JP2020501448A - ブライトゾーンおよびダークゾーンに関して最適化された音声前置補償フィルタ - Google Patents

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Abstract

少なくとも2つのスピーカを有する関連する音発生システム(20)の補償のための音声前置補償フィルタ(10)のフィルタパラメータを求めるように構成されるシステム(100/200)が提供される。本システム(100/200)は、ブライトゾーンと称される少なくとも1つの空間の領域における音場およびダークゾーンと称される少なくとも1つの空間の領域における音場を描く音場モデルを得るように構成される。本システム(100/200)は、ブライトゾーンにおける目標音場を得るようにも構成される。さらに、本システム(100/200)は、音声前置補償フィルタ(10)の動態の因果性および安定性の制約の下で基準関数が最適化されて、ブライトゾーンにおける所望の目標音場の再現を可能にする一方で、ダークゾーンにおいてできるだけ小さな音を再生するように、音声前置補償フィルタ(10)のフィルタパラメータを求めるように構成される。

Description

提案される技術は、一般に、オーディオシステムおよびデジタル音声前置補償に関し、特に、関連する音発生システムの補償のための音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを求めるための方法および対応するシステム、ならびに対応するコンピュータプログラムおよびコンピュータプログラム製品、ならびに音声前置補償フィルタ、オーディオシステムおよびデジタル音声信号に関する。
音声再生システムが、しばしば共有空間に設置されており、そこに数人の潜在聴取者が同時に存在することがある。多くの状況において、このことが問題でないのは、システムの音響的性質が全ての聴取者の場所で良好となるようにシステムが規模調整および設計されることができるからである。しかしながら、全ての潜在聴取者が同じ素材を同じ音量で聞きたいわけではない状況がある。自動車では、例えば、おそらく、運転者は、乗客が聞きたいであろう音楽によって妨げられることなく操縦することに集中する必要がある。別の例では、同じ部屋で2つの異なる映画を同時に見ていることがある。或る音源からの音が所望されない空間の領域が、しばしば「ダークゾーン(dark zone)」と言われる一方で、音源からの、理想的には所望の音場を模倣する音が所望される空間の領域は「ブライトゾーン(bright zone)」と呼ばれる。
そのようなシステムの潜在性は、研究組織の関心をかき立てており、この話題に関して多くの科学論文が発表されてきた。最も一般に活用される方法は、音響コントラスト制御(ACC)と呼ばれており、ブライトゾーンエネルギーをダークゾーンエネルギーで除算した商を最大化することに基づいている。この手法は時に、最大化されるべき判定基準の反転の数学的扱いやすさに関連した問題に遭遇する。エネルギー差最大化(EDM)と呼ばれる再公式化が、問題を再提起し、ブライトゾーンエネルギーとダークゾーンエネルギーとの間の差を最大化し、これは数学的により扱いやすいが、ACCと全く同じレベルの極度の音響分離は達成しない。
ACC法もEDM法も、音響コントラストを最大化するという唯一の重点を有しており、ブライトゾーン内の音響的性質を全く考慮しない。したがって、達成されるコントラストと良好なブライトゾーン性質との間の妥協点を見つけ出そうとする各種の方法が、近年の間に開発されてきた。しかしながら、これらの方法は全て、過度に長い信号立上り時間に関するプリリンギング(pre-ringing)または他の音響アーチファクトの傾向がある。
音発生システム自体を補償する音声フィルタを生成する仕方の研究にも著しい努力が費やされてきた。因果的で安定したフィルタを生成する解決策が欧州特許第EP2257083号に提示されている。この解決策は、無効な仮定および最適化後フィルタ修正によって制限されないことになるが、異なる空間的場所で異なる音源素材または異なる音の強さが所望されるという可能性を明示的には考慮しない。
したがって、音声前置補償フィルタを設計する分野において改善への一般的な必要がある。
少なくとも2つのスピーカを有する関連する音発生システムの補償のための音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを求めるための方法を提供することが目的である。
少なくとも2つのスピーカを有する関連する音発生システムの補償のための音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを求めるように構成されるシステムを提供することも目的である。
別の目的は、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを求めるための対応するコンピュータプログラムを提供することである。
さらに別の目的は、対応するコンピュータプログラム製品を提供することである。
また別の目的は、音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを求めるための装置を提供することである。
対応する音声前置補償フィルタを提供することも目的である。
別の目的は、音発生システムと、音声前置補償フィルタとを備える対応するオーディオシステムを提供することである。
さらに別の目的は、音声前置補償フィルタによって生成される対応するデジタル音声信号を提供することである。
これらの目的および他の目的は、提案される技術の実施形態によって満たされる。
第1の態様によれば、少なくとも2つのスピーカを有する関連する音発生システムの補償のための音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを求めるための方法が提供される。本方法は、
− ブライトゾーンと称される少なくとも1つの空間の領域における音場およびダークゾーンと称される少なくとも1つの空間の領域における音場を描く音場モデルを求めることと、
− ブライトゾーンにおける目標音場を求めることと、
− 音声前置補償フィルタの動態の因果性および安定性の制約の下で基準関数が最適化されるように、音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを求めることを含み、基準関数が、少なくとも、
− ブライトゾーンにおける補償音場とブライトゾーンにおける目標音場との間の偏差を表す第1の項と、
− ブライトゾーンおよびダークゾーンの音場モデルに基づいてダークゾーンにおけるパワー(power)とブライトゾーンにおけるパワーとの間の差を表す第2の加重項とを含む。
第2の態様によれば、少なくとも2つのスピーカを有する関連する音発生システムの補償のための音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを求めるように構成されるシステムが提供される。本システムは、ブライトゾーンと称される少なくとも1つの空間の領域における音場およびダークゾーンと称される少なくとも1つの空間の領域における音場を描く音場モデルを得るように構成される。本システムは、ブライトゾーンにおける目標音場を得るようにも構成される。さらに、本システムは、音声前置補償フィルタの動態の因果性および安定性の制約の下で基準関数が最適化されるように、音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを求めるように構成され、基準関数が、少なくとも、
− ブライトゾーンにおける補償音場とブライトゾーンにおける目標音場との間の偏差を表す第1の項と、
− ブライトゾーンおよびダークゾーンの音場モデルに基づいてダークゾーンにおけるパワーとブライトゾーンにおけるパワーとの間の差を表す第2の加重項とを含む。
第3の態様によれば、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも2つのスピーカを有する関連する音発生システムの補償のための音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを求めるためのコンピュータプログラムが提供される。本コンピュータプログラムは命令を含んでおり、この命令が少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのプロセッサに、
− ブライトゾーンと称される少なくとも1つの空間の領域における音場およびダークゾーンと称される少なくとも1つの空間の領域における音場を描く音場モデルを得させ、
− ブライトゾーンにおける目標音場を得させ、
− 音声前置補償フィルタの動態の因果性および安定性の制約の下で基準関数が最適化されて、ブライトゾーンにおける所望の目標音場の再現を可能にする一方で、ダークゾーンにおいてできるだけ小さな音を再生するように、音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを求めさせる。
第4の態様によれば、そのようなコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品が提供される。
第5の態様によれば、少なくとも2つのスピーカを有する関連する音発生システムの補償のための音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを求めるための装置が提供される。本装置は、ブライトゾーンと称される少なくとも1つの空間の領域における音場およびダークゾーンと称される少なくとも1つの空間の領域における音場を描く音場モデルを得るための第1のモジュールを備える。本装置は、ブライトゾーンにおける目標音場を得るための第2のモジュールも備える。本装置は、音声前置補償フィルタの動態の因果性および安定性の制約の下で基準関数が最適化されるように、音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを求めるための第3のモジュールをさらに備え、基準関数が、少なくとも、
− ブライトゾーンにおける補償音場とブライトゾーンにおける目標音場との間の偏差を表す第1の項と、
− ブライトゾーンおよびダークゾーンの音場モデルに基づいてダークゾーンにおけるパワーとブライトゾーンにおけるパワーとの間の差を表す第2の加重項とを含む。
第6の態様によれば、本明細書に記載される方法を使用することによって求められる音声前置補償フィルタが提供される。
第7の態様によれば、音発生システムと、そのような音声前置補償フィルタとを備えるオーディオシステムが提供される。
第8の態様によれば、そのような音声前置補償フィルタによって生成されるデジタル音声信号が提供される。
このようにして、例えば、1つまたは複数の物理的場所において所望の音場を再現する一方で、他の場所においてできるだけ小さな音を再生することを目指す音声フィルタを設計することが可能である。
他の利点は、詳細な説明を読むことで認識されるであろう。
実施形態は、更なる目的およびその利点と共に、添付図面と共に以下の説明を参照することによって最も良く理解されるであろう。
オーディオシステムの例を示す概略図である。 少なくとも2つのスピーカを有する関連する音発生システムの補償のための音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを求めるための方法の例を示す概略フロー図である。 ブライトゾーンおよびダークゾーンが一組のスピーカによって囲まれる代表例を示す概略図である。 ブライトゾーンが2つの空間の領域によって規定され、ダークゾーンが1つの空間の領域によって規定され、一組のスピーカがゾーンに関してより一般的に位置決めされる、より一般的な例を示す概略図である。 指定された領域における音の空間サンプリングによってゾーンがモデル化される例を示す概略図である。 音が所望されない方向に音が逃げるのを阻止または少なくとも制限するようにダークゾーンが規定され、音が所望される方向への音の集中を可能にするようにブライトゾーンが規定される代表例を示す概略図である。 特定の実施形態に係る制約されたフィルタシステムのブロック表現の例を示す概略図である。 別の特定の実施形態に係る制約されたフィルタシステムのブロック表現の例を示す概略図である。 特定のシミュレーション例による、ブライトゾーンについての利得/電力対周波数を示す概略曲線図である。 特定のシミュレーション例による、ダークゾーンについての利得/電力対周波数を示す概略曲線図である。 一実施形態に係るプロセッサ−メモリ実装に基づくシステムの例を示す概略ブロック図である。 一実施形態に係るコンピュータ実装200の例を示す概略図である。 少なくとも2つのスピーカを有する関連する音発生システムの補償のための音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを求めるための装置300の例を示す概略図である。
図面を通して、類似のまたは対応する構成要素に対して同じ符号が使用される。
提案される技術のより良い理解のために、音声前置補償フィルタおよび関連する音発生システムを備えるオーディオシステムの例の簡単な概要で始めることが有益であろう。
図1は、オーディオシステムの例を示す概略図である。オーディオシステム1は、音声前置補償フィルタ10および関連する音発生システム20を備える。音声前置補償フィルタ10は、音発生システム20への入力経路に配置される。音声前置補償フィルタは、J≧1個の入力信号を有する。音システムは、N≧2個のスピーカを備え、以下に説明されることになるように、ブライトゾーンおよびダークゾーンを含む幾つかのゾーンがある。ゾーンは、好ましくは、合計M≧2個の制御点によって網羅される。
実際には、音声前置補償フィルタ10は、フィルタによって影響される音の発生を可能にするように音発生システム20と共に具象化される。
提案される技術は、音声前置補償フィルタ10のフィルタパラメータを求めるためのいわゆるフィルタ設計システム100/200にも関する。
簡単な問題解析を続けることも有用であろう。発明者は、ACCおよびEDM法に関する問題は、それらがブライトゾーン内の音響的性質の考慮なく音響コントラスト(または分離)に専ら重点を置くということであると認識した。このブライトゾーン制御の欠如のため、音響コントラスト(典型的にACCまたはEDM法を使用する)をブライトゾーン制御(典型的に圧力整合法を使用する)とどうにか相殺する無数の方法が開発されてきた。しかしながら、発明者が認めたように、これらの方法は全て、それらが結果的なフィルタの因果性の制約なく算出されるという特性を共有する。これは、方法が全て、因果的であるとは意図されないフィルタを生成することを意味する。結果的なフィルタは、したがって、通常のオーディオシステムに実装されるために、打ち切られるまたはその他操作される必要がある。これらの修正は、フィルタを任意の主インパルス遅延を伴って実現されるようにして、システム応答のタイミングに対する直接制御およびシステムプリリンギングの、限定的かつ間接的であるとはいえ、若干の制御を提供する。これらの修正は、しかしながら、フィルタ最適化段階の後に適用され、最終フィルタは、したがって、最適でありそうではない。これは、最適化基準がブライトゾーン品質項を認め、かつ原システムが豊富な自由度を有する場合でも、ブライトゾーン音質の制限をもたらす。
パーソナルオーディオ用の因果的フィルタの領域でも若干の研究がなされてきた。ISVR技術メモ「Regularisation and Robustness of Personal Audio Systems」Elliottら著、2011年12月では、ACC基準に対する因果相当物が導出された。この研究は、論文「Design of a Time−Domain Acoustic Contrast Control for Broadband Input Signals in Personal Audio Systems」Caiら著、ICASSP 2013で拡張されて、ブライトゾーンエネルギーが周波数帯域間で劇的に変動する因果的ACC法のアーチファクトを補償した。後者の論文では、これは、判定基準の分母に、ブライトゾーンの周波数応答一貫性を増強することを目指す応答変動項を導入することによって緩和される。
論文「Time domain optimization of filters used in a loudspeaker array for personal audio」Galvezら著、IEEE Transactions on Audio,Speech,and Language Processing、第23巻、2015年11月では、ブライトゾーンにおいて目標が選ばれることができる一方で、ダークゾーンにおける音響パワーが最小化される因果的フィルタが導出および算出される。
図2は、少なくとも2つのスピーカを有する関連する音発生システムの補償のための音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを求めるための方法の例を示す概略フロー図である。
基本的に、本方法は以下のステップを含む。
S1:ブライトゾーンと称される少なくとも1つの空間の領域における音場およびダークゾーンと称される少なくとも1つの空間の領域における音場を描く音場モデルを求める。
S2:ブライトゾーンにおける目標音場を求める。
S3:音声前置補償フィルタの動態の因果性および安定性の制約の下で基準関数が最適化されるように音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを求め、ここで基準関数が少なくとも、
− ブライトゾーンにおける補償音場とブライトゾーンにおける目標音場との間の偏差を表す第1の項と、
− ブライトゾーンおよびダークゾーンの音場モデルに基づいてダークゾーンにおけるパワーとブライトゾーンにおけるパワーとの間の差を表す、時にコントラスト項と言われる第2の加重項とを含む。
図3は、ブライトゾーンAおよびダークゾーンBが一組のスピーカによって囲まれる代表例を示す概略図である。例として、本明細書に記載される方法によって生成されるフィルタは、ブライトゾーンAにおける音場の所望の音場への固執と共に、2つのゾーンA、B間のコントラストを最適化することに重点を置いてもよい。
ダークゾーンとブライトゾーンとの間のパワー差を最適化することの利点は、ダークゾーンにおける絶対パワーレベルが問題でなくなり、ブライトゾーンに対するダークゾーンにおける相対パワーだけが重要であるということである。これは、ブライトゾーン目標固執およびダークゾーンパワー最小化の競合を軽減する。
図4は、ブライトゾーンが2つの空間の領域A1、A2によって規定され、ダークゾーンが1つの空間の領域Bによって規定され、かつ一組のスピーカがゾーンに関してより一般的に位置決めされる、より一般的な例を示す概略図である。
例えば、設計手順の目的は、A1およびA2における音場の、特定されたそれぞれの目標音場からの偏差を最適化することと組み合わせて、ブライトゾーンとダークゾーンとの間の音響コントラストを最適化するフィルタを生成することであってもよい。
一般に、ブライトゾーンは1つまたは複数の空間の領域として規定されてもよく、ダークは1つまたは複数の空間の領域として規定されてもよい。ブライトゾーンおよびダークゾーンは典型的に、空間的に独立した領域を表す。
一例として、フィルタパラメータは、音声前置補償フィルタが関連する音発生システムに適用されると、ブライトゾーンにおいて所望の目標音場が再現される一方で、ブライトゾーンとダークゾーンとの間の音圧の所望の差を再現するように、求められてもよい。例えば、ゾーン間の音圧のできるだけ大きな差、および好ましくは、ダークゾーンにおいてできるだけ小さな音を再生することが望ましいであろう。
任意選択で、基準関数は、フィルタ電力を表し、かつ高フィルタ利得を不利にする第3の項をさらに含む。
例として、ブライトゾーンおよびダークゾーンの音場モデルを求めるステップは、スピーカの各々に対して、ブライトゾーンおよびダークゾーンに分散される複数であるM個の制御点の各々でのモデル伝達関数を推定することを含んでもよい。
好ましくは、制御点のうちのK個がダークゾーンに関する一方で、制御点のうちのL=M−K個がブライトゾーンに関する。
一例として、複数であるM個の制御点の各々でのモデル伝達関数を推定するステップは、上記音発生システムの試験信号に対する応答を測定することによって得られる上記制御点の各々でのインパルス応答を推定することに基づいてもよい。
図5は、指定された領域における音の空間サンプリングによってゾーンがモデル化される例を示す概略図である。
代替的に、または補足として、複数であるM個の制御点の各々でのモデル伝達関数を推定するステップは、上記制御点の各々でのインパルス応答のシミュレーションに基づいてもよく、ここで上記シミュレーションが1次反射および/または高次反射を含む。
例として、基準関数は、上記M個の制御点にわたる補償モデルインパルス応答と目標インパルス応答との間の偏差のパワーの加重和を含んでもよい。
特定の例では、基準関数は、第2の加重項として、フィルタ音発生システムによって発生される、ダークゾーンにおけるパワーとブライトゾーンにおけるパワーとの間の差の期待値を含む:
式中、λおよびαは設定可能な値であり、かつσ=ΦRr(t)であり、ここでΦはダークゾーンに対する(場合により周波数依存)行列重みであり、これは判定基準のコントラスト項の異なる態様をその他の項に対して強調するために使用されることができ、係数Hはダークゾーンにおけるシステムのモデルを表し、Rは最適化されるべきフィルタであり、r(t)は入力信号の現在のサンプルであり、かつσ=ΦRr(t)であり、ここでΦはブライトゾーンに対する(場合により周波数依存)行列重みであり、Hはブライトゾーンにおけるシステムモデルを保ち、かつTは転置演算子を表す。
任意選択で、期待値は、駆動雑音に関して、および音発生システムを描く数学的モデルの誤差または不確実性に関してとられる。
例えば、基準関数は、スカラ関数として規定されてもよい:
Dはブライトゾーン制御点に対する所望の伝達関数を含む行列であり、かつVは重み行列である。
例として、重み行列Vは、異なる周波数において、空間における或る測定位置の誤差および或るスピーカのフィルタ電力の最小化それぞれに対して異なる強調を割り当てるために使用されてもよい。
別の例では、基準関数は、
として規定されてもよく、Dはブライトゾーン制御点に対する所望の伝達関数を含む行列であり、かつVおよびWは重み行列である。
さらに別の例では、k個のコントラスト項が使用されてもよく、ここでkは2以上である。この例では、基準関数は、したがって、
として規定されてもよく、ここでk個のコントラスト項が使用され、式中:
である。
以上の例では、重み行列Vおよび/またはWは、異なる周波数において、空間における或る測定位置の誤差および或るスピーカのフィルタ電力の最小化それぞれに対して異なる強調を割り当てるために使用されてもよい。
基準関数は、式:
が全ての非ゼロフィルタRに対してゼロより大きければ、下方に有界である。Pが、いかなるベクトルx≠0に対しても
であり、HおよびHが、それぞれブライトゾーンおよびダークゾーンに対する伝達関数であるような行列である、
を選ぶことで、我々は、十分に大きな値Qに対してこれが真であると保証することができる。
任意選択で、パラメータλおよび/またはΦは反復的に求められてもよい。
言及されたように、ブライトゾーンおよびダークゾーンは典型的に、空間的に独立した領域を表す。
特定の応用例では、ビーム形成可能なスピーカを使用するとき、ブライトゾーンは、スピーカ出力パワーが伝送されることになるスピーカに対する音波ビーム方向を表す少なくとも1つの領域によって規定されてもよく、ダークゾーンは、スピーカ出力パワーが回避されることになるスピーカに対する音波ビーム方向を表す少なくとも1つの領域によって規定されてもよい。
図6は、音が所望されない方向に音が逃げるのを阻止または少なくとも制限するように、この例ではAで示されるダークゾーンが規定され、音が所望される方向への音の集中を可能にするように、この例ではBで示されるブライトゾーンが規定される代表例を示す概略図である。或る範囲または領域を全てのゾーンから省略することは、その範囲または領域において音圧レベルが高いか低いかに関して我々が無関心であることを暗示する。
一般に、前述されたように、ブライトゾーンは1つまたは複数の領域を含んでもよく、ダークゾーンは1つまたは複数の領域を含んでもよい。
特定の例では、ブライトゾーンは少なくとも2つの物理的に分離した領域を含んでもよく、および/またはダークゾーンは少なくとも2つの物理的に分離した領域を含んでもよく、これらの領域の各々に所望の目標音場が特定される。
ブライトゾーンにおける目標音場が時間的挙動およびスペクトル的挙動の両方に関して(自由に)特定されることができることが理解されるべきである。
特定の例では、ブライトゾーンにおける目標音場は、時間領域モデルによって特定されてもよい。
別の例では、基準関数は、時間領域モデルおよび変数によって排他的に記述される。
ここで様々な非限定的で例証的な実施形態に関した提案される技術の詳細な説明が続く。
本発明の文脈では、ゾーンは空間の容積または表面などの領域と関連付けられ、その音響的性質は数学的モデルによって捉えられる。
後で例証されることになるように、第1の項が少なくとも2つの異なる加重部分項を含んでもよく、および/または第2の項が少なくとも2つの異なる加重部分項を含んでもよいことが理解されるべきである。
提案される技術は、結果的なフィルタの因果性および安定性の制約の下で判定基準の最小化によりフィルタを生成することに重点を置くフィルタ設計戦略を提供する。例として、制約は、(加重)項として、電気音響システムによって両方とも発生される、ダークゾーンにおけるパワーとブライトゾーンにおけるパワーとの間の差の期待値を含む。
以上、σ=ΦRr(t)であり、ここでΦはダークゾーンに対する(場合により周波数依存)行列重みであり、これは判定基準のコントラスト項の異なる態様をその他の項に対して強調するために使用されることができる。係数Hはダークゾーンにおけるシステムのモデルを表し、Rは最適化されるべきフィルタであり、r(t)は入力信号の現在のサンプルである。同様に、σ=ΦRr(t)であり、ここでHはブライトゾーンにおけるシステムモデルを保ち、Φはブライトゾーンに対する(場合により周波数依存)行列重みである。
期待値E{.}は、駆動雑音に関して、およびシステムを描く数学的モデルの誤差または不確実性に関してとられる。
判定基準のこの部分は、EDM法に対する因果相当物とみなされることができる(が、符号が負とされ、その結果判定基準の最小化が所望の結果を生ずる)。EDM判定基準は、それが規定される周波数ビン毎に、
であろうが、式中、qは最適化されるべきフィルタベクトルであり、MはゾーンXにおける個別の測定位置の数である。現在の判定基準が時間領域で表される一方で、EDM判定基準が周波数領域で表されるので、EDM判定基準と本判定基準との間の差は、それが一見して思われるより大きい。以上のように周波数領域でビン毎に判定基準を算出することは、時間的に堅実な因果的フィルタに関する周波数ビン間の共依存を無視する。
提案されるフィルタ最適化ステップに制約として因果性が含まれるので、本方法は、解決策の時間領域性質に対する明示制御を伴う実現可能なフィルタを生ずる。最適化後修正の必要がないので、最終的な実装されるフィルタは、本来意図された意味で最適であることができる。
例えば、設計手順は以下の通りであることができる。
1.処理されることになるシステム、以後は原システムが特定され、ダークおよびブライトゾーンが指定される。これは、設計されることになるフィルタなしで電気音響システムがどのように挙動するかの数学的表現である。この数学的モデルが取得されることができる幾つかの方途がある。
2.判定基準のその他の部分は、音響ゾーンを扱わず、必要に応じて規定される。通常の場合、所望のブライトゾーン挙動を規定する1つの項および高フィルタ利得を不利にする1つの項が判定基準に含まれるものである。
3.判定基準が下方に有界でなければ、設計式は必ずしも解答可能であるわけではなく、したがって、これは確認されなければならない。それが下方に有界でなければ、判定基準のパーソナルオーディオ部分に加重するスカラ乗算器は低減させられることができる。
4.フィルタが算出される。
5.微調整は必要ないが、ここでフィルタの音色を変えることが可能である。
例−多項式行列設計
一例として、一般の因果的フィルタの設計および実装において、多項式行列が既に効率的に活用されてきた。この例では、我々は、ブライトゾーン音場性質およびフィルタ電力スループットの両方に対して音響コントラストに加重する因果的フィルタを設計する。
N個のスピーカを持つ電気音響システムを考えると、その伝達関数は2M個の測定位置での点測定によって推定される。これらの位置のうちのM個が意図されるダークゾーンを規定する一方で、その他のM個が意図されるブライトゾーンを規定する。
ここで、遅延演算子q−1の多項式q−1y(t)=y(t−1)が使用される。対応する時間前進演算子(time advancement operator)はq、qy(t)=y(t+1)である。これらの多項式は、多項式行列および有理行列の要素を構成する。多項式および有理行列は、転置、共役(すなわちqをq−1と置換およびその逆)またはその両方されることができる。転置は上付き文字「T」によって示され、A(q−1)、共役転置は下付き文字「*」によって示される、A(q)。
図7は、特定の実施形態に係る制約されたフィルタシステムのブロック表現の例を示す概略図である。
ブライトゾーンは、有理遅延演算子行列Hによってモデル化される。ダークゾーンは、有理行列Hによって同様にモデル化される。これらのモデル化行列は、正しい行列分数記述を使用して、H=B−1、H=B−1と書き換えられることができる。分母行列がブライトおよびダークゾーンの両方に共通しており、これは、音響システムのモードが部屋全体に共通しているという事実によって物理的に導かれることに留意されたい。Q|1駆動雑音ベクトルr(t)がここでr(t)=Fv(t)として有色ゼロ平均雑音によってモデル化され、ここでFは安定可逆有理行列であり、v(t)は白色ゼロ平均ガウス雑音である。
我々が設計することになるフィルタは、電気音響システムを通じて信号が供給される前に、それに適用される。
我々は、したがって、
として測定位置でフィルタ音をモデル化することができる。
これらは、最適化が基づくモデルである。この特定の例では、上記のコントラスト項に加えて、所望のブライトゾーン挙動とフィルタ済みシステムモデルとの間の差を描く項およびフィルタ電力を描く項を備える判定基準が選ばれる。最小化されることになる判定基準は、したがって、
である。
以上の式は、F=F−1およびD=D−1の正しい行列因子分解に依存し、ここでF、NおよびEは全て安定した因果的逆数を有するとみなされる。
有理行列Dは、全てのM個のブライトゾーン測定位置に対する所望の伝達関数を含み、VおよびWは、異なる周波数において、空間における或る測定位置の誤差および或るスピーカのフィルタ電力の最小化それぞれに対して異なる強調を割り当てるために使用される重み行列である。上記の判定基準は、
が全ての非ゼロフィルタRに対してゼロより大きければ、下方に有界である。Pが、いかなるベクトルx≠0に対しても
であるような行列である、
を選ぶことで、我々は、十分に大きな値Qに対してこれが真であると保証することができる。
上記の判定基準Jを最小化するフィルタまたはコントローラRは、
の解と明らかにされ、式中、EはFと共に正しい既約因子分解
の解と明らかにされ、Sは、厳密に非因果的多項式行列Lと共にバイラテラル・ジオファンタス方程式
の解と明らかにされる。
多項式行列βは、
のスペクトル分解を通じて明らかにされる。
ββが、それぞれ、完全に因果および完全に反因果係数βおよびβに因数分解されることができるとみなされる。
図8は、別の特定の実施形態に係る制約されたフィルタシステムのブロック表現の例を示す概略図である。
図9Aおよび図9Bは、特定のシミュレーション例による、ブライトゾーンおよびダークゾーンについての利得対周波数をそれぞれ示す概略曲線図である。
例えば目標音場モデルDを拡大して数個の音場に対応することによって、数個の入力信号Q>1が対応されることができる(各入力チャネルに対して1つ、r(t)はその場合Q|1ベクトルである)。これは、重みV、W、ΦおよびΦが最適化における入力チャネル毎に同じであると暗示的にみなしている。数個の入力チャネルを考慮に入れる別の方法は、まず数個の単一チャネルフィルタを算出し、これらのフィルタの各々を意図された入力チャネルに対して使用することによる。各スピーカに供給されることになる出力信号は、その場合単にそのスピーカに対する全てのフィルタの出力信号の和である。異なる入力チャネルに応対する異なるフィルタを算出するときに異なるフィルタ最適化態様のための異なる重みが使用されることができるという点で、後者の方法がより柔軟である。
本明細書に記載される方法およびシステムが各種の方途で実装され、組み合わされ、かつ再配置されることができることが認識されるであろう。
例えば、実施形態は、ハードウェアで、または適切な処理回路網による実行のためのソフトウェア、もしくはその組合せで実装されてもよい。
本明細書に記載されるステップ、機能、手順、モジュールおよび/またはブロックは、汎用電子回路網も特定用途向け回路網も含め、ディスクリート回路または集積回路技術などの、任意の従来の技術を使用してハードウェアで実装されてもよい。
代替的に、または補足として、本明細書に記載されるステップ、機能、手順、モジュールおよび/またはブロックの少なくとも一部が、1つまたは複数のプロセッサまたは処理ユニットなどの適切な処理回路網による実行のためのコンピュータプログラムなどのソフトウェアで実装されてもよい。
処理回路網の例は、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、1つまたは複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)、1つまたは複数の中央処理装置(CPU)、ビデオアクセラレーションハードウェア、および/または1つもしくは複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または1つもしくは複数のプログラマブルロジックコントローラ(PLC)などの任意の適切なプログラマブルロジック回路網を含むが、これらに限定されない。
提案される技術が実装される任意の従来のデバイスまたはユニットの一般の処理能力を再使用することが可能であってもよいことも理解されるべきである。例えば既存のソフトウェアの再プログラミングによって、または新たなソフトウェア部品を追加することによって、既存のソフトウェアを再使用することも可能であってもよい。
一態様によれば、少なくとも2つのスピーカを有する関連する音発生システムの補償のための音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを求めるように構成されるシステムが提供される。本システムは、ブライトゾーンと称される少なくとも1つの空間の領域における音場およびダークゾーンと称される少なくとも1つの空間の領域における音場を描く音場モデルを得るように構成される。本システムは、ブライトゾーンにおける目標音場を得るようにも構成される。さらに、本システムは、音声前置補償フィルタの動態の因果性および安定性の制約の下で基準関数が最適化されるように音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを求めるように構成され、ここで基準関数が少なくとも、
− ブライトゾーンにおける補償音場とブライトゾーンにおける目標音場との間の偏差を表す第1の項と、
− ブライトゾーンおよびダークゾーンの音場モデルに基づいてダークゾーンにおけるパワーとブライトゾーンにおけるパワーとの間の差を表す第2の加重項とを含む。
任意選択で、基準関数は、フィルタ電力を表し、かつ高フィルタ利得を不利にする第3の項をさらに含む。
例として、本システムは、スピーカの各々に対して、ブライトゾーンおよびダークゾーンに分散される複数の制御点の各々でのモデル伝達関数を推定することによって、ブライトゾーンおよびダークゾーンの音場モデルを得るように構成されてもよい。
例えば、本システムは、上記音発生システムの試験信号に対する応答を測定することによって得られる複数であるM個の制御点の各々でのインパルス応答を推定することに基づいて、上記制御点の各々でのモデル伝達関数を推定するように構成されてもよい。
代替的に、または補足として、本システムは、複数であるM個の制御点の各々でのインパルス応答のシミュレーションに基づいて上記制御点の各々でのモデル伝達関数を推定するように構成されてもよく、ここで上記シミュレーションが1次反射および/または高次反射を含む。
システムが外部源からブライトゾーンおよびダークゾーンの音場モデルを受け取ることも可能である。
一例として、基準関数は、上記M個の制御点にわたる補償モデルインパルス応答と目標インパルス応答との間の偏差のパワーの加重和を含んでもよい。
特定の例では、基準関数は、第2の加重項として、フィルタ音発生システムによって発生される、ダークゾーンにおけるパワーとブライトゾーンにおけるパワーとの間の差の期待値を含む:
式中、λおよびαは設定可能な値であり、かつσ=ΦRr(t)であり、ここでΦはダークゾーンに対する(場合により周波数依存)行列重みであり、これは判定基準のコントラスト項の異なる態様をその他の項に対して強調するために使用されることができ、係数Hはダークゾーンにおけるシステムのモデルを表し、Rは最適化されるべきフィルタであり、r(t)は入力信号の現在のサンプルであり、かつσ=ΦRr(t)であり、ここでHはブライトゾーンにおけるシステムモデルを保ち、かつTは転置演算子を表し、Φはブライトゾーンに対する(場合により周波数依存)行列重みである。
例えば、基準関数は、
として規定されてもよく、Dはブライトゾーン制御点に対する所望の伝達関数を含む行列であり、かつVは重み行列である。
別の例では、基準関数は、
として規定されてもよく、Dはブライトゾーン制御点に対する所望の伝達関数を含む行列であり、かつVおよびWは重み行列である。
さらに別の例では、基準関数は、
として規定されてもよく、ここでk≧2個のコントラスト項が使用される。
図10は、一実施形態に係るプロセッサ−メモリ実装に基づくシステム100の例を示す概略ブロック図である。この特定の例では、システム100は、少なくとも1つのプロセッサ110およびメモリ120を備え、メモリ120がプロセッサ110によって実行可能な命令を含み、それによってプロセッサが音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを求めるように動作する。
システム100は、入出力ユニット130も含んで、入力パラメータおよび/または結果的な出力パラメータなどの関連データの入力および/または出力を可能にしてもよい。
ハードウェアおよびソフトウェアの組合せに基づいて解決策を提供することも可能である。実ハードウェア−ソフトウェア分割は、処理速度、実装のコストおよび他の要件を含む幾つかの要因に基づいてシステム設計者によって決定されることができる。
図11は、一実施形態に係るコンピュータ実装200の例を示す概略図である。この特定の例では、本明細書に記載されるステップ、機能、手順、モジュールおよび/またはブロックの少なくとも一部がコンピュータプログラム225;235で実装され、これが1つまたは複数のプロセッサ210を含む処理回路網による実行のためにメモリ220へロードされる。プロセッサ210およびメモリ220は、互いに相互接続されて通常のソフトウェア実行を可能にする。入出力デバイス240もプロセッサ210および/またはメモリ220に相互接続されて、入力パラメータおよび/または結果的な出力パラメータなどの関連データの入力および/または出力を可能にしてもよい。
用語「プロセッサ」は、プログラムコードまたはコンピュータプログラム命令を実行して特定の処理、決定または計算タスクを行うことが可能な任意のシステムまたはデバイスとして一般的な意味で解釈されるべきである。
1つまたは複数のプロセッサ210を含む処理回路網は、したがって、コンピュータプログラム225を実行すると、本明細書に記載されるものなどの明確に規定された処理タスクを行うように構成される。
処理回路網は、上記のステップ、機能、手順および/またはブロックを実行することだけに専用である必要はなく、他のタスクを実行してもよい。
特定の実施形態において、コンピュータプログラム225;235は命令を含んでおり、それが少なくとも1つのプロセッサ210によって実行されると、プロセッサ210に、
− ブライトゾーンと称される少なくとも1つの空間の領域における音場およびダークゾーンと称される少なくとも1つの空間の領域における音場を描く音場モデルを得、
− ブライトゾーンにおける目標音場を得、
− 音声前置補償フィルタの動態の因果性および安定性の制約の下で基準関数が最適化されて、ブライトゾーンにおける所望の目標音場の再現を可能にする一方で、ダークゾーンにおいてできるだけ小さな音を再生するように、音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを求めさせる。
好ましくは、基準関数は少なくとも、
− ブライトゾーンにおける補償音場とブライトゾーンにおける目標音場との間の偏差を表す第1の項と、
− ブライトゾーンおよびダークゾーンの音場モデルに基づいてダークゾーンにおけるパワーとブライトゾーンにおけるパワーとの間の差を表す第2の加重項とを含む。
例として、ソフトウェアまたはコンピュータプログラム225;235はコンピュータプログラム製品として実現されてもよく、これは通常、コンピュータ可読媒体220;230、特に不揮発性媒体に保持または記憶される。コンピュータ可読媒体は、リード・オンリ・メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、コンパクト・ディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルー・レイ・ディスク、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)メモリ、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)記憶デバイス、フラッシュ・メモリ、磁気テープまたは任意の他の従来のメモリ・デバイスを含むが、これらに限定されない1つまたは複数の取り外し可能なまたは非取り外し可能なメモリ・デバイスを含んでもよい。コンピュータプログラムは、したがって、その処理回路網による実行のためにコンピュータまたは等価な処理デバイスの動作メモリへロードされてもよい。
言い換えれば、提案される技術によるフィルタ設計アルゴリズムを実装するフィルタ設計プログラムは、場合により他の関連プログラムモジュールと共に、周辺メモリ230に記憶され、プロセッサ210による実行のためにシステムメモリ220へロードされてもよい。関連入力データを考慮して、フィルタ設計プログラムは、音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを算出してもよい。
求められたフィルタパラメータは、次いで通常は、システムメモリ220からI/Oインタフェース240を介して、音声前置補償コントローラとも称される音声前置補償フィルタ10(図1を参照されたい)に転送される。
例として、音声前置補償フィルタ10は、デジタル信号プロセッサ(DSP)もしくは同様の処理ユニット、または等価なプロセッサ、およびフィルタパラメータおよび遅延信号サンプルを保持するための1つまたは複数のメモリ・モジュールに基づいてもよい。メモリ・モジュールは通常はフィルタリング・プログラムも含み、それがプロセッサによって実行されると、フィルタパラメータに基づいて実際のフィルタリングを行う。
算出されたフィルタパラメータをI/Oシステム240を介して音声前置補償フィルタ10に直接転送する代わりに、フィルタパラメータは、フィルタ設計システム100/200から遠隔で設置されてもされなくてもよい音声前置補償フィルタへの後の分配のために周辺メモリ・カードまたはメモリ・ディスクに記憶されてもよい。算出されたフィルタパラメータは、例えばインターネットを介して、かつ同時に好ましくは暗号化形式で、遠隔地からダウンロードされてもよい。
検討中の音システムによって発生される音の測定を可能にするために、任意の従来のマイクロホン・ユニットまたは同様の録音機器が、典型的にアナログ・デジタル(A/D)変換器(図示せず)を介してコンピュータ・システム100/200に接続されてもよい。
音声前置補償フィルタ10は、上述したように、後続の増幅器へのアナログまたはデジタル・インタフェースを有するデジタル信号プロセッサまたはコンピュータにおける独立機器として実現されてもよい。代替的に、それは、デジタル前置増幅器、D/A変換器、コンピュータ・サウンド・カード、コンパクト・ステレオ・システム、ホーム・シネマ・システム、コンピュータ・ゲーム・コンソール、TV、MP3プレーヤ・ドッキング・ステーション、スマートフォン、タブレット、ラップトップ・コンピュータ、または音を発するように意図された任意の他のデバイスもしくはシステムの構造に組み込まれてもよい。FPGAまたはASICなどのカスタム化計算ハードウェア構造により、よりハードウェア指向で前置補償フィルタを実現することも可能である。
前置補償が実際の再生場所への音声信号の分配と別々に行われてもよいことも理解されるべきである。音声前置補償フィルタ10によって発生される前置補償信号は、必ずしも音発生システム20に直ちに分配されかつ直接接続している必要があるわけではなく、音発生システム20への後の分配のために別の媒体に記録されてもよい。前置補償信号はその上、例えば、特定のオーディオ機器および聴取環境に調整されているCDまたはDVDディスク上の記録音楽を表し得る。それは、インターネットを通じた遠隔地へのファイルの後のダウンロードまたはストリーミングを許容するためのインターネット・サーバに記憶される前置補償音声ファイルであることもできる。
したがって、本明細書に記載される方法を使用することによって求められる音声前置補償フィルタの他に、音発生システムおよびそのような音声前置補償フィルタを備えるオーディオシステム、ならびにそのような音声前置補償フィルタによって生成されるデジタル音声信号も提供される。
本明細書に提示されるフロー図は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、1つまたは複数のコンピュータ・フロー図とみなされてもよい。対応する装置が一群の機能モジュールとして規定されてもよく、ここでプロセッサによって行われる各ステップが機能モジュールに対応する。この場合、機能モジュールは、プロセッサ上で動いているコンピュータプログラムとして実装される。
メモリに存在するコンピュータプログラムは、したがって、プロセッサによって実行されると、本明細書に記載されるステップおよび/またはタスクの少なくとも一部を行うように構成される適切な機能モジュールとして編成されてもよい。
図12は、少なくとも2つのスピーカを有する関連する音発生システムの補償のための音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを求めるための装置300の例を示す概略図である。
装置300は、ブライトゾーンと称される少なくとも1つの空間の領域における音場およびダークゾーンと称される少なくとも1つの空間の領域における音場を描く音場モデルを得るための第1のモジュール310を備える。
装置300は、ブライトゾーンにおける目標音場を得るための第2のモジュール320も備える。
装置300は、音声前置補償フィルタの動態の因果性および安定性の制約の下で基準関数が最適化されるように音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを求めるための第3のモジュール330をさらに備え、ここで基準関数が少なくとも、
− ブライトゾーンにおける補償音場とブライトゾーンにおける目標音場との間の偏差を表す第1の項と、
− ブライトゾーンおよびダークゾーンの音場モデルに基づいてダークゾーンにおけるパワーとブライトゾーンにおけるパワーとの間の差を表す第2の加重項とを含む。
代替的に、関連モジュール間の適切な相互接続により、主にハードウェアモジュールによって、または代替的にハードウェアによって、図12におけるモジュールを実現することが可能である。特定の例は、1つまたは複数の最適に構成されたデジタル信号プロセッサおよび他の公知の電子回路、例えば、前述したように、相互接続されて専用の機能を行う個別の論理ゲートおよび/または特定用途向け集積回路(ASIC)を含む。使用可能なハードウェアの他の例は、入出力(I/O)回路網ならびに/または信号を受信および/もしくは送信するための回路網を含む。ソフトウェア対ハードウェアの程度は純粋に実装選択である。
上記した実施形態は単に例として与えられ、提案される技術がそれに限定されないことが理解されるべきである。添付の請求項によって定められる本範囲から逸脱することなく実施形態に様々な修正、組合せおよび変更がなされてもよいことが当業者によって理解されるであろう。特に、異なる実施形態における異なる部分解決策が、技術的に可能な場合、他の構成に組み合わされることができる。

Claims (43)

  1. 少なくとも2つのスピーカを有する関連する音発生システム(20)の補償のための音声前置補償フィルタ(10)のフィルタパラメータを求めるための方法であって、
    − ブライトゾーンと称される少なくとも1つの空間の領域における音場およびダークゾーンと称される少なくとも1つの空間の領域における音場を描く音場モデルを求めること(S1)と、
    − 前記ブライトゾーンにおける目標音場を求めること(S2)と、
    − 前記音声前置補償フィルタの動態の因果性および安定性の制約の下で基準関数が最適化されるように、前記音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを求めること(S3)と
    を含み、前記基準関数が、少なくとも、
    − 前記ブライトゾーンにおける補償音場と前記ブライトゾーンにおける前記目標音場との間の偏差を表す第1の項と、
    − 前記ブライトゾーンおよびダークゾーンの前記音場モデルに基づいて前記ダークゾーンにおけるパワーと前記ブライトゾーンにおけるパワーとの間の差を表す第2の加重項と
    を含む、方法。
  2. 前記音声前置補償フィルタが前記関連する音発生システムに適用されると、前記ブライトゾーンにおいて所望の目標音場が再現される一方で、前記ブライトゾーンと前記ダークゾーンとの間の音圧の所望の差を再現するように、前記フィルタパラメータが求められる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記基準関数が、フィルタ電力を表し、かつ高フィルタ利得を不利にする第3の項をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ブライトゾーンおよびダークゾーンの前記音場モデルを求める前記ステップ(S1)が、前記スピーカの各々に対して、前記ブライトゾーンおよび前記ダークゾーンに分散される複数であるM個の制御点の各々でのモデル伝達関数を推定することを含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記制御点のうちのK個が前記ダークゾーンに関する一方で、前記制御点のうちのL=M−K個がブライトゾーンに関する、請求項4に記載の方法。
  6. 複数であるM個の制御点の各々でのモデル伝達関数を推定する前記ステップが、前記音発生システムの試験信号に対する応答を測定することによって得られる前記制御点の各々でのインパルス応答を推定することに基づく、請求項4または5に記載の方法。
  7. 複数であるM個の制御点の各々でのモデル伝達関数を推定する前記ステップが、前記制御点の各々でのインパルス応答のシミュレーションに基づいており、前記シミュレーションが1次反射および/または高次反射を含む、請求項4または5に記載の方法。
  8. 前記基準関数が、前記M個の制御点にわたる補償モデルインパルス応答と目標インパルス応答との間の偏差のパワーの加重和を含む、請求項4から7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記第1の項が少なくとも2つの異なる加重部分項を含み、および/または前記第2の項が少なくとも2つの異なる加重部分項を含む、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記基準関数が、前記第2の加重項として、前記フィルタ音発生システムによって発生される、前記ダークゾーンにおける前記パワーと前記ブライトゾーンにおける前記パワーとの間の前記差の期待値を含み、
    式中、λおよびαが設定可能な値であり、σ=ΦRr(t)であり、Φが前記ダークゾーンに対する行列重みであり、前記行列重みは、前記判定基準の前記コントラスト項の異なる態様をその他の項に対して強調するために使用されることができ、係数Hが前記ダークゾーンにおける前記システムのモデルを表し、Rが、最適化されるべき前記フィルタであり、r(t)が入力信号の現在のサンプルであり、σ=ΦRr(t)であり、Hが前記ブライトゾーンにおける前記システムモデルを保ち、Tが転置演算子を表し、Φが前記ブライトゾーンに対する行列重みである、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記基準関数が、
    として規定され、Dが前記ブライトゾーン制御点についての前記所望の伝達関数を含む行列であり、Vが重み行列である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記重み行列Vが、異なる周波数において、空間における或る測定位置での誤差および或るスピーカの前記フィルタ電力の最小化それぞれに対して異なる強調を割り当てるために使用される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記基準関数が、
    として規定され、Dが前記ブライトゾーン制御点に対する前記所望の伝達関数を含む行列であり、VおよびWが重み行列である、請求項10に記載の方法。
  14. 前記基準関数が、
    として規定され、k個のコントラスト項が使用され、式中:
    である、請求項10に記載の方法。
  15. 前記重み行列Vおよび/またはWが、異なる周波数において、空間における或る測定位置の誤差および或るスピーカの前記フィルタ電力の最小化それぞれに対して異なる強調を割り当てるために使用される、請求項13または14に記載の方法。
  16. 前記基準関数が、式:
    が全ての非ゼロフィルタRに対してゼロより大きい場合、下方に有界であり、Wが、
    として選択されて、十分に大きな値Qに対してこれが真であると保証し、式中、Pが、いかなるベクトルx≠0に対しても
    であり、HおよびHが、それぞれ前記ブライトゾーンおよびダークゾーンに対する伝達関数であるような行列である、請求項13から15のいずれかに記載の方法。
  17. λおよび/またはΦが反復的に求められる、請求項10から16のいずれかに記載の方法。
  18. 前記ブライトゾーンおよび前記ダークゾーンが、空間的に独立した領域を表す、請求項1から17のいずれかに記載の方法。
  19. 前記ブライトゾーンが、スピーカ出力パワーが伝達されることになる前記スピーカに対する音波ビーム方向を表す少なくとも1つの領域によって規定され、前記ダークゾーンが、スピーカ出力パワーが回避されることになる前記スピーカに対する音波ビーム方向を表す少なくとも1つの領域によって規定される、請求項1から18のいずれかに記載の方法。
  20. 前記ブライトゾーンが少なくとも2つの物理的に分離した領域を含み、および/または前記ダークゾーンが少なくとも2つの物理的に分離した領域を含み、前記ブライトゾーン領域の各々に所望の目標音場が特定される、請求項1から19のいずれかに記載の方法。
  21. 前記ブライトゾーンにおける前記目標音場が、時間的挙動およびスペクトル的挙動の両方に関して特定可能である、請求項1から20のいずれかに記載の方法。
  22. 前記ブライトゾーンにおける前記目標音場が、時間領域モデルによって特定される、請求項1から21のいずれかに記載の方法。
  23. 前記基準関数が、時間領域モデルおよび変数によって排他的に記述される、請求項1から22のいずれかに記載の方法。
  24. 少なくとも2つのスピーカを有する関連する音発生システム(20)の補償のための音声前置補償フィルタ(10)のフィルタパラメータを求めるように構成されるシステム(100;200)であって、
    前記システムが、ブライトゾーンと称される少なくとも1つの空間の領域における音場およびダークゾーンと称される少なくとも1つの空間の領域における音場を描く音場モデルを得るように構成され、
    前記システムが、前記ブライトゾーンにおける目標音場を得るように構成され、
    前記システムが、前記音声前置補償フィルタの動態の因果性および安定性の制約の下で基準関数が最適化されるように、前記音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを求めるように構成され、前記基準関数が、少なくとも、
    − 前記ブライトゾーンにおける補償音場と前記ブライトゾーンにおける前記目標音場との間の偏差を表す第1の項と、
    − 前記ブライトゾーンおよびダークゾーンの前記音場モデルに基づいて前記ダークゾーンにおけるパワーと前記ブライトゾーンにおけるパワーとの間の差を表す第2の加重項と
    を含む、システム。
  25. 前記基準関数が、フィルタ電力を表し、高フィルタ利得を不利にする第3の項をさらに含む、請求項24に記載のシステム。
  26. 前記システムが、前記スピーカの各々に対して、前記ブライトゾーンおよび前記ダークゾーンに分散される複数の制御点の各々でのモデル伝達関数を推定することによって、前記ブライトゾーンおよびダークゾーンの前記音場モデルを得るように構成される、請求項24または25に記載のシステム。
  27. 前記システムが、前記音発生システムの試験信号に対する応答を測定することによって得られる複数であるM個の制御点の各々でのインパルス応答を推定することに基づいて、前記制御点の各々でのモデル伝達関数を推定するように構成される、請求項26に記載のシステム。
  28. 前記システムが、複数であるM個の制御点の各々でのインパルス応答のシミュレーションに基づいて前記制御点の各々でのモデル伝達関数を推定するように構成され、前記シミュレーションが1次反射および/または高次反射を含む、請求項26に記載のシステム。
  29. 前記基準関数が、前記M個の制御点にわたる補償モデルインパルス応答と目標インパルス応答との間の偏差のパワーの加重和を含む、請求項24から28のいずれかに記載のシステム。
  30. 前記基準関数が、前記第2の加重項として、前記フィルタ音発生システムによって発生される、前記ダークゾーンにおける前記パワーと前記ブライトゾーンにおける前記パワーとの間の前記差の期待値を含み、
    式中、λおよびαは設定可能な値であり、σ=ΦRr(t)であり、Φは前記ダークゾーンに対する行列重みであり、前記行列重みは、前記判定基準の前記コントラスト項の異なる態様をその他の項に対して強調するために使用されることができ、係数Hは前記ダークゾーンにおける前記システムのモデルを表し、Rは、最適化されるべき前記フィルタであり、r(t)は入力信号の現在のサンプルであり、σ=ΦRr(t)であり、Hは前記ブライトゾーンにおける前記システムモデルを保ち、Tは転置演算子を表し、Φは前記ブライトゾーンに対する行列重みである、請求項24から29のいずれかに記載のシステム。
  31. 前記基準関数が、
    として規定され、Dが前記ブライトゾーン制御点に対する前記所望の伝達関数を含む行列であり、Vが重み行列である、請求項30に記載のシステム。
  32. 前記基準関数が、
    として規定され、Dが前記ブライトゾーン制御点に対する前記所望の伝達関数を含む行列であり、VおよびWが重み行列である、請求項30に記載のシステム。
  33. 前記基準関数が、
    として規定され、k個のコントラスト項が使用され、
    である、請求項30に記載のシステム。
  34. 前記ブライトゾーンおよび前記ダークゾーンが、空間的に独立した領域を表す、請求項24から33のいずれかに記載のシステム。
  35. 前記ブライトゾーンが、スピーカ出力パワーが伝達されることになる前記スピーカに対する音波ビーム方向を表す少なくとも1つの領域によって規定され、前記ダークゾーンが、スピーカ出力パワーが回避されることになる前記スピーカに対する音波ビーム方向を表す少なくとも1つの領域によって規定される、請求項24から34のいずれかに記載のシステム。
  36. 前記ブライトゾーンが少なくとも2つの物理的に分離した領域を含み、および/または前記ダークゾーンが少なくとも2つの物理的に分離した領域を含み、前記領域の各々に所望の目標音場が特定される、請求項24から35のいずれかに記載のシステム。
  37. 前記システム(100;200)が、少なくとも1つのプロセッサ(110;210)とメモリ(120;220)とを備え、前記メモリ(120;220)が命令を含み、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサ(110;210)によって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサにフィルタパラメータを求めさせる、請求項24から36のいずれかに記載のシステム。
  38. 少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも2つのスピーカを有する関連する音発生システム(20)の補償のための音声前置補償フィルタ(10)のフィルタパラメータを求めるためのコンピュータプログラム(225;235)であって、命令を含み、前記命令が前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、
    − ブライトゾーンと称される少なくとも1つの空間の領域における音場およびダークゾーンと称される少なくとも1つの空間の領域における音場を描く音場モデルを得させ、
    − 前記ブライトゾーンにおける目標音場を得させ、
    − 前記音声前置補償フィルタの動態の因果性および安定性の制約の下で基準関数が最適化されて、前記ブライトゾーンにおける所望の目標音場の再現を可能にする一方で、前記ダークゾーンにおいてできるだけ小さな音を再生するように、前記音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを求めさせる、コンピュータプログラム。
  39. 請求項38に記載のコンピュータプログラム(225;235)を記憶したコンピュータ可読媒体(220;230)を備えるコンピュータプログラム製品。
  40. 少なくとも2つのスピーカを有する関連する音発生システムの補償のための音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを求めるための装置(300)であって、
    − ブライトゾーンと称される少なくとも1つの空間の領域における音場およびダークゾーンと称される少なくとも1つの空間の領域における音場を描く音場モデルを得るための第1のモジュール(310)と、
    − 前記ブライトゾーンにおける目標音場を得るための第2のモジュール(320)と、
    − 前記音声前置補償フィルタの動態の因果性および安定性の制約の下で基準関数が最適化されるように、前記音声前置補償フィルタのフィルタパラメータを求めるための第3のモジュール(330)と
    を備え、前記基準関数が、少なくとも、
    − 前記ブライトゾーンにおける補償音場と前記ブライトゾーンにおける前記目標音場との間の偏差を表す第1の項と、
    − 前記ブライトゾーンおよびダークゾーンの前記音場モデルに基づいて前記ダークゾーンにおけるパワーと前記ブライトゾーンにおけるパワーとの間の差を表す第2の加重項と
    を含む、装置(300)。
  41. 請求項1から23のいずれかに記載の方法を使用することによって求められる音声前置補償フィルタ(10)。
  42. 音発生システム(20)と、請求項41に記載の音声前置補償フィルタ(10)とを備えるオーディオシステム(1)。
  43. 請求項41に記載の音声前置補償フィルタ(10)によって生成されるデジタル音声信号。
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