JP2020510169A - 磁気継手および方法 - Google Patents

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Abstract

駆動部に最低1つの第1磁石が、また被駆動部に複数の第2磁石があり、駆動部が回転すると、最低1つの第1磁石が第2磁石の一つに接近してそれに力を及ぼし、被駆動部の回転を引き起こすように駆動部と被駆動部が配設された、駆動部から被駆動部に駆動力を伝達する、磁気継手装置。モータ(1)に動力が供給され(3)、それにより部材(2)が駆動され回転(12)する。駆動部(2)には円筒形の棒磁石(5)が取り付けられている。部材(2)が回転(12)し、被駆動部(7)に接触はしないが近づき、部材(2)の外周面に配されている磁石(5)と、部材(7)の外周面に配されている磁石(11)が係合する。駆動部と被駆動部はおおむね平面的であり、より好ましくは、円状、円盤状、環状の物体である。(例えば)N極が部材(2)と部材(7)に近く、S極が部材から離れた端にくるように、すべての磁石(5)および磁石(11)は垂直に取り付けられる。部材(2)と部材(7)は同一平面上にあるため、磁石(5)と磁石(11)は互いに平行であり、2つのN極が隣接し、また2つのS極が隣接するように近づくことで、最大の斥力(14)が生成され、それによって被駆動部(7)が各磁石(5)から離れるような回転(13)が引き起こされる。モータ(1)が活性化すると、駆動部(2)が回転し、磁石(5)が磁石(11)に近づくので、それによって被駆動部(7)の回転が引き起こされる。部材(2)が運転速度に達すると、磁石(5)から磁石(11)への斥力の「キック」(14)の繰り返しにより、回転(12)と(13)が同期する。部材(2)には4つの磁石(5)が、部材(7)には8つの磁石(11)が載っているため、部材(7)は部材(2)の半分の速度で回転する。部材(7)は、ポンプや発電機などアイテム(8)を、軸(9)を介して駆動し、それによって発電を行う。【選択図】 図1

Description

本発明は、磁気継手装置および、そのような継手を作る方法に関する。
N極とN極、あるいはS極とS極など、同磁極は反発することが知られており、磁石が2つの実質円状の部材の外周上に設けられている場合、そのような1対の磁石が噛み合い、基本的なギアの原理に則り、1つの部材の回転が、もう一つの回転を引き起こす。この原理で重要なのは、2つの部材の係合によって、非接触のギア伝達を引き起こすことができる点である。このことは、潤滑油からの異物混入のリスクが発生する恐れがあったり、ノイズレベルを最低限に抑える必要があるときに極めて重要である。
もう一つの利点は、円周上の磁石が(従来型のギアの歯のように)直接噛み合えることで、その場合、駆動力の直接伝達が可能になる。あるいは、磁石の係合を、(実際に噛み合わせることなく)互いに近くを通過させることによって行ってもよい。この場合、駆動部は、被駆動部が回転できない状態でも動作し続けることができるため、機構を破損から守ることができる。
本発明は、添付の独立した請求項で定義され、ここでその言及を行う。さらに、好ましい特徴を附属の下位請求項に示す。
請求項1に記載の本発明では、駆動部に最低1つの第1磁石が、また被駆動部に1つ以上の第2磁石があり、駆動部が回転すると、最低1つの第1磁石が第2磁石の一つに接近してそれに力を及ぼし、被駆動部の回転を引き起こすように駆動部と被駆動部が配設された、駆動部から被駆動部に駆動力を伝達する磁気継手装置、が提供される。
第1磁石および第2磁石は、被駆動部が回転すると並置状態になるが、互いに接触しないように使用時に配置されることが好ましい。
好ましい構成では、第1磁石および第2磁石の極は、力が最適になるように並べられる。
力が反発するように極が並べられるのが好ましい。
好ましい構成では、駆動部上に複数の第1磁石が配され、好ましくは、被駆動部上に複数の第2磁石が配される。
駆動部が回転すると、連続した第1磁石が、連続した第2磁石と、順に並置状態になるように、磁石が駆動部上および被駆動部上に配されることが好ましい。第1磁石のセットと、第2磁石のセットが噛み合わさってもよい。あるいは、第1磁石のセットと、第2磁石のセットが、駆動部と被駆動部が回転する際、間隙のある円内にとどまるように配置してもよい。
駆動部が、入力源により駆動されるように配してもよい。入力源は、電力、機械力のいずれを含んでもよい(ただしその限りではない)。
被駆動部は、出力装置に接続してもよい。出力装置は、ポンプ、発電機、ギアのいずれを含んでもよい(ただしその限りではない)。
駆動部は、駆動部の外縁を取り囲むように、好ましくは間隔をあけて、さらに好ましくは実質上同間隔に、配置された第1磁石で構成できる。
被駆動部は、被駆動部の外縁を取り囲むように、好ましくは間隔をあけて、さらに好ましくは実質上同間隔に、配置された第2磁石で構成できる。
第1磁石もしくは各第1磁石は、N極とS極を結ぶ軸が駆動部の回転軸と実質平行となるように、駆動部上に配されるのが好ましい。
第2磁石は、N極とS極を結ぶ軸が被駆動部の回転軸と実質平行となるように、被駆動部上に配されるのが好ましい。
好ましい構成では、駆動部は、軸と、磁石が取り付けられている実質平面体から構成される。
被駆動部は、軸と、磁石が取り付けられている実質平面体から構成されることがある。
平面体は実質円形の、よい好ましくは円盤状もしくは環状の物体から構成されることがある。
磁石は、対応する実質平面体に対して、実質垂直に配されるのが好ましい。
好ましい構成では、駆動部の平面体と、被駆動部の平面体は、実質同一面に存在する。
請求項2に記載の本発明では、駆動部に最低1つの第1磁石を、また被駆動部に1つ以上の第2磁石を設け、駆動部が回転すると、最低1つの第1磁石が第2磁石の一つに接近してそれに力を及ぼし、被駆動部の回転を引き起こすように駆動部と被駆動部を配設する方法で、駆動部と被駆動部間での磁気継手をつくる方法、が提供される。
駆動部が回転すると、連続した第1磁石が、連続した第2磁石と、順に並置状態になるように、磁石が駆動部上および被駆動部上に配されることが好まし
い。第1磁石のセットと、第2磁石のセットが噛み合わさってもよい。あるいは、第1磁石のセットと、第2磁石のセットが、駆動部と被駆動部が回転する際、間隙のある円内にとどまるように配置してもよい。
好ましくは、入力源による駆動部の作動を方法に含み、入力源は、電力、機械力のいずれを含んでもよい(ただしその限りではない)。
被駆動部の出力装置への接続を、方法に含むのが好ましい。出力装置は、ポンプ、発電機、ギアのいずれを含んでもよい(ただしその限りではない)。
本発明の追加の請求項によれば、
i)入力源、
ii)入力源に回転するように連結され、複数の磁石が駆動部上の適切なポイントに位置決めされ固定されている駆動部、
iii)回転するように取り付けられ、複数の磁石が被駆動部上の適切なポイントに位置決めされ固定されている被駆動部、
iv)被駆動部と、回転するように連結されているか、直接もしくは間接的に接続されている出力部材、から成る磁気継手装置が提供される。
駆動部と被駆動部は、回転時に、片方の複数の磁石が、もう一方の複数の磁石と、N極とN極、S極とS極というように、両方のNを向く極および/またはSを向く極が、基本的に最も近接距離で近接して通過するように並べられることが好ましい。互いに接触せず、駆動部に固定されている複数の磁石のうちの各磁石が、順次、被駆動部に固定されている複数の磁石のうちの一つに斥力を与えることが好ましい。その結果、駆動部上の磁石が、被駆動部上の磁石に、連続して斥力(押す力)を与えることで、本質的に滑らかな回転を引き起こ
す。これが出力部材への駆動力となる。
複数の駆動磁石のうちの、1つの駆動磁石は、複数の被駆動磁石のうちの、1つの被駆動磁石との互いの係合において、外周方向の動きの自由度が限られていることが好ましい。前述の駆動磁石と被駆動磁石との間の、前進方向の回転時の分離距離が、当該駆動磁石と次の被駆動磁石との間の、回転の逆方向の分離距離より短いことが、さらに好ましい。
入力源は、本質的に電気であってもよい。
その代わりに、あるいはその追加として、入力源は本質的に機械的なものでもよい。
磁石は永久磁石でもよい。
その代わりに、あるいはその追加として、磁石は電磁石でもよい。
電磁石は駆動部および/または被駆動部の回転角の予め決められた一部のみに活性化してもよい。
駆動部および被駆動部の両方に固定されている複数の磁石のうちの各磁石は、駆動部と被駆動部の両方の同一回転面に垂直に並べてもよい。
駆動部および被駆動部の両方に固定されている複数の磁石のうちの各磁石は、駆動部もしくは被駆動部のそれぞれの回転面に垂直に並べられ、これらの回転面は、互いに平行とするが、オフセットがあってもよい。
1対の近接する磁石の軸が基本的に互いに平行となるようなやりかたで、駆動部上の複数の磁石は、被駆動部上の複数の磁石に、接触しないが近接距離で接してよい。
駆動部と被駆動部は基本的に平面的かつ円状でよく、および/または円状の部分を有してよく、磁石は回転面上および外周面上/外周面の近くに垂直に置いてよい。
駆動部と被駆動部の両方に固定されている複数の磁石のうちの各磁石は、例えばNを向く極など同極が、駆動部もしくは被駆動部のどちらかと接する磁石の端となるように、駆動部および被駆動部に取り付けられていて、そのため、例えばSを向く極など反対の極が、回転の同一面から離れた、磁石の端になるようにしてよい。
装置には、ギア伝達を含んでもよい。
その代わりに、あるいはその追加として、装置に発電機および/または電力変換装置を含んでもよい。
出力部材には、回転式の駆動手段を含んでもよい。その代わりに、あるいはその追加として、出力部材に発電機を含んでもよい。
好ましい構成では、複数の出力部材がある。
動力源と駆動部との間の連結は、軸接続によるものでも、駆動部の外周を介するものでも、どちらでもよい。
被駆動部と出力部材との間の連結は、軸接続によるものでも、被駆動部の外周を介するものでもよい。
駆動磁石と、被駆動磁石との相互係合は、ギアの歯の噛み合いと同じように、噛み合いによって行うのが好ましい。
駆動磁石と被駆動磁石との噛み合いは、駆動部と被駆動部との間に滑りのない、1対1ベースの係合でもよい。
あるいは、駆動部と被駆動部との相互係合が、直接噛み合うことなく、近接距離を通過することによるものであってもよい。
近接距離を通過する場合、駆動部と被駆動部の間である程度の滑りが起きるのも許容されてよい。
駆動部と被駆動部の互いの係合が、非接触のギア比もしくは速度変更をもたらすのが好ましい。
一方の、またはそれぞれの複数の磁石の数、および/または駆動部と被駆動部の直径の相対的なサイズによって、装置の回転ギア比および/または速度変更が定まることがある。
一方の、または両方の複数の磁石の間隔、および/または駆動部と被駆動部の直径の相対的なサイズによって、装置のトルク伝達能力が定まることがある。
一方の、または両方の複数の磁石の間隔によって、駆動部に力が供給された時、被駆動部の回転の自動スタートが可能になることがある。
もう一つの請求項によれば、本発明には、
i)動力源を提供するステップ、
ii)動力源に回転するように連結され、複数の磁石が駆動部の適切なポイントに位置決めされ、固定されている駆動部を提供するステップ、
iii)回転するように取り付けられ、複数の磁石が被駆動部の適切なポイントに位置決めされ、固定されている被駆動部を提供するステップ、
iv)被駆動部と、回転するように連結されているか、直接もしくは間接的に接続されている出力部材を提供するステップ、で構成される、磁気継手を提供する方法が含まれる。
駆動部と被駆動部は、回転時に、片方の複数の磁石が、もう一方の複数の磁石と、N極とN極、S極とS極というように、両方のNを向く極および/またはSを向く極が最も近接距離で近接して通過するように並べられることが好ましい。互いに接触せず、駆動部に固定されている複数の磁石のうちの各磁石が、順次、被駆動部に固定されている複数の磁石のうちの一つに斥力を与えることが好ましい。その結果、駆動部上の磁石が、被駆動部上の磁石に、連続して斥力(押す力)を与えることで、本質的に滑らかな回転を引き起こす。これが出力部材への駆動力となる。
複数の駆動磁石のうちの、1つの駆動磁石は、複数の被駆動磁石のうちの、1つの被駆動磁石との互いの係合において、外周方向の動きの自由度が限られていることが好ましい。前述の駆動磁石と被駆動磁石との間の、前方向の回転時の分離距離が、前述の駆動磁石と次の被駆動磁石との間の、回転の逆方向の分離距離より短いことが、さらに好ましい。
方法には、ギア伝達を提供する方法を含んでもよい。
その代わりに、あるいはその追加として、この方法には発電、および/または電力変換の方法を含んでもよい。
磁石が近接距離を通過するが、噛み合わない場合、動力源に動力が供給される前に、被駆動部の回転が引き起こされることがある。
駆動部と被駆動部は、一旦両方が回転すれば、回転速度は自動的に同期することがある。
被駆動部は、各複数の磁石の磁石の数と、被駆動部の回転が引き起こされる最初のスピードによって、駆動部と同じ、あるいは異なる、回転速度で同期することがある。
被駆動部に回転を始めさせ、駆動部と同期するように、駆動部への動力提供を調整することもできる。その結果、装置は自動スタートすることもできる。
一つかそれ以上の電磁石によって、一対の磁石がそれぞれ近接距離で近接するのに対応して、駆動部および/または被駆動部の、予め決められた立体の回転角のみで活性化することがある。
好ましい構成では、回転可能な駆動部上の磁石が、回転可能な被駆動部上の磁石と係合するが、接触しない。この係合には、ある程度の外周方向の動きの自由度があってもよく、前向き回転での、駆動部上の磁石と、被駆動部上の磁石との間の分離距離は、逆回転での、駆動部上の当該磁石と、被駆動部上のその次の磁石との間の距離より短いことがある。
駆動部と被駆動部の両方は、好ましくは平面状で、また実質的に円状で、および/または円状の円周部をもち、複数の永久磁石が、外周もしくは円周部に均一な間隔で配されているのが好ましい。2つの部材は同一平面で回転するように配されることがある。1つの複数の磁石のうちの1つの磁石が、もう1つの複数の磁石のうちの1つの磁石に近づいた時、2つのNを向く極が好ましくは隣接し、2つのSを向く極も好ましくは隣接し、それによって2倍の斥力が生まれるように、磁石を実質的に同じ向きに、実質的に互いに平行に配するのが好ましい。
駆動部と被駆動部上の磁石の相互係合の形態は、ギアの歯のように噛み合うものか、接触せずに近くを通過することによるものかの、どちらでもよい。
駆動部の回転が引き起こされると、複数の磁石のうちの各磁石が通過することで、被駆動部上の複数の磁石の一つに斥力の「キック」が与えられ、離れるように動かされる。各複数の磁石は、互いに間隔がとってあるため、駆動磁石と被駆動磁石は、逐次互いに接近し、順々に斥力のキックを受け、被駆動部は回転を続け、やがて、2つの部材が同期回転する。駆動部と被駆動部が噛み合わず、近接距離を通過する場合、被駆動部は、駆動部に動力が供給される前に、回転を始めることがある。被駆動部は、軸接続を介したり、今述べたような外周上の斥力の磁気駆動をさらに使って、装置のアイテムを駆動する出力として用いてもよい。有利な特徴は、磁気駆動が非接触だという点である。これによって、隔離障壁を挟んで、駆動力および/または動力を伝達するのに、この装置を使うことができる。
本発明には、ここに言及される特徴もしくは制限のいかなる組み合わせを含んでもよいが、相互に排他的であるか、相互に矛盾するような組み合わせは除
く。
本発明の好ましい実施形態を、単なる例として、附属の図面を参照して、ここに述べる。
図1は、本発明の装置の、第1実施形態の平面図である。
図2は、図1の装置の側面図である。
図3は、図1のコピーで、磁石の駆動係合を楕円域Aに示したものである。
図4は、図3に示した楕円域Aの拡大図である。
図5は、図1に示した装置に、追加の動力引き出しを加えた、変形形態の平面図である。
図6は、本発明の装置の、第2実施形態の平面図である。
図7は、図6に示した装置の側面図である。
図8は、本発明の装置の、第3実施形態の平面図である。
図9は、図8に示した装置の側面図である。
図10は、本発明の装置の、第4実施形態の平面図である。
図11は、図10に示した装置の側面図である。
図10は、本発明の装置の、第5実施形態の平面図である。
図11は、図10に示した装置の側面図である。
図12は、本発明の装置の、第6実施形態の平面図である。
図13は、図12に示した装置の側面図である。
図14は、本発明の装置の、第7実施形態の平面図である。
図15は、図14に示した装置の側面図である。
次に説明される図1〜7では、異なる図の中の似たような部品、および/または、同一の機能を満たす異なる部品には、同一の参照番号が付してある。図8〜15では、同じ参照番号が用いられているが、100を増分してある。
図1と図2は、本発明の実施形態に基づく、基本原理を示す。モータ1に動力が供給され3、それにより部材2が駆動され回転12する。駆動部2には円筒形の棒磁石5が取り付けられている。部材2が回転12し、被駆動部7に接触はしないが近づき(示される通り)、部材2の外周面に配されている磁石5と、部材7の外周面に配されている磁石11が係合する。駆動部と被駆動部はおおむね平面的であり、より好ましくは、円状、円盤状、環状の物体である。(例えば)N極が部材2と部材7に近く、すなわち、図2の上側にあり、よってS極が部材から離れた端にくるように、すべての磁石5および11は垂直に取り付けられる。示される通り(図2)、部材2と部材7は同一平面上にあるため、磁石5と磁石11は互いに平行であり、2つのN極が隣接し、また2つのS極が隣接するように近づくことで、最大の斥力14(図4)が生成され、それによって被駆動部7が各磁石5から離れるような回転13が引き起こされる。(斥力は、両矢印14で表現されている(図4)。)
モータ1が活性化すると、駆動部2が回転し、磁石5が磁石11に近づくので、それによって被駆動部7の回転が引き起こされる。部材2が運転速度に達すると、磁石5から磁石11への斥力の「キック」14の繰り返しにより、回転12と13が同期する。部材2には4つの磁石5が、部材7には8つの磁石11が載っているため、部材7は部材2の半分の速度で回転する。部材7は、ポンプや発電機などアイテム8を、軸9を介して駆動し、それによって発電を行う。
駆動部2と被駆動部7とのギア比(図1)は、それぞれの磁石5と磁石11の相対的な数に依存し、典型的なギア比は、図1の実施形態では、2:1、1:1、1:2などとなりうる。図示される通り、部材7の直径は、部材2の直径より大きく、そのため軸9に伝達されるトルクは軸4のトルクより大きくなる。
図3は図1のコピーであるが、楕円Aで磁石5と磁石11との相互作用のエリアが示してある。図4は楕円Aのエリアの拡大図である。図示される通り、前方向の動き(12、13)での磁石5と磁石11の間の分離距離6Aは、磁石5と次の磁石11との間の分離距離6B(すなわち、回転の逆)よりはるかに小さい。2つの磁石の間の引力あるいは斥力は、基本的に、分離距離の2乗に反比例する。よって、前向きの力FAは基本的に1/6A2に比例し、逆向きの力FBは1/6B2に比例する。例えば、FAとFBの差を示すのに、図4の縮尺を使うと、6Aが18mmで、6Bが47mmである。よって、FA/FB = (47/18)2 = 6.818、すなわち、FAにはFBの7倍近い強度がある。よって、正味斥力14の大部分、すなわちFA - FBは直接、部材7の前向き13回転推進へと向けられる。6Aと6Bの相対的距離は、ギア2と7を介して伝達される動力と、回転12と13の速度に依存する。回転速度が速いと、時間単位あたりの斥力キックが多い結果となるため、回転部材2、7の角度当たりの正味推進力が増し、より滑らかな伝達となる。
動力源として電気モータ1が示されている(図2)が、ディーゼルエンジンもしくはエアモータなども同じように適用できる。同様に、出力8は、ポンプ、発電機、あるいはロボット装置のアイテムなど、いずれの適切なアイテムでも駆動できる。図5は、どのように図1の構成を使えば、さらに回転式出力を駆動できるかを示す。ここでは、被駆動磁石11が駆動磁石となり、部材19の磁石17と係合して、軸18の周りに回転21を引き起こす。出力19は、回転式の装置でも(図示なし)、さらなる動力出力20でもよい。軸入力駆動4(図1)が教示されているが、外周入力駆動(図示されていないが、部材17〜21に類似)も同様に可能である。
図6と図7は、本発明の基本原理の2つ目の変形形態を示すもので、磁石(5)の付いた駆動部2と、磁石11の付いた被駆動部7を倍増し、それぞれ、磁石5’の付いた駆動部2’と、磁石11’の付いた被駆動部7’として示している。この構成では、ギアの動力伝達能力が増加するはずである。
図8と図9は、磁石105と磁石111が、噛み合う(図1〜7)場合とは異なり、接触せずに互いの近くを通過する、本発明原理を示す。前述のように、モータ100に動力が供給され103、それにより部材102が駆動され回転112する。これは、駆動部102上に2つのみの磁石105、被駆動部107上に2つのみの磁石111を設けた、本原理の初期の試みを示している。図示106されるように、部材102が、被駆動部107の近くを、しかし空隙をあけて回転112し、磁石105が、部材107の外周近くに位置する磁石111と係合する。前述のように、(例えば)N極が部材102と部材107に近く、S極が部材から離れた端にくるように、すべての磁石105および111は垂直に取り付けられ
る。
図示される通り(図9)、部材102と部材107は同一平面上にあるため、磁石105と磁石111は互いに平行であり、2つのN極が隣接し、また2つのS極が隣接するように近づくことで、最大の斥力114が生成され(図9)、それによって被駆動部107が各磁石105から離れるような回転113が引き起こされる。(斥力は、両矢印114で表現されている。)動力103がモータ100に供給された時に、部材107が回転していると、2つの回転112と113が同期し、各磁石105が近づき106、通過時に斥力の「キック」114を磁石111に加える。部材107が軸109を介してポンプ108を駆動するが、同様に、発電機を駆動して電力を生成してもよい。
この「近接通過」の構成の有利な点は、例えば、被駆動部107の負荷が過剰になった場合に、駆動部102と被駆動部107の間に滑りが発生できることである。これにより、ストールした場合にモータ100が破損するのを防ぐことになる。
駆動部102と被駆動部107の両方が(図8)、それぞれ2つの磁石105と111しか載せていないため、反対方向にではあるが、どちらも同速度で回転112、113する。モータ100に動力が供給される前の、被駆動ホイール107の最初の回転速度に依存し、図8の状態では、回転速度の率は、2:1、1:1、1:2などになることがある。図示されているように、部材107の直径は、部材102の直径より大きく、それにより軸109に伝達されるトルクは、軸104のそれより大きくなる。
図10と図11は、駆動部102が、被駆動部107の平面と並行して、しかしその下に位置する、図8と図9の変形形態を示す。スペーサ115が、複数の磁石105と111との、近い106が非接触の、近接アライメントを維持する。図示されている通り、磁石はそれぞれ、部材102と部材107に垂直に取り付けられており、これについても、N極とS極が直接、近接している。この構成は、図8と図9に示すものより小さくまとまっているが、操作原理は同じで、同じ参照番号が用いられている。
図12と図13は、本発明原理のさらなる変形形態を示すが、複数の磁石111と117の相互作用により、部材116を介して、軸118、ロボティック・アイテム119(あるいは、発電機)、出力120へと、2つ目の動力引き出しがあ
る。前述のように、単一の入力103が用いられているが、2つの異なる出力109と119が提供される。3つの部材102、107、116は同一平面上にある。
本発明の実施形態は、必要に応じて、部材102、107、116の直径の相対的サイズと、複数の磁石の各数を変えて、適応させることができる。2つ目の引き出し116〜120を、必要に応じて、複数にしてもよく、そうすれば本発明の装置は、例えば、宇宙船上で、同時に複数の異なるロボティックシステムを駆動することができる。図12には、2段階の動力引き出しが教示されており、現実に実現されている。しかし、モータ100は、有益な出力109、119を生成するための、2つの磁気斥力105〜111と111〜117の組み合わせを駆動する入力を提供できるだけ、強力でなければならない。
図8〜13では、複数の磁石を、2つの駆動磁石105と2つの被駆動磁石111のみで表しているが、これは本発明の原理を明確で論理的に教示するためである。伝達される動力を高める一つの方法が、図14と図15に示されており、ここでは特別に変更された部材102A上で、複数の駆動磁石105Aが、対で用いられている。ここでは、対の磁石105Aが、磁石111Aに、通過するごとに「ダブル・キック」を与え、すなわち、トルク伝達を高めている。さらに(図15)では、各磁石105Aと111Aが2倍になっている。ここでは、磁石105Aと111Aが通過するときの斥力は、図8〜13で表現されているものより、潜在的に大きい。
図8〜15に示される構成では、駆動部102がスタートしても、被駆動部107が回転し始めないということが、時折生じることがある。このような状況では、モータ101がスタートする前に、被駆動部107が回転113していれば、部材102と部材107は自動的に同期する。
エネルギーは、ある形態から別の形態に変換できるというのは、既知である。例えば、高い所にある質量は位置エネルギーを持ち(質量をm、重力による加速をg、高さをhとした場合、mgh)、もし丘を転げ下りることができれば、この一部が運動エネルギー(vを速さとした場合、1/2mv2)に変換される。変換中、位置エネルギーの一部は、摩擦と空気抵抗により失われる。
同様に、2つの同じ磁極が互いに向かって近づけられると、その間に斥力が生じる。この力を正確に定義するのは、磁石の物理的な大きさと形状によるので複雑となりうるが、およそ逆2乗の関係といえる。すなわち、F = KM1M2/d2となる。ここでFは力(引力もしくは斥力)、Kは定数、M1とM2は2つの磁石の強度、dは分離距離である。この方程式から、分離距離が減少すれば、急速に力が増加することがわかる。磁気電位エネルギーの一部を、別の形態のエネルギーに変換するのに、この性質が利用できる。
入力源と、複数の磁石の永久磁石間の斥力の組み合わせによって、出力部材での力が生成される。
記載されたように操作すると、磁気電位エネルギーの一部が、出力エネルギー、すなわち、回転運動エネルギーもしくは電気エネルギーに変換される。
図2に示した装置で、入力3と出力10の電力を測定し、独立的な検証を行った。出力電力は、被駆動部7上の磁石の数と、回転13速度との積の関数である。部材7上の磁石11の数が多いほど、回転13が滑らかになる。さらに、磁石の数が多ければ、質量が増え、よって部材7の運動量が上がるため、より均一な動力出力10が得られる。
上記説明は、基本的に棒状の永久磁石を基本として書かれており、希土類元素を含む磁石は極めて強力ではあるが、本発明は、電磁石にも同様に適用可能である。この場合、整流子(図示なし)が、一部/全部の軸4、9、18、104、109、118に、同軸上に提供され、電磁石、すなわち5、11、17、105、111、117に相当するものを活性化するための力が、部材2、7、16、102、107、116の適切な、近接、立体回転角のみに供給される。
図1〜7の回転12、13、図8〜15の回転112、113が、磁石5と磁石11が最も近接となるポイントに達するまで、磁性を活性化させなければ、磁石が至近距離にあるときおよびその後に互いから離れるときの、強い前向きの「キック」(FA, 6A)を受ける前の、磁石が近づくときの小さな逆向きの「キック」(FB, 6B {図 4}) を受けないため、電磁石が永久磁石よりわずかに有利かもしれない。同じ、あるいは異なる、駆動部および/または被駆動部に棒磁石と電磁石を組み合わせることも、同様に可能である。
当業者なら、本発明の原理および、ギア伝達、発電、あるいは直流電圧変換など、本発明の範囲に含まれるその数多くの実用的なアプリケーションを理解する。しかし、ひとつ重要な特徴は、動力伝達が非接触だという点である。潤滑剤は蒸発しがちな上、接触部分から離れて表面上を流れていってしまうため、ギア式システムの潤滑が、宇宙では問題となる。よって、機械的な動力伝達の非接触手段は、衛星などや、電子力施設の廃炉に使われるその他のロボット装置に有利である。また、隔離障壁を間に挟んで、駆動力および/または電力を伝達するのにも有益かもしれない。
前述の実施形態では、駆動部と被駆動部上の磁石は、互いに反発するように配されている。当業者には、本発明の範囲内にとどまりつつ、必要に応じて適切な調整を加え、磁石が引き合うように配することも可能であることは明らかである。
前記の仕様で、特に重要と思われる本発明の特徴に注意を引く努力はしているものの、それに特に重点が置かれているかどうかに関わらず、ここに言及されている、および/または図面に示されている、あらゆる特許取得可能な特徴あるいは特徴の組み合わせに関して、出願人が保護を主張していることを理解すべきである。
本願に記載のの要約を以下に付記する。
駆動部に最低1つの第1磁石が、また被駆動部に複数の第2磁石があり、駆動部が回転すると、最低1つの第1磁石が第2磁石の一つに接近してそれに力を及ぼし、被駆動部の回転を引き起こすように駆動部と被駆動部が配設された、駆動部から被駆動部に駆動力を伝達する、磁気継手装置。
モータ(1)に動力が供給され(3)、それにより部材(2)が駆動され回転(12)する。駆動部(2)には円筒形の棒磁石(5)が取り付けられている。部材(2)が回転(12)し、被駆動部(7)に接触はしないが近づき、部材(2)の外周面に配されている磁石(5)と、部材(7)の外周面に配されている磁石(11)が係合する。駆動部と被駆動部はおおむね平面的であり、より好ましくは、円状、円盤状、環状の物体である。(例えば)N極が部材(2)と部材(7)に近く、S極が部材から離れた端にくるように、すべての磁石(5)および磁石(11)は垂直に取り付けられる。部材(2)と部材(7)は同一平面上にあるため、磁石(5)と磁石(11)は互いに平行であり、2つのN極が隣接し、また2つのS極が隣接するように近づくことで、最大の斥力(14)が生成され、それによって被駆動部(7)が各磁石(5)から離れるような回転(13)が引き起こされる。
モータ(1)が活性化すると、駆動部(2)が回転し、磁石(5)が磁石(11)に近づくので、それによって被駆動部(7)の回転が引き起こされる。部材(2)が運転速度に達すると、磁石(5)から磁石(11)への斥力の「キック」(14)の繰り返しにより、回転(12)と(13)が同期する。部材(2)には4つの磁石(5)が、部材(7)には8つの磁石(11)が載っているため、部材(7)は部材(2)の半分の速度で回転する。部材(7)は、ポンプや発電機などアイテム(8)を、軸(9)を介して駆動し、それによって発電を行う。

Claims (24)

  1. 駆動部に最低1つの第1磁石が、また被駆動部に1つ以上の第2磁石があり、駆動部が回転すると、最低1つの第1磁石が第2磁石の1つに接近してそれに力を及ぼし、被駆動部の回転を引き起こすように駆動部と被駆動部が配設された、駆動部から被駆動部に駆動力を伝達する、磁気継手装置。
  2. 第1磁石および第2磁石が、被駆動部が回転すると並置状態になるが、互いに接触しないように使用時に配置される、請求項1に記載の装置。
  3. 第1磁石および第2磁石の極が、力が最適になるように並べられた、請求項1または請求項2に記載の装置。
  4. 力が反発するように極が並べられた、前記請求項のいずれかに記載の装置。
  5. 駆動部上に複数の第1磁石が配されている、前記請求項のいずれかに記載の装置。
  6. 駆動部が回転すると、連続した第1磁石が、連続した第2磁石と、順に並置状態になるように、磁石が駆動部上および被駆動部上に配された、前記請求項のいずれかに記載の装置。
  7. 第1磁石のセットと、第2磁石のセットが噛み合うことがある、前記請求項のいずれかに記載の装置。
  8. 第1磁石のセットと、第2磁石のセットが、駆動部と被駆動部が回転する際、間隙のある円内にとどまるように配置された、請求項1〜6のいずれかに記載の装置。
  9. 駆動部が、入力源により駆動されるように使用時に配設された、前記請求項のいずれかに記載の装置。
  10. 入力源が電力あるいは機械力から成る、請求項9に記載の装置。
  11. 被駆動部が、出力装置に接続される、前記請求項のいずれかに記載の装置。
  12. 出力装置が、ポンプ、発電機、ギアのいずれかを含む(ただしその限りではない)、請求項11に記載の装置。
  13. 駆動部が、駆動部の外縁を取り囲むように、間隔をあけて配置された第1磁石で構成される、前記請求項のいずれかに記載の装置。
  14. 被駆動部が、被駆動部の外縁を取り囲むように、間隔をあけて配置された第2磁石で構成される、前記請求項のいずれかに記載の装置。
  15. 第1磁石もしくは各第1磁石が、N極とS極を結ぶ軸が駆動部の回転軸と実質平行となるように駆動部上に配された、前記請求項のいずれかに記載の装置。
  16. 第2磁石が、N極とS極を結ぶ軸が被駆動部の回転軸と実質平行となるように被駆動部上に配された、前記請求項のいずれかに記載の装置。
  17. 駆動部が、軸と、磁石が取り付けられている実質平面体から構成される、前記請求項のいずれかに記載の装置。
  18. 被駆動部が、軸と、磁石が取り付けられている実質平面体から構成される、前記請求項のいずれかに記載の装置。
  19. 平面体が、円盤状もしくは環状の物体から成る、請求項17または請求項18に記載の装置。
  20. 磁石が、対応する実質平面体に対して、実質垂直に配されている、請求項17〜19のいずれかに記載の装置。
  21. 駆動部の平面体と、被駆動部の平面体が、実質同一面に存在する、請求項17および請求項18に記載の装置。
  22. 駆動部が回転すると、最低1つの第1磁石が第2磁石の一つに接近してそれに力を及ぼし、被駆動部の回転を引き起こすように駆動部と被駆動部を配設する方法で、駆動部に最低1つの第1磁石、また被駆動部に1つ以上の第2磁石を設けて、駆動部と被駆動部間での磁気継手をつくる方法。
  23. 駆動部が回転すると、連続した第1磁石が、連続した第2磁石と、順に並置状態になるように、磁石が駆動部上および被駆動部上に配された、請求項22に記載の方法。
  24. 電力または機械力からなる入力源による、駆動部の作動を方法に含む、請求項22または請求項23に記載の方法。



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