以下の説明では、本明細書の一部を構成し、様々な実施形態が実例として示される、添付図面が参照される。図面は、必ずしも一定の比率の縮尺ではない。本開示の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他の実施形態が想到され、実施可能である点を理解されたい。したがって、以下の発明を実施するための形態は、限定的な意味では解釈されないものとする。
本明細書の光学システムは、例えば、ディスプレイパネルからの画像が観察者に提示されるヘッドマウントディスプレイにおいて有用である。このようなヘッドマウントディスプレイは、例えば、仮想現実及び/又はゲーム用途において有用である。関連の光学システムは、2015年9月25日出願の米国特許出願公開第2017/0068100号(Ouderkirkら)に記載されており、この出願内容は、本明細書に矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書の光学システムは、典型的には、1つ以上の光学レンズと、反射型偏光子と、部分反射体と、少なくとも1つのリターダ層とを含む。反射型偏光子は、典型的には、所定の波長又は所定の波長範囲内において第1の偏光状態を有する光を実質的に反射し、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に透過する。いくつかの実施形態では、反射型偏光子は、1つ以上の光学レンズの第1の主表面上に配置され、それに適合する。部分反射体は、典型的には、所定の波長又は所定の波長範囲内において、少なくとも20%又は少なくとも30%の平均光反射率を有する。いくつかの実施形態では、部分反射体は、1つ以上の光学レンズの異なる第2の主表面上に配置され、それに適合する。
本明細書によれば、光学システム内のリターダ層(単数又は複数)を選択して、改善された光学性能(例えば、コントラスト比の増加、ゴーストの低減)を得ることができることが見出された。リターダ層(単数又は複数)は、可視範囲内において一部の波長において非四分の一波リターダンスを与えるように選択された波長分散曲線を有してもよく、又は、1つのリターダ層は、第1の波長分散曲線を有するように選択されてもよく、別のリターダ層は、異なる第2の波長分散曲線を有するように選択されてもよい。リターダ層はまた、リターダと呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、リターダのリターダンス又は速光軸配向がリターダの領域にわたって変化するように、1つ以上のリターダが選択されてもよい。異なる波長分散曲線、並びに/又は可変リターダンス及び/若しくは可変速軸配向を有するリターダを使用することは、一部の光学システムに存在する様々な光学的欠陥を補正する、したがって、改善された光学性能を提供するために使用することができることが見出された。例えば、標準的な四分の一波リターダを使用する光学システムでは、反射型偏光子の局所遮断状態と反射型偏光子に最初に入射する光線の偏光状態との間、及び/又は反射型偏光子の局所通過状態と反射型偏光子に2回目に入射する光線の偏光状態との間に不整合が存在する場合がある。そのような不整合は、例えば、湾曲形状に形成されたときに、反射型偏光子の局所的な通過軸及び遮断軸のシフトに起因して生じることがある。例えば、矩形ディスプレイ、又は光学システムの光軸に対して傾斜又は偏心したディスプレイもまた、標準的な四分の一波リターダが使用された場合に、そのような不整合をもたらすことがある。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリターダ層は、空間的に変化するリターダンス及び/又は空間的に変化する速光軸配向を有する第1のリターダ層を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリターダ層は、第1及び第2のリターダ層を含み、第1及び第2のリターダのうちの一方は、空間的に変化するリターダンス及び空間的に均一な速光軸配向を有し、第1及び第2のリターダの他方は、空間的に均一なリターダンス及び空間的に変化する速光軸配向を有する。均一なリターダンスを有するリターダでは、リターダンスは、所与の波長及び所与の入射角でリターダわたる位置の関数として均一である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリターダ層は、第1及び第2のリターダ層を含み、第1及び第2のリターダ層のうちの少なくとも1つは、リターダ層の第1の領域にわたる実質的に均一なリターダンス、及びリターダ層の異なる第2の領域にわたる不均一なリターダンスを有する。いくつかの実施形態では、第1の領域は、内部領域であり、第2の領域は、内部領域を実質的に取り囲む周辺領域である。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリターダ層は、第1及び第2のリターダ層を含み、第1のリターダ層は、第1の波長分散曲線を有し、第2のリターダ層は、異なる第2の波長分散曲線を有する。そのような実施形態では、第1及び第2のリターダ層はそれぞれ、空間的に均一なリターダンス及び速軸配向を有してもよく、他の実施形態では、第1及び第2のリターダ層の一方又は両方は、空間的に変化するリターダンス及び/又は空間的に変化する速光軸配向を有してもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリターダ層は、第1及び第2のリターダ層を含み、第1のリターダ層は、所定の波長範囲内において第1の波長において実質的に四分の一波リターダであり、第2のリターダ層は、所定の波長範囲内において異なる第2の波長において実質的に四分の一波リターダである。いくつかの実施形態では、第1及び第2のリターダ層の一方又は両方は、波長の増加とともに単調に変化する波長分散曲線を有する有色リターダである。
図1Aは、光を透過するための光学システム1000の概略断面図である。いくつかの実施形態では、光学システム1000は、観察者110に対象物100を表示する。対象物100は、例えば、ディスプレイ又はディスプレイ上の画像であってもよい。好適なディスプレイとしては、例えば、液晶ディスプレイ(liquid crystal displays)(LCD)及び有機発光ダイオード(organic light emitting diode)(OLED)ディスプレイが挙げられる。あるいは、対象物100は、観察者110の環境内の対象物などのディスプレイ以外のなんらかの対象物であってもよい。対象物100がディスプレイである実施形態では、光学システム1000は、ディスプレイと共にディスプレイシステムと呼ぶことができ、あるいは、光学システム1000は、ディスプレイを含むものとして説明することができる。光学システム1000は、光学レンズ210、410、310、及び510と、反射型偏光子220と、部分反射体320と、リターダ層420及び520とを含む。光学レンズ210は、反対側にある第1及び第2の主表面212及び214を有し、光学レンズ310は、反対側にある第1及び第2の主表面312及び314を有し、光学レンズ410は、反対側にある第1及び第2の主表面412及び414を有し、光学レンズ510は、反対側にある第1及び第2の主表面512及び514を有する。反射型偏光子220は、光学レンズ210の主表面214上に配置され、それに適合する。部分反射体320は、光学レンズ320の主表面314上に配置され、それに適合する。リターダ層420は、光学レンズ410の主表面414上に配置され、それに適合する。リターダ層520は、光学レンズ510の主表面514上に配置され、それに適合する。他の実施形態では、反射型偏光子220、部分反射体320、並びにリターダ層420及び520のうちの1つ以上は、図1Aに示す実施形態に示すものとは異なる主表面上に配置される。例えば、反射型偏光子220、部分反射体320、並びにリターダ層420及び520のうちのいずれか1つ以上は、対応するレンズの反対側の主表面上に配置することができる。別の例として、これらの層のうちの1つ以上は、これらの層のうちの別の層上に配置されてもよい。例えば、リターダ層420は、主表面214の反対側の反射型偏光子220上に配置することができ、及び/又はリターダ層520は、主表面314の反対側の部分反射体320上に配置することができる。更に別の例として、対象物100がディスプレイである場合、リターダ層520は、対象物100の主表面上に配置することができる。
対象物100は、偏光状態141を有する光線136を放射する。光線136の経路は、図1Aに概略的に示されている。いくつかの実施形態では、対象物100は、偏光出力を生成するディスプレイパネルである。いくつかの実施形態では、光がリターダ層520に入射するときに偏光状態141を有するように、対象物100からの光を偏光する前偏光子が設けられる。いくつかの実施形態では、対象物100は、周辺光を光学システム1000に向けて反射することによって光136を放射する観察者110の環境内の対象物である。リターダ層520を通過し、部分反射体320を通過した後で、光線136は、偏光状態142を有し、その後、リターダ層420を通過した後で、光線136は、第1の位置223で反射型偏光子に最初に入射するときに、偏光状態143を有する。次に、リターダ層420を通過して戻り、部分反射体320から反射した後で、光線は、偏光状態144を有し、次いで光線は、偏光状態145でリターダ層420を再び通過し、第2の位置224で反射型偏光子220に2回目の入射をする。いくつかの実施形態では、偏光状態141は、直線偏光状態であり、リターダ層520は、偏光状態142が楕円又は円偏光状態であるように選択される。本明細書の他の箇所で更に説明するように、リターダ層520は、光線136がリターダ層520に入射する位置(原点522)での速光軸配向及びリターダンスの好適な選択によって偏光状態142を達成するように選択することができる。所望のリターダンスは、面内屈折率コントラスト、面外屈折率コントラスト、及び層の物理的厚さの好適な選択によって得ることができる。同様に、楕円又は円偏光状態とすることができる偏光状態144は、光線136がリターダ層420に最初に及び2回目に入射する位置423及び425でのリターダンス及び速光軸配向の好適な選択によって達成することができる。反射型偏光子220を透過するための偏光状態145は、光線136がリターダ層420に3回目に入射するリターダ層420上の位置427でのリターダンス及び速光軸配向の好適な選択によって達成することができる。いくつかの実施形態では、反射型偏光子220上の各位置は、反射型偏光子を所望の形状に形成することに起因して、位置から位置へのなんらかの変動を呈する、直交する通過及び遮断状態を有する。例えば、いくつかの実施形態では、リターダ層420及び520のうちの少なくとも1つのリターダンス及び/又は速光軸配向は、空間的に変化しており、それにより、偏光状態143は、第1の位置223で実質的に遮断状態に沿っており、偏光状態145は、第2の位置224で実質的に通過状態に沿っている。
偏光状態141及び143は、図1Aに示すx−y−z座標系を参照して、x方向に分極された電界を有するように図1Aに概略的に示されている。しかしながら、これらの偏光状態のいずれか又は両方は、x方向に沿って直線偏光された状態以外のなんらかの状態であってもよい。例えば、偏光状態141が直線偏光されている場合、偏光状態143は、リターダ層420及び520のリターダンス及び速光軸方向に応じて楕円偏光されていてもよい。いくつかの実施形態では、リターダ層420及び520の速光軸は、ほぼ直交し、リターダ層420及び520のリターダンスは、およそ4分の1波であり、それにより、偏光状態141及び143は、ほぼ同じである。例えば、いくつかの実施形態では、原点522でのリターダ層520の速光軸は、原点422でのリターダ層420の速光軸に実質的に直交する。他の実施形態では、リターダ層420及び520の速光軸は、ほぼ平行であり、リターダ層420及び520のリターダンスは、およそ4分の1波であり、それにより、偏光状態141及び143は、ほぼ直交する。例えば、いくつかの実施形態では、原点522でのリターダ層520の速光軸は、原点422でのリターダ層420の速光軸に実質的に平行である。しかしながら、本明細書の他の箇所で更に説明するように、リターダ層420及び520の一方又は両方のリターダンス及び/又は速光軸配向は、光学システム1000の性能を改善するために変化してもよく、したがって、速軸配向は、リターダの領域にわたって正確に平行又は垂直でなくてもよく、リターダンスは、リターダの領域にわたって正確に四分の一波でなくてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書の他の箇所で更に説明するように、リターダ層520は、第1の波長分散曲線を有し、リターダ層420は、異なる波長分散曲線を有する。
光学システム1000は、光軸121を有する。光学システム若しくはディスプレイシステム又は光学システム内の光学レンズ若しくは光学素子の光軸は、その光軸に沿って伝播する光線が、それらレンズ(単数又は複数)及び/又は光学素子(単数又は複数)を最小屈折度で通過する、そのシステム又はレンズ若しくは光学素子の中心付近の軸として理解することができ、それにより、その光軸に近接しているが、その光軸とは異なる軸に沿って伝播する光は、より大きい屈折度を経験する。いくつかの実施形態では、1つ以上のレンズのそれぞれは、1つ以上のレンズのそれぞれの頂点を通る光軸上に中心がある。光軸に沿った光線は、屈折することなく、又は実質的に屈折することなく、それらレンズ(1つ以上)及び/又は光学素子(1つ以上)を通過し得る。実質的に屈折することなく、とは、表面に入射する光線と、その表面を通って透過される光線との間の角度が、15度以下であることを意味する。一部の実施形態では、この入射光線と透過光線との間の角度は、10度未満、又は5度未満、又は3度未満、又は2度未満である。いくつかの実施形態では、光学システムの光軸は、その軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、及びリターダ層(単数又は複数)を通過するような軸である。いくつかの実施形態では、この軸に沿って伝播する光線は、この光学システムの任意の主表面で、10度よりも大きく、又は5度よりも大きく、又は3度よりも大きく、又は2度よりも大きく屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、及びリターダ層(単数又は複数)を通過する。
反射型偏光子は、所定の波長又は所定の波長範囲内において第1の偏光状態を有する光の少なくとも60パーセントが偏光子を透過する場合に、所定の波長又は所定の波長範囲内において第1の偏光状態を有する光を実質的に透過すると言うことができる。いくつかの実施形態では、所定の波長又は所定の波長範囲内において第1の偏光状態を有する光の少なくとも70パーセント、又は少なくとも80パーセントは、偏光子を透過する。反射型偏光子は、所定の波長又は所定の波長範囲内において第2の偏光状態を有する光の少なくとも60パーセントが反射型偏光子から反射される場合に、所定の波長又は所定の波長範囲内において第2の偏光状態を有する光を実質的に反射すると言うことができる。いくつかの実施形態では、第2の偏光状態及び所定の波長を有する光の少なくとも70パーセント、又は少なくとも80パーセントは、偏光子から反射される。所定の波長は、本明細書の他の箇所で更に説明するように、光学システムのコントラスト比が最大である波長においてあってもよい。所定の波長範囲は、光学システム又はディスプレイシステムが動作するように設計された波長範囲であってもよい。例えば、所定の波長範囲は、可視範囲(400nm〜700nm)であってもよい。別の例として、所定の波長範囲は、1つ以上の可視波長範囲を含んでもよい。例えば、所定の波長範囲は、2つ以上の狭い波長範囲の結合(例えば、ディスプレイパネルの発光色に対応する、分離した赤色、緑色、及び青色の波長範囲の結合)であってもよい。そのような波長範囲は、参照により本明細書に既に組み込まれている米国特許出願公開第2017/0068100号(Ouderkirkら)に更に記載されている。いくつかの実施形態では、所定の波長範囲は、他の波長範囲(例えば、赤外(例えば、近赤外(約700nm〜約2500nm))、又は紫外線(例えば、近紫外(約300nm〜約400nm))、並びに可視波長範囲を含む。
リターダ又はリターダ内の領域内の配向又はリターダンスの変動が、光学システム内の別のリターダ又はリターダの別の領域の配向又はリターダンスの変動よりも実質的に小さい場合、リターダ又はリターダ内の領域は、実質的に均一な配向又は実質的に均一なリターダンスを有するものとして説明することができる。同様に、リターダのリターダ領域内の配向又はリターダンスの変動が、光学システム内の別のリターダ又はリターダの別の領域の配向又はリターダンスの変動よりも実質的に大きい場合、リターダ又はリターダ内の領域は、実質的に不均一な配向又は実質的に不均一なリターダンスを有するものとして説明することができる。例えば、実質的に均一なリターダンスを有する第1の領域、及び不均一又は実質的に不均一なリターダンスを有する第2の領域を有するリターダは、第1の領域内のリターダンスの最大差が、第2の領域内のリターダンスの最大差の20%以下であることを意味すると理解することができる。いくつかの実施形態では、第1の領域内のリターダンスの最大差は、第2の領域内のリターダンスの最大差の10%以下、又は5%以下である。別の例として、実質的に均一な配向を有する第1の領域、及び不均一又は実質的に不均一な配向を有する第2の領域を有するリターダは、第1の領域内の速光軸配向の最大角度差が、第2の領域内の速光軸配向の最大角度差の20%以下であることを意味すると理解することができる。いくつかの実施形態では、第1の領域内の速光軸配向の最大角度差は、第2の領域内の速光軸配向の最大角度差の10%以下、又は5%以下である。
図1Aはまた、光線138を概略的に示す。光線138は、光軸121に沿って伝播し、原点522でリターダ層520を通過し、原点422でリターダ層420を通過し、原点221で反射型偏光子220を通過する。図1Bは、光線136がリターダ層520の原点522に最初に入射する、光学システム1000の一部分の概略断面図である。光線136は、原点522で光軸121と角度θをなす。光学システム1000はまた、リターダ層420の原点422でリターダ層420に最初に入射し、原点422で光軸121と角度θをなす光線(図示せず)を有する。
いくつかの実施形態では、反射型偏光子220は、所定の波長において第1の偏光状態(例えば、偏光状態143)を有する光を実質的に反射し、直交する第2の偏光状態(例えば、偏光状態145)を有する光を実質的に透過する。所定の波長は、本明細書の他の箇所で更に説明するように、光学システム1000のコントラスト比が最大である波長であってもよい。いくつかの実施形態では、所定の波長において第1の偏光状態を有し、原点522を通過する光線につき、リターダ層520は、光軸121に沿って伝播する光線(光線138など)は楕円偏光に、及び光軸に対して斜めの方向に沿って伝播する光線(光線136など)は円偏光に変換する。いくつかの実施形態では、リターダ層520は、光軸に対して斜めの方向に沿って伝播する光線が、リターダ層420に入射するときに円偏光されているように選択される。この場合、レンズ310及び/若しくは510内の複屈折を補正するために、並びに/又は部分反射体320の偏光効果を補正するために、光線は、リターダ層520を通過した直後に楕円偏光されていてもよく、それにより、光線は、リターダ層420に最初に入射するときに円偏光されている。場合によっては、リターダンス/速軸配向が、軸上で楕円偏光をもたらすことを犠牲にしても軸外で円偏光を与えるように選択されたときに、改善された光学特性を得ることができることが見出されている。他の実施形態では、リターダ層520は、光軸121に沿って伝播する光線は円偏光に、及び光軸に対して斜めの方向に沿って伝播する光線は楕円偏光に変換する。リターダ層520を透過した光の偏光状態は、本明細書の他の箇所で更に説明するように、リターダ層520のリターダンス及び速光軸配向の好適な選択によって選択することができる。例えば、光線138が、原点522でリターダ層520に最初に入射するときに、x軸に沿って直線偏光されている場合、並びにリターダ層520が、原点522でx軸に対して45度の角度でx−y平面内の速光軸、及び原点522で光線138の波長の四分の一のリターダンスを有する場合、リターダ層520は、光線138を直線偏光状態から円偏光状態に変換する。
いくつかの実施形態では、リターダ層420及び520のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの第1の位置で、第1の偏光状態に対する第1の配向、及び所定の波長における第1のリターダンス、並びに少なくとも1つの異なる第2の位置で、第1の偏光状態に対する異なる第2の配向、及び所定の波長における異なる第2のリターダンスを有する一体型リターダである。そのようなパターン化されたリターダ層は、本明細書の他の箇所で更に説明する。第1の偏光状態に対する第1及び第2の配向は、一体型リターダの速光軸と第1の偏光状態の軸との間の角度に関して説明することができる。例えば、一体型リターダは、反射型偏光子220の遮断軸から35〜55度の角度で向けられた速光軸を有してもよい。
いくつかの実施形態では、第1の偏光状態に対して、リターダ層520は、リターダ層520にわたって実質的に均一な配向及び不均一なリターダンスを有し、リターダ層420は、リターダ層420にわたって実質的に均一なリターダンス及び不均一な配向を有する。いくつかの実施形態では、第1の偏光状態に対して、リターダ層520は、リターダ層520にわたって実質的に均一な配向及び均一なリターダンスを有し、リターダ層420は、リターダ層420にわたって実質的に不均一なリターダンス及び不均一な配向を有する。他の実施形態では、第1の偏光状態に対して、リターダ層420は、リターダ層420にわたって実質的に均一な配向及び不均一なリターダンスを有し、リターダ層520は、リターダ層520にわたって実質的に均一なリターダンス及び不均一な配向を有する。いくつかの実施形態では、第1の偏光状態に対して、リターダ層420は、リターダ層420にわたって実質的に均一な配向及び均一なリターダンスを有し、リターダ層520は、リターダ層520にわたって実質的に不均一なリターダンス及び不均一な配向を有する。
いくつかの実施形態では、原点221で、反射型偏光子は、所定の波長において遮断偏光状態を有する光を実質的に反射し、直交する通過偏光状態を有する光を実質的に透過し、それにより、光軸に沿って伝播し、原点522でリターダ層520に入射し、所定の波長及び遮断偏光状態を有する第1の光線に関して、第1の光線は、反射型偏光子220に最初に入射するときに第1の偏光状態、及び反射型偏光子220に2回目の入射時に第2の偏光状態を有し、第1の偏光状態と遮断偏光状態との間の差は、第2の偏光状態と通過偏光状態との間の差未満である。偏光状態間の差の定量化は、本明細書の他の箇所で説明する。第1の偏光状態と遮断偏光状態との間の差を最小化することは、これがゴーストを低減しコントラスト比を増加することが見出されているため、場合によっては、第2の偏光状態と通過偏光状態との間の差を増加させることを犠牲にしても、好ましいことが見出されている。
いくつかの実施形態では、所定の波長及び原点221における反射型偏光子220の遮断偏光状態を有し、第1の原点522でリターダ層520に最初に入射し、光軸121と角度θをなす光線136に関して、光線136は、第1の位置223で反射型偏光子に最初に入射するときに、実質的に反射され、第2の位置224で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過される。なんらかの角度θで原点522でリターダ層520に入射する光線の組に対して、第1及び第2の位置223及び224は、θの関数であるとして説明することができる。光線136は、ゼロでないθを有し、光線138は、ゼロのθを有する。光線138の第1及び第2の位置は両方とも、反射型偏光子220の原点221である。いくつかの実施形態では、ゼロでないθに対して、第1及び第2の位置は、光軸121から異なる距離にある。いくつかの実施形態では、第2の位置224における光線136の偏光状態と反射型偏光子220の通過偏光状態との間の差は、θがゼロであるときにより大きく、θがゼロではないときにより小さい。場合によっては、第2の位置224における光線136の偏光状態と反射型偏光子220の通過偏光状態との間の差が軸外(ゼロでないθ)でより低い場合に、この差が軸上(ゼロのθ)でより高いことを犠牲にしても、改善された光学特性が得られることが見出されている。
図1C及び図1Dは、レンズの曲面上に層を有することに対する代替案の概略断面図である。図1Cに示す実施形態では、層520cは、基材510cの平面の主表面上に配置される。層520cは、例えば、リターダ層520に対応してもよく、基材510cは、例えば、レンズ510に対応してもよい。図1Dに示す実施形態では、層520dは、平凸レンズ510dの平面上に配置される。層520cは、例えば、リターダ層520に対応してもよく、基材510cは、例えば、レンズ510に対応してもよい。他の実施形態では、層520dは、平凹レンズの平面又は実質的な平面上に配置される。同様に、いくつかの実施形態では、部分反射体320、リターダ層420、及び反射型偏光子220のうちの任意の1つ以上は、平面又は実質的に平面の主表面上に配置されてもよい。任意の種類の好適なレンズ(単数又は複数)を使用することができる。いくつかの実施形態では、光学システムのレンズのうちの1つ以上は、平凸レンズ、平凹レンズ、両凸レンズ、両凹レンズ、正メニスカスレンズ、負メニスカスレンズ、可変屈折率レンズ(例えば、屈折率分布型レンズ)、及びフレネルレンズのうちの1つである。
いくつかの実施形態では、リターダ層420及び520の一方又は両方は、湾曲した主表面上に配置される。いくつかの実施形態では、湾曲した主表面は、1つの軸周りに湾曲している、又は2つの直交軸周りに湾曲している。いくつかの実施形態では、リターダ層420及び520の一方又は両方は、実質的に平面であってもよい。実質的に平面の層は、層が名目上平坦であるが、例えば、通常の製造変動に起因してなんらかの曲率を有してもよく、又は画像表面(例えば、ディスプレイパネルの)から光学システムの絞り面までの距離の少なくとも10倍の曲率半径を有してもよいことを意味するものと理解することができる。いくつかの実施形態では、リターダ層520は、ディスプレイパネル上に、又は屈折力を有さない平面基材上に配置される。
いくつかの実施形態では、リターダ層520は、リターダ層420とは異なる物理的厚さを有する。例えば、いくつかの実施形態では、リターダ層520は、リターダ層420よりも厚い物理的厚さ(図1Dに概略的に示すように)を有する。他の実施形態では、リターダ層520は、リターダ層420よりも薄い物理的厚さを有する。リターダ層の各々が約四分の一波のリターダンスを有するために、異なる物理的厚さを用いることは、異なる材料が異なるリターダ層に使用される場合に望ましいことがある。例えば、本明細書の他の箇所で更に説明するように、異なる色分散曲線を提供するために、異なる材料を使用することが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、リターダ層の異なる形状のために、異なるリターダ層に異なる材料(例えば、異なる液晶組成物、又は1つのリターダに対して液晶材料及び別のリターダに対して配向ポリマー(例えば、ポリカーボネート))を使用することが望ましい場合がある。例えば、一部の無色リターダは、曲面に容易に適合できない場合がある。この場合、無色リターダは、平坦な表面又はより小さい曲率を有する表面上に使用されてもよく、異なるリターダ(例えば、異なる無色リターダ又は有色リターダ)をより大きい曲率を有する表面上に使用することができる。リターダ層420及び520のいずれかは、レンズ又は基材の対応する主表面上にスピンコーティングされてもよい。スピンコーティングされたリターダの厚さは、異なってもよく、2つのリターダ層は、異なる平均物理的厚さを有してもよい。いくつかの実施形態では、第1のリターダ層(例えば、リターダ層420及び520の一方に対応する)は、より小さい第1の平均物理的厚さを有する第1のスピンコーティングされたリターダ層を含み、第2のリターダ層(例えば、リターダ層420及び520の他方に対応する)は、より大きい第2の平均物理的厚さを有する第2のスピンコーティングされたリターダ層を含む。
図1E〜図1Fは、リターダ層が互いに重なり合う光学システム1000のリターダ層420及び520の概略平面図である。光学システム1000に入射する第1の光線は、第1の位置2367(例えば、原点522に対応することができる)でリターダ層520と交差し、第2の位置2369(例えば、位置423及び425のうちの1つに対応することができる)でリターダ層420と交差する。光学システム1000に入射する第2の光線は、第3の位置2467でリターダ層520と交差し、第4の位置2469でリターダ層420と交差する。図1Eの実施形態では、リターダ層420及び520の速軸は、ほぼ平行(例えば、平行の20度以内又は10度以内)であり、図1Fの実施形態では、リターダ層420及び520の速軸は、ほぼ直交する(例えば、垂直の20度以内又は10度以内)。
図1Eに示す実施形態では、平面図では、リターダ520は、y軸から角度γ1で第1の位置2367に速軸2367aを有し、リターダ420は、次にy軸から角度γ2で第2の位置2369に速軸2369aを有する。平面図では、第1の位置2367のリターダ層520の速軸2367aと第2の位置2369のリターダ層420の速軸2369aとは、互いに第1の角度|γ2−γ1|をなす。図1Eに示す実施形態では、平面図では、リターダ520は、y軸から角度γ3で第3の位置2467に速軸2467aを有し、リターダ420は、次にy軸から角度γ4で第4の位置2469に速軸2469aを有する。平面図では、第3の位置2467のリターダ層520の速軸2467aと第4の位置2469のリターダ層420の速軸2469aとは、互いに第1の角度|γ3−γ4|をなす。いくつかの実施形態では、第1及び第2の角度は、実質的に等しい。いくつかの実施形態では、第1及び第2の角度は、異なる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の角度は、互いの5度以内である。いくつかの実施形態では、第1及び第2の角度のそれぞれは、10度以下、又は5度以下である。
図1Fに示す実施形態では、平面図では、リターダ520は、y軸から角度γ1で第1の位置2367に速軸2367bを有し、リターダ420は、次にy軸から角度γ2で第2の位置2369に速軸2369bを有する。平面図では、第1の位置2367のリターダ層520の速軸2367bと第2の位置2369のリターダ層420の速軸2369bとは、互いに第1の角度|γ1+γ2|をなす。図1Fに示す実施形態では、平面図では、リターダ520は、y軸から角度γ3で第3の位置2467に速軸2467bを有し、リターダ420は、次にy軸から角度γ4で第4の位置2469に速軸2469bを有する。平面図では、第3の位置2467のリターダ層520の速軸2467bと第4の位置2469のリターダ層420の速軸2469bとは、互いに第1の角度|γ3+γ4|をなす。いくつかの実施形態では、第1及び第2の角度のそれぞれは、80〜100度の範囲、又は85〜95度の範囲である。
光学レンズは、例えば、ポリカーボネート又はガラスなどの任意の好適なレンズ材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、光学レンズは、インサート成形法で形成される。例えば、反射型偏光子を所望の形状に形成することができ、その後、光学レンズを反射型偏光子上にインサート成形することができる。
いくつかの実施形態では、観察者及び対象物に対する反射型偏光子及び部分反射体の相対位置は、図1Aに示す実施形態から反転されてもよい。図2は、光を透過するため及び/又は観察者111に対象物101を表示するための光学システム1001の概略図である。光学システム1001は、様々な構成要素の相対位置及び任意選択の追加の偏光子361の追加を除いて、光学システム1000に対応することができる。対象物101は、例えば、ディスプレイ又はディスプレイ上の画像であってもよい。光学システム1001は、光学レンズ211、411、及び311と、反射型偏光子222と、部分反射体321と、リターダ層421及び521とを含む。光学レンズ211は、反対側にある第1及び第2の主表面213及び215を有し、光学レンズ311は、反対側にある第1及び第2の主表面313及び315を有し、光学レンズ411は、反対側にある第1及び第2の主表面413及び415を有する。反射型偏光子222は、光学レンズ211の主表面215上に配置され、それに適合する。部分反射体321は、光学レンズ311の主表面315上に配置され、それに適合する。リターダ層421は、光学レンズ411の主表面415上に配置され、それに適合する。リターダ層521は、光学レンズ311の主表面313上に配置され、それに適合する。他の実施形態では、反射型偏光子222、部分反射体321、並びにリターダ層421及び521のうちの1つ以上は、図2に示す実施形態に示すものとは異なる主表面上に配置される。例えば、反射型偏光子222、部分反射体321、並びにリターダ層421及び521のうちの任意の1つ以上は、観察者111から対象物101へのこれらの層の相対的順序を維持しながら、対応するレンズの反対側の主表面上に、又はこれらの層のもう一方の上に配置することができる。
光学システム1001は、任意選択の追加の偏光子361を更に含む。図示の実施形態では、対象物101によって放射される光線236は、反射型偏光子222を通過した後に偏光状態146を有する。光線236の一部分は、部分反射体321から反射され、リターダ層421を通過し、偏光状態147で反射型偏光子222から反射される。これらの光線の一部分は、部分反射体321及びリターダ層521を通過し、偏光状態148で偏光子361に入射し、観察者111に透過される。光線236の別の部分は、部分反射体321を通って、次いでリターダ層521を通って透過され、偏光子361に入射するときに偏光状態149を有する。光線236のこの部分は、偏光子361によって遮断され、観察者111に透過されない。図示した実施形態では、リターダ層421及び521は、互いにほぼ直交する速軸を有する。他の実施形態では、リターダ層421及び521は、互いにほぼ平行な速軸を有し、偏光状態148は、偏光状態147にほぼ直交する。いくつかの実施形態では、リターダ層421及び521のうちの少なくとも1つは、不均一なリターダンス及び/又は不均一な速軸配向を有する。いくつかの実施形態では、リターダ層521は、第1の波長分散曲線を有し、リターダ層421は、異なる第2の波長分散曲線を有する。
光学システム1001は、光軸122を有し、それにより、光軸122に沿って伝播する光線は、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ211、411、及び311、部分反射体321、反射型偏光子222、並びにリターダ層421及び521を通過する。光線237は、原点429で光軸122とゼロでない角度θでリターダ層421に最初に入射する。
いくつかの実施形態では、反射型偏光子222は、所定の波長において第1の偏光状態(例えば、偏光状態147)を有する光を実質的に反射し、直交する第2の偏光状態(例えば、偏光状態146)を有する光を実質的に透過する。所定の波長は、本明細書の他の箇所で更に説明するように、光学システム1001のコントラスト比が最大である波長であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の原点429を通過する所定の波長において第1の偏光状態を有する光線につき、リターダ層421は、光軸122に沿って伝播する光線は楕円偏光に、及び光軸に対して斜めの方向に沿って伝播する光線は円偏光に変換する。
いくつかの実施形態では、リターダ層521は、リターダ層521にわたって実質的に均一な配向及び不均一なリターダンスを有し、リターダ層421は、リターダ層421にわたって実質的に均一なリターダンス及び不均一な配向を有する。場合によっては、リターダ層421又は521の配向は、第1の偏光状態に対して(例えば、速光軸と第1の偏光状態の軸(例えば、遮断軸)との間の角度)指定されてもよい。第1の偏光状態は、原点221における反射型偏光子220の遮断状態であってもよく、同様に、第2の偏光状態は、原点225における反射型偏光子220の通過状態であってもよい。
いくつかの実施形態では、第1の偏光状態に対して、リターダ層421は、リターダ層421にわたって実質的に均一な配向及び不均一なリターダンスを有し、リターダ層521は、リターダ層521にわたって実質的に均一なリターダンス及び不均一な配向を有する。いくつかの実施形態では、第1の偏光状態に対して、リターダ層521は、リターダ層521にわたって実質的に均一な配向及び均一なリターダンスを有し、リターダ層421は、リターダ層421にわたって実質的に不均一なリターダンス及び不均一な配向を有する。いくつかの実施形態では、第1の偏光状態に対して、リターダ層421は、リターダ層421にわたって実質的に均一な配向及び均一なリターダンスを有し、リターダ層521は、リターダ層521にわたって実質的に不均一なリターダンス及び不均一な配向を有する。
代替の実施形態を図3に示し、この図は、光学システム1400と画像639を放射するディスプレイ635とを含むディスプレイシステム1500の概略断面図である。光学システム1400は、反対側にある主表面614及び616を有する光学レンズ610と、反対側にある主表面624及び626を有する光学レンズ620とを含む。部分反射体660は、光学レンズ610の主表面614上に配置されており、リターダ層670は、光学レンズ610の主表面616上に配置されている。反射型偏光子630は、光学レンズ620の主表面626上に配置され、リターダ層640は、反射型偏光子630上に配置される。光線636、637、及び638が示されている。光線636は、画像639の縁部から放射される主光線である。光線636は、第1の位置607で反射型偏光子630に最初に入射し、第2の位置609で反射型偏光子630に2回目の入射をする。光線638は、第1の原点671でリターダ層670と、及び第2の原点631で反射型偏光子630と交差する、光軸641に沿って伝播する。光線637は、原点671でリターダ層670に最初に入射し、光軸641と角度θをなす。光線637は、第1の位置632で反射型偏光子630に最初に入射し、第2の位置633で反射型偏光子630に2回目の入射をする。
光学システム1400は、直径dを有する射出瞳235を有する。いくつかの実施形態では、射出瞳の直径は、約4.5mm〜約6mmの範囲である。光学システムのF値は、集合的な1つ以上の光学レンズの焦点距離と射出瞳の直径dとの比である。いくつかの実施形態では、F値は、約0.2〜約2.5である。射出瞳の直径は、射出瞳の最大横方向寸法(例えば、矩形射出瞳の場合では対角線長)を指す。いくつかの実施形態では、光学システムは、ヘッドマウントディスプレイに使用するように構成されており、それにより、ヘッドマウントディスプレイが観察者によって装着されると、射出瞳235は、観察者の眼の瞳孔と重なり合う。
本明細書で使用するとき、「約(about)」などの用語は、それらが本明細書に使用され記載されている文脈において、当業者によって理解されるだろう。特徴のサイズ、量、及び物理的性質を表す量に適用されるような「約」の使用が、本明細書に使用され記載されている文脈において、当業者にとって明らかではない場合、「約」は、指定された量の10パーセント以内を意味すると理解されるだろう。本明細書で使用するとき、「実質的に(substantially)」などの用語は、それらが本明細書に使用され記載されている文脈において、当業者によって理解されるだろう。「実質的に平行な(substantially parallel)」の使用が、本明細書に使用され記載されている文脈において、当業者にとって明らかではない場合、「実質的に平行な」は、平行の10度以内を意味することになる。「実質的に垂直(substantially perpendicular)」又は「実質的に直交する(substantially orthogonal)」の使用が、本明細書に使用され記載されている文脈において、当業者にとって明らかではない場合、「実質的に垂直」又は「実質的に直交する」は、垂直の10度以内を意味することになる。
いくつかの実施形態では、反射型偏光子630は、所定の波長において第1の偏光状態を有する光を実質的に反射し、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に透過する。所定の波長は、本明細書の他の箇所で更に説明するように、光学システム1400のコントラスト比が最大である波長であってもよい。いくつかの実施形態では、原点671を通過する所定の波長において第1の偏光状態を有する光線につき、リターダ層670は、光軸641に沿って伝播する光線は楕円偏光に、及び光軸に対して斜めの方向に沿って伝播する光線は円偏光に変換する。
いくつかの実施形態では、所定の波長において第1の偏光状態を有する放射された主光線につき、第1のリターダ層670は、画像639の縁部から放射された主光線は円偏光に、及び光軸641に沿って伝播する主光線は楕円偏光に変換する。
いくつかの実施形態では、リターダ層640及び670のうちの少なくとも1つは、本明細書の他の箇所で更に説明するように、第1及び第2の領域を有する。いくつかの実施形態では、第1の領域は、実質的に均一なリターダンスを有し、第2の領域は、不均一なリターダンスを有する。いくつかの実施形態では、第1の領域は、実質的に均一な速光軸配向を有し、第2の領域は、不均一な配向を有する。いくつかの実施形態では、第1の領域は、内部領域であり、第2の領域は、内部領域を実質的に取り囲む周辺領域である。
いくつかの実施形態では、リターダ層640及び670は、異なる波長分散曲線を有する。いくつかの実施形態では、リターダ層670は、第1の波長においては四分の一波リターダだが、異なる第2の波長においては四分の一波リターダではなく、リターダ層640は、第2の波長においては四分の一波リターダだが、第1の波長においては四分の一波リターダではない。
図4は、光学システム1900とディスプレイ703とを含むディスプレイ2000の概略断面図である。ディスプレイ703は、位置715、725、及び735それぞれからの光線717、727、及び737の円錐を放射する。いくつかの実施形態では、光線717、727、及び737の円錐内の各光線は、共通の偏光状態を有する(例えば、y−z平面内の光線に対して、第1の偏光状態は、x方向に平行な電界を有する偏光状態(偏光状態141など)であってもよく、又はy−z平面内で分極された電界を有する偏光状態(偏光状態145など)であってもよい)。これは、例えば、ディスプレイが直線偏光を放射するときに生じることができる。光線717、727、及び737の円錐のそれぞれは、光学システム1900の射出瞳835を実質的に充填する。射出瞳の面積の少なくとも90パーセントを満たす光線の円錐は、射出瞳を実質的に充填するものとして説明することができる。位置715は、ディスプレイ703によって放射される画像の縁部に、かつディスプレイ703の縁部付近にある。位置735は、ディスプレイ703の中心にある。ディスプレイ703は、位置715、725、及び735それぞれから複数の主光線710、720、及び730を放射する。周縁光線711、712、721、722、並びに731及び732が図示されている。主光線は、射出瞳835の中心で射出瞳835と交差し、周縁光線は、射出瞳835の境界で射出瞳835と交差する。周縁光線711及び712は、主光線710と同じ位置715から放射され、周縁光線721及び722は、主光線720と同じ位置725から放射され、周縁光線731及び732は、主光線730と同じ位置735から放射される。主光線730は、光軸740に沿って伝播し、主光線710及び720は、光軸740から異なる分離にある。
光学システム1900は、上に配置された第1の光学積層体815を有する第1の主表面814と、上に配置された第2の光学積層体813を有する第2の主表面812とを有するレンズ810を含む。第1の光学積層体815は、第1の主表面814上に配置された部分反射体と、部分反射体上に配置された第1のリターダ層とを含む。代替の実施形態では、第1のリターダ層は、ディスプレイ703上、又はレンズ810とディスプレイ703との間の基材(例えば、別のレンズ)上に配置される。第2の光学積層体813は、第2の主表面812上に配置された第2のリターダ層と、第2のリターダ層上に配置された反射型偏光子とを含む。光線の円錐717は、第1の入射領域A1にわたって第1のリターダ層に最初に入射し、第2の入射領域A2にわたって第2のリターダ層に最初に入射する。同様に、光線の円錐727及び737のそれぞれは、第1の入射領域にわたって第1のリターダ層に最初に入射し、第2の入射領域にわたって第2のリターダ層に最初に入射する。いくつかの実施形態では、射出瞳835の直径は、約4.5mm〜約6mmの範囲である。いくつかの実施形態では、光学システム1900のF値は、約0.2〜約2.5である。いくつかの実施形態では、光線の円錐717、727、及び737のそれぞれは、射出瞳835を実質的に充填する。いくつかの実施形態では、対応する第1及び第2の入射領域にわたる第1及び第2のリターダ層のそれぞれの平均リターダンスは、所定の波長の四分の一から10%以内にある。他の実施形態では、第1及び第2のリターダ層の平均リターダンスは、互いから、及び所定の波長の四分の一から10%より多く逸脱する。例えば、高度の非テレセントリックシステム(例えば、光軸に対して60度より大きい最大主光線角度を有するシステム)では、平均リターダンスが10パーセントより多く所定の波長の四分の一とは異なることが望ましい場合がある。別段の指示がない限り、この平均リターダンスは、入射領域を画定し、所定の波長を有する光線の円錐によって経験される、リターダンスの第1及び第2の入射領域それぞれにわたる非加重平均を指す。所定の波長は、本明細書の他の箇所で更に説明するように、光学システム1900のコントラスト比が最大である波長であってもよい。所定の波長は、光学システム1900が動作することを意図する波長範囲(例えば、400nm〜700nmの可視範囲)とすることができる所定の波長範囲内であってもよい。
いくつかの実施形態では、反射型偏光子は、所定の波長において第1の偏光状態を有する光を実質的に反射し、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に透過する。いくつかの実施形態では、光軸740が交差する第1のリターダ層の原点を通過する所定の波長において第1の偏光状態を有する光線につき、第1のリターダ層は、光軸740に沿って伝播する光線は楕円偏光に、及び光軸に対して斜めの方向に沿って伝播する光線は円偏光に変換する。
いくつかの実施形態では、各主光線が所定の波長において第1の偏光状態を有し、かつ光軸740からの異なる分離を有する、ディスプレイ703によって放射された複数の主光線(例えば主光線710、720、及び730)に対して、第1のリターダ層は、主光線を円偏光に変換する。いくつかの実施形態では、所定の波長において第1の偏光状態を有するディスプレイ703によって放射される各主光線につき、第1のリターダ層は、主光線を円偏光に変換する。
いくつかの実施形態では、各主光線が所定の波長において第1の偏光状態を有し、かつ光軸740からの異なる分離を有する、ディスプレイ703によって放射された複数の主光線720及び730につき、第1のリターダ層は、所定の波長の四分の一から10%以内のリターダンスを有する。いくつかの実施形態では、第1のリターダ層が各主光線につき所定の波長の四分の一から10%以内のリターダンスを有するために、第1のリターダ層は、ディスプレイ上の異なる位置から放射され、第1のリターダ層の入射時に異なる入射角を有する主光線につき所望のリターダンスを提供するために、空間的に不均一である。
いくつかの実施形態では、所定の波長において第1の偏光状態を有する放射された主光線につき、第1のリターダ層は、画像の縁部から放射された主光線(例えば、位置715から放射された主光線710)は円偏光に、及び光軸740に沿って伝播する主光線(例えば、主光線730)は楕円偏光に変換する。いくつかの実施形態では、所定の波長及び第1の偏光状態において、かつディスプレイ703上の少なくとも1つの位置(例えば、位置725)に対して、第1のリターダ層は、放射された主光線及び周縁光線(例えば、それぞれ光線720及び721)を楕円偏光に、及び少なくとも1つの他の放射された光線(例えば、光線726)を円偏光に変換する。
いくつかの実施形態では、光軸740は、第1の原点で第1のリターダ層と、及び第2の原点で反射型偏光子と交差する。光学システム1900のいくつかの実施形態では、所定の波長及び第2の原点における反射型偏光子の遮断偏光状態を有し、第1の原点で第1のリターダ層に最初に入射し、光軸740と角度θをなす光線に関して、光線は、第1の位置で反射型偏光子に最初に入射するときに実質的に反射され、第2の位置で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、第2の位置における光線の偏光状態と反射型偏光子の通過偏光状態との間の差は、θがゼロであるときにより大きく、θがゼロではないときにより小さい。
いくつかの実施形態では、反射型偏光子上の各位置は、対応する相互に直交する通過及び遮断偏光状態を有し、それにより、各位置において、反射型偏光子は、所定の波長において遮断偏光状態を有する光を実質的に反射し、通過偏光状態を有する光を実質的に透過する。
いくつかの実施形態では、第1及び第2のリターダ層の各々は、可変リターダンス及び可変配向のうちの少なくとも1つを有し、それにより、各主光線が所定の波長を有し、光軸740から異なる分離で放射された、ディスプレイ703によって放射された複数の主光線(例えば、主光線720及び730)に関して、主光線は、第1の位置(例えば、図3に示す第1の位置607)で反射型偏光子に最初に入射するときに実質的に反射され、第2の位置(例えば、図3に示す第2の位置609)で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、第2の位置における主光線の偏光状態と第2の位置における反射型偏光子の通過偏光状態との間の差は、約0.07未満、又は約0.05未満、又は約0.03未満、又は約0.02未満、又は更には約0.01未満である。比較すると、第1及び第2のリターダ層の各々が均一なリターダンス及び均一な配向を有する四分の一波リターダである場合、この差は、典型的には、約0.09である。いくつかの実施形態では、第2の位置における主光線の偏光状態の偏光軸(例えば、直線偏光軸又は偏光楕円の長軸)と、第2の位置における反射型偏光子の通過偏光状態の偏光軸との間の角度は、約15度未満、又は約10度未満、又は約5度未満である。いくつかの実施形態では、第2の位置における主光線の偏光状態と第2の位置における反射型偏光子の通過偏光状態との間の差は、光軸が第1及び第2のリターダ層と交差する位置における光学システムの第1及び第2のリターダ層のリターダンス及び配向に対応する均一なリターダンス及び配向を有する第1及び第2のリターダ層と、第1及び第2のリターダ層が置き換えられることを除いてこの光学システムと同等である、比較光学システムでの第2の位置における主光線の偏光状態と第2の位置における反射型偏光子の通過偏光状態との間の差の0.8倍未満又は0.6倍未満である。
本明細書の他の箇所で更に説明するように、2つの偏光状態間の差は、ゼロ〜1のスケールで定量化することができ、ゼロの差は、2つの偏光状態が同じであることを意味し、1の差は、2つの偏光状態又は直交することを意味する。いくつかの実施形態では、複数の主光線内の少なくとも1つの主光線に関して、反射型偏光子上の第1及び第2の位置は、異なる位置である。
いくつかの実施形態では、第1及び第2のリターダ層のうちの少なくとも1つは、本明細書の他の箇所で更に説明するように、第1及び第2の領域を有する。いくつかの実施形態では、第1の領域は、実質的に均一なリターダンスを有し、第2の領域は、不均一なリターダンスを有する。いくつかの実施形態では、第1の領域は、実質的に均一な速光軸配向を有し、第2の領域は、不均一な配向を有する。いくつかの実施形態では、第1の領域は、内部領域であり、第2の領域は、内部領域を実質的に取り囲む周辺領域である。
いくつかの実施形態では、第1及び第2のリターダ層は、異なる波長分散曲線を有する。いくつかの実施形態では、第1のリターダ層は、第1の波長においては四分の一波リターダだが、異なる第2の波長においては四分の一波リターダではなく、第2のリターダ層は、第2の波長においては四分の一波リターダだが、第1の波長においては四分の一波リターダではない。
1つ、2つ、又は3つ、又は4つの光学レンズを有する実施形態を、本明細書に具体的に例示している。追加の光学レンズが含まれてもよく、光学レンズ(単数又は複数)の1つの構成に関して説明した属性の多くが光学レンズ(単数又は複数)の他の構成に適用されることが理解されるであろう。1つの光学システムに関して説明した離間した第1及び第2のリターダ層の特性(例えば、リターダンス分布、速光軸配向分布、波長分散曲線)はまた、この光学システムに対応するが、異なる数の光学レンズを有する、又は1つ以上の光学レンズの異なる主表面上に配置された様々な層を有する他の光学システムにも適用されることが理解されるであろう。
図5A及び図5Bは、焦点距離fを有し、曲率半径Rを有する主表面379を有する光学レンズ378の概略断面図である。レンズ378は、1/fの屈折力を有する。いくつかの実施形態では、光学システムの1つ以上の光学レンズは、少なくとも1つの方向にゼロでない屈折力を有する(例えば、焦線上に光を集束させる)。いくつかの実施形態では、光学システムの1つ以上の光学レンズは、ゼロでない屈折力の2つの方向を有する(例えば、焦点上に光を集束させる)。いくつかの実施形態では、ゼロでない屈折力を有するレンズは、少なくとも1つの湾曲した主表面を有する。いくつかの実施形態では、ゼロでない屈折力は、曲面を有してもよく若しくは有さなくてもよいフレネルレンズ(単数又は複数)を使用して、又は曲面を有してもよく若しくは有さなくてもよい可変屈折率レンズ(単数又は複数)を使用することによって達成される。いくつかの実施形態では、1つ以上の光学レンズの少なくとも1つの主表面は、少なくとも6mm、又は少なくとも10mm、及び1000mm未満、又は600mm未満の曲率半径Rを有する。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上の光学レンズの少なくとも1つの主表面は、約6mm〜約1000mmの曲率半径Rを有する。いくつかの実施形態では、集合的な1つ以上のレンズの焦点距離(1つ以上の光学レンズの全体の屈折力の逆数)は、0.5mm〜50mmの範囲、又は1mm〜25mmの範囲である。いくつかの実施形態では、光学システムは、少なくとも約0.1、又は少なくとも約0.2、又は少なくとも約0.3、及び約3.0以下、又は約2.5以下、又は約2.2以下のF値を有する。
いくつかの実施形態では、反射型偏光子、部分反射体、リターダ層、及び/又は光学レンズの少なくとも1つの主表面は、2つの直交軸周りに湾曲している。例えば、反射型偏光子は、レンズの球面又は非球面上に配置してもよい。図6は、頂点757(z方向に沿った曲面又は層827上の最大点である)を有し、2つの直交軸(例えば、x軸及びy軸)周りに湾曲している、曲面又は層827の断面図である。層827は、部分反射体、リターダ層、又は反射型偏光子であってもよい。あるいは、層827の曲線は、例えば、レンズの曲面を説明すると理解することができる。層827は、頂点757を通過する光軸840からの半径方向距離r1、及び頂点757で光軸840に対して垂直な(x−y平面に平行な)平面847からの変位s1を有する少なくとも1つの第1の位置752を有する。いくつかの実施形態では、層827は、反射型偏光子であり、比s1/r1は、少なくとも0.1又は少なくとも0.2であり、0.8未満又は0.6.未満であってもよい。例えば、一部の実施形態では、s1/r1は、0.2〜0.8の範囲、又は0.3〜0.6.の範囲である。層827は、光軸1040からの半径方向距離r2、及び、平面847からの変位s2を有する少なくとも1つの第2の位置754を有する。いくつかの実施形態では、層827は、反射型偏光子であり、s2/r2は、少なくとも0.3であり、0.8未満であってもよい。層827は、直径D、最大サグSm、及び頂点757における曲率半径Rを有する。いくつかの実施形態では、反射型偏光子及び少なくとも1つのリターダ層のそれぞれは、2つの直交軸周りに湾曲している。いくつかの実施形態では、反射型偏光子、リターダ層(単数又は複数)、及び部分反射体のそれぞれは、2つの直交軸周りに湾曲している。
いくつかの実施形態では、層827は、光軸840周りに回転対称又は実質的に回転対称である。表面、フィルム、又は構成要素の形状の方位変動が、約10パーセント以下である場合には、その表面、フィルム、又は構成要素は、実質的に回転対称であると言うことができる。方位変動とは、頂点757を通る光軸840周りの方位角座標での変動を指す。一部の実施形態では、s1/r1の方位変動は、10パーセント未満、又は8パーセント未満、又は6パーセント未満、又は4パーセント未満、又は2パーセント未満、又は1パーセント未満、又は更には0.5パーセント未満である。1つ以上の位置752は、光軸840からの共通の半径方向距離r1を有する位置の環とすることができ、同様に、1つ以上の位置754は、光軸840からの共通の半径方向距離r2を有する位置の環とすることができる。フィルムにしわを寄せることなく、フィルムを回転対称レンズ内に成型することができるほど、フィルムの形状の方位変動が十分に小さい場合には、そのフィルムは回転対称であると言うことができる。座標s1及び座標r1は、r1以下の光軸840からの半径方向位置を有する、又はs1以下の頂点757からの光軸に沿った距離を有する層827の領域A1を画定する。
図7Aは、光軸940に沿った原点又は頂点857を有する層827に対応することができる反射型偏光子927の概略正面図である。反射型偏光子927は、2つの直交軸(例えば、x軸及びy軸)周りに湾曲している。図7Bは、通過軸及び遮断軸の配向の可能な空間的変動を概略的に示す、反射型偏光子927の概略正面図である。反射型偏光子927は、頂点857において直交する通過軸及び遮断軸857p及び857bを有する。反射型偏光子927は、第1の位置852で直交する通過軸及び遮断軸852p及び852b、並びに第2の位置853で直交する通過軸及び遮断軸853p及び853bを有する。図示した実施形態では、通過軸及び遮断軸852p及び852bは、通過軸及び遮断軸857p及び857bと実質的に整列し、一方、通過軸及び遮断軸853p及び853bは、通過軸及び遮断軸857p及び857bと実質的に整列した軸に対して角度αだけ回転している。曲面上の異なる位置で曲面に接する軸は、軸と、2つの位置の間の曲面上の最短の滑らかな曲線に対する接線との間の対応する角度が同じである場合、互いに整列していると言うことができる。これを、図7Cに概略的に示し、この図は、第1の位置1757の第1及び第2の軸1757−1及び1757−2、並びに第2の位置1753の第1及び第2の軸1753−1及び1753−2を示す曲面1727の正面図である。第1及び第2の軸1757−1及び1757−2は、第1の位置1757で表面1727に接し、第1及び第2の軸1753−1及び1753−2は、第2の位置1753で表面1727に接する。表面1727は湾曲しているため、第1及び第2の軸1753−1及び1753−2は、一般に、第1及び第2の軸1757−1及び1757−2とは異なる平面内にある。最短曲線1777は、第1の位置1757と第2の位置1753との間に示されている。最短曲線1777は、平面図で直線状であるように示されているが、他の場合では、曲線1777は、パン図で直線状でなくてもよい。角度φは、第1の位置1757における第1の軸1757−1と曲線1777との間に示されている。第1の軸1753−1と曲線1777との間の対応する角度もまたφであり、それにより、第1の軸1757−1及び第1の軸1753−1は整列している。同様に、第1の位置1757における第2の軸1757−2と曲線1777との間の角度は、第2の位置1753における第2の軸1753−2と曲線1777との間の対応する角度(90度マイナスφ)に等しく、その結果、第2の軸1757−2及び第2の軸1753−2は整列している。第1の位置1757は、表面の重心、及び/又は頂点、及び/又は曲面1727を含む光学システムの光軸と交差する位置とすることができる曲面の原点1740にある。第1及び第2の軸1757−1及び1757−2と整列する軸は、表面1727上の各点において、点と第1の位置との間の最短曲線に対して第1及び第2の軸1757−1及び1757−2と同じ対応する角度をなすように軸を向けることによって、定義することができる。反射型偏光子上の各点における局所的な通過軸及び遮断軸は、光軸において定義された軸(例えば、軸857b及び/又は857p)と整列している反射型偏光子に接する軸に対して指定されてもよい。例えば、位置853における軸853aは、軸853a及び857bが両方とも反射型偏光子927に接しており、位置857と853との間の最短曲線に対して同じ角度を有するため、遮断軸857bと整列している。
反射型偏光子927は、ポリマー多層反射型偏光子とすることができ、頂点857で実質的に一軸配向されている少なくとも1つの層(例えば、図8の層1092)を有してもよい。例えば、少なくとも1つの層の配向は、頂点857における反射型偏光子927の遮断軸857b内にあってもよい。いくつかの実施形態では、反射型偏光子927はまた、光軸940から離れた少なくとも1つの層上の少なくとも1つの第1の位置(例えば、位置853)で、実質的に光学的二軸性であり、かつ光軸940から離れた少なくとも1つの第2の位置(例えば、位置852)で、実質的に光学的一軸性である、少なくとも1つの層も含む。
ポリマー多層光学フィルムを成形する(例えば、熱成形する)ことにより、反射型偏光子927を提供することができる。この光学フィルムは、最初は、y方向に沿った遮断軸で一軸配向された少なくとも1つの層を有する。成形の間に、この光学フィルムは、成形工具の形状に適合するように延伸される。この光学フィルムが延伸される理由は、所望の形状が、2つの直交軸の周りで湾曲しているためである。このこととは対照的に、1つの軸周りにだけ湾曲した形状に適合させるためには、光学フィルムを延伸する必要がない。成形のプロセスは、この光学フィルムを、位置852では実質的に一軸配向されたままに留めるが(このフィルムは、成形の間、この位置では、その配向方向に沿って延伸されるため)、位置853では、成形される際の光学フィルムの延伸により、二軸配向にすることができる。図7Aに示す実施形態では、遮断軸853bは、遮断軸867bと整列する軸853aに対して第1の位置853でα度だけシフトされる。いくつかの実施形態では、反射型偏光子927の通過軸の(又は、遮断軸の)最大変動は、この反射型偏光子の全域にわたって、若しくは、この反射型偏光子の、s1及びr1によって画定される領域にわたって、若しくは、この反射型偏光子の反射開口にわたって、約5度未満、又は約3度未満、又は約2度未満、又は約1.5度未満、又は約1度未満であり、s1及びs2は、層827に関して説明したとおりである。反射開口とは、反射の際に光学システムによって利用される、その反射型偏光子の部分を指す。反射開口は、実質的に、その反射型偏光子の全域とすることができる。又は、その反射型偏光子の境界付近の反射型偏光子の部分を除外することもできる。通過軸の最大変動は、通過軸と一定方向(例えば、図7Aでのx方向)との間の最大角度差から、その通過軸と一定方向との間の最小角度差を差し引いたものとして決定することができる。
本明細書で説明される光学システムのいずれかに使用される反射型偏光子のいずれも、第1の直線偏光状態を有する光を反射し、第1の直線偏光状態に直交する第2の直線偏光状態を有する光を透過するように構成することが可能な直線反射型偏光子とすることができる。好適な反射型偏光子としては、例えば、ポリマー多層光学フィルム及びワイヤグリッド偏光子が挙げられる。
本明細書の光学システムのいずれかに使用される反射型偏光子のいずれも、熱成形ポリマー多層光学フィルムとすることが可能な成形(例えば、熱成形)反射型偏光子とすることができる。このポリマー多層光学フィルムは、交互配置された複数の第1のポリマー層及び第2のポリマー層を含み得る。このことは、交互配置された第1のポリマー層1092及び第2のポリマー層1094を含む反射型偏光子1028の側面図である図8に示されている。この図では、面外(厚さ)z方向と、直交する面内のx方向及びy方向とが示されている。好適なポリマー多層反射型偏光子は、例えば、米国特許第5,882,774号(Jonzaら)及び米国特許第6,609,795号(Weberら)に記載されている。反射型偏光子を複合曲線に形成する方法は、参照により本明細書に既に組み込まれている米国特許出願公開第2017/0068100号(Ouderkirkら)、及び2016年9月2日出願の国際出願第US2016/050024号(Ouderkirkら)に記載されており、本明細書に矛盾しない範囲で、本明細書によって、参照により本明細書に組み込まれる。
一部の実施形態では、本明細書の光学システムで使用される反射型偏光子(例えば、反射型偏光子220)は、光学レンズの所望の形状に成形(例えば、熱成形)される前には、少なくとも0.7、又は少なくとも0.8、又は少なくとも0.85の一軸特性度Uを有するという点で実質的に一軸延伸フィルムである、多層光学フィルムであり、この場合、U=(1/MDDR−1)/(TDDR1/2−1)であり、MDDRは、縦方向の延伸比として定義され、TDDRは、横方向の延伸比として定義される。そのような実質的に一軸配向の多層光学フィルムは、米国特許第2010/0254002号(Merrillら)で説明されており、交互配置された複数の第1のポリマー層及び第2のポリマー層を含むことができ、第1のポリマー層は、実質的に同じであるが、幅方向(例えば、y方向)での屈折率とは異なる、長さ方向(例えば、x方向)及び厚さ方向(例えば、z方向)での屈折率を有する。例えば、x方向とz方向との屈折率の差の絶対値は、0.02未満又は0.01未満とすることができ、x方向とy方向との屈折率の差の絶対値は、0.05超又は0.10超とすることができる。別段の指定のない限り、屈折率とは、550nmの波長での屈折率を指す。実質的に一軸配向された反射型偏光子は、3M Companyから商品名Advanced Polarizing Film又はAPFで入手可能である。他の種類の多層光学フィルム反射型偏光子(例えば、3M Companyから入手可能なDual Brightness Enhancement Film又はDBEF)も使用することができる。他の実施形態では、他の種類の反射型偏光子(例えば、ワイヤグリッド偏光子)が使用される。
本明細書の光学システムに使用される部分反射体は、任意の好適な部分反射体とすることができる。例えば、部分反射体は、透明基材(例えば、次にレンズに接着することができるフィルム、又は基材はレンズであってもよい)上に金属(例えば、銀又はアルミニウム)の薄層をコーティングすることによって構築されてもよい。この部分反射体はまた、例えば、レンズ基材の表面上に薄膜誘電体コーティングを堆積させることによって、又はレンズ基材の表面上に、金属コーティングと誘電体コーティングとの組み合わせを堆積させることによって、形成することもできる。いくつかの実施形態では、部分反射体は、それぞれ20%〜80%の範囲内にある、又はそれぞれ30%〜70%の範囲内にある、又はそれぞれ40%〜60%の範囲内にある、又はそれぞれ45%〜55%の範囲内にある、所定の波長又は所定の波長範囲内において平均光反射率及び平均光透過率を有する。部分反射体は、例えばハーフミラーであってよい。所定の波長範囲内の平均光反射率及び平均光透過率は、特に指示がない限り、垂直入射で測定された、所定の波長範囲にわたる、光反射率及び光透過率それぞれの偏光に対する、非加重平均を指す。所定の波長における平均光反射率及び平均光透過率は、特に指示がない限り、垂直入射で測定された、光反射率及び光透過率それぞれの偏光に対する、非加重平均を指す。いくつかの実施形態では、部分反射体は、反射型偏光子であってもよく、又は偏光依存反射率を有してもよい。しかしながら、通常、垂直入射光反射率及び光透過率は、入射光の偏光状態とは独立している、又は実質的に独立していることが好ましい。そのような偏光独立性は、例えば、実質的に等方性の金属層及び/又は誘電体層を使用して得ることができる。
反射型偏光子の通過軸及び遮断軸の局所的な回転を補正するため、及び/又は光学システム内の複屈折(例えば、光学レンズの複屈折)若しくは他の光学アーチファクトを補正するために、少なくとも1つのリターダ層のリターダンスを変化させることができる。一軸性材料のリターダンスは、本明細書において、複屈折に材料の物理的厚さをかけたものを指し、複屈折は、他の軸が指定されている場合を除いて、異常軸に沿った屈折率と通常軸に沿った屈折率との間の差である。正の一軸性材料では、異常軸は、遅軸(高屈折率)であり、通常軸は、速軸(低屈折率)である。異なる3つの軸に沿った異なる3つの屈折率を有する二軸性材料の場合、リターダ層は、面内リターダンス及び面外リターダンスを有するものとして説明することができる。この場合、リターダンスは、本明細書では、特定の軸が指定される、若しくは特定の光線が指定される場合、又は文脈が異なることを明確に示す場合を除いて、面内リターダンスを指す。面内リターダンスは、垂直入射からリターダを透過した光によって経験される位相リターダンスである。特定の光線が指定される場合、それらの光線に対するリターダンスは、それらの光線の実際の位相リターダンスに関して指定することができる。このリターダンスは、一般に、リターダの面内及び面外リターダンス、並びにリターダに入射する光の方向に依存する。
場合によっては、リターダ層は、例えば、異なる速軸及び遅軸を有する複数の層を有する複数の積層リターダ層を含んでもよい。この場合、リターダ層の実効リターダンス並びに実効速軸及び遅軸は、リターダに入射する偏光及びリターダを透過した偏光に対して、入射光の偏光状態を透過光の偏光状態に変換することになる従来の単一層リターダのリターダンス並びに速軸及び遅軸配向として、定義することができる。そのようなリターダ層のリターダンスは、この実効リターダンスを指す。単一層を有するリターダに関して、実効速光軸及び遅光軸は、単一層の速光軸及び遅光軸であり、実効リターダンスは、単一層のリターダンスである。各層がリターダの実効速軸及び遅軸に対して平行又は90度回転した速軸及び遅軸を有する、複数の層を有するリターダに関して、垂直入射光に対する実効リターダンスは、リターダの実効速軸及び遅軸に平行な対応する速軸及び遅軸を有する層のリターダンスの合計から、リターダの実効速軸及び遅軸に対して90度回転した対応する速軸及び遅軸を有する層のリターダンスの合計を引いたものである。
指定された実効速光軸又は遅光軸に対するリターダの光学的厚さは、指定された実効速光軸又は遅光軸に沿った層の屈折率に層の厚さをかけたものの、リターダの各層にわたる合計を指す。例えば、いくつかの実施形態では、第1のリターダ層は、第1のリターダ層の実効速光軸又は第1のリターダ層の実効遅光軸のうちの1つに対して、原点における第1の光学的厚さ、及び少なくとも1つの他の位置における異なる第2の光学的厚さを有する。第1の光学的厚さは、実効速光軸及び遅光軸のうちの1つに沿った屈折率に局所物理的厚さをかけたものであり、第2の光学的厚さは、実効速光軸及び遅光軸のうちの同じ1つに沿った屈折率に局所物理的厚さをかけたものである。
リターダのリターダンスは、実効速光軸又は遅光軸に対してリターダの光学的厚さを空間的に変化させることによって空間的に変化させることができ、これは、本明細書の他の箇所で更に説明するように、例えば、リターダの層の配向の好適な選択によって、実効速軸又は遅軸に沿った厚さ及び/又は屈折率を空間的に変化させることによって行うことができる。場合によっては、指定されたx1軸及びx2軸は、例えば、
及び
方向に沿ってもよく、式中、
及び
は、x方向及びy方向の単位ベクトルである。指定された軸に対して指定されたリターダンスは、固定軸リターダンスと呼ばれることがある。固定軸は、各位置においてリターダの厚さを通して固定されてもよいが、リターダの主表面上の位置によって変化してもよい。指定された軸が正の一軸性材料の異常軸及び通常軸に対して回転される場合があるため、正の一軸性材料の固定軸リターダンスは、負である場合がある。リターダが積層リターダ層を含む実施形態では、積層リターダ層のリターダンスは、異なる指定のない限り、リターダの実効遅光軸及び速光軸に対するリターダンスを指す。特定の光線が指定される場合、それらの光線に対するリターダンスは、それらの光線の実際の位相リターダンスに関して指定することができる。
いくつかの実施形態では、リターダ層は、リターダ層の第1の領域にわたる実質的に均一なリターダンス、及びリターダ層の異なる第2の領域にわたる不均一なリターダンスを有する。いくつかの実施形態では、第1の領域は、内部領域であり、第2の領域は、内部領域を実質的に取り囲む周辺領域である。いくつかの実施形態では、内部領域は、リターダの中心又は光軸と交差するリターダの原点を含む中央領域である。リターダ層の外周に延びるリターダ層の領域は、リターダ層の周辺領域又は周囲領域として説明されてもよい。周辺領域は、内側領域の外周の少なくとも90パーセントを取り囲む場合、内部領域を実質的に取り囲むと言うことができる。例えば、周辺領域は、内部領域を完全に取り囲むことができる。
図9Aは、リターダ層445の領域441及び446を示すリターダ層445の概略正面図である。いくつかの実施形態では、リターダ層445の領域441は、実質的に空間的に一定のリターダンスを有し、領域446は、空間的に変化するリターダンスを有する。例えば、領域441にわたるリターダンスの最大差は、領域446にわたるリターダンスの最大差の10%未満(又は5%未満、又は3%未満)であってもよい。図示した実施形態では、領域441は、リターダ層445の中心付近の内部領域であり、リターダ層445を含む光学システムの光軸440は、領域441内でリターダ層445と交差する。領域446は、領域441を取り囲み、リターダ層445の縁部443まで延びる周辺領域である。図9Bは、リターダ層445のいくつかの実施形態におけるリターダンス等高線442を示す。いくつかの実施形態では、リターダンスが空間的に実質的に一定である領域は、図9Bに示すように、リターダ層445の縁部443まで延びる部分を含む。いくつかの実施形態では、リターダンスは、
及び
方向に沿ってリターダ層445の中心からリターダ層の縁部443まで単調に減少せず、
及び
方向に沿ってリターダ層445の中心からリターダ層の縁部443まで単調に増加しない。いくつかの実施形態では、リターダンスは、
及び
方向に沿ってリターダ層445の中心からリターダ層の縁部443まで単調に増加せず、
及び
方向に沿ってリターダ層445の中心からリターダ層の縁部443まで単調に減少しない。いくつかの実施形態では、リターダ層445は、z軸周りに180度の回転下で対称である。いくつかの実施形態では、リターダンスと光軸440におけるリターダンスとの間の差は、z軸周りに90度の回転下で反対称である。いくつかの実施形態では、第2の領域446は、図9Cに示すように、領域446a〜446dを含む。いくつかの実施形態では、領域446a及び446cは、領域441よりも低い平均リターダンスを有し、領域446b及び446dは、領域441よりも高い平均リターダンスを有する。いくつかの実施形態では、領域446a及び446cは、領域441よりも高い平均リターダンスを有し、領域446b及び446dは、領域441よりも低い平均リターダンスを有する。
領域の相対的なサイズは、領域の表面積に関して、又は光軸に直交する平面からの平面視で決定されるような面積に関して説明することができる。いくつかの実施形態では、平面視で、リターダ層445は、面積Aを有し、領域441は、約A/10〜約2A/3の範囲の面積を有し、第1〜第4の領域446a〜446dのそれぞれは、約A/12〜約A/3の範囲の面積を有する。いくつかの実施形態では、リターダは、第1の領域(例えば、領域441)、及び重なり合わない第2の領域(例えば、領域446)を含み、第2の領域は、リターダの残りの部分である。いくつかの実施形態では、第1の領域は、中央領域であり、第2の領域は、中央領域を取り囲むことができる周辺領域(すなわち、リターダの周囲又は縁部の少なくとも一部分を含む領域)である。いくつかの実施形態では、領域441は、リターダ層445の全表面の少なくとも10パーセントの表面積を有する。表面積及び総表面積は、リターダの1つの主表面の表面積を指すことが理解されるであろう。
いくつかの実施形態では、リターダ(例えば、本明細書の他の箇所に記載されるリターダ層445又は1075)は、重なり合わない中央領域並びに第1及び第2の縁部領域を有する。例えば、中央領域は、領域441又は領域1041に対応することができる。第1及び第2の縁部領域は、リターダの対応する第1及び第2の縁部(例えば、縁部1473及び1477、又は1073及び1077)に又はその付近に配置された領域446a及び446b、又は領域1046a及び1046bに対応してもよい。中央領域(例えば、領域441)は、第1の原点(例えば、光軸440がリターダ層445と交差する箇所に対応する)を含む。所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、中央領域は、δに実質的に等しい平均リターダンスを有し、第1の縁部領域は、δ−ξに実質的に等しい平均リターダンスを有し、第2の縁部領域は、δ+ξに実質的に等しい平均リターダンスを有する。いくつかの実施形態では、整数nに対して、λo(n+1/8)≦δ≦λo(n+1/2)及びδ/50≦ξ≦δ/2である。いくつかの実施形態では、δは、λo(n+1/4)又はλo/4に実質的に等しい。いくつかの実施形態では、ξは、δ/20以上、又はδ/10以上である。いくつかの実施形態では、ξは、δ/4以下、又はδ/5以下である。例えば、いくつかの実施形態ではδ/20≦ξ≦δ/5である。
整数nは、任意の非負の整数であってもよい。例えば、nは、ゼロであってもよい。四分の一波リターダは、例えば、n=0での不等度λo(n+1/8)≦δ≦λo(n+1/2)を満たすδ=λo/4を有する。リターダンスが正のnに対して(n+1)λo/4であるように、四分の一波リターダの厚さを増加させることにより、リターダを透過した垂直入射光の偏光状態に対して同じ変化をもたらす。いくつかの実施形態では、実質的に四分の一波リターダンスを有するものとして本明細書で説明するリターダ層は、正のnに対して(n+1)λo/4のリターダンスを有するリターダ層で置き換えられる。いくつかの実施形態では、nは0であり、いくつかの実施形態では、nは1である。
いくつかの実施形態では、リターダは、第3及び第4の縁部領域(例えば、領域446c及び446d又は領域1046c及び1046d)を更に含み、中央領域は、第1の縁部領域と第3の縁部領域との間、並びに第2の縁部領域と第4の縁部領域との間にある。いくつかの実施形態では、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、第3の縁部領域は、δ−ξに実質的に等しい平均リターダンスを有し、第4の縁部領域は、δ+ξに実質的に等しい平均リターダンスを有する。
領域の平均リターダンスは、領域にわたるリターダンスの非加重平均を指す。リターダンスは、非垂直入射光が指定されている場合を除いて、垂直入射光に対して決定される面内リターダンス又はリターダンスであると理解することができる。いくつかの実施形態では、領域は、実質的に均一なリターダンスを有し、これは、領域内のリターダンスの最大変動(領域内の最大リターダンス−最小リターダンス)が、リターダ内のリターダンスの最大変動の10%以下であることを意味すると理解することができる。リターダ内の領域の平均リターダンス又はある位置におけるリターダンスは、指定された値とその領域の平均リターダンス又はその位置におけるリターダンスとの間の差の大きさが、リターダ内のリターダンスの最大変動の10パーセント以下である場合、その指定された値に実質的に等しいと言うことができる。いくつかの実施形態では、リターダは、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、δoの第1の原点におけるリターダンスを有する。いくつかの実施形態では、δoは、δに等しい又は実質的に等しい。いくつかの実施形態では、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、第1及び第2の縁部領域のそれぞれは、実質的に均一なリターダンスを有する。いくつかの実施形態では、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、第1及び第2の縁部領域のうちの少なくとも1つは、変化するリターダンスを有する。いくつかの実施形態では、リターダは、第3及び第4の縁部領域を更に含む。いくつかの実施形態では、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、第1〜第4の縁部領域のうちの少なくとも1つは、実質的に均一なリターダンスを有する。いくつかの実施形態では、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、第1〜第4の縁部領域のそれぞれは、実質的に均一なリターダンスを有する。
いくつかの実施形態では、光を透過するための光学システムは、少なくとも1つの湾曲した主表面を有する1つ以上の光学レンズと、1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合し、所定の波長範囲内において少なくとも20%の平均光反射率を有する部分反射体と、1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する反射型偏光子であって、所定の波長範囲内において第1の偏光状態を有する光を実質的に反射し、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に透過する反射型偏光子と、1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する第1のリターダであって、所定の波長範囲内において少なくとも1つの第1の波長λ
oに対して、第1のリターダの中心がδ
oに等しいリターダンスを有するような、第1のリターダと、を含み、整数nに対して、λ
o(n+1/8)≦δ
o≦λ
o(n+1/2)であり、第1のリターダのリターダンスは、第1の方向においてリターダの中心から離れて縁部にかけて(例えば、
方向に)増加し、第2の方向においてリターダの中心から離れて縁部にかけて(例えば、
方向に)減少し、第1の方向と第2の方向との間の角度は、約60度〜約120度の範囲であり、それにより、所定の波長範囲内の光学システムの最大コントラスト比は、比較光学システムの第1のリターダがδ
oの均一なリターダンスを有することを除いて同じ構造を有する比較光学システムの最大コントラスト比よりも少なくとも5%大きい。例えば、光学システムは、図1Aに示す光学システム1000に対応してもよく、第1のリターダは、リターダ520に対応してもよい。比較光学システムは、リターダ520がδ
oの均一なリターダンスを有するリターダで置き換えられて、図1Aに示すように見える場合がある。いくつかの実施形態では、光学システムの第1のリターダは、コントラスト比が比較光学システムのコントラスト比よりも少なくとも10%、又は少なくとも15%、又は少なくとも20%、又は少なくとも25%大きいように選択される。
図9Dは、リターダ層445に対応することができるリターダ1445の平面図である。平面1401、1402、1403、及び1404が示されている。これらの平面は、点1440においてリターダ1445と交差する線(z軸に平行な)に沿って互いに交差する。各平面は、点1440を通過する対応する曲線に沿ってリターダ1445と交差する。いくつかの実施形態では、第1のリターダのリターダンスは、第1の方向1487において点1440であってもよい中心から離れてリターダ1445の縁部1473にかけて増加し、第2の方向1489においてリターダ1445の中心から離れて縁部1477にかけて減少する。いくつかの実施形態では、第1及び第2の方向1487及び1489は、平面1402及び1401とリターダ1445との第1及び第2の交線にそれぞれ沿っている。光学システムに使用される場合、この線は、光学システムの光軸であってもよく、点1440は、光軸と交差するリターダ層の第1の原点であってもよい。この場合、平面1401、1402、1403、及び1404のそれぞれは、光軸を含む。リターダ1445は、領域441に対応する中央領域、及び領域446a〜446dに対応する第1〜第4の縁部領域を含んでもよく、これらは、図9Dでは図示を容易にするためにラベル付けされていない。いくつかの実施形態では、平面1401は、中央領域及び第1の縁部領域内でリターダ1445と交差し、平面1402は、中央領域及び第2の縁部領域内でリターダ1445と交差する。いくつかの実施形態では、平面1401と1402との間の角度θ1は、約60度〜約120度の範囲、又は約70度〜約110度の範囲である。いくつかの実施形態では、角度θ1は、約90度である。いくつかの実施形態では、平面1403と1404との間の角度θ2は、約60度〜約120度の範囲、又は約70度〜約110度の範囲である。いくつかの実施形態では、角度θ2は、約90度である。いくつかの実施形態では、平面1401と1404との間の角度θ3は、約30度〜約60度の範囲、又は約35度〜約55度の範囲である。いくつかの実施形態では、角度θ3は、約45度である。
いくつかの実施形態では、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、リターダ1445は、平面1401周りの反射下で実質的に対称であり、かつ平面1402周りの反射下で実質的に対称であるリターダンスを有する。リターダの表面積の少なくとも80パーセント内の各点におけるリターダンスが、リターダのリターダンスの最大変動の10パーセント以下だけ、平面周りに点を反射することによって決定される対応する点におけるリターダンスとは異なる場合、リターダンスは、この平面周りの反射下で実質的に対称であるものとして説明することができる。いくつかの実施形態では、リターダの表面積の少なくとも90パーセント、又は少なくとも95パーセント内の各点におけるリターダンスは、リターダのリターダンスの最大変動の10パーセント以下、又は5パーセント以下だけ、平面周りに点を反射することによって決定される対応する点におけるリターダンスとは異なる。いくつかの実施形態では、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、リターダ1445は、リターダンスと点1440におけるリターダンスとの差が平面1403周りの反射下で実質的に反対称であり、かつ平面1404周りの反射下で実質的に反対称であるようなリターダンスを有する。リターダの表面積の少なくとも80パーセント内の各点におけるリターダンスの差が、リターダのリターダンスの最大変動の10パーセント以下だけ、平面周りに点を反射することによって決定される対応する点におけるリターダンスの差の負数とは異なる場合、リターダンスの差は、この平面周りの反射下で実質的に反対称であるものとして説明することができる。いくつかの実施形態では、リターダの表面積の少なくとも90パーセント、又は少なくとも95パーセント内の各点におけるリターダンスの差は、リターダのリターダンスの最大変動の10パーセント以下、又は5パーセント以下だけ、平面周りに点を反射することによって決定される対応する点におけるリターダンスの差の負数とは異なる。
いくつかの実施形態では、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λ
oに対して、第1の縁部領域のリターダンスは、第1の原点から離れて第1の縁部1477に向かう方向に減少し、第2の縁部領域のリターダンスは、第1の原点1440から離れて第2の縁部1473に向かう方向に増加する。例えば、リターダンスは、第1の原点1440から縁部1477への方向(例えば、
方向)に減少してもよく、第1の原点1440から縁部1473への方向(例えば、
方向)に増加してもよい。
図9A〜図9Dに示すリターダンス変動を有するリターダ層の製造方法は、本明細書の他の箇所で更に説明するように、リターダ層の物理的厚さを変化させること、及び/又はリターダ層内の個々の層の速光軸及び遅光軸の相対的なアライメントを変化させることを含む。
図10Aは、光軸1040に沿った原点又は頂点1057を有するリターダ層1027の概略正面図である。リターダ層1027は、頂点1057に直交する速光軸及び遅光軸1057f及び1057sを有する。リターダ層1027は、第1の位置1052に直交する速光軸及び遅光軸1052f及び1052s、並びに第2の位置1053に直交する速光軸及び遅光軸1053f及び1053sを有する。図示の実施形態では、速光軸及び遅光軸1052f及び1052sは、速光軸及び遅光軸1057f及び1057sと実質的に整列し、一方、速光軸及び遅光軸1053f及び1053sは、速光軸及び遅光軸1057f及び1057sと整列する軸に対して回転している。リターダ層1027を含む光学システムに含まれる反射型偏光子の第1又は第2の偏光状態に対応することができる、軸1057aに対する速光軸1057fの角度は、頂点1057においてβ0である。同様に、軸1052aに対する速光軸1052fの角度は、第1の位置1052でβ1であり、軸1053aに対する速光軸1053fの角度は、第2の位置1053でβ2である。図示した実施形態では、β2>β0であり、β1は、β0にほぼ等しい。いくつかの実施形態では、β0は、約45度である。いくつかの実施形態では、β0は、45度未満である。いくつかの実施形態では、β0は、45度より大きい。軸1057a、1052a、及び1053aは、リターダ層1027に接し、軸1052a及び1053aは、曲面1727に関して一般的に説明したように、軸1052a及び1057が頂点1040と第1の位置1052との間の最短曲線と共通の対応する角度を有し、軸1053a及び1057が頂点1040と第2の位置1053との間の最短曲線と共通の対応する角度を有するという点で、軸1057と整列する。リターダ層が平面である実施形態では、異なる指示がない限り、第1の偏光状態に対するリターダ層の配向は、リターダの速光軸と第1の偏光状態によって規定される軸との間の角度を指す。例えば、第1の偏光状態が直線偏光状態である場合、第1の偏光状態によって規定される軸は、第1の偏光状態を有し光軸に沿って伝播する光の電界ベクトルに沿った軸である。第1の楕円偏光状態の場合、第1の偏光状態によって規定される軸は、第1の偏光状態を有し光軸に沿って伝播する光に対する偏光楕円の長軸である。湾曲したリターダ層の場合、別段の指示がない限り、第1の偏光状態に対するリターダ層の配向は、リターダ層に接する局所軸に対する速光軸の配向を指し、局所軸は、第1の偏光状態によって規定される軸と整列する。曲面1727に関して一般的に説明したように、局所軸と、原点1057とその位置との間のリターダの表面上の最短曲線との間の角度が、第1の偏光状態によって規定される軸と原点1057におけるこの曲線との間の対応する角度と同じである場合、リターダ上の点における局所軸は、第1の偏光状態によって規定される軸と整列する。速光軸と局所軸との間の角度は、速光軸と第1の偏光状態との間の角度βと呼ばれることがある。第1の偏光状態は、光軸と交差する原点における反射型偏光子の遮断状態であってもよい。角度βがリターダにわたって実質的に一定である場合、リターダは、実質的に均一な速光軸配向を有すると言うことができる。
図10Bは、速光軸及び遅光軸の配向の可能な空間的変動を示す、リターダ層1027の概略正面図である。速軸は、図で
方向に最も近い軸である。いくつかの実施形態では、速光軸と軸1057aと整列した局所軸との間の角度βは、中心領域内で約45度であり、
及び
方向に沿ってリターダ層1027の中心からリターダ層1027の縁部にかけて単調に増加せず、
及び
方向に沿ってリターダ層1027の中心からリターダ層1027の縁部にかけて単調に減少しない。いくつかの実施形態では、速光軸と軸1057aと整列した局所軸との間の角度βは、中心領域内で約45度であり、
及び
方向に沿ってリターダ層1027の中心からリターダ層1027の縁部にかけて単調に減少せず、
及び
方向に沿ってリターダ層1027の中心からリターダ層1027の縁部にかけて単調に増加しない。いくつかの実施形態では、第1のリターダ層は、第1の偏光状態(例えば、反射型偏光子の原点又は頂点における反射型偏光子の遮断状態)と角度βをなす速光軸を有し、βは、45度未満である。いくつかの実施形態では、βは、第1のリターダ層の全域にわたって45度未満である。他の実施形態では、βは、第1のリターダ層の全域にわたって45度より大きい、又は、第1のリターダ層のいくつかの領域内で45度未満であり、かつ第1のリターダ層の他の領域内で45度よりも大きい。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの位置における速光軸は、反射型偏光子の第1及び第2の偏光状態によって画定される平面に平行ではない。例えば、第1及び第2の偏光状態は、y軸及びx軸それぞれに沿った直線偏光状態であってもよく、その場合、第1及び第2の偏光状態によって画定される平面は、x−y平面(例えば、平面847)である、又はそれに平行である。速軸1052f及び1053fは、例えば、リターダ層1027の湾曲に起因して負のz軸に沿った成分を有してもよく、そのため、第1及び第2の偏光状態によって画定される平面に平行ではないことになる。速軸1057fは、第1及び第2の偏光状態によって画定される平面に平行であってもよい。
いくつかの実施形態では、リターダ層1027は、重なり合わない中央領域並びに第1及び第2の縁部領域を含む。例えば、中央領域並びに第1及び第2の縁部領域は、図9Cに示す領域441、446a、及び446bに対応する幾何学的配置を有してもよい。リターダ層1027は、領域446c及び446dに対応することができる第3及び第4の領域を更に含むことができる。中央領域は、光軸1040と交差する第1のリターダ層の原点を含む。いくつかの実施形態では、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、中央領域は、θに実質的に等しい第1の偏光状態(例えば、反射型偏光子の遮断状態)に対する平均速軸配向を有し、第1の縁部領域は、θ−εに実質的に等しい第1の偏光状態に対する平均速軸配向を有し、第2の縁部領域は、θ+εに実質的に等しい第1の偏光状態に対する平均速軸配向を有し、式中、θは、35〜55度の範囲であり、εは、0.5〜20度の範囲である。いくつかの実施形態では、θは、少なくとも35度、又は少なくとも40度である。いくつかの実施形態では、θは、55度以下、又は50度以下である。いくつかの実施形態では、角度θは、約45度である。いくつかの実施形態では、εは、少なくとも0.5度、又は少なくとも1度、又は少なくとも2度である。いくつかの実施形態では、εは、20度以下、又は15度以下、又は10度以下である。
領域の平均速軸配向とは、領域にわたる速軸配向の非加重平均を指す。いくつかの実施形態では、領域は、実質的に均一な速軸配向を有し、これは、領域内の速軸配向の最大変動(領域内の最大速軸配向−最小速軸配向)が、リターダ内の速軸配向の最大変動の10%以下であることを意味すると理解することができる。リターダ内の領域の平均速軸配向又はある位置における速軸配向は、指定された値とその領域の平均速軸配向又はその位置における速軸配向との間の差の大きさが、リターダ内の速軸配向の最大変動の10パーセント以下である場合、その指定された値に実質的に等しいと言うことができる。いくつかの実施形態では、リターダは、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、θoの第1の偏光状態に対する第1の原点における速軸を有する。いくつかの実施形態では、θoは、θに等しい又は実質的に等しい。いくつかの実施形態では、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、第1及び第2の縁部領域のそれぞれは、実質的に均一な速軸配向を有する。いくつかの実施形態では、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、第1及び第2の縁部領域のうちの少なくとも1つは、変化する速軸配向を有する。
図10Cは、リターダ層1027に対応することができるリターダ2445の平面図である。平面2401、2402、2403、及び2404が示されている。これらの平面は、点2440においてリターダ2445と交差する線(z軸に平行な)に沿って互いに交差する。各平面は、点2440を通過する対応する曲線に沿ってリターダ2445と交差する。いくつかの実施形態では、第1のリターダのリターダンスは、第1の方向2487において点2440であってもよい中心から離れてリターダ2445の縁部2473にかけて増加し、第2の方向2489においてリターダ2445の中心から離れて縁部2477にかけて減少する。いくつかの実施形態では、第1及び第2の方向2487及び2489は、平面2402及び2401とリターダ2445との第1及び第2の交線にそれぞれ沿っている。光学システムに使用される場合、この線は、光学システムの光軸であってもよく、点2440は、光軸と交差するリターダの第1の原点であってもよい。この場合、平面2401、2402、2403、及び2404のそれぞれは、光軸を含む。リターダ2445は、領域441に対応する中央領域、及び領域446a〜446dに対応する第1〜第4の縁部領域を含んでもよく、これらは、図9Cに示されており、図10Cでは図示を容易にするためにラベル付けされていない。いくつかの実施形態では、平面2401は、中央領域及び第1の縁部領域内でリターダ2445と交差し、平面2402は、中央領域及び第2の縁部領域内でリターダ2445と交差する。いくつかの実施形態では、平面2401と2402との間の角度θ4は、約60度〜約120度の範囲、又は約70度〜約110度の範囲である。いくつかの実施形態では、角度θ4は、約90度である。いくつかの実施形態では、平面2403と2404との間の角度θ5は、約60度〜約120度の範囲、又は約70度〜約110度の範囲である。いくつかの実施形態では、角度θ5は、約90度である。いくつかの実施形態では、平面1401と1404との間の角度θ6は、約30度〜約60度の範囲、又は約35度〜約55度の範囲である。いくつかの実施形態では、角度θ6は、約45度である。
いくつかの実施形態では、リターダ2445は、リターダ1445に関して説明したように可変リターダンスを有する。平面2401、2402、2403、及び2404は、平面1401、1402、1403、及び1404それぞれと同じ又は異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、平面1401と2401との間の角度は、30度未満、又は20度未満、又は10度未満である。同様に、いくつかの実施形態では、平面1402と2402との間、及び/又は平面1403と2403との間、及び/又は平面1404と2404との間の角度は、30度未満、又は20度未満、又は10度未満である。
いくつかの実施形態では、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、リターダ2445は、平面2401周りの反射下で実質的に対称であり、かつ平面2402周りの反射下で実質的に対称である速軸配向を有する。リターダの表面積の少なくとも80パーセント内の各点における速軸配向が、リターダの速軸配向の最大変動の10パーセント以下だけ、平面周りに点を反射することによって決定される対応する点における速軸配向とは異なる場合、速軸配向は、この平面周りの反射下で実質的に対称であるものとして説明することができる。いくつかの実施形態では、リターダの表面積の少なくとも90パーセント、又は少なくとも95パーセント内の各点における速軸配向は、リターダの速軸配向の最大変動の10パーセント以下、又は5パーセント以下だけ、平面周りに点を反射することによって決定される対応する点における速軸配向とは異なる。いくつかの実施形態では、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、リターダ2445は、速軸配向と点2440における速軸配向との差が平面2403周りの反射下で実質的に反対称であり、かつ平面2404周りの反射下で実質的に反対称であるような速軸配向を有する。リターダの表面積の少なくとも80パーセント内の各点における速軸配向の差が、リターダの速軸配向の最大変動の10パーセント以下だけ、平面周りに点を反射することによって決定される対応する点における速軸配向の差の負数とは異なる場合、速軸配向の差は、この平面周りの反射下で実質的に反対称であるものとして説明することができる。いくつかの実施形態では、リターダの表面積の少なくとも90パーセント、又は少なくとも95パーセント内の各点における速軸配向の差は、リターダの速軸配向の最大変動の10パーセント以下、又は5パーセント以下だけ、平面周りに点を反射することによって決定される対応する点における速軸配向の差の負数とは異なる。
いくつかの実施形態では、リターダは、リターダ1445に関して説明したようなリターダンスの反射対称性及び/又は反対称性、並びにリターダ2445に関して説明したような速軸配向の反射対称性及び/又は反対称性を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、リターダは、第1の平面(例えば、平面1401)周りの反射下で実質的に対称であり、かつ第2の平面(例えば、平面1403)周りの反射下で実質的に対称であるリターダンスを有し、リターダは、原点(例えば、点1440又は2440)におけるδoのリターダンスを有し、リターダのリターダンスとδoとの間の差は、第3の平面(例えば、平面1403)周りの反射下で実質的に反対称であり、かつ第4の平面(例えば、平面1404)周りの反射下で実質的に反対称である。リターダは、第5の平面(例えば、平面2401)周りの反射下で実質的に対称であり、かつ異なる第6の平面(例えば、平面2402)周りの反射下で実質的に対称である、第1の偏光状態に対する速軸配向を有し、リターダは、θoの第1の原点における第1の偏光状態に対する速軸配向を有し、第1の偏光状態に対する第1のリターダの速軸配向とθoとの間の差は、第7の平面(例えば、平面2403)周りの反射下で実質的に反対称であり、かつ異なる第8の平面(例えば、平面2404)周りの反射下で実質的に反対称である。
いくつかの実施形態では、光を透過するための光学システムは、少なくとも1つの湾曲した主表面を有する1つ以上の光学レンズと、1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合し、所定の波長範囲内において少なくとも20%の平均光反射率を有する部分反射体と、1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する反射型偏光子であって、所定の波長範囲内において第1の偏光状態を有する光を実質的に反射し、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に透過する反射型偏光子と、1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する第1のリターダであって、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λ
oに対して、第1のリターダの中心がθ
oに等しい速光軸に対する速軸配向を有するような、第1のリターダと、を含み、θ
oは、35〜55度の範囲であり、第1のリターダの速軸配向は、第1の方向においてリターダの中心から離れて縁部にかけて(例えば、
方向に)増加し、第2の方向においてリターダの中心から離れて縁部にかけて(例えば、
方向に)減少し、第1の方向と第2の方向との間の角度は、約60度〜約120度の範囲であり、それにより、所定の波長範囲内の光学システムの最大コントラスト比は、比較光学システムの第1のリターダがθ
oの第1の偏光状態に対する均一な速軸配向を有することを除いて同じ構造を有する比較光学システムの最大コントラスト比よりも少なくとも5%大きい。例えば、光学システムは、図1Aに示す光学システム1000に対応してもよく、第1のリターダは、リターダ520に対応してもよい。比較光学システムは、リターダ520がθ
oの第1の偏光状態に対する均一な速軸配向を有するリターダで置き換えられて、図1Aに示すように見える場合がある。いくつかの実施形態では、光学システムの第1のリターダは、コントラスト比が比較光学システムのコントラスト比よりも少なくとも10%、又は少なくとも15%、又は少なくとも20%、又は少なくとも25%大きいように選択される。
いくつかの実施形態では、光学システムの第1リターダは、不均一なリターダンス及び不均一な速軸配向を有し、比較光学システムの第1のリターダは、第1の原点における光学システムの第1のリターダのリターダンス及び速軸配向に等しい均一なリターダンス及び均一な速軸配向を有する。この場合、第1のリターダのリターダンス分布及び速軸分布は、光学システムが比較光学システムのコントラスト比よりも少なくとも5%、又は少なくとも10%、又は少なくとも15%、又は少なくとも20%、又は少なくとも25%、又は少なくとも30%大きいコントラスト比を有するように選択されてもよい。
いくつかの実施形態では、不均一なリターダンスを有するリターダが提供される。少なくとも1つの所定の波長に対して、かつリターダの第1の領域内の第1の点を通り第1の点でリターダに直交する線に沿って交差する異なる第1〜第4の平面に対して、不均一なリターダンスは、第1の平面周りの反射及び第2の平面周りの反射のそれぞれの下で実質的に対称であり、不均一なリターダンスと第1の点におけるリターダのリターダンスとの間の差は、第3の平面周りの反射及び第4の平面周りの反射のそれぞれの下で実質的に反対称である。そのようなリターダは、本明細書に記載される光学システムのいずれかのリターダ層(例えば、リターダ層420又は520)に使用することができる。
いくつかの実施形態では、不均一な速軸配向を有するリターダが提供される。少なくとも1つの所定の波長に対して、かつリターダの第1の領域内の第1の点を通り第1の点でリターダに直交する線に沿って交差する異なる第1〜第4の平面に対して、不均一な速軸配向は、第1の平面周りの反射及び第2の平面周りの反射のそれぞれの下で実質的に対称であり、不均一な速軸配向と第1の点におけるリターダの速軸配向との間の差は、第3の平面周りの反射及び第4の平面周りの反射のそれぞれの下で実質的に反対称である。そのようなリターダは、本明細書に記載される光学システムのいずれかのリターダ層(例えば、リターダ層420又は520)に使用することができる。速軸配向は、例えば、反射型偏光子の第1の偏光状態に対して指定されてもよい。
いくつかの実施形態では、不均一なリターダンス及び不均一な速軸配向を有するリターダが提供される。少なくとも1つの所定の波長に対して、かつリターダの第1の領域内の第1の点を通り第1の点でリターダに直交する線に沿って交差する異なる第1〜第4の平面及び異なる第5〜第8の平面に対して、不均一なリターダンスは、第1の平面周りの反射及び第2の平面周りの反射のそれぞれの下で実質的に対称であり、不均一なリターダンスと第1の点におけるリターダのリターダンスとの間の差は、第3の平面周りの反射及び第4の平面周りの反射のそれぞれの下で実質的に反対称であり、不均一な速軸配向は、第5の平面周りの反射及び第6の平面周りの反射のそれぞれの下で実質的に対称であり、不均一な速軸配向と第1の点におけるリターダの速軸配向との間の差は、第7の平面周りの反射及び第8の平面周りの反射のそれぞれの下で実質的に反対称である。そのようなリターダは、本明細書に記載される光学システムのいずれかのリターダ層(例えば、リターダ層420又は520)に使用することができる。いくつかの実施形態では、第1の平面と第2の平面との間の角度は、約90度であり、第3の平面と第4の平面との間の角度は、約90度であり、第1の平面と第3の平面との間の角度は、約45度である。いくつかの実施形態では、第5の平面と第6の平面との間の角度は、約90度であり、第7の平面と第8の平面との間の角度は、約90度であり、第5の平面と第7の平面との間の角度は、約45度である。いくつかの実施形態では、第1及び第5の平面は、同じであり、第2及び第6の平面は、同じであり、第3及び第7の平面は、同じであり、第4及び8つの平面は、同じである。
本明細書の光学システムに使用されるリターダ層(単数又は複数)は、フィルム若しくはコーティング、又はフィルムとコーティングとの組み合わせとすることができる。好適なフィルムとしては、例えば、Meadowlark Optics(Frederick,CO)から入手可能なものなどの複屈折ポリマーフィルムリターダが挙げられる。リターダ層を形成するのに好適なコーティングとしては、米国特許出願公開第2002/0180916号(Schadtら)、同第2003/028048号(Cherkaouiら)、同第2005/0072959号(Moiaら)、及び同第2006/0197068号(Schadtら)、並びに米国特許第6,300,991号(Schadtら)に記載されている線状光重合性ポリマー(linear photopolymerizable polymer)(LPP)材料及び液晶ポリマー(liquid crystal polymer)(LCP)材料が挙げられる。好適なLPP材料としては、ROP−131 EXP 306 LPPが挙げられ、好適なLCP材料としては、ROF−5185 EXP 410 LCPが挙げられ、双方ともROLIC Technologies Ltd.(Allschwil,Switzerland)より入手可能である。
そのようなリターダ層は、基材(例えば、反射型偏光子)の表面上に、又はレンズ上にLPP材料を堆積させることによって作製することができる。次いで、LPP材料は、偏光で紫外線(ultraviolet)(UV)硬化して、リターダ層の遅軸となる偏光軸に沿ってLPP材料を配向することができる。LPP材料を硬化させるために使用されるUV光の偏光の配向は、UV光及びリターダ層の偏光軸の相対的配向を変化させることによってパターン化することができる。例えば、UV光源とLPP材料との間に配置された偏光子の配向は、LPP材料がUV光源の下を通過するときに変化させることができる。いくつかの実施形態では、LPP材料は、レンズの主表面上に(例えば、スピンコーティングを介して)堆積され、レンズは、レンズの方位及び軸方向の向きを変化させながら、直線方向に沿って偏光UV光源の下でレンズを移動させることができる多軸システム(例えば、3軸システム)上に取り付けられる。このようにして、連続的に変化するLPP層の配向を得ることができる。
次いで、LCP層を(例えば、スピンコーティングを介して)LPP層上に適用する。LCP分子は、LPP層と整列する。次いで、LCP層を硬化させることができる。いくつかの実施形態では、LCP層は、米国特許出願第2006/0197068号(Schadtら)に記載されているようなLPP材料を含む。この場合、LCP層を部分的に硬化させた後に偏光UV光源を使用することによって配向することができるLCP層に含まれるLPP材料により、隣接する層用のアライメントテンプレートを1つのLCP層の表面が提供して、複数のLCP層を互いに直接積層することができる。アライメント層としてLPP層を使用することに対する代替案は、所望の局所的アライメント方向に沿って擦られたポリマー基材を使用することである。しかしながら、典型的には、LPP層を使用することが好ましく、なぜなら、これが摩擦プロセスから生じる可能性がある破片を排除するためである。
いくつかの実施形態では、速軸及び遅軸は、リターダの表面に平行である。他の実施形態では、速軸又は遅軸は、リターダの表面に対して傾斜し、平行でなくてもよい。これは、LPP層を非垂直入射で直線偏光UVに曝露することによって達成することができる。これにより、例えば、米国特許第6,300,991号(Schadtら)に記載されているように、LPP層の分子を傾斜させる。
本明細書の光学システムを説明する際、光学システムのコントラスト比が最大である所定の波長を参照することが有用であり得る。コントラスト比は、ANSI/INFOCOMM 3M−2011規格にあるように定義することができ、ディスプレイは、8つの白色及び8つの黒色の16個の矩形のチェッカーボードパターンを放射する。白色正方形の全ての射出瞳における輝度値を測定して平均し、黒色正方形の全ての射出瞳における輝度値を測定して平均する。平均白色輝度と平均黒色輝度との比は、コントラスト比である。
図11は、波長の関数としての光学システムのコントラスト比のグラフである。コントラスト比は、波長λ1で極大771、及び波長λ2で極大773を有する。波長λ1及びλ2は、S=λ2−λ1だけ分離している。所定の波長として選択される波長は、λ1又はλ2のいずれかであってもよい。いくつかの実施形態では、所定の波長における最大コントラスト比は、所定の波長の20nm以内の極大値である。すなわち、コントラスト比は、所定の波長における極大値であり、所定の波長のS=20nm以内の波長におけるコントラスト比は、極大値よりも高くない。他の極大値は、所定の波長から20nmより大きい波長に存在してもよい。いくつかの実施形態では、所定の波長における最大コントラスト比は、所定の波長の150nm以内の最大値である。すなわち、コントラスト比は、所定の波長における最大値であり、所定の波長のS=150nm以内の波長におけるコントラスト比は、最大値よりも高くない。いくつかの実施形態では、所定の波長における最大コントラスト比は、可視範囲内において最大値である。すなわち、いくつかの実施形態では、コントラスト比が所定の波長におけるよりも高い400nm〜700nmの範囲の波長は、存在しない。いくつかの実施形態では、コントラスト比は、可視範囲内において単一の最大値を有し、この最大値は、所定の波長である。いくつかの実施形態では、所定の波長は、約550nmである。いくつかの実施形態では、所定の波長は、約545nm〜約555nmである。いくつかの実施形態では、所定の波長は、約450nmである。いくつかの実施形態では、所定の波長は、約650nmである。いくつかの実施形態では、所定の波長は、原色波長(例えば、赤色、緑色、又は青色の波長)である。
いくつかの実施形態では、リターダ層は、単一層であり、いくつかの実施形態では、リターダ層は、複数の積層した層を含む。複数の層を使用して、例えば、リターダンスの空間分布を調整することができ、並びに/又は、改善された波長分散、及び/若しくは改善された角分散(例えば、立体円錐角内のリターダンス変化の低減)を得ることができる。
図12は、LPP層1061と、LPP層1061上に直接形成されたLCP層1062と、LCP層1062上に直接形成されたLPP1063層と、LPP層1063上に直接形成されたLCP層1064とを含む、リターダ層1065の概略断面図である。リターダ層1065は、少なくとも、LCP層1062及び1064に対応する第1及び第2の積層リターダ層を含む。本明細書で使用するとき、第2の要素と「一体的に形成された」第1の要素は、第1及び第2の要素が、別個に形成されるのではなく一緒に形成され、その後接合されることを意味する。一体的に形成されたは、第1の要素を形成し、続いて第2の要素を第1の要素上に形成することを含む。例えば、配向ポリマーリターダを最初に形成し、次いで配向ポリマーリターダ上に液晶リターダを形成することによって(例えば、配向ポリマーリターダ上にLLP層をコーティングし、硬化させ、次いでLLP層上にLPP層をコーティングし、硬化することによって)、液晶リターダを、配向ポリマーリターダと一体的に形成してもよい。本明細書で使用するとき、構成要素は、単一の要素から、又は複数の要素から一体的に形成される場合、一体型である。例えば、リターダ層1065は、LPP層1061、LCP層1062、LPP層1063、及びLCP層1064から一体的に形成されているため、一体型である。いくつかの実施形態では、LPP層1063は、省略される、又は、例えば、米国特許出願第2006/0197068号(Schadtら)に記載の組成物を使用して、LCP層1062及び1064と同じ材料から形成される。
複数の層を用いることにより、リターダのパターニングに、より高い柔軟性が可能になる。図13は、所望のリターダンス変動を生成するために異なってパターン化することができる複数の積層リターダ層1072、1074、1076を含む、一体型リターダとすることができるリターダ層1075の概略図である。層1071は、LPP層であってもよいアライメント層である、又は何らかの他の種類のアライメント層(例えば、アライメント方向に擦られた表面を有する基材)であってもよい。層1072、1074、及び1076はそれぞれ、LCP層であってもよい。層1072は、アライメント層1071によって整列される。層1074は、層1072の上面のアライメントによって整列される。これは、米国特許出願第2006/0197068号(Schadtら)に記載されているようにLCP層内にLPP型材料を含めることによって、あるいは層1072の上面を擦ることによって、達成することができる。層1076は、層1074の上面のアライメントによって同様に整列されてもよい。
図14は、図12又は図13のリターダ層の層に対する例示的なパターンの概略正面図である。リターダ層1075は、周辺領域1046a〜1046dによって囲まれた中央領域1041を含む。いくつかの実施形態では、リターダ層1072、1074、及び1076のうちの1つは、所定の波長の1/4の所定の波長でのリターダンスを有するパターン化されていないリターダ層であり、リターダ層1072、1074、及び1076のうちの他の2つは、図14に示すようにパターン化されている。これらの2つの他のリターダ層のうちの一方は、中央領域1041内に正のリターダンスを有してもよく、他方は、中央領域1041内にこの正のリターダンスに等しい大きさを有する負のリターダンスを有してもよい。この場合、これらの層のリターダンスは、層の厚さに、この場合パターン化されていない層の遅軸及び速軸によって規定される軸であるリターダの実効遅軸及び速軸に沿った屈折率の差をかけたものを指す。いくつかの実施形態では、2つのパターン化された層のそれぞれは、領域1046b及び1046d内で正のリターダンス、並びに領域1046a及び1046c内で負の複屈折を有する。この実施例では、リターダ層1075の中央領域は、所定の波長の1/4のリターダンスを有し、領域1046b及び1046dに対応するリターダ層1075の領域は、所定の波長の1/4より大きいリターダンスを有し、領域1046a及び1046cに対応するリターダ層1075の領域は、所定の波長の1/4未満のリターダンスを有する。
別の実施例を図15に示し、この図は、積層されたリターダ層1162a〜1162eを含み、基材1160上に配置された、リターダ層1165の概略断面図である。領域1163aでは、リターダ層1162a〜1162eの各々は、固定された実効速光軸及び遅光軸に対してr1のリターダンスを有し、それにより、領域1163aのリターダンスは、5 r1である。領域1163bでは、リターダ層1162aは、−r1のリターダンスを有し、リターダ層1162b〜1162eの各々は、r1のリターダンスを有し、それにより、領域1163bのリターダンスは3 r1である。領域1163cでは、リターダ層1162a〜1162bの各々は、−r1のリターダンスを有し、リターダ層1162c〜1162eの各々は、r1のリターダンスを有し、それにより、領域1163cのリターダンスは、r1である。領域1163dでは、リターダ層1162a〜1162cの各々は、−r1のリターダンスを有し、リターダ層1162d〜1162eの各々は、r1のリターダンスを有し、それにより、領域1163dのリターダンスは、−r1である。領域1163eでは、リターダ層1162a〜1162dの各々は、−r1のリターダンスを有し、リターダ層1162eは、r1のリターダンスを有し、それにより、領域1163eのリターダンスは、−3 r1である。領域1163fでは、リターダ層1162a〜1162eの各々は、−r1のリターダンスを有し、それにより、領域1163fのリターダンスは、−5 r1である。
複数の層を用いて、所望の分散を生成することもできる。図16Aは、リターダ層に関するリターダンス(例えば、nmでの)対波長の概略図である。リターダンス対波長は、波長分散曲線1600aである。分散曲線1600aは、ROLIC LCMO無色リターダの分散曲線と同様である。分散曲線1600aは、λ1〜λ2の所定の波長範囲の下限λ1及び上限λ2内に、かつそれらから離れてピーク1607を有する。分散曲線1600aを有するリターダ層は、例えば、波長λ3で実質的に四分の一波リターダであってもよく、所定の波長範囲内の波長範囲(例えば、λ3〜λ2)にわたって実質的に四分の一波であってもよい。図16Bは、異なるリターダ層に関する波長分散曲線1600bの概略図である。分散曲線1600bは、配向ポリマー層のリターダなどの従来のリターダの分散曲線と同様である。分散曲線1600bは、所定の波長範囲内で波長の増加とともに単調に変化する。分散曲線1600bを有するリターダ層は、例えば、波長λ4で実質的に四分の一波リターダであってもよく、この波長は、分散曲線1600aを有するリターダ層が実質的に四分の一波リターダである任意の波長とは異なってもよい。
図16Cは、共通のグラフ上に示した分散曲線1600a及び1600bの概略図である。波長分散曲線1600a及び1600bは、所定の波長範囲内の波長λ5で互いに交差する。リターダ層のうちの一方が分散曲線1600aを有し他方が分散曲線1600bを有する2つのリターダ層が組み合わされ、2つのリターダ層が互いに平行な対応する速軸と整列した場合、共通の速軸方向及び遅軸方向に対する固定軸リターダンスは、図16Cのように見えることになる。2つのリターダ層が互いに直交する対応する速軸と整列した場合、分散曲線1600aを有するリターダ層の速軸及び遅軸に対する固定軸リターダンスは、2つのリターダ層に対する固定軸リターダンス対波長を模式的に示す図16Dのように見えることになる。この場合、分散曲線1600bを有するリターダ層は、分散曲線1600bの負数である波長の関数として固定軸リターダンス1601bを有する。
より一般的には、いくつかの実施形態では、光学システムは、例えば、可視範囲又は可視範囲内の1つ以上の分離した範囲の結合であってもよい所定の波長範囲内の第1の波長分散曲線を有する第1のリターダ層と、部分反射体と反射型偏光子との間に配置され、所定の波長範囲内の第1の波長分散曲線とは異なる第2の波長分散曲線を有する第2のリターダ層とを含む。いくつかの実施形態では、第1及び第2の波長分散曲線は、所定の波長範囲内の少なくとも1つの波長で互いに交差する。いくつかの実施形態では、第1及び第2の分散曲線のうちの少なくとも1つは、所定の波長範囲内で波長の増加とともに単調に変化する(例えば、両方の分散曲線は、例えば、リターダ層の異なる材料の使用から生じる分散曲線間の差異を有する1600bとして一般的に見える場合がある)。いくつかの実施形態では、第1及び第2の分散曲線のうちの少なくとも1つは、所定の波長範囲の下限及び上限内に、かつそれらから離れて少なくとも1つのピークを含む(例えば、両方の分散曲線は、例えば、リターダ層の異なる材料の使用から生じる分散曲線間の差異を有する1600aとして一般的に見える場合がある)。
いくつかの実施形態では、波長分散曲線1600a及び1600bをそれぞれ有する第1及び第2のリターダ層を含む光学システムは、波長λ3及びλ4とは異なる所定の波長で最大コントラスト比を有する。
いくつかの実施形態では、両方のリターダ層は、有色波長分散曲線を有する。そのような波長分散曲線は、リターダンスが波長の1/4である連続波長範囲を有さない。いくつかの実施形態では、各リターダ層は、単一波長で波長の1/4のリターダンスを有する。いくつかの実施形態では、この単一波長は、異なるリターダ層に対して異なる。
図16Eは、異なる第1及び第2の有色リターダそれぞれに関する波長分散曲線1600e及び1600fの概略図である。分散曲線1600e及び1600fのそれぞれは、λ1〜λ2の所定の波長範囲内で波長の増加とともに単調に変化する。曲線1689は、リターダンスが波長の1/4に等しい場合を示す。第1の有色リターダは、第1の波長λ6で四分の一波リターダンスを有し、第2の有色リターダは、異なる第2の波長λ7で四分の一波リターダンスを有する。
指定された波長で実質的に四分の一波リターダとして説明するリターダ層は、リターダ層が、リターダ層の表面積の少なくとも80パーセントに関して、垂直入射する偏光していない光に対して、指定された波長の1/4の5パーセント以内のリターダンスを有することを意味すると理解することができる。リターダ層は、第1の波長で実質的に四分の一波リターダであってもよく、異なる第2の波長で四分の一波とは実質的に異なるリターダンスを有してもよい。第2の波長で四分の一波とは実質的に異なるリターダンスは、リターダンスが第2の波長の1/4の5パーセント以内でないことを意味すると理解することができる。四分の一波リターダは、空間的に均一な配向又は空間的に不均一な配向を有してもよい。
いくつかの実施形態では、光学システムは、異なる波長分散曲線を有する第1及び第2のリターダ層を含み、第1及び第2のリターダ層のうちの少なくとも1つは、空間的に不均一なリターダンスを有する。そのような実施形態では、波長分散曲線は、異なる指示がない限り、それぞれのリターダ層の重心での分散曲線を指す。重心は、リターダの表面の面積の中心であり、光学システムの光軸と交差する点であってもよい。例えば、頂点1057は、光軸1040と交差するリターダ層1027の重心である。いくつかの実施形態では、波長分散曲線は、光軸と交差するそれぞれのリターダ層の原点における分散曲線を指す。
複数のリターダ層を単一の全体リターダ層に積層することにより、この全体リターダを組み込む光学システムにおいて改善された光学特性を提供することができる正味の分散曲線を得ることができる。
いくつかの実施形態では、光学システムは、互いに分離した異なる第1及び第2のリターダ層を含む。第1のリターダ層は、第1の波長分散曲線を有するように選択することができ、第2のリターダ層は、異なる第2の波長分散曲線を有するように選択することができる。第1及び第2の分散曲線は、所望の分散からの一方のリターダ層の分散の偏差が、所望の分散からの他方のリターダ層における分散の偏差によって少なくとも部分的に補償されるように選択されてもよい。いくつかの実施形態では、リターダの一方又は両方は、異なるリターダンス及び配向を有する2つ以上の層を含む積層リターダであってもよい。例えば、複合リターダを無色又はほぼ無色にするためにである。
空間的に変化するリターダンスを提供する別の手法は、リターダ層の厚さを空間的に変化させることである。図17は、基材1760上に配置されたリターダ層1765の概略断面図である。基材1760は図17では平坦な基材として示されているが、代替的に、リターダ層1765は、光学レンズの湾曲した主表面上に配置されてもよいことが理解されるであろう。リターダ層1765は、可変厚さを有し、中心付近よりも層の縁部付近で厚くなっている。そのような厚さ分布は、例えば、リターダ層にもかかわらず、スピンコーターを使用して得ることができる。図示の実施形態では、リターダ層1765は、第1及び第2の積層リターダ層1763及び1767を含む。他の実施形態では、可変厚さを有するリターダ層は、1つの層のみを有する。いくつかの実施形態では、第1の積層リターダ層1763は、均一な物理的厚さ及び可変配向を有し、第2の積層リターダ層1767は、均一な配向及び可変物理的厚さを有する。他の実施形態では、リターダ層1765は、層の中心付近でより厚く、縁部付近でより薄い。いくつかの実施形態では、リターダ層1765は、中心付近に第1の厚さを有し、リターダ層1765の縁部に近接したリターダ層1765の一部分により厚い第2の厚さを有し、リターダ層1765の縁部に近接したリターダ層1765の異なる部分により薄い第3の厚さを有する。例えば、リターダ層1765は、図9Cに示すリターダンス分布を与えるように選択された厚さ分布を有してもよい。リターダ層1765は、havgの平均物理的厚さを有する。
任意の好適な方法を使用して、リターダ層の厚さの変動を提供することができる。いくつかの実施形態では、層厚さの変動は、基材の表面上にリターダコーティングを適用するために使用されるコーティング方法によって提供される。例えば、リターダ層は、光学レンズの曲面上にスピンコーティングされてもよく、コーティングの厚さは、光学レンズの光軸からの半径方向位置によって変化してもよい。所望の厚さ分布を提供する他の方法としては、化学エッチング、プラズマエッチング、集束イオンビームエッチング、レーザーアブレーション、及びエンボス加工が挙げられる。好適な選択的プラズマエッチング技術は、例えば、「Selective Plasma Etching of Polymeric Substrates for Advanced Applications」(Puliyalil及びCvelbar、Nanomaterials 2016,6,108)に記載されている。好適な化学エッチング剤としては、アルカリ金属塩、例えば、水酸化カリウム;可溶化剤、例えば、アミン及びエチレングリコールなどのアルコールの一方又は両方を有するアルカリ金属塩を挙げることができる。選択される化学エッチング剤は、リターダ層の材料に応じて異なってもよい。いくつかの実施形態に好適な化学エッチング剤としては、米国特許出願公開第2007/0120089号(Maoら)により詳細に記載されているものなどのKOH/エタノールアミン/エチレングリコールエッチング剤が挙げられる。他の好適な化学エッチング剤としては、米国特許出願公開第2013/0207031号(Palaniswamy)により詳細に記載されているものなどのKOH/グリシンエッチング剤が挙げられる。
スピンコーティングを使用して、リターダ層(例えば、LPP層、続いてLCP層)を適用することができる。リターダ層は、未硬化リターダ材料がレンズの頂点付近に適用されている間にレンズを回転させるスピンコーターの回転式プラットフォーム上にレンズを取り付けることによって、レンズ上にスピンコーティングすることができる。回転速度及び材料の量を調整して、所望の厚さを得ることができる。厚さ分布は、必要に応じてエッチングによって更に調整することができる。いくつかの実施形態では、光学システムは、離間した第1及び第2のリターダ層を含む。いくつかの実施形態では、第1のリターダ層は、より小さい第1の平均物理的厚さを有する第1のスピンコーティングされたリターダ層を含み、第2のリターダ層は、より大きい第2の平均物理的厚さを有する第2のスピンコーティングされたリターダ層を含む。
図18は、偏光楕円1111がAの長軸及びBの短軸を有する楕円偏光状態を概略的に示す。長軸Aは、x軸に対してψの角度にある。偏光状態の差は、慣習的にI、Q、U、及びVで示され、ストークスベクトルS=(I,Q,U,V)Tに組み合わされてもよいストークスパラメータに関して特徴付けることができる。パラメータIは、合計放射輝度を表し、Qは、基準平面に対して平行又は垂直に直線偏光された放射輝度を表し、Uは、基準平面に対して45度の方向に直線偏光された放射輝度を表し、Vは、円偏光の放射輝度を表す。基準面は、図18のx−z平面を指す。正のQは、x軸に沿って直線偏光された光の部分を表し、負のQは、y軸に沿って直線偏光された光の部分を表す。正のUは、45度の角度ψで直線偏光された光の部分を表し、負のUは、−45度の角度ψで直線偏光の光の部分を表す。正のVは、右円偏光された光の部分を表し、負のVは、左円偏光された光の部分を表す。
第1の偏光状態と第2の偏光状態との間の差は、本明細書では、第2の偏光状態をその遮断状態として有する完全偏光子を透過する第1の偏光状態を有する光の強度の割合として定義される。直線偏光状態に関して、この差は、1−cos2αとして表すことができ、式中、αは、偏光状態間の角度である。ストークスパラメータに関して、これは、ストークスベクトルS=(I,Q,U,V)Tによって特徴付けられる偏光状態とx軸に沿った直線偏光状態との間の差が、1/2(1−Q/I)によって与えられ、ストークスベクトルSによって特徴付けられる偏光状態とy軸に沿った直線偏光状態との間の差が、1/2(1+Q/I)によって与えられることを意味する。この定義では、偏光状態の差は、0(同じ偏光状態)〜1(直交する偏光状態)であることに留意されたい。
いくつかの実施形態では、光学システムは、反射型偏光子と、反射型偏光子に隣接し、それから離間した部分反射体と、反射型偏光子の反対側の部分反射体に近接して配置された第1のリターダと、部分反射体と反射型偏光子との間に配置された第2のリターダと、を含む。いくつかの実施形態では、第1及び第2のリターダのうちの少なくとも1つは、空間的に不均一なリターダンス及び/又は空間的に不均一な速軸配向を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のリターダは、異なる波長分散曲線を有する。いくつかの実施形態では、光学システムは、1つ以上の光学レンズを含み、反射型偏光子及び部分反射体は、1つ以上の光学レンズの異なる主表面上に配置され、それに適合する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のリターダの一方又は両方は、1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する。いくつかの実施形態では、第1のリターダは、ディスプレイパネル上に配置される。いくつかの実施形態では、1つ以上の光学レンズは、少なくとも1つの湾曲した主表面を有する。いくつかの実施形態では、湾曲した主表面は、2つの直交する方向周りに湾曲している。他の実施形態では、1つ以上の光学レンズは、湾曲した主表面を有さない(例えば、屈折率分布型レンズ)。いくつかの実施形態では、1つ以上の光学レンズは、少なくとも1つの軸に沿ってゼロでない屈折力を有する。いくつかの実施形態では、光学システムは、ディスプレイパネルを更に含むディスプレイシステムの一部分である。
本明細書の光学システム又はディスプレイシステムのいずれかは、ヘッドマウントディスプレイ(例えば、仮想現実ディスプレイ)などのデバイスに使用してもよい。図19は、フレーム1792と、第1及び第2の表示部分1794a及び1794bと、を備えるヘッドマウントディスプレイ1790の概略上面図である。第1の表示部分1794aは、外面1782a及び内面1784aを備え、第2の表示部分1794bは、外面1782b及び1784bを備える。第1及び第2の表示部分1794a及び1794bのそれぞれは、本明細書の光学システム又はディスプレイシステムを含んでもよい。例えば、第1の表示部分1794a(及び同様に第2の表示部分1794b)は、ディスプレイパネル(対象物100に対応)が外面1782aに隣接し、光学レンズ210が内面1784aの方を向いている、光学システム1000を含んでもよい。一部の実施形態では、部分1794a及び1794bにまたがる単一のディスプレイパネルを、別個のディスプレイパネルの代わりに使用することができる。ヘッドマウントディスプレイ1790は、参照により本明細書に既に組み込まれている米国特許出願公開第2017/0068100号(Ouderkirkら)に更に記載されているようなカメラ及び/又は視線追跡システムを更に含んでもよい。
以下は、本明細書の例示的な実施形態の列挙である。
実施形態1は、光を透過するための光学システムであって、
少なくとも1つの湾曲した主表面を有する1つ以上の光学レンズと、
所定の波長範囲内の第1の波長分散曲線を有する第1のリターダ層と、
1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する反射型偏光子であって、所定の波長範囲内において第1の偏光状態を有する光を実質的に反射し、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に透過する、反射型偏光子と、
第1のリターダ層と反射型偏光子との間の1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する部分反射体であって、所定の波長範囲内において少なくとも20%の平均光反射率を有する、部分反射体と、
部分反射体と反射型偏光子との間に配置され、所定の波長範囲内において第1の波長分散曲線とは異なる第2の波長分散曲線を有する、第2のリターダ層と、を備える。
実施形態2は、第1及び第2の波長分散曲線が、所定の波長範囲内において少なくとも1つの波長において互いに交差する、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態3は、第1及び第2の分散曲線のうちの少なくとも1つが、所定の波長範囲内で波長の増加とともに単調に変化する、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態4は、第1及び第2の分散曲線のうちの少なくとも1つが、所定の波長範囲の下限及び上限内に、かつそれらから離れて少なくとも1つのピークを含む、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態5は、所定の波長範囲内の少なくとも1つの波長に対して、第1及び第2のリターダ層のうちの少なくとも1つが、リターダ層の第1の領域にわたる実質的に均一なリターダンス、及びリターダ層の異なる第2の領域にわたる不均一なリターダンスを有する、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態6は、第1の領域が、内部領域であり、第2の領域が、内部領域を実質的に取り囲む周辺領域である、実施形態5に記載の光学システムである。
実施形態7は、第1のリターダ層が、所定の波長範囲内の第1の波長に対して実質的に四分の一波リターダであり、第2のリターダ層が、所定の波長範囲内の異なる第2の波長に対して実質的に四分の一波リターダである、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態8は、第1及び第2の波長とは異なる所定の波長で最大コントラスト比を有する、実施形態7に記載の光学システムである。
実施形態9は、第1のリターダ層が、第2の波長で四分の一波とは実質的に異なるリターダンスを有する、実施形態7に記載の光学システムである。
実施形態10は、第2のリターダ層が、第1の波長で四分の一波とは実質的に異なるリターダンスを有する、実施形態7に記載の光学システムである。
実施形態11は、光学システムが、所定の波長範囲内の所定の波長で最大コントラスト比を有し、光学システムが、原点で第1のリターダ層と交差する光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、第1の偏光状態を有し、かつ所定の波長を有し原点を通過する光線につき、第1のリターダ層が、光軸に沿って伝播する光線は楕円偏光に、及び光軸に対して斜めの方向に沿って伝播する光線は円偏光に変換する、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態12は、原点で第1のリターダ層と交差する光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、所定の波長範囲内の所定の波長において、第1のリターダ層が、原点における第1のリターダンス、及び少なくとも1つの他の位置における異なる第2のリターダンスを有する、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態13は、第1のリターダ層が、少なくとも1つの第1の位置における第1の物理的厚さ、及び少なくとも1つの異なる第2の位置における異なる第2の物理的厚さを有する、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態14は、第1のリターダ層が、一体型リターダである、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態15は、第2のリターダ層が、一体型リターダである、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態16は、1つ以上の光学レンズが、ゼロでない屈折力を有する、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態17は、少なくとも1つの湾曲した主表面が、約6mm〜約1000mmの範囲の曲率半径を有する、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態18は、第1のリターダ層が、少なくとも1つの第1の位置で、第1の偏光状態に対する第1の配向、及び所定の波長範囲内の所定の波長における第1のリターダンス、並びに少なくとも1つの異なる第2の位置で、第1の偏光状態に対する異なる第2の配向、及び所定の波長における異なる第2のリターダンスを有する、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態19は、第1のリターダ層が、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層を含み、所定の波長範囲内の所定の波長において、かつ第1のリターダ層上の少なくとも1つの位置に対して、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層のうちの一方が、正のリターダンスを有し、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層の他方が、負のリターダンスを有する、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態20は、第2のリターダ層が、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層を含み、所定の波長範囲内の所定の波長において、かつ第2のリターダ層上の少なくとも1つの位置に対して、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層のうちの一方が、正のリターダンスを有し、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層の他方が、負のリターダンスを有する、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態21は、第1のリターダ層が、均一な物理的厚さ及び可変配向を有し、第2のリターダ層が、均一な配向及び可変物理的厚さを有する、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態22は、第2のリターダ層が、均一な物理的厚さ及び可変配向を有し、第1のリターダ層が、均一な配向及び可変物理的厚さを有する、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態23は、所定の波長範囲が、少なくとも1つの可視波長範囲を含む、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態24は、所定の波長範囲が、400nm〜700nmである、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態25は、所定の波長範囲が、赤外波長範囲を含む、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態26は、第1及び第2のリターダ層のうちの少なくとも1つが、実質的に平面である、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態27は、第1及び第2のリターダ層のそれぞれが、実質的に平面である、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態28は、第1及び第2のリターダ層のうちの少なくとも1つが、2つの直交軸周りに湾曲している、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態29は、第1及び第2のリターダ層のそれぞれが、2つの直交軸周りに湾曲している、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態30は、画像を放射するディスプレイを更に備え、光学システムが、所定の波長範囲内の所定の波長で最大コントラスト比を有し、光学システムが、光軸を有し、ディスプレイによって放射され光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、所定の波長において第1の偏光状態を有する放射された主光線につき、第1のリターダ層が、画像の縁部から放射される主光線は円偏光に、及び光軸に沿って伝播する主光線は楕円偏光に変換する、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態31は、ディスプレイを更に備え、光学システムが、所定の波長範囲内の所定の波長で最大コントラスト比を有し、光学システムが、光軸を有し、ディスプレイによって放射され光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、各主光線が所定の波長で第1の偏光状態を有し、かつ光軸からの異なる分離を有する、ディスプレイによって放射された複数の主光線につき、第1のリターダ層が、主光線を円偏光に変換する、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態32は、ディスプレイを更に備え、光学システムが、所定の波長範囲内の所定の波長で最大コントラスト比を有し、光学システムが、光軸を有し、ディスプレイによって放射され光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、各主光線が所定の波長で第1の偏光状態を有し、かつ光軸からの異なる分離を有する、ディスプレイによって放射された複数の主光線につき、第1のリターダ層が、所定の波長の四分の一から10%以内のリターダンスを有する、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態33は、光学システムが、所定の波長範囲内の所定の波長で最大コントラスト比を有し、光学システムが、光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、第1の偏光状態に対して、第1のリターダ層が、第1のリターダ層にわたって実質的に均一な配向及び不均一なリターダンスを有し、第2のリターダ層が、第2のリターダ層にわたって実質的に均一なリターダンス及び不均一な配向を有する、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態34は、光学システムが、所定の波長範囲内の所定の波長で最大コントラスト比を有し、光学システムが、光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、第1の偏光状態に対して、第1のリターダ層が、第1のリターダ層にわたって実質的に均一な配向及び均一なリターダンスを有し、第2のリターダ層が、第2のリターダ層にわたって実質的に不均一なリターダンス及び不均一な配向を有する、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態35は、反射型偏光子上の各位置が、位置に対応して、相互に直交する通過及び遮断偏光状態を有し、光学システムが、所定の波長範囲内の所定の波長で最大コントラスト比を有し、光学システムが、第1の原点で第1のリターダ層と、及び第2の原点で反射型偏光子と交差する光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、所定の波長、及び第2の原点における反射型偏光子の遮断偏光状態を有し、第1の原点で最初に第1のリターダ層に入射し、光軸と角度θをなす光線に関して、光線が、第1の位置で反射型偏光子に最初に入射するときに、実質的に反射され、第2の位置で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、
第2の位置における光線の偏光状態と反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、θがゼロであるときにより大きく、θがゼロではないときにより小さい、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態36は、ディスプレイを更に備え、反射型偏光子上の各位置が、位置に対応して、相互に直交する通過及び遮断偏光状態を有し、光学システムが、所定の波長範囲内の所定の波長で最大コントラスト比を有し、光学システムが、光軸を有し、ディスプレイによって放射され光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、各主光線が所定の波長及び第1の偏光状態を有し、かつ光軸から異なる分離で放射された、ディスプレイによって放射された複数の主光線に関して、主光線が、第1の位置で反射型偏光子に最初に入射するときに、実質的に反射され、第2の位置で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、第2の位置における主光線の偏光状態と第2の位置における反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、約0.07未満である、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態37は、
ディスプレイと、
射出瞳と、を更に備え、
光学システムが、所定の波長範囲内の所定の波長で最大コントラスト比を有し、光学システムが、光軸を有し、ディスプレイによって放射され光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、所定の波長及び第1の偏光状態において、かつディスプレイ上の複数の位置の各位置に関して、ディスプレイが、射出瞳を実質的に充填する光線の円錐を放射し、光線の円錐が、対応する第1及び第2の入射領域にわたって第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、対応する第1及び第2の入射領域にわたる第1及び第2のリターダ層のそれぞれの平均リターダンスが、所定の波長の四分の一から10%以内にある、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態38は、光学システムが、所定の波長範囲内の所定の波長で最大コントラスト比を有し、光学システムが、第1の原点で第1のリターダ層と、及び第2の原点で反射型偏光子と交差する光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、反射型偏光子が、第2の原点において直交する通過及び遮断偏光状態を有し、それにより、光軸に沿って伝播し、第1の原点で第1のリターダ層に入射する、所定の波長及び遮断偏光状態を有する第1の光線に関して、第1の光線が、反射型偏光子に最初に入射するときに第1の偏光状態を有し、及び反射型偏光子に2回目の入射時に第2の偏光状態を有し、第1の偏光状態と遮断偏光状態との間の差が、第2の偏光状態と通過偏光状態との間の差未満である、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態39は、光学システムが、第1の原点で第1のリターダ層と、及び第2の原点で第2のリターダ層と交差する光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、第1の原点における第1のリターダ層の速軸が、第2の原点における第2のリターダ層の速軸に実質的に平行である、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態40は、光学システムが、第1の原点で第1のリターダ層と、及び第2の原点で第2のリターダ層と交差する光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、第1の原点における第1のリターダ層の速軸が、第2の原点における第2のリターダ層の速軸に実質的に垂直である、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態41は、光学システムに入射する少なくとも1つの光線に関して、光線が、対応する第1及び第2の位置で第1及び第2のリターダ層と交差し、平面視で、第1の位置における第1のリターダ層の速軸が、第2の位置における第2のリターダ層の速軸に実質的に平行である、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態42は、光学システムに入射する少なくとも1つの光線に関して、光線が、対応する第1及び第2の位置で第1及び第2のリターダ層と交差し、平面視で、第1の位置における第1のリターダ層の速軸が、第2の位置における第2のリターダ層の速軸に実質的に垂直である、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態43は、光学システムに入射する少なくとも第1及び第2の光線に関して、第1の光線が、対応する第1及び第2の位置で第1及び第2のリターダ層と交差し、第2の光線が、対応する第3及び第4の位置で第1及び第2のリターダと交差し、平面視で、第1の位置における第1のリターダ層の速軸及び第2の位置における第2のリターダ層の速軸が、互いに第1の角度をなし、第3の位置における第1のリターダ層の速軸及び第4の位置における第2のリターダ層の速軸が、互いに第2の角度をなす、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態44は、第1及び第2の角度が、実質的に等しい、実施形態43に記載の光学システムである。
実施形態45は、第1及び第2の角度が、異なる、実施形態43に記載の光学システムである。
実施形態46は、第1及び第2の角度が、互いの5度以内である、実施形態43に記載の光学システムである。
実施形態47は、第1及び第2の角度のそれぞれが、10度以下である、実施形態43に記載の光学システムである。
実施形態48は、第1及び第2の角度のそれぞれが、80〜100度の範囲である、実施形態43に記載の光学システムである。
実施形態49は、観察者に対象物を表示するための光学システムであって、
少なくとも1つの湾曲した主表面を有する1つ以上の光学レンズと、
1つ以上の光学レンズの第1の主表面上に配置され、それに適合する反射型偏光子であって、所定の波長範囲内において第1の偏光状態を有する光を実質的に反射し、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に透過する、反射型偏光子と、
1つ以上の光学レンズの異なる第2の主表面上に配置され、それに適合する部分反射体であって、所定の波長範囲内において少なくとも20%の平均光反射率を有する、部分反射体と、
1つ以上の光学レンズの第3の主表面上に配置され、それに適合する第1のリターダ層と、
1つ以上の光学レンズの第3の主表面とは異なる第4の主表面上に配置され、それに適合する第2のリターダ層と、を備え、所定の波長範囲内の少なくとも1つの波長に対して、第1及び第2のリターダ層のうちの少なくとも1つが、リターダ層の第1の領域にわたる実質的に均一なリターダンス、及びリターダ層の異なる第2の領域にわたる不均一なリターダンスを有する。
実施形態50は、第1の領域が、内部領域であり、第2の領域が、内部領域を実質的に取り囲む周辺領域である、実施形態49に記載の光学システムである。
実施形態51は、第1のリターダ層が、所定の波長範囲内の第1の波長分散曲線を有し、第2のリターダ層が、所定の波長範囲内の第1の波長分散曲線とは異なる第2の波長分散曲線を有する、実施形態49に記載の光学システムである。
実施形態52は、光学システムが、所定の波長範囲内の所定の波長で最大コントラスト比を有し、光学システムが、原点で第1のリターダ層と交差する光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、所定の波長において第1の偏光状態を有し原点を通過する光線につき、第1のリターダ層が、光軸に沿って伝播する光線は楕円偏光に、及び光軸に対して斜めの方向に沿って伝播する光線は円偏光に変換する、実施形態49に記載の光学システムである。
実施形態53は、原点で第1のリターダ層と交差する光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、所定の波長範囲内の所定の波長において、第1のリターダ層が、原点における第1のリターダンス、及び少なくとも1つの他の位置における異なる第2のリターダンスを有する、実施形態49に記載の光学システムである。
実施形態54は、第1のリターダ層が、少なくとも1つの第1の位置における第1の物理的厚さ、及び少なくとも1つの異なる第2の位置における異なる第2の物理的厚さを有する、実施形態49に記載の光学システムである。
実施形態55は、第1及び第2のリターダ層のそれぞれが、一体型リターダである、実施形態49に記載の光学システムである。
実施形態56は、1つ以上の光学レンズが、ゼロでない屈折力を有する、実施形態49に記載の光学システムである。
実施形態57は、少なくとも1つの湾曲した主表面が、約6mm〜約1000mmの範囲の曲率半径を有する、実施形態49に記載の光学システムである。
実施形態58は、第1及び第2のリターダ層のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの第1の位置で、第1の偏光状態に対する第1の配向、及び所定の波長範囲内の所定の波長における第1のリターダンス、並びに少なくとも1つの異なる第2の位置で、第1の偏光状態に対する異なる第2の配向、及び所定の波長における異なる第2のリターダンスを有する、実施形態49に記載の光学システムである。
実施形態59は、第1のリターダ層が、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層を含み、所定の波長範囲内の所定の波長において、かつ第1のリターダ層上の少なくとも1つの位置に対して、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層のうちの一方が、正のリターダンスを有し、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層の他方が、負のリターダンスを有する、実施形態49に記載の光学システムである。
実施形態60は、第1のリターダ層が、均一な物理的厚さ及び可変配向を有し、第2のリターダ層が、均一な配向及び可変物理的厚さを有する、実施形態49に記載の光学システムである。
実施形態61は、画像を放射するディスプレイを更に備え、光学システムが、所定の波長範囲内の所定の波長で最大コントラスト比を有し、光学システムが、光軸を有し、ディスプレイによって放射され光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、所定の波長において第1の偏光状態を有する放射された主光線につき、第1のリターダ層が、画像の縁部から放射される主光線は円偏光に、及び光軸に沿って伝播する主光線は楕円偏光に変換する、実施形態49に記載の光学システムである。
実施形態62は、発光ディスプレイを更に備え、光学システムが、所定の波長範囲内の所定の波長で最大コントラスト比を有し、光学システムが、光軸を有し、ディスプレイによって放射され光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、各主光線が所定の波長において第1の偏光状態を有し、かつ光軸からの異なる分離を有する、ディスプレイによって放射された複数の主光線につき、第1のリターダ層が、主光線を円偏光に変換する、実施形態49に記載の光学システムである。
実施形態63は、ディスプレイを更に備え、光学システムが、所定の波長範囲内の所定の波長で最大コントラスト比を有し、光学システムが、光軸を有し、ディスプレイによって放射され光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、各主光線が所定の波長において第1の偏光状態を有し、かつ光軸からの異なる分離を有する、ディスプレイによって放射された複数の主光線につき、第1のリターダ層が、所定の波長の四分の一から10%以内のリターダンスを有する、実施形態49に記載の光学システムである。
実施形態64は、光学システムが、所定の波長範囲内の所定の波長で最大コントラスト比を有し、光学システムが、光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、第1の偏光状態に対して、第1のリターダ層が、第1のリターダ層にわたって実質的に均一な配向及び不均一なリターダンスを有し、第2のリターダ層が、第2のリターダ層にわたって実質的に均一なリターダンス及び不均一な配向を有する、実施形態49に記載の光学システムである。
実施形態65は、光学システムが、所定の波長範囲内の所定の波長で最大コントラスト比を有し、光学システムが、光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、第1の偏光状態に対して、第1のリターダ層が、第1のリターダ層にわたって実質的に均一な配向及び均一なリターダンスを有し、第2のリターダ層が、第2のリターダ層にわたって実質的に不均一なリターダンス及び不均一な配向を有する、実施形態49に記載の光学システムである。
実施形態66は、反射型偏光子上の各位置が、位置に対応して、相互に直交する通過及び遮断偏光状態を有し、光学システムが、所定の波長範囲内の所定の波長で最大コントラスト比を有し、光学システムが、第1の原点で第1のリターダ層と、及び第2の原点で反射型偏光子と交差する光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、所定の波長、及び第2の原点における反射型偏光子の遮断偏光状態を有し、第1の原点で最初に第1のリターダ層に入射し、光軸と角度θをなす光線に関して、光線が、第1の位置で反射型偏光子に最初に入射するときに、実質的に反射され、第2の位置で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、
第2の位置における光線の偏光状態と反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、θがゼロであるときにより大きく、θがゼロではないときにより小さい、実施形態49に記載の光学システムである。
実施形態67は、ディスプレイを更に備え、反射型偏光子上の各位置が、位置に対応して、相互に直交する通過及び遮断偏光状態を有し、光学システムが、所定の波長範囲内の所定の波長で最大コントラスト比を有し、光学システムが、光軸を有し、ディスプレイによって放射され光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、各主光線が所定の波長及び第1の偏光状態を有し、かつ光軸から異なる分離で放射された、ディスプレイによって放射された複数の主光線に関して、主光線が、第1の位置で反射型偏光子に最初に入射するときに、実質的に反射され、第2の位置で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、第2の位置における主光線の偏光状態と第2の位置における反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、約0.07未満である、実施形態49に記載の光学システムである。
実施形態68は、
発光ディスプレイと、
射出瞳と、を更に備え、
光学システムが、所定の波長範囲内の所定の波長で最大コントラスト比を有し、光学システムが、光軸を有し、ディスプレイによって放射され光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、所定の波長及び第1の偏光状態において、かつディスプレイ上の複数の位置の各位置に関して、ディスプレイが、射出瞳を実質的に充填する光線の円錐を放射し、光線の円錐が、対応する第1及び第2の入射領域にわたって第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、対応する第1及び第2の入射領域にわたる第1及び第2のリターダ層のそれぞれの平均リターダンスが、所定の波長の四分の一から10%以内にある、実施形態1に記載の光学システムである。
実施形態69は、所定の波長範囲内の所定の波長で最大コントラスト比を有し、光学システムが、第1の原点で第1のリターダ層と、及び第2の原点で反射型偏光子と交差する光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、反射型偏光子が、第2の原点において直交する通過及び遮断偏光状態を有し、それにより、光軸に沿って伝播し、第1の原点で第1のリターダ層に入射する、所定の波長及び遮断偏光状態を有する第1の光線に関して、第1の光線が、反射型偏光子に最初に入射するときに第1の偏光状態を有し、及び反射型偏光子に2回目の入射時に第2の偏光状態を有し、第1の偏光状態と遮断偏光状態との間の差が、第2の偏光状態と通過偏光状態との間の差未満である、実施形態49に記載の光学システムである。
実施形態70は、光学システムに入射する少なくとも1つの光線に関して、光線が、対応する第1及び第2の位置で第1及び第2のリターダ層と交差し、平面視で、第1の位置における第1のリターダ層の速軸が、第2の位置における第2のリターダ層の速軸に実質的に平行である、実施形態49に記載の光学システムである。
実施形態71は、光学システムに入射する少なくとも1つの光線に関して、光線が、対応する第1及び第2の位置で第1及び第2のリターダ層と交差し、平面視で、第1の位置における第1のリターダ層の速軸が、第2の位置における第2のリターダ層の速軸に実質的に垂直である、実施形態49に記載の光学システムである。
実施形態72は、光学システムに入射する少なくとも第1及び第2の光線に関して、第1の光線が、対応する第1及び第2の位置で第1及び第2のリターダ層と交差し、第2の光線が、対応する第3及び第4の位置で第1及び第2のリターダと交差し、平面視で、第1の位置における第1のリターダ層の速軸及び第2の位置における第2のリターダ層の速軸が、互いに第1の角度をなし、第3の位置における第1のリターダ層の速軸及び第4の位置における第2のリターダ層の速軸が、互いに第2の角度をなす、実施形態49に記載の光学システムである。
実施形態73は、第1及び第2の角度が、実質的に等しい、実施形態72に記載の光学システムである。
実施形態74は、第1及び第2の角度が、異なる、実施形態72に記載の光学システムである。
実施形態75は、第1及び第2の角度が、互いの5度以内である、実施形態72に記載の光学システムである。
実施形態76は、第1及び第2の角度のそれぞれが、10度以下である、実施形態72に記載の光学システムである。
実施形態77は、第1及び第2の角度のそれぞれが、80〜100度の範囲である、実施形態72に記載の光学システムである。
実施形態78は、観察者に対象物を表示するための光学システムであって、
少なくとも1つの湾曲した主表面を有する1つ以上の光学レンズと、
1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する反射型偏光子であって、所定の波長範囲内において第1の偏光状態を有する光を実質的に反射し、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に透過する、反射型偏光子と、
1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する部分反射体であって、所定の波長範囲内において少なくとも20%の平均光反射率を有する、部分反射体と、
1つ以上の光学レンズの異なる主表面上に配置され、それに適合する、離間した第1及び第2のリターダ層と、を備え、第1のリターダ層は、所定の波長範囲内の第1の波長に対して実質的に四分の一波リターダであり、第2のリターダ層は、所定の波長範囲内の異なる第2の波長に対して実質的に四分の一波リターダである。
実施形態79は、第1及び第2の波長とは異なる所定の波長で最大コントラスト比を有する、実施形態78に記載の光学システムである。
実施形態80は、第1のリターダ層が、第2の波長で四分の一波とは実質的に異なるリターダンスを有する、実施形態78に記載の光学システムである。
実施形態81は、第2のリターダ層が、第1の波長で四分の一波とは実質的に異なるリターダンスを有する、実施形態78に記載の光学システムである。
実施形態82は、第1及び第2のリターダ層のそれぞれが、有色リターダである、実施形態78に記載の光学システムである。
実施形態83は、第1のリターダ層が、所定の波長範囲内で波長の増加とともに単調に変化する第1の波長分散曲線を有し、第2のリターダ層が、所定の波長範囲内で波長の増加とともに単調に変化する異なる第2の波長分散曲線を有する、実施形態78に記載の光学システムである。
実施形態84は、第1及び第2のリターダ層のそれぞれが、均一な配向を有する、実施形態78に記載の光学システムである。
実施形態85は、第1及び第2のリターダ層のうちの少なくとも1つが、不均一な配向を有する、実施形態78に記載の光学システムである。
実施形態86は、光学システムが、所定の波長範囲内の所定の波長で最大コントラスト比を有し、光学システムが、原点で第1のリターダ層と交差する光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、所定の波長において第1の偏光状態を有し原点を通過する光線につき、第1のリターダ層が、光軸に沿って伝播する光線は楕円偏光に、及び光軸に対して斜めの方向に沿って伝播する光線は円偏光に変換する、実施形態78に記載の光学システムである。
実施形態87は、1つ以上の光学レンズが、ゼロでない屈折力を有する、実施形態78に記載の光学システムである。
実施形態88は、少なくとも1つの湾曲した主表面が、約6mm〜約1000mmの範囲の曲率半径を有する、実施形態78に記載の光学システムである。
実施形態89は、画像を放射するディスプレイを更に備え、光学システムが、所定の波長範囲内の所定の波長で最大コントラスト比を有し、光学システムが、光軸を有し、ディスプレイによって放射され光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、所定の波長において第1の偏光状態を有する放射された主光線につき、第1のリターダ層が、画像の縁部から放射される主光線は円偏光に、及び光軸に沿って伝播する主光線は楕円偏光に変換する、実施形態78に記載の光学システムである。
実施形態90は、ディスプレイを更に備え、光学システムが、所定の波長範囲内の所定の波長で最大コントラスト比を有し、光学システムが、光軸を有し、ディスプレイによって放射され光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、各主光線が所定の波長において第1の偏光状態を有し、かつ光軸からの異なる分離を有する、ディスプレイによって放射された複数の主光線につき、第1のリターダ層が、主光線を円偏光に変換する、実施形態78に記載の光学システムである。
実施形態91は、反射型偏光子上の各位置が、位置に対応して、相互に直交する通過及び遮断偏光状態を有し、光学システムが、所定の波長範囲内の所定の波長で最大コントラスト比を有し、光学システムが、第1の原点で第1のリターダ層と、及び第2の原点で反射型偏光子と交差する光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、所定の波長、及び第2の原点における反射型偏光子の遮断偏光状態を有し、第1の原点で最初に第1のリターダ層に入射し、光軸と角度θをなす光線に関して、光線が、第1の位置で反射型偏光子に最初に入射するときに、実質的に反射され、第2の位置で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、
第2の位置における光線の偏光状態と反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、θがゼロであるときにより大きく、θがゼロではないときにより小さい、実施形態78に記載の光学システムである。
実施形態92は、ディスプレイを更に備え、反射型偏光子上の各位置が、位置に対応して、相互に直交する通過及び遮断偏光状態を有し、光学システムが、所定の波長範囲内の所定の波長で最大コントラスト比を有し、光学システムが、光軸を有し、ディスプレイによって放射され光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、各主光線が所定の波長及び第1の偏光状態を有し、かつ光軸から異なる分離で放射された、ディスプレイによって放射された複数の主光線に関して、主光線が、第1の位置で反射型偏光子に最初に入射するときに、実質的に反射され、第2の位置で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、第2の位置における主光線の偏光状態と第2の位置における反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、約0.07未満である、実施形態78に記載の光学システムである。
実施形態93は、所定の波長範囲内の所定の波長で最大コントラスト比を有し、光学システムが、第1の原点で第1のリターダ層と、及び第2の原点で反射型偏光子と交差する光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、反射型偏光子が、第2の原点において直交する通過及び遮断偏光状態を有し、それにより、光軸に沿って伝播し、第1の原点で第1のリターダ層に入射する、所定の波長及び遮断偏光状態を有する第1の光線に関して、第1の光線が、反射型偏光子に最初に入射するときに第1の偏光状態を有し、及び反射型偏光子に2回目の入射時に第2の偏光状態を有し、第1の偏光状態と遮断偏光状態との間の差が、第2の偏光状態と通過偏光状態との間の差未満である、実施形態78に記載の光学システムである。
実施形態94は、光学システムに入射する少なくとも1つの光線に関して、光線が、対応する第1及び第2の位置で第1及び第2のリターダ層と交差し、平面視で、第1の位置における第1のリターダ層の速軸が、第2の位置における第2のリターダ層の速軸に実質的に平行である、実施形態78に記載の光学システムである。
実施形態95は、光学システムに入射する少なくとも1つの光線に関して、光線が、対応する第1及び第2の位置で第1及び第2のリターダ層と交差し、平面視で、第1の位置における第1のリターダ層の速軸が、第2の位置における第2のリターダ層の速軸に実質的に垂直である、実施形態78に記載の光学システムである。
実施形態96は、光学システムに入射する少なくとも第1及び第2の光線に関して、第1の光線が、対応する第1及び第2の位置で第1及び第2のリターダ層と交差し、第2の光線が、対応する第3及び第4の位置で第1及び第2のリターダと交差し、平面視で、第1の位置における第1のリターダ層の速軸及び第2の位置における第2のリターダ層の速軸が、互いに第1の角度をなし、第3の位置における第1のリターダ層の速軸及び第4の位置における第2のリターダ層の速軸が、互いに第2の角度をなす、実施形態78に記載の光学システムである。
実施形態97は、第1及び第2の角度が、実質的に等しい、実施形態96に記載の光学システムである。
実施形態98は、第1及び第2の角度が、異なる、実施形態96に記載の光学システムである。
実施形態99は、第1及び第2の角度が、互いの5度以内である、実施形態96に記載の光学システムである。
実施形態100は、第1及び第2の角度のそれぞれが、10度以下である、実施形態96に記載の光学システムである。
実施形態101は、第1及び第2の角度のそれぞれが、80〜100度の範囲である、実施形態96に記載の光学システムである。
実施形態102は、観察者に対象物を表示するための、所定の波長で最大コントラスト比を有する光学システムであって、光学システムが、
少なくとも1つの湾曲した主表面を有する1つ以上の光学レンズと、
1つ以上の光学レンズの第1の主表面上に配置され、それに適合する反射型偏光子であって、所定の波長において第1の偏光状態を有する光を実質的に反射し、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に透過する、反射型偏光子と、
1つ以上の光学レンズの異なる第2の主表面上に配置され、それに適合する部分反射体であって、所定の波長において少なくとも20%の平均光反射率を有する、部分反射体と、
1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する第1のリターダ層と、を備え、光学システムが、原点で第1のリターダ層と交差する光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、及び第1のリターダ層を通過し、それにより、所定の波長において第1の偏光状態を有し原点を通過する光線につき、第1のリターダ層が、光軸に沿って伝播する光線は楕円偏光に、及び光軸に対して斜めの方向に沿って伝播する光線は円偏光に変換する、光学システムである。
実施形態103は、1つ以上の光学レンズの少なくとも1つの湾曲した主表面が、約6mm〜約1000mmの範囲の曲率半径を有する、実施形態102に記載の光学システムである。
実施形態104は、所定の波長における最大コントラスト比が、所定の波長の20nm以内の極大値である、実施形態102に記載の光学システムである。
実施形態105は、所定の波長における最大コントラスト比が、所定の波長の150nm以内の最大値である、実施形態102に記載の光学システムである。
実施形態106は、所定の波長が、約550nmである、実施形態102に記載の光学システムである。
実施形態107は、所定の波長が、約545nm〜約555nmである、実施形態102に記載の光学システムである。
実施形態108は、所定の波長範囲が、約450nmである、実施形態102に記載の光学システムである。
実施形態109は、所定の波長範囲が、原色波長である、実施形態102に記載の光学システムである。
実施形態110は、第1のリターダ層が、第1の偏光状態と角度βをなす速光軸を有し、βが、45度未満である、実施形態102に記載の光学システムである。
実施形態111は、所定の波長において、第1のリターダ層が、第1のリターダ層の実効速光軸又は第1のリターダ層の実効遅光軸のうちの1つに対して、原点における第1の光学的厚さ、及び少なくとも1つの他の位置における異なる第2の光学的厚さを有する、実施形態102に記載の光学システムである。
実施形態112は、実効速光軸又は遅主軸が、実効速光軸である、実施形態111に記載の光学システムである。
実施形態113は、実効速光軸又は遅主軸が、実効遅光軸である、実施形態111に記載の光学システムである。
実施形態114は、第1のリターダ層が、原点における第1の物理的厚さ、及び少なくとも1つの他の位置のうちの少なくとも1つにおける異なる第2の物理的厚さを有する、実施形態111に記載の光学システムである。
実施形態115は、第1のリターダ層が、原点における第1の速光軸屈折率、及び少なくとも1つの他の位置のうちの少なくとも1つにおける異なる第2の速光軸屈折率を有する、実施形態111に記載の光学システムである。
実施形態116は、第1のリターダ層が、原点における第1の遅光軸屈折率、及び少なくとも1つの他の位置のうちの少なくとも1つにおける異なる第2の遅光軸屈折率を有する、実施形態111に記載の光学システムである。
実施形態117は、所定の波長において、第1のリターダ層が、原点における第1のリターダンス、及び少なくとも1つの他の位置における異なる第2のリターダンスを有する、実施形態102に記載の光学システムである。
実施形態118は、1つ以上の光学レンズが、ゼロでない屈折力を有する、実施形態102に記載の光学システムである。
実施形態119は、部分反射体と反射型偏光子との間に配置された第2のリターダ層を更に備える、実施形態102に記載の光学システムである。
実施形態120は、第1のリターダ層が、第1の波長分散曲線を有し、第2のリターダ層が、異なる第2の波長分散曲線を有する、実施形態119に記載の光学システムである。
実施形態121は、所定の波長において、第1及び第2のリターダ層のうちの少なくとも1つが、リターダ層の第1の領域にわたる実質的に均一なリターダンス、及びリターダ層の異なる第2の領域にわたる不均一なリターダンスを有する、実施形態119に記載の光学システムである。
実施形態122は、第1のリターダ層が、所定の波長を含む所定の波長範囲内の第1の波長に対して実質的に四分の一波リターダであり、第2のリターダ層が、所定の波長範囲内の異なる第2の波長に対して実質的に四分の一波リターダである、実施形態119に記載の光学システムである。
実施形態123は、第1のリターダ層が、均一な物理的厚さ及び可変配向を有し、第2のリターダ層が、均一な配向及び可変物理的厚さを有する、実施形態119に記載の光学システムである。
実施形態124は、第2のリターダ層が、均一な物理的厚さ及び可変配向を有し、第1のリターダ層が、均一な配向及び可変物理的厚さを有する、実施形態119に記載の光学システムである。
実施形態125は、第1の偏光状態に対して、第1のリターダ層が、第1のリターダ層にわたって実質的に均一な配向及び不均一なリターダンスを有し、第2のリターダ層が、第2のリターダ層にわたって実質的に均一なリターダンス及び不均一な配向を有する、実施形態119に記載の光学システムである。
実施形態126は、第1の偏光状態に対して、第1のリターダ層が、第1のリターダ層にわたって実質的に均一な配向及び均一なリターダンスを有し、第2のリターダ層が、第2のリターダ層にわたって実質的に不均一なリターダンス及び不均一な配向を有する、実施形態119に記載の光学システムである。
実施形態127は、
ディスプレイと、
射出瞳と、を更に備え、
所定の波長及び第1の偏光状態において、かつディスプレイ上の複数の位置の各位置に関して、ディスプレイが、射出瞳を実質的に充填する光線の円錐を放射し、光線の円錐が、対応する第1及び第2の入射領域にわたって第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、対応する第1及び第2の入射領域にわたる第1及び第2のリターダ層の各々の平均リターダンスが、所定の波長の四分の一から10%以内にある、実施形態119に記載の光学システムである。
実施形態128は、光軸が、第2の原点で反射型偏光子と交差し、反射型偏光子が、第2の原点において直交する通過及び遮断偏光状態を有し、光軸に沿って伝播し、原点で第1のリターダ層に入射する、所定の波長及び遮断偏光状態を有する第1の光線に関して、第1の光線が、反射型偏光子に最初に入射するときに第1の偏光状態を有し、及び反射型偏光子に2回目の入射時に第2の偏光状態を有し、第1の偏光状態と遮断偏光状態との間の差が、第2の偏光状態と通過偏光状態との間の差未満である、実施形態102に記載の光学システムである。
実施形態129は、所定の波長において、第1のリターダ層が、原点における第1のリターダンス、及び少なくとも1つの他の位置における異なる第2のリターダンスを有する、実施形態102に記載の光学システムである。
実施形態130は、第1のリターダ層が、少なくとも1つの第1の位置における第1の物理的厚さ、及び少なくとも1つの異なる第2の位置における異なる第2の物理的厚さを有する、実施形態102に記載の光学システムである。
実施形態131は、第1のリターダ層が、少なくとも1つの第1の位置で、第1の偏光状態に対する第1の配向、及び所定の波長における第1のリターダンス、並びに少なくとも1つの異なる第2の位置で、第1の偏光状態に対する異なる第2の配向、及び所定の波長における異なる第2のリターダンスを有する、実施形態102に記載の光学システムである。
実施形態132は、第1のリターダ層が、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層を含み、所定の波長において、かつ第1のリターダ層上の少なくとも1つの位置に対して、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層のうちの一方が、正のリターダンスを有し、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層の他方が、負のリターダンスを有する、実施形態102に記載の光学システムである。
実施形態133は、画像を放射するディスプレイを更に備え、所定の波長で第1の偏光状態を有する放射された主光線につき、第1のリターダ層が、画像の縁部から放射された主光線は円偏光に、及び光軸に沿って伝播する主光線は楕円偏光に変換する、実施形態102に記載の光学システムである。
実施形態134は、ディスプレイを更に備え、各主光線が所定の波長で第1の偏光状態を有し、かつ光軸からの異なる分離を有する、ディスプレイによって放射された複数の主光線につき、第1のリターダ層が、主光線を円偏光に変換する、実施形態102に記載の光学システムである。
実施形態135は、ディスプレイを更に備え、各主光線が所定の波長において第1の偏光状態を有し、かつ光軸からの異なる分離を有する、ディスプレイによって放射された複数の主光線につき、第1のリターダ層が、所定の波長の四分の一から10%以内のリターダンスを有する、実施形態102に記載の光学システムである。
実施形態136は、光軸が、第2の原点で反射型偏光子と交差し、反射型偏光子上の各位置が、位置に対応して、相互に直交する通過及び遮断偏光状態を有し、所定の波長及び第2の原点における反射型偏光子の遮断偏光状態を有し、原点で第1のリターダ層に最初に入射し、光軸と角度θをなす光線に関して、光線が、第1の位置で反射型偏光子に最初に入射するときに、実質的に反射され、第2の位置で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、
第2の位置における光線の偏光状態と反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、θがゼロであるときにより大きく、θがゼロではないときにより小さい、実施形態102に記載の光学システムである。
実施形態137は、ディスプレイを更に備え、反射型偏光子上の各位置が、位置に対応して、相互に直交する通過及び遮断偏光状態を有し、光学システムが、光軸を有し、ディスプレイによって放射され光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、及び第1のリターダ層を通過し、それにより、各主光線が所定の波長及び第1の偏光状態を有し、かつ光軸から異なる分離で放射された、ディスプレイによって放射された複数の主光線に関して、主光線が、第1の位置で反射型偏光子に最初に入射するときに、実質的に反射され、第2の位置で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、第2の位置における主光線の偏光状態と第2の位置における反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、約0.07未満である、実施形態102に記載の光学システムである。
実施形態138は、観察者に対象物を表示するための光学システムであって、
少なくとも1つの湾曲した主表面を有する1つ以上の光学レンズと、
所定の波長において第1の偏光状態を有する光を実質的に反射し、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に透過する反射型偏光子と、
所定の波長において少なくとも20%の平均光反射率を有する部分反射体と、
少なくとも1つの第1の位置で、第1の偏光状態に対する第1の配向、及び所定の波長における第1のリターダンス、並びに少なくとも1つの異なる第2の位置で、第1の偏光状態に対する異なる第2の配向、及び所定の波長における異なる第2のリターダンスを有する、第1の一体型リターダと、を備える。
実施形態139は、第1の一体型リターダが、少なくとも1つの第1の位置のうちの少なくとも1つにおける第1の物理的厚さ、及び少なくとも1つの異なる第2の位置のうちの少なくとも1つにおける異なる第2の物理的厚さを有する、実施形態138に記載の光学システムである。
実施形態140は、第1の一体型リターダが、少なくとも1つの第1の位置のうちの少なくとも1つ、及び少なくとも1つの異なる第2の位置のうちの少なくとも1つにおいて同じ物理的厚さを有する、実施形態138に記載の光学システムである。
実施形態141は、第1の一体型リターダが、少なくとも1つの第1の位置において第1の配向を有する第1の速光軸、及び少なくとも1つの第2の位置において第2の配向を有する第2の速光軸を有し、第1及び第2の光軸のうちの少なくとも1つが、第1及び第2の偏光状態によって画定される平面に平行ではない、実施形態138に記載の光学システムである。
実施形態142は、光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、反射型偏光子、部分反射体、及び第1の一体型リターダを通過し、第1及び第2の配向のうちの少なくとも1つが、光軸に対して垂直ではない、実施形態138に記載の光学システムである。
実施形態143は、第1の一体型リターダが、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層を含み、所定の波長において、かつ第1の一体型リターダ上の少なくとも1つの位置に対して、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層のうちの一方が、正のリターダンスを有し、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層の他方が、負のリターダンスを有する、実施形態138に記載の光学システムである。
実施形態144は、第1の積層リターダ層が、均一な物理的厚さ及び可変配向を有し、第2の積層リターダ層が、均一な配向及び可変物理的厚さを有する、実施形態143に記載の光学システムである。
実施形態145は、原点で第1の一体型リターダと交差する光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、反射型偏光子、部分反射体、及び第1の一体型リターダを通過し、所定の波長において第1の偏光状態を有し原点を通過する光線につき、第1の一体型リターダが、光軸に沿って伝播する光線は楕円偏光に、及び光軸に対して斜めの方向に沿って伝播する光線は円偏光に変換する、実施形態138に記載の光学システムである。
実施形態146は、部分反射体と反射型偏光子との間に配置された第2の一体型リターダを更に備える、実施形態138に記載の光学システムである。
実施形態147は、第1の一体型リターダが、第1の波長分散曲線を有し、第2の一体型リターダが、異なる第2の波長分散曲線を有する、実施形態146に記載の光学システムである。
実施形態148は、所定の波長において、第1及び第2の一体型リターダのうちの少なくとも1つが、リターダの第1の領域にわたる実質的に均一なリターダンス、及びリターダの異なる第2の領域にわたる不均一なリターダンスを有する、実施形態146に記載の光学システムである。
実施形態149は、第1の一体型リターダが、所定の波長を含む所定の波長範囲内の第1の波長に対して実質的に四分の一波リターダであり、第2の一体型リターダが、所定の波長範囲内の異なる第2の波長に対して実質的に四分の一波リターダである、実施形態146に記載の光学システムである。
実施形態150は、第1の一体型リターダが、均一な物理的厚さ及び可変配向を有し、第2の一体型リターダが、均一な配向及び可変物理的厚さを有する、実施形態146に記載の光学システムである。
実施形態151は、第2の一体型リターダが、均一な物理的厚さ及び可変配向を有し、第1の一体型リターダが、均一な配向及び可変物理的厚さを有する、実施形態146に記載の光学システムである。
実施形態152は、第1の偏光状態に対して、第1の一体型リターダが、第1の一体型リターダにわたって実質的に均一な配向及び不均一なリターダンスを有し、第2の一体型リターダが、第2の一体型リターダにわたって実質的に均一なリターダンス及び不均一な配向を有する、実施形態146に記載の光学システムである。
実施形態153は、第1の偏光状態に対して、第1の一体型リターダが、第1の一体型リターダにわたって実質的に均一な配向及び均一なリターダンスを有し、第2の一体型リターダが、第2の一体型リターダにわたって実質的に不均一なリターダンス及び不均一な配向を有する、実施形態146に記載の光学システムである。
実施形態154は、
ディスプレイと、
射出瞳と、を更に備え、
所定の波長及び第1の偏光状態において、かつディスプレイ上の複数の位置の各位置に関して、ディスプレイが、射出瞳を実質的に充填する光線の円錐を放射し、光線の円錐が、対応する第1及び第2の入射領域にわたって第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、対応する第1及び第2の入射領域にわたる第1及び第2の一体型リターダの各々の平均リターダンスが、所定の波長の四分の一から10%以内にある、実施形態146に記載の光学システムである。
実施形態155は、第1の原点で第1の一体型リターダと、及び第2の原点で反射型偏光子と交差する光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、及び第1の一体型リターダを通過し、反射型偏光子が、第2の原点において直交する通過及び遮断偏光状態を有し、光軸に沿って伝播し、第1の原点で第1の一体型リターダに入射する、所定の波長及び遮断偏光状態を有する第1の光線に関して、第1の光線が、反射型偏光子に最初に入射するときに第1の偏光状態を有し、及び反射型偏光子に2回目の入射時に第2の偏光状態を有し、第1の偏光状態と遮断偏光状態との間の差が、第2の偏光状態と通過偏光状態との間の差未満である、実施形態138に記載の光学システムである。
実施形態156は、第1の原点で第1の一体型リターダと交差する光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、及び第1の一体型リターダを通過する、実施形態138に記載の光学システムである。
実施形態157は、所定の波長において第1の偏光状態を有し第1の原点を通過する光線につき、第1の一体型リターダが、光軸に沿って伝播する光線は楕円偏光に、及び光軸に対して斜めの方向に沿って伝播する光線は円偏光に変換する、実施形態156に記載の光学システムである。
実施形態158は、第1の一体型リターダが、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層を含み、所定の波長において、かつ第1の一体型リターダ上の少なくとも1つの位置に対して、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層のうちの一方が、正のリターダンスを有し、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層の他方が、負のリターダンスを有する、実施形態156に記載の光学システムである。
実施形態159は、画像を放射するディスプレイを更に備え、所定の波長において第1の偏光状態を有する放射された主光線につき、第1の一体型リターダが、画像の縁部から放射された主光線は円偏光に、及び光軸に沿って伝播する主光線は楕円偏光に変換する、実施形態156に記載の光学システムである。
実施形態160は、ディスプレイを更に備え、各主光線が所定の波長において第1の偏光状態を有し、かつ光軸からの異なる分離を有する、ディスプレイによって放射された複数の主光線につき、第1の一体型リターダが、主光線を円偏光に変換する、実施形態156に記載の光学システムである。
実施形態161は、ディスプレイを更に備え、各主光線が所定の波長において第1の偏光状態を有し、かつ光軸からの異なる分離を有する、ディスプレイによって放射された複数の主光線につき、第1の一体型リターダが、所定の波長の四分の一から10%以内のリターダンスを有する、実施形態156に記載の光学システムである。
実施形態162は、光軸が、第2の原点で反射型偏光子と交差し、反射型偏光子上の各位置が、位置に対応して、相互に直交する通過及び遮断偏光状態を有し、所定の波長及び第2の原点における反射型偏光子の遮断偏光状態を有し、第1の原点で第1のリターダ層に最初に入射し、光軸と角度θをなす光線に関して、光線が、第1の位置で反射型偏光子に最初に入射するときに、実質的に反射され、第2の位置で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、
第2の位置における光線の偏光状態と反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、θがゼロであるときにより大きく、θがゼロではないときにより小さい、実施形態156に記載の光学システムである。
実施形態163は、ディスプレイを更に備え、反射型偏光子上の各位置が、位置に対応して、相互に直交する通過及び遮断偏光状態を有し、光学システムが、所定の波長で最大コントラスト比を有し、光学システムが、光軸を有し、ディスプレイによって放射され光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、及び第1のリターダ層を通過し、それにより、各主光線が所定の波長及び第1の偏光状態を有し、かつ光軸から異なる分離で放射された、ディスプレイによって放射された複数の主光線に関して、主光線が、第1の位置で反射型偏光子に最初に入射するときに、実質的に反射され、第2の位置で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、第2の位置における主光線の偏光状態と第2の位置における反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、約0.07未満である、実施形態138に記載の光学システムである。
実施形態164は、観察者に画像を表示するための、所定の波長で最大コントラスト比を有するディスプレイシステムであって、
画像を放射するディスプレイと、
放射された画像を観察者に表示するための光学システムであって、
少なくとも1つの湾曲した主表面を有する1つ以上の光学レンズと、
所定の波長において第1の偏光状態を有する光を実質的に反射し、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に透過する反射型偏光子と、
所定の波長において少なくとも20%の平均光反射率を有する部分反射体と、
一体型の第1のリターダ層と、を含む光学システムと、を備え、ディスプレイシステムが、光軸を有し、ディスプレイによって放射され光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、及び第1のリターダ層を通過し、それにより、所定の波長において第1の偏光状態を有する放射された主光線につき、第1のリターダ層が、画像の縁部から放射される主光線は円偏光に、及び光軸に沿って伝播する主光線は楕円偏光に変換する、ディスプレイシステムである。
実施形態165は、所定の波長及び第1の偏光状態において、かつディスプレイ上の少なくとも1つの位置に対して、第1のリターダ層が、放射された主光線及び周縁光線を楕円偏光に変換し、少なくとも1つの他の放射された光線を円偏光に変換する、実施形態164に記載のディスプレイシステムである。
実施形態166は、第1のリターダ層が、所定の波長における不均一なリターダンス及び第1の偏光状態に対する不均一な配向のうちの少なくとも1つを有する、実施形態164に記載のディスプレイシステムである。
実施形態167は、部分反射体と反射型偏光子との間に配置された一体型の第2のリターダ層を更に備える、実施形態164に記載のディスプレイシステムである。
実施形態168は、第1のリターダ層が、第1の波長分散曲線を有し、第2のリターダ層が、異なる第2の波長分散曲線を有する、実施形態167に記載のディスプレイシステムである。
実施形態169は、所定の波長において、第1及び第2のリターダ層のうちの少なくとも1つが、リターダ層の第1の領域にわたる実質的に均一なリターダンス、及びリターダ層の異なる第2の領域にわたる不均一なリターダンスを有する、実施形態167に記載のディスプレイシステムである。
実施形態170は、第1のリターダ層が、所定の波長を含む所定の波長範囲内の第1の波長に対して実質的に四分の一波リターダであるが、所定の波長範囲内の異なる第2の波長に対して実質的に四分の一波リターダではなく、第2のリターダ層が、第2の波長に対して実質的に四分の一波リターダであるが、第1の波長に対して実質的に四分の一波リターダではない、実施形態167に記載のディスプレイシステムである。
実施形態171は、第1のリターダ層が、均一な物理的厚さ及び可変配向を有し、第2のリターダ層が、均一な配向及び可変物理的厚さを有する、実施形態167に記載のディスプレイシステムである。
実施形態172は、第2のリターダ層が、均一な物理的厚さ及び可変配向を有し、第1のリターダ層が、均一な配向及び可変物理的厚さを有する、実施形態167に記載のディスプレイシステムである。
実施形態173は、第1の偏光状態に対して、第1のリターダ層が、第1のリターダ層にわたって実質的に均一な配向及び不均一なリターダンスを有し、第2のリターダ層が、第2のリターダ層にわたって実質的に均一なリターダンス及び不均一な配向を有する、実施形態167に記載のディスプレイシステムである。
実施形態174は、第1の偏光状態に対して、第1のリターダ層が、第1のリターダ層にわたって実質的に均一な配向及び均一なリターダンスを有し、第2のリターダ層が、第2のリターダ層にわたって実質的に不均一なリターダンス及び不均一な配向を有する、実施形態167に記載のディスプレイシステムである。
実施形態175は、射出瞳を更に備え、所定の波長及び第1の偏光状態において、かつディスプレイ上の複数の位置の各位置に関して、ディスプレイが、射出瞳を実質的に充填する光線の円錐を放射し、光線の円錐が、対応する第1及び第2の入射領域にわたって第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、対応する第1及び第2の入射領域にわたる第1及び第2のリターダ層の各々の平均リターダンスが、所定の波長の四分の一から10%以内にある、実施形態167に記載のディスプレイシステムである。
実施形態176は、ディスプレイによって放射される少なくとも1つの光線に関して、光線が、対応する第1及び第2の位置で第1及び第2のリターダ層と交差し、平面視で、第1の位置における第1のリターダ層の速軸が、第2の位置における第2のリターダ層の速軸に実質的に平行である、実施形態167に記載のディスプレイシステムである。
実施形態177は、ディスプレイによって放射される少なくとも1つの光線に関して、光線が、対応する第1及び第2の位置で第1及び第2のリターダ層と交差し、平面視で、第1の位置における第1のリターダ層の速軸が、第2の位置における第2のリターダ層の速軸に実質的に垂直である、実施形態167に記載のディスプレイシステムである。
実施形態178は、ディスプレイによって放射される少なくとも第1及び第2の光線に関して、第1の光線が、対応する第1及び第2の位置で第1及び第2のリターダ層と交差し、第2の光線が、対応する第3及び第4の位置で第1及び第2のリターダと交差し、平面視で、第1の位置における第1のリターダ層の速軸及び第2の位置における第2のリターダ層の速軸が、互いに第1の角度をなし、第3の位置における第1のリターダ層の速軸及び第4の位置における第2のリターダ層の速軸が、互いに第2の角度をなす、実施形態167に記載のディスプレイシステムである。
実施形態179は、第1及び第2の角度が、実質的に等しい、実施形態178に記載のディスプレイシステムである。
実施形態180は、第1及び第2の角度が、異なる、実施形態178に記載のディスプレイシステムである。
実施形態181は、第1及び第2の角度が、互いの5度以内である、実施形態178に記載のディスプレイシステムである。
実施形態182は、第1及び第2の角度のそれぞれが、10度以下である、実施形態178に記載のディスプレイシステムである。
実施形態183は、第1及び第2の角度のそれぞれが、80〜100度の範囲である、実施形態178に記載のディスプレイシステムである。
実施形態184は、ディスプレイが、第1の偏光状態を有する光を放射する、実施形態167に記載のディスプレイシステムである。
実施形態185は、ディスプレイが、第2の偏光状態を有する光を放射する、実施形態167に記載のディスプレイシステムである。
実施形態186は、光軸が、第1の原点で第1のリターダ層と、及び第2の原点で反射型偏光子と交差し、反射型偏光子が、第2の原点において直交する通過及び遮断偏光状態を有し、光軸に沿って伝播し、第1の原点で第1のリターダ層に入射する、所定の波長及び遮断偏光状態を有する第1の光線に関して、第1の光線が、反射型偏光子に最初に入射するときに第1の偏光状態を有し、及び反射型偏光子に2回目の入射時に第2の偏光状態を有し、第1の偏光状態と遮断偏光状態との間の差が、第2の偏光状態と通過偏光状態との間の差未満である、実施形態164に記載のディスプレイシステムである。
実施形態187は、所定の波長において、第1のリターダ層が、少なくとも1つの第1の位置における第1のリターダンス、及び少なくとも1つの異なる第2の位置における異なる第2のリターダンスを有する、実施形態164に記載のディスプレイシステムである。
実施形態188は、第1のリターダ層が、少なくとも1つの第1の位置における第1の物理的厚さ、及び少なくとも1つの異なる第2の位置における異なる第2の物理的厚さを有する、実施形態164に記載のディスプレイシステムである。
実施形態189は、第1のリターダ層が、少なくとも1つの第1の位置で、第1の偏光状態に対する第1の配向、及び所定の波長における第1のリターダンス、並びに少なくとも1つの異なる第2の位置で、第1の偏光状態に対する異なる第2の配向、及び所定の波長における異なる第2のリターダンスを有する、実施形態164に記載のディスプレイシステムである。
実施形態190は、第1のリターダ層が、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層を含み、所定の波長において、かつ第1のリターダ層上の少なくとも1つの位置に対して、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層のうちの一方が、正のリターダンスを有し、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層の他方が、負のリターダンスを有する、実施形態164に記載のディスプレイシステムである。
実施形態191は、各主光線が所定の波長において第1の偏光状態を有し、かつ光軸からの異なる分離を有する、ディスプレイによって放射された複数の主光線につき、第1のリターダ層が、所定の波長の四分の一から10%以内のリターダンスを有する、実施形態164に記載のディスプレイシステムである。
実施形態192は、光軸が、第1の原点で第1のリターダ層と、及び第2の原点で反射型偏光子と交差し、反射型偏光子上の各位置が、位置に対応して、位置が、位置に対応して、相互に直交する通過及び遮断偏光状態を有し、所定の波長及び第2の原点における反射型偏光子の遮断偏光状態を有し、第1の原点で第1のリターダ層に最初に入射し、光軸と角度θをなす光線に関して、光線が、第1の位置で反射型偏光子に最初に入射するときに、実質的に反射され、第2の位置で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、
第2の位置における光線の偏光状態と反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、θがゼロであるときにより大きく、θがゼロではないときにより小さい、実施形態164に記載のディスプレイシステムである。
実施形態193は、反射型偏光子上の各位置が、位置に対応して、相互に直交する通過及び遮断偏光状態を有し、ディスプレイシステムが、光軸を有し、ディスプレイによって放射され光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、及び第1のリターダ層を通過し、それにより、各主光線が所定の波長及び第1の偏光状態を有し、かつ光軸から異なる分離で放射された、ディスプレイによって放射された複数の主光線に関して、主光線が、第1の位置で反射型偏光子に最初に入射するときに、実質的に反射され、第2の位置で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、第2の位置における主光線の偏光状態と第2の位置における反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、約0.07未満である、実施形態164に記載のディスプレイシステムである。
実施形態194は、観察者に画像を表示するための、所定の波長で最大コントラスト比を有するディスプレイシステムであって、
画像を放射するディスプレイと、
放射された画像を観察者に表示するための光学システムであって、
少なくとも1つの湾曲した主表面を有する1つ以上の光学レンズと、
所定の波長において第1の偏光状態を有する光を実質的に反射し、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に透過する反射型偏光子と、
所定の波長において少なくとも20%の平均光反射率を有する部分反射体と、
一体型の第1のリターダ層と、を含む光学システムと、を備え、ディスプレイシステムが、光軸を有し、ディスプレイによって放射され光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、及び第1のリターダ層を通過し、それにより、各主光線が所定の波長において第1の偏光状態を有し、かつ光軸からの異なる分離を有する、ディスプレイによって放射された複数の主光線につき、第1のリターダ層が、主光線を円偏光に変換する、ディスプレイシステムである。
実施形態195は、所定の波長において第1の偏光状態を有するディスプレイによって放射された各主光線につき、第1のリターダ層が、主光線を円偏光に変換するような、実施形態194に記載のディスプレイシステムである。
実施形態196は、第1のリターダ層が、所定の波長における不均一なリターダンス及び第1の偏光状態に対する不均一な配向のうちの少なくとも1つを有する、実施形態194に記載のディスプレイシステムである。
実施形態197は、部分反射体と反射型偏光子との間に配置された一体型の第2のリターダ層を更に備える、実施形態194に記載のディスプレイシステムである。
実施形態198は、第1のリターダ層が、第1の波長分散曲線を有し、第2のリターダ層が、異なる第2の波長分散曲線を有する、実施形態197に記載のディスプレイシステムである。
実施形態199は、所定の波長において、第1及び第2のリターダ層のうちの少なくとも1つが、リターダ層の第1の領域にわたる実質的に均一なリターダンス、及びリターダ層の異なる第2の領域にわたる不均一なリターダンスを有する、実施形態197に記載のディスプレイシステムである。
実施形態200は、第1のリターダ層が、所定の波長を含む所定の波長範囲内の第1の波長に対して実質的に四分の一波リターダであるが、所定の波長範囲内の異なる第2の波長に対して実質的に四分の一波リターダではなく、第2のリターダ層が、第2の波長に対して実質的に四分の一波リターダであるが、第1の波長に対して実質的に四分の一波リターダではない、実施形態197に記載のディスプレイシステムである。
実施形態201は、第1のリターダ層が、均一な物理的厚さ及び可変配向を有し、第2のリターダ層が、均一な配向及び可変物理的厚さを有する、実施形態197に記載のディスプレイシステムである。
実施形態202は、第2のリターダ層が、均一な物理的厚さ及び可変配向を有し、第1のリターダ層が、均一な配向及び可変物理的厚さを有する、実施形態197に記載のディスプレイシステムである。
実施形態203は、第1の偏光状態に対して、第1のリターダ層が、第1のリターダ層にわたって実質的に均一な配向及び不均一なリターダンスを有し、第2のリターダ層が、第2のリターダ層にわたって実質的に均一なリターダンス及び不均一な配向を有する、実施形態197に記載のディスプレイシステムである。
実施形態204は、第1の偏光状態に対して、第1のリターダ層が、第1のリターダ層にわたって実質的に均一な配向及び均一なリターダンスを有し、第2のリターダ層が、第2のリターダ層にわたって実質的に不均一なリターダンス及び不均一な配向を有する、実施形態197に記載のディスプレイシステムである。
実施形態205は、射出瞳を更に備え、所定の波長及び第1の偏光状態において、かつディスプレイ上の複数の位置の各位置に関して、ディスプレイが、射出瞳を実質的に充填する光線の円錐を放射し、光線の円錐が、対応する第1及び第2の入射領域にわたって第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、対応する第1及び第2の入射領域にわたる第1及び第2のリターダ層の各々の平均リターダンスが、所定の波長の四分の一から10%以内にある、実施形態197に記載のディスプレイシステムである。
実施形態206は、光軸が、第1の原点でリターダ層と、及び第2の原点で反射型偏光子と交差し、反射型偏光子が、第2の原点において直交する遮断及び通過偏光状態を有し、光軸に沿って伝播し、第1の原点で第1のリターダ層に入射する、所定の波長及び遮断偏光状態を有する第1の光線に関して、第1の光線が、反射型偏光子に最初に入射するときに第1の偏光状態を有し、及び反射型偏光子に2回目の入射時に第2の偏光状態を有し、第1の偏光状態と遮断偏光状態との間の差が、第2の偏光状態と通過偏光状態との間の差未満である、実施形態194に記載のディスプレイシステムである。
実施形態207は、所定の波長において、第1のリターダ層が、少なくとも1つの第1の位置における第1のリターダンス、及び少なくとも1つの異なる第2の位置における異なる第2のリターダンスを有する、実施形態194に記載のディスプレイシステムである。
実施形態208は、第1のリターダ層が、少なくとも1つの第1の位置における第1の物理的厚さ、及び少なくとも1つの異なる第2の位置における異なる第2の物理的厚さを有する、実施形態194に記載のディスプレイシステムである。
実施形態209は、第1のリターダ層が、少なくとも1つの第1の位置で、第1の偏光状態に対する第1の配向、及び所定の波長における第1のリターダンス、並びに少なくとも1つの異なる第2の位置で、第1の偏光状態に対する異なる第2の配向、及び所定の波長における異なる第2のリターダンスを有する、実施形態194に記載のディスプレイシステムである。
実施形態210は、第1のリターダ層が、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層を含み、所定の波長において、かつ第1のリターダ層上の少なくとも1つの位置に対して、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層のうちの一方が、正のリターダンスを有し、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層の他方が、負のリターダンスを有する、実施形態194に記載のディスプレイシステムである。
実施形態211は、各主光線が所定の波長において第1の偏光状態を有し、かつ光軸からの異なる分離を有する、ディスプレイによって放射された複数の主光線につき、第1のリターダ層が、所定の波長の四分の一から10%以内のリターダンスを有する、実施形態194に記載のディスプレイシステムである。
実施形態212は、光軸が、第1の原点で第1のリターダ層と、及び第2の原点で反射型偏光子と交差し、反射型偏光子上の各位置が、位置に対応して、相互に直交する通過及び遮断偏光状態を有し、所定の波長及び第2の原点における反射型偏光子の遮断偏光状態を有し、第1の原点で第1のリターダ層に最初に入射し、光軸と角度θをなす光線に関して、光線が、第1の位置で反射型偏光子に最初に入射するときに、実質的に反射され、第2の位置で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、
第2の位置における光線の偏光状態と反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、θがゼロであるときにより大きく、θがゼロではないときにより小さい、実施形態194に記載のディスプレイシステムである。
実施形態213は、反射型偏光子上の各位置が、位置に対応して、相互に直交する通過及び遮断偏光状態を有し、ディスプレイシステムが、光軸を有し、ディスプレイによって放射され光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、及び第1のリターダ層を通過し、それにより、各主光線が所定の波長及び第1の偏光状態を有し、かつ光軸から異なる分離で放射された、ディスプレイによって放射された複数の主光線に関して、主光線が、第1の位置で反射型偏光子に最初に入射するときに、実質的に反射され、第2の位置で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、第2の位置における主光線の偏光状態と第2の位置における反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、約0.07未満である、実施形態194に記載のディスプレイシステムである。
実施形態214は、観察者に画像を表示するための、所定の波長で最大コントラスト比を有するディスプレイシステムであって、
画像を放射するディスプレイと、
放射された画像を観察者に表示するための光学システムであって、
少なくとも1つの湾曲した主表面を有する1つ以上の光学レンズと、
所定の波長において第1の偏光状態を有する光を実質的に反射し、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に透過する反射型偏光子と、
所定の波長において少なくとも20%の平均光反射率を有する部分反射体と、
一体型の第1のリターダ層と、を含む光学システムと、を備え、ディスプレイシステムが、光軸を有し、ディスプレイによって放射され光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、及び一体型の第1のリターダ層を通過し、それにより、各主光線が所定の波長において第1の偏光状態を有し、かつ光軸からの異なる分離を有する、ディスプレイによって放射された複数の主光線につき、第1のリターダ層が、所定の波長の四分の一から10%以内のリターダンスを有する、ディスプレイシステムである。
実施形態215は、各主光線が所定の波長において第1の偏光状態を有し、かつ光軸からの異なる分離を有する、ディスプレイによって放射された複数の主光線につき、第1のリターダ層が、主光線を円偏光に変換する、実施形態214に記載のディスプレイシステムである。
実施形態216は、ディスプレイによって放射され、所定の波長において第1の偏光状態を有する複数の主光線内の主光線につき、第1のリターダ層が、ディスプレイによって放射された画像の縁部から放射された主光線は円偏光に、及び光軸に沿って伝播する主光線は楕円偏光に変換する、実施形態214に記載のディスプレイシステムである。
実施形態217は、第1のリターダ層が、所定の波長における不均一なリターダンス及び第1の偏光状態に対する不均一な配向のうちの少なくとも1つを有する、実施形態214に記載のディスプレイシステムである。
実施形態218は、部分反射体と反射型偏光子との間に配置された一体型の第2のリターダ層を更に備える、実施形態214に記載のディスプレイシステムである。
実施形態219は、第1のリターダ層が、第1の波長分散曲線を有し、第2のリターダ層が、異なる第2の波長分散曲線を有する、実施形態218に記載のディスプレイシステムである。
実施形態220は、所定の波長において、第1及び第2のリターダ層のうちの少なくとも1つが、リターダ層の第1の領域にわたる実質的に均一なリターダンス、及びリターダ層の異なる第2の領域にわたる不均一なリターダンスを有する、実施形態218に記載のディスプレイシステムである。
実施形態221は、第1のリターダ層が、所定の波長を含む所定の波長範囲内の第1の波長に対して実質的に四分の一波リターダであるが、所定の波長範囲内の異なる第2の波長に対して実質的に四分の一波リターダではなく、第2のリターダ層が、第2の波長に対して実質的に四分の一波リターダであるが、第1の波長に対して実質的に四分の一波リターダではない、実施形態218に記載のディスプレイシステムである。
実施形態222は、第1のリターダ層が、均一な物理的厚さ及び可変配向を有し、第2のリターダ層が、均一な配向及び可変物理的厚さを有する、実施形態218に記載のディスプレイシステムである。
実施形態223は、第2のリターダ層が、均一な物理的厚さ及び可変配向を有し、第1のリターダ層が、均一な配向及び可変物理的厚さを有する、実施形態218に記載のディスプレイシステムである。
実施形態224は、第1の偏光状態に対して、第1のリターダ層が、第1のリターダ層にわたって実質的に均一な配向及び不均一なリターダンスを有し、第2のリターダ層が、第2のリターダ層にわたって実質的に均一なリターダンス及び不均一な配向を有する、実施形態218に記載のディスプレイシステムである。
実施形態225は、第1の偏光状態に対して、第1のリターダ層が、第1のリターダ層にわたって実質的に均一な配向及び均一なリターダンスを有し、第2のリターダ層が、第2のリターダ層にわたって実質的に不均一なリターダンス及び不均一な配向を有する、実施形態218に記載のディスプレイシステムである。
実施形態226は、射出瞳を更に備え、所定の波長及び第1の偏光状態において、かつディスプレイ上の複数の位置の各位置に関して、ディスプレイが、射出瞳を実質的に充填する光線の円錐を放射し、光線の円錐が、対応する第1及び第2の入射領域にわたって第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、対応する第1及び第2の入射領域にわたる第1及び第2のリターダ層の各々の平均リターダンスが、所定の波長の四分の一から10%以内にある、実施形態218に記載のディスプレイシステムである。
実施形態227は、ディスプレイによって放射される少なくとも1つの光線に関して、光線が、対応する第1及び第2の位置で第1及び第2のリターダ層と交差し、平面視で、第1の位置における第1のリターダ層の速軸が、第2の位置における第2のリターダ層の速軸に実質的に平行である、実施形態218に記載のディスプレイシステムである。
実施形態228は、ディスプレイによって放射される少なくとも1つの光線に関して、光線が、対応する第1及び第2の位置で第1及び第2のリターダ層と交差し、平面視で、第1の位置における第1のリターダ層の速軸が、第2の位置における第2のリターダ層の速軸に実質的に垂直である、実施形態218に記載のディスプレイシステムである。
実施形態229は、ディスプレイによって放射される少なくとも第1及び第2の光線に関して、第1の光線が、対応する第1及び第2の位置で第1及び第2のリターダ層と交差し、第2の光線が、対応する第3及び第4の位置で第1及び第2のリターダと交差し、平面視で、第1の位置における第1のリターダ層の速軸及び第2の位置における第2のリターダ層の速軸が、互いに第1の角度をなし、第3の位置における第1のリターダ層の速軸及び第4の位置における第2のリターダ層の速軸が、互いに第2の角度をなす、実施形態218に記載のディスプレイシステムである。
実施形態230は、第1及び第2の角度が、実質的に等しい、実施形態229に記載のディスプレイシステムである。
実施形態231は、第1及び第2の角度が、異なる、実施形態229に記載のディスプレイシステムである。
実施形態232は、第1及び第2の角度が、互いの5度以内である、実施形態229に記載のディスプレイシステムである。
実施形態233は、第1及び第2の角度のそれぞれが、10度以下である、実施形態229に記載のディスプレイシステムである。
実施形態234は、第1及び第2の角度のそれぞれが、80〜100度の範囲である、実施形態229に記載のディスプレイシステムである。
実施形態235は、光軸が、第1の原点でリターダ層と、及び第2の原点で反射型偏光子と交差し、反射型偏光子が、第2の原点において直交する遮断及び通過偏光状態を有し、光軸に沿って伝播し、第1の原点で第1のリターダ層に入射する、所定の波長及び遮断偏光状態を有する第1の光線に関して、第1の光線が、反射型偏光子に最初に入射するときに第1の偏光状態を有し、及び反射型偏光子に2回目の入射時に第2の偏光状態を有し、第1の偏光状態と遮断偏光状態との間の差が、第2の偏光状態と通過偏光状態との間の差未満である、実施形態214に記載のディスプレイシステムである。
実施形態236は、所定の波長において、第1のリターダ層が、少なくとも1つの第1の位置における第1のリターダンス、及び少なくとも1つの異なる第2の位置における異なる第2のリターダンスを有する、実施形態214に記載のディスプレイシステムである。
実施形態237は、第1のリターダ層が、少なくとも1つの第1の位置における第1の物理的厚さ、及び少なくとも1つの異なる第2の位置における異なる第2の物理的厚さを有する、実施形態214に記載のディスプレイシステムである。
実施形態238は、第1のリターダ層が、少なくとも1つの第1の位置で、第1の偏光状態に対する第1の配向、及び所定の波長における第1のリターダンス、並びに少なくとも1つの異なる第2の位置で、第1の偏光状態に対する異なる第2の配向、及び所定の波長における異なる第2のリターダンスを有する、実施形態214に記載のディスプレイシステムである。
実施形態239は、第1のリターダ層が、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層を含み、所定の波長において、かつ第1のリターダ層上の少なくとも1つの位置に対して、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層のうちの一方が、正のリターダンスを有し、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層の他方が、負のリターダンスを有する、実施形態214に記載のディスプレイシステムである。
実施形態240は、各主光線が所定の波長において第1の偏光状態を有し、かつ光軸からの異なる分離を有する、ディスプレイによって放射された複数の主光線につき、第1のリターダ層が、所定の波長の四分の一から10%以内のリターダンスを有する、実施形態214に記載のディスプレイシステムである。
実施形態241は、光軸が、第1の原点で第1のリターダ層と、及び第2の原点で反射型偏光子と交差し、反射型偏光子上の各位置が、位置に対応して、相互に直交する通過及び遮断偏光状態を有し、所定の波長及び第2の原点における反射型偏光子の遮断偏光状態を有し、第1の原点で第1のリターダ層に最初に入射し、光軸と角度θをなす光線に関して、光線が、第1の位置で反射型偏光子に最初に入射するときに、実質的に反射され、第2の位置で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、
第2の位置における光線の偏光状態と反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、θがゼロであるときにより大きく、θがゼロではないときにより小さい、実施形態214に記載のディスプレイシステムである。
実施形態242は、反射型偏光子上の各位置が、位置に対応して、相互に直交する通過及び遮断偏光状態を有し、ディスプレイシステムが、光軸を有し、ディスプレイによって放射され光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、及び第1のリターダ層を通過し、それにより、各主光線が所定の波長及び第1の偏光状態を有し、かつ光軸から異なる分離で放射された、ディスプレイによって放射された複数の主光線に関して、主光線が、第1の位置で反射型偏光子に最初に入射するときに、実質的に反射され、第2の位置で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、第2の位置における主光線の偏光状態と第2の位置における反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、約0.07未満である、実施形態214に記載のディスプレイシステムである。
実施形態243は、約4.5mm〜約6mmの範囲の直径を有する射出瞳を更に備える、実施形態214に記載のディスプレイシステムである。
実施形態244は、光学システムが、約0.2〜約2.5の範囲のF値を有する、実施形態243に記載のディスプレイシステムである。
実施形態245は、観察者に対象物を表示するための光学システムであって、
少なくとも1つの湾曲した主表面を有する1つ以上の光学レンズと、
1つ以上の光学レンズの第1の主表面上に配置され、それに適合する反射型偏光子であって、第1の偏光状態を有する光を実質的に反射し、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に透過する、反射型偏光子と、
1つ以上の光学レンズの異なる第2の主表面上に配置され、それに適合する部分反射体であって、少なくとも20%の平均光反射率を有する、部分反射体と、
1つ以上の光学レンズの第3の主表面上に配置され、それに適合する第1のリターダ層と、
1つ以上の光学レンズの第3の主表面とは異なる第4の主表面上に配置され、それに適合する第2のリターダ層と、を備え、それにより、第1の偏光状態に対して、第1のリターダ層が、第1のリターダ層にわたって実質的に均一な配向及び不均一なリターダンスを有し、第2のリターダ層が、第2のリターダ層にわたって実質的に均一なリターダンス及び不均一な配向を有する、光学システムである。
実施形態246は、第1のリターダ層が、より小さい第1の平均物理的厚さを有する第1のスピンコーティングされたリターダ層を含み、第2のリターダ層が、より大きい第2の平均物理的厚さを有する第2のスピンコーティングされたリターダ層を含む、実施形態245に記載の光学システムである。
実施形態247は、第1及び第2のリターダ層のそれぞれが、一体型リターダ層である、実施形態245に記載の光学システムである。
実施形態248は、第1のリターダ層が、第1の波長分散曲線を有し、第2のリターダ層が、異なる第2の波長分散曲線を有する、実施形態245に記載の光学システムである。
実施形態249は、第2のリターダ層が、部分反射体と反射型偏光子との間に配置された、実施形態245に記載の光学システムである。
実施形態250は、第1のリターダ層が、部分反射体と反射型偏光子との間に配置された、実施形態245に記載の光学システムである。
実施形態251は、ディスプレイと、射出瞳とを更に備え、所定の波長及び第1の偏光状態において、かつディスプレイ上の複数の位置の各位置に関して、ディスプレイが、射出瞳を実質的に充填する光線の円錐を放射し、光線の円錐が、対応する第1及び第2の入射領域にわたって第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、対応する第1及び第2の入射領域にわたる第1及び第2のリターダ層の各々の平均リターダンスが、所定の波長の四分の一から10%以内にある、実施形態245に記載の光学システムである。
実施形態252は、第1のリターダ層が、少なくとも1つの第1の位置で、第1の偏光状態に対する第1の配向、及び所定の波長における第1のリターダンス、並びに少なくとも1つの異なる第2の位置で、第1の偏光状態に対する異なる第2の配向、及び所定の波長における異なる第2のリターダンスを有する、実施形態245に記載の光学システムである。
実施形態253は、第1のリターダ層が、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層を含み、所定の波長において、かつ第1のリターダ層上の少なくとも1つの位置に対して、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層のうちの一方が、正のリターダンスを有し、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層の他方が、負のリターダンスを有する、実施形態245に記載の光学システムである。
実施形態254は、第1の原点で第1のリターダ層と、及び第2の原点で反射型偏光子と交差する光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、及び第1のリターダ層を通過する、実施形態245に記載の光学システムである。
実施形態255は、反射型偏光子が、第2の原点において直交する遮断及び通過偏光状態を有し、光軸に沿って伝播し、第1の原点で第1のリターダ層に入射する、所定の波長及び遮断偏光状態を有する第1の光線に関して、第1の光線が、反射型偏光子に最初に入射するときに第1の偏光状態を有し、及び反射型偏光子に2回目の入射時に第2の偏光状態を有し、第1の偏光状態と遮断偏光状態との間の差が、第2の偏光状態と通過偏光状態との間の差未満である、実施形態254に記載の光学システムである。
実施形態256は、所定の波長において第1の偏光状態を有し第1の原点を通過する光線につき、第1のリターダ層が、光軸に沿って伝播する光線は楕円偏光に、及び光軸に対して斜めの方向に沿って伝播する光線は円偏光に変換する、実施形態254に記載の光学システムである。
実施形態257は、ディスプレイを更に備え、各主光線が所定の波長において第1の偏光状態を有し、かつ光軸からの異なる分離を有する、ディスプレイによって放射された複数の主光線につき、第1のリターダ層が、主光線を円偏光に変換する、実施形態254に記載の光学システムである。
実施形態258は、ディスプレイを更に備え、各主光線が所定の波長において第1の偏光状態及び光軸からの異なる分離を有する、ディスプレイによって放射された複数の主光線につき、第1のリターダ層が、所定の波長の四分の一から10%以内のリターダンスを有する、実施形態254に記載の光学システムである。
実施形態259は、反射型偏光子上の各位置が、位置に対応して、相互に直交する通過及び遮断偏光状態を有し、所定の波長及び第2の原点における反射型偏光子の遮断偏光状態を有し、原点で第1のリターダ層に最初に入射し、光軸と角度θをなす光線に関して、光線が、第1の位置で反射型偏光子に最初に入射するときに、実質的に反射され、第2の位置で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、
第2の位置における光線の偏光状態と反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、θがゼロであるときにより大きく、θがゼロではないときにより小さい、実施形態254に記載の光学システムである。
実施形態260は、ディスプレイを更に備え、反射型偏光子上の各位置が、位置に対応して、相互に直交する通過及び遮断偏光状態を有し、各主光線が所定の波長及び第1の偏光状態を有し、かつ光軸から異なる分離で放射された、ディスプレイによって放射された複数の主光線に関して、主光線が、第1の位置で反射型偏光子に最初に入射するときに、実質的に反射され、第2の位置で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、第2の位置における主光線の偏光状態と第2の位置における反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、約0.07未満である、実施形態254に記載の光学システムである。
実施形態261は、観察者に対象物を表示するための光学システムであって、
少なくとも1つの湾曲した主表面を有する1つ以上の光学レンズと、
1つ以上の光学レンズの第1の主表面上に配置され、それに適合する反射型偏光子であって、第1の偏光状態を有する光を実質的に反射し、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に透過する、反射型偏光子と、
1つ以上の光学レンズの異なる第2の主表面上に配置され、それに適合する部分反射体であって、少なくとも20%の平均光反射率を有する、部分反射体と、
1つ以上の光学レンズの第3の主表面上に配置され、それに適合する第1のリターダ層と、
1つ以上の光学レンズの第3の主表面とは異なる第4の主表面上に配置され、それに適合する第2のリターダ層と、を備え、それにより、第1の偏光状態に対して、第1のリターダが、第1のリターダ層にわたって実質的に均一な配向及び均一なリターダンスを有し、第2のリターダ層が、第2のリターダ層にわたって実質的に不均一なリターダンス及び不均一な配向を有する、光学システムである。
実施形態262は、第2のリターダ層が、反射型偏光子と部分反射体との間に配置された、実施形態261に記載の光学システムである。
実施形態263は、第1のリターダ層が、反射型偏光子と部分反射体との間に配置された、実施形態261に記載の光学システムである。
実施形態264は、第1のリターダ層が、第1の波長分散曲線を有し、第2のリターダ層が、異なる第2の波長分散曲線を有する、実施形態261に記載の光学システムである。
実施形態265は、第1のリターダ層が、より小さい第1の平均物理的厚さを有する第1のスピンコーティングされたリターダ層を含み、第2のリターダ層が、より大きい第2の平均物理的厚さを有する第2のスピンコーティングされたリターダ層を含む、実施形態261に記載の光学システムである。
実施形態266は、第1及び第2のリターダ層のそれぞれが、一体型リターダ層である、実施形態261に記載の光学システムである。
実施形態267は、第2のリターダ層が、部分反射体と反射型偏光子との間に配置された、実施形態261に記載の光学システムである。
実施形態268は、第1のリターダ層が、部分反射体と反射型偏光子との間に配置された、実施形態261に記載の光学システムである。
実施形態269は、ディスプレイと、射出瞳とを更に備え、所定の波長及び第1の偏光状態において、かつディスプレイ上の複数の位置の各位置に関して、ディスプレイが、射出瞳を実質的に充填する光線の円錐を放射し、光線の円錐が、対応する第1及び第2の入射領域にわたって第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、対応する第1及び第2の入射領域にわたる第1及び第2のリターダ層の各々の平均リターダンスが、所定の波長の四分の一から10%以内にある、実施形態261に記載の光学システムである。
実施形態270は、第1のリターダ層が、少なくとも1つの第1の位置で、第1の偏光状態に対する第1の配向、及び所定の波長における第1のリターダンス、並びに少なくとも1つの異なる第2の位置で、第1の偏光状態に対する異なる第2の配向、及び所定の波長における異なる第2のリターダンスを有する、実施形態261に記載の光学システムである。
実施形態271は、第1のリターダ層が、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層を含み、所定の波長において、かつ第1のリターダ層上の少なくとも1つの位置に対して、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層のうちの一方が、正のリターダンスを有し、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層の他方が、負のリターダンスを有する、実施形態261に記載の光学システムである。
実施形態272は、第1の原点で第1のリターダ層と、及び第2の原点で反射型偏光子と交差する光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、及び第1のリターダ層を通過する、実施形態261に記載の光学システムである。
実施形態273は、反射型偏光子が、第2の原点において直交する遮断及び通過偏光状態を有し、光軸に沿って伝播し、第1の原点で第1のリターダ層に入射する、所定の波長及び遮断偏光状態を有する第1の光線に関して、第1の光線が、反射型偏光子に最初に入射するときに第1の偏光状態を有し、及び反射型偏光子に2回目の入射時に第2の偏光状態を有し、第1の偏光状態と遮断偏光状態との間の差が、第2の偏光状態と通過偏光状態との間の差未満である、実施形態272に記載の光学システムである。
実施形態274は、所定の波長において第1の偏光状態を有し第1の原点を通過する光線につき、第1のリターダ層が、光軸に沿って伝播する光線は楕円偏光に、及び光軸に対して斜めの方向に沿って伝播する光線は円偏光に変換する、実施形態272に記載の光学システムである。
実施形態275は、ディスプレイを更に備え、各主光線が所定の波長において第1の偏光状態を有し、かつ光軸からの異なる分離を有する、ディスプレイによって放射された複数の主光線につき、第1のリターダ層が、主光線を円偏光に変換する、実施形態272に記載の光学システムである。
実施形態276は、ディスプレイを更に備え、各主光線が所定の波長において第1の偏光状態を有し、かつ光軸からの異なる分離を有する、ディスプレイによって放射された複数の主光線につき、第1のリターダ層が、所定の波長の四分の一から10%以内のリターダンスを有する、実施形態272に記載の光学システムである。
実施形態277は、反射型偏光子上の各位置が、位置に対応して、相互に直交する通過及び遮断偏光状態を有し、所定の波長及び第2の原点における反射型偏光子の遮断偏光状態を有し、原点で第1のリターダ層に最初に入射し、光軸と角度θをなす光線に関して、光線が、第1の位置で反射型偏光子に最初に入射するときに、実質的に反射され、第2の位置で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、
第2の位置における光線の偏光状態と反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、θがゼロであるときにより大きく、θがゼロではないときにより小さい、実施形態272に記載の光学システムである。
実施形態278は、ディスプレイを更に備え、反射型偏光子上の各位置が、位置に対応して、相互に直交する通過及び遮断偏光状態を有し、各主光線が所定の波長及び第1の偏光状態を有し、かつ光軸から異なる分離で放射された、ディスプレイによって放射された複数の主光線に関して、主光線が、第1の位置で反射型偏光子に最初に入射するときに、実質的に反射され、第2の位置で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、第2の位置における主光線の偏光状態と第2の位置における反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、約0.07未満である、実施形態272に記載の光学システムである。
実施形態279は、観察者に対象物を表示するための、所定の波長で最大コントラスト比を有する光学システムであって、光学システムが、
少なくとも1つの湾曲した主表面を有する1つ以上の光学レンズと、
1つ以上の光学レンズの第1の主表面上に配置され、それに適合する反射型偏光子であって、反射型偏光子上の各位置が、位置に対応して、相互に直交する通過及び遮断偏光状態を有し、それにより、その位置において、反射型偏光子が、所定の波長において遮断偏光状態を有する光を実質的に反射し、通過偏光状態を有する光を実質的に透過する、反射型偏光子と、
1つ以上の光学レンズの異なる第2の主表面上に配置され、それに適合する部分反射体であって、所定の波長において少なくとも20%の平均光反射率を有する、部分反射体と、
1つ以上の光学レンズの第3の主表面上に配置され、それに適合する第1のリターダ層と、
部分反射体と反射型偏光子との間の1つ以上の光学レンズの第3の主表面とは異なる第4の主表面上に配置され、それに適合する第2のリターダ層と、を備え、光学システムが、第1の原点で第1のリターダ層と、及び第2の原点で反射型偏光子と交差する光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、
それにより、所定の波長及び第2の原点における反射型偏光子の遮断偏光状態を有し、第1の原点で第1のリターダ層に最初に入射し、光軸と角度θをなす光線に関して、光線が、第1の位置で反射型偏光子に最初に入射するときに、実質的に反射され、第2の位置で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、
第2の位置における光線の偏光状態と反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、θがゼロであるときにより大きく、θがゼロではないときにより小さい、光学システムである。
実施形態280は、反射型偏光子上の少なくとも異なる2つの位置の遮断偏光状態が、異なって配向されている、実施形態279に記載の光学システムである。
実施形態281は、第1のリターダ層が、第1のリターダ層にわたって実質的に均一な配向及び不均一なリターダンスを有し、第2のリターダ層が、第2のリターダ層にわたって実質的に均一なリターダンス及び不均一な配向を有する、実施形態279に記載の光学システムである。
実施形態282は、第1のリターダ層が、第1のリターダ層にわたって空間的に不均一な配向及び空間的に不均一なリターダンスを有する、実施形態279に記載の光学システムである。
実施形態283は、第1及び第2のリターダ層のうちの少なくとも1つが、リターダ層の第1の領域にわたる実質的に均一なリターダンス、及びリターダ層の異なる第2の領域にわたる不均一なリターダンスを有する、実施形態279に記載の光学システムである。
実施形態284は、第1のリターダ層が、第1の波長分散曲線を有し、第2のリターダ層が、異なる第2の波長分散曲線を有する、実施形態279に記載の光学システムである。
実施形態285は、第1のリターダ層が、より小さい第1の平均物理的厚さを有する第1のスピンコーティングされたリターダ層を含み、第2のリターダ層が、より大きい第2の平均物理的厚さを有する第2のスピンコーティングされたリターダ層を含む、実施形態279に記載の光学システムである。
実施形態286は、第1及び第2のリターダ層のそれぞれが、一体型リターダ層である、実施形態279に記載の光学システムである。
実施形態287は、第2のリターダ層が、部分反射体と反射型偏光子との間に配置された、実施形態279に記載の光学システムである。
実施形態288は、第1のリターダ層が、部分反射体と反射型偏光子との間に配置された、実施形態279に記載の光学システムである。
実施形態289は、ディスプレイと、射出瞳とを更に備え、所定の波長において、かつディスプレイ上の複数の位置の各位置に関して、ディスプレイが、射出瞳を実質的に充填する光線の円錐を放射し、光線の円錐が、対応する第1及び第2の入射領域にわたって第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、対応する第1及び第2の入射領域にわたる第1及び第2のリターダ層の各々の平均リターダンスが、所定の波長の四分の一から10%以内にある、実施形態279に記載の光学システムである。
実施形態290は、第1のリターダ層が、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層を含み、所定の波長において、かつ第1のリターダ層上の少なくとも1つの位置に対して、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層のうちの一方が、正のリターダンスを有し、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層の他方が、負のリターダンスを有する、実施形態279に記載の光学システムである。
実施形態291は、ディスプレイを更に備え、各主光線が所定の波長及び光軸からの異なる分離を有する、ディスプレイによって放射された複数の主光線につき、第1のリターダ層が、主光線を円偏光に変換する、実施形態279に記載の光学システムである。
実施形態292は、ディスプレイを更に備え、各主光線が所定の波長及び光軸からの異なる分離を有する、ディスプレイによって放射された複数の主光線につき、第1のリターダ層が、所定の波長の四分の一から10%以内のリターダンスを有する、実施形態279に記載の光学システムである。
実施形態293は、ディスプレイを更に備え、各主光線が所定の波長を有し、かつ光軸から異なる分離で放射される、ディスプレイによって放射された複数の主光線につき、主光線が、第1の位置で反射型偏光子に最初に入射するときに実質的に反射され、第2の位置で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、第2の位置における主光線の偏光状態と第2の位置における反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、約0.07未満である、実施形態279に記載の光学システムである。
実施形態294は、光学システムに入射する少なくとも1つの光線に関して、光線が、対応する第1及び第2の位置で第1及び第2のリターダ層と交差し、平面視で、第1の位置における第1のリターダ層の速軸が、第2の位置における第2のリターダ層の速軸に実質的に平行である、実施形態245〜293のいずれか一項に記載の光学システムである。
実施形態295は、光学システムに入射する少なくとも1つの光線に関して、光線が、対応する第1及び第2の位置で第1及び第2のリターダ層と交差し、平面視で、第1の位置における第1のリターダ層の速軸が、第2の位置における第2のリターダ層の速軸に実質的に垂直である、実施形態245〜293のいずれか一項に記載の光学システムである。
実施形態296は、光学システムに入射する少なくとも第1及び第2の光線に関して、第1の光線が、対応する第1及び第2の位置で第1及び第2のリターダ層と交差し、第2の光線が、対応する第3及び第4の位置で第1及び第2のリターダと交差し、平面視で、第1の位置における第1のリターダ層の速軸及び第2の位置における第2のリターダ層の速軸が、互いに第1の角度をなし、第3の位置における第1のリターダ層の速軸及び第4の位置における第2のリターダ層の速軸が、互いに第2の角度をなす、実施形態245〜293のいずれか一項に記載の光学システムである。
実施形態297は、第1及び第2の角度が、実質的に等しい、実施形態296に記載の光学システムである。
実施形態298は、第1及び第2の角度が、異なる、実施形態296に記載の光学システムである。
実施形態299は、第1及び第2の角度が、互いの5度以内である、実施形態296に記載の光学システムである。
実施形態300は、第1及び第2の角度のそれぞれが、10度以下である、実施形態296に記載の光学システムである。
実施形態301は、第1及び第2の角度のそれぞれが、80〜100度の範囲である、実施形態296に記載の光学システムである。
実施形態302は、観察者に画像を表示するための、所定の波長で最大コントラスト比を有するディスプレイシステムであって、
画像を放射するディスプレイと、
放射された画像を観察者に表示するための光学システムであって、
少なくとも1つの湾曲した主表面を有する1つ以上の光学レンズと、
1つ以上の光学レンズの第1の主表面上に配置され、それに適合する反射型偏光子であって、反射型偏光子上の各位置が、位置に対応して、相互に直交する通過及び遮断偏光状態を有し、それにより、その位置において、反射型偏光子が、所定の波長において遮断偏光状態を有する光を実質的に反射し、通過偏光状態を有する光を実質的に透過する、反射型偏光子と、
1つ以上の光学レンズの異なる第2の主表面上に配置され、それに適合する部分反射体であって、所定の波長において少なくとも20%の平均光反射率を有する、部分反射体と、
1つ以上の光学レンズの異なる主表面上に配置され、それに適合する、離間した第1及び第2のリターダ層であって、第1及び第2のリターダ層のそれぞれが、可変リターダンス及び配向のうちの少なくとも1つを有する、第1及び第2のリターダ層と、を含む光学システムと、を備え、光学システムが、光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、各主光線が所定の波長を有し、かつ光軸から異なる分離で放射される、ディスプレイによって放射された複数の主光線につき、主光線が、第1の位置で反射型偏光子に最初に入射するときに実質的に反射され、第2の位置で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、第2の位置における主光線の偏光状態と第2の位置における反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、約0.07未満である、ディスプレイシステムである。
実施形態303は、複数の主光線内の少なくとも1つの主光線に関して、反射型偏光子上の第1及び第2の位置が、異なる位置である、実施形態302に記載のディスプレイシステムである。
実施形態304は、第2の位置における主光線の偏光状態と第2の位置における反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、約0.05未満である、実施形態302に記載のディスプレイシステムである。
実施形態305は、第2の位置における主光線の偏光状態と第2の位置における反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、約0.03未満である、実施形態302に記載のディスプレイシステムである。
実施形態306は、第2の位置における主光線の偏光状態と第2の位置における反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、約0.02未満である、実施形態302に記載のディスプレイシステムである。
実施形態307は、ディスプレイが、第1の偏光状態を有する偏光を放射する、実施形態302に記載のディスプレイシステムである。
実施形態308は、反射型偏光子が、反射型偏光子の原点で光軸と交差し、第1の偏光状態が、原点における反射型偏光子の遮断状態である、実施形態307に記載のディスプレイシステムである。
実施形態309は、反射型偏光子が、反射型偏光子の原点で光軸と交差し、第1の偏光状態が、原点における反射型偏光子の通過状態である、実施形態307に記載のディスプレイシステムである。
実施形態310は、ディスプレイによって放射された複数の主光線内の各主光線につき、第1のリターダ層が、所定の波長の四分の一から10%以内のリターダンスを有する、実施形態302に記載のディスプレイシステムである。
実施形態311は、複数の主光線内の放射された主光線につき、第1のリターダ層が、ディスプレイによって放射された画像の縁部から放射された主光線は円偏光に、及び光軸に沿って伝播する主光線は楕円偏光に変換する、実施形態302に記載のディスプレイシステムである。
実施形態312は、第1のリターダ層が、所定の波長における不均一なリターダンス及び不均一な速光軸配向のうちの少なくとも1つを有する、実施形態302に記載のディスプレイシステムである。
実施形態313は、第1のリターダ層が、第1の波長分散曲線を有し、第2のリターダ層が、異なる第2の波長分散曲線を有する、実施形態302に記載のディスプレイシステムである。
実施形態314は、所定の波長において、第1及び第2のリターダ層のうちの少なくとも1つが、リターダ層の第1の領域にわたる実質的に均一なリターダンス、及びリターダ層の異なる第2の領域にわたる不均一なリターダンスを有する、実施形態302に記載のディスプレイシステムである。
実施形態315は、第1のリターダ層が、所定の波長を含む所定の波長範囲内の第1の波長に対して実質的に四分の一波リターダであるが、所定の波長範囲内の異なる第2の波長に対して実質的に四分の一波リターダではなく、第2のリターダ層が、第2の波長に対して実質的に四分の一波リターダであるが、第1の波長に対して実質的に四分の一波リターダではない、実施形態302に記載のディスプレイシステムである。
実施形態316は、第1のリターダ層が、均一な物理的厚さ及び可変配向を有し、第2のリターダ層が、均一な配向及び可変物理的厚さを有する、実施形態302に記載のディスプレイシステムである。
実施形態317は、第2のリターダ層が、均一な物理的厚さ及び可変配向を有し、第1のリターダ層が、均一な配向及び可変物理的厚さを有する、実施形態302に記載のディスプレイシステムである。
実施形態318は、第1のリターダ層が、第1のリターダ層にわたって実質的に均一な配向及び不均一なリターダンスを有し、第2のリターダ層が、第2のリターダ層にわたって実質的に均一なリターダンス及び不均一な配向を有する、実施形態302に記載のディスプレイシステムである。
実施形態319は、第1のリターダ層が、第1のリターダ層にわたって実質的に均一な配向及び均一なリターダンスを有し、第2のリターダ層が、第2のリターダ層にわたって実質的に不均一なリターダンス及び不均一な配向を有する、実施形態302に記載のディスプレイシステムである。
実施形態320は、射出瞳を更に備え、所定の波長において、かつディスプレイ上の複数の位置の各位置に関して、ディスプレイが、射出瞳を実質的に充填する光線の円錐を放射し、光線の円錐が、対応する第1及び第2の入射領域にわたって第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、対応する第1及び第2の入射領域にわたる第1及び第2のリターダ層の各々の平均リターダンスが、所定の波長の四分の一から10%以内である、実施形態302に記載のディスプレイシステムである。
実施形態321は、光軸が、第1の原点でリターダ層と、及び第2の原点で反射型偏光子と交差し、反射型偏光子が、第2の原点において直交する遮断及び通過偏光状態を有し、光軸に沿って伝播し、第1の原点で第1のリターダ層に入射する、所定の波長及び遮断偏光状態を有する第1の光線に関して、第1の光線が、反射型偏光子に最初に入射するときに第1の偏光状態を有し、、及び反射型偏光子に2回目の入射時に第2の偏光状態を有し、第1の偏光状態と遮断偏光状態との間の差が、第2の偏光状態と通過偏光状態との間の差未満である、実施形態302に記載のディスプレイシステムである。
実施形態322は、所定の波長において、第1のリターダ層が、少なくとも1つの第1の位置における第1のリターダンス、及び少なくとも1つの異なる第2の位置における異なる第2のリターダンスを有する、実施形態302に記載のディスプレイシステムである。
実施形態323は、第1のリターダ層が、少なくとも1つの第1の位置における第1の物理的厚さ、及び少なくとも1つの異なる第2の位置における異なる第2の物理的厚さを有する、実施形態302に記載のディスプレイシステムである。
実施形態324は、第1のリターダ層が、少なくとも1つの第1の位置で、第1の配向、及び所定の波長における第1のリターダンス、並びに少なくとも1つの異なる第2の位置で、異なる第2の配向、及び所定の波長における異なる第2のリターダンスを有する、実施形態302に記載のディスプレイシステムである。
実施形態325は、第1のリターダ層が、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層を含み、所定の波長において、かつ第1のリターダ層上の少なくとも1つの位置に対して、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層のうちの一方が、正のリターダンスを有し、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層の他方が、負のリターダンスを有する、実施形態302に記載のディスプレイシステムである。
実施形態326は、光軸が、第1の原点で第1のリターダ層と、及び第2の原点で反射型偏光子と交差し、所定の波長及び第2の原点における反射型偏光子の遮断偏光状態を有し、第1の原点で第1のリターダ層に最初に入射し、光軸と角度θをなす光線に関して、光線が、第1の位置で反射型偏光子に最初に入射するときに、実質的に反射され、第2の位置で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、
第2の位置における光線の偏光状態と反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、θがゼロであるときにより大きく、θがゼロではないときにより小さい、実施形態302に記載のディスプレイシステムである。
実施形態327は、約4.5mm〜約6mmの範囲の直径を有する射出瞳を備える、実施形態302に記載のディスプレイシステムである。
実施形態328は、光学システムが、約0.2〜約2.5の範囲のF値を有する、実施形態302に記載のディスプレイシステムである。
実施形態329は、観察者に画像を表示するための、所定の波長で最大コントラスト比を有するディスプレイシステムであって、
約4.5mm〜約6mmの範囲の直径を有する射出瞳と、
画像を放射するディスプレイと、
放射された画像を観察者に表示するための光学システムであって、
約0.2〜約2.5の範囲のF値を有する1つ以上の光学レンズと、
所定の波長において第1の偏光状態を有する光を実質的に反射し、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に透過する反射型偏光子と、
1つ以上の光学レンズの異なる第2の主表面上に配置され、それに適合する部分反射体であって、所定の波長において少なくとも20%の平均光反射率を有する、部分反射体と、
1つ以上の光学レンズの異なる主表面上に配置され、それに適合する、離間した第1及び第2のリターダ層と、を含む、光学システムと、を備え、それにより、所定の波長及び第1の偏光状態において、かつディスプレイ上の複数の位置の各位置に関して、ディスプレイが、射出瞳を実質的に充填する光線の円錐を放射し、光線の円錐が、対応する第1及び第2の入射領域にわたって第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、対応する第1及び第2の入射領域にわたる第1及び第2のリターダ層の各々の平均リターダンスが、所定の波長の四分の一から10%以内にある、ディスプレイシステムである。
実施形態330は、第1のリターダ層が、所定の波長における不均一なリターダンス及び不均一な速光軸配向のうちの少なくとも1つを有する、実施形態329に記載のディスプレイシステムである。
実施形態331は、第1のリターダ層が、第1の波長分散曲線を有し、第2のリターダ層が、異なる第2の波長分散曲線を有する、実施形態329に記載のディスプレイシステムである。
実施形態332は、所定の波長において、第1及び第2のリターダ層のうちの少なくとも1つが、リターダ層の第1の領域にわたる実質的に均一なリターダンス、及びリターダ層の異なる第2の領域にわたる不均一なリターダンスを有する、実施形態329に記載のディスプレイシステムである。
実施形態333は、第1のリターダ層が、所定の波長を含む所定の波長範囲内において第1の波長に対して実質的に四分の一波リターダであるが、所定の波長範囲内において異なる第2の波長に対して実質的に四分の一波リターダではなく、第2のリターダ層が、第2の波長に対して実質的に四分の一波リターダであるが、第1の波長に対して実質的に四分の一波リターダではない、実施形態329に記載のディスプレイシステムである。
実施形態334は、第1のリターダ層が、均一な物理的厚さ及び可変配向を有し、第2のリターダ層が、均一な配向及び可変物理的厚さを有する、実施形態329に記載のディスプレイシステムである。
実施形態335は、第2のリターダ層が、均一な物理的厚さ及び可変配向を有し、第1のリターダ層が、均一な配向及び可変物理的厚さを有する、実施形態329に記載のディスプレイシステムである。
実施形態336は、第1のリターダ層が、第1のリターダ層にわたって実質的に均一な配向及び不均一なリターダンスを有し、第2のリターダ層が、第2のリターダ層にわたって実質的に均一なリターダンス及び不均一な配向を有する、実施形態329に記載のディスプレイシステムである。
実施形態337は、第1のリターダ層が、第1のリターダ層にわたって実質的に均一な配向及び均一なリターダンスを有し、第2のリターダ層が、第2のリターダ層にわたって実質的に不均一なリターダンス及び不均一な配向を有する、実施形態329に記載のディスプレイシステムである。
実施形態338は、所定の波長において、第1のリターダ層が、少なくとも1つの第1の位置における第1のリターダンス、及び少なくとも1つの異なる第2の位置における異なる第2のリターダンスを有する、実施形態329に記載のディスプレイシステムである。
実施形態339は、第1のリターダ層が、少なくとも1つの第1の位置における第1の物理的厚さ、及び少なくとも1つの異なる第2の位置における異なる第2の物理的厚さを有する、実施形態329に記載のディスプレイシステムである。
実施形態340は、第1のリターダ層が、少なくとも1つの第1の位置で、第1の配向、及び所定の波長における第1のリターダンス、並びに少なくとも1つの異なる第2の位置で、異なる第2の配向、及び所定の波長における異なる第2のリターダンスを有する、実施形態329に記載のディスプレイシステムである。
実施形態341は、第1のリターダ層が、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層を含み、所定の波長において、かつ第1のリターダ層上の少なくとも1つの位置に対して、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層のうちの一方が、正のリターダンスを有し、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層の他方が、負のリターダンスを有する、実施形態329に記載のディスプレイシステムである。
実施形態342は、第1の原点で第1のリターダ層と、及び第2の原点で反射型偏光子と交差する光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過する、実施形態329に記載のディスプレイシステムである。
実施形態343は、各主光線が所定の波長及び第1の偏光状態を有し、かつ光軸から異なる分離で放射された、ディスプレイによって放射された複数の主光線に関して、主光線が、第1の位置で反射型偏光子に最初に入射するときに、実質的に反射され、第2の位置で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、第2の位置における主光線の偏光状態と第2の位置における反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、約0.07未満である、実施形態342に記載のディスプレイシステムである。
実施形態344は、ディスプレイによって放射された主光線につき、第1のリターダ層が、ディスプレイによって放射された画像の縁部から放射された主光線は円偏光に、及び光軸に沿って伝播する主光線は楕円偏光に変換する、実施形態342に記載のディスプレイシステムである。
実施形態345は、光軸が、第1の原点で第1のリターダ層と、及び第2の原点で反射型偏光子と交差し、反射型偏光子上の各位置が、位置に対応して、相互に直交する通過及び遮断偏光状態を有し、所定の波長及び第2の原点における反射型偏光子の遮断偏光状態を有し、第1の原点で第1のリターダ層に最初に入射し、光軸と角度θをなす光線に関して、光線が、第1の位置で反射型偏光子に最初に入射するときに、実質的に反射され、第2の位置で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、
第2の位置における光線の偏光状態と反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、θがゼロであるときにより大きく、θがゼロではないときにより小さい、実施形態342に記載のディスプレイシステムである。
実施形態346は、1つ以上の光学レンズが、少なくとも1つの曲面を有する、実施形態329に記載の光学システムである。
実施形態347は、1つ以上の光学レンズが、6mm〜1000mmの曲率半径を有する少なくとも1つの曲面を有する、実施形態329に記載の光学システムである。
実施形態348は、観察者に画像を表示するための、所定の波長で最大コントラスト比を有する光学システムであって、光学システムが、
少なくとも1つの湾曲した主表面を有する1つ以上の光学レンズと、
第1のリターダ層と、
1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する反射型偏光子と、
第1のリターダ層と反射型偏光子との間の1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する部分反射体であって、所定の波長において少なくとも20%の平均光反射率を有する、部分反射体と、
部分反射体と反射型偏光子との間に配置された第2のリターダ層と、を備え、
光学システムが、第1の原点で第1のリターダ層と、及び第2の原点で反射型偏光子と交差する光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、並びに第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、第2の原点において、反射型偏光子が、所定の波長において遮断偏光状態を有する光を実質的に反射し、直交する通過偏光状態を有する光を実質的に透過し、
それにより、光軸に沿って伝播し、第1の原点で第1のリターダ層に入射する、所定の波長及び遮断偏光状態を有する第1の光線に関して、第1の光線が、反射型偏光子に最初に入射するときに第1の偏光状態を有し、及び反射型偏光子に2回目の入射時に第2の偏光状態を有し、第1の偏光状態と遮断偏光状態との間の差が、第2の偏光状態と通過偏光状態との間の差未満である、光学システムである。
実施形態349は、第1のリターダ層が、第1のリターダ層にわたって実質的に均一な配向及び不均一なリターダンスを有し、第2のリターダ層が、第2のリターダ層にわたって実質的に均一なリターダンス及び不均一な配向を有する、実施形態348に記載の光学システムである。
実施形態350は、第1のリターダ層が、第1のリターダ層にわたって空間的に不均一な配向及び空間的に不均一なリターダンスを有する、実施形態348に記載の光学システムである。
実施形態351は、第1及び第2のリターダ層のうちの少なくとも1つが、リターダ層の第1の領域にわたる実質的に均一なリターダンス、及びリターダ層の異なる第2の領域にわたる不均一なリターダンスを有する、実施形態348に記載の光学システムである。
実施形態352は、第1のリターダ層が、第1の波長分散曲線を有し、第2のリターダ層が、異なる第2の波長分散曲線を有する、実施形態348に記載の光学システムである。
実施形態353は、第1のリターダ層が、より小さい第1の平均物理的厚さを有する第1のスピンコーティングされたリターダ層を含み、第2のリターダ層が、より大きい第2の平均物理的厚さを有する第2のスピンコーティングされたリターダ層を含む、実施形態348に記載の光学システムである。
実施形態354は、第1及び第2のリターダ層のそれぞれが、一体型リターダ層である、実施形態348に記載の光学システムである。
実施形態355は、ディスプレイと、射出瞳とを更に備え、所定の波長において、かつディスプレイ上の複数の位置の各位置に関して、ディスプレイが、射出瞳を実質的に充填する光線の円錐を放射し、光線の円錐が、対応する第1及び第2の入射領域にわたって第1及び第2のリターダ層を通過し、それにより、対応する第1及び第2の入射領域にわたる第1及び第2のリターダ層の各々の平均リターダンスが、所定の波長の四分の一から10%以内にある、実施形態348に記載の光学システムである。
実施形態356は、第1のリターダ層が、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層を含み、所定の波長において、かつ第1のリターダ層上の少なくとも1つの位置に対して、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層のうちの一方が、正のリターダンスを有し、少なくとも第1及び第2の積層リターダ層の他方が、負のリターダンスを有する、実施形態348に記載の光学システムである。
実施形態357は、ディスプレイを更に備え、各主光線が所定の波長及び光軸からの異なる分離を有する、ディスプレイによって放射された複数の主光線につき、第1のリターダ層が、主光線を円偏光に変換する、実施形態348に記載の光学システムである。
実施形態358は、ディスプレイを更に備え、各主光線が所定の波長及び光軸からの異なる分離を有する、ディスプレイによって放射された複数の主光線につき、第1のリターダ層が、所定の波長の四分の一から10%以内のリターダンスを有する、実施形態348に記載の光学システムである。
実施形態359は、ディスプレイを更に備え、各主光線が所定の波長を有し、かつ光軸から異なる分離で放射された、ディスプレイによって放射された複数の主光線に関して、主光線が、第1の位置で反射型偏光子に最初に入射するときに、実質的に反射され、第2の位置で反射型偏光子に2回目の入射時に実質的に透過され、第2の位置における主光線の偏光状態と第2の位置における反射型偏光子の通過偏光状態との間の差が、約0.07未満である、実施形態348に記載の光学システムである。
実施形態360は、ディスプレイによって放射された少なくとも1つの光線に関して、光線が、対応する第1及び第2の位置で第1及び第2のリターダ層と交差し、平面視で、第1の位置における第1のリターダ層の速軸が、第2の位置における第2のリターダ層の速軸に実質的に平行である、実施形態302〜359のいずれか一項に記載のディスプレイシステムである。
実施形態361は、ディスプレイによって放射された少なくとも1つの光線に関して、光線が、対応する第1及び第2の位置で第1及び第2のリターダ層と交差し、平面視で、第1の位置における第1のリターダ層の速軸が、第2の位置における第2のリターダ層の速軸に実質的に垂直である、実施形態302〜359のいずれか一項に記載のディスプレイシステムである。
実施形態362は、ディスプレイによって放射された少なくとも第1及び第2の光線に関して、第1の光線が、対応する第1及び第2の位置で第1及び第2のリターダ層と交差し、第2の光線が、対応する第3及び第4の位置で第1及び第2のリターダと交差し、平面視で、第1の位置における第1のリターダ層の速軸及び第2の位置における第2のリターダ層の速軸が、互いに第1の角度をなし、第3の位置における第1のリターダ層の速軸及び第4の位置における第2のリターダ層の速軸が、互いに第2の角度をなす、実施形態302〜359のいずれか一項に記載のディスプレイシステムである。
実施形態363は、第1及び第2の角度が、実質的に等しい、実施形態362に記載のディスプレイシステムである。
実施形態364は、第1及び第2の角度が、異なる、実施形態362に記載のディスプレイシステムである。
実施形態365は、第1及び第2の角度が、互いの5度以内である、実施形態362に記載のディスプレイシステムである。
実施形態366は、第1及び第2の角度のそれぞれが、10度以下である、実施形態362に記載のディスプレイシステムである。
実施形態367は、第1及び第2の角度のそれぞれが、80〜100度の範囲である、実施形態362に記載のディスプレイシステムである。
実施形態368は、ディスプレイが、第1の偏光状態を有する光を放射する、実施形態302〜359のいずれか一項に記載のディスプレイシステムである。
実施形態369は、ディスプレイが、第2の偏光状態を有する光を放射する、実施形態302〜359のいずれか一項に記載のディスプレイシステムである。
実施形態370は、光を透過するための光学システムであって、
少なくとも1つの湾曲した主表面を有する1つ以上の光学レンズと、
1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する部分反射体であって、所定の波長範囲内において少なくとも20%の平均光反射率を有する、部分反射体と、
1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する反射型偏光子であって、所定の波長範囲内において第1の偏光状態を有する光を実質的に反射し、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に透過する、反射型偏光子と、
1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する第1のリターダと、を備え、光学システムが、第1の原点で第1のリターダと交差する光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、及び第1のリターダを通過し、第1のリターダが、重なり合わない中央領域並びに第1及び第2の縁部領域を含み、中央領域が、第1の原点を含み、第1及び第2の縁部領域が、第1のリターダの対応する第1及び第2の縁部に、又はその付近に配置され、それにより、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、
中央領域が、δに実質的に等しい平均リターダンスを有し、
第1の縁部領域が、δ−ξに実質的に等しい平均リターダンスを有し、
第2の縁部領域が、δ+ξに実質的に等しい平均リターダンスを有し、
整数nに対して、λo(n+1/8)≦δ≦λo(n+1/2)及びδ/50≦ξ≦δ/2である、光学システムである。
実施形態371は、nが、0である、実施形態370に記載の光学システムである。
実施形態372は、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、中央領域が、実質的に均一なリターダンスを有する、実施形態370に記載の光学システムである。
実施形態373は、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、第1及び第2の縁部領域のそれぞれが、実質的に均一なリターダンスを有する、実施形態370に記載の光学システムである。
実施形態374は、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、第1及び第2の縁部領域のうちの少なくとも1つが、変化するリターダンスを有する、実施形態370に記載の光学システムである。
実施形態375は、δが、λo/4に実質的に等しく、δ/20≦ξ≦δ/5である、実施形態370に記載の光学システムである。
実施形態376は、δが、λo(n+1/4)に実質的に等しく、δ/20≦ξ≦δ/5である、実施形態370に記載の光学システムである。
実施形態377は、部分反射体が、第1のリターダと1つ以上のレンズとの間に配置された、実施形態370に記載の光学システムである。
実施形態378は、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、第1の縁部領域のリターダンスが、第1の原点から離れて第1の縁部に向かう方向に減少し、第2の縁部領域のリターダンスが、第1の原点から離れて第2の縁部に向かう方向に増加する、実施形態370に記載の光学システムである。
実施形態379は、第1のリターダが、変化するリターダンスを有し、それにより、所定の波長範囲内の光学システムの最大コントラスト比が、比較光学システムの第1のリターダがδの均一なリターダンスを有することを除いて同じ構造を有する比較光学システムの最大コントラスト比よりも、少なくとも5%大きい、301に記載の光学システムである。
実施形態380は、第1のリターダが、第3及び第4の縁部領域を更に含み、中央領域が、第1の縁部領域と第3の縁部領域との間、及び第2の縁部領域と第4の縁部領域との間にあり、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、第3の縁部領域が、δ−ξに実質的に等しい平均リターダンスを有し、第4の縁部領域が、δ+ξに実質的に等しい平均リターダンスを有する、実施形態370に記載の光学システムである。
実施形態381は、平面視で、第1のリターダが、面積Aを有し、中央領域が、約A/10〜約2A/3の範囲の面積を有し、第1〜第4の縁部領域のそれぞれが、約A/12〜約A/3の範囲の面積を有する、実施形態380に記載の光学システムである。
実施形態382は、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、中央領域が、実質的に均一なリターダンスを有する、実施形態381に記載の光学システムである。
実施形態383は、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、第1〜第4の縁部領域のうちの少なくとも1つが、実質的に均一なリターダンスを有する、実施形態382に記載の光学システムである。
実施形態384は、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、第1〜第4の縁部領域のそれぞれが、実質的に均一なリターダンスを有する、実施形態382に記載の光学システムである。
実施形態385は、光軸を含む第1の平面が、中央領域及び第1の縁部領域内で第1のリターダと交差し、光軸を含む第2の平面が、中央領域及び第2の縁部領域内で第1のリターダと交差し、第1の平面と第2の平面との間の角度が、約60度〜約120度の範囲である、実施形態370に記載の光学システムである。
実施形態386は、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、第1のリターダが、第1の平面周りの反射下で実質的に対称であり、かつ第2の平面周りの反射下で実質的に対称であるリターダンスを有する、実施形態385に記載の光学システムである。
実施形態387は、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、第1のリターダが、第1の原点におけるδoのリターダンスを有し、第1のリターダのリターダンスとδoとの間の差が、光軸を含む第3の平面周りの反射下で実質的に反対称であり、かつ光軸を含む異なる第4の平面周りの反射下で実質的に反対称である、実施形態370〜386のいずれか一項に記載の光学システムである。
実施形態388は、第3の平面と第4の平面との間の角度が、約60度〜約120度の範囲である、実施形態387に記載の光学システムである。
実施形態389は、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、中央領域が、θに実質的に等しい第1の偏光状態に対する平均速軸配向を有し、第1の縁部領域が、θ−εに実質的に等しい第1の偏光状態に対する平均速軸配向を有し、第2の縁部領域が、θ+εに実質的に等しい第1の偏光状態に対する平均速軸配向を有し、
θが、35〜55度の範囲であり、εが、0.5〜20度の範囲である、実施形態370〜388のいずれか一項に記載の光学システムである。
実施形態390は、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、第1のリターダが、光軸を含む第5の平面周りの反射下で実質的に対称であり、かつ光軸を含む異なる第6の平面周りの反射下で実質的に対称である、第1の偏光状態に対する速軸配向を有する、実施形態370〜389のいずれか一項に記載の光学システムである。
実施形態391は、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、第1のリターダが、θoの第1の原点における第1の偏光状態に対する速軸配向を有し、第1の偏光状態に対する第1のリターダの速軸配向とθoとの間の差が、光軸を含む第7の平面周りの反射下で実質的に反対称であり、かつ光軸を含む異なる第8の平面周りの反射下で実質的に反対称である、実施形態370〜390のいずれか一項に記載の光学システムである。
実施形態392は、光を透過するための光学システムであって、
少なくとも1つの湾曲した主表面を有する1つ以上の光学レンズと、
1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する部分反射体であって、所定の波長範囲内において少なくとも20%の平均光反射率を有する、部分反射体と、
1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する反射型偏光子であって、所定の波長範囲内において第1の偏光状態を有する光を実質的に反射し、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に透過する、反射型偏光子と、
1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する第1のリターダと、を備え、それにより、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、
第1のリターダの中心が、δoに等しいリターダンスを有し、整数nに対して、
λo(n+1/8)≦δo≦λo(n+1/2)であり、
第1のリターダのリターダンスが、第1の方向において第1のリターダの中心から離れて縁部にかけて増加し、第2の方向において第1のリターダの中心から離れて縁部にかけて減少し、第1の方向と第2の方向との間の角度が、約60度〜約120度の範囲であり、
それにより、所定の波長範囲内の光学システムの最大コントラスト比が、比較光学システムの第1のリターダがδoの均一なリターダンスを有することを除いて同じ構造を有する比較光学システムの最大コントラスト比よりも、少なくとも5%大きい、光学システムである。
実施形態393は、所定の波長範囲内の光学システムの最大コントラスト比が、比較光学システムの最大コントラスト比よりも少なくとも10%大きい、実施形態392に記載の光学システムである。
実施形態394は、所定の波長範囲内の光学システムの最大コントラスト比が、比較光学システムの最大コントラスト比よりも少なくとも20%大きい、実施形態392に記載の光学システムである。
実施形態395は、第1の方向と第2の方向との間の角度が、約90度である、実施形態392に記載の光学システム。
実施形態396は、第1及び第2の方向が、光軸を含む対応する第1及び第2の平面との第1のリターダの第1及び第2の交線に沿っており、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、第1のリターダが、第1の平面周りの反射及び第2の平面周りの反射のそれぞれの下で実質的に対称なリターダンスを有する、実施形態392に記載の光学システムである。
実施形態397は、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、第1のリターダのリターダンスとδとの間の差が、光軸を含む第3の平面周りの反射及び光軸を含む異なる第4の平面周りの反射のそれぞれの下で実質的に反対称である、実施形態392〜396のいずれか一項に記載の光学システムである。
実施形態398は、nが、0である、実施形態392に記載の光学システムである。
実施形態399は、第1のリターダが、重なり合わない中央領域並びに第1及び第2の縁部領域を含み、中央領域が、第1のリターダの中心を含み、第1及び第2の縁部領域が、第1のリターダの対応する第1及び第2の縁部に、又はその付近に配置され、それにより、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、
中央領域が、δに実質的に等しい平均リターダンスを有し、
第1の縁部領域が、δ−ξに実質的に等しい平均リターダンスを有し、
第2の縁部領域が、δ+ξに実質的に等しい平均リターダンスを有し、
整数nに対して、λo(n+1/8)≦δ≦λo(n+1/2)及びδ/50≦ξ≦δ/2である、実施形態392に記載の光学システムである。
実施形態400は、第1のリターダが、重なり合わない中央領域並びに第1及び第2の縁部領域を含み、中央領域が、第1のリターダの中心を含み、第1及び第2の縁部領域が、第1のリターダの対応する第1及び第2の縁部に、又はその付近に配置され、それにより、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、
中央領域が、θに実質的に等しい第1の偏光状態に対する平均速軸配向を有し、
第1の縁部領域が、θ−εに実質的に等しい第1の偏光状態に対する平均速軸配向を有し、
第2の縁部領域が、θ+εに実質的に等しい第1の偏光状態に対する平均速軸配向を有し、
θが、35〜55度の範囲であり、εが、0.5〜20度の範囲である、実施形態392に記載の光学システムである。
実施形態401は、光を透過するための光学システムであって、
少なくとも1つの湾曲した主表面を有する1つ以上の光学レンズと、
1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する部分反射体であって、所定の波長範囲内において少なくとも20%の平均光反射率を有する、部分反射体と、
1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する反射型偏光子であって、所定の波長範囲内において第1の偏光状態を有する光を実質的に反射し、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に透過する、反射型偏光子と、
1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する第1のリターダと、を備え、それにより、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、
第1のリターダの中心が、θoに等しい速光軸に対する速軸配向を有し、θoが、35〜55度の範囲であり、
第1のリターダの速軸配向が、第1の方向においてリターダの中心から離れて縁部にかけて増加し、第2の方向においてリターダの中心から離れて縁部にかけて減少し、第1の方向と第2の方向との間の角度が、約60度〜約120度の範囲であり、
それにより、所定の波長範囲内の光学システムの最大コントラスト比が、比較光学システムの第1のリターダがθoの第1の偏光状態に対する均一な速軸配向を有することを除いて同じ構造を有する比較光学システムの最大コントラスト比よりも、少なくとも5%大きい、光学システムである。
実施形態402は、所定の波長範囲内の光学システムの最大コントラスト比が、比較光学システムの最大コントラスト比よりも少なくとも10%大きい、実施形態401に記載の光学システムである。
実施形態403は、所定の波長範囲内の光学システムの最大コントラスト比が、比較光学システムの最大コントラスト比よりも少なくとも20%大きい、実施形態401に記載の光学システムである。
実施形態404は、第1の方向と第2の方向との間の角度が、約90度である、実施形態401に記載の光学システムである。
実施形態405は、第1及び第2の方向が、光軸を含む対応する第1及び第2の平面との第1のリターダの第1及び第2の交線に沿っており、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、第1のリターダが、第1の平面周りの反射及び第2の平面周りの反射のそれぞれの下で実質的に対称な第1の偏光状態に対する速軸配向を有する、実施形態401に記載の光学システムである。
実施形態406は、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、第1のリターダのリターダンスとδとの間の差が、光軸を含む第3の平面周りの反射及び光軸を含む異なる第4の平面周りの反射のそれぞれの下で実質的に反対称である、実施形態401〜405のいずれか一項に記載の光学システムである。
実施形態407は、第1のリターダが、重なり合わない中央領域並びに第1及び第2の縁部領域を含み、中央領域が、第1のリターダの中心を含み、第1及び第2の縁部領域が、第1のリターダの対応する第1及び第2の縁部に、又はその付近に配置され、それにより、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、
中央領域が、δに実質的に等しい平均リターダンスを有し、
第1の縁部領域が、δ−ξに実質的に等しい平均リターダンスを有し、
第2の縁部領域が、δ+ξに実質的に等しい平均リターダンスを有し、
整数nに対して、λo(n+1/8)≦δ≦λo(n+1/2)及びδ/50≦ξ≦δ/2である、実施形態401に記載の光学システムである。
実施形態408は、第1のリターダが、重なり合わない中央領域並びに第1及び第2の縁部領域を含み、中央領域が、第1のリターダの中心を含み、第1及び第2の縁部領域が、第1のリターダの対応する第1及び第2の縁部に、又はその付近に配置され、それにより、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、
中央領域が、θに実質的に等しい第1の偏光状態に対する平均速軸配向を有し、
第1の縁部領域が、θ−εに実質的に等しい第1の偏光状態に対する平均速軸配向を有し、
第2の縁部領域が、θ+εに実質的に等しい第1の偏光状態に対する平均速軸配向を有し、
θが、35〜55度の範囲であり、εが、0.5〜20度の範囲である、実施形態401に記載の光学システムである。
実施形態409は、光を透過するための光学システムであって、
少なくとも1つの湾曲した主表面を有する1つ以上の光学レンズと、
1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する部分反射体であって、所定の波長範囲内において少なくとも20%の平均光反射率を有する、部分反射体と、
1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する反射型偏光子であって、所定の波長範囲内において第1の偏光状態を有する光を実質的に反射し、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に透過する、反射型偏光子と、
1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する第1のリターダと、を備え、光学システムが、第1の原点で第1のリターダと交差する光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、及び第1のリターダを通過し、第1のリターダが、重なり合わない中央領域並びに第1及び第2の縁部領域を含み、中央領域が、第1の原点を含み、第1及び第2の縁部領域が、第1のリターダの対応する第1及び第2の縁部に、又はその付近に配置され、それにより、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、
中央領域が、θに実質的に等しい第1の偏光状態に対する平均速軸配向を有し、
第1の縁部領域が、θ−εに実質的に等しい第1の偏光状態に対する平均速軸配向を有し、
第2の縁部領域が、θ+εに実質的に等しい第1の偏光状態に対する平均速軸配向を有し、
θが、35〜55度の範囲であり、εが、0.5〜20度の範囲である、光学システムである。
実施形態410は、θが、40〜50度の範囲であり、εが、1〜15度の範囲である、実施形態409に記載の光学システムである。
実施形態411は、εが、2〜10度の範囲である、実施形態410に記載の光学システムである。
実施形態412は、光軸を含む第1の平面が、中央領域及び第1の縁部領域内で第1のリターダと交差し、光軸を含む第2の平面が、中央領域及び第2の縁部領域内で第1のリターダと交差し、第1の平面と第2の平面との間の角度が、約60度〜約120度の範囲である、実施形態409に記載の光学システムである。
実施形態413は、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、第1のリターダが、第1の平面周りの反射下で実質的に対称であり、かつ第2の平面周りの反射下で実質的に対称である第1の偏光状態に対する速軸配向を有する、実施形態412に記載の光学システムである。
実施形態414は、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、第1の偏光状態に対する速軸配向とθとの間の差が、光軸を含む第3の平面周りの反射下で実質的に反対称であり、かつ光軸を含む異なる第4の平面周りの反射下で実質的に反対称である、実施形態409〜413のいずれか一項に記載の光学システムである。
実施形態415は、第3の平面と第4の平面との間の角度が、約60度〜約120度の範囲である、実施形態414に記載の光学システムである。
実施形態416は、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、第1のリターダが、光軸を含む第5の平面周りの反射下で実質的に対称であり、かつ光軸を含む第6の平面周りの反射下で実質的に対称である、リターダンスを有する、実施形態409〜415のいずれか一項に記載の光学システムである。
実施形態417は、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、第1のリターダのリターダンスと中央領域の平均リターダンスとの間の差が、光軸を含む第7の平面周りの反射下で実質的に反対称であり、かつ光軸を含む異なる第8の平面周りの反射下で実質的に反対称である、実施形態409〜416のいずれか一項に記載の光学システムである。
実施形態418は、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、中央領域が、実質的に均一な速軸配向を有する、実施形態409に記載の光学システムである。
実施形態419は、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、第1及び第2の縁部領域のそれぞれが、実質的に均一な速軸配向を有する、実施形態409に記載の光学システムである。
実施形態420は、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、第1及び第2の縁部領域のうちの少なくとも1つが、変化する速軸配向を有する、実施形態409に記載の光学システムである。
実施形態421は、部分反射体が、第1のリターダと1つ以上のレンズとの間に配置された、実施形態409に記載の光学システムである。
実施形態422は、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、第1の縁部領域の速軸配向が、第1の原点から離れて第1の縁部に向かう方向に減少し、第2の縁部領域のリターダンスが、第1の原点から離れて第2の縁部に向かう方向に増加する、実施形態409に記載の光学システムである。
実施形態423は、第1のリターダが、変化する第1の偏光状態に対する速軸配向を有し、それにより、所定の波長範囲内の光学システムの最大コントラスト比が、比較光学システムの第1のリターダがθの第1の偏光状態に対する均一な速軸配向を有することを除いて同じ構造を有する比較光学システムの最大コントラスト比よりも、少なくとも5%大きい、340に記載の光学システムである。
実施形態424は、第1のリターダが、第3及び第4の縁部領域を更に含み、中央領域が、第1の縁部領域と第3の縁部領域との間、及び第2の縁部領域と第4の縁部領域との間にあり、第3の縁部領域が、θ−εに実質的に等しい第1の偏光状態に対する平均速軸配向を有し、第4の縁部領域が、θ+εに実質的に等しい第1の偏光状態に対する平均速軸配向を有する、実施形態409に記載の光学システムである。
実施形態425は、平面視で、第1のリターダが、面積Aを有し、中央領域が、約A/10〜約2A/3の範囲の面積を有し、第1〜第4の縁部領域のそれぞれが、約A/12〜約A/3の範囲の面積を有する、実施形態424に記載の光学システムである。
実施形態426は、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、中央領域が、実質的に均一な速軸配向を有する、実施形態425に記載の光学システムである。
実施形態427は、第1〜第4の縁部領域のうちの少なくとも1つが、実質的に均一な速軸配向を有する、実施形態425に記載の光学システムである。
実施形態428は、第1〜第4の縁部領域のそれぞれが、実質的に均一な速軸配向を有する、実施形態425に記載の光学システムである。
実施形態429は、光を透過するための光学システムであって、
少なくとも1つの湾曲した主表面を有する1つ以上の光学レンズと、
1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する部分反射体であって、所定の波長範囲内において少なくとも20%の平均光反射率を有する、部分反射体と、
1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する反射型偏光子であって、所定の波長範囲内において第1の偏光状態を有する光を実質的に反射し、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に透過する、反射型偏光子と、
1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する第1のリターダと、を備え、第1のリターダが、実質的に均一なリターダンスを有する第1の領域、及び不均一なリターダンスを有する重なり合わない第2の領域を含み、第1の領域が、第1のリターダの全表面積の最低10パーセントの表面積を有し、第2の領域が、第1のリターダの残りの部分である、光学システムである。
実施形態430は、光を透過するための光学システムであって、
少なくとも1つの湾曲した主表面を有する1つ以上の光学レンズと、
1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する部分反射体であって、所定の波長範囲内において少なくとも20%の平均光反射率を有する、部分反射体と、
1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する反射型偏光子であって、所定の波長範囲内において第1の偏光状態を有する光を実質的に反射し、直交する第2の偏光状態を有する光を実質的に透過する、反射型偏光子と、
1つ以上の光学レンズの主表面上に配置され、それに適合する第1のリターダと、を備え、第1のリターダが、実質的に均一な速軸配向を有する第1の領域、及び不均一な速軸配向を有する重なり合わない第2の領域を含み、第1の領域が、第1のリターダの全表面積の最低10パーセントの表面積を有し、第2の領域が、第1のリターダの残りの部分である、光学システムである。
実施形態431は、光学システムが、第1の原点で第1のリターダと交差する光軸を有し、光軸に沿って伝播する光線が、実質的に屈折することなく、1つ以上の光学レンズ、部分反射体、反射型偏光子、及び第1のリターダを通過する、実施形態429又は430に記載の光学システムである。
実施形態432は、第1の領域が、第1の原点を含む、実施形態431に記載の光学システムである。
実施形態433は、第1の領域が、中央領域であり、第2の領域が、中央領域を実質的に取り囲む周辺領域である、実施形態432に記載の光学システムである。
実施形態434は、第2の領域が、重なり合わない第1及び第2の縁部領域を含む、実施形態433に記載の光学システムである。
実施形態435は、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、
中央領域が、δに実質的に等しい平均リターダンスを有し、
第1の縁部領域が、δ−ξに実質的に等しい平均リターダンスを有し、
第2の縁部領域が、δ+ξに実質的に等しい平均リターダンスを有し、
整数nに対して、λo(n+1/8)≦δ≦λo(n+1/2)及びδ/50≦ξ≦δ/2である、実施形態434に記載の光学システムである。
実施形態436は、所定の波長範囲内の少なくとも1つの第1の波長λoに対して、
中央領域が、θに実質的に等しい第1の偏光状態に対する平均速軸配向を有し、
第1の縁部領域が、θ−εに実質的に等しい第1の偏光状態に対する平均速軸配向を有し、
第2の縁部領域が、θ+εに実質的に等しい第1の偏光状態に対する平均速軸配向を有し、
θが、35〜55度の範囲であり、εが、0.5〜20度の範囲である、実施形態434に記載の光学システムである。
実施形態437は、反射型偏光子と部分反射体との間に配置された、第2のリターダを更に備える、実施形態370〜436のいずれか一項に記載の光学システムである。
実施形態438は、第1のリターダが、第1の波長分散曲線を有し、第2のリターダが、異なる第2の波長分散曲線を有する、実施形態437に記載の光学システムである。
実施形態439は、第2のリターダが、第2のリターダにわたって実質的に均一なリターダンス及び不均一な配向を有する、実施形態437に記載の光学システムである。
実施形態440は、第2のリターダが、第2のリターダにわたって実質的に不均一なリターダンス及び均一な速軸配向を有する、実施形態437に記載の光学システムである。
実施形態441は、第2のリターダが、第2のリターダにわたって実質的に不均一なリターダンス及び不均一な速軸配向を有する、実施形態437に記載の光学システムである。
実施形態442は、第2のリターダが、第2のリターダにわたって実質的に均一なリターダンス及び均一な速軸配向を有する、実施形態437に記載の光学システムである。
実施形態443は、光軸が、第2の原点で第2のリターダと交差し、第1の原点における第1のリターダの速軸が、第2の原点における第2のリターダの速軸に実質的に平行である、実施形態437に記載の光学システムである。
実施形態444は、光軸が、第2の原点で第2のリターダと交差し、第1の原点における第1のリターダの速軸が、第2の原点における第2のリターダの速軸に実質的に垂直である、実施形態437に記載の光学システムである。
実施形態445は、光学システムに入射する少なくとも1つの光線に関して、光線が、対応する第1及び第2の位置で第1及び第2のリターダと交差し、平面視で、第1の位置における第1のリターダの速軸が、第2の位置における第2のリターダの速軸に実質的に平行である、実施形態437に記載の光学システムである。
実施形態446は、光学システムに入射する少なくとも1つの光線に関して、光線が、対応する第1及び第2の位置で第1及び第2のリターダと交差し、平面視で、第1の位置における第1のリターダの速軸が、第2の位置における第2のリターダの速軸に実質的に垂直である、実施形態437に記載の光学システムである。
実施形態447は、光学システムに入射する少なくとも第1及び第2の光線に関して、第1の光線が、対応する第1及び第2の位置で第1及び第2のリターダ層と交差し、第2の光線が、対応する第3及び第4の位置で第1及び第2のリターダと交差し、平面視で、第1の位置における第1のリターダ層の速軸及び第2の位置における第2のリターダ層の速軸が、互いに第1の角度をなし、第3の位置における第1のリターダ層の速軸及び第4の位置における第2のリターダ層の速軸が、互いに第2の角度をなす、実施形態437に記載の光学システムである。
実施形態448は、第1及び第2の角度が、実質的に等しい、実施形態447に記載の光学システムである。
実施形態449は、第1及び第2の角度が、異なる、実施形態447に記載の光学システムである。
実施形態450は、第1及び第2の角度が、互いの5度以内である、実施形態447に記載の光学システムである。
実施形態451は、第1及び第2の角度のそれぞれが、10度以下である、実施形態447に記載の光学システムである。
実施形態452は、第1及び第2の角度のそれぞれが、80〜100度の範囲である、実施形態447に記載の光学システムである。
実施形態453は、第1及び第2のリターダのうちの少なくとも1つが、実質的に平面である、実施形態437に記載の光学システムである。
実施形態454は、第1及び第2のリターダのそれぞれが、実質的に平面である、実施形態437に記載の光学システムである。
実施形態455は、第1及び第2のリターダ層のうちの少なくとも1つが、2つの直交軸周りに湾曲している、実施形態437に記載の光学システムである。
実施形態456は、第1及び第2のリターダ層のそれぞれが、2つの直交軸周りに湾曲している、実施形態437に記載の光学システムである。
実施形態457は、所定の波長範囲が、少なくとも1つの可視波長範囲を含む、実施形態370〜456のいずれか一項に記載の光学システムである。
実施形態458は、所定の波長範囲が、400nm〜700nmである、実施形態370〜456のいずれか一項に記載の光学システムである。
実施形態459は、所定の波長範囲が、赤外波長範囲を含む、実施形態370〜456のいずれか一項に記載の光学システムである。
実施形態460は、平均光反射率が、少なくとも30パーセントである、光学システムを対象とする前述の実施形態のいずれか一項に記載の光学システムである。
実施形態461は、平均光反射率が、70パーセント以下である、光学システムを対象とする前述の実施形態のいずれか一項に記載の光学システムである。
実施形態462は、平均光反射率が、少なくとも30パーセントである、ディスプレイシステムを対象とする前述の実施形態のいずれか一項に記載のディスプレイシステムである。
実施形態463は、平均光反射率が、70パーセント以下である、ディスプレイシステムを対象とする前述の実施形態のいずれか一項に記載のディスプレイシステムである。
実施形態464は、少なくとも1つのディスプレイシステムを備えるヘッドマウントディスプレイであって、少なくとも1つのディスプレイシステムが、光学システムを対象とする前述の実施形態のいずれか一項に記載の光学システム、又はディスプレイシステムを対象とする前述の実施形態のいずれか一項に記載のディスプレイシステムを含む、ヘッドマウントディスプレイである。
実施例1
順に、バックライト及び吸収型ディスプレイ偏光子(対象物100に対応する)、第1のリターダ層(リターダ層520に対応し、ディスプレイ偏光子に隣接して配置される)、部分反射体(部分反射体320に対応する)、第2のリターダ層(リターダ層420に対応する)、及び反射型偏光子(反射型偏光子220に対応する)を有する、光学システム1000と同様の光学システムをモデル化した。吸収型偏光子は、Sanritz Corporation(Toyama,Japan)から入手可能なSanritz SR5518市販ディスプレイ偏光子としてモデル化し、部分反射体は、交互のTiO2層及びMgF2層の蒸着された5層コーティングを用いるハーフミラーとしてモデル化し、反射型偏光子は、3M Company(St.Paul,MN)から入手可能なAdvanced Polarizing Filmとしてモデル化した。システムは、独立した2つの工程でモデル化した。第1の工程では、第2のリターダ層の速軸配向は、第2のリターダ層に入射する光が円偏光にされているときに、反射型偏光子を介した漏れを最小限に抑えるように選択した。第2の工程では、第1のリターダ層のリターダンス及び速軸配向は、第1のリターダ層を透過した光の円偏光度を最大化するように選択した。
反射型偏光子に最初に入射する光は、図20に示す反射型偏光子上の位置(Hx及びHyは、mmでのx座標及びy座標を示す)の関数として反射型偏光子への平均入射角(シータ)を有するものとしてモデル化した。反射型偏光子の通過軸は、図21に示すように、減衰配向(局所透過軸と、反射型偏光子に接し、かつ頂点における通過軸と整列する局所軸との間の角度)を有するように、湾曲形状に形成されている間にシフトされているものとしてモデル化した。第2のリターダ層は、均一な四分の一波リターダンス及び不均一な速光軸配向を有した。速軸配向は、反射型偏光子における偏光状態と、反射型偏光子を介した光漏れ強度によって定量化された円偏光状態でリターダ層に最初に入射する光の反射型偏光子の局所遮断状態との間の差を最小化することによって決定した。結果として得られる速軸配向を、図22Aの矢印分布によって、及び速軸とy軸との間の角度を示す図22Bの等高線図によって示す。反射型偏光子を透過する、反射型偏光子に最初に入射する光の強度(I)の割合を図23に示す。比較のために、第2のリターダ層が均一な45度の速光軸配向を有する均一な四分の一波リターダである、他の点では同等の光学システム内の反射型偏光子に最初に入射する光の割合を、図24に示す。速軸配向をパターン化することにより、反射型偏光子を透過する、反射型偏光子に最初に入射する光を著しく低減することを、図23〜図24から見ることができる。
第1のリターダ層は、不均一なリターダンス及び不均一な配向を有した。リターダンス及び速光軸配向は、バックライトからの光が偏光されておらず、吸収型ディスプレイ偏光子の通過軸がx方向に沿っているときに、第1のリターダ層を透過した光の円偏光度を最大化する(すなわち、|V/I|を最大化する(式中、V及びIは、ストークスパラメータである))ように選択した。バックライトからの光は、図25に示す第1のリターダ層上の位置の関数として第1のリターダ層への光の平均入射角を有するものとしてモデル化した。結果として得られる第1のリターダ層の(波での)リターダンスを、図26に示し、結果として得られる速軸配向を、図27Aの矢印分布によって、及び速軸とy軸との間の角度を示す図27Bの等高線図によって示す。第1のリターダ層を透過した光の円偏光度(|V/I|)を、図28に示し、ここでは、円偏光度がリターダの面積の大部分にわたって約0.997より大きいことを見ることができる。比較のために、第1のリターダ層が均一な45度の速光軸配向を有する均一な四分の一波リターダである、他の点では同等の光学システムに対する円偏光度を、図29に示す。リターダンス及び速軸配向をパターン化することにより、円偏光度が著しく増加したことを、図28〜図29から見ることができる。
実施例2
リターダ層を光学レンズの内面(凹面)上にスピンコーティングすることにより、不均一なリターダンスを有するリターダを作製した。レンズの内面は、直径58.8mm、最大サグ(図6でSmと示される)15.6mmを有した。レンズは、ポリカーボネートを所望のレンズ形状に射出成形することによって作製した。内面を洗浄し、プラズマ処理した後、ハードコート層を適用した。ROLIC ROP 131−360 LPP材料を、シクロヘキサノンを使用して、6重量%固形分(ROLIC Technologies Ltd.(Allschwil,Switzerland)により供給されているような)から4重量%固形分に希釈した。次いで、LPP材料を、ハードコーティングされた内面上にスピンコーティングした。スピンコーター回転速度を、2000RPM/sで3000RPMの回転速度まで加速させ、回転速度を3000RPMで45秒間保持した後、回転速度を、2000RPM/sで停止まで減速させた。コーティングを、約55℃で5分間アニールした。LPP材料は、レンズ表面に対して一定の偏光角度を有する、コーティングされたレンズ表面に対して垂直に適用された直線偏光を使用して、空気中でUV硬化させた。35重量%固形分で供給されたLCP材料であるROLIC ROF 5190−416を、LPPコーティングされた凹面上にスピンコーティングした。スピンコーター回転速度を、2000RPM/sで3200RPMの回転速度まで加速させ、回転速度を3200RPMで45秒間保持した後、回転速度を、2000RPM/sで停止まで減速させた。コーティングを、約55℃で5分間アニールした。次いで、LPP層を、偏光していないUV光を使用して窒素中でUV硬化させた。
リターダンス及び速軸配向は、レンズをミューラーマトリックス偏光計の下の回転プラットフォームに取り付けることによって測定した。レンズの頂点(図6の頂点757に対応する)における速軸配向は、頂点における速軸が固定軸と所定の角度を有するまで光軸周りにレンズを回転させることによって、レンズの光軸に直交する固定軸(例えば、固定軸は、図1Aのx軸に対応することができる)に対して、いくつかの所定の角度(30度の増分で0度〜150度)のうちの1つに固定した。次いで、レンズを固定軸周りに回転させて、レンズ上の様々な点におけるリターダンス及び速軸回転を測定した。位置は、レンズ勾配(光軸とレンズ表面に対する法線との間の角度)によって指定した。レンズ勾配は、頂点における0度からレンズの縁部における55.6度まで変化した。頂点における速軸が固定軸から異なる所定の角度に(例えば、前の測定に対してよりも30度大きく)なるように、光軸周りにレンズを回転させることによって、異なる速軸配向で測定を繰り返した。次に、固定軸周りに回転させて異なる勾配を選択することによって、異なる所定の角度に対するリターダンス対勾配を測定した。それぞれの所定の角度に対してリターダンス及び速軸配向対勾配が得られるまで、これを繰り返した。各偏光計測定値は、20回の走査及び550nmの波長に対する平均であった。
図30は、頂点における様々な速軸配向(凡例に示すような30度の増分で0度〜150度)に対する、速軸配向対レンズ勾配のグラフである。図31は、頂点における様々な速軸配向(凡例に示すような30度の増分で0度〜150度)に対する、リターダンス対レンズ勾配のグラフである。150度の頂点における速軸配向角度は、−30度の速軸配向と同等であり、120度の頂点の速軸配向角度は、−60度の速軸配向と同等である。
図31に示すリターダンスを有するリターダを含む光学システムは、反射型偏光子と部分反射体との間に配置される。反射型偏光子の第1の偏光状態に対して45度で均一な速軸配向を有し、均一な四分の一波リターダンスを有する第2のリターダが、部分反射体とディスプレイパネルとの間に配置される。
図31に示すリターダンスを有するリターダを含む光学システムは、ディスプレイパネルと部分反射体との間に配置される。光学システムは、部分反射体に隣接し、部分反射体から離間した反射型偏光子を含む。反射型偏光子の第1の偏光状態に対して45度で均一な速軸配向を有し、均一な四分の一波リターダンスを有する第2のリターダが、部分反射体と反射型偏光子との間に配置される。
図中の要素の説明は、別段の指示がない限り、他の図中の対応する要素に等しく適用されるものと理解されたい。具体的な実施形態を本明細書において例示し記述したが、様々な代替及び/又は同等の実施により、図示及び記載した具体的な実施形態を、本開示の範囲を逸脱することなく置き換え可能であることが、当業者には理解されるであろう。本出願は、本明細書において説明した具体的な実施形態のあらゆる適合例又は変形例を包含することを意図する。したがって、本開示は、特許請求の範囲及びその同等物によってのみ限定されるものとする。