JP2020507077A - 有害事象を示すマーカーとしてのproadm - Google Patents

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Abstract

本発明は、対象の有害事象、特に死亡、の診断、予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化に関する。本発明は、前述の対象の試料中のプロアドレノメジュリン(proADM)のレベルを決定することを含む方法に関し、proADMの前述のレベルは、前述の対象の前述の有害事象の指標であり、proADMの前述のレベルは、proADMの参照レベルと比較され、前述の対象の前記有害事象は、比較に基づき特定される。本発明はさらに、本発明の方法を実施するためのキットに関する。

Description

本発明は、対象の有害事象、特に死亡の診断、予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化に関する。本発明は、対象の試料中のプロアドレノメジュリン(proADM)のレベルを決定することであって、proADMのレベルが、前述の対象の有害事象の指標である、決定すること、ならびに/または対象の試料中の少なくとも1つのヒストン、特にヒストンH2B、H4、H2A、および/もしくはH3のレベルを決定することであって、少なくとも1つのヒストンのレベルが、前述の対象の有害事象の指標である、決定することを含む方法に関する。本発明はさらに、本発明の方法を実施するためのキットに関する。
病院の集中治療室(ICU)は通常、最も重症の患者および最も高い死亡率を有する部である(Kaneko−Wada Fde,Dominguez−Cherit et al.2015)。これは、主にICUの長期滞在、現代的かつ高価な技術、および集中治療の全体的な複雑さにより、あらゆる医療システムにとって非常に高価な要素である(Halpern and Pastores 2010)。集中治療医学のかなりの努力にもかかわらず、ICUの死亡率は、分析した患者集団およびその重症度の状態に応じて、6.4%〜最大40%の範囲である(Mayr,Dunser et al.2006)。ICUにおける有害転帰および死亡の主な原因は、多臓器機能不全症候群(MODS)などの臓器不全、および敗血症に関連している(Vincent 2008、Ferreira and Sakr 2011)。敗血症患者のサブグループに関して、ヨーロッパにおける死亡率は、さらにより高く、27%〜54%の範囲である(Vincent 2008)。
有害または致命的事象/転帰を有するハイリスク患者を特定するために(i)、ICU入院後の早期判断において臨床医を助けるために(ii)、臨床治療およびリソースを最適化するために(iii)、かつ最終的にICU死亡を減少させるために、短期および長期転帰などの決定的なパラメータに関する知識は、高い価値を有する(Mayr,Dunser et al.2006)。今までのところ、重症度スコアは、リスクおよび重症度評価、ならびに重篤な患者の転帰予測に主に使用されている。主なICUスコアリングシステムは、それぞれ17、14、または6の生理学的または臓器特異的パラメータに基づく、急性生理学および慢性健康評価(APACHE)スコア、単純化急性生理学スコア(SAPS)、および逐次臓器不全評価(SOFA)スコアである(Bouch and Thompson 2008)。患者の転帰を予測するそれらの能力にもかかわらず、そのようなスコアは、様々な不利点も有する。例えば、スコアの各単一パラメータが評価および判断される必要がある。したがって、スコアの結果の決定は時間がかかり(1日以上)、これは、迅速なテストが高く評価されているICUケアでは特に不利である。さらに、そのようなスコアは全ての評価している臨床医の主観に依存し、頻繁に再較正される必要がありそして個々に決定されるべきいくつかのパラメータに頼る必要がある。
したがって、対象、特に重篤な対象における有害事象の診断、予後、リスク評価および/またはリスク層別化についての単純で迅速かつ客観的な基準が必要とされている。
したがって、本発明の根底にある技術的問題は、対象の有害事象、特に致命的事象、例えば死亡(mortality)/死亡(death)を予測するための迅速かつ信頼性の高い方法を提供するための手段および方法の提供である。
技術的問題は、本明細書の以下に提供され、添付の特許請求の範囲において特徴付けられるような、実施形態を提供することによって解決される。
本発明は、対象の有害事象の診断、予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化のための方法に関し、前述の方法は、対象の試料中のプロアドレノメジュリン(proADM)のレベルを決定することを含み、proADMまたはそのフラグメントの前述のレベルは、前述の対象の前述の有害事象を示す、方法に関する。
さらに、対象の有害事象の診断、予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化のための方法に関し、前述の方法は、対象の試料中の少なくとも1つのヒストンまたはそのフラグメントのレベルを決定することを含み、前述の少なくとも1つのヒストンまたはそのフラグメントの前述のレベルは、前述の対象の前述の有害事象を示す。
さらに、本発明は、対象の有害事象の診断、予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化のための方法に関し、前述の方法は、少なくとも1つのヒストンのレベルおよびプロアドレノメジュリンのレベル(proADM)を決定することを含む。少なくとも1つのヒストンのレベルおよびproADMのレベルおよび/またはそのフラグメントは、前述の対象の前述の有害事象の指標である。本明細書で使用される場合、「proADM」は、特に明記しない限り、MR−proADMおよび成熟ADMなどのフラグメントも包含する。
本発明は上記の技術的問題を解決する。以下および添付の実施例に記載されるように、少なくとも1つのヒストン、特にヒストンH2B、H4、H2AおよびH3のレベル、および/またはproADM、特にMR−proADMのレベルが、対象の有害事象、例えば死亡との強い統計的関係を実証することが臨床研究において予想外に見出された。例示的な実施例1を参照のこと。したがって、少なくとも1つのヒストンタンパク質および/または前述のproADM、例えばMR−proADMは、有害事象の予測のためのマーカーとして使用できることが本明細書に記載されている。特に、実施例は、そのようなマーカーが生存者または非生存者、すなわち対象の死亡の予測に使用できることを文書化している。
添付の実施例では、驚くべきことに、参照レベル未満であるか、またほぼ参照レベルに等しく、例えば約0.9nmol/Lである対象のproADM(特にMR−proADM)のレベルが、有害事象が約28日以内に起こらないことを示すことが実証された。proADMの約0.9nmol/Lの参照レベルは、非生存者の特定において100%の感度を提供し、すなわち、この閾値未満のレベルは、28日の期間内に生存するであろう患者を確実に特定する。proADMについての約1.8nmol/Lの参照レベルもまた、添付の実施例における有害事象、例えば死亡を確実に予測する。したがって、proADMのレベルは、例えば約28日以内に、対象が生存するかどうかを示す。
対象が疾患および/または状態、例えば臓器不全の重症度によって層別化されている場合、proADM(特にMR−proADM)が非生存者または生存者を識別するのに信頼できることがさらに実証された。予測方法は原則として、任意の数の臓器不全、すなわち、任意のSOFAスコアを有する対象に対して機能する。proADM(特にMR−proADM)のレベルの検出は、全ての重症度群における非生存者、すなわち、任意のSOFAスコアの特定を可能にする。これは、あまり重篤ではない患者(6未満のSOFAスコア)にとって特に重要であり、これは、この群が、敗血症の臨床経過における最も初期の提示、および/または臨床(特にICUもしくはED)環境におけるこの疾患のより重症度の低い形態のいずれかを表すためである。したがって、proADM(特にMR−proADM)は、早期敗血症管理のための信頼できるマーカーであり、これは、それが迅速な予後値を提供し、かつ診断的介入および治療決定を導くのを助けるためである。
対象が、あまり重篤ではない対象(例えば、6以下のSOFAスコア)、中程度に重篤な対象(例えば、7〜12のSOFAスコア)、または重篤な対象(例えば、13以上のSOFAスコア)に分類され得ることが、添付の実施例に示される。したがって、対象は、SOFAスコアに基づき分類され得る。proADM(特にMR−proADM)の予測値は、それを対象のSOFAスコアの決定と組み合わせることによって改善され得る。しかしながら、このマーカーの予測値は、SOFAスコアの決定が必要とされないようなものであり、言い換えれば、本発明の方法のいくつかの態様では、対象のproADM(好ましくはMR−proADM)のレベルは決定されるが、SOFAスコアは決定されない。添付の実施例では、proADM(特にMR−proADM)のレベルが、疾患重症度の程度が低い対象(あまり重篤ではない対象)の場合、試験マーカーの中で最高の性能を示すことが示された。そのような対象は、6以下のSOFAスコアを有し得る。特に、約1.8nmol/Lの参照レベルよりも低い、あまり重篤ではない患者のproADM(特にMR−proADM)のレベルが、有害事象、特に死亡が約28日以内に起こらないことを示すことが実証された。実施例2、表9を参照されたい。さらに、proADMはまた、中等度の重症度の罹患対象の場合、乳酸塩などの他のマーカーと比較して有害事象の予測にも有利である。そのような対象は、7〜12のSOFAスコアを有し得る。特に、約3.2nmol/Lの参照レベルよりも低い、中等度の重症度の対象のproADMのレベルが、有害事象、特に死亡が約28日以内に起こらないことを示すことが実証された。実施例2、表9を参照されたい。最後に、proADMのレベルはまた、重篤な対象の有害事象を確実に予測する。特に、5.6nmol/Lの参照レベルよりも低い重篤な対象のproADMのレベルが、有害事象、特に死亡が約28日以内に起こらないことを示すことが実証された。実施例2、表9を参照のこと。
したがって、proADM(特にMR−proADM)のレベルは、対象のリスクを予測し、したがってどの療法が最も好適であるかを臨床医が判断するのに役立つ。したがって、proADMのレベルは、診療所における患者の治療を改善する。したがって、proADMのレベルはまた、特に、さらなる集中治療、例えば、ICUまたは救急科(ED)での治療を必要としない対象を特定するために、集中治療室の管理でも使用され得る。特に、約0.9nmol/L(好ましくは0.88nmol/L)よりも低いproADM基準値は、ICUまたはEDへの入院後28日以内の死亡を「除外」することを可能にする。したがって、このカットオフは、明らかな臓器不全の臨床的兆候がまだ明らかになっていない場合に、早期の臨床決定を導くのに有用である。したがって、本発明の方法は、この目的のために使用され得る。(さらなる)集中治療(例えば、ICUまたはEDにおいて)を必要としないが、例えば、一般病棟に移され得る対象の特定は、ICUまたはEDにおける費用負担者の費用を削減し、ベッドを解放する。
特定の態様では、本発明の方法は、死亡を予測するため、または臓器不全の臨床的徴候がまだ明らかにされていない対象(6以下、好ましくは4以下、より好ましくは3以下などの低いSOFAスコアを有する対象に対応する患者)を層別化するために使用される。
加えて、proADM(特にMR−proADM)のレベルがまた、前述の対象のSOFAスコアを修正するために使用され得ることが添付の実施例に示されている。例えば、SOFAは、前述の対象のproADMのレベルに基づき適応され得、例えば増加し得、前述の修正SOFAスコアは、前述の有害事象の指標である。
特に、対象のSOFAスコアは、対象が約1.8nmol/Lよりも高いproADMレベルを有する場合に1増加し得る。そのような修正SOFAスコアは、予測をさらに改善する。実施例2を参照されたい。
SOFAスコアの代わりに、またはそれに加えて、クイックSOFA(qSOFA)スコアも決定され得る。
添付の実施例において、少なくとも1つのヒストン、特にH2B、H4、H2AおよびH3のレベルが、対象の有害事象、例えば死亡と強く関連していることも驚くべきことに実証されている。特に、添付の実施例は、ヒストンのレベルが、約28日以内に、約7日以内に、または約3日以内に起こる死亡などの有害事象と統計的に関連していることを実証する。添付の実施例は、マーカーのレベルの増加が、有害事象、例えば死亡が対象において起こることを示すことを明らかにした。添付の実施例1、例えば表1〜6を参照されたい。さらに、ヒストンのレベルは、例えば7日または3日以内に起こる短い有害事象と特に相関することが実証された。さらに、呼吸器疾患を患っている対象の試料中の少なくとも1つのヒストンのレベルは、7日以内に起こる有害事象、例えば死亡と相関することが見出された。例えば、表4を参照されたい。加えて、尿路感染症を患っている対象の試料中の少なくとも1つのヒストンのレベルは、28日以内に起こる有害事象、例えば死亡と相関することが見出された。例えば、表5を参照されたい。さらに、悪性腫瘍を患っている対象の試料中の少なくとも1つのヒストンのレベルは、28日以内に起こる有害事象、例えば死亡と相関することが見出された。例えば、表6を参照されたい。
さらに、驚くべきことに、添付の実施例において、proADMのレベル、例えばフラグメントMR−proADMのレベルが、対象の有害事象、例えば死亡と強く相関していることも実証されている。特に、添付の実施例は、proADMのレベルが、約28日以内、約7日以内、または約3日以内に起こる有害事象、例えば死亡と統計的に関連していることを実証している。例えば、表2および3を参照されたい。特に、添付の実施例は、proADMのレベルが、28日以内に起こるか、または7日以内に起こる有害事象、例えば死亡の指標であることを実証している。例えば、表2および3を参照されたい。
さらに、マーカーのレベルの組み合わせが決定されれば予測がさらに改善されることが添付の実施例に記載されている。特に、proADMのレベルに加えて少なくとも1つのヒストンのレベルを決定することは、有害事象、例えば死亡の予後診断をさらに改善した。表1〜3を参照されたい。少なくとも1つのヒストンまたはproADMのレベルに加えてさらなるマーカーおよび/またはパラメータのレベルを決定することは、有害事象、例えば死亡の予測をさらに改善することが添付の実施例に記載されている。例示的な表1〜3を参照のこと。例えば、臨床スコアを決定することはproADMまたはヒストンのレベルに基づく予測も改善することが添付の実施例において実証されている。また、アルドラーゼBなどのバイオマーカーのレベルの決定は、proADMまたはヒストンのレベルに基づく予測を改善する。したがって、本発明はまた、さらなるマーカーおよび/またはパラメータのレベル、すなわちマーカーパネルの使用を決定することを含む方法に関する。
本発明は、とりわけ、従来の方法に対して以下の利点を有する:本発明の方法およびキットは、迅速で、客観的で、使いやすく、そして有害事象の予測に正確である。本発明の方法およびキットは、マーカーに関する。なぜなら、ヒストンのレベルおよびproADMのレベルは、日常的に得られた血液試料または対象から得られたさらなる体液において決定され得るからである。さらに、ヒストンまたはproADMのレベルの決定は非常に速い。したがって、本発明の方法およびキットは有害事象、例えば、死亡の迅速な評価、ならびに診断および予後診断に適している。したがって、迅速な決定はまた、有害事象の発生のリスクを回避または低減する迅速な治療決定にも適している。さらに、1つの特定の値としてのバイオマーカー測定の単純な結果のために、この方法または本発明のキットを使用するときに医療スタッフの主観的な偏りはない。したがって、再現性は、例えば、SOFAスコアで採用されるような生理学的パラメータについての主観的スコアリングと比較して改善されている。ヒストンまたはproADMのレベルはまた、予測をさらに改善し、重篤な患者の全体的な状態を評価するための特定の感度および特異性に分析を適応させるために、さらなるマーカー(複数可)および/またはパラメータ(複数可)、例えばSOFAスコアなどの臨床スコアと組み合わされ得る。
したがって、本明細書で提供される方法およびキットは、対象の発生する有害事象、例えば死亡(mortality)/死亡(death)の診断、予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化において有利である。
本明細書の上記および添付の実施例に文書化されているように、ヒストンのレベルおよびproADMのレベルは、驚くべきことに、対象における死亡などの有害事象と相関することがわかった。したがって、本発明は、対象の有害事象、特に死亡の診断、予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化のための方法およびキットに関する。
さらに、本発明は、少なくとも1つのヒストンおよび/またはproADMのレベルが有害事象、特に死亡の指標となる、対象のモニタリング、治療ガイダンスおよび/または治療管理のための方法およびキットに関する。本明細書の上記および下記に提供される定義はまた、そのような態様に適用される。
特に、本発明は、対象の有害事象、特に死亡の診断、予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化のための方法に関し、前述の方法は、
(i)前述の対象の試料中の少なくとも1つのヒストンのレベルを決定することであって、少なくとも1つのヒストンの前述のレベルが、前述の対象の前述の有害事象、特に死亡の指標である、決定すること、および/または
(ii)前述の対象の試料中のプロアドレノメジュリン(proADM)のレベルを決定することであって、proADMの前述のレベルが、前述の対象の前述の有害事象、特に死亡の指標である、決定することを含む。
本明細書で使用される場合、「少なくとも1つのヒストンのレベルを決定すること」という用語などは、対象の試料中のヒストンもしくはそのフラグメントのレベルを決定すること、または対象の試料中の2つ以上のヒストンもしくはそのフラグメントのレベルを決定することを指す。特に、「少なくとも1つのヒストンのレベルを決定すること」は、対象の試料中のヒストンのレベルを決定することを指し得、好ましくは、ヒストンは、ヒストンH2B、H4、H2A、およびH3からなる群から選択される。特に、ヒストンH2Bのレベルが決定される。さらに、「少なくとも1つのヒストンのレベルを決定すること」は、対象の試料中のヒストンのレベルを決定することを指し得、特に、ヒストンH4のレベルが決定される。さらに、「少なくとも1つのヒストンのレベルを決定すること」は、対象の試料中の2つのヒストンのレベルを決定することを指し得、好ましくは、ヒストンH2BよびH4のレベルが決定される。さらに、「少なくとも1つのヒストンのレベルを決定すること」は、対象の試料中の3つのヒストンのレベルを決定することを指し得、好ましくは、ヒストンH2B、H4、およびH2Aのレベルが決定される。さらに、「少なくとも1つのヒストンのレベルを決定すること」は、対象の試料中の4つのヒストンのレベルを決定することを指し得、好ましくは、ヒストンH2B、H4、H2AおよびH3のレベルが決定される。
したがって、本発明の文脈において、「少なくとも1つのヒストンのレベルを決定すること」は、ヒストンH2Bのレベル、ヒストンH4のレベル、ヒストンH2Aのレベル、および/またはヒストンH3のレベルを決定することを指し得る。
特に、用語「少なくとも1つのヒストンのレベルを決定すること」などは、対象の試料中のヒストンのレベルを決定することを指し得る。したがって、本発明はまた、対象の有害事象の診断、予後診断、リスク評価、リスク層別化、および/またはモニタリングのための方法に関し、前述の方法は、試料中のヒストンまたはそのフラグメントのレベルを決定することを含み、ヒストンまたはそのフラグメントの前述のレベルは、前述の有害事象、特に死亡の指標である。
本明細書中で使用される場合、「ヒストン」もしくは「ヒストンタンパク質」または「ヒストン」もしくは「ヒストンタンパク質」とは、H1、H2A、H2B、H3、もしくはH4などの標準的ヒストン(複数可)、ならびにH3.3、H2A.Zなどのヒストン変異体、またはそれらのフラグメント(複数可)を指す。ヒストンは、DNAがクロマチン構造を集合させるために包み込まれる八量体粒子を形成する(Luger,Nature.1997 Sep 18;389(6648):251−60)。例えば、ヒストンタンパク質H2A、H2B、H3、およびH4(それぞれ2つ)は八量体を形成し、これは165塩基対のDNAによって包まれてクロマチンの基本サブユニットであるヌクレオソームを形成する。ヒストンはまた、複数の病態生理学的過程において核の外側で検出される(WO2009 / 061918)。細胞外ヒストンの存在は、炎症過程を含む様々な病因を患っている患者の血液中に記載されている。活性化免疫細胞からのヒストン放出は細胞外トラップによって仲介され得る。活性化好中球は、感染を制御および除去する究極のメカニズムとして、細胞外繊維、いわゆる好中球細胞外トラップ(NET)を放出することができる(Brinkmann V.,et al.Science 2004;303(5663):p.1532−5)。ヒストンが患者の血流中に放出され得る他の機序には、細胞のアポトーシス、壊死、乾癬または壊死症が含まれる。
特に、少なくとも1つのヒストンは、H2B、H4、H2AおよびH3からなる群から選択される。したがって、本発明の方法およびキットにおいて決定されるべきヒストンのレベルは、特にヒストンH2B、H4、H2A、および/またはH3のレベルである。ヒストンの配列は当業者に知られている。ヒストンの例示的な配列は、配列番号1〜4に示されている。ヒストンH4の例示的なアミノ酸配列は、配列番号1に示されている。ヒストンH2Aの例示的なアミノ酸配列は、配列番号2に示されている。ヒストンH3の例示的なアミノ酸配列は、配列番号3に示されている。ヒストンH2Bの例示的なアミノ酸配列は、配列番号4に示されている。特に、少なくとも1つのヒストンは、H2B、H4、H2AおよびH3からなる群から選択される。より具体的には、少なくとも1つのヒストンは、H2B、H4、およびH2Aからなる群から選択される。より具体的には、少なくとも1つのヒストンは、H2BおよびH4である。より具体的には、少なくとも1つのヒストンはH2BまたはH4である。
「少なくとも1つのヒストンのレベルを決定すること」などは、試料中の少なくとも1つのヒストンまたは少なくとも1つのヒストンのフラグメントのレベルを決定することを指すことが理解される。特に、ヒストンH2B、H4、H2A、および/またはH4のレベルが試料中で決定される。したがって、試料中で決定された少なくとも1つのヒストンは、遊離ヒストンであり得るか、または試料中で決定された少なくとも1つのヒストンは生じ得、かつ巨大分子錯体中、例えば、八量体、ヌクレオソーム、および/またはNET中に集合し得る。したがって、試料中の少なくとも1つのヒストンのレベルは、遊離ヒストンタンパク質および/または高分子複合体中に集合したヒストンタンパク質のレベルを含み得る。
本発明の特定の態様において、ヒストンまたはそのフラグメントのレベルは、ヌクレオソーム、オクタマーまたは好中球細胞外トラップ(NET)などの巨大分子複合体に組み立てられていない試料中で決定され得る。そのようなヒストン(複数可)は、本明細書において「遊離ヒストン(複数可)」と呼ばれる。したがって、少なくとも1つのヒストンのレベルは特に少なくとも1つの遊離ヒストンのレベルであり得る。
そのような遊離ヒストンのレベルは、モノヌクレオソームまたはオクタマーのように、組み立てられた化学量論的高分子複合体においては接近不可能であるヒストンのアミノ酸配列または構造エピトープの検出によって決定され得る。そのような構造では、ヒストンの特定の領域が覆われているため、好中球細胞外トラップ(「NET」)について示されているように立体的にアクセスできない(Brinkmann V.,et al.Science 303(5663):p.1532−5,2004)。さらに、八量体またはヌクレオソームでは、ヒストンの領域も個々のヒストン間などの分子内相互作用に関与している。したがって、本発明の文脈において決定されるヒストンの領域/ペプチド/エピトープは、ヒストンが遊離ヒストンであるか、または高分子複合体に集合しているヒストンであるかを決定し得る。例えば、イムノアッセイに基づく方法では、エピトープが構造的にアクセスできないので、利用される抗体は、それらがヌクレオソームの八量体コアの一部である場合、ヒストン、例えばH4を検出しないかもしれない。以下に、遊離ヒストンを決定するために使用され得るヒストンの領域/ペプチド/エピトープが例示される。例えば、ヒストンのN末端またはC末端尾部の領域/ペプチド/エピトープは、それらが本発明による高分子複合体中に集合しているかまたは遊離ヒストンであるかに関係なく、ヒストンを決定するために使用することができる。
ヒストンの決定は翻訳後修飾ヒストンタンパク質を含み得ることが理解される。したがって、翻訳後修飾は、アミノ酸の脱アセチル化またはアセチル化、リン酸化、メチル化、ユビキチン化およびシトルリン化を含み得る。
この文脈における「化学量論的」は、無傷錯体、例えばモノヌクレオソームまたは八量体に関する。「遊離ヒストンタンパク質」は、クロマチン非結合ヒストンも含み得る。例えば、「遊離ヒストンタンパク質」はまた、個々のヒストンタンパク質または非八量体ヒストン複合体を含み得る。遊離ヒストンは、個々のヒストンに(例えば、一過性に)結合され得、例えば、ヒストンは、ホモまたはヘテロ二量体を形成し得る。遊離ヒストンは、ホモまたはヘテロ四量体も形成し得る。ホモ四量体またはヘテロ四量体は、4分子のヒストン、例えば、H2A、H2B、H3および/またはH4からなり得る。典型的なヘテロ四量体は2つのヘテロ二量体によって形成され、各ヘテロ二量体はH3およびH4からなる。ヘテロ四量体がH2AおよびH2Bによって形成され得ることもまた、本明細書において理解される。ヘテロ四量体は、H3およびH4からなる1つのヘテロ二量体、ならびにH2AおよびH2Bからなる1つのヘテロ二量体によって形成され得ることもまた本明細書で想定される。したがって、遊離ヒストンは、本明細書において呼ばれ、核酸、例えばヌクレオソームに結合したヒストン八量体からなる(「化学量論的」)巨大分子複合体に集合していない単量体、ヘテロ二量体または四量体ヒストンタンパク質であり得る。さらに、遊離ヒストンも核酸に結合させることができ、前述の遊離ヒストンは(「化学量論的」)巨大分子複合体、例えば無傷のヌクレオソーム中に集合していない。好ましくは、遊離ヒストンは本質的に核酸を含まない。
少なくとも1つのヒストンのフラグメントは、そのフラグメントが特定のヒストンのレベルの明白な決定を可能にする限り、任意の長さ、例えば少なくとも約5、10、20、30、40、50または100アミノ酸を有することができる。少なくとも1つのヒストンのフラグメントは、ヒストンの独立したフラグメント、例えばヒストンH2B、H4、H2AおよびH3のフラグメントを指す。対象の試料中のヒストンのレベルを決定するのに適している、ヒストンの様々な例示的フラグメントを本明細書中以下に開示する。ヒストンのレベルは、ヒストンのN末端またはC末端の尾部にわたるフラグメントを決定することによって決定され得ることもまた本明細書において理解される。さらに、本発明の文脈において決定されるべきヒストンまたはそのフラグメントはまた、例えば翻訳後修飾によって修飾されてもよい。例示的な翻訳後修飾はアセチル化、シトルリン化、脱アセチル化、メチル化、脱メチル化、脱離、異性化、リン酸化およびユビキチン化であり得る。
本明細書で使用される場合、用語「プロアドレノメジュリン」または「proADM」は、プロアドレノメジュリンまたはそのフラグメント、特にMR−proADMを指す。「proADMのレベルを決定すること」などは、proADMまたはそのフラグメントを決定することを指すことが理解される。フラグメントがproADMのレベルの明白な決定を可能にする限り、フラグメントは任意の長さ、例えば少なくとも約5、10、20、30、40、50または100アミノ酸を有することができる。本発明の特に好ましい態様において、「proADMのレベルを決定すること」は、中部領域のプロアドレノメジュリン(MR−proADM)のレベルを決定することを指す。MR−proADMは、proADMのフラグメントである。ペプチドアドレノメジュリン(ADM)は、52個のアミノ酸を含む血圧降下ペプチドとして発見され、それはヒトフェノクロモサイトメトリーから単離された(Kitamuraら、1993)。アドレノメジュリン(ADM)は、185個のアミノ酸を含む前駆体ペプチドとしてコードされる(「プレプロアドレノメジュリン」または「プレ−proADM」)。AMDの例示的なアミノ酸配列は、配列番号5に示されている。ADMはプレproADMアミノ酸配列の95〜146位を含み、それらのスプライス産物である。「プロアドレノメジュリン」(「proADM」)は、シグナル配列を有さないプレproADM(アミノ酸1〜21)、すなわちプレproADMのアミノ酸残基22〜285を指す。「中間領域プロアドレノメジュリン」(「MR−proADM」)は、プレ−proADMのアミノ酸42〜95を指す。MR−proADMの例示的なアミノ酸配列は、配列番号6に示されている。プレproADMまたはMRproADMのペプチドおよびそのフラグメントを本明細書に記載の方法に使用できることも本明細書では想定されている。例えば、ペプチドまたはそのフラグメントは、プレproADMのアミノ酸22〜41(PAMPペプチド)またはプレproADMのアミノ酸95〜146(成熟アドレノメジュリン)を含み得る。proADMのC末端フラグメント(プレproADMのアミノ酸153〜185)は、アドレノテンシンと呼ばれる。proADMペプチドのフラグメントまたはMR−proADMのフラグメントは、例えば、少なくとも約5、10、20、30、またはそれ以上のアミノ酸を含み得る。したがって、proADMのフラグメントは、例えば、MR−proADM、PAMP、アドレノテンシンおよび成熟アドレノメジュリンからなる群から選択することができ、好ましくは本明細書ではフラグメントはMR−proADMである。
proADMまたは少なくとも1つのヒストンに対して配列同一性を有するポリペプチドを決定することができることも本明細書において想定されている。例えば、配列番号5もしくは6に対して、または配列番号1、配列番号2、配列番号3、もしくは配列番号4のそれぞれに対して少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するポリペプチドが、本発明の方法およびキットにおいて決定され得、より高い値の配列同一性が好ましい。本発明によれば、2つ以上のアミノ酸配列の文脈における「配列同一性」、「相同性」または「ホモロジーパーセント」または「同一」または「同一性パーセント」または「同一性パーセンテージ」という用語は、当該技術分野で公知の配列比較アルゴリズムを使用するか、または手動アライメントおよび目視検査によって測定した場合、比較ウィンドウにわたって(好ましくは全長にわたって)、または測定された指定された領域にわたって最大の対応が得られるように比較および整列されたときに、同じ、または特定の同じ割合のアミノ酸を有する、2つ以上の配列または部分配列を指す。例えば、70%〜90%以上(好ましくは95%以上)の配列同一性を有する配列は、実質的に同一であると見なされ得る。そのような定義は、試験配列の相補体にも適用される。好ましくは、記載された同一性は、少なくとも約10〜約15アミノ酸長の領域にわたって、より好ましくは少なくとも約20〜約35アミノ酸長の領域にわたって、最も好ましくは全長にわたって存在する。当業者は、例えば、当該技術分野で既知のようなCLUSTALWコンピュータプログラム(Thompson Nucl.Acids Res.2(1994),4673−4680)またはFASTDB(Brutlag Comp.App.Biosci.6(1990),237−245)に基づくものなどのアルゴリズムを使用して、配列間/中の同一性パーセントを決定する方法を知るであろう。
本明細書で使用される場合、マーカーの「レベル」は、試料中のマーカーの分子実体の量を指す。言い換えれば、マーカーの濃度は、試料中で決定される。例えば、proADMもしくはそのフラグメント、好ましくはMR−proADMの濃度、および/またはヒストン(複数可)H2B、H4、H3、および/もしくはH2A、もしくはそのフラグメント(複数可)の濃度は、対象の試料中で決定される。
本明細書で使用される場合、「少なくとも1つのヒストンのレベル」という用語は、少なくともヒストンの分子実体の量、例えば、対象から得られる試料中のH2B、H4、H2A、および/もしくはH3、またはそれらのフラグメントの量を指す。言い換えれば、少なくとも1つのヒストンタンパク質またはそのフラグメントの濃度は、試料中で決定される。
本明細書で使用される場合、「マーカープロアドレノメジュリン(proADM)のレベル」あるいは「マーカープロアドレノメジュリン(proADM)またはそのフラグメントのレベル」という用語は、対象から得られる試料中のマーカープロアドレノメジュリンまたはそのフラグメントの分子実体の量を指す。言い換えれば、マーカーの濃度は、試料中で決定される。したがって、「マーカー中間領域プロアドレノメジュリン(MR−proADM)のレベル」という用語は、対象から得られる試料中のマーカー中間領域プロアドレノメジュリン(MR−proADM)の分子実体の量を指す。上記のように、プロアドレノメジュリン(proADM)、好ましくはMR−proADMのフラグメントが検出および定量化され得ることも、本明細書において想定される。また、MR−proADMのフラグメントが検出および定量化され得る。proADMまたはそのフラグメント(好ましくはMR−proADM)のレベルを決定するための、または少なくとも1つのヒストンまたはそのフラグメントのレベルを決定するための適切な方法は、本明細書中以下に記載される。
本明細書中で使用される場合、「有害事象」とは、生命を脅かすかまたは生命を脅かす対象の健康状態/状態を意味する。したがって、有害事象は、例えば診断され確認されている、例えば約28日、14日、7日、3日など、同じ対象の以前の健康状態と比較した、対象の健康状態/状態の重大な悪化を指す。劣化の1日前、12時間後、5時間後、1時間以内。または同様の疾患または病状に罹患している対象の健康状態と比較して、すなわち、疾患または病的障害の進行が、試験された対象において生命を脅かすか、または生命を脅かすようになる。有害事象はまた、健康な対象の健康状態と比較した、対象の健康状態/状態の重大な悪化を指すこともある。本明細書では、健康状態/状態、生命を脅かす対象の状態/状態または生命を脅かす進行の重大な悪化は、対象が死亡するリスクがあること、すなわち対象の致命的な結果がありそうであることを意味し得る。重大な悪化、重大な健康状態/状態、または生命を脅かす健康状態/状態もまた、臨床スコア、例えばSOFAスコアによって評価/診断することができる。例えば、14を超えるSOFAスコアは、対象の重大な健康状態を示す非常に深刻な健康状態を示す。0〜6のSOFAスコアは、あまり重篤ではない健康状態を示し、7〜14のSOFAスコアは、重症な健康状態を示す。例えば、対象の健康状態は、臓器機能不全、多臓器機能不全、または感染症などの疾患もしくは医学的障害により、深刻に悪化する可能性がある。したがって、「有害事象」という用語は、生命を脅かすものであるか、または生命を脅かすものになる臓器機能不全、多臓器機能不全、感染症などの疾患または病状を指し得る。例えば、臓器機能不全または多臓器機能不全はそのような重大な悪化をもたらす可能性があり、したがって「有害事象」という用語は臓器機能不全または多臓器不全、特に臓器不全または多臓器不全も指すことがある。例えば、疾患または医学的障害は、そのような深刻な悪化をもたらす可能性があり、したがって「有害事象」という用語はまた、疾患(複数可)または医学的障害(複数可)を指し得、前述の疾患(複数可)または医学的障害(複数可)は、生命を脅かす疾患(複数可)または医学的障害(複数可)を意味し得る。対象はまた、疾患(複数可)および/または医学的障害(複数可)に罹患している可能性があり、そのようなシナリオにおける有害事象は、疾患(複数可)または医学的障害(複数可)の進行が生命を脅かすときの状態であり、すなわち有害事象はまた、疾患または障害の生命を脅かす進行も指すことがある。疾患または病状は、呼吸器疾患、尿路感染症、感染性および非感染性の病因に関連した炎症反応、全身性炎症反応症候群(SIRS)、敗血症、重症敗血症、敗血症性ショック、臓器不全(複数可)、心血管疾患、血液疾患、播種性凝固、糖尿病、悪性腫瘍、肝疾患、腎疾患、免疫抑制(immunodepression)、ウイルス感染症、真菌感染症、細菌感染症、グラム陰性細菌感染症、グラム陽性細菌感染症、腹部感染症、ならびに免疫抑制(immunosuppression)からなる群から選択され得る。この疾患はまた、感染症(複数可)であってもよい。特定の態様では、対象は、ウイルス感染症、真菌感染症、細菌感染症、グラム陰性菌感染症、および/またはグラム陽性菌感染症を患っている。呼吸器疾患はまた、呼吸器感染症(院外感染性肺炎(CAP)または下気道感染症(LRTI)など)も指し得る。非常に具体的な態様では、対象は、真菌感染症を患っている。
本明細書で使用される場合、「免疫抑制対象」という用語は、少なくとも1人の健康な対象と比較して抑制された免疫系を有する対象を指す。そのような免疫抑制対象は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)を患っていてもよいか、または放射線療法を受けており、かつ/または免疫抑制薬を受けている対象であってもよい。
本明細書において好ましくは、対象は、好ましくは、American College of Chest Physicians/Society of Critical Care Medicine Consensus ConferenceによるSEPSIS−2の定義に基づく、重症敗血症または敗血症性ショックを患っている。
本発明の特定の態様において、有害事象は死亡である。言い換えれば、有害事象は、本発明の特定の態様において対象の死亡である。したがって、「有害事象」という用語は、「死亡(mortality)」または「死亡(death)」を特に意味する。本明細書で使用される場合、「死亡(mortality)」は、対象が死亡すること、すなわち致命的な転帰を意味する。したがって、本発明の方法およびキットは、対象が死亡するかどうか、および/または対象が死亡するリスクがあるかどうかを決定/予測する。
本明細書で使用される場合、一般用語「臓器不全」はまた、2つ以上の臓器が機能不全を有することを意味し得る、すなわち、他に述べられない限り、それはまた臓器不全に関連し得る。「臓器機能不全」または「複数の臓器機能不全」という用語は、1つの臓器または2つ以上の臓器が、例えば、少なくとも1人の健康な対象の臓器(複数可)などの罹患していない臓器と比較して、その/それらの正常な機能を果たさない対象における状態に関する。例えば、少なくとも1人の健康な対象の臓器と比較して、臓器は活性が低下しているか、または臓器機能障害を有する対象において異常に活動的である可能性がある。好ましくは、臓器機能不全を有する臓器(複数可)は、例えば、少なくとも1人の健康な対象の罹患していない臓器(複数可)と比較して、少なくとも約10%、20%、30%、50%、70%、90%、100%、または200%の活性の低減または増加を有し得る。特に、臓器機能障害(複数可)は、臓器不全(複数可)を引き起こす可能性がある。したがって、「臓器不全」は、臓器不全も指すことが好ましい。「臓器不全」とは、例えば外部の臨床的介入なしには正常な恒常性を維持することができない程度までの臓器不全を指す。「臓器不全」はまた、例えば外部の臨床的介入なしには臓器の正常な恒常性を維持することができない程度までの臓器不全を指すこともある。「臓器不全(複数可)」はまた、例えば、外部の臨床的介入なしには対象の正常な恒常性が維持され得ない程度までの臓器機能不全(複数可)も指し得る。本発明の特定の態様において、臓器不全は臓器不全または少なくとも1つの臓器不全である。「臓器不全」という一般用語はまた、2つ以上の臓器が不全を有することも意味し得、すなわち、それは、特に明記しない限り臓器不全にも関連し得る。本明細書では、臓器機能不全が、多臓器機能不全とも称され得ることが理解される。本明細書では、臓器不全が、多臓器不全とも称され得ることが理解される。例示的な臓器機能不全または臓器不全は、循環性ショック、血液障害、肝不全、神経障害、腎不全、呼吸不全、および代謝性アシドーシスである。したがって、本発明の文脈において、臓器機能不全または少なくとも1つの機能不全は、好ましくは、循環器ショック、血液障害、肝不全、神経障害、腎不全、呼吸不全および代謝性アシドーシスからなる群から選択することができる。本明細書では、対象はまた、例えば、循環性ショック、血液障害、肝不全、神経障害、腎不全、呼吸不全、および代謝性アシドーシスからなる群から選択される2、3、4つの臓器機能不全の組み合わせである2つ以上の臓器機能不全または不全を有し得ることが理解される。
本発明の特定の態様において、少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADM、特にMR−proADMのレベルは、約28日以内に起こる前述の有害事象の指標である。本明細書中で使用される場合、用語「内に生じる有害事象」とは、対象がその特定の期間内に有害事象を経験する可能性がある、または経験する、有する、または有することを意味する。
本明細書で使用される場合、「有害事象が起こらない」という用語は、その事象が、例えば約28日以内に起こらないことを意味する。例えば、対象の死亡は、この時間範囲内で起こらない。したがって、これは、対象が、例えば約28日以内に生存していることを示す。
少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADM、特にMR−proADMのレベルはまた、約28日、約25日、約20日、約15日、約14日、約13日、約12日、約11日、約10日、約9日、約8日、約7日、約6日、約5日、約4日、約3日、約2日、または約1日以内に起こる前述の有害事象の指標である。少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADM、特にMR−proADMのレベルはまた、14日以内に起こる前述の有害事象の指標となり得る。特に、少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADM、特にMR−proADMのレベルはまた、7日以内に起こる前記有害事象の指標となり得る。特に、少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADM、特にMR−proADMのレベルはまた、3日以内に起こる前記有害事象の指標となり得る。
本発明の特に好ましい態様では、少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADM、特にMR−proADMのレベルは、約28日以内に起こる対象の死亡の指標である。少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADM、特にMR−proADMのレベルはまた、約28日、約25日、約20日、約15日、約14日、約13日、約12日、約11日、約10日、約9日、約8日、約7日、約6日、約5日、約4日、約3日、約2日、または約1日以内に起こる死亡の指標となり得る。少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADM、特にMR−proADMのレベルはまた、14日以内に起こる死亡の指標となり得る。特に、少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADM、特にMR−proADMのレベルはまた、7日以内に起こる死亡の指標となり得る。特に、少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADM、特にMR−proADMのレベルはまた、3日以内に起こる死亡の指標となり得る。
本発明の好ましい態様において、前述の対象のMR−proADMのレベルは、約28日以内に起こるまたは約7日以内に起こる前述の対象の有害事象、特に死亡の指標である。
本発明の特定の態様では、少なくとも1つのヒストンのレベルは、約7日、好ましくは約3日以内に起こる有害事象、死亡の指標である。特に、H2Bのレベルは、約7日以内、好ましくは約3日以内に起こることさえある有害性の指標である。
本発明の特定の態様では、少なくとも1つのヒストンのレベルは、約7日、好ましくは約3日以内に起こる有害事象、死亡の指標である。特に、H4のレベルは、約7日以内、好ましくは約3日以内に起こることさえある有害性の指標である。
本発明の特定の態様では、少なくとも1つのヒストンのレベルおよびproADMのレベルは、28日以内に起こる前述の対象の有害事象、特に死亡の指標である。
「前記有害事象を示す」という用語は、対象が前記有害事象、例えば死亡を経験したその/有している/罹患しているか、または可能性があることを意味する。したがって、対象の少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADMのレベルは、有害事象、例えば対象の死亡を示す。
本発明の方法はまた、少なくとも1つのヒストンのレベルが対象の試料中で決定され、少なくとも1つのヒストンの前述のレベルが少なくとも1つのヒストンの参照レベルと比較され、少なくとも1つのヒストンのレベルが前述の有害事象の指標である、方法に関する。
好ましくは、本発明はまた、プロアドレノメジュリン(proADM)、特にMR−proADMのレベルが対象の試料中で測定され、前述のproADM、特にMR−proADMのレベルがproADMの参照レベルと比較され、proADM、特にMR−proADMのレベルが有害事象の指標である、方法に関する。
この方法はまた、少なくとも1つのヒストンのレベルが決定され、対象の試料中のプロアドレノメジュリン(proADM)、特にMR−proADMのレベルが決定される方法にも関し、少なくとも1つのヒストンの前述のレベルは、少なくとも1つのヒストンの参照レベルと比較され、proADMの前述のレベルはproADMの参照レベルと比較され、前述の対象における前述の有害事象は、比較ステップに基づいて特定される。
本明細書で使用される場合、用語「少なくとも1つのヒストンの参照レベルと比較される」またはその文法的な変形は、対象の少なくとも1つのヒストンのレベルが少なくとも1つのヒストンの参照レベルと比較されることを意味する。したがって、対象のヒストンのレベルは、同じヒストンの対応する参照レベルと比較される。例えば、対象の試料中で決定されたヒストンH2Bのレベルは、ヒストンH2Bの参照レベルと比較される。これは、他のヒストンにも準用される。少なくとも1つのヒストンの参照レベルは、特に、ヒストンH2Bのレベル、ヒストンH4のレベル、ヒストンH2Aのレベルおよび/またはヒストンH3のレベルである。
本明細書で使用される場合、用語「proADMの参照レベルと比較される」またはその文法的な変形は、対象のproADMのレベルがproADMの参照レベルと比較されることを意味する。少なくとも1つのヒストンおよび/またはproADMのフラグメント(複数可)のレベルが決定される場合、参照レベルはまた、対応する対応するフラグメント(複数可)のレベルであり得る。
本明細書中で使用される場合、「参照レベル」は、本発明の好ましい態様において、有害事象がないことを示す、対応するマーカーの正常レベルを反映し得る。したがって、そのような参照レベルは、対象の生命を脅かす状態または特に死亡(death)/死亡(mortality)を示さない、正常レベルの対応するマーカーを反映する。したがって、参照レベルは、少なくとも1人の参照対象の少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADMのレベルであり得、参照対象(複数可)は、約28日以内、好ましくは約14日、より好ましくは約7日以内、または特に好ましくは約3日以内に有害事象を有さない。
参照レベルは、健康な対象のグループ(例えば、コホート)の少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADMのレベルを表し得る。したがって、参照レベルは、好ましくは、少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/または健康な対象のproADM、特にMR−proADMのレベルである。健康な対象は、診断(および確認)された疾患および/または障害のない対象である。健康な対象は、好ましくは正常に機能する臓器を有し得、すなわち臓器機能不全(複数可)もしくは臓器不全(複数可)、および/または上記のような診断された疾患(複数可)もしくは医学的障害(複数可)を有しない。したがって、参照レベルは、健康な対象の試料において決定される少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADMのレベルであり得る。参照対象または健康な対象は、本明細書では、好ましくは対象の群または健康な対象の群、例えば対象のコホートとして定義される。健常者は臓器不全や臓器不全はない。したがって、参照レベルは、臓器機能不全または臓器不全を有しない対象の少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADMのレベルであり得る。したがって、参照レベルは、臓器不全または臓器不全がないことを示すレベルであり得る。
好ましい実施形態では、proADM(好ましくは、本明細書ではMR−proADM)の参照レベルは、約0.7nmol/L〜約2.0nmol/Lである。より好ましい実施形態では、proADMの参照レベルは、約0.8nmol/L〜約1.9nmol/Lである。より好ましい実施形態では、proADMの参照レベルは、約0.9nmol/L〜約1.8nmol/Lである。より好ましい実施形態では、proADMの参照レベルは、約0.88nmol/L〜約1.79nmol/Lである。より好ましい実施形態では、proADMの参照レベルは、約0.9nmol/Lまたは約1.8nmol/Lである。最も好ましい実施形態では、proADMの参照レベルは、約0.88nmol/L〜約1.79nmol/Lである。適用される参照レベルは、予測のための所望の特異性および感度に依存し、すなわち、約0.9nmol/L(好ましくは0.88nmol/L)のproADM(好ましくはMR−proADM)などのより低い閾値は、有害事象を経験しない対象を確実に特定する(特に死亡、すなわち、28日の期間内に生存者を明確に特定する)。
特定の実施形態では、(i)proADMの参照レベル(例えば、約0.9nmol/L〜1.8nmol/L)以下である対象のproADMのレベルは、有害事象、特に死亡が28日以内に起こらないことの指標であるか、または(ii)proADMの参照レベル(例えば、約0.9nmol/L〜1.8nmol/L)よりも高い対象のproADMのレベルは、有害事象、特に死亡が28日以内に起こるか、もしくは起こるであろうことの指標である。
提供された方法の感度および特異性は、試験の分析品質に依存するだけではない。感度および特異性はまた、異常(例えば死亡)または正常な結果を構成するものの定義にも依存する。有害事象を伴うおよび伴わない対象についての、少なくとも1つのヒストンおよび/またはproADMのレベル、好ましくはMR−proADMのレベルの分布は重複してもよい。そのような条件下では、試験は、正常と機能不全の状態を100%の精度で絶対的に区別しない。当業者は、対象の状態自体、または対象の少なくとも1つのさらなるメーカーおよび/もしくはパラメータが、データの解釈を補助することができ、このさらなる情報が、重複領域におけるより信頼性の高い予後診断を可能にするという事実を知っている。状態自体は、対象の一般的な健康状態を指し得る。対象の一般的な健康状態は、どの参照レベルを選択するかの決定に影響を及ぼし得る。添付の実施例は、どの参照レベルが特定の状態に最も適していることが示されたかを実証している。この知識を用いて、参照レベルは、さらに適合され得る。
例えば、適切な参照レベルは、対象の一般的な健康状態に依存し得る。一般的な健康状態は、SOFAスコアに基づき決定され得る。例えば、約1.8nmol/LのproADMの参照レベルは、あまり重篤ではない対象、例えば、6以下のSOFAスコアを有する対象に用いられ得る。約3.2nmol/LのproADMの参照レベルは、中程度に重篤な対象、例えば、7〜12のSOFAスコアを有する対象に用いられ得る。約5.5nmol/LのproADMの参照レベルは、重篤な対象、例えば、13以上のSOFAスコアを有する患者に用いられ得る。
好ましい実施形態では、対象のSOFAスコアが6以下である場合、proADMの参照レベルは、約1.8nmol/Lであり得るか、対象のSOFAスコアが7〜12である場合、proADMの参照レベルは、約3.2nmol/Lであり得るか、または対象のSOFAスコアが13以上である場合、proADMの参照レベルは、約5.6nmol/Lであり得る。最も好ましい実施形態では、対象のSOFAスコアが6以下である場合、proADMの参照レベルは、約1.8nmol/Lであり得るか、または対象のSOFAスコアが7〜12である場合、proADMの参照レベルは、約3.2nmol/Lであり得る。
したがって、適切な参照レベルは、少なくとも1つのさらなるマーカーおよび/またはパラメータ(例えば、性別、群、および年齢)のレベル(複数可)を決定することによって選択され得る。少なくとも1つのさらなるマーカーおよび/またはパラメータのレベルはまた、参照レベルと比較することができ、前述の参照レベルの前述の少なくとも1つのさらなるマーカーおよび/またはパラメータの対応するレベルと比較した対象の前述の少なくとも1つのさらなるマーカーおよび/またはパラメータの類似または同一の値/レベルは、対象が有害事象を経験する/有する/罹患するリスクが減少していることを示し、かつ/または前述の参照レベルの前述の少なくとも1つのさらなるマーカーおよび/またはパラメータの対応するレベルと比較した、前述の少なくとも1つのさらなるマーカーおよび/またはパラメータのより高いもしくはより低いレベルは、有害事象を経験する/有する/罹患するリスクが増加していることを示す。
加えて、下記および添付の実施例に記載のROC試験が、最も好適な予測を提供する適切な参照レベルを選択するために用いられ得る。
適切な参照レベルはまた、対象が患っている疾患/障害によっても影響され得る。例えば、添付の実施例は、真菌感染症を患っている対象が最高のproADMレベルを示すことを示す。したがって、対象が真菌感染症を患っている場合、proADMの参照レベルは、5.6nmol/Lであり得る。
さらに、参照レベルはまた、少なくとも1つの参照対象の少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADMのレベルであってもよく、前述の参照対象は疾患および/または医学的障害を患っており、疾患または障害の進行は生命を脅かすものではない。言い換えれば、参照レベルはまた、少なくとも1つの参照対象の少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADMのレベルであってもよく、前述の対象(複数可)は、疾患および/または医学的障害を患っており、有害事象、特に死亡は、28日、7日、または3日以内に起こらない。
さらに、参照レベルはまた、少なくとも1つの参照対象の少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADMのレベルであってもよく、前述の対象(複数可)は、疾患および/または医学的障害、ならびに感染症(敗血症または敗血症障害など)を患っており、有害事象、特に死亡は、28日、7日、または3日以内に起こらない。言い換えれば、参照対象の有害事象は、28日、7日、または3日以内に起こらない。特に、参照対象は、試験される対象と同じ疾患または病状/障害を患っている。
さらに、参照レベルはまた、少なくとも1つの参照対象の少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/または少なくとも1つの参照対象のproADMのレベルであってもよく、前述の参照対象(複数可)は、感染症ではなく、疾患および/または医学的障害に罹患しており、有害事象、特に死亡は28日以内、7日以内または3日以内に発生しない。
さらに、参照レベルはまた、少なくとも1つの参照対象の少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADMのレベルであってもよく、前述の参照対象(複数可)は、SIRSを含む疾患および/または医学的障害を患っており、という外対象(複数可)は、感染症を患っておらず、有害事象、特に死亡は、28日、7日、または3日以内に起こらない。
本明細書で使用される場合、少なくとも1つの参照対象は、2つ以上の参照対象を指す。特に、少なくとも1つの参照対象は、参照対象の群またはコホートである。本明細書中以下に記載されるように、例えば参照としてマーカーのレベルを決定するための手段および方法が記載される。
本明細書で使用される参照レベルは、典型的には所定のレベルであり、すなわち、それは、ポイントオブケアで後で使用するための基準、例えばICUまたはEDとして予め決定されている。
本発明の好ましい態様において、有害事象は死亡である。これらの態様では、参照レベルはまた、少なくとも1つの参照対象の少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADMのレベルであってもよく、参照対象(複数可)は、約28日以内、約14日以内、約7日以内、または約3日以内に死亡しない。さらに、これらの態様では、参照レベルはまた、少なくとも1つの参照対象の少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADMのレベルであってもよく、前述の対象(複数可)は、疾患および/または医学的障害を患っており、参照対象(複数可)は、約28日以内、約14日以内、約7日以内、または約3日以内に死亡しない。さらに、これらの態様では、参照レベルはまた、少なくとも1つの参照対象の少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADMのレベルであってもよく、前述の対象(複数可)は、疾患および/または医学的障害、ならびに感染症を患っており、参照対象(複数可)は、約28日以内、約14日以内、約7日以内、または約3日以内に死亡しない。さらに、これらの態様では、参照レベルはまた、少なくとも1つの参照対象の少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADMのレベルであってもよく、前述の対象(複数可)は、疾患および/または医学的障害を患っており、感染症を患っておらず、参照対象(複数可)は、約28日以内、約14日以内、約7日以内、または約3日以内に死亡しない。さらに、これらの態様では、参照レベルはまた、少なくとも1つの参照対象の少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADMのレベルであってもよく、前述の対象(複数可)は、SIRSを含む疾患および/または医学的障害を患っており、前述の対象(複数可)は、感染症を患っておらず、参照対象(複数可)は、約28日以内、約14日以内、約7日以内、または約3日以内に死亡しない。
本明細書で実証されるように、参照レベルと比較したときの、少なくとも1つのヒストンの増加したレベル(もしくは少なくとも1つのヒストンのレベルの増加)および/またはproADM、特にMR−proADMの増加したレベル(もしくはproADMのレベルの増加)は、有害事象、特に死亡の指標である。特に、有害事象は、上記のように28日、7日、または3日以内に起こる。したがって、前述の有害事象を示す前述の少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/または前述のproADMのレベルは、参照レベルと比較して増加したレベルであり得る。
したがって、本発明の方法は、前述の対象の試料中の少なくとも1つのヒストンのレベルを決定することを含む方法を含み、少なくとも1つの参照レベルと比較した、前述の対象の前述の少なくとも1つのヒストンの増加したレベルは、前述の対象の前前述の記有害事象、特に死亡を示す。
さらに、本発明は、前述の対象の試料中のproADM、特にMR−proADMのレベルを決定することを含み、前述のproADM、特にMR−proADMの参照レベルと比較した、前述の対象の前述のproADM、特にMR−proADMのレベルの増加は、前述の対象の前述の有害事象、特に死亡を示す。
さらに、本発明は、前述の対象の試料中のproADM、特にMR−proADMのレベルを決定することを含む方法を含み、proADM、特にMR−proADMの参照レベルと比較したproADM、特にMR−proADMの増加したレベルは、前述の対象の前述の有害事象の指標であり、好ましくは、前述の有害事象は、約28日以内に起こるか、またはproADM、特にMR−proADMの参照レベルと比較したproADM、特にMR−proADMの減少したレベルもしくは同等のレベルは、前述の対象の前述の有害事象が、好ましくは約28日内に起こらないことの指標である。
さらに、本発明は、前述の対象の試料中の少なくとも1つのヒストンのレベルを決定することと、前述の対象の試料中のproADM、特にMR−proADMのレベルを決定することとを含む方法を含み、少なくとも1つのヒストンの参照レベルおよび前述のproADM、特にMR−proADMの参照レベルと比較したときの前述の対象の前述の少なくとも1つのヒストンの増加したレベル、および前述の対象の前述のproADM、特にMR−proADMの増加したレベルは、前述の対象の前述の有害事象、特に死亡の指標である。
本発明はまた、
(i)前述の対象の試料中の少なくとも1つのヒストンのレベルを決定することであって、
少なくとも1つのヒストンの前述のレベルが、少なくとも1つのヒストンの参照レベルと比較され、
少なくとも1つのヒストンの前述の参照レベルと比較したときの前述の対象の前述の少なくとも1つのヒストンの増加したレベルが、前述の対象における前述の有害事象の指標である、決定すること、および/または
(ii)前述の対象の試料中のプロアドレノメジュリン(proADM)のレベルを決定することであって、
proADMの前記レベルが、proADMの参照レベルと比較され、
前述の参照レベルのproADMと比較した前述の対象の前述のproADMの増加したレベルが、前述の対象における前述の有害事象の指標である、決定すること、を含む方法に関する。
言い換えれば、本発明はまた、以下を含む方法に関する。
(i)、対象の試料中の少なくとも1つのヒストンのレベルを決定することであって、
少なくとも1つのヒストンの前述のレベルが、少なくとも1つのヒストンの参照レベルと比較され、
少なくとも1つのヒストンの参照レベルと比較したときの少なくとも1つのヒストンのレベルの増加が、前述の対象の前述の有害事象の指標である、決定すること、および/または
(ii)前述の対象の試料中のプロアドレノメジュリン(proADM)のレベルを決定することであって、
proADMの前述のレベルが、proADMの参照レベルと比較され、
proADMの参照レベルと比較したときのproADMのレベルの増加が、前述の対象の前述の有害事象の指標である、決定すること。
本発明はまた、以下を含む方法に関し得る。
(i)前述の対象の試料中の少なくとも1つのヒストンのレベルを決定することであって、
少なくとも1つのヒストンの前述のレベルが、前の分析から得られた同じ対象の少なくとも1つのヒストンの参照レベルと比較され、
少なくとも1つのヒストンの前述の参照レベルと比較したときの少なくとも1つのヒストンのレベルの増加が、前述の対象における前述の有害事象の指標である、決定すること、および/または
(ii)前述の対象の試料中のプロアドレノメジュリン(proADM)のレベルを決定することであって、
proADMの前述のレベルが、前の分析から得られた同じ対象のproADMの参照レベルと比較され、
proADMの前述の参照レベルと比較したときのproADMのレベルの増加が、前述の対象における前述の有害事象の指標である、決定すること。
本明細書で使用される場合、「前の分析から得られた」は、前の時間、例えば、次の分析の28日、7日、6日、5日、4日、3日、2日、または1日前における同じ対象の試料中のマーカーレベルの決定を指し、そのような態様では、マーカーの前述の前に決定されたレベルは、参照レベルとして考慮される。
本明細書で使用されると場合、用語「(その)マーカーのレベルの増加」は、マーカーのレベルが増加することを意味し、すなわちそれはマーカーのレベルの増加を指す。したがって、「(その)マーカーのレベルの増加」という用語は、本明細書において「(その)マーカーの増加したレベル」という用語と互換的に使用される。対象のマーカーのレベルの増加またはマーカーのレベルの増加は、マーカーのレベルが少なくとも約15%、好ましくは少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約25%、またはさらにそれ以上であることを意味する。好ましくは、マーカーの参照レベルより少なくとも約30%高い。
本発明の文脈において、「参照レベルと比較した少なくとも1つのヒストンのレベルの増加」という用語などは、本明細書において、「前述の参照レベルと比較した前述の対象の少なくとも1つのヒストンの増加したレベル」という用語、または「前述の参照レベルと比較した少なくとも1つのヒストンの増加したレベル」という用語などと互換的に使用される。そのような用語は、対象の少なくとも1つのヒストンのレベル、例えばH2Bのレベル、H4のレベル、H2Aのレベルおよび/またはH3のレベルが少なくとも約15%、好ましくは少なくとも約15%であることを意味する。20%、より好ましくは少なくとも約25%、より好ましくは少なくとも約30%、さらに好ましくは少なくとも約40%、さらに好ましくは少なくとも約50%、さらに好ましくは少なくとも約60%、さらに好ましくは少なくとも約70%少なくとも1つのヒストンの参照レベルよりも、より好ましくは少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約100%高い。言い換えれば、最も好ましい態様において、前述の少なくとも1つのヒストンの増加したレベル(またはそのレベルの増加)は、少なくとも1つのヒストンの前述の参照レベルの約2倍高い可能性がある。約2倍のレベルの増加はさらに有害事象、例えば死亡率のリスクを増加させる。例えば、表1で実証されるようなH4の1.45のハザード比は、有害事象のリスクがさらに45%増加することを意味する。したがって、そのような値はまた、強い相関および診断のための最適なマーカーの指標でもある。
本明細書で使用される場合、「参照レベルと比較したproADMのレベルの増加」という用語などは、本明細書において、「前述の参照レベルと比較した前述の対象のproADMの増加したレベル」という用語、または「前述の参照レベルと比較したproADMの増加したレベル」という用語などと互換的に使用される。そのような用語は、対象のproADMのレベル、特にMR−proADMのレベルが、proADM、特にMR−proADMの参照レベルよりも少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約15%、より好ましくは少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約25%、またはさらにより好ましくは少なくとも約30%、より好ましくは少なくとも約40%、より好ましくは少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約60%、より好ましくは少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約100%高いことを意味する。言い換えれば、最も好ましい態様において、前述のproADMの増加したレベルは、前述のproADMの前述の参照レベルの約2倍高い場合がある。
本明細書で使用される場合、「参照レベルと比較したproADMのレベルの減少」という用語などは、本明細書において、「前述の参照レベルと比較した前述の対象のproADMの減少したレベル」という用語、または「前述の参照レベルと比較したproADMの減少したレベル」という用語などと互換的に使用される。そのような用語は、対象のproADMのレベル、特にMR−proADMのレベルが、proADM、特にMR−proADMの参照レベルよりも少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約15%、より好ましくは少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約25%、またはさらにより好ましくは少なくとも約30%、より好ましくは少なくとも約40%、より好ましくは少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約60%、より好ましくは少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約100%低いことを意味する。言い換えれば、最も好ましい態様では、前述のproADMの減少したレベルは、proADMの前述の参照レベルの約2倍低くなり得る。
「等しい」という用語はまた、そのレベルが参照レベルと同様であり得るレベルを含む。したがって、「等しい」という用語は、proADMの参照レベルと比較して+/−10%、好ましくは+/−5%、より好ましくは+/−2%、または最も好ましくは同じもしくは同一である、対象のproADMのレベルを指す。
本明細書で使用される場合、「参照レベルと比較したproADMのレベルの減少または同等のレベル」という用語は、対象のproADMのレベル、特にMR−proADMのレベルが、参照レベルと比較して+/−10%、+/−5%、+/−2%、または同じもしくは同一であるか、あるいはproADM、特にMR−proADMの参照レベルよりも少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約25%、またはさらにより好ましくは少なくとも約30%、より好ましくは少なくとも約40%、より好ましくは少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約60%、より好ましくは少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約100%低いことを意味する。
本明細書では、参照レベルおよび決定されたマーカーレベル(すなわち、ポイントオブケアで個々の参照について決定されたレベル、例えばICUまたはED)は、レベルが決定されるアッセイ/方法に応じて変わり得ることが理解される。例えば、質量分析に基づく方法によって決定された参照レベルおよび決定されたマーカーレベルは、イムノアッセイによって決定されたそれぞれのレベルとは異なり得る。添付の実施例は、マーカーのレベルがいくつかの方法、例えばイムノアッセイおよび質量分析に基づく方法によって決定され得ることを実証する。参照レベルは、コックス回帰分析などの添付の実施例に例示されるような統計的方法によって最適化することができる。ハザード比も計算され得る。例えば、かつ添付の実施例に例示されるように、0よりも高いハザード比(HR>0)は、より悪い予後診断、すなわち有害事象が起こる可能性が高いことを示し、0より小さいハザード比は、良好な予後診断、すなわち有害事象が起こる可能性が低いことを示す。したがって、当業者は参照レベルを決定する方法を知っている。例えば、レベル(参照レベルを含む)は、例えば、対象(または参照対象)の試料中の少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADM、例えばMR−proADMのレベルを決定することによって、イムノアッセイによって決定され得る。
本発明のある特定の態様では、少なくとも1つのヒストンの参照レベルは、約100ng/mL、より好ましくは約90ng/mL、より好ましくは約80ng/mL、より好ましくは約70ng/mL、より好ましくは約60ng/mL、より好ましくは約50ng/mL、より好ましくは約45ng/mL、より好ましくは約40ng/mL、または最も好ましくは約35ng/mLであり得る。本発明のある特定の態様では、少なくとも1つのヒストンの参照レベルは、約10ng/mL、より好ましくは約15ng/mL、より好ましくは約20ng/mL、より好ましくは約25ng/mL、より好ましくは約30ng/mL、または最も好ましくは約35ng/mLであり得る。
本発明の特定の実施形態において、少なくとも1つのヒストンの参照レベルは、約10ng/mLから約100ng/mL、約10ng/mLから約90ng/mL、より好ましくは約10ng/mLから約60ng/mL、より好ましくは約10ng/mLであり得る。好ましくは約10ng/mlから約40ng/ml、より好ましくは約15ng/mlから約40ng/ml、または最も好ましくは約20ng/mlから約40ng/mlである。
本発明のある特定の態様では、proADMの参照レベルは、約4nmol/L、より好ましくは約5nmol/L、より好ましくは約7nmol/L、より好ましくは約8nmol/L、より好ましくは約9nmol/L、または特に好ましくは約6nmol/Lであり得る。
さらに、レベル(参照レベルを含む)は、相対的定量を決定する方法または目的のタンパク質もしくはそのフラグメントの絶対定量を決定する方法などの質量分析に基づく方法によって決定することができる。
相対定量化「rSRM」は、以下によって達成され得る。
1.試料中で検出された所与の標的フラグメントペプチドからのSRM(選択反応モニタリング)シグネチャーピーク面積を、少なくとも第2、第3、第4、またはそれ以上の生体試料中の標的フラグメントペプチドの同じSRMシグネチャーピーク面積と比較することによって、標的タンパク質の増加または減少した存在を決定する。
2.試料中に検出された所与の標的ペプチドからのSRMシグネチャーピーク面積と、異なる別々の生物学的供給源に由来する他の試料中の他のタンパク質からのフラグメントペプチドから生じたSRMシグネチャーピーク面積とを比較することによって標的タンパク質の存在の増減を決定する。ペプチドフラグメントについての2つの試料間のSRMサインピーク面積比較は、例えば各試料中で分析されたタンパク質の量に対して正規化される。
3.ヒストンタンパク質のレベルの、様々な細胞条件下でそれらの発現レベルを変化させない他のタンパク質のレベルへの変化を正規化するために、所与の標的ペプチドについてのSRMシグネチャーピーク面積を、同じ生体試料内の異なるタンパク質に由来する他のフラグメントペプチドからのSRMシグネチャーピーク面積と比較することによって、標的タンパク質の増加または減少した存在を決定する。
4.これらのアッセイは、非修飾フラグメントペプチドおよび標的タンパク質の修飾フラグメントペプチドの両方に適用することができ、修飾には、リン酸化および/またはグリコシル化、アセチル化、メチル化(モノ、ジ、トリ)、シトルリン化、ユビキチン化が含まれる。修飾ペプチドの相対レベルは、未修飾ペプチドの相対量を決定するのと同じ方法で決定される。
所与のペプチドの絶対定量化は、以下によって達成され得る。
1.個々の生体試料中の標的タンパク質からの所与のフラグメントペプチドについてのSRM/MRMシグネチャーピーク面積を、生体試料からタンパク質溶解物中にスパイクされた内部フラグメントペプチド標準のSRM/MRMシグネチャーピーク面積と比較する。内部標準は、調べられている標的タンパク質からのフラグメントペプチドの標識合成バージョンまたは標識された組換えタンパク質であり得る。この標準は、消化の前(組換えタンパク質にとって必須)または後に既知量で試料中にスパイクされ、生体試料中の内部フラグメントペプチド標準および天然フラグメントペプチドの両方について別々にSRM/MRMシグネチャーピーク面積が決定され得、両方のピーク面積の比較が後に続く。これは未修飾フラグメントペプチドおよび修飾フラグメントペプチドに適用することができ、ここで修飾はリン酸化および/またはグリコシル化、アセチル化、メチル化(例えばモノ、ジ、またはトリメチル化)、シトルリン化、ユビキチン化、ここで、修飾ペプチドの絶対レベルは、未修飾ペプチドの絶対レベルを決定するのと同じ方法で決定することができる。
2.ペプチドはまた、外部較正曲線を使用して定量化され得る。正規曲線アプローチは、内部標準として一定量の重いペプチド、および試料中にスパイクされた様々な量の軽い合成ペプチドを使用する。マトリックス効果を説明するための標準曲線を構築するために、試験試料のものと同様の代表的なマトリックスが使用される必要がある。その上、逆曲線法は、マトリックス中の内因性分析物の問題を回避し、一定量の軽いペプチドは、内因性分析物の上にスパイクされて内部標準を作り出し、様々な量の重いペプチドは、スパイクされて一組の濃度標準を作り出す。正規曲線または逆曲線のいずれかと比較される試験試料は、較正曲線を作り出すために使用されるマトリックス中にスパイクされた内部標準と同じ量の標準ペプチドでスパイクされる。
したがって、当業者は、添付の実施例にも例示されているように、マーカーレベル、特に適切な参照レベルを決定する方法を知っている。
本発明の方法およびキットはまた、少なくとも1つのヒストンおよび/またはproADMに加えて少なくとも1つのさらなるマーカーおよび/またはパラメータを決定することも含み得る。
本明細書で使用される場合、パラメータは、特定のシステムを定義するのを助けることができる特性、特徴、または測定可能な要因である。パラメータは、疾患/障害/臨床状態リスク、好ましくは有害事象などの健康および生理学に関連する評価にとって重要な要素である。さらに、パラメータは、正常な生物学的プロセス、病原性プロセス、または治療的介入に対する薬理学的反応の指標として客観的に測定および評価される特性として定義される。例示的なパラメータは、急性生理学および慢性健康評価スコア(APACHEスコアI〜IV)、単純化急性生理学スコア(SAPS I〜IIIスコア)、逐次臓器不全評価スコア(SOFAスコア)、クイックSOFA(qSOFA)スコア、単純化急性生理学スコアII(SAPSIIスコア)、死亡確率モデル(MPM I〜III)、多臓器機能不全スコア(MODS)、治療介入スコアリングシステム(TISS)、9項目の看護作業負荷使用スコア(nine equivalents of nursing manpower use score)(NEMS)、世界脳神経外科学会連盟(WFNS)の等級付け、およびグラスゴー・コーマ・スケール(GCS)、CURB−65肺炎重症度スコア、肺炎重症度指数(PSI)、年齢、性別、家族歴、民族、体重、肥満指数(BMI)、膀胱鏡検査報告、白血球数、CTスキャン、血圧、心拍数、降圧治療、液体摂取、喘鳴、体温、糖尿病の存在、ならびに現在の喫煙習慣からなる群から選択され得る。
本明細書で使用される場合、「マーカー」、「代理」、「予後診断マーカー」、「因子」、または「バイオマーカー」もしくは「生物学的マーカー」などの用語は、互換的に使用され、疾患/障害/臨床状態リスク、好ましくは有害事象などの健康および生理学に関連する評価の指標として機能する測定可能かつ定量化可能な生物学的マーカー(例えば、特定のタンパク質もしくは酵素濃度、しくはそのフラグメント、特定のホルモン濃度もしくはそのフラグメント、または生物学的物質もしくはそのフラグメントの存在)に関する。マーカーは、正常な生物学的プロセス、病原性プロセス、または治療的介入に対する薬理学的応答の指標として客観的に測定および評価され得る特性として定義される。バイオマーカーは、試料中で(血液、血漿、尿、または組織検査として)測定され得る。前述の対象の少なくとも1つのさらなるマーカーは、プロカルシトニン、カルシトニン、エンドセリン−1(ET−1)、アルギニンバソプレシン(AVP)、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)、トロポニン、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、C反応性タンパク質(CRP)、膵臓結石タンパク質(PSP)、骨髄性細胞で発現する受容体1(TREM1)、インターロイキン6(IL−6)、インターロイキン1、インターロイキン−24(IL−24)その他のIL、プレセプシン(sCD14−ST)、リポ多糖結合タンパク質(LBP)、アルファ−1−アンチトリプシン、マトリックスメタロプロテイナーゼ2(MMP2)、マトリックスメタロプロテイナーゼ9(MMP9)、マトリックスメタロプロテイナーゼ7(MMP9))、クロモグラニンA、S100Aタンパク質、S100Bタンパク質および腫瘍壊死因子α(TNFα)またはそれらのフラグメントからなる群から選択され得る。
本発明の特定の態様では、前述の対象の少なくとも1つのさらなるマーカーおよび/またはパラメータは、前述の試料中のアルドラーゼBのレベル、前述の試料中のコペプチンのレベル、前述の試料中のプロエンドセリン−1のレベル、前述の試料中の乳酸塩のレベル、前述の試料中のプロカルシトニン(PCT)のレベル、前述の対象の逐次臓器不全評価スコア(SOFAスコア)、単純化急性生理学スコア(SAPSIIスコア)、前述の対象の急性生理学および慢性健康評価II(APACHE II)スコア、ならびに前述の試料中の可溶性fms様チロシンキナーゼ−1(sFlt−1)のレベルからなる群から選択され得る。
本発明の特定の態様において、前述の対象の少なくとも1つのさらなるマーカーおよび/またはパラメータは、プロカルシトニン、カルシトニン、エンドセリン−1(ET−1)、アルギニンバソプレシン(AVP)、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)、トロポニン、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)、膵臓結石タンパク質(PSP)、骨髄細胞で発現するトリガー受容体1(TREM1)、インターロイキン6(IL−6)、インターロイキン−1、インターロイキン24(IL−24)その他のIL、プレセプシン(sCD14−ST)、リポ多糖結合タンパク質(LBP)、アルファ−1−アンチトリプシン、マトリックスメタロプロテイナーゼ2(MMP2)、マトリックスメタロプロテイナーゼ9(MMP9)、マトリックスメタロプロテイナーゼ7(MMP7)、クロモグラニンA、S100Aタンパク質、S100Bタンパク質、腫瘍壊死因子α(TNFα)、年齢、性別、家族歴、民族、体重、肥満指数(BMI)、膀胱鏡検査報告、白血球数、CTスキャン、血圧、心拍数、降圧治療、リキッドイン服用、喘鳴、体温、糖尿病の有無、現在の喫煙習慣、急性生理および慢性健康評価スコア(APACHEスコアI〜IV)、簡易急性生理機能スコア(SAPS I〜IIIスコア)、逐次的臓器不全評価スコア(SOFAスコア)、死亡確率モデル(MPM I−III)、多臓器不全スコア(MODS)、治療介入スコアリングシステム(TISS)、9項目の看護作業負荷使用スコア(NEMS)、世界神経外科学会(WFNS)グレーディング、グラスゴーコマスケール(GCS)からなる群から選択され得る。
本明細書で使用される場合、「アルドラーゼB」は、クラスIフルクトース1,6−ビスホスフェートアルドラーゼ酵素の3つのイソ酵素(A、B、およびC)のうちの1つであるフルクトース−ビスホスフェートアルドラーゼBまたは肝臓型アルドラーゼを指す。対象の試料中のアルドラーゼBのレベルは、質量分析法に基づく方法によって決定することができる。
「コペプチン」はまた、「CT−proAVP」または「バソプレシンのC末端部分」とも呼ばれる。バソプレシンは、強力な血管収縮薬である。CT−proAVPのレベルは、以下に記載されるように、イムノアッセイによって対象の血漿または血清中で測定され得る。
本明細書で使用される場合、「乳酸塩」は、血中で測定された最大乳酸塩濃度を指す。通常、乳酸塩濃度は、毎日またはさらにより頻繁に評価される。血中の乳酸濃度は、乳酸オキシダーゼ分光光度法によって決定することができる。
本明細書中で使用される場合、「プロカルシトニン」または「PCT」は、アミノ酸残基1〜116、2〜116、3〜116またはそれらのフラグメントに及ぶペプチドに関する。したがって、プロカルシトニンフラグメントの長さは、少なくとも12アミノ酸、好ましくは50アミノ酸以上、より好ましくは110アミノ酸以上である。PCTは、グリコシル化、脂質化、または誘導体化などの翻訳後修飾を含み得る。プロカルシトニンは、カルシトニンおよびカタカルシンの前駆体である。したがって、通常の条件下では、循環中のPCTレベルは、非常に低い(約0.05ng/mL未満)。対象の試料中のPCTのレベルは、以下に記載されるようにイムノアッセイによって決定され得る。
本明細書で使用される場合、「逐次臓器不全評価スコア」または「SOFAスコア」は、集中治療室(ICU)または救急科(ED)に滞在中の患者の状態を追跡するために使用される1つのスコアである。SOFAスコアは、人の臓器機能の程度または不全率を決定するためのスコアリングシステムである。スコアは、6つの異なるスコアに基づき、各1つが呼吸器系、心血管系、肝臓系、凝固系、腎臓系、および神経系に対する。平均および最高の両方のSOFAスコアが転帰の予測因子である。ICUまたはEDにおける最初の24〜48時間のSOFAスコアの増加は、少なくとも50%〜95%の死亡率を予測する。9未満のスコアは33%で予測死亡率を与え、一方14を超えると95%に近いかまたは95%を超えることができる。
本明細書で使用される場合、「SAPS II」または「単純化急性生理学スコアII」は、疾患または障害の重症度を分類するためのシステムに関する(Le Gall JR et al.,A new Simplified Acute Physiology Score(SAPS II)based on a European/North American multicenter study.JAMA.1993;270(24):2957−63を参照されたい)。SAPS IIスコアは、12個の生理学的変数および3個の疾患関連変数で構成されている。ポイントスコアは、12個の日常的な生理学的測定、以前の健康状態に関する情報、およびICUまたはEDへの入院時に得られたいくつかの情報から計算される。SAPS IIスコアはいつでも、好ましくは2日目に決定することができる。「最悪の」測定値は、最高の点数に相関する基準として定義される。SAPS IIスコアは、0〜163点の範囲である。分類システムは、以下のパラメータを含む:年齢、心拍数、収縮期血圧、体温、グラスゴー・コーマ・スケール、人工呼吸器またはCPAP、PaO2、FiO2、尿量、血中尿素窒素、ナトリウム、カリウム、重炭酸塩、ビリルビン、白血球、慢性疾患、および入院の種類。死亡率と合計SAPS IIスコアとの間にはS字形相関がある。対象の死亡率は、29点のSAPSIIスコアで10%であり、死亡率は、40点のSAPSIIスコアで25%であり、死亡率は、52点のSAPSIIスコアで50%であり、死亡率は、64点のSAPSIIスコアで75%であり、死亡率は、77点のSAPSIIスコアで90%である(Le Gall loc.cit.)。
本明細書中で使用される場合、「APACHE II」または「急性生理学および慢性健康評価II」は、重症度分類の採点システムである(Knausら、1985)。それは、集中治療室(ICU)または救急科(ED)への患者の入院から24時間以内に適用され得、12個の異なる生理学的パラメータに基づき決定され得る。
本明細書で使用される場合、「クイックSOFAスコア」または「qSOFAスコア」は、患者の臓器機能不全または死亡リスクを示すスコアリングシステムである。スコアは、3つの基準に基づく:1)精神状態の変化、2)100mm Hg未満の収縮期血圧の低下、3)毎分22呼吸を超える呼吸数。これらの状態のうちの2つ以上を有する患者は、臓器機能不全を有するか、死亡するリスクがより高い。
本明細書中で使用される場合、「可溶性fms様チロシンキナーゼ−1」または「sFlt−1」は、血管成長を引き起こすタンパク質を無効にするチロシンキナーゼタンパク質である。可溶性Flt−1(sFlt−1)は、様々な組織によって産生されるVEGF受容体1(Flt−1)のスプライス変異体である。対象の試料中のsFLT1のレベルは、質量分析法に基づくアッセイおよびイムノアッセイによって決定することができる。
本明細書で使用される場合、「CURB−65」スコア(Lim et al.,2003)は、対象の以下の危険因子に関連する:
−新たな発病の混乱(8以下の略式精神試験スコア(AMTS)として定義される(Hodkinson,1972))、
−7mmol/L(19mg/dL)を超える血中尿素窒素、
−毎分30呼吸以上の呼吸数、
−90mmHg未満の血圧、60mmHg以下の収縮期または拡張期血圧、
−65歳以上。
各危険因子は、1点を取り、最大スコアは5である。
本明細書で使用される場合、「肺炎重症度指数」(PSI)は、院外感染性肺炎患者間の罹患率および死亡率の確率を計算するための臨床予測規則に関する(Fine et al.,1997)。
本発明の方法またはキットは、少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADMのレベル、ならびに上記のようなさらなるマーカーおよび/またはパラメータのレベルを決定することを含み得る。
好ましい態様では、本発明の前述の方法またはキットは、proADMの前述のレベルおよび前述のSOFAスコアを決定することを含み得る。さらに、本発明の前述の方法またはキットは、前述の対象のproADMの前述のレベル、前述のSOFAスコア、および乳酸塩の前述のレベルを決定することを含み得る。
本発明の方法および使用されるキットはまた、SAPS IIスコア、SOFAスコアおよび/またはAPACHE IIスコアなどの少なくとも1つのさらなるパラメータを決定することを含み得る。例えば、方法は、対象の試料中の少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADMのレベル、ならびに対象のSAPS IIスコアを決定することを含み得る。好ましくは、方法は、前述の対象の前述の試料中の少なくとも1つのヒストンの前述のレベル、および前述の対象の前述のSAPSIIスコアを決定することを含む。少なくとも1つのヒストンのレベルおよびSAPSIIスコアは、28日以内に起こる前記対象の有害事象、特に死亡の指標となり得る。
好ましくは、前述の方法は、前述の対象の前述の試料中のproADMのレベルおよび前述の対象の前述のSAPSIIスコアを決定することを含む。proADMおよびSAPSIIスコアのレベルは、28日以内または7日以内に起こる前述の対象の有害事象、特に死亡を示し得る。
さらに、この方法は、対象の試料中の少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADMのレベル、ならびに対象のSOFAスコアを決定することを含み得る。
さらに、この方法は、対象の試料中の少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADMの濃度、ならびに対象の試料中のPCTのレベルを決定することを含み得る。さらに、この方法は、対象の試料中の少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADMの濃度、ならびに対象の試料中のアルドラーゼBのレベルを決定することを含み得る。
本明細書中で使用される場合、「対象」(または「患者」)は脊椎動物であり得る。本発明の文脈において、「対象」という用語は、ヒトおよび動物の両方、特に哺乳動物、および他の生物を含む。したがって、本明細書に提供される方法は、ヒト対象および動物対象の両方に適用可能である。したがって、前述の対象は、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、モルモット、フェレット、ネコ、イヌ、ニワトリ、ヒツジ、ウシ種、ウマ、ラクダ、または霊長類などの動物であり得る。好ましくは、対象は、哺乳動物である。最も好ましくは、対象はヒトである。
本明細書で提供される方法は、健康な対象、または任意の疾患(複数可)もしくは障害(複数可)を患っている対象である任意の対象に対して使用され得る。好ましい態様では、対象は、疾患、障害、または病状を患っている。試験される対象は重篤な患者であり得、好ましくは前述の対象は集中治療室に入院する。本明細書で使用されるように、重篤な病気は、対象または患者が生命を脅かす状況にあることを意味する。
対象または参照対象(複数可)は、疾患または病状/障害を患っていてもよく、前述の疾患または病状/障害は、呼吸器疾患、尿路感染症、感染性および非感染性の病因に関連した炎症反応、全身性炎症反応症候群(SIRS)、敗血症、重症敗血症、敗血症性ショック、臓器不全(複数可)、心血管疾患、糖尿病、悪性腫瘍(複数可)、肝疾患、腎疾患、免疫抑制(immunodepression)、ウイルス感染症、真菌感染症、細菌感染症、グラム陰性細菌感染症、グラム陽性細菌感染症、ならびに免疫抑制(immunosuppression)からなる群から選択され得る。本明細書において、proADMレベル(特にMR−proADMレベル)の検出に基づく本発明の方法は、真菌感染症を患っている対象における有害事象の予測に特に有用である。それはまた、気道、特に下気道の感染症を患っている対象にとって特に有用である。
対象はまた、骨および/または組織の欠損、例えば骨の骨折に続く感染症を患っていてもよい。
さらに、対象は、手術のために選ばれてもよい。これは、対象が手術を受けることを意味する。この手術は、入院の理由または症状である疾患および/または障害に関連付けられていてもよい。
特に、対象は呼吸器疾患、尿路感染症、および/または悪性腫瘍を患っている。
本発明の文脈における「全身性炎症」は、好ましくは、炎症性サイトカインの放出および生物学的要因、化学的要因または遺伝的要因によって引き起こされ得る活性化された自然免疫系によって特徴付けられる状態に関する。重篤な「全身性炎症」は、臓器不全および死亡につながる可能性がある。
本発明の文脈における「SIRS」は、感染の徴候のない全身性炎症反応症候群である。それは、以下の臨床症状のうちの1つより多くを含むが、これらに限定されない:(1)38℃より高いかまたは36℃より低い体温。(2)毎分90回を超える心拍数。(3)毎分20呼吸を超える呼吸数、または32mmHg未満のPaCO2によって示されるような過換気によって表される頻呼吸。(4)白血球数の変化、例えば12,000/mm3を超える数、4,000/mm3未満の数、または10%を超える未熟好中球の存在(Boneら、CHEST 101(6):1644−55,1992)。
本発明の文脈における「敗血症」は、感染に対する全身性反応を指す。あるいは、敗血症は、SIRSと確認された感染プロセスまたは感染との組み合わせとして見られ得る。敗血症は、感染症および全身性炎症反応の両方の存在によって定義される臨床症候群として特徴付けられ得る(Levy MM et al.2001 SCCM/ESICM/ACCP/ATS/SIS International Sepsis Definitions Conference.Crit Care Med.2003 Apr;31(4):1250−6)。本明細書で使用される「敗血症」という用語は、敗血症、重症敗血症、敗血症性ショックを含むがこれらに限定されない。この文脈における重症敗血症は、臓器機能不全、低灌流異常、または敗血症誘発性低血圧に関連する敗血症を意味する。低灌流異常には、乳酸アシドーシス、乏尿症、および精神状態の急激な変化が含まれる。敗血症誘発性低血圧は、低血圧の他の原因(例えば、心原性ショック)がない場合の、約90mm Hg未満の収縮期血圧の存在またはベースラインからの約40mm Hg以上のその低減によって定義される。敗血症性ショックは、低灌流異常または臓器機能不全の存在と共に、適切な輸液蘇生法にもかかわらず持続する敗血症誘発性低血圧を伴う重症敗血症として定義される(Boneら、CHEST 101(6):1644−55、1992)。
「敗血症」という用語には、SEPSIS−2の定義に基づく重症敗血症または敗血症性ショックも含まれる(Bone et al.,2009)。「敗血症」という用語には、SEPSIS−3の定義内に入る対象も含まれる(Singer et al.,2016)。
本明細書で使用される「敗血症」という用語は、敗血症の発症における全ての可能な段階に関する。
本明細書で使用される場合、本発明の範囲内の「感染症」は、病原性または潜在的に病原性の微生物による通常は無菌の組織または体液の侵入によって引き起こされる病理学的プロセスを意味し、細菌、ウイルス、真菌、および/または寄生虫による感染(複数可)に関する。したがって、感染症は、細菌感染症、ウイルス感染症、および/または真菌感染症であり得る。感染症は、局所感染症または全身感染症であり得る。さらに、感染症を患っている対象は、同時に2つ以上の感染源(複数可)を患っている可能性がある。例えば、感染症を患っている対象は、細菌感染症およびウイルス感染症、ウイルス感染症および真菌感染症、細菌感染症および真菌感染症、ならびに細菌感染症、真菌感染症、およびウイルス感染症を患っている可能性がある。
特に、対象は敗血症を患っている。さらに、対象は、好ましくは呼吸器疾患、好ましくは下気道の感染症を患っていてもよい。本明細書で使用される場合、呼吸器疾患は、高等生物においてガス交換を可能にする臓器および組織に影響を与える病理学的状態を含み、また上気道、気管、気管支、細気管支、肺胞、胸膜および胸腔、ならびに呼吸の神経および筋肉の状態も含む。
特に、本発明の方法およびキットにおいて、前述の呼吸器疾患に罹患している前述の対象の前述の試料中の少なくとも1つのヒストンのレベルは、有害事象、特に7日以内に起こる死亡の指標となる。
特に、本発明の方法およびキットにおいて、対象は、尿路感染症を患っており、前述の尿路感染症を患っている前述の対象の前述の試料中の少なくとも1つのヒストンの前述のレベルは、28日以内に起こる有害事象、特に死亡の指標である。
特に、本発明の方法およびキットにおいて、対象は悪性腫瘍に罹患しており、前記悪性腫瘍に罹患している前記対象の前記試料中の少なくとも1つのヒストンの前記レベルは7日以内に起こる有害事象、特に死亡の指標である。
本明細書中で使用される場合、用語「試料」は、対象から得られる生物学的試料である。「試料」は、本明細書で使用される場合、例えば、患者などの関心対象の診断、予後診断、または評価の目的で得られた体液または組織の試料を指し得る。好ましくは、本明細書において、試料は、血液、血清、血漿、脳脊髄液、尿、唾液、痰、および胸水などの体液の試料である。特に、試料は、血液、血漿、血清、または尿である。試料は、分画または精製手順、例えば、全血の血清または血漿成分への分離などによって処理(前処理)され得る。そのような前処理はまた、希釈、濾過、遠心分離、濃縮、沈降、沈殿、または透析を含み得るが、これらに限定されない。前処理はまた、酸、塩基、緩衝剤、塩、溶媒、反応性染料、洗剤、乳化剤、キレート剤などの化学的または生化学的物質の溶液への添加も含み得る。好ましくは、試料は血液試料、より好ましくは血清試料または血漿試料である。
本発明の文脈における「血漿」は、遠心分離後に得られる抗凝固剤を含有する血液の実質的に無細胞の上清である。抗凝血剤の例としては、EDTAまたはクエン酸塩などのカルシウムイオン結合化合物、およびヘパリン酸塩またはヒルジンなどのトロンビン阻害剤が挙げられる。無細胞血漿は、抗凝固処理された血液(例えば、クエン酸塩処理された、EDTAまたはヘパリン処理された血液)を、例えば、2000〜3000gで少なくとも15分間遠心分離することによって得ることができる。
本発明の文脈における「血清」は、血液を凝固させた後に収集される全血の液体画分である。凝固した血液(血餅)が遠心分離されると、血清が上清として得られ得る。
本明細書で使用される場合、「尿」は、排尿(または排尿)と呼ばれる過程を通して腎臓によって分泌され、尿道を通して排泄される体の液体製品である。
上記のように、少なくとも1つのヒストンおよび/またはproADMのレベルは、対象の試料中で決定される。当業者は、試料中のバイオマーカーのレベルを決定するために使用され得る方法/アッセイを知っている。
上記のように、少なくとも1つのヒストンのレベル、特にヒストンH2B、H4、H2Aおよび/またはH3のレベルが決定される。特に、ヒストンまたはヒストンフラグメントが決定され得る。そのようなフラグメントは、本明細書において以下に例示される。
そのようなヒストンまたはそのフラグメントはまた遊離ヒストンを表し得る。例えば、本発明の方法、キット、および抗体は、遊離ヒストンのペプチドまたはエピトープを特に検出し得る。そのようなアミノ酸の伸長はまた、本明細書においてヒストンの中央領域または中央部分とも呼ばれる。以下において、本明細書に提供される方法を用いて遊離ヒストンを検出するためにも使用され得るペプチドまたはエピトープが記載される。
特に、少なくとも1つのヒストンはヒストンH4であり得、配列番号1によるヒストンH4のアミノ酸残基22〜102に及ぶ配列の少なくともペプチドが決定される。特に、少なくとも1つのヒストンは、ヒストンH4であり、配列番号1の残基60〜67、配列番号1の残基46〜56、配列番号1の残基67〜78、配列番号1の残基22〜30、配列番号1の残基67〜78、配列番号1の残基92〜102、配列番号1の残基22〜34、配列番号1の残基46〜102、配列番号1の残基46〜55、配列番号1の残基80〜91、配列番号1の残基24〜35、および配列番号1の残基68〜77に及ぶアミノ酸配列からなる群から選択される配列の少なくともペプチドが決定される。例えば、2つのペプチドが決定され得る。
特に、少なくとも1つのヒストンはヒストンH4であり、ペプチドは配列番号1の残基46〜56および配列番号1の残基67〜78に及ぶアミノ酸配列から決定される。
さらに、少なくとも1つのヒストンはヒストンH2Aであり、配列番号2によるヒストンH2Aのアミノ酸残基20〜118に及ぶ配列の少なくともペプチドが決定される。特に、少なくとも1つのヒストンは、ヒストンH2Aであり、配列番号2の残基21〜53配列番号2の残基21〜29、配列番号2の残基30〜53、配列番号2の残基120〜129、配列番号2の残基21〜29、配列番号2の残基82〜88、配列番号2の残基89〜95、および配列番号2の残基100〜118に及ぶアミノ酸配列からなる群から選択される配列の少なくともペプチドが決定される。
さらに、少なくとも1つのヒストンはヒストンH3であり、配列番号3によるヒストンH3のアミノ酸残基27〜62に及ぶ配列の少なくともペプチドが決定される。さらに、少なくとも1つのヒストンはヒストンH3であり、少なくとも配列番号3のアミノ酸残基27〜37および/または配列番号3のアミノ酸残基52〜62に及ぶ配列のペプチドが決定される。
さらに、少なくとも1つのヒストンはヒストンH2Bであり、配列番号4によるヒストンH2Bのアミノ酸残基41〜69に及ぶ配列の少なくともペプチドが決定される。
さらに、少なくとも1つのヒストンはヒストンH2Aであり、少なくとも1つのペプチドまたはそのフラグメントは、配列番号7、8、9および10からなる群から選択されると決定される。
さらに、少なくとも1つのヒストンはヒストンH4であり、ここで配列番号11、12、13、14、15および16からなる群から選択される少なくとも1つのペプチドまたはそのフラグメントが決定される。
本明細書では、1、2、3、4またはそれ以上のペプチドを決定することができると理解される。
マーカー、例えば少なくとも1つのヒストンもしくはそのフラグメントおよび/またはproADMもしくはそのフラグメントのレベルは、マーカーの濃度を確実に決定する任意のアッセイによって決定することができる。特に、質量分析(MS)および/またはイムノアッセイを添付の実施例に例示されているように使用することができる。本明細書中で使用される場合、イムノアッセイは、抗体もしくは抗体結合フラグメントもしくは免疫グロブリンの使用を通して溶液中の巨大分子/ポリペプチドの存在または濃度を測定する生化学的試験である。
あるいは、抗体の代わりに、ヒストン配列、ヒストンエピトープ、およびヒストンの構造的立体配座を特異的および/または選択的に認識する他の捕捉分子または分子足場も本発明の範囲に包含され得る。本明細書において、用語「捕捉分子」または「分子足場」は、試料からの標的分子または目的の分子、すなわち分析物(例えば、ヒストンおよび/またはproADM)を結合するために使用され得る分子を含む。したがって、捕捉分子は、空間的にも、表面電荷、疎水性、親水性、ルイス供与体および/または受容体の存在または非存在などの表面の特徴に関しても適切に成形され、標的分子または目的の分子に特異的に結合する。これにより、結合は、例えば、イオン、ファンデルワールス力、π−π、Σ−π、疎水性もしくは水素結合相互作用、または捕捉分子もしくは分子足場と標的分子または関心のある分子との間の上記の相互作用もしくは共有結合性相互作用のうちの2つ以上の組み合わせによって媒介され得る。本発明の文脈において、捕捉分子または分子足場は、例えば、核酸分子、炭水化物分子、PNA分子、タンパク質、ペプチド、および糖タンパク質からなる群から選択され得る。捕獲分子または分子足場は、例えば、アプタマー、DARpins(Designed Ankyrin Repeat Protein)、Affimersなどを含む。
本明細書中で使用される場合、用語「抗体」とは、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン(Ig)分子の免疫学的に活性な部分、すなわち抗原と特異的に結合する(免疫反応する)抗原結合部位を含む分子をいう。本発明によると、抗体は、モノクローナル抗体ならびにポリクローナル抗体であってもよい。特に、少なくとも1つのヒストンに特異的に結合するおよび/またはproADMに特異的に結合する抗体が使用される。目的の分子、例えば少なくとも1つのヒストンおよび/またはproADM、またはそのフラグメントに対するその親和性が、目的の分子を含む試料に含まれる他の分子に対するよりも、少なくとも50倍高く、好ましくは100倍高く、最も好ましくは少なくとも1000倍高い場合、抗体は特異的であるとみなされる。所与の特異性を有する抗体をどのように開発しそして選択するかは、当該技術分野において周知である。本発明の文脈において、モノクローナル抗体が好ましい。抗体または抗体結合フラグメントは、本明細書に定義されたマーカーまたはそのフラグメントに特異的に結合する。特に、抗体または抗体結合フラグメントは、少なくとも1つのヒストンタンパク質の本明細書に定義されたペプチドに結合する。したがって、本明細書に定義されたペプチドはまた、抗体が特異的に結合するエピトープであり得る。さらに、本発明の方法およびキットにおいて、proADM、特にMR−proADMに特異的に結合する抗体または抗体結合フラグメントが使用される。例示的なイムノアッセイは、発光イムノアッセイ(LIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、化学発光および蛍光イムノアッセイ、酵素イムノアッセイ(EIA)、酵素結合イムノアッセイ(ELISA)、発光ベースのビーズアレイ、磁気ビーズベースのアレイ、タンパク質マイクロアレイアッセイ、迅速試験フォーマット、希土類クリプテートアッセイであってもよい。さらに、ポイントオブケア試験および例えば免疫クロマトグラフィーストリップ試験などの迅速試験形式に適したアッセイを使用することができる。
本発明のある態様では、方法は、対象の有害事象の診断、予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化のための方法であって、前述の方法は、
(i)対象の試料を得ることと、
(ii)試料を、前述の少なくとも1つのヒストンおよび/または前述のproADMのエピトープに特異的な抗体(複数可)またはその抗原結合フラグメント(複数可)もしくは誘導体(複数可)と接触させ、抗体(複数可)またはその抗原結合フラグメント(複数可)もしくは誘導体(複数可)と前述の少なくとも1つのヒストンおよび/または前述のproADMとの間の結合を検出することによって、前述の対象の試料中の少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはプロアドレノメジュリン(proADM)のレベルを検出することと、を含み、
(iii)少なくとも一つのヒストンの前述のレベルおよび/またはプロアドレノメジュリン(proADM)の前述のレベルは、前述の対象の前述の有害事象の指標である。
本発明のある特定の態様では、方法は、
a)試料を
(i)ヒストンまたはproADMの第1のエピトープに特異的な第1の抗体またはその抗原結合フラグメントもしくは誘導体と、かつ
(ii)ヒストンまたはproADMの第2のエピトープに特異的な第2の抗体またはその抗原結合フラグメントもしくは誘導体と、接触させるステップと、
b)第1および第2の抗体またはその抗原結合フラグメントもしくは誘導体の、ヒストンまたはproADMへの結合を検出するステップと、を含む、イムノアッセイである。
好ましくは、一方の抗体を標識し、他方の抗体を固相に結合させるか、または固相に選択的に結合させることができる。アッセイの特に好ましい態様では、抗体のうちの一方が標識される一方で、他方の抗体は、固相に結合されるか、または固相に選択的に結合され得る。第1の抗体および第2の抗体は、液体反応混合物中に分散して存在することができ、蛍光または化学発光消光または増幅に基づく標識系の一部である第1の標識成分は、第1の抗体に結合され、前述の標識系の第2の標識成分は、第2の抗体に結合され、これにより、検出されるべき両方の抗体の前述の少なくとも1つのヒストンおよび/または前述のproADMへの結合後、測定溶液中の得られたサンドイッチ錯体の検出を可能にする測定可能なシグナルが発生する。標識系は、希土類クリプテートまたはキレートを、特にシアニンタイプの蛍光または化学発光染料と組み合わせて含むことができる。
好ましい実施形態では、この方法は異種サンドイッチイムノアッセイとして実施され、ここで抗体の1つは任意に選択された固相、例えば被覆試験管(例えばポリスチロール試験管;被覆管;CT)またはマイクロタイター上に固定される。他の抗体は、検出可能な標識に似ているかまたは標識への選択的結合を可能にする基を有し、そして形成されたサンドイッチ構造の検出に役立つ。適切な固相を用いた一時的な遅延またはその後の固定化も可能である。
本発明による方法は、均質な方法としてさらに具体化され得、検出されるべき抗体/複数の抗体およびマーカー、例えば、ヒストンもしくはproADMまたはそのフラグメントによって形成されるサンドイッチ錯体は、液相中で懸濁状態のままである。この場合、2つの抗体が使用されるとき、両方の抗体が検出系の一部で標識され、それが、両方の抗体が単一のサンドイッチに統合される場合にシグナルの発生またはシグナルの誘発をもたらすことが好ましい。そのような技術は、特に蛍光増強または蛍光消光検出方法として具体化されるべきである。特に好ましい態様は、例えば、US 4 882 733 A、EP−B1 0 180 492、またはEP−B1 0 539 477、およびそれらで引用された従来技術に記載されているものなど、対で使用される検出試薬の使用に関する。このようにして、反応混合物中の単一の免疫複合体中に直接両方の標識成分を含む反応生成物のみが検出される測定が可能になる。例えば、そのような技術は、上記で引用された出願の教示を実装する、商標名TRACE(登録商標)(Time Resolved Amplified Cryptate Emission)、またはKRYPTOR(登録商標)の下で提供されている。したがって、特に好ましい態様では、本明細書で提供される方法を実行するために診断装置が使用される。例えば、ヒストンもしくはproADMまたはそのフラグメントのレベル、および/あるいは本明細書で提供される方法の任意のさらなるマーカーのレベルが決定される。特に好ましい態様において、診断装置はKRYPTOR(登録商標)である。
さらに、本発明のイムノアッセイ法は、好ましくは、少なくとも1つのヒストンおよび/またはproADMのエピトープ(複数可)に特異的である第1の抗体および/もしくは第2の抗体、またはその抗原結合フラグメント(複数可)もしくは誘導体(複数可)を利用し得る。例示的なペプチドは、proADMおよび/または少なくとも1つのヒストンのレベルの決定に適し得る、本明細書中以下および上に記載されている。
例えば、本発明のイムノアッセイ法は、好ましくは、ヒストンH4のエピトープ(複数可)に特異的である第1の抗体および/もしくは第2の抗体、またはその抗原結合フラグメント(複数可)もしくは誘導体(複数可)を利用し得、第1のエピトープおよび/または第2のエピトープは、配列番号1のアミノ酸残基22〜102に及ぶ配列中に存在するヒストンH4のエピトープである。
さらに、本発明のイムノアッセイ法は、配列番号1のアミノ酸残基46〜56に及ぶ配列中に存在するヒストンH4のエピトープに特異的な第1の抗体、その抗原結合フラグメント、または誘導体、および配列番号1のアミノ酸残基67〜78に及ぶ配列中に存在するヒストンH4のエピトープに特異的な第2の抗体、その抗原結合フラグメント、または誘導体を利用し得る。
例えば、本発明のイムノアッセイ方法は、好ましくは、ヒストンH2Bのエピトープ(複数可)に特異的な第1の抗体および/もしくは第2の抗体、またはその抗原結合フラグメントもしくは誘導体を利用し得、第1のエピトープおよび/または第2のエピトープは、配列番号4のアミノ酸残基41〜69に及ぶ配列中に存在するヒストンH2Bのエピトープである。
さらに、本発明のイムノアッセイ方法は、好ましくは、ヒストンH2Aのエピトープに特異的な第1の抗体および/もしくは第2の抗体、またはその抗原結合フラグメントもしくは誘導体を利用してもよく、第1のエピトープおよび/または第2のエピトープは、配列番号2のアミノ酸残基20〜118に及び配列中に存在するヒストンH2Aのエピトープである。
さらに、本発明のイムノアッセイ法は、ヒストンH2Aのエピトープに特異的な第1の抗体および/もしくは第2の抗体、またはその抗原結合フラグメントもしくは誘導体を利用することができ、第1のエピトープおよび/または第2のエピトープは、配列番号2のアミノ酸残基21〜53、20〜118または120〜129に及ぶ配列中に存在するヒストンH2Aのエピトープである。
さらに、本発明のイムノアッセイ法は、ヒストンH3のエピトープ(複数可)に特異的である第1の抗体および/もしくは第2の抗体、またはその抗原結合フラグメント(複数可)もしくは誘導体(複数可)を利用し得、第3のエピトープおよび/または第2のエピトープは、配列番号1のアミノ酸残基27〜62に及ぶ配列中に存在するヒストンH3のエピトープである。
より好ましくは、本発明のイムノアッセイ法は、ヒストンH4のエピトープ(複数可)に特異的である第1の抗体および/もしくは第2の抗体、またはその抗原結合フラグメント(複数可)もしくは誘導体(複数可)を利用し得、エピトープ(複数可)は、配列番号1の残基22〜30、配列番号1の残基46〜56、配列番号1の残基67〜78、配列番号1の残基92〜102、配列番号1の残基22〜34、および配列番号1の残基46〜102に及ぶアミノ酸配列からなる群から選択される。
さらに、本発明のイムノアッセイ法は、ヒストンH2Aのエピトープ(複数可)に特異的である第1の抗体および/もしくは第2の抗体、またはその抗原結合フラグメント(複数可)もしくは誘導体(複数可)を利用し得、エピトープ(複数可)は、配列番号2の残基21〜53、配列番号2の残基21〜29、配列番号2の残基30〜53、および配列番号2の残基120〜129に及ぶアミノ酸配列からなる群から選択される。
さらに、本発明のイムノアッセイ法は、配列番号4の41〜69に及ぶヒストンH2Bのエピトープ(複数可)に特異的である第1の抗体および/もしくは第2の抗体、またはその抗原結合フラグメント(複数可)もしくは誘導体(複数可)を利用し得る。
さらに、本発明のイムノアッセイ法は、配列番号3の残基27〜36に及び、かつ/または配列番号3の残基52〜62に及ぶヒストンH3のエピトープ(複数可)に特異的である、第1の抗体および/もしくは第2の抗体、またはその抗原結合フラグメント(複数可)もしくは誘導体(複数可)を利用し得る。
さらに、本発明のイムノアッセイ法は、配列番号2によって表されるヒストンH2A配列のアミノ酸残基21〜53および/または120〜129に及ぶ配列中に存在するヒストンH2Aのエピトープに特異的である第1の抗体および/もしくは第2の抗体、またはその抗原結合フラグメントもしくは誘導体を利用し得る。
さらに、本発明のイムノアッセイ法は、配列番号1のアミノ酸残基22〜102に及ぶ配列中に存在するヒストンH4のエピトープに特異的である第1の抗体、その抗原結合フラグメント、または誘導体、および遊離ヒストンH2A、H2B、または好ましくはH3のエピトープに特異的である第2の抗体、その抗原結合フラグメント、または誘導体を利用し得る。
さらに、本発明のイムノアッセイ法は、配列番号4のアミノ酸残基41〜69に及ぶ配列中に存在するヒストンH2Bのエピトープに特異的である第1の抗体、その抗原結合フラグメント、または誘導体、および遊離ヒストンH2A、H4、またはH3のエピトープに特異的である第2の抗体、その抗原結合フラグメント、または誘導体を利用し得る。
さらに、本発明のイムノアッセイ法は、配列番号2のアミノ酸残基20〜118に及ぶ配列中に存在するヒストンH2Bのエピトープに特異的である第1の抗体、その抗原結合フラグメント、または誘導体、および遊離ヒストンH2B、H4、またはH3のエピトープに特異的である第2の抗体、その抗原結合フラグメント、または誘導体を利用し得る。
さらに、本発明のイムノアッセイ法は、配列番号3のアミノ酸残基27〜62に及ぶ配列中に存在するヒストンH2Bのエピトープに特異的である第1の抗体、その抗原結合フラグメント、または誘導体、および遊離ヒストンH2B、H4、またはH2Aのエピトープに特異的である第2の抗体、その抗原結合フラグメント、または誘導体を利用し得る。
さらに、本発明のイムノアッセイ法は、配列番号2のアミノ酸残基21〜53、120〜129、または20〜118に及ぶ配列中に存在するヒストンH2Aのエピトープに特異的である第1の抗体、その抗原結合フラグメント、または誘導体、および遊離ヒストンH3、H4、または好ましくはH2Bのエピトープに特異的である第2の抗体、その抗原結合フラグメント、または誘導体を利用し得る。
本発明はさらに、上に詳述したようにヒストンタンパク質またはそのフラグメントのエピトープに特異的な抗体またはその抗原結合フラグメントまたは誘導体に関する。ヒストンまたはproADM、好ましくはMR−proADMを検出するためにうまく用いられる例示的な抗体は、添付の実施例に示される。したがって、本発明は、ヒストンH2B、H4、H2A、H3、および/またはproADM、好ましくはMR−proADMのエピトープに特異的である抗体(複数可)、その抗原結合フラグメント(複数可)、または誘導体(複数可)に関する。抗体が特異的に結合している例示的なエピトープまたはペプチドは、本明細書において上記および下記に記載されている。
マーカー、例えば少なくとも1つのヒストンおよび/またはproADMのレベルはまた、添付の実施例に記載されるように質量分析(MS)に基づく分析によって決定され得る。そのような方法は、前記生物学的試料または例えば前記試料からのタンパク質消化物(例えばトリプシン消化物)中の例えばproADMおよび/またはヒストンの1つ以上の修飾または未修飾フラグメントペプチドの存在、量または濃度を検出することを含み得る。クロマトグラフィー法を用いて試料を調製し、そして調製されそして場合により分離された試料をMS分析にかける。例えば、特に少なくとも1つのヒストンペプチドの量を決定するために、選択反応モニタリング(SRM)、多重反応モニタリング(MRM)または並列反応モニタリング(PRM)質量分析をMS分析に使用することができる。本明細書において、「質量分析」または「MS」という用語は、化合物をそれらの質量によって同定するための分析技術を指す。質量分析の質量分解および質量決定能力を高めるために、試料は、MS分析の前に処理され得る。したがって、本発明は、免疫濃縮技術、試料調製に関する方法および/またはクロマトグラフィ法、好ましくは液体クロマトグラフィ(LC)、より好ましくは高速液体クロマトグラフィ(HPLC)または超高速液体クロマトグラフィ(UHPLC)と組み合わされ得るMS検出法に関する。試料調製方法は、溶解、分画、ペプチドへの試料の消化、枯渇、濃縮、透析、脱塩、アルキル化、および/またはペプチド低減のための技術を含む。しかしながら、これらのステップは任意である。分析物イオンの選択的検出は、タンデム質量分析(MS/MS)を用いて実施され得る。タンデム質量分析は、質量選択ステップ(本明細書で使用される場合、「質量選択」という用語は、特定のm/zまたは狭い範囲のm/zを有するイオンの単離を意味する)、続いて選択されたイオンの断片化、および得られた生成物(フラグメント)イオンの質量分析によって特徴付けられる。
当業者は、質量分析法によって試料中のマーカーのレベルをどのように定量化するかを知っている。例えば、相対定量化「rSRM」または絶対定量化を上記のように使用することができる。
本明細書中で使用される場合、本発明の文脈における「診断」は、対象における有害事象、特に死亡の認識および(早期)検出に関し、また鑑別診断も含み得る。有害事象の重症度の評価もまた、「診断」という用語によって包含され得る。例えば、状態がどれほど深刻であるか、および有害事象の発生の可能性がどれほどかの評価である。さらに、診断とは、対象における有害事象が発生したとき、例えば少なくとも約28、7または3日以内に時間を予測することができることを意味する。
「予後」は、対象が、有害事象、特に死亡を経験する/有する/罹患する、帰結または特定のリスクの予測に関する。これはまた、前述の対象についての回復の見込みまたは有害な帰結の見込みの推定を含み得る。
本発明はまた、対象のモニタリング、治療ガイダンス、および/または治療制御のための方法およびキットに関し、方法は、
(i)前述の対象の試料中の少なくとも1つのヒストンのレベルを決定することであって、少なくとも1つのヒストンの前述のレベルが、前述の対象の前述の有害事象の指標である、決定すること、および/または
(ii)前述の対象の試料中のプロアドレノメジュリン(proADM)のレベルを決定することであって、proADMの前述のレベルが、前述の対象の前述の有害事象の指標である、決定することを含む。
本発明の方法およびキットはまた、モニタリングに使用され得る。「モニタリング」は、既に診断された疾患または病状を追跡すること、例えば、疾患もしくは病状の進行または進行に対する特定の治療の影響を分析すること、および有害転帰、例えば、生命を脅かす健康状態もしくは死亡さえ予測することに関する。
本発明の文脈における「治療管理」という用語は、対象の治療的処置の監視および/または調整を指す。治療的処置の調整はまた、対象が以前に行われたようにさらに処置されるかどうか、または処置が適応されるかどうかの決定も含み得る。例えば、治療的処置の調整は、対象がICUまたはEDで維持されるかどうか、または対象が解放されるかどうかであり得る。
本発明において、用語「リスク評価」および「リスク層別化」は、さらなる予後に従って対象を異なるリスクグループに分類することに関する。リスク評価はまた、予防的および/または治療的措置を適用するための層別化にも関する。
本明細書で使用される場合、用語「治療ガイダンス」は、1つ以上のバイオマーカーの値および/または臨床パラメータおよび/または臨床スコアに基づく特定の療法または医学的介入の適用を指す。
本発明の方法は、部分的にコンピュータで実行され得る。例えば、検出されたマーカーのレベル、例えばproADMレベルおよび/またはヒストンレベルを参照レベルと比較するステップは、コンピュータシステムにおいて実施され得る。コンピュータシステムでは、診断、予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化のための指標であるスコアを計算するために、決定されたマーカー(複数可)のレベルが、対象の他のマーカーレベルおよび/またはパラメータと組み合わされ得る。例えば、決定された値は、コンピュータシステムに入力されてもよい(医療従事者によって手動で、またはそれぞれのマーカーレベル(複数可)が決定された装置(複数可)から自動で、のいずれか)。コンピュータシステムは、直接ポイントオブケア(例えば、ICUもしくはED)にあってもよく、またはそれは、コンピュータネットワークを介して(例えばインターネットを介して)接続された遠隔地にあってもよい。典型的には、コンピュータシステムは、値(例えば、マーカーレベル、または年齢、血圧、体重、性別などのパラメータ)をコンピュータ可読媒体上に記憶し、事前定義および/または事前記憶された参照レベルまたは参照値に基づきスコアを計算する。得られたスコアは、ユーザ(通常は医師などの医療従事者)のために表示および/または印刷される。あるいは、または加えて、関連する予後診断、診断、評価、または層別化は、ユーザ(典型的には医師などの医療従事者)のために表示および/または印刷される。
したがって、本発明は、さらなる態様において、対象における有害事象の診断、予後予測、リスク評価、および/またはリスク層別化のためのシステムに関し、
(i)対象の試料中のproADMおよび/またはヒストンのレベル(ならびに任意にさらなるマーカーレベル)を決定するための試料分析器と、
(ii)典型的には決定されたレベル(複数可)と参照レベル(複数可)との比較に基づき、対象における有害事象の診断、予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化を計算するようにプログラムされたコンピュータサブシステムと、を備える。
コンピュータサブシステムは、検出されたマーカーレベル(複数可)を、本明細書に記載されるようなさらなるレベル(複数可)および/またはパラメータ(複数可)と組み合わせ得る。装置の出力は、スコアであってもよいか、または直接的に対象における有害事象の診断、予後診断、リスク評価、および/もしくはリスク層別化であってもよい。
関連する態様では、本発明は、コンピュータ上で実行するときに、対象の試料中のproADMおよび/またはヒストンの決定されたレベルに基づき、対象における有害事象の診断、予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化を決定することを含むステップを実施する、コンピュータ可読媒体で具体化されるコンピュータプログラム製品に関する。典型的には、このステップは、本明細書に記載されるように、決定されたレベル(複数可)と参照レベル(複数可)との比較に基づく。
本発明はさらに、キット、キットの使用、およびそのようなキットが使用される方法に関する。本発明は、本明細書の上記および下記に提供される方法を実施するためのキットに関する。本明細書に提供される定義、例えば方法に関して提供される定義はまた、本発明のキットにも適用される。特に、本発明は、診断、予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化のためのキットに関し、前述のキットは、
(i)前述の対象の前述の試料中の少なくとも1つのヒストンの前述のレベルを決定するための検出試薬、および
少なくとも1つのヒストンの前述の参照レベルを含む参照データであって、少なくとも1つのヒストンの前述の参照レベルと比較したときの前述の対象の前述の試料中の前述の少なくとも1つのヒストンの増加したレベルが、前述の対象の有害事象の指標である、検出試薬および参照データ、ならびに/または
(ii)前述の対象の前述の試料中のproADMの前述のレベルを決定するための検出試薬、および
proADMの前述の参照レベルを含む参照データであって、
proADMの前述の参照レベルと比較したときの前述の対象の前述のproADMの増加したレベルが、前述の対象における前述の有害事象の指標である、検出試薬および参照データを含む。
さらに、本発明は、好ましくは、本発明の方法を実行するためのキットおよびその使用に関し、前述のキットは、前述の対象の前述の試料中のproADMの前述のレベルを決定するための検出試薬と、proADMの前述の参照レベルを含む参照データとを含み、proADMの前述の参照レベルと比較したときの前述の対象の前述の試料中のproADMのレベルの増加は、前述の対象の有害事象の指標である。
さらに、本発明は、好ましくは、本発明の方法を実行するためのキットおよびその使用に関し、前述のキットは、前述の対象の前述の試料中のproADMの前述のレベルを決定するための検出試薬と、proADMの前述の参照レベルを含む参照データとを含み、proADMの前述の参照レベルと比較したときの前述の対象の前述の試料中のproADMのレベルの減少またはproADMの同等のレベルは、前述の対象の有害事象が約28日以内に起こらないことを示す。
本発明はまた、対象の有害事象の診断、予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化のためのキット、およびそれらにおけるその使用キットに関し、
(i)少なくとも1つのヒストンのレベルは、対象の試料中で決定され、
少なくとも1つのヒストンのレベルは、少なくとも1つのヒストンの参照レベルと比較され、
前述の対象の有害事象は、試料中で決定された少なくとも1つのヒストンのレベルと少なくとも1つのヒストンの参照レベルとの比較に基づき特定され、かつ/または
(ii)proADMのレベルは、対象の試料中で決定され、
proADMのレベルは、proADMの参照レベルと比較され、
対象の有害事象は、試料中で決定されたproADMのレベルとproADMの参照レベルとの比較に基づき特定される。
本発明はまた、対象の有害事象の診断、予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化のためのキットおよびその使用に関し、
(i)キットは、対象の試料中の少なくとも1つのヒストンのレベルを決定するための検出試薬を含み、
少なくとも1つのヒストンのレベルは、前述の対象の有害事象の指標であり、かつ/または
(ii)キットは、対象の試料中のproADMの前述のレベルを決定するための検出試薬を含み、
前述のproADMの前述のレベルは、前述の対象の前述の有害事象の指標である。
本明細書で使用される場合、「参照データ」は、少なくとも1つのヒストンおよび/またはproADM、特にMR−proADMの参照レベルを含む。対象の試料中の少なくとも1つのヒストンおよび/またはproADMのレベルは、キットの参照データに含まれる参照レベルと比較され得る。決定されたマーカーのレベルの増加は有害事象、特に死亡の指標である。決定されたマーカー(複数可)の減少したレベルまたは同等のレベルは、有害事象、特に死亡が起こらないことを示す。参照レベルは本明細書において上記に記載されている。参照データはまた、少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADMのレベルが比較される参照試料を含み得る。参照データはまた、本発明のキットの使用方法の取扱説明書を含み得る。
本明細書中で使用される場合、「検出試薬」などは、本明細書中に記載されるマーカー(例えば、少なくとも1つのヒストンおよび/またはproADM)を決定するために適切な試薬である。そのような例示的な検出試薬は、例えば、本明細書に記載のマーカーのペプチドまたはエピトープに特異的に結合するリガンド、例えば抗体またはそのフラグメントである。そのようなリガンドは、上記のようにイムノアッセイにおいて使用され得る。マーカー(複数可)のレベルを決定するためにイムノアッセイで用いられるさらなる試薬もキットに含まれ得、本明細書において検出試薬と見なされる。検出試薬はまた、MSに基づく方法によってマーカーまたはそのフラグメントを検出するために使用される試薬にも関連し得る。したがって、そのような検出試薬はまた、MS分析のために試料を調製するために使用される試薬、例えば酵素、化学物質、緩衝剤などであり得る。質量分析計も検出試薬と見なすことができる。本発明による検出試薬はまた、例えば、マーカーのレベルを決定および比較するために使用され得る較正溶液であり得る。
与えられた定義および説明は、必要な変更を加えて以下の項目にも当てはまる。本発明はまた、特定の実施形態における以下の事項に関する。
1.対象の有害事象の診断、予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化のための方法であって、前述の方法は、
(i)前述の対象の試料中の少なくとも1つのヒストンのレベルを決定することであって、少なくとも1つのヒストンの前述のレベルが、前述の対象の前述の有害事象の指標である、決定すること、および/または
(ii)前述の対象の試料中のプロアドレノメジュリン(proADM)のレベルを決定することであって、proADMの前述のレベルが、前述の対象の前述の有害事象の指標である、決定することを含む、方法。
2.前述の有害事象が28日以内に起こるか、または前述の有害事象が28日以内に起こらない、項目1に記載の方法。
3.
(i1)少なくとも1つのヒストンの前述のレベルは、少なくとも1つのヒストンの参照レベルと比較され、かつ/または
(ii1)proADMの前述のレベルは、proADMの参照レベルと比較され、かつ
(iii)前述の対象の前述の有害事象は、それぞれステップ(i1)および/または(ii1)の比較に基づき特定される、項目1または2に記載の方法。
4.
(i)少なくとも1つのヒストンの参照レベルと比較したときの少なくとも1つのヒストンのレベルの増加は、前述の対象の前述の有害事象の指標であり、かつ/または
(ii)proADMの参照レベルと比較したときのproADMのレベルの増加は、前述の対象の前述の有害事象の指標であり、好ましくは、前述の有害事象が約28日以内に起こるか、または
前述のproADMの前述の参照レベルと比較したときの前述の対象の前述のproADMのレベルの減少、またはより低いレベルもしくは同等のレベルは、有害事象が好ましくは約28日以内に起こらないことの指標である、項目1〜3のいずれか1つに記載の方法。
5.前述の有害事象が、死亡、臓器機能不全、多臓器機能不全、および感染症などの疾患または医学的障害からなる群から選択される、項目1〜4のいずれか1つに記載の方法。
6.前述の有害事象が、死亡である、項目1〜5のいずれか1つに記載の方法。
7.proADMの参照レベルが、約0.9nmol/L〜約1.8nmol/Lである、項目3〜6のいずれか1つに記載の方法。
8.
(i)前述の少なくとも1つのヒストンの増加したレベルは、少なくとも1つのヒストンの参照レベルの約2倍高く、かつ/または
(ii)前述のproADMの増加したレベルは、proADMの前述の参照レベルの約2倍高い、項目1〜7のいずれか1つに記載の方法。
9.少なくとも1つのヒストンの前述の参照レベルおよび/またはproADMの参照レベルが、少なくとも1つの参照対象の少なくとも1つのヒストンのレベルおよび/またはproADMのレベルである、項目3〜8のいずれか1つに記載の方法。
10.参照対象(複数可)は、健康な対象(複数可)および/または有害事象を有していない対象(複数可)である、項目3〜9のいずれか1つに記載の方法。
11.少なくとも1つのヒストンの前述の参照レベルおよび/またはproADMの参照レベルが、前述の対象の前の分析から得られた少なくとも1つのヒストンおよび/またはproADMのレベルである、項目3〜10のいずれか1つに記載の方法。
12.前述のproADMが、中間領域プロアドレノメジュリン(MR−proADM)である、項目1〜11のいずれか1つに記載の方法。
13.前述の対象のproADMの前述のレベルが、28日以内に起こる前述の対象の前述の有害事象、好ましくは死亡の指標である、項目1〜12のいずれか1つに記載の方法。
14.前述の対象のproADMの前述のレベルが、7日以内に起こる前述の対象の前述の有害事象、好ましくは死亡の指標である、項目1〜12のいずれか1つに記載の方法。
15.前述の少なくとも1つのヒストンが、ヒストンH2B、ヒストンH2A、ヒストンH3、および/またはヒストンH4である、項目1〜14のいずれか1つに記載の方法。
16.前述の少なくとも1つのヒストンが、ヒストンH2Bである、項目1〜15のいずれか1つに記載の方法。
17.前述の対象の少なくとも1つのヒストンの前述のレベルが、7日以内または3日以内に起こる前述の対象の前述の有害事象、好ましくは死亡の指標である、項目1〜16のいずれか1つに記載の方法。
18.前述の方法が、前述の試料中の乳酸塩のレベル、少なくとも1つのヒストンのレベル、前述の試料中のアルドラーゼBのレベル、前述の試料中のコペプチンのレベル、前述の試料中の乳酸塩のレベル、前述の試料中のプロカルシトニン(PCT)のレベル、前述の対象の逐次臓器不全評価スコア(SOFAスコア)、単純化急性生理学スコア(SAPSIIスコア)、前述の対象の急性生理学および慢性健康評価II(APACHE II)スコア、ならびに前述の試料中の可溶性fms様チロシンキナーゼ−1(sFlt−1)のレベルからなる群から選択される、前述の対象の少なくとも1つのマーカーおよび/またはパラメータを決定することをさらに含む、項目1〜17のいずれか1つに記載の方法。
19.さらに、前述の対象の逐次臓器不全評価スコア(SOFAスコア)が決定される、項目1〜18のいずれか1つに記載の方法。
20.
対象のSOFAスコアが6以下である場合、proADMの参照レベルは、約1.8nmol/Lであるか、
対象のSOFAスコアが7〜12である場合、proADMの参照レベルは、約3.2nmol/Lであるか、または
対象のSOFAスコアが13以上である場合、proADMの参照レベルは、約5.5nmol/Lである、項目3〜19のいずれか1つに記載の方法。
21.
約1.8nmol/LであるproADMの参照レベルと比較したときの前述の対象のproADMのレベルの減少もしくは同等のレベル、および前述の対象の6以下のSOFAスコアは、前述の有害事象が起こらないことの指標であるか、
約3.2nmol/LであるproADMの参照レベルと比較したときの前述の対象のproADMのレベルの減少もしくは同等のレベル、および前述の対象の7〜12のSOFAスコアは、前述の有害事象が起こらないことの指標であるか、または
約5.6nmol/LであるproADMの参照レベルと比較したときの前述の対象のproADMのレベルの減少もしくは同等のレベル、および前述の対象の13以上のSOFAスコアは、前述の有害事象が起こらないことの指標であり、
好ましくは、前述の有害事象が約28日以内に起こらない、項目1〜20のいずれか1つに記載の方法。
22.
約1.8nmol/LであるproADMの参照レベルと比較したときの前述の対象のproADMのレベルの増加、および前述の対象の6以下のSOFAスコアは、前述の対象の前述の有害事象の指標であるか、
約3.2nmol/LであるproADMの参照レベルと比較したときの前述の対象のproADMのレベルの増加、および前述の対象の7〜12のSOFAスコアは、前述の対象の前述の有害事象の指標であるか、または
約5.6nmol/LであるproADMの参照レベルと比較したときの前述の対象のproADMのレベルの増加、および前述の対象の13以上のSOFAスコアは、前述の対象の前述の有害事象の指標であり、
好ましくは、前述の有害事象が約28日以内に起こる、項目1〜20のいずれか1つに記載の方法。
23.前述の対象のSOFAスコアが、前述の対象のproADMのレベルに基づき増加し、前述の修正SOFAスコアが、前述の有害事象の指標である、項目19〜23のいずれか1つに記載の方法。
24.対象のSOFAスコアは、対象が約1.8nmol/Lよりも高いproADMレベルを有する場合に1増加する、項目23に記載の方法。
25.前述の方法が、前述の対象の前述の試料中の少なくとも1つのヒストンの前述のレベルおよびproADMの前述のレベルを決定することを含む、項目1〜24のいずれか1つに記載の方法。
26.少なくとも1つのヒストンの前述のレベルおよびproADMの前述のレベルが、28日以内に起こる前述の対象の前述の有害事象、特に死亡の指標である、項目25に記載の方法。
27.前述の方法が、前述の対象の前述の試料中の少なくとも1つのヒストンの前述のレベルおよび前述の対象の前述のSAPSIIスコアを決定することを含む、項目1〜26のいずれか1つに記載の方法。
28.少なくとも1つのヒストンの前述のレベルおよび前述SAPSIIスコアが、28日以内に起こる前述の対象の前述の有害事象、特に死亡の指標である、項目27に記載の方法。
29.前述の方法が、前述の対象の前述の試料中のproADMの前述のレベルおよび前述の対象の前述のSAPSIIスコアを決定することを含む、項目1〜28にいずれか1つに記載の方法。
30.proADMの前述のレベルおよび前述のSAPSIIスコアが、28日以内または7日以内に起こる前述の対象の前述の有害事象、特に死亡の指標である、項目29に記載の方法。
31.前述の方法が、前述の対象のproADMの前述のレベル、前述のSOFAスコア、および乳酸塩の前述のレベルを決定することを含む、項目1〜30のいずれか1つに記載の方法。
32.前述の対象が、疾患または病状を患っている、項目1〜31のいずれか1つに記載の方法。
33.前述の対象が、重篤な患者であり、前述の対象が、集中治療室に入院する、項目1〜32のいずれか1つに記載の方法。
34.前述の対象が、疾患または病状を患っており、前述の疾患または病状が、呼吸器疾患、尿路感染症、感染性および非感染性の病因に関連した炎症反応、全身性炎症反応症候群(SIRS)、敗血症、重症敗血症、敗血症性ショック、臓器不全(複数可)、心血管疾患、糖尿病、悪性腫瘍、肝疾患、腎疾患、免疫抑制(immunodepression)、ウイルス感染症、真菌感染症、細菌感染症、グラム陰性細菌感染症、グラム陽性細菌感染症、ならびに免疫抑制(immunosuppression)からなる群から選択される、項目1〜33のいずれか1つに記載の方法。
35.前記対象が、敗血症を患っている、項目1〜34のいずれか1つに記載の方法。
36.前述の対象が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)を患っている対象、放射線治療を受けている対象、および/または免疫抑制薬を受けている対象などの免疫抑制対象である、項目1〜35のいずれか1つに記載の方法。
37.前述の対象が、呼吸器疾患、好ましくは下気道の感染症を患っている、項目1〜36のいずれか1つに記載の方法。
38.前述の呼吸器疾患を患っている前述の対象の前述の試料中の少なくとも1つのヒストンの前述のレベルが、7日以内に起こる死亡の指標である、項目37に記載の方法。
39.前述の対象が、尿路感染症を患っている、項目1〜38のいずれか1つに記載の方法。
40.前述の尿路感染症を患っている前述の対象の前述の試料中の少なくとも1つのヒストンの前述のレベルが、28日以内に起こる死亡の指標である、項目39に記載の方法。
41.前述の対象が、悪性腫瘍を患っている、項目1〜40のいずれか1つに記載の方法。
42.前述の悪性腫瘍を患っている前述の対象の前述の試料中の少なくとも1つのヒストンの前述のレベルが、7日以内に起こる死亡の指標である、項目41に記載の方法。
43.マーカーまたはパラメータのレベルが、前述の対象の入院から約12時間の間に決定される、項目1〜42のいずれか1つに記載の方法。
44.前述の試料が、体液、血液、血漿、血清、または尿である、項目1〜43のいずれか1つに記載の方法。
45.少なくとも1つのヒストンおよび/またはproADMの前述のレベルが、質量分析法(MS)、発光イムノアッセイ(LIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、化学発光および蛍光イムノアッセイ、酵素イムノアッセイ(EIA)、酵素結合イムノアッセイ(ELISA)、発光ベースのビーズアレイ、磁気ビーズベースのアレイ、タンパク質マイクロアレイアッセイ、迅速試験フォーマット、ならびに希土類クリプテートアッセイからなる群から選択される方法を使用して決定される、項目1〜44のいずれか1つに記載の方法。
46.方法が、イムノアッセイであり、アッセイは、均一相または不均一相中で実施される、項目45に記載の方法。
47.方法が、
a)試料を
(i)ヒストンまたはproADMの第1のエピトープに特異的な第1の抗体またはその抗原結合フラグメントもしくは誘導体と、かつ
(ii)ヒストンまたはproADMの第2のエピトープに特異的な第2の抗体またはその抗原結合フラグメントもしくは誘導体と、接触させるステップと、
b)第1および第2の抗体またはその抗原結合フラグメントもしくは誘導体の、前述の第1のヒストンまたはproADMへの結合を検出するステップと、を含む、イムノアッセイである、項目45または46に記載の方法。
48.前述の第1または第2の抗体のうちの一方が標識され、他方の抗体が固相に結合されるか、または固相に選択的に結合されることが可能である、項目47に記載の方法。
49.第1の抗体および第2の抗体が、液体反応混合物中に分散して存在し、蛍光または化学発光消光または増幅に基づく標識系の一部である第1の標識成分が、第1の抗体に結合され、前述の標識系の第2の標識成分が、第2の抗体に結合され、これにより、検出されるべき両方の抗体の前述の少なくとも1つのヒストンまたは前述のproADMへの結合後、測定溶液中の得られたサンドイッチ錯体の検出を可能にする測定可能なシグナルが発生する、項目47または48に記載の方法。
50.標識系が、希土類クリプテートまたはキレートを、特にシアニンタイプの蛍光または化学発光染料と組み合わせて含む、項目49に記載の方法。
51.MS分析法が、反応モニタリング(SRM)、多重反応モニタリング(MRM)、または並列反応モニタリング(PRM)である、項目45に記載の方法。
52.前述の少なくとも1つのヒストンが、ヒストンH4であり、配列番号1によるヒストンH4のアミノ酸残基22〜102に及ぶ配列の少なくともペプチドが決定される、項目1〜51のいずれか1つに記載の方法。
53.前述の少なくとも1つのヒストンが、ヒストンH4であり、配列番号1の残基47〜59、配列番号1の残基68〜79、配列番号1の残基60〜67、配列番号1の残基22〜30、配列番号1の残基67〜78、配列番号1の残基92〜102、配列番号1の残基22〜34、配列番号1の残基46〜102、配列番号1の残基46〜55、配列番号1の残基80〜91、配列番号1の残基24〜35、および配列番号1の残基68〜77に及ぶアミノ酸配列からなる群から選択される配列の少なくともペプチドが決定される、項目1〜52のいずれか1つに記載の方法。
54.前述の少なくとも2つのヒストンが、ヒストンH2Aであり、配列番号1によるヒストンH2Aのアミノ酸残基20〜118に及ぶ配列の少なくともペプチドが決定される、項目1〜51のいずれか1つに記載の方法。
55.前述の少なくとも1つのヒストンが、ヒストンH2Aであり、配列番号2の残基21〜53、配列番号2の残基21〜29、配列番号2の残基30〜53、配列番号2の残基120〜129、配列番号2の残基21〜29、配列番号2の残基82〜88、配列番号2の残基89〜95、および配列番号2の残基100〜118に及ぶアミノ酸配列からなる群から選択される配列の少なくともペプチドが決定される、項目1〜54のいずれか1つに記載の方法。
56.前述の少なくとも3つのヒストンが、ヒストンH3であり、配列番号1によるヒストンH3のアミノ酸残基27〜62に及ぶ配列の少なくともペプチドが決定される、項目1〜51のいずれか1つに記載の方法。
57.前述の少なくとも1つのヒストンが、ヒストンH3であり、配列番号3のアミノ酸残基27〜37に、かつ/または配列番号3のアミノ酸残基52〜62に及ぶ配列の少なくともペプチドが決定される、項目1〜56のいずれか1つに記載の方法。
58.前述の少なくとも4つのヒストンが、ヒストンH2Bであり、配列番号1によるヒストンH2Bのアミノ酸残基41〜69に及ぶ配列の少なくともペプチドが決定される、項目1〜51のいずれか1つに記載の方法。
59.前述の少なくとも1つのヒストンが、ヒストンH2Aであり、配列番号7、8、9、および10からなる群から選択される少なくとも1つのペプチドまたはそのフラグメントが決定される、項目1〜59のいずれか1つに記載の方法。
60.前述の少なくとも1つのヒストンが、ヒストンH4であり、配列番号11、12、13、14、15、および16からなる群から選択される少なくとも1つのペプチドまたはそのフラグメントが決定される、項目1〜59のいずれか1つに記載の方法。
61.項目1〜60のいずれか1つに記載の方法を実行するためのキットであって、前述のキットが、
(i)前述の対象の前述の試料中の少なくとも1つのヒストンの前述のレベルを決定するための検出試薬、および
少なくとも1つのヒストンの前述の参照レベルを含む参照データであって、少なくとも1つのヒストンの前述の参照レベルと比較したときの前述の対象の前述の試料中の少なくとも1つのヒストンのレベルの増加が、前述の対象の有害事象の指標である、検出試薬および参照データ、ならびに/または
(ii)前述の対象の前述の試料中のproADMの前述のレベルを決定するための検出試薬、および
proADMの前述の参照レベルを含む参照データであって、
proADMの前述の参照レベルと比較したときの前述の対象の前述の試料中のproADMのレベルの増加が、前述の対象における前述の有害事象の指標である、検出試薬および参照データを含む、キット。
62.項目1〜29のいずれか1つに記載の方法を実行するためのキットであって、前述のキットが、前述の対象の前述の試料中のproADMの前述のレベルを決定するための検出試薬と、proADMの前述の参照レベルを含む参照データとを含み、proADMの前述の参照レベルと比較したときの前述の対象の前述の試料中のproADMのレベルの減少またはproADMの同等のレベルは、前述の対象の有害事象が好ましくは約28日以内に起こらないことの指標である、キット。
63.項目1〜60のいずれか1つに記載の方法における項目61または62に記載のキットの使用。
64.対象の有害事象の診断、予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化のための項目63に記載のキットの使用であって、
(i)少なくとも1つのヒストンの前述のレベルは、前述の対象の前述の試料中で決定され、
前述の少なくとも1つのヒストンの前述のレベルは、少なくとも1つのヒストンの前述の参照レベルと比較され、
前述の対象の前述の有害事象は、前述の試料中で決定された少なくとも1つのヒストンの前述のレベルと少なくとも1つのヒストンの前述の参照レベルとの比較に基づき特定され、かつ/または
(ii)proADMの前述のレベルは、前述の対象の前述の試料中で決定され、
proADMの前述のレベルは、proADMの前述の参照レベルと比較され、
前述の対象の前述の有害事象は、前述の試料中で決定されたproADMの前述のレベルとproADMの前述の参照レベルとの比較に基づき特定される、使用。
65.対象の有害事象の診断、予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化のためのキットの使用であって、
(i)前述のキットは、対象の試料中の少なくとも1つのヒストンのレベルを決定するための検出試薬を含み、
少なくとも1つのヒストンの前述のレベルは、前述の対象の前述の有害事象の指標であり、かつ/または
(ii)前述のキットは、対象の試料中のproADMの前述のレベルを決定するための検出試薬を含み、
前述のproADMの前述のレベルは、前述の対象の前述の有害事象の指標である、使用。
本発明はまた、好ましい実施形態における以下の項目に関する。
1.対象の有害事象の診断、予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化のための方法であって、前述の方法が、
前述の対象の試料中のプロアドレノメジュリン(proADM)のレベルを決定することを含み、proADMの前述のレベルが、前述の対象の前述の有害事象の指標である、方法。
2.
proADMの前述のレベルが、proADMの参照レベルと比較され、
前述の対象の前述の有害事象が、比較に基づき特定される、項目1に記載の方法。
3.
前述のproADMの前述の参照レベルと比較したときの前述の対象の前述のproADMのレベルの減少、またはより低いレベルもしくは同等のレベルは、有害事象が好ましくは約28日以内に起こらないことの指標であるか、あるいは
proADMの参照レベルと比較したときの、proADMのレベルの増加またはproADMのより高いレベルは、前述の対象の前述の有害事象の指標であり、好ましくは、前述の有害事象が約28日以内に起こる、項目1または2に記載の方法。
4.proADMの参照レベルが、約0.7nmol/L〜約2.0nmol/L、好ましくは約0.8nmol/L〜約1.9nmol/Lである、項目1〜3のいずれか1つに記載の方法。
5.前述の有害事象が、死亡である、項目1〜5のいずれか1つに記載の方法。
6.約0.9nmol/Lを超える、好ましくは約1.9nmol/Lを超える、より好ましくは約2.0nmol/Lを超えるproADMのレベルが、約28日以内の対象の非生存の指標である、項目5に記載の方法。
7.約1.0nmol/L未満、好ましくは約0.9nmol/L未満、最も好ましくは約0.88nmol/L未満のproADMのレベルが、対象が約28日以内に生存することの指標である、項目1または2に記載の方法。
8.さらに、前述の対象の逐次臓器不全評価スコア(SOFAスコア)が決定される、項目1〜18のいずれか1つに記載の方法。
9.
proADMの参照レベルは、6以上のSOFAスコアに対応する症状を有する対象について約1.8nmol/Lであるか、
proADMの参照レベルは、7〜12のSOFAスコアに対応する症状を有する対象について約3.2nmol/Lであるか、または
proADMの参照レベルは、13以上のSOFAスコアに対応する症状を有する対象について約5.5nmol/Lである、項目2〜5のいずれか1つに記載の方法。
10.
約1.8nmol/LであるproADMの参照レベルと比較したときの前述の対象のproADMのレベルの減少もしくは同等のレベル、および前述の対象の6以下のSOFAスコアは、前述の有害事象が起こらないことの指標であるか、
約3.2nmol/LであるproADMの参照レベルと比較したときの前述の対象のproADMのレベルの減少もしくは同等のレベル、および前述の対象の7〜12のSOFAスコアは、前述の有害事象が起こらないことの指標であるか、または
約5.6nmol/LであるproADMの参照レベルと比較したときの前述の対象のproADMのレベルの減少もしくは同等のレベル、および前述の対象の13以上のSOFAスコアは、前述の有害事象が起こらないことの指標であり、
好ましくは、前述の有害事象が約28日以内に起こらない、項目1〜20のいずれか1つに記載の方法。
11.
約1.8nmol/LであるproADMの参照レベルと比較したときの前述の対象のproADMのレベルの増加、および前述の対象の6以下のSOFAスコアは、前述の対象の前述の有害事象の指標であるか、
約3.2nmol/LであるproADMの参照レベルと比較したときの前述の対象のproADMのレベルの増加、および前述の対象の7〜12のSOFAスコアは、前述の対象の前述の有害事象の指標であるか、または
約5.6nmol/LであるproADMの参照レベルと比較したときの前述の対象のproADMのレベルの増加、および前述の対象の13以上のSOFAスコアは、前述の対象の前述の有害事象の指標であり、
好ましくは、前述の有害事象が約28日以内に起こる、項目1〜20のいずれか1つに記載の方法。
12.前述の対象のSOFAスコアが、前述の対象のproADMのレベルに基づき増加し、前述の修正SOFAスコアが、前述の有害事象の指標である、項目19〜23のいずれか1つに記載の方法。
13.対象のSOFAスコアは、対象が約1.8nmol/Lよりも高いproADMレベルを有する場合に1増加する、項目12に記載の方法。
14.前述のproADMのレベルの増加は、proADMの前述の参照レベルの約2倍高い、項目3〜5および9〜13のいずれか1つに記載の方法。
15.前述のproADMが、中間領域プロアドレノメジュリン(MR−proADM)または成熟ADMである、項目1〜14のいずれか1つに記載の方法。
16.前述の対象のproADMの前述のレベルが、28日以内に起こる前述の対象の前述の有害事象、好ましくは死亡の指標である、項目1〜12のいずれか1つに記載の方法。
17.前述の方法が、少なくとも1つのヒストンのレベル、前述の試料中のプロカルシトニン(PCT)のレベル、単純化急性生理学スコア(SAPSIIスコア)、前述の対象の急性生理学および慢性健康評価II(APACHE II)スコア、前述の対象の肺炎重症度指数(PSI)スコア、および前述の対象のCURB−65スコアからなる群から選択される、前述の対象の少なくとも1つのマーカーおよび/またはパラメータを決定することをさらに含む、項目1〜16のいずれか1つに記載の方法。
18.マーカーまたはパラメータのレベルが、前述の対象の入院から約12時間の間に決定される、項目17に記載の方法。
19.proADMの前述のレベルが、前述の対象の入院から約12時間の間に決定される、項目1〜18のいずれか1つに記載の方法。
20.前述の方法が、前述の対象のproADMの前述のレベルおよびSOFAスコアを決定することを含む、項目1〜19のいずれか1つに記載の方法。
21.前述の対象が、疾患または病状を患っている、項目1〜20のいずれか1つに記載の方法。
22.前述の対象が、重篤な患者であり、好ましくは前述の対象が、集中治療室または救急科に入院し、好ましくは前述の対象が、集中治療室に入院する、項目1〜21のいずれか1つに記載の方法。
23.前述の対象が、疾患または病状を患っており、前述の疾患または病状が、呼吸器疾患、尿路感染症、感染性および非感染性の病因に関連した炎症反応、全身性炎症反応症候群(SIRS)、敗血症、重症敗血症、敗血症性ショック、臓器不全(複数可)、心血管疾患、糖尿病、悪性腫瘍、肝疾患、腎疾患、免疫抑制(immunodepression)、ウイルス感染症、真菌感染症、細菌感染症、グラム陰性細菌感染症、グラム陽性細菌感染症、ならびに免疫抑制(immunosuppression)からなる群から選択される、項目1〜22のいずれか1つに記載の方法。
24.前記対象が、敗血症を患っている、項目1〜23のいずれか1つに記載の方法。
25.前述の対象が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)を患っている対象、放射線治療を受けている対象、および/または免疫抑制薬を受けている対象などの免疫抑制対象である、項目1〜24のいずれか1つに記載の方法。
26.前述の試料が、体液、血液、血漿、血清、または尿である、項目1〜25のいずれか1つに記載の方法。
27.proADMの前述のレベルが、質量分析法(MS)、発光イムノアッセイ(LIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、化学発光および蛍光イムノアッセイ、酵素イムノアッセイ(EIA)、酵素結合イムノアッセイ(ELISA)、発光ベースのビーズアレイ、磁気ビーズベースのアレイ、タンパク質マイクロアレイアッセイ、迅速試験フォーマット、ならびに希土類クリプテートアッセイからなる群から選択される方法を使用して決定される、項目1〜26のいずれか1つに記載の方法。
28.方法が、イムノアッセイであり、アッセイは、均一相または不均一相中で実施される、項目27に記載の方法。
29.方法が、
a)試料を
(i)はproADMの第1のエピトープに特異的な第1の抗体またはその抗原結合フラグメントもしくは誘導体と、かつ
(ii)proADMの第2のエピトープに特異的な第2の抗体またはその抗原結合フラグメントもしくは誘導体と接触させるステップと、
b)第1および第2の抗体またはその抗原結合フラグメントもしくは誘導体の、proADMへの結合を検出するステップと、を含む、イムノアッセイである、項目28に記載の方法。
30.前述の第1または第2の抗体のうちの一方が標識され、他方の抗体が固相に結合されるか、または固相に選択的に結合されることが可能である、項目29に記載の方法。
31.第1の抗体および第2の抗体が、液体反応混合物中に分散して存在し、蛍光または化学発光消光または増幅に基づく標識系の一部である第1の標識成分が、第1の抗体に結合され、前述の標識系の第2の標識成分が、第2の抗体に結合され、これにより、検出されるべき両方の抗体の前述のproADMへの結合後、測定溶液中の得られたサンドイッチ錯体の検出を可能にする測定可能なシグナルが発生する、項目29または30に記載の方法。
32.標識系が、希土類クリプテートまたはキレートを、特にシアニンタイプの蛍光または化学発光染料と組み合わせて含む、項目31に記載の方法。
33.項目1〜32のいずれか1つに記載の方法を実行するためのキットであって、前述のキットが、前述の対象の前述の試料中のproADMの前述のレベルを決定するための検出試薬と、proADMの前述の参照レベルを含む参照データとを含み、proADMの前述の参照レベルと比較したときの前述の対象の前述の試料中のproADMのレベルの増加が、前述の対象の有害事象の指標である、キット。
34.項目1〜32のいずれか1つに記載の方法を実行するためのキットであって、前述のキットが、前述の対象の前述の試料中のproADMの前述のレベルを決定するための検出試薬と、proADMの前述の参照レベルを含む参照データとを含み、proADMの前述の参照レベルと比較したときの前述の対象の前述の試料中のproADMのレベルの減少またはproADMの同等のレベルは、前述の対象の有害事象が約28日以内に起こらないことの指標である、キット。
35.項目1〜29のいずれか1つに記載の方法における項目33または34に記載のキットの使用。
36.対象の有害事象の診断、予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化のための項目33または34に記載のキットの使用であって、
proADMの前述のレベルは、前述の対象の前述の試料中で決定され、
proADMの前述のレベルは、proADMの前述の参照レベルと比較され、
前述の対象の前述の有害事象は、前述の試料中で決定されたproADMの前述のレベルとproADMの前述の参照レベルとの比較に基づき特定される、使用。
37.対象の有害事象の診断、予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化のためのキットの使用であって、
前述のキットは、対象の試料中のproADMの前述のレベルを決定するための検出試薬を含み、
前述のproADMの前述のレベルは、前述の対象の前述の有害事象の指標である、使用。
38.前述の比較が、コンピュータシステムで実施される、項目2〜32のいずれか1つに記載の方法。
39.決定されたproADMの値が、対象における有害事象の前述の診断、予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化の指標であるスコアの計算に使用される、項目1〜32に記載の方法。
40.加えて、対象の少なくとも1つのさらなるマーカーおよび/またはパラメータが、前述のスコアの計算に使用される、項目40に記載の方法。
41.前述の対象の少なくとも1つのさらなるマーカーおよび/またはパラメータが、少なくとも1つのヒストンのレベル、前述の試料中のプロカルシトニン(PCT)のレベル、単純化急性生理学スコア(SAPSIIスコア)、前述の対象の急性生理学および慢性健康評価II(APACHE II)スコア、前述の対象の肺炎重症度指数(PSI)スコア、および前述の対象のCURB−65スコアからなる群から選択される、項目40に記載の方法。
本明細書で使用される場合、「備える」および「含む」という用語またはその文法的変化形は、少なくとも述べられた特徴、整数、ステップ、または構成要素を特定するものとして解釈されるべきであるが、1つの以上の追加の特徴、整数、ステップ、構成要素、またはその群の追加を除外するものではない。この用語は、記載された特徴、整数、ステップ、または追加の特徴を除外したステップまたは構成要素のみを特定すると理解される用語「からなる」および「から本質的になる」を包含する。
したがって、「含む」/「含む」/「有する」という用語は、任意のさらなる構成要素(または同様に特徴、整数、ステップなど)が存在し得ることを意味する。
「からなる」という用語は、さらなる構成要素(または同様の特徴、整数、ステップなど)が存在しないことを意味する。
「から本質的になる」という用語またはその文法的変化形は、本明細書で使用される場合、述べられた特徴、整数、ステップ、または構成要素を特定するものと解釈されるべきであるが、1つ以上の追加の特徴、整数、ステップ、構成要素、またはその群の追加を除外しないが、それらの追加の特徴、整数、ステップ、構成要素、またはその群が、請求されている組成物、装置、または方法の基本的で新規な特徴を実質的に変化させない場合のみである。
したがって、「から本質的になる」という用語は、特定のさらなる成分(または同様に特徴、整数、工程など)が存在し得ること、すなわち組成物、デバイスまたは方法の本質的な特徴に実質的に影響を及ぼさないものを意味する。言い換えれば、「から本質的になる」という用語(本明細書では「実質的に含む」という用語と互換的に使用することができる)は、必須の構成要素(または同様の特徴)に加えて組成物、装置または方法における他の構成要素の存在を可能にする。ただし、装置または方法の本質的な特徴は他の構成要素の存在によって実質的に影響されない。
「方法」という用語は、所与のタスクを達成するための方法、手段、技術および手順を指し、これらに限定されないが、既知の方法、手段、技法および手順から容易に開発される方法、手段、技法および手順を含む。化学、生物学および生物物理学的分野の専門家による。
「約」という用語は、好ましくは指示された数値の±10%、より好ましくは指示された数値の±5%、そして特に指示された正確な数値を指す。
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、示された数値の±10%、具体的には、示された数値の±5%を指す。「約」という用語が使用されるときはいつでも、示された正確な数値への具体的な言及も含まれる。「約」という用語が、所与の核酸中のヌクレオチドの数などの整数で定量化されるパラメータと関連して使用される場合、示された数値の±10%または±5%に対応する数は、最も近い整数に四捨五入される。例えば、表現「約25アミノ酸」は、23〜28アミノ酸の範囲、特に24〜26アミノ酸の範囲を指し、そして好ましくは25アミノ酸の具体的な値を指す。
診断試験および/または予後試験の感度および特異性は、試験の分析の「品質」だけに依存するのではなく、それらはまた、異常な結果を構成するものの定義にも依存する。実際には、受信者動作特性曲線(ROC曲線)は、典型的には、「正常」(すなわち、出生前障害または状態を有さない明らかに健康な個人)および「疾患」集団、例えば、有害事象、例えば、死亡を経験している/有している/患っている対象において、変数対その相対頻度の値をプロットすることによって計算される。(MR−proADMのような)いずれかの特定のマーカーについて、疾患/状態のあるなしにかかわらず対象についてのマーカーレベルの分布はおそらく重複するであろう。そのような条件下では、試験は、正常と疾患を100%の精度で完全に区別することはなく、重複の領域は、試験が正常と疾患を区別できない場所を示している可能性がある。それより下では試験は異常であると考えられ、それより上では試験は正常であると考えられ、またはそれを下回るまたは上回ると特定の条件、例えば異常事象を示す閾値が選択される。ROC曲線の下の面積は、知覚された測定値が状態の正しい識別を可能にするであろう確率の尺度である。試験結果が必ずしも正確な数を与えない場合でも、ROC曲線が使用され得る。結果をランク付けできる限り、ROC曲線を作成することができる。例えば、「疾患」試料(または有害事象)に関する試験の結果は、程度に応じてランク付けされ得る(例えば、1=低い、2=正常、および3=高い)。このランク付けは、「正常な」集団の結果と相関し得、ROC曲線が作成され得る。これらの方法は、当該技術分野において周知であり、例えば、Hanley et al.1982.Radiology 143:29−36を参照されたい。好ましくは、閾値は、約0.5より大きい、より好ましくは約0.7より大きい、さらにより好ましくは約0.8より大きい、さらにより好ましくは約0.85より大きい、最も好ましくは約0.9より大きいROC曲線面積を提供するように選択される。この文脈における「約」という用語は、所与の測定値の+/−5%を指す。
ROC曲線の横軸は(1−特異性)を表し、これは偽陽性の割合と共に増加する。曲線の縦軸は、感度を表し、これは真陽性率と共に増加する。したがって、選択された特定のカットオフについて、(1−特異性)の値が決定され得、対応する感度が得られ得る。ROC曲線下の面積は、測定されたマーカーレベルが有害事象、特に死亡の正確な特定を可能にするであろう確率の尺度である。したがって、ROC曲線下面積は試験の有効性を決定するために使用することができる。
他の実施形態では、陽性尤度比、陰性尤度比、オッズ比、またはハザード比は、リスクを予測するか、または障害もしくは状態(有害転帰)、すなわち、「罹患群」を診断する試験の能力の尺度として使用される。陽性尤度比の場合、1の値は、陽性の結果が「罹患」群と「対照」群の両方の対象間で等しく起こり得ることを示し、1より大きい値は、陽性の結果が罹患群においてより起こり得ることを示し、1未満の値は、陽性の結果が対照群においてより起こり得ることを示す。陰性尤度比の場合、1の値は、陰性の結果が「罹患」群と「対照」群の両方の対象間で等しく起こり得ることを示し、1より大きい値は、陰性の結果が試験群においてより起こり得ることを示し、1未満の値は、陰性の結果が対照群においてより起こり得ることを示す。
オッズ比の場合、1の値は、陽性の結果が「罹患」群と「対照」群の両方の対象間で等しく起こり得ることを示し、1より大きい値は、陽性の結果が罹患群においてより起こり得ることを示し、1未満の値は、陽性の結果が対照群においてより起こり得ることを示す。
ハザード比の場合、1の値は、エンドポイントの相対リスク(例えば、死亡)が「罹患」群と「対照」群の両方において等しいことを示し、1より大きい値は、リスクが罹患群においてより大きいことを示し、1未満の値は、リスクが対照群において大きいことを示す。
診断指標または予後指標と、診断または将来の臨床転帰の予後リスクとの関連付けは統計分析であることを当業者は理解するであろう。例えば、Xより低いマーカーレベルは、患者が、統計的有意性のレベルによって決定されるように、X以上のレベルを有する患者よりも有害事象/転帰を患う可能性が高いことを示し得る。加えて、ベースラインレベルからのマーカー濃度の変化は、患者の予後診断を反映するものであり得、マーカーレベルの変化の程度は、有害事象の重症度に関連し得る。統計的有意性は、多くの場合、2つ以上の集団を比較し、信頼区間および/またはp値を決定することによって決定され、例えば、Dowdy and Wearden,Statistics for Research,John Wiley&Sons,New York,1983を参照されたい。好ましいp値であるが、本発明の好ましい信頼区間は、90%、95%、97.5%、98%、99%、99.5%、99.9%および99.99%である0.1、0.05、0.025、0.02、0.01、0.005、0.001、0.0001。
別途記載のない限り、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるSambrook,Russell“Molecular Cloning,A Laboratory Manual”,Cold Spring Harbor Laboratory,N.Y.(2001))に記載されるように、確立された組換え遺伝子技術の方法を使用した。
本発明は、以下の非限定的な図面を参照することによってさらに説明される。
28日目の死亡予測のためのカプラン・マイヤー分析 28日目の非生存者を特定するためのAUROC分析(全コホート) 3つの重症度群におけるバイオマーカーレベルに応じて28日目の非生存者を特定するためのAUROC分析。 SOFAスコアに基づき28日目の非生存者を特定するためのAUROC分析。
以下の非限定的な実施例を参照することにより本発明をさらに説明する。
実施例1
方法:
調査対象母集団
2013年6月1日から2014年6月14日まで「centre hospitalier universitaire(CHU)de Dijon Bourgogne」の医療集中治療室に入院した237人の重篤な患者を臨床研究に連続的に登録した。18歳未満の患者を除外した。この研究は、施設内)治験審査委員会によって承認された。登録前に、書面によるインフォームドコンセントを患者自身から、または患者の近親者から得た。全ての患者は心血管疾患、真性糖尿病、悪性疾患、呼吸器疾患、肝疾患、腎臓病および免疫抑制を含む広範囲の疾患を示し、退院または病院での死亡までモニターされた。医療記録の遡及的レビュー、撮像、および微生物学的結果に基づき、2人の独立した医師が、国際的標準基準に従って、入院当日の患者を非敗血症(全身性炎症反応症候群(SIRS)または無SIRS)、重症敗血症、または敗血症性ショックに分類した(Bone,Balk et al.1992)。入院日、すなわち最初の24時間に血液試料を採取した。病歴、身体診察の結果、定期的な血液分析(例:血液培養)、臨床検査以外の診断検査(例:SIRS基準、臓器不全基準)、治療的介入(例:人工呼吸器(MV)、バソプレッサ)を含むベースライン人口統計および臨床データ腎代替療法(RRT))と結果のパラメータ(例:入院期間、全死亡率)を記録した。6つの臓器パラメータに基づく逐次臓器不全評価スコア(SOFAスコア)、および17個の主に生理学の変数に基づく単純化急性生理学スコア(SAPS II)を入院時に計算した(Le Gall,Lemeshow et al.1993、Vincent,Moreno et al.1996)。
バイオマーカー
血清乳酸レベルは、Roche Diagnostics、Meylan、Franceからのe501モジュールアナライザーを使用する比色アッセイによって測定した。乳酸塩の参照限界は、0.5〜2.2mmol/Lであった。
MR−proADM(中間領域プロアドレノメジュリン)、コペプチン、およびPCT(プロカルシトニン)レベルを、KRYPTORランダムアクセス分析器(Thermo Scientific B・R・A・H・M・S)などの超高感度アッセイを使用して、血漿試料中で決定した。ヒストンH2A、H2B、H3およびH4のレベル、ならびにアルドラーゼBのレベルは、例えば、以下に記載されるように、選択反応モニタリングまたは多重反応モニタリング(SRM/MRM)アッセイによって血漿試料中で決定された。マーカーに由来する特異的ペプチドは、LC−MS/MS技術(TSQ Quantiva質量分析計(MS);ThermoFisher Scientific)によって測定した。各ペプチドについて同定されたペプチド配列およびその断片化イオン、いわゆる遷移は、血液試料中のマーカータンパク質レベルを監視するための有用な代理であることが見出された。同位体的に重く標識され得る合成ペプチドに対して最適化を行った。シグナル対ノイズに関して最良のペプチドを選択した。最適な滞留時間と、少なくともベスト4つの遷移は、各ペプチドのために設定された。
例示的なMS定量化ならびにペプチドおよび遷移の選択
5μLの各臨床血漿試料を20μLの8M尿素/2.5%n−プロパノール/300mMトリス/10mM DTT pH8.5に添加し、そして37℃で1時間インキュベートした。1M重炭酸アンモニウム中で調製した500mMヨード酢酸を各試料ウェルに添加し、暗所において室温で1時間インキュベートした。113μLの50mM Tris/5mM CaCl2 pH 8.0を各ウェルに添加した。トリプシン(Thermo Fisher Scientific)を150μLの25mM酢酸で再水和し、1:10(全タンパク質含有量:プロテアーゼ)の比率で添加し、37℃で20時間インキュベートする。最後に、2μLのギ酸を添加して消化をクエンチした。次いでグルカゴン(1ng/μL)および標準的な重鎖ペプチドを注射前に添加した。
SRMアッセイは、HPLC Ultimate 3000(Thermo Fisher Scientific)と組み合わせた三連四重極質量分析計TSQ Quantivaで開発した。逆相分離は、5から40%Bまでの20分の直線勾配で、40分の総運転時間で行った(溶媒A:水0.2%FA、溶媒B:ACN 0.2%FA)。直線勾配中の流速を240μL/分に設定した。総注入体積は、曲線上の全ての試料および点に対して160μLであった。150mm×2.1mmのAccucore aQカラム(ThermoFisher Scientific)を50℃の温度で運転した。
13 Cおよび15 N標識アルギニンまたはリジン(ThermoFisher ScientificまたはNew England Peptide)を組み込んだ重標識合成ペプチドに対して最適化を行った。衝突エネルギー、チューブレンズ、および滞留時間などの個々の機器パラメータを、全ての遷移について自動的に試験した。複数回反復した後、ペプチドおよびトランジションの最適化リスト(すなわち、最高強度のシグナルおよび他のトランジションとの重複が最も少ない)、および対応する保持時間を、選択したペプチドあたり少なくとも4つのフラグメントトランジションで確定した。
クロマトグラフィー分離において軽および重標識遷移を共溶出することによってペプチドを同定した。ピンポイント(Thermo Fisher Scientific)およびスカイライン(MacCoss Lab)ソフトウェアを時間整列、遷移の相対的定量化および標的タンパク質の定量化に使用した。
マーカーの相対的および絶対的定量化は、以下に記載されるような例示的方法を使用することによって行われた。
相対定量化:
1.生物学的試料中で検出された所与のペプチドからのSRMシグネチャーピーク面積を、少なくとも第2、第3、第4またはそれ以上の生物学的試料中の同じフラグメントペプチドの同じSRMシグネチャーピーク面積と比較することによってマーカーの存在の増加または減少を決定する。
2.生物学的試料中で検出された所与のペプチドからのSRMシグネチャーピーク面積を、異なる別々の生物学的供給源から得られた他の試料中の他のタンパク質からのフラグメントペプチドから生じたSRMシグネチャーピーク面積と比較することによるペプチドフラグメントについての2つの試料間のSRMサインピーク面積比較は、各試料において分析されたタンパク質の量に対して正規化される。
3.マーカーの変化するレベルを、様々な細胞条件下でそれらの発現レベルを変化させない他のタンパク質のレベルに正規化するために、所与のペプチドについてのSRMシグネチャーピーク面積を、同じ生体試料内の異なるタンパク質に由来する他のフラグメントペプチドからのSRMシグネチャーピーク面積と比較することによって、マーカーの存在の増加または減少を決定する。
4.これらのアッセイは、未修飾フラグメントペプチドおよび修飾フラグメントペプチド、例えば、修飾が含まれるが、リン酸化および/またはグリコシル化、アセチル化、メチル化(モノ、ジ、トリ)、シトルリン化、ユビキチン化の両方に適用された。修飾ペプチドの相対量は、未修飾ペプチドの相対量を決定するのと同じ方法で決定した。
所与のペプチドの絶対定量化:
個々の生物学的試料中のマーカーからの所与のフラグメントペプチドについてのSRM/MRMシグネチャーピーク面積を、生物学的試料からタンパク質溶解物中にスパイクした内部フラグメントペプチド標準のSRM/MRMシグネチャーピーク面積と比較する。
内部標準は、調べられていたマーカータンパク質または標識された組換えタンパク質由来のフラグメントペプチドの標識された合成バージョンであった。この標準を消化の前または後に既知量で試料にスパイクし、そして生物学的試料中の内部フラグメントペプチド標準および天然フラグメントペプチドの両方について別々にSRM/MRMシグネチャーピーク面積を決定し、続いて両方のピーク面積を比較した。
そのようなアッセイは、修飾が含まれるがこれらに限定されない、未修飾フラグメントペプチドおよび修飾フラグメントペプチドに適用された。未修飾ペプチドの絶対レベルを決定するのと同じ方法で、修飾ペプチドを決定した。
ヒストンH4もイムノアッセイにより測定した。ヒストンH4イムノアッセイ(H4 IA)は、MagPlex−C Micropheres(Luminex,Austin Texas)に結合された合成ペプチド(配列番号1のアミノ酸46〜56)に対するマウスモノクローナル抗体(mAb)、および合成ペプチド(配列番号1のアミノ酸67〜78)に対するビオチン化ヒツジポリクローナル抗体(pAb)からなる。合成ペプチド(配列番号1のアミノ酸46〜102)を標準物質として使用した。試料は、xPonent 4.2システムを備えたMAgPix(Luminex、Austin Texas)で測定した。データは、JMP−12(SAS統計ソフトウェア、英国)からの5パラメータロジスティック回帰を用いて分析した。
統計分析
全ての分析はソフトウェアR 3.0.2を用いて実施した。
データは、括弧内に中央値および四分位数範囲[IQR]として表されている。
分析された全てのバイオマーカーは非常に右に傾いた分布を示すので、モデル適合に対する極値の影響を減少させるために回帰モデルに含める前に値をlog10変換した。
定量化限界(LoQ)を下回る値を、LoQを下回る小さい値で置き換えた。欠測値は置き換えなかった。各モデルは、モデルにおける全ての変数に関する完全なデータを有する全ての患者を含む。
0.05未満のP値を有意と見なした。
生存分析のために、必要に応じて、ICU入院後3、7または28日目に追跡調査を打ち切った(最大追跡調査期間(FUP))。評価されたFUPの前に追跡調査に属していない患者(すなわち、早期退院または別の病棟への移動のため)を、ICUへの彼らの最後の訪問日に打ち切った。最大のFUPで生存している患者をこの日に打ち切った。時間依存的転帰変数については、コックス回帰モデルを使用した。表示される結果は、尤度比X2検定(L.R.X2およびp値)、C指数(Harrel)、ならびに標準化ハザード比(HR)である。本明細書中のハザード比は、バイオマーカーレベルにおける2倍の変化(バイオマーカーの上位対下位四分位数)を指す。調整モデルでは、モデル性能に対するバイオマーカーの追加の効果を決定するために調整変数をモデルに含めた。
結果:
研究集団は237人の患者を含んでいた。2人の患者(1人のSIRSなしの患者、1人の敗血症患者)は、死亡データの相反する実証により分析から除外しなければならなかった。172人の患者(73%)が重症敗血症または敗血症性ショックを示し、15人の患者(6%)がSIRSを示し、49人の患者(21%)がSIRSを示さなかった。年齢の中央値は、67[59〜77歳]であった。患者の大多数は、男性であった(60%)。最も頻度の高い基礎疾患は、心血管疾患(35%)、糖尿病(31%)、および悪性腫瘍(27%)であり、呼吸器疾患(16%)、肝臓病(12%)、腎臓病(12%)、および免疫抑制(7%)が続いた。最も頻度の高い感染部位は、下気道(46%)および尿路(45%)であった。SAPS IIスコア(56[40〜69点]点)およびSOFAスコア(9[6〜12点]点)は、入院時に増加した。臓器不全は、最も頻繁には呼吸不全(61%)、循環性ショック(56%)、および腎不全(41%)であった。したがって、ICU滞在中に多くの患者がMV(78%)、昇圧薬(68%)、およびRRT(37%)を必要とした。全ての原因のICU死亡率は、32%であり、ICU滞在期間の中央値は、5.4[2.5〜10.6]日であった。
年齢および性別で調整した単変量および二変量コックス回帰モデルを使用して、235人の重篤な患者全員における短期(例えば、3日目および7日目、すなわち、3日間および7日間)ならびに長期(28日目、すなわち、28日間)の死亡を分析した。ICU入院後、23人の患者(10%)が3日目までに死亡し、49人の患者(21%)が7日までに死亡し、74人の患者(32%)が28日までに死亡した。さらに、年齢および性別について調整された単変量コックス回帰モデルを使用して、下気道感染症、尿路感染症(UTI)および悪性腫瘍を有する患者の亜集団における死亡を分析した。下気道感染症患者109人中27人(25%)が7日目までに死亡し、UTI患者94人中34人(36%)が悪性腫瘍患者64人中16人(25%)で死亡したICU入院後7日目までに死亡した。生存者と非生存者を区別する各コックス回帰モデルの検出力は、0〜1の範囲のC指数によって反映され、最良の予測コックス回帰モデルは、1に近いC指数を得る。加えて、HRは、より悪い予後を示すHR>0および変数の保護効果を示すHR<0で計算される。
全ての分析された変数の中で、ICU入院時のSAPS IIスコアは、235人の重篤な患者全員において、3日(C指数0.876、IQR当たりのHR 8.42)、7日(C指数0.809、IQR当たりのHR 5.15)、および28日(C指数0.776、IQR当たりのHR 4.19)死亡において最良の予測を示し、3日(C指数0.866、IQR当たりのHR 6.68)および7日死亡(C指数0.778、IQR当たりのHR 3.82)の予測におけるICU入院時のSOFAスコアが後に続く(表1〜表3)。同様の結果が、敗血症患者のサブグループにおいて、かつSAPS IIスコアに対する下気道感染症を有する重篤な患者における7日死亡(C指数0.773、IQR当たりのHR 3.47)の予測に関して得られる(表4)。
比較すると、MR−proADMは、全ての重篤な患者において、ICU入院後7日目(C指数0.769、IQR当たりのHR 4.53)および28日目(C指数0.765、IQR当たりのHR 4.86)に全てのバイオマーカーの中で生存者と非生存者を最も良く区別する(表2、3)。それは、全ての重篤な患者における28日目の死亡の予測において、SOFAスコアより優れている(表3)。同様の結果が敗血症患者のサブグループにおいても得られる。二変量解析では、MR−proADMは、全ての重篤な患者において、7日死亡の予測に対するSAPS IIまたはSOFAの性能(SAPS II単独のC指数0.809と比較して、SAPS IIおよびMR−proADMの組み合わせたモデルのC指数0.832)、ならびに28日死亡の予測に対するSAPS IIの性能(SAPS II単独のC指数0.776と比較して、SAPS IIおよびMR−proADMの組み合わせたモデルのC指数0.810)を改善する(表2、表3)。これらの患者における3日死亡の予測に対するSAPS IIまたはSOFAおよびMR−proADMの組み合わせたモデルでは、予後値の改善がない(表1)。
他のバイオマーカーおよびスコアと比較して、PCT(例、C指数0.689、全ての重症患者の28日死亡の予測にはIQR 1.90)、およびアルドラーゼB(例、28日死亡の予測にはC指数0.667、IQRあたりHR 1.47 ICU入院時に、全ての重症患者またはそのサブグループにおいて死亡と中等度の関連を示す(例、表1)。しかしながら、二変量コックス回帰モデルでは、PCTは、全ての重篤な患者における28日死亡の予測に対するSAPS IIまたはSOFAの予後値を改善する(例えば、SAPS IIおよびPCTの組み合わせたモデルは、単変量分析におけるSAPS IIの0.776と比較して、0.786のC指数をもたらす)(例えば、表3)。加えて、アルドラーゼBを含む二変量コックス回帰モデルは、全ての重篤な患者におけるMR−proADMと7日死亡との関連性を改善する(0.769のC指数を有するMR−proADMの一変量モデルと比較して、0.780のC指数を有するMR−proADMおよびアルドラーゼBの組み合わせたモデル)(表2)。他の死亡分析において、PCTまたはアルドラーゼBからSAPS II、MR−proADM、またはヒストンによって、予測はさらに改善されなかった(表1〜表3)。
ICU入院時のヒストンH2A、H2B、H3、およびH4のレベルは、全ての重篤な患者において、3日(例えば、H2B C指数0.793、IQR当たりのHR 2.76)、7日(例えば、H2B C指数0.768、IQR当たりのHR 2.40)、および28日(例えば、H2B C指数0.752、IQR当たりのHR 2.40)死亡と強く関連していた(表1〜表3)。同様の結果が敗血症患者のサブグループにおいても得られる。全てのヒストンの中でH2Bが最もよく機能し、H4、H2A、およびH3がそれに続く(表1〜表6)。ヒストンH2A、H2B、H3、およびH4の性能を他のバイオマーカーと比較すると、短期(3および7日)死亡に対するヒストンの顕著な予後値があり、すなわち、一方で、H2Bは、28日死亡の予測においてMR−proADMより劣る可能性がある(MR−proADM C指数0.765対H2B C指数0.752)。全ての重篤な患者において、H2BおよびMR−proADMは、7日死亡と同等に関連しており(H2B C指数0.793対MR−proADM C指数0.786)、H2Bは、3日死亡の予測に関してMR−proADMより優れている(H2B C指数0.768対MRproADM C指数0.769)(表1〜表3)。
二変量コックス回帰モデルでは、ヒストンH2A、H2B、H3、およびH4は、SAPS IIまたはSOFA(例えば、28日死亡の予測に対するSAPS II C指数0.776の単変量モデルと比較して、H2BおよびSAPS II Cの組み合わせたモデル C指数0.811)ならびにMR−proADM(28日死亡の予測に対するMR−proADM C指数0.765の単変量モデルと比較して、H2BおよびMR−proADMの組み合わせたモデル C指数0.795)の性能を改善する(表1〜表3)。下気道感染症を有する重篤な患者では、ICU入院時のヒストンH2A、H2B、H3、およびH4は、バイオマーカーの中で7日死亡の最良の予測因子である(例えば、H2B C指数0.785、IQR当たりのHR 2.56)(表4)。UTIを有する重篤な患者では、ヒストンH2A、H2B、H3、およびH4は、ICU入院時の全ての変数の中で28日死亡と最も強く関連している(例えば、H2B C指数0.764、IQR当たりのHR 2.52)(表5)。ICU入院時のヒストンH2A、H2B、H3、およびH4は、悪性腫瘍を有してICUに入院した重篤な患者の全変数の中で7日死亡と最も強い関連を示す(例えば、H2B C指数0.815、IQR当たりのHR 4.79)(表6)。
表1:ユニおよび全ての批判の患者における3日間の死亡のbivariable Cox回帰分析
重症患者の総数(n)235人のうちの24人の患者が、ICU入院後3日目までに死亡した(事象)。ICU入院時に測定されたスコアまたはバイオマーカーは、モデルに含まれる。全ての単変量または二変量モデルは、年齢および性別で調整される。自由度(df)は、含まれる変数および調整の数を反映する。表示される結果は、尤度比X2検定(L.R.X2およびp値)、C指数(Harrel)、ならびに標準化ハザード比(HR)、さらに四分位範囲(IQR)または2倍変化のいずれかの95%信頼区間(CI)である。(SAPS II:簡易急性生理スコアII;SOFA:逐次的臓器不全評価;MR−proADM:中部プロアドレノメジュリン;PCT:プロカルシトニン;ヒストンはヒストンH2A、H2B、H3およびH4により表され;H4もまたイムノアッセイにより測定された))。
表2:全ての重篤な患者における7日死亡の単変量および二変量コックス回帰分析
重症患者の総数(n)235人のうちの49人の患者が、ICU入院後7日目までに死亡した(事象)。ICU入院時に測定されたスコアまたはバイオマーカーは、モデルに含まれる。全ての単変量または二変量モデルは、年齢および性別で調整される。自由度(df)は、含まれる変数および調整の数を反映する。表示される結果は、尤度比X2検定(L.R.X2およびp値)、C指数(Harrel)、ならびに標準化ハザード比(HR)、さらに四分位範囲(IQR)または2倍変化のいずれかの95%信頼区間(CI)である。(SAPS II:簡易急性生理スコアII;SOFA:逐次的臓器不全評価MR−proADM:中領域プロアドレノメジュリン;PCT:プロカルシトニン;ヒストンはヒストンH2A、H2B、H3およびH4により表され;H4もまたイムノアッセイにより測定された(IA))
表3:全ての重篤な患者における28日死亡の単変量および二変量コックス回帰分析
重症患者の総数(n)235人のうちの74人の患者がICU入院後3日目までに死亡した(事象)。ICU入院時に測定されたスコアまたはバイオマーカーは、モデルに含まれる。全ての単変量または二変量モデルは、年齢および性別で調整される。自由度(df)は、含まれる変数および調整の数を反映する。表示される結果は、尤度比X2検定(L.R.X2およびp値)、C指数(Harrel)、ならびに標準化ハザード比(HR)、さらに四分位範囲(IQR)または2倍変化のいずれかの95%信頼区間(CI)である。(SAPS II:簡易急性生理スコアII;SOFA:逐次的臓器不全評価MR−proADM:中領域プロアドレノメジュリン;PCT:プロカルシトニン;ヒストンはヒストンH2A、H2B、H3およびH4により表され;H4もまたイムノアッセイにより測定された(IA))
表4:下気道感染症を有する重篤な患者における7日死亡の単変量コックス回帰分析
下気道感染症の重症患者の総数(n)109人のうちの27人の患者が、ICU入院後7日目までに死亡した(事象)。ICU入院時に測定されたスコアまたはバイオマーカーは、モデルに含まれる。全ての単変量または二変量モデルは、年齢および性別で調整される。自由度(df)は、含まれる変数および調整の数を反映する。表示される結果は、尤度比X2検定(L.R.X2およびp値)、C指数(Harrel)、ならびに標準化ハザード比(HR)、さらに四分位範囲(IQR)または2倍変化のいずれかの95%信頼区間(CI)である。(SAPS II:簡易急性生理スコアII;SOFA:逐次的臓器不全評価MR−proADM:中領域プロアドレノメジュリン;PCT:プロカルシトニン;ヒストンはヒストンH2A、H2B、H3およびH4で表される)もまたイムノアッセイ(IA)により測定した
表5:尿路感染症を有する重篤な患者における28日死亡の単変量コックス回帰分析
尿路感染症の重症患者の総数(n)94人のうち34人の患者が、ICU入院後28日目までに死亡した(事象)。ICU入院時に測定されたスコアまたはバイオマーカーは、モデルに含まれる。全ての単変量または二変量モデルは、年齢および性別で調整される。自由度(df)は、含まれる変数および調整の数を反映する。表示される結果は、尤度比X2検定(L.R.X2およびp値)、C指数(Harrel)、ならびに標準化ハザード比(HR)、さらに四分位範囲(IQR)または2倍変化のいずれかの95%信頼区間(CI)である。(SAPS II:簡易急性生理スコアII;SOFA:逐次的臓器不全評価MR−proADM:中領域プロアドレノメジュリン;PCT:プロカルシトニン;ヒストンはヒストンH2A、H2B、H3およびH4により表され;H4もまたイムノアッセイにより測定された(IA))
表6:悪性腫瘍を有する重篤な患者における7日死亡の単変量コックス回帰分析
悪性腫瘍の重症患者の総数(n)64人のうち16人の患者が、ICU入院後7日目までに死亡した(事象)。ICU入院時に測定されたスコアまたはバイオマーカーは、モデルに含まれる。全ての単変量または二変量モデルは、年齢および性別で調整される。自由度(df)は、含まれる変数および調整の数を反映する。表示される結果は、尤度比X2検定(L.R.X2およびp値)、C指数(Harrel)、ならびに標準化ハザード比(HR)、さらに四分位範囲(IQR)または2倍変化のいずれかの95%信頼区間(CI)である。(SAPS II:簡易急性生理スコアII;SOFA:逐次的臓器不全評価MR−proADM:中領域プロアドレノメジュリン;PCT:プロカルシトニン;ヒストンはヒストンH2A、H2B、H3およびH4によって表される。H4もイムノアッセイ(IA)によって測定された。
実施例2:様々なレベルの疾患重症度を有する敗血症における死亡予測のためのプロアドレノメジュリンの優れた精度
背景:近年、新規の敗血症バイオマーカーの使用が増加している。しかしながら、病気の重症度に関するそれらの予後値は調査されていない。本研究において、我々は、プロカルシトニン、C反応性タンパク質、および乳酸塩と比較して、異なる程度の臓器不全を有する敗血症患者における死亡の予測における中間領域プロアドレノメジュリン(MR−proADM)の能力を検査した。
方法:これは、ICUに入院した重症敗血症または敗血症性ショック患者を登録している、2施設の前向き観察コホートであった。血漿バイオマーカーを入院の最初の12時間の間に測定した。バイオマーカーと28日死亡との関連を、コックス回帰分析およびカプラン・マイヤー曲線によって評価した。逐次臓器不全評価(SOFA)スコアによって評価されるように、患者を3つの群に分けた。死亡に関するバイオマーカーの精度を、受信者動作特性曲線(AUROC)分析下の面積によって決定した。
結果:重症敗血症(21.7%)または敗血症性ショック(79.3%)を有する326人の患者が、31.0%の28日死亡率で登録された。MR−proADMおよび乳酸塩のみが、多変量分析における死亡と関連していた:ハザード比(HR):8.5対3.4(p<0.001)。MR−proADMは、全コホートにわたる分析において、28日死亡予測に関して最良のAUROCを示した(AUROC[95% CI]:0.79[0.74〜0.84])(p<0.001)。患者を臓器不全の程度によって層別化した場合、MR−proADMは、全ての重症度群(6以下のSOFA、7〜12のSOFA、および13以上のSOFA)において死亡を予測する唯一のバイオマーカーであり、AUROC[95% CI]はそれぞれ、0.75[0.61〜0.88]、0.74[0.66〜0.83]、および0.73[0.59〜0.86](p<0.05)であった。MR−proADM濃度が0.88nmol/L以下の患者は全て、最大28日まで生存した。SOFAが6以下の患者では、MR−proADMをSOFAスコアに追加することで、非生存者を特定するためのSOFAの能力が増加し、AUROC[95%CI]はそれぞれ、0.70[0.58〜0.82]および0.77[0.66〜0.88](両方に対してp<0.05)であった。
結論:敗血症における予後バイオマーカーの性能は、疾患の重症度によって大きく影響される。死亡を予測するためのMR−proADMの精度は、臓器不全の程度によって影響されない。その結果、これは、中等度の重症度を有するが死亡のリスクがある敗血症患者の早期特定において良好な候補である。
背景
抗生物質および早期血行動態管理の改善にもかかわらず、敗血症は、依然として集中治療室(ICU)患者の主な死因である。ヨーロッパでは、急性疾患患者における敗血症の発生は、重症度に応じて27%〜54%の範囲のICU死亡率をもたらす[1]。米国では、Centre for Disease Controlは、毎年50万人が敗血症を発症し、20万人が死亡すると推定している[2][3]。したがって、高リスクの敗血症患者の迅速な診断および評価が非常に望ましく、早期かつ特定の治療を開始する可能性が高まる。したがって、逐次臓器不全評価(SOFA)スコアなどの臨床的重症度スコアが重要な役割を果たし得る[4]。しかしながら、敗血症の意思決定を導くためにこれらのスコアリングシステムを単独で使用することは、非常に批判されている[5]。ある範囲の重症度レベルで入院した敗血症患者の早期特定のための標準化された評価ツールは、臨床上の意思決定を助け、医療資源の使用を最適化するのに劇的な価値があるであろう。したがって、過去数十年にわたって、敗血症の分野において、他の疾患におけるよりもはるかに多くの予後バイオマーカーが提案されてきた。これらの分子の大部分は、炎症または凝固系に関連するホルモン、サイトカイン、または循環タンパク質であり、測定されるためにかなりの時間、労力、および費用を必要とし得る[6]。
アドレノメジュリン(ADM)は、ホルモンとして作用することができ、血管拡張作用、抗炎症作用、および抗菌作用を含む異なる生理学的機能を有して、生理学的および感染ストレス中に複数の組織によって産生され、これは、補体活性のその調整および調節によってさらに強化される[7]。したがって、ADMは、それが内分泌細胞によってのみ産生された場合には非炎症性状態におけるホルモン様挙動によって、かつそれが偏在的に過剰発現した場合には敗血症におけるサイトカイン様挙動によって特徴付けられる「ホモカイン」と見なされる。さらに、外因性ADMが、敗血症の動物モデルにおいて急性肺損傷、血管透過性、および死亡を低減することが示されている一方で、内因性の過剰発現は、敗血症発作を同様に改善する[8][9]。循環ADMの測定は、急速な分解および循環からのクリアランスによって複雑になり、結合タンパク質(補体因子H)によってさらに隠され、標準的なイムノアッセイによるその検出を妨げる。アミノ酸45〜92からなるプロアドレノメジュリンの中間領域フラグメント(MR−proADM)はより安定しており、急速に分解された活性ADMペプチドのレベルを直接反映する[10]。MR−proADM濃度の上昇は、院外感染性肺炎(CAP)患者の血漿中で特定されており、状態のリスクおよび重症度評価に広く使用されている[11][12][13]。しかしながら、重症敗血症および敗血症性ショック患者については入手可能なデータがほとんどない。加えて、敗血症における予後バイオマーカーの性能に対する疾患重症度の影響は、まだ適切に研究されていない。
本研究において、我々は、SOFAスコアによって測定される3つの異なるレベルの疾患重症度において、他の標準バイオマーカー(プロカルシトニン(PCT)、C反応性タンパク質(CRP)、および乳酸塩)と比較して、MR−proADMレベルが敗血症患者における28日死亡を予測する能力を評価することを目的とした。
方法
患者、選択基準および除外基準:本研究は、スペインおよびフランスの2つの集中治療室(ICU)から連続して採用された患者の前向き観察コホートであった。18歳以上の、かつ2013年4月から2016年1月までにICUに入院した成人患者は、American College of Chest Physicians/Society of Critical Care Medicine Consensus ConferenceによるSEPSIS−2の定義に基づき、重症敗血症または敗血症性ショックの基準を満たした後12時間以内に登録された[14]。登録患者はまた、2以上のSOFAスコアを有し、したがって敗血症に対する新しいSEPSIS−3の定義の基準を満たしていた[15]。ICUへの入院前の最後の3ヶ月間に、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症を有する患者、および化学療法または全身性ステロイドを含む放射線療法を受けているか、または免疫抑制薬を受けている患者は、免疫抑制されていると見なされた。除外基準は、18歳未満、妊娠の存在、ICU入院後最初の12時間以内のバイオマーカープロファイリングに利用可能な血液試料の非存在、またはインフォームドコンセントの欠如であった。医療記録から記録された臨床データには、人口統計データ、併存症、研究室、微生物学、およびバイオマーカーレベルが含まれていた。病気の重症度は、入院時に、逐次臓器不全評価(SOFA)スコアを計算することによって評価した。
バイオマーカー評価
バイオマーカープロファイリングのための血漿試料を、ICU入院の瞬間にできるだけ近いとき、および常に最初の12時間以内に採取した。血漿MR−proADM測定を、新しいサンドイッチイムノアッセイ(Kryptor Compact Plus Analyser,BRAHMS,Hennigsdorf,Germany)を使用してTRACE技術(時間分解増幅クリプテート放射)によって実施し、検出限界は、0.05nmol/Lであった。PCT測定を、化学分析器(Cobas 6000,Roche Diagnostics,Meylan,France)上で電気化学発光イムノアッセイ(ECLIA)によって実施し、検出限界は、0.02ng/mLであった。血清CRPおよび乳酸塩を、それぞれ粒子増強免疫濁度アッセイおよび比色定量アッセイ(e501 Module Analyser,Roche Diagnostics,Meylan,France))によって測定し、検出限界はそれぞれ、0.15mg/dLおよび0.2mmol/Lであった。
統計分析
生存者と非生存者との間の人口統計学的および臨床的特徴の違いは、カテゴリー変数についてχ2検定を使用して評価した。正規分布の有無に基づき連続変数を比較するために、スチューデントのt検定またはマン・ホイットニーU検定をそれぞれ使用した。バイオマーカーと死亡リスクとの関連を、交絡変数によって調整されたコックス回帰分析によって評価した。ICUに入院してから28日後に時間を打ち切った。ICU入院の最初の24時間は、分析の1日目と見なされた。単変量回帰分析においてp<0.05をもたらす変数を多変量分析にさらに含んだ。正規分布に達するために、バイオマーカーを対数変換した。平均生存期間に対するバイオマーカーの影響は、カプラン・マイヤー曲線およびマンテル・ヘンツェルログランク検定を使用することによって評価した。コックス回帰分析と同様に、ICUに入院してから28日後に時間を打ち切った。死亡に関するバイオマーカーの精度および予測値を、受信者動作特性(AUROC)曲線下の面積を計算することによって評価した。1つが90%に近い感度を有し、もう1つが28日目に非生存者を検出するための90%に近い特異性を示す、2つの事前定義カットオフを使用して、SOFAスコアによって評価されるように、患者を疾患重症度に応じて3つの群に分けた(図4)。IBM SPSS 20.0ソフトウェア(SPSS,Chicago,Ill)を使用することによって、データを分析した。
結果
患者の特徴およびバイオマーカー濃度:重症敗血症(21.7%)または敗血症性ショック(79.3%)を有する326人の患者(326人)が、ValladolidおよびDijonのそれぞれにおいて25.5%および34.9%の28日死亡率、ならびに両施設にわたって31.0%の総死亡率で登録された(表7)。年齢の中央値は、65歳であり、患者の54.3%が男性であった。生存者と比較して、非生存者はより年齢が高く、より高いSOFAスコア、および敗血症性ショック、機械的換気、腎代替療法、新生組織形成、心血管疾患、慢性腎不全、免疫抑制、および呼吸器疾患のより高い発生率を示した(全てp<0.05)。最も一般的な感染源は、転帰にかかわらず、呼吸器および泌尿器由来であった。感染源に応じた死亡率は、以下の通りであった:呼吸器感染症を患っている患者で37.2%、泌尿器感染症を患っている患者で32.4%、腹部感染症を患っている患者で28.6%、一次または二次菌血症を示す患者で35.5%、および他の源の感染症を有する患者で25.6%。微生物学的同定に関しては、生存者および非生存者の両方が、グラム陰性、グラム陽性、およびウイルス病原体のバランスのとれた存在を示した。真菌感染症は、非生存者においてより頻繁であった。最も一般的な死因は、多臓器機能不全症候群(n=58;57.4%)、続いて難治性ショック(n=9、8.9%)、および難治性低酸素血症(n=8、7.9%)であった。治療努力の制限を21人の患者に適用した。MR−proADM、PCT、および乳酸塩濃度が、生存者と比較して非生存患者で全て有意に上昇した(全てp<0.01)一方で、CRPレベルは、両群で同様のままであった。感染源に応じたMR−proADMのレベルは、以下の通りであった[中央値(四分位範囲)]:呼吸器感染症[3.6nmol/L(5.6)]、泌尿器感染症[4.6nmol/L(5.4)]、腹部感染症[4.9nmol/L(6.5)]、菌血症[3.8nmol/L(5.1)]、および他の源の感染症において[3.5nmol/L(5.8)]。感染している微生物に応じたMR−proADMのレベルは、[中央値(四分位範囲)]:真菌感染症[6.1nmol/L(5.6)]、グラム陰性細菌[4.9nmol/L(5.9)]、グラム陽性細菌[4.1nmol]/L(6.2)]、またはウイルス[1.2nmol/L(3.4)]であった。
生存分析
MR−proADM、PCT、および乳酸塩は、単変量コックス回帰分析において死亡率と有意な関連を示した(表8)。交絡因子を調整し、PCT、CRP、および乳酸塩と比較した後、MR−proADMは、死亡リスクとの最も強い独立した関連を示した(ハザード比:8.5、95%信頼区間:4.2〜17.4、p<0.001)(表8)。加えて、カプラン・マイヤー分析は、MR−proADM値が0.88nmol/L以下の患者が、ICU入院後最初の28日以内に死亡しなかったことを示した(図1)。このカットオフがAUROCで非生存者を特定する際に100%の感度を提供したため、これを選択した(図2)。
調整変数は、年齢、敗血症性ショック、心血管疾患、免疫抑制、慢性腎不全、新生組織形成、呼吸器感染源、腎代替療法、病院(Valladolid/Dijon)、真菌感染症の存在、治療努力の制限であった。
バイオマーカー性能に対する疾患重症度の影響
MR−proADMは、全コホートにわたる分析において、28日死亡予測に関して最良のAUROCを示し、SOFAスコアのものよりもさらに良好であった(図2)。患者を臓器不全の程度によって層別化した場合、MR−proADMは、最も重症度が低い患者(6以下のSOFAスコア)において、28日目に非生存者と生存者を区別することが可能な唯一のバイオマーカーであった(AUROC[95%信頼区間(95% CI):]:0.75[0.61〜0.88])、(p=0.006)(図3)。中程度に重篤な患者(SOFAスコア7〜12)では、MR−proADMは、乳酸塩で観察されたものよりも高いAUROCを示した(それぞれ0.74[0.66〜0.83]対0.61[0.52〜0.71])(図3)。最も重篤な患者(13以上のSOFAスコア)では、MR−proADMおよび乳酸塩は、同様のAUROCを有した(それぞれ0.73[0.59〜0.86]対0.72[0.59〜0.86])(図3)。CRPもPCTも、SOFAスコアに基づき、いずれの重症度群における28日死亡も予測しなかった。
非生存者を特定するためのMR−proADMの閾値(カットオフ)は、少なくとも0.80の予め固定された感度を有するものから最高の特異性を示すものであった。SOFAスコアが6以下、7〜12、および13以上の患者について、MR−proADMカットオフはそれぞれ、1.79、3.25、および5.58nmol/Lであった(表9)。
各重症度群におけるICUの滞在期間は、[平均、(SD)]:6以下のSOFA:11.0日(18.3);SOFA7〜12:12.4日(16.0);13以上のSOFA:8.4日(7.6)であった。各重症度群についての死亡率はそれぞれ、12.8%、30.6%、および59.7%である。
MR−proADMは、あまり重篤ではない患者における死亡予測を改善する
我々は、MR−proADM濃度が1.79nmol/Lを超える患者がSOFAスコアにおける1点増加を有すると見なされるように、死亡の予測におけるMR−proADMおよびSOFAスコアの組み合わせを評価した。SOFAが6以下の患者では、MR−proADM修正SOFAスコア(ADM−SOFA)は、SOFA単独と比較して、非生存者を特定する能力の増加を示し、AUROC[95% CI]:SOFA 0.70[0.58〜0.82]およびADM−SOFA 0.77[0.66〜0.88]であった。
説明
敗血症の重症度は、SOFAスコアによって評価される臓器不全の程度に依存し、これは、死亡リスクと直接関連している[15]。それにもかかわらず、ますます多くのバイオマーカーの出現は、簡単かつ迅速な方法で予後診断精度を改善するための新しい道を提供し得る。これに関して、我々の研究は、MR−proADMが有望なバイオマーカーであり得ることを示唆している。しかしながら、敗血症におけるMR−proADMの予後的役割を評価する以前の研究は、相反する結果を提供した。Christ−Crainらは、MR−proADMが53人の敗血症患者の群においてICU死亡を検出するために0.81のAUROCをもたらしたことを見出した[16]。対照的に、Suberviolaらは、137人の敗血症患者における院内死亡を予測するためのMR−proADMの制限された値を見出し、AUROCは0.62であった[17]。さらに、Marinoらは、敗血症、重症敗血症、または敗血症性ショックを有する101人の患者において、血漿アドレノメジュリンが疾患の重症度、昇圧薬の必要量、および28日死亡と強く関連していたことを示した[18]。MR−proADMの予後的役割に関するこれらの異なる結果は、様々な研究にわたる患者の特徴、疾患重症度、感染源、外科対医学、および小さい試料サイズの違いによって説明され得る。
本研究では、敗血症における死亡を予測するためのバイオマーカーの性能が、ICU入院時の臓器不全の程度に強く依存することを初めて実証した。患者を彼らのSOFAスコアに基づき層別化することによって、我々は、MR−proADMが全ての重症度群において非生存者を特定することが可能な唯一のバイオマーカーであったことを実証することができた。これは、あまり重篤ではない患者(6未満のSOFAスコア)にとって特に重要であり、これは、この群が、敗血症の臨床経過における最も初期の提示、および/またはICU環境におけるこの疾患のより重症度の低い形態のいずれかを表すためである。したがって、MR−proADMは、早期敗血症管理プロトコルに組み込まれるのに良好な候補となり得、これは、それが迅速な予後値を提供し、診断的介入および治療決定を導く手助けをし、したがって心筋梗塞におけるトロポニンおよび肺塞栓症におけるd二量体の役割に似ているためである。この群の患者について特定されたMR−proADMのカットオフ値(1.79nmol/L)は、この点に関して非常に有用であり得る。このカットオフは、良好な感度および高い負の予測値で死亡を検出することが可能である。最後に、MR−proADMは、敗血症のための新規療法を検査している臨床試験で患者を層別化するのに役立ち得る。
MR−proADMは、中等度の臓器不全の患者(SOFAスコア7〜12)において、乳酸塩を含む他のより一般的に使用されるバイオマーカーよりも大きい死亡リスクの予測値を示した。対照的に、MR−proADMおよび乳酸塩の両方が、最も重篤な患者(13以上のSOFA)において同様に機能した。したがって、我々の結果は、敗血症における予後バイオマーカーの発見のための研究をデザインするときに、臓器不全の程度を考慮することの重要性を裏付ける。
SOFAスコアを使用することによる臓器不全の評価は、感染症が疑われる高リスク患者を特定するためにSEPSIS−3合意によって最近提案された[15]。我々の結果は、「正の」MR−proADM値が、敗血症における死亡を予測するためのSOFAの能力を改善し得ることを示す。興味深いことに、MR−proADMとPSIまたはCURB−65などの臨床スコアとの組み合わせもまた、院外感染性肺炎(CAP)または下気道感染症(LRTI)患者において、単独の臨床スコアよりも良好に機能した[12][19][20][21]。結果として、MR−proADMは、死亡または有害事象を予測し、かつ臨床的決定を導く能力を有する信頼できるリスク層別化ツールとして使用され得る。したがって、敗血症の認識および予測を改善するために、MR−proADMと他の古典的重症度スコアおよび/またはバイオマーカーとを組み合わせる戦略を評価するさらなる臨床研究が保証される[22][23]。
最後に、我々は、0.88nmol/Lより低いMR−proADM値が、ICU入院後28日以内の死亡を「除外」することを可能にし得ることを観察した。このカットオフは、明らかな臓器不全の臨床的兆候がまだ明らかになっていない場合に、早期の臨床決定を導くのに特に有用であり得る。
経時的なMR−proADMモニタリングは、一時的な傾向をさらに示し得、これは、特定の治療および療法の成功を示し得、その結果としてその転帰予測値を増加させ得る[25]。最後に、我々のコホートでは、MR−proADMレベルは、感染源に応じてわずかに異なった。真菌感染症が最高レベルのMR−proADMを誘導した一方で、ウイルス感染症は、最低レベルを誘導した。これはおそらく、真菌感染症がより高い疾患重症度(真菌感染症のない患者における9点に対して12点のSOFAスコア中央値)をもたらした一方で、ウイルス感染症が、より軽度の疾患重症度(ウイルス感染症のない患者における9点に対して6.5のSOFAスコア中央値)をもたらしたという事実に関連する。
結論
我々の結果は、敗血症における死亡リスクを決定する際のバイオマーカーの性能が疾患重症度によって影響されることを実証している。中程度に重篤な患者では、MR−proADMは、他の標準的なバイオマーカーより優れていた。結果として、MR−proADMは、ICUの緊急入院を必要とする敗血症患者の早期特定を助け得、かつこれらの患者のその後の臨床管理を促進し得る。
略語のリスト
ADM:アドレノメジュリン
MR−proADM:中間領域プロアドレノメジュリン
CRP:C反応性タンパク質
PCT:プロカルシトニン
SOFA:逐次臓器不全評価スコア
CI:信頼区間
AUROC:受信者動作特性下の面積
PPV:正の予測値
NPV:負の予測値
LR:尤度比
HR:ハザード比
PSI:肺炎重症度指数
RRT:腎代替療法
本明細書に引用された全ての参考文献は、参照により完全に組み込まれる。
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Claims (39)

  1. 対象の有害事象の診断、予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化のための方法であって、前記方法が、
    前記対象の試料中のプロアドレノメジュリン(proADM)のレベルを決定することを含み、proADMの前記レベルが、前記対象の前記有害事象を示し、
    proADMの前記レベルが、proADMの参照レベルと比較され、
    前記対象の前記有害事象が、比較に基づき特定され、
    (a)proADMの前記参照レベルが、約0.7nmol/L〜約2.0nmol/Lであるか、または
    (b)
    (i)proADMの前記参照レベルが、6以下の逐次臓器不全評価(SOFA)スコアに対応する症状を有する対象について約1.8nmol/Lである、
    (ii)proADMの前記参照レベルが、7〜12のSOFAスコアに対応する症状を有する対象について約3.2nmol/Lである、もしくは
    (iii)proADMの前記参照レベルが、13以上のSOFAスコアに対応する症状を有する対象について約5.5nmol/Lである、方法。
  2. 前記proADMの前記参照レベルと比較したときの、前記対象の前記proADMのレベルの減少、より低いレベル、もしくは同等のレベルが、好ましくは約28日以内に有害事象が起こらないことを示す、あるいは
    proADMの前記参照レベルと比較したときの、proADMの前記レベルの増加、またはproADMのより高いレベルが、好ましくは約28日以内に前記有害事象が起こる、前記対象の前記有害事象を示す、請求項1(a)に記載の方法。
  3. proADMの前記参照レベルが、約0.8nmol/L〜約1.9nmol/Lである、請求項1(a)または2のいずれか一項に記載の方法。
  4. 前記有害事象が、死亡である、請求項1(a)、2、または3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 約0.9nmol/Lを超える、好ましくは約1.9nmol/Lを超える、より好ましくは約2.0nmol/Lを超えるproADMのレベルが、約28日以内の対象の非生存の指標である、請求項4に記載の方法。
  6. 約1.0nmol/L未満、好ましくは約0.9nmol/L未満、最も好ましくは約0.88nmol/L未満のproADMのレベルが、前記対象が約28日以内に生存することの指標である、請求項1(a)または2のいずれか一項に記載の方法。
  7. さらに、前記対象の前記逐次臓器不全評価スコア(SOFAスコア)が決定される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  8. 約1.8nmol/LであるproADMの前記参照レベルと比較したときの、前記対象のproADMの前記レベルの減少もしくは同等のレベル、および前記対象の6以下のSOFAスコアが、前記有害事象が起こらないことを示す、
    約3.2nmol/LであるproADMの前記参照レベルと比較したときの、前記対象のproADMの前記レベルの減少もしくは同等のレベル、および前記対象の7〜12のSOFAスコアが、前記有害事象が起こらないことを示す、または
    約5.6nmol/LであるproADMの前記参照レベルと比較したときの、前記対象のproADMの前記レベルの減少もしくは同等のレベル、および前記対象の13以上のSOFAスコアが、前記有害事象が起こらないことを示し、
    好ましくは、前記有害事象が、約28日以内に起こらない、請求項1(b)に記載の方法。
  9. 約1.8nmol/LであるproADMの前記参照レベルと比較したときの、前記対象のproADMの前記レベルの増加、および前記対象の6以下のSOFAスコアが、前記対象の前記有害事象を示す、
    約3.2nmol/LであるproADMの前記参照レベルと比較したときの、前記対象のproADMの前記レベルの増加、および前記対象の7〜12のSOFAスコアは、前記対象の前記有害事象を示す、または
    約5.6nmol/LであるproADMの前記参照レベルと比較したときの前記対象のproADMの前記レベルの増加、および前記対象の13以上のSOFAスコアは、前記対象の前記有害事象を示し、
    好ましくは、前記有害事象が、約28日以内に起こる、請求項1(b)に記載の方法。
  10. 前記対象の前記SOFAスコアが、前記対象のproADMの前記レベルに基づいて増加し、前記修正SOFAスコアが、前記有害事象を示す、請求項7〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記対象が約1.8nmol/Lよりも高いproADMレベルを有する場合、前記対象の前記修正SOFAスコアが1点増加する、請求項10に記載の方法。
  12. 前記proADMの前記レベルの前記増加が、proADMの前記参照レベルの約2倍である、請求項2〜4のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記proADMが、中間領域プロアドレノメジュリン(MR−proADM)または成熟ADMである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記対象のproADMの前記レベルが、28日以内に起こる前記対象の前記有害事象、好ましくは死亡を示す、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記方法が、前記試料中の少なくとも1つのヒストンのレベル、プロカルシトニン(PCT)のレベル、前記対象の単純化急性生理学スコア(SAPSIIスコア)、クイックSOFA(qSOFA)スコア、急性生理学および慢性健康評価II(APACHE II)スコア、前記対象の肺炎重症度指数(PSI)スコア、および前記対象のCURB−65スコアからなる群から選択される、前記対象の少なくとも1つのマーカーおよび/またはパラメータを決定することをさらに含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記マーカーまたは前記パラメータのレベルが、前記対象の入院から約12時間の間に決定される、請求項15に記載の方法。
  17. proADMのレベルが、前記対象の入院から約12時間の間に決定される、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記方法が、前記対象のproADMの前記レベルおよび前記SOFAスコアを決定することを含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記対象が、疾患または病状を患っている、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記対象が、重篤な患者であり、好ましくは前記対象が、集中治療室または救急科に入院する、好ましくは前記対象が、集中治療室に入院する、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記対象が、疾患または病状を患っており、前記疾患または病状が、呼吸器疾患、尿路感染症、感染性および非感染性の病因に関連した炎症反応、全身性炎症反応症候群(SIRS)、敗血症、重症敗血症、敗血症性ショック、臓器不全(複数可)、心血管疾患、糖尿病、悪性腫瘍、肝疾患、腎疾患、免疫抑制(immunodepression)、ウイルス感染症、真菌感染症、細菌感染症、グラム陰性細菌感染症、グラム陽性細菌感染症、ならびに免疫抑制(immunosuppression)からなる群から選択される、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記対象が、敗血症を患っている、請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記対象が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)を患っている対象、放射線療法を受けている対象、および/または免疫抑制薬を受けている対象などの、免疫抑制対象である、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記試料が、体液、血液、血漿、血清、または尿である、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. proADMの前述のレベルが、質量分析法(MS)、発光イムノアッセイ(LIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、化学発光および蛍光イムノアッセイ、酵素イムノアッセイ(EIA)、酵素結合イムノアッセイ(ELISA)、発光ベースのビーズアレイ、磁気ビーズベースのアレイ、タンパク質マイクロアレイアッセイ、迅速試験フォーマット、ならびに希土類クリプテートアッセイからなる群から選択される方法を使用して決定される、項目1〜24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記方法が、イムノアッセイであり、前記アッセイが、均一相または不均一相中で実施される、請求項25に記載の方法。
  27. 前記方法が、
    a)前記試料を
    (i)proADMの第1のエピトープに特異的な第1の抗体またはその抗原結合フラグメントもしくは誘導体、および
    (ii)proADMの第2のエピトープに特異的な第2の抗体またはその抗原結合フラグメントもしくは誘導体と接触させるステップと、
    b)前記第1および第2の抗体またはその抗原結合フラグメントもしくは誘導体の、proADMへの結合を検出するステップと、を含む、イムノアッセイである、請求項26に記載の方法。
  28. 前記第1または第2の抗体のうちの一方が標識され、他方の抗体が固相に結合する、または固相に選択的に結合することが可能である、請求項27に記載の方法。
  29. 前記第1の抗体および前記第2の抗体が、液体反応混合物中に分散して存在し、蛍光または化学発光消光または増幅に基づく標識系の一部である第1の標識構成成分が、前記第1の抗体に結合し、前記標識系の第2の標識構成成分が、前記第2の抗体に結合し、これにより、両方の抗体の前記proADMへの結合が検出された後、前記測定溶液中の得られたサンドイッチ錯体の検出を可能にする測定可能なシグナルが生成される、請求項27または28に記載の方法。
  30. 前記標識系が、特にシアニンタイプの蛍光または化学発光染料と組み合わせた希土類クリプテートまたはキレートを含む、請求項29に記載の方法。
  31. 請求項1〜30のいずれか一項に記載の方法を実施するためのキットであって、前記キットが、前記対象の前記試料中のproADMの前記レベルを決定するための検出試薬と、proADMの前記参照レベルを含む参照データと、を含み、proADMの前記参照レベルと比較したときの前記対象の前記試料中のproADMの前記レベルの増加が、前記対象の有害事象を示す、キット。
  32. 請求項1〜30のいずれか一項に記載の方法を実施するためのキットであって、前記キットが、前記対象の前記試料中のproADMの前記レベルを決定するための検出試薬と、proADMの前記参照レベルを含む参照データと、を含み、proADMの前記参照レベルと比較したときの前記対象の前記試料中のproADMの前記レベルの減少またはproADMの同等のレベルが、前記対象の有害事象が約28日以内に起こらないことを示す、キット。
  33. 請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法における請求項31または32に記載のキットの使用。
  34. 対象の有害事象の診断、予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化のための請求項31または32に記載のキットの使用であって、
    proADMの前記レベルが、前記対象の前記試料中で決定され、
    proADMの前記レベルが、proADMの前記参照レベルと比較され、
    前記対象の前記有害事象が、前記試料中で決定されたproADMの前記レベルとproADMの前記参照レベルとの比較に基づき特定される、使用。
  35. 対象の有害事象の診断、予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化のためのキットの使用であって、
    前記キットが、対象の試料中のproADMのレベルを決定するための検出試薬を含み、
    前記proADMの前記レベルが、前記対象の前記有害事象を示す、使用。
  36. 前記比較が、コンピュータシステムで実施される、請求項1〜30のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記決定されたproADMの値が、前記対象における有害事象の前記診断、予後診断、リスク評価、および/またはリスク層別化を示すスコアの計算に使用される、請求項1〜30に記載の方法。
  38. 加えて、前記対象の少なくとも1つのさらなるマーカーおよび/またはパラメータが、前記スコアの前記計算に使用される、請求項37に記載の方法。
  39. 前記対象の前記少なくとも1つのさらなるマーカーおよび/またはパラメータが、前記試料中の少なくとも1つのヒストンのレベル、プロカルシトニン(PCT)のレベル、前記対象の単純化急性生理学スコア(SAPSIIスコア)、クイックSOFA(qSOFA)スコア、急性生理学および慢性健康評価II(APACHE II)スコア、前記対象の肺炎重症度指数(PSI)スコア、および前記対象のCURB−65スコアからなる群から選択される、請求項38に記載の方法。
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