様々な図面中の同様の参照番号および名称は同様の要素を示す。図中に示されている様々な例示的な実施形態は単に例示するだけの図であり、必ずしも縮尺通りでないことも理解されるであろう。
フォトディテクタは、光信号を検出し、この光信号を別の回路によってさらに処理され得る電気信号に変換するために使用されるものとしてよい。飛行時間型(TOF)アプリケーションでは、3次元物体の深さ情報は、透過した光パルスと検出された光パルスとの間の位相差を使用して決定され得る。たとえば、3次元物体の3次元画像を再構成するためにピクセルの2次元配列が使用されるものとしてよく、各ピクセルは、3次元物体の位相情報を導出するための1つまたは複数のフォトディテクタを含み得る。いくつかの実装形態において、飛行時間型アプリケーションは、近赤外線(NIR)範囲内の波長を有する光源を使用する。たとえば、発光ダイオード(LED)は、850nm、940nm、1050nm、または1.3μmから1.6μmの波長を有し得る。いくつかのフォトディテクタはシリコンを吸収材料として使用し得るが、シリコンはNIR波長に対して非効率な吸収材料である。特に、光キャリアは、シリコン基板内で深く(たとえば、深さ10μmを超える)生成されるものとしてよく、それらの光キャリアは、フォトディテクタ接合部にゆっくりとドリフトおよび/または拡散するものとしてよく、その結果、動作速度が下がる。さらに、小さな電圧振幅は、典型的には、消費電力を最小にするようにフォトディテクタの動作を制御するために使用される。大きな吸収領域(たとえば、直径10μm)では、小さな電圧振幅は、大きな吸収領域にわたって小さい横/垂直場のみを形成し、これは吸収領域にわたって掃引される光キャリアのドリフト速度に影響を及ぼす。したがって、動作速度はさらに制限される。NIR波長を使用するTOFアプリケーションについては、革新的設計構造を有する、および/またはゲルマニウム−シリコン(GeSi)を吸収材料として使用するスイッチトフォトディテクタは、上で説明されている技術的問題を解決する。この出願では、「フォトディテクタ」という用語は、「光センサ」という用語と交換可能に使用され得る。本出願において、「ゲルマニウム−シリコン(GeSi)」という用語は、1%のゲルマニウム(Ge)、すなわち、99%のシリコン(Si)から99%のGe、すなわち1%のSiまでの範囲内の合金組成を有するGeSi合金を指す。本出願において、GeSi材料は、ブランケットエピタキシー、選択的エピタキシー、または他の該当する技術を使用して成長させられ得る。さらに、GeSi材料を含む吸収層は、絶縁体(たとえば、酸化物、亜硝酸)、半導体(たとえば、Si、Ge)、またはこれらの組合せによって少なくとも部分的に囲まれる平面状表面、メサトップ表面、または溝底表面上に形成され得る。さらに、ひずみ超格子構造、または吸収層に対して2つまたはそれ以上の異なる合金組成物を含むGeSi層などの交換層を備える多重量子井戸構造が使用され得る。さらに、Si層、またはGe濃度が低い(たとえば、<10%)GeSi層は、Ge濃度の高い(たとえば、>50%)GeSi層の表面を不動態化するために使用されてよく、これはGe濃度の高いGeSi層の表面における暗電流またはリーク電流を低減し得る。
図1Aは、光信号を電気信号に変換するための例示的なスイッチトフォトディテクタ100である。スイッチトフォトディテクタ100は、基板102上に加工された吸収層106を備える。基板102は、その上に半導体デバイスが加工され得る任意の好適な基板であるものとしてよい。たとえば、基板102は、シリコン基板であってもよい。吸収層106は、第1のスイッチ108と第2のスイッチ110とを備える。
一般に、吸収層106は光信号112を受け取り、光信号112を電気信号に変換する。吸収層106は、真性、p型、またはn型であってよい。いくつかの実装形態において、吸収層106は、p型GeSi材料から形成され得る。吸収層106は、所望の波長範囲において高い吸収係数を有するように選択される。NIR波長については、吸収層106はGeSiメサであってよく、GeSiは光信号112の中の光子を吸収し、電子正孔対を生成する。GeSiメサ中のゲルマニウムとシリコンの材料組成は、特定のプロセスまたはアプリケーションに関して選択されるものとしてよい。いくつかの実装形態において、吸収層106は、厚さtを有するように設計される。たとえば、850nmまたは940nmの波長について、GeSiメサの厚さは、実質的な量子効率を有するように約1μmであってよい。いくつかの実装形態において、吸収層106の表面は、特定の形状を有するように設計される。たとえば、GeSiメサは、GeSiメサの表面上の光信号112の空間プロファイルに応じて円形、正方形、または矩形であるものとしてよい。いくつかの実装形態において、吸収層106は、光信号112を受け取るために横方向寸法dを有するように設計される。たとえば、GeSiメサは、円形または矩形の形状を有するものとしてよく、dは1μmから50μmの範囲内であってよい。
第1のスイッチ108および第2のスイッチ110は、吸収層106内に加工されている。第1のスイッチ108は、第1の制御信号122および第1の読み出し回路124に結合される。第2のスイッチ110は、第2の制御信号132および第2の読み出し回路134に結合される。一般に、第1の制御信号122および第2の制御信号132は、吸収された光子が発生する電子または正孔が第1の読み出し回路124によって収集されるかまたは第2の読み出し回路134によって収集されるかを制御する。
いくつかの実装形態において、第1のスイッチ108および第2のスイッチ110は、電子を収集するように加工され得る。この場合、第1のスイッチ108は、p型ドープ領域128とn型ドープ領域126とを備える。たとえば、p型ドープ領域128はp+型ドーピングを有していてもよく、活性ドーパント濃度は、加工プロセスが達成し得るような高さであってよく、たとえば、ピーク濃度は、吸収層106がゲルマニウムであり、ホウ素をドープしたときに約5×1020cm−3であり得る。いくつかの実装形態において、接触抵抗は増大するが、加工複雑度を緩和するために、p型ドープ領域128のドーピング濃度は、5×1020cm−3より低くてもよい。n型ドープ領域126はn+型ドーピングを有していてもよく、活性ドーパント濃度は、加工プロセスが達成し得るような高さであってよく、たとえば、ピーク濃度は、吸収層106がゲルマニウムであり、リンをドープしたときに約1×1020cm−3であり得る。いくつかの実装形態において、接触抵抗は増大するが、加工複雑度を緩和するために、n型ドープ領域126のドーピング濃度は1×1020cm−3より低くてもよい。p型ドープ領域128とn型ドープ領域126との間の距離は、加工プロセス設計ルールに基づき設計されるものとしてよい。一般に、p型ドープ領域128とn型ドープ領域126との間の距離が近ければ近いほど、生成される光キャリアのスイッチング効率も高くなる。しかしながら、p型ドープ領域128とn型ドープ領域126との間の距離を小さくすると、p型ドープ領域128とn型ドープ領域126との間に形成されるPN接合部に関連する暗電流が増大し得る。そのようなものとして、距離は、スイッチトフォトディテクタ100の性能要求条件に基づき設定されるものとしてよい。第2のスイッチ110は、p型ドープ領域138とn型ドープ領域136とを備える。p型ドープ領域138はp型ドープ領域128に類似しており、n型ドープ領域136はn型ドープ領域126に類似している。
いくつかの実装形態において、p型ドープ領域128は、第1の制御信号122に結合される。たとえば、p型ドープ領域128は電圧源に結合されてもよく、第1の制御信号122は電圧源からのAC電圧信号であってよい。いくつかの実装形態において、n型ドープ領域126は、読み出し回路124に結合される。読み出し回路124は、リセットゲート、ソースフォロワ、および選択ゲート、4個もしくはそれ以上のトランジスタを含む回路、または電荷を処理するのに適している任意の回路からなる3トランジスタ構成であってよい。いくつかの実装形態において、読み出し回路124は基板102上に加工され得る。他のいくつかの実装形態において、読み出し回路124は、別の基板上に加工され、ダイ/ウェハボンディングまたはスタッキングを介してスイッチトフォトディテクタ100と一体化され/同一パッケージに収められ得る。
p型ドープ領域138は、第2の制御信号132に結合される。たとえば、p型ドープ領域138は電圧源に結合されてもよく、第2の制御信号132は第1の制御信号122とは反対の位相を有するAC電圧信号であってよい。いくつかの実装形態において、n型ドープ領域136は、読み出し回路134に結合される。読み出し回路134は、読み出し回路124に類似しているものとしてよい。
第1の制御信号122および第2の制御信号132は、吸収された光子によって発生する電子の収集を制御するために使用される。たとえば、電圧が使用されるときに、第1の制御信号122が第2の制御信号132に対してバイアスされる場合、p型ドープ領域128とp型ドープ領域138との間に電界が発生し、自由電子は、電界の方向に応じてp型ドープ領域128またはp型ドープ領域138の方へドリフトする。いくつかの実装形態において、第1の制御信号122は、電圧値Viに固定されるものとしてよく、第2の制御信号132は、電圧値Vi±ΔVを交互に取り得る。バイアス値の方向は、電子のドリフト方向を決定する。したがって、一方のスイッチ(たとえば、第1のスイッチ108)が「オン」にされる(すなわち、電子がp型ドープ領域128の方へドリフトする)ときに、他方のスイッチ(たとえば、第2のスイッチ110)は「オフ」にされる(すなわち、電子はp型ドープ領域138に入らないよう阻止される)。いくつかの実装形態において、第1の制御信号122および第2の制御信号132は、互いに差動となる電圧であり得る。
一般に、p型ドープ領域のフェルミ準位とn型ドープ領域のフェルミ準位との間の差(平衡状態になる前)は、2つの領域の間に電界を発生する。第1のスイッチ108において、p型ドープ領域128とn型ドープ領域126との間に電界が発生する。同様に、第2のスイッチ110において、p型ドープ領域138とn型ドープ領域136との間に電界が発生する。第1のスイッチ108が「オン」にされ、第2のスイッチ110が「オフ」にされるときに、電子はp型ドープ領域128の方へドリフトし、p型ドープ領域128とn型ドープ領域126との間の電界は、電子をn型ドープ領域126にさらに運ぶ。次いで、読み出し回路124は、n型ドープ領域126によって収集された電荷を処理するように有効化され得る。他方において、第2のスイッチ110が「オン」にされ、第1のスイッチ108が「オフ」にされるときに、電子はp型ドープ領域138の方へドリフトし、p型ドープ領域138とn型ドープ領域136との間の電界は、電子をn型ドープ領域136にさらに運ぶ。次いで、読み出し回路134は、n型ドープ領域136によって収集された電荷を処理するように有効化され得る。
いくつかの実装形態において、スイッチのp型ドープ領域とn型ドープ領域との間に電圧を印加することで、スイッチをアバランシェレジームで動作させスイッチトフォトディテクタ100の感度を増大させ得る。たとえば、吸収層106がGeSiを含む場合、p型ドープ領域128とn型ドープ領域126との間の距離が約100nmのときに、7V未満の電圧を印加してp型ドープ領域128とn型ドープ領域126との間にアバランシェゲインを生成することが可能である。
いくつかの実装形態において、基板102は、外部制御装置116に結合され得る。たとえば、基板102は、グランド、またはn型ドープ領域126および136における電圧より低いプリセットされた電圧に結合され得る。いくつかの他の実装形態において、基板102は、フロート状態であり、外部制御装置に結合されていなくてもよい。
図1Bは、光信号を電気信号に変換するための例示的なスイッチトフォトディテクタ160の図である。スイッチトフォトディテクタ160は、図1Aのスイッチトフォトディテクタ100に類似しているが、第1のスイッチ108および第2のスイッチ110は、それぞれ、n型井戸領域152とn型井戸領域154とをさらに備える。それに加えて、吸収層106は、p型ドープ領域であってよい。いくつかの実装形態において、n型井戸領域152および154のドーピングレベルは、1015cm−3から1017cm−3の範囲内であってよい。吸収層106のドーピングレベルは、1014cm−3から1016cm−3の範囲内であってよい。
p型ドープ領域128、n型井戸領域152、p型ドープ吸収層106、n型井戸領域154、およびp型ドープ領域138の配置構成は、PNPNP接合構造を形成する。一般に、PNPNP接合構造は、第1の制御信号122から第2の制御信号132への、または代替的に第2の制御信号132から第1の制御信号122へのリーク電流を低減する。n型ドープ領域126、p型ドープ吸収層106、およびn型ドープ領域136の配置構成は、NPN接合構造を形成する。一般に、NPN接合構造は、第1の読み出し回路124から第2の読み出し回路134への、または代替的に第2の読み出し回路134から第1の読み出し回路124への電荷結合を低減する。
いくつかの実装形態において、p型ドープ領域128は全体がn型井戸領域152内に形成される。いくつかの他の実装形態において、p型ドープ領域128はn型井戸領域152内に部分的に形成される。たとえば、p型ドープ領域128の一部はn型井戸領域152内にp型ドーパントを埋め込むことによって形成され得るが、p型ドープ領域128の別の部分は吸収層106内にp型ドーパントを埋め込むことによって形成され得る。同様に、いくつかの実装形態において、p型ドープ領域138は全体がn型井戸領域154内に形成される。いくつかの他の実装形態において、p型ドープ領域138はn型井戸領域154内に部分的に形成される。いくつかの実装形態において、n型井戸領域152および154の深さは、p型ドープ領域128および138より浅い。
図1Cは、光信号を電気信号に変換するための例示的なスイッチトフォトディテクタ170の図である。スイッチトフォトディテクタ170は、図1Aのスイッチトフォトディテクタ100に類似しているが、吸収層106は、n型井戸領域156をさらに備える。それに加えて、吸収層106は、p型ドープ領域であってよい。いくつかの実装形態において、n型井戸領域156のドーピングレベルは、1015cm−3から1017cm−3の範囲内であってよい。吸収層106のドーピングレベルは、1014cm−3から1016cm−3の範囲内であってよい。
p型ドープ領域128、n型井戸領域156、およびp型ドープ領域138の配置構成は、PNP接合構造を形成する。一般に、PNP接合構造は、第1の制御信号122から第2の制御信号132への、または代替的に第2の制御信号132から第1の制御信号122へのリーク電流を低減する。n型ドープ領域126、p型ドープ吸収層106、およびn型ドープ領域136の配置構成は、NPN接合構造を形成する。一般に、NPN接合構造は、第1の読み出し回路124から第2の読み出し回路134への、または代替的に第2の読み出し回路134から第1の読み出し回路124への電荷結合を低減する。いくつかの実装形態において、n型井戸領域156の深さが深い場合、n型ドープ領域126、p型ドープ吸収層106、n型井戸領域156、p型ドープ吸収層106、およびn型ドープ領域136の配置構成はNPNPN接合構造を形成し、これは第1の読み出し回路124から第2の読み出し回路134への、または代替的に第2の読み出し回路134から第1の読み出し回路124への電荷結合をさらに低減する。
いくつかの実装形態において、p型ドープ領域128および138は全体がn型井戸領域156内に形成される。いくつかの他の実装形態において、p型ドープ領域128および138はn型井戸領域156内に部分的に形成される。たとえば、p型ドープ領域128の一部はn型井戸領域156内にp型ドーパントを埋め込むことによって形成され得るが、p型ドープ領域128の別の部分は吸収層106内にp型ドーパントを埋め込むことによって形成され得る。いくつかの実装形態において、n型井戸領域156の深さは、p型ドープ領域128および138より浅い。
図1Dは、光信号を電気信号に変換するための例示的なスイッチトフォトディテクタ180の図である。スイッチトフォトディテクタ180は、図1Aのスイッチトフォトディテクタ100に類似しているが、スイッチトフォトディテクタ180は、p型井戸領域104とn型井戸領域142および144とをさらに備える。いくつかの実装形態において、n型井戸領域142および144のドーピングレベルは、1016cm−3から1020cm−3の範囲内であってよい。p型井戸領域104のドーピングレベルは、1016cm−3から1020cm−3の範囲内であってよい。
いくつかの実装形態において、吸収層106は、光信号112内の入射光子を完全には吸収し得ない。たとえば、GeSiメサがNIR光信号112内の入射光子を完全には吸収しない場合、NIR光信号112は、シリコン基板102を貫通するものとしてよく、シリコン基板102は、貫通した光子を吸収し、再結合するのが遅い光キャリアを基板内深くに生成するものとしてよい。これらの遅い光キャリアは、スイッチトフォトディテクタの動作速度に対して負の影響を与える。さらに、シリコン基板102内に生成される光キャリアは隣接するピクセルによって収集されてもよく、ピクセル間に好ましくない信号クロストークを引き起こし得る。さらに、シリコン基板102内に生成される光キャリアは基板102の帯電を引き起こしてもよく、スイッチトフォトダイオードに信頼性問題を引き起こし得る。
遅い光キャリアをさらに取り除くために、スイッチトフォトディテクタ150は、p型井戸領域104とともにn型井戸領域142および144を短絡させる接続部を備え得る。たとえば、接続部は、p型井戸領域104とともにn型井戸領域142および144を接続するシリサイドプロセスまたは溶着金属パッドによって形成され得る。n型井戸領域142および144とp型井戸領域104との間の短絡は、基板102内に生成される光キャリアが短絡ノードのところで再結合されることを可能にし、したがって、スイッチトフォトディテクタの動作速度および/または信頼性を改善する。いくつかの実装形態において、p型井戸領域104は、吸収層106と基板102との間の界面欠陥の周りの電界を不動態化し、および/または最小にし、デバイスの暗電流を低減するために使用される。
図1A〜図1Dには示されていないが、いくつかの実装形態において、光信号は基板102の裏面からスイッチトフォトディテクタに到達し得る。光信号について焦点を合わせる、コリメートする、焦点をぼかす、フィルタ処理する、または他の何らかの処理をするために、1つまたは複数の光コンポーネント(たとえば、マイクロレンズまたは光導波路)が基板102の裏面に加工され得る。
図1A〜図1Dには示されていないが、いくつかの他の実装形態において、第1のスイッチ108および第2のスイッチ110は、代替的に、電子の代わりに正孔を収集するように加工され得る。この場合、p型ドープ領域128およびp型ドープ領域138はn型ドープ領域によって置き換えられ、n型ドープ領域126およびn型ドープ領域136はp型ドープ領域によって置き換えられる。n型井戸領域142、144、152、154、および156は、p型井戸領域によって置き換えられる。p型井戸領域104は、n型井戸領域によって置き換えられる。
図1A〜図1Dには示されていないが、いくつかの実装形態において、吸収層106は、スイッチトフォトディテクタ100、160、170、および180の加工後に基板に接合され得る。基板は、光信号112をスイッチトフォトディテクタに到達するように透過させることを可能にする任意の材料であってよい。たとえば、基板はポリマーまたはガラスであってよい。いくつかの実装形態において、光信号112について焦点を合わせる、コリメートする、焦点をぼかす、フィルタ処理する、または他の何らかの操作を行うために、1つまたは複数の光コンポーネント(たとえば、マイクロレンズまたは光導波路)がキャリア基板上に加工され得る。
図1A〜図1Dには示されていないが、いくつかの実装形態において、スイッチトフォトディテクタ100、160、170、および180は、制御信号を備える回路、および/または読み出し回路、および/またはフェーズロックループ(PLL)、および/またはアナログ/デジタルコンバータ(ADC)を有する第2の基板に接合され得る(たとえば、金属間接合、酸化膜接合、ハイブリッド接合)。金属層は、基板102の裏面から入射する光信号を反射する反射体として使用され得るスイッチトフォトディテクタの上に堆積され得る。そのような鏡のような金属層を加えることで、吸収層106の吸収効率(量子効率)を高め得る。たとえば、1.0μmから1.6μmの間のより長いNIR波長で動作するフォトディテクタの吸収効率は、反射金属層を加えることによって著しく改善され得る。反射率を高めるために金属層と吸収層との間に酸化物層が含まれてよい。金属層は、ウェハボンディングプロセスのための接合層として使用されてもよい。いくつかの実装形態において、108および110に類似する1つまたは複数のスイッチは、制御信号/読み出し回路をインターフェースするように加えられ得る。
図1A〜図1Dには示されていないが、いくつかの実装形態において、吸収層106は基板102内に部分的にまたは完全に埋め込まれ/嵌め込まれ、これにより表面凹凸を緩和し、したがって加工プロセスを容易にし得る。実施形態の技術の一例は、参照により全体が本明細書に組み込まれている、米国特許公開第US20170040362A1号、名称「Germanium−Silicon Light Sensing Apparatus」において説明されている。
図2Aは、光信号を電気信号に変換するための例示的なスイッチトフォトディテクタ200の図であり、第1のスイッチ208および第2のスイッチ210は、基板202上に加工される。スイッチトフォトディテクタ200は、基板202上に加工された吸収層206を備える。基板202は、その上に半導体デバイスが加工され得る任意の好適な基板であるものとしてよい。たとえば、基板202は、シリコン基板であってもよい。
一般に、吸収層206は光信号212を受け取り、光信号212を電気信号に変換する。吸収層206は、吸収層106に類似している。吸収層206は、真性、p型、またはn型であってよい。いくつかの実装形態において、吸収層206は、p型GeSi材料から形成され得る。いくつかの実装形態において、吸収層206は、p型ドープ領域209を含み得る。p型ドープ領域209は、吸収層206から基板202へ光−電子を反発させ、それによって動作速度を増大させ得る。たとえば、p型ドープ領域209はp+型ドーピングを有していてもよく、ドーパント濃度は、加工プロセスが達成し得るような高さであり、たとえば、ピーク濃度は、吸収層206がゲルマニウムであり、ホウ素をドープしたときに約5×1020cm−3であり得る。いくつかの実装形態において、接触抵抗は増大するが、加工複雑度を緩和するために、p型ドープ領域209のドーピング濃度は、5×1020cm−3より低くてもよい。いくつかの実装形態において、p型ドープ領域209は傾斜p型ドープ領域であってよい。
第1のスイッチ208および第2のスイッチ210は、基板202内に加工されている。第1のスイッチ208は、第1の制御信号222および第1の読み出し回路224に結合される。第2のスイッチ210は、第2の制御信号232および第2の読み出し回路234に結合される。一般に、第1の制御信号222および第2の制御信号232は、吸収された光子が発生する電子または正孔が第1の読み出し回路224によって収集されるかまたは第2の読み出し回路234によって収集されるかを制御する。第1の制御信号222は、第1の制御信号122に類似している。第2の制御信号232は、第2の制御信号132に類似している。第1の読み出し回路224は、第1の読み出し回路124に類似している。第2の読み出し回路234は、第2の読み出し回路134に類似している。
いくつかの実装形態において、第1のスイッチ208および第2のスイッチ210は、吸収層206によって生成される電子を収集するように加工され得る。この場合、第1のスイッチ208は、p型ドープ領域228とn型ドープ領域226とを備える。たとえば、p型ドープ領域228はp+型ドーピングを有していてもよく、活性ドーパント濃度は、加工プロセスが達成し得るような高さであってよく、たとえば、ピーク濃度は、基板202がシリコンであり、ホウ素をドープしたときに約2×1020cm−3であり得る。いくつかの実装形態において、接触抵抗は増大するが、加工複雑度を緩和するために、p型ドープ領域228のドーピング濃度は、2×1020cm−3より低くてもよい。n型ドープ領域226はn+型ドーピングを有していてもよく、活性ドーパント濃度は、加工プロセスが達成し得るような高さであってよく、たとえば、ピーク濃度は、基板202がシリコンであり、リンをドープしたときに約5×1020cm−3であり得る。いくつかの実装形態において、接触抵抗は増大するが、加工複雑度を緩和するために、n型ドープ領域226のドーピング濃度は、5×1020cm−3より低くてもよい。p型ドープ領域228とn型ドープ領域226との間の距離は、加工プロセス設計ルールに基づき設計されるものとしてよい。一般に、p型ドープ領域228とn型ドープ領域226との間の距離が近ければ近いほど、生成される光キャリアのスイッチング効率も高くなる。第2のスイッチ210は、p型ドープ領域238とn型ドープ領域236とを備える。p型ドープ領域238はp型ドープ領域228に類似しており、n型ドープ領域236はn型ドープ領域226に類似している。
いくつかの実装形態において、p型ドープ領域228は、第1の制御信号222に結合される。n型ドープ領域226は、読み出し回路224に結合される。p型ドープ領域238は、第2の制御信号232に結合される。n型ドープ領域236は、読み出し回路234に結合される。第1の制御信号222および第2の制御信号232は、吸収された光子によって発生する電子の収集を制御するために使用される。たとえば、吸収層206が光信号212内の光子を吸収すると、電子正孔対が生成され、基板202内にドリフトまたは拡散する。電圧が使用されるときに、第1の制御信号222が第2の制御信号232に対してバイアスされる場合、p型ドープ領域228とp型ドープ領域238との間に電界が発生し、吸収層206からの自由電子は、電界の方向に応じてp型ドープ領域228またはp型ドープ領域238の方へドリフトする。いくつかの実装形態において、第1の制御信号222は、電圧値Viに固定されるものとしてよく、第2の制御信号232は、電圧値Vi±ΔVを交互に取り得る。バイアス値の方向は、電子のドリフト方向を決定する。したがって、一方のスイッチ(たとえば、第1のスイッチ208)が「オン」にされる(すなわち、電子がp型ドープ領域228の方へドリフトする)ときに、他方のスイッチ(たとえば、第2のスイッチ210)は「オフ」にされる(すなわち、電子はp型ドープ領域238に入らないよう阻止される)。いくつかの実装形態において、第1の制御信号222および第2の制御信号232は、互いに差動となる電圧であり得る。
第1のスイッチ208において、p型ドープ領域228とn型ドープ領域226との間に電界が発生する。同様に、第2のスイッチ210において、p型ドープ領域238とn型ドープ領域236との間に電界が発生する。第1のスイッチ208が「オン」にされ、第2のスイッチ210が「オフ」にされるときに、電子はp型ドープ領域228の方へドリフトし、p型ドープ領域228とn型ドープ領域226との間の電界は、電子をn型ドープ領域226にさらに運ぶ。次いで、読み出し回路224は、n型ドープ領域226によって収集された電荷を処理するように有効化され得る。他方において、第2のスイッチ210が「オン」にされ、第1のスイッチ208が「オフ」にされるときに、電子はp型ドープ領域238の方へドリフトし、p型ドープ領域238とn型ドープ領域236との間の電界は、電子をn型ドープ領域236にさらに運ぶ。次いで、読み出し回路234は、n型ドープ領域236によって収集された電荷を処理するように有効化され得る。
いくつかの実装形態において、スイッチのp型ドープ領域とn型ドープ領域との間に電圧を印加することで、スイッチをアバランシェレジームで動作させスイッチトフォトディテクタ200の感度を増大させ得る。たとえば、基板202がGeSiを含む場合、p型ドープ領域228とn型ドープ領域226との間の距離が約100nmのときに、7V未満の電圧を印加してp型ドープ領域228とn型ドープ領域226との間にアバランシェゲインを生成することが可能である。
いくつかの実装形態において、p型ドープ領域209は、外部制御装置214に結合され得る。たとえば、p型ドープ領域209はグランドに結合されてもよい。いくつかの他の実装形態において、p型ドープ領域209は、フロート状態であり、外部制御装置に結合されていなくてもよい。いくつかの実装形態において、基板202は、外部制御装置216に結合され得る。たとえば、基板202は、グランド、またはn型ドープ領域226および236における電圧より低いプリセットされた電圧に結合され得る。いくつかの他の実装形態において、基板202は、フロート状態であり、外部制御装置に結合されていなくてもよい。
図2Bは、光信号を電気信号に変換するための例示的なスイッチトフォトディテクタ250の図である。スイッチトフォトディテクタ250は、図2Aのスイッチトフォトディテクタ200に類似しているが、第1のスイッチ208および第2のスイッチ210は、それぞれ、n型井戸領域252とn型井戸領域254とをさらに備える。それに加えて、吸収層206は、p型ドープ領域であってよく、基板202はp型ドープ基板であってもよい。いくつかの実装形態において、n型井戸領域252および254のドーピングレベルは、1015cm−3から1017cm−3の範囲内であってよい。吸収層206および基板202のドーピングレベルは、1014cm−3から1016cm−3の範囲内であってよい。
p型ドープ領域228、n型井戸領域252、p型ドープ基板202、n型井戸領域254、およびp型ドープ領域238の配置構成は、PNPNP接合構造を形成する。一般に、PNPNP接合構造は、第1の制御信号222から第2の制御信号232への、または代替的に第2の制御信号232から第1の制御信号222へのリーク電流を低減する。n型ドープ領域226、p型ドープ基板202、およびn型ドープ領域236の配置構成は、NPN接合構造を形成する。一般に、NPN接合構造は、第1の読み出し回路224から第2の読み出し回路234への、または代替的に第2の読み出し回路234から第1の読み出し回路224への電荷結合を低減する。
いくつかの実装形態において、p型ドープ領域228は全体がn型井戸領域252内に形成される。いくつかの他の実装形態において、p型ドープ領域228はn型井戸領域252内に部分的に形成される。たとえば、p型ドープ領域228の一部はn型井戸領域252内にp型ドーパントを埋め込むことによって形成され得るが、p型ドープ領域228の別の部分は基板202内にp型ドーパントを埋め込むことによって形成され得る。同様に、いくつかの実装形態において、p型ドープ領域238は全体がn型井戸領域254内に形成される。いくつかの他の実装形態において、p型ドープ領域238はn型井戸領域254内に部分的に形成される。いくつかの実装形態において、n型井戸領域252および254の深さは、p型ドープ領域228および238より浅い。
図2Cは、光信号を電気信号に変換するための例示的なスイッチトフォトディテクタ260の図である。スイッチトフォトディテクタ260は、図2Aのスイッチトフォトディテクタ200に類似しているが、基板202は、n型井戸領域244をさらに備える。それに加えて、吸収層206は、p型ドープ領域であってよく、基板202はp型ドープ基板であってもよい。いくつかの実装形態において、n型井戸領域244のドーピングレベルは、1015cm−3から1017cm−3の範囲内であってよい。吸収層206および基板202のドーピングレベルは、1014cm−3から1016cm−3の範囲内であってよい。
p型ドープ領域228、n型井戸領域244、およびp型ドープ領域238の配置構成は、PNP接合構造を形成する。一般に、PNP接合構造は、第1の制御信号222から第2の制御信号232への、または代替的に第2の制御信号232から第1の制御信号222へのリーク電流を低減する。n型ドープ領域226、p型ドープ基板202、およびn型ドープ領域236の配置構成は、NPN接合構造を形成する。一般に、NPN接合構造は、第1の読み出し回路224から第2の読み出し回路234への、または代替的に第2の読み出し回路234から第1の読み出し回路224への電荷結合を低減する。いくつかの実装形態において、n型井戸領域244の深さが深い場合、n型ドープ領域226、p型ドープ基板202、n型井戸領域244、p型ドープ基板202、およびn型ドープ領域236の配置構成はNPNPN接合構造を形成し、これは第1の読み出し回路224から第2の読み出し回路234への、または代替的に第2の読み出し回路234から第1の読み出し回路224への電荷結合をさらに低減する。いくつかの実装形態において、n型井戸領域244も、吸収層206から基板202に流れる電子によって感知されるポテンシャルエネルギー障壁を効果的に低減する。
いくつかの実装形態において、p型ドープ領域228および238は全体がn型井戸領域244内に形成される。いくつかの他の実装形態において、p型ドープ領域228および238はn型井戸領域244内に部分的に形成される。たとえば、p型ドープ領域228の一部はn型井戸領域244内にp型ドーパントを埋め込むことによって形成され得るが、p型ドープ領域228の別の部分は基板202内にp型ドーパントを埋め込むことによって形成され得る。いくつかの実装形態において、n型井戸領域244の深さは、p型ドープ領域228および238より浅い。
図2Dは、光信号を電気信号に変換するための例示的なスイッチトフォトディテクタ270の図である。スイッチトフォトディテクタ270は、図2Aのスイッチトフォトディテクタ200に類似しているが、スイッチトフォトディテクタ270は、1つまたは複数のp型井戸領域246と1つまたは複数のp型井戸領域248とをさらに備える。いくつかの実装形態において、1つまたは複数のp型井戸領域246および1つまたは複数のp型井戸領域248は、第1のスイッチ208と第2のスイッチ210とを囲むリング構造の一部であってよい。いくつかの実装形態において、1つまたは複数のp型井戸領域246および248のドーピングレベルは、1015cm−3から1020cm−3の範囲内であってよい。1つまたは複数のp型井戸領域246および248は、隣接するピクセルから光−電子の分離として使用され得る。
図2A〜図2Dには示されていないが、いくつかの実装形態において、光信号は基板202の裏面からスイッチトフォトディテクタに到達し得る。光信号について焦点を合わせる、コリメートする、焦点をぼかす、フィルタ処理する、または他の何らかの操作を行うために、1つまたは複数の光コンポーネント(たとえば、マイクロレンズまたは光導波路)が基板202の裏面に加工され得る。
図2A〜図2Dには示されていないが、いくつかの他の実装形態において、第1のスイッチ208および第2のスイッチ210は、代替的に、電子の代わりに正孔を収集するように加工され得る。この場合、p型ドープ領域228、p型ドープ領域238、およびp型ドープ領域209はn型ドープ領域によって置き換えられ、n型ドープ領域226およびn型ドープ領域236はp型ドープ領域によって置き換えられる。n型井戸領域252、254、および244は、p型井戸領域によって置き換えられる。p型井戸領域246および248は、n型井戸領域によって置き換えられる。
図2A〜図2Dには示されていないが、いくつかの実装形態において、吸収層206は、スイッチトフォトディテクタ200、250、260、および270の加工後に基板に接合され得る。キャリア基板は、光信号212をスイッチトフォトディテクタに到達するように透過させることを可能にする任意の材料であってよい。たとえば、基板はポリマーまたはガラスであってよい。いくつかの実装形態において、光信号212について焦点を合わせる、コリメートする、焦点をぼかす、フィルタ処理する、または他の何らかの操作を行うために、1つまたは複数の光コンポーネント(たとえば、マイクロレンズまたは光導波路)がキャリア基板上に加工され得る。
図2A〜図2Dには示されていないが、いくつかの実装形態において、スイッチトフォトディテクタ200、250、260、および270は、制御信号を備える回路、および/または読み出し回路、および/またはフェーズロックループ(PLL)、および/またはアナログ/デジタルコンバータ(ADC)を有する第2の基板に接合され得る(たとえば、金属間接合、酸化膜接合、ハイブリッド接合)。金属層は、基板202の裏面から入射する光信号を反射する反射体として使用され得るスイッチトフォトディテクタの上に堆積され得る。そのような鏡のような金属層を加えることで、吸収層206の吸収効率(量子効率)を高め得る。たとえば、1.0μmから1.6μmの間のより長いNIR波長で動作するフォトディテクタの吸収効率は、反射金属層を加えることによって著しく改善され得る。反射率を高めるために金属層と吸収層との間に酸化物層が含まれてよい。金属層は、ウェハボンディングプロセスのための接合層として使用されてもよい。いくつかの実装形態において、208および210に類似する1つまたは複数のスイッチは、制御信号/読み出し回路をインターフェースするように加えられ得る。
図2A〜図2Dには示されていないが、いくつかの実装形態において、吸収層206は基板202内に部分的にまたは完全に埋め込まれ/嵌め込まれ、これにより表面凹凸を緩和し、したがって加工プロセスを容易にし得る。実施形態の技術の一例は、米国特許公開第US20170040362A1号において説明されている。
図3Aは、光信号を電気信号に変換するための例示的なスイッチトフォトディテクタ300の図であり、第1のスイッチ308aおよび308b、ならびに第2のスイッチ310aおよび310bは、基板302上に垂直配置構成で加工される。スイッチトフォトディテクタ100またはスイッチトフォトディテクタ200の特性の1つは、光学窓のサイズdが大きければ大きいほど、一方のスイッチから他方のスイッチへ電子がドリフトまたは拡散するのに要する光−電子走行時間が長くなることである。したがって、フォトディテクタの動作速度は影響を受けることがある。スイッチトフォトディテクタ300は、スイッチのp型ドープ領域およびn型ドープ領域を垂直配置構成に配置することによって動作速度をさらに改善し得る。この垂直配置構成を使用することで、光電子通過距離は、吸収層の窓サイズd(たとえば、〜10μm)の代わりに吸収層の厚さt(たとえば、〜1μm)によって大部分制限される。スイッチトフォトディテクタ300は、基板302上に加工された吸収層306を備える。基板302は、その上に半導体デバイスが加工され得る任意の好適な基板であるものとしてよい。たとえば、基板302は、シリコン基板であってもよい。
一般に、吸収層306は光信号312を受け取り、光信号312を電気信号に変換する。吸収層306は、吸収層206に類似している。吸収層306は、真性、p型、またはn型であってよい。いくつかの実装形態において、吸収層306は、p型GeSi材料から形成され得る。いくつかの実装形態において、吸収層306は、p型ドープ領域309を含み得る。p型ドープ領域309は、p型ドープ領域209に類似している。
第1のスイッチ308aおよび308b、ならびに第2のスイッチ310aおよび310bは、基板302上に加工されている。特に、図3Aでは2つの第1のスイッチ308aおよび308bならびに2つの第2のスイッチ310aおよび310bしか示していないが、第1のスイッチおよび第2のスイッチの数はこれより多くても少なくてもよい。第1のスイッチ308aおよび308bは、第1の制御信号322および第1の読み出し回路324に結合される。第2のスイッチ310aおよび310bは、第2の制御信号332および第2の読み出し回路334に結合される。
一般に、第1の制御信号322および第2の制御信号332は、吸収された光子が発生する電子または正孔が第1の読み出し回路324によって収集されるかまたは第2の読み出し回路334によって収集されるかを制御する。第1の制御信号322は、第1の制御信号122に類似している。第2の制御信号332は、第2の制御信号132に類似している。第1の読み出し回路324は、第1の読み出し回路124に類似している。第2の読み出し回路334は、第2の読み出し回路134に類似している。いくつかの実装形態において、第1のスイッチ308aおよび308b、ならびに第2のスイッチ310aおよび310bは、吸収層306によって生成される電子を収集するように加工され得る。この場合、第1のスイッチ308aおよび308bは、p型ドープ領域328aおよび328bとn型ドープ領域326aおよび326bとをそれぞれ備える。たとえば、p型ドープ領域328aおよび328bはp+型ドーピングを有していてもよく、活性ドーパント濃度は、加工プロセスが達成し得るような高さであってよく、たとえば、ピーク濃度は、基板302がシリコンであり、ホウ素をドープしたときに約2×1020cm−3であり得る。いくつかの実装形態において、接触抵抗は増大するが、加工複雑度を緩和するために、p型ドープ領域328aおよび328bのドーピング濃度は2×1020cm−3より低くてもよい。n型ドープ領域326aおよび326bはn+型ドーピングを有していてもよく、活性ドーパント濃度は、加工プロセスが達成し得るような高さであってよく、たとえば、ピーク濃度は、基板302がシリコンであり、リンをドープしたときに約5×1020cm−3であり得る。いくつかの実装形態において、接触抵抗は増大するが、加工複雑度を緩和するために、n型ドープ領域326aおよび326bのドーピング濃度は、5×1020cm−3より低くてもよい。p型ドープ領域328aとn型ドープ領域326aとの間の距離は、加工プロセス設計ルールに基づき設計されるものとしてよい。たとえば、p型ドープ領域328aとn型ドープ領域326aとの間の距離は、ドーパントインプラントに関連するエネルギーによって制御され得る。一般に、p型ドープ領域328a/328bとn型ドープ領域326a/326bとの間の距離が近ければ近いほど、生成される光キャリアのスイッチング効率も高くなる。第2のスイッチ310aおよび310bは、p型ドープ領域338aおよび338bとn型ドープ領域336aおよび336bとをそれぞれ備える。p型ドープ領域338a/338bはp型ドープ領域328a/328bに類似しており、n型ドープ領域336a/336bはn型ドープ領域326a/326bに類似している。
いくつかの実装形態において、p型ドープ領域328aおよび328bは、第1の制御信号322に結合される。n型ドープ領域326aおよび326bは、読み出し回路334に結合される。p型ドープ領域338aおよび338bは、第2の制御信号332に結合される。n型ドープ領域336aおよび336bは、読み出し回路334に結合される。第1の制御信号322および第2の制御信号332は、吸収された光子によって発生する電子の収集を制御するために使用される。たとえば、吸収層306が光信号312内の光子を吸収すると、電子正孔対が生成され、基板302内にドリフトまたは拡散する。電圧が使用されるときに、第1の制御信号322が第2の制御信号332に対してバイアスされる場合、p型ドープ領域309とp型ドープ領域328a/328bまたはp型ドープ領域338a/338bとの間に電界が発生し、吸収層306からの自由電子は、電界の方向に応じてp型ドープ領域328a/328bまたはp型ドープ領域338a/338bの方へドリフトする。いくつかの実装形態において、第1の制御信号322は、電圧値Viに固定されるものとしてよく、第2の制御信号332は、電圧値Vi±ΔVを交互に取り得る。バイアス値の方向は、電子のドリフト方向を決定する。したがって、スイッチの一方のグループ(たとえば、第1のスイッチ308aおよび308b)が「オン」にされる(すなわち、電子がp型ドープ領域328aおよび328bの方へドリフトする)ときに、スイッチの他方のグループ(たとえば、第2のスイッチ310aおよび310b)は「オフ」にされる(すなわち、電子はp型ドープ領域338aおよび338bに入らないよう阻止される)。いくつかの実装形態において、第1の制御信号322および第2の制御信号332は、互いに差動となる電圧であり得る。
第1のスイッチ308a/308bの各々において、p型ドープ領域328a/328bとn型ドープ領域326a/326bとの間に電界が発生する。同様に、第2のスイッチ310a/310bの各々において、p型ドープ領域338a/338bとn型ドープ領域336a/336bとの間に電界が発生する。第1のスイッチ308aおよび308bが「オン」にされ、第2のスイッチ310aおよび310bが「オフ」にされるときに、電子はp型ドープ領域328aおよび328bの方へドリフトし、p型ドープ領域328aとn型ドープ領域326aとの間の電界は、電子をn型ドープ領域326aにさらに運ぶ。同様に、p型ドープ領域328bとn型ドープ領域326bとの間の電界は、電子をn型ドープ領域326bにさらに運ぶ。次いで、読み出し回路324は、n型ドープ領域326aおよび326bによって収集された電荷を処理するように有効化され得る。他方において、第2のスイッチ310aおよび310bが「オン」にされ、第1のスイッチ308aおよび308bが「オフ」にされるときに、電子はp型ドープ領域338aおよび338bの方へドリフトし、p型ドープ領域338aとn型ドープ領域336aとの間の電界は、電子をn型ドープ領域336aにさらに運ぶ。同様に、p型ドープ領域338bとn型ドープ領域336bとの間の電界は、電子をn型ドープ領域336bにさらに運ぶ。次いで、読み出し回路334は、n型ドープ領域336aおよび336bによって収集された量の電荷を処理するように有効化され得る。
いくつかの実装形態において、スイッチのp型ドープ領域とn型ドープ領域との間に電圧を印加することで、スイッチをアバランシェレジームで動作させスイッチトフォトディテクタ300の感度を増大させ得る。たとえば、基板302がGeSiを含む場合、p型ドープ領域328aとn型ドープ領域326aとの間の距離が約100nmのときに、7V未満の電圧を印加してp型ドープ領域328aとn型ドープ領域326aとの間にアバランシェゲインを生成することが可能である。
いくつかの実装形態において、p型ドープ領域309は、外部制御装置314に結合され得る。たとえば、p型ドープ領域309はグランドに結合されてもよい。いくつかの実装形態において、p型ドープ領域309は、フロート状態であり、外部制御装置に結合されていなくてもよい。いくつかの実装形態において、基板302は、外部制御装置316に結合され得る。たとえば、基板302は、グランド、またはn型ドープ領域326および336における電圧より低いプリセットされた電圧に結合され得る。いくつかの他の実装形態において、基板302は、フロート状態であり、外部制御装置に結合されていなくてもよい。
図3Bは、光信号を電気信号に変換するための例示的なスイッチトフォトディテクタ360の図である。スイッチトフォトディテクタ360は、図3Aのスイッチトフォトディテクタ300に類似しているが、スイッチトフォトディテクタ360は、n型井戸領域344をさらに備える。それに加えて、吸収層306は、p型ドープ領域であってよく、基板302はp型ドープ基板であってもよい。いくつかの実装形態において、n型井戸領域344のドーピングレベルは、1015cm−3から1017cm−3の範囲内であってよい。吸収層306および基板302のドーピングレベルは、1014cm−3から1016cm−3の範囲内であってよい。
p型ドープ領域328a、n型井戸領域344、およびp型ドープ領域338aの配置構成は、PNP接合構造を形成する。同様に、p型ドープ領域328b、n型井戸領域344、およびp型ドープ領域338bの配置構成は、別のPNP接合構造を形成する。一般に、PNP接合構造は、第1の制御信号322から第2の制御信号332への、または代替的に第2の制御信号332から第1の制御信号322へのリーク電流を低減する。n型ドープ領域326a、p型ドープ基板302、およびn型ドープ領域336aの配置構成は、NPN接合構造を形成する。同様に、n型ドープ領域326b、p型ドープ基板302、およびn型ドープ領域336bの配置構成は、NPN接合構造を形成する。一般に、NPN接合構造は、第1の読み出し回路324から第2の読み出し回路334への、または代替的に第2の読み出し回路334から第1の読み出し回路324への電荷結合を低減する。いくつかの実装形態において、n型井戸領域344も、吸収層306から基板302に流れる電子によって感知されるポテンシャルエネルギー障壁を効果的に低減する。
いくつかの他の実装形態において、p型ドープ領域328a、338a、328b、および338bは全体がn型井戸領域344内に形成される。いくつかの他の実装形態において、p型ドープ領域328a、338a、328b、および338bはn型井戸領域344内に部分的に形成される。たとえば、p型ドープ領域328aの一部はn型井戸領域344内にp型ドーパントを埋め込むことによって形成され得るが、p型ドープ領域328aの別の部分は基板302内にp型ドーパントを埋め込むことによって形成され得る。いくつかの実装形態において、n型井戸領域344の深さは、p型ドープ領域328a、338a、328b、および338bより浅い。
図3Cは、光信号を電気信号に変換するための例示的なスイッチトフォトディテクタ370の図である。スイッチトフォトディテクタ370は、図3Aのスイッチトフォトディテクタ300に類似しているが、スイッチトフォトディテクタ370は、1つまたは複数のp型井戸領域346と1つまたは複数のp型井戸領域348とをさらに備える。いくつかの実装形態において、1つまたは複数のp型井戸領域346および1つまたは複数のp型井戸領域348は、第1のスイッチ308aおよび308bと第2のスイッチ310aおよび310bとを囲むリング構造の一部であってよい。いくつかの実装形態において、1つまたは複数のp型井戸領域のドーピングレベルは、1015cm−3から1020cm−3の範囲内であってよい。1つまたは複数のp型井戸領域346および348は、隣接するピクセルから光−電子の分離として使用され得る。
図3Dは、例示的なスイッチトフォトディテクタ380の断面図を示している。図3Dは、第1のスイッチ308aおよび308bのp型ドープ領域328aおよび328b、ならびに第2のスイッチ310aおよび310bのp型ドープ領域338aおよび338bが、基板302の第1の平面362上にかみ合う配置構成で配置され得ることを示している。図3Dは、第1のスイッチ308aおよび308bのn型ドープ領域326aおよび326b、ならびに第2のスイッチ310aおよび310bのn型ドープ領域336aおよび336bが、基板302の第2の平面364上にかみ合う配置構成で配置され得ることをさらに示している。
図3A〜図3Dには示されていないが、いくつかの実装形態において、光信号は基板302の裏面からスイッチトフォトディテクタに到達し得る。光信号について焦点を合わせる、コリメートする、焦点をぼかす、フィルタ処理する、または他の何らかの操作を行うために、1つまたは複数の光コンポーネント(たとえば、マイクロレンズまたは光導波路)が基板302の裏面に加工され得る。
図3A〜図3Dには示されていないが、いくつかの他の実装形態において、第1のスイッチ308aおよび308bならびに第2のスイッチ310aおよび310bは、代替的に、電子の代わりに正孔を収集するように加工され得る。この場合、p型ドープ領域328aおよび328b、p型ドープ領域338aおよび338b、ならびにp型ドープ領域309はn型ドープ領域によって置き換えられ、n型ドープ領域326aおよび326b、ならびにn型ドープ領域336aおよび336bはp型ドープ領域によって置き換えられる。n型井戸領域344は、p型井戸領域によって置き換えられる。p型井戸領域346および348は、n型井戸領域によって置き換えられる。
図3A〜図3Dには示されていないが、いくつかの実装形態において、吸収層306は、スイッチトフォトディテクタ300、360、370、および380の加工後に基板に接合され得る。基板は、光信号312をスイッチトフォトディテクタに到達するように透過させることを可能にする任意の材料であってよい。たとえば、基板はポリマーまたはガラスであってよい。いくつかの実装形態において、光信号312について焦点を合わせる、コリメートする、焦点をぼかす、フィルタ処理する、または他の何らかの操作を行うために、1つまたは複数の光コンポーネント(たとえば、マイクロレンズまたは光導波路)がキャリア基板上に加工され得る。
図3A〜図3Dには示されていないが、いくつかの実装形態において、スイッチトフォトディテクタ300、360、370、および380は、制御信号を備える回路、および/または読み出し回路、および/またはフェーズロックループ(PLL)、および/またはアナログ/デジタルコンバータ(ADC)を有する第2の基板に接合され得る(たとえば、金属間接合、酸化膜接合、ハイブリッド接合)。金属層は、基板302の裏面から入射する光信号を反射する反射体として使用され得るスイッチトフォトディテクタの上に堆積され得る。そのような鏡のような金属層を加えることで、吸収層306の吸収効率(量子効率)を高め得る。たとえば、1.0μmから1.6μmの間のより長いNIR波長で動作するフォトディテクタの吸収効率は、反射金属層を加えることによって著しく改善され得る。反射率を高めるために金属層と吸収層との間に酸化物層が含まれてよい。金属層は、ウェハボンディングプロセスのための接合層として使用されてもよい。いくつかの実装形態において、308a(または308b)および310a(または310b)に類似する1つまたは複数のスイッチは、制御信号/読み出し回路をインターフェースするように加えられ得る。
図3A〜図3Dには示されていないが、いくつかの実装形態において、吸収層306は基板302内に部分的にまたは完全に埋め込まれ/嵌め込まれ、これにより表面凹凸を緩和し、したがって加工プロセスを容易にし得る。実施形態の技術の一例は、米国特許公開第US20170040362A1号において説明されている。
図4Aは、光信号を電気信号に変換するための例示的なスイッチトフォトディテクタ400の図である。スイッチトフォトディテクタ400は、基板402上に加工された吸収層406を備える。基板402は、その上に半導体デバイスが加工され得る任意の好適な基板であるものとしてよい。たとえば、基板402は、シリコン基板であってもよい。吸収層406は、第1のスイッチ408と第2のスイッチ410とを備える。
一般に、吸収層406は光信号412を受け取り、光信号412を電気信号に変換する。吸収層406は、真性、p型、またはn型であってよい。いくつかの実装形態において、吸収層406は、p型GeSi材料から形成され得る。吸収層406は、所望の波長範囲において高い吸収係数を有するように選択される。NIR波長については、吸収層406はGeSiメサであってよく、GeSiは光信号412の中の光子を吸収し、電子正孔対を生成する。GeSiメサ中のゲルマニウムとシリコンの材料組成は、特定のプロセスまたはアプリケーションに関して選択されるものとしてよい。いくつかの実装形態において、吸収層406は、厚さtを有するように設計される。たとえば、850nmまたは940nmの波長について、GeSiメサの厚さは、実質的な量子効率を有するように約1μmであってよい。いくつかの実装形態において、吸収層406の表面は、特定の形状を有するように設計される。たとえば、GeSiメサは、GeSiメサの表面上の光信号412の空間プロファイルに応じて円形、正方形、または矩形であるものとしてよい。いくつかの実装形態において、吸収層406は、光信号412を受け取るために横方向寸法dを有するように設計される。たとえば、GeSiメサは、円形または矩形の形状を有するものとしてよく、dは1μmから50μmの範囲内であってよい。
第1のスイッチ408および第2のスイッチ410は、吸収層406および基板402内に加工されている。第1のスイッチ408は、第1の制御信号422および第1の読み出し回路424に結合される。第2のスイッチ410は、第2の制御信号432および第2の読み出し回路434に結合される。一般に、第1の制御信号422および第2の制御信号432は、吸収された光子が発生する電子または正孔が第1の読み出し回路424によって収集されるかまたは第2の読み出し回路434によって収集されるかを制御する。
いくつかの実装形態において、第1のスイッチ408および第2のスイッチ410は、電子を収集するように加工され得る。この場合、第1のスイッチ408は、吸収層406内に埋め込まれているp型ドープ領域428と基板402内に埋め込まれているn型ドープ領域426とを備える。たとえば、p型ドープ領域428はp+型ドーピングを有していてもよく、活性ドーパント濃度は、加工プロセスが達成し得るような高さであってよく、たとえば、ピーク濃度は、吸収層106がゲルマニウムであり、ホウ素をドープしたときに約5×1020cm−3であり得る。いくつかの実装形態において、接触抵抗は増大するが、加工複雑度を緩和するために、p型ドープ領域428のドーピング濃度は、5×1020cm−3より低くてもよい。n型ドープ領域426はn+型ドーピングを有していてもよく、活性ドーパント濃度は、加工プロセスが達成し得るような高さであってよく、たとえば、ピーク濃度は、基板402がシリコンであり、リンをドープしたときに約5×1020cm−3であり得る。いくつかの実装形態において、接触抵抗は増大するが、加工複雑度を緩和するために、n型ドープ領域426のドーピング濃度は、5×1020cm−3より低くてもよい。p型ドープ領域428とn型ドープ領域426との間の距離は、加工プロセス設計ルールに基づき設計されるものとしてよい。一般に、p型ドープ領域428とn型ドープ領域426との間の距離が近ければ近いほど、生成される光キャリアのスイッチング効率も高くなる。第2のスイッチ410は、p型ドープ領域438とn型ドープ領域436とを備える。p型ドープ領域438はp型ドープ領域428に類似しており、n型ドープ領域436はn型ドープ領域426に類似している。
いくつかの実装形態において、p型ドープ領域428は、第1の制御信号422に結合される。たとえば、p型ドープ領域428は電圧源に結合されてもよく、第1の制御信号422は電圧源からのAC電圧信号であってよい。いくつかの実装形態において、n型ドープ領域426は、読み出し回路424に結合される。読み出し回路424は、リセットゲート、ソースフォロワ、および選択ゲート、4つもしくはそれ以上のトランジスタを含む回路、または電荷を処理するのに適している任意の回路からなる3トランジスタ構成であってよい。いくつかの実装形態において、読み出し回路424は基板402上に加工され得る。他のいくつかの実装形態において、読み出し回路424は、別の基板上に加工され、ダイ/ウェハボンディングまたはスタッキングを介してスイッチトフォトディテクタ400と一体化され/同一パッケージに収められ得る。
p型ドープ領域438は、第2の制御信号432に結合される。たとえば、p型ドープ領域438は電圧源に結合されてもよく、第2の制御信号432は第1の制御信号422とは反対の位相を有するAC電圧信号であってよい。いくつかの実装形態において、n型ドープ領域436は、読み出し回路434に結合される。読み出し回路434は、読み出し回路424に類似しているものとしてよい。
第1の制御信号422および第2の制御信号432は、吸収された光子によって発生する電子の収集を制御するために使用される。たとえば、電圧が使用されるときに、第1の制御信号422が第2の制御信号432に対してバイアスされる場合、p型ドープ領域428とp型ドープ領域438との間に電界が発生し、自由電子は、電界の方向に応じてp型ドープ領域428またはp型ドープ領域438の方へドリフトする。いくつかの実装形態において、第1の制御信号422は、電圧値Viに固定されるものとしてよく、第2の制御信号432は、電圧値Vi±ΔVを交互に取り得る。バイアス値の方向は、電子のドリフト方向を決定する。したがって、一方のスイッチ(たとえば、第1のスイッチ408)が「オン」にされる(すなわち、電子がp型ドープ領域428の方へドリフトする)ときに、他方のスイッチ(たとえば、第2のスイッチ410)は「オフ」にされる(すなわち、電子はp型ドープ領域438に入らないよう阻止される)。いくつかの実装形態において、第1の制御信号422および第2の制御信号432は、互いに差動となる電圧であり得る。
一般に、p型ドープ領域のフェルミ準位とn型ドープ領域のフェルミ準位との間の差(平衡状態になる前)は、2つの領域の間に電界を発生する。第1のスイッチ408において、p型ドープ領域428とn型ドープ領域426との間に電界が発生する。同様に、第2のスイッチ410において、p型ドープ領域438とn型ドープ領域436との間に電界が発生する。第1のスイッチ408が「オン」にされ、第2のスイッチ410が「オフ」にされるときに、電子はp型ドープ領域428の方へドリフトし、p型ドープ領域428とn型ドープ領域426との間の電界は、電子をn型ドープ領域426にさらに運ぶ。次いで、読み出し回路424は、n型ドープ領域426によって収集された電荷を処理するように有効化され得る。他方において、第2のスイッチ410が「オン」にされ、第1のスイッチ408が「オフ」にされるときに、電子はp型ドープ領域438の方へドリフトし、p型ドープ領域438とn型ドープ領域436との間の電界は、電子をn型ドープ領域436にさらに運ぶ。次いで、読み出し回路434は、n型ドープ領域436によって収集された電荷を処理するように有効化され得る。
いくつかの実装形態において、基板402は、外部制御装置416に結合され得る。たとえば、基板402は、グランド、またはn型ドープ領域426および436における電圧より低いプリセットされた電圧に結合され得る。いくつかの他の実装形態において、基板402は、フロート状態であり、外部制御装置に結合されていなくてもよい。
図4Bは、光信号を電気信号に変換するための例示的なスイッチトフォトディテクタ450の図である。スイッチトフォトディテクタ450は、図4Aのスイッチトフォトディテクタ400に類似しているが、第1のスイッチ408および第2のスイッチ410は、それぞれ、n型井戸領域452とn型井戸領域454とをさらに備える。それに加えて、吸収層406は、p型ドープ層であってよく、基板402はp型ドープ基板であってもよい。いくつかの実装形態において、n型井戸領域452および454のドーピングレベルは、1015cm−3から1017cm−3の範囲内であってよい。吸収層406および基板402のドーピングレベルは、1014cm−3から1016cm−3の範囲内であってよい。
p型ドープ領域428、n型井戸領域452、吸収層406、n型井戸領域454、およびp型ドープ領域438の配置構成は、PNPNP接合構造を形成する。一般に、PNPNP接合構造は、第1の制御信号422から第2の制御信号432への、または代替的に第2の制御信号432から第1の制御信号422へのリーク電流を低減する。
n型ドープ領域426、p型ドープ基板402、およびn型ドープ領域436の配置構成は、NPN接合構造を形成する。一般に、NPN接合構造は、第1の読み出し回路424から第2の読み出し回路434への、または代替的に第2の読み出し回路434から第1の読み出し回路424への電荷結合を低減する。
いくつかの実装形態において、p型ドープ領域428は全体がn型井戸領域452内に形成される。いくつかの他の実装形態において、p型ドープ領域428はn型井戸領域452内に部分的に形成される。たとえば、p型ドープ領域428の一部はn型井戸領域452内にp型ドーパントを埋め込むことによって形成され得るが、p型ドープ領域428の別の部分は吸収層406内にp型ドーパントを埋め込むことによって形成され得る。同様に、いくつかの実装形態において、p型ドープ領域438は全体がn型井戸領域454内に形成される。いくつかの他の実装形態において、p型ドープ領域438はn型井戸領域454内に部分的に形成される。いくつかの実装形態において、n型井戸領域452および454の深さは、p型ドープ領域428および438より浅い。
図4Cは、光信号を電気信号に変換するための例示的なスイッチトフォトディテクタ460の図である。スイッチトフォトディテクタ460は、図4Aのスイッチトフォトディテクタ400に類似しているが、吸収層406は、n型井戸領域456をさらに備える。それに加えて、吸収層406は、p型ドープ領域であってよく、基板402はp型ドープ基板であってもよい。いくつかの実装形態において、n型井戸領域456のドーピングレベルは、1015cm−3から1017cm−3の範囲内であってよい。吸収層406および基板402のドーピングレベルは、1014cm−3から1016cm−3の範囲内であってよい。
p型ドープ領域428、n型井戸領域456、およびp型ドープ領域438の配置構成は、PNP接合構造を形成する。一般に、PNP接合構造は、第1の制御信号422から第2の制御信号432への、または代替的に第2の制御信号432から第1の制御信号422へのリーク電流を低減する。
n型ドープ領域426、p型ドープ吸収層406、およびn型ドープ領域436の配置構成は、NPN接合構造を形成する。一般に、NPN接合構造は、第1の読み出し回路424から第2の読み出し回路434への、または代替的に第2の読み出し回路434から第1の読み出し回路424への電荷結合を低減する。
いくつかの実装形態において、p型ドープ領域428および438は全体がn型井戸領域456内に形成される。いくつかの他の実装形態において、p型ドープ領域428および438はn型井戸領域456内に部分的に形成される。たとえば、p型ドープ領域428の一部はn型井戸領域456内にp型ドーパントを埋め込むことによって形成され得るが、p型ドープ領域428の別の部分は吸収層406内にp型ドーパントを埋め込むことによって形成され得る。いくつかの実装形態において、n型井戸領域456の深さは、p型ドープ領域428および438より浅い。
図4Dは、光信号を電気信号に変換するための例示的なスイッチトフォトディテクタ470の図である。スイッチトフォトディテクタ470は、図4Cのスイッチトフォトディテクタ460に類似しているが、n型井戸領域458は、吸収層406から基板202内に貫入するように形成される。それに加えて、吸収層406は、p型ドープ領域であってよく、基板402はp型ドープ基板であってもよい。いくつかの実装形態において、n型井戸領域456のドーピングレベルは、1015cm−3から1017cm−3の範囲内であってよい。吸収層406および基板402のドーピングレベルは、1014cm−3から1016cm−3の範囲内であってよい。
p型ドープ領域428、n型井戸領域458、およびp型ドープ領域438の配置構成はPNP接合構造を形成し、これは第1の制御信号422から第2の制御信号432への、または代替的に第2の制御信号432から第1の制御信号422へのリーク電流をさらに低減する。n型ドープ領域426、p型ドープ基板402、n型井戸領域458、p型ドープ基板402、およびn型ドープ領域436の配置構成はNPNPN接合構造を形成し、これは第1の読み出し回路424から第2の読み出し回路434への、または代替的に第2の読み出し回路434から第1の読み出し回路424への電荷結合をさらに低減する。いくつかの実装形態において、n型井戸領域458も、吸収層406から基板402に流れる電子によって感知されるポテンシャルエネルギー障壁を効果的に低減する。
図4Eは、光信号を電気信号に変換するための例示的なスイッチトフォトディテクタ480の図である。スイッチトフォトディテクタ480は、図4Aのスイッチトフォトディテクタ400に類似しているが、スイッチトフォトディテクタ480は、1つまたは複数のp型井戸領域446と1つまたは複数のp型井戸領域448とをさらに備える。いくつかの実装形態において、1つまたは複数のp型井戸領域446および1つまたは複数のp型井戸領域448は、第1のスイッチ408と第2のスイッチ410とを囲むリング構造の一部であってよい。いくつかの実装形態において、1つまたは複数のp型井戸領域446および448のドーピングレベルは、1015cm−3から1020cm−3の範囲内であってよい。1つまたは複数のp型井戸領域446および448は、隣接するピクセルから光−電子の分離として使用され得る。
図4A〜図4Eには示されていないが、いくつかの実装形態において、光信号は基板402の裏面からスイッチトフォトディテクタに到達し得る。光信号について焦点を合わせる、コリメートする、焦点をぼかす、フィルタ処理する、または他の何らかの操作を行うために、1つまたは複数の光コンポーネント(たとえば、マイクロレンズまたは光導波路)が基板402の裏面に加工され得る。
図4A〜図4Eには示されていないが、いくつかの他の実装形態において、第1のスイッチ408および第2のスイッチ410は、代替的に、電子の代わりに正孔を収集するように加工され得る。この場合、p型ドープ領域428およびp型ドープ領域438はn型ドープ領域によって置き換えられ、n型ドープ領域426およびn型ドープ領域436はp型ドープ領域によって置き換えられる。n型井戸領域452、454、456、および458は、p型井戸領域によって置き換えられる。p型井戸領域446および448は、n型井戸領域によって置き換えられる。
図4A〜図4Eには示されていないが、いくつかの実装形態において、吸収層406は、スイッチトフォトディテクタ400、450、460、470、および480の加工後に基板に接合され得る。基板は、光信号412をスイッチトフォトディテクタに到達するように透過させることを可能にする任意の材料であってよい。たとえば、基板はポリマーまたはガラスであってよい。いくつかの実装形態において、光信号412について焦点を合わせる、コリメートする、焦点をぼかす、フィルタ処理する、または他の何らかの操作を行うために、1つまたは複数の光コンポーネント(たとえば、マイクロレンズまたは光導波路)がキャリア基板上に加工され得る。
図4A〜図4Eには示されていないが、いくつかの実装形態において、スイッチトフォトディテクタ400、450、460、470、および480は、制御信号を備える回路、および/または読み出し回路、および/またはフェーズロックループ(PLL)、および/またはアナログ/デジタルコンバータ(ADC)を有する第2の基板に接合され得る(たとえば、金属間接合、酸化膜接合、ハイブリッド接合)。金属層は、基板402の裏面から入射する光信号を反射する反射体として使用され得るスイッチトフォトディテクタの上に堆積され得る。そのような鏡のような金属層を加えることで、吸収層406の吸収効率(量子効率)を高め得る。たとえば、1.0μmから1.6μmの間のより長いNIR波長で動作するフォトディテクタの吸収効率は、反射金属層を加えることによって著しく改善され得る。反射率を高めるために金属層と吸収層との間に酸化物層が含まれてよい。金属層は、ウェハボンディングプロセスのための接合層として使用されてもよい。いくつかの実装形態において、408および410に類似する1つまたは複数のスイッチは、制御信号/読み出し回路をインターフェースするように加えられ得る。
図4A〜図4Eには示されていないが、いくつかの実装形態において、吸収層406は基板402内に部分的にまたは完全に埋め込まれ/嵌め込まれ、これにより表面凹凸を緩和し、したがって加工プロセスを容易にし得る。実施形態の技術の一例は、米国特許公開第US20170040362A1号において説明されている。
図4F〜図4Iは、基板上に吸収層を選択的形成するための例示的な設計490を示している。設計490は、たとえば、図1A〜図4Eにおいて説明されているスイッチトフォトディテクタを加工するために使用され得る。図4Fを参照すると、基板402上に凹部492が形成されている。凹部492は、NIRピクセルに対するフォトディテクタ領域を画成し得る。凹部は、リソグラフィを使用し、その後、基板402の乾式エッチングを使用することで形成され得る。凹部の形状は、正方形、円形、または他の好適な形状などの、ピクセルの形状に対応し得る。
図4Gを参照すると、誘電体層が基板の上に堆積され、方向性エッチ(directional etch)が実行され側壁スペーサ494を形成し得る。方向性エッチは、異方性乾式エッチであってよい。スペーサ494は、基板402から形成される吸収層の側壁を分ける様々な酸化物および窒化物などの誘電体材料であってよい。いくつかの実装形態において、スペーサ494は省かれてもよく、形成されるべき吸収層の埋め込み部分は、シリコン基板の[110]側壁などの、基板402内に形成される凹部492の表面と直接接触するものとしてよい。
図4Hを参照すると、ゲルマニウムまたはゲルマニウム−シリコン吸収層496が基板402から選択的に成長させられる。たとえば、吸収層496は、化学気相成長(CVD)システムを通じてエピタキシャル成長を使用して形成され得る。その結果得られる吸収層496は、基板402上に形成される凹部492内に部分的に埋め込まれる。吸収層496は、たとえば、図1A〜図4Eにおいて説明されているスイッチトフォトディテクタの吸収層であってよい。
図4Iを参照すると、ゲルマニウムまたはゲルマニウム−シリコン吸収層496が基板402と平坦化され、その結果、完全埋め込み吸収層496が得られる。ゲルマニウムまたはゲルマニウム−シリコン吸収層496は、化学機械研磨(CMP)または他の任意の好適な技術を使用して平坦化され得る。いくつかの実装形態において、基板402の表面に関するゲルマニウムまたはゲルマニウム−シリコン吸収層496の平坦化は、表面凹凸がその後の加工工程段階に許容可能なものである場合に省かれてもよい。
図5Aは、光信号を電気信号に変換するための例示的なフォトディテクタ500を示している。フォトディテクタ500は、基板502上に加工された吸収層506と、吸収層506および基板502の上に形成された第1の層508とを備える。基板502は、前に説明されている基板102に類似しているものとしてよく、吸収層506は、前に説明されている吸収層106に類似しているものとしてよく、たとえば、GeまたはGe濃度が1〜99%の範囲内であるGeSiから形成され得る。GeまたはGeSi吸収層506のバックグラウンドドーピング極性およびドーピングレベルは、p型であり、1014cm−3から1016cm−3の範囲内であり得る。バックグラウンドドーピングレベルは、たとえば、ドーピングの明示的な組み込みによる、または吸収層506の形成時に持ち込まれる材料欠陥によるものとしてよい。フォトディテクタ500の吸収層506は、メサ構造を有し、基板502によって支持されるが、垂直側壁が図示されているが、メサ構造の形状および側壁プロファイルは、吸収層506の成長および加工プロセスの詳細に依存し得る。
第1の層508は、吸収層506の上側表面および側部表面を覆い、吸収層506が形成される基板502の上側表面の一部を覆う。第1の層508は、非晶質シリコン、ポリシリコン、エピタキシャルシリコン、酸化アルミニウム族(たとえば、Al2O3)、酸化ケイ素族(たとえば、SiO2)、酸化ゲルマニウム族(たとえば、GeO2)、ゲルマニウム−シリコン族(たとえば、Ge0.4Si0.6)、窒化ケイ素族(たとえば、Si3N4)、高k材料(たとえば、HfOx、ZnOx、LaOx、LaSiOx)、およびこれらの任意の組合せなどの、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)プロセス適合材料(CPCM)から形成され得る。吸収層506の表面に第1の層508が存在すると、様々な効果が生じ得る。たとえば、第1の層508は吸収層506への表面不動態化層として働くものとしてよく、これは吸収層506の表面に存在する欠陥によって発生する暗電流またはリーク電流を低減し得る。ゲルマニウム(Ge)またはゲルマニウム−シリコン(GeSi)吸収層506の場合、表面欠陥は、暗電流またはリーク電流の著しい発生源であり得、これはフォトディテクタ500によって生成される光電流のノイズレベルの増大に寄与する。第1の層508を吸収層506の表面の上に形成することによって、暗電流またはリーク電流は低減され、それによって、フォトディテクタ500のノイズレベルを低減し得る。別の例として、第1の層508は、フォトディテクタ500上に形成されている接点と吸収層506および/または基板502との間でショットキー障壁レベルを変調し得る。この障壁変調効果は、後の段落で説明される。
図5Bは、光信号を電気信号に変換するための例示的なフォトディテクタ510を示している。フォトディテクタ510は、図5Aのフォトディテクタ500に類似しているが、吸収層506が基板502上に形成されている凹部内に部分的に埋め込まれ、フォトディテクタ510はスペーサ512をさらに含む点が異なる。スペーサ512は、基板502からの吸収層506の側壁を分ける様々な酸化物および窒化物などの誘電体材料であってよい。いくつかの実装形態において、スペーサ512は省かれてもよく、吸収層506の埋め込み部分は、シリコン基板の[110]側壁などの、基板502内に形成される凹部の表面と直接接触するものとしてよい。実施形態の技術の一例は、米国特許公開第US20170040362A1号において説明されている。
図5Cは、光信号を電気信号に変換するための例示的なフォトディテクタ520を示している。フォトディテクタ520は、図5Bのフォトディテクタ510に類似しているが、吸収層506が基板502上に形成されている凹部内に完全に埋め込まれる点が異なる。実施形態の技術の一例は、米国特許公開第US20170040362A1号において説明されている。
図5Dは、光信号を電気信号に変換するための例示的なスイッチトフォトディテクタ530を示している。スイッチトフォトディテクタ530は図5Bのフォトディテクタ510に類似しているが、第1のスイッチ532および第2のスイッチ542が吸収層506および第1の層508内に加工されている点が異なる。第1のスイッチ532は図1Aの第1のスイッチ108に類似していてよいが、第1のn型ドープ領域534に結合されている第1の読み出し接点535と第1のp型ドープ領域537に結合されている第1の制御接点538とをさらに備える。同様に、第2のスイッチ542は図1Aの第2のスイッチ110に類似していてよいが、第2のn型ドープ領域544に結合されている第2の読み出し接点545と第2のp型ドープ領域547に結合されている第2の制御接点548とをさらに備える。第1および第2のp型ドープ領域537および547は制御領域であってよく、第1および第2のn型ドープ領域534および544は読み出し領域であってよい。第1および第2の読み出し接点535および545は、図1Aに示されている読み出し回路124および134に類似するそれぞれの読み出し回路に接続される。第1および第2の制御接点538および548は、図1Aに示されている制御信号122および132などの、それぞれの制御信号に接続される。
接点535、538、545、および548は、それぞれのドープ領域への電気接点となり、様々な導電性材料から形成され得る。接点材料の例は、様々なケイ化物、Ta−TaN−Cu積層物、Ti−TiN−W積層物、アルミニウム、およびそのような材料の様々な組合せを含む。いくつかの実装形態において、読み出し接点535および545は、制御接点538および548と異なる材料から形成され得る。接点535、538、545、および548は、様々な物理的構成を有し得る。接点の寸法は、直径または幅に関して数十ナノメートルほどの範囲内であってよい。単一の接点535、538、545、または548は、ドープ領域の各々に結合されているように示されているが、2つまたはそれ以上の接点がドープ領域に結合されるものとしてよく、それにより、たとえば、半導体デバイス製造プロセスにおいて慣例的であるように、接触抵抗を低減するか、または信頼性を改善し得る。
図5Eは、光信号を電気信号に変換するための例示的なスイッチトフォトディテクタ550を示している。スイッチトフォトディテクタ550は、図5Dのスイッチトフォトディテクタ530に類似しているが、第1のスイッチ532および第2のスイッチ542が、それぞれn型井戸領域539および549と、それぞれp型井戸領域536および546とをさらに備える点が異なる。n型井戸領域およびp型井戸領域の追加は、フォトディテクタ550の電気的および/または光学的特性を改質し得る。いくつかの実装形態において、n型井戸領域539および549ならびにp型井戸領域536および546のドーピングレベルは、1015cm−3から1017cm−3の範囲内であってよい。
p型ドープ領域537、n型井戸領域539、p型吸収層506、n型井戸領域549、およびp型ドープ領域547の配置構成は、PNPNP接合構造を形成する。一般に、PNPNP接合構造は、第1の制御信号122から第2の制御信号132への、または代替的に第2の制御信号132から第1の制御信号122へのリーク電流の流れを低減する。n型ドープ領域534、p型井戸領域536、p型吸収層506、p型井戸領域546、およびn型ドープ領域544の配置構成は、NPN接合構造を形成する。一般に、NPN接合構造は、第1の読み出し回路124から第2の読み出し回路134への、または代替的に第2の読み出し回路134から第1の読み出し回路124への電荷結合を低減する。
いくつかの実装形態において、p型ドープ領域537は全体がn型井戸領域539内に形成される。いくつかの他の実装形態において、p型ドープ領域537はn型井戸領域539内に部分的に形成される。たとえば、p型ドープ領域537の一部はn型井戸領域539内にp型ドーパントを埋め込むことによって形成され得るが、p型ドープ領域537の別の部分は吸収層506内にp型ドーパントを埋め込むことによって形成され得る。同様に、いくつかの実装形態において、p型ドープ領域547は全体がn型井戸領域549内に形成される。いくつかの他の実装形態において、p型ドープ領域547はn型井戸領域549内に部分的に形成される。いくつかの実装形態において、n型井戸領域539および549は、p型ドープ領域537および547の両方の少なくとも一部を含む連続的n型井戸領域を形成する。
いくつかの実装形態において、n型ドープ領域534は全体がp型井戸領域536の外側に形成される。いくつかの他の実装形態において、n型ドープ領域534はp型井戸領域536内に部分的に形成される。たとえば、n型ドープ領域534の一部はp型井戸領域536内にn型ドーパントを埋め込むことによって形成され得るが、n型ドープ領域534の別の部分は吸収層506内にn型ドーパントを埋め込むことによって形成され得る。同様に、いくつかの実装形態において、n型ドープ領域544は全体がp型井戸領域546の外側に形成される。いくつかの他の実装形態において、n型ドープ領域544はp型井戸領域546内に部分的に形成される。
図5Dおよび図5Eは、部分的に埋め込まれている吸収領域506を有するスイッチトフォトディテクタを示しているが、同じ構成を、埋め込まれていない吸収層506を有するフォトディテクタ500、および類似の効果を得るために完全に埋め込まれた吸収層506を有するフォトディテクタ520に適用することができる。
n型井戸領域539および549、ならびにp型井戸領域536および546は例示することを目的として組み合わせて示されているが、これらの井戸は個別に実装されるか、または任意の組合せで実装され得る。
図5Fは、光信号を電気信号に変換するための例示的なスイッチトフォトディテクタ560を示している。スイッチトフォトディテクタ560は、図5Dのスイッチトフォトディテクタ530に類似しているが、スイッチ532および542のそれぞれのp型ドープ領域537および547が省かれている点が異なる。その結果、第1および第2の制御接点538および548は、第1の層508へのショットキー接合を形成する。ショットキー接合は、半導体がわざとドープされないか、または約1×1015cm−3未満などの中程度のドーパント濃度にドープされるときに、金属と半導体との間に形成される電気的接合である。領域562は、第1の層508および吸収層506を通る第1の制御接点538と第2の制御接点548との間のリーク経路をマークするが、これは図5Gに関してさらに詳しく説明される。
図5Gは、制御接点538と制御接点548との間に形成されるリーク経路の例示的なバンド図570を示している。バンド図570は、電子572および正孔574などの電荷キャリアがリーク経路に沿って様々な位置で受けるエネルギー準位を例示している。縦軸はエネルギー準位Eに対応し、横軸は、制御接点538と制御接点548との間に形成されるリーク経路に沿った位置xに対応する。第1の制御接点538の電位エネルギーが第2の制御接点548よりも高い例示的なシナリオ(たとえば、第1の制御信号122は第2の制御信号132よりも低い電圧を有する)が図示されている。電位差は、第1の制御接点538から第2の制御接点548への全体的バンド図の下向きの勾配として現れる。図示されているようなエネルギー準位および位置は例示を目的としたものであり、実際の値を表し得ない。
電子障壁573および正孔障壁575は、ショットキー障壁の例である。ショットキー接合は、ショットキー障壁の存在によって特徴付けられ、この障壁はそれらのキャリアがショットキー接合を横切って流れるために電子572および正孔574が打ち勝つ必要があるポテンシャルエネルギー障壁である。障壁573および575の値は、接点538および548の材料、ならびに第1の層508の材料の仕事関数に応じて変化し得る。そのようなものとして、接点の材料と第1の層の材料との適切な組合せを選択することによって、電子障壁573および正孔障壁575の所望の準位が設定され得る。
電子572は、第1の制御接点538と第1の層508との間の電子障壁573に打ち勝たなければならない。十分に高い電子障壁573を与えることによって、第1の制御接点に印加される制御信号122の電位は、障壁573に打ち勝つことができない場合がある。そのようなものとして、電子障壁573は、電子572が吸収層506内に流れ込むのを阻止し得る。電子572が、電子572(「熱電子放出」)または量子トンネリングの熱エネルギーの統計変動によるものであり得る、電子障壁573に打ち勝つ場合、電子572は吸収層506を横切って第2の制御接点548に隣接する第1の層508に流れ得る。別の電子障壁が吸収層506と第1の層508との間に形成される接合によってもたらされ、これは電子572が第2の制御接点548内に流れ込むのをさらに阻止し、それによって、第1の制御接点538から第2の制御接点548への電子のリーク電流を低減し得る。
同様に、正孔574は、第2の制御接点548と第1の層508との間の正孔障壁575に打ち勝たなければならない。十分に高い正孔障壁575を与えることによって、第2の制御接点に印加される制御信号132の電位は、障壁575に打ち勝つことができない場合がある。そのようなものとして、正孔障壁575は、正孔574が吸収層506内に流れ込むのを阻止し得る。正孔574が、正孔574(「熱電子放出」)または量子トンネリングの熱エネルギーの統計変動によるものであり得る、正孔障壁575に打ち勝つ場合、正孔574は吸収層506を横切って第1の制御接点538に隣接する第1の層508に流れ得る。別の正孔障壁が吸収層506と第1の層508との間に形成される接合によってもたらされ、これは正孔574が第1の制御接点538内に流れ込むのをさらに阻止し、それによって、第2の制御接点548から第1の制御接点538への正孔のリーク電流を低減し得る。
光が吸収層506に照射されているときに、光の光子576は、吸収層506の価電子帯内の電子によって吸収され、その結果、光子576に隣接する垂直矢印によって示されているように電子正孔が生成され得る。この電子正孔対の電子は、それぞれの読み出し接点535および/または545を通じて読み出し回路124および/または134によって捕捉されるべき光電流を形成し、制御接点538および548内に流れ込むべきでない。この場合、第1の層508と吸収層506との間の界面によって形成される障壁は、そのような流れを防ぎ、それによって、読み出し回路の光電流収集効率を改善し得る。
非晶質シリコンまたはポリシリコンまたは結晶シリコンまたはゲルマニウム−シリコンなどの第1の層508は、制御接点538および548とGeSiメサなどの吸収層506との間に挿入されると、金属半導体(MS)接合のショットキー障壁は改質され、その結果、上で説明されているように接点538および548によって電子または正孔が第1の層508内に注入されることが部分的に阻止される。本明細書で説明されているスイッチトフォトディテクタなどのToFピクセルの消費電力は、2つの制御回路に接続されている2つの制御接点538および548の間に流れるリーク電流によって部分的に決定される。そのようなものとして、接点538および548によって電子または正孔が注入されることを部分的に阻止することによって、ToFピクセルの消費電力は著しく低減され得る。
図5Hは、光信号を電気信号に変換するための例示的なスイッチトフォトディテクタ580を示している。スイッチトフォトディテクタ580は、図5Fのスイッチトフォトディテクタ560に類似しているが、フォトディテクタ580が、n型井戸領域539および549と、p型井戸領域536および546とをさらに備える点が異なる。n型井戸領域539および549ならびにp型井戸領域536および546の構造および効果は、図5Eに関してすでに説明されている。それに加えて、n型井戸領域539および549は、制御接点538および548の下の第1の層508の少なくとも一部と重なり合い、これは吸収層506の内側の電圧降下の増強に寄与し得る。吸収層506の内側の電圧降下の増強は、吸収層506内に確立される電界の大きさを増大させ、これは、それぞれの読み出し接点535および/または545を通じての読み出し回路124および/または134による光生成電子の捕捉効率を改善し得る。
図5Iは、光信号を電気信号に変換するための例示的なスイッチトフォトディテクタ582を示している。スイッチトフォトディテクタ582は図5Eのスイッチトフォトディテクタ550に類似しているが、第1のスイッチ532が現在は基板502上に、左側の吸収層506に隣接して配置され、第2のスイッチ542が現在は基板502上に、右側の吸収層506に隣接して配置されている点が異なる。スイッチトフォトディテクタ582の動作は、すでに説明されているスイッチトフォトディテクタの動作に類似している。しかしながら、読み出し接点535および545または制御接点538および548などの接点とシリコン基板502との間に形成される電気接点は一般的に接点とGeまたはGeSi吸収層506との間に形成される電気接点に比べて低い暗電流またはリーク電流を有するので(たとえば、基板502が吸収層506に比べて少ない材料欠陥を有していることで)、全体的な暗電流またはリーク電流は、図5Eに示されているフォトディテクタ550の構成と比較して低くなることがある。さらに、スイッチが基板502上に置かれた結果、吸収領域506によって吸収された光からの光生成キャリアは今度は読み出し回路124および134に到達する前に吸収領域506から基板502に流れる。吸収領域506およびスペーサ512およびその材料の特定の幾何学的形状に応じて、光キャリアはスペーサ512を通して伝導するか、スペーサ512の周りで流れるか、またはこれらの組合せが生じ得る。
いくつかの実装形態において、p型ドープ領域537および547は、図5Fに示されている構成に類似する構成において省かれ得る。n型井戸領域539および549、ならびにp型井戸領域536および546は例示することを目的として組み合わせて示されているが、これらの井戸は省かれるか、個別に実装されるか、または任意の組合せで実装され得る。
図5Jは、光信号を電気信号に変換するための例示的なスイッチトフォトディテクタ586を示している。スイッチトフォトディテクタ586は、図5Iのスイッチトフォトディテクタ582に類似しているが、スイッチ532および542のそれぞれのp型ドープ領域537および547が省かれている点が異なる。その結果、第1および第2の制御接点538および548は、第1の層508へのショットキー接合を形成する。ショットキー接合の効果は、図5F〜図5Hに関して説明されている。図5Gのバンド図570はいぜんとしてフォトディテクタ586の領域562に適用可能であり、フォトディテクタ506に関してフォトディテクタ586の幾何学的形状が改質されているため第1の層508によって形成される障壁は次に第1の層508、基板502、およびスペーサ512によって形成される障壁に対応する。
n型井戸領域539および549、ならびにp型井戸領域536および546は例示することを目的として組み合わせて示されているが、これらの井戸は省かれるか、個別に実装されるか、または任意の組合せで実装され得る。
図5Kは、光信号を電気信号に変換するための例示的なスイッチトフォトディテクタ588を示している。スイッチトフォトディテクタ588は図5Iのスイッチトフォトディテクタ582に類似しているが、第1のスイッチ532は第2のp型ドープ領域537aと、第2のp型ドープ領域537aに結合されている第3の制御接点538aと、第2のp型ドープ領域537aと接触している第2のn型井戸領域539aとをさらに備え、第2のスイッチ542は第2のp型ドープ領域547aと、第2のp型ドープ領域547aに結合されている第4の制御接点548aと、第2のp型ドープ領域547aと接触している第2のn型井戸領域549aとをさらに備える点が異なる。第2のp型ドープ領域537aおよび537bは、それぞれ、第2のp型ドープ領域537および547に類似している。第2のn型井戸領域539aおよび549aは、それぞれ、第2のn型領域539および549に類似している。第1の制御接点538aは、第1の制御接点538に類似しており、第4の制御接点548aは、第2の制御接点548に類似している。第1の制御接点538aは、第1の制御信号122に接続され、第4の制御接点548aは、第2の制御信号132に接続される。
第1の制御接点538および関連付けられているドープ領域は吸収層506と直接接触していないので、第1の制御信号122を第1の制御接点538に印加することによって吸収層506内に発生させられる電界は、図5Eのフォトディテクタ550の構成などにおいて、第1の制御接点538が吸収層506と直接接触している構成と比較して比較的弱い電界であり得る。第3および第4の制御接点538aおよび548aならびに関連するドープ領域を加えることによって、フォトディテクタ586のキャリア収集制御効率は、図5Iのフォトディテクタ582のキャリア収集制御効率を超えて改善され、図5Eにおけるフォトディテクタ550のキャリア収集制御効率に匹敵し得るが、接点を基板502に移動することによって暗電流またはリーク電流を低減するという利点は少なくとも部分的に保たれる。さらに、吸収領域内の電界が大きくなればなるほどフォトディテクタの帯域幅が増大し、第1のスイッチ532と第2のスイッチ542との間のスイッチング速度が高速になり得るので、制御接点538aおよび548aの追加もフォトディテクタ588の動作速度の改善に寄与し得る。
第3の制御接点538aおよび第4の制御接点548aが第1の制御接点538および第2の制御接点548に対してそれぞれの制御信号122および132を共有することが図示されているが、いくつかの実装形態において、接点538aおよび548aは、第1および第2の制御信号122および132と異なっていてもよい独立した制御信号を有し得る。たとえば、第3の制御接点538aに対する制御信号は、第1の制御接点538に対する第1の制御信号122より小さくなり得るが、それは、第3の制御接点538aに印加される制御信号が第2のp型ドープ領域537aが吸収層506内に生成されるキャリアに近接しているため第1の制御接点538に印加される第1の制御信号122に比べて大きな効果を光生成キャリアにもたらし得るからであり、同じことが第4の制御接点548aに対する制御信号についても言える。
いくつかの実装形態において、第2のp型ドープ領域537aおよび547aは、ショットキー接合を形成するように省かれてよく、その効果は図5F〜図5Hに関してすでに説明されている。n型井戸領域539および549、ならびにp型井戸領域536および546は例示することを目的として組み合わせて示されているが、これらの井戸は省かれるか、個別に実装されるか、または任意の組合せで実装され得る。
部分的に埋め込まれている吸収層506を有するスイッチトフォトディテクタの様々な構成が図5D〜図5Kにおいて説明されていたが、説明されている構成は、図5Aに示されている構成などの完全に突き出ている吸収層506を有するスイッチトフォトディテクタ、および図5Cに示されている構成などの完全に埋め込まれている吸収層506を有するスイッチトフォトディテクタに適用され、類似の効果をもたらすことができる。
図5A〜図5Kにおいて説明されているフォトディテクタは、表面照射型(FSI)イメージセンサ、または裏面照射型イメージセンサ(BSI)に組み込まれ得る。FSI構成では、光は第1の層508を通って上からフォトディテクタ内に入る。BSI構成では、光は基板502を通って底からフォトディテクタ内に入る。
制御領域(たとえば、p型ドープ領域537および547)ならびに読み出し領域(たとえば、n型ドープ領域534および544)は、異なる高さにあるものとしてよい。たとえば、フォトディテクタ530、550、560、および580、ならびに制御領域および読み出し領域が両方とも吸収領域506上に配置される任意の構成の場合に、読み出し領域または制御領域に対応する吸収領域506の一部はエッチングされるものとしてよく、読み出し領域または制御領域はエッチングされた部分に形成されてよく、その結果、制御領域と読み出し領域の間に垂直オフセットが生じ得る。同様に、フォトディテクタ582、586、および588、ならびに制御領域および読み出し領域が両方とも基板502上に配置される任意の構成の場合に、読み出し領域または制御領域に対応する基板502の一部はエッチングされるものとしてよく、読み出し領域または制御領域はエッチングされた部分に形成されてよく、その結果、制御領域と読み出し領域の間に垂直オフセットが生じ得る。
いくつかの実装形態において、フォトディテクタ上に入射する光の光学経路上にレンズが置かれるものとしてよい。レンズは、たとえば、マイクロボールレンズまたはフレネルゾーンプレート(FZP)レンズであってよい。別の例として、シリコン基板502については、レンズは、基板502のエッチングによって基板502上に直接形成されてよい。レンズの構成に関する詳細は、図7A〜図7Cに関して提示される。
いくつかの実装形態において、吸収層506とスペーサ512との間の界面は、n型ドーパントまたはp型ドーパントでドープされ、それぞれ正孔および電子に対する電気的分離を改善し得る。いくつかの実装形態において、吸収層506と基板502との間の界面(たとえば、底部界面)はn型ドーパントまたはp型ドーパントでドープされ、それぞれ正孔および電子に対する電気的分離を改善し得る。
図6Aは、光信号を電気信号に変換するための例示的なスイッチトフォトディテクタ600を示している。スイッチトフォトディテクタ600は、基板502と、吸収領域506と、第1のスイッチ532と、第2のスイッチ542と、カウンタドープ領域610とを備える。カウンタドープ領域610は、吸収領域506内に配置構成される。第1および第2のスイッチ532および542は、吸収層506上に配置構成される。基板502、吸収領域506、ならびに第1および第2のスイッチ532および542は、図5Dに関してすでに説明されている。
カウンタドープ領域610は、吸収領域506の正味キャリア濃度を低減するドーパント種でドープされている吸収領域506の一部である。非ドープ半導体材料は、ドーパントが存在しない場合であっても電流伝導に寄与し得る電荷キャリアの特定の濃度を有し、これは半導体の真性キャリア濃度と称される。吸収領域506は、シリコン、ゲルマニウム、またはこれら2つの合金などの、半導体材料から典型的には形成され、関連する真性キャリア濃度を有する。この真性キャリア濃度は、材料作製方法および欠陥レベル(欠陥濃度)などの様々な要因により変化し得る。材料作製方法の例は、エピタキシャル成長、化学気相成長(CVD)、有機金属CVD(MOCVD)、および物理的気相成長(PVD)を含み、異なる方法を使用して作製される材料は異なる材料欠陥レベルを有し得る。典型的には、材料欠陥の数の多さはより高いレベルの真性キャリア濃度レベルに相関する。たとえば、バルク結晶ゲルマニウムは、室温で約2*1013cm−3の真性p型類似キャリア濃度(intrinsic p−type like carrier concentration)を有し得るが、エピタキシャル成長ゲルマニウムは、約5*1014cm−3で一桁高い真性p型類似キャリア濃度を有し得る。材料タイプおよび欠陥の性質に応じて、半導体材料はp型またはn型類似(p−type or n−type like)であるものとしてよい。
フォトディテクタ600などのスイッチトフォトディテクタのリーク電流を低減することは、飛行時間型ピクセルの消費電力を減らす上で重要である。スイッチトフォトディテクタのリーク電流に関わる要因の1つは、制御領域同士の間に流れるリーク電流、たとえば、p型ドープ領域537と547との間の電流の流れである。そのような電流の流れを低減する一アプローチは、2つのp型ドープ領域537と547との間の吸収領域506の正味キャリア濃度を低減することによるアプローチである。正味キャリア濃度は、電流を伝導するのに利用可能なキャリアの濃度であり、真性キャリア濃度の寄与とドーパントが寄与する外因性キャリア濃度の寄与との組合せによって決定され得る。ドーパントの電気的なタイプ、化学種、および濃度を適切に選択することによって、真性キャリア濃度はドーパントによって補償される、すなわち「カウンタドープ」され、その結果、半導体材料に対する正味キャリア濃度が低下し得る。典型的には、制御領域同士の間のリーク電流は、真性キャリアおよび正味キャリアが同じ極性を有する、すなわち、両方ともp型類似またはn型類似であるときに、正味キャリア濃度に比例する。
カンタードープ領域610に使用されるべきドーパントのタイプは、吸収領域506を形成する材料および吸収領域506内に存在する欠陥の性質などの、様々な要因に基づき選択され得る。たとえば、Si基板502上のエピタキシャル成長Geは典型的にはp型材料である。そのような場合において、P、As、Sb、またはFなどのn型ドーパント種がカウンタドープ領域610をドープするために使用され得る。ドーピングは、材料を成長させるときに埋め込み、拡散、およびin−situドーピングを含む様々な方法で実行されてよい。いくつかの場合において、フッ素などのドーパントは欠陥を不動態化し得る。不動態化された欠陥は、電荷キャリアの発生源として働くことを停止し、したがって、フッ素ドープ吸収領域506の正味キャリア濃度は低減され、より真性になるものとしてよい。
カウンタドープ領域610に使用されるべきドーパントの濃度は、吸収領域506の真性キャリア濃度に基づき選択され得る。たとえば、約5*1014cm−3の真性キャリア濃度を有するエピタキシャル成長ゲルマニウムは約5*1014cm−3のカウンタドーパント濃度でドープされて、約2*1013cm−3のバルク結晶Geの濃度へ真性キャリア濃度を低減し得る。一般に、カウンタドーピング濃度は、1*1013cm−3から1*1016cm−3の範囲内であってよい。いくつかの実装形態において、カウンタドープ領域610は、その領域にわたって変化するドーパント濃度を有し得る。たとえば、吸収体506の底部などの、材料界面により近い領域は、欠陥レベルの増大によりより高い真性キャリア濃度を有することがあり、これはそれに対応して高いカウンタドーピングレベルによってより適切に補償され得る。いくつかの実装形態において、カウンタドーパント濃度は、吸収領域506の真性キャリア濃度より高くてよい。そのような場合において、吸収領域506の極性はp型からn型にまたはその逆に変更され得る。
カウンタドープ領域610はn型ドープ領域534および544、ならびにp型ドープ領域537および547を完全に覆うことが図示されているが、一般に、カウンタドープ領域610は、p型ドープ領域537および547またはn型ドープ領域534および544だけを覆うものとしてよい。それに加えて、カウンタドープ領域610は連続領域であることが図示されているが、一般に、2つまたはそれ以上の分離した領域であってよい。さらに、カウンタドープ領域610は吸収領域506の一部のみであることが図示されているが、一般に、カウンタドープ領域610は吸収領域506全体にわたって形成されてもよい。
いくつかの実装形態において、カウンタドープ領域610は、ドーパント拡散抑制体として機能し、これは階段接合プロファイルの形成に寄与し得る。カウンタドープ領域610とp型ドープ領域537および547との間の階段接合プロファイルの形成は、リーク電流を少なくし、それによってToFピクセルの消費電力を低減し得る。たとえば、Ge吸収領域506の場合、フッ素ドーピングは、n型ドープ領域534内のリンドーパントの拡散を抑制し得る。
一般に、カウンタドープ領域610は、スイッチトフォトディテクタの様々な実装形態において実装され、制御領域同士の間のリーク電流を低減し得る。
いくつかの実装形態において、p型ドープ領域537および547は省かれ、その結果、ショットキー接合が形成され、その効果は図5F〜図5Hに関してすでに説明されている。
図6Bは、光信号を電気信号に変換するための例示的なスイッチトフォトディテクタ620を示している。スイッチトフォトディテクタ620は、図6Aのフォトディテクタ600に類似しているが、第1のスイッチ532および第2のスイッチ542は、それぞれ、n型井戸領域612および614をさらに備える点が異なる。n型井戸領域の追加は、フォトディテクタ620の電気的および/または光学的特性を改質し得る。いくつかの実装形態において、n型井戸領域612および614のドーピングレベルは、1015cm−3から1017cm−3の範囲内であってよい。いくつかの実装形態において、n型井戸領域612および614は、吸収領域506の上側表面からカウンタドープ領域610の下側表面へ、または吸収層506と基板502との間の界面へ延在し得る。
p型ドープ領域537、n型井戸領域612、カウンタドープ領域610、n型井戸領域614、およびp型ドープ領域547の配置構成は、PNINP接合構造を形成する。一般に、PNINP接合構造は、第1の制御信号122から第2の制御信号132への、または代替的に第2の制御信号132から第1の制御信号122へのリーク電流の流れを低減する。
いくつかの実装形態において、p型ドープ領域537は全体がn型井戸領域612内に形成される。いくつかの他の実装形態において、p型ドープ領域537はn型井戸領域612内に部分的に形成される。たとえば、p型ドープ領域537の一部はn型井戸領域612内にp型ドーパントを埋め込むことによって形成され得るが、p型ドープ領域537の別の部分はカウンタドープ領域610内にp型ドーパントを埋め込むことによって形成され得る。同様に、いくつかの実装形態において、p型ドープ領域547は全体がn型井戸領域614内に形成される。いくつかの他の実装形態において、p型ドープ領域547はn型井戸領域614内に部分的に形成される。いくつかの実装形態において、n型井戸領域612および614は、p型ドープ領域537および547の両方の少なくとも一部を含む連続的n型井戸領域を形成する。
フォトディテクタの動作速度または帯域幅は、ToF検出などの、光の高速な検出の恩恵を受けるアプリケーションに対する重要な性能パラメータであり得る。フォトディテクタの帯域幅に影響を及ぼし得る特性は、とりわけ、受光される光が通るフォトディテクタの面積などの、フォトディテクタの物理的サイズである。たとえば、フォトディテクタの面積を縮小することで、デバイスの静電容量、キャリア通過時間、またはこの両方の組合せを低減させることができ、その結果、典型的には、フォトディテクタの帯域幅が増大する。しかしながら、フォトディテクタの検出面積が縮小されると、フォトディテクタによって検出される光の量(すなわち、光子の数)が減ることになり得る。たとえば、単位面積当たりの光の所与の強度について、検出器の面積の縮小は検出される光の減少を引き起こす。
ToF検出などの、高い帯域幅と高い検出効率の両方の恩恵を受けるアプリケーションに対しては、フォトディテクタの前にマイクロレンズを追加すると有益な場合がある。マイクロレンズは入射光をフォトディテクタ上に集束させることができ、これにより、小面積のフォトディテクタがそれ自体より広い面積にわたって入射する光を検出することを可能にする。たとえば、マイクロレンズレンズと、マイクロレンズの有効焦点距離だけマイクロレンズをフォトディテクタから隔てるスペーサ層(SL)との適切に設計された組合せは、入射光を入射光の光波長の2乗程度である回折限界スポットに入射光を集束させることを可能にし得る。そのようなスキームは、フォトディテクタの面積縮小の潜在的なマイナス面を軽減しながらフォトディテクタの面積を縮小することを可能にし得る。
図7Aは、フォトディテクタと一体化されているシリコンレンズの例示的な構成700の断面図を示している。構成700は、ドナーウェハ710とキャリアウェハ730とを備える。ドナーウェハ710は、複数のピクセル720aから720c(ピクセル720と総称される)と、ビア714と、金属パッド716と、第1の接合層712とを備える。キャリアウェハ730は、第2の接合層732を備える。ドナーウェハ710およびキャリアウェハ730は、第1の接合層712および第2の接合層732を通じて互いに接合される。基板710は、図5Aの基板502に類似しているものとしてよい。吸収領域706は、図5A〜図5Lの吸収領域506に類似しているものとしてよい。
ピクセル720aから720cは、それぞれ吸収領域706aから706cと、それぞれマイクロレンズ722aから722c(まとめてマイクロレンズ722と称する)とを含む。マイクロレンズ722は、ドナーウェハ710内にまたはドナーウェハ710上に一体化される凸レンズである。ToF検出などの、高い光収集効率の恩恵を受けるアプリケーションにおいて、マイクロレンズ722を追加すると有益な場合がある。マイクロレンズ722が凸形状の構成をとることで、マイクロレンズ722上に入射する光を吸収領域706の方へ集束させることができ、これはピクセル720の光収集効率を改善し、その結果ピクセル性能の改善をもたらし得る。マイクロレンズ722をドナーウェハ710の裏面に置くピクセル720の配置構成は、裏面照射と称され得る。
マイクロレンズ722は、それが形成される幾何学的パラメータおよび材料を含む、その性能に影響を及ぼす様々な特性を有する。マイクロレンズ722は、典型的には、平凸構成で実装され、一方の表面は入射光に面し、曲率半径を持つ凸状であり、他方の表面はマイクロレンズ722が中にまたは上に形成されるドナーウェハ710とインターフェースする平面状表面である。マイクロレンズ722の平凸構成自体は、標準的な半導体処理技術を通じて加工するのに適しているものとしてよい。マイクロレンズ722は高さHLおよび直径DLを有するものとしてよく、高さHOだけ吸収領域706のレンズが面する表面から隔てられ得る。いくつかの実装形態において、HLは1から4μmの範囲内であってよく、HOは8から12μmの範囲内であってよく、HAは1から1.5μmの範囲内であってよく、DLは5から15μmの範囲内であってよい。いくつかの実装形態において、球面型マイクロレンズ722については、その曲率半径は、吸収領域706上への光の最適な集束が行われるようにマイクロレンズ722の焦点距離がHOにほぼ等しくなるように設定され得る。焦点距離および曲率半径の決定は、ビーム伝搬法(BPM)および時間領域差分(FDTD)技術などの様々なシミュレーション技術を使用して実行され得る。いくつかの実装形態において、マイクロレンズ722は非球面レンズである。
マイクロレンズ722は、様々な材料から形成され、様々な方法で加工され得る。一般に、波長がピクセル720によって検出されるように透過的である様々な材料が使用され得る。たとえば、マイクロレンズ722は、結晶シリコン、ポリシリコン、非晶質シリコン、シリコン窒化物、ポリマー、またはこれらの組合せなどの、中から高の屈折率(たとえば、>1.5)を有する材料から加工され得る。可視光波長に対しては、ポリマー材料が使用され得る。NIR波長に対しては、シリコンがNIRにおいて比較的透過的であり、比較的高い屈折率(1000nmで約3.5)を有しており、NIRにおいてレンズ材料として十分に適しているので、シリコンが使用されてよい。さらに、シリコンは可視光波長(たとえば、<800nm)を強く吸収するので、シリコンマイクロレンズは、可視光の実質的部分が吸収領域706に到達するのを阻止し得、これはNIR波長の選択的検出が望ましいアプリケーション(たとえば、ToF検出)に対して有益であり得る。結晶シリコンのマイクロレンズ722は、典型的には結晶シリコンウェハである、ドナーウェハ710の表面にパターンを形成しエッチングすることによって加工されるものとしてよい。別の例として、ポリシリコンまたは非晶質シリコンがドナーウェハ710の表面上に堆積されるものとしてよく、次いでこれも同様の仕方でパターン形成されエッチングされ得る。結晶シリコンのドナーウェハ710のエッチングを通じて、またはドナーウェハ710上に堆積されたポリシリコンまたは非晶質シリコンのエッチングによってマイクロレンズ722を形成することは、ドナーウェハ710上にマイクロレンズ722を一体形成する例示的な方法である。
マイクロレンズ722のパターン形成は、たとえば、グレースケールリソグラフィ技術を使用して実行され得る。グレースケールリソグラフィでは、マイクロレンズなどの、パターン形成されるべき特徴は、現像された結果として得られるフォトレジストマスクの厚さの漸次的変化に変換される、照射線量における局所的な階調を使用して露光される。たとえば、フォトレジストマスクは、マイクロレンズ722などの類似の形状を有するようにパターン形成されるものとしてよい。次いで、フォトレジストマスクは、プラズマベースの方向性エッチング技術などの半導体エッチング技術によって、結晶シリコンドナーウェハ710などの、下にある材料上に転写され、マイクロレンズ722の加工を完了する。いくつかの実装形態において、照射線量における局所的な階調は、たとえば、フォトマスク上のサブ波長のフィルファクタを変化させることによって達成され得る。
吸収領域706は、図5Aに関して説明されている吸収領域506に類似しているものとしてよい。キャリアウェハ730は、ピクセル720に結合されている様々な電子回路を含み得る。たとえば、電子回路は、ビア714などの構造を通じて結合されてよい。ビア714は金属パッド716に結合され、たとえば、ワイヤボンドを通じて外部電子部品とインターフェースするものとしてよい。
キャリアウェハ730およびドナーウェハ710は、様々な技術を通じて互いに接合されるか、または機械的に取り付けられ得る。たとえば、第1および第2の接合層712および732は酸化物(たとえば、二酸化ケイ素)であってよく、接合は酸化物−酸化物接合であってよい。別の例として、第1および第2の接合層712および732は金属(たとえば、銅)であってよく、接合は金属−金属接合であってよい。さらに別の例として、第1および第2の接合層712および732は酸化物と金属との組合せ(たとえば、酸化ケイ素と銅)であってよく、接合はハイブリッド接合であってよい。
図7Bは、フォトディテクタと一体化されているマイクロレンズの例示的な構成740の断面図を示している。構成740は、マイクロレンズ742と、反射防止コーティング(ARC)層744と、スペーサ層746と、第1の層748と、第2の層750と、シリコン層752と、フォトディテクタ754とを含む。ARC層744は、マイクロレンズ742によって支持される。マイクロレンズ742は、スペーサ層746によって支持される。フォトディテクタ754は、シリコン層752によって支持されるか、またはシリコン層752内に形成され得る。第1の層748および第2の層750は、シリコン層752とスペーサ層746との間の中間層であってよい。
ARC層744が設けられ、これによりマイクロレンズ742上に入射する光の反射を低減する。ARC層744は、たとえば、マイクロレンズ742の屈折率の平方根である屈折率を有し、入射波長の1/4に対応する厚さを有するように設計され得る。いくつかの実装形態において、ARC層744は、二酸化ケイ素から形成され得る。いくつかの実装形態において、ARC層744は複数の層を含み、多層ARCを形成し得る。
構成740は、裏面照射(BSI)型イメージセンサ構成のマイクロレンズ742の一体化に対応し得る。たとえば、シリコン層752は図7Aの基板710または図5Dの基板502などのシリコン基板とすることができ、フォトディテクタ754は、たとえば、図5Dのスイッチトフォトディテクタ530であってよい。シリコン層752と第2の層750との間の界面は、図5Dの吸収領域506に対向する基板502の底部表面に対応し得る。そのようなBSI構成において、シリコン層752上に形成される第2の層750、たとえば、基板502の裏面は、BSI照射センサウェハの加工時に典型的である様々な構造および層を含むことができる。そのような構造および層の例は、シリコン層752の界面のところの光反射を低減するためのARC層、およびマイクロレンズ742の下の領域など、受光するための領域以外のシリコン層752内への光を阻止するための、タングステングリッドなどの、金属グリッドを含む。第1の層748は、他にもあるがとりわけ、構成740の製造性および信頼性を改善するために第2の層750へのスペーサ層746の接着を促進する材料の薄い層であってよい。第1の層748に対する材料は、たとえば、様々な誘電体材料(たとえば、SiO2、SiON、およびSiN)またはポリマーであってよい。いくつかの実装形態において、第1の層748は、第2の層750とスペーサ層746との間の相互作用に応じて省くことができる(たとえば、スペーサ層746が第2の層750との間で良好な接着性を有している場合)。
構成740は、シリコン層752、フォトディテクタ754、および第2の層750を含むセンサウェハを提供し、第1の層748、スペーサ層746、マイクロレンズ742、およびARC層744を所与の順序で堆積し、次いで、パターン形成し、エッチングして図7Aに示されている金属パッド716に類似する金属パッドを露出させることによって加工され得る。マイクロレンズ742は、図7Aのマイクロレンズ722の加工に関して説明されている技術を使用してパターン形成され、エッチングされ得る。ARC層744は、マイクロレンズ742の表面に限定されているように図示されているが、一般には、ARC層744は、マイクロレンズ742の側部表面およびスペーサ層746の上側表面などの、他の表面に及ぶものとしてよい。
940nmの動作波長に合わせて構成されている構成740の特定の実装形態のコンポーネントの様々な特性は一例として挙げられている。マイクロレンズ742は、1.5316の屈折率、6μmの曲率半径、4μmの高さ、および10μmの直径DLを有する。ARC層744は、SiO2から形成され、これは940nmで1.46の屈折率、および160.96nmの厚さを有する。スペーサ層746は、1.5604の屈折率および10μmの厚さを有する。第1の層748は、1.5507の屈折率および60μmの厚さを有する。第2の層750は、シリコン層752およびタングステングリッドに対してARC層を含む。特定の特性が提示されているが、特性は、たとえば、フォトディテクタ754の異なる動作波長、材料、およびサイズについて構成740を適応させるように改質され得る。
いくつかの実装形態において、BSIイメージセンサのシリコン基板の裏面の上に形成される「トップ層」と称され得る、第2の層750は、構成740の全体的な光学的性能を改善するために改質され得る。第2の層750は、すでに説明されているように、典型的には、SiO2の層内に埋め込まれたタングステングリッドなどの、誘電体層内に埋め込まれた金属グリッドを含む。SiO2のこの層は、光が空気から直接シリコン層752に入射していた場合にARC層として働き得る。しかしながら、すべて空気の屈折率(約1.0)より著しく高い屈折率を有するマイクロレンズ742、スペーサ層746、および第1の層748を追加したことで、SiO2層は、シリコン層752と第1の層748および/またはスペーサ層746の積み重ねとの間の界面のところの光の反射を低減する機能を効果的に果たし得ない。
Table 1(表1)は、構成740の一実装形態のシミュレーションパラメータおよび計算された透過率を示している。層および厚さは、構成740の異なる実装形態の予想される透過率を近似するシミュレーションを実行することを目的として適応および/または近似されている。
Table 1(表1)を参照すると、事例1はSiO2の標準的な単一層を含む第2の層750に対応しており、その結果、約79%のシミュレートされた透過率が得られる。可能な限り多くの入射光を検出することが重要であるアプリケーションについては、入射光のそのような21%の損失は許容できない場合がある。透過率のそのような低下は、SiO2層とシリコン層752との間の中間層としてSiO2層の下の第2の層750にSi3N4層を入れることによって軽減され得る。約121nmのSi3N4を入れることによって、透過率は約97.6%まで改善できる。そのようなものとして、中間層は、反射防止層と称され得る。一般に、屈折率がSiO2の屈折率より高い様々な光学的に透明な材料がSi3N4の代わりに使用されてよい。例示的な材料は、SiON、SiN、Al2O3、HfO2、ZrO2、およびLa2O3、ならびにCMOS製造プロセスと親和性の高い高k材料(たとえば、高い誘電定数を有する材料)を含む。好適な材料は、たとえば、1.6、1.7、1.8、1.9、または2.0より高い屈折率を有し得る。材料の厚さは、材料内の光の波長の1/4の奇数倍となるように適合されるべきである。
Si3N4または高k材料層をシリコン層752の上に直接追加することで、結果として、たとえば、シリコン−SiO2界面と比べてシリコン−Si3N4界面における表面欠陥が増大するのでフォトディテクタ754の暗電流が増大し得る。暗電流のそのような増大を軽減するために、いくつかの実装形態において、SiO2の第2の層がSi3N4層とシリコン層752との間に挿入することができる。厚さが10nmから50nmの範囲内のSiO2の第2の層を挿入した結果、透過率はそれぞれ約97.1%から85%の範囲となる。そのようなものとして、10nmなどのSiO2の薄い層を挿入することは、高い光学的透過率を維持しながら暗電流の増大を軽減するのに有益であり得る。
すでに説明されているように、スイッチトフォトディテクタの制御領域を横切って流れる低いリーク電流は、重要な性能パラメータであるが、それはフォトディテクタを備える装置の消費電力を下げることに寄与するからである。別の重要な態様の性能パラメータは、スイッチトフォトディテクタの読み出し領域と制御領域との間を流れる暗電流であるが、それは暗電流がスイッチトフォトディテクタによって検出される信号のノイズに寄与し、測定ToF信号の信号対雑音比(SNR)を低下させるからである。
図8Aは、スイッチトフォトディテクタに対する例示的なスイッチ800を示している。スイッチ800は、本明細書において説明されている様々なスイッチトフォトディテクタにおいて第1または第2のスイッチとして使用され得る。スイッチ800は、図5Aに関してすでに説明されている、第1の層508を有する吸収領域506内に形成される。スイッチ800は、n型ドープ領域802と、n型ドープ領域802に結合されている読み出し接点804と、低濃度ドープn型井戸領域806と、p型ドープ領域812と、p型ドープ領域812に結合されている制御接点814と、低濃度ドープp型井戸領域816と、n型井戸領域818とを備える。n型ドープ領域802およびp型ドープ領域812のエッジは、距離Sだけ隔てられる。n型ドープ領域802およびp型ドープ領域812は、図5Eの第1のn型ドープ領域534および第1のp型ドープ領域537に類似しているものとしてよい。n型井戸領域818は、図5Eにおけるn型井戸領域539に類似しているものとしてよい。読み出し接点804および制御接点814は、図5Eにおける第1の読み出し接点535および第1の制御接点538に類似しているものとしてよい。p型ドープ領域812は制御領域であり、n型ドープ領域802は読み出し領域であるものとしてよい。
制御領域(p型ドープ領域812)、吸収領域506(非ドープ/真性)、および読み出し領域(n型ドープ領域802)によって形成される横型PINダイオード内の暗電流の発生源は、Shockley−Read−Hall(SRH)生成およびバンド間トンネリングを含む。SRH生成は、吸収領域506の表面に表面欠陥が存在することによる影響を受け得る。第1の層508の追加は、部分的に、表面欠陥を低減し、これはSRH生成による暗電流を低減することができる。n型ドープ領域802とp型ドープ領域812との間の距離Sを増やすことでも、たとえば、n型ドープ領域802とp型ドープ領域812との間の電界の低下による暗電流を低減することができ、延いては前記領域の間のSRH生成率を減少させる。たとえば、距離Sは400nmを超えて保たれるべきである。しかしながら、距離Sを増やすと、たとえば、キャリア通過時間の増大によるフォトディテクタの帯域幅の減少が生じ得る。低濃度ドープn型井戸領域806、低濃度ドープp型井戸領域816、またはこれらの組合せを追加することで、そのようなトレードオフに打ち勝ちやすくなり得る。
それぞれの低濃度ドープ領域806および816は、それぞれのn型ドープ領域802およびp型ドープ領域812より低いドーパント濃度を有する。たとえば、低濃度ドープ領域806および816は、1*1017cm−3程度のドーパント濃度を有することができるが、これは1*1019cm−3程度のドーパント濃度を有することができるn型ドープ領域802およびp型ドープ領域812の濃度より低い。低濃度ドープ領域の存在は、中間ドーパント濃度の領域を設けることによって、1*1015cm−3以下程度のドーパント濃度を有し得る、ドープ領域802および812と吸収領域506との間のドーパント濃度の不連続性を低減し、その結果、ドープ領域802および812のエッジにおける電界値が減少する。電界値を減少させることによって、バンド間トンネリングも低減されてもよく、このことは2つのドープ領域802および812の間の暗電流の低下をもたらす。それに加えて、SRH生成からの寄与が低減され得る。一般に、低濃度ドープ領域806および816のドーピング濃度は、スイッチの幾何学的形状、ドープ領域802および812のドーピング濃度、および吸収領域506のドーピング濃度などの様々な要因に基づき設定され得る。
図8Bは、スイッチトフォトディテクタに対する例示的なスイッチ820を示している。スイッチ820は図8Aのスイッチ800に類似しているが、低濃度ドープ領域806および816の代わりに、吸収領域506内にトレンチ822が形成され、これは誘電充填材824によって充填される点が異なる。誘電充填材824を充填されたトレンチ822は、暗電流の低減に寄与し得る。
誘電充填材824は、典型的には、周囲の吸収領域506の誘電定数より低い誘電定数を持つ電気的絶縁材料である。電界は、高い誘電定数を有する領域と比較して低い誘電定数を有する領域内をさらに貫通することができる。誘電体充填トレンチ822をドープ領域802および812に近接するように置くことによって、ドープ領域802および812の周りに、およびドープ領域802および812を囲む空乏領域(「空間電荷領域」)内に形成される高電界領域の一部は、誘電充填材824内に引き込まれる。したがって、吸収領域506内のSRHの生成および/またはバンド間トンネリングが低減される。さらに、ゲルマニウム吸収領域506とは異なり、SiO2などの誘電充填材824は絶縁体であり、SRH生成および/またはバンド間トンネリングに寄与しない。したがって、ドープ領域802および812のエッジのところで高電界領域によって引き起こされるSRH生成および/またはバンド間トンネリングを通しての暗電流生成は低減され得る。
トレンチ822は、乾式エッチング(たとえば、プラズマエッチング)技術または湿式エッチング(たとえば、液体化学浴)技術を通じて吸収領域をエッチングすることによって形成され得る。トレンチ822は、ドープ領域802および812の深さ(たとえば、10〜200nm)に類似する深さまでエッチングされるものとしてよい。トレンチ822は、n型ドープ領域802またはp型ドープ領域812のうちの少なくとも一方を囲む高電界領域の少なくとも一部と重なり合うべきである。いくつかの実装形態において、ドープ領域802および812内にトレンチ822を掘り、n型ドープ領域802およびp型ドープ領域812の一部を取り除く。トレンチ822が形成された後、第1の層508はトレンチ822の上に堆積され、トレンチ822の表面上に存在している欠陥を不動態化するものとしてよい。ゲルマニウム吸収領域806の場合、第1の層508は、たとえば、非晶質シリコン、ポリシリコン、ゲルマニウム−シリコン、またはこれらの組合せであってよい。次いで、トレンチ822は、たとえばSiO2であってよい、誘電充填材824を充填される。誘電充填材824は、暗電流の生成を回避するために不純物の濃度を著しく高めることなくきれいであるべきである。
いくつかの実装形態において、トレンチの深さは、ドープ領域802および812の深さより深いものとしてよい。たとえば、深さが約100nmであるドープ領域802および812について、200nmのトレンチ深さは、SRH生成および/またはバンド間トンネリングをさらに低減し得る。いくつかの実装形態において、ドープ領域802および812の周りのSRH生成および/またはバンド間トンネリングの50%を超える低減が観察され得る。
図8Cは、スイッチトフォトディテクタに対する例示的なスイッチ830を示している。スイッチ830は、図8Aのスイッチ800に類似しているが、図8Bのトレンチ822と誘電充填材824とをさらに備える。低濃度ドープ領域806および816ならびにトレンチ822を同時に実装する場合、低濃度ドープ領域806および816またはトレンチ822のいずれかを孤立して個別に実装する場合に比べて、バンド間トンネリング、SRH再結合、またはこれらの組合せはさらに低減され得る。
一般に、低濃度ドープ領域806および816またはトレンチ822の使用を通じての暗電流の低減は、スイッチの特定の設計およびスイッチを含むスイッチトフォトディテクタの全体的設計に依存する。そのようなものとして、図8Cに示されている実装形態は低濃度ドープ領域806および816とトレンチ822の両方を含むが、低濃度ドープ領域、トレンチ、またはこれら2つの組合せを実装する決定は、スイッチが含まれるべきであるスイッチトフォトディテクタの特定の設計に基づき得る。さらに、単一のトレンチ822が図示されているが、一般には、トレンチ822は2つまたはそれ以上のトレンチに分割され得る。
第1の層508およびn型井戸818は、図8A〜図8Dに示されている実装形態に含まれるが、第1の層508、n型井戸818、またはその両方がいくつかの実装形態では省かれてもよい。
今までのところ、スイッチトフォトディテクタおよびスイッチトフォトディテクタに対するスイッチの様々な実装形態が説明されてきた。次に、スイッチトフォトディテクタの様々な構造およびコンポーネントの詳細が説明される。
スイッチトフォトディテクタは、典型的には、基板102、202、302、402、および502などの、基板上に加工される。基板は、その上でスイッチトフォトディテクタが加工されるキャリア材料である。半導体ウェハは、基板の一例である。基板はスイッチトフォトディテクタの一部であってよいが、一般に、基板は、単純に、その上でスイッチトフォトディテクタ加工される機械的プラットフォームをもたらし得る。基板は、シリコン、ゲルマニウム、化合物半導体(たとえば、III−V、II−VI)、炭化ケイ素、ガラス、およびサファイアなどの異なる材料から形成され得る。基板は、様々な層を中に入れるものとしてよい。たとえば、シリコン−オン−インシュレータ(SOI)基板は、シリコンの基層、シリコンの基層上の絶縁層(たとえば、SiO2)、および絶縁体の層上のシリコンのデバイス層を含む。SOIは、追加のデバイス層−絶縁層の対を含み得る。たとえば、二重SOI(DSOI)ウェハは、2つのデバイス層−絶縁層の対を含む。
スイッチトフォトディテクタは、入射光を吸収し、吸収された光を電荷キャリアに変換するように構成されている吸収領域を含む。吸収層106、206、306、および406、ならびに吸収領域506および706は、吸収領域の例である。吸収領域は、スイッチトフォトディテクタの動作波長の光を吸収する様々な吸収体材料から形成されるものとしてよい。吸収領域に対する例示的な材料は、シリコン、ゲルマニウム、IV−IV半導体合金(たとえば、GeSn、GeSi)、III−V化合物半導体(たとえば、GaAs、InGaAs、InP、InAlAs、InGaAlAs)、ならびに周期律表の第III族、第IV族、および第V族における他の材料を含む。いくつかの実装形態において、吸収領域は、基板内の一領域であってよい。たとえば、シリコン基板の一領域は、可視光に対する吸収領域として使用され得る。
いくつかの実装形態において、吸収領域は、材料組成の変化(たとえば、異なるGeSi組成)によって、吸収材料内で領域をドープすることによって(たとえば、カウンタドープ領域)、または光を透過する光学窓(たとえば、BSIイメージセンサ内のタングステングリッド開口部)を形成することによって光吸収材料内に画成され得る。
吸収体材料は、基板上に堆積され得る。たとえば、吸収体材料は、基板上にブランケット堆積され得る。いくつかの実装形態において、吸収体材料は、基板上に形成された中間層上に堆積され得る。一般に、中間層は、吸収体材料、基板、またはその両方に基づき選択され得る。そのような中間層は、デバイス製造性を改善し、および/またはデバイス性能を改善し得る。中間層の例示的な材料は、シリコン、傾斜ゲルマニウム−シリコン化合物材料、傾斜III−V材料、ゲルマニウム、GaN、およびSiCを含む。傾斜材料は、少なくとも1つの方向に沿って材料組成が変化する材料を指す。たとえば、傾斜GeSi材料は、材料の一端の1%ゲルマニウムから材料の他端の99%ゲルマニウムまで変化する組成を有し得る。一般に、開始および終了組成は、たとえば、基板組成および吸収体材料組成に基づき設定され得る。
いくつかの実装形態において、吸収体材料は、2つまたはそれ以上のステップで中間層上にエピタキシャル成長させることができる。たとえば、吸収体材料(たとえば、Ge、GeSi)は、下にある基板(たとえば、結晶シリコン基板)への開口部を有する誘電体層上に堆積され得る。そのようなマルチステップ成長手順は、吸収体材料が一致しない格子定数を有している基板上に堆積されるときに材料品質(たとえば、材料欠陥数の減少)を改善し得る。そのようなマルチステップ成長手順の例は、参照により本明細書に完全に組み込まれている、米国特許第9,786,715号、名称「High Efficiency Wide Spectrum Sensor」で説明されている。
図9A〜図9Dは、スイッチトフォトディテクタで使用するための例示的な電気端子を示している。図9Aを参照すると、電気端子900は、領域902と、接点金属904と、ドープ領域906とを含む。領域902は、その上に電気端子900が形成される材料であり、吸収領域506などの吸収領域、および基板502などの基板に対応し得る。ドープ領域906は、ドーパントのタイプに応じて、p型(アクセプタ)ドープ領域またはn型(ドナー)ドープ領域であってよい。ドープ領域906は、典型的には接点金属904と領域902との間にオーミック接触が形成され得るように高ドーピング濃度(たとえば、1*1019から5*1020cm−3の間)にドープされる。ドーピング濃度のそのようなレベルは、「縮退ドーピング」と称され得る。
接点金属904は、ドープ領域906を通して領域902と接触する金属材料である。接点金属は、領域902の材料およびドープ領域906のドーパントに基づき様々な金属および合金から選択され得る。例は、Al、Cu、W、Ti、Ta−TaN−Cu積層、Ti−TiN−W積層、および様々なケイ化物を含む。
図9Bを参照すると、電気端子910は、図9Aの電気端子900に類似しているが、ドープ領域906が省かれている点が異なる。ドープ領域906なしで接点金属904を領域902上に直接置くと、領域902の材料、接点金属904、および領域902の不純物または欠陥レベルを含む様々な要因に応じて、ショットキー接触、オーミック接触、またはこれら2つの間の中間特性を有する、これらの組合せが形成され得る。
図9Cを参照すると、電気端子920は、図9Bの電気端子910に類似しているが、誘電体層922が接点金属904と領域902との間に挿入される点が異なる。たとえば、(結晶)ゲルマニウム領域902については、誘電体層922は、非晶質シリコン、ポリシリコン、またはゲルマニウム−シリコンであってよい。別の例として、(結晶)シリコン領域902については、誘電体層922は、非晶質シリコン、ポリシリコン、またはゲルマニウム−シリコンであってよい。誘電体層922を挿入することで、ショットキー接触、オーミック接触、またはこれら2つの間の中間特性を有する、これらの組合せが形成され得る。
図9Dを参照すると、電気端子930は、図9Bの電気端子910に類似しているが、絶縁層932が接点金属904と領域902との間に挿入される点が異なる。絶縁層932は、接点金属904から領域902に直流が流れるのを防ぐが、接点金属904に電圧が印加されたことに応答して領域902内に電界が確立されることを可能にする。確立された電界は、領域902内で電荷キャリアを引き付けるか、または反発するものとしてよい。絶縁層932は、SiO2、Si3N4、または高k材料であってよい。
スイッチトフォトディテクタの、図5Dの第1のスイッチ532などのスイッチは、キャリア制御端子とキャリア収集(読み出し)端子とを備える。キャリア制御端子は、たとえば、外部バイアス回路を通じて制御電圧を印加することによって特定の方向(たとえば、キャリア収集端子の方)に領域902内の光生成キャリアを向けるように構成されている端子である。キャリア制御端子の動作は、図1Aの制御信号122および132に関して説明されている。キャリア制御端子を実装するために異なるタイプの電気端子が使用されてもよい。たとえば、キャリア制御端子を実装するために電気端子900、910、920、および930が使用されてもよい。
キャリア収集端子は、領域902内で光生成キャリアを収集するように構成されている端子である。キャリア収集端子は、電子(たとえば、n型ドープ領域906)または正孔(たとえば、p型ドープ領域906)を収集するように構成され得る。キャリア収集端子の動作は、図1Aの読み出し回路124および134に関して説明されている。キャリア収集端子を実装するために異なるタイプの電気端子が使用されてもよい。たとえば、キャリア収集端子を実装するために電気端子900、910、および920が使用されてもよい。
キャリア制御端子およびキャリア収集端子の数は、ターゲットデバイス性能などの、様々な考慮事項に基づき変わり得る。例として、スイッチトフォトディテクタは、2つのキャリア制御端子と2つのキャリア収集端子、2つのキャリア制御端子と1つのキャリア収集端子、4つのキャリア制御端子と2つのキャリア収集端子、および4つのキャリア制御端子と4つのキャリア収集端子、という例示的な構成をとり得る。一般に、スイッチトフォトディテクタが1よりも多い任意の数のキャリア制御端子およびキャリア収集端子を有することができる。
さらに2つまたはそれ以上の制御端子がスイッチトフォトディテクタ内に実装されるときに、すでに説明されている電気端子の様々な組合せが使用され得る。たとえば、オーミックおよびショットキー/オーミック端子(たとえば、端子900および920)、オーミックおよび絶縁(たとえば、端子900および930)、絶縁およびショットキー/オーミック(たとえば、端子930および920)、ならびにオーミックおよびショットキー/オーミック、および絶縁(たとえば、端子900、920、および930)の組合せが使用され得る。
さらに2つまたはそれ以上のキャリア収集端子がスイッチトフォトディテクタ内に実装されるときに、オーミックおよびショットキー/オーミック端子(たとえば、端子900および920)の組合せが使用され得る。
電気端子は、製造性およびデバイス性能などの、様々な考慮事項に基づき様々な形状を有し得る。図9Eは、電気端子の様々な形状の例示的な上面図を示している。端子940は、矩形、三角形、円形、多角形の形状をとり得るか、またはそのような形状の組合せであってもよい。端子のコーナーは鋭利であるか、または丸くなっていてもよい。形状は、ドーピング領域、金属シリサイド、接点金属、またはこれらの任意の組合せを使用して定められ得る。
吸収領域および基板は、様々な構成で配置構成されてよく、吸収領域は、製造性およびデバイス性能などの、様々な考慮事項に基づき様々な形状をとり得る。図10A〜図10Iを参照すると、吸収領域および基板の例示的な構成が図示されている。特に、図10Aを参照すると、構成1000は、基板1002と、基板1002の上側表面から突き出ている吸収領域1004とを備える。基板1002は、図5Dに関して説明されている基板502に類似しているものとしてよく、吸収領域1004は、図5Dに関して説明されている吸収領域506に類似しているものとしてよい。構成1000は、吸収領域1004を基板1002上に堆積し、吸収領域1004を突出構造内にエッチングすることによって加工され得る。
図10Bを参照すると、構成1010は図10Aの構成1000に類似しているが、ここでは、吸収領域1004と基板1002との間に中間層1006を備える。中間層は、基板1002の上での吸収領域1004の成長を円滑にする緩衝層であってよい。構成1010は、中間層1006を基板1002上に堆積し、吸収領域1004を中間層1006上に堆積し、吸収領域1004および中間層1006を突出構造内にエッチングすることによって加工され得る。
図10Cを参照すると、構成1020は図10Aの構成1000に類似しているが、ここでは、吸収領域1004は基板1002内に部分的に埋め込まれる。構成1020は、基板1002上に凹部を形成し、形成された凹部内に吸収領域1004を選択的に堆積することによって加工され得る。代替的に、構成1020は、基板1002の上に犠牲層を堆積し、堆積された犠牲層を通してエッチングして基板1002内に凹部を形成し、吸収材料を選択的に堆積し、化学機械研磨(CMP)ステップなどの平坦化ステップを実行することによって凹部の外側に堆積された吸収材料を取り除き、湿式化学エッチなどの選択的エッチを通じて犠牲層を取り除くことによって加工され得る。
図10Dを参照すると、構成1030は図10Cの構成1020に類似しているが、ここでは、吸収領域1004は基板1002内に完全に埋め込まれる。構成1030は、基板1002内に凹部を形成し、基板1002の上に吸収材料の選択層を堆積し、化学機械研磨(CMP)ステップなどの平坦化ステップを実行することによって凹部の外側に堆積された吸収材料を取り除くことによって加工され得る。
図10Eを参照すると、構成1040は図10Dの構成1030に類似しているが、ここでは、中間層1006は、凹部内において吸収領域1004と基板1002との間に挿入される。構成1040は、基板1002内に凹部を形成し、中間層1006のコンフォーマル層(conformal layer)を堆積し、中間層1006の上に吸収材料のブランケット層を堆積し、化学機械研磨(CMP)ステップなどの平坦化ステップを実行することによって凹部の外側に堆積された吸収材料および中間層を取り除くことによって加工され得る。
図10Fを参照すると、構成1050は図10Eの構成1040に類似しているが、ここでは、第2の中間層1008が、吸収領域1004の側壁と基板1002の凹部の側壁との間の界面において第1の中間層1006を置き換える。構成1050は、基板1002内に凹部を形成し、第2の中間層1008のコンフォーマル層を堆積し、異方性ブランケットエッチングを実行して垂直表面に沿って第2の中間層1008を取り除き、第1の中間層1006のコンフォーマル層を堆積し、異方性ブランケットエッチングを実行して非垂直表面に沿って第1の中間層1006を取り除き、吸収材料の選択層を堆積し、化学機械研磨(CMP)ステップなどの平坦化ステップを実行することによって凹部の外側に堆積された吸収材料および第1の中間層を取り除くことによって加工され得る。例示的な一実装形態において、第1の中間層1006は、SiO2から形成されてよく、第2の中間層1008は、GeSiから形成されてよい。
図10Gを参照すると、構成1060は図10Aの構成1000に類似しているが、ここでは、吸収領域1004が埋め込まれている階段状の中間層1062を備える。階段状の中間層1062は、基板1002への開口部1064と、吸収領域1004が埋め込まれる凹部1066とを備える。吸収領域1004は、開口部1064を通して基板1002と接触する。構成1060は、基板1002上に中間層を堆積し、堆積された中間層の全厚全体を通して開口部1064をエッチングし、堆積された中間層内に凹部1066をエッチングし、階段状の中間層1062上に吸収領域1004を堆積し、化学機械研磨(CMP)ステップなどの平坦化ステップを実行することによって凹部1066の外側に堆積された吸収材料を取り除くことによって加工され得る。
図10Hを参照すると、構成1070は図10Gの構成1060に類似しているが、ここでは、凹部1066が形成される第2の中間層1072を備える。構成1070は、基板1002上に第1の中間層1062を堆積し、第2の中間層1072を堆積し、第1の中間層1062および第2の中間層1072を通して開口部1064をエッチングし、第2の中間層1072内に凹部1066をエッチングし、吸収領域1004を堆積し、化学機械研磨(CMP)ステップなどの平坦化ステップを実行することによって凹部1066の外側に堆積された吸収材料を取り除くことによって加工され得る。
図10Iを参照すると、構成1080は図10Eの構成1040に類似しているが、ここでは、中間層1006上に形成された開口部1084を含む。吸収領域1004は、開口部1084を通して基板1002と接触する。構成1080は、基板1002内に凹部を形成し、中間層1006のコンフォーマル層を堆積し、開口部1084をエッチングし、中間層1006の上に吸収材料のブランケット層を堆積し、化学機械研磨(CMP)ステップなどの平坦化ステップを実行することによって凹部の外側に堆積された吸収材料および中間層を取り除くことによって加工され得る。
吸収領域、キャリア制御端子、およびキャリア収集端子は、製造性およびデバイス性能などの、様々な考慮事項に基づき様々な構成で配置構成され得る。図11A〜図11Bは、キャリア制御端子およびキャリア収集端子が基板上に置かれ、基板の一部が吸収領域である例示的なスイッチトフォトディテクタ1100の上面図および側面図を示している。この例では、スイッチトフォトディテクタ1100は、基板1102と、吸収領域1104と、キャリア収集端子1106と、キャリア制御端子1108とを備える。吸収領域1104は、基板1102内の一領域である。たとえば、シリコン基板1102については、吸収領域1104はシリコンで形成され、吸収領域1104は可視光を吸収し得る。吸収領域1104は、様々な形状、たとえば、フォトディテクタ1100の上面図における正方形の形状を有し得る。吸収領域1104は、基板1102の上側表面から上側表面の下の所望の深さまで貫入し得る。たとえば、吸収領域1104は、基板1102の上側表面の下1μm、2μm、3μm、5μm、または10μmまで延在し得る。キャリア収集端子1106とキャリア制御端子1108の隣接する対はスイッチを形成する。吸収領域1104は、キャリア収集端子1106とキャリア制御端子1108の隣接する対の間に配置構成される。いくつかの実装形態において、キャリア収集端子とキャリア制御端子の隣接する対は、吸収領域1104の周りに対称的に(たとえば、吸収領域1104の対向する辺または4辺に)配置構成される。そのような対称的配置は、これらの対によって形成される2つのスイッチのキャリア制御および収集性能のマッチングを改善し得る。
図11C〜図11Fは、吸収領域が基板と異なる材料から形成される例示的なスイッチトフォトディテクタの上面図および側面図を示している。図11C〜図11Dを参照すると、スイッチトフォトディテクタ1120は、基板1102と、吸収領域1124と、キャリア収集端子1106と、キャリア制御端子1108とを備えている。図11Cは、スイッチトフォトディテクタ1120の上面図を示し、図11Dは、スイッチトフォトディテクタ1120の側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ1120は、図11A〜図11Bのスイッチトフォトディテクタ1100に類似しているが、スイッチトフォトディテクタ1120の吸収領域1124は基板1102と異なる材料から形成される点が異なる。たとえば、吸収領域1124はゲルマニウムから形成され、基板1102はシリコン基板であってよい。吸収領域1124は、基板1102内に形成された凹部内に完全に埋め込まれる。埋め込まれた構造の具体的詳細は図示されていないが、埋め込まれた吸収領域1124は、たとえば図10D〜図10Fおよび図5Cに関して説明されているように実装されるものとしてよい。
図11Eを参照すると、スイッチトフォトディテクタ1130は図11C〜図11Dのスイッチトフォトディテクタ1120に類似しているが、ここでは、吸収領域1124は基板1102内に部分的に埋め込まれる点が異なる。部分的に埋め込まれた構造の具体的詳細は図示されていないが、部分的に埋め込まれた吸収領域1124は、たとえば図10Cおよび図5Bに関して説明されているように実装されるものとしてよい。
図11Fを参照すると、スイッチトフォトディテクタ1140は図11C〜図11Dのスイッチトフォトディテクタ1120に類似しているが、ここでは、吸収領域1124は基板1102上で完全に突き出ている点が異なる。完全に突き出ている構造の具体的詳細は図示されていないが、完全に突き出ている吸収領域1124は、たとえば図10A〜図10Bおよび図5Aに関して説明されているように実装されるものとしてよい。
スイッチトフォトディテクタのいくつかの構成において、キャリア収集端子、キャリア制御端子、またはその両方は、吸収領域上に置かれるものとしてよい。基板、吸収領域、キャリア制御端子、およびキャリア収集端子の実装形態の詳細についての説明は、簡潔にするため省かれる。図12A〜図12Bは、キャリア収集端子が基板上に置かれ、キャリア制御端子が吸収領域に置かれている例示的なスイッチトフォトディテクタ1200の上面図および側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ1200は、基板1202と、吸収領域1204と、受光領域1205と、キャリア収集端子1206と、キャリア制御端子1208とを備える。受光領域1205は、入力された光が入射する吸収領域1204の一部を指示するものとしてよく、吸収領域1204の残り部分から物理的に区別できないものとしてよい。たとえば、遮光体(たとえば、タングステングリッド)とマイクロレンズとの組合せは、入射光を阻止し、受光領域1205上に集束させ得る。キャリア収集端子1206は基板1202上に置かれ、キャリア制御端子1208は受光領域1205と重なり合わない位置で吸収領域1204上に置かれる。スイッチトフォトディテクタ1200については、吸収領域1204は完全に突き出ている。吸収領域1204は、スイッチトフォトディテクタ1220について図12Cに示されているように部分的に埋め込まれるか、またはスイッチトフォトディテクタ1230について図12Dに示されているように完全に埋め込まれ得る。
図12E〜図12Fは、キャリア収集端子およびキャリア制御端子の両方が吸収領域に置かれている例示的なスイッチトフォトディテクタ1240の上面図および側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ1240は、図12A〜図12Bのスイッチトフォトディテクタ1200に類似しているが、ここではキャリア収集端子1206が受光領域1205と重なり合わない位置で吸収領域1204上に置かれる点が異なる。スイッチトフォトディテクタ1240については、吸収領域1204は完全に突き出ている。吸収領域1204は、スイッチトフォトディテクタ1250について図12Gに示されているように部分的に埋め込まれるか、またはスイッチトフォトディテクタ1260について図12Hに示されているように完全に埋め込まれ得る。
図12A〜図12Hの受光領域1205は、キャリア収集端子またはキャリア制御端子と重なり合わないものとして図示されているが、一般に、受光領域1205は、キャリア制御端子の少なくとも一部、キャリア収集端子の少なくとも一部、および様々なn型ドープ領域またはp型ドープ領域の少なくとも一部と重なり合うものとしてよい。たとえば、そのような重なり合いは、FSIおよびBSIの両方の構成において使用されるピクセルに対して存在し得る。
スイッチトフォトディテクタのいくつかの構成において、各スイッチは、複数のキャリア収集端子、複数のキャリア制御端子、またはその両方のうちの複数を含み得る。基板、吸収領域、受光領域、キャリア制御端子、およびキャリア収集端子の実装形態の詳細についての説明は、簡潔にするため省かれる。図13A〜図13Gは、複数のキャリア制御端子または複数のキャリア収集端子を含むスイッチを有する例示的なスイッチトフォトディテクタの上面図を示している。図13Aを参照すると、スイッチトフォトディテクタ1300は、基板1302と、吸収領域1304と、受光領域1305と、基板のキャリア収集端子1306と、基板のキャリア制御端子1308と、吸収体のキャリア制御端子1309とを備える。基板のキャリア収集端子1306は、基板1302などの、基板上に置かれているキャリア収集端子である。基板のキャリア制御端子1308は、基板1302などの、基板上に置かれているキャリア制御端子である。吸収体のキャリア制御端子1309は、吸収領域1304などの、吸収領域上に置かれているキャリア制御端子である。基板のキャリア制御端子1308と組み合わせた吸収体のキャリア制御端子1309の効果および実装形態の詳細は、図5Kに関して説明されている。いくつかの実装形態において、基板のキャリア収集端子1306、基板のキャリア制御端子1308、および吸収体のキャリア制御端子1309の例示されている配置構成は、図13Bに示されているように第2の行で繰り返され得る。
図13Bを参照すると、スイッチトフォトディテクタ1310は図13Aのスイッチトフォトディテクタ1300に類似しているが、基板のキャリア制御端子1308が省かれており、また端子1306および1309の対の第2の行が追加されている点が異なる。制御端子および収集端子の第2の対は、端子の第2の対に隣接する制御端子および収集端子の第1の対と無関係に機能するか、組み合わせて機能し得る。
図13Cを参照すると、スイッチトフォトディテクタ1320は図13Bのスイッチトフォトディテクタ1310に類似しているが、基板のキャリア収集端子1306のうちの1つが受光領域1305の各側から取り除かれている点が異なる。それぞれの基板のキャリア収集端子1306と組み合わせた受光領域1305の各側の吸収体のキャリア制御端子1309の対は、スイッチとして機能し得る。
図13Dを参照すると、スイッチトフォトディテクタ1330は図13Bのスイッチトフォトディテクタ1310に類似しているが、基板のキャリア収集端子1306が吸収体のキャリア収集端子1307としての吸収領域1304上に移動されている点が異なる。
図13Eを参照すると、スイッチトフォトディテクタ1340は図13Dのスイッチトフォトディテクタ1330に類似しているが、吸収体のキャリア収集端子1307のうちの1つが受光領域1305の各側から取り除かれている点が異なる。それぞれの吸収体のキャリア収集端子1307と組み合わせた受光領域1305の各側の吸収体のキャリア制御端子1309の対は、スイッチとして機能し得る。
図13Fを参照すると、スイッチトフォトディテクタ1350は図13Dのスイッチトフォトディテクタ1330に類似しているが、吸収体のキャリア制御端子1309のうちの1つが受光領域1305の各側から取り除かれている点が異なる。それぞれの吸収体のキャリア制御端子1309と組み合わせた受光領域1305の各側の吸収体のキャリア収集端子1307の対は、スイッチとして機能し得る。
図13Gを参照すると、スイッチトフォトディテクタ1360は図13Dのスイッチトフォトディテクタ1330に類似しているが、吸収体のキャリア収集端子1307およびキャリア制御端子1309の4つの対がここで受光領域1305の周りに対称的に配置構成される点が異なる。端子1307および1309の各対は、スイッチとして機能し得る。各スイッチは、独立して機能するか、または別のスイッチと連携して機能し得る。たとえば、東および西スイッチは、第1のスイッチとして制御され、北および南スイッチは、第2のスイッチとして制御され得る。別の例として、東および南スイッチは、第1のスイッチとして制御され、西および北スイッチは、第2のスイッチとして制御され得る。
図13A〜図13Gの受光領域1305は、キャリア収集端子またはキャリア制御端子と重なり合わないものとして図示されているが、一般に、受光領域1305は、キャリア制御端子の少なくとも一部、キャリア収集端子の少なくとも一部、および様々なn型ドープ領域またはp型ドープ領域の少なくとも一部と重なり合うものとしてよい。たとえば、そのような重なり合いは、FSIおよびBSIの両方の構成において使用されるピクセルに対して存在し得る。
2つまたはそれ以上のキャリア制御端子を有するスイッチについて、キャリア制御端子は、独立して制御されるバイアス電圧と独立してバイアスをかけられ得るか、またはキャリア制御端子は、一緒に短絡され、単一のバイアス電圧でバイアスをかけられ得る。図14A〜図14Bは、複数のキャリア制御端子を含むスイッチを有する例示的なスイッチトフォトディテクタの上面図を示している。図14Aを参照すると、スイッチトフォトディテクタ1400は、図13Aのスイッチトフォトディテクタ1300に類似している。受光領域1305の左側の、基板のキャリア収集端子1306、基板のキャリア制御端子1308、および吸収体のキャリア制御端子1309は第1のスイッチ1410を形成する。受光領域1305の右側の、基板のキャリア収集端子1306、基板のキャリア制御端子1308、および吸収体のキャリア制御端子1309は第2のスイッチ1420を形成する。
スイッチ1410および1420内で、基板のキャリア制御端子1308および吸収体のキャリア制御端子1309は、一緒に短絡され、単一のバイアス電圧でバイアスをかけられるか、または独立して制御されるバイアス電圧でバイアスをかけられるものとしてよい。たとえば、第1のスイッチ1410の基板のキャリア制御端子1308は電圧VB1でバイアスをかけられ、吸収体のキャリア制御端子1309は電圧VA1でバイアスをかけられる。同様に、第2のスイッチ1420の基板のキャリア制御端子1308は電圧VB2でバイアスをかけられ、吸収体のキャリア制御端子1309は電圧VA2でバイアスをかけられる。いくつかの実装形態において、吸収体のキャリア制御端子1309などの、受光領域1305に近い位置にある制御端子はそれぞれの制御電圧VA1およびVA2にバイアスされ、受光領域1305内の光生成キャリアを図示されているように電圧VC1およびVC2にバイアスされている基板のキャリア収集端子1306の方へ誘導するものとしてよい。同時に、基板の制御端子1308は電圧VB1およびVB2にバイアスされ、基板の制御端子1308と基板のキャリア収集端子1306との間に高い電界を確立するものとしてよい。端子1308と1306との間の電界が十分に高ければ、なだれ増倍の領域が端子1308と1306との間に確立されるものとしてよく、吸収体のキャリア制御端子1309によって基板のキャリア収集端子1306の方へ誘導された光生成キャリアにアバランシェゲインを与える。結果として、光生成キャリアは、アバランシェゲインだけ増倍されるものとしてよく、これはスイッチトフォトディテクタ1400によって生成される光電流信号を増大させ得る。
図14Bを参照すると、スイッチトフォトディテクタ1430は図14Aのスイッチトフォトディテクタ1400に類似しているが、基板のキャリア収集端子1306が吸収体のキャリア収集端子1407としての吸収領域1304上に再配置されており、基板のキャリア制御端子308が吸収体のキャリア制御端子1409として吸収領域1304上に再配置されている点が異なる。端子への異なるバイアスの効果は、図14Aに関して説明されている効果に類似している。
図14A〜図14Bの受光領域1305は、キャリア収集端子またはキャリア制御端子と重なり合わないものとして図示されているが、一般に、受光領域1305は、キャリア制御端子の少なくとも一部、キャリア収集端子の少なくとも一部、および様々なn型ドープ領域またはp型ドープ領域の少なくとも一部と重なり合うものとしてよい。たとえば、そのような重なり合いは、FSIおよびBSIの両方の構成において使用されるピクセルに対して存在し得る。
イメージセンサの典型的な実装形態において、複数のセンサピクセル(たとえば、フォトディテクタ)がイメージセンサが複数の画像ピクセルを有する画像をキャプチャできるようにアレイに配置構成される。高い集積密度を達成できるように、複数のセンサピクセルは、典型的には、共通の基板上で互いに近接近して配置構成される。p型ドープシリコン基板などの半導体基板については、センサピクセル同士が近接していることで、センサピクセル間に電気的および/または光学的クロストークが引き起こされ、たとえば、センサピクセルの信号対雑音比を減少させ得る。そのようなものとして、センサピクセル間の電気的分離を改善するために様々な分離構造が実装され得る。
図15A〜図15Gは、センサのピクセル分離の例示的な構成を示す断面図を示している。図15Aを参照すると、例示的な構成1500は、基板1502と、センサピクセル1510aおよび1510b(センサピクセル1510と総称される)と、分離構造1506とを備える。センサピクセル1510aおよび1510bは、それぞれの吸収領域1504aおよび1504bを備える。各センサピクセル1510は、図5A〜図5Lのスイッチトフォトディテクタなどの、スイッチトフォトディテクタであってよい。センサピクセル1510の詳細は、分かりやすくするため省かれている。
分離構造1506は、センサピクセル1510aおよび1510bの間の電気的分離を高め得る。構成1500において、分離構造は、基板1502の上側表面から延在し、上側表面から所定の深さまで貫入する。いくつかの実装形態において、分離構造1506は、p型ドーパントまたはn型ドーパントでドープされているドープ領域である。分離構造1506のドーピングは、分離構造1506を横切って流れる電流を妨げるバンドギャップオフセットによって引き起こされるポテンシャルエネルギー障壁を形成し、ピクセル1510aおよび1510bの間の電気的分離を改善し得る。いくつかの実装形態において、分離構造1506は、基板1502と異なる半導体材料を充填されたトレンチである。基板1502と分離構造1506との間に形成される2つの異なる半導体の間の界面は、分離構造1506を横切って流れる電流を妨げるバンドギャップオフセットによって引き起こされるポテンシャルエネルギー障壁を形成し、ピクセル1510aおよび1510bの間の電気的分離を改善し得る。
いくつかの実装形態において、分離構造1506は、誘電体または絶縁体を充填されたトレンチである。低伝導率の誘電体または絶縁体を充填された分離構造1506は、センサピクセル1510aおよび1510bの間の高電気抵抗の領域をもたらし、分離構造1506を横切って流れる電流を妨げ、ピクセル1510aおよび1510bの間の電気的分離を改善し得る。
単一の分離構造1506が図示されているが、一般に、センサピクセル1510の各隣接する対の間に複数の分離構造1506が配置構成され得る。たとえば、センサピクセル1510の2Dアレイにおいて、単一センサピクセル1510は、4つの最近傍センサピクセル1510によって囲まれるものとしてよい。そのような場合において、分離構造1506は、4つの最近傍界面に沿って置かれるものとしてよい。いくつかの実装形態において、分離構造1506は、センサピクセル1510を囲む連続構造であってよい。分離構造1506は、ピクセル1510の間の界面において共有され得る。
図15Bを参照すると、例示的な構成1520は図15Aの構成1500に類似しているが、吸収領域1504aおよび1504bは基板1502内に完全に埋め込まれる点が異なる。
図15Cを参照すると、例示的な構成1530は図15Aの構成1500に類似しているが、分離構造1506が基板1502の上側表面から基板1502の表面の下側表面へ基板1502の深さ全体を通って延在する点が異なる。構成1530は、分離構造1506を迂回するセンサピクセル1510の間の代替的伝導経路を取り除くものとしてよく、センサピクセル1510の間の電気的分離を改善し得る。
図15Dを参照すると、例示的な構成1540は図15Cの構成1530に類似しているが、吸収領域1504aおよび1504bは基板1502内に完全に埋め込まれる点が異なる。
図15Eを参照すると、例示的な構成1550は、基板1502と、センサピクセル1510aおよび1510b(センサピクセル1510と総称される)と、分離構造1556aおよび1556b(分離構造1556と総称される)とを備える。分離構造1556aおよび1556bは図15Aに関して説明されている分離構造1506に類似しているが、分離構造1556がそれぞれの吸収領域1504の直下の基板1502の一部に配置構成される点が異なる。吸収領域1504と基板1502との間の分離構造1556のそのような配置構成は、光生成キャリアを吸収領域1504に制限するのを助け、基板1502内への光生成キャリアの漏れを低減するのを助け得る。たとえば、センサピクセル1510aおよび1510bは、図5Dのスイッチトフォトディテクタ530として実装されてよく、これはすべての電気端子を吸収領域1504上に置いている。そのような場合、分離構造1556(たとえば、p型ドープ薄層)によってもたらされる電気的分離は、センサピクセル1510の光電流収集効率および/または帯域幅を改善し得る。
図15Fを参照すると、例示的な構成1560は図15Eの構成1550に類似しているが、吸収領域1504aおよび1504bは基板1502内に完全に埋め込まれ、分離構造1556は吸収領域1504を部分的にまたは完全に囲む点が異なる。絶縁体または誘電体から形成される分離構造1556については、分離構造1556は、吸収体の下に開口部を備え、埋め込まれた吸収領域1504を部分的に囲むものとしてよい。ドープ領域である分離構造1556については、分離構造1556は、開口部を持たない埋め込まれた吸収領域1504を完全に囲む連続構造であってよい。
ドープ領域、誘電体材料、または絶縁体である分離構造が説明されたが、一般に、分離構造は、そのような実装形態の組合せであってもよい。図15Gを参照すると、例示的な構成1570は図15Aの構成1500に類似しているが、分離構造1506が第1の分離構造1576および第2の分離構造1577を含む点が異なる。第1の分離構造1576は、基板1502と異なる半導体材料を充填されたトレンチまたは誘電体もしくは絶縁体を充填されたトレンチであってよい。第2の分離構造1577は、p型ドーパントまたはn型ドーパントでドープされているドープ領域であってよい。異なる材料およびドープ領域の両方を実装する分離構造1506は、分離して実装する分離構造よりも、センサピクセル1510間の電気的分離をさらに改善し得る。いくつかの実装形態において、ドーピング分離は第2の分離構造1577を形成するために使用され得るが、トレンチ充填を通じての材料分離は、ドーピング分離が材料分離より浅い第1の分離構造1576を形成するために使用され得る。
スイッチトフォトディテクタなどの、フォトディテクタの光検出効率は、フォトディテクタの光学特性を改質する様々な構造の追加によって増強され得る。たとえば、鏡、誘電体層、および反射防止コーティング(ARC)層は、単独でまたは組み合わせて追加され、それにより、吸収領域による光の吸収増大、光共振空洞の形成、および/またはフォトディテクタのスペクトル感度の変化を含む様々な効果を実現することができる。図16A〜図16Jは、フォトディテクタの検出効率を改善するための例示的な構成の断面図を示している。図16Aを参照すると、例示的な構成1600は、基板1602と、吸収領域1604と、金属鏡1606とを含む。吸収領域1604は、フォトディテクタを形成する。金属鏡1606は入射光を反射する。
光信号1605は、図示されているように上から吸収領域1604上に入射するが、これは表面照射型(FSI)構成と称され得る。そのような構成において、いくつかの場合に、光信号1605は、吸収領域1604によって完全には吸収され得ず、光信号1605の一部が吸収領域1604を通過し得る。吸収されることなく吸収領域1604を通過するそのような光は、フォトディテクタの検出効率を下げる可能性がある。金属鏡1606を基板1602の下側表面に置き、光信号1605の通過部分を反射することによって、通過部分は、吸収領域1604の第2の通過に対して吸収領域1604の方へ反射し戻され、検出効率を改善し得る。
吸収領域1604によって吸収される光信号1605の一部は、吸収領域1604の光吸収係数、光入射方向に沿った(たとえば、垂直方向に沿った)吸収領域1604の厚さ、および光信号1605の波長に応じて変化するものとしてよい。
金属鏡1606は、銅、アルミニウム、金、および白金などの、様々な光学的反射金属から形成され得る。金属鏡1606は、構成1600のフォトディテクタの動作波長において50%、60%、70%、80%、90%、または95%を超える反射率を有し得る。金属鏡1606の厚さは、金属の表皮厚さより厚いものとしてよい。たとえば、金属鏡1606は、50nmから500nmの範囲の厚さを有し得る。
図16Bを参照すると、例示的な構成1610は図16Aの構成1600に類似しているが、例示的な構成1610が基板1602と金属鏡1606との間に配置構成されている誘電体層1608をさらに含む点が異なる。誘電体層1608は、金属鏡1606の光反射スペクトルを変化させ得る。たとえば、誘電体層1608(たとえば、SiO2層)によって引き起こされる薄膜干渉により、金属鏡1606(たとえば、Al層)上に入射する光の反射は、特定の波長において増強され(たとえば、反射率が<90%から>97%に増強される)、他のいくつかの波長において減少し得る。
図16Cを参照すると、例示的な構成1620は図16Aの構成1600に類似しているが、構成1600の金属鏡1606が誘電体鏡1626と置き換えられている点が異なる。誘電体鏡は、誘電体膜の単一層であるか、または様々な誘電体膜の積層であってよい。誘電体鏡1626は、SiO2、Si3N4、SiON、およびSiなどの様々な誘電体材料から形成され得る。誘電体鏡1626は、構成1620のフォトディテクタの動作波長において50%、60%、70%、80%、90%、または95%を超える反射率を有し得る。誘電体鏡1626の厚さは、50nmから4000nmの範囲の厚さであるものとしてよい。
図16Dを参照すると、例示的な構成1630は図16Cの構成1620に類似しているが、構成1620の誘電体鏡1626が分布ブラッグ反射器(DBR)鏡1632と置き換えられている点が異なる。DBR鏡は、交互して互いの上に積み重ねられる、複数の第1の誘電体層1634と、複数の第2の誘電体層1636とを備える。第2の誘電体層1636は、第1の誘電体層1634の屈折率と異なる屈折率を有する。第1の層1634および第2の層1636は、それぞれの誘電体材料における動作波長の1/4に対応する厚さを有し得る。反射率および反射帯域幅は、厚さ、第1の層1634および第2の層1636の屈折率、ならびに第1の層の対の個数に依存し得る。
図16Eを参照すると、例示的な構成1640は、基板1602と、吸収領域1604と、反射防止コーティング(ARC)層1648とを含む。ARC層1648は、吸収領域1604上に入射する光信号1605の反射を低減し得る。ARC層1648は、図7BのARC層744に類似しているものとしてよい。
図16Fを参照すると、例示的な構成1650は図16Aの構成1600に類似しているが、ここでは金属鏡1606が吸収領域1604の側部において、基板1602の上側表面上に置かれる点が異なる。光信号1605は、ここでは基板1602の下側表面を通して吸収領域1604上に入射するが、これは裏面照射型(BSI)構成と称され得る。金属鏡1606の効果は、図16Aに関しての説明に類似している。
図16Gを参照すると、例示的な構成1660は図16Bの構成1610に類似しているが、ここでは誘電体層1608および金属鏡1606が吸収領域1604の側部において、基板1602の上側表面上に置かれる点が異なる。光信号1605は、ここでは基板1602の下側表面を通して吸収領域1604上に入射するが、これは裏面照射型(BSI)構成と称され得る。誘電体層1608および金属鏡1606の効果は、図16Bに関しての説明に類似している。
図16Hを参照すると、例示的な構成1670は図16Cの構成1620に類似しているが、ここでは誘電体鏡1626が吸収領域1604の側部において、基板1602の上側表面上に置かれる点が異なる。光信号1605は、ここでは基板1602の下側表面を通して吸収領域1604上に入射するが、これは裏面照射型(BSI)構成と称され得る。誘電体鏡1626の効果は、図16Cに関しての説明に類似している。
図16Iを参照すると、例示的な構成1680は図16Dの構成1630に類似しているが、ここではDBR鏡1632が吸収領域1604の側部において、基板1602の上側表面上に置かれる点が異なる。光信号1605は、ここでは基板1602の下側表面を通して吸収領域1604上に入射するが、これは裏面照射型(BSI)構成と称され得る。DBR鏡1632の効果は、図16Dに関しての説明に類似している。
図16Jを参照すると、例示的な構成1690は図16Eの構成1640に類似しているが、ここではARC層1648が吸収領域1604とは反対の側の基板1602の側部において、基板1602の下側表面上に置かれる点が異なる。光信号1605は、ここでは基板1602の下側表面を通して吸収領域1604上に入射するが、これは裏面照射型(BSI)構成と称され得る。ARC層1648の効果は、図16Eに関しての説明に類似している。
一般に、金属鏡1606、誘電体層1608、誘電体鏡1626、およびDBR鏡1632などの鏡構造は、様々な方法で加工され得る。たとえば、鏡構造は、基板1602上に直接堆積され得る。代替的に、またはそれに加えて、鏡構造は、ウェハボンディング技術を通して別の基板上で加工され、基板1602に接合されてよい。
基板1602の下側表面または上側表面上に金属鏡1606、誘電体層1608、誘電体鏡1626、およびDBR鏡1632を有する個別の実装形態が図示されているが、一般に、説明されている構造は、基板1602の両側に実装され得る。たとえば、DBR鏡1632は、基板1602の両側に実装されてよく、これは吸収領域1604の周りに光共振空洞を形成するものとしてよく、フォトディテクタのスペクトル感度を改質する。別の例として、ARC層1648は、基板1602の下側表面上で鏡構造と組み合わせて基板1602の上側表面上に実装され(たとえば、構成1600、1610、1620、および1630)、フォトディテクタの検出効率をさらに増強し得る。一般に、金属鏡1606、誘電体層1608、誘電体鏡1626、およびDBR鏡1632などの鏡は、部分的に反射し、部分的に透過するものであってよい。
吸収領域の表面は、フォトディテクタの様々な性能特性を改質するために様々な仕方で改質され得る。吸収領域の表面の改質の例は、ドーピング領域の追加、外部要素の導入、材料組成の変更、吸収領域の表面上への表面凹凸の導入、および誘電体または半導体材料の堆積を含む。性能特性の例は、光吸収効率、光吸収スペクトル、キャリア収集効率、暗電流またはリーク電流、フォトディテクタ動作電力、およびフォトディテクタ帯域幅を含む。
図17A〜図17Eは、吸収領域表面改質の例示的な構成の断面図を示している。図17Aを参照すると、表面改質吸収領域1700は、ゲルマニウム−シリコンベースの吸収領域1704と、表面改質層1706とを含む。ゲルマニウム−シリコンベースの吸収領域1704は、図5Dのスイッチトフォトディテクタ530などのスイッチトフォトディテクタの吸収領域であってよい。
GeSiベースの吸収領域1704は、変化する組成(X)を有するSixGe1−x化合物であってよい。たとえば、組成(X)は、GeSiベースの吸収領域1704がGeにより近い特性を有し得る点における0.01から、GeSiベースの吸収領域1704がSiにより近い特性を有し得る点における0.99まで変化し得る。GeSiベースの吸収領域の組成は、所与の波長に対する光吸収効率に影響を及ぼし、全体的な光吸収スペクトルにも影響を及ぼし得る。たとえば、より高いGe濃度に対応する、より低い(X)を有する組成は、より高いSi組成に対応する、より高い(X)を有する組成と比較して近赤外波長(たとえば、>1μm)においてより強く吸収し得る。
表面改質層1706は、GeSiベースの吸収領域1704および吸収領域1704を含むフォトディテクタの光学的および/または電気的特性を改質し得る。表面改質層は、非晶質シリコン、ポリシリコン、エピタキシャルシリコン、変化する組成(Y)を有するSiYGe1−Y化合物、変化する組成(Z)を有するGeZSn1−Z化合物、およびこれらの任意の組合せなどの、様々な材料から形成され得る。
いくつかの実装形態において、SixGe1−x組成を有するGeSiベースの吸収領域1704について、表面改質層1706は、SiYGe1−Y層であってよく、組成(X)および(Y)は異なる。たとえば、組成(Y)より大きい組成(X)を有することによって、表面改質層1706は、GeSiベースの吸収領域1704に比べて長い波長で高い吸収係数を有するものとしてよい。そのようなものとして、より長い波長の入射光は、GeSiベースの吸収領域1704内に深く浸透することなく表面改質層1706によって強く吸収され得る。GeSiベースの吸収領域1704の表面により近い位置で入射光を吸収することによって、吸収領域1704を含むフォトディテクタの帯域幅は、吸収領域1704内で光生成キャリアの拡散が減少するので改善し得る。いくつかの実装形態において、純粋なゲルマニウムの吸収領域1704(すなわち、X=0)について、表面改質層1706は、SiYGe1−Y層であってよい。いくつかの実装形態において、表面改質層1706およびGeSiベースの吸収領域1704の組成は、傾斜GeSi吸収領域1704を形成する、垂直方向などの方向に沿って変化し得る。GeSi組成の傾斜は、フォトディテクタの帯域幅をさらに改善し得る。いくつかの実装形態において、表面改質層1706は、多層であってもよい。たとえば、GeSi層は、不動態化のためにGeSiベースの吸収領域1704の上に堆積され得るものとしてよく、別のSi層は、さらなる不動態化のためにGeSi層の上に堆積され得る。
いくつかの実装形態において、表面改質層1706は、変化する組成(Z)を有するゲルマニウム−スズ合金GeZSn1−Zであってよい。スズを表面改質層1706に加えることで、ゲルマニウムのバンドギャップ(約1.55μm)を超えるなど、より長い波長において光吸収効率を改善し得るが、これを超えると純粋なゲルマニウムの吸収効率が著しく減少する。
図17Bを参照すると、表面改質吸収領域1710は、ゲルマニウム−シリコンベースの吸収領域1704と、第1のドープ領域1712とを含む。いくつかの実装形態において、第1のドープ領域1712は、p型ドーパントまたはn型ドーパントでドープされ得る。p型またはn型ドーパントは、吸収領域1704の電気的特性を改質し得る。たとえば、光生成電子(または正孔)は、第1のドープ領域1712により表面から反発により遠ざけられ、それによって表面再結合が回避され、その結果、第1のドープ領域1712がp型(またはn型)ドーパントでドープされたときにより高い収集効率が得られる。いくつかの実装形態において、第1のドープ領域1712は、シリコンおよびスズなどの、吸収領域1704の光学的特性を改質する不純物でドープされ得る。
図17Cを参照すると、表面改質吸収領域1720は、表面改質吸収領域1710に類似しているが、第2のドープ領域1722をさらに含む点が異なる。第2のドープ領域1722は、第1のドープ領域1712に類似していてもよいか、または光生成キャリアが第2のドープ領域1722によって引き付けられ、第1のドープ領域1712から反発を受けるように異なる極性、深さ、および幅を有し得る。
図17Dを参照すると、表面改質吸収領域1730は、ゲルマニウム−シリコンベースの吸収領域1704と、誘電体井戸1732とを含む。誘電体井戸1732は、SiO2、Si3N4、および高k材料などの様々な誘電体材料を充填され得る。誘電体井戸は、たとえば、PN接合の内側に、または表面電気端子の間に置かれたときに、暗電流もしくはリーク電流の低減、フォトディテクタの動作電力の低減、および/またはフォトディテクタ帯域幅の改善に寄与し得る。
図17Eを参照すると、スイッチトフォトディテクタ1740は、図17Bの表面改質Ge吸収領域1710を含む。スイッチトフォトディテクタ1740は、図1Bのスイッチトフォトディテクタ160に類似しているが、表面改質層1706、ならびに図11Aのキャリア収集端子1106およびキャリア制御端子1108をさらに含む点が異なる。表面改質層1706の追加は、光吸収効率、光吸収スペクトル、キャリア収集効率、暗電流またはリーク電流、フォトディテクタ動作電力、およびフォトディテクタ帯域幅などの、スイッチトフォトディテクタ1740の様々な性能特性の改善に寄与し得る。
吸収領域の表面改質の個別の実装形態が図示されているが、一般に、説明されている表面改質は所望の効果を得るために様々な組合せで実装され得る。たとえば、表面改質層1706は、第1のドープ領域1712および/または第2のドープ領域1722と組み合わせて実装されてよい。別の例として、表面改質層1706は、誘電体井戸1732と組み合わせて実装されてもよい。さらに別の例では、表面改質層1706は、第1のドープ領域1712および/または第2のドープ領域1722、ならびに誘電体井戸1732と組み合わせて実装されてよい。
p型ドープ領域および井戸、ならびにn型ドープ領域および井戸などの、様々なドープ領域および井戸は、デバイス性能特性を改質するように、吸収領域、基板、または中間層の様々な位置で配置構成され得る。性能特性の例は、光吸収効率、光吸収スペクトル、キャリア収集効率、暗電流またはリーク電流、フォトディテクタ動作電力、およびフォトディテクタ帯域幅を含む。
ドーピング領域および井戸の深さは、製造性およびデバイス性能などの、様々な考慮事項に基づき決定され得る。1つまたは複数のドーピング井戸および領域は、電圧または電流源に接続され得る。1つまたは複数のドーピング井戸および領域は、電圧または電流源に接続され(すなわち、フローティング)、および/あるいは互いに接続される(すなわち、短絡される)ことはない場合がある。
図18A〜図18Bは、例示的なスイッチトフォトディテクタ1800の上面および側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ1800は、図1Bのスイッチトフォトディテクタ160に類似しているが、図11Aのキャリア収集端子1106およびキャリア制御端子1108をさらに含む。図1Bに関してすでに説明されているように、n型井戸領域152および154は、第1の制御信号122から第2の制御信号132のリーク電流を低減し得、n型ドープ領域126と136との間の電荷結合を低減し得る。リーク電流の低減は、スイッチトフォトディテクタ1800の動作電力の低減に寄与する。
図18C〜図18Dは、例示的なスイッチトフォトディテクタ1820の上面および側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ1820は、図18A〜図18Bのスイッチトフォトディテクタ1800に類似しているが、p型井戸領域1822をさらに備える。p型井戸領域1822は、図2Dのp型井戸領域246および248に類似しているものとしてよい。p型井戸領域1822は、スイッチトフォトディテクタ1800に比べてスイッチトフォトディテクタ1820の光生成電子の収集効率を増大させ得る。
いくつかの場合において、吸収領域106内の光生成キャリアは、n型ドープ領域126および136によって完全には収集され得ない。そのような場合において、光生成キャリアは、材料欠陥が存在し得る、基板102と吸収領域106との間の材料界面に到達し得る。材料欠陥は、光生成キャリアを捕捉し、ある時間期間の経過後にキャリアを放出するものとしてよく、これはn型ドープ領域126および136によって収集され得る。界面における材料欠陥によるキャリアのそのような捕捉および放出ならびにn型ドープ領域126および136によるその後の収集は、キャリアの捕捉および放出によって引き起こされる時間遅延によりスイッチトフォトディテクタ1800の帯域幅を低減し得る。そのようなものとして、そのような帯域幅低減は、n型ドープ領域126および136によって収集されない光生成キャリアが吸収領域106と基板102との間の界面に到達するのを阻止し得る、p型井戸領域1822を追加することによって軽減され得る。
図18Eは、例示的なスイッチトフォトディテクタ1830の上面図を示している。スイッチトフォトディテクタ1830は、図18C〜図18Dのスイッチトフォトディテクタ1820に類似しているが、p型井戸領域1832をさらに備える。p型井戸領域1832は、p型井戸領域1822に類似している。p型井戸領域1822および1832の組合せは、n型ドープ領域126および136によって収集されない光生成キャリアが吸収領域106と基板102との間の界面に到達するのをさらに阻止し得る、それぞれのn型ドープ領域126および136を囲む。別々のp型井戸領域1822および1832として図示されているが、p型井戸領域1822および1832は、それぞれのn型ドープ領域126および136を囲むそれぞれの「C」字形領域内に連結され得る。
図18F〜図18Gは、例示的なスイッチトフォトディテクタ1840の上面および側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ1840は、図18A〜図18Bのスイッチトフォトディテクタ1800に類似しているが、n型井戸領域152および154を省き、p型井戸領域1842を含む点が異なる。p型井戸領域1842は、図2Dのp型井戸領域246および248に類似しているものとしてよい。p型井戸領域1842は、基板102内に埋め込まれている吸収領域106を囲む。p型井戸領域1842は、吸収領域106内の光生成電子が基板102に到達するのを阻止し得る。そのような阻止は、スイッチトフォトディテクタ1800に比べてスイッチトフォトディテクタ1840の光生成キャリアの収集効率を増大させ得る。p型井戸領域1842は、吸収領域106、基板102、吸収領域106と基板102との間の中間層、またはこれらの組合せで形成され得る。
n型井戸領域152および154、ならびにp型井戸領域1822、1832、および1842の個別の実装形態が図示されているが、一般に、説明されているn型井戸およびp型井戸領域は、所望も効果を得られるように様々な組合せで実装され得る。
ここまで、スイッチトフォトディテクタの要素の様々な実装形態、およびそれらの要素の様々な配置構成が説明された。次に、すでに説明されている要素およびその配置構成の様々な例示的な組合せが説明される。説明される組合せは、すべての組合せの完全なリストとなることを意図されていない。
図19A〜図19Bは、例示的なスイッチトフォトディテクタ1900の上面および側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ1900は、図1Aのスイッチトフォトディテクタ100に類似しているが、フォトディテクタ1900の吸収領域106が基板102内に完全に埋め込まれ、図11Aのキャリア収集端子1106およびキャリア制御端子1108をさらに含む点が異なる。受光領域1205は、図12A〜図12Bに関して説明されている。p型ドープ領域128および138が存在する結果、キャリア制御端子1108と吸収領域106との間の界面にオーミック接触が形成される。
図19C〜図19Dは、例示的なスイッチトフォトディテクタ1910の上面および側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ1910は、図19A〜図19Bのスイッチトフォトディテクタ1900に類似しているが、p型ドープ領域128および138が省かれている点が異なる。p型ドープ領域128および138が省かれた結果、キャリア制御端子1108と吸収領域106との間の界面にショットキー接合が形成される。
図19E〜図19Fは、例示的なスイッチトフォトディテクタ1920の上面および側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ1920は、図19A〜図19Bのスイッチトフォトディテクタ1900に類似しているが、追加のp型ドープ領域128および138ならびにキャリア制御端子1108が受光領域1205の各側に追加されている点が異なる。
図19G〜図19Hは、例示的なスイッチトフォトディテクタ1930の上面および側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ1930は、図19E〜図19Fのスイッチトフォトディテクタ1920に類似しているが、p型ドープ領域128および138が省かれている点が異なる。p型ドープ領域128および138が省かれた結果、キャリア制御端子1108と吸収領域106との間の界面にショットキー接合が形成される。
図20A〜図20Bは、例示的なスイッチトフォトディテクタ2000の上面および側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ2000は、図19A〜図19Bのスイッチトフォトディテクタ1900に類似しているが、図10Iの中間層1006が追加されている点が異なる。図10Iに関してすでに説明されているように、中間層1006は基板102への開口部を有し、吸収領域106は基板102への開口部および中間層1006によって形成される開口部を充填する。いくつかの実装形態において、中間層1006は、SiO2、SiNx、AlOx、または任意の酸化物もしくは窒化物ベースの絶縁体であってよい。
図20C〜図20Dは、例示的なスイッチトフォトディテクタ2010の上面および側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ2010は、図19A〜図19Bのスイッチトフォトディテクタ2000に類似しているが、図20A〜図20Bの中間層1006が中間層2012と置き換えられている点が異なる。中間層2012はその材料の点で中間層1006に類似しているが、中間層2012が、基板102への開口部とともに、基板102の上側表面を横切って延在する均一な層である点が異なる。吸収領域106は中間層2012の開口部内に埋め込まれる。いくつかの実装形態において、中間層2012は、SiO2、SiNx、AlOx、または任意の酸化物もしくは窒化物ベースの絶縁体であってよい。
図20E〜図20Fは、例示的なスイッチトフォトディテクタ2020の上面および側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ2020は、図20C〜図20Dのスイッチトフォトディテクタ2010に類似しているが、p型ドープ領域128および138が省かれている点が異なる。p型ドープ領域128および138が省かれた結果、キャリア制御端子1108と吸収領域106との間の界面にショットキー接合が形成される。
図20G〜図20Hは、例示的なスイッチトフォトディテクタ2030の上面および側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ2030は、図20C〜図20Dのスイッチトフォトディテクタ2010に類似しているが、図20C〜図20Dの中間層2012が中間層2032と置き換えられている点が異なる。中間層2032は、図20C〜図20Dの中間層2012に類似しているが、中間層2032が基板102への第1の開口部2034と、中間層2032の上側表面の方へ広がる第1の開口部2034より大きい第2の開口部2036とを有する点が異なる。
図20I〜図20Jは、例示的なスイッチトフォトディテクタ2040の上面および側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ2040は、図20G〜図20Hのスイッチトフォトディテクタ2030に類似しているが、p型ドープ領域128および138が省かれている点が異なる。p型ドープ領域128および138が省かれた結果、キャリア制御端子1108と吸収領域106との間の界面にショットキー接合が形成される。
図20K〜図20Lは、例示的なスイッチトフォトディテクタ2050の上面および側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ2050は、図20G〜図20Hのスイッチトフォトディテクタ2030に類似しているが、n型井戸領域152および154が追加されている点が異なる。n型井戸領域152および154は、図1Bに関して説明されている。
図21A〜図21Bは、例示的なスイッチトフォトディテクタ2100の上面および側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ2100は、図19A〜図19Bのスイッチトフォトディテクタ1900に類似しているが、n型ドープ領域126および136、p型ドープ領域128および138、キャリア収集端子1106、ならびにキャリア制御端子1108が吸収領域106から基板102に移動されている点が異なる。そのような端子1106および1108は、基板のキャリア収集端子および基板のキャリア制御端子と称され得る。
図21C〜図21Dは、例示的なスイッチトフォトディテクタ2110の上面および側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ2110は、図21A〜図21Bのスイッチトフォトディテクタ2100に類似しているが、吸収体のp型ドープ領域2128および2138ならびに吸収体のキャリア制御端子2108が吸収領域106上に置かれている点が異なる。基板のキャリア収集端子1106、基板のキャリア制御端子1108、および吸収体のキャリア制御端子2108は、図14Aに関して説明されている基板のキャリア収集端子1306、基板のキャリア制御端子1308、および吸収体のキャリア制御端子1309に類似しており、類似の効果を有し得る。
図21E〜図21Fは、例示的なスイッチトフォトディテクタ2120の上面および側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ2120は、図21C〜図21Dのスイッチトフォトディテクタ2110に類似しているが、吸収体のp型ドープ領域2128および2138が省かれている点が異なる。吸収体のp型ドープ領域2128および2138が省かれた結果、吸収体のキャリア制御端子2108と吸収領域106との間の界面にショットキー接合が形成される。
図22A〜図22Bは、例示的なスイッチトフォトディテクタ2200の上面および側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ2200は、図18F〜図18Gのスイッチトフォトディテクタ1840に類似しているが、図18A〜図18Bのn型井戸領域152および154が追加されている点が異なる。
図22C〜図22Dは、例示的なスイッチトフォトディテクタ2210の上面および側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ2210は、図21C〜図21Dのスイッチトフォトディテクタ2110に類似しているが、図18A〜図18Bのn型井戸領域152および154が追加されている点が異なる。
図23Aは、例示的なスイッチトフォトディテクタ2300の上面図を示しており、図23Bは、直線AAに沿った例示的なスイッチトフォトディテクタ2300の側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ2300は、図21C〜図21Dのスイッチトフォトディテクタ2110に類似しているが、p型井戸領域2302が吸収領域106と基板102との間の界面に追加されている点が異なる。p型井戸領域2302は、吸収領域106と基板102との間の界面におけるキャリアのトラッピングおよび放出を軽減するのを助け得るが、これは図18C〜図18Dに関して説明されている。
図24A〜図24Bは、例示的なスイッチトフォトディテクタ2400の上面および側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ2400は、図18C〜図18Dのスイッチトフォトディテクタ1820に類似しているが、n型井戸領域152および154が省かれている点が異なる。
図24Cは、例示的なスイッチトフォトディテクタ2410の上面図を示している。スイッチトフォトディテクタ2410は、図18Eのスイッチトフォトディテクタ1830に類似しているが、図18Eのp型井戸領域1822および1832が連続p型井戸領域2412内にマージされている点が異なる。
図24D〜図24Eは、例示的なスイッチトフォトディテクタ2420の上面および側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ2420は、図24A〜図24Bのスイッチトフォトディテクタ2400に類似しているが、誘電体井戸2422がn型ドープ領域126および136内に追加されている点が異なる。誘電体井戸2422は、図17Dの誘電体井戸1732に類似している。誘電体井戸2422は、キャリア収集端子1106とキャリア制御端子1108との間でn型ドープ領域126の一部に配置構成される。誘電体井戸2422は、キャリア収集端子1106とキャリア制御端子1108との間の暗電流を低減し得る。誘電体井戸2422の深さは、n型ドープ領域126の深さより小さい、それに等しい、またはそれより大きいものとしてよい。
図24F〜図24Gは、例示的なスイッチトフォトディテクタ2430の上面および側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ2430は、図24D〜図24Eのスイッチトフォトディテクタ2420に類似しているが、誘電体井戸2422がn型ドープ領域126および136からp型ドープ領域128および138に移動されている点が異なる。誘電体井戸2422の深さは、p型ドープ領域128の深さより小さい、それに等しい、またはそれより大きいものとしてよい。一般に、誘電体井戸2422は、n型ドープ領域126とp型ドープ領域128との間、およびn型ドープ領域136とp型ドープ領域138との間のどこかに置かれるものとしてよい。
図25A〜図25Bは、例示的なスイッチトフォトディテクタ2500の上面および側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ2500は、図19A〜図19Bのスイッチトフォトディテクタ1900に類似しているが、図16Fの金属鏡1606が金属鏡2502として吸収領域106の上側表面上に追加されており、その表面上にキャリア収集端子1106およびキャリア制御端子1108が配置されている点が異なる。金属鏡2502は、受光領域1205より上に置かれるものとしてよい。いくつかの実装形態において、金属鏡2502は、CMOS加工における第1の金属層(M1)または第2の金属層(M2)またはこれらの組合せによって実装されてよい。
図25C〜図25Dは、例示的なスイッチトフォトディテクタ2510の上面および側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ2510は、図25A〜図25Bのスイッチトフォトディテクタ2500に類似しているが、p型ドープ領域128および138が省かれている点が異なる。p型ドープ領域128および138が省かれた結果、キャリア制御端子1108と吸収領域106との間の界面にショットキー接合が形成される。
図25E〜図25Fは、例示的なスイッチトフォトディテクタ2520の上面および側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ2520は、図20K〜図20Lのスイッチトフォトディテクタ2050に類似しているが、図16Fの金属鏡1606が金属鏡2502として吸収領域106の上側表面上に追加されており、その表面上にキャリア収集端子1106およびキャリア制御端子1108が配置されている点が異なる。金属鏡2502は、受光領域1205より上に置かれるものとしてよい。いくつかの実装形態において、金属鏡2502は、CMOS加工における第1の金属層(M1)または第2の金属層(M2)またはこれらの組合せによって実装されてよい。
図25G〜図25Hは、例示的なスイッチトフォトディテクタ2530の上面および側面図を示している。スイッチトフォトディテクタ2530は、図18F〜図18Gのスイッチトフォトディテクタ1840に類似しているが、図16Fの金属鏡1606が金属鏡2502として吸収領域106の上側表面上に追加されており、その表面上にキャリア収集端子1106およびキャリア制御端子1108が配置されている点が異なる。金属鏡2502は、受光領域1205より上に置かれるものとしてよい。いくつかの実装形態において、金属鏡2502は、CMOS加工における第1の金属層(M1)または第2の金属層(M2)またはこれらの組合せによって実装されてよい。
イメージセンサの典型的な実装形態において、複数のセンサピクセル(たとえば、スイッチトフォトディテクタ)がイメージセンサが複数の画像ピクセルを有する画像をキャプチャできるようにアレイに配置構成される。上から見たときに両辺において等しい寸法を有する正方形のセンサピクセルは、単純な2Dアレイを形成し得る。しかしながら、ToFなどのいくつかのアプリケーションでは、いくつかのセンサピクセルは、矩形の形状などの正方形以外の形状を有し得る。たとえば、再び図1Bを参照すると、スイッチトフォトディテクタ160は、2つのキャリア制御端子(たとえば、p型ドープ領域128および138)と、2つのキャリア収集端子(たとえば、n型ドープ領域126および136)とを有する。これら4つの端子は、典型的には、直線に沿って配置構成され、これにより、端子が一列に並ぶ直線に沿ってより長い矩形のセンサピクセル形状がもたらされる(たとえば、図18Aのスイッチトフォトディテクタ1800)。
このような矩形のセンサピクセルは、たとえば、ファウンドリにおいて半導体加工に関連する設計ルールによりピクセルの効率的なアレイ配置に関して難題を提起し得る。設計ルールは、ドープ領域、ドープ井戸、誘電体井戸、およびゲルマニウム吸収領域などの特徴の様々な最小の分離を強いることがある。コンパクトさと対称性とを改善する一アプローチは、4つの矩形のフォトディテクタを備えるフォトディテクタのユニットセルを形成することによるものである。図26は、矩形のフォトディテクタの例示的なユニットセルを示している。ユニットセル2600は、図18Aの4つのスイッチトフォトディテクタ1800と、スイッチトフォトディテクタ1800の各々を囲む4つの分離構造2602とを備える。分離構造2602は、図15A〜図15Dに関して説明されている。ユニットセル2600は、矩形のユニットセルに比べてセンサピクセルのコンパクトさおよび対称性を改善し得る。
図27は、フォトトランジスタゲインのゲインとともに例示的な矩形のスイッチトフォトディテクタ2700の上面図を示している。スイッチトフォトディテクタ2700は、図18Aのスイッチトフォトディテクタ1800に類似しているが、電子放射体2710が基板102上に追加されている点が異なる。電子放射体2710は、n型ドープ領域126および136に類似しているものとしてよい。スイッチトフォトディテクタ1800の形状が矩形であることにより、光電流積分キャパシタ(たとえば、フローティング拡散キャパシタ)を、n型ドープ領域126および136、p型ドープ領域128および138、ならびに電子放射体2710によって形成されるバイポーラ接合トランジスタ(BJT)2720に結合することが可能になり、その結果NPN BJTが得られる。BJT2720は、適切にバイアスされたときに、入射光信号に応答してフォトトランジスタゲインをもたらし、フォトディテクタ2700の光−光電流変換効率を改善し得る。たとえば、BJT2720は、次のようにバイアスされ得る。すなわち、n型ドープ領域126および136を1Vから3Vの間の電圧でバイアスし、p型ドープ領域128および138を0Vから1Vの間の電圧でバイアスし、電子放射体2710をそれぞれのn型ドープ領域126および136のバイアスより低くなるようにバイアスする。
一般に、電子放射体2710ならびに/またはn型ドープ領域126および136は、電子が電子放射体2710によって放射されることを可能にするように、外部電圧にバイアスされるか、または金属接続部を通じてp型ドープ領域と短絡されるべきである。
n型およびp型の領域ならびに井戸の特定の組合せならびに配置構成を有するスイッチトフォトディテクタの様々な実装形態が説明されたが、一般に、ドープ領域および井戸の極性は反転されてもよく、類似の動作および機能を達成し得る。たとえば、p型井戸およびp型ドープ領域のすべてのインスタンスは、それぞれ、n型井戸およびn型ドープ領域に変換され、n型井戸およびn型ドープ領域のすべてのインスタンスは、それぞれ、p型井戸およびp型ドープ領域に変換され得る。
図28Aは、ターゲット物体2810の特性を決定するための例示的な撮像システム2800を示している。ターゲット物体2810は、3次元物体であってよい。撮像システム2800は、トランスミッタユニット2802、レシーバユニット2804、および処理ユニット2806を備え得る。一般に、トランスミッタユニット2802は、光2812をターゲット物体2810に向けて放射する。トランスミッタユニット2802は、1つまたは複数の光源、制御回路、および/または光学素子を備え得る。たとえば、トランスミッタユニット2802は、1つもしくは複数のNIR LEDまたはレーザーを備えるものとしてよく、放射された光2812は、自由空間内で伝搬するようにコリメーティングレンズによってコリメートされ得る。
一般に、レシーバユニット2804は、ターゲット物体2810から反射された反射光2814を受光する。レシーバユニット2804は、1つまたは複数のフォトディテクタ、制御回路、および/または光学素子を備え得る。たとえば、レシーバユニット2804はイメージセンサを備えるものとしてよく、イメージセンサは半導体基板上に加工された複数のピクセルを備える。各ピクセルは反射された光2814を検出するための1つまたは複数のスイッチトフォトディテクタを備えるものとしてよく、反射された光2814はスイッチトフォトディテクタに集束され得る。各スイッチトフォトディテクタは、本出願において開示されているスイッチトフォトディテクタであってよい。
一般に、処理ユニット2806は、レシーバユニット2804によって生成される光キャリアを処理し、ターゲット物体2810の特性を決定する。処理ユニット2806は、制御回路、1つもしくは複数のプロセッサ、および/またはターゲット物体2810の特性を決定するための命令を記憶し得るコンピュータ記憶媒体を備え得る。たとえば、処理ユニット2806は、ターゲット物体2810の特性を決定するために収集された光キャリアに関連する情報を処理することができる読み出し回路およびプロセッサを備え得る。いくつかの実装形態において、ターゲット物体2810の特性は、ターゲット物体2810の深さ情報であってよい。いくつかの実装形態において、ターゲット物体2810の特性は、ターゲット物体2810の材料組成であってよい。
図28Bは、ターゲット物体2810の特性を決定するための例示的な一技術を示している。トランスミッタユニット2802は、デューティサイクル50%により周波数fmで変調された光パルス2812を放射し得る。レシーバユニット2804は位相シフトΦを有する反射された光パルス2814を受光し得る。スイッチトフォトディテクタは、読み出し回路1が放射された光パルスと同期された位相で収集された電荷Q1を読み取り、読み出し回路2が放射された光パルスと逆位相で収集された電荷Q2を読み取るように制御される。いくつかの実装形態において、撮像システム2800とターゲット物体2810との間の距離Dは、式
を使用して導出されるものとしてよく、ここで、cは光速である。
図28Cは、ターゲット物体2810の特性を決定するための別の例示的な技術を示している。トランスミッタユニット2802は、50%未満のデューティサイクルにより周波数fmで変調された光パルス2812を放射し得る。光パルスのデューティサイクルを1/Nに低減し、光パルスの強度をN倍にすることを同時に行うことによって、受光した反射された光パルス2814の信号対雑音比は、撮像システム2800に対して消費電力を実質的に同じに維持しながら改善され得る。これは、パルス形状を歪ませることなく光パルスのデューティサイクルが下げられるようにデバイス帯域幅が増大されるときに可能にされる。レシーバユニット2804は位相シフトΦを有する反射された光パルス2814を受光し得る。マルチゲートフォトディテクタは、読み出し回路1が放射された光パルスと同期された位相で収集された電荷Q1’を読み取り、読み出し回路2が放射された光パルスと遅延位相で収集された電荷Q2’を読み取るように制御される。いくつかの実装形態において、撮像システム2800とターゲット物体2810との間の距離Dは、式
を使用して導出されるものとしてよい。
図29は、撮像システムを使用して物体の特性を決定するための流れ図2900の例を示している。プロセス2900は、撮像システム2800などのシステムによって実行され得る。
システムは、反射された光を受光する(2902)。たとえば、トランスミッタユニット2802は、NIR光パルス2812をターゲット物体2810に向けて放射し得る。レシーバユニット2804は、ターゲット物体2810から反射された、反射されたNIR光パルス2814を受光し得る。
システムは、位相情報を決定する(2904)。たとえば、レシーバユニット2804はイメージセンサを備えるものとしてよく、イメージセンサは半導体基板上に加工された複数のピクセルを備える。各ピクセルは反射された光パルス2814を検出するための1つまたは複数のスイッチトフォトディテクタを備えるものとしてよい。スイッチトフォトディテクタのタイプは、本出願において開示されているスイッチトフォトディテクタであってよく、位相情報は、図28Bまたは図28Cを参照して説明されている技術を使用して決定され得る。
システムは、物体の特性を決定する(2906)。たとえば、処理ユニット2806は、図28Bまたは図28Cを参照して説明されている技術を使用して位相情報に基づき物体2810の深さ情報を決定し得る。
いくつかの実装形態において、イメージセンサは半導体基板上に加工された複数のピクセルを備え、各ピクセルは、図28Aおよび図28Bに例示されているような反射された光を検出するための1つまたは複数のスイッチトフォトディテクタ100、160、170、180、200、250、260、270、300、360、370、380、400、450、460、470、および480を含み得る。これらのピクセルの間の分離は、酸化物または窒化物層を使用することなどで絶縁体分離に基づき、またはp型もしくはn型領域を使用して信号の電子もしくは正孔を阻止することなどでインプラント分離に基づき、またはゲルマニウム−シリコンヘテロ接合界面を使用するなどで固有内蔵エネルギー障壁(intrinsic built−in energy barrier)に基づき実装され得る。
この時点までに、スイッチトフォトディテクタの様々な実装形態、および図28Aの撮像システム2800などの飛行時間型(ToF)検出システムにおいてスイッチトフォトディテクタがどのように使用され得るかについては、説明されている。撮像システム2800のレシーバユニット2804が、次に、より詳しく説明される。図30は、ToF検出のための例示的なレシーバユニット3000のブロック図を示している。レシーバユニット3000は、ピクセルアレイ3010と、増幅器アレイ3020と、アナログ/デジタルコンバータ(ADC)アレイ3030とを備える。ピクセルアレイ3010は、増幅器アレイ3020と電気的に結合され、これはADCアレイ3030と電気的に結合される。
ピクセルアレイ3010は、すでに説明されているスイッチトフォトディテクタなどの複数のフォトディテクタと、スイッチトフォトディテクタからの光生成キャリアを蓄積するためのキャパシタとを備える。ピクセルアレイ3010は、M個の行とN個の列からなる、フォトディテクタとキャパシタとの2次元アレイ(すなわち、M×Nアレイ)である。キャパシタは、フォトディテクタと一体化されるか、または別々に実装され得る。キャパシタの例は、フローティング拡散キャパシタ、金属−酸化物−金属(MOM)キャパシタ、および金属−絶縁体−金属(MIM)キャパシタを含む。ピクセルアレイ3010は、スイッチトフォトディテクタの電荷読み出しを制御するなど、フォトディテクタの動作を制御するためのピクセルトランジスタをさらに含み得る。ピクセルアレイ3010は、反射体、レンズ、および反射防止コーティング層などの、光の検出に関連する様々な光学的コンポーネントを備えるイメージセンサの一部であってよい。
増幅器アレイ3020は、1つまたは複数の増幅器3022を備える。増幅器3022は、ピクセルアレイ3010の個別のピクセルによって生成される電気信号を増幅する。増幅器3022は電圧利得増幅器であってよく、これはキャパシタ上の光電流の積分によって確立される電圧を増幅する。増幅器3022は、キャパシタに蓄積されている電荷を電圧出力に変換する電荷/電圧増幅器であってよい。増幅器3022は可変利得増幅器であってよく、これはピクセルアレイ3010によって受光される光信号の大きさの範囲にわたる検出感度を最適化する際に使用され得る。増幅器3022は、たとえば、スイッチトフォトディテクタの2つの出力の間の電圧差を増幅する差動増幅器であってよい。そのような差動検出スキームは、改善されたToF検出感度をもたらし得る。
増幅器アレイ3020の様々な実装形態は、異なる数の増幅器3022を有し得る。いくつかの実装形態において、ピクセルアレイ3010の各ピクセルは専用増幅器3022と結合される。そのような構成は、すべてのピクセルの同時読み出しを可能にし、その結果、画像データ取得速度が最高になる。いくつかの実装形態において、ピクセルアレイの各行または列は、単一の増幅器3022を共有する。たとえば、M×Nピクセルアレイ3010については、M個またはN個の増幅器3022があるものとしてよい。そのような共有構成は、多数のピクセル(数百万個のピクセル)へのレシーバユニット3000のスケーラビリティを改善し得る。いくつかの実装形態において、各行または列は、サブセクション内で共有される増幅器3022を有するサブセクションにさらに分割され得る。いくつかの実装形態において、小ピクセルアレイ3010について、アレイのすべてのピクセル間で単一の増幅器3022が共有され得る。一般に、複数の行および列からのピクセルのブロックがグループ化され、ピクセルのブロックが単一の増幅器3022を共有し得る。たとえば、M×Nピクセルアレイ3010については、K≦MおよびL≦NであるK×L個の増幅器3022があるものとしてよい。
ADCアレイ3030は、1つまたは複数のADCを備える。ADCは、増幅器3022によって出力されるアナログ電圧または電流信号をN個のビットを有するデジタル出力3040に変換する。デジタル出力3040は、たとえば、図5Aの処理ユニット506によって受信され、ToF検出を実行し得る。出力ビットの数NはADCの分解能を決定し、これは所与のアプリケーションに対して変換の感度および速度の考慮事項に基づき設定され得る。様々なタイプのADCの例は、フラッシュADC、逐次近似レジスタADC、およびデルタシグマADCを含む。ADCは、たとえば、差動増幅器3022の出力の間の増幅電圧の差を変換する差動ADCであってよい。増幅器アレイ3020に類似している、ADCアレイ3030の様々な実装形態は、異なる数のADCを有し得る。ADCの数は、望ましい変換速度などの、様々な設計考慮事項に応じて増幅器アレイ3020内の増幅器3022の個数に等しい(すなわち、一対一対応関係)か、またはそれより少ない(すなわち、1つのADCを複数の増幅器が共有する)ものとしてよい。
ToF撮像システム500などの撮像システムは、動作時に広い範囲の光信号の大きさに曝され得る。たとえば、光信号の大きさは、周囲照明条件、ターゲット物体の反射率、または撮像システム500からターゲット物体までの距離の影響を受け、信号の大きさは、様々な動作条件に関して数桁の変化を示し得る(たとえば、2倍以上、10倍以上、または100倍以上)。典型的には、光信号の大きさの変化は、結果として、ピクセルのフォトディテクタによって生成される光電流の直線的比例の変化を引き起こす。
ピクセルアレイ3010は、特定の時間期間(たとえば、公称積分時間)にわたりそれぞれのキャパシタ上でピクセルのフォトディテクタの各々によって生成される光電流を積分することによって動作し、検出された光信号に比例する電気信号を発生する。たとえば、キャパシタは、画像取得サイクルの始まりにプリセットされた電圧(たとえば、1.8V)まで充電されるものとしてよく、充電された時点において、キャパシタは公式Q=C*Vによって決定される電荷Qを蓄積しており、Cはキャパシタの静電容量であり、Vはキャパシタの電圧である。次いで、充電されたキャパシタは、Iph=ΔQ/Δt、すなわち、時刻tにおける所与の変化の電荷Qの量の変化、として定義される、光電流Iphによって放電される。フォトディテクタによって生成される光電流Iphの大きさは、関連するキャパシタが放電される速度に直接影響を及ぼす。最大積分時間は、時間tmax=Q/Iphに対応し、これはキャパシタを完全に放電させるために必要な時間である。最大積分時間が公称積分時間より短く、公称積分時間にわたる積分で結果としてキャパシタを完全に放電するときに(より一般的には、キャパシタが第2のプリセットされた電圧まで放電されているときに)、ピクセルは、「破損」または「ブルーム」されたと言われ、その時点において、ピクセルの電気出力は、もはや、受光された光入力に比例せず、その結果、取得された画像が歪むか、またはToF測定が正しくなくなる。そのようなものとして、光信号がプリセットされた積分時間期間内に1つまたは複数のピクセルを破損させるだけ十分に大きい場合、信号の積分は、ピクセルの破損の前に終了され得る。光信号積分のそのような早期終了は結果としてサブフレームの生成を引き起こし得るが、これは公称積分時間のうちのわずかな時間にわたる部分積分の結果である。複数のサブフレームが公称積分時間にわたって取得されるものとしてよく、複数のサブフレームは後処理され、単一の画像フレームを生成し得る。
光信号の積分が終了した後、ピクセルの電気出力は増幅器3022によって増幅され、ADCアレイ3030によってデジタル出力3040に変換されて、フレームまたはサブフレームを生成する。変換が完了した後、キャパシタは再びプリセットされた電圧になるまで充電され、取得サイクルが繰り返される。光信号が大きいとそれに対応して各取得サイクルに対する最大積分時間が短縮するので、光入力信号を大きくするとそれに対応してサブフレームおよびデジタル出力3040の生成速度が増大する。いくつかのアプリケーションに対して、データ出力のそのような増大は、たとえば、消費電力の増大または増加したデータスループットをサポートするために必要なシステムの複雑度の増大が生じるので望ましくない場合がある。そのようなものとして、ピクセルの最大積分時間を長くするか、ADCの出力データレートを小さくするか、ToFレシーバユニット3000の出力データレートを小さくするか、またはこれらの組合せの解決方法が望まれている。
最大積分時間を長くするか、または出力データレートを小さくするかの一アプローチは、ピクセルアレイ3010の各ピクセルに関連するキャパシタの静電容量を増大させることである。一定係数だけ静電容量を増大させることで、ほぼ同じ一定係数だけ最大積分時間を長くすることができ、ToFレシーバユニットのダイナミックレンジを増大させ得る。しかしながら、キャパシタは、デバイス層内に加工された物理構造であり、フォトディテクタは加工されるかまたはバックエンド相互接続層内にあり、静電容量は典型的にはその総面積に比例して変化する。そのようなものとして、フォトディテクタとモノリシックに集積化されたキャパシタの静電容量は、ピクセルアレイ3010が加工されるセンサウェハ内の利用可能な面積によって制限される。これらの課題は、追加のキャパシタを第2のウェハ上に加工させ、センサウェハに接合させて、ピクセルの各々の静電容量をさらに増大させることによって解決され得る。
図31Aおよび図31Bは、静電容量を高めた例示的なToFレシーバユニット3100の概略図および断面図を示している。ToFレシーバユニット3100は、集積回路(IC)ウェハ3110と、センサウェハ3130と、相互接続部3170とを備える。ICウェハ3110は、第1のキャパシタ3112とピクセルトランジスタ3120とを備える。センサウェハ3130は、第2のキャパシタ3132とToFピクセル3140とを備える。ICウェハ3110およびセンサウェハ3130は、たとえば、ウェハボンディングプロセス、およびToFピクセル3140に電気的に結合される相互接続部3170、第1および第2のキャパシタ3112および3132、ならびにピクセルトランジスタ3120を使用して、一緒に接合される。ICウェハ3110およびセンサウェハ3130の両方におけるキャパシタ3112および3132の加工に利用可能な空間を利用することによって、ToFピクセル3140の積分に利用可能な総静電容量は、第1および第2のキャパシタが両方とも単一のウェハ上に加工される構成に比べて2倍、増大させられ得る。静電容量のそのような増大は、ToFピクセル3140の最大積分時間を長くし、サブフレームの生成速度および対応するデータスループットを同じ率だけ低減し得る。
ToFピクセル3140は、スイッチトフォトディテクタ100などの、スイッチトフォトディテクタであってよい。ToFピクセル3140は第1のスイッチ3150と第2のスイッチ3160とを備え、各々はそれぞれのキャリア読み出し(収集)端子3152および3162(「R」)、ならびにキャリア制御(変調)端子3154および3164(「C」)を有する。第1のスイッチ3150は、たとえば、図1Aの第1のスイッチ108に類似していてよく、キャリア読み出し端子3152はn型ドープ領域126に類似していてよく、キャリア制御端子3154はp型ドープ領域128に類似していてよい。同様に、第2のスイッチ3160は、たとえば、図1Aの第2のスイッチ110に類似していてよく、キャリア読み出し端子3162はn型ドープ領域136に類似していてよく、キャリア制御端子3164はp型ドープ領域138に類似していてよい。ToFピクセル3140は、光信号がToFピクセル3140が加工される側に対向するセンサウェハ3130の裏面からToFピクセル3140に入り得るという点で裏面照射型(BSI)ピクセルであるものとしてよい。
ピクセルトランジスタ3120は、ToFピクセル3140の動作を制御するように構成されているトランジスタである。ピクセルトランジスタ3120は、読み出し端子3152および3162からキャリアを収集するための第1および第2の読み出しトランジスタ3122および3124を備える。ピクセルトランジスタ3120は、3T構成(すなわち、リセット、ソースフォロワ、および行選択トランジスタを有する3トランジスタ構成)を有する読み出し回路を備え得るか、または図1Aに示されている読み出し回路124および134に類似する回路を備え得る。ピクセルトランジスタ3120は、制御信号を制御端子3154および3164に提供するための制御トランジスタ3126および3128を備え得る。制御トランジスタ3126および3128によって提供される制御信号は、図1Aに示されている制御信号122および132に類似しているものとしてよい。
第1および第2のキャパシタ3112および3132は、標準的な半導体IC加工技術を使用して実装され得る。第1および第2のキャパシタ3112および3132の例は、金属−酸化物−金属(MOM)キャパシタ、および金属−絶縁体−金属(MIM)キャパシタを含む。いくつかの実装形態において、キャパシタの酸化物または絶縁体は、Al2O3、HfO2、ZrO2、またはLa2O3などの高k誘電体定数材料で置き換えられ得る。キャパシタは平行板キャパシタとして例示されているが、静電容量を有する様々な構造が、フローティング拡散キャパシタおよび金属−酸化物−半導体(MOS)キャパシタを含む、キャパシタ3112および3132として使用され得る。一般に、第1および第2のキャパシタ3112および3132は、各々、製造性または性能上の理由から並列接続のキャパシタのバンクとして実装され得る。
図31Bを参照すると、第1および第2のキャパシタ3112および3132は、それぞれ、読み出しトランジスタ3124および3122の入力端子(たとえば、ソースまたはドレイン端子)に電気的に結合される。第1の読み出しトランジスタ3122は、キャリア読み出し端子3152からキャリアを収集し、収集されたキャリアを出力端子(たとえば、ソースまたはドレイン端子)を通して第2のキャパシタ3132に供給する。第2の読み出しトランジスタ3124は、キャリア読み出し端子3162からキャリアを収集し、収集されたキャリアを出力端子(たとえば、ソースまたはドレイン端子)を通して第1のキャパシタ3112に供給する。この構成において、読み出しトランジスタ3122および3124のゲート端子に電圧が印加され、ToFピクセル3140からそれぞれのキャパシタ3132および3112へのキャリアの移動を制御し得る。
読み出し端子3152および3162へのキャパシタ3112および3132の特定の関連付けが説明されているが、一般に、キャパシタ3112および3132と読み出し端子3152および3162との間の関連付けは、スワップされ、類似の方式で動作し得る。読み出し端子3152および3162に接続されていない第1および第2のキャパシタ3112および3132のそれぞれの端子は、たとえば、グランドに接続されるか、フローティングであるか、または電源に接続されるものとしてよい。
ICウェハ3110およびセンサウェハ3130は、様々な仕方で一緒に接合され得る。接合技術に関する例は、金属間接合、酸化物間接合、およびハイブリッド接合を含む。相互接続部3170は、ICウェハ3110およびセンサウェハ3130内に形成される相互接続部3170の一部の間の電気的結合を提供する、接合パッド3172を備え得る。接合パッド3172は、銅製ピラーまたはパッドであってよく、ICウェハ3110とセンサウェハ3130との間の機械的結合をもたらし得る。
単一のToFピクセル3140は例示する目的で図31Aおよび図31Bに示されているが、一般に、レシーバユニット3100はピクセルトランジスタ3120のアレイに接続されているToFピクセル3140のアレイを含み得る。
2つのキャパシタ3132および3112に結合されている2つのスイッチ3150および3160を有するToFピクセル3140は例示する目的で図31Aおよび図31Bに示されているが、一般に、ToFピクセル3140は、3つまたはそれ以上のキャパシタに電気的に結合されている3つまたはそれ以上のスイッチを備え得る。
図31Cは、静電容量を高めた例示的なToFレシーバユニット3180の概略図を示している。ToFレシーバユニット3180は図31AのToFレシーバユニット3100に類似しているが、ここでは第1および第2のキャパシタ3112および3132が、トランジスタを介在させることなくそれぞれのキャリア読み出し端子3162および3152に直接電気的に結合されている点が異なる。
図31Dは、静電容量を高めた例示的なToFレシーバユニット3182の概略図を示している。ToFレシーバユニット3180は図31AのToFレシーバユニット3100に類似しているが、ここでは第1のキャパシタ3132が第1のサブキャパシタ3133および3134に分割され、第2のキャパシタ3112が第2のサブキャパシタ3113および3114に分割される点が異なる。サブキャパシタ3113および3133はセンサウェハ3130内に配置され、サブキャパシタ3114および3134はICウェハ3110内に配置される。第1のサブキャパシタ3113および3114は、図31Aに示されている構成として類似の静電容量増大を達成するように並列構成で電気的に接続される。第1のサブキャパシタ3113および3114は、読み出しトランジスタ3124と電気的に結合され、読み出し端子3162から収集されるキャリアによって充電または放電されるように構成される。同様に、第2のサブキャパシタ3133および3134は、図31Aに示されている構成として類似の静電容量増大を達成するように並列構成で電気的に接続される。第2のサブキャパシタ3133および3134は、読み出しトランジスタ3122と電気的に結合され、読み出し端子3152から収集されるキャリアによって充電または放電されるように構成される。
一般に、ICウェハ3110およびセンサウェハ3130は、互いに独立して加工される。たとえば、2つのウェハ3110および3130は、異なる処理技術、異なるプロセスノードを使用し、異なるファウンドリによって、および/または異なる時刻に加工されるものとしてよく、これらはすべて、有限の製造プロセス許容範囲およびバラツキがあるためウェハ3110または3130内に加工されるキャパシタの静電容量に影響を及ぼし得る。読み出し端子3162に関連付けられている第1のキャパシタをセンサウェハ3130内に配置されているサブキャパシタ3113およびICウェハ内に配置されているサブキャパシタ3114に分割することによって、また同様に、読み出し端子3152に関連付けられている第2のキャパシタについて、サブキャパシタ3133および3134に分割することによって、1つのウェハのキャパシタの何らかのバラツキは、等しい量の第1または第2の静電容量の合計に影響を及ぼし、それによってICウェハ3110とセンサウェハ3130との間の何らかのバラツキまたは不整合の結果生じる2つの静電容量の潜在的不均衡を低減または排除するのを助ける。
図31Eは、静電容量を高めた例示的なToFレシーバユニット3184の概略図を示している。ToFレシーバユニット3184は図31DのToFレシーバユニット3182に類似しているが、ここでは第1のサブキャパシタ3113および3114ならびに第2のサブキャパシタ3133および3134が、トランジスタを介在させることなくそれぞれのキャリア読み出し端子3162および3152に直接電気的に結合されている点が異なる。
図31Fは、静電容量を高めた例示的なToFレシーバユニット3186の概略図を示している。ToFレシーバユニット3186は図31AのToFレシーバユニット3100に類似しているが、ここではピクセルトランジスタ3120がICウェハ3110からセンサウェハ3130へ移動されている点が異なる。いくつかの場合において、ピクセルトランジスタ3120は、ToFピクセル3140を囲むセンサウェハ3130内の未占有空間内に移動され得る。ピクセルトランジスタ3120をそのように置くことで、レシーバユニット3186の性能を改善し、および/または追加のキャパシタ、メモリ、増幅器、またはADCなどの、レシーバユニット3186の他のコンポーネントに対するICウェハ3110内の空間を解放し得る。
図31Gは、静電容量を高めた例示的なToFレシーバユニット3188の概略図を示している。ToFレシーバユニット3188は図31CのToFレシーバユニット3180に類似しているが、ここではピクセルトランジスタ3120がICウェハ3110からセンサウェハ3130へ移動されている点が異なる。いくつかの場合において、ピクセルトランジスタ3120は、ToFピクセル3140を囲むセンサウェハ3130内の未占有空間内に移動され得る。ピクセルトランジスタ3120をそのように置くことで、レシーバユニット3188の性能を改善し、および/または追加のキャパシタ、メモリ、増幅器、またはADCなどの、レシーバユニット3188の他のコンポーネントに対するICウェハ3110内の空間を解放し得る。
図31Hは、静電容量を高めた例示的なToFレシーバユニット3190の概略図を示している。ToFレシーバユニット3190は図31DのToFレシーバユニット3182に類似しているが、ここではピクセルトランジスタ3120がICウェハ3110からセンサウェハ3130へ移動されている点が異なる。いくつかの場合において、ピクセルトランジスタ3120は、ToFピクセル3140を囲むセンサウェハ3130内の未占有空間内に移動され得る。ピクセルトランジスタ3120をそのように置くことで、レシーバユニット3190の性能を改善し、および/または追加のキャパシタ、メモリ、増幅器、またはADCなどの、レシーバユニット3190の他のコンポーネントに対するICウェハ3110内の空間を解放し得る。
図31Iは、静電容量を高めた例示的なToFレシーバユニット3192の概略図を示している。ToFレシーバユニット3192は図31EのToFレシーバユニット3184に類似しているが、ここではピクセルトランジスタ3120がICウェハ3110からセンサウェハ3130へ移動されている点が異なる。いくつかの場合において、ピクセルトランジスタ3120は、ToFピクセル3140を囲むセンサウェハ3130内の未占有空間内に移動され得る。ピクセルトランジスタ3120をそのように置くことで、レシーバユニット3192の性能を改善し、および/または追加のキャパシタ、メモリ、増幅器、またはADCなどの、レシーバユニット3192の他のコンポーネントに対するICウェハ3110内の空間を解放し得る。
一般に、図31Aおよび図31BのToFレシーバユニット3100、図31DのToFレシーバユニット3182、図31FのToFレシーバユニット3186、ならびに図31HのToFレシーバユニット3190におけるピクセルトランジスタ3120は、次の増幅器アレイ3020およびADC3030からのノイズを最小にしながらターゲット積分時間に適した総静電容量値を選択するように制御され得る。
図32は、ToF検出のための例示的なレシーバユニット3200のブロック図を示している。ToFレシーバユニット3200は、図30のToFレシーバユニット3000に類似しているが、メモリモジュール3210と、デジタル信号処理(DSP)モジュール3220とをさらに備える。メモリモジュール3210は、ADC3030のデジタル出力3040およびDSPモジュール3220の入力に電気的に結合される。DSPモジュール3220は、デジタル処理されたデータをDSP出力3230として出力する。
メモリモジュール3210は、ピクセルアレイ3010からの増幅された電気信号に対応するADC3030のデジタル出力3040を記憶するように構成される。メモリモジュール3210は、振幅の大きい入力光信号によって生成されるサブフレームに対応する複数のデジタル出力を記憶し、出力する前に、またはデジタル出力3040をさらに処理するために、サブフレームをバッファリングするものとしてよい。たとえば、レシーバユニット3200は、データがDSP出力3230を受け取るシステムに転送できる速度より速い速度でデータを生成し得る。データ生成速度のそのような増大は、たとえば、光信号の振幅が大きいか、またはToF画像フレームのバーストモード取得によるものであり得る。そのような条件の下で、メモリモジュール3210は、レシーバユニット3200がDSP出力3230をデータ受信システムに伝送している間に余分なデータを記憶し得る。
DSPモジュール3220は、メモリモジュール3210によって記憶されているデジタルデータをデジタル処理するように構成される。DSPモジュール3220は、メモリモジュール3210から受信されたデータに対して、他にもあるがとりわけ、様々な算術演算、ブール演算、または高速フーリエ変換(FFT)などの専用デジタル演算を実行するように構成され得る。たとえば、DSPモジュール3220は、メモリモジュール3210に記憶されている複数のサブフレームをデータ受信システムに出力されるべき単一の完全なフレームまたは注目する領域を含む完全なフレームの一部になるように処理し得る。複数のサブフレームを処理し、単一の完全なフレームまたは注目する領域を含む完全なフレームの一部を生成し、単一の完全なフレームまたは注目する領域を含む完全なフレームの一部をデータ受信システムに出力することによって、レシーバユニット3200の総外部データスループットが低減され得る。いくつかの実装形態において、レシーバユニット3200の総外部データスループットは、サブフレームの数に対応する倍率だけ低減され得る。別の例として、DSPモジュール3220は、メモリモジュール3210に記憶されているデータを処理して、ToF測定結果からの深さ情報を決定し、フィルタ処理するものとしてよい。
メモリモジュール3210およびDSPモジュール3220は、単独で、または図31A〜図31Iに関して説明されているような静電容量が高められたToFレシーバの様々な構成と組み合わせて実装され得る。メモリモジュール3210およびDSPモジュール3220と静電容量の増大との組合せで、外部データスループットを低減し、生成されるサブフレームの数を減らし得る。サブフレームの数を減らすことで、メモリモジュール3210の記憶容量に対する要求条件を軽減し得る。さらに、サブフレームの数を減らすことで、DSPモジュール3220によって実行される処理演算の数を減らし得る。サブフレームの数のそのような低減ならびにメモリ容量および/または処理演算の対応する低減の結果、ToFレシーバユニットによる消費電力も低減され得る。
いくつかの実装形態において、DSPモジュール3220は、図5Aの処理ユニット506を備え得る。DSPモジュール3220は、たとえば、汎用プロセッサとして、または特定用途向け集積回路として実装され得る。
図33Aは、ToF検出のための例示的なレシーバユニット3300の概略断面図を示している。レシーバユニット3300は、ICウェハ3110と、センサウェハ3130とを備える。ICウェハ3110は、ピクセルトランジスタアレイ3320と、増幅器アレイ3020と、ADC3030とを備える。センサウェハ3130は、ToFピクセルアレイ3010と、メモリモジュール3210とを備える。ピクセルトランジスタアレイ3320は、図31Aに関して説明されているピクセルトランジスタ3120のアレイである。ICウェハ3110およびセンサウェハ3130は、ウェハボンディングを通じて互いに接合される。相互接続部3170および接合パッド3172は、レシーバユニット3300の様々なコンポーネントを電気的に結合する。
メモリモジュール3210は、ToFピクセルアレイ3010を囲むセンサウェハ3130内の未占有空間の周りに分散され得る。たとえば、BSI構成のレシーバユニット3300において、増幅器アレイ3020およびADC3030より上に配置されているセンサウェハ3130内の領域は未占有であってよい。メモリモジュール3210を増幅器アレイ3020およびADC3030より上に配置されている未占有空間内に置くことによって、レシーバユニット3300の性能は、レシーバユニット3300のサイズを増やすことなく改善され得る。
メモリモジュール3210は、様々な構成において、様々なメモリ技術を使用して実装され得る。メモリ技術の例は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、フラッシュメモリ、抵抗RAM(ReRAM)、磁気RAM(MRAM)、相変化RAM(PRAM)、および強誘電体RAM(FeRAM)を含む。異なるメモリ技術は、典型的には、リード/ライトトランジスタと結合されているビット記憶素子の共通アーキテクチャを共有する。たとえば、DRAMビットは、ビットに関連付けられている電荷を蓄積するためのキャパシタと、キャパシタに読み書きを行うトランジスタとを備える。別の例として、SRAMビットは、ビットに関連付けられている状態を記憶するためのフリップフロップと、フリップフロップに読み書きを行う2つのトランジスタとを備える。同様に、ReRAMは可変抵抗記憶素子を有し、MRAMは磁気記憶素子を有し、PRAMは相変化記憶素子を有し、FeRAMはビットを記憶するための強誘電体記憶素子を有する。いくつかの実装形態において、2つまたはそれ以上のメモリ技術が組み合わされ、互いに連携して働くものとしてよい。図33Aに示されている実装形態において、メモリモジュール3210は、リード/ライトトランジスタおよび関連付けられているビット記憶素子の両方を含む。いくつかの実装形態において、メモリモジュール3210の機能をさらに拡張するために追加の処理回路が含まれてもよい。たとえば、デジタル加算器は、メモリによって記憶されているビットをさらに処理するために備えられ得る。
図33Bは、ToF検出のための例示的なレシーバユニット3330の概略断面図を示している。レシーバユニット3330は、図33Aのレシーバユニット3300に類似しているが、メモリモジュール3210が分散メモリモジュール3340によって置き換えられる点が異なる。分散メモリモジュール3340は、記憶素子サブブロック3342と、リード/ライトトランジスタサブブロック3344とを備える。記憶素子サブブロック3342はセンサウェハ3130内に配置され、トランジスタサブブロックはICウェハ3110内に配置される。いくつかの実装形態において、メモリに記憶されているビットをさらに処理するために、デジタル加算器などの追加の処理回路がリード/ライトトランジスタサブブロック3344内に備えられ得る。
記憶素子3342は、典型的には、専用の技術および/または材料を使用して加工される。たとえば、DRAMのキャパシタは、典型的には、ICウェハ3110を加工するために使用される製造プロセスに適合し得ない、シリコン基板にディープトレンチエッチングなどの専用プロセスを使用して加工される。さらに、ICウェハ3110を加工するために使用される製造プロセスは、リード/ライトトランジスタ3344などの、トランジスタの加工により最適化されるものとしてよい。たとえば、ICウェハ3110に使用される製造プロセスは、センサウェハ3130のものと比べて小さい最小特徴サイズを有するより高度なプロセスノードであってよい。そのようなものとして、記憶素子3342およびリード/ライトトランジスタ3344の加工を切り離すことで、2つのサブブロック3342および3344の性能の独立した最適化を可能にすることによってメモリモジュール3340の性能を改善し、センサウェハ3130およびICウェハ3110に対する製造プロセスの複雑度を低減し得る。
図33Cは、ToF検出のための例示的なレシーバユニット3350の概略断面図を示している。レシーバユニット3350は、図33Aのレシーバユニット3300に類似しているが、メモリモジュール3210がここでICウェハ3110内に配置される点が異なる。SRAMおよびフラッシュなどのいくつかのメモリ技術では、所与のプロセスノードに対して、完全なメモリモジュールがCMOSファウンドリまたはサードパーティベンダーによって知的所有権(IP)コアとして提供され得る。これらのIPコアを組み込んでICウェハ3110のメモリモジュール3210を実装することで、研究開発労力を軽減し得る。
図33Dは、ToF検出のための例示的なレシーバユニット3360の概略断面図を示している。レシーバユニット3360は、図33Cのレシーバユニット3350に類似しているが、ピクセルトランジスタアレイ3320がここでセンサウェハ3130内に配置される点が異なる。ピクセルトランジスタアレイ3320をセンサウェハ3130内に置くことで、ICウェハ3110内の空間利用率を改善することを可能にし得る。たとえば、メモリモジュール3210は、ToFピクセルアレイ3010の下の位置に置かれてよく、これは増幅器アレイ3020およびADC3030がそれらのコンポーネントの間の電気的接続を簡素化するためにピクセルトランジスタアレイ3320の下に配置されるので未占有であってよい。
図33Eは、ToF検出のための例示的なレシーバユニット3370の概略断面図を示している。レシーバユニット3370は、図33Dのレシーバユニット3360に類似しているが、メモリモジュール3210がここでセンサウェハ3130内に配置される点が異なる。
ToFピクセルアレイ3010、ピクセルトランジスタアレイ3320、メモリモジュール3210、およびADC3030、ならびに増幅器アレイ3020は、例示すること目的として概略ブロックとして示されているが、一般に、それらのコンポーネントの各々の一部は、それぞれのウェハ3110および3130にまたがって分散され得る。たとえば、ToFピクセルアレイ3010のToFピクセル3140およびピクセルトランジスタアレイ3320のピクセルトランジスタ3120は、ウェハ3110および/または3130にまたがって分散されてよく、メモリモジュール3210または3340のメモリビットは、ToFピクセルアレイ3010またはピクセルトランジスタアレイ3320によって占有されていない空間内でウェハ3110および/または3130にまたがって分散されてよい。
一般に、追加の電気的および光学的コンポーネントは、図33A〜図33Eに説明されているレシーバユニットに追加されてよい。電気的コンポーネントの例は、抵抗器、インダクタ、データ処理回路(たとえば、プロセッサ、FPGA、ASIC)、バイアス回路(たとえば、バイアス電圧をセンサウェハ3130および/またはToFピクセル3140の制御端子3154および3164に供給する)、ならびに光源ドライバ回路(たとえば、光パルスを発生させるために電気パルスをトランスミッタユニット502に供給する)を含む。光学的コンポーネントの例は、反射防止コーティング(ARC)、マイクロレンズ、帯域通過フィルタ、および反射体を含む。マイクロレンズの例は、マイクロボールレンズ、フレネルゾーンプレート、および集積シリコンマイクロレンズを含む。
一般に、ICウェハ3110とセンサウェハ3130との間に中間層が存在し得る。中間層は、これら2つのウェハの間の電気的結合の改善、2つのウェハの接合品質および歩留まりの改善、ならびにレシーバユニットの光学的性能の改善などの、様々な利点をもたらし得る。中間層は、誘電体、ポリマー、および光学的屈折率整合材料などの、様々な材料から形成され得る。
ICウェハ3110およびセンサウェハ3130の双方向接合は図33A〜図33Eに関して説明されているが、一般に、レシーバユニットは、3つまたはそれ以上のウェハの接合によって形成され得る。たとえば、追加のICウェハを接合して追加のキャパシタを集積化し、ピクセルアレイ3010に関連付けられている静電容量をさらに高めることができる。別の例として、追加のICウェハを接合して追加のメモリ素子を集積化し、メモリモジュール3210のメモリ容量をさらに高めることができる。
一般に、図33A〜図33Eに関して説明されているレシーバユニットのセンサウェハ3130は、表面照射型センサウェハまたは裏面照射型センサウェハのいずれかであってよい。
一般に、センサウェハ3130、ToFピクセル3140、またはその両方は、III−V族化合物半導体材料、IV族合金半導体材料、またはこれらの組合せから形成され得る。
図34は、ToF検出のための例示的なレシーバユニット3400の例示的なボンディングプロセスの概略断面図である。センサウェハ3130は、ToFピクセルアレイ3140と、バックエンド層3136とを備える。ICウェハ3110は、ピクセルトランジスタ3120と、バックエンド層3116とを備える。バックエンド層3116および3136は、ウェハ3110および3130のそれぞれの表面上に形成される、相互接続部3170と接合パッド3172とを備える。バックエンド層3116および3136の表面は、接合パッド3172の誘電体表面および金属表面を含む。接合前に、センサウェハは、センサウェハ3130の接合パッド3172がICウェハ3110の接合パッド3172に面するように反転される。これら2つのウェハは制御されながら接触させられるが、これは力、温度、および形成環境の制御を伴い得る。誘電体表面と金属表面との組合せは、ウェハ3110および3130のハイブリッド接合を可能にし、その結果、2つのウェハの間に電気的および機械的の両方の結合が生じる。
ウェハ接合のためにセンサウェハ3130を反転することで、センサウェハ3130の裏面を通る光信号3410の受光が可能になる。センサウェハ3130は、赤外線波長(たとえば、>1.1μm)を透過する、シリコンウェハであってよい。そのようなものとして、赤外線光信号3410は、センサウェハ3130の裏面を通してToFピクセル3140に到達し得る。そのような構成は、裏面照射型(BSI)センサと称される。
いくつかの実装形態において、センサウェハ3130のバックエンド層3136は鏡3420を含み得る。鏡3420は、ToFピクセル3140の光吸収領域の下に配置される。そのようなものとして、ピクセル3140を通過するときToFピクセル3140によって吸収されない何らかの光は、鏡3420によって反射され、ToFピクセル3140の方へ反射されて戻され、ToFピクセル3140によってさらに吸収される。鏡3420は、たとえば、金属鏡、誘電体鏡、または分布ブラッグ反射器であってよい。鏡3420は、誘電体層(たとえば、酸化ケイ素または窒化ケイ素)とその後に続く金属層との組合せであってよい。いくつかの実装形態において、鏡3420は、ToFピクセル3140内に配置される焦点の方へ光を反射するように構成されている凹面鏡であってよい。
いくつかの実装形態において、センサウェハ3130は、部分的鏡3422を含み得る。部分的鏡3422は、センサウェハ3130の裏面上に形成され、光の一部がToFピクセル3140内に通過することを可能にする。部分的鏡3142は、部分的鏡3422と空気との間の界面に相殺的干渉を発生するものとしてよく、これにより部分的鏡3422の方へ鏡3420によって反射される光は、ToFピクセル3140の方へ反射されて戻される。そのような条件が満たされたときに、鏡3420と組み合わせた部分的鏡3422は共振空洞を形成し、これは2つの鏡3420と3422との間で光が複数回反射することを可能にする。形成される共振空洞は、共振空洞の共振周波数においてToFピクセル3140の検出効率を改善し得る。部分的鏡3422は、たとえば、誘電体鏡または分布ブラッグ反射器であってよい。部分的鏡3422は、ToFピクセル3140を通過し、鏡3420によって反射される光の往復減衰に実質的に等しい透過率を有するものとしてよい。
いくつかの実装形態において、ICウェハ3110のバックエンド層3116は鏡3424を含み得る。センサウェハ3130およびICウェハ3110を接合した後、鏡3424は、ToFピクセル3140の光吸収領域の下に配置される。そのようなものとして、ピクセル3140を通過するときToFピクセル3140によって吸収されない光は、鏡3424によって反射され、ToFピクセル3140の方へ反射されて戻され、ToFピクセル3140によってさらに吸収される。鏡3424は、たとえば、金属鏡、誘電体鏡、または分布ブラッグ反射器であってよい。鏡3424は、誘電体層(たとえば、酸化ケイ素または窒化ケイ素)とその後に続く金属層との組合せであってよい。いくつかの実装形態において、鏡3424は、ToFピクセル3140内に配置される焦点の方へ光を反射するように構成されている凹面鏡であってよい。
前の節では、静電容量を高めることで積分時間を長くするアプローチが説明されている。積分時間を決定するときの重要な考慮事項はフォトディテクタの暗電流であり、これは光信号と周辺光とが存在しない場合に流れる電流である。一般に、スイッチトフォトディテクタを通じて行われるToF測定などの、フォトディテクタを通じて行われる光学的測定の信号対雑音比(SNR)は、暗電流の存在による負の影響を受ける。たとえば、フォトディテクタを通しての光学的測定のSNRは、積分時間に直線的に比例する。さらに、所与の静電容量に対する積分時間は、光信号および周辺光が存在しない場合であっても暗電流がキャパシタ電荷を連続的に放電するので、暗電流による制限を受け得る。
フォトディテクタの暗電流は、典型的には、フォトディテクタのカソードおよびアノード間に確立される逆バイアス電圧の指数関数となる。そのようなものとして、フォトディテクタの全体的動作を保持しながら逆バイアス電圧を制御しつつ低減すると、結果として、フォトディテクタのSNR性能を改善し得る。
図35は、ToFピクセルを操作するための回路3500の概略図を示している。回路3500は、第1の読み出し部分回路3510と、スイッチトフォトディテクタ3550に結合されている第2の読み出し部分回路3530とを備える。第1の読み出し部分回路3510は、第1のMOSFETトランジスタ3512と、第2のMOSFETトランジスタ3520とを備える。第2の読み出し部分回路3530は、第3のMOSFETトランジスタ3532と、第4のMOSFETトランジスタ3540とを備える。第1の読み出し部分回路3510は、第1のソースフォロワ回路3560に結合され、第2の読み出し部分回路3530は、第2のソースフォロワ回路3570に結合される。第1の読み出し部分回路3510および第1のソースフォロワ回路3560は、第1の読み出し回路と称されてよく、第2の読み出し部分回路3530および第2のソースフォロワ回路3570は、第2の読み出し回路と称されてよい。
スイッチトフォトディテクタ3550は、本体部3551と、第1の読み出し端子3552と、第2の読み出し端子3554とを備える。スイッチトフォトディテクタ3550は、図1Aのスイッチトフォトディテクタ100などのすでに説明されているスイッチトフォトディテクタのうちのどれかとして実装され得る。本体部3551は、光吸収層106または基板202、302、および402に類似しており、p型ドーパントでドープされ得る。第1および第2の読み出し端子3552および3554は、n型ドープ領域であってよく、これは、たとえば、図1Aのn型ドープ領域126および136に類似しているものとしてよい。スイッチトフォトディテクタ3550によって生成される光電流は、スイッチトフォトディテクタ3550の制御動作に基づき第1の読み出し端子3552または第2の読み出し端子3554のいずれかによって収集され得る。
MOSFETトランジスタ3512、3520、3532、および3540の各々は、ソース端子、ドレイン端子、およびゲート端子を備える。ソース端子およびドレイン端子は、下にある構造内で同一であってよいが、トランジスタを通る電流の流れの方向に基づき区別され得る。たとえば、P型チャネル領域を有するN型MOSFET(「NMOSトランジスタ」)では、電流は、ドレイン端子からソース端子へチャネル領域を通って流れ得るが、N型チャネル領域を有するP型MOSFET(「PMOSトランジスタ」)では、電流は、ソース端子からドレイン端子へチャネル領域を通って流れ得る。ソースおよびドレインという用語の指定は慣習に基づくものであり、また下にある構造は類似しているか、または同一であってよいので、ソースおよびドレイン端子は、MOSFETと他の回路素子との間の接続性を説明する際に第1のチャネル端子および第2のチャネル端子と称され得る。
ゲート端子は、ソースおよびドレイン端子を通る電流の流れを制御する。たとえば、閾値電圧Vthより高い制御電圧は、電流がソースおよびドレイン端子を通って流れることを可能にし得る。MOSFETトランジスタのそのような動作モードは、ゲート端子に関するソースおよびドレイン端子の電圧に応じて、飽和領域またはトライオード動作領域での動作と称され得る。飽和領域では、ソースおよびドレイン端子を通って流れる電流は、ソース電圧とドレイン電圧との差の変化の影響をあまり強く受けない(すなわち、トランジスタの出力インピーダンスが高い)。トライオード領域では、ソースおよびドレイン端子を通って流れる電流は、ソース電圧とドレイン電圧との差にほぼ直線的に比例する(すなわち、トランジスタは抵抗に似た動作をする)。閾値電圧より低い制御電圧は、ソースおよびドレイン端子を通る電流の流れを減少させ得る。たとえば、電流の流れは、制御電圧が閾値電圧より低くなるときに指数関数的に減少し得る。MOSFETトランジスタのそのような動作モードは、閾値下動作領域での動作と称され得る。
例示することを目的として、回路3500は、N型MOSFETトランジスタを使用して実装される。第1の読み出し部分回路3510に関して、第1のMOSFET3512のソース端子は、第1の読み出し端子3552に結合される。第1のMOSFET3512のドレイン端子は第2のMOSFET3520のソース端子に結合され、結合のこのノードは第1の読み出し部分回路3510の第1の出力ノード3515と称され得る。キャパシタは第1の出力ノード3515に結合されるものとしてよく、これは図31Aおよび図31Bのキャパシタ3112および3132に類似しているものとしてよい。第2のMOSFET3520のドレイン端子は、第1の電源ノード3508に結合される。同様に、第2の読み出し部分回路3530に関して、第3のMOSFET3532のソース端子は、第2の読み出し端子3554に結合される。第3のMOSFET3532のドレイン端子は第4のMOSFET3540のソース端子に結合され、結合のこのノードは第2の読み出し部分回路3530の第2の出力ノード3535と称され得る。キャパシタは第2の出力ノード3535に結合されるものとしてよく、これは図31Aおよび図31Bのキャパシタ3112および3132に類似しているものとしてよい。第4のMOSFET3540のドレイン端子は、第1の電源ノード3508に結合される。
第1の電源ノード3508は、第1の電源電圧を第1および第2の読み出し部分回路3510および3530に供給する。第2の電源ノード3502は、第2の電源電圧を第1および第2のソースフォロワ回路3560および3570に供給する。1つまたは複数の電源電圧源は好適な第1および第2の電源電圧を第1および第2の電源ノード3508および3502に供給するものとしてよく、これは特定のプロセスノード、回路設計、スイッチトフォトディテクタ3550の特性、第1の出力ノード3515に結合されているキャパシタのリセット電圧、および電荷−電圧変換利得を含む様々な要因に依存し得る。第1の電源ノード3508は、VUノードと称されてよく、VUノードの第1の電源電圧は、たとえば、オンチップ集積回路ブロックが発生するユーザ定義電圧であってよい。第2の電源ノード3502は、VEノードと称されてよく、VEノードの第2の電源電圧は、たとえば、オフチップ電源が発生する外部定義電圧であってよい。
ToFピクセルの動作中、第1の出力ノード3515および第2の出力ノード3535は、第2および第4のMOSFET3520および3540を通してプリセットされた電圧に充電される。たとえば、第2および第4のMOSFET3520および3540を飽和またはトライオード領域において動作させる第2の制御電圧3506(Vc2)を印加することによって、電流が第1の電源ノード3508からそれぞれの出力ノード3515および3535に流れ、ノードをプリセットされた電圧に充電するものとしてよい。第2および第4のトランジスタ3520および3540のゲート端子に結合されている第2の制御電圧源3507は、第2の制御電圧3506を印加するために使用できる。第2の制御電圧3506は、出力ノード3515および3535が充電されるプリセットされた電圧を変化させる(たとえば、電源電圧または電源電圧の数分の1に設定する)ように制御され得る。出力ノード3515および3535の充電が完了した後、第2の制御電圧3506は、出力ノード3515および3535を第1の電源ノード3508から切り離す、第2および第4のMOSFET3520および3540をオフにするように(たとえば、0Vに)設定され得る。この充電動作は、スイッチトフォトディテクタ3550のリセット動作と称されてよく、第2および第4のMOSFET3520および3540はリセットトランジスタと称されてよい。リセット動作は、ToFピクセルの読み出しステップ内の1ステップであってよい。
充電が完了した後、スイッチトフォトディテクタ3550によって生成される電気信号の積分が開始し得る。第1および第3のMOSFET3512および3532は、MOSFET3512および3532のゲート端子に結合されている第1の制御電圧源3505を通して、それぞれのゲート端子に結合されている第1の制御電圧3504(Vc1)を生成することによって積分を開始し、終了するように制御され得る。たとえば、第1の制御電圧3504は、トライオード領域内で第1および第3のMOSFET3512および3532を動作させるように制御電圧源3505を通じて設定され得る。トライオード領域動作では、スイッチトフォトディテクタ3550によって生成される光電流は、MOSFET3512および3532のドレインおよびソース端子を通り、読み出し端子3552および3554を通って流れるものとしてよい。読み出し端子3552および3554を通る光電流のそのような流れは、リセット動作時にプリセットされた電圧まで充電されたそれぞれの静電容量を放電することによって出力ノード3515および3535のところで積分され得る。
トライオード領域における第1および第3のMOSFET3512および3532の動作は、第1および第3のMOSFET3512および3532の代わりに置かれているそれぞれの抵抗器(「実効抵抗器」)を通して出力ノード3515および3535をそれぞれの読み出し端子3552および3554に結合することに類似している。そのような実効抵抗器の抵抗は、典型的に、電流がフォトディテクタを通って流れたことに応答して著しい電圧降下をもたらさない適度の値(たとえば、10オームから10,000オームまで)である。たとえば、光電流と暗電流との組合せであり得る、フォトディテクタ電流は、典型的には、pAからμAの範囲の小電流であり、その結果得られる、抵抗器間の電圧降下は、同様に比較的小さい(たとえば、nVからmVの範囲内)。そのようなものとして、読み出し端子3552および3554の電圧は、小電圧降下の範囲内の出力ノード3515および3535の電圧に類似している。出力ノード3515および3535の電圧が、第1の電源ノード3508の第1の電源電圧に接近していてよいプリセットされた電圧まで充電されると、読み出し端子3552および3554には類似の電圧がかかり、その結果、スイッチトフォトディテクタ3550の適切な動作に必要な最小逆バイアスより大きいものとしてよいスイッチトフォトディテクタ3550の接合点間に逆バイアスがかかり得る。そのような過剰な逆バイアスがかかると結果として暗電流が増大し、回路3500によって生成される出力のSNRが減少し得る。
様々な設計および材料組成のフォトディテクタは、逆バイアス電圧の制御の恩恵を受け得る。フォトディテクタの吸収領域を形成するための材料のうち、ゲルマニウムは、たぶん、シリコン基板上に成長させられるゲルマニウム吸収領域に典型的には関連付けられるより高い材料欠陥密度のせいでシリコンに比べて暗電流発生の影響を受けやすい場合がある。そのようなものとして、ゲルマニウムベースのスイッチトフォトディテクタ3550は、第1の制御電圧3504およびその結果得られる暗電流の減少を通じて逆バイアス電圧の制御の恩恵を受けるのに十分に適しているものとしてよい。
スイッチトフォトディテクタ3550の接合点間に確立される逆バイアスは、積分時間において読み出し端子3552および3554をそれぞれの出力ノード3515および3535から切り離すことによって低減され得る。そのような切り離しは、飽和領域または閾値下領域内で第1および第3のMOSFET3512および3532を動作させることによって達成され得る。飽和領域または閾値下領域における動作は、スイッチトフォトディテクタ3550によって生成される光電流が、MOSFET3512および3532のドレインおよびソース端子を通り、読み出し端子3552および3554を通って流れることを可能にする。しかしながら、第1および第3のMOSFET3512および3532の動作原理により、飽和または閾値下領域内で動作している第1および第3のMOSFET3512および3532の実効抵抗、すなわち、出力インピーダンスは、トライオード領域内で動作している第1および第3のMOSFET3512および3532の出力インピーダンスより著しく高い。高い出力インピーダンスは、出力ノード3515および3535を読み出し端子3552および3554から切り離し、これは読み出し端子3552および3554の電圧が出力ノード3515および3535の電圧と異なる(たとえば、著しく低い)ことを可能にする。読み出し端子3552および3554における電圧は、少なくとも一部は、第1の制御電圧3504ならびに飽和または閾値下領域内で動作している第1および第3のMOSFET3512および3532の閾値電圧によって決定される。閾値電圧は、チャネルドーピング濃度およびゲート酸化物厚さなどのMOSFETの設計および構造パラメータによって決定されるものとしてよく、たとえば、0.1Vから1Vの範囲内であってよい。第1の制御電圧3504を下げることで、読み出し端子3552および3554のところの電圧を低下させ、スイッチトフォトディテクタ3550の接合点間の逆バイアスを低減する。結果として、スイッチトフォトディテクタ3550の暗電流は低減され、回路3500によって生成される出力のSNRは改善され得る。
第1および第3のMOSFET3512および3532は、第1の制御電圧源3505を通じて、第1の制御電圧3504を制御することによって飽和領域または閾値下領域内で動作するように制御され得る。たとえば、MOSFETは、ゲート端子とソース端子(VGS)との間の電圧差を閾値電圧(VTH)より大きい値に設定することをドレイン端子とソース端子(VDS)との間の電圧差をVGS−VTHより大きくなるように維持しながら行うことによって飽和領域内で動作させることができる。別の例として、MOSFETは、ゲート端子とソース端子(VGS)との間の電圧差を閾値電圧VTHより小さい値に設定することによって閾値下領域で動作させることができる。一般に、第1の制御電圧3504は、出力ノード3515および3535と読み出し端子3552および3554との間の電圧差を制御するように可変であるものとしてよい。いくつかの実装形態において、第1の制御電圧3504は、電圧差を低減するように高められ、またその逆も可能である。いくつかの実装形態において、第1の制御電圧3504は、出力ノード3515および3535と読み出し端子3552および3554との間の電圧差を、第1の電源ノード3508の第1の電源電圧の10%、30%、または50%以上となるように制御し得る。いくつかの実装形態において、第1の制御電圧3504は、読み出し端子3552および3554の電圧を、出力ノード3515および3535の電圧より少なくとも100mVだけ小さくなるように制御し得る。
第1および第3のMOSFET3512および3532が飽和領域または閾値下領域のいずれかで動作させられるときに、MOSFET3512および3532は、ソース電圧をドレイン電圧から切り離したカレントバッファとして動作しているものとしてよい。
プリセットされた積分時間の経過後に、第1の制御電圧3504は第1および第3のMOSFET3512および3532をオフにするように(たとえば、0Vに)設定されるものとしてよく、これは光電流がそれぞれのMOSFET3512および3532を通って流れるのを停止し、積分を停止する。プリセットされた積分時間は、図30に関して説明されているように可変積分時間であるものとしてよい。積分の開始および終了は、シャッター動作と称され、第1および第3のMOSFET3512および3532はシャッターMOSFETと称されてよい。
積分が完了した後、出力ノード3515および3535は、積分期間にわたってそれぞれの読み出し端子3552および3554を通って流れた光電流に反比例する出力電圧を保持する。出力電圧は、ソースフォロワ回路3560および3570によってさらなる処理のためにバッファリングされ得る。たとえば、バッファリングされた出力電圧は、図30の増幅器3022に供給され得る。ソースフォロワ回路3560および3570の追加の動作詳細は、図37Aおよび図37Bに関して説明される。
回路3500のN型の実装形態が説明されているが、一般に、回路3500はP型回路として実装されてよい。たとえば、MOSFET3512、3520、3532、および3540はP型MOSFETであってよく、ソースフォロワ回路3560および3570はP型ソースフォロワであってよく、スイッチトフォトディテクタ3550の本体部3551(たとえば、吸収領域)はN型ドープされてよく、読み出し端子3552および3554はp型ドープ領域であってよい。いくつかの実装形態において、MOSFET3512、3520、3532、および3540は異なる極性を有していてもよい。たとえば、N型読み出し端子3552および3554では、MOSFET3512および3532はN型であってよく、MOSFET3520および3540はP型であってよい。別の例として、P型読み出し端子3552および3554では、MOSFET3512および3532はP型であってよく、MOSFET3520および3540はN型であってよい。
今までのところ、スイッチトフォトディテクタ、ToFピクセル、およびレシーバユニットの様々な実装形態が説明されている。次に、スイッチトフォトディテクタ、ToFピクセル、またはレシーバユニットの性能を試験するための装置が説明される。
図36Aは、例示的な試験装置3600の概略側面図を示している。試験装置3600は、プローブカード3610と、イルミネータボード3620と、機械的支持体3650とを備える。プローブカード3610はプローブピン3612とRFコネクタ3614とを備える。イルミネータボード3620は、照明モジュール3622と、ヒートシンク3624と、熱ビア3626と、駆動電子装置3628と、RFコネクタ3614と、バイアスコネクタ3630と、光学マウント3632と、光学素子3634とを備える。イルミネータボード3620は、機械的支持体3650を通じてプローブカード3610上に装着される。プローブカード3610は、プリント基板(PCB)であってよい。
プローブカード3610は、半導体基板3602上の電気デバイスの試験の際に使用される装置である。典型的には、半導体基板3602は数百個から数千個までのダイを収容し、各ダイは、図33A〜図33Eに説明されているレシーバユニットなどのデバイスである。製造のバラツキにより、いくつかのダイに欠陥がある場合があるか、または製品として販売するのに必要な性能仕様を満たさない場合がある。そのようなものとして、ダイの個片切断の前に基板3602上でダイを試験することによってノウングッドダイ(KGD)を決定し、ノウングッドダイのみを処理することは、製造コストを削減し得る。
プローブカード3610は、プローブピン3612を通じて基板3602上に形成されるダイへの一時的電気的接続を行う。試験されるダイは、被試験体(DUT)3604と称される。プローブピン3612は、DUT3604の電気接点とマッチするように配置構成される。プローブカード3610をDUT3604に対して揃え、DUT3604をプローブピン3612と接触させることによって、数十個の接続部から数百個の接続部までの範囲の複数の電気的接続部が同時に確立され得る。電源、グランド、バイアス、デジタル入力/出力、およびアナログ入力/出力を含む様々な電気的信号が、プローブピン3612を通してDUT3604上に結合され、DUT3604から取り出され得る。DUT3604に対して試験が完了した後、基板3602は試験のため次のDUT3604に揃えられ接触するようにシフトされる。そのような動作は、自動化ウェハプローブを使用して自動化され得る。
プローブピン3612は、接触抵抗要求条件、耐久性要求条件、およびDUT3604上のコンタクトパッドの材料などの要因に基づき様々な金属から形成され得る。プローブピン3612に対する例示的な材料は、タングステン、タングステン合金、パラジウム、白金、および金を含む。プローブピンは、たとえば、個別に形成された針または接触要素の微小電気機械システムベース(MEMS)のアレイであってよい。
スイッチトフォトディテクタ、ToFピクセル、およびレシーバユニットなどの光電子工学的デバイスの試験は、プローブピン3612を通してでは提供され得ない、試験入力として提供されるべき光信号を必要とし得る。そのようなものとして、試験装置3600は、試験を円滑にするために光試験信号3636を発生するように構成されているイルミネータボード3620を備える。光試験信号3636は、たとえば、図28A〜図28Cに関して説明されている光パルス2812などの、ToF検出に適している変調された光信号であってよい。別の例として、光試験信号3636は、知られている光パワーを有する無変調の光であってもよい。そのような光試験信号3636は、スイッチトフォトディテクタの応答性またはレシーバユニットの全体的な光検出効率を決定するために使用され得る。
変調された光試験信号3636は、照明モジュール3622によって生成され得る。照明モジュール3622は、たとえば、変調された光試験信号3636の発生のための専用モジュールであってよい。たとえば、照明モジュール3622は、図28A〜図28Cに関して説明されているトランスミッタユニット2802であってよい。照明モジュール3622は、また、レーザーダイオードまたはLEDおよび関連付けられている駆動回路などの、汎用光信号発生器であってもよい。照明モジュールは、基板3602に面するイルミネータボード3620の正面に配置される装着領域上に装着される。装着領域は、イルミネータボード3620を通じて照明モジュール3622が発生する熱を伝える、熱ビア3626を備える。たとえば、熱ビア3626は、金属または様々な熱伝導性の充填材料で充填される金属ビアであってよい。照明モジュール3622によって発生する熱は、照明モジュール3622に対向するイルミネータボード3620の側に取り付けられるヒートシンク3624によって放散される。サーマルグルーまたはサーマルペーストなどの、熱界面材料は、イルミネータボード3620とヒートシンク3624との間の界面に施され、これら2つの間の熱伝導を増強し得る。
DUT3604の機能試験は、光試験信号3636が特定の波形を有するか、DUT3604の動作と同期するか、またはその両方となるように変調される必要があり得る。たとえば、レシーバユニット2804などのToFレシーバユニットの試験のために、光試験信号3636は、レシーバユニット2804によって決定されるパス持続時間を有し、レシーバユニット2804の読み出し回路の動作と位相整列される光パルスであるべきである。そのような光試験信号3636は、イルミネータボード3620に、DUT3604によって生成される1つまたは複数の制御信号を供給することによって生成され得る。たとえば、制御信号は、照明モジュール3622の光源を変調するためのアナログまたはRF信号であってよい。駆動電子装置3628は、制御信号を受信し、照明モジュール3622の駆動のための制御信号を調整する(たとえば、増幅する、バッファリングする)ものとしてよい。別の例として、制御信号は、形状、持続時間、および振幅などのパルスの他の特性を定義するパルスおよび関連付けられているデジタル信号を放射するためのタイミングをマークするトリガー信号であってよい。
DUT3604によって生成される制御信号は、プローブピン3612を通してプローブカード3610に最初に結合される。次いで、制御信号は、プローブカード3610のRFコネクタ3614に送られる。RFケーブル3638は、プローブカード3610のRFコネクタ3614をイルミネータボード3620のRFコネクタ3614に結合し、制御信号をイルミネータボード上に結合する。次いで、制御信号は、イルミネータボード3620を通して照明モジュール3622に供給される。
照明モジュール3622は、追加の制御信号、バイアス信号、および電源入力などの追加分電気的入力を必要とし得る。そのような追加分電気的入力は、電気コネクタ3630を通して供給され得る。
照明モジュール3622によって出力される光は処理され、および/またはフィルタ処理されて光試験信号3636を発生し得る。たとえば、光学素子3634は、光試験信号3636を処理するために光学マウント3632上に装着され得る。光学素子の例は、偏光フィルタ、波長フィルタ、アッテネータ、瞳レンズ、およびコリメータ、ならびに絞りを含む。そのような光学素子は、光試験信号3636を変化させるために光学マウントに装着されたり、取りはずされたり、スワップアウトされたりし得る。
図36Bは、例示的な試験装置3660の概略側面図を示している。試験装置3660は、図36Aの試験装置3600に類似しているが、ここではRFコネクタ3614が剛体RF接続部3639により互いに結合され、イルミネータボード3620が1つまたは複数の電気的接続部3631を通してプローブカード3610に電気的に結合される点が異なる。RFケーブル3638を剛体RF接続部3639で置き換えることで、試験装置3660のコンパクトさを改善し得るが、これは空間制約のある生産試験環境に試験装置3660を適合させるときに重要な考慮事項であり得る。さらに、図36Bの剛体RF接続部は、図36AのRFケーブル3638に関して制御信号の位相安定性を改善し得る。
イルミネータボード3620およびプローブカード3610は図36Aおよび図36Bにおいて別々の要素として図示されているが、いくつかの実装形態において、イルミネータボード3620は、単一ユニットとしてプローブカード3610上に直接集積化され得る。いくつかの実装形態において、イルミネータボード3620は、プローブカード3610とは別の構造上に装着されてよい。たとえば、イルミネータボード3620は、試験チャンバまたはウェハプローバ上に装着されてもよい。
図28Aのレシーバユニット2804などの飛行時間型レシーバの性能特性を試験することは、ToFレシーバの個別のピクセルの性能特性を試験することを含み得る。試験されるべき性能パラメータの例は、スイッチトフォトディテクタによって検出される光信号の暗電流さらには量子効率および復調コントラストを含む。
個別のピクセルレベルにおけるそのようなパラメータの試験は、接合またはプロービングパッドを有する試験鍵構造などの専用の電気的アクセスポイントを通して実行され得る。しかしながら、そのようなアプローチは、ToFレシーバのサイズもしくは複雑度を増大させ、ToFピクセルの性能にマイナスの影響を及ぼし、ならびに/または生産試験時間および複雑度を増大させ得る。代替的に、そのような試験は、ADCなどの、ToFレシーバに集積化される回路を通じて実行されてよい。ToFレシーバに集積化されている回路を使用すると、個別のピクセルからの感知信号の直接アナログ測定に関わる試験のバラツキおよびノイズがなくなるので、ToFレシーバの試験のために追加の接合/プロービングパッドの必要性を減らすか、またはなくし、生産試験の複雑度を低減および時間を短縮し、ならびに/または試験制度を改善し得る。
図37Aは、ToFピクセルからの測定値を2値化するための回路3700の概略図を示している。回路3700は、ピクセル回路3710のアレイ、コモンモードADC3722を有するコモンモードADC3720の行、差動モードADC3732を有する差動モードADC3730の行、およびレプリカ回路3740を備える。ピクセル回路3710は、M個の行とN個の列を有するM×Nアレイとして配列される。ピクセル回路3710は各々第1および第2の出力端子3760および3770を有する。列の各々に沿ったピクセル回路3710の第1および第2の出力端子3760および3770は、それぞれの共有される列バス3712および3713に電気的に結合される。共有される列バス3712および3713は、対応するコモンモードADC3722および差動モードADC3732に電気的に結合される。共有される列バスは、各々、対応する電流源に結合されるが、図では分かりやすくするため省かれている。レプリカ回路3740のレプリカ出力端子3749はレプリカ電圧VREPを与え、コモンモードADC3722の入力に電気的に結合される。
図37Bは、ピクセル回路3710の概略図を示している。ピクセル回路3710は、リセットスイッチ3752および3754と、キャパシタ3756および3758と、スイッチトフォトディテクタ3550と、ソースフォロワ回路3560および3570とを備える。回路3710は、図35の回路3500に類似しているものとしてよいが、MOSFETトランジスタ3512および3532が省かれており、キャパシタ3756および3758が追加されている点が異なる。リセットスイッチ3752および3754は、図35のMOSFETトランジスタ3520および3540として実装されるものとしてよく、リセットスイッチ3752および3754の動作を制御するように構成されているRESET制御信号は、第2の制御電圧3506として実装されるものとしてよい。
第1のソースフォロワ回路3560は、第1の入力MOSFETトランジスタ3762と、第1のセレクトスイッチ3764とを備える。第1の入力MOSFET3762のゲート端子は、キャパシタ3756に結合される。第1の入力MOSFET3762のソース端子は、セレクトスイッチ3764に結合され、これは第1の出力端子3760への第1の入力MOSFET3762の電気的結合を制御する。セレクトスイッチ3764は、たとえば、MOSFETトランジスタとして実装され得る。第1の電流源3766は出力端子3760に電気的に結合され、共有される列バス3712を通してピクセル回路3710の列の間で共有され得る。
第2のソースフォロワ回路3570は、第2の入力MOSFETトランジスタ3772と、第2のセレクトスイッチ3774とを備える。第2の入力MOSFET3772のゲート端子は、キャパシタ3758に結合される。第2の入力MOSFET3772のソース端子は、セレクトスイッチ3774に結合され、これは第2の出力端子3770への第2の入力MOSFET3772の電気的結合を制御する。セレクトスイッチ3774は、たとえば、MOSFETトランジスタとして実装され得る。第2の電流源3776は出力端子3770に電気的に結合され、共有される列バス3713を通してピクセル回路3710の列の間で共有され得る。
キャパシタ3756および3758は、スイッチトフォトディテクタ3550によって生成される信号を記憶し、それぞれの電圧VFD1およびVFD2を保持する。ソースフォロワ回路3560および3570は、電圧入力VFD1およびVFD2を受け取り、VFD1およびVFD2に対応するバッファリングされた信号をVOUT1として第1の出力端子3760に、VOUT2として第2の出力端子3770に供給する。たとえば、VOUT1およびVOUT2は、VFD1およびVFD2から一定のオフセット電圧を引いた値に対応し、これはソースフォロワ回路のMOSFETの閾値電圧および/またはオーバーライド電圧、ならびに電流源3766および3776によって生成されるバイアス電流などの様々な要因に基づき決定され得る。
図37Cは、ピクセル回路3711の概略図を示している。ピクセル回路3711はピクセル回路3710に類似しているが、回路3711は、図35の回路3500の第1および第3のMOSFETトランジスタ3512および3532をさらに備える点が異なる。ピクセル回路3711の動作はピクセル回路3710の動作、ならびに第1および第3のMOSFET3512および3532に関して回路3500の動作に類似している。
次に、図37Aおよび図37Bの両方を参照すると、ピクセル回路3710の各々の第1および第2の出力端子3760および3770は、共有される列バス3712および3713に結合され、ピクセル回路3710の各々のセレクトスイッチ3764および3774は、入力トランジスタ3762および3772の少なくとも1つの対を共有される列バス3712および3713に結合するように構成されている制御信号(たとえば、ROWSEL)を通して制御される。たとえば、ROWSEL制御信号は、他の行ROW<1>からROW<M−1>のピクセル回路のセレクトスイッチ3764および3774をオフ(すなわち、開)にしながら行ROW<0>のピクセル回路のセレクトスイッチ3764および3774をオン(すなわち、閉)にするものとしてよい。次に、回路3700の列バス3712および3713は、出力電圧Vout1およびVout2をコモンモードADC3722および差動モードADC3732の入力に結合する。
飛行時間型測定技術は、積分期間にわたってToF光信号(たとえば、光パルス2812)を積分することを伴う。キャパシタ3756および3758(たとえば、フローティング拡散、MOM、MIM、またはMOSキャパシタ)の電圧VFD1およびVFD2は、積分期間中に異なる速度で変化し得る。2つの電圧の間の差VFD1−VFD2は、差動モード(DM)電圧と称されるが、典型的には、ToF情報の決定のために処理されるべきToF信号に対応する。コモンモード(CM)電圧は、kを0.5などのゼロでない比例定数としてk*(VFD1+VFD2)で定義され、フローティング拡散キャパシタの井戸容量などの、キャパシタ3756および3758の容量の指標として使用され得る。
積分時間が長ければ長いほど、典型的には、結果として、DM電圧が高くなり、ToF測定からの深さ精度を改善し得る。しかしながら、積分時間が長ければ長いほど、光電流によるキャパシタ3756および3758の放電時間期間が長くなるので、典型的には、結果として、CM電圧が低くなる。CM電圧がピクセル回路の最低動作電圧以下に下がると、ピクセル回路の出力信号は破損している可能性がある。たとえば、CM電圧がフローティング拡散キャパシタの最低動作電圧より低くなると、フローティング拡散井戸から電子が漏れ、延いてはブルーミングとして知られている現象が生じ得る。そのようなものとして、CM電圧が、たとえば、最低電圧より上の動作マージンをもたらすように1より大きい係数を掛けたピクセル回路の最低動作電圧に基づく設計依存パラメータであり得る、特定の電圧未満に下がることを防ぐように注意すべきである。CM電圧が特定の電圧未満に下がるのを防ぐ一方法は、コモンモードADC3722を使用してCM電圧を監視し、CM電圧が特定の電圧に達したときに積分を終了させることである。特定の電圧は、たとえば、レプリカ回路3740のゲート端子3744における基準電圧VREFによって設定され得る。
積分時間は、CM電圧の監視に基づき動的に調整され得る。たとえば、一定の時間期間(たとえば、公称積分時間)後にCM電圧がコモンモードADC3722を通じて基準電圧より高いと決定された場合、積分時間は延長されてよく、これにより結果として得られる測定の深さ精度を改善し得る。別の例として、一定の時間期間(たとえば、公称積分時間)内にCM電圧がコモンモードADC3722を通じて基準電圧より低いと決定された場合、ブルーミングなどの測定の破損を防ぐために積分時間は短縮され得る。
CM電圧への寄与要因は、ピクセルのスイッチトフォトディテクタの暗電流およびToF光信号でない周辺光からスイッチトフォトディテクタによって生成される周辺光電流を含む。回路3700の異なるピクセルは、プロセスのバラツキにより異なる暗電流または応答性を有し得る。さらに、異なるピクセルは、様々な量の周辺光を受光するものとしてよい。そのようなものとして、異なるピクセルは、積分期間全体を通して異なるCM電圧を有し得る。したがって、すべてのピクセルに対するCM電圧を検出することは、有利であり得る。
図37Dは、コモンモード検出回路3780の概略図を示している。CM検出回路は、レプリカ回路3740とコモンモードADC3722とを備える。すべてのピクセルに対するCM電圧検出は、たとえば、図37Aに示されているように、たとえば、コモンモードADC3722のアレイを実装することによって達成され得る。
コモンモードADC3722は、コモンモードジェネレータ3724とNビットADC3727とを備える。コモンモードジェネレータ3724は、加算接合点3725と乗算器3726とを備える。いくつかの実装形態において、乗算器3726は0.5の比例定数kであってよく、加算接合点3725と乗算器3726との組合せは、0.5*(Vout1+Vout2)の伝達関数を形成し得る。この場合、乗算器3726は、入力信号の50%である振幅の出力電圧を発生するように構成される。乗算器3726は、たとえば、演算増幅器乗算器として、または抵抗分圧器として実装され得る。コモンモードジェネレータ3724の他の実装形態も可能である。たとえば、演算増幅器ベースの平均化回路は、2つの入力電圧Vout1およびVout2の平均を生成するために使用され得る。
NビットADC3727は、Nビットの変換分解能を有する差動アナログ/デジタルコンバータであってよい。ADC3727は、2つの入力端子3728aおよび3728bのところに存在する2つの入力電圧の差を生成し、その電圧差をADC3727のフルスケールの1/2Nに変換することによって動作する。いくつかの実装形態において、ADC3727は、1ビットADC3727であってよい。そのような場合において、ADC3727の出力端子3729における2値化された出力は1または0のいずれかであり、端子3728aおよび3728bにおける2つの入力信号のうちのどれが大きいかを示し得る。1ビットADCのそのような動作は、比較器の動作に似たものであったよい。ADC3727の複雑度は、一般的に、その分解能Nに依存し、より低いNは典型的には回路のより低い複雑度、サイズ、消費電力、またはこれらの組合せに対応する。そのようなものとして、低分解能ADC3727の使用は、たぶん、回路3700の全体的な複雑度、サイズ、消費電力、またはこれらの組合せを低減するのに有益であり得る。
レプリカ回路3740は、入力MOSFETトランジスタ3742と、電流源3746と、スイッチ3748とを備える。レプリカ回路3740は、動作が図37Bのソースフォロワ回路3560および3570に似ている。基準電圧VREFは入力MOSFET3742のゲート端子3744に供給され、基準電圧VREFに対応する出力電圧VREPはレプリカ出力端子3749のところに生成される。レプリカ回路は、ゲート端子3744に供給されるVREFとレプリカ出力端子3749のところで生成されるVREPとの間の伝達関数がソースフォロワ回路3560および3570の伝達関数と同一であるか、または実質的に類似している(たとえば、1%、2%、5%、10%以内、またはプロセス変動ウィンドウの範囲内)ように構成される。そのようなマッチした伝達関数は、ソースフォロワ回路3560および3570の入力端子のところに存在している電圧VFD1およびVFD2と基準電圧VREFとの直接比較を可能にするが、それは、ピクセル回路3710の出力における非線形性または電圧オフセットがレプリカ回路3740の出力に等しく存在するからである。そのようなものとして、レプリカ電圧VREPは、キャパシタ3756および3758に存在しているCM電圧と比較し、監視し、ならびに/または制御するためのプロキシとして使用されてよい。
ソースフォロワ回路3560および3570とレプリカ回路3740との間のマッチングを高めるために、入力MOSFET3742、電流源3746、およびスイッチ3748は、設計に関して、MOSFET3762/3772、セレクトスイッチ3764/3774、および電流源3766/3776に類似しているか、または同一であり得る。
図37Eは、回路3700の動作に関連する例示的なタイミング図を示している。回路3700は、2つの動作ステップ、すなわち積分ステップと読み出しステップとを有するものとしてよい。回路3700の動作は、たとえば、撮像システム2800のレシーバユニット2804または処理ユニット2806によって制御され得る。積分ステップにおいて、図28Aのトランスミッタユニット2802などの、ToFトランスミッタユニットは光パルスを放射し得る。ピクセル回路3710は、周辺光と放射された光パルスの反射の両方を含む光を受光し得る。反射パルスは、往復位相に対応するΦの位相シフトを有する。一般に、周辺光および反射光パルスの相対的比率は、測定される物体の反射率、物体からの距離、測定環境の明るさ、および周辺光のスペクトル特性などの様々な要因に依存し得る。
ピクセル回路3710およびピクセル回路3710のスイッチトフォトディテクタ3550は、第1の制御信号G0と第2の制御信号G180とを使用して、キャパシタ3756が放射される光パルスと位相同期する方式で電荷Q1を収集し、キャパシタ3758が放射される光パルスに関して位相外れ方式で(たとえば、180度位相オフセットで)電荷Q2を収集するように制御される。たとえば、図31A〜図31IのToFピクセル3140の制御端子3154および3164は、制御信号G0およびG180の印加を通じて電荷Q1およびQ2の収集を制御をするために使用され得る。
積分ステップの開始時に、キャパシタ3756および3758はプリセットされた電圧まで充電される。この時点において、第1のキャパシタ3756の電圧に対応するVFD1および第2のキャパシタ3758の電圧に対応するVFD2は同じであり、コモンモード電圧はVFD1またはVFD2に等しい。放射光の第1のパルスが反射されスイッチトフォトディテクタ3550によって受光されたときに、第1の制御信号G0によってマークされる第1の位相窓(たとえば、0から180度)内に収まる反射光の一部に対応する電荷Q1は、第1のキャパシタ3756によって積分される。その結果、VFD1は、Q1が第1のキャパシタ3756から放電されるとともにG0が高い間に減少し、VFD2は、電荷が第1のキャパシタ3756へほとんどが向けられるので、第1の位相窓全体にわたってほぼ無変化のままである。
次いで、制御信号G0は低くなり、制御信号G180は高くなり、その間、第2の制御信号G180によってマークされた第2の位相窓(たとえば、180から360度)内に収まる反射光の一部に対応する電荷Q2は、第2のキャパシタ3758によって積分される。その結果、VFD2は、Q2が第2のキャパシタ3758から放電されるとともにG180が高い間に減少し、VFD1は、電荷が第2のキャパシタ3758へほとんどが向けられるので、第2の位相窓全体にわたってほぼ無変化のままである。
第1および第2のキャパシタ3756および3758の放電は積分ステップにわたって続き、その結果、積分期間の終わりにコモンモード電圧および差動モード電圧が生じる。コモンモード電圧は、暗電流および信号成分と周辺光成分とを含む光生成電流からの寄与を含む。そのようなものとして、コモンモード電圧は、積分期間にわたってスイッチトフォトディテクタ3550によって生成される電流の大きさに、一般的に比例するか、または対応する。周辺光成分および暗電流は、数百μsから数ミリ秒の持続時間であってよい、積分ステップにわたって典型的には実質的に一定であることに留意されたい。そのようなものとして、周辺光成分および暗電流は、典型的には、第1および第2のキャパシタ3756および3758の両方において等量で積分され、コモンモード電圧に寄与し、差動モード電圧には寄与しない。
積分ステップが完了した後、回路3700は読み出しステップに入り、そこで、ピクセル回路3710の行が順次読み出され、コモンモードADC3720および差動モードADC3730の行によって2値化される。コモンモードADC3722の出力はVCMに対応し、これは、他にもあるがとりわけ、キャパシタ3756および3758の予備容量、フォトディテクタの暗電流、および周辺光レベルの指標として使用され得る。差動モードADC3732の出力は差動モード信号に対応し、これはToF撮像システムからの物体の距離を決定するために使用され得る飛行時間型情報を含み得る。
コモンモードおよび差動モードADC3720および3730の別々の行を含めることにおける回路3700の利点の1つは、コモンモード電圧および差動モード電圧が、ADCがそれぞれの目的に対して専用のADCであるので遅延を被ることなく同時に測定され得ることである。対照的に、逐次測定アプローチでは追加の遅延が予想され、これはピクセル回路3710の出力のうちの1つ(たとえば、Vout1)の2値化に続き他の出力(たとえば、Vout2)の2値化を行い、デジタル領域でコモンモード電圧を計算することを伴い得る。そのようなものとして、回路3700の同時実行測定機能は、逐次測定アプローチを実装する匹敵する回路に比べて高いフレームレートを有し得る。
コモンモードADC3722の分解能は、差動モードADCに必要な分解能より一般的に低い、コモンモード電圧監視に対する特定の要求条件に合わせて手直しできる。そのようなものとして、コモンモードADC3722の複雑度およびサイズは、所与のアプリケーションに対して最適化され得る。たとえば、積分ステップにおけるコモンモード監視は、積分期間を動的に制御するように実装され得る。そのような監視は、積分期間内に複数のコモンモード電圧測定を行うことを必要とし得る。そのようなアプリケーションに必要な高速ADC変換速度は、下位ビット(たとえば、1から6ビットの範囲)コモンモードADC3722を実装することによって達成され得る。
回路3700のコモンモードおよび差動モード電圧測定機能は、回路3700の生産試験中に使用されてよい。典型的なイメージセンサ生産試験では、各ピクセルの性能が検証される。この生産試験は、仕様の範囲を外れる性能パラメータを有する不良ピクセルを選別するために使用され得る。そのような生産試験データが分析され、それにより生産プロセスを調整し歩留まりを改善するために使用され得る、統計的トレンドを決定することができる。
図37Fは、第1の読み出し回路と結合され、第1の読み出し電圧を出力するように構成される第1の読み出し端子および第2の読み出し回路と結合され、第2の読み出し電圧を出力するように構成される第2の読み出し端子を有するフォトディテクタを備える飛行時間型検出装置の性能を特徴付けるための流れ図3790の一例を示している。プロセス3790は、試験装置3600および3660などのシステムによって実行され得る。
システムは、周辺光および飛行時間型光信号が存在しない場合に第1の読み出し電圧と第2の読み出し電圧との間のコモンモード出力信号を測定することによってフォトディテクタの暗電流を測定する(3791)。ToF検出装置などの、イメージセンサのピクセルの鍵となる性能パラメータのうちの1つが暗電流である。暗電流は、コモンモードADC3722を使用してシステムにより間接的に測定され得る。コモンモード電圧は、もっぱら、周辺光電流およびピクセル暗電流から生成され得る。そのようなものとして、周辺光およびToF光信号(たとえば、光パルス)などの、光が存在しない場合にCM電圧測定を実行すると、その結果、CM電圧はピクセルの暗電流に対応することになる。ピクセルの暗電流を決定する(たとえば、推論する、逆計算する)ために回路3700の知られている設計要素(たとえば、寄生容量)および動作パラメータ(たとえば、積分時間期間、基準電圧、およびレプリカ電圧)に基づくコモンモードADC3722のNビット出力の後処理が実行され得る。
いくつかの実装形態において、暗電流の値は、1ビットコモンモードADC3722などの、低分解能コモンモードADC3722を使用して所望の精度で決定され得る。たとえば、ステップ3791は、(i)1ビットADCを通して、周辺光が存在しない場合の第1および第2の読み出し電圧と飛行時間型光信号との間のコモンモード出力信号の1つまたは複数の測定を実行するステップと、(ii)コモンモード出力信号の1つまたは複数の測定に基づき暗電流を決定するステップとを含み得る。暗電流の測定は、異なる試験条件の下で実行されてもよい。たとえば、1つまたは複数の測定の各々は、異なる積分時間に対応し得る。
所与の暗電流について、積分時間が長ければ長いほど、キャパシタ3756および3758はさらに放電され、コモンモード電圧は下がる。1ビットコモンモードADC3722は、コモンモード電圧VCMとレプリカ回路3740に入力される基準電圧VREFとを比較する。たとえば、コモンモードADC3722の出力は、CM電圧がレプリカ電圧より高いときに1であり得る。積分時間が徐々に長くなる場合、異なる積分時間における暗電流測定に対するADC出力は、最初に、1sであってよい。コモンモードADC3722の出力が1から0に変化し、CM電圧がレプリカ電圧より低いことを示したときに、システムは、1から0への遷移に対応する積分時間を決定し、その積分時間期間を使用して暗電流を決定するものとしてよい。たとえば、出力が90μsの積分時間に対して1であるが、100μsの次の積分時間に対して0であったときに、システムは、切り替え点として積分時間期間の間の中点95μsを使用し得る。
システムは、回路3700の知られている設計要素(たとえば、キャパシタ3756および3758の静電容量)および動作パラメータ(たとえば、キャパシタのプリセットされた電圧、基準電圧、およびレプリカ電圧)に基づき暗電流の推定値を決定し得る。たとえば、暗電流は、式Idark=C*ΔV/tintによって推定されるものとしてよく、ここで、Cはキャパシタ3756および3758の総静電容量であり、ΔVはキャパシタのプリセットされた電圧と基準電圧との差であり、tintはコモンモードADC3722の出力が1から0に切り替わったときの積分時間期間である。1ビットADCを通しての暗電流の測定精度は、追加の測定を複数の積分時間で実行して絞り込み、ADCの出力が1から0に切り替わった積分時間の改善された推定値を求めることによってさらに改善され得る。
一般に、1ビットADCを通しての暗電流の複数の測定に対する積分時間は、異なる方法では異なり得る。たとえば、逐次近似技術が使用されてよい。
可変積分時間に基づく暗電流測定が説明されているが、いくつかの実装形態において、コモンモードADC3722に供給されるレプリカ電圧は、類似の動作に対して積分時間期間の代わりに変化させられ得る。
いくつかの実装形態において、周辺光電流は、周辺光が存在する場合にCM電圧測定を実行することによってCM電圧測定を通じて決定され得る。CM電圧の暗電流成分が測定されたCM電圧から減算され、それによりCM電圧から周辺光電流を決定し得る。
システムは、フォトディテクタの暗電流が第1の値より大きいと決定する(3792)。たとえば、第1の値は、イメージセンサのピクセルに対する最大許容暗電流仕様値であってよい。
いくつかの実装形態において、システムは、飛行時間型光信号が存在する場合に第1の読み出し電圧と第2の読み出し電圧との間の差動モード出力信号を測定することによって飛行時間型検出装置の復調コントラストを測定する(3793)。復調コントラストは、生成された光電流をスイッチ108がオンで、スイッチ110がオフのときにn型ドープ領域126の方へ、またはスイッチ110がオンで、スイッチ108がオフのときにn型ドープ領域136の方へ誘導するために、たとえば図1Aに示されている、スイッチトフォトディテクタがいかに効率的であるかを表す。差動モード出力信号は、一般的に、復調コントラスト、量子効率、飛行時間型光信号パワー、および積分時間に比例する。そのようなものとして、異なる光信号パワーなどの異なる試験条件の下で複数の測定が実行され、それにより、復調コントラストを決定することができる。異なる光信号パワーは、たとえば、デューティサイクルまたは消光比を調整することを通じてもたらされ得る。ピクセルの復調コントラストを決定するために回路3700の知られている設計要素(たとえば、寄生容量)および動作パラメータ(たとえば、積分時間期間、レーザー出力)に基づく差動モードADC3732の出力の後処理が実行され得る。
いくつかの実装形態において、システムは、飛行時間型検出装置の復調コントラストが第2の値より低いと決定する(3794)。たとえば、第2の値は、イメージセンサのピクセルに対する最小許容復調コントラスト仕様値であってよい。
システムは、飛行時間型検出装置が性能仕様を満たさないと決定する(3795)。たとえば、決定は、フォトディテクタの暗電流が第1の値より大きいというステップ3792の決定に基づくものとしてよい。別の例として、決定は、飛行時間型検出装置の復調コントラストが第2の値より低いというステップ3794の決定に基づくものとしてよい。一般に、ToF検出装置の測定された性能パラメータが性能仕様のうちの1つまたは複数を満たさないときに、装置は、性能仕様を満たさず、生産試験に失敗したと決定される。
これまでに、図28Aの撮像システム2800のレシーバユニット2804に関連付けられているコンポーネントおよびその試験の様々な態様が説明されている。次に、図28Aのトランスミッタユニット2802に関連付けられている駆動回路が説明される。
図28Bおよび図28Cを再び参照すると、トランスミッタユニット2802は、プリセットされたデューティサイクルにより周波数fmで変調された光パルス2812を放射し得る。周波数fmの増大、デューティサイクルの低減、またはこれらの組合せは、撮像システム2800の性能を改善し得る。そのようなfmの増大またはデューティサイクルの低減は、トランスミッタユニット2802の帯域幅を改善することによって達成され得る。
図38Aは、発光デバイスを操作するための回路3800の概略図を示している。回路3800は、発光デバイス3810と、MOSFETトランジスタ3820と、第1のインダクタ3830と、第2のインダクタ3832と、第1のキャパシタ3840と、電流源3850と、入力バッファ3860とを備える。入力信号が入力バッファ3860の入力ノード3862に印加される。入力バッファ3860の出力端子は、第1のキャパシタ3840の第1の端子に結合される。第1のキャパシタ3840の第2の端子は第2のインダクタ3832の第1の端子およびMOSFET3820のゲート端子に結合される。第2のインダクタ3832の第2の端子は、DCバイアス電圧3834を供給される。MOSFET3820のソース端子は第1の電源電圧ノード3870に結合され、発光デバイス3810の第1の端子(たとえば、カソード)は第2の電源電圧ノード3871に結合される。第1および第2の電源電圧ノード3870および3871は、コモングランドノードであってよい。MOSFET3820のドレイン端子および発光デバイス3810の第2の端子(たとえば、アノード)は、第1のインダクタ3830の第1の端子に結合される。電流源3850は、電源電圧ノード3872、および第1のインダクタ3830の第2の端子に結合される。
回路3800の基本動作原理は次のとおりである。入力バッファ3860の入力ノード3862に印加される入力信号は、入力バッファ3860によってバッファリングされ、第1のキャパシタ3840に出力される。入力ノード3862のところの入力信号は、典型的には、時間的に変化する信号であり、AC成分に加えてDC成分DC1を有するものとしてよい。入力バッファ3860は、DC成分をバッファリングされた入力信号に独立して与えるものとしてよい。その結果、入力バッファ3860の出力は、DC成分とAC成分の両方を含み得る。第1のキャパシタは、バッファリングされた入力信号の低周波成分を阻止することによってバッファリングされた入力信号を結合する。そのようなものとして、第1のキャパシタ3840は、DCブロッキングキャパシタまたはACカップリングキャパシタと称され得る。第1のキャパシタ3840の第1の静電容量は、たとえば、望ましい低域遮断周波数に基づき設定され得る。ACカップリングの結果として、第1のキャパシタ3840の第2の端子のところに存在する信号は、DC1成分を有さない。
典型的には、MOSFET3820のゲート端子は、適切な動作のために正しいDCバイアス電圧にバイアスされる必要がある。MOSFET3820のDCバイアスは、発光デバイス3810によって生成される光のデューティサイクルに影響を及ぼし得る。そのようなものとして、DCバイアスの設定は、デューティサイクルを修正するか、または望ましいデューティサイクル(たとえば、50%)から逸脱するデューティサイクルのひずみを是正するために使用され得る。そのようなDCバイアスは、第2のインダクタ3832を通して設定される。第2のインダクタ3832は、AC成分に対する高インピーダンス経路を同時に与えながらその第2の端子に結合されているDCバイアス電圧3834(DC2)に対する低インピーダンス経路を与える。第2のインダクタ3832の第2のインダクタンスは、たとえば、入力モード3862のところで受け取った入力信号のAC成分の周波数に基づき設定され得る。第1のキャパシタ1540および第2のインダクタ3832は、bias−Tと称されるものとしてよい。第1のキャパシタ3840および第2のインダクタ3832の動作により、入力バッファ3860の入力ノードに供給される入力信号のAC成分と、第2のインダクタ3852の第2の端子に供給されるDC成分DC2とを含む信号がMOSFET3820のゲート端子に入力される。ゲート端子への入力信号は、MOSFET3820をオンまたはオフにする動作をする。たとえば、ゲート端子入力信号がMOSFET3820の閾値電圧より高いときに、MOSFET3820はオンにされ、そしてその逆もある。
MOSFET3820は、発光デバイス3810と並列に第1のインダクタ3830の第1の端子に結合される。そのようなものとして、電流源3850によって供給され、第1のインダクタ3830を通って流れる電流は、2つの素子の電気インピーダンスに基づきMOSFET3820、発光デバイス3810、またはこれらの組合せを通って流れ得る。たとえば、ON状態にあるMOSFET3820は、発光デバイス3810より著しく低いインピーダンスをもたらし得る。そのようなものとして、電流の大部分は、MOSFET3820がON状態にあるときにMOSFET3820を通って流れる。逆に、OFF状態にあるMOSFET3820は、発光デバイス3810より著しく高いインピーダンスをもたらし得る。そのようなものとして、電流の大部分は、MOSFET3820がOFF状態にあるときに発光デバイス3810を通って流れる。電流の流れのそのような切り替えは、シャントスイッチングと称され得る。MOSFET3820および発光デバイス3810の特性に基づき、2つのコンポーネントの間の相対インピーダンスは、電流の大部分(たとえば、90%、99%、99.9%)がMOSFET3820または発光デバイス3810のいずれかを通って流れる漸近的な場合を近似し得る。
MOSFET3820がスイッチオンまたはスイッチオフされるときに、電流源3850が受けるような電気負荷の実効インピーダンスは急速変化し、これは電流源3850の定電流動作に対してかく乱効果を有し得る。第1のインダクタ3830は、電流が流れる時間変化率を制限し、それによってそのようなスイッチング過渡現象を通して電流を一定レベルに維持するのを助ける安定化素子として動作し得る。
発光デバイス3810は、発光ダイオード、レーザーダイオード、発光ダイオードのアレイ、またはレーザーダイオードのアレイであってよい。一般に、レーザーダイオードなどの、発光デバイス3810によって出力される光は、デバイスに供給される電流の増加に比例して増大する。そのようなものとして、MOSFET3820のサイズまたは面積は、より大きな電流のスイッチングを可能にするためにより高い電流処理能力をもたらすように大きくされてもよい。しかしながら、MOSFET3820のサイズまたは面積の増加は、MOSFET3820に関連付けられている寄生容量3822を増大させる。たとえば、寄生容量3822は、ゲート端子とソース端子(CGS)との間の寄生キャパシタおよびゲート端子とドレイン端子(CGD)との間の寄生キャパシタを含み得る。そのような寄生容量3822はMOSFET3820の容量性負荷を増大させ、MOSFET3820の動作帯域幅(たとえば、スイッチング速度)を縮小する。
第2のインダクタ3832は、MOSFET3820のDCバイアスを設定するための経路をもたらすことに加えて、寄生容量3822と組み合わせてLCタンクを形成し得る。第2のインダクタ3832の第2のインダクタンスは、LCタンクの共振周波数が回路3800の望ましい動作周波数とマッチするように設定され得る。たとえば、LCタンクの共振周波数は、入力信号の基本周波数(たとえば、周波数fm)に設定されるものとしてよい。LCタンクの共振は、寄生容量3822の効果を部分的にまたは完全に相殺し、MOSFET3820の動作帯域幅を増加させ、それによって回路3800の動作帯域幅を増加させるものとしてよい。たとえば、回路3800の動作帯域幅は、100MHzから1GHzの範囲であるものとしてよい。
電流源3850を含む回路3800の一実装形態が説明されているが、いくつかの実装形態において、電流源3850は、電源電圧ノード3872が電流を発光デバイス3810に供給するように省かれてもよい。
図38Bは、発光デバイス3810を操作するための回路3880の概略図を示している。回路3880は回路3800に類似しているが、ここでは発光デバイス3810がMOSFET3820と直列に接続され、電流源3850および第1のインダクタ3830が省かれている点が異なる。MOSFET3820のドレイン端子は、発光デバイス3810の第1の端子(たとえば、カソード)に結合され、発光デバイス3810の第2の端子(たとえば、アノード)は、電源電圧ノード3872と結合される。回路3880は、発光デバイス3810を通って流れる電流のシリーズスイッチングによって発光デバイス3810の動作を制御する。
MOSFET3820がON状態にあるときに、電流は発光デバイス3810およびMOSFET3820を通る電源電圧ノード3872(たとえば、VDD)から電源電圧ノード3870(たとえば、GND)への伝導経路を通って流れることが許される。逆に、OFF状態にあるMOSFET3820は、それ自体を電流が通って流れるのを阻止し、それによって発光デバイス3810を通る電流の流れを遮断する。回路3880のシリーズスイッチング構成は、回路3800のシャントスイッチング構成に比べて備える電気部品の数が少ないので有利であり得る。
これで多数の実装形態が説明された。しかしながら、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく様々な修正が加えられ得ることは理解されるであろう。たとえば、上に示されている流れの様々な形態が、ステップの順序が変更されるか、ステップが加えられるか、または取り除かれるかして、使用され得る。
説明が簡単になるように、また例示することを目的として、様々な実装形態が2次元断面を使用して説明されている場合がある。それでも、3次元の変更形態および派生形態は、3次元構造内に対応する2次元断面がある限り本開示の範囲内に含まれるべきである。
本明細書は、多くの詳細事項を含んでいるが、これらは、制限として解釈されるべきではなく、むしろ特定の実施形態に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別の実施形態の文脈において本明細書で説明されているいくつかの特徴も、単一の実施形態において組合せで実装され得る。逆に、単一の実施形態の文脈において説明されている様々な特徴は、複数の実施形態で別々に、または好適な部分的組合せで、実装され得る。さらに、特徴は、いくつかの組合せで働くものとして上記で説明され、初めにそのように特許請求されることさえあるが、特許請求される組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によってはその組合せから削除され、特許請求される組合せは、部分組合せ、または部分組合せの変形形態を対象としてもよい。
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、そのような動作は、望ましい結果を達成するために、示される特定の順序でもしくは順番に実行される必要がないことを、またはすべての図示の動作が実行される必要があるとは限らないことを、理解されたい。ある状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利である場合がある。さらに、上で説明されている実施形態における様々なシステムコンポーネントの分離は、すべての実施形態においてそのような分離が必要とされるものと理解されるべきではなく、前述のプログラム構成要素およびシステムが概して単一のソフトウェアプロダクトとして一体化されるかまたは複数のソフトウェアプロダクトとしてパッケージ化されることが可能であることを理解されたい。
こうして、特定の実施形態が説明された。他の実施形態は、次の特許請求の範囲の範囲内に収まる。たとえば、特許請求の範囲に記載のアクションは、異なる順序で実行され、それでも所望の結果を達成し得る。