JP2020512553A5 - 時間領域赤外分光法(電界分解振動分光法)による試料の分極応答の変化を測定するための方法および装置 - Google Patents

時間領域赤外分光法(電界分解振動分光法)による試料の分極応答の変化を測定するための方法および装置 Download PDF

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本発明は、光場励起(optical field excitation)に対する試料の分極応答(polarization response)、特に生体(生物)試料の分子の振動応答、および分極応答の変化を測定する方法に関する。その試料の分極応答は、時間領域における誘導試料分極によって放射される高速振動電界を直接サンプリングすることによって、電界(フィールド、場)分解分光法(field-resolved spectroscopy)によって測定される。さらに、本発明は、試料の、特に生体試料の、分極応答を測定するための分光装置に関する。
振動分光法によって、複数の原子核の平衡位置付近における複数の原子核の周期的振動によって誘導される複数の分子検体(標本)の分極応答に関連する情報が、捕捉される。何十年もの間、赤外分光法およびラマン分光法(以下で説明)は、これまでより広いスペクトル範囲にわたる分子振動の振幅応答を捕捉するために使用されてきた。対応する検体特有の情報は、慣例的に振動分子フィンガープリント(指紋)と称され、短く、分子フィンガープリントと称される。また、文献では、この名称は、特定の試料に一意的なフィンガープリント(スペクトル分極応答とも称される)を関連付けることを常に目的としているにもかかわらず、他の物理的観測物の文脈でも使用されてきたことに、留意されたい。複数の測定技術があるにもかかわらず、通常のフィンガープリント方法は、中程度の感度という弱点を有し、試料の分子組成の小さい変化の信頼性ある検出、および少量(低濃度)構成成分の信頼性のある検出を完全に妨げている。
FRSの基礎となる物理的原理
国際公開第2016/102056号によるFRSでの分極応答の測定は同期(またはコヒーレンス)に基づくものであり、その同期を用いて、調査対象の試料1(図11、従来技術)の分子が、コヒーレント光励起波(excitation waves)2によって励起されたときに光波を放出し、それらの電界振動は時空間的に完全に同期している。結果として、同じタイプiの個々の分子からの放出は積極的に加えられ、その結果、電界Ei(t)を有する波が得られ、その強度は放射体(エミッタ、放出体)の数Niとともに増加する。試料1の全ての分子によって放射された波全体は、これらの部分波の全ての重合せであり、試料のグローバル分子フィンガープリント(GMF)と称されるものを、その電界の時間的変化の形態EGMF(t)で搬送する。“グローバル”という属性は、試料1のGMFが、全ての分子からの情報を原則として搬送するという事実を強調するものであり、その試料の構成成分の小さい部分集合に制限される、例えばバイオマーカに対するターゲット(標的を狙った)検索(targeted search)、とは対照的なものである(例えば、P. E. Geyer et al., "Cell Syst.", 2, 185 (2016)参照)。
分子励起の存続時間(寿命)よりもはるかに短い急激な超短励起(excitation)波2(図11、A. Sommer et al., "Nature", 534, 86 (2016)も参照)で分子を衝撃的に励起すると、その結果として、次の2つの部分で構成される電界(試料波3)がその試料から得られる。その2つの部分は、試料の瞬間的な分極応答によって変調された励起(excitation)レーザ・パルス(以下、主要パルス2’と称する)と、試料の非瞬間的な分極応答から生じる(はるかに弱い)後続部分であって、図11にも示すように自由誘導減衰(FID)ともしばしば称される部分と、である(比較参照:Lanin et al., "Nature Scientific Reports", 4, 6670 (2014)、およびLauberau and Kaiser, "Rev. Mod. Phys.", 50, 607 (1978))。
特に、図12による機器が線形応答を特徴とする場合、測定された試料波3は、励起(excitation)電界に対する試料の完全な電磁応答に対応する(試料を除去して同じ機器によって測定された)。このようにして、数フェムト秒(乃至、潜在的にサブフェムト秒まで)の時間分解能で、試料1の巨視的な分極(polarization)の全情報にアクセスできる。重要なこととして、駆動パルスのパワー(出力)を増大させると、妨害ノイズ(背景ノイズ)を増大させることなく、検出ノイズ・フロア(ノイズ・レベル)を超える有用なFID(以下、GMFと称する)信号が増強される。従って、国際公開第2016/102056号の方式は、発生源(放射源)に関して真にパワー・スケーラブル(増減可能、縮尺可能)であり、励起(excitation)パワーによってダイナミック・レンジが“使い果たされる”ことなく発生源(放射源)パワーを増幅(ブースト)することによって、(はるかに強い)励起から時間的に分離された分子信号を増大させることができ、これは周波数領域分光法の上述の限界とは対照的である。さらに、励起パルス2および試料波3の電気光学サンプリング(EOS)によって、低感度の赤外光子検出器の必要性がなくなる。それにもかかわらず、これらのサンプリング技術を用いたFRSの実装は、試料波に先行する強い励起パルスによって、最小GMF信号(即ち、最弱の試料波)を測定するためのこれらのサンプリング技術の感度が損なわれることをも、暗示する。
発明の目的
本発明の目的は、試料の、特に生体試料の、時間的分極(またはスペクトル)応答を測定する改善された方法、および、通常の技術の限界を、特に上述のFRSの限界を、回避することができる試料の、特に生体試料の、時間的分極(またはスペクトル)応答を測定するための改良された分光装置を実現することである。その分極応答は、改善された感度および/または再現性で測定される。
本発明の第1の一般的な態様によれば、上述の目的は、以下の複数の工程(ステップ)を含む、試料の、特に生体試料の、分極応答を測定する方法によって、達成(解決)される。
調査対象の試料に励起波が照射され、それが励起波と試料との相互作用を伴って、試料の瞬間的な分極応答(試料主要パルスと称される)と、励起波に対する試料の非瞬間的な分極応答から生じる(通常ははるかに弱い)後続部分(自由誘導減衰と称され、短くFID信号と称される)とまたは、特に生体試料の場合に試料グローバル・フィンガープリント(GMF)波(EGMF(sample)(t))(短くGMF波またはGMF信号と称される)と、の重合せを各々が含む一連の試料波(通常のFRSでは、変調プローブ光と称される)が生成されるようにされる。試料波の変調された時間的形状およびスペクトルは、試料の分極応答によって決定される特徴によって(それぞれ)励起波の一次の(主要な)時間的形状およびスペクトルから逸脱する。調査対象の試料は、特に生物由来の、固相、液相または気相の試料である。
試料波と参照波の差分が検出され、試料GMF波と参照GMF波の差分をそれぞれ含む差分分子フィンガープリント(differential(示差、微分)molecular fingerprint)(dMF)波の時間的振幅関数(ΔEGMF)が求められ決定される。検出は、電気光学サンプリング(EOS)または代替的に光伝導サンプリング(PCS)を含むことが好ましい。dMF波は、直接検出(サンプリング)によって、または検出された試料波および参照波に基づいて計算することによって、求められる。それは、試料の分極応答(国際公開第2016/102056号において“スペクトル応答”と称される)を表す。特定のタイプの分極応答は、例えばIR吸収またはSRS測定に、適合化できる励起波の設計に依存する。
本発明の第2の一般的な態様によれば、装置の特徴に関して、上述の目的は、レーザ源装置、光学調整装置、検出器装置、および任意に計算装置を含む、試料の分極応答、特に生体試料の分極応答、を測定するための分光装置、によって達成(解決)される。分光装置は、本発明の第1の一般的な態様による試料の分極応答を測定する上述の方法を実行するよう適合化されることが、好ましい。レーザ源装置は、一連の励起波を生成するよう適合化され、および、試料主要パルスと試料グローバル分子フィンガープリント(GMF)波(EGMF(sample)(t))の重合せをそれぞれ含む一連の試料波が生成されるように、励起波と試料の相互作用を伴って、その一連の励起波を試料に照射するよう適合化され、および、参照主要パルスと参照GMF波(EGMF(ref)(t))の重合せをそれぞれ含む一連の参照波が生成されるように、励起波と参照試料の相互作用を伴って、一連の励起波を参照試料に照射するよう適合化される。光学調整装置は、試料波と参照波の双方に共通する波寄与分から、試料波と参照波の差分を、空間および/または時間において光学的に分離するよう構成配置される。検出器装置は、試料波と参照波の差分を検出し、その試料GMF波と参照GMF波の差分をそれぞれ含む差分分子フィンガープリント(dMF)波の時間的振幅関数(ΔEGMF(t))を求める(決定する)よう、構成配置される。
dMF波は、取得する特徴的分極応答として出力することができる。任意に、検出された試料波および参照波に基づいてdMF波を計算するために、および/または検出されたdMF波を分析するために、例えばdMF波の時間的振幅関数のフーリエ変換に基づいて試料の分極応答を供給するために、および/または、調査対象の試料および/または参照試料を用いて求められたdMF波に基づいて試料組成の変化を分析するために、計算装置を設けることができる。
本発明の第2の実施形態によれば、試料波および参照波の分離は、参照波からのdMF波の時間的な分離を形成することを含んでいる。群遅延分散を設定する工程は、参照主要パルスを短縮し、試料GMF波と参照GMF波の双方に共通に含まれるGMF波寄与分を短縮することを含んでいることが、好ましい。試料GMF波と参照試料GMF波の双方に共通に含まれるGMF波寄与分は、特に、試料および参照試料に等しく含まれる分子の分極応答を含み、例えば試料マトリックスのようなもの、溶媒のようなもの、および/または特定の調査の関心の対象でない分子、および/または試料および参照容器壁部の材料の分極応答を含んでいる。液体試料または気体試料用の試料容器は、波長(色)分散補償(chromatic dispersion compensation)との組合せで、以下で概説するように提示されることが、好ましい。第2の実施形態は、線形分光法方式と非線形分光法方式の双方に適用される。
フェムト秒(fs)のSRSにおいて、狭帯域幅psラマン・ポンプ・パルス7と広帯域の数サイクルのストークス・パルス2との同時の相互作用によって、試料において巨視的な分極が形成される。ポンプ・パルス7の狭帯域幅は、分子フィンガープリントの分解に必要な高いスペクトル分解能を与える。プロセス期間中に、鋭い振動利得の特徴が、ストークス・エンベロープ(包絡線)の上部に、また、同等に、数百psのオーダの指数関数的減衰が時間領域に、現れる。そのプロセスが図10に示されている。ストークス・パルスは、振動のディフェージング(dephasing:位相ばらつき)時間τvibで減衰する試料における分子の振動コヒーレンスを開始する。振動コヒーレンスのこの有限の持続時間の結果として、周波数領域において制限された帯域幅が得られ、誘導されたコヒーレント振動運動は、振動周波数において巨視的分極を変調する(Kukura, P. et al, "Annu. Rev. Phys. Chem." 58.1, pp.461-488, 2007)。試料のフィンガープリント領域全体は、時間領域において増強ストークス・パルス3を測定することによって、検出できる。

Claims (36)

  1. 試料(1)の、特に生体試料の、分極応答を測定する方法であって、
    − 一連の励起波(2)を生成する工程と、
    − 前記試料(1)に前記一連の励起波(2)を照射する工程であって、試料主要パルスと試料グローバル分子フィンガープリント(GMF)波(EGMF(sample)(t))の重合せをそれぞれ含む一連の試料波(3)が生成されるように、前記励起波(2)と前記試料(1)との相互作用を伴う工程と、
    − 参照試料(1A)に前記一連の励起波(2)を照射する工程であって、参照主要パルスと参照GMF波(EGMF(ref)(t))の重合せをそれぞれ含む一連の参照波(3A)が生成されるように、前記励起波(2)と前記参照試料(1A)との相互作用を伴う工程と、
    − 前記試料波(3)参照波(3A)の双方に共通するGMF波寄与分から、前記試料波(3)参照波(3A)の差分を、空間および/または時間において光学的に分離する工程と、
    − 前記試料波(3)参照波(3A)の前記光学的に分離された差分を検出し、前記試料GMF波参照GMF波の差分をそれぞれ含む差分分子フィンガープリント(dMF)波(ΔEGMF)(4)の時間的振幅を決定する工程と、
    を含む方法。
  2. 光学的に分離する前記工程は、前記試料波参照波の干渉的合波(3、3A)で、前記GMF波寄与分から前記試料波(3)と参照波(3A)の前記差分を空間において光学的に分離することを含み、その結果、前記試料主要パルスおよび参照主要パルスと、前記試料GMF波参照GMF波の双方に含まれる前記GMF波寄与分との干渉的相殺が生じるものである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記干渉的相殺はマッハ・ツェンダー干渉計(40)を使用して得られるものであり、
    − 前記励起波(2)は、前記マッハ・ツェンダー干渉計(40)の第1の入力ポート(41)に入力され、
    − 調査対象の前記試料(1)は、前記マッハ・ツェンダー干渉計(40)の第1の干渉計アーム(42)に配置され、
    − 前記参照試料(1A)は、前記マッハ・ツェンダー干渉計(40)の第2の干渉計アーム(43)に配置され、
    − 前記dMF波は、前記マッハ・ツェンダー干渉計(40)の第1の出力ポート(44)に供給されるものである、
    請求項2に記載の方法。
  4. 前記第1および第2の干渉計アーム(42、43)におけるビーム伝播経路長は、前記励起波(2)の搬送波波長の2分の1以内で等しく設定されるものである、請求項3に記載の方法。
  5. 光学的に分離する前記工程は、前記参照波(3A)がそのフーリエ変換限界に向かって短縮されるように、前記試料(1)および前記参照試料(1A)を含むビーム経路における群遅延分散を設定することを含むものである、請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記群遅延分散を設定する前記工程は、前記参照主要パルスを短縮すること、および前記試料GMF波参照GMF波の双方に含まれる前記GMF波寄与分を短縮することを含むものである、請求項5に記載の方法。
  7. − フーリエ変換限界パルス持続時間を有する前記励起波(2)を生成すること、および
    − 前記励起波(2)および/または前記試料主要パルスおよび前記参照主要パルスに、前記ビーム経路に沿った任意の物質のパルス伸張効果を低減する分散補償を施すこと、
    を含む、請求項5または6に記載の方法。
  8. 前記分散補償は、
    − 前記試料(1)の試料容器(51)および前記参照試料(1A)の参照容器(51A)に、負または正の分散を有する容器壁材を設けること、および/または
    − 前記試料(1)および前記参照試料(1A)の前および/または後に、反射要素(52)によって負または正の分散を与えること
    を含むものである、請求項7に記載の方法。
  9. 前記ビーム経路に沿って導入された分散がパルス・チャープを補償するように、前記パルス・チャープを有する前記励起波(2)を生成することを含む、請求項5または6に記載の方法。
  10. 前記パルス・チャープ補償は、
    − 前記試料(1)の試料容器(51)および前記参照試料(1A)の参照容器(51A)に、前記パルス・チャープを相殺する分散を有する容器壁材を設けること、および/または
    − 前記パルス・チャープが相殺されるように、前記試料(1)および前記参照試料(1A)の前および/または後に反射要素(52)による分散を与えること、
    を含むものである、請求項9に記載の方法。
  11. 前記試料(1)の試料容器(51)および前記参照試料(1A)の参照容器(51A)に反射防止被覆を設けることによって、および/または、前記試料(1)および前記参照試料(1A)を、前記励起波ビーム経路に対してブルースター角で配置することによって、前記試料(1)および前記参照試料を通るプローブ光透過率を最大化することを含む、請求項1乃至10のいずれかに記載の方法。
  12. − 前記試料(1)および前記参照試料(1A)は液体物質または固体物質を含み、
    − 前記試料(1)および前記参照試料(1A)内での前記励起波(2)の相互作用長(l)は、l=2/25α乃至l=10/αの範囲で設定され、ここで、αは前記参照試料の吸収係数である、
    請求項1乃至11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記試料波(3)および前記参照波(3A)、および/または前記dMF波(4)の光増幅を行う工程を含む、請求項1乃至12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記光増幅はポンプ信号駆動型の光パラメトリック増幅を含むものである、請求項13に記載の方法。
  15. 前記試料(1)および前記参照試料(1A)における誘導ラマン散乱の検出を含む、請求項1乃至14のいずれかに記載の方法であって、
    − 前記試料(1)には、一連の狭帯域ポンプ・パルス(7)および広帯域ストークス・パルス(2)または代替的に広帯域ポンプ・パルスおよび狭帯域ストークス・パルスが、同時に照射され、
    − 前記励起波は前記広帯域ストークス・パルス(2)または代替的に前記広帯域ポンプ・パルスを含み、
    − 前記試料GMF波および前記参照GMF波は、前記試料(1)および前記参照試料(1A)の振動ラマン応答によって増強された増強ストークス・パルス(8)、または代替的に前記試料(1)および前記参照試料(1A)の振動ラマン応答によって減少した前記ポンプ・パルスを含むものである、
    方法。
  16. 前記励起波(2)は、1ps以下の、特に300fs以下の、パルス持続時間を有するものである、請求項1乃至15のいずれかに記載の方法。
  17. 前記dMF波は電気光学サンプリングによってまたは光伝導サンプリングによって検出されるものである、請求項1乃至16のいずれかに記載の方法。
  18. 試料(1)の、特に生体試料の、分極応答を測定する方法であって、
    − 一連の励起波(2)を生成する工程と、
    − 前記試料(1)に前記一連の励起波(2)を照射する工程であって、試料主要パルスと試料グローバル分子フィンガープリント(GMF)波(EGMF(sample)(t))の重合せをそれぞれ含む一連の試料波(3)が生成されるように、前記励起波(2)と前記試料(1)との相互作用を伴う工程と、
    − 参照試料(1A)に前記一連の励起波(2)を照射する工程であって、参照主要パルスと参照GMF波(EGMF(ref)(t))の重合せをそれぞれ含む一連の参照波(3A)が生成されるように、前記励起波(2)と前記参照試料(1A)との相互作用を伴う工程と、
    − 前記試料波(3)参照波(3A)の差分を検出し、前記試料GMF波参照GMF波の差分をそれぞれ含む差分分子フィンガープリント(dMF)波(ΔEGMF)(4)の時間的振幅を決定する工程と、
    を含み、
    − 前記試料波(3)および前記参照波(3A)、および/または前記dMF波は、光増幅されるものである、
    方法。
  19. 前記光増幅はポンプ信号駆動型の光パラメトリック増幅を含むものである、請求項18に記載の方法。
  20. 試料(1)の、特に生体試料の、分極応答を測定するための分光装置(100)であって、
    − 一連の励起波(2)を生成するよう構成され、かつ、試料主要パルスと試料グローバル分子フィンガープリント(GMF)波(EGMF(sample)(t))の重合せをそれぞれ含む一連の試料波(3)が生成されるように、前記励起波(2)と前記試料(1)との相互作用を伴って、前記試料(1)に前記一連の励起波(2)を照射するよう構成され、かつ、参照主要パルスと参照GMF波(EGMF(ref)(t))の重合せをそれぞれ含む一連の参照波(3A)が生成されるように、前記励起波(2)と参照試料(1A)との相互作用を伴って、前記参照試料(1A)に前記一連の励起波(2)を照射するよう構成された、レーザ源装置(10)と、
    − 前記試料波(3)参照波(3A)の双方に共通するGMF波寄与分から、前記試料波(3)参照波(3A)の差分を、空間および/または時間において光学的に分離するよう構成配置された少なくとも1つの光学調整装置と、
    − 前記試料波(3)参照波(3A)の前記光学的に分離された差分を検出し、前記試料GMF波参照GMF波の差分をそれぞれ含む差分分子フィンガープリント(dMF)波(ΔEGMF)(4)の時間的振幅を決定するよう構成配置された検出器装置(20)と、
    を含む、分光装置。
  21. 前記少なくとも1つの光学調整装置は、前記GMF波寄与分から前記試料波(3)と参照波(3A)の前記差分を空間において光学的に分離するよう配置され、およびマッハ・ツェンダー干渉計(40)を含み、
    前記マッハ・ツェンダー干渉計は、
    − 前記一連の励起波(2)が、前記マッハ・ツェンダー干渉計(40)の第1の入力ポート(41)に入力され、
    − 調査対象の前記試料(1)が、前記マッハ・ツェンダー干渉計(40)の第1の干渉計アーム(42)に配置され、
    − 前記参照試料(1A)が、前記マッハ・ツェンダー干渉計(40)の第2の干渉計アーム(43)に配置され、
    − 前記dMF波が、前記マッハ・ツェンダー干渉計(40)の第1の出力(44)に供給される
    ように構成されているものである、請求項20に記載の分光装置。
  22. 前記第1および第2の干渉計アーム(42、43)におけるビーム伝播経路長は、前記励起波(2)の搬送波波長の2分の1以内で等しく設定されるものである、請求項21に記載の分光装置。
  23. 前記少なくとも1つの光学調整装置は、前記参照波(3A)がその前記フーリエ変換限界に向かって短縮されるように、前記試料(1)および前記参照試料(1A)を含むビーム経路における群遅延分散を選択するよう適合化されたものである、請求項20乃至22のいずれかに記載の分光装置。
  24. − 前記レーザ源装置(10)は、フーリエ変換限界パルス持続時間を有する前記励起波(2)を生成するよう構成され、
    − 前記試料(1)および前記参照試料(1A)を含むビーム経路における群遅延分散が、前記ビーム経路に沿った任意の物質のパルス伸張効果が低減されるように選択される、
    請求項23に記載の分光装置。
  25. − 前記試料(1)の試料容器(51)および前記参照試料(1A)の参照容器(51A)が、負または正の分散を有する容器壁材を有し、および/または
    − 前記試料(1)および前記参照試料(1A)の前および/または後に負または正の分散を与えるよう構成された反射要素(52)が配置される、
    請求項24に記載の分光装置。
  26. 前記レーザ源装置(10)は、前記ビーム経路に沿って導入された分散がパルス・チャープを補償するように、前記パルス・チャープを有する前記励起波(2)を生成するものである、請求項23に記載の分光装置。
  27. − 前記試料(1)の試料容器(51)および前記参照試料(1A)の参照容器(51A)は、前記パルス・チャープを相殺する分散を有する容器壁材を有し、および/または
    − 前記パルス・チャープが相殺されるように前記試料(1)および前記参照試料(1A)の前および/または後に分散を与えるよう構成された反射要素(52)が配置される、
    請求項26に記載の分光装置。
  28. 前記試料(1)の試料容器(51)および前記参照試料(1A)の参照容器(51A)に反射防止被覆が設けられ、および/または、前記試料(1)および前記参照試料(1A)は前記励起波ビーム経路に対してブルースター角で配置されるものである、請求項20乃至27のいずれかに記載の分光装置。
  29. − 前記試料(1)および前記参照試料(1A)は液体物質または固体物質を含み、
    − 前記試料(1)および前記参照試料(1A)内での前記励起波(2)の相互作用長(l)は、l=2/25α乃至l=10/αの範囲で設定され、ここで、αは前記参照試料(1A)の吸収係数である、
    請求項20乃至28のいずれかに記載の分光装置。
  30. 前記試料波(3)および前記参照波(3A)のまたは前記dMF波(4)の光増幅を行うよう構成された光増幅装置を含む、請求項20乃至28のいずれかに記載の分光装置。
  31. 前記光増幅装置はポンプ信号駆動型の光パラメトリック増幅装置(60)を含むものである、請求項30に記載の分光装置。
  32. 前記試料(1)における誘導ラマン散乱を検出するよう構成されている、請求項20乃至31のいずれかに記載の分光装置であって、
    − 前記レーザ源装置(10)は、前記試料(1)に、一連の狭帯域ポンプ・パルス(7)および広帯域ストークス・パルス(2)または代替的に広帯域ポンプ・パルスおよび狭帯域ストークス・パルスを、同時に照射するよう構成され、
    − 前記励起波は前記広帯域ストークス・パルス(2)または代替的に前記広帯域ポンプ・パルスを含み、
    − 前記試料GMF波および前記参照GMF波は、前記試料(1)および前記参照試料(1A)の振動ラマン応答によって増強された増強ストークス・パルス(3)、または代替的に前記試料(1)および前記参照試料(1A)の振動ラマン応答によって減少した前記ポンプ・パルスを含むものである、
    分光装置。
  33. 前記レーザ源装置(10)は、1ps以下の、特に300fs以下の、パルス持続時間を有する前記励起波(2)を生成するよう構成されているものである、請求項20乃至32のいずれか記載の分光装置。
  34. 前記検出器装置(20)は電気光学サンプリングによってまたは光伝導サンプリングによって前記dMF波を検出するよう構成されているものである、請求項20乃至33のいずれかに記載の分光装置。
  35. 試料(1)の、特に生体試料の、分極応答を測定するための分光装置(100)であって、
    − 一連の励起波(2)を生成するよう構成され、かつ、試料主要パルスと試料グローバル分子フィンガープリント(GMF)波(EGMF(sample)(t))の重合せをそれぞれ含む一連の試料波(3)が生成されるように、前記励起波(2)と前記試料(1)との相互作用を伴って、前記試料(1)に前記一連の励起波(2)を照射するよう構成され、かつ、参照主要パルスと参照GMF波(EGMF(ref)(t))の重合せをそれぞれ含む一連の参照波(3A)が生成されるように、前記励起波(2)と参照試料(1A)との相互作用を伴って、前記参照試料(1A)に前記一連の励起波(2)を照射するよう構成された、レーザ源装置(10)と、
    − 前記試料波(3)参照波(3A)の差分を検出するよう構成配置された検出器装置(20)であって、差分分子フィンガープリント(dMF)波(ΔEGMF)の時間的振幅が、それぞれ前記試料GMF波参照GMF波の差分をそれぞれ含むよう決定される、検出器装置(20)と、
    − 前記試料波(3)および前記参照波(3A)のおよび/または前記dMF波の光増幅を行うよう構成された光増幅装置(60)と、
    を含む、分光装置。
  36. 前記光増幅装置はポンプ信号駆動型の光パラメトリック増幅装置(60)である、請求項35に記載の分光装置。
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