図面および添付物を含むすべての出版物、特許、特許出願は、図面および添付物を含む各々の出版物、特許、特許出願が、すべての目的のためにその全体が参照により組み込まれると具体的におよび個別に示されているのと同程度に、すべての目的のためにその全体が参照により組み込まれている。
「薬学的に許容される」という用語は、動物または人におけるインビボ使用に生物学的または薬理学的に適合していることを意味し、連邦政府または州政府の規制当局によって承認されること、または動物、特にヒトにおいて使用するために米国薬局方、またはその他の一般に認められた薬局方に記載されることを意味する場合もある。
本明細書で使用されるとき、「対象」という用語は、ありとあらゆる生物を含み、「患者」という用語を含む。「対象」とは、ヒトまたはその他の任意の動物を指し得る。
「治療する」という用語は、対象の状態の少なくとも1つの症状を軽減、緩和、遅延、低減、逆転、改善、または管理することの1つ以上を意味する。「治療する」という用語は、阻止、発症の遅延(すなわち、状態の臨床症状発現前の期間)、または状態の進行もしくは悪化のリスクを減らすことの1つ以上を意味。
本明細書で使用されるとき、「約」という用語は、特定の成分の投与量または投与量範囲の前に位置するとき、特定の成分の治療効果を、明示された量または範囲から明らかに変更しない、指定された量または範囲に近接して上回るおよび/または近接して下回る量または範囲を示す。
本明細書に開示される固体剤形を使用して、任意の親油性治療薬を製剤化することができる。例えば、本明細書に開示された製剤および方法を使用して投与できる特定の治療薬には、テトラサイクリン、ドキシサイクリン、オキシテトラサイクリン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、アシクロビル、イドクスウリジン、トロマンタジン、ミコナゾール、ケトコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、エコナゾール、グリセオフルビン、アンホテリシンB、ナイスタチン、メトロニダゾール、安息香酸メトロニダゾール、チニダゾール、インドメタシン、イブプロフェン、ピロキシカム、ジクロフェナク、クロモグリク酸二ナトリウム、ニトログリセリン、二硝酸イソソルビド、ベラパミル、ニフェジピン、ジルチアゼム、ジゴキシン、モルヒネ、シクロスポリン、ブプレノルフィン、リドカイン、ジアゼパム、ニトラゼパム、フルラゼパム、エスタゾラム、フルニトラゼパム、トリアゾラム、アルプラゾラム、ミダゾラム、テマゼパムロルメタゼパム、ブロチゾラム、クロバザム、クロナゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、ブシピロン、スマトリプタン、エルゴタミン誘導体、シンナリジン、抗ヒスタミン剤、オンダンセトロン、トロピセトロン、グラニセトロン、メトクロプラミド、ジスルフラム、ビタミンK、パクリタキセル、ドセタキセル、カンプトテシン、SN38、シスプラチン、カルボプラチン、エファビレンツ、サキナビル、リトナビル、およびクロファジミンが含まれる。
特定の実施形態では、固体剤形はアンホテリシンBを含む。さらなる実施形態では、本開示のアンホテリシンB固体剤形は、第2の治療薬、例えば、本明細書で開示される任意のものをさらに含み得る。
実施形態では、本明細書に記載される固体剤形中のアンホテリシンBの生物学的利用能は、米国特許第8,592,382号および同第8,673,866号に開示されているものなど、従来の液体製剤と少なくとも同等であり、これらの各々は、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。例えば、米国特許第8,673,866号に開示されるアンホテリシンB製剤は、約189対1を超えるアンホテリシンBに対する重量比で親油性成分(油、界面活性剤、溶媒、および共溶媒/界面活性剤)の等方性混合物を利用して、適切なレベルの生物学的利用能を達成し、その結果、胃の不調を引き起こす油性製剤をもたらした。本発明者らは、驚くべきことに、かつ予想外に、胃の不調を引き起こすことなく、顕著に減少した量の親油性成分を含む固形剤形で同等のレベルの生物学的利用能を達成できることを発見した。
いくつかの実施形態では、本開示の固体剤形は、製剤の1つ以上の親油性成分に対する比率が大きいアンホテリシンBを含んで上述の従来の液体製剤と同等の生物学的利用能を提供するが、従来の液体アンホテリシン製剤は、十分な生物学的利用能を提供するために、アンホテリシンBに対する比率が大きい親油性成分を利用する。実施形態では、本開示の固体組成物は、約100:1〜約1:1、例えば約100:1、約95:1、約90:1、約85:1、約80:1、約75:1、約70:1、約65:1、約60:1、約55:約50:1、約45:1約40:1、約35:1、約30:1、約25:1、約20:1、約15:1、約10:1、約9.5:1約9:1、約8.5:1、約8:1、約7.5:1、約7:1、約6.5:1、約6:1、約5.5:1、約5:1、約4.5:1、約4:1、約3.5:1、約3:1、約2.5:1、約2:1、約1.5:1、または約1:1と、すべての範囲とその間の部分範囲を含む範囲で、アンホテリシンBの親油性成分に対する重量比を有する。
他の実施形態では、本開示の固体剤形は、上述の液体製剤と同等の生物学的利用能を提供し、従来の液体製剤と比較して、アンホテリシンBに対してより過剰でない親油性成分を有する。実施形態では、アンホテリシンBに対する本開示の固体剤形中の1つ以上の親油性成分(例えば、1つ、2つ、3つなどの親油性成分)の重量比は、約100:1〜約1:1、例えば約100:1、約95:1、約90:1、約85:1、約80:1、約75:1、約70:1、約65:1、約60:1、約55:1、約50:1、約45:1約40:1、約35:1、約30:1、約25:1、約20:1、約15:1、約10:1、約9.5:1約9:1、約8.5:1、約8:1、約7.5:1、約7:1、約6.5:1、約6:1、約5.5:1、約5:1、約4.5:1、約4:1、約3.5:1、約3:1、約2.5:1、約2:1、約1.5:1、または約1:1と、すべての範囲とその間の部分範囲を含む範囲である。
代替的な実施形態では、本開示の固体剤形は、約10〜30重量%のアンホテリシンBと、約1〜10重量%(総量)の1つ以上の親油性成分とを含む。例えば、アンホテリシンBの重量%は、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、または約30%と、すべての範囲とその間の部分範囲であり、親油性成分の総重量%は、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、約6%、約6.5%、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、または約10%と、すべての範囲とその間の部分範囲である。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの親油性成分は、治療薬(例えば、アンホテリシンB)と組み合わせて使用される。他の実施形態では、少なくとも1つの親油性成分は、治療薬の固体担体へのコーティングを促進するために使用される。親油性成分は、治療薬(例えば、アンホテリシンB)を溶解または懸濁することができ、薬学的に許容される任意の疎水性物質を含んでもよい。治療薬の可溶化に使用される親油性成分は、治療薬と親油性成分、または親油性成分中のアンホテリシンBの可溶化を促進するための脂質と任意の有機溶媒の親水性−親油性バランス(HLB)に基づいて選択できる。治療薬(例えば、アンホテリシンB)を可溶化するための適切な脂質材料は、治療薬のものと等しいか、さもなければ適切な溶媒に治療薬を可溶化するのに十分なHLB値を有し得る。例えば、エタノール中のアンホテリシンBを可溶化するのに適した親油性成分は、14以下(例えば、13、12、11、または10)のHLBを有し得る。
本開示の組成物中の各親油性成分は、天然(ヒト、動物、または植物由来)または合成の供給源から選択することができる。親油性成分は、室温で液体または固体であり得るが、但し、加熱すると固体が溶融でき、溶融した親油性成分が治療薬(例えば、アンホテリシンB)を分解または変性させない。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの親油性成分を使用して、治療薬(例えば、親油性薬物、例えば、アンホテリシンB)を可溶化することができる。他の実施形態では、親油性成分は、治療薬(アンホテリシンB)の経口吸収を改善するために選択され得る。さらなる実施形態では、親油性成分は、治療薬(例えば、アンホテリシンB)の生物学的利用能を改善するために選択され得る。さらに他の実施形態では、親油性成分は、界面活性剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、親油性成分は、非イオン性界面活性剤であり得る。なおもさらなる実施形態では、親油性成分は、治療薬の固体担体へのコーティングまたは接着を促進する親油性結合剤物質である。
実施形態では、本明細書に開示される剤形は、1つの親油性成分または2つ以上の親油性成分の混合物(例えば、3つの親油性成分、4つの親油性成分、5つの親油性成分などの混合物)を含み得る。2つの親油性成分を伴う実施形態では、第1の親油性成分の第2の親油性成分に対する重量比は、約99:1〜約1:99、例えば、約99:1、約95:5、約90:10、約85:15、約80:20、約75:25、約70:30、約65:35、約60:40、約55:45約50:50、約45:55約40:60、約35:65、約30:70、約25:75、約20:80、約15:85、約10:90、約5:95、および約1:99と、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内である。
本明細書に開示される固体剤形において有用である親水性成分の非限定な例には、薬学的に許容される脂肪、脂肪物質、油、リン脂質、ステロール、およびワックスが含まれる。脂肪は一般に、グリセロールのエステル(例えば、グリセロールと脂肪酸のモノエステル、ジエステル、またはトリエステル)を指す。適切な脂肪および脂肪物質には、脂肪アルコール(ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、またはセトステアリルアルコールなど)、脂肪酸、および誘導体が含まれるが、これらに限定されず、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリド(モノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリド)、および水素化脂肪を含むがこれらに限定されない。脂肪は、構造と組成に応じて、通常の室温で固体または液体のいずれかであり得る。
適切な油には、薬学的に許容される、室温で液体である、動物(例えば、脂肪酸エステル)、鉱物(例えば、パラフィン油)、植物(例えば、植物油)、または合成炭化水素が含まれる。薬学的に許容される油の例には、パラフィン油などの鉱油、ヒマシ油、硬化植物油、ゴマ油、および落花生油などの植物油、トリグリセリドおよびバターなどの動物性油脂が含まれるが、これらに限定されない。部分硬化植物油は、天然物に由来し、一般にC14−20脂肪酸、特にパルミチン酸およびステアリン酸のグリセリドの混合物を含む。部分硬化植物油の適切な例には、部分硬化の、綿実油、大豆油、トウモロコシ油、落花生油、パーム油、ヒマワリ種子油またはそれらの混合物が含まれる。部分的に水素化された植物油の化学的同等物には、前述の天然由来物と同一の特性を有する合成的に産生されたC14−20脂肪酸のグリセリドが含まれる。
適切なリン脂質には、薬学的に許容される植物、動物、および合成のリン脂質が含まれる。薬学的に許容されるリン脂質の例には、ホスファチジルコリン、1,2−ジエルコイルホスファチジルコリン、1,2−ジミリストイルホスファチジルコリン、1,2−ジオレオイルホスファチジルコリン、1,2−ジオレオイルホスファチジルセリン、1,2−ジステアロイルホスファチジルグリセロール、1,2−ジパルミトイルホスファチジルコリン、1,2−ジステアロイルホスファチジルコリン、1,2−ジステアロイルホスファチジルグリセロール、卵ホスファチジルコリン、卵ホスファチジルグリセロール、大豆ホスファチジルコリン、グリセロホスホコリン、硬化大豆ホスファチジルコリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、N−(カルボニル−メトキシポリエチレングリコール2000)−1,2−ジステアロイルホスファチジルエタノールアミンナトリウム塩、ムラミルトリペプチド−ホスファチジルエタノールアミン、1−パルミトイル−2−リノレオイルホスファチジルコリン、1−パルミトイル−2−リノレオイルホスファチジルグリセロール、1−パルミトイル−2−オレオイルホスファチジルコリン、1−パルミトイル−2−オレオイルホスファチジルグリセロール、ポリエニルホスファチジルコリン、1−パルミトイル−2−ステアロイルホスファチジルコリン、1−パルミトイル−2−ステアロイルホスファチジルグリセロール、1−ステアロイル−2−リノレオイルホスファチジルコリン、1−ステアロイル−2−リノレオイルホスファチジルグリセロール、スフィンゴミエリン、1−ステアロイル−2−オレオイルホスファチジルコリン、1−ステアロイル−2−オレオイルホスファチジルグリセロールなどのようなコリンホスファチジルエタノールアミン、およびホスファチジルグリセロールが含まれるがこれらに限定されない。
適切なワックスには、動物ワックス、植物ワックス、鉱物ワックス、および石油ワックスが含まれる。ワックスの例には、ベヘン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、カルナウバろう、セチルアルコール、ステアリン酸グリセリル蜜ろう、パラフィンろう、オゾケライト、カンデリラろう、セチルアルコール、ステアリルアルコール、鯨ろう、カルナウバろう、ヤマモモろう、モンタン、セレシン、およびミクロクリスタリンワックスが含まれるが、これらに限定されない。
特定の実施形態では、本明細書に開示される固体剤形での使用に適した親油性成分は、脂肪酸グリセロールエステル、ポリエチレンオキシド含有脂肪酸エステル、およびそれらの組み合わせが含まれる。
特定の実施形態では、本開示のアンホテリシンB製剤は、1つ以上の脂肪酸グリセロールエステルを含む。本明細書で使用するとき、「脂肪酸グリセロールエステル」という用語は、グリセロールと、モノエステル、ジエステル、およびトリエステルを含む1つ以上の脂肪酸との間で形成されるエステル(すなわち、グリセリド)を指す。適切な脂肪酸には、8個〜22個の炭素原子を有する飽和および不飽和の脂肪酸(すなわち、C8−C22脂肪酸)が含まれる。特定の実施形態では、適切な脂肪酸には、C12−C18脂肪酸が含まれる。製剤に有用な脂肪酸グリセロールエステルは、市販の供給源から提供され得る。脂肪酸グリセロールエステルの代表的な供給源は、一般に「オレイン酸グリセリル」または「モノオレイン酸グリセリル」と呼ばれる、PECEOL(登録商標)(Gattefosse, Saint Priest Cedex,France)として市販されているモノエステル、ジエステル、およびトリエステルの混合物である。いくつかの実施形態では、PECEOL(登録商標)が製剤中の脂肪酸グリセロールエステルの供給源として使用されるとき、脂肪酸グリセロールエステルは、約32〜約52重量%の脂肪酸モノグリセリド、約30〜約50重量%の脂肪酸ジグリセリド、および約5〜約20重量%の脂肪酸トリグリセリドを含む。脂肪酸グリセロールエステルは、約60重量%を超えるオレイン酸(C18:1)モノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリドを含む。他の脂肪酸グリセロールエステルには、パルミチン酸(C16)(約12%未満)、ステアリン酸(C18)(約6%未満)、リノール酸(C18:2)(約35%未満)、リノレン酸(C18:3)(約2%未満)、アラキジン酸(C20)(約2%未満)、およびエイコサン酸(C20:1)(約2%未満)のエステルが含まれる。PECEOL(登録商標)は、遊離グリセロール(典型的には約1%)も含み得る。一実施形態では、脂肪酸グリセロールエステルは、約44重量%の脂肪酸モノグリセリド、約45重量%の脂肪酸ジグリセリド、および約9重量%の脂肪酸トリグリセリドを含み、脂肪酸グリセロールエステルは約75重量%のオレイン酸(C18:1)モノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリドを含む。他の脂肪酸グリセロールエステルには、パルミチン酸(C16)(約4%)、ステアリン酸(CI5)(約2%)、リノール酸(CIS:2)(約12%)、リノレン酸(C18:3)(1%未満)、アラキジン酸(C20)(1%未満)、エイコサン酸(C20:1)(1%未満)のエステルが含まれる。
実施形態では、脂肪酸グリセロールエステルは、アンホテリシンB製剤中の唯一の脂質であり得る。他の実施形態において、製剤は、混合脂肪酸グリセロールエステル、例えば本明細書に開示されるもののいずれかを含んでもよい。さらに他の実施形態では、本明細書に記載される1つ以上のポリエチレンオキシド含有脂肪酸エステルなどの、本明細書に記載される他の親油性成分と組み合わせて、1つ以上の脂肪酸グリセロールエステルを使用してもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるアンホテリシンB製剤は、脂肪酸エステルなどの少なくとも1つのポリエチレンオキシド含有親油性成分を含む。本明細書で使用されるとき、「ポリエチレンオキシド含有脂肪酸エステル」という用語は、エステル結合を介して脂肪酸に共有結合したポリエチレンオキシド基(すなわち、ポリエチレングリコール基)を含む脂肪酸エステルを指す。ポリエチレンオキシド含有脂肪酸エステルには、ポリエチレングリコールのモノ脂肪酸エステルおよびジ脂肪酸エステルが含まれる。適切なポリエチレンオキシド含有脂肪酸エステルは、8〜22個の炭素原子を有する飽和および不飽和の脂肪酸を含む脂肪酸から誘導される(すなわち、C8−C22脂肪酸のポリエチレンオキシドエステル)。特定の実施形態では、適切なポリエチレンオキシド含有脂肪酸エステルは、12〜18個の炭素原子を有する飽和および不飽和の脂肪酸を含む脂肪酸から誘導される(すなわち、C12−C18脂肪酸のポリエチレンオキシドエステル)。代表的なポリエチレンオキシド含有脂肪酸エステルには、飽和C8−C22脂肪酸エステルが含まれる。特定の実施形態では、代表的なポリエチレンオキシド含有脂肪酸エステルには、飽和C12−C18脂肪酸が含まれる。
ポリエチレンオキシド含有脂肪酸エステルのポリエチレンオキシド基の分子量は、製剤中の治療薬(例えば、アンホテリシンB)の溶解度を最適化するために変動し得る。ポリエチレンオキシド基の代表的な平均分子量は、約350〜約2000であり得る。一実施形態では、ポリエチレンオキシド基の平均分子量は約1500である。
いくつかの実施形態では、アンホテリシンB製剤が親油性成分にポリエチレンオキシド含有脂肪酸を含むとき、親油性成分は1種類のみのポリエチレンオキシド含有脂肪酸を含んでもよい。他の実施形態では、親油性成分中のポリエチレンオキシド含有脂肪酸は、ポリエチレンオキシド含有脂肪酸エステル(ポリエチレングリコールのモノ脂肪酸エステルおよびジ脂肪酸エステル)の混合物を含み得る。
本開示の製剤に有用なポリエチレンオキシド含有脂肪酸エステルは、商業的に入手可能な供給源により提供され得る。代表的なポリエチレンオキシド含有脂肪酸エステル(モノエステルとジエステルの混合物)は、GELUCIRE(登録商標)(Gattefosse, Saint Priest Cedex, France)の名称で市販されている。適切なポリエチレンオキシド含有脂肪酸エステルには、GELUCIRE(登録商標)44/14、GELUCIRE(登録商標)50/13、GELUCIRE(登録商標)53/10、およびGELUCIRE(登録商標)48/16が含まれる。これらの名称の数字は、それぞれこれらの材料の融点と親水性/親油性バランス(HLB)を指す。GELUCIRE(登録商標)44/14、GELUCIRE(登録商標)50/13、GELUCIRE(登録商標)53/10、およびGELUCIRE(登録商標)48/16は、(a)グリセロールのモノエステル、ジエステル、およびトリエステル(グリセリド)と、(b)ポリエチレングリコールのモノエステルおよびジエステル(マクロゴール)との混合物である。GELUCIRESには、遊離ポリエチレングリコール(例えば、PEG1500)をも含み得る。
ラウリン酸(C12)は、GELUCIRE(登録商標)44/14のグリセリドおよびポリエチレングリコールエステルの主な脂肪酸成分である。GELUCIRE(登録商標)44/14は、グリセリルジラウレート(グリセロールを含むラウリン酸ジエステル)とPEGジラウレート(ポリエチレングリコールを含むラウリン酸ジエステル)との混合物と呼ばれ、PEG−32グリセリルラウレート(Gattefosse)ラウロイルマクロゴール−32グリセリドEP、またはラウロイルポリオキシグリセリドUSP/NFとして一般に知られている。GELUCIRE(登録商標)44/14は、硬化パーム核油とポリエチレングリコール(平均分子量1500)との反応によって産生される。GELUCIRE(登録商標)44/14には、約20%のモノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリド、約72%のポリエチレングリコール1500のモノ脂肪酸エステルおよびジ脂肪酸エステル、ならびに約8%のポリエチレングリコール1500が含まれる。
GELUCIRE(登録商標)44/14には、ラウリン酸(C12)エステル(30〜50%)、ミリスチン酸(C14)エステル(5〜25%)、パルミチン酸(C16)エステル(4〜25%)、ステアリン酸(C18)エステル(5〜35%)、カプリル酸(C8)エステル(15%未満)、およびカプリン酸(C10)エステル(12%未満)が含まれる。GELUCIRE(登録商標)44/14には、遊離グリセロール(典型的には約1%未満)も含まれ得る。代表的な製剤では、GELUCIRE(登録商標)44/14には、ラウリン酸(C12)エステル(約47%)、ミリスチン酸(C14)エステル(約18%)、パルミチン酸(C16)エステル(約10%)、ステアリン酸(C18)エステル(約11%)、カプリル酸(C8)エステル(約8%)、およびカプリン酸(C10)エステル(約12%)が含まれる。
GELUCIRE(登録商標)50/13では、パルミチン酸(C16)(40−50%)およびステアリン酸(C18)(48−58%)が、グリセリドおよびポリエチレングリコールエステルの主な脂肪酸成分である。GELUCIRE(登録商標)50/13は、PEG−32グリセリルパルミトステアレート(Gattefosse)、ステアロイルマクロゴールグリセリドEP、またはステアロイルポリオキシグリセリドUSP/NFとして知られている。GELUCIRE(登録商標)50/13には、パルミチン酸(C16)エステル(40〜50%)、ステアリン酸(C18)エステル(48〜58%)(約90%を超えるステアリン酸およびパルミチン酸エステル)、ラウリン酸(C12)エステル(5%未満)、ミリスチン酸(C14)エステル(5%未満)、カプリル酸(C8)エステル(3%未満)、およびカプリン酸(C10)エステル(3%未満)が含まれる。GELUCIRE(登録商標)50/13には、遊離グリセロール(典型的には約1%未満)も含まれ得る。代表的な製剤では、GELUCIRE(登録商標)50/13にはパルミチン酸(C16)エステル(約43%)、ステアリン酸(CIS)エステル(約54%)(ステアリン酸およびパルミチン酸エステル約97%)、ラウリン酸(C12)エステル(1%未満)、ミリスチン酸(C14)エステル(約1%)、カプリル酸(C8)エステル(1%未満)、およびカプリン酸(C10)エステル(1%未満)が含まれる。ステアリン酸(C18)は、GELUCIRE(登録商標)53/10のグリセリドおよびポリエチレングリコールエステルの主な脂肪酸成分である。GELUCIRE(登録商標)53/10は、PEG−32ステアリン酸グリセリル(Gattefosse)として知られている。
一実施形態では、ポリエチレンオキシド含有脂肪酸エステルは、ラウリン酸エステル、パルミチン酸エステル、またはステアリン酸エステルである(すなわち、ポリエチレングリコールのモノラウリン酸エステルおよびジラウリン酸エステル、ポリエチレングリコールのモノパルミチン酸エステルおよびジパルミチン酸エステル、ポリエチレングリコールのモノステアリン酸エステルおよびジステアリン酸エステル)。これらのエステルの混合物も使用できる。
いくつかの実施形態では、固体剤形は、少なくとも1つの脂肪酸グリセロールエステルと、少なくとも1つのポリエチレンオキシド含有脂肪酸エステルと、を含む。そのような実施形態では、1つの脂肪酸グリセロールエステルの少なくとも1つのポリエチレンオキシド含有脂肪酸エステルに対する比は、約90:10、約85:15、約80:20、約75:25、約70:30、約65:35、約60:40、約55:45、約50:50、約45:55、約40:60、約35:65、約30:70、約25:75、約20:80、約15:85、または約10:90を含む、約90:10〜約10:90と、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内である。さらなる実施形態では、固体剤形は、(本明細書に記載されるように)PECEOL(登録商標)およびGELUCIRE(登録商標)44/14を含む。実施形態では、PECEOL(登録商標)とGELUCIRE(登録商標)44/14の比は、約90:10、約85:15、約80:20、約75:25、約70:30、約65:35、約60:40、約55:45、約50:50、約45:55、約40:60、約35:65、約30:70、約25:75、約20:80、約15:85、または約10:90を含む、約90:10〜約10:90と、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内である。
本明細書に開示されるアンホテリシンB製剤は、必要に応じて安定剤を含む。いくつかの実施形態では、安定剤は、熱安定剤、例えばトコフェロールポリエチレングリコールスクシネート(例えば、TPGSまたはビタミンE TPGS)である。一部の実施形態では、安定剤は、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)またはブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)などの抗酸化剤である。そのような熱安定剤および/または酸化防止剤は、製剤の熱安定性を増強し、それにより、製剤の貯蔵寿命を延ばすことができ、これは、高温への長時間の曝露が一般的であり、冷蔵された医薬品の貯蔵が困難であるような、世界の熱帯地域で特に重要である。
構造的には、トコフェロールポリエチレングリコールスクシネートは、スクシネートリンカーを介してトコフェロール(α−トコフェロールまたはビタミンE)に共有結合したポリエチレングリコール(PEG)を有する。PEGはポリマーであるため、様々なポリマーの分子量を使用してTPGSを調製できる。一実施形態では、TPGSはトコフェロールポリエチレングリコールスクシネート1000であり、PEGの平均分子量は1000である。1つの適切なトコフェロールポリエチレングリコールスクシネートは、Eastmanから市販されているビタミンE TPGSである。
いくつかの実施形態では、本開示の固体剤形は、約1mg、約5mg、約10mg、15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、約250mg、約260mg、約270mg、約280mg、約290mg、約300mg、約310mg、約320mg、約330mg、約340mg、約350g、約360mg、約370mg、約380mg、約390mg、約400mg、約410mg、約420mg、約430mg、約440mg、約450mg、約460mg、約470mg、約480mg、約490mg、または約500mgを含む、約1mg〜約500mgと、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内のアンホテリシンBの投与量を含む。
いくつかの実施形態では、固体剤形中のアンホテリシンBの%w/wは、少なくとも約1%、または少なくとも約5%、または少なくとも約10%、または少なくとも約15%、または約20%、または少なくとも約25%、または少なくとも約30%、または少なくとも約35%、または少なくとも約40%、または少なくとも約45%、または少なくとも約50%、または少なくとも約55%、または少なくとも約60%、または少なくとも約65%、または少なくとも約70%である。いくつかの実施形態では、固体剤形中のアンホテリシンBの%w/wは、約1%〜約70%、または約5%〜約70%、または約5%〜約60%、または約5%〜約50%、または約5%〜約40%、または約10%〜約40%、または約15%〜約40%、または約20%〜約40%、または約20%〜約40%、または約20%〜約35%、または約20%〜約30%の範囲内である。
本開示の固体剤形は、賦形剤(例えば、当該技術分野で公知であり本明細書に記載される充填剤、流動促進剤、潤滑剤など)を含む治療薬(例えば、アンホテリシンB)の造粒、治療薬と賦形剤の押し出し、錠剤を形成するための賦形剤を含む治療薬の直接圧縮などを含む、任意の適切な方法によって調製することができる。
特定の実施形態では、本開示の固体剤形は、活性剤、例えば、アンホテリシンBを固体担体上にコーティングすることにより調製することができる。固体担体は、薬物含有組成物をコーティングすることができ、ヒトによる摂取に適した任意の物質であり得る。任意の従来のコーティングプロセスを使用することができる。例えば、治療薬、例えばアンホテリシンBは、任意の結合剤、または代替的に本明細書に記載される親油性成分の1つ以上とともに、適切な溶媒(例えば、エタノール)に溶解または懸濁し、当該技術分野で公知の方法、例えば流動床コーティング法またはパンコーティング法によって固体担体に付着させることができる。溶媒は、例えば乾燥により、またはコーティングプロセス中(例えば、流動床コーティング中)にその場で、および/またはその後の乾燥ステップで除去することができる。
いくつかの実施形態では、固体担体は不活性ビーズでも不活性粒子でもよい。他の実施形態では、固体担体は、ノンパレイルシード、酸性緩衝液結晶、アルカリ性緩衝液結晶、またはカプセル化緩衝液結晶である。
いくつかの実施形態では、固体担体は、糖球、セルロース球、ラクトース球、ラクトース微結晶(MCC)球、マンニトールMCC球、または二酸化ケイ素球であり得る。
他の実施形態では、固体担体は、サッカリド、糖アルコール、またはそれらの組み合わせであり得る。適切なサッカリドには、ラクトース、スクロース、マルトース、およびそれらの組み合わせが含まれる。適切な糖アルコールには、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、アラビトール、リビトール、ズルシトール、イジトール、イソマルト、ラクチトール、エリスリトール、およびそれらの組み合わせが含まれる。
実施形態では、固体担体は、上述のいずれかを充填剤と組み合わせることにより形成され得る。固体担体を形成するために使用できる適切な充填剤の例には、ラクトース、微結晶セルロース、ケイ化微結晶セルロース、マンニトール微結晶セルロース、および二酸化ケイ素が含まれる。
他の実施形態では、本明細書に開示される剤形は、固体担体を含まない。
実施形態では、本明細書に開示される固体剤形は、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含むことができる。薬学的に許容される賦形剤には、充填剤、希釈剤、流動促進剤、崩壊剤、結合剤、および潤滑剤が含まれる。他の薬学的に許容される賦形剤には、酸性化剤、アルカリ化剤、保存剤、抗酸化剤、緩衝剤、キレート剤、着色剤、錯化剤、乳化剤、および/または可溶化剤、香味剤、香料、保湿剤、甘味剤、および湿潤剤が含まれる。
適切な充填剤および/または結合剤の例には、ラクトース(例えば、噴霧乾燥ラクトース、a−ラクトース、P−ラクトース、Tabletose(登録商標)、様々なグレードのPharmatose(登録商標)、Microtose(登録商標)、またはFastFlo(登録商標))、微結晶セルロース(様々なグレードのAvicel(登録商標)、Ceolus(登録商標)、Elcema(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Ming Tai(登録商標)またはSolka−Floc(登録商標))、ヒドロキシプロピルセルロース、L−ヒドロキシプロピルセルロース(低置換度)、低分子量ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)(例えば、Methocel E, F and K from Dow Chemical, Metolose SH from Shin−Etsu, Ltd)、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、およびその他のセルロース誘導体、スクロース、アガロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、デキストリン、マルトデキストリン、デンプンまたは加工デンプン(ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、米デンプンを含む)、リン酸カルシウム(例えば、塩基性リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸二カルシウム水和物)、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、およびポリエチレングリコールが含まれる。
薬学的に許容される希釈剤の例には、炭酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、三塩基性リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、微結晶セルロース、粉末セルロース、デキストラン、デキストリン、デキストロース、フルクトース、カオリン、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、デンプン、アルファ化デンプン、スクロースおよび糖が含まれる。
薬学的に許容される崩壊剤には、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム(例えば、AC−DI−SOL(登録商標)およびPrimellose(登録商標))、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン(例えば、Kollidon(登録商標)およびPolyplasdone(登録商標))、グアーガム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、メチルセルロース、微結晶セルロース、ポラクリリンカリウム、粉末セルロース、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム(例えば、Explotab(登録商標))、ジャガイモデンプン、およびデンプンが含まれる。
薬学的に許容される流動促進剤の例には、コロイド状二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、粉末セルロース、デンプン、タルク、および三塩基性リン酸カルシウムが含まれる。
薬学的に許容される潤滑剤には、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、または他の金属ステアレート(例えば、ステアリン酸亜鉛)、モノステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、ワックスおよびグリセリド、硬化ヒマシ油、硬化植物油、軽鉱物油、ポリエチレングリコール、ベヘン酸グリセリル、コロイドシリカ、硬化植物油、コムデンプン、ラウリル硫酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ポリエチレングリコール、アルキルスルフェート、安息香酸ナトリウム、タルク、および酢酸ナトリウムが含まれる。
香味剤および香味増強剤は、剤形を患者にとってより口当たりの良いものとする。本発明の組成物および/または組み合わせに含まれ得る医薬品のための一般的な香味料および香味増強剤には、マルトール、バニリン、エチルバニリン、メントール、クエン酸、フマル酸、エチルマルトール、および酒石酸が含まれる。
固体組成物は、外観を改善し、かつ/または製品および単位用量レベルの患者による識別を容易にするために、任意の薬学的に許容される着色剤を使用して染色されてもよい。
本明細書に開示される組成物は、固体剤形として製剤化することができる。適切な固体剤形には、錠剤およびゼラチンカプセルなどのカプセル、またはHPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)カプセルなどの当該技術分野で公知の適切な合成カプセルが含まれる。
実施形態では、本明細書に記載される固体剤形は:
(a)少なくとも1つの脂質および治療薬を溶媒に溶解し、それにより治療薬を含む液体混合物を形成することと;
(b)治療薬を含む混合物を固体担体にコーティングすることと;
(c)溶媒を除去し、
それにより薬物コーティングされた粒子を形成することと、によって作製され得る。
親油性成分および治療薬を溶解できる任意の溶媒を使用して、本明細書に記載される固体剤形を作製することができる。適切な溶媒の例には、親油性有機溶媒などの親油性溶媒が含まれる。溶媒の非限定的な例には、アルコール(例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなど)、ケトン(例えば、アセトンなど)、ジメチルスルホキシド、ジクロロメタンなどが含まれる。
薬物コーティング粒子を必要に応じて粉砕し、1つ以上のメッシュスクリーンに通して、所望のサイズ範囲を有する顆粒を生成することができる。様々な実施形態では、薬物コーティング粒子は、10〜2000μm、例えば、100〜1000μm、または500〜1000μmの範囲の平均粒径を有し得る。
実施形態では、薬物コーティング粒子は、必要に応じて本明細書に記載されるような様々な賦形剤と組み合わせて、カプセルに充填または錠剤に圧縮することができる。
他の実施形態では、治療薬、例えばアンホテリシンBと、適量の室温の固体親油性成分(本明細書に記載されるような)の溶融物と、必要に応じて、適切な量のエタノールなどの溶媒と、均一な混合物または溶液が形成されるまで、ともに混合することができる(例えば、米国特許第8,592,382号および同第8,673,866号に開示される方法を使用するがその組成物は使用しない)。次いで、得られた混合物または溶液を冷却し、それにより半固体組成物を形成する。次いで、半固体組成物をゼラチンカプセルに充填して、それにより固体剤形を提供することができる。
実施形態では、本明細書に開示されるアンホテリシンB剤形は、従来の液体製剤と生物学的に同等である。すなわち、固体剤形は、ヒトまたはラットモデルまたはビーグル犬モデルなどの動物に投与されるとき、従来の液体組成物の平均最大血漿濃度(Cmax)、平均AUC、および平均Tmaxの各々の約80%〜約125%内の、平均最大血漿濃度(Cmax)、平均AUC、および平均Tmaxを有する。本明細書で使用されるとき、Cmax、AUC、およびTmaxは、対象集団について測定されたそのような値の平均を指す。
従来の液体剤形は、4.5mg/kgの投与量でオスのSprague Dawleyラットに経口投与するとき、アンホテリシンBの71±10ng/mLのCmaxをもたらし、または10mg/kgの投与量でオスのSprague Dawleyラットに経口投与するとき、アンホテリシンBの96±15ng/mLのCmaxをもたらす。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される固体剤形は、4.5mg/kgの投与量でオスのSprague Dawleyラットに経口投与するとき、アンホテリシンBの61ng/mL〜81ng/mL(すなわち71±10ng/mL)の約80%〜約125%、例えば、約45ng/mL、約50ng/mL、約55ng/mL、約60ng/mL、約65ng/mL、約70ng/mL、約75ng/mL、約80ng/mL、約85ng/mL、約90ng/mL、約95ng/mL、約100ng/mL、約105ng/mLと、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内のCmaxをもたらす。
他の実施形態では、本明細書に記載される固体剤形は、10mg/kgの投与量でオスのSprague Dawleyラットに経口投与するとき、アンホテリシンBの81ng/mL〜111ng/mL(すなわち、96±15ng/mL)の約80%〜約125%、例えば、約60ng/mL、約65ng/mL、約70ng/mL、約75ng/mL、約80ng/mL、約85ng/mL、約90ng/mL、約95ng/mL、約100ng/mL、約105ng/mL、約110ng/mL、約115ng/mL、約120ng/mL、約125ng/mL、約130ng/mL、約135ng/mL、約140ng/mL、約145ng/mLと、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内のCmaxをもたらす。
従来の液体剤形は、4.5mg/kgの投与量でオスのSprague Dawleyラットに経口投与するとき、アンホテリシンBの991±170h×ng/mLのAUC(0−24)をもたらし、または10mg/kgの投与量でオスのSprague Dawleyラットに経口投与するとき、アンホテリシンBの1534±229h×ng/mLのAUC(0−24)をもたらす。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される固体剤形は、4.5mg/kgの投与量でオスのSprague Dawleyラットに経口投与するとき、アンホテリシンBの約821h×ng/mL〜約1161h×ng/mL(すなわち、991±170h×ng/mL)の約80%〜約125%、例えば、約600h×ng/mL、約650h×ng/mL、約700h×ng/mL、約750h×ng/mL、約800h×ng/mL、約850h×ng/mL、約900h×ng/mL、約950h×ng/mL、約1000h×ng/mL、約1050h×ng/mL、約1100h×ng/mL、約1150h×ng/mL、約1200h×ng/mL、約1250h×ng/mL、約1300h×ng/mL、約1350h×ng/mL、約1400h×ng/mL、約1450h×ng/mL、約1500h×ng/mL、または約1550h×ng/mLと、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内のAUC(0−24)をもたらす。
他の実施形態では、本明細書に記載される固体剤形は、10mg/kgの投与量でオスのSprague Dawleyラットに経口投与するとき、アンホテリシンBの約1305h×ng/mL〜約1763h×ng/mL(すなわち、1534±229h×ng/mL)の約80%〜約125%、例えば、約1000h×ng/mL、約1050h×ng/mL、約1100h×ng/mL、約1150h×ng/mL、約1200h×ng/mL、約1250h×ng/mL、約1300h×ng/mL、約1350h×ng/mL、約1400h×ng/mL、約1450h×ng/mL、約1500h×ng/mL、約1550h×ng/mL、約1600h×ng/mL、約1650h×ng/mL、約1700h×ng/mL、約1750h×ng/mL、約1800h×ng/mL、約1850h×ng/mL、約1900h×ng/mL、約1950h×ng/mL、約2000h×ng/mL、約2050h×ng/mL、約2100h×ng/mL、約2150h×ng/mL、約2200h×ng/mL、約2250h×ng/mLと、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内のAUC(0−24)をもたらす。
従来の液体剤形は、10mg/kgの投与量でオスのSprague Dawleyラットに経口投与するとき、アンホテリシンBの2695±433h×ng/mLのAUC(0−48)をもたらす。
実施形態では、本明細書に開示されるアンホテリシンB剤形は、10mg/kgの投与量でオスのSprague Dawleyラットに経口投与するとき、アンホテリシンBの約2262h×ng/mL〜約3128h×ng/mLの約80%〜約125%、例えば、約1750h×ng/mL、約1800h×ng/mL、約1850h×ng/mL、約1900h×ng/mL、約1950h×ng/mL、約2000h×ng/mL、約2050h×ng/mL、約2100h×ng/mL、約2150h×ng/mL、約2200h×ng/mL、約2250h×ng/mL、約2300h×ng/mL、約2350h×ng/mL、約2400h×ng/mL、2450h×ng/mL、約2500h×ng/mL、約2550h×ng/mL、約2600h×ng/mL、約2650h×ng/mL、約2700h×ng/mL、約2750h×ng/mL、約2800h×ng/mL、約2850h×ng/mL、約2900h×ng/mL、約2950h×ng/mL、約3000h×ng/mL、約3050h×ng/mL、約3100h×ng/mL、約3150h×ng/mL、約3200h×ng/mL、約3250h×ng/mL、約3300h×ng/mL、約3350h×ng/mL、約3400h×ng/mL、3450h×ng/mL、約3500h×ng/mL、約3550h×ng/mL、約3600h×ng/mL、約3650h×ng/mL、約3700h×ng/mL、約3750h×ng/mL、約3800h×ng/mL、約3850h×ng/mL、約3900h×ng/mL、約4000h×ng/mLと、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内のAUC(0−48)をもたらす。
従来の液体剤形は、4.5mg/kgの投与量でオスのSprague Dawleyラットに経口投与するとき、アンホテリシンBの6.3±0.9hのTmaxをもたらし、または10mg/kgの投与量でオスのSprague Dawleyラットに経口投与するとき、アンホテリシンBの12.5±2.7hのTmaxをもたらす。
実施形態では、本明細書に開示されるアンホテリシンB剤形は、4.5mg/kgの投与量でオスのSprague Dawleyラットに経口投与するとき、アンホテリシンBの約5.4h〜約7.2hの約80%〜約125%、例えば、約4.1h、約4.2h、約4.3h、約4.4h、約4.5h、約4.6h、約4.7h、約4.8h、約4.9h、約5.0h、約5.1h、約5.2h、約5.3h、約5.4h、約5.5h、約5.6h、約5.7h、約5.8h、約5.9h、約6.0h、約6.1h、約6.2h、約6.3h、約6.4h、約6.5h、約6.6h、約6.7h、約6.8h、約6.9h、または約7.0h、約7.1h、約7.2h、約7.3h、約7.4h、約7.5h、約7.6h、約7.7h、約7.8h、約7.9h、約8.0h、約8.1h、約8.2h、約8.3h、約8.4h、約8.5h、約8.6h、約8.7h、約8.8h、約8.9h、約9h、約9.1h、約9.2h、約9.3h、約9.4h、または約9.5hと、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内のTmaxをもたらす。
実施形態では、本明細書に開示されるアンホテリシンB剤形は、10mg/kgの投与量でオスのSprague Dawleyラットに経口投与するとき、アンホテリシンBの約9.8h〜約15.2hの約80%〜約125%、例えば、約7.0h、約7.1h、約7.2h、約7.3h、約7.4h、約7.5h、約7.6h、約7.7h、約7.8h、約7.9h、約8.0h、約8.1h、約8.2h、約8.3h、約8.4h、約8.5h、約8.6h、約8.7h、約8.8h、約8.9h、約9h、約9.1h、約9.2h、約9.3h、約9.4h、約9.5h、約9.6h、約9.7h、約9.8h、約9.9h、約10.0h、約10.1h、約10.2h、約10.3h、約10.4h、約10.5h、約10.6h、約10.7h、約10.8h、約10.9h、約11.0h、約11.1h、約11.2h、約11.3h、約11.4h、約11.5h、約11.6h、約11.7h、約11.8h、約11.9h、約12.0h、約12.1h、約12.2h、約12.3h、約12.4h、約12.5h、約12.6h、約12.7h、約12.8h、約12.9h、約13.0h、約13.1h、約13.2h、約13.3h、約13.4h、約13.5h、約13.6h、約13.7h、約13.8h、約13.9h、約14.0h、約14.1h、約14.2h、約14.3h、約14.4h、約14.5h、約14.6h、約14.7h、約14.8h、約14.9h、約15.0h、約15.1h、約15.2h、約15.3h、約15.4h、約15.5h、約15.6h、約15.7h、約15.8h、約15.9h、約16.0h、約16.1h、約16.2h、約16.3h、約16.4h、約16.5h、約16.6h、約16.7h、約16.8h、約16.9h、約17.0h、約17.1h、約17.2h、約17.3h、約17.4h、約17.5h、約17.6h、約17.7h、約17.8h、約17.9h、約18.0h、約18.1h、約18.2h、約18.3h、約18.4h、約18.5h、約18.6h、約18.7h、約18.8h、約18.9h、約19.0h、約19.1h、約19.2h、約19.3h、約19.4h、約19.5hと、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内のTmaxをもたらす。
本明細書に記載される固体剤形はビーグル犬に投与されており、平均血漿濃度は投与後に測定された。実施形態では、本明細書に記載される固体剤形は、100mgの用量をビーグル犬に経口投与した後の1〜24時間にアンホテリシンBの約7.61ng/mL〜約52.21ng/mLの約80%〜約125%、例えば、約10ng/mL、約15ng/mL、約20ng/mL、約25ng/mL、約30ng/mL、約35ng/mL、約40ng/mL、約45ng/mL、約50ng/mL、約55ng/mLと、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内の血漿濃度をもたらす。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される固体剤形は、100mgの用量をビーグル犬に経口投与した後にアンホテリシンBの約39.3ng/mL〜約53.5ng/mL(すなわち、46.4±53.5ng/mL)の約80%〜約125%、例えば、約25ng/mL、約30ng/mL、約35ng/mL、約40ng/mL、約45ng/mL、約50ng/mL、約55ng/mL、約60ng/mL、約65ng/mL、約70ng/mLと、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内のCmax(ビーグル犬内)をもたらす。他の実施形態では、本明細書に記載される固体剤形は、100mgの用量をビーグル犬に経口投与した後にアンホテリシンBの約45.3ng/mL〜約59.7ng/mL(すなわち、52.5±7.2ng/mL)の約80%〜約125%、例えば、約30ng/mL、約35ng/mL、約40ng/mL、約45ng/mL、約50ng/mL、約55ng/mL、約60ng/mL、約65ng/mL、約70ng/mL、約75ng/mL、約80ng/mLと、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内のCmax(ビーグル犬内)をもたらす。
他の実施形態では、本明細書に記載される固体剤形は、100mgの用量をビーグル犬に経口投与した後にアンホテリシンBの約9.5h〜約18.5h(すなわち、14.0±4.5h)の約80%〜約125%、例えば、約7.5h、約8.0h、約9.0h、約9.5h、約10h、約10.5h、約11h、約11.5h、約12h、約12.5h、約13h、約13.5h、約14h、約14.5h、約15h、約15.5h、約16h、約16.5h、約17h、約17.5h、約18h、約18.5h、約19h、約19.5h、約20h、約20.5h、約21h、約21.5h、約22h、約22.5h、約23h、約23.5h、約24h、約24.5h、約25h、約25.5hと、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内のTmax(ビーグル犬内)をもたらす。
他の実施形態では、本明細書に記載される固体剤形は、100mgの用量をビーグル犬に経口投与した後にアンホテリシンBの約4.7h〜約11.3h(すなわち、8.0±3.3h)の約80%〜約125%、例えば、約3.5h、約3.6h、約3.7h、約3.8h、約3.9h、約4.0h、約4.1h、約4.2h、約4.3h、約4.4h、約4.5h、約4.6h、約4.8h、約4.9h、約5.0h、約5.1h、約5.2h、約5.3h、約5.4h、約5.5h、約5.6h、約5.7h、約5.8h、約5.9h、約6.0h、約6.1h、約6.2h、約6.3h、約6.4h、約6.5h、約6.6h、約6.7h、約6.8h、約6.9h、約7.0h、約7.1h、約7.2h、約7.3h、約7.4h、約7.5h、約7.6h、約7.7h、約7.8h、約7.9h、約8.0h、約8.1h、約8.2h、約8.3h、約8.4h、約8.5h、約8.6h、約8.7h、約8.8h、約8.9h、約9h、約9.1h、約9.2h、約9.3h、約9.4h、約9.5h、約9.6h、約9.7h、約9.8h、約9.9h、約10.0h、約10.1h、約10.2h、約10.3h、約10.4h、約10.5h、約10.6h、約10.7h、約10.8h、約10.9h、約11.0h、約11.1h、約11.2h、約11.3h、約11.4h、約11.5h、約11.6h、約11.7h、約11.8h、約11.9h、約12.0h、約12.1h、約12.2h、約12.3h、約12.4h、約12.5h、約12.6h、約12.7h、約12.8h、約12.9h、約13.0h、約13.1h、約13.2h、約13.3h、約13.4h、約13.5h、約13.6h、約13.7h、約13.8h、約13.9h、約14.0h、約14.1h、約14.2h、約14.3h、約14.4h、約14.5hと、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内のTmax(ビーグル犬内)をもたらす。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される固体剤形は、100mgの用量をビーグル犬に経口投与した後にアンホテリシンBの約1409ng×hr/mL〜約1991ng×hr/mL(すなわち、1700±291ng×hr/mL)の約80%〜約125%、例えば、約1100ng×hr/mL、約1200ng×hr/mL、約1300ng×hr/mL、約1400ng×hr/mL、約1500ng×hr/mL、約1600ng×hr/mL、約1700ng×hr/mL、約1800ng×hr/mL、約1900ng×hr/mL、約2000ng×hr/mL、約2100ng×hr/mL、約2200ng×hr/mL、約2300ng×hr/mL、約2400ng×hr/mL、約2500ng×hr/mLと、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内のAUC0−Tlast(ng×hr/mL)(ビーグル犬内)をもたらす。他の実施形態では、本明細書に記載される固体剤形は、100mgの投与量をビーグル犬に経口投与した後にアンホテリシンBの約1777ng×hr/mL〜約2515ng×hr/mL(すなわち、2146±369ng×hr/mL)の約80%〜約125%、例えば、約1400ng×hr/mL、約1500ng×hr/mL、約1600ng×hr/mL、約1700ng×hr/mL、約1800ng×hr/mL、約1900ng×hr/mL、約2000ng×hr/mL、約2100ng×hr/mL、約2200ng×hr/mL、約2300ng×hr/mL、約2400ng×hr/mL、約2500ng×hr/mL、約2600ng×hr/mL、約2700ng×hr/mL、約2800ng×hr/mL、約2900ng×hr/mL、約3000ng×hr/mL、約3100ng×hr/mL、約3200ng×hr/mLと、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内のAUC0−Tlast(ng×hr/mL)(ビーグル犬内)をもたらす。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される固体剤形は、100mgの用量をビーグル犬に経口投与した後にアンホテリシンBの約26.1hr〜約27.3hr(すなわち26.7±0.6hr)の約80%〜約125%、例えば、約20hr、約20.5hr、約21hr、約21.5hr、約22hr、約22.5hr、約23hr、約23.5hr、約24hr、約24.5hr、約25hr、約25.5hr、約26hr、約26.5hr、約27hr、約27.5hr、約28hr、約28.5hr、約29hr、約29.5hr、約30hr、約31.5hr、約32hr、約32.5hr、約33hr、約33.5hr、約34hr、約34.5hr、および約35hrと、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内のMRTLast(ビーグル犬内)をもたらす。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される固体剤形は、100mgの投与量をビーグル犬に経口投与した後にアンホテリシンBの約25.5hr〜約29.1hr(すなわち、27.3±1.8hr)の約80%〜約125%、例えば、約20hr、約20.5hr、約21hr、約21.5hr、約22hr、約22.5hr、約23hr、約23.5hr、約24hr、約24.5hr、約25hr、約25.5hr、約26hr、約26.5hr、約27hr、約27.5hr、約28hr、約28.5hr、約29hr、約29.5hr、約30hr、約31.5hr、約32hr、約32.5hr、約33hr、約33.5hr、約34hr、約34.5hr、約35hr、約35.5hr、約36hr、約36.5hr、および約37hrと、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内のMRTLast(ビーグル犬内)をもたらす。
いくつかの実施形態では、AUC、Cmax、Tmax、および/またはMRTLastは、摂食状態と絶食状態の間で20%を超えて変動しない。すなわち、いくつかの実施形態では、摂食状態と絶食状態のAUC0−Tlast(ng×hr/mL)における差のパーセントは、20%以下であり、例えば、約20%以下、約15%、約10%、約9%、約8%、約7%、約6%、約5%、約4%、約3%、約2%、約1%、約0.5%、および約0.1%と、すべての範囲とその間の部分範囲である。いくつかの実施形態では、摂食状態と絶食状態のCmax(ng×hr/mL)における差のパーセントは、20%以下であり、例えば、約20%以下、約15%、約10%、約9%、約8%、約7%、約6%、約5%、約4%、約3%、約2%、約1%、約0.5%、および約0.1%と、すべての範囲とその間の部分範囲である。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される固体剤形は、500mgの用量を絶食状態のビーグル犬に経口投与した後に約40.63ng/mL〜約82.57ng/mL(すなわち、61.6±20.97ng/mL)の約80%〜約125%、例えば、約30ng/mL、約35ng/mL、約40ng/mL、約45ng/mL、約50ng/mL、約55ng/mL、約60ng/mL、約65ng/mL、約70ng/mL、約75ng/mL、約80ng/mL、約85ng/mL、約90ng/mL、約95ng/mL、約100ng/mL、および約105ng/mLと、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内のCmax(ビーグル犬内)をもたらす。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される固体剤形は、500mgの用量を摂食状態のビーグル犬に経口投与した後に約44ng/mL〜約88.75ng/mL(すなわち66.5±22.5ng/mL)の約80%〜約125%、例えば、約30ng/mL、約35ng/mL、約40ng/mL、約45ng/mL、約50ng/mL、約55ng/mL、約60ng/mL、約65ng/mL、約70ng/mL、約75ng/mL、約80ng/mL、約85ng/mL、約90ng/mL、約95ng/mL、約100ng/mL、および約105ng/mLと、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内のCmax(ビーグル犬内)をもたらす。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される固体剤形は、500mgの用量を絶食状態のビーグル犬に経口投与した後に約568ng/mL〜約1682ng×hr/mL(すなわち、1125±557ng/mL)の約80%〜約125%、例えば、約400ng×hr/mL、約500ng×hr/mL、約600ng×hr/mL、約700ng×hr/mL、約800ng×hr/mL、約900ng×hr/mL、約1000ng×hr/mL、約1100ng×hr/mL、約1200ng×hr/mL、約1300ng×hr/mL、約1400ng×hr/mL、約1500ng×hr/mL、約1600ng×hr/mL、約1700ng×hr/mL、約1800ng×hr/mL、約1900ng×hr/mL、約2000ng×hr/mL、約2100ng×hr/mL、約2200ng×hr/mL、約2300ng×hr/mL、約2400ng×hr/mL、約2500ng×hr/mLと、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内のAUC0−Tlast(ng×hr/mL)(ビーグル犬内)をもたらす。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される固体剤形は、500mgの用量を摂食状態のビーグル犬に経口投与した後に約657ng/mL〜約1791ng×hr/mL(すなわち、1224±567ng/mL)の約80%〜約125%、例えば、約500ng×hr/mL、約600ng×hr/mL、約700ng×hr/mL、約800ng×hr/mL、約900ng×hr/mL、約1000ng×hr/mL、約1100ng×hr/mL、約1200ng×hr/mL、約1300ng×hr/mL、約1400ng×hr/mL、約1500ng×hr/mL、約1600ng×hr/mL、約1700ng×hr/mL、約1800ng×hr/mL、約1900ng×hr/mL、約2000ng×hr/mL、約2100ng×hr/mL、約2200ng×hr/mL、約2300ng×hr/mL、約2400ng×hr/mL、約2500ng×hr/mLと、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内のAUC0−Tlast(ng×hr/mL)(ビーグル犬内)をもたらす。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される固体剤形は、500mgの用量を摂食状態または絶食状態のビーグル犬に経口投与した後にアンホテリシンBの約5h〜約13h(すなわち、9±4h)の約80%〜約125%、例えば、約3.9h、約4.0h、約4.1h、約4.2h、約4.3h、約4.4h、約4.5h、約4.6h、約4.8h、約4.9h、約5.0h、約5.1h、約5.2h、約5.3h、約5.4h、約5.5h、約5.6h、約5.7h、約5.8h、約5.9h、約6.0h、約6.1h、約6.2h、約6.3h、約6.4h、約6.5h、約6.6h、約6.7h、約6.8h、約6.9h、約7.0h、約7.1h、約7.2h、約7.3h、約7.4h、約7.5h、約7.6h、約7.7h、約7.8h、約7.9h、約8.0h、約8.1h、約8.2h、約8.3h、約8.4h、約8.5h、約8.6h、約8.7h、約8.8h、約8.9h、約9h、約9.1h、約9.2h、約9.3h、約9.4h、約9.5h、約9.6h、約9.7h、約9.8h、約9.9h、約10.0h、約10.1h、約10.2h、約10.3h、約10.4h、約10.5h、約10.6h、約10.7h、約10.8h、約10.9h、約11.0h、約11.1h、約11.2h、約11.3h、約11.4h、約11.5h、約11.6h、約11.7h、約11.8h、約11.9h、約12.0h、約12.1h、約12.2h、約12.3h、約12.4h、約12.5h、約12.6h、約12.7h、約12.8h、約12.9h、約13.0h、約13.1h、約13.2h、約13.3h、約13.4h、約13.5h、約13.6h、約13.7h、約13.8h、約13.9h、約14.0h、約14.1h、約14.2h、約14.3h、約14.4h、約14.5h、約14.6h、約14.7、約14.8h、約14.9h、約15.0h、約15.1h、約15.2h、約15.3h、約15.4h、約15.5h、約15.6h、約15.7、約15.8h、約15.9h、約16.0、約16.1h、約16.2、および約16.3と、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内のTmax(ビーグル犬内)をもたらす。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される固体剤形は、500mgの用量を絶食状態のビーグル犬に経口投与した後にアンホテリシンBの約10.29hr〜約14.69hr(すなわち、12.49±2.2hr)の約80%〜約125%、例えば、約8.0h、約8.1h、約8.2h、約8.3h、約8.4h、約8.5h、約8.6h、約8.7h、約8.8h、約8.9h、約9h、約9.1h、約9.2h、約9.3h、約9.4h、約9.5h、約9.6h、約9.7h、約9.8h、約9.9h、約10.0h、約10.1h、約10.2h、約10.3h、約10.4h、約10.5h、約10.6h、約10.7h、約10.8h、約10.9h、約11.0h、約11.1h、約11.2h、約11.3h、約11.4h、約11.5h、約11.6h、約11.7h、約11.8h、約11.9h、約12.0h、約12.1h、約12.2h、約12.3h、約12.4h、約12.5h、約12.6h、約12.7h、約12.8h、約12.9h、約13.0h、約13.1h、約13.2h、約13.3h、約13.4h、約13.5h、約13.6h、約13.7h、約13.8h、約13.9h、約14.0h、約14.1h、約14.2h、約14.3h、約14.4h、約14.5h、約14.6h、約14.7、約14.8h、約14.9h、約15.0h、約15.1h、約15.2h、約15.3h、約15.4h、約15.5h、約15.6h、約15.7、約15.8h、約15.9h、約16.0h、約16.1h、約16.2h、約16.3、約16.4h、約16.5h、約16.6h、約16.7h、約16.8h、約16.9h、約17h、約17.1h、約17.2h、約17.3h、約17.4h、約17.5h、約17.6h、約17.7h、約17.8h、約17.9h、約18.0h、約18.1h、約18.2h、約18.3h、約18.4h、および約18.5hと、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内のMRTLast(ビーグル犬内)をもたらす。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される固体剤形は、500mgの用量を摂食状態のビーグル犬に経口投与した後にアンホテリシンBの約10.29hr〜約14.69hr(すなわち、12.06±1.4hr)の約80%〜約125%、例えば、約8.0h、約8.1h、約8.2h、約8.3h、約8.4h、約8.5h、約8.6h、約8.7h、約8.8h、約8.9h、約9h、約9.1h、約9.2h、約9.3h、約9.4h、約9.5h、約9.6h、約9.7h、約9.8h、約9.9h、約10.0h、約10.1h、約10.2h、約10.3h、約10.4h、約10.5h、約10.6h、約10.7h、約10.8h、約10.9h、約11.0h、約11.1h、約11.2h、約11.3h、約11.4h、約11.5h、約11.6h、約11.7h、約11.8h、約11.9h、約12.0h、約12.1h、約12.2h、約12.3h、約12.4h、約12.5h、約12.6h、約12.7h、約12.8h、約12.9h、約13.0h、約13.1h、約13.2h、約13.3h、約13.4h、約13.5h、約13.6h、約13.7h、約13.8h、約13.9h、約14.0h、約14.1h、約14.2h、約14.3h、約14.4h、約14.5h、約14.6h、約14.7、約14.8h、約14.9h、約15.0h、約15.1h、約15.2h、約15.3h、約15.4h、約15.5h、約15.6h、約15.7、約15.8h、約15.9h、約16.0h、約16.1h、約16.2h、約16.3、約16.4h、約16.5h、約16.6h、約16.7h、約16.8h、約16.9h、約17h、約17.1h、約17.2h、約17.3h、約17.4h、約17.5h、約17.6h、約17.7h、約17.8h、約17.9h、約18.0h、約18.1h、約18.2h、約18.3h、約18.4h、および約18.5hと、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内のMRTLast(ビーグル犬内)をもたらす。
記載されたアンホテリシンB剤形は、それを必要とする対象の状態を治療するのに十分な任意の適切な投与計画に従って投与し得る。特定の実施形態では、対象に、1回以上、2回以上、3回以上、4回以上、5回以上、または6回以上、各供給の間に期間を設けて、本明細書に記載されるアンホテリシンB製剤を投与する。いくつかの実施形態では、必要な用量を提供するために、複数の剤形を同時に投与する必要がある場合がある。特定の実施形態では、対象(例えば、ヒト)は、1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、または10回、各供給の間に期間を設けて、アンホテリシンB製剤を提供される。特定の実施形態では、対象は、約4日間1日1回、約5日間1日1回、約6日間1日1回、または約1週間1日1回、アンホテリシンB製剤を提供される。特定の実施形態では、対象は、例えば本明細書に記載される期間のいずれかの間、1日1回、1日2回、1日3回、または1日4回、アンホテリシンB製剤を提供される。特定の実施形態では、対象は、約1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、または約3日間、4日間、5日間、6日間、1週間、2週間、3週間、1か月、もしくは2か月、またはそれ以上の期間に2日ごとに1回、アンホテリシンB製剤を提供される。特定の実施形態では、日および/または週は連続している。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるアンホテリシンB剤形は、1日1回投与のために製剤化される。
いくつかの実施形態では、アンホテリシンBの総1日用量は、約50mg/日〜約1500mg/日、例えば、約100mg/日、約150mg/日、約200mg/日、約250mg/日、約200mg/日、約250mg/日、約300mg/日、約350mg/日、約400mg/日、約450mg/日、約500mg/日、約550mg/日、約600mg/日、約650mg/日、約700mg/日、約750mg/日、約800mg/日、約850mg/日、約900mg/日、約950mg/日、約1000mg/日、約1050mg/日、約1100mg/日、約1150mg/日、約1200mg/日、約1250mg/日、約1200mg/日、約1250mg/日、約1300mg/日、約1350mg/日、約1400mg/日、約1450mg/日、または約1500mg/日と、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内の量である。
いくつかの実施形態では、対象は、1日に複数回、本明細書に開示されるアンホテリシンB製剤を提供される。いくつかのそのような実施形態では、アンホテリシンBは、単一投与量中に、約50mg/日〜約1500mg/日、例えば、約100mg/日、約150mg/日、約200mg/日、約250mg/日、約200mg/日、約250mg/日、約300mg/日、約350mg/日、約400mg/日、約450mg/日、約500mg/日、約550mg/日、約600mg/日、約650mg/日、約700mg/日、約750mg/日、約800mg/日、約850mg/日、約900mg/日、約950mg/日、約1000mg/日、約1050mg/日、約1100mg/日、約1150mg/日、約1200mg/日、約1250mg/日、約1200mg/日、約1250mg/日、約1300mg/日、約1350mg/日、約1400mg/日、約1450mg/日、または約1500mg/日と、すべての範囲とその間の部分範囲の範囲内の量で存在する。
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるアンホテリシンB製剤の単一用量には、複数の剤形(例えば、複数のカプセル)が含まれる。例えば、いくつかの実施形態では、アンホテリシンB製剤の単一用量は、少なくとも約1剤形、少なくとも約2剤形、少なくとも約3剤形、少なくとも約4剤形、少なくとも約5剤形、少なくとも約6剤形、少なくとも約7剤形、少なくとも約8剤形、少なくとも約9剤形、または少なくとも約10剤形などを含み得る。他の実施形態では、アンホテリシンB製剤の単一用量には、約1剤形〜約10剤形、例えば約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、または約9剤形と、すべての範囲とその間の部分範囲が含まれる。
アンホテリシンB剤形は、アンホテリシンBに応答性の感染症を治療するために投与できる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるアンホテリシン剤形は、真菌感染症、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、および寄生虫感染などの感染症を治療するのに使用できる。本明細書に開示される方法および製剤によって治療できる感染症には、真菌感染症(アスペルギルス症、ブラストミセス症、カンジダ症、コクシジオイデス症、クリトコッカス症(crytococcosis)、ヒストプラスマ症、ムコール症、パラコクシジオイデス症、およびスポロトリコーシス)、内臓リーシュマニア症、皮膚リーシュマニア症、シャーガス病、および発熱性好中球減少症が含まれる。アンホテリシンBはアミロイドに結合し、原線維の形成を防ぐことが示されている。したがって、本明細書に開示されるアンホテリシンBは、アルツハイマー病などの原線維形成に関連する疾患の治療に有用であり得る。
いくつかの実施形態では、本開示は、有効量のアンホテリシンBを含む本明細書に記載される固体剤形をそれを必要とする対象に経口投与することを含む、内臓リーシュマニア症を治療するための方法を提供する。別の実施形態では、本開示は、有効量の本明細書に記載されるアンホテリシンBを含む本明細書に記載される固体剤形をそれを必要とする対象に経口投与することを含む、真菌感染症を治療するための方法を提供する。特定の実施形態では、アンホテリシンBの治療有効量は、0.01μM〜10mM、0.01μM〜1mM、0.01μM〜100nM、または0.01μM〜10mMの血漿レベルを達成するのに十分である。投与されるアンホテリシンBの治療有効量は、被対象と状態の重症度によって変動し得る。一実施形態では、治療有効量は、約0.01〜約1000mg/kg、約0.1〜約100mg/kg、約0.5〜約50mg/kg、約1〜約20mg/kg対象の体重、または約5〜約10mg/kgの範囲、例えば、約5、約6、約7、約8、約9、または約10mg/kgであり得る。
実施例1:物質および方法
表1は、ここで記載する分析試験で使用した物質の説明を提示する。アンホテリシン(AmpB)は、光および湿気から保護して、2〜8℃で貯蔵した。他の物質は室温(RT)で貯蔵した。
試料調製1
●2つのカプセルの内容物を200mlの低光線フラスコに注ぐ。
●NMP(体積の約80%)を添加し、浴中にアイスパックを入れて、15分間超音波処理する。
●15分間振とうする。
●混合し、溶液を室温まで平衡化する。
●NMPで体積まで希釈する。
●上述の溶液5mLを希釈液A(25%酢酸アンモニウム溶液/25%NMP/50%メタノール)で50mLまで希釈する。
●0.45μmナイロンフィルターでろ過し、最初の3mlを廃棄する。
試料調製2
●2つのカプセルの内容物を200mlの低光線フラスコに注ぐ。
●50mlのNMPを添加し、浴中にアイスパックを入れて、15分間超音波処理する。
●15分間振とうする。
●体積の約90%の希釈液B(酢酸アンモニウム溶液/メタノール1:2)を添加する。
●よく混合し、溶液を室温まで平衡化する。
●希釈液Bで体積まで希釈する。
●上述の溶液5mLを希釈液A(25%酢酸アンモニウム溶液/25%NMP/50%メタノール)で50mLまで希釈する。
●0.45μmナイロンフィルターでろ過し、最初の3mlを廃棄する。
試料調製3
●4つのカプセルの内容物を500mlの低光線フラスコに移し、ゼラチンカプセルを空にする。
●125mlのNMPを添加し、試料が完全に分散するまで、30〜45分間(加熱を最小限に抑えるために浴中にアイスパックを入れて)超音波処理する。超音波処理中に、定期的な間隔で激しく振とうする。注意:カプセルのシェルは無傷のまま残る。
●体積の約90%の希釈液B(酢酸アンモニウム溶液/メタノール1:2)を添加する。
●よく混合し、溶液を室温まで平衡化する(急速に冷却するために冷蔵庫に入れる)。
●希釈液Bで体積まで希釈する。
●上述の溶液3mLを希釈液A(25%酢酸アンモニウム溶液/25%NMP/50%メタノール)で25mLまで希釈する。
●0.45μmナイロンフィルターでろ過し、最初の3mlを廃棄する。
試料調製4
●3つのカプセルの内容物を500mlの低光線フラスコに移す。
●0.5%SDS水溶液を添加して完全な体積にする。
●スターラーバーを入れて、少なくとも90分間攪拌する。
●上述の溶液8mLを0.5%SDS水溶液で50mLに希釈する。
●0.45μmナイロンフィルターでろ過し、最初の3mlを廃棄する。
実施例2:固体製剤
表5の参照iCo/Wasan液体製剤に基づいて、Gelucire/Peceol/TPGSを含むアンホテリシンB含有製剤を表2〜4に示すように調製した。
最初のGelucireとTPGSを、両方とも同一の容器で溶解し、計量した。Peceolを計量し、Gelucire−TPGS混合物に添加した。エタノールを計量し、Gelucire−TPGS−Peceol混合物に添加し、すべての成分が溶解するまで約40℃の温度で攪拌加熱プレートを使用して混合した(図1の#1)。この溶液をAPI(図1の#2)に添加し、乳棒を使用して約5分間混合した。この混合物は25℃で「クリーミー」であった(図1の#3)。内相の粉末賦形剤は、Vブレンダーを使用して25rpmで2分間、個別に混合した。両方の混合物を、乳棒/乳鉢を使用して約5分間混合した。得られた混合物(図1の#4)を40℃のオーブンに1〜2時間入れてエタノールを蒸発させ、次いでオーブンから取り出して22〜25℃で約2時間保持した。顆粒は、20メッシュ(850μm)のスクリーンを通して粉砕することにより得られた。潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)をVブレンダーを使用して2分間顆粒と混合した。最終混合物(図1の#5)は、サイズ「0」のハードシェルゼラチンカプセル(435mg/カプセル)中にカプセル化した。カプセルは、タッピング/タンピング技術を使用して体積で満たされた。
実施例2.実施例1の固体製剤のスケールアップ
製剤1および製剤2を、20gから100gにスケールアップした(表6〜7、それぞれ、製剤1Aおよび製剤2A)。造粒は、Gelucire、Peceol、およびTPGSをエタノールに溶解し、この溶液を26g/分でAPIに添加し、60rpmで3分間混合して、GMXトップドライブ高せん断造粒/混合システムを使用して実施した。粉末成分は、Vブレンダーを使用して2分間個別に混合した。この粉末混合物をGelucire/Peceol/TPGS/エタノール/薬物混合物に添加し、インペラー/チョッパー速度850/1800rpmで6分間混合した。次いで、40℃の流動床乾燥機を使用してエタノールを除去した。揮発性化合物の含有量が3%以下になるまで流動化を維持した(約20分間)。揮発性化合物の含有量は、乾燥減量(LOD)技術によって決定された。乾燥した顆粒は、18メッシュのふるいでふるいにかけることによりサイズ分類し、続いて最終的な潤滑化を行った。
実施例3.半固体製剤
経口投与のためのカプセルに充填された半固体脂質ベースの製剤(製剤4および製剤5、表8A)は、iCo製剤組成(表8)に従って調製した。しかしながら、iCo/Wasan液体アプローチとは対照的に、融解法が使用された。実際、透明な溶液が得られるまで、35〜40℃のホットプレートマグネチックスターラーを使用して、半固体賦形剤(Gelucire/TPGS)を融解、計量し、Peceol(液体賦形剤)と混合した。加熱を停止し、AmpBを添加して5分間混合した。液体の最終混合物を撹拌下に維持し、4mgのAmpBを含むサイズ00の硬ゼラチンカプセルに熱充填した(充填重量:804mg)。同量の脂質賦形剤を含む追加のロットが製造された(製剤5)が、100mgの用量のカプセル(充填重量:900mg)を作製するためにより多くのAmpBを「スパイク」した。
実施例4.実施例3の半固体製剤のスケールアップ
脂質ベースの製剤5は、23から360gのバッチサイズにスケールアップした(表8B)。各賦形剤は、元の容器で溶解され、攪拌してサンプリング前に均一性を確保した。計量した溶融試料を一緒に混合し、AmpBを攪拌しながら添加した。完全な分散/可溶化を確実にするために、混合物を40℃で少なくとも30分間一定に攪拌しながら維持した。最終混合物を硬ゼラチンカプセルに充填した。カプセルの内容物が室温まで冷却したら、精製水とエタノールの混合物(50:50 v/v)を使用してカプセルを密封した。閉じたカプセルの本体とキャップの接合部の周りに、数滴の溶液を静かに塗布した。超過した溶液は、清潔で乾いた布を使用してすぐに拭き取った。クーパープレート上に垂直に安置することにより、カプセルを個別に乾燥させた。密封されたカプセルは、安定性試験の開始まで4℃で貯蔵した。
実施例5.物理的および化学的特性評価
最終的な混合物は、バルク/タップ密度、粉末流動性、残留溶媒によって評価された。
バルク/タップ密度−粉体流動特性−USP<616>
バルク密度およびタップ密度は、Vanderkampタップ密度テスターモデル10700(VanKel Industries)およびMettler ToledoバランスモデルAT200を使用して、USP<616>法を使用して決定した。各パラメーターは、50mLの目盛り付きガラスシリンダーを使用して重複して決定された。バルク密度は、メスシリンダー内の粉末試料の既知の質量の体積を測定することにより決定され、タップ密度は、体積変化が観察されなくなるまで測定シリンダーを機械的にタップすることにより測定された。粉末流動特性は、次の段落に記載されているように、Carrの圧縮率指数とハウスナー比を使用して評価された。
Carrの圧縮率指数(CI):この流動特性は、次の式に当てはめたときのバルク密度およびタップ密度データを使用して計算された:
圧縮率指数=(タップ密度−バルク密度)/タップ密度×100%
ハウスナー比(H): この流動特性は、タップ密度のバルク密度に対する比として計算された。
表9に、USP<1174>に従った圧縮率指数(CI)およびハウスナー比(H)の値の解釈、ならびに記述的な定性的な例を提示する。
密度と粉体流動特性を表10に示す。製剤は十分な流動性を示す。435mgの製剤1の最終混合物をサイズ0のカプセルに充填するために、タッピングとタンピングが必要であった。バルク密度は、高密度の賦形剤、例えば微結晶セルロースタイプ200もしくは302、またはケイ化微結晶セルロース(微結晶セルロースとコロイド状二酸化ケイ素の組み合わせ)などの高機能性および多機能賦形剤を使用して、高せん断造粒により増加させることができる。ケイ化微結晶セルロース(Prosolv HD 90)のは0.38〜0.50g/cm
3のバルク密度を有し、製剤2で使用された結果、かさ密度を増加した。
カプセル重量の均一性
適切な流動特性を示す例として、製剤1の12のカプセルの統計を試験した(表11)。RSD<6.0%で重量の均一性が確認され、ラベル表示の85〜115%の範囲外の単位はなかった。
半固形製剤の統計を表12に示す。製剤4のカプセルを、カプセルの体積の約90%まで重量で充填して、4mgのアンホテリシンB/カプセルを得た。100mgのアンホテリシンB/カプセルを含む製剤5および製剤5Aを、カプセルの体積の100%まで充填した。
残留溶媒
残留溶媒の決定は、TA Instrument Q50熱重量分析装置を使用して、25〜200℃の温度範囲で10℃分−1のスキャン速度での熱重量分析(TGA)により実施した。試料(11〜13mg)を、窒素雰囲気のプラチナ製オープンパンで加熱した(60mL分−1)。
アンホテリシンB(23%)の固体経口投与製剤の最終混合物のTGA曲線を図2に示す。TGAは、25〜100℃で2.4〜3.8%の重量損失を示し、これは通常、揮発性化合物(溶媒と水分)の蒸発に関連している。微結晶セルロースの水分含有量が3〜5%である(CofAの水分データ)ことを考慮すると、この重量損失は低い。結果として、製剤2および製剤3などの微結晶セルロースをより多く含む試料の場合、製剤1(2.4%)と比較して、重量損失がわずかに増加(3.8%)するのが通常である。
実施例6.分析試験
製剤1
アンホテリシンB製剤のアッセイおよび関連物質の結果を表13に示す。希釈液中のNMPの消費を最小限に抑えるために、試料調製1を使用して複製1および2を調製し、試料調製2を使用して複製3を調製した。両方の試料調製手順で同様の抽出効率が得られた。アッセイおよび関連物質の抽出手順により、約95%の回収率が達成された。溶解プロファイルはかなり速く、95%が45分で放出される(図3)。パドル速度の増加後、100%の放出が達成された。
製剤2および製剤3
修正した抽出手順を使用して実行されたアンホテリシンBのアッセイおよび関連物質の結果を表14に示す。試料調製3を使用して、試料の複製ごとに4つのカプセルの内容物と空のカプセルシェルを抽出した(詳細については方法を参照)。いくつかの試料では、形成された凝集体を粉砕するために、はるかに長い超音波処理時間が必要であった。超音波処理時間が長くなると、試料調製中に生じる分解量も増加した。溶解プロファイルを図3に示す。製剤3は最初はやや遅いように見えるが、他の製剤のプロファイルに急速に戻る。
表15は、製剤に使用されるAmpBの不純物プロファイルを示し、剤形の製造に使用されるプロセスがAmpBに悪影響を与えなかったことを示している。
製剤1Aおよび製剤2A
カプセル内のアンホテリシンBのアッセイおよび関連物質は、修正した抽出手順(表16)を使用して、初期時点(T=0)で実施された。試料調製4を使用して、試料の複製ごとに3つのカプセルの内容物を抽出した(詳細については方法を参照)。スケールアップロットの溶解プロファイルは、以前のロットと同等である(図4)。
製剤4および製剤5
経口投与のためのカプセル内の半固体脂質ベースの製剤は、iCo製剤組成およびCorealis修正プロセスに従って調製された。カプセルは、現在の0.1NのHCl+0.5%SDS媒体および模擬供給腸液(FeSSIF pH 5.8)での溶出プロファイルについて分析された(表17、図5)。
半固体製剤の製剤4(0.5%薬物充填)および製剤5(11.1%薬物充填)は、「固体」カプセル製剤1A(23%薬物充填)と比較したとき、30分までは0.5%SDS水溶液中でわずかに遅い溶解プロファイルを示した。アンホテリシンBの溶解度が制限される可能性のあるFeSSIF pH5.8媒体では、溶解プロファイルは「固体」カプセル製剤で最大約35%の溶解に、半固体製剤で15%未満の溶解に到達した(図6)。このインビトロモデルでは、脂質濃度が増加した半固体製剤では、溶解プロファイルの改善が見られない。製剤4および製剤5の両方は、固体経口剤形製剤1Aと比較したとき、同様の最終結果を示した。
製剤5および製剤5A
製剤5および製剤5Aは、同一の組成であるが、異なるスケールで調製された。その結果、混合時間が増加した。さらに、製剤5Aおよび製剤5A−1カプセルは、製剤5Aカプセルが密封され、製剤5A−1が後で充填され、密封されないという1つのみの違いで、同一の最終混合物に由来する。図7に示す初期/T=0データは、溶解プロファイルが3つのロットすべてで異なることを明らかにした。しかしながら、60分後、AmpBの90〜100%が溶解した。その後、40℃/75%RHで1か月間貯蔵した製剤5A、および5℃で約5か月間貯蔵した製剤5についても、より低い溶解プロファイルが観察されたことが発見された。
理論に縛られることなく、時間の関数としての溶解プロファイルの減少は、異なるバッチサイズロットの処理中のAmpBの異なる程度の可溶化に起因する可能性がある。
実施例7.安定性試験
製剤1Aおよび製剤2A
製剤1Aおよび製剤2Aの安定性試験が開始された。カプセルは、誘導密封PPキャップ付きの30ccのHDPEボトルにパッケージされ、ボトルはICH安定性条件下で25℃/60%RHの加湿チャンバー内および40℃/75%RHの加速条件下で貯蔵した。カプセルは、安定チャンバーに入れるまで、調製後すぐに4〜8℃で貯蔵した。
100mgのアンホテリシンBカプセル製剤1Aおよび製剤2Aの安定性試験結果を表18〜20に要約する。図8で溶出プロファイルを比較した。両方の製剤は、25℃/60%RHおよび40℃/75%RHで6か月まで安定しており、初期(T=0)の結果と比較して、アッセイ、関連物質、および溶解プロファイルに顕著な変化はなかった。
製剤5A
製剤5Aについて、別の安定性試験が開始された。カプセルは、製剤1Aおよび製剤2Aに従ってパッケージされ、同一の条件下で貯蔵した。
ハードシェルカプセル中のアンホテリシンB/TPGS/Peceol/Gelucire 44/14半固体脂質ベースの製剤を調製し(製剤5A)、ICH制御安定性条件下で貯蔵した。3か月の貯蔵後、製剤は効力を失うことなく(表21)、関連物質が増加することなく(表22)安定したままであった。しかしながら、溶解プロファイルは減少した(表23および図9)。前に示したように、この挙動はAmpBの再結晶または凝集の結果である可能性がある。
実施例8.製剤1Aおよび製剤5Aの薬物動態
製剤1Aおよび製剤5の薬物動態を、単回経口投与後のビーグル犬で評価し、液体製剤(すなわち、上述のiCo/Wasan液体製剤)と比較した。ビーグル犬において、これらのアンホテリシンBカプセル製剤の1日1回の経口投与を3日間繰り返した後の24時間での組織分布も評価した。
製剤1A、製剤5A、および液体製剤(iCo/Wasan製剤)中のアンホテリシンBを、以下の表24に概説するようにオスのイヌに投与した:
1日目、2日目、および3日目(投与後72時間まで)にTK評価のために血液を採取した。カプセル製剤を投与されたイヌは、その後さらに3日間(4〜6日目)単回経口投与を受け、最後の投与から24時間後にイヌを安楽死させ、次の組織試料(腸間膜リンパ節を除く約1g)を採取した:脳(大脳、小脳、髄質)、心臓、腎臓(皮質および髄質)、肝臓、肺、脾臓、精巣、腸間膜リンパ節、および胃腸管組織(十二指腸、空腸、回腸、および結腸)。腸の内容物の試料も採取された。血漿試料および組織は、適格なLC/MS/MS分析法を使用して、アンホテリシンBの含有量を分析した。
すべての製剤で100mgの用量のアンホテリシンBの経口投与はイヌで十分に許容され、関連する有害な臨床徴候は観察されなかった。
3つの異なる製剤でのアンホテリシンBの経口投与後、アンホテリシンBの平均血漿中レベルは、最初は急速に同様の様式で(投与後2時間まで)上昇し、その後、より遅い速度でプラトーに達し(投与後6〜24時間)、その後ゆっくりと減少した。アンホテリシンBの単回投与後のWasan製剤、製剤1A、および製剤5Aについてすべてのイヌで決定された薬物動態パラメーター(±SE)を以下の表25に要約する。平均C
max、T
max、AUC
0−TlastおよびMRT
Lastの値は、3つの製剤について互いに顕著な差はなかった。
アンホテリシンBの血漿濃度は、製剤1A、製剤5A、および経口の液体剤形(すなわち、上述のiCo/Wasan製剤)の投与後に測定された。これらの結果を表26に報告する。
定量限界は100ng/mLを目標とし、この定量限界を使用して生物分析法を確立した。単回投与後の全てのイヌ、および製剤の反復投与後24時間では、定量限界である100ng/mLを超える血漿レベルは観察されなかった。
製剤1Aおよび製剤5Aの投与から24時間後のアンホテリシンBの血漿濃度は、それぞれ56.0±6.9ng/mLおよび52.3±4.6ng/mLであった(図11も参照されたい)。
凍結保存された血漿試料に安定性の問題がないことを検証するために、1匹のイヌに単一のカプセル(製剤1A)を投与し、投与後2時間および4時間で血液試料を採取し、調製してすぐの試料および冷凍試料のアンホテリシンBを測定した。アンホテリシンBのレベルは、冷凍試料と調製してすぐの試料で類似しており、上述の血漿レベルと同一の範囲であった。
調査の追加部分として、アンホテリシンを用いた薬物動態試験についての文献を調査した。2つの報告を見出した。アンホテリシンBの定量は、HPLCとLC−MSの両方で行われ、定量下限は20ng/mLに設定された。最初の出版物(S.Kalbag et al,Cambridge(CAmB)−Focus−Tox−Poster, April 2013)では、イヌ(オスとメス)に15、30および45mg/kgの用量で製剤化されたアンホテリシンBを経口投与し、この試験の用量(約10mg/kg)に近い15mg/kgで、血漿Cmaxは51.9〜67.3ng/mL(オス−メス)の範囲で、この研究で観察された値に近く、24時間までの同様の血漿濃度プロファイルであった。新規脂質製剤(E.K.Wasan co−author,J.Antimicrobial Chemotherapy 64:101−108,2009)中のアンホテリシンBの経口投与後のラットで実施された研究では、10mg/kgの投与後のCmaxは96ng/mLで、血漿レベルは元の溶液で観察された範囲内であった。したがって、調査と得られた血漿プロファイルに基づいて、検出限界と定量限界の間で測定された血漿濃度は、得られた実際の血漿濃度を表している。
ビーグル犬のアンホテリシン(amphoteric)Bの組織濃度は、医薬品安全性試験実施基準(GLP)/用量範囲検出(DRF)試験で、製剤1Aおよび製剤5の投与後に測定された。表27は、アンホテリシンBの組織レベルを示す(図10も参照されたい)
値は、n=6の平均±SEとして表示され、検出限界を超えるが定量限界を下回る血漿濃度と、定量化の上限を上回る値が含まれており、ピークが検出されなかった試料は、ゼロの値として平均に含まれていた。
1組織分配係数Kpは、平均組織レベルを、プロトタイプ製剤1Aおよび製剤5Aの反復投与後に観察されたアンホテリシンBの平均血漿レベルで割り、1gの組織が1mLの組織体積を表すと仮定して計算された。
組織および腸内容物中のアンホテリシンBの分布は、製剤1Aおよび製剤5でのアンホテリシンBの反復投与後も同様であった。消化管組織および内容物は、試料の1938.8〜3106.6ng/g w/wの範囲の腸内容物レベルで最高レベルを含み、組織レベルと組織/血漿比は、それぞれ69.0〜703.3ng/g w/w組織と1.24〜12.55の範囲であった。非胃腸組織の中で、腎臓皮質および髄質と、後に続く肝臓と腸間膜リンパ節が最高レベルを有し、組織レベルと組織/血漿比は、それぞれ、21.7〜157.8ng/g w/wと0.42〜3.03の範囲であった。残りの組織は、アンホテリシンBのレベルが非常に低く、組織レベルと組織/血漿比は、それぞれ0.0〜7.6ng/g w.wと0.00〜0.17ng/g w.w.の範囲であった。
結論として、製剤1A、製剤5、および液体製剤に含まれる100mgのアンホテリシンBの経口投与は、イヌで十分に許容された。iCo−010(iCo/Wasan液体製剤)および製剤1Aおよび製剤5(カプセル製剤)のアンホテリシンBの経口生物学的利用能は類似しており、Cmax、Tmax、およびAUC0−Tlastの製剤群間で顕著な差は認められなかった。製剤1Aと製剤5の投与後のアンホテリシンBの組織分布は類似しており、胃腸組織で最も高いレベル、腎臓、肝臓、腸間膜リンパ節が後に続き、肺、脾臓、精巣でより低いレベル、脳と心臓の領域で非常に低いレベルが観察された。
実施例9.摂食および絶食ビーグル犬への経口投与後のアンホテリシンBの薬物動態
この試験では、2つの異なる期間にわたる経口経路による、表28に概説されているクロスオーバー設計での試験品目の投与を含んだ。
試験品目の投与
試験品目カプセルは、次のように各投与周期に投与された。
絶食投与:
イヌを一晩絶食させた。投与は翌朝の午前8時30分〜午前9時頃に開始し、それぞれが100mgの製剤化されたアンホテリシンBを含む5つのカプセルが、舌の後ろに一度に1つずつ置かれて経口投与された。最後のカプセルの投与後、すぐに約20mLの水道水をシリンジで口の隅にゆっくりと投与して、嚥下を確実にした。イヌの口を再度チェックして、口の中にカプセルの形跡がないことを確認した。食品(Lab Diet Certified Canine Diet #5007)を、2時間の採血時の後に投与した。水は自由に提供された。
摂食投与:
イヌを一晩絶食させた。投与は翌朝の午前8時30分〜午前9時頃に開始し、それぞれが100mgの製剤化されたアンホテリシンBを含む5つのカプセルが、舌の後ろに一度に1つずつ置かれて経口投与された。投与後、すぐに約20mLの水道水をシリンジで口の隅にゆっくりと投与して、嚥下を確実にした。イヌの口を再度チェックして、口の中にカプセルの形跡がないことを確認し、フードボウルから300(±5)グラムの湿ったドッグフード(Pedigree(登録商標)Meaty Loaf with Real Chicken)を提供した。すべてのイヌは300±5グラムの缶入りウェットドッグフードを4〜5分以内に消費した。水は自由に提供された。
生存中の観察
死亡率。試験期間中、死亡率チェックを実施し、投与日で1日に2回、非投与日で1日に1回記録した。投与日に、投与後最初の60分間、動物を綿密に監視した。
体重:体重は、各投与前および7日間の観察期間の終わりに記録した。
薬物動態のための血液サンプリング:血液試料を、全ての動物から以下のような投与:投与1日目および8日目の後に採取し、投与後0.5時間、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間で血液試料を採取した。
上述の試料を収集する目的で、各動物(anima)は頸静脈から採血された。各血液試料(約2mL)を、抗凝固剤(K2EDTA)を含むバキュテナーチューブに収集した。各試料について時間(投与の日時と合わせた実際の時間)を記録した。
採取後、血漿を分離するために、血液を2000rpmで20分間冷蔵遠心分離機に入れた。回収された血漿は、二重バイアルに保存され、分析まで凍結(−80±10℃)された。血漿の調製の各ステップで、試料は可能な限り周囲光から保護された。
最終的な採血時の後、各動物はNucro−Technicsのイヌのコロニーに戻された。
試料分析:血漿試料の分析は、Nucro−Technicsの生物分析研究所で、アンホテリシンBの決定に適格なLC−MS/MS法を使用して実行された。血漿試料は、最終レポートの発行後3か月間保持される。
薬物動態分析:血漿濃度−時間データを非コンパートメント法で分析し、検証済みのPhoenix(登録商標)WinNonlin(登録商標)バージョン6.3ソフトウェア(Pharsight Corp)を使用して薬物動態パラメーターを取得した。
主なパラメーター(以下に列挙)が計算された:
AUC0−Tlast:線形台形公式を使用して計算された、時間0から時間tlastの最後の定量可能濃度の時刻までの血漿濃度−時間曲線下の面積。
AUC0−∞:時間ゼロから外挿された無限までの血漿濃度曲線下の面積。AUC0−∞は、AUC0−Tlast+(Clast/ke)として計算された。
Cmax:最大血漿濃度
Tmax:採血の名目時間から決定される最大濃度の時間
ke:消失速度定数。これは、半対数濃度−時間曲線の終期での線形回帰を使用して推定された。keの計算には、最低3つのデータポイントが使用される。回帰線に重み付けは適用されなかった。
t1/2(e):ln(2)/keから計算される末端消失半減期
ソフトウェアによって生成された、平均滞留時間(MRT)、経口投与後のクリアランス(CL/F)、および分布容積/経口投与後(Vz/F)などの追加パラメーターは、試験責任者の裁量で報告してもよい。
統計学的分析:AUC0−TlastおよびCmaxを主要評価項目として使用して、摂食状態と絶食状態の生物学的利用能を比較し、Tmaxを吸収について検討した。AUC0−Tlast、Cmax、およびTmaxに関する2つの製剤群間の有意差を、スチューデントのt検定を使用して評価し、2つの製剤群間の統計的に有意な差の指標としてp <0.05レベルを採用した。群化されたデータの分散間の有意差は、2つの群のF検定を使用して評価され、分散間の有意差の指標としてp <0.05レベルを受け入れた。
結果
臨床観察
500mgの用量で製剤1Aとして製剤化されたアンホテリシンB(5つのカプセルに含まれる)の経口投与はイヌで十分に許容され、関連する有害な臨床徴候は観察されなかった。体重は処理期間を通して維持された(表29)。
絶食および摂食のイヌでの薬物動態
アンホテリシンBの平均血漿濃度を表30に提示し、アンホテリシンの時間プロファイルに対する個体および平均の血漿濃度を図12および13に提示する。血漿濃度対時間プロファイルから得られた薬物動態パラメーターを表31に提示する。
製剤1Aとして製剤化されたアンホテリシンBの経口投与後、アンホテリシンBの平均血漿中レベルは、最初は急速に同様の様式で(投与後2時間まで)上昇し、その後、より遅い速度でプラトー(投与後6〜24時間)または投与後4時間でのピークのいずれかに達し、その後ゆっくりと減少した。ほとんどの場合、消失段階が十分に明確でないため、最終消失段階の薬物動態パラメーターを決定することができない。表31に提示する薬物動態パラメーターのレビューは、絶食状態と摂食状態の平均Cmax、Tmax、およびAUC0−Tlast値が互いに有意に異ならなかったことを示す。絶食群と摂食群の各々の異なるイヌは、投与後4時間でアンホテリシンBの血漿濃度が大幅に低下したためにAUC0−Tlastが低下した。報告された薬物動態パラメーターの変動は、絶食群と摂食群の間で差がなかった。
絶食状態と摂食状態の薬物動態パラメーターとそれらの変動の間に有意差がないことは、食物の存在が製剤iCo−019からのアンホテリシンBの吸収にほとんど影響を及ぼさないことを示唆する。
このデータは、n=4の平均値±SEとして提示される。n.a.−適用不可。
統計学的なパラメーターとその分散のいずれも、絶食状態と摂食状態の間で有意差はなかった。
結論
結論として、製剤1Aとしての500mgアンホテリシンBの経口カプセル投与は、イヌで十分に許容された。絶食および接触のイヌでのCmax、Tmax、AUC0−Tlast、およびMRTlastは、有意な差があるとは考えられなかった。したがって、この研究は、食物の存在がビーグル犬における製剤1AからのアンホテリシンBの経口吸収に影響を及ぼさないことを実証した。