JP2020510613A - シクロデキストリンを唯一の活性物質として含む眼用組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ヒトの眼の外面に局所適用されるシクロデキストリを含む医薬製剤に関し、好ましくは液体としての医薬製剤に関する。その製剤は、後眼部にシクロデキストリンを提供することができ、従って後眼部におけるドルーゼンを除去しおよび他の関連症状を治療するのに有効であることが示されている。眼の外面に局所適用したとしても、シクロデキストリンを後眼部、特に網膜に送達する能力により、その製剤を、ウェット型またはドライ型の加齢黄斑変性などのヒトの眼の加齢変性に関連するいくつかの関連症状に用いることができる。

Description

本発明は、ヒトの眼の外面に局所適用されるシクロデキストリを含む医薬製剤に関し、好ましくは液体としての医薬製剤に関する。その製剤は、後眼部にシクロデキストリンを提供することができ、従って後眼部におけるドルーゼンを除去しおよび他の関連症状を治療するのに有効であることが示されている。眼の外面に局所適用したとしても、シクロデキストリンを後眼部、特に網膜に送達する能力により、その製剤を、ウェット型またはドライ型の加齢黄斑変性などのヒトの眼の加齢変性に関連するいくつかの関連症状に用いることができる。
ヒトの眼
眼の周囲の壁は、3つの別個の層から構成される。第1の層は、表面層と呼ばれ、強靭なコラーゲンで構成されている。それは強膜および角膜の両方として眼の正面に見られる。中間層は、眼球血管膜と呼ばれ、虹彩、毛様体および脈絡膜を含む。虹彩は、瞳孔の周りの有色部分である。本質的に、輪状筋線維である虹彩は眼に入る光の量を調節する。明るさに応じて、非自発的な筋肉の弛緩または伸張が、薄暗いときには眼により多くの光を入れ、また明るいときにはより少ない光を入れる。脈絡膜は、酸素および他の栄養素を網膜の近くの外側部分に運ぶ血管を有する。瞳孔および虹彩の後方に位置する水晶体は、第3の層と称される薄い感光性の網膜に光の焦点を合わせる。毛様体にある筋肉により、様々な距離にある物体に焦点を合わせるために水晶体がその形状を変化させることが可能となる。視覚色素分子の助けを借りて我々が見ることを可能にする特殊化細胞である錐体および杆体が網膜の10の層の1つの中に位置する。錐体は、鮮明で識別力のある視覚および色覚を担い、比較的明るい光で最良に機能する。約700万の錐体が各眼の中にあり、それら錐体は中心窩に密集しているが、網膜の周辺に向かって急速に数が減少する。杆体は、錐体よりも少ない光で機能することができ、主に周辺視野で用いられる。約1億5000万の杆体が各眼の中にあり、それら杆体は網膜を通して一様に分布する。角膜は、涙液と接触する上皮、内部の支質(固有質)、および内皮の3層からなる。親油性の重層上皮はイオン輸送のバリアとして機能する。上皮にある密着結合は大きな分子が傍細胞経路を介して拡散するのを防ぐが、一部の小分子が吸収されるのを選択的に可能にする。支質は高親水性層であり、角膜の90%を構成する。内皮は角膜の水分補給を維持する。毛様体上皮は、通常は虹彩と角膜との間に見られる房水を作り、その房水は水溶性栄養素を水晶体に提供し、水晶体から老廃物を運び去り、シュレム管に流れ込む。水晶体の奥にある透明でゲル状の硝子体液は、眼球後部の2/3を支持および満たし、成人で約4mlの体積を有する。ほぼ完全にグルコース、ヒアルロン酸、コラーゲン線維、無機塩およびアスコルビン酸を有する水から構成され、水晶体を通り抜ける光のための通路として働き、眼球の形を保つ。
ヒトの眼の後眼部の疾患
ヒトの眼の後方部分を冒す主な疾患は:ドライ型または新生血管加齢黄斑変性[AMD]、糖尿病性網膜症[DR]、糖尿病性黄斑浮腫[DMO]、網膜静脈閉塞症、増殖性硝子体網膜症[PVR]、遺伝性網膜疾患、ぶどう膜炎、および新生血管形成、または他の状態による黄斑浮腫である。これら疾患は、視力低下を防ぐために注意が必要である。後眼部の疾患は、薬物送達に対する独特な解剖学的、生理学的および生化学的バリアを示す。それにより、点眼剤、軟膏および懸濁液などの従来の剤形が任意の薬物を必要な濃度でこれら領域に送達することに失敗している。
従って、ヒトの眼の組織を用いてin vitroでシクロデキストリンの効果を示す先行技術文献の開示はいずれも、興味深いものではあるが、シクロデキストリンが有効となるためにどのようにヒトの眼の後眼部に到達できるかについて開示していない。
従って、後眼部の疾患を治療するための一般的なアプローチとして、限定はされないが、全身および硝子体内注射、ならびに眼の中への埋め込みが挙げられる。全身的な薬物送達は、不十分な網膜濃度をもたらし、また全身的な有害作用を引き起こす。硝子体内投与は、高濃度の薬物を網膜に送達するが、眼圧の上昇、出血、白内障形成、および眼内炎のような固有の起こりうる副作用は、それが、問題がないわけではない治療経路であることを意味する。注射手法は、治療を受けるために専門のクリニックまたは病院への来院を必要とする。多くの網膜疾患の慢性的性質により、複数回注射を必要とし、それは硝子体出血、網膜剥離、感染および白内障の進行のリスク、ならびに高額な治療費に関連する。徐放性インプラント(または埋め込み)は、硝子体内注射に関連する不都合の一部を克服した;しかしながら、他のリスクが高められる場合があり、また外科的処置および薬物析出のリスクが望ましくない作用をもたらし得る。硝子体内使用のための徐放性インプラントで使用される最近の薬物は、デキサメタゾン(Ozurdex)およびフルオシノロンアセトニド(Iluvien)である。下記製品が溶液として硝子体内注射により投与される。

・ ベバシズマブ(Avastin)、1.25mg/0.05ml
・ ラニビズマブ(Lucentis)、0.5mg/0.05ml
・ トリアムシノロンアセトニド(Kenalog)、4mg/mlを0.1cc
(Triesence/Trivarisは眼内用途に関してFDAで承認されているアルコール不含製剤である)
・ ガンシクロビル、硝子体内、4mg/0.1mL−0.05mL中の2mgを投与
(CMV網膜炎のために週2回、導入のために14日間)
・ ホスカルネット、硝子体内、2.4mg/0.1ml−0.05mL中の1.2mgを投与
・ シドフォビル−20μg
・ ホミビルセン−330μg
・ メトトレキサート−400μg
・ バンコマイシン、1mg/0.1ml
・ セフタジジム、2.25mg/0.1ml
・ アミカシン、0.4mg/0.1ml
・ アムホテリシンB;5μg/0.1mL
・ ボリコナゾール−50〜100μg/0.1mL
・ デキサメタゾン、0.4mg/0.1ml
眼内に安全に注射できる体積は制限される。典型的に、実現可能と考えられる最大量は、液剤の場合0.1mlまでである。これは、そのような少量の水への薬物の溶解性に応じて、注射される薬物の量に制約を加える。同様に、任意のインプラントの体積も制約される。これら経路は、手術室の時間および熟練のスタッフを必要とし、また上記のような固有のリスクを有する。
ヒト網膜の疾患
加齢黄斑変性(AMD)は、高齢者での失明の主な原因であり、その発生率は65歳の成人で約20%であり、それが75歳以上の個体では37%まで上昇する。非滲出(ドライ)型AMDは、ドルーゼン蓄積、ならびに網膜外層における杆体および錐体の光受容細胞、網膜色素上皮(RPE)、ブルッフ膜および脈絡毛細管の萎縮により特徴づけられる。新生血管(ウェット型)AMDは、脈絡膜新生血管形成のせいで生じる。AMDなどの網膜変性疾患の病因は多面的であり、正常個体又は遺伝的要素のある個体において環境要因により誘発され得る。今日まで、様々な網膜外層変性に関連し得る100を超える遺伝子がマッピングまたはクローン化されている。
初期の黄斑変性は、一部の眼では抗酸化剤または抗炎症剤の組合せを用いて遅延されることが示されている。AREDS製剤(加齢性眼疾患研究(Age−Related Disease Study))があり、そこで研究者は、500mgのビタミンC;400国際単位のビタミンE;15mgのβ−カロテン(しばしば25,000国際単位のビタミンAに相当するとして表示される);酸化亜鉛として80mgの亜鉛;および酸化銅として2mgの銅の経口補給を使用する。高レベルの亜鉛摂取に関連する症状である銅欠乏性貧血を予防するために、亜鉛を含有するAREDS製剤に銅を添加した。AREDSはAMDを遅延させる効果を有することが分かった。それは、高リスクの人々における進行したAMDの割合を6年間にわたり約25%低下させた。AMDおよび白内障の治療用の高用量の黄斑キサントフィル(ルテインおよびゼアキサンチン)および/またはオメガ3 LCPUFA(DHAおよびEPA)の経口補給である新たな製剤AREDS2製剤(www.areds2.org.を参照のこと)も検討された。AREDS2試験において、DHA/EPAまたはルテイン/ゼアキサンチンを元のAREDS製剤(β−カロテンを含む)に添加しても、進行AMDのリスクに対する付加的な全体効果はなかった。しかしながら、ルテイン/ゼアキサンチンを含有しかつβ−カロテンを含まないAREDSを摂取した試験参加者は、β−カロテンを含むAREDSを摂取した参加者と比較して、進行AMDのリスクがわずかに低下した。また、彼らの食事に極低レベルのルテイン/ゼアキサンチンを含む参加者の部分集団に関して、AREDS製剤へのこれら補助栄養の添加は、彼らの進行AMDのリスクを低下させるのを助けた。最後に、β−カロテンを含むAREDSを摂取した元喫煙者は、肺がんのより高い発生率を有していた。試験担当者は、β−カロテンを除去したまたは亜鉛を低減したときに製剤の有効性に有意差はないと考えた。
重篤な視力低下につながる進行段階の黄斑変性は、網膜下腔からの膜の外科的除去、レーザー光凝固術、光線力学的療法により、あるいは現在より一般的には、滲出型AMDを有する患者において、VEGF遮断薬(アフリベルセプト、ラニビズマブおよびベバシズマブ)を用いて、治療することができる。地図状萎縮としても知られている進行形態のドライ型AMDのために現在承認されている認可治療法はない。レーザー治療は糖尿病性網膜症の治療にも用いられる。網膜のレーザー光凝固術および網膜下膜または硝子体内膜の外科的切除の両方が、生存網膜神経細胞の破壊をもたらすことに注意することは重要である。
AMDまたはヒトの眼の後眼部の任意の疾患の治療/予防のための承認された局所治療は現在ない。
ドルーゼンは、網膜内における脂質およびタンパク質プラス他の老廃物の臨床的に視認可能な堆積である。それらは、黄斑変性の初期の兆候であり、予後値を有する。その疾患の顕著な特徴は、網膜色素上皮およびブルッフ膜の上、内部、またはそれらの間での細胞外物質(ドルーゼン)の蓄積により生じる。研究は、網膜色素上皮(RPE)基底膜とブルッフ膜の内側コラーゲン層との間における細胞外沈着物としてドルーゼンおよび網状偽ドルーゼン(reticular pseudodrusen)が形成することを示している。それらは、RPE単層の引き伸ばしを生じさせ、直近の血管供給を行う脈絡毛細管からRPEを物理的に移動させる。この移動によりおそらく、脈絡毛細管と神経網膜との間の正常な代謝物および老廃物の拡散を妨げうる物理的バリアが作られる。このパラダイムにおいて、細胞老廃物はRPE近くで濃縮され、網膜外層およびRPEの健康状態を維持するのに必要な酸素、グルコース、およびその他の栄養または血清関連制御分子の拡散が阻害される。従って、老廃物質の継続した蓄積につながる。ドルーゼンは、杆体および錐体に圧力をかけ、および/または光受容細胞の整列をゆがめることにより、光受容細胞の機能を混乱させることも示唆されている。
ドルーゼン沈着物は、ドライ型AMDの発症に重要なリスク因子であることが示されている。実際に、ドライ型AMDの根底にある原因は、ドルーゼン沈着物に関連すると考えられる。ドルーゼン沈着物は、全身、脈絡毛細管および網膜を供給源とするタンパク質および脂質(すなわち、リン脂質、中性脂質、セレブロシド、ガングリオシド、多数の他のタンパク質など)から構成されることが分かっている。何らかの送達手段により、ドライ型AMDまたは地図状萎縮から生じる視力低下を停止または戻すための現在承認されている治療法はない。ドルーゼンの除去、またはドルーゼンのサイズおよび/または質の低減、またはそれらの構築の防止のために現在利用可能な治療法はない。
異なる種類のドルーゼンがある。網状偽ドルーゼン。「硬性」ドルーゼンは小さく、明確でありかつ互いに離れている。このタイプのドルーゼンは、たとえそうなるとしても、長い間視覚問題を生じさせない。「軟性」は大きく、一緒に塊となっている。それらの辺縁は硬性ドルーゼンほど鮮明に規定されない。この軟性タイプのドルーゼンはAMDのリスクを高める。
ドルーゼンおよびドルーゼン様物質は、ソースビー眼底変性症および家族性ドルーゼン(Malattia Leventinese)などの他の状態においても、網膜−脈絡膜界面に堆積する。
ドルーゼンは加齢に伴い自然に生じる。ドルーゼンは、眼の細胞内で生成された老廃物を眼が排出できなくなる結果であると考えられる。ドルーゼンは、脈絡膜から網膜を区分する膜であるブルッフ膜の肥厚という臨床的に視認可能な特徴も表す。ブルッフ膜は、加齢に伴い脂質を多く積載するようになり、網膜−脈絡膜界面を横切る栄養素の交換および老廃物質の除去を妨げる。ブルッフ膜から脂質を除去し、またはこの膜の厚さを低減することは、網膜と脈絡膜との間の伝導性を改善するための鍵である。レーザー治療が、ブルッフ膜の通過を改善するために試みられたが、その結果は満足できるものではなかった。従って、ブルッフ膜の加齢変化を防止または遅延させることができる物質が、加齢による変化およびAMDの発症を低減するための鍵である。
別に、脂質は加齢に伴い光受容膜にも蓄積し、それは、加齢により経験する視覚機能喪失にも寄与し得る。現在、ドルーゼンとして臨床的に明らかにされる加齢変化を防止できる可能性のある、網膜および脈絡膜から過剰な脂質蓄積を取り除くための治療選択はない。
黄斑変性疾患とドルーセンとの間の正確な関連性は明らかではない。科学者は、ドルーゼンがAMDの原因となるのか、あるいはAMDおよびドルーゼンが同じプロセスにより引き起こされるがそれ例外は無関係であるのか不確かである。軟性ドルーゼンの存在はAMDの兆候である。しかしながら、最近、光線療法により生じるドルーゼンのわずかな減少が視力の改善につながることが見いだされ(Photobiomodulation induces drusen regression with improvements in visual acuity and contrast sensitivity in subjects with dry AMD Merry et al ARVO 2016 Abstract 4439)、従って、網膜のドルーゼンのサイズを小さくしまたはそれを排除することにより、AMDの進行を停止させることができ、さらには逆戻りさせる可能性すらあることが初めて示唆された。治療の有効性を確立するために、視力の改善または少なくとも安定化、ならびに変性を遅延または停止させることの解剖学的証拠を示す必要があり、それらは、有意に明らかにするために通常1〜2年かかる。しかしながら、患者におけるドルーゼンの数およびサイズの目に見える減少は、黄斑変性の治療における医薬の成功の重要な指標となるであろう。
従って、(加齢およびAMDの顕著な特徴としての)ドルーゼンの排除または予防は、AMDの治療または予防における重要な要素であると考えられる。
ヒトの眼の後眼部への局所送達
ヒトの眼の外面に適用される点眼剤の形態である非侵襲的局所薬物送達システムは、硝子体内投与に関連する上記の治療上の問題のほとんどを回避し、また治療の費用および負担を大いに軽減する。ヒトの眼の後眼部の疾患のための点眼剤の形態の薬物の投与はいくつかの利点を有する:自己投与、限局的治療効果、非侵襲的でかつ無痛の薬物投与様式、および高い患者のコンプライアンスを可能にする。また、侵襲的手法のリスクも排除する。
しかしながら、そのような選択がうまくいくことを妨げる以下の重要な挑戦が存在する;
1.正常な平均涙液量は6.5μlである。眼の中に留まる液体の量は非常に少ない。この量を超えると、流体は鼻へと流れ出て、そこで特定の薬物は血流に入って全身を循環し得る。点眼剤の形態での局所適用は、ドライアイなどの眼の外側を治療するため、および様々な薬物(ラタノプロスト、トラボプロスト、ブリンゾラミドおよびドルゾラミドなど)を用いて緑内障などの、角膜を通した吸収により(前眼部の)眼内治療を提供するための両方に用いられる最も一般的な方法である。薬物は水溶液として(ラタノプロスト、トラボプロストおよびドルゾラミド)、あるいは超低濃度で薬理学的に効力のある水性懸濁液として(ブリンゾラミド)局所適用される。
2.眼の表面での薬物の短い接触時間(1〜2分)。涙液により洗い流され、その後鼻涙へと流れ出るため、局所適用された薬物が迅速に排泄される。3層の角膜もその吸収を制限し、その際に上皮は親水性薬物の吸収を制限し、支質は親油性薬物の吸収を制限する。眼表面を保護するために分泌されるムチンも涙液上に親水性層を形成する。
3.眼の中への結膜薬物吸収が制限される。血液−網膜関門および血液−房水関門は、全身の血流から眼内環境への薬物の浸透を制限する密着結合を示す。従って、薬物の全身投与は、ほとんどの場合、眼に治療レベルを到達させることができず、また経口投与された薬物は、非常に高用量で投与されない限り、眼に治療レベルを到達させない。これら高用量は全身性の副作用をもたらし得る。
角膜および結膜への薬物の浸透は、薬物の濃度勾配、親油性および分子量により駆動されるというのが現在の理解である。角膜および結膜の上皮層は、薬物吸収の律速バリアとして働く。親油性に応じて、薬物は傍細胞(paracellular)経路および経細胞(transcellular)経路を介して結膜または角膜上皮に入る。アテノロールおよびイヌリンなどの親水性薬物は、傍細胞経路を介して上皮層に入るが、チモロールおよびプロプラノロールなどの親油性薬物は経細胞経路を介して入る。角膜および結膜上皮の細胞間隙は、親水性化合物の輸送を妨げる結合複合体により密閉される。傍細胞浸透の速度は、分子サイズが大きくなるにつれて低下する。結膜は、角膜と比較して親水性化合物に対して15〜25倍高い透過性である。これは主に、結膜のより大きな傍細胞間隙径(3.0nm±1.6)によるものであり、それによって5〜10kDaの間の範囲のサイズを有する分子の透過を可能にする。角膜上皮の傍細胞間隙径は2.0nm±0.2であり、従って<500Daのサイズの分子の傍細胞透過を可能にする。
密着傍細胞結合を通る薬物の浸透に役立つ様々な手段が知られており、さらにEDTAなどのキレート剤およびポリオキシエチレン−20−ステアリルエーテルなどの透過促進剤の添加により増強することができる。結膜経路を通って入る薬物は、血液およびリンパ循環の存在により迅速に消失される。結膜バリアを逃れる薬物の部分は、強膜を通って透過し、それはその後、神経網膜に到達する前に、脈絡膜循環および網膜色素上皮(密着結合(外側の血液−網膜関門)を有する単層細胞)が待ち受ける。従って、角膜を通る経路は、眼の後方部分を治療するための薬物−特に角膜に浸透できない大きな分子−の送達に実行可能には見えない。
シクロデキストリン
シクロデキストリン(CD)は、デンプンの細菌発酵およびその後の生成物の精製により製造される。1891年にフランスの科学者A.Villiersにより最初に発見されたと考えられ、異なるCDは数年後まで単離されなかった。単離ステップは厄介であり、その結果高価となった。1970年代初めにおけるバイオテクノロジーの進歩により、CDを製造する新たな方法および高グレードのCDが安価に利用可能となった。
最小のシクロデキストリンの分子量平均(Mw)は980であり、典型的なシクロデキストリンポリマーは>1000Da〜およそ1300Daである。
シクロデキストリンは、親油性材料と複合体を形成して包接複合体(クラスレート)を形成するその能力により物質を可溶化させることが長く知られている。それらは、多くの化合物の安定性を向上させることも知られている。それらは、外側の親水性表面を介して分子に結合することも分かっている。多糖の環状の性質が、その中に化合物がはまるポケットを形成する。多糖上の異なる置換基が、異なる化合物に結合する能力をもたらすことができる。一般的に、それらは安全であると考えられ、患者に直接注射されるかまたは悪影響無しに比較的大量で経口摂取され得る賦形剤として承認されている。
シクロデキストリンは、コルチコステロイドと包接複合体を形成する。コルチコステロイドは多くの眼の状態で一般的に用いられる。例として、角膜の炎症を治療するために角膜で局所的によく用いられるデキサメタゾンが挙げられる。また、デキサメタゾンおよびトリアムシノロンおよびフルオシノロンは、様々な形態の黄斑浮腫を治療するための硝子体内注射剤として用いられる−デキサメタゾンおよびフルオシノロンは徐放性固形製剤として挿入される。これら薬物が、乏しい水溶性および乏しい溶解のせいで角膜を容易に通過しないことは周知である。薬物をシクロデキストリンと一緒に用いる場合、なぜだか包接複合体は薬物が角膜を通過するのを助けることが分かっている。シクロデキストリンは角膜を通過できないことは周知である。シクロデキストリンを用いてデキサメタゾンが後眼部に送達される機構は下記において説明する。
シクロデキストリンは、可溶化剤または浸透剤として低濃度で医薬製剤において次第に用いられてきている。例えば、特許文献1および2は、ゲニステインまたはその誘導体などのプロテインチロシンキナーゼ阻害剤の投与による糖尿病性網膜症または脈絡膜の新生血管形成の治療に関する。そのクレームに記載の治療方法で使用するための医薬組成物の説明において、出願人は、PTK阻害剤が、医薬製剤のための他のタイプの示唆される賦形剤の中で、シクロデキストリン包接複合体として製剤化され得ることを述べる。これら特許は、ドルーゼンの可溶化またはドライ型AMDの治療のための有効成分として治療有効量でシクロデキストリンを使用することを示唆しない。
シクロデキストリンは、数年間、医薬製剤において可溶化剤または浸透促進剤として利用されてきた。例えば、特許文献3〜6は、可溶化剤または浸透促進剤としてシクロデキストリンを使用することについて論じる。特に、シクロデキストリンは、デキサメタゾンと包接複合体を形成するのに用いられ、これらは局所適用したときに有意に多い量のデキサメタゾンを後眼部に送達させるために用いられてきた。しかしながら、デキサメタゾンの送達の増大は、角膜を通したデキサメタゾンの透過を向上させることにより達成される。コルチコステロイドは通常親油性であり、水にほとんど溶けない。シクロデキストリンを用いて包接複合体を形成することにより、親水性のシクロデキストリンが、涙液の水性環境を介して親油性コルチコステロイドを角膜の表面に輸送することができ、そこからコルチコステロイドが放出されて親油性角膜環境に入る。シクロデキストリンは、角膜で利用可能なデキサメタゾンの表面濃度を高め、さらに包接複合体から角膜のより親油性環境への自然の拡散プロセスを向上させることにより、コルチコステロイドを通過させるのを助ける(非特許文献1および2を参照のこと)。また、有意な量のデキサメタゾンが、局所適用されたときに、シクロデキストリンの有無にかかわらず全身経路を通ってウサギの眼の後眼部に到達することも示された(薬物は点眼剤から血流へと吸収される−非特許文献2を参照のこと)。その製品は、デキサメタゾンを有するシクロデキストリンのナノ粒子(NP)懸濁液(水溶液ではない)形態−DexNPと呼ばれる−として開発されている。NPシクロデキストリンはあらゆる薬物を送達するわけではない。それはドルゾラミドに関してはうまくいかないことが分かっており、眼の後方部分に送達されるドルゾラミドの量は高められなかった(非特許文献3を参照のこと)。
加えて、シクロデキストリンは、軽いドライアイ症候群を治療するのに使用するために、例えばコレステロールと組み合わせて(シクロデキストリンの量は20%の量である)、人工涙液で使用するための作用物質として試験された(非特許文献4を参照のこと)。
特許文献7(Novartis)は、ドルーゼンを治療するためのシクロデキストリンの使用を開示する。しかしながら、患者における実験は、死亡患者から採取されるAMDを患うヒトの眼が、切片にしてシクロデキストリンの溶液中に室温で30分、1時間、2時間、4時間、および15時間浸漬したときにドルーゼンを除去され、最終的に24時間でのみ有効であることが示されることを示すのみである。この最初の実験では、「ドルーゼンが、H&E染色により、切片を40mlの異なる濃度のヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリンを用いて37℃で24時間処置した後に変化を示さず、それはこの実験条件下では、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリンは固体ドルーゼンを溶解させることができないことを示す」ことが報告される。その後に、25〜40%の濃度で24時間において、それはマウスの褐色脂質組織を部分的に除去できることが見いだされた−陽性対照として用いられる。続いて、40mlの25%ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリンを用いて37℃で24時間の実験を行い、それは細かく切ったヒトの眼の切片において「ドルーゼン中の脂質成分を溶解させる効果」があることを示した。特許文献7で特許付与されたクレームは、シクロデキストリンの硝子体内注射に限定されている。2006年12月20日における特許権者の提出物で、特許権者は、シクロデキストリンの局所適用を示すいくつかの引用文献の開示との相違を示すために、シクロデキストリンが局所経路を介して眼に浸透できないと述べている。そのような告白を行うことにより、米国出願人はクレームを眼への硝子体内投与のみに限定せざるを得なかった。多くの異なる分子と複合体を形成するその公知の能力を考えれば、シクロデキストリンが脂肪沈着物を除去できることは驚くことではない。実際に質問は、どのようにシクロデキストリンが患者のヒトの眼の後眼部に送達され得るかである。
どのように任意の量のシクロデキストリンが、硝子体内注射以外により、眼の中に接近できるかは特許文献7において説明されていない。その実験に基づき硝子体内注射を使用することは全く非現実的であり、かつ科学は推測的である。実験は、40mlの水中の25%濃度のシクロデキストリンを使用して、24時間での有効性を示す。10gのシクロデキストリンを硝子体内注射により眼に投与することは−希釈剤の体積がないと仮定したとしても−不可能である。その特許を書いた弁理士は、組成物を局所療法として眼に適用できると示唆するが、それが眼の後方部分に到達できることの証拠も裏付けも全く提供していない。その特許の時点においておよび本特許の出願までに、シクロデキストリンのサイズの分子が、眼に入ることができるとはだれも信じていなかった。そうするためには、化合物は結膜および角膜を通過しなければならない。分子が大きすぎる。
特許文献8(コーネル大学)は、シクロデキストリンが、網膜色素上皮細胞(RPE)で見られるリポフスチンのビスレチノイド(A2E)に結合できることを開示する。特許権者は、in vitro研究を通して、A2Eの溶液をシクロデキストリンと単に混合し、結合により生じるスペクトルのシフトを測定することにより、シクロデキストリンがA2Eに最もよく結合することを実証する。その後の実験は、A2E含有培地で増殖させたRPE細胞株を用いる。その細胞を1μMのシクロデキストリンを含有する培地中で3日間インキュベートする。更なる実験では、RPEおよび脈絡毛細管および強膜を含むマウスの眼の切片を、2μMのシクロデキストリンを含有する培地中に36時間浸した。実施例9では、マウスの目に4000mg/kgのシクロデキストリンのテノン嚢下注射を行い、次いで48時間後に眼を解剖および検査する。その特許出願は、その開示の全てにおいて、RPEに対する網膜のリポフスチンによる損傷に着目する。それは、どのようにシクロデキストリンを目の表面に投与して網膜層に到達させることができ、さらにドルーゼンに作用できるかについて何ら示唆しない。
特許文献9(Sens Research Foundation)は、シクロデキストリンが老化プロセスを遅らせるのに有効であることを開示する。彼らは、リポフスチン、特にビスレチノイドではないリポフスチン、すなわち非網膜リポフスチンに結合する能力に着目する。そのような製品は皮膚への局所適用に関する。実施例1のデータは皮膚細胞を見ている。追加試験は、線維芽細胞(コラーゲン産生に関連する)に対する作用を見ている。その研究は、シクロデキストリンが、総細胞コレステロール、ならびにリソソーム膜のコレステロール含量を操作することにより、シクロデキストリンは細胞からのリポフスチンを低下させる作用を有すると結論づける。
特許文献10(コロンビア大学)は、ある量の修飾α−シクロデキストリンを患者に投与することにより、ウェット型AMDの患者を治療する方法を開示する。修飾α−シクロデキストリンは、リゾリン脂質などの単一鎖の脂肪酸を有するとして特徴づけられる生物活性脂質に結合する。その作用の原理的機構は、これら化合物を除去することにより、その後、補体活性化、PRE細胞死および新生血管形成における機構変化があると推測される。特に、それらは、シクロデキストリンの作用を、リゾホスファチジルコリン(LIPC)の発現およびそのLIPCが多くの経路および生物活性リゾリン脂質の生成につながり、それらの減少がウェット型AMDの向上した治療成績につながる特定の遺伝子型の患者で有益であることに関連付ける。しかしながら、どのようにシクロデキストリンを眼の外面への局所適用から眼の網膜領域に供給できるのか何ら情報は提供されない。
米国特許第5,919,813号明細書 米国特許第6,028,099号明細書 米国特許第4,978,532号明細書 米国特許第5,120,546号明細書 米国特許第5,288,497号明細書 米国特許第5,288,498号明細書 米国特許第8,158,609号明細書 国際公開第2012/100142号 国際公開第2016/168772号 米国特許出願公開第2016/0151410号明細書
Acta. Ophthalmol. Scan 2002: 80 144-150 Acta Ophthamol. Scand. 2007:85 598-602 Acta Ophthamol 2014;92 550-556 Proceedings of the International Symposium on Cyclodextrins. Vol 8,;1996, 391-394
シクロデキストリン組成物を局所療法として適用するときに−特許文献7または他の先行技術文献により示唆される濃度よりもかなり低減された濃度でさえ−それが眼に入ることができかつドルーゼンを除去するのに有効であることを見出した。いかなる記述にも拘束されることを望むものではないが、我々は、シクロデキストリンはまだなお角膜を通して眼に入ることはできないと考えており、シクロデキストリンは毛様体を介しておよびそこから周辺網膜内へとヒトの眼の後眼部に入り、さらにその後網膜に沿って中心に移動すると考える。機構に関わらず、我々は、シクロデキストリンの局所溶液の患者への適用が、ドルーゼンのサイズおよび程度を縮小させることを見出した。局所適用したときに必要とされるシクロデキストリンの量は驚くほど低い。
従って、本発明の特徴として、シクロデキストリンおよびそのための任意の薬学的に許容される賦形剤を含む眼用局所組成物を提示する。
その組成物は、シクロデキストリンを含むという代わりに、シクロデキストリンを含有する、シクロデキストリンからなる、または本質的にシクロデキストリンからなる。組成物は、ヒトの眼の外面に適用するためのものである。組成物は、本明細書に記載するヒトの眼の後眼部の疾患の治療または予防に使用するためのものである。本明細書に記載のような眼の後眼部の1つ以上の疾患を治療(予防を含む)する方法であって、本発明の組成物を薬剤学的有効量でそのような治療を必要とする患者の眼の外面に適用することを含む方法も開示する。
より多くかつ大きいドルーゼンを有するEn Face OCT患者スキャン画像;a)カラー眼底写真;b)蛍光眼底血管造影;c)網膜層の断面スキャン画像 より少なくかつ小さいドルーゼンを有するEn Face OCT患者スキャン画像;a)カラー眼底写真;b)蛍光眼底血管造影;c)網膜層の断面スキャン画像
好ましい特徴は、シクロデキストリンが唯一の有効成分であるということである。局所組成物は医薬製剤であってよい。
シクロデキストリン(CD)は、α−(1,4)結合により連結した6つ(α−CD)、7つ(β−CD)、8つ(γ−CD)またはそれ以上のD−グルコピラノース単位からなる環状オリゴ糖である。グルコピラノース単位のイス型構造により、CD分子は、狭い方の端部から延びる一級水酸(−OH)基と広い方の端部から延びる二級水酸基を有する円錐台形のような形をしている。分子の端部から延びる水酸基は、CDに親水性の外面をもたらすが、グルコース残基の炭素およびエーテル酸素と連結する内部空洞は多少親油性である。しかしながら、高い結晶格子エネルギーおよびC−2水酸基とC−3水酸基との間の分子内水素結合のせいで、元のCDおよびそれらの複合体の水溶解度は限られ、特にβ―CDに関してそうである。低い水溶解度は、CD誘導体を作成することにより克服されており、それら誘導体は医薬的に興味深く、ヒドロキシプロピル化−βCDおよび−γCD(HPβCDおよびHPγCD)、ランダムメチル化−βCD(RMβCD)およびスルホブチルエーテルβCDナトリウム塩(SBEβCD)が含まれる。誘導体の物理化学的特性は、置換基の構造、位置および数によって異なる。CD誘導体は、元の分子と比較して異なる疎水性の空洞容積も有する。CDは塩形態として存在してよく、薬学的に許容される塩形態のシクロデキストリンも用語「シクロデキストリン」に包含される。
天然CDは、直鎖オリゴ糖よりもデンプン加水分解酵素および非酵素的加水分解に対してより抵抗性である。水溶液において、α−アセタール結合の非酵素的加水分解は、グルコース、マルトースおよび直鎖オリゴ糖を生成する。誘導体は、主要経路の開環により同様の速度で分解される。
シクロデキストリンは、好ましくはα、βまたはγシクロデキストリンであり、βシクロデキストリンがより好ましい。好ましくは、βシクロデキストリンは;β−シクロデキストリンスルホブチルエーテルおよびその塩、ならびにヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンおよびその塩;から選択される。好ましくは、用いられるシクロデキストリンのグレードは注射用グレードである。
スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリンは、β−シクロデキストリンを構成するグルコピラノースの2−、3−および6−位にある水酸基がスルホブチルオキシ基で適切に置換されている物質であり、この物質の塩は、典型的には、その物質のヒドロキシスルホニル基(HOSO2−)が、ナトリウムなどのアルキル金属またはカルシウムなどのアルカリ土類金属と塩を形成している物質である。
β−シクロデキストリンは、α−1,4結合を介して環状形に結合した7つのグルコピラノースを有する物質であり、従って、1分子のβ−シクロデキストリンは、β−シクロデキストリンを構成するグルコピラノースの2−、3−および6−位に由来する合計で21の水酸基を有し、好ましくはそれらのうち約7つの水酸基はスルホブチルオキシ基で置換されており、同時にそのヒドロキシスルホニル基(HOSO2−)は好ましくはナトリウム塩を形成しており、そのような物質として、例えばCAPTISOLが挙げられる。
ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンは、β−シクロデキストリンにおける21の水酸基が2−ヒドロキシプロピルオキシ基で置換されている物質を指し、通常この物質は、好ましくは21の水酸基の内4〜8の水酸基が2−ヒドロキシプロピルオキシ基で置換されている物質であり、特に好ましくは4〜5の置換度を有し、そのような物質として、例えば4.6〜7.6の置換度を有するCeldex HP−β−CDが挙げられる。置換度は平均であり、全整数の間の数が可能であることを理解することは重要である。好ましい市販されている製品はKleptose HPB(好ましくは注射用グレード、および好ましくは発熱物質不含)であり、それは1380〜1480ダルトンの分子量(Mw)を有し、4.5の平均置換(1〜10の置換範囲)を有する。
好ましくは、シクロデキストリンは、β−CDのスフホブチルエーテル(SBE−β−CD)、β−CDのヒドロキシプロピル誘導体(HP−β−CD)、およびランダムメチル化β−CD(RM−β−CD)である。組成物は、これら記載のCDの1つ、2つまたは3つを含んでいてよい。好ましくは、混合物として用いる場合、その混合物は、β−CDのスフホブチルエーテル(SBE−β−CD)およびβ−CDのヒドロキシプロピル誘導体(HP−β−CD)のみを25:75〜75:25比で含む。
好ましくは、シクロデキストリンは滅菌水溶液として投与される。シクロデキストリンの総濃度は25質量%未満、理想的には、24質量%未満、23質量%未満、22質量%未満、21質量%未満、20質量%未満、19質量%未満、18質量%未満、17質量%未満、16質量%未満、15質量%未満、14質量%未満、13質量%未満、12質量%未満、11質量%未満、10質量%未満、9質量%未満、8質量%未満、7質量%未満、6質量%未満、および5質量%未満である。好ましくは、シクロデキストリンの濃度は、1質量%超、2質量%超、3質量%超、4質量%超、5質量%超、6質量%超、7質量%超、8質量%超、9質量%超、10質量%超、11質量%超、12質量%超、13質量%超、14質量%超、15質量%超、16質量%超、17質量%超、18質量%超、19質量%超、20質量%超、21質量%超、および22質量%超である。CDのヒトの眼の後眼部への眼内浸透に対して示されるバリアを考えると、そのように低い濃度が有効となりうることは驚くべきことである。この記述に拘束されることを望むものではないが、ヒトの眼の後眼部に到達する各シクロデキストリン分子は、老廃物質を隔離するのに直接作用を有し、これら作用は累積すると考えられる。従って、重要なのは、局所適用したときにCDがヒトの眼の後眼部に到達すること、および長期間にわたる継続治療が、適用されるCDの濃度が比較的低い場合でさえ、本明細書に記載の状態を改善するのに効果を有することの認識である。
毒性学的研究は、高められた親油性のせいでより高いバイオアベイラビリティを有するRMβCDを除いて、CDは胃腸粘膜および皮膚などの親油性膜に浸透できないため、CDの経口投与が安全であることを実証している。それでもなお、CDとゲスト分子との間の複合体形成後、それらが生体膜と相互作用する能力はかなり低下し、通常は比較的高濃度でin vivoにおいて見られるのみである。
ドライアイの患者に与えられる、コレステロールと共に高い割合のCD(12〜25%)を含む水性点眼剤は、瞼に痂皮の形成をもたらし、結果として刺激を生じる(Stefansson E., Thorisdottir S., Gudmundsson O.G., Loftsson T., Fridriksdottir H., Kristinsson J.K. (1996) 2-Hydroxypropyl-β-Cyclodextrin in Eye Drops. Evaluation of Artifical Tear-Drops In Human Patients. In: Szejtli J., Szente L. (eds) Proceedings of the Eighth International Symposium on Cyclodextrins. Springer, Dordrecht)。
MEAは医薬製品におけるシクロデキストリンの使用に関してガイダンス案[20 November 2014 EMA/CHMP/333892/2013医薬品委員会(CHMP)「ヒトでの使用のための医薬品のラベルおよび添付文書での賦形剤」に関するガイドラインの変更を検討する中での賦形剤として使用されるシクロデキストリンの背景レビュー(CPMP/463/00 Rev.1)]を発表し、第8頁におけるその結論で以下のように述べている:
「結論 シクロデキストリンは眼の中への薬物浸透を高める。4%のα−CDおよび5%のRM−β−CDの濃度は、ウサギの角膜上皮に対して毒性となりうる。10%のSBE−β−CDおよび12.5%のHP−β−CDの溶液は、ウサギの眼において毒性でも刺激性でもないことが見られる」。
それらのガイダンスノートにおいてEMEAにより発表された1日最大摂取許用量は、
「非経口α−CD(0.2mg/kg/日)、γ−CD(0.8mg/kg/日)、HP−β−CD(0.2mg/kg/日)、HP−β−CD(320mg/kg/日)、SBE−β−CD(0.32mg/kg/日)、SBE−β−CD PDE(280mg/kg/日)」である。
我々は、シクロデキストリンが、ヒトの眼の外面に局所適用したときに、眼の後眼部に入り、特にそれは網膜、脈絡膜またはブルッフ膜に入ることができることを見出した(>45、50、55、50、65、70、75、80、85、90、95、97、98、99および100%を意味する)。また、我々は、シクロデキストリンが、ヒトの眼の後眼部へと眼に入るのみならず、眼に入ったシクロデキストリンは10時間未満(9時間未満、8時間未満、7時間未満、6時間未満、5時間未満、4時間未満、3時間未満、2時間未満、1時間未満)の時間内に眼から去ることを見出し、毛細血管およびその後全身の血管系に入ると推測する。シクロデキストリンはそれが隔離させる老廃物をそれと一緒に運び、シクロデキストリンが眼の中に蓄積するあるいは眼の別の部分にその老廃物を再分散させる可能性はないため、このことは重要である。
これは、注射してよいシクロデキストリンの1日量まで組成物を1日に複数回使用できることを意味する(シクロデキストリンは眼に入りおよび出た後に全身系に入る)。また、シクロデキストリンが長期間にわたり使用して安全であることも意味する。
用いられる水は、好ましくは注射用グレードの水である。
シクロデキストリンでも水でもない組成物の残りの部分が以下の賦形剤の1つ以上から選択される眼用組成物:
担体、
可溶化剤、
安定剤、
緩衝剤、
pH調節剤、
等張化剤、
湿潤剤、
増粘剤、および
保存剤。
当業者に公知である他の慣例の眼科的に許容される賦形剤および添加剤も上記の組成物中に含まれていてよく、例えば下記の種類のもの、特に、担体、安定剤、可溶化剤、張度増強剤、緩衝物質、保存剤(防腐剤)、増粘剤、および他の賦形剤が挙げられる。そのような組成物は、例えば、有効成分を対応する賦形剤および/または添加剤と混合して対応する眼用組成物を形成するなど、公知の方法で調製される。
本発明に従い用いられる担体は、好ましくは局所投与に適したものであり、水以外には、水とC1〜C7−アルカノールなどの水混和性溶媒との混合物、0.5〜5質量%のヒドロキシエチルセルロースを含む植物油または鉱物油、オレイン酸エチル、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンおよび眼に使用するための他の非毒性水溶性ポリマー(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体;ポリアクリル酸の塩またはアクリル酸エチルなどのアクリラートまたはメタクリラート;ポリアクリルアミド;ゼラチン、アルギン酸塩、ペクチン、トラガント、カラヤゴム、キサンタンガム、カラゲニン、寒天およびアカシアなどの天然物;酢酸デンプンおよびヒドロキシプロピルデンプンなどのデンプン誘導体;ならびに、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、好ましくは架橋ポリアクリル酸(例えば中性Carbopol(登録商標)などの)のような他の合成物、またはこれらポリマーの混合物など)である。好適な担体は、水;メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースのなどのセルロース誘導体;中性Carbopol;またはそれらの混合物である。
本発明の眼用組成物に使用される可溶化剤は、例えば、チロキサポール、脂肪酸グリセロールポリエチレングリコールエステル、脂肪酸ポリエチレングリコールエステル、ポリエチレングリコール、グリセロールエーテルまたはこれら化合物の混合物である。特に好適な可溶化剤の具体例は、ヒマシ油とエチレンオキシドとの反応生成物、例えば、市販品のCremophor EL(登録商標)またはCremophor RH40である。ヒマシ油とエチレンオキシドとの反応生成物は、眼による許容度の極めて高い特に良好な可溶化剤であることが判明している。別の好適な可溶化剤は、チロキサポールである。
緩衝物質の例は、酢酸塩、アスコルビン塩、ホウ酸塩、炭酸水素塩/炭酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、乳酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩およびTRIS(トロメタミン)緩衝液である。トロメタミンおよびホウ酸塩緩衝液は好ましい緩衝液である。緩衝物質の添加量は、例えば、生理学的に認容されるpH範囲を確保および維持するのに必要な量である。
保存剤の例は、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゾキソニウムまたはポリクアット(polyquats)(カナダ特許第1069522号明細書に詳細に記載されているポリマー性第四級アンモニウム塩)などの第4級アンモニウム塩;例えば、チメロサールなどのチオサリチル酸のアルキル水銀塩、硝酸フェニル水銀、酢酸フェニル水銀もしくはホウ酸フェニル水銀;例えば、メチルパラベンもしくはプロピルパラベンなどのパラベン;例えば、クロロブタノール、ベンジルアルコールもしくはフェニルエタノールなどのアルコール;例えば、クロロヘキシジンもしくはポリヘキサメチレンビグアニドなどのグアニジン誘導体;またはソルビン酸などである。好ましい保存剤は、第四級アンモニウム塩、アルキル−水銀塩、およびパラベンである。適切な場合、細菌及び真菌によって引き起こされる使用中の二次的汚染に対する防御を確実にするのに十分な量の保存剤が眼用組成物に添加される。
pH、オスモル濃度、表面張力
pH範囲は、典型的には5〜9、好ましくは5.2〜8.5、さらに好ましくは5.5〜8.2の範囲である。理想的には、眼用溶液は、涙液と同じpH(7.4)を有するべきであるが、7〜9のpH値は著しい刺激なしに眼に認容される。涙の産生量の増加および眼球運動は点眼剤のクリアランスの増加をもたらすため、涙液(0.01ml)の緩衝能を超えるべきではない。
涙液は、287mOsm/lを有する血液と等張である(すなわち同じ張力を有する)。理想的には、眼用溶液は涙液と同じ張力を有するべきであるが、眼は205〜683mOsm/l(USP、1995)のかなり広い範囲の張力を認容することができる。好ましくは、オスモル濃度は300〜500mOsm/lである。本明細書に開示されている適した物質を用いることにより張力を調節する。オスモル濃度は、正常な涙液では、310〜340mOsmol/Kgであり、理想的には、製剤はこの範囲内のオスモル濃度を有し、等張化成分の量はそれに応じて調節される。ある例では、オスモル濃度はより高い(高浸透圧製剤)またはより低い(低浸透圧製剤)ことが望ましい場合があり、これはpHおよび製剤に添加される任意の粘性剤により引き起こされる膠質(コロイド)浸透圧効果などの他の因子に依存する。オスモル濃度は、米国薬局方USP34、国民医薬品集29、2011、785章に記載されている手順に従い、凝固点降下浸透圧計を用いて測定することができる。張度増強剤は、例えば、CaCl、KBr、KCl、LiCl、NaI、NaBrまたはNaClなどのアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のハロゲン化物あるいはホウ酸などの、イオン性化合物である。非イオン性張度増強剤は、例えば、尿素、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、プロピレングリコール、またはデキストロースである。例えば、即時使用型の眼用組成物に、およそ50〜1000mOsmol/kg、好ましくは100〜400mOsmol/kg、より好ましくは200〜400mOsmol/kg、さらにより好ましくは250〜350mOsmol/kg、理想的には280〜300mOsmol/kgのオスモル濃度を与えるために十分な張度増強剤が添加される。
涙液の表面張力は40〜50mN/mの範囲に及ぶ。低表面張力は角膜に良好な拡散効果を提供し、おそらく薬物と角膜上皮との間の接触を改善する。好ましくは、表面張力は20〜60mN/mである−表面張力は本明細書に記載のような湿潤剤を用いて調節される。
本明細書に記載の眼用組成物において、組成物は人工涙液および/または眼潤滑剤として働く成分を含む。
シクロデキストリンを含む組成物の薬剤学的有効量を眼の外面に局所適用することによりヒトの眼の後眼部を治療する方法を記載する。
本明細書に記載の眼用局所組成物において、組成物はヒト患者の眼からドルーゼンを除去するのに使用するためのものである。本明細書に記載の眼用局所組成物は、ヒトの眼の網膜色素上皮およびブルッフ膜上、それらの内部、またはそれらの間におけるドルーゼンおよび脂質蓄積を除去および/またはそれらのサイズを低減するためのものである。
本明細書に記載の眼用局所組成物は、黄斑におけるドルーゼンの除去および/またはドルーゼンのサイズの低減のためのものである。本明細書に記載の眼用局所組成物は、ソースビー眼底変性症および家族性ドルーゼンを治療または予防するためのものである。本明細書に記載の眼用局所組成物は、眼の細胞において生成された細胞老廃物を、特に後眼部、特に網膜、特に網膜のブルッフ膜から除去するためのものである。本明細書に記載の眼用局所組成物は、ブルッフ膜から脂質を除去するまたはブルッフ膜の厚さを低減するためのものである。本明細書に記載の眼用局所組成物は、光受容膜における脂質蓄積を除去するためのものである。本明細書に記載の眼用局所組成物は、光受容膜における脂質蓄積を予防するためのものである。本明細書に記載の眼用局所組成物は、ヒト患者の眼におけるドルーゼンの形成の予防に使用するためのものである。本明細書に記載の眼用局所組成物において、患者はドライ型またはウェット型の加齢黄斑変性を発症しやすいと既に特定されている。本明細書に記載の眼用組成物は、ドライ型またはウェット型の加齢黄斑変性を予防するためのものである。本明細書に記載の眼用組成物は、ドライ型またはウェット型の加齢黄斑変性を治療するためのものである。本明細書に記載の眼用組成物において、加齢黄斑変性はドライ型黄斑変性またはウェット型黄斑変性のいずれかである。
上記の療法の全てが、AMDの治療のための他のタイプの小分子有効成分を含有する医薬製剤において賦形剤としてのみシクロデキストリンを利用する。論じたいずれの出版物も、ドルーゼンの可溶化および/またはドライ型AMDの治療のための有効成分として治療有効量でシクロデキストリンを使用することについて示唆しない。さらには、これら療法の有効性の測定はしばしば、視力が改善されているかを特定するために長期にわたる臨床試験を必要とする。
ドライ型AMDを患っているまたは発症するリスクを有する患者の眼に蓄積するドルーゼンを標的とする、ドライ型AMD(脂質を積載する網膜−脈絡膜界面を横切る伝導性の低下の発現)のための療法が必要とされている。さらには、直ちに、すなわち数年ではなく、数週間または数か月以内に、そのような療法がそのようなドルーゼン沈着物を効果的に排除し、それによってドライ型AMDによる視力低下のリスクを低減するかを認識できることが望ましい。
本明細書で用いる場合、語句「治療有効量」は、例えばその蓄積の損傷作用が回避または改善されるようにドルーセンを可溶化するなどの、患者において治療応答を引き出すのに有効な本発明の組成物中のシクロデキストリンの濃度を意味する。本発明で使用するためのシクロデキストリン化合物の治療有効量は上記の通りである。治療有効とは、上記のような組成物の投薬頻度、または上記のような投与期間も意味する。
本明細書で用いる場合、語句「局所」は、眼の外面、すなわち角膜上に適用されることを意味する。
本明細書に記載される治療は、組成物が長期間にわたり投与される長期使用のためのものである。組成物の効果は、弱くなくても、数日の治療後にのみ見られる場合がある。ヒトの眼の後眼部に到達する各シクロデキストリン分子は、老廃物質の一部を摘出できるのみであり、その効果は組成物中で用いられるシクロデキストリンの濃度、投薬頻度および治療期間と関係する。およそ10質量%のシクロデキストリンの溶液が好ましいと思われることが分かった。組成物を毎日適用するのが好適である。好ましくは、組成物を、夕方または朝に1日1回適用する。任意選択で、組成物を1日2回−朝に1回および夕方に1回−適用してよい。数日間、少なくとも4週間、および好ましくは少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12ヶ月、治療を適用すべきである。任意選択で、眼科医に指示されるように、治療している状態が改善した後、すなわち、2年、20、18、16または14ヶ月以下の期間に、治療を中止する。予防的療法としてまたは維持投与(維持投与は低減された濃度または少ない投薬頻度である)のために用いる場合、患者の寿命の間など、より長い継続時間で用いてもよい。
本明細書で用いる場合、用語「ドルーゼン」は、以下の定義の1つ以上を意味する:
硬性ドルーゼン:小さく、明確でありかつ互いに離れている。このタイプのドルーゼンは、たとえそうなるとしても、長い間視覚問題を生じさせない。
軟性ドルーゼン:「軟性」ドルーゼンは大きく、一緒に塊となっている。それらの辺縁は硬性ドルーゼンほど鮮明に規定されない。この軟性タイプのドルーゼンはAMDのリスクを高める。
網状偽ドルーゼン(別名網状ドルーゼン;網膜下ドルーゼン様(dorusenoid)沈着物;偽ドルーゼン;網状ドルーゼン):ほぼ30年前に同定されたが、網状偽ドルーゼン(RPD)は独特の表現型として最近認識された。ドルーゼンとは違って、それらは網膜下腔に位置する。RPDは、AMD、特に地図状萎縮、タイプ2および3の脈絡膜新生血管形成に強く関連しており、それらも典型的なAMDでは出現頻度は低い。RPDの正確な組成はまだ確定されていない。
クチクラドルーゼン(基底膜ドルーゼン):これらは小さく(25〜75μm)、黄白色でかつ結節性であり、OCTはこれらドルーゼンが鈍い三角形の形状でかつRPEの下にあることを示す。FAは、臨床で確認されるドルーゼンの数を有意に凌ぐ無数の過蛍光ドルーゼンを際立たせる。
視神経ドルーゼン:ドルーゼンは視神経でも生じ得る。これらドルーゼンはタンパク質およびカルシウム塩から構成され、一般的に両眼に現れる。AMDに関連するドルーゼンとは違って、視神経ドルーゼン(視神経乳頭ドルーゼンとしても知られている)は加齢に関係せず、しばしば子供でも見られる。視神経ドルーゼンは通常視力には影響しないが、このようなドルーゼンを有する一部の患者は周辺(側方)視野を失うことがある。
ドルーゼンは、Heidelberg Eye Explorer 2(HEYEX2)を用いるなどして、ドルーゼンの位置を同定する高密度光干渉断層撮影(OCT)黄斑スキャンの使用により可視化およびそれらの成長を測定することができる。同定されるドルーゼンの体積およびそれらの幾何形状を、HEYEX2プラットフォームソフトウェアおよびMATLABプラットフォームで使用できる多くのソフトウェアなどの適切なソフトウェアを用いてこれらのスキャンから直接測定することができる。ソフトウェアを用いて、体積および形状の両方に関して経時的に各患者の特定のドルーゼンの変化を測定することもできる。
ドルーゼンを変化させることに加えて、肥厚したブルッフ膜を治療するために本明細書に記載の組成物を用いてもよい:ブルッフ膜は石灰化し、10歳と90歳との間でその厚さが2倍になる。コラーゲン、脂質および残骸の沈着物のせいで線形の肥厚がある。30代を過ぎると、生涯を通じてその脂質濃度が上昇し、結果的に膜を通る流体の透過性および栄養輸送が低下する。
本発明の組成物は、多くの眼の疾患を治療するために用いられる他の有効成分と一緒に用いてもよい。その有効成分は、シクロデキストリンと同じ組成物中に存在していてよく、例えば神経保護化合物、抗血管新生化合物、または新生血管形成阻害化合物などの、追加の活性物質をさらに含んでいてよい。本発明の組成物および方法で使用するための抗血管新生化合物として、酢酸アネコルタブが挙げられる。本発明の組成物および方法で使用するための新生血管形成阻害化合物として、ラニビズマブ、ベバシズマブ、他のVEGE阻害剤、および受容体チロシンキナーゼ阻害剤が挙げられる。本発明の組成物と組み合わせて有用となりうる他の化合物として、抗炎症薬(例えば、ステロイドおよび非ステロイド薬);チロシンキナーゼ阻害剤;抗感染症薬(例えば、抗生物質、抗ウイルス薬、および抗真菌薬);抗アレルギー薬(例えば、抗ヒスタミン薬および肥満細胞安定薬);シクロオキゲナーゼ阻害剤(例えば、Cox IおよびCox II阻害剤);抗感染症薬と抗炎症薬との組合せ;充血緩和薬;抗緑内障薬(例えば、アドレナリン作用薬、β−アドレナリン遮断薬、α−アドレナリン作動薬、副交感神経興奮薬、コリンエステラーゼ阻害薬、炭酸脱水酵素阻害薬、およびプロスタグランジン類似体、ならびにそのような抗緑内障薬の組合せ);抗酸化剤;栄養補助剤;嚢胞様黄斑浮腫の治療用薬物(例えば、非ステロイド性抗炎症薬);ARMDの治療用薬物(例えば、血管新生阻害剤および栄養補助剤);ヘルペス感染およびCMV眼感染の治療用薬物;増殖性硝子体網膜症の治療用薬物(例えば、代謝拮抗薬および線維素溶解薬;創傷調節剤(例えば、増殖因子);代謝拮抗薬;および神経保護薬物(例えば、エリプロジル)が挙げられる。本発明の組成物は光線力学的療法とともに用いてよいこともさらに企図されている。
シクロデキストリンは、眼組織中の脂質に結合することが知られている。網膜への作用とともに、この脂質結合は、異常脂質が蓄積することが知られている眼おび付属器の他の部分でも生じ得る。これら領域として:
1.眼瞼−例えば、黄色板腫の形成を除去または予防する際
2.結膜下および/または強膜上によくみられる脂質沈着物の除去
3.角膜−例えば、若年環または老人環を除去するのを助ける。加えて、角膜の外傷、感染および炎症に役立つ。
典型的には、適用されたシクロデキストリンは、上記のこれら領域/構造における脂質量を減らし、本明細書に記載の他の作用に加えて上記の利益をもたらし得る。
本発明の組成物は、本明細書に記載のように追加の活性物質を含んでいてよいが、シクロデキストリンが有効成分とクラスレートを容易に形成する能力のせいで、シクロデキストリンが本発明の組成物においてその本来の役割を果たす能力に影響を及ぼすことは好ましくない。しかしながら、追加の活性物質が、別の組成物において、本発明の組成物の投与と同時、その投与の前、またはその投与の後のいずれかで投与される場合、本発明の組成物を、網膜疾患を治療するための追加の活性物質とともに投与し得ることが企図されている。例えば、本発明の組成物を、網膜疾患を治療するための追加の活性物質の投与の数郡、数時間、数日、または数週間前または後に投与してよい。好ましい実施形態では、本発明の組成物を、同じ外来診療中に追加の活性物質と共に投与する。あるいは、本発明の組成物を、追加の活性物質の投与の1日〜1か月または2か月前に患者に投与してもよい。
AMDまたは他の網膜疾患の治療のための追加の活性物質と共に用いられる場合、本発明の化合物は、患者の眼に存在するドルーゼンを生理化学的に可溶化させる機能を果たし、数日、数週間または数か月以内に、そのようなドルーゼンのサイズを縮小し、またはそれらを完全に排除する。追加の活性物質の使用は、より長く継続する神経保護および/または血管新生もしくは新生血管形成の阻害をもたらし、それによって患者の視力を安定化または改善することができる。本発明の一部の態様では、治療有効量のシクロデキストリンと追加の活性物質は同じ組成物中に存在する。この場合、追加の活性物質を可溶化しまたはそのための浸透促進剤としての機能を果たすために、低濃度のシクロデキストリンを組成物中に加えてよい。追加の活性物質は、シクロデキストリンとの包接複合体として組み込まれてよく、それは追加の活性物質を活性部位へと運ぶのを助けるであろう。そのような組成物では、別個の治療有効量の少なくとも1つのシクロデキストリンが組成物中に存在する。治療有効量のシクロデキストリンは包接複合体の一部ではない。治療有効量中に存在するシクロデキストリンは、追加の活性物質を可溶化させる働きをするシクロデキストリンと同じシクロデキストリンであっても、または異なるシクロデキストリンであってもよい。
好ましくは、シクロデキストリンは組成物において溶液中にある。
製剤
滅菌環境下で20lの注射用水に2kgの(2−ヒドロキシプロピル)−β−シクロデキストリンを溶解させて製剤を調製した。Nemera社のNovelia(登録商標)眼科用複数回投与ボトルに10mlの組成物を入れた。
得られた製剤は以下の組成を有する。
10質量%の(2−ヒドロキシプロピル)−β−シクロデキストリン
適量の水
Figure 2020510613
Figure 2020510613
有効性データ
上記の製剤2を、中期加齢黄斑変性を患う患者に、1日少なくとも2回で6か月間、患者により局所投与する。
試験前に、光干渉断層撮影(OCT)およびカラー眼底写真を用いて、眼の硬性および軟性ドルーゼンの程度およびそのサイズを特定するために患者を評価する。
OCTを用いて毎月、および6か月目にカラー眼底写真を用いて、患者を再評価する。
>125μmのサイズのドルーゼンの数およびサイズが減少し、シクロデキストリンがドルーゼンに到達し、そこで縮小させることを示すことを見出した。
臨床試験計画:概要
1.試験対象集団
50歳を超える成人対象。スクリーニング/ベースライン来院時に適格性についてスクリーニングする。各性別15名の参加者を試験に含める。
1.1 選択基準
試験に含める対象は下記を満たす必要がある:
・50歳を超える年齢である
・6か月(試験の長さ)を超える余命を有する
・試験治療および試験手順を知らされておりかつ実施することができ、さらにインフォームドコンセント(同意文書)にサインしている
・研究のために情報を利用および開示することを承諾している。
1.2 除外基準
彼または彼女が以下の場合には対象を試験に含めない:
・現在喫煙者である
・医療機器内の構成要素のいずれかに対してアレルギーまたは過敏症を患っていることが分かっている
・シクロデキストリンを含むいずれか他の点眼剤を服薬している
・最近4〜7日以内にコンタクトレンズを使用しているまたはしていた
・最近12か月以内に炎症性角膜潰瘍またはぶどう膜炎の病歴を有する
・現在有するかまたは試験中に再活性化しやすいアレルギー性鼻炎を有する
・最近12か月中に白内障または角膜手術を受けた
・いずれか他の臨床試験に現在参加している、またはスクリーニング/ベースライン来院前3か月以内に別の臨床試験に参加した
・身体的に試験手順を実施できない
・薬物/アルコール乱用、精神障害、または全面的に協力する能力を制限する他の要因の病歴を有する
・試験担当者の意見で、その対象を試験の適切な候補ではないとする何等かの他の状態を有する。
2 試験手順
2.1 試験設計
上記の製剤2のように水中の10%溶液でヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンを含む10mlのNoveliaボトルを患者に提供する。参加者は、試験期間中、毎日最低2回またはドライアイの症状を軽減する必要があるときに、点眼剤を適用する。
2.2 評価スケジュールの概要
ベースライン/スクリーニング来院時に、各参加者についてインフォームドコンセント、適格性および病歴をとる。併用薬剤をベースライン来院時に記録し、薬剤のその後のあらゆる変化を各来院時に記録する。有害事象(AE)調査票を各来院時に記録する。
各来院/話し合い時に患者アンケートを完成する。ベースラインスクリーニング時に、2週間での電話取材に備えて患者が患者アンケートを持ち帰る。
全項目の眼検査+OCTスキャンを治療施設への来院時(1か月)ごとに実施する。
1、3および6か月後にシルマー試験および涙液層破壊時間(TFBUT)を評価して、涙液産生に対する製剤の影響を試験する。
これを要約したものを下記表に見ることができる。
Figure 2020510613
2.試験介入
2.3 機器の説明
Noveliaデバイスは、Nemera社により製造され、クラスIIaの医療機器としてCEマークを取得している。Noveliaデバイスは、医薬品Eysano(チモロール)、Eydelto(ドルゾラミド)、Eylamdo(ドルゾラミド/チモロール)およびEykappo(クロラムフェニコール)のための容器栓システムとしても承認されている。
2.4 投与計画
患者は1日少なくとも2回(朝および夜)ならびに必要に応じて点眼する。患者は1日当たりどのくらいの頻度で点眼したかを記録しなければならない。
2.5 被験者のコンプライアンス
患者は毎日記入用紙を備え、それは投与した点眼回数を記載する。2週間での試験担当者から患者への電話で、試験担当者は患者が指示に従っているかおよび/またはデバイスの管理に関連する何等かの問題がないかを確認する。
2.6 併用療法
スクリーニング来院時に、全ての併用薬剤ならびに最近12ヵ月での現在および過去の療法を記録し、さらに併用薬剤のあらゆる変化を各来院時に記録する。
3 被験者の試験完了および中止
3.1 被験者の中止
+/−10日の来院の時間枠は、来院参加を確実にしなければならない;来院の不参加は電話により迅速にフォローアップする。しかしながら、来院の遅れはデータベースに入力しなければならない。遅れた来院が、次の予め決められた試験来院日の10日以内である場合は、単に予約に来院しなかったと規定される。
3.2 ドルーゼンの分析
Heidelberg Eye Explorer 2(HEYEX2)を用いるなどして、ドルーゼンの位置を同定する高密度光干渉断層撮影(OCT)黄斑スキャンを用いることにより、ドルーゼンの成長/縮小、および頻度変化を測定する。同定されるドルーゼンの体積およびそれらの幾何形状を、HEYEX2プラットフォームソフトウェア、およびMATLABプラットフォームで使用できる多くのソフトウェアなどの適切なソフトウェアを用いてこれらのスキャンから直接測定することができる。ソフトウェアを用いて、体積および形状の両方に関して経時的に各患者の特定のドルーゼンの変化を測定することもできる。
3.2 ドルーゼンの分析
Heidelberg Eye Explorer 2(HEYEX2)を用いるなどして、ドルーゼンの位置を同定する高密度光干渉断層撮影(OCT)黄斑スキャンを用いることにより、ドルーゼンの成長/縮小、および頻度変化を測定する。同定されるドルーゼンの体積およびそれらの幾何形状を、HEYEX2プラットフォームソフトウェア、およびMATLABプラットフォームで使用できる多くのソフトウェアなどの適切なソフトウェアを用いてこれらのスキャンから直接測定することができる。ソフトウェアを用いて、体積および形状の両方に関して経時的に各患者の特定のドルーゼンの変化を測定することもできる。
他の実施形態
1.ヒトの眼におけるドルーゼンの除去またはドルーゼンのサイズもしくは数の低減またはドルーゼン形成の予防に使用するための眼用局所組成物であって、唯一の有効成分としてシクロデキストリンを含み、さらにそのための任意の薬学的に許容される賦形剤を含む、眼用局所組成物。
2.シクロデキストリン溶液の濃度が、水性ビヒクル中22質量%未満である、実施形態1に記載の眼用局所組成物。
3.シクロデキストリンでも水でもない該組成物の残りの部分が、以下の賦形剤の1つ以上から選択される、実施形態1または2に記載の眼用局所組成物:
a)等張化剤、
b)湿潤剤、
c)粘性剤、および
d)保存剤。
4.人工涙液および/または眼潤滑剤として作用する成分を含む、実施形態1〜3のいずれかに記載の眼用局所組成物。
5.加齢黄斑変性を患うヒト患者の眼におけるドルーゼンの除去に使用するためのものである、実施形態1〜4のいずれかに記載の眼用局所組成物。
6.眼の網膜色素上皮およびブルッフ膜の内部またはそれらの間のドルーゼンを除去するためのものである、実施形態5に記載の眼用局所組成物。
7.黄斑におけるドルーゼンの除去および/またはドルーゼンのサイズもしくは数の低減のためのものである、実施形態5に記載の眼用局所組成物。
8.ヒトの眼におけるドルーゼン形成の予防に使用するためのものである、実施形態1〜5のいずれかに記載の眼用局所組成物。
9.前記患者が黄斑変性を発症しやすいとして既に特定されている、実施形態9に記載の眼用局所組成物。
10.急性黄斑変性を予防するためのものである、実施形態1〜5のいずれかに記載の眼用局所組成物。
11.黄斑変性を治療するためのものである、実施形態1〜5のいずれかに記載の眼用局所組成物。
12.前記黄斑変性はドライ型黄斑変性またはウェット型黄斑変性のいずれかである、実施形態10または11に記載の眼用局所組成物。
13.前記黄斑変性はウェット型黄斑変性である、実施形態12に記載の眼用局所組成物。

Claims (13)

  1. ヒトの眼におけるドルーゼンの除去またはドルーゼンのサイズもしくは数の低減またはドルーゼン形成の予防に使用するための眼用局所組成物であって、唯一の有効成分としてシクロデキストリンを含み、さらにそのための任意の薬学的に許容される賦形剤を含む、眼用局所組成物。
  2. シクロデキストリン溶液の濃度が、水性ビヒクル中22質量%未満である、請求項1に記載の眼用局所組成物。
  3. シクロデキストリンでも水でもない該組成物の残りの部分が、以下の賦形剤の1つ以上から選択される、請求項1または2に記載の眼用局所組成物:
    a)等張化剤、
    b)湿潤剤、
    c)粘性剤、および
    d)保存剤。
  4. 人工涙液および/または眼潤滑剤として働く成分を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の眼用局所組成物。
  5. 加齢黄斑変性を患うヒト患者の眼におけるドルーゼンの除去に使用するためのものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の眼用局所組成物。
  6. 眼の網膜色素上皮およびブルッフ膜の内部またはそれらの間のドルーゼンを除去するためのものである、請求項5に記載の眼用局所組成物。
  7. 黄斑におけるドルーゼンの除去および/またはドルーゼンのサイズもしくは数の低減のためのものである、請求項5に記載の眼用局所組成物。
  8. ヒトの眼におけるドルーゼン形成の予防に使用するためのものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の眼用局所組成物。
  9. 前記患者は黄斑変性を発症しやすいと既に特定されている、請求項9に記載の眼用局所組成物。
  10. 急性黄斑変性を予防するためのものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の眼用局所組成物。
  11. 黄斑変性を治療するためのものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の眼用局所組成物。
  12. 前記黄斑変性はドライ型黄斑変性またはウェット型黄斑変性のいずれかである、請求項10または11に記載の眼用局所組成物。
  13. 前記黄斑変性はウェット型黄斑変性である、請求項12に記載の眼用局所組成物。
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