JP2020513834A - ペプチドの発現および大規模生産 - Google Patents

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Abstract

本発明は、組換えDNA技術を用いる低分子ペプチドの大規模調製の方法を提供する。リラグルチド前駆体のような低分子ペプチドをコンカテマーとして過剰発現させることにより、生物活性ペプチドのバッチ当たりの収量の増加のために、当該方法の全体的な収量が向上する。特異的酵素の組み合わせによるこれらのコンカテマーの消化は、大量の所望のペプチドモノマーを生成する。より具体的には、本発明は、リラグルチドの組換えペプチド前駆体の生産に関する。

Description

本発明は、各モノマーを分ける特異的介在Kex2プロテアーゼおよびカルボキシペプチダーゼB切断部位を有するコンカテマーとして生物活性組換えペプチドを過剰発現することによる、適切な宿主における生物活性組換えペプチドの大規模調製のための方法に関する。Kex2プロテアーゼ、続いてカルボキシペプチダーゼによる発現したマルチマーの逐次消化により、所望のモノマーペプチドが大量に生成される。
グルカゴン遺伝子の生成物であるグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)は、最も効力があるインスリン分泌性物質として知られる重要な腸ホルモンである。これは、インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)患者におけるインスリン分泌を刺激する効果がある。さらに、これは、グルカゴン分泌を有効に阻害し、これらの作用の組み合わせにより、これは、特にNIDDMの患者における著しい血糖低下効果を示している。いくつかのFDA承認済みGLP-1アナログ、例えばエキセナチド(2005年のByetta、2012年のBydureon)、アルビグルチド(2014年のTanzeum)、デュラグルチド(2014年のTrulicity)およびリラグルチド(2010年のVictoza、2014年のSaxenda)が利用可能である。
リラグルチドは、34位のリジンのアルギニンへの置換(K34R)による、天然に存在するヒトホルモンと97%の配列相同性を有するGLP-1 (7-37)のアシル化誘導体である。これは、Lys26のe-アミノ基と結合したパルミトイル化グルタミン酸スペーサを含む。リラグルチドの分子式は、C172H265N43O51であり、その分子量は、3751.2ダルトンである。
リラグルチドは、Novo Nordisk (US 6268343)により、2型糖尿病の成人における血糖コントロールを改善するためにVictoza(FDA承認2010年)として、そして少なくとも1種の体重関連合併状態の存在下での肥満成人における慢性体重管理のためにSaxenda (FDA承認2014年)として開発された。リラグルチドのペプチド前駆体は、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)における組換え発現により生産された。
GLP-1アナログの調製のためのいくつかの化学的(固相合成)および生物学的(組換え)合成が、当該技術において記載されている。
大腸菌(E. coli)または酵母のような単純宿主における組換え合成は、乏しい発現レベルまたは宿主の分解酵素による乏しい収量を伴う高い発現レベルのいずれかにより悩まされている。この分解は、所望のペプチドの安全な送達をもたらすヒスチジンタグ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、マルトース結合タンパク質、NusA、チオレドキシン(TRX)、低分子ユビキチン様修飾因子(SUMO)およびユビキチン(Ub)のような融合タグまたはキャリアの使用により克服される。大きい融合タンパク質タグの発現は、ペプチドからの高分子量融合パートナーの除去後に得られる目的タンパク質の全体的な収量および回収の下落を頻繁にもたらす。化学的(例えばCNBr)または酵素的な方法のいずれかによる特異的部位での切断による融合タグの切除は、副反応を減らし、収量を最大限にする助けとなる穏やかな反応条件とともに、選択性および特異性の増進に関する固有の利点を与える。
US8796431は、親和性タグと、切断可能タグと、目的のペプチド(GLP-1およびリラグルチド)とを含む融合ペプチドを生成するための方法について記載している。親和性クロマトグラフィーによる精製の容易さおよび効率にもかかわらず、全体的な収量は低下した。
融合またはキャリアペプチドアプローチの限界は、相当な収量を導く、介在切断部位を含む目的のペプチド(POI)の複数のリピートを発現することにより克服されている。
つまり、WO95/17510は、モノマーをもたらすために適切な条件下で、トリプシンまたはクロストリパインおよびカルボキシペプチダーゼBまたはYのような酵素を用いて発現後に消化される、GLP-1 (7-36)をコードする、2より多く連続するDNA配列を用いて、GLP-1 (7-36)またはそのアナログを生産する方法を開示している。同様の方策が、GLP-2ペプチドの調製についてUS7829307に記載されている。US5506120は、野生株と比べて3%未満のプロテアーゼ活性を示す変異枯草菌(B. subtilis)株で発現された、交互の切除可能な塩基性ジペプチド部位を有する血管作動性腸管ペプチド(VIP)のコンカテマーを製造するための方法を開示している。
本発明は、介在切除可能部位を有するコンカテマーを用いることによりPOIを得るための全工程数が低減した、適切な宿主、例えば大腸菌、枯草菌などにおけるリラグルチドペプチド前駆体K34R GLP-1 (7-37)、mGLPペプチドの製造を含む。さらに、kex2プロテアーゼとカルボキシペプチダーゼBとを同時に用いる交互のジペプチド切断部位での切除により、余分な末端アミノ酸を有さない真のペプチド前駆体の製造が可能になる。
ある実施形態では、配列番号1のペプチドを生産するためのコンカテマーDNA構築物であって、コンカテマーDNA構築物が、
a. 適切な宿主における発現のために最適化されたコドンでの配列番号1のペプチドをコードするDNA構築物を含み、
b. (a)の各単位が、3’端にて、アミノ酸X1-X2(X1は、LysまたはArgであり、X2は、LysまたはArgである)のモノマーまたはポリマー単位をコードするモノマーまたはポリマーのコドン最適化スペーサDNA配列に連結されており、
c. 配列番号1のマルチマーとして発現可能な適切な宿主にクローニングするためのコンカテマーDNA構築物を得ることと、
d. 配列番号1のマルチマーを得て、少なくとも2種のプロテアーゼの組み合わせで処理して、配列番号1のモノマー単位を得ること。
ある実施形態では、コンカテマーDNA構築物を発現して、封入対の形で配列番号1のペプチドのマルチマーを得ること。
別の実施形態では、配列番号1のペプチドを生産する方法であって、
a. 適切な宿主における発現のための、配列番号1のペプチドのマルチマーをコードするコドン最適化コンカテマーDNA構築物を得ることと、
b. (a)のコンカテマーDNA構築物を、適切な宿主における発現のための適切なベクターにクローニングすることと、
c. (a)のコンカテマーDNA構築物を発現して、封入体として配列番号1のペプチドのマルチマーを生産することと、
d. (c)のマルチマー単位を、少なくとも2種のプロテアーゼと同時または逐次に接触させて、配列番号1のペプチドを得ることと
を含む方法。
さらなる実施形態では、2種以上の誘導因子を用いて、原核または真核宿主においてコンカテマーをクローニングすること。
さらなる実施形態では、配列番号1のペプチドのマルチマーを、少なくとも2種のプロテアーゼと同時または逐次に接触させて、配列番号1のペプチドを得ること。
ある実施形態では、本発明は、生物活性モノマーを放出するために特異的酵素の逐次作用により切除可能である交互のジペプチドLys-Arg(KR)切断部位を有するコンカテマーを用いることにより、リラグルチドのためのペプチド前駆体を大規模で生産する方法を提供する。
別の実施形態では、交互のKR部位を有するリラグルチド前駆体ペプチドのための遺伝子の9〜15リピートを含むコンカテマー遺伝子を合成し、次いで、適切な発現ベクターにクローニングした。組換えベクターでの大腸菌の形質転換およびその発現により、封入体としてのペプチドマルチマーが導かれた。
さらなる実施形態では、本発明は、生物活性GLP-1 (7-37)を生産する方法であって、
a. 各隣接リピートが切断可能なKR部位で分けられている、K34R GLP-1 (7-37)遺伝子の9〜15リピートを含むコンカテマー遺伝子構築物を得ることと、
b. 前記コンカテマー構築物を大腸菌にクローニングすることと、
c. コンカテマー遺伝子を大腸菌において発現することと、
d. 発現されたタンパク質を、細胞培養物から、封入体の形で単離することと、
e. 封入体を最適条件下で可溶化することと、
f. 可溶化された封入体を、最適条件下で、Kex2プロテアーゼ(kexin)およびカルボキシペプチダーゼB(CPB)から本質的になる特異的酵素に逐次的に供することにより、それらを消化することと
を含む方法に関する。
例としてのmGLPペプチドを用いるコンカテマー方策の模式図を示す。 約35 kDaの高レベル発現を示す大腸菌コンカテマークローンのSDS PAGEゲル写真を示す。 様々な濃度のkex2プロテアーゼを用いた、K34R GLP-1(7-37) 封入体の消化プロファイルを示す。 kex2プロテアーゼ消化した封入体のCPB消化プロファイルを示す。
本明細書で用いる場合、用語「低分子ペプチド」または「ペプチド」は、バイオ医薬としてまたは診断および研究目的のために用いられる約2から10 kDaまでの範囲の分子量を有するもののことをいい、好ましいペプチドは、リラグルチドのペプチド前駆体、すなわちK34R GLP-1 (7-37)、mGLPである。上記の前駆体は、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)の7から37までのアミノ酸残基を含み、天然に存在するGLP-1における34位のLysが、Argに置換されている。
特に所望のペプチドのような低分子量ペプチドの場合、組換え技術を用いて、本明細書において「コンカテマー」と称している所望のペプチドの縦列遺伝子リピートを発現することにより、収量をさらに増加させる。「コンカテマー」は、所望のペプチドのモノマーをコードする、より低分子のDNA配列が直列に連結された複数のコピーを含む長い連続DNA分子と定義される。コンカテマーは、モノマーの2〜20リピートを含み得る。
コンカテマーにおいてモノマーをコードする個別のDNA配列は、全てのモノマー単位の間の短い切断可能なジペプチドスペーサ配列により分けられた。生物活性ペプチドの多くの非活性前駆体は、塩基性ジペプチドの対、例えばArg-Arg、Lys-Lys、Arg-Lys、Lys-Argでできたプロセシング性シグナル配列を含み、これらは、特異的酵素によるプロセシングを受けて、生理活性ペプチドをもたらす。いくつかのプロテアーゼは、上記のジペプチドに対して厳密な一次的および二次的特異性を示し、ジペプチドのCもしくはN末端またはジペプチドの間にて正確に切断することが知られている。特に、この方法は、所望のペプチドが、切除酵素により認識され得る配列を含まない場合にのみ効果的である。その配列内にこのような塩基性ジペプチドを含まない好ましいペプチドK34R GLP-1 (7-37)は、上記の方法の優れた候補である。
本発明では、必須切除部位のための介在コドンを有するコンカテマー遺伝子構築物を合成し、適切な発現ベクターに挿入した。本明細書で用いる場合、用語「発現ベクター」は、外来遺伝物質を複製および過剰発現できる細菌細胞に外来遺伝物質を人工的に運ぶための媒介物として用いられるDNA分子のことをいう。
コンカテマー遺伝子構築物は、発現ベクターにおいてT7プロモータの下流に配置した。本明細書で用いる場合、用語「プロモータ」は、制御された遺伝子転写の制御点をもたらす、挿入された目的の遺伝子の通常は上流にあるDNAの制御領域のことをいう。
クローニングのために、大腸菌宿主細胞のような適切な宿主細胞を、組換え発現ベクターで形質転換した。本明細書で用いる場合、「大腸菌宿主」は、組換えタンパク質の発現のために日常的に用いられるBL21、BL21 DE3、BL21 A1などにおよぶ大腸菌株のことをいう。
別の実施形態では、発現されるコンカテマーは、ホモジナイザーまたは細胞プレスを用いて細胞を溶解すること、得られたホモジネートを遠心分離して不溶性凝集体として標的タンパク質を得ることを含む1つ以上の工程により、細胞培養物から単離された。
ある実施形態では、コンカテマーは、特異的ジペプチド部位を固有に保有する不溶性封入体として発現され、これは、特異的酵素での消化の際に、所望のモノマーペプチド前駆体を放出した。好ましい実施形態では、介在Lys-Arg (KR)部位は、kex2 プロテアーゼとカルボキシペプチダーゼBの逐次作用を用いて切断した。
別の実施形態では、本発明は、生物活性GLP-1 (7-37)を生産する方法であって、
a. KRジペプチドについてのコドンにより隣接するものから分けられている各リピートを有する、K34R GLP-1 (7-37)遺伝子の9〜15リピートを含むコンカテマー遺伝子構築物を創出することと、
b. 前記コンカテマー構築物を、適切な発現ベクターを用いて大腸菌にクローニングすることと、
c. アラビノースおよびIPTGを用いて誘導することにより、コンカテマー遺伝子を大腸菌において発現させることと、
d. 封入体の形の発現タンパク質を細胞培養物から単離することと、
e. 封入体を最適条件下にて可溶化することと、
f. kex2プロテアーゼ(kexin)およびカルボキシペプチダーゼB(CPB)から本質的になる特異的酵素に、可溶化された封入体を逐次的に供することにより、可溶化された封入体を最適条件下で消化することと、
を含む方法に関する。
実験の部
K34R GLP-1 (7-37)を、遺伝子改変した大腸菌細胞を用いる組換えDNA技術により生産した。大腸菌細胞を培養し、リラグルチドのペプチド前駆体のコンカテマーを封入体の形で誘導後に得た。封入体を、可溶化および逐次消化(に供すること)によるプロセシングに供して、生物活性K34RGLP-1 (7-37)モノマーを放出させた。
実施例1:コンカテマーDNAの合成
K34R GLP-1 (7-37)モノマーのアミノ酸配列に由来するヌクレオチド配列(配列番号1)は、大腸菌についてコドンを最適化して(配列番号2)、図1に示すK34R GLP-1 (7-37)コンカテマー(配列番号3)を合成した。
実施例2: pET24a発現ベクターにおけるGLPコンカテマーのクローニング
コンカテマーを合成し、Nde IおよびHind IIIのクローニング部位にてpET24aベクターにクローニングした。ベクターpET24aは、組換えタンパク質の発現のための強力なT7プロモータと、選択およびスクリーニングのためのカナマイシン耐性遺伝子とを保有する。消化したpET24aベクターをコンカテマーにライゲーションして、組換えベクターを得て、これを用いて大腸菌宿主を形質転換した。クローンを、コロニーPCRによりスクリーニングして、Nde IおよびHind IIIを用いる制限消化ならびにクローンの配列分析により確認した。
実施例3:コンカテマータンパク質の発現
大腸菌BL21 A1株化細胞を発現宿主として用いた。用い得るその他の株化細胞は、BL21 DE3またはT7 RNAポリメラーゼを含む任意のその他の株化細胞を含む。組換えpET24a-GLPコンカテマーで形質転換したBL21 A1細胞を、13 mMアラビノースおよび1mM IPTGで誘導した(OD600約1)。誘導の約4時間後に細胞を採集した。全細胞溶解物のSDS PAGE分析による発現レベルの決定により、マルチマー前駆体ペプチドについて約35 kDaのバンドの存在が見られた(図2、レーン3、4)。
実施例4:封入体の可溶化
細胞溶解物を、超音波破砕によりさらにホモジナイズし、遠心分離して、封入体と可溶化画分とに分けた。約0.125 gの封入体を秤量し、ミリQ水で希釈した3.0 mLの2% SDSおよび1.2 mLの500 mM HEPES緩衝液(pH 7.5)に溶解して、6mLの容量にした。封入体の完全可溶化(15〜30分)は、ボルテックスにかけた後に遠心分離することにより行って、上清中にK34R GLP-1 (7-37)マルチマー分子を得た。可溶化した封入体を、50 mM HEPES、pH 7.5、10 mM CaCl2および2% Triton-X-100の最終緩衝液組成中でさらに10倍希釈した。
実施例5:kex2プロテアーゼおよびカルボキシペプチダーゼBを用いるプロテアーゼ消化
プロテアーゼ消化研究を、可溶化した封入体1mg当たり2.5、5および20μgのkex2プロテアーゼ(kex2 P)を独立して用いて、20〜28時間室温にて行った。SDS PAGEにより観察された3kDaのバンド(図3、レーン10および13)が、モノマーに関係した。kex2プロテアーゼの量を、可溶化した封入体1mg当たり20μgから5μg、さらに2.5μgに減らして最適化することにより、Kex2プロテアーゼとの約24〜28時間の延長されたインキュベーションで、用いたkex2プロテアーゼが5および20μgにて完全消化、2.5μgにて部分消化が見られた(図3)。
同様の実験を、可溶化した封入体1mg当たり5、10および20μgのkex2プロテアーゼを用いて、16時間室温にて、可溶化封入体の消化で行った。この後に、可溶化した封入体1mg当たり5μL(0.67 U/mLのカルボキシペプチダーゼB(CPB)を37℃にて2時間さらに加えた。得られた消化混合物を、SDS PAGEにより分析した(図4)。そのRP-HPLCピークを、Sigmaからの市販のGLPペプチドのものとRP-HPLCピークと比較することにより、同じことを確認した(データ示さず)。
図面の詳細な説明
図1:例としてのGLP前駆体ペプチド(mGLPペプチド)を用いるコンカテマー方策の模式図である。KRは、kex2プロテアーゼ酵素の認識切断部位として作用するジペプチドである。kex2酵素は、ジペプチドのC末端にてコンカテマーを切断し、最後のモノマー以外はジペプチドを有するペプチドモノマーをもたらした。C末端のリジンおよびアルギニン残基を特異的に除去するCPB消化により、ジペプチドを除去する。
図2:大腸菌コンカテマークローンの全細胞溶解物のSDS PAGE分析。マルチマーmGLPの高レベル発現が、約35 kDaレベルにて観察される。
レーン1:分子量マーカー
レーン2:mGLP コンカテマーの非誘導全細胞溶解物
レーン3:mGLPコンカテマークローン#1の誘導全細胞溶解物
レーン4:mGLPコンカテマークローン#2の誘導全細胞溶解物
図3:mGLP封入体のkex2プロテアーゼ消化の最適化。この図において示されるように、5μgおよび20μgのKex2プロテアーゼは、封入体を約3kDA mGLPペプチドまで完全に消化したが、2.5μgのKex2プロテアーゼは、封入体を部分的に消化し、ここでは、様々に消化されたペプチドのラダーが見られる。
レーン1:分子量マーカー
レーン2:mGLP (コンカテマー)未消化20時間
レーン3:mGLP (コンカテマー)未消化24時間
レーン4:mGLP (コンカテマー)未消化28時間
レーン5:mGLP (コンカテマー) + 2.5μgのKex2プロテアーゼ/mg mGLPコンカテマー20時間
レーン6:mGLP (コンカテマー) + 2.5μgのKex2プロテアーゼ/mg コンカテマー24時間
レーン7:mGLP (コンカテマー) + 2.5μgのKex2プロテアーゼ/mg mGLPコンカテマー28時間
レーン8:mGLP (コンカテマー) + 5μgのKex2プロテアーゼ/mg mGLPコンカテマー20時間
レーン9:mGLP (コンカテマー) + 5μgのKex2プロテアーゼ/mg mGLPコンカテマー24時間
レーン10:mGLP (コンカテマー) + 5μgのKex2プロテアーゼ/mg mGLPコンカテマー28時間
レーン11:mGLP (コンカテマー) + 20μgのKex2プロテアーゼ/mg mGLPコンカテマー20時間
レーン12:mGLP (コンカテマー) + 20μgのKex2プロテアーゼ/mg mGLPコンカテマー24時間
レーン13:mGLP (コンカテマー) + 20μgのKex2プロテアーゼ/mg mGLPコンカテマー28時間
図4:mGLP封入体のKex2プロテアーゼ消化と、その後のCPB処理
レーン1:分子量マーカー
レーン2:mGLP (コンカテマー)未消化16時間
レーン3:ロードなし
レーン4:mGLP (コンカテマー) + 20μgのKex2 プロテアーゼ/mg mGLPコンカテマー16時間
レーン5:mGLP (コンカテマー) + 10μgのKex2 プロテアーゼ/mg mGLPコンカテマー16時間
レーン6:mGLP (コンカテマー) + 5μgのKex2 プロテアーゼ/mg mGLPコンカテマー16時間
配列
配列番号1
HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVRGRG
配列番号2
ATGAAACGTCACGCGGAAGGCACCTTTACGTCCGATGTGAGCTCTTATCTGGAAGGCCAGGCGGCCAAAGAATTTATTGCCTGGCTGGTCCGTGGCCGCGGTAAACGTCATGCCGAAGGCACCTTTACGAGCGACGTGAGTTCCTACCTGGAAGGTCAAGCAGCTAAAGAATTTATCGCATGGCTGGTTCGTGGCCGCGGCAAACGCCACGCTGAAGGCACCTTTACGTCTGATGTCTCATCGTATCTGGAAGGCCAAGCCGCGAAAGAATTTATCGCCTGGCTGGTGCGTGGCCGCGGCAAACGTCACGCAGAAGGCACCTTCACGAGTGACGTTAGCTCTTACCTGGAAGGCCAGGCCGCCAAAGAATTTATTGCTTGGTTAGTTCGTGGCCGCGGTAAACGCCATGCCGAAGGCACCTTCACGTCCGATGTGAGTTCCTATCTGGAAGGCCAAGCTGCCAAAGAATTTATCGCTTGGTTAGTGCGTGGCCGCGGAAAGCGCCACGCGGAAGGCACCTTCACGTCAGACGTCTCATCGTACCTGGAAGGCCAGGCGGCGAAAGAATTTATCGCGTGGTTAGTACGTGGCCGCGGAAAACGCCACGCCGAGGGCACCTTTACGTCGGATGTTAGCTCTTATCTGGAAGGCCAAGCAGCGAAAGAATTTATTGCATGGTTGGTTCGTGGCCGCGGAAAGCGTCATGCAGAGGGCACCTTTACGAGCGATGTGAGTTCCTACCTGGAAGGGCAGGCCGCTAAGGAATTTATCGCGTGGCTTGTTCGTGGCCGCGGAAAACGTCATGCGGAGGGCACCTTTACGTCTGACGTCTCATCGTATCTGGAAGGCCAGGCCGCGAAGGAATTTATCGCCTGGTTAGTCCGTGGCCGCGGCAAGCGCCATGCGGAGGGCACCTTCACGAGCGACGTTAGCTCTTACCTGGAAGGTCAAGCGGCGAAAGAATTTATTGCGTGGCTGGTCCGTGGTCGTGGCTAATGA
配列番号3
MKRHAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVRGRGKRHAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVRGRGKRHAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVRGRGKRHAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVRGRGKRHAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVRGRGKRHAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVRGRGKRHAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVRGRGKRHAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVRGRGKRHAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVRGRGKRHAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVRGRG

Claims (13)

  1. 配列番号1のペプチドを生産するためのコンカテマーDNA構築物であって、コンカテマーDNA構築物が、
    a. 適切な宿主における発現のために最適化されたコドンでの配列番号1のペプチドをコードするDNA構築物を含み、
    b. (a)の各単位が、3’端にて、アミノ酸X1-X2(X1は、LysまたはArgであり、X2は、LysまたはArgである)のモノマーまたはポリマー単位をコードするモノマーまたはポリマーのコドン最適化スペーサDNA配列に連結されており、
    c. 配列番号1のマルチマーとして発現可能な適切な宿主にクローニングするためのコンカテマーDNA構築物を得ることと、
    d. 配列番号1のマルチマーを得ることと、少なくとも2種のプロテアーゼの組み合わせで処理して、配列番号1のモノマー単位を得ること。
  2. コンカテマーが、少なくとも約6のモノマー単位を含む、請求項1に記載のコンカテマーDNA構築物。
  3. 3 DNA構築物が、少なくとも約500 bpである、請求項1に記載のコンカテマーDNA構築物。
  4. DNA構築物が、原核または真核宿主において発現される、請求項1に記載のコンカテマーDNA構築物。
  5. 請求項1に記載のDNA構築物から得ることができる、配列番号1のマルチマーペプチド。
  6. 請求項1に記載のDNA構築物から得ることができる、配列番号1のモノマーペプチド。
  7. 配列番号1のペプチドを生産する方法であって、
    a. 適切な宿主における発現のための、配列番号1のペプチドのマルチマーをコードするコドン最適化コンカテマーDNA構築物を得ることと、
    b. (a)のコンカテマーDNA構築物を、適切な宿主における発現のための適切なベクターにクローニングすることと、
    c. (a)のコンカテマーDNA構築物を発現して、封入体として配列番号1のペプチドのマルチマーを生産することと、
    d. (c)のマルチマー単位を、少なくとも2種のプロテアーゼと同時または逐次に接触させて、配列番号1のペプチドを得ることと
    を含む方法。
  8. ベクターが、pETベクターである、請求項7に記載の方法。
  9. コンカテマーDNA構築物の発現を誘導するために、少なくとも2種の誘導因子が用いられる、請求項7に記載の方法。
  10. 誘導因子が、アラビノースおよびIPTGである、請求項7に記載の方法。
  11. プロテアーゼが、Kex2プロテアーゼおよびカルボキシペプチダーゼBである、請求項1に記載の方法。
  12. kex2プロテアーゼおよびカルボキシペプチダーゼBとの接触が同時である、請求項7に記載の方法。
  13. kex2プロテアーゼおよびカルボキシペプチダーゼBとの接触が逐次である、請求項7に記載の方法。
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