JP2020513756A - クロストリジウム・ディフィシルのエピデミックなリボタイプのマーカーを検出するためのcobraプローブ - Google Patents

クロストリジウム・ディフィシルのエピデミックなリボタイプのマーカーを検出するためのcobraプローブ Download PDF

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Abstract

生物学的又は非生物学的サンプル中のクロストリジウム・ディフィシルのtcdC遺伝子における一塩基欠失の存在又は不存在を検出するための方法を記載する。本方法は、増幅工程、ハイブリダイズ工程、及び検出工程を実施することを含みうる。更に、一塩基欠失の検出用に設計されたプライマー、プローブ、およびキットを提供する。

Description

本発明は、微生物診断の分野に関し、より具体的には、クロストリジウム・ディフィシルのエピデミックなリボタイプのマーカーの検出に関する。
クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile,「C.ディフィシル」又は「C.diff」)は、重度の下痢その他の腸疾患を引き起しうる嫌気性、グラム陽性、胞子形成細菌である。C.ディフィシル胞子は病院内でみられることが多く、胞子が直接感染を引き起こすことはないものの、消化されると、活性のある感染性の形態に変換しうる。C.ディフィシル感染症は、単純な下痢から著しい罹患率や死亡率につながるような偽膜性大腸炎まで広範な臨床的な症状を含む。抗生物質関連の大腸炎は、腸内細菌叢の競合細菌が抗生物質によって一掃されると発症しC.ディフィシルによって引き起こされる腸の感染症である。それは患者が院内でかかる最も一般的な感染症である。
C.ディフィシルによる感染症はほとんどが、病院や介護施設などの施設にて65歳以上の高齢者や患者間で発生する。1996年から2009年にかけてC.ディフィシル率は、65歳以上の入院患者では200%、65〜74歳の患者では175%、75〜84歳の患者では198%、85歳以上の患者では201%増加した。85歳以上の患者のディフィシル率は他の年齢層に対し著しく高かった(National Hospital Discharge Survey,Annual,Files,1996−2009)。
近年、院内感染および地域感染型のクロストリジウム・ディフィシル感染症(CDI)の罹患率が増加しており、特に北半球では、高毒性の027/NAP/BI(リボタイプ027)株が蔓延している。病原性C.ディフィシルでは、毒素AおよびBがそれぞれtcdAおよびtcdBによってコードされ、それらの発現がtcdR(正の調節因子)およびtcdC(負の調節因子)によって制御される。リボタイプ027株の高い毒性は、tcdCのヌクレオチド117位における一塩基欠失(tcdCΔ117)の結果として毒素A/B産生が増加すること並びにcdtA及びcdtBによりコードされる二元毒素CDTの産生に起因すると仮定されている(MacCannell et al., Journal of Clinical Microbiology, 44:6, 2147−2152, 2006)。tcdCは特徴的な18bpの欠失(ヌクレオチド330〜347位)があるものの、かかる欠失のみでは機能に影響を及ぼさない(O’Connor et al.,Gastroenterology,136:1913-1924,2009)。遺伝子バリエーションおよび変異が、病原体を識別するために用いることができ、特定の場合、予後および治療経過を予測するのに有用である。それ故、依然として、敏感かつ特異的であり、かつ偽陽性または偽陰性の結果に対し感受性が低い、C.ディフィシルの高病原性株におけるバリエーションおよび突然変異を検出するための分子試験を開発する大きな臨床的必要性がある。
本発明は、C.ディフィシルを含有することが疑われる生物学的又は非生物学的サンプル中のC.ディフィシルのtcdC遺伝子のヌクレオチド117位における一塩基欠失(tcdCΔ117)の存在を検出するための方法に関する。本発明の実施形態は、米国特許第8,409,802号及び米国特許第9,068,225号に開示される「Cobra」プローブの使用を伴う。簡潔にいうと、Cobraプローブは検出可能なシグナルで標識され、2つのドメインがリンカー部で分離されている。第1のドメインは、遺伝子バリエーションまたは変異(例えば、tcdC遺伝子における一塩基欠失)を含む標的核酸の領域に対して相補的になるよう設計されている5’レポーター配列である。第2のドメインは、標的核酸に対して完全に相補的になるよう設計され、配列ミスマッチに耐性であるか、または標的核酸の相補的な領域内における可変性が低い領域と二本鎖を形成するように設計されている3’アンカー配列である。Cobraプローブのレポータードメインおよびアンカードメインは、レポーター配列およびアンカー配列の両方が標的核酸にハイブリダイズする場合、わずかな数のヌクレオチドしか介在せずに互いに隣接する標的核酸内の領域に結合するように設計されている。リンカー部は、アンカードメインからレポータードメインを分離し、レポータードメインとアンカードメインとの間隔を維持するように機能する非ヌクレオシドリンカーで構成されている。
本発明は、増幅工程およびハイブリダイズ工程を含んでもよい少なくとも1回のサイクリング工程を実施することを含む、tcdCΔ117の検出方法を含む。更に、本発明は、tcdCΔ117の検出用に設計されたプライマー、プローブ、およびキットに関する。
1つの態様では、本発明は、個体より得られた生物学的サンプルにおけるtcdCΔ117の存在又は不存在を検出する方法を提供する。かかる方法は、一般に、増幅工程および蛍光標識されたCobraプローブを使用する色素結合工程又はハイブリダイズ工程を含む少なくとも1回のサイクリング工程を実施することを含む。典型的には、増幅工程は、tcdC核酸分子がサンプル中に存在する場合、サンプルをtcdCプライマー対と接触させてtcdC増幅産物を生成することを含み、検出工程は、ハイブリダイゼーションによりtcdCΔ117の存在又は不存在を特異的に認識することが可能な蛍光標識されたCobraプローブにtcdC増幅産物を接触させることを含む。
より具体的には、本発明は、サンプル中のC.ディフィシルのリボタイプ027株のtcdC遺伝子のヌクレオチド117位における一塩基欠失(tcdCΔ117)を検出する方法であって、サンプルをtcdCプライマーのセットに接触させ、C.ディフィシルのtcdC核酸がサンプル中に存在する場合、増幅産物を生成することを含む増幅工程を実施すること;増幅産物を、tcdCΔ117にハイブリダイズするよう設計された検出可能なCobraプローブ(例えば、検出可能なtcdCΔ117プローブ)に接触させることを含むハイブリダイズ工程を実施すること;及び、(例えば、前記検出可能なtcdCΔ117プローブからのシグナルの存在又は不存在を検出することにより)増副産物の存在又は不存在を検出すること、ここで、増副産物の存在(例えば、シグナルの存在)はサンプル中のtcdCΔ117の存在を示し、増副産物の不存在(例えば、シグナルの不存在)はサンプル中のtcdCΔ117の不存在を示す;を含む、前記方法を提供する。ここで前記検出可能なtcdCΔ117プローブは、ヌクレオチド117位における一塩基欠失に完全に相補的なコンティグ配列を有するレポータードメインを含むCobraプローブであってもよく、そして前記レポータードメインは、1つまたは複数のヘキサエチレングリコール(HEG)を含む非ヌクレオシドリンカーによりアンカードメインから分離されている。いくつかの実施形態では、前記ハイブリダイズ工程は、増幅産物をドナー蛍光部分および対応するアクセプター蛍光部分が標識されたCobraプローブに接触させることを含み;かつ、前記検出工程は、Cobraプローブのドナー蛍光部分とアクセプター蛍光部分間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の存在又は不存在を検出することを含み,ここで、蛍光の存在又は不存在は、サンプル中のtcdCΔ117の存在又は不存在を示す。いくつかの実施形態では、前記増幅は、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼ酵素を使用する。いくつかの実施形態では、前記Cobraプローブは、配列番号1および2からなる群より選択される配列又はそれらの相補体を含むかあるいはかかる配列又は相補体からなる。いくつかの実施形態では、前記tcdCΔ117プローブは、二次構造の形成を許容する核酸配列を含み、ここで前記二次構造の形成は、ドナー蛍光部分とアクセプター蛍光部分の間が空間的に近接する結果をもたらす。いくつかの実施形態では、前記第2の蛍光部分は、クエンチャーである。いくつかの実施形態では、増幅工程とハイブリダイズ工程は少なくとも1回繰り返される。いくつかの実施形態では、増幅工程とハイブリダイズ工程は少なくとも約20回繰り返されるが、少なくとも40回,少なくとも60回,又は少なくとも100回繰り返されてもよい。いくつかの実施形態では、本方法は、複数回のサイクリング工程を実施することを含み、ここで、各サイクリング工程は、サンプルをtcdCプライマーのセットに接触させ、tcdC核酸がサンプル中に存在する場合、増幅産物を生成することを含む増幅工程、及び増幅産物を検出可能なtcdCΔ117プローブに接触させることを含むハイブリダイズ工程を含む。ここで、サイクリング工程は少なくとも約20回繰り返されるが、少なくとも40回,少なくとも60回,又は少なくとも100回繰り返されてもよい。
更なる態様では、本発明は、tcdCΔ117の核酸を検出するためのキットを提供する。本キットは、配列番号1および2からなる群より選択される配列又はそれらの相補体を含むかあるいはかかる配列又は相補体からなる検出可能に標識されたオリゴヌクレオチド(Cobraプローブ)を含みうる。より具体的には、本発明は、C.ディフィシルのリボタイプ027株のtcdC遺伝子のヌクレオチド117位における一塩基欠失(tcdCΔ117)を検出するためのキットであって、一対のオリゴヌクレオチドプライマー、ここで、各オリゴヌクレオチドプライマーは、ヌクレオチド117位を含むtcdC遺伝子の部分配列の逆鎖にハイブリダイズ可能である;および、配列番号1および2からなる群より選択される配列又はそれらの相補体を含むかあるいはかかる配列又は相補体からなる検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドプローブ:を含むキットを提供する。いくつかの実施形態では、前記検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドは、ドナー蛍光部分および対応するアクセプター蛍光部分を含む。いくつかの実施形態では、前記アクセプター蛍光部分はクエンチャーである。いくつかの実施形態では、前記キットは、ヌクレオシド三リン酸、核酸ポリメラーゼ、および核酸ポリメラーゼの機能に必要なバッファを更に含む。いくつかの実施形態では、前記キットは、サンプル中のtcdCΔ117の存在又は不存在を検出するためのプライマー、プローブ、および蛍光体部分を使用するための添付文書や説明書を含んでもよい。
別の態様では、本発明は、配列番号1および2からなる群より選択されるヌクレオチドの配列又はそれらの相補体を含むかあるいはかかる配列又は相補体からなるオリゴヌクレオチドを提供する。いくつかの実施形態では、前記オリゴヌクレオチドは100以下のヌクレオチドを有する。別の態様では、本発明は、配列番号1および2のいずれかに対し少なくとも70%配列同一性(例えば、少なくとも75%、80%、85%、90%又は95%、等)を有する核酸又はそれらの相補体を含み、100以下のヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドを提供する。一般に、これらの実施形態では、これらのオリゴヌクレオチドはプローブ核酸等である。これらの特定の実施形態では、前記オリゴヌクレオチドは、50以下のヌクレオチド(例えば、45以下のヌクレオチド、40以下のヌクレオチド、等)を有する。いくつかの実施形態では、前記オリゴヌクレオチドは、例えば、非修飾ヌクレオチドに対する核酸ハイブリダイゼーション安定性を改変するための、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、前記オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの保存的に修飾されたバリエーションを含む。いくつかの実施形態では、前記オリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の検出可能な標識を含む。いくつかの実施形態では、前記オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの標識部分及び/又は少なくとも1つのクエンチャー部分を含む。
他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似または同等の方法および材料を本発明の実施または試験に使用することができるが、適切な方法および材料を以下に記載する。さらに、材料、方法、および実施例は例示的なものにすぎず、限定的であることを意図しない。
本発明の1つまたは複数の実施形態の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。本発明の他の特徴、目的、および利点は、図面、詳細な説明、及び特許請求の範囲から明らかであろう。
図1は、非ヌクレオシドリンカーで分離されたレポータードメインとアンカードメインを示すCobraプローブの模式図である。
図2は、実施例1で記載されるようなtcdCΔ117を検出するために設計されたCobraプローブを示す。
図3は、配列番号3の通常のΔ117プローブ(Δ117−センスFQ4)の存在下で、野生株(12840)、ヌクレオチド120位にSNPを有する株(11313)、またはΔ117欠失を有する株(11314)由来のゲノムC.ディフィシルDNAを、様々な開始濃度から生成し、FAMシグナルとして測定したPCR増殖曲線を示す。
図4は、配列番号2のCobraΔ117プローブ(Δ117−Cobra FQ6)の存在下で、野生株(12840)、ヌクレオチド120位にSNPを有する株(11313)、またはΔ117欠失を有する株(11314)由来のゲノムC.ディフィシルDNAを、様々な開始濃度から生成し、FAMシグナルとして測定したPCR増殖曲線を示す。
図5は、配列番号1のCobraΔ117プローブ(Δ117−Cobra FQ9)の存在下で、野生株(12840)、ヌクレオチド120位にSNPを有する株(11313)、またはΔ117欠失を有する株(11314)由来のゲノムC.ディフィシルDNAを、様々な開始濃度から生成し、FAMシグナルとして測定したPCR増殖曲線を示す。
サンプル中のC.ディフィシルのリボタイプ027株のtcdC遺伝子のヌクレオチド117位における一塩基欠失(tcdCΔ117)を検出するためのリアルタイムアッセイを本明細書に記載する。tcdCΔ117を検出するためのCobraプローブ、並びに、かかるプローブを含む製品またはキットが提供される。他の方法に比べ、tcdCΔ117の検出用のリアルタイムPCRの感度が向上し、そして、サンプルの保持および増幅産物のリアルタイム検出を含めたリアルタイムPCRの機能が改良されているため、臨床検査室におけるtcdCΔ117の診断のための本技術の実施が可能である。
本方法は、一対のtcdCプライマーを使用してサンプルから得たtcdC核酸分子の一部を増幅することを含む少なくとも1回のサイクリング工程を実施することを含んでもよい。本明細書で使用される「tcdCプライマー」は、tcdCをコードする核酸配列に特異的にアニールし、そして適切な条件下でそこから合成を開始する、オリゴヌクレオチドプライマーを指す。各tcdCプライマーは、tcdC核酸分子内部または隣接する標的にアニールするので、各増幅産物の少なくとも一部はtcdCに対応する核酸配列を含むようになっている。tcdC核酸がサンプル中に存在するという条件でtcdC増幅産物が産生されるので、tcdC増幅産物の存在はサンプル中のC.ディフィシルの存在を示す。増幅産物は、1つまたは複数の検出可能なtcdCプローブに相補的な核酸配列を含むはずである。各サイクリング工程は、増幅工程、ハイブリダイゼーション工程、および検出工程を含み、この工程においてサンプルは、サンプル中のC.ディフィシルの存在又は不存在を検出するための1つまたは複数の検出可能なtcdCプローブと接触される。
本明細書中で使用される場合、用語「増幅する」は、鋳型核酸分子(例えば、tcdC核酸分子)の一方または両方の鎖に相補的な核酸分子を合成するプロセスを指す。核酸分子を増幅することは、典型的には、鋳型核酸を変性すること、プライマーの融解温度より低い温度でプライマーを鋳型核酸にアニールさせること、およびプライマーから酵素的に伸長して増幅産物を生成することを含む。増幅は典型的には、デオキシリボヌクレオシド三リン酸、DNAポリメラーゼ酵素(例、Platinum(登録商標)Taq)および該ポリメラーゼ酵素の最適な活性のために適切なバッファ及び/又は補因子(例えば、MgClおよび/またはKCl)の存在を必要とする。
特定の核酸配列の「保存的に修飾されたバリエーション」または単に「保存的バリエーション」とは、同一のまたは本質的に同一のアミノ酸配列をコードする核酸、あるいは、アミノ酸をコードしない核酸の場合、本質的に同一の配列を指す。当業者は、コードされた配列における単一のアミノ酸または少ない割合のアミノ酸(典型的には5%未満、より典型的には4%、2%または1%未満)を改変、付加または削除する個々の置換、あるいは欠失または付加は「保存的に修飾されたバリエーション」であり、ここで改変はアミノ酸の欠失、アミノ酸の付加、またはアミノ酸を化学的に類似したアミノ酸へ置換する結果となることを理解するであろう。
本明細書では用語「プライマー」は、当業者に知られているように使用され、オリゴマー化合物、主にオリゴヌクレオチドを指すが、鋳型依存性DNAポリメラーゼによるDNA合成を「プライム」することができる修飾オリゴヌクレオチドも指す。つまり、例えば、オリゴヌクレオチドの3’−末端が、遊離3’−OH基を提供し、そこにさらに3’→5’ホスホジエステル結合を確立する鋳型依存性DNAポリメラーゼによってデオキシヌクレオシド三リン酸が使用されホスフェートがピロ放出されるような更なる「ヌクレオチド」が結合されてもよい。したがって、おそらくは意図する機能を除き、本発明に係る「プライマー」、「オリゴヌクレオチド」、または「プローブ」の間に根本的な違いはない。
用語「ハイブリダイズ」は、1つはまた複数のプローブを増幅産物にアニールすることを指す。ハイブリダイゼーション条件は、典型的にはプローブの融解温度より低いがプローブの非特異的ハイブリッド形成を回避する温度が挙げられる。
用語「5’→3’エキソヌクレアーゼ活性」は、核酸ポリメラーゼの活性を指し、通常、活性は、核酸鎖合成に関連し、それによってヌクレオチドが核酸鎖の5’末端から除去される。
用語「熱安定性ポリメラーゼ」は、熱に安定なポリメラーゼ酵素、すなわち、鋳型に相補的なプライマー伸長産物の形成を触媒し、二本鎖鋳型核酸の変性をもたらすのに必要な時間の間、高温にさらされたときに不可逆的に変性することはない酵素を指す。一般に、合成は各プライマーの3’末端で開始され、鋳型鎖に沿って5’→3’方向に進行する。熱安定性ポリメラーゼは、Thermus fiavus、T.ruber、T.thermophilus、T.aquaticus、T.lacteus、T.rubens、Bacillus stearothermophilus、及びMethanothermus fervidusから単離されている。しかしながら、熱安定性ではないポリメラーゼもまた、酵素が補充されるならPCRアッセイに使用することができる。
用語「その/それらの相補体(complement thereof)」は、所与の核酸と同じ長さであり、正確に相補的な核酸を指す。
用語「伸長(extension)」又は「伸長(elongation)」は、核酸に関して使用される場合、追加のヌクレオチド(または他の類似の分子)が核酸に組み込まれる場合を指す。例えば、場合により、核酸は、通常核酸の3’末端にヌクレオチドを付加するポリメラーゼのような、生体触媒を組み込んだヌクレオチドによって伸長されることがある。
2つ以上の核酸配列の文脈における用語「同一」またはパーセント「同一性」は、例えば、当業者に利用可能な配列比較アルゴリズムの1つを使用してまたは目視検査によって測定され、比較し最大限一致するようアラインされたとき、同一であるかまたは同一である特定の割合のヌクレオチドを有する、2つ以上の配列または部分配列を指す。配列同一性パーセントおよび配列類似性パーセントを決定するのに適切な例示的なアルゴリズムは、BLASTプログラムであり、これは、例えば、以下に記載される:Altschul et al.(1990)“Basic local alignment search tool”J.Mol.Biol.215:403−410,Gish et al.(1993)“Identification of protein coding regions by database similarity search”Nature Genet.3:266−272,Madden et al.(1996)“Applications of network BLAST server”Meth.Enzymol.266:131−141,Altschul et al.(1997)“Gapped BLAST and PSI−BLAST:a new generation of protein database search programs”Nucleic Acids Res.25:3389−3402,and Zhang et al.(1997)“PowerBLAST:A new network BLAST application for interactive又はautomated sequence analysis and annotation”Genome Res.7:649−656。
オリゴヌクレオチドの文脈において「修飾ヌクレオチド」は、当該オリゴヌクレオチド配列の少なくとも1つのヌクレオチドが異なるヌクレオチドに置換され、当該オリゴヌクレオチドに望ましい性質を与える改変を指す。本明細書に記載のオリゴヌクレオチドにおいて置換される可能性のある例示的な修飾ヌクレオチドとして、例えば、C5−メチル−dC、C5−エチル−dC、C5−メチル−dU、C5−エチル−dU、2,6−ジアミノプリン、C5−プロピニル−dC、C5−プロピニル−dU、C7−プロピニル−dA、C7−プロピニル−dG、C5−プロパルギルアミノ−dC、C5−プロパルギルアミノ−dU、C7−プロパルギルアミノ−dA、C7−プロパルギルアミノ−dG、7−デアザ−2−デオキシキサントシン、ピラゾロピリミジン類似体、擬−dU、ニトロピロール、ニトロインドール、2’−0−メチルRibo−U,2’−0−メチルRibo−C,N4−エチル−dC,N6−メチル−dA,等が挙げられる。本発明のオリゴヌクレオチドにおいて置換される可能性のある他の多くの修飾ヌクレオチドは、本明細書に記載されているか、または当分野で知られている。特定の実施形態では、修飾ヌクレオチド置換は、対応する非修飾オリゴヌクレオチドの融解温度に対して、オリゴヌクレオチドの融解温度(Tm)を改変する。さらに説明すると、いくつかの実施形態では、ある種の修飾オリゴヌクレオチド置換は、非特異的核酸増幅を減少させる(例えば、プライマーダイマー形成を最小化するなど)、意図する標的アンプリコンの収率を増加させる、及び/又は同様のことができる。かかる種類の核酸修飾の例は、例えば、米国特許第6,001,611号に記載されている。
C.ディフィシル核酸及びオリゴヌクレオチド
本発明は、例えば、tcdC遺伝子の一部を増幅することによって、C.ディフィシルのエピデミックなリボタイプ(例えば、リボタイプ027)を検出する方法を提供する。C.ディフィシル由来のtcdC遺伝子の核酸配列が利用可能である(例えば、GenBank登録番号AM180355を参照のこと)。具体的には、tcdC核酸分子を増幅および検出するためのプライマーおよびプローブが本発明によって提供される。さらに、tcdC遺伝子のヌクレオチド117位における一塩基欠失、tcdCΔ117、を特異的に検出するためのCobraプローブが本発明により提供される。
より具体的には、本発明のオリゴヌクレオチドは、それぞれ、配列番号1および2、それらと実質的に同一のバリアントであって、配列番号1および2の一方と少なくとも例えば、80%,90%,又は95%の配列同一性を有するバリアント、並びに配列番号1および2、及びかかるバリアントの相補体からなる群より選択される配列を有する核酸を含む。
本発明の一実施形態では、tcdCプライマーの特定のセットとtcdCΔ117に特異的なCobraプローブが、C.ディフィシルを含有することが疑われる生物学的サンプルにおけるtcdCΔ117の検出をするために使用される。プライマーのセットとプローブは、tcdCに特異的な少なくとも1つのプライマーとプローブを含んでもよい。本発明の方法のプローブを使用することによって、配列番号1および2のCobraプローブの機能的に活性なバリアントを同定してもよい。配列番号1および2のCobraプローブの機能的に活性なバリアントは、本発明の方法またはキットにおいて配列番号1および2のそれぞれの配列と比較して同等またはさらに高い特異性および感度を提供するプローブに関する。
バリアントは、例えば、配列番号1および2の配列とは、1つまたは複数のヌクレオチドの付加、削除または置換、例えば、配列番号1および2のそれぞれの配列の5’末端及び/又は3’末端における1つまたは複数のヌクレオチド追加、削除または置換等、により異なっていてもよい。上記に詳述したように、プローブは化学的に修飾されていてもよい、すなわちプローブは修飾ヌクレオチドまたは非ヌクレオチド化合物を含んでいてもよい。その場合、プローブは修飾オリゴヌクレオチドである。「修飾ヌクレオチド」(または「ヌクレオチド類似体」)は、若干の修飾によって天然「ヌクレオチド」と異なるものの、塩基または塩基様化合物、ペントフラノシル糖またはペントフラノシル糖様化合物、ホスフェート部分またはホスフェート様部分、あるいはそれらの組み合わせから構成される。例えば、「標識」を「ヌクレオチド」の塩基部分に結合することにより、「修飾ヌクレオチド」を得てもよい。また、「ヌクレオチド」における天然の塩基を、7−デサザプリンで置換することにより、「修飾ヌクレオチド」を得てもよい。用語「修飾ヌクレオチド」または「ヌクレオチド類似体」は、本出願において互換的に用いられる。「修飾ヌクレオシド」(または「ヌクレオシド類似体」)は、「修飾ヌクレオチド」(または「ヌクレオチド類似体」)について上述したように、若干の修飾が天然のヌクレオシドと異なる。
tcdCをコードする核酸分子を増幅する、修飾オリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチド類似体を含むオリゴヌクレオチド、例えばtcdCの代替部分をコードする核酸は、例えば、OLIGO(Molecular Biology Insights Inc.,Cascade,Colo.)のようなコンピュータプログラムを使用して設計することができる。増幅プライマーとして使用されるオリゴヌクレオチドを設計する際の重要な特徴として、(例えば、電気泳動による)検出を容易にするための適切なサイズの増幅産物、一対のプライマーのメンバーに対する同等の融解温度、各プライマーの長さ(すなわち、プライマーは、配列特異的にアニールして合成を開始するのに十分な長さであるが、オリゴヌクレオチド合成中に忠実度が低下するほど長くない必要がある)が挙げられるが、これらに限定されない。典型的には、オリゴヌクレオチドプライマーは8〜50ヌクレオチドの長さ(例えば、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、又は50ヌクレオチドの長さ)である。
プライマーのセットに加えて、本発明の方法は、tcdCΔ117の存在または不存在を検出するために1つは複数のプローブを使用してもよい。用語「プローブ」は、合成的または生物学的に生成された核酸(DNAまたはRNA)を指し、設計または選択により、所定のストリンジェンシー下で「標的核酸」、この場合、tcdC(標的)核酸、に特異的に(すなわち優先的に)ハイブリダイズすることを可能にする特定のヌクレオチド配列を含む。「プローブ」は、標的核酸を検出することを意味する「検出プローブ」とも称される。
本発明によれば、tcdCプローブは、少なくとも1つの蛍光標識で標識することができる。1つの実施形態では、tcdCプローブは、ドナー蛍光部分、例えば蛍光染料、および対応するアクセプター蛍光部分、例えば、クエンチャーで標識することができる。
本発明の一実施形態では、少なくとも1つのプローブは、蛍光部分及び配列番号1および2からなる群より選択される核酸配列(標識を除いて示す)を含むか又はかかる蛍光部分及び配列からなる。
ハイブリダイゼーションプローブとして使用するためのオリゴヌクレオチドの設計は、プライマーの設計と同様の方法で実行することができる。本発明の実施形態は、増幅産物の検出に単一のプローブまたは一対のプローブを使用してもよい。実施形態によっては、使用するプローブが少なくとも1つの標識及び/又は少なくとも1つのクエンチャー部分を含んでもよい。プライマーと同様に、プローブは通常、同等の融解温度を有し、そして各プローブの長さは、配列特異的ハイブリダイゼーションが起こるのに十分であり、かつ合成中に忠実度が低下するほど長くはない。オリゴヌクレオチドプローブの一般的な長さは30〜50ヌクレオチドである。
本発明の構築体は、tcdC核酸分子を含むベクターを含む。本発明の構築体は、例えば、対照鋳型核酸分子として使用することができる。本発明の使用に適したベクターは市販されているおよび/または当技術分野で日常的な組換え核酸技術の方法によって製造される。TcdC核酸分子は、例えば、化学合成、C.ディフィシルからの直接クローニング、またはPCR増幅によって得ることができる。
本発明の方法における使用に適した構築体は、典型的には、tcdC核酸分子に加えて、所望の構築体および/または形質転換体を選択するための選択マーカー(例、抗生物質耐性遺伝子)をコードする配列、並びに複製起点を含む。ベクター系の選択は通常、宿主細胞の選択、複製効率、選択性、誘導性、および回収の容易さなどが挙げられるがこれらに限定されない、いくつかの要因に依存する。
tcdC核酸分子を含有する本発明の構築体は、宿主細胞中で増殖させることができる。本明細書中で使用される場合、宿主細胞という用語は、原核生物、並びに、酵母、植物および動物細胞などの真核生物を含むことを意味する。原核生物の宿主としては、E.coli,Salmonella typhimurium,Serratia marcescens,and Bacillus subtilisが挙げられる。真核生物の宿主としては、S.cerevisiae,S.pombe,Pichia pastoris等の酵母、COS細胞又はChinese hamster ovary(CHO)細胞等の哺乳動物細胞,昆虫細胞、Arabidopsis thaliana及びNicotiana tabacum等の植物細胞が挙げられる。本発明の構築体は、当業者に一般に知られている任意の技術を用いて宿主細胞に導入することができる。例として、リン酸カルシウム沈殿、エレクトロポレーション、ヒートショック、リポフェクション、マイクロインジェクション、およびウイルスによる核酸導入が、宿主細胞に核酸を導入するための一般的な方法である。さらに、裸のDNAを細胞に直接送達することができる(例えば、米国特許第5,580,859号および第5,589,466号参照)。
Cobraプローブ
本発明で使用するCobraプローブは米国特許第8,409,802号及び米国特許第9,068,225号に記載される。Cobraプローブは、標的核酸配列の存在又は不存在を特異的に検出することを可能にするフレキシブルなリンカーを有する2ドメインプローブを指す。1つ目のドメインは、標的核酸に対するプローブのハイブリダイゼーションをドライブする「アンカー」としてのものである。このドメインは安定的に標的核酸にハイブリダイズし、潜在的なミスマッチに耐性であるか、あるいは標的核酸の相補的な領域(「アンカ−結合」領域)内の可変性が低い領域と二本鎖を形成するように設計されている。2つ目のドメインは、対象の配列を検出するように設計されている「レポーター」としてのものである。「レポーター」は、標的核酸の相補的な領域(「レポーター結合」領域)に高度に特異的であり、標的配列の存在又は不存在の検出、ならびにレポーター結合領域とのマッチ/ミスマッチの区別をすることができる。レポータードメインは、一般に、レポータードメインのハイブリダイゼーションの有無を区別することができるように標識が結合しているので、標的配列の存在又は不存在を検出するか、あるいは融解温度の変化を検出することによってプローブ領域におけるミスマッチを検出する。この設計の2ドメインプローブにより、対象の標的配列を検出する特異性を非常に向上することができる。
Cobraプローブは、標的核酸の存在又は不存在を検出するために、つまり、レポータードメインが標的にハイブリダイズする場合、レポーターが標的にハイブリダイズしていない場合と比較して、標識からのシグナルの変化があるよう、検出可能に標識されるように設計されている。検出可能なシグナルの変化を検出および測定することにより、標的核酸配列の存在または不存在を定性的または定量的に決定することができる。融解温度の変化を検出することによって、標的の変異または改変の存在又は不存在を決定することができる。
Cobraプローブのアンカードメインは、アッセイ条件下で標的核酸の「アンカー結合」配列にハイブリダイズするよう設計されている。対照的に、レポータードメインは、正確な標的配列が存在するか否かに応じて、その標的「結合領域」ハイブリダイズする場合としない場合がある。レポータードメインは、例えば、標的核酸の「レポーター結合」配列に相補的又は少なくとも実質的に相補的になるように設計することができる。使用される反応条件に応じて、レポータードメインの標的へのハイブリダイゼーションを標的バリアント配列へのハイブリダイゼーションと区別することができる。
Cobraプローブは、適切な反応条件下で、例えば、ポリメラーゼなどのヌクレオチド付加性生体触媒を用いて、鎖の伸長(extension)または伸長(elongation)を可能にするプライマーとして作用するように設計することができる。あるいは、追加のヌクレオチドを加えることができないように、プローブを伸長不可能にすることもできる。例えば、ヒドロキシ基がもはや伸長に関与することができないように、プローブの3’末端を修飾することによって、プローブを伸長不可能にすることもできる。3’天然ヌクレオチドのヒドロキシ基は、さまざまな官能基で簡単に修飾できる。例えば、3’ヒドロキシ基を欠いているか、または伸長用のポリメラーゼの基質として機能することができないヌクレオチド類似体を組み込むことによって、プローブの3’末端を伸長不可能にすることができる。場合により、3’末端に標識を組み込むことでプローブを伸長不可能にすることができる。
いくつかの実施形態では、Cobraプローブは、2’−ターミネーターヌクレオチド、つまりヌクレオチドの糖部分の2’位に保護基(blocking group)を有するヌクレオチド類似体、を組み込むことによって、伸長不可能にすることができる。「保護基」は、典型的には核酸の伸長を妨げる化学基または部分を指す(すなわち、2’−ターミネーターヌクレオチドは、典型的には1つまたは複数のヌクレオチド付加性生体触媒によって伸長不可能である)。すなわち、2’−ターミネーターヌクレオチドが一旦核酸に(例えば、核酸の3’末端に)組み込まれると、保護基は少なくとも1つのヌクレオチド付加性生体触媒によるさらなる核酸の伸長を妨げる。ヌクレオチド付加性生体触媒の例示として、例えば、G46E E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A D640G S671F CS5 DNAポリメラーゼ、G46E L329A D640G S671F E678G CS5 DNAポリメラーゼ、G46E E678G CS6 DNAポリメラーゼ、ΔZO5Rポリメラーゼ、E615G Taq DNAポリメラーゼ、Thermus flavusポリメラーゼ、TMA−25ポリメラーゼ、TMA−30ポリメラーゼ、Tth DNAポリメラーゼ、Thermus specie SPS−17ポリメラーゼ、E615G Taqポリメラーゼ、Thermus Z05Rポリメラーゼ、T7 DNAポリメラーゼ、Kornberg DNAポリメラーゼI、Klenow DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、Micrococcal DNAポリメラーゼ、alpha DNAポリメラーゼ、リバーストランスクリプターゼ、AMVリバーストランスクリプターゼ、M−MuLVリバーストランスクリプターゼ、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、E.coli RNAポリメラーゼ、SP6 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼ、T4 DNAポリメラーゼ、T7 RNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼII、ターミナルトランスフェラーゼ、ポリヌクレオチドホスホリラーゼ、リボヌクレオチド付加性DNAポリメラーゼ等を含むDNAポリメラーゼが挙げられるがこれらに限定されない。
例示的な保護基はリン酸基である。例示的な2’−ターミネーターヌクレオチドとして、2’−モノホスフェート−3’−ヒドロキシ−5’−トリホスフェートヌクレオシド及び2’−モノホスフェート−3’−ヒドロキシ−5’−ジホスフェートヌクレオシドが挙げられる。他の2’−ターミネーターヌクレオチドは、例えば、以下に記載されている:米国特許出願第10/879,494号,タイトル「SYNTHESIS AND COMPOSITIONS OF 2’−TERMINATOR NUCLEOTIDES,」(2004年6月28日Bodepudi et al.により出願)、及び米国特許出願第10/879,493号,タイトル「2’−TERMINATOR NUCLEOTIDE−RELATED METHODS AND SYSTEMS」,(2004年6月28日にGelfand et al.により出願)、及び米国特許出願第11/583,606号,タイトル「2’−TERMINATOR RELATED PYROPHOSPHOROLYSIS ACTIVATED POLYMERIZATION,」(2006年10月8日にGelfand et al.により出願)。
Cobraプローブでは、アンカー核酸ドメインとレポーター核酸ドメインは、非ヌクレオシドリンカーによって結合されている。任意の標準的な技術を使用して、アンカー核酸ドメインまたはレポーター核酸ドメインを非ヌクレオシドリンカーに結合させることができる。アンカー核酸ドメインまたはレポーター核酸ドメインは、直接または間接的に、非ヌクレオシドリンカーに結合することができる。いくつかの実施形態では、アンカー核酸ドメインまたはレポーター核酸ドメインは、非ヌクレオシドリンカーに共有結合している。
アンカー核酸ドメインは、アッセイ条件下で生物学的サンプル中の標的核酸の「アンカー結合」配列に結合するように設計されている。したがって、アンカー核酸ドメインは、標的核酸の「アンカー結合」配列に相補的なまたは実質的に相補的な領域を含むように設計することができる。本発明のいくつかの実施形態では、アンカー核酸ドメインは、標的核酸内の「アンカー結合」配列に対して相補的または実質的に相補的な領域を含むかまたはそれらからなる。相補的な領域は、限定されないものの、少なくとも4、6、8、10、12、14、16、20又はそれ以上のヌクレオチド、例えば、3〜50、5〜20、5〜50、又は8〜25ヌクレオチド長など任意の長さであり得る。
アンカー核酸ドメインは、追加の領域、例えば検出可能な標識を結合させるための領域を含み得る。いくつかの実施形態では、アンカー核酸ドメインは、標的核酸の1つの「アンカー結合」配列に対して相補的なまたは実質的に相補的な1つの領域のみを含む。いくつかの実施形態では、アンカー核酸ドメインは、それぞれが標的核酸内の異なる「アンカー結合」配列に結合する2つ以上の領域を含み得る。
アンカー核酸ドメイン(または第1のドメイン)は、プローブの標的核酸へのハイブリダイゼーションをドライブするように設計されている。いくつかの実施形態では、アンカー核酸ドメインの組成および長さは、「アンカー結合」配列内の頻度が低い多型によるアンカー核酸ドメインと「アンカー結合」配列との間の潜在的なミスマッチを克服する(すなわち、ミスマッチにもかかわらず当該方法の条件下でハイブリダイズする)ように選択される。アンカー核酸ドメインと「アンカー結合」配列との間の親和性が反応条件下でハイブリダイズするのに十分大きい限り、アンカー核酸ドメインは任意の長さであり得る。いくつかの実施形態では、アンカー核酸ドメインの長さは、プローブと標的核酸との間に、それらが反応条件下でハイブリダイズするように十分な特異性が存在するように選択される。いくつかの実施形態では、アンカー核酸ドメインと「アンカー結合」配列との間のハイブリダイゼーション(すなわち、レポータードメインが標的にハイブリダイズするか否か)だけで、プローブの標的核酸の意図された位置へのハイブリダイゼーションをドライブするのに十分である。
いくつかの実施形態では、アンカー核酸ドメインは、長さが約5ヌクレオチド〜約200ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アンカー核酸ドメインは、長さが4〜50ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アンカー核酸ドメインは、長さが6〜50ヌクレオチドである。本発明のいくつかの実施形態では、アンカー核酸ドメインは、長さが20〜40ヌクレオチドである。本発明のいくつかの実施形態では、アンカー核酸ドメインは、長さが8〜25ヌクレオチドである。本発明のいくつかの実施形態では、アンカー核酸ドメインは、長さが約30ヌクレオチドである。本発明の他の実施形態では、アンカー核酸ドメインは、長さが40〜60ヌクレオチドである。本発明の他の実施形態では、アンカー核酸ドメインは、長さが60ヌクレオチド超である。
アンカー核酸ドメインは、天然ヌクレオチド、非天然ヌクレオチド、またはそれらの組み合わせを含みうる。例示的な核酸としては、従来のリボ核酸(RNA)、デオキシリボ核酸(DNA)、ならびにこれらの分子の化学類似体、例えば、ロックされたヌクレオチド類似体(「LNA」)およびペプチド核酸(「PNA」)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載の様々な核酸類似体もまた、アンカー核酸ドメインに使用することができる。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、非天然ヌクレオチドではない対応天然ヌクレオチドを使用する場合と比較して、アンカードメインの融解温度を上昇させる。Tmの上昇に寄与する例示的な人工塩基は当技術分野において記載されており、例えば、限定されないものの以下に記載のものが挙げられる:Lebedev et al.,Geneteic Analysis−Biomolecular Engineering 13:15−21(1996);Xodo,et al.,Nucleic Acids Res.19:5625−5631(1991);Froehler,et al.,Tetrahedron Lett.33:5307−5310(1992);Kutyavin,et al.,Biochemistry 35:11170−11176(1996);Nguyen,et al.,Nucleic Acids Res.25:30599−65(1997)。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドはプロピニル−dNである。本発明のいくつかの実施形態では、チミンはプロピニルdUに、シトシンはプロピニルdCに置換されている。
レポーター核酸ドメインは、生物学的サンプル中の標的核酸配列の存在または不存在を検出するように設計されている。したがって、レポーター核酸ドメインは、標的核酸内の「レポーター結合」配列に相補的なまたは実質的に相補的な領域を含むように設計することができる。本明細書で論じられるように、標的のアンカー結合ドメインと標的のレポーター結合ドメインは、標的核酸の同じ鎖上にある。いくつかの実施形態では、レポーター核酸ドメインは、標的核酸内の「レポーター結合」配列に対して相補的なまたは実質的に相補的な領域を含むか、またはかかる領域からなる。他の実施形態では、レポーター核酸ドメインは、追加の領域、例えば検出可能な標識を結合させるための領域を含む。いくつかの実施形態では、レポーター核酸ドメインは、標的核酸の1つの「レポーター結合」配列と相補的なまたは実質的に相補的な領域を1つだけ含む。いくつかの実施形態では、レポーター核酸ドメインは、それぞれが、標的核酸の別個の「レポーター結合」配列、例えば、標的核酸内の複数のSNP領域、にハイブリダイズすることができる2つ以上の領域を含みうる。
レポータードメイン配列は特定のレポータードメイン結合配列に対して選択的であるように設計されているので、一般にレポータードメインの領域はレポーター結合配列に完全に相補的である。あるいは、レポータードメインは、反応条件と組み合わせて、レポータードメインが特定の標的または特定の標的とわずかな(例えば、単一のヌクレオチドミスマッチまたは欠失)バリアントにハイブリダイズするが、より多様な配列(例えば、より大きい欠失または置換、並べ替え、複数のミスマッチなど)には結合されないように設計することができる。
レポーター核酸ドメインおよび検出可能な標識は、対象の標的核酸の存在または不存在を検出するように設計することができる。標的核酸は任意の供給源由来であり得る。例えば、標的核酸はウイルス性または微生物性の核酸であり得る。あるいは、標的核酸は、例えば、動物、哺乳動物、ヒト、真菌または植物の核酸であり得る。いくつかの実施形態では、本発明のレポーター核酸ドメインは、一塩基多型(SNP)の存在または不存在、あるいは標的核酸内の変異を検出するように設計することができる。したがって、いくつかの実施形態では、レポーター核酸ドメインは、SNPまたは変異の1つの対立遺伝子に100%相補的な結合領域を含み、そしてプローブは、SNPの1つの対立遺伝子および他の可能性のある対立遺伝子、または野生型配列に対する結合間の識別を可能にする条件下で使用される。
したがって、レポーター核酸ドメインは、「レポーター結合」配列に高度に特異的であるように設計することができる。いくつかの実施形態では、一塩基ミスマッチ、一塩基挿入、またはレポーター核酸ドメインと「レポーター結合」配列との間の一塩基挿入でさえも、マッチ(またはミスマッチ)の検出を容易にするのに十分なほど顕著な化学的または物理的な性質のシグナルの変化を引き起こしうる。シグナル変化は、プローブの立体配座の変化、すなわち、ランダムコイルからレポーター核酸ドメインと標的核酸間で形成される二重鎖への変化であり得る。シグナル変化は、物理的または化学的に検出可能であり得る。例えば、マッチまたはミスマッチの際に蛍光シグナルを誘発または変化させることができるようにプローブを蛍光標識することができる。標識とプローブは、レポーター核酸ドメインと「レポーター結合」配列との間のハイブリダイゼーションと非ハイブリダイゼーションの間で蛍光の差が検出されるように設計することができる。いくつかの実施形態では、この差は、プローブのいずれのドメインでも(例えば、標的の不存在下において)ステムループが関与しない。シグナル変化は、レポーター核酸ドメインと「レポーター結合」配列との間に形成されるハイブリダイズ二本鎖の融解温度の変化でもあり得る。Tm変化は、例えば、レポーター核酸ドメインと「レポーター結合」配列との間に形成される相補的な二本鎖とミスマッチ二本鎖との間で測定することができる。
いくつかの実施形態では、レポーター核酸ドメインは、標的核酸内の「レポーター結合」配列に対して相補的なまたは実質的に相補的な領域を含むか、またはかかる領域からなる。相補的な領域は、本発明にとって有用な任意の長さであり得て、例えば、少なくとも4、6、8、10、12、14、16、20以上のオリゴヌクレオチド、例えば、3〜50、5〜20、5〜50、又は8〜25オリゴヌクレオチドの長さが挙げられるがこれに限定されない。
レポーター核酸ドメインは任意の適切な長さであり得る。いくつかの実施形態では、その相補的な配列に対する特異性を最大にするために、本発明のレポーター核酸ドメインは、長さが比較的短くなるように設計されている。いくつかの実施形態では、レポーター核酸ドメインの標的結合部分の長さは4〜20ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、レポーター核酸ドメインの長さは6〜12ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、レポーター核酸ドメインの長さは8〜25ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、レポーター核酸ドメインの長さは6〜40ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、レポーター核酸ドメインは少なくとも6、7、8、9、10、11、又は12ヌクレオチドの長さである。
Cobraプローブは、「レポーター結合」配列に対するレポーター核酸ドメインの高度な特異性を利用している。したがって、レポーター核酸ドメインは、レポーター核酸ドメインの結合特異性を増加させるために非天然ヌクレオチドを含むことができ、それにより、マッチとミスマッチとの間のプローブ識別能を向上できる。本発明のいくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドの溶融温度は、非天然ヌクレオチドではない対応天然ヌクレオチドを使用する場合よりも高い。本発明のいくつかの実施形態では、非天然ヌクレチオチドはマッチとミスマッチのTmの差を大きくする。本発明のいくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドはプロピニル−dNである。Tmの増加に寄与する例示的な人工塩基は当技術分野において、例えば、限定されないものの以下に記載されている:Lebedev et al.,Geneteic Analysis−Biomolecular Engineering 13:15−21(1996);Xodo,et al.,Nucleic Acids Res.19:5625−5631(1991);Froehler,et al.,Tetrahedron Lett.33:5307−5310(1992);Kutyavin,et al.,Biochemistry 35:11170−11176(1996);Nguyen,et al.,Nucleic Acids Res.25:30599−65(1997)。例えば、2−アミノAはAよりもTmが約3℃高く、5−Mエチル−CはCよりもTmが約1.3℃高く、C−5プロピニル−CはCよりもTmが約2.8℃が核、C−5プロピニル−UはTよりもTmが約1.7℃高い。レポーター領域は、可変である可能性がある配列(例えば、SNPまたは可能性があると予測される変異)にハイブリダイズするレポーター領域の部分で、1つは複数(例、2、3、4、5、6、7、8、9、またはそれ以上)の安定化塩基を含む場合があるが、安定化塩基を1つまたは全く(非天然)含まなくてもよい。
アンカー核酸ドメインおよびレポーター核酸ドメインは、標的核酸の非存在下で任意の立体配座を採用することができる。いくつかの実施形態では、アンカードメインもレポータードメインもステムループを形成していない。いくつかの実施形態では、アンカー核酸ドメインおよびレポーター核酸ドメインは、特定の二次構造(例えば、ランダムコイル)を有さないように設計されている。いくつかの実施形態では、これらのドメインの一部の領域は、相互にハイブリダイズすることができる。例えば、アンカー核酸ドメイン内の領域は、レポーター核酸ドメイン内の領域に相補的なものでも部分的に相補的なものでもよい。いくつかの実施形態では、アンカードメインとレポータードメインは50%未満相補的である。いくつかの実施形態では、プローブは、標的核酸の非存在下で、アンカードメインとレポータードメインの相補的または部分的に相補的な領域(例として、少なくとも4つの隣接ヌクレオチド領域)の間に形成されるステムループ構造を有する。他の実施形態では、アンカードメインは、標的核酸の非存在下でステムループを形成することができる。あるいは、レポータードメインは、標的核酸の非存在下でステムループを形成することができる。
いくつかの実施形態では、アンカードメインもレポートドメインもステムループを含まない。よって、いくつかの実施形態では、レポータードメインは、完全に相補的な少なくとも3つのヌクレオチドの2つの配列を含まず、ここで、上記2つの配列が少なくとも2つの介在ヌクレオチドを有する;及び/又は、アンカードメインは、完全に相補的な少なくとも3つのヌクレオチドの2つの配列を含まず、ここで、上記2つの配列が少なくとも2つの介在ヌクレオチドを有する。
いくつかの実施形態では、アンカーはプローブの3’末端にあり、レポーターはプローブの5’末端にある。図1はレポーターがアンカードメインの5’末端に結合されている実施形態を示しているが、レポーターはアンカードメインの3’末端に結合されるように設計する(プローブの3’末端にレポーターを作成し、5’末端にアンカーを作成する)こともできることを理解されたい。
「非ヌクレオシドリンカー」は、アンカードメインとレポータードメインを分離する。当業者は、任意の適切な非ヌクレオシドリンカーを使用できることを認識するであろう。日常的な実験を使用して、リンカーの最適な特性を判断することができる。アンカードメインとレポータードメインは、互いに隣接する標的核酸の領域に結合するように設計されている。したがって、いくつかの実施形態では、アンカードメインとレポータードメインは、互いに比較的近くになる(例えば、レポータードメインとアンカードメインが両方とも標的にハイブリダイズする場合、1、2、3、4、または5個以下のヌクレオチドが介在する)よう設計できる。リンカーは、一般に、アンカーが標的内の隣接する配列にハイブリダイズするとき、レポーターがハイブリダイズする又はしないことを可能にするのに十分フレキシブルである。非ヌクレオシドリンカーは、アンカードメインとレポータードメインの間隔を保つよう機能する。したがって、アンカードメインとレポータードメインの間の間隔は、さまざまな長さの非ヌクレオチドリンカーを使用して調整できる。
非ヌクレオシドリンカーは、例えば、脂肪族、芳香族、アリール、環状、キラル、アキラル、ペプチド、炭水化物、脂質、脂肪酸、トリ−、テトラ−、ペンタ−、ヘキサ−ポリエチレングリコール(HEG)またはポリ−ポリエチレングリコール(PEG)、または複素環式部分であり得る。他の従来の非ヌクレオシドリンカーはホモ二官能性およびヘテロ二官能性架橋剤(homobifunctional and heterobifunctional crosslinking reagents)を使用する。ホモ二官能性剤は2つの同一の官能基を有するのに対し、ヘテロ二官能性剤は生物製剤を生体接着剤に結合させる(to link the biologics to the bioadhesive)ために2つの異なる官能基を含む。ヘテロ二官能性架橋剤の大多数は、第一級アミン反応性基およびチオール反応性基を含む。共有結合架橋剤は、ジスルフィド(S−−S)、グリコール(−−CH(OH)−−CH(OH)−−)、アゾ(−−N=N−−),スルホン(−−S(=O2−−),エステル(−−C(=O)−−O−−)、またはアミド(−−C(=O)−−N−−)架橋を形成可能な試薬から選択される。
Cobraプローブは、さまざまな組み合わせのアンカー核酸ドメイン、レポーター核酸ドメイン、および非ヌクレオシドリンカーを有するように設計されている。いくつかの実施形態では、リンカーは、アンカー核酸ドメインまたはレポーター核酸ドメインの末端、例えば、アンカー核酸ドメインまたはレポーター核酸ドメインの3’または5’の位置に結合することができる。あるいは、リンカーは、リンケージまたは結合が、プローブの機能、例えば、プローブと意図する標的核酸とのハイブリダイゼーション、を妨害しない限り、プローブの一方または両方の核酸ドメインの他の内部位置に結合することができる。例えば、リンカーはレポータードメインに、レポータードメインの3’又は5’末端の例えば、1、2、3、4、またはそれ以上の数のヌクレオチドの部分で結合できる。同様に、リンカーはアンカードメインに、アンカードメインの3’又は5’末端の例えば、1、2、3、4、またはそれ以上の数のヌクレオチドの部分で結合できる。アンカー核酸ドメインとレポーター核酸ドメインは、非ヌクレオシドリンカーの様々な位置に結合できる。いくつかの実施形態では、これらの核酸ドメインはリンカーの末端に結合している。場合により、それらはリンカーの異なる位置に結合しうる。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
米国特許第4,683,202号、第4,683,195号、第4,800,159号、及び第4,965,188号は、従来のPCR技術を開示する。PCRは通常、選択された核酸鋳型(例、DNAまたはRNA)に結合する2つのオリゴヌクレオチドプライマーを使用する。本発明において有用なプライマーは、tcdC核酸配列内での核酸合成の開始点として作用することができるオリゴヌクレオチドを含む。プライマーは制限酵素による消化物から常法により精製することができ、あるいは、合成的に製造することができる。プライマーは、増幅において最大の効率を得るために、一本鎖であることが好ましいが、二本鎖であってもよい。二本鎖プライマーは最初に変性される、すなわち鎖を分離するように処理される。二本鎖核酸を変性する1つの方法は加熱によるものである。
鋳型核酸が二本鎖である場合、PCRにおける鋳型として使用される前に二本鎖を分離することが必要である。鎖の分離は、物理的、化学的または酵素的手段を含む任意の適切な変性方法によって達成することができる。核酸鎖を分離する1つの方法は、ほとんどの核酸が変性するまで(例えば、50%、60%、70%、80%、90%または95%を超える核酸の変性)核酸を加熱することが挙げられる。鋳型核酸の変性に必要な加熱条件は、例えば、バッファ塩濃度、並びに変性される核酸の長さおよびヌクレオチド組成に依存するが、典型的には約90℃〜約105℃の範囲で、温度や核酸長などの反応の特性に応じた時間である。変性は通常約30秒〜4分(例えば、1分〜2分30秒、又は1.5分)行われる。
二本鎖鋳型核酸が熱によって変性される場合、反応混合物は各プライマーのtcdC核酸上の標的配列へのアニーリングを促進する温度まで冷却される。アニーリング温度は通常約35℃〜約65℃(例えば、約40℃〜約60℃;約45℃〜約50℃)である。アニーリング時間は約10秒〜約1分(例えば、約20秒〜約50秒;約30秒〜約40秒)である。次いで、反応混合物を、ポリメラーゼの活性が促進または最適化される温度、すなわち、鋳型核酸に相補的な生成物を生成するためにアニール後のプライマーから伸長が起こるのに十分な温度に調整する。温度は、核酸鋳型にアニーリングされた各プライマーから伸長生成物を合成するのに十分であるべきであるが、その相補的な鋳型から伸長生成物を変性させるほど高くてはならない(例えば、伸長のための温度は通常約40℃〜約80℃(例えば、約50℃〜約70℃;約60℃)である)。伸長時間は約10秒〜約5分(例えば、約30秒〜約4分;約1分〜約3分;約1分30秒〜約2分)である。
PCRアッセイは、RNAまたはDNA(cDNA)などのC.ディフィシル核酸を使用することができる。鋳型核酸は精製する必要はなく、ヒト細胞に含まれるC.ディフィシル核酸といった複合的な混合物の一部であってもよい。C.ディフィシル核酸は、Diagnostic Molecular Microbiology:Principles and Applications(Persing et al.(eds),1993,American Society for Microbiology,Washington D.C.)に記載されているような日常的な技術によって生物学的サンプルから抽出してもよい。核酸は、プラスミド、あるいは細菌、酵母、ウイルス、オルガネラ、または植物もしくは動物など高等生物を含む天然供給源といった任意の数の供給源から得ることができる。
オリゴヌクレオチドプライマーは、プライマー伸長を誘導する反応条件下でPCR試薬と混合される。例えば、鎖伸長反応は一般に50mMのKCl、10mMのTris−HCl(pH8.3)、15mMのMgCl2、0.001%(w/v)のゼラチン、0.5〜1.0μgの変性鋳型DNA、50pmoleの各オリゴヌクレオチドプライマー、2.5UのTaqポリメラーゼ、及び10%のDMSOを含む。反応は、通常150〜320μMの各dATP,dCTP,dTTP,dGTP,又は1つまたは複数のそれらの類似体を含む。
新たに合成された鎖は、反応の次の工程で使用することができる二本鎖分子を形成する。鎖の分離、アニーリング、および伸長の工程は、標的tcdC核酸分子に対応する所望の量の増幅産物を産生するのに必要な回数繰り返すことができる。反応における制限要因は、反応中に存在するプライマー、熱安定性酵素、およびヌクレオシド三リン酸の量である。サイリング工程(すなわち、変性、アニーリング、および伸長)は、少なくとも1回繰り返されることが好ましい。検出に使用するためには、サイクリング工程の数は、例えばサンプルの性質によって異なる。サンプルが核酸の複合的な混合物である場合、検出のために十分な標的配列を増幅するためにより多くのサイクル化工程が必要とされるであろう。一般的に、サイクリング工程は少なくとも約20回繰り返されるが、40回、60回、100回程の多さで繰り返されてもよい。
蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)
FRET技術(例えば、米国特許第4,996,143号、第5,565,322号、第5,849,489号、及び第6,162,603号参照)は、ドナー蛍光部分および対応するアクセプター蛍光部分が互いに一定の距離内にあると、可視化または検出及び/又は定量化が可能な2つの蛍光部分の間でエネルギー移動が起こるという概念に基づく。典型的には、ドナーが適切な波長の光照射によって励起されると、ドナーはエネルギーをアクセプターに伝達する。アクセプターは、典型的には、伝達されたエネルギーを異なる波長の光照射の形態で再出射する。
一例では、オリゴヌクレオチドプローブは、ドナー蛍光部分および伝達されたエネルギーを光以外の形態で消散させる対応するクエンチャーを含みうる。プローブが損なわれていないとき、エネルギー移動は典型的には、ドナー蛍光部分からの蛍光発光が消光されるよう2つの蛍光部分の間で起こる。ポリメラーゼ連鎖反応の伸長工程の間に、増幅産物に結合したプローブは、ドナー蛍光部分の蛍光発光はもはや消光されないように、例えば、Taqポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性によって切断される。この目的のための例示的なプローブは、例えば、米国特許第5,210,015号、第5,994,056号、及び第6,171,785号に記載されている。一般的に使用されるドナー−アクセプター対としてFAM−TAMRA対が挙げられる。一般的に使用されるクエンチャーはDABCYLとTAMRAである。一般的に使用されるダーククエンチャーとして、BlackHole Quenchers(商標)(BHQ−1,BHQ−2),(Biosearch Technologies,Inc.,Novato,Cal.),Iowa Black(商標),(Integrated DNA Tech.,Inc.,Coralville,Iowa),BlackBerry(商標)Quencher 650(BBQ−650),(Berry & Assoc.,Dexter,Mich.)が挙げられる。
別の例では、それぞれ蛍光部分を含有する2つのオリゴヌクレオチドプローブは、オリゴヌクレオチドプローブとtcdC標的核酸配列との相補性によって決定される特定の位置で増幅産物にハイブリダイズすることができる。適切な位置でオリゴヌクレオチドプローブの増幅産物核酸へのハイブリダイゼーションを行うと、FRETシグナルが生成される。ハイブリダイゼーション温度は、約35℃〜約65℃で約10秒〜約1分の範囲であり得る。
蛍光分析は、例えば、フォトンカウンティング落射蛍光顕微鏡システム(特定の範囲で蛍光発光をモニターするための適切なダイクロイックミラーおよびフィルターを含む)、フォトンカウンティングフォトマルチプライヤーシステム、または蛍光光度計を使用して実施することができる。エネルギー移動を開始させるための励起は、アルゴンイオンレーザー、高強度水銀(Hg)アークランプ、光ファイバー光源、または所望の範囲での励起のために適切にフィルタリングされた他の高強度光源を用いて行われ得る。
ドナーおよび対応するアクセプター蛍光部分に関して本明細書中で使用される場合、「対応する」とは、アクセプター蛍光部分がドナー蛍光部分の励起スペクトルと重なる発光スペクトルを有することを指す。アクセプター蛍光部分の発光スペクトルの最大波長は、ドナー蛍光部分の励起スペクトルの最大波長よりも少なくとも100nm大きくなければならない。従って、それらの間で効率的な非放射エネルギー伝達を生じさせることができる。
蛍光ドナーおよび対応するアクセプター部分は一般に、(a)高効率なフォースターエネルギー伝達;(b)大きな最終ストークスシフト(>100nm);(c)可能な限り可視スペクトルの赤色部分(>600nm)への発光のシフト;(d)ドナー励起波長での励起により生成されるラマン水蛍光発光よりも高い波長への発光のシフトに関し、選択される。例えば、ドナー蛍光部分は、レーザー線(例えば、ヘリウム−カドミウム442nmまたはアルゴン488nm)の近くの励起極大、高い吸光係数、高い量子収率、および対応するアクセプター蛍光部分の励起スペクトルとの蛍光発光との良好な重なりを有するものを選択することができる。対応するアクセプター蛍光部分は、高い吸光係数、高い量子収率、ドナー蛍光部分の発光と励起との良好な重なり、および可視スペクトルの赤色部分(>600nm)での発光を有するものを選択することができる。
FRET技術において様々なアクセプター蛍光部分と共に使用することができる代表的なドナー蛍光部分として、フルオレセイン、ルシファーイエロー、B−フィコエリスリン、9−アクリジンイソチオシアネート、ルシファーイエローVS、4−アセトアミド−4’−イソチオ−シアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸、7−ジエチルアミノ−3−(4’−イソチオシアナトフェニル)−4−メチルクマリン、スクシンイミジル−1−ピレンブチレート、4−アセトアミド−4’−イソチオシアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸誘導体が挙げられる。代表的なアクセプター蛍光部分として、使用されるドナー蛍光部分に応じ、LC Red 640、LC Red 705、Cy5、Cy5.5、リサミンローダミンBスルホニルクロリド、テトラメチルローダミンイソチオシアネート、ローダミンxイソチオシアネート、エリスロシンイソチオシアネート、フルオレセイン、ジエチレントリアミンペンタアセテート、またはランタニドイオンの他のキレート(例えば、ユーロピウム、またはテルビウム)が挙げられる。ドナーおよびアクセプター蛍光部分は、例えば、Molecular Probes(Junction City、OR)またはSigma Chemical Co.(St.Louis、MO)から入手できる。
ドナーおよびアクセプター蛍光部分は、リンカアームを介して適切なプローブオリゴヌクレオチドに結合することができる。リンカアームはドナーとアクセプター蛍光部分との間の距離に影響するので、各リンカアームの長さは重要である。本発明の目的のためのリンカアームの長さは、ヌクレオチド塩基から蛍光部分までオングストローム(Å)単位の距離である。一般に、リンカアームは約10Åから約25Åである。リンカアームは、WO84/03285号に記載されている種類のものでよい。WO84/03285号はまた、リンカアームを特定のヌクレオチド塩基に結合する方法、および蛍光部分をリンカアームに結合する方法も開示している。
LC Red 640−NHS−エステルなどのアクセプター蛍光部分をC6−ホスホルアミダイト(ABI(Foster City、CA)から入手可能)またはGlen Research(Sterling、VA)と組み合わせることによって、例えばLC Red640−ホスホルアミダイトを生成することができる。フルオレセインのようなドナー蛍光部分をオリゴヌクレオチドに結合するためによく使用されるリンカーとして、以下のものが挙げられる:チオ尿素リンカー(FITC−由来,例えば、Glen Research又はChemGene(Ashland,Mass.)のフルオレセイン−CPG),アミド−リンカー(フルオレセイン−NHS−エステル−由来、例えば、BioGenex(San Ramon,Calif.)のフルオレセイン−CPG),又はオリゴヌクレオチド合成後にフルオレセイン−NHS−エステルとカップリングすることが必要な3’−アミノ−CPG。
クロストリジウム・ディフィシルの検出
本発明は、生物学的又は非生物学的サンプル中のC.ディフィシルのtcdC遺伝子のヌクレオチド117位における一塩基欠失(tcdCΔ117)の存在又は不存在を検出するための方法を提供する。特許請求の範囲に記載の方法は、サンプルの汚染、例えばランからランへのキャリーオーバー汚染、偽陰性、例えば、感度、および偽陽性、例えば、特異性の問題を回避することができる。本方法は、一対のtcdCプライマーを用いてサンプルからtcdC核酸分子の一部を増幅することを含む少なくとも1回のサイクリング工程およびFRET検出工程を行うことを含む。好ましくはサーモサイクラー内で、複数回のサイクリング工程を行う。本発明の方法は、tcdCΔ117の存在を検出するためにtcdCプライマーおよびCobraプローブを使用して実施することができ、そしてtcdCΔ117が検出されることは、サンプル中にC.ディフィシルのエピデミックなリボタイプが存在することを示す。
本明細書中に記載されるように、増幅産物は、FRET技術を利用する標識されたハイブリダイゼーションプローブを用いて検出できる。1つのFRETフォーマットは、TaqMan(登録商標)技術を利用して、増幅産物の存在または不存在を検出し、それにより、C.ディフィシルの存在又は不存在を検出する。TaqMan(登録商標)技術は、2つの蛍光部分で標識された1本の一本鎖ハイブリダイゼーションプローブを利用する。第1の蛍光部分が適切な波長の光で励起されると、吸収されたエネルギーはFRETの原理に従って第2の蛍光部分に伝達される。第2の蛍光部分は、一般にクエンチャー分子である。PCR反応のアニーリング工程の間に、標識されたハイブリダイゼーションプローブは、標的DNA(すなわち、増幅産物)に結合し、そしてその後の伸長フェーズの間に、Taqポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性によって分解される。その結果、励起された蛍光部分とクエンチャー部分は互いに空間的に分離されるようになる。結果として、クエンチャーの非存在下で第1の蛍光部分を励起すると、第1の蛍光部分からの蛍光発光を検出することができる。例として、ABI PRISM(登録商標)7700配列検出システム(Applied Biosystems,Foster City,CA)は、TaqMan(登録商標)技術を使用し、そして本明細書に記載のサンプルにおけるC.ディフィシルの存在又は不存在を検出するための方法を実行するのに適している。
FRETと共に分子ビーコンを使用して、本発明のリアルタイムPCR法を使用して増幅産物の存在を検出することもできる。分子ビーコン技術は、第1の蛍光部分および第2の蛍光部分で標識されたハイブリダイゼーションプローブを使用する。第2の蛍光部分は一般的にはクエンチャーであり、そして蛍光標識は典型的にはプローブの両端に配置される。分子ビーコン技術は、二次構造(例えば、ヘアピン)の形成を可能にする配列を有するプローブオリゴヌクレオチドを使用する。プローブ内における二次構造の形成の結果、両方の蛍光部分は、プローブが溶液中にあるときに空間的に近接する。標的核酸(すなわち、増幅産物)へのハイブリダイゼーション後、プローブの二次構造は破壊され、蛍光部分は互いに分離され、適切な波長の光で励起された後に第1の蛍光部分の発光が検出できるようになる。
FRET技術の他の一般的なフォーマットは、2つのハイブリダイゼーションプローブを利用する。各プローブは異なる蛍光部分で標識することができ、一般的に標的DNA分子(例えば、増幅産物)内で互いに近接してハイブリダイズするように設計されている。ドナー蛍光部分、例えばフルオレセインは、LightCycler(登録商標)機器の光源によって470nmで励起される。FRETの間に、フルオレセインはそのエネルギーをLightCycler(登録商標)−Red 640(LC Red 640)又はLightCycler(登録商標)−Red 705(LC Red 705)等のアクセプター蛍光部分に伝達する。次いでアクセプター蛍光部分はより長い波長の光を放射し、LightCycler(登録商標)機器の光学検出システムにより検出される。効率的なFRETは、蛍光部分が直接局所的に近接している場合、およびドナー蛍光部分の発光スペクトルがアクセプター蛍光部分の吸収スペクトルと重なる場合にのみ発生する。放出されたシグナルの強度は、元の標的DNA分子の数(例、C.ディフィシルゲノムの数)と相関し得る。tcdC核酸の増幅が起こり、増幅産物が生成される場合、ハイブリダイズ工程により、一対のプローブのメンバー間のFRETに基づく検出可能なシグナルが得られる。
一般に、FRETの存在はサンプル中のC.ディフィシルの存在を示し、そしてFRETの不存在はサンプル中のC.ディフィルの不存在を示す。しかしながら、検体採取の不適切さ、輸送の遅れ、不適切な輸送条件、特定の採取スワブ(アルギン酸カルシウムまたはアルミシャフト)の使用はすべて、成功および/または試験結果の精度に影響する可能性がある条件である。本明細書に開示されている方法を使用すると、例えば、45回のサイクリング工程でFRETが検出されることは、C.ディフィシルの感染を示す。
本発明の方法の実施に使用することができる代表的な生物学的サンプルとしては、皮膚スワブ、鼻スワブ、創傷スワブ、血液培養物、皮膚、および軟組織感染症が挙げられるが、これらに限定されない。生物学的サンプルの収集および保存方法は当業者に知られている。生物学的サンプルを(例えば、当業界で知られている核酸抽出法および/またはキットによって)処理してC.ディフィシル核酸を放出することができ、あるいは場合により、生物学的サンプルをPCR反応成分および適切なオリゴヌクレオチドと直接接触させることができる。
融解曲線解析は、サイクリングプロファイルに含めることができる追加的な工程である。融解曲線解析は、DNA二本鎖の半分が一本鎖に分離する温度として定義される融解温度(Tm)と呼ばれる特性温度でDNAが融解するという事実に基づいている。DNAの融解温度は、主にそのヌクレオチド組成に依存する。したがって、GおよびCヌクレオチドを多く含むDNA分子は、AおよびTヌクレオチドを多く含むものよりも高いTmを有する。シグナルが失われる温度を検出することによって、プローブの融解温度を決定することができる。同様に、シグナルが生成される温度を検出することによって、プローブのアニーリング温度を決定することができる。tcdC増幅産物から得たtcdCプローブの融解温度により、サンプル中のC.ディフィシルの存在または不存在を確認することができる。
各サーモサイクラーのランにおいて、対照サンプルも同様にサイクリングする。陽性対照サンプルは、例えば、対照プライマーおよび対照プローブを使用して、C.ディフィシル核酸対照鋳型(tcdC以外)を増幅することができる。陽性対照サンプルは、例えばtcdC核酸分子を含むプラスミド構築体も増幅することができる。このようなプラスミド対照は、内部的に(例えば、サンプル中で)増幅することも、あるいは患者のサンプルと並行してランさせる別個のサンプル中で増幅することもできる。各サーモサイクラーのランには、例えば、C.ディフィシル鋳型DNAを欠く陰性対照を含めることもできる。このような対照は、増幅、ハイブリダイゼーション、および/またはFRET反応の成功または失敗の指標である。それ故、対照反応は、例えば、配列特異性を持ってアニールし伸長を開始するプライマーの能力、配列特異性を持ってハイブリダイズするプローブの能力、並びにFRETの発生を容易に決定することができる。
一実施形態では、本発明の方法は、汚染を回避するための工程を含む。例えば、ある回のサーモサイクラーのランと次の回のランとの間の汚染を低減または排除するためのウラシル−DNAグリコシラーゼを利用した酵素的方法が、米国特許第5,035,996号、第5,683,896号、及び第5,945,313号に記載されている。
本発明の方法を実施するためにFRET技術と組み合わせた従来のPCR法を使用することができる。一実施形態では、LightCycler(登録商標)機器が使用される。以下の特許出願は、LightCycler(登録商標)技術において使用されるリアルタイムPCRを記載している:WO97/46707号、WO97/46714号、及びWO97/46712号。
LightCycler(登録商標)は、PCワークステーションを使用して操作することができ、Windows NTオペレーティングシステムを利用することができる。機械がキャピラリを光学ユニット上に順次位置決めするときに、サンプルからのシグナルが得られる。ソフトウェアは各測定の直後にリアルタイムで蛍光シグナルを表示することができる。蛍光取得時間は10〜100ミリ秒(msec)である。各サイクリング工程の後、蛍光対サイクル数の定量的表示をすべてのサンプルについて継続的にアップデートすることができる。生成されたデータはさらなる分析のために保存することができる。
FRETに代わるものとして、蛍光DNA結合色素(例、SYBR(登録商標)GreenまたはSYBR(登録商標)Gold(Molecular Probes))などの二本鎖DNA結合色素を用いて増幅産物を検出することができる。二本鎖核酸と相互作用すると、かかる蛍光DNA結合色素は、適切な波長の光で励起した後に蛍光シグナルを発する。核酸インターカレーター色素などの二本鎖DNA結合色素を使用することもできる。二本鎖DNA結合色素を使用する場合、通常、増幅産物の存在を確認するために融解曲線解析を行う。
本発明は、1つは複数の市販の機器の構成によって限定されないことが理解される。
製品/キット
本発明は、更に、C.ディフィシルのtcdC遺伝子のヌクレオチド117位における一塩基欠失(tcdCΔ117)を検出するための製品又はキットを提供する。本発明にかかる製品は、tcdCΔ117を検出するために使用されるプライマーおよびプローブを適切なパッケージ材料と共に含みうる。tcdCΔ117を検出するための代表的なプライマーおよびプローブは、tcdC核酸分子へのハイブリダイズが可能である。さらに、キットは、DNA固定化、ハイブリダイゼーション、および検出に必要な適切にパッケージされた試薬および材料、例えば固体支持体、バッファー、酵素、およびDNA標準を含んでもよい。プライマーおよびプローブの設計方法が本明細書に開示されており、tcdC核酸分子の増幅およびハイブリダイズをするプライマーおよびプローブの代表例が提供されている。
本発明の製品は、プローブを標識するための1つ又は複数の蛍光部分を含むこともでき、あるいは、キットにて供給されるプローブを標識することもできる。例えば、製品は、一方のtcdCプローブを標識するためのドナー蛍光部分と他方のtcdCプローブを標識するためのアクセプター蛍光部分とをそれぞれ含んでもよい。適切なFRETドナー蛍光部分および対応するアクセプター蛍光部分の例は上述の通りである。
本発明の製品はまた、サンプル中のtcdCΔ117を検出するためのtcdCプライマーおよびプローブを使用するための指示が記載されている添付文書またはパッケージラベルを含み得る。製品は、本明細書に開示される方法を実施するための試薬(例えば、バッファ、ポリメラーゼ酵素、補因子、または汚染を防止するための薬剤)をさらに含んでもよい。そのような試薬は、本明細書に記載の市販の機器の1つに特異的であってもよい。
本発明は、以下の実施例においてさらに説明されるが、特許請求の範囲に記載の発明の範囲を限定するものではない。
以下の実施例および図面は、本発明の理解を助けるために提供されており、本発明の真の範囲は添付の特許請求の範囲に記載されている。本発明の精神から逸脱することなく、記載の手順を改変できることが理解される。
実施例1:tcdCΔ117を検出するためのCobraプローブの設計
tcdC中のヌクレオチド117位における一塩基欠失(tcdCΔ117)を検出するために、伝統的なプローブおよびCobraプローブを、一塩基欠失を表す変異配列について設計した。JN 944619は、tcdCΔ117を検出するためのプライマーおよびプローブの設計に使用されるC.ディフィシルCD1395株のNCBI参照配列である。ゲノムおよびプラスミドDNAサンプルを様々なコピーレベルで試験し、cobas z 480装置(Roche Molecular Systems,Inc)によるリアルタイムPCRを用いて増幅を行った。
Cobraプローブのヌクレオチド配列、およびtcdC遺伝子におけるΔ117一塩基欠失に完全に一致する「通常の」センスプローブのヌクレオチド配列、およびフォワードおよびリバースプライマーの配列を表1に列挙する。
実施例2:リアルタイムPCRアッセイ条件
次の表は、PCR増幅反応に使用される典型的なサーモプロファイルを示す。
実施例3:tcdCΔ117の検出のためのPCRアッセイの結果
C.ディフィシルの3つの株由来のゲノムDNAを鋳型として使用した。株12840由来の鋳型は野生型C.ディフィシルを表す。株11313由来の鋳型は、tcdC遺伝子のオリゴヌクレオチド120位にSNPを有する変異型C.ディフィシルを表し、これは二成分毒素を産生するが、Δ117については野生型である。株11314由来の鋳型は、tcdCΔ117遺伝子を有する変異型C.ディフィシル株を表す。フォワードプライマー(配列番号:4)およびリバースプライマー(配列番号:5)による通常のセンスプローブΔ117−センスFQ4(配列番号:3)を用いたPCR実験から得た増殖曲線を図3に示す。最大のシグナルが、100(1e2)および1000(1e3)コピー/反応濃度の11314鋳型(tcdCΔ117)で観察されたが、10(1e1)コピー/反応濃度の11314鋳型ではシグナルが観察されなかった。また、識別可能なシグナルは、105(1e5)および106(1e6)コピー/反応濃度で株11313の鋳型(SNP120)から、および105コピー/反応濃度で12840野生型の鋳型からも検出することができた。対照的に、プローブΔ117−Cobra FQ9(配列番号1)またはΔ117−Cobra FQ6(配列番号2)を同じフォワードプライマーおよびリバースプライマーと共に使用した場合、11314 tcdCΔ117鋳型について感度が高かった(シグナルは10[1e1]コピー/反応で検出された)のみならず、105(1e5)または106(1e6)のコピー/反応濃度で株11313および株12840の鋳型に対するシグナルは減少するか又は観察されなかった(図4および図5)。
明瞭さと理解のために前述の発明を幾分詳細に説明してきたが、当業者は本開示により本発明の真の範囲から逸脱することなく形態や詳細を様々に改変ができることは明らかである。例えば、上記のすべての技術および装置は様々な組み合わせで使用することができる。

Claims (15)

  1. サンプル中のC.ディフィシルのリボタイプ027株のtcdC遺伝子のヌクレオチド117位における一塩基欠失(tcdCΔ117)を検出する方法であって、
    該方法は、
    サンプルをtcdCプライマーのセットに接触させ、tcdC核酸がサンプル中に存在する場合、増幅産物を生成することを含む増幅工程を実施すること;
    増幅産物を検出可能なtcdCΔ117プローブに接触させることを含むハイブリダイズ工程を実施すること;及び、
    前記検出可能なtcdCΔ117プローブからのシグナルの存在又は不存在を検出すること,ここで、シグナルの存在はサンプル中のtcdCΔ117の存在を示し、シグナルの不存在はサンプル中のtcdCΔ117の不存在を示す;
    を含み、
    ここで前記検出可能なtcdCΔ117プローブは、ヌクレオチド117位における一塩基欠失に完全に相補的なコンティグ配列を有するレポータードメインを含むCobraプローブであり、かつ前記レポータードメインは、1つまたは複数のヘキサエチレングリコール(HEG)を含む非ヌクレオシドリンカーによりアンカードメインから分離されている、前記方法。
  2. 前記ハイブリダイズ工程は、前記増幅産物をドナー蛍光部分および対応するアクセプター蛍光部分が標識された前記Cobraプローブに接触させることを含み;かつ
    前記検出工程は、前記Cobraプローブのドナー蛍光部分とアクセプター蛍光部分間の蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)の存在又は不存在を検出することを含み,ここで、蛍光の存在又は不存在は、サンプル中のtcdCΔ117の存在又は不存在を示す、
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記増幅は、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼ酵素を用いる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記Cobraプローブは、配列番号1及び2からなる群より選択される配列又はそれらの相補体を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記tcdCΔ117プローブは、二次構造の形成を許容する核酸配列を含み、ここで前記二次構造の形成は、ドナー蛍光部分とアクセプター蛍光部分の間が空間的に近接する結果をもたらす、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記第2の蛍光部分は、クエンチャーである、請求項2〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. C.ディフィシルのリボタイプ027株のtcdC遺伝子のヌクレオチド117位における一塩基欠失(tcdCΔ117)を検出するためのキットであって、
    一対のオリゴヌクレオチドプライマー、ここで、各オリゴヌクレオチドプライマーは、ヌクレオチド117位を含むtcdC遺伝子の部分配列の逆鎖にハイブリダイズ可能である;および
    配列番号1および2からなる群より選択される配列又はそれらの相補体を含む検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドプローブ:
    を含むキット。
  8. 前記検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドは、ドナー蛍光部分および対応するアクセプター蛍光部分を含む、請求項7に記載のキット。
  9. 前記アクセプター蛍光部分はクエンチャーである、請求項8に記載のキット。
  10. ヌクレオシド三リン酸、核酸ポリメラーゼ、および核酸ポリメラーゼの機能に必要なバッファを更に含む、請求項7〜9のいずれか一項に記載のキット。
  11. 配列番号1および2からなる群より選択されるオリゴヌクレオチドの配列又はそれらの相補体を含むオリゴヌクレオチド。
  12. 前記オリゴヌクレオチドは少なくとも1つの修飾ヌクレオチドを含む、請求項11に記載のオリゴヌクレオチド。
  13. 前記オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの保存的に修飾されたバリエーションを含む、請求項11又は12に記載のオリゴヌクレオチド。
  14. 1つまたは複数の検出可能な標識を更に含む、請求項11〜13のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド。
  15. 前記オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの標識部分及び/又は少なくとも1つのクエンチャー部分を含む、請求項14に記載のオリゴヌクレオチド。
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