JP2020504153A - 食欲と欲求を低下させ、満腹感を向上させ、気分を高揚させ、ストレスを低下させるための組成物 - Google Patents

Abstract

欲求の低下、気分の改善、抑うつの回避、食事制限による体重減少後の体重増加の防止、食欲抑制薬および禁煙によってもたらされる負の副作用の低下、および正常な老化の促進の少なくとも１つを必要とするヒトの当該少なくとも１つを増強する方法であって、前記ヒトに組成物を投与することを含んでなり、前記組成物が、ａ）有効量の、ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、またはそれらの組み合わせの抽出物、ｂ）有効量の、マンギフェリン、ノラチリオール、またはマンギフェリンもしくはノラチリオールを含んでなる抽出物、またはｃ）（ａ）と（ｂ）との相乗的組み合わせ、を含んでなる方法。前記組成物は、第３の有効成分を、ショクヨウガヤツリ抽出物およびマンギフェリンまたはノラチリオールと組み合わせて含んでよい。

Description

本開示は、概して、望ましくない身体的または心理的副作用を引き起こすことなく、気分を高揚させ、同時にストレスを低下させながら、不健康な食物、甘味飲料および菓子、ニコチン含有製品、またはアルコールに対する欲求を低下させる組成物に関する。

本開示は、欲求を低下させ、食欲抑制薬および禁煙薬の代用物として役立つ組成物に関する。この新規組み合わせには、チュウファ（ショクヨウガヤツリ）としても知られるタイガーナッツの植物抽出物、および起源が異なる可能性のある、キサントノイド化合物であるマンギフェリンを含む抽出物が含まれる。例えばマンギフェリン含有抽出物は、マンゴー果実、樹皮またはリーフ抽出物、ハニーブッシュティー、またはコーヒーリーフの抽出物であってよい。

禁煙、体重増加および再発
常用性のアルカロイドであるニコチンが含まれるタバコは高度に常用性であり、世界中で最も広く乱用されている薬物の１つである。ＷＨＯによれば、世界中で約１０億人の男性と２億５０００万人の女性が喫煙している。彼らの半数は、タバコ依存症が直接の原因で、最終的には世界中で年間５４０万人が死亡している。喫煙のポジティブな強化作用には、軽度の多幸感、リラクゼーション、および注意力とワーキングメモリーの改善が含まれるが、喫煙を中止すると、ニコチンの離脱だけではなく、気分の落ち込み、ストレスの増大、易怒性、不安症、および記憶と注意力の障害がもたらされ、喫煙再発のリスクが高まる。医薬品のリモナバンはカンナビノイド受容体ＣＢ１の逆アゴニスト／アンタゴニストであり、げっ歯類におけるニコチン摂取とニコチンに対する欲求を低下させる。リモナバンは喫煙者の禁煙能力を改善することが無作為化臨床試験において示されたが、その重度な精神医学的副作用と自殺のリスク増大のために市場から撤退した。リモナバンの副作用は、内在性カンナビノイドおよび内在性オピエート系による気分高揚と脱ストレス活性の低下、およびニコチンと食物によって脳の報酬部位に誘導されるドーパミン上昇の減少によるものであり、それらによって抑うつがもたらされる。禁煙のために気分を高揚させる可能性のある医薬品はセレギリンである。これは選択的かつ非可逆的なモノアミンオキシダーゼＢ阻害薬であり、抗うつ活性を有し、主にパーキンソン病患者の神経保護薬として用いられる。セレギリンは主に脳のドーパミンレベルに影響を与えるが、コリン作動薬の投与量はニコチン誘導性のドーパミン作動活性に影響を与える。２０１３年の科学的エビデンスは、早期の自制期間中に欲求を標的とし、行動のサポートに気分の管理を加えることで、喫煙者の禁煙成果を改善し得る。

禁煙はしばしば、グルコースに応答したβ細胞の分泌亢進および空腹時インスリン抵抗性を含む代謝の変化を伴う。これらの変化は禁煙後の体重増加を伴うか、またはその一因となる可能性があり、このことは多くの喫煙者が禁煙後にこれを再発する主な理由であると報告されている。また禁煙は、報酬応答が失われることに関連した気分の落ち込みと抑うつを伴う。本発明の組み合わせは、欲求を低下させ、神経伝達物質であるドーパミンとセロトニンの脳波シグナル伝達を増大させることで、報酬応答の低下を弱めると同時に、気分を改善して感情的なストレスを減少させる。

世界的な過体重と肥満
２００３年には、全世界で１０億を超える成人が過体重または肥満であった。この数は、２０１３年にはすべての年齢群で２倍の２０億人に達し、肥満は全世界で主要かつ予防可能な死亡原因、および２１世紀の公衆衛生システムにとって最も深刻な負担となった。２０１０年に、過体重と肥満は、全世界で３４０万人の死亡、３．９％の損失生存年数、３．８％の障害調整生存年数をもたらした。２０１３年には、米国医師会がついに肥満を疾病に分類した。過体重および肥満のヒトは、特に西欧諸国での循環代謝病疾患のリスク上昇と社会的差別によるスティグマのため、身体的および心理的な幸福感がリスクにさらされている。小児および成人における過体重と肥満の全般的な増加により、すべての集団における過体重と肥満の有病率変化の定期的なモニターが広く求められることとなった^１。過食は、条件付けと報酬に関連する動機付け回路と、報酬系および摂食行動の調節不全に関わる認知と感情のプロセスを制御かつ阻害する回路との間の不均衡の結果である。

カロリー制限
過栄養による負の副作用とは反対に、カロリー制限は、多様な動物モデルにわたる複数の試験に示されるように、健康を維持して疾病のリスクを低下させ、生活の質と健康寿命を改善させ、老化を遅らせることに対して一貫性のある予測可能な効果を有することが知られている唯一の生理的介入である。末梢組織からの多くのホルモン性シグナルは、エネルギー恒常性と食物摂取量の調節に寄与している。レプチン、インスリン、およびグレリンを含むこれらの制御因子は、視床下部核における食欲促進性および食欲抑制性ニューロペプチドの発現を調節する。負のエネルギーバランスは、空腹感を起こすこのような視床下部核における神経細胞の特異的集団を活性化させると考えられる。カロリー制限の抗老化効果は、食物が不足している期間の生存を最大化する神経内分泌の適応性応答および代謝性応答システムとして、進化の観点から説明されてきた。生物では、このような生存状況のため、余剰のエネルギーはトリグリセリドとして脂肪組織に蓄えられる。脂肪組織は内分泌器官として次第に知られるようになってきており、脂肪細胞から分泌されるレプチンは、カロリー制限下での飢餓および神経内分泌の変化に対する適応性応答に特に重要な因子であると考えられる。対照的に、満腹シグナル伝達の調節不全は、組織における代謝性の過負荷を促進するという点で反対の効果を有し、慢性の疾病をもたらす可能性がある。これらの観察は、満腹経路を標的とした化合物が最終的に恒常性機構を促進し、代謝性の過負荷、すなわち慢性疾患を阻止し得ることから、抗肥満薬の開発に対する意味をもつ。

肥満薬
食欲を低下させる有望な抗肥満薬のリモナバンは、重度な精神医学的副作用と自殺リスクの増大を伴ったために市場から撤退した。体重管理における食欲抑制薬としても用いられる刺激薬はメチルフェニデートであり、これは注意欠陥／多動性障害（ＡＤＨＤ）の治療に最もよく用いられる薬剤である。食欲抑制に加え、メチルフェニデートの単一用量は、肥満した青少年の脂肪および炭水化物の形でのエネルギー摂取を減少させる。メチルフェニデートは、ドーパミン輸送体に選択的に結合してこれを阻害することで、脳のドーパミンレベルを上昇させ、食物の経口摂取後すぐに報酬の値を仲介する。この効果は、摂食行動における中枢神経性のドーパミンシグナル伝達の重要性を強調するものである。

食物摂取量の調節
摂食行動および食欲制御に関わるヒトの脳の領域とネットワークが、機能的ＭＲＩ、ＰＥＴ、脳波検査、および脳磁図検査のような神経画像処理技術によって同定されてきた。摂食行動を調節するホルモン（例えばレプチン、インスリン、およびグルカゴン様ペプチド１）は脳機能に影響を与え得る。
中枢神経系（ＣＮＳ）は、食欲および体重の調節をやや複雑な方法で制御する。ヒトの脳は、内部および外部からの入力を統合してエネルギー恒常性を調節する。現在、視床下部による恒常性制御は、主に食欲、食物摂取量、体重、および肥満発生の制御に関与すると考えられている。視床下部領域は、レプチン、コレシストキニン（ＣＣＫ）、グレリン、インクレチン、オレキシン、インスリン、ペプチドＹＹ、グルコース、アミノ酸および脂肪酸の形で、消化管、脂肪組織および膵臓からもたらされる複数のシグナルによって制御され、身体の生理的状況を反映している。食物摂取量に付随する生理的プロセスである、いわゆる報酬効果は、視床下部と、辺縁系領域および前頭皮質を含むその他幾つかの脳領域とに関連している。辺縁系領域には、側坐核、扁桃体および海馬が含まれる。前頭皮質の神経伝達物質システムは、ドーパミン、セロトニン、オピオイド、およびカンナビノイドに応答し、報酬系および食物摂取量の調節の恒常性に密接に関連している。

神経伝達物質
空腹に関連する複数の神経伝達物質の作用は複雑である。それらのほとんどは、生理的状況と影響を受けた脳の部位に応じて、恒常性および報酬の機構に関連する。ドーパミン作動薬と関係のある脳の領域は、腹側被蓋野（ＶＴＡ）、側坐核、背側線条体、前頭皮質、辺縁系領域、例えば海馬、扁桃体および外側視床下部である。ドーパミン放出は、食物摂取量に対する反応としての報酬の感覚に関連しており、食物を描いた画像を見ることもまた、ドーパミンレベルを上昇させて食物に対する欲求を高める。

電場電位およびＥＥＧの結果
神経伝達物質の受容体および輸送体は、中枢神経系における薬物の主要な標的を代表するものである。薬物とこれらの分子との相互作用によってシグナル伝達カスケードが誘導され、最終的にはイオンチャネルの透過性が制御される。単一の神経細胞の電気活性は、瞬間的に活性化された一連のイオンチャネルに依存することから、神経細胞間の伝達はチャネル活性によって支配される。このことから、電気的な電場電位は、フィードバックループからの複雑な調節を含む神経伝達と協力して薬物とその標的との相互作用を表すことによって、電気的に活性化された神経細胞のさらに大きな局所ネットワークの情報を反映していることは明らかである。薬物存在下での電場電位の頻度分析によって、いわゆる電気薬理図が得られる。これはラットおよびヒトの脳における薬物作用を特徴付けるために広く用いられている。研究上の組成物の電気薬理図の比較は、参照となる医薬品および植物の電気薬理図と共に実行できるが、その理由は、研究上の組成物と参照化合物との間の電気薬理図の類似性がＣＮＳ活性の類似性を示し、ヒトの健康への応用についての理解が可能になるためである。Ｄｉｍｐｆｅｌ，Ｗ．２０１５．Ｄｒｕｇ Ｄｉｓｃｏｖｅｒｙ ａｎｄ Ｔｒａｎｓｌａｔｉｏｎａｌ Ｍｅｄｉｃｉｎｅ．Ｆｒｅｉｅｎｂｒｉｎｋ Ｈｅｒｓｔｅｌｌｕｎｇ ｕｎｄ Ｖｅｒｌａｇ．ＩＳＢＮ：９７８−３−７３８６−７０３９−４，ｐｐ．４７−５４。

例えば瞑想中のヒトにおけるアルファ波（８〜１２．９９Ｈｚ）の増加は、ストレスおよび不安症の低下と、脳のリラックスを示す。ベータ波（１３〜２９．９９Ｈｚ）は、日常的な活動時には１３〜２０Ｈｚ（ベータ１波）であるが、高周波数のβ波（ベータ２およびベータ３波）の存在は、ストレス、過剰な集中、および怒りを示す。したがって、アルファ波と、短波長であるベータ１波を刺激するが、ベータ２波はあまり刺激しない組成物が、ストレスおよび不安症を軽減するために期待されている。

ＣＮＳ刺激物質は、脳波活動に影響することが知られている。脳波活動の減弱または刺激パターンおよびタイプが、注意力および抑うつを含む、根底にある脳活動を反映していることは、当該技術分野において周知である。活動の解剖学的位置もまた、特定の脳機能、例えば海馬の活性化を通した記憶の活性化と関連し得る。例えば眠気および／または疲労は、アルファ波活動の有意な増加と、ガンマ波活動の減少に関連することが示されてきた。Ｐａｐａｄｅｌｉｓ ｅｔ ａｌ．，Ｐｒｏｃｅｅｄｉｎｇｓ ｏｆ ｔｈｅ ２８ｔｈ ＩＥＥＥ ＥＭＢＳ Ａｎｎｕａｌ Ｉｎｔｅｒｎａｔｉｏｎａｌ Ｃｏｎｆｅｒｅｎｃｅ，Ｎｅｗ Ｙｏｒｋ Ｃｉｔｙ，ＵＳＡ，Ａｕｇ３０−Ｓｅｐｔ３，２００６，ｐｐ．６２０１−６２０４。ガンマ帯域のＥＥＧ活動の増加は、高度な覚醒、警戒、または注意の状態に付随する。埋め込み脳電極によるｉｎ−ｖｉｖｏ ＥＥＧのアルファおよびベータ活動の減弱は一般に神経伝達の増加と関連し、警戒力、刺激および抗うつ効果の増大をもたらす。中脳のドーパミンセンターは、報酬、顕著さ、動機、および気分の重要なネットワークを含んでなり、中枢神経系におけるセロトニンの代謝と機能の低下は抑うつに関連する。ブレクスピプラゾールまたはセロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害薬（ＳＮＲＩ）ＺＢＨ２０１２００１のようなセロトニン−ドーパミン活性調節薬が示すように、特定の神経伝達物質の放出は抗うつおよび抗不安効果に関連し得る。

脳波活動の違いは肥満過食（ＢＥ）のような疾病に関連する可能性がある。被験体は、食物を提示されている間、非ＢＥ被験体に比べて前頭部に電気的に大きなベータ波活動がみられるというＥＥＧの結果が得られたが、アルファ、デルタまたはシータ波の振幅に、グループ間で有意差はみられなかった。このことは、前頭部のベータ活動の上昇が、脱抑制−抑制機構の機能不全を示すマーカーになり得ることを示唆しており、これによって肥満ＢＥの女性は食物および環境的キューに対してより脆弱または感受性になる可能性がある（Ｔａｍｍｅｌａ ｅｔ ａｌ．，Ｃｌｉｎ．Ｐｈｙｓｉｏｌ．Ｆｕｎｃｔ．Ｉｍａｇｉｎｇ．，２０１０，Ｖｏｌ．３０，ｐｐ．１３５−４０）。したがって、前頭部の電気的なベータ波活動を抑制する組成物は、過剰な食物に対する欲求を抑制するように作用し得る。

禁煙およびニコチン離脱は脳波活動に影響を与えると考えられ、喫煙者の間でのニコチン欠乏は安静時の皮質活性の低さに関連し得る（すなわちシータおよびアルファ１ＥＥＧ帯域の電力密度が高い場合は、ノルアドレナリン作動性およびセロトニン作動性の活性が低下していると解釈され、ベータ帯域の電力が低い場合は、グルタミン酸作動性／ＧＡＢＡ作働性の神経伝達の増大に関連している）。ニコチン欠乏および飽和状態での低周波数のシータおよびアルファ１波の比較によると、それらは、高ニコチン（飽和）条件に比較して、非常に低いニコチン（欠乏）状態では増加していることが示されたが、アルファ２、ベータ１、およびベータ２帯域における違いはみられなかった。同様に、禁煙した喫煙者ではシータ波の活性が増大していたが、ニコチンガムの摂取でシータ波活動は低下した。同様に、アルファ１／アルファ２比は禁煙した喫煙者で上昇していたが、ニコチンガムの摂取でアルファ１／アルファ２比は低下した。皮質活性におけるシータ波活動の上昇およびアルファ１／アルファ２比の上昇は、離脱関連の認知障害を示している可能性がある。徐波の脳波活動、例えばシータおよび／またはアルファ１波の脳波活動を抑制するか、またはアルファ１活性に比較してアルファ２活性を上昇させる組成物は、ニコチン離脱の影響を抑制して、使用者が喫煙を減らしたり停止するために役立つ。

本開示は、欲求および食欲（主に高カロリーの、甘いか、または脂肪性の食物、甘い飲料および菓子に対する欲求および食欲、および喫煙に対する欲求）の低下、食後の満腹感の持続時間の延長、食欲低下、禁煙後の体重増加の減少、および喫煙後の再発率の低下に有用な組成物を提供する。同時に、これらの組成物は気分を改善し、抗うつ薬として作用することで、欲求および食欲を低下させるリモナバンのような製品の、気分への重度の副作用に対抗する。本明細書に開示される組成物は、高カロリーの食物、スナックおよび飲料に対する欲求および食欲を低下させ、喫煙に対する欲求を低下させ、神経過敏、不安症または抑うつを引き起こさず、ＣＮＳ活性効果を表し、かつ高カロリーの食物、スナック、甘い飲料および菓子に対する欲求を低下させてカロリー制限を促進し、喫煙者のタバコに対する欲求を低下させ、アルコールに対する欲求を低下させることによって、健康を維持して健康寿命および寿命を延長させる。

本明細書に開示される組成物は、食欲および欲求を低下させ、満腹感を向上させ、ストレスを減少させ、比較的長期間にわたって気分を改善するが、実質的に副作用がなく、常用性もないため、いずれのヒトまたは哺乳類にも長期間使用できる。

本明細書に開示される組成物は、
ａ）現存の食欲抑制薬または満腹感を向上させる薬物およびサプリメントによる既知の負の副作用なしにカロリー摂取を減らすことによる、信頼できる健康体重管理プログラムおよび定期的な運動を支持し、かつ
ｂ）抑うつ、気分の落ち込み、および体重増加のような関連副作用を低下させながら、ニコチンに対する欲求を低下させることによる禁煙プログラムを支持する目的のための、
欲求を抑え、満腹感を得る目的で用いられる、スナックバー、チューインガム、菓子、ミールリプレイスメントシェイク、スムージー、飲料、チョコレートおよびエナジードリンクを含む食物および飲料製品に含まれてよい。

代謝的健康
タイガーナッツは、動物モデルにて血清脂質プロファイルを改善し、血清グルコース値を低下させることが示されており、マンギフェリンは、高血糖症を阻止し、高脂血症抑制性およびアテローム産生抑制性の活性を有することが示されている。該組成物のこのような活性は、健康、ウェルネス、正常な老化、および長寿をさらにもたらす。

前述した本発明の目的および利点は、種々の代表的実施形態によって達成され得ることの例示であり、実現の可能性がある利点を網羅するか、または限定することを意図したものではない。したがって、種々の代表的実施形態についての、これら、ならびにその他の目的および利点は、本明細書の記載から明らかであるか、または種々の代表的実施形態を、本明細書で具体化されたか、または当業者に明らかであり得るいずれかの変動に照らして改変されたかの両方の場合に従った実践から知ることができる。したがって本発明は、本明細書に示し、かつ種々の代表的実施形態に記載された、新規方法、配置、組み合わせ、および改善に存在している。

気分の高揚と抗うつ効果を有する、欲求を低下させて満腹感を向上させる効果的な製品に対する現在の必要性を踏まえ、開示される種々の実施形態の概要について簡単に述べる。このような欲求を低下させて満腹感を向上させる製品は、体重管理プログラムにおける減量後に体重を維持するか、または禁煙後の体重増加を阻止するための、信頼できる体重管理プログラムに関わる人々を援助するために必要である。このような欲求および食欲を低下させる製品は、抑うつの副作用、体重増加、またはプログラム終了後の再発なしに、人々が目標を達成することを助け、支持するために必要である。以下の概要には幾らかの単純化および省略が為されている場合があり、それらは開示される課題の幾つかの態様を強調かつ紹介するために意図されたものであって、本発明の範囲を限定するものではない。当業者が本発明の概念を作り出し、かつ使用することを可能にするために適した好ましい実施形態の詳細な説明は、後節に記載する。

本明細書に開示される種々の実施形態は、ショクヨウガヤツリおよびマンギフェリンの抽出物を含む、欲求を低下させ、食欲を低下させ、満腹感を向上させ、ストレスを低下させ、気分を改善するための、２つの天然産物の組み合わせに関する。この組み合わせは、リモナバンまたはメチルフェニデートによって提供される食欲抑制効果に匹敵する効果を有するが、これらの薬物の負の弱点をもたない。加えてこれは、体重減少および禁煙プログラムおよびこのようなプログラムの完了後によくみられる再発に通常付随するストレスの増大と気分の落ち込みまたは抑うつとは反対に、気分を高揚させてストレスを低下させる能力を有する。この組み合わせは機能性食品に基づき、常用性はない。さらなる利点のため、この組み合わせを多数の天然化合物または植物抽出物、または香料と組み合わせてよいか、または幾つかの様式である現存の型式、処方および食品、例えば液体または粉末、顆粒、ガムまたはサシェに加えてもよい。

記載される発明の成分は、ホールタイガーナッツもしくはタイガーナッツの皮の水またはエタノール抽出物、および、純粋なマンギフェリン、または例えばマンゴーリーフ、マンゴー樹皮、マンゴーの果実、もしくはハニーブッシュティーの抽出に由来する、マンギフェリンに標準化された植物抽出物である。これらの産物は、異なる産物の一部を形成してよく、異なる割合で組み合わせて、その他の成分に加えてもよい。

本明細書に開示される種々の実施形態は、それを必要とするヒトにハーブ組成物を投与することによって、前記ヒトの欲求を低下させ、食欲を低下させ、満腹感を向上させて禁煙後の体重増加と再発を回避し、気分を改善してストレスと抑うつを低下させる方法に関する。前記ハーブ組成物は、有効量の、ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、またはそれらの組み合わせの抽出物を含んでいてよい。幾つかの実施形態では、前記ハーブ組成物は、有効量の、マンギフェリン、ノラチリオール、またはマンギフェリンもしくはノラチリオールを含んでなる抽出物を含んでなってもよい。その他の実施形態では、前記ハーブ組成物は、有効量の、ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、またはそれらの組み合わせの抽出物と、マンギフェリン、ノラチリオール、または有効量の、マンギフェリンもしくはノラチリオールを含んでなる抽出物との混合物を含んでいてよい。

種々の実施形態では、ショクヨウガヤツリの皮および／もしくはショクヨウガヤツリの根茎、またはそれらの組み合わせの抽出物は、水抽出物、アルコール抽出物、または含水アルコール抽出物である。ショクヨウガヤツリの抽出物は、ショクヨウガヤツリの根茎の皮の含水アルコール抽出物であってもよい。ショクヨウガヤツリの皮および／またはショクヨウガヤツリの根茎の抽出物は、１用量あたり２０ｍｇ〜２０ｇの量で使用されてよい。

種々の実施形態では、前記ハーブ組成物は、１用量あたり２０ｍｇ〜５ｇの量で使用される、マンギフェリン、ノラチリオール、またはマンギフェリンもしくはノラチリオールを含んでなる抽出物を含む。幾つかの実施形態では、前記ハーブ組成物は、１用量あたり２０ｍｇ〜５ｇのマンギフェリンまたはノラチリオールを提供するために十分な量の、マンギフェリンまたはノラチリオールを含んでなる抽出物を含む。前記マンギフェリンまたはノラチリオールを含んでなる抽出物は、マンゴー、サラシア、サイクロピア、オトギリソウ、カンスコーラ（Ｃａｎｓｃｏｒａ）、ファグラエア、ゲンチアナ、ホッピー（Ｈｏｐｐｅａ）、センブリ、オトギリソウ、ヒメハギ、ナツメ、コフィア、およびそれらの混合物からなる群から選択される属の植物種のマンギフェリン含有抽出物であってよい。

本明細書に開示される種々の実施形態は、ヒトに、
ａ） 有効量の、ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、またはそれらの組み合わせの抽出物、および
ｂ） 有効量の、マンギフェリンまたはマンギフェリンを含んでなる抽出物
の混合物であって、（ａ）と（ｂ）の比が、約１：１〜約５０：１、約１：１〜３０：１、約２：１〜２５：１、約１：１〜２０：１、約４：１〜１５：１、約１０：１〜１５：１、または約１２：１である混合物を投与することによる、ハーブ組成物の投与によって、それを必要とする前記ヒトまたは動物における欲求を低下させ、食欲を低下させ、満腹感を向上させ、ストレスを低下させ、気分を高揚させる方法に関する。種々の実施形態では、有効量の（ａ）は１用量あたり２０ｍｇ〜２０ｇ、および有効量の前記マンギフェリンまたは前記マンギフェリン含有抽出物は１用量あたり５ｍｇ〜５ｇである。幾つかの実施形態では、（ａ）と（ｂ）との混合物は、１用量あたり約１０ｍｇ〜約２０ｇを含有する単位用量として提供される。

種々の実施形態では、本明細書に開示されるハーブ組成物は：
ａ）ハーブ組成物であって、
ｉ． ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、またはそれらの組み合わせの抽出物、
ｉｉ． 有効量の、マンギフェリンまたはマンギフェリンを含んでなる抽出物、または
ｉｉｉ． （ｉ）と（ｉｉ）の混合物であって：
ｂ） ５−ヒドロキシトリプトファン、ビタミンＢ群、カフェイン、セラストロール、シチコリン、シトルリン、コリン、ピコリン酸クロム、コエンザイムＱ１０、クルクミン、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸、ジンセノサイド、グリコマクロペプチド、フペルジン、ヒドロキシクエン酸、Ｌ−カルニチン、Ｌ−カルノシン、Ｌ−トリプトファン、ルテオリン、イボガイン、マグネシウム、Ｎ−メチルチラミン、オレアミド、オメガ３脂肪酸、オクトパミン、フェニルアラニン、フェニルエチルアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルセリン、ケルセチン、ラズベリーケトン、ルチン、レスベラトロール、シネフリン、タウリン、タキシフォリン、テアニン、テオブロミン、ウィサフェリンＡ、キサントフモール、ヤンゴニン、ヨヒンビン、エクジステロイド（２０ＨＥ）、淡水性ラン藻およびその他の藍藻、アスコフィラム・ノドサム、クロレラおよびその他の微細藻類の抽出物、トロロアオイ属の植物種の抽出物、アカシア、アクニスタス、アダンソニア、アフラモムム、アロイジア、アルピニア、アマランサス、アモルフォファルス、アナカルディウム、アラキス、アストラガルス、バコパ、カヤヌス、キャプシカム、カラルマ、セラストラス、チコリウム、シナモマム、シザー（Ｃｉｓｅｒ）、シッサス、クロッカス、センテラ、シトラス、コカ、コーラ、クルクマ、コフィア、セラストラス、カメリア、エレウテロコックス、エフェドラ、エウテルペ、ガルシニア、ギンコ、ガノデルマ、グリシリザ、グリフォニア、ギムネマ、ハイビスカス、フーディア、ホルデウム、イカリン、イレックス、イポメア、イルビンギア、ケンペリア、モリンガ、ムラヤ、オシマム、オレア、オレガノ、オリザ、ポーリニア（Ｐａｕｌｌｉｎｉａ）、パナックス、ペルセア、ファセオルス、ピヌス、プルヌス、ファフィア、パイパー、プエラリア、ピューニカ、ロディオラ、ラポンチカム（Ｒｈａｐｏｎｔｉｃｕｍ）、シサンドラ、キンゴジカ、シデリティス、シモンディア（Ｓｉｍｏｎｄｉａ）、ソラヌム、タベルナンテ、タマリンダス、テオブロマ、トラゴポゴン、トリコカウロン、トリゴネラ、トリプテリギウム、ビキア、ビグナ、ヴィティス、ウィザニア、ショウガ、ナツメ、難消化性でんぷん、ガラクトマンナンを含む非でんぷん性多糖類、グアーガム、ローカストビーンガム、タラガム、イスパキュラ、βグルカン、コンニャクグルコマンナン、メチルセルロース、トラガカント・ゴム、デタリウム、植物および動物ベースのタンパク質、タンパク質加水分解物、およびそれらの混合物からなる群から選択される体重管理または禁煙活動を支持する有効成分と組み合わせた、（ｉ）と（ｉｉ）の混合物
を含んでなるハーブ組成物を含む。

本明細書に開示される種々の実施形態は、欲求を低下させ、食欲を低下させ、満腹感を向上させる一方で、気分を高め、抑うつに対処し、ストレスを低下させる組成物および方法に関する。気分の落ち込みと抑うつは、食欲を低下させて満腹感を向上させる医薬品の一般的な副作用である。前記方法は、満腹感および食欲低下のための薬物を、
ａ） 有効量の、ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、またはそれらの組み合わせの抽出物であって、前記抽出物の約２０ｍｇ〜約２０，０００ｍｇ、約１００ｍｇ〜約５０００ｍｇ、約５００ｍｇ〜約４０００ｍｇ、または約１０００ｍｇ〜約３０００ｍｇであってよい有効量、
ｂ） 有効量の、マンギフェリン、ノラチリオール、またはマンギフェリンもしくはノラチリオールを含んでなる抽出物であって、前記抽出物の約１０ｍｇ〜約５００ｍｇ、約１０ｍｇ〜約３５０ｍｇ、約１０〜約２００ｍｇ、約５〜約１５０ｍｇ、または約８〜約１００ｍｇであってよい有効量、または
ｃ） （ａ）と（ｂ）との相乗的混合物
を含んでなる組成物製品によって置換することを含んでなる。

本明細書に開示される種々の実施形態は、欲求を低下させ、食欲を低下させ、満腹感を向上させる一方で、気分を高揚させ、ストレスを低下させ、禁煙中およびその後の期間、健康維持のための信頼できるカロリー制限食餌療法の期間の体重増加を阻止し、正常な老化および長寿を促進する方法であって、
ａ） 有効量の、ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、またはそれらの組み合わせの抽出物であって、前記抽出物の約２０ｍｇ〜約２０，０００ｍｇ、約１００ｍｇ〜約５０００ｍｇ、約５００ｍｇ〜約４０００ｍｇ、または約１０００ｍｇ〜約３０００ｍｇであってよい有効量、
ｂ） 有効量の、マンギフェリン、ノラチリオール、またはマンギフェリンもしくはノラチリオールを含んでなる抽出物であって、前記抽出物の約１０ｍｇ〜約５００ｍｇ、約１０ｍｇ〜約３５０ｍｇ、約１０〜約２００ｍｇ、約５〜約１５０ｍｇ、または約８〜約１２０ｍｇであってよい有効量、または
ｃ） （ａ）と（ｂ）との相乗的混合物
を含んでなる組成物の方法に関する。

ショクヨウガヤツリおよびマンギフェリンのいずれか、または両方は、欲求を低下させ、食欲を低下させ、満腹感を向上させるために単独で、または体重減少の製品もしくはプログラムまたは禁煙プログラムを組み合わせて使用できる。両抽出物による気分の活性化効果を通して、セレギリンおよびその他の抗うつ薬に匹敵する気分の改善および抗うつ活性が得られることが予想される。これらの抽出物は、リモナバンまたはメチルフェニデートと同程度の効果で、欲求を低下させると予測される。しかしながらこれら天然機能性食品の抽出物に、リモナバンおよびメチルフェニデートに付随する望ましくない副作用は無いことが示されてきた。

ショクヨウガヤツリとマンギフェリンの組み合わせは、食物に対する欲求の低下、食欲の低下、および満腹感の向上、タバコとニコチンに対する欲求の低下、抑うつとストレスの低下、および気分の改善をもたらす。リモナバンにみられるように、食欲低下のための製品は通常抑うつをもたらすことから、これは予想外のことであった。

ショクヨウガヤツリとマンギフェリンの組み合わせによるＥＥＧの特徴は、抗うつ作用をもつ医薬品であるセレギリンに匹敵する。ラットにおけるＥＥＧの特徴は、ラットへの埋め込み電極によるｉｎ ｖｉｖｏでのアルファ１波の減弱に相乗効果を示しており、これは気分を高揚させ／抑うつに対処し、ストレスを減少させる組成物の相乗効果を示唆している。

本明細書に開示される種々の実施形態は、禁煙またはカロリー摂取の減少を試みるヒトの、ニコチン含有製品およびアルコールに対する欲求を低下させる方法に関し、前記方法は、前記ヒトに組成物を投与することを含んでなり、前記組成物は、
ａ） 有効量の、ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、またはそれらの組み合わせの抽出物、
ｂ） 有効量の、マンギフェリン、ノラチリオール、またはマンギフェリンもしくはノラチリオールを含んでなる抽出物、または
ｃ） （ａ）と（ｂ）との相乗的混合物
を含んでなる。

禁煙を試みるヒトに前記組成物を投与する際、前記組成物は、前記ヒトのシータ波活動およびアルファ１／アルファ２比のうちの少なくとも１つを低下させるために有効な量が投与される。

カロリー摂取の減少を試みるヒトに前記組成物を投与する際、前記組成物は、前記ヒトのベータ波活動を低下させることによって食物に対する欲求を低下させるために有効な量が投与される。

禁煙を試みるヒトに前記組成物を投与する際、前記組成物は、
前記ヒトのシータ波活動およびアルファ１／アルファ２比のうちの少なくとも１つを低下させるため
および
前記ヒトのベータ波活動も低下させることによって、前記ヒトによる食物に対する欲求を低下させて体重増加を回避するため
に有効な量が投与されてよい。

本明細書に開示される種々の実施形態は、ヒト被験体またはヒトのストレスを低下させ、気分を改善する方法であって、前記ヒトに組成物を投与することを含んでなる方法に関し、前記組成物は
ａ） 有効量の、ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、またはそれらの組み合わせの抽出物、
ｂ） 有効量の、マンギフェリン、ノラチリオール、またはマンギフェリンもしくはノラチリオールを含んでなる抽出物、または
ｃ） （ａ）と（ｂ）との相乗的混合物、
を含んでなり、ここで前記組成物は、前記ヒトのアルファ波活動を調節するための有効量にて投与される。種々の実施形態では、ヒトは、減量、食物摂取量の制御、または禁煙を試みることによってストレスに曝される。ショクヨウガヤツリ抽出物／マンギフェリン組成物は、アルファ波活動を調節することによってこのストレスの軽減を助ける。ストレスの低下によって、食べることまたは喫煙の再発が回避され得る。

種々の代表的実施形態をより良く理解するため、添付の図面への参照が行われる。

図１は、ショクヨウガヤツリ塊茎根茎抽出物、マンゴーリーフ抽出物、ショクヨウガヤツリ塊茎根茎抽出物＋マンゴーリーフ抽出物、リモナバン、メチルフェニデート、およびセレギリンの脳造影（ＥＥＧ）試験を示し、ここで統計的有意性は次のように設定される：^＊＝ｐ＜０．１０、^＊＊＝ｐ＜０．０５、^＊＊＊＝ｐ＜０．０１。 図２Ａから図２Ｄは、前頭皮質、海馬、および線条体における、生理食塩水対照（図２Ａ）、ショクヨウガヤツリの塊茎根茎、３０％エタノール抽出物（図２Ｂ）、６０％マンギフェリンを含有するマンゴーリーフ抽出物（図２Ｃ）、およびショクヨウガヤツリの塊茎根茎、３０％エタノール抽出物と、６０％マンギフェリンを含有するマンゴーリーフ抽出物の混合物（図２Ｄ）の、神経活性への影響を示し、ここで統計的有意性は次のように設定される：^＊＝ｐ＜０．１０、^＊＊＝ｐ＜０．０５、^＊＊＊＝ｐ＜０．０１。

本出願は、それを必要とするヒトに組成物を投与することを含んでなる、前記ヒトの欲求を低下させ、気分および抑うつ／ストレスを改善するためのハーブ組成物に関し、前記組成物は、
ａ） 有効量のショクヨウガヤツリの抽出物、
ｂ） 有効量の、マンギフェリン、ノラチリオール、またはマンギフェリンもしくはノラチリオールを含んでなる抽出物、または
ｃ） （ａ）と（ｂ）との相乗的組み合わせ
を含んでなる。

本出願において、用語「約」は、列挙される量の通常の変動幅を包含する。有効量の生物学的有効成分との関連で、用語「約」は、剤形の実際の量が、記載された値の８０％〜１２５％、９０％〜１１０％、または９５％〜１０５％であることを意味する。生物学的有効成分間の比との関連で、用語「約」は、記載された値の±２０％、±１０％、または±５％を意味する。

本出願において、用語「それを必要とするヒト」は、体重管理または禁煙プログラムを支持するために欲求の低下を必要とするか、または精神賦活薬および抗うつ薬を必要とするいずれかのヒトまたはヒト被験体を指す。このようなヒトまたはヒト被験体は、小児、青年、成人、または高齢者であってよい。このようなヒトまたはヒト被験体は、欲求を低下させながら抑うつを回避するか、または体重減少もしくは禁煙プログラム中およびその後に彼らの気分を改善することによって、遵守を高め、再発のリスクを低下させることを必要とする、過体重、肥満の人々または喫煙者であってよい。

本明細書に開示される種々の実施形態は、有効量のショクヨウガヤツリの抽出物を含んでなる、欲求を低下させて気分を改善するためのハーブ組成物に関する。ショクヨウガヤツリの抽出物は、植物全体の、またはいずれかの植物部分の抽出物であってよい。ショクヨウガヤツリの抽出される植物部分は、葉、皮、根、根茎、茎、塊茎、またはそれらの組み合わせであってよい。ショクヨウガヤツリの抽出物は、ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、ショクヨウガヤツリの根茎由来の皮、またはそれらの組み合わせの抽出物であってよい。ショクヨウガヤツリの植物部分は、水、有機溶媒、またはそれらの混合物によって抽出されてよい。有機抽出溶媒は、ＤＭＳＯ、アセトン、またはそれらの混合物のような極性非プロトン性溶媒；または１〜４個の炭素原子を有する低級アルコールのような極性プロトン性溶媒であってよい。種々の実施形態では、ショクヨウガヤツリの抽出物は、水、１〜４個の炭素原子を有する低級アルコール、またはそれらの混合物を用いた抽出に由来する、ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、ショクヨウガヤツリの根茎由来の皮、またはそれらの組み合わせの抽出物である。幾つかの実施形態では、ショクヨウガヤツリの抽出物は、水とエタノールの含水アルコール混合液を用いた抽出に由来する、ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、ショクヨウガヤツリの根茎由来の皮の抽出物である。前記抽出物は、臨界未満もしくは超臨界ＣＯ_２による抽出から得てもよい。

本明細書に開示される種々の実施形態は、マンギフェリンまたはノラチリオールを含んでなる、欲求を低下させて気分を改善するためのハーブ組成物に関する。マンギフェリンは式Ｉａで表される構造を有し、式中Ｒは１，５−アンヒドロ−Ｄ−グルシトール環である。ノラチリオールはマンギフェリンのアグリコンであり、式Ｉｂで表される構造を有し、式中Ｒはヒドロキシルである。他に説明の無い限り、本明細書におけるマンギフェリンとの用語は：
純粋な化合物としてのマンギフェリンであって、ここで「純粋な」は、化合物が少なくとも９０％のマンギフェリン、少なくとも９５％のマンギフェリン、少なくとも９８％のマンギフェリン、または少なくとも９９．５％のマンギフェリンであることを意味するように定義されるマンギフェリン；または
マンギフェリンとノラチリオールとの混合物の少なくとも９０重量％を含んでなる組成物
を包含するものとして定義される。

マンギフェリンはキサントノイドポリフェノールである。マンギフェリンは、マンゴー果実、マンゴーの皮、マンゴー樹皮、および／またはマンゴーリーフの抽出物、ならびに種々のサイクロピア種、例えばハニーブッシュティーの抽出物、およびサラシア属の種の抽出物を含む、幾つかの植物において見出される。マンギフェリンは、アルツハイマー病における認知機能の改善に有用な活性であるアセチルコリンエステラーゼ阻害活性を有する。

キサントノイドであるマンギフェリンは、キサントン骨格から形成される天然フェノール化合物である。マンギフェリンについては、そのアグリコンであるノラチリオールは代替成分として常に含まれている。マンギフェリンは抗酸化性および抗炎症性で、抗糖尿病性、抗癌、および抗酸化効果、ならびに抗炎症性、抗ウイルス性、免疫調節性および抗菌活性を含む種々の薬理学的活性を呈することが示されてきた。マンギフェリンには、神経変性疾患に関連したストレス誘導性の影響の防止、神経性の脳欠陥の減少および神経細胞損傷への好ましい効果が報告されており、マンギフェリンが神経の炎症および酸化的傷害に関連した病態において重要な役割を果たし得ることを示している。マンギフェリンは、認識記憶力を強化し、記憶障害を改善し得る一方で、その抗うつ様効果にはＭＡＯＡの阻害が関与すると考えられている。欲求の低下を示す効果について、文献には記載されていない。

本発明のマンギフェリンは、マンギフェリンを含有する植物から抽出されてよい。所望の物質の優れた源は、マンゴー（果実、樹皮もしくは葉）またはハニーブッシュティーであり、これらは原料に依存して２０〜７０％のマンギフェリン濃度に好ましく標準化される。しかしながらマンギフェリンは、マンゴー、サラシア、サイクロピア、オトギリソウ、マンゴー、カンスコーラ（Ｃａｎｓｃｏｒａ）、ファグラエア、ゲンチアナ、ホッピー（Ｈｏｐｐｅａ）、センブリ、オトギリソウ、ヒメハギ、ナツメ、およびコフィア属の植物種を含む他の源からも得ることができる。

タイガーナッツ（ショクヨウガヤツリ）は世界中に広く分布するスゲ科の作物であり、市場およびスーパーマーケットで入手できる一般的なスペインの食品である。スペインでは、タイガーナッツの乳白色の抽出物（すなわち「ｈｏｒｃｈａｔａ ｄｅ ｃｈｕｆａ」）は、年間６，０００万ユーロの経済効果をもたらす非アルコール飲料である。タイガーナッツは、繊維、タンパク質、糖類、オレイン酸およびグルコース、ならびにリン、カリウム、およびビタミンＣとＥが豊富である。タイガーナッツは、血液循環を強化し、心臓病を予防し、大腸癌のリスクを低下させるために有用である。科学文献には、欲求、例えば食物またはタバコに対する欲求の低下、または気分の改善に対するチュウファの効果について何も記載されていない。

ホールタイガーナッツならびにタイガーナッツの皮の水および３０％エタノール抽出物は大量の脂肪および炭水化物を含有するが、アルカロイドまたはフラボノイドは検出されない。前記抽出物は非常に好ましい甘い味であるため、味について制限する必要はない。４ｇのタイガーナッツ抽出物の経口摂取により、欲求の低下と沈静効果が得られる。

タイガーナッツとマンギフェリンを組み合わせると、マンギフェリンの苦味と独特な風味が抑えられることが、本発明に基づいて見出された。さらに、前記組み合わせの電気薬理図は、その両方が食欲阻害薬であるリモナバンとメチルフェニデート（リタリン）、およびセレギリン（禁煙と抗うつのための使用が成功している、抗うつおよび抗パーキンソン病薬）の電気薬理図に著しく類似している（図１）。さらに本発明は、ラット海馬のアルファ１波およびアルファ２波の相乗的な減弱をもたらした（図２Ｄ）。これは神経伝達物質であるセロトニンとドーパミンの活性化を表しており、報酬系と食物摂取量調節の恒常性に密接に関連している。

マンギフェリンおよびそのアグリコン代謝産物であるノラチリオールは、開示される組成物中に、純粋な化合物として、またはマンゴー、サラシア、サイクロピア、オトギリソウ、カンスコーラ（Ｃａｎｓｃｏｒａ）、ファグラエア、ゲンチアナ、ホッピー（Ｈｏｐｐｅａ）、センブリ、オトギリソウ、ヒメハギ、ナツメ、コフィアおよびそれらの混合物からなる群から選択される属の植物種の抽出物の成分として、含まれていてよい。前記植物種はマンギフェリンおよび／またはノラチリオールを含有し、水、水性塩基、極性プロトン性有機溶媒、極性非プロトン性有機溶媒、またはそれらの混合液によって抽出されてよい。種々の実施形態では、前記植物種はマンギフェリンを含んでなり、水、１〜４個の炭素原子を有する低級アルコール、またはそれらの混合液によって抽出される。

種々の実施形態では、前記ハーブ組成物は、１用量あたり２０ｍｇ〜５ｇの量で使用される、マンギフェリン、ノラチリオール、またはマンギフェリンもしくはノラチリオールを含んでなる抽出物を含有する。前記ハーブ組成物は、１用量あたり２０ｍｇ〜５ｇのマンギフェリンまたはノラチリオールを含んでなる抽出物を含有してよい。抽出物中のマンギフェリンおよび／またはノラチリオールの濃度が既知の場合、前記抽出物は、１用量あたり２０ｍｇ〜５ｇのマンギフェリンまたはノラチリオールの提供に十分な量において提供されてよい。したがって、例えばマンゴー属の植物の抽出物が３０％のマンギフェリンを含有する場合、前記抽出物は、前記抽出物の重量に基づいて１用量あたり２０ｍｇ〜５ｇの量において提供されてよい。あるいはマンゴー抽出物は、１用量あたり２０ｍｇ〜５ｇのマンギフェリンを提供するように、１用量あたり６６．７ｍｇ〜１６．７グラムの量を投与してもよい。

開示される種々の実施形態は、チュウファまたはタイガーナッツ抽出物とマンギフェリン含有植物の抽出物とを含有するハーブ組成物に関し、前記組成物は、前頭皮質、海馬および線条体におけるＣＮＳ活性の強化に有効である。種々の実施形態では、前記組成物は、脳におけるアルファ波活動の上昇によって示されるように、欲求の低下に有効である。前記組成物はまた、ラットＥＥＧにおけるアルファ１波の低下が表すセレギリンとの類似性およびセロトニン放出の増大によって示されるように、気分の改善と抑うつの低下にも有効である。

動物の脳造影（ＥＥＧ）試験を通し、本出願は、チュウファまたはタイガーナッツ抽出物（ショクヨウガヤツリの塊茎根茎の抽出によって調製）およびマンギフェリン（純粋な化合物としての）およびマンギフェリン含有植物抽出物は、ＣＮＳでの特性に関して互いに明らかに類似していることを実証する。さらに、これらの活性は、既知の食欲抑制薬であるリモナバンおよびメチルフェニデートに驚くほど類似している。チュウファ抽出物の効果はマンギフェリンよりも低い。ヒト成人被験体において、約４グラムのチュウファ抽出物の活性は、約４００ｍｇのマンギフェリンの活性とほぼ同じである。

本明細書に示される重要な発見は、ショクヨウガヤツリ抽出物とマンギフェリンが、互いに、かつリモナバン、メチルフェニデートおよびセレギリンに対して、非常に類似したＣＮＳ活性効果を有することである（ＥＥＧによって証明された）。しかしながらリモナバンとは異なり、ショクヨウガヤツリ抽出物とマンギフェリンは、摂取時に沈静、ストレス解消の活性も示す。さらに、ショクヨウガヤツリ抽出物とマンギフェリンはプラトー効果を示す。これらの抽出物は、特定の閾値を超えて多量に摂取してもＣＮＳを強く刺激しないため、乱用の可能性は最小限である。高い摂取量または用量であっても、ショクヨウガヤツリ抽出物とマンギフェリンは、リモナバンまたはメチルフェニデートの過剰用量によって引き起こされる既知の副作用、例えば不眠および抑うつを示さない。

チュウファの皮は、先行技術では一般にチュウファ処理の廃棄物とみなされている。しかしながら、チュウファの皮、例えばチュウファの塊茎根茎の皮の３０％エタノール−水抽出物は、ホールチュウファの３０％エタノール−水抽出物よりもさらに強力な活性化活性を示し、ホールチュウファの３０％エタノール−水抽出物はホールチュウファの水抽出物よりもさらに強力な活性を有することが発見された。しかしながら、チュウファの塊茎根茎のエタノール、水、および含水アルコール抽出物はすべて望ましいＣＮＳ活性化活性を示す。

種々の実施形態では、チュウファまたはタイガーナッツ抽出物とマンギフェリン含有植物の抽出物は、個々の有効成分として摂取され得る。チュウファまたはタイガーナッツ抽出物は、成人のヒトにおいて、約０．１ｇ／日〜約１０ｇ／日、約０．５ｇ／日〜約８ｇ／日、約１ｇ／日〜約５ｇ／日、または約１ｇ／日〜約４ｇ／日の量が望ましく摂取される。マンギフェリン含有植物抽出物は、成人のヒトによって約２５ｍｇ／日〜約５ｇ／日、約５０ｍｇ／日〜約２ｇ／日、約１００ｍｇ／日〜約１ｇ／日、または約２００ｍｇ／日〜約４００ｍｇ／日の量が望ましく摂取される。

チュウファまたはタイガーナッツ抽出物とマンギフェリン含有植物の抽出物は、海馬におけるアルファ１およびアルファ２波活動に対して相乗的活性を有する。海馬におけるアルファ波活動の上昇は、リモナバンおよびメチルフェニデートによるものと同等であり、前記組成物が欲求抑制効果を高める証拠である。チュウファまたはタイガーナッツ抽出物とマンギフェリン含有植物の抽出物は、約０．５：１〜約３０：１、約１：１〜約２０：１、約５：１〜約１０：１、および約７．５：１の比で好ましく組み合わされる。

チュウファまたはタイガーナッツ抽出物とマンギフェリン含有植物の抽出物は、個別に摂取するか、または組み合わせて摂取するかを問わず、迅速に作用を開始する。経口摂取後１時間以内、または頬粘膜からの吸収後１５〜２０分以内に、ＥＥＧの結果は神経活性に対する抽出物の効果を示す。前記抽出物の作用の持続時間は、３〜６時間と長い。チュウファまたはタイガーナッツ抽出物とマンギフェリン含有植物の抽出物とを組み合わせて同時に摂取すると、作用の持続時間は少なくとも５時間であり、５時間後の脳波活動における前記組み合わせの効果は、前記抽出物を別々に摂取してから５時間後の脳波活動における効果よりも有意に大きい。

本明細書に開示されるチュウファまたはタイガーナッツ抽出物とマンギフェリン含有植物の抽出物を、個別に、または組み合わせて摂取したヒトは、前記抽出物が欲求を低下させたと報告している。本明細書に開示されるチュウファまたはタイガーナッツ抽出物とマンギフェリン含有植物の抽出物を、個別に、または組み合わせて摂取したヒトは、前記抽出物が意欲を改善し、気分を高揚させるが、同時に沈静の感覚、不安症の低減、ストレス、緊張および神経過敏の低減、および衝動性の低減も誘導すると報告している。リモナバンとは異なり、前記抽出物は、非常な高用量でも、気分の落ち込み、抑うつ、または自殺のリスク増大を起こさない。

本明細書に開示されるチュウファまたはタイガーナッツ抽出物とマンギフェリン含有植物の抽出物は、苦味の無い好ましい味で、機能性食品および飲料への応用に完璧に適している。前記抽出物は、食品、飲料、およびサプリメントに対する欲求を低下させ、気分を改善するために使用でき、抑うつまたは不安症を起こさない。上で考察したように、本明細書に開示されるハーブ組成物は、
ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、またはそれらの組み合わせの抽出物、
有効量の、マンギフェリンまたはマンギフェリンを含んでなる抽出物、または
ショクヨウガヤツリの皮または根茎の抽出物と、マンギフェリンまたはマンギフェリンを含んでなる抽出物との混合物
を含んでなるハーブ組成物を含有する。

特許請求される組成物は、
ｉ） ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリ根茎、またはそれらの組み合わせの抽出物を約１０重量％〜約９５重量％、約２５重量％〜約９０重量％、約４０重量％〜約８５重量％、または約５０重量％〜約８０重量％、および気分を高揚させるかまたはストレスもしくは不安症を減少させるためのさらなる成分を約５重量％〜約９０重量％、約１０重量％〜約７５重量％、約１５重量％〜約６０重量％、または約２０重量％〜約５０重量％、
ｉｉ） マンギフェリンまたはマンギフェリンを含んでなる抽出物を約１０重量％〜約９５重量％、約２５重量％〜約９０重量％、約４０重量％〜約８５重量％、または約５０重量％〜約８０重量％、および気分を高揚させるかまたはストレスもしくは不安症を減少させるためのさらなる成分を約５重量％〜約９０重量％、約１０重量％〜約７５重量％、約１５重量％〜約６０重量％、または約２０重量％〜約５０重量％、または
ｉｉｉ） ａ． ショクヨウガヤツリの皮および／または根茎の抽出物、および
ｂ． マンギフェリンまたはマンギフェリンを含んでなる抽出物、
の混合物を約１０重量％〜約９５重量％、約２５重量％〜約９０重量％、約４０重量％〜約８５重量％、または約５０重量％〜約８０重量％、および気分を高揚させるかまたはストレスもしくは不安症を減少させるためのさらなる成分を約５重量％〜約９０重量％、約１０重量％〜約７５重量％、約１５重量％〜約６０重量％、または約２０重量％〜約５０重量％含んでいてよい。
ｃ）この気分をさらに高揚させるか、または抑うつ、ストレスもしくは不安症を減少させるためのさらなる成分は、５−ヒドロキシトリプトファン、ビタミンＢ群、カフェイン、シチコリン、シトルリン、コリン、ピコリン酸クロム、コエンザイムＱ１０、クルクミン、グリコマクロペプチド、フペルジン、ヒドロキシクエン酸、Ｌ−カルニチン、Ｌ−カルノシン、Ｌ−トリプトファン、ルテオリン、イボガイン、マグネシウム、Ｎ−メチルチラミン、オレアミド、オメガ３脂肪酸、オクトパミン、フェニルアラニン、フェニルエチルアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルセリン、ケルセチン、ラズベリーケトン、ルチン、レスベラトロール、シネフリン、タウリン、タキシフォリン、テアニン、テオブロミン、キサントフモール、ヤンゴニン、ヨヒンビン、エクジステロイド（２０ＨＥ）、淡水性ラン藻およびその他の藍藻、アスコフィラム・ノドサム、クロレラおよびその他の微細藻類の抽出物、アフラモムム、アロイジア、アルピニア、アストラガルス、バコパ、キャプシカム、カラルマ、チコリウム、シナモマム、シザー（Ｃｉｓｅｒ）、シッサス、クロッカス、センテラ、シトラス、コカ、コーラ、クルクマ、コフィア、セラストラス、カメリア、エレウテロコックス、エフェドラ、エウテルペ、ガルシニア、ギンコ、ガノデルマ、グリシリザ、グリフォニア、ギムネマ、フーディア、ホルデウム、オトギリソウ、イカリン、イレックス、イポメア、イルビンギア、ケンペリア、オシマム、オレア、オレガノ、ポーリニア（Ｐａｕｌｌｉｎｉａ）、パナックス、ペルセア、ファセオルス、ピヌス、プルヌス、ファフィア、パイパー、プエラリア、ピューニカ、ロディオラ、ラポンチカム（Ｒｈａｐｏｎｔｉｃｕｍ）、シサンドラ、キンゴジカ、シデリティス、シモンディア（Ｓｉｍｏｎｄｉａ）、ソラヌム、タベルナンテ、タマリンダス、テオブロマ、トラゴポゴン、トリコカウロン、トリゴネラ、ビキア、ビグナ、ヴィティス、ウィザニア、ショウガ、ナツメ属の植物種の抽出物、ガラクトマンナンを含む非でんぷん性多糖類、グアーガム、ローカストビーンガム、タラガム、イスパキュラ、βグルカン、コンニャクグルコマンナン、メチルセルロース、トラガカント・ゴム、デタリウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される。

マンギフェリンおよびマンゴー抽出物は、口中で溶解または分散する頬ストリップ、チューインガム、錠剤、カプセル、エマルション、懸濁液、口中スプレー、発泡剤、溶解する顆粒または粉末、サシェ、または透明な飲料を含む経口剤形中に取り込まれてよい。チュウファ抽出物は、単独で、またはマンギフェリンおよびマンゴー抽出物との組み合わせで、典型的には不透明で乳白色の飲料の形態であり、口中で溶解または分散する頬ストリップ、チューインガム、錠剤、カプセル、溶解する顆粒または粉末、サシェ、エマルション、懸濁液、牛乳、牛乳以外のミルク、ヨーグルト、およびミルクとフルーツジュースの組み合わせを含む経口剤形中に取り込まれてよい。

本明細書に開示される組成物は、
粘膜吸収のための口中で溶解または分散する頬ストリップ、チューインガム、咀嚼錠、舐剤、発泡錠、カプセル、またはエマルション、
機能性チョコレート、マジパン、または砂糖菓子、
パンまたはクラッカーに塗り広げるための、ホイルサシェ内の用量が正確に測られた機能性スプレッド、
いずれかの飲料または食品に添加するためのメジャースプーン付きの粉末、
舐剤、
口中または経鼻用スプレー、
飲料に添加するためのサシェまたはスティックの形態である非乳製品のクリーマー、および
スナックバー、キャンディ、またはクッキーとして提供されてよい。

本明細書に開示される組成物は、禁煙のための体重管理プログラムにおいて欲求を抑制する理由で使用されてよく、食欲低下または満腹感のために現在使用されている医薬品に代わるものとして、すべての種類の形式に添加されてよい。

しかしながら、その際には抑うつおよび自殺のリスクを含む、リモナバンの有害な副作用もまた失われる。ショクヨウガヤツリの皮および／または根茎の抽出物、マンギフェリンまたはマンギフェリンを含んでなる抽出物、またはそれらの混合物を用いて、製品中の医薬品のすべてまたは一部を除去することにより、この薬物（例えばリモナバン）の副作用は除かれるが、望ましいＣＮＳ刺激活性は回復する。約２グラムのチュウファ抽出物は１０ｍｇのリモナバンまたは１０ｍｇのメチルフェニデートに相当すると推定される。同様に、マンギフェリンおよびマンギフェリン含有抽出物は、食品、飲料またはサプリメントに対する欲求を低下させるために用いられてよい。約１００〜約２００ｍｇのマンギフェリンは１０ｍｇのリモナバンまたは１０ｍｇのメチルフェニデートに相当すると推定される。

ショクヨウガヤツリ抽出物とマンギフェリンとを約２０：１〜１：１の比で組み合わせた組成物は、１０ｍｇのリモナバンまたは１０ｍｇのメチルフェニデートの代わりに用いられてよい。約２０ｍｇ〜約２００ｍｇのショクヨウガヤツリ抽出物／マンギフェリンの組み合わせは、１０ｍｇのリモナバンまたは１０ｍｇのメチルフェニデートを置換するために用いられてよい。リモナバンまたはメチルフェニデートの代替として、１０ｍｇ〜２０ｇの量の、ショクヨウガヤツリ−マンギフェリンの組み合わせまたはマンギフェリン含有植物抽出物が使用される。

本発明に基づいたショクヨウガヤツリ抽出物／マンギフェリン組成物は、抽出過程後の２つの成分の単純な混合物であってよい。本発明は、欲求低下の効果および体重減少または禁煙へのポジティブな効果をさらに増大する目的で、さらなる成分を有利に含んでよい。したがって、例えばその他の食欲低下、気分改善、抗肥満、または欲求抑制成分が、現存の組み合わせ製品に、本発明によって提供される欲求抑制効果を強化するため、有利に添加されてよい。同じ製品が、ショクヨウガヤツリ抽出物またはマンギフェリンへ、別々に添加されてもよい。

本発明の他の態様を改善するため、例えば気分および幸福感に対する効果のため、ガノデルマ、ガルシニア・コラおよびアストラガルスのような天然産物を本組成物と組み合わせてもよい。ピペリン、カプサイシンまたはショウガのような、吸収および生物学的利用能を強化する成分を添加してもよい。天然および人工甘味料、ならびにコーヒー、バニラ、ヘーゼルナッツ、チョコレート、クリーム、または果実香味料のような香味料を統合させてもよい。オメガ３脂肪酸、ビタミンおよびミネラルのような栄養素を添加してもよい。運動選手に対しては、ウィザニアおよびロディオラを含む適応促進薬、アミノ酸のシトルリンおよびホスファチジルセリン、ホウレンソウおよび食用ビーツを含む天然硝酸塩源、エクジステロンおよびウルソール酸のような同化または抗異化成分、および抗酸化剤のような筋肉の健康と回復を改善する製品を添加してもよい。添加してもよい適切な抗酸化剤には、抗酸化効果またはキサンチン酸化酵素の阻害効果を有するポリフェノールが挙げられる。代表的なポリフェノールには緑茶由来のカテキン、ココア由来のポリフェノール、ブドウ由来のレスベラトロール、タデ属植物またはグネモンの種子、ホップ由来のキサントフモール、およびルテオリン、ルチンまたはケルセチンが挙げられる。

ショクヨウガヤツリ抽出物／マンギフェリン組成物は、フーディア、クルクマおよびショウガのような欲求抑制、体重減少または禁煙製品、および／またはギンコ、シチコリンまたはフペルジンのような気分改善製品と組み合わせてもよい。

本発明の組成物に含まれるさらなる成分の量は、さらなる成分それぞれの特性に依存して変化する。本発明は、例えば、１：５０〜５０：１の比で抗酸化剤と組み合わせてよい。

本組成物は広範囲にわたる産業への有益な応用が可能であり、液体、シロップ、または固体（錠剤）もしくは微粉もしくは顆粒もしくはガムの形態で提供してよいか、または液体、固体（錠剤）、シロップの食品中に、顆粒もしくは微粉を均一に取り込ませてもよい。液体は、茶、コーヒー、水またはミルク、ジュース、ヨーグルトまたはスムージーと混合することで希釈される濃縮形態で提供されてよく、これによりリモナバンに典型的に付随する欲求低下および気分改善の利点を提供する、最終的に消費可能な液体である飲料が提供される。本発明の濃度は、製品の形式、目的および／またはさらなる成分に依存して変化する。

本明細書に開示される組成物は、食欲低下または満腹感のために現在使用されている医薬品、特にリモナバンおよびメチルフェニデートを置換するために使用されてよい。特定の実施形態において、約２〜５グラムのショクヨウガヤツリ抽出物は、５．５〜１４．５ｍｇのリモナバンまたは５．５〜１４．５ｍｇのメチルフェニデートと同等の活性を有し、約３〜４グラムのショクヨウガヤツリ抽出物は、８．５〜１１．５ｍｇのリモナバンまたは８．５〜１１．５ｍｇのメチルフェニデートと同等の活性を有するか、または約３．５グラムのショクヨウガヤツリ抽出物は、１０ｍｇのリモナバンまたは１０ｍｇのメチルフェニデートと同等の活性を有する。同様に、約１００〜約４００ｍｇのマンギフェリンは、約１０〜４０ｍｇのリモナバンまたは約２〜８ｍｇのメチルフェニデートと同等であり、約２００〜約３００ｍｇのマンギフェリンは、約２０〜３０ｍｇのリモナバンまたは約４〜６ｍｇのメチルフェニデートと同等であるか、または約２５０ｍｇのマンギフェリンは、約２５ｍｇのリモナバンまたは５ｍｇのメチルフェニデートと同等である。

ショクヨウガヤツリ抽出物とマンギフェリンとを約２０：１〜１：１の比で組み合わせた組成物は、欲求低下のために用いられてよい。約２０ｍｇ〜約２００ｍｇのショクヨウガヤツリ抽出物／マンギフェリンの組み合わせは、５ｍｇ〜５０ｍｇのリモナバンまたは１〜１０ｍｇのメチルフェニデートを置換するために用いられてよいか、または約１００ｍｇのショクヨウガヤツリ抽出物／マンギフェリンの組み合わせは、２５ｍｇのリモナバンまたは５ｍｇのメチルフェニデートを置換するために用いられてよい。１０ｍｇのリモナバンまたは１０ｍｇのメチルフェニデートの代替として、１０ｍｇ〜２０ｇの量の、ショクヨウガヤツリ−マンギフェリンの組み合わせまたはマンギフェリン含有植物抽出物が置換に使用される。

本発明の組成物は、薬学的に許容される賦形剤をさらに含んでなる医薬組成物であってもよい。前記薬学的に許容される賦形剤の限定されない例としては、水、エタノールのようなアルコール、またはそれらの混合物が挙げられる。

本発明はまた、以下の実施形態によっても説明できる。

実施形態１：高カロリーの食物、甘味飲料および菓子、ニコチン含有製品、並びにアルコールのうちの少なくとも１つに対する欲求の低下を必要とするヒトの当該欲求を低下させるために使用される、
ａ）有効量の、ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、またはそれらの組み合わせの抽出物、
ｂ）有効量の、マンギフェリン、ノラチリオール、またはマンギフェリンもしくはノラチリオールを含んでなる抽出物、または
ｃ）（ａ）と（ｂ）との相乗的混合物、
を含んでなる組成物。

実施形態２：前記ヒトが禁煙を試み、前記組成物が前記ヒトのニコチン含有製品に対するに対する欲求を低下させる、実施形態１に記載の使用のための組成物。

実施形態３：前記組成物が、前記ヒトにおけるシータ波活動およびアルファ１／アルファ２比を低下させるための有効量にて投与される、実施形態１または実施形態２に記載の使用のための組成物。

実施形態４：前記ヒトがカロリー摂取の低下を試み、前記組成物が前記ヒトの食物に対する欲求を低下させ、前記組成物が前記ヒトにおけるベータ波活動を低下させるために有効な量にて投与される、実施形態１に記載の使用のための組成物。

実施形態５：前記組成物が前記ヒトの食物に対する欲求をさらに低下させ、前記組成物が前記ヒトにおけるシータ波活動、ベータ波活動、およびアルファ１／アルファ２比を低下させるための有効量にて投与される、実施形態３に記載の使用のための組成物。

実施形態６：ヒトのストレスを低下させ、気分を改善させるために使用される、
ａ）有効量の、ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、またはそれらの組み合わせの抽出物、
ｂ）有効量の、マンギフェリン、ノラチリオール、またはマンギフェリンもしくはノラチリオールを含んでなる抽出物、または
ｃ）（ａ）と（ｂ）との相乗的混合物、
を含んでなる組成物であって、
前記ヒトにおけるアルファ波活動を調節することを特徴とする組成物。

実施形態７：前記組成物が、前記ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、またはそれらの組み合わせの抽出物を含んでなる、実施形態１から５のいずれか１つに記載の使用のための組成物。

実施形態８：前記ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、またはそれらの組み合わせの抽出物が、水抽出物、アルコール抽出物、もしくは含水アルコール抽出物、または臨界未満もしくは超臨界ＣＯ_２抽出物である、実施形態１から５、または７のいずれか１つに記載の使用のための組成物。

実施形態９：前記抽出物の組成物が、ショクヨウガヤツリ根茎の皮の含水アルコール抽出物を含んでなる、実施形態１から５、または実施形態７もしくは８のいずれか１つに記載の使用のための組成物。

実施形態１０：前記ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、またはそれらの組み合わせの前記有効量が１用量あたり２０ｍｇ〜２０ｇである、実施形態１から５、または実施形態７から９のいずれか１つに記載の使用のための組成物。

実施形態１１：前記組成物が、マンギフェリン、ノラチリオール、またはマンギフェリンもしくはノラチリオールを含んでなる抽出物の前記有効量を含んでなる、実施形態１から５のいずれか１つに記載の使用のための組成物。

実施形態１２：前記マンギフェリンまたは前記ノラチリオールの前記有効量が１用量あたり２０ｍｇ〜５ｇである、実施形態１１に記載の使用のための組成物。

実施形態１３：マンギフェリンまたはノラチリオールを含んでなる前記抽出物の前記有効量が、１用量あたり２０ｍｇ〜５ｇのマンギフェリンまたはノラチリオールの提供に十分な量である、実施形態１１に記載の使用のための組成物。

実施形態１４：マンギフェリンまたはノラチリオールを含んでなる前記抽出物が、マンゴー、サラシア、サイクロピア、オトギリソウ、カンスコーラ（Ｃａｎｓｃｏｒａ）、ファグラエア、ゲンチアナ、ホッピー（Ｈｏｐｐｅａ）、センブリ、オトギリソウ、ヒメハギ、ナツメ、およびそれらの混合物からなる群から選択される属の植物種のマンギフェリン含有抽出物である、実施形態１から５、または実施形態１１から１３のいずれか１つに記載の使用のための組成物。

実施形態１５：前記組成物が前記（ａ）と（ｂ）との相乗的混合物を含んでなる、実施形態１から５のいずれか１つに記載の使用のための組成物。

実施形態１６：（ａ）が、ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、またはそれらの組み合わせの水抽出物、アルコール抽出物、または含水アルコール抽出物である、実施形態１５に記載の使用のための組成物。

実施形態１７：（ａ）がショクヨウガヤツリ根茎の皮の含水アルコール抽出物を含んでなる、実施形態１５または１６に記載の使用のための組成物。

実施形態１８：（ｂ）が、マンギフェリン、またはマンゴー、サラシア、サイクロピア、オトギリソウ、カンスコーラ（Ｃａｎｓｃｏｒａ）、ファグラエア、ゲンチアナ、ホッピー（Ｈｏｐｐｅａ）、センブリ、オトギリソウ、ヒメハギ、ナツメ、およびそれらの混合物からなる群から選択される属の植物種のマンギフェリン含有抽出物を含んでなる、実施形態１５から１７のいずれか１つに記載の使用のための組成物。

実施形態１９：（ａ）と（ｂ）の比が、約１：１〜約５０：１である、実施形態１５から１８のいずれか１つに記載の使用のための組成物。

実施形態２０：（ａ）と（ｂ）の比が、約１：１〜約２０：１である、実施形態１５から１８のいずれか１つに記載の使用のための組成物。

実施形態２１：（ａ）と（ｂ）の比が、約４：１〜約１５：１である、実施形態１５から１８のいずれか１つに記載の使用のための組成物。

実施形態２２：前記有効量の（ａ）が１用量あたり２０ｍｇ〜２０ｇであり、前記マンギフェリンまたは前記マンギフェリン含有抽出物の前記有効量が１用量あたり５ｍｇ〜５ｇである、実施形態１８に記載の使用のための組成物。

実施形態２３：前記組成物が、１用量あたり１０ｍｇ〜２０ｇを含有する単位用量として提供される、実施形態１５から１９のいずれか１つに記載の使用のための組成物。

実施形態２４：前記組成物が、５−ヒドロキシトリプトファン、ビタミンＢ群、カフェイン、シチコリン、シトルリン、コリン、ピコリン酸クロム、コエンザイムＱ１０、クルクミン、グリコマクロペプチド、フペルジン、ヒドロキシクエン酸、Ｌ−カルニチン、Ｌ−カルノシン、Ｌ−トリプトファン、ルテオリン、イボガイン、マグネシウム、Ｎ−メチルチラミン、オレアミド、オメガ３脂肪酸、オクトパミン、フェニルアラニン、フェニルエチルアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルセリン、ケルセチン、ラズベリーケトン、ルチン、レスベラトロール、シネフリン、タウリン、タキシフォリン、テアニン、テオブロミン、キサントフモール、ヤンゴニン、ヨヒンビン、エクジステロイド（２０ＨＥ）、淡水性ラン藻およびその他の藍藻、アスコフィラム・ノドサム、クロレラおよびその他の微細藻類の抽出物、アフラモムム、アロイジア、アルピニア、アストラガルス、バコパ、キャプシカム、カラルマ、チコリウム、シナモマム、シザー（Ｃｉｓｅｒ）、シッサス、クロッカス、センテラ、シトラス、コカ、コーラ、クルクマ、コフィア、セラストラス、カメリア、エレウテロコックス、エフェドラ、エウテルペ、ガルシニア、ギンコ、ガノデルマ、グリシリザ、グリフォニア、ギムネマ、フーディア、ホルデウム、イカリン、イレックス、イポメア、イルビンギア、ケンペリア、オシマム、オレア、オレガノ、ポーリニア（Ｐａｕｌｌｉｎｉａ）、パナックス、ペルセア、ファセオルス、ピヌス、プルヌス、ファフィア、パイパー、プエラリア、ピューニカ、ロディオラ、ラポンチカム（Ｒｈａｐｏｎｔｉｃｕｍ）、シサンドラ、キンゴジカ、シデリティス、シモンディア（Ｓｉｍｏｎｄｉａ）、ソラヌム、タベルナンテ、タマリンダス、テオブロマ、トラゴポゴン、トリコカウロン、トリゴネラ、ビキア、ビグナ、ヴィティス、ウィザニア、ショウガ、ナツメ属の植物種の抽出物、ガラクトマンナンを含む非でんぷん性多糖類、グアーガム、ローカストビーンガム、タラガム、イスパキュラ、βグルカン、コンニャクグルコマンナン、メチルセルロース、トラガカント・ゴム、デタリウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される有効成分をさらに含んでなる、実施形態１から５もしくは７から２３のいずれか１つに記載の使用のための組成物、または実施形態６に記載の使用のための組成物。

実施形態２５：
ａ）有効量の、ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、またはそれらの組み合わせの抽出物、
ｂ）有効量の、マンギフェリン、ノラチリオール、またはマンギフェリンもしくはノラチリオールを含んでなる抽出物、または
ｃ）（ａ）と（ｂ）との相乗的組み合わせ、
を含んでなる組成物。

ヒトの食欲を低下させ、満腹感を向上させるために使用される。

実施形態２６：実施形態１に記載の使用のための組成物、または実施形態６に記載の使用のための組成物、または実施形態２５に記載の使用のための組成物を含んでなり、薬学的に許容される賦形剤をさらに含んでなる医薬組成物。

実施例１：
被験体：フィッシャー３４４ラット（１１か月齢および昼夜切り換え、体重約３５０〜４００ｇ、Ｃｈａｒｌｅｓ Ｒｉｖｅｒ Ｌａｂｏｒａｔｏｒｉｅｓ、Ｄ−９７６３３、Ｓｕｌｚｆｅｌｄより提供）を、中枢神経系の活動に対する種々のハーブおよび医薬製品の効果についての一連の実験に用いた。製品は被験体に経口投与した（胃管栄養法）。

試験物質：本試験において試験した物質を以下に挙げる。
対照ビヒクル（０．９％ ＮａＣｌ）、
ショクヨウガヤツリ塊茎根茎、エタノール抽出物、２００ｍｇ／ｋｇの量を７ラットへ投与、
マンゴーリーフ、エタノール抽出物、５０ｍｇ／ｋｇの量を７ラットへ投与、
ショクヨウガヤツリ塊茎根茎の皮、エタノール抽出物を１５０ｍｇ／ｋｇと、マンギフェリンを６０％含有するマンゴーリーフ抽出物５０ｍｇ／ｋｇを５ラットへ投与、
セレギリン、１．５ｍｇ／ｋｇの量を８ラットへ投与、
メチルフェニデート、１．０ｍｇ／ｋｇの量を８ラットへ投与、
リモナバン、５ｍｇ／ｋｇの量を６ラットへ投与。

銅によって完全にシールドした部屋の内部から、自由に動き回るラットの前頭皮質、海馬および線条体に植え込んだ４つの電極からのＥＥＧシグナルを遠隔測定によって記録した。シグナルは持続時間４秒のスイープによって収集され、ハニング窓を用いて高速フーリエ変換された。ＥＥＧシグナルは、試験物質を投与してから５分後に開始し、試験物質を投与してから６５分後に終了する１周期にわたって記録した。サンプリング周波数は５１２Ｈｚであった。スペクトルは各３分間の工程を平均して、オンラインで表示した。オフラインの手順では、スペクトルを、さらなる解析とデータ提示のために、より長い期間となるように平均した。前頭皮質、海馬、線条体および網様体内のスペクトル活性を記録した。対照ビヒクル（０．９％ ＮａＣｌ）のみの経口投与は、４つの脳領域内で、スペクトルパワーにわずかな変化をもたらした。

これらの動物のｉｎ ｖｉｖｏ脳造影（ＥＥＧ）試験を通して、驚くべきことに、ショクヨウガヤツリ塊茎根茎抽出物、マンギフェリン、マンギフェリン含有植物抽出物、およびショクヨウガヤツリ塊茎根茎の抽出物とマンギフェリンとの組み合わせは、ＣＮＳでの特性に関して互いに明らかに類似しているのみではなく、参照のリモナバン、メチルフェニデート、およびセレギリンにも驚くほど類似していることが発見された。図１に示すように、記録開始から１時間の間、これらの抽出物または化合物はそれぞれ、前頭皮質において、ｉｎ ｖｉｖｏ ＥＥＧでのスペクトルパワーの低下を示し、海馬、線条体および網様体において、脳波のいくらかの低下を示した。このような低下は、神経伝達の活性化に関連している。図１に示すように、ドーパミン作動薬の神経伝達に関連した、すべての脳部位での神経活性に対するリモナバン、メチルフェニデートおよびセレギリンの有意な効果は、主にアルファ２（緑）に見られる（ｐ＜０．０１、薬物投与前のベースラインとの比較）。ショクヨウガヤツリ塊茎根茎抽出物およびショクヨウガヤツリ塊茎根茎抽出物とマンゴーリーフ抽出物との組み合わせもまた、アルファ２波に強い影響を有しており、これは血中のドーパミンレベルを上昇させて抑うつ症状を大きく改善させる薬物であるリモナバン、メチルフェニデートおよびセレギリンによる影響に類似している。

ショクヨウガヤツリ塊茎根茎、３０％エタノール抽出物と、６０％マンギフェリンを含有するマンゴーリーフ抽出物との混合物の投与は、前頭皮質、海馬、ならびに線条体のデルタ、シータ、アルファ１、アルファ２、ベータ１、およびベータ２波の脳波活動を低下させた。図１に示すように、脳波活動に対するショクヨウガヤツリ抽出物／マンゴーリーフ抽出物混合物の効果は、脳波活動に対する５．０ｍｇ／ｋｇのリモナバン、１．０ｍｇ／ｋｇのメチルフェニデート、および１．５ｍｇ／ｋｇのセレギリンの効果と概して同程度であった。

実施例２：
被験体：フィッシャー３４４ラット（１１か月齢および昼夜切り換え、体重約３５０〜４００ｇ、Ｃｈａｒｌｅｓ Ｒｉｖｅｒ Ｌａｂｏｒａｔｏｒｉｅｓ、Ｄ−９７６３３、Ｓｕｌｚｆｅｌｄより提供）を、中枢神経系の活動に対するショクヨウガヤツリ塊茎根茎、エタノール抽出物、およびマンギフェリンの効果についてのさらなる実験に用いた。製品は被験体に経口投与した（胃管栄養法）。

試験物質：
本試験において試験した物質を以下に挙げる。
対照ビヒクル（０．９％ ＮａＣｌ）、
ショクヨウガヤツリ塊茎根茎の皮、３０％エタノール抽出物、２００ｍｇ／ｋｇの量を７ラットへ投与、
６０％マンギフェリンを含有するマンゴーリーフ抽出物、５０ｍｇ／ｋｇの量を６ラットへ投与、および
１５０ｍｇ／ｋｇの量のショクヨウガヤツリ塊茎根茎の皮、３０％エタノール抽出物と、５０ｍｇ／ｋｇの量の６０％マンギフェリンを含有するマンゴーリーフ抽出物との混合物、この組み合わせを６ラットへ投与。

銅によって完全にシールドした部屋の内部から、自由に動き回るラットの前頭皮質、海馬および線条体に植え込んだ４つの電極からのＥＥＧシグナルを遠隔測定によって記録した。ＥＥＧシグナルは次のように記録した。
第１周期、試験物質を投与してから５分後に開始し、試験物質を投与してから６５分後に終了、および
第２周期、試験物質を投与してから２４５分（４．１時間）後に開始し、試験物質を投与してから３０５分（５．１時間）後に終了。

前頭皮質および海馬における神経活性：
図２Ａに示すように、生理食塩水対照の投与は、前頭皮質および海馬における神経活性に大きく影響しなかった。しかしながら、ショクヨウガヤツリ塊茎根茎、３０％エタノール抽出物の投与は、前頭皮質の脳波活動を有意に低下させた。図２Ｂに示すように、ショクヨウガヤツリ抽出物の投与から約１時間後に、前頭皮質におけるデルタ、シータ、アルファ、およびベータ波の脳波活動は、平均して薬物投与前のベースラインの約６０％に低下した。同時に、海馬ではデルタおよびアルファ２波が有意に低下した（ｐ＜０．１）。約５時間後、海馬におけるデルタおよびアルファ２波への効果は明らかではなくなったが、前頭皮質の抑制活性はなお認められた。

６０％マンギフェリンを含有するマンゴーリーフ抽出物の投与は、前頭皮質の脳波活動も低下させた。図２Ｃに示すように、マンゴーリーフ抽出物の投与から約１時間後に、前頭皮質および海馬の両方におけるデルタ、シータ、アルファ２、およびベータ１波の脳波活動は著しく低下した。デルタおよびシータ波活動の低下は統計的に有意であった（ｐ＜０．０５）。約５時間後、海馬の脳波活動、または前頭皮質におけるデルタおよびシータ波には、薬物投与前のベースラインに比較して有意な変化はみられなかったが、前頭皮質のアルファおよびベータ波の抑制された活動はなお認められた。

ショクヨウガヤツリ塊茎根茎の皮、３０％エタノール抽出物と、６０％マンギフェリンを含有するマンゴーリーフ抽出物との混合物の投与は、前頭皮質の脳波活動を、概してショクヨウガヤツリ塊茎根茎、３０％エタノール抽出物単独と同程度に低下させた。図２Ｄに示すように、抽出物の組み合わせの投与から約１時間後に、前頭皮質および海馬におけるデルタ、シータ、アルファ１、アルファ２、およびベータ１波の脳波活動は有意に低下した（ｐ＜０．０１）。図２Ｄに見られるように、アルファ２波の効果はアルファ１波の効果よりも大きく、このためにアルファ１／アルファ２比は低下した。シータ波活動およびアルファ１／アルファ２比の変化に基づき、ショクヨウガヤツリ抽出物／マンゴーリーフ抽出物の組み合わせは、禁煙を望む喫煙者の助けとなる可能性がある。

同時に、海馬におけるシータ、アルファ１、およびアルファ２波の脳波活動は有意に低下した（アルファ１およびアルファ２波はｐ＜０．０５、シータ波はｐ＜０．１）。

約５時間後、前頭皮質におけるシータ、アルファ１、アルファ２、ベータ１、およびベータ２波の脳波活動は、薬物投与前のベースラインに比較して有意な変化はみられなかったが、海馬における脳波活動の抑制はなお認められた。海馬において、シータ、アルファ１、アルファ２、ベータ１、およびベータ２波の活動の抑制が観察された（アルファ１波はｐ＜０．０５；シータ、アルファ２、ベータ１、およびベータ２波はｐ＜０．１）。さらに、生理食塩水対照に比較して、ショクヨウガヤツリのみ、およびマンゴーリーフ抽出物のみ、ショクヨウガヤツリとマンゴーリーフ抽出物との組み合わせは、前頭皮質のガンマ波活動を統計的に有意に（ｐ＜０．０５）上昇させた。ガンマ帯域のＥＥＧ活動の増大は、警戒または注意の状態に関連する。

ショクヨウガヤツリ塊茎根茎の皮、３０％エタノール抽出物と、６０％マンギフェリンを含有するマンゴーリーフ抽出物との混合物の投与では、海馬の脳波活動に相乗作用が観察される。まず、図２Ｂおよび２Ｃに示すように、ショクヨウガヤツリ抽出物またはマンゴーリーフ抽出物のいずれも、投与後１時間または投与後５時間に、海馬のアルファ１波活動に対して統計的に有意な効果をもたない。しかしながら、ショクヨウガヤツリ抽出物とマンゴーリーフ抽出物の組み合わせは、投与後１時間および投与後５時間に、海馬のアルファ１波活動に対して統計的に有意な効果を示している（投与後１時間および投与後５時間の両方でｐ＜０．０５）。さらに、図２Ｂおよび２Ｃに示すように、ショクヨウガヤツリ抽出物またはマンゴーリーフ抽出物のいずれも、投与後５時間に、海馬の脳波活動に対して統計的に有意な効果をもたない。ショクヨウガヤツリ抽出物とマンゴーリーフ抽出物との組み合わせは、投与後５時間に、海馬のアルファ波活動に対し、相乗的で、統計的に有意な効果を示しており、これはセロトニン活性の増大に関連している。

まとめると、タイガーナッツ抽出物もマンゴーリーフ抽出物も、組み合わせの効果は、摂取後の最初の１時間から５時間目の間に海馬において測定されたセロトニンおよびドーパミン作動性の神経伝達の活性化を表す、ラットにおけるアルファ１波活動の有意、相乗的、かつ長期にわたる減少を通して説明できない。タイガーナッツ抽出物もマンゴーリーフ抽出物（６０％マンギフェリン）も、または純粋なマンギフェリンも、単独での投与はこれらの期間においてアルファ１波活動の有意な減少を示さなかった（図２を参照）。上で考察したように、ラットへの埋め込み電極から得られたアルファ１波活動の減少は、セロトニンおよびドーパミン作動性の神経伝達が増大した結果によるものである。このような神経伝達の変化は、ヒトにおいて外部ＥＥＧ電極によって測定した場合、アルファ１波活動の増大として観察されると思われる。ラットおよびヒトの両方において、セロトニンおよびドーパミン作動性の神経伝達の増大は、リラックス状態の増大とストレス低下に関連している。

実施例４：ヒトにおける試験
４週間の試験
４人の成人が４週間の観察試験に参加して、以下を摂取した。
ショクヨウガヤツリ塊茎根茎の３０％エタノール抽出物を３グラム、１日に１〜２回、１週間、
２８４ｍｇのマンギフェリンを含有するマンゴーリーフ抽出物を４００ｍｇ、１日１回、１週間、および
３グラムのショクヨウガヤツリ塊茎根茎抽出物と４００ｍｇのマンゴーリーフ抽出物（３００ｍｇのマンギフェリン）との組み合わせを、１日に１〜２回、２週間。

被験体は、副作用、幸福感、気分、集中力、警戒力、ストレスについて、日誌に自己記録を行った。副作用は経験されなかった。すべての被験体において、ショクヨウガヤツリ塊茎根茎抽出物、マンゴーリーフ抽出物、およびマンゴーリーフ抽出物とタイガーナッツ抽出物との組み合わせの摂取後に、はっきりとした気分の改善と幸福感、ならびに食物に対する欲求の低下、および２〜４時間持続する満腹感の向上がみられた。２名のヒトは、通常の空腹感が適格な時間に起こらなかったため、数日間昼食を取らなかった。ショクヨウガヤツリはマンゴーリーフ抽出物ほど強力ではないため、同じ効果のためには高用量を必要とした。

２名の成人被験体において、マンゴーリーフ抽出物およびショクヨウガヤツリはゼラチングミおよびチューインガムに調合され、頬からの吸収が調べられた。両被験体ともに、両処方について、欲求の低下および食欲の低下に対する明らかな効果がみられた。

２週間の試験
２週間の観察試験では、９成人が、３グラムのショクヨウガヤツリ塊茎根茎抽出物と４００ｍｇのマンゴーリーフ抽出物との組み合わせを毎日２週間にわたって摂取したところ、７名の参加者（７８％）が昼食時にあまり空腹を感じず、昼食を３０分から１時間、問題なく遅らせることができた。

常用性の可能性
６成人が、３グラムのショクヨウガヤツリ塊茎根茎抽出物と４００ｍｇのマンゴーリーフ抽出物との組み合わせを毎日２週間にわたって摂取した試験では、依存性または耐性の徴候はみとめられず、物理的または心理的離脱のエビデンスもみられなかった。２成人が、３グラムのショクヨウガヤツリ塊茎根茎抽出物と４００ｍｇのマンゴーリーフ抽出物との組み合わせを毎日２か月にわたって摂取した同様の試験でも、耐性、依存性または離脱の徴候は観察されなかった。さらに、２か月にわたる毎日の摂取で、いずれの負の副作用もみられなかったが、気分の改善と幸福感はみとめられた。

高用量を摂取した２人のヒト被験体は、高用量（２０ｇ／日まで）のショクヨウガヤツリ塊茎根茎／マンゴーリーフ抽出物を摂取したが、投与量を増やしても、気分および欲求に対して観察された効果は増強されなかった。

気分状態のプロファイル
３２名の成人被験体が参加した、プラセボを対照とした２群の並行群間比較による二重盲検無作為化比較試験において、タイガーナッツ抽出物（１０００ｍｇ）およびマンゴーリーフ抽出物由来のマンギフェリン（３００ｍｇ）を含む本発明の組成物の経口単一用量、およびプラセボの摂取後１時間目に、気分状態のプロファイル（ＰＯＭＳ）アンケートを完了させた。

気分状態のプロファイルは、一時的で明確な気分の状態を評価するために用いられる心理的な評価尺度である。この評価は、一時的で、変動する能動的な気分の状態を評価する迅速な方法を提供する。これは、臨床上の、医学上の、および依存症の治療センターにおける治療による変化を測定およびモニターするための手段である。また、変化に対するその感度により、気分の状態に関する薬物の効果の正確な記録が可能になるため、薬物の臨床試験にもよく適合する。ＰＯＭＳは、人々がもつ感情を説明する６５の単語または記述を含む、標準的な検証済みの心理テストである。このテストは、被験体が先週どのように感じたかについて、それぞれの単語または記述に対して指摘することが求められる。それぞれの単語または記述に対して考えられるスコアには以下が挙げられる。
ａ） スコア１：落胆、
ｂ） スコア２：不機嫌、
ｃ） スコア３：疲労、および
ｄ） スコア４：行動への渇望。

４スコアの結果を以下の表に示す。

この結果は、タイガーナッツ−マンギフェリンの組み合わせの摂取後わずか１時間で、心の負の状態（落胆、不機嫌、疲労）を示す３つのＰＯＭＳスコアすべてがプラセボに比べて低下したが、一方で心のポジティブな状態である行動への渇望を示すＰＯＭＳスコアでは、組成物によるスコアがプラセボに比べて上昇したことを示した。

種々の代表的実施形態が、ある代表的態様を特に参照して詳述されているが、本発明はその他の実施形態でも実施可能であり、その詳細は、種々の明らかな観点において改変可能であることが理解されなければならない。当業者には容易に明らかであるように、変動および改変は、本発明の精神および範囲を保持しながら影響を及ぼすことができる。したがって、前述の開示、説明、および図は、例示目的のみのものであって、請求項のみによって定義される本発明を、どのようにも限定することはない。

Claims (28)

1. 高カロリーの食物、甘味飲料および菓子、ニコチン含有製品、並びにアルコールのうちの少なくとも１つに対する欲求の低下を必要とするヒトの当該欲求を低下させる方法であって、前記ヒトに組成物を投与することを含んでなり、前記組成物が、
   ａ）有効量の、ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、またはそれらの組み合わせの抽出物、
   ｂ）有効量の、マンギフェリン、ノラチリオール、またはマンギフェリンもしくはノラチリオールを含んでなる抽出物、または
   ｃ）（ａ）と（ｂ）との相乗的組み合わせ、
   を含んでなる方法。
2. 前記ヒトが禁煙を試み、前記方法が当該ヒトのニコチン含有製品に対する欲求を低下させる、請求項１に記載の方法。
3. 前記組成物を、前記ヒトにおけるシータ波活動およびアルファ１／アルファ２比を低下させるための有効量にて投与する、請求項２に記載の方法。
4. 前記ヒトがカロリー摂取の低下を試み、前記方法が当該ヒトの食物に対する欲求を低下させ、前記組成物を、当該ヒトにおけるベータ波活動を低下させるための有効量にて投与する、請求項１に記載の方法。
5. 前記方法が前記ヒトの食物に対する欲求をさらに低下させ、前記組成物を、前記ヒトにおけるシータ波活動、ベータ波活動、およびアルファ１／アルファ２比を低下させるための有効量にて投与する、請求項３に記載の方法。
6. ヒトのストレスを低下させ、気分を改善させる方法であって、前記ヒトに組成物を投与することを含んでなり、前記組成物が、
   ａ）有効量の、ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、またはそれらの組み合わせの抽出物、
   ｂ）有効量の、マンギフェリン、ノラチリオール、またはマンギフェリンもしくはノラチリオールを含んでなる抽出物、または
   ｃ）（ａ）と（ｂ）との相乗的組み合わせ、
   を含んでなり、
   前記組成物を、前記ヒトのアルファ波活動を調節するための有効量にて投与する、方法。
7. 前記組成物が、前記ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、またはそれらの組み合わせの抽出物を含んでなる、請求項１に記載の方法。
8. 前記ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、またはそれらの組み合わせの抽出物が、水抽出物、アルコール抽出物、含水アルコール抽出物、または臨界未満もしくは超臨界ＣＯ_２抽出物である、請求項７に記載の方法。
9. 前記抽出物の組成物が、ショクヨウガヤツリ根茎の皮の含水アルコール抽出物を含んでなる、請求項１に記載の方法。
10. 前記ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、またはそれらの組み合わせの前記有効量が、１用量あたり２０ｍｇ〜２０ｇである、請求項１に記載の方法。
11. 前記組成物が、前記有効量の、マンギフェリン、ノラチリオール、またはマンギフェリンもしくはノラチリオールを含んでなる抽出物を含んでなる、請求項１に記載の方法。
12. 前記マンギフェリンまたは前記ノラチリオールの前記有効量が、１用量あたり２０ｍｇ〜５ｇである、請求項１１に記載の方法。
13. 前記マンギフェリンまたはノラチリオールを含んでなる抽出物の前記有効量が、１用量あたり２０ｍｇ〜５ｇのマンギフェリンまたはノラチリオールの提供に十分な量である、請求項１１に記載の方法。
14. 前記マンギフェリンまたはノラチリオールを含んでなる抽出物が、マンゴー、サラシア、サイクロピア、オトギリソウ、カンスコーラ（Ｃａｎｓｃｏｒａ）、ファグラエア、ゲンチアナ、ホッピー（Ｈｏｐｐｅａ）、センブリ、オトギリソウ、ヒメハギ、ナツメ、およびそれらの混合物からなる群から選択される属の植物種のマンギフェリン含有抽出物である、請求項１に記載の方法。
15. 前記組成物が、前記（ａ）と（ｂ）との相乗的組み合わせを含んでなる、請求項１に記載の方法。
16. 前記（ａ）が、ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、またはそれらの組み合わせの、水抽出物、アルコール抽出物、または含水アルコール抽出物である、請求項１５に記載の方法。
17. 前記（ａ）が、ショクヨウガヤツリ根茎の皮の含水アルコール抽出物を含んでなる、請求項１５に記載の方法。
18. 前記（ｂ）が、マンギフェリン、またはマンゴー、サラシア、サイクロピア、オトギリソウ、カンスコーラ（Ｃａｎｓｃｏｒａ）、ファグラエア、ゲンチアナ、ホッピー（Ｈｏｐｐｅａ）、センブリ、オトギリソウ、ヒメハギ、ナツメ、およびそれらの混合物からなる群から選択される属の植物種のマンギフェリン含有抽出物を含んでなる、請求項１５に記載の方法。
19. 前記（ａ）と前記（ｂ）の比が、約１：１〜約５０：１である、請求項１５に記載の方法。
20. 前記（ａ）と前記（ｂ）の比が、約１：１〜約２０：１である、請求項１５に記載の方法。
21. 前記（ａ）と前記（ｂ）の比が、約４：１〜約１５：１である、請求項１５に記載の方法。
22. 前記（ａ）の有効量が、１用量あたり２０ｍｇ〜２０ｇであり、前記マンギフェリンまたは前記マンギフェリン含有抽出物の前記有効量が、１用量あたり５ｍｇ〜５ｇである、請求項１８に記載の方法。
23. 前記組成物が、１用量あたり１０ｍｇ〜２０ｇを含有する単位用量として提供される、請求項１９に記載の方法。
24. 前記組成物が、５−ヒドロキシトリプトファン、ビタミンＢ群、カフェイン、シチコリン、シトルリン、コリン、ピコリン酸クロム、コエンザイムＱ１０、クルクミン、グリコマクロペプチド、フペルジン、ヒドロキシクエン酸、Ｌ−カルニチン、Ｌ−カルノシン、Ｌ−トリプトファン、ルテオリン、イボガイン、マグネシウム、Ｎ−メチルチラミン、オレアミド、オメガ３脂肪酸、オクトパミン、フェニルアラニン、フェニルエチルアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルセリン、ケルセチン、ラズベリーケトン、ルチン、レスベラトロール、シネフリン、タウリン、タキシフォリン、テアニン、テオブロミン、キサントフモール、ヤンゴニン、ヨヒンビン、エクジステロイド（２０ＨＥ）、淡水性ラン藻およびその他の藍藻、アスコフィラム・ノドサム、クロレラおよびその他の微細藻類の抽出物、アフラモムム、アロイジア、アルピニア、アストラガルス、バコパ、キャプシカム、カラルマ、チコリウム、シナモマム、シザー（Ｃｉｓｅｒ）、シッサス、クロッカス、センテラ、シトラス、コカ、コーラ、クルクマ、コフィア、セラストラス、カメリア、エレウテロコックス、エフェドラ、エウテルペ、ガルシニア、ギンコ、ガノデルマ、グリシリザ、グリフォニア、ギムネマ、フーディア、ホルデウム、イカリン、イレックス、イポメア、イルビンギア、ケンペリア、オシマム、オレア、オレガノ、ポーリニア（Ｐａｕｌｌｉｎｉａ）、パナックス、ペルセア、ファセオルス、ピヌス、プルヌス、ファフィア、パイパー、プエラリア、ピューニカ、ロディオラ、ラポンチカム（Ｒｈａｐｏｎｔｉｃｕｍ）、シサンドラ、キンゴジカ、シデリティス、シモンディア（Ｓｉｍｏｎｄｉａ）、ソラヌム、タベルナンテ、タマリンダス、テオブロマ、トラゴポゴン、トリコカウロン、トリゴネラ、ビキア、ビグナ、ヴィティス、ウィザニア、ショウガ、ナツメ属の植物種の抽出物、ガラクトマンナンを含む非でんぷん性多糖類、グアーガム、ローカストビーンガム、タラガム、イスパキュラ、βグルカン、コンニャクグルコマンナン、メチルセルロース、トラガカント・ゴム、デタリウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される有効成分をさらに含んでなる、請求項１に記載の方法。
25. 食欲の低下および満腹感の向上を必要とするヒトの当該食欲を低下させ、および当該満腹感を向上させる方法であって、前記ヒトに組成物を投与することを含んでなり、前記組成物が、
    ａ）有効量の、ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、またはそれらの組み合わせの抽出物、
    ｂ）有効量の、マンギフェリン、ノラチリオール、またはマンギフェリンもしくはノラチリオールを含んでなる抽出物、または
    ｃ）（ａ）と（ｂ）との相乗的組み合わせ、
    を含んでなる方法。
26. 高カロリーの食物、甘味飲料および菓子、ニコチン含有製品、並びにアルコールのうちの少なくとも１つに対する欲求の低下を必要とするヒトの当該欲求を低下させるために使用される、
    ａ）有効量の、ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、またはそれらの組み合わせの抽出物、
    ｂ）有効量の、マンギフェリン、ノラチリオール、またはマンギフェリンもしくはノラチリオールを含んでなる抽出物、または
    ｃ）（ａ）と（ｂ）との相乗的組み合わせ、
    を含んでなる組成物。
27. ヒトのストレスを低下させ、気分を改善させるために使用される、
    ａ）有効量の、ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、またはそれらの組み合わせの抽出物の有効量、
    ｂ）有効量の、マンギフェリン、ノラチリオール、またはマンギフェリンもしくはノラチリオールを含んでなる抽出物、または
    ｃ）（ａ）と（ｂ）との相乗的組み合わせ、
    を含んでなる組成物であって、
    前記ヒトにおけるアルファ波活動を調節することを特徴とする組成物。
28. ヒトの食欲を低下させ、満腹感を向上させるために使用される組成物であって、
    ａ）有効量の、ショクヨウガヤツリの皮、ショクヨウガヤツリの根茎、またはそれらの組み合わせの抽出物、
    ｂ）有効量の、マンギフェリン、ノラチリオール、またはマンギフェリンもしくはノラチリオールを含んでなる抽出物、または
    ｃ）（ａ）と（ｂ）との相乗的組み合わせ、
    を含んでなる組成物。

Images