JP2020510068A - アルブミンの精製方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本出願は、2017年3月16日に出願された米国仮出願第62/472,007号の恩典を主張し、該仮出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本開示は、血漿からのアルブミンの精製のための新規の方法に関する。方法は、血漿を、血漿中の総タンパク質濃度およびカプリル酸ナトリウム(NaCP)-対-総タンパク質比に依存する量のNaCPと接触させること、中性付近のpH範囲において血漿を低温殺菌すること、ならびに非アルブミン相からアルブミンを分離することを伴う。前記方法は、高い収率および純度のアルブミン溶液を提供する。
ヒトおよび動物の血液は、治療的特性を有する分子の供給源である。これらの分子の多くは、血漿または血清中に見出され得るタンパク質である。これらのタンパク質は、ヒト治療剤として使用するための分子の精製および標準化の目的での特異的単離のための標的とされてきた。例えば、アルブミン、免疫グロブリンG、第VIII因子およびアルファ-1-プロテイナーゼ阻害剤はいずれも、単離された治療用生成物として利用可能である。
本開示は、血漿からのアルブミンの精製のための改善された方法を記載する。
(a)血漿をカプリル酸ナトリウム(NaCP)と接触させる工程であって、NaCPの量が、血漿中の総タンパク質1グラム当たり0.1〜5mmol NaCPである、工程、
(b)血漿を60〜70℃の温度で加熱する工程、および
(c)非アルブミン相からアルブミンを分離する工程
を含む、方法を提供する。
血漿中の総タンパク質濃度および総タンパク質1グラム当たりのNaCPの量に依存する濃度のNaCPを中性付近のpHで使用した後、冷却させかつ低温殺菌された血漿のpHを減少させることによりアルブミンおよび非アルブミン相を分離することにより、血漿および部分的に分画された血漿からHSAを精製した。エタノールまたは大規模な処理工程の使用なしで精製方法を実行した。最終の回収されたHSAは、並外れた純度で高い収率である。
(a)血漿をカプリル酸ナトリウム(NaCP)と接触させる工程であって、NaCPの量が、血漿中の総タンパク質1グラム当たり0.1〜5mmol NaCPである、工程、
(b)血漿を60〜70℃の温度で加熱する工程、および
(c)非アルブミン相からアルブミンを分離する工程
を含む、方法を提供する。
材料
出発溶液:血漿、部分的に分画された血漿(例えば、コーン分別または拡張床吸着クロマトグラフィー(expanded bed adsorption chromatography)のいずれかを使用したIgG欠損血漿)。
カラムD FT+W濃縮溶液をNaCPと混合し、pH7に調整した後、60℃に加熱した。加熱した溶液を室温まで冷却した後、クエン酸を使用してpHを5.2に調整した。
低温殺菌の間のNaCPの存在は、カラムD FT+W濃縮物からより高分子量の不純物を除去した。脂質濃度は、低温殺菌された試料のpH調整後に10倍より大きく減少した。NaCP濃度の増加は、溶液からより多くの脂質を低減させた。顕著なことに、NaCP/TPの比が増加するにつれてHSAの純度も増加した。最良の純度は70mMのNaCPから得られた(NaCP/TP=63.6)。純度は、溶液の低温殺菌後に75%から91%に増加した。5.2へのpH調整は、不純物を沈殿させ、98.7%より高くまで純度を増加させた。NaCP量の増加もまた、純度を増加させた。
NaCPの存在下でのカラムD FT+W濃縮物の低温殺菌 - NaCP濃度の増加および可変の低温殺菌時間
pH調整前の溶液中で50、70および90mMのNaCPの最終濃度までのNaCPの3つの異なる濃度を使用した。次いで、溶液をpH7に調整した後、60〜65℃で低温殺菌した。50mMおよび90mMのNaCP条件の低温殺菌は4時間であり、次いでクエン酸を用いてpHを調整した。70mMのNaCP条件をpH調整の0.5、1、2および4時間前にアリコート化した。
NaCP-対-総タンパク質(TP)比は、NaCP/TP比が増加した時にHSAの純度も増加することを示した。最も高い純度は、90mMのNaCPから得られた(NaCP/TP=81.8)。高純度のHSAを回収するための最短の低温殺菌期間は少なくとも4時間であった。低温殺菌後の5.2へのpH調整もまた純度を増加させた。pH調整を5.4で停止した場合、結果として得られるHSA純度はより低かった。
NaCP-対-総タンパク質比 - 固定された濃度の総タンパク質に対する3つのNaCP濃度
pH調整前の溶液中で70、90および110mMのNaCPの最終濃度に対して3つの異なるNaCPの濃度を使用した。次いで、溶液をpH7に調整した後、60〜65℃で低温殺菌した。アリコートを3時間および6時間の時点で採取し、クエン酸を用いてpHを5.2に調整した。遠心分離の前に、pH調整した試料をP-1000濾過剤(最終0.7%)と混合した。
NaCP-対-総タンパク質(TP)比が増加するにつれて、HSAの純度は増加した。最も高い純度は、110mMのNaCP(NaCP/TP比:61)から得られた。HSA純度は、溶液の低温殺菌後に77〜78%から94%に増加した。低温殺菌後に5.2にpH調整することにより、HSA純度は98%より高くなることが示された。低温殺菌は、3時間程度の早さで完了させてもよい。濾過助剤の添加もまた純度を増加させた。
低温殺菌の間の2つの異なるpH
90mMのNaCPを用いて2つの溶液を調製した。次いで、溶液をpH7および7.3に調整した後、60〜65℃で低温殺菌熱処理を行った。6.5時間後に低温殺菌を停止させ、試料を回収した後、クエン酸を使用してpH5.2に調整した。pH調整試料の一部を回収し、残りの試料を遠心分離し、上清を回収した後、7に調整した。各ステージ後、すなわち、低温殺菌後、5.2への第1のpH調整後、および7への第2のpH調整後にHSAの純度を評価した。
低温殺菌の間のより高いpHは、わずかにより高いHSAの純度をもたらした。しかしながら、遠心分離された溶液の上清のpHを7に戻すように調整した場合、純度は低下した。HSAの回収は100%である。6.5時間までの低温殺菌時間は純度の低下を引き起こさなかったことが分かる。
3つの異なる総タンパク質濃度および4つの異なるNaCP/TP比
6つの溶液を表13に示す通りに調製した。出発溶液を半分および4分の1に希釈することにより試験総タンパク質濃度を120、60および30mg/mLとした。NaCPの濃度は、表13に示す総タンパク質および実験の設計に基づいて決定した。実験は、HSAの回収に対する総タンパク質濃度およびNaCP/TP比の効果を調べるための設計である。
最良の結果は、60mg/mLのTPおよび60〜75のNaCP/TP比で得られた。TP濃度が120mg/mLの場合、純度および回収は減少した。60mg/mLのTPで、より高いNaCP/TP比(89)は、不良な純度、不良な回収およびより多くの二量体をもたらした。より低いNaCP/TP比(44)は不良な純度をもたらしたが、100%のHSA回収であった。30mg/mLのTPで、純度は高かったが回収は不良であった。これは、不充分な量のNaCPは、沈殿により凝集物を除去できない可能性を示す。さらに、余剰量のNaCPは、より多くの二量体形成を引き起こした可能性がある。
2つの異なる総タンパク質濃度およびpHを調整するための2つの異なる酸
4つの溶液を表15の通りに調製した。出発溶液を60および80mg/mLに希釈した。NaCPの濃度を総タンパク質量および72のNaCP/TP比に基づいて決定した。実験は、HSAの回収に対する総タンパク質濃度、処理容量、低温殺菌後のpH調整のための酸の種類の影響力の効果について試験する。
この実施例では、NaCP/TP比を72に固定し、これは60〜75であった。PAS1はPAS2の10倍のスケールアップであり、この10倍のスケールアップは、純度および回収に差がないことを示した。60mg/mL(PAS1およびPAS2)および80mg/mLのTP(PAS3およびPAS4)の両方はよく機能したので、TP濃度範囲を60〜80mg/mLのTPに設定することができる。有機酸(PAS3)および無機酸(PAS4)の両方は、生成物の完全性を犠牲にすることなくpHを調整するために機能した。濾過助剤(P1000)の添加は、生成物の完全性に対して影響力を有しなかった。HSA回収は、フィルターの不完全なチェイシングに起因してスケールアップ試料を除いて100%に近かった。
導電率の効果、酸の影響および濾過助剤の量
溶液を表17の通りに調製した。出発溶液を60および80mg/mLに希釈した。NaCPの濃度を総タンパク質の量に基づいて決定し、NaCP/TP比を72に調整した。実験は、HSAの濾過性、回収および純度に対する低温殺菌の間の塩濃度(導電率)の効果、酸の種類の影響力、および濾過助剤の効果を試験する。
この実施例において使用したNaCP/TP比は72であった。導電率が増加するにつれて二量体形成は増加し、HSA単量体の割合は減少した。無機酸および有機酸の両方は、NaCPおよび不純物の共沈殿物を沈殿させるためによく機能した。酸の種類は単離されるHSAの純度に影響を及ぼすことが発見され、酸が強酸の場合により多くの二量体形成が起こる。二量体形成は、トリフルオロ酢酸(TFA)>塩酸>硫酸>クエン酸>酢酸の順序であることが分かる。それゆえ、酢酸によるpHの調整は、最小量の二量体形成に繋がる。酸による沈殿が完了すると、濾過助剤の量は、純度および二量体形成を増加も減少もさせない。
NaCPの存在下での血漿の低温殺菌 - EK1濾液からの調製
NaCPの存在下60℃での濃縮溶液の低温殺菌後にカラムD FT+W濃縮物からのHSAの精製に成功した。ここで我々は、上流の試料を用いて同じ成功を達成できるかどうかを調べた。カラムA FT+WをEK1フィルターにより濾過し、これは血漿分別について1回目のカラム分別工程であった。EK1濾液を濃縮した(082316 ILC)。EK1濾液濃縮物を用いる部分的な低温殺菌作業を、同じインキュベーション時間および同じ温度でカラムD FT+W濃縮物と並行して行った。濃縮したEK1に104mMの最終濃度までNaCP溶液(0.6M)を加えた後、pHを7に調整し、試料を64℃で4時間加熱した。SEC HPLCおよびSDS-PAGEゲルにより試料を分析した。pH5.2の溶液の上清は、HSAの純度は98.7%であり、より高分子量のタンパク質は検出不可能であることを示した。
この実施例は、カラムA精製血漿画分からHSAを精製できることを示す。したがって、カラムA工程とカラムD工程との間の中間画分ステージであるカラムC FT+Wから高度に純粋なHSAを回収することが実行可能であり得る。
NaCPの存在下での血漿の低温殺菌 - カラムC FT+Wからの調製
カラムC FT+Wは、血漿分別のための2回目のカラム分別工程である。ここで、カラムC FT+Wプール(Col C FT+W)を濃縮した(091916 ILC)。カラムC FT+W濃縮物を用いる部分的な低温殺菌を、ジャケット付きガラスビーカー中300mLスケールで行った。濃縮したカラムC FT+W(71mg/mL)に74mMの最終濃度までNaCP溶液(0.6M)を加えた後、pHを7に調整し、64℃で4時間加熱した。低温殺菌後の試料を1Mの酢酸を用いて処理してpHを5.2、次いで5.1に低下させた。濾過助剤(2%のP1000および1%のP300)の添加後に混合物をK700デプスフィルターにより濾過した。SEC HPLCおよびSDS-PAGEゲルにより試料を分析した。
この実施例に示すように、カラムC精製血漿画分からHSAを精製することができる。低温殺菌後の試料のpHは、試料の純度に影響せずにpH5.1程度の低いものであり得る。300mLスケールであっても、この低温殺菌方法は、99%より高い純粋なHSAを提供することができる。PAS1〜4aにおける濾液の緑色は、この特定の試料について追加の精製工程がさらに下流の処理で伴うべきであることを指し示す。
NaCPの存在下での血漿の低温殺菌 - クリオ プア血漿からの調製
クリオ プア血漿をFDAに承認された回収施設において回収した。解凍した血漿の部分的な低温殺菌を、同じインキュベーション時間および同じ温度でカラムC FT+W濃縮物と並行して行った。クリオ プア血漿に80mMの最終濃度に達するまでNaCP溶液(0.6M)を加えた後、pHを7に調整し、64℃で4時間加熱した。低温殺菌後の試料を1Mの酢酸を用いて処理してpHを5.1に低下させた。カラムC FT+W濃縮物を80〜120mM(76〜114のNaCP/TP比)と混合した後、低温殺菌した。SEC HPLCにより試料を分析し、重ね合わせ図にプロットした(表23、および図29)。表23に示すように、091916 ILCおよび092316 ILCはカラムC FT+Wからのものであった。ILCの濃度は53mg/mLであり、血漿の総タンパク質濃度を60mg/mLと推定した。濾過助剤の添加は、溶液から二量体の割合を低減させた(図29を参照)。多過ぎるNaCPを用いての低温殺菌は、より多くの二量体形成を引き起こした。緩衝液および水を用いる試料の希釈は純度の差異を生じさせない。
この実施例は、クリオ プア血漿からHSAを精製できることを示す。濾過前の濾過助剤の添加は、二量体の割合を低減させることができる。緩衝液および水を用いる出発材料の希釈は、純度に影響しなかった。低温殺菌工程において多過ぎるNaCPを加えることは二量体形成の増加を引き起こすことが分かる。したがって、95未満のNaCP/TP比が理想的である。
NaCPおよびN-アセチルトリプトファンの存在下での低温殺菌の間のpH
低温殺菌の間の試料のpHを評価した。NaCPに加えてN-アセチルトリプトファン(NAcW)の存在下での低温殺菌も評価した。7、6.8および6.6のpHを調べた。表24に記載されるカラムC FT+W濃縮物の低温殺菌試料に等量のNaCPおよびNAcWを加えた。pHの効果および加えたNAcWの効果を区別し得るように加えるNaCPの量を少なくした。SEC HPLCにより試料を分析し、重ね合わせ図にプロットした(表24および表25、ならびに図30)。図30に示すような結果として得られた純度の要約を表25に要約した。
低温殺菌のための最適化されたpHは6.6〜6.8である。低温殺菌工程のためのNAcWの添加は、pH5.1においてさえ凝集物が完全に除去されなかったので推奨されない。
上記の実施例に示すように、アルブミンの回収および純度は、血漿中の総タンパク質濃度および総タンパク質1グラム当たりのNaCPのmmolを特定した条件下での低温殺菌を伴う精製方法により最大化された。開示した方法の下、中性付近のpHでの過剰なカプリル酸イオンの存在によりアルブミンは安定化され、不純物が選択的に沈殿する。
濾過または清澄化による非アルブミン相からのアルブミンの分離は、深層濾過またはカセットを用いるTFF、好ましくは中空繊維TFFにより実行することができる。中空繊維TFFを使用した場合の濾過または清澄化の間の回収は、pH5.1〜5.3において改善される。好ましい孔径、入口圧力およびダイア容量の値を表26AおよびBに示す。中空繊維TFFについて、好ましい孔径は0.1μmであり、1m2当たり8〜9L/分のフィード流量を有する。1m2当たり1〜10L/分のフィード流量を非アルブミンからアルブミンを分離するために使用できることを当業者は理解するであろう。中空繊維TFFを使用した場合の初期容量低減濃縮は1x〜1.2x、好ましくは1.2xであり、ダイア容量は3〜4、好ましくは4ダイア容量である。本開示の方法により記載される低温殺菌および濾過/清澄化の前後の不純物の代表的な相対濃度を表27に示す。図31は、HSA20の研究からの低温殺菌および中空繊維TFFを使用する濾過/清澄化の後に回収されたHSAの純度を示す。
(a)血漿をカプリル酸ナトリウム(NaCP)と接触させる工程であって、NaCPの量が、該血漿中の総タンパク質1グラム当たり0.1〜5mmol NaCPである、工程、
(b)該血漿を60〜70℃の温度で加熱する工程、および
(c)非アルブミン相からアルブミンを分離する工程
を含む、血漿からアルブミンを精製するための方法。
[本発明1002]
前記血漿が、20〜150g/Lの濃度の総タンパク質を含む、本発明1001の方法。
[本発明1003]
前記血漿が、部分的に精製された血漿、クリオ プア(cryo poor)血漿、血漿中間物、血漿タンパク質の溶液、またはこれらの混合物である、本発明1001または1002の方法。
[本発明1004]
前記NaCPの量が、総タンパク質1グラム当たり0.2〜3、任意で0.5〜2、任意で0.8〜1.3mmol NaCPである、本発明1001〜1003のいずれかの方法。
[本発明1005]
前記総タンパク質が、30〜100g/L、任意で35〜80g/L、任意で45〜65g/Lの濃度である、本発明1001〜1004のいずれかの方法。
[本発明1006]
前記NaCPの量が総タンパク質1グラム当たり0.8〜1.3mmol NaCPであり、該総タンパク質が45〜65g/Lの濃度である、本発明1001〜1005のいずれかの方法。
[本発明1007]
前記NaCPが、20〜140mM、任意で40〜100mM、任意で50〜90mM、任意で60〜85mMの濃度である、本発明1001〜1006のいずれかの方法。
[本発明1008]
血漿の前記加熱が、6.0〜8.0、任意で6.5〜7.5、任意で6.7〜7.3、任意で6.7〜6.9のpHで実行される、本発明1001〜1007のいずれかの方法。
[本発明1009]
加熱の間の前記血漿の導電率が、9mS/cm未満、任意で5mS/cm未満である、本発明1001〜1008のいずれかの方法。
[本発明1010]
血漿の前記加熱が、60〜70℃、任意で62〜65℃の温度で、0.5〜24時間、任意で2〜12時間、任意で3〜12時間、任意で4〜6.5時間の期間にわたり実行される、本発明1001〜1009のいずれかの方法。
[本発明1011]
血漿の前記加熱が、6.7〜6.9のpH、62〜65℃の温度で、少なくとも4時間の期間にわたり実行され、前記NaCPの量が総タンパク質1グラム当たり0.8〜1.3mmol NaCPであり、該総タンパク質が45〜65g/Lの濃度である、本発明1001〜1010のいずれかの方法。
[本発明1012]
総タンパク質の濃度が水の添加により調整される、本発明1001〜1011のいずれかの方法。
[本発明1013]
非アルブミン相からのアルブミンの前記分離が、非アルブミンタンパク質および脂質不純物を沈殿させることを含む、本発明1001〜1012のいずれかの方法。
[本発明1014]
非アルブミン相からのアルブミンの前記分離が、前記血漿を30℃より低い温度に冷却することを含む、本発明1001〜1013のいずれかの方法。
[本発明1015]
非アルブミン相からのアルブミンの前記分離が、深層濾過、カセットを用いるタンジェンシャルフロー濾過(TFF)または中空繊維TFFを通じた濾過を行うこと、好ましくは、中空繊維TFFを通じた濾過を行うことを含む、本発明1001〜1014のいずれかの方法。
[本発明1016]
非アルブミン相からのアルブミンの前記分離が、血漿のpHを4.8〜5.4、任意で5.1〜5.3に調整することを含む、本発明1001〜1015のいずれかの方法。
[本発明1017]
血漿のpHの前記調整が、酸の添加により実行される、本発明1016の方法。
[本発明1018]
前記酸が、有機酸および/または無機酸を含む、本発明1017の方法。
[本発明1019]
前記有機酸が、クエン酸、酢酸およびトリフルオロ酢酸から選択される、本発明1018の方法。
[本発明1020]
前記有機酸が酢酸である、本発明1018または1019の方法。
[本発明1021]
前記無機酸が、塩酸、硫酸およびリン酸から選択される、本発明1018の方法。
[本発明1022]
非アルブミンからのアルブミンの前記分離が、1m 2 当たり1〜10L/分、任意で1m 2 当たり2〜10L/分、任意で1m 2 当たり3〜10L/分、任意で1m 2 当たり8〜9L/分のフィード流量での濾過を含む、本発明1015〜1021のいずれかの方法。
[本発明1023]
線形に規模を拡大縮小可能であり得る、本発明1001〜1022のいずれかの方法。
[本発明1024]
タンパク質の少なくとも90%(w/w)、任意でタンパク質の少なくとも92%(w/w)、任意でタンパク質の少なくとも94%(w/w)、任意でタンパク質の少なくとも96%(w/w)、任意でタンパク質の少なくとも98%(w/w)、任意でタンパク質の少なくとも99%(w/w)のアルブミン含有量を含む、本発明1001〜1023のいずれかの方法により回収されたアルブミン溶液。
本開示の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。しかしながら、詳細な説明および特定の例は、本開示の好ましい態様を指し示すが、それは説明のためにのみ与えられることが理解されるべきであり、本開示の精神および範囲内で様々な変更および改良がこの詳細な説明から当業者に明らかとなるであろう。
Claims (24)
- (a)血漿をカプリル酸ナトリウム(NaCP)と接触させる工程であって、NaCPの量が、該血漿中の総タンパク質1グラム当たり0.1〜5mmol NaCPである、工程、
(b)該血漿を60〜70℃の温度で加熱する工程、および
(c)非アルブミン相からアルブミンを分離する工程
を含む、血漿からアルブミンを精製するための方法。 - 前記血漿が、20〜150g/Lの濃度の総タンパク質を含む、請求項1記載の方法。
- 前記血漿が、部分的に精製された血漿、クリオ プア(cryo poor)血漿、血漿中間物、血漿タンパク質の溶液、またはこれらの混合物である、請求項1または2記載の方法。
- 前記NaCPの量が、総タンパク質1グラム当たり0.2〜3、任意で0.5〜2、任意で0.8〜1.3mmol NaCPである、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
- 前記総タンパク質が、30〜100g/L、任意で35〜80g/L、任意で45〜65g/Lの濃度である、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
- 前記NaCPの量が総タンパク質1グラム当たり0.8〜1.3mmol NaCPであり、該総タンパク質が45〜65g/Lの濃度である、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
- 前記NaCPが、20〜140mM、任意で40〜100mM、任意で50〜90mM、任意で60〜85mMの濃度である、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
- 血漿の前記加熱が、6.0〜8.0、任意で6.5〜7.5、任意で6.7〜7.3、任意で6.7〜6.9のpHで実行される、請求項1〜7のいずれか一項記載の方法。
- 加熱の間の前記血漿の導電率が、9mS/cm未満、任意で5mS/cm未満である、請求項1〜8のいずれか一項記載の方法。
- 血漿の前記加熱が、60〜70℃、任意で62〜65℃の温度で、0.5〜24時間、任意で2〜12時間、任意で3〜12時間、任意で4〜6.5時間の期間にわたり実行される、請求項1〜9のいずれか一項記載の方法。
- 血漿の前記加熱が、6.7〜6.9のpH、62〜65℃の温度で、少なくとも4時間の期間にわたり実行され、前記NaCPの量が総タンパク質1グラム当たり0.8〜1.3mmol NaCPであり、該総タンパク質が45〜65g/Lの濃度である、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
- 総タンパク質の濃度が水の添加により調整される、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。
- 非アルブミン相からのアルブミンの前記分離が、非アルブミンタンパク質および脂質不純物を沈殿させることを含む、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。
- 非アルブミン相からのアルブミンの前記分離が、前記血漿を30℃より低い温度に冷却することを含む、請求項1〜13のいずれか一項記載の方法。
- 非アルブミン相からのアルブミンの前記分離が、深層濾過、カセットを用いるタンジェンシャルフロー濾過(TFF)または中空繊維TFFを通じた濾過を行うこと、好ましくは、中空繊維TFFを通じた濾過を行うことを含む、請求項1〜14のいずれか一項記載の方法。
- 非アルブミン相からのアルブミンの前記分離が、血漿のpHを4.8〜5.4、任意で5.1〜5.3に調整することを含む、請求項1〜15のいずれか一項記載の方法。
- 血漿のpHの前記調整が、酸の添加により実行される、請求項16記載の方法。
- 前記酸が、有機酸および/または無機酸を含む、請求項17記載の方法。
- 前記有機酸が、クエン酸、酢酸およびトリフルオロ酢酸から選択される、請求項18記載の方法。
- 前記有機酸が酢酸である、請求項18または19記載の方法。
- 前記無機酸が、塩酸、硫酸およびリン酸から選択される、請求項18記載の方法。
- 非アルブミンからのアルブミンの前記分離が、1m2当たり1〜10L/分、任意で1m2当たり2〜10L/分、任意で1m2当たり3〜10L/分、任意で1m2当たり8〜9L/分のフィード流量での濾過を含む、請求項15〜21のいずれか一項記載の方法。
- 線形に規模を拡大縮小可能であり得る、請求項1〜22のいずれか一項記載の方法。
- タンパク質の少なくとも90%(w/w)、任意でタンパク質の少なくとも92%(w/w)、任意でタンパク質の少なくとも94%(w/w)、任意でタンパク質の少なくとも96%(w/w)、任意でタンパク質の少なくとも98%(w/w)、任意でタンパク質の少なくとも99%(w/w)のアルブミン含有量を含む、請求項1〜23のいずれか一項記載の方法により回収されたアルブミン溶液。
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