視化して実行した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(FCC)を、Teledyne Isco社のCombiflash Rf又はRf200iを使用して実施し、プレパックドカラムRediSep Rf Normal Phase Disposable Columnsを使用した。NMRスペクトルを、Bruker社のAscend 400又は500で記録した。化学シフトを、残留溶媒ピーク(CDCl3=7.26ppm)を基準として、百万分率で報告した。スペクトルの報告において以下の略語、s(1重項)、d(2重項)、t(3重項)、q(4重項)、m(多重項)、dd(2重項の2重項)を使用した。主要な回転異性体NMRスペクトルのみを報告した。高分解能質量スペクトル(HRMS)をBruker社のmicroTOFで記録した。低分解能MS及び分析用HPLCトレースを、Agilent Technologies社の6130四重極LC/MSに接続され、Agilentダイオードアレイ検出器に接続された、Agilent Technologies社の1200シリーズHPLCで記録した。使用したカラムは、Waters社のXBridgeカラム(50mm×2.1mm、粒径3.5μm)であった。流動速度は0.6mL/分であった。分取HPLCを、Waters社のXBridge C18カラム(100mm×19mm;粒径5μm)を備えたGilson社のPreparative HPLC Systemで実施した。
一般的方法A:PEGを無水ジオキサン中に可溶化し、NaHを撹拌下で添加した。得られた混合物を室温で3時間撹拌した。この混合物を、氷浴を使用して0℃まで冷却し、ブロモ酢酸tert-ブチルを滴下添加した。得られた混合物を室温で終夜(O/N)撹拌した。沈殿物を濾別し、有機相を蒸発乾固させた。得られた油状物を酢酸エチルで取り出し、水で洗浄し、MgSO4で乾燥させ、蒸発乾固させた。得られた油状物を、カラムクロマトグラフィーにより、ヘプタン中の50%〜100%v/vの酢酸エチル勾配を使用して精製した。
一般的方法B:tert-ブチルエステル1、2、3又は12を、DCM中の50%v/vトリフルオロ酢酸の溶液に溶解した。得られた溶液を1時間又は出発物質の完全変換まで撹拌した。溶媒を高真空下で除去した。得られたカルボン酸を、更に精製することなく次の工程で粗製物として使用した。1mlのDMF中のカルボン酸溶液に、HATU(1eq.)及びHOBT(1eq.)を添加し、この溶液を室温で5分間撹拌した。アミン6、31又は32を添加し、反応混合物のpHを、DIPEA(3eq.)の添加により9超に調節した。この混合物を、出発物質の存在がLC-MSにより検出されなくなるまで、室温で撹拌した。水を添加し、この混合物を酢酸エチルで抽出した(×3)。合わせた有機相を、ブラインで洗浄し(×2)、MgSO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させ、対応する粗製物を得て、これをHPLCにより、アンモニアの0.1%水溶液中の20%〜95%v/vのアセトニトリル勾配を使用して精製して、所望の化合物を得た。
一般的方法C:DMF中のメシレート、化合物6、31、32、及びK2CO3(41.46mg、0.3mmol、6eq.)の混合物を、70℃で終夜撹拌した。反応混合物を濾別して、粗生成物を得て、これをHPLCにより、ギ酸の0.1%水溶液中の5%〜95%v/vのアセトニトリル勾配を使用して精製して、所望の化合物を得た。
(2S,4R)-4-ヒドロキシ-N-(2-ヒドロキシ-4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド塩酸塩(15)
DMF中のtrans-N-(tert-ブトキシカルボニル)-4-ヒドロキシ-L-プロリン(890mg、3.84mmol、1eq.)の溶液に、HATU(1.46g、3.84mmol、1eq.)及びHAOT(522mg、3.84mmol、1eq.)を添加し、この溶液を室温で5分間撹拌した。14(846mg、3.84mmol、1eq.)を添加し、反応混合物のpHをDIPEA(3eq.)の添加により9超に調節し、この混合物を、出発物質の存在がLC-MSにより検出されなくなるまで、室温で撹拌した。水を添加し、この混合物を酢酸エチルで抽出した(×3)。合わせた有機相を、ブラインで洗浄し(×2)、MgSO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させて、対応する粗製物を得て、これをフラッシュカラムクロマトグラフィーにより、ヘプタン中の0〜80%v/vのアセトン勾配を使用して精製して、標題化合物を得た。収量:1.298g、3mmol(78%)。分析データは、既報告のデータ35と一致した。
N-Boc保護化合物をDCMに溶解した。ジオキサン中の等しい容量の4MのHClを添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を窒素流下で除去し、減圧下で乾燥させた。得られた粗製物を、更に精製することなく次の工程で使用した(定量的収率)。分析データは、既報告のデータ35と一致した。
(2S,4R)-1-((S)-2-アミノ-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-(2-ヒドロキシ-4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド塩酸塩(16)
DMF中のtrans-N-(tert-ブトキシカルボニル)-4-ヒドロキシ-L-プロリン(890mg、3.84mmol、1eq.)の溶液に、HATU(1.46g、3.84mmol、1eq.)及びHAOT(522mg、3.84mmol、1eq.)を添加し、この溶液を室温で5分間撹拌した。14(846mg、3.84mmol、1eq.)を添加し、反応混合物のpHをDIPEA(3eq.)の添加により9超に調節し、この混合物を、出発物質の存在がLC-MSにより検出されなくなるまで室温で撹拌した。水を添加し、この混合物を酢酸エチルで抽出した(×3)。合わせた有機相を、ブラインで洗浄し(×2)、MgSO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させて、対応する粗製物を得て、これをフラッシュカラムクロマトグラフィーにより、ヘプタン中の0〜80%v/vアセトン勾配を使用して精製して、標題化合物を得た。収量:1.915g、3.61mmol(94%)。分析データは、既報告のデータ35と一致した。
N-Boc保護化合物をDCMに溶解した。ジオキサン中の等しい容量の4MのHClを添加し、反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を窒素流下で除去し、減圧下で乾燥させた。得られた粗製物を、更に精製することなく次の工程で使用した(定量的収率)。分析データは、既報告のデータ35と一致した。
(2S,4R)-1-((S)-2-(1-シアノシクロプロパン-1-カルボキサミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-(2-ヒドロキシ-4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド(18)
1-シアノシクロプロパンカルボン酸(69mg、0.62mmol、1eq.)を3mlのDMFに可溶化した。HATU(235mg、0.62mmol、1eq.)及びHOAT(84.4mg、0.62mmol、1eq.)を添加し、得られた混合物を室温で5分間撹拌した。16のアミン前駆物質(300mg、0.62mmol、1eq.)を添加し、pHを、DIPEA(400mg、0.5ml、3.1mmol、5eq.)を使用してpH>9に調節した。得られた混合物を、出発物質の完全変換まで室温で撹拌した。水を添加し、この混合物を酢酸エチルで抽出した(×3)。合わせた有機相を、ブラインで洗浄し(×1)、MgSO4で乾燥させ、蒸発させ、対応する粗製化合物を得て、これをフラッシュカラムクロマトグラフィーにより、ヘプタン中の10%〜70%のアセトン勾配を使用して精製し、標題化合物を白色固体として得た。収量:200mg、0.37mmol(60%)。HRMS(ESI)m/z:[M+H]+ C27H33N5O5Sに対する計算値:539.22;実測値:540.3。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) 9.29 (1H, s), 8.65 (1H, s), 8.02 (1H, t, J=6.4 Hz), 7.12 (1H, d, J=7.7 Hz), 6.99 (1H, d, J=8.0 Hz), 6.94 (1H, d, J=1.8 Hz), 6.86 (1H, dd, J=1.8, 7.7 Hz), 4.72 (1H, t, J=8.0 Hz), 4.54 (1H, s), 4.44 - 4.35 (2H, m), 4.19 (1H, dd, J=5.5, 14.6 Hz), 3.87 (1H, d, J=11.0 Hz), 3.62 (1H, dd, J=3.7, 11.0 Hz), 3.50 (1H, s), 2.49 (3H, s), 2.43 - 2.37 (1H, m), 2.13 - 2.06 (1H, m), 1.66 - 1.37 (4H, m), 0.89 (8H, s); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 172.8, 170.8, 165.8, 155.8, 150.5, 148.3, 133.3, 131.6, 131.2, 123.9, 120.9, 119.6, 118.2, 70.1, 58.6, 58.3, 56.7, 55.7, 40.0, 35.7, 26.2, 18.6, 17.9, 17.8, 17.2, 16.1, 13.8.
(2S,4R)-1-((S)-2-アセトアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-(2-ヒドロキシ-4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド(17)
アミン前駆物質16(100.7mg、0.240mmol、1eq.)を1mlのDMFに溶解し、この溶液にアセチルイミダゾール(31.7mg、0.288mmol、1.2eq.)及びDIPEA(0.090ml、0.48mmol、2eq.)を添加した。この混合物を48時間室温で撹拌した後、溶媒を減圧下で蒸発させ、対応する粗製物を得て、これをHPLCにより、ギ酸の0.1%水溶液中の5%〜95%v/vのアセトニトリル勾配を使用して精製して、標題化合物を得た。収量:91mg、0.187mmol(78%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) 9.25 (1H, s), 8.70 (1H, s), 7.97 (1H, t, J=6.5 Hz), 7.15 (1H, d, J=7.5 Hz), 6.83 - 6.80 (2H, m), 6.72 (1H, d, J=8.8 Hz), 4.92 - 4.88 (1H, m), 4.57 (1H, s), 4.52 - 4.42 (2H, m), 4.26 - 4.14 (2H, m), 3.59 (1H, dd, J=2.9, 11.1 Hz), 2.53 - 2.45 (4H, m), 2.24 - 2.17 (1H, m), 1.85 (3H, s), 0.83 (9H, s); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 171.8, 171.2, 155.9, 150.7, 148.1, 132.8, 131.7, 131.0, 124.2, 120.6, 117.1, 70.3, 58.1, 57.7, 57.1, 39.8, 35.5, 34.8, 26.3, 22.6, 16.0. HRMS (ESI) m/z: [M+H]+ C24H32N4O5Sの計算値: 488.21; 実測値: 484.3.
ジ-tert-ブチル3,6,9,12-テトラオキサテトラデカンジオエート(1)
一般的方法Aに従って、10mlのジオキサン中のトリエチレングリコール(1.125g、1ml、7.49mmol、1eq.)、鉱油中の60%のNaH(595.75mg、14.9mmol、2eq.)及びブロモ酢酸tert-ブチル(2.905g、2.19ml、14.9mmol、2eq.)から、化合物1を、高真空後に油状物として得た。収量:538mg、1.42mmol(19%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 3.81 (4H, s), 3.51 - 3.46 (12H, m), 1.26 (18H, s). 13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ 169.1, 80.9, 70.1, 70.0, 68.5, 27.5.分析データは、既報告のデータ39と一致した。
ジ-tert-ブチル3,6,9,12,15-ペンタオキサヘプタデカンジオエート(2)
一般的方法Aに従って、10mlのジオキサン中のテトラチレングリコール(tetrathylene glycol)(1.125g、1ml、5.49mmol、1eq.)、鉱油中の60%のNaH(463mg、11.5mmol、2eq.)及びブロモ酢酸tert-ブチル(2.25g、1.7ml、11.5mmol、2eq.)から、化合物2を、高真空後に油状物として得た。収量:500mg、1.18mmol(10%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 3.86 (4H, s), 3.55 - 3.49 (16H, m), 1.31 (9H, s).分析データは、既報告のデータ39と一致した。
ジ-tert-ブチル3,6,9,12,15,18-ヘキサオキサイコサンジオエート(3)
一般的方法Aに従って、10mlのジオキサン中のペンタエチレングリコール(1.126g、1ml、4.72mmol、1eq.)、鉱油中の60%のNaH(377mg、9.45mmol、2eq.)及びブロモ酢酸tert-ブチル(1.872g、1.7ml、11.5mmol、2eq.)から、化合物3を、高真空後に油状物として得た。収量:300mg、0.641mmol(14%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.94 (4H, s), 3.66 - 3.56 (20H, m), 1.40 (18H, s).分析データは、既報告のデータ39と一致した。
1-フェニル-2,5,8,11,14-ペンタオキサヘキサデカン-16-オール(9)
ペンタエチレングリコール(9.53g、50mmol、5eq.)を、0℃において、20mlのDMF中の、鉱油中の60%のNaH(800mg、20mmol、2.5eq.)の懸濁液に滴下添加した。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物を0℃まで冷却し、塩化ベンジル(1ml、1.1g、8.72mmol、1eq.)を添加した。得られた混合物を、室温で終夜撹拌した。この反応物をNH4Cl飽和溶液でクエンチし、水性相を酢酸エチルで抽出した(×3)。合わせた有機相をMgSO4で乾燥させ、蒸発乾固させた。得られた油状物をカラムクロマトグラフィー(ヘプタン中の0〜60%の酢酸エチル)により精製して、標題化合物を油状物として得た。収量:2.055g、6.25mmol(71%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.28 - 7.19 (5H, m), 4.50 (2H, s), 3.66 - 3.52 (20H, m), 2.50 (1H, s). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) 138.2, 128.3, 127.8, 127.6, 73.2, 72.7, 70.61, 70.58, 70.53, 70.51, 70.2, 69.4, 61.7
tert-ブチル1-フェニル-2,5,8,11,14,17-ヘキサオキサノナデカン-19-オエート(10)
12.8mlのDCM中の9(2.055g、6.25mmol、1eq.)の撹拌した溶液に、NaOHの37%溶液(12.8ml)、続いてブロモ酢酸tert-ブチル(4.882g、25mmol、4eq.)及びTBABr(2118mg、6.37mmol、1.02eq.)を添加した。得られた溶液を、室温で終夜撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで抽出した(×3)。有機相を合わせて、ブラインで洗浄し(×1)、MgSO4で乾燥させ、真空中で濃縮した。得られた褐色油状物をカラムクロマトグラフィー(石油中の0〜30%の酢酸エチル)により精製して、標題化合物を無色油状物として得た。収量:2.216g、5mmol(80%)。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.28 - 7.20 (5H, m), 4.50 (2H, s), 3.95 (2H, s), 3.65 - 3.55 (20H, m), 1.40 (9H, s). 13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ169.7, 128.4, 127.7, 127.6, 81.5, 73.2, 70.7, 70.7, 70.6, 70.6, 69.4, 69.1, 28.1. HRMS (ESI) m/z: [M+H]+ C23H38O8の計算値: 442.26; 実測値: 387.2.
19,19-ジメチル-17-オキソ-3,6,9,12,15,18-ヘキサオキサイコサン酸(11)
10(2.216g、5mmol、1eq.)を75mlのエタノールに溶解し、Pd/C(10wt%)を添加し、得られた混合物を水素化に置き、出発物質の完全変換まで室温で撹拌した。反応混合物を、セライトを通して濾過し、セライトパッドを、エタノールを使用して数回洗浄した。濾液を真空中で濃縮し、油状物を得て、これを更に精製することなく次の工程で使用した。収量:1.764g、5mmol(定量的)。
BAIB(3.546g、11.01mmol、2.2eq.)及びTEMPO(171.87mg、1.10mmol、0.22eq.)を、前に得た油状物(1.764g、5mmol、1eq.)を含有するACN/H2Oの1:1溶液に添加した。得られた混合物を、出発物質の完全変換まで室温で撹拌した。粗製物を、ISOLUTE(登録商標)PE-AXアニオン交換カラムを使用して精製した。該カラムをメタノールで平衡処理し、反応混合物をカラムに注入し、パッドに吸着させた。カラムをメタノールで洗浄し(×3)、全ての未結合材料を溶出させた。次に、標題生成物を、メタノール中のギ酸の50%溶液を使用して溶出させた。有機相を蒸発乾固させ、標題化合物を油状物として得た。収量:1.200g、3.27mmol(65%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ, ppm 4.12 (2H, s), 3.98 (2H, s), 3.72 - 3.60 (16H, m), 1.43 (9H, s). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ, ppm 172.6, 169.7, 81.6, 71.0, 70.59, 70.56, 70.54, 70.46, 70.38, 70.35, 70.30, 68.9, 68.8, 28.1.
3,6,9,12-テトラオキサテトラデカン-1,14-ジイルジメタンスルホネート(19)
ペンタエチレングリコール(476.56mg、0.423ml、2mmol、1eq.)を、4mlの乾燥DCMに溶解した。得られた混合物の温度を0℃まで下げ、メタンスルホニルクロリド(687.3mg、0.464ml、16mmol、3eq.)を、続いてトリエチルアミン(1011.9g、1.39ml、10mmol、5eq.)を添加した。得られた混合物を0℃で4時間撹拌した。NaHSO4の10%水溶液を、pH=3まで添加した。水性相をDCMで抽出した(×5)。有機相を合わせて、MgSO4で乾燥させ、真空中で濃縮して、標題化合物をオレンジ色油状物として得た。収量:701mg、1.77mmol(89%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.33 - 4.30 (4H, m), 3.72 - 3.69 (4H, m), 3.62 - 3.56 (12H, m), 3.02 (6H, s).分析データは、既報告のデータと一致した[Kimuraら、J.Polym.Sci.Part A:Polym.Chem.54、(2016年)]。
tert-ブチル17-((メチルスルホニル)オキシ)-3,6,9,12,15-ペンタオキサヘプタデカノエート(20)
10(251mg、0.712mmol、1eq.)を、1.4mlの乾燥DCMに溶解した。得られた混合物の温度を0℃まで下げ、メタンスルホニルクロリド(122.3mg、0.082ml、1.068mmol、1.5eq.)を、続いてトリエチルアミン(216.14mg、0.3ml、2.136mmol、3eq.)を添加した。得られた混合物を0℃で4時間撹拌した。NaHSO4の10%水溶液を、pH=3まで添加した。水性相をDCMで抽出した(×5)。有機相を合わせて、MgSO4で乾燥させ、真空中で濃縮して、標題化合物をオレンジ色油状物として得た。収量:276mg、0.641mmol(90%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 4.32 - 4.30 (2H, m), 3.95 (2H, s), 3.71 - 3.57 (18H, m), 3.02 (3H, s), 1.41 (9H, s). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 169.7, 81.5, 70.72, 70.65, 70.61, 70.58, 70.5, 69.3, 69.0, 37.7, 28.1.
tert-ブチル(S)-19-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボニル)-20,20-ジメチル-17-オキソ-3,6,9,12,15-ペンタオキサ-18-アザヘンイコサノエート(12)
1.5mlのDMF中のPEGリンカー11(78.8mg、0.215mmol、1eq.)の溶液に、HATU(81.74mg、0.215mmol、1eq.)、HOAT(29.26mg、0.215mmol、1eq.)、DIPEAを添加し、この溶液を室温で5分間撹拌した。化合物7(100mg、0.215mmol、1eq.)を添加し、反応混合物のpHを、DIPEA(80.13mg、0.106ml、0.645mmol、3eq.)の添加により9超に調節した。この混合物を、出発物質の存在がLC-MSにより検出されなくなるまで、室温で撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、対応する粗製物を得て、これをHPLCにより、アンモニアの0.1%水溶液中の20%〜95%v/vのアセトニトリル勾配を使用して精製して、標題化合物を白色固体として得た。収量:75.6mg、0.094mmol(44%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ ppm 9.00 (1H, s), 7.45 (1H, t, J = 5.9 Hz), 7.39 - 7.33 (4H, m), 7.29 (1H, d, J = 8.9 Hz), 4.71 (1H, t, J = 8.0 Hz), 4.59 - 4.48 (3H, m), 4.34 (1H, dd, J = 5.2, 14.6 Hz), 4.08 - 3.92 (5H, m), 3.69 - 3.61 (18H, m), 2.52 (3H, s), 2.47 - 2.41 (1H, m), 2.19 - 2.11 (1H, m), 1.46 (9H, s), 0.97 (9H, s). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 171.3, 171.1, 170.5, 170.0, 151.7, 139.1, 129.4, 128.3, 82.0, 71.1, 70.6, 70.4, 70.4, 70.3, 70.3, 70.2, 70.2, 68.9, 58.7, 57.3, 56.8, 43.1, 36.3, 35.1, 28.1, 26.4, 15.1. HRMS (ESI) m/z: [M+H]+ C38H58N4O11S2の計算値: 778.38; 実測値: 779.4.
N1-((R)-1-((2R,4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)-N17-((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)-3,6,9,12,15-ペンタオキサヘプタデカンジアミド(CMP99)
一般的方法Bに従って、化合物12(75.6mg、0.094mmol、1eq.)及びトリフルオロ酢酸(1mlのDCM中の1ml)から、カルボン酸誘導体を油状物として得た。この粗製物を更に精製することなく次の工程で使用した。収量:70mg、0.094mmol(定量的)。MS(ESI)m/z:[M+H]+ C34H50N4O11Sに対する計算値:722.32;実測値:723.3。
一般的方法Bに従って、化合物13(5.5mg、0.006mmol、1eq.)、化合物8(2.77mg、0.006mmol、1eq.)、HATU(2.28mg、0.006mmol、1eq.)、HOAT(1mg、0.006mmol、1eq.)、DIPEA(2.23mg、0.002ml、0.018mmol、3eq.)から、CMP99を白色固体として得た。収量:4.5mg、0.004mmol(66%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): d, ppm 8.74 (2H, d, J = 2.8 Hz), 7.37 - 7.34 (9H, m), 7.18 (1H, d, J = 8.9 Hz), 4.76 - 4.64 (3H, m), 4.59 - 4.44 (5H, m), 4.37 - 4.26 (2H, m), 4.05 - 3.59 (27H, m), 2.52 (6H, s), 2.31 - 2.11 (4H, m), 0.96 (9H, s), 0.95 (9H, s). HRMS (ESI) m/z: [M+H]+ C56H78N8O13S2の計算値: 1134.51; 実測値: 1135.58.
N1,N14-ビス((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)-3,6,9,12-テトラオキサテトラデカンジアミド(CM09)
一般的方法Bに従って、化合物1(6.80mg、0.018mmol、1eq.)、化合物7(20mg、0.045mmol、2.5eq.)、HATU(17mg、0.045mmol、2.5eq.)、HOAT(6.12、0.045mmol、2.5eq.)、DIPEA(6.98mg、0.054mmol、3eq.)から、化合物CM09を白色固体として得た。収量:8mg、0.007mmol(40%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.61 (2H, s), 7.48 - 7.45 (2H, m), 7.31 - 7.27 (8H, m), 7.23 (2H, d, J=10.2 Hz), 4.64 - 4.59 (2H, m), 4.52 - 4.46 (4H, m), 4.41 - 4.38 (2H, m), 4.31 - 4.25 (2H, m), 4.01 - 3.94 (4H, m), 3.82 (2H, d, J=15.7 Hz), 3.62 - 3.52 (12H, m), 2.45 (6H, s), 2.42 - 2.34 (2H, m), 2.12 - 2.06 (2H, m), 1.19 (2H, s), 0.89 (18H, s); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 170.2, 169.9, 169.6, 149.3, 147.5, 137.3, 130.6, 129.9, 128.4, 127.1, 69.9, 69.5, 69.3, 69.1, 57.6, 56.1, 55.9, 42.2, 35.5, 34.6, 25.4, 15.1. HRMS (ESI) m/z: [M+H]+ C54H74N8O12S2の計算値: 1090.49; 実測値: 1091.4.
N1,N17-ビス((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)-3,6,9,12,15-ペンタオキサヘプタデカンジアミド(CM10)
一般的方法Bに従って、化合物2(7.60mg、0.018mmol、1eq.)、化合物7(20mg、0.045mmol、2.5eq.)、HATU(17mg、0.045mmol、2.5eq.)、HOAT(6.12、0.045mmol、2.5eq.)、DIPEA(6.98mg、0.054mmol、3eq.)から、化合物CM10を白色固体として得た。収量:6mg、0.005mmol(30%)。
1H NMR (400 MHz, MeOD) δ 9.28 (2H, s), 7.43 - 7.36 (10H, m), 5.39 (2H, s), 4.77 (10H, s), 4.59 (2H, s), 4.50 - 4.43 (4H, m), 4.42 - 4.38 (2H, m), 4.26 (2H, d, J=17.2 Hz), 3.96 - 3.92 (4H, m), 3.77 (2H, d, J=11.1 Hz), 3.73 - 3.68 (2H, m), 3.56 (16H, m), 3.22 - 3.20 (10H, m), 2.43 (6H, s), 2.16 - 2.14 (2H, m), 2.13 (2H, m), 2.02 - 1.95 (2H, m); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 173.1, 172.4, 170.7, 170.3, 153.3, 153.2, 144.5, 140.0, 134.0, 129.2, 129.0, 128.4, 128.3, 127.8, 70.9, 70.5, 70.2, 70.1, 69.7, 68.2, 67.7, 59.7, 59.4, 56.8, 56.7, 54.9, 42.9, 42.3, 39.9, 37.6, 36.3, 35.7, 34.7, 25.6, 25.5, 13.1. HRMS (ESI) m/z: [M+H]+ C56H78N8O13S2の計算値: 1134.51; 実測値: 1135.55.
N1,N20-ビス((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)-3,6,9,12,15,18-ヘキサオキサイコサンジアミド(CM11)
一般的方法Bに従って、化合物3(8.39mg、0.018mmol、1eq.)、化合物7(20mg、0.045mmol、2.5eq.)、HATU(17mg、0.045mmol、2.5eq.)、HOAT(6.12、0.045mmol、2.5eq.)、DIPEA(6.98mg、0.054mmol、3eq.)から、化合物CM11を白色固体として得た。収量:11.74mg、0.0099mmol(55%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.61 (2H, s), 7.41 - 7.38 (2H, m), 7.29 (10H, t, J=7.6 Hz), 4.66 - 4.61 (2H, m), 4.49 - 4.41 (6H, m), 4.35 - 4.29 (2H, m), 3.98 - 3.91 (6H, m), 3.62 - 3.50 (24H, m), 2.45 (6H, s), 2.42 - 2.35 (2H, m), 2.11 - 2.06 (2H, m), 0.88 (18H, s); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 171.2, 170.9, 170.4, 150.3, 148.5, 138.3, 131.6, 130.9, 129.5, 128.1, 71.2, 70.61, 70.59, 70.5, 70.4, 70.3, 58.6, 57.0, 43.2, 36.5, 35.6, 26.4, 16.1. HRMS (ESI) m/z: [M+H]+ C58H82N8O14S2の計算値: 1178.54; 実測値: 1179.60.
N1,N20-ビス((S)-1-((2S,4S)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)-3,6,9,12,15,18-ヘキサオキサイコサンジアミド(CMP98)
一般的方法Bに従って、化合物3(7.12mg、0.028mmol、1eq.)、化合物8(18.06、0.040mmol、2.1eq.)、HATU(15.2mg、0.040mmol、2eq.)、HOAT(5.44mg、0.040mmol、2eq.)、DIPEA(7.45mg、0.0010ml、3eq.)から、化合物CMP98を白色固体として得た。収量:10.58mg、0.0089mmol(45%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.09 (2H, s), 8.02 (2H, s), 7.31 (4H, d, J=8.5 Hz), 7.22 (4H, d, J=8.0 Hz), 7.16 (2H, d, J=9.2 Hz), 4.75 - 4.64 (4H, m), 4.51 (2H, d, J=8.9 Hz), 4.41 - 4.37 (2H, m), 4.24 - 4.17 (2H, m), 3.94 (4H, d, J=3.2 Hz), 3.84 - 3.81 (4H, m), 3.62 - 3.54 (20H, m), 2.49 - 2.47 (2H, m), 2.44 (6H, s), 2.26 - 2.17 (4H, m), 0.93 (18H, s); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 173.2, 171.5, 169.7, 151.8, 138.8, 132.9, 129.5, 129.2, 128.3, 71.2, 71.1, 70.6, 70.48, 70.45, 70.4, 70.3, 59.9, 58.5, 56.5, 43.2, 35.6, 35.2, 26.4, 15.0. HRMS (ESI) m/z: [M+H]+ C58H82N8O14S2の計算値: 1178.54; 実測値: 1179.60.
(2S,2'S,4R,4'R)-N,N'-((((3,6,9,12-テトラオキサテトラデカン-1,14-ジイル)ビス(オキシ))ビス(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)-2,1-フェニレン))ビス(メチレン))ビス(1-((S)-2-(1-シアノシクロプロパン-1-カルボキサミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキサミド)(CMP108)
一般的方法Cに従って、18(27mg、0.05mmol、2eq.)、19(11.83mg、0.03mmol、1.2eq.)及びK2CO3(41.46mg、0.3mmol、6eq.)から、標題化合物を白色固体として得た。収量:9.1mg、0.007mmol(28%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.61 (2H, s), 7.41 - 7.38 (2H, m), 7.26 (2H, d, J=8.1 Hz), 7.00 (2H, d, J=8.1 Hz), 6.91 - 6.88 (2H, m), 6.85 - 6.81 (2H, m), 4.57 - 4.52 (2H, m), 4.44 - 4.36 (8H, m), 4.19 - 4.08 (4H, m), 3.89 - 3.53 (22H, m), 2.45 (6H, s), 2.24 - 2.17 (2H, m), 2.08 - 2.02 (2H, m), 1.61 - 1.37 (8H, m), 0.88 (18H, s); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 170.9, 170.0, 165.4, 156.9, 150.4, 148.5, 132.3, 131.7, 130.0, 126.9, 122.0, 119.6, 112.9, 70.7, 70.41, 70.38, 70.2, 69.6, 67.9, 58.9, 58.4, 56.6, 39.2, 37.0, 36.0, 26.3, 17.9, 17.7, 16.2, 13.7. HRMS (ESI) m/z: [M+H]+ C64H84N10O14S2の計算値: 1280.56; 実測値: 1281.66.
(2S,2'S,4R,4'R)-N,N'-((((3,6,9,12-テトラオキサテトラデカン-1,14-ジイル)ビス(オキシ))ビス(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)-2,1-フェニレン))ビス(メチレン))ビス(1-((S)-2-アセトアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキサミド)(CMP106)
一般的方法Cに従って、17(24.3mg、0.05mmol、2eq.)、19(11.83mg、0.03mmol、1.2eq.)及びK2CO3(41.46mg、0.3mmol、6eq.)から、標題化合物を白色固体として得た。収量:7.8mg、0.006mmol(26%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.60 (2H, s), 7.39 - 7.35 (2H, m), 7.26 (2H, d, J=7.6 Hz), 6.91 - 6.88 (2H, m), 6.83 - 6.80 (2H, m), 6.36 - 6.13 (2H, m), 4.60 - 4.32 (10H, m), 4.18 - 4.05 (4H, m), 3.97 - 3.79 (6H, m), 3.71 - 3.54 (18H, m), 2.44 (6H, s), 2.17 - 1.86 (8H, m), 0.87 (18H, s); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 171.3, 171.1, 171.0, 170.7, 170.5, 156.8, 156.8, 150.3, 148.5, 132.2, 131.7, 130.0, 129.8, 127.1, 126.9, 122.1, 122.0, 112.8, 112.8, 71.3, 70.7, 70.6, 70.5, 70.5, 70.5, 70.4 , 70.2, 70.1, 69.7, 67.9, 58.9, 58.6, 57.6, 57.5, 56.9, 56.7, 42.7, 39.1, 39.0, 37.1, 36.4, 35.4, 35.1, 26.4, 26.4, 23.2, 23.1, 16.2. HRMS (ESI) m/z: [M+H]+ C58H82N8O14S2の計算値: 1178.54; 実測値: 1281.66.
tert-ブチル(14-(2-(((2S,4R)-1-((S)-2-(1-シアノシクロプロパン-1-カルボキサミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキサミド)メチル)-5-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェノキシ)-3,6,9,12-テトラオキサテトラデシル)カルボネート(22)
一般的方法Cに従って、18(27mg、0.05mmol、1eq.)、20(26mg、0.06mmol、1.2eq.)及びK2CO3(20.73mg、0.15mmol、3eq.)から、標題化合物を白色固体として得た。収量:17mg、0.02mmol(33%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.61 (1H, s), 7.33 - 7.25 (2H, m), 6.97 (1H, d, J=9.1 Hz), 6.92 - 6.89 (1H, m), 6.84 (1H, d, J=1.5 Hz), 4.59 - 4.55 (1H, m), 4.45 - 4.38 (4H, m), 4.22 - 4.10 (2H, m), 3.93 - 3.54 (24H, m), 2.46 (3H, s), 2.32 - 2.24 (1H, m), 2.10 - 2.04 (1H, m), 1.63 - 1.52 (2H, m), 1.45 - 1.39 (12H, m), 0.87 (9H, s); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 170.6, 170.1, 169.7, 165.4, 156.9, 150.3, 148.5, 132.3, 131.7, 130.0, 126.9, 122.0, 119.7, 112.9, 81.7, 70.72, 70.66, 70.5, 70.4, 70.3, 69.6, 69.0, 68.0, 58.8, 58.4, 56.6, 39.3, 36.7, 35.8, 28.1, 26.3, 17.8, 16.2, 13.7. HRMS (ESI) m/z: [M+H]+ C43H63N5O12Sの計算値: 873.42; 実測値: 874.49.
tert-ブチル17-(2-(((2S,4R)-1-((S)-2-アセトアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキサミド)メチル)-5-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェノキシ)-3,6,9,12,15-ペンタオキサヘプタデカノエート(21)
一般的方法Cに従って、17(24.3mg、0.05mmol、1eq.)、20(26mg、0.06mmol、1.2eq.)及びK2CO3(20.73mg、0.15mmol、3eq.)から、標題化合物を白色固体として得た。収量:17mg、0.021mmol(33%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ, ppm 8.67 (1H, s), 7.32 (2H, d, J = 7.8 Hz), 6.95 (1H, dd, J = 1.6, 7.6 Hz), 6.88 (1H, d, J = 1.8 Hz), 4.65 - 4.60 (1H, m), 4.53 - 4.43 (2H, m), 4.39 - 4.36 (1H, m), 4.24 - 4.13 (2H, m), 4.00 (2H, d, J = 7.0 Hz), 3.92 - 3.87 (2H, m), 3.77 - 3.59 (20H, m), 3.08 (2H, s), 2.51 (3H, s), 2.38 - 2.31 (1H, m), 1.98 (3H, s). 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 171.2, 170.8, 170.4, 169.7, 156.8, 150.3, 148.5, 132.2, 131.7, 129.8, 126.9, 122.0, 112.8, 81.6, 70.8, 70.71, 70.69, 70.60, 70.57, 70.55, 70.52, 70.49, 70.47, 70.1, 69.6, 69.3, 69.02, 68.98, 67.9, 58.6, 57.5, 56.7, 39.0, 37.7, 36.5, 35.2, 28.1, 26.4, 23.2, 16.1. HRMS (ESI) m/z: [M+H]+ C40H62N4O12Sの計算値: 822.41; 実測値: 823.5.
(2S,4R)-1-((S)-2-(tert-ブチル)-20-(2-(((2S,4R)-1-((S)-2-(1-シアノシクロプロパン-1-カルボキサミド)-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボキサミド)メチル)-5-(4-メチルチアゾール-5-イル)フェノキシ)-4-オキソ-6,9,12,15,18-ペンタオキサ-3-アザイコサノイル)-4-ヒドロキシ-N-(4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド(CMP113)
一般的方法Bに従って、化合物20(17mg、0.02mmol、1eq.)及びトリフルオロ酢酸(0.5mlのDCM中の0.5ml)から、カルボン酸誘導体を油状物として得た。収量:15.7mg、0.019mmol(定量的)。HRMS(ESI)m/z:[M+H]+ C39H55N5O12Sに対する計算値:817.36;実測値:818.4。
0.5mlのDMF中の得られたカルボン酸(15.7mg、0.019mmol、1eq.)、HATU(7.22mg、0.019mmol、1eq.)、HOAT(2.58mg、0.019mmol、1eq.)、化合物7(8.73mg、0.019mmol、1eq.)及びDIPEA(3eq.)から、最終化合物を白色固体として単離した。収量:6.3mg、0.005mmol(27%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.61 (2H, s), 7.58 - 7.54 (1H, m), 7.31 - 7.25 (5H, m), 7.02 (1H, d, J=9.7 Hz), 6.88 - 6.85 (1H, m), 6.78 (1H, d, J=1.5 Hz), 4.59 - 4.56 (2H, m), 4.47 - 4.25 (6H, m), 4.13 - 3.52 (20H, m), 2.47 - 2.42 (6H, m), 2.34 - 2.27 (1H, m), 2.19 - 2.03 (5H, m), 1.63 - 1.52 (2H, m), 1.48 - 1.37 (2H, m), 0.90 (18H, s); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 171.2, 171.1, 170.7, 170.3, 165.4, 156.6, 150.3, 148.4, 148.3, 138.3, 132.0, 131.8, 131.7, 130.7, 129.5, 129.4, 127.9, 126.9, 122.0, 119.7, 112.6, 71.0, 70.7, 70.5, 70.4, 70.32, 70.28, 70.25, 69.6, 67.9, 59.1, 58.8, 58.5, 57.3, 57.1, 56.7, 43.1, 39.0, 37.3, 36.8, 36.2, 35.4, 26.4, 26.3, 17.9, 17.7, 16.1, 16.0, 13.7. HRMS (ESI) m/z: [M+H]+ C61H83N9O14S2の計算値: 1229.55; 実測値: 1230.66.
(2S,4R)-1-((S)-2-アセトアミド-3,3-ジメチルブタノイル)-4-ヒドロキシ-N-(2-(((S)-19-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-カルボニル)-20,20-ジメチル-17-オキソ-3,6,9,12,15-ペンタオキサ-18-アザヘンイコシル)オキシ)-4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)ピロリジン-2-カルボキサミド(CMP112)
一般的方法Bに従って、化合物20(17mg、0.021mmol、1eq.)及びトリフルオロ酢酸(0.5mlのDCM中の0.5ml)から、カルボン酸誘導体又は38を油状物として得た。収量:13mg、0.017mmol(定量的)。HRMS(ESI)m/z:[M+H]+ C36H54N4O12Sに対する計算値:766.35;実測値:767.4。
0.5mlのDMF中のカルボン酸(13mg、0.017mmol、1eq.)、HATU(6.49mg、0.017mmol、1eq.)、HOAT(2.31mg、0.017mmol、1eq.)、化合物7(7.90mg、0.017mmol、1eq.)及びDIPEA(3eq.)から、標題化合物を白色固体として得た。収量:6mg、0.005mmol(30%)。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.61 (2H, s), 7.49 - 7.45 (1H, m), 7.32 - 7.24 (6H, m), 6.90 - 6.87 (1H, m), 6.79 (1H, d, J=2.4 Hz), 6.24 (1H, d, J=8.9 Hz), 4.61 - 4.29 (10H, m), 4.11 - 3.52 (27H, m), 2.44 (6H, s), 2.30 (1H, t, J=13.3 Hz), 2.18 - 2.03 (3H, m), 0.87 (9H, s); 13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 171.2, 171.1, 170.7, 170.4, 156.7, 150.3, 148.4, 138.3, 132.2, 130.9, 129.7, 129.4, 128.0, 127.0, 122.0, 112.8, 70.9, 70.6, 70.5, 70.4, 70.3, 70.2, 69.6, 67.9, 59.0, 58.8, 57.7, 57.1, 43.1, 39.0, 37.1, 36.8, 35.6, 35.5, 26.42, 26.38, 23.0, 16.13, 16.06. HRMS (ESI) m/z: [M+H]+ C58H82N8O14S2の計算値: 1178.54; 実測値: 1179.6.
一般的方法D:
DCM中のジオール(1eq.)の溶液に、ブロモ酢酸tert-ブチル(8eq.)、TBABr(1.1eq.)及び37%w/wのNaOH水溶液を添加した。反応混合物を室温で終夜強く撹拌した。有機相を水性層から分離し、次に水性相をDCMで抽出した(×3)。有機層を収集し、MgSO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。粗製物を、フラッシュクロマトグラフィーにより、ヘプタン中の10%〜50%v/vの酢酸エチルで溶出させて精製した。
一般的方法E:
無水EtOH(0.05M)中のベンジル化出発物質の溶液を、H-キューブ機(cube machine)に、1mL/分の速度、10気圧のH2、70℃において流入した。溶媒を減圧下で蒸発させ、最終化合物を得た。
一般的方法F:
乾燥DMF中のジカルボン酸リンカー(1eq.)の溶液に、COMU(2eq.)及びDIPEA(5eq.)を添加した。この溶液を10分間撹拌し、次に、乾燥DMF中のVHL-リガンドアミン7(2.1eq.)及びDIPEA(5eq.)の懸濁液に添加した。この混合物を、出発物質の存在がLC-MSにより検出されなくなるまで室温で撹拌した。氷を添加し、揮発性物質を減圧下で蒸発させ、粗製物を得て、これをHPLCにより、ギ酸の0.1%v/v水溶液中の20%〜70%v/vのアセトニトリル勾配を使用して精製して、最終化合物を得た。
4,4'-(ブタン-1,4-ジイルビス(オキシ))ビス(ブタン-1-オール)(101)
化合物101を、Knufらにより報告されたように40調製した。分析データは、既報告のデータと一致した。
ジ-tert-ブチル3,8,13,18-テトラオキサイコサンジオエート(102)
一般的方法Dに従って、37%w/wのNaOH水溶液(4mL)及びDCM(4mL)中の化合物101(198mg、0.8449mmol)から調製した。化合物102を油状物として得た(158mg、収率:40%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 3.87(4H, s), 3.45 (4H, t, J=6.1 Hz), 3.38 - 3.30 (8H, m), 1.67 - 1.51 (12H, m), 1.41 (18H, s).
3,8,13,18-テトラオキサイコサン二酸(103)
一般的方法Bに従って、TFA/DCM1:1(2mL)中の化合物102(158mg、0.3415mmol)から出発して調製した。化合物103を油状物として得た(120mg、収率:定量的)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.26 (s, 2H), 4.09 (s, 4H), 3.58 (t, J=6.1 Hz, 4H), 3.48 - 3.41 (m, 8H), 1.75 - 1.60 (m, 12H).13C-NMR (101 MHz, CDCl3) δ: 173.1, 71.7, 70.6, 70.4, 67.9, 26.4, 26.3, 26.1.
5-(ベンジルオキシ)ペンタン-1-オール(104)
1,5-ペンタンジオール(3.430g、3.45ml、0.033mol、4eq.)を、DMF(14mL)中のNaH(670mg、0.016mol、2eq.)の懸濁液に0℃において滴下添加した。触媒量のNaI、続いてベンジルブロミド(1.360g、0.95ml、0.008mol、1eq.)を添加した。この混合物を室温で終夜撹拌した。
反応物をNH4Cl飽和水溶液でクエンチし、次に、酢酸エチルで抽出した(×3)。有機層を収集し、減圧下で蒸発させた。粗製物を、フラッシュクロマトグラフィーにより、ヘプタン中の40%〜90%の酢酸エチルで溶出させて精製し、所望の生成物を得た(1.08g、収率:70%)。
分析データは、既報告のデータ41と一致した。
2-(2-(2-(ベンジルオキシ)エトキシ)エトキシ)エチルメタンスルホネート(105)
化合物105を、既報告の方法42に従って得た。分析データは、報告されたデータと一致した。
1,18-ジフェニル-2,5,8,11,17-ペンタオキサオクタデカン(106)
化合物104(228.58mg、1.177mmol、2.5eq.)を、THF中のNaHMDSの1M溶液(107.95mg、0.588ml、0.588mmol、1.25eq.)に、0℃においてN2雰囲気下で添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。この後、DMF中の化合物105(150.00mg、0.471mmol、1eq.)の溶液を添加し、この混合物を、130℃において2時間マイクロ波で照射した。
この後、溶媒を蒸発させ、反応を5%のNaHSO4水溶液でクエンチし、DCMで抽出した(×3)。有機層を収集し、MgSO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。粗製物を、フラッシュクロマトグラフィーにより、ヘプタン中の0%〜50%v/vの酢酸エチルで溶出させて精製し、所望の化合物106を油状物として得た(114mg、収率:58%)。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.28 - 7.19 (m, 10H), 4.49 (s, 2H), 4.43 (s, 2H), 3.62 - 3.54 (m, 10H), 3.51 - 3.48 (m, 2H), 3.43 - 3.36 (m, 4H), 1.61 - 1.48 (m, 4H), 1.42 - 1.31 (m, 2H).
ジ-tert-ブチル3,6,9,12,18-ペンタオキサイコサンジオエート(107)
化合物106(265mg、0.610mmol)から出発して、一般的方法Eに従って、脱保護された化合物を油状物として得て(131mg)、更に精製することなく次の工程で使用した。
一般的方法Dに従って、37%w/wのNaOH水溶液(2.2mL)及びDCM(2.2mL)中の脱保護された化合物(131mg、0.5544mmol)から、化合物107を油状物として得た(122mg、収率:47%)。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 4.00 (s, 2H), 3.92 (s, 2H), 3.69 - 3.60 (m, 10H), 3.57 - 3.53 (m, 2H), 3.52 - 3.46 (m, 2H), 3.43 (t, J=7.1 Hz, 2H), 1.67 - 1.56 (m, 4H), 1.46 (d, J=0.6 Hz, 18H), 1.43 - 1.37 (m, 2H). 13C-NMR (101 MHz, CDCl3) δ: 169.8, 81.5, 81.4, 71.6, 71.3, 70.7, 70.6, 70.1, 69.0, 68.8, 29.5, 29.4, 28.1, 22.6.
3,6,9,12,18-ペンタオキサイコサン二酸(108)
一般的方法Bに従って、2mlのTFA/DCM1:1中の化合物107(90mg、0.1937mmol)から出発して調製した。化合物108を油状物として得た(66mg、収率:定量的)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.15 (s, 2H), 4.11 (s, 2H), 4.02 (s, 2H), 3.71 - 3.40 (m, 16H), 1.65 - 1.52 (m, 4H), 1.43 - 1.34 (m, 2H)
1,5-ビス(アリルオキシ)ペンタン(109)
化合物109を、1,5-ペンタンジオール(500mg、4.8mmol)から出発して、報告された方法43に従って得た。
分析データは、既報告のデータと一致した。
3,3'-(ペンタン-1,5-ジイルビス(オキシ))ビス(プロパン-1-オール)(110)
乾燥THF(4.2mL)中の化合物109(500mg、2.71mmol、1eq.)の溶液を、THF中の0.5Mの9-ボラビシクロ[3.3.1]ノナンの溶液(993mg、16.28ml、8.14mmol、3eq.)に0℃で滴下添加し、得られた溶液を室温で終夜撹拌した。
反応物を、MeOH(3.17mL)、30%w/wのNaOH水溶液(6.35mL)、30%v/vのH2O2水溶液(6.35mL)によりクエンチし、この混合物を2時間撹拌した。次に、この混合物を酢酸エチルで抽出した(×3)。有機層を収集し、ブラインで洗浄し、MgSO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。粗製物を、フラッシュクロマトグラフィーにより、ヘプタン中の0%〜100%の酢酸エチルで溶出させて精製し、所望の生成物を油状物として得た(483mg、収率:81%)。分析データは、既報告のデータ43と一致した。
ジ-tert-ブチル3,7,13,17-テトラオキサノナデカンジオエート(111)
化合物111を、化合物110(214mg、0.9714mmol)から、一般的方法Dに従って、37%w/wのNaOH水溶液(4mL)及びDCM(4mL)中で得た。所望の生成物を油状物として得た(65mg、収率:15%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 3.88 (s, 4H), 3.53 (t, J=6.5 Hz, 4H), 3.44 (t, J=6.4 Hz, 4H), 3.34 (t, J=6.9 Hz, 4H), 1.85 - 1.78 (m, 4H), 1.55 - 1.47 (m, 4H), 1.41 (s, 18H), 1.36 - 1.29 (m, 2H).
3,7,13,17-テトラオキサノナデカン二酸(112)
一般的方法Bに従って、TFA/DCM1:1(2mL)中の化合物111(64mg、0.1427mmol)から出発して調製した。化合物112を油状物として得た(47.5mg、収率:定量的)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 8.11 (s, 2H), 4.06 (s, 4H), 3.64 (t, J=5.9 Hz, 4H), 3.54 (t, J=5.9 Hz, 4H), 3.42 (t, J=6.4 Hz, 4H), 1.88 - 1.81 (m, 4H), 1.60 - 1.52 (m, 4H), 1.36 (dt, J=7.6, 11.9 Hz, 2H). 13C-NMR (101 MHz, CDCl3) δ: 173.3, 71.1, 69.6, 68.2, 67.9, 29.4, 29.2, 22.7.
5-(ベンジルオキシ)ペンチル4-メチルベンゼンスルホネート(113)
DCM(15mL)中の化合物104(1.910g、9.8387mmol、1eq.)及びトリエチルアミン(1.65ml、11.8226mmol、1.2eq.)の溶液に、DCM(15mL)中のp-TsCl(2.063g、10.8226mmol、1.1eq.)の溶液を0℃で添加した。この混合物を終夜撹拌した。次に、NaHCO3飽和水溶液を添加した。水性相を有機層から分離し、DCMで抽出した(×2)。有機層を収集し、5%のHCl水溶液で洗浄した。粗製物を、フラッシュクロマトグラフィーにより、ヘプタン中の0%〜60%v/vの酢酸エチルで溶出させて精製し、所望の生成物を得た(1.9g、収率:55%)。分析データは、既報告のデータ44と一致した。
1,18-ジフェニル-2,8,11,17-テトラオキサオクタデカン(114)
化合物113(1.9g、5.6863mmol、2.4eq.)、エチレングリコール(147mg、2.3696mmol、1eq.)及びTBAビスルフェート(804mg、2.3693mmol、1eq.)の混合物を、トルエン(8mL)及びNaOHの50%水溶液(6mL)に溶解した。この混合物を終夜強く撹拌した。有機相を水性層から分離し、次に、酢酸エチルで抽出した(×3)。有機層を収集し、MgSO4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。粗製物を、フラッシュクロマトグラフィーにより、ヘプタン中の酢酸エチル、100%ヘプタン〜100%酢酸エチルまでの混合物v/vで溶出させて精製した。所望の化合物を油状物として得た(200mg、収率:8.5%)。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 7.25 - 7.22 (m, 10H), 4.40 (s, 4H), 3.47 (s, 4H), 3.39 - 3.35 (m, 8H), 1.58 - 1.47 (m, 8H), 1.37 - 1.29 (m, 4H).
5,5'-(エタン-1,2-ジイルビス(オキシ))ビス(ペンタン-1-オール)(115)
化合物114(200mg、0.8535mmol)から出発して、一般的方法Eに従って、化合物115を油状物として得た(35mg、収率:31%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 3.53 (t, J=6.1 Hz, 4H), 3.49 (s,4H), 3.49 (s, 4H), 3.40 (t, J=6.6 Hz,4H), 2.93(s, 2H), 1.58 -1.45(m, 8H), 1.37-1.29 (m, 4H).
1,2-ジ(1,3-ジオキサン-2-イル)エタン(118)
化合物118を、公表されている手順45に従って、2,5-ジメトキシテトラヒドロフラン(10.0g、75.6659mmol)から出発して調製した。分析データは、既報告のデータと一致した。
3,3'-(ブタン-1,4-ジイルビス(オキシ))ビス(プロパン-1-オール)(119)
したがって、化合物119を、公表されている手順45に従って、化合物118から出発して調製した。分析データは、既報告のデータと一致した。
1-フェニル-2,5,9,14-テトラオキサヘプタデカン-17-オール(120)
化合物120(1.1g、5.3325mmol、3eq.)を、トルエン(10mL)及びNaOH50%w/w水溶液(5mL)に溶解した。TBABr(590mg、1.7775mmol、1eq.)、触媒量のTBAI及びベンジル-2-ブロモエチルエーテル(382mg、1.7775mmol、1eq.)を添加し、反応混合物を48時間強く撹拌した。有機層を水性相から分離し、水性相をDCMで抽出した(×3)。粗製物を、フラッシュクロマトグラフィーにより、DCM中の0%〜5%v/vのMeOHで溶出させて精製し、生成物を油状物として得た(350mg、57%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 7.33 - 7.22 (m, 5H), 4.55 (s, 2H), 3.74 (dd, J=5.7, 11.2 Hz, 2H), 3.59 - 3.55 (m, 6H), 3.53 (t, J=6.5 Hz, 2H), 3.47 (t, J=6.4 Hz, 2H), 3.44 - 3.37 (m, 4H), 2.44 (t, J=5.7 Hz, 1H), 1.87 - 1.76 (m, 4H), 1.61 - 1.57 (m, 4H).
3-(4-(3-(2-ヒドロキシエトキシ)プロポキシ)ブトキシ)プロパン-1-オール(121)
生成物を、化合物120(350mg、1.028mmol)から出発して、一般的方法Eに従って得た。変換は定量的ではなく、そのため生成物121を、フラッシュクロマトグラフィーにより、100%のDCM〜9:1v/vのDCM/MEOHで溶出させて、出発物質から分離した(87mg、収率:34%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 3.66 - 3.60 (m, 4H), 3.51 - 3.38 (m, 8H), 3.38 - 3.31 (m, 4H), 1.79 - 1.69 (m, 4H), 1.57 - 1.50 (m, 4H).
ジ-tert-ブチル3,6,10,15,19-ペンタオキサヘンイコサンジオエート(122)
化合物122を、化合物121(87mg、0.3475mmol)から、一般的方法Dに従って、37%w/wのNaOH水溶液(1.5mL)及びDCM(1.5mL)中で得た。所望の生成物を油状物として得た(47mg、収率:28%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ: 3.99 (s, 2H), 3.68 - 3.42 (m, 12H), 3.41 - 3.36 (m, 4H), 1.88 - 1.77 (m, 4H), 1.59 - 1.55 (m, 4H), 1.44 (s, 18H).
3,6,10,15,19-ペンタオキサヘンイコサン二酸(123)
一般的方法Bに従って、TFA/DCM1:1(1mL)中の化合物122(47mg、0.0983mmol)から出発して調製した。化合物123を油状物として得た(35mg、収率:定量的)。
1H-NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 4.14 (s, 2H), 4.07 (s, 2H), 3.73 - 3.69 (m, 2H), 3.65 - 3.59 (m, 4H), 3.59 - 3.53 (m, 4H), 3.49 (t, J=6.3 Hz, 2H), 3.47 - 3.40 (m, 4H), 1.89 - 1.81 (m, 4H), 1.62 - 1.57 (m, 4H).
13C-NMR (101 MHz, CDCl3) δ: 173.9, 173.7, 71.3, 71.0, 70.8, 70.0, 69.6, 68.7, 68.6, 68.1, 68.0, 67.6, 29.7, 29.5, 26.3, 26.2.
N1,N20-ビス((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)-3,6,9,12,18-ペンタオキサイコサンジアミド(124)
化合物124を、一般的方法Fに従って、化合物7(20mg、0.0428mmol)及び化合物108(7.2mg、0.02038mmol)から出発して調製した。5mgを得た(収率:21%)。
1H-NMR (500 MHz, MeOD) δ: 8.77 (s, 2H), 7.34 (dd, J=7.4, 23.2 Hz, 8H), 4.59 (dd, J=2.4, 9.4 Hz, 2H), 4.50 - 4.38 ( m, 6H), 4.27 (t, J=4.3 Hz, 1H), 4.24 (t, J=4.3 Hz, 1H), 3.94 (dd, J=15.3, 22.3 Hz, 2H), 3.85 (dd, J=15.3, 24.4 Hz, 2H), 3.76 (d, J=10.7 Hz, 2H), 3.72 - 3.68 (m, 2H), 3.61 - 3.40 (m, 14H), 3.35 (dt, J=1.0, 6.5 Hz, 2H), 2.37 (s, 6H), 2.16 - 2.09 (m, 2H), 2.02 - 1.96 (m, 2H), 1.57 - 1.45 (m, 4H), 1.39 - 1.32 (m, 2H), 0.94 (s, 18H).
13C-NMR (101 MHz, MeOD) δ: 174.4, 174.3, 172.1, 172.0, 171.7, 152.9, 149.0, 140.3, 133.4, 131.5, 130.5, 130.4, 129.5, 129.0, 72.9, 72.3, 72.2, 71.7, 71.6, 71.5, 71.2, 71.1, 70.7, 60.8, 58.1, 58.0, 43.7, 38.9, 37.2, 37.1, 30.5, 30.4, 27.0, 26.9, 23.8, 15.8.
HRMS: 実測値1177.6435 [M+H+].
N1,N20-ビス((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)-3,8,13,18-テトラオキサイコサンジアミド(125)
化合物125を、一般的方法Fに従って、化合物7(20mg、0.0428mmol)及び化合物103(7.1mg、0.02038mmol)から出発して調製した。6.7mgを得た(収率:28%)。
1H-NMR (500 MHz, MeOD) δ: 8.77 (s, 2H), 7.34 (dd, J=8.3, 23.6 Hz, 8H), 4.59 (d, J=12.0 Hz, 2H), 4.50 - 4.40 (m, 6H), 4.26 (dd, J=4.9, 15.9 Hz, 2H), 3.86 (dd, J=15.3, 23.4 Hz, 4H), 3.77 (d, J=11.4 Hz, 2H), 3.70 (dd, J=3.9, 11.1 Hz, 2H), 3.46 (t, J=6.0 Hz, 4H), 3.38 - 3.28 (m, 8H), 2.37 (s, 6H), 2.16 - 2.10 (m, 2H), 2.02 - 1.96 (m, 2H), 1.62 - 1.52 (m, 8H), 1.51 - 1.45 (m, 4H), 0.93 (s, 18H).
13C-NMR (101 MHz, MeOD) δ: 174.3, 172.1, 172.0, 171.7, 152.8, 149.1, 140.3, 133.4, 131.5, 130.5, 130.4, 129.5, 129.0, 72.7, 71.7, 71.5, 71.1, 70.7, 60.8, 58.1, 58.0, 43.7, 39.0, 37.2, 27.6, 27.5, 27.4, 15.9.
HRMS: 実測値1175.6623 [M+H+].
N1,N19-ビス((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)-3,7,13,17-テトラオキサノナデカンジアミド(126)
化合物126を、一般的方法Fに従って、化合物7(20mg、0.0428mmol)及び化合物112(6.8mg、0.0204mmol)から出発して調製した。6.6mgを白色固体として得た(収率:28%)。
1H-NMR (500 MHz, MeOD) δ: 8.76 (s, 2H), 7.37 - 7.30 (m, 8H), 4.60 (d, J=9.4 Hz, 2H), 4.50 - 4.24 (m, 8H), 3.87 (d, J=6.5 Hz, 4H), 3.77 (d, J=11.2 Hz, 2H), 3.70 (dd, J=3.8, 11.5 Hz, 2H), 3.55 - 3.49 (m, 4H), 3.43 (dt, J=1.2, 6.2 Hz, 4H), 3.33 - 3.29 (m, 4H), 2.37 (s, 6H), 2.16 - 2.10 (m, 2H), 2.03 - 1.96 (m, 2H), 1.80 - 1.74 (m, 4H), 1.47 - 1.40 (m, 4H), 1.30 - 1.23 (m, 2H), 0.93 (s, 18H).
13C-NMR (101 MHz, MeOD) δ: 174.3, 171.8, 171.6, 152.8, 149.0, 140.2, 133.4, 131.5, 130.5, 130.3, 129.5, 128.9, 71.9, 71.0, 70.8, 69.8, 68.3, 60.8, 58.1, 57.9, 43.7, 38.9, 37.2, 30.9, 30.5, 26.9, 23.9, 15.8.
HRMS: 実測値1161.6446 [M+H+].
N1,N21-ビス((S)-1-((2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)-3,6,10,15,19-ペンタオキサヘンイコサンジアミド(128)
化合物128を、一般的方法Fに従って、化合物7(20mg、0.0428mmol)及び化合物123(7.5mg、0.02038mmol)から出発して調製した。6.5mgを白色固体として得た(収率:27%)。
1H-NMR (500 MHz, MeOD) δ: 9.00 (d, J=1.1 Hz, 2H), 7.45 (dd, J=8.4, 23.1 Hz, 8H), 4.71 - 4.68 (m, 2H), 4.55 (tt, J=12.4, 11.9 Hz, 6H), 4.36 (d, J=15.5 Hz, 2H), 4.03 (d, J=3.6 Hz, 2H), 3.97 (d, J=5.9 Hz, 2H), 3.89 - 3.78 (m, 4H), 3.71 - 3.68 (m, 2H), 3.64 - 3.36 (m, 14H), 2.49 (s, 6H), 2.26 - 2.19 (m, 2H), 2.13 - 2.06 (m, 2H), 1.90 - 1.84 (m, 2H), 1.85 - 1.79 (m, 2H), 1.61 - 1.55 (m, 4H), 1.04 (d, J=3.4 Hz, 18H).
13C-NMR (101 MHz, MeOD) δ: 174.4, 174.3, 172.1, 171.9, 171.8, 171.7, 153.3, 140.6, 131.1, 130.4, 129.0, 72.3, 71.8, 71.2, 71.1, 70.9, 69.9, 69.4, 68.7, 68.4, 60.8, 58.2, 58.1, 58.0, 43.7, 38.9, 37.2, 37.1, 31.1, 31.0, 27.5, 27.0, 15.4. HRMS: 実測値1191.6137 [M+H+].
(S)-1-((2R,3R,4S)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-アミニウムクロリド(129)
化合物129を、特許WO2018/051107A1に従って調製した。分析データは、既報告のデータと一致した。
N1,N20-ビス((S)-1-((2R,3R,4S)-3-フルオロ-4-ヒドロキシ-2-((4-(4-メチルチアゾール-5-イル)ベンジル)カルバモイル)ピロリジン-1-イル)-3,3-ジメチル-1-オキソブタン-2-イル)-3,6,9,12,15,18-ヘキサオキサイコサンジアミド(130)
一般的方法Fに従って、化合物129(16.9mg、0.0348mmol)及び3,6,9,12,15,18-ヘキサオキサイコサン二酸(6.17mg、0.0174mmol)から出発して調製した。7.5mg(35%収率)を白色固体として得た。
1H-NMR (400 MHz, MeOD) δ: 8.89 (s, 2), 7.46 (d, J=8.7 Hz, 8H), 4.99 (td, J=3.3, 52.9 Hz, 2H), 4.69 (s, 2H), 4.65 (dd, J=2.9, 21.3 Hz, 2H), 4.60 - 4.34 (m, 6H), 4.08 - 4.03 (m, 6H), 3.77 - 3.59 (m, 22H), 2.49 (s, 6H), 1.06 (s, 18H).
19F-NMR (376.45 MHz, MeOD): -201.87 ,13C-NMR (101 MHz, MeOD) δ: 170.9, 170.5, 169.2, 169.1, 151.5, 147.7, 138.6, 130.2, 129.0, 127.5, 94.0, 92.1, 70.9, 70.2, 70.1, 70.1, 69.6, 69.5, 64.4, 64.1, 56.1, 50.9, 42.4, 35.3, 25.5, 14.4. HRMS: 実測値1215.5214 [M+H+].
略語
BAIB、ビス-アセトキシヨードベンゼン;
CID、二量体形成の化学的誘発剤;
CRL、クリンRINGリガーゼ;
DC50、半分解濃度;
DCM、ジクロロメタン;
DIPEA、N,N-ジイソプロピエチルアミン;
DMF、ジメチルホルムアミド;
DMSO、ジメチルスルホキシド;
HATU、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3イトリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート;
Hdy-HIF-1α、ヒドロキシル化形態のHIF-1α;
HIF-1α、低酸素誘導因子アルファ;
Hyp、ヒドロキシプロリン;
HOAT、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール;
IAPS、アポトーシスタンパク質の阻害剤;
ITC、等温滴定熱量測定;
LHS、左側;
PEG、ポリエチレングリコール;
PHD、プロリルヒドロキシラーゼドメイン含有タンパク質;
PPI、タンパク質-タンパク質相互作用;
PROTACS、標的タンパク質分解誘導キメラタンパク質;
RHS、右側;
SEC、サイズ排除クロマトグラフィー;
TEMPO、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)オキシル又は(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)オキシダニル;
TFA、トリフルオロ酢酸;
VHL、フォンヒッペル-リンダウ;
HRE、低酸素応答要素。
[参考文献]

Claims (21)

  1. 構造:
    A-L-B
    [式中、
    A及びBは、独立して、式1A又は1B:
    のE3ユビキチンリガーゼタンパク質結合リガンド化合物であり、
    Lは、R1若しくはR2において式1Aの化合物と直接結合し、且つ/又はR3若しくはR4において式1Bの化合物と直接結合する連結基であり、Lは、-R5-[O(CH2)m]n-R6-(式中、m及びnは、独立して0〜10であり、R5及びR6は、共有結合、C1〜C10アルキレン、-OR7-、C1〜C10ポリエーテル、又は-O-の群から独立して選択される)であり;
    R1は、(1)LがR1において式1Aの化合物と結合している場合は、共有結合若しくはC1〜C5アルキレンの群、又は(2)LがR2において式1Aの化合物と結合している場合は、H、NH2、C1〜C5アルキル、若しくはC(CN)C2H4の群のいずれかから選択され、
    R2、R3、及びR4は、共有結合、H、NH2、C1〜C5アルキル、C(CN)C2H4の群から独立して選択され;
    X及びYは、H、OH又はハロゲンの群から独立して選択され;
    R7は、C1〜C5アルキレンである]
    を有する化合物、又は薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、若しくは多形体である、化合物。
  2. Xが、H又はハロゲンである、請求項1に記載の化合物。
  3. YがOHである、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. A又はBのいずれかが、式1Aによる化合物であり、Aが、式1C:
    を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. Aが、式1Aの化合物であり、Bが、式1Aの化合物である、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. Lが、式1AのR1を介してAに連結している、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
  7. Lが、式1AのR1を介してBに連結している、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物。
  8. R5が化学結合であり、R6が化学結合であり、mが2であり、nが3、4又は5である、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物。
  9. nが5である、請求項8に記載の化合物。
  10. 式2、式3又は式4:
    [式中、R2a、R2b及びR2cは、H、NH2、C1〜C5アルキル、及びC(CN)C2H4から独立して選択され;
    R1a、R1b及びR1cは、H、NH2、C1〜C5アルキル、及びC(CN)C2H4から独立して選択され;
    X1及びX2は、H、OH、ハロゲンから独立して選択され;
    Y1及びY2は、H、OH、ハロゲンから独立して選択され;且つ
    m及びnは、独立して0〜10である]
    を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
  11. nが3〜5である、請求項10に記載の化合物。
  12. mが1〜4である、請求項10又は11に記載の化合物。
  13. リンカーLが、12〜20原子の長さの直鎖である、請求項1から12のいずれか一項に記載の化合物。
  14. リンカー鎖が、炭素及び/又は酸素原子を含む、請求項13に記載の化合物。
  15. 前記リンカー鎖が、アルキレン基及び/又はエーテル基及び/又はポリエーテル基を含む、請求項14に記載の化合物。
  16. 以下の群:
    から選択される化合物。
  17. 化合物(5)である、請求項16に記載の化合物。
  18. 請求項1から17のいずれか一項に記載の1種又は複数の化合物及び薬学的に許容されるそれらのためのビヒクル又は希釈剤を含む医薬組成物。
  19. 慢性腎疾患に起因する貧血、がん化学療法に起因する貧血、虚血、虚血性再灌流傷害、心筋梗塞、脳卒中、急性肺傷害、小腸炎症、創傷治癒及び移植後合併症、ミトコンドリア呼吸鎖障害並びにT-細胞応答を増強させることにより治療可能な腫瘍学的状態の少なくとも1つの治療のための、請求項1から17のいずれか一項に記載の化合物又は請求項18に記載の医薬組成物の使用方法。
  20. 対象における標的タンパク質の活性を調節する方法であって、請求項1から17のいずれか一項に記載の化合物又は請求項18に記載の医薬組成物の治療有効量を前記対象に投与する工程を含む、方法。
  21. 前記標的タンパク質が、E3ユビキチンリガーゼタンパク質である、請求項20に記載の方法。
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PROCEEDINGS OF THE NATIONAL ACADEMY OF SCIENCES OF THE UNITED STATES OF AMERICA, vol. 113, no. 26, JPN6021049894, 2016, pages 7124 - 7129, ISSN: 0004665430 *

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