JP2020512172A - 最少侵襲移植可能な装置及び僧帽弁インプラントシステム - Google Patents

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Abstract

本発明は、一般的に、心臓外科学の分野に関する。外科領域においては、生体の内部を調査し、かつ/又は手術的介入用に利用するために、器具が使用される。心臓の機能能力を形成するためのインプラントも、それに属している。本発明は、この種の移植可能な装置及び心臓の領域内の逆流を是正するための方法に関する。移植可能な装置は、多数の組織アンカーを有する弁輪形成リングである。展開された弁輪形成リングは、身体開口部を狭めるために、ボディ部材の中空室内に位置決めされる。前もって弁輪形成リングの各組織アンカーが、脈管内で、最少侵襲性技術を用いて僧坊弁輪の端縁における正確な位置へ挿入される。このように係止された固定手段上に、僧坊弁の中隔と横の輪の大きさと形状を調節し、かつ弁内の前方の小葉と後方の小葉の間の間隙を閉鎖するために、アーチ形状もしくはリング形状に構成された弁輪形成リングが取り付けられて、固定される。

Description

本発明は、最少侵襲移植可能な装置及び僧帽弁インプラントシステムに関する。
医療は、患者の健康を回復させる目的で、病気を認識して除去するために使用される。この開示は、心臓外科の分野に関する。心臓外科の領域においては、心臓の内部を調査し、かつ/又は手術的介入を利用するために、器具、装置又は方法が使用される。特に本発明は、心臓弁の最少侵襲性の再構築に関し、外科器具が使用され、その器具は、心臓内へのアクセスによって、種々の再構築及び脈打つ心臓に本発明に係る装置を使用することを許す。この装置は、組織に固定するために移植可能な装置であって、それによって開口部の広がりが制限され、もしくは狭くされる。装置は、弁輪形成リングであって、それは、僧帽弁不具合を除去するために、身体器官の中空室内で、特に心臓内で、使用することができる。
心臓は、筋肉の中空器官であって、それがリズミカルな収縮で身体を通して血液をポンピングし、したがってすべての器官の供給を保証する。したがって心臓の疾患は、種々の機能障害をもたらすことがあり得る。機能障害に属するのは、たとえば心不全である。心不全は、身体が必要とする血液量を圧力上昇なしで心房へ給送するための、心臓の病的な不能である。心不全は、その経過に従って、圧倒的に該当する心臓半体(右又は左)に従って、かつ機構に従って分割される。心臓の他の高頻度の病気は、心臓弁膜症である。心臓弁膜症は、1つ又は複数の心臓弁膜の機能障害である。心臓弁膜症は、4つの心臓弁膜のいずれかに該当し、その場合に左心臓の弁膜、大動脈及び僧帽弁は右心臓の弁膜よりも、ずっと頻繁に該当する。機能障害は、狭窄(ステノーゼ)、閉鎖不能(不全)又は両者の組合せ(組み合わされた欠損)からなることがあり得る。
僧帽弁は、逆止め弁として作用する。心臓の僧帽弁の閉鎖不能又は非密閉性は、噴出相(心臓収縮期)の間に左心室(linken Herzkammer (linker Ventrikel))から左心房(linken Vorhof (linkes Atrium))内への酸素化された血液のある割合の逆流をもたらし、酸素化された血液の主要部分は大動脈弁によって大動脈内へ圧入される。僧帽弁逆流は、僧帽弁内の多数の異なる機械的欠陥から生じることがあり得る。弁小葉、弁、弁小葉を乳頭筋と結合する腱索あるいは乳頭筋自体が損傷することがあり、あるいは他のように機能不全となり得る。通常、弁リングは、左室の高い圧力に対して充分に僧坊弁を閉鎖する能力を満たすことができる。弁の逆流、すなわち心臓収縮のノーマルなサイクルの間に左心室から左心房への血液の逆流を回避するために、従来技術から種々の装置及び僧帽弁を再構築する方法が知られている。僧帽弁再構築は、僧帽弁の維持による弁機能の再形成である。手術方法として、たとえば胸骨切開、カテーテル案内される最少侵襲性の弁輪形成が使用される。装置としては、後方の小葉(posterior leaflet)と前方の小葉(anterior leaflet)の間の僧帽弁内の漏れを是正するために、すべての種類の弁輪形成リングが使用される。
従来技術からは、大量の異なる弁輪形成リングが知られている。たとえば硬い弁輪形成リング、半剛性、及びフレキシブルなそれ及び閉鎖された弁輪形成リング、半ば閉鎖されたもの、あるいは開放したそれが知られている。弁輪形成リングの形状も様々であって、円形、D形状、C形状あるいはキドニー形状に形成することができる。弁輪形成リングの材料も、様々である。しかし機械的な弁輪形成リングが共通に有することが1つあって、それらは一方で、弁小葉の弁リングに根付かなければならないので、溶融しない材料からなり、他方では天然の僧帽弁の機能を得なければならない。
たとえば特許文献1(米国特許第8545414(B2)号明細書)が、この種の弁輪形成リングを開示している。この弁輪形成リングは、特殊鋼、たとえばチタンからなる内部の材料を有し、あるいはシリコンゴム又はダクロンのようなフレキシブルな材料からなる。内部の材料は、バイオコンパチブル組織又は布のような、包囲する材料によって覆われている。弁輪形成方法の間、逆流を是正するために、僧帽弁輪上に弁輪形成リングが移植される。弁輪形成リングは、棒状に形成されており、大文字の「D」の形状を有している。それは、比較的まっすぐな部分に開口部を有しており、かつダクロンネットコーティングを有するプラスチックからなる。この弁輪形成リングが、小葉の前方及び後方の弁リングに縫い付けられる。この弁輪形成リングの欠点は、硬くてフラットな実施形態にある。他の欠点は、このリングが心臓の左心房内に従来の胸骨切開によってしか、挿入できないことにある。また、是正のやり方も、欠点である。弁輪形成リングの固定は、弁リング上に僧帽弁に沿ってつながった移植継目を縫い付けることによって行われる。しかし前方のセグメント内の適切でない縫い付けは、望ましくない輪の内三角形短縮をもたらすことがあり得る。
さらに、僧帽弁に移植するための他の弁輪形成リングが、特許文献2(米国特許第6858039(B2)号明細書)に開示されている。上述した、特許文献1(米国特許第8545414(B2)号明細書)に基づく弁輪形成リングの硬くてフラットな実施形態とは異なり、この実施形態は半剛性で形成されている。さらにこの弁輪形成リングは、X−Y平面内の形状変化だけでなく、Z方向においても形状変化を有し、それによってフラットな平面内のみに位置しない僧帽輪の形状にずっと近づく。弁輪形成リングは、各拍動サイクルの間に心臓の筋肉によって発生される張力に対するその後方の曲げのみを維持すればよい。したがって弁輪形成リングは、Elgiloy(コバルト−ニッケル−合金)、チタン又はNitinol(ニッケル−チタン−合金)のような材料からなる。ほぼD字形状に閉成して形成された弁輪形成リングの固定は、縫い付けによって行われる。このリングは、内側のリングボディと外側の縫い鞘とを有しており、その縫い鞘によって、リングボディを僧帽弁輪内に縫い付けることが可能になる。縫い鞘は、リングに糸を通すことを可能にするために、充分に穴があき、かつ柔軟である。この弁輪形成リングも、クラシックな胸骨切開の適用によってのみ、心臓内に移植することができる。弁輪形成リングの縫い付けは、僧帽弁に沿って弁リングにつながった移植継目によって行われる。しかし、前方のセグメント内の縫い付けが不適切であると、輪の望ましくない内三角形の短縮をもたらすことがある。
弁輪形成リングの展開は、特許文献3(欧州特許第0624080(B1)号明細書)から読み取ることができる。弁輪形成リングが引っ張り糸を有しており、それによってリングの周囲を短縮することができる。引っ張り糸は、弁輪形成リングの後方のセクションの大きさを短縮することができる。したがって特許文献3(欧州特許第0624080(B1)号明細書)の提案する弁輪形成リングは、輪に離隔した継目で縫い付けた後に、さらに弁不具合を減少させることができる。縮小は、1つ又は複数の引っ張り糸を引っ張ることによって行われ、それによって輪の周囲をさらに縮小することができ、それによって、リング移植後に残る各弁不具合を補正し、もしくは小さく抑えることができる。この弁輪形成リングの欠点は、古典的な胸骨切開によってしか心臓内に移植できないことにある。僧帽弁を視認する場合にのみ、この弁輪形成リングを縫い付けて、引っ張り糸を適切に張って結ぶことが、可能である。典型的に上に示した弁輪形成リングは、手術の間開放された心臓に移植され、その際に弁輪形成リングを弁輪に縫い付けることができる。心臓を開放して行う手術は、さらに侵襲性の方法であって、心肺機械を必要とする。
胸骨切開を回避するために、特許文献4(米国特許第9433503(B2)号明細書)は、セグメント化した弁輪形成リングを提案しており、実施形態においてそれは、たとえば経中隔アプローチ又は経心尖アプローチを使用して、カテーテルを通して心臓へ供給することができるように、構成されている。上述した剛性又は半剛性の弁輪形成リングは、カテーテルを通して心臓内へ導入できるようにするには、適していない。言及されている弁輪形成リングは、多数の移動可能なセグメントを備えた、外側の中空の部材を有している。隣接するセグメントは、制限された角度領域内で回転移動可能に互いに協働する。この開示は、心臓弁を修復するためのシステムと方法を示している。これは、弁輪形成リングを経皮的にトランスカテーテル放出し、かつ心臓弁に固定することによって行われる。弁輪形成リングの実施形態は、供給カテーテルのための細長く延びた導入幾何学配置で形成されている。細長く延びた実施形態に基づいて、弁輪形成リングは弁輪に移植するためにカテーテルを通して供給することができる。心臓へのカテーテルの供給は、たとえば鼠径アクセスとそれに続く空静脈を通して、たとえば右前庭内の下大静脈を介し、左前庭内の心房中隔を介して、行われ、そこでその後弁輪形成リングが弁輪に位置決めされる。位置決めは、超音波、蛍光透視、特に画像を与える方法によって管理される。その場合に管理の間は、弁輪形成リングの2つの自由端部が、リング閉鎖機構を介して互いに結合される。セグメント化された弁輪形成リング(それらのセグメントに多数の離隔したアンカーが配置されている)は、その後幾何学的な「D字形状」を有する。これらのアンカーが屈曲されて、バルーンを介して組織内へ挿入される。付加的にアンカーを縫い付けることは、不要である。この種の弁輪形成リングは、バイオロジカル又はバイオコンパチブルな材料からなり、内部にNitinolロッドを有している。この弁輪形成リングの欠点は、カテーテルによる移植の複雑な方法とアンカーの固定及び、逆流を完全に是正するための、詳しく説明されない、弁輪における弁輪形成リングの大きさと形状の変化である。
僧帽弁の輪におけるインプラントとしての、他の比較的柔軟な弁輪形成リングが、特許文献5(米国特許第8945210(B2)号明細書)から読み取れる。このインプラントは、心筋切開によって心臓内へ挿入され、その場合にインプラントは開口部を通して前庭へ挿入する際にすでに完全である。インプラントは、調節工具に取り外し可能に固定されて、この調節工具によって僧帽弁の輪へ案内される。このインプラントは、移動可能であることに基づいて輪の大きさと形状に適合させることができる。インプラントに設けられた箇所において、このインプラントは心臓における開放手術切り込みによって輪に縫い付けられる。次に心臓における切開が再び閉鎖され、その場合に調節工具はまだインプラントに残っている。患者が再び「オフポンプ(off pump)」されて心臓を通して通常の血流が流れるとすぐに、必要な場合にはさらにインプラントの大きさへの適合を行うことができる。適合は、調節工具の操作によって行われ、その調節工具はリング状のインプラント内で、たとえばラックシステムを操作する。弁輪形成リングのこの実施形態の欠点は、拍動する心臓に移植できないことである。
心臓弁を修復するために、特許文献6(米国特許第8470028(B2)号明細書)はインプラントとしての装置を開示している。インプラントは、僧帽弁逆流を是正するための弁に関する。この弁は、僧帽弁の弁小葉の間に挿入される。他の装置は、ステントとして形成されている、他のインプラントに関するものである。フレキシブルなステントは経皮的に、付勢されたインプラントとして、案内可能な供給カテーテルを介して鼠径動脈と心房中隔を通して僧帽輪へ供給される。たたまれたステントが輪の箇所で開き、この輪に適合する。輪に固定するために、ステントは、ほぞ、フックなどのような固定手段を有している。付加的に、リング形状のステントには、離隔した磁石を搭載することができる。欠点として、拡幅と位置決め、すなわちステントを僧帽輪の大きさと形状に適合させることに問題があり、したがってこのインプラントは心臓外科において価値を認めることはできないことが、明らかにされている。さらに鼠径動脈を介して案内されるカテーテルの欠点が回避されなければならない。
特許文献7(米国特許第9072511(B2)号明細書)は、弁輪形成リングもしくは組織アンカーによるその固定を開示している。ここでも、ノーマル場合において、「C字形状」に形成されたこの弁輪形成リングも、左心房内の僧帽弁リング上に移植するためにカテーテルを介して案内される。移植するためには、弁輪形成リングを左心房内でカテーテルを用いて広げ、位置決めし、かつ固定することが、必要である。固定は、3つ又は4つの螺旋形状の組織アンカーによって行われ、その場合に多数の異なる係止を使用することができる。弁輪形成リングは、インプラント部材とも称され、通常3つ又は4つのアーチ形状のセグメントからなる。セグメントの数は、弁の大きさ、細長いセグメントの大きさによって、かつカテーテル容積によって定められる。これらのセグメントは、継ぎ手を介して互いに結合されており、かつ定められ、しかし制限された揺動運動を実施することができる。揺動運動は、設けられている曲げジョイントを介して行うこともできる。その場合にインプラント部材は、個々の材料片からなる。しかし原則的に、この種の弁輪形成リングは、セグメントから生じる硬い構造を有している。繰り返しを避けるために、硬い構造の上述した欠点(高すぎる曲げ剛性、弁リングの形状への不十分な適合、縫合又は係止後の弁リングにおける様々な応力の発生など)を参照するよう指示する。「C字形状の」インプラント部材に横支持体を付加的に使用することによって初めて、弁輪形成リング用のD字形状の構造を得ることができる。3つのセグメントからなるインプラント部材を固定するために、前もって3つ又は4つの個々の組織アンカーが心臓組織内で弁リングの回りに挿入される。組織アンカーは、ガイドワイヤによってインプラント部材のセグメントに設けられている透孔内に固定され、かつ硬いインプラント部材に、かつ僧帽弁リングの組織に応力が発生する。インプラント部材におけるガイドワイヤの固定は、固定部材を用いて行われる。特許文献7(米国特許第9072511(B2)号明細書)に基づくセグメント化された弁輪形成リングの実施形態は、移植された螺旋形状の組織アンカーに固定される。
組織アンカーは、カテーテルスリーブ内で左心房内まで送られる。組織アンカーを位置決めすべき箇所は、前もってアンカーガイドフレームによって求められており、かつ僧帽弁輪に設けられた円形リング上に位置する。アンカーガイドフレームをセンタリングするために、僧帽弁の弁間隙内へフィンが導入される。他の方法においては、アンカーガイドフレームの位置決め部材が僧帽弁上に取り付けられる。それに続いて、アンカーガイドフレームが開放されて、そのアームが組織アンカーを位置決めするために引き出される。したがってこの移植方法は、心臓の左心房の僧帽弁の前庭内の選択された場所にアンカーガイドフレームを介して組織アンカーを位置決めすることを有している。その場合に輪におけるインプラント部材の固定は、埋め込まれた組織アンカーにおいて行われる。組織アンカーには、身体の外部まで達するガイドワイヤが設けられているので、その自由端部にインプラント部材のセグメントが取り付けられて、カテーテルスリーブを通して送られて、組織アンカー上に位置決めされる。そのためにインプラント部材のセグメントは開口部を有しており、その開口部が組織アンカーの端部を越えて移動される。組織アンカーの端部を案内するために、第1の円錐状のスリーブが組織アンカーの端部上へ移動される。円錐状の相手片は、同様にここでもスリーブであり、あるいはセグメント内の円錐状の開口部である。相手片が第2のスリーブである場合に、このスリーブが第1のスリーブを介して移動されて、その場合に2つのスリーブは2つのセグメントの回転ジョイント内に位置する。スリーブの上方に、さらに、円筒状の圧縮ばねが配置されている。インプラント部材のセグメントに組織アンカーを固定するために、組織アンカーの一方の端部が環状溝を有している。環状溝は、セグメントを組織アンカー上に位置決めした後に、セグメントの固定開口部の上方かつ圧縮ばねの上方に位置する。圧縮ばねの上方に、さらにクリップ部材が配置されており、そのクリップ部材もガイドワイヤを介して供給される。クリップ部材は、たとえばばねリングからなることができ、そのばねリングによってインプラント部材のセグメントが組織アンカーと結合される。セグメントのこの固定プロセスが、すべての埋め込まれた組織アンカーにおいて繰り返される。組織アンカーに弁輪形成リングを固定するための多数の個別部材に基づいて、移植する際に欠点が生じる。他の欠点は、僧帽弁の閉鎖の際に制限をもたらす、左心室の変形された形状は、最適な弁閉鎖を達成するために、上述したインプラント部材によっては再形成されないことである。僧帽弁輪の再モデリングは、剛性及び半剛性の弁輪形成リングによっては充分満足に得られない。カテーテル案内で支援して、硬い弁輪形成リングを移植するために使用する方法も、上述したように欠点を有している。カテーテルは、長手方向においては多くの長さ容量を有しているが、側方又は径方向においてはわずかな容量しか有していない。カテーテルの内径は、心臓へのアクセス路に基づいて制限されている。
僧帽弁の手術による再形成は、ここ数十年の間にさらに開発されてきている。僧帽弁修復のこの変化を推し進め、かつ代替的かつ付加的な装置及び他の手術方法を有する新しい前進を提供するために、弁輪形成リング及び特にその移植方法の上述した欠点を回避することが必要である。病んだ僧帽弁は、これまでは、開かれた心臓において外科医が作業することができるようにするために、開放した胸郭におけるアクセスを介して手術されていた;これに関しては示された従来技術と図1を参照。この介入が患者において高いリスクと結びついている場合に、カテーテルによる介入が実施されていた。その場合に薄いチューブを有する弁輪形成リングが組織を通して心臓まで送られる;上述した従来技術と図2を参照。したがって胸部の中心への切り込みを必要とする胸骨切開の2つの方法及び医療的な方法(この方法においては、内部器官へアクセスする際に、カテーテルを介して、たとえば鼠径動脈を介して、案内される介入(トランスカテーテルテクノロジーが得られる)は、適用されない。さらに、少なくとも弁輪形成リングの剛性の実施形態を使用しないことが、必要である。また、弁輪形成リングは拍動する心臓における簡単な固定を可能にしなければならない。弁輪形成リングの固定は、僧帽弁輪における縫い付けなしで充分でなければならず、弁輪形成リングが硬くて分割されたセグメントからなる場合に、技術的コンポーネントの多数の削減が行われなければならない。
現在では、心臓弁介入において、様々な種類の従来的かつ最少侵襲性の外科的方法が適用される。心臓弁介入は、心臓弁の機能能力を再び形成する目的をもって、心臓弁もしくは心臓弁小葉におけるカテーテル案内される、かつ/又は種々的な介入である。したがって機能能力を形成するために、種々の技術的方法及び外科用器具が提供される。この種の技術は、修復と心臓弁の代用を有している。心臓における修復を行うことができるようにするために、種々のアクセス方法がある。心臓への手術によるアクセス方法は、たとえば医療的な胸骨切開の形式の開胸によって行われ、その開胸が患者胸腔内へのアクセスを可能にする。そのためには胸骨が長さに応じて切り開かれ、あるいはのこぎりで開かれなければならない。その後、肋骨開排器によって胸郭の2つの半体が押し広げられる。そして手術チームは、心臓及び胸部の脈管を自由に見ることができる。良好な視覚化と手術フィールドの大きさに基づいて、多数の外科器具を挿入することができる。しかしこのような胸郭の開放は、患者においては大きな程度の外傷、病院におけるより長い滞在及びより長い治癒プロセスがもたらされる。この既知のアクセス方法及びそのために使用される外科器具は、従来技術を記録するためだけに示される。
たとえば心不全におけるような、多くの心臓疾患において、心臓への介入はカテーテルを用いて実施される。心臓へのアクセスとしてのトランスカテーテルテクノロジーは、いくつかの領域内で多大な程度において開胸術と交代する。多くの心臓弁膜症は、最近のカテーテル方法によって丁寧なやり方で是正され、より大きい手術を回避することができる。特に、左の心臓半体の心臓弁における、したがって大動脈及び僧帽弁における今日の欠陥は、カテーテルによって処理される。他のカテーテル侵襲におけるように、プラスチックカテーテルが鼠径内あるいはアーム内の血管を介して心臓まで送られる。心臓へのこのアクセス方法(トランスカテーテルテクノロジー)も、従来技術を記録するためだけに、ここに示されている。
多数の心臓病もしくは心不全のために、特に僧帽弁手術においては、最少侵襲性の方法を用いて心臓へのアクセスが行われる。僧帽弁手術においては、従来は、患者の胸郭の開放と心肺機械の挿入がまだ必要であった。最少侵襲性の外科学の割合は、心臓における僧帽弁不全を是正する場合にだんだんと増加しており、胸骨切開テクノロジー及び技術的に要求の高いトランスカテーテルテクノロジーのような他の手術方法の代わりとなっている。手術的方法は、開放した心臓外科学から最少侵襲性の外科学へ移行している。
僧帽弁再構築における従来技術を、最少侵襲性の外科学の適用によって次のように、すなわち逆流を是正するために、拍動する心臓に弁輪形成リングを移植する際に最少侵襲性の介入を行うことができるように変化させることが、必要である。すなわち、僧帽弁を再構築するために開放した心臓外科学がもはや必要とされないような、装置と方法が開発される。手術的方法は、開放した心臓外科学から離れて、最少侵襲性の外科的方法へ移行する。
さらに、大動脈弁再構築と僧帽弁再構築とが区別される。僧帽弁再構築は、僧帽弁の維持による弁機能の再形成である(両尖端弁)。したがって人の心臓の内部の僧帽弁の弁機能を成功裏に修復するために、僧帽弁の種々のコンポーネントが調査され、かつその可能な欠陥が検証される。調査は、特に手術の前及びその間の診断によって、たとえばコントラスト剤によって支援される血管造影、X線透過照明及び経胸郭と経食道のエコーカルディオグラフィーによって行われる。診断における使用と前進が初めて、最少侵襲性の外科的方法を拍動する心臓において実施することを可能にする。
従来技術によれば、僧帽弁再構築は原理的に以下のように行われる:たとえばEKG、エコーカルディオグラム(TEE)、嚥下エコー(超音波ゾンデ)、心臓カテーテル、ドップラー調査、肺機能テストによる予備調査及び挿入すべき弁リングインプラントを定めるために輪の大きさ(僧帽弁の直径)を求めること、患者の麻酔、鼠径部における約3cmの切り込み、心肺機械の接続、コントラスト剤用の接続、第4又は第5肋骨の間の右胸筋肉内の約5−8cm長さのカットを通しての侵襲性アクセスを行う、心臓の停止、エンドスコピーと他の画像を与える方法の利用、小さいカットによる左前庭の開放、輪に人工糸をセット、リングインプラントの挿入、リングインプラントに糸を結びつけて切る、左前庭の閉鎖、胸郭におけるアクセスを閉鎖かつ手術直後に嚥下エコーによって僧帽弁の機能が管理される。心臓内にリングインプラントを移植し、かつそれを僧帽弁に縫い付ける場合に心肺機械の接続と心臓の停止を回避することが、必要である。
最少侵襲性の外科学から課される心臓弁インプラントに対する、特に弁輪形成リングと付属の外科的器具に対する要請をみたすために、心臓弁インプラントと外科的器具の新しい実施形態を開発することが、必要である。
拍動する心臓に最少侵襲性の外科学によって弁輪形成リングを、いわゆる継目なしで移植することが、知られている。最少侵襲性の外科学の方法は、他の上述した方法などに比較して、手術時間が短いことに基づくコストの低下、手術カットが小さい、かつ患者の回復が速い、という利点を有している。すなわち経皮手術においては、患者は手術リスクの減少、複雑性の減少及び静臥時間の短縮によって利益を得る。もちろん最少侵襲性技術の使用は、いくつかの特別な挑戦も発生させる。弁輪形成リングは細いパイプを介して挿入し、かつ固定できなければならず、それによって装置構造の複雑性に対する要請が高まる。というのは、移植する弁輪形成リングに対する直接的な視認コントロールがないからである。したがって一方で、この種の弁輪形成リングは、心臓へ案内するアクセススリーブを通して移動させることができるようにするために、圧縮可能もしくは押し潰し可能でなければならない。さらに、弁輪形成リングはアクセススリーブ内で良好に案内可能でなければならず、詰まってはならない。他方で、僧帽弁の輪に移植された固定手段が容易に取り付けられるように、弁輪形成リングは付加的な補助なしで、自体でその元の形状に膨張しなければならない。さらに弁輪形成リングは、組織、たとえば僧帽弁リング又は、たとえば前庭の身体開口部を絞るのに適していなければならない。したがって弁輪形成リングには、単純だが有効な固定手段が搭載されている。すなわち伝統的な心臓弁外科学および最少侵襲性の心臓外科学は、ここでは他の最少侵襲性の外科的方法によって効果的に拡張される。したがって弁輪形成リングのガイド、位置決め及び固定と外科的な器具の位置決めは、特別に重要である。他の重要な判断基準は、特にインプラントと器具のデザインである。というのは、視認コントロールなしで手術する場合にデザインが取扱いに与える影響が大きいからである。僧帽弁再構築するための適切な手術を最少侵襲性で実施することができるようにするために、多数のファクター、患者の年齢と一般的な健康、弁の損傷の程度、弁の種類及び患者の好み、が考慮されなければならない。
以下で説明する、他のファクターが考慮されなければならない。原則的に弁輪形成の適用による僧帽弁再構築は、僧帽弁不全における著しい改良をもたらした。僧帽弁輪形成の目的は、たとえば僧帽弁が密でない場合に、ノーマルな僧帽弁の生理学的形状と機能を再構築することによって、僧帽弁反応能を再形成することである。ノーマルな条件の下で、僧帽弁は全心臓サイクル内で形状と大きさにおいて著しい動的変化を受ける。これらの変化は、特に、包囲する僧帽弁リングの動的運動に起因する。心臓サイクルの間、左心房は、閉鎖筋肉運動を受けて、心臓収縮の間開口領域を狭め、それによって2つの小葉の結合を容易にし、拡張の間は拡幅して、それによって左心房の簡単な拡張的充填を可能にする。この運動は、はっきりとした3次元のコンフィグレーション、輪の特徴的なサドル形状によって、心臓収縮の間さらに強化される。全サイクルの間の変化は、弁接合を最適化し、かつ組織負荷を最小限に抑えるためのキーとみなされる。僧帽弁輪形成の挑戦は、僧帽弁輪の病んだ、かつ/又は歪んだ形状を改良し、かつ生理学的コンフィグレーションを再形成し、その場合にノーマルなリングダイナミクスを得ることにある。弁輪形成は、僧帽弁小葉の接合面を増大させ、それに伴って、僧帽弁の再構築されたセグメントに作用する応力を減少させることである。弁輪形成の役割は、生理学的な接合を再形成するために、弁小葉面と輪の面との間のノーマルな比率が保証されることに基づく。したがって弁輪形成は、効率的な技術であって、患者に良好な結果をもたらす。進歩的な弁輪形成リングとその固定種類は、この前提を満たし、拍動する心臓における移植をさらに簡単にする。
心臓外科学は、今日では、僧帽弁輪の元の形状を再形成するために、多数の異なる弁輪形成リングから選択することができる。挿入すべき弁輪形成リングの種類、大きさ、材料及び形状を選択する場合にディスカッションには、議論の余地が残る。弁輪形成リングの材料特性は、種類からはフレキシブル、半剛性あるいは剛性とすることができ、形状においえは不完全又は完全、平面的又はサドル形状、調節可能あるいは調節できないとすることができる。形状としては、「C字形状」、「D字形状」、「円形」、「キドニー形状」及び「サドル形状」の弁輪形成リングが知られている。弁輪形成リングの適切な大きさに関しては、移植前に外科医が決定する。目的は、僧帽弁輪及びそれに伴って僧帽弁室もしくは環状室の長さと形状の改造である。材料は、弁輪形成リングの場合には、たとえばチタン合金とシリコンゴムの層からなる縫製リング端縁からなることができ、あるいは弁輪形成リングはエルジロイからなる層とプラスチック細片によって形成されて、縫製ライン端縁においてシリコンゴムによってコーティングされ、あるいは弁輪形成リングの内部コアは専有の金属合金又はポリエチレンからなり、あるいはセル構造デザインを有し、それは、ネイティブの僧帽弁リングの生理学的な3D運動を模倣し、かつ解剖学的なサドル形状を考慮することができる。ここでは、たとえばNitionalのような、形状記憶合金が考えられる。コアは、しばしば織物によって覆われ、その織物は、たとえば編んだPETからなり、かつカーボンフィルムでコーティングされており、あるいは編んだPTFEからなり、それが1つ又は複数の放射線不透過性の、バリウム含浸されたシリコンマーカーを有している。弁輪形成リングの硬い実施形態においては、コアは、たとえば硬いチタンワイヤからなり、それが高柔軟性のPTFEパイプ、ポリエステル編み物材料と薄いPTFEチューブによって覆われている。弁輪形成リングがPTFEとポリエステル縫い目のみからなる場合に、このリングは完全フレキシブルであって、弁リングの運動を維持する。大部分の弁輪形成リングは、マーカーを有することができ、そのマーカーは、放射線医学上の視覚化を可能にし、それに伴って弁輪形成リングの位置決めをさらによく行うことができるようにするために、バリウム含浸されたシリコンを含んでいる。
米国特許第8545414(B2)号明細書 米国特許第6858039(B2)号明細書 欧州特許第0624080(B1)号明細書 米国特許第9433503(B2)号明細書 米国特許第8945210(B2)号明細書 米国特許第8470028(B2)号明細書 米国特許第9072511(B2)号明細書
本発明の課題は、最少侵襲性外科学の適用の枠内で、右の胸郭領域と心臓の左心房を介して挿入して、そこに係止することができる、僧帽弁インプラント、特に弁輪形成リングを提供することである。したがってインプラントは、套管針及び/又はカテーテルを通して手術箇所へ案内することができる大きさのみを占めることができる。
他の課題は、インプラントに固定手段を搭載することである。複数の固定手段が弁輪形成リングを複数の移植された組織アンカーの糸と結合する。
この課題は、請求項1に記載の装置によって解決される。さらに、請求項7に記載の僧帽弁インプラントシステムが提供される。形態が、下位請求項から明らかにされる。
この装置は、拍動する心臓において最少侵襲性の外科的方法を使用するために挿入可能である。装置は、解剖学的開口部又は他の腔内で、好ましくは僧坊弁輪において、解剖学的開口部の形状と大きさを調節するために使用される。装置の弁輪形成リングは、元の構成から供給構成へ、そして次に膨張した構成へ変形可能である。初期位置において、弁輪形成リングは、そのあらかじめ選択された、たとえば長円形の実施形態を有している。弁輪形成リングは、その長円形に開放された形状において、組織アンカーの糸上へ引っ張られる。移植された組織アンカーのすべての糸が弁輪形成リングを通して引っ張られた場合に、弁輪形成リングは次に所定の大きさに圧縮され、それによってその供給構成を得る。圧縮された状態において、弁輪形成リングは外科用器具のスリーブ内へ挿入され、その中で圧縮されて左心房内へ導入される。前庭内で、圧縮された弁輪形成リングが開放した構成に展開される。弁輪形成リングの開放した形状は、圧縮前の元の初期形状に相当する。僧坊弁輪の場所において、元の初期形状を有する膨張した弁輪形成リングが、解剖学的開口部の幾何学配置を調節するために、移植された組織アンカー上へ取り付けられる。次に弁輪形成リングが、移植された組織アンカー上に固定される。
最少侵襲性技術と右の胸側からのアクセスによって拍動する心臓に挿入することができる、移植可能な装置が提供される。特に弁輪形成リング用の、僧坊弁インプラントが提供され、それは簡単かつコスト的に好ましく形成され、かつ他方でより簡単な取扱いで移植する際の人間工学的な方法を可能にする。装置は、僧坊弁の手術による再形成及びより良好な機能能力のために使用することができる。
弁輪形成リングにおける様々な形状と材料特性は、もちろん僧坊弁輪における様々な作用を獲得し、したがって僧坊弁の弁の機能及び閉鎖能力に異なるように作用する。したがってこの開示は、1つの実施形態もしくは特殊な弁輪形成リングに限定されず、組織アンカーに固定することができる、多数の異なる材料特性および異なるように形成された弁輪形成リングを許す。これは、装置によって、特に少なくとも1つの組織アンカー、好ましくは5つ以上の組織アンカーを搭載した弁輪形成リングによって可能になる。移植すべき組織アンカーの数は、僧坊弁輪の大きさもしくは直径に依存し、それによって僧坊弁輪の形状と大きさが積極的に調節され、かつ血液の逆流が是正される。
組織アンカーを設けることができる。組織アンカーは、螺旋形状の螺旋ねじとプラスチック糸とを有し、あるいはそれらからなることができる。この種の組織アンカーは、同じ外科用器具によって僧坊弁輪の回りの組織内へ挿入することができる。組織アンカーのプラスチック糸の自由端部にさらにニードルを配置することができる。ニードルについては、後述する。組織アンカーは、個々に右の胸側から左心房内へ挿入して、僧坊弁輪の回りに移植することができる。弁輪形成リングを収容して固定するために、好ましくは約8から10の組織アンカーが使用される。好ましくは移植された組織アンカーのプラスチック糸の各自由端部は胸腔の外部に位置し、したがって外科医のアクセス内にある。各プラスチック糸は、自由端部にマーキングを有することができる。マーキングは、色彩的な種類であってもよく、かつ/又は番号あるいは同種のものからなることができる。マーキングを用いて、マーキングされたプラスチック糸の付属の組織アンカーがどの箇所において僧坊弁輪に位置決めされているか、が明らかになる。僧坊弁輪の回りの組織アンカーの位置決めが、図1の例において示されている。
図2には、僧坊弁輪の回りに縫い付けられた弁輪形成リングと僧坊弁の2つの小葉が上面で示されている。僧坊弁輪は、長円の形状を有し、それはほぼ「D字形状」に形成されている。前方の小葉ALは、輪の領域内で、後方の小葉PLの湾曲した後方のセクションに対して比較的まっすぐなセクションを形成している。比較的まっすぐなセクションの距離長さは、湾曲したセクションの距離長さよりも短いので、好ましくはまっすぐなセクション上に3つの組織アンカーが、そして湾曲したセクション上には5つの組織アンカーが配置されている。組織アンカーの間隔は、等しくてもよく、あるいは、輪の解剖学的3D形状付与によって、異なる間隔を有することもできる。たとえば、図1に示すように、8つの組織アンカーが移植されている場合に、胸郭の外部に糸も8本ある。糸のマーキングに基づいて、胸郭の外部に位置する各糸は、心臓内に移植された組織アンカー及びその位置に対応づけることができる。糸とその付属の組織アンカーの位置との対応づけは、好ましくは上面でみて輪に画像構造が設定されていることによって、行われる。画像構造は、組織アンカーの移植すべき位置を定める。各位置に、たとえば単純な番号あるいは同種のものを有するマーキングが対応づけられている。第1の移植された組織アンカーは、たとえば索引番号1を有し、その場合に組織アンカーに、移植のための第1の位置が設定される。輪における組織アンカーの第1の位置は、先行する設定に従って、湾曲したセクションとまっすぐなセクションの間の左の移行部とすることができる。時計方向において、その後他の組織アンカーが移植される。すなわち第1にセットされた組織アンカーに続く第2の組織アンカーは、索引番号2を有し、かつあらかじめ定められた位置2上に移植される、等々。もちろん組織アンカーは、他の順序で移植することもできる。たとえば第1の組織アンカーが位置1に移植された場合に、その後次の組織アンカーが位置3に移植され、その場合にこの組織アンカーは、もちろん索引番号3を有し、それに続いて移植すべき組織アンカーは、糸における番号5のマーキングを有する位置5に来る、等々。他の順序における組織アンカーの移植も、可能である。重要なことは、あらかじめ定められた位置に組織アンカーを移植する場合に、組織アンカーもしくはその糸にそれに応じた位置記載が設けられることである。
したがって移植方法は、心臓の左心房内の僧坊弁管の回りの選択された箇所に組織アンカーを位置決めすることと、僧坊弁輪にねじ込むことによって組織アンカーを固定することを有し、それによって僧坊弁輪が埋め込まれた組織アンカーによって包囲される。組織アンカーの位置決めと移植は、多数の可能な画像を与える測定方法によって支援される。たとえば磁気共鳴映像法(MRI)、心臓内のエコーカルディオグラフィー(ICE)、経食道エコーグラフィー(TEE)、フルオロスコピー、CTスキャン、エンドスコープ、血管内超音波(IVUS)及び/又は他の映像を与えるものを使用することによって、僧坊弁外科学もしくは本発明に係る装置が、最少侵襲性の方法の間支援される。
したがって種々の外科用器具を案内する場合、かつ/又は移植すべき組織アンカーを正確に位置決めして埋め込むために組織アンカーを配置する場合も、同様である。たとえばTEE技術は、組織アンカーの移植すべき位置を定めるために使用することができる。
すべての組織アンカーが僧坊弁輪の回りに移植された場合に、適切な外科用器具によって弁輪形成リングの挿入が行われる。超音波造影は、僧坊弁輪の大きさを求めるために、医療介入の前に行われる。この種の情報は、適切に寸法設計された弁輪形成リングを選択する場合に使用することができる。いくつかの場合において、弁輪形成リングは、移植された組織アンカーの実際の位置に基づいて選択することもできる。
最初に、その自由端部にそれぞれニードルを有する個々の糸が、たとえば弁輪形成リングのPET又はPTFE組織からなる、ファイバーリングを通して案内される。糸を弁輪形成リングに位置決めするために、組織アンカーが輪に位置決されているのと同じ位置を利用することが、必要である。したがって、上面で見て、移植すべき弁輪形成リングは、組織アンカーに対する位置決めに関して、僧坊弁輪の画像構造と同じ画像構造を有する。組織アンカー位置の先行する例から離れないために、第1の組織アンカーは、輪の湾曲したセクションとまっすぐなセクションの間の左の移行部における第1の位置に配置される。この組織アンカー1に属する糸が、番号1を有する。これは、組織アンカー1の糸1が、関連する箇所1において弁輪形成リングに挿通されなければならないことを、意味している。すなわち弁輪形成リングを正しい形状で輪における組織アンカーに位置決めすることができるようにするために、番号1と組織アンカーの位置1を有する糸を弁輪形成リングにおける1に対応づけて、この箇所において弁輪形成リングの組織を通して案内することが、必要である。弁形成リングにおける位置1は、同様に弁形成リングの湾曲したセクションとまっすぐなセクションの間の左の移行部における第1の位置に相当する。弁輪形成リングにおける第1の位置は、移植された組織アンカーの第1の位置と対応する。同じことが、組織アンカーから提供されて、しかるべき位置において弁形成リングの組織を通して引っ張られる他の糸についても、言える。すなわち、輪の位置3に配置された、移植された組織アンカー3の糸3は、弁輪形成リングの位置3において挿通され、その場合に輪における位置3は、弁輪形成リングにおける位置3と同一である。僧坊弁輪の位置5に配置された、移植された組織アンカー5の糸5は、弁輪形成リングの位置5において挿通される、等々。したがって、弁輪形成リングの形状も僧坊弁輪の形状に適合するように挿入されて、組織アンカー上に位置決めできることが、保証されている。それぞれ糸を引っ張ることができる、弁輪形成リングにおける位置は、弁輪形成リング上の位置マーカーによって前もって示しておくことできる。弁輪形成リングが組織アンカーによって提供されるすべての糸上へ引き載せられている場合に、この弁輪形成リングは糸上で収容すべき外科用器具まで送られる。
弁輪形成リングは、手で変形させることのできる、変形可能な材料からなることができる。変形は、たとえば弁形成リングの長円形状を最小まで圧縮することに関する。幾何学的視点における形状の最小は、比較的まっすぐな前方のセクションが湾曲した後方のセクションに大幅に接近して、2つの並んだひもが形成された場合に、達成される。その場合にこの種の弁輪形成リングの直径は、数ミリメートルの最小に圧縮されている。その場合に直径は、弁輪形成リングの横断面のほぼ2倍強に相当する。弁輪形成リングの供給構成のために提供される内径に基づいて、弁形成リングをその最小まで圧縮することは、不要である。圧縮された状態における弁輪形成リングの長さは、それが前庭内の移植の場所に供給される場合に、何ら影響を与えない。弁輪形成リングの初期形状を通して組織アンカー糸が引っ張られている場合に、弁輪形成リングは次に押しまとめられ、もしくは圧縮される。弁輪形成リングのこの圧縮された状態が、供給構成と称される。供給構成において、弁輪形成リングはスリーブ内へ挿入される。套管針を通して案内されるスリーブは、心臓の左心房内まで達する。
その後、他の外科用器具によって弁輪形成リングは、スリーブから押し出され、組織アンカー糸はさらに身体の外部に留まる。したがって弁輪形成リングがスリーブから出て、左心房内へ進入した場合に、弁輪形成リングはその供給構成からその元の初期形状へ膨張する。元の初期形状は、開放された長円の構造に相当し、その場合に弁輪形成リングは、常にまだ組織アンカーの糸によって案内される。そして弁輪形成リングが糸に沿って組織アンカーの端部へ移動されて、そこに位置決めされ、その場合に弁輪形成リングは、上述したように、僧坊弁輪上に正しい形状で固定される。弁輪形成リングを有する組織アンカーが前もって形成されている場合でも、かつ弁輪形成リングの糸に固定手段が係止されている場合でも、TEE技術を使用することができる。
弁輪形成リングを組織アンカーに固定することは、縫い付け、結びなどのような既知の方法によって行うことができる。組織アンカー上に弁輪形成リングを固定するための単純な固定手段を利用することができる。好ましくはこの固定手段は、身体の外部に位置する組織アンカー糸上に載せられて、弁輪形成リングまで送られる。組織アンカー糸を締めつけることができる固定手段が、組織アンカーの領域内で弁輪形成リング上に位置決めされた場合に、組織アンカー糸は固定手段の領域内で切断されて、場合によっては結ばれる。組織アンカーの切断された糸は、前庭から、そしてそれに伴って心臓から除去されて、心壁内の切開が閉鎖される。したがって拍動する心臓において、かつ最少侵襲性の外科的方法を用いての、「MitraRing」の名称を有する本発明に係る装置の移植が終了し、逆流が是正される。僧坊弁が再びそのノーマルな機能を満たし、かつ左心室から左心房内への血液の望ましくない逆流を阻止する。というのは、僧坊弁のノーマルな幾何学配置が再形成されたからである。僧坊弁小葉は、互いにより良好に接触することによって、再びその弁機能を満たす。これが、リング形状に形成された本発明に係る装置を心臓弁輪に移植することによって成功裏に行われる。僧坊弁外科学のこの形式は、最少侵襲性のアプローチしか必要とせず、それによって胸壁カット、心肺のバイパス及び心臓と肺の停止が回避される。この種の方法は、コスト的にずっと好ましく、多くの時間を必要とせず、かつ患者にとっての死亡リスクが小さくなる。
装置には、経皮ガイドと僧坊弁輪の形状変化及びこの種の装置によって僧坊弁、三尖弁又は大動脈弁のような、組織又は身体開口部を縛るための最少侵襲性の外科学の熟考された方法を適用するための、機能が搭載されている。装置は、最終侵襲性の方法に、輪の開口部の回りの組織内へ付属の組織アンカーと固定手段によって弁輪形成リングを移植することを可能にする。この明細書においては、心臓外科学が参照される。記述される方法と装置は、たとえば胃の手術において、あるいは腸外科学においてのような、その組織が圧縮される他の手術においても使用することができる。
インプラントは、互いに組み合わせて、「MitraRing」の名称を有する僧坊弁インプラントをもたらす、個々の部材を有することができる。「MitraRing」は、主として3つの部材から形成される。第1の部材は、螺旋形状に形成された係止部材であって、人工的な糸を有する螺旋ねじからなる。第2の部材は、フレキシブルな弁輪形成リングであって、それが複数の組織アンカー上に固定される。第3の部材は、弁輪形成リングを組織アンカーと結合するための、固定手段に関する。3つすべての部材は、互いに調整した後に、僧坊弁インプラントとなるように結合することができる。この種の装置を移植するための方法のために、システムが提供される。
システムは、患者の拍動する心臓において、僧坊弁輪を最小侵襲性で修復するために適した、僧坊弁インプラントを有する。それは、内側のパイプスライダIIを案内するための外側のパイプスライダI、特に腔を有するアクセスカニューレと、組織アンカーを案内してねじ込むための、第1の内側のパイプスライダII、特に腔を備えた外科用器具を有している。組織の移植が行われた後に、パイプスライダIIが、弁輪形成リングを案内するための第2の内側のパイプスライダIII、特に腔を有する外科用器具に代えられる。このパイプスライダIII内に、組織アンカー糸を収容し、かつ弁形成リングをパイプスライダIIIから押し出すための第3の内側のパイプスライダIV、特に腔を有する外科用器具が導入されて、ついには前庭内で弁輪形成リングが膨張する。その後、パイプスライダIIIとIVが除去されて、第4の内側のパイプスライダVに代えられる。第4の内側のパイプスライダV、特に固定手段、特にクリップ手段を案内するための腔を有する外科用器具が、弁輪形成リングを固定するために組織アンカー糸に沿って案内される。
以下、図面の図を参照しながら、他の実施例を詳細に説明する。
右の胸郭側からの心臓へのアクセスを有する、人の胸郭を図式的に示している。 移植された装置の、特に心臓の左前庭内の僧帽弁輪に固定された弁輪形成リングの、従来技術に基づく図式的な上面図である。 従来技術に基づく、固定手段としての組織アンカーを有するセグメント化された弁輪形成リングからなる、他の移植された装置を示す斜視図である。 固定手段としての組織アンカーを有する弁輪形成リングからなる、本発明に係る移植可能な装置を示す斜視図である。 組織アンカーとリングボディとを有する、図4aの一部を図式的に横断面で示している。 僧帽弁輪を取り巻く固定手段の移植を図式的に示している。 弁輪形成リングの供給構成を図式的に示している。 僧帽弁輪に移植された装置の図式的な表示である。
図において、同一又は同様な部材には同一の参照符号が設けられている。図面内の部材の大きさと相対位置は、必要に応じて縮尺を離れて示されている。たとえば、種々の部材の形状と角度は、縮尺どおりには示されていない。これらの部材のいくつかは、見やすくし、かつわかりやすくするために、恣意的に拡大して示されている。
図1に図式的な表示で示される人の胸郭1は、最少侵襲性の外科学のための心臓3への最少侵襲性のアクセス2を示している。心臓3の僧帽弁14における介入(図5を参照)は、最少侵襲性にすることができ、すなわち心肺機械の使用なしで、行うことができる。たとえば、僧帽弁修復のために、麻酔した患者においてハイブリッドORシナリオを使用することができる。それによれば、右の肺翼が萎縮している場合に、第4又は第5肋骨間隙の間において、右の胸郭5内に複数の側方の小さいアクセス開口部(図示せず)が形成される。この介入は、最少侵襲性技術(鍵穴外科学とも称される)によって行われ、たとえば套管針、傷拡張器、光学系、前庭ルーフリトラクターなどの器具を有している。
心臓3へのアクセス2は、上述したように、第3又は第4の肋骨空間6の間で右側の小さい胸郭開口部4を介して行われる。胸郭開口部4は、手術の間傷拡張器7によって開いたままに維持される。たとえばエンドスコープ用の(図示せず)、他のアクセスは、胸郭1内で行われる。心臓3は、その長手軸を中心に回動して、左の胸腔8内に位置しているので、右の心臓半体は前方の胸壁に添接し、左の心臓半体はどちらかというと後方を向く。移植可能な装置10、特に弁輪形成リング11(図4を参照)が設けられており、その装置は患者の拍動する心臓3に最少侵襲性の外科的方法を適用する場合に、既知の外科器具を用いて右の胸郭領域5を介して心臓3の解剖学的開口部9内へ挿入し、そこに係止することができる。
外科的器具とインプラントによって心臓3内へ進入することができるようにするため、かつ僧帽弁機能不全、特に血液の逆流を是正するために、左心房12を小さいカット、切開によって開放し、套管針を挿入することが、必要である。套管針は、たとえば1つ又は複数のカテーテル及び、左心房12内に、移植可能な装置10を収容するため、かつアクセスガイドとして、用いられる。図1におけるのと同様な参照符号が、以降の図において引き継がれている。
図2は、従来技術に基づく、開放した心臓3に移植された装置10、特に弁輪形成リング11を上面で図式的に示しており、その弁輪形成リングは心臓3の左心房12内の僧帽弁輪13の回りに縫い付けられている。僧帽弁輪13は、前方の小葉16と後方の小葉17とを有している。弁輪形成リング11が移植される場合に、僧帽弁14の小葉16、17が近くに寄せられて、支持されるので、それらは弁19を閉鎖する場合に間隙18内で出合う。したがって弁輪形成リング11は、機能的な僧帽弁逆流の問題を是正する。弁輪形成リング11は、湾曲した後方のセクション21に対して比較的まっすぐな前方のセクション20を備えた長円形又はほぼ「D字形状」の配置を有している。2つのマーカー22.1、22.2が前方のセクション20と後方のセクション21の間の境界を示している。弁輪形成リング11を僧帽弁輪13に固定するために、複数の結ばれた糸ループ23が使用される。示されている弁輪形成リング11は、胸郭4の開口部を通して開放した心臓3に移植される。
さらに図2には、僧帽弁輪3及び弁輪形成リング11における組織アンカー15.1−15.8の位置決めの配置24.1−24.8が示されている。
8つの組織アンカー15.1−15.8の位置決めの記載は、図2において見やすくする理由から行われている。それに基づいて、最少侵襲性技術によって心臓弁輪13に移植された8つの組織アンカー15.1−15.8の可能な位置24.1−24.8が、見られる。6つの組織アンカー15.1−15.6をもって示されている、弁輪形成リング11を有する本発明に係る完全な装置10が、図4bに示されている。
組織アンカー15.1の第1の位置24.1は、後方のセクション21に対する前方のセクション20の左の境界に設けられたマーカー22.1に配置されている。組織アンカー15.3の第3の位置24.3は、後方のセクション21に対する前方のセクション20の右の境界に設けられたマーカー22.2に配置されている。組織アンカー15.2の第2の位置24.2は、前方の小葉16の僧帽弁輪13の領域内で第1の位置24.1と第3の位置24.3の間にあり、組織アンカー15.4から15.8の他の位置24.4から24.8は、後方の小葉18の僧帽弁輪13の領域内に配置されている。弁輪形成リング11の後方のセクション21は、変形されており、かつ一般的に、後方の小葉17の領域内の僧帽弁輪13の変形された形状に従う。組織アンカー15.4から15.8は、その上に固定された弁輪形成リング11が弁輪形成輪13の形状を支持するように、移植されている。弁輪形成リング11は、ここで図2の従来技術に示されるように、結ばれた糸ループ23によって僧帽弁輪13に直接縫い付けられるのではなく、図4aから明らかなように、僧帽弁輪13に移植された組織アンカー15.1−15.8に固定される。この図2に基づく同様な参照符号が、以降の図においても引き継がれる。
図3も、従来技術に基づき、他の移植された装置10を展開された構成において斜視図で示している。この装置は、固定手段25としての組織アンカー15.1−15.4を有する、セグメント化された弁輪形成リング11からなる。弁輪形成リング11は、身体組織内の開口部を補強するため、もしくは天然の弁19を補強するために、ほぼ「C字形状」の形態を有している。弁19は、僧帽弁14の形状を有している;図2を参照。弁輪形成リング11は、実施例によれば、3つのセグメント26a、26b、26cからなる。3つのセグメント26a、26b、26cの間及びセグメント26a、26cの自由端部28、28’に、それぞれ組織アンカー15.1−15.4、全部で4つの組織アンカー15.1、15.2、15.3、15.4が配置されている。組織アンカー15.1、15.2、15.3、15.4の間隔は、アーチ形状のセグメント26a、26b、26cの長さによって定められている。組織アンカー15.1、15.2、15.3、15.4の箇所において、セグメント26a、26b、26c内に回転ジョイント29.1−29.4が配置されており、それらは組織アンカー15.1、15.2、15.3、15.4のための円錐状の収容部(図示せず)を有している。セグメント26a、26b、26cのアーチ形状は、僧帽弁輪13の一部を包囲することができるように、寸法設計されている。僧帽弁輪13に弁輪形成リング11を固定するための固定手段25として、螺旋形状の組織アンカー15.1、15.2、15.3、15.4が設けられている。図示される弁輪形成リング11は、カテーテル案内されて心臓3内へ導入されて、そこに移植される。この図3に基づく同様な参照符号が、以降の図において引き継がれる。
図4aにおいて、固定手段25を有する弁輪形成リング11からなる、本発明に係る装置10が斜視図で示されており、その場合に固定手段25は、複数の組織アンカー15.1、15.2、15.3、15.4、15.5、15.6を有している。ここでも組織アンカー15.1、15.2、15.3、15.4、15.5、15.6は、螺旋形状の螺旋ねじ30.1−30.6から形成され、その場合に他の固定手段も考えることができる。心臓3と僧帽弁14の小葉16、17の表示は、見やすくする理由から、ここでは省かれている。これは、図5−7から充分に明らかにされる。図示される装置10の移植は、図1に示す最少侵襲性の外科的方法を適用して行われる。
この実施例に基づく、本発明に係る弁輪形成リング11は、近似的に一般的なリング形状又は長円の形状を有している。さらに、弁輪形成リング11は、安定化させるための内側の層43と少なくとも1つの外側の層42を有し、それを通して少なくとも1つの人工的な組織アンカー糸33が引っ張られる。この種の弁輪形成リング11は、横断面において面取りされたリングボディ27を有しており、そのリングボディは、図2にも示されるように、比較的まっすぐな前方のセクション20とアーチ形状又は湾曲した後方のセクション21とを有している。弁輪形成リング11の前方のセクション20は、組織アンカー位置24.1−24.3によって前方の小葉16の僧帽弁輪13の前側31のために整えられており、後方のセクション21は組織アンカー位置24.4−24.6によって、後方の小葉17の僧帽弁輪13の後方の側32のために整えられている。弁輪形成リング11内の組織アンカー位置24.1−24.6には、少なくとも1つの組織アンカー15.1−15.6の少なくとも1つの組織アンカー糸33.1−33.6が設けられている。組織アンカー15.1−15.6は、僧帽弁輪13の回りに配置されている。僧帽弁輪13に移植された各組織アンカー15.1−15.6には、弁輪形成リング11を組織アンカー15.1−15.6に固定するために、組織アンカー糸33.1−33.6が設けられている。弁輪形成リング11内の組織アンカー位置24.1は、僧帽弁輪13における組織アンカー位置24'.1と同じ長手軸39上に位置する。すなわち、弁輪形成リング11における組織アンカー位置24.1と僧帽弁輪13における組織アンカー位置24’.1は、完全に等しく、それによって組織アンカー15.1の組織アンカー糸33.1は、僧帽弁輪13におけるその組織アンカー位置24’.1に基づいて、固定するために弁輪形成リング11内の同じ組織アンカー位置24.1に対応づけることができる。繰り返しを避けるために、上述した例は他の組織アンカー位置24.2−24.6及び24’2−24'6を代理しており、その場合に常に1対の組織アンカー位置24.2−24’2、24.3−24.'3などがかかわり合い、かつ共通の長手軸39上に配置されている。
多数の組織アンカー位置24'.1−24'6、たとえば僧帽弁輪13及びそれに移植された組織アンカー15.1−15.6の6つの位置に基づいて、弁輪形成リング11を固定することができる。図2からは、8つの組織アンカー位置24.1−24.8が見られ、それらは典型的に、弁輪形成リング11をその組織アンカー位置24.1−24.8によって、僧帽弁輪13に移植された組織アンカー15.1−15.8に位置決めして、固定するために、使用される。
弁輪形成リング11における組織アンカー15.1の第1の位置24.1は、上面で見て、後方のセクション21に対する前方のセクション20の左の境界を特徴づけるマーカー22.1に配置されている。組織アンカー15.3の第3の位置24.3は、後方のセクション21に対する前方のセクション20の右の境界をマークするマーカー22.2に配置されている。組織アンカー15.2の第2の位置24.2は、弁輪形成リング11の比較的まっすぐな前方のセクション20内で第1の位置24.1と第3の位置24.3の間にあり、組織アンカー15.4から15.6の他の位置24.4から24.6は、湾曲した後方のセクション21の領域内に配置されている。後方のセクション21は成形されており、かつ、一般的に後方の小葉17の領域内の僧帽弁輪13の変化した形状に従う。組織アンカー15.4から15.8は、その上に固定された弁輪形成リング11が僧帽弁輪13の形状を支持するように、移植されている。同じことが、僧帽弁輪13の回りに配置された組織アンカー15.1−15.6の組織アンカー位置24'.1−24’.6についても、言える。組織アンカー15.1の第1の位置24'.1は僧帽弁輪13において、上面で見て、後方のセクション21に対する前方のセクション20の左の境界にあって、そこで前方の小葉16が後方の小葉17と出合う。同じことが、第4の組織アンカー位置24'.3にも当てはまり、その位置は後方のセクション21に対する前方のセクション20の右の境界に位置し、そこで前方の小葉16が後方の小葉17と出合う。組織アンカー15.2の第2の位置24'.2は、僧帽弁輪13の前方の小葉16の領域内で第1の位置24'.1と第3の位置24'.3の間に配置されており、組織アンカー15.4から15.6の他の位置24'.4から24’.6は、僧帽弁輪13の後方の小葉17の領域内に位置する。
組織アンカー位置24'.1−24’.6及びその互いに対する間隔は、僧帽弁輪13における組織アンカー15.1−15.5について、時計方向の時間的記載を用いて示すこともできる。たとえば12:00時に組織アンカー位置24’.2、そして14:00時と22:00時に2つの組織アンカー位置24’.1と24’.3を配置することができ、それらが僧帽弁輪13の前方のセクション20を画成する。16:00時、18:00時及び20:00時には、僧帽弁輪13の後方のセクション21のための組織アンカー位置24’.4−24'.6が配置されている。したがって画像的に言って、組織アンカー15.1−15.6の間隔は、2hである。そこから明らかなように、付加的な組織アンカー15は、特に後方のセクション21と僧帽弁輪13のサドル領域内で、たとえば図2に示すように、それぞれ正時17:00時と19:00時に移植することができる。画像的に見て、もちろん他の時間間隔も可能であって、そこから組織アンカー15の間の他の角度間隔が生じる。
僧帽弁輪13の幾何学配置に基づいて、組織アンカー15.1−15.6は僧帽弁輪13に、弁輪形成リング11が僧帽弁輪13の非対称の開口部を模倣することもできるように、移植することもできる。すなわち弁輪形成リング11の形状は、多数のファクターに基づいて変更することができる。図2と4aは、多くの可能な実施形態の2つを例として示している。他の組織アンカー15の移植によって、弁輪形成リング11の形状を調節することができる。組織アンカー15のための位置24の間隔も、変化させることができる。したがって僧帽弁輪13における組織アンカー15の位置決めは、特に重要である。したがって、移植された組織アンカー15上に固定された弁輪形成リング11は、機能的な僧帽弁逆流の問題を是正する。というのは、弁輪形成リング11が移植された組織アンカー15と共に、取り巻いている心臓筋肉組織47へ引張り力を及ぼすからである。原則的に、患者が僧帽弁輪13に解剖学的畸形を有する場合に、初めから非対称の弁輪形成リング11を使用することができる。ここで使用される弁輪形成リング11の材料は、手による変形を可能にするが、それが移植されてノーマルな生理学的応力を受けるとすぐに、僧帽弁輪13におけるそれ以上の変形に耐えるために、充分に硬い。
弁輪形成リング11の外側の層42は、組織アンカー糸33を挿通させることを許すために、充分に多孔かつ/又はフレキシブルでなければならない。内側の層43は、僧帽弁輪13の周囲を減少させるように、考えられている。それは、拍動サイクルの間心臓3の筋肉組織47から伝えられる応力に対して、後方のセクション21におけるその後方の曲がりを維持しなければならない。この種の内側の層43の材料については、説明内にすでに例として記述されている。図4aに基づく同様な参照符号が、以降の図において引き継がれる。
図4bは、組織アンカー15.1とリングボディ27を有する、図4aのセクションXを、たとえばすべての組織アンカー15.1−15.6について、横断面で図式的に示している。組織アンカー15.1は、特に螺旋形状のコイルねじ30.1からなり、そのコイルねじが組織アンカー15.1の遠位の端部36を形成し、組織アンカー15.1の近位の端部37に、組織アンカー糸33.1の自由端部に、ニードル34が配置されている。組織アンカー15.1の螺旋ねじ30.1は、支持体ディスク38内に固定されており、その螺旋ねじは、遠位の端部36の方向において、支持体ディスク38から出ている。さらに支持体ディスク38は、組織アンカー糸33.1のためのホルダであって、その組織アンカー糸は螺旋ねじ30.1の対向する側において支持体ディスク38から出ている。他の形態において、組織アンカー糸33.1は組織アンカー15.1に固定されており、かつ支持体ディスク38は糸33.1とアンカー15.1の共通の固定箇所46に位置している。支持体ディスク38は、僧帽弁輪13のための添接箇所40と、リングボディ27のための添接箇所41とを有している。2つの添接箇所40、41は、2つの添接面I、II 44、45を有している。第1の添接面I44は、螺合する際に組織アンカー15にとって組織47におけるストッパとして用いられ、他のストッパ面II45は、リングボディ27にとってストッパとして用いられる。支持体ディスク38の直径は、心臓筋肉組織47内へ組織アンカー15が深くねじ込まれ過ぎるのが回避されるように、設計されている。すべての組織15.1−15.6(図4aを参照)が心臓筋肉組織47内へ僧帽弁輪13を取り巻くように移植されている場合に、もっとも近いものとして、弁輪形成リング11のリングボディ27が組織アンカー15.1−15.6の支持体ディスク38上に位置決めされている。リングボディ27を組織アンカー15.1の支持体ディスク38上に固定するために、固定手段25が使用される。組織アンカー15.1の少なくとも1つの組織アンカー糸33.1が、少なくとも固定手段25によって弁輪形成リング11に固定される。固定手段は、好ましくはクリップ手段35からなることができる。クリップ手段35は、胸郭1の外部において組織アンカー糸33.1上へ移動される。このプロセスは、クリップ手段35の開口部を通して案内されるニードル34を用いて行われる。外科用器具(図示せず)がクリップ手段35をリングボディ27まで送り、かつリングボディ27をそれ自体と支持体ディスク38との間に挟持する。クリップ手段35は、組織アンカー糸15.1をその開口部内に永続的に挟持することができるように、考えられている。たとえばクリップ手段35は、2つの構成要素からなることができ、それらが相互に作用し、かつ組織アンカー糸15.1へクリップ効果をもたらす。好ましくはクリップ部材35は、皿ばねからなることができ、その皿ばねは組織アンカー糸33.1上で比較的容易に前庭12内へ挿入することができ、かつリングボディ27の固定の場所において導入方向とは逆の締めつけを発生させる。クリップ手段35と組織アンカー15.1の支持体ディスク38との間に位置決めされているリングボディ27は、内側の層43と外側の層42を有している。組織アンカー糸33.1は、内側の層43を傷つけないようにするために、リングボディ27の外側の層42を通して案内される。前庭12内への弁輪形成リング11の導入は、図6から読み取ることができる。すべてのクリップ手段35がリングボディ27上に位置決めされた後に、組織アンカー糸33.1−33.6が切断されて、心臓3の前庭12から除去される。この図4bに基づく同様な参照符号が、以降の図において引き継がれる。
図5に図式的かつ原理的な表示で示される心臓3は、図1に示すように、その長手軸を中心に回動されて左の胸腔8内にあるので、右の心臓半体は前方の胸壁により多く添接し、左の心臓半体はどちらかと言うと下方を向いている。僧坊弁インプラント、特に弁輪形成リング11が提供され、それは、最少侵襲性の外科的方法を適用しながら、患者の拍動する心臓3において、既知の外科用器具、特に套管針50を用いて右の胸郭領域5を介して心臓3の左心房12内へ挿入して、そこに係止することができる。
したがって、左心房12を伴った左心室48と、心臓組織47を通って左心房12内に達して僧帽弁14に至るアクセス49と、が示されている。アクセス49は、示唆される套管針50と種々の外科用器具51.1−51.5を介して行われる。患者の拍動する心臓3に、僧帽弁輪13の最少侵襲性の修復を適用しながら僧帽弁移植するための種々の外科用器具について、以下で説明する。外科用器具は、たとえば外側のパイプスライダI51.1、特に内側のパイプスライダII51.2を案内するための腔を有するアクセスカニューレからなる。他の外科用器具は、組織アンカー15を案内し、かつねじ込むための腔を有する第1の内側のパイプスライダII51.2からなる。さらに他の外科用器具は、弁輪形成リング11を案内するための腔を有する第2の内側のパイプスライダIII51.3からなる。そして第3の内側のパイプスライダIV51.4は、組織アンカー糸33.1−33.6を案内し、かつパイプスライダIII51.3から弁輪形成リング11を押し出すための腔を有する外科用器具である。第4の内側のパイプスライダV51.5は、同様に、固定手段25、特にクリップ手段35を案内するための腔を有する外科用器具であって、固定手段は弁輪形成リング11を固定するために組織アンカー糸33.1に沿って案内される。
左心室52が、流入路と流出路に分割される。その室は、僧帽弁14によって前庭12から分離されている。僧坊弁14は、腱索(Chordae tendineae)53によって乳頭筋54と結合されており、その乳頭筋は室壁55から出ており、かつ、僧帽弁14が弁閉鎖19の際に、かつ左チャンバ52の収縮相(心臓収縮)の間、左心房12内へあまりに激しく打ち返すことがないようにしている。
僧帽弁(Mitral Valve)は、4つの機能的なコンポーネントからなる。前方の小葉16(cupis anterior)、後方の小葉17(cupis pasterior)及び僧帽弁リング13(Mitral Valve Annulus)内の小葉16、17の懸架部からなる、2つの小葉16、18。明細書内では僧坊弁輪13とも称される筋肉組織からなる、僧帽弁リング13、小葉16、17を乳頭筋54(Papillary Muscles)に移動可能に固定する腱索53(Chordae tendineae)及び心筋層47から内側へ折り返された乳頭筋54自体。各個々のコンポーネントを再構築するために、様々なインプラント、外科用器具及び/又は手術方法が提供される。この場合においては、僧坊弁逆流とその是正が考慮される。
そのために左心房12内で、僧坊弁輪13を取り巻く領域内に組織アンカー15.1−15.5が挿入される。心臓3は、断面表示で示されているので、図2に基づくすべての可能な移植された組織アンカー15.1−15.8をここで示すことはできない。というのは、僧坊弁輪13の周の一部のみが示されているからである。図示される組織アンカー15.1−15.5が、すべての移植された組織アンカー15.1−15.5を代表している。僧帽弁輪13の回りに移植された組織アンカー15.1−15.5は、所定の間隔で配置されている。組織アンカー15.1−15.5の互いに対する間隔は、たとえば僧帽弁輪13の後方のセクション21のサドル領域内では、他の間隔に対して変化することができる。さらに、組織アンカー15.1−15.5は、遠位の端部36に係止部材56を有しており、その場合に係止部材56は、コルクスクリュー状の螺旋ねじ30.1−30.5からなる。螺旋ねじ30.1−30.5は、遠位の端部36と近位の端部37を有しており、その場合に螺旋ねじ30.1−30.5の近位の端部37は、組織アンカー糸33.1−33.5と結合されている。弁輪形成リング11を固定するための他の係止手段の使用は、既知の従来技術から考えられる。ねじ込まれた螺旋ねじ30.1−30.5は、心臓筋肉組織47内で僧帽弁輪13の領域内にある。さらに、近位の端部37に位置する組織アンカー15.1−15.5は、支持体ディスク38と組織アンカー糸33.1−33.5とを有しており、それらの組織アンカー糸は組織アンカー15.1−15.5に固定されている;これについては図4bを参照。組織アンカー糸33.1−33.5は、スリーブ51を通して胸郭1から出て他の使用へ案内され、さらに螺旋ねじ30.1−30.5と結合されている。組織アンカー糸33.1−33.5の他の使用は、図6の説明から明らかにされる。先行する図1−4に基づく同様な参照符号が、この図において引き継がれている。
図6の図式的な表示から、弁輪形成リング11の供給構造57を読み取ることができる。供給構造57を達成するために、前庭12からの組織アンカー15.1−15.5に由来する組織アンカー糸33.1−33.5は、胸郭1の外部で弁輪形成リング11におけるあらかじめ定められた位置24.1−24.5に案内される。最初に、その自由端部にそれぞれニードル34を有する個々の組織アンカー糸33.1−33.5が、まだその初期形状58を有する、弁輪形成リング11の外側の層42のファイバーリングを通して案内される。組織アンカー糸33.1−33.5を弁輪形成リング11を通して案内することができるようにするためには、前もって、どの組織アンカー糸33.1−33.5が該当し、かつどの箇所において組織アンカー糸33.1−33.5が弁輪形成リング11に挿通されるのかを、知っていることが必要である。この認識は、弁輪形成リング11が種々のセクション20、21、前方の小葉16に配置された前方のセクション20と、後方の小葉17に配置された後方のセクション21を有しているので、必要である;図2を参照。僧坊弁輪13も同様にこれらのセクション20、21を有している。弁輪形成リング11は僧坊弁輪13において、そのセクション20、21が互いに重なり合うように、位置決めされる。セクション20、21に沿って、僧帽弁輪13の回りで、組織アンカー15.1−15.5が所定の間隔で配置されている。しかし間隔は、不規則であってもよい。したがって胸郭1の外部に位置する組織アンカー糸33.1−33.5がどの組織アンカー15.1−15.5から来て、この組織アンカー15.1−15.5がどの位置24'.1−24’−5において僧帽弁輪13に移植されるか、が問われる。したがってこの問いに答えることができるようにするために、組織アンカー糸33.1−33.5は適切な特徴を有する。特徴から一義的に、どの位置24'.1−24’.5において.組織アンカー15.1−15.5が僧帽弁輪13に位置決めされているか、が明らかである。
したがって弁輪形成リング11に組織アンカー糸34を位置決めするためには、組織アンカー15.1−15.5が僧帽弁輪13に位置決めされている、その同じ位置24.1−24.5を利用することが、必要である。したがって上面で見て、移植すべき弁輪形成リング11は、組織アンカー15.1−15.5に対する位置決めに関して、僧帽弁輪13の画像構造と同じ画像構造を有している。第1の組織アンカー15.1が第1の位置24’.1上に、たとえば僧帽弁輪13の湾曲したセクション21とまっすぐなセクション20の間の左の移行部にある場合、この組織アンカー15.1に属する組織アンカー糸33.1は、索引番号1を支持する。すなわちそれは、索引番号1が僧帽弁輪13における組織アンカー15.1の位置24’.1であることを表す。しかしこれは、組織アンカー15.1の組織アンカー糸33.1が弁輪形成リング11内の対応する位置に案内されなければならないことも、意味している。すなわち弁輪形成リング11を僧帽弁輪13における組織アンカー15.1−15.5上に正しい形状で位置決めすることができるようにするためには、索引番号1を有する組織アンカー糸33.1と組織アンカー15.1の位置24’.1に、弁輪形成リング11における位置24.1を対応づけ、かつこの箇所において外側の層42の組織を通して案内することが、必要である。弁輪形成リング11における位置24.1は、同様に、弁輪形成リング1の湾曲したセクション21とまっすぐなセクション20の間の左の移行部における第1の位置24.1に相当する。弁輪形成リング11における第1の位置24.1は、移植された組織アンカー15.1の第1の位置24’.1と関連する。同じことが、組織アンカー15.2−15.5によって準備され、かつ該当する位置24.2−25.2において弁輪形成リング11の組織42を通して引っ張られる、他の組織アンカー糸33.2−33.5についても、当てはまる。すなわち移植された組織アンカー15.2の組織アンカー糸33.2は、索引番号2を有し、かつ僧帽弁輪13における位置24'.2に配置されている。この組織アンカー糸33.2は、弁輪形成リング11の位置24.2に案内され、その場合に僧帽弁輪13における位置24’.2は、ここでも弁輪形成リング11における位置24.2と等しい、等々。
それによって、弁輪形成リング11の形状も僧帽弁輪13の形状に適合させて挿入して、組織アンカー15.1−15.5上に固定できることが、保証されている。弁輪形成リング11における、それぞれ組織アンカー糸33.1−33.5を引っ張ることができる位置24.1−24.5において、たとえば弁輪形成リング11上に位置マーカー22.1、22.2をすでにつけておくことができる。また、弁輪形成リング11の外側の層42内の組織アンカー糸33.1−33.5用の位置に、すでにニードル34用の透孔を設けておくことも、考えられる。これらの透孔は、組織アンカー糸33.1−33.5の挿通を容易にし、かつリングボディ27の外側の層42の可能な損傷を回避する。
弁輪形成リング11が、組織アンカー15.1−15.5によって準備されるすべての組織アンカー糸33.1−33.5上に引き上げられている場合に、この弁輪形成リングは組織アンカー糸33.1−33.5上で収容する外科用器具51まで送られて、圧縮される。この状態において、弁輪形成リング11は今やその供給構造57に達しており、それによって套管針50内で案内されるスリーブ51内へ導入することができる。この段階において、組織アンカー糸33.1−33.5は、弁輪形成リング11のためのガイド手段として用いられる。套管針を通して案内されるスリーブ51が、心臓3の左心房12内まで達する。その後、他の外科用器具によって、弁輪形成リング11が組織アンカー糸33.1−33.5に沿ってスリーブ51を通して前庭12内へ送られる。組織アンカー糸33.1−33.5の自由端部は、なお、ボディ1の外部に残留している。弁輪形成リング11がスリーブ51から完全に出て、左心房12内へ入った場合に、弁輪形成リングはその供給構造57からその元の初期形状58へ膨張する。元の初期形状58は、好ましくは図2と4aに示すように、開放された構成に相当し、その場合に弁輪形成リング11は常にまだ組織アンカー15.1−15.5の組織アンカー糸33.1−33.5によって案内される。組織アンカー糸33.1−33.5に沿って弁輪形成リング11は、組織アンカー15.1−15.5の端部に配置されている支持体ディスク38上へ移動されて、そこに位置決めされる。今や弁輪形成リング11は、上述したように、僧帽弁輪13に対して正しい形状で、図4bに示すように、組織アンカー15.1−15.5上に固定される。弁輪形成リング11を固定するために、組織アンカー糸33.1−33.5には、クリップ手段35が設けられている;図4bを参照。先行する図1−5に基づく同様な参照符号が、この図においても引き継がれている。
図7は、僧帽弁輪13に移植された装置10を図式的な表示で示しており、装置は特に弁輪形成リング11の形状の、僧帽弁インプラントからなり、その弁輪形成リングは原理的に3つの部材を有している。第1の部材は係止部材56であって、その係止部材は、螺旋ねじ30、支持体ディスク38及び組織アンカー糸38を有する組織アンカー15として形成されており、かつ心臓筋肉組織47内に弁輪形成リング11を固定する。係止部材56は、図7においては見やすくするために示されていないが、図4bに詳細に示されている。第2の部材は、インプラントとしての弁輪形成リング11であって、内側の層43と外側の層42を有し、その場合に外側の層42が組織アンカー糸33を収容し、その組織アンカー糸が組織アンカー15への結合を形成する。
第3の部材が固定手段25を形成し、その固定手段はクリップ手段35からなり、かつ組織アンカー糸33に沿って案内されている。クリップ手段35は、組織アンカー糸33を用いて自らと支持体ディスク38との間に弁輪形成リング11を挟持する。閉鎖するために、さらに組織アンカー糸33.1−33.8が切断され、特に外科用器具50、51によって前庭12から除去されて、心臓3へのアクセス49が閉鎖される。
弁輪形成リング11内の組織アンカー位置24.1−24.5は、僧帽弁輪13における組織アンカー位置24'.1−24’.5と共に同じ長手軸39上に位置し、したがって互いに等しく、それによって僧坊弁輪13における組織アンカー位置24’.1の組織アンカー糸33.1は、弁輪形成リング11内の同じ組織アンカー位置24.1に相当する。したがって弁輪形成リング11は、僧帽弁逆流を是正するために正しい形状で移植されている。先行する図1−6に基づく同様な参照符号が、この図において引き継がれている。
1 胸郭
2 アクセス
3 心臓
4 胸郭開口部
5 右側(v.1)
6 肋骨空間
7 傷拡張器
8 左の胸腔
9 解剖学的開口部
10 装置
11 弁輪形成リング
12 心房
13 僧帽弁輪
14 僧帽弁
15.1−15.6 組織アンカー
16 前方の小葉(v.14)
17 後方の小葉(v.14)
18 間隙(v.14)
19 弁(v.14)
20 前方のセクション(v.13)
21 後方のセクション(v.13)
22.1−22.2 マーカー(v.11)
23 糸ループ
24.1−24.8 組織アンカー位置(v.11)
24’.1−24’.8 組織アンカー位置(v.13)
25 固定手段
25a−26c セグメント
27 リングボディ
28 自由端部
29.1−29.4 回転ジョイント
30.1−30.6 螺旋ねじ
31 前方の側(v.13)
32 後方の側(v.13)
33.1−33.6 組織アンカー糸
34 ニードル(v.15、33)
35 クリップ手段
36 遠位の端部(v.15)
37 近位の端部(v.15)
38 支持体ディスク(v.15)
39 長手軸(v.24、24')
40 添接側(v.13)
41 添接側(v.27)
42 外側の層(v.11、27)
43 内側の層(v.11、27)
44 添接面I(v.38)
45 添接面II(v.38)
46 固定箇所
47 組織(v.3)
48 左心室(Linke Herzkammer)
49 アクセス(3へ)
50 套管針
51 器具
52 左心室(Linker Ventrikel)
53 腱索
54 乳頭筋
55 室壁
56 係止部材
57 供給構造
58 初期形状

Claims (8)

  1. 解剖学的開口部(9)又は他の腔内の形状と大きさを調節するために、患者の拍動する心臓(3)に最少侵襲性の外科学によって移植するための装置(10)であって、弁輪形成リング(11)を有し、弁輪形成リング(11)が、
    −少なくとも1つの組織アンカー(15)を有し、
    −弁輪形成リング(11)が所定の大きさに圧縮されて、左心房(12)内へ導入可能な、供給構造(57)と、開放された構造(X)との間で変形可能であって、前記開放された構造内で弁輪形成リング(11)が、解剖学的開口部(9)を調節するために、その元の初期形状(58)へ膨張し、かつそこに固定可能であって、
    −一般的にリング状の形状を有し、その形状が安定化のための内側の層と少なくとも1つの外側の包囲する層とを有し、その外側の層を通して少なくとも1つの人工的な糸(33)が引っ張られ、かつ
    −面取りされたリングボディ(27)を有し、前記面取りされたリングボディ(27)が、
    −前方のセクション(20)を有し、前記前方のセクションが前方の小葉(16)の僧帽弁輪(3)の前方の側(31)のための組織アンカー位置(24)を有し、かつ
    −後方のセクション(21)を有し、前記後方のセクションが後方の小葉(17)の僧帽弁輪(13)の後方の側(32)のための組織アンカー位置(24)を有し、前記後方のセクションが、弁輪形成リング(11)の組織アンカー位置(24)に少なくとも1つの組織アンカー(15)からの少なくとも1つの組織アンカー糸(33)を有し、
    組織アンカー(15)が僧帽弁輪(13)の回りに配置可能であって、かつ僧帽弁輪(13)に移植された各僧帽弁輪(13)が、弁輪形成リング(11)を組織アンカー(15)に位置決めするために、組織アンカー糸(33)を有している、
    装置。
  2. 弁輪形成リング(11)内の組織アンカー位置(24)が僧帽弁輪(13)における組織アンカー位置(24')と共に同一の長手軸(39)上に位置し、したがって互いに等しく、それによって僧帽弁輪(13)における組織アンカー位置(24')の組織アンカー糸(33)が、弁輪形成リング(11)内の同じ組織アンカー位置(24)に相当する、ことを特徴とする請求項1に記載の装置(10)。
  3. 組織アンカー(15)の少なくとも1つの組織アンカー糸(33)が、少なくとも1つの固定手段(25)によって弁輪形成リング(11)に固定されており、固定手段(25)がクリップ手段(35)を有している、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装置(10)。
  4. 組織アンカー(15)が支持体ディスク(38)、螺旋ねじ(30)及び組織アンカー糸(33)を有し、前記組織アンカー糸の自由端部にニードル(34)が配置されており、螺旋ねじ(30)と組織アンカー糸(33)が支持体ディスク(38)と結合されており、かつ螺旋ねじ(30)が遠位の端部(36)へ向かう側において、組織アンカー糸(33)が近位の端部(37)へ向かう逆の側において、支持体ディスク(38)から出ている、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の装置(10)。
  5. 支持体ディスク(38)が、僧帽弁輪(13)に対する添接側(40)と、リングボディ(27)に対する添接側(41)とを有している、ことを特徴とする請求項4に記載の装置(10)。
  6. 添接側(40)が添接面I(44)を有し、前記添接面Iが組織アンカー(15)にとって螺合する際に組織(47)におけるストッパとして用いられ、添接側(41)が添接面II(45)を有し、前記添接面IIがリングボディ(27)にとってストッパとして用いられる、ことを特徴とする請求項4に記載の装置(10)。
  7. 患者の拍動する心臓(1)において僧帽弁輪(13)を最少侵襲修復する僧帽弁インプラントシステムであって、
    −内側のパイプスライダII(51.2)を案内するための内径を備えた外側のパイプスライダI(51.1)を有し、
    −組織アンカー(15)を案内してねじ込むための内径を備えた第1の内側のパイプスライダII(51.2)を有し、
    −弁輪形成リング(11)を案内するための内径を備えた第2の内側のパイプスライダIII(51.3)を有し、
    −組織アンカー糸(33.1−33.6)を収容し、かつパイプスライダIII(51.3)から弁輪形成リング(11)を滑り出させるための内径を備えた第3の内側のパイプスライダIV(51.4)を有し、
    −弁輪形成リング(11)を固定するために、組織アンカー糸(33.1)に沿って固定手段(25)を案内するための内径を備えた第4の内側のパイプスライダV(51.5)を有し、かつ
    −請求項1から6のいずれか1項に記載の装置(10)を有する、
    僧帽弁インプラントシステム。
  8. 組織アンカー(15)の少なくとも1つの組織アンカー糸(33)が、少なくとも1つの固定手段(25)によって弁輪形成リング(11)に固定されており、固定手段(25)がクリップ手段(35)を有している、ことを特徴とする請求項7に記載の僧帽弁インプラントシステム。
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