JP2020505220A - 両親媒性ブロック共重合体を用いて固体支持体に多層膜を製造する方法 - Google Patents

両親媒性ブロック共重合体を用いて固体支持体に多層膜を製造する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、親水性ブロック(21)及び疎水性ブロック(22)を含む両親媒性ブロック共重合体(20)から膜(16)を製造する方法に関する。この方法は連続的な、親水性ブロック(21)との結合を形成することができる官能基を含む支持体(10)を、共重合体が無極性有機溶媒に溶解した浴液(11)に、親水性ブロック(21)及び支持体(10)間に非共有結合性結合を形成することができる十分な時間浸漬し、共重合体の第1層を支持体(10)の表面に固定する工程と;続いて水(13)を浴液(11)に添加して、第1層に共重合体の第2層を自己集合させる工程とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、1つ又は複数の両親媒性ブロック共重合体から、固体表面に支持された多層膜を製造する方法に関する。また、本発明は、このような方法により得られる膜に関する。
ブロック共重合体は、ナノスケールの自己集合能を有する一種の材料を構成し、現在、組織化された薄膜を調製するための理想的な候補となっている。これらの薄膜は特に、ナノリソグラフィ、ナノ粒子の合成、光電子デバイス、無孔膜、センサなど、様々な分野に適用されている。また、このような薄膜が固体支持体上に定着することは完全に有利であり、一般的にベシクル膜又は自立平膜より優れた機械的安定性を与える。固体支持体は、特に乾燥後でさえ、薄膜の構造を保つことができる。
有機薄膜を調製する最も公知の方法は、スピンコーティング、単層の自己集合、ポリマーのグラフト及びラングミュアブロジェット技術による集合である。
ラングミュアブロジェット技術は特に、両親媒性ブロック共重合体を用い、固体支持体に支持された極薄多層膜を調製するための現在最も効率的な技術の1つである。
より具体的に、固体支持体上の両親媒性ブロック共重合体を用いた均質膜は、ラングミュアブロジェット及びラングミュアシャエファ技術を連続して使用することにより調製することができる。第1段階において、機能的両親媒性ブロック共重合体は、ラングミュアブロジェット技術により、基板に物理的、特異的又は共有結合的に結合する。次に、このようにして共重合体の第1層で覆われた基板を、ラングミュアブロジェット膜上に置き、空気/水界面を通過させて、共重合体の第2層を第1層上に移す。この方法は、層の密度を制御することに優れている利点を有する。
しかし、特に、これを実施することで生じる技術的及び経済的問題のため、この方法を工業規模で実施するのは困難である。さらに、この方法はすべての共重合体、又はすべての種類の支持体には適用できず、例えば中空物体には適用できない。また、薄膜における共重合体ブロックのナノメートル配向を制御することができない。
両親媒性ブロック共重合体を用い、固体支持体に膜を調製する他の方法は、先行技術で提案されている。
これに関して、例えば国際公開第03/008646号に言及することができ、センサなど、基板に単層コーティングを形成する方法を記載している。エチレンオキシド及びプロピレンオキシドブロック共重合体など、親水性領域及び疎水性領域を含む界面活性剤マルチブロック分子の自己集合後、基板上にこの単層を共有結合により固定する。この固定はこれらの分子により保持される特異的な反応性基を用いている。
国際公開第02/24792号では、基板を自己集合可能な両親媒性物質の希釈溶液に浸漬すること、又はこの両親媒性物質を含む気相に暴露することにより、所謂自己集合薄膜を調製する方法を記載している。この結果、組織化された単層分子構造が、基板上に自然に形成される。薄膜の前駆体は接着剤組成物に取り込まれて、基板に接着する。
米国特許出願公開第2014/099445号明細書は、両親媒性ブロック共重合体を用い、基板の表面にナノ構造を有する薄膜を調製する方法を記載している。この共重合体の溶液を有機溶媒、任意に添加される水と接触させ、高い湿度の雰囲気中で基板にこの溶液を沈着させる。
しかし、これらの方法はいずれも、すべての種類の表面に工業規模で実施するのに満足できるかは不明である。膜を構成する層の組織化及び機能性を制御する条件下、厚さ方向に構造化された多層膜、特に二重層を、両親媒性ブロック共重合体を用いて大規模に調製することは依然として非常に困難である。
国際公開第03/008646号 国際公開第02/24792号 米国特許出願公開第2014/099445号明細書
Ho Moon et al.Langmuir,1996,12,4621−4624
本発明は、膜の厚み、及びナノスケールで膜を構成する共重合体ブロックの配向を精密に制御して、固体支持体に支持され、組織化された極薄膜を調製することができ、工業規模で容易に実施することができる方法を提案することで、先行技術で提案する両親媒性ブロック共重合体の自己集合により膜を製造する方法の欠点、特に上記で開示した欠点を改善することを目的とする。
また、本発明は、特に平面、曲面、中空、巨視的又はコロイド形状の支持体など、特にその形状及び大きさの観点から、並びに/あるいはその部品を形成する材料の観点から、多種多様な固体支持体に適用され;並びに例えば親水性ブロック及び疎水性ブロックのどのような質量比率でも、多種多様な両親媒性ブロック共重合体に適用される方法を目的とする。
また、本発明は、対称又は非対称の構造を有する膜、特に異なる2つのブロック共重合体から構成される非対称膜を形成することができ、膜に高度な機能性を与える方法を目的とする。
本発明のさらなる目的は、本方法が実施するのに効果的、環境保護的、及び経済的であることである。
本明細書において、両親媒性ブロック共重合体とは、少なくとも1つのブロックが親水性で、少なくとも1つのブロックが疎水性である、任意のブロック共重合体を意味する。
本発明の意味の範囲内において、「ブロック共重合体」という表現は、厳密な意味のブロック共重合体を包含する。つまり、共重合体は直鎖状に連結した様々な組成物のブロックを含むが、少なくとも1つのブロックが主鎖に横方向に連結し、その組成がこの主鎖のものとは異なり、共重合体の別のブロックを構成するグラフト共重合体も含む。
これらの特定の構造のため、両親媒性ブロック共重合体は、溶解した特異的形態、特にミセル形態をとる。
従来、本明細書において、ブロック共重合体は、
・水に溶解する共重合体のブロックである親水性ブロックであって、親水性ホモポリマー、又は1つもしくは複数の親水性モノマーを含むランダム共重合体からなり得る親水性ブロックと;
・水に不溶性であるか、わずかに溶解する共重合体のブロックである疎水性ブロックであって、疎水性ホモポリマー、又は1つもしくは複数の疎水性モノマーを含むランダム共重合体からなり得る疎水性ブロックと、
により表される。
非対称膜は、両面、つまり所謂内側面及び所謂外側面に、異なる化学的性質であるブロックの共重合体を有する膜を意味する。
本発明の発端として、本来の場所で実施することができる2段階の方法により、両親媒性ブロック共重合体から固体支持体に支持された極薄膜を調製することができることが本発明者により発見された。第1段階は支持体と共重合体の1つのブロックとの間の相互作用を制御/調節することからなり、固体支持体の表面に強い相互作用で固定された共重合体の第1単層を作製し、第2段階は使用する溶媒の極性を転換することにより、第1単層に共重合体の第2単層を自己集合させることからなり、固体支持体に堅く固定された2重層の膜構造を形成する。
このように、本発明者は、第1両親媒性ブロック共重合体と呼ばれ、少なくとも1つの親水性ブロック及び少なくとも1つの疎水性ブロックを含む少なくとも1つの両親媒性ブロック共重合体から、少なくとも2層を含む膜を製造する方法を提案する。
この方法は連続的な、
a)該親水性ブロック及び該疎水性ブロックが溶解でき、該第1両親媒性ブロック共重合体に非選択的な有機溶媒に該第1両親媒性ブロック共重合体が溶解された第1浴液に、第1両親媒性ブロック共重合体の親水性ブロックとの結合、特に非共有結合性結合を形成することができる官能基を含む支持体を、該親水性ブロック及び支持体間の結合を形成することができる十分な期間浸漬し、第1両親媒性ブロック共重合体の第1層を支持体の表面に固定する工程と;
b)適宜、非対称構造を有する膜を形成するとき、少なくとも1つの親水性ブロック及び少なくとも1つの疎水性ブロックを含む第2両親媒性ブロック共重合体が、第2両親媒性ブロック共重合体の親水性ブロック及び疎水性ブロックが溶解でき、該第2両親媒性ブロック共重合体に非選択的な有機溶媒に溶解された第2浴液で第1浴液を交換する工程と;
c)表面に該第1層を固定した支持体を含む浴液に水を添加し、疎水性効果により、該第1層に両親媒性ブロック共重合体の第2層を自己集合させる工程と、を含む。中間工程b)が実施されているか、いないかに応じて、この第2層は、それぞれ第2両親媒性ブロック共重合体又は第1両親媒性ブロック共重合体により形成される。
ここで、共重合体に非選択的な溶媒とは、従来本質的に、この共重合体を構成するすべてのブロックが溶解する溶媒を意味する。
このような方法は、多様な両親媒性ブロック共重合体、及びすべての種類の支持体に有利に適用できる。これらの支持体は任意の形、特に曲面、中空、球状、巨視的、多孔質及び/又は分割状、例えばナノ粒子状又はコロイド状等を有することができる。
本発明にかかる方法は、特に水溶液中でミセルを形成する任意の両親媒性ブロック共重合体によく適用される。
さらに、工業規模を含む実施が容易で安価であり、先行技術の方法より環境に配慮されている。特に、必要なエネルギーが少なく、様々な工程に温度の制約が無く、好ましくは周囲温度、大気圧で行われる。さらに、原料として、有利には膜1m2当たり1リットル未満の量の水、有機溶媒、及びあまり多くない両親媒性ブロック共重合体、最も一般的には30mg/膜m2を超えない両親媒性ブロック共重合体のみが必要である。さらに、この有機溶媒は本方法の終わりに容易に回収でき、再生し、再利用できる。
本発明にかかる方法の最後に得られる膜は、液体溶液中又は空気中で用いることができる。これに関して、本発明にかかる方法は、膜を乾燥する工程を含む場合があるが、このような工程は必須ではない。
さらに、本発明にかかる方法の様々な工程は、本来の場所で行うことができる。1層ずつ膜を構成することができ、その結果各層の構造、特にその厚み、及びその分子配向、特に膜における共重合体ブロックのナノメートル配向等を微細に制御できる。
特に1つ又は複数の両親媒性ブロック共重合体、特に疎水性ブロックの性質(ガラス質もしくはゴム)、親水性ブロック及び疎水性ブロックの分子量、並びに/あるいは疎水性ブロックの疎水性を好適に選択すること、固体支持体及び使用する溶媒を好適に選択することにより、その適用に照らして形成することが意図される次の相互作用を目的として、膜の支持体への接着、凝集、膜、特に膜が形成する疎水性リザーバの厚み及び化学親和力、並びにその表面機能性を制御できる。
第1の工程a)において、使用する溶媒の性質によって、有利には浴液で第1両親媒性ブロック共重合体の自己集合が起こらない。共重合体の分子の親水性ブロックは支持体と共に結合を形成し、支持体の表面に広がって、単層をその上に形成する。その特性は、有利には操作パラメータの好適な選択により、正確に制御できることである。この単層は支持体に固定される。次に、疎水性ブロックは、この単層の表面で露出される。
第1両親媒性ブロック共重合体の分子の親水性ブロック及び支持体間に形成される結合は、共有結合性又は非共有結合性でよい。
2層が類似の構成を有する対称膜を得ることが望まれる場合、第1浴液を異なる両親媒性ブロック共重合体を含有する第2浴液で交換する中間工程b)は実施されない。水を添加することにより、媒体の極性を変更する工程c)は、第1浴液でそのまま行われる。
第1層及び第2層が異なる構成を有する非対称膜を得ることが望まれる場合、中間工程b)は実施される。本発明の特定の実施形態において、第2浴液に浸漬される前に、その表面に第1層が固定された支持体の中間すすぎを行う。
工程c)において、共重合体分子の疎水性ブロック間の疎水性相互作用は、有機媒体中に水を制御して添加することにより生じ、この媒体の極性を変更する効果を有する。有利には、支持体にすでに固定された第1層に、疎水性効果により共重合体の第2層を自己集合させ、これにより固体支持体に支持された2重層膜を形成する。
本発明にかかる方法は、このように極薄2重層有機膜を形成することができ、100nmまで、さらに20nm未満の厚みを有する。例として、本発明にかかる方法は、5から30nmの厚みを有する2重層膜を形成することができる。
有利には、これらの膜は電子工学;光電子工学;マイクロ流体工学;振動、画像、医療用、熱ソーラー等のセンサなどのセンサ分野;フォトニクス;光起電力学;プラズモニクス;触媒作用;繊維、塗料及びセラミクス分野;化粧品;特に薬剤を投与するため、又は2重層に抗原もしくは抗体を固定するための医薬品;医療診断等の様々な分野に応用される。
このような分野において、本発明にかかる方法により得られる膜は、例えば以下の任意の機能の1つのために用いることができる。これらの機能は、膜を形成する1つ又は複数の両親媒性ブロック共重合体の構造、より具体的にはその表面に存在する機能性に関連する。つまり、濡れ、腐食抑制、抗UV放射線、両親媒性、不透過性、防汚、防塵、疎水性自己洗浄、潤滑、接着、電気絶縁性又は電気伝導性、生体分子の固定、細胞膜の模倣、バイオセンサ、化学センサ、表面にナノ粒子を固定する能力(プラズモン材料、触媒作用を調製するため)等である。
このような機能は、独力で1つ又は複数の両親媒性ブロック共重合体により膜に与えることができる。例えば、共重合体がポリエチレングリコール型の疎水性ブロックを含む場合、膜の表面で曝されるこのブロックは、膜に抗接着機能を与える。
そうでなければ、このような機能は、本発明にかかる方法の最後に、又は最後の工程で膜の表面を修飾することにより付与してもよい。任意の修飾方法、特に当業者にとって従来本質的な化学的方法を、この目的のために用いることができる。
膜の製造中、第1浴液に支持体を浸漬する工程a)について、第1層に第2層を自己集合させる間、膜に捕捉される1つ又は複数の活性剤を第1浴液に導入することにより、特定の機能を提供することができる。従って、膜は活性剤用の疎水性リザーバの役割を果たす。その性質は、多数の用途に有利に利用することができる。例として、香料、精油、例えばフォトニック/プラズモニク用途のための金ナノ粒子等のナノ粒子は、この方法で膜に含ませることができる。
本発明に関して用いられる各両親媒性ブロック共重合体は、2ブロック型、つまり2ブロック共重合体、あるいは3ブロック型、つまり3ブロック共重合体(疎水性ブロックが同一であるか、もしくは異なる、疎水性ブロック−親水性ブロック−疎水性ブロック;又は親水性ブロックが同一であるか、もしくは異なる、親水性ブロック−疎水性ブロック−親水性ブロック)でよく、あるいはさらに別のものでよい。直線、星形、又はグラフト構造を有してよい。
異なるブロックとは、異なる性質のブロック、又は同じ性質及び異なるモル質量のブロックのいずれかを意味する。
第1両親媒性ブロック共重合体の構造、及び該当する場合、第2両親媒性ブロック共重合体の構造は、好ましくは2ブロック型、つまり親水性ブロック及び疎水性ブロックを含み、又は3ブロック型である。
優先的に、1つ又は複数の両親媒性ブロック共重合体は、疎水性ブロックと比較して、比較的短い親水性ブロックを含む。例えば、1つ又は複数の両親媒性ブロック共重合体は、5から50の重合度を有する親水性ブロック、及び50から500の重合度を有する疎水性ブロックを含んでよい。
何ら限定するものではないが、本発明の特定の実施形態において、中間工程b)が実施される場合、第2両親媒性ブロック共重合体における少なくとも1つの疎水性ブロックは、第1両親媒性ブロック共重合体の少なくとも1つの疎水性ブロックと同一である。親水性及び疎水性の他のブロックは、同一でも異なっていてもよい。使用する様々な両親媒性ブロック共重合体は、同じ数のブロック又は異なる数のブロック、及び同じ構造又は異なる構造を含んでよい。
本発明の他の特定の実施形態において、中間工程b)が実施される場合、第2両親媒性ブロック共重合体及び第1両親媒性ブロック共重合体は異なる疎水性ブロックを含む。
より一般的に、第1浴液は、単一の両親媒性ブロック共重合体、又は固体支持体と結合することができる複数の該共重合体を含んでよい。第2浴液も、単一の両親媒性ブロック共重合体、又は複数の該共重合体を含んでよい。
すべての既存のポリマーのうち、本発明にかかる両親媒性ブロック共重合体の親水性ブロック、及び疎水性ブロックを構成するポリマーは、当業者の能力の範囲内で決定される。
第1両親媒性ブロック共重合体、該当する場合、第2両親媒性ブロック共重合体の疎水性ブロックは、例えば以下の疎水性物質、つまり疎水性ポリスチレン類、特に非置換ポリスチレン類又はアルキル基で置換されたポリスチレン類(ポリスチレン、ポリ(α−メチルスチレン)等、ポリアクリラート類(エチルポリアクリラート、n−ブチルポリアクリラート、tert−ブチルポリアクリラート、メチルポリメタクリラート、アルキルポリシアノアクリラート等)、ポリジエン類(ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ(1−4−シクロヘキサジエン)等)、ポリラクトン類(ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(δ−バレロラクトン)等、ポリラクチド類、及びポリグリコリド類(ポリ(L−ラクチド)、ポリ(D−ラクチド)、ポリ(D,L−ラクチド)、ポリグリコリド、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)等)、ポリオレフィン類(ポリエチレン、ポリ(イソブチレン)等)、ポリオキシラン類(ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等)、ポリシロキサン類(ポリ(ジメチルシロキサン)、ポリ(ジエチルシロキサン)、ポリ(メチルシロキサン)、ポリ(エチルメチルシロキサン)、ポリ(フェロセニルジメチルシラン)等)、ポリアクリロニトリル類、ポリ酢酸ビニル類、ポリ(テトラヒドロフラン)、ポリヒドロキシアルカノアート類、ポリチオフェン類、疎水性ポリペプチド類(ポリ(γ−ベンジル−L−グルタマート)、ポリバリン、ポリイソロイシン、ポリメチオニン等)並びにポリカルボナート類(ポリ(トリメチレンカルボナート)等)からなる群から選択される。このような一覧は本発明を何ら限定するものではない。
優先的に、本発明で用いられる1つ又は複数の両親媒性ブロック共重合体は、スチレン又はアクリラート型の少なくとも1つの疎水性ブロックを含む。このような疎水性ブロックは、例えばアタクチックポリスチレン(多分散指数PDI<1.2)、イソタクチックポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ポリ(4−アセトキシ−スチレン)、ポリ(3−ブロモスチレン)、ポリ(4−ブロモスチレン)、ポリ(2−クロロスチレン)、ポリ(3−クロロスチレン)、ポリ(4−クロロスチレン)、ポリ(ペンタフルオロスチレン)、ポリ(4−ジメチルシリル−スチレン)、ポリ(4−ヒドロキシ−スチレン)、ポリ(4−メトキシ−スチレン)、ポリ(4−メチル−スチレン)、ポリ(4−t−ブチル−スチレン)、ポリ(4−(tert−ブトキシカルボニル)オキシ−スチレン)、ポリ(3−(ヘキサフルオロ−2−ヒドロキシプロピル)−スチレン)、ポリ(ベンジルビニルクロライド)、ポリ(4−ビニル安息香酸)、ポリ(4−ビニル安息香酸tert−ブチルエステル)、ポリ(4−シアノ−スチレン)、ポリ(4−[N,N−ビス(トリメチルシリル−アミノ−メチル]スチレン)、ポリ(メチル4−ビニルベンゾアート)などの疎水性ポリスチレン類から;あるいはポリ(ベンジルα−エチルアクリラート)、ポリ(ベンジルα−プロピルアクリラート)、ポリ(シクロヘキシルアクリラート)、ポリ(シクロヘキシルメタクリラート)、ポリ(イソプロピルアクリラート)、ポリ(エチルメタクリラート)、ポリ(エチルα−エチルアクリラート)、ポリ(エチルα−プロピルアクリラート)、ポリ(グリシジルメタクリラート)、ポリ(ヒドロキシプロピルアクリラート)、ポリ(イソボルニルメタクリラート)、ポリ(イソブチルメタクリラート)、ポリ(ラウリルメタクリラート)、ポリ(メチルアクリラート)、ポリ(メチルα−ブロモアクリラート)、ポリ(N,N−ジメチルアミノエチルメタクリラート)、ポリ(2,2,2−トリフルオロエチルメタクリラート)、ポリ(n−ブチルメタクリラート)、ポリ(ネオペンチルメタクリラート)、ポリ(ネオペンチルアクリラート)、ポリ(n−ヘキシルメタクリラート)、ポリ(n−ノニルアクリラート)、ポリ(n−ノニルメタクリラート)、ポリ(n−オクチルアクリラート)、ポリ(n−プロピルメタクリラート)、ポリ(オクタデシルメタクリラート)、ポリ(sec−ブチルメタクリラート)、ポリ(tert−ブチルα−エチルアクリラート)、ポリ(α−プロピルtert−ブチルアクリラート)、ポリ(テトラヒドロフルファニルメタクリラート)、ポリ(メチル2,4−ジメチルペンタ−2,4−ジエノアート)、ポリ(2−エチルヘキシルアクリラート)、ポリ(1−アダマンチルメタクリラート)、ポリ(2−ヒドロキシプロピルメタクリラート)などのポリアクリラート類等の中から選択することができる。
第1両親媒性ブロック共重合体の親水性ブロック、該当する場合、第2両親媒性ブロック共重合体の親水性ブロックは、例えば以下の親水性物質、つまりポリアクリル酸類(ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリエチルアクリル酸等)、ポリアクリルアミド類(ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)等)、ポリエーテル類(ポリエチレンオキシド又はポリエチレングリコール、ポリ(メチルビニルエーテル)等)、ポリスチレンスルホン酸類、ポリビニルアルコール類、ポリ(2−ビニルN−メチルピリジニウム)、ポリ(4−ビニルN−メチルピリジニウム)、ポリアミン類、親水性ポリペプチド類(ポリリシン、ポリヒスチジン、ポリアルギニン、ポリ(グルタミン酸)、ポリ(アスパラギン酸)等)、ポリオキサゾリン類(ポリ(2−メチル−2−オキサゾリン)等)、多糖類(キトサン、アルギナート、ヒアルロナン、カラギーナン、ペクチン、デキストラン、硫酸デキストラン、アミロース、キシラン、キシログルカン、ベータグルカン類、フカン類、ポリシアル酸、セルロースオリゴマー類等)、ポリウレア類、双性イオンポリマー類(ポリ(スルホベタイン)類及びポリ(カルボキシベタイン)類等)、あるいはその塩のいずれかからなる群から選択される。このような一覧は本発明を何ら限定するものではない。
上記で一覧した疎水性ブロック及び上記で一覧した親水性ブロックを用いて形成された両親媒性ブロック共重合体は、水溶液中でミセルを形成する。
使用する支持体は固体支持体であり、本発明にかかる方法の工程a)において、第1層を形成するために用いられる第1両親媒性ブロック共重合体の親水性ブロックと、共有結合性又は非共有結合性の結合を形成することができる官能基を含む。このような非共有結合性の結合は、任意のタイプでよい。特に、水素結合、静電相互作用、ファンデルワールス相互作用、電荷移動相互作用、又は、例えばDNAの相補的塩基間の相互作用などの特定の相互作用でよい。
支持体は、第1浴液、該当する場合、第2浴液の一部を形成する1つ又は複数の有機溶媒で溶解することができない任意の材料から形成することができる。
例えば、支持体は、セラミクス、ガラス、ケイ酸塩、ポリマー、グラファイト及び金属から選択される材料から形成することができる。
支持体は、特に平面状、粒子、ナノ粒子、管、又は葉状などの分散状、中空又はメソ多孔質状など、任意の形でよい。
例えば、適宜事前に表面を機能化した場合、支持体は平面又は中空状、好ましくは平面状を有してよく、シリカ、ケイ素、マイカ、金、銀、又はポリエチレン、ポリエチレンテレフタラートもしくはポリメチルメタクリラートなどのポリマー材料から形成することができる。そうでなければ、有機マイクロ又はナノ粒子状、例えばラテックス又はカーボンナノチューブ、あるいは無機物質、例えば二酸化ケイ素SiO2、酸化セリウムCeO2、四酸化三鉄Fe34、酸化鉄Fe23、銀、金等でよい。また、本発明にかかる方法は、デンドリマーなどの大型分子を固体支持体として用いてもよい。
本発明にかかる方法は、第1両親媒性ブロック共重合体の親水性ブロックと共有結合性又は非共有結合性の結合を形成することができる官能基をその表面に形成するため、支持体の表面を修飾する事前工程を含んでよい。
このような表面修飾は、当業者にとって従来本質的に任意の種類でよい。例えば、プラズマ処理等の物理処理、高分子電解質等の荷電ポリマーの吸収、又はアルコール、酸、アミン、シラン、チオール等の反応性官能基を導入する化学グラフトからなり得る。
例えば、本発明にかかる方法は、ポリリシン、ポリ(アリルアミン)又はポリエチレンイミンなどのポリアミンの静電吸着により、好ましくはそのpKaより低いpHで、シリカ支持体の表面をアミノ化する事前工程を含んでよい。次に、アミン基により表面修飾されたシリカ支持体は、例えばテトラヒドロフランで、強力に相互作用するイオン対(−COO-、−NH3 +)を生じる単純な酸/塩基中和反応により、ポリ酸ブロックと相互作用できる。
水素結合等の他の分子間力を、固体支持体に膜の第1層を固定するために用いてよく、例えばシリカ支持体の表面に形成されたシラノール基とブロック(ポリエチレンオキシド)を結合させる。
本発明において使用できる親水性ブロック/固体支持体対の例は、例えば、ポリエチレングリコールブロック/シリカ支持体;ポリアクリル酸ブロック/アミノ化シリカ支持体;ポリ(2−ビニルN−メチルピリジニウム)ブロック/カルボキシル化シリカ支持体;ポリ(3−ヘキシルチオフェン)ブロック/金支持体であるが、これに限定されない。
第1浴液の有機溶媒、該当する場合、第2浴液の有機溶媒は、浴液で用いる特定の両親媒性ブロック共重合体に基づいて選択され、この共重合体を確実に可溶化する。
この溶媒は、関連する親水性ブロック共重合体に非選択的であり、つまりブロック共重合体のすべてのブロックは、この溶媒に優れた溶解性を有する。
第1浴液の有機溶媒、該当する場合、第2浴液の有機溶媒は、優先的にテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジオキサン、アセトン、エチレングリコール、メタノール、ピリジン、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、ヘキサフルオロイソプロパノール又はそれらの混合物の任意の1つからなる群から選択される。
一般的には、本明細書において、溶媒という用語は単一の溶媒及び溶媒の混合物の両方を意味する。
第1浴液、該当する場合、第2浴液で用いられる有機溶媒は、好ましくは水混和性溶媒である。
工程a)、該当する場合、工程b)の実施について、第1浴液、該当する場合、第2浴液は当然水を含まない。
さらに、本発明にかかる方法は、単独で又は技術的に機能する各組み合わせにおいて実施される下記の1つ又は複数の特徴を満たすことができる。
本発明の特定の実施形態において、浴液に水を添加して、制御された構造の第2両親媒性ブロック共重合体層に応じた自己集合を該第1層で行う工程c)後、本方法は、支持体及び両親媒性ブロック共重合体層を水溶液ですすぐ工程d)を含む。有利には、このようなすすぎ工程は、本発明にかかる方法の実施中に両親媒性ブロック共重合体により形成されるミセル又はベシクルを除去することができ、これらは浴液に含まれない。この工程中、膜を形成する2つの両親媒性ブロック共重合体層は、支持体に固定されたままである。
好ましくは、すすぎ工程d)は、浴液に含まれる有機溶媒を水で徐々に交換することを含む。
このような交換は特に、有機溶媒がすべて水で交換されるまで、液状の水を浴液に導入し、同時に支持体に固定された膜の上側の浴液に含まれる液体を吸引することにより達成することができる。次に、浴液を含むリザーバに水/空気界面を作り、これにより、有利には膜を浴液から除く時に、空気と接触して膜の構造が破壊されることを避ける。
このすすぎ工程の様々な操作パラメータ、特にすすぎ水の浴液への導入速度、及び液体の吸引速度は、好ましくは、特に使用される浴液の容量に応じて選択され、その結果、水を用いた有機溶媒の完全な交換が、数分から数時間で行われる。
本発明の特定の実施形態において、すすぎ水の浴液への導入速度、及び液体の吸引速度は、浴液の液体容量がすすぎ工程d)を通して一定であるように選択される。
溶液すべてが水で交換されると、膜及びその支持体は浴液から除かれる。
次に、本発明にかかる方法は、任意で、このようにして得られる膜をすすぐ最終工程を含んでよい。
徐々に水で交換することにより、浴液から除去される有機溶媒は、有利には、従来本質的に任意の方法により、回収、再生できる。
優先的に、浴液に水を添加する工程c)を実施する浴液の容量は小さいが、それにも関わらず表面に第1層が固定された支持体が完全に浴液に浸漬するようにする。このような特徴は、溶解した両親媒性ブロック共重合体の自己集合現象を最小限にし、固体支持体に固定された第1層に第2層が自己集合するのに有利である。
より具体的に、浴液に水を添加する工程c)を実施するため、表面に第1共重合体層が固定された支持体上の液体の高さは、優先的に小さく、特に5mm未満、例えば約1mmである。このような特徴は、第1にこの方法の試薬コスト、第2に溶液における自己集合現象を最小限にできる。
本発明の特定の実施形態において、浴液に水を添加する工程c)は、該浴液に液体水溶液を徐々に導入することを含む。このような実施形態は、第1両親媒性ブロック共重合体層を保持する支持体を浸漬する浴液が、水混和性溶媒を含む場合に特に適当であることが判明している。これは浴液の極性を徐々に変化させる。
水溶液は、水、希酸性溶液、希塩基性溶液、あるいは酸又はアルカリ緩衝液でよい。さらに、塩を含んでよい。
本発明にかかる方法は、同時に浴液中の二酸化炭素をバブリングする工程を含んでよい。特に親水性ブロックがポリアミンである場合、浴液のpHを低下させ、膜の第1層への第2層の自己集合をより細かく調節する。
優先的に、水溶液を支持体から距離を置いて浴液に添加し、その結果、対流よりむしろ拡散することにより、水溶液が支持体に固定された第1層に達する。次に、第1層上に第2層の自己集合が擬平衡状態で起こり、その結果、第2層が特に均質となる。
本発明の特定の実施形態において、工程c)で、1分当たり浴液の全容量に対して50容量%以下、好ましくは20容量%以下で浴液の水量を増加することができる速度で、浴液に液体水溶液を徐々に導入する。より具体的には、自己集合のための熱力学平衡の条件下、つまり溶解した共重合体分子、及び膜の第2層に集合する共重合体分子間が平衡である条件下にあるように、この速度は選択される。この平衡状態により、膜のより優れた構造的構成を得られる。
浴液中の水量が浴液の全容量に対して5から50容量%、好ましくは3から30容量%、好ましくは浴液の全容量に対して約10容量%となるまで、浴液に液体水溶液を徐々に導入するのが好ましい。
次に、膜をすすぐ工程d)を上述のように実施できる。
浴液に水を添加する工程c)が、浴液に液体水溶液を徐々に導入することを含む本発明の特定の実施形態において、浴液に水を添加する工程c)及びすすぎ工程d)は、実際には単一の工程を形成し、最初に少量の水を浴液に添加し、浴液における水の割合を増加させ、同時に浴液に含まれる液体を吸引する。
浴液に水を添加する工程c)で、浴液に用いられる有機溶媒が、水と混和しないか、わずかに混和する溶媒である場合に特に好適である本発明の別の実施形態において、この工程c)は浴液を飽和水蒸気に接触させることを含む。
好ましくは、水蒸気で浴液の上側の雰囲気を飽和させることにより、優先的に10から180分、例えば10から90分間、この接触が行われる。
次に、水分子は部分的に溶媒に溶解し、浴液の溶媒/水の交換、及び浴液の極性変化を引き起こす。これが、浴液に存在する両親媒性ブロック共重合体、及び支持体に固定された第1層を形成する両親媒性ブロック共重合体を自己集合させる(これらの共重合体は同一でも異なってもよい)。
本発明の特定の実施形態において、工程a)では、10から180分、例えば約2時間、第1浴液に支持体を浸漬する。有利には、このような期間により、浴液において、支持体の表面に第1両親媒性ブロック共重合体の分子を固定する結合を、より正確には親水性ブロックによる結合を確実に形成する。
本発明の特定の実施形態において、第1浴液は有機溶媒に0.01から10g/l、好ましくは0.1から1g/lの濃度で第1両親媒性ブロック共重合体を含む。
優先的に、この第1浴液を用い、非対称膜を形成することが望まれるのであれば、第2浴液は有機溶媒に0.01から10g/l、好ましくは0.1から1g/lの濃度で第2両親媒性ブロック共重合体を含む。
さらに、工程a)を実施するための第1浴液の容量は、優先的に小さい。例えば、固体支持体表面の上側の液体高さは1から5mmである。
さらに、工程a)は、不活性雰囲気下、例えば窒素又はアルゴン下で行ってよい。
支持体に第1層を形成する工程a)、適当な場合、浴液を交換する工程b)、及び自己集合により第1層に第2層を形成する工程c)を含む、上述のような本発明にかかる方法により2重層膜を得られる。
支持体にすでに固定された2層に追加の層を形成するため、工程a)、適宜工程b)、及び任意に工程c)を繰り返してよく、2層超の層を含む多層膜が得られる。次に、この方法は、浴液に支持体を浸漬する工程a)を繰り返す前に、例えば、その表面を保護することができるポリマー又は粒子でこの2重層を覆うことにより、あるいはその疎水性ブロックを架橋することにより、形成される第1の2重層を安定させる工程を含み、次の工程a)の第1浴液に浸漬する際に、この第1の2重層が解離するのを防止する。
この方法は、浴液にこの支持体を浸漬する工程a)を繰り返す前に、任意に支持体をすすぐ工程、及び/又は第1の2重層を機能化する工程も含んでよい。これにより、無極性環境において、次の層を構成することを目的とする両親媒性ブロック共重合体との共有結合又は非共有結合性相互作用を形成できる官能基をその表面に導入する。
新しい工程a)、b)及びc)は、最初の工程a)、b)及びc)と同じ両親媒性ブロック共重合体、又は異なる両親媒性ブロック共重合体を用いて行ってよい。
このように、本発明にかかる方法の工程は、有利には、必要とされる合計層数を含む膜を調製するのに必要なだけ何度でも繰り返してよい。
本発明の別の態様は、本発明にかかる方法により得られる膜に関する。この膜はその厚み方向に構造化され、特に非共有結合性結合により支持体に固定された両親媒性ブロック共重合体の第1層、及び疎水性相互作用により第1層に固定された両親媒性ブロック共重合体の第2層を含む。
この膜において、第2層の表面は、支持体に固定された第1層より親水性である。このような特徴は、特に当業者にとって従来本質的である技術により、接触角の大きさから確認できる。
第1層の両親媒性ブロック共重合体、及び第2層の両親媒性ブロック共重合体は、同一でも異なっていてもよい。異なる場合、少なくとも1つの同一の疎水性ブロックを含んでよい。
1つ又は複数の両親媒性ブロック共重合体及び支持体は、本発明にかかる膜を製造する方法に関して、上述した1つ又は複数の特徴を満たすことができる。
特に、膜は100nm以下、例えば50nm以下、又は20nm以下の厚みを有し、例えば5から30nmの厚みを有する。この厚みは制御することができ、膜を作製する両親媒性ブロック共重合体のブロックの大きさに直接関係する。これらのブロックは、互いに組織的に配置される。
膜は2層以上を含んでよい。
本発明の特徴及び利点は、図1から7を用い、以下の例示的実施形態に照らしてより明らかになるであろう。これらは、説明のためにのみ提示され、本発明を何ら限定するものではない。
図1は本発明にかかる方法を使用することにより、両親媒性ブロック共重合体から2重層膜を製造する様々な工程を模式的に示す。 図2は、ケイ素支持体に本発明に従って形成されたPS−b−PAA単層を分析して得られた結果を、a)消散付き水晶振動子マイクロバランスを用い、第1浴液における共重合体の濃度に応じた、吸着された共重合体の量Γを示すグラフで示し;b)原子間力顕微鏡法(AFM)により示し、c)AFM分析を用いて決定される高さの分散を示すグラフで示す。 図3は、ケイ素支持体に本発明に従って形成されたPS−b−PAA対称2重層を分析して得られた結果を、a)消散付き水晶振動子マイクロバランスを用い、反応時間に応じて吸着された共重合体の量Γを示すグラフで示し;b)原子間力顕微鏡法(AFM)により示す。図3a)は本方法の各工程及び対応する反応時間について、固体支持体及びその表面に固定された共重合体の層又は複数層を模式的に示す。 図4は、ケイ素支持体に本発明に従って形成されたPS−b−POE単層の原子間力顕微鏡画像をa)5×5μm2、b)1×1μm2で示す。 図5は、ケイ素支持体に本発明に従って形成された非対称2重層PS−b−PAA及びPS−b−POEを分析して得られた結果を、a)原子間力顕微鏡法(AFM)により示し;b)AFM分析を用いて得られる高さの分散を示すグラフで示す。 図6は、本発明にかかる方法を使用することにより、両親媒性ブロック共重合体から得られる、ナノ粒子を封入する2重層膜を模式的に示す。 図7は、本発明にかかる方法により得られた金ナノ粒子を封入する2重層膜(連続曲線)、並びにテトラヒドロフラン及びジメチルホルムアミドの混合物に溶解した金ナノ粒子(破線曲線)について、それぞれ透過UV・可視分光法により得られたスペクトルを示す。
本発明にかかる方法を実施することにより、両親媒性ブロック共重合体20を用いた2重層膜を固体支持体10に形成する様々な工程を図1に模式的に示す。
この図に示す実施形態において、固体支持体は平板である。有利には、本発明にかかる方法は、任意の他の形の支持体に同様に適用できる。
固体支持体10は、両親媒性ブロック共重合体20との結合を形成することができる官能基をその表面に保持する。以下の説明において、非共有結合性結合の例を挙げるが、当然これは本発明を何ら限定するものではない。
第1の工程a)において、有機溶媒に溶解した両親媒性ブロック共重合体20を含む浴液11に固体支持体10を浸漬する。
両親媒性ブロック共重合体20は、少なくとも1つの親水性ブロック21及び少なくとも1つの疎水性ブロック22を含む。図1に示す特定の実施形態においては、1つの親水性ブロック及び1つの疎水性ブロックを含む2ブロック共重合体である。本発明は、任意の他の型のブロック共重合体、特に限定されないが、3ブロック共重合体に同様に適用される。
使用する溶媒は、水より低い極性を持ち、共重合体に非選択的であり、2つのブロックがよく溶媒和する溶媒、又はこのような性質を有する溶媒の混合物である。
このような条件下、固体10を共重合体20の浴液11と接触させると、図1の30に示すように、工程a1)で、固体支持体10及び共重合体の親水性ブロック21間に非共有結合性結合が形成される。このように、親水性ブロック21から形成される単層は、固体支持体10に形成される。疎水性ブロック22としては、この単層から恐らく櫛状配置で延長する。
少量の共重合体分子20は、溶解して遊離している。
図1の31に示すように、以下の工程c)において、水を浴液11に添加する。
使用する溶媒が水混和性溶媒であると、図1の13に示すように、浴液11に液体水溶液を徐々に添加することにより行われる。この添加は擬平衡条件に可能な限り近い条件で行うことが好ましい。従って、好ましくは、水溶液は1分当たり数百マイクロリットルの速度で、浴液11及び固体支持体10を含むリザーバ12における固体支持体から大きく離れた領域で、非常にやさしく添加され、リザーバ12で水がほぼ水平に拡散される。
使用する溶媒が水と混和しない溶媒である場合、浴液11は飽和水蒸気の存在下に置かれる。
どのような方法を利用しても、この浴液11と水の接触は、浴液の極性を徐々に変化させ、固体支持体10に固定された単層に、共重合体の第2層を自己集合させる。より正確に言えば、浴液11で遊離する共重合体分子の疎水性ブロック22は、固体支持体10に固定された単層を構成する共重合体分子の疎水性ブロック22に集合する。
操作パラメータを制御することにより、有利には、この第2層の特性を正確に制御することができる。さらに、第2層の優れた均質性は、媒体の極性の変化が段階的である性質に起因する。
同時に、浴液11に遊離する共重合体ミセル14も形成されているが、非常に小さい割合である。
自己集合工程c)後、図1の32に示すように、最終すすぎ工程d)を行う。この最後の工程は、水で浴液11の溶媒を徐々に交換することにより、溶解した共重合体ベシクル又はミセル14、並びに任意の集合体を除去することを目的とする。従って、図1の13に示すように、水をリザーバ12に添加し、同時に、図1の15に示すように、含まれる液体を吸引する。
この最後の工程後、極薄2重層膜16が固体支持体10上に得られ、厚みが50nm未満であり、制御された特性を有し、表面に結合していない親水性官能基を備える。
リザーバ12から除かれる有機溶媒は、その次で再利用することを目的として再生することができる。
上述の工程は、必要に応じて何回でも繰り返すことができ、媒体の極性を連続的に変えることにより、固体支持体に共重合体の連続する層を次々に形成し、形成される各2重層は、次の2重層を形成する前に保護される。
本発明にかかる方法は、2層が互いに異なるように形成される非対称2重層膜を形成するために、同様に実施することができる。
このように、両親媒性ブロック共重合体20が固体支持体10に結合する工程a1)後、中間工程b)において、高い溶解度を有する有機溶媒に溶解した異なる両親媒性ブロック共重合体を含む浴液で、固体支持体を浸漬する浴液11を交換してよい。この有機溶媒は、第1浴液11で用いられるものと同一でも異なってもよい。
次に、本発明にかかる方法の以下の工程を、上述した同じ方法で実施することができ、特にその表面に存在するブロックの各層の厚み及び配向に関して、完全に制御された特性を有する非対称2重層膜が得られる。
装置及び方法
シリコン板は、Silicon Inc.製である。共鳴周波数が5MHzであるシリカ水晶板(直径14nm)をQCM実験に用いる。
(3−アミノプロピル)トリエトキシシラン(APTES、99%)、無水トルエン(99.9%)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF、99.8%)、テトラヒドロフラン(THF、98.9%)、ジオキサン(99.8%)、4−ニトロベンズアルデヒド(98%)及びドデカン(99%))の製品は、シグマアルドリッチ製である。
ブロック共重合体のPS(42kg/mol)−b−PAA(4.5kg/mol)及びPS(42kg/mol)−b−POE(11.5kg/mol)は、Polymer Source Inc.製である。それぞれ、1.1未満の多分散指数を有する。
緩衝水溶液:0.1MのKCl/HCl(pH1〜2)、0.1Mの酢酸塩緩衝液(pH3.5〜5.5)、0.1Mのリン酸塩緩衝液(pH6〜7.5)、0.1Mの炭酸ナトリウム緩衝液(pH9〜10)、0.1Mのリン酸ナトリウム(pH11)、0.1M(KCl/NaOH(pH12〜13)を、濡れにより2つの液体を混ぜるために用いた。
Biosebの2つのプログラム可能なシリンジドライバ、GEヘルスケアライフサイエンス及びナルゲン製の孔径が20nm、0.1μm及び0.2μmであるPTFEフィルタを用いた。溶液を調製するために脱イオン水を用いた。
シリカ板表面のアミン官能基のグラフト密度決定
APTESにより機能化した板を0.08容量%の酢酸及び0.05質量%の4−ニトロベンズアルデヒドを含有する無水エタノールの溶液に、50℃で3時間浸漬する。過剰な4−ニトロベンズアルデヒドを除去するためにエタノールですすいだ後、この板を0.15%酢酸水溶液に1時間浸漬した。4−ニトロベンズアルデヒドの濃度は、268nmでUV・可視分光法により決定される。次に、これによりアミン基の表面密度を決定することができる。
偏光解析法
偏光解析測定は、3つの異なる角度(65°、70°、75°)について、300から800nmで、UVISEL(株式会社堀場製作所)エリプソメーターを用いて行う。モデルを確立するため、シリカについてn=3.86、k=0.2、及び有機薄膜についてn=1.46、k=0が用いられる。
張力測定−接触角決定
TRACKER張力計(Teclis Scientific)を用い、空気中で濡れを測定する。薄膜で覆われた表面にシリンジで水1滴(2μl)を位置させる。制御分析ソフトウェアに連結したCCDカメラを用い、連続して接触角を検出する。ラプラス方程式:ΔP=2γ/Rを用いて、滴状をモデル化することにより、この測定値を決定する。経時的に水滴の蒸発をモニターすることで、表面の自然の脱濡れ角を測定することができる。次に、前進角(最大値)、後退角(最小値)及びヒステリシスが決定される。
原子間力顕微鏡法(AFM)
Jスキャナを備え、最大分析表面積100×100μm2、制限高さ13μmのICON機器(ブルカー)で、断続的に接触モードにより、空気中、周囲温度で測定を行う。画像はWsxMソフトウェアを用いて分析する。
消散付き水晶振動子マイクロバランス(QCM−D−Q−Sense Biolin Scientific)
ブロック共重合体2重層のその場形成の動的モニタリングを水晶マイクロバランスの液体セルで行う。APTES単層を用い、事前に機能化したシリカ層で覆われたQCM支持体(Biolin Scientific)を用いる。
光の動的拡散
ALV−5000/E相関器を備えたALVシステムを用い、90°の光の動的拡散により、ナノ粒子表面の共重合体2重層の自己集合前/後に、シリカナノ粒子の大きさ及び懸濁液の多分散性を決定する。
実施例1−ポリスチレン−ブロック−ポリアクリル酸2ブロック共重合体
式:
のポリスチレン−ブロック−ポリアクリル酸2ブロック共重合体は、PS−b−PAAと示し、その連晶臨界質量(Mc=32kg/mol)より大きい数平均モル質量Mn=42kg/molの疎水性ポリスチレンブロック、及び数平均モル質量Mn=4.5kg/molの親水性ポリアクリル酸ブロックを含む。
ポリスチレンブロック(PS)は、水との界面張力γPS/水=32mN/mを特徴とする疎水性、及びガラス転移温度100℃を有する。親水性ポリアクリル酸ブロック(PAA)は、基板との様々な種類の結合(酸−塩基又は静電、キレート化)に加わる可能性を提供する。本実施例において、酸−塩基による相互作用は、より詳細に研究される。
1.1)基板の調製
使用する固体支持体は、表面に天然の酸化ケイ素(シリカSiO2)の薄層を有し、厚みが数ナノメートルのケイ素平板(1×2cm2)である。この板及びPAA型の親水性ブロック間に非共有結合性相互作用を形成するため、基板の機能化が必要とされる。
シリカ板は、その表面に第1級アミン官能基−NH2を含む薄膜を形成するため、アミノシラン(3−アミノプロピルトリエトキシシランAPTES)により、従来本質的な方法で機能化される。この目的のため、シリカ板をUV−オゾンで照射して、表面に反応性ヒドロキシル基(−OH)が得られる。次に、この板を2質量%の3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)の無水トルエン溶液に1時間浸漬する。その後、基板を無水トルエンですすぎ、95℃で1時間加熱処理する。
表面アミン官能基の存在は、様々なpHレベルで接触角を測定することにより確認される。アミン官能基の表面密度は、文献(Ho Moon et al.Langmuir,1996,12,4621−4624)に記載の方法に従って、4−ニトロベンズアルデヒドを用いた分光分析により決定される。表面密度は31.4Å2/分子である。様々なpHレベルで接触角を測定することによる表面アミン官能基を分析し、アミン官能基のpKaが−6.5であることを明らかにする。
1.2)支持体への共重合体単層の形成
固体支持体での吸収は、ジメチルホルムアミドDMF及びテトラヒドロフランTHFの混合物に溶解して生じる。この無極性混合物は、共重合体に非選択的であり、親水性ブロック及び疎水性ブロックは、この混合物に優れた溶解性を有する。
ポリスチレン−ブロック−ポリアクリル酸共重合体は、42000g/mol(DP=404)のPSブロック、及び4500g/mol(DP=63)のPAAブロックを有し(PS403−b−PAA63)、DMF/THF混合物(80/20(v/v)に1g/lで溶解する。0.1μm膜で事前に濾過した共重合体溶液に、アミノ化シリカ板を2時間浸漬する。
次に、基板をDMF/THF混合物(80/20)(v/v)ですすぎ、フード下で2日間乾燥する。
PS−b−PAA単層が形成され、固体支持体の表面に確実に固定されている。この単層は、接触角の測定、偏光解析法及びAFMにより特徴付けられる。吸着方法も水晶振動子マイクロバランス(QCM−D)によりモニターされ、単層に吸着される共重合体の量を決定することができる。固体支持体に吸着されたPS−b−PAAの層は、厚み5.8nm、接触角θA=91°、及びヒステリシス値Δθ=12°を有する。
実施した分析の結果を図2に示す。より具体的には、QCM−D分析(図2a)に関して、吸着プラトーの発生は共重合体濃度が約10×10-6mol/l(0.1g/l)から認められ、グラフト密度Γsatは約10mg.m-2に等しい。AFMによる分析(図2b))により、優れた溶媒/空気界面を通過するときの鎖の再構成に起因する島状物の発生が明らかに観察される。表面については、共重合体島状物の高さの分散分析(図2c))は、偏光解析法測定と一致して約5nmの単層厚みを示す。
実施した分析の結果は、共重合体単層が均質であり、約5nmの厚みを有することを示す。AFMで観察される島状物の形成は、薄膜が水−空気界面を通過するときに薄膜の表面に起こる脱濡れ現象に相当する。吸着等温線から、グラフト密度が0.15共重合体鎖/nm2であることを計算することができ、鎖間分離距離が共重合体鎖自体の大きさより小さいため、得られる「ブラシ」型の構造型に十分一致している。
1.3)溶媒の切り替えによる対称2重層の形成
アミノ化シリカ板を事前に濾過した共重合体溶液に2時間浸漬する工程後、上記の通り、自己集合を引き起こすため、最初の体積が2mlである共重合体溶液に水を添加する。この添加を行うことで、固体支持体上の溶媒高さが2から3nmとなる。より正確に言えば、シリンジドライバを用い、0.3ml/分の速度で共重合体溶液に水を添加する。
15分後、浴液中の水の容量割合が49%となっており、水の注入を維持しながら、溶液を別のシリンジドライバにより、0.3ml/分の速度で汲み出す。
同時に水を注入し、溶液を汲み出す工程は、最初の有機溶液を水と完全に交換しながら、溶解した自己集合共重合体のミセル/ベシクルを除去することができる。
同時注入及び吸入の2時間後、すべての有機溶液が純水で交換されている。支持体を除き、フード下で1日間乾燥させる。対称2重層膜はその表面に形成されている。
このように自己集合した2重層は、接触角測定及び偏光解析法により特徴付けられる。偏光解析法により測定したその厚みは11nmであり、つまりその第1層の厚み(5.8nm)の約2倍である。空気中、pH=7で測定した接触角θAは91°であり、ヒステリシスΔθ=31°である。
上部にPAAブロックの存在を示し、PSブロックの疎水性効果を明らかにするため、2種の液体を混合する。表面のカルボン酸基についてpKa5.53を明確にすることができる。
さらに、これらの工程を実施する間、固体支持体のQCM−D分析を一定時間ごとに行う。最終的に得られる2重層をさらにAFMで分析する。得られる結果を図3に示す。より具体的には、図3a)は、時間に応じて、吸着した共重合体の量Γの変化を示す。図3b)は、AFMにより得られた固体支持体上に自己集合した2重層の図を示す。
この図からわかるように、本方法の第1工程において、約10mg.m-2の密度(図2a)の吸着等温線に一致する)で、基板のアミノ化表面に単層が形成される。溶媒混合物が徐々に水で置換される第2工程では、10mg.m-2の密度で、第2単層が表面に形成される。このように形成される2重層は、約20mg.m-2、つまり単層の密度の2倍の最終密度を有する。図3b)からわかるように、PSよりも親水性であるPAA鎖で覆われた表面に典型的な平滑面を有する。2重層の総厚みは10nmである。
実施例2−ポリスチレン−ブロック−ポリエチレンオキシド2ブロック共重合体
式:
のポリスチレン−ブロック−ポリエチレンオキシド2ブロック共重合体は、PS−b−POEと示し、基板と水素結合を形成する可能性を提供する。
使用する共重合体は、数平均分子量Mn=42kg/molの疎水性ポリスチレンブロック、及び数平均分子量Mn=11.5kg/molの親水性ポリエチレンオキシドブロックからなる。
2.1)基板の調製
使用する固体支持体は、表面に天然の酸化ケイ素(シリカSiO2)の薄層を有し、厚みが数ナノメートルのシリコン平板(1×2cm2)である。この板及びPOE型の親水性ブロック間に非共有結合性相互作用(水素結合)を形成させるため、UV−オゾン処理を行って、板の表面にヒドロキシル基(−OH)を導入する。
2.2)支持体上への共重合体単層の形成
使用する溶媒はトルエンである。この無極性溶媒は、共重合体に非選択的であり、親水性ブロック及び疎水性ブロックはこの溶媒に優れた溶解性を有する。
ポリスチレン−ブロック−ポリエチレンオキシド共重合体は、42000g/mol(DP=404)のPSブロック、及び11500g/mol(DP=261)のPOEブロックを有し(PS403−b−POE261)、トルエンに1g/lで溶解する。
酸化シリコン板(SiOH)を0.1μm膜で事前に濾過した共重合体溶液に2時間浸漬する。次に、支持体をトルエンですすぎ、フード下で2日間乾燥する。
固体支持体の表面に堅く固定されたPS−b−POE単層が形成されている。この単層は接触角測定、偏光解析法及びAFMにより特徴付けられる。偏光解析法により決定される、形成された単層の厚みは4.49nmである。この値はトルエン中の共重合体の大きさと一致する。比較的高いPOEブロックのモル質量のため、恐らく共重合体が「キノコ」型の配置を取ることで、この値は比較的低くなる。これらの条件下、PSブロックはより広がる。
測定した接触角はθA=46.7°であり、ヒステリシスΔθ=13.7°である。
様々な倍率で得られたAFM画像を図4に示す。POEブロック及び表面シラノール基間に形成される水素結合により、トルエン溶液からシリカ表面へのPOE−PS共重合体の吸着が確認される。比較的高いモル質量を有するPOEブロックの使用により、得られるグラフト密度は比較的低く、これは互いに間隔をとったPSの島状物の存在により説明される。より低いモル質量を有するPOEの使用により、単層のグラフト密度を増すことができる。このように、好適なモル質量を有する共重合体の親水性ブロックを選択することにより、グラフト密度を容易に調節することができる。
2.3)溶媒を切り替えることによる対称2重層の形成
上記の通り、酸化シリカ板を共重合体溶液に2時間浸漬する工程後、自己集合が引き起こされる。
この目的のため、共重合体溶液をシステム付近に位置する温水リザーバ(約50℃)により生じた飽和水蒸気の存在下に置き、その全体を気密ベル下に置いて、溶液の上側の雰囲気を蒸気で飽和させる。
次に、水を注入し、同時に混和しないトルエンを吸引することによりこのシステムをすすぐ。2時間後、支持体を除き、フード下で2日間乾燥する。
自己集合した非対称2重層が固体支持体上に得られる。
実施例3−PS−b−PAA及びPS−b−POE非対称2重層の形成
PS−b−PAA単層を上記実施例1.2)の通りに形成する。次に、この単層のものと異なる親水性ブロックを含むが、同一の疎水性ブロックを含む、第2ブロック共重合体(PS−b−POE)を用いて、単層の自己集合を行う。
この目的のため、上記のように、アミノ化シリカ板を共重合体溶液に2時間浸漬する工程後、ポリスチレン−ブロック−ポリエチレンオキシド共重合体溶液(PS403−b−POE261)でDMF/THF混合物(80/20)を交換する。この溶液は、共重合体を最も可溶化させる溶媒であるトルエンに、1g/lで42000g/mol(DP=404)のPSブロック、及び11500g/mol(DP=261)のPOEブロックを有する。これより前に、溶解した非吸着ブロック共重合体を排出するため、第1層の有機溶媒(DMF/THF)で固体支持体をすすいだ。
次に、共重合体溶液をシステム付近に位置する温水リザーバ(約50℃)により生じた飽和水蒸気の存在下に置き、その全体を気密ベル下に4時間置くことにより、2重層の自己集合を引き起こす。
次に、注入及び吸入速度、各0.3ml/分で水を注入し、同時に混和しないトルエンを吸入することによりシステムをすすぐ。2時間後、支持体を除き、フード下で2日間乾燥させる。
このように自己集合した非対称2重層は、接触角測定、偏光解析法及びAFMにより特徴付けられる。偏光解析法により測定されたその包括的厚みは17nmである。比較的低い前進角θA=82°及びヒステリシスΔθ=22°での濡れ角値は、表面にPOEを有する2重層の形成と一致する。
図5に示すAFMにより得られる画像が示すように、2重層はキノコ型構造を有する。これは膜表面のPOEブロックの存在によるものであり、高いモル質量を有し、水/空気界面を通過するときに崩壊する。
粗度2.43nmを有する構造は、(図5b)に示す高度分散グラフに示す通り)最大深度15.4nm、表面物体の平均厚み8.36nmの凹みを有する。これらのデータは、偏光解析法測定と一致して、PS−b−POE層の平均厚さ8.36nm、総厚み約16nmを有する2重層の形成を示す。
実施例4−ナノ粒子表面の自己集合
前の3つの実施例は、酸化シリカ(SiOH)及びアミノ化シリカ(−NH2)の微細な平面で行われ、酸化型及びアミノ化型の両方で、シリカナノ粒子(径200nm)に置き換えられる。
使用する有機溶媒に応じて液状又は蒸気状で水を添加後、粒子を遠心分離し、上清を除去し、水を添加して粒子を洗浄する。この手順を少なくとも1回以上繰り返して、溶解した遊離ポリマーすべて、並びに残留する微量溶媒を除去する。
共重合体2重層の自己集合前後に、シリカナノ粒子の大きさを光の動的拡散により測定する。大きさの違いにより、粒子の表面に形成された膜の厚みを測定することができる。通常、15から30nmである。
実施例5−ポリスチレン−ブロック−ポリアクリル酸2ブロック共重合体を用いて形成された2重層膜における金ナノ粒子のカプセル化
本実施例で用いられる共重合体は、42000g/mol(DP=404)のPSブロック、及び4500g/mol(DP=63)のPAAブロックを有するポリスチレン−ブロック−ポリアクリル酸2ブロック共重合体であり、PS403−b−PAA63と示す。固体支持体は実施例1.1)に示すように機能化したシリコン平板である。
PS403−b−PAA63単層は、実施例1.2)に記載したように固体支持体に生じる。
1g/lのPS403−b−PAA63及び1×106NP/lの疎水性金ナノ粒子(NP)(径約3〜4nm)を含むジメチルホルムアミド/テトラヒドロフラン(DMF/THF)混合物(80/20)(v/v)の溶液も調製する。PS403−b−PAA63単層を含む容器にこの溶液を添加する。次に、実施例1.3)に記載したような自己集合を引き起こすため、最初の容量が3mlであるこの共重合体/ナノ粒子ハイブリッド溶液に水を添加して、対称2重層膜を作製する。この添加は、シリンジドライバを用いて0.3ml/分の速度で行い、固体支持体の上側の溶媒高さが3から4mmになる。
15分後、浴液中の水の容量割合は49%となり、水の注入を維持しながら、溶液を別のシリンジドライバにより、0.3ml/分の速度で汲み上げる。
これらの操作の間、金ナノ粒子は支持体に生じる2重層膜内部、及び大量に形成されるミセル中にカプセル化される。同時に水を注入し、溶液を汲み上げる工程は、最初の有機溶液を水で完全に交換しながら、これらの溶解した自己集合共重合体の水素化物ミセルを除去する。同時注入及び吸入の2時間後、有機溶液のすべてが純水で交換される。支持体を除き、フード下で1日間乾燥させる。
この方法の後、図6に示すように、固体支持体10の表面に、両親媒性ブロック共重合体20から形成され、疎水性ポリスチレンブロック22により形成される疎水性リザーバにカプセル化された金ナノ粒子23を含む対称2重層膜が得られる。
このように自己集合した2重層は、実施例1に記載したように、接触角測定及び偏光解析法により特徴付けられる。その偏光解析法により測定される厚みは13nmであり、つまりその第1層の厚み(5.8nm)の2倍余りである。空気中、pH=7で測定される接触角θAは89°であり、ヒステリシスΔθ=35°である。
次に、金ナノ粒子を含むこの2重層膜で覆われた固体支持体は、従来のUV・可視透過分光法により特徴付けられる。図7に示すように、疎水性金ナノ粒子は疎水性ポリスチレンリザーバにおいて、約525nmで、特有のプラズモン特性を有し、カプセル化の成功を示す(黒の連続曲線)。黒の破線曲線としては、約520nmに特有のプラズモンピークを有する(THF/DMF混合物に)溶解した金ナノ粒子を表す。これら2曲線の吸収差は、溶液(50mmボウル)及び2重層膜(約35nm)の異なる検出量に起因する。波長のわずかな移動は、溶液(THF/DMF)から2重層膜を通過する際のナノ粒子の誘電環境の変化に起因する。

Claims (17)

  1. 少なくとも1つの親水性ブロック(21)及び少なくとも1つの疎水性ブロック(22)を含み、第1両親媒性ブロック共重合体と呼ばれる少なくとも1つの両親媒性ブロック共重合体(20)から膜(16)を製造する方法であって、
    連続的な
    a)前記親水性ブロック及び前記疎水性ブロックが溶解できる有機溶媒に前記第1両親媒性ブロック共重合体が溶解された第1浴液(11)に、前記親水性ブロック(21)との結合を形成することができる官能基を含む支持体(10)を、前記親水性ブロック(21)及び前記支持体(10)間に結合を形成することができる十分な期間浸漬し、前記第1両親媒性ブロック共重合体の第1層を前記支持体(10)の表面に固定する工程と;
    b)適当な場合、少なくとも1つの親水性ブロック及び少なくとも1つの疎水性ブロックを含む第2両親媒性ブロック共重合体が、前記第2両親媒性ブロック共重合体の前記親水性ブロック及び前記疎水性ブロックが溶解できる有機溶媒に溶解された第2浴液で前記第1浴液(11)を交換する工程と;
    c)表面に前記第1層を固定した前記支持体(10)を含む前記浴液に水を添加し、水の添加により前記第1層に両親媒性ブロック共重合体の第2層を自己集合させる工程と;
    を含むことを特徴とする、方法。
  2. 前記浴液に水を添加する前記工程c)後、前記支持体(10)及び両親媒性ブロック共重合体の層を水溶液ですすぐ工程d)を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記すすぎ工程d)は前記浴液に含まれる前記有機溶媒を水で徐々に交換することを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記浴液に水を添加する前記工程c)は、前記浴液に液体水溶液を徐々に導入することを含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記浴液への液体水溶液の段階的導入は、前記浴液の総容量に対して、前記浴液の水量を1分あたり50容量%以下で増加させることができる速度で行われる、請求項4に記載の方法。
  6. 前記浴液の水量が前記浴液の総容量に対して5から50容量%、好ましくは前記浴液の総容量に対して10容量%と等しくなるまで、前記浴液への液体水溶液の段階的導入は行われる、請求項4又は5に記載の方法。
  7. 前記浴液に水を添加する前記工程c)は、前記浴液を飽和水蒸気に接触させることを含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  8. 前記浴液の飽和水蒸気への接触は、10から180分間行われる、請求項7に記載の方法。
  9. 前記支持体(10)を前記第1浴液(11)に浸漬する前記工程a)は、10から180分間行われる、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記第1浴液(11)は、前記有機溶媒に前記第1両親媒性ブロック共重合体(20)を0.01から10g/l、好ましくは0.1から1g/lの濃度で含む、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記第2浴液は、前記有機溶媒に前記第2両親媒性ブロック共重合体を0.01から10g/l、好ましくは0.1から1g/lの濃度で含む、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記第1両親媒性ブロック共重合体(20)、及び適当な場合、前記第2両親媒性ブロック共重合体は、2ブロック共重合体又は3ブロック共重合体である、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記第1両親媒性ブロック共重合体(20)、及び適当な場合、前記第2両親媒性ブロック共重合体の前記疎水性ブロック(22)は、疎水性ポリスチレン類、ポリアクリラート類、ポリジエン類、ポリラクトン類、ポリラクチド類、ポリグリコリド類、ポリオレフィン類、ポリオキシラン類、ポリシロキサン類、ポリアクリロニトリル類、ポリ酢酸ビニル類、ポリテトラヒドロフラン、ポリヒドロキシアルカノアート類、ポリチオフェン類、疎水性ポリペプチド類及びポリカルボナート類からなる群から選択される、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記第1両親媒性ブロック共重合体(20)の前記親水性ブロック(21)、及び適当な場合、前記第2両親媒性ブロック共重合体の前記親水性ブロックは、ポリアクリル酸類、ポリアクリルアミド類、ポリエーテル類、ポリスチレンスルホン酸類、ポリビニルアルコール類、ポリ(2−ビニルN−メチルピリジニウム)、ポリ(4−ビニルN−メチルピリジニウム)、ポリアミン類、親水性ポリペプチド類、ポリオキサゾリン類、多糖類、ポリウレア類、双性イオンポリマー類、又はそれらの塩のいずれかからなる群から選択される、請求項1から13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記第1浴液(11)の前記有機溶媒、及び適当な場合、前記第2浴液の前記有機溶媒は、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジオキサン、アセトン、エチレングリコール、メタノール、ピリジン、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、キシレン、ヘキサフルオロイソプロパノール、又はそれらの混合物のいずれかからなる群から選択される、請求項1から14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記支持体(10)は、セラミクス、ガラス、ケイ酸塩、ポリマー、グラファイト及び金属から選択される材料から形成される、請求項1から15のいずれかに記載の方法。
  17. 支持体(10)に固定された両親媒性ブロック共重合体の第1層と、疎水性相互作用により前記第1層に固定された両親媒性ブロック共重合体の第2層とを含む、請求項1から16のいずれかに記載の方法により得られる膜(16)。
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