いくつかの実施例では、本開示は、光制御フィルム(LCF)及びそれを含むディスプレイアセンブリを説明する。説明するLCFは、フィルムの両側に複数の直線的微細構造及びルーバーを含むことができる。微細構造及びルーバーは、各ルーバーが対応する微細構造と整列するように、互いに位置合わせされてもよい。そのようなLCFは、自動車用ディスプレイユニット又は私的観察用スクリーンなどのディスプレイアセンブリの所望の平面内の光出力分布の角度を制御するために使用されてもよい。LCFを使用して、指定した視野平面内の光学的出力分布を規制する又は狭めて、表示画像の望ましくない方向への投影を防止する、又は他の方法で制限することができる。例えば、自動車用ディスプレイユニットの場合、説明するLCFを使用して、垂直面内のディスプレイユニットの光学的出力分布を制限して、自動車のフロントガラスなどの反射面に向かう光の不要な投影を防止することができる。
いくつかの実施例では、本明細書で説明するLCF及びディスプレイアセンブリを使用して、向上した輝度特性及び規制された光学的出力分布を有するディスプレイユニットを形成することができる。例えば、説明するLCFフィルムの各ルーバーを対応する微細構造と位置合わせすることによって、フィルムは、微細構造転向フィルム若しくはルーバーフィルムのいずれかを独立して、又は他の方法で位置合わせされていないアライメントでのフィルムの組み合わせを使用するディスプレイアセンブリと比較して、所望の角度出力分布内でLCFを通して光を搬送する際により効率的にすることができる。
図1は、光源110と、光源110に隣接して配置されたLCF120と、を含む例示的なディスプレイアセンブリ100の概略側断面図である。図2は、LCF120の特徴のいくつかを示すためのLCF120の拡大図を示す。図1及び図2に示すように、LCF120は、光透過性材料130の領域によってそれぞれが分離されている複数のルーバー128(例えば、光吸収領域)を含む、実質的に滑らかである(例えば、構造化されていない)第1の主表面122を画定する。第1の主表面122の反対側は、複数の直線的微細構造126(例えば、プリズム)を含む第2の主表面124であり、各微細構造126は、光源110からの光を屈折及び反射し、第1の主表面122に向けて光を方向転換するように構成された第1の側面132及び第2の側面134を有する。各ルーバー128は、ルーバー128及び微細構造126が実質的に整列され、実質的に同じ方向、例えば、x軸の方向に延び、実質的に同じ(例えば、同じ又はほぼ同じ)繰り返し周波数で生じるように、対応する微細構造126に位置合わせされる。以下で更に説明するように、ルーバー128は、微細構造126及びルーバー128の配置を最適化して、微細構造126によって所望の視野角内に方向転換された光が透過性材料130の領域を透過することができるように、位置合わせすることができる。
いくつかの実施例では、ディスプレイアセンブリ100にLCF120を含めることにより、y−z平面内の光出力分布(例えば、コリメーション角度)を制御するための非常に効率的な機構を提供することができる。例えば、ディスプレイアセンブリ100の動作中、光源110は、光線102を生成し、この光線は、微細構造126の第1の側面132を通ってLCF120に入る。光線102が微細構造126を透過すると、光線102は、第1の側面132から屈折、及び対応する微細構造126の第2の側面134から反射を受けることになる。最終結果として、光線102を、第1の主表面122の法線104(例えば、z軸)に向かってy−z平面内で回転させる。本明細書で説明するとき、表面に対する「垂直/法線(normal)」とは、表面平滑度の任意の局所的な変化を考慮せずに、表面の主平面に対して垂直であることを意味する。いくつかの実施例では、法線104は、ディスプレイアセンブリ100のディスプレイ軸を表すことができる。
光線102は次いで、第1の主表面122でLCF120を出る前に、透過性材料130の領域を透過する。いくつかの実施例では、第1の主表面122を出る光は、y−zコリメーション角度(σ)によって特徴付けられる光出力分布136内にコリメートされてもよい。光出力分布136は、LCF120の第1の主表面122を出る光の合計を表す。いくつかの実施例では、光出力分布136は、y−z平面内で見た特性視野角の第1のセットを画定してもよい。いくつかの実施例では、LCF120を使用して、約30度のy−zコリメーション角度(σ)に対応する、法線104から測定してy−z平面内の約−10度〜約+20の光出力分布を形成することができる。
いくつかの実施例では、光源110から放出され、LCF120に入る光線102は、分布角度(ψ)によって特徴付けられ、かつ対応する微細構造126の第1の側面132に向かって向けられた、光分布円錐108内に最初にコリメートされてもよい。微細構造126を透過した光は、光が光透過性材料130を透過し、ルーバー128によって影響を受けないで、光出力分布136内でLCF120を出るように、大部分コリメートされたままであることができる。しかしながら、意図しない反射、屈折、又は分散、非効率的な光源、不適切なアライメントなどに起因して、光源110から発する光線102のうちの少なくとも一部は、部分的に逆コリメートされて、微細構造126及びLCF120を斜めに、又は他の方法でより望ましくない視野角(例えば、所望の光出力分布136の外側の角度)で透過する迷光光線を生成することがある。
例えば、自動車用ディスプレイユニット又は私的観察用スクリーンを含む特定の用途では、そのような迷光光線は、画像をより望ましくない視野角で投影させることがある。例えば、ディスプレイアセンブリ100が自動車用ディスプレイユニットを表す実施例では、y−z平面は、自動車内の垂直面を表すことができる。ディスプレイユニットが垂直面内で(例えば、図1のy−z平面内で)迷光光線を発させた場合、それらの迷光光線の一部は、フロントガラスから反射され、車両の乗員に向けて方向転換されることがある。低光量の運転条件の間、そのような意図しない反射は、乗員の注意を散漫にさせることがある。
ルーバー128を含み、各ルーバーを対応する微細構造126と位置合わせすることによって、ルーバー128は、そのような迷光光線が第1の主表面122を通って出ることを阻止する機構を提供することができる。例えば、ルーバー128は、透過性材料及び吸収材料の交互領域を形成するように、透過性材料130の領域によって隣接するルーバー128から分離された光吸収材料の領域又はスラット(例えば、非透過領域)として特徴付けることができる。隣接するルーバー128間の形状、向き、及び距離に起因して、指定したy−z透過角度(α)内で透過性材料130を透過する光のみが、LCF120を透過し、全ての他の光(y−zコリメーション角度(σ)の外側の角度でLCF120を通過するy−z平面内の迷光光線)は、ルーバー128によって吸収されることになる。
いくつかの実施例では、ルーバー128を微細構造126と位置合わせすることによって、第2の側面134によって反射され、光出力分布136の角度(σ)内に維持された実質的に全ての光(例えば、光の少なくとも約85%)は、ルーバー128によって意図せずに吸収されることなく、LCF120を透過することができる。したがって、ルーバー128を微細構造126に位置合わせすることによる最終結果として、第1の主表面122を出る光出力分布136の角度(σ)の外側の迷光を実質的に除去する(例えば、除去する、又はほぼ除去する)一方で、LCF120を通る光出力分布136内の望ましい光を維持し効率的に伝達することの両方をすることができる。いくつかの実施例では、LCF120は、光源110から発する光の少なくとも85%が、その光の少なくとも90%を光出力分布136内に含めて、第1の主表面122を通って出ることを可能にすることができる。いくつかの実施例では、LCF120は、光のうちのより多くが光出力分布136内に方向転換され、観察者に利用可能にされるため、ルーバーフィルムのみを含むシステムと比較して改善された輝度を示すことができる。
いくつかの実施例では、ルーバー128は、微細構造126に位置合わせして、光出力分布136の角度(σ)内でLCF120を出る透過性材料130を透過する第2の側面134によって反射される光の量を増加させることができる。最終的なアライメントは、例えば、光出力分布136の角度(σ)、ルーバー128のサイズ及び形状、第2の側面134から反射された光の一次反射軸などを含む、いくつかの要因に依存し得る。いくつかの非限定的な実施例では、各ルーバー128は、法線104の軸に沿って、対応する微細構造126の谷135と整列させることができる。加えて又は代わりに、ルーバー128及び微細構造126は、各微細構造126の反射側面(例えば、第2の側面134)の一部分137に沿った点が、透過性材料130の対応する領域の中心と整列することができるように、位置合わせされてもよい。例えば、図2に示すように、代表的な光線102aは、対応する微細構造126に入り、第2の側面134の一部分137で反射し、第1の主表面122に向けて方向転換されて、示されている。ディスプレイアセンブリ100の構成により、それぞれの微細構造126に入る光の大部分は、第2の側面134の上半分(例えば、ピーク133からそれぞれの微細構造のピーク133と谷135との間の中間まで)で反射されることになる。したがって、一部分137は、第2の側面134の反射する上半分を表すことができる。一部分137上の任意の点(例えば、一部分137の中央)は、透過性材料130の対応する領域の中心127と整列されてもよい。
いくつかの実施例では、上述したようにルーバー128を微細構造126に位置合わせすることにより、ルーバー128及び微細構造126を有するが説明した位置合わせがない同等のフィルムと比較して、LCF120を透過した光の量を改善することができる。例えば、ルーバー128及び微細構造126を互いに位置合わせすることができないことにより、所望の光出力分布136内の光の一部は、ルーバー128によって不必要に吸収され、LCFを透過した光の低減をもたらす。いくつかの実施例では、ルーバー128を微細構造126に位置合わせすることにより、ルーバー128によって吸収される光の量を、約35%の吸光度(例えば、位置合わせされていないもの)から約11%の吸光度(例えば、位置合わせされたもの)に低減することができる。
LCF120はまた、独立して使用されるルーバーフィルム又は転向フィルムのいずれかと比較して、改善されたエッジカットオフ(例えば、軸外視野角内に伝達される光の低減)を提供することができる。例えば、図3は、視野角(例えば、図1のy−z平面内)の関数として光出力の強度(例えば、最大輝度の%)を示す、1つ以上のLCFフィルムを含むディスプレイアセンブリに関する光出力分布の例示的なグラフである。曲線300は、複数のルーバー(例えば、ルーバー128と同様な)を有するが、位置合わせされた微細構造の存在を欠いているLCFフィルム(例えば、ルーバーのみのLCF)の光出力分布を表す。曲線302は、複数の微細構造(例えば、微細構造126と同様な)を有するが、位置合わせされたルーバーの存在を欠いているLCFフィルムの光出力分布を表す。曲線304は、複数のルーバー128に位置合わせされた複数の微細構造126を有するLCF120と同様のLCFの光出力分布を表す。
曲線300及び302(ルーバーのみ及び微細構造のみのフィルム)によって示すように、光出力分布角度(σ)内に大部分コリメートされているが、依然として、それぞれのフィルムを斜めの角度で透過する、いくらかの迷光を含む(例えば、これらの曲線は、領域306においていくらかの輝度を呈する)。曲線304によって示すように、ルーバー128及び位置合わせされた微細構造126の両方の存在により、独立してルーバー又は微細構造フィルムのいずれかと比較して、領域306内(例えば、y−zコリメーション角度(σ)の外側の)の光の吸収をより効果的にもたらすことができ、それにより、そのような光がLCF120の第1の主表面122から出ることを阻止し、出力分布角度(σ)内の光のみが第1の主表面122を透過することを可能にすることができる。いくつかの実施例では、結果として得られる出力分布角度(σ)は、ディスプレイアセンブリ100に対するy−z平面内の特性視野角のセットに対応することができる。いくつかの実施例では、y−z特性視野角は、第1の主表面122の法線104から測定して約±70度未満、例えば、約±35度未満、約±20度未満、又は約±10度未満とすることができる。いくつかの実施例では、特性視野角は、その角度で観察されたディスプレイアセンブリ100からの輝度が最大輝度値の少なくとも5%を上回る視野角として特徴付けることができる。
いくつかの実施例では、本明細書で説明する特性視野角は、システムの法線(例えば、法線104)又はディスプレイ軸の周りの視野半角によって特徴付けることができる。例えば、LCF120が主表面122の法線104に対して±70度を含むy−z特性視野角のセット(例えば、y−z平面内で−70度〜+70度に及ぶ視野角、0度が法線104を表す)を定義した場合、y−z特性視野角は、同様に、70度の視野半角を有するとして特徴付けることができる。いくつかの実施例では、アセンブリ100のy−z特性視野角は、少なくとも10度かつ70度未満の視野半角を画定することができる。いくつかの実施例では、アセンブリ100のy−z特性視野角は、少なくとも20度かつ35度未満の視野半角を画定することができる。
いくつかの実施例では、ルーバー128のサイズ、形状、及び間隔は、光出力分布角度(σ)の範囲を設定するために使用されてもよい。図4A及び図4Bは、透過角度(α)、及び結果として光出力分布角度(σ)の1つ以上のパラメータを調整するためにLCF120に組み込むことができるルーバー形状の更なる実施例を示す。例えば、図4Aは、ルーバーが透過性材料404の領域によって分離されている台形の断面形状を有するように傾斜壁406を有するルーバー402を含む、LCFフィルム400を示す。いくつかの実施例では、壁406は、第1の主表面408の法線から最大約5度だけ、第1の主表面408から内向きに傾斜されてもよい。ルーバー壁406の角度が大きいほど、結果として得られる透過角度(α)の範囲が狭くなる。例えば、図4Aに示すように、ルーバー402は、反転された向きで台形の断面を画定する(例えば、台形の基部が+z軸方向に上向きになっている)。そのような構成は、ルーバー402を反対/直立の向きに含む(例えば、台形の基部が−z軸方向に下向きになっている)LCFと比較して、透過角度(α)の範囲を増加させることができる。いくつかの実施例では、透過角度(α)は、約20度〜約70度であってもよい。
図4Bは、透過性材料414の領域によって分離されている非対称に傾斜した壁416a及び416bを有する傾斜したルーバー412を含む、LCFフィルム410を示す。いくつかの実施例では、結果として得られるルーバー412の構成を使用して、結果として得られる角度がもはや第1の主表面418の法線周りに中心を置かないように、透過角度(α)を傾斜させることができる。いくつかのそのような実施例では、傾斜したルーバー412を使用して、最大約15度、及びいくつかの実施例では最大約5度だけ、結果として得られる視野角をシフトさせる(例えば、傾斜角度を確立する))ことができる。例えば、LCF410を出る光の結果として得られる出力分布角度(σ)は、例えば、60度であってもよいが、ルーバー128は、5度だけ傾斜させて、第1の主表面418の法線から測定して−25度〜35度の視野角の特性セット(例えば、5度の傾斜角度を有する60度の広がり)を生成してもよい。
いくつかの実施例では、隣接するルーバー128間の距離(例えば、y軸方向に測定した透過領域130の幅)は、およそミリメートル又はマイクロメートルのスケール、例えば、10〜200マイクロメートル(μm)、又は10〜100μmであってもよい。いくつかの実施例では、隣接するルーバー128間の距離は、約20〜約60μmとすることができる。いくつかの実施例では、ルーバー128は、約35〜約50マイクロメートル(例えば、y軸方向に測定して)の幅、及び約50〜約120マイクロメートル(例えば、z軸方向に測定して)の高さを画定することができる。
図1に戻って、いくつかの実施例では、LCF120の第1の主表面122を通って出る光源110によって生成される光の効率の程度は、分布円錐108のコリメーション角度(ψ)に部分的に依存し得る。分布円錐108の範囲は、光源110の種類、バックライトアセンブリの種類、任意の付随するコリメーション/射出光学素子の存在(例えば、光源110からLCF 120に光を送達するように構成されたライトガイド)などのうちの1つ以上に依存し得る。いくつかの実施例では、ライトガイドは、光源110の出力面112にわたる比較的均一な出力密度及び出力分布を可能にすることができる。
いくつかの実施例では、分布円錐108は、くさび形を表してもよい。例えば、光源110が平行な光源の列を含む場合、それぞれの光源に対する光分布は、効果的に合成して、おおよそ一定の角度範囲の延長された光分布を生成することができる(例えば、光分布円錐108の断面が図1の紙面の中/外に投影されたかのように)。いくつかの実施例では、延長された光分布は、光源110の出力面112にわたる比較的均一な出力密度及び出力分布を有することができる。いくつかの実施例では、光源110がCCFL管などの線状光源を含む場合に、延長された光分布を形成することもできる。説明目的のために、光源110からの光は、光線102によって表すことができ、この光線は、LCF120の第2の主表面124に入射することができる。
光源110は、好適な任意の光源又は光源の組み合わせでもよい。いくつかの実施例では、光源110は、1つ以上の発光ダイオード(light emitting diodes)(LED)を含むことができる。いくつかの実施例では、光源110は、実質的に白色光を放出するように構成されてもよく、又は、白色光を集合的に再現することができる、それぞれが異なる波長の光を放出する異なる構成要素を有するように構成されてもよい。「白色」光は、白色光として観察者が知覚し得る任意の好適な望ましい色点を指してもよく、ディスプレイアセンブリ100の用途に応じて調整又は較正することができる。いくつかの実施例では、光源110は、冷陰極蛍光灯(cold cathode fluorescent lights)(CCFL)又は白熱光源を含んでもよい。光源、及び任意の対応する射出、コリメーション、又は他の光学素子を選択して、任意の好適な波長又は波長の組み合わせ、偏光、点拡散分布、及びコリメーションの程度を提供してもよい。
いくつかの実施例では、光源110は、1つ以上の光源及びライトガイドを含むバックライトアセンブリを表すことができる。例えば、光源110は、1つ以上の光源からの光を受光するように構成された、第2の主表面124に隣接して配置されたライトガイドを含むことができる。ライトガイドは、光がコリメーション角度(φ)内でLCF120にわたって均一に分布するように、長さ及び/又は幅に沿った光の抽出に対して制御を提供するために、ライトガイドが内部全反射によって光を搬送することを可能にする特定の形状及び光学的特徴を有する、中実の透明な光学構成要素であってもよい。特定の抽出器設計を使用して、所望の角度で高度にコリメートされた光を放出することができる。
微細構造126は、微細構造126が実質的に同じ(例えば、同じ又はほぼ同じ)断面形状を有する方向(例えば、図1の断面図に示すように、かつx軸の方向に延びる)に沿って延びるように、直線的微細構造(例えば、プリズム)であってもよい。いくつかの実施例では、微細構造126は、第2の主表面124に隣接する材料(例えば、空気)よりも高い屈折率を有して、それによって、微細構造136の第1の側面132によって光線102を屈折させるが実質的に反射させず、そこで次に、第1の側面132の境界面におけるフレネル反射を除いて、第2の側面の第2の側面134に向かって屈折させてもよい。いくつかの実施例では、これらのフレネル反射は、第2の主表面124上(例えば、微細構造126の第1及び第2の側面132及び134上)に反射防止コーティング又は処理を提供することによって、低減することができる。いくつかの実施例では、反射防止は、モスアイ(moth's eye)構造などの反射防止構造化表面によって提供されてもよい。
微細構造126の第1及び第2の側面132及び134は、任意の好適な形状又は角度であってもよい。いくつかの実施例では、側面132及び134のうちの1つ以上は、非平面である(例えば、湾曲した)表面を有してもよい。
微細構造126は、任意の適切なサイズであってもよい。いくつかの実施例では、微細構造126は、ミリメートル又はマイクロメートルのスケール、例えば、10〜200μm、又は10〜100μmであってもよい。微細構造126のピッチ又はサイズは、LCF120の第2の主表面124の全て又は一部に対して、増大する、低減する、増大及び低減の両方をする、又は一定のままとすることができる。いくつかの実施例では、微細構造126は全て、実質的に同じ(例えば、同じ又はほぼ同じ)であってもよく、又は異なる形状若しくはサイズである微細構造の組み合わせを含んでもよい。微細構造126間の分離(例えば、ピークからピークまで)は、各ルーバーが対応する微細構造に位置合わせされるように、ルーバー128間の分離(例えば、中心から中心まで)と実質的に同じ(例えば、同じ又はほぼ同じ)とすることができる。
微細構造126及びルーバー128は、任意の好適な技術及び材料を使用して形成することができる。いくつかの実施例では、以下に更に説明するように、ルーバー128及び微細構造126は、押し出し、注型硬化などの技術を使用して形成されてもよい。例えば、ルーバー128は、透過性材料130の各領域がスロットによって分離されるように、ポリマーフィルム内に透過性材料130の領域を生成することによって形成されてもよい。スロットはその後、光吸収材料で埋め戻されて、ルーバー128を生成することができる。光吸収材料は、可視スペクトルの少なくとも一部分において光を吸収又は遮断するように機能する任意の好適な材料とすることができる。いくつかの実施例では、光吸収材料は、カーボンブラックなどの黒色着色剤を含むことができる。カーボンブラックは、10ミクロン未満、例えば1ミクロン以下の粒径を有する微粒子カーボンブラックであってもよい。カーボンブラックは、いくつかの実施形態では、1ミクロン未満の平均粒径を有することができる。いくつかの実施例では、ルーバー128を形成する吸収材料(例えば、カーボンブラック、別の顔料若しくは染料、又はこれらの組み合わせ)は、好適な結合剤中に分散させることができる。光吸収材料はまた、光が光吸収領域を透過することを阻止するように機能することができる粒子又は他の散乱要素を含んでもよい。
いくつかの実施例では、ルーバー128は、できるだけ多くの入射光を吸収するように設計されてもよい。高度に吸収性の領域は、ルーバー128を通って「漏れる」ことができる光の量を最小化し、したがって、望ましくない視野角で伝達される光を低減するのに役立つ。いくつかの実施例では、また、そのような反射から生じ得るスプリアス又は「ゴースト」画像を低減するために、ルーバー128から反射される光を最小化することが望ましい場合がある。いくつかの実施例では、ルーバー128と透過性材料130の領域との間の境界面における望ましくない反射は、光透過性材料130の屈折率及び光吸収材料(ルーバー128)の屈折率を、スペクトルの少なくとも一部分、例えば、人間の可視スペクトルにわたって一致させることによって、又は光透過性材料130の屈折率を光吸収材料(ルーバー128)の屈折率よりも低くすることによって、制御されてもよい。光透過性材料130の屈折率が吸収領域の屈折率よりも小さい場合、それらの間の境界面に入射する光は、吸収領域内に屈折されて吸収されることになる。いくつかの実施例では、2つの領域(例えば、ルーバー128及び光透過性材料130)の屈折率は、ルーバーの屈折率が光透過性材料130に対してわずかに高く(等しくない場合)、反射が本質的に除去されるように、「一致」させることができる。残念ながら、吸収される光の部分は、LCF120を透過した全体の光を低減し、光出力分布136の角度を変更することなく、この吸収された光の一部を方向転換することが望ましい場合がある。
いくつかの実施例では、入射光の一部が光透過性材料130とルーバー128との間の境界面からの内部全反射(total internal reflections)(TIR)を受けるときに、ディスプレイの輝度を増大することができる。光線がTIRを受けるか否かは、境界面での入射角、並びに透過領域及び吸収領域で使用される材料の屈折率の差から判定することができる。いくつかの実施例では、ルーバー128の屈折率は、光透過性材料130の屈折率以下である。場合によっては、光透過性材料130の屈折率は、少なくとも約0.005だけルーバー128の屈折率よりも大きくてもよい。場合によっては、屈折率間の差は、0.1未満である。場合によっては、屈折率間の差は、約0.007〜約0.06である。本明細書で使用するとき、範囲内の2つの数値「の間」の25は、その範囲の端点を含むことを意味する。
透過性材料130の領域並びに微細構造126は、任意の好適な光学的透過性材料を含んでもよい。いくつかの実施例では、透過性材料130及び微細構造126は、重合性樹脂を含んでもよい。いくつかの実施例では、重合性樹脂は、(メタ)アクリレートモノマー、(メタ)アクリレートオリゴマー、及びこれらの混合物から選択される、第1の重合性成分及び第2の重合性成分の組み合わせを含むことができる。本明細書で使用するとき、「モノマー」又は「オリゴマー」は、ポリマーに変換できる任意の物質である。用語「(メタ)アクリレート」は、アクリレート化合物及びメタクリレート化合物の両方を指す。いくつかの実施例では、重合性組成物は、(メタ)アクリル化ウレタンオリゴマー、(メタ)アクリル化エポキシオリゴマー、(メタ)アクリル化ポリエステルオリゴマー、(メタ)アクリル化フェノール系オリゴマー、(メタ)アクリル化アクリル系オリゴマー、及びこれらの混合物を含むことができる。重合性樹脂は、UV硬化性樹脂などの放射線硬化性ポリマー樹脂であってよい。いくつかの実施例では、透過性材料130及び微細構造126は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ(メチルメタクリレート)、並びに、これらのコポリマー及びブレンドなどの、ポリマー材料から形成することができる。いくつかの実施例では、LCF120の透過領域は、入射光の望ましくない散乱を回避するように、光学的に透明であってもよく、又は低いヘイズ及び高い透明度を有してよい。いくつかの実施例では、LCF120は、少なくとも約1.45などの、内部全反射が十分に広い角度の範囲で生じることを保証するのに十分に高い屈折率を有してもよい。他の適切な材料としては、アクリル、ポリスチレン、メチルスチレン、アクリレート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。いくつかの実施例では、LCF120の材料、寸法、又はその両方を、可撓性フィルムを製造するために選択することができる。
LCF120の微細構造126及びルーバー128は、任意の好適な方法によって形成することができる。例えば、ルーバー128及び微細構造126は、微細複製工程を使用して独立したフィルムとして形成されてもよい。光学材料のフィルムは、工具上に所望の微細構造126又はルーバー128のネガを有する好適な切断工具を通過させて、適合性があるが硬化性(curable)又は硬化性(hardenable)の光学材料を工具表面に対して押し付けることができる。その後、材料を硬質化又は硬化させ(例えば、紫外線などの光への曝露によって)、対応するフィルム上に圧痕形成された、対応する微細構造126又はルーバー128を形成するためのスロットを残すことができる。
他の実施例では、微細構造126又はルーバー128は、連続注型硬化法を使用して、同じフィルムの両側に形成されてもよい。例えば、図5は、単一の光学フィルムの両側にルーバー及び微細構造を形成するための、例示的な連続注型硬化法技術を示す。図6及び図7A〜図7Cは、図5の説明する技術を支援するための例示的な装置600を示し、図7A、図7B、及び図7Cは、LCFの加工中の様々な箇所を表す、箇所A−A、B−B、及びC−Cそれぞれに対するy−z平面にわたるLCF(例えば、ポリマー材料602)の断面を示す。
図5の技術は、ポリマー材料602の第1の主表面に複数のスロット614を形成するように構成された第1のローラー610の上にポリマー材料602を通すこと(502)と、第1の主表面の反対側のポリマー材料602の第2の主表面上に複数の微細構造616を形成するように構成された第2のローラー612の上にポリマー材料602を通すこと(504)と、ポリマー材料602を硬化させること(506)と、光吸収材料でスロット614を埋め戻して、複数のルーバー(例えば、図1のルーバー128)を形成すること(508)と、を含む。
上述したように、ポリマー材料602は、結果として得られるLCF(例えば、LCF120)の微細構造及び透過領域を構築するために使用することができる任意の好適な材料であってもよい。好適な材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ(メチルメタクリレート)、並びにこれらのコポリマー及びブレンドを挙げることができる。
ローラー610及び612は、それぞれのローラー表面上にネガのスロット及び微細構造パターンを作り出すための任意の好適な技術を用いて形成されてもよい。いくつかの実施例では、ローラー610及び612は、例えば、アレイ構造体を円筒形ブランク又はロールの表面にねじ切り加工することによって形成されてもよい。いくつかの実施例では、ポリマー材料602は、微細構造616が対応するスロット614に位置合わせされることを確実にするように、ローラー610及び612を同時に(例えば、ニップロール加工して)、又は近接して(例えば、同じ圧延パス中に順次)通過させることができる。
スロット614及び微細構造616がポリマー材料602の両面上に形成されると、ポリマーフィルム材料を硬化することができ、スロットは、上述したように、光吸収材料で埋め戻して、LCFを形成することができる。
例えば、電気めっき、レーザ切削、若しくはエッチングしたツールを用いる注型硬化、ツールの二光子マスタリングなどのフォトリソグラフィと注型硬化法との併用、又は直接機械加工若しくはアディティブ式3次元印刷処理装置さえも含む、LCF120を形成するための他の方法も可能であり得る。
いくつかの実施例では、ディスプレイアセンブリ100は、例えば、LCDディスプレイアセンブリ(図示せず)を含む、1つ以上の追加のフィルム又は光学層を含んでもよい。いくつかの実施例では、ディスプレイアセンブリ100は、x−z平面内の光出力分布を制御するように構成された追加の光学フィルムを含んでもよい。例えば、図8は、光源110と、LCF120と、y−z平面(例えば、LCF120によって制御されるy−z平面に実質的に垂直な平面)内のLCF120からの光出力分布を制御するように構成された拡散フィルム810とを含む、別の例示的なディスプレイアセンブリ800の概略側断面図である。図9は、フィルムの特徴のいくつかを例示するための拡散フィルム810の拡大図を示す。
いくつかの実施例では、拡散フィルム810は、第1の実質的に滑らかな表面812(例えば、構造化されていない)、及び第1の表面の反対側の第2の構造化主表面814を画定してもよい。
いくつかの実施例では、拡散フィルム810は、第2の構造化主表面814がLCF120の第1の主表面122から光を受光し、この光が第1の実質的に滑らかな表面812を通って拡散フィルム810を出るように設定されるように、向けられてもよい。いくつかの実施例では、そのような向きは、拡散フィルム810内の光の再帰反射を低減するのに役立つことができる。
あるいは、第1の実質的に滑らかな表面812は、拡散フィルム810を出る光が第2の構造化主表面814を通って出るように、LCF120の第1の主表面122から光を受光するように向けられてもよい。いくつかの実施例では、第1の実質的に滑らかな表面812は、第1の主表面122に光学的に結合されてもよい(例えば、第1の主表面122に接着されて、それにより、有意な反射又は屈折を受けることなく、光がLCF120から拡散フィルム810に透過する)。いくつかのそのような実施例では、LCF120を拡散フィルム810に光学的に結合することは、拡散フィルム810の第1の実質的に滑らかな表面812からの望ましくない反射を低減するのに役立つことができる。
構造化表面814は、フィルムを通って移動し、構造化表面814から出るx−z平面内の光を拡散する(例えば、広げる)ように構成された湾曲面をそれぞれ有する、複数のレンズ状微細構造816を含んでもよい。いくつかの実施例では、レンズ状微細構造816のそれぞれは、微細構造126及びルーバー128に実質的に垂直な(例えば、垂直な又はほぼ垂直な)方向に沿って直線的に延伸されてもよい。
任意の好適な湾曲面を使用して、所望のx−z出力分布(例えば、角度(β))を有するレンズ状微細構造816を作製することができる。いくつかの実施例では、レンズ状微細構造816の好適な断面形状(例えば、図9の断面図に示すような)は、例えば、放物線形状、半円形状、反射屈折形状などを含むことができる。
自動車用ディスプレイユニットなどのいくつかの実施例では、拡散フィルム810を使用して、ディスプレイ画像が車両の異なる乗員に投影されるように、水平面(LCF120の垂直面とは対照的に)内の光を拡散することができる。ディスプレイ表面802を出るx−z平面内の広がりは、分布角度(β)内のx−z特性視野角のセットによって特徴付けることができる(例えば、図8)。いくつかの実施例では、分布角度(β)は、y−zコリメーション分布角度(σ)よりも大きくてもよく、それにより、ディスプレイアセンブリ800は、x−z平面内のx−z特性視野角の比較的大きなセットと、y−z平面内のy−z特性視野角の比較的狭いセットとを提供する。いくつかのそのような実施例では、観察者によって観察したときに、x−z平面は、水平面を表すことができ、y−z平面は、垂直面を表すことができる。
拡散フィルム810は、任意の好適な厚さであってよく、任意の好適な材料から作製されてもよい。いくつかの実施例では、拡散フィルム810は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ(メチルメタクリレート)、並びに、これらのコポリマー及びブレンドなどの、ポリマー材料から形成することができる。他の適切な材料としては、アクリル、ポリスチレン、メチルスチレン、アクリレート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。いくつかの実施例では、拡散フィルム810は、LCF120の透過領域と実質的に同じポリマー材料で形成されてもよい。
いくつかの実施例では、拡散フィルム810の結果として、x−z平面内の結果として得られる光出力分布は、法線からディスプレイ表面802に測定して、約30度(例えば、約60度、又は視野角−30〜+30度に等しい)〜約60度(例えば、約120度、又は視野角60〜+60度に等しい)の視野半角を画定するx−z特性視野角のセットをもたらすことができ、これは、LCF120の法線104に実質的に整列することができる。
いくつかの実施例では、光源110から発し拡散フィルム810を出る光の少なくとも80%は、分布角度(β)によって画定されるx−z特性視野角のセット内にあることになる。
図中の要素の説明は、別段の指示がない限り、他の図中の対応する要素に等しく適用されるものと理解されたい。上述の実施形態は、本発明の様々な態様の説明を容易にするために詳細に記載されたものであるため、本発明は、上述の特定の実施例及び実施形態に限定されるものと見なされるべきではない。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの同等物によって定義される本発明の範囲内に含まれる様々な変形形態、同等のプロセス、及び代替的デバイスを含めた、本発明の全ての態様を包含するものと理解されるべきである。