JP2020505076A - 肝細胞の共培養を含む組成物および方法 - Google Patents

肝細胞の共培養を含む組成物および方法 Download PDF

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Abstract

増殖停止間質細胞の存在下で肝細胞を共培養して、培養中に少なくとも30日を含む長期間、肝細胞機能および表現型の維持をもたらすための方法および組成物を提供する。

Description

本発明は、哺乳動物初代肝細胞を、増殖を停止させた哺乳動物肝臓非実質間質細胞と、単離した肝細胞の寿命および機能性を支持または維持する量で混合するin vitro共培養系、ならびに細胞共培養モデル系中の細胞における薬剤(Agent)の活性または作用を判定するために共培養系を使用する方法に関する。
代謝は全身で起きるが、主に、肝細胞と呼ばれる上皮実質細胞により、哺乳動物肝臓において最も集中的に起きる。吸収、分布、代謝、排泄および毒性(ADMET)アッセイならびにウイルス学に関するウイルスの感染性を含む、薬物代謝および薬物動態(DMPK)のゴールドスタンダードとして、懸濁または単層培養において動物およびヒト両方の肝細胞のみを、これまで製薬産業では使用してきた。より最近では、動物由来の支持細胞(フィーダー細胞)とヒトの肝細胞との共培養が、開発されている。これは当産業における現在の最先端技術であるが、肝毒性が依然として後期臨床試験における投薬中止の最も頻度の高い原因となっているため、最適なものではない。したがって、薬物が臨床試験に入る前に肝毒性の予測をより良く支持するin vitroモデルを有することが必要とされている。投薬中止のそれぞれは、製薬産業に対する何億、または十億ドルに近い損失に置き換えられる。これは主に、初代動物またはヒト肝細胞を用いて行われる現在利用可能なアッセイが、ヒト対象における化合物の成績を常に予測できるとは限らないためである。
肝細胞は、肝臓の質量の約80%を構成し、移植または切除とも呼ばれる外科的切開に不採用となった肝臓から単離される。肝臓は、酵素分解に供され、その後、肝細胞を非実質間質細胞から分離して比較的純粋な肝細胞集団が得られる。間質細胞は、肝細胞とともに放置されると、培養物を過増殖させて、肝細胞死を生じさせる。したがって、肝細胞の単離後に残存する間質細胞は、これまで廃棄されてきた。肝機能は年齢とともに低下するため、機能的に成熟した高品質の肝細胞のリソースは限られている。凍結保存した肝細胞を単層培養で使用する場合の制限は、細胞が培養中に10日間を超えてそれ自体を維持できるところまで播種可能な単離肝細胞をもたらすのは、処理したすべての肝臓の平均10〜15%にすぎないことである。このことは、多くの研究が、懸濁液中または培養物中の細胞に最適な機能性を欠いた状態で行われることを強いている。培養中の肝細胞の寿命は、通常、最良の播種可能ロットでは、わずか3〜7日、限界的な播種可能ロットでは1〜2日、細胞外マトリックスで覆った場合では、これより数日長く、非播種可能懸濁ロットでは、同日のアッセイが必要となる。これは、産業におけるゴールドスタンダードであるが、必要とされるものとしては不十分であり、そのため、FDAは、肝細胞維持および機能のより良いin vitroモデルを見出す構想を立ち上げた。肝細胞に関連する他の共培養は、通常欠点を有し(例えば、培養した肝細胞は、限られた生存率や次善の機能の1または複数を有する)、肝細胞機能および肝毒性の1つまたは複数のモデル化における使用に関して、その共培養を広範に適用することを制限している。
1つまたは複数の肝細胞機能および表現型が、in vitro培養中に長期間維持されるin vitro共培養系を本明細書において提示する。この共培養系は、共培養系中の細胞における薬剤(Agent)の活性または作用(「活性」)を判定するために使用することができる。一態様では、共培養系中の肝細胞における薬剤の活性を判定する。
別の態様では、フィーダー細胞および肝細胞を含むin vitro共培養系であって、フィーダー細胞および肝細胞が、同種であり(例えば、フィーダー細胞および肝細胞が、同種から単離される)、フィーダー細胞が、増殖停止(growth−arrested)細胞を含む、in vitro共培養系を提供する。
別の態様では、間質細胞を含むフィーダー細胞、および肝細胞を含むin vitro共培養系であって、フィーダー細胞および肝細胞が、同種であり、フィーダー細胞が、増殖停止細胞を含む、in vitro共培養系を提供する。さらなる態様では、フィーダー細胞および肝細胞は、ヒト由来のものである。
別の態様では、増殖停止肝臓非実質間質細胞を含むフィーダー細胞、および肝細胞を含むin vitro共培養系であって、フィーダー細胞および肝細胞が、同種であり、哺乳動物由来のものである、in vitro共培養系を提供する。さらなる態様では、フィーダー細胞および肝細胞は、ヒト由来のものである。
別の態様では、フィーダー細胞および肝細胞を含むin vitro共培養系であって、フィーダー細胞および肝細胞が、同種であり、フィーダー細胞が、増殖停止間質細胞を含み、in vitro共培養系が、1つまたは複数の追加の細胞集団または亜集団(例えば、免疫細胞、内皮細胞、肝前駆細胞等)をさらに含む、in vitro共培養系を提供する。さらなる態様では、フィーダー細胞および肝細胞は、ヒト由来の(例えば、ヒトから単離した)ものであり、1つまたは複数の追加の細胞集団は、ヒト由来または動物(すなわち、哺乳動物)由来であるが、当業者に既知のように、ヒト細胞を模倣(「ヒト化」)するように遺伝子修飾されたものからなる群より選択される由来のものである。
別の態様では、in vitro共培養系は、培養のための基質(substrate)または足場;共培養系における基質および/または細胞のマイクロパターン化;細胞、組織成分、人工組織構築物、またはこれらの組合せから選択される成分を含むバイオプリントした足場;系における共培養のための細胞を含むスフェロイドを含む3次元培養の構造をさらに含む。構造は、当業者に既知のように、流体(fluid flow)チャネル(例えば、バイオチップ内の微小流体チャネルとして)をさらに含んでもよい。
別の態様では、in vitroまたはex vivo培養系において肝細胞をフィーダー細胞に接触させるステップを含む肝細胞を培養するための方法であって、フィーダー細胞および肝細胞が、同種であり、フィーダー細胞が、増殖停止間質細胞を含み、培養系が、細胞接触のための基質、ならびに培養系における細胞の生存率および機能を維持するための細胞培養培地を含み、培養系における細胞が、培養系における細胞の生存率および機能を促進させるのに十分な条件下でインキュベートされる、方法を提供する。肝細胞は、新たに単離した肝細胞または凍結保存した肝細胞を含むことができる。間質細胞は、新たに単離した間質細胞または凍結保存した間質細胞を含むことができ、間質細胞は、肝臓非実質間質細胞を含むことができる。間質細胞は、凍結保存前または凍結保存後および解凍中または解凍後に増殖停止するように処理することができる。方法は、肝細胞および間質細胞以外およびそれらに加えて、1つまたは複数の細胞型、集団、または亜集団を培養系に追加するステップをさらに含むことができる。方法は、3次元培養の構造を含む細胞培養系をさらに含むことができる。方法は、培養物由来または培養物中の細胞の1つまたは複数のマーカーを評価するステップをさらに含むことができる。
別の態様では、in vitro共培養系を使用して共培養系中の細胞における薬剤(Agent)の活性を判定する方法であって、共培養系内に薬剤を導入し、次いで、共培養系に含まれる1つまたは複数の細胞型の1つまたは複数の機能、代謝活性、表現型、遺伝子発現活性、形態、またはこれらの組合せのマーカーを測定または評価するステップを含む、方法を提供する。さらなる形態では、肝細胞のマーカーは、評価されるか、またはフィーダー細胞のマーカーは、評価され得るか、または1つもしくは複数の追加の細胞集団もしくは亜集団のマーカーは、評価され得るか、またはこれらを組み合わせる。薬剤および薬剤の活性を評価する目的に応じて、薬剤は、共培養系の使用期間内に1回よりも多く追加することができる。同様に、薬剤の活性の評価は、共培養期間内に1回よりも多く行ってもよい。
別の態様では、(例えば)新たに単離した初代肝細胞と比較して、肝細胞特性(例えば、1つまたは複数の機能、表現型、遺伝子発現、形態、および生存率)を、培養中に少なくとも30日、および典型的には少なくとも40日におよぶ期間維持する培養した肝細胞を生じる、肝細胞との共培養における使用のための単離した増殖停止間質細胞を含む組成物を提供する。さらなる態様では、間質細胞は、肝臓非実質間質細胞を含む。間質細胞はまた、間質細胞と共培養する肝細胞と同じ種から単離することができる。さらなる態様では、間質細胞は、ヒト由来のものである。別の態様では、組成物は、凍結保存し、単離した増殖停止間質細胞を含む。
本発明の別の態様では、単離した間質細胞を含む組成物、および単離した肝細胞を含む組成物を含むキットであって、間質細胞および肝細胞が、同じ哺乳動物種から単離される、キットを提供する。さらなる態様では、間質細胞および肝細胞は、ヒトから単離される。単離した間質細胞を含むキット組成物は、増殖停止間質細胞を含むことができるか、あるいはキット組成物は、単離した間質細胞を含むことができ、キットは、キットの使用者が間質細胞を処理して増殖停止間質細胞を生じさせるのに使用可能な、間質細胞の増殖を停止させるための化学物質または分子を含む組成物をさらに含むことができる。キット中の単離した間質細胞は、凍結保存した間質細胞を含むことができる。キット中の単離した間質細胞は、肝臓非実質間質細胞を含むことができる。単離した肝細胞を含む組成物は、凍結保存した肝細胞を含むことができる。肝細胞は、ヒト細胞であり得る。キットは、肝細胞および間質細胞以外の細胞型、集団、または亜集団を含む1つまたは複数の組成物をさらに含むことができる。キットは、細胞を培養するための試薬(例えば、細胞培養培地、または栄養成分)、および組成物を保持するためのパッケージをさらに含むことができる。キットは、キットの細胞および後続の共培養後の細胞の特性評価に望ましい1つまたは複数の試薬をさらに含むことができる。
それぞれ単独で(「Alone」)、または増殖停止ヒト成人非実質間質細胞と共培養で(「Hep/Strom」)播種した、ヒト成人肝細胞(「Adult」)および新生児肝細胞(「Neonatal」)における基礎シトクロムp450 CYP3A4活性を示すグラフである。 それぞれヒト増殖停止非実質間質細胞と共培養で42日にわたってin vitroで播種した、ヒト成人肝細胞(「Adult」)および新生児肝細胞(「Neonatal」)における基礎シトクロムp450 CYP3A4活性を示すグラフである。 ヒト増殖停止非実質間質細胞と共培養した、ヒト成人肝細胞(「Adult」)および新生児肝細胞(「Neonatal」)を表す複数のグラフであり、in vitroで播種後22、29、36および43日目のリファンピシンによる誘導(図3A〜D)またはケトコナゾールによる阻害(図3E〜H)の後にシトクロムp450 CYP3A4活性を測定する。 増殖停止非実質間質細胞と共培養で播種し、毛細胆管の形態および形成を含む肝細胞特性についてin vitro培養で43日にわたって評価したヒト成人肝細胞の顕微鏡写真である。 増殖停止非実質間質細胞と共培養で播種し、毛細胆管の形態および形成を含む肝細胞特性について、43日の培養にわたって評価したヒト新生児肝細胞の顕微鏡写真である。 単培養として播種し、生存率、または細管を形成する能力について培養の10日目に評価した、ヒト成人肝細胞または新生児肝細胞または増殖停止非実質間質細胞の顕微鏡写真である。
本明細書では、培養開始から40日を超えて、in vitro培養において肝細胞特性の維持をもたらすヒト肝細胞/ヒト肝臓間質細胞共培養系を、薬物誘導および阻害試験、薬物代謝およびシトクロムP450活性ならびに毛細胆管内への機能的輸送を生じる能力を示す共培養肝細胞とともに、記載する。共培養系では、増殖停止間質細胞は、肝細胞を育てるのに必要な、可溶性因子、細胞外マトリックスおよび細胞間相互作用をもたらし、これにより肝細胞の培養における長命、および従来の肝細胞培養物を使用して実施することが現在不可能なin vitro共培養系において低用量長期試験を行うことが可能となる。この共培養系はまた、肝細胞試験に使用することができなかった低代謝活性の肝細胞のドナーロットの使用を可能とし、これまで不可能であった、価値、有用性の拡大および適用を今や有する。
一態様では、本発明の共培養系において、または共培養系のためのキットにおける組成物として使用する肝細胞は、肝臓から単離し、凍結保存し、次いで、共培養系における使用前に産業における標準的方法を使用して液体窒素フリーザーに保存した。非実質間質細胞はまた、肝臓から単離し、間質細胞集団におけるすべての細胞型の増殖を支持する培地中で培養することにより増殖させ、その後、凍結保存し、共培養系における使用前に液体窒素フリーザーに保存した。間質細胞は、凍結保存前に増殖停止させるか、または凍結保存後に解凍し、次いで、当分野で既知の方法を使用して増殖停止させることができる。増殖停止間質細胞は、共培養において使用する肝細胞の解凍と同時に解凍してもよい。増殖停止間質細胞は、肝細胞を共培養系に追加する前に、共培養系に最初に追加することができる。あるいは、増殖停止間質細胞は、肝細胞培養物の播種に適した細胞培養培地(当業者に既知であり市販の培地)中で肝細胞と混合することができ、最適には、増殖停止間質細胞は、培養中の肝細胞が肝細胞特性を維持するのに最適な支持をもたらし得る範囲の比率で肝細胞と混合する。共培養系内に導入するための肝細胞の増殖停止間質細胞に対する比率は、約1:1から1:2、1:3、1:4、1:5または1:5を超える範囲であり得る。基質または構造物(例えば、組織培養プレート、マイクロタイタープレート、バイオチップ等)は、コーティング材でコーティングして細胞接着を促進させてもよい(「接着材」は、例えば、タンパク質、糖タンパク質、脂質、炭水化物、コラーゲン、フィブリノーゲン、フィブロネクチン、ラミニン、ゼラチン、ヒアルロン酸、ポリアミン、プラズマエッチングしたポリマー表面、脱細胞化肝臓組織(decellularized liver tissue)で構成されるバイオマトリックス、またはこれらの組合せである)。次いで、共培養系は、生存率および機能のような肝細胞機能を維持するのに十分な条件(例えば、摂氏37度、5〜6%のCO)下でインキュベートする。この共培養系は、肝細胞が間質細胞の存在および間質細胞との接触から利益を得ることを可能とし、間質細胞が共培養した肝細胞を、肝細胞を損傷させるまで過増殖させること防ぐ。共培養系の結果として、肝細胞は、40日を超えてin vitroで培養し、その上、吸収、分布、代謝、排泄および毒性(ADMET)、ウイルス学、薬物間相互作用アッセイ、誘導および阻害アッセイを含む、薬物代謝および薬物動態(DMPK)アッセイにおいて残存する生理的機能のような肝細胞特性を維持する。さらに、この共培養系を使用することで、未熟なドナー(胎児、新生児、小児および青少年)由来の肝細胞が、肝臓代謝および輸送活性において成熟した生理的機能を達成し、その機能を、播種後(共培養の開始後)40日を超えてin vitroで維持する。さらに、この共培養系の肝細胞は長命であるため、肝細胞は、A、BまたはC型肝炎のようなウイルスで感染され、感染した肝細胞はビリオンの産生を開始するため、共培養系を使用した抗ウイルス剤をスクリーニングを可能とする。同様に、この共培養系において肝細胞が長命であるため、肝細胞は、同じ細胞の反復アッセイにおいて40+日の共培養の過程の間機能性を維持し、これにより細胞の同じ集団における代謝および輸送活性を経時的に測定することが可能となり、同じ細胞の反復アッセイにおいて、薬物誘導および阻害試験、薬物代謝およびシトクロムP450活性ならびに毛細胆管内への機能的輸送を生じる能力を実証する。この共培養系は、肝臓の本来の環境の状況を再現し、タンパク質合成;尿素の生成;血清アルブミン、凝固因子、酵素、および他の多数のタンパク質の生成;ビリルビン代謝における胆汁の生成および排泄;脂質合成および血漿リポタンパク質の分泌;炭水化物ホメオスタシスの制御;コレステロール代謝の調節;栄養素、ビタミン、ミネラルの保存;ならびに薬物および他の異物の代謝または解毒を含む肝臓機能または肝細胞特性を呈し得る。結果として、この共培養系は、肝細胞を用いてin vitroまたはex vivoで行うことが可能なアッセイおよび試験の種類を拡大する。
定義−以下の用語は、バイオテクノロジーの分野の当業者により十分理解されると考えられるが、以下の定義は、本発明の説明を容易とするために記載する。
用語「肝臓非実質間質細胞」は、哺乳動物肝臓から単離した非実質細胞を意味する。非実質細胞は、これらに制限されないが、免疫細胞、内皮細胞、間葉系細胞、クッパー細胞、星細胞、および線維芽細胞を含む、複数の細胞型、集団、および亜集団の組合せを含む。非実質間質細胞の肝臓からの単離は、これに制限されないが、実施例1に説明する方法を含む、当業者に既知の任意の方法を使用して行うことができる。
肝細胞および増殖停止間質細胞の共培養に追加し得る、用語「追加の細胞型、集団または亜集団」は、1つまたは複数の好中球、胆管細胞、肝前駆細胞、類洞内皮細胞、クッパー細胞、免疫細胞、線維芽細胞、脂肪細胞、または他の細胞を意味するために、特に共培養系における肝臓の病理学的状態を説明しようとする場合、本明細書において使用する。肝細胞の、追加の細胞型、集団および亜集団に対する比率は、追加する追加の細胞に応じて変化するが、1:0.5から1:0.005の範囲であり得る。
用語「増殖停止」は、間質細胞または肝臓非実質間質細胞への言及において本明細書で使用する場合、分子または組成物で処理した細胞の増殖を阻害し、その上、増殖阻害物質で処理していない細胞と比較して、処理した細胞の実質的生存率および機能をさらに保存することが可能な、分子または組成物による処理後の細胞を指す。分子または組成物の例示的例は、当業者に既知であり、これらに制限されないが、マイトマイシンC、トリコスタチンA、コルヒチン、エポチロンB、MPC6827、プラジエノライドB(Pladienolide B)、ダイゼイン、プルンバギンおよびCPI203を含むことができる。
用語「薬剤(Agent)」は、共培養系における細胞に対するその活性、および特に肝細胞に対する作用を評価する、物質、組成物、または生物を指すために本明細書において使用し、1つまたは複数のホルモン、感染病原体、例えば、これらに制限されないが、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、およびC型肝炎ウイルス、肝臓に感染し得る任意のウイルスを含む肝細胞に感染するウイルス、タンパク質、脂質、リポソーム、小胞、細胞毒、薬物、生物学的増殖因子、サイトカイン、消費者製品、ナノ粒子、炭水化物、栄養補助食品、天然物(1つまたは複数のハーブ、ハーブ抽出物)、栄養製品、医薬品、および化学物質を意味する。
用語「肝細胞特性を維持する」は、肝細胞機能を維持することを指す。肝細胞機能は、1つまたは複数の代謝および輸送活性、アルブミン分泌、シトクロムP450活性、尿素合成、炭水化物および脂質の代謝、血液凝固因子の生成、解毒を含むことができるが、これらに制限されない。機能の維持は、共培養における肝細胞により説明することができ、新たに単離した肝細胞の肝細胞機能と、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%または少なくとも80%同じ測定肝細胞機能を示す。肝細胞機能を測定するための例示的方法は、当分野で既知の方法により行うことができ、代謝アッセイ、輸送体アッセイ、イムノアッセイ、ポリメラーゼ連鎖反応(遺伝子発現を測定するための)、およびハイコンテントイメージングを含む。
本発明は、以下の実施例において記載し、これらは本質的に例示である。
本実施例では、増殖停止間質細胞を含む、肝臓非実質間質細胞の単離および処理を説明する。全体または切除した肝臓を、インフォームドコンセントを経て入手し、当分野に既知の標準的方法を使用して処理して肝臓組織を酵素分解し、肝臓細胞懸濁液を得た。肝臓細胞懸濁液を、コロイド状媒体(例えば、パーコール)を勾配遠心分離に使用してさらに処理し、肝実質細胞を単離した。非実質間質細胞(「肝臓間質細胞」)を含む、残存する細胞懸濁液を500g、摂氏4度で5分間の遠心分離によりペレット化した。得られた細胞ペレットを、20ng/mlの上皮増殖因子(EGF)および0.1mMのベータメルカプトエタノールをさらに補充した、適した市販の細胞培養培地(例えば、MSC増殖培地、PhoenixSongs)に再懸濁し、次いで、細胞をT225組織培養フラスコに1フラスコあたり10.0×10細胞で播種し、次いで、6%COの加湿インキュベーターに入れた。翌日、およびその後の培養中は隔日で、肝臓間質細胞の完全な培地交換を行った。
肝臓間質細胞が85〜90%の培養密度に達したときに、市販の細胞解離試薬(ACCUTASE)を用いて細胞を解離させた。例えば、細胞培養培地を肝臓間質細胞から除去し、細胞解離試薬15mlを細胞培養フラスコ内の細胞に10〜15分間室温で追加した。次いで、解離させた細胞をチューブ内に移して500g、摂氏4度で5分間遠心分離した。次いで、得られた細胞ペレットを細胞培養培地に再懸濁した。処理中に複数のペレットがある場合、すべてのペレットを1つの細胞懸濁液中にプールした。次いで、アリコートを採取して細胞数および生存率を判定した。次いで、T225組織培養フラスコに3×10細胞/フラスコの密度で肝臓間質細胞を播種し、加湿インキュベーターに戻した。この処理を反復して肝臓間質細胞の増殖を継続し、凍結保存することができる。
本実施例では、肝臓間質細胞の凍結保存を説明する。プールした解離肝臓間質細胞から、アリコートを採り出して細胞数および生存率を判定した。プールした細胞懸濁液を500g、摂氏4度で5分間の遠心分離により再度ペレット化した。市販の凍結培地に9×10細胞/mLの細胞密度で肝臓間質細胞ペレットを再懸濁し、1バイアルあたり1mlをアリコートに分けてマスターバンクとして凍結保存する。凍結したバイアルを液体窒素フリーザーに保存した。
本実施例では、増殖停止させるための肝臓間質細胞の処理を説明する。マスターバンクから1つのバイアルを細胞培養培地に解凍し、500g、摂氏4度で5分間の遠心分離によりペレット化した。ペレットを細胞培養培地に再懸濁し、3つのT225フラスコ内に播種し、次いで、これを摂氏37度、6%COの加湿インキュベーター内に移した。肝臓間質細胞が85〜90%の培養密度に達すると、本実施例において上記のように細胞を解離させた。肝臓間質細胞を約5〜10×10まで増殖させたら、肝臓間質細胞を増殖停止させた。例えば、肝臓間質細胞が100%コンフルエントとなった場合、増殖阻害物質(例えば、マイトマイシンC10μg/ml)を補充した細胞培養培地における摂氏37度で2時間のインキュベーションにより細胞を増殖停止させた。増殖培地を補充した培地を除去し、肝臓間質細胞を解離させ、次いで、本実施例においてこれまでに記載のように凍結保存した。増殖停止肝臓間質細胞を5×10細胞/mLおよび1バイアルあたり1mLで凍結保存した。凍結保存した増殖停止肝臓間質細胞を液体窒素フリーザーに保存した。
肝細胞および増殖停止肝臓間質細胞を共培養するための組成物および方法を本実施例において説明する。凍結保存した肝細胞の1つのバイアルを市販の肝細胞回収培地中に解凍し、増殖停止肝臓間質細胞の1つのバイアルを市販の肝細胞播種培地(「細胞培養培地」)中に解凍した。このような細胞懸濁液のそれぞれを遠心分離して細胞(肝細胞を100g、肝臓間質細胞を500g、ともに摂氏4度で5分間)をペレット化し、凍結保護培地を除去した。各細胞ペレットを細胞培養培地に再懸濁した。比較のために、懸濁させた新たな肝細胞を100g、摂氏4度で5分間遠心分離して細胞をペレット化し、輸送培地を除去した。新たな肝細胞を細胞培養培地に再懸濁した。肝細胞(新たな、または凍結保存した)を増殖停止肝臓間質細胞懸濁液と最適な比率(ここでは1:1の比率を示す)で混合した。次いで、プールした肝細胞および増殖停止肝臓間質細胞の懸濁液を、接着材でコーティングした組織培養プレート(表1を参照)に最適な密度で播種する。プールした肝細胞および増殖停止肝臓間質細胞の懸濁液は、特定の代謝または輸送アッセイに必要とされる所望の接着材でコーティングした任意のプレートフォーマット内に播種することができる。例えば、プールした肝細胞および増殖停止肝臓間質細胞集団を播種した後の日に、肝細胞の維持のために、細胞培養培地を除去し市販の細胞培養培地(PhoenixSongs、Cat.#:CMM−250またはCMM500)と交換することにより、細胞培養培地の完全な培地の更新を行う。その間、細胞は、共培養状態のままであり(40+日)、共培養中の肝細胞および肝臓間質細胞は、培地を細胞から除去し新たな細胞培養培地と交換することによって細胞培養培地を毎日更新すると、健常性および機能性を呈する。
肝細胞および増殖停止肝臓間質細胞を共培養する組成物の、肝細胞代謝機能および結果に関する使用を本実施例において説明する。ヒト成人肝細胞または新生児肝細胞を単独、または増殖停止ヒト非実質間質細胞とともに共培養で、I型コラーゲンでコーティングした96ウェルプレート上の市販の細胞培養培地中に播種し、従来の肝細胞培養方法を本発明の共培養の方法と比較した。播種後の翌日、およびその後は毎日、培地を除去し、新たな培地と交換した。肝細胞の機能性を使用して、単独で播種した肝細胞を増殖停止非実質肝臓間質細胞とともに播種した肝細胞と比較した。肝細胞特性の維持の代表的基準として、シトクロムP450 CYP3A4活性を測定した。市販の発光CYP3A4/ルシフェリン−IPA生化学アッセイを96ウェルフォーマットに使用して、シトクロムP450 CYP3A4の基礎活性を測定した。肝細胞の同じ調製物から、試料を単独で播種し、別の試料を増殖停止ヒト肝臓間質細胞とともに播種した。播種後1、5、15、19および25日目にアッセイを実行した。アッセイの日に、培地を除去し、CYP3A4/ルシフェリン−IPA基質を含む細胞培養培地60μLと交換し、プレートを加湿インキュベーターに戻して反応させ、摂氏37度、6%COで1時間継続させた。インキュベーション後、反応物50μLを白色発光アッセイプレート内に移し、ルシフェリン検出溶液50μLをアッセイプレートの各ウェルに追加した。反応を暗所で20分間行い、次いで、プレートを発光測定器に入れた。肝細胞内のCYP3A4代謝酵素は、発光P450 CYP3A4/ルシフェリン−IPA基質を代謝し、発光測定器により検出され得るルシフェリン検出試薬との反応において光を放出する、ルシフェリン代謝物を生成する。光量は、肝細胞内のCYP3A4活性の量と直接相関する。
図1に示すように、CYP3A4基礎活性は、増殖停止ヒト肝臓間質細胞と共培養した成人ヒト肝細胞と、増殖停止ヒト間質細胞と共培養した新生児ヒト肝細胞の両方において25日を通じてin vitroで維持された。対照的に、肝臓間質細胞なしに培養した、成人ヒト肝細胞および新生児ヒト肝細胞は、CYP3A4基礎活性の急速な減少を示し、ここで活性は、5日目に成人肝細胞において測定不可能であり、最小限の活性のみが、5日目に新生児肝細胞において検出された(図1)。5日目までに、肝臓間質細胞なしに培養した多くの肝細胞は、死滅していった。
肝細胞機能および結果を実証するための、肝細胞を増殖停止肝臓間質細胞と共培養する組成物の反復アッセイにおける使用を本実施例において説明する。成人肝細胞および新生児ヒト肝細胞を4.8×10細胞/ウェルの密度で、上記のように増殖停止ヒト肝臓間質細胞との共培養で、それぞれ播種した。翌日およびその後は毎日、培地を除去し、新たな市販の細胞培養培地と交換した。ヒト肝細胞におけるシトクロムP450 CYP3A4活性を上記のように測定した。播種後42日間、毎日アッセイを同じ細胞に対して反復して、増殖停止ヒト間質細胞と共培養したヒト肝細胞が、播種後40日間超にわたって同じ細胞に対するアッセイを毎日受け、代謝機能のような肝細胞特性を維持し得ることを実証した。例えば、アッセイの各日に、培地を除去し、CYP3A4/ルシフェリン−IPA基質を含む細胞培養培地60μLと交換し、プレートを加湿インキュベーターに戻して反応させ、摂氏37度、6%COで1時間継続させた。インキュベーション後、反応物50μLを白色発光アッセイプレート内に移し、ルシフェリン検出溶液50μLをアッセイプレートの各ウェルに追加した。反応を暗所で20分間行い、次いで、プレートを発光測定器に入れた。図2に示すように、CPY3A4基礎代謝活性は、増殖停止ヒト肝臓間質細胞と共培養した成人肝細胞と、増殖停止ヒト間質細胞と共培養した新生児ヒト肝細胞の両方において、42日の反復アッセイにわたって持続した。したがって、肝細胞特性の維持が、CYP3A4基礎活性により測定されたように、42日の過程にわたってin vitroで実証された(例えば、代謝活性が維持された)。
シトクロムP450 CYP3A4活性の誘導のための化学物質、およびシトクロムP450 CYP3A4活性の阻害のための化学物質に対する肝細胞反応を実証するための、肝細胞を増殖停止肝臓間質細胞と共培養する組成物の反復アッセイにおける使用を本実施例において説明する。リファンピシンを0、5、10および20μMの濃度で細胞培養培地中に用いたシトクロムp450 CYP3A4誘導の24時間の用量依存的反応、その後、in vitroにおける共培養22日目(図3A)、29日目(図3B)、36日目(図3C)および43日目(図3D)の、発光アッセイを使用して測定したCYP3A4活性を図3A〜Dに示す。図3A〜Dに示すように、0μMのリファンピシンを投与した肝細胞活性を5、10または20μMのリファンピシンを投与した肝細胞活性と比較した場合、成人肝細胞において平均6.5倍のCYP3A4活性の誘導、および新生児肝細胞において平均5.75倍のCYP3A4活性の誘導があった。
ケトコナゾールを0、5、10および20μMの濃度で細胞培養培地中に用いたシトクロムp450 CYP3A4阻害の24時間の用量依存的反応、その後、in vitroにおける共培養22日目(図3E)、29日目(図3F)、36日目(図3G)および43日目(図3H)の、発光アッセイを使用して測定したCYP3A4活性を図3E〜Hに示す。図3E〜Hに示すように、ケトコナゾール(5、10または20μM)の肝細胞への投与後、成人肝細胞において平均10倍のCYP3A4活性の阻害、および新生児肝細胞において平均5.75倍の阻害があった。したがって、本発明の共培養における肝細胞の長命および維持により、肝細胞の外因性の薬剤に対する長期反復試験が可能となる。
肝細胞の輸送機能、培養における長命および結果を実証するための、肝細胞を増殖停止肝臓間質細胞と共培養する組成物の反復アッセイにおける使用を本実施例において説明する。本実施例では、ヒト成人肝細胞および新生児肝細胞を増殖停止ヒト肝臓間質細胞と共培養で、I型コラーゲンでコーティングした24ウェルプレート上にそれぞれ播種し、同じ細胞を反復して毎週アッセイして、毛細胆管への機能的輸送を含む肝細胞特性の維持を実証した。ヒト成人肝細胞または新生児肝細胞を増殖停止肝臓間質細胞と共培養し、成人肝細胞もしくは新生児肝細胞と(細胞生存率および長命の対照として)または増殖停止肝臓間質細胞と(例えば、間質細胞がCDFDAを代謝しないためCDFを輸送しないことを実証するための対照として)比較した。アッセイの日に、細胞培養培地を除去して、5μMの5(および6)−カルボキシ−2’,7’−ジクロロフルオレセインジアセテート(CDFDA)を含む培地と交換し、次いで、摂氏37度、6%COの加湿インキュベーターに20分間入れた。インキュベーション後、細胞をハンクス平衡塩類溶液(HBSS)で3回洗浄して培地中に残存するCDFDAを除去し、新たな培地を追加した。
本実施例では、CDFDAは、肝細胞内に拡散し、ここでCDFDAは、蛍光5(および6)−カルボキシ−2’,7’−ジクロロフルオレセイン(CDF)に肝細胞内で加水分解され、次いで、MRP2(胆汁酸輸送体)により肝細胞から毛細胆管内に輸送される。細管内のCDFを可視化するために、落射蛍光Alexa488フィルターセットを用いて細胞を顕微鏡的に調べた。顕微鏡写真を100×の拡大率で撮影して蛍光細管(fluorescent canaliculi)を検出したところ、代謝されたCDFDAがCDFに加水分解され、肝細胞から細管内に輸送されたことを示す。図4に示すように、22、29、36および43日目の位相差顕微鏡写真(A、C、E、G)は、細管として知られる隣接する細胞間の明瞭な境界と緊密に結合する、健常に見える立方体の肝細胞を特徴とする成人肝細胞の形態を示し、このような肝細胞が極性化して肝臓において実質細胞の形態を示すことを示唆する。22、29、36および43日目の蛍光顕微鏡写真(B、D、F、H)は、蛍光顕微鏡写真を黒色の背景にして白色蛍光標識として現れる毛細胆管の顕色を示した(蛍光を参照)。図5に示すように、22、29、36および43日目の位相差顕微鏡写真(A、C、E、G)は、細管として知られる隣接する細胞間の明瞭な境界と緊密に結合する、健常に見える立方体の肝細胞を特徴とするin vitroで成熟肝細胞形態に成熟した新生児肝細胞を示し、このような肝細胞が極性化して肝臓において実質細胞の形態を示すことを示唆する。22、29、36および43日目の蛍光顕微鏡写真(B、D、F、H)は、蛍光顕微鏡写真を黒色の背景にして白色蛍光標識として現れる毛細胆管の顕色を示した(蛍光を参照)。図6に示すように、成人肝細胞(A)または新生児肝細胞(C)を単独で播種した場合、これらは、肝細胞の形態を失って、より間葉系の形態をとる。これは、肝細胞が上皮系から間葉系へ移されて肝細胞が極性を失うことにより肝細胞機能を失い、単独で培養した肝細胞の典型である間葉系細胞の運動性を獲得することを示唆する。増殖停止間質細胞(E)は、健常かつ集団のままであり、これは間質形態の典型である。成人肝細胞(B)または新生児肝細胞(D)において蛍光は現れず、これは、播種後10日目までに、単独で播種した肝細胞において形成された蛍光細管は存在せず、蛍光細管の非存在により示すように、単独で播種した肝臓間質細胞(F)はCDFDAを代謝しないことを実証する。

Claims (8)

  1. in vitroまたはex vivo培養系において肝細胞をフィーダー細胞に接触させるステップを含む肝細胞を培養するための方法であって、フィーダー細胞および肝細胞が、同種から単離され、フィーダー細胞が、増殖停止間質細胞を含み、培養系が、細胞接触のための基質、および細胞培養培地を含み、培養系における細胞が、培養系における細胞の生存率および機能を促進させるのに十分な条件下でインキュベートされる、方法。
  2. 肝細胞が、ヒト細胞であり、フィーダー細胞が、ヒト細胞である肝臓非実質間質細胞を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 培養系において培養した肝細胞が、肝細胞機能を少なくとも30日間維持する、請求項1に記載の方法。
  4. 増殖停止肝臓非実質間質細胞を含むフィーダー細胞、および肝細胞を含むin vitro共培養系であって、フィーダー細胞および肝細胞が、ヒト由来のものであり、肝細胞が、フィーダー細胞と接触し、共培養系が、細胞接触のための基質および細胞培養培地をさらに含む、in vitro共培養系。
  5. 接着材をさらに含む基質をさらに含む、請求項4に記載の共培養系。
  6. 3次元培養の構造をさらに含む基質をさらに含む、請求項4に記載の共培養系。
  7. 単離した間質細胞を含む組成物、および単離した肝細胞を含む組成物を含むキットであって、間質細胞および肝細胞が、同じ哺乳動物種から単離され、間質細胞が、増殖停止間質細胞を含む、キット。
  8. 肝細胞および増殖停止間質細胞を含む組成物ならびに肝細胞回収培地を含む組成物ならびに肝細胞播種培地を含む組成物ならびに肝細胞維持培地を含む組成物を含むキット。
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